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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-02-10
(54)【発明の名称】レベリングシステム及び方法
(51)【国際特許分類】
   B29C 64/153 20170101AFI20230203BHJP
   B29C 64/214 20170101ALI20230203BHJP
   B33Y 10/00 20150101ALI20230203BHJP
   B33Y 30/00 20150101ALI20230203BHJP
   B29C 64/321 20170101ALI20230203BHJP
   B22F 1/052 20220101ALI20230203BHJP
   B22F 12/67 20210101ALI20230203BHJP
   B22F 10/34 20210101ALI20230203BHJP
   B22F 10/28 20210101ALI20230203BHJP
   B28B 1/30 20060101ALI20230203BHJP
   B29C 64/165 20170101ALI20230203BHJP
【FI】
B29C64/153
B29C64/214
B33Y10/00
B33Y30/00
B29C64/321
B22F1/052
B22F12/67
B22F10/34
B22F10/28
B28B1/30
B29C64/165
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022535584
(86)(22)【出願日】2020-12-11
(85)【翻訳文提出日】2022-07-26
(86)【国際出願番号】 EP2020085766
(87)【国際公開番号】W WO2021116409
(87)【国際公開日】2021-06-17
(31)【優先権主張番号】BE2019/5902
(32)【優先日】2019-12-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】BE
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】522230129
【氏名又は名称】エアロシント
(74)【代理人】
【識別番号】110000659
【氏名又は名称】弁理士法人広江アソシエイツ特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ヒック,マチアス
(72)【発明者】
【氏名】マーシャル,マーチン
(72)【発明者】
【氏名】メルシェリス,ペーター
【テーマコード(参考)】
4F213
4G052
4K018
【Fターム(参考)】
4F213AC04
4F213AM10
4F213WA25
4F213WB01
4F213WL02
4F213WL12
4F213WL15
4F213WL32
4F213WL74
4G052DA00
4G052DB12
4G052DC06
4K018BB04
(57)【要約】
本発明は、粉体層(91)のレベリングのためのシステム及び方法に関する。システムは、切断ライン(11)と支持面(17)とを含む切断装置(10)を備える。粉体層(91)は、切断された粉体が支持面(17)と接触し、そこで粉体引き込みシステムによって出口(5)に向かって引き込まれるように、第1の方向(201)に移動する切断ライン(11)によって切断される。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
粉体層(91)をレベリングするためのレベリングシステム(1)であって、
切断ライン(11)と支持面(17)とを含む切断装置(10)であって、前記切断装置(10)が前記粉体層(91)に対して第1の方向(201)に変位するときに、切断された粉体が前記支持面(17)と接触するように、前記切断ライン(11)が前記粉体層(91)を切断するよう構成されている、切断装置と、
前記支持面(17)と接触している前記粉体を出口(5)に向けて駆動するように構成された粉体駆動システム(2)と、
を備えるレベリングシステム(1)。
【請求項2】
前記支持面(17)に少なくとも部分的に対向して配置され、前記粉体が前記出口(5)に向かって移動する際に、前記粉体の少なくとも一部を前記支持面(17)と接触するように導くよう構成されたガイド(20)を更に備える、請求項1に記載のレベリングシステム。
【請求項3】
前記駆動システム(2)は、前記支持面(17)と接触している前記粉体の少なくとも一部を前記出口(5)に向けて吸引するように構成された吸引装置(30)を含む、請求項1又は2に記載のレベリングシステム。
【請求項4】
前記駆動システム(2)は、前記支持面(17)と接触している前記粉体の少なくとも一部を前記出口(5)に向かって押すように構成された掃出装置(40)を含む、請求項1から3のいずれか1項に記載のレベリングシステム。
【請求項5】
前記駆動システム(2)は、前記支持面(17)の前記第1の方向(201)及び前記第3の方向(203)に沿った振動の組み合わせ(404)を可能にする機構を含み、前記第3の方向(304)は垂直である、請求項1から4のいずれか1項に記載のレベリングシステム。
【請求項6】
前記切断装置(10)は、前記切断ライン(11)と前記支持面(17)の少なくとも一部とが配置された屈曲可能な部分(16)を含む、請求項1から5のいずれか1項に記載のレベリングシステム。
【請求項7】
前記屈曲可能な部分(16)は、前記切断ライン(11)と前記支持面(17)の少なくとも一部とが配置された第1の部分(116)と、前記第1の部分(116)に対して非ゼロの角度(122)、好ましくは鋭角を形成する第2の部分(126)と、を含み、前記切断装置(10)は、前記屈曲可能な部分(16)が、前記切断装置(10)の前記変位に対して前記切断ライン(11)よりも前方に位置する旋回軸(120)を中心として旋回するのに適合するように、構成されている、請求項6に記載のレベリングシステム。
【請求項8】
前記屈曲可能な部分(16)は、前記第1の方向(201)に対して垂直な方向であり、かつ水平な方向である第2の方向(202)に沿って分配された、例えばブリッスル(18)又はスラット(14)などの、独立して屈曲可能な要素を含む、請求項6又は7に記載のレベリングシステム。
【請求項9】
前記独立して屈曲可能な要素はスラット(14)であり、前記スラット(14)には、前記切断ライン(11)を形成する延長要素(114)が取り付けられており、前記延長要素(114)は、前記第2の方向(202)に沿って前記スラット(14)よりも長く延在しており、前記スラット(14)よりも可撓性が高い、請求項8に記載のレベリングシステム。
【請求項10】
前記粉体層(91)の前記粉体及び/又は前記支持面(17)と接触している前記粉体に向けて送風するように構成されたブロワ(50)を更に備える、請求項1から9のいずれか1項に記載のレベリングシステム。
【請求項11】
前記切断装置(10)は第1の切断装置(10a)であり、前記切断ライン(11)は第1の切断ライン(11a)であり、前記支持面(17)は第1の支持面(17)であり、
前記レベリングシステムは、第2の切断ライン(11b)及び第2の支持面(17b)を含む第2の切断装置(10b)を更に備え、
前記第2の切断ライン(11b)は、前記第2の切断装置(10b)が前記粉体層(91)に対して前記第1の方向(201)に変位されたときに、切断された粉体が前記第2の支持面(17b)と接触するように、前記粉体層(91)を切断するよう構成されており、
前記第2の切断ライン(11b)は、前記第1の切断ライン(11a)よりも低く、前記切断装置(10a,10b)の変位に対して前記第1の切断ライン(11a)よりも後方にあり、好ましくは前記第1の切断ライン(11a)に平行である、
請求項1から10のいずれか1項に記載のレベリングシステム。
【請求項12】
三次元印刷システム(3)であって、
少なくとも1種の粉体を堆積させ、粉体層(91)を形成するように構成された堆積装置(4)と、
前記粉体層(91)をレベリングするように構成された、請求項1から11のいずれか1項に記載のレベリングシステム(1)と、
前記粉体層(91)が前記レベリングシステムによってレベリングされた後に、前記粉体層(91)の少なくとも一部を凝集させるように構成された凝集手段(6)と、
を備える三次元印刷システム(3)。
【請求項13】
前記堆積装置(4)は、選択された位置に複数種の粉体を堆積させて、例えば異なる材料及び/又は異なる粒径といった異なる粉体を含む粉体層(91)を形成するように構成されている、請求項12に記載の三次元印刷システム(3)。
【請求項14】
粉体層(91)をレベリングするためのレベリング方法であって、
切断ライン(11)及び支持面(17)を含む切断装置(10)を準備する工程と、
前記切断装置(10)を前記粉体層(91)に対して第1の方向(201)に変位させることにより、前記切断ライン(11)で前記粉体層(91)を切断して、切断された粉体を前記支持面(17)と接触させる工程と、
前記支持面(17)と接触している前記粉体を、出口(5)に向けて駆動する工程と、
を含むレベリング方法。
【請求項15】
粉体形状(504)を形成するための方法であって、
