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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-02-09
(54)【発明の名称】カンナビノイド誘導体
(51)【国際特許分類】
   C07D 319/08 20060101AFI20230202BHJP
   A61P 25/18 20060101ALI20230202BHJP
   A61P 25/32 20060101ALI20230202BHJP
   A61P 37/08 20060101ALI20230202BHJP
   A61P 11/06 20060101ALI20230202BHJP
   A61P 21/00 20060101ALI20230202BHJP
   A61P 25/02 20060101ALI20230202BHJP
   A61P 43/00 20060101ALI20230202BHJP
   A61P 25/28 20060101ALI20230202BHJP
   A61P 1/14 20060101ALI20230202BHJP
   A61P 25/22 20060101ALI20230202BHJP
   A61P 19/02 20060101ALI20230202BHJP
   A61P 9/10 20060101ALI20230202BHJP
   A61P 17/02 20060101ALI20230202BHJP
   A61P 35/00 20060101ALI20230202BHJP
   A61P 25/00 20060101ALI20230202BHJP
   A61P 29/02 20060101ALI20230202BHJP
   A61P 13/12 20060101ALI20230202BHJP
   A61P 25/30 20060101ALI20230202BHJP
   A61P 9/04 20060101ALI20230202BHJP
   A61P 25/24 20060101ALI20230202BHJP
   A61P 29/00 20060101ALI20230202BHJP
   A61P 27/06 20060101ALI20230202BHJP
   A61P 25/14 20060101ALI20230202BHJP
   A61P 1/04 20060101ALI20230202BHJP
   A61P 11/00 20060101ALI20230202BHJP
   A61P 25/06 20060101ALI20230202BHJP
   A61P 1/08 20060101ALI20230202BHJP
   A61P 25/04 20060101ALI20230202BHJP
   A61P 3/06 20060101ALI20230202BHJP
   A61P 3/04 20060101ALI20230202BHJP
   A61P 25/36 20060101ALI20230202BHJP
   A61P 19/10 20060101ALI20230202BHJP
   A61P 25/16 20060101ALI20230202BHJP
   A61P 19/08 20060101ALI20230202BHJP
   A61P 25/20 20060101ALI20230202BHJP
   A61P 17/00 20060101ALI20230202BHJP
   A61P 25/34 20060101ALI20230202BHJP
   A61K 31/357 20060101ALI20230202BHJP
   A61P 1/16 20060101ALI20230202BHJP
【FI】
C07D319/08 CSP
A61P25/18
A61P25/32
A61P37/08
A61P11/06
A61P21/00
A61P25/02
A61P43/00 111
A61P25/28
A61P1/14
A61P25/22
A61P19/02
A61P9/10 101
A61P17/02
A61P35/00
A61P25/00
A61P29/02
A61P13/12
A61P25/30
A61P9/04
A61P25/24
A61P29/00
A61P27/06
A61P25/14
A61P1/04
A61P9/10
A61P11/00
A61P25/06
A61P1/08
A61P25/04
A61P3/06
A61P3/04
A61P25/36
A61P19/10
A61P25/16
A61P19/08
A61P25/20
A61P29/00 101
A61P17/00
A61P43/00 105
A61P25/34
A61K31/357
A61P1/16
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022534430
(86)(22)【出願日】2020-11-27
(85)【翻訳文提出日】2022-08-04
(86)【国際出願番号】 CA2020051639
(87)【国際公開番号】W WO2021113959
(87)【国際公開日】2021-06-17
(31)【優先権主張番号】62/945,676
(32)【優先日】2019-12-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】63/074,571
(32)【優先日】2020-09-04
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】63/113,044
(32)【優先日】2020-11-12
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】519333767
【氏名又は名称】キャノピー グロウス コーポレイション
(74)【代理人】
【識別番号】110000659
【氏名又は名称】弁理士法人広江アソシエイツ特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ガニング,パトリック トーマス
(72)【発明者】
【氏名】オメーラ,ジェフリー アラン
(72)【発明者】
【氏名】ト,クアン フィ
【テーマコード(参考)】
4C086
【Fターム(参考)】
4C086AA01
4C086AA02
4C086AA03
4C086BA15
4C086MA01
4C086MA04
4C086NA14
4C086ZA01
4C086ZA02
4C086ZA05
4C086ZA07
4C086ZA08
4C086ZA12
4C086ZA15
4C086ZA16
4C086ZA18
4C086ZA22
4C086ZA33
4C086ZA36
4C086ZA45
4C086ZA59
4C086ZA66
4C086ZA69
4C086ZA70
4C086ZA71
4C086ZA75
4C086ZA81
4C086ZA89
4C086ZA94
4C086ZA96
4C086ZA97
4C086ZB11
4C086ZB13
4C086ZB15
4C086ZB21
4C086ZB26
4C086ZC33
4C086ZC39
4C086ZC41
(57)【要約】
本出願は、式(I)の化合物、当該化合物を含む組成物、およびCB1、CB2、5HT1A、5HT2A、GPR18、GPR119、TRPV1、TPRV2、PPARγ、またはμ-オピオイド受容体などのカンナビノイド受容体に関連する疾患の治療または予防において、当該化合物をカンナビノイド受容体リガンドとして使用する方法を開示する。
【化1】

【特許請求の範囲】
【請求項1】
以下の構造式を有する化合物
【化1】


またはその鏡像異性体、ジアステレオマー、ラセミ体、互変異性体、もしくは代謝産物、あるいは前記化合物、鏡像異性体、ジアステレオマー、ラセミ体、互変異性体、もしくは代謝産物の薬学的に許容される塩、溶媒和物、または水和物であって、式中、
が、水素、C-Cアルキル、C-Cアルケニル、またはC-Cアルキニルであり、
が、水素、C-Cアルキル、ヒドロキシ、-COH、または-CO(C-Cアルキル)であり、
が、水素、C-C12アルキル、C-C12アルケニル、C-C12アルキニル、-(OCHCH0-6O(C-Cアルキル)、-(C-Cアルキル)-NR3a3b、-(C-Cアルキル)-アリール、-(C-Cアルキル)-ヘテロアリール、-(C-Cアルキル)-シクロアルキル、または-(C-Cアルキル)-ヘテロシクロアルキルであり、ここで、R3aおよびR3bが、各々独立して、水素またはC-Cアルキルであり、
が、水素、-COH、-CO(C-Cアルキル)であり、
5aおよびR5bが、独立して、
水素、C-Cアルキル、C-Cアルケニル、C-Cアルキニル、ヒドロキシ、ハロ、-(C-Cアルキル)O(C-Cアルキル)、-(CHCHO)1-8(C-Cアルキル)、-(C-Cアルキル)C(O)(C-Cアルキル)、-COH、-CO(C-Cアルキル)、-(C-Cアルキル)-アリール、-(C-Cアルキル)-ヘテロアリール、-(C-Cアルキル)-シクロアルキル、-(C-Cアルキル)-ヘテロシクロアルキル、または-NR5c5dであり、
5cおよびR5dが、独立して、水素、C-Cアルキル、C-Cアルケニル、C-Cアルキニル、または-(C-Cアルキル)C(O)1-2(C-Cアルキル)であるか、
あるいはR5aおよびR5bが、それらが結合する炭素原子と一緒になって、シクロアルキルまたはヘテロシクロアルキル環を形成し、
が、O、S、またはNR5eであり、
5eが、水素、C-Cアルキル、C-Cアルケニル、C-Cアルキニル、-(CHCHO)1-8(C-Cアルキル)、-C(O)R5f、-CO5f、-(C-Cアルキル)-アリール、-(C-Cアルキル)-ヘテロアリール、-(C-Cアルキル)-シクロアルキル、または-(C-Cアルキル)-ヘテロシクロアルキルであり、各R5fが、水素、C-Cアルキル、C-Cアルケニル、C-Cアルキニル、または-(CHCHO)1-6(C-Cアルキル)であり、
が、水素、ヒドロキシ、または
【化2】


であり、式中、
6aおよびR6bが、各々独立して、
水素、C-Cアルキル、C-Cアルケニル、C-Cアルキニル、ヒドロキシ、ハロ、-O(C-Cアルキル)、-C(O)(C-Cアルキル)、-COH、-CO(C-Cアルキル)、-(C-Cアルキル)-アリール、-(C-Cアルキル)-ヘテロアリール、-(C-Cアルキル)-シクロアルキル、-(C-Cアルキル)-ヘテロシクロアルキル、または-NR6c6dであり、
6cおよびR6dが、独立して、水素、C-Cアルキル、または-C(O)(C-Cアルキル)であるか、あるいはR6cおよびR6dが、それらが結合する炭素原子と一緒になって、ヘテロシクロアルキル環を形成するか、
あるいはR6aおよびR6bが、それらが結合する炭素原子と一緒になって、シクロアルキルまたはヘテロシクロアルキル環を形成し、
が、-Y6eまたは-NR6f6gであり、
が、OまたはSであり、
6e、R6f、およびR6gが、独立して、水素、C-Cアルキル、-(CHCHO)1-8(C-Cアルキル)、-C(O)R6h、-CO6h、C-Cアルケニル、C-Cアルキニル、-(C-Cアルキル)-アリール、-(C-Cアルキル)-ヘテロアリール、-(C-Cアルキル)-シクロアルキル、または-(C-Cアルキル)-ヘテロシクロアルキルであるか、あるいはR6fおよびR6gが、それらが結合する窒素と一緒になって、複素環式環を形成し、各R6hが、水素、C-Cアルキル、C-Cアルケニル、C-Cアルキニル、または-(CHCHO)1-6(C-Cアルキル)であり、
式中、
各アルキル、アルケニル、およびアルキニルが、非置換、フッ素化、塩素化、1個もしくは2個のヒドロキシルもしくはC-Cアルコキシ基で置換、または1個もしくは2個のオキソ基で置換され、
各シクロアルキルが、3~10個の環炭素を有し、飽和または部分的に不飽和であり、任意選択的に1個または2個の縮合シクロアルキル環を含み、各縮合環が、3~8個の環員を有し、0~6個のRで置換され、
各ヘテロシクロアルキルが、3~10個の環員と、各々が、独立して、窒素、酸素、または硫黄である1~3個のヘテロ原子と、を有し、飽和または部分的に不飽和であり、任意選択的に1個または2個の縮合シクロアルキル環を含み、各々が、3~8個の環員を有し、0~6個のRで置換され、
各アリールが、フェニルまたはナフチルであり、任意選択的に1個もしくは2個の縮合シクロアルキルまたはヘテロシクロアルキル環を含み、各縮合シクロアルキルまたはヘテロシクロアルキル環が、4~8個の環員を有し、0~5個のRで置換され、
各ヘテロアリールは、各々が、独立して、窒素、酸素、もしくは硫黄である1~4個のヘテロ原子を有する5~6員単環式ヘテロアリール環であるか、または各々が、独立して、窒素、酸素、もしくは硫黄である1~5個のヘテロ原子を有する8~10員二環式ヘテロアリールであり、任意選択的に1個もしくは2個の縮合シクロアルキル環もしくはヘテロシクロアルキル環を含み、各縮合シクロアルキル環もしくはヘテロシクロアルキル環が、4~8個の環員を有し、0~5個のRで置換され、
式中、
各Rが、独立して、オキソ、C-Cアルキル、-Cl、-F、-Br、-CN、-SF、-N、ニトロ、-SR、-S(O)1-2、-OR、-NR、-C(O)R、-C(O)NR、-NRC(O)R、-C(S)NR、-NRC(S)R、-CO、-OC(O)R、-C(O)SR、-SC(O)R、-C(S)OR、-OC(S)R、-C(S)SR、-SC(S)R、-S(O)1-2OR、-OS(O)1-2、-S(O)1-2NR、-NRS(O)1-2、-OCO、-OC(O)NR、-NRCO、-NRC(O)NR、-SCO、-OC(O)SR、-SC(O)SR、-SC(O)NR、-NRC(O)SR、-OC(S)OR、-OC(S)NR、-NRC(S)OR、-NRC(S)NR、-SC(S)OR、-OC(S)SR、-SC(S)SR、-SC(S)NR、-NRC(S)SR、-NRC(NR)NR、または-NRS(O)1-2NRであり、
各Rが、独立して、任意選択的に置換されたC-Cアルキル)、-Cl、-F、-Br、-CN、-SF、-N、ニトロ、-SR、-S(O)1-2、-OR、-NR、-C(O)R、-C(O)NR、-NRC(O)R、-C(S)NR、-NRC(S)R、-CO、-OC(O)R、-C(O)SR、-SC(O)R、-C(S)OR、-OC(S)R、-C(S)SR、-SC(S)R、-S(O)1-2OR、-OS(O)1-2、-S(O)1-2NR、-NRS(O)1-2、-OCO、-OC(O)NR、-NRCO、-NRC(O)NR、-SCO、-OC(O)SR、-SC(O)SR、-SC(O)NR、-NRC(O)SR、-OC(S)OR、-OC(S)NR、-NRC(S)OR、-NRC(S)NR、-SC(S)OR、-OC(S)SR、-SC(S)SR、-SC(S)NR、-NRC(S)SR、-NRC(NR)NR、または-NRS(O)1-2NRであり、
ここで、各Rが、独立して、HまたはC-Cアルキルであり、各Rが、独立して、H、C-Cアルキル、C-Cフルオロアルキル、C-Cヒドロキシアルキル、-S(O)(C-Cアルキル)、-C(O)(C-Cアルキル)、または-CO(C-Cアルキル)であるか、RおよびRが、それらが結合する窒素原子と一緒になって、集合して、3~6環員で構成される非置換ヘテロシクロアルキル環を形成する、化合物、またはその鏡像異性体、ジアステレオマー、ラセミ体、互変異性体、もしくは代謝産物、あるいは前記化合物、鏡像異性体、ジアステレオマー、ラセミ体、互変異性体、もしくは代謝産物の薬学的に許容される塩、溶媒和物、または水和物。
【請求項2】
が、水素、C-Cアルキル、またはC-Cアルケニルであり、請求項1に記載の化合物。
【請求項3】
が水素である、請求項1に記載の化合物。
【請求項4】
がC-Cアルケニルである、請求項1に記載の化合物。
【請求項5】
がCアルケニルである、請求項1に記載の化合物。
【請求項6】
が、ヒドロキシで置換されたC-Cアルキルである、請求項1に記載の化合物。
【請求項7】
が、水素、C-Cアルキル、ヒドロキシ、-COH、または-CO(C-Cアルキル)である、請求項1~6のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項8】
が、水素、C-Cアルキル、ヒドロキシ、または-COHである、請求項1~6のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項9】
が、水素またはC-Cアルキルである、請求項1~6のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項10】
が水素である、請求項1~6のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項11】
がC-Cアルキルである、請求項1~6のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項12】
が、メチル、エチル、またはプロピルである、請求項1~6のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項13】
がヒドロキシである、請求項1~6のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項14】
が-CHOHである、請求項1~6のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項15】
が-COHである、請求項1~6のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項16】
が、水素、C-C12アルキル、C-C12アルケニル、C-C12アルキニル、-(OCHCH0-6OCH、-(C-Cアルキル)-アリール、-(C-Cアルキル)-ヘテロアリール、-(C-Cアルキル)-シクロアルキル、または-(C-Cアルキル)-ヘテロシクロアルキルである、請求項1~15のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項17】
が、水素、C-C12アルキル、-(C-Cアルキル)-ヘテロアリール、-(C-Cアルキル)-シクロアルキル、または-(C-Cアルキル)-ヘテロシクロアルキルである、請求項1~15のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項18】
が、水素、C-Cアルキル、-(C-Cアルキル)-ヘテロアリール、または-(C-Cアルキル)-ヘテロシクロアルキルである、請求項1~15のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項19】
が、水素、C-Cアルキル、-(C-Cアルキル)-ヘテロアリール、または-(C-Cアルキル)-ヘテロシクロアルキルである、請求項1~15のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項20】
が、水素またはC-C10アルキルである、請求項1~15のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項21】
が水素である、請求項1~15のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項22】
がC-Cアルキルである、請求項1~15のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項23】
がC-Cアルキルである、請求項1~15のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項24】
がn-ペンチルである、請求項1~15のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項25】
が1,1-ジメチルヘプチルである、請求項1~15のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項26】
がn-プロピルである、請求項1~15のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項27】
が、-(C-Cアルキル)-アリール、-(C-Cアルキル)-ヘテロアリール、-(C-Cアルキル)-シクロアルキル、または-(C-Cアルキル)-ヘテロシクロアルキルである、請求項1~15のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項28】
が-(C-Cアルキル)-ヘテロシクロアルキルであり、前記ヘテロシクロアルキルが、3~8個の環員と、窒素、酸素、または硫黄である1~3個のヘテロ原子と、を有し、0~4個のRで置換される、請求項1~15のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項29】
前記ヘテロシクロアルキルが、ピペリジニル、ピロリジニル、アゼチジニル、またはアジリジニルである、請求項28に記載の化合物。
【請求項30】
前記ヘテロシクロアルキルが、アゼチジニルであり、独立して、オキソ、C-Cアルキル、-Cl、-F、-Br、-C(O)R、または-COである1~2個のRで置換され、Rが、HまたはC-Cアルキルである、請求項28に記載の化合物。
【請求項31】
が-C(O)CHである、請求項30に記載の化合物。
【請求項32】
が、水素、-COH、または-CO(C-Cアルキル)である、請求項1~31のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項33】
が、水素、-COH、-COCH、または-COCHCHである、請求項1~31のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項34】
が水素である、請求項1~31のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項35】
が-COHである、請求項1~31のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項36】
が-CO(C-Cアルキル)である、請求項1~31のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項37】
前記化合物が、式
【化3】


の化合物である、請求項1に記載の化合物。
【請求項38】
前記化合物が、式
【化4】


の化合物である、請求項1に記載の化合物。
【請求項39】
前記化合物が、式
【化5】


の化合物である、請求項1に記載の化合物。
【請求項40】
5aおよびR5bが、独立して、水素、C-Cアルキル、C-Cアルケニル、ヒドロキシ、ハロ、-(C-Cアルキル)O(C-Cアルキル)、-(CHCHO)1-8(C-Cアルキル)、-(C-Cアルキル)C(O)(C-Cアルキル)、-COH、-CO(C-Cアルキル)、-(C-Cアルキル)-アリール、-(C-Cアルキル)-ヘテロアリール、-(C-Cアルキル)-シクロアルキル、-(C-Cアルキル)-ヘテロシクロアルキル、または-NR5c5dであるか、あるいはR5aおよびR5bが、炭素原子と一緒になって、シクロアルキルまたはヘテロシクロアルキル環を形成する、請求項1~38のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項41】
5aおよびR5bが、独立して、水素、C-Cアルキル、C-Cアルケニル、-(C-Cアルキル)O(C-Cアルキル)、-(C-Cアルキル)C(O)(C-Cアルキル)、-COH、-CO(C-Cアルキル)、-(C-Cアルキル)-アリール、-(C-Cアルキル)-ヘテロアリール、-(C-Cアルキル)-シクロアルキル、-(C-Cアルキル)-ヘテロシクロアルキルであるか、あるいはR5aおよびR5bが、炭素原子と一緒になって、シクロアルキルまたはヘテロシクロアルキル環を形成する、請求項1~38のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項42】
5aおよびR5bが、独立して、C-Cアルキル、C-Cアルケニル、-(C-Cアルキル)O(C-Cアルキル)、-(C-Cアルキル)C(O)(C-Cアルキル)、-COH、-CO(C-Cアルキル)、-(C-Cアルキル)-アリール、-(C-Cアルキル)-ヘテロアリール、-(C-Cアルキル)-シクロアルキル、-(C-Cアルキル)-ヘテロシクロアルキルであるか、あるいはR5aおよびR5bが、炭素原子と一緒になって、シクロアルキルまたはヘテロシクロアルキル環を形成する、請求項1~38のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項43】
5aおよびR5bが、独立して、水素、C-Cアルキル、C-Cアルケニル、-(C-Cアルキル)O(C-Cアルキル)、-(C-Cアルキル)C(O)(C-Cアルキル)、-COH、または-CO(C-Cアルキル)である、請求項1~38のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項44】
5aおよびR5bが、独立して、C-Cアルキル、C-Cアルケニル、-(C-Cアルキル)O(C-Cアルキル)、-(C-Cアルキル)C(O)(C-Cアルキル)、-COH、または-CO(C-Cアルキル)である、請求項1~38のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項45】
5aおよびR5bが、独立して、水素、C-Cアルキル、またはC-Cアルケニルである、請求項1~38のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項46】
5aおよびR5bが、独立して、水素またはC-Cアルキルである、請求項1~38のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項47】
5aおよびR5bが、独立して、C-Cアルキルである、請求項1~38のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項48】
5aおよびR5bが、独立して、水素またはメチルである、請求項1~38のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項49】
5aおよびR5bが、独立して、水素、C-Cアルキル、-CHO(C-Cアルキル)、-CHC(O)(C-Cアルキル)、-COH、または-CO(C-Cアルキル)である、請求項1~38のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項50】
5aが-NHR5c5dであり、R5cが、水素、C-Cアルキル、C-Cアルケニル、または-(C-Cアルキル)C(O)(C-Cアルキル)であり、R5bが水素である、請求項1~38のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項51】
5aが、-(C-Cアルキル)-アリール、-(C-Cアルキル)-ヘテロアリール、-(C-Cアルキル)-シクロアルキル、または-(C-Cアルキル)-ヘテロシクロアルキルである、請求項1~38のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項52】
5aが非置換または置換フェニルである、請求項1~38のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項53】
5aが非置換フェニルである、請求項1~38のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項54】
5aが置換フェニルである、請求項1~38のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項55】
5bが、水素、C-Cアルキル、-CHOCH、-CHC(O)CH、-COH、または-CO(C-Cアルキル)である、請求項1~54のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項56】
5bが水素またはメチルである、請求項1~54のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項57】
5bがメチルである、請求項1~54のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項58】
5bが水素である、請求項1~54のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項59】
5bがメチルであり、R5aが、メチル、-CHO(C-Cアルキル)、-CHC(O)(C-Cアルキル)、-COH、または-CO(C-Cアルキル)である、請求項1~38のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項60】
5aおよびR5bが、炭素原子と一緒になって、3~6炭素員で構成される、C-Cシクロアルキルまたはヘテロシクロアルキル環を形成する、請求項1~38のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項61】
5aが、C-Cアルキル、-CHOCH、-CHC(O)CH、-COH、または-CO(C-Cアルキル)であり、R5bが水素またはメチルである、請求項1~38のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項62】
5aが、-CHOCH、-COH、または-COCHCHであり、R5bがメチルである、請求項1~38のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項63】
5aが-CHC(O)CHであり、R5bが水素またはメチルである、請求項1~38のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項64】
が酸素または硫黄である、請求項1~63のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項65】
が酸素である、請求項1~56のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項66】
が硫黄である、請求項1~56のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項67】
がNR5eである、請求項1~56のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項68】
がNR5eであり、R5eが、水素、C-Cアルキル、-C(O)R5f、または-CO5fであり、各R5fが水素またはC-Cアルキルである、請求項1~56のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項69】
が水素またはヒドロキシである、請求項1~68のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項70】
が水素である、請求項1~68のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項71】
がヒドロキシまたは
【化6】


である、請求項1~68のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項72】
がヒドロキシである、請求項1~68のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項73】

