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特表2023-505766機械学習ベース最適化を備えた熱交換器システム
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-02-13
(54)【発明の名称】機械学習ベース最適化を備えた熱交換器システム
(51)【国際特許分類】
   F24F 11/63 20180101AFI20230206BHJP
   F24F 11/46 20180101ALI20230206BHJP
【FI】
F24F11/63
F24F11/46
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022533512
(86)(22)【出願日】2020-12-11
(85)【翻訳文提出日】2022-07-28
(86)【国際出願番号】 US2020064459
(87)【国際公開番号】W WO2021119398
(87)【国際公開日】2021-06-17
(31)【優先権主張番号】62/946,778
(32)【優先日】2019-12-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】515164653
【氏名又は名称】バルチモア、エアコイル、カンパニー、インコーポレーテッド
【氏名又は名称原語表記】BALTIMORE AIRCOIL COMPANY, INC.
(74)【代理人】
【識別番号】100079108
【弁理士】
【氏名又は名称】稲葉 良幸
(74)【代理人】
【識別番号】100109346
【弁理士】
【氏名又は名称】大貫 敏史
(74)【代理人】
【識別番号】100117189
【弁理士】
【氏名又は名称】江口 昭彦
(74)【代理人】
【識別番号】100134120
【弁理士】
【氏名又は名称】内藤 和彦
(72)【発明者】
【氏名】ルッスレ,ヨハン リリアン
(72)【発明者】
【氏名】リトワク,エリー エム.
【テーマコード(参考)】
3L260
【Fターム(参考)】
3L260AB06
3L260AB07
3L260BA41
3L260BA75
3L260CB45
3L260CB78
3L260EA22
(57)【要約】
一態様において、冷却システムと、冷却システムの変数を検出するように構成されたセンサと、を備えた熱交換器システムを提供する。熱交換器システムは、潜在的動作パラメータに対するエネルギー消費、水使用、及び化学物質使用のうちの少なくとも1つを推定するために、冷却システムの変数と複数の潜在的動作パラメータとを冷却システムの代表的な機械学習モデルに提供するように構成されたプロセッサ回路を備える。プロセッサ回路はさらに、少なくとも部分的に、潜在的動作パラメータに対して推定されたエネルギー消費、水使用、及び化学物質消費のうちの少なくとも1つに基づき、目標最適化指標を満たすような冷却システムの最適動作パラメータを判定するように構成される。
【選択図】図1A
【特許請求の範囲】
【請求項1】
熱交換器システムであって、
冷却システムを備え、前記冷却システムは、
プロセス流体に熱を伝達するように構成された発熱装置と、
前記プロセス流体から熱を除去するように構成された熱遮断装置と、
前記冷却システムの変数を検出するように構成されたセンサと、
前記センサに対して動作可能に連結され、前記変数と前記冷却システムの複数の潜在的動作パラメータとを前記冷却システムの代表的な機械学習モデルに提供して、前記潜在的動作パラメータに対する前記冷却システムのエネルギー消費、水使用、及び化学物質使用のうちの少なくとも1つを推定するように構成されたプロセッサ回路と、を備え、
前記プロセッサ回路は、少なくとも部分的に、前記潜在的動作パラメータに対して推定されたエネルギー消費、水使用、及び化学物質消費のうちの少なくとも1つに基づき、目標最適化指標を満たすように前記冷却システムの最適動作パラメータを判定するように構成され、
前記プロセッサ回路は、前記冷却システムに、前記最適動作パラメータを利用させるように構成される、熱交換器システム。
【請求項2】
前記目標最適化指標は、エネルギー消費の最小化、水使用の最小化、化学物質消費の最小化、又はコストの最小化である、請求項1に記載の熱交換器システム。
【請求項3】
前記熱遮断装置は、少なくとも1つの冷却塔を備える、請求項1に記載の熱交換器システム。
【請求項4】
前記最適動作パラメータは、前記熱遮断装置の動作モード、前記熱遮断装置を離脱する前記プロセス流体の温度、前記熱遮断装置を離脱する前記プロセス流体の圧力、前記プロセス流体の流量のうちの少なくとも1つを含む、請求項1に記載の熱交換器システム。
【請求項5】
前記プロセッサ回路は、前記冷却システムの前記潜在的動作パラメータに基づき、エネルギー消費及び水使用を推定するために、前記複数の潜在的動作パラメータを前記機械学習モデルに提供するように構成され、
前記プロセッサ回路は、少なくとも部分的に、前記推定されたエネルギー消費及び水使用に基づき、前記目標最適化指標を満たすように前記冷却システムの前記最適動作パラメータを判定するように構成される、請求項1に記載の熱交換器システム。
【請求項6】
前記複数の潜在的動作パラメータは、第1の複数の潜在的動作パラメータと、第2の複数の潜在的動作パラメータと、を含み、
前記機械学習モデルは、前記冷却システムのエネルギー消費を推定する第1の機械学習モデルと、水使用を推定する第2の機械学習モデルと、を含み、
前記プロセッサ回路は、前記冷却システムのエネルギー消費を推定するために、前記第1の複数の潜在的動作パラメータを前記第1の機械学習モデルに提供し、前記冷却システムの水使用を推定するために、前記第2の複数の潜在的動作パラメータを前記第2の機械学習モデルに提供するように構成される、請求項5に記載の熱交換器システム。
【請求項7】
前記プロセッサ回路は、前記潜在的動作パラメータに基づき、化学物質消費を推定するために、前記冷却システムの前記複数の潜在的動作パラメータを前記機械学習モデルに提供するように構成され、
前記プロセッサ回路は、少なくとも部分的に、前記化学物質消費に基づき、前記目標最適化指標を満たすような前記冷却システムの前記最適動作パラメータを判定するように構成される、請求項1に記載の熱交換器システム。
【請求項8】
前記プロセッサ回路は、将来の動作条件を推定するように構成され、
前記プロセッサ回路は、複数の将来の潜在的動作パラメータに基づき、将来のエネルギー消費、将来の水使用、及び将来の化学物質消費の少なくとも1つを推定するために、前記将来の動作条件に関連付けられた前記冷却システムの前記将来の潜在的動作パラメータを前記機械学習モデルに提供するように構成され、
前記プロセッサ回路はさらに、以下のうちの少なくとも1つに基づいて、前記目標最適化指標を満たすような前記冷却システムの前記最適動作パラメータを判定するように構成され、以下とは、
エネルギー消費、
水使用、
化学物質消費、
将来のエネルギー消費、
将来の水使用、及び
将来の化学物質消費、
である、請求項1に記載の熱交換器システム。
【請求項9】
前記機械学習アルゴリズムに提供される前記複数の潜在的動作パラメータは、前記冷却システムの動作制限内の動作パラメータの範囲を含む、請求項1に記載の熱交換器システム。
【請求項10】
前記複数の潜在的動作パラメータは、前記熱遮断装置のファン速度動作パラメータと水使用動作パラメータのうちの少なくとも1つを含む、請求項1に記載の熱交換器システム。
【請求項11】
前記センサは、以下を含む複数の変数を検出するように構成された複数のセンサを含み、以下とは、
前記冷却システムの水使用変数、
前記冷却システムのエネルギー消費変数、及び
前記熱遮断装置の離脱プロセス流体温度変数と前記熱遮断装置の離脱プロセス流体圧力変数、
のうちの少なくとも1つである、請求項1に記載の熱交換器システム。
【請求項12】
前記センサは、前記熱遮断装置を離脱するプロセス流体の変数と、前記冷却システムの環境の変数と、を検出するように構成されたセンサを含む、請求項1に記載の熱交換器システム。
【請求項13】
前記プロセッサは、前記冷却システムの不具合を特定するように構成され、
前記プロセッサは、少なくとも部分的に、前記特定された不具合に基づき、前記少なくとも1つの代表的な機械学習モデルに提供する前記複数の潜在的動作パラメータを判定するように構成される、請求項1に記載の熱交換器システム。
【請求項14】
前記熱遮断装置は、複数の冷却塔を含み、
前記冷却塔のうちの少なくとも1つは、乾燥モードで動作可能であり、前記冷却塔のうちの少なくとも1つは、湿潤モード又は断熱モードで動作可能である、請求項1に記載の熱交換器システム。
【請求項15】
前記熱遮断装置は、複数の冷却塔を含み、
前記目標動作パラメータは、前記冷却塔が直列構成又は並列構成で動作するかを示すパラメータを含む、請求項1に記載の熱交換器システム。
【請求項16】
前記熱遮断装置は、熱エネルギー貯蔵システムを含み、
前記目標動作パラメータは、前記熱エネルギー貯蔵システムが熱エネルギーを蓄積しているか、又は熱エネルギーを放出しているかを示すパラメータを含む、請求項1に記載の熱交換器システム。
【請求項17】
冷却システム用の熱遮断装置であって、
プロセス流体を冷却するように動作可能な蒸発熱交換器を備える冷却塔と、
前記冷却塔の変数を検出するように構成されたセンサと、
前記冷却塔及び前記センサに対して動作可能に連結され、目標最適化指標を満たすような前記冷却塔の最適動作パラメータを実施するように構成されたコントローラと、を備え、
前記最適動作パラメータは、前記冷却塔の複数の潜在的動作パラメータに対する動力消費及び水使用を推定するために、少なくとも部分的に、前記変数と前記潜在的動作パラメータとを前記冷却塔の代表的な機械学習モデルに提供することによって判定される、熱遮断装置。
【請求項18】
前記冷却塔の前記センサ変数は、前記冷却塔を離脱するプロセス流体の変数を含み、
前記最適動作パラメータにより、前記冷却塔を離脱する前記プロセス流体の前記変数が前記プロセス流体の最適変数に対応するように、前記冷却塔を動作させる、請求項17に記載の熱遮断装置。
【請求項19】
前記目標最適化指標は、エネルギー消費を最小化すること、水使用を最小化すること、又は、コストを最小化すること、である、請求項17に記載の熱遮断装置。
【請求項20】
前記最適動作パラメータは、前記冷却塔の動作モード、前記冷却塔を離脱する前記プロセス流体の温度、前記冷却塔を離脱する前記プロセス流体の圧力、及び、前記プロセス流体の流量、のうちの少なくとも1つを含む、請求項17に記載の熱遮断装置。
【請求項21】
前記コントローラは、前記エネルギー消費及び水使用を推定するために、前記冷却塔の前記変数と前記複数の潜在的動作パラメータとを前記機械学習モデルに提供するように構成され、
前記コントローラは、少なくとも部分的に、前記推定されたエネルギー消費及び水使用に基づき、前記目標最適化指標を満たすような前記冷却システムの前記最適動作パラメータを判定するように構成される、請求項17に記載の熱遮断装置。
【請求項22】
前記コントローラは、所定の事象に応じて、第1の目標最適化指標を実施し、異なる第2の目標最適化指標を実施するように構成される、請求項21に記載の熱遮断装置。
【請求項23】
前記コントローラは、将来の動作条件を推定するように構成され、
前記コントローラは、前記将来の動作条件に関連付けられた前記冷却塔の複数の将来の潜在的動作パラメータに基づき、将来のエネルギー消費及び将来の水使用を推定するために、前記冷却塔の将来の潜在的動作パラメータを前記機械学習モデルに提供するように構成され、
前記コントローラは、以下のうちの少なくとも1つに基づき、前記目標最適化指標を満たすような前記冷却塔の前記最適動作パラメータを判定するように構成され、以下とは、
エネルギー消費、
水使用、
将来のエネルギー消費、及び
将来の水使用、
である、請求項21に記載の熱遮断装置。
【請求項24】
前記複数の潜在的動作パラメータは、第1の複数の潜在的動作パラメータと、第2の複数の潜在的動作パラメータと、を含み、
前記機械学習モデルは、前記冷却塔のエネルギー消費を推定するための第1の機械学習モデルと、水使用を推定するための第2の機械学習モデルと、を含み、
前記プロセッサ回路は、前記冷却塔のエネルギー消費を推定するために、前記第1の複数の潜在的動作パラメータを前記第1の機械学習モデルに提供し、前記冷却塔の水使用を推定するために、前記第2の複数の潜在的動作パラメータを前記第2の機械学習モデルに提供するように構成される、請求項21に記載の熱遮断装置。
【請求項25】
前記機械学習アルゴリズムに提供される前記複数の潜在的動作パラメータは、前記冷却塔の動作制限内の動作パラメータの範囲を含む、請求項17に記載の熱遮断装置。
【請求項26】
前記複数の潜在的動作パラメータは、前記冷却塔のファン速度及び水使用変数を含む、請求項17に記載の熱遮断装置。
【請求項27】
前記センサは、以下を含む変数を検出するように構成された複数のセンサを含み、以下とは、
前記冷却塔の水使用変数、
前記冷却塔のエネルギー消費変数、及び
前記冷却塔の離脱プロセス流体温度変数及び離脱プロセス流体圧力変数、
のうちの少なくとも1つであり、
前記コントローラは、エネルギー消費及び水使用を推定するために、前記冷却塔の前記変数と前記複数の潜在的動作パラメータとを前記機械学習モデルに提供するように構成される、請求項17に記載の熱遮断装置。
【請求項28】
前記蒸発熱交換器は、前記プロセス流体を受容するように構成された間接熱交換器と、前記間接熱交換器上に蒸発液体を分布させるように構成された蒸発液体分配システムと、を含む、請求項17に記載の熱遮断装置。
【請求項29】
前記コントローラは、前記冷却塔内の不具合を特定するように構成され、
前記冷却塔の前記複数の潜在的動作パラメータは、少なくとも部分的に、前記特定された不具合に基づいて判定される、請求項17に記載の熱遮断装置。
【請求項30】
前記最適動作パラメータは、前記潜在的動作パラメータに対して動力消費、水使用、及び化学物質消費を推定するために、少なくとも部分的に、前記冷却塔の前記変数と前記複数の潜在的動作パラメータとを前記冷却塔の代表的な前記機械学習モデルに提供することによって判定される、請求項17に記載の熱遮断装置。
【請求項31】
冷却システムを動作させる方法であって、
冷却システムに関連付けられたプロセッサにおいて、
前記冷却システムのセンサによって検出された前記冷却システムの変数を受信することと、
前記冷却システムの複数の潜在的動作パラメータに対する前記冷却システムのエネルギー消費、水使用、及び化学物質使用のうちの少なくとも1つを推定するために、前記変数と前記潜在的動作パラメータとを前記冷却システムの代表的な前記機械学習モデルに提供することと、
少なくとも部分的に、前記推定された潜在的動作パラメータに対するエネルギー消費、水使用、及び化学物質使用のうちの少なくとも1つに基づき、目標最適化指標を満たすような前記冷却システムの最適動作パラメータを判定することと、
