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特表2023-504962エチレン分解炉の繊維内張り表面の工事方法
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  • 特表-エチレン分解炉の繊維内張り表面の工事方法 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-02-08
(54)【発明の名称】エチレン分解炉の繊維内張り表面の工事方法
(51)【国際特許分類】
   F27D 1/00 20060101AFI20230201BHJP
   C09D 1/00 20060101ALI20230201BHJP
   C09D 7/61 20180101ALI20230201BHJP
   B05D 3/10 20060101ALI20230201BHJP
   B05D 3/12 20060101ALI20230201BHJP
   B05D 7/00 20060101ALI20230201BHJP
   F27D 1/16 20060101ALI20230201BHJP
【FI】
F27D1/00 K
C09D1/00
C09D7/61
B05D3/10 K
B05D3/12 D
B05D7/00 B
F27D1/16 C
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022506396
(86)(22)【出願日】2021-11-09
(85)【翻訳文提出日】2022-01-28
(86)【国際出願番号】 CN2021129471
(87)【国際公開番号】W WO2022100562
(87)【国際公開日】2022-05-19
(31)【優先権主張番号】202011246734.X
(32)【優先日】2020-11-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】522040322
【氏名又は名称】山▲東▼▲魯▼▲陽▼▲節▼能材料股▲フン▼有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【弁理士】
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】鹿 成洪
(72)【発明者】
【氏名】李 桂娟
(72)【発明者】
【氏名】▲陳▼ ▲凱▼
(72)【発明者】
【氏名】▲許▼ 妹▲華▼
(72)【発明者】
【氏名】任 ▲徳▼利
【テーマコード(参考)】
4D075
4J038
4K051
【Fターム(参考)】
4D075AA02
4D075AA84
4D075AA85
4D075AC57
4D075AE04
4D075BB04X
4D075BB05X
4D075BB79X
4D075CA17
4D075CB38
4D075DB20
4D075DC05
4D075EA07
4D075EA12
4D075EA35
4D075EA41
4D075EB02
4J038AA011
4J038HA441
4J038MA08
4J038MA10
4J038NA14
4J038PA06
4J038PB06
4K051AA03
4K051AB03
4K051BD01
4K051LA02
4K051LA11
(57)【要約】
本出願はエチレン分解炉の繊維内張り表面の工事方法を開示している。
当該方法は、S1:繊維内張り表面をレベリングするステップと、S2:レベリングされた前記繊維内張り表面を湿潤させるステップと、S3:湿潤された前記繊維内張り表面に対して発根操作を行うステップと、S4:前記繊維内張り表面が乾燥する前に、発根操作後の前記繊維内張り表面に高温塗料を塗布するステップであって、塗布過程で、前記繊維内張り表面には複数本の膨張スリットが予備されるステップと、を含む。前記エチレン分解炉の繊維内張り表面の工事方法によって、高温塗料と内張りとの結合が堅固になり、使用過程で、割れ及び脱落の現象が生じていなく、コーティングの、全繊維内張りに対する保護という目的を達成させ、内張りの耐用年数を大幅に延長する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
