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特表2023-505431ねじの無い埋め込み可能な医療用リード線延長部
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-02-09
(54)【発明の名称】ねじの無い埋め込み可能な医療用リード線延長部
(51)【国際特許分類】
   A61N 1/05 20060101AFI20230202BHJP
【FI】
A61N1/05
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022530883
(86)(22)【出願日】2020-12-09
(85)【翻訳文提出日】2022-06-13
(86)【国際出願番号】 EP2020085355
(87)【国際公開番号】W WO2021116215
(87)【国際公開日】2021-06-17
(31)【優先権主張番号】16/712,304
(32)【優先日】2019-12-12
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】516049548
【氏名又は名称】メドトロニック・バッケン・リサーチ・センター・ベスローテン・フェンノートシャップ
(74)【代理人】
【識別番号】100118902
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 修
(74)【代理人】
【識別番号】100106208
【弁理士】
【氏名又は名称】宮前 徹
(74)【代理人】
【識別番号】100196508
【弁理士】
【氏名又は名称】松尾 淳一
(74)【代理人】
【識別番号】100101373
【弁理士】
【氏名又は名称】竹内 茂雄
(72)【発明者】
【氏名】ファン フェンルーイ,パウルス・シー
【テーマコード(参考)】
4C053
【Fターム(参考)】
4C053CC10
(57)【要約】
本開示は、第1のリード線部及び第2のリード線部を含む医療用リード線システムを説明する。第1のリード線部は、遠位端から近位端まで長手方向軸に沿って延在し、結合凹部を画定する第1の細長い本体を含む。第2のリード線部は、遠位端から近位端まで長手方向軸に沿って延在する第2の細長い本体と、第1のリード線部の近位端を受容するように構成されたチャネルを画定するコネクタと、を含む。コネクタは、第1のリード線部がチャネルに挿入されると、結合凹部に機械的に係合して、第1のリード線部を少なくとも長手方向軸に対して軸方向に第2のリード線部に固定するように構成された結合部材を含む。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
医療用リード線システムであって、
遠位端から近位端まで長手方向軸に沿って延在する第1の細長い本体を備え、結合凹部を画定する第1のリード線部と、
第2のリード線部であって、
遠位端から近位端まで前記長手方向軸に沿って延在する第2の細長い本体と、
前記第1のリード線部の前記近位端を受容するように構成されたチャネルを画定し、前記第1のリード線部が前記チャネルに挿入されると、前記結合凹部に機械的に係合して前記第1のリード線部を前記第2のリード線部に前記長手方向軸に対して少なくとも軸方向に固定するように構成された結合部材を備えるコネクタと、を備える、第2のリード線部と、
を備え、
前記第1のリード線部又は前記第2のリード線部のうちの1つは、1つ以上の電極を担持する、医療用リード線システム。
【請求項2】
前記結合凹部は、前記第1のリード線部の前記細長い本体の主表面に対して半径方向内側にオフセットした凹部表面を画定し、前記結合部材は、前記結合凹部の少なくとも一部と機械的に係合するように構成された変位可能な突起部を備える、請求項1に記載の医療用リード線システム。
【請求項3】
前記結合部材は、ピン、ボタン、クリップ、バンド、ばね、又はフックのうちの少なくとも1つを備える、請求項1に記載の医療用リード線システム。
【請求項4】
前記結合部材は、前記コネクタの本体によって画定された空洞内に配置されている、請求項1に記載の医療用リード線システム。
【請求項5】
前記結合部材は、前記結合部材を前記結合部材の係合構成に向かって付勢するように構成された弾性材料又は付勢部材を含む、請求項1に記載の医療用リード線システム。
【請求項6】
前記第1のリード線部の前記近位端は、前記長手方向軸の周りに延在する少なくとも1つの電気端子を備え、前記1つ以上の電極は、前記電気端子に電気的に結合され、前記コネクタは、前記チャネルを画定する前記コネクタの表面に配置され、前記第1のリード線部が前記チャネルに挿入されると、前記第1のリード線部の前記電気端子に電気的に結合するように構成された少なくとも1つの電気接点を更に備える、請求項1に記載の医療用リード線システム。
【請求項7】
前記第1のリード線部の前記電気端子は複数の電気端子を備え、各それぞれの電気端子は、前記長手方向軸に対して前記第1のリード線部本体上の異なるそれぞれの位置に配置され、前記第2のリード線部の前記電気接点は、複数の電気接点を備え、各それぞれの電気接点は、前記第1のリード線部が前記チャネル内に機械的に固定されたときに、前記第1のリード線部本体の各それぞれの電気端子がそれぞれの電気接点に電気的に結合するように、前記チャネル上の異なるそれぞれの位置に配置される、請求項6に記載の医療用リード線システム。
【請求項8】
前記第1のリード線部は医療用リード線を備え、前記第2のリード線部は医療用リード線延長部を備える、請求項1に記載の医療用リード線システム。
【請求項9】
前記第2のリード線部の前記近位端は、埋め込み可能な医療装置(IMD)に電気的に結合するように構成される、請求項1に記載の医療用リード線システム。
【請求項10】
医療用リード線システムであって、
遠位端から近位端まで長手方向軸に沿って延在する第1の細長い本体と結合部材とを備える第1のリード線部と、
遠位端から近位端まで前記長手方向軸に沿って延在する第2の細長い本体を備える第2のリード線部であって、前記第2のリード線部の前記遠位端は、前記第1のリード線部の前記近位端を受容するように構成されたチャネルを画定するコネクタを備え、前記コネクタは結合凹部を画定し、前記結合部材は、前記第1のリード線部が前記チャネルに挿入されると、前記結合凹部に機械的に係合して前記第1のリード線部を前記第2のリード線部に前記長手方向軸に対して少なくとも軸方向に固定するように構成される、第2のリード線部と、を備え、
前記第1のリード線部又は前記第2のリード線部のうちの1つは、1つ以上の電極を担持する、医療用リード線システム。
【請求項11】
前記結合凹部は、前記長手方向軸に対して半径方向外側にオフセットした凹部表面を画定し、前記結合部材は、前記結合凹部の少なくとも一部に機械的に係合するように構成された変位可能な突起部を備える、請求項10に記載の医療用リード線システム。
【請求項12】
前記結合部材は、ピン、ボタン、クリップ、バンド、ばね、又はフックのうちの少なくとも1つを備える、請求項10に記載の医療用リード線システム。
【請求項13】
前記結合部材は、前記第1のリード線部の前記細長い本体によって画定された空洞内に配置されている、請求項10に記載の医療用リード線システム。
【請求項14】
前記結合部材は、前記結合部材を前記結合部材の係合構成に向かって付勢するように構成された弾性材料又は付勢部材を含む、請求項10に記載の医療用リード線システム。
【請求項15】
前記第1のリード線部の前記近位端は、前記長手方向軸の周りに延在する少なくとも1つの電気端子を備え、前記1つ以上の電極は、前記電気端子に電気的に結合され、前記コネクタは、前記チャネルを画定する前記コネクタの表面に配置され、前記第1のリード線部が前記チャネルに挿入されると、前記第1のリード線部の前記電気端子に電気的に結合するように構成された少なくとも1つの電気接点を更に備える、請求項10に記載の医療用リード線システム。
【請求項16】
前記第1のリード線部の前記電気端子は複数の電気端子を備え、各それぞれの電気端子は、前記長手方向軸に対して前記第1のリード線部本体上の異なるそれぞれの位置に配置され、前記第2のリード線部の前記電気接点は、複数の電気接点を備え、各それぞれの電気接点は、前記第1のリード線部が前記チャネル内に機械的に固定されたときに、前記第1のリード線部本体の各それぞれの電気端子がそれぞれの電気接点に電気的に結合するように、前記チャネル上の異なるそれぞれの位置に配置される、請求項15に記載の医療用リード線システム。
【請求項17】
前記第1のリード線部は医療用リード線を備え、前記第2のリード線部は医療用リード線延長部を備える、請求項10に記載の医療用リード線システム。
【請求項18】
前記第2のリード線部の前記近位端は、埋め込み可能な医療装置(IMD)に電気的に結合するように構成される、請求項10に記載の医療用リード線システム。
【請求項19】
遠位端から近位端まで長手方向軸に沿って延在する細長い本体を備える医療用リード線システムであって、
前記細長い本体は結合凹部を画定し、
前記細長い本体の前記近位端は、医療用リード線延長部の遠位端から延在するコネクタによって画定されるチャネル内に受容されるように構成され、
前記結合凹部は、前記細長い本体の前記近位端が前記リード線延長部の前記チャネルに挿入されると、前記細長い本体を前記長手方向軸に対して少なくとも軸方向に前記リード線延長部に機械的に固定するために、前記リード線延長部の結合部材を受容するように構成される、医療用リード線システム。
【請求項20】
前記リード線延長部を更に備える、請求項19に記載の医療用リード線システム。
【請求項21】
医療用リード線システムであって、
遠位端から近位端まで前記長手方向軸に沿って延在する細長い本体と、
前記細長い本体の前記遠位端から延在するコネクタであって、前記コネクタは、医療用リード線の近位端を受容するように構成されたチャネルを画定し、前記コネクタは、前記リード線の前記近位端が前記チャネルに挿入されると、前記リード線の前記近位端によって画定された結合凹部に機械的に係合して、前記リード線を前記長手方向軸に対して少なくとも軸方向に前記リード線延長部に固定するように構成された結合部材を備える、コネクタと、
