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特表2023-505191デュアルパワーキャビティ内切断ステープラー
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-02-08
(54)【発明の名称】デュアルパワーキャビティ内切断ステープラー
(51)【国際特許分類】
   A61B 17/072 20060101AFI20230201BHJP
【FI】
A61B17/072
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022533346
(86)(22)【出願日】2020-06-23
(85)【翻訳文提出日】2022-06-02
(86)【国際出願番号】 CN2020097597
(87)【国際公開番号】W WO2021109547
(87)【国際公開日】2021-06-10
(31)【優先権主張番号】201911237029.0
(32)【優先日】2019-12-05
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(31)【優先権主張番号】201922177671.6
(32)【優先日】2019-12-05
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】522219696
【氏名又は名称】シャンドン ウェレイ サージカル プロダクツ カンパニー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100130513
【弁理士】
【氏名又は名称】鎌田 直也
(74)【代理人】
【識別番号】100074206
【弁理士】
【氏名又は名称】鎌田 文二
(74)【代理人】
【識別番号】100130177
【弁理士】
【氏名又は名称】中谷 弥一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100161746
【弁理士】
【氏名又は名称】地代 信幸
(72)【発明者】
【氏名】ヤオ ダチアン
(72)【発明者】
【氏名】ゾウ ホン
(72)【発明者】
【氏名】ジュ ドンドン
(72)【発明者】
【氏名】ユ ユアンビン
(72)【発明者】
【氏名】シア ユボ
【テーマコード(参考)】
4C160
【Fターム(参考)】
4C160CC09
4C160CC23
4C160MM32
4C160NN02
4C160NN03
4C160NN09
4C160NN10
4C160NN14
(57)【要約】
本出願はデュアルパワーキャビティ内切断ステープラーを開示している。ラック接続ブロック(2)は駆動ラック(1)の遠位端に摺動可能に接続されており、ラック(1)に対して一定の範囲内で相対的に摺動でき、駆動ラック(1)はラック接続ブロック(2)を同期移動させるように駆動でき、ラック接続ブロック(2)の遠位端は押し棒(5)に取り外し可能に接続され、押し棒(5)の遠位端は切断ユニット(6)に接続でき、ラック接続ブロック(2)と押し棒(5)とは同期移動し、手動クローズハンドル(3)はハンドル接続軸(31)により本体に回動可能に接続され、手動クローズハンドル(3)は本体に対して回動でき、手動クローズハンドル(3)が回動すると、ラック接続ブロック(2)を駆動ラック(1)に対して移動させることができる。使用する場合、作業員は手動クローズハンドル(3)を操作、し、ラック接続ブロック(2)を駆動ラック(1)に対して単独で移動させ、手動クローズハンドル(3)を握り締め及び緩めることで、ジョーの閉じ及び開きを実現し、閉じ力が直接的に手動クローズハンドル(3)にフィードバックされ、触覚フィードバックを提供し、切断ユニット(6)に対する適切な選択に指導を提供する。
【選択図】図2A
【特許請求の範囲】
【請求項1】
駆動装置(4)により並進移動するように駆動される駆動ラック(1)と、
前記駆動ラック(1)の遠位端に摺動可能に接続されるラック接続ブロック(2)であって、前記ラック接続ブロック(2)の遠位端が押し棒(5)に取り外し可能に接続され、前記押し棒(5)の遠位端が切断ユニット(6)に接続されるラック接続ブロック(2)と、
