(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-02-10
(54)【発明の名称】粒子状材料と共軸メルトブロー繊維との混合
(51)【国際特許分類】
D04H 3/16 20060101AFI20230203BHJP
B32B 5/26 20060101ALI20230203BHJP
【FI】
D04H3/16
B32B5/26
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022525792
(86)(22)【出願日】2020-11-05
(85)【翻訳文提出日】2022-06-22
(86)【国際出願番号】 EP2020081186
(87)【国際公開番号】W WO2021089731
(87)【国際公開日】2021-05-14
(32)【優先日】2019-11-05
(33)【優先権主張国・地域又は機関】GB
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】518379049
【氏名又は名称】テクノウェブ マテリアルズ エッセ.エッレ.エッレ.
(74)【代理人】
【識別番号】100163991
【氏名又は名称】加藤 慎司
(72)【発明者】
【氏名】ザムポッロ、ファビオ
【テーマコード(参考)】
4F100
4L047
【Fターム(参考)】
4F100BA03
4F100BA04
4F100BA06
4F100BA07
4F100BA41B
4F100DE01
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4F100GB71
4F100YY00A
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4F100YY00D
4L047AA08
4L047AB02
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4L047CA02
4L047CA07
4L047CB07
4L047CC03
4L047EA05
(57)【要約】
本発明は、繊維及び粒子状材料を含むウェブ材料の製造装置、そのような装置を操作するプロセス、並びに、それによって生じる特定の材料に関する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
混合ウェブを形成するように適合されたウェブ形成装置であって、
前記混合ウェブは、
-短繊維、好ましくはパルプ繊維、及び、粒子、好ましくは超吸収性粒子からなる群から単独で又は組み合わせて選択される粒子状材料と、
-同軸複数列メルトブロー(CAメルトブロー)型の合成繊維と、
を含み、
前記装置は、
-粒子状材料供給システムであって、
粒子状材料の実質的に/主に/一般的に垂直下方に移動する流れを供給するように方向付けられている、粒子状材料供給システムと;
-ポリマー材料を以下に提供するように適合された少なくとも1つのポリマー供給システムと;
-第1及び第2の複数列CAメルトブローシステムであって、
前記システムの各々は、CAメルトブロー繊維を形成するように適合されており、ポリマー放出オリフィスの少なくとも2つの実質的に交差方向に延びる列を含んだポリマー放出オリフィスのアレイを具備している、第1及び第2の複数列CAメルトブローシステムと;
-形成ボックスであって、
前記形成ボックスは、前記粒子状材料とCAメルトブロー繊維を含んだ混合材料を形成するように適合されており、
前記形成ボックスは、
・前記粒子状材料供給システムに接続された粒子状材料の入口と;
・各々が前記CAメルトブローシステムの1つに接続された2つのCAメルトブロー繊維の入口と;
・混合材料の出口と;
を備えている、形成ボックスと;
-コレクタ、好ましくは形成ベルトであって、
前記形成ボックスの前記混合繊維の出口から混合された短繊維及びCAメルトブロー繊維を収集するために、
前記装置の機械方向に沿って移動するように適合され、
任意選択的に、前記ウェブにパターン化又はテクスチャ化された構造を作成するための凸部を示す、
コレクタ、好ましくは形成ベルトと;
を具備し、
それにより、前記形成ボックスの前記CAメルトブロー入口の各々は、前記粒子状材料の入口の前(上流)及び後(下流)に機械方向に配置されており、
-前記ポリマー放出オリフィスのアレイは、少なくとも第1及び第2のサブアレイを含み、各サブアレイは、少なくとも1つ、好ましくは少なくとも2つ、より好ましくは少なくとも4つ、最も好ましくは6つ以上のオリフィス列を含んでおり、
それにより、前記サブアレイの少なくとも1つのオリフィスは、以下からなる群より選択される1つ又は複数の機能において、異なるサブアレイのオリフィスとは異なる特性の繊維を放出するように適合されていることを特徴とする、装置。
前記サブアレイのオリフィスは、異なるオリフィス直径を示す;
前記サブアレイのオリフィスは、異なるポリマータイプ用のポリマー供給システムに接続されている;
前記サブアレイのオリフィスは、異なるポリマースループット用のポリマー供給システムに接続されている;
前記サブアレイのオリフィスは、異なるポリマー供給圧力用のポリマー供給システムに接続されている;
前記サブアレイのオリフィスは、独立した温度制御システムに接続されている。
【請求項2】
クエンチングシステムを更に具備し、前記クエンチングシステムは、
前記第1のCAメルトブローシステムの上流に方向的に配置された第1のクエンチングデバイス機械と;
前記第1のCAメルトブローシステムと前記粒子状材料の入口との間に方向的に配置された第2のクエンチングデバイス機械と;
前記粒子状材料の入口と前記第2のCAメルトブローシステムとの間に方向的に配置された第3のクエンチングデバイス機械と;
前記第2のCAメルトブローシステムの下流に方向的に配置された第4のクエンチングデバイス機械と;
を備えており、
前記クエンチングデバイスの各々は、それぞれ、第1、第2、第3、及び第4のクエンチング流体流を前記形成ボックスに放出するように適合されており;
前記クエンチング流体流の少なくとも1つの特性を、以下からなるリストから単独で又は組み合わせて選択される前記制御システムの制御手段によって、前記クエンチング流体流の他の少なくとも1つの特性から独立して制御するように構成されたクエンチング流体流制御システムを含んでいる、請求項1に記載の装置。
-前記クエンチングデバイスを異なるタイプのクエンチング流体、好ましくは、空気、水、及び蒸気からなる群から選択される流体に接続する;
-クエンチング流体温度制御手段;
-クエンチング流体供給圧力調整手段;
-クエンチング流体供給流量;
-CAメルトブローヘッドに対して、又は粒子状材料の供給軸に対しての、クエンチング流体の出口角度。
【請求項3】
以下からなる群より選択される1つ又は複数の特徴を更に備えている、請求項1又は2に記載の装置。
-取り外し可能なノズル、より好ましくは面取りされた溝付きダイヘッド;
-紡糸口金ブロック及びノズルを含んだ単一のダイヘッド;
-ダイヘッド軸に対する可変ダイヘッド角度;
-個別のポリマー供給システムに接続されたバイコノズル。
【請求項4】
それぞれの他のサブアレイのオリフィスよりも大きな直径を示すオリフィスを含む両方のCAメルトブローシステムの前記サブアレイは、前記粒子状材料の入口に向かって機械方向に配置されている、請求項1乃至3の何れか1項に記載の装置。
【請求項5】
前記形成ボックスの上流及び/又は下流に配置され、フィラメントを押し出すように適合され、前記混合ウェブの外面上にスクリム層を形成する少なくとも1つのウェブ形成要素を更に備えている、請求項1乃至4の何れか1項に記載の装置。
【請求項6】
混合ウェブを形成するためのプロセスであって、
-短繊維、好ましくはパルプ繊維、及び、粒子、好ましくは超吸収性粒子からなる群から単独で又は組み合わせて選択される粒子状材料と;
1つ又は複数のタイプのポリマー材料と;
請求項1乃至4の何れか1項に記載の装置と;
を提供する工程と;
-前記粒子状材料を前記形成ボックスに供給する工程と;
-前記CAメルトブローシステムにおいて、前記ポリマー材料から少なくとも2種類の同軸複数列メルトブロー(CAメルトブロー)フィラメントを形成する工程であって、
以下からなる群より選択される少なくとも1つの性質において異なっている繊維を形成するための工程と;
異なったポリマータイプを提供する;
異なったポリマースループットを提供する;
異なったポリマー供給圧力を提供する;
-これらを前記形成ボックスに供給する工程と;
-収集デバイスにおいて混合ウェブを収集する工程と;
-収集された前記混合ウェブを前記装置から取り除く工程と;
を含んだプロセス。
【請求項7】
請求項6に記載のプロセスであって、
-前記クエンチング流体を前記形成ボックスに送達するための複数のクエンチングデバイスを配置する工程であって、前記CAメルトブローシステムの各々について、クエンチングデバイスの1つがその上流に、クエンチングデバイスの1つがその下流に配置されるようにする工程と;
-前記CAメルトブローシステムの各々について、クエンチングデバイスの1つがその上流に、クエンチングデバイスの1つがその下流に配置されるようにして、前記クエンチング流体を送達するための複数のクエンチングデバイスを配置することにより、クエンチング流体の流れを前記形成ボックスに供給する工程と;
-以下からなる群より選択される1つ又は複数の性質を調節することにより、前記CAメルトブロー繊維のそれぞれの性質へと前記クエンチング流体の流れの性質を調節する工程と;
クエンチング流体のタイプ、好ましくは空気、水、又は蒸気;
温度;
流量;
速度;
方向;
-好ましくはポリマーフィラメントを押出して第1のスクリム層を形成し、前記第1のスクリム層を前記形成ボックスの上流の前記コレクタにおいて堆積させる工程と;
-好ましくはポリマーフィラメントを押出して第2のスクリム層を形成し、前記第2のスクリム層を前記形成ボックスの下流の前記コレクタにおいて堆積させる工程と;
を更に含んだプロセス。
