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  • 特表-自動剥皮システム 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-02-13
(54)【発明の名称】自動剥皮システム
(51)【国際特許分類】
   A23N 7/02 20060101AFI20230206BHJP
   A23N 7/00 20060101ALI20230206BHJP
   A23N 5/00 20060101ALI20230206BHJP
【FI】
A23N7/02
A23N7/00 A
A23N7/00 D
A23N5/00 Z
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022535088
(86)(22)【出願日】2020-12-16
(85)【翻訳文提出日】2022-08-01
(86)【国際出願番号】 EP2020086575
(87)【国際公開番号】W WO2021116502
(87)【国際公開日】2021-06-17
(31)【優先権主張番号】19215440.9
(32)【優先日】2019-12-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】514131364
【氏名又は名称】トムラ ソーティング リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110000855
【氏名又は名称】弁理士法人浅村特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ブロデリック、マイケル
(72)【発明者】
【氏名】リード、ダグ
(72)【発明者】
【氏名】マックグロッフリン、ジョン
【テーマコード(参考)】
4B061
【Fターム(参考)】
4B061AA01
4B061AA09
4B061AB04
4B061AB08
4B061BA02
4B061BA08
4B061BA11
4B061BA15
4B061CB02
4B061CB11
4B061CB30
(57)【要約】
1次剥皮装置と、1次剥皮装置から送出された製品を、剥皮済み製品と部分的に剥皮された製品とに選別するために配置された選別装置と、選別装置から送出された部分的に剥皮された製品を受け入れるために配置された2次剥皮装置と、1次剥皮装置の後の少なくとも1つの位置で検出された製品の剥皮品質を監視し、該剥皮品質に応じて剥皮システムを制御する剥皮制御システムとを備える剥皮方法及びシステムを提供する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
1次剥皮装置(2)と、前記1次剥皮装置(2)から送出された製品(8)を、剥皮済み製品(12)と部分的に剥皮された製品(10)とに選別するために配置された選別装置(6)と、前記選別装置(6)から送出された前記部分的に剥皮された製品(10)を受け入れるために配置された2次剥皮装置(14)と、前記1次剥皮装置の後の少なくとも1つの位置で検出された製品の剥皮品質を監視し、前記剥皮品質に応じて剥皮システムを制御する剥皮制御システム(16)とを備える剥皮システム。
【請求項2】
前記剥皮制御システム(16)が、前記少なくとも1つの位置での前記検出品質に応じて前記1次剥皮装置(2)の剥皮深さを調節するようになされる、請求項1に記載の剥皮システム。
【請求項3】
前記剥皮制御システム(16)が、前記少なくとも1つの位置での前記検出品質に応じて前記選別装置(6)の選別品質を制御するようになされる、請求項1又は2に記載の剥皮システム。
【請求項4】
前記少なくとも1つの位置が、前記1次剥皮装置(2)の出口を含む、請求項1から3までのいずれか一項に記載の剥皮システム。
【請求項5】