を備える、医療用リード線システム。
【請求項22】
前記リード線を更に備える、請求項21に記載の医療用リード線システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[0001]
本開示は、医療装置システムに関し、より具体的には、医療装置システムの構成要素間の接続に関する。
【背景技術】
【0002】
[0002]
医療装置は、慢性疼痛、発作性疾患(例えば、てんかん)、不整脈(例えば、細動)、振戦、パーキンソン病、他の種類の運動障害、肥満、気分障害、尿若しくは便失禁、又は他の種類の症状若しくは状態などの症状又は状態を治療するため、患者に治療法を送達するために使用することができる。この治療法は、電気刺激療法であり得る。医療装置、例えば埋め込み可能な医療装置(IMD)は、深部脳刺激(DBS)、脊髄刺激(SCS)、仙骨神経変調(SNM)、骨盤刺激、胃刺激、末梢神経刺激(PNS)、心臓刺激、機能的電気刺激、又は他の種類の刺激などの治療法に使用することができる。
【発明の概要】
【0003】
[0003]
本開示は、治療法を患者に送達するための医療用リード線及びリード線システムについて記載する。例えば、医療用リード線システムは、1つ以上の電極を有する医療用電気リード線(「リード線」)を使用する患者に、電気刺激を送達し、及び/又は、患者の電気信号を感知するように構成され得る。リード線は、医療用リード線延長部(「リード線延長部」)を介して埋め込み可能な医療装置IMDの電気回路に電気的に結合されるように構成され得る。リード線をリード線延長部に機械的に結合することにより、リード線及び/又はリード線延長部は、トルク、圧縮、又は張力などの応力を受けることがある。例えば、1つ以上の止めねじを含む機械的結合器は、1つ以上の止めねじを締め付けることによってリード線及び/又はリード線延長部内の構成要素のトルク及び/又は圧縮を誘発することがある。更に、1つ以上の止めねじなどの固定された機械的結合器は、埋め込み手順中にリード線及び/又はリード線延長部の屈曲又はよじれによって生じる圧縮、張力、又はねじれなどの応力の緩和を妨げ得る。
【0004】
[0004]
本開示は、リード線を医療用リード線延長部又はリード線をIMDに機械的に結合するように構成されたコネクタを含む医療装置システムを記載する。コネクタは、ねじ無し及び/又は自由回転の機械的結合器を含むことができる。コネクタは、リード線をリード線延長部に対して軸方向に固定することを可能にし、一方、任意選択的に、リード線及びリード線延長部の長手方向軸を中心とした一方向又は両方向の回転を可能にする。
【0005】
[0005]
いくつかの例では、本開示は、第1のリード線部及び第2のリード線部を含む医療用リード線システムを説明する。第1のリード線部は、遠位端から近位端まで長手方向軸に沿って延在し、結合凹部を画定する第1の細長い本体を含む。第2のリード線部は、遠位端から近位端まで長手方向軸に沿って延在する第2の細長い本体と、第1のリード線部の近位端を受容するように構成されたチャネルを画定するコネクタと、を含む。コネクタは、第1のリード線部がチャネルに挿入されると、結合凹部に機械的に係合して、第1のリード線部を少なくとも長手方向軸に対して軸方向に第2のリード線部に固定するように構成された結合部材を含む。第1のリード線部又は第2のリード線部のうちの1つは、1つ以上の電極を担持する。
【0006】
[0006]
いくつかの例では、本開示は、第1のリード線部及び第2のリード線部を含む医療用リード線システムを説明する。第1のリード線部は、遠位端から近位端まで長手方向軸に沿って延在する第1の細長い本体と、結合部材と、を含む。第2のリード線部は、遠位端から近位端まで長手方向軸に沿って延在する第2の細長い本体を含む。第2のリード線部の遠位端は、第1のリード線部の近位端を受容するように構成されたチャネルを画定するコネクタを含む。コネクタはまた、結合凹部を画定する。第1のリード線部の結合部材は、第1のリード線部が第2のリード線部のチャネルに挿入されると、コネクタの結合凹部に機械的に係合して、第1のリード線部を少なくとも長手方向軸に対して軸方向に第2のリード線部に固定するように構成される。第1のリード線部又は第2のリード線部のうちの1つは、1つ以上の電極を担持する。
【0007】
[0007]
いくつかの例では、本開示は、遠位端から近位端まで長手方向軸に沿って延在する細長い本体を含む医療用リード線システムを記載する。細長い本体は結合凹部を画定する。細長い本体の近位端は、医療用リード線延長部の遠位端から延在するコネクタによって画定されるチャネル内に受容されるように構成される。結合凹部は、細長い本体の近位端がリード線延長部のチャネルに挿入されると、細長い本体を長手方向軸に対して少なくとも軸方向にリード線延長部に機械的に固定するために、リード線延長部の結合部材を受容するように構成される。
【0008】
[0008]
いくつかの例では、本開示は、遠位端から近位端まで長手方向軸に沿って延在する細長い本体と、細長い本体の遠位端から延在するコネクタと、を含む医療用リード線システムを記載する。コネクタは、医療用リード線の近位端を受容するように構成されたチャネルを画定する。コネクタは、リード線の近位端がチャネルに挿入されると、リード線の近位端によって画定された結合凹部に機械的に係合して、リード線を少なくとも長手方向軸に対して軸方向にリード線延長部に固定するように構成された結合部材を備える。
【0009】
[0009]
本開示の1つ以上の態様の詳細は、付随する図面及び以下の記述において説明される。その他の特徴、対象及び利点は、説明及び図面並びに特許請求の範囲から明らかとなろう。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】[0010] リード線延長部と、患者の脳に埋め込まれたリード線とを含む例示的な医療用リード線システムを示す概念図である。
図2】[0011] 図1に示すIMDの構成要素を示す機能的ブロック図である。
図3A】[0012] 医療用リード線システムの例示的なコネクタの斜視図を示す概念図である。
図3B】[0013] 図3Aに示される結合部材と結合凹部との機械的な係合を示す斜視図及び平面図である。
図3C図3Aに示される結合部材と結合凹部との機械的な係合を示す斜視図及び平面図である。
図4A】[0014] 医療用リード線システムの例示的なコネクタの斜視図を示す概念図である。
図4B】[0015] 係合解除構成(図4B及び図4C)におけるコネクタ、リード線、及び結合部材、並びに係合構成のリード線及び結合部材(図4D)の横方向断面図である。
図4C】係合解除構成(図4B及び図4C)におけるコネクタ、リード線、及び結合部材、並びに係合構成のリード線及び結合部材(図4D)の横方向断面図である。
図4D】係合解除構成(図4B及び図4C)におけるコネクタ、リード線、及び結合部材、並びに係合構成のリード線及び結合部材(図4D)の横方向断面図である。
図5A】[0016] 医療用リード線システムの例示的な弾性バンド結合部材の斜視図を示す概念図である。
図5B】医療用リード線システムの例示的な弾性バンド結合部材の斜視図を示す概念図である。
図5C】医療用リード線システムの例示的な弾性バンド結合部材の斜視図を示す概念図である。
図6】[0017] 医療用リード線システムの例示的なクリップ結合部材の斜視図を示す概念図である。
図7】[0018] 医療用リード線システムの例示的なクリップ結合部材の斜視図を示す概念図である。
図8A】[0019] 係合構成に付勢された医療用リード線システムの例示的な結合部材の平面図を示す概念図である。
図8B】係合構成に付勢された医療用リード線システムの例示的な結合部材の平面図を示す概念図である。
図9A】[0020] リード線の結合部材と係合するように構成された凹部を画定するコネクタを有するリード線延長部を含む例示的な医療用リード線システムの斜視図を示す概念図である。
図9B】[0021] それぞれ、図9Aに示される医療用リード線システムの係合及び係合解除構成の軸方向断面図である。
図9C】それぞれ、図9Aに示される医療用リード線システムの係合及び係合解除構成の軸方向断面図である。
図10】[0022] 埋め込み可能な医療用リード線を製造するための例示的な手法のフロー図である。
図11】[0023] リード線延長部をリード線に結合するための例示的な技術の流れ図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
[0024]
本開示は、医療用リード線及び医療用リード線延長部を含む医療用リード線及び医療用リード線システム(「リード線システム」)に関する。医療用リード線(「リード線」)は、1つ以上の導電性ワイヤ又は他の導電性材料(「導電体」)によって電気的に結合された1つ以上の導電性電極及び/又は1つ以上の導電性端子(「電気端子」)を含むことができる。医療用リード線延長部(「リード線延長部」)は、リード線延長部内の1つ以上の導電体によって、リード線を埋め込み可能な医療装置(IMD)に電気的に結合するように構成された1つ以上の導電性接点(「電気接点」)を各々有する1つ以上のコネクタを含むことができる。リード線及びリード線延長部を使用して、IMDは、患者に治療を施して患者の状態を治療するため電気信号を送達又は感知することができる。コネクタに電気的に接続された医療装置からの電気刺激は、電極の表面にわたって送達される導体に沿って行われてもよい。
【0012】
[0025]
