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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-02-08
(54)【発明の名称】ボールピストンポンプ
(51)【国際特許分類】
   F04B 1/107 20200101AFI20230201BHJP
   F04B 1/10 20060101ALI20230201BHJP
【FI】
F04B1/107
F04B1/10
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022532124
(86)(22)【出願日】2020-12-02
(85)【翻訳文提出日】2022-06-17
(86)【国際出願番号】 IB2020061406
(87)【国際公開番号】W WO2021116835
(87)【国際公開日】2021-06-17
(31)【優先権主張番号】62/946,004
(32)【優先日】2019-12-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】516173429
【氏名又は名称】ジーエイチエスピー・インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】GHSP, INC.
(74)【代理人】
【識別番号】100096758
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 剛
(74)【代理人】
【識別番号】100114845
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 雅和
(74)【代理人】
【識別番号】100148781
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 友和
(72)【発明者】
【氏名】ロシンスキー, リャン デイヴィッド
【テーマコード(参考)】
3H070
【Fターム(参考)】
3H070BB03
3H070CC21
3H070CC22
3H070DD02
3H070DD22
3H070DD27
(57)【要約】
流体ポンプは、偏心部分および狭い部分を有する内側カム表面を画定する、カムプレートを含む。ハブは、内側カム表面内で回転し、入口ポートおよび出口ポートと連通しているピストン空洞を有する。ピストン部材は、偏心部分内の吸引相および狭い部分内の圧力相を画定するように、ピストン空洞内に動作可能に受容される。ピストン部材は、ハブの回転動作によって外向きに付勢される。吸引相の間、ピストン部材は、ピストン空洞から離れるように付勢されて、流体を入口ポートから引き込む流れ空洞を画定する。圧力相の間、ピストン部材は、狭い部分によって流れ空洞内に付勢されて、流体を流れ空洞から出口ポートに向けて押し出す。
【選択図】図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
流体ポンプであって、
偏心部分および狭い部分を有する、内側カム表面を画定するカムプレートと、
前記内側カム表面内で回転し、入口ポートおよび出口ポートと連通しているピストン空洞を有する、ハブと、
前記偏心部分内の吸引相および前記狭い部分内の圧力相を画定するように、前記ピストン空洞内に動作可能に受容されるピストン部材であって、前記ピストン部材が、前記ハブの回転動作によって外向きに付勢され、
前記吸引相の間、前記ピストン部材が、前記ピストン空洞から離れるように付勢されて、流体を前記入口ポートから引き込む流れ空洞を画定し、
前記圧力相の間、前記ピストン部材が、前記狭い部分によって前記流れ空洞内に付勢されて、前記流体を前記流れ空洞から前記出口ポートに向けて押し出す、ピストン部材と、を備える、流体ポンプ。
【請求項2】
前記入口ポートおよび前記出口ポートが、端部アセンブリ内に画定されている、請求項1に記載の流体ポンプ。
【請求項3】
前記端部アセンブリが、前記入口ポートと連通している流体入口、および前記出口ポートと連通している流体出口を有する、請求項2に記載の流体ポンプ。
【請求項4】
前記流体入口および前記流体出口が、前記端部アセンブリの外表面に位置付けられている、請求項3に記載の流体ポンプ。
【請求項5】
前記入口ポートおよび前記出口ポートが、前記端部アセンブリの流れ表面内に画定されている、請求項4に記載の流体ポンプ。
【請求項6】
入口通路が、前記流体入口と前記入口ポートとの間に延在しており、出口通路が、前記流体出口と前記出口ポートとの間に延在している、請求項5に記載の流体ポンプ。
【請求項7】
前記端部アセンブリが、前記カムプレートと、前記端部アセンブリの端部プレートとの間に位置付けられているポーティングプレートを含み、前記ポーティングプレートが、前記偏心部分と前記入口通路との間に延在している前記入口ポートを有し、前記出口ポートが、前記狭い部分と前記出口通路との間に延在している、請求項6に記載の流体ポンプ。
【請求項8】
前記ピストン部材が、少なくとも前記ハブの回転中に生成された遠心力によって、前記内側カム表面に対して付勢される、請求項1~7のいずれか一項に記載の流体ポンプ。
【請求項9】
前記偏心部分が、前記内側カム表面の対向する第1および第2の偏心区間を含み、前記狭い部分が、前記内側カム表面の対向する第1および第2の狭い区間を含む、請求項1~8のいずれか一項に記載の流体ポンプ。
【請求項10】
前記カムプレートが、前記対向する第1の偏心区間と第2の偏心区間との間に延在している圧力解放通路を少なくとも部分的に画定している、請求項9に記載の流体ポンプ。
【請求項11】
各ピストン空洞が、前記ハブのポーティング表面まで延在している流体開口部を含み、前記流体開口部が、前記ハブの動作中に、前記入口通路および前記出口通路と交互に整列する、請求項6~10のいずれか一項に記載の流体ポンプ。
【請求項12】
前記吸引相と前記圧力相との間の前記ピストン部材の動作が、前記流体を前記入口ポートから、前記ピストン空洞内に、および前記出口ポートに向けて移動させる、請求項11に記載の流体ポンプ。
