(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-02-10
(54)【発明の名称】ベルトおよびトレッドドラム、ベルトとトレッドのパッケージを製造するためのアセンブリおよび方法
(51)【国際特許分類】
B29D 30/24 20060101AFI20230203BHJP
B29D 30/26 20060101ALI20230203BHJP
【FI】
B29D30/24
B29D30/26
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022519677
(86)(22)【出願日】2021-09-09
(85)【翻訳文提出日】2022-05-26
(86)【国際出願番号】 NL2021050546
(87)【国際公開番号】W WO2022055349
(87)【国際公開日】2022-03-17
(32)【優先日】2020-09-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】NL
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】595090635
【氏名又は名称】ヴェーエムイー ホーランド ベー. ヴェー.
【氏名又は名称原語表記】VMI HOLLAND B. V.
(74)【代理人】
【識別番号】100116850
【氏名又は名称】廣瀬 隆行
(74)【代理人】
【識別番号】100165847
【氏名又は名称】関 大祐
(72)【発明者】
【氏名】テン ウォルデ ウィーベ ハーマン
【テーマコード(参考)】
4F215
【Fターム(参考)】
4F215AH20
4F215AP13
4F215AR02
4F215VA02
4F215VD03
4F215VD07
4F215VK32
4F215VL11
4F215VL13
4F215VL14
4F215VP01
4F215VP10
4F215VP36
4F215VP42
4F215VQ07
4F215VR03
(57)【要約】
本発明は、ベルトおよびトレッドドラム、ベルトおよびトレッドドラムと押圧装置のアセンブリ、ならびにベルトとトレッドのパッケージを製造するための方法に関し、ベルトおよびトレッドドラムは、第1の支持部材および第2の支持部材を備え、各支持部材は、前記トレッド層がベルト層よりも広い場合、トレッド層を支持するためにドラム軸から離れるように面するトレッド支持面を備え、各支持部材は、半径方向の周面の外側の上昇位置に位置決め可能であり、ベルトおよびトレッドドラムは、トレッド層を第1の支持部材および第2の支持部材においてそれぞれ保持するための第1の保持要素および第2の保持要素をさらに備える。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ベルトとトレッドのパッケージ(9)を製造するためのベルトおよびトレッドドラム(1、401、501、601)であって、
前記ベルトとトレッドのパッケージ(9)は、ベルト層(91)と、前記ベルト層(91)よりも幅の広いトレッド層(92)とを備え、
前記ベルトおよびトレッドドラム(1、401、501、601)は、ドラム軸(X)を中心に回転可能な周面(S)を有し、前記ベルトおよびトレッドドラム(1、401)は、第1の支持部材(2)を備え、前記第1の支持部材(2)は、前記トレッド層(92)が前記ベルト層(91)よりも幅が広い場合、前記トレッド層(92)を少なくとも部分的に支持するために前記ドラム軸(X)から離れるように面するトレッド支持面(20)を備え、前記第1の支持部材(2)は、半径方向(R)の前記周面(S)の外側の上昇位置に位置決め可能であり、前記ベルトおよびトレッドドラム(1、401、501、601)は、前記トレッド層(92)を前記第1の支持部材(2)において前記トレッド支持面(20)上の所定の位置に保持するために前記トレッド層(92)に係合するための第1の保持要素(4、404)をさらに備える
ベルトおよびトレッドドラム(1、401、501、601)。
【請求項2】
前記第1の保持要素(4、404)は、前記トレッド支持面(20)が単に前記トレッド層(92)を支持するという点において、および前記第1の保持要素(4,404)が前記トレッド層(92)を前記トレッド支持面(20)上の所定の位置に保持するという点において、前記トレッド支持面(20)とは機能的に異なるベルトおよびトレッドドラム(1、401、501、601)の一部である
請求項1に記載のベルトおよびトレッドドラム(1、401、501、601)。
【請求項3】
前記ベルトおよびトレッドドラム(1、401、501、601)は、前記ドラム軸(X)に平行な軸方向(A)に前記第1の支持部材(2)から離間した第2の支持部材(3)を備え、前記第2の支持部材(3)は、前記トレッド層(92)が前記ベルト層(91)よりも幅が広い場合、前記トレッド層(92)を少なくとも部分的に支持するために前記ドラム軸(X)から離れるように面するトレッド支持面(30)を備え、前記第2の支持部材(3)は、半径方向(R)の前記周面(S)の外側の上昇位置に位置決め可能であり、前記ベルトおよびトレッドドラム(1、401、501、601)は、前記トレッド層(92)を前記第2の支持部材(3)において保持するための第2の保持要素(5)をさらに備える
請求項1または2に記載のベルトおよびトレッドドラム(1、401、501、601)。
【請求項4】
前記第1の保持要素(4、404)および前記第2の保持要素(5)は個別に移動可能である
請求項3に記載のベルトおよびトレッドドラム(1、401、501、601)。
【請求項5】
前記第1の保持要素(4、404)および前記第2の保持要素(5)は非同期式に制御可能である
請求項3または4に記載のベルトおよびトレッドドラム(1、401、501、601)。
【請求項6】
前記第1の保持要素(4、404)は、1つまたは複数の針(40、440)を備える
請求項1から5のいずれか一項に記載のベルトおよびトレッドドラム(1、401、501、601)。
【請求項7】
前記第1の支持部材(2)には、前記第1の支持部材(2)の前記トレッド支持面(20)に穴(21)が設けられ、前記第1の保持要素(4、404)は、前記第1の支持部材(2)の前記トレッド支持面(20)の前記穴(21)を通って前記第1の支持部材(2)に対して移動可能である
請求項1から6のいずれか一項に記載のベルトおよびトレッドドラム(1、401、501、601)。
【請求項8】
前記第1の保持要素(4、404)は、前記ドラム軸(X)を横断する方向に、または実質的に横断する方向に前記第1の支持部材(2)に対して移動可能である
請求項1から7のいずれか一項に記載のベルトおよびトレッドドラム(1、401、501、601)。
【請求項9】
前記第1の支持部材(2)は、前記周面(S)から半径方向(R)に第1の距離だけ離れた後退位置と、前記周面(S)から前記半径方向(R)に前記第1の距離よりも大きい第2の距離だけ離れた上昇位置との間で、前記ドラム軸(X)に垂直な前記半径方向(R)に移動可能である
請求項1から8のいずれか一項に記載のベルトおよびトレッドドラム(1、401、501、601)。
【請求項10】
前記ベルトおよびトレッドドラム(1、401、501、601)は、前記第1の支持部材(2)および前記第1の保持要素(4、404)の前記半径方向(R)の移動を駆動するための第1の駆動部材(6)を備える
請求項9に記載のベルトおよびトレッドドラム(1、401、501、601)。
【請求項11】
前記第1の駆動部材(6)は、往復運動距離(D)に沿って移動可能なリニア駆動装置であり、前記第1の駆動部材(6)は、前記往復運動距離(D)の第1の部分(D1)に沿って、前記第1の保持要素(4、404)のみを前記半径方向(R)に駆動するように構成され、前記第1の駆動部材(6)は、前記往復運動距離(D)の第2の部分(D2)に沿って、前記第1の保持要素(4、404)および前記第1の支持部材(2)の両方を前記半径方向(R)に駆動するように構成される
請求項10に記載のベルトおよびトレッドドラム(1、401、501、601)。
【請求項12】
前記第1の駆動部材(6)は、保持プッシャ(61、506、606)および支持プッシャ(62)を備え、前記保持プッシャ(61、506、606)は、前記支持プッシャ(62)が前記第1の支持部材(2)または前記第1の支持部材(2)に関連付けられた部分(22、23)を押す前に、前記第1の保持要素(4、404)または前記第1の保持要素(4、404)に関連付けられた部分(40、41、440)を前記半径方向(R)に押すように構成される
請求項11に記載のベルトおよびトレッドドラム(1、401、501、601)。
【請求項13】
前記第1の支持部材(2)は、前記支持プッシャ(62)に接触するために前記半径方向(R)に対して斜めの角度(H)で延在する接触面(23)を有するベース(22)を備え、前記支持プッシャ(62)は、前記往復運動距離(D)の前記第1の部分(D1)および前記第2の部分(D2)を調整するために、前記半径方向(R)に垂直な調整方向(L)に前記接触面(23)に対して移動可能である
請求項12に記載のベルトおよびトレッドドラム(1、401、501、601)。
【請求項14】
前記保持プッシャ(506、606)は、シリンダ(560、660)と、前記シリンダ(560、660)の第1の端部における第1の流れチャネル(564、664)と、前記シリンダ(560、660)の前記第1の端部とは反対側の前記シリンダ(560、660)の第2の端部における第2の流れチャネル(565、665)とを備える空気圧アクチュエータであり、前記保持プッシャ(506、606)は、前記シリンダ(560、660)の前記第1の端部における第1の位置と前記シリンダ(560、660)の前記第2の端部における第2の位置との間で前記シリンダ(560、660)内で前後に移動可能なピストン(561、661)をさらに備える
請求項12または13に記載のベルトおよびトレッドドラム(501、601)。
【請求項15】
前記ピストン(561、661)は、前記ピストン(561、661)を通って延びるピストン開口部(562、662)を備え、前記保持プッシャ(506、606)は、前記ピストン(561、661)が前記第1の位置にあるとき、または前記第1の位置と前記第2の位置との間にあるときに、流体が前記第1の流れチャネル(564、664)と前記第2の流れチャネル(565、665)との間を流れることを可能にするように構成され、前記保持プッシャ(506、606)は、前記ピストン(561、661)が前記第2の位置にあるときに、前記第1の流れチャネル(564、664)と前記第2の流れチャネル(565、665)との間の流体の流れを遮断するように構成される
請求項14に記載のベルトおよびトレッドドラム(501、601)。
【請求項16】
前記ベルトおよびトレッドドラム(501、601)は、前記第1の流れチャネル(564、664)内の流れを測定するために前記第1の流れチャネル(564、664)と流体連通する流量計を有する制御ユニット(500)をさらに備える
請求項15に記載のベルトおよびトレッドドラム(501、601)。
【請求項17】
前記制御ユニット(500)は、前記ピストン(561、661)が前記第2の位置に向かって移動され、前記流量計によって流れが測定された場合、前記ピストン(561、661)が前記第2の位置にないことを示す信号を生成するように構成される、および/または前記制御ユニット(500)は、前記ピストン(561、661)が前記第2の位置に移動され、前記流量計によって流れが測定されない場合、前記ピストン(561、661)が前記第2の位置にあることを示す信号を生成するように構成される、
請求項16によるベルトおよびトレッドドラム(501、601)。
【請求項18】
前記制御ユニット(500)は、前記ピストン(561、661)が前記第1の位置に移動され、前記流量計によって流れが測定された場合、前記保持プッシャ(506、606)の正常な機能を示す信号を生成するように構成される、および/または前記制御ユニット(500)は、前記ピストン(561、661)が前記第1の位置に移動され、前記流量計によって流れが測定されない場合、前記ピストン開口部(562、662)の汚染を示す信号を生成するように構成される
請求項16または17に記載のベルトおよびトレッドドラム(501、601)。
【請求項19】
前記保持プッシャ(560)は、前記ピストン(561、661)が前記第1の位置にあるときに、前記第1の流れチャネル(564、664)と前記ピストン開口部(563、663)とが流体連通するように、前記ピストン(561、661)と前記シリンダ(506、606)の前記第1の端部を離間させるためのスペーサ(563)を備える
請求項14から18のいずれか一項に記載のベルトおよびトレッドドラム(501)。
【請求項20】
前記スペーサ(563)は前記ピストン(561、661)上に配置されている
請求項19に記載のベルトおよびトレッドドラム(501)。
【請求項21】
前記スペーサ(563)は、前記シリンダ(560、660)の前記第1の端部に配置される
請求項19に記載のベルトおよびトレッドドラム(501)。
【請求項22】
前記第1の流れチャネル(664)は、前記ピストン(661)が前記第1の位置にあるときに前記ピストン開口部(662)と一直線になるように配置される
請求項14から18のいずれか一項に記載のベルトおよびトレッドドラム(601)。
【請求項23】
前記ベルトおよびトレッドドラム(1、401、501、601)は、前記周面(S)を共に形成する複数の半径方向に移動可能なセグメント(10、410)を備え、前記第1の支持部材(2)および前記第1の保持要素(4、404)は、前記複数の半径方向に移動可能なセグメント(10、410)のうちの1つの半径方向に移動可能なセグメント(10、410)に設けられる
請求項1から22のいずれか一項に記載のベルトおよびトレッドドラム(1、401、501、601)。
【請求項24】
前記第1の支持部材(2)は、前記1つの半径方向に移動可能なセグメント(10)に対して後退位置と上昇位置との間で半径方向(R)に移動可能である
請求項23に記載のベルトおよびトレッドドラム(1、401、501、601)。
【請求項25】
前記第1の保持要素(404)の前記1つまたは複数の針(440)は、前記1つまたは複数の針(440)が前記半径方向(R)に前記第1の支持部材(2)の外側に部分的に突出するとき、前記半径方向(R)を横断する傾斜軸(T)を中心に傾けることが可能である
請求項6に記載のベルトおよびトレッドドラム(401)。
【請求項26】
ベルトおよびトレッドドラム(501、601、701)または移送ドラムのようなタイヤ成形用のドラムであって、
