(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-02-08
(54)【発明の名称】プログラム死リガンド1および/またはプログラム死リガンド2の調節物質
(51)【国際特許分類】
C07K 5/06 20060101AFI20230201BHJP
C07D 213/75 20060101ALI20230201BHJP
A61K 38/05 20060101ALI20230201BHJP
A61K 31/4412 20060101ALI20230201BHJP
A61P 35/00 20060101ALI20230201BHJP
A61P 37/02 20060101ALI20230201BHJP
C07K 5/062 20060101ALI20230201BHJP
C07K 5/065 20060101ALI20230201BHJP
C07K 5/068 20060101ALI20230201BHJP
【FI】
C07K5/06
C07D213/75
A61K38/05
A61K31/4412
A61P35/00
A61P37/02
C07K5/062
C07K5/065
C07K5/068
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022533441
(86)(22)【出願日】2020-12-03
(85)【翻訳文提出日】2022-08-02
(86)【国際出願番号】 US2020063137
(87)【国際公開番号】W WO2021113528
(87)【国際公開日】2021-06-10
(32)【優先日】2019-12-04
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】504164240
【氏名又は名称】サウザーン リサーチ インスチチュート
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100119013
【氏名又は名称】山崎 一夫
(74)【代理人】
【識別番号】100123777
【氏名又は名称】市川 さつき
(74)【代理人】
【識別番号】100111796
【氏名又は名称】服部 博信
(74)【代理人】
【識別番号】100123766
【氏名又は名称】松田 七重
(74)【代理人】
【識別番号】100162422
【氏名又は名称】志村 将
(72)【発明者】
【氏名】スト マーク ジェイ
(72)【発明者】
【氏名】マシュー ビニ
(72)【発明者】
【氏名】ブーヘイカー レベッカ
【テーマコード(参考)】
4C055
4C084
4C086
4H045
【Fターム(参考)】
4C055AA01
4C055BA02
4C055BA42
4C055CA03
4C055CA06
4C055CA53
4C055CB02
4C055CB10
4C055DA01
4C084AA02
4C084AA07
4C084BA01
4C084BA08
4C084BA09
4C084BA14
4C084BA23
4C084CA59
4C084NA14
4C084ZB071
4C084ZB072
4C084ZB261
4C084ZB262
4C084ZB271
4C084ZB272
4C084ZC411
4C084ZC412
4C086AA01
4C086AA02
4C086AA03
4C086BC17
4C086GA16
4C086MA01
4C086MA04
4C086NA14
4C086ZB07
4C086ZB26
4C086ZB27
4C086ZC41
4H045AA10
4H045AA20
4H045AA30
4H045BA01
4H045BA11
4H045EA22
4H045EA28
4H045FA40
(57)【要約】
本開示は、例えば、肉腫、がん腫、血液がん、固形腫瘍、乳がん、子宮頸がん、胃腸がん、結腸直腸がん、脳がん、皮膚がん、前立腺がん、卵巣がん、膀胱がん、甲状腺がん、精巣がん、膵臓がん、子宮内膜がん、黒色腫、神経膠腫、白血病、リンパ腫、慢性骨髄増殖性障害、骨髄異形成症候群、骨髄増殖性新生物、および形質細胞新生物(骨髄腫)などの様々ながんの治療のためのジペプチド化合物に関する。この要約は、特定の技術分野で検索することを目的とする検索ツールとして意図されており、本発明を限定することは意図されていない。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
以下の式によって表される構造を有する化合物
(式中、nは0または1であり、
R
1aおよびR
1bの各々は、存在する場合、独立して、水素、ハロゲン、およびC1~C4アルキルから選択されるか、
または、R
1aおよびR
1bの各々は、存在する場合、共有結合し、中間原子とともに、非置換シクロプロピル基を含み、
R
2およびR
4の各々は、独立して、水素およびC1~C4アルキルから選択され、
R
3は、-(C1~C8アルキル)NR
10aR
10b、-(C1~C8アルキル)C(O)NR
10aR
10b、C2~C8アルキル、および-(C1~C4)Ar
2から選択され、
R
10aおよびR
10bの各々は、独立して、水素およびC1~C4アルキルから選択され、
Ar
2は、-(CH
2)
mNR
20aR
20b基でパラ置換され、かつハロゲン、-CN、-NH
2、-OH、-NO
2、C1~C4アルキル、C2~C4アルケニル、C1~C4ハロアルキル、C1~C4シアノアルキル、C1~C4ヒドロキシアルキル、C1~C4ハロアルコキシ、C1~C4アルコキシ、C1~C4アルキルアミノ、(C1~C4)(C1~C4)ジアルキルアミノ、およびC1~C4アミノアルキルから独立して選択される0、1、2、または3個の基で置換された、C6アリールであり、
mは、1、2、3、または4であり、
R
20aおよびR
20bの各々は、独立して、水素およびC1~C4アルキルから選択され、
R
5aおよびR
5bの各々は、水素であるか、
または、R
5aおよびR
5bの各々は、独立して、C1~C4アルキルであるか、
または、R
5aおよびR
5bの各々は、共有結合し、中間原子とともに、非置換C3~C6基を含み、
R
6は、水素であるか、
または、R
5aおよびR
5bの各々は共に、R
6に共有結合し、中間原子とともに、ハロゲン、-CN、-NH
2、-OH、-NO
2、C1~C4アルキル、C2~C4アルケニル、C1~C4ハロアルキル、C1~C4シアノアルキル、C1~C4ヒドロキシアルキル、C1~C4ハロアルコキシ、C1~C4アルコキシ、C1~C4アルキルアミノ、(C1~C4)(C1~C4)ジアルキルアミノ、およびC1~C4アミノアルキルから独立して選択される0、1、2、または3個の基で置換されたC3~C5ヘテロアリール基を含み、
Ar
1は、アリールおよびヘテロアリールから選択され、ハロゲン、-CN、-NH
2、-OH、-NO
2、C1~C4アルキル、C2~C4アルケニル、C1~C4ハロアルキル、C1~C4シアノアルキル、C1~C4ヒドロキシアルキル、C1~C4ハロアルコキシ、C1~C4アルコキシ、C1~C4アルキルアミノ、(C1~C4)(C1~C4)ジアルキルアミノ、およびC1~C4アミノアルキルから独立して選択される0、1、2、または3個の基で置換される)、
またはその薬学的に許容される塩であって、
但し、R
5aおよびR
5bの各々が水素である場合、R
3は、C2~C8アルキルではなく、
但し、nが0である場合、R
5aおよびR
5bの各々は、独立して、C1~C4アルキルであるか、またはR
5aおよびR
5bの各々は、共有結合しており、中間原子とともに、非置換C3~C6基を含み、R
6は、水素である、
化合物、またはその薬学的に許容される塩。
【請求項2】
nが0である、請求項1に記載の化合物。
【請求項3】
nが1である、請求項1に記載の化合物。
【請求項4】
R
1aおよびR
1bの各々が、存在する場合、水素である、請求項1に記載の化合物。
【請求項5】
R
1aおよびR
1bの各々が、存在する場合、ハロゲンである、請求項1に記載の化合物。
【請求項6】
R
1aおよびR
1bの各々が、存在する場合、-Fである、請求項1に記載の化合物。
【請求項7】
R
1aおよびR
1bの各々が、存在する場合、C1~C4アルキルである、請求項1に記載の化合物。
【請求項8】
R
1aおよびR
1bの各々が、存在する場合、メチルである、請求項1に記載の化合物。
【請求項9】
R
1aおよびR
1bの各々が、存在する場合、共有結合し、前記中間原子とともに、非置換シクロプロピル基を含む、請求項1に記載の化合物。
【請求項10】
R
2およびR
4の各々が、水素である、請求項1に記載の化合物。
【請求項11】
R
3が、-(C1~C8アルキル)NR
10aR
10bである、請求項1に記載の化合物。
【請求項12】
R
3が、-(C1~C8アルキル)NH
2である、請求項11に記載の化合物。
【請求項13】
R
3が、-(C3~C4アルキル)NR
10aR
10bである、請求項11に記載の化合物。
【請求項14】
R
3が、-(C3~C4アルキル)NH
2である、請求項11に記載の化合物。
【請求項15】
R
3が、C2~C8アルキルである、請求項1に記載の化合物。
【請求項16】
R
3n-ブチル、請求項15に記載の化合物。
【請求項17】
R
3が、-(C1~C4)Ar
2である、請求項1に記載の化合物。
【請求項18】
R
3が、以下の構造である、請求項17に記載の化合物。
【請求項19】
R
5aおよびR
5bの各々が、水素である、請求項1に記載の化合物。
【請求項20】
R
5aおよびR
5bの各々が、独立して、C1~C4アルキルである、請求項1に記載の化合物。
【請求項21】
R
5aおよびR
5bの各々が、メチルである、請求項20に記載の化合物。
【請求項22】
R
5aおよびR
5bの各々が、共有結合し、前記中間原子とともに、非置換C3~C6基を含む、請求項1に記載の化合物。
【請求項23】
R
5aおよびR
5bの各々が共に、R
6に共有結合し、前記中間原子とともに、独立してハロゲン、-CN、-NH
2、-OH、-NO
2、C1~C4アルキル、C2~C4アルケニル、C1~C4ハロアルキル、C1~C4シアノアルキル、C1~C4ヒドロキシアルキル、C1~C4ハロアルコキシ、C1~C4アルコキシ、C1~C4アルキルアミノ、(C1~C4)(C1~C4)ジアルキルアミノ、およびC1~C4アミノアルキルから選択される0、1、2、または3個の基で置換されたC3~C5ヘテロアリール基を含む、請求項1に記載の化合物。
【請求項24】
R
5aおよびR
5bの各々が共に、R
6に共有結合し、前記中間原子とともに、以下の構造を含む、請求項23に記載の化合物。
【請求項25】
Ar
1が、独立してハロゲン、-CN、-NH
2、-OH、-NO
2、C1~C4アルキル、C2~C4アルケニル、C1~C4ハロアルキル、C1~C4シアノアルキル、C1~C4ヒドロキシアルキル、C1~C4ハロアルコキシ、C1~C4アルコキシ、C1~C4アルキルアミノ、(C1~C4)(C1~C4)ジアルキルアミノ、およびC1~C4アミノアルキルから選択される0、1、2、または3個の基で置換されたアリール基である、請求項1に記載の化合物。
【請求項26】
Ar
1が、独立してハロゲン、-CN、-NH
2、-OH、-NO
2、C1~C4アルキル、C2~C4アルケニル、C1~C4ハロアルキル、C1~C4シアノアルキル、C1~C4ヒドロキシアルキル、C1~C4ハロアルコキシ、C1~C4アルコキシ、C1~C4アルキルアミノ、(C1~C4)(C1~C4)ジアルキルアミノ、およびC1~C4アミノアルキルから選択される0、1、2、または3個の基で置換されたC6アリールである、請求項1に記載の化合物。
【請求項27】
Ar
1が、独立してハロゲン、-CN、-NH
2、-OH、-NO
2、C1~C4アルキル、C2~C4アルケニル、C1~C4ハロアルキル、C1~C4シアノアルキル、C1~C4ヒドロキシアルキル、C1~C4ハロアルコキシ、C1~C4アルコキシ、C1~C4アルキルアミノ、(C1~C4)(C1~C4)ジアルキルアミノ、およびC1~C4アミノアルキルから選択される0、1、2、または3個の基で置換されたヘテロアリールである、請求項1に記載の化合物。
【請求項28】
Ar
1が、インドリル、ピリジニル、ベンゾ[d]オキサゾール、およびベンゾ[d]チアゾールから選択され、独立してハロゲン、-CN、-NH
2、-OH、-NO
2、C1~C4アルキル、C2~C4アルケニル、C1~C4ハロアルキル、C1~C4シアノアルキル、C1~C4ヒドロキシアルキル、C1~C4ハロアルコキシ、C1~C4アルコキシ、C1~C4アルキルアミノ、(C1~C4)(C1~C4)ジアルキルアミノ、およびC1~C4アミノアルキルから選択される0、1、2、または3個の基で置換される、請求項1に記載の化合物。
【請求項29】
前記化合物が以下の式によって表される構造を有する、請求項1に記載の化合物。
【請求項30】
前記化合物が以下の式によって表される構造を有する、請求項1に記載の化合物。
【請求項31】
前記化合物が以下の式によって表される構造を有する、請求項1に記載の化合物。
【請求項32】
前記化合物が以下
および
から選択される式によって表される構造を有する、請求項1に記載の化合物。
【請求項33】
前記化合物が以下の式によって表される構造を有する、請求項1に記載の化合物。
【請求項34】
前記化合物が以下
および
から選択される式によって表される構造を有する、請求項1に記載の化合物。
【請求項35】
前記化合物が以下の式によって表される構造を有する、請求項1に記載の化合物。
【請求項36】
前記化合物が以下の式によって表される構造を有する、請求項1に記載の化合物。
【請求項37】
前記化合物が以下の式によって表される構造を有する、請求項1に記載の化合物。
【請求項38】
前記化合物が以下の式
によって表される構造を有し、式中、R
21a、R
21b、R
21c、R
21d、およびR
21cの各々が、独立して、水素、ハロゲン、-CN、-NH
2、-OH、-NO
2、C1~C4アルキル、C2~C4アルケニル、C1~C4ハロアルキル、C1~C4シアノアルキル、C1~C4ヒドロキシアルキル、C1~C4ハロアルコキシ、C1~C4アルコキシ、C1~C4アルキルアミノ、(C1~C4)(C1~C4)ジアルキルアミノ、およびC1~C4アミノアルキルから選択され、但し、R
21a、R
21b、R
21c、R
21d、およびR
21cのうちの少なくとも2つが水素である、請求項1に記載の化合物。
【請求項39】
R
21a、R
21b、R
21c、R
21d、およびR
21cの各々が、独立して、水素、ハロゲン、C1~C4ハロアルキル、C1~C4ハロアルコキシ、およびC1~C4アルコキシから選択される、請求項38に記載の化合物。
【請求項40】
R
21a、R
21b、R
21c、R
21d、およびR
21cの各々が、独立して、水素およびハロゲンから選択される、請求項38に記載の化合物。
【請求項41】
R
21a、R
21b、R
21c、R
21d、およびR
21cの各々が、独立して、水素および-Fから選択される、請求項38に記載の化合物。
【請求項42】
R
21a、R
21b、R
21c、R
21d、およびR
21cの各々が、水素である、請求項38に記載の化合物。
【請求項43】
前記化合物が以下の式によって表される構造を有する、請求項38に記載の化合物。
【請求項44】
前記化合物が以下の式によって表される構造を有する、請求項1に記載の化合物。
【請求項45】
前記化合物が以下の式によって表される構造を有する、請求項1に記載の化合物。
【請求項46】
前記化合物が、
【化1】
から選択される、請求項1に記載の化合物。
【請求項47】
有効量の請求項1に記載の化合物と、薬学的に許容される担体と、を含む、医薬組成物。
【請求項48】
対象における制御されない細胞増殖の障害を治療する方法であって、前記方法が、前記対象に有効量の請求項1に記載の化合物を投与することを含み、それによって前記障害を治療する、方法。
【請求項49】
前記有効量が治療有効量である、請求項48に記載の方法。
【請求項50】
前記有効量が予防有効量である、請求項48に記載の方法。
【請求項51】
前記対象が哺乳動物である、請求項48に記載の方法。
【請求項52】
前記哺乳動物がヒトである、請求項51に記載の方法。
【請求項53】
前記対象が、投与ステップの前に、前記障害の治療が必要と診断されている、請求項48に記載の方法。
【請求項54】
前記障害の治療を必要とする前記対象を特定するステップをさらに含む、請求項48に記載の方法。
【請求項55】
前記障害が、がんである、請求項48に記載の方法。
【請求項56】
前記がんが、肉腫、がん腫、血液がん、固形腫瘍、乳がん、子宮頸がん、胃腸がん、結腸直腸がん、脳がん、皮膚がん、前立腺がん、卵巣がん、甲状腺がん、精巣がん、膵臓がん、肝臓がん、子宮内膜がん、黒色腫、神経膠腫、白血病、リンパ腫、慢性骨髄増殖性障害、骨髄異形成症候群、骨髄増殖性新生物、非小細胞肺がん腫、および形質細胞新生物(骨髄腫)から選択される、請求項55に記載の方法。
【請求項57】
前記がんが、固形腫瘍である、請求項55に記載の方法。
【請求項58】
対象におけるプログラム死リガンド1(PDL-1)および/またはプログラム死リガンド2(PDL-2)シグナル伝達を改変する方法であって、前記方法が、前記対象に有効量の請求項1に記載の化合物を投与することを含み、それによって前記対象におけるPDL-1および/またはPDL-2シグナル伝達を改変する、方法。
【請求項59】
前記改変することが、阻害することである、請求項58に記載の方法。
【請求項60】
前記対象が、投与ステップの前に、制御されない細胞増殖の障害を有すると診断されている、請求項58に記載の方法。
【請求項61】
前記対象が、前記投与ステップの前に、PDL-1および/またはPDL-2シグナル伝達を改変することが必要と診断されている、請求項58に記載の方法。
【請求項62】
前記対象が、前記投与ステップの前に、PDL-1および/またはPDL-2シグナル伝達機能障害に関連する障害の治療が必要と診断されている、請求項58に記載の方法。
【請求項63】
PDL-1および/またはPDL-2シグナル伝達機能障害に関連する障害の治療が必要な対象を特定するステップをさらに含む、請求項58に記載の方法。
【請求項64】
細胞におけるPDL-1および/またはPDL-2シグナル伝達を改変する方法であって、前記方法が、有効量の請求項1に記載の化合物と前記細胞を接触させることを含み、それによって前記細胞におけるPDL-1および/またはPDL-2シグナル伝達を改変する、方法。
【請求項65】
前記改変することが、阻害することである、請求項64に記載の方法。
【請求項66】
前記細胞がヒトである、請求項64に記載の方法。
【請求項67】
前記細胞が、前記投与ステップの前にヒトから単離されている、請求項64に記載の方法。
【請求項68】
接触させることが、対象への投与を介してである、請求項64に記載の方法。
【請求項69】
前記対象が、投与ステップの前に、PDL-1および/またはPDL-2シグナル伝達の改変が必要と診断されている、請求項68に記載の方法。
【請求項70】
前記対象が、PDL-1および/またはPDL-2シグナル伝達機能障害に関連する障害の治療が必要と診断されている、請求項68に記載の方法。
【請求項71】
請求項1に記載の化合物、ならびに
(a)制御されない細胞増殖の障害の治療に関連する少なくとも1つの薬剤、
(b)制御されない細胞増殖の障害の治療に関して前記化合物を投与するための説明書、および
(c)制御されない細胞増殖の障害を治療するための説明書、のうちの1つ以上を含む、キット。
【請求項72】
前記薬剤が化学療法剤である、請求項71に記載のキット。
【請求項73】
前記化学療法剤が、アルキル化剤、代謝拮抗剤、抗新生物抗生物質剤、有糸分裂阻害剤、およびmTor阻害剤から選択される、請求項72に記載のキット。
【請求項74】
前記抗新生物抗生物質剤が、ドキソルビシン、ミトキサントロン、ブレオマイシン、ダウノルビシン、ダクチノマイシン、エピルビシン、イダルビシン、プリカマイシン、マイトマイシン、ペントスタチン、およびバルルビシン、またはそれらの薬学的に許容される塩から選択される、請求項73に記載のキット。
【請求項75】
前記代謝拮抗剤が、ゲムシタビン、5-フルオロウラシル、カペシタビン、ヒドロキシ尿素、メルカプトプリン、ペメトレキセド、フルダラビン、ネララビン、クラドリビン、クロファラビン、シタラビン、デシタビン、プララトレキサート、フロクスウリジン、メトトレキサート、およびチオグアニン、またはそれらの薬学的に許容される塩から選択される、請求項73に記載のキット。
【請求項76】
前記アルキル化剤が、カルボプラチン、シスプラチン、シクロホスファミド、クロラムブシル、メルファラン、カルムスチン、ブスルファン、ロムスチン、ダカルバジン、オキサリプラチン、イホスファミド、メクロレタミン、テモゾロミド、チオテパ、ベンダムスチン、およびストレプトゾシン、またはそれらの薬学的に許容される塩から選択される、請求項73に記載のキット。
【請求項77】
前記有糸分裂阻害剤が、イリノテカン、トポテカン、ルビテカン、カバジタキセル、ドセタキセル、パクリタキセル、エトプシド、ビンクリスチン、イキサベピロン、ビノレルビン、ビンブラスチン、およびテニポシド、またはそれらの薬学的に許容される塩から選択される、請求項73に記載のキット。
【請求項78】
前記mTor阻害剤が、エベロリムス、シロリウムス、およびテムシロリムス、またはそれらの薬学的に許容される塩、水和物、溶媒和物、もしくは多形から選択される、請求項73に記載のキット。
【請求項79】
前記化合物および前記薬剤が一緒にパッケージ化される、請求項71に記載のキット。
【請求項80】
前記化合物および前記薬剤が逐次的に投与される、請求項71に記載のキット。
【請求項81】
前記化合物および前記薬剤が同時に投与される、請求項71に記載のキット。
【請求項82】
前記制御されない細胞増殖の障害が、がんである、請求項71に記載のキット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2019年12月4日に出願された米国出願第62/943,728号の利益を主張し、その内容は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
【背景技術】
【0002】
プログラム細胞死1(PD-1)は、免疫系の調節に重要な細胞表面タンパク質であり、特に、自己抗原に対する免疫寛容を促進するT細胞に関与する。この表面受容体とその優性リガンド1(PDL-1)との相互作用は、免疫回避として知られる腫瘍生存機構を克服するための主要な治療標的として発生した。チェックポイント抗体などの大型の生物学的薬剤による治療的成功の重要な障壁は、固形腫瘍における有効性が限定的であることであり、部分的には腫瘍浸透性の低さに起因し、これに対する解決策は、小分子設計の適応性の中にある。腫瘍微小環境内の細胞上でのPDL-1の発現により、PD-1チェックポイント経路に関与し、腫瘍に浸潤するCD8+細胞毒性Tリンパ球(CTL)に対してがん性細胞を隠す。これは、CTLが、がん性細胞に対して不活性化され、その後、疲弊を引き起こし、最終的に細胞死を引き起こすという点で有意である。さらに、腫瘍細胞上での高いPDL-1発現は、予後不良に関連しており、腫瘍誘発性免疫回避の指標である。抗体ベースのチェックポイント阻害剤の静脈内(i.v.)投与は、この下方調節チェックポイント相互作用を妨害し、PDL-1発現の効果を否定し、CTL抗腫瘍活性を回復するのに十分であることが示されている。具体的には、PD-1に対する治療抗体の使用は、腫瘍がPDL-1を発現した場合の進行したトリプルネガティブ乳がん患者において、19%の奏効率を有し、高レベルのPDL-1を有しない患者において、化学療法剤であるパクリタキセルとの併用療法として提供された場合に、46%の奏効率を有することが報告されている。しかしながら、かかる抗体療法は、転移性疾患においてある程度の有効性を示すが、副作用(例えば、大腸炎、内分泌疾患、および炎症性関節炎)、高い投薬量要件、および静脈内投与の必要性を含むいくつかの欠点を有する。したがって、PDL-1を調節するための化合物および組成物、ならびに例えばがんの治療における、それらを作製し、使用する方法が依然として必要である。
【発明の概要】
【0003】
本明細書において具体化され、広く説明されている本発明の目的(複数可)に従い、本発明は、一態様において、制御されない細胞増殖の障害、例えば、限定されないが、肉腫、がん腫、血液がん、固形腫瘍、乳がん、子宮頸がん、胃腸がん、結腸直腸がん、脳がん、皮膚がん、前立腺がん、卵巣がん、膀胱がん、甲状腺がん、精巣がん、膵臓がん、子宮内膜がん、黒色腫、神経膠腫、白血病、リンパ腫、慢性骨髄増殖性障害、骨髄異形成症候群、骨髄増殖性新生物、および形質細胞新生物(骨髄腫)を含む、がんの予防および治療に使用するための化合物および組成物に関する。
【0004】
したがって、開示されるのは、以下の式によって表される構造を有する化合物
【化1】
(式中、nは0または1であり、R
1aおよびR
1bの各々は、存在する場合、独立して、水素、ハロゲン、およびC1~C4アルキルから選択されるか、または、R
1aおよびR
1bの各々は、存在する場合、共有結合し、中間原子とともに、非置換シクロプロピル基を含み、R
2およびR
4の各々は、独立して、水素およびC1~C4アルキルから選択され、R
3は、-(C1~C8アルキル)NR
10aR
10b、-(C1~C8アルキル)C(O)NR
10aR
10b、C2~C8アルキル、および-(C1~C4)Ar
2から選択され、R
10aおよびR
10bの各々は、独立して、水素およびC1~C4アルキルから選択され、Ar
2は、-(CH
2)
mNR
20aR
20b基でパラ置換され、独立してハロゲン、-CN、-NH
2、-OH、-NO
2、C1~C4アルキル、C2~C4アルケニル、C1~C4ハロアルキル、C1~C4シアノアルキル、C1~C4ヒドロキシアルキル、C1~C4ハロアルコキシ、C1~C4アルコキシ、C1~C4アルキルアミノ、(C1~C4)(C1~C4)ジアルキルアミノ、およびC1~C4アミノアルキルから選択される0、1、2、または3個の基で置換された、C6アリールであり、mは、1、2、3、または4であり、R
20aおよびR
20bの各々は、独立して、水素およびC1~C4アルキルから選択され、R
5aおよびR
5bの各々は、水素であるか、または、R
5aおよびR
5bの各々は、独立して、C1~C4アルキルであるか、または、R
5aおよびR
5bの各々は、共有結合し、中間原子とともに、非置換C3~C6基を含み、R
6は、水素であるか、またはR
5aおよびR
5bの各々は共に、R
6に共有結合し、中間原子とともに、独立してハロゲン、-CN、-NH
2、-OH、-NO
2、C1~C4アルキル、C2~C4アルケニル、C1~C4ハロアルキル、C1~C4シアノアルキル、C1~C4ヒドロキシアルキル、C1~C4ハロアルコキシ、C1~C4アルコキシ、C1~C4アルキルアミノ、(C1~C4)(C1~C4)ジアルキルアミノ、およびC1~C4アミノアルキルから選択される0、1、2、または3個の基で置換されたC3~C5ヘテロアリール基を含み、Ar
1は、アリールおよびヘテロアリールから選択され、独立してハロゲン、-CN、-NH
2、-OH、-NO
2、C1~C4アルキル、C2~C4アルケニル、C1~C4ハロアルキル、C1~C4シアノアルキル、C1~C4ヒドロキシアルキル、C1~C4ハロアルコキシ、C1~C4アルコキシ、C1~C4アルキルアミノ、(C1~C4)(C1~C4)ジアルキルアミノ、およびC1~C4アミノアルキルから選択される0、1、2、または3個の基で置換される)、またはその薬学的に許容される塩であって、但し、R
5aおよびR
5bの各々が水素である場合、R
3は、C2~C8アルキルではなく、但し、nが0である場合、R
5aおよびR
5bの各々は、独立して、C1~C4アルキルであるか、またはR
5aおよびR
5bの各々は、共有結合しており、中間原子とともに、非置換C3~C6基を含み、R
