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特表2023-505055骨安定インプラント及び仙腸関節を横切る配置方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-02-08
(54)【発明の名称】骨安定インプラント及び仙腸関節を横切る配置方法
(51)【国際特許分類】
   A61F 2/44 20060101AFI20230201BHJP
【FI】
A61F2/44
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022531003
(86)(22)【出願日】2020-11-25
(85)【翻訳文提出日】2022-07-01
(86)【国際出願番号】 US2020062275
(87)【国際公開番号】W WO2021108590
(87)【国際公開日】2021-06-03
(31)【優先権主張番号】62/941,507
(32)【優先日】2019-11-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】511136120
【氏名又は名称】エスアイ-ボーン・インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】SI-BONE, INC.
(74)【代理人】
【識別番号】100106518
【弁理士】
【氏名又は名称】松谷 道子
(74)【代理人】
【識別番号】100111039
【弁理士】
【氏名又は名称】前堀 義之
(72)【発明者】
【氏名】スチュアート,メアリー イー
(72)【発明者】
【氏名】シュナイダー,ブレット ウィリアム
(72)【発明者】
【氏名】フォリーニ,フランソワ
(72)【発明者】
【氏名】バートレット,クレイグ エス
(72)【発明者】
【氏名】デサイ,バラット エム
(72)【発明者】
【氏名】ガードナー,マイケル ジェイ
(72)【発明者】
【氏名】モーロ,ジャンルイージ
(72)【発明者】
【氏名】バン ヘルデン,スヴェン エイチ
(72)【発明者】
【氏名】ニシュキアン,カイル エル
(72)【発明者】
【氏名】ポリー,デイビッド ダブリュー
(72)【発明者】
【氏名】ヴァニチュカチョーン,ジェッド エス
(72)【発明者】
【氏名】クラーネンバーグ,アンディ ジェイ
(72)【発明者】
【氏名】ラジパル、シャラッド エス
(72)【発明者】
【氏名】ライノフ,ニコライ ジー
【テーマコード(参考)】
4C097
【Fターム(参考)】
4C097AA10
4C097BB01
4C097CC01
4C097CC02
4C097CC03
4C097CC05
4C097CC06
4C097FF05
4C097MM03
4C097MM04
4C097MM07
(57)【要約】
ねじ山付き仙腸関節安定化(例えば、融合、固定)インプラント、並びに移植及び製造の方法。一部のインプラントは、ねじ山付き遠位領域、任意的にねじ山付き中央領域、及び任意的にねじ山付き近位領域を含む。遠位、中央、及び近位の領域は、インプラントが仙腸関節を横切って横方向に移植されるときに、遠位領域が仙骨に位置決めでき、中央領域が仙腸関節を横切って位置決めでき、近位領域が腸骨に位置決めできるような長さを有する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
仙腸(「SI」)関節を横切り配置するように適合されたねじ山付き骨安定化インプラントであって、
遠位端及び近位端を有する細長い本体を備え、
細長い本体は、ねじ山付きの複数リード遠位領域、複数リード遠位領域の近位に配置されたねじ山付きの単一リード中央領域、及び単一リード中央領域の近位に配置されたねじ山付きの複数リード近位領域を含み、
細長い本体は、長さ、及びねじ山付きの複数リード遠位領域、ねじ山付きの単一リード中央領域、及びねじ山付きの複数リード近位領域を有し、これらはそれぞれ、当該インプラントがSI関節を横切って横方向に移植された状態において、複数のねじ山付き遠位領域は仙骨に位置決めされ、単一リード中央領域はSI関節を横切って位置決めされ、複数リード近位領域は腸骨に位置決めされるような個々の長さを有する、
ねじ山付き骨安定化インプラント。
【請求項2】
ねじ山付きの複数リード遠位領域は、ねじ山付きの単一リード中央領域よりも高密度な仙骨へ固定するようにより良く適合されている、請求項1に記載のねじ山付き骨安定化インプラント。
【請求項3】
ねじ山付きの複数リード近位領域は、ねじ山付きの単一リード中央領域よりも高密度な腸骨へ固定するようにより良く構成されている、請求項1に記載のねじ山付き骨安定化インプラント。
【請求項4】
複数リード遠位領域及び複数リード近位領域の一方又は両方は、二重リード領域である、請求項1に記載のねじ山付き骨安定化インプラント。
【請求項5】
複数リード遠位領域、単一リード中央領域、及び複数リード近位領域のそれぞれは、各ねじ山が延在する内側シャンクと、内側シャンクの周りに配置された、相互接続された支柱の多孔質網状組織とを備える、請求項1に記載のねじ山付き骨安定化インプラント。
【請求項6】
ねじ山付き単一リード中央領域における近位領域は、相互接続された支柱の多孔質網状組織がない又は空所である、請求項5に記載のねじ山付き骨安定化インプラント。
【請求項7】
ねじ山付き単一リード中央領域は、9mmから11mmまでの外径を有する、請求項6に記載のねじ山付き骨安定化インプラント。
【請求項8】
細長い本体は、10mmから14mmまでのねじ山外径を有する、請求項1に記載のねじ山付き骨安定化インプラント。
【請求項9】
ねじ山付き複数リード遠位領域は、二重リード遠位領域であり、任意的に高、低のねじ山のパターンを備える、請求項1に記載のねじ山付き骨安定化インプラント。
【請求項10】
ねじ山付き複数リード近位領域は、二重リード遠位領域であり、任意的に高、低のねじ山のパターンを備える、請求項1に記載のねじ山付き骨安定化インプラント。
【請求項11】
第1の連続するねじ山は、遠位領域から中央領域を通り近位領域へ延在する、請求項1に記載のねじ山付き骨安定化インプラント。
【請求項12】
第1の連続するねじ山は、細長い本体を通って延在する複数の開窓によって中断されている、請求項11に記載のねじ山付き骨安定化インプラント。
【請求項13】
当該インプラントは、自己穴あけするように構成された1つ又は複数の表面を有する鋭利にされた遠位先端を含む、請求項1に記載のねじ山付き骨安定化インプラント。
【請求項14】
細長い本体は、そこに形成された複数の螺旋状溝彫りをさらに備え、複数の螺旋状溝彫りのそれぞれは、複数リード遠位領域、単一リード中央領域、及び任意的に複数リード近位領域へ延在する、請求項1に記載のねじ山付き骨安定化インプラント。
【請求項15】
複数の螺旋状溝彫りは、3つの螺旋状溝彫りからなる、請求項14に記載のねじ山付き骨安定化インプラント。
【請求項16】
複数の溝彫りのそれぞれは、それぞれの溝彫りと整列された複数の開窓を有し、開窓は、溝彫りの長さに沿って互いに離間しており、細長い本体の中央内腔へ延びる、請求項14に記載のねじ山付き骨安定化インプラント。
【請求項17】
複数の開窓のそれぞれは、半径方向内側に向けてテーパーを有する、請求項16に記載のねじ山付き骨安定化インプラント。
【請求項18】
複数の開窓の少なくとも1つは、遠位領域に配置され、複数の開窓の少なくとも1つは、中央領域に配置され、任意的に複数の開窓の少なくとも1つは、近位領域に配置される、請求項16に記載のねじ山付き骨安定化インプラント。
【請求項19】
各溝彫り内で、遠位領域における第1の開窓は、中央領域における第2の開窓よりも面積が大きい、請求項16に記載のねじ山付き骨安定化インプラント。
【請求項20】
複数の遠位の開窓のそれぞれは、複数の中央の開窓のそれぞれよりも大きい、請求項19に記載のねじ山付き骨安定化インプラント。
【請求項21】
細長い本体は、そこを通る複数の開窓をさらに備える、請求項1に記載のねじ山付き骨安定化インプラント。
【請求項22】