前記形状(504)の第1の部分(501)を形成するために、第1の精細度で第1の粉体堆積を行うことと、
前記形状(504)の前記第1の部分(501)に部分的に重ね合わされた前記形状(504)の第2の部分(503)を形成するために、第2の精細度で第2の粉体堆積を行うことと、
前記形状(504)の前記第1の部分(501)に重ね合わされた前記形状(504)の前記第2の部分(503)を、請求項1から11のいずれか1項に記載のレベリングシステム(1)を使用してレベリングすることと、
をこの順序で含み、
前記第2の精細度は、前記第1の精細度よりも低い、
方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、粉体層をレベリング(平準化)するためのシステム及び方法に関する。本発明は、特に三次元印刷において使用することができる。
【背景技術】
【0002】
WO2018/059833は、複数の種類の粒子を含む三次元印刷構造を形成することができる三次元印刷システムを記載している。
【0003】
WO2018/183396は、三次元印刷における材料操作方法を記載している。この方法は、リザーバからの前処理された材料の搬送を含む。搬送は重力に逆らうことができる。
【0004】
WO2019/159644は、粉体層溶融型積層造形装置を記載している。この装置は、特に、材料粉体を堆積させて平らにする材料堆積ユニットを備える。
【発明の概要】
【0005】
本発明の目的は、高さが不規則であり得る粉体層から平坦な及び/又は水平な粉体構造体を得ることである。
【0006】
本発明の目的は、粉体構造体を均一化することである。
【0007】
この目的のために、本発明は、粉体層をレベリングするためのレベリングシステム及び方法を提供する。
【0008】
第1の態様によれば、本発明は、粉体層をレベリングするためのレベリングシステムであって、
-切断ラインと支持面とを含む切断装置であって、切断装置が粉体層に対して第1の方向に変位すると、切断ラインが、切断された粉体が支持面と接触するように、粉体層を切断するよう構成されている、切断装置と、
-支持面と接触している粉体を出口に向けて駆動するように構成された粉体駆動システムと、
を備えるレベリングシステムを提供する。
【0009】
本発明では、切断装置が移動するにつれて、粉体層の上部が切断ラインによって切断され、粉体層から除去された粉体が支持面と接触する。除去された粉体はそこで、駆動システムによって出口に向けて駆動される。これにより、切断ラインの上流又は下流のいずれにおいても、切断された粉体が粉体層に戻ることが防止される。
【0010】
レベリングによって粉体層の下部にいかなる変更も加えられないことが非常に重要である用途が実際にある。例えば、粉体層が三次元印刷用の異なる材料の粒子を含む場合、様々な粒子の混合物を生じさせるレベリングの結果として、複数の材料が混ざり合うと、印刷される物体の物理的特性又は化学的特性が大きく損なわれることになる。
【0011】
システムは、好ましくは、支持面と接触している粉体のみを駆動システムが駆動するように構成されている。従って、粉体層に残っている粉体は動かない。これにより、駆動システムが、粉体層の構造、特に切断ラインの上流を乱すことが防止されきる。
【0012】
支持面は、切断装置の第1の方向への変位に対して、切断ラインの後方に位置することが好ましい。これにより、切断された粉体が、慣性によって、及び/又は、下流の粉体粒子との接触によって、支持面と接触することができる。
【0013】
切断ラインは必ずしも連続したラインである必要はない:切断ラインは、複数の別個のライン部分からなっていてもよい。切断ラインは、好ましくは直線状である。システムは、切断ラインが水平になるように構成されていることが好ましい。切断ラインは、支持面に機械的に結合されている。切断ラインは、好ましくは支持面の一端を形成する。
【0014】
支持面は必ずしも連続した面である必要はない:支持面は、複数の別個の表面部分からなっていてもよい。システムは、支持面が傾斜するように構成されていることが好ましい。支持面は、平坦であっても湾曲していてもよい。支持面が湾曲している場合、支持面は凹状であることが好ましい。
【0015】
レベリングシステムは、好ましくは、粉体層に対して第1の方向に切断装置を変位させるための運動システムを備える。第1の方向は、水平方向であることが好ましい。
【0016】
出口は、例えば、粉体の排出装置、粉体のリサイクルシステム、濾過システムに向けて開口していてもよい。支持面の上部と出口との間の流体接続は、好ましくは粉体に対して密閉性を有する。換言すれば、この流体接続は、流体接続からの粉体が漏出するのを防止するように構成されている。これにより、全ての粉体を出口に導くことができる。駆動システムは、粉体を出口に向けて、必須ではないが好ましくは出口へと移動させるように構成されている。駆動は、粉体の排出の少なくとも一部を形成することが好ましい。
【0017】
レベリングシステムは、例えば、その様々な要素(例えば、切断装置及び/又は駆動システムの要素)の位置、それらの向き、それらの剛性、及び/又は駆動の程度を制御するためのアクチュエータを備えることができる。特に、切断ラインの高さは、アクチュエータによって調整することができる。アクチュエータは、手動で、自動で、及び/又はソフトウェアを介して制御することができる。
【0018】
本明細書においては、切断装置の前方への変位は、粉体層に対する変位であり、従って、切断装置に対する粉体層の後方への変位であってもよい。
【0019】
本明細書で使用される場合、支持面と接触している粉体は、例えば、支持面上に存在していてもよい。
【0020】
本発明の一実施形態では、レベリングシステムは、支持面に少なくとも部分的に対向して配置され、粉体が出口に向けて移動する際に、粉体の少なくとも一部を支持面と接触するように導くよう構成されたガイドを更に備える。
【0021】
従って、ガイド及び切断装置は、出口に向かうチャネルを形成する。これにより、粉体が出口以外の場所、特に上部以外の場所に向かって移動することを防止できる。駆動が吸引によるものである場合には、チャネルは吸引を導くことも可能にする。
【0022】
本発明の一実施形態では、駆動システムは、支持面と接触している粉体の少なくとも一部を出口に向けて吸引するように構成された吸引装置を含む。その場合、支持面は好ましくは滑らかである。
【0023】
本発明の一実施形態では、駆動システムは、支持面と接触している粉体の少なくとも一部を出口に向けて押すように構成された掃出装置を含む。掃出装置は、目詰まり及び/又は溝のあるレベリングを引き起こす可能性がある粉体の蓄積を回避するために、好ましくは切断ラインから2mm以内に配置される。
【0024】
レベリングシステムがガイドを含む場合、掃出装置は、好ましくは、ガイドと切断装置とによって形成されたチャネルの中に粉体を押し込むように構成されている。
【0025】
好ましくは、掃出装置は、回転シャフトと、回転シャフトによって回転駆動されるように構成され、支持面と接触している粉体の少なくとも一部を出口に向けて押すように構成された複数の放射状要素と、を含む。
【0026】
好ましくは、支持面は、支持面と接触している粉体の少なくとも一部が粉体層に向かって移動するのを防止するように構成されている。例えば、支持面は、支持面と接触している粉体を阻止するギザギザを含む。ギザギザは、粉体がギザギザの中にある場合、出口に向かう変位に対応する勾配が、粉体層に向かう変位に対応する勾配よりも小さくなるように、好ましくは非対称である。支持面の粗さ、凹凸又は不規則さも阻止を提供することが可能である。
【0027】
本発明の一実施形態では、駆動システムは、支持面の第1の方向に沿った振動を可能にするための機構を含む。好ましくは、第1の方向に沿った振動は、支持面と接触している粉体の少なくとも一部を出口に向けて次第に前進させるか、又は前進させるのを助けるような振動である。例えば、第1の方向の振動において、前方への加速が後方への加速よりも大きくてもよい。従って、平面との摩擦力は、(物体が動いている限り)摩擦の速度に依存しないため、(持続時間がより長い)支持面の戻り運動では、(持続時間がより短い)前進運動よりも多くの運動を粒子に付与することができる。第1の方向の振動はまた、粉体を流動化することによって切断を容易にすることを可能にする。
【0028】
本発明の一実施形態では、駆動システムは、支持面の第3の方向に沿った振動を可能にするための機構を含み、第3の方向は垂直である。好ましくは、第3の方向に沿った振動は、支持面と接触している粉体の少なくとも一部を出口に向けて次第に前進させるか、又は前進させるのを助けるような振動である。
【0029】
垂直振動は、粉体に垂直インパルスを伝達して、粉体を表面から引き離すことを可能にし、粉体を駆動しやすくする。
【0030】
本発明の一実施形態では、駆動システムは、支持面の第1の方向及び第3の方向に沿った振動の組み合わせを可能にするための機構を含み、第3の方向は垂直である。好ましくは、この振動の組み合わせは、支持面と接触している粉体の少なくとも一部を出口に向けて次第に前進させるか、又は前進させるのを助けるような組み合わせである。
【0031】
振動の組み合わせは、切断ラインと垂直平面との交差部が、その平面内の円運動と前進運動との組み合わせである運動を行うような組み合わせであることが好ましい。これにより、粉体が跳ね上がってから支持面上に落下して戻ることが可能になり、跳ね上がり及び落下は出口に向かう粉体の運動を形成する。跳ね上げ駆動は、特に振動ボウルにおいて使用される。
