(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-02-10
(54)【発明の名称】医療装置用の接続装置
(51)【国際特許分類】
A61F 2/24 20060101AFI20230203BHJP
【FI】
A61F2/24
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022535565
(86)(22)【出願日】2020-12-11
(85)【翻訳文提出日】2022-07-06
(86)【国際出願番号】 EP2020085708
(87)【国際公開番号】W WO2021116377
(87)【国際公開日】2021-06-17
(32)【優先日】2019-12-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】518021632
【氏名又は名称】トライケアス
【住所又は居所原語表記】27avenue deI’Opera,75001 Paris,France
(74)【代理人】
【識別番号】100114890
【氏名又は名称】アインゼル・フェリックス=ラインハルト
(74)【代理人】
【識別番号】100098501
【氏名又は名称】森田 拓
(74)【代理人】
【識別番号】100116403
【氏名又は名称】前川 純一
(74)【代理人】
【識別番号】100134315
【氏名又は名称】永島 秀郎
(74)【代理人】
【識別番号】100162880
【氏名又は名称】上島 類
(72)【発明者】
【氏名】ゲオアク ラーミヒ
(72)【発明者】
【氏名】ヘルムート シュトラウビンガー
【テーマコード(参考)】
4C097
【Fターム(参考)】
4C097AA27
4C097BB01
4C097BB04
4C097CC01
4C097CC02
4C097CC05
4C097CC13
4C097CC18
4C097DD10
(57)【要約】
本発明は、新規の医療用の接続装置、少なくとも1つの新規の医療用の接続装置を備える医療装置、ならびに医療用のプロテーゼへの新規の医療用の接続装置の使用に関する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
2つの医療装置パーツを接続するために有用な医療用の接続装置において、
2つの医療装置パーツの2つの接続機構の係合および係止を含み、
第1の接続機構が、第1の医療装置の一部を形成しており、
第2の接続機構が、第2の医療装置の一部を形成しており、
前記医療用の接続装置は、少なくとも1つのスナップ係止舌片と1つのスナップ係止カバーとを備えているかまたは示している
ことを特徴とする、医療用の接続装置。
【請求項2】
前記スナップ係止カバーは、少なくとも1つ、好ましくは2つ、3つ、4つ、5つ、6つ、7つまたは8つのスナップ係止ハードストップおよび/または少なくとも1つ、好ましくは2つ、3つまたは4つのスナップ係止カバースカートをさらに備える、請求項1記載の医療用の接続装置。
【請求項3】
1つ以上のスナップ係止ハードストップが、前記スナップ係止カバーの近位端部もしくは遠位端部または/および前記遠位端部と前記近位端部との間の領域に位置決めされている、請求項1または2記載の医療用の接続装置。
【請求項4】
前記スナップ係止カバーは、丸みを帯びた形状、正方形に切断された形状もしく角形状または/および長手方向に延びる形状である、請求項1、2、または3記載の医療用の接続装置。
【請求項5】
2パーツ医療装置であって、
第1のパーツと、
第2のパーツと、
を備え、
各々のパーツは、少なくとも1つの接続機構を備え、
前記第1のパーツの1つの接続機構と、前記第2のパーツの1つの接続機構とは、同一方向または反対方向で位置合わせされており、
スナップ係止カバーが、前記2つの接続機構に係合しており、
前記2つの接続機構は、少なくとも1つのスナップ係止舌片、好ましくは1つまたは2つのスナップ係止舌片と、各々の接続機構の少なくとも1つの支柱舌片ストップとによって係止される、
2パーツ医療装置。
【請求項6】
2パーツステントであって、
内側ステントと、
外側ステントと、
を備え、
各々のステントは、少なくとも1つの接続機構を備え、
第1のステントの1つの接続機構と、第2のステントの1つの接続機構とは、同一方向または反対方向で位置合わせされており、
スナップ係止カバーが、前記2つの接続機構に係合していて、少なくとも1つのスナップ係止舌片、好ましくは1つまたは2つのスナップ係止舌片と、各々の接続機構の少なくとも1つの支柱舌片ストップとによって前記2つの接続機構を係止している、
2パーツステント。
【請求項7】
心臓弁置換プロテーゼであって、
置換弁と、
2パーツステントと、
を備え、
前記2パーツステントは、内側ステントと、外側ステントと、を備え、
各々のステントは、少なくとも1つの接続機構を備え、
第1のステントの1つの接続機構と、第2のステントの1つの接続機構とは、同一方向または反対方向で位置合わせされており、
スナップ係止カバーが、前記2つの接続機構に係合していて、少なくとも1つのスナップ係止舌片と、各々の接続機構の1つの支柱舌片ストップとによって前記2つの接続機構を係止している、
心臓弁置換プロテーゼ。
【請求項8】
前記内側パーツまたは前記内側ステントの前記接続機構は、前記内側パーツまたは前記内側ステントの長手方向に対して約3°~60°、好ましくは5°~30°、より好ましくは25°の角度を成して内向きに向けられている、請求項5、6または7記載の2パーツ医療装置または2パーツステントまたは心臓弁置換プロテーゼ。
【請求項9】
前記外側パーツまたは前記外側ステントの前記接続機構は、近位方向から遠位方向に対して重畳されているかもしくは相並んでいるか、前記パーツまたは前記ステントが切断された当初の管を基準にして内側と外側、内側と内側もしくは外側と外側で位置合わせされ、または、前記パーツまたは前記ステントが切断された当初の管を基準にして、管の切断縁部と管の切断縁部で位置合わせされる、請求項5、6、7または8記載の2パーツ医療装置または2パーツステントまたは心臓弁置換プロテーゼ。
【請求項10】
1つのスナップ係止カバーと、2つ、3つまたは4つのスナップ係止舌片と、前記接続機構の対応する個数の支柱舌片ストップとを備える、請求項5から9までのいずれか1項記載の2パーツ医療装置または2パーツステントまたは心臓弁置換プロテーゼ。
【請求項11】
1つのスナップ係止ハードストップと、各々の接続機構の1つの支柱ハードストップとを備える、または、2つ、3つまたは4つのスナップ係止ハードストップと、各々の接続機構の1つまたは2つの支柱ハードストップとを備える、請求項5から10までのいずれか1項記載の2パーツ医療装置または2パーツステントまたは心臓弁置換プロテーゼ。
【請求項12】
前記スナップ係止舌片は、前記医療装置、前記ステントもしくは前記プロテーゼの長手方向に位置決めされる、または、前記長手方向に対して実質的に90°の角度を成して位置決めされる、または前記長手方向に対して5°~90°もしくは10°~45°もしくは45°の角度を成して位置決めされる、請求項5から11までのいずれか1項記載の2パーツ医療装置または2パーツステントまたは心臓弁置換プロテーゼ。
【請求項13】
前記接続機構は、前記医療装置、前記ステントまたは前記プロテーゼの各々のパーツから延在する支柱の遠位領域または遠位端部に位置決めされている、請求項5から12までのいずれか1項記載の2パーツ医療装置または2パーツステントまたは心臓弁置換プロテーゼ。
【請求項14】
前記接続機構または各々の接続機構は、少なくとも1つの支柱位置合わせ手段、好ましくは、接続機構の対の2つの支柱位置合わせ手段を備える、請求項5から13までのいずれか1項記載の2パーツ医療装置または2パーツステントまたは心臓弁置換プロテーゼ。
【請求項15】
請求項1から4までのいずれか1項記載の少なくとも1つの医療用の接続装置を備える、2パーツ医療装置または2パーツステントまたは心臓弁置換プロテーゼ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、新規の医療用の接続装置、少なくとも1つの新規の医療用の接続装置を備える医療装置ならびに医療用のプロテーゼへの新規の医療用の接続装置の使用に関する。