遠位領域における第1の開窓は、中央領域における第2の開窓よりも大きい、請求項21に記載のねじ山付き骨安定化インプラント。
【請求項23】
複数の遠位の開窓のそれぞれは、複数の中央の開窓のそれぞれよりも大きい、請求項21に記載のねじ山付き骨安定化インプラント。
【請求項24】
細長い本体の近位領域は、近位端が近位領域の遠位端よりもより大きい半径方向寸法を有する状態でテーパー状になっている、請求項1に記載のねじ山付き骨安定化インプラント。
【請求項25】
ねじ山の少なくとも1つは、湾曲した逆フィレットを有する、請求項1に記載のねじ山付き骨安定化インプラント。
【請求項26】
細長い本体の近位端は、座繰りになっている、請求項1に記載のねじ山付き骨安定化インプラント。
【請求項27】
遠位領域の長さは、10mmから22mmである、請求項1に記載のねじ山付き骨安定化インプラント。
【請求項28】
中央領域の長さは、8mmから56mmである、請求項1に記載のねじ山付き骨安定化インプラント。
【請求項29】
近位領域の長さは、6mmから10mmである、請求項1に記載のねじ山付き骨安定化インプラント。
【請求項30】
仙腸(「SI」)関節を横切り配置するように適合され及びサイズ設定されたねじ山付き骨安定化インプラントであって、
遠位端及び近位端を有する細長い本体を備え、
細長い本体は、ねじ山付き遠位領域、遠位領域の近位に配置されたねじ山付き中央領域、及び中央領域の近位に配置された近位領域を含み、
細長い本体は、複数の螺旋状の溝彫りをさらに含み、複数の螺旋状溝彫りのそれぞれは、それを通って形成され中央内腔へ延在する複数の開窓を有する、
細長い本体は、長さ、及びねじ山付き遠位領域、ねじ山付き中央領域、及び近位領域を有し、これらはそれぞれ、当該インプラントが横方向に移植された状態において、ねじ山付き遠位領域は仙骨に位置決めされ、ねじ山付き中央領域はSI関節を横切って位置決めされ、近位領域は腸骨に位置決めされるような個々の長さを有する、
ねじ山付き骨安定化インプラント。
【請求項31】
複数の螺旋状溝彫りのそれぞれは、ねじ山付き遠位領域における中央内腔へ延びる第1セットの1つ又は複数の開窓を、及び、ねじ山付き中央領域における中央内腔へ延びる第2セットの1つ又は複数の開窓を介して形成されており、遠位領域における1つ又は複数の開窓の少なくとも1つは、中央領域における1つ又は複数の開窓の少なくとも1つよりも大きい、請求項30に記載のねじ山付き骨安定化インプラント。
【請求項32】
ねじ山付き遠位領域は、複数リードであり、ねじ山付き中央領域は、単一リードであり、ねじ山付き複数リードの遠位領域における1つ又は複数の開窓のすべては、ねじ山付き単一リードの中央領域における1つ又は複数の開口のすべてよりも大きい、請求項31に記載のねじ山付き骨安定化インプラント。
【請求項33】
ねじ山付き遠位領域は、複数リードであり、ねじ山付き中央領域は、単一リードである、請求項31に記載のねじ山付き骨安定化インプラント。
【請求項34】
複数の開窓のそれぞれは、半径方向内側へ先細りにされた構成を有し、ここで遠位領域における1つ又は複数の開窓は、中央領域における1つ又は複数の開窓よりもより大きい角度で先細りされた構成を有する、請求項30に記載のねじ山付き骨安定化インプラント。
【請求項35】
遠位端から近位端まで延在する細長い本体を備えたねじ山付き骨インプラントであって、細長い本体は、
それぞれが細長い本体の少なくとも一部に沿って延在する、1つ又は複数の螺旋状のねじ山と、
1つ又は複数の螺旋状ねじ山が半径方向に延びる内側シャンクと、
内側シャンクの周りに、及び細長い骨インプラント本体の長手方向軸の周りに配置された相互接続された支柱の多孔質網状組織と、
を含み、
相互接続された支柱の多孔質網状組織は、細長い本体の少なくとも一部に沿った1つ又は複数の螺旋状ねじ山の間に配置され、
相互接続された支柱の多孔質網状組織は、1つ又は複数の螺旋状ねじ山の外径よりも小さい外形寸法を有する、
ねじ山付き骨インプラント。
【請求項36】
相互接続された支柱の多孔質網状組織は、相互接続された支柱の多孔質網状組織の少なくとも一部において長軸周りに実質的に同心である外側輪郭を有する、請求項35に記載のねじ山付き骨インプラント。
【請求項37】
相互接続された支柱の多孔質網状組織は、1つ又は複数の螺旋状ねじ山間の細長い本体に沿って延在する概略螺旋状構成を有する、請求項35に記載のねじ山付き骨インプラント。
【請求項38】
相互接続された支柱の多孔質網状組織における相互接続された支柱の実質的にすべては、半径方向に最も外側の同じ寸法を有し、長軸周りに同心である、請求項35に記載のねじ山付き骨インプラント。
【請求項39】
相互接続された支柱の多孔質網状組織は、支柱自由端を含む1つ又は複数の端部領域を含み、支柱自由端が細長い骨インプラント本体の溝彫り付き領域に配置され、溝彫り付き領域が少なくとも1つの螺旋状ねじ山を中断する、請求項35に記載のねじ山付き骨インプラント。
【請求項40】
相互接続された支柱の多孔質網状組織は、細長い本体の端面視においてほぼ円形の形状を有する外側輪郭を有する、請求項35に記載のねじ山付き骨インプラント。
【請求項41】
相互接続された支柱の多孔質網状組織は、細長い本体の少なくとも一部に沿ってほぼ円筒形の外側輪郭を形成している、請求項35に記載のねじ山付き骨インプラント。
【請求項42】
相互接続された支柱の多孔質網状組織は、実質的に滑らかな外面を形成している、請求項35に記載のねじ山付き骨インプラント。
【請求項43】
実質的に滑らかな外面は、支柱自由端が実質的にない、請求項42に記載のねじ山付き骨インプラント。
【請求項44】
1つ又は複数の螺旋状ねじ山は、細長い本体の少なくとも遠位部分に沿って延在する、請求項35に記載のねじ山付き骨インプラント。
【請求項45】
1つ又は複数の螺旋状ねじ山は、細長い本体の少なくとも遠位部分及び中央領域に沿って延在する、請求項44に記載のねじ山付き骨インプラント。
【請求項46】
1つ又は複数の螺旋状ねじ山は、細長い本体の遠位部分において二重リード領域を備える、請求項44に記載のねじ山付き骨インプラント。
【請求項47】
細長い本体は、遠位端から近位端までの長さを有し、ここでねじ山付き遠位領域、ねじ山付き中央領域、及び近位領域のそれぞれは、当該インプラントが横方向に移植された状態において、ねじ山付き遠位領域が仙骨に位置決めされ、ねじ山付き中央領域がSI関節を横切って位置決めされ、近位領域が腸骨に位置決めされるような個々の長さを有する、請求項35に記載のねじ山付き骨インプラント。
【請求項48】
ねじ山付き中央領域の近位部分は、空所である、又は相互接続された支柱の多孔質網状組織がない、請求項47に記載のねじ山付き骨インプラント。
【請求項49】
相互接続された支柱の多孔質網状組織は、近位部分の遠位に存在する相互接続された支柱の第1の多孔質網状組織と、近位領域に存在し第1の多孔質網状組織から軸方向に間を開けた相互接続された支柱の第2の多孔質網状組織とを備える、請求項48に記載のねじ山付き骨インプラント。
【請求項50】
ねじ山付き骨インプラントを製造する方法であって、該方法は、
ねじ山付き骨インプラントを遠位端から近位端まで印刷することを備え、
ここで、ねじ山付き骨インプラントを印刷することは、以下の、
内側シャンクを印刷すること、
内側シャンクから半径方向に延在する1つ又は複数の螺旋状のねじ山を印刷すること、ここで、1つ又は複数の螺旋状のねじ山のそれぞれは、ねじ山付き骨インプラントの長さの少なくとも一部に沿って延在する、
内側シャンクの周りに、細長い骨インプラント本体の長軸の周りに、及び1つ又は複数の螺旋状のねじ山の少なくとも一部分の間に、相互接続された支柱の多孔質網状組織を印刷すること、ここで、相互接続された支柱の多孔質網状組織は、1つ又は複数の螺旋状ねじ山の外径よりも小さい外側寸法を有する、
を含んでいる、
ねじ山付き骨インプラントを製造する方法。
【請求項51】
相互接続された支柱の多孔質網状組織を印刷することは、相互接続された支柱の多孔質網状組織の少なくとも一部において細長い本体の長軸周りに実質的に同心になるように、相互接続された支柱の多孔質網状組織を印刷することを含む、請求項50に記載の方法。
【請求項52】
