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特表2023-505506化学療法または放射線療法で誘導された好中球減少症を治療する方法
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  • 特表-化学療法または放射線療法で誘導された好中球減少症を治療する方法 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-02-09
(54)【発明の名称】化学療法または放射線療法で誘導された好中球減少症を治療する方法
(51)【国際特許分類】
   A61K 38/19 20060101AFI20230202BHJP
   A61P 7/00 20060101ALI20230202BHJP
   A61P 43/00 20060101ALI20230202BHJP
   A61K 47/60 20170101ALI20230202BHJP
   C07K 16/00 20060101ALN20230202BHJP
   C07K 14/53 20060101ALN20230202BHJP
   C12N 15/27 20060101ALN20230202BHJP
   C12N 15/13 20060101ALN20230202BHJP
【FI】
A61K38/19
A61P7/00
A61P43/00 107
A61K47/60
C07K16/00 ZNA
C07K14/53
C12N15/27
C12N15/13
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022533590
(86)(22)【出願日】2020-12-07
(85)【翻訳文提出日】2022-06-03
(86)【国際出願番号】 KR2020017798
(87)【国際公開番号】W WO2021112654
(87)【国際公開日】2021-06-10
(31)【優先権主張番号】62/944,359
(32)【優先日】2019-12-05
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】516132149
【氏名又は名称】ハンミ ファーマシューティカルズ カンパニー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【弁理士】
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】ジェ・ヒュク・チェ
(72)【発明者】
【氏名】ウン・ジュン・キム
(72)【発明者】
【氏名】ユ・ヨン・キム
(72)【発明者】
【氏名】ギュ・ヒャン・イ
(72)【発明者】
【氏名】ヒェスン・ハン
【テーマコード(参考)】
4C076
4C084
4H045
【Fターム(参考)】
4C076CC14
4C076DD09
4C076EE23
4C076EE59
4C076FF68
4C084AA01
4C084AA02
4C084BA01
4C084BA08
4C084BA22
4C084BA23
4C084BA42
4C084CA53
4C084CA59
4C084DA19
4C084MA55
4C084NA10
4C084ZA511
4C084ZA512
4C084ZB221
4C084ZB222
4H045AA10
4H045AA11
4H045AA30
4H045BA10
4H045BA40
4H045BA57
4H045CA40
4H045DA10
4H045DA76
4H045EA20
4H045FA10
4H045FA74
4H045GA26
(57)【要約】
有効量のエフラペグラスチムを患者に投与することにより、それを必要とする患者において、化学療法誘導好中球減少症を治療する方法を提供し、有効量のエフラペグラスチムを患者に投与することにより、それを必要とする患者において、放射線誘導好中球減少症を治療する方法を提供する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
治療が必要な患者において、絶対好中球数、顆粒球数、幹細胞生産、造血、造血前駆細胞数、または幹細胞生産を増大させる、あるいは弱化された白血球生産を特徴とする状態を治療または予防する方法であって、
患者が、化学療法剤を投与された、または、放射線療法を受けた後、24時間未満の期間内に、有効量のエフラペグラスチムを投与する段階を含む、方法。
【請求項2】
前記弱化された白血球生産を特徴とする状態が、化学療法誘導好中球減少症、放射線療法誘導好中球減少症、造血機能低下、免疫機能低下、好中球数減少、好中球動員低下、末梢血液前駆細胞動員、敗血症、骨髄移植、感染性疾患、白血球減少症、血小板減少症、貧血、移植中における骨髄の生着増大、放射線治療における骨髄回復の増大、化学物質誘導または化学療法剤誘導の骨髄無形性または骨髄抑剤、放射線療法誘導の骨髄無形性または骨髄抑剤、及び後天性免疫欠乏症侯群からなる群のうちから選択される、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記弱化された白血球生産を特徴とする状態が、化学療法誘導好中球減少症または放射線療法誘導好中球減少症である、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記方法は、当該治療が必要な患者において、化学療法誘導好中球減少症または放射線療法誘導好中球減少症の期間を短縮させる、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記方法は、患者が、化学療法剤を投与されるか、あるいは放射線療法を受ける当日、有効量のエフラペグラスチムを投与することを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
有効量のエフラペグラスチム投与は、患者において、約0.5x10/L未満の絶対好中球数の持続期間を、約6時間未満、約12時間未満または24時間未満に短縮させる、 請求項1ないし5のうちいずれか1項に記載の方法。
【請求項7】
有効量のエフラペグラスチム投与は、患者の絶対好中球数が、約0.5x10/L未満に逹することを予防する、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
有効量のエフラペグラスチム投与時、患者の絶対好中球数が、約0.5x10/L未満の最初発生から、約4日未満以内、約7日未満以内または約10日未満以内に、約1.5x10/L以上に増加する、請求項1ないし5のうちいずれか1項に記載の方法。
【請求項9】
エフラペグラスチムの有効量が、化学療法剤または放射線療法と同時に投与される、請求項1ないし8のうちいずれか1項に記載の方法。
【請求項10】
エフラペグラスチムの有効量が、化学療法剤の投与または放射線療法を受けた後、約0.5時間以内、約3時間以内または約5時間以内に投与される、請求項1ないし8のうちいずれか1項に記載の方法。
【請求項11】
エフラペグラスチムの有効量が、化学療法剤の投与または放射線療法を受けた後、約0.5時間以内、約1時間以内、約2時間以内、約3時間以内、約4時間以内、約5時間以内、約6時間以内、約7時間以内、約8時間以内、約9時間以内、約10時間以内、約11時間以内または約12時間以内に投与される、請求項1ないし8のうちいずれか1項に記載の方法。
【請求項12】
化学療法剤が骨髄抑制化学療法剤である、請求項1ないし11のうちいずれか1項に記載の方法。
【請求項13】
骨髄抑制化学療法剤が、ドセタキセル、シクロホスファミド、ドキソルビシン、エトポシド、シスプラチン、パクリタキセル、トポテカン、ビンクリスチン、メチルプレドニゾロン、シタラビン、及びそれらの組み合わせからなる群のうちから選択される、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
患者が、乳癌、非小細胞肺癌、小細胞肺癌、卵巣癌、肉腫、尿路上皮癌、生殖細胞腫瘍及び非ホジキンリンパ腫によって構成された群のうちから選択された癌を治療するために、化学療法剤または放射線療法を受けている、請求項1ないし13のうちいずれか1項に記載の方法。
【請求項15】
有効量のエフラペグラスチムを投与する段階が、約2mgないし18mgのエフラペグラスチムを非経口的に投与することを含む、請求項1ないし14のうちいずれか1項に記載の方法。
【請求項16】
有効量のエフラペグラスチムを投与する段階が、約13.2mgのエフラペグラスチムを非経口的に投与することを含む、請求項15に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、蛋白質複合体を含む薬学的組成物、及び好中球減少症のような損傷された白血球生成を特徴とする状態を治療したり予防したりするためのその医薬用途に関する。該蛋白質複合体は、免疫グロブリンFc領域を、その免疫グロブリンFc領域に連結される非ペプチド重合体を介し、生理活性ポリペプチドに連結することによっても形成される。
【背景技術】
【0002】
ヒト顆粒球コロニー刺激因子(G-CSF)は、基質細胞、大食細胞、内皮細胞、線維芽細胞及び単核球によって生成される造血糖蛋白質である。該G-CSFは、骨髄の好中球前駆細胞に発現されたG-CSF受容体に高い親和力で結合し、血液細胞の他系統に対する有意な造血効果なしに、好中球前駆細胞を増殖させ、感染と争う好中球に分化されるように誘導する。組み換えG-CSF製剤の使用は、放射線または化学療法を受ける非骨髄性悪性腫瘍がある患者における深刻な骨髄抑制、及びそれと係わる合併症の発病を予防し、発熱性好中球減少症(FN:febrile neutropenia)を低減させるために、骨髄回復を加速化させるための良好に確立された治療法である。
【0003】
