(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-02-09
(54)【発明の名称】角膜クロスリンキングのシステム及び方法
(51)【国際特許分類】
A61F 9/008 20060101AFI20230202BHJP
【FI】
A61F9/008 120E
A61F9/008 120B
A61F9/008 120F
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022530246
(86)(22)【出願日】2020-12-14
(85)【翻訳文提出日】2022-05-24
(86)【国際出願番号】 IB2020061907
(87)【国際公開番号】W WO2021117018
(87)【国際公開日】2021-06-17
(32)【優先日】2019-12-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】319008904
【氏名又は名称】アルコン インコーポレイティド
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100160705
【氏名又は名称】伊藤 健太郎
(72)【発明者】
【氏名】ヨハンネス ローナー
(72)【発明者】
【氏名】ペーター リーデル
(72)【発明者】
【氏名】リンダ バイゼ
(57)【要約】
本開示は、眼の角膜に関連付けられた複数の場所に関連付けられたデータを受信し、複数の場所の少なくとも1つに関連付けられたデータの少なくとも直径情報に基づいて、少なくとも1つのレンズを調整してレーザービームの直径を設定し、複数の場所のそれぞれの場所に対して、眼が第1の位置から第2の位置に変化したかどうかを判定し、眼が第1の位置から第2の位置に変化していない場合、少なくとも場所に基づいて、少なくとも1つのミラーを調整し、眼が第1の位置から第2の位置に変化した場合、少なくとも場所に基づいて、及び少なくとも第2の位置に基づいて、少なくとも1つのミラーを調整し、レーザービームを生成し、ある期間、場所にレーザービームを向ける、ことができるシステムを提供する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
医療システムであって、
少なくとも1つのプロセッサと、
少なくとも1つの前記プロセッサに通信可能に結合され、1つ以上のレーザービームを生成するように構成されたレーザーと、
少なくとも1つのレンズと、
少なくとも1つのミラーと、
少なくとも1つの前記プロセッサに結合されたメモリ媒体であって、少なくとも1つの前記プロセッサによって実行されると、前記医療システムに、
患者の眼の角膜に関連付けられた複数の場所に関連付けられたデータを受信させ、
少なくとも1つの前記レンズを、少なくとも前記複数の場所のうちの少なくとも1つに関連付けられた前記データの直径情報に基づいて調整させて、レーザービームの直径を設定させ、
前記複数の場所のそれぞれの場所に対して、
前記眼が、前記眼の第1の位置から、前記眼の前記第1の位置とは異なる前記眼の第2の位置に変化したかどうか、を判定させ、
前記眼が前記眼の前記第1の位置から前記眼の前記第2の位置に変化していない場合、少なくとも前記場所に基づいて、少なくとも1つの前記ミラーを調整させ、
前記眼が前記眼の前記第1の位置から前記眼の前記第2の位置に変化した場合、少なくとも前記場所に基づいて、及び少なくとも前記眼の前記第2の位置に基づいて、少なくとも1つの前記ミラーを調整させ、
前記レーザービームを生成させ、
前記レーザービームを、前記場所に関連付けられた期間、前記場所に向けさせる、
命令を含む、メモリ媒体と、
を含む、医療システム。
【請求項2】
前記眼が前記眼の前記第1の位置から前記眼の前記第2の位置に変化したかどうかを判定するために、前記命令は更に、前記医療システムに、前記眼の虹彩構造が前記虹彩構造の第1の位置から前記虹彩構造の第2の位置に変化したかどうかを判定させる、請求項1に記載の医療システム。
【請求項3】
前記角膜の第1の部分は、前記複数の場所に関連付けられており、
前記第1の部分とは異なる前記角膜の第2の部分は、前記複数の場所に関連付けられていない、
請求項1に記載の医療システム。
【請求項4】
前記複数の場所の第1の場所に関連付けられた第1の期間は、前記第1の場所とは異なる、前記複数の場所の第2の場所に関連付けられた第2の期間とは異なる、請求項1に記載の医療システム。
【請求項5】
前記レーザーを生成するために、前記命令は更に、前記医療システムにパルス持続時間で前記レーザービームをパルス化させる、請求項1に記載の医療システム。
【請求項6】
前記パルス持続時間は、マイクロ秒持続時間、ナノ秒持続時間、ピコ秒持続時間、フェムト秒持続時間、又はアト秒持続時間である、請求項5に記載の医療システム。
【請求項7】
前記レーザービームは紫外線(UV)レーザービームである、請求項1に記載の医療システム。
【請求項8】
前記命令は更に、前記医療システムに、
少なくとも1つの前記レンズを、少なくとも前記複数の場所のうちの少なくとも別の1つに関連付けられた前記データの第2の直径情報に基づいて調整させて、前記レーザービームの第2の直径を設定させる、
請求項1に記載の医療システム。
【請求項9】
前記命令は更に、前記医療システムに、
前記眼が前記眼の前記第1の位置から前記眼の前記第2の位置に変化した場合、少なくとも前記眼の前記第1の位置及び前記眼の前記第2の位置に基づいて、前記複数の場所のうちの少なくとも2つを平行移動させる、
請求項1に記載の医療システム。
【請求項10】
前記命令は更に、前記医療システムに、
前記レーザービームが生成される前に、別のレーザービームを生成させて、前記角膜のフラップ及びポケットの少なくとも1つを切開させる、
請求項1に記載の医療システム。
【請求項11】
医療システムを動作させる方法であって、
患者の眼の角膜に関連付けられた複数の場所に関連付けられたデータを受信することと、
少なくとも1つのレンズを、少なくとも前記複数の場所のうちの少なくとも1つに関連付けられた前記データの直径情報に基づいて調整して、レーザービームの直径を設定することと、
前記複数の場所のそれぞれの場所に対して、
前記眼が、前記眼の第1の位置から、前記眼の前記第1の位置とは異なる前記眼の第2の位置に変化したかどうか、を判定することと、
前記眼が前記眼の前記第1の位置から前記眼の前記第2の位置に変化していない場合、少なくとも前記場所に基づいて、少なくとも1つのミラーを調整することと、
前記眼が前記眼の前記第1の位置から前記眼の前記第2の位置に変化した場合、少なくとも前記場所に基づいて、及び少なくとも前記眼の前記第2の位置に基づいて、少なくとも1つの前記ミラーを調整することと、
前記レーザービームを生成することと、
前記レーザービームを、前記場所に関連付けられた期間、前記場所に向けることと、
を含む、方法。
【請求項12】
前記眼が前記眼の前記第1の位置から前記眼の前記第2の位置に変化したかどうかを前記判定することは、前記眼の虹彩構造が前記虹彩構造の第1の位置から前記虹彩構造の第2の位置に変化したかどうかを判定することを含む、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記角膜の第1の部分は、前記複数の場所に関連付けられており、
前記第1の部分とは異なる前記角膜の第2の部分は、前記複数の場所に関連付けられていない、
請求項11に記載の方法。
【請求項14】
前記複数の場所の第1の場所に関連付けられた第1の期間は、前記第1の場所とは異なる、前記複数の場所の第2の場所に関連付けられた第2の期間とは異なる、請求項11に記載の方法。
【請求項15】
前記レーザーを前記生成することは、パルス持続時間で前記レーザービームをパルス化することを含む、請求項11に記載の方法。
【請求項16】
前記パルス持続時間は、マイクロ秒持続時間、ナノ秒持続時間、ピコ秒持続時間、フェムト秒持続時間、又はアト秒持続時間である、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
前記レーザービームは紫外線(UV)レーザービームである、請求項11に記載の方法。
【請求項18】
少なくとも1つの前記レンズを、少なくとも前記複数の場所のうちの少なくとも別の1つに関連付けられた前記データの第2の直径情報に基づいて調整して、前記レーザービームの第2の直径を設定すること、
を更に含む、請求項11に記載の方法。
【請求項19】
前記眼が前記眼の前記第1の位置から前記眼の前記第2の位置に変化した場合、少なくとも前記眼の前記第1の位置及び前記眼の前記第2の位置に基づいて、前記複数の場所のうちの少なくとも2つを平行移動すること、
を更に含む、請求項11に記載の方法。
【請求項20】
前記レーザービームを生成する前に、別のレーザービームを生成して、前記角膜のフラップ及びポケットの少なくとも1つを切開すること、
を更に含む、請求項11に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、角膜クロスリンキングに関する。
【背景技術】
【0002】
過去には、円錐角膜の治療として角膜クロスリンキング(CXL)が使用されていた。この状態では、患者の眼の角膜は薄くなり、時間の経過と共に弱くなる。別の状態が同様の角膜の弱まりを引き起こす場合がある。弱くなった角膜は、円錐形又は何らかの不規則な形に膨らむ可能性がある。円錐形は眼の視力を歪める可能性がある。角膜が弱くなり続ける、及び/又は薄くなりすぎる場合は、眼に角膜移植を行うことがある。CXLを使用すると、医師はリボフラビン及び紫外線(UV)光を使用して、角膜の組織を強化することができる。UV光の光源はUVランプであり、UVランプは一定時間UV光を生成することができる。CXLは、角膜のコラーゲン線維間の結合を強めることができる。コラーゲン線維間の結合は、角膜の安定化に役立つ。角膜の組織がより強くなると、角膜は更に1つ以上の膨らみを持つ可能性があり、及び/又は角膜の破裂の1つ以上のリスクを軽減する可能性がある。CXLは、進行性円錐角膜の悪化を緩和又は阻止することができる。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0003】
本開示は、患者の眼の角膜に関連付けられた複数の場所に関連付けられたデータを受信することができ、複数の場所の少なくとも1つに関連付けられたデータの少なくとも直径情報に基づいて、少なくとも1つのレンズを調整してレーザービームの直径を設定することができるシステムを提供する。本システムは、レーザービームを生成するレーザーを含み得る。レーザービームは、紫外線(UV)レーザービームとすることができる。角膜の第1の部分は、複数の場所に関連付けることができる。角膜の第2の部分は、第1の部分とは異なり、複数の場所に関連付けられていない場合がある。システムは、複数の場所のそれぞれの場所に対して、眼が第1の位置から第1の位置とは異なる第2の位置に変化したかどうかを更に判定することができ、眼が第1の位置から第2の位置に変化していない場合、少なくとも場所に基づいて、少なくとも1つのミラーを更に調整することができ、眼が第1の位置から第2の位置に変化した場合、少なくとも場所に基づいて、及び少なくとも第2の位置に基づいて、少なくとも1つのミラーを更に調整することができ、レーザービームを更に生成することができ、場所に関連付けられた期間、場所にレーザービームを更に向けることができる。
