(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-02-08
(54)【発明の名称】フィクスチャレスロボット組立
(51)【国際特許分類】
B23P 19/04 20060101AFI20230201BHJP
B33Y 30/00 20150101ALI20230201BHJP
B22F 10/16 20210101ALI20230201BHJP
B22F 10/18 20210101ALI20230201BHJP
B22F 10/28 20210101ALI20230201BHJP
B22F 10/25 20210101ALI20230201BHJP
B22F 12/90 20210101ALI20230201BHJP
B23P 21/00 20060101ALI20230201BHJP
B22F 12/88 20210101ALI20230201BHJP
B25J 13/00 20060101ALI20230201BHJP
【FI】
B23P19/04 G
B33Y30/00
B22F10/16
B22F10/18
B22F10/28
B22F10/25
B22F12/90
B23P21/00 303B
B22F12/88
B25J13/00 Z
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022526689
(86)(22)【出願日】2020-11-19
(85)【翻訳文提出日】2022-07-08
(86)【国際出願番号】 US2020061365
(87)【国際公開番号】W WO2021102189
(87)【国際公開日】2021-05-27
(32)【優先日】2019-11-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2020-11-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】516093851
【氏名又は名称】ダイバージェント テクノロジーズ, インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】Divergent Technologies, Inc.
【住所又は居所原語表記】19601 Hamilton Avenue,Los Angeles,California 90502 USA
(74)【代理人】
【識別番号】100120891
【氏名又は名称】林 一好
(74)【代理人】
【識別番号】100165157
【氏名又は名称】芝 哲央
(74)【代理人】
【識別番号】100205659
【氏名又は名称】齋藤 拓也
(74)【代理人】
【識別番号】100126000
【氏名又は名称】岩池 満
(74)【代理人】
【識別番号】100185269
【氏名又は名称】小菅 一弘
(72)【発明者】
【氏名】ジンガー ルーカス フィリップ
【テーマコード(参考)】
3C030
3C707
4K018
【Fターム(参考)】
3C030BC16
3C030BD01
3C030CC07
3C707AS06
3C707AS13
3C707AS23
3C707BS09
3C707GS01
3C707JS03
3C707LT17
4K018KA01
(57)【要約】
コンピューティングシステムは、第一の座標のセットに基づいて第一のロボットアームを第一の位置に向けてもよい。コンピューティングシステムは、第一のロボットアームの第一の位置に基づいて、第一のロボットアームを第一の構造体と係合させてもよい。さらに、コンピューティングシステムは、第二の座標のセットに基づいて、第一のロボットアームを第二の位置に向けることで、第一の構造体を保持するフィクスチャがなく、かつ第二の構造体を保持するフィクスチャがない状態で、第一の構造体が第二の構造体の接合近接部内に導かれてもよく、第一及び第二の構造体が接合近接部内にあるとき、第一の構造体は第二の構造体と接合されるように構成されており、接合近接部は、第一及び第二の構造体が一緒に接合できる近さである。
【選択図】
図6E
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第一のロボットアームと、
メモリと通信可能に接続されたプロセッサと、
を備える、装置であって、前記プロセッサが、
第一の座標のセットに基づいて前記第一のロボットアームを第一の位置に向けることと、
前記第一のロボットアームの前記第一の位置に基づいて、前記第一のロボットアームを第一の構造体と係合させることと、
第二の座標のセットに基づいて、前記第一のロボットアームを第二の位置に向けることで、前記第一の構造体を保持するフィクスチャがなく、かつ第二の構造体を保持するフィクスチャがない状態で、前記第一の構造体が前記第二の構造体の接合近接部内に導かれることであって、前記第一及び第二の構造体が前記接合近接部内にあるとき、前記第一の構造体は前記第二の構造体と接合されるように構成されており、前記接合近接部は、前記第一及び第二の構造体が一緒に接合できる近さである、こと、
を行わせるように構成される、装置。
【請求項2】
前記プロセッサが、
前記接合近接部の範囲内にあるとき、前記第一の構造体及び前記第二の構造体を接合するよう指示するように、さらに構成される、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記第一の構造体は、第一の接着剤で前記第二の構造体に接合される、請求項2に記載の装置。
【請求項4】
硬化デバイスで前記第一の接着剤を硬化させるように構成された第二のロボットアーム
をさらに備える、請求項3に記載の装置。
【請求項5】
前記第一の接着剤は、紫外線への曝露によって硬化される、請求項3に記載の装置。
【請求項6】
前記プロセッサは、
前記第一の構造体又は前記第二の構造体の少なくとも一方の少なくとも1つの表面に前記第一の接着剤を塗布させることであって、前記第一の構造体と前記第二の構造体は、前記第一の接着剤が塗布された第一の構造体又は第二の構造体の前記少なくとも一方の少なくとも1つの表面で接合される、ことと、
前記第一の接着剤を硬化させることと、
を行わせるように、さらに構成される、請求項3に記載の装置。
【請求項7】
前記プロセッサは、
接合された前記第一及び第二の構造体又は第三の構造体の少なくとも一方の少なくとも1つの表面に第二の接着剤を塗布させることと、
前記第二の接着剤が塗布された、接合された前記第一及び第二の構造体又は第三の構造体の前記少なくとも一方の前記少なくとも1つの表面で、接合された前記第一及び第二の構造体を前記第三の構造体と接合させることと、
前記第二の接着剤を硬化させることと、
を行わせるように、さらに構成される、請求項6に記載の装置。
【請求項8】
前記第一及び第二の接着剤のそれぞれが速硬化接着剤からなり、前記速硬化接着剤が紫外線(UV)への曝露によって硬化される、請求項7に記載の装置。
【請求項9】
前記第一の座標のセット又は前記第二の座標のセットの少なくとも一方は、移動-測定-修正手順に基づく、請求項1に記載の装置。
【請求項10】
前記移動-測定-修正手順が、レーザ計測に基づく、請求項9に記載の装置。
【請求項11】
前記第一の構造体は、前記第二の位置で前記第二の構造体の凹部に挿入される突出部を含む、請求項1に記載の装置。
【請求項12】
接着剤が前記第二の構造体の前記凹部に堆積され、前記第一の構造体の前記突出部は前記接着剤によって前記第二の構造体にボンディングされる、請求項11に記載の装置。
【請求項13】
前記第一の構造体及び前記第二の構造体は、前記第二の位置において接触しておらず、前記プロセッサは、
前記第一の構造体及び前記第二の構造体を、前記第一の構造体と前記第二の構造体との間の接触なしに、前記接合近接部内で接合させるように、
さらに構成される、請求項1に記載の装置。
【請求項14】
前記第一の構造体及び前記第二の構造体は、接着剤を用いて接触せずに接合される、請求項13に記載の装置。
【請求項15】
前記第一のロボットアームは、前記第一のロボットアームから取り外し可能なエンドエフェクタで前記第一の構造体と係合する、請求項1に記載の装置。
【請求項16】
前記第一のロボットアームは、前記第一のロボットアームと一体化したエンドエフェクタで前記第一の構造体と係合する、請求項1に記載の装置。
【請求項17】
前記第一の構造体は、500ミリリットル以上の体積を有する、請求項1に記載の装置。
【請求項18】
第一の構造体は、100グラム以上の重量を有する、請求項1に記載の装置。
【請求項19】
第一の構造体が車両のシャーシの一部分を含む、請求項1に記載の装置。
【請求項20】
前記第一の構造体が前記接合近接部内に導かれたときに、前記第二の構造体と係合するように構成された第二のロボットアーム
をさらに備える、請求項1に記載の装置。
【請求項21】
第一のロボットアームと、
メモリと通信可能に接続されたプロセッサと、
を備える装置であって、前記プロセッサが、
前記第一のロボットアームに、第一のパーツを係合させることと、
前記第一のロボットアームに、前記第一のパーツを第二のパーツと接合可能な位置まで移動させることと、
前記第一のロボットアームに前記第一のパーツの係合を解除させることと、
前記第一のロボットアームに第三のパーツを係合させることであって、前記第三のパーツは前記第一のパーツとは異なるパーツである、ことと、
前記第一のロボットアームに、前記第三のパーツが前記第一及び第二のパーツを含むサブアセンブリと接合可能な位置まで、前記第三のパーツを移動させることと、
を行わせるように構成される、装置。
【請求項22】
第二のロボットアームをさらに備え、前記プロセッサは、
前記第二のロボットアームに前記第二のパーツを係合させることと、
前記第二のロボットアームに、前記第一のパーツが前記第二のパーツと接合可能な位置にある場合に、前記第二のパーツを前記第一のパーツと接合可能な位置まで移動させることと、
を行わせるように、さらに構成される、請求項21に記載の装置。
【請求項23】
前記第二のロボットアームは、複数の他のパーツが前記サブアセンブリと接合される間のフィクスチャレス組立プロセスを通じて、前記サブアセンブリを前記第二のパーツでフィクスチャレス保持するように構成される、請求項22に記載の装置。
【請求項24】
第三のロボットアームをさらに備え、前記プロセッサは、
前記第一のパーツが前記第二のパーツと接合可能な位置にある場合に、前記第三のロボットアームに、前記第一のパーツと前記第二のパーツとにわたって仮接着剤を塗布させるように、さらに構成される、請求項21に記載の装置。
【請求項25】
前記プロセッサは、
前記仮接着剤が前記第一のパーツと前記第二のパーツとにわたって塗布される場合に、前記第三のロボットアームに前記仮接着剤を硬化させるように、
さらに構成される、請求項24に記載の装置。
【請求項26】
紫外線(UV)を放射するように構成されたツールであって、前記第三のロボットアームと接続されている、ツールをさらに備え、
前記仮接着剤は紫外線硬化接着剤からなり、前記第三のロボットアームは、前記仮接着剤に向けられた紫外線を放射するように前記ツールを制御することによって、前記仮接着剤を硬化させるように構成される、請求項25に記載の装置。
【請求項27】
第四のロボットアームをさらに備え、前記プロセッサは、
前記第一のロボットアームに、構造接着剤を塗布することができる位置に移動させることであって、前記構造接着剤を塗布することができる位置は、前記第一のパーツが前記第二のパーツと接合可能な位置とは異なる、ことと、
前記第一のパーツが前記第二のパーツと接合可能な位置に移動される前に、前記第四のロボットアームに、前記第一のパーツに前記構造接着剤を塗布させることと、
を行わせるように、さらに構成される、請求項21に記載の装置。
【請求項28】
前記第一のパーツが前記第二のパーツと接合可能な位置にある場合に、前記構造接着剤は、前記第一のパーツの前記第二のパーツに面する表面に塗布される、請求項27に記載の装置。
【請求項29】
前記プロセッサは、前記第一のパーツに対する移動-測定-修正手順の適用に基づいて、前記第一のロボットアームに、前記第一のパーツを前記第二のパーツと接合可能な位置に移動させるように構成される、請求項21に記載の装置。
【請求項30】
前記第一のパーツに関連する位置データを得るように構成された計測システムであって、前記移動-測定-修正手順の適用が前記位置データに基づく、計測システムをさらに備える、請求項29に記載の装置。
【請求項31】
フィクスチャレス組立システムにおいて1つ以上のロボットアームを制御するためのコンピュータ実行可能なコードを格納するコンピュータ可読媒体であって、前記コードは、少なくとも1つのプロセッサによって実行されると、前記少なくとも1つのプロセッサに、
第一の座標のセットに基づいて第一のロボットアームを第一の位置に向けることと、
前記第一のロボットアームの前記第一の位置に基づいて、前記第一のロボットアームを第一の構造体と係合させることと、
第二の座標のセットに基づいて、前記第一のロボットアームを第二の位置に向けることで、前記第一の構造体を保持するフィクスチャがなく、かつ第二の構造体を保持するフィクスチャがない状態で、前記第一の構造体が前記第二の構造体の接合近接部内に導かれることであって、前記第一及び第二の構造体が前記接合近接部内にあるとき、前記第一の構造体は前記第二の構造体と接合されるように構成されており、前記接合近接部は、前記第一及び第二の構造体が一緒に接合できる近さである、ことと、
を行わせるように構成される、コンピュータ可読媒体。
【請求項32】
前記接合近接部の範囲内にあるとき、前記第一の構造体及び前記第二の構造体を接合するよう指示するコード
をさらに備える、請求項31に記載のコンピュータ可読媒体。
【請求項33】
前記第一の構造体は、第一の接着剤で前記第二の構造体に接合される、請求項32に記載のコンピュータ可読媒体。
【請求項34】
硬化デバイスで前記第一の接着剤を硬化させるコード
をさらに備える、請求項33に記載のコンピュータ可読媒体。
【請求項35】
前記第一の接着剤は、紫外線への曝露によって硬化される、請求項33に記載のコンピュータ可読媒体。
【請求項36】
前記第一の構造体又は前記第二の構造体の少なくとも一方の少なくとも1つの表面に前記第一の接着剤を塗布させることであって、前記第一の構造体と前記第二の構造体は、前記第一の接着剤が塗布された第一の構造体又は第二の構造体の前記少なくとも一方の少なくとも1つの表面で接合される、ことと、
前記第一の接着剤を硬化させることと、
を行うコードをさらに備える、請求項33に記載のコンピュータ可読媒体。
【請求項37】
接合された前記第一及び第二の構造体又は第三の構造体の少なくとも一方の少なくとも1つの表面に第二の接着剤を塗布させることと、
前記第二の接着剤が塗布された、接合された前記第一及び第二の構造体又は第三の構造体の前記少なくとも一方の前記少なくとも1つの表面で、接合された前記第一及び第二の構造体を前記第三の構造体と接合させることと、
前記第二の接着剤を硬化させることと、
を行うコードをさらに備える、請求項36に記載のコンピュータ可読媒体。
【請求項38】
前記第一及び第二の接着剤のそれぞれが速硬化接着剤からなり、前記速硬化接着剤が紫外線(UV)への曝露によって硬化される、請求項37に記載のコンピュータ可読媒体。
【請求項39】
前記第一の座標のセット又は前記第二の座標のセットの少なくとも一方は、移動-測定-修正手順に基づく、請求項31に記載のコンピュータ可読媒体。
【請求項40】
前記移動-測定-修正手順が、レーザ計測に基づく、請求項39に記載のコンピュータ可読媒体。
【請求項41】
前記第一の構造体は、前記第二の位置で前記第二の構造体の凹部に挿入される突出部を含む、請求項31に記載のコンピュータ可読媒体。
【請求項42】
接着剤が前記第二の構造体の前記凹部に堆積され、前記第一の構造体の前記突出部は前記接着剤によって前記第二の構造体にボンディングされる、請求項41に記載のコンピュータ可読媒体。
【請求項43】
前記第一の構造体及び前記第二の構造体は、前記第二の位置において接触しておらず、
前記第一の構造体及び前記第二の構造体を、前記第一の構造体と前記第二の構造体との間の接触なしに、前記接合近接部内で接合させるのコードをさらに備える、請求項31に記載のコンピュータ可読媒体。
【請求項44】
前記第一の構造体及び前記第二の構造体は、接着剤を用いて接触せずに接合される、請求項43に記載のコンピュータ可読媒体。
【請求項45】
前記第一のロボットアームは、前記第一のロボットアームから取り外し可能なエンドエフェクタで前記第一の構造体と係合する、請求項31に記載のコンピュータ可読媒体。
【請求項46】
前記第一のロボットアームは、前記第一のロボットアームと一体化したエンドエフェクタで前記第一の構造体と係合する、請求項31に記載のコンピュータ可読媒体。
【請求項47】
前記第一の構造体は、500ミリリットル以上の体積を有する、請求項31に記載のコンピュータ可読媒体。
【請求項48】
第一の構造体は、100グラム以上の重量を有する、請求項31に記載のコンピュータ可読媒体。
【請求項49】
第一の構造体が車両のシャーシの一部分を含む、請求項31に記載のコンピュータ可読媒体。
【請求項50】
前記第一の構造体が前記接合近接部内に導かれたときに、第二のロボットアームに、前記第二の構造体と係合させる
コードをさらに備える、請求項31に記載のコンピュータ可読媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本出願は、「FIXTURELESS ROBOTIC ASSEMBLY」と題され、2019年11月21日に出願された米国仮出願第62/938,921号、及び「FIXTURELESS ROBOTIC ASSEMBLY」と題され、2020年11月17日に出願された米国特許出願第16/950,802号の利益を主張し、これらの内容の全体が、参照により本明細書に明示的に組み込まれる。
【0002】
本開示は、ロボット装置に関し、より具体的には、ロボット装置を使用するフィクスチャレス組立のための技術に関する。
【背景技術】
【0003】
自動車、トラック、航空機等の乗り物は、多数の個々の構造コンポーネントが接合されて、ボディ、フレーム、内外面等を形成している。こうこれらの構造コンポーネントは、自動車、トラック、航空機に形を与え、加速及びブレーキ等の様々な操作によって発生する、あるいは生じる多くの異なる種類の力に適切に応答する。また、これらの構造コンポーネントは、支持も提供している。様々なサイズと形状の構造コンポーネントは、例えば、パネル、押出成形品、及び/又は他の構造体間のインターフェースを提供するために、自動車に組み込まれることがある。このように、構造コンポーネントは、乗り物に不可欠なパーツである。
【0004】
ほとんどの構造コンポーネントは、他の構造コンポーネント等の別のパーツと、安全でよく設計された方法で接合されなければならない。現代の自動車工場は、構造コンポーネントのロボット組立に大きく依存している。しかしながら、自動車コンポーネントのロボット組立は、フィクスチャの使用を必要とする。自動車工場では、ロボットを使って組み立てる自動車の各パーツに、そのパーツ専用のフィクスチャが必要である。自動車は個別パーツの数が多いため、その分、多くのフィクスチャが必要になる。実際、現代の自動車のシャーシは数千の組立パーツで構成されており、各パーツに専用の組立用フィクスチャが必要である。しかしながら、フィクスチャは非常に高価である。実際、自動車パーツ用の単一のフィクスチャが30万ドルから50万ドルすることも珍しくない。自動車工場で使われるフィクスチャのコストは、工場全体のコストの中で大きな割合を占めている。その結果、自動車工場の建設には莫大な設備投資が必要となり、利益を上げるだけでなく、初期投資を回収して収支を合わせるどころか、何十万台もの自動車を製造・販売しなければならなくなる。
【0005】
フィクスチャは、その膨大なコストに加えて、設計された特定のパーツにしか使用することができない。したがって、パーツが何らかの形で変更された場合、例えば、自動車モデルの設計が更新された場合、全く新しいフィクスチャを設計し、製作する必要がある。そのため、自動車モデルの変更及び更新のプロセスには、多大なコストと時間がかかってしまう。そのため、自動車モデルは、頻繁には更新されず、例えば、5年か6年以上に一度しか更新されない。また、このようにコストが高く、柔軟性に欠けることから、自動車業界では、自動車モデルとSUVモデルとで同じサブフレームを使う等、車種をまたいだ共通構造を採用することが検討されている。しかしながら、この共通化によって、構造を共有せざるを得ない各車両の設計に厳しい制約が生じることがある。その結果、道路上の車両はますます同じように見え始め、消費者には明確な選択肢が少なくなってしまう。
【0006】
自動車のロボット組立の黎明期以来、自動車製造業者は、疑いもなく、フィクスチャに依存してきた。この疑う余地のない依存は、部分的には、近代的な自動車工場の建設に必要な巨額の資本を投資し、その工場の特定の自動車モデルを5年以上にわたって毎年何十万台も製造・販売し、初期投資を回収して利益を生み出し始めることができる、比較的少数のメーカーによって支配されている自動車業界を生み出している。このような疑う余地のない依存は、年を追うごとにますます似てくる自動車として、消費者の選択の幅を狭める結果にもなっている。
【発明の概要】
【0007】
従来の自動車製造とは対照的に、本開示は、車両構造体及び他のマルチパーツ構造体を組み立てるための新しいアプローチの一部として、フィクスチャへの依存を排除することを想定している。このような組立操作は、2つ以上の構造体(例えば、ノード等の付加製造構造体)、パーツ、コンポーネント等の接合を含んでもよい。複数の構造体を接合する際には、車両の少なくとも一部分が組み立てられてもよい。例えば、複数の構造体を接合することで、車両のボディ、フレーム、シャーシ、パネル等の少なくとも一部分が組み立てられてもよい。有利には、本開示は、ロボットのセットを制御して、フィクスチャを使用せずに構造体を接合することによる、このような組立操作を説明する。ロボットのセットによって接合される構造体は、付加製造されてもよい。
【0008】
