(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-02-08
(54)【発明の名称】履き替えシューズを収納するためのキャリングバッグ
(51)【国際特許分類】
A45C 3/12 20060101AFI20230201BHJP
A45C 3/06 20060101ALI20230201BHJP
【FI】
A45C3/12
A45C3/06 B
A45C3/06 D
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022532040
(86)(22)【出願日】2019-11-28
(85)【翻訳文提出日】2022-07-25
(86)【国際出願番号】 EP2019082860
(87)【国際公開番号】W WO2021104627
(87)【国際公開日】2021-06-03
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】522211461
【氏名又は名称】アマン, ペーター
【氏名又は名称原語表記】AMMANN, Peter
【住所又は居所原語表記】Rebbergweg 4, 3653 Oberhofen Switzerland
(74)【代理人】
【識別番号】110002664
【氏名又は名称】弁理士法人相原国際知財事務所
(72)【発明者】
【氏名】アマン, ペーター
【テーマコード(参考)】
3B045
【Fターム(参考)】
3B045AA52
3B045BA00
3B045CE09
3B045DA46
3B045EA02
3B045EB11
3B045GA01
3B045GB04
3B045GC01
3B045GD02
3B045HB06
3B045HB07
3B045KB03
(57)【要約】
本発明は、少なくとも第1のバッグ(1a)を含み、さらに履き替えシューズ(2)を収納するための第2のバッグ(1b)を含む、履き替えシューズ(2)、特にスティレットヒールを収納するためのキャリングバッグ(1)に関する。第2のバッグ(1b)は、第2のバッグ(1b)の内部を閉鎖し、履き替えシューズ(2)のために解放することができる閉鎖システム(5b)を含む。第1のバッグ(1a)は、第1のバッグ(1a)の分離面部(3b)および第1のバッグ(1a)の分離面部(3b)に面する第2のバッグ(1b)の分離面部(4a)によって形成される固定システム(5a)によって、第2のバッグ(1b)上の共通の分離面(3b、4a)にまたはその上に固定される。固定システム(5a)は、第1のバッグ(1a)が第2のバッグ(1b)から完全に取り外し可能であるように構成される。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
履き替えシューズ(2)、特に、スティレットヒール(stiletto heel)を収納するためのキャリングバッグ(1)であって、
前面部、背面部、上面部、及び、前記キャリングバッグ(1)のバッグ底面部(4b)を形成する底面部を有し、
少なくとも第1のバッグ(1a)を備えるとともに、前記履き替えシューズ(2)を収納するための第2のバッグ(1b)をさらに備え、前記第2のバッグ(1b)は、閉鎖システム(5b)を含み、当該閉鎖システム(5b)によって、前記第2のバッグ(1b)の内部が前記履き替えシューズ(2)のために、閉鎖され、及び解放されるようになっており、
前記第1のバッグ(1a)は、固定システム(5a)によって、第2のバッグ(1b)上の共通の分離面(3b、4a)に、または当該共通の分離面(3b、4a)上に固定することができ、前記分離面は、前記第1のバッグ(1a)の分離面部(3b)と、前記第1のバッグ(1a)の分離面部(3b)に面する前記第2のバッグ(1b)の分離面部(4a)とによって形成され、
前記固定システム(5a)は、前記第1のバッグ(1a)が前記第2のバッグ(1b)から完全に取り外され得るように適合されているキャリングバッグ。
【請求項2】
前記分離面(3b、4a)が前記バッグ底面部(4b)に面し、前記分離面の中央領域が、前記分離面の縁領域よりも前記バッグ底面部(4b)に近く、特に、前記分離面の少なくとも一部が、前記バッグ底面部(4b)から見たときに実質的に凸状である、請求項1に記載のキャリングバッグ。
【請求項3】
前記分離面(3b、4a)が前記バッグ底面部(4b)に面し、少なくとも複数の部分において湾曲しまたは波状である、請求項1または2に記載のキャリングバッグ。
【請求項4】
前記分離面(3b、4a)は、前記バッグ底面部(4b)に面し、少なくとも複数の部分において前記バッグ底面部(4b)に対して斜めの面内に延在する、請求項1~3のいずれか1項に記載のキャリングバッグ。
【請求項5】
前記分離面(3b、4a)は、少なくとも1つの平面において、前記バッグ底面部(4b)に対して真っ直ぐ垂直に、または湾曲して、または斜めに、またはそれらを組み合わせて延在し、または、前記分離面(3b、4a)は、前記第1または第2のバッグ(1a; 1b)が、それぞれの他方のバッグ(1b; 1a)の周りの回転体として形成されるように、前記キャリングバッグの中心の周りに延在する、請求項1に記載のキャリングバッグ。
【請求項6】
前記第1のバッグ(1a)が前記第2のバッグ(1b)の少なくとも一部を取り囲むか、または前記第2のバッグ(1b)が前記第1のバッグ(1a)の少なくとも一部を取り囲み、特に前記第1のバッグ(1a)が前記第2のバッグ(1b)の全体を取り囲むか、または前記第2のバッグ(1b)が前記第1のバッグ(1a)の全体を取り囲む、請求項1~5のいずれか1項に記載のキャリングバッグ。
【請求項7】
前記第2のバッグ(1b)の分離面部(4a)は、少なくとも1つの部分において、前記第2のバッグ(1b)の分離面部(4a)に隣接しない、前記第2のバッグ(1b)の少なくとも1つの別の面部とは平行でない、請求項1~6のいずれか1項に記載のキャリングバッグ。
【請求項8】
前記第2のバッグ(1b)は、その内部が少なくとも一方向に向かって先細りになるように構成されている、請求項1~7のいずれか1項に記載のキャリングバッグ。
【請求項9】
仕切壁(7)、特に取り外し可能な仕切壁が、第2のバッグ(1b)の内部に配置され、この仕切壁は、内部を2つの区画(10)に分割し、その結果、履き替えシューズ(2)は、相互に接触することなく、それぞれ1つの区画(10)に収容され得、特に、仕切壁(7)は、柔軟性があり、その結果、履き替えシューズ(2)の形状に適合し得る、請求項1~8のいずれか1項に記載のキャリングバッグ。
【請求項10】
前記2つの区画(10)は、垂直方向または水平方向に重なり合い、その結果、その中に収納された履き替えシューズ(2)は、それぞれ、いずれかの方向に対応して、垂直方向または水平方向に少なくとも部分的に重なる、請求項9に記載のキャリングバッグ。
