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特表2023-505094エレクトロクロミックデバイスの制御方法、装置、デバイス及び記憶媒体
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-02-08
(54)【発明の名称】エレクトロクロミックデバイスの制御方法、装置、デバイス及び記憶媒体
(51)【国際特許分類】
   G02F 1/163 20060101AFI20230201BHJP
【FI】
G02F1/163
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022531528
(86)(22)【出願日】2020-12-14
(85)【翻訳文提出日】2022-05-26
(86)【国際出願番号】 CN2020135999
(87)【国際公開番号】W WO2021121171
(87)【国際公開日】2021-06-24
(31)【優先権主張番号】201911305034.0
(32)【優先日】2019-12-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】522208944
【氏名又は名称】深▲セン▼市光▲ゲイ▼科学技術有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】100104880
【弁理士】
【氏名又は名称】古部 次郎
(74)【代理人】
【識別番号】100107216
【弁理士】
【氏名又は名称】伊與田 幸穂
(72)【発明者】
【氏名】曹 超月
(72)【発明者】
【氏名】何 嘉智
【テーマコード(参考)】
2K101
【Fターム(参考)】
2K101AA22
2K101DA01
2K101EB82
2K101EB84
2K101ED01
2K101ED25
2K101ED61
2K101ED62
2K101EE02
2K101EK05
(57)【要約】
本明細書は、エレクトロクロミックデバイスの制御方法、装置(300)、デバイス(400)及び記憶媒体を開示し、該エレクトロクロミックデバイスの制御方法は、エレクトロクロミックデバイスの現在の透過率が所定の透過率に達しているか否かを判断することと、エレクトロクロミックデバイスの現在の透過率が所定の透過率に達していないことに応答して、エレクトロクロミックデバイスの現在の透過率が所定の透過率に達するまで、エレクトロクロミックデバイスに対して第1のモードで充放電するように外部電源を制御することと、エレクトロクロミックデバイスの現在の透過率が所定の透過率に達したことに応答して、充放電を一時停止して、エレクトロクロミックデバイスの現在の開回路電位が所定の開回路電位の閾値範囲内にあるか否かを継続的に監視することと、エレクトロクロミックデバイスの現在の開回路電位が所定の開回路電位の閾値範囲内にない場合、エレクトロクロミックデバイスに対して第2のモードで充放電するように外部電源を制御することにより、エレクトロクロミックデバイスの現在の開回路電位を継続的に所定の開回路電位の閾値範囲内にすることと、を含む。
【選択図】1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
エレクトロクロミックデバイスの制御方法であって、
前記エレクトロクロミックデバイスの現在の透過率が所定の透過率に達するか否かを判断することと、
前記エレクトロクロミックデバイスの現在の透過率が前記所定の透過率に達していないことに応答して、前記エレクトロクロミックデバイスの現在の透過率が前記所定の透過率に達するまで、前記エレクトロクロミックデバイスに対して第1のモードで充放電するように外部電源を制御することと、
前記エレクトロクロミックデバイスの現在の透過率が前記所定の透過率に達していることに応答して、充放電を一時停止して、前記エレクトロクロミックデバイスの現在の開回路電位が所定の開回路電位の閾値範囲内にあるか否かを継続的に監視することと、
前記エレクトロクロミックデバイスの現在の開回路電位が前記所定の開回路電位の閾値範囲内にない場合、前記エレクトロクロミックデバイスに対して第2のモードで充放電するように外部電源を制御することにより、前記エレクトロクロミックデバイスの現在の開回路電位を継続的に前記所定の開回路電位の閾値範囲内にすることと、を含む、方法。
【請求項2】
前記した前記エレクトロクロミックデバイスの現在の透過率が所定の透過率に達しているか否かを判断することは、
調整指令を検出した場合、前記エレクトロクロミックデバイスの現在の透過率が前記所定の透過率に達しているか否かを判断することであって、前記調整指令は、前記エレクトロクロミックデバイスの現在の透過率が前記所定の透過率に達している場合と、所定の条件を満たす場合との少なくとも1つの場合で生成されることを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記した前記エレクトロクロミックデバイスの現在の開回路電位が前記所定の開回路電位の閾値範囲内にない場合、前記エレクトロクロミックデバイスに対して第2のモードで充放電するように外部電源を制御することにより、前記エレクトロクロミックデバイスの現在の開回路電位を継続的に前記所定の開回路電位の閾値範囲内にすることは、
前記エレクトロクロミックデバイスの現在の開回路電位が前記エレクトロクロミックデバイスの所定の平衡電位よりも高いか否かを判断することと、
前記エレクトロクロミックデバイスの現在の開回路電位が前記所定の平衡電位よりも高いことに応じて、前記エレクトロクロミックデバイスの現在の開回路電位を継続的に監視し、監視した前記エレクトロクロミックデバイスの現在の開回路電位が前記所定の開回路電位の閾値範囲の上限よりも高い場合、充電を停止し、監視した前記エレクトロクロミックデバイスの現在の開回路電位が前記所定の開回路電位の閾値範囲の下限よりも低い場合、前記現在の開回路電位が前記所定の開回路電位の閾値の上限に達するまで、前記第2のモードで充電することと、
前記エレクトロクロミックデバイスの現在の開回路電位が前記所定の平衡電位以下であることに応じて、前記エレクトロクロミックデバイスの現在の開回路電位を継続的に監視し、監視した前記エレクトロクロミックデバイスの現在の開回路電位が前記所定の開回路電位の閾値範囲の下限よりも低い場合、放電を停止し、監視した前記エレクトロクロミックデバイスの現在の開回路電位が前記所定の開回路電位の閾値範囲の上限よりも高い場合、前記現在の開回路電位が前記所定の開回路電位の閾値の下限に達するまで、前記第2のモードで放電することと、を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記した前記エレクトロクロミックデバイスの現在の透過率が前記所定の透過率に達するまで、前記エレクトロクロミックデバイスに対して第1のモードで充放電するように外部電源を制御することは、
環境温度を検出することと、
前記環境温度に応じて第1のモードにおける所定の充放電パラメータを修正することと、
修正した第1のモードにおける所定の充放電パラメータに基づいて、前記エレクトロクロミックデバイスに対して前記第1のモードで充放電するように前記外部電源を制御することにより、前記所定の透過率に達することとを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記した前記エレクトロクロミックデバイスの現在の透過率が前記所定の透過率に達するまで、前記エレクトロクロミックデバイスに対して第1のモードで充放電するように外部電源を制御することは、
前記エレクトロクロミックデバイスの充放電サイクル数、前記エレクトロクロミックデバイスの使用時間、前記エレクトロクロミックデバイスを充放電した後の開回路電位又は前記エレクトロクロミックデバイスの充放電過程におけるピーク電流を検出することと、
検出した前記エレクトロクロミックデバイスの充放電サイクル数、前記エレクトロクロミックデバイスの使用時間、前記エレクトロクロミックデバイスを充放電した後の開回路電位又は前記エレクトロクロミックデバイスの充放電過程におけるピーク電流に基づいて、第1のモードにおける所定の充放電パラメータを修正することと、
修正した第1のモードにおける所定の充放電パラメータに基づいて、前記エレクトロクロミックデバイスに対して前記第1のモードで充放電するように前記外部電源を制御することにより、前記所定の透過率に達することと、を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記した前記エレクトロクロミックデバイスの現在の透過率が所定の透過率に達しているか否かを判断することは、
前記エレクトロクロミックデバイスの充放電の電荷数が所定の数値に達しているか否かを判断することと、
前記エレクトロクロミックデバイスの開回路電位が前記所定の透過率に対応する開回路電位に達しているか否かを判断することと、
前記エレクトロクロミックデバイスの定電圧又は定電流の出力時間が所定の時間に達しているか否かを判断することと、
前記エレクトロクロミックデバイスの出力電流が所定のオフ電流よりも小さいか否かを判断することとの1つを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記第1のモードで充放電又は前記第2のモードで充放電することは、定電圧充放電、定電流充放電、パルス充放電、スキャンレート充放電の少なくとも1つを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
エレクトロクロミックデバイスの制御装置であって、
前記エレクトロクロミックデバイスの現在の透過率が所定の透過率に達しているか否かを判断するように設置される判断モジュールと、
前記エレクトロクロミックデバイスの現在の透過率が前記所定の透過率に達していないことに応答して、前記エレクトロクロミックデバイスの現在の透過率が前記所定の透過率に達するまで、前記エレクトロクロミックデバイスに対して第1のモードで充放電するように外部電源を制御するように設置される第1の充放電モジュールと、
前記エレクトロクロミックデバイスの現在の透過率が前記所定の透過率に達していることに応答して、充放電を一時停止して、前記エレクトロクロミックデバイスの現在の開回路電位が所定の開回路電位の閾値範囲内にあるか否かを継続的に監視するように設置される電位決定モジュールと、
前記エレクトロクロミックデバイスの現在の開回路電位が前記所定の開回路電位の閾値範囲内にない場合、前記エレクトロクロミックデバイスに対して第2のモードで充放電するように外部電源を制御することにより、前記エレクトロクロミックデバイスの現在の開回路電位を継続的に前記所定の開回路電位の閾値範囲内にするように設置される第2の充放電モジュールと、を含む、エレクトロクロミックデバイスの制御装置。
【請求項9】
少なくとも1つのプロセッサと、
少なくとも1つのプログラムを記憶するように設置される記憶装置とを含み、
前記少なくとも1つのプログラムが前記少なくとも1つのプロセッサにより実行されると、前記少なくとも1つのプロセッサに請求項1~7のいずれか一項に記載のエレクトロクロミックデバイスの制御方法を実現させる、調光装置。
【請求項10】
プログラム指令を含むコンピュータプログラムが記憶されたコンピュータ可読記憶媒体であって、
前記プログラム指令がプロセッサにより実行されるときに、請求項1~7のいずれか一項に記載のエレクトロクロミックデバイスの制御方法を実現する、コンピュータ可読記憶媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、2019年12月17日に中国専利局に出願された出願番号が第201911305034.0号の中国専利出願の優先権を主張し、当該出願のすべての内容は参照によって本願に援用される。
【0002】
本願はエレクトロクロミックデバイスの技術分野に関し、例えば、エレクトロクロミックデバイスの制御方法、装置、デバイス及び記憶媒体に関する。
【背景技術】
【0003】
エレクトロクロミックデバイスは、電圧又は電流を印加することで、デバイスにおける材料の可逆的な電気化学的酸化還元反応の制御を実現することにより、デバイスの透過率又は反射率を調整する必要がある。一般的な使用では、定電圧(特定の電圧を用いて一定の時間維持する)又は定電流(特定の電流を用いて一定の時間維持する)で充放電することで実現することが多い。この簡単な充放電形態は、デバイスの変色が不均一で変色速度が遅くサイクル寿命が短いなどの一連の問題を引き起こす。
【0004】
