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特表2023-505154車両衝突減衰システムのための衝撃検出及び追跡システムと方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-02-08
(54)【発明の名称】車両衝突減衰システムのための衝撃検出及び追跡システムと方法
(51)【国際特許分類】
   G08G 1/16 20060101AFI20230201BHJP
   G08B 25/04 20060101ALI20230201BHJP
   G08B 21/00 20060101ALI20230201BHJP
   E01F 15/00 20060101ALI20230201BHJP
   G16Y 10/40 20200101ALI20230201BHJP
   G16Y 20/20 20200101ALI20230201BHJP
   G16Y 40/10 20200101ALI20230201BHJP
【FI】
G08G1/16 A
G08B25/04 C
G08B21/00 Z
E01F15/00
G16Y10/40
G16Y20/20
G16Y40/10
【審査請求】有
【予備審査請求】有
(21)【出願番号】P 2022532859
(86)(22)【出願日】2020-12-11
(85)【翻訳文提出日】2022-06-01
(86)【国際出願番号】 US2020064656
(87)【国際公開番号】W WO2021119519
(87)【国際公開日】2021-06-17
(31)【優先権主張番号】63/115,993
(32)【優先日】2020-11-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/947,451
(32)【優先日】2019-12-12
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】510130631
【氏名又は名称】トラフィックス デバイシィズ インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】TrafFix Devices,Inc.
【住所又は居所原語表記】160 Avenida La Pata San Clemente CA 92673(United States of America)
(74)【代理人】
【識別番号】100082418
【弁理士】
【氏名又は名称】山口 朔生
(74)【代理人】
【識別番号】100167601
【弁理士】
【氏名又は名称】大島 信之
(74)【代理人】
【識別番号】100201329
【弁理士】
【氏名又は名称】山口 真二郎
(74)【代理人】
【識別番号】100220917
【弁理士】
【氏名又は名称】松本 忠大
(72)【発明者】
【氏名】マウス、ジェフリー ビー
(72)【発明者】
【氏名】カルプ、ブレント エム
(72)【発明者】
【氏名】コローグリアン、アーサー
(72)【発明者】
【氏名】ウィレンガ、ボブ エル
【テーマコード(参考)】
2D101
5C086
5C087
5H181
【Fターム(参考)】
2D101CA04
2D101GA16
2D101GA32
5C086AA32
5C086AA54
5C086BA22
5C086CA21
5C086CA25
5C086CA28
5C086CB36
5C086DA19
5C086EA08
5C086EA42
5C086FA17
5C087AA02
5C087AA03
5C087AA09
5C087AA10
5C087BB11
5C087BB18
5C087DD03
5C087DD14
5C087FF01
5C087FF04
5C087FF13
5C087FF16
5C087GG02
5C087GG08
5C087GG11
5C087GG17
5C087GG31
5C087GG36
5C087GG51
5C087GG70
5H181AA01
5H181BB04
5H181BB05
5H181BB17
5H181BB18
5H181CC04
5H181CC23
5H181CC27
5H181FF04
5H181LL04
5H181LL08
5H181MC17
5H181MC27
