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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-02-08
(54)【発明の名称】ケーブルコネクタ
(51)【国際特許分類】
   H01R 13/6463 20110101AFI20230201BHJP
   H01R 13/502 20060101ALI20230201BHJP
   H01R 4/18 20060101ALI20230201BHJP
【FI】
H01R13/6463
H01R13/502 Z
H01R4/18 A
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022534693
(86)(22)【出願日】2020-12-08
(85)【翻訳文提出日】2022-06-08
(86)【国際出願番号】 IB2020061649
(87)【国際公開番号】W WO2021116910
(87)【国際公開日】2021-06-17
(31)【優先権主張番号】16/713,612
(32)【優先日】2019-12-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】518345815
【氏名又は名称】ティーイー コネクティビティ ソリューソンズ ゲーエムベーハー
(74)【代理人】
【識別番号】100100077
【弁理士】
【氏名又は名称】大場 充
(74)【代理人】
【識別番号】100136010
【弁理士】
【氏名又は名称】堀川 美夕紀
(74)【代理人】
【識別番号】100130030
【弁理士】
【氏名又は名称】大竹 夕香子
(74)【代理人】
【識別番号】100203046
【弁理士】
【氏名又は名称】山下 聖子
(72)【発明者】
【氏名】サックストン,ケヴィン マイケル
(72)【発明者】
【氏名】ガートラン,トーマス グレゴリー
(72)【発明者】
【氏名】ルフィニ,ニコラス
(72)【発明者】
【氏名】ウォルトン,スコット エリック
(72)【発明者】
【氏名】スミス ジュニア,グラハム ハリー
【テーマコード(参考)】
5E021
5E085
5E087
【Fターム(参考)】
5E021FA05
5E021FA08
5E021FA14
5E021FB07
5E021FC20
5E021FC32
5E021LA09
5E085BB01
5E085BB12
5E085CC03
5E085DD14
5E085FF01
5E085HH06
5E085HH16
5E085JJ02
5E085JJ03
5E087EE02
5E087EE13
5E087FF04
5E087FF13
5E087GG02
5E087GG25
5E087GG32
5E087GG35
5E087HH01
5E087MM05
5E087RR02
5E087RR03
5E087RR25
(57)【要約】
ケーブルコネクタ(100)は、ワイヤペア(118)と、コンタクトペア(108)としてのコンタクト(106)とを有するケーブル(104)を含む。コンタクトペアのコンタクトは、圧着器具によって対応するワイヤ(110)に同時に圧着されてよい。ペアホルダ(142)は、コンタクトの相対位置を固定するように、コンタクトペアのコンタクトの支持ベース(120)の周囲に成形されたオーバーモールド体(144)により、コンタクトペアを保持する。ケーブルコネクタは、ワイヤペア、コンタクトペア、およびペアホルダを受けるシールドポケット(188)を形成するシールド要素(186)を有するペアシールド(180)を含む。ケーブルコネクタは、ワイヤペアおよびペアシールドを受けるリテーナキャビティ(176)を有するリテーナ(170)を含む。リテーナは、ペアホルダおよびコンタクトペアを支持するコンタクト支持部(162)を含む。ケーブルコネクタは、リテーナを受け、コンタクトペアに電気的シールドを提供するアウターシェルキャビティ(156)を有するアウターシェル(150)を含む。
【選択図】図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ケーブルコネクタ(100)であって、

- ワイヤペア(118)として配置されているワイヤ(110)を有するケーブル(104)と、

- コンタクトペア(108)として配置されているコンタクト(106)であって、各コンタクト(106)は、装着端部(122)と成端端部(124)との間の支持ベース(120)を含み、前記成端端部(124)は、対応するワイヤ(110)に成端されている、コンタクト(106)と、