S1:繊維内張り表面をレベリングするステップと、
S2:レベリングされた前記繊維内張り表面を湿潤させるステップと、
S3:湿潤された前記繊維内張り表面に対して発根操作を行うステップと、
S4:前記繊維内張り表面が乾燥していないうちに、発根操作後の前記繊維内張り表面に高温塗料を塗布するステップであって、塗布過程で、前記繊維内張り表面には複数本の膨張スリットを予備するステップと、を含むことを特徴とするエチレン分解炉の繊維内張り表面の工事方法。
【請求項2】
繊維内張り表面をレベリングするステップは、具体的に、
任意の隣接する2つの繊維モジュールの繋ぎ目の縁を同一平面に保持するように、平板を利用して、繊維内張り表面の平らでない部位を叩くステップを含むことを特徴とする請求項1に記載のエチレン分解炉の繊維内張り表面の工事方法。
【請求項3】
レベリングされた前記繊維内張り表面を湿潤させるステップは、具体的に、
レベリングされた前記繊維内張り表面に噴水するステップであって、平方メートルあたりの前記繊維内張り表面に480~520gの水を使用するステップを含むことを特徴とする請求項1に記載のエチレン分解炉の繊維内張り表面の工事方法。
【請求項4】
レベリングされた前記繊維内張り表面を湿潤させるステップは、具体的に、
レベリングされた前記繊維内張り表面に、シリカゾルと水との希釈剤である湿潤剤を吹き付けるステップであって、前記シリカゾルの固形分含有量は28~35%であるステップと、
前記湿潤剤における水の質量と前記シリカゾルの質量との比は(0.9-1.1):1である場合、平方メートルあたりの前記繊維内張り表面に950~1100gの前記湿潤剤を使用するステップと、
前記湿潤剤における水の質量と前記シリカゾルの質量との比は(1.8-2.2):1である場合、平方メートルあたりの前記繊維内張り表面に750~850gの前記湿潤剤を使用するステップと、を含むことを特徴とする請求項1に記載のエチレン分解炉の繊維内張り表面の工事方法。
【請求項5】
湿潤された前記繊維内張り表面に対して発根操作を行うステップは、具体的に、
平方メートルあたりの前記繊維内張り表面に、孔径が10~20cmであり、孔深さが20~50cmである孔を3~5個開けるステップと、
全ての前記孔を塗料で埋め尽くすステップと、を含むことを特徴とする請求項1~4の何れか1項に記載のエチレン分解炉の繊維内張り表面の工事方法。
【請求項6】
前記繊維内張り表面が乾燥していないうちに、発根操作後の前記繊維内張り表面に高温塗料を塗布するステップは、具体的に、
ステンレス鋼コテ板を利用して、層別化塗布を行うステップであって、各層の塗り厚は3~8mmであり、平方メートルあたりの前記繊維内張り表面に5~10kgの高温塗料を使用するステップを含むことを特徴とする請求項1~4の何れか1項に記載のエチレン分解炉の繊維内張り表面の工事方法。
【請求項7】
前記繊維内張り表面が乾燥していないうちに、発根操作後の前記繊維内張り表面に高温塗料を塗布するステップは、具体的に、
空気圧縮吹付機器を利用して層別化吹付を行い、1層を吹付した後、30~60min乾燥し、そして、次の層の吹付を行うステップであって、平方メートルあたりの前記繊維内張り表面に5~10kgの高温塗料を使用するステップを含むことを特徴とする請求項1~4の何れか1項に記載のエチレン分解炉の繊維内張り表面の工事方法。
【請求項8】
空気圧縮吹付機器を利用して層別化塗布を行うステップは、具体的に、
空気圧縮吹付機器の空気圧を4kgに調節し、吹付距離を20~80cmに制御し、各層に2~3mm吹き付けて、層別化塗布を行うステップ、または、
空気圧縮吹付機器の空気圧を5kgに調節し、吹付距離を20~80cmに制御し、各層に2~3mm吹き付けて、層別化塗布を行うステップ、または、
