(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-02-13
(54)【発明の名称】血管内血液ポンプの支持構造
(51)【国際特許分類】
A61M 60/139 20210101AFI20230206BHJP
A61M 60/216 20210101ALI20230206BHJP
A61M 60/416 20210101ALI20230206BHJP
【FI】
A61M60/139
A61M60/216
A61M60/416
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022534456
(86)(22)【出願日】2020-12-11
(85)【翻訳文提出日】2022-07-13
(86)【国際出願番号】 US2020064489
(87)【国際公開番号】W WO2021119413
(87)【国際公開日】2021-06-17
(32)【優先日】2019-12-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】PCT/US2020/062928
(32)【優先日】2020-12-02
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】522220278
【氏名又は名称】プロシリオン インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100124039
【氏名又は名称】立花 顕治
(74)【代理人】
【識別番号】100210251
【氏名又は名称】大古場 ゆう子
(72)【発明者】
【氏名】クリフトン ウィリアム
(72)【発明者】
【氏名】アールズ ロナルド ジー
(72)【発明者】
【氏名】ヘルツォーク ベンジャミン
(72)【発明者】
【氏名】ヒューリング ジェイソン ジェイ
(72)【発明者】
【氏名】ダースト クリストファー エー
(72)【発明者】
【氏名】ベナビデス オマール
(72)【発明者】
【氏名】フェイン エリック エス
【テーマコード(参考)】
4C077
【Fターム(参考)】
4C077AA02
4C077BB10
4C077CC03
4C077DD10
4C077EE01
4C077KK25
(57)【要約】
本明細書で説明する血管内装置を支持する(例えば、その位置特定および/または位置決め)ための改良されたシステムは、例えば、複数要素構成を提供する。支柱の組は、任意に血管内装置から突出し、血管壁と接触する。ポンプの位置特定および位置決めは、支柱によって、および/または位置特定を確実にするために推進力に対向するテザーの使用によって提供されることができる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
血流補助システムであって、
ポンプのポンプハウジング内に配置されたインペラであって、前記ポンプが長手方向軸を含み、前記インペラが、血液を圧送するために血管内で動作するときにスラスト力を生成する、インペラと、
前記インペラと動作可能に結合されたモータと、
前記ポンプの第1の端部に結合されたテザーであって、内部に配置された導体を囲む中空の細長部材を備え、前記導体が、前記テザーの近位端に接続可能な供給源から前記モータに電流を伝達するように構成され、前記テザーが、その両端において反対方向に加えられる荷重に対向するように構成される、テザーと、
前記ポンプの第2の端部に結合された第1の端部と、前記第1の端部の反対側の第2の端部とを有する複数の細長支柱であって、前記複数の細長支柱の各細長支柱が、前記第1の端部と前記第2の端部との間に延在する細長本体を備え、前記複数の細長支柱の各支柱が、横方向荷重が加えられたときに歪みエネルギーを蓄積するように構成された、複数の細長支柱と、
前記複数の細長支柱の前記細長支柱のそれぞれの前記第2の端部に配置された接触パッドであって、各接触パッドが、前記複数の細長支柱の前記対応する細長支柱のすぐ隣の広がりの幅と比較して拡大された幅を有する、接触パッドと、を備え、
使用時に、前記ポンプの前記長手方向軸に沿って導かれる前記インペラによって生成された前記スラスト力の長手方向成分が、前記テザーの前記引張部材によって対向される、血流補助システム。
【請求項2】
前記接触パッドが、前記対応する細長支柱のすぐ隣の広がりの幅よりも大きい直径を有する略円形のパッドを備える、請求項1に記載の血流補助システム。
【請求項3】
前記細長支柱が、前記支柱をシースの管腔に折り畳むのを容易にするために、その前記細長本体に沿って少なくとも1つの屈曲部を備える、請求項1に記載の血流補助システム。
【請求項4】
前記接触パッドのそれぞれが、鋭いエッジまたはフックのない滑らかな表面を含む、請求項1に記載の血流補助システム。
【請求項5】
前記接触パッドのそれぞれが、その側面に面する血管上に凸状の断面プロファイルを備える、請求項1に記載の血流補助システム。
【請求項6】
前記接触パッドのそれぞれが、球状部分を備える、請求項5に記載の血流補助システム。
【請求項7】
前記細長支柱が、前記接触パッドが並置される血管壁組織を局所的に半径方向に拡張させるために展開されたときに大動脈壁に荷重を加えるように構成される、請求項1~6のいずれか一項に記載の血流補助システム。
【請求項8】
前記接触パッドが、血管壁組織がその中に受容されることを可能にするように構成された孔を備える、請求項1~6のいずれか一項に記載の血流補助システム。
【請求項9】
前記接触パッドのそれぞれが、血管壁組織がその中に受容されることを可能にする1つ以上のスカラップ状エッジを備える、請求項1~6のいずれか一項に記載の血流補助システム。
【請求項10】
前記接触パッドのそれぞれがドーム状部分を備える、請求項1~6のいずれか一項に記載の血流補助システム。
【請求項11】
前記中空の細長部材が、前記ポンプハウジングの導入を容易にするために補強部材を受け入れるように構成される、請求項1~6のいずれか一項に記載の血流補助システム。
【請求項12】
前記ポンプが、前記ポンプハウジングの近位部分に結合されたモータハウジングをさらに備え、前記モータが、前記モータハウジング内に配置される、請求項1~6のいずれか一項に記載の血流補助システム。
【請求項13】
前記ポンプの前記長手方向軸を横切る方向に導かれる前記スラスト力の横方向成分が、前記複数の支柱の前記細長支柱のうちの1つ以上の偏向時に前記複数の細長支柱の前記細長支柱のうちの少なくとも1つに蓄積された歪みエネルギーによって対向される、請求項1~6のいずれか一項に記載の血流補助システム。
【請求項14】
請求項1~6のいずれか一項に記載の血流補助システムと、前記ポンプハウジング、前記モータ、前記テザー、および前記複数の細長支柱を受け入れるようなサイズおよび形状のシースと、を備えるキット。
【請求項15】
血流補助システムであって、
ポンプのポンプハウジング内に配置されたインペラであって、前記ポンプが長手方向軸を含み、前記インペラが、血液を圧送するために血管内で動作するときにスラスト力を生成する、インペラと、
前記ポンプハウジングから離れるように延在するテザーであって、その両端において反対方向に加えられる荷重に対向するように構成される、テザーと、
前記ポンプハウジングが配置されている血管壁からの前記ポンプハウジングの間隔を維持するために血管壁に少なくとも断続的に接触するように構成された凸状接触パッドを備える支持構造と、を備える、血流補助システム。
【請求項16】
前記支持構造が、前記ポンプの第2の端部に結合された第1の端部と、前記第1の端部の反対側の第2の端部とを有する複数の細長支柱を備え、前記複数の支柱の各細長支柱が、細長本体を有し、前記第1の端部と前記第2の端部との間に延在し、前記凸状接触パッドが、前記複数の支柱のそれぞれの遠位部分に配置される、請求項15に記載の血流補助システム。
【請求項17】
前記複数の支柱が、第1の複数の支柱および第2の複数の支柱を含み、前記複数の支柱が拡張構成にあるとき、前記第1の複数の支柱の第1の接触パッドが、第1の長手方向位置において前記血管壁と係合するように構成され、前記第2の複数の支柱の第2の接触パッドが、前記第1の長手方向位置から離間した第2の長手方向位置において前記血管壁と係合するように構成される、請求項16に記載の血流補助システム。
【請求項18】
前記支柱の折り畳み構成において、前記支柱の少なくとも一部が、前記ポンプハウジングの主要横方向寸法以下の主要横方向寸法を有する、請求項15から17のいずれか一項に記載の血流補助システム。
【請求項19】
前記接触パッドが、前記ポンプハウジングの遠位および半径方向外側に配置され、前記ポンプハウジングを前記血管壁から離れて保持するために前記ポンプハウジングを前記血管内に保持するように可逆的に偏向することができるように構成される、請求項15から17のいずれか一項に記載の血流補助システム。
【請求項20】
前記接触パッドが、凸状血管係合面を囲む凸状周辺部を備える、請求項15から17のいずれか一項に記載の血流補助システム。
【請求項21】
前記接触パッドが、前記ポンプの長手方向軸を横切って配置された断面平面内に凸状プロファイルを備える、請求項15から17のいずれか一項に記載の血流補助システム。
【請求項22】
前記テザーが、前記テザーの近位端に接続可能な供給源から前記インペラに動作可能に結合されたモータに電流を伝達するように構成された導体を備える、請求項15から17のいずれか一項に記載の血流補助システム。
【請求項23】
前記ポンプが、前記ポンプハウジングの近位部分に結合されたモータハウジングをさらに備え、前記モータが、前記モータハウジング内に配置される、請求項22に記載の血流補助システム。
【請求項24】
前記テザーが、前記患者の体外に配置されるモータに接続された回転可能な駆動シャフトを備える、請求項15から17のいずれか一項に記載の血流補助システム。
【請求項25】
請求項15から17のいずれか一項に記載の血流補助システムと、前記ポンプハウジング、前記テザー、および前記支持構造を受け入れるようなサイズおよび形状のシースと、を備えるキット。
【請求項26】
血流補助システムであって、
ポンプのポンプハウジング内に配置されたインペラであって、前記ポンプが長手方向軸を含み、前記インペラが、血液を圧送するために血管内で動作するときにスラスト力を生成する、インペラと、
前記ポンプハウジングから離れるように延在するテザーであって、その両端において反対方向に加えられる荷重に対向するように構成された、テザーと、を備え、
前記ポンプの前記長手方向軸に沿って導かれる前記インペラによって生成される前記スラスト力の長手方向成分が、前記テザーによって対向され、前記テザーが、前記ポンプと前記血管の血管壁との間の接触を必要とせずに前記血管内の前記ポンプの位置を維持するように構成される、血流補助システム。
【請求項27】
前記ポンプハウジングに結合されるか、または前記ポンプハウジングとともに形成される支持構造をさらに備え、前記支持構造が、前記血管壁に少なくとも断続的に接触して、前記ポンプハウジングが配置される前記血管壁からの前記ポンプハウジングの間隔を維持するように構成される、請求項26に記載の血流補助システム。
【請求項28】
前記支持構造が、前記ポンプハウジングに結合された第1の端部と、前記第1の端部の反対側の第2の端部とを有する複数の細長支柱を備え、前記複数の支柱の各細長支柱が、細長本体を有し、前記第1の端部と前記第2の端部との間に延在している、請求項27に記載の血流補助システム。
【請求項29】
前記複数の支柱のそれぞれの遠位部分に配置された凸状接触パッドをさらに備え、前記凸状接触パッドが、前記血管壁に少なくとも断続的に接触して、前記ポンプハウジングが配置されている血管壁からの前記ポンプハウジングの間隔を維持するように構成される、請求項28に記載の血流補助システム。
【請求項30】
前記複数の支柱が、第1の複数の支柱および第2の複数の支柱を含み、前記複数の支柱が拡張構成にあるとき、前記第1の複数の支柱の第1の接触パッドが、第1の長手方向位置において前記血管壁と係合するように構成され、前記第2の複数の支柱の第2の接触パッドが、前記第1の長手方向位置から離間した第2の長手方向位置において前記血管壁と係合するように構成される、請求項29に記載の血流補助システム。
【請求項31】
前記接触パッドが、前記ポンプハウジングの遠位および半径方向外側に配置され、前記ポンプハウジングを前記血管壁から離れて保持するために前記ポンプハウジングを前記血管内に保持するように可逆的に偏向することができるように構成される、請求項26~30のいずれか一項に記載の血流補助システム。
【請求項32】
前記接触パッドが、凸状血管係合面を囲む凸状周辺部を備える、請求項26~30のいずれか一項に記載の血流補助システム。
【請求項33】
前記接触パッドが、前記ポンプの長手方向軸を横切って配置された断面平面内に凸状プロファイルを備える、請求項26~30のいずれか一項に記載の血流補助システム。
【請求項34】
前記テザーが、前記テザーの近位端に接続可能な供給源から前記インペラに動作可能に結合されたモータに電流を伝達するように構成された導体を備える、請求項26~30のいずれか一項に記載の血流補助システム。
【請求項35】
前記ポンプが、前記ポンプハウジングの近位部分に結合されたモータハウジングをさらに備え、前記モータが、前記モータハウジング内に配置される、請求項34に記載の血流補助システム。
【請求項36】
前記テザーが、前記患者の体外に配置されるモータに接続された回転可能な駆動シャフトを備える、請求項26~30のいずれか一項に記載の血流補助システム。
【請求項37】
請求項26から30のいずれか一項に記載の血流補助システムと、前記ポンプハウジング、前記テザー、および前記支持構造を受け入れるようなサイズおよび形状のシースと、を備えるキット。
【請求項38】
血流補助システムであって、
ポンプのポンプハウジング内に配置されたインペラと、
前記ポンプハウジングに結合されるか、または前記ポンプハウジングとともに形成される複数の支柱を備える支持構造であって、前記複数の支柱が前記ポンプハウジングに対して外向きに延在する拡張構成と、前記ポンプがシース内に配置される折り畳み構成とを有し、前記折り畳み構成では、前記支柱の少なくとも一部が、前記ポンプハウジングの主要横方向寸法以下である主要横方向寸法を有する、支持構造と、を備える、血流補助システム。
【請求項39】
前記支柱の前記少なくとも一部の前記主要横方向寸法が、前記ポンプハウジングの前記主要横方向寸法よりも小さい、請求項38に記載の血流補助システム。
【請求項40】
モータハウジングと、前記モータハウジング内に配置されたモータと、をさらに備え、前記支柱の前記少なくとも一部の前記主要横方向寸法が、前記モータハウジングの主要横方向寸法よりも小さい、請求項38または39に記載の血流補助システム。
【請求項41】
前記支柱の遠位部分に凸状接触パッドをさらに備え、前記凸状接触パッドが、前記ポンプハウジングが配置される血管壁からの前記ポンプハウジングの間隔を維持するために血管壁に接触するように構成される、請求項38または39に記載の血流補助システム。
【請求項42】
血流補助システムであって、
ポンプのポンプハウジング内に配置されたインペラと、
前記ポンプハウジングに結合されるか、または前記ポンプハウジングとともに形成される複数の支柱を備える支持構造であって、前記複数の支柱が前記ポンプハウジングに対して外側に延在する拡張構成と、前記ポンプがシース内に配置される折り畳み構成とを有する支持構造と、を備え、
前記複数の支柱が、第1の複数の支柱および第2の複数の支柱を含み、前記複数の支柱が拡張構成にあるとき、前記第1の複数の支柱の第1の接触パッドが、第1の長手方向位置において前記血管壁と係合するように構成され、前記第2の複数の支柱の第2の接触パッドが、前記第1の長手方向位置から離間した第2の長手方向位置において前記血管壁と係合するように構成される、血流補助システム。
【請求項43】
前記複数の支柱の遠位部分に凸状接触パッドをさらに備え、前記凸状接触パッドが、前記ポンプハウジングが配置されている血管壁からの前記ポンプハウジングの間隔を維持するために血管壁に少なくとも断続的に接触するように構成される、請求項42に記載の血流補助システム。
【請求項44】
前記支柱の前記少なくとも一部の主要横方向寸法が、前記ポンプハウジングの主要横方向寸法よりも小さい、請求項42または43に記載の血流補助システム。
【請求項45】
