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特表2023-505278狭窄病変を有する血管数学モデルの合成方法及び装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-02-08
(54)【発明の名称】狭窄病変を有する血管数学モデルの合成方法及び装置
(51)【国際特許分類】
   G06T 13/40 20110101AFI20230201BHJP
   A61B 6/00 20060101ALI20230201BHJP
   G06T 17/00 20060101ALI20230201BHJP
【FI】
G06T13/40
A61B6/00 350D
G06T17/00
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022533659
(86)(22)【出願日】2019-12-06
(85)【翻訳文提出日】2022-06-03
(86)【国際出願番号】 CN2019123659
(87)【国際公開番号】W WO2021109122
(87)【国際公開日】2021-06-10
(31)【優先権主張番号】201911237677.6
(32)【優先日】2019-12-05
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.JAVA
2.SMALLTALK
(71)【出願人】
【識別番号】522036093
【氏名又は名称】▲蘇▼州▲潤▼▲邁▼▲徳▼医▲療▼科技有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】110001896
【氏名又は名称】弁理士法人朝日奈特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】王 之元
(72)【発明者】
【氏名】▲劉▼ ▲廣▼志
(72)【発明者】
【氏名】徐 磊
(72)【発明者】
【氏名】王 ▲鵬▼
【テーマコード(参考)】
4C093
5B050
5B080
【Fターム(参考)】
4C093AA01
4C093CA23
4C093DA02
4C093FF16
4C093FF17
4C093FF21
4C093FF22
4C093FF28
5B050BA03
5B050BA08
5B050BA09
5B050BA12
5B050CA07
5B050DA05
5B050DA10
5B050EA07
5B050EA12
5B050EA18
5B050EA19
5B050EA24
5B050EA27
5B050EA28
5B050FA02
5B050FA09
5B050GA08
5B080AA13
5B080AA20
5B080DA06
(57)【要約】
血管のリアルタイム直径Dt、血管中心線の長さL及び狭窄区間に基づき三次元モデリングを行い、狭窄病変区間を有する三次元血管モデルを形成するステップ(S01)と、三次元血管モデルの円周面に沿ってN辺型格子分割を行い、単層格子モデルを形成するステップ(S02)と、単層格子モデルに対して表面分層化処理を行い、二層格子モデルである血管数学モデルを形成するステップ(S03)とを含む、狭窄病変を有する血管数学モデルの合成方法及び装置を提供する。これにより、従来の技術には流体力学分析に用いる血管三次元格子モデルがないという問題を解決し、業界の空白を補うことができる。血管壁には一定の厚さがあり、且つ、主に血管内壁に狭窄問題が現れることから、本出願は血管数学モデルを二層格子モデルに構築することにより、一定の厚さを有し、内層格子モデルは弾性を有し、血流速度に対して補正機能を持ち、血管の実際の状態により近付けることができる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
血管のリアルタイム直径Dt、血管中心線の長さL及び狭窄区間に基づき三次元モデリングを行い、狭窄病変区間を有する三次元血管モデルを形成するステップと、
狭窄病変区間を有する前記三次元血管モデルの円周面に沿ってN辺型格子分割を行い、単層格子モデルを形成する(但しN≧6である)ステップと、
前記単層格子モデルに対して表面分層化処理を行い、二層格子モデルである血管数学モデルを形成するステップと、
を含む、
ことを特徴とする流体力学分析に用いられる狭窄病変区間を有する血管数学モデルの合成方法。
【請求項2】
前記の狭窄病変区間を有する前記三次元血管モデルの円周面に沿ってN辺型格子分割を行い、単層格子モデルを形成する(但しN≧6である)ステップは、
前記の狭窄病変区間を有する前記三次元血管モデルの円周面に沿って、三角形を最小ユニットとして格子分割を行うステップと、
順に、N個ごとに三角形を組み合わせて1個のN角形に変換し、N角形初期格子を形成するステップと、
前記N角形初期格子中の各N角形内部の接続線を削除し、単層N角形格子モデルを形成する(但しN≧6である)ステップと、
を含む、
ことを特徴とする請求項1に記載の流体力学分析に用いられる狭窄病変区間を有する血管数学モデルの合成方法。
【請求項3】
前記の狭窄病変区間を有する前記三次元血管モデルの円周面に沿って、三角形を最小ユニットとして格子分割を行うステップは、
狭窄病変区間を有する前記三次元血管モデルをK段に分割するステップと、
各段の前記三次元血管モデルの円周面上において、三角形を最小ユニットとして格子分割を行うステップと、
を含む、
ことを特徴とする請求項2に記載の流体力学分析に用いられる狭窄病変区間を有する血管数学モデルの合成方法。
【請求項4】
最小ユニットの前記三角形を二等辺三角形とする、
ことを特徴とする請求項2に記載の流体力学分析に用いられる狭窄病変区間を有する血管数学モデルの合成方法。
【請求項5】
前記の単層格子モデルに対して表面分層化処理を行い、二層格子モデルである血管数学モデルを形成するステップは、
血管壁厚hを取得するステップと、
前記血管壁厚h、血管開始直径D開始、血管終了直径D終了及び血管中心線の長さLに基づき三次元モデリングを行い、前記単層格子モデルの内面または外面に円台三次元モデルを形成するステップと、
前記単層格子モデルの取得方法に基づき、前記円台三次元モデルの円周面に沿ってN辺型格子分割を行い、もう一つの単層格子モデルを形成するステップと、
二層の前記単層格子モデルと前記血管壁厚hに基づき、前記二層格子モデルである前記血管数学モデルを形成するステップと、
を含む、
ことを特徴とする請求項1に記載の流体力学分析に用いられる狭窄病変区間を有する血管数学モデルの合成方法。
【請求項6】
前記の血管のリアルタイム直径Dt、血管中心線の長さL及び狭窄区間に基づき三次元モデリングを行い、狭窄病変区間を有する三次元血管モデルを形成するステップは、
少なくとも2つの体位の冠状動脈二次元造影画像を取得するステップと、
前記冠状動脈二次元造影画像に基づき、血管のリアルタイム直径Dt、および血管中心線を真っすぐに伸ばした後の長さLを取得するステップと、
前記Dt及びLに基づき三次元モデリングを行い、円台三次元モデルを形成するステップと、
冠状動脈の狭窄区間を取得するステップと、
前記狭窄区間を前記円台三次元モデル上に対応させて投影し、前記の狭窄病変区間を有する三次元血管モデルを取得するステップと、
を含む、
ことを特徴とする請求項1に記載の流体力学分析に用いられる狭窄病変区間を有する血管数学モデルの合成方法。
【請求項7】
前記の冠状動脈二次元造影画像に基づき、血管のリアルタイム直径Dt、および血管中心線を真っすぐに伸ばした後の長さLを取得するステップは、
冠動脈入口から冠動脈末端方向に沿って、各体位の前記冠状動脈二次元造影画像から1本の血管中心線をそれぞれ抽出するステップと、
前記冠状動脈二次元造影画像及び前記血管中心線に基づき、真っすぐに伸ばした血管画像を取得するステップと、
真っすぐに伸ばした後の前記血管中心線及び前記真っすぐに伸ばした血管画像に基づき、真っすぐに伸ばした後の血管輪郭線を取得するステップと、
血管のリアルタイム直径Dt、及び血管中心線を真っすぐに伸ばした後の長さである中心直線の長さLを含む、真っすぐに伸ばした後の血管のジオメトリ情報を取得するステップと、
を含む、
ことを特徴とする請求項6に記載の流体力学分析に用いられる狭窄病変区間を有する血管数学モデルの合成方法。
【請求項8】
前記のDt及びLに基づき三次元モデリングを行い、円台三次元モデルを形成するステップは、
前記ジオメトリ情報、前記中心線及び前記輪郭線に基づき、三次元モデリングを行い、狭窄病変区間を有する三次元血管モデルを取得するステップと、
前記血管のリアルタイム直径Dt内から血管開始直径D開始及び血管終了直径D終了を取得するステップと、
前記D開始、D終了及びLに基づき三次元モデリングを行い、前記円台三次元モデルを形成するステップと、
を含む、
ことを特徴とする請求項6に記載の流体力学分析に用いられる狭窄病変区間を有する血管数学モデルの合成方法。
【請求項9】