(57)【要約】
衝撃追跡システムは、道路に沿って設置されている固定型衝突減衰器、標識、ガードレール、または他の道路設備に取り付けられているセンサーモジュールを備えている。前記衝突減衰器または他のアセットが事故車両により衝撃を受けると、センサーシステムを備えている前記衝撃追跡機が、前記衝撃データを感知してキャプチャすると共に警告メッセージを遠隔受信機に送信する。前記受信機はコンピューターや電話システムのような既知のデータ受信手段を備え、電子メール、テキストメッセージ、写真等をリアルタイム或いは略リアルタイムで受信できる。受信したデータは分析、保存、及び/または追加の受信機に再度送信され、これは前記衝撃減衰器の点検及び修理に責任を負う運輸局のような道路監督機関を含む。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
特定のアセットに固定可能なセンサーモジュールであって、前記センサーモジュールはハウジングと、プロセッサと、通信送信機と、電源供給器と、衝撃検出センサーと、を含むセンサーモジュールと、
前記センサーモジュールから離間する通信受信機であって、前記通信受信機は前記通信送信機からの信号を受信すると共に、前記センサーモジュール及びそれが固定されている前記特定のアセットに関わる識別情報を含むデータベースに前記信号に関連する情報を記録するように適用され、前記通信受信機は前記特定のアセット及びそれに固定されている前記センサーモジュールに関する識別情報を表示するように更に適用されている通信受信機と、を備えていることを特徴とする、
道路交通安全アセットのための追跡及び管理システム。
【請求項2】
前記通信送信機からの前記信号は、前記衝撃検出センサーが所定のレベルの衝撃を感知することでトリガーされる警報を含むことを特徴とする請求項1に記載の追跡及び管理システム。
【請求項3】
前記衝撃検出センサーは加速度計を備えていることを特徴とする請求項2に記載の追跡及び管理システム。
【請求項4】
前記衝撃検出センサーをトリガーする前記所定の衝撃レベルは、車両による前記特定のアセットが毀損する衝撃を検出するように設定されていることを特徴とする請求項2に記載の追跡及び管理システム。
【請求項5】
前記所定の衝撃レベルはX軸上に0.5G及びZ軸上に1.0Gであることを特徴とする請求項4に記載の追跡及び管理システム。
【請求項6】
前記プロセッサは低消費電力セルラーモジュールを備えていることを特徴とする請求項1に記載の追跡及び管理システム。
【請求項7】
前記通信送信機はセルラーアンテナを備えていることを特徴とする請求項6に記載の追跡及び管理システム。
【請求項8】
前記センサーモジュールはGPSロケーターを更に備えていることを特徴とする請求項1に記載の追跡及び管理システム。
【請求項9】
前記電源供給器はバッテリーを備えていることを特徴とする請求項1に記載の追跡及び管理システム。
【請求項10】
前記センサーモジュール及びその関連アセットに関する即時情報をユーザーに提供する前記センサーモジュールハウジングにあるスキャン可能な識別子を更に備えていることを特徴とする請求項1に記載の追跡及び管理システム。
【請求項11】
前記スキャン可能な識別子はQRコード(登録商標)を含むことを特徴とする請求項10に記載の追跡及び管理システム。
【請求項12】
前記通信受信機はホストサーバーを備え、前記ホストサーバーは各アセット及びそれに関連するセンサーモジュールに関する情報を保存するためのデータベースを有し、前記システムに記録されている各アセット及び関連するセンサーモジュールに関する衝撃及び管理情報を表示するダッシュボードを表示するように更に適用され、前記ダッシュボードは前記ホストサーバーに直接接続されているスクリーンまたは前記ホストサーバーにログインしていると共に適切なアプリケーションソフトウェアがインストールされている他の装置に表示可能であることを特徴とする請求項1に記載の追跡及び管理システム。
【請求項13】
追跡及び管理する各アセットに固定または関連付けたセンサーモジュールを使用して道路交通安全アセットを追跡及び管理する方法であって、
特定のアセットに固定されているセンサーモジュールからのアクティベーション信号を受信することと、