ハンドル接続軸(31)により本体に回動可能に接続される手動クローズハンドル(3)であって、前記手動クローズハンドル(3)が回動すると、前記ラック接続ブロック(2)を前記駆動ラック(1)に対して移動させる手動クローズハンドル(3)と、を含むことを特徴とするデュアルパワーキャビティ内切断ステープラー。
【請求項2】
前記ラック接続ブロック(2)の近位端にはT字状接続ブロック(21)が突出配置されており、前記T字状接続ブロック(21)は前記駆動ラック(1)の空胴内に挿入されることを特徴とする請求項1に記載のデュアルパワーキャビティ内切断ステープラー。
【請求項3】
前記ラック接続ブロック(2)には、長さ方向で底部開口が設けられた凹溝が配置され、前記手動クローズハンドル(3)の上部にはラチェット爪(33)が回動可能に配置され、前記ラチェット爪(33)は前記ラック接続ブロック(2)の凹溝内に入り込み可能になっており、前記手動クローズハンドル(3)が閉じると、前記ラチェット爪(33)は前記ラック接続ブロック(2)を遠位端に移動させるように駆動することを特徴とする請求項1に記載のデュアルパワーキャビティ内切断ステープラー。
【請求項4】
前記手動クローズハンドル(3)は滑りキー(34)をさらに含み、前記手動クローズハンドル(3)が開くと、前記滑りキー(34)は前記ラック接続ブロック(2)を近位端に向かって移動させるように駆動することを特徴とする請求項3に記載のデュアルパワーキャビティ内切断ステープラー。
【請求項5】
前記滑りキー(34)は滑りキー本体(341)を含み、前記滑りキー本体(341)の先端には逃げ爪(343)がヒンジ連結され、前記逃げ爪(343)は近位端側のみに往復回動できることを特徴とする請求項4に記載のデュアルパワーキャビティ内切断ステープラー。
【請求項6】
前記ラチェット爪(33)には逃げ孔が設けられ、前記逃げ爪(343)は前記逃げ孔から上に張り出し可能であり、
前記ラチェット爪(33)の回転軸には、前記ラチェット爪(33)を前記ラック接続ブロック(2)に押し付ける捩りバネが設けられ、
前記ハンドル接続軸(31)には捩りバネが設けられることで、前記手動クローズハンドル(3)に開く傾向を持たせることを特徴とする請求項5に記載のデュアルパワーキャビティ内切断ステープラー。
【請求項7】
前記滑りキー本体(341)の先端の内室にはバネピン(344)が摺動可能に配置されており、前記バネピン(344) は、前記滑りキー本体(341)内に設けられた圧縮バネ(345)によって、初期状態に保持されることを特徴とする請求項6に記載のデュアルパワーキャビティ内切断ステープラー。
【請求項8】
前記滑りキー本体(341)は前記手動クローズハンドル(3)内に摺動でき、前記滑りキー本体(341)の底端にはリフトスプリング(342)が設けられ、
前記手動クローズハンドル(3)内に摺動可能に配置されるクローズロッキングピン(32)をさらに含み、前記クローズロッキングピン(32)は、摺動方向が前記手動クローズハンドル(3)の回動面に垂直しており、前記滑りキー本体(341)を下に移動させるように駆動することを特徴とする請求項7に記載のデュアルパワーキャビティ内切断ステープラー。
【請求項9】
前記押し棒(5)は前記切断ユニット(6)におけるクローズロッド(61)を移動させるように駆動可能であり、前記クローズロッド(61)は遠位端に向かって移動して、マガジン(62)の楔状面に押し付けられることで、前記マガジン(62)を閉じることを特徴とする請求項1~8の何れか1項に記載のデュアルパワーキャビティ内切断ステープラー。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は2019年12月5日にて中国特許庁に提出され、出願番号が201911237029.0であり、発明名称が「デュアルパワーキャビティ内切断ステープラー」であり、及び2019年12月5日にて中国特許庁に提出され、出願番号が201922177671.6であり、発明名称が「デュアルパワーキャビティ内切断ステープラー」である中国特許出願の優先権を主張し、その全ての内容は援用されることで、本出願に結合される。