前記の少なくとも2つの体位の冠状動脈二次元造影画像を取得するステップの後、前記冠状動脈二次元造影画像に基づき、血管のリアルタイム直径Dt内から血管開始直径D開始及び血管終了直径D終了、および血管中心線を真っすぐに伸ばした後の長さLを取得するステップの前にさらに、
前記冠状動脈二次元造影画像から注目する血管段を取得するステップと、
前記注目する血管段の始点及び終点をピックアップするステップと、
前記冠状動脈二次元造影画像から前記始点、終点に対応する部分的血管区域図を分割するステップと、
を含む、
ことを特徴とする請求項6に記載の流体力学分析に用いられる狭窄病変区間を有する血管数学モデルの合成方法。
【請求項10】
前記の冠状動脈二次元造影画像から前記始点、終点に対応する部分的血管区域図を分割するステップはさらに、
前記注目する血管段の少なくとも一つのシードポイントをピックアップするステップと、
始点、シードポイント、終点の隣接する2点間の二次元造影画像に対してそれぞれ分割を行い、少なくとも2つの部分的血管区域図を得るステップと、
を含む、
ことを特徴とする請求項9に記載の流体力学分析に用いられる狭窄病変区間を有する血管数学モデルの合成方法。
【請求項11】
前記の冠動脈入口から冠動脈末端方向に沿って、各体位の前記冠状動脈二次元造影画像から1本の血管中心線をそれぞれ抽出するステップは、
前記部分的血管区域図に対して画像増幅処理を行い、コントラストが強い粗血管図を得るステップと、
前記粗血管図に対して格子分割を行い、前記始点から前記終点の方向に沿って、少なくとも1本の血管経路線を抽出するステップと、
1本の前記血管経路線を前記血管中心線として選び取るステップと、
を含む、
ことを特徴とする請求項7に記載の流体力学分析に用いられる狭窄病変区間を有する血管数学モデルの合成方法。
【請求項12】
前記の粗血管図に対して格子分割を行い、前記始点から前記終点の方向に沿って、少なくとも1本の血管経路線を抽出するステップは、
前記粗血管図に対して格子分割を行うステップと、
前記始点から前記終点までの血管延在方向に沿って、前記始点と周辺のn個の格子上の交差点の間の最短時間経路を見つけ出して第二の点とし、前記第二の点と周辺のn個の格子上の交差点の間の最短時間経路を見つけ出して第三の点とし、前記第三の点以降も最短時間経路が終点に達するまで上記ステップを繰り返す(但し、nは1以上の正の整数である)ステップと、
見つけ出す順に、前記始点から前記終点までの血管延在方向に線を繋ぎ、少なくとも1本の血管経路線を取得するステップと、
を含む、
ことを特徴とする請求項11に記載の流体力学分析に用いられる狭窄病変区間を有する血管数学モデルの合成方法。
【請求項13】
前記の1本の前記血管経路線を前記血管中心線として選び取るステップは、
血管経路線が2本又は2本より多い場合、各血管経路線の前記始点から前記終点までに要した時間に対して和を求めるステップと、
用いる時に最少の前記血管経路線を前記血管中心線とするステップと、
を含む、
ことを特徴とする請求項12に記載の流体力学分析に用いられる狭窄病変区間を有する血管数学モデルの合成方法。
【請求項14】
前記の冠動脈入口から冠動脈末端方向に沿って、各体位の冠状動脈二次元造影画像から1本の血管中心線をそれぞれ抽出するステップは、
前記部分的血管区域図に対して画像処理を行い、前記始点及び前記終点の間の血管粗走向線を取得するステップと、
前記血管粗走向線を含む血管粗エッジ線の間の画像が血管骨格となる、血管粗エッジ線を取得するステップと、
前記血管骨格から前記血管中心線を抽出するステップと、
を含む、
ことを特徴とする請求項7に記載の流体力学分析に用いられる狭窄病変区間を有する血管数学モデルの合成方法。
【請求項15】
前記の血管骨格から前記血管中心線を抽出するステップは、
処理した後の前記区域画像に対して格子分割を行うステップと、
前記始点から前記終点の方向に沿って、RGB値に基づき、前記血管骨格に対してサーチを行い、前記始点と周辺のm個の格子上の交差点のRGB差の最小値がある所の点を見つけ出して第二の点とし、前記第二の点と周辺のm個の格子上の交差点のRGB差の最小値がある所の点を見つけ出して第三の点とし、前記第三の点以降も終点に達するまで上記ステップを繰り返す(但し、mは1以上の正整数である)ステップと、
見つけ出す順に、前記始点から前記終点まで少なくとも1本の繋ぎ線を取得するステップと、
もし繋ぎ線が2本又は2本より多い場合、1本の繋ぎ線を前記血管中心線として選び取るステップと、
を含む、
ことを特徴とする請求項14に記載の流体力学分析に用いられる狭窄病変区間を有する血管数学モデルの合成方法。
【請求項16】
前記の真っすぐに伸ばした後の前記血管中心線及び前記真っすぐに伸ばした血管画像に基づき、真っすぐに伸ばした後の血管輪郭線を取得するステップは、
前記真っすぐに伸ばした血管画像上において、血管直径閾値Dを設定するステップと、
前記Dに基づき、前記血管中心直線の両側に血管プリセット輪郭線を生成するステップと、
前記血管プリセット輪郭線を前記血管中心直線に段階的に寄せ、真っすぐに伸ばした後の血管輪郭線を取得するステップと、
を含む、
ことを特徴とする請求項15に記載の流体力学分析に用いられる狭窄病変区間を有する血管数学モデルの合成方法。
【請求項17】
前記狭窄区間及び前記狭窄点の取得方法は、
設置された正常な血管延在傾向、および前記血管のリアルタイム直径Dt、前記血管中心直線の長さLに基づき正常な血管の平滑な曲線をシミュレーション生成するステップと、
シミュレーション生成された前記正常な血管の平滑な曲線と患者の実際の前記中心直線の長さL-直径Dtが構成する平滑な曲線を比較し、狭窄病変区間を取得するステップと、
前記狭窄病変区間内において、患者の実際の前記中心線L-直径Dtが構成する平滑な曲線の直径の最小点Aをピックアップし、前記最小点Aが前記血管段の狭窄点となるステップと、
を含む、
ことを特徴とする請求項6に記載の流体力学分析に用いられる狭窄病変区間を有する血管数学モデルの合成方法。
【請求項18】
順に接続される三次元血管モデル構造、単層格子モデル構造及び血管数学モデル構造を備え、
前記血管数学モデル構造は前記三次元モデル構造に接続され、
前記三次元血管モデル構造は、血管のリアルタイム直径Dt、血管中心線の長さL及び狭窄区間に基づき三次元モデリングを行い、狭窄病変区間を有する三次元血管モデルを形成するためのものであり、
前記単層格子モデル構造は、狭窄病変区間を有する前記三次元血管モデルの円周面に沿ってN辺型格子分割を行い、単層格子モデルを形成する(但しN≧6である)ためのものであり、
前記血管数学モデル構造は、前記単層格子モデルに対して表面分層化処理を行い、二層格子モデルである血管数学モデルを形成するためのものである、
ことを特徴とする請求項1~17のいずれかに記載の流体力学分析に用いられる狭窄病変区間を有する血管数学モデルの合成方法に用いられる血管数学モデルを合成するための装置。
【請求項19】
請求項18に記載の血管数学モデルを合成するための装置を含むことを特徴とする冠状動脈分析システム。
【請求項20】
コンピュータプログラムがプロセッサにより実行される時に請求項1~17のいずれかに記載の流体力学分析に用いられる狭窄病変区間を有する血管数学モデルの合成方法を実現することを特徴とするコンピュータ記憶媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は冠状動脈医学技術分野に関し、特に、流体力学分析に用いられる狭窄病変区間を有する血管数学モデルの合成方法、装置及びシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
人体血液中の脂質や糖類物質は血管壁上に堆積し、血管壁上にプラークを形成し、そして、血管狭窄を引き起こす。特に、心臓冠動脈近傍の血管狭窄は心筋血液供給不足を引き起こし、虚血性心疾患、狭心症などの病状を誘発し、人の健康にとって深刻な脅威となる。統計によれば、我が国の従来の虚血性心疾患の患者は約1100万人であり、心血管インターベンション手術治療を受ける患者の数は毎年10%以上増加している。
【0003】
冠動脈造影CAG、コンピュータ断層撮影(CTスキャン)等の通常の医用検出手段は心臓冠動脈血管狭窄の深刻度を表示することはできるが、冠動脈の虚血状況を正確に評価することはできない。冠動脈血管機能評価の正確性を高めるために、1993年にPijlsは圧力測定により冠動脈血管機能の新指標である冠動脈血流予備量比(Fractional Flow Reserve、FFR)を提案し、長期にわたる基礎と臨床研究を経て、FFRは既に冠動脈狭窄機能性評価のゴールデンスタンダードになっている。
【0004】
FFRは冠状動脈血管評定パラメータの一種であり、微小血管抵抗指数IMR等は冠状動脈血管評定パラメータに属す。
【0005】
冠状動脈造影画像においては、流体力学分析CFDを合わせて冠状動脈血管評定パラメータを計算する必要があるが、従来の技術には、流体力学分析に用いる血管数学モデルがない。
【発明の概要】
【0006】
従来の技術には流体力学分析に用いる血管三次元格子モデルがないという問題を解決するために、本発明は流体力学分析に用いられる狭窄病変区間を有する血管数学モデルの合成方法、装置及びシステムを提供する。