前記冷却システムによる前記最適動作パラメータの利用を有効化することと、
を備える、方法。
【請求項32】
前記冷却システムによる前記最適動作パラメータの利用を有効化することは、前記最適動作パラメータをネットワークを介して前記冷却システムに通信する前記プロセッサに対して動作可能に連結された通信回路を含む、請求項31に記載の方法。
【請求項33】
前記冷却システムは、冷却塔を含み、
前記最適動作パラメータは、前記冷却塔の複数の最適動作パラメータを含む、請求項31に記載の方法。
【請求項34】
前記目標最適化指標は、エネルギー消費を最小化すること、水使用を最小化すること、化学物質消費を最小化すること、又は、コストを最小化すること、である、請求項31に記載の方法。
【請求項35】
前記最適動作パラメータは、前記冷却システムの熱遮断装置の動作モード、前記冷却塔の熱遮断装置を離脱するプロセス流体の温度、前記熱遮断装置を離脱する前記プロセス流体の圧力、及び、前記プロセス流体の流量、のうちの少なくとも1つを含む、請求項31に記載の方法。
【請求項36】
前記冷却システムの前記複数の潜在的動作パラメータを前記機械学習モデルに提供することは、前記潜在的動作パラメータに基づき、エネルギー消費及び水使用を推定するために、前記複数の潜在的動作パラメータを前記機械学習モデルに提供することを含み、
前記目標最適化指標を満たすような前記最適化動作パラメータを判定することは、少なくとも部分的に、前記推定されたエネルギー消費及び前記目標最適化指標に基づき、前記最適動作パラメータを判定することを含む、請求項31に記載の方法。
【請求項37】
前記冷却システムの前記複数の潜在的動作パラメータを前記機械学習モデルに提供することは、前記潜在的動作パラメータに基づき、化学物質使用を推定するために、前記複数の潜在的動作パラメータを前記機械学習モデルに提供することを含み、
前記目標最適化指標を満たすような前記最適動作パラメータを判定することは、少なくとも部分的に、前記推定された化学物質消費に基づき、前記最適動作パラメータを判定することを含む、請求項31に記載の方法。
【請求項38】
前記複数の潜在的動作パラメータは、第1の複数の潜在的動作パラメータと、第2の複数の潜在的動作パラメータと、を含み、
前記機械学習モデルは、前記冷却システムのエネルギー消費を推定する第1の機械学習モデルと、水使用を推定する第2の機械学習モデルと、を含み、
前記変数と前記複数の潜在的動作パラメータを前記機械学習モデルに提供することは、前記冷却システムのエネルギー消費を推定するために、前記第1の複数の潜在的動作パラメータを前記第1の機械学習モデルに提供することと、前記冷却システムの水使用を推定するために、前記第2の複数の潜在的動作パラメータを前記第2の機械学習モデルに提供することと、を含む、請求項31に記載の方法。
【請求項39】
前記複数の潜在的動作パラメータは、前記冷却システムの熱遮断装置のファン速度動作パラメータ及び水使用動作パラメータのうちの少なくとも1つを含む、請求項31に記載の方法。
【請求項40】
前記冷却システムの前記センサによって検出された前記冷却システムの前記変数を受信することは、前記冷却システムの前記センサによって検出された変数であって、
前記冷却システムの水使用変数、
前記冷却システムのエネルギー消費変数、及び
前記冷却システムの熱遮断装置の離脱プロセス流体温度変数及び前記熱遮断装置の離脱プロセス流体圧力変数、
のうちの少なくとも1つが含まれる変数を受信することを含む、請求項31に記載の方法。
【請求項41】
前記冷却システムに関連付けられた前記プロセッサにおいて、
将来の動作条件を推定することと、
将来のエネルギー消費、将来の水使用、及び将来の化学物質消費のうちの少なくとも1つを推定するために、前記将来の動作条件に関連付けられた前記冷却システムの複数の将来の潜在的動作パラメータを前記機械学習モデルに提供することと、
以下のうちの少なくとも1つに基づき、前記目標最適化指標を満たすような前記冷却システムの前記最適動作パラメータを判定することであって、以下とは、
エネルギー消費、
水使用、
化学物質消費、
将来のエネルギー消費、
将来の水使用、及び
将来の化学物質消費、
である、請求項1に記載の熱交換器システム。
【請求項42】
所定の事象に応じて、前記目標最適化指標を変更することをさらに備える、請求項31に記載の方法。
【請求項43】
前記冷却システムの前記複数の潜在的動作パラメータは、少なくとも部分的に、前記冷却システム内に検出された不具合に基づいて判定される、請求項31に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
[0001] 本出願は、2019年12月11日出願の米国仮特許出願第62/946,778号の利益を主張し、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
【0002】
[0002] 本開示は熱交換器システムに関し、特に熱交換器システム用の制御システムに関する。
【背景技術】
【0003】
[0003] 冷却システム等の熱交換器システムは、産業プロセスからのプロセス流体の冷却又は建物の内部からの熱を吸収するプロセス流体の冷却等、様々な用途に使用され得る。例えば建物は、建物内に所望の空気特性(例えば温度)を提供するために、暖房、換気、又は空調(HVAC)システムを利用する。HVACシステムは、建物内からの熱を除去し、周囲環境に熱を排出する冷却システムを含み得る。冷却システムはまた、スーパーマーケット、冷蔵施設、及びアイススケート施設において使用されるような冷蔵システムを含み得る。
【0004】
[0004] 冷却システムは、多くの場合、冷却塔を利用してより高温のプロセス流体からより低温の周囲空気に熱を伝達する。いくつかの従来の冷却塔は、プロセス流体と空気との間の熱伝達を調整するために、冷却塔内の熱交換器を横切る空気の流量を調整するように制御され得る可変速度ファンを備える。さらに、いくつかの冷却塔は、HVACシステムの冷却需要を満たすために異なるモードで動作するように構成される。例えば冷却塔は、HVACシステムの需要を満たすために乾燥モード及び湿潤モードの動作を切り替えることができる。例えば湿潤モードは、プロセス流体を冷却するために気化冷却を利用するため、冷却塔の間接熱交換器に水を分散する冷却塔を含み得る。湿潤モードで動作する冷却塔は、プロセス流体をより効率的に冷却するものの水を消費し得るが、一方で乾燥モードはより効率が低いものの水を消費しない。いくつかの冷却システムは、1つ以上のチラーを備えた建物の冷却負荷に対応するために、互いに直列又は並列に動作する複数の冷却塔を含む。複数の冷却塔が使用される場合、冷却塔は、乾燥、湿潤、及び断熱モード等の異なる動作モード間を切り替えるように構成されてもよい。いくつかの冷却システムは、冷却需要及び/又はエネルギー率が低いときに冷却能力を蓄積又は貯蔵し、冷却要望及び/又はエネルギー率が高いときに貯蔵された冷却能力を利用するための氷蓄熱システム又は冷水貯蔵システムを含むこともある。
【0005】
[0005] これらの従来の冷却システムの一部に起こる1つの問題は、特定の条件が存在するときに冷却塔が特定のモードで動作し、及び/又は、冷却塔のファンが特定速度で動作されるように、固定されたルール又はプログラミングに従って冷却塔を動作させることである。これらの冷却システムは固定ルールに従って動作するため、効率的に動作せず、必要よりも多くのエネルギー及び/又は水を消費することがよくある。
【発明の概要】
【0006】
[0006] いくつかの冷却システムは、人工知能を利用して冷却システムの動作を制御することが知られている。しかしながら、これらの従来のシステムは、冷却システムの構成要素がいかに相互作用して冷却システムの全体動作に影響を与えるかを見落としがちである。さらに、これらの冷却システムの一部は、エネルギー消費を最適化するように構成されるが、システムの冷却塔で使用される水及び化学物質の消費を考慮していない。これらのシステムは、冷却システムによって使用されるすべての入力を考慮していないため、冷却システムの動作コストを正確に最適化させることができない場合がある。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1A】[0007] 冷却塔、ポンプ、及びチラーを有する冷却サブシステムを備えた冷却システムの概念図であり、図1Aは、マスターコントローラ及びサーバコンピュータと連通した冷却サブシステムコントローラをさらに示している。
図1B】[0008] 一連のサーペンタインチューブラン(serpentine tube run)を有する間接熱交換器を備えた代替冷却塔の概念図である。
図2】[0009] 図1の冷却サブシステムの1つ以上の最適設定点と、冷却サブシステムを表す機械学習モデルを利用した冷却塔の動作モードと、を判定することを含む方法のフロー図である。
図3A】[0010] センサデータを集計することと、冷却サブシステムを表す機械学習モデルを利用して、1つ以上の最適設定点と動作モードとを判定することと、を示した図2の方法の態様のフロー図である。
図3B】[0010] センサデータを集計することと、冷却サブシステムを表す機械学習モデルを利用して、1つ以上の最適設定点と動作モードとを判定することと、を示した図2の方法の態様のフロー図である。
図4】[0011] 冷却塔を図3A及び図3Bの方法とともに使用される冷却塔を離脱したプロセス流体の最低温度又は圧力を計算する例としての方法のフロー図である。
図5】[0012] 図3A及び図3Bの方法とともに使用される冷却サブシステムの最低プロセス流体流量を計算する例としての方法のフロー図である。
図6】[0013] 図3A及び図3Bの方法とともに利用される冷却塔を離脱したプロセス流体の最高温度又は圧力を計算する方法のフロー図である。
図7】[0014] 図3A及び図3Bの方法とともに利用される冷却サブシステムの最大プロセス流体流量を計算する例としての方法のフロー図である。
図8】[0015] 例としての重みづけk最近傍回帰のグラフ表現である。
図9】[0016] 例としてのニューラルネットワーク回帰のグラフ表現である。
図10】[0017] 冷却サブシステムの冷却塔の離脱水温設定点の範囲に対して、重みづけk最近傍回帰及びニューラルネットワーク回帰を使用した機械学習モデルによって予測される例としての冷却サブシステムによる推定エネルギー消費の散布図である。
図11】[0018] 冷却塔の離脱水温設定点の範囲に対して、重みづけk最近傍回帰及びニューラルネットワーク回帰を使用した機械学習モデルによって予測される図10の冷却サブシステムによる推定水使用の散布図である。
図12】[0019] 冷却塔の離脱水温設定点の範囲に対する、重みづけk最近傍回帰及びニューラルネットワーク回帰を使用した機械学習モデルによって予測される図10の冷却サブシステムの推定動作コストの散布図である。
図13】[0020] 重みづけk最近傍回帰を使用した機械学習モデルによって推定されるエネルギー消費、水使用、又は動作コストを最小化するための、冷却サブシステム冷却塔の例としての推奨離脱水温設定点のグラフである。
図14】[0021] ニューラルネットワーク回帰を使用した機械学習モデルによって推定されるエネルギー消費、水使用、又は動作コストを最小化するための、冷却サブシステム冷却塔の例としての推奨離脱温度設定点を示すグラフである。
図15】[0022] 前回の設定点及び前回の動作モードに制約されない冷却サブシステム冷却塔の推奨設定点及び動作モードのフロー図である。
図16】[0023] 前回の設定点及び前回の動作モードに制約される冷却サブシステム冷却塔の推奨設定点及び動作モードのフロー図である。
図17】[0024] 将来の状態の予測に基づく、冷却サブシステムの推奨設定点及び冷却塔動作モードを提供することを含む方法のフロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
[0025] 本開示の一態様によると、機械学習ベース最適化を備えた熱交換器システムが提供される。一実施形態において、熱交換器システムは、プロセス流体に熱を伝達するように構成された、チラー又は水源熱ポンプ等の発熱装置を備えた冷却システムを備える。発熱装置は、別の流体から熱を除去することによって熱を生成してもよい。冷却システムはさらに、プロセス流体から熱を除去するように構成された冷却塔等の熱遮断装置と、冷却システムの変数を検出するように構成されたセンサと、を備える。いくつかの実施形態において、熱遮断装置は、冷却塔に加え、又はその代わりに、熱エネルギー貯蔵システムを備える。例えば熱エネルギー貯蔵システムは、氷蓄熱システム又は冷水貯蔵システムを含み得る。
【0009】
[0026] 冷却システム装置はさらに、潜在的動作パラメータに対する冷却システムのエネルギー消費、水使用、及び化学物質消費のうちの少なくとも1つを推定するために、冷却サブシステムの変数と複数の潜在的パラメータとを機械学習モデルに提供するように構成されたプロセッサ回路を備える。冷却システムの水使用は、例えばシステムに加えられた補給水の容量、システム内を循環している水の流量、及び/又は冷却システムの水ポンプの速度を含み得る。
【0010】
[0027] プロセッサ回路はさらに、少なくとも部分的に、潜在的動作パラメータに対して推定されたエネルギー消費、水使用、及び化学物質消費のうちの少なくとも1つに基づき、目標最適化指標を満たすような冷却システムの最適動作パラメータを判定するように構成される。このように、プロセッサ回路は、冷却システムがいかに様々な動作パラメータに応じるかを予測するために、冷却システムの代表的な機械学習モデルで複数の潜在的動作パラメータを使用した後、目標最適化指標を最も満たすような最適動作パラメータを選択してもよい。
【0011】
[0028] 目標最適化指標は、例えばエネルギー消費の最小化、水使用の最小化、化学物質消費の最小化、又はコストの最小化であってもよい。目標最適化指標は、特定の閾値又は閾値の組み合わせを達成することを含み得る。目標最適化指標は、複数の目標最適化指標を含み得る。例えば目標最適化指標は、閾値水削減、閾値エネルギー削減、及び/又は閾値コスト削減を達成することを含み得る。目標最適化指標を使用することで、特定のシステムに対して、全体的な性能又は最適化が達成されるようにしてもよい。別の例として、目標最適化指標は、エネルギー消費、水使用、及び/又はコストの上限等、限界値で規定されてもよい。
【0012】
[0029] プロセッサ回路は、目標最適化指標を達成する最適化動作パラメータを予測するため、過去(historical)、現在(live)、及び/又は将来のデータに基づいて、予測動的最適化を使用する。一実施形態において、最適動作パラメータは、熱遮断装置の最適動作モード、熱遮断装置を離脱するプロセス流体の最適温度、熱遮断装置を離脱するプロセス流体の最適圧力、及びプロセス流体の最適流量のうちの少なくとも1つを含む。