前記ドラムの基準面(20、S)に対して作動されるドラムの一部(4、702)の半径方向の移動を制御するための空気圧アクチュエータ(506、606)を備え、前記空気圧アクチュエータ(506、606)は、シリンダ(560、660)の第1の端部における第1の流れチャネル(564、664)と、前記シリンダ(560、660)の前記第1の端部とは反対側の前記シリンダ(560、660)の第2の端部における第2の流れチャネル(565、665)とを備える前記シリンダ(560、660)を備え、前記保持プッシャ(506、606)は、前記シリンダ(560、660)の前記第1の端部における第1の位置と前記シリンダ(560、660)の前記第2の端部における第2の位置との間で前記シリンダ(560、660)内で前後に移動可能なピストン(561、661)をさらに備え、前記ピストン(561、661)は、前記ピストン(561、661)を通って延在するピストン開口部(562、662)を備え、前記空気圧アクチュエータ(506、606)は、前記ピストン(561、661)が前記第1の位置にあるか、または前記第1の位置と前記第2の位置との間にあるときに前記第1の流れチャネル(564、664)と前記第2の流れチャネル(565、665)との間を流体が流れることを可能にするように構成され、前記空気圧アクチュエータ(506、606)は、前記ピストン(561、661)が前記第2の位置にあるときに前記第1の流れチャネル(564、664)と前記第2の流れチャネル(565、665)との間の流体の流れを遮断するように構成される
タイヤ成形用のドラム。
【請求項27】
前記ドラム(501、601、701)は、前記第1の流れチャネル(564、664)内の流れを測定するために前記第1の流れチャネル(564、664)と流体連通する流量計を有する制御ユニット(500)をさらに備える
請求項26に記載のドラム(501、601、701)。
【請求項28】
前記制御ユニット(500)は、前記ピストン(561、661)が前記第2の位置に向かって移動され、前記流量計によって流れが測定された場合、前記ピストン(561、661)が前記第2の位置にないことを示す信号を与えるように構成される、および/または前記制御ユニット(500)は、前記ピストン(561、661)が前記第2の位置に移動され、前記流量計によって流れが測定されない場合、前記ピストン(561、661)が前記第2の位置にあることを示す信号を与えるように構成される
請求項27に記載のドラム(501、601、701)。
【請求項29】
前記制御ユニット(500)は、前記ピストン(561、661)が前記第1の位置に移動され、前記流量計によって流れが測定された場合、前記空気圧アクチュエータ(506、606)の正常な機能を示す信号を与えるように構成される、および/または前記制御ユニット(500)は、前記ピストン(562、662)が前記第1の位置に移動され、前記流量計によって流れが測定されない場合、前記ピストン開口部(561、661)の汚染を示す信号を与えるように構成される
請求項27または28に記載のドラム(501、601、701)。
【請求項30】
前記空気圧アクチュエータ(560)は、前記ピストン(561、661)が前記第1の位置にあるときに、前記第1の流れチャネル(564、664)と前記ピストン開口部(563、663)とが流体連通するように、前記ピストン(561、661)と前記シリンダ(560、660)の前記第1の端部を離間させるためのスペーサ(563)を備える
請求項26から29のいずれか一項に記載のドラム(501、701)。
【請求項31】
前記スペーサ(563)は前記ピストン(561、661)上に配置される
請求項30に記載のドラム(501、701)。
【請求項32】
前記スペーサ(563)は、前記シリンダ(606、606)の前記第1の端部に配置される
請求項30に記載のドラム(501、701)。
【請求項33】
前記第1の流れチャネル(664)は、前記ピストン(661)が前記第1の位置にあるときに前記ピストン開口部(662)と一直線になるように配置される
請求項26から29のいずれか一項に記載のドラム(601)。
【請求項34】
請求項1から33のいずれか一項に記載のベルトおよびトレッドドラム(1、401、501、601、701)と、前記トレッド層(92)に圧力を加えるための押圧部材(200)との
アセンブリ。
【請求項35】
前記押圧部材(200)は、前記トレッド層(92)の幅にわたって非対称に前記トレッド層(92)に圧力を加えるように構成されている
請求項34に記載のアセンブリ。
【請求項36】
前記ベルトおよびトレッドドラム(1、401、501、601、701)は、前記ドラム軸(X)に平行な軸方向(A)に前記第1の支持部材(2)から離間した第2の支持部材(3)を備え、前記第2の支持部材(3)は、前記トレッド層(92)が前記ベルト層(91)よりも幅が広い場合、前記トレッド層(92)を少なくとも部分的に支持するために前記ドラム軸(X)から離れるように面するトレッド支持面(30)を備え、前記押圧部材(200)は、複数のディスク(201)と、前記複数のディスク(201)を横並びの構成で支持するためのシャフト(202)とを備え、前記複数のディスク(201)の各ディスク(201)は、前記シャフト(202)に対して垂直な押圧方向(P)に前記複数のディスク(201)のうちの他のディスク(201)に対して個別に移動可能であり、複数のディスク(201)は、前記第1の支持部材(2)上に支持される前記トレッド層(92)の特定領域を押圧するためのディスク(201)の第1のグループ(203)と、前記第2の支持部材(3)上に支持される前記トレッド層(92)の特定の領域を押圧するためのディスク(201)の第2のグループ(204)とを含み、前記第1のグループ(203)の前記ディスク(201)の移動は、前記第2のグループ(204)の前記ディスク(201)の移動とは、独立して制御可能である
請求項34または35に記載のアセンブリ。
【請求項37】
請求項1から25のいずれか一項に記載のベルトおよびトレッドドラム(1、401、501、601)を使用してベルトとトレッドのパッケージ(9)を製造するための方法であって、
-前記ベルト層(91)を前記ベルトおよびトレッドドラム(1、401)の前記周面(S)の周りに貼り付けるステップと、
-前記トレッド層(92)が前記ベルト層(91)よりも幅が広い場合、前記第1の支持部材(2)で前記トレッド層(92)を支持しながら前記ベルト層(91)の周りに前記トレッド層(92)を貼り付けるステップと、
-前記第1の保持要素(4、404)によって前記第1の支持部材(2)において前記トレッド層(92)を保持するステップと
を含む
ベルトとトレッドのパッケージ(9)を製造するための方法。
【請求項38】
前記ベルトおよびトレッドドラム(1、401、501、601)は、前記ドラム軸(X)に平行な軸方向(A)に前記第1の支持部材(2)から離間した第2の支持部材(3)を備え、前記第2の支持部材(3)は、前記トレッド層(92)が前記ベルト層(91)よりも幅が広い場合、前記トレッド層(92)を少なくとも部分的に支持するために前記ドラム軸(X)から離れて面するトレッド支持面(30)を備え、前記第2の支持部材(3)は、前記半径方向(R)の前記周面(S)の外側の上昇位置に位置決め可能であり、前記ベルトおよびトレッドドラム(1、401、501、601)は、前記トレッド層(92)を前記第2の支持部材(3)において保持するための第2の保持要素(5)をさらに備え、方法は、
-前記第1の支持部材(2)と前記第2の支持部材(3)との間で前記ベルトおよびトレッドドラム(1、401)の前記周面(S)の周りに前記ベルト層(91)を貼り付けるステップと、
-前記トレッド層(92)が前記ベルト層(91)よりも幅が広い場合、前記第2の支持部材(3)で前記トレッド層(92)を支持しながら前記ベルト層(91)の周りに前記トレッド層(92)を貼り付けるステップと、
-前記第2の保持要素(5)によって前記第2の支持部材(3)において前記トレッド層(92)を保持するステップと
を含む
請求項37に記載の方法。
【請求項39】
前記第1の保持要素(4、404)および前記第2の保持要素(5)は、前記トレッド層(92)を同時に保持するように制御される
請求項38に記載の方法。
【請求項40】
前記第1の保持要素(4、404)および前記第2の保持要素(5)は、前記トレッド層(92)を非同期式に保持するように制御される
請求項38に記載の方法。
【請求項41】
前記第1保持要素(4、404)は1つまたは複数の針(40、440)を備え、前記第1の保持要素(4、404)による前記トレッド層(92)の保持は、前記1つまたは複数の針(40、440)を前記トレッド層(92)に穿刺することを含む
請求項37から40のいずれか一項に記載の方法。
【請求項42】
前記第1の保持要素(404)の前記1つまたは複数の針(440)は、前記1つまたは複数の針(440)が前記半径方向(R)に前記第1の支持部材(2)の外側に部分的に突出するとき、前記半径方向(R)を横断する傾斜軸(T)を中心に傾けられる
請求項41に記載の方法。
【請求項43】
前記方法は、前記第1の保持要素(4、404)のみを往復運動距離(D)の第1の部分(D1)に沿って前記半径方向(R)に移動させるステップと、前記第1の保持要素(4、404)および前記第1の支持部材(2)の両方を前記往復運動距離(D)の第2の部分(D2)に沿って前記半径方向(R)に移動させるステップと、をさらに含む
請求項37から42のいずれか一項に記載の方法。
【請求項44】
前記方法は、前記往復運動距離(D)の前記第1の部分(D1)と前記第2の部分(D2)を調整するステップをさらに含む
請求項43に記載の方法。
【請求項45】
前記ベルトおよびトレッドドラム(1、401、501、601)は、共に前記周面(S)を形成する複数の半径方向に移動可能なセグメント(10、410)を備え、前記第1の支持部材(2)および前記第1の保持要素(4、404)は、前記複数の半径方向に移動可能なセグメント(10、410)のうちの1つの半径方向に移動可能なセグメント(10、410)に設けられ、前記方法は、前記第1の支持部材(2)を前記1つの半径方向に移動可能なセグメント(10、410)に対して後退位置と上昇位置との間で前記半径方向(R)に移動させるステップをさらに含む
請求項37から44のいずれか一項に記載の方法。
【請求項46】
前記方法は、サービサ(300)によって前記トレッド層(92)を前記ベルトおよびトレッドドラム(1、401)に供給するステップと、前記トレッド層(92)が前記第1の保持要素(4、404)によって保持されているときに、前記サービサ(300)によって前記トレッド層(92)を引き戻すステップと、をさらに含む
請求項37から45のいずれか一項に記載の方法。
【請求項47】
前記方法は、サービサ(300)によって前記トレッド層(92)を前記ベルトおよびトレッドドラム(1、401、501、601)に供給するステップと、前記トレッド層(92)が前記第1の保持要素(4、404)および前記第2の保持要素(5)の両方によって保持されているときに、前記トレッド層(92)を引き戻すステップと、をさらに含む
請求項38から40のいずれか一項に記載の方法。
【請求項48】
前記トレッド層(91)は前端(LE)を有し、前記第1保持要素(4、404)および前記第2の保持要素(5)は、前記トレッド層(92)の第1の先端(T1)および第2の先端(T2)をそれぞれ前記前端(LE)において保持する
請求項38から40のいずれか一項に記載の方法。
【請求項49】
前記トレッド層(91)は前端(LE)を有し、前記第1の保持要素(4、404)および前記第2の保持要素(5)は、前記ベルト層(91)の周りに前記トレッド層(92)を貼り付けている間、前記前端(LE)において前記トレッド層(92)を保持する
請求項38から40のいずれか一項に記載の方法。
【請求項50】
前記方法は、前記トレッド層(92)に圧力を加えるために押圧部材(200)を使用するステップをさらに含む
請求項37から49のいずれか一項に記載の方法。
【請求項51】
前記押圧部材(200)は、前記トレッド層(92)の幅にわたって非対称に前記トレッド層(92)に圧力を加える
請求項50に記載の方法。
【請求項52】
前記方法は、前記トレッド層(92)に圧力を加えるために押圧部材(200)を使用するステップをさらに含み、前記押圧部材(200)は、複数のディスク(201)と、前記複数のディスク(201)を横並びの構成で支持するためのシャフト(202)とを備え、前記複数のディスク(201)の各ディスク(201)は、前記複数のディスク(201)の他のディスク(201)に対して、前記シャフト(202)に垂直な押圧方向(P)に個別に移動可能であり、前記方法は、第1のグループ(203)の前記ディスク(201)の移動を第2のグループ(204)の前記ディスク(201)の移動と無関係に制御することによって、前記第1の支持部材(2)上に支持された前記トレッド層(92)の特定の領域を前記複数のディスク(201)の前記第1のグループ(203)のディスク(201)で押圧し、前記第2の支持部材(3)上に支持された前記トレッド層(92)の特定の領域を前記複数のディスク(201)の前記第2のグループ(204)のディスク(201)で押圧するステップをさらに含む
請求項38から40のいずれか一項に記載の方法。
【請求項53】
前記第1の保持要素(4、404)が前記トレッド層(92)を保持するとき、前記第1のグループ(203)の前記ディスク(201)は前記トレッド層(92)に押し付けられる
請求項52に記載の方法。
【請求項54】
前記第2の保持要素(5)が前記トレッド層(92)を保持するとき、前記第2のグループ(204)の前記ディスク(201)が前記トレッド層(92)に押し付けられる
請求項52または53に記載の方法。
【請求項55】
前記方法は、前記第1の流れチャネル(564、664)において第1の圧力で作動流体、好ましくは空気を供給するステップと、前記第2の流れチャネル(565、665)において第2の圧力で前記作動流体を供給するステップと、を含み、
a)前記ピストン(561、661)を前記第2の位置に向かって移動させるために、前記第1の圧力を前記第2の圧力に対して増加させるステップと、
b)前記ドラム(1、401、501、601、701)を回転させるステップと、
c)前記ピストン(561、661)を前記第1の位置に向かって移動させるために、前記第1の圧力に対して前記第2の圧力を増加させるステップと、
を含む
請求項26から33のいずれか一項に記載のドラム(501、601、701)を動作させるための方法。
【請求項56】
前記方法は、前記第1の流れチャネル(564、664)における流体流れを測定するステップをさらに含む
請求項55に記載の方法。
【請求項57】
前記方法は、