【0032】
本発明の一実施形態では、切断ラインは切断装置の屈曲可能な部分に配置され、屈曲可能な部分は、切断ラインが障害物に遭遇したときに切断ラインが上昇するように、屈曲及び/又は回転するように構成されている。言い換えれば、屈曲可能な部分によって、切断ラインは、障害物に当たると垂直に変位する。これにより、切断装置が破損したり、印刷中の物体であり得る障害物が移動したりすることを回避できる。屈曲可能な部分は、第1の方向に変位する装置本体に取り付けられていることが好ましい。切断ラインが障害物に遭遇すると、装置本体は、切断ラインが上昇するように屈曲可能な部分が屈曲している間、第1の方向の動きを継続し、好ましくは障害物の頂部を擦る。例えば、屈曲可能な部分は、可撓性であってもよく、好ましくは装置の本体よりも可撓性が高くてもよく、及び/又は剛性であってもよく、装置の本体に対して旋回するように構成されてもよく、また、例えば、切断位置に戻ることを可能にする戻り要素(特にばね)によって所定の位置に保持されてもよい。
【0033】
本発明の一実施形態では、屈曲可能な部分は、切断ラインと支持面の少なくとも一部とが配置された第1の部分と、第1の部分に対して非ゼロの角度、好ましくは鋭角を形成する第2の部分とを含み、切断装置は、屈曲可能な部分が、切断装置の変位に対して切断ラインよりも前方に位置する旋回軸を中心として旋回可能であるように構成されている。旋回軸のこの配置は、切断ラインが障害物に遭遇したときに切断ラインを上昇させることを可能にする。旋回軸は、第2の部分を含む部品のヒンジ又は固有の屈曲軸であってもよい。旋回軸は、好ましくは、第2の方向に延びる回転軸を形成する。
【0034】
支持面は、切断ライン(及び存在する場合には屈曲可能な部分)を含む第1の部分と、装置本体上にある第2の部分とを含むことが好ましい。一実施形態では、支持面のこれら2つの部分は互いに連続している。
【0035】
本発明の一実施形態では、切断装置は、支持面の少なくとも一部を凹状とするような構成の湾曲ブレードを含む。ブレードは、装置の本体よりも薄いことが好ましく、これにより、ブレードの可撓性をより高くすることができる。ブレードは、ヒンジによって装置の本体に取り付けることができる。好ましくは、切断装置の屈曲可能な部分は、支持面の少なくとも一部を凹状とするような構成の湾曲ブレードを含む。
【0036】
本発明の一実施形態では、切断装置の屈曲可能な部分は、第1の方向に対して垂直な第2の方向に沿って分配された、例えばブリッスル(毛)又はスラット(細長い薄板)などの、独立して屈曲可能な要素を含む。第2の方向は、水平方向であることが好ましい。第2の方向に従って高さが変化する障害物に切断ラインが遭遇すると、障害物に接触している屈曲可能な要素は屈曲し、一方で、障害物に接触していない屈曲可能な要素は当初の高さに従って切断し続ける。
【0037】
本発明の一実施形態では、独立して屈曲可能な要素はスラットであり、スラットには、切断ラインを形成する延長要素が取り付けられ、延長要素は、第2の方向に沿ってスラットよりも長く延在し、スラットよりも可撓性が高い。延長要素は、切断のタイトネス(緊張)を改善することを可能にし、特に平坦な表面を有することが可能である。
【0038】
本発明の一実施形態では、レベリングシステムは、粉体層の粉体及び/又は支持面と接触している粉体に向けて送風するように構成されたブロワを更に備える。ブロワが粉体層の粉体に向けて送風すると、粉体層の上層を動かすことができ、粉体層をより容易に切断することができる。ブロワが支持面と接触している粉体に向けて送風すると、粉体を出口に向けて駆動するのに役立つ。
【0039】
本発明の一実施形態では、レベリングシステムは、切断ラインの高さを変更するように構成されたアクチュエータを備える。言い換えると、アクチュエータは、切断ラインを第3の方向に並進させることができる。これにより、水平な支持体を変位させる必要なく粉体層の高さを変更することができる。
【0040】
本発明の一実施形態では、切断装置は第1の切断装置であり、切断ラインは第1の切断ラインであり、支持面は第1の支持面であり、レベリングシステムは、第2の切断ライン及び第2の支持面を含む第2の切断装置を更に備え、第2の切断装置が粉体層に対して第1の方向に変位すると、第2の切断ラインは、切断された粉体が第2の支持面と接触するように、粉体層を切断するよう構成されており、第2の切断ラインは、第1の切断ラインよりも低く、切断装置の変位に対して第1の切断ラインよりも後方にあり、好ましくは第1の切断ラインに平行である。3つ以上の連続する切断装置が、本発明の範囲から逸脱することなく存在してもよい。これにより、各切断装置が過剰な量の切断された粉体を受け取らないようにすることができる。
【0041】
本発明は、三次元印刷システムであって、
・少なくとも1種の粉体を堆積させて粉体層を形成するように構成された堆積装置と、
・粉体層をレベリングするように構成された、本発明のいずれかの実施形態に記載のレベリングシステムと、
・粉体層がレベリングシステムによってレベリングされた後に、粉体層の少なくとも一部を凝集させるように構成された凝集手段と、
を備える三次元印刷システムを更に提供する。
【0042】
レベリングシステムは、好ましくは堆積装置に結合される。凝集手段は、オーブン、レーザ、電子ビーム、粉体層全体を加熱することができる掃出システムを備えたレーザ、ハロゲンランプ、局所的な又は均一な化学反応を発生させる手段のうちの少なくとも1つを含むことができる。凝集は、後で(ある量が堆積した後に)、均一な焼結(熱処理)、バインダージェット、浸透、化学反応、圧縮などによって行うことができる。
【0043】
本発明の一実施形態では、堆積装置は、少なくとも粉体を粉体層に接触させることなく堆積させるように構成されている。そのような堆積装置と本発明によるレベリングシステムとの組み合わせは、粉体層及びその下の印刷された物体の部分をほとんど又は全く乱さないことを可能にする。
【0044】
本発明の一実施形態では、堆積装置は、少なくとも粉体を粉体層の選択された位置で粉体層に堆積させるように構成されている。
【0045】
本発明の一実施形態では、堆積装置は、選択された位置に複数種の粉体を堆積させて、例えば異なる材料及び/又は異なる粒径の異なる粉体を含む粉体層を形成するように構成されている。従って、粉体層の異なる位置に異なる粉体が存在する。
【0046】
第2の態様によれば、本発明は、粉体層をレベリングするためのレベリング方法であって、
・粉体層を設ける工程と、
・切断ライン及び支持面を含む切断装置を準備する工程と、
・切断された粉体が支持面と接触するように、切断装置を粉体層に対して第1の方向に変位させることによって、切断ラインで粉体層を切断する工程と、
・支持面と接触している粉体を、出口に向けて駆動する工程と、
を含むレベリング方法を提供する。
【0047】
システムについて述べた利点は、必要な変更を加えて方法に適用される。本方法は、好ましくは、本発明のいずれかの1つの実施形態によるレベリングシステムを提供することを含む。
【0048】
本発明は、三次元印刷方法であって、
・粉体層を形成することと、
・先行する請求項の方法に従って粉体層をレベリングすることと、
・レベリング後に粉体層の少なくとも一部を凝集させることと、
を含む方法を更に提供する。
レベリングを、各粉体堆積後に行ってもよく、複数回の粉体堆積の後に行ってもよい。凝集を、各レベリング工程後に行ってもよく、粉体堆積工程及びレベリング工程の両方を複数回繰り返した後に行ってもよい。例えば、凝集を、印刷された物体になる粉体全体を含む粉体層の生成後に行ってもよい。
【0049】
本発明は、粉体構造体を形成するための方法であって、
・第1の堆積装置を使用して第1の粉体を堆積させて第1の粉体層部分を形成することと、
・例えば本明細書に記載の第1のレベリングシステムを使用して、第1の粉体層部分をレベリングすることと、
・第2の堆積装置を使用して第2の粉体を堆積させて第2の粉体層部分を形成することと、
・例えば本明細書に記載の第2のレベリングシステムを使用して、第2の粉体層部分をレベリングすることと、
をこの順序で含み、
第1の粉体層部分のレベリング及び第2の粉体層部分のレベリングは垂直に位置合わせされる、
方法を更に提供する。
この方法は、3回の堆積及び3つのレベリングシステム、4回の堆積及び4つのレベリングシステム、又はそれ以上を含むことができる。堆積装置の数は、レベリングシステムの数に等しくても等しくなくてもよい。
【0050】
本発明は、粉体形状を形成するための方法であって、
・形状の第1の部分を形成するために、第1の精細度で第1の粉体堆積を行うことと、
・形状の第1の部分に部分的に重ね合わされた、形状の第2の部分を形成するために、第2の精細度で第2の粉体堆積を行うことと、
・形状の第1の部分に重ね合わされた、形状の第2の部分を、本明細書に記載のレベリングシステムを使用してレベリングすることと、
をこの順序で含み、
第2の精細度は、第1の精細度よりも低い、
方法を更に提供する。
第1の粉体堆積と第2の粉体堆積との間にレベリングを行ってもよい。
【0051】
本明細書で使用される場合、第1の粉体と第2の粉体とは異なることが好ましい。好ましくは、第1の粉体と第2の粉体との間で、以下の特性:粒径分布、材料、形状、色、ヤング率、密度、熱伝導率、導電率、透磁率、耐食性、硬度、溶融温度、溶解度、可燃性、疎水性、化学組成のうちの少なくとも1つが異なる。