【請求項13】
流体ポンプであって、
交互の偏心区間および狭い区間を画定する内側カム表面を有する、カムプレートと、
前記内側カム表面内で回転し、入口ポートおよび出口ポートと連通しているピストン空洞を有する、ハブと、
前記ピストン空洞内にそれぞれ位置付けられて、それらの間に流れ空洞を画定するピストン部材であって、前記ハブの回転が、前記ピストン部材を前記内側カム表面に向けて、かつ前記ハブの回転軸から離れるように付勢する遠心力を生成し、
前記交互の偏心区間および狭い区間が、各ピストン部材のそれぞれの吸引相および圧力相を画定し、
各吸引相が、前記ピストン部材を外向きに付勢して、前記流れ空洞を拡張し、前記吸引相が、流体を前記入口ポートから前記流れ空洞内に引き込み、
各圧力相が、前記ピストン部材を前記それぞれのピストン空洞内に付勢して、前記流れ空洞を圧縮し、前記流体を前記流れ空洞から前記出口ポートに向けて排出し、
前記入口ポートが、前記偏心区間と整列され、前記出口ポートが、前記狭い区間と整列される、ピストン部材と、を備える、流体ポンプ。
【請求項14】
前記内側カム表面が、2つの偏心区間および2つの狭い区間を有する、略楕円形の外形を含む、請求項13に記載の流体ポンプ。
【請求項15】
前記2つの狭い区間が、2つの出口ポートに対応し、前記2つの偏心区間が、前記2つの入口ポートに対応している、請求項14に記載の流体ポンプ。
【請求項16】
前記2つの入口ポートが、入口通路を介して流体接続され、前記2つの出口ポートが、出口通路を介して流体接続されている、請求項15に記載の流体ポンプ。
【請求項17】
圧力解放通路が、前記2つの偏心区間の間に延在している、請求項16に記載の流体ポンプ。
【請求項18】
前記ハブが、6つのピストン空洞を含み、前記ピストン部材が、前記6つのピストン空洞内に動作可能に位置付けられた6つのピストン部材を含む、請求項13~17のいずれか一項に記載の流体ポンプ。
【請求項19】
各ピストン部材が、前記ハブの前記回転軸を中心に回転動作し、前記入口ポートおよび前記出口ポートに対して前記吸引相および圧力相を順次動作させる、請求項18に記載の流体ポンプ。
【請求項20】
前記入口ポートおよび前記出口ポートが、前記ハブおよび前記カムプレートに隣接して位置付けられているポーティングプレート内に画定されている、請求項13~19のいずれか一項に記載の流体ポンプ。
【請求項21】
前記圧力解放通路が、前記ハブおよび前記カムプレートに隣接して位置付けられているポーティングプレート内に位置付けられている、請求項17~20のいずれか一項に記載の流体ポンプ。
【請求項22】
前記入口通路および前記出口通路が、端部プレート内に位置付けられ、前記ポーティングプレートが、前記カムプレートと前記端部プレートとの間に位置付けられている、請求項21に記載の流体ポンプ。
【請求項23】
各ピストン空洞が、前記ハブのポーティング表面まで延在している流体開口部を含み、各流体開口部が、前記2つの入口ポートの一方、前記2つの出口ポートの一方、前記2つの入口ポートの他方、および前記2つの出口ポートの他方と順次整列する、請求項15~22のいずれか一項に記載の流体ポンプ。
【請求項24】
流体ポンプであって、
流体入口および流体出口を有する、端部アセンブリであって、流体経路が、前記流体入口と前記流体出口との間に延在しており、前記流体経路が、流体を、前記流体経路を通して移動させる遠心区間および求心区間を有する、端部アセンブリと、
前記遠心区間および前記求心区間を画定する内側カム表面を有する、カムプレートと、
回転軸を中心に回転するハブアセンブリであって、前記ハブアセンブリが、複数のピストン部材および中央ハブを備え、
前記遠心区間および前記求心区間を通る前記ハブアセンブリの回転が、各ピストン部材の半径方向の移動を画定し、
前記複数のピストン部材が、前記遠心区間内で半径方向外向き方向に動作して、前記流体を入口ポートから引き込む、対応する流れ空洞を拡張し、
前記複数のピストン部材が、前記求心区間内で半径方向内向きに動作して、前記流れ空洞を圧縮し、前記流体を前記流れ空洞から出口ポートに向けて押し出す、ハブアセンブリと、を備える、流体ポンプ。
【請求項25】
前記端部アセンブリが、端部プレートおよびポーティングプレートを含み、前記入口ポートおよび前記出口ポートが、前記カムプレートおよび前記ハブアセンブリに隣接して位置付けられている前記ポーティングプレート内に画定されている、請求項24に記載の流体ポンプ。
【請求項26】
前記端部プレートが、前記入口ポートと連通している入口通路、および前記出口ポートと連通している出口通路を有する、請求項25に記載の流体ポンプ。
【請求項27】
前記流体入口および前記流体出口が、前記端部プレートの外表面に位置付けられている、請求項26に記載の流体ポンプ。
【請求項28】
前記入口通路および前記出口通路が、前記端部プレートの流れ表面まで延在しており、前記ポーティングプレートが、前記流れ表面と係合している、請求項26~27のいずれか一項に記載の流体ポンプ。
【請求項29】
前記入口ポートが、入口通路を通って前記流体入口まで延在し、前記出口ポートが、出口通路を通って前記流体出口まで延在している、請求項24~28のいずれか一項に記載の流体ポンプ。
【請求項30】
前記ピストン部材が、前記中央ハブのそれぞれのピストン空洞内に動作可能に配設されており、前記それぞれのピストン空洞が、前記ハブの回転動作中に、前記ピストン部材の動作を前記半径方向外向き方向および半径方向内向き方向に誘導する、請求項24~29のいずれか一項に記載の流体ポンプ。
【請求項31】
前記流れ空洞が、前記ピストン部材と前記それぞれのピストン空洞との間に画定されている、請求項24~30のいずれか一項に記載の流体ポンプ。
【請求項32】
各それぞれのピストン空洞が、前記ハブアセンブリのポーティング表面まで延在している流体開口部を含み、前記ハブアセンブリの動作が、前記流体開口部を、前記入口ポートおよび前記出口ポートと順次整列させる、請求項24~31のいずれか一項に記載の流体ポンプ。
【請求項33】