前記少なくとも1つの位置が、前記2次剥皮装置(14)の入口を含む、請求項1から4までのいずれか一項に記載の剥皮システム。
【請求項6】
前記少なくとも1つの位置が、前記2次剥皮装置(14)の出口を含む、請求項1から5までのいずれか一項に記載の剥皮システム。
【請求項7】
前記剥皮制御システム(16)が、前記2次剥皮装置(14)の前記出口での前記検出品質に応じて前記2次剥皮装置(14)の剥皮深さを調節するようになされる、請求項6に記載の剥皮システム。
【請求項8】
前記少なくとも1つの位置が、前記選別装置(6)の出口を含む、請求項1から7までのいずれか一項に記載の剥皮システム。
【請求項9】
不十分に剥皮された製品を、更に剥皮するために前記2次剥皮装置(14)に振り分け戻し入れるように構成された2次選別機を更に備える、請求項1から8までのいずれか一項に記載の剥皮システム。
【請求項10】
前記2次剥皮装置の前記出口からの製品を、前記1次剥皮装置(2)からの流れとは分離して、前記選別装置(6)を通して流す手段を更に備える、請求項1から9までのいずれか一項に記載の剥皮システム。
【請求項11】
前記剥皮制御システムが、前記選別装置からのデータを使用して、製品の剥皮品質を監視するように構成される、請求項1から10までのいずれか一項に記載の剥皮システム。
【請求項12】
1次剥皮装置を使用して製品を剥皮するステップと、
前記1次剥皮装置から送出された製品(8)を、剥皮済み製品(12)と部分的に剥皮された製品(10)とに選別するステップと、
前記部分的に剥皮された製品(10)を再剥皮するステップと、
前記1次剥皮装置の後の少なくとも1つの位置で検出された製品の剥皮品質を監視するステップと、
前記剥皮品質に応じて剥皮方法を制御するステップと
を含む、剥皮方法。
【請求項13】
前記少なくとも1つの位置での前記検出品質に応じて前記1次剥皮装置の剥皮深さを調節するステップを更に含む、請求項12に記載の剥皮方法。
【請求項14】
剥皮方法を制御するステップが、前記少なくとも1つの位置での前記検出品質に応じて、前記選別ステップの選別品質を制御するステップを含む、請求項12又は13に記載の剥皮方法。
【請求項15】
コンピュータによってプログラムを実行すると、請求項12から14のいずれか一項に記載の方法を前記コンピュータに実施させる命令を有するコンピュータ・プログラム製品。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、製品の外層をある程度除去する剥皮及び研磨を含む、根菜、果物、ナッツなどの製品の表面仕上げに関する。
【背景技術】
【0002】
機械的剥皮方式は、細片切断及びスライス式ポテト製品用のポテト加工ラインを含めて、多くの食品加工ラインに使用される。剥皮機械は、蒸気剥皮機構、研磨剥皮機構、及び刃物剥皮機構を含めて、多数の形態を取ることができる。剥皮機械の別の形態は、苛性アルカリ溶液剥皮のような化学的剥皮方式を採ることができる。場合によっては、剥皮装置は、又、ある種の表面欠陥及び傷を除去するためにも使用される。本明細書に使用されるとき、用語「剥皮」は、それらに限定されないが、蒸気、削磨、刃物、化学作用、研磨、熱湯処理などによって剥皮することを含む、外面を除去するあらゆる態様を意味するものとする。
【0003】
剥皮システムは、剥皮する製品の薄い層を除去し、理想的には、果皮又は外皮を含む層だけを除去し、隣接する有用な製品の果肉の除去及び損失を最小限にし、又は無くする。しかしながら、ある程度の有用な製品は除去され、全ての剥皮システムは、果皮及び表面欠陥を最大限に除去する一方で、有用な製品の損失を最小限に抑えるというせめぎ合いに対処しなければならない。剥皮システムにとって最大の課題は、有用な製品の損失を最小限にする一方で、果皮又は望ましくない外面の除去を最大限にすることである。剥皮システムを使用する産業界にとっての第2の関心事は、システムのエネルギー消費量であり、エネルギー消費量は、経済的生産率で果皮を除去していてもなお、最小限に抑えるべきである。