- 対応する前記コンタクトペア(108)を保持するペアホルダ(142)であって、各ペアホルダ(142)は、対応する前記コンタクトペア(108)の前記コンタクト(106)の前記支持ベース(120)の周囲に成形されているオーバーモールド体(144)を有し、前記オーバーモールド体(144)は、誘電材料から製造され、前記ペアホルダ(142)は、対応する前記コンタクトペア(108)における前記コンタクト(106)の相対位置を固定し、前記成端端部(124)は、前記ワイヤ(110)への成端のために前記オーバーモールド体(144)から後方に延びる、ペアホルダ(142)と、

- シールドポケット(188)を形成するシールド要素を有するペアシールド(180)であって、前記シールドポケット(188)は、対応するワイヤペア(118)、コンタクトペア(108)、およびペアホルダ(142)を受け、前記シールド要素(186)は、前記コンタクトペア(108)の間のシールドを提供する、ペアシールド(180)と、

- 前部(172)と後部(174)との間に延びるリテーナ(170)であって、前記リテーナ(170)は、前記ワイヤペア(118)および前記ペアシールド(180)を受けるように前記後部(174)において開口するリテーナキャビティ(176)を有し、前記リテーナ(170)は、前記ペアホルダ(142)および前記コンタクトペア(108)を支持するように前記前部(172)にコンタクト支持部(162)を含む、リテーナ(170)と、

- 前部(152)と後部(154)との間に延びるアウターシェル(150)であって、前記アウターシェルは、前記リテーナを受けるように前記後部において開口するアウターシェルキャビティ(156)を有し、前記アウターシェルは、導電性であり、前記コンタクトペア(108)に電気的シールドを提供する、アウターシェル(150)と、
を備えるケーブルコネクタ(100)。
【請求項2】
前記コンタクトペア(108)の両方の前記コンタクト(106)は、前記ペアホルダ(142)と共に前記リテーナ(170)に同時に装入される、
請求項1に記載のケーブルコネクタ(100)。
【請求項3】
前記オーバーモールド体(144)は、前記コンタクト(106)を前記リテーナ(170)に対して位置決めするように前記リテーナ(170)の前記コンタクト支持部(162)に係合する外面を含む、
請求項1に記載のケーブルコネクタ(100)。
【請求項4】
前記オーバーモールド体(144)は、前部と後部との間に延び、
前記コンタクト(106)の前記装着端部(122)は、前記オーバーモールド体(144)の前記前部の前方に延び、
前記オーバーモールド体(144)の前記前部または前記後部の少なくとも一方は、前記ペアホルダ(142)を前記リテーナ(170)に対して軸方向に位置調整するように前記リテーナ(170)の位置決め壁に係合する、
請求項1のケーブルコネクタ(100)。
【請求項5】
前記オーバーモールド体(144)は、前記成端端部(124)の前記ワイヤ(110)への成端のために前記コンタクト(106)の前記成端端部(124)の相対位置を保持する、
請求項1に記載のケーブルコネクタ(100)。
【請求項6】
前記コンタクトペア(108)の両方の前記コンタクト(106)の前記成端端部(124)は、対応する前記ワイヤペア(118)の前記ワイヤ(110)に同時に成端される、
請求項1に記載のケーブルコネクタ(100)。
【請求項7】
前記コンタクト(106)の前記成端端部(124)は、前記ペアホルダ(142)の後方の圧着バレル(132)を含み、
前記オーバーモールド体(144)は、前記圧着バレル(132)を対応する前記ワイヤ(110)に同時に圧着するために、前記圧着バレル(132)を互いに対して保持する、
請求項1に記載のケーブルコネクタ(100)。
【請求項8】
前記コンタクト(106)の前記支持ベース(120)は、略平坦なパッド(126)を含み、
前記オーバーモールド体(144)は、前記支持ベース(120)を略同一平面上に保持する、
請求項1に記載のケーブルコネクタ(100)。
【請求項9】
前記コンタクト(106)は、打ち抜き成形コンタクトであり、
前記打ち抜き成形コンタクトは、略平坦な支持ベース(120)と、前記支持ベース(120)から前方に延びる略円筒形の装着端部(122)と、前記支持ベースから後方に延びる略円筒形の成端端部(124)と、を有する、
請求項1に記載のケーブルコネクタ(100)。
【請求項10】
前記シールドポケット(188)は、四分円状に配置され、
前記ケーブルコネクタ(100)は、前記ペアシールド(180)の対応する四分円に受けられている4つのワイヤペア(118)、4つのコンタクトペア(108)、および4つのペアホルダ(142)を備える、
請求項1に記載のケーブルコネクタ(100)。
【請求項11】