【化7】


である、請求項1~68のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項74】
6aおよびR6bが、各々独立して、水素、C-Cアルキル、ヒドロキシ、ハロ、-O(C-Cアルキル)、-C(O)(C-Cアルキル)、-CO(C-Cアルキル)、-(C-Cアルキル)-アリール、-(C-Cアルキル)-ヘテロアリール、-(C-Cアルキル)-シクロアルキル、または-(C-Cアルキル)-ヘテロシクロアルキルである、請求項1~69のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項75】
6aおよびR6bが、各々独立して、水素、C-Cアルキル、ヒドロキシ、または-CO(C-Cアルキル)である、請求項1~69のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項76】
6aおよびR6bの各々が、独立して、水素またはC-Cアルキルである、請求項1~69のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項77】
6aおよびR6bが、両方とも水素である、請求項1~69のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項78】
6aがメチルであり、R6bが水素である、請求項1~69のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項79】
6aおよびR6bが、両方ともメチルである、請求項1~69のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項80】
6aおよびR6bが、各々独立して、水素または-NR6c6dであり、R6cおよびR6dが、各々独立して、水素、C-Cアルキル、または-C(O)(CH0-4CHであり得るか、あるいはR6cおよびR6dが、炭素原子と一緒になって、3~5個の炭素環員で構成されるヘテロシクロアルキル環を形成する、請求項1~69のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項81】
6aおよびR6bが、炭素原子と一緒になって、3~6個の炭素環員を含むシクロアルキル環を形成する、請求項1~69のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項82】
6aおよびR6bが、炭素原子と一緒になって、シクロペンチルを形成する、請求項1~69のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項83】
がY6eであり、YがOまたはSであり、R6eが、水素、C-Cアルキル、C-Cアルケニル、C-Cアルキニル、-(CHCHO)1-8(C-Cアルキル)、-C(O)R6h、-CO6h、-(C-Cアルキル)-アリール、-(C-Cアルキル)-ヘテロアリール、-(C-Cアルキル)-シクロアルキル、または-(C-Cアルキル)-ヘテロシクロアルキルであり、各R6hが、水素、-C-Cアルキル、または-(CHCHO)1-6(C-Cアルキル)である、請求項1~82のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項84】
6eが、水素、C-Cアルキル、-(CHCHO)1-4CH、-C(O)R6h、または-CO6hであり、R6hが、水素、C-Cアルキル、または-(CHCHO)1-6(C-Cアルキル)である、請求項83に記載の化合物。
【請求項85】
6eが水素である、請求項83に記載の化合物。
【請求項86】
前記R6eが重水素である、請求項85に記載の化合物。
【請求項87】
6eがC-Cアルキルである、請求項83に記載の化合物。
【請求項88】
6eが-(CHCHO)1-4CHである、請求項83に記載の化合物。
【請求項89】
6eが-CHCHOCHである、請求項88に記載の化合物。
【請求項90】
6eが-(CHCHO)CHである、請求項88に記載の化合物。
【請求項91】
6eが-C(O)R6hであり、R6hが、水素、-C-Cアルキル、または-(CHCHO)1-6(C-Cアルキル)である、請求項83に記載の化合物。
【請求項92】
6eが-CO6hであり、R6hが、水素、-C-Cアルキル、または-(CHCHO)1-6(C-Cアルキル)である、請求項83に記載の化合物。
【請求項93】
6hが水素である、請求項91または請求項92に記載の化合物。
【請求項94】
6hがC-Cアルキルである、請求項91または請求項92に記載の化合物。
【請求項95】
6hが-(CHCHO)1-4CHである、請求項91または請求項92に記載の化合物。
【請求項96】
6hがC-CアルケニルまたはC-Cアルキニルである、請求項83に記載の化合物。
【請求項97】
がOである、請求項83~96のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項98】
がSである、請求項83~96のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項99】
が-NR6f6gであり、R6fおよびR6gが、独立して、水素、C-Cアルキル、-(CHCHO)1-8(C-Cアルキル)、-C(O)R6h、-CO6h、C-Cアルケニル、C-Cアルキニル、-(C-Cアルキル)-アリール、-(C-Cアルキル)-ヘテロアリール、-(C-Cアルキル)-シクロアルキル、または-(C-Cアルキル)-ヘテロシクロアルキルであるか、あるいはR6fおよびR6gが、それらが結合する窒素と一緒になって、複素環式環を形成し、各R6hが、水素、C-Cアルキル、C-Cアルケニル、C-Cアルキニル、または-(CHCHO)1-6(C-Cアルキル)である、請求項1~82のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項100】
6fが、水素、C-Cアルキル、-C(O)R6h、-CO6h、または-(CHCHO)1-4CHであり、R6hが、水素、C-Cアルキル、または-(CHCHO)1-6(C-Cアルキル)である、請求項99に記載の化合物。
【請求項101】
6fが水素である、請求項99に記載の化合物。
【請求項102】
6fが重水素である、請求項101に記載の化合物。
【請求項103】
6fがC-Cアルキルである、請求項99に記載の化合物。
【請求項104】
6fが-(CHCHO)1-4CHである、請求項99に記載の化合物。
【請求項105】
6fが-CHCHOCHである、請求項104に記載の化合物。
【請求項106】
6fが-(CHCHO)CHである、請求項104に記載の化合物。
【請求項107】
6fが-C(O)R6hであり、R6hが、水素、C-Cアルキル、または-(CHCHO)1-6(C-Cアルキル)であり、R6gが、水素、C-Cアルキル、-C(O)C-Cアルキル、または-CO-Cアルキルである、請求項99に記載の化合物。
【請求項108】
6fが-CO6hであり、R6hが、水素、-C-Cアルキル、または-(CHCHO)1-6(C-Cアルキル)であり、R6gが、水素、-C-Cアルキル、-C(O)C-Cアルキル、または-CO-Cアルキルである、請求項99に記載の化合物。
【請求項109】
6hが水素である、請求項107または請求項108に記載の化合物。
【請求項110】
6hがC-Cアルキルである、請求項107または請求項108に記載の化合物。
【請求項111】
6hが-(CHCHO)1-4CHである、請求項107または請求項108に記載の化合物。
【請求項112】
6hがC-CアルケニルまたはC-Cアルキニルである、請求項99に記載の化合物。
【請求項113】
6gが水素である、請求項99~112のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項114】
6gが-C-Cアルキルである、請求項99~112のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項115】
6gが、-(C-Cアルキル)-アリール、-(C-Cアルキル)-ヘテロアリール、-(C-Cアルキル)-シクロアルキル、または-(C-Cアルキル)-ヘテロシクロアルキルである、請求項99~112のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項116】
6gが、フェニル、または0~2個のRで置換された単環式ヘテロアリールである、請求項99~112のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項117】
6gが-C(O)C-Cアルキルである、請求項99~112のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項118】
6gが-CO(C-Cアルキル)である、請求項99~112のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項119】
が-NR6f6gであり、R6fおよびR6gが、それらが結合する窒素と一緒になって、複素環式を形成する、請求項1~82のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項120】
各アルキルが非置換である、請求項1~119のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項121】
各シクロアルキルが、シクロプロパン、シクロブタン、シクロペンタン、またはシクロヘキサンである、請求項1~120のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項122】
各ヘテロシクロアルキルが、ピロリジン、ピペリジン、ピペラジン、テトラヒドロフラン、(1H)ジヒドロピラン、またはモルホリンである、請求項1~121のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項123】
各アリールがフェニルである、請求項1~122のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項124】
前記フェニルが、0~3個のRで置換される、請求項123に記載の化合物。
【請求項125】
各ヘテロアリールが単環式ヘテロアリールである、請求項1~124のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項126】
前記単環式ヘテロアリールが、0~3個のRで置換される、請求項125に記載の化合物。
【請求項127】
各Rが、独立して、オキソ、C-Cアルキル、-Cl、-F、-Br、-CN、-SF、-N、ニトロ、-SR、-S(O)1-2、-OR、-NR、-C(O)R、-C(O)NR、-NRC(O)R、-C(S)NR、-NRC(S)R、-CO、-OC(O)R、-C(O)SR、-SC(O)R、-C(S)OR、-OC(S)R、-C(S)SR、-SC(S)R、-S(O)1-2OR、-OS(O)1-2、-S(O)1-2NR、または-NRS(O)1-2である、請求項1~126のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項128】
各Rが、独立して、オキソ、C-Cアルキル、-Cl、-F、-Br、-CN、-SF、-N、ニトロ、-SR、-S(O)1-2、-OR、-NR、または-C(O)Rである、請求項1~127のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項129】
各Rが、独立して、C-Cアルキル、-Cl、-F、-Br、-CN、-SF、-N、ニトロ、-SR、-S(O)1-2、-OR、-NR、-C(O)R、-C(O)NR、-NRC(O)R、-C(S)NR、-NRC(S)R、-CO、-OC(O)R、-C(O)SR、-SC(O)R、-C(S)OR、-OC(S)R、-C(S)SR、-SC(S)R、-S(O)1-2OR、-OS(O)1-2、-S(O)1-2NR、または-NRS(O)1-2である、請求項1~128のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項130】
各Rが、独立して、C-Cアルキル、-Cl、-F、-Br、-CN、-SF、-N、ニトロ、-SR、-S(O)1-2、-OR、-NR、または-C(O)Rである、請求項1~129のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項131】
8-(3,7-ジメチルオクタ-2,6-ジエン-1-イル)-7-ヒドロキシ-5-ペンチル-4H-ベンゾ[d][1,3]ジオキシン-4-オン、
8-(3,7-ジメチルオクタ-2,6-ジエン-1-イル)-7-ヒドロキシ-2,2-ジメチル-5-ペンチル-4H-ベンゾ[d][1,3]ジオキシン-4-オン、
8-(3,7-ジメチルオクタ-2,6-ジエン-1-イル)-7-ヒドロキシ-5-ペンチル-2-フェニル-4H-ベンゾ[d][1,3]ジオキシン-4-オン、
8-(3,7-ジメチルオクタ-2,6-ジエン-1-イル)-7-ヒドロキシ-2-メチル-5-ペンチル-2-(4-(トリフルオロメチル)フェニル)-4H-ベンゾ[d][1,3]ジオキシン-4-オン、
8-(3,7-ジメチルオクタ-2,6-ジエン-1-イル)-7-ヒドロキシ-2-メチル-4-オキソ-5-ペンチル-4H-ベンゾ[d][1,3]ジオキシン-2-カルボン酸、
8-(3,7-ジメチルオクタ-2,6-ジエン-1-イル)-7-ヒドロキシ-2-メチル-4-オキソ-5-ペンチル-4H-ベンゾ[d][1,3]ジオキシン-2-カルボン酸エチル、
8-(3,7-ジメチルオクタ-2,6-ジエン-1-イル)-7-ヒドロキシ-2-メチル-2-(2-オキソプロピル)-5-ペンチル-4H-ベンゾ[d][1,3]ジオキシン-4-オン、
8-(3,7-ジメチルオクタ-2,6-ジエン-1-イル)-7-ヒドロキシ-2-メチル-2-(2-メチルプロプ-1-エン-1-イル)-5-ペンチル-4H-ベンゾ[d][1,3]ジオキシン-4-オン、
8-(3,7-ジメチルオクタ-2,6-ジエン-1-イル)-7-ヒドロキシ-5-ペンチル-4H-スピロ[ベンゾ[d][1,3]ジオキシン-2,1’-シクロペンタン]-4-オン、
2-(3-シクロプロピル)-8-(3,7-ジメチルオクタ-2,6-ジエン-1-イル)-7-ヒドロキシ-2-メチル-5-ペンチル-4H-ベンゾ[d][1,3]ジオキシン-4-オン、
8-(3,7-ジメチルオクタ-2,6-ジエン-1-イル)-7-ヒドロキシ-2-(メトキシメチル)-2-メチル-5-ペンチル-4H-ベンゾ[d][1,3]ジオキシン-4-オン、
8-(3,7-ジメチルオクタ-2,6-ジエン-1-イル)-7-ヒドロキシ-2-(2-オキソプロピル)-5-ペンチル-2-フェニル-4H-ベンゾ[d][1,3]ジオキシン-4-オン、
8-(3,7-ジメチルオクタ-2,6-ジエン-1-イル)-2-(4-フルオロフェニル)-7-ヒドロキシ-2-(2-オキソプロピル)-5-ペンチル-4H-ベンゾ[d][1,3]ジオキシン-4-オン、
8-(3,7-ジメチルオクタ-2,6-ジエン-1-イル)-7-ヒドロキシ-2-(2-オキソプロピル)-5-ペンチル-4H-ベンゾ[d][1,3]ジオキシン-4-オン、
2-ブチル-8-(3,7-ジメチルオクタ-2,6-ジエン-1-イル)-7-ヒドロキシ-2-(2-オキソプロピル)-5-ペンチル-4H-ベンゾ[d][1,3]ジオキシン-4-オン、
8-(3,7-ジメチルオクタ-2,6-ジエン-1-イル)-2-エチル-7-ヒドロキシ-5-ペンチル-4H-ベンゾ[d][1,3]ジオキシン-4-オン、
8-(3,7-ジメチルオクタ-2,6-ジエン-1-イル)-7-ヒドロキシ-2-(4-メトキシフェニル)-2-(2-オキソプロピル)-5-ペンチル-4H-ベンゾ[d][1,3]ジオキシン-4-オン、
8-(3,7-ジメチルオクタ-2,6-ジエン-1-イル)-7-ヒドロキシ-5-プロピル-4H-ベンゾ[d][1,3]ジオキシン-4-オン、または
8-(3,7-ジメチルオクタ-2,6-ジエン-1-イル)-7-ヒドロキシ-2-フェニル-5-プロピル-4H-ベンゾ[d][1,3]ジオキシン-4-オン、である、請求項1に記載の化合物。
【請求項132】
請求項1~131のいずれか一項に記載の化合物、またはその鏡像異性体、ジアステレオマー、ラセミ体、互変異性体、もしくは代謝産物、あるいは前記化合物、鏡像異性体、ジアステレオマー、ラセミ体、互変異性体、もしくは代謝産物の薬学的に許容される塩、溶媒和物、または水和物を、薬学的に許容される賦形剤、希釈剤、または担体と一緒に含む、薬学的組成物。
【請求項133】
カンナビノイド受容体に関連する疾患を治療または予防することを必要とする対象において、それを行う方法であって、前記方法が、治療有効量の請求項1~131のいずれか一項に記載の化合物または請求項132に記載の組成物を前記対象に投与することを含む、方法。
【請求項134】
前記カンナビノイド受容体が、CB1、CB2、5HT1A、5HT2A、GPR18、GPR55、GPR119、TRPV1、TPRV2、PPARγ、またはμ-オピオイド受容体のうちの1つ以上である、請求項133に記載の方法。
【請求項135】
前記カンナビノイド受容体が、CB1またはCB2である、請求項133または134に記載の方法。
【請求項136】
疾患を治療または予防することを必要とする対象において、それを行う方法であって、前記方法が、治療有効量の請求項1~131のいずれか一項に記載の化合物または請求項132に記載の組成物を前記対象に投与することを含み、前記疾患が、急性疼痛、ADHD/ADD、アルコール使用障害、アレルギー性喘息、ALS、アルツハイマー病、拒食症、不安障害、関節炎、アテローム性動脈硬化症、自閉症、双極性障害、火傷、がん、がん性疼痛、シャルコーマリートゥース病、慢性炎症性脱髄性多発ニューロパチー、慢性疼痛、慢性移植腎症、コカイン使用障害、複合性局所疼痛症候群、うっ血性心不全、うつ病、線維筋痛症、脆弱X症候群/FXTAS、前頭側頭型認知症、歯肉炎発熱、緑内障、膠芽腫、糸球体腎症、ハンチントン病、肥厚性瘢痕、IBD/IBS、炎症、炎症性筋疾患、虚血、腎線維症、ケロイド、白質ジストロフィー、肝線維症、肝硬変、肺線維症、片頭痛、多発性硬化症、心筋梗塞、吐き気、神経障害性疼痛、夜間障害、非アルコール性脂肪性肝疾患、肥満、強迫性障害、オピオイド節約、オピオイド使用障害、変形性関節症、骨粗しょう症、パーキンソン病、脳振盪後症候群/外傷性脳損傷、精神病/統合失調症、PTSD、骨量の調節、REM睡眠行動障害、再灌流障害、レット症候群、関節リウマチ、皮膚症状、睡眠障害、脊髄小脳失調症、全身性線維症、全身性硬化症、熱損傷、タバコ使用障害/ニコチン依存、トゥーレット症、腫瘍、または三叉神経痛である、方法。
【請求項137】
カンナビノイド受容体に関連する疾患の治療または予防のための、請求項1~131のいずれか一項に記載の化合物または請求項132に記載の組成物の使用。
【請求項138】
前記カンナビノイド受容体が、CB1、CB2、5HT1A、5HT2A、GPR18、GPR55、GPR119、TRPV1、TPRV2、PPARγ、またはμ-オピオイド受容体のうちの1つ以上である、請求項137に記載の使用。
【請求項139】
前記カンナビノイド受容体が、CB1またはCB2である、請求項137または138に記載の使用。
【請求項140】
CB1またはCB2受容体の活性を選択的に調節するための、請求項1~131のいずれか一項に記載の化合物または請求項132に記載の組成物の使用。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2019年12月9日に出願された米国仮特許出願第62/945,676号、2020年9月4日に出願された米国仮特許出願第63/074,571号、2020年11月12日に出願された米国仮特許出願第63/113,044号の優先権および利益を主張し、これらの各々は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
【0002】
本開示は、概して、カンナビノイド誘導体、それらを含む薬学的組成物、および本カンナビノイド誘導体を使用する方法に関する。
【背景技術】
【0003】
すべての個体は、例えば、カンナビノイド1(CB1)受容体およびカンナビノイド2(CB2)受容体を含む、脳内、免疫系、および中枢神経系の化学受容体で構成されるエンドカンナビノイドシステムを有する。エンドカンナビノイドシステムは、多くの重要な生理学的プロセスを調節し、エンドカンナビノイドシステムのいくつかの構成要素、例えば、エンドカンナビノイドの合成および分解に関与する受容体、トランスポーター、エンドカンナビノイド、および酵素は、多種多様な適応症を治療するための標的として活発に調査されている。
【0004】
CB1およびCB2受容体は、Gタンパク質共役受容体(GPCR)スーパーファミリーに属する細胞膜受容体のクラスである。CB1およびCB2受容体は、それらのアミノ酸配列、組織分布、シグナル伝達機序、およびサブタイプ特異的リガンドに結合する能力によって互いに区別される。CB1受容体は主に中枢神経系(CNS)、肺、肝臓、脂肪組織、および腎臓で発現し、CB2受容体は主に免疫細胞(例えば、マクロファージおよびT細胞)、骨形成および骨損失に関与する細胞、ならびに消化管系に局在する。これらの受容体は、とりわけ、肥満、糖尿病、線維症、肝疾患、心血管疾患、がん、疼痛、炎症、MS痙攣、および緑内障を含む多くのヒト疾患と関連している。
【0005】
カンナビノイドは、ヒトにおけるカンナビノイド受容体上で活性な化合物であり、上記の疾患に対する多くの薬理学的利益に関与している。植物由来のカンナビノイド、別名フィトカンナビノイドは、大麻に豊富に存在する。大麻および関連するフィトカンナビノイドの医学的使用は、医療の代替形態として米国を含む多くの国で広く受け入れられつつある。多くの州では、慢性疼痛、てんかん、睡眠障害、不安、がん、緑内障、吐き気、筋萎縮性側索硬化症(ALS)、アルツハイマー病、クローン病、心的外傷後ストレス障害(PTSD)、関節炎、線維筋痛症などの適格とされた医学的状態に対する使用が合法化されている。
【0006】
CB1およびCB2受容体に加えて、他の受容体も、ヒトおよび/または動物体内のカンナビノイドの活性の調節に関与している。例えば、5HT1Aおよび5HT2Aなどのセロトニン受容体は、同様に、カンナビノイド標的として特定されているGPCRである。セロトニン受容体は、グルタミン酸塩、GABA、ドーパミン、エピネフリン/ノルエピネフリン、およびアセチルコリンを含む多くの神経伝達物質、ならびに多くのホルモンの放出を調節する。CB1およびCB2受容体と同様に、セロトニン受容体は、とりわけ、不安、食欲、認知、および気分などの様々な生物学的および神経学的プロセスに影響する。カンナビノイドまたはカンナビノイド様化合物によって影響されると特定された他の受容体としては、GPR18、GPR55、GPR119、TRPV1、TPRV2、PPAR(例えば、PPARγ)、およびμ-オピオイド受容体が挙げられる。実際、これらの受容体の結合は、カンナビノイドのオフターゲット効果の原因であり得る。
【0007】
多くの国で医薬用途にカンナビノイドを使用する最も一般的な方法のうちの1つは、大麻の喫煙を介するものである。特定の適応症では有益であることが証明されているが、医療用大麻の喫煙には欠点がある。例えば、植物質からの煙は、所望のカンナビノイドに加えて、発がん性物質および他の毒素を含む。喫煙を介する大麻の重度の使用は、肺性の減少、肺損傷、および肺気腫の加速とも関連している。喫煙医療用大麻の別の欠点は、活性成分の変動(例えば、活性成分の量は、植物の品種に存在する差異、ならびに変動内の変動をもたらす成長条件の変化に応じて異なる場合がある)に起因する医薬品大麻の適切な投与に対する制御を維持することが困難であることである。最後に、喫煙を介する消費は、他の送達方法と比較して、標的化合物のバイオアベイラビリティが比較的低い。
【0008】
医学的使用に大麻を利用するためのあまり一般的ではない方法は、大麻から有益なカンナビノイドを抽出することである。天然カンナビノイドの単離および精製のために、多くの抽出プロセスが開発されてきた。しかし、医薬品および製品製造に使用するための活性成分、ならびに/または研究および開発に使用するための基準の両方について、高い純度で個々のカンナビノイドを単離することは困難であった。
【0009】
したがって、治療的利益の可能性を有するカンナビノイド受容体の新規のリガンドの必要性が存在する。
【発明の概要】
【0010】
本開示の一態様は、式(I)の化合物
【化1】