【0002】
低侵襲技術およびカテーテルベースの埋込み技術は長年にわたって進歩し、現在多くの医療分野で実現可能である。
【0003】
多くの医療分野で、現在、カテーテルベースの技術によって患者を治療することが可能になり、患者の体調および手術に伴うリスクのために適切に治療することができなかった患者の治療が可能になった。このようなカテーテルベースの技術は、患者の体内へのそれぞれ異なるアクセス経路を介して医療装置を所望の標的部位に埋め込むための例えばカテーテルおよび/またはイントロデューサシースなどの送達システムに適用される。
【0004】
このような処置では、使用されるプロテーゼは1つのパーツで構成されているか、2つ以上のパーツで構成されている。パーツは、互いに縫い合わせるか、2つのパーツを互いに形状接続することによって互いに取り付けることができる。展開処置中に生体内で異なるパーツを組み立てることも可能である。適正な形状接続および耐久性は、そのような医療装置の重要な側面である。
【0005】
特に、近年、心臓弁膜症および心臓弁の欠損の治療はますます成功するようになっている。例としては、大動脈弁治療または僧帽弁治療などの、心臓弁置換療法のための経心尖、経頸静脈および経大腿動脈の処置がある。
【0006】
多くの場合、組織ベースの置換弁を備えたステントベースのプロテーゼが使用され、カテーテル送達システムを使用して生来の心臓弁を置換するために埋め込まれる。
【0007】
交換用の心臓弁プロテーゼは、圧着してカテーテルに装着する必要がある。このようなプロテーゼは、単一のパーツで構成されてよく、または2つ以上のパーツで構成されてもよい。このようなプロテーゼの1つの態様は、患者への埋込み前または埋込み時に、1つの機能的なプロテーゼを形成するために、様々なパーツを接続することである。
【0008】
より詳細には、医療装置に有用なかつ/またはカテーテルベースの送達方法に良好に適合する寸法を示す、使いやすくて信頼性の高い接続手段を提供すること、または、従来技術に対して改善された機構を備えた医療装置に有用な接続手段を提供することが課題である。
【0009】
したがって、2つの医療装置パーツまたは多数の医療装置パーツを接続するために有用な、好ましくはカテーテルベースの送達方法の必要性に適合する、使いやすくて信頼性の高い接続手段が必要とされている。
【0010】
したがって、本開示の1つの目的は、医療装置パーツを容易にかつ/または効率よくかつ/または高い信頼性でかつ/またはカテーテル圧着および/またはカテーテル送達に適合可能に組み合わせるための信頼性の高い接続手段を提供すること、または、少なくとも先行技術の欠点が実質的に回避されるか先行技術に対して減じられた欠点を示す接続手段を提供することである。
【0011】
開示の簡単な概要
1つの態様では、本開示は、2つ以上の医療装置パーツを接続するために有用な医療用の接続装置において、2つの医療装置パーツの2つの接続機構の係合および係止を含み、第1の接続機構は、第1の医療装置の一部を形成しており、第2の接続機構は、第2の医療装置の一部を形成しており、医療用の接続装置は、少なくとも1つのスナップ係止舌片と1つのスナップ係止カバーとを備えているか示していることを特徴とする、医療用の接続装置に関する。
【0012】
別の態様では、本開示は、2パーツ医療装置であって、第1のパーツと、第2のパーツとを備え、各々のパーツは、少なくとも1つの接続機構を備え、第1のパーツの1つの接続機構と、第2のパーツの1つの接続機構とは、同一方向または反対方向で位置合わせされており、スナップ係止カバーが、2つの接続機構に係合しており、2つの接続機構は、少なくとも1つのスナップ係止舌片、好ましくは1つまたは2つのスナップ係止舌片と、各々の接続機構の少なくとも1つの支柱舌片ストップとによって係止され、複数の医療装置パーツは接続されてもよい、2パーツ医療装置に関する。
【0013】
別の態様では、本開示は、2パーツステントであって、内側ステントと、外側ステントとを備え、各々のステントは、少なくとも1つの接続機構を備え、第1のステントの1つの接続機構と、第2のステントの1つの接続機構とは、同一方向または反対方向で位置合わせされており、スナップ係止カバーが、2つの接続機構に係合していて、少なくとも1つのスナップ係止舌片、好ましくは1つまたは2つのスナップ係止舌片と、各々の接続機構の少なくとも1の支柱舌片ストップとによって2つの接続機構を係止しており、複数の医療装置パーツは接続されてもよい、2パーツステントに関する。
【0014】
別の態様では、本開示は、心臓弁置換プロテーゼであって、置換弁と、2パーツステントとを備え、2パーツステントは、内側ステントと、外側ステントとを備え、各々のステントは、少なくとも1つの接続機構を備え、第1のステントの1つの接続機構と、第2のステントの1つの接続機構とは、同一方向または反対方向で位置合わせされており、スナップ係止カバーが、2つの接続機構に係合していて、少なくとも1つのスナップ係止舌片と、各々の接続機構の1つの支柱舌片ストップとによって2つの接続機構を係止している、心臓弁置換プロテーゼに関する。
【0015】
別の態様では、本開示は、組み立てられた医療装置のプロテーゼを得るために、本開示による1つ以上の医療用の接続装置を使用して、2つ以上の医療装置パーツ、例えばステントパーツを組み立てるための方法に関する。
【0016】
別の態様では、本開示は、それぞれ異なる医療装置パーツを接続するための、本開示による1つ以上の医療用の接続装置の使用に関する。
【図面の簡単な説明】
【0017】
本開示の様々な実施形態は、以下の図によって例示される。
【
図1】本開示による接続装置の一実施形態を示す図である。
【
図2】本開示による2つの医療用パーツを互いに接続する様々な可能性の詳細を示す図である。
【
図2a】本開示による2つの医療用パーツを互いに接続する様々な可能性の詳細を示す図である。
【
図2b】本開示による2つの医療用パーツを互いに接続する様々な可能性の詳細を示す図である。
【
図3】本開示による様々なスナップ係止カバーを示す図である。
【
図3a】本開示による様々なスナップ係止カバーを示す図である。
【
図3b】本開示による様々なスナップ係止カバーを示す図である。
【
図3c】本開示による様々なスナップ係止カバーを示す図である。
【
図4】本開示による様々なスナップ係止カバーを示す図である。
【
図5】本開示による支柱の位置合わせおよびスナップ係止カバーの接続部の様々な可能性を示す図である。
【
図5a】本開示による支柱の位置合わせおよびスナップ係止カバーの接続部の様々な可能性を示す図である。
【
図5b】本開示による支柱の位置合わせおよびスナップ係止カバーの接続部の様々な可能性を示す図である。
【
図5c】本開示による支柱の位置合わせおよびスナップ係止カバーの接続部の様々な可能性を示す図である。
【
図5d】本開示による支柱の位置合わせおよびスナップ係止カバーの接続部の様々な可能性を示す図である。
【
図6】本開示によるスナップ係止カバーの様々な実施形態を示す図である。
【
図6a】本開示によるスナップ係止カバーの様々な実施形態を示す図である。
【
図6b】本開示によるスナップ係止カバーの様々な実施形態を示す図である。
【
図7】本開示によるスナップ係止カバーの様々な実施形態を示す図である。
【
図8】本開示によるスナップ係止カバーの様々な実施形態を示す図である。
【
図9】本開示によるスナップ係止カバーを使用する異なる医療装置パーツの接続支柱の、本開示による異なる実施形態を示す図である。
【
図9a】本開示によるスナップ係止カバーを使用する異なる医療装置パーツの接続支柱の、本開示による異なる実施形態を示す図である。
【
図9b】本開示によるスナップ係止カバーを使用する異なる医療装置パーツの接続支柱の、本開示による異なる実施形態を示す図である。
【
図9c】本開示によるスナップ係止カバーを使用する異なる医療装置パーツの接続支柱の、本開示による異なる実施形態を示す図である。
【