【請求項11】
前記閉鎖システム(5b)は、前記第2のバッグ(1b)に取り付けられた1つのジッパーによって形成されて、両方の区画(10)を開閉するようになっており、または、
前記閉鎖システム(5b)は、前記第2のバッグ(1b)に取り付けられた2つのジッパーによって形成されて、前記ジッパーの一方が前記区画(10)の一方を閉鎖または開放し、前記ジッパーの他方が前記区画(10)の他方を閉鎖または開放するようになっている、請求項9または10に記載のキャリングバッグ。
【請求項12】
前記少なくとも1つのジッパー(5b)は、前記第2のバッグ(1b)の前面部および/または背面部に配置され、前記履き替えシューズ(2)の前面部または背面部を介しての挿入および取り出しを可能にし、特に、前記少なくとも1つのジッパー(5b)は、前記ジッパーが開かれたときに、前記前面部または背面部の少なくとも一部がフラップ状に折り畳まれて、前記第2のバッグ(1b)の内部へのアクセスが自由にできるように、前記前面部または背面部に延在する、請求項11に記載のキャリングバッグ。
【請求項13】
前記固定システム(5a)は、前記第1のバッグ(1a)を前記第2のバッグ(1b)に固定するための少なくとも1つのジッパーを含み、前記ジッパーは、前記分離面(3b、4a)の輪郭に沿って延在し、および/または、
前記固定システム(5a)は、前記第1および第2のバッグ(1a、1b)の各々の上に少なくとも1つの磁石を含み、前記磁石は磁気引力によって、前記分離面(3b、4a)上で前記第1のバッグ(1a)を前記第2のバッグ(1b)に固定するために協働し、および/または、
前記固定システム(5a)は、前記第1および第2のバッグ(1a、1b)の各々に少なくとも1つのフックアンドループテープを含み、前記第1のバッグ(1a)を前記第2のバッグ(1b)に固定するために、一方のバッグ(1a、1b)の、フックを有するフックアンドループテープは、他方のバッグ(1b ;1a)の、ループを有するフックアンドループテープと分離面(3b,4a)上で協働する請求項1~12のいずれか1項に記載のキャリングバッグ。
【請求項14】
前記固定システム(5a)は、特にひも穴よりなる、前記第1のバッグ(1a)上の第1のホルダ(6a)及び前記第2のバッグ(1b)上の第2のホルダ(6b)と、キャリングストラップ(8)とを含み、
前記キャリングストラップ(8)は、一端が前記第1および第2のホルダ(6a、6b)の一方に、他端が前記第1および第2のホルダ(6a、6b)の他方に解放可能に取り付け可能であり、または、
前記キャリングストラップ(8)は、一端が前記第1のバッグ(1a)の第1のホルダ(6a)に、他端が前記第2のバッグ(1b)の第2のホルダ(6b)に取り付け可能であり、または、
前記キャリングストラップ(8)は、前記第1のバッグ(1a)の第1のホルダ(6a)もしくは前記第2のバッグ(1b)の第2のホルダ(6b)に取り付け可能である、請求項1~13のいずれか1項に記載のキャリングバッグ。
【請求項15】
前記バッグ底面部(4b)の領域に少なくとも1つの追加のホルダ(6c)を含み、2つのバックパックストラップが設けられ、前記バックパックストラップは、それぞれ、一端が前記追加のホルダ(6c)に、他端が前記第1のホルダ(6a)の1つまたは前記第2のホルダ(6b)の1つに固定され、それにより、前記キャリングバッグ(1)がバックパックとして持ち運びされることができる、請求項14に記載のキャリングバッグ。
【請求項16】
分離面(3b、4a)が、第1のバッグ(1a)または第2のバッグ(1b)のうちの少なくとも1つの側、特に第1のバッグおよび第2のバッグ(1a、1b)の両側が剛性材料で補強されている、請求項1~15のいずれか1項に記載のキャリングバッグ。
【請求項17】
前記バッグ底面部(4b)は、前記第1のバッグ(1a)の底面部および/または前記第2のバッグ(1b)の底面部によって形成される、請求項1~16のいずれか1項に記載のキャリングバッグ。
【請求項18】
前記第2のバッグ(1b)の内壁は、特に前記第1のバッグ(1a)の内壁も、水不透過性材料から形成されるか、または水不透過性材料でコーティングされる、請求項1~17のいずれか1項に記載のキャリングバッグ。
【請求項19】
請求項1~18のいずれか1項に記載の第1のバッグ(1a)の少なくとも1つと、請求項1~18のいずれか1項に記載の第2のバッグ(1b)と、少なくとも1つのキャリングストラップ(8)とを含む部品キット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、請求項1に記載の履き替えシューズを収納するためのキャリングバッグおよび請求項19に記載の部品キットに関する。
【背景技術】
【0002】
靴を収納するためのバッグは、特にスニーカーと関連するスポーツの領域で知られている。例えば、スポーツホールでの使用に適するように設計され、外履きはできない屋内専用シューズはそのようなバッグに収納されうる。このようなバッグは、通常、他のスポーツ用アクセサリを収容するように設計されており、そのサイズ及びデザインにおいて、女性用ハンドバッグとして使うというような他の用途には適していない。
【0003】
一方で、女性は、2対の靴、例えば、より長い歩行のための快適な靴と、レストラン、クラブ、結婚式などで着用するためのエレガントなハイヒール(これらは、歩くのに比較的不快であり、足の痛みを引き起こす可能性がある)とを携帯していることは一般的に知られている。通常、シューズの第2の対は、第2のハンドバッグまたはプラスチックバッグで持ち運びされ、これは、レディースハンドバッグに加えて第2の「かばん」を携帯しなければならないという欠点を有し、又、見た目もよくない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の目的は、実用的で融通性のあるハンドバッグを創作することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
この目的は、請求項1の特徴を有する本発明の第1の態様で達成される。このため、履き替えシューズを収納するためのキャリングバッグが提供される。キャリングバッグは、前面部、背面部、上面部およびキャリングバッグ底面部を形成する底面部を有する。このキャリングバッグは、少なくとも、第1のバッグおよび、履き替えシューズを収納するための第2のバッグを含む。第2のバッグは、履き替えシューズをその内部に閉鎖しかつそこから取り出すことのできる閉鎖システムを備える。
第1のバッグは、固定システムによって、第1のバッグの分離面部と、第2のバッグの、第1のバッグの分離面部に面する分離面部とによって形成される共通の分離面に、またはこの分離面上に取り付け可能である。固定システムは、第1のバッグが第2のバッグから完全に取り外せるように構成される。