またはその鏡像異性体、ジアステレオマー、ラセミ体、互変異性体、もしくは代謝産物、あるいは化合物、鏡像異性体、ジアステレオマー、ラセミ体、互変異性体、もしくは代謝産物の薬学的に許容される塩、溶媒和物、または水和物であって、式中、
が、水素、C-Cアルキル、C-Cアルケニル、またはC-Cアルキニルであり、
が、水素、C-Cアルキル、ヒドロキシ、-COH、または-CO(C-Cアルキル)であり、
が、水素、C-C12アルキル、C-C12アルケニル、C-C12アルキニル、-(OCHCH0-6O(C-Cアルキル)、-(C-Cアルキル)-NR3a3b、-(C-Cアルキル)-アリール、-(C-Cアルキル)-ヘテロアリール、-(C-Cアルキル)-シクロアルキル、または-(C-Cアルキル)-ヘテロシクロアルキルであり、ここで、R3aおよびR3bが、各々独立して、水素またはC-Cアルキルであり、
が、水素、-COH、-CO(C-Cアルキル)であり、
5aおよびR5bが、独立して、
水素、C-Cアルキル、C-Cアルケニル、C-Cアルキニル、ヒドロキシ、ハロ、-(C-Cアルキル)O(C-Cアルキル)、-(CHCHO)1-8(C-Cアルキル)、-(C-Cアルキル)C(O)(C-Cアルキル)、-COH、-CO(C-Cアルキル)、-(C-Cアルキル)-アリール、-(C-Cアルキル)-ヘテロアリール、-(C-Cアルキル)-シクロアルキル、-(C-Cアルキル)-ヘテロシクロアルキル、または-NR5c5dであり、
5cおよびR5dが、独立して、水素、C-Cアルキル、C-Cアルケニル、C-Cアルキニル、または-(C-Cアルキル)C(O)1-2(C-Cアルキル)であるか、
あるいはR5aおよびR5bが、それらが結合する炭素原子と一緒になって、シクロアルキルまたはヘテロシクロアルキル環を形成し、
が、O、S、またはNR5eであり、
5eが、水素、C-Cアルキル、C-Cアルケニル、C-Cアルキニル、-(CHCHO)1-8(C-Cアルキル)、-C(O)R5f、-CO5f、-(C-Cアルキル)-アリール、-(C-Cアルキル)-ヘテロアリール、-(C-Cアルキル)-シクロアルキル、または-(C-Cアルキル)-ヘテロシクロアルキルであり、各R5fが、水素、C-Cアルキル、C-Cアルケニル、C-Cアルキニル、または-(CHCHO)1-6(C-Cアルキル)であり、
が、水素、ヒドロキシ、または
【化2】


であり、式中、
6aおよびR6bが、各々独立して、
水素、C-Cアルキル、C-Cアルケニル、C-Cアルキニル、ヒドロキシ、ハロ、-O(C-Cアルキル)、-C(O)(C-Cアルキル)、-COH、-CO(C-Cアルキル)、-(C-Cアルキル)-アリール、-(C-Cアルキル)-ヘテロアリール、-(C-Cアルキル)-シクロアルキル、-(C-Cアルキル)-ヘテロシクロアルキル、または-NR6c6dであり、
6cおよびR6dが、独立して、水素、C-Cアルキル、または-C(O)(C-Cアルキル)であるか、あるいはR6cおよびR6dが、それらが結合する炭素原子と一緒になって、ヘテロシクロアルキル環を形成するか、
あるいはR6aおよびR6bが、それらが結合する炭素原子と一緒になって、シクロアルキルまたはヘテロシクロアルキル環を形成し、
が、-Y6eまたは-NR6f6gであり、
が、OまたはSであり、
6e、R6f、およびR6gが、独立して、水素、C-Cアルキル、-(CHCHO)1-8(C-Cアルキル)、-C(O)R6h、-CO6h、C-Cアルケニル、C-Cアルキニル、-(C-Cアルキル)-アリール、-(C-Cアルキル)-ヘテロアリール、-(C-Cアルキル)-シクロアルキル、または-(C-Cアルキル)-ヘテロシクロアルキルであるか、あるいはR6fおよびR6gが、それらが結合する窒素と一緒になって、複素環式環を形成し、各R6hが、水素、C-Cアルキル、C-Cアルケニル、C-Cアルキニル、または-(CHCHO)1-6(C-Cアルキル)であり、
式中、
各アルキル、アルケニル、およびアルキニルが、非置換、フッ素化、塩素化、1個もしくは2個のヒドロキシルもしくはC-Cアルコキシ基で置換、または1個もしくは2個のオキソ基で置換され、
各シクロアルキルが、3~10個の環炭素を有し、飽和または部分的に不飽和であり、任意選択的に1個または2個の縮合シクロアルキル環を含み、各縮合環が、3~8個の環員を有し、0~6個のRで置換され、
各ヘテロシクロアルキルが、3~10個の環員と、各々が、独立して、窒素、酸素、または硫黄である1~3個のヘテロ原子と、を有し、飽和または部分的に不飽和であり、任意選択的に1個または2個の縮合シクロアルキル環を含み、各々が、3~8個の環員を有し、0~6個のRで置換され、
各アリールが、フェニルまたはナフチルであり、任意選択的に1個もしくは2個の縮合シクロアルキルまたはヘテロシクロアルキル環を含み、各縮合シクロアルキルまたはヘテロシクロアルキル環が、4~8個の環員を有し、0~5個のRで置換され、
各ヘテロアリールは、各々が、独立して、窒素、酸素、もしくは硫黄である1~4個のヘテロ原子を有する5~6員単環式ヘテロアリール環であるか、または各々が、独立して、窒素、酸素、もしくは硫黄である1~5個のヘテロ原子を有する8~10員二環式ヘテロアリールであり、任意選択的に1個もしくは2個の縮合シクロアルキル環もしくはヘテロシクロアルキル環を含み、各縮合シクロアルキル環もしくはヘテロシクロアルキル環が、4~8個の環員を有し、0~5個のRで置換され、
式中、
各Rが、独立して、オキソ、C-Cアルキル(例えば、-CH、-CH(CH、-CF、-CHF)、-Cl、-F、-Br、-CN、-SF、-N、ニトロ、-SR、-S(O)1-2、-OR、-NR、-C(O)R、-C(O)NR、-NRC(O)R、-C(S)NR、-NRC(S)R、-CO、-OC(O)R、-C(O)SR、-SC(O)R、-C(S)OR、-OC(S)R、-C(S)SR、-SC(S)R、-S(O)1-2OR、-OS(O)1-2、-S(O)1-2NR、-NRS(O)1-2、-OCO、-OC(O)NR、-NRCO、-NRC(O)NR、-SCO、-OC(O)SR、-SC(O)SR、-SC(O)NR、-NRC(O)SR、-OC(S)OR、-OC(S)NR、-NRC(S)OR、-NRC(S)NR、-SC(S)OR、-OC(S)SR、-SC(S)SR、-SC(S)NR、-NRC(S)SR、-NRC(NR)NR、または-NRS(O)1-2NRであり、
各Rが、独立して、任意選択的に置換されたC-Cアルキル(例えば、-CH、-CH(CH、-CF、-CHF)、-Cl、-F、-Br、-CN、-SF、-N、ニトロ、-SR、-S(O)1-2、-OR、-NR、-C(O)R、-C(O)NR、-NRC(O)R、-C(S)NR、-NRC(S)R、-CO、-OC(O)R、-C(O)SR、-SC(O)R、-C(S)OR、-OC(S)R、-C(S)SR、-SC(S)R、-S(O)1-2OR、-OS(O)1-2、-S(O)1-2NR、-NRS(O)1-2、-OCO、-OC(O)NR、-NRCO、-NRC(O)NR、-SCO、-OC(O)SR、-SC(O)SR、-SC(O)NR、-NRC(O)SR、-OC(S)OR、-OC(S)NR、-NRC(S)OR、-NRC(S)NR、-SC(S)OR、-OC(S)SR、-SC(S)SR、-SC(S)NR、-NRC(S)SR、-NRC(NR)NR、または-NRS(O)1-2NRであり、
ここで、各Rが、独立して、HまたはC-Cアルキルであり、各Rが、独立して、H、C-Cアルキル、C-Cフルオロアルキル、C-Cヒドロキシアルキル、-S(O)(C-Cアルキル)、-C(O)(C-Cアルキル)、または-CO(C-Cアルキル)であるか、RおよびRが、それらが結合する窒素原子と一緒になって、集合して、3~6環員で構成される非置換ヘテロシクロアルキル環を形成する、化合物、またはその鏡像異性体、ジアステレオマー、ラセミ体、互変異性体、もしくは代謝産物、あるいは化合物、鏡像異性体、ジアステレオマー、ラセミ体、互変異性体、もしくは代謝産物の薬学的に許容される塩、溶媒和物、または水和物に関する。
【0011】
別の態様では、本開示は、本明細書に記載の化合物(例えば、式(I)の化合物)、またはその鏡像異性体、ジアステレオマー、ラセミ体、互変異性体、もしくは代謝産物、あるいは化合物、鏡像異性体、ジアステレオマー、ラセミ体、互変異性体、もしくは代謝産物の薬学的に許容される塩、溶媒和物、または水和物を含む薬学的組成物に関する。一実施形態では、薬学的組成物は、薬学的に許容される賦形剤、希釈剤、または担体を含む。
【0012】
別の態様では、本開示は、カンナビノイド受容体(例えば、CB1、CB2、5HT1A、5HT2A、GPR18、GPR55、GPR119、TRPV1、TPRV2、PPARγ、またはμ-オピオイド受容体)に関連する疾患などの疾患を治療または予防することを必要とする対象において、それを行う方法に関する。一実施形態では、方法は、対象に、治療有効量の本明細書に記載の化合物、またはその鏡像異性体、ジアステレオマー、ラセミ体、互変異性体、もしくは代謝産物、あるいは化合物、鏡像異性体、ジアステレオマー、ラセミ体、互変異性体、もしくは代謝産物の薬学的に許容される塩、溶媒和物、または水和物を投与することを含む。一実施形態では、方法は、対象に、本明細書に記載の薬学的組成物を投与することを含む。
【0013】
ある特定の実施形態では、本明細書に記載の化合物または組成物で治療または予防され得る疾患としては、注意欠陥/多動性障害(ADHD)/注意欠陥障害(ADD)、アルコール使用障害、アレルギー性喘息、筋萎縮性側索硬化症(ALS)、アルツハイマー病、拒食症(例えば、ヒト免疫不全ウイルス(HIV)関連悪液質)、不安障害(例えば、社会的不安障害、特異的恐怖症、試験不安、全般性不安障害)、関節炎、アテローム性動脈硬化症、自閉症、双極性障害、火傷、がん、がん性疼痛、シャルコーマリートゥース病、慢性炎症性脱髄性多発ニューロパチー、慢性移植腎症、コカイン使用障害、複合性局所疼痛症候群、うっ血性心不全、うつ病、線維筋痛症、脆弱X症候群/脆弱なX関連振戦および運動失調症候群(FXTAS)、前頭側頭型認知症(行動変異型)、歯肉炎発熱、緑内障、膠芽腫、糸球体腎症、ハンチントン病、肥厚性瘢痕、炎症性大腸疾患(IBD)/過敏性大腸症候群(IBS)、炎症、炎症性筋疾患、虚血、腎線維症、ケロイド、白質ジストロフィー、肝線維症、肝硬変、肺線維症、片頭痛、多発性硬化症、心筋梗塞、吐き気(例えば、化学療法誘発性吐き気および嘔吐(CINV)、乗り物酔い)、神経障害性疼痛(例えば、ヘルペス後神経痛、有痛性糖尿病性ニューロパチー)、夜間障害、非アルコール性脂肪性肝疾患、肥満、強迫性障害、オピオイド節約、オピオイド使用障害、変形性関節症、骨粗しょう症、疼痛(例えば、急性または慢性疼痛)、パーキンソン病、脳振盪後症候群/外傷性脳損傷、精神病/統合失調症、心的外傷後ストレス障害(PTSD)、骨量の調節、急速眼球運動(REM)睡眠行動障害、再灌流障害、レット症候群、関節リウマチ、皮膚症状(例えば、ニキビ、乾癬性関節炎)、睡眠障害(例えば、不眠症、下肢静止不能症候群(RLS))、脊髄小脳失調症、全身性線維症、全身性硬化症、熱損傷、タバコ使用障害/ニコチン依存、トゥーレット症、腫瘍、ならびに三叉神経痛が挙げられるが、これらに限定されない。
【0014】
別の態様では、本開示は、カンナビノイド受容体(例えば、CB1、CB2、5HT1A、5HT2A、GPR18、GPR55、GPR119、TRPV1、TPRV2、PPARγ、またはμ-オピオイド受容体)に関連する疾患の治療または予防のための、本明細書に記載の化合物、またはその鏡像異性体、ジアステレオマー、ラセミ体、互変異性体、もしくは代謝産物、あるいは化合物、鏡像異性体、ジアステレオマー、ラセミ体、互変異性体、もしくは代謝産物の薬学的に許容される塩、溶媒和物、または水和物の使用に関する。
【0015】
別の態様では、本開示は、カンナビノイド受容体(例えば、CB1、CB2、5HT1A、5HT2A、GPR18、GPR55、GPR119、TRPV1、TPRV2、PPARγ、またはμ-オピオイド受容体)に関連する疾患の治療または予防のための、本明細書に記載の薬学的組成物の使用に関する。
【0016】
別の態様では、本開示は、CB1またはCB2受容体の活性を選択的に調節するための、本明細書に記載の化合物、またはその鏡像異性体、ジアステレオマー、ラセミ体、互変異性体、もしくは代謝産物、あるいは化合物、鏡像異性体、ジアステレオマー、ラセミ体、互変異性体、もしくは代謝産物の薬学的に許容される塩、溶媒和物、または水和物の使用に関する。
【0017】
別の態様では、本開示は、CB1またはCB2受容体の活性を選択的に調節するための、本明細書に記載の薬学的組成物の使用に関する。
【0018】
本開示の他の態様および実施形態は、本明細書に提供される詳細な説明を考慮して明らかである。
【発明を実施するための形態】
【0019】
本開示は、1つ以上のカンナビノイド受容体および/またはそのプロドラッグのリガンドとして機能することができる化合物を提供する。本明細書で使用される場合、「カンナビノイド受容体」は、カンナビノイドまたはカンナビノイド様化合物に結合し、相互作用し、かつ/または機能的に影響される広範なクラスの受容体を指す。限定するものではないが、カンナビノイド受容体には、CB1、CB2、5HT1A、5HT2A、GPR18、GPR55、GPR119、TRPV1、TPRV2、PPAR(例えば、PPARγ)またはμ-オピオイド受容体が含まれ得る。一実施形態では、本開示は、さらに、カンナビノイド受容体に関連する1つ以上の疾患を治療または予防する可能性を有する化合物、薬学的組成物、方法、および使用に関する。
【0020】
本開示の化合物は、必要に応じて、式(I)
【化3】


に関して、あるいは様々な亜属化合物において、一般的に定義することができ、ここで、構造式(I)内、R、R、R、R、R5aおよびR5b、Q、R、R6aおよびR6b、ならびにQは、任意選択的に、本明細書の以下に定義される、(Ia)~(Ie)、(1a)~(1e)、(2a)~(2j)、(3a)~(3p)、(4a)~(4e)、(5a)~(5x)、(6a)~(6e)、(7a)~(7f)、(8a)~(8i)、および(9a)~(9oo)の基から独立して選択される(例えば、ここで化合物は、以下の実施形態の任意の組み合わせで定義されるような構造式のものである)。
【0021】
本明細書で別段に記載の化合物のある特定の実施形態では、Rは、以下の基(1a)~(1e):
(1a)水素、C-Cアルキル、またはC-Cアルケニル、
(1b)水素、
(1c)C-Cアルケニル、
(1d)Cアルキニル、例えば、3-メチルブト-2-エン-1-イル、
(1e)ヒドロキシで置換されたC-Cアルキル、のうちの1つから選択される。
【0022】
本明細書で別段に記載の化合物のある特定の実施形態では、Rは、以下の基(2a)~(2j):
(2a)水素、C-Cアルキル、ヒドロキシ、-COH、または-CO(C-Cアルキル)、
(2b)水素、C-Cアルキル、ヒドロキシ、または-COH、
(2c)水素またはC-Cアルキル、
(2d)水素、
(2e)C-Cアルキル(例えば、メチル)、
(2f)メチル、エチル、またはプロピル(例えば、イソプロピルまたはn-プロピル)、
(2g)ヒドロキシまたは-COH、
(2H)ヒドロキシ、
(2i)-CHOH、
(2j)-COH、のうちの1つから選択される。
【0023】
本明細書で別段に記載の化合物のある特定の実施形態では、Rは、以下の基(3a)~(3p):
(3a)水素、C-C12アルキル、C-C12アルケニル、C-C12アルキニル、-(OCHCH0-6OCH、-(C-Cアルキル)-アリール、-(C-Cアルキル)-ヘテロアリール、-(C-Cアルキル)-シクロアルキル、または-(C-Cアルキル)-ヘテロシクロアルキル、
(3b)水素、C-C12アルキル、-(C-Cアルキル)-ヘテロアリール、-(C-Cアルキル)-シクロアルキル、または-(C-Cアルキル)-ヘテロシクロアルキル、
(3c)水素、C-Cアルキル、-(C-Cアルキル)-ヘテロアリール、または-(C-Cアルキル)-ヘテロシクロアルキル、
(3d)水素、C-Cアルキル、-(C-Cアルキル)-ヘテロアリール、または-(C-Cアルキル)-ヘテロシクロアルキル、
(3e)水素またはC-C10アルキル、
(3f)水素、
(3g)C-Cアルキル、例えば、非置換n-C-Cアルキル、
(3H)C-Cアルキル、例えば、非置換n-C-Cアルキル、
(3i)n-ペンチル、
(3j)1,1-ジメチルヘプチル、
(3k)n-プロピル、
(3l)-(C-Cアルキル)-アリール、-(C-Cアルキル)-ヘテロアリール、-(C-Cアルキル)-シクロアルキル、または-(C-Cアルキル)-ヘテロシクロアルキル、
(3m)ヘテロシクロアルキルが、3~8環員と、窒素、酸素、または硫黄である1~3個のヘテロ原子とを有し、0~4個のRで置換されている、-(C-Cアルキル)-ヘテロシクロアルキル、
(3n)ヘテロシクロアルキルが、3~8環員と、窒素、酸素、または硫黄である1~3個のヘテロ原子とを有し、0~4個のRで置換され、ヘテロシクロアルキルが、ピペリジニル、ピロリジニル、アゼチジニル、またはアジリジニルである、-(C-Cアルキル)-ヘテロシクロアルキル、
(3o)ヘテロシクロアルキルが、3~8環員と、窒素、酸素、または硫黄である1~3個のヘテロ原子とを有し、0~4個のRで置換され、ヘテロシクロアルキルが、アゼチジニルであり、独立して、オキソ、C-Cアルキル、-Cl、-F、-Br、-C(O)R、または-COである1~2個のRで置換され、Rが、HまたはC-Cアルキルである、-(C-Cアルキル)-ヘテロシクロアルキル、
(3p)ヘテロシクロアルキルが、3~8環員と、窒素、酸素、または硫黄である1~3個のヘテロ原子とを有し、0~4個のRで置換され、Rが-C(O)CHである、-(C-Cアルキル)-ヘテロシクロアルキル、のうちの1つから選択される。
【0024】
本明細書で別段に記載の化合物のある特定の実施形態では、Rは、以下の基(4a)~(4e):
(4a)水素、-COH、または-CO(C-Cアルキル)、
(4b)水素、-COH、-COCH、または-COCHCH
(4c)水素、
(4d)-COH、
(4e)-CO(C-Cアルキル)、のうちの1つから選択される。
【0025】
本明細書で別段に記載の化合物のある特定の実施形態では、化合物は、以下の構造式(Ia)~(Ib):
【化4】


のうちの1つを有する。
【0026】
本明細書で別段に記載の化合物のある特定の実施形態では、R5aおよびR5bは、独立して、以下の基(5a)~(5x):
(5a)水素、C-Cアルキル、C-Cアルケニル、ヒドロキシ、ハロ、-(C-Cアルキル)O(C-Cアルキル)、-(CHCHO)1-8(C-Cアルキル)、-(C-Cアルキル)C(O)(C-Cアルキル)、-COH、-CO(C-Cアルキル)、-(C-Cアルキル)-アリール、-(C-Cアルキル)-ヘテロアリール、-(C-Cアルキル)-シクロアルキル、-(C-Cアルキル)-ヘテロシクロアルキル、または-NR5c5dであるか、あるいはR5aおよびR5bが、炭素原子と一緒になって、シクロアルキルまたはヘテロシクロアルキル環を形成する基、
(5b)水素、C-Cアルキル、C-Cアルケニル、-(C-Cアルキル)O(C-Cアルキル)、-(C-Cアルキル)C(O)(C-Cアルキル)、-COH、-CO(C-Cアルキル)、-(C-Cアルキル)-アリール、-(C-Cアルキル)-ヘテロアリール、-(C-Cアルキル)-シクロアルキル、-(C-Cアルキル)-ヘテロシクロアルキルであるか、あるいはR5aおよびR5bが、炭素原子と一緒になって、シクロアルキルまたはヘテロシクロアルキル環を形成する基、
(5c)C-Cアルキル、C-Cアルケニル、-(C-Cアルキル)O(C-Cアルキル)、-(C-Cアルキル)C(O)(C-Cアルキル)、-COH、-CO(C-Cアルキル)、-(C-Cアルキル)-アリール、-(C-Cアルキル)-ヘテロアリール、-(C-Cアルキル)-シクロアルキル、-(C-Cアルキル)-ヘテロシクロアルキルであるか、あるいはR5aおよびR5bが、炭素原子と一緒になって、シクロアルキルまたはヘテロシクロアルキル環を形成する基、
(5d)水素、C-Cアルキル、C-Cアルケニル、-(C-Cアルキル)O(C-Cアルキル)、-(C-Cアルキル)C(O)(C-Cアルキル)、-COH、または-CO(C-Cアルキル)、
(5e)C-Cアルキル、C-Cアルケニル、-(C-Cアルキル)O(C-Cアルキル)、-(C-Cアルキル)C(O)(C-Cアルキル)、-COH、または-CO(C-Cアルキル)、
(5f)水素、C-Cアルキル、またはC-Cアルケニル、
(5g)水素またはC-Cアルキル、
(5H)C-Cアルキル(例えば、メチル)、
(5i)水素またはメチル、
(5j)水素、C-Cアルキル、-CHO(C-Cアルキル)、-CHC(O)(C-Cアルキル)、-COH、または-CO(C-Cアルキル)、
(5k)R5aが-NHR5c5dであり、R5cが、水素、C-Cアルキル、C-Cアルケニル、または-(C-Cアルキル)C(O)(C-Cアルキル)であり、R5bが水素である基、
(5l)R5aが、-(C-Cアルキル)-アリール、-(C-Cアルキル)-ヘテロアリール、-(C-Cアルキル)-シクロアルキル、または-(C-Cアルキル)-ヘテロシクロアルキルであり、R5bが、本明細書に定義したとおりである基、
(5m)R5aが非置換または置換フェニルであり、R5bが、本明細書に定義したとおりである基、
(5n)R5aが非置換フェニルであり、R5bが、本明細書に定義したとおりである基、
(5o)R5aが、置換フェニル、例えば、4-フルオロフェニルまたは4-トリフルオロメチルフェニルであり、R5bが、本明細書に定義したとおりである基、
(5p)(5a)~(5o)に定義した基であり、R5bが、水素、C-Cアルキル、-CHOCH、-CHC(O)CH、-COH、または-CO(C-Cアルキル)である基、
(5q)(5a)~(5o)に定義した基であり、R5bがメチルである基、
(5r)(5a)~(5o)に定義した基であり、R5bが水素である基、
(5s)R5bがメチルであり、R5aが、メチル、-CHO(C-Cアルキル)、-CHC(O)(C-Cアルキル)、-COH、または-CO(C-Cアルキル)である基、
(5t)R5aおよびR5bが、炭素原子と一緒になって、3~6炭素員で構成される、C-Cシクロアルキル(例えば、シクロペンチル)またはヘテロシクロアルキル環を形成する基、
(5u)R5aが、C-Cアルキル(例えば、メチルまたはシクロプロピル)、-CHOCH、-CHC(O)CH、-COH、または-CO(C-Cアルキル)であり、R5bが水素またはメチルである基、
(5v)R5aが、-CHOCH、-COH、または-COCHCHであり、R5bがメチルである基、
(5w)R5aが-CHC(O)CHであり、R5bが水素またはメチルである基、
(5x)水素、メチル、フェニル、4-トリフルオロメチルフェニル、4-フルオロフェニル、カルボキシ、エトキシカルボニル、アセチル、2-メチルプロプ-1-エン-1-イル、プロピル、3-クロロプロピル、メトキシメチルであるか、あるいはR5aおよびR5bが、それらが結合する炭素と一緒になって、シクロペンチルを形成する基、のうちの1つから選択される。
【0027】
本明細書で別段に記載の化合物のある特定の実施形態では、Qは、以下の基(6a)~(6e):
(6a)酸素または硫黄、
(6b)酸素、
(6c)硫黄、
(6d)NR5e
(6e)(7d)に定義した基であり、R5eが、水素、C-Cアルキル、-C(O)R5f、または-CO5fであり、各R5fが水素またはC-Cアルキルである基、のうちの1つから選択される。
【0028】
本明細書で別段に記載の化合物のある特定の実施形態では、Rは、以下の基(7a)~(7f):
(7a)水素またはヒドロキシ、
(7b)水素、
(7c)ヒドロキシまたは
【化5】