図10】本開示によるスナップ係止カバーの異なる実施形態を示す図である。
【
図10a】本開示によるスナップ係止カバーの異なる実施形態を示す図である。
【
図10b】本開示によるスナップ係止カバーの異なる実施形態を示す図である。
【
図11】本開示によるストップの変形例および支柱位置合わせの異なる可能性を含む、本開示によるスナップ係止カバーの異なる実施形態を示す図である。
【
図11a】本開示によるストップの変形例および支柱位置合わせの異なる可能性を含む、本開示によるスナップ係止カバーの異なる実施形態を示す図である。
【
図11b】本開示によるストップの変形例および支柱位置合わせの異なる可能性を含む、本開示によるスナップ係止カバーの異なる実施形態を示す図である。
【
図12】本開示によるストップの変形例および支柱位置合わせの異なる可能性を含む、本開示によるスナップ係止カバーの異なる実施形態を示す図である。
【
図13】本開示によるストップの変形例および支柱位置合わせの異なる可能性を含む、本開示によるスナップ係止カバーの異なる実施形態を示す図である。
【
図13a】本開示によるストップの変形例および支柱位置合わせの異なる可能性を含む、本開示によるスナップ係止カバーの異なる実施形態を示す図である。
【
図13b】本開示によるストップの変形例および支柱位置合わせの異なる可能性を含む、本開示によるスナップ係止カバーの異なる実施形態を示す図である。
【
図13c】本開示によるストップの変形例および支柱位置合わせの異なる可能性を含む、本開示によるスナップ係止カバーの異なる実施形態を示す図である。
【
図14】本開示によるストップの変形例および支柱位置合わせの異なる可能性を含む、本開示によるスナップ係止カバーの異なる実施形態を示す図である。
【
図14a】本開示によるストップの変形例および支柱位置合わせの異なる可能性を含む、本開示によるスナップ係止カバーの異なる実施形態を示す図である。
【
図14b】本開示によるストップの変形例および支柱位置合わせの異なる可能性を含む、本開示によるスナップ係止カバーの異なる実施形態を示す図である。
【
図15】本開示によるストップの変形例および支柱位置合わせの異なる可能性を含む、本開示によるスナップ係止カバーの異なる実施形態を示す図である。
【
図15a】本開示によるストップの変形例および支柱位置合わせの異なる可能性を含む、本開示によるスナップ係止カバーの異なる実施形態を示す図である。
【
図15b】本開示によるストップの変形例および支柱位置合わせの異なる可能性を含む、本開示によるスナップ係止カバーの異なる実施形態を示す図である。
【
図15c】本開示によるストップの変形例および支柱位置合わせの異なる可能性を含む、本開示によるスナップ係止カバーの異なる実施形態を示す図である。
【
図16】本開示によるストップの変形例および支柱位置合わせの異なる可能性を含む、本開示によるスナップ係止カバーの異なる実施形態を示す図である。
【
図16a】本開示によるストップの変形例および支柱位置合わせの異なる可能性を含む、本開示によるスナップ係止カバーの異なる実施形態を示す図である。
【
図16b】本開示によるストップの変形例および支柱位置合わせの異なる可能性を含む、本開示によるスナップ係止カバーの異なる実施形態を示す図である。
【0018】
詳細な説明
以下に本開示の特定の用語を定義する。本開示の文脈におけるそれ以外の技術用語は、該当する当業者であれば理解することができる。
【0019】
本開示の意味での「プロテーゼ」または「医療装置」または「インプラント」という用語は、低侵襲性であるか、またはカテーテルベースの処置によって送達することができる任意の医療装置として理解される。これらの用語は交換可能に使用することができる。本開示の意味でのプロテーゼは、例えば、ステント、またはステントベースのプロテーゼ、または大動脈弁の置換心臓弁、僧帽弁の置換心臓弁もしくは三尖弁の置換心臓弁のようなステントベースの置換心臓弁プロテーゼであってよい。
【0020】
本開示の意味での「カテーテル」または「送達装置」という用語は、例えば、生来の大動脈弁、僧帽弁または三尖弁のような心臓弁を置換するために、決定された部位で患者にプロテーゼを展開するために使用される装置として理解される。
【0021】
本開示の意味での「メッシュステント」または「編込みメッシュステント」または「編込みステント」は、例えば、レーザ切断されたニチノール管とは対照的に、ワイヤで構成されるステントである。
【0022】
本開示の意味での「切断ステント」または「レーザ切断ステント」は、例えばニチノール管からレーザ切断されたステントである。ニチノール管が出発点であるため、外側の半径は内側の半径よりも大きく、ひいてはステントに切断されると、ステントは、(当初の管の)外側から内側に向かうテーパ状である。
【0023】
本開示の意味での「ステント領域」または「複数のステント領域」は、外側ステント、メッシュステントもしくは置換心臓弁プロテーゼの規定された領域であり、特にそれは、近位領域、中間領域もしくは遠位領域、または心房、弁輪もしくは心室として規定された長手方向セクションもしくは外側セクションである。
【0024】
本開示の意味での「近位領域」、「中間領域」、「遠位領域」は、カテーテルの使用によって埋込みを行う手術者に関連するステントもしくはプロテーゼの領域を示し、近位が手術者に近く、遠位が手術者から離れている。「中間領域」は、本開示の意味でのステントもしくはプロテーゼにおいて、遠位領域と近位領域との間の領域を意味している。個人(人または患者)の原位置、すなわち、生体内での本来の血流に関して、「近位領域」はまた、流入端部または流入領域を表すことができ、「遠位領域」はまた、流出端部または流出領域を示すことができる。近位は心房、中間は弁輪、遠位は心室と示すこともできる。
【0025】
本開示の意味での「弁輪領域(annulus area)」または「弁輪領域(annular area)」は、内生の心臓弁の各々の領域、または埋込み部位に位置決めされて内生の弁輪と位置合わせされることになっている置換心臓弁またはステントの各々の領域を規定する。
【0026】
本開示の意味での「弁輪下領域」は、内生の心臓弁の弁輪の遠位方向(または流入方向または心室方向)にあるプロテーゼの領域である。プロテーゼは、「弁輪下領域」をU字形もしくはV字形の溝領域、および遠位領域で覆ってよい。
【0027】
本開示の意味での「溝」は、他の領域よりも小さい直径を示すステントの領域またはプロテーゼの領域を表し、前記溝の遠位および近位で、より大きな直径を有するステントの他の領域またはプロテーゼの他の領域が前記溝の近辺にある。前記溝は、V字形もしくはU字形またはそれらの組み合わせ、または他の任意の曲げられた有用な幾何学的形状を有することができ、または、溝は、心房のステント領域および心室のステント領域と比較してわずかに小さい直径によって特徴付けることができる。
【0028】
本開示の意味での「マルチパーツステント」は、「2パーツステント」または「3パーツステント」を指すことができ、内側ステントは、本開示による医療用の接続装置によって接続される。本開示による医療用の接続装置は、内側ステントの心房端部もしくは心房領域、または生来の弁の弁輪領域に位置決めすることができる。
【0029】
本開示の意味での「標的部位」は、置換心臓弁プロテーゼが埋め込まれる位置または場所であり、ここで機能障害または機能不全が、例えば、三尖弁の弁輪または僧帽弁の弁輪において、治療される。
【0030】
本開示の意味でのステントの「接続」は、2つの医療装置パーツを本開示による1つの医療用の接続装置で固定する方法であり、幾つかの医療装置パーツは、この方法により、すでに埋込みの準備がされ、または、患者への埋込み中に組み立てられる最終的な複数パーツの医療装置に組み立てられ得る。
【0031】
本開示の意味での「固定手段」または「アンカ固定手段」は、内側ステントに接続され、任意選択で付加的な手段と協働して、実質的に標的部位にプロテーゼをアンカ固定するための構成要素である。特定の態様では、固定手段は、アンカ固定ループと、アンカ固定アームと、接続アーチと、内側ステントアンカとから構成されるか、それらを備え、好ましくは、接続手段は、固定手段の内側ステントアンカを内側ステントに接続する。