【0007】
上記目的を実現するために、第一の態様において、本出願は以下の方法を提供する:
血管のリアルタイム直径Dt、血管中心線の長さL及び狭窄区間に基づき三次元モデリングを行い、狭窄病変区間を有する三次元血管モデルを形成するステップと、
狭窄病変区間を有する前記三次元血管モデルの円周面に沿ってN辺型格子分割を行い、単層格子モデルを形成する(但しN≧6である)ステップと、
前記単層格子モデルに対して表面分層化処理を行い、二層格子モデルである血管数学モデルを形成するステップと、
を含む、
流体力学分析に用いられる狭窄病変区間を有する血管数学モデルの合成方法。
【0008】
任意選択的に、
前記の狭窄病変区間を有する前記三次元血管モデルの円周面に沿ってN辺型格子分割を行い、単層格子モデルを形成する(但しN≧6である)ステップは、
前記の狭窄病変区間を有する前記三次元血管モデルの円周面に沿って、三角形を最小ユニットとして格子分割を行うステップと、
順に、N個ごとに三角形を組み合わせて1個のN角形に変換し、N角形初期格子を形成するステップと、
前記N角形初期格子中の各N角形内部の接続線を削除し、単層N角形格子モデルを形成する(但しN≧6である)ステップと、
を含む、
上記の流体力学分析に用いられる狭窄病変区間を有する血管数学モデルの合成方法。
【0009】
任意選択的に、
前記の狭窄病変区間を有する前記三次元血管モデルの円周面に沿って、三角形を最小ユニットとして格子分割を行うステップは、
狭窄病変区間を有する前記三次元血管モデルをK段に分割するステップと、
各段の前記三次元血管モデルの円周面上において、三角形を最小ユニットとして格子分割を行うステップと、
を含む、
上記の流体力学分析に用いられる狭窄病変区間を有する血管数学モデルの合成方法。
【0010】
任意選択的に、
最小ユニットの前記三角形を二等辺三角形とする、
上記の流体力学分析に用いられる狭窄病変区間を有する血管数学モデルの合成方法。
【0011】
任意選択的に、
前記の単層格子モデルに対して表面分層化処理を行い、二層格子モデルである血管数学モデルを形成するステップは、
血管壁厚hを取得するステップと、
前記血管壁厚h、血管開始直径D開始、血管終了直径D終了及び血管中心線の長さLに基づき三次元モデリングを行い、前記単層格子モデルの内面または外面に円台三次元モデルを形成するステップと、
前記単層格子モデルの取得方法に基づき、前記円台三次元モデルの円周面に沿ってN辺型格子分割を行い、もう一つの単層格子モデルを形成するステップと、
二層の前記単層格子モデルと前記血管壁厚hに基づき、前記二層格子モデルである前記血管数学モデルを形成するステップと、
を含む、
上記の流体力学分析に用いられる狭窄病変区間を有する血管数学モデルの合成方法。
【0012】
任意選択的に、
前記の血管のリアルタイム直径Dt、血管中心線の長さL及び狭窄区間に基づき三次元モデリングを行い、狭窄病変区間を有する三次元血管モデルを形成するステップは、
少なくとも2つの体位の冠状動脈二次元造影画像を取得するステップと、
前記冠状動脈二次元造影画像に基づき、血管のリアルタイム直径Dt、および血管中心線を真っすぐに伸ばした後の長さLを取得するステップと、
前記Dt及びLに基づき三次元モデリングを行い、円台三次元モデルを形成するステップと、
冠状動脈の狭窄区間を取得するステップと、
前記狭窄区間を前記円台三次元モデル上に対応させて投影し、前記の狭窄病変区間を有する三次元血管モデルを取得するステップと、
を含む、
上記の流体力学分析に用いられる狭窄病変区間を有する血管数学モデルの合成方法。
【0013】
任意選択的に、
前記の冠状動脈二次元造影画像に基づき、血管のリアルタイム直径Dt、および血管中心線を真っすぐに伸ばした後の長さLを取得するステップは、
冠動脈入口から冠動脈末端方向に沿って、各体位の前記冠状動脈二次元造影画像から1本の血管中心線をそれぞれ抽出するステップと、
前記冠状動脈二次元造影画像及び前記血管中心線に基づき、真っすぐに伸ばした血管画像を取得するステップと、
真っすぐに伸ばした後の前記血管中心線及び前記真っすぐに伸ばした血管画像に基づき、真っすぐに伸ばした後の血管輪郭線を取得するステップと、
血管のリアルタイム直径Dt 、及び血管中心線を真っすぐに伸ばした後の長さである中心直線の長さLを含む、真っすぐに伸ばした後の血管のジオメトリ情報を取得するステップと、
を含む、
上記の流体力学分析に用いられる狭窄病変区間を有する血管数学モデルの合成方法。
【0014】
任意選択的に、
前記のDt及びLに基づき三次元モデリングを行い、円台三次元モデルを形成するステップは、
前記ジオメトリ情報、前記中心線及び前記輪郭線に基づき、三次元モデリングを行い、狭窄病変区間を有する三次元血管モデルを取得するステップと、
前記血管のリアルタイム直径Dt内から血管開始直径D開始及び血管終了直径D終了を取得するステップと、
前記D開始、D終了及びLに基づき三次元モデリングを行い、前記円台三次元モデルを形成するステップと、
を含む、
上記の流体力学分析に用いられる狭窄病変区間を有する血管数学モデルの合成方法。
【0015】
任意選択的に、
前記の少なくとも2つの体位の冠状動脈二次元造影画像を取得するステップの後、前記の前記冠状動脈二次元造影画像に基づき、血管のリアルタイム直径Dt内から血管開始直径D開始及び血管終了直径D終了、および血管中心線を真っすぐに伸ばした後の長さLを取得するステップの前にさらに、
前記冠状動脈二次元造影画像から注目する血管段を取得するステップと、
前記注目する血管段の始点及び終点をピックアップするステップと、
前記冠状動脈二次元造影画像から前記始点、終点に対応する部分的血管区域図を分割するステップと、
を含む、
上記の流体力学分析に用いられる狭窄病変区間を有する血管数学モデルの合成方法。
【0016】
任意選択的に、
前記の冠状動脈二次元造影画像から前記始点、終点に対応する部分的血管区域図を分割するステップはさらに、
前記注目する血管段の少なくとも一つのシードポイントをピックアップするステップと、
始点、シードポイント、終点の隣接する2点間の二次元造影画像に対してそれぞれ分割を行い、少なくとも2つの部分的血管区域図を得るステップと、
を含む、
上記の流体力学分析に用いられる狭窄病変区間を有する血管数学モデルの合成方法。
【0017】
任意選択的に、
前記冠動脈入口から冠動脈末端方向に沿って、各体位の前記冠状動脈二次元造影画像から1本の血管中心線をそれぞれ抽出するステップは、
前記部分的血管区域図に対して画像増幅処理を行い、コントラストが強い粗血管図を得るステップと、
前記粗血管図に対して格子分割を行い、前記始点から前記終点の方向に沿って、少なくとも1本の血管経路線を抽出するステップと、
1本の前記血管経路線を前記血管中心線として選び取るステップと、
を含む、
上記の流体力学分析に用いられる狭窄病変区間を有する血管数学モデルの合成方法。
【0018】
任意選択的に、
前記の粗血管図に対して格子分割を行い、前記始点から前記終点の方向に沿って、少なくとも1本の血管経路線を抽出するステップは、
前記粗血管図に対して格子分割を行うステップと、
前記始点から前記終点までの血管延在方向に沿って、前記始点と周辺のn個の格子上の交差点の間の最短時間経路を見つけ出して第二の点とし、前記第二の点と周辺のn個の格子上の交差点の間の最短時間経路を見つけ出して第三の点とし、前記第三の点以降も最短時間経路が終点に達するまで上記ステップを繰り返す(但し、nは1以上の正の整数である)ステップと、
見つけ出す順に、前記始点から前記終点までの血管延在方向に線を繋ぎ、少なくとも1本の血管経路線を取得するステップと、
を含む、
上記の流体力学分析に用いられる狭窄病変区間を有する血管数学モデルの合成方法。
【0019】
任意選択的に、
前記1本の前記血管経路線を前記血管中心線として選び取るステップは、
血管経路線が2本又は2本より多い場合、各血管経路線の前記始点から前記終点までに要した時間に対して和を求めるステップと、
用いる時に最少の前記血管経路線を前記血管中心線とするステップと、
を含む、
上記の流体力学分析に用いられる狭窄病変区間を有する血管数学モデルの合成方法。
【0020】
任意選択的に、
前記冠動脈入口から冠動脈末端方向に沿って、各体位の冠状動脈二次元造影画像から1本の血管中心線をそれぞれ抽出するステップは、
前記部分的血管区域図に対して画像処理を行い、前記始点及び前記終点の間の血管粗走向線を取得するステップと、
前記血管粗走向線を含む前記血管粗エッジ線の間の画像が血管骨格となる、血管粗エッジ線を取得するステップと、
前記血管骨格から前記血管中心線を抽出するステップと、
を含む、
上記の流体力学分析に用いられる狭窄病変区間を有する血管数学モデルの合成方法。
【0021】
任意選択的に、
前記の血管骨格から前記血管中心線を抽出するステップは、
処理した後の前記区域画像に対して格子分割を行うステップと、