【請求項8】
混合ウェブであって、
短繊維、好ましくはパルプ繊維、及び、粒子、好ましくは超吸収性粒子からなる群から単独で又は組み合わせて選択される粒子状材料と、
同軸複数列メルトブロー(CAメルトブロー)型の合成繊維と;
を具備し、
x、y、z(厚さ)方向を示し、
xy方向に延びる第1及び第2の表面領域であって、
CAメルトブロータイプの合成繊維を含み、
前記粒子状材料を実質的に含まない、
第1及び第2の表面領域を具備し、
前記表面領域の間にz方向に配置された中央領域であって、
-混合された粒子状材料と、
-CAメルトブロータイプの合成繊維と、
を含んだ中央領域を具備し、
前記中央領域に含まれる前記CAメルトブロータイプの合成繊維は、前記表面領域の繊維と、以下からなる群より選択される少なくとも1つの性質が実質的に異なっていることを特徴とする、混合ウェブ。
繊維径;
ポリマーの種類;
繊維のタイプ;
平均繊維長;
繊維強度。
【請求項9】
請求項8に記載の混合ウェブであって、更に、
前記中央領域のCAメルトブロータイプの前記合成繊維は、
以下からなる群より選択される1つ又は複数の繊維特性が異なった少なくとも第1及び第2の複数のCAメルトブロータイプの繊維を備えている、混合ウェブ。
繊維径;
ポリマーの種類;
繊維のタイプ;
平均繊維長;
繊維強度。
【請求項10】
請求項8又は9に記載の混合ウェブであって、
前記第1及び第2の表面領域の前記第1及び第2のタイプの合成繊維は、実質的に同一である、混合ウェブ。
【請求項11】
前記混合ウェブの外面を形成する少なくとも1つのスクリム層を更に含み、
前記スクリム層は、10g/m
2未満、好ましくは約5g/m
2未満、より好ましくは約3g/m
2未満、好ましくは約0.1g/m
2より大きい坪量を示す、請求項8乃至10の何れか1項に記載の混合ウェブ。
【請求項12】
約20g/m
2より大きい、好ましくは約35g/m
2より大きい、より好ましくは約45g/m
2より大きい、及び、約500g/m
2未満、好ましくは約100g/m
2未満、より好ましくは約70g/m
2未満の坪量を示す、請求項8乃至11の何れか1項に記載の混合ウェブ。
【請求項13】
前記粒子状物質は、混合ウェブの総重量を基準にして、もし存在する場合には前記スクリム層を含めて、約50%より大きい、好ましくは約70%より大きい、より好ましくは85%より大きい、又は更により好ましくは約90%より大きい若しくは約95%より大きい量で存在する、請求項8乃至12の何れか1項に記載の混合ウェブ。
【請求項14】
ワイプの製造のための、請求項8乃至13の何れか1項に記載の混合ウェブの使用。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、繊維(fibers)及び粒子状材料(particulate material)を含むウェブ材料の製造装置、そのような装置を操作するプロセス、並びに、それによって生じ得る特定の材料に関する。
【背景技術】
【0002】
本明細書で使用される「コフォーミング」及び/又は「コフォーミングプロセス」は、2つ又はそれ以上の別個の材料が混合される周知の方法を意味し、それによって、典型的には、ポリマーフィラメントなどのフィラメントが、1つ又は複数の他の材料、例えば、短繊維、例えばパルプ繊維、又は粒子などの粒子状材料と結合される。フィラメントと粒子状材料との混合物を集めて、繊維状構造を形成することができる。
【0003】
このような構造は、水性及び有機流体のための吸収媒体、湿式及び乾式用途のための濾過媒体、気体流体又は成分を除去するための吸着媒体、絶縁材料、保護緩衝材料、封じ込め、及び送達システム、並びに湿式及び乾式用途の両方のための拭き取り媒体、並びに特に乳児用拭き取り用の拭き取り媒体を含む広範な用途で使用することができる。液体吸収性は、粒子又は繊維形態の粒子状材料として提供され得るような粒子状吸収剤又は高吸収性ポリマー(SAP)物質の使用によって十分に高められ得る。
【0004】
多くの用途において、フィラメントの使用は、粒子状材料のみの場合の完全性の欠如によって妨げられるであろう構造の使用可能性を著しく向上させる:そのため、純粋な木材パルプ繊維構造物は、機械的な完全性がほとんどなく、濡れたときに高い程度の崩壊をもたらす。同様に、少なくとも大量のSAP(最大で純粋なSAP)を使用する場合、整合性及び固定化はほとんど存在しない。これらを熱可塑性繊維材料と組み合わせることにより、特に、熱可塑性繊維材料がその場でフィラメントに形成される場合、即ち実質的に粒子状材料と組み合わせられるのと同時に形成される場合に、湿潤及び乾燥引張強度の両方を含むこのような構造の特性を大幅に向上させることができる。
【0005】
更に、メルトブロー繊維を繊維構造の外側層として使用することが有利であることが判明しており、例えばUS8017534/EP2265756(K-C)を参照すると、湿潤ワイプとして使用することができるように、溶融ブロー繊維材料及び少なくとも1つの二次繊維材料、例えばパルプを含む均質に形成された繊維構造を提供することを目的としている。この構造は、メルトブローダイスからのメルトブロー繊維材料の第1の流れ及び第2の流れを提供し、これらを形成ゾーンにおいて天然繊維、例えばパルプ繊維の流れと混合し、そこから形成ワイヤ上にそれが集められることによって形成することができる。
【0006】
各メルトブローダイスは、ダイ毎の減衰ガスの2つの流れが、溶融ブローダイス内の小孔又はオリフィスを出るときに、溶融糸を引き込んで減衰させるガスの単一の流れを形成するように収束するように構成される。よく知られたメルトブロー法に関しては、減衰ガス、典型的には空気は、「エアナイフ」とも呼ばれる、フィラメント流れ方向に対して約60°の角度で供給される。
【0007】
WO2017004117/WO2017004116(P&G、バートら)は、2つのスクリム層の間に挟まれた共形成コア層を有する共形成繊維ウェブ構造を開示している。コア層は、セルロースパルプ繊維と溶融紡糸フィラメントとのブレンドから形成されてもよく、スクリム層は、溶融紡糸フィラメントから形成されてもよく、それによって、溶融紡糸は、溶融紡糸フィラメントであってもよい。スクリム層は、0.1g/m2から3.0g/m2未満の合計坪量を有することができる。更に、複数の繊維、例えばパルプ繊維が、複数のフィラメント、例えばポリプロピレンフィラメントと混合されてもよいことが記載されている。
【0008】
上記のような「エアナイフ」システムを使用するメルトブローシステムの変形例として、WO2009002612(3M)マイクロ及びメソ溶融ブロー繊維は、2つの直径の単一列のオリフィスを記載し、それによって、短繊維と組み合わせることができるマイクロ繊維及びメソ繊維のバイモーダル混合物を提示する溶融ブロー繊維を含む多孔性不織ウェブを生成する。
【0009】
US5665278(J&M)は、20ミクロン未満の平均直径を有する液滴を有する、空気のないノズルによって生成されたマイクロサイズの水滴によって冷却又は急冷されるメルトブロー熱可塑性繊維を記載している。
【0010】
更に、別々の溶融チャネル及び異なる温度で動作する絶縁チャネルによる多列スパンボンドのために、5°Cと50°Cとの間の溶融温度の差を示すポリエステルタイプの2つのタイプのポリマーを使用することに関して、US6164950(Freudenberg)に記載されているような、単一のダイヘッドにおいて異なるタイプのポリマーを使用することが知られている。
【0011】
本明細書で上述した「エアナイフ」溶融吹き付けシステムとは対照的に、WO2009010940(P&G)には、実質的に平行な、即ち約10°未満の空気流で角度をつけた多列溶融吹き付けシステムを使用することによって、繊維状の共形成構造を形成することが記載されており、「同軸溶融吹き付け」又は以下「CA溶融吹き付け」とも呼ばれてもよい。
【0012】
このようなフィラメント形成システムは、US5476616又はUS9303334(Biax)(以下、それぞれUS’616及びUS’334と称する)からも知られており、ここで、スピン結合と溶融発泡との間の「ハイブリッドシステム」は、「スパンブロー(登録商標)」と呼ばれている。
【0013】
この装置は、ダイブロックと、それに固定された紡糸口金と、複数の行及び複数の列のアレイにグループ化されて、紡糸口金に固定された複数のノズルと、を含んでいる。
【0014】
更に、少なくともノズルは、加圧ガスがノズルを通過してフィラメントを覆うように構成された実質的に同心円状に配置された開口によって囲まれ、実質的に連続したフィラメントが凝固して繊維に減衰し、下にある真空ボックスからの大量の吸引によって積層ベルト上に集められるようになっている。
【0015】
例えば、US’334に記載されているように、ノズルのアレイから押し出されたフィラメント/繊維の全ての周囲は、それらを周囲の空気から隔離するために、別の加圧されたガスカーテンで覆われていてもよい。更に、ノズル開口部は、異なるサイズを示すことができることが言及されている。
【0016】
コフォーミングプロセスの更なる改善は、US20160355950(P&G)に記載されている。したがって、2つ以上の別々の材料、例えば、短繊維及び/又は微粒子のような固体添加剤とフィラメントとが、形成ボックス内で混合される。そのような形成ボックスは、1つ又は複数のフィラメント注入口と、1つ又は複数の固体添加剤注入口とを有するハウジングとを含むことができる。フィラメントは、フィラメント形成ダイなどのポリマーフィラメント源から提供することができ、フィラメント及び固体添加剤の流れは、互いに90°未満の角度でボックス内において混合することができる。そのような設定は、例えば上記のUS’334に記載されているシステムと比較して、大幅に低減された真空吸引で材料の優れた混合を提供することを目的としている。
【0017】
WO2020/099193(PCT/EP2019/080293として出願、TKWM)は、特定のCA溶融吹出しダイブロックを記載しており、これにより、紡糸口金ブロックは、紡糸口金本体と一体のノズルとを含んでいる。ノズルは、サブアレイに配置することができるノズルのアレイに配置される。更に、ノズルは、ノズルの毛細管を通して滑らかなポリマーの流れを可能にするように面取りされていてもよい。