【0032】
本開示の意味での「アンカ固定ループ」は、ステントもしくはプロテーゼの固定に有用なステントの一部であり、標的部位でのステントもしくはプロテーゼの移動を回避するのを補助する。概して、本開示の意味でのアンカ固定ループは、ステントもしくはプロテーゼの改善された固定に有用な手段であり、ループは、内側ステントに固定されるか、内側ステントに接続されるか、内側ステントの一部を形成するか、内側ステントの一体部分である。本開示の意味での「ループ」または「複数のループ」は、丸みを帯びた形、正方形などの異なる形状を有してよく、規定のパターンで規定された領域に配置される。本開示の意味での「ループ」は、ステントの内側表面に関して規定された角度を示し、ステントもしくはプロテーゼが展開初期に、場合によっては部分的な展開後にカテーテルに回収される際に、直線状に延びても反転してもよいように設計されてよい。
【0033】
本開示の意味での「角度構造」または「角度」は、内側ステントのような他のステント構造に関して、特定の幾何学的形状を規定するために特定の領域またはステント層に引かれる、前記ステントパーツまたはアーチまたは層の2つの補助線の間の角度である。
【0034】
本開示の意味での「半径方向の力」は、半径方向の外向き方向に、ステントもしくはプロテーゼによって示される力であり、より具体的には、メッシュステントまたは例えばニチノールステントなどのレーザ切断ステントであってもよいプロテーゼの外側ステントによって発揮される力である。半径方向の力は、特定のメッシュステントまたは切断ステントの設計に依存し、材料密度、例えばメッシュステントの単位面積あたりのワイヤの密度、または特定のレーザ切断ステントのレベルもしくは領域の、例えば、近位/心房、中間/弁輪もしくは遠位/心室の領域の周方向のセルの数と前記セルのサイズとに関連する。本開示による置換心臓弁プロテーゼにおける半径方向の力は、外側ステントに対して、または内側ステントおよび外側ステントと固定手段との組み合わせに対して、周辺組織との良好な接触を提供し、ステントもしくはプロテーゼの固定機能を支持する大きさで、また任意選択で、標的部位の内生の環境および生体への干渉を避けるためにできるだけ小さい大きさで選択することになる。したがって、埋込み部位および内生の組織および機能との干渉を回避するために、それは大きさで選択される。半径方向の力は、他の手段、例えば固定用のループによって、その固定機能のために支持されてよい。
【0035】
本開示の意味での「標的領域」は、例えば三尖弁または僧帽弁であってよい生来の心臓弁のような生来の器官を取り囲むかまたはその中にある三次元空間である。
【0036】
本開示の意味でのループの「非外傷性設計」とは、ステントもしくはプロテーゼのループまたは他の手段またはパーツが、前記パーツまたは少なくともそれらが接触する組織の損傷または/および負傷を最小限に抑えるように製造されたパーツに接触する周辺組織もしくは組織のあらゆる損傷もしくは実質的にあらゆる損傷を避けるように設計されていることである。
【0037】
本開示の意味での、例えば、外側メッシュステント内の内側のレーザ切断ステント、またはレーザ切断外側ステント内のレーザ切断内側ステントを備える、ステントもしくは置換心臓弁プロテーゼの「適合性」は、標的組織との正の干渉に関する。「適合性」は、ステントもしくはプロテーゼの埋込み部位への良好な幾何学的形状適応を示し、ステントもしくはプロテーゼが有利な固定特性、弁機能に関する良好な機能性を示し、同時に内生の心臓構造および心臓機能への干渉を最小限に抑える設計に関する。
【0038】
本開示の意味での「医療装置」は、医療の文脈または医療用途で使用することができる任意のパーツもしくはパーツのアセンブリを意味してよい。それは、カテーテルのような送達システムを使用する低侵襲性技術による外科手術による患者への送達物の埋込みのために設計された手術装置または微小侵襲性ツールまたは医療装置に関連してよい。特に、「医療装置」は、ステント、置換心臓弁プロテーゼ、修復装置、または一般的な置換装置、例えば、大動脈弁、肺動脈弁、僧帽弁、三尖弁などの置換心臓弁プロテーゼに関連してよい。
【0039】
本開示の意味での「医療用の接続装置」とは、最小では、2つの接続手段(例えば支柱)と、2つの接続手段を解離可能にまたは解離不能に接続する手段を備えるカバー、例えばスナップ係止カバーとを用いて、医療装置の2つのパーツを接続することができる装置を意味している。本開示による医療用の接続装置を使用することにより、複数の医療装置パーツを接続して、患者にすぐに使用することができる最終的な医療装置を形成することができ、または、その全部もしくは一部を、例えばカテーテルによって、送達処置中に接続することができる。したがって、本開示による1つ、2つ、3つ、4つ、5つ、6つ、またはそれ以上の医療用の接続装置は、パーツが別々に製造され、後にこの方法により接続される複数パーツの医療装置を提供するために有用であってよい。
【0040】
本開示の意味での「スナップ係止カバー」とは、ステントもしくは置換心臓弁プロテーゼの、支柱などの2つの接続手段を解離可能にまたは解離不能に接続することができるパーツを意味している。それは、1つ以上のスナップ係止舌片と、1つ以上のスナップ係止ハードストップと、1つ以上のスナップ係止カバースカートとを備えてよい。
【0041】
本開示の意味での「スナップ係止舌片」は、支柱などの接続手段に係合し、例えば2つの支柱を所定の位置に保持し、ひいては2つの医療用パーツを接続するために有用なスナップ係止カバーの一部を形成するパーツを意味している。スナップ係止舌片は各支柱に対応部分を有しており、ひいては2つの支柱を共に保持して固定することができる。
【0042】
本開示の意味での「スナップ係止ハードストップ」は、支柱に係合するためのスナップ係止カバー内の事前に規定されたストップを意味している。
【0043】
本開示の意味での「支柱舌片ストップ」は、スナップ係止舌片と係合して接続部を形成し、それぞれ2つの医療用パーツとその接続手段とを互いに接続することができるストラットまたは任意の接続手段に構成された対応部分である。
【0044】
本開示の意味での「接続機構」は、スナップ係止カバーに係合することを意図された医療装置パーツの一部である。
【0045】
本開示の意味での「スナップ係止カバースカート」は、例えば2つの支柱の位置合わせをサポートし、スナップ係止カバー内の接続手段の接続および適正な位置決めを付加するために有用なスナップ係止カバーの一部である。
【0046】
本開示の意味での「遠位」とは、カテーテル手段を使用するときに手術者から離れていることを意味している。
【0047】
本開示の意味での「近位」とは、カテーテル手段を使用するときに手術者に近いことを意味している。
【0048】
本開示の意味での「長手」または「長手方向」とは、医療装置、例えば心臓弁置換プロテーゼの長手方向を意味している。
【0049】
本開示の意味での「所定の角度を成して内向き」とは、例えば、弁もしくは置換心臓弁において、外側パーツもしくは外側領域に対して装置の中間パーツまたは内側パーツもしくは内側領域に向かう方向を意味している。
【0050】
本開示の意味での「丸みを帯びた形状」、「正方形に切断した形状」または「角形状」は、スナップ係止カバーの設計に関する。正方形に切断した形状または角形状は、使用する空間が少なく、ひいては医療装置がカテーテル送達によって埋め込まれ、置換心臓弁プロテーゼのように装置を圧着する必要がある状況では、小さいことが好ましい可能性がある。
【0051】
本開示の意味での「位置」または「位置決め」という用語は、概して、本開示によって接続される2つの医療装置パーツのより広い配向に関連する。用語はまた、送達装置もしくは展開装置を操作している手術者に関して、近位(手術者/カテーテルのハンドルに近い)および遠位(手術者/カテーテルのハンドルから離れている)の意味で空間内の配向を指すことができる。心臓弁置換プロテーゼの文脈において、それは、カテーテル処置によって生来の心臓弁部位に埋め込まれるプロテーゼの長手方向に延びる形状を指す。