前記ピストン部材の各々が、前記ハブアセンブリの回転軸の周りの楕円形の運動に付勢され、前記楕円形の運動が、前記ハブの回転中に生成される遠心力および前記内側カム表面によって付与される求心力によって画定される、請求項24~32のいずれか一項に記載の流体ポンプ。
【請求項34】
前記端部アセンブリが、前記遠心区間の間に延在している圧力解放通路を含む、請求項24~33のいずれか一項に記載の流体ポンプ。
【請求項35】
前記遠心区間および前記求心区間が、前記ピストン部材の吸引相および圧力相をそれぞれ順次画定し、前記吸引相と前記圧力相との間の前記ピストン部材の動作が、前記流体を前記入口ポートから、前記流れ空洞内に、および前記出口ポートに向けて移動させる、請求項24~34のいずれか一項に記載の流体ポンプ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、概して、流体ポンプに関し、より具体的には、回転ハブを通して流体を移動させるように動作する1つ以上のピストン部材を有する流体ポンプに関する。
【背景技術】
【0002】
流体をある場所から別の場所に移動させるために、様々なポンプが使用されている。これらの流体ポンプは、流体を入口から出口に移動させる吸引力および圧力を生成するように、圧力の変化を使用することによって動作する。
【発明の概要】
【0003】
本発明の一態様によれば、流体ポンプは、偏心部分および狭い部分を有する内側カム表面を画定する、カムプレートを含む。ハブは、内側カム表面内で回転し、入口ポートおよび出口ポートと連通しているピストン空洞を有する。ピストン部材は、偏心部分内の吸引相および狭い部分内の圧力相を画定するように、ピストン空洞内に動作可能に受容される。ピストン部材は、ハブの回転動作によって外向きに付勢される。吸引相の間、ピストン部材は、ピストン空洞から離れるように付勢されて、流体を入口ポートから引き込む流れ空洞を画定する。圧力相の間、ピストン部材は、狭い部分によって流れ空洞内に付勢されて、流体を流れ空洞から出口ポートに向けて押し出す。
【0004】
本発明の別の態様によれば、流体ポンプは、交互の偏心区間および狭い区間を画定する内側カム表面を有するカムプレートを含む。ハブは、内側カム表面内で回転し、入口ポートおよび出口ポートと連通しているピストン空洞を含む。ピストン部材は、ピストン空洞内にそれぞれ位置付けられて、ピストン空洞の間に流れ空洞を画定する。ハブの回転は、ピストン部材を内側カム表面に向けて、およびハブの回転軸から離れるように付勢する遠心力を生成する。交互の偏心区間および狭い区間は、各ピストン部材のそれぞれの吸引相および圧力相を画定する。各吸引相は、ピストン部材を外向きに付勢して、流れ空洞を拡張する。吸引相は、流体を入口ポートから流れ空洞内に引き込む。各圧力相は、ピストン部材をそれぞれのピストン空洞内に付勢して、流れ空洞を圧縮し、流体を流れ空洞から出口ポートに向けて排出する。入口ポートは、偏心区間と整列され、出口ポートは、狭い区間と整列される。
【0005】
本発明の別の態様によれば、流体ポンプは、流体入口および流体出口を有する端部アセンブリを含む。流体経路は、流体入口と流体出口との間に延在している。流体経路は、流体経路を通って流体を移動させる遠心区間および求心区間を有する。カムプレートは、遠心区間および求心区間を画定する内側カム表面を含む。ハブアセンブリは、回転軸を中心に回転する。ハブアセンブリは、複数のピストン部材および中央ハブを備える。遠心区間および求心区間を通るハブアセンブリの回転は、各ピストン部材の半径方向の移動を画定する。複数のピストン部材は、遠心区間内で半径方向外向き方向に動作して、流体を入口ポートから引き込む、対応する流れ空洞を拡張する。複数のピストン部材は、求心区間内で半径方向内向き方向に動作して、流れ空洞を圧縮し、流体を流れ空洞から出口ポートに向けて押し出す。
【0006】
本発明のこれらならびに他の態様、目的、および特徴は、以下の明細書、特許請求の範囲、および添付の図面を研究することにより、当業者によって理解および認識されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】ボールピストンポンプの一態様の側面斜視図である。
図2図1のボールピストンポンプの別の側面斜視図である。
図3図1のボールピストンポンプの側面図である。
図4図2のボールピストンポンプの側面図である。
図5図1のボールピストンポンプの分解斜視図である。
図6図1のボールピストンポンプの別の分解斜視図である。
図7】線VII-VIIに沿った、図1のボールピストンポンプの断面図である。
図8】線VIII-VIIIに沿った、図2のボールピストンポンプの断面図である。
図9】線IX-IXに沿った、図1のボールピストンポンプの断面図である。
図10】ボールピストンポンプの一態様の分解斜視図である。
図11】ハブおよび内側カム表面の一態様の概略断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
本明細書における説明の目的のために、「上部」、「下部」、「右」、「左」、「後部」、「前部」、「垂直」、「水平」という用語、およびそれらの派生語は、図1で配向された本発明に関するものとする。しかしながら、本発明は、別段の明示的に指定される場合を除き、様々な代替的配向を想定し得ることを理解されたい。添付の図面に例解され、以下の明細書に記載される特定のデバイスおよびプロセスが、添付の特許請求の範囲に定義される本発明の概念の単に例示的な実施形態であることも理解されたい。したがって、本明細書に開示される実施形態に関連する特定の寸法および他の物理的特徴は、特許請求の範囲が別途明示的に記載しない限り、制限するものと見なされるものではない。
【0009】