典型的には、1つ以上の止めねじを使用して、リード線をリード線延長部に機械的に結合する。止めねじを締めること、又は埋め込み中にリード線又はリード線延長部を曲げるか又はよじることは、リード線及び/又はリード線延長部にトルク、圧縮、又は張力をかける可能性がある。このようにして、リード線の構成要素及び/又はリード線延長部の構成要素は、圧縮、引張、又はせん断応力を受けることがある。例えば、リード線の電気端子に機械的に係合するように構成された止めねじは、リード線の電気端子及び/又は導電体に圧縮力をもたらすことがある。別の例として、リード線延長部のコネクタに取り付けられた止めねじが、リード線の電気端子に機械的に係合するようにトルクを与えられると、トルクは、リード線及び/又はリード線延長部内のコネクタ(例えば、止めねじ取り付け)及び/又は導電体のねじれをもたらし得る。別の例として、1つ以上の止めねじなどの固定された機械的結合器は、リード線が軸方向に移動する、又はリード線延長部に対して回転することを防止することができ、これらはリード線及び/又はリード線延長部の屈曲又はよじれ、並びにリード線及び/又はリード線延長部の導電体のトルク、圧縮、又は張力を引き起こす可能性がある。いくつかの例では、リード線及び/又はリード線延長部が閾値トルク若しくは圧縮、並びに/又は屈曲及び/若しくはねじれに起因する圧縮、張力、若しくはよじれにさらされる場合、これらの力は、リード線の構成要素(例えば、リード線の導電体又は電気端子)及び/又はリード線延長部の構成要素(例えば、リード線延長部の導電体、電気接点、又はコネクタ)の故障をもたらす可能性がある。リード線又はリード線延長部の1つ以上の構成要素の故障は、IMDから電極への電気刺激又は他の電気信号の伝達を変更又は防止することがある。
【0013】
[0026]
本開示の実施形態によれば、医療用リード線は、リード線を医療用リード線延長部に機械的に結合するように構成されたコネクタを含むことができる。他の例では、リード線は、埋め込み可能な医療装置に直接結合することができる。コネクタは、ねじ無し及び/又は自由回転の機械的結合器を含むことができる。コネクタは、リード線をリード線延長部に対して軸方向に固定することを可能にし、一方、任意選択的に、リード線及びリード線延長部の長手方向軸を中心とした一方向又は両方向の回転を可能にする。コネクタはねじ無しであるため、コネクタは、リード線をリード線延長部に機械的に結合するためにねじれ又は圧縮を必要としない。追加的又は代替的に、コネクタは、リード線延長部に対するリード線の回転を可能にするため、コネクタは、埋め込み中にリード線又はリード線延長部にもたらされる圧縮、張力、又はねじれの軽減を可能にすることができる。このようにして、本明細書で説明する例示的なリード線システムは、埋め込み手順中のリード線及び/又はリード線延長部の故障、埋め込み中にリード線及び/又はリード線延長部に加えられる応力によって引き起こされる故障、又はその両方を低減することができる。
【0014】
[0027]
本明細書で論じられる埋め込み可能な医療用リード線は、治療を提供し、及び/又は生理信号を感知するように構成されたシステムを含む、様々なシステムで使用され得る。図1は、リード線延長部12と、皮下に埋め込まれたリード線14とを含む例示的な医療用リード線システム10を示す概念図であり、リード線14の遠位部分は、患者18の脳16内に埋め込まれている。説明を容易にするために、本開示の例は、主に、深部脳刺激(DBS)の形態で患者18の脳16に神経刺激療法を適用する埋め込み可能な電気刺激リード線及び埋め込み可能な医療装置に関して記載される。しかしながら、本明細書に記載されるシステム及び技術は、医療用リード線を使用して患者に電気刺激を送達する、及び/又は、医療用リード線の1つ以上の電極を介した電気信号を感知するための、他の種類の医療装置システムにおいて有用であり得る。例えば、本明細書に記載されるシステム及び技術は、患者の心臓に刺激療法を送達する医療装置、例えばペースメーカー、及びペースメーカー除細動器などを伴うシステムにおいて使用され得る。他の例として、本明細書に記載されるシステム及び技術は、他の種類の神経刺激療法(例えば、脊髄刺激又は迷走神経刺激)、少なくとも1つの筋肉又は筋群の刺激、胃系刺激などの少なくとも1つの器官の刺激、遺伝子治療に付随する刺激、及び一般に、患者の任意の組織の刺激を送達するシステムにおいて具現化されてもよい。医療用リード線システムは、ヒト対象又は非ヒト対象と共に使用されてもよい。
【0015】
[0028]
図1に示されるように、医療用リード線システム10は、外部医療装置プログラマー20と、埋め込み可能な医療装置(IMD)22と、リード線延長部12と、リード線14と、を含む。リード線14は、リード線14の遠位端26に隣接する複数の電極24を含む。IMD22は、電極24のうちの1つ以上を介して患者18の脳16の1つ以上の領域で電気刺激を生じさせ、その領域に電気刺激療法を送達する、電気刺激発生器を含むスイッチング回路を含む。図1に示される例では、IMD22は、脳16内の組織、例えば、脳16の硬膜下の組織部位に直接電気刺激療法を提供するため、医療用リード線システム10はDBSシステムと称され得る。他の例では、リード線14は、脳16の表面(例えば、脳16の皮質表面)又は脳16の脳神経又は頭部の末梢神経に治療を送達するように配置されてもよい。
【0016】
[0029]
リード線14は、遠位端26から近位端28まで延在する。リード線延長部12は、遠位端30から近位端32まで延在する。リード線14の近位部分、例えば近位端28付近、及びリード線延長部12の遠位部分、例えば遠位端30付近は、コネクタ34で電気的及び機械的に結合される。コネクタ34は、リード線14の近位部分をリード線延長部12の遠位部分にねじれ又は圧縮無しに電気的及び機械的に結合するように構成される。いくつかの例では、コネクタ34は、リード線延長部12の遠位部分から延在するか、又はそれと一体的に形成されてもよい。他の例では、コネクタ34は、リード線14の近位部分から延在し得るか、又はそれと一体的に形成されてもよい。追加的又は代替的に、コネクタ34は、リード線延長部12に対するリード線14の回転を可能にする。回転は、90度を超える、180度を超える、又は360度を超えるなど、閾値度を超える回転を含むことができる。
【0017】
[0030]
リード線延長部12及びリード線14は、任意の好適な材料又は材料の組み合わせで構成され得る。リード線延長部12及び/又はリード線14は、例えば、1つ以上のワイヤ、フィラメント、組紐、又は他の細長い導電性部材などの1つ以上の導電体を含み得る。細長い導電性部材は、例えば、白金、パラジウム、イリジウム、チタン及びチタン合金、例えばチタンモリブデン合金(TiMoly)、ニッケル及びニッケル合金、例えばMP35N合金などの1つ以上の導電性材料を含むことができる。リード線延長部12及び/又はリード線14は、それぞれの近位端及び遠位端に、それぞれの導電体に結合されたそれぞれの電気端子又は電気接点を含むことができる。電気端子又は電気接点は、上記の導電性材料のいずれか1つ以上を含むことができる。リード線延長部12及び/又はリード線14は、1つ以上の細長い導電性部材を囲む電気絶縁材料を含むことができる。絶縁材料は、例えば、身体組織との接触に適したポリマー材料、ポリウレタン、シリコーン、フルオロポリマー、フルオロエラストマー、ポリエチレン、ポリエステル、エポキシ、又は生体適合性ポリマーを含むことができる。いくつかの例では、リード線延長部12及び/又はリード線14はまた、絶縁材料を囲む外側ジャケットを含むことができる。外側ジャケットは、例えば、ポリウレタン、シリコーン、シリコン-ポリウレタンブレンド、又は身体組織との接触に好適な生体適合性ポリマーを含み得る。
【0018】
[0031]
いくつかの例では、医療用リード線システム10は、リード線延長部12をIMD22に電気的及び機械的に結合するように構成されたリード線延長部12の近位端32に隣接する電気接続スリーブブロック38を含むことができる。このようにして、リード線延長部12及びリード線14の導電性経路を使用して、IMD22は、患者18の脳16に電気刺激を送達し、及び/又は電極24を使用して脳16の電気信号を感知することができる。リード線延長部12を含むものとして説明されているが、いくつかの例では、リード線14は、本明細書に記載のコネクタのいずれかなどのコネクタ34を含むIMD22に直接接続されてもよい。
【0019】
[0032]
図1に示される例では、IMD22は、患者18の鎖骨の下の皮下ポケット36内に埋め込まれてもよい。他の例では、IMD22は、患者18の他の領域、例えば、患者18の腹部若しくは臀部、又は例えば、頭皮と頭蓋との間の患者18の頭蓋40に近接する皮下ポケット36内に埋め込まれてもよい。リード線延長部12の近位端32をIMD22に結合する接続スリーブブロック38は、例えば、リード線延長部12の近位端32のそれぞれの電気接点に電気的に結合する電気接点を含むことができる。電気接点は、リード線14の遠位端26によって支えられた電極24をIMD22に、導体(図示せず)を通して電気的に結合する。リード線延長部12及びリード線14は、患者18の胸腔内のIMD22の埋め込み部位を横切り、患者18の頸部に沿って、患者18の頭蓋40を通り、脳16に到達する。一般に、IMD22は、体液による腐食及び分解に耐える生体適合性材料で構成される。IMD22は、処理回路、治療回路、及びメモリなどの構成要素を実質的に封入する気密ハウジングを備えてもよい。埋め込み可能なデバイスとして示されているが、他の例では、IMD22は、非埋め込み型医療装置を含み得る。
【0020】
[0033]
リード線14は、脳16内の1つ以上の標的組織部位に電気刺激を送達するように配置され、患者18の障害に関連する患者症状を管理することができる。リード線14は、頭蓋40内のそれぞれの孔を通って脳16の所望の位置に電極24を配置するために埋め込まれてもよい。リード線14は、電極24が治療中に脳16内の標的組織部位に電気刺激を提供することができるように、脳16内の任意の位置に位置付けられ得る。図1は、IMD22に結合された単一のリード線14を含むシステム10を示すが、いくつかの例では、システム10は、2つ以上のリード線を含んでもよい。
【0021】
[0034]
