(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-02-13
(54)【発明の名称】脱風味ペッパーコーンを製造する組成物及び方法
(51)【国際特許分類】
A23L 33/105 20160101AFI20230206BHJP
A23L 5/20 20160101ALI20230206BHJP
A23L 19/00 20160101ALI20230206BHJP
A61K 36/67 20060101ALI20230206BHJP
【FI】
A23L33/105
A23L5/20
A23L19/00 Z
A61K36/67
【審査請求】未請求
【予備審査請求】有
(21)【出願番号】P 2022535181
(86)(22)【出願日】2020-12-08
(85)【翻訳文提出日】2022-08-08
(86)【国際出願番号】 US2020063825
(87)【国際公開番号】W WO2021119020
(87)【国際公開日】2021-06-17
(32)【優先日】2019-12-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】520253214
【氏名又は名称】ブライトシード・インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】アレクサンドラ・マルセラ・ハーマン
(72)【発明者】
【氏名】スウェタ・マハデヴァン
【テーマコード(参考)】
4B016
4B018
4B035
4C088
【Fターム(参考)】
4B016LC07
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4C088AB36
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4C088NA09
(57)【要約】
本明細書において、天然由来の辛味を付与するアルカロイドであるピペリンを最小限にし、アロマを付与する揮発性油を最小限にし、天然由来の代謝性微量栄養素の大部分を保持する、ホール、又は粗挽きペッパーコーンを脱風味するための組成物及び方法が開示される。ペッパーコーンを1種又は複数種の油と接触させ、それによって脱風味ペッパーコーンを製造する工程を含める方法も開示される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
温度約30~約90℃及び圧力約5~約80MPaで、ペッパーコーンを超臨界二酸化炭素と接触させ、それによって脱風味ペッパーコーンを製造する工程を含む、脱風味ペッパーコーンを調製する方法。
【請求項2】
前記温度が、約30℃~約60℃である、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記ペッパーコーンへの前記圧力が、約7.4~約36MPaである、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項4】
前記ペッパーコーンが、水分約5~約25%を有する、請求項1から3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項5】
前記ペッパーコーンを溶媒と接触させる工程を更に含む、請求項1から3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
前記溶媒が、水、エタノール、又はその組み合わせから選択される、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
脱風味ペッパーコーンのピペリン含有量が、前記ペッパーコーンの元のピペリン含有量の約0%~約60%である、請求項1から5のいずれか一項に記載の方法。
【請求項8】
前記脱風味ペッパーコーンが、ピペリン0.01%w/w~6%w/w、水分5~25%w/w、及び代謝性微量栄養素0.005~0.2%w/wを含む、請求項1から7のいずれか一項に記載の方法。
【請求項9】
前記脱風味ペッパーコーンが、ピペリン0.01%w/w~約0.6%w/w、炭水化物60%w/w超、脂肪1%w/w未満、灰分10%w/w未満、タンパク質約10~約15%w/w、及び代謝性微量栄養素0.05%w/w超を含む、請求項1から7のいずれか一項に記載の方法。
【請求項10】
前記脱風味ペッパーコーンがピペリン0.3%w/wを含む、請求項8に記載の方法。
【請求項11】
前記代謝性微量栄養素が、N-trans-カフェオイルチラミン、N-trans-フェルロイルチラミン、及びp-クマロイルチラミンのうちの少なくとも1種を含む、請求項8又は10に記載の方法。
【請求項12】
前記ペッパーコーンを粉砕する工程を更に含む、請求項1から11のいずれか一項に記載の方法。
【請求項13】
前記ペッパーコーンを超臨界二酸化炭素と15分間~4時間接触させる、請求項1から12のいずれか一項に記載の方法。
【請求項14】
前記ペッパーコーンが、ホールペッパーコーン、グラウンドペッパーコーン、及びクラッシュペッパーコーンから選択される、請求項1から13のいずれか一項に記載の方法。
【請求項15】
脱風味ペッパーコーン;及び
担体
を含み、
前記脱風味ペッパーコーンが、ピペリン約0.01%w/w~約0.6%w/w、炭水化物60%w/w超、脂肪1%w/w未満、灰分10%w/w未満、タンパク質約10~約15%w/w、及び代謝性微量栄養素0.05%w/w超を含む、健康補助食品、食材若しくは食品添加物、医療用食品、又は栄養補助食品。
【請求項16】
前記担体が、糖、デンプン、セルロース、トラガント末、麦芽、ゼラチン、タルク、賦形剤、油、グリコール、ポリオール、エステル、寒天、緩衝剤、アルギン酸、等張食塩水、エチルアルコール、リン脂質、pH緩衝液、又はポリエステルのうちの少なくとも1種から選択される、請求項15に記載の健康補助食品、食材若しくは食品添加物、医療用食品、又は栄養補助食品。
【請求項17】
防腐剤を更に含む、請求項15又は16に記載の健康補助食品、食材若しくは食品添加物、医療用食品、又は栄養補助食品。
【請求項18】
前記防腐剤が、安息香酸ナトリウム、メチルパラベン、プロピルパラベン、亜硝酸ナトリウム、二酸化硫黄、ソルビン酸ナトリウム、ソルビン酸カリウム、又はエデト酸塩のうちの少なくとも1種から選択される、請求項16に記載の健康補助食品、食材若しくは食品添加物、医療用食品、又は栄養補助食品。
【請求項19】
前記代謝性微量栄養素が、N-trans-カフェオイルチラミン、N-trans-フェルロイルチラミン、及びp-クマロイルチラミンのうちの少なくとも1種を含む、請求項15から18のいずれか一項に記載の健康補助食品、食材若しくは食品添加物、医療用食品、又は栄養補助食品。
【請求項20】
第2作用剤を更に含む、請求項15から18のいずれか一項に記載の健康補助食品、食材若しくは食品添加物、医療用食品、又は栄養補助食品。
【請求項21】