図1図11に例示されるように、参照番号10は、全体的に、複数のピストン部材18を有する回転ハブ16と協働する内側カム表面14を含むカム部材12を有するボールピストンポンプを指す。ピストン部材18は、ハブ16内に画定されているピストン空洞20など、様々な開口部内で対を成している。ハブ16が内側カム表面14内で回転すると、カム部材12内でのハブ16の回転によって引き起こされる遠心力22は、ピストン部材18を外向き方向24およびピストン空洞20の外側に移動させる付勢力を引き起こす。ピストン部材18がピストン空洞20の外側を移動するとき、流体28を1つ以上の入口ポート60を通してピストン空洞20内に引き込む吸引力26が生成され、ここでは、流れ空洞38は、ピストン部材18と流れ空洞38との間に画定される。ハブ16が回転すると、ピストン部材18およびピストン空洞20は、内側カム表面14の狭い部分32と整列され、その結果、内側カム表面14は、求心力36を通して、ピストン部材18をピストン空洞20内に付勢する。ピストン部材18のピストン空洞20へのこの移動は、流れ空洞38を収縮させ、ここでは、ピストン部材18は、ピストン空洞20を占有する。このようにして、ピストン部材18の移動は、ピストン部材18をピストン空洞20内に押し込み、次いで、流体28をピストン空洞20から、1つ以上の対応する出口ポート62内に押し出す。
【0010】
再び図4図11を参照すると、ハブ16およびピストン部材18の内側カム表面14内での回転動作は、ピストン部材18に適用される一貫した遠心力22を生成する。遠心力22は、ピストン部材18をピストン空洞20から離れるように付勢する。同時に、内側カム表面14は、対向する求心力36を生成する。これらの対向する遠心力および求心力22、36を通して、ピストン部材18の運動は、内側カム表面14によって画定される経路をたどる。上で考察されたように、ピストン部材18は、偏心部分50または内側カム表面14の拡張部分内で、ピストン空洞20の外側を移動することが可能になる。この吸引相40では、ピストン部材18と対応するピストン空洞20との間の流れ空洞38は、吸引力26を生成するように拡張する。この吸引力26は、流体を流れ空洞38内に引き込む。ハブ16が内側カム表面14に対して回転すると、ピストン部材18は、内側カム表面14の狭い部分32に到達する。ピストン部材18およびピストン空洞20が狭い部分32を通って移動することにより、ピストン部材18が求心力36を通じてピストン空洞20内に付勢される圧力相42が画定される。ピストン部材18のピストン空洞20内へのこの移動は、ピストン部材18を流れ空洞38内に押し込み、流れ空洞38から流体出口34に向けて流体を押し出す圧力44を生成する。
【0011】
ピストン部材18を外向き方向24に付勢する遠心力22は、内側カム表面14によって生成される求心力36によって打ち消される。偏心部分50は、ピストン部材18の外向き方向への制御された移動を可能にする。反対に、狭い部分32内で生成された求心力36は、遠心力22に打ち勝ち、ピストン部材18をピストン空洞20内に戻すように付勢する。したがって、内側カム表面14内のハブ16の回転運動は、対応するピストン空洞20に対する各ピストン部材18の揺動運動52を生成する。動作中、ハブ16がハブ16の回転軸54を中心に回転すると、ピストン部材18は、内側カム表面14によって画定される経路をたどる。
【0012】
本明細書で例示されるように、内側カム表面14は、対向する偏心部分50および対向する狭い部分32を有する、略楕円形の外形を含むことができる。これらの偏心部分および狭い部分50、32は、内側カム表面14に対してピストン部材18の略楕円形の運動を生成する。これは次に、対応するピストン空洞20に対する各ピストン部材18の揺動運動52を生成する。内側カム表面14の形状の修正は、ピストンポンプ10を通る流体28の流れを管理するための偏心部分50および狭い部分32の様々なパターンを作成するために使用することができる。
【0013】
内側カム表面14の形状は、ピストンポンプ10のための端部アセンブリ66のポーティングプレートなどのポート部分64内に位置付けられている、対応する入口ポート60および出口ポート62と整列される。典型的には、入口ポート60は、内側カム表面14の偏心部分50と整列される。反対に、端部アセンブリ66のポート部分64内の出口ポート62は、内側カム表面14の狭い部分32と整列される。このようにして、ピストン空洞20に対するピストン部材18の揺動運動52、および流れ空洞38の対応する拡張および圧縮は、狭い部分32に位置付けられた出口ポート62と、内側カム表面14の偏心部分50に位置付けられた入口ポート60との間の各ピストン部材18の運動と同時に起こる。
【0014】
ピストン部材18およびピストン空洞20をその中に設定し、内側カム表面14内で回転するハブ16の設計は、より高い粘度を有する流体28を移動させる際に有用である。より高い粘度を有する流体28は、一般に、より濃い流体28、またはより低い温度であるときにより濃い流体28を含み得る。例として、車両の始動状態において、特定の流体28は、より高い粘度を有し得る。本明細書に開示されるピストンポンプ10の動作は、これらのより高い粘度の流体28を、ピストンポンプ10を通して移動させるのに有用である。加えて、特定の流体28の粘度が低下すると、流体28は典型的に暖まり、ピストンポンプ10は、ボールピストンポンプ10を通して流体28を移動させるのに効率的であり続ける。
【0015】
内側カム表面14の形状は、限定されるものではないが、長円形、丸みを帯びた幾何学的形状、または複数の対称軸を有する他の同様の丸みを帯びた幾何学的形状を含むことができる様々な形状のうちのいずれか1つとすることができる。上で考察されたように、内側カム表面14のこれらの様々な形状は、入口ポート60および出口ポート62とそれぞれ整列する様々な偏心部分50および狭い部分32を含むように形作られている。デバイスのある特定の態様では、内側カム表面14は、卵形の幾何学的形状の形状を採ることができ、ここでは、卵形の幾何学的形状は、ハブ16の回転軸54に対して単一の偏心部分50および単一の狭い部分32を含む。内側カム表面14のこの卵形の幾何学的形状は、単一の入口ポート60および単一の出口ポート62を有する単一充填流体ポンプを画定する。典型的には、内側カム表面14は、二重充填または多重充填構成が可能であるように、複数の対称軸を有する幾何学的形状を含む。略楕円形の外形など、二重充填または多重充填構成は、典型的には、ピストン空洞20の流体開口部110がハブ16の回転軸54の周りおよび内側カム表面14内で平衡するように、回転軸54の周りに均等化された圧力44を提供する。このカム部材12は、ハブ16のボールピストンポンプ10の回転軸54との整列を維持する傾向がある。