【0006】
本発明の利点は、1つのキャリングバッグのみを持ち運ぶだけでよく、これは、一方では、第1のバッグ内に、着用する人の不可欠な付属品のための空間を提供し、他方では、第2のバッグ内に履き替えシューズのための個別の空間を提供することである。2つのバッグを含むキャリングバッグのモジュール設計は、その柔軟性のために有利である。物品は、キャリングバッグの中の、第1のバッグおよび第2のバッグのそれぞれに、別々に収納することもできる。さらに、例えば、各イベントに応じで、小さな第1のバッグのみをレディースバッグとして持ち運び、靴を入れた第2のバッグはワードローブに置いておくことができる。イベントが終わると、第2のバッグを取り出し、靴を履き替えることができ、その後、第2のバッグを第1のバッグに再び取り付けることができる。
【0007】
好ましい実施形態では、キャリングバッグの分離面はバッグ底面部に面し、分離面の中央領域は、分離面の縁領域よりもバッグ底面部に近接して位置する。この実施形態は、中心領域よりも高いエッジ領域を有する第2のバッグの特別な形状により、スティレットシューズのより高い背部をエッジ領域内に収容することができ、一方、この領域内で第2のバッグの高さが低くても、靴の平たい前部を容易に中心領域に収容することができるという追加の利点を有する。これはスペースを節約する。
【0008】
好ましくは、この実施形態では、分離面の少なくとも一部は、バッグの底面部から見て実質的に凸状である。ここで、実質的に凸状とは、中央領域が、バッグの底面部から見て第2のバッグの縁部領域に対して突出することを意味すると理解されるべきである。本文脈において、これは、必ずしも純粋に湾曲した面である必要はなく、真っ直ぐな部分を有してもよい。
【0009】
仕切壁が第2のバッグの内部に配置され、内部を2つの区画に分割し、その結果、履き替えシューズが相互に接触することなく1つの区画に各収容されることができることも好ましい。有利には、この手段は、靴が互いに汚れないことを保証する。この実施形態では、仕切壁が履き替えシューズ(2)の形状に適合できるように、仕切壁が柔軟性を有することも好ましい。これによって、典型的には異なる形状の靴を使用しても、仕切壁がその時々の靴の形状に適合できるので有利である。さらに、仕切壁は、第2のバッグが、特に1つの靴が占める体積よりも大きな体積を必要とする、別の使用例における他の物体を収容することができるように取り外し可能とすると好ましい。
【0010】
実施形態では、固定システムは、第1のバッグを第2のバッグに固定するための少なくとも1つのジッパーを備える。この点に関して、ジッパーは、好ましくは、分離面の輪郭全体に沿って延び、これは、単一の操作でバッグの迅速な固定および分離を可能にする。あるいは、バッグの幾何学的設計に応じて、分離面の輪郭の一部分を閉鎖または開放し得る、2つ以上のジッパーが提供されうる。
【0011】
代替的にまたは追加的に、固定システムは、第1および第2のバッグのそれぞれに少なくとも1つの磁石を備えることができ、これらの磁石は、分離面上で相互作用して、磁気引力によって第1のバッグを第2のバッグに固定する。この手段は、代替案として、バッグを迅速に固定又は解放することも可能にし、同時に、固定システムが外部から見えないという利点を提供する。加えて、(永久)磁石は、しばしばジッパーの場合にそうであるように、損傷を受けたり、機能しなくなったりする虞がない。ジッパーに追加して用いる場合、磁石は、特に柔らかい材料で作られた分離面部の場合に、これらの分離面部はともに分離面上に保持され、第1および第2のバッグの内部空間は、バッグが一杯であっても変化がなく、例えば、分離面が、一方のバッグ内容物の重量の影響によって他方のバッグの内部空間内に垂れ下がることはない、という利点を提供する。
【0012】
代替的に又は追加的に、固定システムは、第1のバッグ及び第2のバッグの各々に少なくとも1つのフックループテープを含むことができる。公知の実施形態では、第1のバッグを第2のバッグに固定するために、一方のバッグの、フックを有するフックアンドループストラップが、分離面上の他方のバッグの、ループを有するフックアンドループストラップと協働する。利点は磁石を使用する場合と同様であり、フックループファスナーはより安価で軽量であるという付加的な利点を有する。
【0013】
本発明の別の態様は、少なくとも第1のバッグと、第2のバッグと、少なくとも1つのキャリングストラップとを含む、本発明によるキャリングバッグ用の部品キットに関する。有利には、本発明によるキャリングバッグは、部品のキットとして提供することができ、第1のバッグまたは第2のバッグは、交換部品として個別に調達することもできる。
【0014】
本発明のさらなる実施形態、利点、および応用は、従属請求項、および図面に基づく以下の説明から得られる。それは、以下に示される:。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図1】本発明によるキャリングバッグの前面部の概略正面図である。
【
図2】
図1のキャリングバッグを第2のバッグの内部に履き替えシューズを収納した状態で示す図である。
【
図3】第1バッグのアクセス開口部を示すキャリングバッグの上面図である。
【
図4】本発明によるキャリングバッグのさらなる実施形態の概略正面図である。
【
図5】本発明によるキャリングバッグのさらなる実施形態の概略正面図である。
【
図6】本発明によるキャリングバッグのさらなる実施形態の概略正面図である。
【
図7】本発明によるキャリングバッグのさらなる実施形態の概略正面図である。
【
図8】本発明によるキャリングバッグのさらなる実施形態の概略正面図である。
【
図9】本発明によるキャリングバッグのさらなる実施形態の概略正面図である。
【
図10】本発明によるキャリングバッグのさらなる実施形態の概略正面図である。
【
図11】本発明によるキャリングバッグのさらなる実施形態の概略正面図である。
【
図12】本発明によるキャリングバッグのさらなる実施形態の概略正面図である。
【
図13】本発明によるキャリングバッグのさらなる実施形態の概略正面図である。
【
図14】本発明によるキャリングバッグのさらなる実施形態の概略正面図である。
【
図15】本発明によるキャリングバッグのさらなる実施形態の概略正面図である。
【
図16】本発明によるキャリングバッグのさらなる実施形態の概略正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
「上」、「下」、「横」という表示は、図面の通常の向きを参照して本文で解釈されるべきである。
「分離面」は、本文脈では、互いに取り付けられたときの第1および第2のバッグの2つの分離面部の接触面として理解される。