【0002】
本発明は医療器械の技術分野に関して、さらに、デュアルパワーキャビティ内切断ステープラーに関している。
【背景技術】
【0003】
ステープラーは医学において、手動縫合の代わりとしての機器であり、その主な動作原理はチタン製ステープルによって、組織に対して切り離し又は接合を行って、紙綴器に類似する。キャビティ内切断ステープラーはオープン又は低侵襲の一般外科、産婦人科、泌尿器科、胸部外科及び小児科の手術に大幅に適用されている。
【0004】
現在、キャビティ内切断ステープラーの駆動形態は主に、電動及び人力手動という2つの形態を有し、手動ステープラーの開閉は何れも手動で行っており、操作過程は煩瑣であり、厚い人体組織を切断する場合、把持力が大きいため、手振れという状況がさらに存在し、均一且つ安定な切断効果を実現できず、電動キャビティ内切断ステープラーは電力により駆動され、電動キャビティ内切断ステープラーの切断ユニットにおけるジョーの閉じ、開き、及び切断ブレードの前進、後退は何れも電力により駆動され、操作ステップを簡略化し、操作が簡単且つ省力であり、切断速度が均一であり、ステープルの成形が安定である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
電動ステープラーには閉じ力フィードバック指示が配置されるが、切断過程で、肉眼で切断状況を観察し、又は器械の指示スクリーンにより切断力を判定するしかなく、人体に触覚フィードバックを提供できず、医者の、適切な閉じ高さを有する切断ユニットに対する選択に、直観的なフィードバックを提供できない。
【0006】
触覚フィードバックを提供できる切断ステープラーを如何に設計するかということは、当業者にとって、解决しようとする技術問題である。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、手動クローズハンドルによって、ラック接続ブロックを移動させるように単独で駆動でき、作業員に触覚フィードバックを提供するデュアルパワーキャビティ内切断ステープラーを提供し、具体的な技術案は以下の通り、
デュアルパワーキャビティ内切断ステープラーであって、
駆動装置により並進移動するように駆動される駆動ラックと、
前記駆動ラックの遠位端に摺動可能に接続されるラック接続ブロックであって、前記ラック接続ブロックの遠位端が押し棒に取り外し可能に接続され、前記押し棒の遠位端が切断ユニットに接続されるラック接続ブロックと、
ハンドル接続軸により本体に回動可能に接続される手動クローズハンドルであって、前記手動クローズハンドルが回動すると、前記ラック接続ブロックを前記駆動ラックに対して移動させる手動クローズハンドルと、を含む。
【0008】
好ましくは、前記ラック接続ブロックの近位端にはT字状接続ブロックが突出配置され、前記T字状接続ブロックは前記駆動ラックの空胴内に挿入される。
【0009】
好ましくは、前記ラック接続ブロックには、長さ方向で底部開口が設けられた凹溝が配置され、前記手動クローズハンドルの上部にはラチェット爪が回動可能に配置され、前記ラチェット爪は前記ラック接続ブロックの凹溝内に入り込み可能になっており、前記手動クローズハンドルが閉じると、前記ラチェット爪は前記ラック接続ブロックを遠位端に移動させるように駆動する。
【0010】
好ましくは、前記手動クローズハンドルは滑りキーをさらに含み、前記手動クローズハンドルが開くと、前記滑りキーは前記ラック接続ブロックを近位端に向かって移動させるように駆動する。
【0011】
好ましくは、前記滑りキーは滑りキー本体を含み、前記滑りキー本体の先端には逃げ爪がヒンジ連結され、前記逃げ爪は近位端側のみに往復回動できる。
【0012】
好ましくは、前記ラチェット爪には逃げ孔が設けられ、前記逃げ爪は前記逃げ孔から上に張り出し可能であり、
前記ラチェット爪の回転軸には、前記ラチェット爪を前記ラック接続ブロックに押し付ける捩りバネが設けられ、
前記ハンドル接続軸には捩りバネが設けられることで、前記手動クローズハンドルに開く傾向を持たせる。
【0013】