相互接続された支柱の多孔質網状組織を印刷することは、1つ又は複数の螺旋状のねじ山間の細長い本体に沿って延在し、かつ内側シャンクから半径方向に延在するほぼ螺旋状構成を有するように、相互接続された支柱の多孔質網状組織を印刷することを含む、請求項50に記載の方法。
【請求項53】
相互接続された支柱の多孔質網状組織を印刷することは、支柱が、半径方向に最も外側の同じ寸法を有し、長軸周りに同心になるように、相互接続された支柱の多孔質網状組織を印刷することを含む、請求項50に記載の方法。
【請求項54】
相互接続された支柱の多孔質網状組織を印刷することは、複数の支柱自由端を含む、相互接続された支柱の多孔質網状組織の側部領域を印刷することを含み、支柱自由端は、細長い骨インプラント本体の溝彫り付き領域に配置され、溝彫り付き領域は、1つ又は複数の螺旋状のねじ山を中断する、請求項50に記載の方法。
【請求項55】
相互接続された支柱の多孔質網状組織を印刷することは、細長い本体の端面視において円形断面の外側輪郭に近似するように、相互接続された支柱の多孔質網状組織を印刷することを含む、請求項50に記載の方法。
【請求項56】
相互接続された支柱の多孔質網状組織を印刷することは、実質的に滑らかな半径方向外面を形成するように、相互接続された支柱の多孔質網状組織を印刷することを含む、請求項50に記載の方法。
【請求項57】
相互接続された支柱の多孔質網状組織を印刷することは、支柱自由端が実質的にない実質的に滑らかな外面を有するように、相互接続された支柱の多孔質網状組織を印刷することを含む、請求項56に記載の方法。
【請求項58】
当該方法は、コンピュータ実行可能な方法である、請求項50に記載の方法。
【請求項59】
ねじ山付き骨インプラントを印刷する方法であって、該方法は、
ねじ山付き骨インプラントを遠位端から近位端まで3D印刷することを備え、
ここで、ねじ山付き骨インプラントを印刷することは、以下の、
犠牲的先端を印刷すること、
犠牲的先端の上にねじ山付き骨インプラントを印刷すること、
ねじ山付き骨インプラントを印刷した後で、犠牲的先端を取り除いて、ねじ山付き骨インプラントおける遠位端を形成すること、
を含む、
ねじ山付き骨インプラントを印刷する方法。
【請求項60】
犠牲的先端を印刷することは、犠牲的遠位先端の上のねじ山付き骨インプラントの印刷を支持し及び安定化するために、平坦化された遠位ベースを有する犠牲的先端を印刷することを含む、請求項59に記載の方法。
【請求項61】
ねじ山付き骨インプラントにおいて遠位端を形成することは、ねじ山付き骨インプラントに鋭利にされた遠位端を形成することを含む、請求項59に記載の方法。
【請求項62】
犠牲的先端を除去することは、犠牲的先端の平坦化された遠位ベースを完全に除去することを備える、請求項59に記載の方法。
【請求項63】
ねじ山付き骨インプラントを印刷することは、本明細書における任意のねじ山付き骨インプラントの任意の適切な特徴を印刷することをさらに備える、請求項59に記載の方法。
【請求項64】
ねじ山付き骨インプラントを印刷することは、インプラント内側シャンクから半径方向外側に延在するねじ山を印刷することを備え、このねじ山は、ねじ山付き骨インプラントの中心軸に対して45度を超える角度で配置される、請求項63に記載の方法。
【請求項65】
犠牲的先端を除去することは、犠牲的先端を機械加工することを備える、請求項59に記載の方法。
【請求項66】
上記形成することは、骨インプラントにおける鋭利にされた遠位端を機械加工することを備える、請求項65に記載の方法。
【請求項67】
犠牲的先端を印刷することは、平坦化されたベースを印刷すること、及び平坦化されたベースから上方に延在する第1、第2、第3のコネクタを印刷することを備え、ここで、ねじ山付き骨インプラントを印刷することは、第1、第2、及び第3の溝彫りをインプラントに印刷することを備え、ここで、印刷された溝彫りのそれぞれは、第1、第2、及び第3のコネクタのうちの2つの間に配置されている、請求項59に記載の方法。
【請求項68】
3D印刷されたねじ山付き骨インプラントであって、
遠位端及び近位端を有する3D印刷されたインプラント本体と、
内側シャンクから半径方向外側に延在する1つ又は複数のねじ山を有するインプラント本体と、
インプラント本体の長軸に対して45度を超える角度を形成する少なくとも1つのねじ山と、
を備えた、ねじ山付き骨インプラント。
【請求項69】
1つ又は複数のねじ山は、45度から65度の間の角度で形成されている、請求項68に記載のねじ山付き骨インプラント。
【請求項70】
インプラント本体は、本明細書における任意のねじ山付き骨インプラントの任意の適切な特徴を含む、請求項68に記載のねじ山付き骨インプラント。
【請求項71】
ねじ山付き骨インプラントは、インプラント本体の長さの少なくとも一部に沿った1つ又は複数のねじ山の間に相互接続された支柱の多孔質網状組織を含む、請求項70に記載のねじ山付き骨インプラント。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願への相互参照
この出願は、2019年11月27日に出願された米国仮出願第62/941,507号への優先権の利益を主張し、その開示全体は、すべての目的のためにその全体が参考として本明細書に組み込まれる。
【0002】
参考による編入
本明細書に記載されているすべての刊行物及び特許出願は、個々の刊行物又は特許出願のそれぞれが参考により組み込まれるべきであるように具体的かつ個別に示されている場合と同程度に、参考により本明細書に組み込まれる。
【背景技術】
【0003】
仙腸関節(SI関節)は、脊椎から下肢への、及びその逆の力の伝達において機能する。仙腸関節は、腰痛の22%までの痛みの発生源として説明されている。仙腸関節から発生する痛みを和らげるために、仙腸関節融合(fusion)は通常、例えば、変性仙腸関節炎、炎症性仙腸関節炎、仙腸関節の医原性不安定性、硬化性腸骨炎、又は骨盤の外傷性骨折などの外科的治療として示されている。改良された、ねじ山付き仙腸関節固定及び融合インプラントの継続的な必要性がある。
【発明の概要】
【0004】
本開示の一態様は、ねじ山付き骨インプラント(「インプラント」)である。このインプラントは、遠位端及び近位端を有する細長い本体を含むことができる。細長い本体は、ねじ山付き(ねじ式、ねじ状:threaded)の複数リード遠位領域、複数リード遠位領域の近位に配置されたねじ山付きの単一リード中央領域、及び単一リード中央領域の近位に配置されたねじ山付きの複数リード近位領域を含むことができる。細長い本体は、ある長さを有し、ねじ山付き複数リード遠位領域、ねじ山付き単一リード中央領域、及びねじ山付き複数リード近位領域は、それぞれ、インプラントが横方向に移植されるときに、複数ねじ状の遠位領域が仙骨に位置決めでき、単一リード中央領域がSI(仙腸)関節を横切って位置決めでき、複数リード近位領域が腸骨に位置決めできるように、個々の長さを有することができる。
【0005】
この態様では、ねじ山付き複数リード遠位領域は、ねじ山付き単一リード中央領域よりも、密な仙骨にしっかりと固定するように、より良く適合させることができる。
【0006】
この態様では、ねじ山付き複数リード近位領域は、ねじ山付き単一リード中央領域よりも、密な腸骨にしっかりと固定するように、より良く構成可能である。
【0007】
この態様では、複数リード遠位領域及び複数リード近位領域の一方又は両方は、二重リードねじ領域であり得る。
【0008】
この態様では、複数リード遠位領域、単一リード中央領域、及び複数リード近位領域はすべて、それぞれのねじ山が半径方向に延在する内側シャンク(胴部、軸)と、内側シャンクの周りに及びねじ山の間に配置された、相互接続された支柱の多孔質網状組織とを備えることができる。近位領域又はねじ山付き単一リード中央領域の部分は、相互接続された支柱の多孔質の網状組織がなくてもよく、ねじ山付き単一リード中央領域は、9mmから11mm(ねじ山の外径)までの広範な直径を有することができる。
【0009】
この態様では、ねじ山付き複数リード遠位領域は、高、低のねじ山のパターンを備えた二重リード遠位領域であることができる。
