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特表2023-505277半導体パッケージ用アンダーフィルフィルム及びこれを用いた半導体パッケージの製造方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-02-08
(54)【発明の名称】半導体パッケージ用アンダーフィルフィルム及びこれを用いた半導体パッケージの製造方法
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/60 20060101AFI20230201BHJP
   H01L 23/29 20060101ALI20230201BHJP
   C09J 7/35 20180101ALI20230201BHJP
   C09J 163/00 20060101ALI20230201BHJP
   C08G 59/42 20060101ALI20230201BHJP
   H01L 21/52 20060101ALI20230201BHJP
【FI】
H01L21/60 311Q
H01L23/30 R
C09J7/35
C09J163/00
C08G59/42
H01L21/52 E
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022533658
(86)(22)【出願日】2020-12-04
(85)【翻訳文提出日】2022-06-03
(86)【国際出願番号】 KR2020017668
(87)【国際公開番号】W WO2021112627
(87)【国際公開日】2021-06-10
(31)【優先権主張番号】10-2019-0160625
(32)【優先日】2019-12-05
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】504408236
【氏名又は名称】ドゥーサン コーポレイション
(74)【代理人】
【識別番号】110000523
【氏名又は名称】アクシス国際弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】チェ、テ ジン
(72)【発明者】
【氏名】パク、ス イン
【テーマコード(参考)】
4J004
4J036
4J040
4M109
5F044
5F047
【Fターム(参考)】
4J004AA13
4J004AB04
4J004BA02
4J004DB03
4J004FA05
4J036AB07
4J036AD08
4J036AE05
4J036AF06
4J036AF15
4J036AF27
4J036AH07
4J036AJ21
4J036CA28
4J036CB03
4J036CB05
4J036CD07
4J036DB15
4J036DC38
4J036DC41
4J036JA06
4J040EC061
4J040EE061
4J040EE062
4J040HB29
4J040HC23
4J040KA03
4J040KA14
4J040KA16
4J040KA42
4J040LA03
4J040NA20
4J040PA30
4M109AA01
4M109BA03
4M109EA02
4M109EB11
5F044LL01
5F044MM31
5F044RR17
5F044RR18
5F044RR19
5F047BA34
5F047BA53
5F047BA58
5F047BB11
(57)【要約】
本発明は、半導体パッケージ用アンダーフィルフィルム及びこれを用いた半導体パッケージの製造方法に関するものであって、最低溶融粘度が低い接着層を含むことで半導体パッケージングの際にボイドの発生を極力抑制してパッケージの信頼性を向上させることができる半導体パッケージ用アンダーフィルフィルム及びこれを用いた半導体パッケージの製造方法を提供する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
基材;及び、
上記基材の一面に配置され、160~170℃における最低溶融粘度が3000Pa.s以下である接着層;
を含む、半導体パッケージ用アンダーフィルフィルム。
【請求項2】
上記接着層を、バンプ(bump)を備えた半導体チップと、ボンディングパッドを備えたパッケージ基板との間に位置させ、200℃、30~100N、1~3秒の条件下で圧着する場合、上記接着層のボイド面積率が、1m2当たり1%以下である、請求項1に記載の半導体パッケージ用アンダーフィルフィルム。
【請求項3】
上記接着層の厚さは、上記半導体チップとパッケージ基板との間の間隔の80~120%の範囲である、請求項2に記載の半導体パッケージ用アンダーフィルフィルム。
【請求項4】
示差走査熱量分析器(DSC)上の開始温度(Onset Temperature)が、160~220℃の範囲である、請求項1に記載の半導体パッケージ用アンダーフィルフィルム。
【請求項5】
上記接着層は、(a)液状エポキシ樹脂、フェノキシ樹脂、及び多官能性エポキシ樹脂を含むエポキシ樹脂;(b)酸無水物系硬化剤;(c)含窒素(N)ヘテロ環化合物;及び、(d)フィラー(filler);を含む接着樹脂組成物の硬化物である、請求項1に記載の半導体パッケージ用アンダーフィルフィルム。
【請求項6】
上記含窒素ヘテロ環化合物は、下記化2で示される化合物、及び下記化3で示される化合物からなる群から選択される1種以上の化合物である、請求項5に記載の半導体パッケージ用アンダーフィルフィルム:
【化1】
【化2】
(上記化2及び3中、
n1は、1又は2であり、
n2は、0~2の整数であり、
1~X6は、互いに同一又は異なり、それぞれ独立に、N又はC(R1)であり、但し、X1~X6のうちの1つ以上がNであり、