前記第2作用剤が、植物栄養素、香味剤、コーティング層、安定剤、着色剤、希釈剤、充填剤、1種若しくは複数種のアルカロイド、1種若しくは複数種のビタミン、又は1種若しくは複数種のチラミン含有ヒドロキシ桂皮酸アミドから選択される、請求項20に記載の健康補助食品、食材若しくは食品添加物、医療用食品、又は栄養補助食品。
【請求項22】
前記脱風味ペッパーコーンが、増加した代謝性栄養素をもたらすように配合される、請求項15から21のいずれか一項に記載の健康補助食品、食材若しくは食品添加物、医療用食品、又は栄養補助食品。
【請求項23】
前記脱風味ペッパーコーンが、水分5~25%w/wを更に含む、請求項15から21のいずれか一項に記載の健康補助食品、食材若しくは食品添加物、医療用食品、又は栄養補助食品。
【請求項24】
脱風味ペッパーコーンを製造する方法であって、
ペッパーコーンを、約50℃から約190℃の1種又は複数種の油と約10~約30psiで約5分間~約120分間接触させ、それによって脱風味ペッパーコーンを製造する工程を含む、方法。
【請求項25】
前記ペッパーコーンが、ホールペッパーコーン、グラウンドペッパーコーン、及びクラッシュペッパーコーンから選択される、請求項24に記載の方法。
【請求項26】
前記1種又は複数種の油が植物油である、請求項24又は25に記載の方法。
【請求項27】
前記植物油が、ヒマワリ油、ベニバナ油、オリーブ油、ダイズ油、ナタネ油、及び落花生油からなる群から選択される、請求項26に記載の方法。
【請求項28】
前記油が、温度約50℃~約135℃である、請求項24から27のいずれか一項に記載の方法。
【請求項29】
圧力が、約14.5psi~約30psiである、請求項24から28のいずれか一項に記載の方法。
【請求項30】
前記油が、pH約3~約8である、請求項24から29のいずれか一項に記載の方法。
【請求項31】
前記ペッパーコーンを約5分間~約120分間撹拌する工程を更に含む、請求項24から30のいずれか一項に記載の方法。
【請求項32】
前記ペッパーコーンが、油ちょうされ、ベイキングされ、又は圧力調理される、請求項24から31のいずれか一項に記載の方法。
【請求項33】
前記脱風味ペッパーコーンが、代謝性微量栄養素を100mg/Kg超含む、請求項24から32のいずれか一項に記載の方法。
【請求項34】
前記脱風味ペッパーコーンが、元のピペリンレベルの約0~約60%を含む、請求項24から33のいずれか一項に記載の方法。
【請求項35】
植物油を前記ペッパーコーンから分離する工程を更に含む、請求項24から34のいずれか一項に記載の方法。
【請求項36】
前記ペッパーコーンを水溶液で洗浄する工程を更に含む、請求項24から35のいずれか一項に記載の方法。
【請求項37】
前記洗浄する工程により、残留植物油が取り除かれる、請求項36に記載の方法。
【請求項38】
前記ペッパーコーンを乾燥させる工程を更に含む、請求項24から37のいずれか一項に記載の方法。
【請求項39】
前記ペッパーコーンを粉砕する工程を更に含む、請求項24から38のいずれか一項に記載の方法。
【請求項40】
脱風味ペッパーコーンを製造する方法であって、
ペッパーコーンを前処理し、それによって脱風味ペッパーコーンを製造する工程を含み、
前処理する工程が、圧力を前記ペッパーコーンに加えること、前記ペッパーコーンにかかる温度を上げること、前記ペッパーコーンに照射すること、溶媒を前記ペッパーコーンに適用すること、又はその組み合わせを含む、方法。
【請求項41】
ペッパーコーンを超臨界二酸化炭素と接触させる工程を含む、ペッパーコーンからピペリンを抽出する方法。
【請求項42】
ペッパーコーンを有機溶媒と接触させる工程を含む、ペッパーコーンからピペリンを抽出する方法。
【請求項43】
ペッパーコーンを高輝度光と接触させる工程を含む、ペッパーコーンからピペリンを抽出する方法。
【請求項44】
ペッパーコーンをUV線と接触させる工程を含む、ペッパーコーンからピペリンを抽出する方法。
【請求項45】
前記UV線が、約150nmから約350nmまでである、請求項44に記載の方法。
【請求項46】
請求項38から45のいずれか一項に従って製造された脱風味ペッパーコーン。
【請求項47】
ピペリン0.01%w/w~0.6%w/w;
水分5~25%w/w;
代謝性微量栄養素0.005~0.2%w/w;及び
担体
を含む、脱風味ペッパーコーン。
【請求項48】
ピペリン0.01~0.3%を含む、請求項47に記載の脱風味ペッパーコーン。
【請求項49】
ピペリン0.3%を含む、請求項47又は48に記載の脱風味ペッパーコーン。
【請求項50】
前記水分が25%である、請求項47に記載の脱風味ペッパーコーン。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、一般に、良好な代謝、消化及びインスリン応答を向上させ、維持し及び/又は促進するための、食品サプリメント及び飲料サプリメントの分野に関する。
【背景技術】
【0002】
ペッパーコーン(peppercorn)は、その爽やかな風味、辛味、及び有益な薬理学的な特性で知られている。揮発性油がアロマの要因となるが、ペッパーコーンの辛味及びぴりっとした味を付与する元となる主要な化合物は、ピペリンとして公知の天然由来アルカロイドである。ピペリンは、その酸化防止性、抗炎症性、及び生物学的利用能を高める特性のために、治療効果をもたらすことが広く報告されている(Gorgani等、2017、Comp. Rev. of Food Sci. and Food Safety、124~140頁)。
【0003】
従来、ブラックペッパーコーンは、微量栄養素源、及び脂肪代謝の調節における代謝性微量栄養素の役割としては研究されてこなかった。しかし、食事においてこうした代謝性微量栄養素の有効用量を実現するために、摂取されるべき標準的な市販のブラックペッパーの一人前の分量は、ペッパーコーンの辛味の要因となる主要なアルカロイドであるピペリンの高いレベルのために、非常に制限される。したがって、辛味が最小限であり、その一方で代謝性微量栄養素の代謝性健康効果及びバイオアベイラビリティを促進する、代謝性微量栄養素及びピペリンの最適な組成を(ホールの及びグラウンドの)ブラックペッパー中で生じるように、ブラックペッパーを脱風味する必要性がある。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0004】
【非特許文献1】Gorgani等、2017、Comp. Rev. of Food Sci. and Food Safety、124~140頁
【非特許文献2】Friedman等、2007、J. Agric. Food Chem.7131~7139頁
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本明細書において、脱風味ペッパーコーンを製造するのに有用な方法及び組成物が開示される。一部の実施形態において、本明細書に記載の方法は、ペッパーコーンに関係した辛さを取り除いた脱風味ペッパーコーンを製造する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