以下において「分離面がバッグの底面部に面する」と言及する場合、それは、分離面がバッグの底面部に垂直でないこと、換言すれば、分離面の少なくとも一部がバッグの底面部に対して90°の角度でないことを意味する。
バッグ自体の底面部は、意図されたように使用される場合、対応する支持体上に常に載置されると仮定され、これは、例えば全ての図において水平方向とみなされる。本文脈において、バッグの底面部は、常に、キャリングバッグ全体について言及するものとする。
全ての図において、見やすくするため、第2のバッグとは異なり、第1のバッグはハッチングされている。
図 において、同一の参照符号は、同一または同一に作用する構成要素を示す。
【0017】
図1は、履き替えシューズ2を収納するための本発明によるキャリングバッグ1の前面部の概略図を示す。本文献では、ハイヒールシューズは、その形状のために特に大きなスペースを必要とするため、一例として使用されている。しかしながら、言うまでもなく、本発明によるキャリングバッグ1は、他のタイプの靴にも適しており、特に、靴の互換性の確保の点から他のタイプの靴もバッグ内に収容されなければならない。キャリングバッグ1は、上述したように、第1のアクセス開口部3cおよび第1の分離面部3b、ここでは第1の底面部3bを有する第1のバッグ1aと、履き替えシューズ2を収納するための第2のバッグ1bとを備える。第2のバッグ1bは、第1の分離面部(第1の底面部3b)に面する分離面部4aを有する。この実施形態では、バッグの底面部は、第2のバッグの底面部4bに対応する。分離面部3bおよび4aは、キャリングバッグが固定状態にあるときに互いに対向し、分離面を形成する。分離面は、
図1の画像平面内に垂直に延びる。このことは、後続の実施形態のすべての正面図に適用される。
【0018】
好ましくは、バッグ底面部4bは、剛性材料で補強される。特に、バッグ底面部4bは、一方では、キャリングバッグが下に置かれたとき、キャリングバッグの全重量がバッグ底面部上にかかるので、補強されることが望ましい。他方、これは、特に尖ったスティレットヒールの場合には、この底面部におけるヒールの作用に対するバッグの底面部4bの抵抗を増大させる。さらに、第1のバッグの第1の底面部3bおよび/または第2のバッグの分離面部4aが剛性材料で補強されていることが好ましい。これは、分離面の形状に応じて、特に1つ以上のジッパーが使用される場合に、2つのバッグ間の接続をより容易にすることを可能にする。
【0019】
キャリングバッグ1は、第1のバッグ1aを第2のバッグ1bに固定するための固定システム5aをさらに備える。固定システム5aは、固定が解放されたときに、第1のバッグ1aが第2のバッグ1bから完全に取り外し可能であるように構成される。好ましくは、固定システム5aは、少なくとも1つのジッパーによって形成され、それによって、第1のバッグ1aの第1の底面部3bは、その輪郭に沿って第2のバッグ1bの分離面部4aに固定され得る。
【0020】
単一のジッパーの使用は、特に第1のバッグの上面部3a(
図3参照)が比較的幅広であり、かつ/または第1のバッグ1aの前面部または背面部と鋭い縁部を形成しない場合、第1のバッグ1aを一度に第2のバッグ1bから取り外すことができるので有利であり得る。しかしながら、キャリングバッグ1の設計によっては、キャリングバッグ1の前面部(
図1に示す)及び背面部(見えない)にそれぞれ、固定するためのジッパーを設けることもできる。これは、第1のバッグ1aの上側が狭く、かつ/またはキャリングバッグ1の前面部または背面部と鋭い縁部を形成する場合に有利であり、そのようにしないと、単一のジッパーは、開閉いずれの場合も、第1のバッグの上側に向かう移行部において、または上側から前側または後側に向かう移行部において問題となり得る。あるいは、当然ながら、クリップファスナ、フックアンドループファスナなどのスナップインシステムによって、または磁石によって、固定システム5aを実施することも可能である。フックアンドループファスナ、または磁石の場合も、すでに説明したような方法で分離面に実施し得る。
【0021】
キャリングバッグ1は、第1のバッグ1a上の第1のホルダ6a(ひも穴)または第2のバッグ1b上の第2のホルダ6b(ひも穴)に任意に取り付けることができるキャリングストラップ8を含む。有利には、これは、それぞれのバッグまたはキャリングバッグ1全体を持ち運ぶことを可能にする。上記の例では、第2のバッグ1bをワードローブに預けることができ、この場合、キャリングストラップ8がホルダ6bから取り外され、ホルダ6aに取り付けられ、その結果、第1のバッグ1aを便利に持ち運ぶことができる。
【0022】
しかしながら、意図された機能とは別に、キャリングストラップは、固定システムの一部としての機能も果たすことができる。この場合、キャリングストラップは、
図1に示すように、各端部において、第1のバッグのそれぞれのひも穴6aに取り付けられ、同時に、第2のバッグのひも穴6bに取り付けられる。しかし、それは、唯一の固定システムとしても機能することができ、この場合、分離面部3b、4a上のジッパーは省略することができる。
【0023】
実施形態では、キャリングバッグは、バッグの底面部の領域に、例えば、やはりひも穴の形態の、少なくとも1つの追加のホルダ6cを備える。2つのバックパックストラップを設けることができ、その各々は、一端で追加のホルダ6cに、他端で第1のホルダ6aの1つに、または第2のホルダ6bの1つにそれぞれ取り付けられ、その結果、キャリングバッグをバックパックとして運ぶことができる。付加的なホルダ6cがカラビナ様に設計されている場合には、キャリングストラップ8をこの目的のために使用することも可能であり、その結果、キャリングストラップ8の中心をその中にクランプ留めすることができる。これは、2つのループを形成し、その各々は、バックパックストラップを具現化する。
【0024】
この実施形態の第2のバッグ1bでは、分離面部4aは、バッグの底面部からより遠くに離れた周辺領域(ホルダ6bの領域)よりも中央領域(矢印3bの周りの領域)においてバッグ4bの底面部に近い。本明細書の記載例では、中央領域は、前面の全幅の約3分の1に対応する最大長さまで延在する。上述のように、好ましい実施形態では、第2のバッグ1bの分離面部4aは、バッグの底面部4bから見たときに実質的に凸状である。頂部4aの形状の利点は、
図2と併せて見ると最もよく分かる。シューズ2のヒール領域は、両エッジ領域に収容することができ、一方、スペースをほとんど占めないシューズ2の前部領域(靴先)は、中央領域に収容することができる。これにより、第1バッグ1aは、靴先の上方の空間を利用することができる。この空間は、第1のバッグ1aの第1の底面部3bが第2のバッグ1bの頂部4aと一致するとき最も効率よく利用できる。つまり、2つのバッグ1a、1bがつながっているとき、第1のバッグ1aの底面部(分離面部)は、第2のバッグ1bの上面部(分離面部)に広い面積にわたって位置する。明らかに、球根状/凸状領域は、第1のバッグ1a内に物体を収容するためにも使用することができる。換言すれば、第2のバッグの靴先領域の節約されたスペースが第1のバッグに使用される。この実施形態が好ましいが、設計上の理由から、例えば、第1の底面部3bは、異なる構成を有してもよく、分離面の全範囲にわたって頂部4aと一致しなくてもよい。