リード線14は、電極24を介して電気刺激を送達し、運動障害に加えて、様々な神経障害又は疾患、例えば発作障害又は精神障害を治療することができる。リード線14は、任意の好適な手法、例えば、患者18の頭蓋内のそれぞれの穿頭孔を通して、頭蓋40内の共通の穿頭孔を通して、又は開頭術を通して、脳16の所望の位置内に埋め込むことができる。リード線14は、リード線14の電極24が治療中に標的組織に電気刺激を提供することができるように、脳16内の任意の位置に位置付けられ得る。図1に示される例では、リード線14の電極24は、分割電極及びリング電極として示されている。リード線14の電極24は、成形された電界を生成することができる複合電極アレイ形状を有してもよい。このように、電気刺激をリード線14から特定の方向に向け、治療効果を向上させ、大量の組織を刺激することによる有害な副作用の可能性を低減することができる。
【0022】
[0035]
IMD22は、1つ以上の刺激療法プログラムに従って患者18の脳16に電気刺激療法を送達することができる。治療プログラムは、IMD22から患者18の脳16に生成且つ送達される治療について、1つ以上の電気刺激パラメータ値を定義することができる。IMD22が、例えば電気パルスの形態で電気刺激を送達する場合、刺激療法は、パルス振幅、パルス繰返数、及びパルス幅などの選択されたパルスパラメータによって特徴付けることができる。加えて、刺激の送達のために異なる電極が利用可能である場合、治療は、選択された電極及びそれぞれの極性を含み得る、異なる電極の組み合わせによって更に特徴付けられてもよい。患者の障害を管理又は治療するのに役立つ刺激療法の正確な治療パラメータ値は、含まれる特定の標的刺激部位(例えば、脳の領域)、並びに特定の患者及び患者状態に特異的であり得る。
【0023】
[0036]
患者18の障害を管理するための治療を送達することに加えて、医療用リード線システム10は、例えば、患者18の1つ以上の生体電気脳信号などの電気信号を監視する。例えば、IMD22は、脳16の1つ以上の領域内の生体電気脳信号を感知する感知回路を含んでもよい。図1に示される例では、電極24によって生成された信号は、リード線14及びリード線延長部12内の導体、例えば、リード線14の遠位端26とリード線延長部12の近位端32との間のリード線14及びリード線延長部12内の1つ以上の導体を介して、IMD22内の感知回路に伝導される。
【0024】
[0037]
プログラマー20は、IMD22と無線通信し、治療情報を提供又は取得し得る。いくつかの例では、プログラマー20は、1つ以上の有線接続を介してIMD22に直接結合されてもよい。プログラマー20は、ユーザー、例えば臨床医及び/又は患者18がIMD22と通信するために使用され得る外部コンピューティング装置である。例えば、プログラマー20は、臨床医が使用してIMD22と通信し、IMD22に対する1つ以上の治療プログラムをプログラムする、臨床医用プログラマーであってもよい。あるいは、プログラマー20は、患者18がプログラムを選択し、及び/又は治療パラメータを閲覧及び修正することを可能にする、患者用プログラマーであってもよい。臨床医用プログラマーは、患者用プログラマーよりも多くのプログラミング特徴を含んでもよい。換言すれば、より複雑な、又は慎重に行うべきタスクは、訓練されていない患者がIMD22への望まれない変更をすることを避けるために、臨床医用プログラマーによってのみ許容され得る。
【0025】
[0038]
プログラマー20は、ユーザーによって閲覧可能なディスプレイと、プログラマー20への入力を提供するためのインターフェース(すなわち、ユーザ入力機構)とを有する手持ち式コンピューティングデバイスであってもよい。他の例では、プログラマー20は、専用のコンピューティングデバイスではなく、別の多機能デバイス内のより大きなワークステーション又は別個のアプリケーションであってもよい。例えば、多機能デバイスは、コンピューティングデバイスが安定した医療装置プログラマー20として動作することを可能にするアプリケーションを実行することができる、ノートブックコンピュータ、タブレットコンピュータ、ワークステーション、携帯電話、携帯情報端末、又は別のコンピューティングデバイスであってもよい。
【0026】
[0039]
リード線14及びリード線延長部12は、DBS用途で使用するために本明細書に記載されているが、リード線14又は他のリード線(リード線延長部12など)は、患者18内の任意の他の位置に埋め込まれるように構成されてもよい。例えば、リード線14は、脊髄、陰部神経、仙骨神経、又は刺激され得る任意の他の神経若しくは筋肉組織の近くに埋め込むことができる。本明細書に記載されるユーザインターフェースを用いて、任意の種類の刺激療法の刺激パラメータをプログラムすることができる。骨盤神経の場合、刺激フィールドを画定することにより、臨床医は、複数のリード線を患者18内に深く、且つ傷つきやすい神経組織に隣接して複数のリード線を配置することなく、複数の所望の神経を刺激することを可能にし得る。また、リード線14が、刺激の治療効果をもはや知覚しない組織又は患者18内の新たな位置に移動する場合、治療法を変更することもできる。本開示の特徴又は技術は、他の種類の医療用途において有用であり得る。
【0027】
[0040]
図2は、IMD22の構成要素を示す機能的ブロック図である。示されるように、医療用リード線システム10は、リード線延長部12を介してリード線14に結合されたIMD22を含む。いくつかの例では、IMD22は、2つ以上のリード線及び/又はリード線延長部などの複数のリード線及び/又はリード線延長部に結合するように構成されてもよい。図2の例では、IMD22は、処理回路50と、メモリ52と、スイッチング回路54と、感知回路56と、テレメトリ回路58と、センサ60と、電源62とを含む。処理回路50は、任意の1つ以上のマイクロプロセッサ、コントローラ、デジタル信号プロセッサ(DSP)、特定用途向け集積回路(ASIC)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、又は別個の論理回路を含んでもよい。処理回路50を含む、本明細書に記載されるプロセッサに起因する機能は、例えば、ソフトウェア及び/又はファームウェアによってサポートされるようなハードウェアデバイスの処理回路によって提供されてもよい。処理回路50は、スイッチング回路を制御し、振幅、パルス幅、及びパルス繰返数などの特定の刺激パラメータ値を適用する。
【0028】
[0041]
メモリ52は、ランダムアクセスメモリ(RAM)、読み出し専用メモリ(ROM)、不揮発性RAM(NVRAM)、電気的消去可能ROM(EEPROM)、フラッシュメモリなどの、任意の揮発性又は不揮発性媒体を含んでもよい。メモリ52は、処理回路50によって実行されると、IMD22に様々な機能を実行させるコンピュータ可読命令を記憶してもよい。メモリ52は、記憶デバイス又は他の非一時的媒体であってもよい。
【0029】
[0042]
図2に示される例では、リード線14は、遠位端26に位置する電極24を含む。処理回路50はまた、刺激信号を生成して印加するようにスイッチ回路54を制御する。いくつかの例では、刺激信号は刺激発生器57によって生成されてもよい。いくつかの例では、刺激信号は、電極の選択された組み合わせに供給されてもよい。いくつかの例では、スイッチング回路54は、リード線14及びリード線延長部12内の選択された導体に刺激信号を結合し、次に、選択された電極全体に刺激信号を送達する。このようなスイッチング回路54は、選択された電極に刺激エネルギーを選択的に結合し、選択された電極を用いて脊椎の生体電気神経信号を選択的に感知するように構成されている、スイッチアレイ、スイッチマトリックス、マルチプレクサ、又は任意の他の種類のスイッチング回路であってもよい。
【0030】
[0043]
いくつかの例では、刺激発生器57は、各対の電極が固有の信号発生器を有するように電極のそれぞれに接続された、複数の対の電圧源、電流源、電圧シンク、又は電流シンクを含む。換言すれば、これらの例では、電極間の信号の切り替えとは対照的に、各電極は、それ自体の刺激発生器57を介して(例えば、調節された電圧源とシンク又は調節された電流源及びシンクの組み合わせを介して)、独立して制御される。
【0031】
[0044]
スイッチング回路54は、単一チャネル又はマルチチャネル刺激発生器であってもよい。特に、スイッチング回路54は、単一の電極の組み合わせを介して所与の時間に単一の刺激パルス若しくは複数の刺激パルスを、又は、複数の電極の組み合わせを介して所与の時間に複数の刺激パルスを送達することが可能であり得る。しかしながら、いくつかの例では、スイッチング回路54は、時間インターリーブに基づいて複数のチャネルを送達するように構成されてもよい。例えば、スイッチング回路54は、異なる時間に異なる電極の組み合わせにわたってスイッチング回路54の出力を時間分割して、患者18に刺激エネルギーの複数のプログラム又はチャネルを送達するように機能し得る。別の例では、スイッチング回路54は、時間インターリーブに基づいて独立した源又はシンクを制御することができる。
【0032】
[0045]
リード線延長部12は、複合電極アレイ形状を含む遠位端26を含んでもよいが、他の例では、長手方向軸に沿って1つ以上の単一のリング電極を含んでもよい。一例では、リード線14の遠位端26は、リード線の長手方向軸に沿って異なる軸方向位置で配置された複数の電極24と、リード線の周囲に異なる角度位置で配置された複数の電極24(電極セグメントと称し得る)とを含む。このようにして、電極を、リード線14の長手方向軸に沿って、且つリード線の円周に沿って選択することができる。リード線14の電極24を選択的に活性化することにより、脳16の標的解剖学的領域の周囲の刺激フィールドを隔離するために、リード線14の特定の側に向けられ得るカスタマイズ可能な刺激フィールドを生成することができる。これらの技術はまた、3つ以上又は1つ以下のリング電極を有するリード線に適用されてもよい。更に他の場合では、リード線14は、分割電極のみ、又はリング電極のみを含んでもよい。
【0033】
[0046]