【0004】
従来、剥皮システムは、製品から果皮を除去する装置から構成され、その装置は、ローラを組み合わせた研磨ディスク、一連の回転刃物ブレード、蒸気圧力、又は苛性ソーダの熱浴でもよい。これら装置には、洗浄機やブラッシング装置や他の乾式果皮分離装置など、有用な製品から破片/果皮を清掃/分離する何らかの設備が続くことが多い。光学検査装置が、剥皮装置の後に更に配設されて、製品に残留した果皮を検査し、製品を要求品質に近付けるために、剥皮装置の剥皮深さを調節して、表面の除去を増減させる。剥皮し過ぎて、有用な体積を最終製品から失うことなく、剥皮不足で、消費者に不評な標準以下の製品を製造することもない。
【0005】
全ての従来の剥皮システムでの問題は、剥皮される製品が、一定の果皮を有さず、80~85%は、剥皮が容易であり得、15~20%は、より困難であることである。システムが、剥皮し過ぎによる製品損失を最小限に抑えるように調整された場合、15~20%は適正に剥皮されない。難しい15~20%をも確実に十分に剥皮するために、より深く剥皮するように剥皮機を調節した場合、残りの80~85%が表層のかなりの体積を失い、製品収率を低下させる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の目的は、製品損失を減少させ、且つエネルギー消費量を低減させる効率的な大量剥皮システムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、剥皮される製品のこの両特性を克服するために、1次剥皮機、選別装置、及び2次剥皮機を採り入れる。
【0008】
従って、本発明は、添付特許請求の範囲に記述するように、1次剥皮装置と、1次剥皮装置から送出された製品を、剥皮済み製品と部分的に剥皮された製品とに選別するために配置された選別装置と、選別装置から送出された部分的剥皮製品を受け入れるために配置された2次剥皮装置と、1次剥皮装置の後の少なくとも1つの位置で検出された製品の剥皮品質を監視し、該剥皮品質に応じて剥皮システムを制御する剥皮制御システムとを備える剥皮システムを提供する。
【0009】
剥皮制御システムは、剥皮システムの1つ又は複数の構成要素の作動を制御するように構成され得る。剥皮制御システムは、検出された剥皮品質に応じて剥皮システムの1つ又は複数の構成要素を制御するように構成され得る。構成要素は、1次剥皮装置、選別装置、及び2次剥皮装置を含み得る。剥皮制御システムは、検出された剥皮品質に応じて、1次剥皮装置、選別装置、及び2次剥皮装置の1つ又は複数を制御するように構成され得る。
【0010】
剥皮制御システムは、1次剥皮装置の後の少なくとも1つの位置で検出された大量な製品の剥皮品質を監視し、該剥皮品質に応じて剥皮システムを制御するように構成され得る。剥皮制御システムは、1次剥皮装置の後の少なくとも1つの位置で検出された製品の平均剥皮品質を監視し、該剥皮品質に応じて剥皮システムを制御するように構成してもよい。
【0011】
剥皮制御システムは、1次剥皮装置の後の少なくとも1つの位置で検出された製品の剥皮品質を監視し、該剥皮品質に応じて剥皮システムの選別装置を制御するように構成され得る。剥皮制御システムは、1次剥皮装置の後の少なくとも1つの位置で検出された製品の剥皮品質を監視し、上記に加えて、又は上記の代わりに、該剥皮品質に応じて剥皮システムの1次剥皮装置を制御するように構成され得る。
【0012】
好ましくは、1次剥皮装置は制御可能である。好ましくは、1次剥皮装置は調節可能である。1次剥皮装置の剥皮深さは、調節可能であり得る。剥皮制御システムは、少なくとも1つの位置で検出された品質に応じて1次剥皮装置の剥皮深さを調節するようになされ得る。
【0013】