ペグフィルグラスチム(Pegfilgrastim)(Neulasta(登録商標);Amgen Inc.)は、組み換えヒトG-CSFの最も有名なPEG化形態である。エフラペグラスチム(Eflapegrastim)は、骨髄抑制性抗癌剤の使用と係わる好中球減少症の合併症だけではなく、重症好中球減少症の重症度と持続期間とを低減させるために開発された持続型G-CSFである。現在、エフラペグラスチム(Rolontis(登録商標)、HM10460A)とペグフィルグラスチムとのいずれにも勧められる投与用法は、細胞毒性化学療法後の翌日投与であり、それは、一般的に、化学療法を受けた後、弱って不都合な状態にある患者が、さらに病院に行かなければならない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】WO2019/152530
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従って、好中球減少症の治療において、それと類似しているか、あるいはそれよりもすぐれた効能を提供しながら、患者負担を緩和させる持続性G-CSFに係わる当日投与用法を開発しなければならない、充足さるべき要求がある
【課題を解決するための手段】
【0006】
一態様において、当該治療が必要な患者において、絶対好中球数、骨髄移植に適格である対象体における顆粒球数、幹細胞生産、造血、造血前駆細胞数、または幹細胞供与者における幹細胞生産を増大させる方法であり、患者が化学療法剤を投与された後、24時間未満の期間内に、有効量のエフラペグラスチムを投与する段階を含む方法を提供する。
【0007】
他の一態様において、当該治療が必要な患者において、弱化された白血球生成を特徴とする状態を治療したり予防したりする方法であり、患者が化学療法剤を投与された後、24時間未満の期間内に、有効量のエフラペグラスチムを投与する段階を含む方法を提供する。
【0008】
さらに他の一態様において、当該治療が必要な患者において、絶対好中球数、骨髄移植に適格である対象体における顆粒球数、幹細胞生産、造血、造血前駆細胞数、または幹細胞供与者における幹細胞生産を増大させる方法であり、患者が放射線療法を受けた後、24時間未満の期間内に、有効量のエフラペグラスチムを投与する段階を含む方法を提供する。
【0009】
さらに他の一態様において、当該治療が必要な患者において、弱化された白血球生成を特徴とする状態を治療したり予防したりする方法であり、患者が放射線療法を投与された後、24時間未満の期間内に、有効量のエフラペグラスチムを投与する段階を含む方法を提供する。
【0010】
一部具体例において、弱化された白血球生成を特徴とする状態は、化学療法誘導好中球減少症、放射線療法誘導好中球減少症、低下された造血機能、低下された免疫機能、減少された好中球数、低減された好中球動員、末梢の血液前駆細胞の動員、敗血症、骨髄移植、感染性疾患、白血球減少症、血小板減少症、貧血、移植中における骨髄の生着増進、放射線治療における骨髄回復増進、化合物誘導または化学療法剤誘導の骨髄無形性または骨髄抑制、放射線療法誘導の骨髄無形性または骨髄抑制、及び後天性免疫欠乏症侯群によって構成された群のうちから選択される。
【0011】
一部具体例において、弱化された白血球生成に特徴的な状態は、化学療法誘導好中球減少症または放射線療法誘導好中球減少症である。
【0012】
一部具体例において、前記方法は、それを必要とする患者において、化学療法誘導好中球減少症または放射線療法誘導好中球減少症の持続時間を短縮させる。
【0013】
一部具体例において、前記方法は、患者に化学療法剤または放射線療法が投与される同一日に、有効量のエフラペグラスチムを投与することを含む。
【0014】
一部具体例において、有効量のエフラペグラスチム投与は、患者において、約0.5x10/L未満の絶対好中球数の持続時間を、約6時間未満、約12時間未満または24時間未満に短縮させる。
【0015】
一部具体例において、有効量のエフラペグラスチム投与は、患者において、絶対好中球数が、約0.5x10/L未満に逹することを予防する。
【0016】
一部具体例において、有効量のエフラペグラスチム投与時、患者の絶対好中球数は、約0.5x10//L未満の最初発生から、約1.5x10/L以上に、約4日未満、約7日未満または約10日未満以内に増加しうる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】免疫グロブリンをパパインで切断して得られた免疫グロブリンFc断片をクロマトグラフィした結果を示す図である。
図2】精製された免疫グロブリンFc断片のSDS-PAGE結果を示す図である(M:分子サイズマーカー、レーン1:IgG、レーン2:Fc)。
図3】正常SDラットで、急性TC誘導好中球減少症後、絶対好中球数(ANC)に対するHM10460A及びペグフィルグラスチム(Pegfilgrastim)の効果を示す図である(化学療法後の0時間(A)、+2時間(B)、+5時間(C)及び+24時間(D))。
【発明を実施するための形態】
【0018】
本願に一般的に記載されているように、本開示は、当該治療が必要な患者において、絶対好中球数、顆粒球数、幹細胞生産、造血、造血前駆細胞数、または幹細胞生産を増大させるか、あるいは弱化された白血球生産を特徴とする状態を治療したり予防したりする方法であり、患者が、化学療法剤を投与されたり、放射線療法を受けたりした後、24時間未満の期間内に、有効量のエフラペグラスチムを投与する段階を含む方法を提供する。
【0019】
定義
本発明の理解を容易にするのために、多数の用語及び文言を下記に定義する。
【0020】
取り立てて定義されない限り、ここで使用される全ての技術用語及び科学用語は、本発明が属する技術分野において当業者により、一般的に理解されるところと同一意味を有する。本明細書に使用される略語は、化学分野内及び生物分野内において、一般的な意味を有する。ここに説明された化学構造及び化学式は、化学分野に知られた化学原子価の標準規則によって解釈される。
【0021】
説明全般にわたり、組成物及びキットが、特定成分を「有する」「含む(including)」「包含する(comprising)」と記述されたり、工程及び方法が、特定段階を「有する」「含む(including)」「包含する(comprising)」と記述されたりする場合、追加して必須的に記載された構成要素によって構成されたり、記載された構成要素によって構成されたりする本発明の組成物及びキットが存在するものであり、かつ追加して必須的に記載された工程段階によって構成されたり、記載された工程段階によって構成されたりする本発明による方法及び方法が存在すると見なされる。
【0022】
本出願において、要素または構成成分が、記載された要素または構成成分のリスト内に含まれ、かつ/あるいはそのリストから選択される場合、その要素または構成成分は、引用された要素または構成成分のうち任意の一つでもあるか、あるいは該要素または該構成成分は、記載された要素または構成成分のうち2以上によって構成されたグループのうちから選択されうると理解しなければならない。
【0023】
また、本明細書に記載された組成物、あるいは方法の要素及び/または特徴は、本明細書に明示的にも暗黙的にも、本発明の思想及び範囲を外れずに、多様な方式によって組み合わされうると理解しなければならない。例えば、特定化合物が言及される場合、該化合物は、文脈から異なって理解されない限り、本発明の組成物の多様である具体例、及び/または本発明の方法においても使用される。すなわち、本出願内において、明確であって簡潔な出願が作成されて描写されるように、具体例が記載されて図示されているが、本開示及び本発明を外れずに、実施例が多様に結合されたり分離されたりするものであると意図して理解するであろう。
【0024】
例えば、ここに説明されて描写された全ての特徴は、ここに説明されて描写された本発明の全ての側面に適用されうるということが理解されるであろう。
【0025】
冠詞「a」及び「an」は、文脈が不適切ではない限り、冠詞の文法的対象中の1以上(すなわち、少なくとも一つ)を示すために本開示で使用される。例えば、「要素」は、1つの要素、または1以上の要素を意味する。
用語「及び/または」は、異なって明示されない限り、「及び」または「または」を意味するために本開示で使用される。
【0026】
表現「~のうち少なくとも一つ」は、文脈及び使用において、異なって理解されない限り、その表現後に記載された対象それぞれ、及び引用された対象それぞれ、並びにその対象の2以上の多様な組み合わせを個別的に含むとに理解されなければならない。3個以上の記載された対象と係わり、表現「及び/または」は、文脈で異なって理解されない限り、同一意味を有すると理解されなければならない。
【0027】
用語「含む」、「包含する」、「含むところの」、「有する」、「所有する」、「有するところの」、「含有する」、「含有している」「または「勧誘するところの」(その文法的等価物を含む)の使用は、一般的に、文脈から異なって具体的に言及されたり理解されたししない限り、例えば、追加の記載されていない要素または段階を排除せず、開放型、及び非制限的なものであると理解されなければならない。
【0028】
用語「約」の使用が定量的値の前にある場合、本発明は、異なって具体的に言及されない限り、特定定量的値自体も含む。本願に使用された用語「約」は、文脈で異なって表示されたり推論されたりしない限り、明示された値から±10%変動を言う。
【0029】
本明細書のさまざまなところで、変数または媒介変数は、グループまたは範囲として記載される。その説明は、そのようなグループ及び範囲の構成員それぞれの全ての個別下位組み合わせを含むように、特に意図される。例えば、0ないし40範囲の整数は、具体的には、0、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39及び40を個別的に開示し、1ないし20範囲の整数は、具体的に1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19及び20を個別的に開示するためのものである。
【0030】