(7d)ヒドロキシ、
(7e)
【化6】


(7f)(メトキシ)メトキシ、(2-メトキシエトキシ)メトキシ、(2-メトキシ)プロパン-2-イルオキシ、(2,5,8,11,14-ペンタオキサ)ヘキサデカン-15-イルオキシ、((エトキシカルボニル)オキシ)メトキシ、((エトキシカルボニル)オキシ)エト-1-イルオキシ、((2-メトキシエトキシカルボニル)オキシ)エト-1-イルオキシ、((tert-ブチルカルボニル)オキシ)メトキシ、((2-エチルブチルカルボニル)オキシ)メトキシ、((アセチル)オキシ)メトキシ、((メトキシカルボニル)(メチル)アミノ)メトキシ、((((2-メトキシエチル)オキシ)カルボニル)(メチル)アミノ)メトキシ、((((2,5,8,11-テトラオキサトリデカン-13-イル)オキシ)カルボニル)(メチル)アミノ)メトキシ、((メトキシカルボニル)(フェニル)アミノ)メトキシ、((メトキシカルボニル)(4-ニトロフェニル)アミノ)メトキシ、または(1-メトキシ)シクロペントキシ、のうちの1つから選択される。
【0029】
本明細書で別段に記載の化合物のある特定の実施形態では、R6aおよびR6bは、以下の基(8a)~(8i):
(8a)各々独立して、水素、C-Cアルキル、C-Cアルケニル、C-Cアルキニル、ヒドロキシ、ハロ、-O(C-Cアルキル)、-C(O)(C-Cアルキル)、-CO(C-Cアルキル)、-(C-Cアルキル)-アリール、-(C-Cアルキル)-ヘテロアリール、-(C-Cアルキル)-シクロアルキル、または-(C-Cアルキル)-ヘテロシクロアルキルである基、
(8b)各々独立して、水素、C-Cアルキル、ヒドロキシ、または-CO(C-Cアルキル)である基、
(8c)各々独立して、水素またはC-Cアルキルである基、
(8d)両方とも水素である基、
(8e)R6aがメチルであり、R6bが水素である基、
(8f)R6aおよびR6bが両方ともメチルである基、
(8g)各々独立して、水素または-NR6d6cであり、R6dおよびR6cが、各々独立して、水素、C-Cアルキル、または-C(O)(C-Cアルキル)であり得るか、あるいはR6dおよびR6cが、炭素原子と一緒になって、3~5個の炭素環員で構成されるヘテロシクロアルキル環を形成する基、
(8h)R6aおよびR6bが、炭素原子と一緒になって、3~6個の炭素環員を含むシクロアルキル環(例えば、飽和シクロアルキル環)を形成する基、
(8i)R6aおよびR6bが、炭素原子と一緒になって、シクロペンチルを形成する基、のうちの1つから選択される。
【0030】
本明細書で別段に記載の化合物のある特定の実施形態では、Qは、以下の基(9a)~(9oo):
(9a)YがOまたはSである、Y6e
(9b)(9a)に定義した基であり、R6eが、水素、C-Cアルキル、-(CHCHO)1-8(C-Cアルキル)、-C(O)R6h、-CO6h、C-Cアルケニル、C-Cアルキニル、-(C-Cアルキル)-アリール、-(C-Cアルキル)-ヘテロアリール、-(C-Cアルキル)-シクロアルキル、または-(C-Cアルキル)-ヘテロシクロアルキル、各R6hが、水素、C-Cアルキル、C-Cアルケニル、C-Cアルキニル、-(CHCHO)1-6(C-Cアルキル)である基、
(9c)(9a)に定義した基であり、R6eが、水素、C-Cアルキル、-(CHCHO)1-4CH、-C(O)R6h、または-CO6hであり、R6hが、水素、C-Cアルキル、または-(CHCHO)1-6(C-Cアルキル)である基、
(9d)(9a)に定義した基であり、R6eが水素である基、
(9e)(9a)に定義した基であり、R6eが重水素である基、
(9f)(9a)に定義した基であり、R6eが、C-Cアルキル、例えば、メチルである基、
(9g)(9a)に定義した基であり、R6eが-(CHCHO)1-4CHである基、
(9h)(9a)に定義した基であり、R6eが-CHCHOCHである基、
(9i)(9a)に定義した基であり、R6eが-(CHCHO)CHである基、
(9j)(9a)に定義した基であり、R6eが-C(O)R6hであり、R6hが、水素、-C-Cアルキル、または-(CHCHO)1-6(C-Cアルキル)である基、
(9k)(9a)に定義した基であり、R6eが-CO6hであり、R6hが、水素、-C-Cアルキル、または-(CHCHO)1-6(C-Cアルキル)である基、
(9l)(9a)に定義した基であり、R6eが-COHである(例えば、R6hが水素である)基、
(9m)(9a)に定義した基であり、R6eが-CO(C-Cアルキル)である(例えば、R6hが、C-Cアルキル、例えば、メチル、エチル、t-ブチルなどのブチル、またはペンタン-3-イルなどのペンチルである)基、
(9n)(9a)に定義した基であり、R6eが-CO-(CHCHO)1-4CHである(例えば、R6hが-(CHCHO)1-4CHである)基、
(9o)(9a)に定義した基であり、R6eが-CO(C-Cアルケニル)または-CO(C-Cアルキニル)である(例えば、R6hがR6hがC-CアルケニルまたはC-Cアルキニルである)基、
(9p)YがOである、(9b)~(9o)に定義した基、
(9q)YがSである、(9b)~(9o)に定義した基、
(9r)-NR6f6g
(9s)(9r)に定義した基であり、R6fおよびR6gが、独立して、水素、C-Cアルキル、-(CHCHO)1-8(C-Cアルキル)、-C(O)R6h、-CO6h、C-Cアルケニル、C-Cアルキニル、-(C-Cアルキル)-アリール、-(C-Cアルキル)-ヘテロアリール、-(C-Cアルキル)-シクロアルキル、または-(C-Cアルキル)-ヘテロシクロアルキルであるか、あるいはR6fおよびR6gが、それらが結合する窒素と一緒になって、複素環式環を形成し、各R6hが、水素、C-Cアルキル、C-Cアルケニル、C-Cアルキニル、-(CHCHO)1-6(C-Cアルキル)、-(C-Cアルキル)-アリール、-(C-Cアルキル)-ヘテロアリール、-(C-Cアルキル)-シクロアルキル、または-(C-Cアルキル)-ヘテロシクロアルキルである基、
(9t)(9r)に定義した基であり、R6fが、水素、C-Cアルキル、-C(O)R6h、-CO6h、または-(CHCHO)1-4CHであり、R6hが、水素、C-Cアルキル、または-(CHCHO)1-6(C-Cアルキル)である基、
(9u)(9r)に定義した基であり、R6fが水素である基、
(9v)(9r)に定義した基であり、R6fが重水素である基、
(9w)(9r)に定義した基であり、R6fが、C-Cアルキル、例えば、メチルである基、
(9x)(9r)に定義した基であり、R6fが-(CHCHO)1-4CHである基、
(9y)(9r)に定義した基であり、R6fが-CHCHOCHである基、
(9z)(9r)に定義した基であり、R6fが-(CHCHO)CHである基、
(9aa)(9r)に定義した基であり、R6fが-C(O)R6hであり、R6hが、水素、-C-Cアルキル、または-(CHCHO)1-6(C-Cアルキル)であり、R6gが、水素、-C-Cアルキル、-C(O)C-Cアルキル、または-CO(C-Cアルキル)である基、
(9bb)(9r)に定義した基であり、R6fが-CO6hであり、R6hが、水素、-C-Cアルキル、または-(CHCHO)1-6(C-Cアルキル)であり、R6gが、水素、-C-Cアルキル、-C(O)C-Cアルキル、または-CO(C-Cアルキル)である基、
(9cc)(9r)に定義した基であり、R6fが-COHである(例えば、R6hが水素である)基、
(9dd)(9r)に定義した基であり、R6fが-CO(C-Cアルキル)である(例えば、R6hが、C-Cアルキル、例えば、メチル、エチル、t-ブチルなどのブチル、またはペンタン-3-イルなどのペンチルである)基、
(9ee)(9r)に定義した基であり、R6fが-CO-(CHCHO)1-4CHである(例えば、R6hが-(CHCHO)1-4CHである)基、
(9ff)(9r)に定義した基であり、R6fが-CO(C-Cアルケニル)または-CO(C-Cアルキニル)である(例えば、R6hがR6hがC-CアルケニルまたはC-Cアルキニルである)基、
(9gg)R6gが水素である、(9r)~(9ff)に定義した基、
(9hh)R6gが、-C-Cアルキル、例えば、メチルである、(9r)~(9ff)に定義した基、
(9ii)R6gが、-(C-Cアルキル)-アリール、-(C-Cアルキル)-ヘテロアリール、-(C-Cアルキル)-シクロアルキル、または-(C-Cアルキル)-ヘテロシクロアルキルである、(9r)~(9ff)に定義した基、
(9jj)R6gが、フェニル、または0~2個のRで置換された単環式ヘテロアリール、例えば、非置換フェニルまたはp-ニトロフェニルである、(9r)~(9ff)に定義した基、
(9kk)R6gが-C(O)C-Cアルキルである、(9r)~(9ff)に定義した基、
(9ll)R6gが-C(O)CHである、(9r)~(9ff)に定義した基、
(9mm)R6gが-CO(C-Cアルキル)である、(9r)~(9ff)に定義した基、
(9nn)R6gが-COCHである、(9r)~(9ff)に定義した基、
(9oo)R6fおよびR6gが、それらが結合する窒素と一緒になって、複素環式環を形成する、(9r)に定義した基、のうちの1つから選択される。
【0031】
本開示の化合物の様々な特定の実施形態番号1~280は、各々が以下の各列で定義されるとおりである式(I)の化合物(またはその鏡像異性体、ジアステレオマー、ラセミ体、互変異性体、もしくは代謝産物、あるいは化合物、鏡像異性体、ジアステレオマー、ラセミ体、互変異性体、もしくは代謝産物の薬学的に許容される塩、溶媒和物、または水和物)を含み、各エントリは、先に定義される基数である。
【数1】


