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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-02-09
(54)【発明の名称】補助電力制御装置
(51)【国際特許分類】
   H02J 1/00 20060101AFI20230202BHJP
   B60R 16/03 20060101ALI20230202BHJP
【FI】
H02J1/00 306K
B60R16/03 A
【審査請求】有
【予備審査請求】有
(21)【出願番号】P 2022533474
(86)(22)【出願日】2020-10-16
(85)【翻訳文提出日】2022-08-01
(86)【国際出願番号】 US2020055999
(87)【国際公開番号】W WO2021112960
(87)【国際公開日】2021-06-10
(31)【優先権主張番号】16/704,852
(32)【優先日】2019-12-05
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】505220284
【氏名又は名称】ビーエヌエスエフ レイルウェイ カンパニー
【住所又は居所原語表記】2500 Lou Menk Drive, Fort Worth, Texas 76131 U.S.A.
(74)【代理人】
【識別番号】100120662
【弁理士】
【氏名又は名称】川上 桂子
(74)【代理人】
【識別番号】100216770
【弁理士】
【氏名又は名称】三品 明生
(74)【代理人】
【識別番号】100217364
【弁理士】
【氏名又は名称】田端 豊
(74)【代理人】
【識別番号】100180529
【弁理士】
【氏名又は名称】梶谷 美道
(72)【発明者】
【氏名】クリーブランド、 マイケル
(72)【発明者】
【氏名】テイラー、 ジェームス
【テーマコード(参考)】
5G165
【Fターム(参考)】
5G165DA01
5G165DA02
5G165EA02
5G165EA03
5G165EA04
5G165GA04
5G165GA09
5G165JA04
5G165JA07
5G165JA09
5G165LA03
(57)【要約】
方法は、補助電力制御装置によって、複数の電力入力源から1つ以上の電力入力源の第1選択を決定するステップを含む。方法はまた、補助電力制御装置によって、複数の電力消費装置から1つ以上の電力消費装置の第1選択を決定するステップを含む。方法はさらに、補助電力制御装置によって、1つ以上の電力入力源の第1選択から1つ以上の電力消費装置の第1選択への補助電力の伝送を管理するステップを含む。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
補助電力制御装置であって、
1つ以上のプロセッサと、
前記1つ以上のプロセッサに結合された1つ以上のコンピュータ可読非一時的記憶媒体とを含み、
前記1つ以上のコンピュータ可読非一時的記憶媒体は、前記1つ以上のプロセッサによって実行されるときに、
複数の電力入力源から1つ以上の電力入力源の第1選択を決定するステップ、
複数の電力消費装置から1つ以上の電力消費装置の第1選択を決定するステップ、及び
前記1つ以上の電力入力源の前記第1選択から前記1つ以上の電力消費装置の前記第1選択への補助電力の伝送を管理するステップ、
を含む動作を前記補助電力制御装置に実行させる命令を含む、
補助電力制御装置。
【請求項2】
前記複数の電力入力源は、
補助電力ユニット(APU)電池、
始動用電池、
コンビネーションAPU/始動用電池、
ダイナミック回収システム、
太陽光パネル、及び
沿線電力ユニット、
のうちの2つ以上を含む、請求項1に記載の補助電力制御装置。
【請求項3】
前記複数の電力消費装置は、
水ポンプ、
温水加熱器、
オイルポンプ、
オイル加熱器、
始動用電池、
キャブヒータ/エアコン、
空気圧縮機、及び
電気部品、
のうちの2つ以上を含む、請求項1に記載の補助電力制御装置。
【請求項4】
前記動作は、
前記複数の電力入力源から1つ以上の電力入力源の第2選択を決定するステップであって、前記1つ以上の電力入力源の第2選択は、前記1つ以上の電力入力源の前記第1選択と互いに異なるステップと、
前記複数の電力消費装置から1つ以上の電力消費装置の第2選択を決定するステップであって、前記1つ以上の電力消費装置の第2選択は、前記1つ以上の電力消費装置の第1選択と互いに異なるステップと、
前記1つ以上の電力入力源の第2選択から前記1つ以上の電力消費装置の第2選択への補助電力の伝送を管理するステップと、
をさらに含む、請求項1に記載の補助電力制御装置。
【請求項5】
前記1つ以上の電力入力源から前記1つ以上の電力消費装置への補助電力の前記伝送を管理するステップは、
電力消費装置の第1選択の第1電力消費装置の電力需要を決定するステップと、
前記1つ以上の電力入力源の第1選択の第1電力入力源の電力供給が前記電力需要を超えると決定するステップと、
前記第1電力入力源から前記第1電力消費装置への前記補助電力の前記伝送を開始するステップと、
を含む、請求項1に記載の補助電力制御装置。
【請求項6】
前記1つ以上の電力入力源から前記1つ以上の電力消費装置への補助電力の前記伝送を管理するステップは、
電力消費装置の第1選択の第1電力消費装置の電力需要を決定するステップと、
前記1つ以上の電力入力源の前記第1選択の第1電力入力源の電力供給が前記電力需要より小さいと決定するステップと、
前記1つ以上の電力入力源の前記第1選択の前記第1電力入力源及び第2電力入力源の電力供給が前記電力需要を超えると決定するステップと、
前記第1電力入力源及び前記第2電力入力源から前記第1電力消費装置への前記補助電力の前記伝送を開始するステップと、
を含む、請求項1に記載の補助電力制御装置。
【請求項7】
前記補助電力制御装置は、機関車内に配置されている、請求項1に記載の補助電力制御装置。
【請求項8】
方法であって、
補助電力制御装置によって、複数の電力入力源から1つ以上の電力入力源の第1選択を決定するステップと、
前記補助電力制御装置によって、複数の電力消費装置から1つ以上の電力消費装置の第1選択を決定するステップと、
前記補助電力制御装置によって、前記1つ以上の電力入力源の第1選択から前記1つ以上の電力消費装置の第1選択への補助電力の伝送を管理するステップと、
を含む、方法。
【請求項9】
前記複数の電力入力源は、
補助電力ユニット(APU)電池、
始動用電池、
コンビネーションAPU/始動用電池、
ダイナミック回収システム、
太陽光パネル、及び
沿線電力ユニット、
のうちの2つ以上を含む、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記複数の電力消費装置は、
水ポンプ、
温水加熱器、
オイルポンプ、
オイル加熱器、
始動用電池、
キャブヒータ/エアコン、
空気圧縮機、及び
電気部品、
のうちの2つ以上を含む、請求項8に記載の方法。
【請求項11】
前記補助電力制御装置によって、前記複数の電力入力源から1つ以上の電力入力源の第2選択を決定するステップであって、前記1つ以上の電力入力源の第2選択は、前記1つ以上の電力入力源の前記第1選択と互いに異なるステップと、