6は、水素である、化合物、またはその薬学的に許容される塩である。
【0005】
また、開示されるのは、開示される化合物を作製する方法である。
【0006】
また、開示されるのは、治療有効量の開示される化合物と、薬学的に許容される担体と、を含む医薬組成物である。
【0007】
また、開示されるのは、対象における制御されない細胞増殖の障害を治療する方法であって、本方法が、対象に有効量の開示される化合物を投与することを含み、それによって障害を治療する、方法である。
【0008】
また、開示されるのは、対象におけるプログラム死リガンド1(PDL-1)および/またはプログラム死リガンド2(PDL-2)シグナル伝達を改変する方法であって、本方法が、対象に有効量の開示される化合物を投与することを含み、それによって対象におけるPDL-1および/またはPDL-2シグナル伝達を改変する、方法である。
【0009】
また、開示されるのは、細胞におけるPDL-1および/またはPDL-2シグナル伝達を改変する方法であって、本方法が、有効量の開示される化合物と細胞を接触させることを含み、それによって細胞におけるPDL-1および/またはPDL-2シグナル伝達を改変する、方法である。
【0010】
また開示されるのは、開示される化合物、ならびに(a)制御されない細胞増殖の障害の治療に関連する少なくとも1つの薬剤、(b)制御されない細胞増殖の障害の治療に関して本化合物を投与するための説明書、および(c)制御されない細胞増殖の障害を治療するための説明書のうちの1つ以上を含む、キットである。
【0011】
本発明の態様は、システム法定クラスなどの特定の法定クラスにおいて説明および請求することができるが、これは便宜上のみのものであり、当業者は、本発明の各態様が任意の法定クラスにおいて説明および請求することができることを理解するであろう。特に明記しない限り、本明細書に記載される任意の方法または態様が、そのステップを特定の順序で実行する必要があると解釈されることは決して意図されていない。したがって、方法の請求の範囲が、ステップが特定の順序に限定されることを請求の範囲または説明において具体的に記載していない場合、いかなる点においても、順序が推測されることは決して意図されていない。これは、解釈のためにいずれかの可能性がある表現されないベースについても該当し、ステップもしくは操作フローの配列に関する論理事項、文法的な構成または句読点、あるいは本明細書で説明される態様の数もしくはタイプが含まれる。
【0012】
本明細書に組み込まれて一部を構成する添付の図は、いくつかの態様を例示し、説明とともに、本発明の原理を説明するのに役立つ。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】化合物番号4を有するPD1の細胞外ドメインの代表的なNMR分解共構造を示す。
【0014】
【
図2】化合物番号4を有するPDB ID 4ZQKのPD-1部分の代表的なドッキングシミュレーションを示す。
【0015】
本発明のさらなる利点は、以下の説明で部分的に示され、説明から部分的に明らかであり、または本発明の実施によって理解され得る。本発明の利点は、添付の請求項で特に指摘される要素および組み合わせによって実現および達成されるであろう。前述の全般的な説明および以下の詳細な説明の両方は、例示的かつ説明的なものに過ぎず、請求されるように、本発明を制限するものではないことが理解されるべきである。
【発明を実施するための形態】
【0016】
本発明は、本発明の以下の詳細な説明およびその中に含まれる実施例を参照することによって、より容易に理解することができる。
【0017】
本化合物、組成物、物品、システム、デバイス、および/または方法が開示および説明される前に、それらは、特に明記しない限り、特定の合成方法に限定されず、または特に明記しない限り、特定の試薬に限定されず、そのためもちろん変化し得ることが理解されるべきである。また、本明細書で使用される専門用語は、特定の態様のみを説明する目的のためのものであり、限定することが意図されていないことも理解されるべきである。本明細書で説明されるものと類似または同等である任意の方法および材料を本発明の実施または試験に使用することができるが、例示的な方法および材料が本明細書で説明される。
【0018】
本発明の態様は、システム法定クラスなどの特定の法定クラスにおいて説明および請求することができるが、これは便宜上のみのものであり、当業者は、本発明の各態様が任意の法定クラスにおいて説明および請求することができることを理解するであろう。特に明記しない限り、本明細書に記載される任意の方法または態様が、そのステップを特定の順序で実行する必要があると解釈されることは決して意図されていない。したがって、方法の請求の範囲が、ステップが特定の順序に限定されることを請求の範囲または説明において具体的に記載していない場合、いかなる点においても、順序が推測されることは決して意図されていない。これは、解釈のためにいずれかの可能性がある表現されないベースについても該当し、ステップもしくは操作フローの配列に関する論理事項、文法的な構成または句読点、あるいは本明細書で説明される態様の数もしくはタイプが含まれる。
【0019】
本出願全体をとおして、様々な刊行物が参照される。これらの刊行物の開示は、その全体が、本出願に関係する技術水準をより完全に説明するために参照により本出願に援用される。開示される参考文献はまた、参考文献に依る文章で論じられ、それらに含まれる材料について、個別にかつ具体的に参照により本明細書に援用される。本明細書におけるいかなるものも、本発明が先行発明によってそのような公開に先行する権利がないことを認めるものと解釈されるべきではない。さらに、本明細書に提供される刊行物の日付は実際の公開日とは異なる可能性があり、これらは独立した確認を必要とし得る。
【0020】
A.定義
本明細書および添付の特許請求の範囲で使用される場合、単数形の「1つの」(「a」、「an」、および「the」)は、文脈上別段明らかに指示されない限り、複数の指示対象を含む。したがって、例えば、「官能基」、「アルキル」、または「残基」への言及は、2つ以上のそのような官能基、アルキル、または残基などの混合物を含む。
【0021】
本明細書および請求項で使用される場合、「含む」という用語は、「からなる」および「から本質的になる」態様を含むことができる。
【0022】
本明細書では、範囲は、「約」ある特定の値から、および/または「約」別の特定の値まで、のように表現され得る。そのような範囲が表現されるとき、別の態様は、1つの特定の値から、および/または他の特定の値までを含む。同様に、値が近似値として表される場合、先行する「約」の使用によって、特定の値が別の態様を形成することを理解されたい。さらに、範囲の各終点は、他の終点と関連して、および他の終点とは独立して、両方とも重要であることが理解されよう。本明細書に開示されるいくつかの値が存在し、各値は、値自体に加えて、その特定の値を「約」として本明細書に開示されることも理解される。例えば、値「10」が開示される場合、「約10」もまた開示される。また、2つの特定の単位間の各単位も開示されることも理解されたい。例えば、10および15が開示される場合、11、12、13、および14も開示される。
【0023】
本明細書で使用される場合、用語「約」および「ちょうど、または約」は、問題の量または値が、おおよそまたはほぼ同じであるいくつかの他の値で示され得ることを意味する。本明細書で使用される場合、特に指示または推測されない限り、それは±10%の変動を示す公称値であると一般に理解される。この用語は、同様の値が、請求項で列挙される同等の結果または効果を促進することを伝えることが意図される。すなわち、量、サイズ、製剤、パラメータ、ならびに他の量および特性は正確でなく、あるいは正確である必要はないが、所望に応じて、おおよそおよび/またはより大きくもしくはより小さいものであることができ、許容誤差、変換係数、四捨五入、測定誤差など、ならびに当業者に知られている他の要因を反映することが理解される。一般に、量、サイズ、製剤、パラメータ、または他の量もしくは特性は、「約」または「おおよそ」であり、そうであることが明示的に記載されているか否かにかかわらない。「約」が定量値の前に使用される場合、特に明記しない限り、パラメータはまた、特定の定量値自体も含むことを理解されたい。
【0024】
本明細書および最終請求項において、組成物中の特定の要素または成分の重量による分量への言及は、組成物または物品中の当該要素または成分と任意の他の元素または成分との重量関係を示し、重量による分量が表される。したがって、重量による2分量の成分Xおよび重量による5分量の成分Yを含有する化合物において、XおよびYは、2:5の重量比で存在し、追加の成分が化合物に含まれるかにかかわらず、そのような比で存在する。
【0025】
成分の重量パーセント(重量%)は、特に反対の記載がない限り、成分が含まれる製剤または組成物の総重量に基づく。
【0026】
本明細書で使用される場合、「IC50」は、タンパク質、サブユニット、細胞器官、リボ核タンパク質などを含む、生物学的プロセスまたはプロセスの成分の50%阻害に必要とされる物質(例えば、化合物または薬剤)の濃度を指すことが意図される。一態様において、IC50は、本明細書の他の箇所でさらに定義されるように、インビボでの50%阻害に必要とされる物質の濃度を指すことができる。さらなる態様において、IC50は、物質の最大半量(50%)阻害濃度(IC)を指す。
【0027】
本明細書で使用される場合、「EC50」は、タンパク質、サブユニット、細胞器官、リボ核タンパク質などを含む、生物学的プロセスまたはプロセスの成分の50%アゴニズムに必要とされる物質(例えば、化合物または薬物)の濃度を指すことが意図される。一態様において、EC50は、本明細書の他の箇所でさらに定義されるように、インビボでの50%アゴニズムに必要とされる物質の濃度を指すことができる。さらなる態様において、EC50は、ベースラインと最大応答の間の中間にある応答を誘発するアゴニストの濃度を指す。
【0028】
本明細書で使用される場合、「任意選択の」または「任意選択的に」という用語は、引き続いて説明される事象または状況が発生し得るまたは発生し得ないこと、ならびに説明が当該事象または状況が発生する事例およびそれが発生しない事例を含むこと、を意味する。
【0029】
本明細書で使用される場合、用語「対象」は、哺乳動物、魚、鳥、爬虫類、または両生類などの脊椎動物であることができる。したがって、本明細書に開示される方法の主題は、ヒト、非ヒト霊長類、ウマ、ブタ、ウサギ、イヌ、ヒツジ、ヤギ、ウシ、ネコ、モルモット、またはげっ歯類であることができる。この用語は、特定の年齢または性別を示すものではない。したがって、成人および新生児の対象、ならびに雌雄を問わない胎児が包含されることが意図される。一態様において、対象は哺乳動物である。患者は、疾患または障害に罹患している対象を指す。「患者」という用語は、ヒトおよび動物対象を含む。
【0030】
本明細書で使用される場合、「治療」という用語は、疾患、病態、または障害を治癒、改善、安定化、または予防することを意図した患者の医学的管理を指す。この用語は、積極的治療、すなわち、具体的に疾患、病態、または障害の改善に向けた治療を含み、また、原因治療、すなわち、関連する疾患、病態、または障害の原因の除去に向けた治療も含む。加えて、この用語は、緩和的治療、すなわち、疾患、病的な状態、または障害の治癒ではなく、症状の緩和のために設計された治療、予防的治療、すなわち、関連する疾患、病的な状態、または障害の発症を最小限に抑えるか、または部分的もしくは完全に阻害することに向けられた治療、および補助的治療、すなわち、関連する疾患、病的な状態、または障害の改善に向けられた別の特定の療法を補充するために使用される治療を含む。様々な態様において、本用語は、哺乳動物(例えば、ヒト)を含む対象の任意の治療を網羅し、(i)疾患の素因があり得るが、まだそれを有すると診断されていない対象において疾患が発生するのを防止すること、(ii)疾患を阻害すること、すなわち、その発症を阻止すること、または(iii)疾患を軽減すること、すなわち、疾患の退行を引き起こすことを含む。一態様において、対象は霊長類等の哺乳動物であり、さらなる態様において、対象はヒトである。「対象」という用語はまた、愛玩用動物(例えば、ネコ、イヌなど)、家畜(例えば、ウシ、ウマ、ブタ、ヒツジ、ヤギなど)、および実験動物(例えば、マウス、ウサギ、ラット、モルモット、ショウジョウバエなど)を含む。
【0031】
本明細書で使用される場合、「予防する(prevent)」または「予防すること(preventing)」という用語は、特に事前の行為によって、何かが起こるのを妨げる、回避する、排除する、未然に防ぐ、阻止する、または妨害することを指す。減少させる、阻害する、または予防するが本明細書で使用される場合、具体的に別段の指示がない限り、他の2つの語の使用も明示的に開示されると理解される。
【0032】
本明細書で使用される場合、「診断された」という用語は、当業者、例えば、医師による身体検査を受け、本明細書に開示される化合物、組成物、または方法によって診断または治療することができる状態を有することが見出されたことを意味する。
【0033】
本明細書で使用される場合、「投与すること」および「投与」という用語は、対象に医薬調製物を提供する任意の方法を指す。そのような方法は、当業者によく知られており、限定されないが、経口投与、経皮投与、吸入による投与、経鼻投与、局所投与、膣内投与、眼科投与、耳内投与、脳内投与、直腸投与、舌下投与、口腔投与、ならびに静脈内投与、動脈内投与、筋肉内投与、および皮下投与などの注入可能な非経口投与を含む。投与は、連続的または間欠的であり得る。様々な態様において、調製物は、治療的に投与することができる、すなわち、既存の疾患または状態を治療するために投与される。さらなる様々な態様において、調製物は、予防的に投与され得る、すなわち、疾患または状態の予防のために投与される。
【0034】
本明細書で使用される場合、「有効量」および「有効な量」という用語は、所望の結果を達成するのに十分であるか、または望ましくない状態に影響を及ぼすのに十分な量を指す。例えば、「治療有効量」とは、所望の治療結果を達成すため、または望ましくない症状に効果を有するために十分な量を指すが、一般に有害な副作用を引き起こすのには不十分なものである。任意の特定の患者への具体的な治療有効用量レベルは、治療される障害および障害の重症度、使用される特定の組成物;患者の年齢、体重、全身の健康、性別および食事;投与時期;投与経路;使用される特定の化合物の排泄率;治療期間;使用される特定の化合物と組み合わせてまたは同時に使用される薬物、および医学分野において周知の同様の因子を含む、様々な因子に依存する。例えば、所望の治療効果を達成するために必要なレベルよりも低いレベルで化合物の用量を開始し、所望の効果が達成されるまで徐々に投与量を増加させることは、十分に当該技術分野の技術の範囲内である。所望であれば、有効な1日用量は、投与のために複数の用量に分割することができる。結果的に、単回用量組成物は、1日用量を構成するためにそのような量またはその約数を含有することができる。任意の禁忌が発生した場合、個々の医師によって投与量が調整され得る。投薬量は、変動し得、1日または数日間にわたり、毎日1回以上の用量投与で投与され得る。ガイダンスは、所与のクラスの医薬品の適切な投与量についての文献に見出すことができる。さらなる様々な態様において、調製物は、「予防有効量」、すなわち、疾患または状態の予防に有効な量で投与することができる。
【0035】
本明細書で使用される場合、「投与剤形」は、対象への投与に適したメディウム、担体、ビヒクル、またはデバイスにおける薬理学的に活性な成分を意味する。投与剤形は、本発明の開示される化合物、開示される生成方法の生成物、またはその塩、溶媒和物、もしくは多形を、保存剤、緩衝液、食塩水、もしくはリン酸緩衝食塩水などの薬学的に許容される賦形剤と組み合わせて含むことができる。投与剤形は、従来の医薬品製造および配合技術を使用して生成することができる。投薬剤形は、無機または有機緩衝液(例えば、リン酸、炭酸、酢酸、またはクエン酸のナトリウムまたはカリウム塩)ならびにpH調整剤(例えば、塩酸、水酸化ナトリウムまたはカリウム、クエン酸塩または酢酸塩、アミノ酸およびそれらの塩)、抗酸化剤(例えば、アスコルビン酸、アルファ-トコフェロール)、界面活性剤(例えば、ポリソルベート20、ポリソルベート80、ポリオキシエチレン9-10ノニルフェノール、デオキシコール酸ナトリウム)、溶液および/または凍結/凍結乾燥安定剤(例えば、スクロース、ラクトース、マンニトール、トレハロース)、浸透圧調整剤(例えば、塩または糖)、抗菌剤(例えば、安息香酸、フェノール、ゲンタマイシン)、抗発泡剤(例えば、ポリジメチルシロゾン)、防腐剤(例えば、チメロサール、2-フェノキシエタノール、EDTA)、高分子安定剤および粘度調整剤(例えば、ポリビニルピロリドン、ポリオキサマー488、カルボキシメチルセルロース)ならびに共溶媒(例えば、グリセロール、ポリエチレングリコール、エタノール)を含むことができる。注射用に製剤化される投与剤形は、開示される化合物、開示される製造方法の生成物、またはその塩、溶媒和物、もしくは多形を、注射用の無菌生理食塩水溶液中に保存剤とともに懸濁させることができる。
【0036】
本明細書で使用される場合、「キット」は、キットを構成する少なくとも2つの構成要素の集合を意味する。ともに、構成要素は所与の目的のために機能単位を構成する。個々の部材構成要素は、物理的に一緒または別々にパッケージ化され得る。例えば、キットを使用するための説明書を含むキットは、他の個々の部材構成要素とともに説明書を物理的に含み得または含み得ない。代わりに、説明書は、紙形式、あるいはコンピュータ読み取り可読メモリデバイスで供給またはインターネットウェブサイトからダウンロードされ得る電子形式、または記録されたプレゼンテーションのいずれかで、別々のメンバー構成要素として供給され得る。
【0037】
本明細書で使用される場合、「説明書(複数可)」は、キットに関する関連する材料または方法論を説明する文書を意味する。これらの部材には、背景情報、構成要素のリストとそれらの利用可能な情報(購入情報など)、キットを使用するための簡単または詳細なプロトコル、トラブルシューティング、参考資料、技術サポート、およびその他の関連文書のいずれかの組み合わせが含まれ得る。説明書は、紙形式、あるいはコンピュータ読み取り可読メモリデバイスで供給またはインターネットウェブサイトからダウンロードされ得る電子形式、または記録されたプレゼンテーションのいずれかで、キットとともに、または別々のメンバー構成要素として供給され得る。説明書は、1つまたは複数の文書を含むことができ、将来の更新を含むことが意味される。
【0038】
本明細書で使用される場合、「治療剤」という用語は、生物(ヒトまたは非ヒト動物)に投与されるとき、局所作用および/または全身作用によって所望の薬理学的、免疫原性、および/または生理学的効果を誘導する物質の任意の合成または天然に由来する生物学的に活性な化合物または組成物を含む。したがって、本用語は、薬剤として伝統的に考えられている化合物または化学物質、ワクチン、ならびにタンパク質、ペプチド、ホルモン、核酸、および遺伝子構築体などの分子を含む生物製剤を包含する。治療薬の例は、Merck Index(14th edition)、Physicians’Desk Reference(64th edition)、およびThe Pharmacological Basis of Therapeutics(12th edition)などの良く知られた参考文献に記載されており、それらには、限定されないが、医薬、ビタミン、ミネラルサプリメント、疾患または病気の治療、予防、診断、治癒、または軽減のために使用される物質、身体の構造または機能に影響を及ぼす物質、あるいは生理学的環境に配置された後に生物学的に活性になるまたはより活性になるプロドラッグが含まれる。例えば、「治療剤」という用語は、主な治療領域のすべてで使用するための化合物または組成物を含み、限定されないが、アジュバント、抗生物質および抗ウイルス剤などの抗感染剤、キナーゼ阻害剤、ポリADPリボースポリメラーゼ(PARP)阻害剤および他のDNA損傷応答修飾剤などの抗がん剤および抗腫瘍剤、ブロモドメインおよび末端外(BET)阻害剤等のエピジェネティック剤、ヒストンデアセチラーゼ(HDAc)阻害剤、鉄キロターおよび他のリボヌクレオチド還元酵素阻害剤、プロテアソーム阻害剤およびNedd8活性化酵素(NAE)阻害剤、ラパマイシンの哺乳動物標的(mTOR)阻害剤、パクリタキセル、ドックス、イリノテカン、および白金化合物などの従来の細胞毒性剤、細胞毒性Tリンパ球抗原-4(CTLA-4)モノクローナル抗体(mAB)、プログラム細胞死タンパク質1(PD-1)/プログラム細胞死リガンド1(PD-L1)mAB、分化クラスター47(CD47)mAB、トール様受容体(TLR)アゴニストおよび他の免疫修飾剤などの免疫チェックポイント遮断剤、キメラ抗原受容体T細胞(CAR-T)/キメラ抗原受容体ナチュラルキラー(CAR-NK)などの細胞治療剤、インターフェロン(IFN)、インターロイキン(IL)、およびmAbなどのタンパク質、進入阻害剤、融合阻害剤、非ヌクレオシド逆転写酵素阻害剤(NNRTI)、ヌクレオシド逆転写酵素阻害剤(NRTI)、ヌクレオチド逆転写酵素阻害剤、NCP7阻害剤、プロテアーゼ阻害剤、およびインテグラーゼ阻害剤などの抗ALS剤、鎮痛剤および鎮痛剤の組み合わせ、拒食症剤、抗炎症剤、抗てんかん剤、局所および全身麻酔剤、催眠剤、鎮静剤、抗精神病剤、神経弛緩剤、抗うつ剤、抗不安剤、拮抗剤、ニューロン遮断剤、抗コリン剤およびコリノ作用剤、抗ムスカリン剤およびムスカリン作用剤、抗アドレナリン剤、抗不整脈剤、抗高血圧剤、ホルモンおよび栄養素、抗関節炎剤、抗喘息剤、抗痙攣剤、抗ヒスタミン剤、抗嘔吐剤、抗腫瘍剤、抗そう痒剤、解熱剤、鎮痙剤、心血管製剤(カルシウムチャネル遮断剤、β遮断剤、βアゴニストおよび抗不整脈剤を含む)、抗高血圧剤、利尿剤、血管拡張剤、中枢神経系刺激剤、咳および風邪製剤、うっ血除去剤、診断薬、ホルモン、骨成長刺激剤および骨吸収阻害剤、免疫抑制剤、筋肉弛緩剤、精神刺激剤、鎮静剤、精神安定剤、タンパク質、ペプチド、およびそれらのフラグメント(天然由来、化学的合成、または組換え生成かにかかわらず)、ならびに核酸分子(2つ以上のヌクレオチドのポリマー形態、リボヌクレオチド(RNA)または二本鎖および一本鎖分子の両方を含むデオキシリボヌクレオチド(DNA)、遺伝子構築体、発現ベクター、アンチセンス分子など)、小分子(例えば、ドキソルビシン)、および他の生物学的に活性な巨大分子、例えば、タンパク質および酵素が含まれる。薬剤は、獣医学を含む医療適用、および植物などの農業、ならびに他の分野で使用される生物学的に活性な薬剤であり得る。「治療剤」という用語にはまた、限定されないが、医薬品、ビタミン、ミネラルサプリメント、疾患もしくは病気の治療、予防、診断、治癒、もしくは軽減のために使用される物質、または身体の構造もしくは機能に影響を及ぼす物質、あるいは所定の生理学的環境に配置された後に生物学的に活性またはより活性になるプロドラッグが含まれる。
【0039】
「薬学的に許容される」という用語は、生物学的またはそれ以外で望ましくないことがない、すなわち、許容できないレベルの望ましくない生物学的な影響を引き起こすことがなく、または有害な手段で相互作用することがない材料を説明する。
【0040】
本明細書で使用される場合、「誘導体」という用語は、親化合物(例えば、本明細書に開示される化合物)の構造から派生される構造を有し、その構造が本明細書に開示されるものと十分に類似し、その類似性に基づいて、請求される化合物と同じまたは類似した活性および有用性を示すか、または前駆体として、請求される化合物と同じまたは類似した活性および有用性を誘導することが当業者によって予測される化合物を指す。例示的な誘導体には、親化合物の塩、エステル、アミド、エステルまたはアミドの塩、およびN-オキシドが含まれる。
【0041】
本明細書で使用される場合、「薬学的に許容される担体」という用語は、無菌水溶液または非水溶液、分散液、懸濁液、またはエマルション、ならびに使用直前に無菌注射溶液または分散液への再構成のための無菌粉末を指す。好適な水性および非水性担体、希釈剤、溶媒またはビヒクルの例としては、水、エタノール、ポリオール(例えば、グリセロール、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール等)、カルボキシメチルセルロースおよびそれらの好適な混合物、植物油(例えば、オリーブ油)、ならびにオレイン酸エチル等の注射可能な有機エステルが挙げられる。適切な流動性は、例えば、レシチン等のコーティング材料を使用することによって、分散液の場合には必要とされる粒径を維持することによって、および界面活性剤を使用することによって維持され得る。これらの組成物はまた、防腐剤、湿潤剤、乳化剤および分散剤等のアジュバントも含有することができる。微生物の作用の予防は、パラベン、クロロブタノール、フェノール、ソルビン酸等の様々な抗菌剤および抗真菌剤の包含によって保証することができる。また、糖、塩化ナトリウム等の等張剤を含めることが望ましい場合もある。注射可能な医薬品形態の長期吸収は、吸収を遅延させるモノステアリン酸アルミニウムおよびゼラチン等の薬剤の包含によってもたらされ得る。注射可能なデポー形態は、ポリラクチド-ポリグリコリド、ポリ(オルトエステル)、およびポリ(無水物)等の生分解性ポリマー中に、薬物のマイクロカプセルマトリックスを形成することによって作製される。薬物対ポリマーの比、および使用される特定のポリマーの性質に応じて、薬物放出速度を制御することができる。デポー注射用製剤はまた、体組織と適合性のあるリポソームまたはマイクロエマルジョン中に薬物を封入することによっても調製される。注射用製剤は、例えば、細菌保持フィルタを通した濾過によって、または使用直前に滅菌水もしくは他の滅菌注射用媒体に溶解または分散することができる滅菌固体組成物の形態で滅菌剤を組み込むことによって、滅菌され得る。好適な不活性担体としては、ラクトース等の糖を挙げることができる。望ましくは、活性成分の粒子の少なくとも95重量%が、0.01~10マイクロメートルの範囲の有効粒径を有する。
【0042】
本明細書で使用される場合、「置換された」という用語は、有機化合物のすべての許容される置換基を含むことが企図される。広い態様において、許容される置換基は、有機化合物の非環状および環状、分岐および非分岐、炭素環式および複素環式、ならびに芳香族および非芳香族の置換基を含む。例示的な置換基としては、例えば、後述するものが挙げられる。許容される置換基は、1つ以上であり得、適切な有機化合物に対して同じであっても異なってもよい。本開示の目的のために、窒素等のヘテロ原子は、ヘテロ原子の原子価を満たす、本明細書に記載される有機化合物の水素置換基および/または任意の許容される置換基を有することができる。本開示は、いかなる方法によっても、有機化合物の許容される置換基によって制限されることを意図しない。また、「置換」または「で置換された」という用語は、そのような置換が置換された原子および置換基の容認された原子価に従うこと、および置換が安定した化合物、例えば、再編成、環化、排除などによって自発的に変換を受けない化合物をもたらすという暗黙の条件を含む。また、特定の態様において、反対が明示的に示されない限り、個々の置換基は、さらに任意選択的に置換され得る(すなわち、さらなる置換または非置換)ことが考えられる。
【0043】
様々な用語を定義する際、「A1」、「A2」、「A3」、および「A4」は、本明細書において、様々な特定の置換基を表すための一般的な記号として使用される。これらの記号は、本明細書に開示されるものに限定されず、任意の置換基であり得、それらが、1つの例において、ある特定の置換基であると定義される場合、別の例において、いくつかの他の置換基として定義され得る。
【0044】