【図面の簡単な説明】
【0052】
本発明の更なる特徴及び利点は、その理解のために添付の図面を参照する以下の詳細な説明から明らかとなろう。
図1】本発明の第1の実施形態によるレベリングシステムの少なくとも一部の概略断面図である。
図2】本発明の第2の実施形態によるレベリングシステムの少なくとも一部の概略断面図である。
図3a】本発明の第3の実施形態によるレベリングシステムの少なくとも一部の概略断面図である。
図3b】本発明の一実施形態における、時間の関数として切断ラインの第1の方向の速度を示す図である。
図3c】本発明の第4の実施形態によるレベリングシステムの少なくとも一部の概略断面図である。
図3d】本発明の第5の実施形態によるレベリングシステムの少なくとも一部の概略断面図である。
図3e】本発明の第5の実施形態によるレベリングシステムにおける第3の方向の切断ラインの位置を第1の方向の位置の関数として示す図である。
図4a】本発明の第6の実施形態によるレベリングシステムの少なくとも一部の概略断面図である。
図4b】本発明の第6の実施形態で使用される切断装置の少なくとも一部の概略三次元図である。
図5a】本発明の第7の実施形態によるレベリングシステムの少なくとも一部の概略断面図である。
図5b】本発明の第7の実施形態で使用される切断装置の少なくとも一部の概略三次元図である。
図6a】本発明の第8の実施形態による切断装置の少なくとも一部の概略上面図である。
図6b】本発明の第8の実施形態で使用される切断装置の少なくとも一部の概略断面図である。
図7】本発明の第9の実施形態によるレベリングシステムの少なくとも一部の概略略断面図である。
図8a】本発明の第10の実施形態によるレベリングシステムの少なくとも一部の概略断面図である。
図8b】本発明の第11の実施形態によるレベリングシステムの少なくとも一部の概略断面図である。
図9】本発明の第12の実施形態によるレベリングシステムの少なくとも一部の概略断面図である。
図10】本発明の第13の実施形態によるレベリングシステムの少なくとも一部の概略断面図である。
図11】切断ラインが障害物に遭遇した時の本発明の一実施形態による切断装置の屈曲可能な部分の反応を示す概略断面図である。
図12a】本発明の一実施形態による切断装置の屈曲可能な部分が障害物に遭遇した時に起こり得ることの概略断面図である。
図12b】本発明の一実施形態による切断装置の屈曲可能な部分が障害物に遭遇した時に起こり得ることの概略断面図である。
図13a】本発明の別の一実施形態による切断装置の屈曲可能な部分が障害物に遭遇した時に起こり得ることの概略断面図である。
図13b】本発明の別の一実施形態による切断装置の屈曲可能な部分が障害物に遭遇した時に起こり得ることの概略断面図である。
図14】本発明の第14の実施形態によるレベリングシステムの少なくとも一部の概略断面図である。
図15】本発明の第15の実施形態によるレベリングシステムの少なくとも一部の概略断面図である。
図16】本発明の第16の実施形態によるレベリングシステムの少なくとも一部の概略断面図である。
図17】本発明の第17の実施形態によるレベリングシステムの少なくとも一部の概略断面図である。
図18】本発明によるレベリングシステムの出口がその中へと開口していてもよい粉体リサイクルシステムをきわめて概略的に示す図である。
図19】本発明の一実施形態による三次元印刷システムのブロック図である。
図20a】レベリングシステムの動作方法の概略上面図である。
図20b】レベリングシステムの動作方法の概略上面図である。
図20c】レベリングシステムの動作方法の概略上面図である。
図21a】上述の動作方法の概略断面図である。
図21b】上述の動作方法の概略断面図である。
図21c】上述の動作方法の概略断面図である。
図22】2種の粉体を含む粉体構造体を形成する方法を示す断面図である。
図23a】粉体構造体を形成する方法を示す断面図である。
図23b】粉体構造体を形成する方法を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0053】
本発明は、特定の実施形態及び図面を参照して説明されるが、本発明はそれによって限定されない。説明される図面又は図は概略的なものにすぎず、限定的なものではない。
【0054】
本明細書の文脈では、「第1」及び「第2」という用語は、様々な要素を区別するためにのみ使用され、これらの要素間の順序を意味するものではない。
【0055】
図面において、同一又は類似の要素は、同じ符号を有することができる。
【0056】
本明細書は、全て互いに垂直な第1の方向201、第2の方向202、及び第3の方向203に言及する。好ましくは、第1の方向201及び第2の方向202は水平であり、第3の方向203は垂直である。第3の方向203を「高さ」と称してもよい。
【0057】
図1から図19は、本発明の様々な実施形態を示す。本発明は、粉体層91をレベリングするためのレベリングシステム1及び方法に関する。粉体層91は、好ましくは、例えば異なる材料などの異なる粒子を含む。粉体層91は、好ましくは水平な支持体90上に載置される。レベリングシステム1は、粉体層91の上部を切断するための切断装置10と、切断された粉体が粉体層91上に落下するのを防止するために、切断された粉体を出口5に向かって駆動するための駆動システム2(図19)と、を備える。
【0058】
切断装置10は、切断ライン11及び支持面17を含む。切断装置10が、第1の方向201に、すなわち前方に変位される(101)と、切断ライン11は、粉体層91を平らにするようにスライスする。従って、切断ライン11の後方では、粉体層91の表面は平坦かつ/又は水平である。切断ライン11は、第2の方向202と平行であることが好ましい。好ましくは、切断ライン11は、第2の方向202に沿って、粉体層91の一端から他端まで延在する。
【0059】
切断された粉体が、切断ライン11によって粉体層91から離されると、切断された粉体は、支持面17と接触する。次いで、駆動システム2は、切断された粉体を出口5に向けて駆動する102。出口に向かう動き102は、好ましくは、後方への(すなわち、第1の方向201に沿った)成分及び上方への(すなわち、第3の方向203に沿った)成分を含む。
【0060】
駆動は、例えば、以下の駆動手段又は駆動装置のうちの少なくとも1つによって達成され得る:吸引装置30(図1及び図9)、掃出装置40(図2)、第1の方向201に沿った支持面17の振動104を可能にする機構(図3a)、第3の方向203に沿った支持面17の振動304を可能にする機構(図3c)、第1の方向201及び第3の方向203に沿った支持面17の振動の組み合わせ404を可能にする機構(図3d)、磁力、静電力、機械的駆動(例えばベルト、コンベヤ又はアルキメディアンスクリュなど)。これらの駆動手段のいくつかを組み合わせてもよい:例えば、粉体の掃出に続いて吸引を行ってもよく、あるいは第1又は第3の方向の振動を吸引と組み合わせてもよい。
【0061】
本発明は、切断装置10のいくつかの実施形態を提供する。特に、切断ライン11は、切断装置10の残りの部分と一体になった切断装置10の部分上にあってもよく、切断装置10の屈曲可能な部分16(図13a、図13b、図16)上にあってもよい。この屈曲可能な部分16は、例えば、一緒に旋回する2つの傾斜した(角度を成した)部分(図13a、図13b、図16)によって、屈曲可能な湾曲ブレード216(図8a、図8b)によって、又はブリッスル18(図4a、図4b)、スラット14(図5a、図5b)などの、独立して屈曲可能な要素によって、場合によっては延長要素114(図6a、図6b)と共に形成されてもよい。更に、好ましくは切断ライン11とつながる切断装置10の前端面19は、水平若しくは略水平になるように(例えば図1)、又は支持面17に対して垂直になるように(図14)、いずれかの方向に傾斜させることができる。これらの異なる実施形態のいくつかの特徴は、互いに組み合わせることができる。
【0062】
切断装置10の様々な実施形態は全て、駆動手段の様々な実施形態と組み合わせることができる。例えば、第1の方向201への振動104を可能にする機構は、屈曲可能な湾曲ブレード216、ブリッスル18、又はスラット14を含む切断装置10と組み合わせることができる;第3の方向203への振動304を可能にする機構は、屈曲可能な湾曲ブレード216、ブリッスル18、又はスラット14を含む切断装置10と組み合わせることができる;第1の方向201及び第3の方向203に沿った振動の組み合わせ404を可能にする機構は、屈曲可能な湾曲ブレード216、ブリッスル18、又はスラット14を含む切断装置10と組み合わせることができる;吸引は、屈曲可能な湾曲ブレード216、ブリッスル18、又はスラット14を含む切断装置10と組み合わせることができる。
【0063】
本発明の一実施形態では、切断ライン11を含む切断装置10の部分は、衝突の場合に分離又は後退することができる。
【0064】
本発明の一実施形態では、切断ライン11を含む切断装置10の部分は取り外し可能である。従って、使用後又は使用中に手動又は自動で交換することができる。
【0065】