ケーブルコネクタを製造する方法であって、
前記方法は、

- コンタクトのコンタクトペアの支持ベースの周囲にペアホルダを、前記コンタクトの装着端部が前記ペアホルダの前方に延び、圧着バレルを有する前記コンタクトの成端端部が前記ペアホルダの後方に延びるようにオーバーモールドすることであって、前記ペアホルダは、対応する前記コンタクトペアの前記コンタクトの相対位置を固定し、各々のオーバーモールドされたペアホルダおよびコンタクトペアは、コンタクトアセンブリを画成する、オーバーモールドすることと、

- 対応する前記コンタクトアセンブリの両方のコンタクトの圧着バレルを対応するワイヤペアのワイヤに同時に圧着して、ペアアセンブリを形成することと、

- 前記ペアアセンブリの間の電気的シールドを提供するペアシールドを前記ワイヤペアの間においてリテーナに装入することと、

- 前記コンタクトアセンブリの各々を互いに対して位置調整するために前記ペアホルダが前記リテーナに係合するように、各ペアアセンブリを前記リテーナに装入することと、

- 前記リテーナ、前記ペアシールド、および前記ペアアセンブリを、前記ペアアセンブリの周囲に電気的シールドを提供すアウターシェルのキャビティに装入することと、

を含む、ケーブルコネクタを製造する方法。
【請求項12】
各ペアホルダは、対応する前記コンタクトを単一体として前記リテーナに同時に装入する、
請求項11に記載の方法。
【請求項13】
各ペアホルダが、相手側コネクタの相手側コンタクトへの装着のために、対応する前記コンタクトアセンブリの両方のコンタクトの前記装着端部を前記リテーナおよび前記アウターシェルに対して位置調整するように、前記ペアホルダを前記リテーナおよび前記アウターシェルに結合することをさらに含む、
請求項11に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書の主題は、一般にケーブルコネクタに関する。
【背景技術】
【0002】
ケーブルコネクタは、軍事用途および航空用途などの多数の用途において用いられる。例えば、ケーブルコネクタは、ツイストワイヤペアの端部に成端される差動ペアコンタクトを含む場合がある。既知のケーブルコネクタには、ケーブルコネクタの異なる四分円に配置されたコンタクトの4つの差動ペアを有するクアドラクスコネクタ(quadrax connector)として知られているものがある。ケーブルコネクタは、コンタクトペアにシールドを提供するアウターシェルを含む。しかしながら、既知のケーブルコネクタには不都合な点がないわけではない。
例として、ケーブルコネクタの組み立てには時間がかかる。例えば、コンタクトの各々が、対応するワイヤに別個に圧着される。加えて、ワイヤおよびコンタクトの各々が、ケーブルコネクタのアウターシェル内におけるコンタクトの相対位置を保持するリテーナに個別に装入される。この圧着および組み立てには時間がかかる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
経済的かつ信頼性の高い方法で製造し組み立てることができるケーブルコネクタの必要性が、依然として存在する。
【課題を解決するための手段】
【0004】
ワイヤペアとして配置されているワイヤを有するケーブルと、装着端部と対応するワイヤに成端されている成端端部との間の支持ベースを各々が含むコンタクトペアとして配置されているコンタクトと、対応するコンタクトペアを保持するペアホルダとを含むケーブルコネクタにより、解決策が提供される。各ペアホルダは、対応するコンタクトペアのコンタクトの支持ベースの周囲に成形されているオーバーモールド体を有する。オーバーモールド体は、誘電材料から製造される。ペアホルダは、対応するコンタクトペアにおけるコンタクトの相対位置を固定する。成端端部は、ワイヤへの成端のためにオーバーモールド体から後方に延びる。
ケーブルコネクタは、対応するワイヤペア、コンタクトペア、およびペアホルダを受けるシールドポケットを形成するシールド要素を有するペアシールドを含む。シールド要素は、コンタクトペアの間のシールドを提供する。ケーブルコネクタは、前部と後部との間に延びるリテーナを含む。リテーナは、ワイヤペアおよびペアシールドを受けるように後部において開口するリテーナキャビティを有する。リテーナは、ペアホルダおよびコンタクトペアを支持するように前部にコンタクト支持部を含む。ケーブルコネクタは、前部と後部との間に延びるアウターシェルを含む。アウターシェルは、リテーナを受けるように後部において開口するアウターシェルキャビティを有する。アウターシェルは、導電性であり、コンタクトペアの周囲の電気的シールドを提供する。
【0005】
次に、添付の図面を参照しつつ、例として本発明を説明する。
【図面の簡単な説明】