前記ポンプハウジングから離れるように延在するテザーをさらに備え、前記テザーが、その両端において反対方向に加えられる荷重に対向するように構成される、請求項42または43に記載の血流補助システム。
【請求項46】
血流補助システムであって、
ポンプのポンプハウジング内に配置されたインペラであって、前記ポンプが長手方向軸を含み、前記インペラが、血液を圧送するために血管内で動作するときにスラスト力を生成する、インペラと、
前記ポンプの第1の端部に結合されたテザーと、
前記ポンプの長手方向軸に向かっておよび前記長手方向軸から離れるように弾性的に偏向することができる接触パッドを備える支持構造であって、前記接触パッドの自由状態が、前記ポンプハウジングが展開される血管の半値幅よりも大きい距離だけ前記ポンプの前記長手方向軸から離間しており、前記接触パッドが、前記血管壁の周囲部分が前記接触パッドの接触面から半径方向内側にあるように、前記接触パッドの一部を前記壁内に押し込むのに十分な力を前記血管の壁に加える、支持構造と、を備える、血流補助システム。
【請求項47】
前記接触パッドが、適用時に前記血管の前記壁を引っ掛けることなく係合するように構成される、請求項46に記載の血流補助システム。
【請求項48】
前記接触パッドが、細長部材と、前記細長部材の前記端部に配置された拡大血管壁接触面とを備える、請求項46または47に記載の血流補助システム。
【請求項49】
前記テザーが、前記テザーの近位端に接続可能な供給源から前記インペラと動作可能に結合されたモータに電流を伝達するように構成された導体を備える、請求項46または47に記載の血流補助システム。
【請求項50】
請求項46または47に記載の血流補助システムと、前記ポンプハウジング、前記テザー、および前記支持構造を受け入れるようなサイズおよび形状のシースと、を備えるキット。
【請求項51】
血流補助システムであって、
ポンプであって、
ポンプハウジング内に配置されたインペラと、
前記ポンプハウジングに配置されるか、または前記ポンプハウジングに結合される第1の端部と、前記第1の端部の反対側の第2の端部と、前記第1の端部と前記第2の端部との間に配置された変曲ゾーンとを備える支柱であって、前記第2の端部が、前記ポンプの長手方向軸に向かっておよび前記長手方向軸から離れるように弾性的に偏向することができ、前記支柱の自由状態が、前記第2の端部を前記ポンプの前記長手方向軸から離れるように離間させ、前記支柱の前記第2の端部が、前記血管の壁に係合するように構成される、支柱と、を備える、ポンプと、
前記ポンプの上に配置され、前記第1の端部と前記第2の端部との間で前記支柱を偏向させるように構成された内壁を含むシースと、を備え、
前記支柱が前記シースの前記内壁によって偏向されると、前記支柱の前記第2の端部が前記シースの前記内壁から離間されるように、前記変曲ゾーンが構成される、血流補助システム。
【請求項52】
前記支柱の前記第2の端部がフックを備える、請求項51に記載の血流補助システム。
【請求項53】
前記変曲ゾーンが、前記支柱の第1のスパンと前記支柱の第2のスパンとの間のS字接続を備え、前記第1のスパンおよび前記第2のスパンが平行な軌道に沿って配置される、請求項51または52に記載の血流補助システム。
【請求項54】
前記ポンプの第1の端部に結合されたテザーをさらに備え、前記テザーが、電気的搬送部の近位端に接続可能な供給源に電流を搬送するように構成された導体を備える前記電気的搬送部を備える、請求項51または52に記載の血流補助システム。
【請求項55】
血流補助システムを動作させる方法であって、
患者の血管内の治療位置にポンプを提供することであって、前記ポンプが、シース内に配置されたポンプハウジングと、前記ポンプハウジング内に配置されたインペラと、折り畳み構成で前記ポンプハウジングから延在する複数の細長支柱とを含み、前記複数の支柱の各細長支柱が、その遠位端に凸状接触パッドを含む、提供することと、
前記シースから前記ポンプを取り外すために前記シースと前記ポンプとの間に相対運動を提供することであって、前記複数の細長支柱が、少なくとも1つの凸状接触パッドが前記血管の血管壁と少なくとも断続的に接触して前記血管壁からの前記ポンプの間隔を維持する拡張構成まで半径方向に自己拡張する、提供することと、
前記インペラを回転させて血液を圧送することと、を含む、方法。
【請求項56】
導体を備えるテザーによってモータに電流を搬送することをさらに含み、前記モータが、前記インペラと動作可能に結合され、前記テザーが、前記ポンプに結合され、前記インペラを回転させることが、スラスト力を生成し、前記テザーが前記スラスト力に対向する、請求項55に記載の方法。
【請求項57】
前記シースを前記治療位置に経皮的に送達することと、その後、前記ポンプを前記治療位置に送達することと、をさらに含む、請求項55または56に記載の方法。
【請求項58】
前記接触パッドの一部を前記血管壁内に押し込むことをさらに含む、請求項55または56に記載の方法。
【請求項59】
前記ポンプを前記患者から取り外すことをさらに含む、請求項55または56に記載の方法。
【請求項60】
血流補助システムを動作させる方法であって、
患者の血管内の治療位置にポンプを提供することであって、前記ポンプが、シース内に配置されたポンプハウジングと、前記ポンプハウジング内に配置されたインペラと、折り畳み構成で前記ポンプハウジングから遠位に延在する複数の細長支柱とを含む、提供することと、
前記シースから前記ポンプを取り外すために前記シースと前記ポンプとの間に相対運動を提供することであって、前記複数の細長支柱が、前記複数の細長支柱のうちの少なくとも1つの支柱の端部にある少なくとも1つの接触パッドが前記血管の血管壁と少なくとも断続的に接触して前記ポンプの前記血管壁からの間隔を維持する拡張構成まで半径方向に自己拡張し、前記少なくとも1つの接触パッドが、前記血管壁の周囲部分が前記接触パッドから半径方向内側にあるように、前記血管の前記血管壁に前記接触パッドの一部を押し込むのに十分な力を前記血管壁に加える、提供することと、
前記インペラを回転させて血液を圧送することと、を含む、方法。
【請求項61】
前記シースを前記治療位置に経皮的に送達することと、その後、前記ポンプを前記治療位置に送達することと、をさらに含む、請求項60に記載の方法。
【請求項62】
前記ポンプを前記患者から取り外すことをさらに含む、請求項60または61に記載の方法。
【請求項63】
導体を備えるテザーによってモータに電流を搬送することをさらに含み、前記モータが、前記インペラと動作可能に結合され、前記テザーが、前記ポンプに結合される、請求項60または61に記載の方法。
【請求項64】
血流補助システムを製造する方法であって、
ポンプのポンプハウジング内にインペラを提供することであって、前記ポンプが長手方向軸に沿って配置され、前記インペラが、血液を圧送するために血管内で動作するときにスラスト力を生成する、提供することと、
テザーを前記ポンプの第1の端部と結合することと、
前記ポンプの第2の端部に支持構造を結合することであって、前記支持構造が、前記ポンプハウジングが配置されている血管壁からの前記ポンプハウジングの間隔を維持するために血管壁に少なくとも断続的に接触するように構成された凸状接触パッドを備える、結合することと、を含む、方法。
【請求項65】
前記ポンプのモータハウジング内に前記モータを提供することであって、前記モータハウジングが前記ポンプハウジングの遠位に配置される、提供することをさらに含む、請求項64に記載の方法。
【請求項66】
前記支持構造が、前記ポンプの前記第2の端部に結合された第1の端部と、前記第1の端部の反対側の第2の端部とを有する複数の細長支柱を備え、前記複数の支柱の各細長支柱が、細長本体を有し、前記第1の端部と前記第2の端部との間に延在し、前記複数の細長支柱の各支柱が、前記複数の細長支柱の前記支柱の前記第2の端部に横方向荷重が加えられたときに歪みエネルギーを蓄積するように構成される、請求項64または65に記載の方法。
【請求項67】
前記複数の細長支柱をパターニングすることをさらに含む、請求項66に記載の方法。
【請求項68】
パターニングが、材料シートから前記複数の細長支柱をレーザ切断することを含む、請求項67に記載の方法。
【請求項69】
血流補助システムを動作させる方法であって、
患者の血管内の治療位置にポンプを提供することであって、前記ポンプが、シース内に配置されたポンプハウジングと、前記ポンプハウジング内に配置されたインペラと、前記ポンプハウジングから前記患者の外側に近位に延在するテザーとを含み、前記テザーが、その両端において反対方向に加えられる荷重に対向するように構成される、提供することと、
前記シースから前記ポンプを取り外すために前記シースと前記ポンプとの間の相対運動を提供することと、
スラスト力を生成するために前記インペラを回転させて血液を圧送することと、を含み、
前記ポンプの長手方向軸に沿って導かれる前記インペラによって生成される前記スラスト力の長手方向成分が、前記テザーによって対向され、前記テザーが、前記ポンプと前記血管の血管壁との間の接触を必要とせずに前記血管内の前記ポンプの位置を維持するように構成される、方法。
【請求項70】
前記ポンプが、折り畳み構成で前記ポンプハウジングから遠位に延在する複数の細長支柱を含み、前記複数の支柱の各細長支柱が、その遠位端に凸状接触パッドを含み、相対運動を提供することが、前記複数の細長支柱を、少なくとも1つの凸状接触パッドが前記血管の血管壁と少なくとも断続的に接触して前記血管壁からの前記ポンプの間隔を維持する拡張構成まで半径方向に自己拡張させることを含む、請求項69に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本分野は、血管内血液ポンプのための位置特定および位置決め構造および方法に関する。
【背景技術】
【0002】
(関連出願の相互参照)
本出願は、2019年12月13日に出願された米国仮特許出願第62/947,940号の優先権を主張し、その全内容は、その全体があらゆる目的のために参照により本明細書に組み込まれる。本出願はまた、2019年12月3日に出願された米国仮特許出願第62/943,062号の優先権を主張する2020年12月2日に出願された国際出願第PCT/US2020/062928号の優先権を主張し、これらのそれぞれの全内容は、その全体があらゆる目的のために参照により本明細書に組み込まれる。本出願とともに出願された出願データシートにおいて外国または国内の優先権主張が特定されているあらゆる出願は、米国特許規則1.57の下で参照により本明細書に組み込まれる。
【0003】
心臓補助装置および機械的循環補助の分野では、血液ポンプが使用されて、身体を通って血液を循環させる際に心臓を補助する。これらの血液ポンプのいくつかは、血管内血液ポンプであり、血管内での使用のために設計または適合されている。
【0004】
いくつかの血管内血液ポンプは、血管内ポンプを血管の内壁に固定するためのフックを含むものとして説明されている。フックは、直接的な局所接触を介して、血管の軸に沿った装置の並進および血管の軸を中心とした装置の回転を防止する。
【発明の概要】
【0005】
並進を制限または防止し、回転を制限または防止し、いくつかの解剖学的構造に対するポンプのいくつかの部分の位置を維持するのを助けることができるポンプのための支持または位置特定構造、またはこれらの任意の組み合わせが必要である。位置特定構造は、急性、半急性、半慢性、または慢性使用のために設計されることができる。
【0006】
血液は、装置にとって過酷な環境であり、血管内の血栓、異物、または病原体は、致命的な結果をもたらす可能性がある。予想される使用期間を十分に超えて生体適合性、非血栓形成性および非溶血性である新規な位置特定構造が必要とされている。さらに、新規な位置特定手段の機能および取り外しは、予想される使用期間中に起こり得るあらゆる内皮化と優先的に一致すべきである。
【0007】
血管内装置のための新規な位置特定構造は、好ましくは、材料および表面の生体適合性、血行動態適合性のための設計(血流媒介血栓形成性および溶血および自然な流れの破壊の低減または最小化)、血管または他の解剖学的構造の内部への外傷の低減または最小化、十分な位置特定および動きの自由度、ならびに位置特定装置が提供する治療が完了したときの取り外し可能性を提供する。
【0008】
血管内血液ポンプまたは他の血管内装置などの医療装置のための位置特定および位置決めシステムおよび方法が本明細書に開示される。様々な実施形態は、以下の要素のうちの1つ以上を備える:位置特定されるべき装置から延在する支柱であって、血管壁との一定または断続的な接触を提供する前記支柱;並進を制限し、位置決めを補助するテザー(例えば、電力リード);および位置特定を維持するための推進。
【0009】
いくつかの実施形態では、位置特定および位置決めシステムは、血管壁または他の解剖学的特徴に接触するために装置から遠位方向および半径方向外側に延在する突起である支柱を備える支持構造の一部であるか、またはそれを含むことができる。様々な図示の実施形態は、ポンプハウジングおよびインペラの遠位に延在する支柱を示す。しかしながら、代わりに、支柱のいずれかが代わりにポンプヘッドの近位(例えば、モータハウジングの近位)に延在してもよいことを理解されたい。そのような実施形態では、1つ以上の支柱は、駆動ユニットまたはシュラウドから近位に延在することができる。さらに他の実施形態では、1つ以上の、例えば第1の複数の支柱は、ポンプハウジングおよびインペラの遠位に延在することができ、1つ以上の、例えば第2の複数の支柱は、ポンプヘッドの近位(例えば、モータハウジングの近位)に延在することができる。支柱は、拡張構成での所与の外向きの半径方向力に対して、折り畳み構成での半径方向力および/または拡張構成から折り畳み構成に移動する力が低減される(例えば、最小化される)ように成形、形成、および処理されることができる。
【0010】
支柱は、ニチノールのような生体適合性金属、形状記憶合金、または合金からなるか、または他の方法で形成されてもよく、特定の形状および/または幾何学的形状を有するように設計されてもよい。血管の内壁または何らかの他の解剖学的特徴との一定のまたは断続的な接触を通して、支柱は、位置特定または位置決めまたはその双方を提供することができる。位置決めされる装置は、複数組の支柱を有することができ、これらは、1つ以上の角度または任意の角度で装置から突出することができる。いくつかの実施形態では、支柱は、フックのような特徴を有してもよい。他の実施形態では、支柱は、血管壁の表面と接合するパッドを有してもよい。血管内装置とともに使用するために、支柱は、シース内に嵌合するための折り畳み構成と、位置特定および/または位置決めを提供するための拡張構成とを有することができる。いくつかの実施形態では、支柱は、フックまたは他の特徴が折り畳み構成でシースの内壁に接触するのを防ぐために、膝部(またはねじれもしくは曲がり)を有してもよい。支柱は、拡張構成における所与の外向き半径方向力に対して、折り畳み構成における半径方向力および/または拡張構成から折り畳み構成に移動するのに必要な力が低減または最小化されるように成形、形成、および処理されてもよい。
【0011】
いくつかの実施形態では、位置特定、安定化、および位置決めシステム(または支持構造)は、位置特定および/または位置決めされるべき装置を1つ以上のアンカーまたは接触点に接続する1つ以上のテザーを備えることができる。テザーは、可撓性であってもよく、一方向への並進または回転を優先的に制限してもよい。いくつかの実施形態では、テザーは、追加の機能を有してもよい。1つの非限定的な例として、テザーはまた、位置特定または位置決めされる装置に電力を伝送する電力リードを備えてもよい。
【0012】
いくつかの実施形態では、位置特定、安定化、および位置決めシステムは、推進手段(例えば、様々な実施形態におけるポンプ)を備えることができる。位置特定および/または位置決めされる装置が血管内血液ポンプである場合、いくつかの実施形態では、血液の圧送は、装置の重要な機能である。血液圧送によって生成される推進力または反力は、位置特定および位置決めシステムの一部として使用されることができる。
【0013】
いくつかの実施形態では、位置特定および/または位置決めシステムは、固有の利益または利点をともに提供する上記の要素の組み合わせを備えることができる。
【0014】
本明細書の説明は、以下の詳細な説明がよりよく理解されることができるように、本開示の様々な特徴をかなり広く概説している。本開示のさらなる特徴および利点を以下に説明する。