好ましくは、選別装置は制御可能である。好ましくは、選別装置は調節可能である。選別装置は、選別工程で適用される選別品質を変化させるように調節可能であり得る。選別装置は、部分的に剥皮された製品又は剥皮済み製品として選別される製品の量を変更するように調節可能であり得る。剥皮制御システムは、少なくとも1つの位置で検出された品質に応じて、選別装置の選別品質を制御するようになされ得る。
【0014】
少なくとも1つの位置は、1次剥皮装置の出口を含み得る。少なくとも1つの位置は、2次剥皮装置の入口を含み得る。少なくとも1つの位置は、2次剥皮装置の出口を含み得る。
【0015】
好ましくは、2次剥皮装置は制御可能である。好ましくは、2次剥皮装置は調節可能である。2次剥皮装置の剥皮深さは、調節可能であり得る。剥皮制御システムは、2次剥皮装置の出口での検出品質に応じて2次剥皮装置の剥皮深さを調節するようになされ得る。
【0016】
少なくとも1つの位置は、選別装置出口を含み得る。
【0017】
剥皮選別モジュールは、選別装置の構成要素であり得る。或いは、剥皮選別モジュールは、剥皮システムの、独立した部分であり得る。
【0018】
2次剥皮装置と1次剥皮装置とは同じ剥皮装置でもよい。2次剥皮装置は、1次剥皮装置内に組み込んでもよい。2次剥皮装置は、1次剥皮装置の一部分でもよい。
【0019】
剥皮システムは、不十分に剥皮された製品を、更に剥皮するために2次剥皮装置に振り分け戻し入れるように構成された2次選別機を更に備え得る。
【0020】
剥皮システムは、2次剥皮装置の出口からの製品を、1次剥皮装置からの流れとは分離して、選別装置を通して流す手段を更に備え得る。その流す手段は、選別装置の分割されたチャネルを有し得る。剥皮システムは、あらゆる残りの不十分に剥皮された製品を2次剥皮装置によって再剥皮するために、2次剥皮装置へ搬送する手段を更に備え得る。剥皮制御システムは、選別装置から送出される製品の画像によって、選別装置を通る、1次剥皮装置から来る流れの部分と2次選別機から来る流れの部分とを識別するように構成され得る。
【0021】
少なくとも1つの位置は、選別装置内でもよい。剥皮制御システムは、選別装置からのデータを使用して、製品の剥皮品質を監視するように構成される。データは、画像データを含み得る。剥皮制御システムは、選別装置内に一体化してもよい。
【0022】
少なくとも1つの位置は、剥皮システムの出口を含み得る。剥皮制御システムは、剥皮システムの出口で検出された、剥皮システムから送出された製品の剥皮品質を監視し、該剥皮品質に応じて剥皮システムを制御するように構成され得る。
【0023】
本発明は、1次剥皮装置を使用して製品を剥皮するステップと、1次剥皮装置から送出された製品を、剥皮済み製品と部分的に剥皮された製品とに選別するステップと、部分的に剥皮された製品を再剥皮するステップと、1次剥皮装置の後の少なくとも1つの位置で検出された製品の剥皮品質を監視するステップと、該剥皮品質に応じて剥皮方法を制御するステップとを含む剥皮方法を更に提供する。
【0024】
剥皮方法は、少なくとも1つの位置での検出品質に応じて1次剥皮装置の剥皮深さを調節するステップを更に含み得る。
【0025】
剥皮方法を制御するステップが、少なくとも1つの位置での検出品質に応じて、選別ステップの選別品質を制御するステップを含み得る。この制御ステップは、大量の流れから選別される製品の量、例えば2次剥皮機へ送られる製品の量の変更を行うことができる。
【0026】
本明細書で使用されるとき、用語「剥皮深さ」は、剥皮中にどれだけの果皮が除去されるかに関する。剥皮機の剥皮深さを増やす場合、これは、より多くの果皮が剥皮機によって除去されることを意味する。剥皮深さを減少させると、剥皮機によって除去される果皮がより少なくなる。
【0027】