-ステップa)の間に流れが測定された場合、ステップb)の回転を阻止するステップ、および/または
-ステップa)の間に流れが測定されない場合、ステップb)の回転を開始するステップと
をさらに含む
請求項56に記載の方法。
【請求項58】
前記方法は、ステップc)の間に流れが測定されない場合、汚染について前記ピストン開口部(562、662)をチェックするステップをさらに含む
請求項56または57に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ベルトおよびトレッドドラム、ならびにベルトとトレッドのパッケージを製造するためのアセンブリおよび方法に関する。本発明はさらに、ベルトおよびトレッドドラムまたは移送ドラムといったようなタイヤ成形用のドラムおよび前記ドラムを動作させる方法に関する。
【背景技術】
【0002】
国際公開第2015/023183号パンフレットは、ベルト層とトレッド層のパッケージを実質的に円筒形のタイヤ構成要素に製造するためのベルトおよびトレッドドラムを開示している。成形ドラムは、特に、前記トレッド層の前端と後端が重なり合い確実に縫い付けられる必要がある領域において、前記トレッド層が下部のベルト層よりも幅が広い場合、トレッド層の側面を支持するように半径方向に移動可能な2つの支持部材を備える。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
既知の成形ドラムの欠点は、トレッド層が重なり領域内の支持部材の上に固定されないことである。したがって、トレッド層はその全幅にわたって均一に支持されていても、トレッド層は、縫合の前に支持部材の上を依然として移動する、または摺動する可能性がある。さらに、トレッド層の前端における先端または翼部は、トレッド層が製造された後にわずかに変形する、または収縮する傾向があり、それにより、トレッド層が成形ドラムに貼り付けられるときに前記翼部の位置にくぼみを生じさせる。これは、後端を前端に正確に接合する能力に影響を及ぼす可能性がある。
【0004】
本発明の目的は、縫合前の支持部材上のトレッド層の位置決めをさらに改善することができるベルトおよびトレッドドラム、ならびにベルトとトレッドのパッケージを製造するためのアセンブリおよび方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
第1の態様によれば、本発明は、ベルトとトレッドのパッケージを製造するためのベルトおよびトレッドドラムを提供し、ベルトとトレッドのパッケージは、ベルト層と、ベルト層よりも幅の広いトレッド層とを備え、ベルトおよびトレッドドラムは、ドラム軸を中心に回転可能な周面を有し、ベルトおよびトレッドドラムは、第1の支持部材を備え、第1の支持部材は、前記トレッド層がベルト層よりも幅が広い場合、トレッド層を少なくとも部分的に支持するためにドラム軸から離れるように面するトレッド支持面を備え、第1の支持部材は、半径方向の周面の外側の上昇位置に位置決め可能であり、ベルトおよびトレッドドラムは、トレッド層を第1の支持部材においてトレッド支持面上の所定の位置に保持するためにトレッド層に係合するための第1の保持要素をさらに備える。
【0006】
第1の保持要素は、トレッド支持面が単にトレッド層を支持するという点において、および第1の保持要素がトレッド層を前記トレッド支持面上の所定の位置に保持するという点において、トレッド支持面とは機能的に異なるベルトおよびトレッドドラムの一部である。
【0007】
保持要素は、トレッド層をトレッド支持面上の所定の位置に、すなわちトレッド支持面に対する前記トレッド層の摺動または移動を防止することによって、トレッド層を効果的に保持することができる。したがって、縫合前の支持部材上のトレッド層の位置決めを改善することができる。より詳細には、トレッド層の前端における先端または翼部をより確実に保持することができ、それにより、後端を前端に接合するときに前記先端または翼部を最適な位置に保つことができる。
【0008】
好ましい実施形態では、ベルトおよびトレッドドラムは、ドラム軸に平行な軸方向に第1の支持部材から離間した第2の支持部材を備え、第2の支持部材は、トレッド層がベルト層よりも幅が広い場合、トレッド層を少なくとも部分的に支持するためにドラム軸から離れるように面するトレッド支持面を備え、第2の支持部材は、半径方向の周面の外側の上昇位置に位置決め可能であり、ベルトおよびトレッドドラムは、トレッド層を第2の支持部材において保持するための第2の保持要素をさらに備える。2つの保持要素を設けることにより、先端または翼部の両方を同時に、または特定の順序で保持することができる。
【0009】
一実施形態では、第1の保持要素および第2の保持要素は、個別に移動可能である。追加として、または代替として、第1の保持要素および第2の保持要素は、非同期式に制御可能である。本発明の文脈において、「非同期式に」という用語は、同時にまたは同じ方法で発生しないと解釈されるべきである。前述の特徴を使用して、保持要素を異なる距離にわたって、または異なる時間に移動させることができる。例えば、トレッド層の変形を有利に補正するために、すなわちベルトおよびトレッドドラムを回転させることによって、および/またはベルトおよびトレッドドラムにトレッド層を供給するコンベヤを反転させることによってトレッド層を引き戻し、それによってトレッド層の一方の側に沿ってトレッド層の他方の側よりも多く引っ張ることによって、トレッド層が他の支持部材の上では依然として移動または摺動することができるという事実を単に使用するために、支持部材の一方においてトレッド層を最初に保持することを選択することができる。
【0010】
別の実施形態では、第1の保持要素は、1つまたは複数の針を備える。針は、トレッド層をそれぞれの支持部材上の所定の位置に効果的に保持するために、トレッド支持面から少なくとも部分的に突出する、および/またはトレッド層の材料を穿刺することができる。追加として、または代替として、吸引要素または別の適切なタイプの保持要素が使用されてもよい。
【0011】
別の実施形態では、第1の支持部材には、第1の支持部材のトレッド支持面に穴が設けられ、第1の保持要素は、第1の支持部材のトレッド支持面にある穴を通って第1の支持部材に対して移動可能である。穴は、トレッド支持面の境界内に好都合に配置することができ、それによって前記境界内から直接トレッド層と係合および/または相互作用することができる。
【0012】
別の実施形態では、第1の保持要素は、ドラム軸を横断する方向に、または実質的に横断する方向に、すなわち半径方向に第1の支持部材に対して移動可能である。したがって、保持要素は、支持部材と同じまたは実質的に同じ方向に移動することができる。
【0013】
別の実施形態では、ベルトおよびトレッドドラムは、第1の支持部材および第1の保持要素の半径方向の移動を駆動するための第1の駆動部材を備える。したがって、第1の支持部材および第1の保持要素は、同じ第1の駆動部材によって駆動することができる。したがって、第1の保持要素の駆動のために別個の駆動部材は必要とされない。同様に、第2の支持部材および第2の保持要素は、同じ技術的利点を有する同じ第2の駆動部材によって駆動することができる。
【0014】
好ましくは、第1の駆動部材は、往復運動距離に沿って移動可能なリニア駆動装置であり、第1の駆動部材は、往復運動距離の第1の部分に沿って第1の保持要素のみを半径方向に駆動するように構成され、第1の駆動部材は、往復運動距離の第2の部分に沿って第1の保持要素および第1の支持部材の両方を半径方向に駆動するように構成される。したがって、第1の保持要素は、最初は静止した状態で維持される第1の支持部材に対して移動させることができる。第1の保持要素および第1の支持部材の両方が移動されると、第1の保持要素と第1の部材との間の相対移動を低減させる、またはなくすことができる。言い換えると、第1の保持要素および第1の支持部材の両方が半径方向に移動されると、それらは一緒に移動させることができる。
【0015】
より好ましくは、第1の駆動部材は、保持プッシャおよび支持プッシャを備え、保持プッシャは、支持プッシャが第1の支持部材または第1の支持部材に関連付けられた部分を押す、またはそれに接触する前に、第1の保持要素または第1の保持要素に関連付けられた部分を半径方向に押す、または接触するように構成される。したがって、第1の駆動部材は、往復運動距離の第1の部分の間に保持プッシャで第1の保持要素を携行し、往復運動距離の第2の部分の間に支持プッシャで第1の支持部材を携行しつつ、直線式に半径方向に連続して駆動させることができる。
【0016】
最も好ましくは、第1の支持部材は、支持プッシャに接触するために半径方向に対して斜めの角度で延在する接触面を有するベースを備え、支持プッシャは、往復運動距離の第1の部分と第2の部分を調整するために、半径方向を横断する調整方向、または半径方向に垂直な調整方向で前記接触面に対して移動可能である。往復運動距離の第1の部分を調整することによって、第1の保持要素と第1の支持部材との間の相対移動の量を設定することができる。詳細には、第1の保持要素が支持部材からさらに突出することを可能にするために、往復運動距離のより長い第1の部分の後に支持プッシャを第1の支持部材に接触させることができる。逆に、第1の保持要素が支持部材からあまり突出しないようにするために、往復運動距離のより短い第1の部分の後に支持プッシャを第1の支持部材に接触させることができる。1つまたは複数の針を備える第1の保持要素の場合、調整は、1つまたは複数の針がトレッド層の材料に穿刺する深さを設定することができる。
【0017】
さらなる実施形態では、保持プッシャは、シリンダと、前記シリンダの第1の端部においてシリンダと流体連通する第1の流れチャネルと、シリンダの第1の端部とは反対側のシリンダの第2の端部においてシリンダと流体連通する第2の流れチャネルとを備える空気圧アクチュエータであり、保持プッシャは、シリンダの第1の端部における第1の位置とシリンダの第2の端部における第2の位置との間でシリンダ内で前後に移動可能なピストンをさらに備える。空気圧アクチュエータは、保持要素を半径方向に確実に変位させることができる。
【0018】
そのさらなる実施形態では、ピストンは、前記ピストンを通って延びるピストン開口部を備え、保持プッシャは、ピストンが第1の位置にあるとき、または第1の位置と第2の位置との間にあるときに、流体が第1の流れチャネルと第2の流れチャネルとの間を流れることを可能にするように構成され、保持プッシャは、ピストンが第2の位置にあるときに、第1の流れチャネルと第2の流れチャネルとの間の流体の流れを遮断するように構成される。したがって、第1および/または第2の流れチャネルにおける流体流れを測定することによって、ピストンが第2の位置にあるかどうかを確実に判定することができる。
【0019】
その好ましい実施形態では、ベルトおよびトレッドドラムは、前記第1の流れチャネル内の流れを測定するために第1の流れチャネルと流体連通する流量計を有する制御ユニットをさらに備える。第2の流れチャネルにおける流れを測定するとき、ピストンとシリンダとの間の小さな漏れが流体流れとして記録される場合がある。この問題は、第1の流れチャネルにおいて測定する際に防止することができる。したがって、より確実に流体の流れを測定することができる。制御ユニットは、測定された流れを示す信号を生成することができる。好ましくは、制御ユニットは、流体供給部および/またはベルトおよびトレッドドラムの回転駆動装置にさらに機能的に結合される。
【0020】
そのさらなる実施形態では、制御ユニットは、前記ピストンが第2の位置に向かって移動され、流量計によって流れが測定された場合、ピストンが第2の位置にないことを示す信号を生成するように構成される、および/または制御ユニットは、前記ピストンが第2の位置に移動され、流量計によって流れが測定されない場合、ピストンが第2の位置にあることを示す信号を生成するように構成される。言い換えると、流量計によって流れが検出されるとき、制御ユニットは、ピストンが第2の位置にないことを伝えることができる。追加として、または代替として、流れが検出されないとき、制御ユニットは、ピストンが第2の位置にあることを伝えることができる。したがって、制御ユニットは、ピストンが第2の位置にあるかどうか、したがって保持要素がその後退位置にあるかどうかを確実に判定することができる。したがって、制御ユニットは、保持要素がその後退位置にないときにベルトおよびトレッドドラムの回転を阻止するように構成することができる。その結果、保持要素が伸張した、または部分的に伸張した状態でのドラムの回転を防止することができる。したがって、プロセスの安全性を向上させることができる。さらに、ベルトおよびトレッドドラム上に存在するタイヤ構成要素の損傷を防止することができる。
【0021】
さらなる実施形態では、制御ユニットは、ピストンが第1の位置に移動され、流量計によって流れが測定された場合、保持プッシャの正常な機能を示す信号を生成するように構成される、および/または制御ユニットは、ピストンが第1の位置に移動され、流量計によって流れが測定されない場合、ピストン開口部の汚染を示す信号を生成するように構成される。言い換えると、制御ユニットは、ピストン開口部の汚染または目詰まりを検出することができる。好ましくは、制御ユニットは、ピストン開口部の清掃を可能にするために、ベルトおよびトレッドドラムを阻止するように構成される。したがって、保持プッシャの動作不良を早期に検出することができる。これにより、作業の安全性をより向上させることができる。
【0022】
さらなる実施形態では、保持プッシャは、ピストンが第1の位置にあるときに、第1の流れチャネルとピストン開口部とが流体連通するように、ピストンとシリンダの第1の端部を離間させるためのスペーサを備える。言い換えると、スペーサは、ピストンが第1の位置にあるときに第1のチャネルとピストン開口部との間の流れを可能にすることができる。したがって、スペーサは、ピストンが第1の位置にあるときに前記ピストン開口部を介して第1のチャネルと第2のチャネルとの間の流れを可能にすることができる。
【0023】
その好ましい実施形態では、スペーサはピストン上に配置される。スペーサは、例えばピストンに接続された心棒の周りに配置されたスペーサリングであってもよい。
【0024】
その代替の実施形態では、スペーサはシリンダの第1の端部に配置される。
【0025】
さらなる実施形態では、第1の流れチャネルは、ピストンが第1の位置にあるときにピストン開口部と一直線になるように配置される。第1の流れチャネルがピストン開口部と一直線にあるとき、流体は、スペーサを必要とせずに、ピストン開口部を介して第1のチャネルから第2のチャネルに自由に流れることができる。
【0026】