【数2】

【0032】
式(I)および(Ia)~(Ie)を参照して記載される実施形態および上記の実施形態1~280のいずれかを含む、ある特定の追加の実施形態では、前述の実施形態のうちのいずれか1つにおいて列挙される任意選択的に置換されたアルキル、アルケニル、およびアルキニルは各々、非置換である。式(I)および(Ia)~(Ie)を参照して記載される実施形態および上記の実施形態1~280のいずれかを含む、代替的な追加の実施形態では、前述の実施形態のうちのいずれか1つにおいて列挙される任意選択的に置換されたアルキル、アルケニル、およびアルキニルは各々、独立して、置換されているか、または非置換である。式(I)および(Ia)~(Ie)を参照して記載される実施形態および上記の実施形態1~280のいずれかを含む、さらなる代替的な追加の実施形態では、前述の実施形態のうちのいずれか1つにおいて列挙される任意選択的に置換されたアルキル、アルケニル、およびアルキニルは各々、置換されている。
【0033】
式(I)および(Ia)~(Ie)を参照して記載される実施形態および上記の実施形態1~280のいずれか、ならびに直上の段落において記載される実施形態を含む、ある特定の追加の実施形態では、前述の実施形態のうちのいずれか1つにおいて列挙される各シクロアルキルは、3~7員単環式シクロアルキルである。例えば、式(I)および(Ia)~(Ie)を参照して記載される実施形態および上記の実施形態1~280のいずれか、ならびに直上の段落において記載される実施形態を含む、ある特定の、特定の実施形態では、前述の実施形態のうちのいずれか1つにおいて列挙される各シクロアルキルは、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロペンテニル、シクロヘキシル、またはシクロヘキセニルである。
【0034】
式(I)および(Ia)~(Ie)を参照して記載される実施形態および上記の実施形態1~280のいずれか、ならびに直上の2段落において記載される任意の実施形態を含む、ある特定の追加の実施形態では、前述の実施形態のうちのいずれか1つにおいて列挙される各ヘテロシクロアルキルは、O、S、およびNから選択される1~2個のヘテロ原子を有する4~7員単環式ヘテロシクロアルキルである。例えば、式(I)および(Ia)~(Ie)を参照して記載される実施形態および上記の実施形態1~280のいずれか、ならびに直上の2段落において記載される任意の実施形態を含む、ある特定の、特定の実施形態では、前述の実施形態のうちのいずれか1つにおいて列挙される各ヘテロシクロアルキルは、ピロリジニル、テトラヒドロフラニル、テトラヒドロチエニル、ピペリジニル、ピペラジニル、モルホリニル、チオモルホリニル、テトラヒドロ-2H-ピラニル、またはテトラヒドロ-2H-チオピラニルである。式(I)および(Ia)~(Ie)を参照して記載される実施形態および上記の実施形態1~280のいずれか、ならびに直上の2段落において記載される任意の実施形態を含む、ある特定の、特定の実施形態では、前述の実施形態のうちのいずれか1つにおいて列挙される各ヘテロシクロアルキルは、ピロリジン、ピペリジン、ピペラジン、テトラヒドロフラン、(1H)ジヒドロピラン、またはモルホリン(例えば、各非置換)である。
【0035】
式(I)および(Ia)~(Ie)を参照して記載される実施形態および上記の実施形態1~280のいずれか、ならびに直上の3段落において記載される任意の実施形態を含む、ある特定の追加の実施形態では、各アリールは、フェニルである。
【0036】
式(I)および(Ia)~(Ie)を参照して記載される実施形態および上記の実施形態1~280のいずれか、ならびに直上の4段落において記載される任意の実施形態を含む、ある特定の追加の実施形態では、各ヘテロアリールは、O、S、およびNから選択される1~3個のヘテロ原子を有する5~6員単環式ヘテロアリールである。例えば、式(I)および(Ia)~(Ie)を参照して記載される実施形態および上記の実施形態1~280のいずれか、ならびに直上の4段落において記載される任意の実施形態を含む、ある特定の、特定の実施形態では、各ヘテロアリールは、0~3個のRで置換されている、例えば、非置換であるか、1個のRで置換されているか、または2個のRで置換されている、単環式ヘテロアリールである。式(I)および(Ia)~(Ie)を参照して記載される実施形態および上記の実施形態1~280のいずれか、ならびに直上の4段落において記載される任意の実施形態を含む、ある特定の、特定の実施形態では、各ヘテロアリールは、フラニル、チエニル、ピロリル、ピラゾリル、イミダゾリル、オキサゾリル、またはチアゾリルである。
【0037】
式(I)および(Ia)~(Ie)を参照して記載される実施形態および上記の実施形態1~280のいずれか、ならびに直上の段落において記載される任意の実施形態を含む、ある特定の追加の実施形態では、各Rは、独立して、オキソ、C-Cアルキル、Cl、F、Br、-CN、-SF、-N、ニトロ、-SR、-S(O)1-2、-OR、-NR、-C(O)R、-C(O)NR、-NRC(O)R、-C(S)NR、-NRC(S)R、-CO、-OC(O)R、-C(O)SR、-SC(O)R、-C(S)OR、-OC(S)R、-C(S)SR、-SC(S)R、-S(O)1-2OR、-OS(O)1-2、-S(O)1-2NR、または-NRS(O)1-2である。例えば、式(I)および(Ia)~(Ie)を参照して記載される実施形態および上記の実施形態1~280のいずれか、ならびに直上の段落において記載される任意の実施形態を含む、ある特定の追加の実施形態では、各Rは、独立して、オキソ、C-Cアルキル、Cl、F、Br、-CN、-SF、-N、ニトロ、-SR、-S(O)1-2、-OR、-NR、または-C(O)Rである。
【0038】
式(I)および(Ia)~(Ie)を参照して記載される実施形態および上記の実施形態1~280のいずれか、ならびに直上の段落において記載される任意の実施形態を含む、ある特定の追加の実施形態では、各Rは、独立して、C-Cアルキル、Cl、F、Br、-CN、SF、-N、ニトロ、-SR、-S(O)1-2、-OR、-NR、-C(O)R、-C(O)NR、-NRC(O)R、-C(S)NR、-NRC(S)R、-CO、-OC(O)R、-C(O)SR、-SC(O)R、-C(S)OR、-OC(S)R、-C(S)SR、-SC(S)R、-S(O)1-2OR、-OS(O)1-2、-S(O)1-2NR、または-NRS(O)1-2である。式(I)および(Ia)~(Ie)を参照して記載される実施形態および上記の実施形態1~280のいずれか、ならびに直上の段落において記載される任意の実施形態を含む、ある特定の追加の実施形態では、各Rは、独立して、C-Cアルキル、Cl、F、Br、-CN、SF、-N、ニトロ、-SR、-S(O)1-2、-OR、-NR、または-C(O)Rである。
【0039】
いくつかの実施形態では、本開示は特に、
8-(3,7-ジメチルオクタ-2,6-ジエン-1-イル)-7-ヒドロキシ-5-ペンチル-4H-ベンゾ[d][1,3]ジオキシン-4-オン、
8-(3,7-ジメチルオクタ-2,6-ジエン-1-イル)-7-ヒドロキシ-2,2-ジメチル-5-ペンチル-4H-ベンゾ[d][1,3]ジオキシン-4-オン、
8-(3,7-ジメチルオクタ-2,6-ジエン-1-イル)-7-ヒドロキシ-5-ペンチル-2-フェニル-4H-ベンゾ[d][1,3]ジオキシン-4-オン、
8-(3,7-ジメチルオクタ-2,6-ジエン-1-イル)-7-ヒドロキシ-2-メチル-5-ペンチル-2-(4-(トリフルオロメチル)フェニル)-4H-ベンゾ[d][1,3]ジオキシン-4-オン、
8-(3,7-ジメチルオクタ-2,6-ジエン-1-イル)-7-ヒドロキシ-2-メチル-4-オキソ-5-ペンチル-4H-ベンゾ[d][1,3]ジオキシン-2-カルボン酸、
8-(3,7-ジメチルオクタ-2,6-ジエン-1-イル)-7-ヒドロキシ-2-メチル-4-オキソ-5-ペンチル-4H-ベンゾ[d][1,3]ジオキシン-2-カルボン酸エチル、
8-(3,7-ジメチルオクタ-2,6-ジエン-1-イル)-7-ヒドロキシ-2-メチル-2-(2-オキソプロピル)-5-ペンチル-4H-ベンゾ[d][1,3]ジオキシン-4-オン、
8-(3,7-ジメチルオクタ-2,6-ジエン-1-イル)-7-ヒドロキシ-2-メチル-2-(2-メチルプロプ-1-エン-1-イル)-5-ペンチル-4H-ベンゾ[d][1,3]ジオキシン-4-オン、
8-(3,7-ジメチルオクタ-2,6-ジエン-1-イル)-7-ヒドロキシ-5-ペンチル-4H-スピロ[ベンゾ[d][1,3]ジオキシン-2,1’-シクロペンタン]-4-オン、
2-(3-シクロプロピル)-8-(3,7-ジメチルオクタ-2,6-ジエン-1-イル)-7-ヒドロキシ-2-メチル-5-ペンチル-4H-ベンゾ[d][1,3]ジオキシン-4-オン、
8-(3,7-ジメチルオクタ-2,6-ジエン-1-イル)-7-ヒドロキシ-2-(メトキシメチル)-2-メチル-5-ペンチル-4H-ベンゾ[d][1,3]ジオキシン-4-オン、
8-(3,7-ジメチルオクタ-2,6-ジエン-1-イル)-7-ヒドロキシ-2-(2-オキソプロピル)-5-ペンチル-2-フェニル-4H-ベンゾ[d][1,3]ジオキシン-4-オン、
8-(3,7-ジメチルオクタ-2,6-ジエン-1-イル)-2-(4-フルオロフェニル)-7-ヒドロキシ-2-(2-オキソプロピル)-5-ペンチル-4H-ベンゾ[d][1,3]ジオキシン-4-オン、
8-(3,7-ジメチルオクタ-2,6-ジエン-1-イル)-7-ヒドロキシ-2-(2-オキソプロピル)-5-ペンチル-4H-ベンゾ[d][1,3]ジオキシン-4-オン、
2-ブチル-8-(3,7-ジメチルオクタ-2,6-ジエン-1-イル)-7-ヒドロキシ-2-(2-オキソプロピル)-5-ペンチル-4H-ベンゾ[d][1,3]ジオキシン-4-オン、
8-(3,7-ジメチルオクタ-2,6-ジエン-1-イル)-2-エチル-7-ヒドロキシ-5-ペンチル-4H-ベンゾ[d][1,3]ジオキシン-4-オン、
8-(3,7-ジメチルオクタ-2,6-ジエン-1-イル)-7-ヒドロキシ-2-(4-メトキシフェニル)-2-(2-オキソプロピル)-5-ペンチル-4H-ベンゾ[d][1,3]ジオキシン-4-オン、
8-(3,7-ジメチルオクタ-2,6-ジエン-1-イル)-7-ヒドロキシ-5-プロピル-4H-ベンゾ[d][1,3]ジオキシン-4-オン、および
8-(3,7-ジメチルオクタ-2,6-ジエン-1-イル)-7-ヒドロキシ-2-フェニル-5-プロピル-4H-ベンゾ[d][1,3]ジオキシン-4-オン、から選択される化合物に関する。
【0040】
いくつかの実施形態では、本開示はさらに、特に、
8-(3,7-ジメチルオクタ-2,6-ジエン-1-イル)-7-ヒドロキシ-5-ペンチル-4H-ベンゾ[d][1,3]ジオキシン-4-オン、
8-(3,7-ジメチルオクタ-2,6-ジエン-1-イル)-7-ヒドロキシ-5-ペンチル-2-フェニル-4H-ベンゾ[d][1,3]ジオキシン-4-オン、
8-(3,7-ジメチルオクタ-2,6-ジエン-1-イル)-7-ヒドロキシ-2-(メトキシメチル)-2-メチル-5-ペンチル-4H-ベンゾ[d][1,3]ジオキシン-4-オン、
8-(3,7-ジメチルオクタ-2,6-ジエン-1-イル)-7-ヒドロキシ-2-(2-オキソプロピル)-5-ペンチル-2-フェニル-4H-ベンゾ[d][1,3]ジオキシン-4-オン、
8-(3,7-ジメチルオクタ-2,6-ジエン-1-イル)-7-ヒドロキシ-2-(2-オキソプロピル)-5-ペンチル-4H-ベンゾ[d][1,3]ジオキシン-4-オン、
8-(3,7-ジメチルオクタ-2,6-ジエン-1-イル)-2-エチル-7-ヒドロキシ-5-ペンチル-4H-ベンゾ[d][1,3]ジオキシン-4-オン、
8-(3,7-ジメチルオクタ-2,6-ジエン-1-イル)-7-ヒドロキシ-2-(4-メトキシフェニル)-2-(2-オキソプロピル)-5-ペンチル-4H-ベンゾ[d][1,3]ジオキシン-4-オン、
8-(3,7-ジメチルオクタ-2,6-ジエン-1-イル)-7-ヒドロキシ-5-プロピル-4H-ベンゾ[d][1,3]ジオキシン-4-オン、および
8-(3,7-ジメチルオクタ-2,6-ジエン-1-イル)-7-ヒドロキシ-2-フェニル-5-プロピル-4H-ベンゾ[d][1,3]ジオキシン-4-オン、から選択される化合物に関する。
【0041】
本明細書で別段に記載の化合物のある特定の実施形態では、化合物は、本明細書に記載の化合物、またはその鏡像異性体、ジアステレオマー、ラセミ体、互変異性体、もしくは代謝産物の薬学的に許容される塩の形態である。当業者は、様々な薬学的に許容される塩が、例えば、以下でさらに詳細に記載されるように、提供され得ることを理解するであろう。
【0042】
本明細書で別段に記載の化合物のある特定の実施形態では、化合物は、本明細書に記載の化合物、またはその鏡像異性体、ジアステレオマー、ラセミ体、互変異性体、もしくは代謝産物の溶媒和物(例えば、水和物)の形態である。当業者は、様々な溶媒和物および/または水和物が形成され得ることを理解するであろう。
【0043】
当業者は、「またはその鏡像異性体、ジアステレオマー、ラセミ体、互変異性体、もしくは代謝産物、あるいは化合物、鏡像異性体、ジアステレオマー、ラセミ体、互変異性体、もしくは代謝産物の薬学的に許容される塩、溶媒和物、または水和物」という語句が、塩基化合物の塩、溶媒和物、水和物(その鏡像異性体、ジアステレオマー、ラセミ体、もしくは互変異性体を含む)、または塩基化合物の代謝産物の形態の化合物を含むことを理解するであろう。しかし、上記のある特定の実施形態では、化合物は、塩、溶媒和物、または水和物の形態ではない。
【0044】
治療法用途
いくつかの実施形態では、本開示の化合物は、少なくとも1つのカンナビノイド受容体(例えば、CB1、CB2、5HT1A、5HT2A、GPR18、GPR55、GPR119、TRPV1、TPRV2、PPAR(例えば、PPARγ)、またはμ-オピオイド受容体)に対する親和性を有する。したがって、別の態様では、本開示は、カンナビノイド受容体に結合および/または相互作用するための本開示の化合物のうちの少なくとも1つの使用に関する。
【0045】
いくつかの実施形態では、本開示の化合物は、CB1受容体およびCB2受容体の一方または両方に対する親和性を有してもよい。特定の実施形態では、本開示の化合物は、CB2受容体に対する親和性を有するが、CB1受容体に対する親和性を有しない場合がある。特定の実施形態では、本開示の化合物は、CB2受容体に対する親和性を有するが、CB1受容体に対する親和性を有しない場合がある。
【0046】
いくつかの実施形態では、本開示の化合物は、一方の受容体よりも他方の受容体に対して選択性を示し得る。本明細書で使用される場合、「選択性」とは、化合物が、一方の受容体よりも他方の受容体に結合するか、それと相互作用するか、またはそれを優先的に調節することを意味する。一実施形態では、一方の受容体に対するその親和性が、他方の受容体よりも少なくとも1.25倍、少なくとも1.5倍、少なくとも2倍、少なくとも5倍、少なくとも10倍、少なくとも25倍、少なくとも50倍、または少なくとも100倍大きい場合、化合物は、他方の受容体よりも一方の受容体に対して選択的である。一実施形態では、本明細書に開示される化合物の受容体に対する親和性は、例えば、本明細書の実施例に記載されるような放射性リガンド競合結合アッセイによって決定されてもよい。
【0047】
いくつかの実施形態では、本開示の化合物は、CB1受容体に対する親和性を有してもよく、CB2受容体よりもCB1受容体に対して選択性がある。
【0048】
いくつかの実施形態では、本開示の化合物は、CB2受容体に対する親和性を有してもよく、CB1受容体よりもCB2受容体に対して選択性がある。
【0049】
いくつかの実施形態では、本開示の化合物は、少なくとも1つのカンナビノイド受容体(例えば、CB1、CB2、5HT1A、5HT2A、GPR18、GPR55、GPR119、TRPV1、TPRV2、PPAR(例えば、PPARγ)、またはμ-オピオイド受容体)に対するアゴニスト、部分アゴニスト、間接アゴニスト、アンタゴニスト、逆アゴニスト、中性アゴニスト、またはアロステリック調節因子として機能してもよい。いくつかの実施形態では、本開示の化合物は、CB1および/またはCB2受容体に対するアゴニスト、部分アゴニスト、間接アゴニスト、アンタゴニスト、逆アゴニスト、中性アゴニスト、またはアロステリック調節因子として機能してもよい。いくつかの実施形態では、本開示の化合物は、CB1および/またはCB2受容体に対するアゴニストとして機能してもよい。いくつかの実施形態では、本開示の化合物は、CB1および/またはCB2受容体に対するアンタゴニストとして機能してもよい。いくつかの実施形態では、本開示の化合物は、5HT1A受容体に対する間接アゴニストとして機能してもよい。
【0050】
いくつかの実施形態では、本開示の化合物は、カンナビノイド受容体(例えば、CB1、CB2、5HT1A、5HT2A、GPR18、GPR55、GPR119、TRPV1、TPRV2、PPAR(例えば、PPARγ)、またはμ-オピオイド受容体)のうちの少なくとも1つに対するアゴニスト、部分アゴニスト、間接アゴニスト、アンタゴニスト、逆アゴニスト、または中性アゴニストとして機能する化合物(例えば、代謝産物)へのプロドラッグとして作用してもよい。
【0051】
本開示は、さらに、治療活性物質として、または治療活性物質に対するプロドラッグとしての、本明細書に開示される化合物の使用に関する。
【0052】
一実施形態では、本開示は、カンナビノイド受容体(例えば、CB1、CB2、5HT1A、5HT2A、GPR18、GPR55、GPR119、TRPV1、TPRV2、PPAR(例えば、PPARγ)、またはμ-オピオイド受容体)に関連する疾患の治療または予防のための本明細書に開示される化合物の使用に関する。一実施形態では、「カンナビノイドに関連する疾患」とは、カンナビノイド受容体(例えば、CB1、CB2、5HT1A、5HT2A、GPR18、GPR55、GPR119、TRPV1、TPRV2、PPAR(例えば、PPARγ)、またはμ-オピオイド受容体)に作用することによって治療可能または予防可能である疾患、障害、または状態を指すことを意味する。一実施形態では、本開示の化合物は、カンナビノイド受容体に対するアゴニスト、部分アゴニスト、アンタゴニスト、逆アゴニスト、中性アゴニスト、もしくはアロステリック調節因子として作用することによって、またはカンナビノイド受容体に対するアゴニスト、部分アゴニスト、アンタゴニスト、逆アゴニスト、中性アゴニスト、もしくはアロステリック調節因子として作用する化合物(例えば、代謝産物)のプロドラッグとして作用することによって、状態を治療または予防してもよい。選ばれた実施形態では、カンナビノイド受容体は、CB1またはCB2である。
【0053】
一実施形態では、本開示は、一方の受容体よりも他方の受容体の活性を選択的に調節するための、本明細書に開示される化合物の使用に関する。一実施形態では、受容体のうちの少なくとも一方がカンナビノイド受容体である。一実施形態では、両方の受容体がカンナビノイド受容体である。一実施形態では、受容体は、CB1およびCB2である。選ばれた実施形態では、本開示は、CB1またはCB2受容体の活性を選択的に調節するための、本明細書に開示される化合物の使用に関する。
【0054】
本明細書で使用される場合、「選択的に調節する」とは、本開示の化合物が受容体の活性になんらかの変化を引き起こす能力を指すことが意図される。一実施形態では、「選択的に調節する」は、直接的または間接的に、受容体の活性を刺激または阻害することを意味する。
【0055】
本開示はまた、カンナビノイド受容体に関連する疾患などの疾患を治療または予防する方法に関する。これらの方法は、このような治療または予防を必要とする対象に、治療有効量の1つ以上の本明細書に記載される開示の化合物(例えば、式(I)の化合物)または本明細書に記載される開示の薬学的組成物を投与することを含む。
【0056】
ある特定の実施形態では、本開示の疾患としては、ADHD/ADD、アルコール使用障害、アレルギー性喘息、ALS、アルツハイマー病、拒食症(例えば、HIV関連悪液質)、不安障害(例えば、社会的不安障害、特異的恐怖症、試験不安、全般性不安障害)、関節炎、アテローム性動脈硬化症、自閉症、双極性障害、火傷、がん、がん性疼痛、シャルコーマリートゥース病、慢性炎症性脱髄性多発ニューロパチー、慢性移植腎症、コカイン使用障害、複合性局所疼痛症候群、うっ血性心不全、うつ病、線維筋痛症、脆弱X症候群/FXTAS、前頭側頭型認知症(行動変異型)、歯肉炎発熱、緑内障、膠芽腫、糸球体腎症、ハンチントン病、肥厚性瘢痕、IBD/IBS、炎症、炎症性筋疾患、虚血、腎線維症、ケロイド、白質ジストロフィー、肝線維症、肝硬変、肺線維症、片頭痛、多発性硬化症、心筋梗塞、吐き気(例えば、CINV、乗り物酔い)、神経障害性疼痛(例えば、ヘルペス後神経痛、有痛性糖尿病性ニューロパチー)、夜間障害、非アルコール性脂肪性肝疾患、肥満、強迫性障害、オピオイド節約、オピオイド使用障害、変形性関節症、骨粗しょう症、疼痛(例えば、急性または慢性疼痛)、パーキンソン病、脳振盪後症候群/外傷性脳損傷、精神病/統合失調症、PTSD、骨量の調節、REM睡眠行動障害、再灌流障害、レット症候群、関節リウマチ、皮膚症状(例えば、ニキビ、乾癬性関節炎)、睡眠障害(例えば、不眠症、RLS)、脊髄小脳失調症、全身性線維症、全身性硬化症、熱損傷、タバコ使用障害/ニコチン依存、トゥーレット症、腫瘍、または三叉神経痛が挙げられるが、これらに限定されない。
【0057】
本明細書に記載される開示の化合物および組成物はまた、1つ以上の二次治療薬と組み合わせて投与されてもよい。したがって、ある特定の実施形態では、本方法はまた、このような治療または予防を必要とする対象に、治療有効量の1つ以上の本明細書に記載される開示の化合物または本明細書に記載される開示の薬学的組成物および1つ以上の二次治療薬を投与することを含む。好適な二次治療薬の例としては、テモゾロミド、カンプトテシン、ドキソルビシン、ダウノルビシン、ビンクリスチン、パクリタキセル、ネオカルチノスタチン、カリチアマイシン、シスプラチン、カルボプラチン、オキサリプラチン、サトラプラチン、ピコプラチン、ルルトテカン、アンナマイシン、ドセタキセル、タモキシフェン、エピルビシン、メトトレキセート、ビンブラスチン、ビンクリスチン、トポテカン、プレドニゾン、プレドニゾロン、クロロキン、ヒドロキシクロロキン、オートファジー阻害剤、abt-737、ロイコボリン、プシロシビン、プシロシン、シロアセチン、ネツピタント、パロノセトロン、アプレピタント、3,4-メチレンジオキシメタンフェタミン、ニコチン、ケタミン、リチウム塩(例えば、クエン酸リチウム)、バルプロン酸、ベバシズマブ、ボルテゾミブ、フルオロウラシル、ゲムシタビン、イリノテカン、オキサリプラチン、アダリムマブ、アザチオプリン、インフリキシマブ、シタロプラム、ミルタザピン、セルトラリン、エスケタミン、フルオキセチン、パロキセチン、ベンラファキシン、フェンフルラミン、ビガバトリン、ブプロピオン、アトモキセチン、メマンチン、クロバザム、スチリペントール、シクロスポリン、タクロリムス、メチルプレドニゾロン、酢酸メゲストロール、ビグアニド(例えば、メトホルミン)、スルホニル尿素(例えば、グリピジド、トルブタミド)、ガバペンチン、バクロフェン、クロナゼパム、ダントロレン、ジアゼパム、チザニジン、ブプレノルフィン、ナルトレキソン、オピオイド(例えば、コデイン、オキシコドン、モルフィン)、アミスルプリド、アリピプラゾール、オランザピン、クエチアピン、リスペリドン、クロニジン、ロマゼニル、ベンゾジアゼピン、ベンズアミド、デキサメタゾン、ゲムシタビン、およびパルミトイルエタノールアミドが挙げられるが、これらに限定されない。組み合わせとして投与する場合、本明細書に記載される開示の化合物および組成物ならびに二次治療薬は、同時にまたは逐次的に投与される別個の組成物として製剤化することができるか、または治療薬を単一の組成物として投与することができる。ある特定の実施形態では、二次治療薬は、その確立された最大半値阻害濃度(IC50)を下回る量で投与されてもよい。例えば、二次治療薬は、阻害濃度(IC50)の1%未満、例えば、10%未満、または25%未満、または50%未満、または75%未満、またはさらに90%未満の量で投与されてもよい。
【0058】
プロドラッグ
いくつかの実施形態では、本明細書に記載の化合物は、それ自体がプロドラッグであっても、プロドラッグを提供するようにさらに修飾されてもよい。
【0059】
本開示によるプロドラッグは、例えば、式(I)および(Ia)~(Ie)を参照して記載される実施形態および上記の実施形態1~280のいずれかなど、本明細書に開示される化合物に存在する適切な官能基を、Design of Prodrugs by H.Bundgaard(Elsevier,1985)およびY.M.Choi-Sledeski and C.G.Wermuth,Designing Prodrugs and Bioprecursors in Practice of Medicinal Chemistry,(Fourth Edition),Chapter 28,657-696(Elsevier,2015)に記載されているように、「プロ部分(pro-moieties)」として当業者に既知のある特定の部分と置き換えることによって製造され得る。
【0060】
例示的な実施形態では、本開示によるプロドラッグは、(a)本明細書に開示される化合物中のカルボン酸のエステルもしくはアミド誘導体、(b)本明細書に開示される化合物中のヒドロキシル基のエステル、カーボネート、カルバメート、アセタール、アミナール、ホスファート、もしくはエーテル誘導体、(c)本明細書に開示される化合物中のアミノ基のアミド、イミン、カルバメート、もしくはアミン誘導体、(d)本明細書に開示される化合物中のカルボニル基のオキシムもしくはイミン誘導体、または(e)本明細書に開示される化合物中のカルボン酸に代謝的に酸化され得るメチル、一級アルコール、もしくはアルデヒド基である。
【0061】
例えば、式(I)および(Ia)~(Ie)を参照して記載される実施形態および上記の実施形態1~280のいずれかなどの本開示のある特定の化合物は、それ自体がプロドラッグとして作用し得る。一実施形態では、例えば、式(I)および(Ia)~(Ie)を参照して記載される実施形態および上記の実施形態1~280のいずれかなどの本開示の化合物は、例えば、天然カンナビノイド(例えば、CBDまたはCBDA)などのカンナビノイドのプロドラッグとして作用し得る。
【0062】
本明細書に開示される化合物への言及は、化合物自体およびそのプロドラッグを含むとみなされる。本開示は、このようなプロドラッグ化合物、ならびにこのようなプロドラッグ化合物の任意の薬学的に許容される塩、および/またはこのようなプロドラッグ化合物およびその塩の任意の溶媒和物、水和物、鏡像異性体、ジアステレオマー、ラセミ体、互変異性体、もしくは代謝産物を含む。
【0063】
いくつかの実施形態では、本開示のプロドラッグ化合物は、改善された薬物動態(PK)、改善された生体分布、および/または改善された製剤能力(例えば、製剤における安定性)を示し得る。例えば、一実施形態では、これらの特徴は、天然カンナビノイド(例えば、CBDまたはCBDA)よりも改善され得る。
【0064】
いくつかの実施形態では、本開示のプロドラッグ化合物は、固有のまたは改善された生物学的活性を示し得てもよい。例えば、一実施形態では、これらの特徴は、天然カンナビノイド(例えば、CBDまたはCBDA)と比べて固有であっても、改善されてもよい。
【0065】
薬学的組成物および剤形
本明細書に記載の化合物は、薬学的組成物の形態で有用に提供することができる。このような組成物は、薬学的に許容される賦形剤、希釈剤、または担体と一緒に、本明細書に記載の前述の態様または実施形態のうちのいずれか1つに記載の化合物を含む。
【0066】
化合物は、前述のように、薬学的組成物自体で、または水和物、溶媒和物、もしくは薬学的に許容される塩の形態で製剤化され得る。典型的には、このような塩は、対応する遊離酸および塩基よりも水溶液中でより可溶性であるが、対応する遊離酸および塩基よりも低い溶解度を有する塩も形成され得る。
【0067】
薬学的組成物は、例えば、錠剤、カプセル、または非経口製剤の形態であり得るが、当業者は、化合物が多種多様な薬学的組成物で提供され得ることを理解するであろう。
【0068】
本開示の化合物は、例えば、1つ以上の薬学的に許容される担体、希釈剤、もしくは賦形剤を含有する投与単位製剤で、経口、局所、非経口、吸入、もしくは噴霧によって、または直腸投与され得る。本明細書で使用される場合、非経口という用語には、経皮、皮下、血管内(例えば、静脈内)、筋肉内、もしくは髄腔内注射または注入技術などが含まれる。本開示の化合物を含む医薬品は、例えば、本明細書に記載の製剤および剤形のいずれかで提供することができる。
【0069】
薬学的組成物は、本開示の化合物を使用して作製することができる。例えば、一実施形態では、薬学的組成物は、薬学的に許容される担体、希釈剤、または賦形剤、および構造式のうちのいずれか1つを参照して上に記載の化合物を含む。
【0070】
本明細書に開示される薬学的組成物において、本開示の1つ以上の化合物は、1つ以上の薬学的に許容される担体、希釈剤、または賦形剤、および所望であれば他の活性成分と会合して存在してもよい。本開示の化合物を含有する薬学的組成物は、経口使用に好適な形態、例えば、錠剤、トローチ、ロゼンジ、水性もしくは油性懸濁液、分散性粉末もしくは顆粒、エマルション、硬質もしくは軟質カプセル、またはシロップもしくはエリキシル剤であってもよい。
【0071】
経口使用を意図する組成物は、薬学的組成物を製造するための任意の好適な方法に従って調製することができ、このような組成物は、薬学的に洗練され口当たりのよい調製物を提供するために、甘味剤、香味剤、着色剤、および防腐剤からなる群から選択される1つ以上の薬剤を含有してもよい。錠剤は、錠剤の製造に好適な非毒性の薬学的に許容される賦形剤との混合物中に活性成分を含有する。これらの賦形剤は、例えば、不活性希釈剤、例えば、炭酸カルシウム、炭酸ナトリウム、ラクトース、リン酸カルシウムまたはリン酸ナトリウム、造粒剤および崩壊剤、例えば、トウモロコシデンプンまたはアルギン酸、結合剤、例えば、デンプン、ゼラチンまたはアカシア、ならびに平滑剤、例えば、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸またはタルクであり得る。錠剤は、コーティングされていなくてもよく、既知の技術によってコーティングされていてもよい。場合によっては、このようなコーティングは、消化管内の崩壊および吸収を遅延させ、それによってより長い期間にわたって持続的活性を提供するための好適な技術によって調製することができる。例えば、モノステアリン酸グリセリルまたはジステアリン酸グリセリルなどの時間遅延材料を使用することができる。
【0072】
経口使用のための製剤はまた、硬質ゼラチンカプセルとして提示することもでき、活性成分は、不活性固体希釈剤、例えば、炭酸カルシウム、リン酸カルシウム、もしくはカオリンと混合されるか、または軟質ゼラチンカプセルとして提示され、活性成分は、水もしくは油媒体、例えば、ピーナッツ油、流動パラフィン、もしくはオリーブ油と混合される。
【0073】
経口使用のための製剤は、ロゼンジとして提示することもできる。
【0074】
経口使用のための製剤は、飲料または食用として提示することもできる。例えば、一実施形態では、本開示の化合物は、乳化剤およびグリセリン系担体界面活性剤を含む、PCT/CA2019/051698に開示されるような水溶性製剤で提示され得る。他の実施形態では、本開示の化合物は、イヌリンおよびペクチンを含む、PCT/CA2019/051704に開示されるような組成物で提示され得る。
【0075】
水性懸濁液は、水性懸濁液の製造に好適な賦形剤との混合物中に活性物質を含有する。このような賦形剤は、懸濁化剤、例えば、カルボキシメチルセルロースナトリウム、メチルセルロース、ヒドロプロピルメチルセルロース、アルギン酸ナトリウム、ポリビニルピロリドン、トラガカントゴムおよびアカシアゴム、天然に存在するホスファチドなどの分散剤もしくは湿潤剤、例えば、レシチン、またはアルキレンオキシドと脂肪酸との縮合生成物、例えば、ポリオキシエチレンステアレート、またはエチレンオキシドと長鎖脂肪族アルコールとの縮合生成物、例えば、ヘプタデカエチレンオキシセタノール、またはポリオキシエチレンソルビトールモノオレエートなどの、エチレンオキシドと脂肪酸およびヘキシトールに由来する部分エステルとの縮合生成物、またはエチレンオキシドと脂肪酸およびヘキシトール無水物に由来する部分エステルとの縮合生成物、例えば、ポリエチレンソルビタンモノオレアートであり得る。水性懸濁液はまた、1つ以上の防腐剤、例えば、エチル、またはn-プロピルp-ヒドロキシ安息香酸、1つ以上の着色剤、1つ以上の香味剤、およびスクロースまたはサッカリンなどの1つ以上の甘味剤を含有してもよい。
【0076】
油性懸濁液は、植物油、例えば、ラッカセイ油、オリーブ油、ゴマ油、もしくはココナッツ油、または流動パラフィンなどの鉱物油中に活性成分を懸濁することによって製剤化することができる。油性懸濁液は、増粘剤、例えば、ミツロウ、硬質パラフィン、またはセチルアルコールを含有してもよい。甘味剤および香味剤を加えて、口当たりのよい経口調製物を提供してもよい。これらの組成物は、アスコルビン酸などの抗酸化剤を加えることにより保存されてもよい。
【0077】
水を加えることによる水性懸濁液の調製に好適な分散性粉末および顆粒は、分散剤または湿潤剤、懸濁剤、および1つ以上の防腐剤との混合物中の活性成分を提供する。好適な分散剤もしくは湿潤剤、または懸濁剤は、上記で既に述べたものによって例示される。追加の賦形剤、例えば、甘味剤、香味剤、および着色剤もまた、存在することができる。
【0078】
薬学的組成物はまた、水中油型エマルションの形態であり得る。油性相は、植物油もしくは鉱物油またはこれらの混合物であり得る。好適な乳化剤は、天然に存在するゴム、例えば、アカシアゴムまたはトラガカントゴム、天然に存在するホスファチド、例えば、大豆、レシチン、ならびに脂肪酸およびヘキシトールに由来するエステルまたは部分エステル、無水物、例えば、ソルビタンモノオレエート、ならびに上記の部分エステルとエチレンオキシドとの縮合生成物、例えば、ポリオキシエチレンソルビタンモノオレエートであり得る。エマルションはまた、甘味剤および香味剤を含有することができる。
【0079】
いくつかの実施形態では、薬学的に許容される担体、希釈剤、または賦形剤は、水ではない。他の実施形態では、水が組成物の50%未満を構成する。いくつかの実施形態では、50%未満の水を含む組成物は、少なくとも1%、2%、3%、4%、または5%の水を有する。他の実施形態では、水分は、組成物中に微量で存在する。
【0080】
いくつかの実施形態では、薬学的に許容される担体、希釈剤、または賦形剤は、アルコールではない。他の実施形態では、アルコールが組成物の50%未満を構成する。いくつかの実施形態では、50%未満のアルコールを含む組成物は、少なくとも1%、2%、3%、4%、または5%のアルコールを有する。他の実施形態では、アルコール分は、組成物中に微量で存在する。
【0081】
シロップおよびエリキシル剤は、甘味剤、例えば、グリセロール、プロピレングリコール、ソルビトール、グルコース、またはスクロースとともに製剤化することができる。このような製剤はまた、緩和剤、防腐剤、香味剤、および着色剤を含有することができる。薬学的組成物は、滅菌注射水性または油性懸濁液の形態であり得る。この懸濁液は、上述した好適な分散剤または湿潤剤および懸濁剤を使用して、既知の技術に従って製剤化することができる。滅菌注射用調製物は、例えば、1,3-ブタンジオール中の溶液として、非毒性の親に許容される希釈剤または溶媒中の滅菌注射用溶液または懸濁液でもあり得る。使用することができる許容可能なビヒクルおよび溶媒の中には、水、リンガー溶液および等張塩化ナトリウム溶液がある。加えて、滅菌した固定油を、溶媒または懸濁媒体として使用することができる。この目的では、合成モノグリセリドまたはジグリセリドを含む任意の平滑固定油を使用することができる。加えて、オレイン酸などの脂肪酸が、注射剤の調製に有用である。
【0082】
本開示の化合物は、例えば、薬物の直腸投与のために、座薬の形態で投与することもできる。これらの組成物は、化合物を、通常の温度では固体であるが、直腸温度では液体であるため、直腸内で融解して薬物を放出する、好適な非刺激性賦形剤と混合することによって調製することができる。このような材料としては、ココアバターおよびポリエチレングリコールが挙げられる。
【0083】
本開示の化合物は、滅菌培地中で非経口的に投与することもできる。薬物は、使用するビヒクルおよび濃度に応じて、ビヒクル中に懸濁させるか、または溶解させることができる。有利には、局所麻酔薬、防腐剤、および緩衝剤などのアジュバントをビヒクルに溶解することができる。
【0084】
組成物は、活性成分の単位剤形で製剤化することができる。「単位剤形」という用語は、ヒト対象および他の哺乳動物のための単一剤形として好適な物理的に別個の単位を指し、各単位が、好適な薬学的賦形剤と併せて、所望の治療効果がもたらされるように計算された所定量の活性物質を含有する。
【0085】
化合物は、広い用量範囲にわたって有効であることができ、概して、治療有効量で投与される。しかしながら、実際に投与される化合物の量は、通常、治療または予防される状態、選択される投与経路、実際に投与される化合物、個々の患者の年齢、体重、および反応、患者の症状の重症度などを含む関連する状況に従って、医師によって決定されることが理解されるであろう。
【0086】
錠剤などの固体組成物を調製するために、主な活性成分を薬学的賦形剤と混合して、本明細書に記載の化合物の均質な混合物を含有する固体予備処方組成物を形成する。これらの予備処方組成物を均質と称する場合、活性成分は、典型的には組成物全体に均一に分散され、組成物は、錠剤、丸剤、およびカプセルなどの等しく有効な単位剤形に容易に細分化することができる。次いで、この固体予備処方を、例えば、0.1~約500mgの本明細書に記載の化合物の活性成分を含有する上述のタイプの単位剤形に細分化する。
【0087】
錠剤または丸剤は、コーティングされるか、または他の方法で配合されて、持続性作用の利点を提供する剤形を提供することができる。例えば、錠剤または丸剤は、内側投与成分および外側投与成分で構成され得、外側投与成分は、内側投与成分の上にあるエンベロープの形態である。2つの成分は、腸溶性層によって分離され、それによって、胃内の崩壊に抵抗し、内側成分が十二指腸内へと無傷で通過するか、または放出を遅延させる役割を果たすことができる。多くの高分子酸ならびに高分子酸とセラック、セチルアルコール、およびセルロースアセテートなどの材料との混合物を含む、様々な材料を、このような腸溶性層またはコーティングに使用することができる。
【0088】
患者に投与される化合物または組成物の量は、投与されるもの、予防または療法などの投与目的、患者の状態、投与様式などに応じて変化することになる。治療用途において、組成物は、疾患およびその合併症の症状を治癒または少なくとも部分的に停止するのに十分な量で、疾患に既に罹患している患者に投与することができる。有効用量は、治療または予防される疾患状態、ならびに疾患の重症度、患者の年齢、体重、および一般的な健康状態などの要因に応じて、主治医の判断に依存することになる。
【0089】
患者に投与される組成物は、上に記載の薬学的組成物の形態であり得る。これらの組成物は、従来の滅菌技術によって滅菌され得るか、または滅菌濾過されてもよい。水溶液は、そのまま使用できるように包装することもでき、凍結乾燥し、凍結乾燥調製物を投与前に滅菌水性担体と組み合わせて使用することもできる。化合物調製物のpHは、典型的には、3~11、より好ましくは5~9、最も好ましくは7~8である。前述の賦形剤、担体、または安定剤のある特定の使用により、薬学的塩が形成され得ることが理解されるであろう。
【0090】
化合物の治療用量は、例えば、治療が行われる特定の用途、化合物の投与様式、患者の健康および状態、ならびに処方医の判断に従って変化し得る。薬学的組成物中の本明細書に記載の化合物の割合または濃度は、投与量、化学的特徴(例えば、疎水性)、および投与経路を含む多くの要因に応じて変化し得る。例えば、本明細書に記載の化合物は、非経口投与のためには、約0.1~約10%w/vの本化合物を含有する生理学的緩衝液で提供することができる。いくつかの典型的な用量範囲は、1日当たり約1μg/kg~約1g/kg体重である。いくつかの実施形態では、用量範囲は、1日当たり約0.01mg/kg~約100mg/kg体重である。用量は、疾患または障害の進行の種類および程度、特定の患者の全体的な健康状態、選択された化合物の相対的な生物学的有効性、賦形剤の製剤、ならびにその投与経路などの変数に依存する可能性が高い。有効用量は、インビトロまたは動物モデル試験系に由来する用量反応曲線から推定することができる。
【0091】
本明細書に記載の化合物はまた、抗ウイルス剤、ワクチン、抗体、免疫増強剤、免疫抑制剤、抗炎症剤などの任意の薬学的薬剤を含むことができる1つ以上の追加の活性成分と組み合わせて製剤化することもできる。
【0092】
当業者は、記載の化合物を本明細書の薬学的製剤に製剤化する。例えば、化合物の物理化学的特性、治療有効量に必要な化合物の量、および所望の投与経路に基づく。
【0093】
定義
本明細書で使用される用語は、指定の置換基とその親部分との間の結合の結合順序を示すために、シングルダッシュ「-」、またはダブルダッシュ「=」が先行および/または後続してもよく、シングルダッシュは単一結合を示し、ダブルダッシュはスピロ置換基の場合に二重結合または一対の単一結合を示す。シングルダッシュまたはダブルダッシュがない場合、単一結合が置換基とその親部分との間で形成されることが理解され、さらに、置換基は、ダッシュが別途示さない限り、参照される化学構造に関して「左から右」と読まれることが意図される。例えば、アリールアルキル、アリールアルキル-、および-アルキルアリールは、同一の官能基を示す。
【0094】
簡潔にするために、化学部分を定義し、全体を通して主に一価の化学部分(例えば、アルキル、アリールなど)と称される。それにもかかわらず、このような用語はまた、当業者に明白な適切な構造的状況下で対応する多価部分を伝えるために使用される。例えば、「アルキル」部分は一価のラジカル(例えば、CH-CH-)を指し得るが、いくつかの状況では、二価の連結部分は「アルキル」であり得、この場合、当業者は、アルキルを「アルキレン」という用語に相当する二価のラジカル(例えば、-CH-CH-)であると理解するであろう。(同様に、二価部分が必要であり、「アリール」であると記載されている状況では、当業者は、「アリール」という用語が対応する二価部分、アリーレンを指すことを理解するであろう)。すべての原子は、結合形成のためのそれらの通常の原子価数を有することが理解される(すなわち、Sの酸化状態に応じて、炭素について4、Nについて3、Oについて2、Sについて2、4、または6)。本開示の化合物中の窒素は、超原子価、例えば、N-オキシドまたは四置換アンモニウム塩であることができる。折りに触れて、部分は、例えば、-B-(A)として定義されてもよく、式中、aは、0または1である。このような場合、aが0であるとき、部分は-Bであり、aが1であるとき、部分は-B-Aである。
【0095】
本明細書で使用される場合、「アルキル」という用語は、1~10個の炭素(すなわち、1および10を含む)、1~8個の炭素、1~6個の炭素、1~3個の炭素、または1、2、3、4、5、もしくは6個の炭素原子の指定された数を有する、飽和炭化水素を含む。アルキル基は、直鎖であっても分枝鎖であってもよく、文脈に応じて、一価のラジカルであっても二価のラジカル(すなわち、アルキレン基)であってもよい。例えば、「-(C-Cアルキル)-O-」という部分は、1~6個の炭素を有するアルキレン架橋を介した酸素の結合を意味し、C-Cアルキルは、メチル、エチル、およびプロピル部分を表す。「アルキル」の例としては、例えば、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソ-、sec-およびtert-ブチル、ペンチル、ならびにヘキシルが挙げられる。
【0096】
「アルコキシ」という用語は、「アルキル」という用語が以前に付与した定義を有する、アルキル-O-などの、酸素架橋を介して親分子部分に結合された示された数の炭素原子のアルキル基を表す。「アルコキシ」の例としては、例えば、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、およびイソプロポキシが挙げられる。
【0097】
「アルケニル」という用語は、本明細書で使用される場合、別途指定されない限り、2~10個の炭素(すなわち、2および10を含む)、2~8個の炭素、2~6個の炭素、または2、3、4、5、または6個の炭素などの指定された数の炭素原子を有し、少なくとも1個の炭素-炭素二重結合を含有する不飽和炭化水素を表す。アルケニル基は、直鎖であっても分枝鎖であってもよく、文脈に応じて、一価のラジカルであっても二価のラジカル(すなわち、アルケニレン基)であってもよい。例えば、「-(C-Cアルケニル)-O-」という部分は、2~6個の炭素を有するアルケニレン架橋を介した酸素の結合を意味する。アルケニルの代表的な例としては、エテニル、2-プロペニル、2-メチル-2-プロペニル、3-ブテニル、4-ペンテニル、5-ヘキセニル、2-ヘプテニル、2-メチル-1-ヘプテニル、3-デセニル、および3,7-ジメチルオクタ-2,6-ジエニルが挙げられるが、これらに限定されない。
【0098】
「アルキニル」という用語は、本明細書で使用される場合、別途指定されない限り、2~10個の炭素(すなわち、2および10を含む)、2~8個の炭素、2~6個の炭素、または2、3、4、5、または6個の炭素などの指定された数の炭素原子を有し、少なくとも1個の炭素-炭素三重結合を含有する不飽和炭化水素を表す。アルニル基は、直鎖であっても分枝鎖であってもよく、文脈に応じて、一価のラジカルであっても二価のラジカル(すなわち、アルキニレン基)であってもよい。例えば、「-(C-Cアルキニル)-O-」という部分は、2~6個の炭素を有するアルキニレン架橋を介した酸素の結合を意味する。アルキニルの代表的な例としては、アセチレニル、1-プロピニル、2-プロピニル、3-ブチニル、2-ペンチニル、および1-ブチニルが挙げられるが、これらに限定されない。
【0099】
「アリール」という用語は、他の芳香族炭化水素環または非芳香族炭化水素環もしくは複素環に任意選択的に縮合される単環(例えば、フェニル)を有する芳香族環系を表す。「アリール」は、複数の縮合環を有し、少なくとも1個が炭素環式および芳香族である環系(例えば、1,2,3,4-テトラヒドロナフチル、ナフチル)を含む。アリール基の例としては、フェニル、1-ナフチル、2-ナフチル、インダニル、インデニル、ジヒドロナフチル、フルオレニル、テトラリニル、および6,7,8,9-テトラヒドロ-5H-ベンゾ[a]シクロヘプテニルが挙げられる。「アリール」はまた、非芳香族複素環、例えば、1H-2,3-ジヒドロベンゾフラニルおよびテトラヒドロイソキノリニルに縮合した第1の炭素環式芳香族環を有する環系を含む。本明細書のアリール基は、非置換であるか、または「任意選択的に置換されている」と指定される場合、別段の定めがない限り、示されるように様々な基と1個以上の置換可能な位置で置換され得る。
【0100】
「ハロゲン」または「ハロ」という用語は、フッ素、塩素、臭素、およびヨウ素を示す。本明細書で別段に記載のあらゆる実施形態のある特定の実施形態では、「ハロゲン」または「ハロ」という用語は、フッ素または塩素を指す。本明細書に記載のあらゆる実施形態のある特定の実施形態では、「ハロゲン」または「ハロ」という用語は、フッ素を指す。「フルオロアルキル」という用語は、少なくとも1個のフッ素で置換されたアルキル基(すなわち、本明細書で別段に記載のもの)を示す。「フルオロアルキル」は、ペルフルオロアルキル基などの複数のフッ素で置換されたアルキル基を含む。フルオロアルキル基の例としては、フルオロメチル、ジフルオロメチル、トリフルオロメチル、ペンタフルオロエチル、2,2,2-トリフルオロエチル、1,1,1,3,3,3-ヘキサフルオロプロプ-2-イル、および2,2,3,3,3-ペンタフルオロプロプ-1-イルが挙げられる。
【0101】
「ヘテロアリール」という用語は、芳香族環中に窒素、酸素、および硫黄から選択される少なくとも1個の芳香族ヘテロ原子を含有する芳香族環系を指す。最も一般的に、ヘテロアリール基は、1、2、3、または4個のヘテロ原子を有する。ヘテロアリールは、1個以上の非芳香族環、例えば、シクロアルキルまたはヘテロシクロアルキル環に縮合し得、シクロアルキルおよびヘテロシクロアルキル環は本明細書に記載される。本発明の化合物の一実施形態では、ヘテロアリール基は、ヘテロアリール基芳香族環中の原子を介して構造の残りの部分に結合される。別の実施形態では、ヘテロアリール基は、非芳香環原子を介して構造の残りの部分に結合される。ヘテロアリール基の例としては、例えば、ピリジル、ピリミジニル、キノリニル、ベンゾチエニル、インドリル、インドリニル、ピリダジニル、ピラジニル、イソインドリル、イソキノリル、キナゾリニル、キノキサリニル、フタラジニル、イミダゾリル、イソオキサゾリル、ピラゾリル、オキサゾリル、チアゾリル、インドリジニル、インダゾリル、ベンゾチアゾリル、ベンズイミダゾリル、ベンゾフラニル、フラニル、チエニル、ピロリル、オキサジアゾリル、チアジアゾリル、ベンゾ[1,4]オキサジニル、トリアゾリル、テトラゾリル、イソチアゾリル、ナフチリジニル、イソクロマニル、クロマニル、イソインドリニル、イソベンゾチエニル、ベンゾオキサゾリル、ピリドピリジニル、プリニル、ベンゾジオキソリル、トリアジニル、プテリジニル、ベンゾチアゾリル、イミダゾピリジニル、イミドアゾチアゾリル、ベンジソキサジニル、ベンゾオキサジニル、ベンゾピラニル、ベンゾチオピラニル、クロモニル、クロマノニル、ピリジニル-N-オキシド、イソインドリノニル、ベンゾジオキサニル、ベンゾオキサゾリノニル、ピロリルN-オキシド、ピリミジニルN-オキシド、ピリダジニルN-オキシド、ピラジニルN-オキシド、キノリニルN-オキシド、インドリルN-オキシド、インドリニルN-オキシド、イソキノリルN-オキシド、キナゾリニルN-オキシド、キノキサリニルN-オキシド、フタラジニルN-オキシド、イミダゾリルN-オキシド、イソオキサゾリルN-オキシド、オキサゾリルN-オキシド、チアゾリルN-オキシド、インドリジニルN-オキシド、インダゾリルN-オキシド、ベンゾチアゾリルN-オキシド、ベンズイミダゾリルN-オキシド、ピロリルN-オキシド、オキサジアゾリルN-オキシド、チアジアゾリルN-オキシド、トリアゾリルN-オキシド、テトラゾリルN-オキシド、ベンゾチオピラニルS-オキシド、ベンゾチオピラニルS,S-ジオキシドが挙げられる。好ましいヘテロアリール基としては、ピリジル、ピリミジル、キノリニル、インドリル、ピロリル、フラニル、チエニルおよびイミダゾリル、ピラゾリル、インダゾリル、チアゾリル、およびベンゾチアゾリルが挙げられる。ある特定の実施形態では、各ヘテロアリールは、ピリジル、ピリミジニル、ピリダジニル、ピラジニル、イミダゾリル、イソオキサゾリル、ピラゾリル、オキサゾリル、チアゾリル、フラニル、チエニル、ピロリル、オキサジアゾリル、チアジアゾリル、トリアゾリル、テトラゾリル、イソチアゾリル、ピリジニル-N-オキシド、ピロリルN-オキシド、ピリミジニルN-オキシド、ピリダジニルN-オキシド、ピラジニルN-オキシド、イミダゾリルN-オキシド、イソオキサゾリルN-オキシド、オキサゾリルN-オキシド、チアゾリルN-オキシド、ピロリルN-オキシド、オキサジアゾリルN-オキシド、チアジアゾリルN-オキシド、トリアゾリルN-オキシド、およびテトラゾリルN-オキシドから選択される。好ましいヘテロアリール基としては、ピリジル、ピリミジル、キノリニル、インドリル、ピロリル、フラニル、チエニル、イミダゾリル、ピラゾリル、インダゾリル、チアゾリル、およびベンゾチアゾリルが挙げられる。本明細書のヘテロアリール基は、非置換であるか、または「任意選択的に置換されている」と指定される場合、別段の定めがない限り、1個以上の置換可能な位置で、示されるように様々な基で置換され得る。
【0102】
「ヘテロシクロアルキル」という用語は、好ましくは窒素、酸素、および硫黄から選択される少なくとも1個のヘテロ原子を含有する非芳香族環または環系を指し、上記のヘテロ原子は、非芳香族環内にある。ヘテロシクロアルキルは、1、2、3、または4個のヘテロ原子を有し得る。ヘテロシクロアルキルは、飽和(すなわち、ヘテロシクロアルキル)であり、部分的に不飽和(すなわち、ヘテロシクロアルケニル)であり得る。ヘテロシクロアルキルは、3~8個の環構成原子の単環式基、ならびに架橋および融合系を含む二環式および多環式環系を含み、各環は、3~8個の環構成原子を含む。ヘテロシクロアルキル環は、任意選択的に、他のヘテロシクロアルキル環および/または非芳香族炭化水素環に縮合される。ある特定の実施形態では、ヘテロシクロアルキル基は、単環中に3~7員を有する。他の実施形態では、ヘテロシクロアルキル基は、単環中に5または6員を有する。いくつかの実施形態では、ヘテロシクロアルキル基は、単環中に3、4、5、6、または7員を有する。ヘテロシクロアルキル基の例としては、例えば、アザビシクロ[2.2.2]オクチル(各場合において、「キヌクリジニル」またはキヌクリジン誘導体でもある)、アザビシクロ[3.2.1]オクチル、2,5-ジアザビシクロ[2.2.1]ヘプチル、モルホリニル、チオモルホリニル、チオモルホリニルS-オキシド、チオモルホリニルS,S-ジオキシド、2-オキサゾリドニル、ピペラジニル、ホモピペラジニル、ピペラジノニル、ピロリジニル、アゼパニル、アゼチジニル、ピロリニル、テトラヒドロピラニル、ピペリジニル、テトラヒドロフラニル、テトラヒドロチエニル、3,4-ジヒドロイソキノリン-2(1H)-イル、イソインドリンジオニル、ホモピペリジニル、ホモモルホリニル、ホモチオモルホリニル、ホモチオモルホリニルS,S-ジオキシド、オキサゾリジノニル、ジヒドロピラゾリル、ジヒドロピロリル、ジヒドロピラジニル、ジヒドロピリジニル、ジヒドロピリミジニル、ジヒドロフリル、ジヒドロピラニル、イミダゾリドニル、テトラヒドロチエニルS-オキシド、テトラヒドロチエニルS,S-ジオキシド、およびホモチオモルホリニルS-オキシドが挙げられるが、これらに限定されない。特に望ましいヘテロシクロアルキル基としては、モルホリニル、3,4-ジヒドロイソキノリン-2(1H)-イル、テトラヒドロピラニル、ピペリジニル、アザ-ビシクロ〔2.2.2〕オクチル、γ-ブチロラクトニル(すなわち、オキソ置換テトラヒドロフラニル)、γ-ブトリオラクタミル(すなわち、オキソ置換ピロリジン)、ピロリジニル、ピペラジニル、アゼパニル、アゼチジニル、チオモルホリニル、チオモルホリニルS,S-ジオキシド、2-オキサゾリドニル、イミダゾリドニル、イソインドリンジオニル、ピペラジノニルが挙げられる。本明細書のヘテロシクロアルキル基は、非置換であるか、または「任意選択的に置換されている」と指定される場合、別段の定めがない限り、1個以上の置換可能な位置で、示されるように様々な基で置換され得る。
【0103】
「シクロアルキル」という用語は、飽和(すなわち、シクロアルキル)または部分的に不飽和(すなわち、シクロアルケニル)であり得る非芳香族炭素環式環または環系を指す。シクロアルキル環は、任意選択的に、他のシクロアルキル環に縮合し得るか、またはそうでなければ他のシクロアルキル環に結合し得る(例えば、架橋系)。本開示のシクロアルキル基のある特定の例は、単環中に3~7員を有し、例えば、単環に5または6員を有する。いくつかの実施形態では、シクロアルキル基は、単環中に3、4、5、6または7員を有する。シクロアルキル基の例としては、例えば、シクロヘキシル、シクロペンチル、シクロブチル、シクロプロピル、テトラヒドロナフチルおよびビシクロ〔2.2.1〕ヘプタンが挙げられる。本明細書のシクロアルキル基は、非置換であるか、または「任意選択的に置換されている」と指定される場合、示されるように様々な基と1個以上の置換可能な位置で置換され得る。
【0104】
「環系」という用語は、単環、ならびに融合および/または架橋された多環を包含する。
【0105】
「アミノ」という用語は、文脈に応じて、一級アミノ基、二級アミノ基、または三級アミノ基を意味する。
【0106】
「カルボニル」という用語は、-C(O)-基を意味する。
【0107】
「ヒドロキシ」および「ヒドロキシル」という用語は、-OH基を意味する。
【0108】
「オキソ」という用語は、二重結合酸素を意味し、=Oとして指定されることもあれば、例えば、カルボニル「C(O)」を説明する際に、オキソ置換炭素を示すために使用され得る。
【0109】
「オキシ」という用語は、-O-基を意味する。
【0110】
「スルホニル」という用語は、-SO-基を意味する。
【0111】
「置換された」という用語は、特定の基またはラジカルを修飾するために使用される場合、別途指定されない限り、特定の基またはラジカルの1個以上の水素原子が、互いに独立して、以下に定義される同じまたは異なる置換基で置換されることを意味する。
【0112】
本明細書で使用される場合、「代謝産物」という用語は、式(I)および(Ia)~(Ie)を参照して記載される実施形態および上記の実施形態1~280のいずれかを含む、本開示の化合物の代謝から生じる化合物を意味する。一実施形態では、代謝産物は、生理活性化合物であることを意味する活性代謝産物である。一実施形態では、代謝産物は、本明細書に記載のプロドラッグの代謝から得られる活性化合物である。
【0113】
「薬学的に許容される」という用語は、概して安全な非毒性の生物学的に許容される化合物、物質、または組成物を指すものを意味する。
【0114】
本明細書で使用される場合、「薬学的に許容される塩」という語句は、薬学的に許容される酸および塩基付加塩の両方を指す。このような薬学的に許容される塩には、塩酸、リン酸、臭化水素酸、硫酸、スルフィン酸、ギ酸、トルエンスルホン酸、メタンスルホン酸、硝酸、安息香酸、クエン酸、酒石酸、マレイン酸、ヨウ化水素酸、酢酸などのアルカン酸、nが0~4であるHOOC-(CH-COOHなどの塩が含まれる。非毒性の薬学的塩基付加塩には、ナトリウム、カリウム、カルシウム、アンモニウムなどの塩基の塩が含まれる。当業者は、多種多様な非毒性の薬学的に許容される付加塩を認識するであろう。
【0115】
医薬品化学の当業者は、開示される構造が、本発明の化合物の同位体濃縮形態を含むことが意図されていることも理解するであろう。本明細書で使用される場合、「同位体」は、同じ原子番号であるが異なる質量数を有する原子を含む。当業者に既知であるように、水素などのある特定の原子は、異なる同位体形態で生じる。例えば、水素は、3つの同位体形態、プロチウム、重水素、およびトリチウムを含む。本発明の化合物を考慮すると、当業者には明白であろうように、ある特定の化合物は、所与の位置で、原子の特定の同位体をその位置で濃縮することができる。例えば、フッ素原子を有する化合物は、放射性フッ素同位体18Fを濃縮した形態で合成され得る。同様に、化合物は、水素の重い同位体、重水素およびトリチウムで濃縮されてもよく、同様に、13Cなどの炭素の放射性同位体で濃縮され得る。このような同位体バリアント化合物は、異なる代謝経路を受け、例えば、ユビキチン化経路および疾患におけるその役割の研究において有用であり得る。もちろん、ある特定の実施形態では、化合物は、天然に存在する材料と実質的に同じ同位体特性を有する。
【0116】
本開示の化合物は、(R)または(S)構成のいずれかであり得るか、またはそれらの混合物を含み得るキラル中心を含有し得る。したがって、本発明はまた、適用可能な場合、個別にまたは任意の割合で混合された本明細書に記載の化合物の立体異性体を含む。立体異性体としては、鏡像異性体、ジアステレオマー、ラセミ混合物(ラセミ体)、およびそれらの組み合わせが挙げられ得るが、これらに限定されない。このような立体異性体は、鏡像異性出発物質を反応させるか、または本発明の化合物の異性体を分離するかのいずれかによって、従来の技法を使用して調製および分離され得る。
【0117】
異性体は、互変異性体および幾何異性体をさらに含み得る。幾何異性体の例としては、二重結合にわたるシス異性体またはトランス異性体が挙げられるが、これらに限定されない。他の異性体が本開示の化合物の間で企図される。異性体は、純粋な形態で、または本明細書に開示される化合物の他の異性体との混合物のいずれかで使用され得る。いくつかの実施形態では、本開示の化合物は、以下に示すような天然のCBG型構成を有し得る。
【化7】