一部の実施形態は、脱風味ペッパーコーンを製造する方法に関連する。一部の実施形態において、方法は、ペッパーコーンを油と接触させる工程を含む。一部の実施形態において、方法は、ペッパーコーンを前処理する工程を含む。一部の実施形態において、方法は、ペッパーコーンからピペリンを抽出する工程を含む。一部の実施形態において、方法は、ペッパーコーンを超臨界二酸化炭素と接触させる工程を含む。一部の実施形態において、方法は、ペッパーコーンを有機溶媒と接触させる工程を含む。一部の実施形態において、方法は、ペッパーコーンを高輝度光と接触させる工程を含む。一部の実施形態において、方法は、ペッパーコーンをUV線と接触させる工程を含む。
【0007】
一部の実施形態は、脱風味ペッパーコーンを調製する方法に関する。一部の態様において、方法は、温度約30℃~約90℃及び圧力約5~約80MPaで、ペッパーコーンを超臨界二酸化炭素と接触させ、それによって脱風味ペッパーコーンを製造する工程を含む。一部の実施形態において、温度は約30℃~約60℃である。一部の実施形態において、圧力は約7.4~約36MPaである。一部の実施形態において、ペッパーコーン含水量は、0~25%w/wである。一部の実施形態において、方法は、ペッパーコーンを溶媒と接触させる工程を更に含む。一部の実施形態において、脱風味ペッパーコーンのピペリン含有量は、ペッパーコーンの元のピペリン含有量の約0%w/w~約60%w/wである。一部の実施形態において、脱風味ペッパーコーンは、ピペリン0%w/w~5%w/w、水分5~25%w/w、及び代謝性微量栄養素0.005~0.2%w/wを含む。一部の実施形態において、脱風味ペッパーコーンは、ピペリン0.01%w/w~約0.6%w/w、炭水化物60%w/w超、脂肪1%w/w未満、灰分10%w/w未満、タンパク質約10~約15%w/w、及び代謝性微量栄養素0.05%w/w超を含む。一部の実施形態において、脱風味ペッパーコーンはピペリン0.3%w/wを含む。一部の実施形態において、代謝性微量栄養素は、N-trans-カフェオイルチラミン、N-trans-フェルロイルチラミン、及びp-クマロイルチラミンのうちの少なくとも1種を含む。一部の実施形態において、方法は、ペッパーコーンを粉砕する工程を更に含む。一部の実施形態において、ペッパーコーンを超臨界二酸化炭素と接触させる工程は、15分間~4時間である。一部の実施形態において、ペッパーコーンは、ホール(whole)ペッパーコーン、グラウンド(ground)ペッパーコーン、及びクラッシュ(crushed)ペッパーコーンから選択される。
【0008】
一部の実施形態は、健康補助食品、食材若しくは食品添加物、医療用食品、又は栄養補助食品に関する。一部の実施形態において、健康補助食品、食材若しくは食品添加物、医療用食品、又は栄養補助食品は、脱風味ペッパーコーン及び担体を含み、脱風味ペッパーコーンは、ピペリン約0.01%w/w~約0.6%w/w、炭水化物60%w/w超、脂肪1%w/w未満、灰分10%w/w未満、タンパク質約10~約15%w/w、及び代謝性微量栄養素0.05%w/w超を含む。一部の実施形態において、担体は、糖、デンプン、セルロース、トラガント末、麦芽、ゼラチン、タルク、賦形剤、油、グリコール、ポリオール、エステル、寒天、緩衝剤、アルギン酸、等張食塩水、エチルアルコール、pH緩衝液、リン脂質、乳化剤、又はポリエステル、モノグリセリド、ジグリセリド、及び中鎖脂肪酸トリグリセリドのうちの少なくとも1種から選択される。一部の実施形態において、健康補助食品、食材若しくは食品添加物、医療用食品、又は栄養補助食品は、防腐剤を更に含む。一部の実施形態において、防腐剤は、安息香酸ナトリウム、メチルパラベン、プロピルパラベン、亜硝酸ナトリウム、二酸化硫黄、ソルビン酸ナトリウム、ソルビン酸カリウム、又はエデト酸塩のうちの少なくとも1種から選択される。一部の実施形態において、代謝性微量栄養素は、N-trans-カフェオイルチラミン、N-trans-フェルロイルチラミン、及びp-クマロイルチラミンのうちの少なくとも1種を含む。一部の実施形態において、健康補助食品、食材若しくは食品添加物、医療用食品、又は栄養補助食品は、第2作用剤を更に含む。一部の実施形態において、第2作用剤は、植物栄養素、香味剤、コーティング層、安定剤、着色剤、希釈剤、充填剤、1種若しくは複数種のアルカロイド、1種若しくは複数種のビタミン、又は1種若しくは複数種のチラミン含有ヒドロキシ桂皮酸アミドから選択される。一部の実施形態において、脱風味ペッパーコーンは、増加した代謝性栄養素をもたらすように配合される。一部の実施形態において、脱風味ペッパーコーンは、水分5~25%w/wを更に含む。
【0009】
一部の実施形態は、脱風味ペッパーコーンを製造する方法であって、ペッパーコーンを、約50℃から約190℃の1種又は複数種の油と約10~約30psiで約5分間~約120分間接触させ、それによって脱風味ペッパーコーンを製造する工程を含む、方法に関する。一部の実施形態において、ペッパーコーンは、ホールペッパーコーン、グラウンドペッパーコーン、及びクラッシュペッパーコーンから選択される。一部の実施形態において、1種又は複数種の油は植物油である。一部の実施形態において、植物油は、ヒマワリ油、ベニバナ油、オリーブ油、ダイズ油、ナタネ油、ヤシ油、ココナッツ油、綿実油、米ぬか油、落花生油、又はその組み合わせを含む群から選択される。一部の実施形態において、油は、温度約50℃~約135℃である。一部の実施形態において、圧力は、約14.5psi~約30psiである。一部の実施形態において、油はpH約3~約8である。一部の実施形態において、方法は、ペッパーコーンを約5分間~約120分間撹拌する工程を更に含む。一部の実施形態において、ペッパーコーンは、油ちょうされ、ベイキングされ、又は圧力調理される。一部の実施形態において、脱風味ペッパーコーンは、代謝性微量栄養素を100mg/Kg超含む。一部の実施形態において、脱風味ペッパーコーンは、元のピペリンレベルの約0~約60%を含む。一部の実施形態において、方法は、植物油をペッパーコーンから分離する工程を更に含む。一部の実施形態において、方法は、ペッパーコーンを水溶液で洗浄する工程を更に含む。一部の実施形態において、洗浄する工程により、残留植物油が取り除かれる。一部の実施形態において、方法は、ペッパーコーンを乾燥させる工程を更に含む。一部の実施形態において、方法は、ペッパーコーンを粉砕する工程を更に含む。
【0010】