1~Y6は、互いに同一又は異なり、それぞれ独立に、N(R2)又はC(R3)(R4)であり、但し、Y1~Y6のうちの1つ以上がN(R2)であり、
このとき、複数のC(R1)は、互いに同一又は異なり、複数のN(R2)は、互いに同一又は異なり、複数のC(R3)(R4)は、互いに同一又は異なり、
1、R2、R3、及びR4は、それぞれ独立に、水素、重水素(D)、ハロゲン、シアノ基、ニトロ基、C1~C20のアルキル基、C2~C20のアルケニル基、及びC2~C20のアルキニル基からなる群から選択される。)
【請求項7】
上記接着樹脂組成物は、当該接着樹脂組成物の総量を基準にして、
40~80重量%のエポキシ樹脂、
5~20重量%の硬化剤、
0.01~5重量%の含窒素ヘテロ環化合物、及び
10~50重量%のフィラー、
を含む、請求項5に記載の半導体パッケージ用アンダーフィルフィルム。
【請求項8】
上記液状エポキシ樹脂、フェノキシ樹脂、及び多官能性エポキシ樹脂は、1:1~3:1~3の重量割合で含まれる、請求項5に記載の半導体パッケージ用アンダーフィルフィルム。
【請求項9】
バンプを備えた半導体チップのバンプ上に、請求項1~8のうちのいずれか1項に記載のアンダーフィルフィルムの接着層を圧着するステップ;
上記接着層が圧着された半導体チップのバンプを、上記バンプ位置に対応する領域にボンディングパッドを備えたパッケージ基板のボンディングパッド上に位置合わせするステップ;
上記半導体チップのバンプを溶融させ、半導体チップとパッケージ基板とを接続させるステップ;及び、
上記接続された半導体チップとパッケージ基板との間に配置されている接着層を硬化させるステップ;
を含む、半導体パッケージの製造方法。
【請求項10】
上記バンプとボンディングパッドとの間の位置合わせステップは、200℃、30~100N、1~3秒の条件下で圧着して行われ、
上記圧着の後、上記接着層中のボイド面積率は、1%以下である、請求項9に記載の半導体パッケージの製造方法。
【請求項11】
上記バンプ溶融ステップを行った後、上記接着層中のボイド面積率は、0.5%以下である、請求項10に記載の半導体パッケージの製造方法。
【請求項12】
上記接着層の硬化温度は、170~250℃の範囲である、請求項9に記載の半導体パッケージの製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体パッケージ用アンダーフィルフィルム及びこれを用いた半導体パッケージの製造方法に関し、より具体的には、半導体パッケージの製造時に、ボイド(void)の発生を極力抑制することでパッケージの信頼性を向上させることができる、半導体パッケージ用アンダーフィルフィルム及びこれを用いた半導体パッケージの製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年の電子機器の小型化、高密度化に伴い、半導体素子を最小の面積で実装できるフリップチップ(flip-chip)パッケージの製造方法が注目を集めている。
【0003】
フリップチップパッケージを製造するに当たり、半導体チップとパッケージ基板との間の空間にアンダーフィル(underfill)が配置される。アンダーフィルは、機械的衝撃及び接合部の腐食のような外部の影響からパッケージ構造を保護すると共に、チップと基板との間の熱膨張係数の差による応力を最小化することにより、パッケージ製品の信頼性を向上させる役割を果たす。
【0004】
このようなアンダーフィルは、半田リフロー(solder reflow)工程を行った後、ニードルのような装備を用いて半導体チップとパッケージ基板との間の空間に液状アンダーフィル樹脂を充填した後、硬化するという方法で形成されている。
【0005】
但し、液状アンダーフィル樹脂の充填工程では、半導体チップとパッケージ基板との間の空間の全領域に、アンダーフィル樹脂を均一に提供する必要がある。従って、ニードルを半導体チップの側面に沿って一定の軌跡で移動させるためのニードル移動空間を確保すると共にニードルを配置するための余裕空間を確保する必要がある。このため、空間消費が発生し、これは、フリップチップを備える製品の小型化の障害要因となっている。
【0006】
また、液状アンダーフィル樹脂の充填工程は、印刷回路基板の回路パターン及びボンディングパッドと、半導体チップの半田によって、液状アンダーフィル樹脂の拡散速度に差が生じ、これにより、アンダーフィル中のエアギャップ又は空隙が発生している。このようなエアギャップ又は空隙は、アンダーフィル機能を低下させるだけでなく、長期的には、水分が浸透してパッケージの信頼性を低下させる原因となっている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明の目的は、半導体パッケージングの際に、ボンディング工程を単純化すると共にボイド(void)の発生を極力抑制することで接続信頼性を向上させることができる半導体パッケージ用アンダーフィルフィルムを提供することにある。
【0008】
本発明の他の目的は、上述したアンダーフィルフィルムを用いて、ボンディング工程の単純化及び生産効率を向上させると共に、接続信頼性に優れた半導体パッケージの製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上述のような技術的課題を達成するため、本発明は、基材;及び、上記基材の一面に配置され、160~170℃における最低溶融粘度が3000Pa.s以下である接着層;を含む半導体パッケージ用アンダーフィルフィルムを提供する。
【0010】