車両は安全で信頼できるものであるべきであるため、車両の生産に関連する様々な組立操作を正確に実行するアプローチは、有益であり得る。様々な組立操作に対するそのようなアプローチは、車両の少なくとも一部分(例えば、ボディ、シャーシ、フレーム、パネル等)を組み立てる際に協力するように、命令のセットを介して指示され得る少なくとも一つのロボット装置(以下、ロボット)により実行されてもよい。したがって、コントローラ及び/又は他の処理システムは、少なくとも1つのロボットに対して、その少なくとも1つのロボットを、様々な組立操作を行うのに適した1つ以上の位置に向ける命令を生成及び/又は実行するための様々な技法を実装してもよい。
【0009】
本開示では、車両の少なくとも一部分を組み立てる際に、フィクスチャを使用せずに少なくとも2つの構造体を接合するためにロボットのセットを指示するための技術及びアプローチを説明する。そのような技術及びアプローチは、本明細書に記載される様々なシステム、方法、装置、及び/又はコンピュータ可読媒体を通じて実現され得る。
【0010】
例として、コンピューティングシステムは、第一の座標のセットに基づいて第一のロボットアームを第一の位置に向けてもよい。コンピューティングシステムは、第一のロボットアームの第一の位置に基づいて、第一のロボットアームを第一の構造体と係合させてもよい。さらに、コンピューティングシステムは、第二の座標のセットに基づいて、第一のロボットアームを第二の位置に向けることで、第一の構造体を保持するフィクスチャがなく、かつ第二の構造体を保持するフィクスチャがない状態で、第一の構造体が第二の構造体の接合近接部内に導かれてもよく、第一及び第二の構造体が接合近接部内にあるとき、第一の構造体は第二の構造体と接合されるように構成されており、接合近接部は、第一及び第二の構造体が一緒に接合できる近さである。
【0011】
ロボットのセットを使用して車両の少なくとも一部分及び他のマルチパート構造体のフィクスチャレス組立を、フィクスチャのないロボットのセットによって付加製造された構造体と接合することも含めて、実現するためのメカニズムの他の態様は、以下の詳細な説明から当業者に容易に明らかになることが理解されよう。ここでは、例示によって、いくつかの実施形態を図示して、説明する。当業者によって実現されるように、開示された主題は、他の異なる実施形態が可能であり、そのいくつかの詳細は、いずれも本開示から逸脱することなく、他の様々な点で修正することができる。したがって、図面及び詳細な説明は、本質的に事例的なものと見なされるべきであり、限定的なものとして見なされるべきではない。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1A】自動車製造の技術分野で知られているようなフィクスチャの例を示す。
【
図1B】自動車製造の技術分野で知られているようなフィクスチャの例を示す。
【
図1C】自動車製造の技術分野で知られているようなフィクスチャの例を示す。
【
図1D】自動車製造の技術分野で知られているようなフィクスチャの例を示す。
【
図1E】自動車製造の技術分野で知られているようなフィクスチャの例を示す。
【
図2】直接金属蒸着(DMD)3Dプリンタの特定の態様の例示的な実施形態を示す。
【
図3】3Dプリンタを使用する3D印刷プロセスの概念的フロー図を示す。
【
図4A】操作の異なる段階における例示的な粉末床溶融(PBF)システムを示す。
【
図4B】操作の異なる段階における例示的な粉末床溶融(PBF)システムを示す。
【
図4C】操作の異なる段階における例示的な粉末床溶融(PBF)システムを示す。
【
図4D】操作の異なる段階における例示的な粉末床溶融(PBF)システムを示す。
【
図5】車両の少なくとも一部分を組み立てるように構成された複数のロボットを含む例示的な組立システムの透視図を示す。
【
図6A】車両の少なくとも一部分を組み立てるための様々な例示的操作を行うように構成された複数のロボットを含む例示的な組立システムの透視図を示す。
【
図6B】車両の少なくとも一部分を組み立てるための様々な例示的操作を行うように構成された複数のロボットを含む例示的な組立システムの透視図を示す。
【
図6C】車両の少なくとも一部分を組み立てるための様々な例示的操作を行うように構成された複数のロボットを含む例示的な組立システムの透視図を示す。
【
図6D】車両の少なくとも一部分を組み立てるための様々な例示的操作を行うように構成された複数のロボットを含む例示的な組立システムの透視図を示す。
【
図6E】車両の少なくとも一部分を組み立てるための様々な例示的操作を行うように構成された複数のロボットを含む例示的な組立システムの透視図を示す。
【
図6F】車両の少なくとも一部分を組み立てるための様々な例示的操作を行うように構成された複数のロボットを含む例示的な組立システムの透視図を示す。
【
図6G】車両の少なくとも一部分を組み立てるための様々な例示的操作を行うように構成された複数のロボットを含む例示的な組立システムの透視図を示す。
【
図6H】車両の少なくとも一部分を組み立てるための様々な例示的操作を行うように構成された複数のロボットを含む例示的な組立システムの透視図を示す。
【
図6I】車両の少なくとも一部分を組み立てるための様々な例示的操作を行うように構成された複数のロボットを含む例示的な組立システムの透視図を示す。
【
図6J】車両の少なくとも一部分を組み立てるための様々な例示的操作を行うように構成された複数のロボットを含む例示的な組立システムの透視図を示す。
【
図6K】車両の少なくとも一部分を組み立てるための様々な例示的操作を行うように構成された複数のロボットを含む例示的な組立システムの透視図を示す。
【
図6L】車両の少なくとも一部分を組み立てるための様々な例示的操作を行うように構成された複数のロボットを含む例示的な組立システムの透視図を示す。
【
図6M】車両の少なくとも一部分を組み立てるための様々な例示的操作を行うように構成された複数のロボットを含む例示的な組立システムの透視図を示す。
【
図6N】車両の少なくとも一部分を組み立てるための様々な例示的操作を行うように構成された複数のロボットを含む例示的な組立システムの透視図を示す。
【
図6O】車両の少なくとも一部分を組み立てるための様々な例示的操作を行うように構成された複数のロボットを含む例示的な組立システムの透視図を示す。
【
図6P】車両の少なくとも一部分を組み立てるための様々な例示的操作を行うように構成された複数のロボットを含む例示的な組立システムの透視図を示す。
【
図6Q】車両の少なくとも一部分を組み立てるための様々な例示的操作を行うように構成された複数のロボットを含む例示的な組立システムの透視図を示す。
【
図6R】車両の少なくとも一部分を組み立てるための様々な例示的操作を行うように構成された複数のロボットを含む例示的な組立システムの透視図を示す。
【
図6S】車両の少なくとも一部分を組み立てるための様々な例示的操作を行うように構成された複数のロボットを含む例示的な組立システムの透視図を示す。
【
図6T】車両の少なくとも一部分を組み立てるための様々な例示的操作を行うように構成された複数のロボットを含む例示的な組立システムの透視図を示す。
【
図6U】車両の少なくとも一部分を組み立てるための様々な例示的操作を行うように構成された複数のロボットを含む例示的な組立システムの透視図を示す。
【
図6V】車両の少なくとも一部分を組み立てるための様々な例示的操作を行うように構成された複数のロボットを含む例示的な組立システムの透視図を示す。
【
図7】フィクスチャレス組立システムにおける構造体の接合に関連する様々な例示的な操作のために少なくとも1つのロボットを制御する例示的な方法を示すフローチャートである。
【
図8】少なくとも2つの構造体を接合するように少なくとも1つのロボットを指示して、車両の少なくとも一部分を組み立てるための例示的な方法を示すフローチャートである。
【
図9】少なくとも1つのロボットアームに少なくとも1つのパーツを位置決めさせて、少なくとも1つの異なるパーツと接合するための例示的な方法を示すフローチャートである。
【
図10】車両の少なくとも一部分の組立に関連する様々な操作のために少なくとも1つのロボットを指示して1つ以上の命令セットを実行するように構成された例示的なコントローラ処理システムのブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
添付の図面に関連して以下に記載される詳細な説明は、様々な例示的な実施形態の説明を提供することを意図しており、本開示を実施することができる唯一の実施形態を表すことを意図するものではない。本開示を通して使用される「例示的」及び「事例的」という用語は、「例、実例、又は例示として役立つ」ことを意味し、本開示に提示される他の実施形態よりも好ましいもの、あるいは有利であるものと必ずしも解釈されるべきではない。詳細な説明は、本開示の範囲を当業者に完全に伝える十全で完全な開示を提供することを目的とした特定の詳細を含む。しかしながら、本開示は、これらの特定の詳細なしでも実施することができる。場合によっては、本開示全体を通して提示される様々な概念を曖昧にすることを回避するために、周知の構造及びコンポーネントをブロック図の形で示すことも、あるいは完全に省略して示すこともある。さらに、図面は、一定の縮尺で描かれていないこともあり、代わりに、説明されている主題に関連する様々な機構を最も効果的に強調しようとする方法で描かれていることもある。さらに、単数形で記述されるいくつかの要素は、2つ以上の要素として実装することもでき、複数形で記述されるいくつかの要素は、単一の要素として実装することもできることを理解されたい。例えば、「1つのプロセッサ」、「1つのメモリ」等の記述は、記述されたタスクを実行する複数のプロセッサ、メモリ等を有する実装を含むと理解されるべきである。同様に、「複数のプロセッサ」、「複数のメモリ」等の記述は、単一のプロセッサ、単一のメモリ等を有する実装を含むと理解されるべきである。
【0014】
自動車産業が疑いもなくフィクスチャに依存していることは、重大な欠点を生み出しており、このことは、毎年単に受け入れられ続けている。フィクスチャは、単一のパーツに適合するように特別に設計されており、したがって、自動車のシャーシのような複雑な構造をロボットで組み立てるには、何千ものフィクスチャが必要なことがある。さらに、シャーシの設計を変更するには、まったく新しいフィクスチャのセットを作る必要がある。冶具は製造するのがかなり複雑で高価になることがあるので、新しい設計又は現在の設計の変更は、信じられないほど高価になることがある。
【0015】
この点に関して、
図1A~
図1Eは、自動車製造を含む製造業で従来から使用されているフィクスチャの様々な例を示している。フィクスチャは、組立ライン上等での組立前、組立、及び/又は組立後の操作中に、構造体又は構造体の一部、例えば、車両シャーシの一部を保持及び/又は位置決めするように設計されている。そうすることで、フィクスチャは、構造体がロボットアームによって係合及び保持され得るメカニズムを提供することができる。さらに、フィクスチャは、接合操作中にフィクスチャが移動及び/又はたわむことを防止するための剛性を提供することができる。さらに、フィクスチャは、実行すべき接合操作の基準点として機能してもよい。すなわち、接合操作は、構造体がフィクスチャによって特定の位置に保持されているという仮定に基づいて、構造体に対して行うことができる。このように、フィクスチャには、接合用パーツの保持、接合用パーツの位置決め、パーツの接合補助、接合用パーツの固定(例えば、パーツがロボットに保持されると、撓む場合等、又は種々の接合操作に必要な剛性が不足する場合)等のうちの一つを行う。
【0016】
本開示は、フィクスチャを使用せずに車両の少なくとも一部分を組み立てるための様々な技術及びアプローチについて説明する。例えば、本開示は、例えばロボットアームのエンドエフェクタを使用して、構造体と直接係合するように構成される1つ以上のロボットについて説明する。フィクスチャを省くことによって、本開示は、コスト、スペース、複雑さ、及び/又は精度の点で、現在の車両の組立方法よりも経済的な車両の組立のための様々な技術及びアプローチを提供し得る。
【0017】
図1Aは、様々な組立操作中に車両の特定の板金パネル102(例えば、ドアパネル、フロアパネル等)を保持するように設計された従来のフィクスチャ100を示す。この例では、フィクスチャ100は、接合操作中に意図しない動き及び/又はたわみを防止するために、板金パネル102に強度及び剛性を提供する。フィクスチャ100は、板金パネル102の上部分を保持する複数の上部位置決めブラケット105と、板金パネルの下部分を保持する複数の下部位置決めブラケット107と、板金パネルの側部分を保持する複数の側部位置決めブラケット109と、を含む。フィクスチャ100は、板金パネル102に剛性を与える機械パーツ嵌合表面111、パーツ嵌合表面ベースプレート113、及びパーツ嵌合表面上部プレート115も含む。フィクスチャ100は、板金パネル102を案内する位置決めピン117と、板金パネルをフィクスチャの所定の位置にロックするトグルクランプ119も含む。フィクスチャ100は、フィクスチャの他の全てのコンポーネントを支持するためのツール支持構造体121も含む。フィクスチャ100は大きく重い構造体であるため、フィクスチャを移動して位置決めできるようにするために、フィクスチャはホイストリング123も含む。
【0018】
フィクスチャ100は、パネル102がロボットアームによって直接係合及び保持することができないので、ロボットアームによって特定の方法で係合及び保持されるように設計されている。パネル102に実行される接合操作は、パネル102の位置が仮定及び/又は推定され得るように、フィクスチャ100が基準点又は基準フレームを提供することを必要とする。このような仮定及び/又は推定は、パネル102が意図しない方法で動くとき、及び/又は意図しない偏向をするときのような誤差を生じやすい。これらの誤差は、組立工程にわたって蓄積され得る。したがって、特に複数の他のパーツをパネル102と接合しなければならない場合、精度を達成することが困難な場合があるため、比較的大きな設計公差が必要とされる場合がある。
【0019】
図1Bは、接合操作中に自動車の特定の構造体を保持するために使用される別の従来のフィクスチャ130を示す。図示された例では、フィクスチャ130はその構造体と係合しておらず、フィクスチャの典型的な複雑さを示している。フィクスチャ130は、位置決めピン131、上部ベースプレート133、下部ベースプレート135、及びツールベース構造体137を含む。フィクスチャ130は、フィクスチャの全てのコンポーネントを支持するために、ボックス支持構造体139と横梁ブレース構造体(crossbeam bracing structure)141も含む。フィクスチャ130は、自動車構造体をフィクスチャに取り付けるための取付クランプ143も含む。
【0020】
図1Cは、別の従来のフィクスチャ150の側面透視図を示す。フィクスチャ150は、フィクスチャが保持する構造体の固定された堅固な位置決めを提供するために床に固定される。具体的には、フィクスチャ150は、その特定の構造体が位置決めピン153及び取付クランプ155によって接続される取付エリア151を有し、それによって、1つ以上のロボットインターフェースによる接合操作のために構造体を取付エリア151に固定する。フィクスチャ150は、またフィクスチャの他の全てのコンポーネントを支持するために、ベースプレート157、支持構造体159、及びツールベース構造体161も含む。
【0021】
図1D~1Eは、従来のフィクスチャ170のさらに別の実施例を示す。
図1Dは、フィクスチャ170の上面透視図であり、
図1Eは、フィクスチャの側面透視図である。
【0022】
従来のフィクスチャ170は、パネル172(例えば、ドアパネル、フロアパネル等)と係合して保持するように構成される。例えば、フィクスチャは、様々な組立操作中にパネルの意図しない動き及び/又はたわみを防止するために、パネル172をフィクスチャに固定するための複数のフィクスチャブロック173を含む。フィクスチャ170は、また、取付操作中にパネル172を位置決めするために、位置決めアーム175、位置決めピン177、位置決めブラケット179、及び生産パーツ取付フィクスチャ181も含む。フィクスチャ170は、またベースプレート183も含む。
【0023】
付加製造(3D印刷)。付加製造(AM)は、非設計特有の製造技術であることが有利である。AMは、パーツ内に複合構造体を作り出す能力を提供する。例えば、ノードは、AMを使用して作成できる。ノードは、構造体であり、構造体には、管、押出成形品、パネル、他のノード等の他のスパニングコンポーネントに接続するために使用される1つ以上のインターフェースを含むことができる。ノードは、AMを使用して、目的に応じて、追加の機構及び機能を含むように構成することができる。例えば、ノードは、1つ以上のポートとともに印刷されてもよく、ポートは、複雑な製品を製造する際に従来から行われているように、複数のパーツを一緒に溶接するのではなく、接着剤を注入することによって、ノードが2つのパーツを固定することを可能にする。あるいは、いくつかのコンポーネントは、ろう付けスラリー、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、又は別の接続機構を使用してノードに接続されてもよく、そのいずれも接着剤の代わりに交換可能に使用され得る。したがって、溶接技術は、特定の実施形態に関して適切であり得るが、付加製造は、代替又は追加の接続技術の使用を可能にする際に、有意な柔軟性を提供する。
【0024】
様々な異なるAM技術が、様々なタイプの材料から構成される3D印刷コンポーネントに使用されてきた。多数の利用可能な技術が存在し、より多くの技術が開発されている。例えば、指向性エネルギー蒸着(DED)AMシステムは、金属を溶融するために、レーザ又は電子ビームから供給される指向性エネルギーを使用する。これらのシステムは、粉末供給とワイヤ供給との両方を利用する。ワイヤ供給システムは、有利なことに、他の著名なAM技術よりも高い堆積速度を有する。単一パスジェッティング(SPJ)は、2つの粉末撒布機と1つの印刷ユニットを組み合わせて、金属粉末を撒布し、無駄な動きをほとんど、又は全く伴わずに、構造体を単一のパスで印刷する。別の事例として、電子ビーム付加製造プロセスは、電子ビームを使用して、真空チャンバ内の粉末床でワイヤ供給原料(wire feedstock)又は焼結を介して金属を溶融させる。原子拡散付加製造(ADAM)は、さらに別の最近開発された技術であり、そのコンポーネントは、プラスチック結合剤中の金属粉末を用いて、層ごとに印刷される。印刷後、プラスチック結合剤を除去し、パーツ全体を一度に焼結して所望の金属にする。
【0025】
いくつかのそのようなAM技術の1つは、注目されるように、DMDである。
図2は、DMD3Dプリンタ200の特定の態様の例示的な実施形態を示す。DMDプリンタ200は、所定の方向219に移動する供給ノズル203を使用して、粉末流れ205a及び205bをレーザビーム207内に推進し、このレーザビームは、基板によって支持され得るワークピース213の方へ向けられる。供給ノズル203は、また、溶接エリアを酸素、水蒸気、又は他のコンポーネントから保護するために、シールドガス217を流動させるメカニズムを含んでもよい。
【0026】
次いで、粉末化された金属は、溶融プール領域211内でレーザ207によって溶融され、次いで、堆積材料209の領域としてワークピース213にボンディングすることができる。希釈エリア215は、堆積された粉末がワークピースの局所材料と一体化されるワークピースの領域を含むことができる。供給ノズル203は、コンピュータ数値制御(CNC)ロボットもしくはガントリ、又は別のコンピュータ制御メカニズムによって支持されてもよい。供給ノズル203は、堆積材料209の初期層がワークピース213の所望のエリアにわたって形成されるまで、基板の所定の方向に沿ってコンピュータ制御の下で複数回移動させることができる。次に、供給ノズル203は、所望の構造が形成されるまで、前の層のすぐ上の領域を走査して、連続する層を堆積させることができる。一般に、供給ノズル203は、3つの軸全てに対して移動するように構成されてもよく、場合によっては、それ自体の軸上で所定量だけ回転するように構成されてもよい。
【0027】
図3は、3D印刷の例示的なプロセスを示すフロー
図300である。印刷されるべき所望の3Dオブジェクトのデータモデルがレンダリングされる(操作303)。データモデルは、3Dオブジェクトの仮想設計である。したがって、データモデルは、3Dオブジェクトの幾何学的及び構造的機構も、その材料組成も反映することができる。データモデルは、CAEベースの最適化、3Dモデリング、写真測量ソフトウェア、及びカメラ撮像を含む、様々な方法を使用して作成されてもよい。CAEベースの最適化には、例えば、クラウドベースの最適化、疲労解析、線形又は非線形有限要素解析(FEA)、及び耐久性解析が含まれてもよい。
【0028】
次に、3Dモデリングソフトウェアは、多数の市販の3Dモデリングソフトウェアアプリケーションのうちの1つを含むことができる。データモデルは、適切なコンピュータ支援設計(CAD)パッケージを使用して、例えば、STLフォーマットでレンダリングすることができる。STLは、市販のステレオリソグラフィをベースとするCADソフトウェアに関連するファイルフォーマットの一例である。CADプログラムは、STLファイルとして、3Dオブジェクトのデータモデルを作成するために使用されてもよい。その後、STLファイルは、ファイル内のエラーが識別され、解決されるプロセスを受けることがある。
【0029】
エラーの解決に続いて、データモデルは、スライサとして知られるソフトウェアアプリケーションによって「スライス」され、それによって、オブジェクトを3D印刷するための命令のセットを生成することができ、命令は、利用される特定の3D印刷技術と互換性があり、関連付けられる(操作305)。多数のスライサプログラムが市販されている。一般に、スライサプログラムは、データモデルを、印刷されているオブジェクトの薄いスライス(例えば、厚さ100μm)を表す一連の個々の層に、これらの連続する個々の層を3D印刷して、データモデルの実際の3D印刷表現を生成するためのプリンタ固有の命令を含むファイルとともに、変換する。
【0030】