空気圧縮吹付機器の空気圧を6kgに調節し、吹付距離を20~50cmに制御し、各層に2~3mm吹き付けて、層別化塗布を行うステップを含むことを特徴とする請求項7に記載のエチレン分解炉の繊維内張り表面の工事方法。
【請求項9】
前記繊維内張り表面が乾燥していないうちに、発根操作後の前記繊維内張り表面に高温塗料を塗布するステップの前に、さらに、
高温塗料を攪拌し、高温塗料が長期放置によって増粘した場合、高温塗料に1%~2%の水を添加し、希釈して攪拌することで、高温塗料と水とを均一に混合するステップを含むことを特徴とする請求項1~4の何れか1項に記載のエチレン分解炉の繊維内張り表面の工事方法。
【請求項10】
前記塗布過程で、前記繊維内張り表面には複数本の膨張スリットを予備するステップは、具体的に、
前記繊維内張り表面に3~5mの高温塗料を吹き付けたごとに、幅が5~10mmである膨張スリットを予備するステップを含むことを特徴とする請求項1~4の何れか1項に記載のエチレン分解炉の繊維内張り表面の工事方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は2020年11月10日にて中国特許庁に提出され、出願番号が202011246734.Xであり、発明名称が「エチレン分解炉の繊維内張り表面の工事方法」である中国特許発明の優先権を主張して、その全ての内容は援用されることで、本発明に結合されている。
【0002】
本出願は化学工業機器の技術分野に関して、特に、エチレン分解炉の繊維内張り表面の工事方法に関している。
【背景技術】
【0003】
石油化学工業において、分解装置はエネルギー消費量が最も高い装置の1つであり、社会が省エネルギー・排出削減に対してより高い要求を提出することに連れて、分解装置の熱効率の向上は極めて重要になる。従って、分解炉の耐火内張りは、高温使用の要求を満たすことができる上に、十分な強度及び高い熱効率を具備して、耐洗掘及び省エネルギーの効果を達する必要がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
伝統の煉瓦壁の内張り構造の熱伝導率が高く、熱効率が低く、そして、煉瓦壁構造の耐熱衝撃性が悪いため、長時間の高温使用の過程で、熱応力の作用によって、内張りにひび割れを発生させ、ひび割れの拡張のため、煉瓦壁構造の脱落を招致し、内張りの耐用年数を低減させる。エチレン分解炉の熱効率を向上させる目的で、全繊維内張りは、その熱伝導率が低く、耐熱衝撃性がよいから、研究のホットスポットになる。ただし、セラミック繊維毛布、セラミック繊維板、セラミック繊維モジュールなどの製品を単独に利用して複合された内張り構造は、繊維製品自体の耐風食性が悪いため、長時間で風速及び炉内の雰囲気に影響されると、繊維の粉末化、内張りの耐用年数の低下を招致する恐れがある。
【0005】
本発明は、従来の全繊維内張りの高温塗料の工事が規範的でなく、方法が科学的ではなく、塗料工事後の耐用年数が低く、塗料が繊維内張りから分離し、脱落しやすいという問題を解決するための、エチレン分解炉の繊維内張り表面の工事方法を提供することを、目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記目的を実現するために、本出願はエチレン分解炉の繊維内張り表面の工事方法を提供し、該当工事方法は、
S1:繊維内張り表面をレベリングするステップと、
S2:レベリングされた前記繊維内張り表面を湿潤させるステップと、
S3:湿潤された前記繊維内張り表面に対して発根操作を行うステップと、
S4:前記繊維内張り表面が乾燥していないうちに、発根操作後の前記繊維内張り表面に高温塗料を塗布するステップであって、塗布過程で、前記繊維内張り表面には複数本の膨張スリットを予備するステップと、を含む。
【0007】
好ましくは、繊維内張り表面をレベリングするステップは具体的に、
任意の隣接する2つの繊維モジュールの繋ぎ目の縁を同一平面に保持するように、平板を利用して、繊維内張り表面の平らでない部位を叩くステップを含む。