図1は、レベリングシステムが、切断装置10と共にチャネルを形成するガイド20を備える、本発明の一実施形態を示す。例えば、切断装置10及びガイド20はそれぞれ、第2の方向202に平行な(すなわち、図1の平面に対して垂直な)プレートを含み得、これらのプレートは互いに平行である。例えば吸引装置30を含む駆動システム2は、支持面17とガイド20との間に位置する粉体を駆動する102ように構成されている。支持面17及びガイド20は、ノズルの対向する両側であってもよい。
【0066】
図1はまた、切断装置10と水平面との間の角度αを示す。本発明者らは、10°~15°の角度αが、効率的な切断を可能にしながら、切断装置10の底壁が切断ラインの後方で粉体に接触するのを防ぐための良好な妥協点であることを見出した。角度αが大きすぎると、粉体の一部が切断されずに切断ライン11の下を通過することになる。また、角度αが大きすぎると、粉体層及び/若しくは異なる粒子の混合物の圧縮が生じ、相互汚染(クロスコンタミネーション)が生じ、並びに/又は、粉体が切断ラインの近傍へと駆動されにくくなる可能性もある。
【0067】
図2は、駆動システム2が、粉体の少なくとも一部を支持面17とガイド20との間のチャネルに向かって押すように構成された掃出装置40を含む、本発明の一実施形態を示している。掃出装置40は、好ましくは、回転シャフト42と、回転シャフト42によって回転駆動103される複数の放射状要素41とを含む。回転シャフト42は、第2の方向202と平行であることが好ましい。
【0068】
図3a、図3c及び図3dは、支持面17と接触している粉体の少なくとも一部が粉体層91に向かって変位するのを防止するように、支持面17が好ましくは構成されている、本発明の一実施形態を示す。粉体が粉体層91に向かって落下するのを防止するために、支持面17は、例えば、ギザギザ12及び/又は粗さを備えていてもよく、及び/又は微細加工されてもよく、及び/又は粗くてもよく、及び/又は粉体が落下するのを防止するために粉体との適切な摩擦係数を有してもよい。ギザギザ12は、一連の中空部12a及び突出部12bによって形成されている。ギザギザ12は、中空部12a内の粉体粒子のために、出口5に向かう突出部12bの傾斜が、粉体層91に向かう突出部12aの傾斜よりも小さくなるように、非対称であることが好ましい。
【0069】
図3aに示す実施形態では、駆動システム2は、第1の方向201に沿った支持面1の振動104を可能にする機構を含む。図3aの点線は、第1の方向201に沿ったこの振動104を示している。第1の方向201に沿った振動104は、支持面17と接触している粉体の少なくとも一部を、例えばギザギザ12間での連続的な跳ね上げ105によって、出口5に向かって次第に前進させるか、又は前進させるのを助ける。第1の方向201に沿った振動104は、例えば、図3bの曲線70によって示されるように、第1の方向201に沿った速度を有する:第1の方向201に沿った速度vは、時間tと共に急速に増加し71、次いで滑らかに減少する72。このように、支持面17の後方への動きは前方への動きよりも長く続くため、粉体は前方よりも後方に進む。
【0070】
図3cに示す実施形態では、駆動システム2は、第3の方向203に沿った支持面1の振動304を可能にする機構を含む。図3cの点線は、第1の方向203に沿ったこの振動304を示している。第3の方向203に沿った振動304は、支持面17と接触している粉体の少なくとも一部を、例えば連続的な跳ね上げ105によって、出口5に向かって次第に前進させるか、又は前進させるのを助ける。
【0071】
図3dに示す実施形態では、駆動システム2は、第1の方向201及び第3の方向203に沿った支持面17の振動の組み合わせ404を可能にする機構を含む。図3dは、この動きの間の3つの点での支持面17を示す。この動きは、切断ライン11の円運動に対応することが好ましい。図3eは、第3の方向203に沿った切断ライン11の動きの変化を、第1の方向201に沿ったその位置に従って示す。
【0072】
図4a及び図4bは、切断装置10が、装置本体13と、切断ライン11が位置する屈曲可能な部分とを含み、屈曲可能な部分がブリッスル18を含む、本発明の一実施形態を示す。ブリッスル18は、第2の方向202に沿って分散されており、かつ、装置13の本体の厚さ方向にわたって取り付けられた1つ以上の列で配置されている。好ましくは、ブリッスル18の長さが下方に向けて短くなっていることにより、ブリッスル18が切断ライン11の背後の粉体層91の表面に接触することが防止される。図4a及び図4bは非常に概略的であり、ブリッスル18はより高密度であってもよい。
【0073】
図5a及び図5bは、切断装置10が、装置本体13と、切断ライン11が位置する屈曲可能な部分とを含み、屈曲可能な部分がスラット14を含む、本発明の一実施形態を示す。スラット14は、第2の方向202に沿って分配され、間隙15によって隔てられている。レベリングシステム1は、第1の方向201に沿って互いに追従するスラット14を有し、第2の方向202に沿って間隙15オフセットされた少なくとも2つの切断装置10a,10bを備えることができる。従って、間隙15(点線で示す)のために第1の切断装置10aによって切断されなかった粉体は、後続の切断装置10bのブレード14によって切断される。
【0074】
図6a及び図6bは、図5bに示す本発明の代替的な一実施形態を示す。この実施形態では、延長要素114がスラット14に取り付けられ、切断ライン11を形成する。延長要素114は、第2の方向202に沿ってスラット14よりも延在しており、従って、延長要素114間の間隙115は、スラット14間の間隙15よりも狭い。延長要素114は、好ましくはスラット14よりも薄い。延長要素114は、好ましくは、第1の方向201にスラット14よりも更に前方に延在しており、それにより、切断ライン11は延長要素114から形成される。延長要素114は、好ましくはスラット14よりも可撓性が高い。延長要素114は、スラット14間の間隙15の高さで切断されたストリップから形成されてもよい。延長要素114は、好ましくは支持面17を形成する。レベリングシステム1は、好ましくは、粉体駆動システム2がスラット14と接触することなく延長要素114上に存在する粉体を駆動できるように構成されている。スラット14は、延長要素114間の特に良好な位置合わせを可能にする支持部として機能し、部品との衝突の場合に切断ラインが上方に変位することを可能にする。
【0075】
図7は、切断装置10が湾曲ブレード216を含む、本発明の一実施形態を示す。湾曲ブレード216は、切断装置10の残りの部分と一体であってもよく、又は切断装置10の屈曲可能な部分を形成してもよい。湾曲ブレード216は、例えば、可撓性を有してもよい。湾曲ブレード216は、鋼製、シリコーン製、炭素製又はポリウレタン製であってもよい。湾曲ブレード216の厚さは、切断ライン11から離れるにつれて減少してもよい。
【0076】
図8aは、切断装置10が、装置本体13と、切断ライン11が位置する屈曲可能な部分とを含み、屈曲可能な部分が湾曲ブレード216を含む、本発明の一実施形態を示す。ガイド20と切断装置10との間のチャネル入口は、湾曲ブレード216の後部に位置する。
【0077】
図8bは、切断装置10が、装置本体13と、切断ライン11が位置する屈曲可能な部分とを含み、屈曲可能な部分が湾曲ブレード216を含む、本発明の一実施形態を示す。切断装置10は、支持面17と接触している粉体が、少なくとも出口5に向かう移動中のある時点で前方に駆動されるように構成されている。この実施形態は、障害物との衝突の場合に湾曲ブレード216を上方に広げるのに特に有利である。
【0078】
図9は、切断装置10が回転軸を中心として放射状に配置された複数の湾曲ブレード216を含む、本発明の一実施形態を示す。湾曲ブレード216は、この軸を中心に回転106し、吸引ノズルなどの吸引装置30は、湾曲ブレード216の支持面17に接触している粉体を吸引102する。従って、先行する湾曲ブレード216は、支持面17と共にチャネルを形成するガイド20を形成する。更に、回転106は、駆動を容易にする。切断装置10は、好ましくは、粉体が粉体層から噴出するのを防止するように構成されたガイドを含む。
【0079】
図10は、レベリングシステム1が、第1の切断装置10a、第2の切断装置10b、及び第3の切断装置10cを含み、それらの切断装置が本発明のいずれかの実施形態による任意の切断装置とすることができる本発明の一実施形態を示す。これらの切断装置は、類似していても異なっていてもよい。第1の切断装置10a(又は第2の切断装置10b、又は第3の切断装置10c)は、第1の切断ライン11a(又は第2の切断ライン11b、又は第3の切断ライン11c)及び第1の支持面17a(又は第2の支持面17b、又は第3の支持面17c)を含む。レベリングシステム1が4つ以上の切断装置を備えてもよい。
【0080】
第2の切断ライン11bは、第1の切断ライン11aよりも低く、切断装置10a,10bの第1の方向201に沿った変位に対して第1の切断ライン11aよりも後方にある。第3の切断ライン11cは、第2の切断ライン11bよりも低く、切断装置10b,10cの第1の方向201に沿った変位に対して第2の切断ライン11bよりも後方にある。3つの切断ライン11a,11b,11cは、第2の方向202と平行であることが好ましい。
【0081】
図11は、印刷中の物体によって形成された障害物92を示す。屈曲可能な部分16は、この障害物92の側壁93に当たると後方に曲がることができることが分かる。
【0082】