関連技術では、定電流充放電の方法が一般に採用され、充電時にデバイスにおける2点が達する誘導電位を監視するか、又は充電及び放電の合計電荷数を計算することにより、制御デバイスの透過率を制御する。誘導電位が設定値に達すると、デバイスに定電圧を継続的に印加する方法でデバイスの誘導電位を変化しないように維持することにより、デバイスの透過率を変化しないように維持する。関連技術の欠点は、デバイスから電極を引き出して充放電時の誘導電位を監視し、次にデバイスの両極で発生する反応電流によって反応電荷を監視して計算することにより、論理的判定をしなければならないことにある。また、連続定電圧を印加するときに、透明導電性電極上の電位分布が不均一になり、電源が両極付近に入力する電位が高く、電源の両極領域が最初に変色することにつながるが、透明導電性電極の内部抵抗が大きいため、電極から遠い位置の電位が低く、変色材料を反応させるための十分な電圧を持たせることができず、両極領域の透過率と中心領域の変色が不一致であると、より長い待ち時間を必要として中心が必要な透過率にゆっくりと達し、エレクトロクロミックデバイス全体の透過率が一致する傾向があり、この問題は一般に「虹彩効果」と呼ばれる。エレクトロクロミックデバイスを均一に変色させるために、エレクトロクロミックデバイスを駆動するためのより大きな電圧が必要であり、これにより、デバイスのエッジ領域の電位が材料自体の安定した電位よりも高く、デバイスのエッジの不安定な分解の状況を引き起こし、連続定電圧によってデバイスの不安定性が大幅に増加する。
【発明の概要】
【0005】
本願は、エレクトロクロミックデバイスの均一な変色及び寿命の延長を実現するための、エレクトロクロミックデバイスの制御方法、装置、デバイス及び記憶媒体を提供する。
【0006】
本願は、エレクトロクロミックデバイスの制御方法を提供し、前記方法は、
前記エレクトロクロミックデバイスの現在の透過率が所定の透過率に達しているか否かを判断することと、
前記エレクトロクロミックデバイスの現在の透過率が前記所定の透過率に達していないことに応答して、前記エレクトロクロミックデバイスの現在の透過率が前記所定の透過率に達するまで、前記エレクトロクロミックデバイスに対して第1のモードで充放電するように外部電源を制御することと、
前記エレクトロクロミックデバイスの現在の透過率が前記所定の透過率に達していることに応答して、充放電を一時停止して、前記エレクトロクロミックデバイスの現在の開回路電位が所定の開回路電位の閾値範囲内にあるか否かを継続的に監視することと、
前記エレクトロクロミックデバイスの現在の開回路電位が前記所定の開回路電位の閾値範囲内にない場合、前記エレクトロクロミックデバイスに対して第2のモードで充放電するように外部電源を制御することにより、前記エレクトロクロミックデバイスの現在の開回路電位を継続的に前記所定の開回路電位の閾値範囲内にすることと、を含む。
【0007】
本願は、エレクトロクロミックデバイスの制御装置をさらに提供し、該装置は、
前記エレクトロクロミックデバイスの現在の透過率が所定の透過率に達しているか否かを判断するように設置される判断モジュールと、
前記エレクトロクロミックデバイスの現在の透過率が前記所定の透過率に達していないことに応答して、前記エレクトロクロミックデバイスの現在の透過率が前記所定の透過率に達するまで、前記エレクトロクロミックデバイスに対して第1のモードで充放電するように外部電源を制御するように設置される第1の充放電モジュールと、
前記エレクトロクロミックデバイスの現在の透過率が前記所定の透過率に達していることに応答して、充放電を一時停止して、前記エレクトロクロミックデバイスの現在の開回路電位が所定の開回路電位の閾値範囲内にあるか否かを継続的に監視するように設置される電位決定モジュールと、
前記エレクトロクロミックデバイスの現在の開回路電位が前記所定の開回路電位の閾値範囲内にない場合、前記エレクトロクロミックデバイスに対して第2のモードで充放電するように外部電源を制御することにより、前記エレクトロクロミックデバイスの現在の開回路電位を継続的に前記所定の開回路電位の閾値範囲内にするように設置される第2の充放電モジュールと、を含む。
【0008】
本願は、調光装置をさらに提供し、前記デバイスは、
1つ又は複数のプロセッサと、
1つ又は複数のプログラムを記憶するように設置される記憶装置とを含み、
前記1つ又は複数のプログラムが前記1つ又は複数のプロセッサにより実行されると、前記1つ又は複数のプロセッサに上記のエレクトロクロミックデバイスの制御方法を実現させる。
【0009】
本願は、プログラム指令を含むコンピュータプログラムが記憶された記憶媒体をさらに提供し、該プログラム指令がプロセッサにより実行されるときに、上記のエレクトロクロミックデバイスの制御方法を実現する。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本願の実施例に係るエレクトロクロミックデバイスの制御方法のフローチャートである。
図2】本願の実施例2に係るエレクトロクロミックデバイスの制御方法のフローチャートである。
図3】本願の実施例3に係るエレクトロクロミックデバイスの制御装置の構造模式図である。
図4】本願の実施例4に係る調光装置の構造模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、図面及び実施例を参照しながら本願を説明する。
【0012】
例示的な実施例を議論する前に、いくつかの例示的な実施例がフローチャートとして示される処理又は方法として説明されることに言及すべきである。フローチャートは複数のステップを順次処理として説明しているが、そのうちの多くのステップを並行して、一斉に、又は同時に実施することができる。また、複数のステップの順序を並べ替えることができる。操作が完了したときに処理を終了できるが、図面に含まれていない追加のステップを有してもよい。処理は、方法、関数、手順、サブルーチン、サブプログラムなどに対応可能である。
【0013】
また、「第1」、「第2」などの用語は、複数種の方向、動作、ステップ又は素子などを説明するために本明細書で使用可能であるが、これらの方向、動作、ステップ又は素子はこれらの用語に限定されない。これらの用語は、最初の方向、動作、ステップ、又は素子を別の方向、動作、ステップ、又は素子から区別するためにのみ使用される。例えば、本願の範囲から逸脱しなければ、第1のモードを第2のモードと呼ぶことができ、且つ、同様に、第2のモードを第1のモードと呼ぶことができる。第1のモードと第2のモードは両者ともモードであるが、同じモードではない。「第1」、「第2」などの用語は、相対的な重要性を示したり暗示したり、示された技術的特徴の数を暗黙的に示したりするものとして理解されるべきではない。これにより、「第1」、「第2」と限定される特徴は、その特徴の1つ又は複数を明示的又は暗黙的に含むことができる。本願の説明において、「複数の」は、特に断りのない限り、少なくとも2つ、例えば2つ、3つなどを意味する。
【0014】
実施例1
図1は本願の実施例に係るエレクトロクロミックデバイスの制御方法のフローチャートであり、本実施例はエレクトロクロミックデバイスの安定した透過率を制御する状況に適用可能であり、本実施例は次のステップを含む。
【0015】
ステップ100では、前記エレクトロクロミックデバイスの現在の透過率が所定の透過率に達しているか否かを判断する。
【0016】
本実施例において、エレクトロクロミックデバイスはエレクトロクロミックバックミラー、エレクトロクロミックスマートウィンドウ、エレクトロクロミックガラスなどの様々な調光装置に設置してもよい。エレクトロクロミックデバイスは、一般に、電圧又は電流を印加することでエレクトロクロミックデバイスにおける材料の可逆的な電気化学的酸化還元反応の発生を制御することにより、エレクトロクロミックデバイスの透過率の変化を制御する。いくつかの場合、エレクトロクロミックデバイスは、環境温度の変化、デバイスの使用時間長などのいくつかの原因により、現在の透過率の変化を引き起こし、エレクトロクロミックデバイスの現在の透過率が所定の透過率に達することができないことにつながり、或いは、その他の場合、所定の透過率の値が調整されると、エレクトロクロミックデバイスの現在の透過率が所定の透過率に達することができないことにつながる。したがって、エレクトロクロミックデバイスの現在の透過率が所定の透過率の範囲内にあるか否かをリアルタイムで監視する必要がある。
【0017】
ステップ110は、前記エレクトロクロミックデバイスの現在の透過率が所定の透過率に達していないと、前記エレクトロクロミックデバイスの現在の透過率が前記所定の透過率に達するまで、前記エレクトロクロミックデバイスに対して第1のモードで充放電するように外部電源を制御する。
【0018】
本実施例において、現在のエレクトロクロミックデバイスが所定の透過率に達していなければ、エレクトロクロミックデバイスに対して第1のモードで充放電するように外部電源を制御することにより、所定の透過率に達するように制御する必要がある。
【0019】
前記第1のモードで充放電又は前記第2のモードで充放電することは、定電圧充放電、定電流充放電、パルス充放電及び/又はスキャンレート(scan rate)充放電を含む。
【0020】
パルス充放電は、複数のパルスセグメントと複数の間欠セグメントを含み、複数のパルスセグメントと複数の間欠セグメントが間隔を置いて分布され、各パルスセグメントと各間欠セグメントの継続時間はいずれも短く、それぞれ0.001~20s内にある。パルスセグメントでは、電気化学的安定性ウィンドウ内にある通常の電圧、又は電気化学的安定性ウィンドウを超える高電圧(例えば、2~40V)、又は通常の電流(例えば、通常の電流が1A/m未満)、又は高電流(例えば、1~100A/m)を用いて充放電可能であり、間欠セグメントの時、充放電を一時停止してもよく、パルスセグメントと反対の電圧又は電流を用いて充放電可能である。
【0021】
スキャンレート充放電は、充電の初期段階で、エレクトロクロミックデバイスの分圧が徐々に上昇し、所定の電圧まで上昇すると、定電圧充電するものである。外部電源は、回路内でエレクトロクロミックデバイスと固定抵抗を直列に接続することによりエレクトロクロミックデバイスに対してスキャンレート充放電することを実現可能であり、エレクトロクロミックデバイスが完全に放電状態のとき、エレクトロクロミックデバイスの内部抵抗を「0」と見なすことができ、回路内の固定抵抗は回路電圧を分担する。充電過程が進むにつれて、エレクトロクロミックデバイスの内部抵抗が増加し、回路内の分圧が徐々に上昇し、最終的にエレクトロクロミックデバイスの内部抵抗を「無限大」と見なすことができ、回路内のすべての電圧を分担し、定電圧充電を形成する。
【0022】
本実施例において、定電圧充放電、定電流充放電、パルス充放電及び/又はスキャンレート充放電を配列して組み合わせることに従って、エレクトロクロミックデバイスに対して充電する以下の複数種の充放電形態を得ることにより、エレクトロクロミックデバイスを特定の透過率に維持する効果を実現することを達成し、且つエレクトロクロミックデバイスの変色が均一であり、且つ使用寿命を大幅に向上させることができる。例えば、定電圧充放電、瞬時高電圧及び定電圧充放電、瞬時高電流及び定電圧充放電、定電流充放電、瞬時高電圧及び定電流充放電、瞬時高電流及び定電流充放電、正方向定電圧充放電-一定時間の断路又は逆方向定電圧充放電-定電圧充放電のサイクル、正方向定電圧充放電-一定時間の断路又は逆方向定電流充放電-定電圧充放電のサイクル、正方向定電流充放電-一定時間の断路又は逆方向定電圧充放電-定電流充放電、正方向定電流充放電-一定時間の断路又は逆方向定電流充放電-定電流充放電又はスキャンレート充放電が挙げられる。
【0023】
本実施例において、前記エレクトロクロミックデバイスの現在の透過率が前記所定の透過率に達しているかの判断方法は、前記エレクトロクロミックデバイスの充放電の電荷数が所定の数値に達しているか、前記エレクトロクロミックデバイスの定電圧又は定電流の出力時間が所定の時間に達しているか、又は前記エレクトロクロミックデバイスの出力電流が所定のオフ電流よりも小さいかを含む。
【0024】
本実施例において、現在の透過率が所定の透過率に達しているかの判断方法により、異なる充放電モードでエレクトロクロミックデバイスに対して充電するときに、エレクトロクロミックデバイスが所定の透過率に達しているか否かを正確に判断することができる。
【0025】