【0013】
[0030] 一実施形態において、冷却システムは、プロセス流体を発熱装置から熱遮断装置まで汲み上げるように動作可能なポンプを備える。発熱装置、ポンプ、及び熱遮断装置の間の相互作用は、通常、エネルギー消費、水使用、及びシステム動作コストという3つの主な測定基準によって特徴付けられる。プロセッサ回路は、機械学習モデルを使用して、プロセス流体の流量、離脱プロセス流体温度、及び動作モード等の動作条件及びパラメータに対して、これらの測定基準を予測してもよい。予測に基づき、プロセッサ回路は、所与の最適化指標、すなわち、エネルギー消費の最小化、水使用の最小化、又は動作コストの最小化に対する最適動作パラメータを推奨することができる。プロセッサ回路は、冷却サブシステムの実際の動作及び維持コストをより正確に推定するために、水及び化学物質の使用を考慮に入れた機械学習モデルも利用してもよい。コスト推定は、化学処理消費、水処理、水汚染のコスト、及び/又は、関連の水維持コストを含み得る。コスト推定は、予期される構成要素の摩耗及び破断や、使用スケジュールに応じた構成要素の交換等、他の維持コストも追加的又は代替的に含み得る。推奨される最適動作パラメータはまた、所望の最適化指標を達成するために、湿潤、乾燥、ハイブリッド、又は断熱モードで冷却塔を動作するなど、熱遮断装置の動作モードを最適化してもよい。
【0014】
[0031] 一実施形態において、プロセッサ回路は熱遮断装置駆動アプローチを利用し、この場合、最適化は、チラー又は水源熱ポンプを中心とするのではなく、熱遮断装置の動作及び性能によって駆動される。さらに、プロセッサ回路は、現在、過去、及び/又は、予測される将来のデータを使用して、リアルタイムで最適化を実施する。一実施形態において、プロセッサ回路は、過去のデータが不十分であるときに、プロセッサ回路が利用してもよい機械学習モデルに対する工場事前設定を提供するために、発熱装置、ポンプ、及び/又は、熱遮断装置の性能モデルを備えるように構成されたメモリを備える。
【0015】
[0032] 一実施形態において、プロセッサ回路は、潜在的動作パラメータに対する動力消費及び水使用を推定するために、冷却システムの複数の潜在的パラメータを機械学習モデルに提供するように構成される。複数の潜在的動作パラメータは、冷却システムが冷却システムの制限(例えば、最大値及び最小値)で、及び/又は、制限内で動作することのできる動作パラメータの範囲が含み得る。プロセッサ回路はさらに、少なくとも部分的に、推定された動力消費及び水使用に基づき、目標最適化指標を満たすような冷却システムの最適動作パラメータを判定するように構成される。一例として、動作パラメータは、ファン速度、及び/又は、冷却システムの水分散システムによって分配された水の量であってもよい。
【0016】
[0033] 一実施形態において、センサは、冷却システムの不具合を検出するように構成された1つ以上のセンサを含む。プロセッサ回路は、少なくとも部分的に、検出された不具合に基づき、冷却システムの代表的な少なくとも1つの機械学習モデルを提供するために、複数の潜在的動作パラメータを判定するように構成される。次いで、プロセッサ回路は、少なくとも部分的に、検出された不具合に基づき、目標最適化指標を満たすような冷却システムの最適動作パラメータを判定する。例えば、冷却塔の可変速度ファンが不具合であり、固定速度で「オン」のままとなった場合、機械学習モデルに提供される潜在的動作パラメータは固定速度を含み、ファンが完全に動作可能である場合、潜在的動作パラメータは潜在的ファン速度の範囲を含み得る。
【0017】
[0034] 冷却システムは、熱交換を行う様々な構成要素を含み得る。一実施形態において、発熱装置はチラーを含み、熱遮断装置は冷却塔を含む。他の実施形態において、冷却システムはさらに、チラーに対して動作可能に連結されたエアハンドリングユニット(air handling unit)と、チラー及び冷却塔の間にプロセス流体を汲み上げるように構成されたポンプと、を備える。
【0018】
[0035] 一実施形態において、熱遮断装置は、氷又は冷水の貯蔵システム等の蓄熱装置を含む。プロセッサは、蓄熱装置にエネルギーを蓄積又は貯蔵させ、貯蔵したエネルギーを放出させてプロセス流体を冷却するように構成される。蓄熱装置は、エネルギーコストが低いときに蓄積されてもよく、エネルギーコストが高いとき(ピークエネルギー使用時間中)に放出及び使用されてプロセス流体を冷却してもよい。プロセッサ回路は、目標最適化指標を満たすような冷却システムの最適動作パラメータを判定する一部として、蓄熱装置の動作に対する1つ以上の最適動作パラメータを判定してもよい。
【0019】
[0036] 本開示はまた、冷却システム用の熱遮断装置を提供する。熱遮断装置は、プロセス流体を冷却するように動作可能な蒸発熱交換器を有する冷却塔を備える。熱遮断装置は、冷却塔の変数を検出するように構成されたセンサと、センサに対して動作可能に連結されたコントローラと、を備える。コントローラは、目標最適化指標を満たすために、冷却塔の最適動作パラメータを実施するように構成される。最適動作パラメータは、いくつかの例として、冷却塔の動作モード、ファン速度、離脱プロセス流体温度、離脱プロセス流体圧力、及び/又は、蒸発液体分布率を含み得る。
【0020】
[0037] 最適動作パラメータは、潜在的動作パラメータに対する動力消費及び水使用を推定するために、少なくとも部分的に、センサによって検出された冷却塔の変数と複数の潜在的動作パラメータを冷却塔の代表的な機械学習モデルに提供することによって判定される。このように、コントローラによって実施される最適動作パラメータは、以下の固定ルールでなく、複数の潜在的動作パラメータに対する動力消費及び水使用を推定することによって判定されたので、冷却塔は動作中、より効率化され得る。
【0021】
[0038] 本開示はまた、冷却システムを動作させる方法を提供する。この方法は、冷却システムに関連付けられたプロセッサにおいて、冷却システムのセンサによって検出された冷却システムの変数を受信することを含む。この方法は、潜在的動作パラメータに対するエネルギー消費、水使用、及び化学物質使用のうちの少なくとも1つを推定するために、冷却システムの変数と複数の潜在的動作パラメータを冷却システムの代表的な機械学習モデルに提供することを含む。この方法は、少なくとも部分的に、推定された潜在的動作パラメータに対するエネルギー消費、水使用、及び化学物質使用のうちの少なくとも1つに基づき、目標最適化指標を満たすような冷却システムの最適動作パラメータを判定することを含む。この方法はさらに、冷却システムによる最適動作パラメータの利用を有効化することを含む。一実施形態において、プロセッサは、建物のHVAC又は産業用システムのマスターコントローラの構成要素である。別の実施形態において、プロセッサは、クラウドベースのコンピューティングシステムの構成要素であり、冷却システムによる最適動作パラメータの利用を有効化することは、インターネット等のネットワークを介して冷却システムに最適動作パラメータを通信することを含む。
【0022】
[0039] 図1Aに関して、建物のHVACシステムの一部である冷却システム10が提供される。冷却システム10は、建物内に位置決めされる1つ以上のエアハンドリングユニット12と、環境への熱を遮断する冷却塔16、チラー18、及び冷却塔16とチラー18との間でプロセス流体を循環させるように構成されたポンプ20を備える少なくとも1つの冷却サブシステム14と、を備える。冷却サブシステム14はそれ自体が冷却システムであるものの、冷却システム14は冷却システム10全体の構成要素であるため、図1Aの記載に対してサブシステムと称される。
【0023】
[0040] 一実施形態において、冷却システム10は、チラー18及びエアハンドリングユニット12の間に、水又は水/グリコール等のプロセス流体を汲み上げるように動作可能なポンプ23をさらに備える。冷却システム10は、1つ以上のバイパス弁、チラー18の代わりの水源熱ポンプ、及び様々なタイプの凝縮器又は流体冷却デバイスを含む等、様々な構成を有してもよい。冷却システム10はまた、チラーと冷却塔との間、チラーとエアハンドリングユニットとの間、及び/又は、冷却塔とエアハンドリングユニットとの間に、中間熱交換器等の他のデバイスを備えてもよい。さらなる例として、冷蔵システムにおいて、プロセス流体はアンモニアであってもよく、冷却塔は、アンモニアをガスから液体に凝縮する空冷、断熱、ハイブリッド、又は蒸発凝縮器であってもよい。プロセス流体は、チラー18及び塔に向けられるのに先立って、プロセス流体が蒸発するプロセス又は建物の冷却を冷却するために、流れるか又は汲み上げられる。
【0024】
[0041] 一実施形態において、冷却塔16は、ファン22、モータ24、流体分配システム26、及び1つ以上の直接又は間接熱交換器等の熱交換要素28を含むファンアセンブリ21等の気流生成器を備える。一例として、冷却塔16は、水を熱遮断液体として利用してもよく、蒸発流体分配システム26は、水を直接熱交換器上に噴射するが、これは通常、充填剤を含み、ファン22によって生成された気流が水を冷却し、冷却された水が汚水槽30に収集される。
【0025】
[0042] 別の実施形態において、冷却塔16は、間接熱交換器又は熱交換要素28のコイルを通って移動するプロセス流体を利用してもよく、流体分配システム26は、水等の熱遮断液体をコイル上に噴射して、コイル内のプロセス流体を間接的に冷却する。噴射された水は、汚水槽(sump)30に収集され、流体分配システム26に汲み上げて戻される。冷却サブシステム14は、一例として、蒸発で失われた水を補うために、汚水槽30内に補給水を提供する補給水供給を備える。
【0026】
[0043] 例えば図1Bを参照すると、冷却塔10Aは、湿潤モード又は蒸発モードで湿潤に動作してもよく、ハイブリッドモードで部分的に湿潤に動作してもよく、又は周囲状況又はより低い負荷が許容する場合に噴射ポンプ12Aをオフにして乾燥モードで動作することができる。いくつかの実施形態において、冷却塔は、追加的又は代替的に断熱モードで動作することができ、この場合、空気は、水を蒸発させるプロセスで断熱的に冷却され、熱交換器自体が蒸発を伴うことなく動作しつつ、空気を乾球温度から湿球温度により近い値まで変化させる。
【0027】
[0044] 冷却塔の動作の乾燥、湿潤、ハイブリッド、及び断熱モードは、冷却塔の動作特性を反映する。乾燥モードにおいて、冷却塔は、空気への合理的な伝熱のみを伴って、空気に面する間接熱交換器面への水噴射を伴うこととのない、間接熱交換器を有してもよい。湿潤モードにおいて、冷却塔は、外部直接/間接熱交換器面への直接的な水-空気の潜在的且つ合理的な熱遮断を伴う、完全湿潤の直接又は間接の熱交換器を有してもよい。ハイブリッドモードにおいて、冷却塔は、単一パッケージにおける湿潤及び乾燥熱交換器の組み合わせ(例えば、直列及び/又は並列)を有して、冷却塔の水及びエネルギーの消費をより良好に制御できるようにしてもよい。断熱モードにおいて、冷却塔は、2つの熱交換器を直列に有してもよく、通常は、乾燥熱交換器セクションに入る空気に先立って、空気を事前冷却するための水-空気接触を伴う直接熱交換器であってもよい。断熱モードにおける冷却塔は、水供給をオン/オフにすることにより、エネルギー及び水の使用を制御する能力を有してもよい。
【0028】
[0045] 噴射ポンプ12Aは、冷水汚水槽11Aから、最も冷たく冷却された蒸発噴射流体、通常は水を受容し、その水を一次(primary)噴射水ヘッダ19Aに汲み上げ、ここで水はノズル又はオリフィス17Aから出て、間接熱交換器14Aに水を分配する。噴射水ヘッダ19A及びノズル17Aは、間接熱交換器14Aの頂上部に水を均一に分配するように機能する。最も冷たい水が間接熱交換器14Aの頂上部に分配されると、ファンアセンブリ22Bのモータ21Aは、ファンアセンブリ22Bのファン22Aを旋回させ、これは入口ルーバ13Aを通じて間接熱交換器14Aを通じ、その後、偏流がユニットを離脱するのを防ぐように機能する偏流除去機20Aを通じて周囲空気を誘導又は引き込んだ後、暖められた空気が環境に吹き出される。空気は、通常、落下する噴射水に対する逆流方向に流れる。図1Bは、軸方向ファン22がユニットを通じて空気を誘導又は引き込んでいる様子が示され、ファンシステムは、通常、噴射に対して逆流、交差流、又は並行流に誘導又は強制された牽引を含むがこれに限定されないユニットを通じて空気を移動させる任意のスタイルのファンシステムであってもよい。モータ21Aは、速度を変動させてファン22を回転することのできる可変速度モータであってもよい。さらに、モータ21Aは、示されているようにベルト駆動、ギア駆動であってもよく、又はファンに直接接続されてもよい。間接熱交換器14Aは、入口接続パイプ15Aが入口ヘッダ24Aに接続され、出口接続パイプ16Aが出口ヘッダ25Aに接続された様子が示されている。入口接続パイプ15Aは、チラー18等のチラーから水等のプロセス流体を受容してもよく、出口接続パイプ16Aは、ポンプ20等のポンプに水を向けてもよい(図1Aを参照のこと)。入口ヘッダ24A及び出口ヘッダ25Aの相対的位置は入れ替えられてもよく、さもなければ特定のプロセス流体及び特定の設置に応じて構成されてもよい。入口ヘッダ24Aは、間接熱交換器14Aの複数のサーペンタインチューブ回路の入口に接続し、出口ヘッダ25Aは、複数のサーペンタインチューブ回路の出口に接続する。サーペンタインチューブラン18Bは、リターン屈曲セクション18Aに接続される。リターン屈曲セクション18Aは、回路のサーペンタインチューブラン18Bと連続的に形成されてもよく、又はラン18Bの間に溶着されてもよい。
【0029】
[0046] 図1Aに関して、ポンプ20は、冷却塔16からの冷却された水を冷却プロセスライン32に沿ってチラー18の水冷凝縮器34に向け、ここで水は、チラー18からの熱を受ける。次に、水は、熱間プロセス流体ライン36に沿って移動し、流体分配システム26等の冷却塔16まで戻る。一実施形態において、チラー18は、蒸発器40と、圧縮機42と、エアハンドリングユニット12の熱交換器46からの冷水供給44から熱を除去するために、凝縮器34とともに動作する拡張弁45と、を備える。ポンプ23は、チラー18から、エアハンドリングユニット12の熱交換器46に進む冷水流体返却ライン48に沿って水を汲み上げる。
【0030】