例えば、「~のような「または「含むところの」のような任意の全ての例、または例示的な言語の使用は、単に、本発明についてさらに望ましく説明するためのものであり、請求されない限り、本発明の範囲を制限するものではない。明細書のいかなる言語も、請求されていない要素を、本発明の実施に必須なものであると示すと解釈されるものではない。
【0031】
一般的に百分率を特定する組成物は、異なって指定されない限り、重量基準である。また、変数が定義を伴わなければ、以前に記載されたその変数の定義が適用される。
【0032】
本願に使用された用語「重症好中球減少症」は、0.5x10/L未満の絶対好中球数を有する好中球減少症と定義される。用語「重症好中球減少症」と「四等級好中球減少症」は、相互交換可能にも使用される。
【0033】
本願に使用された「薬学的組成物」または「薬学的剤形」は、活性剤、及び非活性または活性の担体との組み合わせを言い、それらは、該組成物を、生体内または生体外において、診断したり治療したりする用途に特に適するようにする。
【0034】
「薬学的に許容可能である」とは、米国の連邦政府または州政府の規制機関、あるいは米国以外の国家の当該機関によって承認されたか、あるいは承認されるもの、または米国薬典や、その他一般的に認められる薬典において、動物、特に、ヒトにおいて使用するためであると登載されたものを意味する。
【0035】
本願に使用された「薬学的に許容可能な賦形剤」は、対象体に対する活性剤の投与、及び/または対象体による吸収の一助とする物質を称し、患者に有意な有害な毒性効果を引き起こさせずに、本発明の組成物に含まれうる物質を言う。薬学的に許容可能な賦形剤の非制限的な例は、水、NaCl、生理食塩水溶液(例:リン酸塩緩衝食塩水溶液)、エマルジョン(例:水中油または油中水のエマルジョン)、ラクテート点滴、一般スクロース(normal sucrose)、一般ブドウ糖、結合剤、充填剤、崩壊剤、滑沢剤、コーティング剤、甘味剤、香料、塩溶液(例:リンゲル液)、アルコール、オイル、ゼラチン、炭水化物(例:乳糖、アミロースまたは澱粉)、脂肪酸エステル、ヒドロキシメチルセルロース、ポリビニルピロリジン及び色素などを含む。そのような製剤は、滅菌され、所望するならば、本発明の化合物と有害に反応しない滑沢剤、防腐剤、安定化剤、湿潤剤、乳化剤、浸透圧に影響を及ぼす塩、緩衝剤、着色剤、及び/または芳香族物質のような補助剤と混合されうる。該賦形剤の例は、Martin, Remington’s Pharmaceutical Sciences, 15th Ed., Mack Publ. Co., Easton, PA (1975)を参照する。
【0036】
投与が考慮される「対象体」は、ヒト(例えば、任意の年齢グループの男性または女性、例えば、小児対象体(例えば、乳児、子供、青少年)または成人対象体(例えば、若年成人、中年成人または高齢者))、及び/または非ヒト動物、例えば、霊長類(例:サイノモルグス猿、赤毛猿)、牛、豚、馬、羊、山羊、齧歯類、猫及び/または犬を含むが、それらに限定されるものではない。特定具体例において、該対象体は、ヒトである。特定具体例において、該対象体は、非ヒト動物である。
【0037】
本明細書に使用された「投与する」は、経口投与、座薬としての投与、局所接触、静脈内投与、非経口投与、腹腔内投与、筋肉内投与、病変内投与、脊椎腔内投与、頭蓋内投与、鼻腔内投与または皮下投与、あるいは対象体に対する徐放性装置(例:ミニ浸透圧ポンプ)の移植を意味する。該投与は、非経口及び経粘膜(例えば、頬側、舌下、口蓋、歯茎、鼻腔、膣、直腸または経皮)を含む任意の経路によるものである。該非経口投与は、例えば、静脈内、筋肉内、動脈内、皮膚内、皮下、腹腔内、脳室内及び頭蓋内を含む。他の伝達方式には、リポソーム剤形、静脈内注入、経皮パッチなどの使用が含まれるが、それらに限定されるものではない。「併用投与」は、本願に記載された組成物が、1以上の追加療法(例えば、抗癌剤、化学療法、放射線療法、または神経退行性疾患に対する治療)の投与と同時に、投与直前または投与直後に投与されることを意味する。エフラペグラスチムは、患者に単独に投与されたり、併用投与されたりする。該併用投与は、化合物を、個別的または組み合わせ(1以上の化合物または薬剤)、同時または順次に投与を含むことを意味する。従って、希望する場合、製剤を他の活性物質と組み合わせることができる(例:代謝分解を低減させるため)。
【0038】
用語「疾病」、「障害」及び「状態」は、本明細書で相互交換可能に使用されうる。
【0039】
本明細書に使用された用語「治療する」、「治療するところの」及び「治療」は、異なって明示されない限り、対象体が、特定の疾病、障害または状態を病んでいる間に生じる、疾病、障害、または状態の重症度を低減させるか、あるいは疾病、障害、または状態の進行を遅延させたり遅くさせたりする作用(例えば、「治療的処置」)を考慮する。
【0040】
一般的に、化合物の「有効量」は、所望する生物学的反応を導き出すので、例えば、上部尿路上皮癌または非筋肉浸湿性膀胱癌を治療するに十分な量を称する。当業者が理解するように、本開示の化合物の有効量は、所望する生物学的終末点、化合物の薬物動態学、治療される疾病、投与方式、対象体の年齢・体重・健康及び状態のような因子によっても異なる。
【0041】
本願に使用された用語「蛋白質摺合体」または「摺合体」は、1以上の生理学的活性ポリペプチド、両末端に反応性基を有する1以上の非ペプチド重合体、及び1以上の免疫グロブリンFc断片を含み、その三種構成成分が共有結合で連結された化合物を称する。また、「摺合体」と区別するために、生理学的活性ポリペプチド、非ペプチド重合体及び免疫グロブリンFc断片のうちから選択された2個の異なる分子のみを含み、その2個の分子が共有結合された構成体は、「複合体」と指定される。
【0042】
本明細書で用語「免疫グロブリンFc断片」は、免疫グロブリンの重鎖不変領域2(C2)及び重鎖不変領域3(C3)を含むが、免疫グロブリンの重鎖及び軽鎖の可変領域、重鎖不変領域1(C1)及び軽鎖不変領域1(C1)は、含まない蛋白質を称する。それは、重鎖不変領域におけるヒンジ領域をさらに含むものでもある。また、本発明の免疫グロブリンFc断片は、重鎖及び軽鎖の可変領域を除き、重鎖可変領域1(C1)及び/または軽鎖不変領域1(C1)の一部または全部を含むものでもある。また、天然蛋白質と実質的に類似しているか、あるいはそれよりも良好な生理学的機能を有する限り、IgG Fc断片は、C2及び/またはC3のアミノ酸配列において、相対的に長い部分に欠失を有する断片である。すなわち、本発明の免疫グロブリンFc断片は、1)C1ドメイン、C2ドメイン、C3ドメイン及びC4ドメイン、2)C1ドメイン及びC2ドメイン、3)C1ドメイン及びC3ドメイン、4)C2ドメイン及びC3ドメイン、5)1以上のドメイン及び免疫グロブリンヒンジ領域(または、ヒンジ領域の一部)の組み合わせ、並びに6)重鎖不変領域及び軽鎖不変領域の各ドメインの二量体を含むものでもある。
【0043】
本明細書において、用語「脱糖化(deglycosylation)」は、Fc断片から糖モイエティを酵素的に除去することを称し、用語「非糖化(aglycosylation)」は、Fc断片が原核生物、望ましくは、大腸菌によって糖化されていない形態で生産されることを意味する。
【0044】
本明細書で使用される用語「組み合わせ」は、同一起源の一本鎖免疫グロブリンFc領域をコーディングするポリペプチドが、異なる起源の一本鎖ポリペプチドに連結され、二量体または多量体を形成することを意味する。すなわち、該二量体または該多量体は、IgG1 Fc断片、IgG2 Fc断片、IgG3 Fc断片及びIgG4 Fc断片からなる群のうちから選択された2個以上の断片によっても形成される
本明細書で使用された用語「ハイブリッド」は、一本鎖免疫グロブリンFc断片に、起源が異なる2以上の免疫グロブリンFc断片をコーディングする配列が存在することを意味する。
【0045】
本明細書に使用された「非ペプチド重合体」は、2個以上の反復単位が、ペプチド結合を除いた共有結合により、互いに連結されたものを含む生体適合性重合体を意味する。
【0046】
本明細書に使用された用語「生理活性ポリペプチド」、「生理活性蛋白質」、「活性ポリペプチド」、「ポリペプチド薬物」または「蛋白質薬物」は、その意味において相互交換可能であり、多様な生体内生理機能を示す生理学的活性形態であることを特徴とする。
【0047】
エフラペグラスチム
ロロンティス(Rolontis)(登録商標)、SPI-2012、HM10460A及び17,65S-G-CSFと知られたエフラペグラスチムは、重症の好中球減少症、及び骨髄抑制抗癌剤または放射線療法の使用と係わる好中球減少症の合併症の重症度及び持続期間を低減させるために開発された持続型顆粒球コロニー刺激因子(G-CSF)である。該エフラペグラスチムは、二重機能ポリエチレングリコールリンカに連結された組み換えヒトG-CSF類似体(ef-G-CSF)と、ヒト免疫グロブリンG4(IgG4)のFc領域の組み換え断片とによって構成される。特定具体例において、組み換えヒトG-CSF類似体(ef-G-CSF)は、ヒトG-CSF(SED ID NO:1)と、位置17及び位置65でセリンに置換された点が異なる(SED ID NO:2)。理論に捕らわれずに、ヒトIgG4のFc領域は、ef-G-CSFの血清半減期を増大させると見なされる。
【0048】
ef-G-CSFは、原形質膜周辺空間において、溶解性形態に形質転換された大腸菌(E.coli)によって生産される。それとは別途に、Fc断片は、形質転換された大腸菌において、封入体(inclusion body)として生産される。ef-G-CSF及びFc断片は、独立して分離され、連続的な精製段階を介して精製される。精製されたef-G-CSF(配列番号:2)及びFc断片(配列番号:3及び4)は、両末端に反応性基を有するように設計された3.4kDaポリエチレングリコール(PEG)分子を介して連結される。エフラペグラスチム自体は、ef-G-CSF及びFc断片のN-末端それぞれにおいて、PEGリンカの結合によって得られた分子である。G-CSF類似体は、N-末端Thr残基の窒素原子において、両末端にプロピルアルデヒド末端基を有する3.4kDaポリエチレングリコール類似体(OHCCHCH(OCHCHOCHCHCHO)に、還元性アミン化を介して接合され、共有結合を形成する。その結果として生成されたG-CSF-PEG複合体は、その後、大腸菌で生産された組み換えFc断片変異体の窒素において、N-末端Proに還元性アミン化を介して連結され、最終接合体であるエフラペグラスチムを生成する。