【0052】
本開示の意味でのパーツを「位置合わせする」またはパーツの「位置合わせ」とは、2つの接続手段を相並んで微少位置合わせすること、およびスナップ係止カバーに適合するように2つの接続手段を微少位置合わせすることを意味している。したがって、スナップ係止カバーおよびそれとの接続の状況において、2つの医療装置パーツの支柱の配向は、極めて近接した距離にある。好ましくは、2つの支柱(接続手段)の位置合わせは、スナップ係止カバーとの接続前または接続中に2つの支柱を極めて正確に位置合わせするために、支柱位置合わせ手段によって支持することができる。
【0053】
支柱とスナップ係止カバーとの位置合わせは、医療装置パーツが、切断された当初の管(レーザ切断方法)に関連して、または手術者に対してカテーテルの送達処置中および展開処置中に空間内に位置決めされる配向、すなわち(カテーテルのハンドルに対して)手術者の近位、または(カテーテルのハンドルに対して)手術者の遠位に関連して、説明することが可能である。
【0054】
本開示の意味で「上から下に」もしくは「下から上に」(2つの用語は観察者の視点に関連する)または「重畳されて」位置合わせするとは、
図2で説明するように、2つの接続手段を互いに位置決めすることを意味している。支柱(接続手段)は、
図2に示すように、プロテーゼの近位方向から遠位方向に関連して重畳される。
【0055】
本開示の意味での内側パーツまたは内側ステントの接続機構の「管の切断縁部と管の切断縁部」を位置合わせすることは、当該の医療用パーツの製造方法およびレーザ切断方法にも言及する。この場合、管(例えばニチノール管)は、管の内側表面および外側表面と、管が切断された縁部とを有している。医療用パーツ、例えばステントが切断される当初の管に言及すると、管ひいては医療用パーツ(例えばステント)の内側および外側での本開示による位置合わせを規定することができ、他方では、切断レベルおよび切断面または切断面積とを規定することができる。したがって、2つのパーツの外側と内側の位置合わせを規定することができ、視点に応じて、これは、内側と外側(inside-to-outside)もしくは外側と内側(outside-to-inside)(これは、異なる視点のため、同一のことが異なることを意味している)または外側と外側(outside-to-outside)もしくは内側と内側(inside-to-inside)を意味することができ、相並んでとは、切断側と切断側(cut side-to-cut side)を意味するができる。
【0056】
医療装置パーツの配向を規定する別の方法は、カテーテルを使用する手術者に関連してよく、すなわち、それぞれ、手術者とカテーテルのハンドルとに関連して、近位および遠位であってよい。
【0057】
本開示の意味での、内側パーツもしくはステントの、接続機構を「相並んで」位置合わせすることは、2パーツステント(または2パーツ心臓弁置換プロテーゼ)の2つの支柱が、カテーテルベースの送達処置の場合に手術者の視点を基準として近位方向から遠位方向としても表現することができる、装置の長手方向と関連して相並んで位置決めされることを意味している。したがって、プロテーゼの支柱は、近位方向から遠位方向に関連して、また手術者に関連して、同一のレベルにある。
【0058】
本開示の意味での「内向きに向いた」方向とは、スナップ係止舌片のようなパーツが、その最外縁部を長手方向に100%向けるのではなく、装置(003)の長手方向に対して内向き方向に特定の角度を付けることを意味している。角度は有用なように変化してよく、ひいては5°~75°の間の角度を有してよい。
【0059】
本開示の意味での「係合する」または「係合」とは、2つの医療装置パーツを接続するために、接続および/または係止するための2つの手段が密接に接触することを意味している。
【0060】
本開示の意味での「係止する」または「係止」とは、2つの医療装置パーツが、スナップ係止カバーと係合するように設計された機構によって接続されていることを意味している。
【0061】
本開示の意味での「スナップ係止カバー」とは、2つの医療装置パーツの2つの手段を機能的に接続し、それらの接続を安定かつ確実に容易にすることができるパーツを意味している。
【0062】
本開示の意味での「スナップ係止カバースカート」とは、スナップ係止カバーを延ばすことによって両側に安定性を付加するという意味で、確実な係止をサポートする機構を意味している。さらに、支柱ハードストップと組み合わせたスナップ係止カバースカートは、スナップ係止カバー内の支柱の傾き、ひいては支柱とスナップ係止カバーとの望ましくない分離を有利に低減するか、または実質的に完全に回避する。
【0063】
本開示の意味での「支柱位置合わせ手段」とは、
図11に示されるように、2つの医療装置パーツの2つの接続手段(例えば、支柱)の位置合わせを容易にするために役立つ。支柱位置合わせ手段は、支柱を適正に組み立ててスナップ係止カバーに適正に位置決めし、係止することを有利に提供するだけでなく、支柱が互いにスライドすることを回避し、ひいては腐食または/および材料疲労を回避する。これは、支柱を相並んで位置合わせする一実施形態、および心臓の鼓動中に患者内で極めて高い力が発生する心臓弁置換プロテーゼの状況において極めて有利である可能性がある。
【0064】
本開示の意味での「機構の対を接続する2つの支柱位置合わせ手段」または「機構の対を接続する」とは、対が、本開示による医療用の接続装置によって2つの医療装置パーツを接続するために使用されるパーツおよび対応部分であることを意味している。これにより、装置の位置合わせと耐久性とが向上する。
【0065】
本開示の意味での「2パーツ」または「2パーツ医療装置」とは、各々の場合において、本開示による1つの医療用の接続装置で2つのパーツが接続されることを意味し、複数パーツ(2つ、3つ、4つ、5つ、6つまたはそれ以上)同士を接続して機能的な複数パーツの医療装置を形成することができる。
【0066】
以下に、本開示の様々な態様を説明する。
【0067】
本開示の1つの態様では、本願の根底にある課題は、2つ以上の医療装置パーツを接続するために有用な医療用の接続装置において、2つの医療装置パーツの2つの接続機構の係合および係止を含み、第1の接続機構が、第1の医療装置の一部を形成しており、第2の接続機構が、第2の医療装置の一部を形成しており、医療用の接続装置は、少なくとも1つのスナップ係止舌片と1つのスナップ係止カバーとを備えているかまたは示していることを特徴とする、医療用の接続装置によって解決される。
【0068】
医療用の接続装置は、有利には、医療装置の2つ以上のパーツを接続するための高速で容易なかつ信頼性の高い手段を提供する。加えて、埋込み前もしくは埋込み中または送達プロセス中もしくは展開処置中に前記医療装置パーツを接続することが可能であってもよい。
【0069】
それぞれ異なる医療装置パーツは接続されさえすればよく、それぞれ異なるパーツの正確で緊密な接続を自動的に形成する。この接続は、その構造により、周辺組織の損傷を回避するスナップ係止カバーの非侵襲的で有利な形状のため、組織に損傷を与ない信頼性の高い安全な接続でもある。
【0070】
さらに、付加的な利点は、接続が、溶接、縫合または接着などの付加的な組立てステップまたは材料を含まないことである。
【0071】
加えて、本開示による有利な医療用の接続装置によって、医療用パーツの材料およびその材料は、患者への使用時に装置の材料および耐久性にマイナスの影響を与える可能性のある機械的応力、熱的応力、化学的応力または別の応力に曝されない。
【0072】
最後に、本開示による有利な医療用の接続装置は、より高速な製造および組立て、低減された材料およびプロセス時間、ひいては、より少ないコストを伴う。したがって、本開示による医療用の接続装置は経済的に有利である。
【0073】
本開示による医療用の接続装置の使用はまた、化学的接続アプローチの既知の機構では不可能である特別な音によって再開される。
【0074】
本開示による医療用の接続装置は、その設計の変形例を示すことができ、例えば、ステント、置換心臓弁プロテーゼに使用される特定の用途に適合させることができる。