前記補助電力制御装置によって、前記複数の電力消費装置から1つ以上の電力消費装置の第2選択を決定するステップであって、前記1つ以上の電力消費装置の第2選択は、前記1つ以上の電力消費装置の第1選択と互いに異なるステップと、
前記補助電力制御装置によって、前記1つ以上の電力入力源の第2選択から前記1つ以上の電力消費装置の第2選択への補助電力の伝送を管理するステップと、
をさらに含む、請求項8に記載の方法。
【請求項12】
前記1つ以上の電力入力源から前記1つ以上の電力消費装置への補助電力の前記伝送を管理するステップは、
電力消費装置の第1選択の第1電力消費装置の電力需要を決定するステップと、
前記1つ以上の電力入力源の第1選択の第1電力入力源の電力供給が前記電力需要を超えると決定するステップと、
前記第1電力入力源から前記第1電力消費装置への前記補助電力の前記伝送を開始するステップと、
を含む、請求項8に記載の方法。
【請求項13】
前記1つ以上の電力入力源から前記1つ以上の電力消費装置への補助電力の前記伝送を管理するステップは、
電力消費装置の第1選択の第1電力消費装置の電力需要を決定するステップと、
前記1つ以上の電力入力源の前記第1選択の第1電力入力源の電力供給が前記電力需要より小さいと決定するステップと、
前記1つ以上の電力入力源の前記第1選択の前記第1電力入力源及び第2電力入力源の電力供給が前記電力需要を超えると決定するステップと、
前記第1電力入力源及び前記第2電力入力源から前記第1電力消費装置への前記補助電力の前記伝送を開始するステップと、
を含む、請求項8に記載の方法。
【請求項14】
前記補助電力制御装置は、機関車内に配置されている、請求項8に記載の方法。
【請求項15】
命令を含む1つ以上のコンピュータ可読非一時的記憶媒体であって、
プロセッサによって実行されるとき、前記命令は、
複数の電力入力源から1つ以上の電力入力源の第1選択を決定するステップと、
複数の電力消費装置から1つ以上の電力消費装置の第1選択を決定するステップと、
前記1つ以上の電力入力源の前記第1選択から前記1つ以上の電力消費装置の前記第1選択への補助電力の伝送を管理するステップと、
を含む動作を前記プロセッサに実行させる、コンピュータ可読非一時的記憶媒体。
【請求項16】
前記複数の電力入力源は、
補助電力ユニット(APU)電池、
始動用電池、
コンビネーションAPU/始動用電池、
ダイナミック回収システム、
太陽光パネル、及び
沿線電力ユニット、
のうちの2つ以上を含む、請求項15に記載のコンピュータ可読非一時的記憶媒体。
【請求項17】
前記複数の電力消費装置は、
水ポンプ、
温水加熱器、
オイルポンプ、
オイル加熱器、
始動用電池、
キャブヒータ/エアコン、
空気圧縮機、及び
電気部品、
のうちの2つ以上を含む、請求項15に記載のコンピュータ可読非一時的記憶媒体。
【請求項18】
前記動作は、
前記複数の電力入力源から1つ以上の電力入力源の第2選択を決定するステップであって、前記1つ以上の電力入力源の第2選択は、前記1つ以上の電力入力源のうち前記第1選択と互いに異なるステップと、
前記複数の電力消費装置から1つ以上の電力消費装置の第2選択を決定するステップであって、前記1つ以上の電力消費装置の第2選択は、前記1つ以上の電力消費装置の第1選択と互いに異なるステップと、
前記1つ以上の電力入力源の第2選択から前記1つ以上の電力消費装置の第2選択への補助電力の伝送を管理するステップと、
をさらに含む、請求項15に記載のコンピュータ可読非一時的記憶媒体。
【請求項19】
前記1つ以上の電力入力源から前記1つ以上の電力消費装置への補助電力の前記伝送を管理するステップは、
電力消費装置の第1選択の第1電力消費装置の電力需要を決定するステップと、
前記1つ以上の電力入力源の第1選択の第1電力入力源の電力供給が前記電力需要を超えると決定するステップと、
前記第1電力入力源から前記第1電力消費装置への前記補助電力の前記伝送を開始するステップと、
を含む、請求項15に記載のコンピュータ可読非一時的記憶媒体。
【請求項20】
前記1つ以上の電力入力源から前記1つ以上の電力消費装置への補助電力の前記伝送を管理するステップは、
電力消費装置の第1選択の第1電力消費装置の電力需要を決定するステップと、
前記1つ以上の電力入力源の前記第1選択の第1電力入力源の電力供給が前記電力需要より小さいと決定するステップと、
前記1つ以上の電力入力源の前記第1選択の前記第1電力入力源及び第2電力入力源の電力供給が前記電力需要を超えると決定するステップと、
前記第1電力入力源及び前記第2電力入力源から前記第1電力消費装置への前記補助電力の前記伝送を開始するステップと、
を含む、請求項15に記載のコンピュータ可読非一時的記憶媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、一般に制御装置に関し、より詳細には、補助電力制御装置に関する。
【背景技術】
【0002】
機関車のエンジンに使用される水とオイルの温度は、エンジンの損傷を防ぐために特定の温度範囲内に保つ必要がある。アイドリング(idling)は、油温と水温を保持するために使用することができるが、アイドリングは燃料を消費するため、費用と排気ガスが増加する。従来の補助電力ユニット(APU;auxiliary power unit)を使用して、始動用電池(starting battery)を充電し、油温と水温を保持することができる。しかし、APUは、燃料を消費し、排気ガスも生成する。また、機関車にAPUを追加すると、機関車が維持管理する必要のある別のエンジンが導入される。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0003】
一実施形態によれば、補助電力制御装置(auxiliary power controller)は、1つ以上のプロセッサ及び1つ以上のプロセッサに結合された1つ以上のコンピュータ可読非一時的記憶媒体(computer-readable non-transitory storage media)を含む。1つ以上のコンピュータ可読非一時的記憶媒体は、1つ以上のプロセッサによって実行されるときに、補助電力制御装置が、複数の電力入力源(power input source)から1つ以上の電力入力源の第1選択を決定するステップを含む動作を実行させる命令を含む。動作はまた、複数の電力消費装置(power consuming device)から1つ以上の電力消費装置の第1選択を決定するステップを含む。動作はさらに、1つ以上の電力入力源の第1選択から1つ以上の電力消費装置の第1選択への補助電力の伝送を管理するステップを含む。
【0004】
特定の実施形態では、動作は、1つ以上の電力入力源の第2選択が1つ以上の電力入力源の第1選択と互いに異なるように、複数の電力入力源から1つ以上の電力入力源の第2選択を決定するステップと、1つ以上の電力消費装置の第2選択が1つ以上の電力消費装置の第1選択と互いに異なるように、複数の電力消費装置から1つ以上の電力消費装置の第2選択を決定するステップと、1つ以上の電力入力源の第2選択から1つ以上の電力消費装置の第2選択への補助電力の伝送を管理するステップと、をさらに含む。
【0005】
特定の実施形態では、1つ以上の電力入力源から1つ以上の電力消費装置への補助電力の伝送を管理するステップは、電力消費装置の第1選択の第1電力消費装置の電力需要(power demand)を決定するステップと、1つ以上の電力入力源の第1選択の第1電力入力源の電力供給(power supply)が電力需要を超えると決定するステップと、第1電力入力源から第1電力消費装置への補助電力の伝送を開始するステップと、を含む。