好ましくは、前記滑りキー本体の先端の内室にはバネピンが摺動可能に配置され、前記バネピンは、前記滑りキー本体内に設けられた圧縮バネによって、初期状態に保持される。
【0014】
好ましくは、前記滑りキー本体は前記手動クローズハンドル内に摺動でき、前記滑りキー本体の底端にはリフトスプリングが設けられ、
前記手動クローズハンドル内に摺動可能に配置されるクローズロッキングピンをさらに含み、前記クローズロッキングピンは、摺動方向が前記手動クローズハンドルの回動面に垂直しており、前記滑りキー本体を下に移動させるように駆動する。
【0015】
好ましくは、前記押し棒は前記切断ユニットのクローズロッドを移動させるように駆動可能であり、前記クローズロッドは遠位端に移動して、マガジンの楔状面に押し付けられることで、前記マガジンを閉じる。
【0016】
本発明はデュアルパワーキャビティ内切断ステープラーを提供し、駆動ラックは駆動装置により並進移動され、ラック接続ブロックは駆動ラックの遠位端に摺動可能に接続され、ラック接続ブロックはラックに対して一定の範囲内で相対摺動でき、駆動ラックはラック接続ブロックを同期移動させるように駆動でき、ラック接続ブロックの遠位端は押し棒に取り外し可能に接続され、押し棒の遠位端は切断ユニットに接続され、ラック接続ブロックと押し棒とは同期移動し、手動クローズハンドルはハンドル接続軸により本体に回動可能に接続され、手動クローズハンドルは本体に対して回動でき、手動クローズハンドルが回動すると、ラック接続ブロックを駆動ラックに対して移動させることができ、使用する場合、作業員は手動クローズハンドルを操作し、ラック接続ブロックを駆動ラックに対して単独で移動させ、手動クローズハンドルを握り締め及び緩めることで、ジョーの閉じ及び開きを実現しており、閉じ力は直接的に手動クローズハンドルにフィードバックされ、触覚フィードバックを提供し、切断ユニットに対する適切な選択に指導を提供する。
【図面の簡単な説明】
【0017】
本発明の実施例又は従来技術の技術案をより明らかに説明するために、以下は実施例又は従来技術の記載の必要な図面を簡単に紹介し、明らかに、以下の記載の図面はただ本発明のいくつかの実施例であり、当業者にとって、進歩性に値する労働をしない前提、これらの図面に基づき、他の図面を取得できる。
図1】本発明のデュアルパワーキャビティ内切断ステープラーの全体外観図である。
図2A】本体部分の内部構成模式図である。
図2B】手動クローズハンドルの構成模式図である。
図2C】ラック接続ブロックと駆動ラックとが互いに係合する局所構成図である。
図2D】ラック接続ブロックと駆動ラックの第2の実施例の分解図である。
図2E】ラック接続ブロックと駆動ラックの第2の実施例の斜視図である。
図3A】滑りキーの全体構成図である。
図3B】滑りキーの分解図である。
図3C】滑りキーの2つの移動状態の図である。
図4A】ラチェット爪、滑りキー及びクローズロッキングピンが互いに係合する斜視図である。
図4B】手動クローズハンドルの断面構成図である。
図4C】クローズロッキングピンが位置制限される構成模式図である。
図5A】ステープラー本体と切断ユニットとを互いに組み合わせた際の切断ユニットの開き状態の構成図である。
図5B図5Aに対応する状態のステープラー本体の局所構成図である。
図5C図5Aに対応する状態の切断ユニットの局所構成図である。
図6A】ステープラー本体と切断ユニットとを互いに組み合わせた際の切断ユニットの閉じ状態の構成図である。
図6B図6Aに対応する状態のステープラー本体の局所構成図である。
図6C図6Aに対応する状態の切断ユニットの局所構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
本発明は、手動クローズハンドルによって、ラック接続ブロックを移動させるように単独で駆動でき、作業員に触覚フィードバックを提供するデュアルパワーキャビティ内切断ステープラーを提供することを、中心とする。
【0019】
当業者が本発明の技術案をよりよく理解するために、以下は図面及び具体的な実施形態を結合し、本発明のデュアルパワーキャビティ内切断ステープラーを詳しく紹介及び説明する。
【0020】