【0004】
眼が眼の第1の位置から眼の第2の位置に変化したかどうかを判定するために、システムは更に、眼の虹彩構造が虹彩構造の第1の位置から虹彩構造の第2の位置に変化したかどうかを判定することができる。レーザーを生成するために、システムは、あるパルス持続時間でレーザービームをパルス化することができる。例えば、パルス持続時間は、特に、マイクロ秒持続時間、ナノ秒持続時間、ピコ秒持続時間、フェムト秒持続時間、又はアト秒持続時間であり得る。複数の場所の第1の場所に関連付けられた第1の期間は、第1の場所とは異なる、複数の場所の第2の場所に関連付けられた第2の期間とは異なり得る。システムは、複数の場所のうちの少なくとも別の1つに関連付けられたデータの少なくとも第2の直径情報に基づいて、少なくとも1つのレンズを更に調整して、レーザービームの第2の直径を設定することができる。システムは更に、眼が眼の第1の位置から眼の第2の位置に変化した場合、少なくとも眼の第1の位置及び眼の第2の位置に基づいて、複数の場所のうちの少なくとも2つを平行移動させることができる。レーザービームが生成される前に、システムは更に別のレーザービームを生成して、角膜のフラップ及びポケットの少なくとも1つを切開することができる。
【0005】
本開示は、システムのプロセッサによって実行されると、システムに上記のステップを実行させる命令を有する非一時的コンピュータ可読メモリデバイスを更に含む。本開示は、明らかに相互排他的でない限り、互いに組み合わせて使用され得る、以下の機能の1つ以上を有する上述のシステム及び/又は非一時的コンピュータ可読メモリデバイスを更に含む。i)患者の眼の角膜に関連付けられた複数の場所に関連付けられたデータを受信する。ii)レーザービームの直径を設定するために、少なくとも複数の場所の少なくとも1つに関連付けられたデータの直径情報に基づいて、少なくとも1つのレンズを調整する。iii)眼が眼の第1の位置から、眼の第1の位置とは異なる眼の第2の位置に変化したかどうかを判定する。iv)眼が眼の第1の位置から眼の第2の位置に変化していない場合、少なくとも場所に基づいて、少なくとも1つのミラーを調整する。v)眼が眼の第1の位置から眼の第2の位置に変化した場合、少なくとも場所に基づいて、及び少なくとも眼の第2の位置に基づいて、少なくとも1つのミラーを調整する。vi)レーザービームを生成する。vii)レーザービームを場所に関連付けられた期間、場所に向ける。viii)眼の虹彩構造が虹彩構造の第1の位置から虹彩構造の第2の位置に変化したかどうかを判定する。ix)あるパルス持続時間でレーザービームをパルス化する。x)少なくとも複数の位置のうちの少なくとも別の1つに関連付けられたデータの第2の直径情報に基づいて、少なくとも1つのレンズを調整して、レーザービームの第2の直径を設定する。xi)眼が眼の第1の位置から眼の第2の位置に変化した場合、少なくとも眼の第1の位置と眼の第2の位置に基づいて、複数の場所のうち少なくとも2つを平行移動する。xii)レーザービームを生成する前に、別のレーザービームを生成して、角膜のフラップとポケットの少なくとも1つを切開する。
【0006】
上記のシステムのいずれかは、上記の方法のいずれかを実行することが可能であり得、上記の非一時的コンピュータ可読メモリデバイスのいずれかは、システムに上記の方法のいずれかを実行させることが可能であり得る。上記の方法のいずれかは、上記のシステムのいずれかにおいて又は上記の非一時的コンピュータ可読メモリデバイスのいずれかを使用して実施され得る。
【0007】
前述の概要及び以下の詳細な説明の両方は、本質的に例示且つ説明的であり、本開示の範囲を限定することなく本開示の理解をもたらすことを意図するものと理解されるべきである。その点に関して、本開示の追加の態様、特徴及び利点は、以下の詳細な説明から当業者に明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0008】
本開示並びにその特徴及び利点をより詳細に理解するために、ここで、添付の図面と併せて以下の説明を参照する。添付の図面は、縮尺通りではない。
【0009】
【
図4C】
図4Cは、顕微鏡一体型ディスプレイの一例、及び手術用ツール機器の複数の例を示す。
【
図5】
図5は、コンピュータシステムの一例を示す。
【
図6E-6F】
図6E及び6Fは、眼及び座標系の複数の例を示す。
【
図6G-6H】
図6G及び6Hは、眼及び座標系の複数の例を示す。
【
図7A】
図7Aは、医療システムを動作させる方法の一例を示す。
【
図7B】
図7Bは、医療システムを動作させる方法の別の例を示す。
【
図8】
図8は、患者の眼の角膜に関連付けられた複数の場所に関連付けられたデータの一例を示す。
【
図9C-9D】
図9Cは、平面に関連付けられた場所の一例を示し、
図9Dは、平面に関連付けられた複数の場所の一例を示す。
【
図9E-9F】
図9Eは、平面に関連付けられた複数の場所の第2の例を示し、
図9Fは、平面に関連付けられた複数の場所の別の例を示す。
【
図9G】
図9Gは、平面及び角膜に関連付けられた複数の場所の一例を示す。
【
図9H】
図9Hは、複数の場所に関連付けられた角膜の一部分の一例を示す。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下の説明では、開示されている主題の議論を容易にするために、詳細が例として述べられている。しかしながら、開示する実施形態は、例であり、全ての考えられる実施形態を網羅するものではないことは、当業者には明らかなはずである。
【0011】
本明細書で用いるように、参照番号は、エンティティのクラス又は種類を指し、そのような参照番号に続く任意の文字が、そのクラス又は種類の特定のエンティティの特定のインスタンスを指す。したがって、例えば、「12A」によって参照される仮想エンティティは、特定のクラス/種類の特定のインスタンスを指し得、参照符号「12」は、一般的にその特定のクラス/種類に属するインスタンスの集合又はそのクラス/種類のいずれか1つのインスタンスを指し得る。
【0012】
医療システムは、患者に医療処置を実行する際に利用され得る。一例では、第1の医療システムは、1回目に、医療処置前に患者の1つ以上の部分を識別する際に利用され得る。第2の例では、第2の医療システムは、2回目に、医療処置を実行する際に利用され得る。別の例では、第2の医療システムは、2回目に、患者の1つ以上の部分にそれぞれ関連付けられた1つ以上の識別を利用することができる。2回目は、1回目よりも後の時間であり得る。一例では、第1の医療システムは、医者の診察室において利用され得る。第2の例では、第2の医療システムは、外科設備において利用され得る。別の例では、第2の医療システムは、医者の診察室において利用され得る。
【0013】
医療システムは、光学系を含み得る。例えば、診断システムは、光学系を含み得る1つ以上の光学システムを含み得る。光学システムは、1つ以上の光学デバイスを含み得る。例えば、光学デバイスは、光を制御する(例えば、光を反射する、光を屈折させる、光をフィルタリングする、光を透過させる、光を偏光させるなど)デバイスであるか、又はそれを含み得る。光学デバイスは、設計どおりに光を制御する任意の材料で作ることができる。例えば、材料は、特に、ガラス、水晶、金属、及び半導体のうちの1つ以上を含み得る。光学デバイスの例には、特に、レンズ、ミラー、プリズム、光学フィルタ、導波路、波長板、ビームエキスパンダ、ビームコリメータ、ビームスプリッタ、グレーティング、及び偏光子のうちの1つ以上が含まれ得る。
【0014】
医療処置には、角膜クロスリンキング(CXL)が含まれ得る。CXLは、眼の角膜の状態及び/又は問題を治療するのに利用され得る。状態及び/又は問題により、角膜が時間の経過と共に弱くなったり薄くなったりする可能性がある。例えば、状態及び/又は問題は円錐角膜である可能性がある。CXLは、紫外線(UV)レーザーを利用して実現できる。レーザーは、励起された原子及び/又は分子からの光子の誘導放出によってコヒーレントな単色光のビームを生成するデバイスであるか、又はそれを含むことができる。UVレーザーはパルス化することができる。例えば、レーザービームのパルスは、特に、マイクロ秒、ナノ秒、ピコ秒、フェムト秒、又はアト秒の範囲など、任意の適切な範囲のパルス持続時間を有し得る。UVレーザービームは、角膜に関連付けられた1つ以上の場所に向けることができる。例えば、角膜に関連付けられた1つ以上の場所にUVレーザービームを向けることは、角膜に関連付けられた1つ以上の場所にUVレーザービームを向けるために少なくとも1つのミラーを調整することを含み得る。角膜に関連付けられた1つ以上の場所は、角膜の治療に利用することができる。UVレーザービームの直径は調整可能であり得る。例えば、ビームエキスパンダを利用して、UVレーザービームの直径を調整することができる。
【0015】
角膜に関連付けられた複数の場所のうちの少なくとも2つのそれぞれは、強度プロファイルに関連付けることができる。一例では、角膜に関連付けられた第1の場所は、第1の強度プロファイルに関連付けることができる。第1の強度プロファイルは、レーザービームの第1の光強度に関連付けることができる。別の例では、角膜に関連付けられた、第1の場所とは異なる第2の場所は、第1の強度プロファイルとは異なる第2の強度プロファイルに関連付けることができる。第2の強度プロファイルは、レーザービームの第1の光強度とは異なる、レーザービームの第2の光強度に関連付けることができる。レーザービームの光強度は、単位面積あたりの光パワーであり得る。例えば、単位面積あたりの光パワーは、平方センチメートルあたりのワット数(W/cm2)である。レーザービームの光強度は、光子エネルギーと光子束の積であり得る。
【0016】
特定の領域(例えば、領域の境界)での強度損失を補償するために、様々な強度プロファイルを利用することができる。例えば、領域の境界に関連付けられた強度プロファイルは、領域の中心により近い場所にある光強度よりも大きい光強度に関連付けることができる。様々な強度プロファイルを利用して、1つ以上の領域で増加した光強度を提供することができる。例えば、1つ以上の領域における増加した光学強度は、1つ以上のCXL効果を増強し得る。様々な強度プロファイルを利用して、様々な効果を達成することができる。例えば、様々な効果には、角膜の1つ以上の屈折変化が含まれ得る。角膜における1つ以上の屈折変化は、追加のビーム成形開口なしで、及び/又は追加の光学系なしで達成することができる。