図2では、感知回路56は、刺激発生器57及び処理回路50を有する共通のハウジング内に組み込まれているが、他の例では、感知回路56は、IMD22とは別のハウジング内にあってもよく、有線又は無線通信技術を介して処理回路50と通信することができる。例示的な生体電気信号としては、例えば、脊椎又は脳の1つ以上の領域内の局所電場電位から生成される信号が挙げられるが、これらに限定されない。
【0034】
[0047]
センサ60は、それぞれの患者パラメータの値を感知する1つ以上の感知素子を含んでもよい。例えば、センサ60は、1つ以上の加速度計、光センサ、化学センサ、温度センサ、圧力センサ、又は患者のパラメータを感知するように構成された任意の他のセンサを含んでもよい。センサ60は、治療の送達を制御するためのフィードバックとして使用され得る患者パラメータ値を出力することができる。IMD22は、IMD22のハウジング内に、及び/又はリード線50又は他のリード線のうちの1つを介して別個のモジュールとして結合された、追加のセンサを含んでもよい。加えて、IMD22は、例えばテレメトリ回路58を介して1つ以上のリモートセンサから無線でセンサ信号を受信することができる。いくつかの例では、1つ以上のリモートセンサは、患者の外部であってもよい(例えば、皮膚の外部表面上に置く、衣類に取り付ける、ないしは別の方法で患者の体外に配置される)。
【0035】
[0048]
テレメトリ回路58は、処理回路50の制御下で、IMD22と外部プログラマー(例えば、プログラマー20など)又は他のコンピューティングデバイスとの間の無線通信をサポートする。IMD22の処理回路50は、プログラマー20からテレメトリ回路58を介して、振幅及び電極の組み合わせなどの様々な刺激パラメータの値を、プログラムに対する更新として受信し得る。IMD22のテレメトリ回路58、並びに本明細書に記載される他の装置及びシステムのテレメトリ回路、例えばプログラマー20は、無線周波数(RF)通信技術による通信を達成することができる。追加的又は代替的に、テレメトリ回路58は、プログラマー20とのIMD22の近位誘導的相互作用を介して外部医療装置プログラマー20と通信することができる。従って、テレメトリ回路58は、連続的に、周期的な間隔で、又はIMD22又はプログラマー20からの要求時に、プログラマー20に情報を送信することができる。
【0036】
[0049]
電源62は、IMD22の様々な構成要素に動作電力を送達する。電源62は、充電式又は非充電式電池、及び動作電力を生成するための発電回路を含んでもよい。再充電は、外部充電器とIMD22内の誘導充電コイルとの間の近位誘導的相互作用によって達成され得る。いくつかの例では、電力要件は、IMD22が患者の運動の利用を可能にし、充電式電池をトリクル充電するための動力学的エネルギー消去装置を実行する程度に、小さくてよい。他の例では、従来の電池を限られた期間使用することができる。
【0037】
[0050]
上述したように、本明細書に開示される医療用リード線及びリード線システムは、止めねじ無しで軸方向にリード線延長部に対してリード線を固定し、任意選択的に、リード線延長部に対して円周方向にリード線の回転を可能にするコネクタを含むことができる。図3Aは、医療用リード線システム70の例示的なコネクタ76の斜視図を示す概念図である。医療用リード線システム70は、本明細書に記載の違いを除いて、図1及び図2を参照して上述した医療用リード線システム10と同じ又は実質的に同様であり得る。例えば、リード線延長部72及びリード線74は、それぞれリード線延長部12及びリード線14の例を含むことができる。
【0038】
[0051]
医療用リード線システム70は、リード線延長部72及びリード線74を含む。リード線延長部72は、細長い本体80及びコネクタ76を含む。細長い本体80は、遠位端82から近位端まで長手方向軸78に沿って延在する(図示せず)。コネクタ76は、リード線74の近位端92を受容するように構成されたチャネル84を画定する。例えば、リード線74の近位端92は、対応するメスコネクタ76のチャネル84に挿入され得るオスコネクタを画定することができる。
【0039】
[0052]
コネクタ76は、結合部材88を含む。結合部材88は、リード線74の近位端92がチャネル84に挿入されると、リード線74の対応する結合部材(例えば、以下に記載される結合凹部94)と機械的に係合して、リード線延長部72を、少なくとも長手方向軸78に対して軸方向にリード線74に固定するように構成される。別個の構成要素として示されているが、いくつかの例では、結合部材88は、コネクタ76に取り付けられてもよく、又は一体的に形成されてもよい。結合部材88は、任意の好適な機械的結合器を含み得る。図3に示すように、結合部材88は、コネクタ76によって画定された開口部89内に受容されるように構成されたピンを含む。リード線74の対応する結合部材が、凹部、開口部、又は半径方向内側に延びる他の特徴を含む例では、結合部材88は、例えば、可動ポスト、バー、又はフックなどの変位可能な突起部、ばねが装着された押しボタンと、弾性レバー、ばね、又はクリップと、又はリード線74の対応する結合部材と係合するように構成された特徴を有する(例えば、係合解除及び係合構成に対して)他の可逆的又は非可逆的な機械的結合器を含み得る。リード線74の対応する結合部材が変位可能な突起部などを含む例では、結合部材88は、例えば、凹部、開口部、又は(例えば、チャネル84に対して)半径方向外側に延在する他の特徴を含み得る。
【0040】
[0053]
コネクタ76は、任意の好適な寸法を含み得る。いくつかの例では、コネクタの長さは、約7mm~約60mm、例えば約32mm~約52mmの範囲内であってもよい。コネクタ76は、細長い本体80よりも大きい直径を有するものとして示されているが、いくつかの例では、細長い本体80及びコネクタ76は、同じ直径又は同様の直径を有してもよい。いくつかの例では、コネクタ76の直径は、リード線延長部72を患者の体内に埋め込むように構成された掘進ツールの直径に基づいて選択され得る。
【0041】
[0054]
チャネル84を画定するコネクタ76の半径方向内側に面する表面は、複数の電気接点86A~86H(総称して「電気接点86」)を含む。いくつかの例では、コネクタ76は、7つ以下の電気接点、又は9つ以上の電気接点など、異なる数の電気接点86を含むことができる。いくつかの例では、電気接点の数は、コネクタ76の選択された直径及び電気接点86の選択された降伏強度によって制限されてもよい。電気接点86の各電気接点は、リード線延長部72の複数の導電体(図示せず)のそれぞれの導電体に電気的に結合され得る。レーザ溶接、圧着、抵抗溶接、延伸加工などが挙げられるが、これらに限定されない様々な方法を用いて、電気接点86を導電体に電気的に結合することができる。導電体は、細長い本体80、電気絶縁シース又はコーティングなどによって画定された別個のチャネル内の他の導電体から電気的に絶縁されてもよい。更に、複数の導電体の各それぞれの導電体は、IMD(例えば、図2を参照して示されたスイッチング回路54などの、図1を参照して示されたIMD22)の1つ以上のそれぞれの電気接点に電気的に結合されてもよい。
【0042】
[0055]
リード線74は、遠位端(図示せず)から近位端92まで長手方向軸78に沿って延在する細長い本体90を含む。リード線74は、リード線延長部72の対応する結合部材と係合する(又は係合される)ように構成された結合部材を含む。図3に示すように、結合部材は、結合凹部94を含む。例えば、細長い本体90は、主表面96を画定し得る。主表面96、例えば、主表面96の半径よりも小さい半径を有する異なる表面の半径方向内側への変位は、結合凹部94を画定する。結合凹部94は、細長い本体90の円周の少なくとも一部分の周りに延在し得る。例えば、結合凹部94は、細長い本体90の円周の約50%超、又は約75%超など、約25%超に延在し得る。いくつかの例では、結合凹部94は、細長い本体90の全周にわたって延在し得る。いくつかの例では、凹部94は、例えば、電気接点86A~86Hと同様の電気接点を含む。
【0043】
[0056]
凹部として示されているが、他の例では、リード線74の結合部材は、リード線延長部72の対応する結合部材と係合する(又は係合される)ように構成された他の特徴を含むことができる。例えば、リード線74の結合部材は、任意の適切な角度で細長い本体90の一部を通って延在する開口部と、可動ポスト、バー、又はフックなどの変位可能な突起部、ばねが装着された押しボタン、弾性レバー又はクリップ、又は他の可逆的若しくは非可逆的な機械的結合器を含むことができる。
【0044】
[0057]
リード線74はまた、複数の電気端子98A~98H(総称して「電気端子98」)を含む。いくつかの例では、リード線74は、7つ以下の電気端子、又は9つ以上の電気端子など、異なる数の電気端子98を含むことができる。いくつかの例では、電気端子の数は、リード線74の選択された直径及び電気端子の選択された降伏強度によって制限され得る。電気端子98の各電気端子は、リード線74の複数の導電体(図示せず)のそれぞれの導電体に電気的に結合され得る。レーザ溶接、圧着、抵抗溶接、延伸加工などが挙げられるが、これらに限定されない様々な方法を用いて、電気端子98を導電体に電気的に結合することができる。導電体は、細長い本体90、電気絶縁シース又はコーティングなどによって画定された別個のチャネル内の他の導電体から電気的に絶縁されてもよい。更に、複数の導電体の各それぞれの導電体は、リード線74の遠位端に配置された1つ以上のそれぞれの電極(例えば、図1を参照して示される電極24)に電気的に結合されてもよい。
【0045】
[0058]