【0015】
一実施形態では、血流補助システムが開示される。血流補助システムは、ポンプのポンプハウジング内に配置されたインペラであって、ポンプが長手方向軸を備え、インペラが、血液を圧送するために血管内で動作するときにスラスト力を生成する、インペラと、ポンプハウジングから離れるように延在するテザーであって、テザーが、その両端において反対方向に加えられる荷重に対向するように構成される、テザーと、を含むか、またはそれらから本質的になることができる。いくつかの実施形態では、ポンプの長手方向軸に沿って導かれるインペラによって生成されるスラスト力の長手方向成分は、テザーによって対向され、テザーは、ポンプと血管の血管壁との間の接触を必要とせずに血管内のポンプの位置を維持するように構成される。
【0016】
いくつかの実施形態では、システムは、ポンプハウジングに結合されるか、またはポンプハウジングとともに形成される支持構造を含み、支持構造は、ポンプハウジングが配置されている血管壁からのポンプハウジングの間隔を維持するために、血管壁に少なくとも断続的に接触するように構成される。いくつかの実施形態では、支持構造は、ポンプハウジングに結合された第1の端部と、第1の端部の反対側の第2の端部とを有する複数の細長支柱を備え、複数の支柱の各細長支柱は、細長本体を有し、第1の端部と第2の端部との間に延在する。いくつかの実施形態では、システムは、複数の支柱のそれぞれの遠位部分に配置された凸状接触パッドを含み、凸状接触パッドは、ポンプハウジングが配置されている血管壁からのポンプハウジングの間隔を維持するために血管壁に少なくとも断続的に接触するように構成される。いくつかの実施形態では、複数の支柱は、第1の複数の支柱および第2の複数の支柱を含み、複数の支柱が拡張構成にあるとき、第1の複数の支柱の第1の接触パッドは、第1の長手方向位置において血管壁と係合するように構成され、第2の複数の支柱の第2の接触パッドは、第1の長手方向位置から離間した第2の長手方向位置において血管壁と係合するように構成される。いくつかの実施形態では、接触パッドは、ポンプハウジングの遠位および半径方向外側に配置され、ポンプハウジングを血管壁から離れて保持するためにポンプハウジングを血管内に保持するように可逆的に偏向することができるように構成される。いくつかの実施形態では、接触パッドは、凸状血管係合面を囲む凸状周辺部を備える。いくつかの実施形態では、接触パッドは、ポンプの長手方向軸を横切って配置された断面平面内に凸状プロファイルを備える。いくつかの実施形態では、テザーは、テザーの近位端に接続可能な供給源からインペラに動作可能に結合されたモータに電流を伝達するように構成された導体を備える。いくつかの実施形態では、システムは、ポンプハウジングの近位部分に結合されたモータハウジングをさらに含み、モータは、モータハウジング内に配置される。いくつかの実施形態では、テザーは、患者の体外に配置されるモータに接続された回転可能な駆動シャフトを備える。いくつかの実施形態では、キットは、血流補助システムと、ポンプハウジング、テザー、および支持構造を受け入れるようなサイズおよび形状のシースとを備える。
【0017】
別の実施形態では、血流補助システムが開示される。血流補助システムは、ポンプのポンプハウジング内に配置されたインペラであって、ポンプが長手方向軸を含み、インペラが、血液を圧送するために血管内で動作するときにスラスト力を生成する、インペラと、ポンプハウジングから離れるように延在するテザーであって、その両端において反対方向に加えられる荷重に対向するように構成されるテザーと、支持構造と、を含むか、またはそれらから本質的になることができる。
【0018】
いくつかの実施形態では、支持構造は、ポンプハウジングが配置されている血管壁からのポンプハウジングの間隔を維持するために、血管壁に少なくとも断続的に接触するように構成された凸状接触パッドを備える。いくつかの実施形態では、システムは、インペラと動作可能に結合されたモータを含むことができる。いくつかの実施形態では、テザーは、内部に配置された導体を囲む中空の細長部材を備え、導体は、テザーの近位端に接続可能な供給源からモータに電流を伝達するように構成され、テザーは、その対向する端部において反対方向に加えられる荷重に対向するように構成される。いくつかの実施形態では、システムは、ポンプの第2の端部に結合された第1の端部と、第1の端部の反対側の第2の端部とを有する複数の細長支柱を含み、複数の細長支柱の各細長支柱は、第1の端部と第2の端部との間に延在する細長本体を備え、複数の細長支柱の各支柱は、横方向荷重が加えられたときに歪みエネルギーを蓄積するように構成される。いくつかの実施形態では、血流補助システムは、複数の細長支柱の各細長支柱の第2の端部に配置された接触パッドを含み、各接触パッドは、複数の細長支柱の対応する細長支柱のすぐ隣の広がりの幅と比較して拡大された幅を有する。いくつかの実施形態では、使用時に、ポンプの長手方向軸に沿って導かれるインペラによって生成されるスラスト力の長手方向成分は、テザーの引張部材によって対向される。
【0019】
いくつかの実施形態では、接触パッドは、対応する細長支柱のすぐ隣の広がりの幅よりも大きい直径を有するほぼ円形のパッドを備える。いくつかの実施形態では、細長支柱は、シースの管腔への支柱の折り畳みを容易にするために、その細長本体に沿って少なくとも1つの屈曲部を備える。いくつかの実施形態では、接触パッドのそれぞれは、鋭いエッジまたはフックのない滑らかな表面を含む。いくつかの実施形態では、接触パッドのそれぞれは、血管に面する側に凸状の断面プロファイルを備える。いくつかの実施形態では、接触パッドのそれぞれは、球状部分を備える。いくつかの実施形態では、細長支柱は、接触パッドが配置される血管壁組織を局所的に半径方向に拡張するために展開されたときに大動脈壁に荷重を加えるように構成される。いくつかの実施形態では、接触パッドは、血管壁組織がその中に受容されることを可能にするように構成された孔を備える。いくつかの実施形態では、接触パッドのそれぞれは、血管壁組織がその中に受容されることを可能にする1つ以上のスカラップ状エッジを備える。いくつかの実施形態では、接触パッドのそれぞれは、ドーム状部分を備える。いくつかの実施形態では、中空の細長部材は、ポンプハウジングの導入を容易にするために補強部材を受け入れるように構成される。いくつかの実施形態では、ポンプは、ポンプハウジングの近位部分に結合されたモータハウジングをさらに備え、モータは、モータハウジング内に配置される。いくつかの実施形態では、ポンプの長手方向軸を横切る方向に導かれるスラスト力の横方向成分は、複数の支柱のうちの1つ以上の細長支柱の撓み時に複数の細長支柱のうちの少なくとも1つの細長支柱に蓄積された歪みエネルギーによって対向される。いくつかの実施形態では、キットは、血流補助システムと、ポンプハウジング、モータ、テザー、および複数の細長支柱を受け入れるようなサイズおよび形状のシースとを備える。
【0020】
いくつかの実施形態では、支持構造は、ポンプの第2の端部に結合された第1の端部と、第1の端部の反対側の第2の端部とを有する複数の細長支柱を備え、複数の支柱の各細長支柱は、細長本体を有し、第1の端部と第2の端部との間に延在し、凸状接触パッドは、複数の支柱のそれぞれの遠位部分に配置される。いくつかの実施形態では、複数の支柱は、第1の複数の支柱および第2の複数の支柱を含み、複数の支柱が拡張構成にあるとき、第1の複数の支柱の第1の接触パッドは、第1の長手方向位置において血管壁と係合するように構成され、第2の複数の支柱の第2の接触パッドは、第1の長手方向位置から離間した第2の長手方向位置において血管壁と係合するように構成される。いくつかの実施形態では、支柱の折り畳み構成では、支柱の少なくとも一部は、ポンプハウジングの主要横方向寸法以下の主要横方向寸法を有する。いくつかの実施形態では、接触パッドは、ポンプハウジングの遠位および半径方向外側に配置され、ポンプハウジングを血管壁から離れて保持するためにポンプハウジングを血管内に保持するように可逆的に偏向することができるように構成される。いくつかの実施形態では、接触パッドは、凸状血管係合面を囲む凸状周辺部を備える。いくつかの実施形態では、接触パッドは、ポンプの長手方向軸を横切って配置された断面平面内に凸状プロファイルを備える。いくつかの実施形態では、テザーは、テザーの近位端に接続可能な供給源からインペラに動作可能に結合されたモータに電流を伝達するように構成された導体を備える。いくつかの実施形態では、ポンプは、ポンプハウジングの近位部分に結合されたモータハウジングをさらに備え、モータは、モータハウジング内に配置される。いくつかの実施形態では、テザーは、患者の体外に配置されるモータに接続された回転可能な駆動シャフトを備える。
【0021】
別の実施形態では、血流補助システムが開示される。血流補助システムは、ポンプのポンプハウジング内に配置されたインペラと、ポンプハウジングに結合されるか、または前記ポンプハウジングとともに形成される複数の支柱を備える支持構造であって、複数の支柱がポンプハウジングに対して外向きに延在する拡張構成と、ポンプがシース内に配置される折り畳み構成とを有し、折り畳み構成では、支柱の少なくとも一部が、ポンプハウジングの主要横方向寸法以下の主要横方向寸法を有する、支持構造と、を含むか、またはそれらから本質的になることができる。いくつかの実施形態では、支柱の少なくとも一部の主要横方向寸法は、ポンプハウジングの主要横方向寸法よりも小さい。いくつかの実施形態では、血流補助システムは、モータハウジングと、モータハウジング内に配置されたモータとを含み、支柱の少なくとも一部の主要横方向寸法は、モータハウジングの主要横方向寸法よりも小さい。いくつかの実施形態では、血流補助システムは、支柱の遠位部分に凸状接触パッドを含み、凸状接触パッドは、ポンプハウジングが配置されている血管壁からのポンプハウジングの間隔を維持するために血管壁に接触するように構成される。
【0022】
別の実施形態では、血流補助システムが開示される。血流補助システムは、ポンプのポンプハウジング内に配置されたインペラと、ポンプハウジングに結合されるか、またはポンプハウジングとともに形成される複数の支柱を備える支持構造であって、複数の支柱がポンプハウジングに対して外向きに延在する拡張構成と、ポンプがシース内に配置される折り畳み構成とを有し、複数の支柱が第1の複数の支柱および第2の複数の支柱を含み、複数の支柱が拡張構成にあるとき、第1の複数の支柱の第1の接触パッドが第1の長手方向位置において血管壁と係合するように構成され、第2の複数の支柱の第2の接触パッドが、第1の長手方向位置から離間した第2の長手方向位置において血管壁と係合するように構成される、支持構造と、を含むか、またはそれらから本質的になることができる。いくつかの実施形態では、血流補助システムは、複数の支柱の遠位部分に凸状接触パッドを含み、凸状接触パッドは、ポンプハウジングが配置されている血管壁からのポンプハウジングの間隔を維持するために血管壁に少なくとも断続的に接触するように構成される。いくつかの実施形態では、支柱の少なくとも一部の主要横方向寸法は、ポンプハウジングの主要横方向寸法よりも小さい。いくつかの実施形態では、血流補助システムは、ポンプハウジングから離れるように延在するテザーを含み、テザーは、その両端において反対方向に加えられる荷重に対向するように構成される。
【0023】
別の実施形態では、血流補助システムが開示される。血流補助システムは、ポンプのポンプハウジング内に配置されたインペラであって、ポンプが長手方向軸を含み、インペラが、血液を圧送するために血管内で動作するときにスラスト力を生成する、インペラと、ポンプの第1の端部に結合されたテザーと、ポンプの長手方向軸に向かっておよび長手方向軸から離れるように弾性的に偏向することができる接触パッドを備える支持構造であって、接触パッドの自由状態が、ポンプハウジングが展開される血管の半値幅よりも大きい距離だけポンプの長手方向軸から離間しており、接触パッドが、血管壁の周囲部分が接触パッドの接触面から半径方向内側にあるように、接触パッドの一部を壁内に押し込むのに十分な力を血管の壁に加える、支持構造と、を含むか、またはそれらから本質的になることができる。いくつかの実施形態では、接触パッドは、適用されたときに血管の壁を引っ掛けることなく係合するように構成される。いくつかの実施形態では、接触パッドは、細長部材と、細長部材の端部に配置された拡大血管壁接触面とを備える。いくつかの実施形態では、テザーは、テザーの近位端に接続可能な供給源からインペラと動作可能に結合されたモータに電流を伝達するように構成された導体を備える。
【0024】
別の実施形態では、血流補助システムが開示される。血流補助システムは、ポンプハウジング内に配置されたインペラと、ポンプハウジングに配置されるか、またはポンプハウジングに結合される第1の端部と、第1の端部の反対側の第2の端部と、第1の端部と第2の端部との間に配置された変曲ゾーンとを備える支柱であって、第2の端部が、ポンプの長手方向軸に向かっておよび長手方向軸から離れるように弾性的に偏向することができ、支柱の自由状態が、第2の端部をポンプの長手方向軸から離れるように離間させ、支柱の第2の端部が、血管の壁と係合するように構成される、支柱と、を備えるポンプを含むか、またはそれらから本質的になることができる。システムは、ポンプの上に配置され、支柱をその第1の端部と第2の端部との間で偏向させるように構成された内壁を備えるシースを含むか、またはシースから本質的になることができ、支柱がシースの内壁によって偏向されると、支柱の第2の端部がシースの内壁から離間するように、変曲ゾーンが構成される。いくつかの実施形態では、支柱の第2の端部は、フックを備える。いくつかの実施形態では、変曲ゾーンは、支柱の第1のスパンと支柱の第2のスパンとの間のS字接続を備え、第1のスパンおよび第2のスパンは、平行な軌道に沿って配置される。いくつかの実施形態では、血流補助システムは、ポンプの第1の端部に結合されたテザーを含み、テザーは、電気的搬送部の近位端に接続可能な供給源との間で電流を搬送するように構成された導体を備える電気的搬送部を備える。
【0025】
別の実施形態では、血流補助システムを動作させる方法である。本方法は、患者の血管内の治療位置にポンプを提供することであって、ポンプが、シース内に配置されたポンプハウジングと、ポンプハウジング内に配置されたインペラと、折り畳み構成でポンプハウジングから延在する複数の細長支柱とを含み、複数の支柱の各細長支柱が、その遠位端に凸状接触パッドを含む、提供することと、シースからポンプを取り外すためにシースとポンプとの間に相対運動を提供することであって、複数の細長支柱が、少なくとも1つの凸状接触パッドが血管の血管壁と少なくとも断続的に接触して血管壁からのポンプの間隔を維持する拡張構成まで半径方向に自己拡張する、提供することと、インペラを回転させて血液を圧送することと、を含むか、またはそれらから本質的になることができる。いくつかの実施形態では、本方法は、導体を備えるテザーによってモータに電流を搬送することであって、モータがインペラと動作可能に結合され、テザーがポンプに結合され、インペラを回転させるとスラスト力が生成され、テザーがスラスト力に対向する、搬送することを含む。いくつかの実施形態では、本方法は、シースを治療位置に経皮的に送達することと、その後、ポンプを治療位置に送達することとを含む。いくつかの実施形態では、本方法は、接触パッドの一部を血管壁内に押し込むことを含む。いくつかの実施形態では、本方法は、ポンプを患者から取り外すことを含む。
【0026】
別の実施形態では、血流補助システムを動作させる方法が開示される。本方法は、患者の血管内の治療位置にポンプを提供することであって、ポンプが、シース内に配置されたポンプハウジングと、ポンプハウジング内に配置されたインペラと、折り畳み構成でポンプハウジングから遠位に延在する複数の細長支柱とを含む、提供することと、シースからポンプを取り外すためにシースとポンプとの間に相対運動を提供することであって、複数の細長支柱が、複数の細長支柱のうちの少なくとも1つの支柱の端部にある少なくとも1つの接触パッドが血管の血管壁と少なくとも断続的に接触してポンプの血管壁からの間隔を維持する拡張構成まで半径方向に自己拡張し、少なくとも1つの接触パッドが、血管壁の周囲部分が接触パッドから半径方向内側にあるように、血管の血管壁に接触パッドの一部を押し込むのに十分な力を血管壁に加える、提供することと、インペラを回転させて血液を圧送することと、を含むか、またはそれらから本質的になることができる。いくつかの実施形態では、本方法は、シースを治療位置に経皮的に送達することと、その後、ポンプを治療位置に送達することとを含む。いくつかの実施形態では、本方法は、ポンプを患者から取り外すことを含む。いくつかの実施形態では、本方法は、導体を備えるテザーによってモータに電流を搬送することであって、モータがインペラと動作可能に結合され、テザーがポンプに結合される、搬送することを含む。