【0016】
デバイスの態様によれば、ハブ16は、様々な数のピストン部材18およびピストン空洞20を含むことができる。本明細書に例示されるように、6つのピストン部材18は、6つのピストン空洞20内で動作可能であり得る。追加の、またはより少ない数のピストン部材18およびピストン空洞20をハブ16内に組み込むことができることが企図されるべきである。限定ではなく例として、ある特定のサイズ指定されたピストン部材18を組み込んで、より粘度の高い流体の流れを生じさせることができる。ピストン部材18の異なるサイズおよび構成を組み込んで、異なる粘度および可変粘度を経時的に有する流体の流れに対処することができる。加えて、内側カム表面14の狭い部分および偏心部分32、50の数および形状は、異なる粘度を有する流体を考慮するように修正することができる。ピストン部材18、ピストン空洞20、および内側カム表面14の数および構成の変更を使用して、様々な流量を生じさせるための広範囲のピストンポンプ10に対処することもできる。
【0017】
デバイスの様々な態様によれば、ピストンポンプ10の駆動シャフト90は、モータ92からハブ16まで延在することができる。モータ92が動作すると、駆動シャフト90は、内側カム表面14内でハブ16を回転させる。モータ92は、典型的には、流体28がより高い粘度を有するか、またはより低い流量が所望される場合、おおよそ4,000回転/分の速度、またはより低い速度で動作することができる。流体28がより低い粘度を有するか、またはより高い流量が所望される場合、より高い回転速度を利用することができる。より高い回転速度は、おおよそ10,000回転/分であり得る。モータ92およびハブ16は、本明細書で言及される回転速度よりも大きい、またはより小さい広範囲の回転速度で動作することができることを理解されたい。利用される回転速度は、典型的には、ピストン部材18の内側カム表面14との連続的な係合を生じさせるのに十分な大きさの遠心力22をピストン部材18上に生成するように較正される。
【0018】
本明細書に開示されるピストンポンプ10は、より高い粘性流体28、またはより低温でより粘度が高い流体28を有する用途に使用することができる。そのような用途としては、車両用変速機、車両用差動装置、およびより高い粘度の流体28が利用され、流体28が特定の機構の始動時に見られる、より低い温度でより高い粘度を有する他の同様の用途を挙げることができるが、これらに限定されるものではない。
【0019】
図4図11に例示されるように、端部アセンブリ66のポート部分64内に含まれる様々な入口ポート60および出口ポート62は、それぞれ、共通の入口通路100および共通の出口通路102まで延在するように構成することができる。そのような構成では、端部アセンブリ66の端部プレート104は、端部アセンブリ66のポート部分64の入口ポート60の各々の間に延在している流体入口通路100を含むことができる。同様に、流体出口通路102は、端部アセンブリ66のポート部分64の様々な流体出口ポート62の間に延在している経路を含むことができる。流体入口通路および流体出口通路100、102を使用して、単一の入口経路および単一の出口経路を、ピストンポンプ10の端部アセンブリ66内に画定することができる。
【0020】
再び図4図11を参照すると、ハブ16は、揺動部材として内側カム表面14に対して揺動運動52で動作するピストン部材18を受容する、様々なピストン空洞20を含むことができる。これらのピストン部材18は、ハブ16内に画定されたピストン空洞20に対して揺動運動52またはピストンタイプで動作するために使用することができるボール、円筒、または他の幾何学的形状の形態とすることができる。
【0021】
再び図1図11を参照すると、流体送達ピストンポンプ10は、偏心部分および狭い部分50、32を画定する内側カム表面14を有するカムプレートなどのカム部材12を含むことができる。これらの偏心部分および狭い部分50、32は、複数の偏心区間および狭い区間120、122が、偏心部分および狭い部分50、32内に含まれ得るように、交互の偏心区間および狭い区間120、122として構成することができる。ハブ16は、内側カム表面14内で回転し、入口ポート60および出口ポート62と連通しているピストン空洞20を含む。典型的にはボールピストンの形態であるピストン部材18は、ピストン空洞20内にそれぞれ位置付けられ、それらの間の流れ空洞38を画定する。
【0022】
ハブ16の回転は、ピストン部材18を内側カム表面14に向けて、ハブ16の回転軸54から離れるように付勢する遠心力22を生成する。交互の偏心区間および狭い区間120、122は、各ピストン部材18のそれぞれの吸引相および圧力相40、42を画定する。各吸引相40は、ピストン部材18を外向きに付勢して、それぞれの流れ空洞38を拡張する。吸引相40は、流体28を入口ポート60から流れ空洞38内に引き込む役割を果たす。したがって、流れ空洞38の拡張は、流体28を流れ空洞38内に引き込む吸引力26を生成する。各圧力相42は、ピストン部材18をそれぞれのピストン空洞20内に戻すように付勢して、流れ空洞38を圧縮する。流れ空洞38のこの圧縮は、流体28を流れ空洞38から排出し、流体28を出口ポート62に向けて移動させる役割を果たす圧力44を生成する。入口ポート60は、偏心区間120と整列され、出口ポート62は、狭い区間122と整列される。デバイスの様々な態様によれば、各偏心区間120は、対応する入口ポート60を含むことができ、各狭い区間122は、対応する出口ポート62を含むことができる。
【0023】