例えば、矢印100で示すように、リード線74の近位端92がコネクタ76のチャネル84に挿入されると、電気接点86の各それぞれの電気接点は、電気端子98のそれぞれの電気端子と整列し、物理的に接触することができる。このようにして、リード線延長部72は、リード線74に電気的に結合するように構成される。いくつかの例では、リード線74は、主表面96に対して半径方向外向きに延在する隆起部を含み得る。リード線74がチャネル84内に完全に挿入されると、隆起部は、リード線延長部の遠位端82に接触して、リード線74が選択された距離を超えてコネクタ76内に延長するのを防止することができる。他の例では、近位端92は、チャネル84を画定する近位表面に接触して、それぞれの電気端子98と整列した電気接点86を停止させることができる。リード線74の近位端92をコネクタ76のチャネル84に挿入した後、結合部材88は、例えば矢印102で示すように開口部89に挿入されて、(例えば、止めねじを用いずに)少なくとも長手方向軸78に対して軸方向に、リード線延長部72に対するリード線74の実質的な回転を伴い、リード線延長部72をリード線74に固定し得る。
【0046】
[0059]
図3B及び図3Cは、結合部材88と結合凹部94との機械的係合を示す斜視図及び平面図を含む。説明のために、コネクタ76は、図3B及び図3Cには示されていない。結合部材88は、開口部89内に摩擦嵌合するように構成された円筒形ピンを含む。一例では、ピンは、実質的に円筒形であってもよいが、近位部分110から遠位部分112までテーパ状になってもよい。コネクタ76は、対応するテーパ画定開口部89を画定することができる。テーパ付き円筒形結合部材88(例えば、円錐形状)がテーパ付き開口部89に完全に挿入されると、結合部材88と開口部を画定するコネクタ76の部分とは、摩擦嵌合で係合することができる。他の例では、結合部材88は、多角形プリズム、キー形状などの他の形状を画定することができる。いくつかの例では、結合部材は、コネクタ76の少なくとも一部と係合するように構成された機械的締結具を含むことができる。例えば、結合部材88は、開口部89を画定するコネクタ76の部分に形成されたねじ山にねじ込むように構成されたボルトを含むことができる。別の例として、結合部材88は、コッタピン、ばねクリップなどの機械的締結具クリップを含むことができる。
【0047】
[0060]
開口部89に挿入されると、結合部材88は、リード線延長部72に対する、例えばコネクタ76及び/又は結合部材88に対する、軸方向、例えば矢印106で示す方向へのリード線74の移動を防止又は少なくとも妨げる。このようにして、リード線延長部72のコネクタ76、例えば結合部材88は、リード線74の対応する結合部材、例えば結合凹部94と共に、リード線74をリード線延長部72に対して軸方向に固定する。例えば、1つ以上の止めねじを使用して、コネクタ76からリード線74への直接的な機械的結合器を排除することによって、コネクタ76は、リード線延長部72、リード線74、及び/又はそれらの構成要素の圧縮又はトルクを低減することができる。
【0048】
[0061]
図3Cに示すように、結合部材88が開口部89に挿入されると、結合部材88は、リード線延長部72に対する、例えばコネクタ76及び/又は結合部材88に対する、リード線74の部分的又は完全な回転を可能にすることができる。例えば、矢印104によって示されるように、リード線74は、長手方向軸78の周りを自由に回転することができる。上述のように、結合凹部94は、リード線74の周囲に完全に延在し、それによって360度の回転を可能にしてもよい。いくつかの例では、結合凹部94は、リード線74の全周よりも少ない周りに延在し、それによって、回転を360度未満に制限することができる。回転を可能にすることにより、コネクタ76は、埋め込み手順中にリード線延長部72及び/又はリード線74の屈曲又はよじれによって引き起こされるリード線延長部72及び/又はリード線74の応力を緩和するように構成することができる。
【0049】
[0062]
他の例では、結合部材88が開口部89に挿入されると、結合部材88は、例えば摩擦によって結合凹部94と干渉して、リード線延長部72に対するリード線74の回転に少なくとも部分的に干渉し得る。リード線延長部72に対するリード線74の回転に少なくとも部分的に干渉することによって、結合部材88は、埋め込み手順中にリード線延長部72及び/又はリード線74の屈曲又はよじれによって引き起こされる応力を依然として緩和するが、リード線延長部72及び/又はリード線74を患者が押すなどの、外圧によって引き起こされるリード線延長部72及び/又はリード線74の過度のねじれ又は屈曲も低減するように構成することができる。いくつかの例では、過度のよじれ又は屈曲がリード線74の遠位端に伝達され(例えば、遠位端26)、電極(例えば、電極24)の向き又は位置を乱すことがある。結合凹部94を有する結合部材88を使用するなど、本明細書に記載の結合機構は、リード線とリード線延長部との間で伝達されるこれらのよじれ力又は回転力を低減又は排除することができる。
【0050】
[0063]
いくつかの例では、結合部材88は、開口部89内の嵌合を改善するように構成された特徴を含むことができる。図4Aは、医療用リード線システム170の例示的なコネクタ176の斜視図を示す概念図である。図4Bは、コネクタ176の横断面図であり、図4C及び図4Dは、それぞれ、係合解除構成及び係合構成におけるリード線174及び結合部材188の横断面図である。医療用リード線システム170は、本明細書に記載した違いを除いて、図1図3Cを参照して上述した医療用リード線システム10及び医療用リード線システム70と同じ又は実質的に同様であり得る。
【0051】
[0064]
医療用リード線システム170は、リード線延長部172及びリード線174を含む。リード線延長部172は、遠位端182から近位端まで延在する細長い本体180を含む(図示せず)。リード線延長部は、リード線174の近位部分を受容するように構成されたチャネル184を画定するコネクタ176を含む。リード線174は、遠位端から近位端192まで延在する細長い本体190を含む(図示せず)。細長い本体190は、コネクタ176の結合部材188によって係合されるように構成された結合凹部194を画定する主表面196を有する。
【0052】
[0065]
図4B図4Dに示すように、リード線174の近位端192をコネクタ176のチャネル184に挿入した後、臨床医は、結合部材188を操作して、結合部材188を係合解除構成(図4C図4Bの結合部材188を示す実線)から矢印202で示す方向に係合構成(図4D)に移動させることができる。あるいは、臨床医は、結合部材188を操作して、結合部材188を係合構成(図4Dは、図4Bの結合部材188を示す破線)から矢印203で示す方向に、係合解除構成(図4C)に移動させることができる。
【0053】
[0066]
図4A及び図4Bに示すように、結合部材188は、コネクタ176内に完全に収容されている。例えば、結合部材188は、コネクタ176によって画定されるチャネル189内に配置される。操作を可能にするために、コネクタ176は、例えば、臨床医が結合部材188を移動させることを可能にするために、臨床医の指又は臨床医によって使用されるツールによって加えられる圧力に応じて撓むように構成された材料を含むことができる。例えば、コネクタ176の材料は、シリコンなどの上述のものを含み得る。いくつかの例では、コネクタ176は、例えば矢印202の方向に、係合構成に向かって結合部材188を付勢するように構成された弾性材料を含むことができる。結合部材188を密閉することにより、コネクタ176は、医療用リード線システム170を無菌化することができ、及び/又は結合部材188などのリード線延長部172、リード線174、及び/又はコネクタ176の内部構成要素が、生体適合性とは考えられない材料から形成されることを可能にする。
【0054】
[0067]
結合部材188は、ヘッド部分212と、ヘッド部分212から延在するピン部分210と、を含む。ヘッド部分212は、円筒形、球形、立方体などの任意の適切な形状を含むことができる。ピン部分210は、予め成形されたピンの1つ以上のアームとしてヘッド部分212を画定する予め成形されたピンなどの、任意の適切な形状を含むことができる。ピン部分210は、チャネル184及び189を横切って、例えばピン受容空洞191内に入る。チャネル184を横切ることによって、ピン部分210は、係合解除構成にあるときに結合部材188の選択された向きを維持するように構成される。例えば、ピン部分210は、結合部材188を軸195と整列させたままにすることができる。ピン部分210は、リード線174がチャネル184に挿入されるか又はそこから引き出されるときにリード線174と干渉しないように選択された第1の直径を有する。例えば、図4A図4Cに示すように、結合部材188が係合解除構成にあるとき、ピン部分210のみが結合凹部194に隣接するチャネル189に配置され、それにより、リード線174は、リード線延長部172のチャネル184内で軸方向に移動することができる。
【0055】
[0068]
ヘッド部分212は、リード線174の結合凹部194と係合するように選択された第2の直径(第1の直径よりも大きい)を有する。係合解除構成では、ヘッド部分212はヘッド受容空洞193内に延在する。係合構成に移動されると、ヘッド部分212は、リード線174の結合凹部194と係合するように構成される。例えば、図4Dに示すように、ヘッド部分212が結合凹部194に隣接するチャネル189内に配置され、リード線174が軸方向に固定される。
【0056】
[0069]
いくつかの例では、ピンではなく、結合部材は弾性バンド又はクリップを含むことができる。図5A~5Cは、医療用リード線システム270の例示的な弾性バンド結合部材288の斜視図を示す概念図である。医療用リード線システム270は、本明細書に記載される違いを除いて、図1図4Dを参照して上述した医療用リード線システム10、70、及び/又は170と同じ、又は実質的に同様であり得る。
【0057】
[0070]
弾性バンド結合部材288は、結合部材88及び188に関して上述したのと同じ方法で、リード線274の結合凹部294と係合するように構成される。いくつかの例では、弾性バンド結合部材288は、上述のチャネル189などのチャネル内に配置されてもよく、又はリード線延長部のコネクタに固定されてもよい。図5Aに示すように、係合解除構成では、弾性バンド結合部材288は、コネクタ(明確にするために図示せず)によって画定されたチャネル内に延在していないことがある。すなわち、係合解除構成にあるとき、弾性バンド結合部材288は、リード線274がコネクタのチャネルから挿入又は引き抜かれることを可能にするように構成される。