また、本発明は、バンプを備えた半導体チップのバンプ上に、上記アンダーフィルフィルムの接着層を圧着するステップ;上記接着層が圧着された半導体チップのバンプを、上記バンプ位置に対応する領域にボンディングパッドを備えたパッケージ基板のボンディングパッド上に位置合わせするステップ;上記半導体チップのバンプを溶融させ、半導体チップとパッケージ基板とを接続させるステップ;及び、上記接続された半導体チップとパッケージ基板との間に配置されている接着層を硬化させるステップ;を含む半導体パッケージの製造方法を提供する。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、最低溶融粘度の低い接着層を含むことにより、半導体パッケージングの際に、ボンディング工程を簡素化すると共にボイドの発生を極力抑制し、パッケージの接続信頼性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】本発明の第1の実施例に係る半導体パッケージ用アンダーフィルフィルムを概略的に示す断面図である。
図2】本発明の第2の実施例に係る半導体パッケージ用アンダーフィルフィルムを概略的に示す断面図である。
図3】本発明に係る半導体パッケージの製造方法を概略的に説明するための各工程別の断面図である。
図4】本発明に係る半導体パッケージの製造方法を概略的に説明するための各工程別の断面図である。
図5】本発明に係る半導体パッケージの製造方法を概略的に説明するための各工程別の断面図である。
図6】本発明に係る半導体パッケージの製造方法を概略的に説明するための各工程別の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明について詳述する。
<半導体パッケージ用アンダーフィルフィルム>
図1は、本発明の第1の実施例に係る半導体パッケージ用アンダーフィルフィルムを概略的に示した断面図であり、図2は、本発明の第2の実施例に係る半導体パッケージ用アンダーフィルフィルムを概略的に示した断面図である。
【0014】
本発明に係るアンダーフィルフィルム10A、10Bは、半導体のパッケージングの際に、半導体チップのバンプとパッケージ基板のボンディングパッドとの接続部に加えられる応力(stress)を緩和させるために使用される非導電性接着フィルムであって、図1及び図2に示されるように、基材11、及び上記基材の一面上に配置された接着層12を含む。選択的に、上記接着層の他面に配置された他の基材(以下、「第2の基材」という。)13をさらに含むことができる(図2を参照)。
【0015】
以下、図1に基づいて、本発明の第1の実施例に係る半導体パッケージ用アンダーフィルフィルム10Aについて説明する。
【0016】
(1)基材
本発明に係るアンダーフィルフィルムにおいて、基材11は、接着層を支持すると共に接着層の表面を保護する部分であって、アンダーフィルフィルムの使用時に剥離除去される。
【0017】
このような基材11としては、当業界で周知のプラスチックフィルムであって剥離可能なものであれば制限なく使用でき、また、離型紙を使用することもできる。
【0018】
使用可能なプラスチックフィルムとして、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレートなどのポリエステルフィルム、ポリエチレンフィルム、ポリプロピレンフィルム、セロファン、ジアセチルセルロースフィルム、トリアセチルセルロースフィルム、アセチルセルロースブチレートフィルム、ポリ塩化ビニルフィルム、ポリ塩化ビニリデンフィルム、ポリビニルアルコールフィルム、エチレン-酢酸ビニル共重合体フィルム、ポリスチレンフィルム、ポリカーボネートフィルム、ポリメチルペンテンフィルム、ポリスルホンフィルム、ポリエーテルエーテルケトンフィルム、ポリエーテルスルホンフィルム、ポリエーテルイミドフィルム、ポリイミドフィルム、フッ素樹脂フィルム、ポリアミドフィルム、アクリル樹脂フィルム、ノルボルネン系樹脂フィルム、シクロオレフィン樹脂フィルムなどが挙げられるが、これらに制限されない。このようなプラスチックフィルムは、透明もしくは半透明であり、又は、着色もしくは無着色であることができる。一例では、基材11は、ポリエチレンテレフタレート(PET)であることができる。他の一例では、基材11は、ポリイミド(PI)であることができる。
【0019】
このようなプラスチックフィルム上には、離型層を配置することができる。離型層は、基材11の接着層12からの分離時に、接着層が損傷することなく形状を維持した状態で基材を接着層から分離しやすくすることができる。なお、離型層は、一般的に使用されるフィルムタイプの離型物質であることができる。
【0020】
離型層に使用される離型剤の成分は、特に限定されず、当業界で周知の離型剤成分を使用することができる。その例としては、エポキシ基盤の離型剤、フッ素樹脂からなる離型剤、シリコン系離型剤、アルキド樹脂系離型剤、水溶性高分子などが挙げられるが、これらに制限されない。また、必要に応じて、離型層成分として、粉末状フィラー、例えば、シリコン、シリカなどを含むことができる。なお、微粒子状の粉末フィラーは、2タイプの粉末フィラーを混用することができ、このとき、これらの平均粒度は、形成される表面粗度を考慮して適宜選択することができる。
【0021】
このような離型層の厚さは、当業界で周知の範囲内で適宜調節することができる。
【0022】
本発明において、基材11の厚さは、特に限定されず、当業界で周知の範囲内で調節することができ、例えば、約25~150μmであり、具体的には、約30~100μmであり、より具体的には、約30~50μmであることができる。
【0023】
このような基材の離型力は、特に限定されず、例えば、約1~500gf/inchであり、具体的には、約10~100gf/inchの範囲であることができる。
【0024】
離型層を形成する方法は、特に限定されず、熱プレス、熱ロールラミネート、押し出しラミネート、コーティング液の塗布、乾燥などの公知の方法を採用することができる。