少なくとも1つの位置は、1次剥皮装置の出口を含み得る。少なくとも1つの位置は、部分的に剥皮された製品の経路内でもよい。少なくとも1つの位置は、再剥皮された製品の経路内でもよい。剥皮方法の制御ステップは、再剥皮製品の検出品質に応じて再剥皮の剥皮深さを調節するステップを含み得る。
【0028】
少なくとも1つの位置は、剥皮済み製品の経路内でもよい。
【0029】
剥皮方法は、再剥皮された製品を、剥皮済み製品と部分的に剥皮された製品とに選別するステップと、部分的に剥皮された再剥皮製品を再び剥皮するステップとを更に含み得る。
【0030】
2次剥皮装置の剥皮深さを調節することによって、2次剥皮機の送出品が選別機からの送出品(主製品流)と混ぜ合わせるに十分であることが確実になる。理想的には、再剥皮製品の品質が、剥皮済み製品の品質と等しいか、又はそれ以上である。
【0031】
本発明は、コンピュータによってプログラムを実行すると、上記の方法をコンピュータに実施させる命令を有するコンピュータ・プログラム製品を更に提供する。
【0032】
本発明は、コンピュータによって実行すると、上記の方法をコンピュータに実施させる命令を有するコンピュータ可読記憶媒体を更に提供する。
【0033】
難しい果皮を有する製品を区別することによって、本発明は、全体的製品損失を低減し、エネルギー消費量を低く維持しながら、取り除くのがより難しい果皮を除去することができることを理解されたい。これは、全ての製品を高品質に剥皮するように1次剥皮装置を設定する必要をなくすることによって達成される。本発明の剥皮システム内の剥皮制御システムは、除去するのが難しい果皮を、確実に、2次剥皮装置に導いて再剥皮する。剥皮システムの制御の一実例は、再剥皮のために送られる製品のパーセンテージが望ましい閾値を超えて増加したとき、剥皮装置の剥皮深さを増加させることであり得る。別の実例は、剥皮済み製品の品質の低下に応じて、より高品質の製品を振り分け又は送り出すように選別装置の選別品質を調節することであり得る。
【0034】
本発明の実施例が、添付図面を参照して、単なる実例として説明される。
【図面の簡単な説明】
【0035】
図1】本発明による剥皮システムの一実施例の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0036】
図1は、本発明による剥皮システムの一実施例を示す。1次剥皮機2は、剥皮する全ての製品4を処理するように調整され、大多数の製品を正しく十分に剥皮するように設定され、残りのパーセンテージは剥皮されるが、程度が浅く、標準以下である。次いで、選別装置(選別機)6が、剥皮機からの流れ8を取り込み、剥皮不足で低品質の製品10を選別し、その剥皮不足製品を2次剥皮機に振り分ける。正しく剥皮された良好な製品12は、システムの出口へ進み続ける。この製品は、存在し得る要求基準どおりに剥皮されている。2次剥皮機14は、確実に剥皮不足の製品を完全に剥皮し基準を満足させるように、調整される。2次剥皮機が、残余製品全てを確実に正しい基準に合わせるために、一部の残余製品を過剰に剥皮する必要がある場合、多少の損失が起るが、その損失は、100%の製品を仮に同じ剥皮深さで剥皮する場合に主流の大多数から失われることになるであろう損失より大幅に少ない。システム全体は、動的であり、入って来る未剥皮の製品の品質及びばらつきに基づいて自動調節する必要がある。
【0037】
剥皮制御システム16は、システムの1つ又は様々な箇所を監視し、1次剥皮、選別、及び/又は第2の剥皮に関する様々なシステム作動のバランスを取る必要がある。剥皮制御システム16は、選別システムによって供給される画像であり得る、システム内の少なくとも1つの箇所からの画像を使用する画像解析によって、剥皮品質を監視する。或いは、使用される画像は、選別機からではなく、独立したカメラ又はセンサから来てもよい。剥皮品質を監視する別の方式を、代替実施例では用いることができる。センサ又はカメラは、選別機の後に配置され得る。