【0010】
この態様では、ねじ山付き複数リード近位領域は、高、低のねじ山のパターンを備えた二重リード遠位領域であることができる。
【0011】
この態様では、第1ねじ山は、連続的であり、遠位領域から中央領域を通って近位領域に延在することができる。この点に関して、連続したねじ山は、細長い本体を通り延在する複数の開窓及び/又は溝彫り(flutes)によって中断され得る。
【0012】
この態様では、細長い本体は、そこに形成された複数の螺旋状の溝彫りをさらに有することができ、複数の溝彫りのそれぞれは、複数リード遠位領域、単一リード中央領域、及び任意的に複数リード近位領域において延在する。複数の螺旋状の溝彫りは、細長いインプラント本体における3つの螺旋状の溝彫りからなり得る。複数の溝彫りのそれぞれは、それぞれの溝彫りに整列された複数の開窓を有することができ、該開窓は、溝彫りの長さに沿って互いに間隔を開けられ、細長い本体の中央内腔又は領域に延在する。複数の開窓のそれぞれは、半径方向の内側へ先細り(テーパー状)にされた構成を有することができる。複数の開窓の少なくとも1つは、遠位領域に配置することができ、複数の開窓の少なくとも1つは、中央領域に配置することができ、複数の開窓の少なくとも1つは、近位領域に配置することができる。いくつかの実施形態では、近位領域は、開窓がない。
【0013】
この態様では、遠位領域における第1開窓は、中央領域における第2開窓よりも大きくてもよく、任意的に、複数の遠位の開窓のそれぞれは、複数の中央の開窓のそれぞれよりも大きくてもよい。
【0014】
この態様では、細長い本体は、それを通る複数の開窓をさらに備えることができる。遠位領域における第1開窓は、中央領域における第2開窓よりも大きくてもよい。いくつかの実施形態では、複数の遠位の開窓のそれぞれは、複数の中央の開窓のそれぞれよりも大きくてもよい。
【0015】
この態様では、細長い本体の近位領域は、近位端が近位領域の遠位端よりも大きな半径方向寸法を有する状態で、テーパー状になることができる。
【0016】
この態様では、ねじ山の少なくとも1つは、湾曲した逆フィレットを有することができる。
【0017】
この態様では、細長い本体の近位端は、座繰りであってもよい。
【0018】
この態様では、遠位領域の長さは、10mmから22mmであり得る。
【0019】
この態様では、中央領域の長さは、8mmから56mmであり得る。
【0020】
この態様では、近位領域の長さは、6mmから10mmであり得る。
【0021】
この態様は、本明細書に記載の任意の適切なインプラント特徴をさらに含み得る。
【0022】
本開示の一態様は、横方向の配送に適合され、仙腸(「SI」)関節を横切って配置するためのサイズにされたねじ山付きの骨安定化インプラントである。このインプラントは、遠位端及び近位端を有する細長い本体を含む。細長い本体は、ねじ山付き遠位領域、遠位領域の近位に配置されたねじ山付き中央領域、及び中央領域の近位に配置された近位領域を含むことができる。細長い本体は、複数の螺旋状の溝彫りをさらに含むことができ、複数の螺旋状溝彫りのそれぞれは、それを通り形成された、中央内腔へ延在する複数の開窓を有する。その本体は、ある長さを有し、ねじ山付き遠位領域、ねじ山付き中央領域、及び近位領域はそれぞれ、インプラントが横方向に移植されるときに、ねじ山付き遠位領域が仙骨に位置決めでき、ねじ山付き中央領域がSI関節を横切って位置決めでき、近位領域が腸骨に位置決めできるように、個々の長さを有することができる。
【0023】
この態様は、本明細書に記載されている他の任意の適切なねじ山付きインプラントの特徴をさらに含み得る。
【0024】
本開示の一態様は、ねじ山付き骨インプラントである。該インプラントは、遠位端から近位端まで延在する細長い本体を含む。細長い本体は、1つ又は複数の螺旋状のねじ山を含むことができ、1つ又は複数の螺旋状のねじ山のそれぞれは、細長い本体の少なくとも一部に沿って軸方向に延在する。細長い本体は、1つ又は複数の螺旋状のねじ山が半径方向に延びる内側シャンク又は内側部材を含むことができる。細長い本体はまた、内側シャンク(又は内側部材)の周りに、及び細長い骨インプラント本体の長手方向軸の周りに、配置された相互接続された支柱の多孔質網状組織を含むことができる。相互接続された支柱の多孔質の網状組織は、細長い本体の少なくとも一部分に沿って1つ又は複数の螺旋状のねじ山間に配置されることができ、任意的に、インプラントの遠位領域、中央領域、及び近位領域のそれぞれに配置されることができる。いくつかの例では、相互接続された支柱の多孔質網状組織は、遠位領域、中央領域を通り、近位領域に至る、連続した、螺旋状構成を有する。この文脈において及び本明細書で使用されるとき、連続した、は、1つ又は複数の溝彫り、及び/又は1つ又は複数の開窓に起因して、多孔質網状組織の不連続性を含む。相互接続された支柱の多孔質網状組織は、1つ又は複数の螺旋状のねじ山の外径よりも小さい外形寸法を有することができる。
【0025】
この態様は、本明細書に記載されている他の任意の適切なねじ山付きインプラントの特徴を含み得る。
【0026】
本開示の一態様は、ねじ山付き骨インプラントを製造する方法である。この方法は、ねじ山付き骨インプラントを遠位端から近位端へ印刷(プリント)することを含み得る(但し、いくつかの代替の実施形態では、近位端(ヘッド)から遠位端(先端)へ印刷する)。インプラントを印刷することは、内側シャンクを印刷(プリント)すること、内側シャンクから半径方向に延びる1つ又は複数の螺旋状のねじ山を印刷(プリント)することを含むことができ、1つ又は複数の螺旋状のねじ山のそれぞれは、ねじ山付き骨インプラントの少なくとも一部に沿って延在する。この方法は、内側シャンクの周りに、細長い骨インプラント本体の長軸の周りに、及び1つ又は複数の螺旋状のねじ山の少なくとも一部分の間に、相互接続された支柱の多孔質網状組織を印刷することを含むことができる。相互接続された支柱の多孔質網状組織は、一般に、1つ又は複数の螺旋状のねじ山の外径よりも小さい外形寸法を有する。
【0027】
この態様は、本明細書における他の任意の適切な方法のステップを含むことができ、メモリに格納された、及びその概念が知られているプロセッサ又は処理部品によって実行されるように適合された、コンピュータが実行可能な方法であり得る(例えば、1つ又は複数のソフトウェア、アルゴリズムなど)。
【0028】
本開示の一態様は、ねじ山付き骨インプラントを3D印刷する方法である。この方法は、ねじ山付き骨インプラントを遠位端から近位端へ印刷することを含み得る。インプラントを印刷することは、犠牲的遠位先端を印刷すること、犠牲的遠位先端の上へねじ山付き骨インプラントを印刷すること、及びねじ山付き骨インプラントを印刷した後、犠牲的先端を除去し、ねじ山付き骨インプラントに遠位端を形成することが含まれ得る。
【0029】
この態様は、本明細書に記載されている他の任意の適切な方法を含み得る。
【0030】
本開示の一態様は、3D印刷されたねじ山付き骨インプラントである。このインプラントは、遠位端及び近位端を有する3D印刷されたインプラント本体を含み得る。インプラント本体は、内側シャンクから半径方向外側に延在する1つ又は複数のねじ山を有することができる。少なくとも1つのねじ山は、インプラント本体の長軸に対して45度を超える角度を形成し得る。
【0031】
この態様は、本明細書のねじ山付き骨インプラントに関連する他の適切な特徴を含み得る。
【図面の簡単な説明】
【0032】
図1図1は、例示的なねじ山付きインプラントの側面図である。
図2図2は、例示的なねじ山付きインプラントの側面図である。
図3図3は、例示的なねじ山付きインプラントの側面図である。
図4図4は、例示的なねじ山付きインプラントの側面図である。
図5図5は、例示的なラグねじ山付きインプラント及びワッシャの側面図である。
図6図6は、例示的なラグねじ山付きインプラント及びワッシャの側面図である。
図7図7は、例示的なねじ山付きインプラントの斜視図である。
図8図8は、溝彫りされた領域、開窓、及び相互接続された支柱の多孔質網状組織を含む、例示的なねじ山付きインプラントの側面図である。