【0006】
特定の実施形態では、1つ以上の電力入力源から1つ以上の電力消費装置への補助電力の伝送を管理するステップは、電力消費装置の第1選択の第1電力消費装置の電力需要を決定するステップと、1つ以上の電力入力源の第1選択の第1電力入力源の電力供給が電力需要より小さいと決定するステップと、1つ以上の電力入力源の第1選択の第1電力入力源及び第2電力入力源の電力供給が電力需要を超えると決定するステップと、第1電力入力源及び第2電力入力源から第1電力消費装置への補助電力の伝送を開始するステップと、を含む。
【0007】
複数の電力入力源は、APU電池、始動用電池(starter battery)、コンビネーションAPU/始動用電池、太陽光パネル(solar panel)、及び沿線電力ユニット(wayside power unit)のうちの2つ以上を含んでもよい。複数の電力消費装置は、水ポンプ(water pump)、温水加熱器(water heater)、オイルポンプ(oil pump)、オイル加熱器(oil heater)、始動用電池、キャブヒータ/エアコン(cap heater/air conditioner)、空気圧縮機(air compressor)、及び電気部品のうちの2つ以上を含んでもよい。補助電力制御装置は、機関車などの車両内に配置され得る。
【0008】
他の実施形態によれば、方法は、補助電力制御装置によって、複数の電力入力源から1つ以上の電力入力源の第1選択を決定するステップを含む。方法はまた、補助電力制御装置によって、複数の電力消費装置から1つ以上の電力消費装置の第1選択を決定するステップを含む。方法は、補助電力制御装置によって、1つ以上の電力入力源の第1選択から1つ以上の電力消費装置の第1選択への補助電力の伝送を管理するステップをさらに含む。
【0009】
さらに他の実施形態によれば、1つ以上のコンピュータ可読非一時的記憶媒体は、プロセッサによって実行されるとき、プロセッサが複数の電力入力源から1つ以上の電力入力源の第1選択を決定するステップを含む動作を実行させる命令を具体化する。動作はまた、複数の電力消費装置から1つ以上の電力消費装置の第1選択を決定するステップを含む。動作はさらに、1つ以上の電力入力源の第1選択から1つ以上の電力消費装置の第1選択への補助電力の伝送を管理するステップを含む。
【0010】
本開示の特定の実施形態の技術的利点には、以下のうちの1つ以上が含まれ得る。補助電力制御装置は、モジュール式の設計であるため、1つ以上の電力入力源の選択、及び1つ以上の電力消費装置の選択において柔軟性がある。本明細書に記載されたAPUシステムのモジュール式の設計により、将来のアップグレード(例えば、電力入力源として太陽光パネルの追加)を許容する。本明細書に記載されたAPUシステムのモジュール式の設計により、電力入力源の1つに障害が発生した場合でも、補助電力制御装置は補助電力を供給し続けることができる。補助電力制御装置は、電力入力源と電力消費装置との間のエネルギーの流れを管理することにより、エネルギー費用を減らし、有害な排出物を削減し得る。APUエンジンが電力入力源として選択されていない、又は使用可能でない場合、APUシステムは、シンプルで保守が容易であり、故障の可能性が低くなる。
【0011】
他の技術的利点は、以下の図面、説明、及び請求の範囲から当業者には容易に明らかになるであろう。さらに、特定の利点が上記にて列挙されたが、様々な実施形態は、列挙された利点の全部、一部を含む、又は全く含まないこともできる。
【0012】
本開示の理解を助けるために、添付の図面と併せて以下の説明を参照する。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】補助電力制御装置を使用して、1つ以上の電力入力源から1つ以上の電力消費装置への補助電力の伝送を管理するための例示的なシステム示す。
図2】補助電力制御装置を使用して、コンビネーションAPU/始動用電池及び太陽光パネルから1つ以上の電力消費装置への補助電力の伝送を管理するための例示的なシステムを示す。
図3】補助電力制御装置を使用して、APU電池及び太陽光パネルから1つ以上の電力消費装置への補助電力の伝送を管理するための例示的なシステムを示す。
図4図1図3のシステムによって使用され得る太陽光パネルシステムの例を示す。
図5】補助電力制御装置を使用して、1つ以上の電力入力源から1つ以上の電力消費装置への補助電力の伝送を管理するための例示的な方法を示す。
図6】本明細書で説明されるシステム及び方法によって使用され得る例示的なコンピュータシステムを示す。
【発明を実施するための形態】
【0014】
本明細書に記載されたシステム及び方法は、機関車(locomotive)などの車両に補助負荷(auxiliary load)を供給するために複数のエネルギー源(energy source)を使用することを可能にする。補助電力制御装置は、車両の複数の供給と需要との間のエネルギーの流れを管理するために使用される。エネルギー源は、専用の車載用電池、始動用電池、ダイナミックブレーキ回収システム(dynamic brake recapture system)、沿線電力ユニット、太陽光パネル、主要車両交流発電機(main vehicle alternator)、別途のディーゼル駆動補助エンジン(diesel-powered auxiliary engine)などを含み得る。これらのエネルギー源が満たすエネルギー需要には、始動用電池の充電、エンジンオイルの加熱、エンジン水の加熱、車両の運転室の加熱、車両の運転室の冷却、運転室の電子装置への電力供給などが含まれ得る。本開示は、モジュラーシステム(modular system)が車両の補助負荷及び供給を動的に管理することを可能にする。電力に関する単一のディーゼルエンジン源のみを有する従来のAPUシステムとは対照的に、本明細書に記載されたシステム及び方法は、利用可能な/所望の供給源に基づいて補助負荷用の複数の電力源を可能にする。
【0015】
図1は、補助電力制御装置を使用して、1つ以上の電力入力源から1つ以上の電力消費装置への補助電力の伝送を管理するための例示的なシステムを示す。図2は、補助電力制御装置を使用して、コンビネーションAPU/始動用電池及び太陽光パネルから1つ以上の電力消費装置への補助電力の伝送を管理するための例示的なシステムを示す。図3は、補助電力制御装置を使用して、APU電池及び太陽光パネルから1つ以上の電力消費装置への補助電力の伝送を管理するための例示的なシステムを示す。図4は、図1図3のシステムで使用できる太陽光パネルシステムの例を示す。図5は、補助電力制御装置を使用して、1つ以上の電力入力源から1つ以上の電力消費装置への補助電力の伝送を管理する例示的な方法を示す。図6は、本明細書で説明されるシステム及び方法によって使用され得る例示的なコンピュータシステムを示す。
【0016】