3Dプリンタに関連する層及び関連する印刷命令は、平面である必要はなく、厚さが同一である必要もない。例えば、いくつかの実施形態では、3D印刷機器の技術的精巧さ及び特定の製造目的等のような要因に応じて、3D印刷構造体の層は、非平面であってもよく、及び/又はそれらの個々の厚さに関して1つ以上のインスタンスで異なっていてもよい。
【0031】
データモデルを層にスライスするために使用される一般的なタイプのファイルは、オブジェクトを3D印刷するための命令を含む数値制御プログラミング言語であるGコードファイルである。Gコードファイル、又は命令を構成するその他のファイルは、3Dプリンタにアップロードされる(操作307)。これらの命令を含むファイルは、典型的には、特定の3D印刷プロセスで操作可能に構成されるので、使用される3D印刷技術に応じて、命令ファイルの多くのフォーマットが可能であることが理解されるであろう。
【0032】
オブジェクトが何をどのようにレンダリングされるべきかを指示する印刷命令に加えて、オブジェクトを印刷する際に3Dプリンタによって使用するのに必要な適切な物理的材料は、いくつかの従来の方法のいずれかを、しばしば、プリンタ固有の方法を使用して、3Dプリンタに提供される(操作309)。DMD技術では、例えば、1つ以上の金属粉末が、このような金属又は金属合金で構造体を層状化するために提供されてもよい。選択的レーザ溶融(SLM)、選択的レーザ焼結(SLS)、及び他のPBFベースのAM方法(以下参照)では、材料は、粉末としてチャンバ内に提供されてもよく、そのチャンバが粉末をビルドプラットフォームに供給する。3Dプリンタに応じて、印刷材料を提供するための他の技法を使用してもよい。
【0033】
次に、3Dオブジェクトのそれぞれのデータスライスが、提供された命令に基づいて、材料を使用して、印刷される(操作311)。レーザ焼結を使用する3Dプリンタでは、レーザが粉末床を走査し、構造体が望まれる場所で粉末を一緒に溶融し、スライスされたデータが何も印刷されないことを示すエリアを走査しないようにする。このプロセスは、所望の構造体が形成されるまで何千回も繰り返され、その後、印刷されたパーツ(構造体)がプリンタから除去される。溶融堆積モデリングでは、上述のように、モデル及び支持材料の連続した層を基板に適用することによって、パーツが印刷される。一般に、任意の適切な3D印刷技術を、本開示の目的のために使用することができる。
【0034】
別のAM技術には、粉末床溶融(「PBF」)が含まれる。DMDと同様に、PBFは、層ごとに「ビルドピース」を作成する。各層又は「スライス」は、粉末の層を堆積させ、粉末の一部分をエネルギービームに暴露することによって形成される。エネルギービームは、層内のビルドピースの断面と一致する粉末層の溶融エリアに適用される。溶解した粉末が冷えて、融合し、ビルドピースのスライスを形成する。このプロセスは、ビルドピースの次のスライスを形成するために繰り返すことができ、以下同様である。各層は、前の層の頂部に堆積される。結果として得られる構造体は、スライスごとに組み立てられたビルドピースとなる。
【0035】
図4A~
図4Dは、操作の異なる段階中の例示的なPBFシステム400のそれぞれの側面図を示している。上述のように、
図4A~
図4Dに示される特定の実施形態は、本開示で使用する許容可能なPBFシステムの多くの適切な例の1つである。また、本開示の
図4A~
図4D及び他の図の要素は、必ずしも一定の縮尺で描かれているわけではないが、本明細書で説明される概念をよりよく説明する目的で、より大きく又は小さく描かれている場合があることに留意すべきである。PBFシステム400は、金属粉末の各層を堆積することのできるデポジッタ401、エネルギービームを生成することのできるエネルギービーム源403、エネルギービームを適用して粉末を溶融することのできるデフレクタ405、及びビルドピース409等の1つ以上のビルドピースを支持することのできるビルドプレート407を含むことができる。PBFシステム400は、また、粉末床レセプタクル内に配置されたビルドフロア411を含むことができる。粉末床レセプタクルの壁412は、一般に、粉末床レセプタクルの境界を画定し、粉末床レセプタクルは、側面から壁112の間に挟まれ、下のビルドフロア411の一部分に隣接する。ビルドフロア411は、デポジッタ401が次の層を堆積できるように、ビルドプレート407を徐々に下げることができる。メカニズム全体は、他のコンポーネントを封入することができるチャンバ413内に存在し得、それにより、機器を保護し、大気及び温度の調節を可能にし、汚染リスクを軽減する。デポジッタ401は、金属粉末等の粉末417を含むホッパー415と、堆積された粉末の各層の上部を水平にすることができるレベラー419とを含むことができる。
【0036】
特に
図4Aを参照すると、この図は、ビルドピース409のスライスが溶融された後、しかし、粉末の次の層が堆積される前のPBFシステム400を示している。実際、
図4Aは、PBFシステム400が、複数の層、例えば、150の層でスライスをすでに堆積して、溶融した時点を示し、これは、例えば、150層のスライスで形成されたビルドピース409の現在の状態を形成する。すでに堆積された複数の層が粉末床421を作成するが、粉末床421には、堆積されたが溶融されていない粉末を含まれている。
【0037】
図4Bは、ビルドフロア411が粉末層の厚さ423だけ下げることのできる段階におけるPBFシステム400を示している。ビルドフロア411が下がると、ビルドピース409及び粉末床421が粉末層の厚さ423だけ下がり、こうして、ビルドピース及び粉末床の上部は、粉末層の厚さに等しい量だけ、粉末床レセプタクル壁412の上部よりも低くなる。このようにして、例えば、粉末層の厚さ423に等しい一定の厚さを有する空間を、ビルドピース409及び粉末床421の上部の上に作成することができる。
【0038】
図4Cは、デポジッタ401が、ビルドピース409及び粉末床421の頂部表面の上に作成され、粉末床レセプタクル壁412によって境界付けられた空間に粉末417を堆積するように配置する段階でのPBFシステム400を示す。この例では、デポジッタ401は、ホッパー415から粉末417を放出しながら、定義された空間上を徐々に移動する。レベラー419は、放出された粉末を水平にして、粉末層の厚さ423と実質的に等しい厚さを有する粉末層425を形成することができる(
図4Bを参照)。したがって、PBFシステム内の粉末は、例えば、ビルドプレート407、ビルドフロア411、ビルドピース409、壁412等を含むことができる粉末支持構造体によって支持することができる。粉末層425の図示された厚さ(すなわち、粉末層の厚さ423(
図4B))は、
図4Aを参照して上で論じた以前に堆積された450層を含む例に使用される実際の厚さよりも大きいことに留意されたい。
【0039】
図4Dは、粉末層425(
図4C)の堆積に続いて、エネルギービーム源403がエネルギービーム427を生成し、デフレクタ405がエネルギービームを適用してビルドピース409内の次のスライスを溶融する段階におけるPBFシステム400を示す。様々な例示的な実施形態において、エネルギービーム源403は電子ビーム源であり得、その場合、エネルギービーム427は電子ビームを構成する。デフレクタ405は、偏向板を含むことができ、偏向板は、電子ビームを選択的に偏向させて、電子ビームを溶融するように指定された領域を横切って走査させる電場又は磁場を生成することができる。様々な実施形態において、エネルギービーム源403は、レーザであり得、その場合、エネルギービーム427は、レーザビームである。デフレクタ405は、反射及び/又は屈折を使用してレーザビームを操作して、溶融される選択された領域を走査する光学システムを含むことができる。
【0040】
様々な実施形態において、デフレクタ405は、エネルギービーム源を回転及び/又は並進移動させてエネルギービームを配置することができる1つ以上のジンバル及びアクチュエータを含むことができる。様々な実施形態において、エネルギービーム源403及び/又はデフレクタ405は、エネルギービームを変調することができ、例えば、様々な実施形態において、エネルギービームは、デジタル信号プロセッサ(DSP)によって変調することができる。
【0041】
ここで
図5~
図10を参照すると、フィクスチャを使用せずに少なくとも2つの構造体を接合することによって車両の少なくとも一部分を組み立てるためにロボットを制御するための様々な実施形態が提供されている。少なくとも2つの構造体の少なくとも1つは、例えば、上記の
図2、
図3、及び
図4A~Dに関して説明したように、付加製造されてもよい。いくつかの実施形態では、少なくとも2つの構造体の少なくとも1つは、ピース、パーツ、ノード、コンポーネント、及び/又は他の付加製造された構造体であってよく、これらは、以前に接合された2つの構造体を含んでもよい。例えば、構造体又はパーツは、車両のシャーシ、パネル、ベースピース、ボディ、フレーム、及び/又は他の車両コンポーネント等車両に関連する少なくとも部分又はセクションであってもよい。
【0042】
様々な実施形態によれば、車両の組立に関連して接合されるそのような構造体は、フィクスチャレスの1つ以上の組立操作中に構造体の意図しない動き及び/又は構造体のたわみを防止又は低減する1つ以上の特徴等、フィクスチャを使用せずに種々の組立操作(例えば、接合)を容易又は可能にし得る1つ以上の特徴を備えて付加製造されてもよい。例えば、車両のフィクスチャレス組立に関連して接合される1つ以上の構造体は、フィクスチャレスの様々な組立操作中に安定性、強度、及び/又は剛性を提供するように設計された1つ以上の特徴を備えて付加製造されてもよい。そのような特徴の例は、メッシュ、ハニカム、及び/又は格子サブ構造を含んでもよく、これらは、構造体と共印刷されてもよく(例えば、構造体が付加製造される場合)、構造体の内部及び/又は外部にあってもよい。
【0043】
本明細書に記載される様々な実施形態によれば、組立システムは、2つのロボットを含んでもよく、そのうちの少なくとも1つは、フィクスチャを使用せずに1つの構造体を別の構造体と接合するように位置決めされてもよい。様々な組立操作は、車両の少なくとも一部分(例えば、車両のシャーシ、ボディ、パネル等)をフィクスチャレスで組み立てるために複数の構造体が接合され得るように、潜在的に繰り返し実行されてもよい。
【0044】
第一のロボットは、車両の少なくとも一部分のフィクスチャレスでの組立てに関連して実行される様々な操作中に、1つ以上の他の構造体が接合され得る第一の構造体と係合して保持するように構成されてもよい。例えば、第一の構造体は、車両のシャーシ、パネル、ベースピース、ボディ、フレーム等のセクションであってもよく、一方、他の構造体は、車両のシャーシ、パネル、ベースピース、ボディ、フレーム等の他のセクションであってもよい。
【0045】
例示的に、第一のロボットは、第二の構造体と接合されるべき第一の構造体を係合及び保持してもよく、第二の構造体は、第二のロボットによって係合及び保持されてもよい。第一の構造体を用いて行われる様々な操作(例えば、第一の構造体を、2つ以上の以前に接合された構造体を含み得る1つ以上の他の構造体と接合すること)は、複数のロボットを含む組立セル内で少なくとも部分的に行われてもよい。したがって、ロボットの少なくとも1つは、フィクスレス操作に見合った精度に従って機能するように、第一の構造体とのフィクスチャレス操作中に指示(例えば、制御)されてもよい。
【0046】
本開示は、組立操作(組立前及び/又は組立後操作を含む)のために組立システム内で少なくとも部分的に1つ以上のロボットを指示する様々な異なる実施形態を提供する。本明細書に記載された様々な実施形態は、一緒に実施されてもよいことが理解されるであろう。例えば、本開示の1つの図解に関して説明した実施形態は、本開示の別の図解に関して説明した別の実施形態で実施されてもよい。
【0047】
まず
図5を参照すると、この図は、フィクスチャレス組立システム500の透視図を示す。フィクスチャレス組立システム500は、ノードベース車両のロボット組立等、車両のフィクスチャレス組立に関連する様々な操作で採用されてもよい。フィクスチャレス組立システム500は、フィクスチャレスで車両を組み立てる少なくとも一部分と関連する1つ以上の要素を含んでもよい。例えば、フィクスチャレス組立システム500の1つ以上の要素は、ノードベース車両のロボット組立中に、いかなるフィクスチャも使用せずに第一の構造体が1つ以上の他の構造体と接合される1つ以上の操作のために構成されてもよい。
【0048】
フィクスチャレス組立システム500の場所に組立セル505が構成されてもよい。組立セル505は、垂直組立セルであってもよい。組立セル505内で、フィクスチャレス組立システム500は、ロボット507、509、511、513、515、517のセットを含んでもよい。ロボット507は、「基幹ロボット」と呼ばれることがある。フィクスチャレス組立システム500は、ロボットがアクセスするためのパーツ及び構造体を保持できるパーツテーブル520、521、及び522を含んでもよい例えば、第一の構造体523、第二の構造体525、及び第三の構造体527は、ロボットによってピックアップされ、一緒に組み立てられるようにパーツテーブル521、522のうちの1つに配置されてもよい。様々な実施形態において、構造体のそれぞれは、少なくとも10g、100g、500g、1kg、5kg、10kg、又はそれ以上の重量を有することができる。様々な実施形態において、構造体のそれぞれは、少なくとも10ml、100ml、500ml、1000ml、5000ml、10000ml、又はそれ以上の体積を有することができる。様々な実施形態において、構造体の1つ以上は、複合ノード等の付加製造された構造体であってもよい。
【0049】
フィクスチャレス組立システム500は、以下でより詳述するように、組立セル505のロボットの様々なコントローラにコマンドを発行するためのコンピューティングシステム529を含むこともできる。この例では、コンピューティングシステム529は、無線通信を介してロボットと通信可能に接続されている。フィクスチャレス組立システム500は、以下でより詳述するように、ロボットのロボットアームの位置及び/又はロボットによって保持される構造体を正確に測定できる計測システム531を含むこともできる。
【0050】
従来のロボット組立工場とは対照的に、構造体は、フィクスチャレス組立システム500においてフィクスチャなしで組み立てることができる。例えば、構造体は、上述したフィクスチャのような任意のフィクスチャ内で接続される必要はない。その代わりに、組立セル505内のロボットの少なくとも1つは、本開示で説明するように、フィクスチャから期待される機能性を提供してもよい。例えば、ロボットは、組立セル505内で組み立てられる構造体に直接接触するように(例えば、ロボットアームのエンドエフェクタを使用して)構成され、それらの構造体が、いかなるフィクスチャも使用せずに係合及び保持され得るようにしてもよい。さらに、ロボットの少なくとも1つは、ポジショナ及び/又はフィクスチャテーブルから期待される機能性を提供してもよい。例えば、基幹ロボット507は、フィクスチャレス組立システム500におけるポジショナ及び/又はフィクスチャテーブルを置き換えてもよい。
【0051】
基幹ロボット507は、ベースとロボットアーム(例えば、後述の
図6B及び
図6Cを参照)を含んでもよい。ロボットアームは、基幹ロボット507と通信可能に接続されたプロセッサにロードされたコンピュータ実行可能な命令によって指示され得る動きのために構成されてもよい。基幹ロボット507は、ベースを介して組立セル505の表面(例えば、組立セルの床)に接触してもよい。
【0052】
基幹ロボット507は、構造体、例えば、車両の一部分を係合及び保持するように構成されたエンドエフェクタを含んでも、及び/又はそれと接続されてもよい。エンドエフェクタは、少なくとも1つの構造体とインターフェースするように構成されたコンポーネントであってよい。エンドエフェクタの例は、ジョー、グリッパ、ピン、又はロボットによる構造体のフィクスチャレス係合及び保持を促進することができる他の類似のコンポーネントを含んでもよい。いくつかの実施形態では、構造体は、車両のシャーシ、ボディ、フレーム、パネル、ベースピース等のセクションであってよい。例えば、構造体は、フロアパネルから構成されてもよい。
【0053】
いくつかの実施形態では、基幹ロボット507は、他の構造体のセットが構造体に(直接的又は間接的に)接続されている間、エンドエフェクタ(例えば、
図6Cに図示され、以下でより詳細に説明する第二の構造体525及びエンドエフェクタ543)を介して構造体との接続を保持してもよい。基幹ロボット507は、いかなるフィクスチャもなしに構造体を係合及び保持するように構成されてもよい。例えば、上述したフィクスチャはいずれも、フィクスチャレス組立システム500に存在しない可能性がある。いくつかの実施形態では、ロボットの少なくとも1つによって保持されるべき構造体(例えば、第一の構造体)は、いかなるフィクスチャも使用せずにロボットの少なくとも1つによるそれらの構造体の係合及び保持を容易にする1つ以上の特徴で付加製造又は共印刷されてもよい。
【0054】
例えば、構造体は、メッシュ、ハニカム、及び/又は格子配置等、構造体の強度を高める1つ以上の特徴で共印刷又は付加製造されてもよい。そのような特徴は、組立プロセス中に構造体の意図しない動きを防止するために構造体を剛性化してもよい。別の例では、構造体は、エンドエフェクタによって係合される(例えば、「把持される」)のに適した突出部及び/又は凹部等、エンドエフェクタによる構造体の係合及び保持を容易にする1以上の特徴で共印刷又は付加製造されてもよい。構造体の前述の特徴は、構造体と共印刷されてもよく、したがって、構造体と同じ材料であってもよい。
【0055】
構造体を保持する際に、基幹ロボット507は、構造体を位置決め(例えば、移動)してもよく、すなわち、基幹ロボット507によって保持されるときに、構造体の位置は、基幹ロボット507によって制御されてもよい。基幹ロボット507は、例えば、基幹ロボットのロボットアームのエンドエフェクタを使用して、構造体を「ホールド」又は「把持」することによって、構造体を保持してもよい。例えば、基幹ロボット507は、グリッパフィンガー、ジョー等を構造体の1つ以上の表面に接触させ、基幹ロボットが構造体の位置を制御するように十分な圧力をそれに加えることによって、構造体を保持してもよい。すなわち、構造体は、基幹ロボット507によって保持されるとき、空間内で自由に動くことが妨げられ、構造体の動きは、基幹ロボットによって制約されてもよい。上述したように、構造体は、基幹ロボット507による構造体のフィクスチャレス係合及び保持を容易にする1つ以上の特徴を含んでもよい。
【0056】
構造体に他の構造体(サブアセンブリ、構造体のサブ構造体等を含む)が接続されると、基幹ロボット507は、エンドエフェクタを介して構造体との係合を保持することができる。構造体とそれに接続された1つ以上の構造体の集合体は、構造体そのものと称されることもあるが、「アセンブリ」又は「サブアセンブリ」と称されることもある。基幹ロボット507は、基幹ロボットが構造体そのものと係合した後、アセンブリとの係合を保持してもよい。
【0057】
いくつかの実施形態では、組立セル505のロボット509及び511は、基幹ロボット507と同様であってもよく、したがって、基幹ロボットによって保持される構造体と接続され得る構造体と係合するように構成されたそれぞれのエンドエフェクタを含んでもよい。いくつかの実施形態では、ロボット509、511は、「組立ロボット」及び/又は「材料処理ロボット」と呼ばれることがある。
【0058】
いくつかの実施形態において、組立セル505のロボット513は、構造体間の構造的接続に影響を与えるために使用されてもよい。
図6A~
図6Vの例示的な例では、ロボット513は、「構造接着剤ロボット」と呼ばれてもよい。構造接着剤ロボット513は、構造接着剤ロボットが、構造体が他の構造体と接合するために他の構造体に対して接合近接位置に配置される前又は後に、基幹ロボットによってフィクスチャレス保持された構造体及び組立ロボット509、511によってフィクスチャレス保持された構造体の少なくとも一方の表面に構造接着剤を塗布するように構成されたツールをロボットアームの遠位端に含んでよいこと以外は、基幹ロボット507と同様であってよい。接合近接部は、第一の構造体を第二の構造体に接合することができる位置とすることができる。例えば、様々な実施形態において、第一及び第二の構造体は、構造体が接合近接部内にある間に接着剤を塗布し、その後、接着剤を硬化させることを介して、接合されてもよい。
【0059】
しかしながら、構造接着剤は、硬化するのに比較的長い時間を要することがある。この場合、第一及び第二の構造体を保持するロボットは、例えば、構造体が最終的に硬化した後に構造接着剤によって接合されるために、構造体を接合近接部で長時間保持しなければならないことがある。そのため、接着剤が硬化するまでの間、ロボットを他のタスク(例えば、構造体のピックアップや組み立て等)に長時間使用することができなくなる。ロボットをより効率的に使用できるようにするために、例えば、様々な実施形態において、構造体を迅速に接合し、両方のロボットが構造体を保持することを必要とせずに構造接着剤が硬化できるように、速硬化接着剤を追加的に塗布してもよい。
【0060】
この点に関して、フィクスチャレス組立システム500のロボット515は、速硬化接着剤を塗布し、接着剤を迅速に硬化させるために使用されてもよい。この例示的な実施形態では、速硬化UV接着剤が使用されてもよく、ロボット515は、「UVロボット」と呼ばれてもよい。UVロボット515は、UVロボットが、例えば、第一の構造体が第二の構造体に対して接合近接部内に配置されたときに、速硬化UV接着剤を塗布し、接着剤を硬化させるように構成されたツールをロボットアームの遠位端に含んでもよいこと以外は、基幹ロボット507と同様であってよい。すなわち、UVロボット515は、構造体が基幹ロボット507及び/又は組立ロボット509、511のロボットアームの少なくとも1つの方向を通じて得られる接合近接部内にあるときに、接着剤が第一の構造及び/又は第二の構造に塗布された後に接着剤を硬化させてもよい。
【0061】