本実施例において、エレクトロクロミックデバイスの開回路電位によって、定電流、定電圧などの複数種の充放電形態でエレクトロクロミックデバイスを充放電することにより一定の透過率を維持し、エレクトロクロミックデバイスの透過率の範囲の調整を正確に実現する必要があるか否かを判断する。(透過率は高い状態から低い状態に調整するか、又は低い透過率から高い透過率に調整する)エレクトロクロミック論理制御盤は、エレクトロクロミックデバイスに正方向又は逆方向の電圧又は電流を出力して酸化還元反応させることにより、エレクトロクロミックデバイスの透過率の状態を変化させる。エレクトロクロミック論理制御盤は、エレクトロクロミックデバイスの透過率範囲を調整する効果を達成するとともに、デバイスを保護してデバイスの過充電及び過放電を回避するように、伝送される電荷数の計算に基づいて、又はデバイス内部の開回路電位を検出することを基に出力をいつ停止するかを決める。この目的を達成するために、論理制御盤は、デバイスの開回路電圧、開回路電位を検出する電圧検出センサを有する必要がある。デバイスの透過率の調整指令を受信した後(暗くするか又は明るくする)、論理制御盤は、エレクトロクロミックデバイスに電圧又は電流を入力するとともに、電流積分器はエレクトロクロミックデバイスに伝送された電流を検出して電荷数を計算し、数値が設定された電荷数を満たすと、電圧又は電流の出力を停止する。いくつかの場合、エレクトロクロミックデバイスが規定の要求の透過率範囲にあるか又はその範囲にあると想定されるときに、電圧又は電流の出力を停止する。いくつかの場合、エレクトロクロミックデバイスが規定された開回路電圧レベル、開回路電位レベルに達するか又は規定された開回路電位レベルの範囲内にあるときに、電圧又は電流の出力を停止する。いくつかの場合、規定された定電圧又は定電流時間出力したと電源の出力を停止する。次回のデバイスの透過率範囲の変更指令を受信するまで、エレクトロクロミックデバイスを規定の透過率範囲にするように保持するために、いくつかの場合、伝送された電荷の数が要求された閾値又はデバイスの開回路電位が設定された閾値に達すると、目標電圧で定電圧出力するように変更し、エレクトロクロミックデバイスを目標電圧で常に維持することにより、デバイスの透過率の調整指令を再度与えるまで、透過率の状態を維持する要求を満たす。或いは、伝送された電荷の数が要求された閾値に達するか又はデバイスの開回路電位が設定された閾値に達すると、電圧又は電流の出力を停止すると同時に、電圧センサはデバイス内部の開回路電位の変化を継続的に検出し、エレクトロクロミックデバイスの現在の開回路電位を所定の開回路電位の閾値範囲内に維持するように制御する。一実施例において、エレクトロクロミックデバイスの現在の開回路電位がエレクトロクロミックデバイスの所定の平衡電位よりも高いときに、開回路電位の減衰が設定された最小閾値に達すると、エレクトロクロミックデバイスに対して第2のモードで再度充電し、デバイスの現在の開回路電位が所定の開回路電位の閾値の上限に達するまでに電圧又は電流の出力を停止し、透過率の調整指令を再度取得するまで、このステップを繰り返し、或いは、エレクトロクロミックデバイスの現在の開回路電位がエレクトロクロミックデバイスの所定の平衡電位よりも低いときに、前記エレクトロクロミックデバイスの現在の開回路電位が所定の開回路電位の閾値範囲の上限よりも高いと、第2のモードで放電し、現在の開回路電位が所定の開回路電位の閾値の下限より低くなるまで放電を停止し、透過率の調整指令を再度取得するまで、このステップを繰り返す。
【0026】
以下は、複数種の充放電モードでの各充放電モードの判断及び実現過程である。
定電圧充放電モード:外部電源はエレクトロクロミックデバイスに対して定電圧で充放電する。1a)、いくつかの場合、積分器でエレクトロクロミックデバイスの定電圧で発生する電流を検出して電荷数を計算し、数値が設定された電荷数を満たすと、エレクトロクロミックデバイスに対する充放電を停止する。1b)、いくつかの場合、エレクトロクロミックデバイスが規定要求の透過率に達すると、エレクトロクロミックデバイスに対する充放電を停止する。1c)、いくつかの場合、規定の時間長T出力した後(e.g.0.01s≦T≦1000s)、エレクトロクロミックデバイスに対する充放電を停止する。1d)、いくつかの場合、規定の時間長出力した後、電流を検出し、デバイスの電流が所定のオフ電流Iの設定値又は範囲に達すると(例えば、0.1A/m≦I≦10A/m)、電源の充放電を停止する。いくつかの場合、複数項の検出を同時に行い、上記の1項又はいずれか複数項の1a~1dにおける指標が設定値に同時に達すると、エレクトロクロミックデバイスに対する充放電を停止する。
【0027】
定電流充放電モード:外部電源はエレクトロクロミックデバイスに対して定電流で充放電する。4a)、いくつかの場合、積分器で電源がエレクトロクロミックデバイスに入力する電流を検出して電荷数を計算し、数値が設定された電荷数を満たすと、エレクトロクロミックデバイスに対する充放電を停止する。4b)、いくつかの場合、エレクトロクロミックデバイスが規定要求の透過率範囲に達すると、エレクトロクロミックデバイスに対する充放電を停止する。4c)、いくつかの場合、規定の時間長出力した後、エレクトロクロミックデバイスに対する充放電を停止する。4d)、いくつかの場合、規定の時間長出力した後、電圧を検出し、デバイスの電圧が定電圧充放電のオフ電流Iの設定値又は範囲に達すると、エレクトロクロミックデバイスに対する充放電を停止する。いくつかの場合、複数項の検出を同時に行い、上記の1項又はいずれか複数項の4a~4dにおける指標が設定値に同時に達すると、電源の充放電を停止する。
【0028】
以下、充放電モードを参照しながら本願においてエレクトロクロミックデバイスを急速に変色させる効果及び理論的根拠を説明する。一般的な無機エレクトロクロミックデバイスについては、デバイスの損傷を回避し、デバイスの寿命を延長するために、通常、小さな入力電圧又は電流を印加するため、デバイスの変色速度が遅い。大サイズのデバイスについては、変色時間はさらに30分と長い。エレクトロクロミックデバイスの製品の変色速度を改善するために、スーパーキャパシタのようなエレクトロクロミックデバイスについては、充電電圧又は充電電流を短時間内で電気化学ウィンドウ電圧よりも高くし、即ち、パルス充電の方法を用いて、短時間内で大量の電荷を充電することにより、デバイスの透過率を短時間内で急速に変化させることができる。これは、スーパーキャパシタのようなエレクトロクロミックデバイスは一般に電気化学的に電気二重層キャパシタとファラデー擬似キャパシタで構成されることに起因する。擬似キャパシタの特徴は、吸着されたイオンが電極上の原子と電気化学反応(酸化還元反応)を発生せず、電荷移動が発生することである。溶液中のイオンは、物理吸着で電極表面に寄りかかり、化学結合を発生せず切断もしない。この過程は可逆的で非常に迅速である。短時間で高電圧パルス充電の方法でエレクトロクロミックデバイスに作用することにより、入力される電圧が電気化学的安定性ウィンドウよりも高いが、エレクトロクロミック材料は短時間内で不可逆的な負の反応を起こさず、同時に電荷移動の作用のため、デバイス内部の開回路電位が上昇し、デバイス全体の透過率が短時間内で大幅に変化し、これにより、エレクトロクロミックデバイスを損傷しない前提でエレクトロクロミックデバイスの急速な変色を実現することができる。
【0029】
例示的に、以下のパルス充放電と定電圧/定電流充放電とを組み合わせた充放電モードを用いて、上記したエレクトロクロミックデバイスの損傷を回避することを実現するとともにエレクトロクロミックデバイスの急速な変色効果を実現することができる。
【0030】
瞬時高電圧及び定電圧充放電モード:外部電源はエレクトロクロミックデバイスに対して瞬時高電圧及び定電圧で充放電し、ここで、瞬時高電圧は短時間(0.001~20s内)で印加されるエレクトロクロミックデバイスの電気化学的安定性ウィンドウよりも高い高電圧(e.g.2~40V)である。2a)、いくつかの場合、短時間内(0.001~20s内)で、電気化学的安定性ウィンドウよりも高い高電圧(e.g.2~40V)でデバイスに対して定電圧で充放電してから、エレクトロクロミックデバイスに対して電気化学的安定性ウィンドウ内にある電圧を印加して定電圧V(<2.0V)で充放電し、積分器でエレクトロクロミックデバイスの加圧過程で発生する電流を検出して電荷数を計算し、数値が設定された電荷数を満たすと、エレクトロクロミックデバイスに対する充放電を停止する。2b)、いくつかの場合、短時間内(0.001~20s内)で、電気化学的安定性ウィンドウよりも高い高電圧(e.g.2~40V)でデバイスに対して定電圧で充放電してから、エレクトロクロミックデバイスに対して電気化学的安定性ウィンドウ内にある電圧を印加して定電圧V(<2.0V)で充放電し、エレクトロクロミックデバイスが規定要求の透過率の範囲に達すると、エレクトロクロミックデバイスに対する充放電を停止する。2c)、いくつかの場合、短時間内(0.001~20s内)で、電気化学的安定性ウィンドウよりも高い高電圧(e.g.2~40V)でデバイスに対して定電圧で充放電してから、エレクトロクロミックデバイスに対して電気化学的安定性ウィンドウ内にある電圧を印加して定電圧V(<2.0V)で充放電し、規定の時間長出力した後、エレクトロクロミックデバイスに対する充放電を停止する。2d)、いくつかの場合、短時間内(0.001~20s内)で、電気化学的安定性ウィンドウよりも高い高電圧(e.g.2~40V)でデバイスに対して定電圧で充放電してから、エレクトロクロミックデバイスに対して電気化学的安定性ウィンドウ内にある電圧を印加して定電圧V(<2.0V)で充放電し、規定の時間長出力した後、電流を検出し、デバイスの電流が所定のオフ電流Iの設定値又は範囲に達すると、エレクトロクロミックデバイスに対する充放電を停止する。いくつかの場合、複数項の検出を同時に行い、上記の1項又はいずれか複数項の2a~2dにおける指標が設定値に同時に達すると、電源の充放電を停止する。
【0031】
瞬時高電流及び定電圧充放電モード:外部電源はエレクトロクロミックデバイスに対して瞬時高電流及び定電圧で充放電する。3a)、いくつかの場合、短時間内(0.001~20s内)で、高電流(e.g.1~100A/m)でデバイスに対して定電流で充放電してから、エレクトロクロミックデバイスに対して電気化学的安定性ウィンドウ内にある電圧を印加して定電圧(<2.0V)で充放電し、積分器でエレクトロクロミックデバイスの加圧過程で発生する電流を検出して電荷数を計算し、数値が設定された電荷数を満たすと、エレクトロクロミックデバイスに対する充放電を停止する。3b)、いくつかの場合、短時間内(0.001~20s内)で、高電流(e.g.1~100A/m)でデバイスに対して定電流で充放電してから、エレクトロクロミックデバイスに対して電気化学的安定性ウィンドウ内にある電圧を印加して定電圧(<2.0V)で充放電し、エレクトロクロミックデバイスが規定要求の透過率の範囲に達すると、エレクトロクロミックデバイスに対する充放電を停止する。3c)、いくつかの場合、短時間内(0.001~20s内)で、高電流(e.g.1~100A/m)でデバイスに対して定電流で充放電してから、エレクトロクロミックデバイスに対して電気化学的安定性ウィンドウ内にある電圧を印加して定電圧(<2.0V)で充放電し、規定の時間長出力した後、エレクトロクロミックデバイスに対する充放電を停止する。3d)、いくつかの場合、短時間内(0.001~20s内)で、高電流(e.g.1~100A/m)でデバイスに対して定電流で充放電してから、エレクトロクロミックデバイスに対して電気化学的安定性ウィンドウ内にある電圧を印加して定電圧(<2.0V)で充放電し、規定の時間長出力した後、電流を検出し、デバイスの電流が定電圧充放電のオフ電流Iの設定値又は範囲に達すると、エレクトロクロミックデバイスに対する充放電を停止する。いくつかの場合、複数項の検出を同時に行い、上記の1項又はいずれか複数項の3a~3dにおける指標が設定値に同時に達すると、電源の充放電を停止する。
【0032】