図1に示すように、本発明のデュアルパワーキャビティ内切断ステープラーの全体外観図であり、ステープラー本体及び交換可能な切断ユニットを含み、図2Aは本体部分の内部構成模式図であり、駆動ラック1、ラック接続ブロック2、手動クローズハンドル3などの構成を含み、駆動ラック1は駆動装置4により並進移動され、駆動ラック1及び駆動装置4はそれぞれ本体内に装着され、駆動装置4については減速モータなどの形態を採用し、駆動ラック1と駆動装置4との間は歯車によって駆動力を伝達し、駆動ラック1は、本体内部に設けられるスライドレールにより案内され、駆動装置4によって駆動ラック1は自体の長さ方向に沿って往復摺動できる。減速モータの伝達比が巨大であるため、遊星歯車減速機構の伝達比が400以上に達し、減速モータの内部抵抗が大きく、通電していない場合、減速モータの出力端歯車は内部抵抗により完全にロックされると見なされてもよく、この場合、駆動ラック1も動力部材の伝達歯車と噛合することで、ロックされる。
【0021】
ラック接続ブロック2は駆動ラック1の遠位端に摺動可能に接続され、ラック接続ブロック2は駆動ラック1に対して一定の範囲内で往復摺動でき、ラック接続ブロック2の移動方向と駆動ラック1の移動方向とは同様であり、ラック接続ブロック2の遠位端は押し棒5に取り外し可能に接続され、押し棒5の遠位端には切断ユニット6が設けられ、押し棒5が移動すると、切断ユニット6を駆動する。
【0022】
医療機器業界において、器械を正確に把握し、把握部位に近接する一端を近位端と呼び、相応的に、把握部位から離れた一端を遠位端と呼ぶ。図1の右側は近位端であり、左側は遠位端である。
【0023】
図2Bに示すように、手動クローズハンドル3の構成模式図であり、手動クローズハンドル3はハンドル接続軸31によってステープラー本体に回動可能に接続され、手動クローズハンドル3はハンドル接続軸31周りに回動し、ステープラー本体に対して往復揺動することができる。手動クローズハンドル3の先端はラック接続ブロック2と接触でき、手動クローズハンドル3は回動すると、ラック接続ブロック2を駆動ラック1に対して移動させる。
【0024】
使用する場合、作業員は手動クローズハンドルを操作し、ラック接続ブロックを駆動ラックに対して単独で移動させ、手動クローズハンドルを握り締め及び緩めることで、ジョーの閉じ及び開きを実現し、切断ユニットを閉じる必要がある場合、手動クローズハンドル3の底端を本体に近接させ、切断ユニットを緩める場合、手動クローズハンドル3の底端を本体から離す。ラック接続ブロック2の移動範囲内で、切断ユニットの開き・閉じと手動クローズハンドル3の回動とは同期化されたまま維持され、閉じ力は直接的に手動クローズハンドルにフィードバックされ、触覚フィードバックを提供し、切断ユニットに対する適切な選択に指導を提供する。
【0025】
切断ユニットのマガジンの閉じ過程で、クランプされた組織の厚さが異なると、手動クローズハンドル3が受けた抵抗が異なり、当該抵抗の大きさは、クランプされた組織の厚さを直観的に表現している。実例において、当該推力値は約50~250Nであり、当該範囲内で、切断ユニットの選択が組織の閉じ厚さに適するとみなされる。
【0026】
図2Cに示すように、ラック接続ブロック2と駆動ラック1とが互いに係合する局所構成図であり、ラック接続ブロック2の近位端にはT字状接続ブロック21が突出配置され、T字状接続ブロック21の最も末端には位置制限の作用を果たす膨大な構成が設けられ、駆動ラック1の遠位端には空胴が設けられ、空胴の開口サイズが内部のサイズより小さく、空胴の長さ方向が駆動ラック1の長さ方向と同じであり、T字状接続ブロック21は駆動ラック1の空胴内に挿入され、駆動ラック1の膨張部分は当該空胴内に入り込むことができ、ラック接続ブロック2の移動範囲は、T字状接続ブロック21と駆動ラック1の遠位端の空胴との係合によって、决定される。
【0027】