【0018】
WO2020/104190(PCT/EP2019/080291として出願;TKWM)は、更なる特定のCA溶融ブローダイブロックを記載しており、ここで、ノズルは、紡糸口金ブロックから取り外し可能である。更に、ノズルは、ノズルの毛細管を通して滑らかなポリマーの流れを可能にするように面取りされていてもよい。ダイ紡糸口金ブロックは、溝を更に含むことができ、溝は、シーラントで充填されると、紡糸口金ブロックの列をそれぞれ選択解除することができる。
【発明の概要】
【0019】
本発明は、混合ウェブを形成するように適合されたウェブ形成装置であって、前記混合ウェブは、
-短繊維、好ましくはパルプ繊維、及び、粒子、好ましくは超吸収性粒子からなる群から単独で又は組み合わせて選択される粒子状材料と、
-CAメルトブロータイプの合成繊維と、
を含んでいる。
【0020】
それにより、装置は、以下を含んでいる。
-粒子状材料供給システムであって、
粒子状材料の実質的に/主に/一般的に垂直下方に移動する流れを供給するように方向付けられている、粒子状材料供給システムと;
-ポリマー材料を以下に提供するように適合された少なくとも1つのポリマー供給システムと;
-第1及び第2の複数列CAメルトブローシステムであって、上記システムの各々は、CAメルトブロー繊維を形成するように適合されており、
ポリマー放出オリフィスの少なくとも2つの実質的に交差方向に延びる列を含むポリマー放出オリフィスのアレイを含んでいる、第1及び第2の複数列CAメルトブローシステムと、
-形成ボックスであって、
前記形成ボックスは、上記粒子状材料とCAメルトブロー繊維とを含んだ混合材料を形成するように適合されており、
前記形成ボックスは、
・前記粒子状材料供給システムに接続された粒子状材料の入口と;
・各々が前記CAメルトブローシステムの1つに接続された2つのCAメルトブロー繊維の入口と;
・混合材料の出口と;
を備えている、形成ボックスと;
-コレクタ、好ましくは形成ベルトであって、
前記形成ボックスの前記混合繊維の出口から混合された短繊維及びCAメルトブロー繊維を収集するために、
前記装置の機械方向に沿って移動するように適合され、
任意選択的に、前記ウェブにパターン化又はテクスチャ化された構造を作成するための凸部を示す、
コレクタ、好ましくは形成ベルトと;
を具備し、
それにより、前記形成ボックスの前記CAメルトブロー入口の各々は、前記粒子状材料の入口の前(上流)及び後(下流)に機械方向に配置されている。
【0021】
前記ポリマー放出オリフィスのアレイは、少なくとも第1及び第2のサブアレイを含み、各サブアレイは、少なくとも1つ、好ましくは少なくとも2つ、より好ましくは少なくとも4つ、最も好ましくは6つ以上のオリフィス列を含んでいる。
【0022】
それにより、前記サブアレイの少なくとも1つのオリフィスは、以下からなる群より選択される1つ又は複数の機能において、異なるサブアレイのオリフィスとは異なる特性の繊維を放出するように適合されている。
前記サブアレイのオリフィスは、異なるオリフィス直径を示す;
前記サブアレイのオリフィスは、ポリマー供給システムであって、
異なるポリマータイプ用;
異なるポリマースループット用;
異なるポリマー供給圧力用
のポリマー供給システムに接続されている;
前記サブアレイのオリフィスは、独立した温度制御システムに接続されている。
【0023】
装置は、以下を含むクエンチングシステムを更に含み得る。
前記第1のCAメルトブローシステムの上流に方向的に配置された第1のクエンチングデバイス機械と;
前記第1のCAメルトブローシステムと前記粒子状材料の入口との間に方向的に配置された第2のクエンチングデバイス機械と;
前記粒子状材料の入口と前記第2のCAメルトブローシステムとの間に方向的に配置された第3のクエンチングデバイス機械と;
前記第2のCAメルトブローシステムの下流に方向的に配置された第4のクエンチングデバイス機械と;
を備えており、
それにより、前記クエンチングデバイスの各々は、それぞれ、第1、第2、第3、及び第4のクエンチング流体流を前記形成ボックスに放出するように適合されている。
【0024】
クエンチングデバイスは、前記クエンチング流体流の少なくとも1つの特性を、以下からなるリストから単独で又は組み合わせて選択される前記制御システムの制御手段によって、前記クエンチング流体流の他の少なくとも1つの特性から独立して制御するように構成されたクエンチング流体流制御システムを含んでいる。
-前記クエンチングデバイスを異なるタイプのクエンチング流体、好ましくは、空気、水、及び蒸気からなる群から選択される流体に接続する;
-クエンチング流体温度制御手段;
-クエンチング流体供給圧力調整手段;
-クエンチング流体供給流量;
-CAメルトブローヘッドに対して、又は粒子状材料の供給軸に対しての、クエンチング流体の出口角度。
【0025】
装置は、以下からなる群より選択される1つ又は複数の特徴を更に備えていてもよい。
-取り外し可能なノズル、より好ましくは面取りされた溝付きダイヘッド;
-紡糸口金ブロック及びノズルを含んだ単一のダイヘッド;
-ダイヘッド軸に対する可変ダイヘッド角度;
-個別のポリマー供給システムに接続されたバイコノズル。
【0026】
両方のCAメルトブローシステムの前記サブアレイは、それぞれの他のサブアレイのオリフィスよりも大きな直径を示すオリフィスを含み、前記粒子状材料の入口に向かって機械方向に配置されていてもよい。
【0027】
装置は、前記形成ボックスの上流及び/又は下流に配置され、フィラメントを押し出すように適合され、前記混合ウェブの外面上にスクリム層を形成する少なくとも1つのウェブ形成要素を更に備えていてもよい。
【0028】
本発明は、以下の工程を含む、混合ウェブを形成するためのプロセスでもある。
-短繊維、好ましくはパルプ繊維、及び、粒子、好ましくは超吸収性粒子からなる群から単独で又は組み合わせて選択される粒子状材料と;
1つ又は複数のタイプのポリマー材料と;
上記のような装置と;
を提供する工程と;
-前記粒子状材料を前記形成ボックスに供給する工程と;
-前記CAメルトブローシステムにおいて、前記ポリマー材料から少なくとも2種類のCAメルトブローフィラメントを形成する工程であって、
以下からなる群より選択される少なくとも1つの性質において異なっている繊維を形成するための工程と;
異なったポリマータイプを提供する;
異なったポリマースループットを提供する;
異なったポリマー供給圧力を提供する;
-これらを前記形成ボックスに供給する工程と;
-収集デバイスにおいて混合ウェブを収集する工程と;
-収集された前記混合ウェブを前記装置から取り除く工程。
【0029】
このプロセスは、以下の工程を更に含み得る。
-前記クエンチング流体を前記形成ボックスに送達するための複数のクエンチングデバイスを配置する工程であって、前記CAメルトブローシステムの各々について、クエンチングデバイスの1つがその上流に、クエンチングデバイスの1つがその下流に配置されるようにする工程と;
-前記CAメルトブローシステムの各々について、クエンチングデバイスの1つがその上流に、クエンチングデバイスの1つがその下流に配置されるようにして、前記クエンチング流体を送達するための複数のクエンチングデバイスを配置することにより、クエンチング流体の流れを前記形成ボックスに供給する工程と;
-以下からなる群より選択される1つ又は複数の性質を調節することにより、前記CAメルトブロー繊維のそれぞれの性質へと前記クエンチング流体の流れの性質を調節する工程と;
クエンチング流体のタイプ、好ましくは空気、水、又は蒸気;
温度;
流量;
速度;
方向;
-好ましくはポリマーフィラメントを押出して第1のスクリム層を形成し、前記第1のスクリム層を前記形成ボックスの上流の前記コレクタにおいて堆積させる工程と;
-好ましくはポリマーフィラメントを押出して第2のスクリム層を形成し、前記第2のスクリム層を前記形成ボックスの下流の前記コレクタにおいて堆積させる工程。
【0030】
本発明はまた、混合ウェブ(commingled web)でもあり、
短繊維、好ましくはパルプ繊維、及び、粒子、好ましくは超吸収性粒子からなる群から単独で又は組み合わせて選択される粒子状材料と、
CAメルトブロータイプの合成繊維と、
を含んでいる。
【0031】
x、y、z(厚さ)方向を示し、
xy方向に延びる第1及び第2の表面領域であって、
CAメルトブロータイプの合成繊維を含み、
前記粒子状材料を実質的に含まない、
第1及び第2の表面領域を具備し、
前記表面領域の間にz方向に配置された中央領域であって、
-混合された粒子状材料と、
-CAメルトブロータイプの合成繊維と、
を含んだ中央領域を具備し、
前記中央領域に含まれる前記CAメルトブロータイプの合成繊維は、前記表面領域の繊維と、以下からなる群より選択される少なくとも1つの性質が実質的に異なっていることを特徴とする。
繊維径;
ポリマーの種類;
繊維のタイプ;
平均繊維長;
繊維強度。
【0032】
混合ウェブの中央領域のCAメルトブロータイプの合成繊維は、以下からなる群より選択される1つ又は複数の繊維特性が異なった少なくとも第1及び第2の複数のCAメルトブロータイプの繊維を更に備えていてもよい。
繊維径;
ポリマーの種類;
繊維のタイプ;
平均繊維長;
繊維強度。
【0033】
混合ウェブの前記第1及び第2の表面領域の前記第1及び第2のタイプの合成繊維は、任意選択的に、実質的に同一であってもよい。
【0034】
混合ウェブは、前記混合ウェブの外面を形成する少なくとも1つのスクリム層を更に含み、前記スクリム層は、10g/m2未満、好ましくは約5g/m2未満、より好ましくは約3g/m2未満、好ましくは約0.1g/m2より大きい坪量を示してもよい。
【0035】