前記始点から前記終点の方向に沿って、RGB値に基づき、前記血管骨格に対してサーチを行い、前記始点と周辺のm個の格子上の交差点のRGB差の最小値がある所の点を見つけ出して第二の点とし、前記第二の点と周辺のm個の格子上の交差点のRGB差の最小値がある所の点を見つけ出して第三の点とし、前記第三の点以降も終点に達するまで上記ステップを繰り返す(但し、mは1以上の正整数である)ステップと、
見つけ出す順に、前記始点から前記終点まで少なくとも1本の繋ぎ線を取得するステップと、
もし繋ぎ線が2本又は2本より多い場合、1本の繋ぎ線を前記血管中心線として選び取るステップと、
を含む、
上記の流体力学分析に用いられる狭窄病変区間を有する血管数学モデルの合成方法。
【0022】
任意選択的に、
前記真っすぐに伸ばした後の前記血管中心線及び前記真っすぐに伸ばした血管画像に基づき、真っすぐに伸ばした後の血管輪郭線を取得するステップは、
前記真っすぐに伸ばした血管画像上において、血管直径閾値Dを設定するステップと、
前記Dに基づき、前記血管中心直線の両側に血管プリセット輪郭線を生成するステップと、
前記血管プリセット輪郭線を前記血管中心直線に段階的に寄せ、真っすぐに伸ばした後の血管輪郭線を取得するステップと、
を含む、
上記の流体力学分析に用いられる狭窄病変区間を有する血管数学モデルの合成方法。
【0023】
任意選択的に、
前記狭窄区間及び前記狭窄点の取得方法は、
設置された正常な血管延在傾向、および前記血管のリアルタイム直径Dt、前記血管中心直線の長さLに基づき正常な血管の平滑な曲線をシミュレーション生成するステップと、
シミュレーション生成された前記正常な血管の平滑な曲線と患者の実際の前記中心直線の長さL-直径Dtが構成する平滑な曲線を比較し、狭窄病変区間を取得するステップと、
前記狭窄病変区間内において、患者の実際の前記中心線L-直径Dtが構成する平滑な曲線の直径の最小点Aをピックアップし、前記最小点Aが前記血管段の狭窄点となるステップと、
を含む、
上記の流体力学分析に用いられる狭窄病変区間を有する血管数学モデルの合成方法。
【0024】
第二の態様において、本出願は以下の装置を提供する:
順に接続される三次元血管モデル構造、単層格子モデル構造及び血管数学モデル構造を備え、
前記血管数学モデル構造は前記三次元モデル構造に接続され、
前記三次元血管モデル構造は、血管のリアルタイム直径Dt、血管中心線の長さL及び狭窄区間に基づき三次元モデリングを行い、狭窄病変区間を有する三次元血管モデルを形成するためのものであり、
前記単層格子モデル構造は、狭窄病変区間を有する前記三次元血管モデルの円周面に沿ってN辺型格子分割を行い、単層格子モデルを形成する(但しN≧6である)ためのものであり、
前記血管数学モデル構造は、前記単層格子モデルに対して表面分層化処理を行い、二層格子モデルである血管数学モデルを形成するためのものである、
血管数学モデルを合成するための装置。
【0025】
第三の態様において、本出願は上記の血管数学モデルを合成するための装置を含む冠状動脈分析システムを提供する。
【0026】
第四の態様において、本出願はコンピュータプログラムがプロセッサにより実行される時に上記の流体力学分析に用いられる狭窄病変区間を有する血管数学モデルの合成方法を実現するコンピュータ記憶媒体を提供する。
【0027】
本出願の実施例により提供される方案によれば、少なくとも以下の有益な效果を奏することができる:
本出願は流体力学分析に用いられる狭窄病変区間を有する血管数学モデルの合成方法を提供する。これにより、従来の技術には流体力学分析に用いる血管三次元格子モデルがないという問題を解決し、業界の空白を補うことができる。血管壁には一定の厚さがあり、且つ、主に血管内壁に狭窄問題が現れることから、本出願は血管数学モデルを二層格子モデルに構築することにより、一定の厚さを有し、内層格子モデルは弾性を有し、血流速度に対して補正機能を持ち、且つ、外層格子モデルは内層格子モデルに対して形状固定機能を有し、力学分析と合わせて血管内壁の変形を有効的に緩和でき、実際の血管狭窄の状況により近付けることができる。さらに、単層格子モデルの最小ユニットを辺数≧6の多角形に設け、三角形の変形能力は比較的悪いため、一辺が外力衝撃を受けた時、他辺も変形し、三角形の変形は比較的大きくなるが、六角形が外力衝撃を受けた時、二辺のみが変形し、残りの四辺は変形しないため、六角形の変形は比較的小さく、且つ、二層格子モデルは六角柱に形成され、六角柱は三角柱よりも安定し、且つ六角形は三角形よりもサンプリング点数が少なく、サンプリング效率が高いなどのメリットを有し、元の血管形態を保持した上で、流体力学分析CFD計算時の計算効率を有効的に高め、計算時間を大幅に短縮することができる。
【図面の簡単な説明】
【0028】
ここで説明する図面は本発明をさらに理解するためのものであり、本発明の一部分を構成し、本発明の概略的な実施例及びその記載は本発明を説明するためのものであり、本発明に対する不適切な限定を構成するものではない。
【0029】
図1図1は本出願の血管数学モデルの構造概略図である。
図2図2は本出願の流体力学分析に用いられる狭窄病変区間を有する血管数学モデルの合成方法のフローチャートである。
図3図3は本出願の単層格子モデルの構造概略図である。
図4図4は本出願のS02のフローチャートである。
図5図5は本出願のS03のフローチャートである。
図6図6は本出願のS01のフローチャートである。
図7図7は本出願のS400のフローチャートである。
図8図8は本出願のS500のフローチャートである。
図9図9は本出願のS510の第一の方式のフローチャートである。
図10図10は本出願のS520のフローチャートである。
図11図11は本出願のS510の第二の方式のフローチャートである。
図12図12は本出願のS530’のフローチャートである。
図13図13は本出願のS600のフローチャートである。
図14図14は本出願のS700のフローチャートである。
図15図15は本出願のS730のフローチャートである。
図16図16は本出願のS900のフローチャートである。
図17図17は狭窄病変区間を有する三次元血管モデルである。
図18図18は血管数学モデルを合成するための装置の構造ブロック図である。
図19図19は単層格子モデル構造の構造ブロック図である。
図20図20は本出願の三次元血管モデル構造1の一つの実施例の構造ブロック図である。
図21図21は本出願の三次元血管モデル構造1の一つの実施例のもう一つの構造ブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0030】
本発明の目的、技術方案及び長所がより明確になるように、以下に本発明の具体的な実施例及び対応する図面を組み合わせて本発明の技術方案を明瞭、完全に記載する。勿論、記載する実施例は本発明の一部の実施例であり、全ての実施例ではない。本発明における実施例に基づき、当業者が創造的な労働を行わずに得られる他の実施例もすべて本発明の保護範囲に入ると理解されるべきである。
【0031】
以下に図面により本発明の複数の実施形態を開示する。明確に説明できるよう、多くの実践的な細部を以下の記載において一緒に説明する。しかし、これら実践的な細部は本発明を限定するために用いられるのではないと理解されるべきである。つまり、本発明の一部の実施形態において、これら実践的な細部は必須事項ではない。この他、図を簡素化するために、一部の慣用的な構造や構成部材については図中で簡単に概略的に示すだけにする。
【0032】
冠状動脈造影画像においては、流体力学分析を合わせて冠状動脈血管評定パラメータを計算する必要があるが、従来の技術には流体力学分析に用いられる血管三次元格子モデルがない。
【0033】
実施例1
図2に示されるように、本出願は以下のステップを含む流体力学分析に用いられる狭窄病変区間を有する血管数学モデルの合成方法を提供する:
S01 血管のリアルタイム直径Dt、血管中心線の長さL及び狭窄区間に基づき三次元モデリングを行い、狭窄病変区間を有する三次元血管モデルを形成するステップ、
S02 狭窄病変区間を有する前記三次元血管モデルの円周面に沿ってN辺型格子分割を行い、図3に示される単層格子モデルを形成する(但しN≧6である)ステップ、
S03 前記単層格子モデルに対して表面分層化処理を行い、二層格子モデル、即ち図1に示される血管数学モデルを形成するステップ。
本出願は流体力学分析に用いられる狭窄病変区間を有する血管数学モデルの合成方法を提供する。これにより、従来の技術には流体力学分析に用いる血管三次元格子モデルがないという問題を解決し、業界の空白を補うことができる。血管壁には一定の厚さがあり、且つ、主に血管内壁に狭窄問題が現れることから、本出願は血管数学モデルを二層格子モデルに構築することにより、血管の実際の状況により近付けることができ、且つ、外層格子モデルは内層格子モデルに対して形状固定機能を有し、力学分析と合わせて血管内壁の変形を有効的に緩和でき、実際の血管狭窄の状況により近付けることができる。さらに、単層格子モデルの最小ユニットを辺数≧6の多角形に設け、三角形の変形能力は比較的悪いため、一辺が外力衝撃を受けた時、他辺も変形し、三角形の変形は比較的大きくなるが、六角形が外力衝撃を受けた時、二辺のみが変形し、残りの四辺は変形しないため、六角形の変形は比較的小さく、且つ、二層格子モデルは六角柱に形成され、六角柱は三角柱よりも安定し、且つ六角形は三角形よりもサンプリング点数が少なく、サンプリング效率が高いなどのメリットを有し、元の血管形態を保持した上で、流体力学分析CFD計算時の計算効率を有効的に高め、計算時間を大幅に短縮することができる。