【0025】
第2のバッグ1bは、閉鎖システム5bを備え、これにより、履き替えシューズ2用の第2のバッグ1bのアクセス開口部(
図2と関連して
図1参照)を閉鎖および開放することができる。この実施形態では、実質的にフラップ9で形成された前面部をジッパー5bが開閉する。フラップ9は、ジッパーが開かれたときに上方に折り畳まれる。別の実施形態では、2つのジッパーが提供されてもよく、その各々は、フラップ状の様式で前面部の一部分を開閉することができる。
【0026】
しかしながら、閉鎖システムはまた、異なるように構成されてもよい。別の実施形態では、少なくとも1つのジッパー(図示せず)が、バッグ底面部4bの少なくとも一部に沿って、特にバッグ底面部全体に沿って、さらに第2のバッグ1bの側部11に沿って延在して設けられる。ジッパーは、バッグのバッグ底面部4bの中央に、またはバッグ底面部の輪郭に沿って延びてもよく、その結果、履き替えシューズは、下から第2のバッグ1bのバッグ底面部に挿入され、そこから取り外されてもよく、これは、第2の底面部が柔らかい場合に特に有用であり得る。
【0027】
さらなる実施形態では、閉鎖システムは、2つの横方向ジッパー(図示せず)を含み、それによって、矢印11の方向に、履き替えシューズ2の一方を第2のバッグ1bの一方の側方から挿入し、履き替えシューズ2の他方を第2のバッグ1bの他方の側方から挿入することができ、また、そこから取り外すことができる。それぞれのジッパーは、ここで、側面上の中央にまたは側面の周辺上に延在してもよい。
【0028】
図2は、
図1のキャリングバッグを示し、そこでは、解放された第2のバッグ1b、第2のバッグ1bの内部の履き替えシューズ2が示されているが、わかりやすくするために、
図1のフラップ9は示されていない。
【0029】
第2のバッグ1bの内部空間には仕切壁7が配置されており、履き替えシューズ2は相互に接触することなく第2のバッグ1b内に収容することができる。上述したように、仕切壁7は、履き替えシューズ2の形状に適合することができるように可撓性であることが好ましく、これにより、履き替えシューズ2を内部空間に配置することが容易になる。他の実施形態におけるように、仕切壁7は、ここでは、簡略化のために、2つの部分によって形成され1つのコーナーを有する破線として示される。本明細書を通して、この表示は、単に、仕切壁の柔軟性、および靴の形状への適合を説明することを意図しており、このことは他の実施形態にも適用されるので、繰り返さし説明はしない。さらに、第2のバッグが他の目的、例えば靴より容積の大きい物体を内部に配置するためにも適しているように、仕切壁7が取り外し可能であることが好ましい。この目的のために、仕切壁7は、例えば、フックアンドループファスナ等によって固定することができる。
【0030】
仕切壁7は、内部を2つの区画10に分割し、これにより、2つの区画10は、垂直方向または水平方向に重なり合うことができるので、履き替えシューズ2は、靴先が重なり合う区画10にそれぞれ収納することができる。垂直方向の分割(
図2に示す場合)は、仕切壁7が、面積的に、バッグの底面部に向いていることを意味し、好ましい。つまり、履き替えシューズ2は上下方向に重なる。水平方向の分割(図の描画面に向かって、図示せず)とは、仕切壁が、面積の点で、キャリングバッグ1の前部または後部に面することを意味する。この実施形態では、靴先は、垂直仕切壁のように上下に配置されず、並んで配置される。これは、水平方向(
図2の描画面内)により多くの空間を占めるが、第1のバッグ1aは、中央領域(凸がさらに顕著である)をさらに低くすることができ、したがって、その内部により多くの空間を提供する。
【0031】
好ましくは、第2のバッグ1bの内壁は、プラスチックのような水不透過性材料で形成されるか、またはコーティングされ、このことは、任意選択で第1のバッグ1aにも適用され得る。有利には、この材料は、例えば、雨の中で靴が着用されたときに水の浸透を防ぎ、したがって、キャリングバッグ1の、通常は高品質の外側材料への損傷および第1のバッグ1aへの湿気の浸透を防ぐ。さらに、これは、内部をより容易に清掃することを可能にし、これは、靴が使用後に収納されるときに、道路の汚れの内部への侵入に関して望ましい。
【0032】
キャリングバッグの長さ(図中の底面部4bの長さ)に関して、キャリングバッグ1は、女性用靴の通常の最大サイズに合わせて均一に寸法決めすることができ、あるいは、オーダーメイド生産によって個々に寸法決めすることも、靴サイズの別の標準に合わせて寸法決めすることもできる。例示的な実施形態では、第2の底面部4bの長さは29.8cmである。
【0033】
同様に考えて、キャリングバッグ1は、第2のバッグ1bの内部の異なる最大高さ(エッジ領域)、またはユニット高さ、または調整された高さを有することもできる。これは、ヒールのどの最大高さが提供されるべきかに依存する。例えば、15cmまでの踵高さが知られており、それに靴の背中の高さが加えられる。上記の例示的な実施形態では、高さは15.35cmである。
【0034】
また、上記実施の形態における中央領域(最小高さ)における第2のバッグ1bの高さは、第2の底面部4bから第1の底面部3bまで約12.4cmである。
【0035】
また、キャリングバッグのモジュール構造は、損傷によるものであろうと、設計変更によるものであろうと、第1または第2のバッグ1a、1bのみの交換を可能にする。
【0036】
図3は、第1のバッグ1aのアクセス開口部3cを有するキャリングバッグの上面3aの図を示す。この図では、ホルダ6a、6bがこの実施形態では湾曲していることが分かる。これは、バッグがキャリングバッグの前にまたは後に向かって外れるのを防止する。それは、上に向かってのみ引き出すことができる。これは、
図1について説明したように、固定システムがジッパー5aを含まず、第1および第2のバッグが、ホルダに取り付けられたキャリングストラップ8によってのみ一緒に保持されるキャリングバッグの実施形態において有利である。キャリングストラップはバッグを一緒に保持するが、それはひも穴6a、6bにいくらかの遊びがあり、その結果、第2のバッグに対する第1のバッグの小さな変位は防止できない。ひも穴6a、6bの湾曲した設計によればそれにより、第1のバッグは、前方または後方に移動することができず、前方で第2のバッグと面一のままである。この実施形態は、キャリングバッグがショルダーバッグとして使用される場合に特に有利であり、その理由は、この場合、キャリングバッグは歩行中に腰にぶつかり、第1のバッグを前方に向かって変位させてしまう可能性があるからである。