混合ウェブは、約20g/m2より大きい、好ましくは約35g/m2より大きい、より好ましくは約45g/m2より大きい、及び、約500g/m2未満、好ましくは約100g/m2未満、より好ましくは約70g/m2未満の坪量を示してもよい。
【0036】
混合ウェブの粒子状物質は、混合ウェブの総重量を基準にして、もし存在する場合には前記スクリム層を含めて、約50%より大きい、好ましくは約70%より大きい、より好ましくは85%より大きい、又は更により好ましくは約90%より大きい若しくは約95%より大きい量で存在していてもよい。
【0037】
本発明は、更に、ワイプの製造のための混合ウェブの使用にも関する。
【図面の簡単な説明】
【0038】
図1は、本発明による装置の構成を示している。
図2A及びBは、本発明による特定の実施形態を示している。
図3A及びBは、本発明による特定の実施形態を示している。
図4は、本発明によるプロセスの動作中の流路又は軌道を示している。
図5は、本発明による混合ウェブの断面を示している。
図6は、本発明による設備の更なる特定の実施形態を示している。
図7は、本発明による別の混合ウェブの断面を示している。
【0039】
同じ数字は同じ又は同等の特徴を示し、単一又は複数のアポストロフィは複数の同等の特徴、例えば「第1及び第2」又は「左右」を示している。図は概略図であり、必ずしも縮尺通りではない。
【発明を実施するための形態】
【0040】
ある態様において、本発明は、ウェブを連続的に製造するための装置及びそのような装置を操作するためのプロセスに関する。
【0041】
用語「機械方向(machine direction)」(MD)又はx方向は、ウェブの製造方向と一般的に一致する方向であり、「交差方向(cross direction)」又はy方向はそれに垂直である。
【0042】
一般的に、MDとCDは水平に整列し、両方とも重力に沿って又は逆らっている鉛直方向に垂直である。
【0043】
しかしながら、当業者は、連続的な製造が何らかの上向き又は下向きの動きを含む場合、MDが水平から外れ得ることを容易に認識するであろう。
【0044】
装置の要素の関係的な配置については、「上流」、「下流」及び関連する用語は、装置上の製造経路に沿った相対的な配置を記述するために一般に使用される。
【0045】
更に、「上」、「下」及び関連する用語は、重力に対する配置を説明するために一般に使用される。しかしながら、当業者は、特定の実施形態が、本明細書に記載されるように、それらの機能性を失うことなく、傾けられたり又は更には反転されたりする場合を容易に認識するであろう。
【0046】
材料、特にウェブ材料を考慮する場合、厚さ又はz方向の延長は、典型的には、MD又はCDよりもはるかに小さく、後者は、ウェブ材料の製造時の配向を参照している。典型的には、必ずしもそうではないが、ウェブのMD及びCDは、当業者によって識別され得る。
【0047】
「ポリマーフィラメント(polymeric filaments)」は、典型的には、連続的又は実質的に連続的であると考えられる。フィラメントの非限定的な例としては、以下に説明するように、実質的に連続していてもよく、又は、破断されたフィラメントへと破断されていてもよい、メルトブロー、スパンボンド、又はCAメルトブローフィラメントが挙げられる。フィラメントへと形成することができる材料の非限定的な例としては、天然ポリマー、例えば、デンプン、デンプン誘導体、セルロース及びセルロース誘導体、ヘミセルロース、ヘミセルロース誘導体、並びに、合成ポリマー、例えば、ポリビニルアルコールフィラメント及び/又はポリビニルアルコール誘導体フィラメント、並びに、熱可塑性ポリマーフィラメント、例えば、ポリエステル、ナイロン、ポリオレフィン、例えば、ポリプロピレンフィラメント、ポリエチレンフィラメント、並びに、生分解性又は堆肥化可能な熱可塑性フィラメント、例えば、ポリ乳酸フィラメント、ポリヒドロキシアルカノエートフィラメント、及びポリカプロラクトンフィラメントが挙げられるが、これらに限定されない。フィラメントは、単一成分フィラメント又は二成分フィラメントなどの多成分フィラメントであってもよい。一例において、本発明のポリマーフィラメントは、熱可塑性ポリマー、例えば、ポリプロピレン及び/又はポリエチレンなどのポリオレフィン、ポリエステル、ポリビニルアルコール、ナイロン、ポリ乳酸、ポリヒドロキシアルカノエート、ポリカプロラクトン、並びにそれらの混合物からなる群から選択される熱可塑性ポリマーを含んでいる。一例では、熱可塑性ポリマーは、ポリオレフィン、例えば、ポリプロピレン及び/又はポリエチレンを含んでいる。別の例では、熱可塑性ポリマーは、ポリプロピレンを含んでいる。
【0048】
他の適切なポリマーフィラメントは、バインダシステム及びその処理について言及されている出願GB2005832.7(未公開、TKWM)に更に詳細に記載されているように、溶媒又はキャリア、好ましくは水中に高濃度の1つ又は複数のバインダ化合物を含む硬化性液体バインダシステムから作ることができる。
【0049】
「繊維(fibers)」という用語は、木材パルプ繊維などの天然繊維、ビスコース(登録商標)又はレーヨン(登録商標)などのセルロースベースの成形繊維などの変性天然材料繊維、又は合成ポリマーベースの繊維を含んでいる。本文脈において、繊維状材料として予め製造され供給されるセルロースパルプ繊維又はステープル繊維などの短繊維(セルロースパルプではよく知られているように分解する必要があるかもしれないが、ロール状又はベール状で送達することができ、これらは開かれて、繊維、典型的には個別化された繊維を形成する)と、例えば本発明によるプロセスの過程でその場で溶融ポリマーから形成されるフィラメント繊維とは、区別される。
【0050】
「異なるポリマータイプ」という用語は、第1の態様において、ポリエステル又はポリエチレンテレフタレートvsポリプロピレンvsポリエチレンなどの異なる化学種のポリマーに関する。第2の態様では、それは、異なるポリマー鎖長、メルトフローインデックス又は添加剤などによって特性が異なる場合において、同じ種のポリマーも指す。2つの繊維タイプは、例えば、2つの二成分又は多成分繊維が異なる量の構成要素又は異なる幾何学的配置、例えば、コア-シースvsサイドバイサイドを示す場合にも異なることがある。
【0051】
この文脈では、用語「粒子状物質」は、セルロースパルプ繊維又はステープル繊維などの短い合成繊維などの予め形成された不連続の典型的に短い個々の繊維、及び、例えば臭気吸着構造において使用されるために吸着性であるか、又は、例えばポリアクリレート型の、例えば高吸収性ポリマー(SAP)などの液体吸収性であるような機能性粒子などの粒子に関連し得る。そのような短繊維は、典型的には、少なくとも約10の長さ対直径比を示し、典型的には、約5cm未満の長さを示す。
【0052】
本発明の一実施例では、「短繊維」は、ユーカリ又はアカシア又は北部若しくは南部針葉樹パルプ繊維などの木材、又はクラフト(Kraft)、亜硫酸塩及び硫酸塩パルプなどの化学パルプ、並びに、例えば、粉砕木材、熱機械パルプ及び化学的に改質された熱機械パルプを含む機械パルプを意味する。また、本発明に適用可能なものは、再生紙から誘導された繊維であり、これは、上記のカテゴリーの何れか又は全て、並びに元の製紙を容易にするために使用される充填剤及び接着剤などの他の非繊維材料を含むことができる。種々の木材パルプ繊維に加えて、コットンリンター、レーヨン、リヨセル及びバガスなどの他のセルロース繊維を本発明において使用することができる。
【0053】
本明細書で使用される「コフォーミング」及び/又は「コフォーミングプロセス」は、2つ以上の別個の材料が混合されるプロセスを意味する。一例において、コフォーミングは、1つ以上及び/又は2つ以上の第1の材料、例えば、ポリマーフィラメントなどのフィラメントが、1つ以上及び/又は2つ以上の第2の材料、例えば、繊維などの粒子状材料、例えば、パルプ繊維、又は粒子と混合される(commingled)プロセスを含んでいる。コフォーミングプロセスでは、2つ以上の別々の材料が一緒に混合されて、2つ以上の材料の混合物が形成されるが、必ずしも均一な混合物である必要はない。例えば、コフォーミングプロセスにおいて、フィラメントは、本発明による繊維構造を形成するために収集され得るフィラメント及び繊維の混合物を形成するために、繊維と混合され得る。
【0054】
本明細書で使用される「繊維状構造(fibrous structure)」は、1つ又は複数のフィラメント状材料(filamentary materials)及び/又は1つ又は複数の粒子状材料を含む構造を意味する。一例では、本発明による繊維構造は、機能を実行するために、構造内にフィラメント又は繊維及び粒子が規則的に配置されていることを意味する。本発明の繊維構造は、均一であってもよいが、z方向に異なる領域を含むことが好ましく、この領域は、鋭い境界を示すことができ、即ち、層状であってもよく、又は、1つの領域から隣り合う領域へと徐々に移行してもよい。領域化又は層状化されている場合、繊維構造は、少なくとも2つ及び/又は少なくとも3つ及び/又は少なくとも4つ及び/又は少なくとも5つの領域又は層を含むことができる。
【0055】
本明細書で使用される「材料の流れ(stream of material)」とは、一般に共通の軌跡に沿って移動する材料に関するものであり、上記材料は、例えば、短繊維又は粒子などの粒子状材料、溶融材料、特に高分子材料、固化材料、若しくは固化された材料、繊維、例えば破断又は連続固化フィラメントなどのフィラメントである。流れは、その軌道に応じて、実質的に、平行、発散、又は収束する場合がある。
【0056】
本文脈において、用語「ダイブロック」は、溶融ポリマーが供給され、複数のノズルの毛細管を通してポリマーを押圧することによってポリマーフィラメントが形成される、複数列(multi-row)CAメルトブローシステムの要素を指す。ダイブロックは、典型的には、
-紡糸口金ブロックであって、
-上部プレートと、
ここで、「上部」という用語は通常、「溶融ポリマー供給側」を意味し、
-下部プレートと、
を備えた紡糸口金ブロックと、
-複数のノズルであって、