【0034】
実施例2
図2に示されるように、本出願は以下のステップを含む流体力学分析に用いられる狭窄病変区間を有する血管数学モデルの合成方法を提供する:
S01 血管のリアルタイム直径Dt、血管中心線の長さL及び狭窄区間に基づき三次元モデリングを行い、狭窄病変区間を有する三次元血管モデルを形成するステップ、
当該ステップは、図6に示されるように、以下のステップを含む:
S100 少なくとも2つの体位の冠状動脈二次元造影画像を取得するステップ、
好ましくは、2つの体位の間の夾角は30度以上である、
S200 前記冠状動脈二次元造影画像から注目する血管段を取得するステップ、
S300 注目する血管段の始点及び終点をピックアップするステップ、
S400 冠状動脈二次元造影画像から始点、終点に対応する部分的血管区域図を分割するステップ、
当該ステップは、図7に示されるように、以下のステップを含む:
S410 注目する血管段の少なくとも一つのシードポイントをピックアップするステップ、
S420 始点、シードポイント、終点の隣接する2点間の二次元造影画像に対してそれぞれ分割を行い、少なくとも2つの部分的血管区域図を得るステップ、
S500 前記冠状動脈二次元造影画像に基づき、血管のリアルタイム直径Dt、および血管中心線を真っすぐに伸ばした後の長さLを取得するステップ、
当該ステップは以下のステップを含む:
冠動脈入口から冠動脈末端方向に沿って、各体位の前記冠状動脈二次元造影画像から1本の血管中心線をそれぞれ抽出するステップ、
当該ステップは以下の二つの方法を含み、
図8に示されるように、第一の方法として、以下のステップを含む:
S510 各体位の部分的血管区域図から少なくとも1本の血管経路線をそれぞれ抽出するステップ
当該ステップは図9に示されるように、以下のステップを含む:
S511 各部分的血管区域図において、注目する血管段を前景とし、他の区域を背景とし、前景を強くし、背景を弱くし、コントラストが強い粗血管図を得るステップ、
S512 粗血管図に対して格子分割を行うステップ、
S513 始点から終点までの血管延在方向に沿って、始点と周辺のn個の格子上の交差点の間の最短時間経路を見つけ出して第二の点とし、第二の点と周辺のn個の格子上の交差点の間の最短時間経路を見つけ出して第三の点とし、第三の点以降も最短時間経路が終点に達するまで上記ステップを繰り返す(但し、nは1以上の正の整数である)ステップ、
S514 見つけ出す順に、始点から終点までの血管延在方向に線を繋ぎ、少なくとも1本の血管経路線を取得するステップ、
S520 1本の血管経路線を血管中心線として選び取るステップ、
当該ステップは、図10に示されるように、以下のステップを含む:
S521 血管経路線が2本又は2本以上である場合、各血管経路線の始点から終点までに要した時間に対して和を求めるステップ、
S522 用いる時に最少の血管経路線を血管中心線とするステップ。
図11に示されるように、第二の方法として、以下のステップを含む:
S510’ 部分的血管区域図に対して画像処理を行い、始点及び終点の間の血管粗走向線を取得するステップ、
S520’ 血管粗走向線を含む血管粗エッジ線の間の画像が血管骨格となる、血管粗エッジ線を取得するステップ、
S530’ 血管骨格から血管中心線を抽出するステップ、
当該ステップは、図12に示されるように、以下のステップを含む:
S531’ 処理した後の区域画像に対して格子分割を行うステップ、
S532’ 始点から終点方向に沿って、RGB値に基づき、血管骨格に対してサーチを行い、始点と周辺のm個の格子上の交差点のRGB差の最小値がある所の点を見つけ出して第二の点とし、第二の点と周辺のm個の格子上の交差点のRGB差の最小値がある所の点を見つけ出して第三の点とし、第三の点以降も終点に達するまで上記ステップを繰り返す(但し、mは1以上の正整数である)ステップ、
S533’ 見つけ出す順に、始点から終点まで少なくとも1本の繋ぎ線を取得するステップ、
S534’ もし繋ぎ線が2本又は2本より多い場合、1本の繋ぎ線を血管中心線として選び取るステップ。
S600 前記冠状動脈二次元造影画像及び前記血管中心線に基づき、真っすぐに伸ばした血管画像を取得するステップ、
当該ステップは、図13に示されるように、以下のステップを含む:
S610 血管中心線を真っすぐに伸ばし、血管中心直線を取得するステップ、
S620 始点から終点までの血管延在方向に沿って、部分的血管区域図をx個のユニットに分ける(但しxは正の整数である)ステップ、
S630 各ユニットの血管中心線を血管中心直線に沿って対応して設置するステップ、
S640 対応して設置した後の画像が真っすぐに伸ばした血管画像になるステップ、
S700 真っすぐに伸ばした後の前記血管中心線及び前記真っすぐに伸ばした血管画像に基づき、真っすぐに伸ばした後の血管輪郭線を取得するステップ、
当該ステップは、図14に示されるように、以下のステップを含む:
S710 真っすぐに伸ばした血管画像において、血管直径閾値Dを設定するステップ、
S720 Dに基づき、血管中心直線の両側に血管プリセット輪郭線を生成するステップ、
S730 血管プリセット輪郭線を血管中心直線に段階的に寄せ、真っすぐに伸ばした後の血管輪郭線を取得するステップ、
当該ステップは、図15に示されるように、以下のステップを含む:
S731 血管プリセット輪郭線をy個のユニットに分ける(但しyは正の整数である)ステップ、
S732 各ユニットにおける各血管プリセット輪郭線上に位置するz個の点を取得するステップ、
S733 血管中心直線に垂直な方向に沿って、z個の点をそれぞれ血管中心直線に段階的に寄せ、z個の寄せ点を生成する(但しzは正の整数である)ステップ、
S734 RGB差閾値をΔRGBとして設定し、血管中心直線に垂直な方向に沿って、毎回の寄せは、いずれも寄せ点のRGB値と血管中心直線上の点のRGB値を比較し、差がΔRGB以下になった場合に、寄せ点は血管中心直線に寄せるのを停止するステップ、
S735 寄せ点を輪郭点として取得するステップ、
S736 順に輪郭点を接続して形成された平滑な曲線が血管輪郭線になるステップ、
S800 血管のリアルタイム直径Dt 、及び血管中心線を真っすぐに伸ばした後の長さである中心直線の長さLを含む、真っすぐに伸ばした後の血管のジオメトリ情報を取得するステップ、
当該ステップは、具体的に以下のとおりである:
(1)血管のリアルタイム直径Dt、(2)血管狭窄区間、(3)血管狭窄点、(4)血管中心直線の長さL、
(1)血管のリアルタイム直径Dtの取得方法は以下のステップを含む:
血管中心直線に垂直な方向に沿って、相対的に設置されたすべての輪郭点の間の距離である血管のリアルタイム直径Dt を取得するステップ、
(2)血管狭窄区間の取得方法は以下のステップを含む:
設置された正常な血管延在傾向、および血管のリアルタイム直径Dt、血管中心直線の長さLに基づき正常な血管の平滑な曲線をシミュレーション生成するステップ、
シミュレーション生成された正常な血管の平滑な曲線と患者の実際の中心直線の長さL-直径Dtが構成する平滑な曲線を比較し、狭窄病変区間を取得するステップ。
(3)血管狭窄点の取得方法は以下のステップを含む:
狭窄病変区間内において、患者の実際の中心線L-直径Dtが構成する平滑な曲線の直径の最小点Aをピックアップし、A点が血管段的狭窄点となるステップ。
S900 前記Dt及びLに基づき三次元モデリングを行い、円台三次元モデルを形成するステップ、
当該ステップは、図16に示されるように、以下のステップを含む:
S910 前記血管のリアルタイム直径Dt内から血管開始直径D開始及び血管終了直径D終了、および血管中心直線の長さLを取得するステップ、
S920 D開始及びD終了及びLに基づき三次元モデリングを行い、円台三次元モデルを形成するステップ、
S014 前記狭窄区間を前記円台三次元モデル上に対応させて投影し、前記の狭窄病変区間を有する三次元血管モデルを取得するステップ、
当該ステップは、図16に示されるように、以下のステップを含む:
S930 狭窄区間の中心直線を血管中心直線上に対応させて投影するステップ、
S940 血管中心直線に垂直な方向に沿って、図17に示される円台三次元モデル上で血管三次元狭窄区間S1S2を取得するステップ、
S950 狭窄区間の血管のリアルタイム直径Dtを円台三次元モデル上に投影し、図17に示される狭窄病変区間S1S2および狭窄点S0を有する三次元血管モデルを取得するステップ、
S02 狭窄病変区間を有する前記三次元血管モデルの円周面に沿ってN辺型格子分割を行い、単層格子モデルを形成する(但しN≧6である)ステップ、
当該ステップは、図4に示されるように、以下のステップを含む:
S021前記の狭窄病変区間を有する前記三次元血管モデルの円周面に沿って、三角形を最小ユニットとして格子分割を行うステップ、
当該ステップは、以下のステップを含む:
狭窄病変区間を有する前記三次元血管モデルをK段に分割するステップ、
各段の前記三次元血管モデルの円周面上において、三角形を最小ユニットとして格子分割を行うステップ、
好ましくは、最小ユニットの三角形を二等辺三角形とする、
S022 順に、N個ごとに三角形を組み合わせて1個のN角形に変換し、N角形初期格子を形成するステップ、
S023 前記N角形初期格子中の各N角形内部の接続線を削除し、単層N角形格子モデルを形成する(但しN≧6である)ステップ、
S03 前記単層格子モデルに対して表面分層化処理を行い、二層格子モデルである血管数学モデルを形成するステップ、
当該ステップは、図5に示されるように、以下のステップを含む:
S031 血管壁厚hを取得するステップ、
好ましくは、h=0.2mm~2mmである、
S032 前記血管壁厚h、血管開始直径D開始、血管終了直径D終了及び血管中心線の長さLに基づき三次元モデリングを行い、前記単層格子モデル内面または外面に円台三次元モデルを形成するステップ、
S033 前記単層格子モデルの取得方法に基づき、前記円台三次元モデルの円周面に沿ってN辺型格子分割を行い、もう一つの単層格子モデルを形成するステップ、
S034 二層の前記単層格子モデルと前記血管壁厚hに基づき、前記二層格子モデルである前記血管数学モデルを形成するステップ。
【0035】
実施例3
図18に示されるように、本出願は以下の血管数学モデルを合成するための装置を提供する:
順に接続される三次元血管モデル構造1、単層格子モデル構造2及び血管数学モデル構造3を備え、
前記血管数学モデル構造3は前記三次元モデル構造1に接続され、
前記三次元血管モデル構造1は、血管のリアルタイム直径Dt、血管中心線の長さL及び狭窄区間に基づき三次元モデリングを行い、狭窄病変区間を有する三次元血管モデルを形成するためのものであり、
前記単層格子モデル構造2は、狭窄病変区間を有する前記三次元血管モデルの円周面に沿ってN辺型格子分割を行い、単層格子モデルを形成する(但しN≧6である)ためのものであり、
前記血管数学モデル構造3は、前記単層格子モデルに対して表面分層化処理を行い、二層格子モデルである血管数学モデルを形成するためのものである。
【0036】
図20に示されるように、三次元血管モデル構造1はさらに、
順に接続される中心線抽出ユニット100、真っすぐに伸ばすユニット200、輪郭線ユニット300、ジオメトリ情報ユニット400及び三次元モデリングユニット500を備え、
真っすぐに伸ばすユニット200はジオメトリ情報ユニット400に接続され、
三次元モデリングユニット500は真っすぐに伸ばすユニット200、輪郭線ユニット300に接続され、
中心線抽出ユニット100は、冠動脈入口から冠動脈末端方向に沿って、少なくとも2つの体位の冠状動脈二次元造影画像から1本の血管中心線をそれぞれ抽出するためのものであり、
真っすぐに伸ばすユニット200は、中心線抽出ユニット100が送信した血管中心線を受信し、冠状動脈二次元造影画像及び血管中心線に基づき、真っすぐに伸ばした血管画像を取得するためのものであり、
輪郭線ユニット300は、真っすぐに伸ばすユニット200が送信した真っすぐに伸ばした血管画像を受信し、真っすぐに伸ばした後の血管中心線及び真っすぐに伸ばした血管画像に基づき、真っすぐに伸ばした後の血管輪郭線を取得するためのものであり、
ジオメトリ情報ユニット400は、真っすぐに伸ばすユニット200が送信した真っすぐに伸ばした血管画像を受信し、輪郭線ユニット300が送信した血管輪郭線、真っすぐに伸ばした後の血管のジオメトリ情報を取得するためのものであり、
三次元モデリングユニット500は、真っすぐに伸ばすユニット200が送信した真っすぐに伸ばした血管画像、輪郭線ユニット300が送信した血管輪郭線、ジオメトリ情報ユニット400が送信した血管のジオメトリ情報を受信し、ジオメトリ情報、中心線及び輪郭線に基づき三次元モデリングを行い、狭窄病変区間を有する三次元血管モデルを取得するためのものである。
【0037】
図21に示されるように、本出願の一つの実施例において、
上記装置はさらに、
中心線抽出ユニット100に接続される画像分割ユニット600を備え、
画像分割ユニット600は、冠状動脈二次元造影画像から始点、終点に対応する部分的血管区域図を分割する、または、始点、シードポイント、終点の隣接する2点間の二次元造影画像に対して分割を行い、少なくとも2つの部分的血管区域図を得るためのものである。
【0038】
図21に示されるように、本出願の一つの実施例において、
中心線抽出ユニット100はさらに、
順に接続される血管経路モジュール110及び血管中心線抽出モジュール120を備え、
血管経路モジュール110は画像分割ユニット600に接続され、
血管経路モジュール110は、各体位の部分的血管区域図から少なくとも1本の血管経路線をそれぞれ抽出するためのものであり、
血管中心線抽出モジュール120は、血管経路モジュール110が送信した血管経路線から1本を血管中心線として選び取るためのものである。
【0039】
図19に示されるように、本出願の一つの実施例において、
単層格子モデル構造2はさらに、
順に接続される三角形格子分割ユニット21、N角形格子分割ユニット22及び単層格子モデルユニット23を備え、
単層格子モデルユニット23は血管数学モデル構造3に接続され、
三角形格子分割ユニット21は三次元モデリングユニット500に接続され、
三角形格子分割ユニットは、前記の狭窄病変区間を有する前記三次元血管モデルの円周面に沿って、三角形を最小ユニットとして格子分割を行うためのものであり、
N角形格子分割ユニット22は、順に、N個ごとに三角形を組み合わせて1個のN角形に変換し、N角形初期格子を形成するためのものであり、
単層格子モデルユニット23は、前記N角形初期格子中の各N角形内部の接続線を削除し、単層N角形格子モデルを形成する(但しN≧6である)ためのものである。
【0040】
本出願は上記の血管数学モデルを合成するための装置を含む冠状動脈分析システムを提供する。
【0041】
本出願はコンピュータプログラムがプロセッサにより実行される時に上記の流体力学分析に用いられる狭窄病変区間を有する血管数学モデルの合成方法を実現するコンピュータ記憶媒体を提供する。
【0042】
当業者の認識として、本発明の各々の態様はシステム、方法又はコンピュータプログラム製品として実現することができる。したがって、本発明の各々の態様は具体的に以下の形式として実現できる。即ち、完全なハードウエア実施形態、完全なソフトウエア実施形態(ファームウエア、常駐ソフトウエア、マイクロコード等を含む)、又はハードウエア及びソフトウエアの態様を組み合わせた実施形態、ここでは総じて“回路”、“モジュール”又は“システム”と称することができる。この他、一部の実施例において、本発明の各々の態様はさらに一つの又は複数のコンピュータ読み取り可能な媒体におけるコンピュータプログラム製品の形式として実現することができ、当該コンピュータ読み取り可能な媒体にはコンピュータ読み取り可能なプログラムコードが含まれる。本発明の実施例の方法及び/又はシステムの実施形態は手動的、自動的又はその組み合わせ方式により選択されたタスクを実行又は完成させることに関することができる。
【0043】
例えば、本発明の実施例に基づき選択されるタスクを実行するためのハードウエアをチップ又は回路として実現することができる。ソフトウエアとして、発明の実施例に基づき選択されるタスクを、コンピュータが如何なる適切な操作システムを使用することにより実行する複数のソフトウエアコマンドとして実現できる。本発明の例示的な実施例において、本明細書の方法及び/又はシステムの例示的な実施例に基づく一つの又は複数のタスクをデータプロセッサにより実行できる。例えば、複数のコマンドを実行するための計算プラットフォーム。任意選択的に、当該データプロセッサはコマンド及び/又はデータを記憶するための揮発性メモリ及び/又はコマンド及び/又はデータを記憶するための不揮発性メモリを含む。例えば、磁気ハードディスク及び/又はリムーバブル媒体。任意選択的に、ネットワーク接続も提供する。任意選択的に、ディスプレイ及び/又は例えばキーボードやマウスなどのユーザ入力機器も提供する。
【0044】
一つの又は複数のコンピュータ読み取り可能な如何なる組み合わせも利用できる。コンピュータ読み取り可能な媒体はコンピュータ読み取り可能な信号媒体又はコンピュータ読み取り可能な記憶媒体とすることができる。コンピュータ読み取り可能な記憶媒体は、例えば電気、磁気、光、電磁、赤外線、又は半導体のシステム、装置又はデバイス、若しくは任意の以上の組み合わせとすることができるが、これらに限られない。コンピュータ読み取り可能な記憶媒体の更なる具体的な例(全てを挙げるものではない)は以下を含む:
一つの又は複数の導線を有する電気接続、ポータブルコンピュータディスク、ハードディスク、ランダムアクセスメモリ(RAM)、リードオンリーメモリ(ROM)、書き換え可能なリードオンリーメモリ(EPROM又はフラッシュメモリ)、光ファイバー、コンパクトディスクリードオンリーメモリ(CD-ROM)、光記憶装置、磁気記憶装置、若しくは上記の任意の適切な組み合わせ。本明細書において、コンピュータ読み取り可能な記憶媒体はプログラムを含む又は記憶する如何なる有形媒体とすることができ、当該プログラムはコマンド実行システム、装置又はデバイスにより使用される若しくはこれらと組み合わせて使用することができる。
【0045】
コンピュータ読み取り可能な信号媒体は、ベースバンドに含まれる若しくは搬送波の一部として伝播できるデータ信号とすることができ、コンピュータ読み取り可能なプログラムコードを搭載できる。このように伝播されるデータ信号は複数の形式を採用でき、電磁信号、光信号又は上記の任意の適切な組み合わせを含むが、これらに限られない。コンピュータ読み取り可能な信号媒体はさらに、コンピュータ読み取り可能な記憶媒体以外の如何なるコンピュータ読み取り可能な媒体とすることができ、当該コンピュータ読み取り可能な媒体は、コマンド実行システム、装置又はデバイスにより使用される若しくはこれらと組み合わせて使用するプログラムを送信、伝播又は伝送できる。
【0046】
コンピュータ読み取り可能な媒体に含まれるプログラムコードは如何なる適切な媒体を用いて伝送することができ、無線、有線、光ケーブル、RF等、若しくは上記の任意の適切な組み合わせが含まれる(但しこれらに含まれない)。
【0047】
例えば、一つの又は複数のプログラミング言語の如何なる組み合わせでも本発明の各態様に用いられる操作を実行するためのコンピュータプログラムコードをプログラミングすることができ、例えばJava、Smalltalk、C++等のターゲット型プログラミング言語と通常プロセスのプログラミング言語、例えば“C”プログラミング言語又は類似したプログラミング言語を含む。プログラムコードは完全にユーザコンピュータ上で実行することも、一部をユーザコンピュータ上で実行することもでき、一つの独立したソフトウェアパッケージとして実行することも、一部をユーザコンピュータ上で、一部をリモートコンピュータ上で実行することもでき、若しくは完全にリモートコンピュータ又はサーバ上で実行することもできる。リモートコンピュータにかかる場合、リモートコンピュータは、ローカルエリアネットワーク(LAN)又はワイドエリアネットワーク(WAN)を含む任意の種類のネットワークによりユーザコンピュータに接続でき、若しくは、外部コンピュータに接続できる(例えばインターネットサービスプロバイダーによりインターネットを通じで接続する)。
【0048】
フローチャート及び/又はブロック図の各ブロック及びフローチャート及び/又はブロック図中の各ブロックの組み合わせは、いずれもコンピュータプログラムコマンドにより実現できると理解されるべきである。これらコンピュータプログラムコマンドは汎用コンピュータ、専用コンピュータ又は他のプログラム可能なデータ処理装置のプロセッサに提供され、一つの機器として生産することができ、これにより、これらコンピュータプログラムコマンドはコンピュータ又は他のプログラム可能なデータ処理装置のプロセッサの実行時に、フローチャート及び/又はブロック図中の一つの又は複数のブロック中で規定される機能/動作を実現できる装置とすることができる。
【0049】
これらコンピュータプログラムコマンドは、コンピュータ読み取り可能な媒体に記憶することもでき、これらコマンドは、コンピュータ、他のプログラム可能なデータ処理装置、又は他の設備を特定な方式で作動させ、そして、コンピュータ読み取り可能な媒体に記憶されたコマンドはフローチャート及び/又はブロック図中の一つの又は複数のブロック中で規定される機能/動作を実現できるコマンドを含む製品(article of manufacture)とすることができる。
【0050】
さらに、コンピュータ、他のプログラム可能なデータ処理設備又は他の設備で一連の操作ステップを実行させるように、コンピュータ(例えば、冠状動脈分析システム)又は他のプログラム可能なデータ処理設備にコンピュータプログラムコマンドをロードすることができ、これにより、コンピュータ、他のプログラム可能な装置又は他の設備で実行されるコマンドが、フローチャート及び/又は一つの又は複数のブロック図のブロック中で指定される機能/動作を実現するためのプロセスを提供するように、コンピュータが実行するプロセスを生成することができる。
【0051】
本発明の以上の具体的な実例により、本発明の目的、技術方案及び有益な效果について、より詳細に説明した。以上は本発明の具体的な実施例に過ぎず、本発明を限定するために用いられるものではなく、本発明の思想及び原則を逸脱しない限り、行われる如何なる修正、均等差し替え、改良なども、全て本発明の保護範囲に包含されると理解されるべきである。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
【手続補正書】
【提出日】2022-06-03
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
血管のリアルタイム直径Dt、血管中心線の長さL及び狭窄区間に基づき三次元モデリングを行い、狭窄病変区間を有する三次元血管モデルを形成するステップと、
狭窄病変区間を有する前記三次元血管モデルの円周面に沿ってN辺型格子分割を行い、単層格子モデルを形成する(但しN≧6である)ステップと、
前記単層格子モデルに対して表面分層化処理を行い、二層格子モデルである血管数学モデルを形成するステップと、
を含む、
ことを特徴とする流体力学分析に用いられる狭窄病変区間を有する血管数学モデルの合成方法。
【請求項2】
前記の狭窄病変区間を有する前記三次元血管モデルの円周面に沿ってN辺型格子分割を行い、単層格子モデルを形成する(但しN≧6である)ステップは、
前記の狭窄病変区間を有する前記三次元血管モデルの円周面に沿って、三角形を最小ユニットとして格子分割を行うステップと、
順に、N個ごとに三角形を組み合わせて1個のN角形に変換し、N角形初期格子を形成するステップと、
前記N角形初期格子中の各N角形内部の接続線を削除し、単層N角形格子モデルを形成する(但しN≧6である)ステップと、
を含む、
ことを特徴とする請求項1に記載の流体力学分析に用いられる狭窄病変区間を有する血管数学モデルの合成方法。
【請求項3】
前記の狭窄病変区間を有する前記三次元血管モデルの円周面に沿って、三角形を最小ユニットとして格子分割を行うステップは、
狭窄病変区間を有する前記三次元血管モデルをK段に分割するステップと、
各段の前記三次元血管モデルの円周面上において、三角形を最小ユニットとして格子分割を行うステップと、
を含む、
ことを特徴とする請求項2に記載の流体力学分析に用いられる狭窄病変区間を有する血管数学モデルの合成方法。
【請求項4】
最小ユニットの前記三角形を二等辺三角形とする、
ことを特徴とする請求項2に記載の流体力学分析に用いられる狭窄病変区間を有する血管数学モデルの合成方法。
【請求項5】
前記の単層格子モデルに対して表面分層化処理を行い、二層格子モデルである血管数学モデルを形成するステップは、
血管壁厚hを取得するステップと、
前記血管壁厚h、血管開始直径D開始、血管終了直径D終了及び血管中心線の長さLに基づき三次元モデリングを行い、前記単層格子モデルの内面または外面に円台三次元モデルを形成するステップと、
前記単層格子モデルの取得方法に基づき、前記円台三次元モデルの円周面に沿ってN辺型格子分割を行い、もう一つの単層格子モデルを形成するステップと、
二層の前記単層格子モデルと前記血管壁厚hに基づき、前記二層格子モデルである前記血管数学モデルを形成するステップと、
を含む、
ことを特徴とする請求項1に記載の流体力学分析に用いられる狭窄病変区間を有する血管数学モデルの合成方法。
【請求項6】
前記の血管のリアルタイム直径Dt、血管中心線の長さL及び狭窄区間に基づき三次元モデリングを行い、狭窄病変区間を有する三次元血管モデルを形成するステップは、
少なくとも2つの体位の冠状動脈二次元造影画像を取得するステップと、
前記冠状動脈二次元造影画像に基づき、血管のリアルタイム直径Dt、および血管中心線を真っすぐに伸ばした後の長さLを取得するステップと、
前記Dt及びLに基づき三次元モデリングを行い、円台三次元モデルを形成するステップと、
冠状動脈の狭窄区間を取得するステップと、
前記狭窄区間を前記円台三次元モデル上に対応させて投影し、前記の狭窄病変区間を有する三次元血管モデルを取得するステップと、
を含む、
ことを特徴とする請求項1に記載の流体力学分析に用いられる狭窄病変区間を有する血管数学モデルの合成方法。
【請求項7】
前記の冠状動脈二次元造影画像に基づき、血管のリアルタイム直径Dt、および血管中心線を真っすぐに伸ばした後の長さLを取得するステップは、
冠動脈入口から冠動脈末端方向に沿って、各体位の前記冠状動脈二次元造影画像から1本の血管中心線をそれぞれ抽出するステップと、
前記冠状動脈二次元造影画像及び前記血管中心線に基づき、真っすぐに伸ばした血管画像を取得するステップと、