一部の実施形態は、脱風味ペッパーコーンを製造する方法であって、ペッパーコーンを前処理し、それによって脱風味ペッパーコーンを製造する工程を含み、前処理する工程が、圧力をペッパーコーンに加えること、ペッパーコーンにかかる温度を上げること、ペッパーコーンに照射すること、溶媒をペッパーコーンに適用すること、又はその組み合わせを含む、方法に関する。一部の実施形態において、前処理する工程は、ペッパーコーンを溶媒に浸す工程を含む。一部の実施形態において、溶媒は、水又は植物油である。一部の実施形態において、方法は、ペッパーコーンに照射する工程を更に含む。一部の実施形態において、照射する工程は、マイクロ波照射である。一部の実施形態において、マイクロ波照射は915MHzである。一部の実施形態において、方法は、ペッパーコーンを酵素で処理する工程を更に含む。一部の実施形態において、酵素は、セルラーゼ、ヘミセルラーゼ、アミラーゼ、ペクチナーゼ、又はキシラナーゼから選択される。一部の実施形態において、方法は、ペッパーコーンを湯通しする工程を更に含む。一部の実施形態において、湯通しする工程は、約40℃~約90℃である。一部の実施形態において、方法は、ペッパーコーンを酸性溶液で処理する工程を更に含む。一部の実施形態において、酸性溶液は、pH約2~約7を有する。一部の実施形態において、方法は、ペッパーコーンを超音波で処理する工程を更に含む。一部の実施形態において、超音波は、25kHzよりも高い。一部の実施形態において、方法は、ペッパーコーンからピペリンを抽出する工程を更に含む。
【0011】
一部の実施形態は、ペッパーコーンからピペリンを抽出する方法に関する。一部の実施形態において、方法は、ペッパーコーンを有機溶媒と接触させる工程を含む。一部の実施形態において、有機溶媒は、アルキル溶媒又はシクロアルキル溶媒である。一部の実施形態において、アルキル溶媒は、ヘキサン又はヘプタンである。
【0012】
一部の実施形態は、ペッパーコーンからピペリンを抽出する方法に関する。一部の実施形態において、方法は、ペッパーコーンを高輝度光と接触させる工程を含む。一部の実施形態において、高輝度光は、約3000ルクスから約10000ルクスまでである。一部の実施形態において、方法は、ペッパーコーンにUV線を施す工程を含む。一部の実施形態において、UV線は、約100nmから約400nmまでである。
【0013】
一部の実施形態は、脱風味ペッパーコーンに関する。一部の実施形態において、脱風味ペッパーコーンは、ピペリン0.01%w/w~6%w/w;水分5~25%w/w;代謝性微量栄養素0.005~0.2%w/w;及び担体を含む。一部の実施形態において、脱風味ペッパーコーンは、ピペリン1~3%を含む。一部の実施形態において、含水量は25%である。
【0014】
本明細書で言及された全ての目的が、開示された全ての実施形態及び/又は特許請求の範囲において成し遂げられるわけではない。
【発明を実施するための形態】
【0015】
脱風味ペッパーコーン、及び脱風味ペッパーコーンを作製する関連方法が提供される。
【0016】
一部の実施形態の目的は、脱風味ペッパーコーンを製造する方法を提供することである。一部の実施形態の目的は、食品用に安全な溶媒を使用してペッパーコーンを最小限加工処理する方法である。一部の実施形態の別の目的は、ペッパーコーン中のピペリン量を減らすことである。
【0017】
前述された目的の1つ又は1つ以上は、本明細書に記載の様々な組成物、方法及び使用によってもたらされ又は成し遂げられる。
【0018】
定義
本明細書において、「ペッパーコーン」は、広義の用語であり、当業者にその通常の意味及び通例の意味を与えるものであり(特殊な意味又は特化された意味に限定されない)、限定されることなく、本明細書に記載の任意のペッパーコーンを指す。ペッパーコーンとしては、限定されるものではないが、ブラックペッパーコーン、ホワイトペッパーコーン、グリーンペッパーコーン、グラウンドペッパーコーン、クラッシュペッパーコーン、塩漬けペッパーコーン、ホールペッパーコーン、生のペッパーコーン、ブラックペッパー、及び乾燥ペッパーコーンが挙げられる。
【0019】
本明細書において、「担体」又は「賦形剤」は、広義の用語であり、それぞれは、当業者にその通常の意味及び通例の意味を与えるものであり(特殊な意味又は特化された意味に限定されない)、限定されることなく、細胞又は組織への化合物の組み込みを容易にする化合物を指す。
【0020】
本明細書において、「栄養補助食品」は、食事を補うのに使用することができる、疾患予防及び健康促進を含める生理学的恩恵をもたらす、天然の生物活性化学化合物を指す。栄養補助食品は、生物工学的方法を使用することによって精製するか又は濃縮することができ、遺伝学的方法を介して高められ、高いレベルの天然物質を含有する。栄養補助食品の例としては、単離された栄養素、ハーブ製品が挙げられ、一般に、以下の構成成分の少なくとも1種:ビタミン、ミネラル、ハーブ若しくは他の植物性体、アミノ酸、代謝産物、構成物質、抽出物、又はこれらの構成成分の組み合わせを含有する。栄養補助食品の一般的な例としては、ベータ-カロテン、マオウ、イチョウ(ginkgo biloba)、ヒドラスチス、カノコソウ、朝鮮人参、緑茶抽出物、及びエキナセアが挙げられる。本明細書に記載の栄養補助食品は、例えば、健康な関節、肌、眼及び脳機能、心臓及び循環系、並びに全体的な健康を維持し支えるために有用であることができる。
【0021】
本明細書において、「代謝性微量栄養素」は、ヒト又は動物の種における1種又は複数種の生理学的プロセスを調節する、ペッパーコーン及び/又はブラックペッパー中に本来存在する混合化合物を指す。代謝性微量栄養素としては、限定されるものではないが、植物の生化学的経路の第1代謝産物及び第2代謝産物、小分子、ビタミン、ミネラル、アミノ酸、ペプチド、タンパク質、炭水化物、脂質、脂肪酸、糖、デンプン、繊維、小分子、並びに第1代謝産物及び第2代謝産物が挙げられた。
【0022】
本明細書において、「溶媒」は広義の用語であり、当業者にその通常の意味及び通例の意味を与えるものであり(特殊な意味又は特化された意味に限定されない)、限定されることなく、他の化合物又は手段に対して幾らかの溶解性の特徴を有する化合物を指し、極性又は非極性で直鎖状又は分枝鎖状の、環式又は脂肪族、芳香族、ナフテン系であってもよく、限定されるものではないが、とりわけ、アルコール、誘導体、ジエステル、ケトン、酢酸塩、テルペン、スルホキシド、グリコール、パラフィン、炭化水素、無水物、複素環式のもの、及び水が挙げられる。
【0023】
用語「約」又は「およそ」は、一当業者によって求められた特定の値について、許容できる誤差範囲内を意味し、それは、その値がどのように測定され求められたか、例えば、測定システムの限界にある程度依存することになる。例えば、「約」は、当分野での実施につき、1標準偏差以内、又は1標準偏差を超えることを意味することがある。或いは、「約」は、所与の値の、最大で20%まで、最大で10%まで、最大で5%まで、及び最大で1%までの範囲を意味することができる。或いは、特に、生体系又は生体プロセスに関して、その用語は、値の1桁以内、値の5倍以内、値の2倍以内を意味することができる。特定の値が出願及び特許請求の範囲において記載される場合、別段の言及がなければ、用語「約」は想定される特定の値の許容できる誤差範囲内を意味する。
【0024】
本明細書で参照される、任意のパーセント、比率、又は他の量は、別段の指示がなければ、質量基準である。
【0025】
脱風味ペッパーコーン及び配合物