【0118】
化学分野の当業者は、別段の指示がない限り、開示される構造は、ある特定のまたはすべての立体異性体の混合物を含む、特許請求される分子のすべての可能な立体異性体を含むことが意図されることも理解するであろう。しかしながら、1個以上の立体中心においてある特定の立体化学で描画される化合物は、指示された立体化学を有するその特定の実施形態における化合物を示す。曖昧な立体化学で描かれた化合物および立体中心は、任意の立体異性体またはその混合物、例えば、化合物のラセミ混合物または立体異性体の精製されたサブセットを伝達することを意味する。
【0119】
本明細書で使用される場合、「個体」、「患者」、または「対象」という用語は、互換的に使用される場合、哺乳動物、好ましくはヒトを含む任意の動物を指す。
【0120】
本明細書で使用される場合、「治療有効量」または「有効量」という語句は、研究者、獣医、医師、または他の臨床医によって細胞、組織、系、動物、個人またはヒトにおいて求められている生物学的または医薬品反応を誘発する活性化合物または薬学的薬剤の量を指す。
【0121】
ある特定の実施形態では、有効量は、
(i)疾患の進行を阻害すること、
(ii)予防的使用、例えば、疾患、状態もしくは障害にかかりやすいか、またはそうでなければその疾患、状態、もしくは障害に対して危険にあり得るが、その疾患の病理もしくは総体症状をまだ経験していないか、または示していない個体において、疾患、状態、または障害の発症を予防または制限すること、
(iii)疾患を阻害すること、例えば、疾患、状態もしくは障害の病理もしくは総体症状を経験しているかまたは示している個体において、疾患、状態、または障害を阻害すること、
(iv)参照される病状を改善すること、例えば、疾患の重症度を低下させることなどの、疾患、状態、もしくは障害の病理もしくは総体症状を経験しているかまたは示している個体において、疾患、状態、または障害を改善すること(すなわち、病理および/または総体症状を回復させるかまたは改善すること)、あるいは
(v)参照される生物学的効果を誘発すること、に好適な量であり得る。
【0122】
本明細書で使用される場合、「治療」および「治療すること」という用語は、(i)参照される病状、状態、または障害(またはその症状)を改善すること、例えば、疾患、またはその症状の重症度を低下させることなどの、疾患、状態、もしくは障害の病理学的もしくは総体症状を経験しているかまたは示している個体において、疾患、状態、または障害を改善すること(すなわち、病理および/または総体症状を回復させるかまたは改善すること)、あるいは(ii)参照される生物学的効果を誘発すること(例えば、アポトーシスを誘発するか、またはグルタチオン合成を阻害すること)を意味する。
【0123】
本明細書で使用される場合、「予防すること」または「予防する」という用語は、参照される病状、状態、もしくは障害(またはその症状)の対象において、発症を完全にもしくは部分的に排除または遅延させることを意味する。
【0124】
調製の方法
開示される化合物を合成するのに有用な一般的に知られている化学合成スキームおよび条件を提供する多くの一般的な参照文献が利用可能である(例えば、Smith and March,March’s Advanced Organic Chemistry:Reactions,Mechanisms,and Structure,Fifth Edition,Wiley-Interscience,2001、またはVogel,A Textbook of Practical Organic Chemistry,Including Qualitative Organic Analysis,Fourth Edition,New York:Longman,1978を参照されたい)。
【0125】
本明細書に記載の化合物は、HPLC、分取薄層クロマトグラフィー、フラッシュカラムクロマトグラフィー、およびイオン交換クロマトグラフィーなどのクロマトグラフィー手段を含む、当該技術分野で既知の手段のいずれかによって精製することができる。通常相および逆相ならびにイオン性樹脂を含む任意の好適な固定相を使用することができる。最も典型的には、開示される化合物は、シリカゲルおよび/またはアルミナクロマトグラフィーを介して精製される。例えば、Introduction to Modern Liquid Chromatography,2nd Edition,ed.L.R.Snyder and J.J.Kirkland,John Wiley and Sons,1979、およびThin Layer Chromatography,ed E.Stahl,Springer-Verlag,New York,1969を参照されたい。さらなる実施形態では、化合物は、分取HPLCによって精製されてもよい。
【0126】
対象化合物の調製のためのプロセスのいずれかの間に、該当分子のいずれかの感受性基または反応性基を保護することが必要であり、かつ/または望ましい場合がある。これは、J.F.W.McOmie,”Protective Groups in Organic Chemistry,”Plenum Press,London and New York 1973、T.W.Greene and P.G.M.Wuts,”Protective Groups in Organic Synthesis,”Third edition,Wiley,New York 1999、”The Peptides”;Volume 3(editors:E.Gross and J.Meienhofer),Academic Press,London and New York 1981、”Methoden der organischen Chemie,”Houben-Weyl,4.sup.th edition,Vol.15/l,Georg Thieme Verlag,Stuttgart 1974、H.-D.Jakubke and H.Jescheit,”Aminosauren,Peptide,Proteine,”Verlag Chemie,Weinheim,Deerfield Beach,and Basel 1982、および/またはJochen Lehmann,”Chemie der Kohlenhydrate:Monosaccharide and Derivate,”Georg Thieme Verlag,Stuttgart 1974などの定評のある著作物に記載されているように、従来の保護基の手段により達成され得る。保護基は、当該技術分野で既知の方法を使用して、好都合なその後の段階で除去されてもよい。
【0127】
本明細書で使用される「脱離基」(例えば、LGとして好適である)は、化学反応において第1の反応物から置換される反応物質(例えば、本開示のアルキルハロゲン化物)の部分を指す。好適な脱離基の包括的および非限定的なリストは、J.March,Advanced Organic Chemistry,John Wiley and Sons,N.Y.(2013)に見出すことができる。好適な脱離基の例としては、ハロゲン(ClまたはBrなど)、アセトキシ、およびスルホニルオキシ基(メチルスルホニルオキシ、トリフルオロメチルスルホニルオキシ(「トリフレート」)、p-トルエンスルホニルオキシ(「トシレート」)など)が挙げられるが、これらに限定されない。
【0128】
本明細書に開示される化合物は、当業者によく知られている手順を使用して、例えば、スキーム1~4に記載されているように、作製することができる。当業者は、本明細書に提供されるスキームおよび実施例の反応順序を所望の標的分子に適合させることができる。もちろん、ある特定の状況では、当業者は、個々のステップのうちの1つ以上に影響を与えるために、または置換基のうちのある特定の保護されたバージョンを使用するために、異なる試薬を使用するであろう。加えて、当業者は、本開示の化合物が、異なる経路を使用して完全に合成され得ることを認識するであろう。例えば、当業者は、本明細書に記載の手順および/または当業者によく知られている他の手順を適合させて、本明細書に記載の化合物を作製してもよい。
【化8】