【0017】
角膜に関連付けられた複数の場所のうちの少なくとも2つのそれぞれは、レーザービーム直径に関連付けることができる。一例では、角膜に関連付けられた第1の場所は、第1のレーザービーム直径に関連付けることができる。別の例では、角膜に関連付けられた第2の場所は、第1のレーザービーム直径とは異なる第2のレーザービーム直径に関連付けることができる。例えば、ビームエキスパンダを利用して、レーザービーム直径を設定及び/又は構成することができる。レーザービーム拡大の角度は、少なくとも1つ以上のレーザービームパラメータに基づいて判定することができる。例えば、照射領域(例えば、レーザービーム直径)は、少なくともレーザー出力開口と患者の眼との間の距離に基づいて判定され得る。
【0018】
角膜に関連付けられた複数の場所は、形状及び/又はパターンに関連付けることができる。例えば、角膜に関連付けられた複数の場所は、形状及び/又はパターンの要素に類似したものであり得る。形状及び/又はパターンの要素は、レーザービームの直径に関連付けることができる。形状及び/又はパターンの要素は、角膜上のレーザービームの場所に関連付けることができる。形状及び/又はパターンの要素は、光子照射の量に関連付けることができる。形状及び/又はパターンの2つ以上の要素は、少なくとも部分的に重なる可能性がある。形状及び/又はパターンの2つ以上の要素が重ならない場合がある。
【0019】
医療処置の前及び/又は最中に、眼は位置を変えたり、回転したりすることがある。一例では、眼が位置を変える及び/又は回転する場合、医療システムは、位置の変化及び/又は回転を補償することができる。医療システムは、角膜に関連付けられた複数の場所にレーザービームを向けるために、位置の変化及び/又は回転を補償することができる。別の例では、医療システムは、1人以上の医療従事者に警告し、医療処置を中止し、及び/又は医療処置の開始を妨げることができる。医療システムは、眼が位置を変えるか、及び/又は回転するかどうかを判定する際に、1つ以上の虹彩構造を利用することができる。
【0020】
第1の医療システムは、患者の眼の虹彩構造を判定することができる。例えば、患者の眼の虹彩構造を判定することは、患者の眼の虹彩構造を識別することを含み得る。第2の医療システムは、患者の眼の虹彩の構造を利用して、眼が位置を変えるか、及び/又は回転するかどうかを判定することができる。第2の医療システムは、患者の眼の瞳孔を利用して、眼の位置が変化するかどうかを判定することができる。
【0021】
第2の医療システムは、1つ以上のCXL医療処置で利用され得るUVレーザーを含み得る。第2の医療システムは、眼のポケットを切開することができるレーザー(例えば、UVレーザー、可視スペクトルレーザー、赤外線レーザーなど)を含み得る。ポケットの切開の位置は、眼の場所に関連付けることができる。一例として、第2の医療システム及び第1の医療システムは、単一の医療システムに組み合わされ得る。別の例として、第2の医療システム及び第1の医療システムは、異なる医療システムであり得る。
【0022】
CXL医療処置は、別の医療処置の後に実行される場合がある。例えば、予防的医療処置として、CXL医療処置は、角膜処置の後に実行され得る。例として、レーザー装置を利用して、角膜処置を実行し、CXL医療処置を実行することができる。角膜処置とCXL医療処置は、異なる医療処置である可能性がある。角膜処置及びCXL医療処置にレーザー装置を利用すると、角膜処置及びCXL医療処置の時間を短縮することができる。角膜手技及びCXL医療処置にレーザー装置を利用すると、角膜処置及びCXL医療処置用の医療機器の数を減らすことができる。
【0023】
ここで
図1Aを参照すると、医療システムの一例が示されている。示されるように、医療システム110は、患者120に利用され得る。図示されるように、医療システム110は、コンピュータシステム112を含み得る。コンピュータシステム112は、ディスプレイ116A及び116Bに通信可能に結合され得る。コンピュータシステム112は、生体測定デバイス114と通信可能に結合され得る。一例では、生体測定デバイス114は、1つ以上のカメラを含み得る。別の例では、生体測定デバイス114は、3次元スキャナを含み得る。生体測定デバイス114は、患者120の眼122の生体測定において利用され得る。示されるように、ディスプレイ116Aは、患者120の眼122に関連付けられた画像130Aを表示し得る。図示されるように、ディスプレイ116Bは、患者120の眼122に関連付けられた画像130Bを表示し得る。
【0024】
ユーザインタフェースは、特に、コンピュータシステム112、ディスプレイ116A、及びディスプレイ116Bの1つ以上に関連付けることができる。一例では、ユーザインタフェースは、入力デバイスの中でも、キーボード、マウス、ジョイスティック、タッチスクリーン、アイトラッキングデバイス、音声認識デバイス、ジェスチャーコントロールモジュール、ダイヤル及び/又はボタンの1つ以上を含み得る。別の例では、ユーザインタフェースは、グラフィカルユーザインタフェース(GUI)を含み得る。ユーザ(例えば、医療従事者)は、ユーザインタフェースを介して所望の命令及び/又はパラメータを入力することができる。
【0025】
コンピュータシステム112は、眼認識情報を判定することができる。例えば、眼認識情報は、患者120の眼122に関連付けられた生体測定情報を含み得る。眼122に関連付けられた生体測定情報には、特に、眼122の強膜の血管のパターン、眼122の虹彩構造、眼122の虹彩構造の位置、眼122の角膜から眼122の水晶体までの距離測定値、眼122の水晶体から眼122の網膜までの距離測定値、眼122の角膜のトポグラフィ、眼122の網膜のパターン、波面測定値のうちの1つ以上が含まれ得る。
【0026】
示されるように、ディスプレイ116Bは、眼122の虹彩の構造134A~134Cを表示し得る。図示されるように、ディスプレイ116Bは、表示領域136A~136Dを表示し得る。一例では、表示領域136は、眼122に関連付けられた生体測定情報の中でも、眼122の角膜から眼122の水晶体までの距離測定値、眼122の水晶体から眼122の網膜までの距離測定値、虹彩構造134の位置、角膜トポグラフィ情報又は波面測定値情報を表示し得る。別の例では、表示領域136は、患者120に関連付けられた任意の情報を表示し得る。
【0027】
人150は、医療システム110を操作することができる。例えば、人150は、医療従事者であり得る。112。人150は、患者120に関連付けられた識別情報をコンピュータシステム112に入力し得る。患者120に関連付けられた識別情報には、特に、患者120の名前、患者120の住所、患者120の電話番号、患者120の政府発行識別番号、患者120の政府発行識別文字列及び患者120の生年月日のうちの1つ以上が含まれ得る。
【0028】
人150は、患者120に関連付けられた医療処置情報をコンピュータシステム112に提供し得る。医療処置情報は、医療処置に関連付けられ得る。医療処置情報は、患者120に関連付けられた識別情報に関連付けられ得る。コンピュータシステム112は、医療処置情報を保存し得る。例えば、コンピュータシステム112は、後の利用のために医療処置情報を保存し得る。医療処置情報は、手術に関連付けられ得る。例えば、医療処置情報は、手術前に取得され得る。医療処置情報は、医療処置中に利用され得る。例えば、医療処置には、手術が含まれ得る。
【0029】
ここで
図1Bを参照すると、生体測定デバイスの一例が示されている。示されるように、生体測定デバイス114は、画像センサ160A~160Cを含み得る。例えば、画像センサ160は、カメラを含み得る。カメラは、1つ以上のデジタル画像センサを含み得る。一例では、デジタル画像センサは、電荷結合デバイス(CCD)を含み得る。別の例では、デジタル画像センサは、相補型金属-酸化膜-半導体(CMOS)を含み得る。カメラは、光をデジタルデータに変換することができる。カメラは、ベイヤーフィルタモザイクを利用することができる。例えば、カメラは、光学アンチエイリアシングフィルタと組み合わせてベイヤーフィルタモザイクを利用することができる。ベイヤーフィルタモザイクを光学アンチエイリアシングフィルタと組み合わせることにより、様々な原色画像のサンプリングが減少するため、エイリアシングを低減させることができる。カメラは、デモザイク処理を利用することができる。例えば、デモザイク処理プロセスを利用して、色情報を補間し、赤、緑、及び青(RGB)画像データの完全な配列を作成することができる。
【0030】
図示されるように、生体測定デバイス114は、投光器162A~162Cを含み得る。一例では、投光器162は、可視光を投射し得る。別の例では、投光器162は、赤外光を投射し得る。投光器162は、患者の眼に円形及び/又は点を投射することができる。画像センサ160は、患者の眼に投射された円形及び/又は点の反射を受光することができる。コンピュータシステムは、少なくとも患者の眼に投射された円形及び/又は点の反射に基づいて、患者の眼に関連付けられた1つ以上の場所及び/又は1つ以上のテンプレートを判定することができる。示されるように、生体測定デバイス114は、深度センサ164A~164Cを含み得る。深度センサ164は、投光器162を含み得る。深度センサ164は、光学センサを含み得る。図示されるように、生体測定デバイス114は、光低コヒーレンス反射率計(OLCR)デバイス166を含み得る。示されるように、生体測定デバイス114は、波面デバイス168を含み得る。
【0031】
波面デバイス168は、特に、光源及び波面センサのうちの1つ以上を含み得る。光源は、第1の光波を眼122に送ることができる。波面センサは、少なくとも第1の光波に基づいて第1の摂動光波を眼122から受光することができる。一例では、波面デバイス168は、少なくとも第1の摂動光に基づいて第1の光学的補正を判定し得る。別の例では、コンピュータシステムは、少なくとも第1の摂動光に基づいて第1の光学的補正を判定し得る。波面デバイス168は、少なくとも第1の摂動光波に基づいてコンピュータシステムにデータを提供することができる。例えば、コンピュータシステムは、少なくとも波面デバイス168からのデータに基づいて第1の光学的補正を判定することができる。
【0032】
画像センサ160、投光器162、深度センサ164、OLCRデバイス166及び波面デバイス168のうちの任意の2つ以上を組み合わせてもよい。特に、画像センサ160A~160Cの1つ以上、投光器162A~162Cの1つ以上、深度センサ164A~164Cの1つ以上、OLCRデバイス166、及び/又は波面デバイス168は、コンピュータシステムによって利用可能なデータを生成することができる。
【0033】
ここで