図1は、補助電力制御装置110を使用して、1つ以上の電力入力源120から1つ以上の電力消費装置130への補助電力の伝送を管理するための例示システム100を示す。システム100又はその一部は、企業又は会社(例えば、鉄道会社、運送会社、海運会社など)の任意の組織を含んでもよく、組織と関連してもよい。システム100又はその一部は、車両(例えば、機関車、航空機、海軍船舶、大型商用車、軍用車両、大型トラックなど)と関連してもよい。システム100の要素は、ハードウェア、ファームウェア、及びソフトウェアの任意の適切な組み合わせを使用して実現され得る。例えば、クラウドは、図7のコンピュータシステムの1つ以上の構成要素を使用して実現してもよい。図1のシステム100は、補助電力制御装置110、電力入力源120、電力消費装置130、機関車交流発電機(locomotive alternator)140、エンジンブロック150、水ポンプ160、及びオイルポンプ170を含む。
【0017】
補助電力制御装置110は、1つ以上の電力入力源120から1つ以上の電力消費装置130への補助電力の伝送を管理する構成要素である。補助電力制御装置110は、システム100に関する情報を処理するのに使用され得る任意の適切なコンピューティング構成要素を示す。補助電力制御装置110は、システム100の1つ以上の構成要素間のエネルギー伝送を調整し、及び/又はシステム100の1つ以上の構成要素間の通信を調整し得る。
【0018】
補助電力制御装置110は、ハードワイヤ又は無線接続を介してシステム100の1つ以上の構成要素と通信し得る。補助電力制御装置110は、ユーザ(例えば、技術者、管理者、オペレータなど)がシステム100の1つ以上の構成要素と直接通信できるようにする通信機能を含み得る。例えば、補助電力制御装置110は、コンピュータ(例えば、ラップトップコンピュータ、デスクトップコンピュータ、スマートフォン、タブレットなど)の一部であってもよく、ユーザ(例えば、車両のオペレータ)は、コンピュータのインターフェース(例えば、スクリーン、グラフィクユーザインターフェース(GUI)、又はパネルなど)を介して補助電力制御装置110にアクセスしてもよい。補助電力制御装置110は、ネットワークを介してシステム100の1つ以上の構成要素と通信することができる。補助電力制御装置110は、システム100に関する情報を処理するために任意の適所に配置され得る。例えば、補助電力制御装置110は、車両(例えば、機関車)内に配置され得る。
【0019】
補助電力制御装置110は、複数の電力入力源120からの1つ以上の電力入力源120の選択を決定し得る。例えば、補助電力制御装置110は、オペレータが電力入力源120の所定の選択から特定の電力入力源120を選択したと決定してもよい。別の例として、補助電力制御装置110は、電力入力源120の所定の選択から利用可能な電力入力源120を検出(例えば、感知)してもよい。また別の例として、補助電力制御装置110は、1つ以上の要因に基づいて、電力入力源120の所定の選択から電力入力源120を選択してもよい(例えば、補助電力制御装置110に関連する車両が使用される地理的位置、車両サイズ、車両に必要な補助電力の量など)。
【0020】
補助電力制御装置110は、複数の電力消費装置130からの1つ以上の電力消費装置130の選択を決定し得る。例えば、補助電力制御装置110は、オペレータが、電力消費装置130の所定の選択から特定の電力消費装置130を選択したと決定してもよい。
【0021】
別の例として、補助電力制御装置110は、電力消費装置130の所定の選択から電力消費装置130を自動的に検出(例えば、感知)し得る。
【0022】
補助電力制御装置110は、1つ以上の電力入力源120から1つ以上の電力消費装置130への補助電力の伝送を管理し得る。例えば、補助電力制御装置110は、第1電力入力源120の電力供給及び第1電力消費装置130の電力需要を決定してもよい。次に補助電力制御装置110は、第1電力入力源120の電力供給が第1電力消費装置130の電力需要を満たすか又は越えると決定し、この決定に応答して、第1電力入力源120から第1電力消費装置130への補助電力の伝送を開始し得る。別の例として、補助電力制御装置110は、第1電力入力源120の電力供給が第1電力消費装置130の電力需要より小さいと決定し得る。補助電力制御装置110は、第1電力入力源120の電力供給が第1電力消費装置130の電力需要より小さいと決定してもよい。補助電力制御装置110は、2つ以上の電力入力源120の結合された電力供給が第1電力消費装置130の電力需要を超えると決定してもよい。この決定に応答して、補助電力制御装置110は、2つ以上の電力入力源120から第1電力消費装置130への補助電力の伝送を開始し得る。
【0023】
補助電力制御装置110は、電力入力源120及び/又は利用可能な電力入力源120の選択が変更されたことを決定し得る。例えば、補助電力制御装置110は、オペレータが電力入力源120の所定の選択から異なるセットの電力入力源120を選択したと決定してもよい。特定の実施形態では、オペレータは、1つ以上の電力入力源120を電力入力源120の選択に追加、電力入力源120の選択から1つ以上の電力入力源120を除去、又は電力入力源120の選択内の1つ以上の電力入力源120を交換してもよい。特定の実施形態では、補助電力制御装置110は、1つ以上の電力入力源120が利用可能、又は利用不可能になることを自動的に検出し、利用の可能性に基づいて電力入力源120の選択を自動的に変更してもよい。
【0024】
補助電力制御装置110は、電力消費装置130及び/又は利用可能な電力消費装置130の選択が変更されたと決定し得る。特定の実施形態では、補助電力制御装置110は、オペレータが電力消費装置130の所定の選択から電力消費装置130の異なるセットを選択したと決定してもよい。例えば、オペレータは、1つ以上の電力消費装置130を電力消費装置130の選択に追加、電力消費装置130の選択から1つ以上の電力消費装置130を除去、又は電力消費装置130の選択内の1つ以上の電力消費装置130を交換してもよい。特定の実施形態では、補助電力制御装置110は、1つ以上の電力消費装置が利用可能、又は利用不可能になることを自動的に検出し、利用の可能性に基づいて電力消費装置130の選択を自動的に変更してもよい。
【0025】
システム100の電力入力源120は、システム100の1つ以上の電力消費装置130に補助電力を提供することができる任意の物理的構成要素を示す。電力入力源120は、システム100の1つ以上の電力消費装置130に補助電力を提供するための任意の適所に配置され得る。例えば、電力入力源120は、車両上、車両内、又は車両に隣接して配置されてもよい。電力入力源120は、APU電池121、始動用電池122、コンビネーションAPU/始動用電池123、ダイナミックブレーキ回収システム124、太陽光パネル125、沿線電力ユニット126、及びAPUエンジン127を含んでもよい。
【0026】
電力入力源120のAPU電池121は、エンジン停止中に車両の補助負荷に電力を提供する専用の車載用電池である。APU電池121は、エンジンが作動しているときに交流発電機140を介して充電され得る。APU電池121は、鉛酸電池、リチウムイオン電池、ニッケルマンガンコバルト電池、リン酸鉄電池、又はエネルギーを蓄えることができる他の任意の適切な電池であり得る。電力入力源120の始動用電池122は、車両のエンジンを始動するために必要な電力を提供する。始動用電池122はまた、車両内の電子装置を作動するために使用され得る。電力入力源120のコンビネーションAPU/始動用電池123は、APU電池121と始動用電池122とを単一電池として結合する。