[0047] 冷却システム10は、マスターコントローラ50によって制御される建物のHVACシステムの一部であってもよい。マスターコントローラ50は、建物自動化システム、建物管理システム、その他の建物又はプロセスシステム、又は産業プロセスに接続されてもよく、又はその一部であってもよい。マスターコントローラ50は、冷却システム10並びに暖房システムの動作を制御してもよい。冷却システム10は、冷却サブシステム14に動作可能に連結され、ポンプ20、冷却塔16、及びチラー18のうちの少なくとも1つの動作を制御するように構成された冷却サブシステムコントローラ52を備える。冷却サブシステムコントローラ52は、マスターコントローラ50に動作可能に連結され、マスターコントローラ50からの指示に従って冷却サブシステム14を動作させてもよい。冷却サブシステムコントローラ52は、メモリ60、プロセッサ62、及び通信回路64を有する。通信回路64は、マスターコントローラ50、サーバコンピュータ54、及び/又は、ユーザデバイス58と、有線及び/又は無線アプローチを介して通信してもよい。冷却サブシステムコントローラ52は、1つ以上のネットワーク56を介して、マスターコントローラ、サーバコンピュータ54、及び/又は、ユーザデバイス58と通信してもよい。ネットワーク56は、いくつかの例として、相互接続されてもよく、又は別々であってもよい。例示的なネットワーク56は、いくつかの例として、ローカルWi-Fiネットワーク、セルラーネットワーク、及びインターネットが含まれる。ユーザデバイス58は、例えば、スマートフォン、スマートウォッチ、パーソナルコンピュータ、ラップトップコンピュータ、車載ディスプレイであってもよい。ユーザデバイス58は、ユーザに冷却サブシステム14の動作を監視及び/又は調整することを許容するユーザインタフェース59を備える。ユーザインタフェース59は、例えば、スクリーン、タッチスクリーン、マイク、スピーカ、触覚フィードバック生成器、ホログラム、拡張現実ディスプレイのうちの少なくとも1つを備えてもよい。
【0031】
[0048] いくつかの実施形態において、冷却システム10は、複数のポンプ20、冷却塔16、及び/又はチラー18を備えてもよい。例えば冷却システム10は、並列して作用する2つ以上の冷却塔16を備えてもよく、その結果、各冷却塔16が、チラー18からプロセス流体を受容し、プロセス流体をチラー18に返却する。別の例において、冷却塔16は、直列で作用して、第1の冷却塔16がチラー18からプロセス流体を受容した後、プロセス流体が第1の冷却塔16を出て、チラー18に戻るのに先立って、少なくとも1つの他の冷却塔16に流れる。いくつかの実施形態において、冷却システム10は、互いに直列及び並列の双方で作用する複数の冷却塔16を備える。これらの冷却塔16は、乾燥冷却塔、湿潤冷却塔であって、湿潤モードの動作と乾燥モードの動作との間で切り替えられるように構成されるか、又は複数のタイプの冷却塔16の組み合わせであってもよい。冷却システム10は、冷却のために冷却システム10の1つ以上の冷却塔16にプロセス流体を提供する建物内の複数のチラー18を備えてもよい。マスターコントローラ50、冷却サブシステムコントローラ52、及び/又はサーバコンピュータ54は、冷却システム10とその構成要素の動作を制御するように構成されてもよい。
【0032】
[0049] いくつかの実施形態において、冷却システム10は、蓄熱システムをさらに備える。蓄熱システムは、後で冷却システム10によって使用するエネルギーを貯蔵するために冷却された貯蔵媒体を備えてもよい。蓄熱システムの例として、氷蓄熱システム及び冷水蓄熱システムが挙げられる。一例として、氷蓄熱システムは、エネルギーを貯蔵するために氷を作り、次に氷を溶かして冷却システム10が後で冷却するのを助けてもよい。例えば氷蓄熱システムは、冷却塔16がそのエネルギー消費を低減するように、冷却塔16がチラー18からのプロセス流体を冷却するのを助けてもよい。蓄熱システムは、部分蓄熱モードで動作させられてもよく、この場合、蓄熱システムは、チラー18からのプロセス流体の冷却時、又は冷却塔16が動作しておらず、蓄熱システムが冷却をすべて提供する完全蓄熱モードにおいて、冷却塔16を助ける。蓄熱システムは、エネルギーコストが低いとき又はオフピーク時間にエネルギーを貯蔵する(例えば、氷を作る)ように動作し、エネルギーコストが高いとき又はピーク時間にエネルギーを放出(例えば、氷を溶かす)してもよい。したがって、冷却システム10のランニングコストは、蓄熱システムを使用してさらに最小化されてもよい。
【0033】
[0050] 図1Aに関して、冷却サブシステムコントローラ52は、冷却サブシステム14に関する情報をマスターコントローラ50と通信してもよい。以下でさらに詳細に検討されるとおり、冷却サブシステムコントローラ52は、冷却サブシステム14の現在の環境及び動作条件を解析し、及び/又は、1つ以上の推奨パラメータをマスターコントローラ50に提供するために、冷却サブシステム14の将来の環境及び動作条件を予測してもよい。マスターコントローラ50は、少なくとも部分的に、冷却サブシステムコントローラ52からの推奨パラメータに基づき、冷却サブシステム14を制御するように、冷却サブシステムコントローラ52に指示してもよい。別の実施形態において、冷却サブシステムコントローラ52は、マスターコントローラ50から独立して、推奨パラメータを実施する。
【0034】
[0051] サーバコンピュータ54は、プロセッサ70、通信回路72、及び電子ストレージ又はメモリ74を備える。サーバコンピュータ54は、本明細書に記載の動作可能性を提供するように動作するハードウェア、ソフトウェア、及び/又は、ファームウェアを含む。プロセッサ70は、デジタルプロセッサ、情報を処理するように設計されたデジタル回路、及びソフトウェアのうちの少なくとも1つを含み得る。プロセッサ70は、単一のプロセッサ、又は複数のプロセッサを含み得る。プロセッサは、サーバコンピュータのクラウド等、同一又は異なるコンピュータ内に設けられてもよい。メモリ74は、例えば、光学ストレージ、磁気可読記憶媒体、ランダムアクセスメモリ、及び/又は、その他の電子記憶媒体を含み得る。
【0035】
[0052] 一例として、冷却サブシステムコントローラ52は、冷却サブシステム14の1つ以上のセンサからサーバコンピュータ54にデータを通信し、プロセッサ70は、環境及び冷却サブシステム14の変数間の関係を表す1つ以上の機械学習モデル151(図3Bを参照のこと)を展開する。機械学習モデルは、冷却サブシステム14によって推定されたエネルギー、化学物質、及び/又は水使用を得るために、冷却サブシステム14の潜在的動作パラメータをモデルに入力する。サーバコンピュータ54は、より正確な機械学習アルゴリズムを生成するために、異なる施設における冷却サブシステム14からデータを受信してもよい。機械学習モデルは、メモリ74及び/又はメモリ60内に記憶されてもよく、プロセッサ70及び/又はプロセッサ62によって利用されてもよい。他の例として、冷却サブシステムコントローラ52及び/又はマスターコントローラ50は、1つ以上の機械学習モデル151を展開してもよい。
【0036】
[0053] 一実施形態において、プロセッサ70は、1つ以上の機械学習モデル151を経時的に変更し、冷却サブシステム14及び他の設置の冷却サブシステムからより多くの過去のデータが収集されるほど、機械学習モデル151をより正確にするように、強化学習及び自己調整を利用する。プロセッサ70は、調整され得るいくつかの因子として、データ集積率、最適化頻度、及び/又は、モデルハイパーパラメータを調整してもよい。1つ以上の機械学習モデル151を経時的に変更するプロセッサ70の能力は、機械学習モデル151の自律性とアグノスティックな能力(agnostic capability)とを向上させる。強化学習は、予測された変数を測定された変数と比較することと、予測された変数と測定された変数との間の差異に基づき、報酬及び/又はアクション決定を行うことと、を含み得る。プロセッサ70は、1時間毎、日毎、週毎等の固定又は可変の間隔で、1つ以上の機械学習モデル151を自動的に自己調整してもよい。プロセッサ70は、いくつかの例として、ユーザからのリクエスト、又は測定したパラメータが閾値を超過したこと等の事象に応じて、1つ以上の機械学習モデル151を自己調整してもよい。自己調整は、例えば1つ以上の機械学習モデル151への入力として、いずれの係数を使用すべきか、及び/又は、いずれのセンサデータが使用されるべきかを判定することを包含し得る。プロセッサ70はまた、最初にいくつかの機械学習モデル151を使用した後、冷却サブシステム14のために十分な量の過去のデータが一旦集積されると、機械学習モデル151のみを使用する等、いずれの機械学習モデル151を使用するかも判定し得る。別の例として、冷却サブシステムコントローラ52及び/又はマスターコントローラ50は、1つ以上の機械学習モデル151を自己調整してもよい。
【0037】
[0054] 図2に関して、一実施形態において、マスターコントローラ50、冷却サブシステムコントローラ52、及び/又はサーバコンピュータ54は、冷却サブシステム14の特定の目標最適化指標を達成するために、1つ以上の設定点及び冷却塔動作モード等、1つ以上の最適制御設定又は動作パラメータを判定すること86を含む方法80を実施する。冷却サブシステム14の目標最適化指標は、例えばエネルギー消費の最小化、水消費の最小化、化学物質水処理の最小化、及び/又は、冷却サブシステム14の動作コスト及び維持の最小化を含み得る。もう一つの目標最適化指標は、エネルギー消費量やエネルギー供給源(例えば、天然ガス、水力発電、風力等)に依存し得るCO2/グリーンハウスガス放出を最小化することである。方法80は、推奨最適制御アクションを提供するもので、冷却サブシステム14の現在の状態に基づいており、冷却サブシステム14の動作を最適化するために推奨最適制御アクションを実施してもよい。
【0038】
[0055] 方法80は、冷却サブシステム14の各構成要素の動作が他の構成要素に影響を与えることを認識する。方法80は、冷却サブシステム14の構成要素の相互依存性を認識する冷却サブシステム14の機械学習モデルを展開することにより、冷却サブシステム14の所望の動作を提供する全体的なアプローチを提供する。1つのアプローチにおいて、機械学習モデルは、図3Aに示される変数等、冷却サブシステム14の動作を正確に推定するのに重要であると判定された入力変数を利用する。
【0039】
[0056] 図2に関して、方法80は、冷却サブシステム14のセンサからデータを集積すること82と、提供された冷却サブシステム14の複数の潜在的パラメータに基づき、エネルギー及び水の消費を推定するために、潜在的動作パラメータを少なくとも1つの機械学習アルゴリズムに提供すること84と、を含む。方法80はさらに、少なくとも部分的に、推定されたエネルギー及び水の消費に基づき、冷却システム10の推奨又は最適動作パラメータを判定すること86を含む。最適パラメータは、冷却システム10の1つ以上の構成要素の1つ以上の最適設定点、及び/又は、最適動作モードを含み得る。最適パラメータは、冷却システム10の1つ以上の構成要素をオン又はオフにすることを含み得る。冷却システムの最適パラメータは、エネルギー消費の最小化、水消費の最小化、水処理化学物質消費の最小化、又は動作コストの最小化等、冷却サブシステム14の目標最適化指標を達成するパラメータであり得る。
【0040】
[0057] 冷却サブシステム14のセンサからデータを集積すること82は、冷却サブシステム14に対するセンサデータ及び設定点を収集すること90等、冷却サブシステム14の変数を集積することを含む。センサデータ及び設定点は、例えば冷却負荷(建物負荷等)、チラー、水源熱ポンプ(WSHP)、圧縮機、ポンプ、及び熱遮断設備の代表的な1つ以上の変数が含み得る。センサデータはまた、冷却サブシステム14の1つ以上のセンサによって検出された1つ以上の不具合を含み得る。集積すること82はさらに、1つ以上の環境変数についてセンサデータを収集すること92を含む。環境変数は、例えば、空気乾球温度、相対湿度、湿球温度、日付、時間、ユーティリティコスト(例えば、電気及び水)、及び/又は、冷却サブシステム14内で使用される水処理化学物質のコストを含み得る。
【0041】
[0058] 動作を提供すること84は、冷却サブシステム14の1つ以上の機械学習モデルに、冷却サブシステム変数と環境変数とを提供すること94を含み得る。1つ以上の機械学習モデルは、例えば、重みづけk最近傍回帰(w-k-NN)、決定木回帰(DT)、及び/又はニューラルネットワーク回帰(NN)を利用した機械学習モデルを含み得る。機械学習モデルはリアルタイムで更新されてもよい。更新頻度、データ集積期間、及び最適化頻度は、固定であってもよく、又は可変であってもよい。
【0042】
[0059] 集積すること82及び/又は提供すること84は、1つ以上の機械学習モデルで使用するために集積されたデータを処理することを含み得る。処理することは、外れ値への対応、欠落したデータへの対応、及びタイムスタンプ問題の解決等、データのクリーニング及び正規化を含み得る。処理することにより、集積されたデータは機能可能又はアクション可能になり得る。例えばセンサのサンプリングレートは1秒であってもよく、データ集積動作は15分の継続時間を有してもよく、処理することは15分の期間を超えて収集されたデータの平均化を含んでもよい。
【0043】
[0060] 冷却サブシステムコントローラ52には、冷却サブシステム14の設置中、設置者によって選択されるように、冷却サブシステム14の1つ以上のデフォルト機械学習モデルがプリロードされていてもよい。プリロードされた機械学習モデルは、冷却サブシステム14のラフモデル(rough model)を提供する。例えば設置者は、冷却サブシステムコントローラ52に冷却塔16、ポンプ20、及びチラー18の作成及びモデルを提供してもよく、プロセッサ62は、特定された冷却サブシステム14のためのメモリ60からエネルギー及び水消費の機械学習モデルを検索する。1つ以上のプリロードされた機械学習モデルは、測定された環境変数及び動作変数と、エネルギー及び水の消費を含む冷却サブシステム14の対応挙動と、を利用して経時的に精密化されてもよい。別のアプローチにおいて、正確な閾値を満たす過去のデータを使用して冷却サブシステム14のために個別化されたモデルが一旦展開されると、プリロードされた機械学習モデルはもはや使用されなくなる。
【0044】
[0061] 冷却サブシステムコントローラ52は、冷却サブシステム14の動作中、実際の及び/又は推定された異常を検出するように構成されてもよい。冷却サブシステムコントローラ52は、実際の動作データ及び/又は推定された動作データを過去のデータと比較してもよい。冷却サブシステムコントローラ52は、異常を検出すると、マスターコントローラ50、サーバコンピュータ54、及び/又はユーザデバイス58に警告を送ってもよい。冷却サブシステムコントローラ52は、流体又は構成要素の温度等の異常の大きさが最大閾値を越えている場合に警告を送ってもよい。最大閾値は、例えばユーザによって設定されてもよく、製造者によって設定されてもよく、又はクラスタ化アルゴリズム等の少なくとも1つの別の機械学習モデルの出力に基づいて設定されてもよい。別の例として、冷却サブシステムコントローラ52は、所与の期間内に多数の以上が発生した場合に警告を送ってもよい。いくつかの例として、警告は、eメール、アプリケーション通知、サービス用電話通話、及び/又はSMSメッセージを含み得る。代替的又は追加的に、冷却サブシステムコントローラ52は、異常に対処するために冷却サブシステム14の1つ以上の構成要素を調整してもよい。