図4図11を参照すると、入口ポート60および出口ポート62は、端部アセンブリ内に画定されている。典型的には、入口ポート60および出口ポート62、または複数の入口ポートおよび出口ポート60、62は、端部アセンブリ66のポーティングプレートまたはポート部分64内に画定されている。端部アセンブリ66は、入口ポート60と連通している流体入口30、および出口ポート62と連通している流体出口34を含む。流体入口30および流体出口34は、典型的には、外部流体流路132の様々な構成要素と係合するために、端部アセンブリ66の外表面130に位置付けられている。この外部流体流路132は、流体28をピストンポンプ10内に送達することができ、また、流体28をピストンポンプ10から離れるように送達することもできる。端部アセンブリ66内では、入口通路100が、流体入口30と入口ポート60との間に延在している。同様に、出口通路102は、流体出口34と出口ポート62との間に延在している。上で考察されたように、入口通路100はまた、流体28の一貫した流れが、流体入口30から、入口通路100を通って、および様々な入口ポート60を通って維持されて、流体28をピストンポンプ10の偏心区間120内に提供することができるように、様々な入口ポート60間の流体連通を提供する役割を果たすことができる。同様に、出口通路102は、流体28を様々な出口ポート62から流体出口34に送達するために、複数の出口ポート62まで延在することができる。このようにして、ピストンポンプ10の狭い区間122から流体出口34までの流体28の一貫した流れを実現することができる。入口ポート60および出口ポート62の位置付けは、端部アセンブリ66の流れ表面134内に画定することができる。典型的には、この流れ表面134は、端部アセンブリ66のポート部分64内に画定される。
【0024】
再び図4図9を参照すると、内側カム表面14の偏心部分50は、互いに反対側に位置付けられている第1および第2の偏心区間150、152を含むことができる。また、第1および第2の狭い区間154、156は、偏心区間120および狭い区間122が、狭い区間122と偏心区間120との順次および交互のパターンを生じさせるように、互いに反対側に位置付けることができる。狭い区間122と偏心区間120とのこの交互のパターンは、ピストン空洞20内のピストン部材18の揺動運動52を生じさせて、流れ空洞38の拡張および圧縮を生じさせる。流れ空洞38のこの拡張および圧縮は、流体入口30から流れ空洞38を通って、次いで、流体出口34に流体28を移動させる吸引力26および圧力44を生じさせる。
【0025】
流体入口30から様々な偏心区間120内への流体28の一貫した流れを達成するために、圧力解放通路170をポート部分64内に位置付けることができる。この圧力解放通路170は、対向する第1の偏心区間150と第2の偏心区間152との間に延在することができ、内側カム表面14内の様々な偏心区間120との間の吸引力26を均等化する役割を果たす。圧力解放通路170を使用して、流体28の一貫した流れは、内側カム表面14内、およびピストンポンプ10のピストン部材18とピストン空洞20との間に画定された様々な流れ空洞38内に維持することができる。
【0026】
流体28を入口ポート60から流れ空洞38に、および流れ空洞38から出口ポート62に移すために、各ピストン空洞20は、ハブ16のポーティング表面180まで延在している流体開口部110を含む。典型的には、ポート部分64、またはポーティングプレートは、ハブ16およびカム部材12に隣接して位置付けられている。この構成では、ハブ16のポーティング表面180は、ポート部分64の流れ表面134に面している。ハブ16の動作中に、様々なピストン空洞20の流体開口部110は、順次整列のパターンで、ハブ16の動作中に入口ポート60および出口ポート62と交互に整列する。したがって、ピストンポンプ10内の流体28の吸引力26および圧力44を生じさせるピストン部材18の揺動運動52は、ピストンポンプ10を通る流体28の実質的に連続的な流れを提供することができる。この構成を通して、吸引相40と圧力相42との間の様々なピストン部材18の動作は、流体28を入口ポート60から、流れ空洞38内に移動させ、次いで、各ピストン空洞20の流体開口部110を介して出口ポート62に向けて移動させる。
【0027】
図に例示されるように、ハブ16は、6つのピストン空洞20および6つの対応するピストン部材18を含む。これらの対になったピストン部材18およびピストン空洞20の各々は、ハブ16の一回転中に、複数の揺動およびピストンポンプ10の圧力相42および吸引相42、40の複数の発生を経験する。ここでも、ハブ16の内側カム表面14内での回転は、ピストンポンプ10の偏心区間および狭い区間120、122を通る流体28の一貫した、または実質的に一貫した流れを生じさせる。
【0028】
再び図4図9を参照すると、内側カム表面14およびポーティングプレート内では、内側カム表面14の2つの狭い区間122は、2つの出口ポート62に対応し、内側カム表面14の2つの偏心区間120は、ポート部分64の2つの入口ポート60に対応している。上で考察されたように、2つの入口ポート60は、入口通路100を介して流体接続され、2つの出口ポート62は、出口通路102を介して流体接続されている。したがって、複数の入口ポート60および複数の出口ポート62は、単一の入口通路100および単一の出口通路102を介して、流体入口30および流体出口34とそれぞれ結合することができる。
【0029】
再び図1図11を参照すると、流体送達ピストンポンプ10は、流体入口30および流体出口34を有する端部アセンブリ66を含む。流体経路190は、流体入口30と流体出口34との間に延在している。流体経路190はまた、流体28を、流体経路190を通して移動させる様々な遠心区間および求心区間を含む。遠心区間は、偏心区間120に対応しており、ここでは、ハブ16の回転によって生成された遠心力22は、ピストン部材18を揺動運動52で外向きに移動させる。求心区間は、狭い区間122に対応することができ、ここでは、内側カム表面14によって生成された求心力36は、ピストン部材18を対応するピストン空洞20内に付勢する。上で考察されたように、ピストン部材18のこれらの揺動運動52は、ピストンポンプ10の吸引相40および圧力相42を生じさせる。
【0030】