【0027】
電力入力源120のダイナミックブレーキ回収システム124は、車両の通常の制動から熱として失われるエネルギーの一部を変換及び貯蔵するシステムである。電力入力源120の太陽光パネル125は、エネルギー源として太陽光線を吸収する構成要素である。太陽光パネル125は、以下の図4の説明で詳細に示す。電力入力源120の沿線電力ユニット126は、整備又は乗り継ぎ待ち(layover)のために標準ユーティリティ電力を車両に提供する。特定の実施形態では、車両(例えば、機関車)は、沿線電力ユニット126に接続される。沿線電力ユニット126は、1つ以上のプラグ、筐体、変圧器、回路遮断器、スイッチ、電力供給コネクタなどを含み得る。沿線電力ユニット126は、様々な制御レイアウト及び様々な電圧(例えば、208ボルト、220ボルト、240ボルト、480ボルト、又は575ボルト)を含み得る。
【0028】
電力入力源120のAPUエンジン127は、小型(例えば、22馬力)ディーゼルエンジンである。従来のシステムでは、APUエンジン127は、車両の1つ以上の構成要素に補助電力を提供する。車両のメインエンジンは、車両が実際に移動又は牽引する必要がある場合にのみ始動される。車両のアイドリング時間が所定の時間(例えば、10分)を超えると、メインエンジンが停止し、APUエンジン127が動作を開始する。システム100の特定の実施形態では、電力入力源120の選択は、APUエンジン127を含まない。APUエンジン127以外の電力入力源120を使用することにより、APUエンジン27と関連する保守の時間及び費用、修理の時間及び費用、汚染物質の排出が排除される。
【0029】
システム100の電力消費装置130は、補助電力を消費する任意の装置を示す。電力消費装置130は、電力入力源120から補助電力を受け取る。電力消費装置130は、電力入力源120から補助電力を受け取るための任意の適所に配置され得る。例えば、電力消費装置130は、車両上、車両内、又は車両に隣接して配置されてもよい。電力消費装置130は、空気圧縮機131、キャブヒータ/エアコン132、始動用電池133、電気部品134、温水加熱器135、水ポンプ160、オイル加熱器136、及びオイルポンプ170を含み得る。
【0030】
電力消費装置130の空気圧縮機131は、電力を加圧空気に蓄えられた位置エネルギーに変換する装置である。電力消費装置130のキャブヒータ/エアコン132は、車両の運転室に加熱及び/又は冷却を提供する1つ以上の装置を含む。キャブヒータ/エアコン132は、車両の運転室に加熱及び/又はエアコンを提供するための任意の適所に配置され得る。例えば、キャブヒータ/エアコン132は、運転室内に配置、車両の側面に装着、車両の屋根に装着されてもよい。
【0031】
電力消費装置130の始動用電池133(即ち、電力入力源120の始動用電池122)は、車両のエンジンを始動するために必要な電力を提供する。始動用電池122はまた、車両内の電子装置を作動するために使用され得る。電力消費装置130の電気部品134は、電気を消費する車両の構成要素を含む。電気部品134は、ファン、送風機、照明(例えば、運転室照明)、コンピュータ、ポジティブトレインコントロール(PTC;positive train control)システムの1つ以上の構成要素、イベントレコーダ、障害コードチップ、プロセッサなどを含み得る。交流発電機140は、機械エネルギーを電気エネルギーに変換する発電機である。システム100のエンジンが作動しているとき、交流発電機140は、電池を充電し、車両の電気システムに追加の電力を供給し得る。機関車などの特定の車両の場合、ディーゼルエンジンは、機関車を動かすための電力を提供する交流発電機140を駆動し得る。
【0032】
システム100の水ポンプ160は、水が凍結するのを防ぐために、エンジンブロック150によって使用される水を循環させる循環ポンプである。エンジンブロック150は、車両のメインエンジンの一部である。エンジンの温度を最も効率的な範囲内に保つために、エンジンブロック150の周りに水が分散される。電力消費装置130の温水加熱器135は、エンジンブロック150によって使用される水を加熱するために使用される加熱装置である。オイルポンプ170は、オイルの粘度を保つために、エンジンブロック150によって使用されるオイルを循環させる循環ポンプである。電力消費装置130のオイル加熱器135は、エンジンブロック150によって使用されるオイルを加熱するために使用される加熱装置である。
【0033】
動作中、補助電力制御装置110は、複数の電力入力源120から1つ以上の電力入力源120の第1選択を決定する。例えば、補助電力制御装置110は、電力入力源120の第1選択がAPU電池121及び太陽光パネル125を含むことを決定してもよい。補助電力制御装置110は、複数の電力消費装置130から1つ以上の電力消費装置130の第1選択を決定する。例えば、補助電力制御装置110は、電力消費装置130の第1選択がキャブヒータ/エアコン132及び始動用電池133を含むと決定してもよい。次に、補助電力制御装置110は、電力入力源121の第1選択から電力消費装置130の第1選択への補助電力の伝送を管理する。従って、図1のシステム100は、電力入力源及び電力出力消費装置の選択における柔軟性を許容し、将来のアップグレードを許容し、エネルギー費用を減らし、有害な排出物を削減し得る。
【0034】
図1は、補助電力制御装置110、電力入力源120、電力消費装置130、交流発電機140、エンジンブロック150、水ポンプ160、及びオイルポンプ170の特定の配置を示しているが、本開示は、補助電力制御装置110、電力入力源120、電力消費装置130、交流発電機140、エンジンブロック150、水ポンプ160、及びオイルポンプ170の任意の適切な配置を企図する。
【0035】
例えば、エンジンブロック150に対する水ポンプ160及びオイルポンプ170の位置は逆にしてもよい。
【0036】
図1は、特定の数の補助電力制御装置110、電力入力源120、電力消費装置130、交流発電機140、エンジンブロック150、水ポンプ160、及びオイルポンプ170を示しているが、本開示は、任意の適切な数の補助電力制御装置110、電力入力源120、電力消費装置130、交流発電機140、エンジンブロック150、水ポンプ160、及びオイルポンプ170を企図する。
【0037】
例えば、システム100は、7つ以上の電力入力源120及び/又は8つ以上の電力消費装置を含んでもよい。別の例として、システム100は、1つ以上の補助電力制御装置110を含んでもよい。
【0038】
図1に示される方法100に対して修正、追加、又は省略を行ってもよい。システム100は、より多くの、より少ない、又は他の構成要素を含み得る。例えば、システム100は、1つ以上の制御装置、センサ、アクセサリ、アプリケーションソフトウェアなどを含んでもよい。システム100の1つ以上の構成要素は、図6のコンピュータシステムからの1つ以上の要素を含んでもよい。
【0039】