以上の構成は、本発明が提供する好適な技術案であり、図2D及び図2Eに示すように、それぞれはラック接続ブロックと駆動ラックの第2の実施例の分解図、及び斜視図であり、ラック接続ブロック2の一端には突起が設けられ、突起には腰状孔が開けられ、腰状孔の長さ方向はラック接続ブロック2の長さ方向と一致し、駆動ラック1の一端には切り欠きが設けられ、ラック接続ブロック2の端部の突起は駆動ラック1に挿入され、駆動ラック1には接続ピンが挿着され、接続ピンは腰状孔内に挿入され、駆動ラック1とラック接続ブロック2とを可動に接続し、腰状孔によって、ラック接続ブロック2の摺動範囲を限定し、従って、ラック接続ブロック2及び駆動ラック1は摺動接続の駆動形態を採用すれば、何れも本発明の保護範囲に該当すべきである。
【0028】
ラック接続ブロック2には、長さ方向で底部開口が設けられた凹溝が配置され、手動クローズハンドル3の先端は当該凹溝内に入り込んで、ラック接続ブロック2と係合し、具体的に、手動クローズハンドル3の上部にはラチェット爪33が回動可能に配置され、ラチェット爪33の回転軸が近位端にあり、ラチェット爪33の遠位端が可動であり、ラチェット爪33はラック接続ブロック2の凹溝内に入り込むことができ、手動クローズハンドル3が閉じる場合、ラチェット爪33はラック接続ブロック2を遠位端に移動させるように駆動する。図2Cに示すように、手動クローズハンドル3が閉じると、手動クローズハンドル3の底端は右に移動し、手動クローズハンドル3の先端は左に移動し、ラチェット爪33の可動端はラック接続ブロック2を遠位端に向かって移動させるように駆動する。
【0029】
本発明の手動クローズハンドル3は滑りキー34をさらに含み、手動クローズハンドル3が開くと、滑りキー34はラック接続ブロック2を近位端に向かって移動させるように駆動し、手動クローズハンドル3が閉じると、ラチェット爪33によってラック接続ブロック2を動かし、手動クローズハンドル3が開くと、滑りキー34によってラック接続ブロック2を動かす。
【0030】
図3A図3Cに示すように、それぞれ滑りキー34の全体構成図、分解図及び2つの移動状態図であり、具体的に、滑りキー34は滑りキー本体341を含み、滑りキー本体341の先端には逃げ爪343がヒンジ連結され、逃げ爪343は近位端側のみに往復回動し、正常な状態で、逃げ爪343の長さ方向と滑りキー本体341の長さ方向とは略共線であり、図3Cに示すように、手動クローズハンドル3を開けている場合、滑りキー34は手動クローズハンドル3に連れて右に移動し、ラック接続ブロック2は逃げ爪343に左向きの作用力を付与するが、逃げ爪343は阻止され、左に移動できず、これによって、ラック接続ブロック2を近位端に移動させるように駆動し、切断ユニット6を退避させる。
【0031】
図4Aに示すように、ラチェット爪33、滑りキー34及びクローズロッキングピン32が互いに係合する斜視図であり、ラチェット爪33には逃げ孔が設けられ、逃げ爪343は逃げ孔から上に張り出すことができ、ラチェット爪33の回転軸には捩りバネが設けられることで、ラチェット爪33に上向きに回動する傾向を持たせており、ラチェット爪33が常にラック接続ブロック2に押圧され、ハンドル接続軸31には捩りバネが設けられることで、手動クローズハンドル3に開く傾向を持たせており、閉じる必要がある場合、指が手動クローズハンドル3を握り締め、緩める場合、指が弛んで、手動クローズハンドル3は弾力作用で自動に開く。
【0032】
図4Bに示すように、手動クローズハンドル3の断面構成図であり、滑りキー本体341の先端内室にはバネピン344が摺動可能に配置され、バネピン344は滑りキー本体341内に摺動し、摺動方向は滑りキー本体341の長さ方向と一致し、滑りキー本体341に設けられる圧縮バネ345によって、バネピン344は初期状態に保持され、つまり、圧縮バネ345はバネピン344に上向きの弾力を付与することで、バネピン344が上に移動する傾向を有し、これによって、逃げ爪343にしっかり当接され、逃げ爪343は延伸状態に保持され、逃げ爪343は図3Cの右側に回動したあと、依然として原位置に回復できる。
【0033】
図4Bに示すように、滑りキー本体341は手動クローズハンドル3内で摺動でき、滑りキー本体341の底端にはリフトスプリング342が設けられ、リフトスプリング342によって、滑りキー本体341に上向きの弾力を付与することで、逃げ爪343を上に露出させる。
【0034】