【0049】
【化1】
【0050】
一態様において、当該治療が必要な患者において、絶対好中球数、骨髄移植に適する対象における顆粒球数、幹細胞生産、造血、造血前駆細胞数、または供与者における幹細胞生産を増大させる方法であり、患者が、化学療法剤を投与された後、24時間未満の期間内に、有効量のエフラペグラスチムを投与する段階を含む方法に使用するためのエフラペグラスチムを提供する。
【0051】
他の一態様において、患者が、化学療法剤を投与された後、24時間未満の期間内に、有効量のエフラペグラスチムを投与する段階を含む、当該治療が必要な患者において、弱化された白血球生産を特徴とする状態を治療したり予防したりするのに使用するためのエフラペグラスチムを提供する。
【0052】
さらに他の一態様において、当該治療が必要な患者において、絶対好中球数、骨髄移植に適する対象における顆粒球数、幹細胞生産、造血、造血前駆細胞数、または供与者における幹細胞生産を増大させる方法であり、患者が放射線療法を受けた後、24時間未満の期間内に、有効量のエフラペグラスチムを投与する段階を含む方法に使用するためのエフラペグラスチムを提供する。
【0053】
さらに他の一態様において、患者が放射線療法を受けた後、24時間未満の期間内に、有効量のエフラペグラスチムを投与する段階を含む、当該治療が必要な患者において、弱化された白血球生産を特徴とする状態を治療したり予防したりするのに使用するためのエフラペグラスチムを提供する。
【0054】
下記化学療法誘導好中球減少症治療セクション及び放射線療法誘導好中球減少症治療セクションにおける詳細な説明は、本セクションに記載されたエフラペグラスチムにも適用される。
【0055】
薬学的組成物
一態様において、当該治療が必要な患者において、絶対好中球数、骨髄移植に適する対象における顆粒球数、幹細胞生産、造血、造血前駆細胞数、または供与者における幹細胞生産を増大させる方法であり、患者が、化学療法剤を投与された後、24時間未満の期間内に、有効量のエフラペグラスチムを投与する段階を含む方法に使用するための、エフラペグラスチム、及び薬学的に許容可能な担体を含む薬学的組成物を提供する。
【0056】
他の一態様において、患者が、化学療法剤を投与された後、24時間未満の期間内に、有効量のエフラペグラスチムを投与する段階を含む、当該治療が必要な患者において、弱化された白血球生産を特徴とする状態を治療したり予防したりするのに使用するための、エフラペグラスチム、及び薬学的に許容可能な担体を含む薬学的組成物を提供する。
【0057】
一態様において、当該治療が必要な患者において、絶対好中球数、骨髄移植に適する対象における顆粒球数、幹細胞生産、造血、造血前駆細胞数、または供与者における幹細胞生産を増大させる方法であり、患者が放射線療法を受けた後、24時間未満の期間内に、有効量のエフラペグラスチムを投与する段階を含む方法に使用するための、エフラペグラスチム、及び薬学的に許容可能な担体を含む薬学的組成物を提供する。
【0058】
さらに他の一態様において、患者が放射線療法を受けた後、24時間未満の期間内に、有効量のエフラペグラスチムを投与する段階を含む、当該治療が必要な患者において、弱化された白血球生産を特徴とする状態を治療したり予防したりするのに使用するための、エフラペグラスチム、及び薬学的に許容可能な担体を含む薬学的組成物を提供する。
【0059】
特定具体例において、薬学的に許容可能な担体は、ホスフェート緩衝食塩水である。一部具体例において、該ホスフェート緩衝食塩水は、ダルベッコ(Dulbecco’s)ホスフェート緩衝食塩水である。特定具体例において、薬学的に許容可能な担体は、シトレート緩衝剤である。
【0060】
本願が提供する薬学的組成物は、経口(経腸)投与、非経口(注射による)投与、直腸投与、経皮投与、皮内投与、硬膜内投与、皮下(SC)投与、静脈内(IV)投与、筋肉内(IM)投与及び鼻腔内投与を含むが、それらに制限されるものではない多様な経路によっても投与される。一部具体例において、本願に開示された薬学的組成物は、非経口的に投与される。一部具体例において、本願に開示された薬学的組成物は、皮下投与によって投与される。
【0061】
本願が提供する薬学的組成物は、正確な投与を容易にするために単位剤形に提示される。用語「単位剤形」は、ヒト対象体及びその他哺乳動物のための単一投与量路で相応しい物理的に分離した単位を言い、各単位は適切な薬学的賦形剤とともに所望する治療効果を生成するように計算された活性物質の既決定の量を含む。典型的な単位剤形は、液体組成物の既充填であって既測定のアンプルまたは注射器、または固体組成物の場合、丸剤、錠剤、カプセルなどを含む。
【0062】
特定具体例において、本願に提供された制約組成物は、皮下注射溶液として患者に投与される。
【0063】
特定具体例において、本願に提供された化合物は、単独活性剤として投与されるか、あるいは他の活性剤と組み合わされても投与される。
【0064】
本明細書に提供された薬学的組成物の説明は、主にヒトに投与するのに適する薬学的組成物に係わるものであるが、そのような組成物は、一般的に、全種の動物に投与するのに適するということを当業者であるならば、理解するであろう。多様な動物に対する投与に適する組成物を提供するために、ヒトに対する投与に適する薬学的組成物の変形は、周知されており、通常の獣医薬理学者は、一般的な実験において、そのような変形を設計し、かつ/あるいは遂行することができる。薬学的組成物の剤形化及び/または製造に係わる一般的な考慮事項は、例えば、Remington: The Science and Practice of Pharmacy 21st ed., Lippincott Williams & Wilkins, 2005に見出される。
【0065】
以下の化学療法誘導好中球減少症治療セクション及び放射線療法誘導好中球減少症治療セクションにおける詳細な説明は、本セクションに記載された薬学的組成物にも適用される。
【0066】
使用及び治療方法
化学療法誘導好中球減少症の治療
一態様において、絶対好中球数、骨髄移植に適する対象における顆粒球数、幹細胞生産、造血、造血前駆細胞数、または供与者における幹細胞生産を増大させる方法であり、患者が、化学療法剤を投与された後、24時間未満の期間内に、有効量のエフラペグラスチムを投与する段階を含む方法を提供する。
【0067】
他の一態様において、当該治療が必要な患者において、弱化された白血球生産を特徴とする状態を治療したり予防したりする方法であり、患者が、化学療法剤を投与された後、24時間未満の期間内に、有効量のエフラペグラスチムを投与する段階を含む方法を提供する。
【0068】
一部具体例において、前記弱化された白血球生成を特徴とする状態は、化学療法誘導好中球減少症、放射線療法誘導好中球減少症、造血機能低下、免疫機能低下、好中球数減少、好中球動員低下、末梢血液前駆細胞動員、敗血症、骨髄移植、感染性疾患、白血球減少症、血小板減少症、貧血、移植中における骨髄の生着増大、放射線治療における骨髄回復の増大、化学物質誘導または化学療法剤誘導の骨髄無形性または骨髄抑剤、放射線療法誘導の骨髄無形性または骨髄抑剤、及び後天性免疫欠乏症侯群からなる群のうちから選択される。
【0069】
一具体例において、前記状態は、化学療法誘導好中球減少症である。一具体例において、前記方法は、それを必要とする患者において、化学療法誘導好中球減少症の持続期間を短縮させることができる。
【0070】
一具体例において、前記方法は、患者に化学療法剤を投与する同一日に、有効量のエフラペグラスチムを投与することを含む。
【0071】
一部具体例において、有効量のエフラペグラスチム投与は、患者において、約0.5x10/L未満の絶対好中球数の持続期間を約24時間未満に短縮させることができる。具体的には、有効量のエフラペグラスチム投与は、患者において、約0.5x10/L未満の絶対好中球数の持続時間を、約24時間未満、約12時間未満または約8時間未満に短縮させることができる。さらに具体的には、有効量のエフラペグラスチム投与は、患者において、約0.5x10/L未満の絶対好中球数の持続時間を、約1時間、約2時間、約3時間、約4時間、約5時間、約6時間、約7時間、約8時間、約9時間、約10時間、約11時間、約12時間、約13時間、約14時間、約15時間、約16時間、約17時間、約18時間、約19時間、約20時間、約21時間、約22時間、約23時間または約24時間に短縮させることができる。一具体例において、有効量のエフラペグラスチム投与は、患者において、約0.5x10/L未満の絶対好中球数の持続期間を約24時間未満に短縮させる。一具体例において、有効量のエフラペグラスチム投与は、患者において、約0.5x10/L未満の絶対好中球数の持続期間を約12時間未満に短縮させる。一具体例において、有効量のエフラペグラスチム投与は、患者において、約0.5x10/L未満の絶対好中球数の持続期間を約8時間未満に短縮させる。
【0072】
一部具体例において、有効量のエフラペグラスチム投与は、患者の絶対好中球数が、約0.5x10/L未満に逹することを防止する。
【0073】