【0027】
別の実施形態では、血流補助システムを製造する方法が開示される。本方法は、ポンプのポンプハウジング内にインペラを提供することであって、ポンプが長手方向軸に沿って配置され、インペラが、血液を圧送するために血管内で動作するときにスラスト力を生成する、提供することと、テザーをポンプの第1の端部と結合することと、ポンプの第2の端部に支持構造を結合することであって、支持構造が、ポンプハウジングが配置されている血管壁からのポンプハウジングの間隔を維持するために血管壁に少なくとも断続的に接触するように構成された凸状接触パッドを備える、結合することと、を含むか、またはそれらから本質的になることができる。いくつかの実施形態では、本方法は、ポンプのモータハウジング内にモータを提供することであって、モータハウジングが、ポンプハウジングの遠位に配置される、提供することを含む。いくつかの実施形態では、支持構造は、ポンプの第2の端部に結合された第1の端部と、第1の端部の反対側の第2の端部とを有する複数の細長支柱を備え、複数の支柱の各細長支柱は、細長本体を有し、第1の端部と第2の端部との間に延在し、複数の細長支柱の各支柱は、複数の細長支柱の支柱の第2の端部に横方向荷重が加えられたときに歪みエネルギーを蓄積するように構成される。いくつかの実施形態では、本方法は、複数の細長支柱をパターニングすることを含む。いくつかの実施形態では、パターニングは、材料のシートから複数の細長支柱をレーザ切断することを含む。
【0028】
別の実施形態では、血流補助システムを動作させる方法が開示される。本方法は、患者の血管内の治療位置にポンプを提供することであって、ポンプが、シース内に配置されたポンプハウジングと、ポンプハウジング内に配置されたインペラと、ポンプハウジングから患者の外側に近位に延在するテザーとを含み、テザーが、その両端において反対方向に加えられる荷重に対向するように構成される、提供することと、シースからポンプを取り外すためにシースとポンプとの間の相対運動を提供することと、血液を圧送し、スラスト力を生成するためにインペラを回転させることであって、ポンプの長手方向軸に沿って導かれるインペラによって生成されたスラスト力の長手方向成分がテザーによって対向され、テザーが、ポンプと血管の血管壁との間の接触を必要とせずに血管内のポンプの位置を維持するように構成される、回転させることと、を含むか、またはそれらから本質的になることができる。いくつかの実施形態では、ポンプは、折り畳み構成でポンプハウジングから遠位に延在する複数の細長支柱を含み、複数の支柱の各細長支柱は、その遠位端に凸状接触パッドを含み、相対運動を提供することは、複数の細長支柱を、少なくとも1つの凸状接触パッドが血管の血管壁と少なくとも断続的に接触して血管壁からのポンプの間隔を維持する拡張構成まで半径方向に自己拡張させることを含む。
【図面の簡単な説明】
【0029】
これらおよび他の特徴、態様および利点は、図面を参照して以下に説明されるが、これらは例示を目的としており、決して実施形態の範囲を限定するものとして解釈されるべきではない。さらにまた、異なる開示された実施形態の様々な特徴が組み合わせられて、本開示の一部である追加の実施形態を形成することができる。図面において、同様の参照符号は、同様の実施形態を通して一貫して対応する特徴を示す。以下、各図について簡単に説明する。
【0030】
【
図1A】様々な実施形態にかかる血流補助システムの概略斜視部分分解図である。
【0031】
【
図1B】
図1Aの血流補助システムの遠位部分におけるポンプの概略斜視図である。
【0032】
【0033】
【
図1D】様々な実施形態にかかるモータハウジングの概略側断面図である。
【0034】
【
図1E】モータおよびモータ取り付け支持部の概略斜視図である。
【0035】
【
図1F】モータに電力を供給するように構成された導体を受け入れるように成形された管腔を有する電力リードの遠位端の概略斜視図である。
【0036】
【
図1G】電力リードの近位端部分の概略斜視図である。
【0037】
【
図1H】送達シース内に折り畳み構成で配置されたポンプの概略側面図である。
【0038】
【
図1I】いくつかの実施形態にかかる、ポンプを取り外すために使用される回収機構の概略斜視図である。
【0039】
【
図1J】ポンプの使用時に患者の外部に配置されるように構成されたモータに駆動軸が結合されている代替実施形態の断面図である。
【0040】
【
図2A】一実施形態にかかる、位置特定システムの正面斜視図を示す画像である。
【0041】
【0042】
【
図2C】
図2Bの位置特定システムのためのレーザ切断パターンの概略平面図である。
【0043】
【
図2D】ドーム状または球状接触パッドを有する支柱の概略側面図である。
【0044】
【
図2E】いくつかの実施形態にかかる、血管壁内に枕打ちする接触パッドの概略斜視図である。
【0045】
【0046】
【0047】
【
図3A】別の実施形態にかかる位置特定システムの正面斜視図の画像である。
【0048】
【0049】
【0050】
【0051】
【
図3E】組み立て前のレーザ切断パターンにおける位置特定システムの概略平面図である。
【
図3F】組み立て前のレーザ切断パターンにおける位置特定システムの概略平面図である。
【0052】
【0053】
【
図4A】接触パッド、テザー、および推進を有する支柱を組み込んだ位置特定および位置決めシステムを送達および展開する方法を示している。
【
図4B】接触パッド、テザー、および推進を有する支柱を組み込んだ位置特定および位置決めシステムを送達および展開する方法を示している。
【
図4C】接触パッド、テザー、および推進を有する支柱を組み込んだ位置特定および位置決めシステムを送達および展開する方法を示している。
【
図4D】接触パッド、テザー、および推進を有する支柱を組み込んだ位置特定および位置決めシステムを送達および展開する方法を示している。
【
図4E】接触パッド、テザー、および推進を有する支柱を組み込んだ位置特定および位置決めシステムを送達および展開する方法を示している。
【0054】
【
図5A】別の実施形態にかかる、折り畳み構成の位置特定システムの概略斜視図である。
【0055】
【
図5B】
図5Aのシステムのためのレーザ切断設計の概略平面図である。
【0056】
【
図6】様々な実施形態にかかる複数の支柱の概略側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0057】
ここで図面を参照すると、図示された要素は必ずしも縮尺通りに示されておらず、同様のまたは類似の要素は、いくつかの図を通して同じ参照符号によって示されている。
【0058】
一般に図面を参照すると、例示は、本開示の特定の実施態様を説明するためのものであり、それに限定することを意図するものではないことが理解されよう。本明細書で使用される用語の大部分は、当業者に認識可能であるが、明示的に定義されていない場合、用語は、当業者によって現在受け入れられている意味を採用すると解釈されるべきであることを理解されたい。
【0059】
I.血流補助システムの概要
本明細書に開示される様々な実施形態は、
図1A~
図1Iに示すように、患者に循環支援を提供するように構成された血流補助システム1に関する。システム1は、患者の循環系内の治療位置、例えば患者の下行大動脈内の位置への血管内送達のためのサイズにすることができる。
図1Aに示すように、システム1は、外部制御システム、例えばコンソール(図示せず)に接続するように構成されたコネクタ23を有する近位端21を有することができる。コネクタ23は、制御システムと、コネクタ23および近位端21から長手方向軸Lに沿って遠位に延在する電力リード20との間の電気通信を提供することができる。電力リード20は、血流補助システム1の遠位端22またはその付近でポンプ2に電気的および機械的に接続する細長本体を備えることができ、遠位端22は、長手方向軸Lに沿って近位端21から離間している。本明細書で説明するように、電力リード20は、電力リード20の両端において反対方向に加えられる荷重に対向するように構成された可撓性テザーとして機能することもできる。
【0060】
ポンプ2は、モータハウジング29を含む駆動ユニット9に接続されたポンプハウジング35を含むポンプヘッド50を備えることができる。ポンプ2の近位端部分に回収機構48が設けられることができる。いくつかの実施形態では、回収機構は、電力リード20とモータハウジング29との間で電力リード20の遠位端と結合されることができる。処置後、臨床医は、ツール(例えば、スネア、クランプ、フックなど)を回収機構48と係合させてポンプ2を患者から引き抜くことによって、ポンプ2を患者から取り外すことができる。例えば、回収機構48は、モータハウジング29の近位湾曲部51cにあるネック部49(例えば、縮径部)と、ネック部49の近位に配置された拡径部とを備えることができる。拡径部は、
図1B、
図1C、および
図1Iに示すように、第1の湾曲部51aおよび第2の湾曲部51bを備えることができる。第1および第2の湾曲部51a、51bは、凸状表面、例えば、凸状ボール部を備えることができる。第1および第2の湾曲部51a、51bは、異なる曲率半径を有することができる。例えば、
図1Iに示すように、第1の湾曲部51aは、第2の湾曲部51bよりも大きな曲率半径を有することができる。いくつかの実施形態では、第1の湾曲部51aは、回収機構48の両側に配置されることができる。第2の湾曲部51bは、第1の湾曲部51aの周囲に配置されることができ、径方向外側を向く表面と、電力リード20の遠位端に結合された近位側を向く凸面とを有することができる。ネック部49は、回収機構48の第1の周方向位置における第1の深さと、第1の周方向位置から離間した回収機構48の第2の周方向位置における第1の深さよりも小さい第2の深さとを有することができる。
【0061】
有益には、
図1Iに示すように、長手方向軸Lに平行に延在し、第1の湾曲部51aと交差する1つ以上の第1の平面P1は、モータハウジング29の近位湾曲部51cと第1の湾曲部51aとの間に第1の角度またはテーパを有することができる。長手方向軸Lに平行に延在し、第2の湾曲部51bと交差する1つ以上の第2の平面P2は、モータハウジング29の近位湾曲部51cと第2の湾曲部51bとの間に第2の角度またはテーパ(第1の角度またはテーパとは異なる)を有することができる。第1の角度またはテーパは、モータハウジング29の近位湾曲部51cと電力リード20との間に緩やかな連続的な(ほぼ単調に減少する)幾何学的遷移を提供することができ、これにより滑らかな血流を提供し、血栓症のリスクを低減することができる。第2の湾曲部51bは、径方向外側、例えば、第1の湾曲部51aよりも径方向外側に延在するローブとして機能することができる。第2の湾曲部51bは、回収装置またはスネアと係合してポンプ2を解剖学的構造から取り外すために使用されることができる。回収機構48の長手方向軸を通るいくつかの断面は、実質的なネック部(例えば、その中心軸に沿って測定された曲率半径の極小値)を含むことができ、一方、回収機構48の長手方向軸を通る他の断面は、実質的でない極小値を含むか、または極小値を含まないことができる。図示の実施形態では、二重ローブ回収機構として機能することができる2つの第1の湾曲部51aがある。他の実施形態では、モータハウジング29と電力リード20との間の円滑な流れの遷移を確実にしながらポンプ回収を可能にするために、より多くのまたはより少ないローブを設けることができる。
【0062】
図1B~
図1C、
図1E、および
図1Iに示すように、ネック部49は、湾曲部51a、51bとモータハウジング29の近位側凸面51cとの間に配置されることができる。図示の実施形態では、回収機構48は、モータハウジング29に結合されるか、または一体的に形成されることができる。他の配置では、回収機構48は、ポンプ2の他の位置に配置されることができる。図示のように、回収機構48は、長手方向軸Lの周りに対称的且つ連続的に配置されることができる。他の構成では、回収機構48は、円周方向および/または長手方向に離間した複数の別個の表面を含むことができる。図示の実施形態では、モータハウジング29(およびモータ)は、ポンプ2の一部であってもよく、使用中の患者の血管系の内側に配置されてもよい。しかしながら、他の実施形態では、モータハウジング29(およびモータ)は、患者の外側に配置されることができ、駆動ケーブルは、インペラ6に接続することができる。
【0063】
図1A~
図1Cに示すように、駆動ユニット9は、ポンプヘッド50のポンプハウジング35内に配置されたインペラアセンブリ4に回転を付与するように構成されることができる。本明細書で説明するように、駆動ユニット9は、駆動磁石17(
図1Dを参照)と、遠位駆動ユニットカバー11によって覆われたモータハウジング29内に配置されたモータ30(
図1D~
図1Eを参照)とを含むことができる。モータ30は、
図1Dに概略的に示されている。駆動ユニットカバー11は、駆動軸受18によって形成されることができるか、またはこれに結合されることができる。駆動磁石17は、シュラウド16内のインペラ6の近位に配置されたインペラアセンブリ4の対応する被駆動またはロータ磁石(図示せず)と磁気的に結合することができる。電力リード20は、治療位置から患者の体外に延在することができ、電力(例えば、電流)および/または制御をモータ30に提供することができる。したがって、いくつかの実施形態では、回転駆動シャフトは、患者の体外に延在しない。本明細書で説明するように、電力リード20は、モータ30を励磁することができ、これにより駆動磁石17を長手方向軸Lの周りで回転させることができ、長手方向軸Lは、回転軸として機能するか、回転軸と位置合わせされるか、または回転軸に対応することができる。駆動磁石17の回転は、長手方向軸Lを中心としたロータ磁石およびインペラアセンブリ4の一次または第1のインペラ6の回転を付与することができる。例えば、本明細書で説明するように、ロータ磁石(インペラシャフト5に機械的に固定されることができる)は、インペラシャフト5(流通管として機能することができる)および第1のインペラ6を回転させて血液を圧送することができる。他の実施形態では、駆動ユニット9は、ステータまたは他の固定磁気装置を備えることができる。ステータまたは他の磁気装置は、ロータ磁石に回転を付与するために、例えば、交流電流で通電されることができる。図示の実施形態では、インペラ6は、長手方向軸Lを半径方向に横断する半径方向軸Rに沿って半径方向外側に延在する1つ以上のブレード40を有することができる。例えば、第1のインペラ6は、共通のハブから半径方向外側に延在し、長手方向軸Lに沿って共通の長さを有する複数(例えば、2つ)の長手方向に位置合わせされたブレード40を有することができる。曲率および/または全体的なプロファイルは、流量を改善し、せん断応力を低減するように選択されることができる。当業者は、第1のインペラ5の他の設計が適切であり得ることを理解するであろう。
【0064】
図1A~
図1Cに示すように、インペラアセンブリ4は、シュラウド16内に配置されることができる。インペラシャフト5は、シュラウド16の遠位部分に接続されたスリーブ軸受15によって遠位端において支持されることができる。位置特定システム100(以下にさらに説明される)などの支持構造は、スリーブ軸受15および/またはシュラウド16と結合された基部36を備えることができる。いくつかの実施形態では、基部36、スリーブ軸受15、および/またはシュラウド16は、互いに溶接されることができる。他の実施形態では、スリーブ軸受15および/またはシュラウド16は、一部品として形成されることができる。
図1Aおよび
図1Cに示すように、支持構造または位置特定システム100(支持構造の一部であるか、または支持構造として機能することができる)の基部36、スリーブ軸受15、およびシュラウド16は、協働してポンプハウジング35を少なくとも部分的に画定することができる。位置特定システム100は、ポンプハウジング35が配置されている血管の壁からのポンプハウジング35の間隔を維持するために血管壁に接触するように構成された凸状接触パッド24を有する複数の自己拡張型支柱19を備えることができる。