【0075】
特定の態様では、本開示による医療用の接続装置は、スナップ係止カバーが、少なくとも1つ、好ましくは2つ、3つ、4つ、5つ、6つ、7つまたは8つのスナップ係止ハードストップおよび/または少なくとも1つ、好ましくは2つ、3つまたは4つのスナップ係止カバースカートをさらに備えるように変更されていると好適であり得る。したがって、有利には、接続支柱の位置をより正確に調整することができ、2つ以上の異なる医療装置パーツを必要に応じて極めて正確に位置合わせして接続することができる。
【0076】
本開示による医療用の接続装置の1つ以上のスナップ係止ハードストップは、有用であって、他の設計上の特徴と調和するように位置決めすることができる。本開示による医療用の接続装置は、1つ以上のスナップ係止ハードストップが、スナップ係止カバーの近位端部もしくは遠位端部または/および遠位端部と近位端部との間の領域に位置決めされているように設計することができる。
【0077】
本開示による医療用の接続装置のスナップ係止カバーは、その幾何学的な寸法もしくは幾何学的な設計に限定されず、他の機構の必要性に応じて、機能的考慮および技術的考慮の下で適合させることができる。本開示によるスナップ係止カバーは、例えば、医療用の接続装置であってよく、スナップ係止カバーは、丸みを帯びた形状、正方形に切断された形状もしくは角形状または/および長手方向に延びる形状である。
【0078】
本開示の別の態様では、本願の根底にある課題は、2パーツ医療装置であって、第1のパーツと、第2のパーツとを備え、各々のパーツは、少なくとも1つの接続機構を備え、第1のパーツの1つの接続機構と、第2のパーツの1つの接続機構とは、同一方向または反対方向で位置合わせされており、スナップ係止カバーが、2つの接続機構に係合しており、2つの接続機構は、少なくとも1つのスナップ係止舌片、好ましくは1つまたは2つのスナップ係止舌片と、各々の接続機構の少なくとも1つの支柱舌片ストップとによって係止され、複数の医療装置パーツは接続されてもよい、2パーツ医療装置によって解決される。
【0079】
本開示の別の態様では、本願の根底にある課題は、2パーツステントであって、内側ステントと、外側ステントとを備え、各々のステントは、少なくとも1つの接続機構を備え、第1のステントの1つの接続機構と、第2のステントの1つの接続機構とは、同一方向または反対方向で位置合わせされており、スナップ係止カバーが、2つの接続機構に係合していて、少なくとも1つのスナップ係止舌片、好ましくは1つまたは2つのスナップ係止舌片と、各々の接続機構の少なくとも1つの支柱舌片ストップとによって2つの接続機構を係止しており、複数の医療装置パーツは接続されてもよい、2パーツステントによって解決される。
【0080】
本開示の別の態様では、本願の根底にある課題は、心臓弁置換プロテーゼであって、置換弁と、2パーツステントとを備え、2パーツステントは、内側ステントと、外側ステントとを備え、各々のステントは、少なくとも1つの接続機構を備え、第1のステントの1つの接続機構と、第2のステントの1つの接続機構とは、同一方向または反対方向で位置合わせされており、スナップ係止カバーが、2つの接続機構に係合していて、少なくとも1つのスナップ係止舌片と、各々の接続機構の1つの支柱舌片ストップとによって2つの接続機構を係止している、心臓弁置換プロテーゼによって解決される。スナップ係止舌片および各々の支柱舌片ストップ、支柱ハードストップ、スナップ係止ハードストップの数は、各々の用途に有用であるように適合させることができ、各々の手段について1つ、2つ、3つ、4つ、5つまたは6つであってよい。
【0081】
(管を出発点とするため)当初の管に関して外側方向から内側方向へテーパ状になる管の切断縁部が、相並んだ領域の改善された位置合わせのために、テーパが反対方向に配向されるように位置合わせされるように、支柱が位置合わせされると有利であり得る。これは、心臓が鼓動しているときに、心臓弁が心臓にある状況での動作中に、より少ない腐食および摩耗を意味する場合がある。
【0082】
本開示による、および上記のような心臓弁置換プロテーゼは、その材料が、患者に使用される際に、装置の材料および耐久性に悪影響を及ぼす可能性のある機械的、熱的、化学的または他の応力を受けないという利点を意味している。特に患者の心臓への埋込みの状況では、大きな力が発生し、優れた耐久性が必要となる。
【0083】
概して、以下の特徴の変形例は、2パーツまたは複数パーツで構成することができる2パーツ医療装置または2パーツステントまたは心臓弁置換プロテーゼに等しく適用される。
【0084】
本開示による2パーツ医療装置または2パーツステントまたは心臓弁置換プロテーゼの一実施形態では、内側パーツもしくは内側ステントの接続機構は、内側パーツもしくは内側ステントの長手方向に対して約3°~60°、好ましくは5°~30°、より好ましくは25°の角度を成して内向きに向けられていることが有利であり得る。
【0085】
接続されるパーツは、スナップ係止カバーによって2つのパーツを接続するための特別な支柱または他の手段を有することができ、パーツは、スナップ係止カバーによって接続され、それによって固定されるために適している。したがって、2つのパーツは、適正に位置合わせされ、信頼性が高いように接続されて、所望の最終的な医療装置を形成する。例えば2つのパーツは、最終的な医療装置を形成するために相互内に位置決めすることができる。好ましい実施形態では、本開示による2パーツ医療装置または2パーツステントまたは心臓弁置換プロテーゼは、有利に設計することができ、外側パーツもしくは外側ステントの接続機構は、遠位方向から近位方向に対して重畳されている(上から下に位置合わせされている)か、またはパーツまたはステントが切断された当初の管を基準にして、内側と外側、内側と内側もしくは外側と外側で相並んで位置合わせされているか、もしくは管の切断縁部と管の切断縁部で内側のパーツもしくは内側ステントの接続機構に位置合わせされている。
【0086】
したがって、医療装置の単一パーツの設計または/およびこれらのパーツの互いの相対的な位置関係に応じて、接続手段、例えば2つの支柱(1つの医療装置パーツからの各支柱もしくは接続手段)は、組み立てられた医療装置の最終的な設計に最も良好に形状接続するように互いに位置決めされ、位置合わせされてよい。
【0087】
本開示によれば、医療用の接続装置の特定のパーツおよび手段または/および2パーツ医療装置または2パーツステントまたは心臓弁置換プロテーゼは、技術的利点または/および必要性に応じて変形させることができる。したがって、単一の特徴であるスナップ係止カバー、スナップ係止舌片、スナップ係止ハードストップ、支柱ハードストップ、支柱舌片ストップ、支柱位置合わせ手段、スナップ係止カバースカートおよび/または支柱(接続支柱または接続手段)は、特定の用途の下で要求されるように、それぞれ異なる設計、それぞれ異なる数を有することができる。本開示による医療用の接続装置または/および2パーツ医療装置または2パーツステントまたは心臓弁置換プロテーゼは、好ましくは、1つのスナップ係止カバーと、2つ、3つまたは4つのスナップ係止舌片と、接続機構の、対応する個数の支柱舌片ストップとを備えてよい。
【0088】
本開示による別の好ましい実施形態では、2パーツ医療装置または2パーツステントまたは心臓弁置換プロテーゼは、1つのスナップ係止ハードストップと、各々の接続機構の1つの支柱ハードストップとを備えてもよく、2つ、3つまたは4つのスナップ係止ハードストップと、各々の接続機構の1つまたは2つの支柱ハードストップとを備えてもよい。
【0089】
本開示による別の好ましい実施形態では、2パーツ医療装置または2パーツステントまたは心臓弁置換プロテーゼは、スナップ係止舌片が、医療装置、ステントもしくはプロテーゼの長手方向に位置決めされるか、長手方向に対して実質的に90°の角度を成して位置決めされるか、長手方向に対して5°~90°、もしくは10°~45°、もしくは45°の角度を成して位置決めされることを特徴としている。
【0090】