上述したポジショナ及び/又はフィクスチャテーブルを含み得る様々な他の組立システムとは対照的に、硬化ボンド(例えば、速硬化接着剤)の使用は、フィクスチャを使用せずに接合プロセス中に第一及び第二の構造体を保持する方法を提供する部分接着性結合を提供し得る。部分接着ボンドは、例えば、ポジショナ及び/又はフィクスチャテーブルを使用する組立システムにおいて、構造体の係合及び保持のために採用される様々なフィクスチャに代わる1つの方法を提供し得る。フィクスチャレスの組立、特に硬化接着剤を使用することの別の潜在的な利点は、フィクスチャ及び/又は他のパーツ保持具の使用では、それらが取り付けられる構造の部分へのアクセスを本質的に妨げることがあるのと比較して、構造組立の種々の構造体へのアクセスが改善されることである。
【0062】
さらに、フィクスチャ及び/又は他のパーツ保持ツールを硬化接着剤で少なくとも部分的に置き換えることにより、支持を必要とする構造アセンブリ上の1つ以上の場所において、(特に、支持を必要とするかかる場所がフィクスチャ及び/又は他のパーツ保持具によって、ほとんど又は完全にアクセス不能にされている場合)、より信頼性の高い接続を提供してもよい。さらに、硬化接着剤でフィクスチャ及び/又は他のパーツ保持ツールを少なくとも部分的に置き換えることにより、(永久)構造接着剤を塗布する前に、(特に、フィクスチャ及び/又は他のパーツ保持ツールが追加の構造体を接合するためのアクセスを妨害するような場合)、構造アセンブリにさらに構造体を追加する能力を提供してもよい。
【0063】
様々な実施形態において、ロボットは、複数の異なる役割のために使用されてもよい。例えば、ロボット517は、組立ロボット509、511のような組立ロボットの役割と、UVロボット515のようなUVロボットの役割とを実行してもよい。この点で、ロボット517は、「組立/UVロボット」と称されることがある。組立/UVロボット517は、組立/UVロボットのロボットアームの遠位端がエンドエフェクタを含む(例えば、ツールフランジによって接続される)場合、組立ロボット509、511の各々と同様の機能性を提供してもよい。しかしながら、組立/UVロボット517は、組立/UVロボットのロボットアームの遠位端が、UV接着剤を塗布し、UV接着剤を硬化させるために紫外線を放射するように構成されたツールを含む場合、UVロボット515と同様の機能性を提供し得る。
【0064】
UVロボット515及び組立/UVロボット517によって塗布された速硬化接着剤は、構造接着剤が第一の構造体及び第二の構造体を永久的に接合するために塗布及び/又は硬化され得るまで、接着剤が接合近接部内の第一の構造体及び第二の構造体の相対位置を保持し得るという点で部分接着ボンディングを提供してもよく、その後、部分接着ボンディングを提供する接着剤を(例えば、仮接着剤のように)除去することも、あるいは(例えば、相補接着剤のように)除去しないこともある。
【0065】
フィクスチャレス組立システム500において、接着剤が塗布されるべき第一の構造体及び/又は第二の構造体の少なくとも1つの表面は、アセンブリの様々な構造体及び/又は接続部に加わる荷重を引き起こす重力及び/又は他の力に基づいて決定されてもよい。有限要素法(FEM)解析は、接着剤が塗布されるべき第一の構造体及び/又は第二の構造体の少なくとも1つの表面と、少なくとも1つの表面上の1つ以上の離散エリアとを決定するために適用されてもよい。例えば、FEM解析は、1つ以上の接続部について配置された構造アセンブリのセクションを支持する可能性が低い、又は支持できない可能性がある構造アセンブリの1つ以上の接続部を示すことができる。
【0066】
組立セル505で車両の少なくとも一部分を組み立てる際に、本明細書に記載されるように、様々なフィクスチャレスロボット507、509、511、513、515、517を指示することによって、第二の構造体を第一の構造体に直接的に接合してもよい。追加の構造体を、第一の構造体に間接的に接合してもよい。例えば、第一の構造体は、基幹ロボット507、構造接着剤ロボット513、少なくとも1つの組立ロボット509、511、及び/又はUVロボット515の動き(複数可)を介して、第二の構造体に直接接合されてもよい。その後、第二の構造体と接合された第一の構造体は、追加の構造体が第二の構造体に直接接合されることにより、間接的に追加の構造体に接合されてもよい。したがって、基幹ロボット507によって保持され続けられることもある第一の構造体は、追加の構造体が直接又は間接的に接合されるにつれて、組立プロセスを通じて進化してもよい。
【0067】
いくつかの実施形態では、組立ロボット509、511は、例えば、部分速硬化接着ボンドで、2つ以上の構造体を一緒にフィクスチャレス接合してもよく、その後、基幹ロボット507によって保持された第一の構造体と、それらの2つ以上の構造体を固定的にフィクスチャレス接合してもよい。構造アセンブリで接合される前に互いに接合される2つ以上の構造体も、また構造体であってよく、さらに「サブアセンブリ」と称されることもある。したがって、構造体が、基幹ロボット507、構造接着剤ロボット513、少なくとも1つの組立ロボット509、511、及びUVロボット515の動きを通じて第一の構造体と接続される構造サブアセンブリの一部分を形成する場合、構造サブアセンブリの構造体は、その構造サブアセンブリが第一の構造体を含む構造アセンブリに接合されると、第一の構造体に間接的に接続されることもある。
【0068】
いくつかの実施形態では、第一及び第二の構造体が接合近接部内に導かれる前に、構造接着剤を、例えば、構造体のうちの1つの溝内に堆積する等して、塗布してもよい。例えば、構造接着剤ロボット513は、構造接着剤のためのディスペンサを含んでもよく、構造体が接合近接部内に導かれる前に、構造接着剤を塗布してもよい。いくつかの実施形態では、構造接着剤は、構造アセンブリが完全に組み立てられた後、例えば、車両の部分の各構造体がそれぞれの接合近接部に導かれ、速硬化UV接着剤の塗布によって接合近接に対して固定されると、塗布される場合がある。例えば、構造接着剤は、第一の構造体と第二の構造体との間の1つ以上の接合部又は他の接続部に塗布されてもよい。構造接着剤は、UVロボット515による最後の接着剤硬化が行われた後の時点で塗布されてもよい。いくつかの実施形態では、構造接着剤は、フィクスチャレス組立システム500とは別に塗布されてもよい。
【0069】
組立が完了した後、すなわち、構造体の全てが組み立てられ、部分接着ボンディングで、例えば速硬化UV接着剤の塗布で保持され、構造接着剤が塗布された状態で、構造接着剤が硬化されてもよい。構造接着剤を硬化させると、車両の部分は完成してもよく、したがって、車両での使用に適していてもよい。例えば、完成した構造アセンブリは、消費者用車両及び/又は商業用車両について定義された任意の適用可能な業界及び/又は安全基準を満たすことができる。いくつかの実施形態では、構造体を保持するための部分接着ボンディングを達成するためにUVロボット515によって塗布された接着剤は、例えば、構造接着剤が硬化した後、除去されてもよい。いくつかの実施形態では、部分接着ボンディングのための接着剤は、構造体に付着したままであってもよい。
【0070】
様々な実施形態によれば、ロボット507、509、511、513、515、517のうちの1つ以上は、それぞれのロボットのそれぞれのベースを介して組立セル505の表面に固定されてもよい。例えば、ロボットのうちの1つ以上は、組立セルの床にボルトで固定されるベースを有していてもよい。様々な他の実施形態において、ロボットのうちの1つ以上は、組立セル505内でロボットを移動させるように構成されたコンポーネントを含んでもよいし、それと接続されてもよい。例えば、組立セル505内のキャリア519は、組立/UVロボット517に接続されてもよい。
【0071】
図6~
図6Vを参照すると、これらの図は、フィクスチャレス組立システム500の様々な操作中のロボット507、509、511、513、515、517の様々な構成を示している。
図6A~
図6Vは、様々な実施形態による例示的なフィクスチャレス接合操作を示す。
【0072】
まず、例示的な制御システムを説明する。ロボット507、509、511、513、515、517のそれぞれは、
図5及び
図6A~
図6Vに示すコントローラ607、609、611、613、615、617のうちのそれぞれの1つ等のコントローラと通信可能に接続されてもよい。コントローラ607、609、611、613、615、617のそれぞれは、例えば、メモリと、メモリに通信可能に接続されたプロセッサとを(例えば、以下の
図10に関して説明するように)含んでもよい。いくつかの他の実施形態によれば、コントローラ607、609、611、613、615、617のうちの1つ以上は、単一のコントローラによって制御されるロボットのうちの1つ以上に通信可能に接続されている単一のコントローラとして実装されてもよい。
【0073】
フィクスチャレス組立を実行するためのコンピュータ可読命令は、コントローラ607、609、611、613、615、617のメモリ上に格納されてもよく、コントローラのプロセッサは、ロボット507、509、511、513、515、517に、
図6A~
図6Vに関して説明するような様々なフィクスチャレス操作を実行させるための命令を実行することができる。
【0074】
コントローラ607、609、611、613、615、617は、例えば、有線(例えば、バス又は他の相互接続)及び/又は無線(例えば、無線ローカルエリアネットワーク、無線イントラネット)接続を介して、関連ロボット507、509、511、513、515又は517の1つ以上のコンポーネントと通信可能に接続されてもよい。コントローラのそれぞれは、例えば、様々なフィクスチャレス操作を実行するために、関連ロボットの1つ以上のコンポーネントにコマンド、リクエスト等を発行することができる。
【0075】
いくつかの実施形態によれば、コントローラ607、609、611、613、615、617は、関連ロボット507、509、511、513、515、又は517のロボットアームにコマンド等を発行してよく、例えば、組立セル505のグローバルセル基準フレームに対する絶対座標のセットに基づいてロボットアームを指示することができる。様々な実施形態において、コントローラ607、609、611、613、615、617は、ロボットアームの遠位端に接続されたツールにコマンド等を発行してもよい。例えば、コントローラは、接着剤アプリケータによって制御された量の接着剤を第一の構造体又は第二の構造体の表面に堆積させること、硬化ツールによって構造体間に堆積された接着剤を制御された時間だけUV光に曝すこと、等を含むツールの操作を制御してもよい。様々な実施形態において、コントローラ607、609、611、613、615、617は、ロボットアームの遠位端にあるエンドエフェクタにコマンド等を発行してもよい。例えば、コントローラは、構造体を係合、保持、及び/又は操作することを含む、エンドエフェクタの操作を制御してもよい。
【0076】
様々な他の態様によれば、同様にプロセッサ及びメモリを有するコンピューティングシステム529等のコンピューティングシステムは、コントローラ607、609、611、613、615、617のうちの1つ以上と通信可能に接続されてもよい。様々な実施形態において、コンピューティングシステムは、ローカルエリアネットワーク、イントラネット、ワイドエリアネットワーク等の有線及び/又は無線接続を介して、コントローラと通信可能に接続されてもよい。いくつかの実施形態では、コンピューティングシステムは、コントローラ607、609、611、613、615、617のうちの1つ以上に実装されてもよい。いくつかの他の実施形態では、コンピューティングシステムは、組立セル505の外部に配置されてもよい。そのようなコンピューティングシステムの一例を、
図10に関して後述する。
【0077】
コンピューティングシステムのプロセッサは、メモリからロードされた命令を実行してもよく、それらの命令の実行は、ネットワーク接続又は他の通信リンクを介してコントローラのうちの1つへのコマンド等を含むメッセージを送信すること等により、コンピューティングシステムにコントローラ607、609、611、613、615、617へのコマンド等を発行させることができる。
【0078】
いくつかの実施形態によれば、コマンドの1つ以上は、座標のセットを示し、コマンドを受信したコントローラの1つに関連するロボット507、509、511、513、515、517の1つによって実行されるべきアクションを示すことができる。コマンドによって示され得るアクションの例には、ロボットアームの動きを指示すること、ツールを操作すること、エンドエフェクタによって構造体を係合すること、構造体を回転及び/又は並進させること等が含まれる。例えば、コンピューティングシステムによって発行されたコマンドは、ロボットアームの遠位端がコマンドによって示される座標のセットに基づいて位置し得るように、組立ロボット509のコントローラ609に、組立ロボット509のロボットアームを指示させることができる。
【0079】
メモリからロードされ、コンピューティングシステムのプロセッサによって実行され、コントローラにロボットの操作を制御させる命令は、コンピュータ支援設計(CAD)データに基づいてもよい。例えば、組立セル505のCADモデル(例えば、物理的なロボットのCADモデルを含む)が構築され、コンピューティングシステムによって発行されるコマンドを生成するために使用されてもよい。
【0080】
いくつかの実施形態では、1つ以上のCADモデルは、組立セル505内の様々な要素に対応する場所を表してもよい。具体的には、CADモデルは、ロボット507、509、511、513、515、517のうちの1つ以上に対応する場所を表してもよい。さらに、CADモデルは、構造体及び構造体のリポジトリ(例えば、組立ロボットによって係合される前に構造体が配置され得るフィクスチャレス組立システム500内のパーツテーブル等の格納要素)に対応する場所を表してもよい。様々な実施形態において、CADモデルは、各ロボット507、509、511、513、515、517のそれぞれの初期位置又はベース位置に対応する座標のセットを表してもよい。
【0081】
そのようなCADモデリングのために、座標系のための基準フレームが定義されてもよい。座標系は、絶対座標、相対座標、又はそれらの組合せを含んでもよい。絶対座標のセットについては、座標フレームは、グローバル座標フレーム又はグローバルセル基準フレームであってもよく、座標フレームは、組立セル505を含んでもよい(例えば、組立セル505によって境界付けられてもよく、及び/又はそれによって定義されてもよい)。
【0082】
座標フレームは、組立セル505内の1つ以上の地上基準(例えば、1つ以上のレーザプリズム)に基づいて確立されてもよく、レーザプリズムのそれぞれが、集合体の中で、レーザプリズムの数に対応する数の基準点を有する基準フレームが定義されるように、組立セル内で測定されてもよい。したがって、組立セル505に対応するCADモデルは、アズビルドCADモデルであってもよく、これは、公称CADモデルよりも組立セルをより正確に表すことができる。CADモデリングに基づく絶対座標は、車両のフィクスチャレス組立に許容される程度の精度を提供してもよい。例えば、CADモデリングを通じて確立された絶対座標に基づいてロボット507、509、511、513、515、517を指示することは、車両を組み立てるときに遵守されるべき様々な業界及び/又は安全基準に準拠してもよい。
【0083】
様々な実施形態において、相対座標は、例えば、絶対座標系の代替又は補足として、フィクスチャレス組立システム500に使用されてもよい。特に、相対座標は、フィクスチャレス接合プロセスのいくつかの部分に対して使用されてもよく、その中で、第二の構造体が第一の構造体に接合され、及び/又は別の構造体に接合されてもよい。例えば、組立ロボットに関連するコントローラは、組立ロボットのロボットアームを、グローバルセル基準フレームに関して定義された絶対座標のセットに基づいて、接合位置に指示することができる。ロボットアームの位置は、組立ロボットが絶対座標のセットに基づいて接合位置に到達した後に、(例えば、組立ロボットのコントローラによって、基幹ロボットのコントローラによって、別のコントローラ及び/又は処理システムによって、その他によって)測定されてもよく、組立ロボットの測定位置は、基幹ロボットのコントローラに提供されてもよい。基幹ロボットのコントローラは、組立ロボットのロボットアームの測定された位置に基づいて、基幹ロボットのロボットアームを位置決めしてもよい。したがって、基幹ロボットのアームは、例えば、グローバルセル基準フレームに従って基幹ロボット及び組立ロボットのそれぞれの位置を修正する代わりに、組立ロボットのアームと相対的に位置決めされてもよく、その間、コントローラが基幹ロボット又は組立ロボットの位置に対して不可知な(agnostic)ままであってもよい、
【0084】
さらに、CADモデルは、車両の少なくとも一部分を構築するために組立セル505内で実行されることになる1つ以上の操作を表してもよい。言い換えれば、CADモデルは、フィクスチャレス組立システム500の組立手順をシミュレートしてもよく、したがって、1つ以上のロボットによって実行される動き及び/又はアクションのそれぞれをシミュレートしてもよい。CADシミュレーションは、離散操作のセット(例えば、離散操作は、関連する座標のセットに対する方向を含んでもよい)に変換されてもよく、この離散操作のセットは。1つ以上のロボットによって物理的に実行されてもよい。
【0085】
例示すると、組立ロボット及び構造接着剤ロボットの操作のための絶対座標(及び任意選択で時間)をモデル化するために、組立セル505の基準フレーム内の組立ロボット及び構造接着剤ロボットの動きがシミュレートされてもよい。例えば、CADモデルは、3つの操作をシミュレートしてもよい。その3つとは、(1)組立ロボットのエンドエフェクタによってパーツテーブル上に配置された構造体をフィクスチャレス係合するための第一の時間及び第一の座標のセット、(2)接着剤を塗布するために構造体を構造接着剤ロボットに近接して配置するように組立ロボットを指示するための第二の時間及び第二の座標のセット、及び(3)構造接着剤ロボットを指示して構造体の表面へ接着剤を塗布するための第三の時間及び第三の座標セットである。その後、例示的なシミュレーション操作は1つ以上の離散命令のセットに変換されてもよく、その離散命令のセットが、組立ロボット及び構造接着剤ロボットに通信可能に接続された1つ以上のコントローラのメモリにロードされてもよい。それぞれのコントローラのプロセッサによって実行されると、離散命令のセットは、フィクスチャレス組立システム500のロボットに、CADモデルを通じてシミュレートされた操作を実行させることができる。
【0086】
ロボット507、509、511、513、515、517のそれぞれは、ロボットの全部又は一部に共通する特徴を含んでもよい。例えば、ロボットの全てはベースを含んでもよく、そのそれぞれは、組立セル505に接触する(例えば、組立セルの床上に載る、又は固定される)表面(例えば、底面)を有する。各ベースは、別の表面(例えば、上面及び/又は組立セル505に接触する表面とは反対側のベースに配置された表面)を有してもよく、それぞれの別の表面において、ベースは、ロボットのそれぞれの各ロボットアームの近位端と接続されてもよい。
【0087】
いくつかの実施形態では、ベースは、少なくとも1つの回転及び/又は並進機構を介してロボットアームの近位端に接続されてもよい。少なくとも1つの回転及び/又は並進機構は、ロボットアームのエンドエフェクタ又は他のツールの動きに少なくとも1つの自由度を提供してもよい。これに対応して、少なくとも1つの回転及び/又は並進機構は、ロボットアームのエンドエフェクタ又は他のツールによって係合及び保持される構造体の動きに少なくとも1つの自由度を提供してもよい。
【0088】
ロボット507、509、511、513、515、517の各ロボットアームは、ロボットアームの近位端から対向して配置された遠位端を含んでもよい。本明細書で説明されるように(例えば、以下の
図6A~
図6Vに関して)、ロボットのそれぞれの各ロボットアームは、接着剤塗布ツール、硬化ツール等のエンドエフェクタ及び/又はツールを含んでいてもよい。エンドエフェクタ又はツールは、ロボットアームの遠位端に存在してもよい。いくつかの実施形態では、ロボットアームの遠位端は、少なくとも1つの回転及び/又は並進機構を介してエンドエフェクタ又はツール(又はツールフランジ)に接続されてもよく、これにより、ツールの動き及び/又はロボットアームのツールによって係合及び保持される構造体の動きに少なくとも1度の自由度が提供してもよい。
【0089】
いくつかの実施形態では、ロボットアームの遠位端は、ツールフランジと、ツールフランジに含まれるツールと、を含んでもよく、例えば、ツールは、ツールフランジによってロボットアームの遠位端に接続されてもよい。ツールフランジは、複数のツールを含むように構成されてもよい。このようにして、例えば、組立/UVロボット517は、組立/UVロボット517のロボットアームの遠位端が(例えば、ツールフランジによって接続される)エンドエフェクタを含む場合、組立ロボット509、511のそれぞれと同様の機能性を提供してもよい。さらに、組立/UVロボット517は、組立/UVロボット517のロボットアームの遠位端が、UV接着剤を塗布し、接着剤を硬化させるためにUV光を放出するように構成されたツールを含む場合、UVロボット515と同様の機能性を提供してもよい。
【0090】
いくつかの実施形態によれば、ツールフランジ及び/又はツールは、ツールによって係合及び保持される構造体の回転及び/又は並進のために1つ以上の追加の自由度を提供してもよい。そのような追加の自由度は、ベースをロボットアームの近位端に接続し、及び/又はロボットアームの遠位端をツール(又はツールフランジ)に接続する1つ以上の機構を介して提供される1つ以上の自由度を補足してもよい。例示的に、ロボット507、509、511、513、515、517の少なくとも1つのロボットアームは、関節ジョイント、ボールジョイント、及び/又は他の同様のジョイント等、遠位端及び/又は近位端で回転及び/又は並進するように構成された少なくとも1つのジョイントを含んでもよい。
【0091】