「脂肪族」または「脂肪族基」という用語は、本明細書で使用される場合、直鎖(すなわち、非分岐)、分岐、または環状(縮合、架橋、およびスピロ融合多環式を含む)であり得、完全に飽和し得るか、または1つ以上の不飽和単位を含有し得るが、芳香族ではない炭化水素部分を指す。別段の指定がない限り、脂肪族基は1~20個の炭素原子を含有する。脂肪族基には、限定されないが、直鎖または分岐のアルキル、アルケニル、およびアルキニル基、ならびにそれらの混合、例えば、(シクロアルキル)アルキル、(シクロアルケニル)アルキル、または(シクロアルキル)アルケニルが含まれる。
【0045】
本明細書で使用される「アルキル」という用語は、メチル、エチル、n-プロピル、イソプロピル、n-ブチル、イソブチル、s-ブチル、t-ブチル、n-ペンチル、イソペンチル、s-ペンチル、ネオペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、ノニル、デシル、ドデシル、テトラデシル、ヘキサデシル、エイコシル、テトラコシルなどの1~24個の炭素原子の分岐または非分岐の飽和炭化水素基である。アルキル基は環状または非環状であることができる。アルキル基は、分岐または非分岐であることができる。アルキル基はまた、置換または非置換であることができる。例えば、アルキル基は、限定されないが、本明細書に記載されるような、アルキル、シクロアルキル、アルコキシ、アミノ、エーテル、ハロゲン化物、ヒドロキシ、ニトロ、シリル、スルホ-オキソ、またはチオールを含む1つ以上の基で置換することができる。「低級アルキル」基は、1~6個(例えば、1~4個)の炭素原子を含有するアルキル基である。用語アルキル基はまた、C1アルキル、C1~C2アルキル、C1~C3アルキル、C1~C4アルキル、C1~C5アルキル、C1~C6アルキル、C1~C7アルキル、C1~C8アルキル、C1~C9アルキル、C1~C10アルキルなど、C1~C24アルキルまで含むことができる。
【0046】
本明細書全体を通して、「アルキル」は、一般に、非置換アルキル基および置換アルキル基の両方を指すために使用されるが、置換アルキル基はまた、アルキル基上の具体的な置換基(複数可)を識別することによって、本明細書において具体的に指される。例えば、「ハロゲン化アルキル」または「ハロアルキル」という用語は、1つ以上のハロゲン化物、例えば、フッ素、塩素、臭素、またはヨウ素で置換されているアルキル基を具体的に指す。あるいは、「モノハロアルキル」という用語は、単一のハロゲン化物、例えば、フッ素、塩素、臭素、またはヨウ素で置換されているアルキル基を具体的に指す。「ポリハロアルキル」という用語は、2つ以上のハロゲン化物で独立して置換されているアルキル基を具体的に指し、すなわち、各ハロゲン化物置換基は、別のハロゲン化物置換基と同じハロゲン化物である必要はなく、ハロゲン化物置換基の複数の例は、同じ炭素上にある必要もない。「アルコキシアルキル」という用語は、以下で説明されるように、1つ以上のアルコキシ基で置換されているアルキル基を具体的に指す。「アミノアルキル」という用語は、1つ以上のアミノ基で置換されているアルキル基を具体的に指す。「ヒドロキシアルキル」という用語は、1つ以上のヒドロキシ基で置換されているアルキル基を具体的に指す。「アルキル」が一例で使用され、「ヒドロキシアルキル」などの具体的な用語が別に使用される場合、「アルキル」という用語がまた、「ヒドロキシアルキル」などの具体的な用語を指さないことを暗示することは意味されない。
【0047】
この慣例は、本明細書に記載される他の基にも使用される。すなわち、「シクロアルキル」などの用語は、非置換および置換シクロアルキル部分の両方を指すが、置換部分は、加えて、本明細書において特定的に識別することができ、例えば、特定の置換シクロアルキルは、例えば、「アルキルシクロアルキル」を指すことができる。同様に、置換アルコキシは、例えば、「ハロゲン化アルコキシ」として具体的に指すことができ、特定の置換アルケニルは、例えば、「アルケニルアルコール」などであることができる。再び、「シクロアルキル」などの一般用語、および「アルキルシクロアルキル」などの具体的な用語を使用する慣例は、一般用語が具体的な用語も含まないことを暗示することは意味されない。
【0048】
本明細書で使用される「シクロアルキル」という用語は、少なくとも3つの炭素原子から構成される非芳香族炭素系環である。シクロアルキル基の例には、限定されないが、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、ノルボルニルなどが含まれる。「ヘテロシクロアルキル」という用語は、上記で定義されるシクロアルキル基のタイプであり、「シクロアルキル」という用語の意味内に含まれ、環の炭素原子のうちの少なくとも1つが、限定されないが、窒素、酸素、硫黄、またはリンなどのヘテロ原子で置き換えられている。シクロアルキル基およびヘテロシクロアルキル基は、置換または非置換であることができる。シクロアルキル基およびヘテロシクロアルキル基は、限定されないが、本明細書に記載されるアルキル、シクロアルキル、アルコキシ、アミノ、エーテル、ハロゲン化物、ヒドロキシ、ニトロ、シリル、スルホ-オキソ、またはチオールを含む1つ以上の基で置換することができる。
【0049】
本明細書で使用される「ポリアルキレン基」という用語は、互いに連結された2つ以上のCH2基を有する基である。ポリアルキレン基は式-(CH2)a-で表すことができ、式中、「a」は2~500の整数である。
【0050】
「アルコキシ」および「アルコキシル」という用語は、本明細書においてエーテル結合を介して結合したアルキルまたはシクロアルキル基を指すために使用され、すなわち、「アルコキシ」基は、-OA1として定義することができ、A1は、上記で定義されるアルキルまたはシクロアルキルである。「アルコキシ」はまた、直前で説明されているアルコキシ基のポリマーを含み、すなわち、アルコキシは、-OA1-OA2または-OA1-(OA2)a-OA3などのポリエーテルであることができ、式中、「a」は1~200の整数であり、A1、A2、およびA3はアルキル基および/またはシクロアルキル基である。
【0051】
本明細書で使用される「アルケニル」という用語は、少なくとも1つの炭素-炭素二重結合を含有する構造式を有する2~24個の炭素原子の炭化水素基である。(A1A2)C=C(A3A4)などの非対称構造は、EおよびZ異性体の両方を含むことが意図される。これによって本明細書における構造式において、非対称アルケンが存在することを推定することができ、またはそれは結合記号C=Cによって明確に示すことができる。アルケニル基は、限定されないが、本明細書に記載されるような、アルキル、シクロアルキル、アルコキシ、アルケニル、シクロアルケニル、アルキニル、シクロアルキニル、アリール、ヘテロアリール、アルデヒド、アミノ、カルボン酸、エステル、エーテル、ハロゲン化物、ヒドロキシ、ケトン、アジド、ニトロ、シリル、スルホ-オキソ、またはチオールを含む1つ以上の基で置換することができる。
【0052】
本明細書で使用される「シクロアルケニル」という用語は、少なくとも3つの炭素原子で構成され、少なくとも1つの炭素-炭素二重結合、すなわち、C=Cを含有する非芳香族炭素系環である。シクロアルケニル基の例には、限定されないが、シクロプロペニル、シクロブテニル、シクロペンテニル、シクロペンタジエニル、シクロヘキセニル、シクロヘキサジエニル、ノルボルネニルなどが含まれる。「ヘテロシクロアルケニル」という用語は、上記で定義されるシクロアルケニル基のタイプであり、「シクロアルケニル」という用語の意味内に含まれ、環の炭素原子のうちの少なくとも1つは、限定されないが、窒素、酸素、硫黄、またはリンなどのヘテロ原子で置き換えられている。シクロアルケニル基およびヘテロシクロアルケニル基は、置換または非置換であることができる。シクロアルケニル基およびヘテロシクロアルケニル基は、限定されないが、本明細書に記載される、アルキル、シクロアルキル、アルコキシ、アルケニル、シクロアルケニル、アルキニル、シクロアルキニル、アリール、ヘテロアリール、アルデヒド、アミノ、カルボン酸、エステル、エーテル、ハロゲン化物、ヒドロキシ、ケトン、アジド、ニトロ、シリル、スルホ-オキソ、またはチオールを含む1つ以上の基で置換することができる。
【0053】
本明細書で使用される「アルキニル」という用語は、少なくとも1つの炭素-炭素三重結合を含有する構造式を有する2~24個の炭素原子の炭化水素基である。アルキニル基は、非置換、または限定されないが、本明細書に記載される、アルキル、シクロアルキル、アルコキシ、アルケニル、シクロアルケニル、アルキニル、シクロアルキニル、アリール、ヘテロアリール、アルデヒド、アミノ、カルボン酸、エステル、エーテル、ハロゲン化物、ヒドロキシ、ケトン、アジド、ニトロ、シリル、スルホ-オキソ、またはチオールを含む1つ以上の基で置換することができる。
【0054】
本明細書で使用される「シクロアルキニル」という用語は、少なくとも7個の炭素原子から構成され、少なくとも1つの炭素-炭素三重結合を含有する非芳香族炭素系環である。シクロアルキニル基の例には、限定されないが、シクロヘプチニル、シクロオクチニル、シクロノニニルなどが含まれる。「ヘテロシクロアルキニル」という用語は、上記で定義されるシクロアルケニル基のタイプであり、「シクロアルキニル」という用語の意味内に含まれ、環の炭素原子のうちの少なくとも1つは、限定されないが、窒素、酸素、硫黄、またはリンなどのヘテロ原子で置き換えられている。シクロアルキニル基およびヘテロシクロアルキニル基は、置換または非置換であることができる。シクロアルキニル基およびヘテロシクロアルキニル基は、限定されないが、本明細書に記載される、アルキル、シクロアルキル、アルコキシ、アルケニル、シクロアルケニル、アルキニル、シクロアルキニル、アリール、ヘテロアリール、アルデヒド、アミノ、カルボン酸、エステル、エーテル、ハロゲン化物、ヒドロキシ、ケトン、アジド、ニトロ、シリル、スルホ-オキソ、またはチオールを含む1つ以上の基で置換することができる。
【0055】
本明細書で使用される「芳香族基」という用語は、分子の平面の上および下に環状の非局在化π電子雲を有する環構造を指し、π電子雲は(4n+2)個のπ電子を含有する。芳香族性のさらなる考察は、参照により本明細書に組み込まれる、Morrison and Boyd,Organic Chemistry,(5th Ed.,1987),Chapter 13,表題“Aromaticity,”ページ477~497に認められる。用語「芳香族基」は、アリール基およびヘテロアリール基の両方を含む。
【0056】
本明細書で使用される「アリール」という用語は、限定されないが、ベンゼン、ナフタレン、フェニル、ビフェニル、アントラセンなどを含む任意の炭素系芳香族基を含有する基である。アリール基は、置換または非置換であることができる。アリール基は、限定されないが、本明細書に記載のアルキル、シクロアルキル、アルコキシ、アルケニル、シクロアルケニル、アルキニル、シクロアルキニル、アリール、ヘテロアリール、アルデヒド、-NH2、カルボン酸、エステル、エーテル、ハロゲン化物、ヒドロキシ、ケトン、アジド、ニトロ、シリル、スルホ-オキソ、またはチオールを含む1つ以上の基で置換することができる。「ビアリール」という用語は、アリール基の特定のタイプであり、「アリール」の定義に含まれる。加えて、アリール基は、単一の環構造であることができ、あるいは縮合環構造、または炭素-炭素結合などの1つ以上の架橋基を介して結合されるいずれかである複数の環構造を含むことができる。例えば、ビアリールは、ナフタレンにおけるように、縮合環構造を介してともに結合されるか、またはビフェニルにおけるように、1つ以上の炭素-炭素結合を介して結合される2つのアリール基であることができる。
【0057】
本明細書で使用される「アルデヒド」という用語は、式-C(O)Hによって表される。本明細書全体を通して、「C(O)」は、カルボニル基、すなわち、C=Oの略記である。
【0058】
本明細書で使用される「アミン」または「アミノ」という用語は、式-NA1A2によって表され、式中、A1およびA2は、独立して、水素あるいは本明細書に記載されるアルキル、シクロアルキル、アルケニル、シクロアルケニル、アルキニル、シクロアルキニル、アリール、またはヘテロアリール基であることができる。アミノの具体的な例は、-NH2である。
【0059】
本明細書で使用される「アルキルアミノ」という用語は、式-NH(-アルキル)によって表され、アルキルは本明細書に記載されるものである。代表的な例には、限定されないが、メチルアミノ基、エチルアミノ基、プロピルアミノ基、イソプロピルアミノ基、ブチルアミノ基、イソブチルアミノ基、(sec-ブチル)アミノ基、(tert-ブチル)アミノ基、ペンチルアミノ基、イソペンチルアミノ基、(tert-ペンチル)アミノ基、ヘキシルアミノ基などが含まれる。
【0060】
本明細書で使用される「ジアルキルアミノ」という用語は、式-N(-アルキル)2によって表され、アルキルは本明細書に記載されるものである。代表的な例には、限定されないが、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、ジプロピルアミノ基、ジイソプロピルアミノ基、ジブチルアミノ基、ジイソブチルアミノ基(sec-ブチル)アミノ基、ジ(tert-ブチル)アミノ基、ジペンチルアミノ基、ジイソペンチルアミノ基、ジ(tert-ペンチル)アミノ基、ジヘキシルアミノ基、N-エチル-N-メチルアミノ基、N-メチル-N-プロピルアミノ基、N-エチル-N-プロピルアミノ基などが含まれる。
【0061】
本明細書で使用される「カルボン酸」という用語は、式-C(O)OHによって表される。
【0062】
本明細書で使用される「エステル」という用語は、式-OC(O)A1または-C(O)OA1によって表され、式中、A1は、本明細書に記載されるアルキル、シクロアルキル、アルケニル、シクロアルケニル、アルキニル、シクロアルキニル、アリール、またはヘテロアリール基であることができる。本明細書で使用される「ポリエステル」という用語は、式-(A1O(O)C-A2-C(O)O)a-または-(A1O(O)C-A2-OC(O))a-によって表され、式中、A1およびA2は、独立して、本明細書に記載されるアルキル、シクロアルキル、アルケニル、シクロアルケニル、アルキニル、シクロアルキニル、アリール、またはヘテロアリール基であることができ、「a」は1~500の整数である。「ポリエステル」は、少なくとも2つのカルボン酸基を有する化合物と、少なくとも2つのヒドロキシル基を有する化合物との間の反応によって生成される基を説明するために使用される用語としてのものである。
【0063】
本明細書で使用される「エーテル」という用語は、式A1OA2によって表され、式中、A1およびA2は、独立して、本明細書に記載されるアルキル、シクロアルキル、アルケニル、シクロアルケニル、アルキニル、シクロアルキニル、アリール、またはヘテロアリール基であることができる。本明細書で使用される「ポリエーテル」という用語は、式-(A1O-A2O)a-によって表され、式中、A1およびA2は、独立して、本明細書に記載されるアルキル、シクロアルキル、アルケニル、シクロアルケニル、アルキニル、シクロアルキニル、アリール、またはヘテロアリール基であることができ、「a」は1~500の整数である。ポリエーテル基の例には、ポリエチレンオキシド、ポリプロピレンオキシド、およびポリブチレンオキシドが含まれる。
【0064】
本明細書で使用される「ハロ」、「ハロゲン」、または「ハロゲン化物」という用語は、互換的に使用することができ、F、Cl、Br、またはIを指す。
【0065】
本明細書で使用される「偽ハロゲン化物」、「偽ハロゲン」、または「偽ハロ」という用語は、互換的に使用することができ、ハロゲン化物と実質的に類似した挙動をする官能基を指す。そのような官能基には、例として、シアノ、チオシアナト、アジド、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシ、ペルフルオロアルキル、およびペルフルオロアルコキシ基が含まれる。
【0066】
本明細書で使用される「ヘテロアルキル」という用語は、少なくとも1つのヘテロ原子を含有するアルキル基を指す。好適なヘテロ原子には、限定されないが、O、N、Si、P、およびSが含まれ、窒素、リン、および硫黄原子は任意選択的に酸化され、窒素ヘテロ原子は任意選択的に四級化される。ヘテロアルキルは、アルキル基について上記のように置換することができる。
【0067】
本明細書で使用される「ヘテロアリール」という用語は、芳香族基の環内に組み込まれた少なくとも1つのヘテロ原子を有する芳香族基を指す。ヘテロ原子の例には、限定されないが、窒素、酸素、硫黄、およびリンが含まれ、N-オキシド、硫黄酸化物、および二酸化炭素は、容認されるヘテロ原子置換である。ヘテロアリール基は、置換または非置換であることができる。ヘテロアリール基は、限定されないが、本明細書に記載のアルキル、シクロアルキル、アルコキシ、アミノ、エーテル、ハロゲン化物、ヒドロキシ、ニトロ、シリル、スルホ-オキソ、またはチオールを含む1つ以上の基で置換され得る。ヘテロアリール基は、単環式、または縮合環系であることができる。ヘテロアリール基には、限定されないが、フリル、イミダゾリル、ピリミジニル、テトラゾリル、チエニル、ピリジニル、ピロリル、N-メチルピロリル、キノリニル、イソキノリニル、ピラゾリル、トリアゾリル、チアゾリル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、オキサジアゾリル、チアジアゾリル、イソチアゾリル、ピリダジニル、ピラジニル、ベンゾフラニル、ベンゾジオキソリル、ベンゾチオフェニル、インドリル、インダゾリル、ベンジイミダゾリル、イミダゾピリジニル、ピラゾロピリジニル、およびピラゾロピリミジニルが含まれる。ヘテロアリール基のさらに限定されない例には、限定されないが、ピリジニル、ピリダジニル、ピリミジニル、ピラジニル、チオフェニル、ピラゾリル、イミダゾリル、ベンゾ[d]オキサゾリル、ベンゾ[d]チアゾリル、キノリニル、キナゾリニル、インダゾリル、イミダゾ[1,2-b]ピリダジニル、イミダゾ[1,2-a]ピラジニル、ベンゾ[c][1,2,5]チアジアゾリル、ベンゾ[c][1,2,5]オキサジアゾリル、およびピリド[2,3-b]ピラジニルが含まれる。
【0068】
本明細書で使用される「複素環」または「ヘテロシクリル」という用語は、互換的に使用することができ、環員のうちの少なくとも1つが炭素以外である単環式および多環式芳香族または非芳香族環系を指す。したがって、本用語は、限定されないが、「ヘテロシクロアルキル」、「ヘテロアリール」、「二環式複素環」、および「多環式複素環」を含む。複素環には、ピリジン、ピリミジン、フラン、チオフェン、ピロール、イソオキサゾール、イソチアゾール、ピラゾール、オキサゾール、チアゾール、イミダゾール、1,2,3-オキサジアゾール、1,2,5-オキサジアゾールおよび1,3,4-オキサジアゾールを含むオキサゾール、1,2,3-チアジアゾール、1,2,5-チアジアゾール、および1,3,4-チアジアゾールを含むチアジアゾール、1,2,3-トリアゾール、1,3,4-トリアゾールを含むトリアゾール、1,2,3,4-テトラゾールおよび1,2,4,5-テトラゾールを含むテトラゾール、ピリダジン、ピラジン、1,2,4-トリアジンおよび1,3,5-トリアジンを含むトリアジン、1,2,4,5-テトラジンを含むテトラジン、ピロリジン、ピペリジン、ピペラジン、モルホリン、アゼチジン、テトラヒドロピラン、テトラヒドロフラン、ジオキサンなどが含まれる。ヘテロシクリル基という用語はまた、C2ヘテロシクリル、C2~C3ヘテロシクリル、C2~C4ヘテロシクリル、C2~C5ヘテロシクリル、C2~C6ヘテロシクリル、C2~C7ヘテロシクリル、C2~C8ヘテロシクリル、C2~C9ヘテロシクリル、C2~C10ヘテロシクリル、C2~C11ヘテロシクリルなどであることができ、C2~C18ヘテロシクリルまでを含む。例えば、C2ヘテロシクリルは、2つの炭素原子および少なくとも1つのヘテロ原子を有する基を含み、限定されないが、アジリジニル、ジアゼチジニル、ジヒドロジアゼチル、オキシラニル、チイラニルなどが含まれる。あるいは、例えば、C5ヘテロシクリルは、5つの炭素原子および少なくとも1つのヘテロ原子を有する基を含み、限定されないが、ピペリジニル、テトラヒドロピラニル、テトラヒドロチオピラニル、ジアゼパニル、ピリジニルなどが含まれる。ヘテロシクリル基は、化学的に可能な場合、環内のヘテロ原子、またはヘテロシクリル環を含む炭素のうちの1つを介して結合され得ることが理解される。
【0069】
本明細書で使用される「二環式複素環」または「二環式ヘテロシクリル」という用語は、環員のうちの少なくとも1つが炭素以外である環系を指す。二環式ヘテロシクリルは、芳香族環が別の芳香族環と縮合されている、または芳香族環が非芳香族環と縮合されている環系を包含する。二環式ヘテロシクリルは、ベンゼン環が1、2、もしくは3個の環ヘテロ原子を含有する5員もしくは6員環に縮合されている、またはピリジン環が1、2、もしくは3個の環ヘテロ原子を含有する5員もしくは6員環に縮合されている環系を包含する。二環式複素環式基には、限定されないが、インドリル、インダゾリル、ピラゾロ[1,5-a]ピリジニル、ベンゾフラニル、キノリニル、キノキサリニル、1,3-ベンゾジオキソリル、2,3-ジヒドロ-1,4-ベンゾジオキシニル、3,4-ジヒドロ-2H-クロメニル、1H-ピラゾロ[4,3-c]ピリジン-3-イル、1H-ピロロ[3,2-b]ピリジン-3-イル、および1H-ピラゾロ[3,2-b]ピリジン-3-イルが含まれる。
【0070】
本明細書で使用される「ヘテロシクロアルキル」という用語は、脂肪族で、部分的に不飽和または完全飽和の3~14員環系を指し、3~8個の原子の単環ならびに二環式および三環式環系を含む。ヘテロシクロアルキル環系は、独立して、酸素、窒素、および硫黄から選択される1~4個のヘテロ原子を含み、窒素および硫黄ヘテロ原子は任意選択的に酸化され得、窒素ヘテロ原子は任意選択的に置換され得る。代表的なヘテロシクロアルキル基には、限定されないが、ピロリジニル、ピラゾリニル、ピラゾリジニル、イミダゾリニル、イミダゾリジニル、ピペリジニル、ピペラジニル、オキサゾリジニル、イソオキサゾリジニル、モルホリニル、チアゾリジニル、イソチアゾリジニル、およびテトラヒドロフリルが含まれる。
【0071】
本明細書で使用される「ヒドロキシル」または「ヒドロキシル」という用語は、式-OHによって表される。
【0072】
本明細書で使用される「ケトン」という用語は、式A1C(O)A2によって表され、式中、A1およびA2は、独立して、本明細書に記載されるアルキル、シクロアルキル、アルケニル、シクロアルケニル、アルキニル、シクロアルキニル、アリール、またはヘテロアリール基であることができる。
【0073】
本明細書で使用される「アジド(azide)」または「アジド(azido)」という用語は、式-N3によって表される。
【0074】
本明細書で使用される「ニトロ」という用語は、式-NO2によって表される。
【0075】
本明細書で使用される「ニトリル」または「シアノ」という用語は、式-CNによって表される。
【0076】
本明細書で使用される「シリル」という用語は、式-SiA1A2A3によって表され、式中、A1、A2、およびA3は、独立して、水素、または本明細書に記載されるアルキル、シクロアルキル、アルコキシ、アルケニル、シクロアルケニル、アルキニル、シクロアルキニル、アリール、もしくはヘテロアリール基であることができる。
【0077】
本明細書で使用される「スルホ-オキソ」という用語は、式-S(O)A1、-S(O)2A1、-OS(O)2A1、または-OS(O)2OA1によって表され、式中、A1は、水素、または本明細書に記載されるアルキル、シクロアルキル、アルケニル、シクロアルケニル、アルキニル、シクロアルキニル、アリール、もしくはヘテロアリール基であることができる。本明細書全体を通して、「S(O)」は、S=Oの略称である。「スルホニル」という用語は、式-S(O)2A1で表されるスルホ-オキソ基を指すために本明細書で使用され、式中、A1は、水素、または本明細書に記載のアルキル、シクロアルキル、アルケニル、シクロアルケニル、アルキニル、シクロアルキニル、アリール、もしくはヘテロアリール基であることができる。本明細書で使用される「スルホン」という用語は、式A1S(O)2A2によって表され、式中、A1およびA2は、独立して、本明細書に記載されるアルキル、シクロアルキル、アルケニル、シクロアルケニル、アルキニル、シクロアルキニル、アリール、またはヘテロアリール基であることができる。本明細書で使用される「スルホキシド」という用語は、式A1S(O)A2によって表され、式中、A1およびA2は、独立して、本明細書に記載されるアルキル、シクロアルキル、アルケニル、シクロアルケニル、アルキニル、シクロアルキニル、アリール、またはヘテロアリール基であることができる。
【0078】
本明細書で使用される「チオール」という用語は、式-SHによって表される。
【0079】
「R1」、「R2」、「R3」、「Rn」は、nが整数であり、本明細書で使用される場合、独立して、上記に列挙される基のうちの1つ以上を有することができる。例えば、R1が直鎖アルキル基である場合、アルキル基の水素原子のうちの1つは、任意選択的に、ヒドロキシル基、アルコキシ基、アルキル基、ハロゲン化物などで置換することができる。選択される基に応じて、第1の基を第2の基内に組み込むことができ、あるいは、第1の基を第2の基に付属(すなわち、取り付け)させることができる。例えば、「アミノ基を含むアルキル基」という句では、アミノ基は、アルキル基の骨格内に組み込むことができる。代替的に、アミノ基をアルキル基の骨格に結合させることができる。選択される基の性質が、第1の基が第2の基に埋め込まれるかまたは結合されるかを決定する。
【0080】
本明細書に記載されるように、本発明の化合物は、「任意選択的に置換された」部分を含有し得る。一般に、「置換された」という用語は、「任意選択的に」という用語が先行するか否かにかかわらず、指定された部分のうちの1つ以上の水素が好適な置換基で置き換えられることを意味する。別段の指示がない限り、「任意選択的に置換された」基は、基の各々の置換可能な位置に好適な置換基を有してもよく、任意の所与の構造内の1を超える位置が、特定の基から選択される1を超える置換基で置換され得る場合、置換基は、すべての位置で同じであっても異なってもよい。本発明によって想定される置換基の組み合わせは、好ましくは、安定なまたは化学的に実現可能な化合物の形成をもたらすものである。また、特定の態様において、反対が明示的に示されない限り、個々の置換基は、さらに任意選択的に置換することができる(すなわち、さらなる置換または非置換である)ことが考えられる。
【0081】
本明細書で使用される「安定な」という用語は、それらの生成、検出、ならびにある特定の態様において、それらの回収、精製、および本明細書に開示される目的のうちの1つ以上のための使用を可能にする条件にされるときに、実質的に変化しない化合物を指す。
【0082】