【0008】
好ましくは、レベリングされた前記繊維内張り表面を湿潤させるステップは、具体的に、
レベリングされた前記繊維内張り表面に噴水するステップであって、平方メートルあたりの前記繊維内張り表面に480~520gの水を使用するステップを含む。
【0009】
好ましくは、レベリングされた前記繊維内張り表面を湿潤させるステップは、具体的に、
レベリングされた前記繊維内張り表面に、シリカゾルと水との希釈剤である湿潤剤を吹き付けるステップであって、前記シリカゾルの固形分含有量は28~35%であるステップと、
前記湿潤剤における水の質量と前記シリカゾルの質量との比は(0.9-1.1):1である場合、平方メートルあたりの前記繊維内張り表面に950~1100gの前記湿潤剤を使用するステップと、
前記湿潤剤における水の質量と前記シリカゾルの質量との比は(1.8-2.2):1である場合、平方メートルあたりの前記繊維内張り表面に750~850gの前記湿潤剤を使用するステップと、含む。
【0010】
好ましくは、湿潤された前記繊維内張り表面に対して発根操作を行うステップは、具体的に、
平方メートルあたりの前記繊維内張り表面に、孔径が10~20cmであり、孔深さが20~50cmである孔を3~5個開けるステップと、
全ての前記孔を塗料で埋め尽くすステップと、を含む。
【0011】
好ましくは、前記繊維内張り表面が乾燥していないうちに、発根操作後の前記繊維内張り表面に高温塗料を塗布するステップは、具体的に、
ステンレス鋼コテ板を利用して、層別化塗布を行うステップであって、各層の塗り厚は3~8mmであり、平方メートルあたりの前記繊維内張り表面に5~10kgの高温塗料を使用するステップを含む。
【0012】
好ましくは、前記繊維内張り表面が乾燥していないうちに、発根操作後の前記繊維内張り表面に高温塗料を塗布するステップは、具体的に、
空気圧縮吹付機器を利用して、層別化吹付を行い、1層を吹付した後、30~60min乾燥し、そして、次の層の吹付を行って、平方メートルあたりの前記繊維内張り表面に5~10kgの高温塗料を使用するステップを含む。
【0013】
好ましくは、空気圧縮吹付機器を利用して層別化塗布を行うステップは、具体的に、
空気圧縮吹付機器の空気圧を4kgに調節し、吹付距離を20~80cmに制御し、各層に2~3mm吹き付けて、層別化塗布を行うステップ、または、
空気圧縮吹付機器の空気圧を5kgに調節し、吹付距離を20~80cmに制御し、各層に2~3mm吹き付けて、層別化塗布を行うステップ、または、
空気圧縮吹付機器の空気圧を6kgに調節し、吹付距離を20~50cmに制御し、各層に2~3mm吹き付けて、層別化塗布を行うステップを含む。
【0014】
好ましくは、前記繊維内張り表面が乾燥していないうちに、発根操作後の前記繊維内張り表面に高温塗料を塗布するステップの前に、さらに、
高温塗料を攪拌し、高温塗料が長期放置によって増粘した場合、高温塗料に1%~2%の水を添加し、希釈して攪拌することで、高温塗料と水とを均一に混合するステップを含む。
【0015】
好ましくは、前記塗布過程で、前記繊維内張り表面には複数本の膨張スリットを予備するステップは、具体的に、
前記繊維内張り表面に3~5mの高温塗料を吹き付けたごとに、幅が5~10mmである膨張スリットを予備する。
【0016】
前記背景技術に対して、本発明の実施例が提供したエチレン分解炉の繊維内張り表面の工事方法は、
S1:繊維内張り表面をレベリングするステップと、
S2:レベリングされた前記繊維内張り表面を湿潤させるステップと、
S3:湿潤された前記繊維内張り表面に対して発根操作を行うステップと、
S4:前記繊維内張り表面が乾燥していないうちに、発根操作後の前記繊維内張り表面に高温塗料を吹き付けるステップであって、吹付過程で、前記繊維内張り表面には複数本の膨張スリットを予備するステップと、を含む。
【0017】