本開示による別の好ましい実施形態では、2パーツ医療装置または2パーツステントまたは心臓弁置換プロテーゼは、接続機構が、医療装置、ステントまたはプロテーゼの各々のパーツから延在する支柱の遠位領域または遠位端部に位置決めされていることを特徴とする。
【0091】
本開示による別の好ましい実施形態では、2パーツ医療装置または2パーツステントまたは心臓弁置換プロテーゼは、接続機構または各々の接続機構が、少なくとも1つの支柱位置合わせ手段、好ましくは、接続機構の対の2つの支柱位置合わせ手段を備えることを特徴とする。
【0092】
本開示による別の好ましい実施形態では、2パーツ医療装置または2パーツステントまたは心臓弁置換プロテーゼは、本開示による少なくとも1つの医療用の接続装置を備えることを特徴とする。
【0093】
本開示の別の態様では、本願の根底にある課題は、組み立てられた医療装置のプロテーゼを得るために、本開示による1つ以上の医療用の接続装置を使用して、2つ以上の医療装置パーツ、例えばステントパーツを組み立てるための方法によって解決される。
【0094】
特に、本開示による医療用の接続装置の組立ておよび医療用パーツを組み立てるための各々の方法は、接続が、溶接、縫合または接着などの時間および/または材料を要する付加的な組立てステップを伴わないという利点を有する。
【0095】
本開示の別の態様では、本願の根底にある課題は、それぞれ異なる医療装置パーツを接続するために、本開示による1つ以上の医療用の接続装置を使用することによって解決される。
【0096】
本開示による医療用の接続装置の使用は、従来技術の既知のアプローチに対して、容易で信頼性が高く、費用対効果の高いアプローチを提供し、ひいては、既知のアプローチに比べて優れている。
【0097】
実施例
以下の実施例は、本開示の様々な実施形態を説明するために役立つ。これらの例は、決して限定的なものとして解釈されることを意図したものではない。
【0098】
図1は、本開示による接続装置の一実施形態を示し、第1の支柱(001)および第2の支柱(002)は、スナップ係止カバー(003)の内側に配置され、第1の支柱(001)および第2の支柱(002)は、スナップ係止舌片(004)によって係止される。オプション機構のスナップ係止ハードストップ(008)および支柱ハードストップ(007,007’)は、スナップ係止カバー(003)内に支柱(001,002)をより適切に位置決めして係止するために有利であり得る。オプション機構のスナップ係止カバースカート(011,011’)は、スナップ係止カバー(003)内での支柱(001,002)の保持性をさらに向上させることができる。スナップ係止ハードストップ(008)および支柱ハードストップ(007,007’)は、支柱(001,002)がスナップ係止カバー(003)内でスライドし続けることを回避または防止することができる。スナップ係止カバースカート(011,011’)は、支柱(001,002)のねじれを回避または少なくとも軽減することをサポートし、ひいては支柱の係止解除を防止する。
【0099】
図2は、2パーツ心臓弁置換プロテーゼの縦断面を示す主要図であり、まだ組み立てられていないが、スナップ係止カバー(003)によって接続される予定のプロテーゼの異なるパーツからの支柱(001,002)の拡大図である。外側の第1のステント(005)と内側の第2のステント(006)とが図示されており、拡大図では、各々の支柱(001,002)が位置合わせされ(矢印参照)、次のステップでスナップ係止カバー(003)内に導入される様子が図示されている。第2のステント(006)は第1のステント(005)の内側に上向きに押圧され、ひいては支柱(001,002)は下と上に、または上と下に位置決めされる(第2のステント006の支柱002は「下の支柱」、第1のステント005の支柱001は「上の支柱」である)。また、それは、長手方向のステント/プロテーゼの方向と、埋込みおよび展開のためにカテーテル装置を操作する手術者との関係とで示すことができ、すなわち、遠位は「下方向」ひいては「下の支柱」であり、近位は「上方向」ひいては「上の支柱」である。位置合わせの際に、スナップ係止カバー(003)は、2つの支柱(001,002)に被せられ、スナップ係止舌片(004)によって係止され、オプション機構のスナップ係止ハードストップ(008)は、スナップ係止舌片(004)による支柱(001,002)の最適な係止のために、支柱ハードストップ(007,007’)によって2つの支柱(001,002)を適正な位置で停止させる。オプション機構のスナップ係止カバースカート(011,011’)は、近位方向および遠位方向(上方向および下方向)の付加的な係止力に寄与する。さらに、これらは、接続の開放を回避するかまたは防止することに寄与し、ひいては支柱の安全な接続に寄与することができる。
【0100】
図2aは、
図2の組立てプロセス(係止プロセス)の続きを示している。これで、2つのステント(005,006)の支柱(001,002)が完全に位置合わせされる。2つの支柱(001,002)が位置合わせされ、スナップ係止カバー(003)がそれらに被せられ、支柱(001,002)がスナップ係止カバー(003)の内側に導入される。
【0101】
図2bは、接続されたステント(005,006)を拡大図で示しており、支柱(001,002)はスナップ係止カバー(003)の内側に導入されて、スナップ係止舌片(004)によって係止されている。適正かつ安全で確実な係止のための他のすべてのオプションの手段は、適正な位置(007,007’,008,011,011’)にある。
【0102】
図3、
図3a、
図3bは、本開示によるスナップ係止カバーの異なる図(側面図および平面図)を示しており、スナップ係止カバー(003)は、2つのスナップ係止舌片(004,004’)と、2つのスナップ係止ハードストップ(008,008’)とを備える。
【0103】
図3cは、スナップ係止カバー(003)の長手方向の切断面を示し、切断線(A-A)を示している。スナップ係止舌片(004,004’)は、内向きに向けられており、支柱(001,002、ここでは図示せず)がスナップ係止カバーの内側に必要なだけ導入されて押圧され、支柱(001,002)上の対応部分がスナップ係止舌片(004,004’)に係止されるような範囲まで可撓性である。オプション機構のスナップ係止ハードストップ(008,008’)およびスナップ係止カバースカート(011)もまた示されている。
【0104】
図4は、1つのスナップ係止舌片(004)のみが使用される本開示によるスナップ係止カバー(003)の変形例を示す。この図は、平面図と、切断面(B-B)と、オプション機構(008,008’,011)とを示している。
【0105】
図5は、2つの支柱(001,002)の位置合わせ(矢印を参照)の詳細を示し、支柱(001,002)の支柱舌片ストップ(009,009’)と支柱ハードストップ(007,007’、オプションである)とが示されている。
【0106】
図5a、
図5bは、2つの医療装置パーツを安全かつ簡単に接続するためのパーツ(001,002,003)の組立てを示している。
図5aの矢印は、スナップ係止カバー(003)を支柱(001,002)に被せることを示している。
図5bでは、パーツ(001,002,003)が組み立てられ、2つの医療用パーツが安全に相互に接続されている。
【0107】
図5cは、スナップ係止カバー(003)内での2つの支柱(001,002)の位置合わせを示し、支柱は、左から右に見ると、外側と内側で位置合わせされており、または右から左に見ると、内側と外側で位置合わせされている。管、例えばニチノール管から切断された医療用パーツが出発点であることにより、すなわち、管の外側は管の内側よりも大きいので、支柱はテーパ状になっている。装置の遠位方向/近位方向に関して、2つの支柱は遠位方向から近位方向に重畳させることも、遠位方向から近位方向に相並んでいることもできる。異なる配向と位置合わせとは、支柱ハードストップ(007,007’)と支柱舌片ストップ(009,009’,009’’,009’’’)とが、適正な位置合わせと、スナップ係止カバー(003)内への適正な導入とのために支柱に適正に配置されることを意味している。