紡糸口金ブロックと一体であるか、又は取り外し可能であってもよく、
ノズルの行と列との配列を形成する複数のノズルと、
-空気分配プレートと;
-外部空気プレートと;
-カバーストリップ及び固定手段と、
を備えている。
【0057】
複数列CAメルトブローシステムは、ポリマーのための供給手段、及びノズルのアレイを覆うためのカーテンエアのための供給手段、又はポリマー及び空気のための温度制御手段などの更なる要素を含むことができる。
【0058】
本明細書中で使用される場合、「a」及び「an」例えば「a fiber」は、クレーム又は記載される材料の1つ又は複数を意味すると理解される。
【0059】
特に明記されていない限り、すべてのパーセンテージ及び比率は重量で計算される。
【0060】
説明のために
図1の概略断面図を参照する場合、本発明は、第1の態様において、形成ボックス1100を含む混合ウェブ1900を形成するための装置1000であるが、これに限定されるものではない。粒子状材料1400は、粒子状材料供給システム1410によって提供され、第1のポリマー材料1200及び第2のポリマー材料1300は、第1(1210)及び第2(1310)のポリマー供給システムから第1(1220)及び第2(1320)のポリマーフィラメント形成システムへと提供される。材料は、形成ボックス1100の特定の材料の入口1114、並びに、第1及び第2のポリマー材料の入口1112、1113にそれぞれ供給される。吸引ボックス1700の真空によって助けられて、混合材料は、可動スクリーンなどのコレクタ1600上に配置された混合ウェブ1900として、形成ボックスの出口1119において、形成ボックスから出る。
【0061】
装置は、その上に形成されたウェブの厚さ又はz方向に対応する装置の高さ方向1005を示す、一般的な三次元の延長を有している。それは、更に、機械方向又はx方向1002及び交差方向又はy方向(方向矢印1008のフレッチングを表す「x」によって表される)を示す。したがって、
図1は、z-x方向の断面図を示しており、左側部分は、観察者によって見られるように、上流部分1001を示しており、一方、コレクタ1600上に混合ウェブ1900を有する右側部分は、下流部分1009を示しており、コレクタは、上流部分から下流部分に移動するように構成されており、それによって、増加するウェブ高さで混合ウェブを収集し、最終的なウェブ高さ又はキャリパに達する。交差方向において、装置は水平に位置合わせされ、1m未満であってもよいが、しばしば1mより大きく、大規模な生産装置の場合は3mより大きく、又は更に5mより大きいが、典型的には10mを超えない延長を有している。装置は、幾つかのサブユニットを横方向に備えてもよいし、全幅にわたって単一であってもよい。前者は、例えば異なる数のノズルを調整するために、システムをセットアップするため、洗浄するため、修理するため、又は特定の部品を変更するためなどの、より容易な取扱いを可能にするが、後者は、ウェブにおける交差方向の不連続性を回避する。
【0062】
ウェブ形成装置は、吸収性物品又はワイプ製造機などのより大きな製造機械に挿入することができる独立した別個のモジュール式装置であってもよく、及び/又は、そのようなより大きな機械の完全に一体化された構成要素であってもよい。
【0063】
本発明に適した形成ボックス1100は、ハウジングと、1つ又は複数の材料が入口又は出口を通過する1つ又は複数の壁によって形成された閉鎖又は部分的に閉鎖された形成チャンバ1110と、を含んでいる。形成ボックスは、金属、しばしば鋼など多種多様な材料から作ることができるが、ポリカーボネートなどの十分に硬いポリマー材料、又はガラスによっても作ることができる。
【0064】
形成ボックスの材料入口は、それぞれの材料供給システムに接続され、第1のポリマーフィラメントの入口1112が、第2のポリマーフィラメントの入口1113の上流に位置する粒子状材料の入口1114の上流に位置するように配置される。
【0065】
特定の好ましい実施形態では、粒子状材料の入口は、粒子状材料が形成チャンバ1110を通って概ね重力に沿ってコレクタに向けて流れるように配置されてもよいが、垂直方向に対して若干の傾斜が許容される。
【0066】
特定の材料入口1114は、約0.07cmを超える、又は約0.1cmを超える、又は約0.1cmを超える、又は約0.3cmを超える、及び/又は約25cm未満、又は約12.5cm未満、又は約7.5cm未満のMD方向延長を示すことができる。
【0067】
第1及び第2のポリマーフィラメントの入口1112及び1113は、好ましくは30°と90°との間、好ましくは60°で垂直方向に傾斜して配置され、必要に応じて必ずしも対称ではないが、放出されたフィラメントがコレクタ手段の表面に接触する前に下向きに流れる粒子状材料を絡ませるように適合される。
【0068】
ポリマーフィラメントの入口1112及び1113はそれぞれ、約0.25cmを超える、1.25cmを超える、又は約2.5cmを超える、及び/又は、約40cm未満、又は約25cm未満、又は約15cm未満のMD方向延長を示すことができる。
【0069】
混合材料は、移動ベルト1600などのコレクタに向けて配置され、吸引ボックス1700による真空吸引によって更に補助された形成チャンバ出口1119を介して形成チャンバから出る。
【0070】
形成チャンバの出口は、約0.25cmを超える、又は約1.25cmを超える、又は約2.5cmを超える、及び/又は、約75cm未満、又は約50cm未満、又は約130cm未満のMD延長を示すことができる。
【0071】
形成ボックスの特に好ましい実施例は、形成ボックスの設計、特に寸法及び動作に関して明確な参照がなされている、上記のUS2016335950により詳細に記載されている。
【0072】
説明を容易にするために、粒子状材料の入口及びフィラメントの入口を単数で説明しているが、これらの何れかを複数回実行することは、通常の技術を用いることによって十分に考えられ、実行されてもよい。
【0073】
粒子状材料1400は、形成ボックス1100の粒子状材料の入口1114に送達される。この目的のために、粒子状材料は、バルク材料として提供されるか、又は、例えば短い繊維材料の場合には、ロール又はベールの形態で供給され、次いで、ハンマーミル及び/又は固体添加剤スプレッダ及び/又は成形ヘッド、例えばDan-Web Machinery A/Sからの形成ヘッドなどの空気敷設装置などの従来の手段によって個別化された繊維に分解され得る。結果として得られるウェブの高い均質性を目指す場合の特定の実施形態において、装置は、流体媒体に懸濁された場合に、短繊維などの粒子状材料の圧力、速度、質量、及び/又は流れのCDプロフィールを制御するために動作中に操作することができる、交差方向空間的に制御可能なエダクタ(eductor)を含むか、又は、このエダクタに接続することができる。このようなエダクタの特定の実施は、US2016/354736に開示されており、これには、このようなエダクタ及びその操作のための特定の開示に関して、明示的な言及がなされている。
【0074】
粒子状材料は、重力、又は空圧輸送、又は他の機械的フィーダ、又はそれらの組み合わせによって、形成ボックスの入口1114に供給することができる。更に、装置は、それぞれ、形成ボックス1100のそれぞれのフィラメント入口1112及び1113に接続されたCA溶融発泡ダイ又はダイブロックに適切なポリマー1200及び1300を供給する別々のポリマー供給システム1210及び1310に共通又は(
図1に示すように)接続され得る少なくとも2つの複数列CAメルトブローシステム1220及び1320を備えている。
【0075】
本文脈において、用語「接続される」は、CAメルトブローシステムによって解放されたフィラメントが形成ボックス1100の形成チャンバ1110内に直接流れ込むような位置決めを意味している。
【0076】
以下により詳細に説明するように、複数列CAメルトブローシステムは、US’616又はUS’334(Biax)の一般的な教示に従うものであり、即ち、複数のノズルが行及び列のアレイに配置され、フィラメントを形成チャンバ1110内に排出する。
【0077】
システムの配向は、上記のポリマー入口について説明した通りであり、これにより、ノズルは、ノズルに平行なダイブロック中心線を有するシステムのダイの配向を規定する。
【0078】
操作のために、ノズルは、主にノズル中心線に沿ってノズルオリフィスを通してフィラメントを放出するように適合され、
図1に示されるように、ここでは垂直として示されている粒子状材料入口に対して傾斜しており、ダイブロック中心線が粒子状材料の蒸気(下記参照)の軌跡と交差するようになっている。ノズルのアレイの機械方向限界に向かって、フィラメントの方向は、外側にずれていてもよい。更なる設計及び運転の詳細に関して引用されたUS’616を明示的に参照し、一方、US’334は、ノズルアレイの周りの遮蔽エアカーテンの任意の使用に関する詳細を記載している。
【0079】
本発明の特定の要素は、ポリマー供給システムが、それぞれについてそのダイブロックが、異なる特性を示す複数のフィラメントを形成するように適合されたノズルのサブアレイを含むことである。
【0080】
ノズルのアレイは、ノズルの幾何学的形状、即ち、内径若しくは外径又はノズル長において異なる少なくとも2つのサブアレイを含むことができる。任意選択的に、サブアレイのノズルの毛細管は、異なる断面形状、例えば、星形又はバイ若しくはマルチローバル形状などの非円形形状を示してもよい。
【0081】
このアプローチの第1のオプションは、WO2020/099193(PCT/EP2019/080293、TKWM)に更に詳細に記載されており、ここでは、ノズルの2つのサブアレイを有する単一の紡糸口金(spinneret)ブロックを含むダイブロックの設計及び動作について言及されている。
【0082】