前記センサーモジュール及び前記特定のアセットをデータベースに記録し、これは前記特定のアセット、その位置、及び顧客が所有する前記特定のアセットに関連する情報を含むことと、
前記特定のアセットに対する閾値を超えた衝撃を検出したことを示す前記センサーモジュールからの警報信号を受信することと、を含むことを特徴とする、
道路交通安全アセットの追跡及び管理方法。
【請求項14】
前記警報信号を顧客の携帯端末またはコンピューター装置に更に送信することを特徴とする請求項13に記載の方法。
【請求項15】
閾値を超えた前記衝撃を検出するための加速度計を更に使用していることを特徴とする請求項13に記載の方法。
【請求項16】
ログインしたユーザーからの問い合わせに応じて複数の各アセットの状態を更に表示することを特徴とする請求項13に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
定置タイプ及び車載タイプの車両衝突減衰器及びバリケードが本技術分野ではよく知られている。米国特許出願公開第8,430,596号、第9,822,503号、及び米国特許出願公開第7,819,604号には定置タイプの車両衝突減衰システムが開示されて譲渡されており、これらの3つの特許は全て参照のためその全文を参本明細書に明示的に引用している。
【0002】
高速道路庁及び建設業者にとって、車両衝突減衰器及びバリケード、道路標識、ガードレール等に関する問題は、通常、車両の衝突が軽微であったり、或いは衝突した車両のドライバーの怠慢や障害を抱えているために通報されなかった結果、時折損害が広がることである。その結果、幾つかのこれら道路設備が損傷して保護の役割を果たせなくなり、危険な状態になっていた。特に衝突減衰器の場合、車両の衝突力を効果的に減衰できなくなり、衝撃を受けた車両の乗員が重傷を負ったり、死亡する危険があった。また、安全性が重視されない場合であっても、このような損害は道路設備の位置がずれたり、見えなくなることに繋がった。
【0003】
このような監督官庁及び建設業者にとっての他の厄介な問題は、彼らの一般道路及び高速道路システム中及び/または彼らが責任を負う様々な建設現場に、上述したタイプの多数の道路設備を有していることである。詳細な一覧表が維持されない限り、どこにそれらのアセットが設置されたか、どのタイプのアセットであるか、及び設置されたアセットが操作可能な状態であるかについての記録が信頼できなくなる可能性がある。
【0004】
このため、自動化され、記録された各アセットの状態をリアルタイムで監視可能なアセット追跡及び管理システムを有することが、高価な交通安全アセットの管理の費用対効果を高め、設置されたアセットが意図された通りの安全業務を確実に遂行するために有効であった。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明のシステム及び方法は効果的で、自動化され、効率的な交通安全アセット及び管理システムの需要に応える。前記システムは道路に沿って設置されている固定型衝突減衰器、標識、ガードレール、または他の道路設備に取り付けられる衝撃追跡装置を備えている。前記衝撃追跡装置は車載衝突減衰器と共に使用でき、例えば本願の出願人であるTrafFix Devices, Inc.からSCORPIONトラック及びトレイラー搭載型減衰器等を入手可能である。前記衝突減衰器または他のアセットが事故車両により衝突を受けると、センサーシステムを備えている前記衝撃追跡機が、前記衝撃データを感知してキャプチャすると共に警告メッセージを遠隔受信機に送信する。前記受信機はコンピューターや電話システムのような既知のデータ受信手段を備え、電子メール、テキストメッセージ、写真等をリアルタイム或いは略リアルタイムで受信できる。
【0006】
受信したデータは分析、保存、及び/または追加の受信機に再度送信され、これは前記衝撃減衰器の点検及び修理に責任を負う運輸局のような道路監督機関を含む。安全技術者は前記衝撃データを用いて事故の量、位置、及び他の情報を理解する。道路設計技術者は前記データを用いることでどの箇所の道路設計の欠陥が事故の原因になっているかを理解し、安全な道路を設計することができる。減衰器メーカーは前記データを利用して前記減衰器の検証や性能の向上を図ることができる。アセットマネージャーは前記データを用いて担当する地区の衝突減衰器の位置、識別、及び状態を記録することができる。