図2は、補助電力制御装置110を使用して、コンビネーションAPU/始動用電池123及び太陽光パネル125から1つ以上の電力消費装置(例えば、キャブヒータ/エアコン132、水ポンプ160、及び/又はオイルポンプ170)への補助電力の伝送を管理するための例示的なシステム200を示す。システム200は、補助電力制御装置110、コンビネーションAPU/始動用電池123、太陽光パネル125、キャブヒータ/エアコン132、交流発電機140、エンジンブロック150、水ポンプ160、及びオイルポンプ170を含む。図1について上述したように、コンビネーションAPU/始動用電池123及び太陽光パネル125は、車両の入力電源であり、キャブヒータ/エアコン132、水ポンプ160、及びオイルポンプ170は、車両の電力消費装置である。
【0040】
システム200と関連する車両のエンジンが作動しているとき、システム200の交流発電機140は、システム200の1つ以上の電力消費装置に電力を提供するための電力入力源として機能する。例えば、交流発電機140は、車両の運転室を加熱及び/又は冷却するために、キャブヒータ/エアコン132に電力を提供してもよい。別の例として、交流発電機140は、システム200のエンジンブロック150を介して水を循環させるために、水ポンプ160に電力を提供してもよい。また別の例として、交流発電機140は、システム200のエンジンブロック150を介してオイルを循環させるために、オイルポンプ170に電力を提供する。また別の例として、交流発電機140は、APU/始動用電池123を充電するためにコンビネーションAPU/始動用電池123に電力を提供してもよい。
【0041】
システム200と関連する車両のエンジンが停止すると、システム200の交流発電機140は、システム200の電力入力源として機能しなくなる。補助電力制御装置110は、電力入力源としてコンビネーションAPU/始動用電池123及び太陽光パネル125を識別し、キャブヒータ/エアコン132、水ポンプ160、及びオイルポンプ170を電力消費装置として識別し、コンビネーションAPU/始動用電池123及び/又は太陽光パネル125からキャブヒータ/エアコン132、水ポンプ160、及びオイルポンプ170への補助電力の伝送を管理する。例えば、補助電力制御装置110は、APU/始動用電池123からキャブヒータ/エアコン132への伝送補助電力を開始してもよい。補助電力制御装置110が、APU/始動用電池123がキャブヒータ/エアコン132の電力需要を満たすことができないと判断した場合、補助電力制御装置110は、コンビネーションAPU/始動用電池123及び太陽光パネル125からキャブヒータ/エアコン132への補助電力の伝送を開始してもよい。このように、システム200は、APUディーゼルエンジンを使用せずに電力消費装置に補助電力を提供することができ、これにより、APUディーゼルエンジンに関連する保守及び修理費用、及び有害な排出物を削減することができる。
【0042】
図2は、補助電力制御装置110、コンビネーションAPU/始動用電池123、太陽光パネル125、キャブヒータ/エアコン132、交流発電機140、エンジンブロック150、水ポンプ160、及びオイルポンプ170の特定の配置を示しているが、本開示は、補助電力制御装置110、コンビネーションAPU/始動用電池123、太陽光パネル125、キャブヒータ/エアコン132、交流発電機140、エンジンブロック150、水ポンプ160、及びオイルポンプ170の任意の適切な配置を企図する。
【0043】
図1は、特定の数の補助電力制御装置110、コンビネーションAPU/始動用電池123、太陽光パネル125、キャブヒータ/エアコン132、交流発電機140、エンジンブロック150、水ポンプ160、及びオイルポンプ170を示しているが、本開示は、任意の適切な数の補助電力制御装置110、コンビネーションAPU/始動用電池123、太陽光パネル125、キャブヒータ/エアコン132、交流発電機140、エンジンブロック150、水ポンプ160、及びオイルポンプ170を企図する。
【0044】
図2に示されるシステム200に対して修正、追加、又は省略を行ってもよい。システム200は、より多くの、より少ない、又は他の構成要素を含み得る。例えば、システム200は、1つ以上の制御装置、センサ、アクセサリ、アプリケーションソフトウェアなどを含んでもよい。システム200の1つ以上の構成要素は、図6のコンピュータシステムからの1つ以上の要素を含んでもよい。
【0045】
図3は、補助電力制御装置110を使用して、APU電池121及び太陽光パネル125から1つ以上の電力消費装置(例えば、キャブヒータ/エアコン132、始動用電池133、水ポンプ160、及び/又はオイルポンプ170)への補助電力の伝送を管理するための例示的なシステム300を示す。システム300は、補助電力制御装置110、APU電池121、太陽光パネル125、キャブヒータ/エアコン132、始動用電池133、交流発電機140、エンジンブロック150、水ポンプ160、及びオイルポンプ170を含む。図1について上述したように、APU電池121及び太陽光パネル125は、車両の入力電源であり、キャブヒータ/エアコン132、始動用電池133、水ポンプ160、及びオイルポンプ170は、車両の電力消費装置である。
【0046】
システム300と関連する車両のエンジンが作動しているとき、システム300の交流発電機140は、システム200の1つ以上の電力消費装置に電力を提供するための電力入力源として機能する。例えば、交流発電機140は、車両の運転室を加熱及び/又は冷却するために、キャブヒータ/エアコン132に電力を提供してもよい。別の例として、交流発電機140は、システム300のエンジンブロック150を介して水を循環させるために、水ポンプ160に電力を提供してもよい。また別の例として、交流発電機140は、システム200のエンジンブロック150を介してオイルを循環させるために、オイルポンプ170に電力を提供する。また別の例として、交流発電機140は、APU電池121を充電するためにAPU電池121に電力を提供してもよい。また別の例として、交流発電機140は、始動用電池123を充電するために始動用電池123に電力を提供してもよい。
【0047】
システム300と関連する車両のエンジンが停止すると、システム300の交流発電機140は、システム300の電力入力源として機能しなくなる。補助電力制御装置110は、電力入力源としてAPU電池121及び太陽光パネル125を識別し、キャブヒータ/エアコン132、始動用電池133、水ポンプ160、及びオイルポンプ170を電力消費装置として識別し、APU電池121及び/又は太陽光パネル125からキャブヒータ/エアコン132、始動用電池133、水ポンプ160、及びオイルポンプ170への補助電力の伝送を管理する。例えば、補助電力制御装置110は、太陽光パネル125からキャブヒータ/エアコン132及び始動用電池133への補助電力の伝送を開始してもよい。補助電力制御装置110が太陽光パネル125の利用可能な電力供給が所定の電力供給レベルを下回ると判断した場合、補助電力制御装置110は、APU電池121及び太陽光パネル125からキャブヒータ/エアコン132及び始動用電池133への補助電力の伝送を開始してもよい。このように、システム300は、APUディーゼルエンジンを使用せずに電力消費装置に補助電力を提供することができ、これにより、APUディーゼルエンジンに関連する保守及び修理費用、及び有害な排出物を削減することができる。特定の実施形態では、APU電池121が電力消費装置の電力需要を満たすことができない場合、自動エンジン始動停止(AESS;Automatic Engine Start Stop)システムは、車両のエンジンを始動させ、これにより、交流発電機140が電力消費装置の電力需要を満たすことができるようにする。