瞬時高電圧及び定電流充放電モード:瞬時高電圧は短時間(0.001~20s内)で印加されるエレクトロクロミックデバイスの電気化学的安定性ウィンドウよりも高い高電圧(e.g.2~40V)であり、外部電源はエレクトロクロミックデバイスに対して瞬時高電圧及び定電流で充放電する。5a、いくつかの場合、短時間内(0.001~20s内)で、電気化学的安定性ウィンドウよりも高い高電圧(e.g.2~40V)でデバイスに対して定電圧で充放電してから、エレクトロクロミックデバイスに対して定電流を印加して充放電し、積分器で電源がエレクトロクロミックデバイスに入力する電流を検出して電荷数を計算し、数値が設定された電荷数を満たすと、エレクトロクロミックデバイスに対する充放電を停止する。5b)、いくつかの場合、短時間内(0.001~20s内)で、電気化学的安定性ウィンドウよりも高い高電圧(e.g.2~40V)でデバイスに対して定電圧で充放電してから、エレクトロクロミックデバイスに対して定電流を印加して充放電し、エレクトロクロミックデバイスが規定要求の透過率の範囲に達すると、エレクトロクロミックデバイスに対する充放電を停止する。5c)、いくつかの場合、短時間内(0.001~20s内)で、電気化学的安定性ウィンドウよりも高い高電圧(e.g.2~40V)でデバイスに対して定電圧で充放電してから、エレクトロクロミックデバイスに対して定電流を印加して充放電し、規定の時間長出力した後(T4)、エレクトロクロミックデバイスに対する充放電を停止する。5d)、いくつかの場合、短時間内(0.001~20s内)で、電気化学的安定性ウィンドウよりも高い高電圧(e.g.2~40V)でデバイスに対して定電圧で充放電してから、エレクトロクロミックデバイスに対して定電流を印加して充放電し、規定の時間長出力した後、電圧を検出し、デバイス電圧が設定値又は範囲に達すると、エレクトロクロミックデバイスに対する充放電を停止する。いくつかの場合、複数項の検出を同時に行い、上記の1項又はいずれか複数項の5a~5dにおける指標が設定値に同時に達すると、電源の充放電を停止する。
【0033】
瞬時高電流及び定電流充放電モード:外部電源はエレクトロクロミックデバイスに対して瞬時高電流及び定電流で充放電する。6a)、いくつかの場合、短時間内(0.001~20s内)で、高電流(e.g.1~100A/m)でデバイスに対して定電流で充放電してから、エレクトロクロミックデバイスに対して通常の電流(e.g.0.01~1A/m)を印加して定電流で充放電し、積分器で電源がエレクトロクロミックデバイスに入力する電流を検出して電荷数を計算し、数値が設定された電荷数を満たすと、エレクトロクロミックデバイスに対する充放電を停止する。6b)、いくつかの場合、短時間内(0.001~20s内)で、高電流(e.g.1~100A/m)でデバイスに対して定電流で充放電してから、エレクトロクロミックデバイスに対して低電流(e.g.0.01~1A/m)を印加して定電流で充放電し、エレクトロクロミックデバイスが規定要求の透過率の範囲に達すると、エレクトロクロミックデバイスに対する充放電を停止する。6c)、いくつかの場合、短時間内(0.001~20s内)で、高電流(e.g.1~100A/m)でデバイスに対して定電流で充放電してから、エレクトロクロミックデバイスに対して低電流(e.g.0.01~1A/m)を印加して定電流で充放電し、規定の時間長出力した後、エレクトロクロミックデバイスに対する充放電を停止する。6d)、いくつかの場合、短時間内(0.001~20s内)で、高電流(e.g.1~100A/m)でデバイスに対して定電流で充放電してから、エレクトロクロミックデバイスに対して低電流(e.g.0.01~1A/m)を印加して定電流で充放電し、規定の時間長出力した後、電圧を検出し、デバイスの電圧が所定のオフ電圧の設定値又は範囲に達すると、エレクトロクロミックデバイスに対する充放電を停止する。いくつかの場合、複数項の検出を同時に行い、上記の1項又はいずれか複数項の6a~6dにおける指標が設定値に同時に達すると、エレクトロクロミックデバイスに対する充放電を停止する。
【0034】
以下、充放電モードを参照しながら本願においてエレクトロクロミックデバイスを急速で均一に変色させる効果及び理論的根拠を説明する。エレクトロクロミックデバイスは、一般に、2層の透明な導電層、エレクトロクロミック材料層、イオン貯蔵層、及び中間電解質からなる「サンドイッチ」構造で構成される。サイズが小さいエレクトロクロミックデバイスについては、(例えば、防眩バックミラー)変色過程全体は通常、急速で均一な変色の効果を実現することができる。大サイズのエレクトロクロミックデバイスについては、(例えば、エレクトロクロミックスマートウィンドウ)その容量が大きく、且つ電極が遠くに分布していることが多いため、長時間・大電流で充電することでその透過率を設定範囲に達する必要が頻繁にある。エレクトロクロミックデバイス内部の電圧分布が不均一であり、電極の両端の電位差が大きすぎるため、その電極領域のエレクトロクロミック材料が最初に変色することにつながり、これにより中心領域の透過率と一致せず、変色する傾向が生じ、「虹彩効果」と呼ばれる。エレクトロクロミックデバイス内部の電位差が減少するにつれて、デバイス全体の透過率が徐々に一致する傾向がある。エレクトロクロミックデバイスの充電過程では、変色速度を加速するために、大電流を用いて急速充電を行うことが多いが、異なるエレクトロクロミック材料によっては、電流の受け取り可能な程度が異なるあるため、大電流を使用してエレクトロクロミックデバイスに対して長時間充電すると、すぐに最大電圧閾値に達し、且つ両極付近のエレクトロクロミック材料は、高すぎる電圧で過度の酸化と不可逆反応を起こし、デバイスの損傷を引き起こしやすい。したがって、定電圧充電の使用は比較的安全な充電方法になっている。しかし、エレクトロクロミックデバイスは、電気化学反応過程(充電又は放電)でその電気化学反応による分極効果の影響を常に受けるため、主な分極は、電気化学分極、濃度分極及びオーム分極などと表現される。分極効果の存在により、エレクトロクロミックデバイス自体の固有の受け取り可能な充放電電流は一定の方式で減衰し、これによりデバイスは長時間・大電流の充電を受け取ることができず、その結果、充電速度が遅くなることが表れる。エレクトロクロミックデバイスの充電(酸化)過程で外部電源の出力を一時停止すれば、デバイスの両極領域のエレクトロクロミック材料がある程度還元され、これは、印加電界がなくなった後に、デバイス内部の電位が再分布され、両極と中心領域の電位差がなくなり、さらに透過率も一致させて保持するが、デバイス全体の透過率は充電される電荷の増加につれて高くなるためである。よって、エレクトロクロミックデバイスの充電過程で適切に充電を停止し又は大電流放電を追加するか、又はエレクトロクロミックデバイスの放電過程で適切に充電を停止し又は大電流充電を追加することにより、全体の充電速度を改善できることが分かる。
【0035】
例示的に、以下のパルス充放電と定電圧/定電流充放電とを組み合わせた充放電モードを用いて、上記したエレクトロクロミックデバイスの損傷を回避することを実現するとともにエレクトロクロミックデバイスの急速で均一な変色効果を実現することができる。
【0036】
正方向定電圧充放電-一定時間の断路又は逆方向定電圧充放電-定電圧充放電のサイクルモード:本充放電モードでは、外部電源はエレクトロクロミックデバイスに対してパルス充放電と定電圧充放電を組み合わせたモードを用いて充放電し、ここで、パルス充放電は複数のパルスセグメントと複数の間欠セグメントを含み、そのうち、パルスセグメントは正方向定電圧充放電を採用し、間欠セグメントは一定時間の断路又は逆方向定電圧充放電を採用する。7a)、いくつかの場合、積分器でエレクトロクロミックデバイスの定電圧で発生する電流を検出して電荷数を計算し、数値が設定された電荷数を満たすと、エレクトロクロミックデバイスに対する充放電を停止する。7b)、いくつかの場合、エレクトロクロミックデバイスが規定要求の透過率の範囲に達すると、エレクトロクロミックデバイスに対する充放電を停止する。7c)、いくつかの場合、規定の時間長出力した後、エレクトロクロミックデバイスに対する充放電を停止する。7d)、いくつかの場合、規定の時間長出力した後、電流を検出し、デバイスの電流が所定のオフ電流の設定値又は範囲に達すると、エレクトロクロミックデバイスに対する充放電を停止する。いくつかの場合、複数項の検出を同時に行い、上記の1項又はいずれか複数項の7a~7dにおける指標が設定値に同時に達すると、電源の充放電を停止する。
【0037】
正方向定電圧充放電-一定時間の断路又は逆方向定電流充放電-定電圧充放電のサイクルモード:本充放電モードでは、外部電源はエレクトロクロミックデバイスに対してパルス充放電と定電圧充放電を組み合わせたモードを用いて充放電し、ここで、パルス充放電は複数のパルスセグメントと複数の間欠セグメントを含み、そのうち、パルスセグメントは正方向定電圧充放電を採用し、間欠セグメントは一定時間の断路又は逆方向定電流充放電を採用する。8a)、いくつかの場合、積分器でエレクトロクロミックデバイスの定電圧で発生する電流を検出して電荷数を計算し、数値が設定された電荷数を満たすと、エレクトロクロミックデバイスに対する充放電を停止する。8b)、いくつかの場合、エレクトロクロミックデバイスが規定要求の透過率の範囲に達すると、エレクトロクロミックデバイスに対する充放電を停止する。8c)、いくつかの場合、規定の時間長出力した後、エレクトロクロミックデバイスに対する充放電を停止する。8d、いくつかの場合、規定の時間長出力した後、電流を検出し、デバイスの電流が所定のオフ電流の設定値又は範囲に達すると、エレクトロクロミックデバイスに対する充放電を停止する。いくつかの場合、複数項の検出を同時に行い、上記の1項又はいずれか複数項の8a~8dにおける指標が設定値に同時に達すると、電源の充放電を停止する。
【0038】
正方向定電流充放電-一定時間の断路又は逆方向定電圧充放電-定電流充放電のサイクルモード:本充放電モードでは、外部電源はエレクトロクロミックデバイスに対してパルス充放電と定電流充放電を組み合わせたモードを用いて充放電し、ここで、パルス充放電は複数のパルスセグメントと複数の間欠セグメントを含み、そのうち、パルスセグメントは正方向定電流充放電を採用し、間欠セグメントは一定時間の断路又は逆方向定電圧充放電を採用する。9a)、いくつかの場合、積分器で電源がエレクトロクロミックデバイスに入力する電流を検出して電荷数を計算し、数値が設定された電荷数を満たすと、エレクトロクロミックデバイスに対する充放電を停止する。9b)、いくつかの場合、エレクトロクロミックデバイスが規定要求の透過率の範囲に達すると、エレクトロクロミックデバイスに対する充放電を停止する。9c)、いくつかの場合、規定の時間長出力した後、エレクトロクロミックデバイスに対する充放電を停止する。9d)、いくつかの場合、規定の時間長出力した後、電圧を検出し、デバイスの電圧が所定のオフ電圧の設定値又は範囲に達すると、エレクトロクロミックデバイスに対する充放電を停止する。いくつかの場合、複数項の検出を同時に行い、上記の1項又はいずれか複数項の9a~9dにおける指標が設定値に同時に達すると、電源の充放電を停止する。
【0039】
正方向定電流充放電-一定時間の断路又は逆方向定電流充放電-定電流充放電のサイクルモード:本充放電モードでは、外部電源はエレクトロクロミックデバイスに対してパルス充放電と定電流充放電を組み合わせたモードを用いて充放電し、ここで、パルス充放電は複数のパルスセグメントと複数の間欠セグメントを含み、そのうち、パルスセグメントは正方向定電流充放電を採用し、間欠セグメントは一定時間の断路又は逆方向定電流充放電を採用する。10a)、いくつかの場合、積分器で電源がエレクトロクロミックデバイスに入力する電流を検出して電荷数を計算し、数値が設定された電荷数を満たすと、エレクトロクロミックデバイスに対する充放電を停止する。10b)、いくつかの場合、エレクトロクロミックデバイスが規定要求の透過率の範囲に達すると、エレクトロクロミックデバイスに対する充放電を停止する。10c)、いくつかの場合、規定の時間長出力した後、エレクトロクロミックデバイスに対する充放電を停止する。10d)、いくつかの場合、規定の時間長出力した後、電圧を検出し、デバイスの電圧が設定値又は範囲に達すると、エレクトロクロミックデバイスに対する充放電を停止する。いくつかの場合、複数項の検出を同時に行い、上記の1項又はいずれか複数項の10a~10dにおける指標が設定値に同時に達すると、電源の充放電を停止する。
【0040】
以下、充放電モードを参照しながら本願においてエレクトロクロミックデバイスを均一に変色させる効果及び理論的根拠を説明する。
【0041】