【0058】
[0071]
いくつかの例では、図5Bに示すように、弾性バンド結合部材288を係合解除するために、臨床医は、矢印202及び203で示すように、弾性バンド結合部材288の対向する端部に圧力を加えることができる。いくつかの例では、弾性バンド結合部材288の砂時計形状は、弾性バンド結合部材288を、中心直径Dlを有する係合解除構成に向かって移動させることができる。圧力が解放されると、弾性バンド結合部材288は、係合構成に向かって付勢されてもよい。圧力が解放された後、図5Cに示すように、弾性バンド結合部材288が結合凹部294と位置合わせされると、弾性応答が弾性バンド結合部材288を係合構成に向けて付勢することにより、弾性バンド結合部材288が結合凹部194と係合することができる。いくつかの例では、弾性バンド結合部材288は、弾性材料、ニチノール、ステンレス鋼、又はMP35N合金を含むことができる。
【0059】
[0072]
図6及び図7は、それぞれ医療用リード線システム370及び470の例示的なクリップ結合部材388及び488の斜視図を示す概念図である。医療用リード線システム370及び470は、本明細書に記載される違いを除いて、図1図4Dを参照して上述した医療用リード線システム10、70、170、及び/又は270と同じ、又は実質的に同様であり得る。いくつかの例では、結合部材388及び488は、上述のチャネル189などのチャネル内に配置されてもよく、又はリード線延長部のコネクタに固定されてもよい。
【0060】
[0073]
図6に示すように、クリップ結合部材388は、第1の部分390及び第2の部分392を有する閉円環状クリップを含む。第1の部分390は、リード線374の直径よりも大きい第1の直径D1を有する。係合解除構成にあるとき、第1の部分390は、リード線374がコネクタのチャネルから挿入又は引き抜かれ得るように、コネクタのチャネル(明確にするために図示せず)内に配置される。第2の部分392は、リード線374の直径よりも小さく、クリップ結合部材388が結合凹部394と係合することを可能にする第2の直径D2を有する(直径D1よりも小さい)。このようにして、係合構成にあるとき、第2の部分392は、リード線374がリード線延長部に対して軸方向に固定されるように、コネクタのチャネル内に配置される。
【0061】
[0074]
図7に示すように、クリップ結合部材488は、第1の部分490及び第2の部分492を有する開放蹄鉄形クリップを含む。第1の部分490は、リード線474の直径よりも大きい第1の直径Dlを有する。係合解除構成にあるとき、第1の部分490は、リード線474がコネクタのチャネルから挿入又は引き抜かれ得るように、コネクタのチャネル(明確にするために図示せず)内に配置される。第2の部分492は、リード線474の直径よりも小さく、クリップ結合部材488が結合凹部494と係合することを可能にする第2の直径D2を有する(直径D1よりも小さい)。このようにして、係合構成にあるとき、第2の部分492は、リード線474がリード線延長部に対して軸方向に固定されるように、コネクタのチャネル内に配置される。
【0062】
[0075]
いくつかの例では、リード線延長部の結合部材は、係合構成に付勢されてもよい。図8A及び図8Bは係合構成に付勢された医療用リード線システム570の例示的な結合部材588の平面図を示す概念図である。医療用リード線システムは、本明細書に記載される違いを除いて、図1図7を参照して上述した医療用リード線システム10、70、170、270、370及び/又は470と同じ、又は実質的に同様であり得る。
【0063】
[0076]
医療用リード線システム570は、リード線延長部572及びリード線574を含む。リード線延長部573は、結合部材588を含む。結合部材588は、コネクタ576の半径方向内面から延在する付勢部材590を含む。付勢部材590は、結合部材588の係合構成などの選択された構成に向かって付勢されるように構成された弾性材料を含むことができる。付勢部材590は、例えばコイルばねで構成される。いくつかの例では、付勢部材590は、板ばね、タケノコばね、弾性ポリマー、又は機械的エネルギーを貯蔵するように構成された他の弾性構造を含み得る。付勢部材590は、変位可能な突起部591に結合されている。図8A及び図8Bに示す例では、変位可能な突起部591は、付勢部材に結合された円筒形のベースプレートと、ベースプレートから延在し、リード線574の凹部594と係合するように構成された円筒形の保持部材とを含む。付勢部材590は、変位可能な突起部591を長手方向軸578に向かって半径方向内側に付勢するように構成される。
【0064】
[0077]
いくつかの例では、結合部材588は、ガイド部材592を含み得る。ガイド部材592は、変位可能な突起部591を結合凹部594と位置合わせするように構成され得る。例えば、ガイド部材592は、U字形ワイヤを画定し得る。U字形バーのそれぞれの端部は、変位可能な突起部591のベースプレートから延在し、リード線574の直径よりも大きい直径D1を画定し得る。このようにして、リード線574は、ガイド部材592によって画定された開口部を通って延在し得る。いくつかの例では、結合部材588を係合解除構成に向かって移動させるために、臨床医は、矢印603で示される力をガイド部材592に加えることができる。力を解放した後、付勢部材590は、リード線524の結合凹部594が変位可能な突起部591と位置合わせされたときに、変位可能な突起部591が結合凹部594と自動的に係合することができるように、変位可能な突起部を係合構成に向かって付勢することができる。
【0065】
[0078]
図3Aを参照して上述したように、いくつかの例では、リード線延長部の結合部材は凹部を画定することができ、リード線の対応する結合部材は変位可能な突起部を含むことができる。図9Aは、リード線674の結合部材694と係合するように構成された結合凹部688を画定するコネクタ676を有するリード線延長部672を含む例示的な医療用リード線システム670の斜視図を示す概念図である。図9B及び9Cは、それぞれ、医療用リード線システム670の係合及び係合解除構成の軸方向断面図である。医療用リード線システム670は、本明細書に記載される違いを除いて、図1図8Bを参照して上述した医療用リード線システム10、70、170、270、370、470、及び/又は570と同じ、又は実質的に同様であり得る。
【0066】
[0079]
結合部材694は、例えば矢印702で示すように、結合部材694の変位可能な突起部696を係合構成に向かって付勢するように構成された付勢部材695を含むことができる。付勢部材695は、図8A及び図8Bを参照して上述した付勢部材590と同じ又は実質的に同様であってもよい。係合構成では、変位可能な突起部696は、リード線674に機械的に結合されたリード線延長部672への結合凹部内に延在してもよい。開口部として示されているが、他の例では、結合凹部688は、軸678の周りのリード線延長部672の回転を可能にする1つ以上の部分的又は完全な周方向のチャネルを画定することができる。いくつかの例では、結合部材694を係合解除構成に向かって移動させるために、臨床医は、矢印703で示される力を変位可能な突起部696に加えることができる。力を解放した後、付勢部材695は、リード線延長部672の結合凹部688が変位可能な突起部696と位置合わせされたときに、変位可能な突起部696が結合凹部688と自動的に係合することができるように、変位可能な突起部696を係合構成に向かって付勢し得る。
【0067】
[0080]
図10は、医療用リード線システムを製造するための例示的な手法のフロー図である。図3A図3Cを参照して示すように医療用リード線システム170に関して説明したが、いくつかの例では、本技術は、医療用リード線システム70、270、370、470、570及び/又は670のいずれかなどの他の医療用リード線システムを製造するために使用することができる。更に、医療用リード線システム70、170、270、370、470、570、及び/又は670のいずれかは、異なる技術を使用して製造され得る。
【0068】
[0081]
図10に示す技術は、細長い本体80及びコネクタ76を含むリード線延長部72を形成することを含む(802)。いくつかの例では、コネクタ76は、細長い本体80と一体的に形成され得る。例えば、例えば、射出成形によって、コネクタ76と共に形成された細長い本体80のジャケット又は絶縁材料。いくつかの例では、細長い本体80及びコネクタ76は別々に形成され、例えば、接着剤、超音波溶接、熱溶接などを使用して結合され得る。
【0069】
[0082]
この技術はまた、結合部材88を形成することを含む(804)。結合部材88がピンを含む例では、結合部材88を形成することは、ピンを成形することを含み得る。結合部材88が2つ以上の構成要素、例えば付勢部材及び変位可能な突起部を含む例では、結合部材88を形成することは、2つ以上の構成要素を別々に形成し、それらを組み立てて結合部材88を画定することを含むことができる。
【0070】
[0083]
いくつかの例では、本技術は、任意選択的に、結合部材88をコネクタ76内に位置決めすることを含み得る。例えば、本技術は、コネクタ76によって画定された空洞内に結合部材88を配置すること、及び/又は結合部材88の少なくとも一部をコネクタ76の少なくとも一部に接合することを含むことができる。
【0071】
[0084]
いくつかの例では、本技術は、リード線74(806)を形成することを任意選択で含み得る。いくつかの例では、リード線74を形成することは、結合凹部94を画定するための細長い本体90を含み得る。いくつかの例では、リード線74を形成することは、結合凹部94を画定するために細長い本体90を機械加工又は切断することを含み得る。