【0048】
図2は、補助電力制御装置110、APU電池121、太陽光パネル125、キャブヒータ/エアコン132、交流発電機140、エンジンブロック150、始動用電池133、水ポンプ160、及びオイルポンプ170の特定の配置を示しているが、本開示は、補助電力制御装置110、APU電池123、太陽光パネル125、キャブヒータ/エアコン132、始動用電池133、交流発電機140、エンジンブロック150、水ポンプ160、及びオイルポンプ170の任意の適切な配置を企図する。
【0049】
図1は、特定の数の補助電力制御装置110、APU電池121、太陽光パネル125、キャブヒータ/エアコン132、始動用電池133、交流発電機140、エンジンブロック150、水ポンプ160、及びオイルポンプ170を示しているが、本開示は、任意の適切な数の補助電力制御装置110、APU電池121、太陽光パネル125、キャブヒータ/エアコン132、始動用電池133、交流発電機140、エンジンブロック150、水ポンプ160、及びオイルポンプ170を企図する。
【0050】
図3に示されるシステム300に対して修正、追加、又は省略を行ってもよい。システム300は、より多くの、より少ない、又は他の構成要素を含み得る。例えば、システム300は、1つ以上の制御装置、センサ、アクセサリ、アプリケーションソフトウェアなどを含んでもよい。システム300の1つ以上の構成要素は、図6のコンピュータシステムからの1つ以上の要素を含んでもよい。
【0051】
図4は、図1図3のシステムによって使用され得る太陽光パネルシステムの例を示す。太陽光パネルシステム400は、太陽光パネル410、パネルフレーム420、及びリフトフック430を含む。太陽光パネル410は、太陽光線をエネルギー源として吸収する構成要素である。太陽光パネル410は、任意の適切なサイズ及び形状であってもよい。例えば、各太陽光パネル410は、幅が1.75フィートで長さが3.5フィートを有する長方形の形状であってもよい。太陽光パネル410は、任意の適切なサイズ及び形状を形成するために結合され得る。例えば、3×4配列の太陽光パネルを形成して、全体幅を5.25フィート、全長を10.5フィートにすることもできる。太陽光パネル410は、太陽光線を吸収するのに適した任意の材料であり得る。例えば、太陽光パネル410は、ポリエチレンテレフタレート(PET)、エチレンテトラフルオロエチレン(ETFE)、又は他の任意の適切な材料で製造されてもよい。
【0052】
特定の実施形態では、太陽光パネル410は、車両のための電力入力源として機能する。太陽光パネル410は、所定のワット数の電力を生成する。例えば、太陽光パネル410は、3×4配列の太陽光パネル410が1080ワットの電力を生成するように、平方フィート当たり15ワットの電力を生成してもよい。別の例として、各太陽光パネル410は、290~360ワットの電力を生成してもよい。太陽光パネル410は、太陽光によって吸収された直流(DC)エネルギーを使用可能な交流(AC)エネルギーに変換するために使用される1つ以上のインバータを含み得る。次に、ACエネルギーは、車両の1つ以上の電力消費装置に分散され得る。太陽光パネル410は、車両の屋根に取り付けられ、車両の電力入力源として機能し得る。
【0053】
太陽光パネル410は、パネルフレーム420を使用して車両に取り付けることができる。パネルフレーム420は、太陽光パネル410を車両に物理的に接続するために使用される任意のフレームである。パネルフレーム420は、太陽光パネル410に構造的支持を提供することができる任意の適切な材料で製造され得る。例えば、パネルフレーム420は、金属(例えば、鋼鉄、アルミニウム、ニッケル、チタン、銅、鉄など)、プラスチック、織物、これらの組み合わせ、又は任意の他の適切な材料で製造されてもよい。太陽光パネルシステム400は、1つ以上のリフトフック430を含み得る。リフトフック430は、太陽光パネル410及び/又はパネルフレーム420を車両から持ち上げるために使用され得る。リフトフック430は、任意の適切なタイプ、サイズ、形状、及び材料であり得る。例えば、リフトフックは、アイフック、クレビスフック、スイベルフックなどであってもよい。特定の実施形態では、太陽光パネルシステム400の太陽光パネル410、パネルフレーム420、及びリフトフック430は、太陽、雨、雹、風、雪、氷、みぞれ、及び/又は他の気象条件を耐えることができる材料で製造される。
【0054】
図5は、補助電力制御装置を使用して、1つ以上の電力入力源から1つ以上の電力消費装置への補助電力の伝送を管理するための例示的な方法500を示す。方法500は、ステップ505から開始する。ステップ510において、補助電力制御装置(例えば、図1の補助電力制御装置110)は、複数の電力入力源(例えば、図1の電力入力源120)から第1及び第2電力入力源を選択する。例えば、補助電力制御装置は、次の電力入力源の選択から1つ以上の太陽光パネル(例えば、図1の太陽光パネル125)及び沿線電力ユニット(例えば、図1の沿線電力ユニット126)を選択してもよい。APU電池、始動用電池、コンビネーションAPU/始動用電池、ダイナミックブレーキ回収システム、太陽光パネル、及び沿線電力ユニット。次に、方法500は、ステップ510からステップ515に移動する。
【0055】
方法500のステップ515において、補助電力制御装置は、複数の電力消費装置(例えば、図1の電力消費装置130)から第1及び第2電力消費装置を選択する。例えば、補助電力制御装置は、次の電力消費装置の選択から空気圧縮機(例えば、図1の空気圧縮機131)及び始動用電池(例えば、図1の始動用電池133)を選択してもよい。空気圧縮機、キャブヒータ/エアコン、始動用電池、電気部品、温水加熱器、水ポンプ、オイル加熱器、及びオイルポンプ。次に、方法300は、ステップ515からステップ520に移動する。
【0056】
方法500のステップ520において、補助電力制御装置は、第1及び第2電力入力源の各々に対して利用可能な電力供給を決定する。例えば、補助電力制御装置は、太陽光パネルが5キロワットの電力を供給でき、沿線電力ユニットが650キロワットの電力を供給できると決定してもよい。次に、方法500は、ステップ520からステップ525に移動し、ここで補助電力制御装置は、第1及び第2電力消費装置の各々に対して要求される補助電力の需要を決定する。例えば、補助電力制御装置は、空気圧縮機が5キロワットの電力を必要とし、始動用電池が600キロワットの電力を必要とすると決定してもよい。次に、方法500は、ステップ525からステップ530に移動する。
【0057】
方法500のステップ530において、補助電力制御装置は、第1電力入力源の利用可能な電力供給が第1及び第2電力消費装置の要求する補助電力の需要を満たすか又は超えるかを決定する。補助電力制御装置が第1電力入力源の利用可能な電力供給が第1及び第2電力の要求される補助電力の需要を満たすか又は超えると決定する場合、消費装置、方法500は、ステップ530からステップ535に移動し、ここで補助電力制御装置は、第1電力入力源から第1及び第2電力消費装置への補助電力の伝送を開始する。
【0058】