【0006】
図1】ケーブルコネクタを示す、例示的実施形態に係る通信システムの図である。
図2】例示的実施形態に係るケーブルコネクタのためのコンタクトペアの図である。
図3】例示的実施形態に係るケーブルコネクタのペアアセンブリの図である。
図4】例示的実施形態に係る、コンタクトをワイヤに圧着するために用いられる圧着器具に対するペアアセンブリの斜視図である。
図5】例示的実施形態に係るケーブルコネクタの分解図である。
図6】例示的実施形態に係るケーブルコネクタの部分組み立て図である。
図7】例示的実施形態に係るケーブルコネクタの断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
一実施形態において、ワイヤペアとして配置されているワイヤを有するケーブルと、装着端部と対応するワイヤに成端されている成端端部との間の支持ベースを各々が含むコンタクトペアとして配置されているコンタクトと、対応するコンタクトペアを保持するペアホルダとを含むケーブルコネクタが提供される。各ペアホルダは、対応するコンタクトペアのコンタクトの支持ベースの周囲に成形されているオーバーモールド体を有する。オーバーモールド体は、誘電材料から製造される。ペアホルダは、対応するコンタクトペアにおけるコンタクトの相対位置を固定する。成端端部は、ワイヤへの成端のためにオーバーモールド体から後方に延びる。
ケーブルコネクタは、対応するワイヤペア、コンタクトペア、およびペアホルダを受けるシールドポケットを形成するシールド要素を有するペアシールドを含む。シールド要素は、コンタクトペアの間のシールドを提供する。ケーブルコネクタは、前部と後部との間に延びるリテーナを含む。リテーナは、ワイヤペアおよびペアシールドを受けるように後部において開口するリテーナキャビティを有する。リテーナは、ペアホルダおよびコンタクトペアを支持するように前部にコンタクト支持部を含む。ケーブルコネクタは、前部と後部との間に延びるアウターシェルを含む。アウターシェルは、リテーナを受けるように後部において開口するアウターシェルキャビティを有する。アウターシェルは、導電性であり、コンタクトペアの周囲の電気的シールドを提供する。
【0008】
別の実施形態において、ワイヤペアとして配置されているワイヤを有するケーブルと、装着端部と対応するワイヤに圧着されている圧着バレルを有する成端端部との間の支持ベースを各々が含むコンタクトペアとして配置されているコンタクトとを含むケーブルコネクタが提供される。ケーブルコネクタは、対応するコンタクトペアを保持するペアホルダを含む。各ペアホルダは、対応するコンタクトペアの両方のコンタクトの支持ベースの周囲に成形されているオーバーモールド体を有する。オーバーモールド体は、誘電材料から製造される。ペアホルダは、対応するコンタクトペアにおけるコンタクトの相対位置を固定する。成端端部は、ワイヤへの成端のためにオーバーモールド体から後方に延びる。
装着端部は、相手側コネクタの相手側コンタクトへの装着のために、オーバーモールド体の前方に延びる。各オーバーモールド体は、リテーナ内においてペアホルダの各々を互いに対して位置決めするためにリテーナと係合するように構成された位置決め面を含む。
【0009】
別の実施形態において、コンタクトのコンタクトペアの支持ベースの周囲にペアホルダを、コンタクトの装着端部がペアホルダの前方に延び、圧着バレルを有するコンタクトの成端端部がペアホルダの後方に延びるようにオーバーモールドすることを含む、ケーブルコネクタを製造する方法が提供される。ペアホルダは、対応するコンタクトペアのコンタクトの相対位置を固定する。各々のオーバーモールドされたペアホルダおよびコンタクトペアは、コンタクトアセンブリを画成する。本方法は、対応するコンタクトアセンブリの両方のコンタクトの圧着バレルを対応するワイヤペアのワイヤに同時に圧着して、ペアアセンブリを形成することを含む。本方法は、ペアアセンブリの間の電気的シールドを提供するために、ペアシールドをワイヤペアの間においてリテーナに装入することを含む。
本方法は、コンタクトアセンブリの各々を互いに対して位置調整するためにペアホルダがリテーナに係合するように、各ペアアセンブリをリテーナに装入することを含む。本方法は、ペアアセンブリの周囲の電気的シールドを提供するために、リテーナ、ペアシールド、およびペアアセンブリをアウターシェルのキャビティに装入することを含む。
【0010】