図12a及び図12bは、屈曲可能な部分が障害物92の上壁を擦るようにレベリングシステム1が構成された、本発明の一実施形態を示す。図12aは、障害物92に遭遇する前の状況を示し、図12bは、障害物92の上面を擦っている状況を示している。屈曲可能な部分は、切断ライン11が障害物92に遭遇すると切断ライン11が上昇するように、屈曲107するか又は旋回するように構成されている。
【0083】
図13a及び図13bは、切断装置10が屈曲可能な部分16を含み、屈曲可能な部分16が、第1の部分116と、第1の部分116と角度122をなす第2の部分126と、を含む、本発明の一実施形態を示す。切断ライン11は、第1の部分116上にある。切断装置10は、屈曲可能な部分16が、切断ライン11の前方に位置する旋回軸120を中心として旋回するように構成されている。このような場合、切断ライン11が障害物92に遭遇すると、切断装置10が後方に旋回するにつれて垂直部分と第2の部分126との間の角度121は増加するが、第1の部分116と第2の部分126との間の角度122は好ましくは一定のままである。これにより、切断ライン11を上昇させて障害物92の損傷を回避することができる。図13aは、障害物92と遭遇する前の状況を示し、図13bは、障害物92と遭遇した時の切断ライン11の上昇を示す。
【0084】
図14は、切断装置10の前端面19と水平線との間の角度βを示す。角度βは、前端面19が一方向に傾斜するか、他方向に傾斜するか、又は支持面17と直角をなすような角度であり得る。角度βが0°から90°の間である場合、前端面19は、粉体層91上の残りの粉体を圧縮することによってその密度を向上することを可能にする。
【0085】
図15は、ガイド20が2つの部分20a,20bを含み、それら2つの部分20a,20bが支持面17に向かって開口しているチャネル21によって隔てられている、本発明の一実施形態を示す。
【0086】
図16は、図5b、図13a及び図13b、並びに図15の実施形態のいくつかの特徴を組み合わせた、本発明の一実施形態を示す。ガイド20は、支持面17に向かって開口しているチャネル21によって隔てられた2つの部分20a,20bを含む。切断装置10は、第1の部分116及び第1の部分116に対して角度122を成す第2の部分126を含む屈曲可能な部分16を含む。第1の部分116及び第2の部分126は、例えば、取付要素127によってガイド20に取り付けられたスラット14で作製されている。障害物に遭遇する前は、第2の部分126は、ガイド20bの一部に取り付けられた突起129上に少なくとも部分的に載っている。図13a,図13bに示すように、第1の部分116が障害物に遭遇すると、第2の部分126は後退しながら上昇し(矢印130)、突起129から離れる。障害物を通過すると、第2の部分126は弾性復帰によって戻り、突起129に接触する。このように、突起129は、第2の部分126が正確な位置に戻ることを可能にし、従って切断ライン11の特に正確な位置決めを可能にする。図16に示す実施形態は、図13a及び図13bに示すような構成とするのに特によく適している。
【0087】
図17は、レベリングシステム1が、例えば空気を、粉体層91の粉体及び/又は支持面17と接触している粉体に向けて吹き付ける108ように構成されたブロワ50を備える、本発明の一実施形態を示す。
【0088】
図18は、出口5がサイクロン81を備える粉体リサイクルシステム80に開口しており、そのサイクロン81が、一方ではリザーバ82に接続され、他方ではフィルタ84に接続されたファン83自体に接続されている、本発明の一実施形態を示す。そのような粉体リサイクルシステム80は、粉体を支持面17と接触させることを可能にする吸引装置30を形成する。粉体リサイクルシステム80は、空気流に関連して粉体を回収することを可能にする。図18は縮尺通りではない。
【0089】
図19は、本発明の一実施形態による三次元印刷システム3を示す。この三次元印刷システムは、粉体を堆積させて粉体層91を形成するように構成された堆積装置4と、切断装置10及び駆動システム2を使用して粉体層91をレベリングするように構成された、本明細書に記載のレベリングシステム1と、レベリング後に粉体層91の少なくとも一部を凝集させるように構成された凝集手段6と、を備える。任意選択的に、粉体層91を、レベリング後に例えば圧縮ローラによって圧縮してもよい。
【0090】
レベリングシステム1を、堆積装置4の前方又は後方に配置できる。例えばWO2018059833に記載されているように、堆積装置4が回転ローラを含む場合、このローラの軸は、第2の方向202に平行であってもよいが、平行でなくてもよい。
【0091】
粉体層91に対する切断装置10の任意の動きが、本発明の範囲から逸脱することなく可能である。例えば、この動きは、第1の方向201及び第2の方向202における並進移動の組み合わせを含むことができる。この動きはまた、垂直軸に沿った回転を含むことができる。
【0092】
本発明の一実施形態では、レベリングシステム1及び堆積装置4は静止しており、粉体層91の支持体90が第1の方向に沿って変位する101。
【0093】
図20a~図20c及び図21a~図21cは、レベリングシステムを使用して粉体層をレベリングする方法を示す。この方法は、本発明によるレベリングシステム1又は別のレベリングシステムを用いて使用することもできる。図20a及び図21aは、所望の形状の第1の部分501を堆積する、支持体500上への第1の精細度での粉体の第1の堆積を示す。図示の例では、第1の部分501は、穴502を囲む輪郭である。
【0094】
図20b及び図21bは、例えば上述の穴502の充填物などの第2の部分503を堆積させる、支持体500上への粉体の第2の精細度での第2の堆積を示す。第2の精細度は第1の精細度よりも低い。第2の部分503は、粉のない領域が生じないように、第1の部分501と重なっている。言い換えると、第2の部分503は、第1の部分501と全体的にではなく部分的に重なっている。従って、輪郭の場合、第2の部分503の範囲は、輪郭の外周510よりも狭く、輪郭の内周511よりも広い。
【0095】
図20c及び図21cは、第1の部分501及び第2の部分503のレベリングの結果、平坦な上面を有する所望の形状504が得られることを示す。
【0096】
この方法は、堆積された重なり合わない部分上に高精細度(図示の例では、外周510の精細度は第1の精細度である)の形状504を迅速に(図示の例では、中央部分は、より速い堆積を可能にする第2の精細度で堆積される)提供することを可能にする。この方法はまた、島、突出部、又は高精細度を必要とする任意のパターン、すなわち特に微細な部分によって形成された第1の部分501を堆積させるのに特に適している。
【0097】
本発明の一実施形態では、第1の粉体堆積は第1の粉体を堆積させ、第2の粉体堆積は第1の粉体とは異なる第2の粉体を堆積させる。例えば、第1の粉体と第2の粉体とを異なる材料から作製することができる。第1の粉体堆積と第2の粉体堆積との間にレベリングを提供することができる。
【0098】
図22は、本発明の一実施形態による、2種の粉体を含む粉体構造体を形成する220方法を示す。矢印901は、水平な支持体90の動きの方向を示す。第1の粉体610は、粉体層の第1の部分91aを形成するように、第1の堆積装置611を使用して堆積される221。粉体層の第1の部分91aは、好ましくは穴を含む。次いで、本発明の1つの又は別の実施形態による第1のレベリングシステム1aが、粉体層の第1の部分91aの上部を切断する222。切断された第1の粉体610は回収することができる。第1のレベリングシステム1aは、支持体90からの高さHに位置する切断ライン11aを有する。
【0099】
第2の粉体620は次いで、粉体層の第2の部分91bを形成するように、第2の堆積装置621を使用して堆積222される。粉体層の第2の部分91bは、粉体層の第1の部分91aの穴の一部を少なくとも部分的に埋める。第2の部分91bは、好ましくは、粉体層の第1の部分91aとの重なり91cを形成する。次いで、本発明の1つの又は別の実施形態による第2のレベリングシステム1bが、粉体層の第2の部分91b及び重なり91cの上部を切断する224。
【0100】
第2のレベリングシステム1bの切断ライン11bは、好ましくは、支持体90に対して第1のレベリングシステム1aの切断ライン11aと略同じ高さHに位置している。これにより、重なり合いのない最終的な構造をもたらすことができる。欠点は、第2のレベリングシステム1bによるレベリングが、第1の粉体610と第2の粉体611との混合物を回収してしまうことである。第1の粉体610と混ざり合っていない第2の粉体611を回収したい場合、第2のレベリングシステム1bの切断ライン11bは、第1のレベリングシステム1aの切断ライン11aよりも高いことが好ましい。
【0101】
図22に示す方法は、以下のように要約することができる:粉体構造体を形成する220方法であって、
・第1の堆積装置611を使用して第1の粉体610を堆積させて221、粉体層の第1の部分91aを形成することと、
・第1のレベリングシステム1aを使用して、粉体層の第1の部分91aをレベリングする222ことと、
・第2の堆積装置621を使用して第2の粉体621を堆積させて223、粉体層の第2の部分91bを形成することと、
・第2のレベリングシステム1bを使用して、粉体層の第2の部分91bをレベリングする224ことと、
をこの順序で含み、