【0025】
(2)接着層
本発明に係るアンダーフィルフィルムにおいて、接着層12は、基材11の一面上に配置されるものであって、半導体パッケージングの際に、半導体チップのパッケージ基板への位置合わせを行う時、半導体チップをパッケージ基板に接着させることができ、アンダーフィル(underfill)として半導体チップとパッケージ基板との間の熱膨張係数の差により発生する応力と歪を再分配することができる。
【0026】
本発明の接着層12は、半硬化状態で、約160~170℃で約3000Pa.s以下の最低溶融粘度(lowest melt viscosity)を有する。このような接着層12を、バンプ(bump)を備えた半導体チップと、ボンディングパッドを備えたパッケージ基板との間に位置させ、これらを約200℃、約30~100N、約1~3秒の条件下で圧着する場合、接着層は、1mm2当たり1%以下のボイド面積率を有する。
【0027】
具体的に、本発明の接着層12は、最低溶融粘度が、約160~170℃で約3000Pa.s以下、好ましくは、約100~1000Pa.sと低いため、約200℃、50N、約1~3秒の条件下での圧着によっても容易に溶融され、流動性を有する。よって、半導体チップのバンプをパッケージ基板のボンディングパッドに仮接着する時、半導体チップのバンプとパッケージ基板のボンディングパッドとの間に接着層12が位置することになる。このような接着層12は、仮接着時に溶融され、バンプとボンディングパッドとの間の空間を満たすことができる。特に、接着層は、流動性が高いため、ファインピッチ(fine pitch)の微細な空間を充填することもできる。また、本発明の接着層は、アンダーフィルの役割だけでなく、フラックス(flux)の役割を果たすこともできるため、従来とは異なり、ボンディングパッドの上にフラックス(flux)を塗布する必要がなく、また、フラックスを洗浄する必要もない。それで、フラックスの残渣やフラックス洗浄溶媒の残留物によるボイドが発生することはない。上述のように、本発明の接着層は、充填(gap-filling)効果に優れ、ボイドの発生を極力抑制することができる。一例では、約200℃、約30~100N、約1~3秒の条件下で圧着した後において、接着層中のボイド面積率は、1m2当たり1%以下であり、このような接着層中のボイド面積率は、以後、リフロー(reflow)工程においてバンプが溶融される場合、0.5%以下とさらに低下することが可能である。
【0028】
また、接着層12は、示差走査熱量分析器(Differential Scanning Calorimeter、DSC)上のオンセット温度(Onset Temperature)が、約160~220℃の範囲と高い。従って、接着層は、高温で硬化特性が安定している。ここで、オンセット温度(Onset Temperature)とは、DSC測定時に、発熱によってDSCグラフの傾きが最初に増加する時点の温度をいう。
【0029】
なお、接着層の厚さは、接着層の最低溶融粘度などを考慮して調節する。一例では、上記接着層の厚さは、上記半導体チップとパッケージ基板との間の間隔の80~120%の範囲であることができる。
【0030】
このような接着層12は、接着樹脂組成物の半硬化物からなるものであって、上記接着樹脂組成物は、(a)液状エポキシ樹脂、フェノキシ樹脂、及び多官能性エポキシ樹脂を含有するエポキシ樹脂;(b)酸無水物系硬化剤;(c)含窒素(N)ヘテロ環化合物;及び、(d)フィラー(filler)を含んでなる。
【0031】
上記接着樹脂組成物において、エポキシ樹脂は、液状エポキシ樹脂、フェノキシ系樹脂、及び多官能性エポキシ樹脂を含む。このとき、液状エポキシ樹脂と、フェノキシ系樹脂と、多官能性エポキシ樹脂との使用割合(混合割合)は、1:1~3:1~3の重量割合であることができる。この場合、本発明の接着層は、最低溶融粘度が約3000Pa.s以下と低いため、接着性に優れ、かつ充填効果に優れているため、パッケージの接続信頼性を確保することができる。
【0032】
上記接着樹脂組成物において、液状エポキシ樹脂は、25±5℃で液体状態のエポキシ樹脂であって、熱硬化性樹脂である。このような液状エポキシ樹脂は、接着樹脂組成物に接着性、硬化性を付与することができ、また、硬化後の接着層に硬化均一性を付与することができる。
【0033】
本発明において使用可能な液状エポキシ樹脂の非制限的な例としては、例えば、液状ビスフェノールA型エポキシ樹脂、液状ビスフェノールF型エポキシ樹脂、液状ナフタレン型エポキシ樹脂、液状アミノフェノール型エポキシ樹脂、液状水添ビスフェノール型エポキシ樹脂、液状脂環式エポキシ樹脂、液状アルコールエーテル型エポキシ樹脂、液状環状脂肪族型エポキシ樹脂、液状フルオレン型エポキシ樹脂、液状シロキサン系エポキシ樹脂などが挙げられ、その中でも、液状ビスフェノールA型エポキシ樹脂、液体ビスフェノールF型エポキシ樹脂、液体ナフタレン型エポキシ樹脂が、接着性、硬化性、耐久性、耐熱性の点から好適に使用される。これらは、単独で使用、又は2種以上を混合して使用することができる。
【0034】
具体的には、液状エポキシ樹脂の製品としては、新日鐵化学社製のビスフェノールF型エポキシ樹脂(商品名:YDF8170)、DIC社製のビスフェノールA型エポキシ樹脂(商品名:EXA-850CRP)、新日鐵化学社製のビスフェノールF型エポキシ樹脂(商品名:YDF870GS)、DIC社製のナフタレン型エポキシ樹脂(商品名:HP4032D)、三菱化学社製のアミノフェノール型エポキシ樹脂(グレード:JER630、JER630LSD)、モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ社製のシロキサン系エポキシ樹脂(商品名:TSL9906)、新日鐵化学株式会社製の1,4-シクロヘキサンジメタノールジグリシジルエーテル(商品名:ZX1658GS)などが挙げられるが、これらに限定されない。