「任意選択的に置換された」基の置換可能な炭素原子上の好適な一価置換基は、独立して、ハロゲン、-(CH2)0~4R°、-(CH2)0~4OR°、-O(CH2)0~4R°、-O-(CH2)0~4C(O)OR°、-(CH2)0~4CH(OR°)2、-(CH2)0~4SR°、R°で置換され得る-(CH2)0~4Ph、R°で置換され得る-(CH2)0~4O(CH2)0~1Ph、R°で置換され得る-CH=CHPh、R°で置換され得る-(CH2)0~4O(CH2)0~1-ピリジル、-NO2、-CN、-N3、-(CH2)0~4N(R°)2、-(CH2)0~4N(R°)C(O)R°、-N(R°)C(S)R°、-(CH2)0~4N(R°)C(O)NR°2、-N(R°)C(S)NR°2、-(CH2)0~4N(R°)C(O)OR°、-N(R°)N(R°)C(O)R°、-N(R°)N(R°)C(O)NR°2、-N(R°)N(R°)C(O)OR°、-(CH2)0~4C(O)R°、-C(S)R°、-(CH2)0~4C(O)OR°、-(CH2)0~4C(O)SR°、-(CH2)0~4C(O)OSiR°3、-(CH2)0~4OC(O)R°、-OC(O)(CH2)0~4SR-、SC(S)SR°、-(CH2)0~4SC(O)R°、-(CH2)0~4C(O)NR°2、-C(S)NR°2、-C(S)SR°、-(CH2)0~4OC(O)NR°2、-C(O)N(OR°)R°、-C(O)C(O)R°、-C(O)CH2C(O)R°、-C(NOR°)R°、-(CH2)0~4SSR°、-(CH2)0~4S(O)2R°、-(CH2)0~4S(O)2OR°、-(CH2)0~4OS(O)2R°、-S(O)2NR°2、-(CH2)0~4S(O)R°、-N(R°)S(O)2NR°2、-N(R°)S(O)2R°、-N(OR°)R°、-C(NH)NR°2、-P(O)2R°、-P(O)R°2、-OP(O)(OR°)2、SiR°3、-(C1-4直鎖もしくは分岐のアルキレン)O-N(R°)2、または-(C1-4直鎖もしくは分枝状アルキレン)C(O)O-N(R°)2であり、式中、各R°は、以下に定義されるように置換され得、独立して、水素、C1~6脂肪族、-CH2Ph、-O(CH2)0~1Ph、-CH2-(5~6員ヘテロアリール環)、または5~6員の飽和、部分不飽和、あるいは窒素、酸素、もしくは硫黄から独立して選択される0~4個のヘテロ原子を有するアリール環、または上記の定義にかかわらず、2つの独立したR°の出現は、それらの介在原子(複数可)とともに、3~12員の飽和、部分不飽和、または独立して窒素、酸素、もしくは硫黄から選択される0~4個のヘテロ原子を有するアリール単環式もしくは二環式環を形成し、以下に定義されるように置換され得る。
【0083】
R°上の好適な一価置換基(またはR°の2つの独立した出現をそれらの介在原子とともに有することによって形成される環)は、独立して、ハロゲン、-(CH2)0~2R●、-(ハロR●)、-(CH2)0~2OH、-(CH2)0~2OR●、-(CH2)0~2CH(OR●)2、-O(ハロR●)、-CN、-N3、-(CH2)0~2C(O)R●、-(CH2)0~2C(O)OH、-(CH2)0~2C(O)OR●、-(CH2)0~2SR●、-(CH2)0~2SH、-(CH2)0~2NH2、-(CH2)0~2NHR●、-(CH2)0~2NR●
2、-NO2、-SiR●
3、-OSiR●
3、-C(O)SR●
、-(C1~4直鎖または分岐のアルキレン)C(O)OR●、あるいは-SSR●であり、各R●は非置換、または「ハロ」が先行する場合、1つ以上のハロゲンでのみ置換され、独立して、C1~4脂肪族、-CH2Ph、-O(CH2)0~1Ph、または5~6員飽和、部分的不飽和、あるいは独立して窒素、酸素、もしくは硫黄から選択される0~4個のヘテロ原子を有するアリール環から選択される。R°の飽和炭素原子上の好適な二価置換基には、=Oおよび=Sが含まれる。
【0084】
「任意選択的に置換された」基の飽和炭素原子上の好適な二価置換基には、=O、=S、=NNR*
2、=NNHC(O)R*、=NNHC(O)OR*、=NNHS(O)2R*、=NR*、=NOR*、-O(C(R*
2))2~3O-、または-S(C(R*
2))2~3S-が含まれ、R*の各独立した出現は、水素、以下に定義されるように置換され得るC1~6脂肪族、または非置換5-6員の飽和、部分的不飽和、あるいは独立して窒素、酸素、もしくは硫黄から選択される0~4個のヘテロ原子を有するまたはアリール環から選択される。「任意選択的に置換された」基の隣接した置換可能な炭素に結合する好適な二価の置換基には、-O(CR*
2)2~3O-が含まれ、式中、R*の各独立した出現は、水素、以下に定義されるように置換され得るC1~6脂肪族、または非置換5~6員の飽和、部分的不飽和、あるいは独立して窒素、酸素、もしくは硫黄から選択される0~4個のヘテロ原子を有するアリール環から選択される。
【0085】
R*の脂肪族基上の好適な置換基には、ハロゲン、-R●、-(ハロR●)、-OH、-OR●、-O(ハロR●)、-CN、-C(O)OH、-C(O)OR●、-NH2、-NHR●、-NR●
2、もしくは-NO2が含まれ、式中、各R●は非置換であるか、または「ハロ」が先行する場合は、1つ以上のハロゲンのみで置換され、かつ独立して、C1~4脂肪族、-CH2Ph、-O(CH2)0~1Ph、または5~6員飽和、部分的に不飽和、あるいは独立して窒素、酸素、もしくは硫黄から選択される0~4個のヘテロ原子を有するアリール環である。
【0086】
「任意選択的に置換された」基の置換可能な窒素上の好適な置換基には、-R†、-NR†
2、-C(O)R†、-C(O)OR†、-C(O)C(O)R†、-C(O)CH2C(O)R†、-S(O)2R†、-S(O)2NR†
2、-C(S)NR†
2、-C(NH)NR†
2、または-N(R†)S(O)2R†が含まれ、式中、各R†は、独立して、水素、以下に定義されるように置換され得るC1-6脂肪族、非置換-OPh、または非置換5~6員の飽和、部分的不飽和、あるいは独立して窒素、酸素、もしくは硫黄から選択される0~4個のヘテロ原子を有するアリール環、あるいは上記の定義にかかわらず、R†の2つの独立した出現は、それらの介在原子(複数可)とともに、非置換3~12員の飽和、部分的に不飽和、または独立して窒素、酸素、もしくは硫黄から選択される0~4個のヘテロ原子を有するアリール単環、または二環を形成する。
【0087】
R†の脂肪族基上の好適な置換基は、独立して、ハロゲン、-R●、-(ハロR●)、-OH、-OR●、-O(ハロR●)、-CN、-C(O)OH、-C(O)OR●、-NH2、-NHR●、-NR●
2、もしくは-NO2であり、式中、各R●は非置換であるか、または「ハロ」が先行する場合は、1つ以上のハロゲンのみで置換され、かつ独立して、C1~4脂肪族、-CH2Ph、-O(CH2)0~1Ph、または5~6員飽和、部分的に不飽和、あるいは独立して窒素、酸素、もしくは硫黄から選択される0~4個のヘテロ原子を有するアリール環である。
【0088】
「脱離基」という用語は、安定種として置換され得る電子求引性能力を有する原子(または原子の基)を指し、それによって結合電子を得る。好適な脱離基の例には、ハロゲン化物およびスルホン酸エステルが含まれ、限定されないが、トリフレート、メシル酸塩、トシル酸塩、およびブロシル酸塩が含まれる。
【0089】
「加水分解性基」および「加水分解性部分」という用語は、例えば、塩基性または酸性条件下で、加水分解を受けることができる官能基を指す。加水分解性残基の例には、限定されないが、酸ハロゲン化物、活性化カルボン酸、および当該技術分野で知られている様々な保護基が含まれる(例えば、”Protective Groups in Organic Synthesis”T.W.Greene,P.G.M.Wuts,Wiley-Interscience,1999を参照する)。
【0090】
用語「有機残基」は、炭素含有残基、すなわち、少なくとも1つの炭素原子を含む残基を定義し、限定されないが、上記で定義される炭素含有基、残基、またはラジカルが含まれる。有機残基は、様々なヘテロ原子を含有することができ、または酸素、窒素、硫黄、リンなどを含むヘテロ原子を介して別の分子と結合することができる。有機残基の例には、限定されないが、アルキルまたは置換アルキル、アルコキシまたは置換アルコキシ、一置換または二置換アミノ、アミド基などが含まれる。有機残基は、好ましくは、1~18個の炭素原子、1~15個の炭素原子、1~12個の炭素原子、1~8個の炭素原子、1~6個の炭素原子、または1~4個の炭素原子を含むことができる。さらなる態様において、有機残基は、2~18個の炭素原子、2~15個の炭素原子、2~12個の炭素原子、2~8個の炭素原子、2~4個の炭素原子、または2~4個の炭素原子を含むことができる。
【0091】
「残基」という用語の非常に近い同義語は、本明細書および最終請求項で使用される場合、分子がどのように調製されるかにかかわらず、本明細書に記載される分子の断片、基、または下位構造を指す「ラジカル」という用語である。例えば、特定の化合物における2,4-チアゾリジンジオンラジカルは、以下の構造を有し、
【化2】
チアゾリジンジオンが本化合物を調製するために使用されるかにかかわらない。いくつかの実施形態において、ラジカル(例えば、アルキル)は、1つ以上の「置換基ラジカル」をそこに結合させることによってさらに変更することができる(すなわち、置換アルキル)。所与のラジカル中の原子の数は、本明細書の他の箇所で反対として示されない限り、本発明にとって重要ではない。
【0092】
「有機ラジカル」は、用語が本明細書で定義されて使用される場合、1つ以上の炭素原子を含有する。有機ラジカルは、例えば、1~26個の炭素原子、1~18個の炭素原子、1~12個の炭素原子、1~8個の炭素原子、1~6個の炭素原子、または1~4個の炭素原子を有することができる。さらなる態様において、有機ラジカルは、2~26個の炭素原子、2~18個の炭素原子、2~12個の炭素原子、2~8個の炭素原子、2~6個の炭素原子、または2~4個の炭素原子を有することができる。有機ラジカルは、しばしば、有機ラジカルの炭素原子の少なくともいくつかと結合されている水素を有する。無機原子を含まない有機ラジカルの一例は、5,6,7,8-テトラヒドロ-2-ナフチルラジカルである。いくつかの実施形態において、有機ラジカルはそこにまたはその中で結合された1~10個の無機ヘテロ原子を含有することができ、ハロゲン、酸素、硫黄、窒素、リンなどが含まれる。有機ラジカルの例には、限定されないが、アルキル、置換アルキル、シクロアルキル、置換シクロアルキル、一置換アミノ、二置換アミノ、アシルオキシ、シアノ、カルボキシ、カルボアルコキシ、アルキルカルボキサミド、置換アルキルカルボキサミド、ジアルキルカルボキサミド、置換ジアルキルカルボキサミド、アルキルスルホニル、アルキルスルフィニル、チオアルキル、チオハロアルキル、アルコキシ、置換アルコキシ、ハロアルキル、ハロアルコキシ、アリール、置換アリール、ヘテロアリール、複素環式、または置換複素環式ラジカルが含まれ、これらの用語は本明細書の他の箇所で定義される。ヘテロ原子を含む有機ラジカルのいくつかの非限定的な例には、アルコキシラジカル、トリフルオロメトキシラジカル、アセトキシラジカル、ジメチルアミノラジカルなどが含まれる。
【0093】
本明細書で説明される化合物は、1つ以上の二重結合を含有することができ、したがって、シス/トランス(E/Z)異性体、ならびに他の配座異性体を潜在的に生じる。反対の記載がない限り、本発明は、すべてのそのような可能性のある異性体、ならびにそのような異性体の混合物を含む。
【0094】
反対の記載がない限り、実線としてのみ示され、くさび形または破線として示されない化学結合を有する式は、各可能な異性体、例えば、各鏡像異性体およびジアステレオマー、ならびに異性体の混合物、例えば、ラセミ混合物またはスカレミック混合物が考えられる。本明細書で説明される化合物は、1つ以上の非対称中心を含有することができ、したがって、ジアステレオマーおよび光学異性体を生じる可能性がある。反対の記載がない限り、本発明は、すべてのそのような可能性のあるジアステレオマー、ならびにそれらのラセミ混合物、それらの実質的に純粋な分解エナンチオマー、すべての可能な幾何異性体、およびそれらの薬学的に許容される塩を含む。立体異性体の混合物、ならびに単離された特異的立体異性体も含まれる。そのような化合物を調製するために使用される合成手順の過程で、または当業者に知られているラセミ化もしくはエピマー化手順を使用する場合、そのような手順の生成物は、立体異性体の混合物であり得る。
【0095】
多くの有機化合物は、平面偏光の平面を回転させる能力を有する光学的に活性な形態で存在する。光学的に活性な化合物を説明する際、接頭辞DおよびLまたはRおよびSは、そのキラル中心(複数可)に関する分子の絶対配置を示すために使用される。接頭辞dおよびlまたは(+)および(-)は、化合物による平面偏光の回転の記号を表すために使用され、(-)によって化合物が左旋性であることを意味する。(+)またはdを接頭辞とする化合物は、右旋性である。所与の化学構造に関して、これらの化合物は、互いの重ね合わせが不可能な鏡像であることを除いて、同一である。特定の立体異性体は、鏡像異性体とも称され得、そのような異性体の混合物は、しばしば鏡像異性体混合物と称される。鏡像異性体の50:50混合物は、ラセミ混合物と称される。本明細書で説明される化合物の多くは、1つ以上のキラル中心を有し得るため、異なる鏡像異性体型で存在し得る。必要に応じて、キラル炭素をアスタリスク(*)で指定することができる。キラル炭素との結合が開示される式において直線として示される場合、キラル炭素の(R)および(S)配置の両方、したがって、両鏡像異性体およびそれらの混合物が式内に包含されることが理解される。当該技術分野で使用されるように、キラル炭素に関する絶対配置を特定することが望まれる場合、キラル炭素との結合のうちの1つは、くさび(平面の上での原子との結合)として示され得、他方は一連の短い平行線またはくさびとして示され得る(平面の下での原子との結合)。Cahn-Ingold-Prelogシステムを使用して、(R)または(S)配置をキラル炭素に割り当てることができる。
【0096】
開示される化合物が1つのキラル中心を含有する場合、化合物は2つの鏡像異性体型で存在する。特に反対の記載がない限り、開示される化合物は、両鏡像異性体およびラセミ混合物と称される特定の50:50混合物などの鏡像異性体の混合物を含む。鏡像異性体は、例えば、結晶化によって分離され得るジアステレオマー塩の生成(David KozmaによるCRC Handbook of Optical Resolutions via Diastereomeric Salt Formation(CRC Press,2001)を参照する)、例えば、結晶化、ガス-液体もしくは液体クロマトグラフィーによって分離され得るジアステレオマー誘導体もしくは複合体の生成、エナンチオマー特異的試薬、例えば、酵素的エステル化による1つの鏡像異性体の選択的反応、あるいは、例えば、キラル支持体、例えば、結合キラル配位体を有すシリカ、またはキラル溶媒の存在下でのキラル環境中のガス-液体もしくは液体クロマトグラフィーなど、当業者に既知の方法によって解明することができる。所望の鏡像異性体が上述の分離手順のうちの1つによって別の化学物質に変換される場合、さらなるステップは所望の鏡像異性体型を遊離することができることが理解されるであろう。あるいは、特定の鏡像異性体は、光学的に活性な試薬、基質、触媒、もしくは溶媒を使用する非対称合成によって、または1つの立体異性体を非対称変換で他に変換することによって、合成することができる。
【0097】
開示される化合物中のキラル炭素での特定の絶対配置の指定は、化合物の指定された鏡像異性体型が鏡像異性体過剰(e.e.)で得ることができることを意味すると理解される。本明細書で使用される鏡像異性体過剰は、50%超、例えば60%超、70%超、75%超、80%超、85%超、90%超、95%超、98%超、または99%超の特定の鏡像異性体の存在である。一態様において、指定された鏡像異性体は、他の鏡像異性体を実質的に含まない。例えば、化合物の「R」型は、化合物の「S」型を実質的に含まないことができ、したがって、「S」型の鏡像異性体過剰にある。逆に、化合物の「S」型は、化合物の「R」型を実質的に含まないことができ、したがって、「R」型の鏡像異性体過剰にある。
【0098】
開示される化合物が2つ以上のキラル炭素を有する場合、それは2つを超える光学異性体を有し得、ジアステレオ異性体型で存在し得る。例えば、2つのキラル炭素が存在する場合、化合物は、最大4つの光学異性体、ならびに2つの対の鏡像異性体((S、S)/(R、R)および(R、S)/(S、R))を有することができる。鏡像異性体の対(例えば、(S,S)/(R,R))は、互いに鏡像立体異性体である。鏡像ではない立体異性体(例えば、(S、S)および(R、S))は、ジアステレオマーである。ジアステレオ異性体対は、例えば、クロマトグラフィーまたは結晶化など、当業者に既知の方法によって分離することができ、各対内の個々の鏡像異性体は、上記のように分離することができる。特に除外されない限り、開示される化合物は、そのような化合物およびそれらの混合物の各ジアステレオ異性体を含む。
【0099】
本開示による化合物は、プロドラッグ形成部分としてアルコキシ、アミノ酸などを使用したヒドロキシルまたはアミノ官能基でプロドラッグを形成し得る。例えば、ヒドロキシメチル位置はモノ-、ジ-、またはトリリン酸塩を形成し得、またこれらのリン酸塩はプロドラッグを形成し得る。そのようなプロドラッグ誘導体の調製は、様々な文献で考察されている(例は、Alexander et al.J.Med.Chem.1988,31,318、Aligas-Martin et al.,PCT WO 2000/041531,p.30)。これらの誘導体を調製する際に変換される窒素官能基は、本開示の化合物の窒素原子の1つ(または複数)である。
【0100】
本明細書に開示される化合物の「誘導体」は、薬学的に許容される塩、プロドラッグ、重水素化形態、放射性標識された形態、異性体、溶媒和物、およびそれらの組み合わせである。この文脈で言及される「組み合わせ」は、薬学的に許容される塩、プロドラッグ、重水素化形態、放射性標識された形態、異性体、および溶媒和物といった群のうちの少なくとも2つの中に入る誘導体を指す。放射性標識された形態の例には、トリチウム、リン-32、ヨウ素-129、炭素-11、フッ素-18などで標識された化合物が含まれる。
【0101】
本明細書で説明される化合物は、それらの自然同位体量および非自然存在量の両方で原子を含む。開示される化合物は、1つ以上の原子が、天然で典型的に認められる原子質量または質量数とは異なる原子質量または質量数を有する原子によって置き換えられるという事実以外は、記載されるものと同一の同位体標識または同位体置換化合物であり得る。本発明の化合物に組み込まれ得る同位体の例には、水素、炭素、窒素、酸素、リン、フッ素、および塩素の同位体が含まれ、それぞれ2H、3H、13C、14C、15N、18O、17O、35S、18F、および36Clなどが挙げられる。化合物はさらにそのプロドラッグを含み、前述の同位体および/または他の原子の他の同位体を含有する当該化合物または当該プロドラッグの薬学的に許容される塩は、本発明の範囲内である。本発明の特定の同位体標識された化合物、例えば、3Hおよび14Cなどの放射性同位体が組み込まれる化合物は、薬剤および/または基質組織分布アッセイにおいて有用である。トリチウム化、すなわち、3H、および炭素-14、すなわち、14Cである同位体は、それらの調製の容易さおよび検出可能性のために特に好ましい。さらに、重水素、すなわち、2Hなどのより重い同位体による置換は、より高い代謝安定性、例えば、インビボ半減期の増加または用量要件の低減から生じる特定の治療上の利点をもたらすことができ、したがって、いくつかの状況において好ましいものであり得る。本発明の同位体標識化合物およびそのプロドラッグは、一般的に、以下の手順を実施することによって、容易に入手可能な同位体標識試薬を非同位体標識試薬について置換することによって、調製することができる。
【0102】
本発明に記載される化合物は、溶媒和物として存在することができる。いくつかの例では、溶媒和物を調製するために使用される溶媒は水溶液であり、そのため溶媒和物はしばしば水和物と称される。化合物は、水和物として存在することができ、これは、例えば、溶媒または水溶液からの結晶化によって得ることができる。この関連において、1、2、3、または任意の数の溶媒または水分子を本発明による化合物と組み合わせて、溶媒和物および水和物を生成することができる。反対の記載がない限り、本発明は、そのような可能性のあるすべての溶媒和物を含む。
【0103】
用語「共結晶」は、非共有相互作用を通じてそれらの安定性を担う、2つ以上の分子の物理的会合を意味する。この分子複合体のうちの1つ以上の成分は、結晶格子における安定したフレームワークをもたらす。特定の例では、ゲスト分子は、無水物または溶媒和物として結晶格子中に組み込まれ、例えば、「Crystal Engineering of the Composition Pharmaceutical Phase.Do Pharmaceutical Co-crystals Represent a New Path to Improved Medicines?”Almarasson,O.ら,The Royal Society of Chemistry,1889-1896,2004.を参照する。共結晶の例には、p-トルエンスルホン酸およびベンゼンスルホン酸が含まれる。
【0104】
本明細書で説明される特定の化合物は、互変異性体の平衡として存在することができることも考えられる。例えば、α-水素を有するケトンは、ケト型およびエノール型の平衡で存在することができる。
【化3】
【0105】
同様に、N-水素を有するアミドは、アミド型およびイミジン酸型の平衡で存在することができる。別の例として、ピラゾールは、以下に示すように、N
1非置換、3-A
3およびN
1非置換、5-A
3の2つの互変異性型で存在することができる。
【化4】
反対の記載がない限り、本発明は、すべてのそのような可能性のある互変異性体を含む。
【0106】
化学物質は、多形形態または改変と呼ばれる、異なる秩序状態で存在する個体を形成することが知られている。多形性物質の異なる変形は、それらの物理的特性において大きく異なり得る。本発明による化合物は、異なる多形型で存在することができ、特定の変形が準安定であることが可能である。反対の記載がない限り、本発明は、すべてのそのような可能性のある多形型を含む。
【0107】
いくつかの態様において、化合物の構造は以下の式によって表すことができ、
【化5】
これは以下の式と同等であると理解され、
【化6】
式中、nは典型的には整数である。すなわち、R
nは、5つの独立した置換基、R
n(a)、R
n(b)、R
n(c)、R
n(d)、R
n(e)を表すと理解される。「独立した置換基」によって、各R置換基が独立して定義され得ることを意味する。例えば、一例では、R
n(a)がハロゲンである場合、そのときR
n(b)はその例において必ずしもハロゲンではない。
【0108】
本明細書に開示されるある特定の材料、化合物、組成物、および構成要素は、商業的に得ることができるか、または当業者に一般に既知の技術を用いて容易に合成することができる。例えば、開示される化合物および組成物の調製に使用される出発材料および試薬は、Aldrich Chemical Co.,(Milwaukee,Wis.)、Acros Organics(Morris Plains,N.J.)、Strem Chemicals(Newburyport,MA)、Fisher Scientific(Pittsburgh,Pa.)、もしくはSigma(St.Louis,Mo.)などの商業的供給業者から入手、またはFieser and Fieser’s Reagents for Organic Synthesis,Volumes 1-17(John Wiley and Sons,1991)、Rodd’s Chemistry of Carbon Compounds,Volumes 1-5 and supplemental volumes(Elsevier Science Publishers,1989)、Organic Reactions,Volumes 1-40(John Wiley and Sons,1991)、March’s Advanced Organic Chemistry,(John Wiley and Sons, 4th Edition)、およびLarock’s Comprehensive Organic Transformations (VCH Publishers Inc.,1989)などの参考文献に記載される手順に従って、当業者に既知の方法によって調製される。
【0109】
特に明記しない限り、本明細書で示されるいずれの方法も、そのステップを特定の順序で実行する必要があると解釈されることは決して意図されていない。したがって、方法請求の範囲が実際にそのステップに続く順序を列挙していない場合、またはステップが特定の順序に限定されることが請求項または説明において特に記載されていない場合、いかなる点においても、順序が推測されることは決して意図されていない。これは、解釈のためにいずれかの可能性がある表現されないベースについても該当し、ステップもしくは操作の配列に関する論理事項、文法的な構成または句読点から引き出される明白な意味、および本明細書で説明される実施形態の数もしくはタイプが含まれる。
【0110】
本発明の組成物を調製するために使用される構成要素、および本明細書に開示される方法内で使用される組成物自体が開示される。これらおよび他の材料が本明細書に開示されており、これらの材料の組み合わせ、サブセット、相互作用、グループなどが開示される場合、これらの化合物の各々の様々な個々および集合的な組み合わせおよび交換の具体的な参考は明示的に開示できないが、各々が本明細書で具体的に考えられて説明されることが理解される。例えば、特定の化合物が開示され、論じられ、化合物を含むいくつかの分子に対して行われ得るいくつかの修飾が論じられる場合、具体的にそうではないと指示されない限り、化合物のあらゆる組み合わせおよび順列、ならびに可能な修飾が明確に企図される。したがって、分子A、B、およびCのクラスだけでなく、分子D、E、およびFのクラス、ならびに組み合わせ分子の一例として、A-Dが開示される場合、各々が個別に列挙されていない場合でも、各々が個別にかつ集合的に企図され、すなわち、A-E、A-F、B-D、B-E、B-F、C-D、C-E、およびC-Fが開示されていると見なされる。同様に、これらの任意のサブセットまたは組み合わせも開示される。したがって、例えば、A-E、B-F、およびC-Eのサブグループが開示されると見なされるであろう。この概念は、限定されないが、本発明の組成物の作製および使用方法におけるステップを含む、本出願のすべての態様に適用される。したがって、実施され得る様々な追加のステップが存在する場合、これらの追加のステップの各々は、本発明の方法の任意の特定の実施形態または実施形態の組み合わせによって実施され得ることを理解されたい。
【0111】
本明細書に開示される化合物および組成物は、特定の機能を有することが理解される。本明細書に開示されるのは、開示される機能を実行するための特定の構成要件であり、開示される構成に関連する同じ機能を実行することができる様々な構成があり、これらの構成が典型的には同じ結果を達成することが理解される。
【0112】
B.ジペプチド
一態様において、本発明は、例えば、限定されないが、肉腫、がん腫、血液がん、固形腫瘍、乳がん、子宮頸がん、胃腸がん、結腸直腸がん、脳がん、皮膚がん、前立腺がん、卵巣がん、膀胱がん、甲状腺がん、精巣がん、膵臓がん、子宮内膜がん、黒色腫、神経膠腫、白血病、リンパ腫、慢性骨髄増殖性障害、骨髄異形成症候群、骨髄増殖性新生物、および形質細胞新生物(骨髄腫)を含むがんを含め、制御されない細胞増殖の障害に関連する障害を治療するのに有用なジペプチドに関する。
【0113】
一態様において、本発明の化合物は、本明細書でさらに説明されるように、制御されない細胞増殖の障害の治療に有用である。
【0114】
各開示される誘導体は、任意選択的にさらに置換され得ることが考えられる。任意の1つ以上の誘導体は、任意選択的に本発明から省略され得ることも考えられる。開示される化合物は、開示される方法によって提供できることが理解される。開示される化合物は、開示される使用方法で使用できることも理解される。
【0115】
1.構造
一態様において、開示されるのは、以下の式によって表される構造を有する化合物
【化7】
(式中、nは0または1であり、R
1aおよびR
1bの各々は、存在する場合、独立して、水素、ハロゲン、およびC1~C4アルキルから選択されるか、または、R
1aおよびR
1bの各々は、存在する場合、共有結合し、中間原子とともに、非置換シクロプロピル基を含み、R
2およびR