このように配置された工事方法において、高温塗料を吹き付ける前に、繊維内張り表面に対して、レベリング、湿潤という前処理を行って、高温塗料と繊維内張りとの堅固結合を確保する。本明細書において、塗料工事の前に、繊維内張りに対して発根処理を行うことで、コーティングと発根注入の塗料とを一体に形成させ、高温条件で、塗料は焼成され、セラミックス結合に形成され、コーティングの結合がより堅固になる。また、塗料工事後、塗料に対して膨張スリットを予備することで、高温塗料がオーブン、及び使用過程中で、繊維内張りと高温塗料との膨張係数の不一致による、高温コーティングの表面にひび割れを形成するという欠陥を避ける。本明細書の工事方法を採用して、エチレン分解炉の全繊維内張り構造の高温塗料の工事を行うと、高温塗料と内張りとの結合が堅固であり、使用過程で、割れ及び脱落の現象が生じていなく、コーティングの、全繊維内張りに対する保護という目的を達成させ、内張りの耐用年数を大幅に延長する。
【図面の簡単な説明】
【0018】
本発明の実施例または従来技術における技術案をより明らかに説明するために、以下は実施例または従来技術の記載の必要な図面を簡単に紹介し、明らかに、以下に記載の図面は本発明の実施例のみであり、当業者にとって、進歩性に値する労働をしない前提で、提供した図面に基づき、他の図面を取得できる。
図1】本発明の実施例が所提供したエチレン分解炉の繊維内張り表面の工事方法のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下は、本発明の実施例の図面を結合して、本発明の実施例の技術案を明らか且つ完全に記載し、明らかに、記載の実施例は全ての実施例ではなく、本発明の一部の実施例のみである。本発明中の実施例に基づき、当業者は進歩性に値する労働をしない前提で、取得した他の全ての実施例は、いずれも本発明の保護範囲に該当する。
【0020】
当業者が本発明の技術案をよりよく理解するために、以下は、図面及び具体的な実施形態を結合して、本発明をさらに詳しく説明する。
【0021】
実施例1:
本発明の実施例が提供したエチレン分解炉の繊維内張り表面の工事方法について、明細書の図面1を参照して、以下のステップを含み、
S1:繊維内張り表面をレベリングする。エチレン分解炉のバッキング層及び繊維モジュールの工事が完了した後、繊維内張り表面をレベリングして、隣接する繊維モジュールの繋ぎ目の縁が同一平面に保持されるまで、平らでない部位を平板で叩いて、即ち、繊維内張り表面を平坦まで叩くことで、繊維内張り表面に平坦な平面を呈させ;
S2:繊維内張り表面に対して湿潤処理を行う。高温塗料と繊維内張りとの結合効果を向上させるために、まず、湿潤剤を利用して、繊維内張り表面に対して湿潤処理を行う。前記湿潤剤は水を採用し、吹付機器を利用して、湿潤剤を表面に吹き付けて、平方メートルあたりの繊維内張りに480~520gの水を吹き付けて、表面の湿潤処理を行って、最も好ましくは、平方メートルあたりの繊維内張りに500gの水を吹き付け;
S3:発根操作を行う。まず、穿孔機を利用して、繊維内張り表面に孔を作り、平方メートルあたりの繊維内張りに、孔径が10~20mmであり、孔深さが20~50mmである孔を3~5個開けて、そして、発根用塗料をグルーガンに充填し、孔が発根塗料で満たされるまで、グルーガンで塗料を前記作られた孔に圧入し;
S4:塗布操作を行う。繊維内張り表面の湿潤剤が乾燥していないうちに、塗りまたは吹付方式で、繊維内張り表面の高温塗料の工事を行う。塗り方式で工事を行うと、専用のステンレス鋼コテ板を利用して、数回に分けて、均一に塗って、塗り厚は3~8mmである。吹付方式で工事を行って、空気圧縮吹付方法で吹き付けると、まず、吹付機器の詰まりを防止するために、専用の吹付機器を洗浄し、吹付機器の管路が清潔でスムーズであることを保証し、そして、吹付機器に塗料を充填して吹き付けを行い、空気圧が4kgであり、吹付距離が20cm~80cmであり、コーティングの厚さが設計要求に達するまで、毎回2~3mmだけ吹き付け、30min~60min自然乾燥した後、次の吹付を行う。塗り及び吹付方法で工事を行うと、平方メートルあたりの内張りは、5~10kgの高温塗料を必要とする。