選別機から出る製品流の品質Qrは、システムの目的が一定品質の剥皮製品を生産することにあるので、システムの主要制御事項である。検出された品質は、剥皮システムの1つ又は複数の部分のパラメータを制御するために、剥皮制御システムによって使用され得る。パラメータの一実例は、1次剥皮機の剥皮深さである。この実施例での剥皮制御システム16は、高いパーセンテージの製品が適切に剥皮されるように1次剥皮機2の剥皮深さを調節し、選別装置6は、残りのパーセンテージの剥皮不足製品10を2次剥皮機14へ振り分けるように構成される。剥皮システムは、剥皮される製品のタイプ及び特性に応じて順応することができる必要がある。同じタイプの製品の様々な変種が、様々な剥皮特性を有し、一部の変種が、他よりも剥皮し易い。同様に、様々な供給源からの製品が、様々な剥皮特性を有し得、ある供給業者又は地域からの製品が、他よりも剥皮し易い。シーズン中の時期も又剥皮に影響することがあり、従って、例えば、成長シーズンの初期に収穫された製品は、通常、より浅く剥皮する必要がある。そのような変化は、剥皮システムに送り込まれる連続するバッチ間で生じ得、即ち本質的にシステムは動的である。製品の剥皮が容易であれば、1次剥皮機2の剥皮深さは、剥皮制御システム16によって減らすことができ、喪失する有用な製品の量が少なくなり、その結果、高パーセンテージの剥皮容易な製品が、適正且つ十分に剥皮される。選別装置6は、残りのパーセンテージの剥皮不足製品を2次剥皮機14に振り分けるように調整され、2次剥皮機14では、残っている果皮が除去される。剥皮する製品が、より難しい果皮を有する場合、この実施例の剥皮制御システムは、1次剥皮機2の剥皮深さを増加させるが、このより困難な製品変種の高パーセンテージを適正且つ基準どおりに剥皮するのに十分なだけに止める。選別装置6は、残りのパーセンテージの剥皮不足製品を2次剥皮機14に振り分け続け、2次剥皮機14では、残っている果皮が除去される。
【0038】
これは、図1に示されたシステムの作動のほんの一実例である。本発明による他の作動方式が可能である。
【0039】
図1では、Uは、未剥皮品質を示し、Qpは、1次剥皮機2からの品質を示し、Qfは、選別装置6後の仕上がり品質を示し、Qrは、選別装置6から振り分けられた品質を示し、Qsは、2次剥皮機14後の品質を示す。Epは、1次剥皮機2のエネルギー消費量を示し、Esは、2次剥皮機14のエネルギー消費量を示す。Lpは、1次剥皮機2からの損失を示し、Lsは、2次剥皮機14からの損失を示す。
【0040】
剥皮制御システム16は、2つ以上の供給源からのデータ及び画像を監視して、1次剥皮機、選別装置、及び2次剥皮機の少なくとも1つの機能及び作動を制御することができる。
【0041】
システムの一実施例では、検査手段を2次剥皮機14の出口に配置することができる。この位置からの画像が、2次剥皮機の剥皮深さを調節するために使用され、それによって、2次剥皮機の送出品18が選別機からの送出品(主製品流)と混ぜ合わせるに十分であることを確実にする。
【0042】
システムは、2次剥皮機の後に2次選別機(図示せず)を更に有し得、2次選別機は、不十分に剥皮された製品を、剥皮不足製品を更に剥皮するために2次剥皮機14に戻し入れる搬送手段に振り分け戻すように構成される。
【0043】
システムの別の実施例は、2次剥皮機14の送出品を、選別装置6の分割チャネルを通して流すことができ、その分割チャネルは、1次剥皮機2からの流れ8を2次剥皮機14からの流れから分離したままにする。次いで、選別装置6は、この2次流れを検査、選別し、あらゆる残りの不十分に剥皮された製品を2次剥皮機14によって再剥皮するために分け出すことができる。良好な適正に剥皮された製品は、主流からの良好な製品12と共に進んで行く。この実施例では、剥皮制御システムは、選別装置の、1次剥皮機2から来る部分と2次選別機から来る流れ部分とを、画像によって識別しなければならない。