一部具体例において、化学療法誘導好中球減少症は、絶対好中球数が、0.5x10/L未満である重症好中球減少症であり、有効量のエフラペグラスチム投与時、患者の絶対好中球数が、約0.5x10/L未満の最初発生から、約4日未満内、約7日未満内または約10日未満内に、約1.5x10/L以上に増加する。具体的には、患者の絶対好中球数が、約0.5x10/L未満の最初発生から、約1.5x10/L以上の絶対好中球数に回復する時間は、約10日未満、約7日未満または約4日未満である。特定具体例において、化学療法誘導好中球減少症は、絶対好中球数が、0.5x10/L未満である重症好中球減少症であり、患者において、約0.5x10/L未満の絶対好中球数において、約1.5x10/L以上の絶対好中球数に回復する時間は、約1日未満、約2日未満、約3日未満、約4日未満、約5日未満、約6日未満、約7日未満、約8日未満、約9日未満または約10日未満である。
【0074】
一部具体例において、前記方法は、それを必要とする患者の絶対好中球数を増加させるためのことで、患者の約0.5x10/L未満の絶対好中球数から、約1.5x10/L以上の絶対好中球数への回復時間が約10日未満である。具体的には、患者の約0.5x10/L未満の絶対好中球数から、約1.5x10/L以上の絶対好中球数への回復時間が約10日、約7日、または約4日未満である。特定具体例において、患者において、約0.5x10/L未満の絶対好中球数から患者において、約1.5x10/L以上の絶対好中球数に回復する時間は約1日、約2日、約3日、約4日、約5日、約6日、約7日、約8日、約9日または約10日未満である。
【0075】
一具体例において、有効量のエフラペグラスチムを化学療法剤と同時に投与する。
【0076】
特定具体例において、有効量のエフラペグラスチムを、化学療法剤の投与後、約0.5時間以内、1時間以内、2時間以内、3時間以内、4時間以内、5時間以内、6時間以内、7時間以内、8時間以内、9時間以内、10時間以内、11時間以内、12時間以内、13時間以内、14時間以内、15時間以内、16時間以内、17時間以内、18時間以内、19時間以内、20時間以内、21時間以内、22時間以内、23時間以内または24時間以内に投与する。
【0077】
特定具体例において、有効量のエフラペグラスチムを、化学療法剤の投与後、約0.5時間以内、約1時間以内、約2時間以内、約3時間以内、約4時間以内、約5時間以内、約6時間以内、約7時間以内、約8時間以内、約9時間以内、約10時間以内、約11時間以内または約12時間以内に投与する。
【0078】
特定具体例において、有効量のエフラペグラスチムを、化学療法剤の投与後、約0.5時間以内、約3時間以内または約5時間以内に投与する。
【0079】
一具体例において、化学療法剤は、骨髄抑制化学療法剤である。
【0080】
特定具体例において、該骨髄抑制化学療法剤は、ドセタキセル、シクロホスファミド、ドキソルビシン、エトポシド、シスプラチン、パクリタキセル、トポテカン、ビンクリスチン、メチルプレドニゾロン、シタラビン、及びそれらの組み合わせからなる群のうちから選択される。
【0081】
特定具体例において、患者は、乳癌、非小細胞肺癌、小細胞肺癌、卵巣癌、肉腫、尿路上皮癌、生殖細胞腫瘍、及び非ホジキンリンパ腫からなる群のうちから選択された癌を治療するために化学療法剤を投与されている。
【0082】
一部具体例において、有効量のエフラペグラスチム投与は、約2mgないし18mgのエフラペグラスチム投与量でもって、患者に非経口的に投与することを含む。一具体例において、投与量は、1日当たり約13.2mgのエフラペグラスチムでもある。
【0083】
特定具体例において、有効量のエフラペグラスチム投与は、約2.0mgないし約5.0mg、約5.0mgないし約15.0mg、約7.0mgないし約15.0mg、約9.0mgないし約15.0mg、約11.0mgないし約15.0mg、約13.0mgないし約15.0mg、約5.0mgないし約13.0mg、約5.0mgないし約11.0mg、約5.0mgないし約9.0mg、約5.0mgないし約7.0mg、約7.0mgないし約13.0mg、約7.0mgないし約11.0mg、約7.0mgないし約9.0mg、約9.0mgないし約13.0mg、約9.0mgないし約11.0mg、約11.0mgないし約13.0mg、または約15.0ないし約18.0.エフラペグラスチムmgの投与量で非経口的に投与することを含む。
【0084】
特定具体例において、有効量のエフラペグラスチム投与は、約12.0mg、約12.2mg、約12.4mg、約12.6mg、約12.8mg、約13.0mg、約13.2mg、約13.4mg、約13.6mg、約13.6m、13.8mgまたは約14.0mgのエフラペグラスチムを非経口的に投与することを含む。特定具体例において、有効量のエフラペグラスチム投与は、約13.2mgのエフラペグラスチムを非経口的に投与することを含む。
【0085】
具体的には、エフラペグラスチムの投与量は、化学療法剤投与後、24時間以内に、選択的に患者に化学療法剤を投与した当日、単一投与量で投与するか、あるいは1回ないし5回の投与量で分割投与することができる。
【0086】
放射線療法誘導好中球減少症の治療
一態様において、絶対好中球数、骨髄移植に適格である対象体における顆粒球数、幹細胞生産、造血、造血前駆細胞数、または幹細胞供与者における幹細胞生産を増大させる方法であり、患者が放射線療法を受けた後、24時間未満の期間内に、有効量のエフラペグラスチムを投与する段階を含む方法を提供する。
【0087】
他の一態様において、当該治療が必要な患者において、弱化された白血球生成を特徴とする状態を治療したり予防したりする方法であり、患者が、放射線療法を受けた後、24時間未満の期間内に、有効量のエフラペグラスチムを投与する段階を含む方法を提供する。
【0088】
一部具体例において、弱化された白血球生成を特徴とする状態は、放射線療法誘導好中球減少症、低下された造血機能、低下された免疫機能、減少された好中球数、低減された好中球動員、末梢の血液前駆細胞の動員、敗血症、骨髄移植、感染性疾患、白血球減少症、血小板減少症、貧血、移植中における骨髄の生着増進、放射線治療における骨髄回復増進、放射線療法誘導の骨髄無形性または骨髄抑剤、及び後天性免疫欠乏症侯群によって構成された群のうちから選択される。
【0089】
一具体例において、前記状態は、放射線療法誘導好中球減少症である。一具体例において、前記方法は、それを必要とする患者において、放射線療法誘導好中球減少症の持続期間を短縮させることができる。
【0090】
一具体例において、前記方法は、患者が放射線療法を受ける同一日に、有効量のエフラペグラスチムを投与することを含む。
【0091】
特定具体例において、エフラペグラスチム有効量の投与は、患者において、約0.5x10/L未満の絶対好中球数の持続期間を約24時間未満に短縮させることができる。具体的には、有効量のエフラペグラスチム投与は、患者において、約0.5x10/L未満の絶対好中球数の持続期間を約24時間未満、約12時間未満または約8時間未満に短縮させることができる。さらに具体的には、有効量のエフラペグラスチム投与は、患者において、約0.5x10/L未満の絶対好中球数の持続時間を、約1時間、約2時間、約3時間、約4時間、約5時間、約6時間、約7時間、約8時間、約9時間、約10時間、約11時間、約12時間、約13時間、約14時間、約15時間、約16時間、約17時間、約18時間、約19時間、約20時間、約21時間、約22時間、約23時間または約24時間に短縮させることができる。一具体例において、有効量のエフラペグラスチム投与は、患者において、約0.5x10/L未満の絶対好中球数の持続期間を約24時間未満に短縮させる。一具体例において、有効量のエフラペグラスチム投与は、患者において、約0.5x10/L未満の絶対好中球数の持続期間を約12時間未満に短縮させる。一具体例において、有効量のエフラペグラスチム投与は、患者において、約0.5x10/L未満の絶対好中球数の持続期間を約8時間未満に短縮させる。
【0092】
一部具体例において、有効量のエフラペグラスチム投与は、患者の絶対好中球数が、約0.5x10/L未満に逹することを予防する。
【0093】
一部具体例において、放射線療法誘導好中球減少症は、絶対好中球数が、0.5x10/L未満である重症好中球減少症であり、有効量のエフラペグラスチム投与時、患者の絶対好中球数が、約0.5x10/L未満の最初発生から、約1.5x10/L以上の絶対好中球数に、約4日未満以内、約7日未満以内または約10日未満以内に増加させる。具体的には、患者の絶対好中球数が、約0.5x10/L未満の最初発生から、約1.5x10/L以上の絶対好中球数に回復する時間は、約4日未満、約7日未満または約10日未満である。特定具体例において、放射線療法誘導好中球減少症は、絶対好中球数が、0.5x10/L未満であり、患者において、約0.5x10/L未満の絶対好中球数から、約1.5x10/L以上の絶対好中球数に回復する時間は、約1日未満、約2日未満、約3日未満、約4日未満、約5日未満、約6日未満、約7日未満、約8日未満、約9日未満または約10日未満である。
【0094】
一部具体例において、前記方法は、それを必要とする患者の絶対好中球数を増加させるためのものであり、患者において、約0.5x10/L未満の絶対好中球数から、患者において、約1.5x10/L以上の絶対好中球数への回復時間は、約10日未満である。具体的には、患者において、約0.5x10/L未満の絶対好中球数から、約1.5x10/L以上の絶対好中球数への回復時間は、約10日未満、約7日未満または約4日未満である。
【0095】
特定具体例において、患者において、約0.5x10/L未満の絶対好中球数から、患者において、約1.5x10/L以上の絶対好中球数への回復時間は、約1日未満、約2日未満、約3日未満、約4日未満、約5日未満、約6日未満、約7日未満、約8日未満、約9日未満または約10日未満である。
【0096】
一具体例において、有効量のエフラペグラスチムは、放射線療法を受けると共にに投与される。
【0097】
特定具体例において、有効量のエフラペグラスチムを、放射線治療を受けた後、約0.5時間以内、1時間以内、2時間以内、3時間以内、4時間以内、5時間以内、6時間以内、7時間以内、8時間以内、9時間以内、10時間以内、11時間以内、12時間以内、13時間以内、14時間以内、15時間以内、16時間以内、17時間以内、18時間以内、19時間以内、20時間以内、21時間以内、22時間以内、23時間以内または24時間以内に投与する。