【0035】
上記接着樹脂組成物において、フェノキシ樹脂は、少なくとも一つの末端にエポキシ基を含有している熱可塑性高分子であり、分子内のエポキシ基は、分子量に比して当量が非常に低いため、硬化に関与するが、高温で流動性を付与することができる。このようなフェノキシ樹脂のため、本発明の接着層は、常温(約25±5℃)で半硬化(B-stage)状態のフィルム形状に成形することができる。
【0036】
本発明において使用可能なフェノキシ樹脂としては、高分子鎖内にフェノキシ基を含有すると共に少なくとも一つの末端にエポキシ基を含有する高分子であれば、特に限定されない。
【0037】
例えば、フェノキシ樹脂は、下記化1で示される化合物であることができるが、これに限定されない。
【化1】
(式中、
a及びbは、それぞれ、1~4の整数であり、
複数のR1及び複数のR2は、互いに同一又は異なり、それぞれ独立に、水素、ハロゲン、C1~C10のアルキル基、C3~C20のシクロアルキル基、C5~C20のアリール基、及びニトロ基からなる群から選択され、具体的には、それぞれ独立に、水素、ハロゲン、C1~C5のアルキル基、C3~C10のシクロアルキル基、C5~C10のアリール基、及びニトロ基からなる群から選択され、
3~R8は、互いに同一又は異なり、それぞれ独立に、水素、又はヒドロキシ基であり、但し、R3~R8のうちの少なくとも1つがヒドロキシ基であり、
1は、単結合、又はC1~C10のアルキレン基であり、具体的には、単結合、又はC1~C5のアルキレン基であり、
1及びY2は、互いに同一又は異なり、それぞれ独立に、水素、ヒドロキシ基、又はエポキシ基であり、但し、Y1及びY2のうちの少なくとも1つは、エポキシ基であり、
nは、30~400の整数である。)
【0038】
本発明において使用可能な多官能性エポキシ樹脂は、2つ以上のエポキシ基を含有するエポキシ樹脂である。このような多官能性エポキシ樹脂は、接着層に電気絶縁性、耐熱性、化学的安定性、強度(toughness)、及び成形性を付与する。
【0039】
本発明において使用可能な多官能性エポキシ樹脂としては、分子(単量体)当たり2つ以上、具体的には、2~5つのエポキシ基を含有するエポキシ樹脂であれば、特に限定されない。
【0040】
多官能性エポキシ樹脂としては、例えば、フェノール又はアルキルフェノール類とヒドロキシベンズアルデヒドとの縮合物をエポキシ化することで得られるエポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、フェノールアラルキル型エポキシ樹脂、ビフェニル(biphenyl)型エポキシ樹脂、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、線状脂肪族エポキシ樹脂、脂環式エポキシ樹脂、複素環式エポキシ樹脂、スピロ環を含むエポキシ樹脂、キシロック型エポキシ樹脂、多官能型エポキシ樹脂、ナフトールノボラック型エポキシ樹脂、ビスフェノールA/ビスフェノールF/ビスフェノールADのノボラック型エポキシ樹脂、ビスフェノールA/ビスフェノールF/ビスフェノールADのグリシジルエーテルエポキシ樹脂、ビスヒドロキシビフェニル系エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエン系エポキシ樹脂、ナフタレン系エポキシ樹脂などが挙げられるが、これらに制限されない。その中でも、25±5℃で非液状である多官能性エポキシ樹脂が好適に使用される。なお、25±5℃で非液状であるとは、25±5℃で半固状もしくは固状であるエポキシ樹脂を意味し、固状に近接したエポキシ樹脂も含まれる。
【0041】
上記接着樹脂組成物は、酸無水物系硬化剤を含む。酸無水物系硬化剤は、液状エポキシ樹脂、フェノキシ樹脂、及び多官能性エポキシ樹脂のうちの少なくとも一つを硬化させることができ、また、フラックス(flux)特性を発揮することができる。
【0042】
このような酸無水物系硬化剤の非制限的な例としては、例えば、テトラヒドロフタル酸無水物、メチルテトラヒドロフタル酸無水物、メチルヘキサヒドロフタル酸無水物、ヘキサヒドロフタル酸無水物、トリアルキルテトラヒドロフタル酸無水物、メチルシクロヘキセンジカルボン酸無水物、フタル酸無水物、マレイン酸無水物、ピロメリット酸無水物などが挙げられ、これらは、単独で使用、又は2種以上を混合して使用することができる。
【0043】
また、接着樹脂組成物は、上述した酸無水物系硬化剤の他に、当該技術分野でエポキシ樹脂を硬化させる成分として周知の硬化剤を1種以上さらに含むことができる。例えば、メタフェニレンジアミン、ジアミノジフェニルメタン、ジアミノジフェニルスルホンなどの芳香族アミン系硬化剤;ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミンなどの脂肪族アミン系硬化剤;フェノールアラルキル型フェノール樹脂、フェノールノボラック型フェノール樹脂、キシロック型フェノール樹脂、クレゾールノボラック型フェノール樹脂、ナフトール型フェノール樹脂、テルペン型フェノール樹脂、多官能型フェノール樹脂、ジシクロペンタジエン系フェノール樹脂、ナフタレン型フェノール樹脂、ビスフェノールAとレゾールから合成されたノボラック型フェノール樹脂などのようなフェノール系硬化剤;ジシアンジアミド(dicyandiamide)などの潜在性硬化剤などが挙げられるが、これらは、単独で使用、又は2種以上を混合して使用することができる。
【0044】
上記接着用樹脂組成物は、含窒素(N)ヘテロ環化合物を含む。含窒素ヘテロ環化合物は、硬化を促進させ得る硬化触媒の一種であって、硬化速度を調節すると共に接着層の高温安定性を確保することができる。