【0037】
図4~16はそれぞれ、本発明によるキャリングバッグのさらなる実施形態の概略図を示す。
【0038】
図4は、本発明によるキャリングバッグ1の第2の実施形態を示す。この実施形態では、分離面は、バッグ底面部4bに面し、バッグ底面部4bに対して傾斜した面内に延在する。この傾斜面は、いくつかの部分にのみ存在するだけで、他の部分では水平または湾曲しているものであってもよいことに留意されたい。この実施形態および以下に説明する他の実施形態の例示において、このような他の部分を
図4の破線で示し、参照番号4dで示す。この例では、分離面の、垂直部分、次に水平部分が、傾斜部分に続いている。しかしながら、これに湾曲部分のみが続くこともできる。
【0039】
第2のバッグ1b内に、より大きな部分容積と、より小さな部分容積とが常に形成される態様で部分が組立てられるようにし、その結果、靴のヒールがその大きな容積内に位置し、靴先がその小さな容積内に位置するようにすることは、いくつかの部分から形成される分離面に関して、原理的に、キャリングバッグのすべての実施形態に適用されうる。
【0040】
従って、本発明によるバッグの全ての示された実施形態において、分離面は、少なくとも特定の領域において、バッグの底面部に対して非平行に延びる。しかしながら、もちろん、バッグの底面部に平行な分離面を設けることも可能である。
【0041】
本実施形態では、第1のバッグは第2のバッグと面一ではなく、これにより、キャリングバッグに普通ではない外観を与える。もちろん、これは必ずしも必要ではなく、三角形の第1のバッグは、それが第2のバッグと同一平面になるように、傾斜した部分全体を占めるようにすることができる。
【0042】
図1に関連して、キャリングストラップ8をホルダ6a、6bに取り付ける際の種々の選択肢が説明されている。この実施形態では、キャリングストラップ8は、第1のバッグが第2のバッグに取り付けられるとき、一端が第1のバッグの第1のホルダ6aに取り付けられ、他端が第2のバッグの第2のホルダ6bに取り付けられる。簡単にするために、2つのバッグ1a、1bのさらなるホルダは図示されていない。しかしながら、もちろん、各バッグを個別に持ち運ぶことができるように、各バッグ1a、1bに別のホルダ6a、6bが設けられている。
【0043】
仕切壁が異なる向きを有することができることも、
図2に関連して既に説明されている。第1の実施形態とは対照的に、この第2の実施形態では、仕切壁7は、引き込まれた靴2の背後の描画面(第2のバッグの輪郭に対応するので図示せず)に平行に延びる。第2の靴(図示せず)は、引き込まれた靴と同じ向きで仕切壁の背後に配置される。この場合、キャリングバッグの同じ寸法を維持しながら、第1のバッグの内容積拡大するためにキャリングバッグの有効な領域全体を使用することができるので、スペースも節約される。
【0044】
この点に関して、全ての実施形態について、キャリングバッグの柔軟性、および仕切壁の適切な配向による利用可能な内部空間の最適な使用はまた、2つのバッグ1a、1bの内容物の合理的な分離に関して有利であり、靴と一緒に特定の品目、特に、例えば、汚染される可能性がある化粧品を収納することは望ましくないことに留意されたい。
【0045】
この実施形態では、靴が互いに隣接しているので、キャリングバッグは第1の実施形態よりも幅広であってもよい。
【0046】
第2のバッグ1bのアクセス開口部は、履き替えシューズ2が左側から第2のバッグに押し込まれることができるように、第2のバッグの左側部に配置されてもよい。しかしながら、この場合、第2のバッグの底面部によってのみ形成されるバッグの底面部4bに配置されてもよい。また、代替的に、アクセス開口部は、底面部4bおよび左側部に延在してもよい。
【0047】
図5は、本発明によるキャリングバッグ1の第3の実施形態の断面図を示す。この実施形態では、分離面はバッグ底面部4bに面し、湾曲している。
図4に関連して示されたような湾曲した分離面はまた、いくつかの部分にのみ存在するだけで、他の部分では例えば、水平または垂直または斜めであるか、またはそれらの組み合わせであることに留意されたい。分離面は、少なくともいくつかの部分では波状であってもよい。いずれにせよ、第1のバッグが第2のバッグの周りの回転体として形成されるように、キャリングバッグ1aは、分離面がキャリングバッグの中心の周りに延在する態様で形成される。回転体として形成される場合、第1のバッグは、第2のバッグ全体を取り囲む。しかしながら、第1のバッグが第2のバッグを部分的にのみ取り囲むことも可能である。図示されていない他の実施形態では、第2のバッグは、第1のバッグの少なくとも一部または全部を取り囲む。
【0048】
この実施形態では、キャリングストラップは、キャリングバッグが組み立てられるときに、第2のバッグ1bの第2のホルダ6bに取り付けられる。しかしながら、第1のバッグはまた、第1のリテーナ6a(図示せず)を有し、その結果、第1のバッグは、それ自体、持ち運ぶこともできる。
【0049】
ここで、仕切壁7は、バッグの底面部4bに垂直で、図の描画面に向かって延在する。図中、縦の二重線は、それに隣接するジッパーの水平部分は示されていないが、第2のバッグのアクセス開口部のためのジッパーからなる閉鎖システムを表すことも意図されている。いずれにせよ、これらは、第2のバッグが開いているときに二重線の左右に2つのフラップが形成されるように存在する。履き替えシューズ2は、第2のバッグの内部のそれぞれの左右の区画に、対応して前部に挿入することができる。これに代えて又はこれに加えて、閉鎖システムは、履き替えシューズを矢印11の方向に側方から第2のバッグ内にそれぞれ挿入できるように、矢印11の頂部に横方向にジッパーを備えてもよい。
【0050】
ここで、バッグの底面部4bは、第1のバッグの底面部と第2のバッグの底面部とによって形成される。
【0051】
図6は、本発明によるキャリングバッグ1の第4の実施形態の断面図を示す。この実施形態では、分離面は、バッグの底面部に対して垂直に、1つの平面内で真っ直ぐに延びる。しかしながら、他の実施形態のように、湾曲していてもよいし、湾曲した部分を含んでいてもよい。
【0052】
ここで、第2の実施形態と同様に、キャリングストラップ8は、第1のバッグが第2のバッグに取り付けられるとき、一端が第1のバッグの第1のホルダ6aに取り付けられ、他端が第2のバッグの第2のホルダ6bに取り付けられる。簡単のため、2つのバッグ1a、1bの別のホルダは描かれていない。しかしながら、もちろん、各バッグを個別に運ぶことができるように、各バッグ1a、1bに別のホルダ6a、6bが設けられている。