図1A~
図1Cでは、位置特定システム100の支柱19は、拡張展開構成で示されており、接触パッド24は、接触パッド24がポンプ2が配置されている血管の壁に接触する位置まで半径方向外側に延在し、システム1の動作中に血管壁に対するポンプヘッド50の位置および/または配向を少なくとも部分的に制御する、例えばポンプ2を固定する。
【0065】
第1の流体ポート27は、ポンプハウジング35の遠位端においてインペラアセンブリ4の遠位に設けられることができる。シュラウド16は、モータハウジング29に結合された近位リング26と、近位リング26に隣接する(例えば、すぐ遠位)シュラウド16の近位部分に形成された複数の第2の流体ポート25とを備えることができる。
図1Cに示すように、第2の流体ポート25は、近位リング26とシュラウド16の円筒区画59との間の長手方向軸L(ポンプヘッド2および/またはポンプハウジング35の長手方向軸としても機能することができる)に沿って延在する軸方向延在部材60(ピラーとも呼ばれる)の間に形成された開口部を含むことができる。いくつかの実施形態では、軸方向に延在する部材60は、第2の流体ポート25を通る血液の流れを成形または誘導することができるベーンとして機能するように成形または他の方法で構成されることができる。例えば、様々な実施形態では、軸方向に延在する部材60は、インペラブレード40のプロファイルに一致するように、および/またはポンプ2を通る血流を加速するように、(例えば、螺旋状パターンで)傾斜され、テーパ付けされ、または湾曲されることができる。他の実施形態では、軸方向延在部材60は、ブレード40と一致するように傾斜していなくてもよい。いくつかの実施形態では、第1の流体ポート27は、血液が流入する入口ポートを備えることができる。そのような実施形態では、インペラアセンブリ4は、第1の流体ポート27に血液を引き込むことができ、出口ポートとして機能することができる第2の流体ポート25を介してポンプ2から血液を排出することができる。しかしながら、他の実施形態では、血流の方向は逆であってもよく、その場合、第2の流体ポート25は、流体入口として機能してもよく、第1の流体ポート27は、流体出口として機能してもよい。
【0066】
図1A~
図1Dに示すように、システム1は、モータハウジング29内に封止されることができるモータ30を有する駆動ユニット9を備える。駆動磁石17は、モータシャフト51を介してモータ30によって回転可能とすることができる。モータ30は、電力リード20に電気的に接続することができる。電力リード20は、電力リード20の両端において反対方向に加えられる荷重に対向するように構成された細長引張部材を備える可撓性テザーとして機能することができる。一実施形態では、電力リード20は、以下にさらに説明するように中空である。
図1Dおよび
図1Fに示すように、電力リード20は、中央管腔55と、電力リード20の長さに沿って延在する複数(例えば、3つ)の外側管腔56A~56Cとを有する絶縁体を備えることができる。1つ以上の導体が中空の細長電力リード20内に配置されることができ、外部制御システムなどの供給源からモータ30に電流を伝達するように構成されることができる。例えば、いくつかの実施形態では、外側管腔56A~56Cは、モータ30に電力を供給するために、対応する電極または電線(図示せず)を受け入れるようなサイズおよび形状にすることができる。例えば、管腔56A~56Cは、接地電圧および駆動電圧をモータ上の対応する巻線に供給するように構成されたワイヤを受け入れることができる。電極は、モータ30を支持するように構成されたモータ取り付け支持体54の対応する開口部57A~57Cを通って延在することができる。中央管腔55は、細長補強部材またはガイドワイヤ(図示せず)を受け入れるようなサイズおよび形状にすることができる。補強部材またはガイドワイヤは、ポンプ2を治療位置に案内するか、またはポンプ2を所与の位置に維持するのを助けるために、送達中に近位端21(
図1Gを参照)の開口部65を通って中央管腔55に挿入されることができる。補強部材またはガイドワイヤは、仕上げ時に容易に挿入されて取り外されることができる。
図1Gに示すように、システム1の近位端21の近くのコネクタ23は、対応する外側管腔56A~56C内のワイヤまたは導体に電気的に接続された電気接点58A~58Cを有することができる。接点58A~58Cは、絶縁材料によって離間されたリングを備えることができ、制御システムまたはコンソール(図示せず)内の対応する電気部品に電気的に接続するように構成されることができる。
【0067】
有益には、血流補助システム1は、患者の治療位置に経皮的に送達されることができる。
図1Hは、細長シース28内に配置されたポンプ2を示している。図示のように、支柱19は、シース28の内壁によって折り畳まれた構成で保持される。以下にさらに論じるように、支柱19は、制御された方法で、例えば、シース内に配置されたときに少なくとも一部がシース28の内壁から外方に偏向されるように折り畳むように構成されることができる。図示のように、支柱19は、シース28内の折り畳み構成において接触パッド24またはフックとシース28の内壁との間に空間46が存在するように、支柱19の遠位端(例えば、接触パッド24またはフックまたはその近くで)をシース28の内壁から離間させるのに役立つことができる膝部102を備えることができる。
【0068】
膝部102は、一実施形態では、支柱19のそれぞれについて同じ構成とすることができる。そのような実施形態では、支柱19は、全て、シース28内で同じ方法で折り畳まれても折り返されてもよい。別の実施形態では、支柱が異なる方法で折り畳まれるかまたは折り返されるように、1つ以上の支柱19の膝部102は、1つ以上の他の支柱19の膝部102から区別されることができる。本明細書で説明するように、様々な実施形態では、支柱は、長手方向に位置合わせされていてもよく、または長手方向にオフセットされていてもよく、または互い違いであってもよい。例えば、一対の対向する支柱19(例えば、互いに半径方向に対向して配置される)は、一対の対向する支柱をポンプ2の他の支柱19の折り畳み前に折り畳ませる膝部102を有することができる。一例では、ポンプ2は、4つの支柱19を有する。対向する2つの支柱19は、他の支柱19の膝部を曲げる前に膝部102において曲がるように構成される。このように、2つの対向する支柱19は、他の2つの支柱の間の位置に折り畳まれて、コンパクトな配置を提供することができる。膝部102は、いくつかの支柱がより大きな程度の屈曲または折り畳みを受けるように構成されることができる。したがって、接触パッド26とシース28の内壁との間の空間46は、支柱の絡まりを回避するために設けられることができる、1つ以上、例えば一対の支柱の場合よりも、1つ以上、例えば別の一対の支柱19の場合の方が、2倍から6倍(場合によっては3倍から4倍)大きくすることができる。したがって、様々な実施形態では、いくつかの支柱は、シース28と係合すると最初に折り畳むように構造化されてもよく、残りの支柱は、シース28が初期支柱の折り畳みを誘発すると折り畳むことができる。
【0069】
いくつかの実施形態では、1つ以上の支柱は、支柱の折り畳みの順序を制御することができる膝部102を備える。例えば、1つ以上の支柱は、1つ以上の他の支柱の膝部102の位置と比較してより近位に配置された膝部102を有することができる。一例では、2つの対向する支柱19は、別の支柱19の膝部102よりも近位に配置された膝部102を有することができる。一例では、第1の組の対向する支柱19は、第1の組の支柱19から約90度オフセットされて配置された第2の組の支柱19よりも近位に配置された膝部102を有する。これは、第2の組の支柱19のより完全な折り畳みの前に、シース28の遠位方向の前進によって第1の組の支柱をより完全に折り畳むことを可能にすることができる。さらなる変形例では、膝部102は、隣接する支柱が異なる時間または速度で折り畳まれるように、隣接する支柱19上で長手方向に離間されることができる。図示の実施形態は膝部102を含むが、他の実施形態では、膝部は設けられなくてもよい。例えば、支柱19は、シース28を前進させる際の折り畳みのタイミングまたは速度を制御するために、ヒンジによって、および/または1つ以上の支柱19の長さ内または長さに沿って材料の厚さまたは特性を変更することによって、異なる速度で後退されることができる。リビングヒンジ構造は、支柱19の引き込みのタイミング、速度、および/またはシーケンスを制御するために、1つ以上の支柱19の長さに沿って形成されることができる。一例では、支柱19の長さを横切る減少した厚さの領域は、シースが減少した厚さの領域を横切って前進するときに支柱を折り畳むかまたは屈曲させる。支柱19内の厚さ減少領域の長手方向位置をオフセットすることによって、引き込みの順序が制御されることができる。
【0070】
折り畳み構成では、支柱19は、シュラウド16の直径とほぼ同じである(または僅かに小さい)1つ以上の位置において直径または主横寸法に圧縮されることができる。したがって、
図1Hの折り畳み構成に示すように、支柱19の少なくとも一部は、ポンプハウジング35、シュラウド16および/または駆動ユニット9の主要横方向寸法または直径よりも小さい直径または主要横方向寸法に圧縮される。いくつかの実施形態では、支柱の少なくとも一部は、ポンプハウジング35の主要横方向寸法以下の主要横方向寸法を有する。いくつかの実施形態では、支柱の少なくとも一部は、ポンプハウジング35および/またはモータハウジング29の主要横方向寸法よりも小さい主要横方向寸法を有する。患者は、標準的な方法でカテーテル検査室で処置の準備をすることができ、大腿動脈は、経皮的または外科的手法によってアクセスされることができる。シース28(またはシース28内の拡張器構造)は、ガイドワイヤを通過し、例えば下行大動脈内の治療位置に配置されることができる。シース28が配置された(および拡張器が取り外された)後、ポンプ2は、シース28内に前進されることができ、ポンプ2は、左鎖骨下動脈のテイクオフの約4cm下の胸部中央大動脈に配置される。他の実施形態では、ポンプ2およびシース28は、一緒に治療位置まで前進されることができる。ポンプ2をこの位置に配置することは、有益なことに、十分な心臓補助、ならびに腎臓などの他の器官の灌流の増加を可能にすることができる。治療位置に来ると、シース28とポンプ2との間に相対運動を提供することができる(例えば、シース28は、ポンプ2に対して後退されることができ、またはポンプ2は、シース28から前進されることができる)。位置特定システムの支柱19は、
図1A~
図1Cに示す展開および拡張構成への蓄積された歪みエネルギーに起因して、半径方向軸Rに沿って半径方向外側に自己拡張されることができる。血管系が大腿動脈によってアクセスされる実施形態などのいくつかの実施形態では、支柱19は、遠位に、例えば、シュラウド16および/またはインペラ6の遠位端を越えて遠位に延在することができる。他の実施形態では、本明細書で説明するように、ポンプ2は、鎖骨下動脈を通して経皮的に送達されることができる。そのような実施形態では、支柱19は、近位に、例えば、ポンプハウジング35および/またはモータハウジング29の近位に延在してもよい。さらに他の実施形態では、複数の複数の支柱がポンプ2に対して近位および遠位に延在してもよい。凸状接触パッド24は、血管壁と係合して、患者の血管系内のポンプ2を安定させる(例えば、アンカーを補助する)ことができる。治療位置に来ると、臨床医は、制御システムに係合してモータ30を作動させ、インペラアセンブリ4を回転させて血液を圧送することができる。
【0071】
したがって、いくつかの実施形態では、ポンプ2は、大腿動脈に挿入され、下行大動脈内の所望の治療位置に前進されることができる。そのような構成では、ポンプ2は、遠位端22がインペラ6の上流にあるように、例えば、遠位に位置する第1の流体ポート27が第2の流体ポート25の上流にあるように配置されることができる。例えば、大腿動脈を介して外科的または経皮的に治療位置にアクセスする実施形態では、第1の流体ポート27は、ポンプ2の入口として機能することができ、第2のポート25は、ポンプ2の出口として機能することができる。支柱19は、ポンプハウジング35の遠位端を越えて遠位に延在することができる。しかしながら、他の実施形態では、ポンプ2は、左鎖骨下動脈を通して経皮的に挿入され、下行大動脈内の所望の治療位置に前進されることができる。そのような構成では、ポンプ2は、システム1の遠位端22がインペラ6の下流にあるように、例えば、遠位に配置された第1の流体ポート27が第2の流体ポート25の下流にあるように配置されることができる。左鎖骨下動脈を介して治療位置にアクセスする実施形態では、第2の流体ポート25は、ポンプ2への入口として機能することができ、第1のポート27は、ポンプ2の出口として機能することができる。
【0072】
処置手順が完了すると、ポンプ2は、患者から取り外されることができる。例えば、いくつかの実施形態では、シース28の遠位エッジが支柱19の半径方向外側に面する表面43と係合するように、ポンプが近位に引き出されることができる(および/またはシース28が遠位に前進されることができる)。いくつかの実施形態では、シース28の遠位エッジは、支柱の膝部102と係合することができる(例えば、
図2A~
図3Cを参照)。シース28の遠位エッジは、半径方向外側の対向面43(例えば、ほぼ膝部102の位置における)に半径方向内向きの力を与えて、支柱19を折り畳んでシース28の内側に引き込むことができる。折り畳まれた構成で支柱19をシース28内に折り畳むために、ポンプ2を展開するために使用されるものとは反対の相対運動がシース28とポンプ2との間(例えば、シース28とインペラアセンブリ4およびポンプハウジング35との間)に提供されることができる。いくつかの実施形態では、ポンプ2は、患者の体内のシース28とともにシース28から引き抜かれることができ、シース28は、その後、別の処置に使用されるか、または取り外されることができる。他の実施形態では、シース28およびポンプ2は、患者の身体から一緒に取り外されることができる。
【0073】
上記の説明は、駆動シャフト51の近位端が駆動ユニット9内に配置される実施形態を含む。駆動シャフト51の近位端およびモータ30は、使用時に本体内に配置される。
図1Jは、使用時にモータ30Aが身体の外側に配置される別の実施形態を示している。細長い可撓性シャフト51’は、遠位端において駆動磁石17と結合される。シャフト51’は、細長本体20’を通って延在し、その近位端においてモータ30Aと結合されるか、または結合されることができる。モータ30Aは、シース28のプロファイル内に配置される必要がないため、モータ30よりも大きくすることができる。細長本体20’は、1つ以上の管腔を有することができる。シャフト51’は、中央管腔55を通って延在してもよい。シャフト51’を潤滑および/または冷却するために、システム内に流体を流すために、1つ以上の外側管腔56aが設けられることができる。モータ30aによるシャフト51’の近位端の回転は、細長本体20’を通るシャフト51’の全長の回転をもたらし、駆動磁石17の回転ももたらす。駆動磁石17の回転は、インペラ6内の1つ以上の磁石の回転を引き起こし、遠位駆動ユニットカバーを横切るこれらの磁石の磁気吸引によってポンプ2を通る流れを作り出す。他の実施形態では、シャフト51’は、回転が磁気結合に依存しないように、インペラ6に直接機械的に結合されることができる。シャフト51’の遠位部分を支持するために、遠位ハウジング29A内に1つ以上のシャフト回転支持体54Aが設けられることができる。細長本体20’および/またはシャフト51’は、例えば、動作中のポンプ2の動きを低減または最小化するためにインペラ6のスラスト力に対向するために、ポンプの位置を制御または補助するためのテザーを備えることができる。
【0074】
図1A~
図1Hに示すポンプ2および関連する構成要素のさらなる詳細は、2020年12月2日に出願された国際特許出願第PCT/US2020/062928号明細書全体を通して見出すことができ、その全内容は、その全体があらゆる目的のために参照により本明細書に組み込まれる。