図2を参照すると、レーザーシステムの一例が示されている。レーザーシステム210を利用して、眼122の1つ以上の部分を照射することができる。例えば、レーザーシステム210を利用して、UVレーザー装置からのUV光で眼122の1つ以上の部分を照射することができる。レーザーシステム210は、医療処置に利用することができる。例えば、医療システムは、レーザーシステム210を含み得る。医療処置は、眼122の少なくとも一部に対する眼科処置を含み得る。光学システム210は医療システムで利用することができるが、レーザーシステム210は任意のシステムで利用することができる。
【0034】
レーザーシステム210は、複数の光学デバイスを含み得る。例えば、光学デバイスは、光を制御するデバイスであるか、又はそれを含み得る(例えば、光を反射する、光を屈折させる、光をフィルタリングする、光を透過させる、光を偏光させるなど)。光学デバイスは、設計どおりに光を制御する任意の材料で作ることができる。例えば、材料は、特に、ガラス、水晶、金属、及び半導体のうちの1つ以上を含み得る。光学デバイスの例には、特に、レンズ、ミラー、プリズム、光学フィルタ、導波路、波長板、ビームエキスパンダ、ビームコリメータ、ビームスプリッタ、グレーティング、及び偏光子のうちの1つ以上が含まれ得る。
【0035】
示されるように、レーザーシステム210は、レーザー220(例えば、レーザー装置)を含み得る。レーザー220は、レーザービーム221を生成することができる。一例では、レーザー220は、励起された原子及び/又は分子からの光子の誘導放出によってコヒーレントな単色光のビームを生成するデバイスであり得る。別の例では、レーザー220は、複数の周波数に関連付けられた光子を含むレーザービームを生成するデバイスであり得る。レーザービーム221は、任意の適切な波長、例えば、赤外線(IR)範囲、可視範囲、又はUV範囲の波長を有し得る。レーザービーム221のパルスは、任意の適切な範囲、例えば、特に、マイクロ秒、ナノ秒、ピコ秒、フェムト秒、又はアト秒の範囲のパルス持続時間を有し得る。レーザービーム221は、一定期間、パルス持続時間を有する連続パルスを送達することができる。レーザービーム221の集中点は、レーザービーム221の焦点であり得る。レーザービーム221は、1つ以上のレーザービームを表すことができる。例えば、レーザー220は、1つ以上のレーザービーム221を生成するように構成され得る。
【0036】
図示されるように、レーザーシステムは、集束光学系240を含み得る。示されるように、集束光学系240は、ビームエキスパンダ241、スキャナ244、及び対物レンズ248を含み得る。対物レンズ248は、複数のレンズを含み得る。一例では、対物レンズ248は、複合レンズであり得るか、又は複合レンズを含み得る。別の例では、対物レンズ248は、Fシータレンズであり得るか、又はそれを含み得る。図示されるように、ビームエキスパンダ241は、レンズ242A及び242Bを含み得る。ビームエキスパンダ241は2つのレンズで示されているが、ビームエキスパンダ241は任意の数のレンズを含むことができる。
【0037】
集束光学系240は、レーザービーム221を眼122に向けることができ、及び/又は集束させることができる。集束光学系240は、レーザービーム221を眼122の、
図3に示される角膜310に向けることができ、及び/又は集束させることができる。集束光学系240は、Z軸に平行に、又はそれに沿って、レーザービーム221の焦点を眼122に向けることができる。
【0038】
レンズ242A及び/又はミラーなどの光学デバイスは、レーザービーム221の焦点のZ位置を制御することができる。レンズ242Bなどの別の光学デバイスは(例えば、レンズ242Aと組み合わせて)、レーザービーム221の直径を拡大することができる。例えば、ビームエキスパンダ241は、レーザービーム221の焦点を制御するように構成され得る。
【0039】
スキャナ244は、焦点のXY位置を制御するためにレーザービーム221の方向を制御できる1つ以上の光学デバイスを含み得る。例えば、レーザービーム221を横方向に偏向させるために、スキャナ244は、相互に垂直な軸の周りに傾斜し得る一対の電流測定作動ミラーを含み得る。スキャナ244は、ビームエキスパンダ241からレーザービーム221を受け取ることができる。スキャナ244は、レーザービーム221を操作して、レーザー221の焦点のXY位置を制御することができる。対物レンズ248は、スキャナ244からレーザービーム221を受け取ることができる。対物レンズ248は、レーザービーム221を眼122に向けることができる。
【0040】
図示されるように、レーザーシステム210は、コンピュータシステム250を含み得る。コンピュータシステム250は、本明細書で説明される1つ以上のシステム、1つ以上のフローチャート、1つ以上のプロセス及び/又は1つ以上の方法の少なくとも一部分を実施する際に命令を実行し得る。レーザーシステム210は、コンピュータシステム250を含むものとして示されているが、レーザーシステム210は、コンピュータシステム250を含まなくてもよい。例えば、コンピュータシステム250は、レーザーシステム210の外部にあり得る。コンピュータシステム250は、レーザーシステム210に通信可能に結合され得る。
【0041】
示されるように、コンピュータシステム250は、レーザー220に通信可能に接続され得る。図示されるように、コンピュータシステム250は、ビームエキスパンダ241に通信可能に結合され得る。示されるように、コンピュータシステム250は、スキャナ244に通信可能に接続され得る。一例では、コンピュータシステム250は、特に、レーザー220、ビームエキスパンダ241、及びスキャナ244のうちの1つ以上から情報を受信することができる。別の例では、コンピュータシステム250は、特に、レーザー220、ビームエキスパンダ241、及びスキャナ244のうちの1つ以上に情報を提供することができる。コンピュータシステム250は、特に、レーザー220、ビームエキスパンダ241、及びスキャナ244のうちの1つ以上に制御情報を提供することができる。
【0042】
医療システムは、レーザーシステム210を含み得る。レーザーシステム210は、1つ以上の医療処置で利用することができる。一例として、レーザーシステム210は、ドレスデンプロトコルと共に利用され得る。第2の例として、レーザーシステム210は、ドレスデンプロトコルの派生形と共に利用され得る(例えば、より高い/より低いエネルギー設定、異なる照射時間、オン/オフの「パルス化」照射、異なるリボフラビン適用戦略など)と共に利用され得る。第3の例として、レーザーシステム210は、リボフラビンを適用するために、作成されたポケット(例えば、角膜ポケット、屈折矯正レンチ抽出後のインタフェース、レーシック(レーザー角膜切削形成術)フラップなど)と共に利用され得る。別の例として、レーザーシステム210は、CXL医療処置で利用することができる。
【0043】
ここで
図3を参照すると、眼の角膜の層の例が示されている。示されるように、角膜310は、層320~360を含み得る。一例では、層320は上皮であり得る。第2の例では、層330はボーマン膜であり得る。第3の例では、層340は間質であり得る。第4の例では、層350はデスメ膜であり得る。別の例では、層360は内皮であり得る。
【0044】
ここで
図4Aを参照すると、医療システムの第2の例が示されている。示されるように、外科医410は、手術用ツール機器420を利用し得る。一例では、外科医410は、患者120の眼122に関わる手術及び/又は医療処置において手術用ツール機器420を利用し得る。医療システム400Aは、眼科手術用ツール追跡システムを含み得る。図示されるように、医療システム400Aは、コンピュータシステム430、ディスプレイ440及び顕微鏡一体型ディスプレイ(MID)450を含み得る。
【0045】
コンピュータシステム430は、1つ以上の画像センサによって取り込まれた画像フレームを受信し得る。例えば、コンピュータシステム430は、1つ以上の画像フレームに対して様々な画像処理を実行し得る。コンピュータシステム430は、1つ以上の画像フレームに対して画像解析を実行して、1つ以上の画像フレームから手術用ツール機器420の1つ以上の画像を識別及び/又は抽出し得る。コンピュータシステム430は、1つ以上の画像フレームを重ね合わせることができるGUIを生成し得る。例えば、GUIは、特に、1つ以上のインジケータ及び/又は1つ以上のアイコンを含み得る。1つ以上のインジケータは、1つ以上の位置及び/又は1つ以上の向きなどの医療用データを含み得る。1つ以上のインジケータは、1つ以上の警告を含み得る。GUIは、ディスプレイ440及び/又はMID450によって、外科医410及び/又は他の医療従事者に対して表示され得る。
【0046】
コンピュータシステム430、ディスプレイ440、及びMID450は、互いに通信可能に結合された別個のハウジング内、又は共通のコンソール若しくはハウジング内に実装され得る。ユーザインタフェースは、特に、コンピュータシステム430、ディスプレイ440、及びMID450の1つ以上に関連付けることができる。例えば、ユーザインタフェースは、入力デバイスの中でも、キーボード、マウス、ジョイスティック、タッチスクリーン、アイトラッキングデバイス、音声認識デバイス、ジェスチャーコントロールモジュール、ダイヤル及び/又はボタンの1つ以上を含み得る。ユーザ(例えば、外科医410及び/又は他の医療従事者)は、ユーザインタフェースを介して、所望の命令及び/又はパラメータを入力することができる。例えば、ユーザインタフェースは、特に、コンピュータシステム430、ディスプレイ440、及びMID450のうちの1つ以上を制御する際に利用され得る。図示されるように、医療システム400Aは、レーザーシステム210を含み得る。例えば、外科医410は、眼122に対してCXL処置を実行する際にレーザーシステム210を利用することができる。一例として、MID450は、レーザーシステム210を含み得る。
【0047】
ここで