4の各々は、独立して、水素およびC1~C4アルキルから選択され、R
3は、-(C1~C8アルキル)NR
10aR
10b、-(C1~C8アルキル)C(O)NR
10aR
10b、C2~C8アルキル、および-(C1~C4)Ar
2から選択され、R
10aおよびR
10bの各々は、独立して、水素およびC1~C4アルキルから選択され、Ar
2は、-(CH
2)
mNR
20aR
20b基でパラ置換され、独立してハロゲン、-CN、-NH
2、-OH、-NO
2、C1~C4アルキル、C2~C4アルケニル、C1~C4ハロアルキル、C1~C4シアノアルキル、C1~C4ヒドロキシアルキル、C1~C4ハロアルコキシ、C1~C4アルコキシ、C1~C4アルキルアミノ、(C1~C4)(C1~C4)ジアルキルアミノ、およびC1~C4アミノアルキルから選択される0、1、2、または3個の基で置換された、C6アリールであり、mは、1、2、3、または4であり、R
20aおよびR
20bの各々は、独立して、水素およびC1~C4アルキルから選択され、R
5aおよびR
5bの各々は、水素であるか、または、R
5aおよびR
5bの各々は、独立して、C1~C4アルキルであるか、または、R
5aおよびR
5bの各々は、共有結合し、中間原子とともに、非置換C3~C6基を含み、R
6は、水素であるか、またはR
5aおよびR
5bの各々は共に、R
6に共有結合し、中間原子とともに、独立してハロゲン、-CN、-NH
2、-OH、-NO
2、C1~C4アルキル、C2~C4アルケニル、C1~C4ハロアルキル、C1~C4シアノアルキル、C1~C4ヒドロキシアルキル、C1~C4ハロアルコキシ、C1~C4アルコキシ、C1~C4アルキルアミノ、(C1~C4)(C1~C4)ジアルキルアミノ、およびC1~C4アミノアルキルから選択される0、1、2、または3個の基で置換されたC3~C5ヘテロアリール基を含み、Ar
1は、アリールおよびヘテロアリールから選択され、独立してハロゲン、-CN、-NH
2、-OH、-NO
2、C1~C4アルキル、C2~C4アルケニル、C1~C4ハロアルキル、C1~C4シアノアルキル、C1~C4ヒドロキシアルキル、C1~C4ハロアルコキシ、C1~C4アルコキシ、C1~C4アルキルアミノ、(C1~C4)(C1~C4)ジアルキルアミノ、およびC1~C4アミノアルキルから選択される0、1、2、または3個の基で置換され、但し、R
5aおよびR
5bの各々が水素である場合、R
3は、C2~C8アルキルではなく、但し、nが0である場合、R
5aおよびR
5bの各々は、独立して、C1~C4アルキルであるか、またはR
5aおよびR
5bの各々は、共有結合しており、中間原子とともに、非置換C3~C6基を含み、R
6は、水素である)、またはその薬学的に許容される塩である。
【0116】
さらなる態様において、化合物は、以下の式
【化8】
によって表される構造を有する。
【0117】
さらなる態様において、化合物は、以下の式
【化9】
によって表される構造を有する。
【0118】
さらなる態様において、化合物は、以下の式
【化10】
によって表される構造を有する。
【0119】
さらなる態様において、化合物は、以下
【化11】
から選択される式によって表される構造を有する。
【0120】
さらなる態様において、化合物は、以下の式
【化12】
によって表される構造を有する。
【0121】
さらなる態様において、化合物は、以下
【化13】
から選択される式によって表される構造を有する。
【0122】
さらなる態様において、化合物は、以下の式
【化14】
によって表される構造を有する。
【0123】
さらなる態様において、化合物は、以下の式
【化15】
によって表される構造を有する。
【0124】
さらなる態様において、化合物は、以下の式
【化16】
によって表される構造を有する。
【0125】
さらなる態様において、化合物は、以下の式
【化17】
によって表される構造を有し、
式中、R
21a、R
21b、R
21c、R
21d、およびR
21cの各々が、独立して、水素、ハロゲン、-CN、-NH
2、-OH、-NO
2、C1~C4アルキル、C2~C4アルケニル、C1~C4ハロアルキル、C1~C4シアノアルキル、C1~C4ヒドロキシアルキル、C1~C4ハロアルコキシ、C1~C4アルコキシ、C1~C4アルキルアミノ、(C1~C4)(C1~C4)ジアルキルアミノ、およびC1~C4アミノアルキルから選択され、但し、R
21a、R
21b、R
21c、R
21d、およびR
21cのうちの少なくとも2つが水素である。
【0126】
さらなる態様において、化合物は、以下の式
【化18】
によって表される構造を有する。
【0127】
さらなる態様において、化合物は、以下の式
【化19】
によって表される構造を有する。
【0128】
さらなる態様において、化合物は、以下の式
【化20】
によって表される構造を有する。
【0129】
さらなる態様において、化合物は、以下から選択される。
【化21】
【0130】
一態様において、nは、0または1である。さらなる態様において、nは0である。なおさらなる態様において、nは1である。
【0131】
一態様において、mは、1、2、3、または4である。さらなる態様において、mは、1、2、または3である。なおさらなる態様において、mは、1または2である。さらにさらなる態様において、mは、2または3である。もっとさらなる態様において、mは、3または4である。なおさらなる態様において、mは4である。さらにさらなる態様において、mは3である。もっとさらなる態様において、mは2である。なおさらなる態様において、mは1である。
【0132】
a.R1aおよびR1b基
一態様において、R1aおよびR1bの各々は、存在する場合、独立して、水素、ハロゲン、およびC1~C4アルキルから選択されるか、または、R1aおよびR1bの各々は、存在する場合、共有結合し、中間原子とともに、非置換シクロプロピル基を含む。
【0133】
したがって、一態様において、R1aおよびR1bの各々は、存在する場合、独立して、水素、ハロゲン、およびC1~C4アルキルから選択される。さらなる態様において、R1aおよびR1bの各々は、存在する場合、独立して、水素、-F、-Cl、-Br、メチル、エチル、n-プロピル、およびイソプロピルから選択される。なおさらなる態様において、R1aおよびR1bの各々は、存在する場合、独立して、水素、-F、-Cl、メチル、およびエチルから選択される。さらにさらなる態様において、R1aおよびR1bの各々は、存在する場合、独立して、水素、-F、-Cl、およびメチルから選択される。
【0134】
さらなる態様において、R1aおよびR1bの各々は、存在する場合、水素である。
【0135】
さらなる態様において、R1aおよびR1bの各々は、存在する場合、独立して、水素およびハロゲンから選択される。なおさらなる態様において、R1aおよびR1bの各々は、存在する場合、独立して、水素、-F、-Cl、および-Brから選択される。さらにさらなる態様において、R1aおよびR1bの各々は、存在する場合、独立して、水素、-F、および-Clから選択される。もっとさらなる態様において、R1aおよびR1bの各々は、存在する場合、独立して、水素および-Fから選択される。
【0136】
さらなる態様において、R1aおよびR1bの各々は、存在する場合、独立して、ハロゲンである。なおさらなる態様において、R1aおよびR1bの各々は、存在する場合、独立して、-F、-Cl、および-Brから選択される。さらにさらなる態様において、R1aおよびR1bの各々は、存在する場合、独立して、-Fおよび-Clから選択される。もっとさらなる態様において、R1aおよびR1bの各々は、存在する場合、-Fである。
【0137】
さらなる態様において、R1aおよびR1bの各々は、存在する場合、独立して、水素およびC1~C4アルキルから選択される。さらなる態様において、R1aおよびR1bの各々は、存在する場合、独立して、水素、メチル、エチル、n-プロピル、およびイソプロピルから選択される。なおさらなる態様において、R1aおよびR1bの各々は、存在する場合、独立して、水素、メチル、およびエチルから選択される。さらにさらなる態様において、R1aおよびR1bの各々は、存在する場合、独立して、水素およびメチルから選択される。
【0138】
さらなる態様において、R1aおよびR1bの各々は、存在する場合、独立して、C1~C4アルキルである。さらなる態様において、R1aおよびR1bの各々は、存在する場合、独立して、メチル、エチル、n-プロピル、およびイソプロピルから選択される。なおさらなる態様において、R1aおよびR1bの各々は、存在する場合、独立して、メチルおよびエチルから選択される。さらにさらなる態様において、R1aおよびR1bの各々は、存在する場合、メチルである。
【0139】
一態様において、R1aおよびR1bの各々は、存在する場合、共有結合し、中間原子とともに、非置換シクロプロピル基を含む。
【0140】
b.R2およびR4基
一態様において、R2およびR4の各々は、独立して、水素およびC1~C4アルキルから選択される。さらなる態様において、R2およびR4の各々は、独立して、水素、メチル、エチル、n-プロピル、およびイソプロピルから選択される。なおさらなる態様において、R2およびR4の各々は、独立して、水素、メチル、およびエチルから選択される。さらにさらなる態様において、R2およびR4の各々は、独立して、水素およびエチルから選択される。もっとさらなる態様において、R2およびR4の各々は、独立して、水素およびメチルから選択される。
【0141】
さらなる態様において、R2およびR4の各々は水素である。
【0142】
c.R3基
一態様において、R3は、-(C1~C8アルキル)NR10aR10b、-(C1~C8アルキル)C(O)NR10aR10b、C2~C8アルキル、および-(C1~C4)Ar2から選択される。さらなる態様において、R3は、-(C1~C4アルキル)NR10aR10b、-(C1~C4アルキル)C(O)NR10aR10b、C2~C4アルキル、および-(C1~C4)Ar2から選択される。なおさらなる態様において、R3は、-CH2NR10aR10b、-CH2CH2NR10aR10b、-CH2CH2CH2NR10aR10b、-CH(CH3)CH2NR10aR10b、-CH2C(O)NR10aR10b、-CH2CH2C(O)NR10aR10b、-CH2CH2CH2C(O)NR10aR10b、-CH(CH3)CH2C(O)NR10aR10b、エチル、n-プロピル、イソプロピル、-CH2Ar2、-CH2CH2Ar2、-CH2CH2CH2Ar2、および-CH(CH3)CH2Ar2から選択される。さらにさらなる態様において、R3は、-CH2NR10aR10b、-CH2CH2NR10aR10b、-CH2C(O)NR10aR10b、-CH2CH2C(O)NR10aR10b、エチル、-CH2Ar2、および-CH2CH2Ar2から選択される。もっとさらなる態様において、R3は、-CH2NR10aR10b、-CH2C(O)NR10aR10b、および-CH2Ar2から選択される。
【0143】
様々な態様において、R3は、-(C1~C8アルキル)NR10aR10b、および-(C1~C8アルキル)C(O)NR10aR10bから選択される。さらなる態様において、R3は、-(C1~C4アルキル)NR10aR10b、および-(C1~C4アルキル)C(O)NR10aR10bから選択される。なおさらなる態様において、R3は、-CH2NR10aR10b、-CH2CH2NR10aR10b、-CH2CH2CH2NR10aR10b、-CH(CH3)CH2NR10aR10b、-CH2C(O)NR10aR10b、-CH2CH2C(O)NR10aR10b、-CH2CH2CH2C(O)NR10aR10b、および-CH(CH3)CH2C(O)NR10aR10bから選択される。さらにさらなる態様において、R3は、-CH2NR10aR10b、-CH2CH2NR10aR10b、-CH2C(O)NR10aR10b、および-CH2CH2C(O)NR10aR10bから選択される。もっとさらなる態様において、R3は、-CH2NR10aR10b、および-CH2C(O)NR10aR10bから選択される。
【0144】
様々な態様において、R3は、-(C1~C8アルキル)NR10aR10bである。さらなる態様において、R3は、-(C1~C4アルキル)NR10aR10bである。なおさらなる態様において、R3は、-CH2NR10aR10b、-CH2CH2NR10aR10b、-CH2CH2CH2NR10aR10b、および-CH(CH3)CH2NR10aR10bから選択される。さらにさらなる態様において、R3は、-CH2NR10aR10bおよび-CH2CH2NR10aR10bから選択される。もっとさらなる態様において、R3は、-CH2NR10aR10bである。
【0145】
様々な態様において、R3は、-(C1~C8アルキル)NH2である。さらなる態様において、R3は、-(C1~C4アルキル)NH2である。なおさらなる態様において、R3は、-CH2NH2、-CH2CH2NH2、-CH2CH2CH2NH2、および-CH(CH3)CH2NH2から選択される。さらにさらなる態様において、R3は、-CH2NH2および-CH2CH2NH2から選択される。もっとさらなる態様において、R3は、-CH2NH2である。
【0146】
さらなる態様において、R3は、-(C3~C4アルキル)NR10aR10bである。なおさらなる態様において、R3は、-(C3~C4アルキル)NH2である。
【0147】
様々な態様において、R3は、-(C1~C8アルキル)C(O)NR10aR10bである。さらなる態様において、R3は、-(C1~C4アルキル)C(O)NR10aR10bである。なおさらなる態様において、R3は、-CH2C(O)NR10aR10b、-CH2CH2C(O)NR10aR10b、-CH2CH2CH2C(O)NR10aR10b、および-CH(CH3)CH2C(O)NR10aR10bから選択される。さらにさらなる態様において、R3は、-CH2C(O)NR10aR10bおよび-CH2CH2C(O)NR10aR10bから選択される。もっとさらなる態様において、R3は、-CH2C(O)NR10aR10bである。
【0148】
様々な態様において、R3は、-(C1~C8アルキル)C(O)NH2である。さらなる態様において、R3は、-(C1~C4アルキル)C(O)NH2である。なおさらなる態様において、R3は、-CH2C(O)NH2、-CH2CH2C(O)NH2、-CH2CH2CH2C(O)NH2、および-CH(CH3)CH2C(O)NH2から選択される。さらにさらなる態様において、R3は、-CH2C(O)NH2および-CH2CH2C(O)NH2から選択される。もっとさらなる態様において、R3は、-CH2C(O)NH2である。
【0149】
様々な態様において、R3は、C2~C8アルキルおよび-(C1~C4)Ar2から選択される。さらなる態様において、R3は、C2~C4アルキルおよび-(C1~C4)Ar2から選択される。なおさらなる態様において、R3は、エチル、n-プロピル、イソプロピル、-CH2Ar2、-CH2CH2Ar2、-CH2CH2CH2Ar2、および-CH(CH3)CH2Ar2から選択される。さらにさらなる態様において、R3は、エチル-CH2Ar2、および-CH2CH2Ar2から選択される。
【0150】
様々な態様において、R3は、C2~C8アルキルである。さらなる態様において、R3は、C2~C4アルキルである。なおさらなる態様において、R3は、エチル、n-プロピル、およびイソプロピルから選択される。さらにさらなる態様において、R3は、エチルである。
【0151】
さらなる態様において、R3は、C4アルキルである。なおさらなる態様において、R3は、n-ブチル、イソブチル、およびsec-ブチルから選択される。なおさらなる態様において、R3は、n-ブチルおよびイソブチルから選択される。さらにさらなる態様において、R3は、n-ブチルである。
【0152】
様々な態様において、R3は、-(C1~C4)Ar2である。さらなる態様において、R3は、-(C1~C4)Ar2である。なおさらなる態様において、R3は、-CH2Ar2、-CH2CH2Ar2、-CH2CH2CH2Ar2、および-CH(CH3)CH2Ar2から選択される。さらにさらなる態様において、R3は、-CH2Ar2、および-CH2CH2Ar2から選択される。もっとさらなる態様において、R3は、-CH2Ar2である。
【0153】
さらなる態様において、R
3は、以下の構造である。
【化22】
【0154】
d.R5aおよびR5b、およびR6基
一態様において、R5aおよびR5bの各々は、水素であるか、またはR5aおよびR5bの各々は、独立して、C1~C4アルキルであるか、またはR5aおよびR5bの各々は、共有結合し、中間原子とともに、非置換C3~C6基を含み、R6は、水素であるか、またはR5aおよびR5bの各々は共に、R6に共有結合し、中間原子とともに、独立してハロゲン、-CN、-NH2、-OH、-NO2、C1~C4アルキル、C2~C4アルケニル、C1~C4ハロアルキル、C1~C4シアノアルキル、C1~C4ヒドロキシアルキル、C1~C4ハロアルコキシ、C1~C4アルコキシ、C1~C4アルキルアミノ、(C1~C4)(C1~C4)ジアルキルアミノ、およびC1~C4アミノアルキルから選択される0、1、2、または3個の基で置換されたC3~C5ヘテロアリール基を含む。
【0155】
したがって、一態様において、R5a、R5b、およびR6の各々は、水素である。
【0156】
一態様において、R5aおよびR5bの各々は、独立して、C1~C4アルキルであり、R6は、水素である。さらなる態様において、R5aおよびR5bの各々は、独立して、メチル、エチル、n-プロピル、およびイソプロピルから選択される。なおさらなる態様において、R5aおよびR5bの各々は、独立して、メチルおよびエチルから選択される。さらにさらなる態様において、R5aおよびR5bの各々は、エチルである。もっとさらなる態様において、R5aおよびR5bの各々は、メチルである。
【0157】
一態様において、R5aおよびR5bの各々は、共有結合し、中間原子とともに、非置換C3~C6基を含み、R6は、水素である。さらなる態様において、R5aおよびR5bの各々は、共有結合し、中間原子とともに、非置換C3~C5基を含む。なおさらなる態様において、R5aおよびR5bの各々は、共有結合し、中間原子とともに、非置換C3~C4基を含む。さらにさらなる態様において、R5aおよびR5bの各々は、共有結合し、中間原子とともに、非置換シクロヘキシル基を含む。もっとさらなる態様において、R5aおよびR5bの各々は、共有結合し、中間原子とともに、非置換シクロペンチル基を含む。なおさらなる態様において、R5aおよびR5bの各々は、共有結合し、中間原子とともに、非置換シクロブチル基を含む。さらにさらなる態様において、R5aおよびR5bの各々は、共有結合し、中間原子とともに、非置換シクロプロピル基を含む。
【0158】
一態様において、R5aおよびR5bの各々は共に、R6に共有結合し、中間原子とともに、独立してハロゲン、-CN、-NH2、-OH、-NO2、C1~C4アルキル、C2~C4アルケニル、C1~C4ハロアルキル、C1~C4シアノアルキル、C1~C4ヒドロキシアルキル、C1~C4ハロアルコキシ、C1~C4アルコキシ、C1~C4アルキルアミノ、(C1~C4)(C1~C4)ジアルキルアミノ、およびC1~C4アミノアルキルから選択される0、1、2、または3個の基で置換されたC3~C5ヘテロアリール基を含む。さらなる態様において、R5aおよびR5bの各々は共に、R6に共有結合し、中間原子とともに、独立してハロゲン、-CN、-NH2、-OH、-NO2、C1~C4アルキル、C2~C4アルケニル、C1~C4ハロアルキル、C1~C4シアノアルキル、C1~C4ヒドロキシアルキル、C1~C4ハロアルコキシ、C1~C4アルコキシ、C1~C4アルキルアミノ、(C1~C4)(C1~C4)ジアルキルアミノ、およびC1~C4アミノアルキルから選択される0、1、または2個の基で置換されたC3~C5ヘテロアリール基を含む。なおさらなる態様において、R5aおよびR5bの各々は共に、R6に共有結合し、中間原子とともに、ハロゲン、-CN、-NH2、-OH、-NO2、C1~C4アルキル、C2~C4アルケニル、C1~C4ハロアルキル、C1~C4シアノアルキル、C1~C4ヒドロキシアルキル、C1~C4ハロアルコキシ、C1~C4アルコキシ、C1~C4アルキルアミノ、(C1~C4)(C1~C4)ジアルキルアミノ、およびC1~C4アミノアルキルから選択される0または1個の基で置換されたC3~C5ヘテロアリール基を含む。さらにさらなる態様において、R5aおよびR5bの各々は共に、R6に共有結合し、中間原子とともに、ハロゲン、-CN、-NH2、-OH、-NO2、C1~C4アルキル、C2~C4アルケニル、C1~C4ハロアルキル、C1~C4シアノアルキル、C1~C4ヒドロキシアルキル、C1~C4ハロアルコキシ、C1~C4アルコキシ、C1~C4アルキルアミノ、(C1~C4)(C1~C4)ジアルキルアミノ、およびC1~C4アミノアルキルから選択される基で一置換されたC3~C5ヘテロアリール基を含む。もっとさらなる態様において、R5aおよびR5bの各々は共に、R6に共有結合し、中間原子とともに、C3~C5ヘテロアリール基で置換されていないものを含む。
【0159】
様々な態様において、R5aおよびR5bの各々は共に、R6に共有結合し、中間原子とともに、独立してハロゲン、-CN、-NH2、-OH、-NO2、C1~C4アルキル、C2~C4アルケニル、C1~C4ハロアルキル、C1~C4シアノアルキル、C1~C4ヒドロキシアルキル、C1~C4ハロアルコキシ、C1~C4アルコキシ、C1~C4アルキルアミノ、(C1~C4)(C1~C4)ジアルキルアミノ、およびC1~C4アミノアルキルから選択される0、1、2、または3個の基で置換されたピリジン-2(1H)-オニルを含む。さらなる態様において、R5aおよびR5bの各々は共に、R6に共有結合し、中間原子とともに、独立してハロゲン、-CN、-NH2、-OH、-NO2、C1~C4アルキル、C2~C4アルケニル、C1~C4ハロアルキル、C1~C4シアノアルキル、C1~C4ヒドロキシアルキル、C1~C4ハロアルコキシ、C1~C4アルコキシ、C1~C4アルキルアミノ、(C1~C4)(C1~C4)ジアルキルアミノ、およびC1~C4アミノアルキルから選択される0、1、または2個の基で置換されたピリジン-2(1H)-オニルを含む。なおさらなる態様において、R5aおよびR5bの各々は共に、R6に共有結合し、中間原子とともに、ハロゲン、-CN、-NH2、-OH、-NO2、C1~C4アルキル、C2~C4アルケニル、C1~C4ハロアルキル、C1~C4シアノアルキル、C1~C4ヒドロキシアルキル、C1~C4ハロアルコキシ、C1~C4アルコキシ、C1~C4アルキルアミノ、(C1~C4)(C1~C4)ジアルキルアミノ、およびC1~C4アミノアルキルから選択される0または1個の基で置換されたピリジン-2(1H)-オニルを含む。さらにさらなる態様において、R5aおよびR5bの各々は共に、R6に共有結合し、中間原子とともに、ハロゲン、-CN、-NH2、-OH、-NO2、C1~C4アルキル、C2~C4アルケニル、C1~C4ハロアルキル、C1~C4シアノアルキル、C1~C4ヒドロキシアルキル、C1~C4ハロアルコキシ、C1~C4アルコキシ、C1~C4アルキルアミノ、(C1~C4)(C1~C4)ジアルキルアミノ、およびC1~C4アミノアルキルから選択される基で一置換されたピリジン-2(1H)-オニルを含む。もっとさらなる態様において、R5aおよびR5bの各々は共に、R6に共有結合し、中間原子とともに、ピリジン-2(1H)-オニルで置換されていないものを含む。
【0160】
さらなる態様において、R
5aおよびR
5bの各々は共に、R
6に共有結合し、中間原子とともに、以下の構造を含む。
【化23】
【0161】
e.R10AおよびR10B基
一態様において、R10aおよびR10bの各々は、独立して、水素およびC1~C4アルキルから選択される。さらなる態様において、R10aおよびR10bの各々は、独立して、水素、メチル、エチル、n-プロピル、およびイソプロピルから選択される。なおさらなる態様において、R10aおよびR10bの各々は、独立して、水素、メチル、およびエチルから選択される。さらにさらなる態様において、R10aおよびR10bの各々は、独立して、水素およびエチルから選択される。もっとさらなる態様において、R10aおよびR10bの各々は、独立して、水素およびメチルから選択される。
【0162】
さらなる態様において、R10aおよびR10bの各々は、水素である。
【0163】
様々な態様において、R10aおよびR10bの各々は、独立して、C1~C4アルキルである。さらなる態様において、R10aおよびR10bの各々は、独立して、メチル、エチル、n-プロピル、およびイソプロピルから選択される。なおさらなる態様において、R10aおよびR10bの各々は、独立して、メチルおよびエチルから選択される。さらにさらなる態様において、R10aおよびR10bの各々は、エチルである。もっとさらなる態様において、R10aおよびR10bの各々は、メチルである。
【0164】
f.R20AおよびR20B基
一態様において、R20aおよびR20bの各々は、独立して、水素およびC1~C4アルキルから選択される。さらなる態様において、R20aおよびR20bの各々は、独立して、水素、メチル、エチル、n-プロピル、およびイソプロピルから選択される。なおさらなる態様において、R20aおよびR20bの各々は、独立して、水素、メチル、およびエチルから選択される。さらにさらなる態様において、R20aおよびR20bの各々は、独立して、水素およびエチルから選択される。もっとさらなる態様において、R20aおよびR20bの各々は、独立して、水素およびメチルから選択される。
【0165】
さらなる態様において、R20aおよびR20bの各々は、水素である。
【0166】
様々な態様において、R20aおよびR20bの各々は、独立して、C1~C4アルキルである。さらなる態様において、R20aおよびR20bの各々は、独立して、メチル、エチル、n-プロピル、およびイソプロピルから選択される。なおさらなる態様において、R20aおよびR20bの各々は、独立して、メチルおよびエチルから選択される。さらにさらなる態様において、R20aおよびR20bの各々は、エチルである。もっとさらなる態様において、R20aおよびR20bの各々は、メチルである。
【0167】
g.R21A、R21B、R21C、R21D、およびR21E基