【0045】
[0062] 提供すること84は、冷却サブシステム14に対する複数の潜在的パラメータに基づき、冷却サブシステム14に対するエネルギー及び/又は水の消費等の冷却サブシステム14の動作を推定するために、1つ以上の機械学習モデルを利用すること96を含む。1つ以上の機械学習モデルに提供される潜在的パラメータは、各々、冷却サブシステム14によって許容される実際の最小値及び最大値に対応する最小値及び最大値を含む。このように、1つ以上の機械学習モデルは、冷却サブシステム14によってアクション可能な潜在的パラメータを提供することに限定されるか、又は冷却サブシステム14、及び/又は、冷却システム10の動作制限内にある。
【0046】
[0063] 判定すること86は、目標最適化指標に応じて、冷却サブシステム14の1つ以上の構成要素の設定点及び/又は動作モード等の冷却サブシステム14の少なくとも1つの最適動作パラメータを提供すること98を含み得る。一形態(one form)において、判定すること86は、機械学習モデルより、冷却サブシステム14の冷却要望を満たすと予測される冷却サブシステム14の1つ以上の最適動作パラメータから、冷却サブシステム14の少なくとも1つの最適動作パラメータを選択することを含む。選択することは、目標最適化指標に基づいて少なくとも1つの最適動作パラメータを選択することを含み得る。次いで、冷却サブシステムコントローラ52は、最適パラメータを実施する99。実施すること99は、提供された最適パラメータに応じて動作するように、冷却サブシステム14の構成要素のうちの1つ以上を調整することを包含し得る。
【0047】
[0064] 図3A及び図3Bに関して、方法80のさらなる詳細が示されている。一形態において、集積すること82は、1つ以上の環境変数と、冷却サブシステム14の1つ以上の動作変数と、を示すセンサデータを収集すること100を含む。環境変数は、例えば冷却塔16の温度センサ77(図1Aを参照のこと)及び湿度センサ79で集められた、空気乾球(DB)、大気圧、相対湿度(RH)変数110を含み得る。集積することは、時刻、日付、月、及び季節等、少なくとも1つの時間関連変数を特定することを含み得る。
【0048】
[0065] 冷却サブシステム14の動作変数に関するセンサデータは、1つ以上のサーミスタ36A等の熱間プロセス流体ライン36上の1つ以上のセンサによって集められ得る進入プロセス流体温度(EPFT:entering process fluid temperature)変数104を含み得る。センサデータはさらに、チラー、水源熱ポンプ、圧縮機、凝縮器水ポンプ(condenser water pump)、及び冷却塔等の冷却サブシステム14の個々の構成要素の各々に対するエネルギー消費変数106を含み得る。冷却塔について、エネルギー消費変数160は、冷却塔の1つ以上のファンのエネルギー消費を含んでもよく、いくつかの実施形態では噴射水ポンプのエネルギー消費を含んでもよい。エネルギー消費変数106は、構成要素によって使用される電流及び/又は電圧を測定する1つ以上のセンサにより、各構成要素から直接測定され得る。エネルギー消費変数106は、例えばキロワット(kW)の単位で測定され得る。センサデータはさらに、1つ以上のサーミスタ32A及び/又は冷却プロセス流体ライン32の圧力センサ32B等のセンサを使用して収集された温度及び/又は圧力等の離脱プロセス流体変数108を含み得る。センサデータはまた、補給水流量変数112を含んでもよく、これは汚水槽30内に配管された補給水の流量をモニタリングする流量計を使用して検出されてもよい。いくつかの例として、流量は、瞬間的な流量測定値又は経時的にメータが出力する合計水消費であってもよい。補給水流量変数112は、いくつかの用途で測定又は計算され得るブローダウン流量(blowdown flow)を含み得る。
【0049】
[0066] 冷却サブシステム14の動作変数に対するセンサデータは、ポンプ20によって生成されるプロセス流体の流量(例えば、ガロン/分(GPM))及びポンプ20の速度等のプロセス流体ポンプ変数114を含み得る。一実施形態において、ポンプ20は、流量を調整可能である。例えば、ポンプ20は可変周波数で駆動してもよく、ポンプ20の速度はポンプ20の電力周波数を測定することによって判定されてもよい。別の用途において、ポンプ20の速度は固定され、プロセス流体流量は一定の値であってもよい。別の例として、冷却サブシステム14はポンプ20を備えず、プロセス流体ポンプ変数114が利用されない。代わりに、圧縮機速度、圧縮機エネルギー消費、凝縮温度、及び/又は、凝縮圧力から測定又は計算された冷媒質量流量が利用されてもよい。
【0050】
[0067] センサデータはさらに、流体分配システム26の噴射ポンプのステータス(オン、オフ、速度、及び/又は圧力)及び/又は流量等の流体分配システム変数116を含み得る。センサデータはさらに、冷却サブシステム14に提供された補給水に添加される化学物質の1時間あたりのグラム数等の化学物質消費変数118を含み得る。冷却システムにおいて通常利用される化学物質は、酸性を中和して金属構成要素を保護するための腐食防止剤(例えば重炭素塩類)、微生物やバイオフィルムの成長を低減する殺藻剤及び殺生物剤(例えば、臭素、塩素、オゾン、過酸化水素、ブリーチ)を含む。さらに、汚染がスケール沈積を形成するのを防ぐためにスケール防止剤(例えばリン酸)が添加されてもよい。化学物質消費変数118は、例えば、冷却サブシステム14の循環プロセス流体に添加される化学物質を含有する容器を計量するスケールによって判定されてもよい。集積すること82はまた、エネルギー、水、及び/又は、化学物質に対する価格設定データ119を受信することを含み得る。価格設定データ119は、変動する現在の「ライブの」価格設定データであってもよく、又は現在の価格設定データが入手可能でない場合は設定された値であってもよい。
【0051】
[0068] センサデータはさらに、冷却サブシステム14の1つ以上の構成要素のステータス(完全に動作可能、限定的能力、又は機能不全)等の構成要素の不具合変数を含み得る。例えばシステム10の1つ以上のセンサにより、冷却サブシステム14の1つ以上の構成要素がもはや機能していないか、又は冷却サブシステムコントローラ52によって動作可能でないようなエラー状態にあるかどうかを検出してもよい。構成要素は、欠損したり、又はサービスもしくは修理が必要になったりすると、もはや機能しなくなり得る。構成要素は、エラー状態になったときにも機能していないと見なされ得る。構成要素は、その構成要素の動作を妨げる特定の状況が存在することを検出すると、エラー状態に入り得る。例えば冷却塔16のファン22が所定の温度を超過すると、センサは、ファン22がエラー状態にあり、ファン22の温度が所定の温度を下回るまで動作できないことを判定し得る。特定の状況が存在するとき、構成要素は、能力が限定されていると判定され得る。例えば冷却塔16のファン22が特定の温度に近づいていると、ファン22は特定の速度を越えて動作できないように構成され得る。別の例として、構成要素は稼働時間の制限を与え得る。例えばファン22は、ファン22の寿命を延ばすために1日10時間を超えて設定速度を超えて動作しないように設定されてもよい。ファン22が稼働時間の制限に近づいているか、又はこれに達したとき、センサデータは、ファン22の能力が限定されていること、すなわち、設定速度を越えて動作し得ないことを示してもよい。以下に検討するように、構成要素の不具合変数を使用して、機械学習モデルに提供するために冷却サブシステム14が動作する潜在的動作パラメータを判定してもよい。
【0052】
[0069] 上述のように、集積すること82は、動作100で収集したセンサデータのうちの1つ以上から変数を導出すること102を含む。例えば冷却負荷120は、進入プロセス流体温度変数104、離脱プロセス流体変数108、及びプロセス流体ポンプ変数114から導出されてもよい。導出された102パラメータはさらに、冷却サブシステム14のすべての構成要素に対して、エネルギー消費変数106の合計であり得るシステムエネルギー消費変数122を含み得る。導出された102変数はさらに、直接測定されるか、空気乾球、大気圧、及び相対湿度変数110から導出されてもよい空気湿球(WB)温度124を含み得る。相対湿度変数は、直接湿球測定にとって替わられてもよい。導出された102変数はさらに、離脱プロセス流体と進入湿球温度との間の差である、アプローチ変数126を含み得る。
【0053】
[0070] 図3Bを参照すると、一実施形態において、冷却サブシステム14の代表的な1つ以上の機械学習モデル151は、システム水消費150とシステムエネルギー消費152とに対する機械学習モデルを含む。提供すること84は、システム水消費150及びシステムエネルギー消費152に対する機械学習モデルに、潜在的パラメータの範囲等、複数の潜在的パラメータを提供することを含む。一実施形態において、提供すること84は、潜在的パラメータの可能なすべての組み合わせ等、潜在的パラメータの可能な組み合わせに対するシステムエネルギー、水消費、及び動作コストを計算する160ために、冷却塔16の動作モード(湿潤、乾燥、ハイブリッド、又は断熱)を含む潜在的パラメータを通じて、離脱プロセス流体温度(LPFT)及び/又は圧力、及びプロセス流体流量に対する値を循環させること154を含む。冷却システム10が複数の冷却塔16を備える場合、提供すること84は、各冷却塔16及び/又は潜在的構成(例えば、直列、並列、又はこれらの組み合わせ)の各々に対する動作ステータス又はモード(例えば、オン、オフ、湿潤、乾燥、断熱等)を含む潜在的パラメータを通じて循環させること154を含み得る。冷却システム10が蓄熱システムを備える場合、提供すること84は、蓄熱システムの潜在的動作モードを通じて循環させること154を含み得る。
【0054】
[0071] 循環させる(154)動作において使用される潜在的パラメータは、冷却サブシステム14の能力を反映する。例えば冷却塔16の可能な動作モードは、冷却塔16によって許容される動作モードによって限定され得る。別の例として、乾燥動作のみ可能な冷却塔16があってもよく、他の冷却塔16は乾燥又は湿潤動作が可能であり、さらに他の冷却塔16は、乾燥、湿潤、ハイブリッド、又は断熱動作が可能である。さらに、冷却塔16からの離脱プロセス流体温度はチラー18によって許容される最高又は最低返却温度に限定され、プロセス流体流量は冷却塔16の最低及び最高流量によって限定され得る。別の例として、潜在的パラメータは、現在動作可能であり、機能不全を起こしていない冷却サブシステム14の構成要素に限定され得る。例えば冷却塔16のファン22が機能不全である場合、潜在的パラメータは、ファン22が動作できないことを反映するようになる。方法80は、図4から図7を参照して以下にさらに詳細に検討するとおり、循環させる154動作において利用され得る潜在的パラメータの最大値及び最小値を判定することを含み得る。
【0055】
[0072] 一実施形態において、1つ以上の機械学習モデル151はまた、化学物質消費機械学習モデル156を含む。化学物質消費機械学習モデル156は、デジタルスケール等、化学物質に関連付けられたセンサにより、化学物質の使用を直接推定してもよい。別のアプローチにおいて、化学物質消費機械学習モデル156は、システム水消費150のための機械学習モデルで予測された水消費と、推定された化学物質消費率(例えば、水1ガロン当たりのキログラム)とを利用することにより、化学物質消費を間接的に推定する。
【0056】
[0073] システム水消費150、システムエネルギー消費152、及び化学物質消費156に対する機械学習モデルは、各々、異なるタイプのモデル化アルゴリズムを利用し得る1つ以上の機械学習モデルを含み得る。例えば、システム水消費150、システムエネルギー消費152、及び化学物質消費156の機械学習モデルでは、各々、図8に示される重みづけk最近傍回帰(w-k-NN)、及び/又は、図9に示され、以下にさらに詳細に検討されるニューラルネットワーク回帰(NN)を利用し得る。冷却サブシステム14の構成要素の設置又は修理の直後等、過去データが限定的である場合、冷却サブシステムコントローラ52は、冷却サブシステム14の動作を推定する際、機械学習モデル151の大まかなガイドを提供するために、冷却サブシステム14の構成要素のうちの1つ以上に対する製造者デフォルトデータを利用し得る。モデル予測の信頼性が低い場合、又は、システムが確実に製造者の予期どおりに動作するように、製造者デフォルトデータはまた、機械学習モデル151とともに使用され得る。システム水消費150、システムエネルギー消費152、及び化学物質消費156に対する機械学習モデルは、例えば、冷却サブシステム14の設備の各ピースに対する冷却サブシステムレベルモデル及び/又は具体的なモデルであり得る。
【0057】
[0074] 提供すること84は、システム水消費150、システムエネルギー消費152、及びシステム化学物質消費156のための機械学習モデルに対して提供される、複数の潜在的冷却サブシステムパラメータに対するシステムエネルギー及び水消費と、動作コストとを計算すること160を含む。計算された水消費は、ブローダウンが含まなくてもよく、集中サイクル(CoC)計算が水使用推定に使用されてもよい。
【0058】
[0075] 図3Bに関して、判定すること86は、冷却塔16の最適動作モードと、冷却塔16を離脱するプロセス流体温度の温度、冷却塔16を離脱するプロセス流体の圧力、及び/又はプロセス流体の流量に対する最適設定点とを、検索すること170を含み得る。検索すること170はさらに、オン/オフされるか、又は直列/並列/組み合わせの構成で動作させられる冷却塔16の最適な組み合わせを検索することを含んでもよく、この場合、冷却システム10は1つを超える数の冷却塔16を含む。検索すること170は、エネルギー消費の最小化、水消費の最小化、水処理化学物質の最小化、又は動作コストの最小化等、冷却サブシステム14に対する所望又は目標最適化指標に基づく検索を調整する。異なる最適化指標により、冷却サブシステム14の所与の動作条件に対して異なる結果をもたらし得る。例えば水が乏しい地理的場所では、冷却サブシステム14のために動作コストを最小化することは、所与の環境及び建物負荷の状況に対して水消費を減らすことを包含してもよく、一方で同一の環境及び建物負荷の状況に対して水がより豊富である地理的エリアにおいてはより多くの水を利用してもよい。別の例として、冷却サブシステム14のために動作コストを最小化することは、結果として、エネルギーがより安価である日中の早い時間には冷却サブシステム14の構成要素のエネルギー消費がより高くなり、1日のより遅い時間でエネルギーがより高価になるときには、エネルギー消費がより少なくなってもよい。