ロボット507、509、511、513、515、517のそれぞれの接続部(例えば、ロボットのうちの1つの様々なコンポーネントを接続する1つ以上の回転及び/又は並進機構)、それぞれのツールフランジ、及び/又はそれぞれのツールは、ロボットによって係合及び保持される構造体に6自由度(6DoF)の少なくとも一部(及び潜在的には全部)を提供してもよい。6DoFは、空間における並進のために前方/後方(例えば、サージ(surge))、上方/下方(例えば、ヒーブ(heave))、左/右(例えば、スウェイ(sway))を含んでもよく、空間における回転のためのヨー、ピッチ、及びロールをさらに含んでもよい。構造体の移動において6DoFを提供できず、またそれに取り付けられた構造体の重要な部分へのアクセスを遮断するフィクスチャを用いた構造体の保持とは対照的に、構造体の様々な部分へのアクセスは、6DoFのうちの1つ以上を通じて達成可能であり得る。
【0092】
フィクスチャ、ポジショナ、及び/又はフィクスチャテーブルを含む組立システムでは、組立プロセス中に6DoFが実現できないことがある。その理由は、例えば、フィクスチャ、ポジショナ、及び/又はフィクスチャテーブルの少なくとも1つが、フィクスチャの取り付けられている構造体のサージ、ヒーブ、スウェイ、ヨー(yaw)、ピッチ(pitch)、及び/又はロール(roll)のうちの1つ以上を阻止することがあるからである。構造体へのアクセス及び/又はその操作のためのフィクスチャ、ポジショナ、及び/又はフィクスチャテーブルの使用に見合った利用可能な空間の減少と相まって、6DoFの達成不可能なものは、構造体のいくつかの重要な部分にアクセスできないようにする可能性がある。
【0093】
構造体の一部にアクセスできないことで、車両の組立プロセスが困難になる。例えば、別の構造体が接合されるべき構造体の表面にアクセスできないと、構造体アセンブリが、商業用及び/又は消費者用車両の様々な業界及び/又は安全基準を満たすべき車両での使用に適さないものになる可能性がある。
【0094】
対照的に、本明細書に記載されるような構造アセンブリを構築するためのフィクスチャレスロボット操作(例えば、フィクスチャレス組立システム500に関して)は、フィクスチャ、ポジショナ、及び/又はフィクスチャテーブルに依存する組立システムよりも多くの自由度(例えば、全ての6DoF)を特徴とし得る。それに応じて、フィクスチャレスロボット操作(例えば、フィクスチャレス組立システム500)は、特に構造体の操作及び/又はアクセス可能性に固有な複雑さ及び/又は困難を低減し得、それによって、フィクスチャレス組立システム500を通じて得られる構造アセンブリが様々な業界及び/又は安全基準を満たし得る可能性が増大する。
【0095】
ここで、フィクスチャレス組立システム500の例示的な操作を、
図6A~
図6Vにおいて説明する。本明細書で説明するように、例示的な操作は、ロボット507、509、511、513、515、517と通信可能に結合されたコントローラ607、609、611、613、615、617の少なくとも1つによって引き起こされてもよい。いくつかの実施形態では、コンピューティングシステム529は、例示的な操作を引き起こすためにコントローラ607、609、611、613、615、617にコマンドを発行することができる。コンピューティングシステム529及び/又はコントローラ607、609、611、613、615、617は、例示的な操作を実行する物理ロボットをモデル化し得るCADデータ、及び/又は計測システム531によって提供され得る位置データに基づいて、例示的な操作を引き起こしてもよい。
【0096】
フィクスチャレス組立システム500の例示的な操作のために、ロボット507、509、511、513、515、517は、互いに比較的近接して、例えば、以下に説明する例示的な操作に適した距離で位置決めされてもよい。いくつかの実施形態では、1つ以上のロボット507、509、511、513、515、517は、以下に説明する例示的な操作の前に、1つ以上の例示的な操作に適した場所で、フィクスチャレス組立システム500に位置決めされてもよい。そのような場所では、それらの1つ以上のロボットのそれぞれのベースは、フィクスチャレス組立システム500の例示的な操作の間中、静止していてもよい。しかしながら、ロボット507、509、511、513、515、517のロボットアームの動きは、それぞれのベースを中心に回転する、ヒンジで回る、及び/又はそうでなければ関節運動する等、フィクスチャレス組立システム500の様々な段階において協調して制御されてもよい。
【0097】
いくつかの他の実施形態では、異なるロボット507、509、511、513、515、517は、フィクスチャレス組立の異なる段階で互いに異なる距離で動的に(再)位置決めされてもよい。キャリア519は、例えば、フィクスチャレス組立に関連する1つ以上の命令セットの1つ以上のプロセッサによる実行に従って、1つ以上のロボット507、509、511、513、515、517をそれぞれの位置に移動させるように構成されてもよい。静的であろうと動的であろうと、ロボット507、509、511、513、515、517のそれぞれが位置決めされるそれぞれの場所は、フィクスチャレス組立システム500に関連する座標の1つ以上のセット(例えば、絶対座標の1つ以上のセット)に基づくことができる。
【0098】
最初に
図6Aを参照すると、組立ロボット511は、第一の構造体523と係合することができる。第一の構造体523は、第一の構造体523と1つ以上の他の構造体との接合を可能にする1つ以上の特徴を含んでもよい。例示的に、第一の構造体523は、第一の表面上に溝533を含んでもよく、第二の表面上に舌535を含んでもよい。第一の構造体523の第一の表面及び第二の表面は、第一の構造体の異なる面であってもよい(例えば、第一の表面は第一の構造体523の左側又は上側にあり、第二の表面は第一の構造体523の右側又は下側にあってもよく、又はその逆であってもよい)。
【0099】
組立ロボット511は、パーツテーブル521に比較的近接して配置されてもよい。そのような場所では、組立ロボット511のロボットアームは、近接部内にあることがあり、そこで、組立ロボット511のロボットアームは、パーツテーブル521上に配置されたパーツの少なくとも一部分に到達することができる。
図6Aの例示的な実施形態では、組立ロボット511はパーツテーブル521の一側に位置してよく、第一の構造体523の溝533は、組立ロボット511のそのような位置で第一の構造体523の舌535よりも組立ロボット511に比較的近くてもよい。
【0100】
組立ロボット511は、エンドエフェクタ537に接続されてもよい。例示的に、組立ロボット511のロボットアームの遠位端は、エンドエフェクタ537に接続されてもよく、エンドエフェクタ537は、ロボットアームの遠位端上に構築されても、あるいはロボットアームに取り付けられてもよい(また、固定されても、取り外し可能でもよい)。組立ロボット511のエンドエフェクタ537は、1つ以上の構造体を係合(例えば、「ピックアップ」)及び保持するように構成されてもよい。例えば、組立ロボット511のエンドエフェクタ537は、異なる構造の1つ以上の特徴を介して等、異なる構造体と係合するように構成されてもよい。そのようなエンドエフェクタのいくつかの例は、ジョー又はグリッパを含んでもよい。
【0101】
組立ロボット511は、例えば、溝533又は舌535を有しない第一の構造体のほぼ側面で、第一の構造523と係合することができる。具体的には、組立ロボット511のロボットアームは、組立ロボット511のエンドエフェクタ537が第一の構造体523と係合できる位置まで移動してもよい。この位置で、組立ロボット511のエンドエフェクタ537は、例えば、溝533又は舌535とは異なる側及び/又は表面で、第一の構造体523と係合する。一旦係合すると、組立ロボット511は、例えば、エンドエフェクタ537によって、第一の構造体523を保持してもよい。第一の構造体523が組立ロボット511によって保持されると、組立ロボット511は、以下にさらに説明するように、フィクスチャレス組立の1つ以上の例示的操作が行われ得る1つ以上の位置まで第一の構造体523を移動させてもよい。
【0102】
次に
図6Bを参照すると、組立ロボット511は、構造接着剤ロボット513に面するように旋回してもよい。組立ロボット511のロボットアームの遠位端は、構造接着剤ロボット513に向かって位置決めされてもよく、同様に、構造接着剤ロボット513のロボットアームの遠位端は、組立ロボット511に向かって位置決めされてもよい。
【0103】
図6Bに図示されるこの例示的な場所で、組立ロボット511は、第一の構造体が組立ロボット511と構造接着剤ロボット513とのほぼ間に存在する位置まで第一の構造体523を移動させてもよい。さらに、組立ロボット511は、組立ロボット511のロボットアーム及び/又は組立ロボット511のエンドエフェクタ537を、第一の構造体523がほぼ上向きに配向するように移動させること等により、溝533がほぼ上向きであるように第一の構造体523を配向してもよい。
【0104】
構造接着剤ロボット513は、構造接着剤アプリケータ539又は他の類似のツールに接続されてもよい。例示的に、構造接着剤アプリケータ539は、ロボットアームの遠位端に組み込まれてもよいし、ロボットアームに取り付けられてもよい(また、固定されてもよいし、取り外し可能であってもよい)。構造接着剤アプリケータ539は、構造表面上に接着剤を堆積させるように構成されてもよい。
【0105】
第一の構造体523が好適に配置されると(例えば、2つのロボット511、513の間に)、構造接着剤ロボット513は、第一の構造体523に接着剤の塗布を引き起こしてもよい。具体的には、構造接着剤ロボット513は、接着剤を第一の構造体523の溝533に堆積させてもよい。そうするために、構造接着剤ロボット513は、構造接着剤アプリケータ539が溝533の上にあり、意図しない表面への接着剤の堆積を回避しながら、制御された量の接着剤が規定エリア内に堆積され得るように十分に近い位置にそのロボットアームを移動させてもよい。そのような上記位置において、構造接着剤アプリケータ539の接着剤塗布チップは、溝533のほぼ真上にあり、溝533内に下向きに向けられることができる。
【0106】
堆積された後、制御された量の接着剤は、少なくとも部分的に溝533を充填してもよい。いくつかの実施形態では、制御された量の接着剤は、溝533を完全に又はほぼ完全に充填してもよい。しかしながら、接着剤の量は、接着剤が溝533の外側で、溝533を境にしている第一の構造体523の第一の表面上にオーバーフローしないように制御されてもよい。例えば、溝533に堆積された接着剤の量は、他の構造体の舌等の突出部が溝533に挿入される際に、第一の構造体523が他の構造体と接合されるときに、接着剤が第一の構造体523のいずれの表面にも漏れないように制御されてもよい。
【0107】
図6Cを参照すると、基幹ロボット507は、第二の構造体525と係合することができる。第一の構造体523と同様に、第二の構造体525は、第二の構造体525を1つ以上の他の構造体と接合できるようにする1つ以上の特徴部を含むことができる。図示された実施形態では、第二の構造体525は、第一の表面上に溝547を含んでもよく、第二の表面上に舌545を含んでもよい。第二の構造体525の第一の表面及び第二の表面は、互いにほぼ反対側の面にあってもよい。
【0108】
第二の構造体525は、パーツテーブル522上に配置されてもよく、基幹ロボット507は、パーツテーブル522に比較的近接して配置されてもよい。そのような場所では、基幹ロボット507のロボットアームは、近接部内にあることがあり、そこで、基幹ロボット507のロボットアームがパーツテーブル522上に位置するパーツの少なくとも一部に到達することができる。
図6Cの例示的な実施形態では、基幹ロボット507は、パーツテーブル522の一側に位置してよく、第二の構造体525の舌545は、基幹ロボット507が位置する一側とは比較的反対側にあるパーツテーブル522の側面に向かって位置決めされることがある。この位置で、第二の構造体525の溝547は、基幹ロボット507の方を向いている。
【0109】
基幹ロボット507は、エンドエフェクタ543に接続されてもよい。例示的に、基幹ロボット507のロボットアームの遠位端は、エンドエフェクタ543に接続されてもよく、エンドエフェクタ543は、ロボットアームの遠位端上に構築されてもよいし、あるいはロボットアームに取り付けられてもよい(また、固定されても、取り外し可能であってもよい)。基幹ロボット507のエンドエフェクタ543は、1つ以上の構造体を係合(例えば、「ピックアップ」)及び保持するように構成されてもよい。例えば、基幹ロボット507のエンドエフェクタ543は、異なる構造体の1つ以上の特徴等を介して、異なる構造体とフィクスチャレス係合するように構成されてもよい。そのようなエンドエフェクタのいくつかの例は、ジョー又はグリッパを含んでもよい。
【0110】
基幹ロボット507は、第一の表面、すなわち、溝547が位置する表面で第二の構造体525と係合することができる。具体的には、基幹ロボット507のロボットアームは、基幹ロボットが第二の構造体525と係合できる位置まで移動されてもよく、基幹ロボット507は、その後、エンドエフェクタ543を用いて第一の表面で第二の構造体525と係合及び保持されてもよい。
【0111】
図6Dに関して、基幹ロボット507は、組立ロボット511に面するように旋回してもよく、組立ロボットは、基幹ロボットに面するように旋回してもよい。基幹ロボット507のロボットアームの遠位端は、組立ロボット511に向かって位置決めされてもよく、同様に、組立ロボット511のロボットアームの遠位端は、基幹ロボット507に向かって位置決めされてもよい。
【0112】
図6Dに図示されるこの例示的な場所で、基幹ロボット507は、第二の構造体525が基幹ロボット507と組立ロボット511とのほぼ間に存在する位置まで第二の構造体525を移動させてもよい。さらに、基幹ロボット507は、基幹ロボット507のロボットアーム及び/又は基幹ロボット507のエンドエフェクタ543を、第二の構造体525がほぼ下向きに配向するように移動させること等により、第二の構造体525の舌545がほぼ下向きであるように第二の構造体525を配向してもよい。
【0113】
いくつかの実施形態では、基幹ロボット507は、CADモデリングに基づき得る1つ又は複数のベクトルに従って第二の構造体525を動かしてもよい。1つ以上のベクトルのそれぞれは、第二の構造体525が基幹ロボット507によって動かされることに従って、大きさ(例えば、距離)及び方向を示してもよい。各ベクトルは、第二の構造体525を接合近接部内に導くことを意図していてもよいが、いくつかのベクトルは、第一及び第二の構造体523、525を接合するためのベクトルが適用できる位置に第二の構造体525を導くことを意図する中間ベクトルであってもよい。
【0114】
組立ロボット511は、第一の構造体523を基幹ロボット507よりも組立ロボット511に比較的近く位置させてもよい。いくつかの実施形態では、組立ロボット511は、第一の構造体523を、第二の構造体525の少なくとも一部分の上に少なくとも部分的に存在するように位置付けてもよい。例えば、組立ロボット511は、第一の構造体523をほぼ頭上の位置に保持してもよい。
【0115】
ここで
図6Eを参照すると、組立ロボット511及び基幹ロボット507は、第一の構造体523及び第二の構造体525をそれぞれ、互いに近くだが、接合するのに十分近くない位置まで移動させてもよい。さらに、第一の構造体523は、例えば、第一の構造体523及び第二の構造体525が仰角面(又は垂直空間)において少なくとも部分的に重なるように、第二の構造体525の下になるように位置決めされてもよい。
【0116】
組立ロボット511は、第一の構造体523の溝533がほぼ上向きになり、そこに予め堆積された制御された量の接着剤を有するように、第一の構造体523を方向付けてもよい。例えば、組立ロボット511は、そのロボットアーム及び/又はエンドエフェクタ537を、第一の構造体523の溝533がほぼ上向きに配向するように移動させることができる。したがって、第一の構造体523の溝533は、第二の構造体525の舌545に面していてもよい。
【0117】
基幹ロボット507による第二の構造体525の移動と同様に、組立ロボット511は、CADモデリングに基づくことができる1つ以上のベクトルに従って第一の構造体523を移動させてもよい。1つ以上のベクトルのそれぞれは、第一の構造体523が組立ロボット511によって動かされることに従って、大きさ(例えば、距離)及び方向を示してよい。各ベクトルは、第一の構造体523を接合近接部内に導くことを意図していてもよいが、いくつかのベクトルは、第一及び第二の構造体523、525を接合するためのベクトルが適用できる位置に第一の構造体523を導くことを意図する中間ベクトルであってもよい。
【0118】
基幹ロボット507は、舌545がほぼ下向きに配向された先に説明した位置で第二の構造体525を保持してもよいが、第二の構造体525は、組立ロボット511によって引き起こされる第一の構造体523の移動により、今や第一の構造体523の上に配置されてもよい。しかしながら、第一及び第二の構造体523、525は、第一の構造体が第二の構造体と接合され得る接合近接部内にまだ存在しない可能性がある。
【0119】
図6Fは、第一の構造体523及び第二の構造体525が、その2つの構造体が接合され得る接合近接部内にどのように導かれ得るかを示している。第一及び第二の構造体523、525を接合近接部内に導くために、第一及び/又は第二の構造体の一方又は両方は、それぞれ組立ロボット511及び/又は基幹ロボット507の一方又は両方によって移動されてもよい。例えば、組立ロボット511は、第一の構造体523が係合されているそのロボットアームの遠位端を、第二の構造体525に向かってほぼ上方向に移動させるようにしてもよい。追加又は代替として、基幹ロボット507は、第二の構造体525が係合されているそのロボットアームの遠位端を、第一の構造体523に向かってほぼ下方向に移動させるようにしてもよい。
【0120】
様々な実施形態において、フィクスチャレス組立システム500でロボットによって係合される構造体の接合は、「移動-測定-修正」手順を使用して達成されてもよい。事実上、移動-測定-修正手順は、少なくとも1つの構造体を接合近接部に向かって移動させるステップと、構造体の1つの現在の位置(例えば、構造の物理的位置)と構造体が接合され得る位置(例えば、接合近接部)との間の少なくとも1つの差を測定するステップと、構造体が接合近接部内に導かれ得るように構造体の少なくとも1つの位置を修正するステップであって、その位置で構造体を接合し得る、ステップと、を含んでもよい。移動-測定-修正手順は、構造体が接合近接部内に導かれるまで、接合される構造体の1つ以上について繰り返されてもよく、その時点で、構造体が接合されるように(例えば、許容誤差内で)接合操作が達成され得る。構造体が1つのステップで接合近接部内に導かれることが可能であり、したがって、手順を繰り返すことは、全ての場合で必要でないことがある。
【0121】
移動-測定-修正手順は、組立セル505に関連する位置データを決定(例えば、検出、計算、測定、捕捉等)するように構成され得る計測システム531を使用してもよい。位置データは、構造体及び/又はロボット(例えば、ツール、フランジ、エンドエフェクタ等のロボットアーム及び/又はロボットと接続されたコンポーネントを含む)の1つ以上の位置を示す測定値又は他の値のセットを含んでもよい。計測システム531は、組立セル505内及び/又はそれに近接して配置された1つ以上のデバイスを含んでもよく、例えば、追跡機制御センサ(T-MAC)、レーザ計測デバイス(例えば、レーザ走査及び/又は追跡用に構成された)、写真測量デバイス、カメラ(例えば、静止画及び/又はビデオを撮影するように構成された)、及び/又は同様に位置データを決定するように構成された別のデバイスを含んでもよい。
【0122】
いくつかの実施形態では、計測システム531は、組立セル505内の少なくとも1つのターゲットに基づいて位置データを決定してもよく、このターゲットは、ロボット(例えば、ツール、フランジ、エンドエフェクタ等、ロボットアーム及び/又はロボットと接続されたコンポーネントを含む)、接合される構造体の1つ以上、及び/又は組立セル505内の他の場所に配置されてもよい。少なくとも1つのターゲットは、組立セル505内の計測システム531によって検出/識別可能であってもよい。例えば、少なくとも1つのターゲットは、組立セル505内で少なくとも1つのターゲットを区別するように、反射性であってもよく、及び/又は特定の形状を有していてもよい。
【0123】
計測システム531は、位置データをコンピューティングシステム529に提供してもよい。例えば、位置データは、構造体に関連する座標のセットを示すことができる。座標のセットは、絶対座標のセット(例えば、組立セル505のグローバル座標フレーム)及び/又は相対座標のセット(例えば、接合近接部に対する相対、及び/又は構造の他の1つに対する相対)の少なくとも一方を含んでもよい。
【0124】
位置データは、コンピューティングシステム529によって、構造体の1つの現在の位置と接合近接部との間の差を決定する(例えば、測定又は計算する)ために使用されてもよい。例えば、コンピューティングシステム529は、位置データによって示される座標のセットと、接合近接部内にもたらされるために構造体が位置すると予想される座標であり得る設定座標又は予想座標との間の差を決定してよい。
【0125】
必要に応じて、構造体の少なくとも1つの位置は、決定された差に基づいて修正され得る。例えば、フィクスチャレス組立システム500におけるロボットの不完全性及び/又は他の不正確性により、構造体をドリフトさせるか、あるいは、そうでなければ、接合近接部、及び/又は構造体が接合近接部内にもたらされるように移動させられるべきベクトル又は座標と整列しなくなる可能性がある。決定された差が接合近接部の許容誤差内にない場合、コンピューティングシステム529は、構造体が接合近接部内に導かれ得るように、構造体の1つが移動させられるべきベクトル及び/又は座標のセットを決定することができる。
【0126】