一態様において、R21a、R21b、R21c、R21d、およびR21cの各々は、独立して、水素、ハロゲン、-CN、-NH2、-OH、-NO2、C1~C4アルキル、C2~C4アルケニル、C1~C4ハロアルキル、C1~C4シアノアルキル、C1~C4ヒドロキシアルキル、C1~C4ハロアルコキシ、C1~C4アルコキシ、C1~C4アルキルアミノ、(C1~C4)(C1~C4)ジアルキルアミノ、およびC1~C4アミノアルキルから選択され、但し、R21a、R21b、R21c、R21d、およびR21cのうちの少なくとも2つが水素である。さらなる態様において、R21a、R21b、R21c、R21d、およびR21cの各々は、独立して、水素、-F、-Cl、-CN、-NH2、-OH、-NO2、メチル、エチル、n-プロピル、イソプロピル、エテニル、n-プロペニル、イソプロペニル、-CH2F、-CHF2、-CF3、-CH2CH2F、-CH2CH2CH2F、-CH(CH3)CH2F、-CH2Cl、-CHCl2、-CCl3、-CH2CH2Cl、-CH2CH2CH2Cl、-CH(CH3)CH2Cl、-CH2CN、-CH2CH2CN、-CH2CH2CH2CN、-CH(CH3)CH2CN、-CH2OH、-CH2CH2OH、-CH2CH2CH2OH、-CH(CH3)CH2OH、-OCH2F、-OCHF2、-OCF3、-OCH2CH2F、-OCH2CH2CH2F、-OCH(CH3)CH2F、-OCH3、-OCH2CH3、-OCH2CH2CH3、-OCH(CH3)2、-NHCH3、-NHCH2CH3、-NHCH2CH2CH3、-NHCH(CH3)2、-N(CH3)2、-N(CH2CH3)2、-N(CH3)(CH2CH3)、-N(CH2CH2CH3)2、-N(CH(CH3)2)2、-CH2NH2、-CH2CH2NH2、-CH2CH2CH2NH2、および-CH(CH3)CH2NH2から選択される。なおさらなる態様において、R21a、R21b、R21c、R21d、およびR21cの各々は、独立して、水素、-F、-Cl、-CN、-NH2、-OH、-NO2、メチル、エチル、エテニル、-CH2F、-CHF2、-CF3、-CH2CH2F、-CH2Cl、-CHCl2、-CCl3、-CH2CH2Cl、-CH2CN、-CH2CH2CN、-CH2OH、-CH2CH2OH、-OCH2F、-OCHF2、-OCF3、-OCH2CH2F、-OCH3、-OCH2CH3、-NHCH3、-NHCH2CH3、-N(CH3)2、-N(CH2CH3)2、-N(CH3)(CH2CH3)、-CH2NH2、および-CH2CH2NH2から選択される。さらにさらなる態様において、R21a、R21b、R21c、R21d、およびR21cの各々は、独立して、水素、-F、-Cl、-CN、-NH2、-OH、-NO2、メチル、-CH2F、-CHF2、-CF3、-CH2Cl、-CHCl2、-CCl3、-CH2CN、-CH2OH、-OCH2F、-OCHF2、-OCF3、-OCH3、-NHCH3、-N(CH3)2、および-CH2NH2から選択される。
【0168】
さらなる態様において、R21a、R21b、R21c、R21d、およびR21cの各々は、独立して、水素、ハロゲン、C1~C4ハロアルキル、C1~C4ハロアルコキシ、およびC1~C4アルコキシから選択される。なおさらなる態様において、R21a、R21b、R21c、R21d、およびR21cの各々は、独立して、水素、-F、-Cl、-CH2F、-CHF2、-CF3、-CH2CH2F、-CH2CH2CH2F、-CH(CH3)CH2F、-CH2Cl、-CHCl2、-CCl3、-CH2CH2Cl、-CH2CH2CH2Cl、-CH(CH3)CH2Cl、-OCH2F、-OCHF2、-OCF3、-OCH2CH2F、-OCH2CH2CH2F、-OCH(CH3)CH2F、-OCH3、-OCH2CH3、-OCH2CH2CH3、および-OCH(CH3)2から選択される。さらにさらなる態様において、R21a、R21b、R21c、R21d、およびR21cの各々は、独立して、水素、-F、-Cl、-CH2F、-CHF2、-CF3、-CH2CH2F、-CH2Cl、-CHCl2、-CCl3、-CH2CH2Cl、-OCH2F、-OCHF2、-OCF3、-OCH2CH2F、-OCH3、および-OCH2CH3から選択される。もっとさらなる態様において、R21a、R21b、R21c、R21d、およびR21cの各々は、独立して、水素、-F、-Cl、-CH2F、-CHF2、-CF3、-CH2Cl、-CHCl2、-CCl3、-OCH2F、-OCHF2、-OCF3、および-OCH3から選択される。
【0169】
さらなる態様において、R21a、R21b、R21c、R21d、およびR21cの各々は、独立して、水素およびハロゲンから選択される。なおさらなる態様において、R21a、R21b、R21c、R21d、およびR21cの各々は、独立して、水素、-F、-Cl、および-Brから選択される。さらにさらなる態様において、R21a、R21b、R21c、R21d、およびR21cの各々は、独立して、水素、-F、および-Clから選択される。もっとさらなる態様において、R21a、R21b、R21c、R21d、およびR21cの各々は、独立して、水素および-Clから選択される。なおさらなる態様において、R21a、R21b、R21c、R21d、およびR21cの各々は、独立して、水素および-Fから選択される。
【0170】
さらなる態様において、R21a、R21b、R21c、R21d、およびR21cの各々は、水素である。
【0171】
h.Ar1基
一態様において、Ar1は、アリールおよびヘテロアリールから選択され、独立してハロゲン、-CN、-NH2、-OH、-NO2、C1~C4アルキル、C2~C4アルケニル、C1~C4ハロアルキル、C1~C4シアノアルキル、C1~C4ヒドロキシアルキル、C1~C4ハロアルコキシ、C1~C4アルコキシ、C1~C4アルキルアミノ、(C1~C4)(C1~C4)ジアルキルアミノ、およびC1~C4アミノアルキルから選択される0、1、2、または3個の基で置換される。さらなる態様において、Ar1は、アリールおよびヘテロアリールから選択され、独立してハロゲン、-CN、-NH2、-OH、-NO2、C1~C4アルキル、C2~C4アルケニル、C1~C4ハロアルキル、C1~C4シアノアルキル、C1~C4ヒドロキシアルキル、C1~C4ハロアルコキシ、C1~C4アルコキシ、C1~C4アルキルアミノ、(C1~C4)(C1~C4)ジアルキルアミノ、およびC1~C4アミノアルキルから選択される0、1、または2個の基で置換される。なおさらなる態様において、Ar1は、アリールおよびヘテロアリールから選択され、ハロゲン、-CN、-NH2、-OH、-NO2、C1~C4アルキル、C2~C4アルケニル、C1~C4ハロアルキル、C1~C4シアノアルキル、C1~C4ヒドロキシアルキル、C1~C4ハロアルコキシ、C1~C4アルコキシ、C1~C4アルキルアミノ、(C1~C4)(C1~C4)ジアルキルアミノ、およびC1~C4アミノアルキルから選択される0または1個の基で置換される。さらにさらなる態様において、Ar1は、アリールおよびヘテロアリールから選択され、ハロゲン、-CN、-NH2、-OH、-NO2、C1~C4アルキル、C2~C4アルケニル、C1~C4ハロアルキル、C1~C4シアノアルキル、C1~C4ヒドロキシアルキル、C1~C4ハロアルコキシ、C1~C4アルコキシ、C1~C4アルキルアミノ、(C1~C4)(C1~C4)ジアルキルアミノ、およびC1~C4アミノアルキルから選択される基で一置換される。もっとさらなる態様において、Ar1は、アリールおよびヘテロアリールから選択され、非置換である。
【0172】
様々な態様において、Ar1は、独立してハロゲン、-CN、-NH2、-OH、-NO2、C1~C4アルキル、C2~C4アルケニル、C1~C4ハロアルキル、C1~C4シアノアルキル、C1~C4ヒドロキシアルキル、C1~C4ハロアルコキシ、C1~C4アルコキシ、C1~C4アルキルアミノ、(C1~C4)(C1~C4)ジアルキルアミノ、およびC1~C4アミノアルキルから選択される0、1、2、または3個の基で置換されたアリールである。アリールの例としては、限定されないが、フェニル、ナフチル、フェナントリル、およびアントラセニルが挙げられる。したがって、さらなる態様において、Ar1は、独立してハロゲン、-CN、-NH2、-OH、-NO2、C1~C4アルキル、C2~C4アルケニル、C1~C4ハロアルキル、C1~C4シアノアルキル、C1~C4ヒドロキシアルキル、C1~C4ハロアルコキシ、C1~C4アルコキシ、C1~C4アルキルアミノ、(C1~C4)(C1~C4)ジアルキルアミノ、およびC1~C4アミノアルキルから選択される0、1、または2個の基で置換されたアリールである。なおさらなる態様において、Ar1は、ハロゲン、-CN、-NH2、-OH、-NO2、C1~C4アルキル、C2~C4アルケニル、C1~C4ハロアルキル、C1~C4シアノアルキル、C1~C4ヒドロキシアルキル、C1~C4ハロアルコキシ、C1~C4アルコキシ、C1~C4アルキルアミノ、(C1~C4)(C1~C4)ジアルキルアミノ、およびC1~C4アミノアルキルから選択される0または1個の基で置換されたアリールである。さらにさらなる態様において、Ar1は、ハロゲン、-CN、-NH2、-OH、-NO2、C1~C4アルキル、C2~C4アルケニル、C1~C4ハロアルキル、C1~C4シアノアルキル、C1~C4ヒドロキシアルキル、C1~C4ハロアルコキシ、C1~C4アルコキシ、C1~C4アルキルアミノ、(C1~C4)(C1~C4)ジアルキルアミノ、およびC1~C4アミノアルキルから選択される基で一置換されたアリールである。もっとさらなる態様において、Ar1は、非置換アリールである。
【0173】
様々な態様において、Ar1は、独立してハロゲン、-CN、-NH2、-OH、-NO2、C1~C4アルキル、C2~C4アルケニル、C1~C4ハロアルキル、C1~C4シアノアルキル、C1~C4ヒドロキシアルキル、C1~C4ハロアルコキシ、C1~C4アルコキシ、C1~C4アルキルアミノ、(C1~C4)(C1~C4)ジアルキルアミノ、およびC1~C4アミノアルキルから選択される0、1、2、または3個の基で置換されたC6アリールである。さらなる態様において、Ar1は、独立してハロゲン、-CN、-NH2、-OH、-NO2、C1~C4アルキル、C2~C4アルケニル、C1~C4ハロアルキル、C1~C4シアノアルキル、C1~C4ヒドロキシアルキル、C1~C4ハロアルコキシ、C1~C4アルコキシ、C1~C4アルキルアミノ、(C1~C4)(C1~C4)ジアルキルアミノ、およびC1~C4アミノアルキルから選択される0、1、または2個の基で置換されたC6アリールである。なおさらなる態様において、Ar1は、ハロゲン、-CN、-NH2、-OH、-NO2、C1~C4アルキル、C2~C4アルケニル、C1~C4ハロアルキル、C1~C4シアノアルキル、C1~C4ヒドロキシアルキル、C1~C4ハロアルコキシ、C1~C4アルコキシ、C1~C4アルキルアミノ、(C1~C4)(C1~C4)ジアルキルアミノ、およびC1~C4アミノアルキルから選択される0または1個の基で置換されたC6アリールである。さらにさらなる態様において、Ar1は、ハロゲン、-CN、-NH2、-OH、-NO2、C1~C4アルキル、C2~C4アルケニル、C1~C4ハロアルキル、C1~C4シアノアルキル、C1~C4ヒドロキシアルキル、C1~C4ハロアルコキシ、C1~C4アルコキシ、C1~C4アルキルアミノ、(C1~C4)(C1~C4)ジアルキルアミノ、およびC1~C4アミノアルキルから選択される基で一置換されたC6アリールである。もっとさらなる態様において、Ar1は、非置換C6アリールである。
【0174】
様々な態様において、Ar1は、独立してハロゲン、-CN、-NH2、-OH、-NO2、C1~C4アルキル、C2~C4アルケニル、C1~C4ハロアルキル、C1~C4シアノアルキル、C1~C4ヒドロキシアルキル、C1~C4ハロアルコキシ、C1~C4アルコキシ、C1~C4アルキルアミノ、(C1~C4)(C1~C4)ジアルキルアミノ、およびC1~C4アミノアルキルから選択される0、1、2、または3個の基で置換されたヘテロアリールである。ヘテロアリールの例としては、限定されないが、ピロール、フラン、チオフェン、ピリジン、ピリダジン、ピリミジン、ピラジン、トリアジン、プリン、オキサゾール、ベンゾ[d]オキサゾール、ベンゾ[d]チアゾール、インドール、およびイソオキサゾールが挙げられる。したがって、さらなる態様において、Ar1は、独立してハロゲン、-CN、-NH2、-OH、-NO2、C1~C4アルキル、C2~C4アルケニル、C1~C4ハロアルキル、C1~C4シアノアルキル、C1~C4ヒドロキシアルキル、C1~C4ハロアルコキシ、C1~C4アルコキシ、C1~C4アルキルアミノ、(C1~C4)(C1~C4)ジアルキルアミノ、およびC1~C4アミノアルキルから選択される0、1、または2個の基で置換されたヘテロアリールである。なおさらなる態様において、Ar1は、ハロゲン、-CN、-NH2、-OH、-NO2、C1~C4アルキル、C2~C4アルケニル、C1~C4ハロアルキル、C1~C4シアノアルキル、C1~C4ヒドロキシアルキル、C1~C4ハロアルコキシ、C1~C4アルコキシ、C1~C4アルキルアミノ、(C1~C4)(C1~C4)ジアルキルアミノ、およびC1~C4アミノアルキルから選択される0または1個の基で置換されたヘテロアリールである。さらにさらなる態様において、Ar1は、ハロゲン、-CN、-NH2、-OH、-NO2、C1~C4アルキル、C2~C4アルケニル、C1~C4ハロアルキル、C1~C4シアノアルキル、C1~C4ヒドロキシアルキル、C1~C4ハロアルコキシ、C1~C4アルコキシ、C1~C4アルキルアミノ、(C1~C4)(C1~C4)ジアルキルアミノ、およびC1~C4アミノアルキルから選択される基で一置換されたヘテロアリールである。もっとさらなる態様において、Ar1は、非置換ヘテロアリールである。
【0175】
様々な態様において、Ar1は、インドリル、ピリジニル、ベンゾ[d]オキサゾール、およびベンゾ[d]チアゾールから選択され、独立してハロゲン、-CN、-NH2、-OH、-NO2、C1~C4アルキル、C2~C4アルケニル、C1~C4ハロアルキル、C1~C4シアノアルキル、C1~C4ヒドロキシアルキル、C1~C4ハロアルコキシ、C1~C4アルコキシ、C1~C4アルキルアミノ、(C1~C4)(C1~C4)ジアルキルアミノ、およびC1~C4アミノアルキルから選択される0、1、2、または3個の基で置換される。さらなる態様において、Ar1は、インドリル、ピリジニル、ベンゾ[d]オキサゾール、およびベンゾ[d]チアゾールから選択され、独立してハロゲン、-CN、-NH2、-OH、-NO2、C1~C4アルキル、C2~C4アルケニル、C1~C4ハロアルキル、C1~C4シアノアルキル、C1~C4ヒドロキシアルキル、C1~C4ハロアルコキシ、C1~C4アルコキシ、C1~C4アルキルアミノ、(C1~C4)(C1~C4)ジアルキルアミノ、およびC1~C4アミノアルキルから選択される0、1、または2個の基で置換される。なおさらなる態様において、Ar1は、インドリル、ピリジニル、ベンゾ[d]オキサゾール、およびベンゾ[d]チアゾールから選択され、ハロゲン、-CN、-NH2、-OH、-NO2、C1~C4アルキル、C2~C4アルケニル、C1~C4ハロアルキル、C1~C4シアノアルキル、C1~C4ヒドロキシアルキル、C1~C4ハロアルコキシ、C1~C4アルコキシ、C1~C4アルキルアミノ、(C1~C4)(C1~C4)ジアルキルアミノ、およびC1~C4アミノアルキルから選択される0または1個の基で置換される。さらにさらなる態様において、Ar1は、インドリル、ピリジニル、ベンゾ[d]オキサゾール、およびベンゾ[d]チアゾールから選択され、ハロゲン、-CN、-NH2、-OH、-NO2、C1~C4アルキル、C2~C4アルケニル、C1~C4ハロアルキル、C1~C4シアノアルキル、C1~C4ヒドロキシアルキル、C1~C4ハロアルコキシ、C1~C4アルコキシ、C1~C4アルキルアミノ、(C1~C4)(C1~C4)ジアルキルアミノ、およびC1~C4アミノアルキルから選択される基で一置換される。もっとさらなる態様において、Ar1は、インドリル、ピリジニル、ベンゾ[d]オキサゾール、およびベンゾ[d]チアゾールから選択され、非置換である。
【0176】
様々な態様において、Ar1は、独立してハロゲン、-CN、-NH2、-OH、-NO2、C1~C4アルキル、C2~C4アルケニル、C1~C4ハロアルキル、C1~C4シアノアルキル、C1~C4ヒドロキシアルキル、C1~C4ハロアルコキシ、C1~C4アルコキシ、C1~C4アルキルアミノ、(C1~C4)(C1~C4)ジアルキルアミノ、およびC1~C4アミノアルキルから選択される0、1、2、または3個の基で置換されたインドリルである。さらなる態様において、Ar1は、独立してハロゲン、-CN、-NH2、-OH、-NO2、C1~C4アルキル、C2~C4アルケニル、C1~C4ハロアルキル、C1~C4シアノアルキル、C1~C4ヒドロキシアルキル、C1~C4ハロアルコキシ、C1~C4アルコキシ、C1~C4アルキルアミノ、(C1~C4)(C1~C4)ジアルキルアミノ、およびC1~C4アミノアルキルから選択される0、1、または2個の基で置換されたインドリルである。なおさらなる態様において、Ar1は、ハロゲン、-CN、-NH2、-OH、-NO2、C1~C4アルキル、C2~C4アルケニル、C1~C4ハロアルキル、C1~C4シアノアルキル、C1~C4ヒドロキシアルキル、C1~C4ハロアルコキシ、C1~C4アルコキシ、C1~C4アルキルアミノ、(C1~C4)(C1~C4)ジアルキルアミノ、およびC1~C4アミノアルキルから選択される0または1個の基で置換されたインドリルである。さらにさらなる態様において、Ar1は、ハロゲン、-CN、-NH2、-OH、-NO2、C1~C4アルキル、C2~C4アルケニル、C1~C4ハロアルキル、C1~C4シアノアルキル、C1~C4ヒドロキシアルキル、C1~C4ハロアルコキシ、C1~C4アルコキシ、C1~C4アルキルアミノ、(C1~C4)(C1~C4)ジアルキルアミノ、およびC1~C4アミノアルキルから選択される基で一置換されたインドリルである。もっとさらなる態様において、Ar1は、非置換インドリルである。
【0177】
様々な態様において、Ar1は、独立してハロゲン、-CN、-NH2、-OH、-NO2、C1~C4アルキル、C2~C4アルケニル、C1~C4ハロアルキル、C1~C4シアノアルキル、C1~C4ヒドロキシアルキル、C1~C4ハロアルコキシ、C1~C4アルコキシ、C1~C4アルキルアミノ、(C1~C4)(C1~C4)ジアルキルアミノ、およびC1~C4アミノアルキルから選択される0、1、2、または3個の基で置換されたベンゾ[d]オキサゾリルである。さらなる態様において、Ar1は、独立してハロゲン、-CN、-NH2、-OH、-NO2、C1~C4アルキル、C2~C4アルケニル、C1~C4ハロアルキル、C1~C4シアノアルキル、C1~C4ヒドロキシアルキル、C1~C4ハロアルコキシ、C1~C4アルコキシ、C1~C4アルキルアミノ、(C1~C4)(C1~C4)ジアルキルアミノ、およびC1~C4アミノアルキルから選択される0、1、または2個の基で置換されたベンゾ[d]オキサゾリルである。なおさらなる態様において、Ar1は、ハロゲン、-CN、-NH2、-OH、-NO2、C1~C4アルキル、C2~C4アルケニル、C1~C4ハロアルキル、C1~C4シアノアルキル、C1~C4ヒドロキシアルキル、C1~C4ハロアルコキシ、C1~C4アルコキシ、C1~C4アルキルアミノ、(C1~C4)(C1~C4)ジアルキルアミノ、およびC1~C4アミノアルキルから選択される0または1個の基で置換されたベンゾ[d]オキサゾリルである。さらにさらなる態様において、Ar1は、ハロゲン、-CN、-NH2、-OH、-NO2、C1~C4アルキル、C2~C4アルケニル、C1~C4ハロアルキル、C1~C4シアノアルキル、C1~C4ヒドロキシアルキル、C1~C4ハロアルコキシ、C1~C4アルコキシ、C1~C4アルキルアミノ、(C1~C4)(C1~C4)ジアルキルアミノ、およびC1~C4アミノアルキルから選択される基で一置換されたベンゾ[d]オキサゾリルである。もっとさらなる態様において、Ar1は、非置換ベンゾ[d]オキサゾリルである。
【0178】
様々な態様において、Ar1は、独立してハロゲン、-CN、-NH2、-OH、-NO2、C1~C4アルキル、C2~C4アルケニル、C1~C4ハロアルキル、C1~C4シアノアルキル、C1~C4ヒドロキシアルキル、C1~C4ハロアルコキシ、C1~C4アルコキシ、C1~C4アルキルアミノ、(C1~C4)(C1~C4)ジアルキルアミノ、およびC1~C4アミノアルキルから選択される0、1、2、または3個の基で置換されたベンゾ[d]チアゾリルである。さらなる態様において、Ar1は、独立してハロゲン、-CN、-NH2、-OH、-NO2、C1~C4アルキル、C2~C4アルケニル、C1~C4ハロアルキル、C1~C4シアノアルキル、C1~C4ヒドロキシアルキル、C1~C4ハロアルコキシ、C1~C4アルコキシ、C1~C4アルキルアミノ、(C1~C4)(C1~C4)ジアルキルアミノ、およびC1~C4アミノアルキルから選択される0、1、または2個の基で置換されたベンゾ[d]チアゾリルである。なおさらなる態様において、Ar1は、ハロゲン、-CN、-NH2、-OH、-NO2、C1~C4アルキル、C2~C4アルケニル、C1~C4ハロアルキル、C1~C4シアノアルキル、C1~C4ヒドロキシアルキル、C1~C4ハロアルコキシ、C1~C4アルコキシ、C1~C4アルキルアミノ、(C1~C4)(C1~C4)ジアルキルアミノ、およびC1~C4アミノアルキルから選択される0または1個の基で置換されたベンゾ[d]チアゾリルである。さらにさらなる態様において、Ar1は、ハロゲン、-CN、-NH2、-OH、-NO2、C1~C4アルキル、C2~C4アルケニル、C1~C4ハロアルキル、C1~C4シアノアルキル、C1~C4ヒドロキシアルキル、C1~C4ハロアルコキシ、C1~C4アルコキシ、C1~C4アルキルアミノ、(C1~C4)(C1~C4)ジアルキルアミノ、およびC1~C4アミノアルキルから選択される基で一置換されたベンゾ[d]チアゾリルである。もっとさらなる態様において、Ar1は、非置換ベンゾ[d]チアゾリルである。
【0179】
i.Ar2基
一態様において、Ar2は、-(CH2)mNR20aR20b基でパラ置換され、独立してハロゲン、-CN、-NH2、-OH、-NO2、C1~C4アルキル、C2~C4アルケニル、C1~C4ハロアルキル、C1~C4シアノアルキル、C1~C4ヒドロキシアルキル、C1~C4ハロアルコキシ、C1~C4アルコキシ、C1~C4アルキルアミノ、(C1~C4)(C1~C4)ジアルキルアミノ、およびC1~C4アミノアルキルから選択される0、1、2、または3個の基で置換された、C6アリールである。さらなる態様において、Ar2は、-(CH2)mNR20aR20b基でパラ置換され、独立してハロゲン、-CN、-NH2、-OH、-NO2、C1~C4アルキル、C2~C4アルケニル、C1~C4ハロアルキル、C1~C4シアノアルキル、C1~C4ヒドロキシアルキル、C1~C4ハロアルコキシ、C1~C4アルコキシ、C1~C4アルキルアミノ、(C1~C4)(C1~C4)ジアルキルアミノ、およびC1~C4アミノアルキルから選択される0、1、または2個の基で置換された、C6アリールである。なおさらなる態様において、Ar2は、-(CH2)mNR20aR20b基でパラ置換され、ハロゲン、-CN、-NH2、-OH、-NO2、C1~C4アルキル、C2~C4アルケニル、C1~C4ハロアルキル、C1~C4シアノアルキル、C1~C4ヒドロキシアルキル、C1~C4ハロアルコキシ、C1~C4アルコキシ、C1~C4アルキルアミノ、(C1~C4)(C1~C4)ジアルキルアミノ、およびC1~C4アミノアルキルから選択される0または1個の基で置換された、C6アリールである。さらにさらなる態様において、Ar2は、-(CH2)mNR20aR20b基でパラ置換され、ハロゲン、-CN、-NH2、-OH、-NO2、C1~C4アルキル、C2~C4アルケニル、C1~C4ハロアルキル、C1~C4シアノアルキル、C1~C4ヒドロキシアルキル、C1~C4ハロアルコキシ、C1~C4アルコキシ、C1~C4アルキルアミノ、(C1~C4)(C1~C4)ジアルキルアミノ、およびC1~C4アミノアルキルから選択される基で一置換された、C6アリールである。もっとさらなる態様において、Ar2は、-(CH2)mNR20aR20b基でパラ置換され、0個の他の基で置換された、C6アリールである。
【0180】
2.ジペプチド類似体の例
一態様において、化合物は以下のもの、またはそれらの薬学的に許容される塩であり得る。
【化24】
【0181】
1つ以上の化合物は、任意選択的に、開示される発明から省略され得ることが考えられる。
【0182】
開示される化合物は、開示される方法、組成物、キット、および使用に関連して使用することができることが理解される。
【0183】
開示される化合物の薬学的に許容される誘導体は、開示される方法、組成物、キット、および使用に関連して使用することもできることが理解される。本化合物の薬学的に許容される誘導体は、以下に考察されるような薬学的に許容される塩、異性体、放射性標識類似体、互変異性体などの任意の好適な誘導体を含むことができる。
【0184】
C.医薬組成物
一態様において、開示されるのは、開示される化合物またはその薬学的に許容される塩と、薬学的に許容される担体と、を含む医薬組成物である。
【0185】
したがって、一態様において、開示されるのは、治療有効量の以下の式によって表される構造を有する化合物
【化25】
(式中、nは0または1であり、R
1aおよびR
1bの各々は、存在する場合、独立して、水素、ハロゲン、およびC1~C4アルキルから選択されるか、または、R
1aおよびR
1bの各々は、存在する場合、共有結合し、中間原子とともに、非置換シクロプロピル基を含み、R
2およびR
4の各々は、独立して、水素およびC1~C4アルキルから選択され、R
3は、-(C1~C8アルキル)NR
10aR
10b、-(C1~C8アルキル)C(O)NR
10aR
10b、C2~C8アルキル、および-(C1~C4)Ar
2から選択され、R
10aおよびR
10bの各々は、独立して、水素およびC1~C4アルキルから選択され、Ar
2は、-(CH
2)
mNR
20aR
20b基でパラ置換され、独立してハロゲン、-CN、-NH
2、-OH、-NO
2、C1~C4アルキル、C2~C4アルケニル、C1~C4ハロアルキル、C1~C4シアノアルキル、C1~C4ヒドロキシアルキル、C1~C4ハロアルコキシ、C1~C4アルコキシ、C1~C4アルキルアミノ、(C1~C4)(C1~C4)ジアルキルアミノ、およびC1~C4アミノアルキルから選択される0、1、2、または3個の基で置換された、C6アリールであり、mは、1、2、3、または4であり、R
20aおよびR
20bの各々は、独立して、水素およびC1~C4アルキルから選択され、R
5aおよびR
5bの各々は、水素であるか、または、R
5aおよびR
5bの各々は、独立して、C1~C4アルキルであるか、または、R
5aおよびR
5bの各々は、共有結合し、中間原子とともに、非置換C3~C6基を含み、R
6は、水素であるか、またはR
5aおよびR
5bの各々は共に、R
6に共有結合し、中間原子とともに、独立してハロゲン、-CN、-NH
2、-OH、-NO
2、C1~C4アルキル、C2~C4アルケニル、C1~C4ハロアルキル、C1~C4シアノアルキル、C1~C4ヒドロキシアルキル、C1~C4ハロアルコキシ、C1~C4アルコキシ、C1~C4アルキルアミノ、(C1~C4)(C1~C4)ジアルキルアミノ、およびC1~C4アミノアルキルから選択される0、1、2、または3個の基で置換されたC3~C5ヘテロアリール基を含み、Ar
1は、アリールおよびヘテロアリールから選択され、独立してハロゲン、-CN、-NH
2、-OH、-NO
2、C1~C4アルキル、C2~C4アルケニル、C1~C4ハロアルキル、C1~C4シアノアルキル、C1~C4ヒドロキシアルキル、C1~C4ハロアルコキシ、C1~C4アルコキシ、C1~C4アルキルアミノ、(C1~C4)(C1~C4)ジアルキルアミノ、およびC1~C4アミノアルキルから選択される0、1、2、または3個の基で置換され、但し、R
5aおよびR
5bの各々が水素である場合、R
3は、C2~C8アルキルではなく、但し、nが0である場合、R
5aおよびR
5bの各々は、独立して、C1~C4アルキルであるか、またはR
5aおよびR
5bの各々は、共有結合しており、中間原子とともに、非置換C3~C6基を含み、R
6は、水素である)、またはその薬学的に許容される塩と、薬学的に許容される担体と、を含む、医薬組成物である。
【0186】
様々な態様において、本発明の化合物および組成物は医薬組成物において投与することができ、投与の意図される投与方法に従って製剤化される。本明細書で説明される化合物および組成物は、1つ以上の生理学的に許容される担体または賦形剤を使用して、従来の方法で製剤化することができる。例えば、医薬組成物は、局所または全身投与、静脈内、局所、または経口投与のために製剤化することができる。
【0187】