図4Bを参照すると、医療システムの第3の例が示されている。示されるように、外科医410は、システム400Bを利用することができる。例えば、外科医410は、患者120の眼122に関わる手術にシステム400Bを用いることができる。システム400Bは、複数のシステムを含み得る。システム400Bは、切開システムを含み得る。例えば、外科医410は、眼122の切開の際にシステム400Bを利用することができる。外科医410は、システム400Bを利用して、患者120の眼122の角膜310のフラップを切開するか、又は患者120の眼122の角膜310のポケットを切開することができる。一例では、システム400Bは、ブレードを用いて眼122の角膜310のフラップを切開することができる。第2の例では、システム400Bは、ブレードを用いて眼122の角膜310のポケットを切開することができる。第3の例では、システム400Bは、レーザー装置及び/又はレーザーシステムによって生成されたレーザービームを用いて、眼122の角膜310のフラップを切開することができる。第4の例では、システム400Bは、レーザー装置及び/又はレーザーシステムによって生成されたレーザービームを用いて、眼122の角膜310のフラップを切開することができる。別の例では、システム400Bは、レーザー装置及び/又はレーザーシステムによって生成されたレーザービームを用いて、眼122の角膜310の任意のフェムト切開をすることができる。流体は、フラップを介して、又はポケットを介して、眼122の角膜310の1つ以上の内部部分に適用され得る。例えば、流体はリボフラビンを含み得る。外科医410は、眼122の角膜310から層を除去する際にシステム400Bを利用することができる。例えば、外科医410は、眼122の角膜310から層320を除去する際にシステム400Bを利用することができる。一例として、層320を除去することは、角膜310から層320を削り取ることを含み得る。眼122の角膜310の層320が除去された後、流体は、眼122の角膜の1つ以上の内部部分に適用され得る。例えば、流体はリボフラビンを含み得る。
【0048】
図示されるように、システム400Bは、レーザーシステム210を含み得る。例えば、外科医410は、眼122に対してCXL処置を実行する際にレーザーシステム210を利用することができる。示されるように、システム400Bは、ディスプレイ440を含み得る。図示されるように、システム400Bは、MID450を含み得る。システム400Bは、特に、画像センサ160A~160Cの1つ以上、投光器162A~162Cの1つ以上、深度センサ164A~164Cの1つ以上、OLCRデバイス166及び/又は波面デバイス168を含み得る。
【0049】
システム400Bは、フェムト秒レーザー等のレーザーを含み得、レーザーは、短レーザーパルスを用いて角膜組織の一連の小さい部分を切除又は切開して、眼122の角膜310の内側部分を露出するために持ち上げられ得るフラップを形成することができる。フラップは、ディスプレイ440及びMID450の一方又は両方を制御デバイス及びコンピュータシステム430と共に用いて計画及び切開され得る。液体はフラップの下に分配され得る。例えば、流体は、眼122の角膜310の内部に分配され得る。流体にはリボフラビンを含めることができる。
【0050】
システム400Bは、フェムト秒レーザー等のレーザーを含み得、レーザーは、短レーザーパルスを用いて角膜組織の一連の小さい部分を切除又は切開して、眼122の角膜310の内側部分を露出し得るポケットを形成することができる。ポケットは、ディスプレイ440及びMID450の一方又は両方を制御デバイス及びコンピュータシステム430と共に用いて計画及び切開され得る。流体はポケット内の下に分配され得る。例えば、流体は、眼122の角膜310の内部に分配され得る。流体にはリボフラビンを含めることができる。
【0051】
示されるように、システム400Bは、コンピュータシステム430を含み得る。例えば、コンピュータシステム430は、システム400Bの、特に、画像センサ160A~160Cの1つ以上、投光器162A~162Cの1つ以上、深度センサ164A~164Cの1つ以上、OLCRデバイス166、波面デバイス168、ディスプレイ440、MID450、レーザー、及び/又はレーザーシステム210に、通信可能に結合され得る。
【0052】
システム400Bは、1つ以上の制御デバイスを含み得る。例えば、1つ以上の制御デバイスは、タッチスクリーンディスプレイなどの対話型ディスプレイ、キーボード、マウス、タッチパッド、ボタン、ジョイスティック、フットペダル、ヘッドアップディスプレイ及び仮想現実グラスの1つ以上、又は医療従事者などのユーザと対話することが可能な他のデバイスを含み得る。
【0053】
システム400Bは、特に、ディスプレイ440及びMID450の少なくとも1つに提示される画像を生成するように構成された、少なくとも1つのコンピュータシステムを含み得る。例えば、この少なくとも1つのコンピュータシステムは、コンピュータシステム430を含み得る。コンピュータシステム430は、顕微鏡、カメラ、光干渉断層撮影(OCT)デバイス若しくはディスプレイなどの観察デバイス又は手術中の眼の位置を測定可能な別のデバイスに通信可能に結合され得る。コンピュータシステム430は、制御デバイスの1つ以上に通信可能に結合され得る。
【0054】
一例では、コンピュータシステム430は、i)患者120がシステム400Bと共に位置する場合に眼122を観察する観察デバイスに通信可能に結合され得、ii)計画されたフラップ場所及び計画された切除領域に関するグラフィック情報を1つ以上のディスプレイ440及びMID450に提供し得、iii)システム400Bの1つ以上の制御デバイスに通信可能に結合され得る。第2の例では、コンピュータシステム430は、i)患者120がシステム400Bと共に位置する場合に眼122を観察する観察デバイスに通信可能に結合され得、ii)計画されたポケット場所及び計画された切除領域に関するグラフィック情報を1つ以上のディスプレイ440及びMID450に提供し得、iii)システム400Bの1つ以上の制御デバイスに通信可能に結合され得る。別の例では、コンピュータシステムは、特に、コンピュータシステム430に関して上述した特性及び/又は属性を含み得る。
【0055】
システム400のコンピュータシステムは、システム400の別の部分に有線又は無線で通信可能に結合され得る。システム400のコンピュータシステムの1つ以上は、患者データ、治療計画、並びに/又は治療及び/若しくはシステム400に関連付けられた他の情報を記憶する、リモートコンピュータシステム若しくはリモートデータセンター上又はその両方にローカルに記憶されたデータベースに通信可能に結合され得る。一例では、データベースは、リレーショナルデータベースを含み得る。第2の例では、データベースは、グラフデータベースを含み得る。別の例では、データベースは、「Not Only SQL」(NoSQL)データベースを含み得る。
【0056】
システム400は、患者120、及び患者120に施されるか、又は実際に患者120に施された治療に関する情報を入力することができる。システム400は、ユーザが、患者120、及び患者120に対して施される治療に関する情報を入力及び視認することを可能にし得る。そのようなデータには、特に、識別情報、患者120の医療履歴、及び/又は治療されている眼122に関する情報などの、患者120に関する情報が含まれ得る。そのようなデータには、治療計画に関する情報、特に、例えば角膜切開の形状及び場所、切除の形状及び場所、並びに/又はCXL処置に関連付けられた複数の場所が含まれ得る。
【0057】
ここで
図4Cを参照すると、顕微鏡一体型ディスプレイの一例及び手術用ツール機器の複数の例が示されている。医療従事者は、手術用ツール機器420を利用し得る。示されるように、手術用ツール機器420Aは、外科用メスであり得るか、又はそれを含み得る。図示されるように、手術用ツール機器420Bは、Qチップであり得るか、又はそれを含み得る。示されるように、手術用ツール機器420Cは、ピンセットであり得るか、又はそれを含み得る。図示されるように、手術用ツール機器420Dは、点眼器であり得るか、又はそれを含み得る。例えば、点眼器を利用して眼122に流体を分配することができる。流体にはリボフラビンを含めることができる。具体的に図示されていない他の手術用ツール機器は、本明細書で説明する1つ以上のシステム、1つ以上のプロセス、及び/又は1つ以上の方法と共に利用され得る。
【0058】
一例として、手術用ツール機器420は、1つ以上のパターンで印を付けられ得る。1つ以上のパターンが、手術用ツール機器420を識別する際に利用され得る。1つ以上のパターンは、特に、ハッシュパターン、ストライプパターン、及びフラクタルパターンのうちの1つ以上を含み得る。別の例として、手術用ツール機器420は、染料及び/又は塗料で印を付けられ得る。染料及び/又は塗料は、特に、可視光、赤外光、及び紫外光のうちの1つ以上を反射し得る。一例では、照明器478は、紫外光を提供し得、画像センサ472は、手術用ツール機器420から反射された紫外光を受光し得る。コンピュータシステム430は、少なくとも手術用ツール機器420から反射された紫外光に基づいて、画像センサ472から画像データを受信し得、少なくとも手術用ツール機器420から反射された紫外光に基づいて、画像データを利用して、画像センサ472によって提供される他の画像データから手術用ツール機器420を識別することができる。別の例では、照明器478は、赤外光を提供し得、画像センサ472は、手術用ツール機器420から反射された赤外光を受光し得る。コンピュータシステム430は、少なくとも手術用ツール機器420から反射された赤外光に基づいて、画像センサ472から画像データを受信し得、少なくとも手術用ツール機器420から反射された赤外光に基づいて、画像データを利用して、画像センサ472によって提供される他の画像データから手術用ツール機器420を識別することができる。
【0059】
図示されるように、MID450は、接眼レンズ452A及び452Bを含み得る。示されるように、MID450は、ディスプレイ462A及び462Bを含み得る。外科医410は、接眼レンズ452A及び452Bを覗き込むことができる。一例では、ディスプレイ462Aは、接眼レンズ452Aを介して1つ以上の画像を表示することができる。外科医410の左眼は、接眼レンズ452Aを利用することができる。別の例では、ディスプレイ462Bは、接眼レンズ452Bを介して1つ以上の画像を表示することができる。外科医410の右眼は、接眼レンズ452Bを利用することができる。MID450を複数のディスプレイと共に示しているが、MID450は、単一のディスプレイ462を含み得る。例えば、単一のディスプレイ462は、接眼レンズ452A及び452Bの1つ以上を介して、1つ以上の画像を表示することができる。MID450は、1つ以上のディスプレイ462と共に実装され得る。
【0060】
示されるように、MID450は、画像センサ472A及び472Bを含み得る。一例では、画像センサ472A及び472Bは、画像を取得することができる。第2の例では、画像センサ472A及び472Bは、カメラを含み得る。別の例では、画像センサ472は、特に、可視光、赤外光、及び紫外光のうちの1つ以上を介して画像を取得することができる。1つ以上の画像センサ472A及び472Bは、画像のデータをコンピュータシステム430に提供することができる。MID450を複数の画像センサと共に示しているが、MID450は、単一の画像センサ472を含み得る。MID450は、1つ以上の画像センサ472と共に実装され得る。
【0061】