図9図9は、ねじ山間に相互接続された支柱の多孔質網状組織を含む、例示的なねじ山付きインプラントの側面図である。
図10図10は、ねじ山間に相互接続された支柱の多孔質網状組織と共に溝彫りを含む、例示的なねじ山付きインプラントの側面図である。
図11図11は、本明細書で参照される例示的なねじ角αを示す。
図12A図12Aは、本明細書におけるねじ山付きインプラントを製造するための例示的な配向を示している。
図12B図12Bは、本明細書におけるねじ山付きインプラントを製造するための例示的な配向を示している。
【発明を実施するための形態】
【0033】
本開示は、一般的に、例えば、固定及び/又は融合のために使用され得る、ねじ山付き(ねじ式、ねじ状の)骨安定化インプラントに関する。本明細書に記載の骨安定化インプラントは、一般に、横方向の配送経路において配送されるようにサイズ設定及び構成され、インプラントの遠位領域が仙骨に移植され、中間領域が仙腸(「SI」)関節内又は仙腸関節を横切って移植され、及び近位領域が腸骨に移植されるように埋め込まれる。本明細書の骨インプラントは、インプラントの少なくとも一部に沿って1つ又は複数のねじ山を含み、これにより、インプラント治療中に、インプラントを回転させて骨に固定させることができる。本明細書におけるインプラントがねじ山付き(ねじ式、ねじ状の)インプラントと呼ばれる場合、それは、1つ又は複数のねじ山を有し、そのいずれかがインプラントの長さの少なくとも一部に沿って延在可能なインプラントを指す。
【0034】
本明細書のねじ山付き骨インプラントは、一般的に、それらが移植される解剖学的領域における少なくとも部分的に基づく機能を提供するようにサイズ設定及び/又は構成された、それらの長さに沿った異なる領域又は部分を含む。例えば、本明細書のインプラントは、遠位領域であって、比較的高密度の海綿状仙骨に固定する機能を有するようにサイズ設定(例えば、長さ及び/又は幅)及び構成(例えば、ねじ山付き)された遠位領域を有することができる。この機能は、そのようにサイズ設定及び/又は構成されていない、本インプラントの他の領域と、又は本明細書に記載の方法で、そのようにサイズ設定及び/又は構成されていない他のタイプのインプラントと、比較することができる。
【0035】
本明細書の開示は、米国公開公報2018/0228621、2013/0296953、及び2015/0105828、これらの開示全体はすべての目的のために参考により本明細書に組み込まれる、からの開示に関連しているかもしれない。
【0036】
図1は、示されているように細長い本体を含み、該細長い本体が遠位端102から近位端104まで延在する、例示的な骨安定化インプラント100を示している。細長い本体は、遠位アンカー領域120、中間又は中央領域140、及び近位領域160を含む。この実施形態では、遠位領域120は、図1に示されるねじ山122a及び122bを有する、複数リードでありこの特定例では二重リードである、ねじ山付き領域を含む。
【0037】
遠位領域120はまた、ねじ山間において、相互接続された支柱124の多孔質網状組織も含み、図1では、その1つの領域が付番されている。相互接続された支柱の多孔質網状組織は、本明細書では多孔質格子と呼ばれることもある。図1は、示されるように、ねじ山付き領域のねじ山間に延在する概略螺旋状の構成を有すると見なすことができる、相互接続された支柱の多孔質網状組織の例を示している。多孔質格子の螺旋状構成は、(図1に示すように、)格子が存在しないところの1つ又は複数の開窓及び/又は溝彫りによって中断されてもよいが、これらの例では、多孔質格子は、依然として概略螺旋状構成を有すると見なすことができる。
【0038】
遠位領域120は、複数リード(この例では二重リード)であり、この構成は、遠位領域120を、高密な海綿状の仙骨へより確実に固定するように適合させる。
【0039】
本明細書における多孔質格子は、相互接続された支柱の外側多孔質網状組織を備えることができ、その例は、図1に示され、以下により詳細に説明される。本明細書における個々の支柱のいずれも、ビーム(梁、桁)と呼ばれてもよい。一般的に、ねじ山の間の多孔質領域は、回転挿入及び適切な固定を容易にするために、滑らかな外側輪郭を有するのが好ましい。別の言い方をすれば、ねじ山間の多孔質領域は、支柱端が露出された状態の非常に粗い外面を有する、これは隣接した骨に有害な損傷を与え結果的に安定性の低い固定になり得る、ことを避けるのが一般的に望ましい。多孔質網状組織は、支柱の不規則な構成を有してもよいし、支柱の規則的なパターン、又はそれらの組み合わせを有してもよい。したがって、本明細書で使用される格子という用語は、支柱の規則的な又は繰り返しのパターンを必要としないことが理解される。相互接続された支柱の多孔質網状組織の追加の例示的な特徴を以下に説明する。
【0040】
インプラント100はまた、中央又は中間領域140を含み、これは、インプラント100がSI関節を横切って横方向に配送されるときに、SI関節を横切って位置決めされるようにサイズ設定及び構成(関連する他のインプラント領域を含み)される。中央領域140は、遠位領域120及び近位領域160よりも少ないリードねじ山付き領域を含み、この実施形態では、単一リードである。この実施形態では、中央領域140のねじ山142は、示されるように、ねじ山122bとして遠位領域120へ続くと考えられるが、代替の実施形態では、中央領域のねじ山は、遠位領域120に続かない又は延びることのない異なるねじ山の一部と考えてもよい。ねじ山122bは、ねじ山が開窓及び溝彫りされた領域(溝彫り付き領域)によって1回又は複数回中断されたとしても、遠位領域120から中央領域140まで、ねじ山142と連続していると考えられる。これについては、以下でより詳細に説明する。
【0041】
中央領域140は、相互接続された支柱144(ここでは、格子と呼ばれることがある)の多孔質網状組織を含み、その1つの領域のみが図1において付番されている。格子144は、格子124のように、中央領域140におけるねじ山の間に配置されている。格子144及び格子124が一緒に、遠位領域120から中央領域140へ延在するほぼ螺旋状構成に近づき(approximate)、これもまた、示されるように1つ又は複数の開窓及び溝彫り付き領域によって中断されるという点において、多孔質格子144は、多孔質格子124と連続していると見なすことができる。
【0042】
中央領域140における例示的な単一リードの設計は、例えば、遠位領域120と比較して、ねじ山間に比較的大きな軸方向の間隔を提供する。この比較的大きな軸方向間隔は、より大きな多孔質格子144表面積(surface area)を生成し、これは、中央領域140がSI関節を横切って移植されたときに、イングロース(ingrowth:内殖、内部成長)及び/又はオングロース(ongrowth)を容易にするように、より良好に適合及び構成される。遠位領域120及び中央領域140は、中央領域がねじ山間に比較的より大きな間隔を有し、これはねじ山間により大きな多孔質表面積を提供する領域の例である。
【0043】
細長い本体はまた、近位領域160を含み、これは、中央領域140よりも大きなリードを有するねじ山付き領域を含む。この例では、近位領域160は、示されるように、二重リードであるねじ山付き領域を含む。近位領域160におけるねじ山162aは、中央領域140におけるねじ山142と連続しているが、代替の実施形態では、それらは連続していない場合がある。この文脈において、語句「連続」は、図1に示されるように、溝彫り付き領域及び/又は開窓による1つ又は複数の中断を含むことが再び理解される。近位領域160における複数リードのねじ山付き領域は、インプラント100がSI関節を横切って横方向に埋め込まれるときに、高密な腸骨における強力な固定を容易にする。
【0044】