スキャンレート充放電モード:外部電源は、回路内でエレクトロクロミックデバイスと固定抵抗を直列に接続することによりエレクトロクロミックデバイスに対してスキャンレートで充放電することを実現し、エレクトロクロミックデバイスが完全に放電する状態のとき、エレクトロクロミックデバイスの内部抵抗を「0」と見なすことができ、回路内の固定抵抗は回路電圧を分担する。充電過程が進むにつれて、エレクトロクロミックデバイスの内部抵抗が徐々に増加し、回路内の分圧が徐々に上昇し、最終的にエレクトロクロミックデバイスの内部抵抗を「無限大」と見なすことができ、回路内のすべての電圧を分担し、定電圧充電を形成する。スキャンレート充放電を使用することにより、エレクトロクロミックデバイス内部の電位が徐々にバランスをとって上昇し、両極付近の電位差をなくし、均一な変色効果を達成することができる。11a)、いくつかの場合、エレクトロクロミックデバイスが規定要求の透過率の範囲に達すると、エレクトロクロミックデバイスに対する充放電を停止する。11b)、いくつかの場合、規定の時間長出力した後、エレクトロクロミックデバイスに対する充放電を停止する。11c)、いくつかの場合、デバイスの電圧が所定のオフ電圧の設定値に達すると、エレクトロクロミックデバイスに対する充放電を停止する。11d)、いくつかの場合、11a~11dの複数項の検出を同時に行い、上記の複数項の指標が設定値に同時に達すると、エレクトロクロミックデバイスに対する充放電を停止する。11e)、いくつかの場合、デバイスの電圧が設定値に達すると、一定電圧の定電圧充放電へ変更し、規定の時間長出力した後、エレクトロクロミックデバイスに対する充放電を停止する。11f)、いくつかの場合、デバイスの電圧が設定値に達すると、一定電圧の定電圧充放電へ変更し、エレクトロクロミックデバイスが規定要求の透過率の範囲に達すると、エレクトロクロミックデバイスに対する充放電を停止する。11g)、いくつかの場合、デバイスの電圧が設定値に達すると、一定電圧の定電圧充放電へ変更し、積分器でエレクトロクロミックデバイスの線形可変電圧と定電圧で発生する電流を検出して電荷数を計算し、数値が設定された電荷数を満たすと、エレクトロクロミックデバイスに対する充放電を停止する。11h)、いくつかの場合、デバイスの電圧が設定値に達すると、一定電圧の定電圧充放電へ変更し、規定の時間長出力した後、電流を検出し、デバイスの電流が設定値又は範囲に達すると、エレクトロクロミックデバイスに対する充放電を停止する。
【0042】
ステップ120では、前記エレクトロクロミックデバイスの現在の透過率が所定の透過率に達していると、充放電を一時停止して、前記エレクトロクロミックデバイスの現在の開回路電位が所定の開回路電位の閾値範囲内にあるか否かを継続的に監視する。
【0043】
本実施例において、エレクトロクロミックデバイスが所定の透過率範囲に達すれば、充放電を一時停止して、エレクトロクロミックデバイスの現在の開回路電位が所定の開回路電位の閾値範囲内にあるか否かを継続的に監視する。
【0044】
ステップ130では、前記エレクトロクロミックデバイスの現在の開回路電位が所定の開回路電位の閾値範囲内にないと、前記エレクトロクロミックデバイスに対して第2のモードで充放電するように外部電源を制御することにより、前記エレクトロクロミックデバイスの現在の開回路電位を継続的に前記所定の開回路電位の閾値範囲内にする。
【0045】
本実施例において、ステップ130はステップ131とステップ132を含む。
【0046】
ステップ131では、前記エレクトロクロミックデバイスの現在の開回路電位が前記エレクトロクロミックデバイスの所定の平衡電位よりも高いと、前記エレクトロクロミックデバイスの現在の開回路電位を継続的に監視し、前記エレクトロクロミックデバイスの現在の開回路電位が所定の開回路電位の閾値範囲の上限よりも高いと、充電を停止し、前記エレクトロクロミックデバイスの現在の開回路電位が所定の開回路電位の閾値範囲の下限よりも小さいと、現在の開回路電位が所定の開回路電位の閾値の上限に達するまで、第2のモードで充電する。
【0047】
ステップ132では、前記エレクトロクロミックデバイスの現在の開回路電位が前記エレクトロクロミックデバイスの所定の平衡電位よりも低いと、前記エレクトロクロミックデバイスの現在の開回路電位を継続的に監視し、前記エレクトロクロミックデバイスの現在の開回路電位が所定の開回路電位の閾値範囲の下限よりも低いと、放電を停止し、前記エレクトロクロミックデバイスの現在の開回路電位が所定の開回路電位の閾値範囲の上限よりも高いと、現在の開回路電位が所定の開回路電位の閾値の下限に達するまで、第2のモードで放電する。
【0048】
本実施例において、まず、エレクトロクロミックデバイスが充電過程に属するか放電過程に属するかを決定する必要があり、充電又は放電の過程の違いによって、充放電を継続する必要があるか否かを判断する条件も異なる。エレクトロクロミックデバイスの所定の平衡電位は、可逆電位とも呼ばれ、電極の正方向反応と逆方向反応が等しいこと、つまり、正逆過程における物質の移動と電荷の輸送速度がともに一致することを意味し、この時、電極を流れる電流はゼロに等しいか、電流は無限に小さい。所定の平衡電位の値は、エレクトロクロミックデバイスの選択されたエレクトロクロミック層、イオン貯蔵層、及び選択された電解質の材料に関連する。本実施例では、上記のステップ131又は130で、エレクトロクロミックデバイスの開回路電位を継続的に所定の開回路電位の閾値範囲内にすることにより、エレクトロクロミックデバイスを所定の透過率に維持することができる。このように、透過率の維持段階では、エレクトロクロミックデバイスを定電圧で長時間充電する必要がなく、現在の開回路電位が所定の開回路電位の閾値範囲になければ、エレクトロクロミックデバイスに対して第2のモードで充放電し、これによりエレクトロクロミックデバイスを特定の透過率、又は任意の中間状態の透過率及び異なる透過率範囲間のサイクルに維持し、定電流・定電圧で長時間充放電によるデバイスへの損傷を減少する。
【0049】
所定の透過率の維持段階では、第2のモードで充放電する充放電モードに関する例及び効果の説明は、第1のモードでの充放電の紹介を参照し、ここでは繰り返しない。
【0050】
本願の実施例はエレクトロクロミックデバイスの制御方法、装置、デバイス及記憶媒体を提供し、該方法は、前記エレクトロクロミックデバイスの現在の透過率が所定の透過率に達しているか否かを判断することと、前記エレクトロクロミックデバイスの現在の透過率が所定の透過率に達していないと、前記エレクトロクロミックデバイスの現在の透過率が前記所定の透過率に達するまで、前記エレクトロクロミックデバイスに対して第1のモードで充放電するように外部電源を制御することと、前記エレクトロクロミックデバイスの現在の透過率が所定の透過率に達すると、充放電を一時停止して、前記エレクトロクロミックデバイスの現在の開回路電位が所定の開回路電位の閾値範囲内にあるか否かを継続的に監視することと、前記エレクトロクロミックデバイスの現在の開回路電位が所定の開回路電位の閾値範囲内にないと、前記エレクトロクロミックデバイスに対して第2のモードで充放電するように外部電源を制御することにより、前記エレクトロクロミックデバイスの現在の開回路電位を継続的に前記所定の開回路電位の閾値範囲内にすることと、を含む。本願の実施例に係るエレクトロクロミックデバイスの制御方法は、エレクトロクロミックデバイスの開回路電位が所定の要求に達するか否かを判断することにより、複数種の充電方法と判断条件でエレクトロクロミックデバイスに対して充電することで、関連技術におけるエレクトロクロミックデバイスに対して正確に制御できない問題と不安定な問題を解決し、エレクトロクロミックデバイスの均一な変色及び寿命の延長を実現する。
【0051】
実施例2
図2は本願の実施例2に係るエレクトロクロミックデバイスの制御方法のフローチャートであり、本実施例はエレクトロクロミックデバイスの安定した透過率を制御する状況に適用可能であり、本実施例は次のステップを含む。
【0052】
ステップ200では、調整指令を検出したとき、前記エレクトロクロミックデバイスの現在の透過率が所定の透過率に達しているか否かを判断し、前記調整指令は前記エレクトロクロミックデバイスの現在の透過率が前記所定の透過率に達しているとき、及び/又は他の所定の条件を満たすときに生成される。
【0053】
本実施例において、その他の所定の条件は、温度変化が所定の温差範囲を超えたこと、エレクトロクロミックデバイスの電源を切って再起動したこと、ユーザが入力した透過率の調整情報を受信したこと、エレクトロクロミックデバイスの現在の透過率と所定の透過率の差値が所定の透過率の差値範囲よりも大きいこと、前回の調整から所定の時間が経過したこと、日光の強さとユーザが所在する位置の年間温度差と光の強さが変化したことの1種又は複数種の組み合わせを含む。
【0054】
ステップ210では、前記エレクトロクロミックデバイスの現在の透過率が所定の透過率に達していないと、環境温度、前記エレクトロクロミックデバイスの充放電サイクル数、前記エレクトロクロミックデバイスの使用時間、前記エレクトロクロミックデバイスを充放電した後の開回路電位又は前記エレクトロクロミックデバイスの充放電過程におけるピーク電流を検出する。
【0055】
本実施例において、エレクトロクロミックデバイスの透過率の正確な調整を実現するために、デバイスの環境温度、デバイスの使用時間、サイクル数、1つの固定電圧期間内のデバイスのピーク電流及び充放電時間後のデバイスの開回路電位を検出し、上記の複数のパラメータを検出することにより、第1のモードにおける所定の充放電パラメータを調整する。
【0056】
ステップ220では、前記環境温度、前記エレクトロクロミックデバイスの充放電サイクル数、前記エレクトロクロミックデバイスの使用時間、前記エレクトロクロミックデバイスを充放電した後の開回路電位又は前記エレクトロクロミックデバイスの充放電過程におけるピーク電流に基づいて、第1のモードにおける所定の充放電パラメータを修正する。
【0057】
本実施例において、エレクトロクロミックデバイスは、温度と使用寿命の変化下で自体の性能の変化が発生する。例示的に、エレクトロクロミックデバイスは、高温で過度の酸化反応によるデバイス性能の減衰又は損傷がより発生しやすい。このような状況の発生を防止するために、論理制御盤は外部温度センサのリアルタイムデータを収集し、これでデバイスが所在する外部環境を判断し、透過率範囲の調整指令を受信した後、内部アルゴリズムに応じて、設定される伝送電荷の数値を適切に小さくするか、又は定電圧・定電流での充電時間を短縮することができる。論理制御盤は、外部温度の数値に応じて、設定される透過率範囲、開回路電位の最高及び最低閾値を自動的に調整することにより、デバイスが高温での過度酸化の発生による減衰又は損傷を回避することができる。いくつかの場合、論理制御盤は、特定の電圧での充放電電流の大きさを検出することでデバイスの外部環境を判断し、透過率範囲の調整指令を受信した後、内部アルゴリズムに応じて、設定される伝送電荷の数値を適切に小さくするか、又は定電圧・定電流での充電時間を短縮するとともに、設定される透過率範囲、開回路電位の最高及び最低閾値を自動的に調整することにより、デバイスが高温での過度酸化の発生による減衰又は損傷を回避することができる。例示的に、エレクトロクロミックデバイスは、一般に、電解質とエレクトロクロミック材料の間のリチウムイオンの移動を通じて変色機能を実現する。エレクトロクロミックデバイスに正方向電圧を印加すると、リチウムイオンをイオン導電体/電解質内からエレクトロクロミック材料内に移動して埋め込むように駆動する。同時に、補償電荷が対向電極から抽出され、該電荷補償電子が外部回路から流れてエレクトロクロミック材料内に埋め込まれ、電荷の中性を維持する。サイクル使用時間の増加につれて、デバイス寿命の後期にファラデー電荷損失が蓄積したため、エレクトロクロミック材料へのイオンの埋め込みと抽出の過程がより困難になり、この時、出力する電圧又は電流を向上させることにより、透過率範囲の調整要求を達成する必要がある。論理制御盤は、特定の電圧での充電又は放電のピーク電流の大きさと、充放電後のデバイスの開回路電位の数値を検出することにより、デバイスの性能表現を判断することができ、電流又はデバイスの充放電後の開回路電位が設定された閾値よりも小さいことを検出すると、論理制御盤は、デバイス使用時間及びサイクル数などの組み込みアルゴリズムに応じて、エレクトロクロミックデバイスに出力する電圧又は電流値を修正するか、出力時間を変更することにより、設定された透過率範囲の調整要求を保証する必要がある。エレクトロクロミックデバイスの容量、面積、透過率及び開回路電位は密接に関連し、論理制御盤は、異なるエレクトロクロミックデバイスのサイズを自動的に認識し、対応する論理制御アルゴリズムに応じて、デバイスの運転環境に従って電圧又は電流を出力することにより、エレクトロクロミックデバイスの規定の寿命内でデバイスの透過率を急速で均一に調整する機能を満たすことを保証する。
【0058】
ステップ230では、前記エレクトロクロミックデバイスに対して第1のモードで充放電するように前記外部電源を制御することにより、所定の透過率に達する。
【0059】
本実施例において、エレクトロクロミックデバイスが所定の透過率に達すると、透過率の維持段階に移行する。
【0060】
ステップ240では、エレクトロクロミックデバイスの現在の透過率が所定の透過率に達すると、充放電を一時停止して、前記エレクトロクロミックデバイスの現在の開回路電位が所定の開回路電位の閾値範囲内にあるか否かを継続的に監視する。