図示されるように、MID450は、距離センサ474A及び474を含み得る。例えば、距離センサ474は、手術用ツール機器420までの距離を判定することができる。距離センサ474は、Z軸に関連付けられた距離を判定し得る。MID450を複数の画像センサと共に示しているが、MID450は、単一の距離センサ474を含み得る。一例において、MID450は、1つ以上の距離センサ474で実装され得る。別の例において、MID450は、距離センサなしで実装され得る。
【0062】
示されるように、MID450は、レンズ476A及び476Bを含み得る。MID450を複数のレンズ476A及び476Bと共に示しているが、MID450は、単一のレンズ476を含み得る。MID450は、1つ以上のレンズ476と共に実装され得る。図示されるように、MID450は、照明器478A及び478Bを含み得る。例えば、照明器478は、特に可視光、赤外光及び紫外光の1つ以上を提供及び/又は生成することができる。MID450を複数の照明器と共に示しているが、MID450は、単一の照明器478を含み得る。MID450は、1つ以上の照明器478と共に実装され得る。MID450は、生体測定デバイス114に関して説明されたものと同様に、1つ以上のデバイス、1つ以上の構造及び/又は1つ以上の機能を含み得る。一例において、MID450は、OLCRデバイス166を含み得る。別の例において、MID450は、波面デバイス168を含み得る。MID450は、生体測定デバイス114を含み得る。示されるように、MID450は、生体測定デバイス114を含み得る。
【0063】
ここで、
図5を参照すると、コンピュータシステムの一例が示されている。示されるように、コンピュータシステム500は、プロセッサ510、揮発性メモリ媒体520、不揮発性メモリ媒体530及び入力/出力(I/O)装置540を含み得る。図示されるように、揮発性メモリ媒体520、不揮発性メモリ媒体530及びI/O装置540は、プロセッサ510に通信可能に結合され得る。
【0064】
「メモリ媒体」という用語は、「メモリ」、「記憶デバイス」、「メモリデバイス」、「コンピュータ可読媒体」、及び/又は「有形コンピュータ可読記憶媒体」を意味し得る。例えば、メモリ媒体は、ハードディスクドライブを含む直接アクセス記憶デバイス、テープディスクドライブなどのシーケンシャルアクセス記憶デバイス、コンパクトディスク(CD)、ランダムアクセスメモリ(RAM)、読み出し専用メモリ(ROM)、CD-ROM、デジタル多用途ディスク(DVD)、電気的消去可能なプログラマブル読み出し専用メモリ(EEPROM)、フラッシュメモリ、非一時的媒体、及び/又は前述したものの1つ以上の組み合わせなどの、記憶媒体を限定なしに含み得る。示されるように、不揮発性メモリ媒体530は、プロセッサ命令532を含み得る。プロセッサ命令532は、プロセッサ510により実行され得る。一例では、プロセッサ命令532の1つ以上の部分は、不揮発性メモリ媒体530を介して実行され得る。別の例では、プロセッサ命令532の1つ以上の部分は、揮発性メモリ媒体520を介して実行され得る。プロセッサ命令532の1つ以上の部分は、揮発性メモリ媒体520に転送され得る。
【0065】
プロセッサ510は、本明細書で説明される1つ以上のシステム、1つ以上のフローチャート、1つ以上のプロセス及び/又は1つ以上の方法の少なくとも一部分を実施する際にプロセッサ命令532を実行し得る。例えば、プロセッサ命令532は、本明細書に記述する1つ以上のシステム、1つ以上のフローチャート、1つ以上の方法及び/又は1つ以上の処理の少なくとも一部分に従い、命令により構成、コード化及び/又は符号化され得る。プロセッサ510は、単一プロセッサとして図示されているが、プロセッサ510は、複数のプロセッサであり得るか、又はそれらを含み得る。プロセッサは、1つ以上のプロセッサコアを含み得る。記憶媒体及びメモリ媒体のうちの1つ以上は、ソフトウェア製品、プログラム製品、及び/又は製造品であり得る。例えば、ソフトウェア製品、プログラム製品及び/又は製造品は、本明細書に記載の1つ以上のシステム、1つ以上のフローチャート、1つ以上の方法、及び/又は1つ以上の処理の少なくとも一部分に従い、プロセッサにより実行可能な命令で構成、コード化及び/又は符号化され得る。
【0066】
プロセッサ510は、メモリ媒体に保存された及び/又はネットワークを介して受信されたプログラム命令の解釈及び実行、データの処理又はその両方を行うように動作可能な任意の適切なシステム、デバイス又は装置を含み得る。プロセッサ510は、1つ以上のマイクロプロセッサ、マイクロコントローラ、デジタル信号プロセッサ(DSP)、特定用途向け集積回路(ASIC)又はプログラム命令の解釈及び実行、データの処理又はその両方を行うように構成された他の回路を更に含み得る。
【0067】
I/O装置540は、ユーザからの入力及びユーザへの出力を容易にすることにより、ユーザがコンピュータシステム500及びその関連コンポーネントと対話することを可能にし、許可し、且つ/又は有効にする任意の手段又は複数の手段を含み得る。ユーザからの入力を容易にすることにより、ユーザがコンピュータシステム500を操作及び/又は制御することを可能にし得、またユーザへの出力を容易にすることにより、コンピュータシステム500がユーザの操作及び/又は制御の効果を示すことを可能にし得る。例えば、I/O装置540は、ユーザがデータ、命令又はその両方をコンピュータシステム500に入力できるように、且つ他にコンピュータシステム500及びその関連構成要素を操作及び/又は制御できるようにする。I/O装置は、ユーザインタフェースデバイス、例えばキーボード、マウス、タッチスクリーン、ジョイスティック、ハンドヘルドレンズ、ツールトラッキング装置、座標入力装置又はシステムで用いるのに適した他の任意のI/O装置を含み得る。
【0068】
I/O装置540は、特に、本明細書に記述する1つ以上のシステム、処理及び/又は方法の少なくとも一部をプロセッサ510が実装することを促進及び/又は許可することができる1つ以上のバス、1つ以上のシリアル装置及び/又は1つ以上のネットワークインタフェースを含み得る。一例において、I/O装置540は、プロセッサ510が外部記憶装置と通信することを促進及び/又は許可することができるストレージインタフェースを含み得る。ストレージインタフェースは、特に、ユニバーサルシリアルバス(USB)インタフェース、SATA(シリアルATA)インタフェース、PATA(パラレルATA)インタフェース、及び小型計算機システムインタフェース(SCSI)のうちの1つ以上を含み得る。第2の例において、I/O装置540は、プロセッサ510がネットワークと通信することを促進及び/又は許可することができるネットワークインタフェースを含み得る。I/O装置540は、無線ネットワークインタフェース及び有線ネットワークインタフェースの1つ以上を含み得る。第3の例において、I/O装置540は、特に周辺構成要素相互接続(PCI)インタフェース、PCIエクスプレス(PCIe)インタフェース、シリアル周辺機器相互接続(SPI)インタフェース及び集積回路間(I2C)インタフェースの1つ以上を含み得る。第4の例において、I/O装置540は、プロセッサ510が1つ以上のセンサとデータを通信することを許可し得る回路を含み得る。第5の例において、I/O装置540は、プロセッサ510が特にディスプレイ550及びMID560の1つ以上とデータを通信することを促進及び/又は許可することができる。別の例において、I/O装置540は、プロセッサ510が撮像装置570とデータを通信することを促進及び/又は許可することができる。図示されるように、I/O装置540は、ネットワーク580に結合され得る。例えば、I/O装置540は、ネットワークインタフェースを含み得る。
【0069】
ネットワーク580は、特に、有線ネットワーク、無線ネットワーク、光ネットワーク又は前述のものの組み合わせを含み得る。ネットワーク580は、様々な種類の通信ネットワークを含み得、且つ/又はそれに結合され得る。例えば、ネットワーク580は、特に、ローカルエリアネットワーク(LAN)、ワイドエリアネットワーク(WAN)、インターネット、公衆交換電話網(PSTN)、携帯電話ネットワーク、衛星電話ネットワーク、又は前述のものの組み合わせを含み得、且つ/又はそれに結合され得る。WANは、特に、プライベートWAN、コーポレートWAN、パブリックWAN、又は前述のものの組み合わせを含み得る。
【0070】
本明細書に記述するコンピュータシステムは、コンピュータシステム500に関して記述したものと同様の1つ以上の構造及び/又は1つ以上の機能を含み得る。一例において、コンピュータシステム250は、コンピュータシステム500に関して説明されたものと同様の1つ以上の構造及び/又は1つ以上の機能を含み得る。第2の例では、コンピュータシステム112は、コンピュータシステム500に関して説明されたもののような1つ以上の構造及び/又は1つ以上の機能を含み得る。第3の例では、コンピュータシステム430は、コンピュータシステム500に関して説明されたもののような1つ以上の構造及び/又は1つ以上の機能を含み得る。別の例において、MID450のコンピュータシステムは、コンピュータシステム500に関して説明されたもののような1つ以上の構造及び/又は1つ以上の機能を含み得る。
【0071】
ここで
図6A~
図6Dを参照すると、眼の例が示されている。
図6Aに示されるように、眼122は、上向きに向けられ得る。一例では、眼122は、角度付けせずに上向きに向けられ得る。別の例では、眼122は、回転させずに上向きに向けられ得る。眼122が上向きに向けられていることを判定する際に、虹彩構造134A~134Cの1つ以上を利用することができる。例えば、コンピュータシステム430は、虹彩構造134A~134Cの1つ以上のそれぞれの位置を判定することができる。コンピュータシステム430は、少なくとも虹彩構造134A~134Cの1つ以上のそれぞれの位置に基づいて、眼122が上向きに向けられていることを判定することができる。
【0072】
図6Bに示されるように、眼122は回転され得る。1つ以上の虹彩構造134A~134Cは、眼122が回転していることを判定する際に利用され得る。例えば、コンピュータシステム430は、虹彩構造134A~134Cの1つ以上のそれぞれの位置を判定することができる。コンピュータシステム430は、眼122が、少なくとも虹彩構造134A~134Cの1つ以上のそれぞれの位置に基づく角度だけ、回転していることを判定することができる。
【0073】
図6Cに示されるように、眼122は、角度付けられ得る。図示されるように、眼122は、左に角度付けられ得る。眼122が角度付けられていることを判定する際に、虹彩構造134A~134Cの1つ以上を利用することができる。例えば、コンピュータシステム430は、虹彩構造134A~134Cの1つ以上のそれぞれの位置を判定することができる。コンピュータシステム430は、眼122が、少なくとも虹彩構造134A~134Cの1つ以上のそれぞれの位置に基づく角度だけ、角度付けられていることを判定することができる。