【0098】
特定具体例において、有効量のエフラペグラスチムを、放射線療法を受けた後、約0.5時間以内、約1時間以内、約2時間以内、約3時間以内、約4時間以内、約5時間以内、約6時間以内、約7時間以内、約8時間以内、約9時間以内、約10時間以内、約11時間以内または約12時間以内に投与する。
【0099】
特定具体例において、有効量のエフラペグラスチムを、放射線療法を受けた後、約0.5時間以内、約3時間以内または約5時間以内に投与する。
【0100】
特定具体例において、患者は、乳癌、非小細胞肺癌、小細胞肺癌、卵巣癌、肉腫、尿路上皮癌、生殖細胞腫瘍及び非ホジキンリンパ腫によって構成された群のうちから選択された癌を治療するために放射線療法を受けている。
【0101】
一部具体例において、有効量のエフラペグラスチム投与は、約2mgないし18mgのエフラペグラスチム投与量でもって、患者に非経口的に投与することを含む。一具体例において、投与量は、1日当たり約13.2mgのエフラペグラスチムでもある。
【0102】
特定具体例において、有効量のエフラペグラスチム投与は、約2.0mgないし約5.0mg、約5.0mgないし約15.0mg、約7.0mgないし約15.0mg、約9.0mgないし約15.0mg、約11.0mgないし約15.0mg、約13.0mgないし約15.0mg、約5.0mgないし約13.0mg、約5.0mgないし約11.0mg、約5.0mgないし約9.0mg、約5.0mgないし約7.0mg、約7.0mgないし約13.0mg、約7.0mgないし約11.0mg、約7.0mgないし約9.0mg、約9.0mgないし約13.0mg、約9.0mgないし約11.0mg、約11.0mgないし約13.0mg、または約15.0mgないし約18.0mgの投与量のエフラペグラスチムを非経口で投与することを含む。
【0103】
特定具体例において、有効量のエフラペグラスチム投与は、約12.0mg、約12.2mg、約12.4mg、約12.6mg、約12.8mg、約13.0mg、約13.2mg、約13.4mg、約13.6mg、約13.6mg、13.8mgまたは約14.0mgのエフラペグラスチムを非経口的に投与することを含む。特定具体例において、有効量のエフラペグラスチム投与は、約13.2mgのエフラペグラスチムを非経口的に投与することを含む。
【0104】
具体的には、エフラペグラスチムの投与量は、放射線治療を受けた日から24時間以内に、選択的に患者が放射線治療を受けた日に1回投与するか、あるいは1~5回分割投与することができる。
【実施例
【0105】
本明細書に記載された開示内容をさらに完全に理解するために、下記実施例を提示する。本出願に記載された合成及び生物学的実施例は、本明細書に提供された化合物、薬学的組成物及び方法を例示するために提供され、いかなる方式によっても、それらの範囲を制限すると解釈されるものではない。
【0106】
実施例1:エフラペグラスチム( 17,65 S-G-CSF-PEG-Fc)の製造
段階1:免疫グロブリンを利用した免疫グロブリンFc断片の製造
免疫グロブリンFc断片の製造は、次のように製造した。
【0107】
10mMリン酸塩緩衝液に溶解された分子量150kDaの免疫グロブリンG(IgG、緑十字)200mgに、蛋白質加水分解酵素パパイン(Sigma社)を2mg処理し、37℃で2時間徐々に撹拌しながら反応させた。
【0108】
酵素反応後、生成された免疫グロブリンFc断片を精製するために、Superdexカラム、蛋白質Aカラム及び陽イオン交換樹脂カラムクロマトグラフィを順次に遂行した。具体的には、反応液を、10mMリン酸ナトリウム緩衝液(PBS、pH7.3)で平衡化させたSuperdex200カラム(Superdex 200、Pharmacia社)にローディングし、そのカラムに対し、同一緩衝液を利用し、流速1ml/分で溶出させた。免疫グロブリンFc断片より分子量が相対的に大きい未反応免疫グロブリン分子(IgG)とF(ab’)2とを、免疫グロブリンFc断片より先に溶出されるので、まず除去した。免疫グロブリンFc断片と、分子量が類似したFab断片は、蛋白質Aカラムクロマトグラフィ(図1)で除去した。20mMリン酸塩緩衝液(pH7.0)で平衡化させた蛋白質Aカラム(Pharmacia社)にSuperdex 200カラムで溶出された免疫グロブリンFc断片含有分画を、5ml/分の流速でローディングした後、カラムに結合していない蛋白質を除去するために、同一緩衝液で洗浄した。その後、その蛋白質Aカラムに対し、100mMクエン酸ナトリウム緩衝液(Na citrate、pH3.0)で溶離し、純度が高い免疫グロブリンFc断片を獲得した。その精製されたFc分画を、最終的に、陽イオン交換樹脂カラム(poly CAT、Poly LC社)を使用して最終精製し、そのFc分画がローディングされたカラムに対し、10mMアセテート緩衝液(pH4.5)中の塩化ナトリウム濃度0.15M-0.4Mの線形濃度勾配に溶離し、高純度の免疫グロブリンFc分画を得た。その高純度の免疫グロブリンFc分画を10%SDS-PAGEで分析した(図2のレーン2)。
【0109】
段階2: 17,65 S-G-CSF-PEG複合体の製造
両末端にアルデヒド反応基を有する3.4-kDaポリエチレングリコール、ALD-PEG-ALD(Shearwater)を、100mMリン酸塩緩衝液に、5mg/mlの量で溶かしたヒト顆粒球コロニー刺激因子(17,65S-G-CSF、MW:18.6kDa)と、17,65S-G-CSF:PEGモル比1:5に混合した。該混合物に、還元剤であるシアノ水素化ホウ素ナトリウム (NaCNBH、Sigma)を20mMの最終濃度で添加し、ソフトに撹拌しながら、4℃で3時間反応させ、PEGが17,65S-G-CSFのアミノ末端に連結されるようにした。PEGと17,65S-G-CSFとの1:1複合体を得るために、前記反応混合物に対し、SuperdexRカラム(Pharmacia)を使用し、サイズ排除クロマトグラフィを遂行した。17,65S-G-CSF-PEG複合体は、溶出緩衝液として、10mMリン酸カリウム緩衝液(pH6。0)を使用して溶離させ、PEGに連結されてない17,65S-G-CSF、未反応PEG、及びPEGが17,65S-G-CSF分子に連結された二量体副産物を除去した。精製された17,65S-G-CSF-PEG複合体を5mg/mlで濃縮した。この実験を介し、最も高い反応性を提供し、最も少ない量の二量体のような副産物を生成する17,65S-G-CSF対PEGの最適反応モル比は、1:5であることが明らかにされた。
【0110】
段階3:17,65S-G-CSF-PEG-Fc摺合体の製造
前記段階2で精製された17,65S-G-CSF-PEG複合体を免疫グロブリンFc断片のN-末端に連結するために、段階1で製造された免疫グロブリンFc断片(約53kDa)を10mMリン酸緩衝液に溶かし、1:1、1:2、1:4及び1:8の17,65S-G-CSF-PEG複合体:Fcモル比で、17,65S-G-CSF-PEG複合体と混合した。反応液のリン酸塩緩衝液濃度を100mMに調節した後、反応液に、還元剤であるNaCNBHを、最終濃度20mMで添加し、4℃で20時間ソフトに撹拌しながら反応させた。この実験を介し、最高反応性を提供し、二量体のような副産物を最も少なく生成する17,65S-G-CSF-PEG複合体対Fcの最適反応モル比は、1:2であることが明らかになった。
【0111】
段階4:G-CSF-PEG-Fc摺合体の分離及び精製
前記段階3の反応後、反応混合物に対し、Superdexサイズ排除クロマトグラフィを遂行し、未反応物質及び副産物を除去し、生成された17,65S-G-CSF-PEG-Fc蛋白質摺合体を精製した。反応混合物を濃縮し、Superdexカラムにローディングした後、10mMリン酸塩緩衝液(pH7.3)を、2.5ml/minの流速で、カラムを介して通過させ、非結合Fc及び未反応物質を除去した後、カラム溶離により、17,65S-G-CSF-PEG-Fc蛋白質摺合体分画を収集した。収集された17,65S-G-CSF-PEG-Fc蛋白質摺合体分画物は、少量の不純物、未反応Fc、及びインターフェロンアルファ二量体が含まれているので、陽イオン交換クロマトグラフィを遂行し、不純物を除去した。17,65S-G-CSF-PEG-Fc蛋白質摺合体分画を、10mM酢酸ナトリウム(pH4.5)で平衡化されたpoly CATLPカラム(poly LC)にローディングし、該カラムに対し、1M NaClを使用し、10mM酢酸ナトリウム緩衝液(pH4.5)中の0-0.5MのNaCl線形濃度勾配で溶離させた。最後に、陰イオン交換カラムを利用し、17,65S-G-CSF-PEG-Fc蛋白質摺合体を精製した。17,65S-G-CSF-PEG-Fc蛋白質摺合体分画を、10mM Tris-HCl(pH7.5)で平衡化されたpoly WAXLPカラム(poly LC)にローディングした後、該カラムに対し、1M NaClを使用し、10mM Tris-HCl(pH7.5)において、0-0.3MNaCl線形濃度勾配で溶離させ、高純度形態の17,65S-G-CSF-PEG-Fc蛋白質摺合体を分離させた。
【0112】
実施例2:ドセタキセル/シクロホスファミド誘導好中球減少症を有するラットにおける、異なる投与用法によるエフラペグラスチムの効能研究
長期間作用するG-CSF類似体であるエフラペグラスチム(HM10460A)の効能を、化学療法誘導好中球減少症鼠モデルにおいて、多様な投与用法により、ペグフィルグラスチム(Pegfilgrastim)と比較した。
【0113】
以下の研究において、エフラペグラスチムは、基本的に実施例1に記載されているように製造した。
【0114】
(i)研究物質
【表1】
【0115】
【表2】
【0116】
【表3】
【0117】
皮下投与用HM10460A溶液製造