【0022】
ステップ4)において、膨張スリットを予備する必要があり、高温塗料がオーブン、及び使用過程中で、繊維内張りと高温塗料との膨張係数の不一致によって、高温コーティングの表面にひび割れを形成するという欠陥を避けるために、3~5mごとに幅が5~10mmである1本の膨張スリットを予備する必要があり、即ち、膨張スリットはいずれも垂直方向に沿って配置される。
【0023】
吹き付ける前に、撹拌機を利用して前記高温塗料を攪拌し、塗料が長期放置によって増粘した場合、1%~2%の水を添加し、希釈して攪拌し、塗料と水とを均一に混合するために、十分に攪拌しなければならない。
【0024】
実施例2:
エチレン分解炉の繊維内張り表面の工事方法は、以下のステップを含み、
S1:実施例1に類似し、まず、繊維内張り表面をレベリングする。エチレン分解炉のバッキング層及び繊維モジュールの工事が完了した後、繊維内張り表面をレベリングして、隣接する繊維モジュールの繋ぎ目の縁を同一平面に保持するまで、平らでない部位を平板で叩き;
S2:繊維内張り表面に対して湿潤処理を行って、実施例1と異なるのは、ここで、湿潤剤は水ではなく、シリカゾルと水との希釈剤であり、具体的に、高温塗料と繊維内張りとの結合効果を向上させるために、まず、湿潤剤を利用して、繊維内張り表面に対して湿潤処理を行う。前記湿潤剤は具体的に、シリカゾルと水との希釈剤であり、シリカゾルの固形分含有量は28~35%であり、最も好ましくは、30%であり、湿潤剤における、水の質量とシリカゾルの質量との比は(0.9-1.1):1であり、最も好ましくは、1:1の配合比率であり、平方メートルあたりの繊維内張り表面に950~1100g、最も好ましくは、1000gの湿潤剤を使用する。
【0025】
シリカゾルは具体的にシリカゾルであり、そうすれば、シリカの固形分含有量は28~35%である。
【0026】
S3:発根操作は実施例1に類似し、まず、穿孔機を利用して、繊維内張り表面に孔を作り、平方メートルあたりの繊維内張りに、孔径が10~20mmであり、孔深さが20~50mmである孔を3~5個開けて、そして、発根用塗料をグルーガンに充填し、孔が発根塗料で満たされるまで、グルーガンで塗料を前記作られた孔に圧入し;
S4:塗布を行って、実施例1と異なるのは、異なる空気圧及び吹付距離で吹き付けてもよく、即ち、繊維内張り表面の湿潤剤が乾燥する前に、塗りまたは吹付方式で、繊維内張り表面の高温塗料の工事を行う。塗り方式で工事を行うと、専用のステンレス鋼コテ板を利用して、数回に分けて、均一に塗って、塗り厚は3~8mmである。吹付方式で工事を行って、空気圧縮吹付方法で吹き付けると、まず、吹付機器の詰まりを防止するために、専用の吹付機器を洗浄し、吹付機器の管路が清潔でスムーズであることを保証し、そして、吹付機器に塗料を充填して吹き付け、空気圧が5kgであり、吹付距離が20cm~80cmであり、コーティングの厚さが設計要求に達するまで、毎回2~3mmだけ吹き付け、30min~60min自然乾燥した後、次の吹付を行う。塗り及び吹付方法で工事を行うと、平方メートルあたりの内張りは、5~10kgの高温塗料を必要とする。
【0027】
同じように、膨張スリットを予備する必要がある。高温塗料がオーブン、及び使用過程中で、繊維内張りと高温塗料との膨張係数の不一致によって、高温コーティングの表面にひび割れを形成するという欠陥を避けるために、3~5mごとに幅が5~10mmである1本の膨張スリットを予備する必要がある。
【0028】
吹き付ける前に、撹拌機を利用して前記高温塗料を攪拌し、塗料が長期放置によって増粘した場合、1%~2%の水を添加し、希釈して攪拌し、塗料と水とを均一に混合するために、十分に攪拌しなければならない。
【0029】
実施例3:
エチレン分解炉の繊維内張り表面の工事方法は、以下のステップを含み、
S1:実施例一に類似し、繊維内張り表面をレベリングする。エチレン分解炉のバッキング層及び繊維モジュールの工事が完了した後、繊維内張り表面をレベリングし、隣接する繊維モジュールの繋ぎ目の縁を同一平面に保持するまで、平らでない部位を平板で叩き;