粉体層の第1の部分91aのレベリング222及び粉体層の第2の部分91bのレベリング224は垂直方向に位置合わせされる、
方法。
【0102】
図23a、図23bは、本発明の一実施形態による、粉体構造体を形成するための方法250a,250bを示す。第1の工程250aにおいて、第1の堆積装置611、第1のレベリングシステム1a、及び第2のレベリングシステム1b(潜在的には第2の堆積装置621、第3のレベリングシステム1c、及び第4のレベリングシステム1dと共に)が、第1の方向902に変位される。第2のレベリングシステム1b(又は第4のレベリングシステム1d)は、第1の堆積装置611(又は第2の堆積装置621)に対して、第1のレベリングシステム1a(又は第3のレベリングシステム1c)の反対側に配置されている。第2のレベリングシステム1b(又は第4のレベリングシステム1d)は、第1の方向902に変位するとき、第1のレベリングシステム1a(又は第3のレベリングシステム1c)よりも低い。従って、第2のレベリングシステム1b(又は第4のレベリングシステム1d)は、第1の堆積装置611(又は第2の堆積装置621)によって堆積された粉体層の第1の部分91a(又は第2の部分91b)と接触し、第1のレベリングシステム1a(又は第3のレベリングシステム1c)は、粉体層の第1の部分91a(又は第2の部分91b)と接触しない。
【0103】
第2の工程250bにおいて、第1の堆積装置611、第1のレベリングシステム1a、及び第2のレベリングシステム1b(潜在的には第2の堆積装置621、第3のレベリングシステム1c、及び第4のレベリングシステム1dと共に)が、第1の方向902とは反対の第2の方向903に変位される。第1の工程250aと比較して、第2の方向603に変位するときに、第2のレベリングシステム1b(又は第4のレベリングシステム1d)が第1のレベリングシステム1a(又は第3のレベリングシステム1c)よりも高くなるように、第2のレベリングシステム1b(又は第4のレベリングシステム1d)は下げられ、第1のレベリングシステム1a(又は第3のレベリングシステム1c)は上げられる。従って、第2のレベリングシステム1b(又は第4のレベリングシステム1d)は、粉体層の第1の部分91a(又は第2の部分91b)と接触せず、一方、第1のレベリングシステム1a(又は第3のレベリングシステム1c)は、粉体層の第1の部分91a(又は第2の部分91b)と接触する。
【0104】
図22図23a、図23bに示す第1の堆積装置611及び第2の堆積装置621は、例えばPCT/EP2017/071039に記載されているような任意のローラであってもよく、又は各々がそのようなローラを含んでもよい。これらの図を参照して説明した方法では、堆積装置611,621及びレベリングシステム1a~1dが変位する902,903ことが可能であるのと同様に、支持体90が変位する901ことが可能である。
【0105】
言い換えれば、本発明は、粉体層91をレベリングするためのシステム及び方法に関する。システムは、切断ライン11と支持面17とを含む切断装置10を備える。粉体層91は、切断された粉体が支持面17と接触し、そこで切断された粉体が粉体駆動システムによって出口5に向かって駆動されるように、第1の方向201に沿って変位する切断ライン11によって切断される。本発明は、特に、任意の基材(ガラス、ボード、シート、タイル、ビニールなど)上の粉体層又は粉体コーティングの堆積物を含む任意のシステム又は方法で使用することができる。
【0106】
本発明は、特定の実施形態に関連して上述されているが、これらは純粋に例示的なものであり、限定的であると見なされるべきではない。一般的に、本発明は、例示及び/又は上述の例に限定されない。動詞「備える」、「含む」、又は任意の他の変形、並びにそれらの活用形の使用は、言及されたもの以外の要素の存在を除外するものではなない。要素を導入するための不定冠詞「a」、「an」、又は定冠詞「前記」の使用は、これらの要素の複数の存在を排除するものではない。特許請求の範囲における参照番号は、それらの範囲を限定するものではない。
図1
図2
図3a
図3b
図3c
図3d
図3e
図4a
図4b
図5a
図5b
図6a
図6b
図7
図8a
図8b
図9
図10
図11
図12a
図12b
図13a
図13b
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20a
図20b
図20c
図21a
図21b
図21c
図22
図23a
図23b
【手続補正書】
【提出日】2022-08-23
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
異なる粉体を含む粉体層(91)を形成するために、選択された位置に複数種の粉体を堆積するように構成された堆積装置(4)と、
前記粉体層(91)をレベリングするためのレベリングシステム(1)と、
を備え、
前記レベリングシステム(1)が、
切断ライン(11)と支持面(17)とを含む切断装置(10)であって、前記切断ライン(11)が、前記支持面に機械的に結合されており、前記切断装置(10)が前記粉体層(91)に対して第1の方向(201)に変位するときに、切断された粉体が前記支持面(17)と接触するように、前記切断ライン(11)が前記粉体層(91)を切断するよう構成されている、切断装置と、
前記支持面(17)と接触している前記粉体を出口(5)に向けて駆動するように構成された粉体駆動システム(2)と、
を備えるシステム。
【請求項2】
前記レベリングシステムが、前記支持面(17)に少なくとも部分的に対向して配置され、前記粉体が前記出口(5)に向かって移動する際に、前記粉体の少なくとも一部を前記支持面(17)と接触するように導くよう構成されたガイド(20)を備える、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記駆動システム(2)は、前記支持面(17)と接触している前記粉体の少なくとも一部を前記出口(5)に向けて吸引するように構成された吸引装置(30)を含む、請求項1又は2に記載のシステム。
【請求項4】
前記駆動システム(2)は、前記支持面(17)と接触している前記粉体の少なくとも一部を前記出口(5)に向かって押すように構成された掃出装置(40)を含む、請求項1から3のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項5】
前記駆動システム(2)は、前記支持面(17)の前記第1の方向(201)及び前記第3の方向(203)に沿った振動の組み合わせ(404)を可能にする機構を含み、前記第3の方向(304)は垂直である、請求項1から4のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項6】
前記切断装置(10)は、前記切断ライン(11)と前記支持面(17)の少なくとも一部とが配置された屈曲可能な部分(16)を含む、請求項1から5のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項7】
前記屈曲可能な部分(16)は、前記切断ライン(11)と前記支持面(17)の少なくとも一部とが配置された第1の部分(116)と、前記第1の部分(116)に対して非ゼロの角度(122)、好ましくは鋭角を形成する第2の部分(126)と、を含み、前記切断装置(10)は、前記屈曲可能な部分(16)が、前記切断装置(10)の前記変位に対して前記切断ライン(11)よりも前方に位置する旋回軸(120)を中心として旋回するのに適合するように、構成されている、請求項6に記載のシステム。
【請求項8】
前記屈曲可能な部分(16)は、前記第1の方向(201)に対して垂直な方向であり、かつ水平な方向である第2の方向(202)に沿って分配された、例えばブリッスル(18)又はスラット(14)などの、独立して屈曲可能な要素を含む、請求項6又は7に記載のシステム。
【請求項9】
前記独立して屈曲可能な要素はスラット(14)であり、前記スラット(14)には、前記切断ライン(11)を形成する延長要素(114)が取り付けられており、前記延長要素(114)は、前記第2の方向(202)に沿って前記スラット(14)よりも長く延在しており、前記スラット(14)よりも可撓性が高い、請求項8に記載のシステム。
【請求項10】
前記粉体層(91)の前記粉体及び/又は前記支持面(17)と接触している前記粉体に向けて送風するように構成されたブロワ(50)を更に備える、請求項1から9のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項11】
前記切断装置(10)は第1の切断装置(10a)であり、前記切断ライン(11)は第1の切断ライン(11a)であり、前記支持面(17)は第1の支持面(17)であり、
前記レベリングシステムは、第2の切断ライン(11b)及び第2の支持面(17b)を含む第2の切断装置(10b)を更に備え、
前記第2の切断ライン(11b)は、前記第2の切断装置(10b)が前記粉体層(91)に対して前記第1の方向(201)に変位されたときに、切断された粉体が前記第2の支持面(17b)と接触するように、前記粉体層(91)を切断するよう構成されており、
前記第2の切断ライン(11b)は、前記第1の切断ライン(11a)よりも低く、前記切断装置(10a,10b)の変位に対して前記第1の切断ライン(11a)よりも後方にあり、好ましくは前記第1の切断ライン(11a)に平行である、