【0108】
図5dは、
図5a~
図5cの側面図であり、1つのスナップ係止舌片(004)を備えるスナップ係止カバー(003)と、スナップ係止ハードストップ(008)と、2つのスナップ係止カバースカート(011,011’)と、支柱ハードストップ(007,007’)を有する2つの支柱(001,002)とを示している。004’および008’は見えない。
【0109】
図6~
図8は、本開示によるスナップ係止カバー(003)の様々な実施形態を示している。
【0110】
図6、
図6a、
図6bは、丸みを帯びた形状の形態のスナップ係止カバー(003)を示している。両側に2つのスナップ係止舌片(004,004’,004’’,004’’’)が構成されており(
図6a、
図6bでは一方の側は見えない)、スナップ係止カバー(003)の一方の側に、スナップ係止ハードストップ(008)と、2つのスナップ係止カバースカート(011,011’)とが構成されていて、可視である。したがって、接続手段(例えば2つの医療装置パーツの支柱)は、2つの医療装置パーツの接続のために、一方の側からスナップ係止カバー(003)内に係合されることになる。ある種の詳細は、図の裏側にあるため、見えない。
【0111】
特に、
図6は、4つのスナップ係止舌片(004,004’,004’’,004’’’)と、2つのスナップ係止ハードストップ(008,008’)と、2つのスナップ係止カバースカート(011,011’は見えない)とを備える丸みを帯びた形状の形態のスナップ係止カバー(003)を示している。したがって、接続手段(例えば2つの医療装置パーツの支柱)は、2つの医療装置パーツの接続のために、一方の側からスナップ係止カバー(003)内に係合されることになる。
【0112】
図6aは、特に
図6の側面図を示しており、2つのスナップ係止舌片(004’,004’’’)および1つのスナップ係止ハードストップ(008’)などの機構は見えない。
【0113】
図6bは、特に
図6の等角図を示し、2つのスナップ係止舌片(004’,004’’’)、1つのスナップ係止ハードストップ(008’)、および1つのスナップ係止カバースカート(011’)などの機構は見えない。
【0114】
図7~
図9cは、接続手段(例えば、支柱001,002)が、互いに異なる側からスナップ係止カバー(003)に導入され、係合される、本開示によるスナップ係止カバー(003)を示す。各支柱(001,002)は、2つの支柱舌片ストップ(009,009’,009’’,009’’’)と、2つの支柱ハードストップ(007,007’)とを備えている。矢印は、支柱(001,002)がスナップ係止カバー(003)に導入される方向を示している。
【0115】
図8は、
図7の切断面(C-C)を示しており、内向きに向けられたスナップ係止舌片(004,004’,004’’,004’’’)の詳細を示している。オプション機構のスナップ係止ハードストップ(008,008’,008’’,008’’’)およびスナップ係止カバースカート(011,011’)もまた示されている。
【0116】
図9、
図9a~
図9cは、本開示によるスナップ係止カバーを使用する異なる医療装置パーツの接続支柱の本開示による異なる実施形態を示す。したがって、支柱舌片ストップ(009,009’,009’’,009’’’)は、各々の支柱(001,002)の遠位に位置決めされ、スナップ係止舌片が、各々の支柱(001,002)がスナップ係止カバー(003)に導入される側からさらに離れている状態で係止されている。スナップ係止カバー(003)の同一の側または異なる側、例えば180°反対側に、2つのスナップ係止舌片(004)のみが含まれていてもよい。スナップ係止舌片の位置を回動させる他の角度を想定することができる。
【0117】
図9bには、完全に組み立てられた装置が示されている。
図9cは、接続装置の切断面(D-D)を含み、支柱はスナップ係止舌片(004,004’,004’’,004’’’)と、支柱舌片ストップ(009,009’,009’’,009’’’)とにより係止されて示されている。
【0118】
図10、
図10a、
図10bは、スナップ係止カバーが矩形の形状を有する、本開示によるスナップ係止カバーの異なる実施形態を示している。これは、支柱(001,002)とスナップ係止カバー(003)とが中空領域なしで極めて密に接続されているという利点を有する。スナップ係止舌片(004)、スナップ係止カバースカート(011,011’)、およびスナップ係止ハードストップ(008,008’)が図示されている。
【0119】
図11は、2つの支柱(001,002)に位置決めされた支柱位置合わせ手段(010,010’)の一実施形態を示し、これは、2つの支柱の正確な位置合わせおよびスナップ係止カバー(003)内での適正な位置決めを容易にする。矢印は、支柱を組み立ててスナップ係止カバー(003、
図11に図示されていない)に接続する際の支柱(001,002)の移動を示している。ここで、支柱の配向は、上向きまたは下向きが、レーザ切断された当初の管(例えば、ニチノール管)の外側または内側である。したがって、2つの支柱は、切断側同士で位置合わせされ、当初の管に関して、切断側同士が位置合わせされ、外側の管側および内側の管側は、それぞれ、上向きおよび下向き、またはその逆で向かい合っている。切断された管に関して、切断に関して相並んで組み立てられていることを示すこともできる。
【0120】
図11aは、支柱(001,002)に被せられ、2つの医療装置パーツを簡単かつ安全に接続するスナップ係止カバー(003)への、支柱位置合わせ手段(010,010’)を含む支柱(001,002)の接続プロセスを示す図である。
図11bは、完全に組み立てられたパーツ(001,002,003)を示している。
【0121】
図12は、
図11bの切断面(E-E)であり、スナップ係止カバー(003)によって接続された支柱(001,002)を示している。
【0122】
図13は、この図ではスナップ係止カバー(003)の遠位端部にあるスナップ係止ハードストップ(008,008’)の変形例を示している。したがって、スナップ係止ハードストップは、スナップ係止カバーの近位端部または遠位端部のいずれかに配置することができ、近位位置は、支柱がスナップ係止カバー(003)に導入される側を示し、スナップ係止ハードストップの遠位位置は、支柱のスナップ係止カバー(003)への導入側と反対側の側を示す。スナップ係止ハードストップは1つ以上であってよく、支柱導入側の反対側に位置決めされる場合には、1つ以上のスナップ係止ハードストップであってよい(例えば、
図13、
図13a、
図13b、
図13cを参照)。
【0123】
図14は、支柱(001,002)と共に、
図13cのスナップ係止カバー(003)を示し、矢印によって支柱(001,002)の位置合わせと、そのアセンブリ(
図14a、
図14b)とを示している。
【0124】
図15、
図15a、
図15bおよび
図15c(切断面F-F)は、本開示による変形例を示し、スナップ係止ハードストップ(008,008’)は、スナップ係止カバー(003)の内部に位置決めされ、
図16に示すように切断または彫刻された、支柱(001,002)に設けられた特別な設計上の機構としての対応部分(支柱ハードストップ007,007’)にたどり着く。
【0125】
図16aおよび
図16bは、支柱(001,002)の組立て(矢印を参照)と、支柱(001,002)とスナップ係止カバー(003)および特別に設計されたスナップ係止ハードストップ(008)との接続を示している。
【符号の説明】
【0126】
001 第1の支柱
002 第2の支柱
003 スナップ係止カバー
004/004’/004’’/004’’’ スナップ係止舌片
005 第1のステント
006 第2のステント
007/007’ 支柱ハードストップ
008/008’/008’’/008’’’ スナップ係止ハードストップ
009/009’/009’’/009’’’ 支柱舌片ストップ
010/010’ 支柱位置合わせ手段
011/011’ スナップ係止カバースカート
【国際調査報告】