図2Aに示されるように、ダイブロック(図示せず)又はポリマーフィラメント形成システム1220若しくは1320の何れかの一部であってもよい、紡糸口金ブロック152は、ノズルと一体の紡糸口金本体153を含み、そのうちの1つの列には、5つのノズル158が示されており、それぞれが、一方向に延びる1つの列を表し、一緒になってノズル1225及び1325のアレイを形成している。図示されているように、ノズルは、重力(1005)に沿って垂直に配向されている。しかしながら、形成ボックスに接続されるシステムの向きは、ノズルの向きが重力に対して傾斜するようなものであってもよく(
図1参照)、当業者は、それに応じて、「上」又は「下」などの相対的な位置を決める用語を容易に適応させるであろう。
図2Aは更に、溶融ポリマーをノズルに供給するポリマー供給キャビティ130、及び、フィラメントの各々を覆う(shrouding)ための空気を供給する空気供給通路132、及びダイブロック199の部品を接続するための穴を示す。
【0083】
ノズル1225のアレイは、それぞれ、サブアレイ1222、1322、及び、1228、1328を含んでいる。このようなサブアレイは、ダイブロックの全幅にわたって延在する必要はないが、好ましくは、少なくとも1列のノズルを含み得る。特定の実施形態では、
図2Aに示されるように、サブアレイ1222、1322のノズル158’は、ノズルの内径、ノズルの外径、及びノズルの長さからなる群から選択される少なくとも一つの寸法において、サブアレイ1228、1328のノズル158”と実質的に異なり、ここでは、異なる内側ノズル又は毛管直径157’および157”によって示されている。本文脈において、「実質的に異なる」という用語は、それぞれの寸法の少なくとも5%、しばしばその10%を超える差異を指している。
【0084】
このアプローチの第2のオプションでは、ダイブロックは、取り外し可能ノズルの設計に関して言及されているWO2020/104190(PCT/EP2019/080291、TKWM)に更に詳細に記載されているように、取り外し可能ノズルを有する紡糸口金ブロックを含んでいる。
【0085】
図2Bを参照すると、上部プレート(151)と下部プレート(155)とを有する紡糸口金本体と、下部プレートの孔を介して取り外し可能に配置されたノズル158とを含むポリマーフィラメント形成システム1220及び1320のための紡糸口金ブロック152の最初の実施形態が示されており、そのうちの1つの列には、8つのノズル158が示されており、各々が1つの交差方向に延びる列を表し、一緒になってノズル1225及び1325のアレイを形成している。図示されているように、ノズルは、重力(1005)に沿って垂直に配向されている。しかしながら、形成ボックスに接続されるシステムの向きは、ノズルの向きが重力に対して傾斜するようなものであってもよく(
図1参照)、当業者は、それに応じて、「上」又は「下」などの相対的な位置を決める用語を容易に適応させるであろう。
図1に示されるように、2つのポリマーフィラメント形成システム1220及び1320の傾斜は、垂直方向又は粒子注入方向に対して対称であり得るが、これは必ずしもそうではない。
図2Bは更に、溶融ポリマーをノズルに供給するポリマー供給キャビティ130、及び、フィラメントの各々を覆う(shrouding)ための空気を供給する空気供給通路132、及びダイブロック199の部品を接続するための穴を示す。
【0086】
ノズル1225、1325のアレイは、それぞれ、サブアレイ1222、1322、及び、1228、1328を含んでいる。このようなサブアレイは、ダイブロックの全幅にわたって延在する必要はないが、好ましくは、少なくとも1列のノズルを含み得る。特定の実施形態では、
図2Aに示されるように、サブアレイ1222、1322のノズル158’は、ノズルの内径、ノズルの外径、及びノズルの長さからなる群から選択される少なくとも一つの寸法において、サブアレイ1228、1328のノズル158”と実質的に異なり、ここでは、異なる内側ノズル又は毛管直径157’および157”によって示されている。本文脈において、「実質的に異なる」という用語は、それぞれの寸法の少なくとも5%、しばしばその10%を超える差異を指している。
【0087】
異なる特性を有するフィラメントを提供するための別のアプローチは、サブアレイのノズルを別々のポリマー供給システムに接続することを含んでいる。
【0088】
このアプローチに対する第1のオプションでは、異なるポリマーの使用がなされる限り、上記引用したWO2020/099193も参照され、
図3Aでは、
図2Aと同様の構成において、ポリマー供給のためのキャビティ130は、分離手段131によってサブチャンバ130’及び130”に分離され、この分離手段は、それぞれのサブアレイ1222、1322および1228、1328のノズルに異なるタイプのポリマーを供給し、それによってポリマーは、ポリマーのタイプなどの定性的特徴、又は、ポリマー流量、ポリマー圧力などの定量的パラメータの少なくとも1つが異なり、それによって、それぞれの小さい値に基づいて少なくとも5%、多くの場合10%以上、又はポリマー温度が異なり、それによって少なくとも5°C異なっている。任意選択的に、ノズルは、2成分繊維又は多成分繊維を生成するように同軸に配置されたサブキャピラリと共に実行されてもよく、そのようなサブキャピラリには、それぞれ異なったタイプの非混和性ポリマーが供給される。
【0089】
これらの変形例の何れについても、ノズルは、好ましくは、ノズルの入口部分を面取りすることによって溶融ポリマーの滑らかな流れが強化されるように実行される。取り外し可能なノズルを用いて実施する場合には、溝は、参照された出願に更に記載されているように、紡糸口金ブロックは、溝内に配置された面取りを用いて実施することができ、ダイヘッドの特定の列を選択的に除外するためのシール手段で充填することができ、ノズル設計に関する限り上記出願が参照される。
【0090】
このアプローチの第2のオプションでは、異なるポリマーの使用がなされる限り、上述のWO2020/104190も参照される。
【0091】
図3Bに示すように、
図2Bのような紡糸口金152の同様の構成を示すと、一方のサブアレイ1222、1322のノズル158’は、分離手段131によって第2のポリマー供給キャビティ130”から分離された第1の溶融ポリマー供給キャビティ130’を介して第1の分離ポリマー供給システムに接続されてもよく、第2の溶融ポリマー供給キャビティ130”を介して異なるサブアレイ1228、1328に供給され、次いでノズル158”に供給される溶融ポリマーとは異なった第1のタイプの溶融ポリマーを第1のサブアレイ1222、1322に供給するように適合されてもよく、それによって、ポリマーは、ポリマータイプなどの定性的特徴、又は、ポリマー流量、ポリマー圧力などの定量的パラメータの少なくとも1つにおいて、少なくとも5%、しばしば10%以上異なっており、又は、ポリマー温度において、少なくとも5°Cだけ異なるようにされていてもよい。任意選択的に、ノズルは、2成分繊維又は多成分繊維を生成するように同軸に配置されたサブキャピラリと共に実行されてもよく、そのようなサブキャピラリには、それぞれ異なったタイプの非混和性ポリマーが供給される。
【0092】
異なるノズルから異なるフィラメント特性を誘発するための更に別のオプションは、以下のプロセスに関する記載で説明するように、異なるクエンチング装置に異なる設定を単に適用することである。
【0093】
再び
図1を参照すると、装置1000は、更に、フィラメント形成システム1220、1320から出るノズルアレイの外側ノズルのフィラメントに少なくともクエンチング流体を供給するために、ポリマーフィラメント入口1112、1113に隣接して配置された、クエンチングデバイス1510、1520、1530、1540を含むクエンチングシステムを備えている。クエンチングは、これらがフィラメント形成ノズルを出た直後のポリマーフィラメントの凝固及び結晶化、即ち、ショット形成(shot formation)、ハンド(hand)、伸縮性、及び引裂き強度などのウェブ特性を制御することを目的とする。クエンチングは、例えば繊維間融合や繊維の絡み合いなどによって、ウェブの特性にも影響を与える。
【0094】
クエンチング流体は、空気若しくは蒸気などの気体、又は水噴霧などの液体、又はそれらの組み合わせであり得る。クエンチングの影響は、例えば、水などの液体を含むクエンチング流体の場合、それぞれ、温度などのクエンチング流体の特性、クエンチング流体の流れ方向及び速度、並びに接触されるフィラメントの量に対するクエンチング流体の量に依存する。典型的には、クエンチング流体は、ノズルを離れるときのフィラメントの温度よりも低い温度で提供される。
【0095】
周囲の空気がフィラメントの流れの移動によって環境から同伴される、形成ボックスを有しない従来のクエンチングシステムとは対照的に、好ましい実施形態は、調整空気又は水噴霧のような制御された特性を有する流体媒体を提供する。
【0096】
本発明の特に好ましい実施形態において、クエンチングシステムは、別個のクエンチング装置を選択的に制御するように適合されている。これは、フィラメントがダイのそれぞれの上流及び下流部分上で異なるフィラメント特性を示し得るノズルサブアレイを用いた実施形態に特に関連する。クエンチング装置のための別個の制御手段は、例えば以下を制御するように適合させることによって、影響を与えられ、調整され得る。
-クエンチング流体の種類、例えば空気、蒸気、水噴霧;
-流体の温度及びエネルギー含有量;
-以下で表され得る、クエンチング流体の流れの量
-時間あたりの質量で表される質量流量として、
-又は、例えば[kg*m/秒]で表される運動量として、
-又は、[kg/(m2*秒)]で表される質量流束として;
-典型的にはメートル/秒で表される、クエンチング装置を出るときのクエンチング流体の流れの速度;
-隣り合うフィラメントの流れ方向に対するクエンチング流体の流れの方向。
【0097】
本装置は、単一の粒子状材料供給システム及び2つのポリマーフィラメント形成システムを含む装置を参照することによって説明されているが、当業者は、より多くのこれらの装置があり、場合によってはより多くのクエンチング装置を含んでもよいことを容易に理解するであろう。更に、ハウジングは、他の添加剤、追加のクエンチング装置等を収容するための追加の開口部を有することができる。