手動クローズハンドル3内に摺動可能に配置されるクローズロッキングピン32をさらに含み、クローズロッキングピン32は手動クローズハンドル3内の案内溝に往復摺動でき、クローズロッキングピン32の摺動方向は手動クローズハンドル3の回動面に垂直し、図4Aに示すように、クローズロッキングピン32は図面の矢印の方向に沿って往復移動でき、クローズロッキングピン32は滑りキー本体341を下に移動させるように駆動し、クローズロッキングピン32を右から左へ押す場合、クローズロッキングピン32は滑りキー本体341を下に移動させるように駆動することで、リフトスプリング342を圧縮させ、クローズロッキングピン32を左から右へ逆方向で押す場合、リフトスプリング342の弾力によって滑りキー本体341は上に移動し、その同時、手動クローズハンドル3はねじりの弾力によって自動に開く。
【0035】
具体的に、図3Bに示すように、滑りキー本体341の側壁には突起が設けられ、突起には斜面が設けられ、クローズロッキングピン32は横方向に移動してハウジング本体のハウジング内側に設けられる位置付け凹溝に挿入された後、ロックされ、滑りキー本体341を下に移動させるように駆動し、滑りキー本体341はリフトスプリング342を圧縮し、逃げ爪343を退避させ、この場合、ハウジングの位置付け凹溝によりロックされ、ハンドル全体は逆方向に開くことができず、図4Cに示すように、クローズロッキングピン32が位置制限される構成模式図であり、これによって、切断ユニット6が原位置に保持される。
【0036】
上記何れか1つの技術案及びその相互の組み合わせに基づき、押し棒5の遠位端は切断ユニット6に取り外し可能に接続され、図5A及び図6Aに示すように、それぞれステープラー本体と切断ユニットとを互いに組み合わせた際の切断ユニットの開き状態及び閉じ状態の構成図であり、図5B及び図5Cはそれぞれ、図5Aに対応する状態のステープラー本体の局所構成図及び切断ユニットの局所構成図であり、図6B及び図6Cはそれぞれ図6Aに対応する状態のステープラー本体の局所構成図、及び切断ユニットの局部構成図である。
【0037】
マガジン62は回転軸によってヒンジ連結されており、マガジン62に弾力片が設けられたことで、マガジン62を開き状態に保持でき、押し棒5が横方向に移動する場合、切断ユニット6のクローズロッド61を移動させ、クローズロッド61の遠位端には押圧片Yが設けられており、クローズロッド61が遠位端に向かって移動すると、マガジン62の楔状面Xに押し付けられることで、マガジン62を閉じる。
【0038】
本発明のデュアルパワーキャビティ内切断ステープラーは、通電していない状態で、切断ユニットによって閉じ・開き動作を手動で操作し、閉じ・開きの力は何れも直観的に手動クローズハンドル3に表現され、通常の電動ステープラーのクランプ力が直観的でないという問題を効果的に解决する。電力駆動を必要とする場合、モータにより、駆動ラック1を横方向に移動させ、駆動ラック1もラック接続ブロック2を移動させることができ、これによって、デュアルパワー駆動を実現する。
【0039】
開示された実施例に対する上記説明によって、当業者は本発明を実現又は使用できる。これらの実施例に対する多種の補正は当業者にとって自明であり、本明細書に定義された一般的な原理は、本発明の精神又は範囲から逸脱しない場合、他の実施例で実現されることができる。従って、本発明は本明細書に記載のこれらの実施例に限定されず、本明細書が開示した原理及び新規性特点と一致する最も幅広い範囲に合う。
【符号の説明】
【0040】
1 ・・・駆動ラック
2 ・・・ラック接続ブロック
21 ・・・T字状接続ブロック
3 ・・・手動クローズハンドル
31 ・・・ハンドル接続軸
32 ・・・クローズロッキングピン
33 ・・・ラチェット爪
34 ・・・滑りキー
341 ・・・滑りキー本体
342 ・・・リフトスプリング
343 ・・・逃げ爪
344 ・・・バネピン
345 ・・・圧縮バネ
4 ・・・駆動装置
5 ・・・押し棒
6 ・・・切断ユニット
61 ・・・クローズロッド
62 ・・・マガジン
図1
図2A
図2B
図2C
図2D
図2E
図3A
図3B
図3C
図4A
図4B
図4C
図5A
図5B
図5C
図6A
図6B
図6C
【国際調査報告】