【0059】
[0076] 別の例として、マスターコントローラ50、冷却サブシステムコントローラ52、及び/又はサーバコンピュータ54は、ユーザデバイス58等からのユーザ入力、又はエネルギー消費及び水消費に対する要求応答等の事象に応じて最適化指標を選択してもよい。この点に関する例として、更新可能なエネルギー源(例えば太陽電力)の利用可能な供給に対応するようにエネルギー消費を調整することと、干ばつ中に水消費を調整することと、が含まれる。一実施形態において、マスターコントローラ50は、利用可能な動力及び/又は水を示すユーティリティプロバイダからの通信を受信してもよい。この通信により、マスターコントローラ50は、ユーザ又はマスターコントローラ50によって提供される冷却サブシステムコントローラ52に対する最適化指標を一時的に無効にしてもよい。
【0060】
[0077] 別の例として、目標最適化指標は、特定の時間にスケジュールされてもよく、時刻、曜日、又は月に基づいて変化してもよい。一例として、目標最適化指標は、ピークエネルギー使用時間の間のエネルギー消費を最小化するようにスケジュールされてもよいが、夜間は水使用を最小化するように切り替わってもよい。
【0061】
[0078] 事象に応じて変化する目標最適化指標の別の例として、マスターコントローラ50、冷却サブシステムコントローラ52、及び/又はサーバコンピュータ54が、冷却サブシステム14が1日に割り当てられた水を消費した際に、水消費を最小化する目標最適化指標からエネルギー消費を最小化する目標最適化指標に変化することが挙げられる。1日に割り当てられた水が一旦消費されると、冷却サブシステムの冷却塔は乾燥モードで動作する必要があり得る。目標最適化指標は、水消費を最小化するために目標最適化指標がリセットされる次の日まで、エネルギー消費を最小化するままであり得る。別の例として、目標最適化指標の変化をトリガする事象は、限定的なリソース(例えば、更新可能なエネルギー源からの水、及び/又は、電気)を保存するために目標最適化指標が変化しなければならないというリソース保全アルゴリズムによる判定であってもよい。リソース保全アルゴリズムは、過去、現在、及び予測される将来の環境及び負荷条件に基づいて、限定的なリソースをいかに利用するかを決定するのに、ランクベースの投票方法を利用してもよい。
【0062】
[0079] 事象に応じて目標最適化指標が変化する別の例は、冷却サブシステム14がCO又はグリーンハウスガスの放出を最小化するように構成される場合である。マスターコントローラ50、冷却サブシステムコントローラ52、及び/又はサーバコンピュータ54は、グリッド上の現在の電気のCO/KWhの量に関するデータを受信してもよい。CO/KWhの量は、冷却サブシステム14が動力を引き出すグリッドに動力を提供するエネルギー源に基づいて日毎に変動し得る。CO/KWhの量が所定の閾値を下回った場合、システムは、エネルギー消費の最小化からコスト又は水消費の最小化に切り替わるように構成されてもよい。あるいは、CO/KWhの量が特定の閾値を超過した場合、システムは、システムが効果的に放出するCO/グリーンハウスガスの量を低減するように、エネルギー消費の最小化に切り替わるように構成されてもよい。
【0063】
[0080] 別の例は、冷却システム10によって使用される各リソースのリアルタイムすなわち現在のコストに基づき、異なる目標最適化指標間で切り替わることを含む。例えば、マスターコントローラ50、冷却サブシステムコントローラ52、及び/又はサーバコンピュータ54は、水及び/又はエネルギーのリアルタイム、スケジュールされた、及び/又は予測されたコストを提供するデータを受信してもよい。システムは、リアルタイムコスト/kWが低減したユーティリティによって提供されるピーク負荷削減のインセンティブを考慮に入れてもよい。冷却サブシステム14は、エネルギーのコストが特定の所定の閾値を超過しない限り、水消費を最小化するように構成されてもよい。エネルギーの現在のコストが所定の閾値を上回ると判定される場合、システムは、エネルギー消費の最小化に切り替わってもよい。エネルギーの価格が所定の閾値を下回ったと判定される場合、システムは、水消費の最小化に切り替わってもよい。同様に、システムは、水のコストがある所定の閾値を上回ったと判定される場合、水消費の最小化に切り替わることができる。
【0064】
[0081] 別の例は、冷却システム10の設備に設定された境界パラメータに基づき、目標最適化指標を切り替えることを含む。目標最適化指標により、冷却システム10の1つ以上の構成要素が冷却負荷を満たすように境界パラメータの外で動作することを必要とする場合、目標最適化指標は、冷却システム10のために設定される境界パラメータ内で動作し、冷却負荷を満たすように切り替えられてもよい。例えばいくつかの用途において、チラー18の稼働速度に限度が設定されてもよい。一例として、チラー18は、好適な動作範囲(例えば、40%~85%の間の速度)内で動作するように設定されてもよい。冷却システム10の推奨動作パラメータにより、チラー18に好適な動作範囲外で動作させるのを必要とする場合、目標最適化指標は、チラー18を好適な動作範囲内で動作させるように変更されてもよい。別の例として、冷却システム10のポンプ又はファンは、所与の稼働時間が限定されてもよく、又は所定の速度以上で稼働時間を上回らないように設定されてもよい。したがって、特定の目標最適化指標に対する推奨動作パラメータにより、設備が稼働時間の限度外で動作することを必要とする場合、目標最適化指標は、稼働時間の限度に従うように変更されてもよい。
【0065】
[0082] さらに別の例として、マスターコントローラ50、冷却サブシステムコントローラ52、及び/又はサーバコンピュータ54は、特定の目標最適化指標を満たすように動作している冷却塔16により、チラー18がその設定点を満たすことができない場合、目標最適化指標を切り替えるように構成されてもよい。例えば、冷却塔16が水消費を最小化するように設定され、冷却塔16が水消費を最小化するように動作している間、チラー18がその冷却水温設定点を満たすことができない場合、目標最適化指標は、チラー18がその設定点を満たすことができるように、エネルギー消費又はコストの最小化に切り替えられてもよい。
【0066】
[0083] エネルギー消費の最小化及び水消費の最小化を目的にした場合も、異なる結果を生じさせ得る。一例として、エネルギー消費の最小化は、結果として、冷却サブシステムコントローラ52が、水消費最小化の目的が使用された場合に提供(98)されるプロセス流体流量よりも、所与の環境及び建物負荷に対してより高いプロセス流体流量に対する最適パラメータを提供すること98になり得る。具体的には、エネルギー消費の最小化が使用されるのでなく、目標最小化指標が水消費の最小化であった場合、冷却サブシステムコントローラ52は、プロセス流体流量に対してより低い最適パラメータを提供するものの、冷却塔16のファン22に対してはより速い速度を提供し得る。異なるシステム動作温度、空気温度、湿度、及びシステム設計により、異なる最適パラメータが導かれ得ることが認識されるようになる。
【0067】
[0084] 判定すること86はさらに、目標最適化指標、例えば、最小化されたエネルギー消費、最小化された水消費、又は最小化された動作コストを達成するために、冷却サブシステム14の1つ以上の最適パラメータを提供又は返却すること172を含み得る。1つ以上の最適パラメータは、冷却塔16の最適動作モード、冷却塔16を離脱するプロセス流体の温度、冷却塔16を離脱するプロセス流体の圧力、及び/又はプロセス流体流量を含み得る。一例として、返却すること172は、冷却塔16の湿潤動作と、ポンプ20の可変周波数駆動に対する特定の周波数、又は速度、又は流量を返却することを含み得る。
【0068】
[0085] 図2及び図3Bに関して、実施すること99は、冷却サブシステム14の1つ以上の構成要素を調整すること173を含み得る。例えば、最適パラメータが現在検出されるよりも冷却塔16の離脱プロセス流体温度がより高い又はより低い場合、調整すること173は、離脱プロセス流体温度を下げるためにファン22の速度を上げること、又は離脱プロセス流体温度を上げるためにファン22の速度を下げることを含み得る。他の例として、最適パラメータが現在検出されるよりも冷却塔16の離脱プロセス流体圧力がより高い又はより低い場合、ファン22の速度を上げることで離脱プロセス流体圧力を下げるか、ファン22の速度を下げることで離脱プロセス流体圧力を上げることになろう。代替的又は追加的に、調整すること173は、冷却塔16の離脱プロセス流体温度及び離脱水圧力における段階的変化を達成するために、冷却塔16の動作モードを変更することを含み得る。より具体的には、冷却塔16が50%のファン速度で乾燥モードにて稼働している場合、50%のファン速度を維持しつつ冷却塔16を湿潤モードに切り替えることで、離脱プロセス流体温度及び/又は離脱プロセス流体圧力が著しく下がる。冷却塔16の新たな動作モードでファン速度を増減させることにより、離脱プロセス流体温度及び離脱プロセス流体圧力はさらに調整されてもよい。さらに別の例として、冷却塔16における所与のファン速度及び進入プロセス流体温度に対して、水の流量を上げるためにポンプ20の速度を上げることで離脱プロセス流体温度を上昇させ、水の流量を下げるためにポンプ20の速度を下げることで離脱水温を下げるようになる。別の例として、冷却システム10が蓄熱システムを備える場合、蓄熱システムは、プロセス流体の冷却時に蓄熱システムが冷却塔16に提供する援助を調整するために、完全又は部分蓄熱放出モードに切り替えられてもよい。
【0069】
[0086] 図4に関して、複数の潜在的パラメータを機械学習モデル151に提供すること84は、冷却サブシステム14に対応する各潜在的パラメータに対する最大値及び最小値を提供することを含む。潜在的パラメータは、最高及び最低返却水温等、冷却サブシステム14の限定により、それぞれの場合について限定される。
【0070】
[0087] 機械学習モデル151に提供(84)され得る潜在的パラメータの最小値を判定することは、熱遮断装置を離脱するプロセス流体の最低温度及び/又は圧力を計算するための方法200を含み得る。方法200は、動作100、102及び図3Aを参照して以上に検討したとおり、関連センサデータと導出パラメータとを集めること202を含む。方法200は、予期された熱容量に基づき、熱受容装置に対する最低の許容可能且つ達成可能なプロセス流体温度及び/又は圧力を判定すること204を含む。判定すること204は、許容可能な最低のチラー又は水源熱ポンプ返却プロセス流体温度のユーザ入力又は計算を含み得る。あるいは、判定すること204は最低凝縮温度を含み得る。判定すること204で、結果として参照符号206によって表される最低温度Aを生じる。
【0071】
[0088] 方法200はさらに、熱遮断装置に対する最低プロセス温度及び/又は圧力を判定すること208を含む。例えば、判定すること208は、可能な最低冷却塔又は流体冷却器離脱プロセス流体温度又は圧力の計算を含み得る。判定すること208で、結果として参照符号210で表される変数Bを生じる。方法200はさらに、変数A及びBを比較すること212を含む。変数Aが変数Bより大きい場合、方法200は、その後、変数Aに対して最低離脱プロセス流体温度及び/又は圧力を設定すること214を含む。変数Aが変数B以下である場合、方法200は、変数Bに対して最低離脱プロセス流体温度及び/又は圧力を設定すること216を含む。
【0072】
[0089] 図5に関して、機械学習モデル151に提供(84)され得る潜在的パラメータの最小値を判定することは、冷却サブシステム14の所望の最小プロセス流体流量を計算する方法250を含み得る。方法250は、関連センサデータ変数と導出変数とを集めること252と、熱受容装置に対する最小プロセス流体流量を判定すること254と、を含む。例えば、判定すること254は、チラー又は水源熱ポンプに対して許容可能な最小プロセス流体流量のユーザ入力又は計算を含み得る。方法250はさらに、熱遮断装置に対する最小プロセス流体流量の判定すること256を含み得る。判定すること256は、許容可能な最小冷却塔又は流体冷却器プロセス流体流量の計算を含み得る。流体冷却の例としては、例えばメリーランド州ジェサップのBaltimore Aircoil社によるPFシリーズ、FXVシリーズ、HXV、及びTCFCシリーズの流体冷却器が挙げられる。判定すること256では、結果として、例えば、冷却塔16が乾燥、湿潤、ハイブリッド、及び/又は断熱モードで動作可能であるかに応じて、異なる最小プロセス流体流量を生じさせ得る。方法250は、ポンプ製造者によって供給されるデータに応じて設定され得る最小プロセス流体ポンプ流量を判定すること257を含む。
【0073】
[0090] 判定すること254、256の結果として、変数A258、B260、及びC261を生じる。方法250は、変数A258、B260、及びC261のうちの1つと等しくなるように最小プロセス流体流量を設定すること262を含む。設定すること262は、変数A258が変数C261より大きい場合は最小プロセス流体流量を変数A258に設定し、変数A258が変数C261以下である場合は変数C261に設定し、変数B260が変数C261より大きい場合は変数B260に設定し、変数B260が変数C261以下である場合は変数C261に設定することを含む。
【0074】
[0091] 図6に関して、機械学習モデル151に提供(84)され得る潜在的パラメータの最大値を判定することは、熱遮断装置を離脱したプロセス流体の最高温度及び/又は圧力を計算する方法300を含み得る。方法300は、関連センサデータ変数及び導出変数を集めること302と、熱受容装置の最高プロセス流体温度及び/又は圧力を判定すること304と、を含む。判定すること304は、チラー、水源熱ポンプ、又は凝縮器に対する許容可能な最高プロセス流体温度及び/又は圧力のユーザ入力又は計算を含み得る。方法300はさらに、熱遮断装置の最高プロセス流体温度及び/又は圧力を判定すること306を含み得る。判定すること306はさらに、冷却塔又は流体冷却器に対する許容可能な最高プロセス流体温度及び/又は圧力のユーザ入力又は計算を含み得る。他の例として、判定すること306は、進入水温(範囲が一定に保持される場合)から、又は進入空気湿球温度(アプローチが一定に保持される場合)からの一定のオフセットを使用することを包含し得る。判定すること304、306は、結果として、変数A308及び変数B310を生じる。方法300は、変数A308が変数Bより大きい場合、最高離脱プロセス流体温度及び/又は圧力を変数Bに等しく設定すること312を含む。方法300は、変数A308が変数B310以下である場合、最高離脱プロセス流体温度及び/又は圧力を変数A308に等しく設定すること314を含む。