【0045】
このような含窒素(N)ヘテロ環化合物は、下記化2で示される化合物、及び下記化3で示される化合物からなる群から選択される1種以上であることができる。
【化2】
【化3】
式中、
n1は、1又は2であり、
n2は、0~2の整数であり、
1~X6は、互いに同一又は異なり、それぞれ独立に、N又はC(R1)であり、但し、X1~X6のうちの1つ以上がNであり、
1~Y6は、互いに同一又は異なり、それぞれ独立に、N(R2)又はC(R3)(R4)であり、但し、Y1~Y6のうちの1つ以上がN(R2)であり、
このとき、複数のC(R1)は、互いに同一又は異なり、複数のN(R2)は、互いに同一又は異なり、複数のC(R3)(R4)は、互いに同一又は異なり、
1、R2、R3、及びR4は、それぞれ独立に、水素、重水素(D)、ハロゲン、シアノ基、ニトロ基、C1~C20のアルキル基、C2~C20のアルケニル基、及びC2~C20のアルキニル基からなる群から選択される。
【0046】
具体的には、上記化2において、X1~X6のうちの1~2つは、Nであり、残りは、C(R1)であることができる。
【0047】
また、上記化3において、Y1~Y6のうちの1~2つは、N(R2)であり、残りは、C(R3)(R4)であることができる。
【0048】
また、上記化2及び3において、R1、R2、R3、及びR4は、それぞれ独立に、水素、重水素(D)、ハロゲン、シアノ基、ニトロ基、C1~C12のアルキル基、C2~C12のアルケニル基、及びC2~C12のアルキニル基からなる群から選択される。
【0049】
上記化2で示される化合物としては、例えば、ピラジン系(pyrazine-based)化合物、ピリジン系(pyridine-based)化合物などが挙げられるが、これらに限定されない。
【0050】
具体的には、上記化2で示される化合物としては、例えば、下記化2aで示される化合物などであることができるが、これに制限されない。
【化4】
【0051】
上記化3で示される化合物としては、例えば、ピペラジン系(piperazine-based)化合物などが挙げられるが、これに限定されない。具体的には、上記化3で示される化合物は、例えば、下記化3aで示される化合物、下記化3bで示される化合物などであることができるが、これらに制限されない。
【化5】
【化6】
【0052】
一例では、含窒素(N)ヘテロ環化合物は、ピラジン系(pyrazine-based)化合物、ピリジン系(pyridine-based)化合物、及びピペラジン系(piperazine-based)化合物からなる群から選択される1種以上を含むことができる。
【0053】
本発明の接着樹脂組成物において、含窒素ヘテロ環化合物の含有量は、液状エポキシ樹脂、フェノキシ樹脂、及び多官能性エポキシ樹脂の全含有量やその使用割合、酸無水物系硬化剤の種類及び含有量を考慮して調節することが好ましい。一例では、本発明の接着樹脂組成物において、エポキシ樹脂の含有量(即ち、液状エポキシ樹脂、フェノキシ樹脂、及び多官能性エポキシ樹脂の合計含有量)は、樹脂組成物の総量を基準にして、約40~80重量%の範囲であり、酸無水物系硬化剤の含有量は、樹脂組成物の総量を基準にして、約5~20重量%の範囲であり、含窒素ヘテロ環化合物の含有量は、樹脂組成物の総量を基準にして、約0.01~5重量%の範囲であることができる。このとき、液状エポキシ樹脂と、フェノキシ樹脂と、多官能性エポキシ樹脂との使用割合(混合割合)は、1:1~3:1~3の重量割合であることができる。
この場合、本発明の接着層は、取り扱いが容易であり、接着力に優れ、かつ約160~170℃での最低溶融粘度が約3000Pa.s以下であるため、ボイドの発生が極力抑制され、充填性に優れているため、接続信頼性を向上させることができる。
【0054】
上記接着樹脂組成物は、フィラー(filler)を含む。フィラーは、チキソトロピー特性(thixotropic property)を発現して溶融粘度を調節することができ、また、接着性を向上させると共に熱膨張係数を低くすることができる。
【0055】
このようなフィラーは、有機フィラー、又は無機フィラーであることができる。具体的には、無機フィラーとしては、金粉、銀粉、銅粉、ニッケル粉末などのような金属成分;アルミナ、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、ケイ酸カルシウム、ケイ酸マグネシウム、酸化カルシウム、酸化マグネシウム、酸化アルミニウム、窒化アルミニウム、シリカ、窒化ホウ素、二酸化チタン、ガラス、酸化鉄、セラミックなどのような非金属成分が挙げられ、有機フィラーとしては、カーボン、ゴム系フィラー、ポリマー系フィラーなどが挙げられるが、これらに限定されない。これらは、単独で使用、又は2種以上が混合して使用することができる。
【0056】
フィラーの形状及び大きさは、特に制限されず、例えば、フィラーの形状は、角状、球状などであることができ、平均粒径は、約10~100nmの範囲であることができる。フィラーの平均粒径が上述の範囲内である場合は、硬化物の機械的物性がさらに向上することができる。一例として、フィラーは、約10~100nmの平均粒径を有するシリカであることができる。
【0057】
このようなフィラーの含有量は、特に限定されず、例えば、接着樹脂組成物の総量が100重量%になるように調節する残量であることができ、具体的には、当該接着樹脂組成物の総量を基準にして約10~50重量%であることができる。フィラーの含有量が上述の範囲内である場合は、低い熱膨張係数(CTE)を有する接着層が形成され、基板及び半導体素子間の熱膨張係数の差が小さいため、反り(warpage)やクラック(crack)の発生を極力抑制することができる。
【0058】