【0061】
ステップ250では、前記エレクトロクロミックデバイスの現在の開回路電位が所定の開回路電位の閾値範囲内にないと、前記エレクトロクロミックデバイスに対して第2のモードで充放電するように外部電源を制御することにより、前記エレクトロクロミックデバイスの現在の開回路電位を継続的に前記所定の開回路電位の閾値範囲内にする。
【0062】
本願の実施例はエレクトロクロミックデバイスの制御方法を提供し、該方法は、調整指令を検出したとき、前記エレクトロクロミックデバイスの現在の透過率が所定の透過率に達しているか否かを判断し、前記調整指令は前記エレクトロクロミックデバイスの現在の透過率が前記所定の透過率に達したとき、及び/又は他の所定の条件を満たすときに生成されることと、前記エレクトロクロミックデバイスの現在の透過率が所定の透過率に達していないと、環境温度、前記エレクトロクロミックデバイスの充放電サイクル数、前記エレクトロクロミックデバイスの使用時間、前記エレクトロクロミックデバイスを充放電した後の開回路電位又は前記エレクトロクロミックデバイスの充放電過程におけるピーク電流を検出することと、前記環境温度、前記エレクトロクロミックデバイスの充放電サイクル数、前記エレクトロクロミックデバイスの使用時間、前記エレクトロクロミックデバイスを充放電した後の開回路電位又は前記エレクトロクロミックデバイスの充放電過程におけるピーク電流に基づいて、第1のモードにおける所定の充放電パラメータを修正することと、前記エレクトロクロミックデバイスに対して第1のモードで充放電するように前記外部電源を制御することにより、所定の透過率に達することと、エレクトロクロミックデバイスの現在の透過率が所定の透過率に達すると、充放電を一時停止して、前記エレクトロクロミックデバイスの現在の開回路電位が所定の開回路電位の閾値範囲内にあるか否かを継続的に監視することと、前記エレクトロクロミックデバイスの現在の開回路電位が所定の開回路電位の閾値範囲内にないと、前記エレクトロクロミックデバイスに対して第2のモードで充放電するように外部電源を制御することにより、前記エレクトロクロミックデバイスの現在の開回路電位を継続的に前記所定の開回路電位の閾値範囲内にすることと、を含む。本願の実施例に係るエレクトロクロミックデバイスの制御方法は、エレクトロクロミックデバイスの開回路電位が所定の要求に達するか否かを判断することにより、複数種の充電方法と判断条件でエレクトロクロミックデバイスに対して充電することで、関連技術におけるエレクトロクロミックデバイスに対して正確に制御できない問題と不安定な問題を解決し、エレクトロクロミックデバイスの均一な変色及び寿命の延長を実現する。
【0063】
実施例3
本願の実施例に係るエレクトロクロミックデバイスに使用される制御装置は、本願のいずれかの実施例に係るエレクトロクロミックデバイスの制御方法を実行可能であり、該制御装置は、実行方法に対応する機能モジュールと効果を備える。図3は本願の実施例3に係るエレクトロクロミックデバイスの制御装置300の構造模式図である。図3を参照し、本願の実施例に係るエレクトロクロミックデバイスの制御装置300は、前記エレクトロクロミックデバイスの現在の透過率が所定の透過率に達するか否かを判断するように設置される判断モジュール310と、前記エレクトロクロミックデバイスの現在の透過率が前記所定の透過率に達するまで、前記エレクトロクロミックデバイスに対して第1のモードで充放電するように外部電源を制御するように設置される第1の充放電モジュール320と、充放電を一時停止して、前記エレクトロクロミックデバイスの現在の開回路電位が所定の開回路電位の閾値範囲内にあるか否かを継続的に監視するように設置される電位決定モジュール330と、前記エレクトロクロミックデバイスの現在の開回路電位が所定の開回路電位の閾値範囲内にないと、前記エレクトロクロミックデバイスに対して第2のモードで充放電するように外部電源を制御することにより、前記エレクトロクロミックデバイスの現在の開回路電位を継続的に前記所定の開回路電位の閾値範囲内にするように設置される第2の充放電モジュール340とを含んでもよい。
【0064】
好ましくは、前記エレクトロクロミックデバイスの現在の透過率が所定の透過率に達するか否かを判断することは、
調整指令を検出したとき、前記エレクトロクロミックデバイスの現在の透過率が所定の透過率に達するか否かを判断し、前記調整指令は前記エレクトロクロミックデバイスの現在の透過率が前記所定の透過率に達したとき、及び/又は他の所定の条件を満たすときに生成されることを含む。
【0065】
好ましくは、前記第2の充放電モジュール340は、
前記エレクトロクロミックデバイスの現在の開回路電位が前記エレクトロクロミックデバイスの所定の平衡電位よりも高いか否かを判断することと、前記エレクトロクロミックデバイスの現在の開回路電位が前記エレクトロクロミックデバイスの所定の平衡電位よりも高いと、前記エレクトロクロミックデバイスの現在の開回路電位を継続的に監視し、前記エレクトロクロミックデバイスの現在の開回路電位が所定の開回路電位の閾値範囲の上限よりも高いと、充電を停止することと、前記エレクトロクロミックデバイスの現在の開回路電位が所定の開回路電位の閾値範囲の下限よりも小さいと、現在の開回路電位が所定の開回路電位の閾値の上限に達するまで、第2のモードで充電することと、前記エレクトロクロミックデバイスの現在の開回路電位が前記エレクトロクロミックデバイスの所定の平衡電位以下であると、前記エレクトロクロミックデバイスの現在の開回路電位を継続的に監視し、前記エレクトロクロミックデバイスの現在の開回路電位が所定の開回路電位の閾値範囲の下限よりも低いと、放電を停止することと、前記エレクトロクロミックデバイスの現在の開回路電位が所定の開回路電位の閾値範囲の上限よりも高いと、現在の開回路電位が所定の開回路電位の閾値の下限に達するまで、第2のモードで放電することとを含む。
【0066】
好ましくは、前記第1の充放電モジュール320は、
環境温度を検出することと、前記環境温度に基づいて第1のモードにおける所定の充放電パラメータを修正することと、前記エレクトロクロミックデバイスに対して第1のモードで充放電するように前記外部電源を制御することにより、所定の透過率に達することとを含む。
【0067】
好ましくは、前記第1の充放電モジュール320は、
前記エレクトロクロミックデバイスの充放電サイクル数、前記エレクトロクロミックデバイスの使用時間、前記エレクトロクロミックデバイスを充放電した後の開回路電位又は前記エレクトロクロミックデバイスの充放電過程におけるピーク電流を検出することと、前記エレクトロクロミックデバイスの充放電サイクル数、前記エレクトロクロミックデバイスの使用時間、前記エレクトロクロミックデバイスを充放電した後の開回路電位又は前記エレクトロクロミックデバイスの充放電過程におけるピーク電流に基づいて、第1のモードにおける所定の充放電パラメータを修正することと、前記エレクトロクロミックデバイスに対して第1のモードで充放電するように前記外部電源を制御することにより、所定の透過率に達することとを含む。
【0068】
好ましくは、前記エレクトロクロミックデバイスの現在の透過率が前記所定の透過率に達するかの判断方法は、前記エレクトロクロミックデバイスの充放電の電荷数が所定の数値に達するか、前記エレクトロクロミックデバイスの開回路電位が前記所定の透過率に対応する開回路電位に達するか、前記エレクトロクロミックデバイスの定電圧又は定電流の出力時間が所定の時間に達するか、又は前記エレクトロクロミックデバイスの出力電流が所定のオフ電流よりも小さいかを含む。
【0069】
好ましくは、前記所定の条件は、前記エレクトロクロミックデバイスの充放電の電荷数が所定の数値に達したことと、前記エレクトロクロミックデバイスの透過率が所定の透過率範囲に達したこと、前記エレクトロクロミックデバイスに対する出力時間が所定の時間に達したこと、又は前記エレクトロクロミックデバイスの電流が所定の電流に達したことを含む。
【0070】
好ましくは、前記第1のモードで充放電又は前記第2のモードで充放電することは、定電圧充放電、定電流充放電、パルス充放電及び/又はスキャンレート充放電を含む。
【0071】
本実施例はエレクトロクロミックデバイスの制御装置を提供し、該制御装置は、前記エレクトロクロミックデバイスの現在の透過率が所定の透過率に達するか否かを判断するように設置される判断モジュールと、前記エレクトロクロミックデバイスの現在の透過率が前記所定の透過率に達するまで、前記エレクトロクロミックデバイスに対して第1のモードで充放電するように外部電源を制御するように設置される第1の充放電モジュールと、充放電を一時停止して、前記エレクトロクロミックデバイスの現在の開回路電位が所定の開回路電位の閾値範囲内にあるか否かを継続的に監視するように設置される電位決定モジュールと、前記エレクトロクロミックデバイスの現在の開回路電位が所定の開回路電位の閾値範囲内にないと、前記エレクトロクロミックデバイスに対して第2のモードで充放電するように外部電源を制御することにより、前記エレクトロクロミックデバイスの現在の開回路電位を継続的に前記所定の開回路電位の閾値範囲内にするように設置される第2の充放電モジュールと、を含む。本願の実施例に係るエレクトロクロミックデバイスの制御装置は、エレクトロクロミックデバイスの開回路電位が所定の要求に達するか否かを判断することにより、複数種の充電方法と判断条件でエレクトロクロミックデバイスに対して充電することで、関連技術におけるエレクトロクロミックデバイスに対して正確に制御できないという問題と不安定であるという問題を解決し、エレクトロクロミックデバイスの均一な変色及び寿命の延長を実現する。
【0072】
実施例4
図4は本願の実施例4に係る調光装置の構造模式図であり、図4に示すように、該調光装置400はメモリ410とプロセッサ420とを含み、調光装置400におけるプロセッサ420の数は1つ又は複数であってもよく、図4で1つのプロセッサ420を例として、デバイスにおけるメモリ410、プロセッサ420はバスを介して又は他の方法で接続可能であり、図4でバスを介して接続することを例とする。
【0073】
メモリ410は、コンピュータ可読記憶媒体として、ソフトウェアプログラム、コンピュータが実行可能なプログラム及びモジュール、例えば、本願の実施例におけるエレクトロクロミックデバイスの制御方法に対応するプログラム指令/モジュール(例えば、エレクトロクロミックデバイスの制御装置における判断モジュール310、第1の充放電モジュール320、電位決定モジュール330、第2の充放電モジュール340)を記憶するように構成可能である。プロセッサ420は、メモリ410に記憶されたソフトウェアプログラム、指令及びモジュールを実行することにより、デバイス/端末/デバイスの複数種の機能的応用及びデータ処理を実行し、即ち、上記のエレクトロクロミックデバイスの制御方法を実現する。
【0074】
プロセッサ420は、メモリ410に記憶されたコンピュータプログラムを実行することにより、
前記エレクトロクロミックデバイスの現在の透過率が所定の透過率に達しているか否かを判断するステップと、前記エレクトロクロミックデバイスの現在の透過率が所定の透過率に達していないと、前記エレクトロクロミックデバイスの現在の透過率が前記所定の透過率に達するまで、前記エレクトロクロミックデバイスに対して第1のモードで充放電するように外部電源を制御するステップと、前記エレクトロクロミックデバイスの現在の透過率が所定の透過率に達すると、充放電を一時停止して、前記エレクトロクロミックデバイスの現在の開回路電位が所定の開回路電位の閾値範囲内にあるか否かを継続的に監視するステップと、前記エレクトロクロミックデバイスの現在の開回路電位が所定の開回路電位の閾値範囲内にないと、前記エレクトロクロミックデバイスに対して第2のモードで充放電するように外部電源を制御することにより、前記エレクトロクロミックデバイスの現在の開回路電位を継続的に前記所定の開回路電位の閾値範囲内にするステップと、を実現するように設置される。
【0075】
一実施例において、本願の実施例に係る調光装置400のコンピュータプログラムは上記の方法で操作されることに限定されず、本願のいずれかの実施例に係るエレクトロクロミックデバイスの制御方法における関連操作を実行可能である。
【0076】