別の実施形態では、ベルトおよびトレッドドラムは、共に周面を形成する複数の半径方向に移動可能なセグメントを備え、第1の支持部材および第1の保持要素は、複数の半径方向に移動可能なセグメントのうちの1つの半径方向に移動可能なセグメントに設けられる。1つの半径方向に移動可能なセグメントは、縫合および/またはスプライシングのために重なり合う構成でトレッド層の前端および後端を受け入れるように指定されたトレッドおよびベルトドラムの周面の周りの所定の位置に配置されてよい。
【0027】
好ましくは、第1の支持部材は、前記1つの半径方向に移動可能なセグメントに対して後退位置と上昇位置との間で半径方向に移動可能である。言い換えると、複数の半径方向に移動可能なセグメントを半径方向に移動させてベルトおよびトレッドドラム全体の直径を拡張または収縮させることができる一方で、支持部材は、1つの半径方向に移動可能なセグメントの半径方向の位置にかかわらず、それらが位置する前記1つの半径方向に移動可能なセグメントに対して移動させることができる。さらに、先に考察した実施形態に沿って、保持要素は、支持部材に対して移動させることができ、支持部材は、半径方向に移動可能なセグメントに対して移動させることができる。
【0028】
別の実施形態では、第1の保持要素の1つまたは複数の針は、前記1つまたは複数の針が半径方向に第1の支持部材の外側に部分的に突出するとき、半径方向を横断する傾斜軸を中心に傾けることが可能である。これは、トレッド層の材料に対する針の把持を向上させることができ、前記針からのトレッド層の偶発的または意図しない解放を防止することができる。
【0029】
第2の態様によれば、本発明は、ベルトおよびトレッドドラムまたは移送ドラムのようなタイヤ成形用のドラムであって、前記ドラムの基準面に対して作動されるドラムの一部の半径方向の移動を制御するための空気圧アクチュエータを備え、空気圧アクチュエータは、シリンダの第1の端部における第1の流れチャネルと、シリンダの第1の端部とは反対側のシリンダの第2の端部における第2の流れチャネルとを備え、保持プッシャは、シリンダの第1の端部における第1の位置とシリンダの第2の端部における第2の位置との間でシリンダ内で前後に移動可能なピストンをさらに備え、ピストンは、前記ピストンを通って延在するピストン開口部を備え、空気圧アクチュエータは、ピストンが第1の位置にあるか、または第1の位置と第2の位置との間にあるときに、流体が第1の流れチャネルと第2の流れチャネルとの間を流れることを可能にするように構成され、空気圧アクチュエータは、ピストンが第2の位置にあるときに第1の流れチャネルと第2の流れチャネルとの間の流体の流れを遮断するように構成される、タイヤ成形用のドラムを提供する。
【0030】
したがって、第1および/または第2の流れチャネルにおける流体流れを測定することによって、ピストンが第2の位置にあるかどうかを確実に判定することができる。
【0031】
その一実施形態では、ドラムは、前記第1の流れチャネル内の流れを測定するために第1の流れチャネルと流体連通する流量計を有する制御ユニットをさらに備える。第2の流れチャネルにおける流れを測定するとき、ピストンとシリンダとの間の小さな漏れが流体流れとして記録される場合がある。この問題は、第1の流れチャネルにおいて測定する際に防止することができる。したがって、より確実に流体の流れを測定することができる。制御ユニットは、測定された流れを示す信号を生成することができる。好ましくは、制御ユニットは、流体供給部および/またはベルトおよびトレッドドラムの回転駆動装置にさらに機能的に結合される。
【0032】
そのさらなる実施形態では、制御ユニットは、前記ピストンが第2の位置に向かって移動され、流量計によって流れが測定された場合、ピストンが第2の位置にないことを示す信号を生成するように構成される、および/または制御ユニットは、前記ピストンが第2の位置に移動され、流量計によって流れが測定されない場合、ピストンが第2の位置にあることを示す信号を生成するように構成される。言い換えると、流量計によって流れが検出されるとき、制御ユニットは、ピストンが第2の位置にないことを伝えることができる。追加として、または代替として、流れが検出されないとき、制御ユニットは、ピストンが第2の位置にあることを伝えることができる。したがって、制御ユニットは、ピストンが第2の位置にあるかどうか、したがって保持要素がその後退位置にあるかどうかを確実に判定することができる。したがって、制御ユニットは、保持要素がその後退位置にないときにベルトおよびトレッドドラムの回転を阻止するように構成することができる。その結果、保持要素が伸張した、または部分的に伸張した状態でのドラムの回転を防止することができる。したがって、プロセスの安全性を向上させることができる。さらに、ベルトおよびトレッドドラム上に存在するタイヤ構成要素の損傷を防止することができる。
【0033】
さらなる実施形態では、制御ユニットは、ピストンが第1の位置に移動され、流量計によって流れが測定された場合、空気圧アクチュエータの正常な機能を示す信号を生成するように構成される、および/または制御ユニットは、ピストンが第1の位置に移動され、流量計によって流れが測定されない場合、ピストン開口部の汚染を示す信号を生成するように構成される。言い換えると、制御ユニットは、ピストン開口部の汚染または目詰まりを検出することができる。好ましくは、制御ユニットは、ピストン開口部の清掃を可能にするために、ベルトおよびトレッドドラムを阻止するように構成される。したがって、保持プッシャの動作不良を早期に検出することができる。これにより、作業の安全性をより向上させることができる。
【0034】
さらなる実施形態では、空気圧アクチュエータは、ピストンが第1の位置にあるときに、第1の流れチャネルとピストン開口部とが流体連通するように、ピストンとシリンダの第1の端部とを離間させるためのスペーサを備える。言い換えると、スペーサは、ピストンが第1の位置にあるときに第1のチャネルとピストン開口部との間の流れを可能にすることができる。したがって、スペーサは、ピストンが第1の位置にあるときに前記ピストン開口部を介して第1のチャネルと第2のチャネルとの間の流れを可能にすることができる。
【0035】
その好ましい実施形態では、スペーサはピストン上に配置される。スペーサは、例えばピストンに接続された心棒の周りに配置されたスペーサリングであってもよい。
【0036】
その代替の実施形態では、スペーサはシリンダの第1の端部に配置される。
【0037】
さらなる実施形態では、第1の流れチャネルは、ピストンが第1の位置にあるときにピストン開口部と一直線になるように配置される。第1の流れチャネルがピストン開口部と一直線にあるとき、流体は、スペーサを必要とせずに、ピストン開口部を介して第1のチャネルから第2のチャネルに自由に流れることができる。
【0038】
第3の態様によれば、本発明は、本発明の第1の態様の前述の実施形態のうちのいずれか1つによるベルトおよびトレッドドラムとのアセンブリと、トレッド層に圧力を加えるための押圧部材とを提供する。
【0039】
押圧部材は、ベルトおよびトレッドドラムの前述の保持要素と効果的に協働して、トレッド層を確実に保持することができる。特に、押圧部材は、保持要素が他方の側からトレッド層に係合する、および/またはトレッド層に穿刺するときにトレッド層に対抗圧力を与えることができる。
【0040】
好ましくは、押圧部材は、トレッド層の幅にわたって非対称にトレッド層に圧力を加えるように構成される。したがって、押圧部材は、圧力が必要な場所に応じて、選択的に、または不均一に圧力を加えることができる。特に、以下の実施形態に示すように、トレッド層を保持する必要がある場合のみ圧力を加えることができる。
【0041】
さらなる実施形態では、ベルトおよびトレッドドラムは、ドラム軸に平行な軸方向に第1の支持部材から離間した第2の支持部材を備え、第2の支持部材は、前記トレッド層がベルト層よりも幅が広い場合、トレッド層を少なくとも部分的に支持するためにドラム軸から離れるように面するトレッド支持面を備え、押圧部材は、複数のディスクと、前記複数のディスクを横並びの構成で支持するためのシャフトとを備え、複数のディスクの各ディスクは、シャフトに対して垂直な押圧方向に複数のディスクのうちの他のディスクに対して個別に移動可能であり、複数のディスクは、第1の支持部材上に支持されるトレッド層の特定領域を押圧するためのディスクの第1のグループと、第2の支持部材上に支持されるトレッド層の特定の領域を押圧するためのディスクの第2のグループとを含み、第1のグループのディスクの移動は、第2のグループのディスクの移動とは、独立して制御可能である。その結果、トレッド層が保持要素のうちの1つのみによって保持されているとき、圧力は、前記1つの保持要素によって保持されているトレッド層の部分のみに加えることができるのに対して、まだ保持されていないトレッド層の部分、すなわち他方の保持要素には圧力は加えられない。このようにして、トレッド層の保持されていない部分は、それぞれの支持部材の上で依然として自由に移動することができる、すなわち、前記保持されていない部分をトレッド層の保持された部分に対して位置決めし直す、または変形させるために依然として自由に移動することができる。このようにして、トレッド層の形状、特にその先端をスプライシングのために最適化することができる。
【0042】
第4の態様によれば、本発明は、本発明の第1の態様の実施形態のいずれか1つによるベルトおよびトレッドドラムを使用してベルトとトレッドのパッケージを製造するための方法を提供し、本方法は、
-ベルト層をベルトおよびトレッドドラムの周面の周りに貼り付けるステップと、
-第1の支持部材でトレッド層を支持しながらベルト層の周りにトレッド層を貼り付けるステップであって、前記トレッド層がベルト層よりも幅が広い、ステップと、
-第1の保持要素によって第1の支持部材においてトレッド層を保持するステップと
を含む。
【0043】
前述の方法は、本発明の第1の態様によるベルトおよびトレッドドラムの実際の使用に関連しており、よって同じ技術的利点を有するため、以下では繰り返さない。
【0044】
好ましい実施形態では、ベルトおよびトレッドドラムは、ドラム軸に平行な軸方向に第1の支持部材から離間した第2の支持部材を備え、第2の支持部材は、前記トレッド層がベルト層よりも幅が広い場合、トレッド層を少なくとも部分的に支持するためにドラム軸から離れて面するトレッド支持面を備え、第2の支持部材は、半径方向の周面の外側の上昇位置に位置決め可能であり、ベルトおよびトレッドドラムは、トレッド層を第2の支持部材において保持するための第2の保持要素をさらに備え、方法は、
-第1の支持部材と第2の支持部材との間でベルトおよびトレッドドラムの周面の周りにベルト層を貼り付けるステップと、
-前記トレッド層がベルト層よりも幅が広い場合、第2の支持部材でトレッド層を支持しながらベルト層の周りにトレッド層を貼り付けるステップと、
-第2の保持要素によって第2の支持部材においてトレッド層を保持するステップと
を含む。
【0045】
一実施形態では、第1の保持要素および第2の保持要素は、トレッド層を同時に保持するように制御される。
【0046】
あるいは、第1の保持要素および第2の保持要素は、トレッド層を非同期式に保持するように制御される。
【0047】
別の実施形態では、第1の保持要素は、1つまたは複数の針を備え、第1の保持要素によるトレッド層の保持は、1つまたは複数の針をトレッド層に穿刺することを含む。
【0048】
好ましくは、第1の保持要素の1つまたは複数の針は、前記1つまたは複数の針が半径方向において第1の支持部材の外側に部分的に突出するときに、半径方向を横断する傾斜軸を中心に傾斜される。別の実施形態では、方法は、第1の保持要素のみを往復運動距離の第1の部分に沿って半径方向に移動させるステップと、第1の保持要素および第1の支持部材の両方を往復運動距離の第2の部分に沿って半径方向に移動させるステップとをさらに含む。
【0049】
好ましくは、方法は、往復運動距離の第1の部分と第2の部分を調整するステップをさらに含む。
【0050】
別の実施形態では、ベルトおよびトレッドドラムは、共に周面を形成する複数の半径方向に移動可能なセグメントを備え、第1の支持部材および第1の保持要素は、複数の半径方向に移動可能なセグメントのうちの1つの半径方向に移動可能なセグメントに設けられ、方法は、第1の支持部材を前記1つの半径方向に移動可能なセグメントに対して後退位置と上昇位置との間で半径方向に移動させるステップをさらに含む。
【0051】
別の実施形態では、方法は、サービサによってトレッド層をベルトおよびトレッドドラムに供給するステップと、トレッド層が第1の保持要素によって保持されているときに、サービサによってトレッド層を引き戻すステップとをさらに含む。好ましくは、サービサは、トレッド層が第1の保持要素と第2の保持要素の両方によって保持されるときにトレッド層を引き戻す。トレッド層を引き戻す、すなわちその送り方向とは反対の方向に引き戻すことによって、保持される前記トレッド層の部分に対してトレッド層を変形させることができる。したがって、トレッド層の形状、特にその先端をスプライシングのために最適化することができる。
【0052】
別の実施形態では、トレッド層は前端を有し、第1の保持要素および第2の保持要素は、トレッド層の第1の先端および第2の先端をそれぞれ前端において保持する。前述のように、トレッド層の先端または翼部は、わずかに変形する、またはわずかに収縮する傾向があり、それにより、前記先端または翼部の位置で後端と前端との間の接合部にくぼみを生じさせる。先端を保持することにより、互いに対するおよび/または前端の残りに対するそれらの位置を制御および/または調整することができる。詳細には、先端が前端の残りの部分よりもわずかに前方に突出することを確実にするために、すなわち、前記先端の位置で後端と先端との間の良好でしっかりと押圧された接合部を確実にするために、前端の残りの部分が前述のサービサによって引き戻されている間、先端を保持することができる。
【0053】
さらなる実施形態では、トレッド層は前端を有し、第1の保持要素および第2の保持要素は、ベルト層の周りに前記トレッド層を貼り付けている間トレッド層を前端において保持する。したがって、その貼り付け中に前端を確実に保持することができる。したがって、前記前端をより正確に位置決めすることができる。その結果、トレッド層の前端と後端とをより確実に接合することができる。
【0054】
別の実施形態では、方法は、トレッド層に圧力を加えるために押圧部材を使用するステップをさらに含む。
【0055】
好ましくは、押圧部材は、トレッド層の幅にわたって非対称にトレッド層に圧力を加える。
【0056】