【0075】
II.支柱
本明細書で説明するように、支持構造または位置特定システム100は、複数の支柱19を備えることができる。支柱19は、シュラウド16に結合または形成された基部36の第1の固定端38と、第1の端部38の反対側の第2の自由端39とを有することができる。支柱19は、血管内装置などの装置のハウジング(例えば、ポンプハウジング35)から延在し、半径方向および遠位方向外向きに延在して患者の血管系の血管壁37(
図4A~
図4Bを参照)と一定または断続的に接触する突起を備えることができる。上述したように、他の実施形態では、支柱19は、ポンプハウジング35および/またはモータハウジング29に対して近位に延在してもよい。例えば、
図1A~
図1Cに示すように、支柱19は、長手方向軸Lに沿って第1の流体ポート27およびインペラ6の遠位に延在することができる。血管系が大腿動脈を通ってアクセスされる実施形態では、支柱19は、第1の流体ポート27およびインペラ6の遠位および上流に延在することができる。血管系が鎖骨下動脈を通ってアクセスされる実施形態では、支柱19は、流体ポート27の下流に延在することができる。支柱19は、血流補助システム1の最遠位端まで延在し、少なくとも部分的に血流補助システム1の最遠位端を画定することができる。いくつかの実施形態では、血流補助システム1のいかなる部分も、支柱19の遠位端の遠位に配置されない。いくつかの実施形態では、支柱19は、ニチノールのような可撓性形状セット金属または合金から作製されることができる。複数の支柱19を含む支持構造100が使用されて、ポンプ2などの血管内装置の位置特定を提供することができる。複数の支柱19を使用することは、支柱19のそれぞれが、互いに対向して作用することによって、血管壁37と接触する支柱19の領域に半径方向の力を伝達することを可能にする。複数の支柱19はまた、血管壁37に対して血管内装置(ポンプ2など)または血管内装置の一部を位置決めするのに有効とすることができる。例えば、血管内ポンプ2の第1の流体ポート27(例えば、いくつかの実施形態では、入口ポート)を囲む複数の支柱19は、ポンプ2の入口ポート27を血管37のほぼ中央に効果的に位置決めする。血管内装置を位置決めするための支柱19は、展開または回収のためにシース28(
図1Hを参照)を通って移動するための折り畳み構成、および位置決めを提供するための拡張構成を有することができる。
【0076】
図2Aは、一実施形態にかかる、位置特定システム100Aの正面斜視図を示す画像である。
図2Bは、
図2Aの位置特定システム100Aの概略側面図である。
図2Cは、位置特定システム100Aのためのレーザ切断パターンの概略平面図である。
図2Dは、ドーム状または球状接触パッド24Aを有する支柱19Aの概略側面図である。特に明記しない限り、
図2A~
図2Dの構成要素は、
図1A~
図1Hの同様の符号の構成要素と同じまたはほぼ同様であってもよく、いくつかの参照符号は、文字「A」によって付加される。例えば、
図2A~
図2Dに示すように、各支柱19Aは、第1の端部38と第2の端部39との間に延在する細長本体を含むことができる。各支柱19Aは、横方向の圧縮荷重が、例えば、半径方向軸Rに沿って圧縮的に加えられたときに歪みエネルギーを蓄積するように構成された材料(例えば、形状記憶合金)を含むことができる。蓄積された歪みエネルギーは、本明細書で説明するように、血管壁37に対する位置特定および/または位置決めを維持するために使用されることができる。例えば、蓄積された歪みエネルギーは、血管壁37に対して半径方向外向きの力が加えられる結果となることができる。半径方向外向きの力は、少なくとも部分的に、ポンプ2を血管壁37に対して位置特定、安定化、および/または位置決めするのに役立つことができる。
【0077】
いくつかの実施形態では、血管壁37と接触する支柱19Aの一部は、位置特定および/または位置決めを助ける所望の形状を有することができる。いくつかの実施形態では、支柱19Aの第2の端部39などの支柱19Aの一部は、ほぼ平坦な接触パッド24Aとして成形されるように構成された接触要素104を備えることができる。図示の実施形態では、接触パッド24Aは、略円形またはドーム状であるように示されている。楕円形の端部などの他の形状の端部が適切であり得る。いくつかの実施形態では、鋭い角および/またはエッジを回避する接触パッド24の形状が好ましい場合がある。展開されると、接触パッド24Aは、支柱19Aによって伝達される半径方向の力によって血管の壁37に押し付けられることができる。パッド24Aが血管壁37を押圧すると、血管壁37は、パッド24Aのエッジの周りに「枕打ち」するか、またはパッドが着座するくぼみを形成することができる。細長支柱は、接触パッド24Aが並置される血管壁組織を局所的に半径方向に拡張するために展開されるときに、血管壁37(例えば、大動脈壁)に荷重を加えるように構成されることができる。例えば、接触パッド24は、ポンプハウジング35の長手方向軸Lに向かっておよびそれから離れるように弾性的に偏向可能とすることができる。接触パッド24は、ポンプハウジング35が展開される血管37の半値幅よりも大きい距離だけポンプハウジング35の長手方向軸Lから離間した自由状態を有することができる。
【0078】
接触パッド24は、血管37の壁に十分な力を加えて、接触パッド24の一部を壁内に押し込むかまたは押し上げることができる。接触パッド24は、適用時に血管37の壁を引っ掛けることなく係合するように構成されることができる。いくつかの構成では、支柱19Aは、血管37が拡張または収縮しても支柱19Aが血管37との接触を維持することができるように、血管壁の動き(例えば、血管壁の拡張および収縮を伴う)に伴って屈曲することができる。この枕打ちは、パッド24Aの摺動運動に抵抗することによって血管内装置(例えば、ポンプ2)を位置特定する支柱19Aおよびパッド24Aの能力を高めることができる。パッド24Aが血管壁37内に押し込む量(したがって、枕打ちの量)は、支柱19Aが接触パッド24Aに伝達する半径方向の力を調整することによって制御されることができる。パッド24Aは、枕打ち効果を高めるために孔または不規則なエッジを有してもよい。
【0079】
図2E~
図2Gに示すように、支柱19A’は、鋭いエッジが血管壁37に押し込まれないように、血管壁37からフレアまたは傾斜する「スライドランナー」エッジ66を有する接触パッド24Bを含むことができる。
図2E~
図2Gに示すように、接触パッド24Bは、壁37の周囲部分が壁37と係合する接触パッド24Bの少なくとも一部(例えば、接触面67)に対して半径方向内側に延在するように、血管壁37と係合して押し込む接触面67を含むことができる。エッジ66、接触面67、および支柱19Aの細長部材を含む
図2E~
図2Gのパッド24Bのプロファイルは、凸状のプロファイルまたは形状を画定することができる。図示の構成では、接触面67は、ほぼ平面または平坦な形状を含むことができ、エッジ66は、接触面67に対して鈍角で延在することができる。いくつかの実施形態では、接触面67は、凸球面またはドーム状表面などの曲面を含むことができる。そのような設計は、血管壁37に対する外傷性損傷の可能性を低減または最小化し、非内皮化し、血管を損傷することなく取り外しを助けることができる。十分な半径方向の力および枕打ちにより、そのような設計は、支柱接触パッド24Aの安定した位置特定を提供することができる。
【0080】
図2A~
図2Bに示すように、支柱19Aは、
図1Hにおいて上に示すように、複数の支柱19Aがシース28内で折り畳まれたときに、支柱19Aをシース28の内壁から離しておくのに役立つことができる膝部102を備えることができる。シース28は、支柱19Aの半径方向外側に面する表面の曲率が変化する変曲部を備えることができる。
図2Bに示すように、例えば、支柱19Aは、一体的に形成され、互いに接続された複数のセグメント103a~103dを備えることができる。第1のセグメント103aは、基部36Aから、長手方向軸Lに対して角度Aだけ遠位方向および半径方向外側に延在することができる。第2のセグメント103bは、長手方向軸Lに対して角度Bだけ第1のセグメント103aの遠位端から遠位方向および半径方向内側に延在することができる。第3のセグメント103cは、長手方向軸Lに対して角度Cだけ第2のセグメント103bの遠位端から遠位方向および半径方向外側に延在することができる。第4のセグメント103dは、長手方向軸Lに対して角度Dだけ第3のセグメント103cの遠位端から遠位方向および半径方向内側に延在することができる。
【0081】
したがって、
図2Bに示すように、支柱19Aは、支柱19Aの長さに沿って複数の曲率および/または角度の変化を有することができる。様々な実施形態では、角度Aは、長手方向軸Lに対して30°から70°の範囲、40°から60°の範囲、または45°から55°の範囲とすることができる。角度Bは、長手方向軸Lに対して10°から30°の範囲、15°から25°の範囲、または18°から24°の範囲とすることができる。角度Cは、長手方向軸Lに対して20°から60°の範囲、30°から50°の範囲、または35°から45°の範囲とすることができる。角度Dは、長手方向軸Lに対して20°から45°の範囲、または25°から35°の範囲とすることができる。基部36Aは、0.1インチから0.3インチの範囲の第1の高さH1を有することができる。拡張構成では、支柱19Aの端部間の半径方向軸Rに沿った半径方向の分離は、1インチから2インチの範囲、または1.2インチから1.6インチの範囲の第2の高さH2を有することができる。
【0082】
有益には、支柱19Aに複数の角度および曲率を使用することは、支柱19Aがポンプ2に十分な位置特定および支持を提供することを可能にすることができる。追加的または代替的に、支柱に複数の角度および/または曲率を使用することは、支柱の一部、例えば支柱19Aの自由端をシース28の内壁から適切に離間させることができる。パッド24Aをシース28の内壁から離間させることは、ポンプ2がシース28内および/またはシース28内および外に移動するときの支柱19Aおよび/またはシースへの摩擦および/または損傷を低減することができる。さらに、上述したように、平坦な接触パッド24Aは、支柱19Aと血管壁37との間に、十分な位置特定および/または位置決めを提供する非外傷性界面を有益に提供することができる。支柱19Aは、例えば、
図2Cの材料シートにおけるレーザ切断パターンに示されるような形状記憶合金をレーザ切断することによって製造されることができる。形状記憶合金(例えば、ニチノール)は、レーザまたは他の装置によって切断され、成形されて支柱19Aを形成することができる。パターニングされた材料は、閉じた略円筒形のプロファイルに折り畳まれ、および/または巻かれることができる。他の実施形態では、既に形成された管からパターンが切断されることができる。
【0083】
図2Dに示すようないくつかの実施形態では、接触パッド24Aまたは支柱19Aの遠位部分は、接触面67として機能する球状またはドーム状プロファイル42を含むことができる。非限定的な例として、球状プロファイル42は、血管壁37と接触するように支柱19Aの一部に形成されたプラスチックまたは他の材料のボールとして形成されてもよい。例えば、
図2B~
図2Dに示すように、球状プロファイル42は、血管壁37に面して係合するように構成された支柱19Aの半径方向外面43に配置されることができる。半径方向内壁44は、半径方向外面43の半径方向反対側に配置されることができる。
図2Cにおいて、支柱19Aは、複数の支柱19Aの隣接する支柱19Aの隣接する側面の間にそれぞれの間隙45が存在するように、円周方向に離間されることができる。球状接触機構24Aは、有益には非外傷性とすることができ、良好な枕打ちおよび並進に対する耐性を提供することができる。図示されているように、接触パッド24Aは、対応する細長支柱19Aのすぐ隣の広がりの幅よりも大きい直径を有する、プロファイル図において略円形(または楕円形)のパッドを備えることができる。接触パッド24Aは、細長部材と、細長部材の端部に配置された拡大血管壁接触面(例えば、
図2D~
図2Gの表面67)とを備えることができる。様々な実施形態では、接触パッド24Aは、血管壁37に面する支柱19Aの半径方向外面43に沿った凸状断面プロファイルを備えることができる。例えば、接触パッド24Aは、ポンプハウジング35の長手方向軸Lを横切って配置された断面平面内に凸状プロファイルを備えることができる。いくつかの実施形態では、接触パッド24Aは、鋭いエッジまたはフックのない滑らかな表面を含むことができる。いくつかの実施形態では、接触パッド24Aのそれぞれは、血管壁37の組織がその中に受容されることを可能にするために、1つ以上のスカラップ状エッジを備えることができる。
【0084】
いくつかの実施形態では、位置特定システム100Aは、血管壁37に対する装置(ポンプ2など)の並進または回転に抵抗するが排除しないという目標を有することができる。非限定的な例として、いくつかの支柱19Aおよび/または接触パッド24Aの設計は、展開された場合であっても、血管内の装置のある程度の小さな回転を可能にすることができる。しかしながら、そのような設計はまた、推進から生じる抵抗の増加など、装置の動作中の回転に対する抵抗をさらに増加させるために、本明細書で説明する他の特徴を活用することができる。
【0085】
あるいは、接触パッドのいくつかの実施形態は、血管壁37に対する並進および/または回転に対する抵抗を増加させるように設計されてもよい。
図3Aは、別の実施形態にかかる位置特定システム100Bの正面斜視図の画像である。
図3Bは、
図3Aの位置特定システム100Bの側面図の画像である。
図3Cは、
図3A~
図3Bの位置特定システム100Bの概略側面図である。
図3Dは、
図3A~
図3Cの支柱19Bの第2の端部39の概略拡大図である。
図3Eおよび
図3Fは、組み立て前のレーザ切断パターンにおける位置特定システム100Bの概略平面図である。特に明記しない限り、
図3A~
図3Fの構成要素は、
図1A~
図2Cの同様の符号の構成要素と同じまたはほぼ同様であってもよく、いくつかの参照符号は、文字「B」によって付加される。いくつかの実施形態では、接触要素104(例えば、支柱19Bの血管の壁37と接触する部分)は、血管壁37を貫通して、並進および/または回転に対して高いレベルまたは耐性を有する安定したアンカーポイントを提供するように設計されたフック105を備えてもよい。血管壁と常に接触しているエッジまたはフック105を有する設計は、通常、安定した位置特定および/または位置決めを提供することを意図しているため、展開時に血管壁37の初期接触領域に対するフック105またはエッジの動きはほとんどまたは全くない。
【0086】
図3Cに示すように、支柱19Bは、一体的に形成され、互いに接続された複数のセグメント106a~106dを備えることができる。第1のセグメント106aは、基部36Bから、長手方向軸Lに対して角度Eだけ遠位および半径方向外向きに延在することができる。第2のセグメント106bは、上述したように変曲点および/または膝部102を少なくとも部分的に画定するように、第1のセグメント106aの遠位端から遠位方向および半径方向内側に延在することができる。第3のセグメント106cは、長手方向軸Lに対して角度Fだけ第2のセグメント106bの遠位端から遠位方向および半径方向外側に延在することができる。第4のセグメント106dは、第3のセグメント106cに対して角度Gだけ第3のセグメント106cの遠位端から近位に後方に延在することができる。第3および第4のセグメント106c、106dは、フック105として機能することができ、ポンプ2を血管壁37に固定することができる。第4のセグメント106dの平面図である
図3Gに示すように、支柱19Bの第4のセグメント106dは、いくつかの実施形態では、血管壁に固定することができる尖叉を有するスプリット106eを含むことができる。示されるように、いくつかの実施形態では、尖叉幅t
wは、例えば、0.01インチから0.1インチの範囲内、または0.01インチから0.05インチの範囲内とすることができる。
【0087】