皮下投与のための61.8μg/kg HM10460A溶液の製造:HM10460A(6.0mg/mL)92.7μLのストック溶液を、DPBS 17907.3μLで希釈した。
【0118】
皮下投与のための372.0μg/kg HM10460A溶液の製造:HM10460A(6.0mg/mL)558.0μLのストック溶液を、DPBS 17442.0μLで希釈した。
【0119】
皮下投与のための496.0μg/kg HM10460A溶液の製造:HM10460A(6.0mg/mL)744.0μLのストック溶液を、DPBS 17256.0μLで希釈した。
【0120】
試験物質は、医薬品ラベル(HM10460A)上のG-CSF蛋白質投与量に基づいて製造した。
【0121】
皮下投与用HM10460A溶液は、DPBSで希釈し、2mL/kgの最終投与濃度にした。
【0122】
皮下投与のためのペグフィルグラスチム溶液の製造
皮下投与のための103.3μg/kgペグフィルグラスチム溶液の製造:ペグフィルグラスチム(10mg/mL)93.0μLのストック溶液を、DPBS 17907.0μLで希釈した。
【0123】
皮下投与のための620.0μg/kgペグフィルグラスチム溶液の製造:ペグフィルグラスチム(10mg/mL)558.0μLのストック溶液を、DPBS 17442.0μLで希釈した。
【0124】
皮下投与のためのペグフィルグラスチム溶液は、DPBSで希釈し、2mL/kgの最終投与濃度にした。
【0125】
好中球減少症誘導薬物溶液の製造
ラットにおいて、好中球減少症を誘導するために、ドセタキセル/シクロホスファミドは、1/3ヒト等価用量(ドセタキセル4mg/kg及びCPA32mg/kg)(「TC」)を使用して投与した。
【0126】
皮下投与用32mg/kgシクロホスファミド溶液製造:シクロホスファミド粉末(CPA、Sigma、米国)2560.0gを、蒸溜水(DW)(Daihan、大韓民国)80000.0μLで希釈した。
【0127】
皮下投与用4mg/kgドセタキセル溶液の製造:Docel inj.(韓米薬品、韓国)(42.68mg/mL)29070.0μLを、市販製剤緩衝液(FB)(蒸留水(DW)内エタノール127.4mg/mL)30930.0μLで希釈した。
【0128】
皮下投与のためのドセタキセル及びシクロホスファミド溶液をFBに希釈し、最終投与濃度1mL/kgにした。HM10460A及びペグフィルグラスチムをDPBSで希釈し、2mL/kgの最終投与濃度にした。
【0129】
(ii)方法
試験システム
【0130】
【表4】
【0131】
動物管理及び識別
【0132】
【表5】
【0133】
動物の飼育
【0134】
【表6】
【0135】
用量投与
【0136】
【表7】
【0137】
グループデザイン及び用量レベル
【0138】
【表8】
【0139】
(iii)観察及び測定
体重
適切な体積投与を計算するために、TC及び試験物質の投与前、体重を-1日及び0日に2回測定した。
【0140】
ANCプロファイル
全ての動物の血液は、化学療法前-1日に頚静脈から収集し、好中球数(NEUT#)について分析した。該好中球数は、投与前0日のNEUTとして使用し、グループ化は、0日のNEUTを基にした。また、26G 1mL注射器でもって、試験物質の投与後0日目の6時間目、及び8日間、1日1回血液を収集した。総0.2mLの血液を採取し、ANCを確認するために、自動血液球体分析機Sysmex、XN1000-V(Sysmex corp.、日本)に入れた。ANCは、一般的に、総WBC x(%Segs+%Bands)から計算されるが、ANCは、Sysmexシステムで測定された好中球の量が、すでにデータに、好中球バンド類型を含むものであるために、Sysmexシステムを使用しても計算される。
【0141】
好中球減少症プロファイルの持続期間
該研究に係わる一次終了点は、正常ビークル(全体好中球レベルの平均)で計算された好中球レベルに係わるカットオフ値を基に決定された好中球減少症(「DN」)の持続期間から決定された。
【0142】
(iv)結果
ANCプロファイル
好中球数の時間経過を図3に図示した。臨床用量の1/6(ペグフィルグラスチム103.3μg/kg及びHM10460A61.8μg/kg)における好中球数は、ペグフィルグラスチム及びHM10460Aの薬物投与開始後、それぞれ8日及び5-6日において、投与療法間に違いなしに最高に逹した。また、臨床用量(ペグフィルグラスチム620μg/kg及びHM10460A372μg/kg)における好中球数は、ペグフィルグラスチム及びHM10460Aに対する薬物投与開始後、5-8日及び6日に、それぞれピークに逹した。さらに、好中球数のピークは、投与用法変更なしに、全ての時間用法において、HM10460A高用量(496μg/kg)の場合、6日と7日との間にあった。
【0143】
DNプロファイル
1/6臨床用量(HM10460A61.8μg/kg及びペグフィルグラスチム103.3μg/kg)における化学療法後の24時間に投与されたHM10460A及びペグフィルグラスチムのDN値は、それぞれ0.2日及び1.8日と決定された(表9)。化学療法と、投与される試験物質との間隔が短くなることにより(5時間、2時間及び同時)、ペグフィルグラスチムのDNが2.4日に増大した。それに比べ、HM10460Aの場合、0.6日と、若干の増大のみ観察された。
【0144】
臨床用量(HM10460A372μg/kg及びペグフィルグラスチム620μg/kg)投与時、化学療法後の24時間に投与されたHM10460A及びペグフィルグラスチムのDNは、それぞれ0日及び0.2日と観察された(表10)。化学療法と、投与される試験物質との間隔が短くなることにより(5時間、2時間及び同時)、ペグフィルグラスチムのDNは、1.4日に増大した。一方、HM10460A投与結果、DNは、1/6臨床用量で観察されたように、0.6日と少しだけ増大した。
【0145】
高用量のHM10460A(496μg/kg)は、D0+2h用法を除いては、投与時間にかかわらず、類似したプロファイル(0.2日)を示した(表11)。
【0146】
【表9】
【0147】
【表10】
【0148】
【表11】
【0149】
実施例3:ドセタキセル/シクロホスファミド誘導された好中球減少症を有するヒトに対する0.5時間後のエフラペグラスチム投与
初期乳癌患者に、機関標準治療(「SOC」)により、ドセタキセル75mg/m IV、シクロホスファミド600mg/m2 IVの注入時間の投与終了後の0.5時間(±5分)に、エフラペグラスチム13.2mg/0.6mL(3.6mgG-CSF)固定用量を皮下投与した。
【0150】
実施例4:ドセタキセル/シクロホスファミド誘導された好中球減少症を有するヒトに対する3時間後のエフラペグラスチム投与
初期乳癌患者に、ドセタキセル75mg/m2 IV、シクロホスファミド600mg/m2 IV(機関SOCによる注入時間)の投与終了後の3時間(±15分)に、エフラペグラスチム13.2mg/0.6mL(3.6mgG-CSF)固定用量を皮下投与した。
【0151】
実施例5:ドセタキセル/シクロホスファミド誘導された好中球減少症を有するヒトに対する5時間後のエフラペグラスチム投与
初期乳癌患者に、ドセタキセル75mg/m2 IV、シクロホスファミド600mg/m2 IV(機関SOCによる注入時間)の投与終了後の5時間(±15分)に、エフラペグラスチム13.2mg/0.6mL(3.6mgG-CSF)固定用量を皮下投与した。
【0152】
実施例6:ドセタキセル及びシクロホスファミドを投与される乳癌患者において、エフラペグラスチム投与の同日、多様な投与時間日程後の重症好中球減少症の持続期間に係わる研究
四等級好中球減少症(絶対好中球数(ANC)<0.5×10/L)の持続期間を治療周期1後に評価した。
【0153】
さらに次を評価した。
【0154】
●治療周期1における四等級好中球減少症患者(ANC<0.5×10/L)の比率
●治療周期1における、重症好中球減少症におけるANC≧1.5×10/Lに回復する時間
●治療周期1における三等級発熱性好中球減少症発病率(ANC<1.0×10/L)及び
1)単一温度>38.3℃(華氏101.0度)または
2)1時間以上の間、持続温度≧38.0℃(華氏100.4度)のうちの一つ
●治療周期1におけるエフラペグラスチムの薬物動態学(PK)
●治療周期1に間、患者において、好中球減少症による抗感染剤使用及び入院を含む好中球減少症合併症の発生率
●安全性エフラペグラスチム治療用法
●末梢血液CD34
13.2mg/0.6mL(3.6mgG-CSF)の固定用量を使用し、エフラペグラスチムの同一日投与は、初期乳癌患者に、ドセタキセル及びシクロホスファミド(TC)を投与した後、多様な投与時間日程で皮下(SC)投与した。
【0155】
治療周期1
周期1の1日目に、TC投与後、TC投与終了後、次の時点のうち一つにおいて、固定用量のエフラペグラスチムを投与した。0.5時間(±5分)、3時間(±15分)及び5時間(±5分)。
【0156】
TC投与前、患者は、機関標準治療(SOC)により、化学療法予防のための予備薬物を受けることができる。各治療周期の1日目に、TCの静脈内(IV)投与は次のとおりである:
●ドセタキセル75mg/m2 IV、機関のSOCによる注入時間;
●シクロホスファミド600mg/m2 IV、機関のSOCによる注入時間;
●周期1の間、ドセタキセル及びシクロホスファミドの用量変更は、許容されなかった
最大45名の患者が研究に登録され、該研究において、1:1:1比率を使用し、前記で羅列された三種のエフラペグラスチム投与時間日程のうち一つにランダムに割り当てられた。
【0157】
CBC(全血球数)、及び薬物動態学(PK)分析のための血液は、TC投与前1日、及びエフラペグラスチム投与後の1時間(±15分)、3時間(±15分)、6時間(±15分)、8時間(±15分)、24時間(±2時間)、48時間(±2時間)、72時間(±2時間)、144時間(7日±1日)及び192時間(9日±1日)、並びにサイクル2:TC投与前1日(22日)に採血した。CBC分析は、臨床実験室で行った。