真っすぐに伸ばした後の前記血管中心線及び前記真っすぐに伸ばした血管画像に基づき、真っすぐに伸ばした後の血管輪郭線を取得するステップと、
血管のリアルタイム直径Dt、及び血管中心線を真っすぐに伸ばした後の長さである中心直線の長さLを含む、真っすぐに伸ばした後の血管のジオメトリ情報を取得するステップと、
を含む、
ことを特徴とする請求項6に記載の流体力学分析に用いられる狭窄病変区間を有する血管数学モデルの合成方法。
【請求項8】
前記のDt及びLに基づき三次元モデリングを行い、円台三次元モデルを形成するステップは、
前記ジオメトリ情報、前記血管中心線及び前記血管輪郭線に基づき、三次元モデリングを行い、狭窄病変区間を有する三次元血管モデルを取得するステップと、
前記血管のリアルタイム直径Dt内から血管開始直径D開始及び血管終了直径D終了を取得するステップと、
前記D開始、D終了及びLに基づき三次元モデリングを行い、前記円台三次元モデルを形成するステップと、
を含む、
ことを特徴とする請求項に記載の流体力学分析に用いられる狭窄病変区間を有する血管数学モデルの合成方法。
【請求項9】
前記の少なくとも2つの体位の冠状動脈二次元造影画像を取得するステップの後、前記冠状動脈二次元造影画像に基づき、血管のリアルタイム直径Dt内から血管開始直径D開始及び血管終了直径D終了、および血管中心線を真っすぐに伸ばした後の長さLを取得するステップの前にさらに、
前記冠状動脈二次元造影画像から注目する血管段を取得するステップと、
前記注目する血管段の始点及び終点をピックアップするステップと、
前記冠状動脈二次元造影画像から前記始点、終点に対応する部分的血管区域図を分割するステップと、
を含む、
ことを特徴とする請求項6に記載の流体力学分析に用いられる狭窄病変区間を有する血管数学モデルの合成方法。
【請求項10】
前記の冠状動脈二次元造影画像から前記始点、終点に対応する部分的血管区域図を分割するステップはさらに、
前記注目する血管段の少なくとも一つのシードポイントをピックアップするステップと、
始点、シードポイント、終点の隣接する2点間の二次元造影画像に対してそれぞれ分割を行い、少なくとも2つの部分的血管区域図を得るステップと、
を含む、
ことを特徴とする請求項9に記載の流体力学分析に用いられる狭窄病変区間を有する血管数学モデルの合成方法。
【請求項11】
前記の冠動脈入口から冠動脈末端方向に沿って、各体位の前記冠状動脈二次元造影画像から1本の血管中心線をそれぞれ抽出するステップは、
前記部分的血管区域図に対して画像増幅処理を行い、コントラストが強い粗血管図を得るステップと、
前記粗血管図に対して格子分割を行い、前記始点から前記終点の方向に沿って、少なくとも1本の血管経路線を抽出するステップと、
1本の前記血管経路線を前記血管中心線として選び取るステップと、
を含む、
ことを特徴とする請求項10に記載の流体力学分析に用いられる狭窄病変区間を有する血管数学モデルの合成方法。
【請求項12】
前記の粗血管図に対して格子分割を行い、前記始点から前記終点の方向に沿って、少なくとも1本の血管経路線を抽出するステップは、
前記粗血管図に対して格子分割を行うステップと、
前記始点から前記終点までの血管延在方向に沿って、前記始点と周辺のn個の格子上の交差点の間の最短時間経路を見つけ出して第二の点とし、前記第二の点と周辺のn個の格子上の交差点の間の最短時間経路を見つけ出して第三の点とし、前記第三の点以降も最短時間経路が終点に達するまで上記ステップを繰り返す(但し、nは1以上の正の整数である)ステップと、
見つけ出す順に、前記始点から前記終点までの血管延在方向に線を繋ぎ、少なくとも1本の血管経路線を取得するステップと、
を含む、
ことを特徴とする請求項11に記載の流体力学分析に用いられる狭窄病変区間を有する血管数学モデルの合成方法。
【請求項13】
前記の1本の前記血管経路線を前記血管中心線として選び取るステップは、
血管経路線が2本又は2本より多い場合、各血管経路線の前記始点から前記終点までに要した時間に対して和を求めるステップと、
用いる時に最少の前記血管経路線を前記血管中心線とするステップと、
を含む、
ことを特徴とする請求項12に記載の流体力学分析に用いられる狭窄病変区間を有する血管数学モデルの合成方法。
【請求項14】
前記の少なくとも2つの体位の冠状動脈二次元造影画像を取得するステップの後、前記冠状動脈二次元造影画像に基づき、血管のリアルタイム直径D t 内から血管開始直径D 開始 及び血管終了直径D 終了 、および血管中心線を真っすぐに伸ばした後の長さLを取得するステップの前にさらに、
前記冠状動脈二次元造影画像から注目する血管段を取得するステップと、
前記注目する血管段の始点及び終点をピックアップするステップと、
前記冠状動脈二次元造影画像から前記始点、終点に対応する部分的血管区域図を分割するステップと、
を含み、
前記の冠動脈入口から冠動脈末端方向に沿って、各体位の冠状動脈二次元造影画像から1本の血管中心線をそれぞれ抽出するステップは、
前記部分的血管区域図に対して画像処理を行い、前記始点及び前記終点の間の血管粗走向線を取得するステップと、
前記血管粗走向線を含む血管粗エッジ線の間の画像が血管骨格となる、血管粗エッジ線を取得するステップと、
前記血管骨格から前記血管中心線を抽出するステップと、
を含む、
ことを特徴とする請求項7に記載の流体力学分析に用いられる狭窄病変区間を有する血管数学モデルの合成方法。
【請求項15】
前記の血管骨格から前記血管中心線を抽出するステップは、
処理した後の前記部分的血管区域に対して格子分割を行うステップと、
前記始点から前記終点の方向に沿って、RGB値に基づき、前記血管骨格に対してサーチを行い、前記始点と周辺のm個の格子上の交差点のRGB差の最小値がある所の点を見つけ出して第二の点とし、前記第二の点と周辺のm個の格子上の交差点のRGB差の最小値がある所の点を見つけ出して第三の点とし、前記第三の点以降も終点に達するまで上記ステップを繰り返す(但し、mは1以上の正整数である)ステップと、
見つけ出す順に、前記始点から前記終点まで少なくとも1本の繋ぎ線を取得するステップと、
もし繋ぎ線が2本又は2本より多い場合、1本の繋ぎ線を前記血管中心線として選び取るステップと、
を含む、
ことを特徴とする請求項14に記載の流体力学分析に用いられる狭窄病変区間を有する血管数学モデルの合成方法。
【請求項16】
前記の真っすぐに伸ばした後の前記血管中心線及び前記真っすぐに伸ばした血管画像に基づき、真っすぐに伸ばした後の血管輪郭線を取得するステップは、
前記真っすぐに伸ばした血管画像上において、血管直径閾値Dを設定するステップと、
前記Dに基づき、前記中心直線の両側に血管プリセット輪郭線を生成するステップと、
前記血管プリセット輪郭線を前記中心直線に段階的に寄せ、真っすぐに伸ばした後の血管輪郭線を取得するステップと、
を含む、
ことを特徴とする請求項15に記載の流体力学分析に用いられる狭窄病変区間を有する血管数学モデルの合成方法。
【請求項17】
前記狭窄区間及び狭窄点の取得方法は、
設置された正常な血管延在傾向、および前記血管のリアルタイム直径Dt、前記中心直線の長さLに基づき正常な血管の平滑な曲線をシミュレーション生成するステップと、
シミュレーション生成された前記正常な血管の平滑な曲線と患者の実際の前記中心直線の長さL-直径Dtが構成する平滑な曲線を比較し、狭窄病変区間を取得するステップと、
前記狭窄病変区間内において、患者の実際の前記中心直線の長さL-直径Dtが構成する平滑な曲線の直径の最小点Aをピックアップし、前記最小点Aが前記血管段の狭窄点となるステップと、
を含む、
ことを特徴とする請求項6に記載の流体力学分析に用いられる狭窄病変区間を有する血管数学モデルの合成方法。
【請求項18】
順に接続される三次元血管モデル構造、単層格子モデル構造及び血管数学モデル構造を備え、
前記血管数学モデル構造は前記三次元モデル構造に接続され、
前記三次元血管モデル構造は、血管のリアルタイム直径Dt、血管中心線の長さL及び狭窄区間に基づき三次元モデリングを行い、狭窄病変区間を有する三次元血管モデルを形成するためのものであり、
前記単層格子モデル構造は、狭窄病変区間を有する前記三次元血管モデルの円周面に沿ってN辺型格子分割を行い、単層格子モデルを形成する(但しN≧6である)ためのものであり、
前記血管数学モデル構造は、前記単層格子モデルに対して表面分層化処理を行い、二層格子モデルである血管数学モデルを形成するためのものである、
ことを特徴とする請求項1~17のいずれかに記載の流体力学分析に用いられる狭窄病変区間を有する血管数学モデルの合成方法に用いられる血管数学モデルを合成するための装置。
【請求項19】
請求項18に記載の血管数学モデルを合成するための装置を含むことを特徴とする冠状動脈分析システム。
【請求項20】
コンピュータプログラムがプロセッサにより実行される時に請求項1~17のいずれかに記載の流体力学分析に用いられる狭窄病変区間を有する血管数学モデルの合成方法を実現することを特徴とするコンピュータ記憶媒体。
【国際調査報告】