図3Cに示すように、支柱19Bは、支柱19Bの長さに沿って複数の曲率および/または角度の変化を有することができる。様々な実施形態では、角度Eは、長手方向軸Lに対して30°から70°の範囲、40°から60°の範囲、または45°から55°の範囲とすることができる。角度Fは、長手方向軸Lに対して20°から60°の範囲、30°から50°の範囲、または35°から45°の範囲とすることができる。角度Gは、図示のように近位に傾斜した、セグメント106cに対して40°から80°の範囲、50°から70°の範囲、または55°から65°の範囲とすることができる。基部36Bは、0.1インチから0.3インチの範囲の第1の高さH1を有することができる。拡張構成では、支柱19Bの端部間の半径方向軸Rに沿った半径方向の分離は、1インチから2インチの範囲、または1インチから1.4インチの範囲の第2の高さH2を有することができる。さらに、
図3Cに示すように、膝部102は、膝部102によって画定された膨らみまたは隆起の量を示す隆起高さh
bを有することができる。隆起高さh
bは、膝部102の外向きの頂点と第3のセグメント106cの突出部との間で測定されることができる。様々な実施形態では、隆起高さh
bは、0.03インチから0.09インチの範囲、または0.05インチから0.07インチの範囲(例えば、一実施形態では約0.054インチ)とすることができる。さらに、第4のセグメント106dは、フック105の尖叉として機能することができ、第3のセグメント106cから近位に延在する尖叉長さl
tを有することができる。尖叉長さl
tは、0.03インチから0.09インチの範囲、または0.05インチから0.07インチの範囲(例えば、一実施形態では約0.058インチ)とすることができる。
【0088】
図3E~
図3Fは、
図3A~
図3Dのシステム100Bのレーザパターンを示している。
図3E~
図3Fに示すように、いくつかの実施形態では、支柱19Bは、その長さに沿って近位から遠位に、すなわち、
図3E~
図3Fの右から左に、その幅にわたってテーパ状とすることができる。レーザ切断は、長手方向軸に対して非垂直にすることができ、様々な配置で螺旋状または渦巻状パターンを形成することができる。
【0089】
図5Aは、別の実施形態にかかる位置特定システム100Cの概略斜視図である。
図5Bは、
図5Aのシステム100Cのレーザ切断設計の概略平面図である。特に明記しない限り、
図5A~
図5Bの構成要素は、
図1A~
図4Eの同様の符号の構成要素と同じまたはほぼ同様であってもよく、いくつかの参照符号は、文字「C」によって付加される。いくつかの実施形態では、
図5A~
図5Bに示すように、複数の支柱19Cは、長さが異なっていてもよい。例えば、
図5A~
図5Bに示すように、システム100Cは、ジャスターハット設計で配置された支柱19Cを含む。図示のように、隣接する支柱19Cは、異なる長さを有してもよい。いくつかの実施形態では、1つおきの支柱は、ほぼ同じ長さを有するように設計されてもよい。例えば、
図5A~
図5Bに示すように、複数の支柱19Cの第1の支柱19C’は、第1の長さを有してもよく、複数の支柱19Cの第2の支柱19C’’は、第1の長さよりも短い第2の長さ19C’’を有してもよい。第2の支柱19C’’は、それぞれ、第1の支柱19C’の間に円周方向に配置されてもよい。
図5A~
図5Bには示されていないが、支柱19Cは、その遠位端部に接触パッド24を含むことができる。他の実施形態では、支柱19Cは、その遠位端部にフック105を含むことができる。
【0090】
理論によって限定されるものではないが、異なる長さは、システム100Cが血管37の長さに沿った複数の長手方向位置において血管37に対して支持されることを可能にし、これにより、位置特定および位置決めを改善することができる。例えば、支柱19C’、19C’’の拡張構成では、第1の支柱19C’および第2の支柱19C’’がオフセットされた長手方向位置において血管壁37と係合するように、第1の支柱19C’は、第2の支柱19C’’が血管壁37と係合する位置よりも遠位の位置において血管壁37と係合することができる。血管壁37のオフセットされた長手方向位置における係合は、複数の平面に沿ったポンプ2の安定化を有益に改善することができ、複数の接触平面との抵抗モーメントを提供することもできる。さらに、支柱19C’、19C’’の異なる長さは、シース28が支柱19C’および19C’’に別々に係合することを可能にすることによって、支柱の折り畳み性を改善することができる。例えば、支柱19C’、19C’’の長さ(および/または曲率)が異なるため、シース28は、最初に第1の組の支柱(例えば、いくつかの実施形態では支柱19C’’)と係合して、第1の組の支柱に折り畳みを開始させてもよい。第1の組の支柱の折り畳み中または折り畳み後に、シース28は、続いて第2の組の支柱(例えば、いくつかの実施形態では支柱19C’)と係合して、第2の組の支柱を折り畳ませてもよい。支柱19C’、19C’’の折り畳みを2つ以上の段階に分割することは、それぞれの支柱19C’、19C’’を折り畳むために使用される力の量を有利に低減することができる。
【0091】
本明細書に開示される支持構造のいずれも、異なる長さを有する支柱を備えることができることを理解されたい。例えば、いくつかの実施形態では、複数の支柱(例えば、支柱19または19A)は、第1の複数の支柱および第2の複数の支柱を含む。複数の支柱が拡張構成にあるとき、第1の複数の支柱の第1の接触要素(例えば、接触パッド24またはフック105)は、第1の長手方向位置において血管壁と係合するように構成されることができ、第2の複数の支柱の第2の接触要素(例えば、接触パッド24またはフック105)は、第1の長手方向位置から離間した第2の長手方向位置において血管壁と係合するように構成されることができる。いくつかの実施形態では、第1の複数の支柱は、第2の複数の支柱とは異なる長さを有することができる。追加的または代替的に、第1の複数の支柱は、第2の複数の支柱とは異なる曲率半径(または出発角)を有することができる。
【0092】
図6は、様々な実施形態にかかる複数の支柱19Dの概略側面図である。いくつかの実施形態では、
図6に示すように、第1の組の支柱19D’は、第1の曲率半径を有する細長部分を有することができ、第2の組の支柱19D’’は、第1の曲率半径とは異なる(例えば、それ以下の)第2の曲率半径を有する細長部分を有することができる。
図6の配置では、第1の支柱19D’は、第2の支柱19D’’と比較して、長手方向軸Lに対してより急な引き出し角を有する。
図6に示すように、ポンプ2の長手方向軸と、支柱が接続されている基部に隣接する第2の支柱19D’’の部分との間の角度は、第1の支柱19D’の対応する角度よりも大きくすることができる。第1の支柱19D’のより急な引き出し角は、シース28を第2の支柱19D’’と係合させる前に第1の支柱19D’と係合させ、第1の支柱19D’の折り畳みを開始させることができる。上記で説明したように、支柱19D’、19D’’の折り畳みの段階付け、互い違い、または順序付けは、ポンプ2の動作を改善するように支柱を折り畳むために使用される力を有利に低減することができる。支柱の折り畳みを段階付ける、互い違いにする、または順序付けすることにより、折り畳む前の初期の動きから、基部36に隣接する初期の折り畳みまで、支柱の遠位端に隣接してまたは遠位端を越えてシースを前進させることによって支柱19の最終的且つ完全な折り畳みまで感じられるように、支柱19上のシース28の動きの長さにわたって力プロファイルを調整することができる。段階付け、互い違い、または順序付けは、支柱19上のシース28の運動の長さにわたって必要とされる最大力を低減することができる。さらに、支柱19D’、19D’’の異なる湾曲はまた、支柱19D’、19D’’の遠位端がオフセットされた長手方向位置において血管壁37と係合することを可能にすることができ、これは、上述したように、例えば、血管壁37との複数の接触面またはリングに起因するポンプ2の安定化を改善することができる。
【0093】
したがって、
図6は、支柱19D’、19D’’が、後退状態で近位端から遠位端まで長手方向に沿ってほぼ同じ長さを有することができるが、例えば、ポンプ2の長手方向軸に対して横方向に、例えば垂直に配置された2つの離間した平面によって画定されることができるように、オフセットされた長手方向位置において血管壁に接触するように拡張することができる実施形態を示している。支柱19D’、19D’’は、個々にまたは接触面を画定する群において、支柱の接触パッドまたは他の血管壁接触面の接触長さの2倍、3倍、4倍、5倍、6倍、最大10倍、または最大100倍である血管壁に沿った位置の範囲にわたって血管壁に少なくとも断続的に接触することができる。これらの種類の分散接触領域は、
図5A~
図5Bのように、後退状態において異なる長さを有する支柱によって提供されることもできることが理解されよう。いくつかの実施形態では、支柱19Dの第2の自由端39の接触要素104は、カールした部分が血管壁37に接触するようにカールまたはコイル状にすることができる。非限定的な例として、支柱39Dの第2の自由端39は、カールまたはコイル状(例えば、約270°から360°の範囲の角度で)であってもよい。
【0094】
支柱19~19Dの接触要素104の接触領域は、より長い持続時間にわたる内皮化が、血管内装置(例えば、ポンプ2)が取り外されたときに装置の取り外しを妨げない、または防止しない、または血管壁37に対する外傷の可能性を増加させないように設計されることができる。一般に、シングルエンド接触形状は、任意の内皮化の下からより容易に引き出されることができる。対照的に、非シングルエンド接触形状は、装置が取り外されたときに血管壁37に対する外傷の可能性を高めることがある。フック105を有するいくつかの実施形態では、複数の支柱19Bを折り畳むためにシース28を前進させる動作が、ダーツボードからのダーツのようにフック105を血管壁37から、またはそれが挿入された方向とは反対の方向に引っ張るように支柱19Bを移動させるように、支柱19Bが成形されることができる。接触パッド24、24Aを有するいくつかの実施形態では、パッド24、24Aは、血管内装置(例えば、ポンプ2)を並進させることによって内皮化組織の下から引き出されることができるようにテーパ状であってもよい。接触パッド24、24Aのエッジを持ち上げること(例えば、「スレッド」タイプの設計)もまた、制限的な内皮化を妨げることがある。
【0095】
支柱19~19Dの第2の自由端39における接触領域を血管壁37に押し付ける半径方向の力の量は、支柱19~19Dの数、支柱19~19Dの材料、および/または支柱19~19Dおよび接触パッド24~24Aの形状を変えることによって変更されることができる。重要な幾何学的要因は、支柱19~19Dの長さ、支柱19~19Dの断面、支柱19~19Dのポンプハウジング35への取り付け角度、および支柱19~19Dの曲率を含むことができるが、これらに限定されない。一般に、支柱19~19Dは、支柱19~19Dが血管壁37によって圧縮されるほど、血管壁37に対する支柱19~19Dの径方向力が高くなるように、ばね機能を有する。支柱19~19Dによって提供される半径方向力が支柱が圧縮される半径から比較的独立しているように、支柱の設計および形状形成は、この依存性を低減するように選択されてもよい。複数の支柱19~19D間でそのようなばね力を均等化することは、センタリング位置決め効果を提供することができる。
【0096】
いくつかの実施形態では、支柱19~19Dは、断続的に接触するように設計され、血管壁37と接触していない限り、ゼロ半径方向力を有することができる。非限定的な例として、複数の支柱19~19Dは、異なる長さおよび/または形状(例えば、
図5A~
図5B)を有してもよい。異なる長さおよび/または形状は、
図5A~
図5Bに示すようないくつかの実施形態では、全ての支柱19Cが同時に血管壁37に接触しないように支柱19Cを配置することができる。さらに、いくつかの例では、支柱19~19Dは、動作中に支柱19~19Dに力を加える(例えば、ジャイロスコープ効果)装置とともに利用されることができ、その結果、支柱19~19Dに加えられる力が変化することができる。支柱19~19Dのばね状の性質のために、そのような状況での折り畳みまたは解放が容易にされることができる。複数の支柱における各支柱19~19Dは、異なる形状または接触領域設計を有してもよいことに留意されたい。
【0097】
いくつかの実施形態では、支柱19~19Dは、上記で説明したように膝部102を有することができる。支柱内の膝部102は、複数の支柱19A~19Dがシース28内で折り畳まれたときに、支柱19A~19Dの一部をシース28の内壁から離しておくように機能することができる。例えば、膝部102は、フック105がシース28に接触せず、摩耗、切断、または抉りによって粒子を生成するように、フック105をシース28の内壁から遠ざけるように機能することができる。膝部102は、第1の端部38と第2の端部39との間に配置された変曲ゾーンを備えることができ、第2の端部39は、ポンプハウジング35の長手方向軸Lに向かっておよびそれから離れるように弾性的に偏向可能である。支柱の自由状態は、その第2の端部39をポンプハウジング35の長手方向軸Lから離間させることができる。支柱の第2の端部39は、(例えば、血管壁37に少なくとも断続的に接触するように)血管壁37と係合するように構成されることができる。変曲ゾーンは、支柱の第1のスパンと支柱の第2のスパンとの間のS字接続を含むことができる。第1のスパンおよび第2のスパンは、平行な軌道に沿って配置されることができる。
【0098】
血管内装置(ポンプ2など)を移植または回収するために使用されるシース28の直径を最小にすることが重要であり得る。本明細書に開示される実施形態の利点は、複数の支柱19~19Dの存在に起因して大きなシースが必要とされないように、複数の支柱19~19Dをポンプ2自体の直径以下の直径まで折り畳むことができることである。
【0099】
いくつかの実施形態では、複数の支柱19~19Dは、血管の中心軸に沿った複数の横断面において(例えば、複数の長手方向位置において)血管壁37に接触するように設計されてもよい。いくつかの実施形態では、複数の支柱19~19Dは、1つの横断面においてポンプ2に取り付けられることができるが、支柱19~19Dは、異なる形状を有することができ、血管の中心軸に沿った複数の横断面において血管壁37に接触することができる。いくつかの実施形態では、複数の支柱19~19Dは、ポンプ2の中心軸または長手方向軸Lに沿った2つ以上の横断面においてポンプ2に取り付けられてもよい。非限定的な例として、ポンプ2の各端部に(例えば、ポンプ2の近位端および遠位端に)一組の支柱19~19Dがあってもよい。
【0100】
いくつかの実施形態では、複数の支柱19~19Dは、シュラウド16および支柱19~19Dが単一部品にモノリシックに形成されるように、ポンプ2に直接一体化されてもよい。他の実施形態では、複数の支柱19~19Dは、代わりにポンプ2に結合または接続されてもよく、1つ以上の別個の部品を含んでもよい。非限定的な例として、支柱19~19Dは、ポンプ2に取り付けられたリングに取り付けられてもよい。
【0101】
テザー
いくつかの実施形態では、1つ以上のテザーは、位置特定および位置決めシステム100~100Cの構成要素とすることができる。電力または注入のためにケーブルまたはリードを利用するポンプ2などの装置は、そのケーブルまたはリードをテザーとして使用することができる。例えば、本明細書に示すように、電力リード20は、図示の実施形態ではテザーとして機能することができる。テザー(例えば、電力リード20)は、血管および/または患者の外側にアンカーポイントを有することができ、血管内装置の並進(例えば、そのアンカーポイントから離れて)を制限することができる。本明細書で説明するように、例えば、システム1の近位端21のコネクタ23は、患者の体外のコンソール(いくつかの実施形態ではアンカーポイントとして機能することができる)に接続することができる。いくつかの実施形態では、動脈切開および患者の皮膚を通る経路は、テザーのアンカーポイントとして機能することができる。縫合糸は、いくつかの処置において近位端21に隣接してテザー(例えば、電力リード20)を固定するために使用されることができる。
【0102】
推進
開示された実施形態とともに使用されることができる血管内装置の1つの非限定的な例は、例えば、
図4A~
図4Eに示すような血液ポンプ2Aである。
図4Aに示すように、また上記で説明したように、シース28は、下行大動脈などの血管内の治療位置に経皮的に挿入されることができる。いくつかの実施形態では、