上述したように、本明細書におけるインプラントは、遠位領域、中央領域、及び近位領域を有することができ、インプラントが完全に移植された後に、それらが位置決めされる解剖学的領域に基づいて1つ又は複数の機能を提供するように、それらは、それぞれ構成及びサイズ設定がなされる。いくつかの実施形態では、本明細書における遠位領域のいずれも(例えば、図1の遠位領域120)、例えば、10mmから22mmの長さを有することができる。このことは、複数リードの領域が仙骨中央近くの高密な仙骨へ固定されることを保証することができる。いくつかの実施形態では、本明細書における中央領域のいずれも(例えば、中央領域140)、8mmから56mmの長さを有することができる。これにより、比較的大きな多孔質表面積が関節を横切って延在し、1つ又は複数のイングロース及び/又はオングロース領域を促進する状態で、中央領域がSI関節を横切って位置決めされることが保証される。いくつかの実施形態では、本明細書における近位領域のいずれも(例えば、図1の近位領域160)、6mmから10mmの長さを有することができ、このことは、複数リードのねじ山付き近位領域が高密な腸骨へ固定されることを保証することができる。本明細書における近位領域は、それらの長さに関して、図1において参照符号104が指しているところのように、細長い本体においてねじ山のない近位端を含むことを考えていない。
【0045】
インプラント本体100はまた、1つ又は複数のねじ山、及び1つ又は複数の多孔質格子領域が半径方向に延びる内側シャンク(胴部、軸)又は内側部材を含む。内側シャンクは、ねじ又は他のねじ山付き本体のシャンクと同じ又は類似していると考えることができる。本明細書における内側シャンクは、連続した構造であると考える必要はなく、そこを通り抜けて延在する1つ又は複数の開窓など、そこに1つ又は複数の切れ目又は不連続さを含むことができる。この文脈における本明細書における内側シャンク又は内側部材は、1つ又は複数のねじ山及び1つ又は複数の多孔質格子構造がそこから半径方向に延びる内面を含むと考えることができる。
【0046】
遠位領域120は、図1に示されるように、その遠位端に向かって先細りになっており、この特徴は、本明細書における任意のインプラントに組み込むことができる。この例の遠位端102はまた、尖った遠位端要素を含み、これは、本明細書におけるいずれのインプラントにも組み込むことができる。
【0047】
図2は、例示的なねじ山付き骨インプラント200を示している。インプラント200は、同様に付番され得る特徴(例えば、120及び220)を含む、図1におけるインプラント100の1つ又は複数の特徴を有することができる。インプラント100とインプラント200との間の1つの違いは、インプラント200が中央領域を含み、その近位部分246は、空所(ボイド)又は相互接続された支柱の多孔質網状組織がないことである。中実部分と見なすことができる近位部分246は、インプラントが完全に移植されたときに、SI関節に配置される。中央の単一のねじ山付き領域240の近位部分246は、内側部材又は内側シャンク248と、そこから半径方向に延びるねじ山とを含む。いくつかの実施形態では、インプラント200は、他のすべての点でインプラント100と同じであることができる。図2に示されるように、近位部分246におけるシャンク248は、中央領域240の遠位部分における相互接続された支柱244の多孔質網状組織と同じ又は実質的に同じ半径方向寸法(例えば、直径)を有する。格子のない近位部分246、及び近位部分246におけるより大きな直径のシャンクの例示的な利点は、近位領域246が、より大きな直径のシャンクの領域において、より強くより耐疲労性であり得るということである。このことは、SI関節を横切る領域を含み全長に沿って格子構造を含むことが望ましくない程度まで疲労強度を低下させる可能性のある、ある寸法を有する一部の骨インプラントにおいて、重要になる場合がある。例えば、いくつかの実施形態では、インプラント200は、10mmなど、9mmから11mm(ねじ山の外径)までの外径を有することができる。
【0048】
図2に示されるように、内側シャンク248は、中央領域240において漸増(ステップアップ)領域210を有し、ここでは、シャンクの直径が中央領域240の遠位部分から中央領域240の近位部分246までの漸増領域で増加する。シャンク直径の漸増は、関節を横切って一般的に位置決めされる近位部分246の疲労強度を増加させる。
【0049】
図3図6は、示されているように、中央領域及び近位領域がねじ山付きではない、例示的なラグねじ山付きインプラント300-600をそれぞれ図示している。ラグインプラントは、示されているように、近位ワッシャを含み、その使用方法は、ラグインプラントとして一般的に知られている。いくつかの用途では、本明細書におけるねじ山付きラグインプラントは、例えば、骨折及び矯正(repair)のために使用可能である。
【0050】
図3は、遠位のねじ山付き領域320、SI関節を横切って配置されるように間隔を開けられたねじ山付きでない中央領域340、及び近位のねじ山付きでない近位領域360を含む、例示的なねじ山付きラグインプラント300を図示している。遠位領域340は、複数リードであり、この実施形態では二重リードである。インプラント300は、複数の螺旋状の溝彫り又は溝彫りされた領域(溝彫り付き領域)370(例えば、示されるように、370a、370b、及び370c)を含む。インプラント300は、本明細書における任意の開窓と類似又は同一であり得る複数の開窓380をさらに含む。例えば、そして示されるように、螺旋状溝彫り370のそれぞれは、複数の開窓380と共に整列されている。遠位領域320における開窓は、本明細書に記載の理由等のために、それぞれ中央及び/又は近位領域340、360における開窓よりも大きくすることができる。
【0051】
図3に示されるように、インプラント300は、相互接続された支柱324の多孔質格子又は網状組織を含み、その追加の例示的な詳細は、本明細書に記載されている。多孔質格子324はまた、示されるように、ねじ山322及び溝彫りの両方の間に配置された螺旋状構成を有するように見なされてもよい。この例では、多孔質格子は、遠位領域320、中央領域340、及び近位領域360において延在する。相互接続された支柱の多孔質網状組織に関する、本明細書におけるいずれの説明も、格子324に組み込むことができる。ワッシャ390がまた示されており、インプラント300のほぼ近位端に配置されるように構成され、インプラント300とワッシャ390との間の範囲の動きを可能にする。
【0052】
図4は、インプラント400を示し、図2のインプラント200、特に、多孔質格子のない中央領域440の近位部分、と同様の又は同じ特徴を示している。多孔質格子のない部分に関する図2における関する説明は、全ての目的のために、参考により、図4のインプラント400の説明に組み込まれる。示されるように、中央領域440の格子のない近位部分、及び中央領域440の近位部分におけるより大きな直径のシャンク、における例示的な利点は、図2に関して本明細書に記載されるのと同じ理由のため、より大きな直径のシャンクの領域において、近位領域がより強くより耐疲労性であり得る、ということである。
【0053】
図5は、図4からのインプラント400を示し、また、例示的な回転角及びワッシャ490を示し、インプラント400’は、例示的な回転角を示すために示されている。
【0054】
図6は、図3に示されるインプラント300と類似の又は同じであり得るインプラント600を図示する。図6は、例示的な回転角及び690を示している。インプラント300に関する本明細書における任意の適切な説明は、参考により、図6の開示に組み込まれる。
【0055】
本明細書のねじ山付き骨インプラントは、1つ又は複数の溝彫り、又は溝彫り付き領域を含むことができ、その例は、図1図6に示されている。図7は、例示的なねじ山付き骨インプラント700を示しており、これは、本明細書に記載されている他の任意のねじ山付き骨インプラントにおける他の任意の適切な特徴を含むことができる。インプラント700は、細長い本体の長さの少なくとも一部に沿って延在する、複数の螺旋状溝彫り又は溝彫り付き領域770a、770b、770cを含む細長い本体を有する。同様に、図2は、その中に形成された複数の螺旋状溝彫り270a、270b、270cを含むインプラント200を示している。本明細書におけるねじ山付き骨インプラントは、3つの溝彫り(図2及び図7の例に示されるように)を含むことができるが、本明細書におけるインプラントは、3つよりも多い又は少ない溝彫りを含むように変更されてもよい。