図1は、例示的実施形態に係る通信システム10を図示し、第2のケーブルコネクタ200に装着されるように構成された第1のケーブルコネクタ100を示す。第1のケーブルコネクタ100は、ケーブル104の端部に設けられたコネクタ102を含む。コネクタ102は、コンタクトペア108として配置された複数のコンタクト106を含む。第2のケーブルコネクタ200は、ケーブル204の端部に設けられたコネクタ202を含む。コネクタ202は、コンタクトペア208として配置された複数のコンタクト206を含む。コンタクト206は、対応するコンタクト106に装着されるように構成される。図示の実施形態において、コンタクト206はソケットコンタクトであり、コンタクト106はピンコンタクトであるが、代替的実施形態においては、他のタイプのコンタクトが用いられてもよい。
【0011】
例示的実施形態において、コネクタ102、202は、各々がそれぞれ4つのコンタクトペア108、208を含むクアドラクスコネクタである。コンタクトペア108、208は、四分円状に配置される。より多数または少数のコンタクトペア108、208を有する代替的実施形態では、他のタイプのコネクタが用いられてもよい。以下の説明では、第1のケーブルコネクタ100およびケーブルコネクタ100の構成要素について言及するが、第2のケーブルコネクタ200も同様の構成要素を含んでよく、第1のケーブルコネクタ100に関して以下で説明するものと同様の方法で製造されてよい。
【0012】
図2は、例示的実施形態に係るコンタクト106のコンタクトペア108のうちの1つを図示し、コンタクト106に対するケーブル104(図1に示す)のワイヤ110を示す。各ワイヤ110は、導体112、および導体112の周囲の絶縁体114を含む。様々な実施形態において、ワイヤは、絶縁体114の周囲のワイヤシールドを有して遮蔽されていてよい。例示的実施形態において、ワイヤ110は、ケーブル104の長さにわたってより合わされ、端部においてはコンタクト106への成端のためにより合わされていない。
【0013】
各コンタクト106は、装着端部122と成端端部124との間の支持ベース120を含む。例示的実施形態において、コンタクト106は、打ち抜き成形コンタクトである。支持ベース120は、略平坦であり、パッド126、およびパッド126から延びる翼部128を含む。様々な実施形態において、パッド126は、例えば装着端部122および/または成端端部124へのつなぎのために、わずかな湾曲を有していてよい。
【0014】
例示的実施形態において、装着端部122は円筒形である。例えば、装着端部122は、コンタクト106の装着端部122を管状に丸めることにより形成されてよい。図示の実施形態において、装着端部122はピン130を含むが、代替的実施形態においてはソケットなどの他のタイプの装着端部が設けられてもよい。他の様々な実施形態において、装着端部122は、ブレードコンタクト、スプリットビームコンタクトなどのように円筒形以外の他の形状を有していてもよい。
【0015】
例示的実施形態において、成端端部124は、湾曲した形状を有する。例えば、図示の実施形態において、成端端部124は、ワイヤ110の導体112および/または絶縁体114に圧着されるように構成された圧着バレル132を含む。圧着バレル132は、ワイヤ110に折り重ねられて圧着され得る対向する圧着アーム134、136を含む。様々な実施形態において、圧着アーム134、136は、Fクリンプを形成してよい。
【0016】
例示的実施形態において、支持ベース120に大きい面積をもたらす翼部128は、外方においてピン130を越えかつ圧着バレル132を越えるように延びる。例示的実施形態において、コンタクトペア108の支持ベース120のパッド126および翼部128は、互いに同一平面上にある。そのため、コンタクトペア108のピン130は互いに位置合わせされていてよく、コンタクトペア108の圧着バレル132も互いに位置合わせされていてよい。例示的実施形態において、コンタクトペア108の支持ベース120は、コンタクトペア108の両方のコンタクト106の相対位置を保持するように誘電体によってオーバーモールドされるように構成される。
【0017】
図3は、ケーブルコネクタ100(図1に示す)のペアアセンブリ140を図示する。ペアアセンブリ140は、コンタクト106のコンタクトペア108と、ワイヤ110のワイヤペア118と、コンタクトペア108を保持するために用いられるペアホルダ142とを含む。組み立て中、コンタクトペア108のコンタクト106は、ペアホルダ142を形成するオーバーモールド体144によってオーバーモールドされる。オーバーモールド体144は、プラスチック材料などの誘電材料から製造される。オーバーモールド体144は、コンタクト106の支持ベース120の周囲に形成される。例えば、オーバーモールド体144は、コンタクト106を単一体として共に保持するように支持ベース120上の定位置に形成される。