【0075】
[0092] 図7に関して、機械学習モデルに提供され得る潜在的パラメータの最大値を判定することは、最大プロセス流体流量を計算する方法350を含み得る。方法350は、関連センサデータ変数及び導出変数を集めること352と、熱受容装置の最大プロセス流体流量を判定すること354と、を含む。判定すること354は、チラー又は水源熱ポンプに対する許容可能な最大プロセス流体流量のユーザ入力又は計算を含み得る。方法350は、熱遮断装置の最大プロセス流体流量を判定すること356をさらに含む。判定すること356は、冷却塔又は流体冷却器に対する許容可能な最大プロセス流体流量のユーザ入力又は計算を含み得る。方法350は、ポンプ製造者によって供給されるデータに従って設定され得る、最大プロセス流量を判定すること357を含む。判定すること354、356、357は、結果として、変数A358、変数B360、及び変数C361を生じる。
【0076】
[0093] 方法350は、変数B360が変数C361より大きい場合は変数C361に等しくなるように最大プロセス流体流量を設定し、変数B360が変数361以下である場合は変数B360に設定し、変数C361が変数A358以下である場合は変数C361に設定し、変数C361が変数358より大きい場合は変数A358に設定すること(362)を含む。
【0077】
[0094] 図8及び図9に関して、システム水消費150、システムエネルギー消費152、及び化学物質消費156に対する機械学習モデル151は、各々、1つ以上の機械学習モデルを包含し得る。一例において、機械学習モデル水消費150、エネルギー消費152、及び化学物質消費156は、各々、図8に示される重みづけk最近傍回帰(w-k-NN)400を使用した第1の機械学習モデルと、図9に示されるニューラルネットワーク回帰(NN)450を使用した第2の機械学習モデルを含む、複数の機械学習モデルを含む。
【0078】
[0095] 図8に関して、w-k-NN回帰400は、x軸上の建物負荷402と、y軸上の冷却サブシステム14のエネルギー消費404との間を相互に関連付ける値で訓練されている様子が示されている。図8は一例であり、適用において、図3Aを参照して上述した1つ以上のパラメータについて考慮する。所与の入力x・・・xについて、モデル400では、k-最近傍(例えばk=4)を見出す。次に、w-k-NN回帰400は、入力x・・・xに対する出力値y・・・yを予測するために、k-最近傍の距離に基づき、重みづけ平均を演算する。w-k-NN回帰400を訓練するのに使用される過去のデータは、以前に収集したセンサデータからのデータとともに、現在のデータを含み得る。したがって、所与の建物負荷値402に対して、w-k-NN回帰400を使用した機械学習モデルは、冷却サブシステム14に対する推定エネルギー消費404を提供することが可能になる。同様のアプローチを使用して水消費を推定してもよい。
【0079】
[0096] 図9に関して、ニューラルネットワーク(NN)回帰450は、1つ以上の入力452と出力454との間の関係のニューラルネットワークを生成する。NN回帰450は、入力452と出力454との間の関係をモデル化するために、冷却サブシステム14の過去のデータを利用して、隠蔽層454、h(1)・・・h(n)と出力層456、f・・・fとを展開する。出力454は、例えば冷却サブシステム14のエネルギー消費であり得る。本例において、冷却サブシステム14への負荷、空気乾球温度、空気湿球温度、及び冷却塔16を離脱する水の温度が入力452として提供され、システムエネルギー消費が出力454として提供される。したがって、所与の負荷、空気乾球温度、空気湿球温度、及び離脱水温に対してニューラルネットワーク(NN)回帰450を使用した機械学習モデルは、冷却サブシステム14に対して、推定されたエネルギー消費出力454を提供し得る。同様のアプローチを使用して水消費をモデル化/予測してもよい。
【0080】
[0097] 一例として、図3B及び図10から図12を参照すると、計算すること160は、w-k-NN回帰400及びNN回帰450を備えた機械学習モデルを使用して、冷却塔の動作モード、冷却塔16を離脱するプロセス流体の温度及び圧力、及びプロセス流体の流量の可能な組み合わせに対して、冷却サブシステム14のエネルギー消費(図10)、水消費(図11)、及び動作コスト(図12)を計算することを含む。可能な組み合わせとは、動作モード、離脱プロセス流体温度及び圧力、及びプロセス流体流量の可能なパラメータの可能な組み合わせのすべて、又はこれ未満であってもよい。図4から図7を参照して以上に検討したとおり、個々の潜在的パラメータは、冷却サブシステム14の構成要素を反映する最小値及び最大値を有する。
【0081】
[0098] 図10から図12に関して、冷却サブシステムコントローラ52は、離脱水温設定点502の範囲に対する冷却サブシステム14のエネルギー消費500、水消費501、及び動作コスト503を推定するために、冷却塔16を離脱するプロセス流体の温度範囲、例えば可能な離脱水温設定点502を、水消費機械学習モデル150とシステムエネルギー機械学習モデル152に提供している。図10から図12の散布図は、機械学習モデル150、152の各々について、w-k-NN回帰400又はNN回帰450のいずれかで予測された、可能な離脱水設定点502に対して推定されたエネルギー消費500、水消費501、及び動作コスト503をグラフ表現している。散布図の推定値は、現在の状況に応じて冷却システム14を調整するか否かを決定するために、例えば1時間おきに生成されてもよい。動作コスト503を判定するのに使用されるモデルでは、推定されたエネルギー消費500、推定された水消費501、及び価格設定データ119に含まれるエネルギー及び水のコストを利用してもよい。
【0082】
[0099] 図3B及び図10から図12に関して、判定すること86は、機械学習モデル150、152に対して69°F~84°Fの範囲内の離脱水温を提供することにより、冷却サブシステム14に対する最適動作パラメータを検索すること170を含む。検索すること170は、最小値に対する推定エネルギー消費500、推定水消費501、及び推定コスト503を検索することと、最小値に対応する離脱水温設定点502を判定することと、を含み得る。推定エネルギー消費500、推定水消費501、及び推定コスト503は、冷却サブシステム14の代表的な機械学習モデルを使用して動作パラメータを実施する際、冷却サブシステム14によって使用される推定エネルギー消費及び推定水消費に基づいて判定され得る。例えば図10において、w-k-NN回帰400を使用したエネルギー消費機械学習モデル152によって予測される最小エネルギー消費504は、75°Fの離脱水温設定点で発生する。NN回帰450を使用したエネルギー消費機械学習モデル152によって予測される最小エネルギー消費506は、74°Fの離脱水温設定点で発生する。
【0083】
[00100] 次いで、冷却サブシステムコントローラ52は、w-k-NN回帰400を使用してエネルギー消費機械学習モデル152で予測した最小エネルギー消費を達成するために、冷却サブシステム14に75°Fの所望の離脱水温設定点を有させるように、例えば、冷却塔16の動作モード、流体分配システム26のポンプのステータス、ファン22の速度、及び/又はポンプ20の速度を調整してもよい。本例において、w-k-NN回帰400を使用したエネルギー消費機械学習モデル152は、NN回帰450を使用したエネルギー消費機械学習モデル152よりも高い信頼度を有してもよい。あるいは冷却サブシステムコントローラ52は、NN回帰450を使用したエネルギー消費機械学習モデル152がより高い信頼度を有する場合、74°Fの所望の離脱水温設定点を達成するために、冷却サブシステム14の構成要素を調整してもよい。さらに別の例として、冷却サブシステムコントローラ52は、関連の機械学習モデル152の信頼区間に基づいて重量が温度に割り当てられるようにして、離脱水温74°F、75°Fの重みづけ平均によって判定された離脱水温設定点を達成するために、冷却サブシステム14の構成要素を動作してもよい。
【0084】
[00101] 図11に関して、水消費機械学習モデル150は、69°F~84°Fの離脱水温の範囲に対して、冷却サブシステム14の水消費を推定するために使用されている。w-k-NN回帰400を利用した水消費学習モデル150は、76°Fの離脱水温で最小水消費552を推定し、NN回帰450を利用した水消費学習モデル150では、75°Fの離脱水温で最小水消費550を推定する。冷却サブシステム14の水消費を最小化する目標最適化の目的を達成するために、冷却サブシステムコントローラ52は、例えば、冷却サブシステム14に76°Fの離脱水温設定点を達成させるために、冷却塔16の動作モード、流体分配システム26のポンプのステータス、ファン22の速度、及び/又は、ポンプ20の速度を調整してもよい。冷却サブシステムコントローラ52は、NN回帰450を利用した水消費機械学習モデル150がより高い信頼度を有する場合、75°Fの離脱水温設定点を達成するために冷却サブシステム14の構成要素を同様に調整してもよい。別の例として、最適離脱水温設定点は、75°F及び76°Fの値の重みづけ平均として計算されてもよい。
【0085】
[00102] 図12に関して、動作コスト503は、推定された水消費500、推定された水消費501、及び69°F~84°Fの離脱水温範囲に対するエネルギー及び水のコストを使用して計算されている。w-k-NN回帰400を利用した機械学習モデル150、152によって推定される動作コスト503により、75°Fの液体水温設定点で動作コスト最小値582を推定する。NN回帰450を利用した機械学習モデル150、152によって推定される動作コスト503は、74°Fの温度で動作コスト最小値580を推定する。冷却サブシステムコントローラ52は、冷却サブシステム14の動作コストを最小化する目標最適化指標を達成するために、w-k-NN回帰400に基づいて75°Fの所望の離脱水温設定点を達成し、NN回帰450に基づいて74°Fの所望の離脱水温設定点を達成し、又は75°F及び74°Fから導出された設定点を達成するように、冷却サブシステム14の構成要素の制御設定を調整してもよい。
【0086】
[00103] 図10図11、及び図12を比較すると、w-k-NN回帰400及びNN回帰450を利用した水及びエネルギー消費機械学習モデル150、152は、目標最適化指標が水消費の最小化、エネルギー消費の最小化、又は動作コストの最小化であるかに応じて、異なる推奨離脱水温設定点を提供し得ることは明らかである。このように、方法80は、所望の最適化の目的に合わせて冷却サブシステム14の動作を最適化させる。
【0087】
[00104] 冷却サブシステムコントローラ52は、方法80を連続的又は周期的に実施してもよい。いくつかの例として、方法80の全部又は一部は、例として、季節毎、週毎、月毎、日毎、12時間毎、4時間毎、1時間毎、15分毎、及び/又は30秒毎に実施されてもよい。サンプリングレート及び最適化頻度は経時的に変動してもよく、最適化指標を達成するように調整されるパラメータであってもよい。例えば最適化頻度は、所望の最適化指標を最もよく達成する最適化頻度を判定するために、1時間毎の発生から2時間毎の発生までの間で調整されてもよい。最適化頻度は、例えば、ユーザ、事前に規定されたルールによって及び/又は自律的に調整されてもよい。
【0088】
[00105] 一実施形態において、冷却サブシステムコントローラ52は、15分の期間、データを集積し(82)、判定された最適パラメータを提供84、判定86、及び実施99して、このプロセスを1時間毎に繰り返す。冷却サブシステムコントローラ52はスケジュールに従って方法80を実施してもよい。代替的又は追加的に、冷却サブシステムコントローラ52は、周囲環境又は建物内温度が、閾値を超えるか又は下回る、あるいは所定の温度値範囲を外れる等の事象に応じて方法80を実施してもよい。
【0089】
[00106] 冷却サブシステムコントローラ52は、変化する環境及び冷却サブシステム14の動作条件に基づいて、最適パラメータを連続的に判定する(86)。図13を参照すると、試験は、5hpのファンモータを備えた200トンの冷却塔、同時に動作する2つの7.5hpのポンプ、及び100hpのモータを備えた200トンのチラーを使用して、24時間の期間、北米における60,000平方フィート(square foot)の建物に対するデータを解析する、例としての冷却サブシステムコントローラ52を使用して実施した。図13は、w-k-NN回帰400を使用した水及びエネルギー消費機械学習モデル150、152によって判定された、経時的(608)な、冷却サブシステムコントローラ52による離脱水温設定点推奨607のグラフ600である。グラフ600は、24時間の期間に亘る離脱水設定点推奨607の変動を示している。グラフ600は、建物の冷却サブシステムから1日分のデータを使用して生成した。
【0090】
[00107] グラフ600の異なる線は、エネルギー消費の最小化602、水消費の最小化604、又は動作コストの最小化606を行う目標最適化指標を達成するための、離脱水温設定点推奨607の推定値を示す。グラフ600は、最小離脱水温設定点がチラーの能力に限定された、標準改良ルールベースコントローラを使用して計算された固定アプローチ612を含む。
【0091】
[00108] 601に先立って、冷却サブシステム14はオフになっており、固定アプローチ612は常に計算可能であり、動作条件に基づかないため、固定アプローチ612以外はすべての設定点の値が同一になるようにオフにされる。
【0092】
[00109] 冷却サブシステム14が601で一旦オンになると、水及びエネルギー消費モデル150、152は、現在データの受信を開始し、15分間のサンプリングレートを使用して1時間毎に推奨を開始することができる。推奨602、604、606は、冷却サブシステム14が601でオンになった後、最初は互いに近く、互いに分化して、冷却サブシステム14が601Aでオフになると変更を停止する。
【0093】
[00110] 図13に反映された試験について、冷却システムコントローラ52が離脱水温設定点推奨607を計算する間、実際の離脱水温607は例としての目的のために77°Fで一定に保持される。換言すると、冷却サブシステムコントローラ52は、離脱水温設定点推奨607を計算するものの、冷却サブシステム14の構成要素を調整しなかった。これは最適化推奨602、604、606が観察され得るベースラインを提供するために行われた。