【0007】
本発明の前記衝撃検出及び追跡システムは、運動及び衝撃センサーに加え、実際の衝撃を記録し、且つ、前記減衰器へのニアミスも記録可能なカメラシステムを採用してもよい。衝撃を与えた車両の速度が感知され、保存され、送信される。前記カメラシステムは、事故を起こしたドライバーの損害についての責任を明確にするために、ナンバープレート識別及び記録システムを含んでもよい。
【0008】
より詳しくは、本発明の特定の態様に係る道路交通安全アセットのための追跡及び管理システムは、特定のアセットに固定可能なセンサーモジュールを備えている。前記センサーモジュールはハウジングと、プロセッサと、通信送信機と、電源供給器と、衝撃検出センサーと、を含む。前記センサーモジュールから離間している通信受信機は前記通信送信機からの信号を受信すると共に、前記センサーモジュール及びそれが固定されている前記特定のアセットに関わる識別情報を含むデータベースに前記信号に関連する情報を記録するように適用されている。前記通信受信機は前記特定のアセット及びそれに固定されている前記センサーモジュールに関わる識別情報を表示するように更に適用されている。
【0009】
前記通信送信機からの前記信号は、前記衝撃検出センサーが所定のレベルの衝撃を感知することでトリガーされる警報を含む。特定の実施形態において、前記衝撃検出センサーは加速度計を備えている。
【0010】
前記衝撃検出センサーをトリガーする前記所定の衝撃レベルは、車両による前記特定のアセットが毀損する衝撃を検出するように設定されている。特定の一実施形態において、前記所定の衝撃レベルはX軸上に0.5G及びZ軸上に1.0Gであるが、但しこれら所定のレベルは前記特定のアセットの性質、その毀損を与える衝撃に対する脆弱性、その位置、及び他の要因に基づいている。
【0011】
図示する特定の実施形態において、前記プロセッサは低消費電力セルラーモジュールを備えている。前記通信送信機はセルラーアンテナを含む。特定の実施形態において、前記センサーモジュールはGPSロケーターを更に備え、前記電源供給器はバッテリーを具備しているが、ソーラーパネルのような他の電源も使用可能である。
【0012】
スキャン可能な識別子は前記センサーモジュールのハウジングに設置され、前記センサーモジュール及びその関連アセットに関する即時情報をユーザーに提供する。図示する実施形態において、前記スキャン可能な識別子はQRコード(登録商標)を含む。
【0013】
前記通信受信機はホストサーバーを備え、前記ホストサーバーは各アセット及びそれに関連するセンサーモジュールに関する情報を保存するためのデータベースを有し、前記システムに記録されている各アセット及び関連するセンサーモジュールに関する衝撃及び管理情報を提供するダッシュボードを表示するように更に適用され、前記ダッシュボードは前記ホストサーバーに直接接続されているスクリーンまたは前記ホストサーバーにログインしていると共に適切なアプリケーションソフトウェアがインストールされている他の装置に表示可能である。
【0014】
本発明の他の態様では、追跡及び管理する各アセットに固定または関連付けたセンサーモジュールを使用して道路交通安全アセットを追跡及び管理する方法を開示している。前記方法は、特定のアセットに固定されているセンサーモジュールからのアクティベーション信号を受信することと、前記センサーモジュール及び前記特定のアセットをデータベースに記録し、これは前記特定のアセット、その位置、及び顧客が所有する前記特定のアセットに関連する情報を含むことと、前記特定のアセットに対する閾値を超えた衝撃を検出したことを示す前記センサーモジュールからの警報信号を受信することと、を含む。更なるステップでは、前記警報信号を顧客の携帯端末またはコンピューター装置に送信することを含んでもよい。加速度計は閾値を超えた前記衝撃を検出するために用いられている。前記方法はログインしたユーザーからの問い合わせに応じて複数の各アセットの状態を表示する更なるステップを提供する。
【0015】
本発明は、その付加的な特徴及び利点と共に、添付図面と併せて後述する説明を参照することで最良の理解が得られる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】本発明の原理に従って構築されたセンサーモジュールが固定されている車両衝突減衰装置の例示的な構成を示す等角図である。