本発明の接着樹脂組成物は、必要に応じて、上述した成分の他に、当技術分野で周知の添加剤を、当該組成物の使用目的及び使用環境に応じて選択的にさらに含むことができる。例えば、アセトン、メチルエチルケトン、トルエン、エチルアセテートなどの溶媒、粘着増進剤、カップリング剤、帯電防止剤、密着力増進剤、濡れ性向上剤、レベリング増進剤などが挙げられるが、これらに限定されない。
【0059】
このような添加剤の含有量は、特に限定されず、当技術分野で周知の範囲で使用可能である。例えば、当該樹脂組成物の総量を基準にして約0.01~10重量%であることができる。
【0060】
上記接着樹脂組成物は、当技術分野で周知の常法で製造することができる。例えば、液状エポキシ樹脂、フェノキシ樹脂、多官能性エポキシ樹脂、酸無水物系硬化剤、含窒素ヘテロ環化合物、フィラー、及び選択的に添加剤を、ボールミル、ビーズミル、3本ロールミル(3 roll mill)、バスケットミル(basket mill)、ダイノーミル(dyno mill)、プラネタリー(planetary)などの混合装置を用いて、室温乃至適切に昇温された温度で、混合及び撹拌して接着樹脂組成物を製造することができる。
【0061】
本発明に係るアンダーフィルフィルムは、当技術分野における常法で製造することができる。例えば、上述した方法で得られた接着樹脂組成物を、必要に応じて、希釈可能な有機溶剤で希釈し、塗膜製造が容易な適正濃度でミキシングした後、これを基材に塗布し、乾燥するという方法によって、アンダーフィルフィルムを製造することができる。
【0062】
上記塗布及び乾燥方法は、バーコート法、グラビアコート法、コンマロールコート法、ロールリバースコート法、ロールナイフコート法、ダイコート法、リップコート法などのような塗膜を形成し得る方法であれば、特に限定されない。
【0063】
上述のような本発明のアンダーフィルフィルムは、最低溶融粘度が低いため、半導体チップとパッケージ基板との仮接着時に、ボイドの発生を極力抑制し、充填性に優れているため、パッケージの接続信頼性を向上させると共に、ファインピッチ(fine pitch)に適用可能である。また、従来とは異なり、ボンディング工程の単純化及びマスリフロー(mass reflow)工程の遂行が可能である。
【0064】
以下、図2に示される本発明の第2の実施例に係るアンダーフィルフィルム10Bについて説明する。
【0065】
図2に示されるように、本発明のアンダーフィルフィルム10Bは、基材(以下、「第1の基材」という。)11;上記基材の一面上に配置された接着層12;及び、上記接着層12の他面に配置された他の基材(以下、「第2の基材」という。)13を含んでなる。
【0066】
本発明において使用可能な第1の基材11及び接着層12については、第1の実施例における基材及び接着層の記載と同様であるため、説明を省略する。
【0067】
本発明において、第2の基材13は、接着層12の他面に配置され、接着層を支持すると共に接着層の表面を保護する部分であって、剥離可能であるため、フィルムの使用時に剥離除去される。
【0068】
このような第2の基材13は、第1の基材と同一又は異なっており、第2の基材の例についての説明は、第1の実施例における記載と同様であるため、省略する。
【0069】
<半導体パッケージの製造方法>
なお、本発明は、上述したアンダーフィルフィルム10A、10Bを用いて、種々の半導体パッケージの製造方法を提供することができる。特に、上記アンダーフィルフィルム10A、10Bは、約160~170℃で最低溶融粘度が約300Pa.s以下と低いため、約200℃、約1~3秒間、圧着によって半導体チップとパッケージ基板との位置合わせを行う場合、アンダーフィルフィルムは、容易に流動性が得られ、半導体チップとパッケージ基板とのギャップ(gap)を、ボイドが発生することなく充填することができ、これにより、半導体パッケージの接続信頼性が向上することができる。従って、本発明は、上述のようなアンダーフィルフィルムを使用することで、半導体パッケージの製造工程を簡素化させ、かつ生産効率を向上させると共に、接続信頼性に優れた半導体パッケージを製造することが可能である。
【0070】
一例として、半導体パッケージの製造方法は、(a)バンプを備えた半導体チップのバンプ上に上記アンダーフィルフィルムの接着層を配置するステップ;(b)上記接着層が配置された半導体チップのバンプを、上記バンプ位置に対応する領域にボンディングパッドを備えたパッケージ基板のボンディングパッド上に位置合わせするステップ;(c)上記半導体チップのバンプを溶融させて半導体チップとパッケージ基板とを互いに接続するステップ;及び、(d)上記接続された半導体チップとパッケージ基板との間に配置された接着層を硬化させるステップ;を含む。但し、上述のような本発明に係る製造方法は、必要に応じて、各工程のステップを変形し、又は選択的に混用して行うことができる。
【0071】
以下、図3~6に基づいて、本発明に係る半導体パッケージの製造方法を各工程別に説明すると、次の通りである。
【0072】
(a)半導体チップに接着層を配置するステップ
図3に示されるように、バンプ21を備えた半導体チップ20のバンプ21上に上記アンダーフィルフィルム10A、10Bの接着層12を配置する(以下、「ステップS100」)。
【0073】
一般的に、半導体チップ20には、内部の電子回路を外部と連結するための端子(パッド)(図示せず)が、チップの縁部に沿って形成されており、また、必要に応じて、チップの中央に沿って1列又は2列で形成されている。
【0074】
このような半導体チップの端子には、バンプ(bump)21がそれぞれ形成されている。上記バンプは、パッケージングの際に、基板と半導体チップとを電気的に連結する外部端子であって、半田バンプ(solder bump)や金バンプ(Au bump)などがある。