【0074】
図6Dに示されるように、眼122は、角度付けられ得る。示されるように、眼122は下向きに角度付けられ得る。眼122が角度付けられていることを判定する際に、虹彩構造134A~134Cの1つ以上を利用することができる。例えば、コンピュータシステム430は、虹彩構造134A~134Cの1つ以上のそれぞれの位置を判定することができる。コンピュータシステム430は、眼122が、少なくとも虹彩構造134A~134Cの1つ以上のそれぞれの位置に基づく角度だけ、角度付けられていることを判定することができる。
【0075】
ここで
図6E~
図6Hを参照すると、眼及び座標系の例が示されている。
図6Eに示されるように、眼122は、X軸に対してZ軸から角度θ
xにあり得る。角度θ
xは、正又は負であり得る。
図6Fに示されるように、眼122は、Y軸に対してZ軸から角度θ
yにあり得る。角度θ
yは、正又は負であり得る。
図6Gに示されるように、眼122は、ある角度φだけ回転され得る。例えば、眼122は、Z軸の周りを角度φだけ回転され得る。角度φは、正又は負であり得る。
図6Hに示されるように、眼122は、任意の軸610の周りを角度φだけ回転され得る。例えば、軸610は、3次元デカルト座標系のベクトルであり得る。角度φは、正又は負であり得る。一例では、軸610は、少なくとも角度θ
xに基づき得る。第2の例では、軸610は、少なくともθ
yに基づき得る。別の例では、軸610は、少なくとも角度θ
xに基づき、且つ少なくとも角度θ
yに基づき得る。
図6E~
図6Hは、デカルト座標系を利用しているが、任意の座標系が利用され得る。コンピュータシステム430は、少なくとも虹彩構造134A~134Cの1つ以上のそれぞれの位置に基づいて、角度θx、角度θy、角度φ及び軸610のうちの1つ以上を判定することができる。
【0076】
ここで
図7Aを参照すると、医療システムを動作させる方法の一例が示されている。710において、患者の眼の角膜に関連付けられた複数の場所に関連付けられたデータが受信され得る。例えば、コンピュータシステム430は、患者120の眼122の角膜310に関連付けられた複数の場所910に関連付けられたデータ810(
図8に示される)を受信することができる。データ810は、特に、データ815A~815Mのうちの1つ以上を含み得る。一例では、データ815A~815Mは、それぞれ、複数の場所910A~910Mに関連付けることができる。第2の例において、データ815Aは、
図9Cに示される場所910に関連付けることができる。別の例では、データ815Aは、
図9Cに示される場所910に関連付けることができ、データ815B及び815Cは、それぞれ、
図9D~9Fのいずれかに示される場所910A及び910Bに関連付けることができる。患者の眼の角膜に関連付けられた複数の場所に関連付けられたデータは、
図9C~9Fのいずれかの場所910を含んでいてもよい。例えば、複数のデータ815は、任意の順序で利用され得る。
図9D~9Fのいずれかに示される、場所910A~910Gに関連付けられたデータは、
図9Cに示される場所910に関連付けられたデータの前に利用され得る。
図9Cのいずれかに示される場所910に関連付けられたデータは、
図9D~9Fのいずれかに示される場所910A~910Gに関連付けられたデータの前に利用することができる。例えば、
図9C~9Fの図の1つ以上の場所は、
図9C~9Fの別の図のものがレーザービームで照射され得る前に、レーザービームで照射され得る。データ810は、この性能を説明、特徴付け、及び/又は示すことができる情報を含み得る。
【0077】
図9Aに示されるように、平面905は、複数の場所910A~910Mに関連付けることができる。平面905は、レーザー221が対物レンズ248から透過された後、レーザー221に直交することができる。平面905は、
図9Bに示されるように、眼122に関連付けることができる。複数の場所910A~910Mは、患者120の眼122の角膜310に関連付けることができる。
図9Aには14の場所のみが示されているが、任意の数の場所が利用され得る。
【0078】
更に、場所910は、任意の場所に配置することができる。一例では、単一の場所910が
図9Cに示されている。第2の例では、複数の場所910は、
図9Dに示されるように、平面905に関連付けることができる。第3の例では、複数の場所910は、
図9Eに示されるように、平面905に関連付けることができる。別の例では、複数の場所910は、
図9Fに示されるように、平面905に関連付けることができる。
図9Gに示されるように、複数の場所910は、眼122の角膜310に関連付けることができる。
図9Fに示されるように、角膜310の第1の部分920Aは、場所910に関連付けられている。
図9Fに示されるように、角膜310の第2の部分920Bは、第1の部分920Aとは異なり、場所910に関連付けられていない。例えば、角膜310の1つ以上の部分は治療され得るが、角膜310の1つ以上の他の部分は治療されない可能性がある。
【0079】
図8に示されるように、データ810は、データ815A~815Mを含み得る。例えば、データ815A~815Mは、それぞれ、場所910A~910Mに関連付けられ得る。データ815は、座標情報820を含み得る。例えば、座標情報820は、XY座標を含み得る。XY座標は、X軸とY軸に関連付けることができる。データ815は、直径情報825を含み得る。例えば、直径情報825は、場所910に関連付けられたレーザービームの直径測定値を含み得る。データ815は、期間情報830を含み得る。例えば、期間情報830は、場所910でレーザービームを印加するための期間を含み得る。データ815は、パルス持続時間情報835を含み得る。例えば、パルス持続時間情報835は、パルス持続時間を含み得る。一例として、パルス持続時間は、特に、マイクロ秒持続時間、ナノ秒持続時間、ピコ秒持続時間、フェムト秒持続時間、又はアト秒持続時間を含み得る。例えば、レーザー220は、少なくともパルス持続時間情報835に基づくパルス持続時間で構成され得る。
【0080】
715で、少なくとも1つのレンズは、少なくとも複数の場所のうちの少なくとも1つに関連付けられたデータの直径情報に基づいて調整されて、レーザービームの直径を設定することができる。例えば、レンズ242A及び242Bのうちの少なくとも1つは、少なくとも複数の場所のうちの少なくとも1つに関連付けられたデータの直径情報に基づいて調整されて、レーザービーム221の直径を設定することができる。コンピュータシステムは、制御情報をビームエキスパンダ241に提供して、レンズ242A及び242Bのうちの少なくとも1つを調整して、レーザービーム221の直径を設定することができる。一例では、コンピュータシステム250は、制御情報をビームエキスパンダ241に提供して、レンズ242A及び242Bのうちの少なくとも1つを調整して、レーザービーム221の直径を設定することができる。第2の例では、コンピュータシステム430は、制御情報をビームエキスパンダ241に提供して、レンズ242A及び242Bのうちの少なくとも1つを調整して、レーザービーム221の直径を設定することができる。第3の例では、コンピュータシステム430は、制御情報をコンピュータシステム250に提供することができる。コンピュータシステム250は、制御情報をビームエキスパンダ241に提供して、レンズ242A及び242Bのうちの少なくとも1つを調整して、レーザービーム221の直径を設定することができる。別の例では、コンピュータシステム430は、コンピュータシステム250であるか、又はコンピュータシステム250を含み得る。制御情報は、少なくとも、複数の場所のうちの少なくとも1つに関連付けられたデータの直径情報に基づくことができる。
【0081】
方法要素720~740は、患者の眼の角膜に関連付けられた複数の場所のそれぞれに対して実行され得る。例えば、方法要素720~740は、複数の場所910のそれぞれに対して実行され得る。
【0082】
720で、眼が、眼の第1の位置から、眼の第1の位置とは異なる眼の第2の位置に変化したかどうか、を判定することができる。例えば、コンピュータシステム430は、眼122が、眼の第1の位置から、眼の第1の位置とは異なる、眼の第2の位置に変化したかどうかを判定することができる。一例として、眼122は、
図6Aに示される眼122の第1の位置から、
図6Bに示される眼122の第2の位置に変化し得る。眼122は、
図6Aに示される眼122の第1の位置から、1回以上の回転を介して、
図6Bに示される眼122の第2の位置に変化している可能性がある。第2の例として、眼122は、
図6Aに示される眼122の第1の位置から、
図6Cに示される眼122の第2の位置に変化し得る。第3の例として、眼122は、
図6Aに示される眼122の第1の位置から、
図6Dに示される眼122の第2の位置に変化し得る。別の例として、眼122は、
図6Cに示される眼122の第1の位置から、
図6Dに示される眼122の第2の位置に変化し得る。眼が、眼の第1の位置から、眼の第1の位置とは異なる眼の第2の位置に変化したかどうかを判定することは、眼の瞳孔が瞳孔の第1の位置から瞳孔の第2の位置に変化したかどうかを判定することを含み得る。眼が、眼の第1の位置から、眼の第1の位置とは異なる眼の第2の位置に変化したかどうかを判定することは、眼の瞳孔の中心が、瞳孔の中心の第1の位置から瞳孔の中心の第2の位置に変化したかどうかを判定することを含み得る。
【0083】
眼が、眼の第1の位置から、眼の第1の位置とは異なる眼の第2の位置に変化したかどうかを判定することは、少なくとも1つの虹彩構造が、少なくとも1つの虹彩構造の第1の位置から少なくとも1つの虹彩構造の第2の位置に変化したかどうかを判定することを含み得る。一例では、虹彩構造134Aは、
図6Aに示される虹彩構造134Aの第1の位置にあり得、虹彩構造134Aは、
図6Bに示される虹彩構造134Aの第2の位置にあり得る。第2の例では、虹彩構造134Aは、
図6Aに示される虹彩構造134Aの第1の位置にあり得、虹彩構造134Aは、
図6Cに示される虹彩構造134Aの第2の位置にあり得る。第3の例では、虹彩構造134Aは、
図6Aに示される虹彩構造134Aの第1の位置にあり得、虹彩構造134Aは、
図6Dに示される虹彩構造134Aの第2の位置にあり得る。別の例では、虹彩構造134Aは、
図6Cに示される虹彩構造134Aの第1の位置にあり得、虹彩構造134Aは、
図6Dに示される虹彩構造134Aの第2の位置にあり得る。これらの例では、虹彩構造134Aが説明されているような方法で、虹彩構造134Aの代わりに、又はそれに加えて、虹彩構造134B及び134Cの1つ以上を利用することができる。一例として、虹彩構造134A~134Cの1つ以上は、医療システム110を介して判定することができる。別の例として、虹彩構造134A~134Cの1つ以上は、医療システム400を介して判定することができる。