再び図1図11を参照すると、ハブアセンブリ196は、回転軸54を中心に回転する。ハブアセンブリ196は、複数のピストン部材18および中央ハブ16を含む。遠心区間および求心区間を通るハブアセンブリ196の回転は、各ピストン部材18の半径方向の移動または揺動運動52を画定する。対応するピストン空洞20内にそれぞれ位置付けられるピストン部材18は、ピストン空洞20の間に流れ空洞38を画定する。ハブ16の回転は、ピストン部材18を内側カム表面14に向けて、ハブ16の回転軸54から離れるように付勢する遠心力22を生成する。同時に、内側カム表面14は、ピストン部材18の各々の外向きの位置を維持する遠心力22を生じさせる。ピストン部材18のこの外向きの位置は、ハブアセンブリ196が回転する内側カム表面14の形状または外形と一致する。
【0031】
半径方向外向き方向24に、かつ遠心区間内で動作する複数のピストン部材18は、流体28を入口ポート60から引き込むための吸引力26を生成する、対応する流れ空洞38を拡張する役割を果たす。半径方向内向きに動作する複数のピストン部材18は、求心区間内で発生し、流れ空洞38を圧縮するように動作する。流れ空洞38のこの圧縮は、流体28を流れ空洞38から、出口ポート62に向けて押し出す圧力44を生成する。本明細書で考察されるように、遠心区間および求心区間は、ピストン部材18の吸引相40および圧力相42をそれぞれ順次画定する。吸引相40と圧力相42との間のピストン部材18の動作は、流体28を入口ポート60から、流れ空洞38内に移動させ、次いで、出口ポート62に向けて移動させる役割を果たす。
【0032】
ピストンポンプ10を使用して、様々な粘度の流体、ならびに粘度を変化させた流体28を、流体入口30から、流体空洞38を通して移動させ、次いで、流体出口34まで移動させることができる。上で考察されたように、ある特定の状態では、流体28の粘度は、時間の経過とともに変化して、より低い粘度またはより高い粘度となり得る。ボールピストンポンプ10の動作は、その中を流れる流体28の流れを必要とする特定のデバイスの動作中に、これらの変化する粘度および変動する粘度に適応することができる。
【0033】
本発明の概念から逸脱することなく、前述の構造物に対して変形および修正を行うことができることを理解され、さらに、そのような概念は、これらの特許請求の範囲がそれらの言語によって特に明記されない限り、以下の特許請求の範囲によって網羅されることが意図されていることを理解されたい。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
【手続補正書】
【提出日】2023-01-31
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
流体ポンプであって、
偏心部分および狭い部分を有する、内側カム表面を画定するカムプレートと、
前記内側カム表面内で回転し、入口ポートおよび出口ポートと連通しているピストン空洞を有する、ハブと、
前記偏心部分内の吸引相および前記狭い部分内の圧力相を画定するように、前記ピストン空洞内に動作可能に受容されるピストン部材であって、前記ピストン部材が、前記ハブの回転動作によって外向きに付勢され、
前記吸引相の間、前記ピストン部材が、前記ピストン空洞から離れるように付勢されて、流体を前記入口ポートから引き込む流れ空洞を画定し、
前記圧力相の間、前記ピストン部材が、前記狭い部分によって前記流れ空洞内に付勢されて、前記流体を前記流れ空洞から前記出口ポートに向けて押し出す、ピストン部材と、を備える、流体ポンプ。
【請求項2】
前記入口ポートおよび前記出口ポートが、端部アセンブリ内に画定されている、請求項1に記載の流体ポンプ。
【請求項3】
前記端部アセンブリが、前記入口ポートと連通している流体入口、および前記出口ポートと連通している流体出口を有する、請求項2に記載の流体ポンプ。
【請求項4】
前記流体入口および前記流体出口が、前記端部アセンブリの外表面に位置付けられている、請求項3に記載の流体ポンプ。
【請求項5】
前記入口ポートおよび前記出口ポートが、前記端部アセンブリの流れ表面内に画定されている、請求項4に記載の流体ポンプ。
【請求項6】
入口通路が、前記流体入口と前記入口ポートとの間に延在しており、出口通路が、前記流体出口と前記出口ポートとの間に延在している、請求項5に記載の流体ポンプ。
【請求項7】
前記端部アセンブリが、前記カムプレートと、前記端部アセンブリの端部プレートとの間に位置付けられているポーティングプレートを含み、前記ポーティングプレートが、前記偏心部分と前記入口通路との間に延在している前記入口ポートを有し、前記出口ポートが、前記狭い部分と前記出口通路との間に延在している、請求項6に記載の流体ポンプ。
【請求項8】
前記偏心部分が、前記内側カム表面の対向する第1および第2の偏心区間を含み、前記狭い部分が、前記内側カム表面の対向する第1および第2の狭い区間を含む、請求項1に記載の流体ポンプ。
【請求項9】
前記カムプレートが、前記対向する第1の偏心区間と第2の偏心区間との間に延在している圧力解放通路を少なくとも部分的に画定している、請求項8に記載の流体ポンプ。
【請求項10】
各ピストン空洞が、前記ハブのポーティング表面まで延在している流体開口部を含み、前記流体開口部が、前記ハブの動作中に、前記入口通路および前記出口通路と交互に整列する、請求項6に記載の流体ポンプ。
【請求項11】
前記吸引相と前記圧力相との間の前記ピストン部材の動作が、前記流体を前記入口ポートから、前記ピストン空洞内に、および前記出口ポートに向けて移動させる、請求項10に記載の流体ポンプ。
【請求項12】
前記ピストン部材が、少なくとも前記ハブの回転中に生成された遠心力によって、前記内側カム表面に対して付勢される、請求項1~11のいずれか一項に記載の流体ポンプ。
【請求項13】
流体ポンプであって、
交互の偏心区間および狭い区間を画定する内側カム表面を有する、カムプレートと、
前記内側カム表面内で回転し、入口ポートおよび出口ポートと連通しているピストン空洞を有する、ハブと、
前記ピストン空洞内にそれぞれ位置付けられて、それらの間に流れ空洞を画定するピストン部材であって、前記ハブの回転が、前記ピストン部材を前記内側カム表面に向けて、かつ前記ハブの回転軸から離れるように付勢する遠心力を生成し、