コンピューティングシステム529は、次に、構造体を保持しているロボット507、509、511、513、515、517の1つと通信可能に接続されているコントローラ607、609、611、613、615、617の1つにコマンドを発行し、発行したコマンドにより、コントローラは、構造体が接合近接部内に導かれるように、構造体の位置を修正させることがある。例えば、ロボット507、509、511、513、515、517のうちの1つは、発行されたコマンドに基づいて決定されたベクトル及び/又は座標のセットに従って構造体を移動させてもよい。
【0127】
図6Fの文脈では、計測システム531は、組立セル505内の第一の構造体523及び/又は第二の構造体525の少なくとも1つに関連する位置データを決定してもよい。例えば、計測システム531は、第一の構造体523に関連する座標のセットを決定してもよい。座標のセットは、組立セル505内の第一の構造体523の物理的位置、及び/又は接合近接部若しくは第二の構造体525に対する相対的位置を示していてもよい。
【0128】
計測システム531は、位置データをコンピューティングシステム529に提供してもよい。コンピューティングシステム529は、位置データを受信してもよく、位置データに基づいて、第一の構造体523を接合近接部内に導いて第二の構造体525と接合できるように、適用すべき修正操作のセットを決定してもよい。例えば、コンピューティングシステム529は、第一の構造体523に関連付けられた座標のセットと接合近接部との間の差を決定してもよい。
【0129】
決定された差に基づいて、コンピューティングシステム529は、第一の構造体523が接合近接内にもたらされ得るように、第一の構造体523に適用されるべき修正操作のセットを決定してもよい。いくつかの実施形態では、修正操作のセットは、それぞれが、第一の構造体523が接合近接部内に移動され得る大きさ及び方向を示すベクトルのセットを含んでもよい。いくつかの他の実施形態では、修正操作のセットは、第一の構造体523が接合近接内にもたらされるように組立ロボット511のロボットアームが制御されるべき座標のセット等、接合近接部内に第一の構造体523を導くことに関連する座標のセットを含んでもよい。
【0130】
コンピューティングシステム529は、コントローラ611にコマンドのセットを発行すること等により、組立ロボット511と通信可能に接続されたコントローラ611に修正操作のセットを提供してもよい。コントローラ611は、コマンドのセットによって示される修正操作のセットに従って組立ロボット511のロボットアームを制御することによって、コマンドのセットを適用してもよい。
【0131】
いくつかの実施形態では、計測システム531は、前述の修正操作のセットが適用された後に、第一の構造体523及び/又は第二の構造体525の少なくとも1つに関連する位置データを再び決定してもよい。コンピューティングシステム529は、後続の位置データを受信してもよく、後続の位置データに基づいて、第一の構造体523及び第二の構造体525を接合近接部内に導くことが必要な場合、次の修正操作のセットを決定してもよい。次のセットの修正操作が必要な場合、コンピューティングシステム529は、次のセットのコマンドをコントローラ607又はコントローラ611の一方に(例えば、第一の構造体523又は第二の構造体525のいずれが移動されるかに応じて)発行してもよい。次のセットのコマンドを受信したコントローラは、次のセットの修正操作に従って、基幹ロボット507又は組立ロボット511の対応する1つを制御してもよい。移動-測定-修正手順は、コンピューティングシステム529が、第一の構造体523及び第二の構造体525が接合近接部にあり、さらなる修正操作を適用すべきでないと決定するまで、反復して繰り返されてもよい。したがって、第一の構造体523及び第二の構造体525は、接合近接部で接合されてもよい。
【0132】
構造体が接合近接内にあるとき、1つの構造体の少なくとも一部分は、方位角(又は水平)面及び/又は仰角面の少なくとも1つにおいて、別の構造体の少なくとも一部と重なり合う。このような重なり合いによれば、1つの構造の1つ以上の特徴は、例えば、1つの構造体の突出部が別の構造体の凹部に挿入される場合等、インターロック又は嵌合によって、別の構造体の1つ以上の相補的な特徴と接続することができる。フィクスチャレス組立システム500の図示された例の操作では、第一の構造体523及び第二の構造体525が接合近接部内にあるとき、第二の構造525の舌545が第一の構造体523の溝533内に配置されてよく、それによって、舌と溝の接合が形成される。
【0133】
いくつかの実施形態では、第二の構造体525の舌545は、接合近接部において第一の構造体523に接触しないことがある。言い換えれば、ロボットは、構造体が互いに接触するのを防止しながら、構造体を接合近接部内に導くように制御され得る。例えば、第二の構造体525の舌545は、第一の構造体523の溝533内にあってもよいが、舌と溝の側面との間の横方向ボンドギャップ561a、561b(本明細書では総称して横方向ボンドギャップ561)のような横方向ボンドギャップ、及び舌と溝の底部との間の垂直ボンドギャップ562が生じる可能性がある。その理由は、側面及び底部に接触せずに舌が溝内に挿入されるからである。むしろ、第二の構造体525の舌545は、第一の構造体523と第二の構造体525が接合近接部にあるとき、(
図6Bで上に示したように)第一の構造体523の溝533に堆積した構造接着剤に単に接触してもよい。しかしながら、いくつかのさらなる実施形態では、第一の構造体523の溝533を囲む表面は、第二の構造体525の舌545を囲む表面と接触してもよい。
【0134】
接触せずに接合することによって生じるボンドギャップは、マルチパーツ構造体を組み立てる際に大きな利点を提供することができる。具体的には、個々の接合操作ごとに、例えば、構造体の不適切な位置決め、構造体の寸法のばらつき(例えば、3D印刷された構造体は、3D印刷の性質上、期待通りの正確な寸法を有していないかもしれない)等に起因し得る空間誤差が存在する可能性がある。一般的な接合操作では、マルチパーツ構造体を接合するたびに、これらの誤差が積み重なり、最終的なアセンブリの寸法誤差が大きくなることがある。しかしながら、非接触接合の結果得られるボンドギャップは、個々の接合の寸法誤差を吸収することができる。
図6Oに示される接合は、ボンドギャップがどのように寸法誤差を吸収することができるかについて、より詳細を提供する。
【0135】
ここで
図6Gを参照すると、基幹ロボット507及び組立ロボット511は、第二の構造体525及び第一の構造体523が接合近接部にあるように、それぞれの位置に留まることができる。
【0136】
そのような位置決めが維持された状態で、UVロボット515は、基幹ロボット507及び組立ロボット511に比較的近接して配置されてもよい。UVロボット515のロボットアームの遠位端は、第一の構造体523及び第二の構造体525に向かって、具体的には、第一の構造体523及び第二の構造体525が接合される点に向かって(例えば、舌と溝の接合部に向かって)位置決めされてもよい。そのような位置において、UVロボット515のロボットアームの遠位端は、基幹ロボット507と組立ロボット511との間にあってもよい。
【0137】
UVロボット515は、ツール549と接続されてもよく、このツールは、具体的には、UVロボット515のロボットアームの遠位端と接続されてもよい。ツール549は、接合近接部において第一の構造体523と第二の構造体525とをボンディングするように構成されてもよい。例えば、ツール549は、アプリケータ575、577等の1つ以上のアプリケータと共に、又はアプリケータ575、577に接続されて、UV又は他の仮接着剤を塗布し(例えば、UV接着剤アプリケータ575を介して)、UV光を放出し(例えば、UV光アプリケータ577を介して)又は他の方法でUV又は他の仮接着剤を硬化し、それによって第一の構造体523と第二の構造体525とをボンディングさせるように構成してもよい。UVロボット515によって作成されたボンディングは、一時的であってもよく、一方、構造接着剤(
図6Bに上述したように、構造接着剤ロボット513によって塗布される)は、硬化したときに永久ボンディングを提供することができる。
【0138】
UVロボット515のロボットアームの遠位端は、UVロボット515と接続されたツール549が、第一の構造体523及び第二の構造体525の接合近接する点に近接するように位置決めされてもよい。例えば、UVロボット515のロボットアームは、ツール549が、UV接着剤を吐出するのに適した舌と溝の接合部(第一の構造体523及び第二の構造体525を接合近接部に位置付けることによって形成される)からの距離に位置付けられるように位置決めされてもよい。この好適な距離で、UVロボット515は、第一の構造体523及び第二の構造体525を接合することによって形成された舌と溝の接合部上及び/又はその近傍にUV接着剤を塗布してもよい。
【0139】
いくつかの実施形態では、UVロボット515と接続されたツール549は、1つ以上のUV接着剤ストリップとしてUV接着剤を塗布してもよい。各UV接着剤ストリップは、第一の構造体523及び第二の構造体525の両方に接触するように塗布されてもよい。例えば、UVロボット515は、1つのUV接着剤ストリップが、第一の構造体523(例えば、第一の構造体523の溝533に近接)及び第二の構造体525(例えば、第二の構造体525の舌545に近接)のそれぞれの表面にわたって置かれるようにツール549を位置付けてもよい。この段階で、UV接着剤は、未硬化であってもよい(例えば、未硬化UV接着剤579)。
【0140】
ここで
図6Hを参照すると、基幹ロボット507及び組立ロボット511は、第二の構造体525及び第一の構造体523が、第一の構造体523及び第二の構造体525の間に配置されたUV接着剤(例えば、未硬化UV接着剤ストリップ579)と接合近接部に配置されるように、それぞれの位置に留まり得る。
【0141】
いくつかの実施形態では、UVロボット515は、再び、基幹ロボット507及び組立ロボット511に相対的に近接して位置決めされてもよい。UVロボット515のロボットアームの遠位端は、再び、第一の構造体523及び第二の構造体525に向かって、具体的には、第一の構造体523及び第二の構造体525が接合近接部にある点に向かって(例えば、舌と溝の接合部に向かって)位置決めされてもよい。
【0142】
上述したように、UVロボット515は、UVロボット515によって先に塗布されたUV接着剤又は他の仮接着剤を硬化させるように構成された硬化デバイス、例えば、UV光アプリケータ577を含むツール549と接続されてもよい。UV光アプリケータ577は、UV接着剤を硬化させるためにUV光581を放射するように構成されたUV硬化ツールであってもよい。いくつかの他の実施形態では、ツール549は、熱及び/又は空気などの他の手段によって素早く硬化させることができる仮接着剤を塗布するように構成されてもよく、ツールは、空気乾燥機又は熱源を有するアプリケータ等の、他の仮接着剤を硬化させるのに十分なアプリケータを含むことができる。様々な実施形態において、仮接着剤は、それ自体で素早く硬化する速硬化接着剤、例えば、クイックセットエポキシであってもよく、この場合、ツールは接着剤アプリケータのみを含んでもよい。
【0143】
本実施形態で説明したように、ツール549は、UV接着剤を塗布するように構成されたUV接着剤アプリケータと、UV接着剤を硬化するように構成されたUV光アプリケータとの両方を含むことができる。例えば、UVロボット515は、ツール549の操作モードを、未硬化UV接着剤を塗布するための一つのモードからUV接着剤を硬化するための別のモードへと切り替えてもよい。いくつかの他の実施形態では、ツールは異なっていてもよく、例えば、UV接着剤アプリケータ及びUV光アプリケータ用の別々のツールが存在してもよい。例えば、UVロボット515は、UV接着剤アプリケータ(ディスペンサ)ツールからUV光アプリケータ(硬化)ツールに切り替えてもよい。
【0144】
UVロボット515は、UV接着剤を硬化させるのに適した、UV接着剤からの距離にツール549を位置付けてもよく、これは、UV接着剤が以前に塗布された位置と同じ位置でも異なる位置でも構わない。ツール549がこの距離にある状態で、UVロボット515は、ツールのUV光アプリケータ577にUV接着剤を硬化させるようにさせてもよい。例えば、UVロボット515は、UV光アプリケータ577に、UV接着剤を硬化させるのに十分な時間、UV光581を放射させてもよい。しかしながら、UVロボット515は、例えば、構造接着剤がUV光への曝露によって硬化可能でないことがあるため、構造接着剤を硬化させない場合がある。
【0145】
UV接着剤(例えば、UV接着剤ストリップ)が第一の構造体523及び第二の構造体525上の複数の場所に塗布されるいくつかの実施形態では、UVロボット515は、ツール549を異なる位置に移動させてよく、そのそれぞれの位置がUV接着剤を硬化させるのに適している場合がある。UVロボット515は、UV光アプリケータ577が硬化のためのUV光581を放射する間、UV接着剤を硬化させるのに十分な時間、異なる位置のそれぞれでツール549を保持してもよい。硬化後、未硬化UV接着剤579は、硬化UV接着剤583になる。
【0146】
UV接着剤が硬化すると、UVロボット515は、そのロボットアームを第一の構造体523及び第二の構造体525から離れるように移動させてもよい。第一の構造体523及び第二の構造体525は、硬化したUV接着剤583によって少なくとも一時的にボンディングされてもよい。しかしながら、構造接着剤(
図6Bに上述したように、構造接着剤ロボット513によって塗布される)は、この段階で、未硬化であってもよい。
【0147】
次に、
図6Iは、基幹ロボット507がその位置に留まり、第二の構造体525を保持し続ける可能性があることを示す。この段階で、第二の構造体525は、例えば、第一の構造体523及び第二の構造体525にわたって硬化したUV接着剤583ストリップを介して、第一の構造体523に少なくとも一時的にボンディングされてもよい。
【0148】
組立ロボット511は、第一の構造体523から分離してもよい。例えば、組立ロボット511は、エンドエフェクタ537のジョーを開くこと、エンドエフェクタ537を第一の構造体523の1つ以上の特徴から外すこと、及び/又は他の方法でエンドエフェクタ537を第一の構造体523から離脱させること等により、そのエンドエフェクタに第一の構造体523から係合解除させてもよい。
【0149】
第一の構造体523から分離されると、組立ロボット511は、そのロボットアームを第一の構造体から離れるように移動させてもよい。例えば、組立ロボット511は、そのロボットアームを基幹ロボット507から離れるように後退させてもよい。そうすることで、基幹ロボット507は、移動するためのより大きな面積を提供されてもよい。
【0150】
組立ロボット511が第一の構造体523から分離されると、基幹ロボット507は、例えば、第一の構造体523と少なくとも一時的にボンディングされた第二の構造体525のその保持を通じて、第一の構造体523を保持してもよい。硬化したUV接着剤583は、基幹ロボット507が第一の構造体523と直接係合しなくても(例えば、基幹ロボット507のエンドエフェクタ543が第二の構造体525と係合するとき)、第二の構造体525とボンディングされた第一の構造体523のこの保持を支えるのに十分なボンディングを提供し得る。(一時的にでも)ボンディングされると、第一の構造体523及び第二の構造体525は、1つの構造体であってもよく、及び/又はサブアセンブリ603と呼ばれることがある。
【0151】
図6Jを参照すると、組立ロボット511は、パーツテーブル521の方を向き、第三の構造体527と係合することができる。第三の構造体527は、第三の構造体527と1つ以上の他の構造体との接合を可能にする1つ以上の特徴を含んでもよい。例示的に、第三の構造体527は、第一の表面上に溝551を含んでもよく、第二の表面上に溝553を含んでもよい。第三の構造体527の第一の表面及び第二の表面は、ほぼ反対側の表面であってもよい(例えば、第一の表面は第三の構造体527の左側にあり、第二の表面は第三の構造体527の右側にあってもよく、又はその逆であってもよい)。
【0152】
組立ロボット511は、そのロボットアームがパーツテーブル521に向かって位置決めされた状態で、第三の構造体527の溝553よりも第三の構造体527の溝551に比較的近くなってもよい。組立ロボット511は、例えば、第三の構造体527のほぼ溝551側で第三の構造体527と係合してもよい。具体的には、組立ロボット511のロボットアームは、組立ロボット511のエンドエフェクタ537が第三の構造体527と係合できる位置まで移動してもよい。この位置で、組立ロボット511のエンドエフェクタ537は、第三の構造体527と係合する。一旦係合すると、組立ロボット511は、例えば、エンドエフェクタ537によって第三の構造体527を保持してもよい。
【0153】
ここで
図6Kを参照すると、組立ロボット511は、そのロボットアームが構造接着剤ロボット513のロボットアームに向かう位置までそのロボットアームをそのベースについて回転させること等により、構造接着剤ロボット513に向かって移動してもよい。いくつかの実施形態では、構造接着剤ロボット513は、組立ロボット511によって保持されている第三の構造体527に向かってそのロボットアームをさらに動かしてもよい。
【0154】
図6Kに示されるように、組立ロボット511は、溝551がほぼ上向きに配向するように、組立ロボットのロボットアーム及び/又は組立ロボットのエンドエフェクタ537を移動させること等によって、溝551がほぼ上向きであるように、第三の構造体527を配向してもよい。
【0155】
構造接着剤アプリケータ539(又は他の類似のツール)と接続された構造接着剤ロボット513は、構造接着剤アプリケータが溝551の上にあり、構造接着剤の堆積を他の場所で回避しながら、制御された量の構造接着剤を溝内の規定エリア内に堆積できるように十分に近い位置にそのロボットアームを動かしてもよい。そのような上記位置において、構造接着剤アプリケータ539の接着剤塗布チップは、溝551のほぼ直上にあってよく、上向きの溝の中に下向きに向けられることができる。
【0156】
好適に位置決めされると、構造接着剤ロボット513は、構造接着剤アプリケータ539に、制御された量の構造接着剤を溝551に堆積させるようにしてもよい。制御された量の構造接着剤は、少なくとも部分的に溝551を充填してもよい。いくつかの実施形態では、制御された量の構造接着剤は、溝551を完全に又はほぼ完全に充填してもよい。
【0157】
しかしながら、構造接着剤の量は、構造接着剤が溝551の外側で、溝551を境にしている第三の構造体527の第一の表面上に溢れないように制御されてもよい。例えば、溝551内に堆積された構造接着剤の量は、他の構造体の突出部が溝551内に挿入される際に、第三の構造体527が他の構造体と接合されるときに、構造接着剤が第三の構造体527のいずれの表面にも漏れないように制御されてもよい。
【0158】
図6Lに続くと、組立ロボット511は、そのロボットアームが基幹ロボット507のロボットアームに向かっている位置まで、そのロボットアームをそのベースに対して回転させることができる。したがって、基幹ロボット507のロボットアームの遠位端は、組立ロボット511に向かって位置決めされてもよく、同様に、組立ロボット511のロボットアームの遠位端は、基幹ロボット507に向かって位置決めされてもよい。
【0159】
基幹ロボット507は、そのエンドエフェクタがサブアセンブリ603の第二の構造体525に直接係合する状態で、サブアセンブリ603を保持してもよい。サブアセンブリ603は、2つのロボット507、511のほぼ間に位置決めされてもよい。基幹ロボット507は、第一の構造体523の舌535が基幹ロボット507に面して配向するように、サブアセンブリ603を保持してもよい。
【0160】
組立ロボット511がそのロボットアームをパーツテーブル521から離れ、基幹ロボット507に向かって回転させた後、第三の構造体527は、組立ロボット511と基幹ロボット507のほぼ間に位置決めされてもよい。組立ロボット511は、溝551がほぼ上向きになり、そこに予め堆積された制御された量の接着剤を有するように、第3の構造体527を方向付けてもよい。
【0161】
組立ロボット511は、CADモデリングに基づくことができる1つ以上のベクトルに従って第三の構造体527を動かしてもよい。1つ以上のベクトルのそれぞれは、第三の構造体527が組立ロボット511によって動かされることに従って、大きさ(例えば、距離)及び方向を示してよい。各ベクトルは、第三の構造体527をサブアセンブリ603と接合することができる接合近接部に向かって、第三の構造体527を導くことを意図していてもよいが、いくつかのベクトルは、第一及び第二の構造体523、525を接合するためのベクトルが適用できる位置に第一の構造体523を導くことを意図する中間ベクトルであってもよい。
【0162】
ここで
図6Mを参照すると、基幹ロボット507は、第一の構造体523の舌535がほぼ下向きになる位置までサブアセンブリ603を移動させてもよい。例えば、基幹ロボット507は、第一の構造体523が第二の構造体525と接合されたときのサブアセンブリ603の位置から反時計回りに約90度回転させてもよい(例えば、
図6Iに示す上記のような)。そのような向きでは、第一の構造体523の舌535は、第三の構造体527の上向きに配向した溝551に向かって下向きである。
【0163】
いくつかの実施形態において、基幹ロボット507は、CADモデリングに基づくことができる1つ以上のベクトルに従ってサブアセンブリ603を動かしてもよい。1つ以上のベクトルのそれぞれは、サブアセンブリ603が基幹ロボット507によって動ぁされることに従って、大きさ(例えば、距離)及び方向を示してよい。各ベクトルは、サブアセンブリ603を第三の構造体527と接合できる接合近接部内に導くことを意図していてもよいが、いくつかのベクトルは、サブアセンブリ603と第三の構造体527とを接合するためのベクトルが適用できる位置にサブアセンブリ603を導くことを意図した中間ベクトルであってもよい。
【0164】
次に、