投与のための医薬組成物の性質は、投与方式に依存し、当業者によって容易に決定され得る。様々な態様において、医薬組成物は無菌または滅菌可能である。本発明で特徴とされる治療用組成物は、担体または賦形剤を含有することができ、その多くは当業者に既知である。使用することができる賦形剤には、緩衝剤(例えば、クエン酸緩衝剤、リン酸緩衝剤、酢酸緩衝剤、および重炭酸緩衝剤)、アミノ酸、尿素、アルコール、アスコルビン酸、リン脂質、ポリペプチド(例えば、血清アルブミン)、EDTA、塩化ナトリウム、リポソーム、マンニトール、ソルビトール、水、およびグリセロールが含まれる。本発明で特徴とされる核酸、ポリペプチド、小分子、および他の調節化合物は、任意の標準投与経路によって投与することができる。例えば、投与は、非経口、静脈内、皮下、または経口であることができる。調節化合物は、対応する投与経路に従って、様々な方法で製剤化することができる。例えば、液体溶液は、耳への滴下による投与、注入、または摂取のために生成することができ、ゲルまたは粉末は、摂取または局所適用のために生成することができる。そのような製剤を生成するための方法は、良く知られており、例えば、Remington’s Pharmaceutical Sciences,18th Ed.,Gennaro,Mack Publishing Co.,Easton,PA1990に認めることができる。
【0188】
様々な態様において、開示される医薬組成物は、活性成分として開示される化合物(その薬学的に許容される塩(複数可)を含む)、薬学的に許容される担体、および任意選択的に、他の治療成分またはアジュバントを含む。本組成物は、経口、直腸、局所、および非経口(皮下、筋肉内、および静脈内を含む)投与に好適なものを含むが、いずれの所与の例でも最も好適な経路は、特定の宿主、ならびに活性成分が投与される状態の性質および重症度に依存する。本医薬組成物は、単位剤形で都合良く提供され得、薬学の技術分野で良くられている方法のいずれかによって作成することができる。
【0189】
様々な態様において、本発明の医薬組成物は、薬学的に許容される担体、および本発明の化合物または本化合物の薬学的に許容される塩を含むことができる。本発明の化合物、またはその薬学的に許容される塩はまた、1つ以上の他の治療活性化合物と組み合わせて医薬組成物に含めることができる。
【0190】
使用される薬学的担体は、例えば、固体、液体、または気体であり得る。固体担体の例としては、ラクトース、テラアルバ、スクロース、タルク、ゼラチン、寒天、ペクチン、アカシア、ステアリン酸マグネシウム、およびステアリン酸が挙げられる。液体担体の例は、シュガーシロップ、ピーナッツ油、オリーブ油、および水である。気体担体の例としては、二酸化炭素および窒素が挙げられる。
【0191】
経口剤形のための組成物の調製において、任意の便利な薬学的媒体を用いることができる。例えば、水、グリコール、油、アルコール、香味剤、防腐剤、着色剤等は、懸濁液、エリキシル剤および溶液等の経口液体調製物を形成するために使用することができ、一方、デンプン、糖、微結晶性セルロース、希釈剤、造粒剤、潤滑剤、結合剤、崩壊剤等の担体は、粉末、カプセルおよび錠剤等の経口固体調製物を形成するために使用することができる。投与が容易であるため、錠剤およびカプセルが好ましい経口投与単位であり、それによって固体の薬学的担体が用いられる。任意選択的に、錠剤は標準的な水性または非水性技術によってコーティングすることができる。
【0192】
本発明の組成物を含有する錠剤は、任意選択的に1つ以上の補助成分またはアジュバントを用いて、圧縮または成形によって作成することができる。圧縮錠剤は、任意選択的に結合剤、潤滑剤、不活性希釈剤、表面活性剤、または分散剤と混合された、粉末または顆粒などの自由流動形態中で活性成分を、好適な機械において、圧縮することによって作成することができる。成形錠剤は、不活性液体希釈剤で湿らせた粉末状化合物の混合物を、好適な機械で成形することによって作成することができる。
【0193】
本発明の医薬組成物は、活性成分としての本発明の化合物(またはその薬学的に許容される塩)、薬学的に許容される担体、および任意選択的に1つ以上の追加の治療剤またはアジュバントを含む。本組成物は、経口、直腸、局所、および非経口(皮下、筋肉内、および静脈内を含む)投与に好適な組成物を含むが、いずれの所与の場合においても最も好適な経路は、特定の宿主、ならびに活性成分が投与される状態の性質および重症度に依存する。本医薬組成物は、単位剤形で都合良く提供され得、薬学の技術分野で良くられている方法のいずれかによって作成することができる。
【0194】
非経口投与に適した本発明の医薬組成物は、水における活性化合物の溶液または懸濁液として作成することができる。好適な界面活性剤には、例えば、ヒドロキシプロピルセルロースなどを含むことができる。分散体はまた、オイル中のグリセロール、液体ポリエチレングリコール、およびそれらの混合物で調製することができる。さらに、防腐剤を、微生物の有害な増殖を防止するために含むことができる。
【0195】
注射用使用に適した本発明の医薬組成物は、無菌水溶液または分散液を含む。さらに、本組成物は、そのような無菌注射用溶液または分散液の即時調製のために滅菌粉末の形態であることができる。すべての場合で、最終的な注射可能な形態は無菌でなければならず、容易な注射操作性のため効果的には流体でなければならない。医薬組成物は製造および保存の条件下で安定でなければならす、したがって、好ましくは、細菌および真菌などの微生物の汚染活動に対して維持されるべきである。担体は、例えば、水、エタノール、ポリオール(例えば、グリセロール、プロピレングリコール、および液体ポリエチレングリコール)、植物オイル、およびそれらの好適な混合物を含有する溶媒または分散メディウムであることができる。
【0196】
本発明の医薬組成物は、例えば、エアゾール、クリーム、軟膏、ローション、粉剤、口腔洗浄、含嗽剤などの局所使用に好適な形態であることができる。さらに、本組成物は、経皮デバイスでの使用に好適な形態であることができる。これらの製剤は、本発明の化合物またはその薬学的に許容される塩を利用して、従来の処理方法を介して作成することができる。一例として、クリームまたは軟膏は、親水性材料および水を、約5重量%~約10重量%の化合物と混合することによって調製して、所望の粘度を有するクリームまたは軟膏を作成する。
【0197】
本発明の医薬組成物は直腸投与に好適な形態であることができ、担体は固体である。混合物は、単位用量坐薬を形成することが好ましい。好適な担体には、ココアバターおよび当該技術分野で一般的に使用される他の材料が含まれる。坐薬は、最初に本組成物を軟化または融解化担体(複数可)と混合し、続いて金型内で冷却および成形することによって、都合良く形成することができる。
【0198】
上述の担体成分に加えて、上述の医薬製剤は、必要に応じて、希釈剤、緩衝液、香味剤、結合剤、表面活性剤、増粘剤、潤滑剤、防腐剤(抗酸化剤を含む)などの1つ以上の追加の担体成分を含むことができる。さらに、他のアジュバントを含有して、製剤を、意図される受容者の血液と等張にすることができる。本発明の化合物および/またはその薬学的に許容される塩を含有する組成物は、粉末または液体濃縮物形態で調製することもできる。
【0199】
さらなる態様において、有効量は、治療有効量である。なおさらなる態様において、有効量は、予防有効量である。
【0200】
さらなる態様において、本医薬組成物は哺乳動物に投与される。なおさらなる態様において、哺乳動物はヒトである。もっとさらなる態様において、ヒトは患者である。
【0201】
さらなる態様において、本医薬組成物は、例えば、限定されないが、肉腫、がん腫、血液がん、固形腫瘍、乳がん、子宮頸がん、胃腸がん、結腸直腸がん、脳がん、皮膚がん、前立腺がん、卵巣がん、膀胱がん、甲状腺がん、精巣がん、膵臓がん、子宮内膜がん、黒色腫、神経膠腫、白血病、リンパ腫、慢性骨髄増殖性障害、骨髄異形成症候群、骨髄増殖性新生物、および形質細胞新生物(骨髄腫)を含むがんを含め、制御されない細胞増殖の障害を治療するために使用される。
【0202】
開示される組成物は、開示される化合物から作成することができることが理解される。開示される組成物はまた、開示される使用の方法において使用することができることが理解される。
【0203】
D.ジペプチドを作製する方法
本発明の化合物は、文献で既知であり、実験セクションに例示される、または当業者に明白である他の標準的な操作に加えて、以下のスキームに示されるような反応を使用することによって調製することができる。明確にするために、単一の置換基を有する例が示されるが、本明細書に開示される定義の下で複数の置換基が可能である。
【0204】
本発明の化合物を生成するために使用される反応は、後述で説明および例示されるように、以下の反応スキームに示されるような反応を用いることによって調製される。特定の具体例において、開示される化合物は、後述で説明および例示されるように、経路I~IIIによって調製することができる。以下の実施例は、本発明がより完全に理解され得るように提供され、単なる例示であり、限定するものと解釈されるべきではない。
【0205】
1.経路I
一態様において、置換ジペプチドは、以下に示すように調製することができる。
スキーム1A
【化26】
【0206】
化合物は、一般的な形態で表され、PGは、アミン脱離基であり、本明細書の他の箇所の化合物説明に記載されるような他の置換基を有する。より具体的な例を以下に示す。
スキーム1B
【化27】
【0207】
一態様において、1.8型の化合物および同様の化合物は、上記反応スキーム1Bに従って生成することができる。したがって、1.7型の化合物は、適切なアミン(例えば、上に示される1.5)と、適切なカルボン酸(例えば、上に示される1.6)との間のカップリング反応によって調製することができる。適切なアミンおよび適切なカルボン酸は市販されており、または当業者に知られている方法によって調製される。カップリング反応は、適切な溶媒、例えば、上に示されるアセトニトリル(CH3CN)中で、適切なカップリング剤、例えば、上に示される1-[ビス(ジメチルアミノ)メチレン]-1H-1,2,3-トリアゾロ[4,5-b]ピリジニウム3-オキシドヘキサフルオロホスフェート(HATU)、および適切な(appropaite)塩基、例えば、上に示されるN,N-ジイソプロピルエチルアミン(DIPEA)の存在下で実行される。1.8型の化合物は、適切な保護されたアミン、例えば、上に示される1.7の脱保護によって調製することができる。脱保護は、適切な溶媒、例えば、上に示されるジクロロメタン(DCM)中で、適切な酸、例えば、上に示されるトリフルオロ酢酸(TFA)の存在下で実行される。当業者によって理解され得るように、上記反応は一般的な方法の例を示し、上記の特定の反応剤と構造が類似する化合物(1.1、1.2、および1.3型の化合物に類似する化合物)が反応で置換されて、式1.4に類似するジペプチド類似体を得ることができる。
【0208】
2.経路II
一態様において、置換ジペプチドは、以下に示すように調製することができる。
スキーム2A
【化28】
【0209】
化合物は、一般的な形態で表され、本明細書の他の箇所の化合物説明に記載されるような置換基を有する。より具体的な例を以下に示す。
スキーム2B
【化29】
【0210】
一態様において、2.4型の化合物および同様の化合物は、上記反応スキーム2Bに従って生成することができる。したがって、2.4型の化合物は、適切なアミン(例えば、上に示される1.8)と、適切なカルボン酸(例えば、上に示される2.3)との間のカップリング反応によって調製することができる。適切なアミンおよび適切なカルボン酸は市販されており、または当業者に知られている方法によって調製される。カップリング反応は、適切な溶媒、例えば、上に示されるジメチルホルムアミド(DMF)中で、適切なカップリング剤、例えば、上に示されるHATU、および適切な(appropaite)塩基、例えば、上に示されるDIPEAの存在下で実行される。当業者によって理解され得るように、上記反応は一般的な方法の例を示し、上記の特定の反応剤と構造が類似する化合物(1.4、および2.1型の化合物に類似する化合物)が反応で置換されて、式2.2に類似するジペプチド類似体を得ることができる。
【0211】
3.経路III
一態様において、置換ジペプチドは、以下に示すように調製することができる。
スキーム3A
【化30】
【0212】
化合物は、一般的な形態で表され、PGは、アミン脱離基であり、本明細書の他の箇所の化合物説明に記載されるような他の置換基を有する。より具体的な例を以下に示す。
スキーム3B
【化31】
【0213】
一態様において、3.3型の化合物および同様の化合物は、上記の反応スキーム3Bに従って生成することができる。したがって、3.3型の化合物は、適切な保護されたアミン、例えば、上に示される2.4の脱保護によって調製することができる。適切な保護されたアミンは、市販されており、または当業者に既知の方法によって調製される。脱保護は、適切な溶媒、例えば、上に示されるDMF中で、適切な塩基、例えば、上に示されるピペリジンの存在下で実行される。当業者によって理解され得るように、上記反応は一般的な方法の例を示し、上記の特定の反応剤と構造が類似する化合物(3.1型の化合物に類似する化合物)が反応で置換されて、式3.2に類似するジペプチド類似体を得ることができる。
【0214】
E.制御されない細胞増殖の障害を治療する
一態様において、開示されるのは、対象における制御されない細胞増殖の障害を治療する方法であって、本方法が、対象に有効量の少なくとも1つの開示される化合物またはその薬学的に許容される塩を投与するステップを含む、方法である。
【0215】
一態様において、開示されるのは、対象における制御されない細胞増殖の障害を治療するための方法であって、本方法が、対象に有効量の以下の式によって表される構造を有する化合物
【化32】
(式中、nは0または1であり、R
1aおよびR
1bの各々は、存在する場合、独立して、水素、ハロゲン、およびC1~C4アルキルから選択されるか、または、R
1aおよびR
1bの各々は、存在する場合、共有結合し、中間原子とともに、非置換シクロプロピル基を含み、R
2およびR
4の各々は、独立して、水素およびC1~C4アルキルから選択され、R
3は、-(C1~C8アルキル)NR
10aR
10b、-(C1~C8アルキル)C(O)NR
10aR
10b、C2~C8アルキル、および-(C1~C4)Ar
2から選択され、R
10aおよびR
10bの各々は、独立して、水素およびC1~C4アルキルから選択され、Ar
2は、-(CH
2)
mNR
20aR
20b基でパラ置換され、独立してハロゲン、-CN、-NH
2、-OH、-NO
2、C1~C4アルキル、C2~C4アルケニル、C1~C4ハロアルキル、C1~C4シアノアルキル、C1~C4ヒドロキシアルキル、C1~C4ハロアルコキシ、C1~C4アルコキシ、C1~C4アルキルアミノ、(C1~C4)(C1~C4)ジアルキルアミノ、およびC1~C4アミノアルキルから選択される0、1、2、または3個の基で置換された、C6アリールであり、mは、1、2、3、または4であり、R
20aおよびR
20bの各々は、独立して、水素およびC1~C4アルキルから選択され、R
5aおよびR
5bの各々は、水素であるか、または、R
5aおよびR
5bの各々は、独立して、C1~C4アルキルであるか、または、R
5aおよびR
5bの各々は、共有結合し、中間原子とともに、非置換C3~C6基を含み、R
6は、水素であるか、またはR
5aおよびR
5bの各々は共に、R
6に共有結合し、中間原子とともに、独立してハロゲン、-CN、-NH
2、-OH、-NO
2、C1~C4アルキル、C2~C4アルケニル、C1~C4ハロアルキル、C1~C4シアノアルキル、C1~C4ヒドロキシアルキル、C1~C4ハロアルコキシ、C1~C4アルコキシ、C1~C4アルキルアミノ、(C1~C4)(C1~C4)ジアルキルアミノ、およびC1~C4アミノアルキルから選択される0、1、2、または3個の基で置換されたC3~C5ヘテロアリール基を含み、Ar
1は、アリールおよびヘテロアリールから選択され、独立してハロゲン、-CN、-NH
2、-OH、-NO
2、C1~C4アルキル、C2~C4アルケニル、C1~C4ハロアルキル、C1~C4シアノアルキル、C1~C4ヒドロキシアルキル、C1~C4ハロアルコキシ、C1~C4アルコキシ、C1~C4アルキルアミノ、(C1~C4)(C1~C4)ジアルキルアミノ、およびC1~C4アミノアルキルから選択される0、1、2、または3個の基で置換され、但し、R
5aおよびR
5bの各々が水素である場合、R
3は、C2~C8アルキルではなく、但し、nが0である場合、R
5aおよびR
5bの各々は、独立して、C1~C4アルキルであるか、またはR
5aおよびR
5bの各々は、共有結合しており、中間原子とともに、非置換C3~C6基を含み、R
6は、水素である)、またはその薬学的に許容される塩を投与することを含み、それによって障害を治療する、方法である。
【0216】
さらなる態様において、対象は、投与ステップの前に障害の治療が必要と診断されている。
【0217】
さらなる態様において、対象は、哺乳動物である。なおさらなる態様において、哺乳動物はヒトである。
【0218】
さらなる態様において、本方法はさらに、障害の治療を必要とする対象を特定するステップを含む。
【0219】
さらなる態様において、障害は、がんである。なおさらなる態様において、がんは、肉腫、がん腫、血液がん、固形腫瘍、乳がん、子宮頸がん、胃腸がん、結腸直腸がん、脳がん、皮膚がん、前立腺がん、卵巣がん、甲状腺がん、精巣がん、膵臓がん、肝臓がん、子宮内膜がん、黒色腫、神経膠腫、白血病、リンパ腫、慢性骨髄増殖性障害、骨髄異形成症候群、骨髄増殖性新生物、非小細胞肺がん腫、および形質細胞新生物(骨髄腫)から選択される。
【0220】
さらなる態様において、がんは、固形腫瘍である。
【0221】
さらなる態様において、有効量は、治療有効量である。なおさらなる態様において、有効量は予防有効量である。
【0222】
さらなる態様において、本方法はさらに、制御されない細胞増殖の障害の治療と関連する少なくとも1つの薬剤を治療有効量投与するステップを含む。なおさらなる態様において、少なくとも1つの薬剤は化学療法剤である。さらにさらなる態様において、化学療法剤は、アルキル化剤、代謝拮抗剤、抗新生物抗生物質剤、有糸分裂阻害剤、およびmTor阻害剤から選択される。
【0223】
様々な態様において、抗新生物抗生物質剤は、ドキソルビシン、ミトキサントロン、ブレオマイシン、ダウノルビシン、ダクチノマイシン、エピルビシン、イダルビシン、プリカマイシン、マイトマイシン、ペントスタチン、およびバルルビシン、またはそれらの薬学的に許容される塩から選択される。
【0224】
様々な態様において、代謝拮抗剤は、ゲムシタビン、5-フルオロウラシル、カペシタビン、ヒドロキシ尿素、メルカプトプリン、ペメトレキセド、フルダラビン、ネララビン、クラドリビン、クロファラビン、シタラビン、デシタビン、プララトレキサート、フロキサリジン、メトトレキサート、およびチオグアニン、またはそれらの薬学的に許容される塩から選択される。
【0225】
様々な態様において、アルキル化剤は、カルボプラチン、シスプラチン、シクロホスファミド、クロラムブシル、メルファラン、カルムスチン、ブスルファン、ロムスチン、ダカルバジン、オキサリプラチン、イホスファミド、メクロレタミン、テモゾロミド、チオテパ、ベンダムスチン、およびストレプトゾシン、またはそれらの薬学的に許容される塩から選択される。
【0226】
様々な態様において、有糸分裂阻害剤は、イリノテカン、トポテカン、ルビテカン、カバジタキセル、ドセタキセル、パクリタキセル、エトプシド、ビンクリスチン、イキサベピロン、ビノレルビン、ビンブラスチン、およびテニポシド、またはそれらの薬学的に許容される塩から選択される。
【0227】
様々な態様において、mTor阻害剤は、エベロリムス、シロリウムス、およびテムシロリムス、またはそれらの薬学的に許容される塩、水和物、溶媒和物、もしくは多形から選択される。
【0228】
さらなる態様において、少なくとも1つの本化合物および少なくとも1つの薬剤は、逐次的に投与される。なおさらなる態様において、少なくとも1つの本化合物および少なくとも1つの薬剤は、同時に投与される。
【0229】
さらなる態様において、少なくとも1つの本化合物および少なくとも1つの薬剤は、共製剤化される。なおさらなる態様において、少なくとも1つの本化合物および少なくとも1つの薬剤は、一緒にパッケージ化される。
【0230】
F.対象におけるプログラム死リガンド1および/またはプログラム死リガンド2シグナル伝達を改変する
一態様において、開示されるのは、対象におけるPDL-1および/またはPDL-2シグナル伝達を改変する方法であって、本方法が、対象に有効量の少なくとも1つの開示される化合物またはその薬学的に許容される塩を投与するステップを含む、方法である。
【0231】
したがって、一態様において、対象におけるPDL-1および/またはPDL-2シグナル伝達を改変する方法であって、本方法が、対象に有効量の以下の式によって表される構造を有する化合物
【化33】
(式中、nは0または1であり、R
1aおよびR
1bの各々は、存在する場合、独立して、水素、ハロゲン、およびC1~C4アルキルから選択されるか、または、R
1aおよびR
1bの各々は、存在する場合、共有結合し、中間原子とともに、非置換シクロプロピル基を含み、R
2およびR
4の各々は、独立して、水素およびC1~C4アルキルから選択され、R
3は、-(C1~C8アルキル)NR
10aR
10b、-(C1~C8アルキル)C(O)NR
10aR
10b、C2~C8アルキル、および-(C1~C4)Ar
2から選択され、R
10aおよびR
10bの各々は、独立して、水素およびC1~C4アルキルから選択され、Ar
2は、-(CH
2)
mNR
20aR
20b基でパラ置換され、独立してハロゲン、-CN、-NH
2、-OH、-NO
2、C1~C4アルキル、C2~C4アルケニル、C1~C4ハロアルキル、C1~C4シアノアルキル、C1~C4ヒドロキシアルキル、C1~C4ハロアルコキシ、C1~C4アルコキシ、C1~C4アルキルアミノ、(C1~C4)(C1~C4)ジアルキルアミノ、およびC1~C4アミノアルキルから選択される0、1、2、または3個の基で置換された、C6アリールであり、mは、1、2、3、または4であり、R
20aおよびR
20bの各々は、独立して、水素およびC1~C4アルキルから選択され、R
5aおよびR
5bの各々は、水素であるか、または、R
5aおよびR
5bの各々は、独立して、C1~C4アルキルであるか、または、R
5aおよびR
5bの各々は、共有結合し、中間原子とともに、非置換C3~C6基を含み、R
6は、水素であるか、またはR
5aおよびR
5bの各々は共に、R
6に共有結合し、中間原子とともに、独立してハロゲン、-CN、-NH
2、-OH、-NO
2、C1~C4アルキル、C2~C4アルケニル、C1~C4ハロアルキル、C1~C4シアノアルキル、C1~C4ヒドロキシアルキル、C1~C4ハロアルコキシ、C1~C4アルコキシ、C1~C4アルキルアミノ、(C1~C4)(C1~C4)ジアルキルアミノ、およびC1~C4アミノアルキルから選択される0、1、2、または3個の基で置換されたC3~C5ヘテロアリール基を含み、Ar
1は、アリールおよびヘテロアリールから選択され、独立してハロゲン、-CN、-NH
2、-OH、-NO
2、C1~C4アルキル、C2~C4アルケニル、C1~C4ハロアルキル、C1~C4シアノアルキル、C1~C4ヒドロキシアルキル、C1~C4ハロアルコキシ、C1~C4アルコキシ、C1~C4アルキルアミノ、(C1~C4)(C1~C4)ジアルキルアミノ、およびC1~C4アミノアルキルから選択される0、1、2、または3個の基で置換され、但し、R
5aおよびR
5bの各々が水素である場合、R
3は、C2~C8アルキルではなく、但し、nが0である場合、R
5aおよびR
5bの各々は、独立して、C1~C4アルキルであるか、またはR
5aおよびR
5bの各々は、共有結合しており、中間原子とともに、非置換C3~C6基を含み、R
6は、水素である)、またはその薬学的に許容される塩を投与することを含み、それによって対象におけるPDL-1および/またはPDL-2シグナル伝達を改変する、方法である。
【0232】
さらなる態様において、開示される方法は、PDL-1シグナル伝達を改変する。なおさらなる態様において、開示される方法は、PDL-2シグナル伝達を改変する。さらにさらなる態様において、開示される方法は、PDL-1およびPDL-2シグナル伝達を両方とも改変する。
【0233】
さらなる態様において、改変することは、低下させることである。なおさらなる態様において、改変することは、阻害することである。
【0234】
さらなる態様において、対象は、投与ステップの前に、制御されない細胞増殖の障害を有すると診断されている。
【0235】
さらなる態様において、対象は、投与ステップの前に、PDL-1および/またはPDL-2シグナル伝達を改変することが必要と診断されている。
【0236】
さらなる態様において、対象は、投与ステップの前に、PDL-1および/またはPDL-2シグナル伝達機能障害に関連する障害の治療が必要と診断されている。
【0237】
さらなる態様において、本方法は、PDL-1および/またはPDL-2シグナル伝達機能障害に関連する障害の治療が必要な対象を特定するステップをさらに含む。
【0238】
G.少なくとも1つの細胞において、対象におけるプログラム死リガンド1および/またはプログラム死リガンド2シグナル伝達を改変する
一態様において、開示されるのは、細胞におけるPDL-1および/またはPDL-2シグナル伝達を改変する方法であって、本方法が、有効量の少なくとも1つの開示される化合物またはその薬学的に許容される塩と細胞を接触させるステップを含む、方法である。
【0239】
したがって、一態様において、開示されるのは、細胞におけるPDL-1および/またはPDL-2シグナル伝達を改変する方法であって、本方法が、有効量の以下の式によって表される構造を有する化合物
【化34】
(式中、nは0または1であり、R
1aおよびR
1bの各々は、存在する場合、独立して、水素、ハロゲン、およびC1~C4アルキルから選択されるか、または、R
1aおよびR
1bの各々は、存在する場合、共有結合し、中間原子とともに、非置換シクロプロピル基を含み、R
2およびR
4の各々は、独立して、水素およびC1~C4アルキルから選択され、R
3は、-(C1~C8アルキル)NR
10aR
10b、-(C1~C8アルキル)C(O)NR
10aR
10b、C2~C8アルキル、および-(C1~C4)Ar
2から選択され、R
10aおよびR
10bの各々は、独立して、水素およびC1~C4アルキルから選択され、Ar
2は、-(CH
2)
mNR
20aR
20b基でパラ置換され、独立してハロゲン、-CN、-NH
2、-OH、-NO
2、C1~C4アルキル、C2~C4アルケニル、C1~C4ハロアルキル、C1~C4シアノアルキル、C1~C4ヒドロキシアルキル、C1~C4ハロアルコキシ、C1~C4アルコキシ、C1~C4アルキルアミノ、(C1~C4)(C1~C4)ジアルキルアミノ、およびC1~C4アミノアルキルから選択される0、1、2、または3個の基で置換された、C6アリールであり、mは、1、2、3、または4であり、R
20aおよびR
20bの各々は、独立して、水素およびC1~C4アルキルから選択され、R
5aおよびR
5bの各々は、水素であるか、または、R
5aおよびR
5bの各々は、独立して、C1~C4アルキルであるか、または、R
5aおよびR
5bの各々は、共有結合し、中間原子とともに、非置換C3~C6基を含み、R
6は、水素であるか、またはR
5aおよびR
5bの各々は共に、R
6に共有結合し、中間原子とともに、独立してハロゲン、-CN、-NH
2、-OH、-NO
2、C1~C4アルキル、C2~C4アルケニル、C1~C4ハロアルキル、C1~C4シアノアルキル、C1~C4ヒドロキシアルキル、C1~C4ハロアルコキシ、C1~C4アルコキシ、C1~C4アルキルアミノ、(C1~C4)(C1~C4)ジアルキルアミノ、およびC1~C4アミノアルキルから選択される0、1、2、または3個の基で置換されたC3~C5ヘテロアリール基を含み、Ar