【0053】
第2の実施の形態と同様に、本第4の実施の形態では、仕切壁7は、取り出された靴2の背後で図示しない図の描画面に対して平行に延びる(第2のバッグの輪郭に相当するので図示しない)。第2の靴(図示せず)は、取り出された靴と同じ向きで仕切壁の背後に配置される。
【0054】
ここで、バッグ底面部4bは、第1のバッグの底面部と第2のバッグの底面部とによって形成される。
【0055】
第2のバッグへのアクセス開口部は、ここでは、好ましくは、閉鎖システムとして少なくとも1つのジッパーによって矢印11で横方向に形成される。ここでは、第2の靴が見えている靴の背後に配置されているので、このジッパーは、開いたときにフラップが形成され、シューズの両方の区画を露出させるように、側面部に沿って延在することもできる。あるいは、各区画に別個のジッパーを設けてもよい。代替的にまたは追加的に、本明細書の閉鎖システムは、前部ジッパーおよび後部ジッパーを備えてもよく、それぞれが、キャリングバッグの前部および後部から区画へのアクセスを可能にする。
【0056】
図7は、本発明によるキャリングバッグ1の第4の実施形態の断面図を示す。この実施形態では、分離面は、第2のバッグの底面部によってのみ形成されるバッグ4bの底面部に面し、傾斜面の第1の部分および水平面の第2の隣接する部分に延在する。
【0057】
ここで、例えば、キャリングストラップ(図示せず)は、キャリングバッグが組み立てられるときに、第2のバッグの側方端部に位置する第2のリテーナ(図示せず)にのみ取り付けられてもよい。あるいは、それは、一端で第1のバッグの第1のホルダ6aに、他端で第2のバッグの第2のホルダ6bに、ホルダがキャリングバッグ(図示せず)の上隅に位置するときに取り付けられてもよい。
【0058】
第2のバッグへのアクセス開口部は、ここでは、好ましくは、閉鎖システムとしてのそれぞれのジッパーによって矢印11で横方向に形成される。これに加えて、またはこれに代えて、第1の実施形態(
図1、
図2)と同様のジッパーを前面部または背面部に設けることができる。
【0059】
図8は、本発明によるキャリングバッグ1の第5の実施形態の断面図を示し、これは、
図7に示される第4の実施形態の鏡像変形である。相違点は、一方では、キャリングバッグが組み立てられた状態で、ストラップが第2のバッグの第2のホルダ6b(図示せず)のみに取り付けられ、他方では、バッグの底面部が第1バッグの底面部と第2のバッグの底面部とによって形成される点である。
【0060】
図9は、本発明によるキャリングバッグ1の第6の実施形態の断面図を示す。この実施形態では、第1のバッグ1aは第2のバッグ1b上に配置され、分離面はここでは第2の実施形態(
図4)のように平面内で斜めに延びているが、ここでは2つのバッグはそれらの側面が同一平面上にある。他の実施形態のように、この場合の分離面は、複数の部分から形成されてもよく、湾曲した部分、波状の部分などを有してもよい。
【0061】
この場合、キャリングストラップは、キャリングバッグの組み立てられた状態で、第1のバッグの第1のホルダ6a(図示せず)にのみ取り付けられる。本実施形態の他の特徴は、第1の実施形態と同様である。
【0062】
図10は、本発明によるキャリングバッグ1の第7の実施形態の断面図を示す。この実施形態は、ここでは示されていないキャリングバッグのさらなる考えられる実施形態の代表として、分離面の設計、換言すれば、第2のバッグに対する第1のバッグの相対位置、およびその形状の多くの可能性を最もよく示す。
【0063】
ここにおける分離面は、いくつかの部分によって形成される。ここで、この第1のバッグの三角形の左側部分は、図では見えないブリッジによって第1のバッグの右側部分に接続され、このブリッジは、図の平面に見られるように、線4eで第2のバッグの中央「タワー」を通って延びる。ここで、分離面は、複数の部分、すなわち、各々が傾斜面内に延在する2つの部分と、図の描画面に向かって延在する4つの垂直部分と、ブリッジの垂直壁を形成する前面(上面と線4eとの間の領域)に平行な2つの垂直部分とを備える。この実施形態では、複雑な幾何学的形状は、ジッパーの使用が、可能ではあるが、面倒であり、従って望ましくないものとなるので、すでに説明した磁石又はフックアンドループテープシステムは、固定システムとして適している。
【0064】
このバッグの底面部は、第2のバッグの底面部によってのみ形成される。
【0065】
ストラップは、ここでは、既に説明した全ての可能な代替方法で取り付けることができる:。すなわち、
第2のバッグの左側にある第1のホルダによる一端と、第1のバッグの右側にある第1のホルダによる他端とを横方向に取り付け、または、
キャリングバッグ上で、両端を、第1のバッグの第1のホルダに取り付け、または、
キャリングバッグ上で、両端を、第2のバッグの第2のホルダに取り付け、または、
キャリングバッグ上で、一端を第1のバッグの第1のホルダに取り付け、他端を第2のバッグの第2のホルダに取り付けることができる。
【0066】
履き替えシューズのアクセス開口部は、片方の靴に対しては「タワー」の上部に、もう片方の靴に対しては側面または底面に配置できる。
【0067】
効率上の理由から、
図10の図は、キャリングバッグのさらなる第8の実施形態についての以下の説明にも使用される。この実施形態では、1つの第1のバッグだけでなく、2つの第1のバッグが提供される。一方の第1バッグは左側に配置され、他方の第1バッグは右側に配置される。第2のバッグの中央の「タワー」は、キャリングバッグの背面に向かって、図の描画面に向かって連続的に延びている。2つの第1のバッグは、ここでは互いに独立して第2のバッグに取り付けることができる。
【0068】
ここで、シューズは、第7の実施形態と同様に、図示のように配置することもできるし、第2の実施形態のように並べて配置することもでき、例えば、この場合、当然のことながら、分離部は、図示のようには延在せず、
図4について説明したように延在する。
【0069】
図10について記載された実施形態は、キャリングバッグの「より単純な」実施形態の説明に関連して既に明らかになっているキャリングバッグの柔軟性に加えて、次のことも企図している。すなわち、本発明によるキャリングバッグのための「モジュラーシステム」を作り出す可能性を提供することを意図しており、この「モジュラーシステム」は、キャリングバッグの設計における広範囲のバリエーションを可能にし、同時に、組み合わせた状態または分離した態でのキャリングバッグの使用に関して柔軟性を有しており、それによって、第1および第2のバッグの設計に応じて、履き替えシューズの配置は、任意選択で、一方または他方の方法で実施することもできる。
【0070】
図11は、本発明によるキャリングバッグ1の第9の実施形態の断面図を示す。この実施例は第3の実施例(