別の実施形態では、方法は、トレッド層に圧力を加えるために押圧部材を使用するステップをさらに含み、押圧部材は、複数のディスクと、前記複数のディスクを横並びの構成で支持するためのシャフトとを備え、複数のディスクの各ディスクは、複数のディスクの他のディスクに対して、シャフトに垂直な押圧方向に個別に移動可能であり、方法は、第1のグループのディスクの移動を第2のグループのディスクの移動と無関係に制御することによって、第1の支持部材上に支持されたトレッド層の特定の領域を複数のディスクの第1のグループのディスクで押圧し、第2の支持部材上に支持されたトレッド層の特定の領域を複数のディスクの第2のグループのディスクで押圧するステップをさらに含む。
【0057】
好ましくは、第1の保持要素がトレッド層を保持するとき、第1のグループのディスクはトレッド層に押し付けられる。
【0058】
さらなる実施形態では、第2の保持要素がトレッド層を保持するとき、第2のグループのディスクがトレッド層に押し付けられる。
【0059】
第5の態様によれば、本発明は、本発明の第2の態様による実施形態のいずれか1つによるタイヤ成形用のドラムを動作させるための方法を提供し、方法は、第1の流れチャネルにおいて第1の圧力で作動流体、好ましくは空気を提供するステップと、第2の流れチャネルにおいて第2の圧力で前記作動流体を提供するステップとを含み、方法は、
a)ピストンを第2の位置に向かって移動させるために、第1の圧力を第2の圧力に対して増加させるステップと、
b)ドラムを回転させるステップと、
c)ピストンを第1の位置に向かって移動させるために、第1の圧力に対して第2の圧力を増加させるステップと
を含む。
【0060】
タイヤ成形用のドラムのアクチュエータは、第1の流れチャネルおよび第2の流れチャネルに対して圧力差を加えることによって確実に動作させることができる。
【0061】
その一実施形態では、方法は、第1の流れチャネルにおいて流体流れを測定するステップをさらに含む。したがって、第2の位置におけるピストンの存在は、流体流れの存在を測定することによって判定することができる。代替または追加として、アクチュエータの正常な機能または汚染を判定することができる。
【0062】
その好ましい実施形態では、方法は、
-ステップa)の間に流れが測定された場合、ステップb)の回転を阻止するステップ、および/または
-ステップa)の間に流れが測定されない場合、ステップb)の回転を開始するステップと
をさらに含む。したがって、ピストンが第2の位置にないときにドラムの回転を防止することができる。よって、作業の安全性を高めることができる。さらに、ドラムの回転は、第2の位置におけるピストンの存在を検出したとき自動的に開始することができる。これにより、処理効率を向上させることができる。
【0063】
さらなる実施形態では、方法は、ステップc)の間に流れが測定されない場合、汚染についてピストン開口部をチェックするステップをさらに含む。ステップc)の間に流れを測定することにより、ピストン開口部の汚染またはアクチュエータの誤動作を検出することができる。
【0064】
本明細書に記載され図示された様々な態様および特徴は、可能な限り個別に適用することができる。これらの個々の態様、特に添付の従属請求項に記載された態様および特徴は、分割特許出願の主題とすることができる。
【0065】
本発明は、添付の概略図に示される例示的な実施形態に基づいて説明される。
【図面の簡単な説明】
【0066】
【
図1】トレッド層を支持するための2つの支持部材を有する、本発明の第1の実施形態によるベルトおよびトレッドドラムの等角図である。
【
図2】
図1の線II-IIによるベルトおよびトレッドドラムの断面図である。
【
図3】
図1の線III-IIIによるベルトおよびトレッドドラムの断面図である。
【
図4A】その動作のステップ中の
図2の支持部材のうちの1つを示す図である。
【
図4B】その動作のステップ中の
図2の支持部材のうちの1つを示す図である。
【
図4C】その動作のステップ中の
図2の支持部材のうちの1つを示す図である。
【
図4D】その動作のステップ中の
図2の支持部材のうちの1つを示す図である。
【
図5】その動作の調整後の
図4Cの支持部材を示す図である。
【
図6】
図2によるベルトおよびトレッドドラムと、本発明による押圧部材とのアセンブリの断面図である。
【
図7A】ベルトとトレッドのパッケージを製造するための方法のステップ中のベルトおよびトレッドドラムの上面図である。
【
図7B】ベルトとトレッドのパッケージを製造するための方法のステップ中のベルトおよびトレッドドラムの上面図である。
【
図7C】ベルトとトレッドのパッケージを製造するための方法のステップ中のベルトおよびトレッドドラムの上面図である。
【
図8A】本発明の第2の実施形態による代替のベルトおよびトレッドドラムの断面図である。
【
図8B】本発明の第2の実施形態による代替のベルトおよびトレッドドラムの断面図である。
【
図9A】本発明の第3の実施形態によるさらなる代替のベルトおよびトレッドドラムの断面図である。
【
図9B】本発明の第3の実施形態によるさらなる代替のベルトおよびトレッドドラムの断面図である。
【
図9C】本発明の第3の実施形態によるさらなる代替のベルトおよびトレッドドラムの断面図である。
【
図9D】本発明の第3の実施形態によるさらなる代替のベルトおよびトレッドドラムの断面図である。
【
図9E】本発明の第3の実施形態によるさらなる代替のベルトおよびトレッドドラムの断面図である。
【
図10】本発明の第3の実施形態によるさらなる代替のベルトおよびトレッドドラムの断面図である。
【
図11】本発明の第2の態様の一実施形態によるベルトおよびトレッドドラムの断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0067】
図1は、本発明の例示的な第1の実施形態によるタイヤ成形ドラムまたはベルトおよびトレッドドラム1を示す。ベルトおよびトレッドドラム1は、ドラム軸Xを中心に回転可能な周面Sを有する。この例示的な実施形態では、ベルトおよびトレッドドラム1の周面Sは、ドラムの直径を変化させるために、国際公開第2015/194940号パンフレットからそれ自体知られている複数の半径方向に移動可能なセグメント10によって形成される。
図1では、複数の半径方向に移動可能なセグメント10のうちの1つのみが示されている。この例示的な実施形態では、ベルトおよびトレッドドラム1には、複数の半径方向に移動可能なセグメントが拡張され、実質的に閉じた周面Sを維持するときにセグメント10間の隙間にまたがるために、セグメント10の一方の側から隣接するセグメント10に向かって突出するカバープレート11がさらに備わっている。
【0068】
ベルトおよびトレッドドラム1は、
図2に示すように、ベルトとトレッドのパッケージ9を製造するために使用される。ベルトとトレッドのパッケージ9は、タイヤ製造工程において加工されてタイヤを形成する。ベルトとトレッドのパッケージ9は、ベルトおよびトレッドドラム1上に縫合される、または接合されて、円筒状または略円筒状のタイヤ構成要素を形成する。
図2に示すように、ベルトとトレッドのパッケージ9は、ベルト層91と、ドラム軸Xに平行な軸方向Aにおいてベルト層91よりも幅が広いトレッド層92とを備える。ベルト層91は、ドラム軸Xに垂直な半径方向Rにおいて考慮され、トレッド層92の内側にある。言い換えると、トレッド層92は、ベルト層91の半径方向外側に配置される。ベルト層91の厚さのために、トレッド層92の張り出している側縁は支持されていない。
【0069】
トレッド層92の張り出しており、支持されていない側縁を適切に支持するために、ベルトおよびトレッドドラム1は、第1の支持部材2および第2の支持部材3を備える。支持部材2、3は、ドラム軸Xに平行な軸方向Aに、ベルト層91の幅に等しい、または実質的に等しい距離にわたって離間されている。この幅はタイヤ設計に応じて変化し得るため、支持部材2、3の軸方向Aにおける位置は、国際公開第2015/023183号パンフレットからそれ自体知られている方法で調整可能である。ベルトおよびトレッドドラム1には、前記幅調整を可能にするためにセグメント10を通って軸方向Aに延在する第1の幅調整スロット12および第2の幅調整スロット13が設けられている。
【0070】
図1および
図2に最もよく見られるように、各支持部材2、3は、前記トレッド層92がベルト層91よりも幅が広い場合、トレッド層92を支持するためにドラム軸Xから離れる方向に面するトレッド支持面20、30を備える。各支持部材2、3は、
図4Aに示すように、周面Sから半径方向Rに第1の距離だけ離れた後退位置と、
図4Dに示すように、周面Sから半径方向Rに第1の距離よりも大きい第2の距離だけ離れた上昇位置との間で半径方向Rに移動可能である。
図4Aに示すように、第1の距離は、0または0に近い値であってもよい。その場合、支持部材2、3は、セグメント10上に平らに置かれてもよい。
【0071】
各支持部材2、3には、以下で簡単に説明する理由のために、そのトレッド支持面20、30に穴21、31が設けられている。第1の支持部材2および第2の支持部材3は、ベルトおよびトレッドドラム1の回転軸線Xに対して支持面20、30を支持するベース22、32をさらに備える。
【0072】
図2に示すように、ベルトおよびトレッドドラム1は、トレッド層92をそれぞれ第1の支持部材2および第2の支持部材3において保持するための第1の保持要素4および第2の保持要素5をさらに備える。この例示的な実施形態では、第1の保持要素4および第2の保持要素5は、それぞれ爪または針40、50を備える。あるいは、第1の保持要素4および第2の保持要素5は、複数の爪もしくは針(図示せず)を備えてもよい、またはトレッド92をそれぞれの支持部材4、5上に保持する、すなわち真空によって保持するのに適した別のタイプの保持手段を備えてもよい。
【0073】
第1の保持要素4および第2の保持要素5は、それぞれ第1の支持部材2および第2の支持部材3に対して移動可能である。詳細には、保持要素4、5は、半径方向Rまたは実質的に半径方向Rに移動可能である。第1の保持要素4および第2の保持要素5は、個別に移動可能である。
図2では、第1の保持要素4は後退位置で示されているが、第2の保持要素5は既に半径方向Rに外側に移動されている。詳細には、第1の保持要素4および第2の保持要素5は非同期式に制御可能である。保持要素4、5は、異なる距離、異なる速度および/または異なる時間で移動されてもよい。
【0074】
第1の保持要素4および第2の保持要素5は、それぞれの支持部材2、3のトレッド支持面20、30の穴21、31を通って、それぞれ第1の支持部材2および第2の支持部材3に対して移動可能である。あるいは、保持要素4、5は、トレッド支持面20、30のすぐ外側、すなわち幅調整スロット12、13内に配置されてもよい。
【0075】
ベルトおよびトレッドドラム1は、第1の支持部材2および第1の保持要素4の半径方向Rの移動を駆動するための第1の駆動部材6と、第2の支持部材3および第2の保持要素5の半径方向Rの移動を駆動するための第2の駆動部材7とを備える。
【0076】
駆動部材6、7は、リニア駆動装置、すなわち空気圧シリンダである。駆動部材6、7は、半径方向Rに動作する。第1の駆動部材6についてのみ
図4A~
図4Eに示すように、第1の駆動部材6は、往復運動距離Dに沿って移動可能である。第2の駆動部材7も同様に動作するため、以下では詳細に考察しない。第1の駆動部材6は、往復運動距離Dの2つの部分D1、D2において移動するように構成されている。往復運動距離Dの第1の部分D1に沿って、第1の駆動部材6は、第1の保持要素4のみを半径方向Rに駆動するように構成されている。往復運動距離Dの第2の部分D2に沿って、第1の駆動装置6は、第1の保持要素4および第1の支持部材2の両方を半径方向Rに駆動するように構成されている。
【0077】
第1の駆動装置6をより詳細に見ると、第1の駆動部材6は保持プッシャ61および支持プッシャ62を備えているのを観察することができる。
【0078】
この例示的な実施形態では、保持プッシャ61は、第1の保持要素4またはそれに関連付けられた部分に当接するように配置されたブロックまたはブロック様要素である。言い換えると、保持プッシャ61は、接触される部分が保持プッシャ61の移動を第1の保持要素4上に伝達する限り、直接または間接的に第1の保持要素4に接触してもよい。この例では、第1の保持要素4は、針40に関連付けられる、または針に接続され、保持プッシャ61に面する針支持体41を備える。針支持体41は、第1の支持部材2のベース22内の半径方向のスロット24を通って半径方向Rに移動可能である。
【0079】
第1の支持部材2のベース22には、支持プッシャ62に接触する接触面23が設けられている。保持プッシャ61は、支持プッシャ62が第1の支持部材2または前記第1の支持部材2に関連付けられた部分22、23に接触する前に、針支持体41に半径方向Rに接触するように構成される。詳細には、支持プッシャ62は、
図4Bに示すように保持プッシャ61が針支持体41に接触する段階よりも遅い段階で、すなわち、
図4Cに示すように往復運動距離Dの第2の部分D2において接触面23に接触する位置に配置される。当業者は、この一連の接触が、すべて本発明の範囲内に入る異なる種類の幾何学的形状、接触面および/またはカムを用いて多くの異なる方法で達成され得ることを理解するであろう。
【0080】
さらに、保持プッシャ61は、針40または針支持体41に接触する代わりに、それに直接および/または剛性に接続されてもよい。
【0081】
さらに、この順序は変えることができ、すなわち保持プッシャ61および支持プッシャ62を、それらが針支持体41および第1の支持部材2と同時に接触するように、ならびに針支持体41および第1の支持部材2が往復運動距離Dの第1の部分D1にわたって同時に移動された後に初めて、保持プッシャ61が針支持体41に接触するように構成することによって順序を変えてもよい。その場合、往復運動距離Dの第1の部分D1は、第1の支持部材2および第1の保持要素4を同時に移動させるために使用することができるのに対して、往復運動距離Dの第2の部分D2は、第1の保持要素4のみを移動させるために使用される。その結果、第1の支持部材2を、第1の保持要素4が前記トレッド層92を穿刺する前にトレッド層92の先端または翼部を支持するように移動させることができる。
【0082】
図3に最もよく見られるように、この特定の例では、第1の支持部材2のベース22は、保持プッシャ61のスロットを通って半径方向Rに延びるように配置される。
図4Aに示されるように、支持プッシャ62は保持プッシャ61の上面より下の距離のところでスロット内に配置される。言い換えると、
図4Cに示すように、支持プッシャ62が保持プッシャ61と共にベース22に対して半径方向Rに移動されるとき、支持プッシャ62は保持プッシャ61内のスロットと交差して接触面23に接触する。この例では、支持プッシャ62は、ロッド、シャフト、またはボルトとして形成されている。