【0098】
ウェブ形成装置は、ウェブの一方又は両方の表面にフィラメント層又はスクリムを適用するために、任意に、追加のウェブ形成要素を含んでいてもよい。好ましくは、ポリマーフィラメント形成システムは、当技術分野で周知のように、溶融押出、例えば、スパンボンド、メルトブロー、又はCAメルトブローによって、その場で(in situ)フィラメントを形成するように適合される。より好ましくは、ポリマーフィラメント形成システムは、上述のUS’616、US’334、又はWO2020/099193又はWO2020/080291に記載されたCAメルトブロー型であり、これらはすべて、フィラメント押出装置に関する限り、明示的に参照される。また、このようなウェブ形成要素は、形成ボックス内でのフィラメントの形成に関して上述したように、異なる特性を有するフィラメントを放出するためのノズルのサブアレイを有する複数列CAメルトブローシステムを含むことも本発明の範囲内である。
図6に示すような実施形態を制限するものではないが例示的な実施例を参照すると、第1のポリマースクリムフィラメント形成システム1650’は、上記で説明し、
図1に示すように、形成チャンバ1100の上流に配置され、好ましくは吸引ボックス1710’によって支持されるコレクタベルト1600上に第1のスクリム2140を堆積させるように構成される。このスクリム上に、上記のように混合ウェブ1900が形成される。形成ボックス 1100の下流に、第2のポリマースクリムフィラメント形成システム1650”を配置し、第2のスクリム2130を、好ましくは吸引ボックス1710”によって支持される混合ウェブ1900上に堆積するようにしてもよい。
【0099】
任意選択的に、スクリム層の一方又は両方を、好ましくは約10g/m2未満又は約5g/m2未満の低坪量の、スパンボンドされたウェブ(spunbonded webs)などの予備形成ウェブ(preformed webs)として適用することができる。
【0100】
混合ウェブ及び/又はスクリム層が堆積されるコレクタ1600は、ワイヤベルトなどの任意の空気透過性デバイスであってもよい。任意選択的に、それは、その上に置かれた構造にパターン又はテクスチャリングを付与するように構成された、z方向に隆起又は深化した部分を有する特定のx-y方向パターンを示すことができる。このようなコレクタは、例えば、US2017/0165720A1又はUS20170022660A1に記載されており、これには、このようなコレクタ、その動作、及びその上に堆積されたウェブの結果として生じる特性に関する言及がなされている。
【0101】
任意選択的に、1つ又は2つのスクリム層を含むことができる混合ウェブは、US9714484B2又はUS20150086760A1に記載されているような、プリントエンボスとも呼ばれる特定のエンボス加工などによって更に処理することができ、これに対して、ボンディングパターン、特にボンディング面積の比率に関する限り、明示的な参照がなされる。
【0102】
更に、液体処理ユニットが、例えばウェットワイプを形成するために、ウェブ形成ステップの後に配置されてもよい。最終ウェブは、任意選択的に液体を含み、1つ又は複数の仕上げユニット、例えば、圧延、巻き取り、部分的若しくは完全な分離、折り畳み、又は包装のためのユニットで処理されてもよい。本発明は、多数のプロセスパラメータの調整を可能にすることによって、特に、サブアレイ及びクエンチングデバイス(存在する場合)のためのプロセス条件を独立して制御することを可能にすることによって、混合ウェブの特性を達成するためのこれまで知られていなかった動作を可能にする。
【0103】
図4を参照すると、上記及び
図1に記載された装置が概略的に示され、物質の流れの軌跡が概略的に示されている。一般的に、全ての材料の軌跡は、重力、材料の性質(密度、寸法)、各材料の流動特性(速度、方向)だけでなく、他の材料の流動特性によっても影響を受ける。特に、流れが合流し、材料が混合している場合に影響を受けやすい。本文脈において、「軌道」という用語は、ある材料の流路を指し、これは、材料、即ち、各粒子、繊維、フィラメント、液滴、又は流体要素の各要素に対して典型的には異なる経路を示す。しかしながら、以下の説明では、「軌道」は、それぞれの入口で形成ボックスに入る材料から、形成ボックス出口1119及びコレクタ1600に向かう要素の例示的な特定の経路を表すと考えられる。
【0104】
粒子状材料入口1114で形成ボックスに入る粒子状材料は、粒子状材料流軌道1450(細い破線で示される)に沿ってコレクタ1600に向かって移動している。粒子状材料の流れの速度は、例えば、形成ボックスに自由に落下する粒子については、重力によって実質的に加速される程度の低い速度から、例えば、繊維の粒子がそれぞれの供給源から空気輸送される場合のキャリア流体の速度まで変化し得る。
【0105】
上記で説明した装置の特定の実施形態と組み合わせて、US’616若しくはUS’334の教示に従って、又は上記で引用したGB 2005832.7(未公開、TKWM)の教示を含めることによって、ポリマーフィラメントを形成することができる。
【0106】
フィラメント軌道1252、1352(太い実線)、1258、1358(細い実線)は、特定のフィラメントがどの部分から、例えばサブアレイ1222、1228、1322、1328のどの部分から放出されるかに依存し、上述のようにフィラメントの特性、例えばサイズ、組成等、フィラメントがノズルから放出される速度に依存するが、サブアレイ内の放出ノズルの位置決めにも依存する。
【0107】
フィラメントは、ノズルから出るとき、実質的に連続しており、好ましくは連続したままであるが、コレクタ手段への経路上で、ある長さのポリマー繊維へ又は更には液滴への破断が生じ得ることに留意されたい。しかしながら、
図2の表示では、連続フィラメント及び得られるポリマー繊維又は液滴の軌跡は同じと考えられる。
【0108】
クエンチング流体の軌道1515、1525、1235、1545は、主に、それぞれのクエンチング流体入口1512、1522、1532、1542の位置決め、クエンチング流体のタイプ、クエンチング流体の流れの向き及び速度に依存する。したがって、全ての材料流の軌道全体が他の全ての材料の軌道に影響を与え、それによって材料の混合が提供される。混合の大部分はコレクタ1600上への堆積の前に起こるが、幾つかの追加の混合がそこで起こり得る。
【0109】
材料流のそれぞれの軌道に影響を与える上述のパラメータは、広範囲にわたる混じり合い及び結果として生じるウェブ特性の非常に正確な制御を可能にする。再び
図2を参照すると、特定の設定が説明のために記載されているが、目的を限定するものではない。
【0110】
第1に、第1のダイブロック1220の第1のサブアレイ1222から放出されたフィラメント及び繊維の軌跡1252は、粒子状材料の軌跡と交差しておらず、従って、コレクタ上に粒子状材料を含まない層(a particulate material free layer)を提供する。
【0111】
図2に例示的に示されるように、粒子状材料1450の軌跡は、それぞれ、第1及び第2のダイブロック1220及び1230の第2のサブアレイ1228、1328から解放されるフィラメント又は繊維の軌跡と交差している。
【0112】
最後に、第2のダイブロック1320の第1のサブアレイ1322から放出されたフィラメント及び繊維の軌道1352は、粒子状材料の軌道と交差せず、したがって、中央層の上に粒子状材料を含まない層を提供する。
【0113】
これにより、粒子を含まない表面及び繊維と粒子状材料とが混ざり合った中心層を示す構造を形成することができ、これにより、表面の繊維は、中心層の繊維とは異なるサイズ、例えば、より微細な直径を示す。
【0114】
更に、クエンチング流体の調整、並びに材料流れのバランス調整及び吸引ボックス1700の吸引1750は、得られる材料をエンジニアリングするためのより多くの選択肢を可能にする。
【0115】
特定の例では、第及び第3のクエンチング装置の調整は、第1及び第2のダイブロックの第2のサブアレイからそれぞれ放出されたフィラメント及び繊維に、フィラメント放出ノズルの列がクエンチング装置又はそれよりも内側の位置により近いものとは機能的に異なる衝撃を与えるようなものであってもよい。これは、実際には、フィラメント1258及び1538のそれぞれについて、温度又は流速及び方向などの条件の段階的変化を提供することができ、その結果、その厚さ又はz方向にわたって特性の勾配を有する混合ウェブが得られる。
【0116】
任意選択的に、空気透過性コレクタを使用することによって、混合ウェブ及び/又はスクリム層が堆積され、z方向に隆起又は深化した部分を有する特定のx-y方向パターンを示す、ウェブのパターン又はテクスチャを付与することができる。このようなコレクタは、例えば、US2017/0165720A1又はUS20170022660A1に記載されており、これには、このようなコレクタ、その動作、及びその上に堆積されたウェブの結果として生じる特性に関する言及がなされている。
【0117】
任意選択的に、スクリム層は、上述したように、ポリマースクリムフィラメント形成システムによって形成することができ、また、実質的に無端の比較的厚い繊維を提供するためのスパンボンディングシステム、破断した細い繊維を提供するためのメルトブローシステム、又は、微細であるが強く実質的に連続したフィラメントを提供するためのCAメルトブローシステムのような従来の周知のシステムとして作動することができ、形成ボックスのポリマーフィラメント形成システムに関する本発明の教示を任意に含む。
【0118】
任意選択的に、1つ又は2つのスクリム層を含むことができる混合ウェブは、US9714484B2又はUS20150086760A1に記載されているような、プリントエンボスとも呼ばれる特定のエンボス加工を適用することなどによって更に処理することができ、これに対して、エンボスユニットの動作に関する限り、明示的な参照がなされる。