請求項1から10のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項12】
記粉体層(91)が前記レベリングシステムによってレベリングされた後に、前記粉体層(91)の少なくとも一部を凝集させるように構成された凝集手段(6)を備える三次元印刷システム(3)である、請求項1から11のいずれか1項に記載のシステム
【請求項13】
堆積装置(4)を使用して、選択された位置に、複数種の粉体を堆積させて、異なる粉体を含む粉体層(91)を形成することと、
切断ライン(11)及び支持面(17)を含み、前記切断ライン(11)が前記支持面(17)に機械的に結合された切断装置(10)を準備する工程と、
前記切断装置(10)を前記粉体層(91)に対して第1の方向(201)に変位させることにより、前記切断ライン(11)で前記粉体層(91)を切断して、切断された粉体を前記支持面(17)と接触させる工程と、
前記支持面(17)と接触している前記粉体を、出口(5)に向けて駆動する工程と、
を含む方法。
【請求項14】
前記粉体は、化学組成が異なる、及び/又は、異なる材料を有する、及び/又は、異なる粒径を有する、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
粉体形状(504)を形成するための方法であって、
前記形状(504)の第1の部分(501)を形成するために、第1の精細度で第1の粉体堆積を行うことと、
前記形状(504)の前記第1の部分(501)に部分的に重ね合わされた前記形状(504)の第2の部分(503)を形成するために、前記第1の精細度よりも低い第2の精細度で第2の粉体堆積を行うことと、
前記形状(504)の前記第1の部分(501)に重ね合わされた前記形状(504)の前記第2の部分(503)を、レベリングシステム(1)を使用してレベリングすることであって、
前記レベリングシステム(1)が、
切断ライン(11)及び支持面(7)を含み、前記切断ライン(11)が前記支持面に機械的に結合されている切断装置(10)と、
前記支持面(17)と接触する前記粉体を出口(5)に向けて駆動するように構成された粉体駆動システム(2)と、
を含むことと、
をこの順序で含む、
方法。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0106
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0106】
本発明は、特定の実施形態に関連して上述されているが、これらは純粋に例示的なものであり、限定的であると見なされるべきではない。一般的に、本発明は、例示及び/又は上述の例に限定されない。動詞「備える」、「含む」、又は任意の他の変形、並びにそれらの活用形の使用は、言及されたもの以外の要素の存在を除外するものではなない。要素を導入するための不定冠詞「a」、「an」、又は定冠詞「前記」の使用は、これらの要素の複数の存在を排除するものではない。特許請求の範囲における参照番号は、それらの範囲を限定するものではない。
(発明の開示)
(項目1)
粉体層(91)をレベリングするためのレベリングシステム(1)であって、
切断ライン(11)と支持面(17)とを含む切断装置(10)であって、前記切断装置(10)が前記粉体層(91)に対して第1の方向(201)に変位するときに、切断された粉体が前記支持面(17)と接触するように、前記切断ライン(11)が前記粉体層(91)を切断するよう構成されている、切断装置と、
前記支持面(17)と接触している前記粉体を出口(5)に向けて駆動するように構成された粉体駆動システム(2)と、
を備えるレベリングシステム(1)。
(項目2)
前記支持面(17)に少なくとも部分的に対向して配置され、前記粉体が前記出口(5)に向かって移動する際に、前記粉体の少なくとも一部を前記支持面(17)と接触するように導くよう構成されたガイド(20)を更に備える、項目1に記載のレベリングシステム。
(項目3)
前記駆動システム(2)は、前記支持面(17)と接触している前記粉体の少なくとも一部を前記出口(5)に向けて吸引するように構成された吸引装置(30)を含む、項目1又は2に記載のレベリングシステム。
(項目4)
前記駆動システム(2)は、前記支持面(17)と接触している前記粉体の少なくとも一部を前記出口(5)に向かって押すように構成された掃出装置(40)を含む、項目1から3のいずれか1項に記載のレベリングシステム。
(項目5)
前記駆動システム(2)は、前記支持面(17)の前記第1の方向(201)及び前記第3の方向(203)に沿った振動の組み合わせ(404)を可能にする機構を含み、前記第3の方向(304)は垂直である、項目1から4のいずれか1項に記載のレベリングシステム。
(項目6)
前記切断装置(10)は、前記切断ライン(11)と前記支持面(17)の少なくとも一部とが配置された屈曲可能な部分(16)を含む、項目1から5のいずれか1項に記載のレベリングシステム。
(項目7)
前記屈曲可能な部分(16)は、前記切断ライン(11)と前記支持面(17)の少なくとも一部とが配置された第1の部分(116)と、前記第1の部分(116)に対して非ゼロの角度(122)、好ましくは鋭角を形成する第2の部分(126)と、を含み、前記切断装置(10)は、前記屈曲可能な部分(16)が、前記切断装置(10)の前記変位に対して前記切断ライン(11)よりも前方に位置する旋回軸(120)を中心として旋回するのに適合するように、構成されている、項目6に記載のレベリングシステム。
(項目8)
前記屈曲可能な部分(16)は、前記第1の方向(201)に対して垂直な方向であり、かつ水平な方向である第2の方向(202)に沿って分配された、例えばブリッスル(18)又はスラット(14)などの、独立して屈曲可能な要素を含む、項目6又は7に記載のレベリングシステム。
(項目9)
前記独立して屈曲可能な要素はスラット(14)であり、前記スラット(14)には、前記切断ライン(11)を形成する延長要素(114)が取り付けられており、前記延長要素(114)は、前記第2の方向(202)に沿って前記スラット(14)よりも長く延在しており、前記スラット(14)よりも可撓性が高い、項目8に記載のレベリングシステム。
(項目10)
前記粉体層(91)の前記粉体及び/又は前記支持面(17)と接触している前記粉体に向けて送風するように構成されたブロワ(50)を更に備える、項目1から9のいずれか1項に記載のレベリングシステム。
(項目11)
前記切断装置(10)は第1の切断装置(10a)であり、前記切断ライン(11)は第1の切断ライン(11a)であり、前記支持面(17)は第1の支持面(17)であり、
前記レベリングシステムは、第2の切断ライン(11b)及び第2の支持面(17b)を含む第2の切断装置(10b)を更に備え、
前記第2の切断ライン(11b)は、前記第2の切断装置(10b)が前記粉体層(91)に対して前記第1の方向(201)に変位されたときに、切断された粉体が前記第2の支持面(17b)と接触するように、前記粉体層(91)を切断するよう構成されており、
前記第2の切断ライン(11b)は、前記第1の切断ライン(11a)よりも低く、前記切断装置(10a,10b)の変位に対して前記第1の切断ライン(11a)よりも後方にあり、好ましくは前記第1の切断ライン(11a)に平行である、
項目1から10のいずれか1項に記載のレベリングシステム。
(項目12)
三次元印刷システム(3)であって、
少なくとも1種の粉体を堆積させ、粉体層(91)を形成するように構成された堆積装置(4)と、
前記粉体層(91)をレベリングするように構成された、項目1から11のいずれか1項に記載のレベリングシステム(1)と、
前記粉体層(91)が前記レベリングシステムによってレベリングされた後に、前記粉体層(91)の少なくとも一部を凝集させるように構成された凝集手段(6)と、
を備える三次元印刷システム(3)。
(項目13)
前記堆積装置(4)は、選択された位置に複数種の粉体を堆積させて、例えば異なる材料及び/又は異なる粒径といった異なる粉体を含む粉体層(91)を形成するように構成されている、項目12に記載の三次元印刷システム(3)。
(項目14)
粉体層(91)をレベリングするためのレベリング方法であって、
切断ライン(11)及び支持面(17)を含む切断装置(10)を準備する工程と、
前記切断装置(10)を前記粉体層(91)に対して第1の方向(201)に変位させることにより、前記切断ライン(11)で前記粉体層(91)を切断して、切断された粉体を前記支持面(17)と接触させる工程と、
前記支持面(17)と接触している前記粉体を、出口(5)に向けて駆動する工程と、
を含むレベリング方法。
(項目15)
粉体形状(504)を形成するための方法であって、
前記形状(504)の第1の部分(501)を形成するために、第1の精細度で第1の粉体堆積を行うことと、
前記形状(504)の前記第1の部分(501)に部分的に重ね合わされた前記形状(504)の第2の部分(503)を形成するために、第2の精細度で第2の粉体堆積を行うことと、
前記形状(504)の前記第1の部分(501)に重ね合わされた前記形状(504)の前記第2の部分(503)を、項目1から11のいずれか1項に記載のレベリングシステム(1)を使用してレベリングすることと、
をこの順序で含み、
前記第2の精細度は、前記第1の精細度よりも低い、
方法。
【国際調査報告】