メモリ410は、主に、プログラム記憶領域及びデータ記憶領域を含むことができ、ここで、プログラム記憶領域は、オペレーティングシステム、少なくとも1つの機能に必要なアプリケーションプログラムを記憶することができ、データ記憶領域は、端末の使用によって作成されるデータなどを記憶することができる。また、メモリ410は、高速ランダムアクセスメモリを含んでもよく、不揮発性メモリ、例えば、少なくとも1つの磁気ディスクメモリデバイス、フラッシュメモリデバイス、又は他の不揮発性固体メモリデバイスを含んでもよい。いくつかの実例では、メモリ410は、ネットワークを介してデバイス/端末/デバイスに接続可能な、プロセッサ420から遠隔設置されたメモリを含んでもよい。上記のネットワークの実例は、インターネット、イントラネット、ローカルエリアネットワーク、移動体通信ネットワーク、及びそれらの組み合わせを含んでもよいが、これらに限定されない。
【0077】
本実施例はエレクトロクロミックデバイスの制御デバイスを提供し、該制御デバイスは、前記エレクトロクロミックデバイスの現在の透過率が所定の透過率に達しているか否かを判断することと、前記エレクトロクロミックデバイスの現在の透過率が所定の透過率に達していないと、前記エレクトロクロミックデバイスの現在の透過率が前記所定の透過率に達するまで、前記エレクトロクロミックデバイスに対して第1のモードで充放電するように外部電源を制御することと、前記エレクトロクロミックデバイスの現在の透過率が所定の透過率に達すると、充放電を一時停止して、前記エレクトロクロミックデバイスの現在の開回路電位が所定の開回路電位の閾値範囲内にあるか否かを継続的に監視することと、前記エレクトロクロミックデバイスの現在の開回路電位が所定の開回路電位の閾値範囲内にないと、前記エレクトロクロミックデバイスに対して第2のモードで充放電するように外部電源を制御することにより、前記エレクトロクロミックデバイスの現在の開回路電位を継続的に前記所定の開回路電位の閾値範囲内にすることとを実行するように設置される。エレクトロクロミックデバイスの開回路電位が所定の要求に達するか否かを判断することにより、複数種の充電方法と判断条件でエレクトロクロミックデバイスに対して充電することで、関連技術におけるエレクトロクロミックデバイスに対して正確に制御できないという問題と不安定という問題を解決し、エレクトロクロミックデバイスの均一な変色及び寿命の延長を実現する。
【0078】
実施例5
本願の実施例5はコンピュータが実行可能な指令を含む記憶媒体をさらに提供し、前記コンピュータが実行可能な指令がコンピュータプロセッサにより実行されるときに、エレクトロクロミックデバイスの制御方法を実行するために使用され、該方法は、
前記エレクトロクロミックデバイスの現在の透過率が所定の透過率に達しているか否かを判断することと、前記エレクトロクロミックデバイスの現在の透過率が所定の透過率に達していないと、前記エレクトロクロミックデバイスの現在の透過率が前記所定の透過率に達するまで、前記エレクトロクロミックデバイスに対して第1のモードで充放電するように外部電源を制御することと、前記エレクトロクロミックデバイスの現在の透過率が所定の透過率に達すると、充放電を一時停止して、前記エレクトロクロミックデバイスの現在の開回路電位が所定の開回路電位の閾値範囲内にあるか否かを継続的に監視することと、前記エレクトロクロミックデバイスの現在の開回路電位が所定の開回路電位の閾値範囲内にないと、前記エレクトロクロミックデバイスに対して第2のモードで充放電するように外部電源を制御することにより、前記エレクトロクロミックデバイスの現在の開回路電位を継続的に前記所定の開回路電位の閾値範囲内にすることと、を含む。
【0079】
本願の実施例に係るコンピュータが実行可能な指令を含む記憶媒体は、そのコンピュータが実行可能な指令が上記の方法で操作されることに限定されず、本願のいずれかの実施例に係るエレクトロクロミックデバイスの制御方法における関連操作を実行可能である。
【0080】
本願の実施例のコンピュータ可読記憶媒体は、1つ又は複数のコンピュータ可読媒体の任意の組み合わせを採用可能である。コンピュータ可読媒体は、コンピュータ可読信号媒体又はコンピュータ可読記憶媒体であってもよい。コンピュータ可読記憶媒体は、例えば、電気的、磁気的、光学的、電磁的、赤外線、又は半導体のシステム、装置又はデバイス、或いは上記のいずれかの組み合わせであってもよいが、これらに限定されない。コンピュータ可読記憶媒体の例(網羅的ではないリスト)は、1つ又は複数のワイヤの電気的接続、ポータブルコンピュータディスク、ハードディスク、ランダムアクセスメモリ(Random Access Memory,RAM)、読み取り専用メモリ(Read-Only Memory,ROM)、消去可能でプログラマブル可能な読み取り専用メモリ(Erasable Programmable Read-Only Memory,EPROM又はフラッシュメモリ)、光ファイバ、ポータブルコンパクトディスク読み取り専用メモリ(Compact Disc Read-Only Memory,CD-ROM)、光メモリデバイス、磁気メモリデバイス、又は上記の任意の適切な組み合わせを含む。本文では、コンピュータ可読記憶媒体は、プログラムを含むか、又は記憶する任意の有形媒体であってもよく、該プログラムは指令実行システム、装置又はデバイスによって使用されるか、又はそれらと組み合わせて使用されることができる。
【0081】
コンピュータ可読信号媒体は、コンピュータ可読プログラムコードが担持された、ベースバンドで又は搬送波の一部として伝搬されるデータ信号を含んでもよい。そのような伝搬されるデータ信号は、電磁信号、光信号、又は上記の任意の適切な組み合わせを含むがこれらに限定されない様々な形態をとることができる。コンピュータ可読信号媒体は、指令実行システム、装置、又はデバイスによって使用されるか、又はそれらと組み合わせて使用されるためのプログラムを送信、伝搬、又は伝送することができるコンピュータ可読記憶媒体以外の任意のコンピュータ可読媒体であってもよい。
【0082】
記憶媒体に含まれるプログラムコードは、無線、ワイヤ、光ファイバケーブル、無線周波数(Radio Frequency,RF)など、又は上記の任意の適切な組み合わせを含むがこれらに限定されない任意の適切な媒体により伝送可能である。
【0083】
1種又は複数種のプログラミング言語又はその組み合わせで、本願の操作を実行するためのコンピュータプログラムコードを書くことができ、前記プログラミング言語は、Java、Smalltalk、C++などのオブジェクト指向プログラミング言語を含み、「C」言語などの従来の手続き型プログラミング言語又は類似するプログラミング言語も含む。プログラムコードは、完全にユーザのコンピュータ上で、一部をユーザのコンピュータ上で、スタンドアロンソフトウェアパッケージとして、一部をユーザのコンピュータ上で、一部をリモートコンピュータ上で、又は完全にリモートコンピュータ又は端末上で実行することができる。リモートコンピュータに関する場合、リモートコンピュータは、ローカルエリアネットワーク(Local Area Network,LAN)又はワイドエリアネットワーク(Wide Area Network,WAN)などの、任意の種類のネットワークを介してユーザのコンピュータに接続することも、外部コンピュータに接続することもできる(例えば、インターネットサービスプロバイダーを使用してインターネットを介して接続する)。
【0084】
本実施例はエレクトロクロミックデバイスの制御記憶媒体を提供し、該制御記憶媒体は、前記エレクトロクロミックデバイスの現在の透過率が所定の透過率に達しているか否かを判断することと、前記エレクトロクロミックデバイスの現在の透過率が所定の透過率に達していないと、前記エレクトロクロミックデバイスの現在の透過率が前記所定の透過率に達するまで、前記エレクトロクロミックデバイスに対して第1のモードで充放電するように外部電源を制御することと、前記エレクトロクロミックデバイスの現在の透過率が所定の透過率に達すると、充放電を一時停止して、前記エレクトロクロミックデバイスの現在の開回路電位が所定の開回路電位の閾値範囲内にあるか否かを継続的に監視することと、前記エレクトロクロミックデバイスの現在の開回路電位が所定の開回路電位の閾値範囲内にないと、前記エレクトロクロミックデバイスに対して第2のモードで充放電するように外部電源を制御することにより、前記エレクトロクロミックデバイスの現在の開回路電位を継続的に前記所定の開回路電位の閾値範囲内にすることとを実行するように設置される。本願実施例に係るエレクトロクロミックデバイスの制御記憶媒体は、エレクトロクロミックデバイスの開回路電位が所定の要求に達するか否かを判断することにより、複数種の充電方法と判断条件でエレクトロクロミックデバイスに対して充電することで、関連技術におけるエレクトロクロミックデバイスに対して正確に制御できないという問題と不安定という問題を解決し、エレクトロクロミックデバイスの均一な変色及び寿命の延長を実現する。
図1
図2
図3
図4
【手続補正書】
【提出日】2022-05-26
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
エレクトロクロミックデバイスの制御方法であって、
前記エレクトロクロミックデバイスの現在の透過率が所定の透過率に達するか否かを判断することと、
前記エレクトロクロミックデバイスの現在の透過率が前記所定の透過率に達していないことに応答して、前記エレクトロクロミックデバイスの現在の透過率が前記所定の透過率に達するまで、前記エレクトロクロミックデバイスに対して第1のモードで充放電するように外部電源を制御することと、
前記エレクトロクロミックデバイスの現在の透過率が前記所定の透過率に達していることに応答して、充放電を一時停止して、前記エレクトロクロミックデバイスの現在の開回路電位が所定の開回路電位の閾値範囲内にあるか否かを継続的に監視することと、
前記エレクトロクロミックデバイスの現在の開回路電位が前記所定の開回路電位の閾値範囲内にない場合、前記エレクトロクロミックデバイスに対して第2のモードで充放電するように外部電源を制御することにより、前記エレクトロクロミックデバイスの現在の開回路電位を継続的に前記所定の開回路電位の閾値範囲内にすることと、を含む、方法。
【請求項2】
前記した前記エレクトロクロミックデバイスの現在の透過率が所定の透過率に達しているか否かを判断することは、
調整指令を検出した場合、前記エレクトロクロミックデバイスの現在の透過率が前記所定の透過率に達しているか否かを判断することであって、前記調整指令は、前記エレクトロクロミックデバイスの現在の透過率が前記所定の透過率に達している場合と、所定の条件を満たす場合との少なくとも1つの場合で生成されることを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記した前記エレクトロクロミックデバイスの現在の開回路電位が前記所定の開回路電位の閾値範囲内にない場合、前記エレクトロクロミックデバイスに対して第2のモードで充放電するように外部電源を制御することにより、前記エレクトロクロミックデバイスの現在の開回路電位を継続的に前記所定の開回路電位の閾値範囲内にすることは、
前記エレクトロクロミックデバイスの現在の開回路電位が前記エレクトロクロミックデバイスの所定の平衡電位よりも高いか否かを判断することと、
前記エレクトロクロミックデバイスの現在の開回路電位が前記所定の平衡電位よりも高いことに応じて、前記エレクトロクロミックデバイスの現在の開回路電位を継続的に監視し、監視した前記エレクトロクロミックデバイスの現在の開回路電位が前記所定の開回路電位の閾値範囲の上限よりも高い場合、充電を停止し、監視した前記エレクトロクロミックデバイスの現在の開回路電位が前記所定の開回路電位の閾値範囲の下限よりも低い場合、前記現在の開回路電位が前記所定の開回路電位の閾値範囲の上限に達するまで、前記第2のモードで充電することと、
前記エレクトロクロミックデバイスの現在の開回路電位が前記所定の平衡電位以下であることに応じて、前記エレクトロクロミックデバイスの現在の開回路電位を継続的に監視し、監視した前記エレクトロクロミックデバイスの現在の開回路電位が前記所定の開回路電位の閾値範囲の下限よりも低い場合、放電を停止し、監視した前記エレクトロクロミックデバイスの現在の開回路電位が前記所定の開回路電位の閾値範囲の上限よりも高い場合、前記現在の開回路電位が前記所定の開回路電位の閾値範囲の下限に達するまで、前記第2のモードで放電することと、を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記した前記エレクトロクロミックデバイスの現在の透過率が前記所定の透過率に達するまで、前記エレクトロクロミックデバイスに対して第1のモードで充放電するように外部電源を制御することは、
環境温度を検出することと、
前記環境温度に応じて第1のモードにおける所定の充放電パラメータを修正することと、