【0083】
図3に示すように、針支持体41は、第1の駆動部材6がドラム軸Xに向かって半径方向Rに後退されて、ドラム軸Xに対する針支持体41の内向きの動きを停止するときに半径方向のスロット24の底部に載置し得るフック42を任意選択的に備えてもよい。さらに、
図4Aに示すように、ベルトおよびトレッドドラム1には、ドラム軸Xに対するベース22の内向きの移動を停止するための止め具Bがさらに備わっていてもよい。
【0084】
ここで、
図4A~
図4Eを参照して、それぞれの支持部材2、3の上にトレッド層92を保持する、または固定する方法を簡単に説明する。
【0085】
図4Aは、第1の駆動部材6がまだ伸長されていない状況を示す。第1の保持要素4、この場合は針40は、トレッド支持面20の穴21を通って半径方向Rに突出していない。
【0086】
図4Bは、保持プッシャ61を針支持体41に接触させるために第1の駆動部材6が部分的に伸長されたときの状況を示す。
図4Cの位置までの第1の駆動部材6の半径方向Rのさらなる移動はこのとき、支持プッシャ62が第1の支持部材2のベース22の接触面23にまだ接触していないため、第1の保持要素4の半径方向Rへの移動のみを駆動する。固定された第1の支持部材2に対する第1の保持要素4の単独の移動は、第1の保持要素4をトレッド支持面20の穴21を通って突出距離P1にわたって突出させる。
【0087】
図4Cでは、第1の駆動部材6は往復運動距離Dの第1の部分D1を移動しており、支持プッシャ62はこのとき、第1の支持部材2のベース22の接触面23と接触している。ここで、第1の駆動部材6は、
図4Dに示すように、往復運動距離の第2の部分D2の間に第1の保持要素4および第1の支持部材2を半径方向Rに一緒に駆動することができる。
【0088】
図4Dでは、第1の支持部材2は、ベルトおよびトレッドドラム1の周面Sから半径方向Dに上昇位置に持ち上げられていることに留意されたい。ここで、保持要素4および第1の支持部材2が一緒に移動されるとき、第1の支持部材2に対する第1の保持要素4の相対位置は同じままである。言い換えると、第1の保持要素4は、第1の支持部材2と共にその上昇位置に持ち上げられる。
【0089】
図2に示すように、第2の駆動部材7もまた、第1の駆動部材6の保持プッシャ61および支持プッシャ62と本質的に同じように動作して、第2の保持要素5の半径方向Rの移動を、直接または間接的のいずれかで、針支持体51を介して、第2の支持部材3のベース32における半径方向のスロット34を通って駆動し、第2の支持部材3の移動を、支持プッシャ72と前記第2の支持部材3のベース32の接触面33との間の接触を通して駆動する、保持プッシャ71および支持プッシャ72を備える。
【0090】
図4Aに最もよく見られるように、例示的な実施形態による接触面23は、半径方向Rに対して斜めの角度Hで延在する。ベルトおよびトレッドドラム1には、往復運動距離Dの第1の部分D1および第2の部分D2を調整するために半径方向Rに垂直な調整方向Lに前記接触面23に対して支持プッシャ62を移動させるための調整部材8がさらに設けられている。
図5は、調整された位置にある支持プッシャ62を示しており、支持プッシャ62の元の位置は破線または破線で示されている。この特定の例では、支持プッシャ62は、
図4Aのその元の位置と比較して、
図5では右に移動されている。これにより、支持プッシャ62が半径方向で接触面23の下降する縁部により近くなることを理解できるであろう。したがって、
図5の調整された位置にある支持プッシャ62は、
図4Aよりも早く接触面23と接触することになる。その結果、往復運動距離Dの第1の部分D101が短くなる。言い換えると、第1の駆動部材6によって第1の保持要素4のみが駆動される往復運動距離Dの部分がより短くなる。第1の保持要素4および第1の支持部材2の両方とも第1の駆動部材6によって駆動されるとすぐに、第1の保持要素4と第1の支持部材2との間に相対移動はもはや存在しない。したがって、第1の保持要素4は、
図4Cの突出距離P1よりも小さい突出距離P2で停止する。
【0091】
同様に、支持プッシャ62の位置を反対方向に調整すると、往復運動距離Dの第1の部分がより大きくなり、第1の保持要素4は第1の支持部材2からさらに突出するようになる。
【0092】
この例示的な実施形態では、調整部材8は、調整ブロック82を通過し、保持プッシャ61のねじ穴と係合するねじ付きの柄81に接続された手動で操作可能なノブ80によって形成される。支持プッシャ62は、調整ブロック82と共に調整方向Lに移動するように調整ブロック82に結合または接続されている。ノブ80が回されると、調整ブロック82は保持プッシャ61に向かって、または保持プッシャ61から離れるように強制的に押され、それにより支持プッシャ62の保持プッシャ61に対する調整方向Lの相対移動を実現する。
【0093】
図6は、前述のベルトおよびトレッドドラム1と、トレッド層92に圧力を加えるための押圧部材200とのアセンブリを示す。
【0094】
押圧部材200は、複数のディスク201と、前記複数のディスク201を横並びに支持するためのシャフト202とを備える。複数のディスク201のうちの各ディスク201は、複数のディスク201のうちの他のディスク201に対して、シャフト202に対して垂直な押圧方向Pに個別に移動可能である。シャフト202に対するディスク201の位置は、それ自体既知の方法で、すなわち出願人による国際公開第2019/182439号パンフレットから、各ディスク201のキャビティ内に配置されたピストン(図示せず)によって空気圧式に制御することができる。この例示的な実施形態では、押圧方向Pはまた、ベルトおよびトレッドドラム1の中心軸Xに対して垂直または半径方向である。押圧部材200は、その外側に向いている面で、すなわちトレッド層92の支持部材2、3とは反対側でトレッド層92を押圧する。複数のディスク201は、第1の支持部材2上に支持されたトレッド層92の特定の領域を押圧するためのディスク201の第1のグループ203と、第2の支持部材3上に支持されたトレッド層92の特定の領域を押圧するためのディスク201の第2のグループ204とを少なくとも有する。この例示的な実施形態では、ディスク201は、対で、すなわち直接隣接する2つのディスク201のグループで制御される。したがって、押圧部材200は、多数の個別に制御可能な対のディスク201を備えることができる。あるいは、グループ内のディスク201の数は変更されてもよく、すなわち、支持部材2、3よりも、中央領域により大きなディスク201のグループを設けることによって変更されてよい。簡単にするために、第1のグループ203および第2のグループ204を形成するディスク201の対のみが
図6に示されている。第1のグループ203のディスク201の移動は、第2のグループ204のディスク201の移動とは独立して制御される、または独立して制御可能である。押圧部材200は、トレッド層92の幅にわたって非対称にトレッド層92に圧力を加えるように構成される。したがって、押圧部材200は、圧力が必要とされる場所に応じて、すなわち保持要素4、5の一方がトレッド層92を保持している支持部材2、3においてのみ、選択的にまたは不均一に圧力を加えることができる。
【0095】
押圧部材200は、ベルトおよびトレッドドラム1の前述の保持要素4、5と効果的に協働して、トレッド層92を確実に保持することができる。詳細には、押圧部材200は、保持要素4、5が他方の側からトレッド層92に係合する、および/またはトレッド層を穿刺するときにトレッド層92に対抗圧力を与えることができる。
【0096】
前述のベルトおよびトレッドドラム1を使用して、および/または前記ベルトおよびトレッドドラム1と押圧部材200とのアセンブリを使用して、ベルトとトレッドのパッケージ9を製造する方法が、
図1~
図3、
図4A~
図4D、
図5、
図6および
図7A~
図7Cを参照して以下に説明される。
【0097】
図2は、第1の支持部材2と第2の支持部材3との間でベルト層91がその周面Sの周りにあり、ベルト層91の周りにトレッド層92が貼り付けられているベルトおよびトレッドドラム1を示す。トレッド層92の端部、先端または翼部、すなわち前記トレッド層92がベルト層91よりも幅が広いトレッド層92の部分は、ベルト層91から第1の支持部材2および第2の支持部材3の上方の位置に軸方向Aに突出している。第2の保持要素5は、トレッド層92を穿刺して前記トレッド層92の端部、先端または翼部を第2の支持部材3に保持するように駆動され、一方、第1の保持要素4は、トレッド層92の他端、先端または翼部を保持しない状態のまま依然として下にある。第1の保持要素4は、
図4A~
図4Dに示すように、同じ方法で上方に駆動させることができる。保持要素4、5は、スプライシングの要件に応じて、トレッド層92を同時にまたは非同期式に保持するように制御することができる。
【0098】
支持部材2、3は、駆動機構の構成に応じて、保持要素4、5の上方への移動の後または移動の前に上方に駆動されてもよい。
【0099】
図6は、前述の押圧部材200がトレッド層92の幅にわたって非対称に、不均等におよび/または不均一にトレッド層92に圧力を加えるために使用される状況の一例を示す。特に、第2のグループ204のディスク201は、第2の保持要素5がトレッド層92を保持するのと同時にトレッド層92に押し付けられる。対照的に、第1のグループ203のディスク201は、待機位置または上方位置に保持され、第1の支持部材2のところでトレッド層92を能動的に押し下げていない。この例では、第2のグループ204のディスク201を除くすべてのディスク201は、前記ディスク201がトレッド層92から離間されている、および/またはトレッド層92に近づかない上方位置に維持されている。あるいは、第1のグループのディスク201は、ディスク201の質量の結果としての圧力よりも大きな圧力を加えることなく、または少なくとも第2のグループ204のディスク201によって及ぼされる圧力よりも小さい圧力を加えながら、トレッド層92の上に載置されてもよい。押圧部材200は、方法の後続の段階の中で、2つのグループ203、204間の圧力の印加を交互にするように、または両方のグループ203、204で同時に圧力を印加するように制御されてもよい。
【0100】
図7A、
図7Bおよび
図7Cは、トレッド層92の端部、先端または翼部T1、T2が、トレッド層92がわずかに引き戻される、すなわちその供給方向とは反対の方向に引き戻される間に保持される方法の任意選択のステップを示す。トレッド層92は、サービサまたはアプリケータ300、すなわちコンベヤベルトなどによってベルトおよびトレッドドラム1上に供給することができる。トレッド層92を引き戻すことにより、
図7Bに示すように、トレッド層92を、保持される前記トレッド層92の部分T1、T2に対して変形させることができる。したがって、トレッド層92の形状、
図7Cに示すように、特にその前端LEを後端TEとの接合のために最適化することができる。
【0101】
図8Aおよび
図8Bは、本発明の第2の例示的実施形態による代替のタイヤ成形ドラムまたはベルトおよびトレッドドラム401を示す。代替のベルトおよびトレッドドラム401は、その第1の保持要素404が往復運動距離の終わりに、または終わり付近で傾斜するように適合されているという点において、すなわち、針440が半径方向Rにおいて前記第1の支持部材2の穴21を通って第1の支持部材2から既に部分的に突出しているという点において、前述のベルトおよびトレッドドラム1とは異なる。詳細には、針440は、トレッド層92の送り方向Fで、またはその方向に向かって傾斜するように構成されている。これは、トレッド層92の材料に対する針440の把持を向上させ、前記送り方向Fとは反対の方向での前記針440からのトレッド層92の偶発的な解放を防止することができる。
【0102】
傾斜を容易にするために、代替のベルトおよびトレッドドラム401には、第1の保持要素404、セグメント410および/または第1の支持部材2と相互作用して、傾斜軸Tを中心とする前記第1の支持部材2に対する前記第1の保持要素404の変位を引き起こす傾斜ガイド405が設けられている。この例示的な実施形態では、傾斜軸Tは、ドラム軸Xに平行または実質的に平行であり、および/または半径方向Rに対して横方向または垂直である。傾斜ガイド405は、ガイド本体450と、針440をその中に受け入れるための前記ガイド本体450の貫通穴451とを備える。ガイド本体450には、傾斜カム451がさらに設けられている。針440には、対応する針支持体41上での針ベース441の枢動および/または摺動を可能にするようにわずかに丸みが付けられた針ベース441が設けられている。針440は、針ベース441の上方に段差部442をさらに備える。段差部442の直径は、ガイド本体450の貫通穴451の直径よりもわずかに大きい。段差部442は、針440が第1の支持部材2の上方に突出する特定の高さに達するとすぐに傾斜ガイド405と接触し、これを変位させるように構成される。傾斜ガイド405はこのとき、針440と共に半径方向Rに変位される。
【0103】
図8Aおよび
図8Bにさらに示すように、針支持体41には、前記針支持体41に対して針440を保持するための針保持器43がさらに備わっている。詳細には、針保持器43は、針支持体41の半径方向内側への移動時に針ベース441を把持するように構成される。これにより、針440をより確実に後退させることができる。
【0104】
代替のベルトおよびトレッドドラム401には、針440の傾斜を引き起こすために傾斜ガイド405と相互作用するように適合されたセグメント410が設けられている。詳細には、セグメント410には、前述の第1の幅調整スロットと同様のスロット412と、
図8Aに示すようなやり方でスロット412の内側で傾斜ガイド405を支持するためのガイド支持体411とが設けられている。セグメント410には、半径方向Rに対して斜めに、および/または傾斜軸Tに対して平行または実質的に平行に延在するスロット412の内側に傾斜面413がさらに設けられている。
図8Bに示すように、傾斜ガイド405は、前記傾斜ガイド405が針440と共に半径方向Rに変位されているときに傾斜面413と接触するように配置されている。傾斜ガイド405の傾斜カム452とセグメント410の傾斜面413との間の相互作用は、傾斜ガイド405およびその中に収容された針440の傾斜を引き起こす。
【0105】
これまでより、第2の保持要素5が、同じように傾斜するように適合され得ることは、当業者には明らかであろう。
【0106】
図9A~