S2:繊維内張り表面に対して湿潤処理を行い、実施例2との相違点は、湿潤剤における、水の質量とシリカゾルの質量との比であり、具体的に、繊維内張り表面に対して湿潤処理を行う。高温塗料と繊維内張りとの結合効果を向上させるために、まず、湿潤剤を利用して、繊維内張り表面に対して湿潤処理を行う。前記湿潤剤は具体的に、シリカゾルと水との希釈剤であり、シリカゾルの固形分含有量は28~35%であり、好ましくは、30%であり、湿潤剤における、水の質量とシリカゾルの質量との比は(1.8-2.2):1であり、好ましくは、2:1の配合比率であり、平方メートルあたりの繊維内張り表面に750~850g、好ましくは、800gの湿潤剤を使用する。
【0030】
シリカゾルは具体的にシリカゾルであり、そうすれば、シリカの固形分含有量は28~35%である。
【0031】
S3:発根操作は実施例1に類似し、まず、穿孔機を利用して、繊維内張り表面に孔を作り、平方メートルあたりの繊維内張りに、孔径が10~20mmであり、孔深さが20~50mmである孔を3~5個開け、そして、発根用塗料をグルーガンに充填し、孔が発根塗料で満たされるまで、グルーガンで塗料を前記作られた孔に圧入し;
S4:塗布を行って、実施例2の空気圧及び吹付距離と異なって、即ち、繊維内張り表面の湿潤剤が乾燥する前に、塗りまたは吹付方式で、繊維内張り表面の高温塗料の工事を行う。塗り方式で工事を行うと、専用のステンレス鋼コテ板を利用して、数回に分けて均一に塗り、塗り厚は3~8mmである。吹付方式で工事を行って、空気圧縮吹付方法で吹き付けると、まず、吹付機器の詰まりを防止するために、専用の吹付機器を洗浄し、吹付機器の管路が清潔でスムーズであることを保証し、そして、吹付機器に塗料を充填して吹き付け、空気圧が6kgであり、吹付距離が20cm~50cmであり、コーティングの厚さが設計要求に達するまで、毎回2~3mmだけ吹き付け、30min~60min自然乾燥した後、次の吹付を行う。塗り及び吹付方法で工事を行うと、平方メートルあたりの内張りは、5~10kgの高温塗料を必要とする。
【0032】
また、膨張スリットを予備する必要がある。高温塗料がオーブン、及び使用過程中で、繊維内張りと高温塗料との膨張係数の不一致によって、高温コーティングの表面にひび割れを形成するという欠陥を避けるために、3~5mごとに幅が5~10mmである1本の膨張スリットを予備する必要がある。
【0033】
吹き付ける前に、撹拌機を利用して前記高温塗料を攪拌し、塗料が長期放置によって増粘した場合、1%~2%の水を添加し、希釈して攪拌し、塗料と水とを均一に混合するために、十分に攪拌しなければならない。
【0034】
本明細書のエチレン分解炉の繊維内張り表面の工事方法において、塗料工事の前に、繊維内張り表面に対して、レベリング、湿潤という前処理を行って、塗料と繊維内張りとの結合を確保し、塗料と繊維内張りとの結合強度を向上させ、塗料の塗り及び吹付工事の前に、繊維内張りに対して発根処理を行ってから、繊維内張り表面に、高温塗料の工事を行って、コーティングと発根注入の塗料とを一体に形成させ、高温条件で、発根塗料と表面のコーティングとは焼成され、セラミックス結合に形成され、コーティングの結合がより堅固になり、また、塗料工事後、塗料に対して膨張スリットを予備することで、高温塗料がオーブン、及び使用過程で、繊維内張りと高温塗料との膨張係数の不一致によって、高温コーティングの表面にひび割れを形成するという欠陥を避ける。
【0035】
以上は本発明が提供したエチレン分解炉の繊維内張り表面の工事方法を詳しく紹介した。本明細書において、具体的な例を利用して、本発明の原理及び実施形態を記載し、以上の実施例に対する説明は、ただ本発明の方法及びその中心思想を理解するためのものである。ここで、当業者にとって、本発明の原理から逸脱しない前提で、本発明に対していくつかの改良及び修飾を行ってもよく、これらの改良及び修飾も、本発明の請求項の保護範囲内に該当する。
図1
【国際調査報告】