【0072】
[0085]
コネクタ76を含むリード線延長部72を形成することに関して説明したが、他の例では、リード線74は、コネクタ76を含むように形成され得る。図10に示す技術は、任意の好適な順序で実行され得る。
【0073】
[0086]
上記の特徴及び技術は、例示である。任意の好適な技術を使用して、本明細書に記載される構造体を製造することができ、それぞれの構成要素に使用される特定の材料に基づいて変化させてもよい。
【0074】
[0087]
図11は、リード線延長部をリード線に結合するための例示的な技術の流れ図である。図3A図3Cを参照して示すように医療用リード線システム170に関して説明したが、いくつかの例では、本技術は、医療用リード線システム70、270、370、470、570及び/又は670のいずれかなどの他の医療用リード線システムを製造するために使用することができる。更に、医療用リード線システム70、170、270、370、470、570、及び/又は670のいずれかを、異なる技術で使用することができる。
【0075】
[0088]
図11に示される技術は、リード線74の近位端92をリード線延長部72のコネクタ76のチャネル84に挿入することを含む(812)。図11に示す技術はまた、コネクタ76の結合部材88によって、リード線74の対応する結合部材(例えば、結合凹部94)と機械的に係合して、少なくとも長手方向軸78(814)に対して軸方向にリード線延長部72をリード線74に固定することを含む。
【0076】
[0089]
上記の特徴及び技術は、例示である。任意の適切な技術を使用して、リード線及び/又はリード線延長部を記載されたコネクタに機械的に結合することができ、使用されるリード線、リード線延長部、及び/又はコネクタの特定の構成に基づいて変更することができる。
【0077】
[0090]
以下の条項は、本明細書に記載の例示的な主題を示す。
[0091]
条項1.医療用リード線システムであって、第1のリード線部であって、遠位端から近位端まで長手方向軸に沿って延在する第1の細長い本体を備え、結合凹部を画定する、第1のリード線部と、第2のリード線部であって、遠位端から近位端まで長手方向軸に沿って延在する第2の細長い本体と、第1のリード線部の近位端を受容するように構成されたチャネルを画定し、第1のリード線部がチャネルに挿入されると、結合凹部に機械的に係合して第1のリード線部を、少なくとも長手方向軸に対して軸方向に第2のリード線部に固定するように構成される結合部材を備えるコネクタと、を備える、第2のリード線部と、を備え、第1のリード線部又は第2のリード線部のうちの1つは、1つ以上の電極を担持する、医療用リード線システム。
【0078】
[0092]
条項2.結合凹部は、第1のリード線部の細長い本体の主表面に対して半径方向内側にオフセットした凹部表面を画定し、結合部材は、結合凹部の少なくとも一部と機械的に係合するように構成された変位可能な突起部を備える、条項1に記載の医療用リード線システム。
【0079】
[0093]
条項3.結合部材は、ピン、ボタン、クリップ、バンド、ばね、又はフックのうちの少なくとも1つを備える、条項1又は2に記載の医療用リード線システム。
【0080】
[0094]
条項4.結合部材は、コネクタの本体によって画定された空洞内に配置されている、条項1から3のいずれか一項に記載の医療用リード線システム。
【0081】
[0095]
条項5.結合部材は、結合部材を結合部材の係合構成に向かって付勢するように構成された弾性材料又は付勢部材を含む、条項1から4のいずれか一項に記載の医療用リード線システム。
【0082】
[0096]
条項6.第1のリード線部の近位端は、長手方向軸の周りに延在する少なくとも1つの電気端子を備え、1つ以上の電極は、電気端子に電気的に結合され、コネクタは、チャネルを画定するコネクタの表面に配置され、第1のリード線部がチャネルに挿入されると、第1のリード線部の電気端子に電気的に結合するように構成された少なくとも1つの電気接点を更に備える、条項1から5のいずれか一項に記載の医療用リード線システム。
【0083】
[0097]
条項7.第1のリード線部の電気端子は複数の電気端子を備え、各それぞれの電気端子は、長手方向軸に対して第1のリード線部本体上の異なるそれぞれの位置に配置され、第2のリード線部の電気接点は、複数の電気接点を備え、各それぞれの電気接点は、第1のリード線部がチャネル内に機械的に固定されたときに、第1のリード線部本体の各それぞれの電気端子がそれぞれの電気接点に電気的に結合するように、チャネル上の異なるそれぞれの位置に配置される、条項6に記載の医療用リード線システム。
【0084】
[0098]
条項8.第1のリード線部は医療用リード線を備え、第2のリード線部は医療用リード線延長部を備える、条項1から7のいずれか一項に記載の医療用リード線システム。
【0085】
[0099]
条項9.第2のリード線部の近位端は、埋め込み可能な医療装置(IMD)に電気的に結合するように構成される、条項1から8のいずれか一項に記載の医療用リード線システム。
【0086】
[0100]
条項10.医療用リード線システムであって、遠位端から近位端まで長手方向軸に沿って延在する第1の細長い本体と結合部材とを備える第1のリード線部と、遠位端から近位端まで長手方向軸に沿って延在する第2の細長い本体を備える第2のリード線部であって、第2のリード線部の遠位端は、第1のリード線部の近位端を受容するように構成されたチャネルを画定するコネクタを備え、コネクタは結合凹部を画定し、結合部材は、第1のリード線部がチャネルに挿入されると、結合凹部に機械的に係合して第1のリード線部を、少なくとも長手方向軸に対して軸方向に第2のリード線部に固定するように構成される、第2のリード線部と、を備え、第1のリード線部又は第2のリード線部のうちの1つは、1つ以上の電極を担持する、医療用リード線システム。
【0087】
[0101]
条項11.結合凹部は、長手方向軸に対して半径方向外側にオフセットした凹部表面を画定し、結合部材は、結合凹部の少なくとも一部に機械的に係合するように構成された変位可能な突起部を備える、条項10に記載の医療用リード線システム。
【0088】
[0102]
条項12.結合部材は、ピン、ボタン、クリップ、バンド、ばね、又はフックのうちの少なくとも1つを備える、条項10又は11に記載の医療用リード線システム。
【0089】
[0103]
条項13.結合部材は、第1のリード線部の細長い本体によって画定された空洞内に配置されている、条項10から12のいずれか一項に記載の医療用リード線システム。
【0090】
[0104]
条項14.結合部材は、結合部材を結合部材の係合構成に向かって付勢するように構成された弾性材料又は付勢部材を含む、条項10から13のいずれか一項に記載の医療用リード線システム。
【0091】
[0105]
条項15.第1のリード線部の近位端は、長手方向軸の周りに延在する少なくとも1つの電気端子を備え、1つ以上の電極は、電気端子に電気的に結合され、コネクタは、チャネルを画定するコネクタの表面に配置され、第1のリード線部がチャネルに挿入されると、第1のリード線部の電気端子に電気的に結合するように構成された少なくとも1つの電気接点を更に備える、条項10から14のいずれか一項に記載の医療用リード線システム。
【0092】
[0106]
条項16.第1のリード線部の電気端子は複数の電気端子を備え、各それぞれの電気端子は、長手方向軸に対して第1のリード線部本体上の異なるそれぞれの位置に配置され、第2のリード線部の電気接点は、複数の電気接点を備え、各それぞれの電気接点は、第1のリード線部がチャネル内に機械的に固定されたときに、第1のリード線部本体の各それぞれの電気端子がそれぞれの電気接点に電気的に結合するように、チャネル上の異なるそれぞれの位置に配置される、条項15に記載の医療用リード線システム。
【0093】
[0107]
条項17.第1のリード線部は医療用リード線を備え、第2のリード線部は医療用リード線延長部を備える、条項10から16のいずれか一項に記載の医療用リード線システム。
【0094】
[0108]
条項18.第2のリード線部の近位端は、埋め込み可能な医療装置(IMD)に電気的に結合するように構成される、条項10から17のいずれか一項に記載の医療用リード線システム。
【0095】
[0109]
条項19.遠位端から近位端まで長手方向軸に沿って延在する細長い本体を備える医療用リード線システムであって、細長い本体は結合凹部を画定し、細長い本体の近位端は、医療用リード線延長部の遠位端から延在するコネクタによって画定されるチャネル内に受容されるように構成され、結合凹部は、細長い本体の近位端がリード線延長部のチャネル内に挿入されたときに、リード線延長部の結合部材を受容して、少なくとも長手方向軸に対して軸方向にリード線延長部に対して細長い本体を機械的に固定するように構成される、医療用リード線システム。
【0096】
[0110]
条項20.リード線延長部を更に備える、条項19に記載の医療用リード線システム。
[0111]
条項21.医療用リード線システムであって、遠位端から近位端まで長手方向軸に沿って延在する細長い本体と、細長い本体の遠位端から延在するコネクタと、を備え、コネクタは、医療用リード線の近位端を受容するように構成されたチャネルを画定し、コネクタは、リード線の近位端がチャネルに挿入されると、リード線の近位端によって画定された結合凹部に機械的に係合して、リード線を少なくとも長手方向軸に対して軸方向にリード線延長部に固定するように構成された結合部材を備える、医療用リード線システム。
【0097】
[0112]
条項22.リード線を更に備える、条項21に記載の医療用リード線システム。
[0113]
本開示の様々な態様が記載されている。これらの例及び他の態様は、下記の特許請求の範囲の範囲内である。
図1
図2
図3A
図3B
図3C
図4A
図4B
図4C
図4D
図5A
図5B
図5C
図6
図7
図8A
図8B
図9A
図9B
図9C
図10
図11
【国際調査報告】