【0075】
本発明では、図3に示されるように、上記アンダーフィルフィルム10A、10Bから基材11、13を分離し、接着層12のみを半導体チップのバンプ21側に配置する。このとき、バンプ21を備えた半導体チップ20を、約30~100Nの圧力で接着層12上に加圧して積層させることができる。また、必要であれば、上記半導体チップ20を接着層のオンセット温度(Onset Temperature)より低い温度、例えば、50~150℃の温度下で加圧して積層させることができる。これにより、接着層は、半硬化状態(B-stage)で、半導体チップのバンプ上に圧着されている。なお、接着層は、アンダーフィルの役割だけでなく、フラックス(flux)の役割を果たすこともできるため、本発明では、従来とは異なり、バンプをフラックス(flux)で洗浄する必要がない。
【0076】
(b)半導体チップと基板との位置合わせステップ
上記ステップS100で接着層12が圧着された半導体チップ20を、パッケージ基板30上に位置合わせする(以下、「ステップS200」)。
【0077】
本発明において使用可能なパッケージ基板30は、少なくとも一面に回路パターン(図示せず)が形成された基板であり、例えば、プリント回路基板(PCB)などであることができる。このようなパッケージ基板30には、半導体チップ20のバンプ21位置に対応する領域にボンディングパッド31が形成されている。
【0078】
本発明では、図4に示されるように、バンプ21が形成された半導体チップ20がボンディングパッド31上に配列されるように、パッケージ基板30上に半導体チップ20を搭載する。具体的には、約200℃、約30~100N、約1~3秒の条件で、半導体チップ20のバンプ21をパッケージ基板30のボンディングパッド31上に加圧し、パッケージ基板30と半導体チップ20との仮接着(pre-bonding)を行うことができる。このとき、半導体チップ20とパッケージ基板30との間に配置されている接着層12は、上述の通り、最低溶融粘度が低いため、流動する。これにより、接着層中のボイド面積率は、約1%以下である。
【0079】
なお、本発明では、接着層12がフラックスとして機能し得る成分を含有しているため、従来とは異なり、ステップS200の前に、パッケージ基板30のボンディングパッド31にフラックス(flux)を塗布する必要がない。従って、本発明では、ボンディングパッドにおけるフラックス塗布工程及びフラックス洗浄工程を省略することができる。
【0080】
(c)バンプの溶融ステップ
図5に示されるように、半導体チップ20のバンプ21を溶融させ、半導体チップ20とパッケージ基板30とを、電気的、機械的に接続する(以下、「ステップS300」)。
【0081】
ステップS300は、約150~300℃、具体的には、約170~270℃のオーブン内でバンプをリフロー(reflow)するステップであり、バンプが溶融されて半導体チップ20とパッケージ基板30とが電気的、機械的に接続する。このとき、半導体チップ20とパッケージ基板30との間に配置された接着層12も溶融され、接着層中のボイド面積率が約0.5%以下とさらに低下している。これにより、本発明によって製造された半導体パッケージの接続信頼性がさらに向上することができる。
【0082】
(d)接着層の硬化ステップ
図6に示されるように、上記ステップS300で接続された半導体チップ20とパッケージ基板30との間に配置された接着層12を硬化させる(以下、「ステップS400」)。
【0083】
本発明の接着層12は、約160~220℃のオンセット温度を有するため、ステップS400は、上記オンセット温度より高い温度、例えば、約170~250℃で行うことができる。
【0084】
接着層の硬化時間は、硬化温度によって調節され、例えば、約0.5~3時間であることができる。
【実施例
【0085】
以下、本発明を実施例に基づいて詳述するが、後述の実施例及び実験例は、本発明の一様態を例示するものに過ぎず、本発明の範囲は、後述の実施例及び実験例によって制限されるものではない。
【0086】
[実施例1~3及び比較例1:アンダーフィルフィルムの製造]
1-1.接着樹脂組成物の製造
下記表1に示す組成により各成分を混合して実施例1~3及び比較例1の接着樹脂組成物を製造した。表1に示す各成分の含有量単位は、重量%であり、当該樹脂組成物の総量を基準としている。
【0087】
1-2.アンダーフィルフィルムの製造
PET離型フィルム(厚さ:38μm)の一面上に、実施例1-1で製造された各接着用樹脂組成物をダイコーティングした後、乾燥して接着層(厚さ:18μm)を形成し、非導電性接着フィルムを製造した。
【0088】
【表1】
【0089】
[実験例1:物性評価]
実施例1~3及び比較例1でそれぞれ製造された非導電性接着フィルムの物性を、以下のようにそれぞれ測定し、測定結果を下記表2に示す。
【0090】
1)オンセット温度(Onset Temperature)
示差走査熱量分析器(Differential Scanning Calorimetry、DSC)を用いて、非導電性接着フィルムのオンセット温度を測定した。
【0091】
2)溶融粘度(Melt Viscosity)
レオメーターを用いて、非導電性接着フィルムを、毎分10℃ずつ、50℃から300℃まで昇温しながら、粘度を測定した。
【0092】
【表2】
【符号の説明】
【0093】
10A、10B:アンダーフィルフィルム、11:基材、12:接着層、12’:硬化された接着層、13:第2の基材、20:半導体チップ、21:バンプ、30:パッケージ基板、31:ボンディングパッド。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
【国際調査報告】