ペアホルダ142は、コンタクト106の相対位置を保持する。ペアホルダ142およびコンタクト106のコンタクトペア108は、コンタクトアセンブリ146を共に画成する。コンタクトアセンブリ146およびワイヤ110のワイヤペア118は、ペアアセンブリ140を共に画成する。
【0018】
例示的実施形態において、オーバーモールド体144は、パッド126および翼部128などの支持ベース120を完全に包囲する。オーバーモールド体144は、支持ベース120の両方の上方、下方および側部に沿って形成される。オーバーモールド体144は、コンタクトペア108の支持ベース120の間の空間を埋める。例示的実施形態において、装着端部122はペアホルダ142の前方に延び、成端端部124はペアホルダ142の後方に延びる。そのため、ピン130は、ケーブルコネクタ200のコンタクト206(ともに図1に示す)への装着のためにペアホルダ142の前方に露出し、圧着バレル132は、ワイヤ110への圧着のためにペアホルダ142の後方に露出する。
例示的実施形態において、圧着バレル132をワイヤ110に同時に圧着し、それにより全体的な圧着時間を低減する(例えば圧着時間を半分に低減する)ために、両方のコンタクト106は、ペアホルダ142によって互いに対して位置が固定される。
【0019】
図4は、コンタクト106をワイヤ110に圧着するために用いられる圧着器具300に対するペアアセンブリ140の斜視図である。圧着器具300は、アンビル302およびクリンパ304を含む。クリンパ304および/またはアンビル302は、コンタクト106をワイヤ110に圧着する圧着ストロークの間に互いに向かって移動される。例えば、アンビル302およびクリンパ304は、圧着プロセスの間にアンビル302およびクリンパ304を共に押圧するために用いられる手工具のハンドルに結合されてよい。他の様々な実施形態において、プレスなどの圧着機械がクリンパ304および/またはアンビル302を動かすために用いられてもよい。クリンパ304は、ワイヤ110の導体112の周囲に圧着バレル132の圧着アーム134、136を形成する。
例示的実施形態において、圧着器具300は、ペアにおけるコンタクト106の両方を対応するワイヤ110に同時に圧着するために用いられるデュアルクリンパである。例えば、圧着バレル132の両方をワイヤ110の導体112の周囲に圧着するために、同じ圧着ストロークが用いられる。
【0020】
アンビル302は、第1の台座306および第2の台座308を含む。第1の台座306および第2の台座308は、アンビル302の頂部に設けられてよい。第1の台座306は、圧着プロセスの間に第1のコンタクト106aを受けて支持し、第2の台座308は、圧着プロセスの間に第2のコンタクト106bを受けて支持する。第1の台座306および第2の台座308は、圧着プロセスの間にワイヤ110の導体112の周囲に圧着バレル132を形成するような外形であってよい。例示的実施形態において、アンビル302は、コンタクト106の圧着バレル132を第1の台座306および第2の台座308に対して位置決めするために用いられる位置決め壁310を含む。任意選択的に、位置決め壁310のうちの1つは、第1の台座306と第2の台座308との間に配置されてよい。
【0021】
クリンパ304は、アンビル302に面する圧着端部314を有する本体312を含む。圧着端部314は、クリンパ304の底部に設けられてよい。クリンパ304は、圧着端部314における第1の圧着ポケット316および圧着端部314における第2の圧着ポケット318を含む。第1の圧着ポケット316は、第1のコンタクト106aを受け、ワイヤ110の導体112の周囲に圧着バレル132を形成するために用いられる圧着プロファイルを有する。第2の圧着ポケット318は、第2のコンタクト106bを受け、ワイヤ110の導体112の周囲に圧着バレル132を形成するために用いられる圧着プロファイルを有する。
【0022】
ペアホルダ142を形成するオーバーモールド体144は、コンタクトペア108のコンタクト106の相対位置を保持する。例えば、オーバーモールド体144は、コンタクト106を圧着器具300において位置調整するために、圧着バレル132を互いに対して固定する。オーバーモールド体144は、台座306、308およびアンビル302ならびにクリンパ304における圧着ポケット316、318に対して圧着バレル132を位置合わせする。そのため、コンタクト106の両方の圧着バレル132が、圧着器具300によって同時に圧着されてよい。ペアホルダ142は、各コンタクト106をそれぞれのワイヤ110に個別に圧着するプロセスを省き、製造時間を低減する。
【0023】