【0119】
ウェブが形成された後、それは、使用のための前駆体又は最終物品を形成するための更なる処理工程に供されてもよく、例えば、限定されるものではないが、バインダ、折り畳み、又は包装などの材料の添加、又は、タフト発生操作、熱接着操作、超音波接着操作、穿孔操作、ローション、シリコーン及び/又は他の材料並びにそれらの混合物の適用などの表面処理操作を適用することができる。
【0120】
記載の方法を用いて記載の装置上に作製された繊維混合ウェブは、z方向に複数の繊維領域を示している。
【0121】
1つの選択肢において本発明の繊維構造体は、繊維構造体中に存在する全細孔容積の8%超及び/又は少なくとも10%及び/又は少なくとも14%及び/又は少なくとも18%及び/又は少なくとも20%及び/又は少なくとも22%及び/又は少なくとも25%及び/又は少なくとも29%及び/又は少なくとも34%及び/又は少なくとも40%及び/又は少なくとも50%が、2.5μm~50μmの半径の細孔中に存在するような細孔容積分布を示すが、これは、本試験方法に関してここで言及した上述のUS2016/355950に記載されているような細孔容積分布試験方法によって測定され、この測定方法に関して、上記文献に明示的な参照がなされる。
【0122】
本発明は、周知の材料の製造に使用することができるが、装置及びその操作が、新しい特性を有する新しいタイプの材料の製造を可能にすることは、特別な特徴である。
【0123】
図5を参照すると、本発明による方法によってそれぞれ装置を動作させることによって得られる混合ウェブの例示的な実施のz方向断面図が、2つのCAメルトブロー繊維表面領域2110、2120と、CAメルトブロー繊維2210、2220を有する2つの内側領域と、粒子状材料を含む中央領域2300とで示されている。
【0124】
ここで、少なくとも内部領域のサブ領域において、CAメルトブロー繊維は、表面領域のCAメルトブロー繊維と実質的に異なっている。この文脈において、「実質的に異なる」という用語は、ある領域内の第1の複数のファイバが、隣接する第2の複数の領域から、以下からなる群の1つ又は複数の性質において、それぞれの低い値の少なくとも5%だけ異なる特性を示すことを意味している。
-繊維径;
-繊維の長さ;
-繊維強度;
-繊維組成:
-ポリマーの種類;
-メルトフローインデックス又はレート;
-繊維構造
-クリンプ;
-断面構成。
【0125】
混合ウェブの合計は、約10g/m2を超える、又は約15g/m2を超える、又は約30g/m2を超える、又は約40g/m2を超える、又は約60g/m2を超える、又は約100g/m2を超える、又は約150g/m2を超える、及び/又は約500g/m2未満、又は約300g/m2未満、又は約150g/m2未満、又は約100g/m2を超える混合ウェブ総坪量を示すことができる。
【0126】
粒子状材料を実質的に含まない表面領域の各々は、約0.5g/m2を超える、又は約1g/m2を超える、又は約2g/m2を超える、及び/又は、約20g/m2未満、又は約10g/m2未満、又は約5g/m2未満の表面領域坪量を示すことができる。
粒子状材料は、約10g/m2を超える、又は約20g/m2を超える、又は約40g/m2を超える、又は約60g/m2を超える、又は約100g/m2を超える、又は約150g/m2を超える、又は約300g/m2を超える、及び/又は、約300g/m2未満、又は約150g/m2未満、又は約100g/m2未満、又は約50g/m2未満、又は約30g/m2未満の粒子状材料坪量を示してもよい。
【0127】
特定の材料は、混合ウェブ、存在する場合はスクリム層を含むウェブの総重量に対して、約50%を超える、又は約70%を超える、又は85%を超える、更には約90%を超える、又は約95%を超える粒子状材料の重量パーセントを表すことができる。
【0128】
従来の技術によって形成されたウェブとは対照的に、本発明は、ある領域から隣接する領域へのより緩やかな遷移を生成することができ、又は、内側領域2210、2220が中央領域2300で重なり合うことさえできる。
【0129】
それぞれのサブ層の比較的明確な分離を示す多くの従来技術の多層実施形態とは対照的に、上記に記載されたプロセス及び装置は、1つのサブ領域から次のサブ領域への緩やかな移行を有する混合ウェブを提供することを可能にする。徐々に変化する特性は、他のパラメータに加えて、局所的な空孔容積分布又は局所的な組成などのウェブ特性に影響する繊維タイプ、直径、クリンプなどの繊維特性であってもよく、「局所的」という用語は、全構造の平均空孔容積の少なくとも3倍の容積を意味してもよい。
【0130】
混合構造の層状構造に加えて、ウェブは、混合層のフィラメントを形成するのに適した上述のようなポリマーを含むことができるように、ポリマーフィラメントのスクリム層を更に含むことができる。好ましい実施態様において、スクリム層の一方又は両方は、約10g/m2未満または約5g/m2未満、又は約3g/m2未満であるが、典型的には約0.1g/m2を超える坪量を示す。
【0131】
特定のオプションでは、混合ウェブ又はスクリムを有する混合ウェブは、US20150086659A1に記載されているような液体吸収能力試験方法に従って測定したときに、12g/gを超える液体吸収能力を示すことができ、この特定の試験方法について、上記文献が明示的に参照される。
【0132】
特に、しばしば好ましいオプションとして、スクリムを有する混合ウェブを液体と組み合わせてウェットワイプを形成することができ、ここで、そのような液体は、水性、油性、又はエマルジョン若しくはローションであってもよい。液体は、乳化剤、フィルム形成剤、皮膚処理活性剤、保存剤、pH緩衝剤、酸化防止剤、金属封鎖剤、微粒子、ポリマー不透明剤、不透明化ミネラル、香水、及びUS7,666,827;7,005,557;8,221,774;及びUS2011/0268777に記載されているような種々の他の補助成分などの1つ又は複数の任意成分を含んでいてもよい。
【0133】
特定のオプションでは、混合ウェブ又はスクリムを有する混合ウェブは、US963132B2に記載されているソイルリークスルー試験法(Soil Leak Through Test Method)に従って測定したときに8.5未満のソイルリークスルー値を示すことがあり、この特定の試験方法について、上記文献が明示的に参照される。
【0134】
液体組成物がローション組成物を含む特定のオプションでは、このようなローションを用いたウェットワイプは、US9631321B2に記載されているように、ローション放出試験法(Lotion Release Test Method)に従って測定した0.25を超えるローション放出を示すことができ、この特定の試験方法について、上記文献が明示的に参照される。
【0135】
特定のオプションでは、混合ウェブ又はスクリムを有する混合ウェブは、液体組成物を含んでいてもよく、US20150086659A1に記載されている摩擦触覚感覚係数試験法(Tactile Sensory Coefficient of Friction Test Method)に従って測定された摩擦触覚感覚係数が0.60未満であってもよい。
【0136】
本発明によるウェブ又は装置上で又は本発明のプロセスに従って作製されたウェブは、個人用、表面又は食品洗浄用の物品として又はその中で使用することができるだけでなく、液体吸収性若しくは吸着性物品として又はフィルタメディアとしても使用できる。特定の用途には、ペーパータオル、バス(bath)ティッシュ、フェイシャルティッシュ、ナプキン、子ども用ワイプ、大人用ワイプ、ウェットワイプ、クリーニングワイプ、研磨ワイプ、化粧用ワイプ、カーケア用ワイプ、特定の機能を果たすための活性剤を含むワイプ、器具及びそれらの混合物と共に使用するためのクリーニング基材が含まれる。
【0137】
ウェブは、本明細書で使用される場合、「衛生ティッシュ製品」に使用するのに特に適しているとは、排尿後及び排便後の洗浄(トイレ用ティッシュ)、整形外科的な排出(フェイシャルティッシュ)、特に多機能吸収剤及び洗浄用途のための拭き取り用具(吸収タオル)として有用な、柔らかく、典型的には低密度(即ち約0.15g/cm3未満)のウェブを意味している。
【0138】
本明細書で使用される「ワイプ」という用語は、繊維状材料のシートを含む物品を指す。ワイプは、「クリーニングシート」とも呼ばれる。乾性又は湿性の何れかのワイプは、生物若しくは無生物である表面若しくは物体から材料を除去するために、又は、生物若しくは無生物である表面若しくは物体に材料を塗布するために使用されることが意図される。例えば、ワイプは、床などの硬い表面の掃除に使用することができる。ワイプは、肛門のクレンジング、会陰のクレンジング、生殖器のクレンジング、顔や手のクレンジングなど、人間又は動物のクレンジング又はワイピングにも使用することができる。ワイプは、化粧品、スキンコンディショナ、軟膏、及び薬物の適用を含むがこれらに限定されない、身体への物質の適用のためにも使用され得る。また、それらは、ペットの洗浄や手入れ(grooming)にも使用することができる。更に、それらは、家庭の台所及び浴室の表面、眼鏡、運動及び競技器具、自動車の表面などの表面及び物体の一般的な洗浄に使用することができる。本開示において、ワイプは、人の洗浄のための洗浄シートであり得る。ワイプは、ローションを含むワイプであってもよい。ワイプは、ウェットワイプであってもよい。
【0139】
当業者は、本開示が、単独で又は互いに組み合わせて使用され得る幾つかの実施形態に焦点を合わせていることを理解するであろう。特に、「代替」又は「第1及び第2の」オプションとして明示的に説明されていない限り、様々なオプションを組み合わせることもできる。
【0140】
例えば、フィラメントの太さを変化させる(
図2参照)ことによって原理を説明することは、異なるポリマーのタイプ若しくは特性、又はその両方を示すフィラメントに本原理を使用できないことを意味するものではない。
【国際調査報告】