式中、R、R、R、R5a、およびR5bは、式(I)に定義されるとおりである。
【化9】


式中、R、R、R、R、およびRは、式(I)に定義されるとおりである。
【化10】


【化11】

【実施例
【0129】
本開示の化合物の調製は、以下の実施例によってさらに例示され、これは、いかなる形でも、本開示を、範囲または趣旨において、それらに記載される特定の手順および化合物に限定するものとして解釈されるべきではない。これらの実施例は、本発明を例示するために提供される。
【0130】
化合物の合成および製剤化
実施例1:カンナビゲロール酸の調製
ステップ1:3-(3,7-ジメチルオクタ-2,6-ジエン-1-イル)-2,4-ジヒドロキシ-6-ペンチル安息香酸の調製
【化12】


ステップ1:密封バイアル中の(E)-2-(3,7-ジメチルオクタ-2,6-ジエン-1-イル)-5-ペンチルベンゼン-1,3-ジオール(0.36mmol)および炭酸メチルマグネシウム(MMC)溶液(ジメチルホルムアミド中2.0M、1等量)の混合物を、窒素下、110℃で2時間撹拌する。混合物を冷却し、HCl 1Nで酸性化し、酢酸エチルで抽出する。有機抽出物をNaSOで乾燥させ、濃縮し、酢酸エチル-ヘキサンを使用して分離して、(E)-3-(3,7-ジメチルオクタ-2,6-ジエン-1-イル)-2,4-ジヒドロキシ-6-ペンチル安息香酸(カンナビゲロール酸)を得る。
【0131】
実施例2:8-(3,7-ジメチルオクタ-2,6-ジエン-1-イル)-7-ヒドロキシ-5-ペンチル-4H-ベンゾ[d][1,3]ジオキシン-4-オン(1)
【化13】


ジメチルホルムアミド(DMF、1.0mL)中のカンナビゲロール酸(100mg、0.28mmol)、KPO(118mg、0.56mmol)、ジクロロメタン(DCM、0.50mL)の混合物を、密封バイアル中、100°Cで1.5時間撹拌した。混合物をブラインで希釈し、酢酸エチル抽出した。有機抽出物をNaSOで乾燥させ、濃縮し、C18逆相カラムクロマトグラフィー(CHCN-HO)によって精製して、(E)-8-(3,7-ジメチルオクタ-2,6-ジエン-1-イル)-7-ヒドロキシ-5-ペンチル-4H-ベンゾ[d][1,3]ジオキシン-4-オン(収率25%)を得た。H NMR(400MHz,CDCl):δ 6.49(1H,s),5.96(1H,s),5.54(2H,s),5.24-5.20(1H,m),5.05-5.02(1H,m),3.36(2H,d,J=7.2Hz),3.02-2.98(2H,m),2.11-2.05(4H,m),1.79(3H,s),1.67(3H,s),1.63-1.56(5H,m),1.40-1.32(4H,m),0.91-0.88(3H,m).ESI-MS[M+H]:372.98.
【0132】
実施例3:8-(3,7-ジメチルオクタ-2,6-ジエン-1-イル)-7-ヒドロキシ-2-(2-オキソプロピル)-5-ペンチル-2-フェニル-4H-ベンゾ[d][1,3]ジオキシン-4-オン(12)
【化14】


DCM(2.0mL)中のカンナビゲロール酸(100mg、0.28mmol)、モルホリン(5μL、0.055mmol)、4-フェニルブト-3-イン-2-オン(40μL、0.28mmol)の混合物を、室温で24時間撹拌した。混合物を濃縮し、C18逆相カラムクロマトグラフィー(CHCN-HO)によって精製して、(E)-8-(3,7-ジメチルオクタ-2,6-ジエン-1-イル)-7-ヒドロキシ-2-(2-オキソプロピル)-5-ペンチル-2-フェニル-4H-ベンゾ[d][1,3]ジオキシン-4-オン(収率50%)を得た。H NMR(400MHz,CDCl):δ 7.42-7.40(2H,m),7.30-7.26(3H,m),6.30(1H,s),5.94(1H,s),5.24(1H,t,J=7.1Hz),5.09-5.05(1H,m),3.56-3.44(2H,m),3.22(2H,dd,J=20.0,14.4Hz),3.07-3.00(1H,m),2.72-2.65(1H,m),2.30(3H,s),2.17-2.09(4H,m),1.85(3H,s),1.68(3H,s),1.61(3H,s),1.44-1.07 (6H,m),0.80(3H,t,J=7.2Hz).ESI-MS[M+H]:504.88,[M+HO]:521.90,[M+HCOOH]:549.93.
【0133】
実施例4:8-(3,7-ジメチルオクタ-2,6-ジエン-1-イル)-7-ヒドロキシ-2-(メトキシメチル)-2-メチル-5-ペンチル-4H-ベンゾ[d][1,3]ジオキシン-4-オン(11)
【化15】


0℃のジメトキシエタン(1mL)中のオリベトール酸(200mg、0.89mmol)、4-ジメチルアミノピリジン(DMAP;5.0mg、0.044mmol)、およびメトキシアセトン(118mg、1.34mmol)の溶液に、ジメトキシエタン(0.5mL)中のSOCl(98μL、1.34mmol)の溶液を滴加した。混合物を室温で3時間撹拌し、水性NaHCOで希釈し、酢酸エチルで抽出した。有機抽出物をNaSOで乾燥させ、濃縮し、シリカゲル上のフラッシュカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル-ヘキサン)により精製して、7-ヒドロキシ-2-(メトキシメチル)-2-メチル-5-ペンチル-1,3-ベンゾジオキシン-4-オン(120mg、収率46%)を得た。
【0134】
室温の乾燥DCM(2mL)中の7-ヒドロキシ-2-(メトキシメチル)-2-メチル-5-ペンチル-1,3-ベンゾジオキシン-4-オン(70mg、0.24mmol)、カンフル-10-スルホン酸(β)(5.5mg、0.024mmol)の撹拌溶液に、DCM(2mL)中のゲラニオール(55mg、0.36mmol)の溶液を20分かけて加えた。混合物を室温で3時間撹拌し、水性NaHCOでクエンチし、DCMで抽出した。有機抽出物をNaSOで乾燥させ、濃縮し、シリカゲル上のフラッシュカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル-ヘキサン)、続いてC18逆相カラムクロマトグラフィー(CHCN-HO)により精製して、(E)-8-(3,7-ジメチルオクタ-2,6-ジエン-1-イル)-7-ヒドロキシ-2-(メトキシメチル)-2-メチル-5-ペンチル-4H-ベンゾ[d][1,3]ジオキシン-4-オン(収率1%)を得た。H NMR(400MHz,CDCl):δ 6.42(1H,s),5.92(1H,s),5.23-5.19(1H,m),5.06-5.03(1H,m),3.68(1H,d,J=10.8Hz),3.59(1H,d,J=10.8Hz),3.41(3H,s),3.35(2H,d,J=7.2Hz),3.01-2.97(2H,m),2.17-2.04(4H,m),1.79(3H,s),1.67(6H,s),1.59-1.53(5H,m),1.37-1.33(4H,m),0.90-0.87(3H,m).ESI-MS[M+H]:430.90.
【0135】
実施例5:8-(3,7-ジメチルオクタ-2,6-ジエン-1-イル)-2-エチル-7-ヒドロキシ-5-ペンチル-4H-ベンゾ[d][1,3]ジオキシン-4-オン(16)
【化16】


DMF(0.8mL)中のカンナビゲロール酸(100mg、0.28mmol)、KPO(118mg、0.55mmol)、1,1-ジクロロプロパン(0.4mL)の混合物を、密封バイアル中、120℃で24時間撹拌した。混合物を酢酸エチルで希釈し、ブラインで洗浄した。有機抽出物をNaSOで乾燥させ、濃縮し、C18逆相クロマトグラフィー(CHCN-HO)、続いてシリカゲル上のフラッシュカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル-ヘキサン)により精製して、(E)-8-(3,7-ジメチルオクタ-2,6-ジエン-1-イル)-2-エチル-7-ヒドロキシ-5-ペンチル-4H-ベンゾ[d][1,3]ジオキシン-4-オン(収率5%)を得た。H NMR(400MHz,CDCl):δ 6.46(1H,s),6.00(1H,s),5.41(1H,t,J=5.0Hz),5.25-5.21(1H,m),5.06-5.02(1H,m),3.36(2H,d,J=7.2Hz),3.19-3.12(1H,m),2.88-2.81(1H,m),2.11-2.00 (6H,m),1.79(3H,s),1.67(3H,s),1.63-1.51(5H,m),1.39-1.25(4H,m),1.13(3H,t,J=7.5Hz),0.90-0.87(3H,m).ESI-MS[M-H]:399.41.
【0136】
実施例6:8-(3,7-ジメチルオクタ-2,6-ジエン-1-イル)-7-ヒドロキシ-5-ペンチル-2-フェニル-4H-ベンゾ[d][1,3]ジオキシン-4-オン(3)
【化17】


DMF(0.8mL)中のカンナビゲロール酸(100mg、0.28mmol)、KPO(118mg、0.55mmol)、α,α-ジクロロトルエン(0.4mL)の混合物を、密封バイアル中、120℃で2時間撹拌した。混合物を酢酸エチルで希釈し、ブラインで洗浄した。有機抽出物をNaSOで乾燥させ、濃縮し、C18逆相クロマトグラフィー(CHCN-HO)により精製して、(E)-8-(3,7-ジメチルオクタ-2,6-ジエン-1-イル)-7-ヒドロキシ-5-ペンチル-2-フェニル-4H-ベンゾ[d][1,3]ジオキシン-4-オン(収率3%)を得た。H NMR(400MHz,CDCl):δ 7.66-7.64(2H,m),7.47-7.46(3H,m),6.52(1H,s),6.41(1H,s),6.02(1H,s),5.26-5.22(1H,m),5.04-5.02(1H,m),3.40(2H,d,J=7.2Hz),3.18-3.14(1H,m),2.95-2.89(1H,m),2.10-2.04(4H,m),1.75(3H,s),1.67(3H,s),1.67-1.58(5H,m),1.39-1.33(4H,m),0.92-0.88(3H,m).ESI-MS[M-H]:447.44.
【0137】
実施例7:8-(3,7-ジメチルオクタ-2,6-ジエン-1-イル)-7-ヒドロキシ-2-(4-メトキシフェニル)-2-(2-オキソプロピル)-5-ペンチル-4H-ベンゾ[d][1,3]ジオキシン-4-オン(17)
【化18】


DCM(2.0mL)中のカンナビゲロール酸(100mg、0.28mmol)、モルホリン(5μL、0.055mmol)、4-(4-メトキシフェニル)ブト-3-イン-2-オン(40μL、0.31mmol)の混合物を、室温で24時間撹拌した。混合物を濃縮し、シリカゲル上のフラッシュカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル-ヘキサン)、続いてC18逆相クロマトグラフィー(CHCN-HO)によって精製して、(E)-8-(3,7-ジメチルオクタ-2,6-ジエン-1-イル)-7-ヒドロキシ-2-(4-メトキシフェニル)-2-(2-オキソプロピル)-5-ペンチル-4H-ベンゾ[d][1,3]ジオキシン-4-オン(収率30%)を得た。H NMR(400MHz,CDCl):δ 7.33-7.30(2H,m),6.79-6.77(2H,m),6.30(1H,s),5.95(1H,s),5.23(1H,t,J=7.1Hz),5.07(1H,t,J=7.3Hz),3.74(3H,s),3.56-3.42(2H,m),3.25-3.17(2H,m),3.05-2.99(1H,m),2.74-2.67(1H,m),2.29(3H,s),2.17-2.09(4H,m),1.85(3H,s),1.68(3H,s),1.61(3H,s),1.46-1.30(2H,m),1.27-1.09(4H,m),0.81(3H,t,J=7.1Hz).ESI-MS[M+H]:535.31,[M+HO]:552.28.
【0138】
実施例8:8-(3,7-ジメチルオクタ-2,6-ジエン-1-イル)-7-ヒドロキシ-2-(2-オキソプロピル)-5-ペンチル-4H-ベンゾ[d][1,3]ジオキシン-4-オン(14)
【化19】