本開示の一態様は、脱風味ペッパーコーンを含める。一部の実施形態において、脱風味ペッパーコーンは、ホールペッパーコーン、粉末ペッパーコーン、及び粗挽きペッパーコーンから選択される。一部の実施形態において、ペッパーコーンはブラックペッパーである。一部の実施形態において、ペッパーコーンはホワイトペッパーコーンである。一部の実施形態において、ペッパーコーンはグリーンペッパーコーンである。一部の実施形態において、脱風味ペッパーコーンは、ピペリンを0%w/w、0.2%w/w、0.4%w/w、0.6%w/w、0.8%w/w、1.0%w/w、1.2%w/w、1.4%w/w、1.6%w/w、1.8%w/w、2.0%w/w、2.2%w/w、2.4%w/w、2.6%w/w、2.8%w/w、3.0%w/w、3.2%w/w、3.4%w/w、3.6%w/w、3.8%w/w、4.0%w/w、4.2%w/w、4.4%w/w、4.6%w/w、4.8%w/w、5.0%w/w、5.2%w/w、5.4%w/w、5.6%w/w、5.8%w/w、6.0%w/w、6.2%w/w、6.4%w/w、6.6%w/w、6.8%w/w、7.0%w/w、又は前述の値を含める範囲、それらの間の範囲、及び/若しくはそれらに及ぶ範囲で含む。一部の実施形態において、脱風味ペッパーコーンは、ピペリン約0%w/w~約6%w/wを含む。一部の実施形態において、脱風味ペッパーコーンは、ピペリン0%w/wを含む。一部の実施形態において、脱風味ペッパーコーンは、ピペリン0.1%w/wを含む。一部の実施形態において、脱風味ペッパーコーンは、ピペリン0.3%w/wを含む。一部の実施形態において、脱風味ペッパーコーンは、ピペリン0.5%w/wを含む。一部の実施形態において、脱風味ペッパーコーンは、ピペリン0.8%w/wを含む。一部の実施形態において、脱風味ペッパーコーンは、ピペリン1.0%w/wを含む。一部の実施形態において、脱風味ペッパーコーンは、ピペリン1.5%w/wを含む。一部の実施形態において、脱風味ペッパーコーンは、ピペリン2.0%w/wを含む。一部の実施形態において、脱風味ペッパーコーンは、ピペリン2.5%w/wを含む。一部の実施形態において、脱風味ペッパーコーンは、ピペリン3.0%w/wを含む。一部の実施形態において、脱風味ペッパーコーンは、ピペリン3.5%w/wを含む。一部の実施形態において、脱風味ペッパーコーンは、ピペリン4.0%w/wを含む。一部の実施形態において、脱風味ペッパーコーンは、ピペリン4.5%w/wを含む。一部の実施形態において、脱風味ペッパーコーンは、ピペリン5.0%w/wを含む。一部の実施形態において、脱風味ペッパーコーンは、ピペリン5.5%w/wを含む。一部の実施形態において、脱風味ペッパーコーンは、ピペリン6.0%w/wを含む。
【0026】
一部の実施形態において、脱風味ペッパーコーンは、より低いピペリンレベルの天然微量栄養素を保持する。一部の実施形態において、脱風味ペッパーコーンは、代謝性微量栄養素を1mg/Kg、10mg/Kg、20mg/Kg、30mg/Kg、40mg/Kg、50mg/Kg、60mg/Kg、70mg/Kg、80mg/Kg、90mg/Kg、100mg/Kg、150mg/Kg、200mg/Kg、250mg/Kg、300mg/Kg、350mg/Kg、400mg/Kg、450mg/Kg、500mg/Kg、550mg/Kg、600mg/Kg、650mg/Kg、700mg/Kg、750mg/Kg、800mg/Kg、850mg/Kg、900mg/Kg、950mg/Kg、1000mg/Kg、2000mg/Kg、又は前述の値を含める範囲、それらの間の範囲、及び/若しくはそれらに及ぶ範囲で含む。一部の実施形態において、脱風味ペッパーコーンは、1種又は複数種の微量栄養素の追加を更に含む。一部の実施形態において、1種又は複数種の微量栄養素としては、マンガン、ビタミンA、ビタミンB、ビタミンC、ビタミンK、銅、繊維、鉄、クロム、カルシウム、タンパク質、炭水化物、脂肪、繊維、糖、又はデンプンが挙げられる。一部の実施形態において、代謝性微量栄養素としては、N-trans-カフェオイルチラミン、N-cis-カフェオイルチラミン、N-trans-フェルロイルチラミン、N-cis-フェルロイルチラミン、p-クマロイルチラミン、又はその組み合わせが挙げられる。
【0027】
一部の実施形態において、脱風味ペッパーコーンは、水分を約0%w/w、約1%w/w、約2%w/w、約3%w/w、約4%w/w、約5%w/w、約6%w/w、約7%w/w、約8%w/w、約9%w/w、約10%w/w、約11%w/w、約12%w/w、約13%w/w、約14%w/w、約15%w/w、約16%w/w、約17%w/w、約18%w/w、約19%w/w、約20%w/w、約21%w/w、約22%w/w、約23%w/w、約24%w/w、約25%w/w、又は前述の値を含める範囲、それらの間の範囲、及び/若しくはそれらに及ぶ範囲で含める。
【0028】
一部の実施形態において、本開示の脱風味ペッパーコーンは、経口消費的に許容できる1種又は複数種の賦形剤及び/又は担体を更に含むことができる。好適な賦形剤及び/又は担体としては、マルトデキストリン、炭酸カルシウム、リン酸二カルシウム、リン酸三カルシウム、微結晶性セルロース、デキストロース、米粉、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸、クロスカルメロースナトリウム、リン脂質、デンプングリコール酸ナトリウム、クロスポビドン、スクロース、植物ガム、ラクトース、メチルセルロース、ポビドン、カルボキシメチルセルロース、コーンスターチ、シクロデキストリン、キトサン、及びその誘導体等(その混合物を含める)が挙げられる。一部の実施形態において、担体としては、炭酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム、マルトデキストリン、及びその混合物のうちの少なくとも1種が挙げられる。様々な構成成分及び賦形剤及び/又は担体は、従来の技術を使用して、所望の形態に混合され、形成される。
【0029】
一部の実施形態において、脱風味ペッパーコーンは、栄養補助的に許容できる賦形剤又は栄養補助的に許容できる担体を更に含むことができる。一部の実施形態において、栄養補助的に許容できる賦形剤又は栄養補助的に許容できる担体は、中鎖脂肪酸トリグリセリド、ジグリセリド、及びモノグリセリド、カプリル酸、リノール酸、リノール酸、オレイン酸、ケトオレイン酸から選択される。一部の実施形態において、栄養補助的に許容できる賦形剤又は栄養補助的に許容できる担体は、リノール酸、α-リノール酸、γ-リノール酸、オレイン酸、エイコサペンタエン酸(EPA)、ドコサヘキサエン酸(DEIA)、又はその誘導体から選択される、1種又は複数種の非活性化脂肪酸を有する、第2脂肪酸成分を更に含む。
【0030】