図4Bに示すように、シース28の配置後、ポンプ2Aは、中央管腔55内に配置されることができる補強部材またはガイドワイヤ(図示せず)によってシース28内で遠位に押されることができる。他の実施形態では、ポンプ2Aは、シース28に予め装填され、シース28およびポンプ2Aは、一緒に治療位置まで前進されることができる。
図4C~
図4Dに示すように、シース28とポンプ2Aとの間に相対運動が提供されて、ポンプ2Aをシース28から付勢することができる。支柱19~19Dを含む支持構造は、自己拡張して血管37の内壁に接触することができる。
図4A~
図4Eに示すポンプ2Aの支持構造に使用される支柱は、本明細書に記載の支柱19~19Dのいずれかを含むことができる。例えば、
図4Cに示すようないくつかの実施形態では、メッシュ47は、シュラウド16の遠位端の近くの位置において隣接する支柱間に延在するかまたは及ぶことができる。メッシュ47は、例えば、支柱の長さの10%から70%の範囲内で、支柱の長さに部分的に沿って延在することができる。
図4Dの支柱19Aは、接触パッド24とともに示されている。
図4Eの支柱は、フック105とともに示されている。
【0103】
支柱が展開されると、インペラ6が作動されて血液を圧送することができる。一部の血液ポンプ2Aは、動作中にジェット34で血液を排出するか、または大きな力を及ぼす。これらのポンプ2Aは、例えば、
図4Dに示すように推進力33を下方に圧送すると、ポンプ吐出の反対方向にポンプ2Aに反作用(または推進)力33を生成することができる。いくつかの実施形態は、位置特定システム100~100Cの構成要素としてこの推進力33を利用するように設計されてもよい。非限定的な例として、支柱19~19Dは、推進力33の結果としてばね状力の増加を引き起こす形状を提供することができ、例えば、推進力33は、支柱19~19Dをさらに圧縮し、ばね力を増加させることができる。様々な実施形態では、長手方向軸Lに沿ったスラスト力33の長手方向成分は、テザーの張力(例えば、電力リード20)によって対向されることができる。長手方向軸Lを横切る方向(例えば、半径方向軸Rに沿った)に導かれるスラスト力33の横方向成分は、支柱19~19Dの偏向時に細長支柱19~19Dの少なくとも一方に蓄積された歪みエネルギーによって対向されることができる。本明細書で説明するように、処置が完了すると、臨床医は、シース28とポンプ2Aとの間にさらなる相対運動を提供して、支柱19~19Dをシース28内に折り畳むことができる(
図1Hを参照)。
【0104】
有益なことに、本明細書に開示される様々な実施形態では、電力リード20は、その両端において反対方向に加えられる荷重に対向するように十分に強いテザーとして機能することができる。いくつかのポンプでは、ポンプ2からのスラスト力が強すぎることがあり、テザーの近位端が十分に固定されていない場合、および/または動力リード20が十分に強くない場合、ポンプ2は、血管を通って移動する可能性がある。そのような状況では、ポンプ2がテザーを伸張させることがあり、および/またはテザーが十分に固定されないことがある。有益なことに、本明細書に開示された実施形態は、血管の外側に固定されたときに、ポンプの長手方向軸に沿って導かれたインペラによって生成されたスラスト力の長手方向成分がテザーによって適切に対向されることができるように、十分に強くすることができる細長中空部材および導体ワイヤを利用することができる。したがって、様々な実施形態では、テザー(例えば、電力リード20)は、ポンプ2と血管の血管壁37との間の接触を必要とせずに、血管内のポンプ2の位置を維持するように構成されることができる。
【0105】
いくつかの実施形態では、支持構造の支柱は、血液ポンプ2の動作中に壁37に接触する必要はなく、テザーは、ポンプ2を適切に位置決めするのに役立つことができる。いくつかの処置では、支柱は、血管壁37に少なくとも断続的に接触してもよい(例えば、支柱は、壁37に断続的にのみ接触してもよい)。そのような構成では、支柱は、壁37と断続的に接触し、処置全体にわたって血管壁37から離れるように移動することができる。したがって、本明細書に開示される実施形態は、ポンプの支持構造と血管壁37との間の一定の接触を必要としない。実際に、そのような実施形態では、支柱は、ポンプ2が壁37に向かって移動し、ポンプ2を血管の中央位置に向かって押し戻すときに、非外傷的に、例えば弾性的に血管壁37と断続的に係合するバンパーとして機能することができる短いおよび/または頑丈な支柱を備えることができる。いくつかの実施形態では、テザーおよびスラスト力が作動中のポンプの位置を確立するように、支柱は、省略されることができる。しかしながら、他の実施形態では、支柱は、ポンプ2の使用中に展開構成にあるときに血管壁37との実質的に一定の接触を維持するように成形または構成されてもよい。さらに他の実施形態では、ポンプ2は、支柱を含まなくてもよく、その結果、テザーは、支柱なしで位置決めおよび/または位置特定機能を果たすことができる。
【0106】
例示的な設計
上述した様々な設計特徴は、所望の任意の方法で混合されるおよび組み合わせられることができる。本明細書で以下に説明する非限定的な例は、上述した設計要素を組み合わせ、潜在的な組み合わせの境界を示すものではない1つの可能な実施形態を示す。
【0107】
本明細書で説明するシステムおよび方法は、血管内ポンプ2、2Aなどの装置の位置特定および位置決めを提供するために使用される。接触要素104を有する複数の支柱19~19Dが、ポンプ2の入口端部に取り付けられたリングから突出している。
図1A~
図3Gの実施形態は、4つの支柱19~19Bを示しているが、任意の数の支柱が使用されることができる。例えば、
図5A~
図5Bに示すように、いくつかの実施形態では、4つよりも多くの支柱(例えば、6つの支柱19C)が使用されることができる。接触パッド24、24Aは、円形として示されているが、任意の形状の接触パッド24、24Aが使用されることができる。支柱の形状は、特定の直径範囲内の血管用の支柱接触パッド24、24Aにおいて設定範囲内の半径方向力を提供するように設計される。支柱19~19Dはまた、シース28が支柱19~19Dを折り畳むのに必要な力を低減または最小化するように設計されることができる。
【0108】
円形接触パッド24、24Aは、外傷を引き起こすのではなく、動脈内壁37上を摺動するように設計されることができる。この半径方向力の調整により、複数の拡張支柱19~19Dは、ポンプ2、2aの入口ポート27~27Bを血管管腔の中心における一貫した位置決めを提供し、ポンプ2、2aの並進および回転を厳密に防止しない。この特徴は、意図的(ポンプ2、2Aを好ましい位置に移動させる)であろうと意図的でない(例えば、電力リードが引っ張られる場合)であろうと、ポンプ2、2aの安全な並進を可能にする。
【0109】
いくつかの実施形態では、ポンプ2、2Aの推進力33がそれを優れた方向に移動させる傾向があり、および/またはこの移動がポンプの動力リード20のテザー効果によって制限されることができるため、限定された位置特定を提供することで十分である。この実施形態の1つの利点は、血管壁37への外傷のリスクを最小限にするかまたは低減しながら、ポンプ2、2Aの瞬間的な移動を可能にしつつ、安定した長期的な位置特定を提供することである。この実施形態は、例えば、自由に座ったり、腰を曲げたり、および/または他の同様の動きをしたりする患者にとって、より大きな運動自由度に適合する。
【0110】
いくつかの実施形態では、支柱19~19Dが血管壁37と断続的にのみ接触するように、支柱の形状が変更されることができる。そのような実施形態では、テザー(例えば、電力リード20)に対して作用する推進力33は、位置特定を提供し、支柱19~19Dは、血管の管腔の中心におけるポンプ2、2Aのポート27~27Bの位置決めを維持する。
【0111】
利点
詳細に説明され、図面に示された実施形態を含むがこれらに限定されない、本明細書で説明されるシステムおよび方法は、いくつかの利点を有する。これらの利点の多くは上述されている。以下は、利点の追加の非限定的な例にすぎず、そのいくつかは、様々な設計要素の組み合わせから生じる。
a.支柱19~19D(支柱19C’、19C’’、19D’、19D’’を含む)は、支柱19~19Dが折り畳み構成にあるときにポンプ2の直径を増加させないように設計されている。
b.支柱19~19D(支柱19C’、19C’’、19D’、19D’’を含む)は、膝部102およびフック105を有し、それにより、膝部102は、ポンプ2の移植中または回収中にフック105がシース28の内面に接触するのを防止する。
c.非外傷性接触パッド24、24Aは、血管内装置(例えば、ポンプ2、2A)の並進または回転に抵抗するが排除しないように設計される。
i.テザー(例えば、電力リード20)および推進力33と協働する、および/または
ii.所望の内皮化に起因して、経時的に並進に対してより抵抗性になる。
d.テザー(例えば、電力リード20)に対して働く推進力33によってもたらされる長期的な位置特定を伴う、支柱19~19D(支柱19C’、19C’’、19D’、19D’’を含む)との断続的な接触位置決め(センタリング)。
【0112】
本明細書に記載の実施形態は、本開示の特定の態様を実証するために含まれる。本明細書に記載の実施形態は、本開示の例示的な実施形態(例えば、非限定的な例)を表すにすぎないことが当業者によって理解されるべきである。当業者であれば、本開示に照らして、記載された実施形態の異なる要素、構成要素、ステップ、特徴などの様々な組み合わせを含む、記載された特定の実施形態に多くの変形を加えることができ、本開示の趣旨および範囲から逸脱することなく、同様または類似の結果を依然として得ることができることを理解するはずである。前述の説明から、当業者は、本開示の本質的な特徴を容易に確認することができ、その趣旨および範囲から逸脱することなく、本開示を様々な用途および条件に適合させるために様々な変形および変更を行うことができる。上述した実施形態は、例示のみを意図しており、本開示の範囲を限定するものと解釈されるべきではない。
【0113】
以前の研究は、双方とも参照により本明細書に完全に組み込まれる、米国特許第8,012,079号明細書および米国特許出願公開第2017/0087288号明細書に詳述されている。
【0114】
「できる(can)」、「できる(could)」、「もよい(might)」、または「もよい(may)」などの条件付き文言は、特に明記しない限り、または使用される文脈内で他の意味で理解されない限り、一般に、特定の実施形態が特定の特徴、要素、および/またはステップを含むが、他の実施形態は含まないことを伝えることを意図している。したがって、そのような条件付き文言は、一般に、特徴、要素、および/またはステップが1つ以上の実施形態に何らかの形式で必要とされることを含意するものではない。
【0115】
「備える(comprising)」、「含む(including)」、「有する(having)」などの用語は同義語であり、包括的に、オープンエンド方式で使用され、追加の要素、特徴、動作、動作などを排除しない。また、「または(or)」という用語は、包括的な意味で(排他的な意味ではなく)使用され、例えば、要素のリストを接続するために使用される場合、「または(or)」という用語は、リスト内の要素の1つ、いくつか、または全てを意味する。さらに、本出願および添付の特許請求の範囲で使用される冠詞「a」、「an」、および「the」は、特に指定されない限り、「1つ以上」または「少なくとも1つ」を意味すると解釈されるべきである。
【0116】
本明細書に開示される範囲はまた、任意のおよび全ての重複、部分範囲、およびそれらの組み合わせを包含する。「まで(up to)」、「少なくとも(at least)」、「よりも大きい(greater than)」、「よりも小さい(less than)」、「間(between)」などの文言は、列挙された数字を含む。「約(about)」または「およそ(approximately)」などの用語が先行する数字は、列挙された数字を含み、(例えば、状況下で合理的に可能な限り正確、例えば±5%、±10%、±15%など)状況に基づいて解釈されるべきである。例えば、「約1」は、「1」を含む。「実質的に(substantially)」、「ほぼ(generally)」などの用語が先行する語句は、列挙された語句を含み、(例えば、状況下で合理的に可能な限り)状況に基づいて解釈されるべきである。例えば、「略球形」は、「球形」を含む。特に明記しない限り、全ての測定は、温度および圧力を含む標準条件で行われる。
【0117】
本明細書で使用される場合、項目のリストの「のうちの少なくとも1つ(at least one of)」を指す語句は、単一の部材を含む、それらの項目の任意の組み合わせを指す。一例として、「A、B、またはCのうちの少なくとも1つ」は、A、B、C、AおよびB、AおよびC、BおよびC、ならびにA、BおよびCを包含するように意図されている。句「X、YおよびZのうちの少なくとも1つ」などの接続語は、特に明記しない限り、項目、用語などがX、Y、またはZのうちの少なくとも1つとすることができることを伝えるために一般に使用される文脈で他の意味に理解される。したがって、そのような接続語は、一般に、特定の実施形態がそれぞれ存在するためにXのうちの少なくとも1つ、Yのうちの少なくとも1つ、およびZのうちの少なくとも1つを必要とすることを意味することを意図するものではない。
【0118】
特定の実施形態および例を本明細書で説明したが、本開示に示されて説明された上腕骨ヘッドアセンブリに対して多くの変形および変更を行うことができ、その要素は、さらに別の実施形態または許容可能な例を形成するために異なるように組み合わされ、および/または変更されると理解されるべきであることを強調すべきである。そのような変更および変形は、全て、本開示の範囲内に含まれることが意図されている。多種多様な設計および手法が可能である。本明細書に開示される特徴、構造、またはステップは、必須または不可欠ではない。
【0119】
いくつかの実施形態は、添付の図面に関連して説明されている。しかしながら、図面は縮尺通りに描かれていないことを理解されたい。距離、角度などは単なる例示であり、必ずしも図示された装置の実際の寸法およびレイアウトと正確な関係を有するとは限らない。構成要素は、追加、除去、および/または再配置されることができる。さらに、様々な実施形態に関連する任意の特定の特徴、態様、方法、特性、特性、品質、属性、要素などの本明細書の開示は、本明細書に記載の他の全ての実施形態において使用されることができる。さらに、本明細書に記載の任意の方法は、列挙されたステップを実行するのに適した任意の装置を使用して実施されることができることが認識されよう。
【0120】
本開示の目的のために、特定の態様、利点、および新規な特徴が本明細書に記載されている。そのような利点の全てが、任意の特定の実施形態にしたがって必ずしも達成されることができるとは限らないことを理解されたい。したがって、例えば、当業者は、本開示が、本明細書で教示または示唆されることができるような他の利点を必ずしも達成することなく、本明細書で教示されるような1つの利点または利点の群を達成するように具体化または実施されることができることを認識するであろう。
【0121】
さらに、例示的な実施形態が本明細書に記載されているが、本発明の範囲は、具体的に開示された実施形態を超えて、実施形態の特定の特徴および態様の(例えば、様々な実施形態にわたる態様の)均等な要素、変更、省略、組み合わせまたは部分的組み合わせ、適合および/または代替、ならびに本開示に基づいて当業者によって理解されるような本発明の使用を有する任意のおよび全ての実施形態に及ぶことが当業者によって理解されるであろう。特許請求の範囲における限定は、特許請求の範囲で使用される文言に基づいて公正に解釈されるべきであり、本明細書に記載された例または出願の審査中に限定されるものではなく、例は非排他的であると解釈されるべきである。さらに、開示されたプロセスおよび方法の動作は、動作を並べ替えること、および/または追加の動作を挿入すること、および/または動作を削除することを含む、任意の方法で変更されることができる。したがって、本明細書および実施例は例示的なものとしてのみ考慮され、真の範囲および趣旨は、特許請求の範囲およびそれらの均等物の全範囲によって示されることが意図される。
【国際調査報告】