修正した第1のモードにおける所定の充放電パラメータに基づいて、前記エレクトロクロミックデバイスに対して前記第1のモードで充放電するように前記外部電源を制御することにより、前記所定の透過率に達することとを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記した前記エレクトロクロミックデバイスの現在の透過率が前記所定の透過率に達するまで、前記エレクトロクロミックデバイスに対して第1のモードで充放電するように外部電源を制御することは、
前記エレクトロクロミックデバイスの充放電サイクル数、前記エレクトロクロミックデバイスの使用時間、前記エレクトロクロミックデバイスを充放電した後の開回路電位又は前記エレクトロクロミックデバイスの充放電過程におけるピーク電流を検出することと、
検出した前記エレクトロクロミックデバイスの充放電サイクル数、前記エレクトロクロミックデバイスの使用時間、前記エレクトロクロミックデバイスを充放電した後の開回路電位又は前記エレクトロクロミックデバイスの充放電過程におけるピーク電流に基づいて、第1のモードにおける所定の充放電パラメータを修正することと、
修正した第1のモードにおける所定の充放電パラメータに基づいて、前記エレクトロクロミックデバイスに対して前記第1のモードで充放電するように前記外部電源を制御することにより、前記所定の透過率に達することと、を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記した前記エレクトロクロミックデバイスの現在の透過率が所定の透過率に達しているか否かを判断することは、
前記エレクトロクロミックデバイスの充放電の電荷数が所定の数値に達しているか否かを判断することと、
前記エレクトロクロミックデバイスの開回路電位が前記所定の透過率に対応する開回路電位に達しているか否かを判断することと、
前記エレクトロクロミックデバイスの定電圧又は定電流の出力時間が所定の時間に達しているか否かを判断することと、
前記エレクトロクロミックデバイスの出力電流が所定のオフ電流よりも小さいか否かを判断することとの1つを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記第1のモードで充放電又は前記第2のモードで充放電することは、定電圧充放電、定電流充放電、パルス充放電、スキャンレート充放電の少なくとも1つを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
エレクトロクロミックデバイスの制御装置であって、
前記エレクトロクロミックデバイスの現在の透過率が所定の透過率に達しているか否かを判断するように設置される判断モジュールと、
前記エレクトロクロミックデバイスの現在の透過率が前記所定の透過率に達していないことに応答して、前記エレクトロクロミックデバイスの現在の透過率が前記所定の透過率に達するまで、前記エレクトロクロミックデバイスに対して第1のモードで充放電するように外部電源を制御するように設置される第1の充放電モジュールと、
前記エレクトロクロミックデバイスの現在の透過率が前記所定の透過率に達していることに応答して、充放電を一時停止して、前記エレクトロクロミックデバイスの現在の開回路電位が所定の開回路電位の閾値範囲内にあるか否かを継続的に監視するように設置される電位決定モジュールと、
前記エレクトロクロミックデバイスの現在の開回路電位が前記所定の開回路電位の閾値範囲内にない場合、前記エレクトロクロミックデバイスに対して第2のモードで充放電するように外部電源を制御することにより、前記エレクトロクロミックデバイスの現在の開回路電位を継続的に前記所定の開回路電位の閾値範囲内にするように設置される第2の充放電モジュールと、を含む、エレクトロクロミックデバイスの制御装置。
【請求項9】
少なくとも1つのプロセッサと、
少なくとも1つのプログラムを記憶するように設置される記憶装置とを含み、
前記少なくとも1つのプログラムが前記少なくとも1つのプロセッサにより実行されると、前記少なくとも1つのプロセッサに請求項1~7のいずれか一項に記載のエレクトロクロミックデバイスの制御方法を実現させる、調光装置。
【請求項10】
プログラム指令を含むコンピュータプログラムが記憶されたコンピュータ可読記憶媒体であって、
前記プログラム指令がプロセッサにより実行されるときに、請求項1~7のいずれか一項に記載のエレクトロクロミックデバイスの制御方法を実現する、コンピュータ可読記憶媒体。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0025
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0025】
本実施例において、エレクトロクロミックデバイスの開回路電位によって、定電流、定電圧などの複数種の充放電形態でエレクトロクロミックデバイスを充放電することにより一定の透過率を維持し、エレクトロクロミックデバイスの透過率の範囲の調整を正確に実現する必要があるか否かを判断する。(透過率は高い状態から低い状態に調整するか、又は低い透過率から高い透過率に調整する)エレクトロクロミック論理制御盤は、エレクトロクロミックデバイスに正方向又は逆方向の電圧又は電流を出力して酸化還元反応させることにより、エレクトロクロミックデバイスの透過率の状態を変化させる。エレクトロクロミック論理制御盤は、エレクトロクロミックデバイスの透過率範囲を調整する効果を達成するとともに、デバイスを保護してデバイスの過充電及び過放電を回避するように、伝送される電荷数の計算に基づいて、又はデバイス内部の開回路電位を検出することを基に出力をいつ停止するかを決める。この目的を達成するために、論理制御盤は、デバイスの開回路電圧、開回路電位を検出する電圧検出センサを有する必要がある。デバイスの透過率の調整指令を受信した後(暗くするか又は明るくする)、論理制御盤は、エレクトロクロミックデバイスに電圧又は電流を入力するとともに、電流積分器はエレクトロクロミックデバイスに伝送された電流を検出して電荷数を計算し、数値が設定された電荷数を満たすと、電圧又は電流の出力を停止する。いくつかの場合、エレクトロクロミックデバイスが規定の要求の透過率範囲にあるか又はその範囲にあると想定されるときに、電圧又は電流の出力を停止する。いくつかの場合、エレクトロクロミックデバイスが規定された開回路電圧レベル、開回路電位レベルに達するか又は規定された開回路電位レベルの範囲内にあるときに、電圧又は電流の出力を停止する。いくつかの場合、規定された定電圧又は定電流時間出力したと電源の出力を停止する。次回のデバイスの透過率範囲の変更指令を受信するまで、エレクトロクロミックデバイスを規定の透過率範囲にするように保持するために、いくつかの場合、伝送された電荷の数が要求された閾値又はデバイスの開回路電位が設定された閾値に達すると、目標電圧で定電圧出力するように変更し、エレクトロクロミックデバイスを目標電圧で常に維持することにより、デバイスの透過率の調整指令を再度与えるまで、透過率の状態を維持する要求を満たす。或いは、伝送された電荷の数が要求された閾値に達するか又はデバイスの開回路電位が設定された閾値に達すると、電圧又は電流の出力を停止すると同時に、電圧センサはデバイス内部の開回路電位の変化を継続的に検出し、エレクトロクロミックデバイスの現在の開回路電位を所定の開回路電位の閾値範囲内に維持するように制御する。一実施例において、エレクトロクロミックデバイスの現在の開回路電位がエレクトロクロミックデバイスの所定の平衡電位よりも高いときに、開回路電位の減衰が設定された最小閾値に達すると、エレクトロクロミックデバイスに対して第2のモードで再度充電し、デバイスの現在の開回路電位が所定の開回路電位の閾値範囲の上限に達するまでに電圧又は電流の出力を停止し、透過率の調整指令を再度取得するまで、このステップを繰り返し、或いは、エレクトロクロミックデバイスの現在の開回路電位がエレクトロクロミックデバイスの所定の平衡電位よりも低いときに、前記エレクトロクロミックデバイスの現在の開回路電位が所定の開回路電位の閾値範囲の上限よりも高いと、第2のモードで放電し、現在の開回路電位が所定の開回路電位の閾値範囲の下限より低くなるまで放電を停止し、透過率の調整指令を再度取得するまで、このステップを繰り返す。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0027
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0027】
定電流充放電モード:外部電源はエレクトロクロミックデバイスに対して定電流で充放電する。4a)、いくつかの場合、積分器で電源がエレクトロクロミックデバイスに入力する電流を検出して電荷数を計算し、数値が設定された電荷数を満たすと、エレクトロクロミックデバイスに対する充放電を停止する。4b)、いくつかの場合、エレクトロクロミックデバイスが規定要求の透過率範囲に達すると、エレクトロクロミックデバイスに対する充放電を停止する。4c)、いくつかの場合、規定の時間長出力した後、エレクトロクロミックデバイスに対する充放電を停止する。4d)、いくつかの場合、規定の時間長出力した後、電圧を検出し、デバイスの電圧が定電流充放電のオフ電圧の設定値又は範囲に達すると、エレクトロクロミックデバイスに対する充放電を停止する。いくつかの場合、複数項の検出を同時に行い、上記の1項又はいずれか複数項の4a~4dにおける指標が設定値に同時に達すると、電源の充放電を停止する。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0046
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0046】
ステップ131では、前記エレクトロクロミックデバイスの現在の開回路電位が前記エレクトロクロミックデバイスの所定の平衡電位よりも高いと、前記エレクトロクロミックデバイスの現在の開回路電位を継続的に監視し、前記エレクトロクロミックデバイスの現在の開回路電位が所定の開回路電位の閾値範囲の上限よりも高いと、充電を停止し、前記エレクトロクロミックデバイスの現在の開回路電位が所定の開回路電位の閾値範囲の下限よりも小さいと、現在の開回路電位が所定の開回路電位の閾値範囲の上限に達するまで、第2のモードで充電する。
【手続補正5】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0047
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0047】
ステップ132では、前記エレクトロクロミックデバイスの現在の開回路電位が前記エレクトロクロミックデバイスの所定の平衡電位よりも低いと、前記エレクトロクロミックデバイスの現在の開回路電位を継続的に監視し、前記エレクトロクロミックデバイスの現在の開回路電位が所定の開回路電位の閾値範囲の下限よりも低いと、放電を停止し、前記エレクトロクロミックデバイスの現在の開回路電位が所定の開回路電位の閾値範囲の上限よりも高いと、現在の開回路電位が所定の開回路電位の閾値範囲の下限に達するまで、第2のモードで放電する。
【手続補正6】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0065
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0065】
好ましくは、前記第2の充放電モジュール340は、
前記エレクトロクロミックデバイスの現在の開回路電位が前記エレクトロクロミックデバイスの所定の平衡電位よりも高いか否かを判断することと、前記エレクトロクロミックデバイスの現在の開回路電位が前記エレクトロクロミックデバイスの所定の平衡電位よりも高いと、前記エレクトロクロミックデバイスの現在の開回路電位を継続的に監視し、前記エレクトロクロミックデバイスの現在の開回路電位が所定の開回路電位の閾値範囲の上限よりも高いと、充電を停止することと、前記エレクトロクロミックデバイスの現在の開回路電位が所定の開回路電位の閾値範囲の下限よりも小さいと、現在の開回路電位が所定の開回路電位の閾値範囲の上限に達するまで、第2のモードで充電することと、前記エレクトロクロミックデバイスの現在の開回路電位が前記エレクトロクロミックデバイスの所定の平衡電位以下であると、前記エレクトロクロミックデバイスの現在の開回路電位を継続的に監視し、前記エレクトロクロミックデバイスの現在の開回路電位が所定の開回路電位の閾値範囲の下限よりも低いと、放電を停止することと、前記エレクトロクロミックデバイスの現在の開回路電位が所定の開回路電位の閾値範囲の上限よりも高いと、現在の開回路電位が所定の開回路電位の閾値範囲の下限に達するまで、第2のモードで放電することとを含む。
【国際調査報告】