図5は、例示的実施形態に係るケーブルコネクタ100の分解図である。例示的実施形態において、ケーブルコネクタ100は、クアドラクスケーブルコネクタを画成する4つのペアアセンブリ140を含むが、代替的実施形態においては、ケーブルコネクタ100がより多数または少数のペアアセンブリ140を含んでいてもよい。ケーブルコネクタ100は、アウターシェル150、フェルール160、リテーナ170、およびペアシールド180をさらに含む。アウターシェル150は、ペアアセンブリ140、フェルール160、リテーナ170、およびペアシールド180を受ける。
【0024】
例示的実施形態において、アウターシェル150は、前部152と後部154との間に延びる。アウターシェル150は、前部152と後部154との間のアウターシェルキャビティ156を含む。例示的実施形態において、アウターシェル150は、略円筒形である。アウターシェル150は、ペアアセンブリ140のコンタクト106に電気的シールドを提供するために、導電性材料から製造されてよい。任意選択的に、アウターシェル150は、ねじ切り加工されていてよい。ただし、代替的実施形態においては、アウターシェル150は、ダイカスト製または打ち抜き成形部品などの他のプロセスにより製造されたものであってもよい。
例示的実施形態において、アウターシェル150は、例えば前部152と後部154との間の略中央にある、アウターシェル150の周囲のフランジ158を含む。アウターシェル150は、後部154を通してアウターシェルキャビティ156においてフェルール160、リテーナ170、およびペアシールド180を受ける。アウターシェル150は、前部152においてケーブルコネクタ200に結合される。任意選択的に、アウターシェルキャビティ156は、前部152を通してケーブルコネクタ200の一部分を受けてよい。例えば、アウターシェルキャビティ156の前側部分は、ケーブルコネクタ200の装着端部を受けるように構成された装着キャビティを画成してよい。
【0025】
フェルール160は、ケーブル104(図1に示す)に結合されるように構成される。例えば、ケーブル104とコネクタ102との間の機械的および電気的な接続を提供するために、ケーブル104のケーブルシールドの端部がフェルール160の前部の周囲に折り重ねられてよい。様々な実施形態において、ケーブルシールドとアウターシェル150との間の電気的接続を形成するために、アウターシェル150の後部154がフェルール160に圧着されてよい。
【0026】
リテーナ170は、前部172と後部174との間に延びる。リテーナ170は、ペアシールド180およびワイヤ110を受けるリテーナキャビティ176を含む。例えば、リテーナキャビティ176は、ワイヤ110およびペアシールド180を受けるように後部174において開口していてよい。例示的実施形態において、ワイヤ110は、コンタクトアセンブリ146をワイヤ110に圧着する前に、キャビティ156を通して供給される。様々な実施形態において、リテーナキャビティ176は、ペアシールド180およびワイヤ110を受けるように中空状になっている、または開口している。代替的に、リテーナキャビティ176は、ペアシールド180およびワイヤ110に対応する形状を有していてもよい。例えば、リテーナキャビティ176は、ワイヤ110を受ける個々のワイヤチャネル、およびペアシールド180を受けるシールドキャビティを含んでよい。
【0027】
例示的実施形態において、リテーナ170は、前部172におけるコンタクト支持部162を含む。コンタクト支持部162は、対応するペアホルダ142を受けて支持するためのプラットフォーム164を含む。例えば、プラットフォーム164は、ペアホルダ142を受けて支持するためにペアホルダ142と相補的な形状を有していてよい。任意選択的に、プラットフォーム164は、ペアホルダ142を互いに対して位置調整し分離するために用いられる分離壁によって互いに分離されていてよい。例示的実施形態において、リテーナ170は、ペアホルダ142をリテーナ170に対して位置決めするための位置決め壁166を含む。
図示の実施形態において、位置決め壁166は、ペアホルダ142の後縁部に係合し後縁部を位置決めするように構成された、前方に面する端部である。代替的実施形態においては、他の位置決め壁166が設けられてもよい。
【0028】
ペアシールド180は、前部182と後部184との間に延びる。ペアシールド180は、シールドポケット188を画成するシールド要素186を含む。各シールドポケット188は、対応するペアアセンブリ140を受けるように構成される。例示的実施形態において、シールド要素186は四分円を形成し、各四分円は対応するシールドポケット188を有する。例えば、ペアシールド180は、十字形であってよい。代替的実施形態においては、シールド要素186が他の形状を有していてもよい。例示的実施形態において、ペアホルダ142は、コンタクト106をペアシールド180に対して位置決めするようにシールド要素186に係合するように構成される。