図6Nは、組立ロボット511及び基幹ロボット507が、第三の構造体及びサブアセンブリが近接するが、接合近接部には存在しないように、この場合、第三の構造体が第一の構造体523の少なくとも部分的に下にあるように、例えば、第三の構造体527及びサブアセンブリ603が仰角面(又は垂直空間)で少なくとも部分的に重なるように、第三の構造体527及びサブアセンブリ603をそれぞれ配置してもよいことを例示している。
【0165】
第三の構造体527は、制御された量の接着剤がそこに予め堆積された状態で、溝551がほぼ上向きになるように配向されてもよい。組立ロボット511は、第三の構造体527をサブアセンブリ603に向かって上方に移動させてもよい。さらに、組立ロボット511は、上向きの溝551が下向きの舌535とほぼ垂直及び水平に整列するように、第三の構造体527を位置決めしてもよい。
【0166】
基幹ロボット507は、舌535が上向きの溝551に向かってほぼ下向きに配向した状態で、サブアセンブリ603を先に説明した位置に保持してもよい。しかしながら、第三の構造体527及びサブアセンブリ603は、第三の構造体527及びサブアセンブリ603が接合され得る接合近接部内にまだ存在しないかもしれない。
【0167】
図6Oは、サブアセンブリ603及び第三の構造体527が、サブアセンブリ及び第三の構造体を接合することができる接合近接部内に導かれ得ることを例示する。そうするために、サブアセンブリ603及び/又は第三の構造体527の一方又は両方は、それぞれ、基幹ロボット507及び/又は組立ロボット511の一方又は両方によって移動されてもよい。例えば、組立ロボット511は、第三の構造体527が係合されているそのロボットアームの遠位端を、サブアセンブリ603に向かってほぼ上方向に移動させてもよい。追加又は代替として、基幹ロボット507は、サブアセンブリ603が保持されているそのロボットアームの遠位端を、第三の構造体527に向かってほぼ下方向に移動させるようにしてもよい。
【0168】
図6Fで上述した例示的な操作と同様に、計測システム531は、組立セル505内のサブアセンブリ603及び/又は第三の構造体527の少なくとも1つに関連する位置データを決定してもよい。例えば、計測システム531は、第三の構造体527に関連する座標のセットを決定してもよい。座標のセットは、組立セル505内の第三の構造体527の物理的位置、及び/又は接合近接部若しくはサブアセンブリ603に対する相対的位置を示していてもよい。
【0169】
計測システム531は、位置データをコンピューティングシステム529に提供してもよい。コンピューティングシステム529は、位置データを受信してもよく、位置データに基づいて、第三の構造体527を接合近接部内に導いてサブアセンブリ603と接合できるように、具体的には、構造接着剤を有する第三の構造体527の溝551に第一の構造体523の舌535を挿入することによって。適用すべき修正操作のセットを決定してもよい。例えば、コンピューティングシステム529は、第三の構造体527に関連付けられた座標のセットと接合近接部との間の差を決定してもよい。
【0170】
決定された差に基づいて、コンピューティングシステム529は、第三の構造体が接合近接部内に導かれ得るように、第三の構造体527に適用されるべき修正操作のセットを決定してもよい。いくつかの実施形態では、修正操作のセットは、第三の構造体527が接合近接部内に移動され得る大きさ及び方向をそれぞれ示すベクトルのセットを含んでもよい。いくつかの他の実施形態では、修正操作のセットは、第三の構造体527が接合近接部内に導かれるように組立ロボット511のロボットアームが制御されるべき座標のセット等、接合近接内に第三の構造体527を導くことに関連する座標のセットを含んでもよい。
【0171】
コンピューティングシステム529は、コントローラ611にコマンドのセットを発行すること等により、組立ロボット511と通信可能に接続されたコントローラ611に修正操作のセットを提供してもよい。コントローラ611は、コマンドのセットによって示される修正操作のセットに従って組立ロボット511のロボットアームを制御することによって、コマンドのセットを適用してもよい。
【0172】
いくつかの実施形態では、コンピューティングシステム529は、サブアセンブリ603及び第三の構造体527が接合近接内にあることを示す位置データを計測システム531から受信してもよい。例えば、コンピューティングシステム529は、受け取った位置データから、第三の構造体527が第三の構造体527とサブアセンブリ603との接合の許容公差内に位置決めされていると決定してもよい。許容可能な公差は、
図6Fに示されるボンドギャップに類似するボンドギャップによって提供されてもよい。しかしながら、
図6Oに示される接合操作では、横方向ボンドギャップは等しくない。具体的には、第一の横方向ボンドギャップ565は、第二の横方向ボンドギャップ566より大きい。第一及び第二の横方向ボンドギャップの大きさの差は、例えば、舌が(図の観点から)一方にずれるように誤って印刷されたために生じることがある。しかしながら、ボンドギャップはある程度の寸法誤差を許容するので、サブアセンブリ603の残りの部分の最終的な位置は、第三の構造体527に対して正確に位置決めされ得る。このように、例えば、非接触接合に起因するボンドギャップは、寸法誤差を相殺することができるので、大型の複数構造体のアセンブリがより高い寸法精度を有することが可能になる。特に、自動車分野では、寸法精度は、高品質な構造を実現するのに重要な要素である。したがって、自動車構造体の接触なしのフィクスチャレス接合は、大きな利点を提供することができる。
【0173】
ここで
図6Pを参照すると、UVロボット515は、基幹ロボット507及び組立ロボット511に比較的近接して配置されてもよい。UVロボット515のロボットアームの遠位端は、サブアセンブリ603及び第三の構造体527に向かって、具体的には、サブアセンブリ603及び第三の構造体527が接合近接部に配置される点に向かって(例えば、舌と溝の接合部に向かって)位置決めされてもよい。そのような位置において、UVロボット515のロボットアームの遠位端は、基幹ロボット507と組立ロボット511との間にある可能性がある。
【0174】
UVロボット515のロボットアームの遠位端は、ツール549が、サブアセンブリ603と第三の構造体527とが接合近接部にある点に近接するように位置決めされてもよい。例えば、UVロボット515のロボットアームは、ツール549が、UV接着剤を吐出するのに適した舌と溝の接合部(接合近接部にあるサブアセンブリ603及び第三の構造体527によって形成される)から距離を置いて配置されるように位置決めされてもよい。
【0175】
この好適な距離で、UVロボット515は、サブアセンブリ603及び第三の構造体527を接合近接部に位置付けることによって形成される舌と溝の接合部の上及び/又はその近傍にUV接着剤を塗布してもよい。例えば、ツール549のUV接着剤アプリケータ575は、1つ以上のUV接着剤ストリップとしてUV接着剤を塗布してもよく、そのそれぞれは、サブアセンブリ603の第一の構造体523及び第三の構造体527の両方に接触してもよい。例えば、UVロボット515は、1つのUV接着剤ストリップが第一の構造体523(例えば、第一の構造体523の舌535に近接)及び第三の構造体527(例えば、第三の構造体527の溝551に近接)のそれぞれの表面にわたって置かれるようにツール549を位置付けてもよい。この段階では、UV接着剤は、未硬化であってもよい(例えば、未硬化UV接着剤585)。
【0176】
引き続き、
図6Qで、UVロボット515は、ツール549のUV光アプリケータ577を、UV接着剤を硬化させるのに適した未硬化UV接着剤585からの距離に位置付けてもよく、これは、(
図6Pで上に示したように)UV接着剤が先に塗布されたのと同じ位置でも異なる位置であってもよい。ツール549がこの距離にある状態で、UVロボット515は、UV光アプリケータ577にUV接着剤を硬化させるようにさせてもよい。例えば、UVロボット515は、UV光アプリケータ577に、UV接着剤を硬化させるのに十分な時間、UV光581を放射させ、その結果、硬化したUV接着剤587を得てもよい。しかしながら、UVロボット515は、例えば、構造接着剤がUV光への曝露によって硬化可能でない場合があるので、(
図6Kに示したように)構造接着剤ロボット513によって塗布された構造接着剤を硬化させない場合がある。
【0177】
UV接着剤(例えば、UV接着剤ストリップ)がサブアセンブリ603及び第三の構造体527上の複数の場所に塗布されるいくつかの実施形態では、UVロボット515は、ツール549を異なる位置に移動させてよく、そのそれぞれの位置は、サブアセンブリ603及び第三の構造体527にわたる異なる場所に塗布されたUV接着剤の硬化に適していることがある。UVロボット515は、UV光アプリケータ577が硬化のためのUV光581を放射する間、UV接着剤を硬化させるのに十分な時間、異なる位置の各々でツール549を保持してもよい。
【0178】
次に、
図6Rは、UV接着剤が硬化されると、UVロボット515がそのロボットアームをサブアセンブリ603及び第三の構造体527から離れるように移動させてもよいことを示す。サブアセンブリ603及び第三の構造体527は、硬化したUV接着剤587によって少なくとも一時的にボンディングされ、サブアセンブリ605を形成してもよい。しかしながら、構造接着剤(
図6Kに上述したように、構造接着剤ロボット513によって塗布される)は、この段階ではまだ未硬化であってよい。
【0179】
基幹ロボット507は、その位置に留まり、サブアセンブリ605を保持し続けることができる。組立ロボット511は、第三の構造体527から係合解除してもよい。例えば、組立ロボット511は、エンドエフェクタ537のジョーを開くこと、エンドエフェクタを第三の構造体の1つ以上の特徴から外すこと、及び/又は他の方法でエンドエフェクタを第三の構造体から離脱させること等により、そのエンドエフェクタを第三の構造体527から係合解除させてもよい。
【0180】
第三の構造体527から分離されると、組立ロボット511は、そのロボットアームを第三の構造体527から離れるように移動させてもよい。例えば、組立ロボット511は、そのロボットアームを基幹ロボット507から離れるように後退させてもよい。そうすることで、基幹ロボット507は、サブアセンブリ605を保持しながら移動するためのより大きな面積を提供されてもよい。
【0181】
組立ロボット511が第三の構造体527から分離されると、基幹ロボット507は、例えば、第一の構造体523と少なくとも一時的にボンディングされている第二の構造体525のその保持を通じて、及び第一の構造体523と第三の構造体527との少なくとも一時的なボンディングを通じて、第三の構造体527を保持してもよい。 硬化したUV接着剤587は、基幹ロボット507が第一の構造体523と直接係合しなくても(例えば、基幹ロボット507のエンドエフェクタ543が第二の構造体525と係合するとき)、第一の構造体523とボンディングし、第一の構造体523とのボンディングを通じて第二の構造体525と間接的に接続された第三の構造体527のこの保持を支えるために十分なボンディングを提供してもよい。(一時的にでも)ボンディングされると、第一の構造体523、第二の構造体525、及び第三の構造体527は、1つの構造体であってもよく、及び/又はサブアセンブリ、すなわちサブアセンブリ605と呼ばれてもよい。
【0182】
ロボットは、フレーム、シャーシ、ボディ、パネル等の車両の少なくとも一部分であるサブアセンブリをフィクスチャレス組立するために、
図6A~
図6Rで上述したものと同様のフィクスチャレス組立システム500の例示的操作を反復してもよい例示的な操作の間、基幹ロボット507は、組立ロボット511(及び/又は組立ロボット509)が他の構造体を係合及び保持する際に、サブアセンブリを連続的に保持してもよく、構造接着剤ロボット513が他の構造体のそれぞれに構造接着剤を塗布し、組立ロボット511(及び/又は組立ロボット509)が他の構造のそれぞれと基幹ロボット507によって保持されるサブアセンブリとを接合し、UVロボット515が、UV又は他の仮接着剤を塗布して硬化させ、サブアセンブリと接合された他の構造体のそれぞれを少なくとも一時的にボンディングし、UV又は他の仮接着剤が硬化した後に組立ロボット511(及び/又は組立ロボット509)が他の構造体のそれぞれを離脱させる。
【0183】
図6Sに示されるように、サブアセンブリ637は、第一の構造体523と第二の構造体525とを接合してサブアセンブリ603を形成すること、第三の構造体527とサブアセンブリ603とを接合してサブアセンブリ605を形成すること等の例示的操作を通して組み立てられる。この例では、基幹ロボット507は、サブアセンブリ637の接合における前のステップの間に第二の構造体525から以前に係合解除している。例えば、基幹ロボットが係合解除され、組立ロボットが前のサブアセンブリを保持することを可能にし、基幹ロボットは、組立プロセスを続けるためにパーツテーブルから別のパーツを採択した可能性がある。UV又は他の仮接着剤によって作成された結合は、基幹ロボット507によって(例えば、1つのエンドエフェクタのみによって、かつ1つの構造体のみにおいて)保持されるとき、サブアセンブリ637を支持するのに十分であってよい。基幹ロボット507は、サブアセンブリ637(と、より大きく、より重い、及び/又はより複雑なサブアセンブリ及び完成したアセンブリ)を単独で保持及び支持することが効果的に可能であってよい。さらに、基幹ロボット507は、他のロボットからの支援なしに、サブアセンブリ637(と、より大きく、より重い、及び/又はより複雑なサブアセンブリ及び完成したアセンブリ)を移動させることが可能であってもよい。例えば、基幹ロボット507は、サブアセンブリ637を保持しながら、そのロボットアーム及び/又はエンドエフェクタ543を移動、回転、及び/又は他の方法で関節運動させることができる場合がある。最終的なアセンブリが完成したとき、基幹ロボット507は、
図6Tに関して説明したように、アセンブリ全体を保持する。
【0184】
いくつかの実施形態では、他のサブアセンブリは、基幹ロボット507を用いずに他の構造体から組み立てられてもよい。例えば、組立ロボット509、511は、第一、第二、及び第三の構造体523、525、527からのサブアセンブリ605の組立と同様の構造体の別のセットから別のサブアセンブリ639を組み立ててよい。しかしながら、サブアセンブリ639は、基幹ロボット507なしで組み立てられてもよい。その代わりに、組立ロボット511は、組立ロボット509が他の構造体を係合及び保持する際に、1つの構造体を係合及び連続的に保持してもよく、構造接着剤ロボット513が他の構造体のそれぞれに構造接着剤を塗布し、組立ロボット509が他の構造体のそれぞれとサブアセンブリ639とを、組立ロボット511によって連続的に保持しながら接合し、UVロボット515がUV接着剤を塗布して硬化させてサブアセンブリ639と接合した他の構造体のそれぞれを少なくとも一時的にボンディングし、次に組立ロボット509はUV接着剤が硬化してから他の構造体をそれぞれ離脱させれば良いこのように、サブアセンブリ639は、基幹ロボット507がサブアセンブリ637を連続的に保持しながら、組立セル505で組み立てられてもよい。いくつかの実施形態では、次に、少なくとも2つのサブアセンブリがフィクスチャレス組立システム500において同時に組み立てられてよい。
【0185】
再び
図6Sを参照すると、組立ロボット511は、例えば、サブアセンブリ639とサブアセンブリ637とが仰角面(又は垂直空間)において少なくとも部分的に重なり合うように、サブアセンブリ637の少なくとも下になるように位置付けてもよい。
【0186】
サブアセンブリ639は、その構成構造体の溝621、623がほぼ上向きになるように配向されてもよい。サブアセンブリ639の溝621、623は、その中に予め堆積された制御された量の構造接着剤を有していてもよい。組立ロボット511は、サブアセンブリ639をサブアセンブリ637に向かって上方に移動させてもよい。さらに、組立ロボット511は、上向きの溝621、623がサブアセンブリ637の下向きの舌625、627とほぼ又はほとんど垂直に及び水平に整列するようにサブアセンブリ639を位置させてもよい。
【0187】
基幹ロボット507は、サブアセンブリ637の舌625、627がサブアセンブリ639のほぼ上向きの溝621、623に向かってほぼ下向きの位置でサブアセンブリ637を保持することができる。しかしながら、サブアセンブリ637、639は、サブアセンブリ637がサブアセンブリ639と接合することができる接合近接部内にまだない場合がある。
【0188】
図6Tを参照すると、サブアセンブリ637及びサブアセンブリ639は、サブアセンブリ637及びサブアセンブリ639が接合され得る接合近接部内に導かれてもよい。そうするために、サブアセンブリ637及び/又はサブアセンブリ639の一方又は両方は、それぞれ基幹ロボット507及び/又は組立ロボット511の一方又は両方によって移動されてもよい。例えば、組立ロボット511は、サブアセンブリ639が係合しているそのロボットアームの遠位端を、サブアセンブリ637に向かってほぼ上向きに移動させてもよい。追加又は代替として、基幹ロボット507は、サブアセンブリ637が保持されているそのロボットアームの遠位端を、サブアセンブリ639に向かってほぼ下向きに移動させてもよい。
【0189】
図6Fで上述した例示的な操作と同様に、計測システム531は、組立セル505内のサブアセンブリ637及び/又はサブアセンブリ639の少なくとも1つに関連する位置データを決定してもよい。計測システム531は、位置データをコンピューティングシステム529に提供してもよい。コンピューティングシステム529は、位置データを受信してもよく、位置データに基づいて、サブアセンブリ639を接合近接部内に導いてサブアセンブリ637と接合できるように、具体的には、サブアセンブリ637の舌625、627のそれぞれを、中に塗布される構造接着剤を有するサブアセンブリ639の溝621、623のそれぞれの1つに、第一の構造体523の舌535を挿入することによって。適用すべき修正操作のセットを決定してもよい。
【0190】
位置データに基づいて、コンピューティングシステム529は、サブアセンブリ639が接合近接部内に導かれ得るように、サブアセンブリ639に適用されるべき修正操作のセットを決定し得る。いくつかの実施形態では、修正操作のセットは、サブアセンブリ639が接合近接部内に移動され得る大きさ及び方向をそれぞれ示すベクトルのセットを含んでもよい。いくつかの他の実施形態では、修正操作のセットは、サブアセンブリ639が接合近接部内に導かれるように組立ロボット511のロボットアームが制御されるべき座標のセット等、サブアセンブリ639を接合近接部内に導くことに関連する座標のセットを含んでもよい。
【0191】
コンピューティングシステム529は、コントローラ611にコマンドのセットを発行すること等により、組立ロボット511と通信可能に接続されたコントローラ611に修正操作のセットを提供してもよい。コントローラ611は、コマンドのセットによって示される修正操作のセットに従って組立ロボット511のロボットアームを制御することによって、コマンドのセットを適用してもよい。
【0192】
いくつかの実施形態において、コンピューティングシステム529は、サブアセンブリ637及びサブアセンブリ639が接合近接部内にあることを示す位置データを計測システム531から受信してもよい。例えば、コンピューティングシステム529は、サブアセンブリ639がサブアセンブリ637とサブアセンブリ639を接合する許容公差内に位置決めされていることを、受け取った位置データから決定してもよい。許容可能な公差は、サブアセンブリ639の溝621、623のボンドギャップによって提供されてもよい。
【0193】
計測システム531から受信した位置データに基づいて、サブアセンブリ637及びサブアセンブリ639が接合近接部にあり、さらなる修正操作を適用すべきでないとコンピューティングシステム529が判断すると、サブアセンブリ637及びサブアセンブリ639は接合近接部で接合されてもよい。例えば、組立ロボット511は、サブアセンブリ639をほぼ上方向に移動させてもよく、及び/又は、基幹ロボット507は、サブアセンブリ637をほぼ下方向に移動させてもよく、したがって、サブアセンブリ637の少なくとも一部分は、方位角(又は水平)面及び/又は仰角面の少なくとも一方においてサブアセンブリ639の少なくとも一部と重なり合っている。接合近接部でのこのような重なり合いによれば、サブアセンブリ637の舌625、627のそれぞれは、サブアセンブリ639の溝621、623のそれぞれの1つ内に位置決めされてもよく、舌と溝の接合部が形成される。
【0194】
いくつかの実施形態では、サブアセンブリ637の舌625、627は、接合近接部においてサブアセンブリ639に接触しない場合がある。例えば、サブアセンブリ637の舌625、627は、サブアセンブリ639の溝621、623内にそれぞれあってもよいが、溝621、623の側面及び底面のボンドギャップは、舌625、627が溝621、623の側面及び底面等のサブアセンブリ639のいかなる表面にも接触せずにそれぞれ挿入されることができるようにしてもよい。むしろ、サブアセンブリ637の舌625、627は、サブアセンブリ637、639が接合近接部にあるとき、サブアセンブリ639の溝621、623に堆積した構造接着剤に接触してもよい。しかしながら、いくつかのさらなる実施形態では、サブアセンブリ639の溝621、623を囲む表面は、サブアセンブリ637の舌625、627を囲む表面と接触してもよい。
【0195】
その後、UVロボット515のロボットアームの遠位端は、サブアセンブリ637、639に向かって、具体的には、サブアセンブリ637、639が接合される点の1つに向かって(例えば、舌と溝の接合部の1つに向かって)位置決めされてもよい。UVロボット515のロボットアームの遠位端は、UVロボット515と接続されたツール549が、サブアセンブリ637、639が接合近接部で配置される点に近接するように位置決めされてもよい。
【0196】