【0056】
インプラント700はまた、開窓780も含み、そのうちの2つだけが図7において付番されている。インプラント700は、細長い本体を通り形成された分離した複数の開窓780と共にそれぞれが整列されている溝彫り770を含むインプラント本体の別の例である。この例におけるそれぞれの溝彫りされた領域(溝彫り付き領域)は、図7に示されるように、それぞれの溝彫り付き領域に整列された別々の複数又は一連の開窓を含む。
【0057】
図2及び図7は、複数の螺旋状溝彫りを含む例示的なインプラントを示しており、そのそれぞれは、遠位領域から中央領域へ、また中央領域を通って延在し、そして任意的に近位領域に延在することができる。図2に示されるように、複数の螺旋状溝彫りは、最小範囲まで近位の複数リードの領域260へ延在することができるが、溝彫りは、任意的に、近位領域の全てに渡り延在しなくてもよい。
【0058】
図2及び図7に示されるように(しかし、本明細書の他の実施形態において示されている)、インプラントの溝彫り又は溝彫り付き領域(1つ又は複数の開窓も)は、細長い本体の周りに延在する1つ又は複数のねじ山に中断を生成する。
【0059】
本明細書のねじ山付きインプラントは、それを通り抜けて延在する1つ又は複数の開窓又は比較的大きな開口を含むことができる。図2は、複数の開窓280を示している(そのうちの2つだけが付番されている)。図2及び図7は、少なくとも1つ(任意的にすべて)の開窓がインプラントの溝彫り付き領域に整列された、あるいは溝彫り付き領域と重なるねじ山付きインプラントの例である。図2及び図7はそれぞれ、各ねじ山付きインプラントの複数の溝彫り付き領域を示しており、それらのそれぞれは、複数の開窓と整列又は重なり合っている。溝彫り付き領域のそれぞれと整列又は重なり合っている開窓は、溝彫り付き領域に沿って軸方向に間隔を置いて配置され、溝彫り付き領域と一緒に、開窓は、図7においてより明確に示されるように、螺旋状構成で配置される。図2及び図7では、例えば、螺旋状に配向された開窓が3セット存在し、各セットは、複数の開窓を含んでいる。
【0060】
本明細書の実施形態のいずれかにおいて、インプラントにおける開窓のいずれか又はすべては、半径方向において先細り(テーパー状)の構成を有することができる。図8は、ねじ山付きインプラントの細長い本体における、半径方向外側のより大きな開窓開口881と、半径方向内側のより小さな開窓開口882との間にテーパー状構成を有する単一の開窓880を図示し、ここで、開口サイズの違いがテーパー状構成を形成する。このタイプのテーパーは、本明細書では半径方向内側テーパーと呼ばれる。ねじ山付きインプラントにおける開窓のいずれか又はすべては、この方法でテーパー状にすることができる。開窓880はまた、示されるように、溝彫り付き領域と共に整列された開窓の例でもある。図8はまた、示されるように、溝彫り付き領域及び開窓880によって中断される連続したねじ山の例でもある。
【0061】
本明細書のインプラントのいずれも、複数の開窓を有し得るが、すべてのインプラント開窓が、インプラントにおける他の1つ又は複数の開窓と同じサイズ又は構成を有し得るわけではない。例えば、いくつかの実施形態では、インプラントの遠位領域(例えば、図2の遠位領域220)は、SI関節を横切って移植されるかもしれない、中央領域240又は中央領域の近位部分246などの、より近位に配置される領域と同じくらいの疲労強度を有する必要がないかもしれない。したがって、本明細書のインプラントのいずれも、SI関節を横切って配置される中央領域の少なくとも一部における1つ又は複数の開窓よりも大きい1つ又は複数の開窓を有する遠位領域を有することができる。ねじ山付きインプラントの中央領域は、インプラントがSI関節を横切って配置される領域においてより多くの構造材料を有するように、より小さな開窓を有することができる。同じ疲労強度を必要としなくてもよい遠位領域は、インプラントの強度に悪影響を与えることなく、より大きな開窓の形などで、より多くの開口を有することができる。
【0062】
その上、本明細書におけるインプラントのいずれも、遠位領域において、半径方向内側開口と半径方向外側開口との間のサイズ又は円周面積の差が少ない(つまり、内側開口と外側開口との間でより急勾配な移行)、あまり目立たないテーパーを有する開窓を含むことができる。1つ又は複数の中央領域の開窓と比較して、遠位領域の開窓は、インプラントの中央領域における半径方向内側開口よりも比較的大きい半径方向内側開口を有することができる。
【0063】
本明細書に記載されるように、本明細書のインプラントのいずれも、内側部材又はシャンクから半径方向外側に配置された多孔質領域を含むことができ、ここで、多孔質領域は、1つ又は複数のねじ山間の領域を含む、ねじ山付きインプラントの少なくとも一部に沿って延在する。例えば、図1は、ねじ山間において相互接続され、細長い本体の実質的にすべてに沿って延在する支柱(例えば、124)の多孔質網状組織を含むインプラント100を示している。図2は、ねじ山間において、インプラントの少なくとも遠位領域に沿って及びインプラントの近位領域に沿って延在する多孔質領域(例えば224)を含むインプラント200の例を示している。
【0064】
本明細書における、相互接続された支柱の多孔質網状組織(例えば、図1の格子144、図2の多孔質格子244)のいずれも、内側シャンクの周りに配置された相互接続された支柱の多孔質網状組織であることができ、その例が図9に示されている。本明細書に記載されるようなねじ山付きインプラントにより、ねじ山間に存在して相互接続された支柱の多孔質網状組織を有して、回転中(rotationally)、滑らかなシャンクに近づき、それによって骨への滑らかな回転進入を容易にすることが望ましい場合がある。このことは、ねじ山付きインプラントが骨を通り回転されるときに、抵抗及び骨の損傷を最小限に抑えることができ、ねじ山付きインプラントを骨にしっかりと固定するのに役立つ。これは、半径方向外側に延在して網状組織として他の支柱と相互接続されていない多くの自由端を有する支柱を含む多孔質領域とは対照的であるかもしれない。本明細書における多孔質領域は、内側シャンク(例えば、948)の周りに配置された相互接続された支柱の多孔質網状組織として構成されることができ、その例示的な、強調された表示領域は、図9に示されている。
【0065】
図9は、ねじ山922を含む例示的なインプラント900の一部を示し、インプラントは、そのねじ山の間に、相互接続された支柱944の多孔質網状組織を含む。相互接続された支柱944の網状組織は、複数の相互接続された支柱950(例えば、950a、950b、950c)を含み、それらのうちのいくつかのみが、明確化のため、図9において付番されている。支柱950は、接続部又はノード位置951で、相互接続されており、明確化のため、そのうちの2つ-951a及び951b、のみが付番されている。本明細書における接続部又はノード位置は、相互接続された支柱の多孔質網状組織における2つ、3つ、4つ又はそれ以上の個々の支柱又はビームの接続部であり得る。上述したように、相互接続された支柱の多孔質網状組織は、好ましくは滑らかな外面を生成し、(網状組織が支柱間に複数の細孔を形成する場合でも)円筒形のシャンクに近づく(近似する)ことができ、このことは、骨を通るインプラントの比較的滑らかな回転を容易にする。
【0066】
相互接続された支柱の多孔質網状組織は、少なくとも1つの螺旋状のねじ山の外径(ねじ山の直径)よりも小さい外形寸法を有し、これは、少なくとも図8及び図9に示されている。
【0067】
本明細書における相互接続された支柱の多孔質網状組織は、様々な方法で形成することができる。例えば、相互接続された支柱の多孔質網状組織は、相互接続された支柱の多孔質網状組織の少なくとも一部において、細長い本体の長軸の周りに実質的に同心であると見なすことができ、これは、図7の斜視図に部分的に示されている。