一部の実施形態において、脱風味ペッパーコーンは、ビタミンA、ビタミンB、ビタミンB-1、ビタミンB-2、ビタミンB-6、ビタミンB-12、ビタミンC、ビタミンD、ビタミンD3、ビタミンE、セレン、β-カロテン、イチョウ、ヒドラスチス、カノコソウ、朝鮮人参、エキナセア、ブドウ種子抽出物、マオウ、ユッカ濃縮物、緑茶抽出物、米ぬか抽出物、小麦胚芽、小麦胚芽抽出物、ビーズワックス、赤酵母米抽出物、ステビア葉抽出物、アマニ油、ボラージ種子油、コエンザイムQ10、グルコサミン誘導体、メチルスルホニルメタン、パントテン酸、ビオチン、チアミン、リボフラビン、ナイアシン、葉酸、パルミチン酸、及びその誘導体から選択される、1種又は複数種の第2作用剤を更に含むことができる。一部の実施形態において、脱風味ペッパーコーンは、ポリコサノール、リン脂質、ググ脂質、米ぬか抽出物、小麦胚芽、小麦胚芽抽出物、ビーズワックス、及び赤酵母米抽出物から選択される、1種又は複数種の第2作用剤を含むことができ、こうした脱風味ペッパーコーンは、健康的な心臓及び循環系を促進するために配合することができる。他の実施形態において、脱風味ペッパーコーンは、ビタミンB-1、ビタミンB-2、ビタミンB-6、ビタミンB-12、ビタミンC、ビタミンD、ビタミンD3、ビタミンE、セレン、ヒドラスチス、カノコソウ、朝鮮人参、及びエキナセアから選択される、1種又は複数種の第2作用剤を含むことができ、こうした脱風味ペッパーコーンは、健康的な細胞増殖を促進するために配合することができる。更に他の実施形態において、脱風味ペッパーコーンは、ビタミンA、ビタミンC、ビタミンE、及びn-カロテンから選択される、1種又は複数種の第2作用剤を含むことができ、こうした脱風味ペッパーコーンは、健康的な眼を促進するために配合することができる。更に他の実施形態において、脱風味ペッパーコーンは、ビタミンA、ビタミンC、ビタミンE、セレン、イチョウ、ヒドラスチス、カノコソウ、朝鮮人参、エキナセア、マオウ、緑茶抽出物、及びユッカ濃縮物から選択される、1種又は複数種の第2作用剤を含むことができる。一部の実施形態において、脱風味ペッパーコーンは、健康補助食品を更に含むことができる。一部の実施形態において、脱風味ペッパーコーンは、代謝性健康を促進するために配合することができる。一部の実施形態において、ペッパーコーンは、代謝性栄養素を増すために配合することができる。
【0031】
一部の実施形態において、脱風味ペッパーコーンは、植物栄養素(例えば、イソフラボノイド、オリゴマープロアントシアニジン、インドール-3-カルビノール、スルフォラファン(sulforaphone)、繊維質配位子、植物フィトステロール、フェルラ酸、アントシアノサイド、トリテルペン、オメガ3/6脂肪酸、共役脂肪酸、例えば共役リノール酸及び共役リノレン酸、ポリアセチレン、キノン、テルペン、カテキン、ガレート、並びにケルセチン)である、少なくとも1種又は複数種の第2作用剤を更に含むことができる。植物栄養素源としては、限定されるものではないが、レシチン、イソフラボン、玄米胚芽、ロイヤルゼリー、ミツバチプロポリス、アセロラベリー果汁粉末、日本式緑茶、ブドウ種子抽出物、ブドウの皮抽出物、ニンジンジュース、ビルベリー、アマニ粕、蜂花粉、イチョウ、サクラソウ(月見草油)、ムラサキツメクサ、ゴボウ、タンポポ、パセリ、ローズヒップ、オオアザミ、生姜、エゾウコギ、ローズマリー、クルクミン、ニンニク、リコピン、グレープフルーツ種子抽出物、ホウレン草、及びブロッコリーが挙げられる。
【0032】
一部の実施形態において、脱風味ペッパーコーンは、酸化防止剤を更に含むことができる。本明細書において、用語「酸化防止剤」は、幅広く、他の分子の酸化を抑制する分子を指す。一部の実施形態において、酸化防止剤は、10mg以上、20mg以上、30mg以上、40mg以上、50mg以上、60mg以上、70mg以上、80mg以上、90mg以上、100mg以上、110mg以上、120mg以上、130mg以上、140mg以上、150mg以上、160mg以上、170mg以上、180mg以上、190mg以上、200mg以上、210mg以上、220mg以上、230mg以上、240mg以上、250mg以上、260mg以上、270mg以上、280mg以上、290mg以上、300mg以上、310mg以上、320mg以上、330mg以上、340mg以上、350mg以上、360mg以上、370mg以上、380mg以上、390mg以上、400mg以上、410mg以上、420mg以上、430mg以上、440mg以上、450mg以上、460mg以上、470mg以上、480mg以上、490mg以上、若しくは500mg以上、又は前述された値の、任意の2つによって定められる範囲内の値の量で存在する。
【0033】
一部の実施形態において、脱風味ペッパーコーンは、刺激剤を更に含むことができる。本明細書において、用語「刺激剤」は、一時的に、身体機能の速度を増す、1種又は複数種の化合物を指す。刺激剤としては、例えば、アミネプチン、アミフェナゾール、アンフェタミン、ブロマンタン、カフェイン、カルフェドン、エフェドリン、フェンカムファミン、メソカルブ、ペンチレンテトラゾール、ピプラドロール、サルブタモール、サルメテロール、テルブタリン、及び関連した物質を挙げることができる。一部の実施形態において、刺激剤は、10mg以上、20mg以上、30mg以上、40mg以上、50mg以上、60mg以上、70mg以上、80mg以上、90mg以上、100mg以上、110mg以上、120mg以上、130mg以上、140mg以上、150mg以上、160mg以上、170mg以上、180mg以上、190mg以上、200mg以上、210mg以上、220mg以上、230mg以上、240mg以上、250mg以上、260mg以上、270mg以上、280mg以上、290mg以上、300mg以上、310mg以上、320mg以上、330mg以上、340mg以上、350mg以上、360mg以上、370mg以上、380mg以上、390mg以上、400mg以上、410mg以上、420mg以上、430mg以上、440mg以上、450mg以上、460mg以上、470mg以上、480mg以上、490mg以上、若しくは500mg以上、又は前述された値の、任意の2つによって定められる範囲内の値の量で存在する。
【0034】
一部の実施形態において、脱風味ペッパーコーンは、脂質を更に含むことができる。本明細書において、用語「脂質」は、脂肪酸及びその誘導体、並びにこうした化合物に生合成的に又は機能的に関連した物質を指す。一部の実施形態において、脂質は、10mg以上、20mg以上、30mg以上、40mg以上、50mg以上、60mg以上、70mg以上、80mg以上、90mg以上、100mg以上、110mg以上、120mg以上、130mg以上、140mg以上、150mg以上、160mg以上、170mg以上、180mg以上、190mg以上、200mg以上、210mg以上、220mg以上、230mg以上、240mg以上、250mg以上、260mg以上、270mg以上、280mg以上、290mg以上、300mg以上、310mg以上、320mg以上、330mg以上、340mg以上、350mg以上、360mg以上、370mg以上、380mg以上、390mg以上、400mg以上、410mg以上、420mg以上、430mg以上、440mg以上、450mg以上、460mg以上、470mg以上、480mg以上、490mg以上、若しくは500mg以上、又は前述された値の、任意の2つによって定められる範囲内の値の量で存在する。
【0035】