ステップ530において、補助電力制御装置が第1電力入力源の利用可能な電力供給が第1及び第2電力消費装置の要求する補助電力の需要より小さいと決定した場合、方法500は、ステップ530からステップ540に移動し、ここで補助電力制御装置は、第1及び第2電力入力源から第1及び第2電力消費装置への補助電力の伝送を開始する。例えば、補助電力制御装置は、太陽光パネルが空気圧縮機及び始動用電池によって要求される605キロワットの補助電力より小さい5キロワットの電力のみ供給できると決定する場合がある。このような電力需要を満たすために、補助電力制御装置は、第1及び第2電力入力源から第1及び第2電力消費装置への補助電力の伝送を開始する。次に、方法500は、ステップ535からステップ545に移動する。
【0059】
方法500のステップ545において、補助電力制御装置は、電力入力源及び/又は電力消費装置が変更されたかを決定する。例えば、補助電力制御装置は、新しい電力入力源(例えば、ダイナミックブレーキ回収システム)の追加を検出し得る。補助電力制御装置が、電力入力源及び/又は電力消費装置が変更されたと決定した場合、補助電力制御装置は、それに応じて電力入力源及び/又は電力消費装置の選択を変更する。例えば、ダイナミックブレーキ回収システムを検出することに応答して、補助電力制御装置は、ダイナミックブレーキ回収システムを利用可能な電力入力源の選択に追加し得る。次に、方法500は、ステップ550からステップ555に移動し、そこで方法500は終了する。ステップ545において、補助電力制御装置が電力入力源及び/又は電力消費装置が変更されていない決定した場合、方法500は、ステップ545からステップ555に移動し、そこで方法500が終了する。このように、方法500は、1つ以上の電力入力源の選択及び1つ以上の電力出力消費装置の選択において柔軟性を許容する。
【0060】
図5に示される方法500に対して、修正、追加、又は省略を行うことができる。方法500は、より多くの、より少ない、又は他のステップを含み得る。例えば、方法500は、複数の電力入力源から2つ以上の電力入力源を選択するステップを含んでもよい。ステップは、並行して、又は任意の適切な順序で実行され得る。例えば、方法500のステップ510及び515は逆にしてもよい。方法500のステップを完了する特定の構成要素として論じられているが、任意の適切な構成要素は、方法500の任意のステップを実行し得る。
【0061】
図6は、本明細書で説明されるシステム及び方法によって使用され得る例示的なコンピュータシステムを示す。例えば、図1のシステム100の1つ以上の構成要素(例えば、補助電力制御装置110)は、1つ以上のインターフェース610、処理回路620、メモリ630、及び/又は他の適切な要素を含んでもよい。インターフェース610は、入力を受信し、出力を送信し、入力及び/又は出力を処理し、及び/又は他の適切な動作を実行する。インターフェース610は、ハードウェア及び/又はソフトウェアを含み得る。
【0062】
処理回路(Processing circuitry)620は、構成要素の動作を実行又は管理する。処理回路620は、ハードウェア及び/又はソフトウェアを含み得る。処理回路の例には、1つ以上のコンピュータ、1つ以上のマイクロプロセッサ、1つ以上のアプリケーションなどが含まれる。特定の実施形態では、処理回路620は、入力から出力を生成するなどのアクション(例えば、動作)を行うためのロジック(例えば、命令)を実行する。処理回路620によって実行されるロジックは、1つ以上の有形の非一時的コンピュータ可読媒体(例えば、メモリ630)に符号化され得る。例えば、ロジックは、コンピュータプログラム、ソフトウェア、コンピュータ実行可能命令、及び/又はコンピュータによって実行できる命令を含んでもよい。特定の実施形態では、実施形態の動作は、コンピュータプログラムを格納、具現化、及び/又は符号化され、及び/又は格納及び/又は符号化されたコンピュータプログラムを有する1つ以上のコンピュータ可読媒体によって実行され得る。
【0063】
メモリ630(又はメモリユニット)は、情報を格納する。メモリ630は、1つ以上の非一時的、実体的、コンピュータ可読、及び/又はコンピュータ実行可能な記憶媒体を含み得る。メモリ630の例には、コンピュータメモリ(例えば、RAM又はROM)、大容量記憶媒体(例えば、ハードディスク)、リムーバブル記憶媒体(例えば、コンパクトディスク(CD)又はデジタルビデオディスク(DVD))、データベース、及び/又はネットワークストレージ(例えば、サーバ)、及び/又は他のコンピュータ可読媒体を含む。
【0064】
本明細書では、コンピュータ可読非一時的記憶媒体又は媒体は、1つ以上の半導体ベース又はその他の集積回路(IC)(例えば、FPGA(Field Programmable Gate Array)、又はASIC(application-specific IC))、ハードディスクドライブ(HDD)、ハイブリッドハードドライブ(HHD)、光ディスク、光ディスクドライブ(ODD)、光磁気ディスク、光磁気ドライブ、フロッピーディスク、フロッピーディスクドライブ(FDD)、磁気テープ、ソリッドステートドライブ(SSD)、RAMドライブ、安全なデジタルカード、又はドライブ、その他の適切なコンピュータ可読非一時的記憶媒体、又は必要に応じてこれらの2つ以上の適切な組み合わせを含み得る。コンピュータ可読非一時的記憶媒体は、必要に応じて、揮発性、不揮発性、又は揮発性及び不揮発性の組み合わせであってもよい。
【0065】
本明細書において、「又は」は、明示的に別段の指示がない限り、又は文脈によって別の方法で示されない限り、包括的であり、排他的ではない。従って、本明細書では「A又はB」は、明示的に別段の指示がない限り、又は文脈によって別の方法で示されない限り、「A、B、又はその両方」を意味する。さらに、「及び」は、明示的に別段の指示がない限り、又は文脈によって別の方法で示されない限り、共同及び個別のものである。従って、本明細書で「A及びB」は、明示的に別段の指示がない限り、又は文脈によって別の方法で示されない限り、「A及びB、共同又は個別」を意味する。
【0066】
本開示の範囲は、当業者が理解し得る本明細書に記載又は図示された例示的な実施形態に対する全ての変更、置換、変形、改変、及び修正を含む。本開示の範囲は、本明細書に記載又は図示された例示的な実施形態に限定されない。さらに、本開示は、特定の構成要素、要素、特徴、機能、動作、又はステップを含むものとして本明細書のそれぞれの実施形態を説明及び例示しているが、これら実施形態のいずれも、当業者が理解できる本明細書に記載又は図示された任意の構成要素、要素、特徴、機能、動作、又はステップのいずれかの任意の組み合せ又は順列を含み得る。さらに、特定の機能を実行するように、適合、配置、構成、有効化、操作可能な装置若しくはシステム又はその構成要素に対する特許請求の範囲の言及は、特定の機能が活性化、オン、又はロック解除されているかどうかに関わらず、適合、配置、構成、有効化、操作可能、又は動作可能である限り、その装置のシステム又は構成要素を包含する。さらに、本開示は、特定の利点を提供するものとして特定の実施形態を説明又は例示しているが、特定の実施形態は、これらの利点を提供しないこともでき、又は一部若しくは全てを提供してもよい。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
【国際調査報告】