適切な距離にあるとき、UVロボット515は、サブアセンブリ637、639を接合することによって形成された舌と溝の接合部のうちの1つの上及び/又はその近傍にUV接着剤を塗布してもよい。例えば、UVロボット515と接続されたツール549は、1つ以上のUV接着剤ストリップとしてUV接着剤を塗布してもよく、そのそれぞれは、両方のサブアセンブリ637、639に接触してもよい。
【0197】
UVロボット515は、次に、ツール549を、サブアセンブリ637、639を接合することによって形成された他方の舌と溝の接合部まで移動させてもよい。UVロボット515は、次に、サブアセンブリ637、639を接合することによって形成された他方の舌と溝の接合部のうちの1つの上及び/又はその近くにUV接着剤を塗布してもよい。例えば、UVロボット515と接続されたツール549は、1つ又は複数のUV接着剤ストリップとしてUV接着剤を塗布してもよく、そのそれぞれは、両方のサブアセンブリ637、639に接触することができる。
【0198】
次に、UVロボット515は、UV接着剤が塗布される各点でUV接着剤を硬化させるためにツール549を位置決めしてもよい。ツール549が各点にあるとき、UVロボット515は、ツール549にUV接着剤を硬化させるようにさせてもよい。例えば、UVロボット515は、ツール549に、UV接着剤を硬化させるのに十分な時間、各点でUV光581を放射させるようにしてもよい。しかしながら、UVロボット515は、例えば、構造接着剤がUV光への曝露によって硬化可能でない場合があるので、溝621、623に塗布された構造接着剤を硬化させない場合がある。
【0199】
UV接着剤が硬化されると、UVロボット515は、そのロボットアームをサブアセンブリ637、639から遠ざけることができる。サブアセンブリ637、639は、硬化したUV接着剤によって少なくとも一時的にボンディングされてもよい。
【0200】
UV接着剤が硬化した後、組立ロボット511は、サブアセンブリ639から分離してもよく、そのロボットアームをサブアセンブリ639から遠ざけるように移動させてもよい。接合され、少なくとも一時的にボンディングされたサブアセンブリ637、639は、アセンブリ641を形成してもよい。組立ロボット511がアセンブリ641から分離されると、基幹ロボット507は、アセンブリ641を保持してもよい。
【0201】
次に、
図6Uは、基幹ロボット507が、そのロボットアームを組立ロボット511から離れるように回転させることを示す。そうすることで、基幹ロボット507は、アセンブリ641を自動カート631の方に導いてもよい。基幹ロボット507は、そのロボットアーム及び/又はエンドエフェクタ543を動かして、アセンブリ641を自動カート631上に位置決めしてもよい。例えば、基幹ロボット507は、そのロボットアームをそのベースについて回転させて、アセンブリ641を自動カート631上に持ってきてもよく、基幹ロボット507は、次に、アセンブリ641が自動カート631内にあり自動カート631の表面に接触するまで、そのロボットアームをほぼ下向きに動かしてアセンブリ641を自動カート631内に下ろしてもよい。
【0202】
基幹ロボット507は、基幹ロボット507がアセンブリ641を自動カート631内に位置付けた後、アセンブリ641から分離してもよい。基幹ロボット507は、その後、アセンブリ641から離れるようにそのロボットアームを後退させてもよい。
【0203】
図6Vに示すように、自動カート631は、次に、アセンブリ641をオーブン633に移動させてもよく、アセンブリ641はオーブン633に入れられることができる。オーブン633は、構造接着剤を硬化させるのに適した温度に加熱するように構成されてもよく、オーブン633は、構造接着剤を硬化させるのに十分な時間、その温度に留まるように構成されてもよい。
【0204】
いくつかの実施形態では、アセンブリ641を形成するために構造体を一時的にボンディングするために以前に塗布されたUV接着剤(例えば、UV接着剤ストリップ)を、構造接着剤を硬化させるのに十分な期間、オーブン633の温度にさらすことによって、UV接着剤が崩壊する(disintegrate)か、さもなければ焼き切られる(burn off)可能性がある。構造接着剤を硬化させるのに十分な期間後、アセンブリ641は、オーブン633から取り外されてもよい。アセンブリ641は、その後、例えば、フレーム、シャーシ、ボディ、パネル、又は他の車両コンポーネントとして、車両に含まれてもよい。
【0205】
図7は、少なくとも2つのロボットを含むフィクスチャレス組立システムの方法700のフロー図である。図示された操作の1つ以上は、入れ替えられ、省略され、及び/又は同時に実行されてもよい。
【0206】
方法700は、
図6A~
図6Vのものを含む
図5のフィクスチャレス組立システム500等のフィクスチャレス組立システムで実行されてもよい。いくつかの実施形態では、コンピューティングシステムは、コントローラ607、609、611、613、615、617のうちの1つ以上及び/又はコンピューティングシステム529等によって、方法700を実行してもよく、これは、例えば、以下に説明する処理システム1000等の処理システムであってもよい。方法700を実行するコンピューティングシステムは、メモリと、メモリに接続された少なくとも1つのプロセッサとを含んでもよく、少なくとも1つのプロセッサは、方法700の操作を実行するように構成されてもよい。方法700を実行するコンピュータは、スイッチ及び/又は1つ以上のロボット(例えば、ロボット507、509、511、513、515、517のうちの1つ以上)のうちの1つ以上と通信可能に接続されてもよい。コンピューティングシステムは、1つ以上のネットワークを介して、1つ以上の前述のコンポーネントと通信可能に接続されてもよい。
【0207】
例として、方法700を実行するコンピューティングシステムは、基幹ロボットと通信可能に接続された少なくとも1つのコントローラを含んでいてもよい。コンピューティングシステムは、第一の座標のセットに基づいて、第一のロボットアームを第一の位置に向けてもよい(ブロック703)。コンピューティングシステムは、第一のロボットアームの第一の位置に基づいて、第一のロボットアームに第一の構造体と係合させるようにしてもよい(ブロック705)。さらに、コンピューティングシステムは、第二の座標のセットに基づいて、第一のロボットアームを第二の位置に向けることで、第一の構造体を保持するフィクスチャがなく、かつ第二の構造体を保持するフィクスチャがない状態で、第一の構造体が第二の構造体の接合近接部内に導かれるようにしてもよく、第一の構造体と第二の構造体が接合近接部内にあるとき、第一の構造体が第二の構造体と接合するように構成され、接合近接部は、第一の構造体と第二の構造体が一緒に接合できる近さである(ブロック707)。
【0208】
図8は、少なくとも2つのロボットを含むフィクスチャレス組立システムの方法800のフロー図である。図示された操作の1つ以上は、入れ替えられ、省略され、及び/又は同時に実行されてもよい。
【0209】
方法800は、
図6A~
図6Vのものを含む
図5のフィクスチャレス組立システム500等のフィクスチャレス組立システムで実行されてもよい。いくつかの実施形態では、コンピューティングシステムは、コントローラ607、609、611、613、615、617のうちの1つ以上及び/又はコンピューティングシステム529等によって、方法800を実行してもよく、これは、例えば、以下に説明する処理システム1000等の処理システムであってもよい。方法800を実行するコンピューティングシステムは、メモリと、メモリに接続された少なくとも1つのプロセッサとを含んでもよく、少なくとも1つのプロセッサは、方法800の操作を実行するように構成されてもよい。方法800を実行するコンピュータは、スイッチ及び/又は1つ以上のロボット(例えば、ロボット507、509、511、513、515、517のうちの1つ以上)のうちの1つ以上と通信可能に接続されてもよい。コンピューティングシステムは、1つ以上のネットワークを介して、1つ以上の前述のコンポーネントと通信可能に接続されてもよい。
【0210】
コンピューティングシステムは、第一の座標のセットに基づいて、第一のロボットアームを第一の位置に向けてもよい(ブロック803)。コンピューティングシステムは、第一のロボットアームの第一の位置に基づいて、第一のロボットアームに、第一の構造体と係合させることができる(ブロック805)。例えば、第一の構造体は、500ミリリットル以上の体積を有してよく、及び/又は、第一の構造体は、100グラム以上の重量を有してよい。第一の構造体は、車両のシャーシの一部分を含んでもよい。一実施形態では、第一のロボットアームは、第一のロボットアームから取り外し可能なエンドエフェクタで第一の構造体に係合してもよい。別の実施形態では、第一のロボットアームは、第一のロボットアームと一体であるエンドエフェクタで第一の構造体と係合してもよい。
【0211】
次に、コンピューティングシステムは、第二の座標のセットに基づいて、第一のロボットアームを第二の位置に向けることで、第一の構造体を保持するフィクスチャがなく、かつ第二の構造体を保持するフィクスチャがない状態で、第一の構造体が第二の構造体の接合近接部内に導かれるようにしてもよく、第一の構造体と第二の構造体が接合近接部内にあるとき、第一の構造体が第二の構造体と接合されるように構成され、接合近接部は、第一の構造体と第二の構造体が一緒に接合できる近さである(ブロック807)。いくつかの実施形態では、座標の第一のセット又は座標の第二のセットのうちの少なくとも1つは、移動-測定-修正手順に基づく。例えば、移動-測定-修正手順は、レーザ計測に基づくものであってもよい。
【0212】
次いで、コンピューティングシステムは、接合近接部内にあるときに、第一の構造体及び第二の構造体を接合するように指示してもよい(ブロック809)。第二の構造体は、第二のロボットアームによって係合されてもよく、このロボットアームは、第一の構造体が接合近接部内にもたらされたときに、第二の構造体を係合するように構成されてもよい。いくつかの実施形態では、第二の構造体は凹部を含んでもよく、構造接着剤が第二の構造体の凹部に堆積されてもよい。第一の構造体は、突出部を含んでもよく、この突出部は、第二の位置で第二の構造体の凹部に挿入されてもよい。いくつかの実施形態では、第一の構造体及び第二の構造体は、例えば、構造接着剤を用いて、接触することなく接合される。
【0213】
コンピューティングシステムは、第一の構造体又は第二の構造体の少なくとも一方の少なくとも1つの表面に第一の接着剤を塗布させてもよく、第一の構造体と第二の構造体は、第一の接着剤が塗布された第一の構造体又は第二の構造体の少なくとも一方の少なくとも1つの表面で接合されてもよい(ブロック811)。第一の構造体及び第二の構造体は、第一の接着剤で接合されてもよい。いくつかの実施形態では、第一の接着剤は、UV光への曝露によって硬化可能であってよい。したがって、コンピューティングシステムは、第一の接着剤を硬化させるようにしてもよい(ブロック813)。
【0214】
いくつかのさらなる実施形態では、コンピューティングシステムは、接合された第一及び第二の構造体又は第三の構造体の少なくとも一方の少なくとも1つの表面に第二の接着剤を塗布させてもよい(ブロック815)。コンピューティングシステムは、第二の接着剤が塗布された、接合された第一及び第二の構造体又は第三の構造体の少なくとも一方の少なくとも1つの表面で、接合された第一及び第二の構造体を第三の構造体と接合させるようにしてもよい(ブロック817)。さらに、コンピューティングシステムは、第二の接着剤を硬化させるようにしてもよい(ブロック819)。
【0215】
方法800は、構造体のセットが接合されるように、反復的に繰り返されてもよい。その後、構造体のセットのサブセットに塗布された構造接着剤は、アセンブリを一緒にボンディングするために(例えば、オーブンで)硬化されてもよい。
【0216】
図9は、少なくとも2つのロボットを含むフィクスチャレス組立システムの方法900のフロー図である。図示された操作の1つ以上は、入れ替えられ、省略され、及び/又は同時に実行されてもよい。
【0217】
方法900は、
図6A~
図6Vのものを含む
図5のフィクスチャレス組立システム500等のフィクスチャレス組立システムで実行されてもよい。いくつかの実施形態では、コンピューティングシステムは、コントローラ607、609、611、613、615、617のうちの1つ以上及び/又はコンピューティングシステム529等によって、方法900を実行してもよく、これは、例えば、以下に説明する処理システム1000等の処理システムであってもよい。方法900を実行するコンピューティングシステムは、メモリと、メモリに接続された少なくとも1つのプロセッサとを含んでもよく、少なくとも1つのプロセッサは、方法900の操作を実行するように構成されてもよい。方法900を実行するコンピュータは、スイッチ及び/又は1つ以上のロボット(例えば、ロボット507、509、511、513、515、517のうちの1つ以上)のうちの1つ以上と通信可能に接続されてもよい。コンピューティングシステムは、1つ以上のネットワークを介して、1つ以上の前述のコンポーネントと通信可能に接続されてもよい。
【0218】
コンピューティングシステムは、第一のロボットアームに第一のパーツを係合させるようにしてもよい(ブロック903)。次に、コンピューティングシステムは、第一のロボットアームに、第一のパーツを第二のパーツと接合可能な位置まで移動させてもよい(ブロック905)。さらに、コンピューティングシステムは、第一のロボットアームに、構造接着剤を塗布することができる位置まで移動させることができ、構造接着剤を塗布可能な位置は、第一のパーツを第二のパーツと接合可能な位置と異なる(ブロック907)。
【0219】
コンピューティングシステムは、第一のパーツが第二のパーツと接合可能な位置に移動される前に、第二のロボットアームに、第一のパーツに構造接着剤を塗布させてもよい(ブロック909)。コンピューティングシステムは、第三のロボットアームに、第二のパーツを係合させるようにしてもよい(ブロック911)。さらに、コンピューティングシステムは、第一のパーツが第二のパーツと接合可能な位置にある場合に、第三のロボットアームに、第二のパーツが第一のパーツと接合できる位置まで第二のパーツを移動させてもよい(ブロック913)。
【0220】
コンピューティングシステムは、第一のパーツが第二のパーツと接合可能な位置にある場合に、第四のロボットアームに、第一のパーツと第二のパーツとにわたって仮接着剤を塗布させることができる(ブロック915)。コンピューティングシステムは、仮接着剤が第一のパーツと第二のパーツとにわたって塗布される場合に、第四のロボットアームに仮接着剤を硬化させるようにしてもよい(ブロック917)。
【0221】
図10に関して、ブロック図は、処理システム1000の一実施形態を示す。処理システム1000は、少なくとも1つのロボットに関連する少なくとも1つのコントローラを備えてもよい。例えば、
図5を参照すると、処理システム1000は、ロボット507、509、511、513、515、517の少なくとも1つに関連するコントローラ607、609、611、613、615、617の少なくとも1つの実施形態であってもよい。別の例では、
図6A~
図6Vを参照すると、処理システム1000は、コントローラ607、609、611、613、615、617の全ての実施形態であってもよい。
【0222】
システム1000は、様々なタイプの機械可読媒体及びインターフェースを含んでもよい。図示されているように、システム1000は、少なくとも1つのインターコネクト1020(例えば、少なくとも1つのバス)、永続ストレージデバイス1022、ランダムアクセスメモリ(RAM)1024、少なくとも1つのコントローラインターフェース1026、読み取り専用メモリ(ROM)1028、少なくとも1つのプロセッサ1030、及びネットワークコンポーネント1032を含んでいる。
【0223】
インターコネクト1020は、システム1000の筐体内の内部コンポーネント及び/又は内部デバイス等、システム1000に併設されているコンポーネント及び/又はデバイスを通信可能に接続してもよい。例えば、インターコネクト1020は、プロセッサ1030を、永続ストレージデバイス1022、RAM1024、及び/又はROM1028と通信可能に接続してもよい。プロセッサ1030は、永続ストレージデバイス1022、RAM1024、及び/又はROM1028の少なくとも1つからコンピュータ実行可能命令にアクセスして、ロードするように構成されてもよい。
【0224】
永続ストレージ1022は、システム1000の電源状態(例えば、オン又はオフ)とは無関係に、命令及びデータを格納する不揮発性メモリであってもよい。例えば、永続ストレージ1022は、ハードディスク、フラッシュドライブ、又は他の読み取り/書き込みメモリデバイスであってもよい。
【0225】
ROM1028は、システム1000の基本的な機能性を可能にする静的命令と、その中のコンポーネントを格納してもよい。例えば、ROM1028は、プロセッサ1030が、例えば、上記のロボットの1つ以上に関して説明したような、車両の少なくとも一部分のロボットに関連する処理のセットを実行するための命令を格納してもよい。ROM1028の例は、消去可能プログラマブルROM(EPROM)又は電気的EPROM(EEPROM)、コンパクトディスクROM(CD-ROM)又は他の光ディスクストレージ、磁気ディスクストレージ、又は他の磁気ストレージデバイス、及び/又は命令及び/又はデータ構造としてプログラムコードを格納し得る他のコンピュータアクセス可能かつコンピュータ読み取り可能な媒体を含んでもよい。
【0226】
RAM1024は、揮発性読み取り/書き込みメモリを含んでもよい。RAM1024は、プロセッサ1030によるランタイム操作に関連するコンピュータ実行可能命令を格納してもよい。さらに、RAM1024は、例えば、上記の
図5~
図9のうちの1つ以上に関して説明したように、車両の少なくとも一部分の組立中に取り込まれたリアルタイムデータを格納してもよい。
【0227】
プロセッサ1030は、1つ以上の汎用及び/又は特殊用途のプロセッサで実装されてもよい。汎用及び/又は特殊用途のプロセッサの例は、マイクロプロセッサ、マイクロコントローラ、DSPプロセッサ、及び/又は永続ストレージデバイス1022、RAM1024、及び/又はROM1028の少なくとも1つからロードされた命令を実行するように構成された他の任意の適切な回路を含んでもよい。代替又は追加として、プロセッサ1030は、少なくとも1つのフィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、少なくとも1つのプログラマブル論理デバイス(PLD)、少なくとも1つのコントローラ、少なくとも1つのステートマシン、論理ゲートのセット、少なくとも1つの離散ハードウェアコンポーネント、又は任意の他の適切な回路及び/又はその組み合わせ等の専用ハードウェアとして実装されてもよい。
【0228】
インターコネクト1020は、システム1000を1つ以上のコントローラインターフェース1026とさらに通信可能に接続してもよい。コントローラインターフェース1026は、例えば、車両の少なくとも一部分の組立中に、システム1000を1つ以上のロボットに関連する様々な回路と通信可能に接続してもよい。プロセッサ1030によって実行される命令は、コントローラインターフェース1026を介してロボットと通信されるようにしてもよく、これにより、車両の少なくとも一部分の組立に関連してロボットの動き及び/又は他の操作が引き起こされてもよい。例えば、プロセッサ1030によって実行される命令は、車両の少なくとも一部分の組立に関連してロボットの動き及び/又は他のアクションを指示するために、コントローラインターフェース1026を介してロボットの回路及び/又は他の機械に信号を送らせることができる。
【0229】
いくつかの実施形態では、システム1000は、ネットワークコンポーネント1032を含んでもよい。ネットワークコンポーネント1032は、例えば、車両の少なくとも一部分の組立に関連する指示を送信及び/又は受信するために、ネットワークを介して通信するように構成されてもよい。ネットワークコンポーネント1032を介してネットワーク上で通信される命令は、車両の少なくとも一部分の組立に関連する命令を含んでもよく、車両の少なくとも一部分の組立の前、間、及び/又は後に通信されてもよい。ネットワークコンポーネント1032が通信し得るネットワークの例は、ローカルエリアネットワーク(LAN)、ワイドエリアネットワーク(WAN)、インターネット、イントラネット、又は別の有線もしくは無線ネットワークを含んでもよい。
【0230】
本明細書で説明される様々な態様は、少なくとも部分的にコンピュータプログラミング製品のソフトウェアプロセスとして実装されてもよい。そのようなプロセスは、機械可読記憶媒体に記録された命令のセットとして指定されてもよい。命令のセットがプロセッサ1030によって実行されるとき、命令のセットは、プロセッサに、命令のセットに示され記録された操作を実行させることができる。
【0231】
本開示は、本明細書で説明される様々な態様を当業者が実施できるようにするために提供される。本開示を通して提示されるこれらの例示的な実施形態に対する様々な修正は、当業者には容易に明らかであり、本明細書に開示される概念は、ノードとインターコネクトを印刷するための他の技術に適用されてもよい。したがって、特許請求の範囲は、本開示を通して提示される例示的な実施形態に限定されることを意図するものではなく、請求項の文言と一致する全範囲に与えられるべきである。当業者に知られている、又は当業者に今後知られるようになる本開示を通して説明される例示的な実施形態の要素に対する全ての構造的及び機能的な均等物は、特許請求の範囲に含まれることが意図される。さらに、本明細書に開示されているものは、そのような開示が特許請求の範囲に明示的に記載されているかどうかにかかわらず、公衆に捧げられることを意図したものではない。請求項のいかなる要素も、その要素が「のための手段」という語句を使用して明示的に列挙されていない限り、あるいは方法の請求項において、その要素が「のためのステップ」という語句を使用して列挙されていない限り、米国特許法第112条(f)の規定に基づいて、あるいは適用される管轄区域の類似法に基づいて解釈されるべきではない。
【国際調査報告】