【0084】
眼が眼の第1の位置から眼の第2の位置に変化していない場合、725で、少なくとも1つのミラーは、少なくとも場所に基づいて調整され得る。例えば、眼122が眼122の第1の位置から眼122の第2の位置に変化していない場合、スキャナ244の少なくとも1つのミラーは、少なくとも場所910に基づいて調整され得る。例えば、スキャナ244は、少なくとも場所910に基づいて調整され得る1つ以上のミラーを含み得る。
【0085】
眼が眼の第1の位置から眼の第2の位置に変化した場合、730で、少なくとも1つのミラーは、少なくとも場所に基づいて、及び少なくとも眼の第2の位置に基づいて調整され得る。例えば、眼122が眼122の第1の位置から眼122の第2の位置に変化した場合、スキャナ244の少なくとも1つのミラーは、少なくとも場所910に基づいて、及び少なくとも眼122の第2の位置に基づいて調整され得る。一例として、スキャナ244は、少なくとも場所910に基づいて、及び少なくとも眼122の第2の位置に基づいて調整され得る、1つ以上のミラーを含み得る。
【0086】
眼122が眼の第1の位置から眼の第2の位置に変化した場合、場所910は、少なくとも眼の第2の位置に基づいて平行移動され得る。少なくとも場所に基づいて、及び少なくとも眼の第2の位置に基づいて、少なくとも1つのミラーを調整することは、少なくとも場所に基づいて、及び少なくとも場所の平行移動に基づいて、少なくとも1つのミラーを調整することを含み得る。平行移動は、少なくとも眼の第2の位置に基づくことができる。一例では、少なくとも第2の位置に基づく平行移動は、眼122の瞳孔の中心の少なくとも第2の位置に基づく平行移動を含み得る。第2の例では、少なくとも眼の第2の位置に基づく平行移動は、虹彩構造の少なくとも第2の位置に基づく平行移動を含み得る。虹彩構造の第2の位置は、特に、虹彩構造134Aの第2の位置、虹彩構造134Bの第2の位置、又は虹彩構造134Cの第2の位置であり得る。別の例では、少なくとも眼の第2の位置に基づく平行移動は、少なくともそれぞれの複数の虹彩構造の第2の位置に基づく平行移動を含み得る。それぞれの複数の虹彩構造の第2の位置は、特に、虹彩構造134Aの第2の位置、虹彩構造134Bの第2の位置、及び虹彩構造134Cの第2の位置のうちの2つ以上を含み得る。
【0087】
コンピュータシステムは、1つ以上の場所910の1つ以上の平行移動を計算することができる。例えば、コンピュータシステムは、特に、角度θx、角度θy、角度φ、及び軸610のうちの少なくとも1つ以上に基づいて、場所910の平行移動を計算することができる。コンピュータシステムは、少なくとも虹彩構造134A~134Cの1つ以上のそれぞれの位置に基づいて、角度θx、角度θy、角度φ、及び軸610のうちの1つ以上を判定することができる。一例では、コンピュータシステムは、少なくとも虹彩構造134Aの第1の位置及び虹彩構造134Aの第2の位置に基づいて、角度θx、角度θy、角度φ、及び軸610のうちの1つ以上を判定することができる。第2の例では、コンピュータシステムは、少なくとも虹彩構造134Bの第1の位置及び虹彩構造134Bの第2の位置に基づいて、角度θx、角度θy、角度φ、及び軸610のうちの1つ以上を判定することができる。別の例では、コンピュータシステムは、少なくとも虹彩構造134Cの第1の位置及び虹彩構造134Cの第2の位置に基づいて、角度θx、角度θy、角度φ、及び軸610のうちの1つ以上を判定することができる。
【0088】
735で、レーザービームが生成され得る。例えば、レーザー220は、レーザービーム221を生成することができる。レーザービーム221は、UVレーザービームであり得る。例えば、レーザー220は、励起された原子及び/又は分子からの光子の誘導放出によって、UVスペクトルにおいてコヒーレントな単色光のビームを生成するデバイスであり得るか、又はそれを含み得る。レーザービームを生成することは、パルス持続時間でレーザービームをパルス化することを含み得る。例えば、パルス持続時間は、特に、マイクロ秒持続時間、ナノ秒持続時間、ピコ秒持続時間、フェムト秒持続時間、又はアト秒持続時間であり得る。パルス持続時間は、少なくとも場所910に関連付けられたパルス持続時間情報835に基づいて構成及び/又は設定され得る。一例では、パルス持続時間は、少なくとも場所910Aに関連付けられたパルス持続時間情報835Aに基づいて構成及び/又は設定され得る。別の例では、パルス持続時間は、少なくとも場所910Bに関連付けられたパルス持続時間情報835Bに基づいて構成及び/又は設定され得る。第1の場所に関連付けられた第1のパルス持続時間は、第2の場所に関連付けられた第2のパルス持続時間とは異なり得る。場所910Aに関連付けられたパルス持続時間は、場所910Bに関連付けられたパルス持続時間とは異なり得る。場所910Aに関連付けられたパルス持続時間は、場所910Bに関連付けられたパルス持続時間に等しくてもよい。
【0089】
レーザービームが生成される前に、フラップとポケットの少なくとも1つを眼の角膜において切開することができる。一例では、ブレードが眼の角膜を切開することができる。別の例では、別のレーザーが眼の角膜を切開することができる。レーザービームが生成される前に、リボフラビンが角膜の内部に適用され得る。例えば、リボフラビンは、切開されたフラップを介して、又は切開されたポケットを介して、角膜の内部に適用され得る。レーザービームが生成される前に、角膜の層を除去して、角膜の内部を露出させることができる。
図3に示される層320は、除去され得る。リボフラビンは、角膜の層が除去された後、レーザービームが生成される前に角膜に適用され得る。
【0090】
740で、レーザービームは、場所に関連付けられた期間、場所に向けられ得る。例えば、レーザービーム221は、場所910に関連付けられた期間、場所910に向けられ得る。集束光学系240は、場所910に関連付けられた期間、レーザービーム221を場所910に向けることができる。第1の場所に関連付けられた第1の期間は、第2の場所に関連付けられた第2の期間とは異なり得る。例えば、場所910Aに関連付けられた期間は、場所910Bに関連付けられた期間とは異なり得る。場所910Aに関連付けられた期間は、期間情報830Aによって示され得る。場所910Bに関連付けられた期間は、期間情報830Bによって示され得る。第1の場所に関連付けられた期間は、第2の場所に関連付けられた第2の期間と等しくてもよい。例えば、場所910Aに関連付けられた期間は、場所910Bに関連付けられた期間に等しくてもよい。
【0091】
場所に関連付けられた期間、場所にレーザービームを向けると、角膜のコラーゲン線維間の結合を追加する強めることができる。例えば、場所910に関連付けられた期間、レーザービーム221を場所910に向けると、場所910に関連付けられた角膜310のコラーゲン線維間の結合を強めることができる。
【0092】
コラーゲン線維間の結合は、角膜310の安定化を助けることができる。例えば、場所910の各場所に関連付けられたコラーゲン線維間の結合は、角膜310の安定化を助けることができる。場所910は、少なくとも角膜310のトポグラフィに基づいて判定することができる。場所910は、少なくとも角膜310に関連付けられたそれぞれの複数の位置での厚さに基づいて判定することができる。場所910は、少なくとも、特に、角膜310及び眼122のうちの1つ以上に関連付けられた屈折情報に基づいて判定することができる。例えば、特に、方法7A及び7Bのうちの1つ以上は、角膜310の乱視を矯正するのに利用され得る。場所910は、少なくとも、角膜310を弱める及び/又は薄くする可能性のある問題及び/又は疾患を軽減又は阻止することができる医療計画に基づいて判定することができる。例えば、場所910は、少なくとも進行性円錐角膜が悪化するのを軽減又は阻止することができる医療計画に基づいて判定することができる。
【0093】
ここで
図7Bを参照すると、医療システムを操作する方法の別の例が示されている。方法要素710及び720~740は、
図7Aを参照して説明したように実行することができる。
図7Bに関連付けられた方法では、方法要素715~740は、患者の眼の角膜に関連付けられた複数の場所のそれぞれに対して実行され得る。例えば、方法要素715~740は、複数の場所910のそれぞれに対して実行され得る。715で、少なくとも1つのレンズは、少なくとも場所に関連付けられたデータの直径情報に基づいて調整されて、レーザービームの直径を設定することができる。
【0094】
第1の場所に関連付けられた少なくとも第1の直径は、第2の場所に関連付けられた第2の直径とは異なり得る。一例では、場所910Aに関連付けられた直径は、場所910Bに関連付けられた直径とは異なり得る。直径情報825Aは、場所910Aに関連付けられた直径を示し得る。直径情報825Bは、場所910Bに関連付けられた直径を示し得る。第2の例では、場所910Aに関連付けられた直径は、場所910Cに関連付けられた直径とは異なり得る。直径情報825Aは、場所910Aに関連付けられた直径を示し得る。直径情報825Cは、場所910Cに関連付けられた直径を示し得る。別の例では、場所910Aに関連付けられた直径は、場所910Dに関連付けられた直径に等しくてもよい。直径情報825Aは、場所910Aに関連付けられた直径を示し得る。直径情報825Dは、場所910Dに関連付けられた直径を示し得る。
【0095】
方法及び/若しくはプロセス要素の1つ以上、並びに/又は方法及び/若しくはプロセッサ要素の1つ以上の部分は、変化した順序で実行されるか、反復されるか、又は省略され得る。更に、追加の、補足の、及び/又は重複した方法、及び/又はプロセス要素は、必要に応じて実施、インスタンス化、及び/又は実行され得る。更に、必要に応じて、システム要素の1つ以上を省略し得、且つ/又は追加のシステム要素を追加し得る。
【0096】
メモリ媒体は、製造品であり得、且つ/又は製造品を含み得る。例えば、製造品は、ソフトウェア製品及び/若しくはプログラム製品を含み得、且つ/又はソフトウェア製品及び/若しくはプログラム製品であり得る。メモリ媒体は、製造品を製造するために、本明細書で説明された1つ以上のフローチャート、システム、方法、及び/又はプロセスに従い、プロセッサ実行可能な命令でコード化及び/又は符号化され得る。
【0097】
上記で開示された主題は、限定ではなく、例示としてみなされるべきであり、添付された特許請求の範囲は、本開示の真の趣旨及び範囲内にある全てのそのような修正形態、拡張形態及び他の実装形態を包含するように意図される。したがって、法律で認められる最大限の範囲において、本開示の範囲は、以下の特許請求の範囲及びそれらの均等物の最も広い許容可能な解釈によって判断され、上述の詳細な説明によって制限又は限定されないものとする。
【国際調査報告】