図9Eは、本発明の第3の例示的実施形態によるタイヤを成形するための代替のドラムまたはベルトおよびトレッドドラム501を示す。代替のベルトおよびトレッドドラム501は、代替の保持プッシャまたは空気圧アクチュエータ506を有する代替の第1の駆動装置を備えるという点において、前述のベルトおよびトレッドドラム1とは異なる。前記保持プッシャまたは空気圧アクチュエータ506は、第1の保持要素4を第1の支持部材2に対して変位させるように構成される。
【0107】
保持プッシャまたは空気圧アクチュエータ506は、シリンダ560と、前記シリンダ560内で前後に移動可能なピストン561とを備える。好ましくは、前記ピストン561の外周は、気密または実質的に気密な方法でシリンダ560の内周に接触する。保持プッシャまたは空気圧アクチュエータ506は、シリンダ560の第1の端部にある第1の流れチャネル564と、第1の端部とは反対側のシリンダ560の第2の端部にある第2の流れチャネル565とをさらに備える。前記第1の流れチャネル564および前記第2の流れチャネル565は、それぞれ前記シリンダ560の第1の端部および第2の端部においてシリンダ560と流体連通している。
【0108】
図9A~
図9Eに示す実施形態では、保持要素4はピストン561に直接結合されている。あるいは、ピストン561は、例えば、保持要素404の先に考察した実施形態による傾斜する針440を支持するための針支持体41に結合されてもよい。
【0109】
ピストン561は、シリンダ560の第1の端部の第1の位置とシリンダ560の第2の端部の第2の位置との間で前後に移動可能である。この特定の実施形態では、第1の位置は、
図9Cおよび
図9Dに示すように半径方向外側の位置に対応する。第2の位置は、
図9Aに示すように半径方向内側の位置に対応する。
【0110】
ピストン561は、第1の流れチャネル564と第2の流れチャネル565との間に圧力差を加えることによって移動可能である。詳細には、前記第1の流れチャネル564において、作動流体が第1の圧力で供給される。前記作動流体は、第2の流れチャネル565では第2の圧力で供給される。
図9Eに示すように、ピストン561は、第2の流れチャネル565に加えられる第2の圧力よりも大きい第1の圧力を第1の流れチャネル564に加えることによって、第2の位置に向かって移動可能である。したがって、
図9Bに示すように、ピストン561は、第1の流れチャネル564における第1の圧力よりも大きい第2の圧力を第2の流れチャネル565に加えることによって、第1の位置に向かって移動可能である。作動流体は、好ましくは、ベルトおよびトレッドドラム501に対して外部に配置された流体源によって供給される。
【0111】
図9A~
図9Eにさらに示すように、ピストン561にはピストン開口部562が設けられている。前記ピストン開口部562は、ピストン561を貫通して延在する貫通穴である。ピストン開口部562は、ピストン561が第1の位置にあるとき、または第1の位置と第2の位置との間にあるとき、作動流体が第1の流れチャネル564と第2の流れチャネル565との間を流れることを可能にする。
図9Aに示すように、保持プッシャまたは空気圧アクチュエータ506は、ピストン561が第2の位置にあるときに、第1の流れチャネル564と第2の流れチャネル565との間の流れを遮断するように構成される。
【0112】
保持プッシャまたは空気圧アクチュエータ506は、ピストン561が第1の位置にあるときに、ピストン561とシリンダ560の第1の端部を離間させるためのスペーサ563をさらに備える。
図9Dに最もよく示されているように、第1の流れチャネル564とピストン開口部563が流体連通するように、スペーサ563がピストン561とシリンダ560との間に間隙を形成するように配置される。
【0113】
この特定の実施形態では、スペーサ563はピストン561上に配置される。あるいは、スペーサは、シリンダ560の第1の端部に配置されてもよい。示される実施形態では、スペーサ563はスペーサリングである。しかしながら、スペーサ563は、第1の流れチャネル564とピストン開口部562との間の流体の流れを可能にする任意の形態で寸法決めされてもよい。
【0114】
ベルトおよびトレッドドラム501は、制御ユニット500をさらに備える。前記制御ユニットは、前記第1の流れチャネル564内の流れを測定するために第1の流れチャネル564と流体連通する流量計を備える。代替または追加として、制御ユニットは、前記第2の流れチャネル565内の流れを測定するために、第2の流れチャネル565と流体連通する流量計を備えてもよい。制御ユニット500はさらに、作動流体源に動作可能に接続されて、それぞれの第1の流れチャネル564および第2の流れチャネル565への流体供給を制御してもよい。追加として、または代替として、制御ユニットは、ベルトおよびトレッドドラム501の回転駆動部に動作可能に接続されて、前記ベルトおよびトレッドドラム501の回転を制御してもよい。
【0115】
制御ユニットの第1の機能は、
図9Aおよび
図9Eに示されるように、ピストン561が第2の位置に向かって移動されるとき、すなわち第1の圧力が第2の圧力よりも大きいとき、流れを検出または測定することである。例えば
図9Eの状況において流量計によって流れが検出されるとき、制御ユニット500は、ピストン561が第2の位置にないことを示す信号を生成するように構成される。したがって、制御ユニット500は、ベルトおよびトレッドドラム501の回転を阻止するように構成される。例えば
図9Aの状況において、流れが検出されないか、または測定された流れが所定の閾値を下回るとき、制御ユニット500は、ピストン561が第2の位置にあることを示す信号を生成するように構成される。この場合、制御ユニット500は、ベルトおよびトレッドドラム501の回転を可能にするように構成される。好ましくは、制御ユニット500は、第2の位置におけるピストン561の存在が検出されたときにベルトおよびトレッドドラム501の回転を開始するように構成される。
【0116】
制御ユニットの第2の機能は、
図9B、
図9Cおよび
図9Dに示されるように、ピストン561が第1の位置に向かって移動されるとき、すなわち第2の圧力が第1の圧力よりも大きいとき、流れを検出または測定することである。例えば
図9Bおよび
図9Cの状況において流量計によって流れが検出されるとき、制御ユニット500は、保持プッシャまたは空気圧アクチュエータ506の正常な動作を示す信号を生成するように構成される。したがって、さらなる行動は必要とされず、ベルトおよびトレッドドラム501の動作は継続することができる。
【0117】
図9Dに示すように、ピストン開口部562がデブリまたは任意の他の汚染物99によって汚染されている場合、前記ピストン開口部562を通る流れは、妨げられる、減少される、または遮断されることすらある。その結果、流量計によって流れは検出されないか、または減少した流れが測定される。制御ユニット500は、流量計によって流れが検出されない、または測定された流量が所定の閾値を下回ったとき、ピストン開口部562の汚染を示す信号を生成するように構成される。好ましくは、制御ユニット500は、ベルトおよびトレッドドラム501上のいかなるプロセスも停止し、オペレータに警告メッセージを送信するように構成される。
【0118】
図10は、本発明の第4の例示的実施形態によるタイヤを成形するための代替のドラムまたはベルトおよびトレッドドラム601を示す。ベルトおよびトレッドドラム601は、さらなる代替の保持プッシャまたは空気圧アクチュエータ606を備えるという点において、前述のベルトおよびトレッドドラム501とは異なる。前記保持プッシャまたは空気圧アクチュエータ606は、スペーサ563を備えていないという点において、前述の保持プッシャまたは空気圧アクチュエータ506とは異なる。代わりに、保持プッシャまたは空気圧アクチュエータ606は、ピストン661が第1の位置にあるときに第1の流れチャネル664がピストン開口部662と一直線になるように寸法決めされる。言い換えると、ピストン661が第1の位置にあるとき、第1のチャネル664はピストン開口部662に進入する。したがって、ピストン開口部662は、第1の流れチャネル664の延長部を形成する。
【0119】
空気圧アクチュエータ506、606の上述の実施形態は、保持プッシャとしての使用に限定されない。例えば、
図11には、第1の支持部材702を有する代替のベルトおよびトレッドドラム701が示されている。前記第1の支持部材702は、保持手段4を備えていないという点において、前述の第1の支持部材2とは異なる。したがって、この特定の実施形態では、空気圧アクチュエータ506は支持プッシャとして機能する。第1の支持部材702は、ピストン561と共に支持部材702を移動させるためにピストン561に接続された心棒721を備える。
【0120】
本発明の範囲にさらに包含される多くの変形形態が当業者には明らかであろう。例えば、保持プッシャおよび支持プッシャの両方が、上述したように空気圧アクチュエータ506、606を備えてもよい。
【0121】
一般に、本発明の上述の態様は、ベルトおよびトレッドドラム501、601、701、移送ドラムまたは移送ホイールのようなタイヤ成形用のドラムであって、前記ドラムの基準面20、Sに対して作動されるドラムの一部4、702の半径方向の移動を制御するための上述の空気圧アクチュエータ506、606を備える、ドラムに関する。好ましくは、前記ドラム501、601、701は、第2の位置におけるピストン561、661の存在を判定するため、および/またはピストン開口部562、662の汚染を検出するために、上述したような制御ユニット500をさらに備える。上記の説明は、好ましい実施形態の動作を説明するために含まれ、本発明の範囲を限定することを意味しないことを理解されたい。上記の議論から、本発明の範囲にさらに包含される多くの変形形態が当業者には明らかであろう。
【符号の説明】
【0122】
1 ベルトおよびトレッドドラム
10 セグメント
11 カバープレート
12 第1の幅調整スロット
13 第2の幅調整スロット
14 セグメント駆動装置
2 第1の支持部材
20 トレッド支持面
21 穴
22 ベース
23 接触面
24 半径方向のスロット
3 第2の支持部材
30 トレッド支持面
31 穴
32 ベース
33 接触面
34 半径方向のスロット
4 第1の保持要素
40 針
41 針支持体
42 フック
43 針保持器
5 第2の保持要素
50 針
51 針支持体
6 第1の駆動部材
61 保持プッシャ
62 支持プッシャ
7 第2の駆動部材
71 保持プッシャ
72 支持プッシャ
8 調整部材
80 ノブ
81 ねじ付きの柄
82 調整ブロック
9 ベルトとトレッドのパッケージ
91 ベルト層
92 トレッド層
99 汚染物
200 押圧装置
201 ディスク
202 シャフト
203 第1のグループ
204 第2のグループ
300 サービサ
401 代替のベルトおよびトレッドドラム
410 セグメント
411 ガイド支持体
412 第1の幅調整スロット
413 傾斜面
404 代替の第1の保持要素
440 針
441 針ベース
442 段差部
405 傾斜ガイド
450 ガイド本体
451 貫通穴
452 傾斜カム
500 制御ユニット
501 代替のベルトおよびトレッドドラム
506 代替の保持プッシャまたは空気圧アクチュエータ
561 ピストン
562 ピストン開口部
563 距離要素
564 第1の流れチャネル
565 第2の流れチャネル
601 代替のベルトおよびトレッドドラム
606 代替の保持プッシャまたは空気圧アクチュエータ
661 ピストン
662 ピストン開口部
664 第1の流れチャネル
665 第2の流れチャネル
701 代替のベルトおよびトレッドドラム
702 代替の第1の支持部材
720 代替のトレッド支持面
721 心棒
A 軸方向
B 止め具
D 往復運動距離
D1 往復運動距離の第1の部分
D2 往復運動距離の第2の部分
F 送り方向
L 調整方向
LE 前端
P 押圧方向
P1 第1の突出距離
P2 第2の突出距離
R 半径方向
S 周面
T 傾斜軸
TE 後端
T1 第1の先端
T2 第2の先端
X ドラム軸
【手続補正書】
【提出日】2022-05-26
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ベルトとトレッドのパッケージ(9)を製造するためのベルトおよびトレッドドラム(1、401、501、601)であって、
前記ベルトとトレッドのパッケージ(9)は、ベルト層(91)と、前記ベルト層(91)よりも幅の広いトレッド層(92)とを備え、
前記ベルトおよびトレッドドラム(1、401、501、601)は、ドラム軸(X)を中心に回転可能な周面(S)を有し、前記ベルトおよびトレッドドラム(1、401)は、第1の支持部材(2)を備え、前記第1の支持部材(2)は、前記トレッド層(92)が前記ベルト層(91)よりも幅が広い場合、前記トレッド層(92)を少なくとも部分的に支持するために前記ドラム軸(X)から離れるように面するトレッド支持面(20)を備え、前記第1の支持部材(2)は、半径方向(R)の前記周面(S)の外側の上昇位置に位置決め可能であり、前記ベルトおよびトレッドドラム(1、401、501、601)は、前記トレッド層(92)を前記第1の支持部材(2)において前記トレッド支持面(20)上の所定の位置に保持するために前記トレッド層(92)に係合するための第1の保持要素(4、404)をさらに備える
ベルトおよびトレッドドラム(1、401、501、601)。
【請求項2】
前記第1の保持要素(4、404)は、前記トレッド支持面(20)が単に前記トレッド層(92)を支持するという点において、および前記第1の保持要素(4,404)が前記トレッド層(92)を前記トレッド支持面(20)上の所定の位置に保持するという点において、前記トレッド支持面(20)とは機能的に異なるベルトおよびトレッドドラム(1、401、501、601)の一部である
請求項1に記載のベルトおよびトレッドドラム(1、401、501、601)。
【請求項3】
前記ベルトおよびトレッドドラム(1、401、501、601)は、前記ドラム軸(X)に平行な軸方向(A)に前記第1の支持部材(2)から離間した第2の支持部材(3)を備え、前記第2の支持部材(3)は、前記トレッド層(92)が前記ベルト層(91)よりも幅が広い場合、前記トレッド層(92)を少なくとも部分的に支持するために前記ドラム軸(X)から離れるように面するトレッド支持面(30)を備え、前記第2の支持部材(3)は、半径方向(R)の前記周面(S)の外側の上昇位置に位置決め可能であり、前記ベルトおよびトレッドドラム(1、401、501、601)は、前記トレッド層(92)を前記第2の支持部材(3)において保持するための第2の保持要素(5)をさらに備える