図2】橋台のような固定構造物を保護するために道路に典型的な配列で設置されている図1に示す例示的な車両衝突減衰装置を示す平面図である。
図3図1及び図2に示す前記センサーモジュールを示す上面図である。
図4】前記センサーモジュールの所望される機能を実行するようにプログラムされたプロセッサボードを露出するように前記モジュールのカバーが取り外されている図3の前記センサーモジュールを示す上面図である。
図5図4の前記プロセッサボードを示す底面図である。
図6】本発明の前記システムの例示的な操作方法を示す概略図である。
図7】本発明の前記システムのユーザーインターフェースダッシュボードの例示的な形態を示す概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
図面を参照する。特に図1及び図2に示すように、フレーム構造12により制限されるようにバリアモジュール10が配置されている。図2に示すように、前記バリアモジュール10及びフレーム構造12は追加のバリアモジュール14に連結されて衝突減衰アレイ16を形成し、前記衝突減衰アレイ16はコンクリートの橋台(図示省略)のような固定構造物の前方に固定されるように位置している。
前記バリアモジュール10及び12は中空状のプラスチックで形成され、且つ水や砂のような分散可能なバラスト材料が充填されている。前記バリアモジュール10は前記フレーム構造12により制限されるように配置されているが、通常図示するタイプのアレイ16中に空の状態で保持されている。前記衝突減衰アレイ16は本発明の出願人であるカリフォルニア州サンクレメンテのTrafFix Devices,Inc.からSLEDの登録商標の下で市販されているものを購入可能である。
【0018】
衝撃追跡またはセンサーモジュール18は、図1及び図2に示すように、前記衝突減衰アレイの所望の位置に取り付けることができ、前記センサーモジュール18は前記フレーム構造12の垂直フレーム部材20に取り付けられている。取り付け位置は厳格に定められたものではなく、例えば、視認性、セルラーネットワークの信号の強さ、衝突時の直接的な衝撃からの保護等の要因の必要に応じて選択可能である。一例を挙げると、前記センサーモジュール18は前記フレーム構造12に位置している他のフレーム、または前記バリアモジュール10及び12の希望する位置に取り付け可能である。
【0019】
ちなみに、前記衝突減衰アレイ16は、定置タイプ及び車載タイプ、並びに制限しないがバリケード、チャンネライザー、標識、標識スタンド等を含む他の道路安全設備の多くの衝突減衰器を代表するものにすぎず、これらには前記センサーモジュール18を配置することができる。本願の残りの部分は、参照を分かり易くするため、「アセット」という用語は何れか及び全てのこれら交通安全設備を指すために使用している。
【0020】
図3には前記センサーモジュール18の例示的な実施形態を図示し、これはファスナーまたはマウント穴26と共に前記ハウジング22を前記アセット16の所望の位置に固定するための取り付けフランジ24を有しているプラスチックハウジング22で形成されてもよい。QRコードまたは他の適合する識別手段として図示されているスキャン可能な識別子28は、容易にアクセス可能にするように前記ハウジング22の外面に設けられている。
モバイル装置のカメラ機能を使用して前記識別子28をスキャンし、一例を挙げると、前記装置を管理するために前記ソフトウェアシステムの前記ポータル/ダッシュボード60に前記ユーザーを直接導く。好ましくは、上述したように、前記ハウジング22の車両の衝撃に対する露出を最小限に抑えるように配置し、前記ハウジング22は直接的な車両の衝撃に耐えて動作を維持するように設計されている。
【0021】
図4には前記センサーモジュールのハウジング22を図示し、ファスナー受け部32内から前記ファスナー30を取り外すことにより前記ハウジングの上部29が取り外されている。前記上ハウジング部分29が取り外されることで、前記ハウジング22内のプロセッサボード34が露見しており、これはファスナー36及びスルーホール38により取り付けられている(図5参照)。図5には、明確にするために前記ハウジング22から完全に取り外された前記プロセッサボード34の裏面を図示している。