一部の実施形態において、フラボノイド組成物は、オメガ3脂肪酸を更に含む。オメガ3脂肪酸は、粉末製剤で調製することができ、例えば、エイコサペンタエン酸、ドコサヘキサエン酸、リノレン酸、ヘキサデカトリエン酸、ステアリドン酸、エイコサトリエン酸、エイコサテトラエン酸、ヘネイコサペンタエン酸、ドコサペンタエン酸、テトラコサペンタエン酸、又はテトラコサヘキサエン酸、又はその類似体若しくはその誘導体、又はその組み合わせを挙げることができる。一部の実施形態において、オメガ3脂肪酸は、10mg以上、20mg以上、30mg以上、40mg以上、50mg以上、60mg以上、70mg以上、80mg以上、90mg以上、100mg以上、110mg以上、120mg以上、130mg以上、140mg以上、150mg以上、160mg以上、170mg以上、180mg以上、190mg以上、200mg以上、210mg以上、220mg以上、230mg以上、240mg以上、250mg以上、260mg以上、270mg以上、280mg以上、290mg以上、300mg以上、310mg以上、320mg以上、330mg以上、340mg以上、350mg以上、360mg以上、370mg以上、380mg以上、390mg以上、400mg以上、410mg以上、420mg以上、430mg以上、440mg以上、450mg以上、460mg以上、470mg以上、480mg以上、490mg以上、若しくは500mg以上、又は前述された値の、任意の2つによって定められる範囲内の値の量で存在する。
【0036】
一部の実施形態において、脱風味ペッパーコーンは、1種又は複数種のpH制御剤を更に含む。一部の実施形態において、1種又は複数種のpH制御剤は、酢酸、アジピン酸、クエン酸、フマル酸、グルコノ-δ-ラクトン、グルコン酸、乳酸、リンゴ酸、マレイン酸、酒石酸、コハク酸、プロピオン酸、アスコルビン酸、リン酸、オルトリン酸ナトリウム、オルトリン酸カリウム、オルトリン酸カルシウム、二リン酸ナトリウム、二リン酸カリウム、二リン酸カルシウム、三リン酸五ナトリウム、三リン酸五カリウム、ポリリン酸ナトリウム、ポリリン酸カリウム、炭酸、炭酸ナトリウム、重炭酸ナトリウム、炭酸カリウム(Potasium carbonate)、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、酸化マグネシウム、又はその組み合わせからなる群から選択される。
【0037】
一部の実施形態において、脱風味ペッパーコーンは、香味剤を更に含む。一部の実施形態において、香味剤は、ベリー、イチゴ、チョコレート、ココア、レモン、バター、アーモンド、カシュー、マカダミアナッツ、ココナッツ、ブルーベリー、ブラックベリー、ラズベリー、モモ、レモン、ライム、ミント、オレンジ、バナナ、チリペッパー、シナモン、及びパイナップルから選択される風味であってもよい。
【0038】
一部の実施形態において、脱風味ペッパーコーンは、1種又は複数種のコーティング層を更に含むことができる。一部の実施形態において、1種又は複数種のコーティング層の少なくとも1種は、腸溶性コーティングであってもよく、またさらなる実施形態において、コアは、溶解剤、安定剤、着色剤、可塑剤(plastizer)、希釈剤、充填剤、崩壊剤、結合剤、潤滑剤、界面活性剤、疎水性ビヒクル、水溶性ビヒクル、乳化剤、緩衝剤、保湿剤、湿潤剤、酸化防止剤、又は防腐剤から選択される、1種又は複数種の作用剤を更に含むことができる。一部の実施形態において、コア、1種若しくは複数種のコーティング層の少なくとも1種、又はその組み合わせは、1種又は複数種の第2作用剤を更に含む。
【0039】
一部の実施形態において、脱風味ペッパーコーンは、1種又は複数種のアルカロイドを更に含む。一部の実施形態において、1種又は複数種のアルカロイドは、ピペリン、チャビシン、イソチャビシン、イソピペリン、カプサイシン、バニリルアルコール、バニリン、バニリン酸、アセトバニロン、バニリルマンデル酸、及びホモバニリン酸(mohovanillic acid)から選択される。
【0040】
本開示の一態様は、脱風味ペッパーコーンが、担体と組み合わされ、対象者による消費又は対象者への投与に好適な、任意の形態で提供され得ることを含む。一部の実施形態において、脱風味ペッパーコーンはブラックペッパーである。一部の実施形態において、脱風味ペッパーコーンはホワイトペッパーコーンである。一部の実施形態において、脱風味ペッパーコーンはグリーンペッパーコーンである。好適な消費形態としては、限定されるものではないが、健康補助食品、食材若しくは食品添加物、医療用食品、又は栄養補助食品が挙げられる。
【0041】
食材若しくは食品添加物は、直接的に又は間接的に、任意の食品(食品の製造、生産、包装、加工処理、調理、処理、梱包、輸送、又は保存での使用を意図される、任意の物質を含める)の成分となる、或いはそれらの特徴に影響を及ぼすことになると意図される、食用物質である。特定の機能性食品において、食品製品は、追加の補完的な栄養素及び/又は健康効果をもたらす構成成分を含めるように、加工処理中に栄養価を高め補強した食品である。本発明の食品製品は、例えば、バター、マーガリン、甘いスプレッド若しくは風味のあるスプレッド、調味料、ビスケット、栄養バー、エネルギーバー及びシリアルバー、パン、ケーキ、シリアル、キャンディー、菓子類、スープ、ミルク、ヨーグルト若しくは発酵乳製品、穀類、チーズ、果汁ベース飲料、果物ベース飲料、及び野菜ベース飲料、発酵飲料、シェーク、フレーバーウォーター、茶、コーヒー、油、調理済み料理、乳製品類、卵及び卵製品類、スープ及びスープミックス、又は任意の他の好適な食品の形態であることができる。
【0042】
健康補助食品は、本発明の化合物を含有する、口によって摂取される製品であり、食事を補うことが意図される。栄養補助食品は、食物で見出される基本的な栄養価に加えて、追加の健康効果をもたらす、食物源に由来した製品である。健康補助食品及び栄養補助食品は、多くの形態、例えば、錠剤、コーティング錠、ピル、カプセル、ペレット、顆粒、ソフトゲル、ゲルキャップ、液体、粉末、乳剤、懸濁剤、エリキシル剤、シロップ、及び使用に好適な、任意の他の形態において見出すことができる。
【0043】
一部の実施形態において、脱風味ペッパーコーンは、微生物増殖を減らす又は遅らせるために、担体及び防腐剤を含むことができる。防腐剤は、フィルムの最大で約5%までの量で、好ましくは約0.01質量%~1質量%の量で添加される。好ましい防腐剤としては、安息香酸ナトリウム、メチルパラベン、プロピルパラベン、亜硝酸ナトリウム、二酸化硫黄、ソルビン酸ナトリウム、及びソルビン酸カリウムが挙げられる。他の好適な防腐剤としては、限定されるものではないが、エデト酸塩(エチレンジアミン四酢酸、すなわちEDTAの塩、例えばEDTA二ナトリウムとしても公知である)及び天然抗菌剤が挙げられる。
【0044】