請求項1または2に記載のベルトおよびトレッドドラム(1、401、501、601)。
【請求項4】
前記第1の保持要素(4、404)および前記第2の保持要素(5)は個別に移動可能である
請求項3に記載のベルトおよびトレッドドラム(1、401、501、601)。
【請求項5】
前記第1の保持要素(4、404)および前記第2の保持要素(5)は非同期式に制御可能である
請求項3または4に記載のベルトおよびトレッドドラム(1、401、501、601)。
【請求項6】
前記第1の保持要素(4、404)は、1つまたは複数の針(40、440)を備える
請求項1から5のいずれか一項に記載のベルトおよびトレッドドラム(1、401、501、601)。
【請求項7】
前記第1の支持部材(2)には、前記第1の支持部材(2)の前記トレッド支持面(20)に穴(21)が設けられ、前記第1の保持要素(4、404)は、前記第1の支持部材(2)の前記トレッド支持面(20)の前記穴(21)を通って前記第1の支持部材(2)に対して移動可能である
請求項1から6のいずれか一項に記載のベルトおよびトレッドドラム(1、401、501、601)。
【請求項8】
前記第1の保持要素(4、404)は、前記ドラム軸(X)を横断する方向に前記第1の支持部材(2)に対して移動可能である
請求項1から7のいずれか一項に記載のベルトおよびトレッドドラム(1、401、501、601)。
【請求項9】
前記第1の支持部材(2)は、前記周面(S)から半径方向(R)に第1の距離だけ離れた後退位置と、前記周面(S)から前記半径方向(R)に前記第1の距離よりも大きい第2の距離だけ離れた上昇位置との間で、前記ドラム軸(X)に垂直な前記半径方向(R)に移動可能である
請求項1から8のいずれか一項に記載のベルトおよびトレッドドラム(1、401、501、601)。
【請求項10】
前記ベルトおよびトレッドドラム(1、401、501、601)は、前記第1の支持部材(2)および前記第1の保持要素(4、404)の前記半径方向(R)の移動を駆動するための第1の駆動部材(6)を備える
請求項9に記載のベルトおよびトレッドドラム(1、401、501、601)。
【請求項11】
前記第1の駆動部材(6)は、往復運動距離(D)に沿って移動可能なリニア駆動装置であり、前記第1の駆動部材(6)は、前記往復運動距離(D)の第1の部分(D1)に沿って、前記第1の保持要素(4、404)のみを前記半径方向(R)に駆動するように構成され、前記第1の駆動部材(6)は、前記往復運動距離(D)の第2の部分(D2)に沿って、前記第1の保持要素(4、404)および前記第1の支持部材(2)の両方を前記半径方向(R)に駆動するように構成される
請求項10に記載のベルトおよびトレッドドラム(1、401、501、601)。
【請求項12】
前記第1の駆動部材(6)は、保持プッシャ(61、506、606)および支持プッシャ(62)を備え、前記保持プッシャ(61、506、606)は、前記支持プッシャ(62)が前記第1の支持部材(2)または前記第1の支持部材(2)に関連付けられた部分(22、23)を押す前に、前記第1の保持要素(4、404)または前記第1の保持要素(4、404)に関連付けられた部分(40、41、440)を前記半径方向(R)に押すように構成される
請求項11に記載のベルトおよびトレッドドラム(1、401、501、601)。
【請求項13】
前記第1の支持部材(2)は、前記支持プッシャ(62)に接触するために前記半径方向(R)に対して斜めの角度(H)で延在する接触面(23)を有するベース(22)を備え、前記支持プッシャ(62)は、前記往復運動距離(D)の前記第1の部分(D1)および前記第2の部分(D2)を調整するために、前記半径方向(R)に垂直な調整方向(L)に前記接触面(23)に対して移動可能である
請求項12に記載のベルトおよびトレッドドラム(1、401、501、601)。
【請求項14】
前記ベルトおよびトレッドドラム(1、401、501、601)は、前記周面(S)を共に形成する複数の半径方向に移動可能なセグメント(10、410)を備え、前記第1の支持部材(2)および前記第1の保持要素(4、404)は、前記複数の半径方向に移動可能なセグメント(10、410)のうちの1つの半径方向に移動可能なセグメント(10、410)に設けられる
請求項1から
13のいずれか一項に記載のベルトおよびトレッドドラム(1、401、501、601)。
【請求項15】
前記第1の支持部材(2)は、前記1つの半径方向に移動可能なセグメント(10)に対して後退位置と上昇位置との間で半径方向(R)に移動可能である
請求項
14に記載のベルトおよびトレッドドラム(1、401、501、601)。
【請求項16】
前記第1の保持要素(404)の前記1つまたは複数の針(440)は、前記1つまたは複数の針(440)が前記半径方向(R)に前記第1の支持部材(2)の外側に部分的に突出するとき、前記半径方向(R)を横断する傾斜軸(T)を中心に傾けることが可能である
請求項6に記載のベルトおよびトレッドドラム(401)。
【請求項17】
請求項1から
16のいずれか一項に記載のベルトおよびトレッドドラム(1、401、501、601、701)と、前記トレッド層(92)に圧力を加えるための押圧部材(200)との
アセンブリ。
【請求項18】
前記押圧部材(200)は、前記トレッド層(92)の幅にわたって非対称に前記トレッド層(92)に圧力を加えるように構成されている
請求項
17に記載のアセンブリ。
【請求項19】
前記ベルトおよびトレッドドラム(1、401、501、601、701)は、前記ドラム軸(X)に平行な軸方向(A)に前記第1の支持部材(2)から離間した第2の支持部材(3)を備え、前記第2の支持部材(3)は、前記トレッド層(92)が前記ベルト層(91)よりも幅が広い場合、前記トレッド層(92)を少なくとも部分的に支持するために前記ドラム軸(X)から離れるように面するトレッド支持面(30)を備え、前記押圧部材(200)は、複数のディスク(201)と、前記複数のディスク(201)を横並びの構成で支持するためのシャフト(202)とを備え、前記複数のディスク(201)の各ディスク(201)は、前記シャフト(202)に対して垂直な押圧方向(P)に前記複数のディスク(201)のうちの他のディスク(201)に対して個別に移動可能であり、複数のディスク(201)は、前記第1の支持部材(2)上に支持される前記トレッド層(92)の特定領域を押圧するためのディスク(201)の第1のグループ(203)と、前記第2の支持部材(3)上に支持される前記トレッド層(92)の特定の領域を押圧するためのディスク(201)の第2のグループ(204)とを含み、前記第1のグループ(203)の前記ディスク(201)の移動は、前記第2のグループ(204)の前記ディスク(201)の移動とは、独立して制御可能である
請求項
17または
18に記載のアセンブリ。
【請求項20】
請求項1から
16のいずれか一項に記載のベルトおよびトレッドドラム(1、401、501、601)を使用してベルトとトレッドのパッケージ(9)を製造するための方法であって、
-前記ベルト層(91)を前記ベルトおよびトレッドドラム(1、401)の前記周面(S)の周りに貼り付けるステップと、
-前記トレッド層(92)が前記ベルト層(91)よりも幅が広い場合、前記第1の支持部材(2)で前記トレッド層(92)を支持しながら前記ベルト層(91)の周りに前記トレッド層(92)を貼り付けるステップと、
-前記第1の保持要素(4、404)によって前記第1の支持部材(2)において前記トレッド層(92)を保持するステップと
を含む
ベルトとトレッドのパッケージ(9)を製造するための方法。
【請求項21】
前記ベルトおよびトレッドドラム(1、401、501、601)は、前記ドラム軸(X)に平行な軸方向(A)に前記第1の支持部材(2)から離間した第2の支持部材(3)を備え、前記第2の支持部材(3)は、前記トレッド層(92)が前記ベルト層(91)よりも幅が広い場合、前記トレッド層(92)を少なくとも部分的に支持するために前記ドラム軸(X)から離れて面するトレッド支持面(30)を備え、前記第2の支持部材(3)は、前記半径方向(R)の前記周面(S)の外側の上昇位置に位置決め可能であり、前記ベルトおよびトレッドドラム(1、401、501、601)は、前記トレッド層(92)を前記第2の支持部材(3)において保持するための第2の保持要素(5)をさらに備え、方法は、
-前記第1の支持部材(2)と前記第2の支持部材(3)との間で前記ベルトおよびトレッドドラム(1、401)の前記周面(S)の周りに前記ベルト層(91)を貼り付けるステップと、
-前記トレッド層(92)が前記ベルト層(91)よりも幅が広い場合、前記第2の支持部材(3)で前記トレッド層(92)を支持しながら前記ベルト層(91)の周りに前記トレッド層(92)を貼り付けるステップと、
-前記第2の保持要素(5)によって前記第2の支持部材(3)において前記トレッド層(92)を保持するステップと
を含む
請求項
20に記載の方法。
【請求項22】
前記第1の保持要素(4、404)および前記第2の保持要素(5)は、前記トレッド層(92)を同時に保持するように制御される
請求項
21に記載の方法。
【請求項23】
前記第1の保持要素(4、404)および前記第2の保持要素(5)は、前記トレッド層(92)を非同期式に保持するように制御される
請求項
21に記載の方法。
【請求項24】
前記第1保持要素(4、404)は1つまたは複数の針(40、440)を備え、前記第1の保持要素(4、404)による前記トレッド層(92)の保持は、前記1つまたは複数の針(40、440)を前記トレッド層(92)に穿刺することを含む
請求項
20から
23のいずれか一項に記載の方法。
【請求項25】
前記第1の保持要素(404)の前記1つまたは複数の針(440)は、前記1つまたは複数の針(440)が前記半径方向(R)に前記第1の支持部材(2)の外側に部分的に突出するとき、前記半径方向(R)を横断する傾斜軸(T)を中心に傾けられる
請求項
24に記載の方法。
【請求項26】
前記方法は、前記第1の保持要素(4、404)のみを往復運動距離(D)の第1の部分(D1)に沿って前記半径方向(R)に移動させるステップと、前記第1の保持要素(4、404)および前記第1の支持部材(2)の両方を前記往復運動距離(D)の第2の部分(D2)に沿って前記半径方向(R)に移動させるステップと、をさらに含む
請求項
20から
25のいずれか一項に記載の方法。
【請求項27】
前記方法は、前記往復運動距離(D)の前記第1の部分(D1)と前記第2の部分(D2)を調整するステップをさらに含む
請求項
26に記載の方法。
【請求項28】
前記ベルトおよびトレッドドラム(1、401、501、601)は、共に前記周面(S)を形成する複数の半径方向に移動可能なセグメント(10、410)を備え、前記第1の支持部材(2)および前記第1の保持要素(4、404)は、前記複数の半径方向に移動可能なセグメント(10、410)のうちの1つの半径方向に移動可能なセグメント(10、410)に設けられ、前記方法は、前記第1の支持部材(2)を前記1つの半径方向に移動可能なセグメント(10、410)に対して後退位置と上昇位置との間で前記半径方向(R)に移動させるステップをさらに含む
請求項
20から
27のいずれか一項に記載の方法。
【請求項29】
前記方法は、サービサ(300)によって前記トレッド層(92)を前記ベルトおよびトレッドドラム(1、401)に供給するステップと、前記トレッド層(92)が前記第1の保持要素(4、404)によって保持されているときに、前記サービサ(300)によって前記トレッド層(92)を引き戻すステップと、をさらに含む
請求項
20から
28のいずれか一項に記載の方法。
【請求項30】
前記方法は、サービサ(300)によって前記トレッド層(92)を前記ベルトおよびトレッドドラム(1、401、501、601)に供給するステップと、前記トレッド層(92)が前記第1の保持要素(4、404)および前記第2の保持要素(5)の両方によって保持されているときに、前記トレッド層(92)を引き戻すステップと、をさらに含む
請求項
21から
23のいずれか一項に記載の方法。
【請求項31】
前記トレッド層(91)は前端(LE)を有し、前記第1保持要素(4、404)および前記第2の保持要素(5)は、前記トレッド層(92)の第1の先端(T1)および第2の先端(T2)をそれぞれ前記前端(LE)において保持する
請求項
21から
23のいずれか一項に記載の方法。
【請求項32】
前記トレッド層(91)は前端(LE)を有し、前記第1の保持要素(4、404)および前記第2の保持要素(5)は、前記ベルト層(91)の周りに前記トレッド層(92)を貼り付けている間、前記前端(LE)において前記トレッド層(92)を保持する
請求項
21から
23のいずれか一項に記載の方法。
【請求項33】
前記方法は、前記トレッド層(92)に圧力を加えるために押圧部材(200)を使用するステップをさらに含む
請求項
20から
32のいずれか一項に記載の方法。
【請求項34】
前記押圧部材(200)は、前記トレッド層(92)の幅にわたって非対称に前記トレッド層(92)に圧力を加える
請求項
33に記載の方法。
【請求項35】
前記方法は、前記トレッド層(92)に圧力を加えるために押圧部材(200)を使用するステップをさらに含み、前記押圧部材(200)は、複数のディスク(201)と、前記複数のディスク(201)を横並びの構成で支持するためのシャフト(202)とを備え、前記複数のディスク(201)の各ディスク(201)は、前記複数のディスク(201)の他のディスク(201)に対して、前記シャフト(202)に垂直な押圧方向(P)に個別に移動可能であり、前記方法は、第1のグループ(203)の前記ディスク(201)の移動を第2のグループ(204)の前記ディスク(201)の移動と無関係に制御することによって、前記第1の支持部材(2)上に支持された前記トレッド層(92)の特定の領域を前記複数のディスク(201)の前記第1のグループ(203)のディスク(201)で押圧し、前記第2の支持部材(3)上に支持された前記トレッド層(92)の特定の領域を前記複数のディスク(201)の前記第2のグループ(204)のディスク(201)で押圧するステップをさらに含む
請求項
21から
23のいずれか一項に記載の方法。
【請求項36】
前記第1の保持要素(4、404)が前記トレッド層(92)を保持するとき、前記第1のグループ(203)の前記ディスク(201)は前記トレッド層(92)に押し付けられる
請求項
35に記載の方法。
【請求項37】
前記第2の保持要素(5)が前記トレッド層(92)を保持するとき、前記第2のグループ(204)の前記ディスク(201)が前記トレッド層(92)に押し付けられる
請求項
35または
36に記載の方法。
【国際調査報告】