【0022】
図示する例示的な実施形態において、前記センサーモジュール18は、モノのインターネット(IoT)に適合するように低消費電力セルラーモジュールまたは通信モジュール40を備えている。前記通信モジュール40は前記モジュール用のソフトウェア及びオペレーティングシステムを保存するための前記プロセッサとしてプログラムされるように適用されている。前記センサーモジュール18から受信装置への通信は衝撃、バッテリー寿命、及び故障のリアルタイムデータを提供するために重要であり、当然ながら、このような通信を提供する手段は、既存または将来出現するセルラーネットワーク、アクセス可能なWiFi(登録商標)、または将来知られて使用されるようになる可能性のある未知の通信ネットワークを使用するかどうかに係らず、本発明の範囲内で使用してもよい。
また、図示する例示的な実施形態において、最大3つの異なるネットワークに接続可能なSIMカードホルダー42、セルラーアンテナ44、及び加速度計46が提供され、これらは共に前記センサーモジュール18をプログラムし、衝撃、イベント、及び警報のメモリを保存し、前記センサーモジュール18及びそれが取り付けられている前記アセットに対する衝撃の強度を感知し測定する。前記ボード34の背面には、バッテリーコネクタ及びGPSアンテナ50のためのコンタクトホール48が露見している。リチウムバッテリー(図示省略)は前記モジュール18に最長5年電力を供給でき、交換も容易である。結果として、自己完結型の小型装置は、耐候性及び耐久性があり、それが取り付けられた前記アセットを毎日24時間監視し、殆どのアセットに簡単に取り付けることができ、5年のバッテリー寿命を誇る。
【0023】
前記モジュール18には、前記装置の電源を直接オンまたはオフにするために、前記ハウジング内に保護するように手動オン/オフスイッチがある。野外で前記装置をオンにすると、前記装置の前記GPSロケーターが起動してGPSロケーションを取得する。前記ソフトウェアダッシュボードでは、管理されている特定の装置では失われた可能性のあるGPS情報を調整するための再調整制御アイコンを取得できる。
【0024】
図6は本発明の例示的な実施形態に係るアセット監視システム52の動作を示す簡単な概略図である。前記システム52は上述した前記センサーモジュール18を備え、セルラーネットワークのような好適な通信ネットワーク54にアクセスして送受信通信を行うための前記通信プロセッサ40を含む。前記センサーモジュール18からの信号は、前記ネットワーク54を経由し、ホストサーバー56及び/または直接或いは前記ホストサーバー56を介して携帯電話やコンピューター等のユーザーの通信装置58に送信される。前記警報信号は衝撃を受けたアセットの正確な位置と共に、同時に多数のモバイル装置及びデスクトップ装置に送信される。
【0025】
図7は前記システム52により管理されたアセットを表示するためのダッシュボード60の例示的な形態を示す簡単な概略図である。前記ダッシュボード60は表示スクリーン部分62を有し、一例を挙げると、動作中及び/または停止中のアセットの位置を表示する地図、選択したアセット及びセンサー装置またはモジュール18の情報、警報、及び顧客情報を含む。
【0026】
操作においては、例示的なモードでは、本発明の前記衝撃追跡機システムは、衝撃緩衝具、標識、ガードレール、及び他の道路設備のような特定の道路アセットに対する車両による衝撃または他の重要なイベントについて、特定の道路アセットに責任を負う関係者に即時通知するようにプログラム及び設計されている。一例を挙げると、作動中のセンサーモジュール18が取り付けられている前記アセットに対する車両による衝撃は、前記加速度計または他の適用可能なセンサーが前記衝撃が所定の閾値を超えて前記アセットを明確に毀損したかどうかを判定する。特定の一実施形態において、これら所定の閾値はX軸上に0.5G及びZ軸上に1.0Gであるが、当然ながら、これら所定の閾値は前記アセットの性質及びその毀損する衝撃に対する脆弱性に基づいて調整される。
【0027】