前記交互の偏心区間および狭い区間が、各ピストン部材のそれぞれの吸引相および圧力相を画定し、
各吸引相が、前記ピストン部材を外向きに付勢して、前記流れ空洞を拡張し、前記吸引相が、流体を前記入口ポートから前記流れ空洞内に引き込み、
各圧力相が、前記ピストン部材を前記それぞれのピストン空洞内に付勢して、前記流れ空洞を圧縮し、前記流体を前記流れ空洞から前記出口ポートに向けて排出し、
前記入口ポートが、前記偏心区間と整列され、前記出口ポートが、前記狭い区間と整列される、ピストン部材と、を備える、流体ポンプ。
【請求項14】
前記内側カム表面が、2つの偏心区間および2つの狭い区間を有する、略楕円形の外形を含む、請求項13に記載の流体ポンプ。
【請求項15】
前記2つの狭い区間が、2つの出口ポートに対応し、前記2つの偏心区間が、前記2つの入口ポートに対応している、請求項14に記載の流体ポンプ。
【請求項16】
前記2つの入口ポートが、入口通路を介して流体接続され、前記2つの出口ポートが、出口通路を介して流体接続されている、請求項15に記載の流体ポンプ。
【請求項17】
圧力解放通路が、前記2つの偏心区間の間に延在している、請求項16に記載の流体ポンプ。
【請求項18】
前記ハブが、6つのピストン空洞を含み、前記ピストン部材が、前記6つのピストン空洞内に動作可能に位置付けられた6つのピストン部材を含む、請求項13に記載の流体ポンプ。
【請求項19】
各ピストン部材が、前記ハブの前記回転軸を中心に回転動作し、前記入口ポートおよび前記出口ポートに対して前記吸引相および圧力相を順次動作させる、請求項18に記載の流体ポンプ。
【請求項20】
前記圧力解放通路が、前記ハブおよび前記カムプレートに隣接して位置付けられているポーティングプレート内に位置付けられている、請求項17に記載の流体ポンプ。
【請求項21】
前記入口通路および前記出口通路が、端部プレート内に位置付けられ、前記ポーティングプレートが、前記カムプレートと前記端部プレートとの間に位置付けられている、請求項20に記載の流体ポンプ。
【請求項22】
各ピストン空洞が、前記ハブのポーティング表面まで延在している流体開口部を含み、各流体開口部が、前記2つの入口ポートの一方、前記2つの出口ポートの一方、前記2つの入口ポートの他方、および前記2つの出口ポートの他方と順次整列する、請求項15に記載の流体ポンプ。
【請求項23】
前記入口ポートおよび前記出口ポートが、前記ハブおよび前記カムプレートに隣接して位置付けられているポーティングプレート内に画定されている、請求項13~22のいずれか一項に記載の流体ポンプ。
【請求項24】
流体ポンプであって、
流体入口および流体出口を有する、端部アセンブリであって、流体経路が、前記流体入口と前記流体出口との間に延在しており、前記流体経路が、流体を、前記流体経路を通して移動させる遠心区間および求心区間を有する、端部アセンブリと、
前記遠心区間および前記求心区間を画定する内側カム表面を有する、カムプレートと、
回転軸を中心に回転するハブアセンブリであって、前記ハブアセンブリが、複数のピストン部材および中央ハブを備え、
前記遠心区間および前記求心区間を通る前記ハブアセンブリの回転が、各ピストン部材の半径方向の移動を画定し、
前記複数のピストン部材が、前記遠心区間内で半径方向外向き方向に動作して、前記流体を入口ポートから引き込む、対応する流れ空洞を拡張し、
前記複数のピストン部材が、前記求心区間内で半径方向内向きに動作して、前記流れ空洞を圧縮し、前記流体を前記流れ空洞から出口ポートに向けて押し出す、ハブアセンブリと、を備える、流体ポンプ。
【請求項25】
前記端部アセンブリが、端部プレートおよびポーティングプレートを含み、前記入口ポートおよび前記出口ポートが、前記カムプレートおよび前記ハブアセンブリに隣接して位置付けられている前記ポーティングプレート内に画定されている、請求項24に記載の流体ポンプ。
【請求項26】
前記端部プレートが、前記入口ポートと連通している入口通路、および前記出口ポートと連通している出口通路を有する、請求項25に記載の流体ポンプ。
【請求項27】
前記流体入口および前記流体出口が、前記端部プレートの外表面に位置付けられている、請求項26に記載の流体ポンプ。
【請求項28】
前記入口通路および前記出口通路が、前記端部プレートの流れ表面まで延在しており、前記ポーティングプレートが、前記流れ表面と係合している、請求項26に記載の流体ポンプ。
【請求項29】
前記入口ポートが、入口通路を通って前記流体入口まで延在し、前記出口ポートが、出口通路を通って前記流体出口まで延在している、請求項24に記載の流体ポンプ。
【請求項30】
前記ピストン部材が、前記中央ハブのそれぞれのピストン空洞内に動作可能に配設されており、前記それぞれのピストン空洞が、前記ハブの回転動作中に、前記ピストン部材の動作を前記半径方向外向き方向および半径方向内向き方向に誘導する、請求項24に記載の流体ポンプ。
【請求項31】
各それぞれのピストン空洞が、前記ハブアセンブリのポーティング表面まで延在している流体開口部を含み、前記ハブアセンブリの動作が、前記流体開口部を、前記入口ポートおよび前記出口ポートと順次整列させる、請求項24に記載の流体ポンプ。
【請求項32】
前記ピストン部材の各々が、前記ハブアセンブリの回転軸の周りの楕円形の運動に付勢され、前記楕円形の運動が、前記ハブの回転中に生成される遠心力および前記内側カム表面によって付与される求心力によって画定される、請求項24に記載の流体ポンプ。
【請求項33】
前記端部アセンブリが、前記遠心区間の間に延在している圧力解放通路を含む、請求項24に記載の流体ポンプ。
【請求項34】
前記遠心区間および前記求心区間が、前記ピストン部材の吸引相および圧力相をそれぞれ順次画定し、前記吸引相と前記圧力相との間の前記ピストン部材の動作が、前記流体を前記入口ポートから、前記流れ空洞内に、および前記出口ポートに向けて移動させる、請求項24に記載の流体ポンプ。
【請求項35】
前記流れ空洞が、前記ピストン部材と前記それぞれのピストン空洞との間に画定されている、請求項24~34のいずれか一項に記載の流体ポンプ。
【国際調査報告】