【0094】
[00111] グラフ600において、最適化推奨602、604、606は非常に頻繁に変化し、これは動的最適化の必要性を強調している。具体的には、システム冷却負荷及び周囲状況は頻繁に変動し、エネルギー及び水のコストも動的に変動し得る。最適化推定値602、604、606における大きな変動は、日の出や建物の太陽負荷スパイク等の急激な変化に対する方法80のモデルの応答性を強調している。最適化推奨602、604、606における第1の急激な変化614は、日の出と、人々が建物に来訪してきたことによるものである(おおよそ午前7時~午前9時頃)。太陽が建物の一方側から照らされて周囲温度が安定しているため、朝の残りの時間は比較的安定している。第2の急激な変化616は、午後のはじめ頃に発生する。人々が昼食から戻ってきており、太陽は完全に上り切り、ほとんどが窓で日陰の量が最も少ない建物を照らしている。このような要因により、冷却サブシステム14への負荷が増す。建物は最大に占有されており、太陽が長時間に亘って上っていて建物を加熱しており、周囲空気の温度が最高であるため、午後の負荷は最大である。第3の急激な変化618は、就業日の終わりに建物を去る人々と太陽が沈むこととにリンクされている。
【0095】
[00112] グラフ600において、試験実施場所での水のコストがエネルギーのコストよりはるかに低かったため、最適化推奨602、606は互いにかなり近い。産業上の常識とは対称的に、冷却サブシステム14の構成要素の性能曲線が高度に非線形であるため、水消費、エネルギー消費、又は動作コストを最小化することは、必ずしもエネルギー使用の最小化には繋がらない。グラフ600において、試験実施場所においては水がかなり安価であるため、最小エネルギー最適化推奨602及び最小コスト最適化推奨606はかなり近い。しかしながら図10及び図11は、離脱水設定点の増減を伴う水及びエネルギー消費の増減の割合が非常に異なることを示している。これは相対的なエネルギー及び水のコストに基づくと、最適離脱水温設定点は、エネルギーが水(及び化学物質)に比べて高価であった場合には最小エネルギーの描線に向かって歪み、反対が真の場合には最小流量に向かって歪むか、又は中間のどこかに向かって歪み得るものであることを示している。
【0096】
[00113] 図14に関して、NN回帰450を使用した水及びエネルギー消費機械学習モデル150、152によって判定された、経時的653な、例としての離脱水温設定点推奨651のグラフ650が提供されている。グラフ650は、グラフ600と同一の試験データに基づいているが、異なる図で使用された異なる回帰アプローチは、結果として異なる離脱水温が推奨される。グラフ650の異なる線は、エネルギー消費の最小化652、水消費の最小化654、又は動作コストの最小化656の目標最適化指標を達成するための、離脱水温設定点651の推奨を示している。グラフ650は、一定の離脱水温設定点658と、最低離脱水温がチラーの能力に限定された、標準改良ルールベースコントローラを使用して計算された固定アプローチ660と、を含む。
【0097】
[00114] 推奨652、654、656のスパイク及び値は、モデル化アプローチが異なるものの、全体的な傾向は類似しているため、最適化推定602、604、606のスパイク及び値から変動している。
【0098】
[00115] 図13及び図14を比較すると、水及びエネルギー消費機械学習モデル150、152の離脱水温推奨は、w-k-NN回帰400又はNN回帰450が使用されるかによって変動することが示されている。
【0099】
[00116] 図3B及び図15に関して、最適パラメータを計算すること160、検索すること170、及び返却すること172は、以前のパラメータによって制約されなくてもよい。例えば方法700は、時間t-1において推奨される最適パラメータ702を示している。計算すること160、検索すること170、及び返却すること172は、プロセス流体流量706、離脱プロセス流体温度708、及び動作モード710を含む、時間における現在の推奨最適パラメータ704を提供する。プロセス流体流量706は、時間t-1のプロセス流体流量706Aに関係なく、冷却サブシステム14の最小プロセス流体流量と最大プロセス流体流量との間である。同様に離脱プロセス流体温度708は、離脱プロセス流体温度708Aに関係なく、冷却サブシステム14の最低離脱プロセス流体温度と最高離脱プロセス流体温度との間である。さらに最適動作モード710は、動作モード710Aに制約されることなく判定される。
【0100】
[00117] 図16を参照すると、別の実施形態において、最適パラメータを計算すること160、検索すること170、及び返却すること172のうちの1つ以上は、過去のパラメータに制約され得る。例えば方法750は、時間t-1におけるプロセス流体流量754と、離脱プロセス流体温度756と、動作モード758と、を含む最適パラメータを提供すること752を含む。方法750は、プロセス流体流量762、離脱プロセス流体温度764、及び動作モード766を含む、時間における最適パラメータを計算すること160と、検索すること170と、返却すること172と、を含む。しかしながら、762と754との間の流量の変化は、不安定が生じるのを避けるため所定のΔPF流量768に限定される。さらに、離脱プロセス流体温度764と離脱プロセス温度756との間の差異は、不安定が生じるのを避けるため所定のΔLPFT770に限定される。従って、最大及び最小のプロセス流体流量と離脱プロセス流体温度とは、先の動作値752によって決まる範囲774に制約される。さらに動作モード766は、不安定が生じるのを避けるため、動作モード758により、所定の頻度の動作モード変化に限定される(772)。過去の最適パラメータからの変化への制約は、ユーザが入力した限度、又は冷却サブシステム14の過去のデータに基づいて学習した限界によって設定され得る。いくつかの実施形態において、プロセス流体流量762及び離脱プロセス流体温度764は、離脱冷媒温度又は凝縮器用途の圧力に置き換えられてもよい。
【0101】
[00118] 図17を参照すると、差異がハイライトされるように、以上に検討した方法80と多くの点で類似する方法800が提供される。方法800は、現在の状況ではなく、冷却サブシステム14の将来の状態の予測に基づき、冷却サブシステム14に対する1つ以上の推定最適パラメータを提供する。
【0102】
[00119] 方法800は、冷却システム14の変数を収集すること804を含み、且つ、環境変数を収集すること806を含む、変数を集積すること802を含む。集積すること802はさらに、乾球温度、湿球温度、降雨、及び太陽放射予報等の天気予報データを収集すること808を含む。集積すること802はまた、1日のうちの時間、日、月、及び季節等、少なくとも1つの時間関連変数を特定することを含み得る。方法800は、冷却サブシステム14の将来の動作条件を推定すること810を含む。推定すること810は、エネルギー及び水消費を推定するための上述した機械学習モデルと同様であってもよい建物負荷及びエネルギーコスト予報に対する機械学習モデルを利用すること812を含む。1つの潜在的差異は、入力パラメータであり得る。負荷予報の場合、入力パラメータは、1日/週/年のうちの時間、天気データ(現在及び予報)、及びライブ占有率データのうちの少なくとも1つを含み得る。エネルギーコスト予報について、入力パラメータは、1日/週/年のうちの時間、及び天気データ(現在及び予報)のうちの少なくとも1つを含み得る。推定すること810はさらに、将来の特定の日時における冷却サブシステム14の動作変数を推定すること等、システムの将来の動作状態を規定すること814を含む。規定すること814は、図15を参照して以上に検討したアプローチと同様であってもよいが、(t-1)~(t)まで進む代わりに、方法800は、負荷予報、天気予報、及び推奨設定点/モードを使用すること等、状態(t+n)を予測するために、(t)又は(t-1)におけるデータを使用することを含む。実際のところ、方法800では、動作条件の変化を予想してもよく、将来の動作条件においてあり得る突然の変化を補償するために、次善的に動作することを避けるべく、先を見越した変化を生じる。
【0103】
[00120] このアプローチを使用すると、モデルが将来の冷却システムの予測動作を考慮に入れており、ひいては、より長期間に亘って冷却システムの動作を考慮するため、目標最適化指標を達成することがさらに改善され得る。冷却システムは、いずれの設定が、結果として、特定の瞬間、目標最適化指標を達成するかのみを考慮するものでなく、冷却システムが現在いかにして動作されるべきかを報知するために、予測される冷却システムの将来の動作も使用する。一例として、現在の天候条件が高温で晴れであるものの、天気予報は周囲温度で急な降雨と、数時間にわたる雨を含む場合、冷却システムは、例えばエネルギー及び水の使用を保全するために、将来より涼しくなる周囲温度と雨とを予測して、提供される冷却を低減してもよい。別の例として、冷却システムは、例えば水使用量が政府の規制によって限定される乾燥領域において動作し得る。冷却システムには特定ガロン数の水が1日を通じて使用されるように割り当てられ得る。冷却システムの将来の動作条件を予測して、方法800は、予測された冷却システムの冷却負荷に基づき、冷却システムが1日を通じていつ限定的な水供給を使用すべきかを判定することを包含し得る。いつ水が使用されるかを判定することは、現在及び/又は過去の条件を考慮するのみでなく、目標最適化指標と、1日を通して目標最適化指標がいかに最もよく達成され得るかとに部分的に基づいてもよい。したがって、方法800では、冷却システムの将来の動作条件を予測し、これに応じて現在実施されている制御設定を更新してもよい。
【0104】
[00121] 別の例として、冷却システム10は、予測又は予報されたエネルギー及び/又は水のコストデータを使用して、冷却システム10の動作を導いてもよい。例えばエネルギーコスト又は水コストが将来増えることを知ることにより、冷却システム10に、過去、現在、予測される動作パラメータ及び条件に基づいて冷却システム10の動作を最適化させてもよい。例えば冷却システム10が氷蓄熱システム等の熱エネルギー貯蔵を含む場合、冷却システム10は、エネルギーのコストを低くしつつ、エネルギーを消費して氷を作り、エネルギーのコストが高いときにグリッドからのエネルギー消費を低減するように冷却を行うべく、氷に貯蔵されたエネルギーを放出又は使用するように構成されてもよい。予測又は予報されたエネルギーコストを使用することで、冷却システム10は、将来の変化を予測して、現在の動作パラメータを更新することができる。
【0105】
[00122] 方法800はさらに、以上に検討したモデル151と同様の水及びエネルギー使用機械学習モデル等の1つ以上の機械学習モデルに、複数の潜在的な動作パラメータを提供すること820を含む。提供すること820は、冷却サブシステム14の水及びエネルギー使用機械学習モデルを提供すること822を含み得る。水及びエネルギー使用機械学習モデルは、動作814において規定された将来の動作状態の環境変数と冷却サブシステム変数とを利用してもよい。潜在的パラメータは、各々、冷却サブシステム14の規定された将来の状態に対応する潜在的パラメータに対する最小値及び最大値の範囲内にあってもよい。
【0106】
[00123] 提供すること820はさらに、冷却サブシステム14の規定された将来の状態に基づき、冷却サブシステム14の1つ以上の最適動作パラメータに対して、上述の検索すること170と同様の手法で検索を行うこと824を含む。例えば、検索すること824は、水及びエネルギー消費機械学習モデルによって推定されたエネルギー消費、水消費、及び動作コストの最小値を検索することを含み得る。
【0107】
[00124] 方法800はさらに、水消費の最小化、エネルギー消費の最小化、又は動作コストの最小化等の目標最適化指標に基づき、冷却サブシステム14に対する1つ以上の最適動作パラメータを判定すること830を含む。冷却サブシステムコントローラ52は、冷却サブシステム14が、現在、規定の将来の状態の日時における目標最適化指標を達成すべく動作するように、推奨される1つ以上の最適パラメータを実施してもよい(832)。一実施形態において、方法800は、動作条件の変化を見込むことと、将来の動作条件における潜在的な急の変化を補償するために、次善的に動作することを避けるべく、冷却サブシステム14に先を見越した変化を生じることを含み得る。例えば方法800は、人々が朝に建物に入る数時間前に関連の建物を事前冷却すること、及び/又は、昼休憩及び/又は就業日の終わりを予期して、システム容量を先制して低減すること、を含み得る。建物を事前冷却する決定は、その日の後の時間にエネルギーコストが上昇することによって部分的に駆動されてもよい。代替的又は追加的に、方法800は、システム負荷が低いときに熱エネルギー貯蔵システムに熱エネルギーを蓄積させ、多くの人々が建物に出入りするとき等、冷却システムへの負荷が高いときに熱エネルギー貯蔵システムに熱エネルギーを放出させることを含み得る。別の例として、建物は、1日の特定の時間(例えば午前8時~午後5時)は第1の温度(例えば70°F)に設定され、1日の残りの時間(午後5時から午前8時)は第2の温度(例えば75°F)に設定されてもよい。建物の温度点の変化を見越すことにより、冷却サブシステムコントローラ52は、その瞬間でなく、延長した期間に目標最適化指標を達成する変化を実施してもよい。例えば、以上の例について続けると、方法800を使用することで、結果として、機械学習モデルにより、建物温度が午後5時までに第1の温度設定点から許容可能な範囲内にあると予測した場合、午後5時における建物温度設定点の変化を見越して、午後4時30分以降、冷却システムによる冷却を低減してもよい。
【0108】
[00125] 「a」「an」等の単数の用語の使用は、本明細書中に別途記載があるか、又は文脈からそうでないことが明らかである場合を除き、単数形及び複数形の双方をカバーすることが意図されている。「備える」「有する」「含む」及び「含有する」といった用語は、オープンエンドの用語として理解されなければならない。本明細書において使用される「のうちの少なくとも1つ」というフレーズは、選言的意味で解釈されることが意図されている。例えば「A及びBのうちの少なくとも1つ」というフレーズは、A、B、又はA及びBの双方を網羅することが意図されている。
【0109】
[00126] 本発明の特定の実施形態について図示及び説明されてきたが、当業者には多数の変更及び修正が生じることが理解され、また本発明は、添付の請求項の範囲内にあるこれらの変更及び修正をすべてカバーするものであることが意図される。
図1A
図1B
図2
図3A
図3B
図4
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【国際調査報告】