このような閾値の衝撃が検出された場合、前記センサーモジュール18の前記通信システムが作動し、前記通信システム54を介して前記ホストサーバー56に警告が送信され、そこで記録され、指定ユーザー58に送信される。図6に示すように、幾つかの実施形態において、前記警告は前記指定ユーザー58に直接送信される。前記警告は電子メール、テキストメッセージ、或いは他の適切な手段の形式であってもよい。
前記ダッシュボード60は前記ホストサーバー56に接続されているディスプレイに所望の形式で表示され、ユーザーインターフェース58には前記警告、感知された衝撃の性質及び規模、及び関連する前記アセットの位置が地図上に住所または他の好適な形式で表示される。衝撃が記録された後、前記アセットが物理的に、または前記ソフトウェアデータベースにアップロードされた前記装置の写真により検査され、ソフトウェアのユーザーにより閲覧され、効果的に機能しているか、それとも交換や修理が必要であるかどうか判断される。修理や交換が必要な場合、前記ソフトウェアデータベースの前記アセットの状態が更新され、一例を挙げると、赤色で表示する。一旦修理や交換が行われると、前記状態が再度緑色に更新される。
【0028】
特定のアセットにセンサーモジュール18が取り付けられ、且つ前記アセットが使用開始されると、前記センサーモジュール18が作動することで初期化ルーチンが開始され、前記モジュール18が利用可能なローカルの通信ネットワークに接続される間に、GPS信号を検索してその位置を記録し前記ホストサーバー56の前記ダッシュボード60に初期化メッセージを送信する。この際、前記ホストサーバー56の前記アセット管理システムは前記アセット及び前記センサーモジュール18を前記システムに作動中と記録する。次いで、前記センサーモジュール18は、トリガーする衝撃が感知されるまでスリープモードに移行する。
前記センサーモジュール18にプログラムされた他の機能は、定期的な信号を前記ホストサーバーに送信して未だオンライン中であることとバッテリーの強度とを指示し、定期的な自動化された問い合わせ、またはこれらが手動で行われ、前記サーバーから受信したその状態に対する問い合わせに返答することを含む。前記モジュール18がその関連アセットと共に取り付けられると、取り付けた者が写真をアップロードすることで、前記ホストサーバーの前記データベースに保存される。幾つかの実施形態において、前記写真のアップロードは前記システム中の前記アセットを作動させ、前記写真は後に前記アセットの性質を視覚的に識別して警報を作動させるために利用される。
【0029】
まれに前記システムにより誤った衝撃が検出される。誤った衝撃の原因は、道路の振動、地震、天候条件、或いは前記センサーモジュール18の不適切な取り付け等によるものである。外観検査により不適切または緩い取り付けを確認し、前記センサーモジュール18を再度確実に取り付けるように促す。然しながら、前記アセットが建設作業現場や日常的に激しい振動が発生する場所に設置されている場合、前記加速度計の感度を適切に調節するために前記ソフトウェアユーザーインターフェースの前記アセットページのスライダーを使用し、この場合はその感度を下げる。他の例では、好ましくは遠隔から前記アセットの感度を上げることが特定の応用にとって最適な場合もある。前記スライダーは低(最低感度)及び高(最高感度)の間に設定可能であり、最も一般的な応用では中間に設定することが推奨される。
【0030】
本発明のシステムはセンサーモジュール18を1つのアセットから異なるアセットに配置換えすることも可能である。幾つかの例において、前記システムから動作しなくなった古いアセットを取り外し、新しいアセットを取り付けた後に前記モジュールを再起動する。他のケースでは、アセット履歴、写真、ノート等を保持するために前記データベースに前記アセットをアーカイブしてもよい。
【0031】
本発明の特定の実施形態において、前記センサーモジュール18及び関連する部材で構成されるハードウェアが顧客に販売され、前記アセット管理システムはSaaS(Software-As-A-Service(SAAS))として定期購入料を支払うことで取得可能であり、前記ソフトウェアは前記ホストサーバーにホストされると共に維持され、且つ既成のアカウント及びログイン認証情報を介して前記顧客がアクセスできる。当然ながら、他の方法では、希望すれば、ライセンスされたダウンロード可能なアセット管理ソフトウェアを取得することもできる。