図5)と似ているが、分離面が湾曲しておらず、傾斜した平面内を走っている点が異なる。さらに、分離面と、第2のバッグの他の側面とによって形成される形状は、ここでは靴の内部が互いに向き合い、靴の底が向き合わないようなものである。
【0071】
図12は、本発明によるキャリングバッグ1の第10の実施形態の断面図を示す。この実施形態は、本質的に、第2の実施形態(
図4)による2つのバッグを互いに鏡面対象となるよう一緒にすることに対応し、第1および第2のバッグは、ここでは側部が面一である。ここで、第2の実施形態とは異なり、靴を並べて配置することができるので、バッグをより狭幅にすることができる。
【0072】
図13は、本発明によるキャリングバッグ1の第11の実施形態の断面図を示す。この実施形態は、第10の実施形態に対応するが、ここでは、キャリングバッグの上側は、第1および第2のバッグの面一の上側を含む。
【0073】
図14は、本発明によるキャリングバッグ1の第12の実施形態の断面図を示す。この場合、キャリングバッグは、第1のバッグが上部および側部で第2のバッグと面一であり、左側で第2のバッグが真っ直ぐ下方に延びておらず、下部領域で球根状に膨らんでいる点を除いて、第2の実施形態と同様である。最後に、ここでの分離面は、垂直部分および斜め部分によって形成される。これらの図に関連して明確に説明されていないキャリングバッグのさらなる特徴(例えば、キャリングストラップの配置など)については、必要な変更を加え、それに応じて、
図11、12、13、15および16の実施形態に適用される。
【0074】
図15は、本発明によるキャリングバッグ1の第13の実施形態の断面図を示す。この実施形態では、第1のバッグは、第2のバッグの横に取り付けられ、分離面は、ここでは、第2のバッグの横壁に対して垂直かつ非平行に延在し、円錐状に図の描画面に向かっている。仕切壁7は、好ましくは、図の描画面内に斜めに配置され、その面は図の描画面に面するように配置される。このようにして、履き替えシューズの垂直方向のオーバーラップが達成される。バッグの底面部は、第2のバッグの底面部によってのみ形成される。
【0075】
図16は、本発明によるキャリングバッグ1の第14の実施形態の断面図を示す。これは、第1のバッグが底面部まで延在し、したがって、第2のバッグの底面部と共にバッグ底面部を形成する点を除いて、第13の実施形態(
図15)に対応する。
【0076】
図15および
図16の実施形態では、分離面もまた、第2のバッグの側壁に対して垂直であるが平行にすることもできる。
【0077】
図10について説明したように、
図5、
図11、
図12および
図13の実施形態では、回転体として形成された1つの第1のバッグの代わりに、2つの第1のバッグを設けることもできる。
【0078】
分離面(第2のバッグの分離面部)は、分離面部に隣接しない第2のバッグの少なくとも1つのさらなる面部に少なくとも平行でない部分であることが一般に好ましい。これに対する唯一の例外は、
図15および16に示されるキャリングバッグの代替実施形態である。有利には、これは、第2のバッグの内部が1つのより狭い領域と1つのより広い領域とを有することを意味し、特に、第2のバッグの内部は、片側に向かって先細りになり、その結果、特に、靴のつま先と靴のかかととの間に大きな高さ差を有する靴(特に、スティレットシューズ)を、第2のバッグにうまく挿入することができる。原則として、これらの実施形態では、第2のバッグのアクセス開口部は、キャリングバッグの側部(矢印11)に配置されるべきであり、第2のバッグの内部のより広い側部または球根状の側部に設けられる。代替的に、前面部は背面部のアクセス開口部が常に設けられてもよい。この点に関して、第2のバッグの閉鎖システムは、ジッパーによって実施されるだけでなく、フックループファスナまたは磁石を使用することもでき、これは、ジッパーのように輪郭に依存しないので、第2のバッグの前側または後側のより複雑な輪郭の場合に特に有利である。側部閉鎖システムが設けられない場合、閉鎖システムが、ショルダーバッグまたはハンドバッグまたはバックパックの場合、通常、本体に面するバッグの背面に配置されることが一般に好ましい。これは、第2のバッグの内容物への意図しないアクセスをより困難にし、キャリングバッグは、一般に、前面部に整った印象を残すか、または、そうでなければ開放を妨害する可能性があるさらなる装飾要素を備えることができる。
【0079】
上述のように、本発明によるキャリングバッグは、ハンドバッグとして、またはショルダーバッグとして、またはバックパックとして持ち運ぶことができる。
【0080】
本発明の別の態様は、少なくとも第1のバッグと、第2のバッグと、少なくとも1つのキャリングストラップとを含む、本発明によるキャリングバッグ用の部品キットに関する。有利には、第1のバッグまたは第2のバッグまたはキャリングストラップは、キャリングバッグ全体を交換する必要なく、個別に交換することができる。例えば、バッグの1つが損傷、例えば汚れを受けた場合、そのバッグのみを交換する必要がある。例えば、異なる特徴(例えば、可能であれば異なる寸法)を有する、または、例えば、異なる色を有する、いくつかの第1のバッグを提供することも可能であり、これは、適切な第1のバッグを特定の場合に使用するため、または、キャリングバッグをそれぞれの衣服に適合させるためである。また、キャリングストラップの場合、例えば、ショルダーバッグまたはハンドバッグとして専用に1つのストラップのみを調達することができ、またはバックパックとしてキャリングバッグを使用するために追加のストラップを調達することができ、本文脈におけるストラップという用語は、簡略化のためのハンドルを含むすべての適切なタイプのストラップを包含する。
【0081】
本発明によるキャリングバッグは、複数の利点を有している。キャリングバッグが、互いに完全に分離可能な少なくとも2つの部分からなるという事実によって、適切な構成は、場合に応じて選択され得、例えば、第1のバッグは、例えばより大きな体積を有する、別の第1のバッグと交換され得る。さらに、バッグの柔軟性は、異なる内容物が互いに空間的に分離され得るという事実によって示される。ここに記載されたスティレットヒールの例では、本発明によるキャリングバッグは、履き替えシューズを目立たずに持ち運ぶための改善策を提供する。モジュラー構造のため高い柔軟性を提供し、第1バッグまたは第2のバッグのみの交換の可能性により耐久性を有する。
【0082】
本発明の好ましい実施形態が本出願に記載されているが、本発明はこれらに限定されず、以下の特許請求の範囲内の他の方法で実施されてもよいことに明確に留意されたい。この点に関して、「好ましい」、「特に」、「有利」などの説明で使用される用語は、任意選択で例示的な実施形態のみを指す。
【国際調査報告】