1は、アリールおよびヘテロアリールから選択され、独立してハロゲン、-CN、-NH
2、-OH、-NO
2、C1~C4アルキル、C2~C4アルケニル、C1~C4ハロアルキル、C1~C4シアノアルキル、C1~C4ヒドロキシアルキル、C1~C4ハロアルコキシ、C1~C4アルコキシ、C1~C4アルキルアミノ、(C1~C4)(C1~C4)ジアルキルアミノ、およびC1~C4アミノアルキルから選択される0、1、2、または3個の基で置換され、但し、R
5aおよびR
5bの各々が水素である場合、R
3は、C2~C8アルキルではなく、但し、nが0である場合、R
5aおよびR
5bの各々は、独立して、C1~C4アルキルであるか、またはR
5aおよびR
5bの各々は、共有結合しており、中間原子とともに、非置換C3~C6基を含み、R
6は、水素である)、またはその薬学的に許容される塩と細胞を接触させることを含み、それによって細胞におけるPDL-1および/またはPDL-2シグナル伝達を改変する、方法である。
【0240】
さらなる態様において、開示される方法は、PDL-1シグナル伝達を改変する。なおさらなる態様において、開示される方法は、PDL-2シグナル伝達を改変する。さらにさらなる態様において、開示される方法は、PDL-1およびPDL-2シグナル伝達を両方とも改変する。
【0241】
さらなる態様において、改変することは、低下させることである。なおさらなる態様において、改変することは、阻害することである。
【0242】
さらなる態様において、細胞は、哺乳動物である。なおさらなる態様において、細胞は、ヒトである。
【0243】
さらなる態様において、細胞は、投与ステップの前にヒトから単離されている。
【0244】
さらなる態様において、接触させることは、対象への投与を介してである。さらなる態様において、対象は、投与ステップの前に、PDL-1および/またはPDL-2シグナル伝達の改変が必要と診断されている。さらにさらなる態様において、対象は、PDL-1および/またはPDL-2シグナル伝達機能障害に関連する障害の治療が必要と診断されている。
【0245】
H.化合物を使用する追加の方法
本発明の化合物および医薬組成物は、制御されない細胞増殖、および特にがんに関連する障害を治療または制御するのに有用である。
【0246】
本化合物および組成物が治療するのに有用であり得る制御されない細胞増殖の障害の例には、限定されないが、例えば、肉腫、がん腫、血液がん、固形腫瘍、乳がん、子宮頸がん、胃腸がん、結腸直腸がん、脳がん、皮膚がん、前立腺がん、卵巣がん、膀胱がん、甲状腺がん、精巣がん、膵臓がん、子宮内膜がん、黒色腫、神経膠腫、白血病、リンパ腫、慢性骨髄増殖性障害、骨髄異形成症候群、骨髄増殖性新生物、および形質細胞新生物(骨髄腫)などのがんが含まれる。
【0247】
障害を治療または制御するため、本化合物および本化合物を含む医薬組成物は、脊椎動物など、例えば、哺乳動物、魚類、鳥類、爬虫類、または両生類などのそれを必要とする対象に投与される。対象は、ヒト、非ヒト霊長類、ウマ、ブタ、ウサギ、イヌ、ヒツジ、ヤギ、ウシ、ネコ、モルモット、またはげっ歯類であることができる。この用語は、特定の年齢または性別を示すものではない。したがって、成人および新生児の対象、ならびに雌雄を問わない胎児が包含されることが意図される。対象は、好ましくは、ヒトなどの哺乳動物である。本化合物または組成物を投与する前に、対象は、がんなどの制御されない細胞増殖の障害の治療が必要であると診断され得る。
【0248】
本化合物または組成物は、任意の方法に従って対象に投与することができる。そのような方法は、当業者に良く知られており、限定されないが、経口投与、経皮投与、吸入による投与、鼻腔投与、局所投与、膣内投与、眼科投与、耳内投与、脳内投与、直腸投与、舌下投与、口腔投与、ならびに静脈内投与、動脈内投与、筋肉内投与、および皮下投与などの注射可能なものを含む非経口投与を含む。投与は、連続的または間欠的であり得る。調製物は、治療的に投与することができ、すなわち、既存の疾患または症状を治療するために投与することができる。調製物は、予防的に投与することもでき、すなわち、がんなどの制御されない細胞増殖の障害の予防のために投与することもできる。
【0249】
本化合物の治療有効量または投与量は、広い範囲内で変化し得る。そのような投与量は、投与される特定の化合物(複数可)、投与の経路、治療される状態、ならびに治療される患者を含む、各特定の症例における個々の要件に対して調整される。一般に、体重が約70kg以上の成人ヒトへの経口または非経口投与の場合、約10mg~約10,000mg、好ましくは約200mg~約1,000mgの1日投与量が適切であるが、上限を超え得る。1日投与量は、単回用量として、または分割用量で、あるいは非経口投与のために連続注入として投与することができる。単回用量組成物は、そのような量、または一日用量となる本化合物または組成物のその複数の分割量を含むことができる。任意の禁忌が発生した場合、個々の医師によって投与量が調整され得る。投薬量は、変動し得、1日または数日間にわたり、毎日1回以上の用量投与で投与され得る。
【0250】
1.化合物の使用
一態様において、本発明は、開示される化合物または開示される方法の生成物の使用に関する。さらなる態様において、使用は、対象における制御されない細胞増殖の障害の治療のための医薬品の製造に関する。
【0251】
また、提供されるのは、開示される化合物および生成物の使用である。一態様において、本発明は、少なくとも1つの開示される化合物、またはその薬学的に許容される塩、水和物、溶媒和物、もしくは多形の使用に関する。さらなる態様において、使用される化合物は、開示される生成方法の生成物である。
【0252】
さらなる態様において、本使用は、治療有効量の開示される化合物または開示される生成方法の生成物、あるいはそれらの薬学的に許容される塩、溶媒和物、もしくは多形を含む医薬組成物を、医薬品として使用するために作成するためのプロセスに関する。
【0253】
さらなる態様において、本使用は、治療有効量の開示される化合物または開示される生成方法の生成物、あるいはそれらの薬学的に許容される塩、溶媒和物、もしくは多形を含む医薬組成物を作成するためのプロセスに関するものであり、薬学的に許容される担体は、治療有効量の本化合物または開示される生成方法の生成物と密接に混合される。
【0254】
様々な態様において、本使用は、対象における制御されない細胞増殖の障害の治療に関する。一態様において、本使用は、対象がヒトであることを特徴とする。一態様において、本使用は、制御されない細胞増殖の障害ががんであることを特徴とする。
【0255】
さらなる態様において、本使用は、対象における制御されない細胞増殖の障害の治療のための医薬品の製造に関する。
【0256】
開示される使用は、開示される化合物、開示される生成方法の生成物、方法、組成物、およびキットに関して使用され得ることが理解される。さらなる態様において、本発明は、哺乳動物における制御されない細胞増殖の障害の治療のための医薬品の製造における、開示される化合物または開示される生成物の使用に関する。さらなる態様において、制御されない細胞増殖の障害は、がんである。
【0257】
2.医薬品の製造
一態様において、本発明は、障害を有する対象における制御されない細胞増殖の障害を治療するための医薬品の製造のための方法、および治療有効量の開示される化合物または開示される方法の生成物を薬学的に許容される担体または希釈剤と組み合わせることを含む方法に関する。
【0258】
これらの適用に関して、本方法は、制御されない細胞増殖の障害の治療に有効である化合物の治療有効量を動物、特に哺乳動物、より具体的にはヒトに投与することを含む。本発明の文脈において、動物、特にヒトに投与される用量は、合理的な期間枠にわたって動物における治療応答に影響を及ぼすのに十分なものであるべきである。当業者は、投与量が動物の状態および動物の体重を含む様々な要因に依存することを認識するであろう。
【0259】
典型的な治療で投与される本開示の化合物の総量は、1日用量当たり、好ましくは、マウスについて約0.05mg/kg~約100mg/kg体重、より好ましくは、マウスについて0.05mg/kg~約50mg/kg体重、およびヒトについて約100mg/kg~約500mg/kg体重、より好ましくは、200mg/kg~約400mg/kg体重である。この総量は、典型的には、必ずではないが、約24ヶ月間、1日当たり約1回~1日当たり約3回の期間にわたって、好ましくは約12ヶ月間、1日当たり2回の期間にわたって、一連のより小さい用量として投与される。
【0260】
用量のサイズはまた、投与の経路、時機、および頻度、ならびに化合物の投与に伴い得る任意の有害な副作用の存在、性質、および程度、ならびに所望の生理学的効果によって決定される。当業者によって、様々な症状または疾患状態、特に慢性症状または疾患状態が、複数回の投与を含む長期間の治療を必要とし得ることが理解されるであろう。
【0261】
したがって、一態様において、本発明は、開示される化合物もしくは開示される生成方法の生成物、またはその薬学的に許容される塩、溶媒和物、もしくは多形を、薬学的に許容される担体もしくは希釈剤と組み合わせることを含む医薬品の製造に関する。
【0262】
3.キット
一態様において、開示されるのは、有効量の開示される化合物、ならびに(a)制御されない細胞増殖の障害の治療に関連する少なくとも1つの薬剤、(b)制御されない細胞増殖の障害の治療に関して本化合物を投与するための説明書、および(c)制御されない細胞増殖の障害を治療するための説明書のうちの1つ以上を含む、キットである。
【0263】
したがって、一態様において、開示されるのは、有効量の以下の式によって表される構造を有する化合物
【化35】
(式中、nは0または1であり、R
1aおよびR
1bの各々は、存在する場合、独立して、水素、ハロゲン、およびC1~C4アルキルから選択されるか、または、R
1aおよびR
1bの各々は、存在する場合、共有結合し、中間原子とともに、非置換シクロプロピル基を含み、R
2およびR
4の各々は、独立して、水素およびC1~C4アルキルから選択され、R
3は、-(C1~C8アルキル)NR
10aR
10b、-(C1~C8アルキル)C(O)NR
10aR
10b、C2~C8アルキル、および-(C1~C4)Ar
2から選択され、R
10aおよびR
10bの各々は、独立して、水素およびC1~C4アルキルから選択され、Ar
2は、-(CH
2)
mNR
20aR
20b基でパラ置換され、独立してハロゲン、-CN、-NH
2、-OH、-NO
2、C1~C4アルキル、C2~C4アルケニル、C1~C4ハロアルキル、C1~C4シアノアルキル、C1~C4ヒドロキシアルキル、C1~C4ハロアルコキシ、C1~C4アルコキシ、C1~C4アルキルアミノ、(C1~C4)(C1~C4)ジアルキルアミノ、およびC1~C4アミノアルキルから選択される0、1、2、または3個の基で置換された、C6アリールであり、mは、1、2、3、または4であり、R
20aおよびR
20bの各々は、独立して、水素およびC1~C4アルキルから選択され、R
5aおよびR
5bの各々は、水素であるか、または、R
5aおよびR
5bの各々は、独立して、C1~C4アルキルであるか、または、R
5aおよびR
5bの各々は、共有結合し、中間原子とともに、非置換C3~C6基を含み、R
6は、水素であるか、またはR
5aおよびR
5bの各々は共に、R
6に共有結合し、中間原子とともに、独立してハロゲン、-CN、-NH
2、-OH、-NO
2、C1~C4アルキル、C2~C4アルケニル、C1~C4ハロアルキル、C1~C4シアノアルキル、C1~C4ヒドロキシアルキル、C1~C4ハロアルコキシ、C1~C4アルコキシ、C1~C4アルキルアミノ、(C1~C4)(C1~C4)ジアルキルアミノ、およびC1~C4アミノアルキルから選択される0、1、2、または3個の基で置換されたC3~C5ヘテロアリール基を含み、Ar
1は、アリールおよびヘテロアリールから選択され、独立してハロゲン、-CN、-NH
2、-OH、-NO
2、C1~C4アルキル、C2~C4アルケニル、C1~C4ハロアルキル、C1~C4シアノアルキル、C1~C4ヒドロキシアルキル、C1~C4ハロアルコキシ、C1~C4アルコキシ、C1~C4アルキルアミノ、(C1~C4)(C1~C4)ジアルキルアミノ、およびC1~C4アミノアルキルから選択される0、1、2、または3個の基で置換され、但し、R
5aおよびR
5bの各々が水素である場合、R
3は、C2~C8アルキルではなく、但し、nが0である場合、R
5aおよびR
5bの各々は、独立して、C1~C4アルキルであるか、またはR
5aおよびR
5bの各々は、共有結合しており、中間原子とともに、非置換C3~C6基を含み、R
6は、水素である)、またはその薬学的に許容される塩、ならびに(a)制御されない細胞増殖の障害の治療に関連する少なくとも1つの薬剤、(b)制御されない細胞増殖の障害の治療に関して本化合物を投与するための説明書、および(c)制御されない細胞増殖の障害を治療するための説明書のうちの1つ以上を含む、キットである。
【0264】
さらなる態様において、障害は、がんである。なおさらなる態様において、がんは、肉腫、がん腫、血液がん、固形腫瘍、乳がん、子宮頸がん、胃腸がん、結腸直腸がん、脳がん、皮膚がん、前立腺がん、卵巣がん、甲状腺がん、精巣がん、膵臓がん、肝臓がん、子宮内膜がん、黒色腫、神経膠腫、白血病、リンパ腫、慢性骨髄増殖性障害、骨髄異形成症候群、骨髄増殖性新生物、非小細胞肺がん腫、および形質細胞新生物(骨髄腫)から選択される。
【0265】
さらなる態様において、がんは、固形腫瘍である。
【0266】
さらなる態様において、薬剤は化学療法剤である。さらにさらなる態様において、化学療法剤は、アルキル化剤、代謝拮抗剤、抗新生物抗生物質剤、有糸分裂阻害剤、およびmTor阻害剤から選択される。
【0267】
様々な態様において、抗新生物抗生物質剤は、ドキソルビシン、ミトキサントロン、ブレオマイシン、ダウノルビシン、ダクチノマイシン、エピルビシン、イダルビシン、プリカマイシン、マイトマイシン、ペントスタチン、およびバルルビシン、またはそれらの薬学的に許容される塩から選択される。
【0268】
様々な態様において、代謝拮抗剤は、ゲムシタビン、5-フルオロウラシル、カペシタビン、ヒドロキシ尿素、メルカプトプリン、ペメトレキセド、フルダラビン、ネララビン、クラドリビン、クロファラビン、シタラビン、デシタビン、プララトレキサート、フロキサリジン、メトトレキサート、およびチオグアニン、またはそれらの薬学的に許容される塩から選択される。
【0269】
様々な態様において、アルキル化剤は、カルボプラチン、シスプラチン、シクロホスファミド、クロラムブシル、メルファラン、カルムスチン、ブスルファン、ロムスチン、ダカルバジン、オキサリプラチン、イホスファミド、メクロレタミン、テモゾロミド、チオテパ、ベンダムスチン、およびストレプトゾシン、またはそれらの薬学的に許容される塩から選択される。
【0270】
様々な態様において、有糸分裂阻害剤は、イリノテカン、トポテカン、ルビテカン、カバジタキセル、ドセタキセル、パクリタキセル、エトプシド、ビンクリスチン、イキサベピロン、ビノレルビン、ビンブラスチン、およびテニポシド、またはそれらの薬学的に許容される塩から選択される。
【0271】
様々な態様において、mTor阻害剤は、エベロリムス、シロリウムス、およびテムシロリムス、またはそれらの薬学的に許容される塩、水和物、溶媒和物、もしくは多形から選択される。
【0272】
さらなる態様において、本化合物および本薬剤は、共製剤化される。さらなる態様において、本化合物および本薬剤は、一緒にパッケージ化される。
【0273】
さらなる態様において、本化合物および本薬剤は、逐次的に投与される。なおさらなる態様において、本化合物および本薬剤は、同時に投与される。
【0274】
キットはまた、他の構成要素と一緒にパッケージ化、製剤化、および/または送達される化合物および/または生成物を含むことができる。例えば、医薬品製造業者、医薬品再販業者、医師、調剤店(compounding shop)、または薬剤師は、患者に送達するために、開示される化合物および/または生成物、ならびに別の構成要素を含むキットを提供することができる。
【0275】
開示されるキットは、開示される化合物、生成物、および医薬組成物から作成できることが理解される。開示されるキットは、開示される使用方法に関連して使用することができることも理解される。
【0276】
前述の記載は、本開示を例示し、説明する。加えて、本開示は、好ましい実施形態のみを示して説明するが、上述のように、様々な他の組み合わせ、修正、および環境において使用することができ、上記の教示および/または関連技術分野の技能もしくは知識に見合った、本明細書に表現される本発明の概念の範囲内において変更または修正することができることが理解される。上記の本明細書で説明される実施形態はさらに、出願人によって知られている最良の方式を説明し、当業者がそのような、または他の実施形態において、そして特定の適用または使用によって要求される様々な修正とともに、本開示を利用することを可能にすることが意図される。したがって、本説明は、本発明を本明細書に開示される形態に限定することは意図されていない。また、添付の請求項は、代替の実施形態を含むと解釈されることが意図されている。
【0277】
本明細書において引用されるすべての刊行物および特許出願は、各個別刊行物または特許出願が参照によって組み込まれることが具体的かつ個別に示されるように、参照によってあらゆるすべての目的のために本明細書に組み込まれる。本開示と、参照によって本明細書に組み込まれる任意の刊行物または特許出願との間の矛盾の事象では、本開示が統制する。
【実施例】
【0278】
以下の実施例は、当業者に、本明細書で請求される化合物、組成物、物品、デバイス、および/または方法がどのように生成されて評価されるかの完全な開示および説明を提供するために示され、本発明の純粋な例示的なものであることが意図され、本発明者らがそれらの発明とみなすものの範囲を限定することは意図されていない。数値(例えば、量、温度など)に関して精度を保証するように努力がなされてはいるが、いくらかの誤差および偏差が考慮されるべきである。特に指定しない限り、部(parts)は重量部であり、温度は℃、または周囲温度であり、圧力は、大気圧またはその付近である。
【0279】
実施例は、本発明を例示するために本明細書において提供され、いかなる方法においても本発明を限定するものとして解釈されるべきではない。実施例は、本発明を例示するために本明細書に提供され、いかなる方法においても本発明を限定するものとして解釈されるべきではない。
【0280】
1.化学実験
すべての反応は、オーブンまたは火炎で乾燥させたガラス器具で、標準的な気密シリンジ、カニューレ、およびセプタを使用して、アルゴン雰囲気下で実行した。反応温度を外側で測定した。撹拌は、オーブン乾燥した磁性バーで実施した。すべての反応は、Sigma-Aldrichから購入した無水溶媒(DMF、MeCN、CH2Cl2)中で行った。市販の購入したすべての試薬は、精製せずに使用した。反応は、EMD Milliporeからのプレコーティングされたシリカゲル(60F254)ガラス/アルミニウムプレート上の薄層クロマトグラフィー(TLC)によってモニタリングし、UV光(254nm)を使用して可視化した。化合物の精製は、Redisep Rf(登録商標)順相シリカゲルカラム230~400メッシュを使用することによって、Teledyne-ISCO Combiflash Rf200精製システムで実施した。プロトンNMRスペクトルは、Varian Unity400NMR分光計で、溶媒ピークおよびTMSピークに対して較正された400MHzで操作して記録した。標的化合物の化学式および正確な質量を、Agilent 6210 Electrospray Time of Flightを使用した高分解能質量分析によって(M+H)+から決定した。ESI-MSスペクトルをBioTof-2飛行時間質量分析計で記録した。
【0281】
a.化合物番号1の合成
【化36】
(9H-フルオレン-9-イル)メチル tert-ブチル(5-((1-アミノ-2-メチル-1オキソプロパン-2-イル)アミノ)-5-オキソペンタン-1,4-ジイル)(R)-ジカルバメート(iii)。2-アミノ-2-メチルプロパンアミドi(0.700g、3.24mmol)および(R)-5-((((((9H-フルオレン-9-イル)メトキシ)カルボニル)アミノ)-2-((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)ペンタン酸ii(1.47g、3.24mmol)のアセトニトリル(14mL)溶液に、HATU(1.85g、4.86mmol)を窒素下で添加した。5分後、N,N-ジイソプロピルエチルアミン(1.70mL、9.72mmol)を反応混合物に添加し、室温で撹拌した。一晩撹拌した後、TLCは、反応の完了を示した。反応混合物を高減圧下で濃縮し、EtOAc(200mL)中に取り込んだ。有機層をNaHCO
3の飽和溶液(3×50mL)、水(1×50mL)、塩水(1×50mL)で洗浄し、無水Na
2SO
4で乾燥させた。乾燥剤を濾過し、濾液を高減圧下で濃縮して粗生成物を得た。粗生成物を、MeOH/DCMを使用してTeledyne ISCO Combiflash(登録商標)Rf精製機で精製し、(9H-フルオレン-9-イル)メチル tert-ブチル(5-((1-アミノ-2-メチル-1オキソプロパン-2-イル)アミノ)-5-オキソペンタン-1,4-ジイル)(R)-ジカルバメートiii(1.50g、86%)を無色固体として得た。ESI-MS m/z:539.2(M+H)、
1H NMR(400MHz,DMSO-d
6)δ 7.95-7.86(m,3H),7.68(d,J=7.4Hz,2H),7.44~7.38(m,2H),7.33(td,J=7.4,1.2Hz,2H),7.26(t,J=5.6Hz,1H),6.97(dd,J=24.9,10.0Hz,3H),4.33~4.17(m,3H),3.84~3.74(m,1H),2.96(q,J=6.4Hz,2H),1.64~1.30(m,19H)。
【0282】
(9H-フルオレン-9-イル)メチル (R)-(4-アミノ-5-((1-アミノ-2-メチル-1-オキソプロパン-2-イル)アミノ)-5-オキソペンチル)カルバメート(iv)。トリフルオロ酢酸(2.13mL、27.8mmol)を、(9H-フルオレン-9-イル)メチル tert-ブチル(5-((1-アミノ-2-メチル-1オキソプロパン-2-イル)アミノ)-5-オキソペンタン-1,4-ジイル)(R)-ジカルバメートiii(1.50g、2.78mmol)のDCM溶液(20mL)に窒素下で滴下して加えた。得られた混合物を室温で一晩撹拌し、TLCは、反応の完了を示した。反応混合物を高減圧下で濃縮し、粗生成物をMeOH/DCMを使用してTeledyne ISCO Combiflash(登録商標)Rf精製機で精製して、(9H-フルオレン-9-イル)メチル (R)-(4-アミノ-5-((1-アミノ-2-メチル-1-オキソプロパン-2-イル)アミノ)-5-オキソペンチル)カルバメートiv(1.10g、90%)を無色固体として得た。ESI-MS m/z:439.2(M+H)、1H NMR(400MHz,DMSO-d6)δ 8.37(s,1H),8.02~7.87(m,4H),7.68(d,J=7.5Hz,2H),7.42(td,J=7.5,1.1Hz,2H),7.38~7.31(m,3H),7.03(d,J=31.2Hz,2H),4.30(d,J=6.9Hz,2H),4.21(t,J=6.8Hz,1H),3.76(t,J=6.4Hz,1H),2.99(q,J=6.6Hz,2H),1.76~1.59(m,2H),1.49~1.34(m,8H)。
【0283】
(9H-フルオレン-9-イル)メチル (R)-(5-((1-アミノ-2-メチル-1-オキソプロパン-2-イル)アミノ)-5-オキソ-4-(2-フェニルアセトアミド)ペンチル)カルバメート(vi)。((9H-フルオレン-9-イル)メチル (R)-(4-アミノ-5-((1-アミノ-2-メチル-1-オキソプロパン-2-イル)アミノ)-5-オキソペンチル)カルバメートiv(0.100g、0.228mmol)およびフェニル酢酸v(0.031g、0.228mmol)のDMF(1mL)溶液に、HATU(0.130g、0.342mmol)を窒素下で添加した。5分後、N,N-ジイソプロピルエチルアミン(0.12mL、0.684mmol)を反応混合物に添加し、室温で撹拌した。一晩撹拌した後、TLCは、反応の完了を示した。反応混合物を高減圧下で濃縮し、EtOAc(75mL)中に取り込んだ。有機層をNaHCO3の飽和溶液(3×30mL)、水(1×30mL)、塩水(1×30mL)で洗浄し、無水Na2SO4で乾燥させた。乾燥剤を濾過し、濾液を高減圧下で濃縮して粗生成物を得た。粗生成物を、MeOH/DCMを使用してTeledyne ISCO Combiflash(登録商標)Rf精製機で精製し、(9H-フルオレン-9-イル)メチル (R)-(5-((1-アミノ-2-メチル-1-オキソプロパン-2-イル)アミノ)-5-オキソ-4-(2-フェニルアセトアミド)ペンチル)カルバメートvi(0.085g,67%)を無色固体として得た。ESI-MS m/z:557.2(M+H);1H NMR(400MHz,DMSO-d6)δ 8.27(d,J=6.8Hz,1H),7.94~7.86(m,3H),7.71~7.65(m,2H),7.44~7.16(m,10H),6.93(s,1H),6.84(s,1H),4.29(d,J=6.4Hz,2H),4.21(t,J=6.9Hz,1H),4.10(q,J=7.0Hz,1H),3.47(q,J=14.0Hz,2H),2.97(q,J=6.5Hz,2H),1.69~1.26(m,10H)。
【0284】
(R)-5-アミノ-N-(1-アミノ-2-メチル-1-オキソプロパン-2-イル)-2-(2-フェニルアセトアミド)ペンタンアミド(1)。ピペリジン(0.071mL、0.719mmol)を、(9H-フルオレン-9-イル)メチル (R)-(5-((1-アミノ-2-メチル-1-オキソプロパン-2-イル)アミノ)-5-オキソ-4-(2-フェニルアセトアミド)ペンチル)カルバメートvi(0.080g、0.144mmol)の無水DMF溶液(0.7mL)に窒素下で添加した。得られた混合物を室温で撹拌した。約3時間後、質量分光計は、反応の完了を示した。反応混合物を高減圧下で濃縮し、粗生成物をジエチルエーテルで数回洗浄した。生成物を水に取り込み、凍結乾燥機で一晩乾燥させて、(R)-5-アミノ-N-(1-アミノ-2-メチル-1-オキソプロパン-2-イル)-2-(2-フェニルアセトアミド)ペンタンアミド1(0.042g、87%)を白色固体として得た。ESI-MS m/z:335.2(M+H)、1H NMR(400MHz,メタノール-d4)δ 7.33~7.20(m,5H),4.19(dd,J=8.2,6.0Hz,1H),3.57(s,2H),2.75(s,2H),1.86~1.51(m,4H),1.45(s,3H),1.43(s,3H)。[C17H26N4O3+H]+についてのHRMS計算値:334.2005、実測値:334.2008。
【0285】
上記の合成手順に従って、他のすべての類似体を合成した。
【0286】
2.ジペプチドの評価
評価した化合物のリストを、以下の表1に示す。
【表1】
【0287】
本発明の範囲または精神から逸脱することなく、本発明において様々な修正および変形を行うことができることは、当業者には明白であろう。本発明の他の実施形態は、本明細書に開示される本発明の仕様および実施の考慮によって当業者には明白であろう。本明細書および実施例は、例示的なものとしてのみ考えられ、本発明の真の範囲および精神は、以下の請求項の範囲によって示されることが意図されている。
【国際調査報告】