さらに、本明細書における相互接続された支柱の多孔質網状組織において相互接続された支柱は、同じ、半径方向の最も外側の寸法を有し、また細長い本体の長軸に周りに同心であると見なすことができる。本明細書における相互接続された支柱の多孔質網状組織は、細長い本体の端面視(端面図)において、ほぼ円形の形状を形成すると見なすことができ、これは、図7に部分的に示されている。さらに、本明細書における相互接続された支柱の多孔質網状組織における相互接続された支柱は、支柱によって形成された細孔があるにしても、またねじ山が外側の円筒形輪郭部分を中断する可能性があるとしても、外側の円筒形輪郭に近似する(近づく)と見なすことができる。さらに、相互接続された支柱の多孔質網状組織は、支柱によって形成された細孔があるにしても、またねじ山がほぼ円筒形の輪郭部分を中断する可能性があるとしても、ほぼ円筒形の外側輪郭を形成すると見なすことができる。さらに、相互接続された支柱の多孔質網状組織は、支柱によって形成された細孔が存在するにしても、実質的に滑らかな外面を形成すると見なすことができる。さらに、本明細書における相互接続された支柱の多孔質網状組織のいずれも、半径方向外側に延在する支柱自由端が実質的に存在しない、半径方向外側支柱を含むと見なすことができる。
【0068】
図9に示されるように、多孔質格子は、内側シャンク又は内側部材948から半径方向外向きに延在し、かつ相互接続された支柱の多孔質網状組織に接続する複数のほぼ半径方向に延在する支柱952をさらに含むことができる。複数の半径方向に延びる支柱952は、一般的に、内側シャンク948を、相互接続された支柱の外側多孔質網状組織に結合する。この文脈で説明されているように半径方向に延在する支柱(例えば、支柱952)は、軸方向の寸法に加えて半径方向の寸法を有する可能性があるので、必ずしも直交するとは限らない。
【0069】
本明細書の実施形態のいずれにおいて、相互接続された支柱の多孔質網状組織は、支柱又はビームを含み、それらのいずれも、0.175mmから0.300mmの直径を有することができる。
【0070】
本明細書の実施形態のいずれにおいて、相互接続された支柱の多孔質網状組織は、0.375mmから0.525mmまでの点間隔(point spacings)を含み得る。
【0071】
図1に示されるものなど、本明細書のいくつかの実施形態では、相互接続された支柱の多孔質網状組織は、少なくとも1つの螺旋状ねじ山間に細長い本体に沿って延在する概略螺旋状の構成を有し又は形成し得る。本明細書における螺旋状に延在する多孔質網状組織は、その中に形成された中断を有する可能性があり、それでも螺旋状の構成を有すると見なされる。
【0072】
本明細書における相互接続された支柱の多孔質網状組織のいずれも、支柱自由端(例えば、図8の883)を含む1つ又は複数の端部領域を含むことができ、ここで、支柱自由端は、特に、ねじ山付きインプラントが3D印刷(プリント)される実施形態では、結合され、又は細長い骨インプラント本体の溝彫り付き領域から延在している。この文脈における支柱自由端は、別の支柱に直接接続されていない支柱端を指し、例えば、内側シャンク、ねじ山、又は溝彫りなどのインプラントの別の部分に直接接続されることができる。
【0073】
本明細書における任意のねじ山付きインプラントは、1つ又は複数の一般的に知られている方法又は技術を使用して、3D印刷されることができる。図11は、本明細書における任意のねじ山付き骨インプラントのいずれかの特徴を含むことができる、例示的なインプラント1100の一部を示している。相対的な遠位及び近位の方向が付記されている。図11に示されているねじ山1122は、図1図10の例に示されている任意のねじ山と同じ又は実質的に同じであり得る。本明細書に記載のねじ山を含む、本明細書におけるねじ山付き骨インプラントが、近位側又はヘッド側を下にして3D印刷される場合、ねじ山は、図11に示される方向において印刷される。示されている角度アルファ(α)が十分に大きい場合、3D印刷プロセス中に、ねじ山が近位方向(ヘッドの方へ)に垂れ下がる傾向がある。例えば、いくつかの実施形態では、アルファは、45度よりも大きく、例えば45度から75度、例えば45度から65度であり得る。したがって、ヘッドから先端方向において、一部のタイプのねじ山付き骨インプラントを3D印刷することは、印刷プロセス後に、所望の構成を有しないねじ山を生成する場合がある。
【0074】
確実な角度で配置されたねじ山を有するねじ山付き骨インプラントを製造する1つの選択肢は、先端(遠位端)からヘッド端(近位端)まで、ねじ山付きインプラントを印刷することであり、この配向は、一般に図12Aに示されている。この配向における印刷は、ねじ山の角度に依存して、印刷プロセス中に垂れ下がる(droop)又はたるむ(sag)ことが有益に起こり難い角度でねじ山を生成することができる。一部のねじ山付き骨インプラントを印刷するために、印刷プロセスにわたり垂直方向の長軸を維持するように、インプラントを上向きに印刷するための頑丈なベースを有することが重要な場合がある。図12Aは、3D印刷されたねじ山付きインプラント1200の例示的な遠位部分を図示しており、ねじ山付きインプラント1200は、平坦化されたベース1291を有する印刷された犠牲的先端1290を含み、犠牲的先端1290は、印刷プロセス後に除去されて(例えば、機械加工されて)、完成された、任意的に図12Bに示される、鋭利にされた遠位先端構成を生成する。この例では、犠牲的先端1290は、インプラントがヘッドつまり近位領域の方へ印刷され得る頑丈なベースを提供する平坦化されたベース1291を含む。任意の犠牲的で頑丈なベースにより、この配向で印刷ことは、近位ヘッドから遠位先端まで印刷しようとすると印刷が困難になるであろう一部のねじ山付きインプラントを3D印刷する可能性がある。
【0075】
本開示の一態様は、ねじ山付き骨インプラント(本明細書における任意のねじ山付きインプラントなど)を3D印刷方法の方法である。この方法は、ねじ山付き骨インプラントを遠位端から近位端に印刷することを含み得る。この方法は、内側シャンクを印刷すること、ねじ山付き骨インプラントの少なくとも一部に沿って延在し内側シャンクから延在する少なくとも1つの螺旋状のねじ山を印刷すること、を含み得る。この方法はまた、内側シャンクの周りに、細長い骨インプラント本体の長軸の周りに、及び、相互接続された支柱の多孔質網状組織が少なくとも1つの螺旋状のねじ山の外径よりも小さい外形寸法を有する、少なくとも1つの螺旋状のねじ山の少なくとも一部の間に、相互接続された支柱の多孔質網状組織を印刷することを含み得る。この方法は、相互接続された支柱の多孔質網状組織の少なくとも一部において、細長い本体の長軸の周りで実質的に同心になるように、相互接続された支柱の多孔質網状組織を印刷することを含み得る。
この方法は、相互接続された支柱の多孔質網状組織を、少なくとも1つの螺旋状ねじ山と内側シャンクの周りとの間に細長い本体に沿って延在する概略螺旋状の構成を有するように、印刷することを含み得る。この方法は、相互接続された支柱の多孔質網状組織を、半径方向の最も外側の同じ寸法を有して細長い本体の長軸の周りに同心になるように、印刷することを含み得る。この方法は、インプラントの溝彫り付き領域内に配置され、溝彫り付き領域に結合された支柱端部を印刷することを含み得る。この方法は、相互接続された支柱の多孔質網状組織を、円筒形の輪郭に近い実質的に滑らかな半径方向の外面を形成するように、印刷することを含み得る。
【0076】
本開示の一態様は、ねじ山付き骨インプラントを印刷する方法である。この方法は、犠牲的遠位端を3D印刷すること、及び犠牲的先端の上にねじ山付き骨インプラントを印刷することを含み得る。この方法は、犠牲的先端を除去すること(例えば、それを機械加工し取り去る)、及び犠牲的先端を除去した後、骨インプラントの遠位端において、任意的に鋭利にされた遠位端を形成することを含み得る。
【0077】
本明細書における1つ又は複数の実施形態の特徴は、本開示が相容れないことを示さない限り、本明細書における1つ又は複数の他の実施形態と統合され得ることが理解される。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12A
図12B
【国際調査報告】