例えば、各ペアホルダ142は、コンタクト106を対応するシールドポケット188に位置調整するように、シールド要素186のうちの2つに係合してよい。例示的実施形態において、ペアシールド180は、シールド要素186から延びる位置決めフィン190を含む。位置決めフィン190は、ペアシールド180をリテーナ170に対して位置決めするために用いられる。例えば、位置決めフィン190は、ペアシールド180をリテーナ170に対して軸方向および/または回転方向に位置調整するように、リテーナキャビティ176に受けられ、リテーナ170内の面または肩部に係合してよい。
【0029】
図6は、例示的実施形態に係るケーブルコネクタ100の部分組み立て図である。図6は、リテーナ170に結合されたペアアセンブリ140を図示する。図6は、リテーナ170に結合されたペアシールド180を図示する。ペアシールド180は、ペアアセンブリ140の各々に電気的シールドを提供する。例えば、シールド要素186は、ペアアセンブリ140の各々の間の電気的シールドを提供する。ペアホルダ142は、対応するシールドポケット188に受けられる。ワイヤ110は、ワイヤペア118の間の電気的シールドを提供するように、対応するシールドポケット188に受けられる。
【0030】
ペアホルダ142は、組み立てられると、リテーナ170のコンタクト支持部162に結合される。各ペアホルダ142は、両方のコンタクト106が同時にリテーナ170に装入されて結合され得るように、対応するコンタクトペア108の両方のコンタクト106を単一体として共に保持する。ペアホルダ142は、各コンタクトをリテーナ170に個別に装入するプロセスを省き、組み立て時間を低減する(例えば装入時間を半分に低減する)。プラットフォーム164は、対応するペアホルダ142を支持する。例えば、プラットフォーム164は、リテーナ170に対するペアホルダ142の径方向位置を保持する。例示的実施形態において、ペアホルダ142は、ペアホルダ142をリテーナ170に対して位置決めするように位置決め壁166に係合する。
例えば、位置決め壁166は、ペアホルダ142のすぐ後方に配置され、ペアアセンブリ140をリテーナ170に対して軸方向に位置調整するために用いられる。位置決め壁166は、リテーナ170に対するペアアセンブリ140の後方への移動を阻止する。コンタクト106のピン130は、第2のケーブルコネクタ200(図1に示す)への装着のためにペアホルダ142の前方およびリテーナ170の前方に延びる。
【0031】
リテーナ170、ペアシールド180、およびペアアセンブリ140を含むアセンブリは、アウターシェルキャビティ156(図5に示す)に装入されるように構成される。例示的実施形態において、リテーナ170は、リテーナ170をアウターシェル150内で位置決めするための位置決め肩部178を含む。図示の実施形態において、位置決め肩部178は、リテーナ170の周囲で周方向に延びる。代替的実施形態においては、他のタイプの位置決め機構が用いられてもよい。
【0032】
図7は、例示的実施形態に係るケーブルコネクタ100の断面図である。図7は、リテーナ170およびアウターシェル150に対するペアアセンブリ140を図示する。ペアホルダ142は、対応するコンタクトペア108をリテーナ170およびアウターシェル150に対して位置調整するために用いられる。ペアホルダ142は、組み立てられると、コンタクト支持部162のプラットフォーム164によって支持される。例示的実施形態において、ペアホルダ142の外面は、アウターシェル150の内面に係合する。アウターシェル150は、ペアホルダ142をアウターシェルキャビティ156内で位置調整するために用いられる。
各コンタクトペア108のコンタクト106は、互いに対して固定された位置および間隔(ペアホルダ142により維持される)を有し、これは第2のケーブルコネクタ200(図1に示す)のコンタクトペア208のコンタクト206の間隔に対応する。任意選択的に、ペアホルダ142は、装着時におけるコンタクトペア108と第2のケーブルコネクタ200のコンタクトペア208との位置合わせを調整するために、アウターシェル150とコンタクト支持部162のプラットフォーム164との間にいくらかの浮動量(例えば小さい間隙)を有していてもよい。ペアシールド180は、コンタクトペア108の間の電気的シールドを提供する。アウターシェル150は、コンタクトペア108の周囲の電気的シールドを提供する。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
【国際調査報告】