上述したように、ソフトウェアアプリケーションがユーザーの携帯電話やコンピューターにダウンロードされ、警報及び他のアセット管理情報にリアルタイムでアクセス可能である。機能性として、これらソフトウェアアプリケーションにより前記顧客が特定のアセットを作動状態と停止状態との間で切り替え可能にすることを含む。
【0032】
本発明のアセット管理システムは、衝撃追跡以上のことが可能である。これはシンプルなアセット管理ツールとしても便利であり、配置されている及び保管場所にある様々な種類のアセットの状態、及びそれらの状況を含む作動中及び停止中のアセットのデータベースの記録及び保守を行える。希望すれば、財務会計モジュールを前記アセット管理ソフトウェアに組み入れて前記顧客にユニット毎にサブスクリプション料金を請求するためにも利用でき、或いは、前記顧客が自分の顧客に対し配置したアセットの料金を請求するためにも利用できる。
前記システムは各アセット及び関連モジュールの定期的なヘルスチェックを行うようにプログラムすることもでき、例えば1日1回行ったり、前記モジュールへpingを実行して応答を確認したり、或いはテキストまたは電子メールで信号を送信することで前記モジュールを自動的に「チックイン」を行うようにプログラムすることもでき、一例を挙げると、指定の受信機に希望のスケジュールで送信する。事前に設定したスケジュールでヘルスチェック信号を受信しなかった場合、通信が途絶したか、バッテリーが少ないか、または未検出の衝撃と関連する毀損があり、前記モジュールがヘルスチェックを行えなくなる等の何か他の原因があるか等、前記アセットの状態を評価する。
【0033】
本発明のアセット追跡及び管理システムは、前記ユーザーのコンピューターまたはモバイル装置からのあらゆるアセットの設置日、メーカーの製造及びモデル、サイト位置、設置者の情報及びノート、並びに衝撃及び検査履歴を追跡及び記録可能である。
【0034】
図示する実施形態ではカメラを組み込んではいないが、本発明の範囲内には1つまたはそれ以上のカメラを前記モジュール18に取り付けるかまたは関連付けることも含まれており、これによりコマンドまたは前記モジュール18により感知された閾値衝撃信号に対する応答により、設置を視覚的に監視するように操作及びプログラム可能である。この場合、警報の後に作業者を現場に派遣して前記アセットの検査を行う必要がない場合もあるが、但好ましくは、前記モジュール18により自動的にアップロードされた写真、或いは前記衝撃を受けた後に前記モジュールに送信されたコマンドにより生成された写真を検査することで損害を評価する。
【0035】
本発明のシステムの前記ソフトウェア/データベース端は、特定の応用において、マルチテナントシステムとして設計され、前記テナントは前記ソフトウェア及びデータベースを前記ホストサーバーに維持し、且つ購入者またはソフトウェアライセンスを受けた者をサブテナントとする。前記サブテナントは警報を監視し、彼らのアセットからの警告に対し管理及び応答する責任を負う。
【0036】
本明細書に開示された実施例は、本発明を限定するものではなく、説明するためのものであり、このような実施例によって本発明の思想と範囲が限定されるものではない。本発明の範囲は特許請求の範囲により解釈すべきであり、それと同等の範囲内にある全ての技術は、本発明の権利範囲に含まれるものと解釈すべきである。
【符号の説明】
【0037】
10 バリアモジュール
12 バリアモジュール
12 フレーム構造
16 衝突減衰アレイ
16 アセット
18 センサーモジュール
20 垂直フレーム部材
22 プラスチックハウジング
24 フランジ
26 ファスナーまたはマウント穴
28 識別子
29 上ハウジング部分
30 ファスナー
32 ファスナー受け部
34 ボード
36 ファスナー
38 スルーホール
40 通信モジュール
40 通信プロセッサ
42 SIMカードホルダー
44 セルラーアンテナ
46 加速度計
48 コンタクトホール
50 GPSアンテナ
52 本発明のアセット監視システム
54 通信ネットワーク
56 ホストサーバー
58 通信装置
58 指定ユーザー
60 ダッシュボード
62 表示スクリーン部分
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
【国際調査報告】