DCM(2.0mL)中のカンナビゲロール酸(100mg、0.28mmol)、モルホリン(5μL、0.055mmol)、およびブト-3-イン-2-オン(24μL、0.31mmol)の混合物を、室温で24時間撹拌した。混合物を濃縮し、シリカゲル上のフラッシュカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル-ヘキサン)、続いてC18逆相クロマトグラフィー(CHCN-HO)によって精製して、(E)-8-(3,7-ジメチルオクタ-2,6-ジエン-1-イル)-7-ヒドロキシ-2-(2-オキソプロピル)-5-ペンチル-4H-ベンゾ[d][1,3]ジオキシン-4-オン(収率15%)を得た。H NMR(400MHz,CDCl):δ 5.99(1H,s),5.90(1H,t,J=4.8Hz),5.21(1H,t,J=7.2Hz),5.02(1H,t,J=6.8Hz),3.31(2H,d,J=7.2Hz),3.22-3.10(3H,m),2.87-2.80(1H,m),2.29(3H,s),2.11-2.04(4H,m),1.77(3H,s),1.67(3H,s),1.63-1.58(5H,m),1.37-1.33(4H,m),0.91-0.87(3H,m).ESI-MS[M+H]:429.21.
【0139】
実施例9:8-(3,7-ジメチルオクタ-2,6-ジエン-1-イル)-7-ヒドロキシ-5-プロピル-4H-ベンゾ[d][1,3]ジオキシン-4-オン(18)
【化20】


DMF(1.0mL)中の(E)-3-(3,7-ジメチルオクタ-2,6-ジエン-1-イル)-2,4-ジヒドロキシ-6-プロピル安息香酸(カンナビゲロバリン酸;100mg、0.30mmol)、KPO(128mg、0.60mmol)、DCM(0.5mL)の混合物を、密封バイアル中、110°Cで2時間撹拌した。混合物を室温に冷却し、酢酸エチルで希釈し、ブラインで洗浄した。有機抽出物をNaSOで乾燥させ、濃縮し、C18逆相クロマトグラフィー(CHCN-HO)により精製して、(E)-8-(3,7-ジメチルオクタ-2,6-ジエン-1-イル)-7-ヒドロキシ-5-プロピル-4H-ベンゾ[d][1,3]ジオキシン-4-オン(収率14%)を得た。H NMR(400MHz,CDCl):δ 6.49(1H,s),6.01(1H,s),5.54(2H,s),5.24-5.20(1H,m),5.06-5.02(1H,m),3.36(2H,d,J=7.0Hz),3.00-2.96(2H,m),2.11-2.05(4H,m),1.79(3H,s),1.75-1.59(8H,m),0.98(3H,t,J=7.5Hz).ESI-MS[M+H]:345.22.
【0140】
実施例10:8-(3,7-ジメチルオクタ-2,6-ジエン-1-イル)-7-ヒドロキシ-2-フェニル-5-プロピル-4H-ベンゾ[d][1,3]ジオキシン-4-オン(19)
【化21】


DMF(1.0mL)中のカンナビゲロバリン酸(150mg、0.45mmol)、KPO(192mg、0.90mmol)、α,α-ジクロロトルエン(0.4mL)の混合物を、密封バイアル中、110℃で2時間撹拌した。混合物を室温に冷却し、酢酸エチルで希釈し、ブラインで洗浄した。有機抽出物をNaSOで乾燥させ、濃縮し、C18逆相クロマトグラフィー(CHCN-HO)により精製して、(E)-8-(3,7-ジメチルオクタ-2,6-ジエン-1-イル)-7-ヒドロキシ-2-フェニル-5-プロピル-4H-ベンゾ[d][1,3]ジオキシン-4-オン生成物(6%)を得た。H NMR(400MHz,CDCl):δ 7.66-7.64(2H,m),7.47-7.46(3H,m),6.52(1H,s),6.40(1H,s),5.98(1H,s),5.26-5.22(1H,m),5.03-5.02(1H,m),3.40(2H,d,J=7.0Hz),3.20-3.13(1H,m),2.94-2.87(1H,m),2.09-2.05(4H,m),1.75(3H,s),1.70-1.55(8H,m),1.00(3H,t,J=7.5Hz).ESI-MS[M+H]:421.30.
【0141】
実施例11:
以下の化合物は、例えばスキーム1~4および/または実施例1~10を考慮して、当業者に既知の手順に従って調製され得る。
【数3】

【0142】
本開示は、フェノールアルコールが
【化22】


で置換されている化合物1~17の類似体も提供する。ある特定の実施形態では、置換基
【化23】


は、(メトキシ)メチル、(2-メトキシエトキシ)メチル、(2-メトキシ)プロパン-2-イル、(2,5,8,11,14-ペンタオキサ)ヘキサデカン-15-イル、((エトキシカルボニル)オキシ)メチル、((エトキシカルボニル)オキシ)エト-1-イル、((2-メトキシエトキシカルボニル)オキシ)エト-1-イル、((tert-ブチルカルボニル)オキシ)メチル、((2-エチルブチルカルボニル)オキシ)メチル、((アセチル)オキシ)メチル、((メトキシカルボニル)(メチル)アミノ)メチル、((((2-メトキシエチル)オキシ)カルボニル)(メチル)アミノ)メチル、((((2,5,8,11-テトラオキサトリデカン-13-イル)オキシ)カルボニル)(メチル)アミノ)メチル、((メトキシカルボニル)(フェニル)アミノ)メチル、((メトキシカルボニル)(4-ニトロフェニル)アミノ)メチル、または(1-メトキシ)シクロペンチルであってもよい。例えば、(メトキシ)メチル置換基で置換されるとき、そのような化合物1の類似体は、8-(3,7-ジメチルオクタ-2,6-ジエン-1-イル)-7-(メトキシメトキシ)-5-ペンチル-4H-ベンゾ[d][1,3]ジオキシン-4-オンであり、表のすべての他の化合物のそのような類似体が具体的に企図される。
【0143】
放射性リガンド競合結合アッセイ-CB1およびCB2
実施例12:
本開示の化合物を、CB1受容体結合親和性およびCB2受容体結合親和性について試験した。本明細書で使用される場合、「結合親和性」は、本明細書に記載されるように実験的に決定されたIC50値によって表される。IC50値が低いほど、結合親和性が高い。本開示の化合物は、一方の受容体に対して他方よりも高い結合親和性を有する場合、「結合選択性」を有すると言える。例えば、CB1に対して1μMおよびCB2に対して0.1μMのIC50を有する化合物は、CB2受容体に対して10倍の選択性がある。
【0144】
CB1膜の調製
ヒトCB1受容体(カタログ番号ES-110-C、Perkin Elmer、Boston,MA)で安定にトランスフェクトしたCHO-K1(チャイニーズハムスター卵巣)細胞から膜を調製した。細胞を接着的に成長させ、製造業者の指示に従って、5%COの湿潤雰囲気中37℃で10%ウシ胎仔血清(FBS)、ペニシリン、ストレプトマイシン、およびゲネチシン(G418)を含有するHam’s F12培地中で維持した。
【0145】
膜調製のため、細胞をPBSで洗浄し、プロテアーゼ阻害剤カクテルを含有する低温均質化緩衝液(25mMのHEPES(pH7.4)、2mMのEDTA)中でプレートから削り取った(Sigmaカタログ番号P8340)。細胞懸濁液をPro-PK-01200D Polytron Homogenizer(Pro Scientific)で均質化した後、120,000×gで30分間遠心分離した。上清を廃棄し、ペレットを均質化緩衝液中に再懸濁させ、使用時まで-80℃で保管した。
【0146】
CB1放射性リガンド結合アッセイ:
CP55,940は、天然に存在するTHCの効果を模倣する合成カンナビノイドである。CP55,940は、カンナビノイドCB1およびCB2受容体の両方でフルアゴニストとして作用する。放射性標識リガンドは、受容体結合生物学をプローブするための最も感受性の高い方法の1つを表す。この実験では、3H放射性標識CP55,940、すなわち[3H]CP55,940(Perkin Elmer、Boston,MA)を、CB1受容体の放射性リガンドとして使用した。
【0147】
[3H]CP55,940置換アッセイを使用して、CB1受容体に対する化合物の結合親和性を決定した(スキーム5、以下)。
【化24】

【0148】
0.8nMの[3H]CP55,940(比活性101Ci/mmol、Perkin Elmer)および異なる濃度の本明細書に開示される化合物を、ヒトCB1受容体(6μgのタンパク質/ウェル)を発現するCHO-K1細胞、50mMのTris-HCl(pH7.4)、5mMのMgCl、1mMのCaClおよび2mg/mLのBSAから上記のように調製した膜とともにインキュベートすることによって、競争結合実験(単回用量および用量反応)を実施した。
【0149】
単回用量の実験のために、化合物ストック(通常、DMSO中10mM)を結合緩衝液中のワーキングストックに希釈し、10μMおよび1μMの最終化合物濃度を得た。用量反応実験のために、試験化合物を連続希釈して、IC50決定のための所望の濃度範囲を得た。各場合において、化合物を膜とともに20分間事前インキュベートした後、放射性リガンドを加えた。
【0150】
60分間37℃で放射性リガンドとともにインキュベートした後、0.33%ポリエチレンイミン(PEI)を含有する50mMのTris-HCl(pH7.4)で60分間予め浸漬したMultiScreen(登録商標)HTS 96ウェルフィルタープレート(Millipore、カタログ番号MSFCNXB)に通したアッセイ混合物の急速濾過によって、インキュベーションを終結させた。非特異的結合(NSB)を、10μMの非標識CP55,940の存在下で決定した。フィルタープレートを50℃で少なくとも60分間乾燥させた後、1450 MicroBeta Plate Counter(Perkin Elmer、Boston,MA)を使用したシンチレーション分光法により、フィルター結合放射能を決定した。用量応答実験から、IC50値を決定した(表1、CB1 IC50を参照されたい)。
【0151】
以下の表1において、CB1結合とCB2結合との間の選択性の倍率差異が示され、より高い結合親和性を示した受容体(すなわち、CB1またはCB2)のカラムに倍率差異が提示される。試験化合物が両方の受容体に対してほぼ同じ親和性を有する場合、これは両方の受容体についてのカラム内の1.00の値によって表される。
【0152】
CB2膜の調製
ヒトCB2受容体(カタログ番号ES-111-C、Perkin Elmer、Boston,MA)で安定にトランスフェクトしたCHO-K1(チャイニーズハムスター卵巣)細胞から膜を調製した。細胞を接着的に成長させ、製造業者の指示に従って、5%COの湿潤雰囲気中37℃で10%ウシ胎仔血清(FBS)、ペニシリン、ストレプトマイシン、およびゲネチシン(G418)を含有するHam’s F12培地中で維持した。
【0153】
膜調製のため、細胞をPBSで洗浄し、プロテアーゼ阻害剤カクテルを含有する低温均質化緩衝液(25mMのHEPES(pH7.4)、2mMのEDTA)中でプレートから削り取った(Sigmaカタログ番号P8340)。細胞懸濁液をPro-PK-01200D Polytron Homogenizer(Pro Scientific)で均質化した後、120,000×gで30分間遠心分離した。上清を廃棄し、ペレットを均質化緩衝液中に再懸濁させ、使用時まで-80℃で保管した。
【0154】
CB2放射性リガンド結合アッセイ
この実験では、3H放射性標識CP55,940、すなわち[3H]CP55,940(Perkin Elmer、Boston,MA)を、CB2受容体の放射性リガンドとして使用して、CB2受容体に対する化合物の結合親和性を決定した(スキーム5、上記)。
【0155】
0.6nMの[3H]CP55,940(比活性101Ci/mmol、Perkin Elmer)および異なる濃度の本明細書に開示される化合物を、ヒトCB2受容体(1μgのタンパク質/ウェル)を発現するCHO-K1細胞、50mMのTris-HCl(pH7.4)、5mMのMgCl、1mMのCaClおよび2mg/mLのBSAから上記のように調製した膜とともにインキュベートすることによって、競争結合実験(単回用量および用量反応)を実施した。
【0156】
単回用量の実験のために、化合物ストック(通常、DMSO中10mM)を結合緩衝液中のワーキングストックに希釈し、10μMおよび1μMの最終化合物濃度を得た。用量反応実験のために、試験化合物を連続希釈して、IC50決定のための所望の濃度範囲を得た。各場合において、化合物を膜とともに20分間事前インキュベートした後、放射性リガンドを加えた。
【0157】
60分間37℃で放射性リガンドとともにインキュベートした後、0.33%ポリエチレンイミン(PEI)を含有する50mMのTris-HCl(pH7.4)で60分間予め浸漬したMultiScreen(登録商標)HTS 96ウェルフィルタープレート(Millipore、カタログ番号MSFCNXB)に通したアッセイ混合物の急速濾過によって、インキュベーションを終結させた。非特異的結合(NSB)を、10μMの非標識CP55,940の存在下で決定した。フィルタープレートを50℃で少なくとも60分間乾燥させた後、1450 MicroBeta Plate Counter(Perkin Elmer、Boston,MA)を使用したシンチレーション分光法により、フィルター結合放射能を決定した。用量応答実験から、IC50値を決定した(表1、CB2 IC50を参照されたい)。
【0158】
表1に列挙される本開示の化合物は、CB1受容体よりもCB2受容体に対する選択性を示した。ここでも、以下の表1において、CB1結合とCB2結合との間の選択性の倍率差異が示され、より高い結合親和性を示した受容体(すなわち、CB1またはCB2)のカラムに倍率差異が提示される。試験化合物が両方の受容体に対してほぼ同じ親和性を有する場合、これは両方の受容体についてのカラム内の1.00の値によって表される。
【表1】

【0159】
GTPγS機能アッセイ
実施例13:
膜の調製
ヒトCB1受容体(Perkin Elmer、Boston,MA)で安定にトランスフェクトしたCHO-K1細胞から膜を調製した。細胞を接着的に成長させ、製造業者の指示に従って、5%COの湿潤雰囲気中37℃で10%ウシ胎仔血清(FBS)、ペニシリン、ストレプトマイシン、およびゲネチシン(G418)を含有するHam’s F12培地中で維持した。
【0160】
膜調製のため、細胞をPBSで洗浄し、プロテアーゼ阻害剤カクテルを含有する低温均質化緩衝液(25mMのHEPES(pH7.4)、2mMのEDTA)中でプレートから削り取った(Sigmaカタログ番号P8340)。細胞懸濁液をPolytronで均質化した後、120,000×gで30分間遠心分離した。
【0161】
GTPγSアッセイ
GTPγS結合アッセイを使用して、非加水分解性GTP類似体[35S]-GTPγSと、過剰発現したCB1またはCB2受容体を含有する細胞膜との結合を直接測定した。アゴニストによる受容体活性化時に、Gタンパク質は、非加水分解性[35S]GTPγSに結合するように刺激され、受容体活性化後に[35S]GTPγS標識Gαサブユニットを蓄積させる。結合した[35S]GTPγSは、濾過を使用して非結合の[35S]GTPγSから分離し、シンチレーションカウントによって定量化することができる。
【0162】
アッセイは、3μMのGDPおよび0.05mg/mlのサポニンを補充したアッセイ緩衝液(50mMのTris-HCl、5mMのMgCl、150mMのNaCl、1mMのEDTA、0.05%のBSA、および1mMのDTT(pH7.4))中で、5μgのCB1またはCB2膜のいずれかを100μlの総体積でインキュベートすることによって実施した。各々の場合において、結合の最大(刺激)レベルについての反応は、0.3nMの[35]GTPγSおよび10μMのCP55,940を含有した。アゴニストモードを、アゴニスト(CP55,940)の非存在下で試験化合物の濃度を増加させることによって決定した。CB1およびCB2の両方についてのアンタゴニストモードは、(-)-CP55,940のEC60濃度(12nM)を含有した。[35S]GTPγS結合のベースレベルを、CP55,940を含有しない未処理膜で測定し、非特異的結合(NSB)を、10μMのGTPγSで決定した。
【0163】
試験化合物を、0.3nM[35]GTPγSを加える前に、膜/GDP混合物とともに、30分間室温でインキュベートした。最終反応混合物を、30℃で45分間インキュベートした。インキュベーションは、MultiScreenHTS真空マニホールド上のMulti Screen 96ウェルフィルタープレートを用いて、結合した放射性リガンドと遊離放射性リガンドとを分離させる急速真空濾過によって終結させた。続いて、フィルターを50mMのTris-HCl(pH7.4)および5mMのMgClを含有する氷冷洗浄緩衝液で5回洗浄した。乾燥後、シンチラントを各フィルターに加えた。1時間後、1450 Microbetaタシンチレーションカウンタ(Perkin Elmer)を使用してシンチレーション分光法によってフィルター結合した放射能を決定した。
【0164】
本開示の化合物を、CB1およびCB2受容体の両方について、アゴニストおよびアンタゴニストモードにおいて試験した。試験した化合物は、概して、CB1およびCB2受容体においてアンタゴニストモードで活性を呈することが見出された。
【0165】
さらなる生物学的実施例
実施例14:模擬胃液(SGF)アッセイ
マイクロ遠心チューブ内で、1.1×アッセイ緩衝液(37.6mMのNaCl、pH1.2~1.5)を含有する626.5μLの溶液を、70μLの10×ペプシン溶液(Sigma-Aldrich Co.カタログ番号:P7012、milliQ水中80,000U/mL)で希釈する。得られた溶液を、3.5μLの試験化合物(2mM、DMSO)を加える前に、37℃および1,200rpmで、5分間軌道ミキサー内でインキュベートする。必要とされる限り、試料を同じ条件下でインキュベートする。
【0166】
指定の時点で、150μLの試料アリコートを、24μLの酸クエンチ溶液(0.5MのNaHCO)を含有するマイクロ遠心チューブに移す。チューブを5秒間ボルテックスした後、内部標準物質(25μMのグリブリド、ACN)を含有する348μLのタンパク質沈殿溶液を加える。チューブを20秒間再びボルテックスし、氷中に保管する。
【0167】
最後に、チューブを5,000×gおよび4℃で15分間遠心分離する。時間ゼロと比較した試験化合物の残存割合を、上清中でHPLC/LC-MSまたはLC-MS/MSによって定量化し、半減期を決定する。
【0168】
実施例15:TRP活性化:細胞内カルシウム検出によるカチオンフラックスの測定
一過性受容体電位イオンチャネル(TRP)は、様々な物理的および化学的刺激を統合する非選択的リガンドゲートカチオンチャネルである。活性化されると、これらのチャネルはCa2+を含むカチオンのゲーティングにつながるため、細胞内カルシウム濃度の変化を生成する。単一波長蛍光インジケータFluo-4アセトキシメチル(AM)は、TRPを発現し、カンナビノイドで刺激された細胞における細胞内カルシウムフラックスおよび濃度を測定するために使用される。Fluo-4 Direct(商標)カルシウムアッセイキット(Molecular Probes,Invitrogen,Carlsbad、CA,USA)は、培地除去または洗浄ステップを必要とせずに、培養細胞を含有するマイクロプレートウェルに試薬を直接加えることを可能にし、したがって、標的スクリーニングのプロセスを容易にする。
【0169】
Moriello et al.(参照により本明細書に組み込まれる、「Assay of TRPV1 Receptor Signaling」Methods In Molecular Biology(2016)1412:65-76)出典のように、ヒト胚性腎(HEK-293)細胞を使用して、TRPV1およびTRPV2を含む異なるTRPを発現する。細胞を、10%ウシ胎仔血清(FBS)、1%のペニシリンおよびストレプトマイシン(pen/strep)を補充したイーグル最小必須培地で増殖させ、5%CO中37℃のインキュベーター中で維持する。細胞を、目的のTRPのオープンリーディングフレーム(ORF)を含有する発現ベクターでHEK-293細胞を一過性にトランスフェクトするために使用される96ウェルプレートおよびポリエチレンイミン(PEI)に播種する。陰性対照として、空の発現ベクターを使用するトランスフェクションを実施する。
【0170】
トランスフェクションの24~48時間後、細胞をFluo-4 Direct(商標)(Molecular Probes)で30~60分間処理し、続いて異なる期間にわたってカンナビノイドおよびベンチマーク化合物に曝露する。インキュベーション後、マイクロプレートリーダー(494nmで励起および516nmで発光)を使用して蛍光を測定する。
【0171】
データの分析は、非線形回帰曲線と、バックグラウンド蛍光および陰性対照について補正されたすべてのデータポイントとを生成することによって行う。アゴニストの応答を参照アゴニストの効果に対して正規化し、アンタゴニストの応答を参照アゴニストのEC80に対して正規化する。
【0172】
実施例16:PPARγ活性化:核ホルモン受容体活性化アッセイ
ペルオキシソーム増殖因子活性化受容体(PPAR)は、核ホルモン受容体(NHR)のリガンド活性化転写因子である。PathHunter(登録商標)PPARγタンパク質相互作用アッセイ(DiscoverX,Fremont、CA,USA)は、β-ガラクトシダーゼの酵素相補性に基づくNHRの活性化を報告し、化学発光シグナルをレンダリングする。
【0173】
標的受容体を安定して発現するCHO-K1 PPARγ細胞株(DiscoverX)を使用する。細胞を、製造業者(DiscoverX)によって提供される試薬を使用して増殖させ、5%CO中37℃のインキュベーター中で維持する。細胞を採取し、ブラックスカート、透明底96ウェルプレートに播種し、一晩付着させ、回復させる。続いて、細胞を、カンナビノイドならびに/またはトログリタゾンおよびロシグリタゾンなどのベンチマーク化合物とともに、5%CO中37℃で30~90分間インキュベートする。次いで、製造業者によって提供される検出試薬(DiscoverX)をウェルに加え、プレートを1時間暗所でインキュベートし、続いてマイクロプレートリーダーを使用して化学発光検出を行う。データの分析は、非線形回帰曲線と、バックグラウンド発光および陰性対照について補正されたすべてのデータポイントとを生成することによって行う。アゴニストの応答を参照アゴニストの効果に対して正規化し、アンタゴニストの応答を参照アゴニストのEC80に対して正規化する。細胞の基礎活性は、0%に設定する。
【0174】
本明細書全体を通して、特許および刊行物を多数参照してきた。引用文献および刊行物の各々は、参照によりそれらの全体が本明細書に個別に組み込まれる。
【0175】
最後に、本明細書に開示される本発明の実施形態は、本発明の原理を例解するものであることが理解されるべきである。用いられてもよい他の修正は、本発明の範囲内にある。このため、限定ではなく例として、本発明の代替の構成が本明細書の教示に従って利用されてもよい。したがって、本発明は、厳密に示され説明されるものに限定されない。
【国際調査報告】