【0044】
一実施例では、2つ以上の位置での品質を監視するために単一のユニットを使用することができる。例えば、単一のカメラ/センサ・ユニットが、選別機の出口及び2次剥皮機の出口で品質を監視することを可能にし得る。ユニットは、これら位置での複数のセンサ/カメラからの別々の画像供給を利用してもよい。
【0045】
剥皮機から送出された製品流中の個々の製品を更に剥皮を必要とすると識別し、流れから分けて2度又は再度剥皮機に供給し直す多重パス(又は漸進式)剥皮機とは対照的に、本発明は、ワンパス完全剥皮システムである。
【0046】
剥皮不足の製品を剥皮されるまで複数回剥皮機に通すのではなく、本発明は、システムを通る製品の流れを一定に保つ。これは、剥皮される製品が剥皮システム内で長時間過ごすほど果肉の酸化が増すため、望ましいことである。製品が、剥皮システム内で長時間過ごし過ぎると、果肉が酸化し、製品の品質が低下する。本発明は、1次剥皮機を使用して流れ内の大多数の製品を所望の品質に剥皮するステップと、剥皮の難しい製品に対処するために2次剥皮機を使用するステップとを含む。これにより、システムに入り、通り、出て行く製品の一定な流れが確保される。これが、従来技術のシステムに勝る剥皮システムの能力の向上を提供する。製品の損傷も、又、単一パスによって減少する。
【0047】
本発明は、個々の製品の品質を評価するのではなく、製品の大量流の品質を評価してその品質を確実に基準に適合させ、製品の大量流の品質が基準を満たさなければ、必要に応じて剥皮システムの調節を行う。評価は、システム内の1箇所又は複数の箇所で行うことができる。評価は、製品流から平均剥皮品質を求めることも含み得る。
【0048】
本発明の剥皮制御システムは、選別機又はカメラのようなハードウェアの単一体又は部品ではない。本発明の剥皮システムは、剥皮工程を制御し、剥皮システムから送出される製品において所望の品質を達成するために一体で働く全体システムである。剥皮制御システムは、例えば1次剥皮機の剥皮深さを制御するように構成することができる。剥皮制御システムは、更に、2次剥皮機に送られる製品の量を制御するように構成することができる。剥皮制御システムは、2次剥皮機に送られる製品の量のみを制御するように構成することができる。剥皮制御システムは、2次剥皮機に送られる製品の所望の量が達成されるまで選別装置の選別パラメータを制御することによって、上記量を制御するように構成することができることを理解されたい。
【0049】
これら実例は限定的ではない。剥皮システム全体に亘る1つ又は複数の箇所で求められた情報を使用して、本発明による剥皮制御システムを構成する複数の方式が存在する。同様に、剥皮制御システムによって制御され得る、剥皮システムの複数の構成要素が存在する。本発明による剥皮制御システムによって変化させられ得る複数のパラメータが、剥皮システム全体に亘って存在する。この点で、システム全体が動的である。
【0050】
本発明は、剥皮製品の所望の等級を設定できる能力を可能にする。本剥皮制御システムは、一旦設定すれば、所望の等級の製品を送出するように剥皮システムを制御することができる。剥皮機と選別機とが一体に働いて、所望の等級の剥皮製品を供給する。用語「備える/備えている」及び用語「有する/含む」は、本発明に関して本明細書で使用されるとき、言及された特徴、整数、ステップ、又は構成要素の存在を明示するために使用されるが、1つ又は複数の他の特徴、整数、ステップ、構成要素、又はそれらのグループの存在又は追加を排除しない。
【0051】
明確化のために、別々の実施例に関して説明された本発明の一部の特徴は、単一の実施例において組み合わせて用いることもできることを理解されたい。逆に、簡潔さのために、単一の実施例に関して説明された、本発明の様々な特徴は、別々に、又は任意の適切な部分的組合せで用いることもできる。
図1
【国際調査報告】