【0158】
追加CBCサンプル
治療周期1においてのみ、CBCサンプルを、4日から10日まで毎日採取した。10日目、ANCが≦1.0×10/mLであるならば、ANCが≧1.5×10/mLになるまで、CBCサンプルを毎日採取した。
【0159】
周期1の末梢血液CD34
末梢血液CD34カウントサンプルが、2日から10日まで採取された。
【0160】
周期1の安全訪問
治療周期2:1日(22日)において、全ての必須評価(assessments)/評価(evaluations)は、治療周期2に係わるTC投与前に行う。
【0161】
中間安全性評価
各エフラペグラスチム投与日程において、始めの3名の患者が研究の治療周期1を完了すれば、安全性評価を行った(総9名の患者)。安全性評価には、副作用(AEs)、ANC及び白血球(WBC)数、重症好中球減少症(DSN)持続期間及び好中球減少症合併症(好中球減少症による入院、発熱性好中球減少症、抗感染剤使用)が含まれる。
【0162】
各エフラペグラスチム投与日程において、始めの3名の患者に安全性評価を完了した後、三種エフラペグラスチム投与日程のうちいずれにおいても安全性発見がない場合、該患者は、ランダムに他のエフラペグラスチム投与日程に登録された。安全性検討において、1以上のエフラペグラスチム投薬日程を中断しなければならないと決定されれば、新たに登録された全ての患者は、後に続くエフラペグラスチム投薬日程にさらにランダムに割り当てられた。
【0163】
中断規則
安全性は、治療周期1の間、各エフラペグラスチム投与日程において、始めの3名の患者において評価した。次の基準のうち一つが充足されれば、エフラペグラスチム投与日程に係わる追加登録が中断された。
【0164】
1)患者3名のうち2名が、治療周期1において、発熱性好中球減少症、及び/または全てのエフラペグラスチム関連四等級AEを報告
2)患者3名のうち2名が、四等級好中球減少症を報告し、DSN>2日
該安全性は、持続的にモニタリングした。中間安全性モニタリング後、総3名以上の患者(コーホートにおいて累積)が発熱性好中球減少症(FN)を示した場合、該コーホートは、登録が中断された。
【0165】
周期2~4
エフラペグラスチム13.2mg/0.6mL(3.6mgG-CSF)は、全てのエフラペグラスチム投与日程において、TC投与終了後、24時間以内に投与した。患者は、それぞれの次の化学療法周期を始めるために、ANC≧1.5×10/L及び血小板数≧100×10/Lを有さなければならない。安全性につき、患者を追跡した。各周期は、21日である。
【0166】
治療周期2-4において、CBCに係わる血液サンプルは、化学療法前、各治療周期の1日目に採取し、周期当たりSOCによる。該CBCは、研究治療(TCまたはエフラペグラスチム)の最後の投与後、35(±5)日に研究終了訪問時に作成された。
【0167】
研究期間
スクリーニング期間:最大30日
治療期間:最大4回治療周期(治療周期当たり21日)
治療周期1のための安全性追跡訪問:治療周期2において、TC投与前1日(22日)
研究訪問終了:研究治療剤(TCまたはエフラペグラスチム)の最後投与後、35(±5)日
包含基準
患者は、書面同意を提供する意志と能力とがなければならず、エフラペグラスチム投与時間投与、採血日程を守り、その他全ての研究要求事項を充足しなければならない。
【0168】
患者は、組織学的に確認された初期乳癌(ESBC)に対する新たな診断を受けなければならず、それは、手術可能なI期~IIIA期の乳癌に限定される。
【0169】
患者は、アズバントTC化学療法またはネオアズバントTC化学療法を受けるための候補ではなければならない。
【0170】
患者(男性または女性)は、18歳以上ではなければならない。
【0171】
患者は、次のように定義された適切な血液学的、腎臓及び肝臓の機能を有さなければならない。
【0172】
●ANC≧1.5×10/L
●血小板数≧100×10/L
●ヘモグロビン≧10g/dL
●計算されたクレアチニン掃除率>50mL/min
●総ビリルビン≦1.5mg/dL
●アスパラギン酸アミノトランスフェラーゼ(AST)/血清グルタミン酸オキサロ酢酸トランスアミナーゼ(SGOT)及びアラニンアミノトランスフェラーゼ)(ALT)/血清グルタミン酸ピルビン酸トランスアミナーゼ(SGPT)≦2.5×ULN及びアルカリ性ホスファターゼ≦2.0×ULN
患者は、ECOG(eastern cooperative oncology group)遂行状態≦2を有さなければならない。
【0173】
エフラペグラスチムは、エフラペグラスチム13.2mg/0.6mL(3.6mgG-CSF)でもって、事前に充填された滅菌の一回使用注射器に供給される。エフラペグラスチムの用量変更は、許容されない。
【0174】
評価
治療周期1において、四等級好中球減少症(ANC<0.5x10/L)の持続期間を評価した。
【0175】
治療周期1において、四等級好中球減少症(ANC<0.5×10/L)患者の比率を評価した。
【0176】
治療周期1において、重症好中球減少症がANC≧1.5×10/Lに回復する時間を評価した。
【0177】
治療周期1において、三等級発熱性好中球減少症(ANC<1.0×10/L)の発病率、及び
単一温度≧38.3℃(華氏101.0度)または持続温度≧38.0℃(華氏100.4度)の1時間以上のうち一つを評価した。
【0178】
治療周期1におけるエフラペグラスチムの薬物動態学(PK)を評価した。
【0179】
治療周期1の間、患者の好中球減少症による抗感染剤使用及び入院を含む好中球減少症合併症の発生率を評価した。
【0180】
末梢血液CD34数を評価した。
【0181】
薬物動態学的評価
各患者は、1日目に化学療法を始めた後、各エフラペグラスチム投与日程により、固定用量のエフラペグラスチム投与を行った。薬物動態学測定及びCBCのための血液サンプルを、次の日程によって収集した。
【0182】
周期1の1日目
投与前(TC投与前)
エフラペグラスチム投与時間から、1,3,6及び8時間(±15分)
1日目エフラペグラスチム投与時間から、24,48及び72(±2時間)
1日目エフラペグラスチム投与時間から、144時間(7日目±1日)及び192時間(9日目±1日)
周期2の1日目
TC投与前
追加CBCサンプル
周期1においてのみ、CBCも、4日目から10日目まで毎日採取した。10日目、ANCが≦1.0×10/Lであるならば、ANCが≧1.5×10/Lになるまで、CBCを毎日採取した。
【0183】
周期1における末梢血液CD34+数
末梢血液CD34数を、2日から10日まで毎日採取した。
【0184】
安全性評価
報告された/誘発されたAE、実験室評価及び身体検査を介し、研究全般にわたって安全性を評価した。
【0185】
参照による統合
本出願は、多様な発行された特許、公開された特許出願、ジャーナル記事、及びその他刊行物を参照し、それらのいずれもは、ここに参照として統合される。統合された参照と、本明細書との間にコンフリクトがある場合、明細書が優先される。また、先行技術に属する本開示内容の任意の特定具体例は、請求項中の1以上から明示的に除外される。そのような具体例は、本技術分野の当業者に周知であると見なされるので、ここにおいて、明示的に排除を表示しないとしても排除される。本開示内容の任意の特定具体例は、先行技術の存在と関連があるか否かということに係わりなく、いかなる理由によっても、任意の請求項から除外されうる。
【0186】
均等物
本発明は、その思想、または本質的な特徴を外れずに、他の特定形態にも具現される。従って、前述の具体例は、本明細書に記載された発明を制限するとするよいも、全ての面において、例示的なものであると見なされなければならない。従って、本発明の範囲は、前述の説明よりは、請求項によって表示され、特許請求の範囲の均等物の意味内及びその範囲内にある全ての変更は、ここに含まれるように意図される。
【0187】
[配列表フリーテキスト]
配列番号:1
TPLGP ASSLP QSFLL KCLEQ VRKIQ GDGAA LQEKL A TYKLC HPEEL VLLGH SLGIP WAPLS SCPSQ ALQLA GCLSQ LHSGL FLYQG LLQAL EGISP ELGPT LDTLQ LDVAD FATTI WQQME ELGMA PALQP TQGAM PAFAS AFQRR AGGVL VASHL QSFLE VSYRV LRHLA QP
配列番号:2
TPLGP ASSLP QSFLL KSLEQ VRKIQ GDGAA LQEKL CATYK LCHPE ELVLL GHSLG IPWAP LSSCSQALQ LAGCL SQLHS GLFLY QGLLQ ALEGI SPELG PTLDT LQLDV ADFAT TIWQQ MEELG MAPAL QPTQG AMPAF ASAFQ RRAGG VLVAS HLQSF LEVSY RVLRH LAQP
配列番号:3
PSCPAPEFLGGPSVFLFPPKPKDTLMISRTPEVTCVVVDVSQEDPEVQFNWYVDGVEVHNAKTKPREEQFNSTYRVVSVLTVLHQDWLNGKEYKCKVSNKGLPSSIEKTISKAKGQPREPQVYTLPPSQEEMTKNQVSLTCLVKGFYPSDIAVEWESNGQPENNYKTTPPVLDSDGSFFLYSRLTVDKSRWQEGNVFSCSVMHEALHNHYTQKSLSLSLGK
配列番号:4
PSCPAPEFLGGPSVFLFPPKPKDTLMISRTPEVTCVVVDVSQEDPEVQFNWYVDGVEVHNAKTKPREEQFNSTYRVVSVLTVLHQDWLNGKEYKCKVSNKGLPSSIEKTISKAKGQPREPQVYTLPPSQEEMTKNQVSLTCLVKGFYPSDIAVEWESNGQPENNYKTTPPVLDSDGSFFLYSRLTVDKSRWQEGNVFSCSVMHEALHNHYTQKSLSLSLGK
図1
図2
図3
【配列表】
2023505506000001.app
【国際調査報告】