一部の実施形態において、脱風味ペッパーコーンは、栄養補助食品、食品添加物、又は健康補助食品として、ヒト及び動物に投与され、それ自体で、又は許容できる担体と組み合わせて活性構成成分として例えば脱風味ペッパーコーン0.1~99%w/wを含有する組成物として、与えられ得る。一部の実施形態において、組成物は、脱風味ペッパーコーンを1%w/w、2%w/w、3%w/w、4%w/w、5%w/w、6%w/w、7%w/w、8%w/w、9%w/w、10%w/w、11%w/w、12%w/w、13%w/w、14%w/w、15%w/w、16%w/w、17%w/w、18%w/w、19%w/w、20%w/w、21%w/w、22%w/w、23%w/w、24%w/w、25%w/w、30%w/w、35%w/w、40%w/w、45%w/w、50%w/w、55%w/w、60%w/w、65%w/w、70%w/w、75%w/w、80%w/w、85%w/w、90%w/w、95%w/w、99%w/w、又は前述の値を含める範囲、それらの間の範囲、及び/若しくはそれらに及ぶ範囲で含むことができる。
【0045】
方法
本開示の一態様は、脱風味ペッパーコーンを製造する方法を含む。一部の実施形態において、脱風味ペッパーコーンを製造する方法は、ペッパーコーンを油と接触させる工程を含む。一部の実施形態において、ペッパーコーンは、ホールペッパーコーン、グラウンドペッパーコーン、クラッシュペッパーコーン、塩漬けペッパーコーン、並びに生のペッパーコーン及び乾燥ペッパーコーンから選択される。一部の実施形態において、ペッパーコーンは、ブラックペッパーである。一部の実施形態において、ペッパーコーンは、ホワイトペッパーコーンである。一部の実施形態において、ペッパーコーンは、グリーンペッパーコーンである。一部の実施形態において、油は植物油である。一部の実施形態において、植物油は、ヒマワリ油、ベニバナ油、オリーブ油、ダイズ油、ナタネ油、及び落花生油である。
【0046】
一部の実施形態において、油は、温度約50℃~約190℃である。一部の実施形態において、油は、温度約60℃~約180℃である。一部の実施形態において、油は、温度約70℃~約170℃である。一部の実施形態において、油は、温度約80℃~約160℃である。一部の実施形態において、油は、温度約90℃~約150℃である。一部の実施形態において、油は、温度約100℃~約140℃である。一部の実施形態において、油は、約50℃以上、約55℃以上、約60℃以上、約65℃以上、約70℃以上、約75℃以上、約80℃以上、約85℃以上、約90℃以上、約95℃以上、約100℃以上、約105℃以上、約110℃以上、約115℃以上、約120℃以上、約125℃以上、約130℃以上、約135℃以上、約140℃以上、約145℃以上、約150℃以上、約155℃以上、約160℃以上、約165℃以上、約170℃以上、約175℃以上、約180℃以上、約185℃以上、約190℃以上の温度、又は前述の値を含める範囲、それらの間の範囲、及び/若しくはそれらに及ぶ範囲の温度である。
【0047】
一部の実施形態において、油及びペッパーコーンは、圧力下にある。一部の実施形態において、圧力は約14.5psi~約30psiである。一部の実施形態において、圧力は、約14psi以上、約15psi以上、約16psi以上、約17psi以上、約18psi以上、約19psi以上、約20psi以上、約21psi以上、約22psi以上、約23psi以上、約24psi以上、約25psi以上、約26psi以上、約27psi以上、約28psi以上、約29psi以上、約30psi、又は前述の値を含める範囲、それらの間の範囲、及び/若しくはそれらに及ぶ範囲である。
【0048】
一部の実施形態において、油は、pH約3~約8である。油のpHは、約3以上、約4以上、約5以上、約6以上、約7以上、約8以上、又は前述の値を含める範囲、それらの間の範囲、及び/若しくはそれらに及ぶ範囲である。一部の実施形態において、油のpHは、酸又は塩基で調整される。
【0049】
一部の実施形態において、ペッパーコーンは、油と接触させる前に撹拌される。一部の実施形態において、ペッパーコーンは、油中で撹拌される。一部の実施形態において、ペッパーコーンは、油と接触させた後で撹拌される。一部の実施形態において、ペッパーコーンは、約5分間、約10分間、約15分間、約20分間、約25分間、約30分間、約35分間、約40分間、約45分間、約50分間、約60分間、約70分間、約80分間、約90分間、約100分間、約110分間、約120分間、又は前述の値を含める範囲、それらの間の範囲、及び/若しくはそれらに及ぶ範囲で撹拌される。
【0050】
一部の実施形態において、ペッパーコーンは、油ちょうされる。一部の実施形態において、ペッパーコーンは、油中でベイキングされる。一部の実施形態において、ペッパーコーンは、圧力調理される。
【0051】
一部の実施形態において、ペッパーコーンは、ピペリンの削減によって脱風味される。一部の実施形態において、ピペリンは、天然に存在する濃度から、約40%、約45%、約50%、約55%、約60%、約65%、約70%、約75%、約80%、約85%、約90%、約95%、約100%、又は前述の値を含める範囲、それらの間の範囲、及び/若しくはそれらに及ぶ範囲で減少する。一部の実施形態において、脱風味後のピペリン含有率は、0%以上、1%以上、2%以上、3%以上、4%以上、5%以上、10%以上、15%以上、20%以上、25%以上、30%以上、35%以上、40%以上、45%以上、50%以上、55%以上、60%以上、又は前述の値を含める範囲、それらの間の範囲、及び/若しくはそれらに及ぶ範囲である。
【0052】
一部の実施形態において、脱風味ペッパーコーンは、代謝性微量栄養素を保持する。一部の実施形態において、脱風味ペッパーコーンの代謝性微量栄養素は、10mg/kg以上、20mg/kg以上、30mg/kg以上、40mg/kg以上、50mg/kg、100mg/kg、150mg/kg以上、200mg/kg以上、300mg/kg以上、400mg/kg以上、500mg/kg以上、600mg以上、700mg/kg以上、800mg/kg以上、1000mg/kg以上、1200mg/kg以上、1400mg/kg以上、1600mg/kg、1800mg/kg以上、2000mg/kg、又は前述の値を含める範囲、それらの間の範囲、及び/若しくはそれらに及ぶ範囲である。一部の実施形態において、脱風味ペッパーコーンの代謝性微量栄養素は、0.001%w/w以上、0.002%w/w以上、0.003%w/w以上、0.004%w/w以上、0.005%w/w以上、0.006%w/w以上、0.007%w/w以上、0,008%w/w以上、0.009%w/w以上、0.010%w/w以上、0.015%w/w以上、0.020%w/w以上、0.025%w/w以上、0.030%w/w以上、0.040%w/w以上、0.050%w/w以上、0.060%w/w以上、0.070%w/w以上、0.080%w/w以上、0.100%w/w以上、0.120%w/w以上、0.140%w/w以上、0.160%w/w以上、0.180%w/w以上、0.200%w/w以上、又は前述の値を含める範囲、それらの間の範囲、及び/若しくはそれらに及ぶ範囲である。
【0053】
一部の実施形態において、油は、ペッパーコーンと接触させた後に、ペッパーコーンから分離される。一部の実施形態において、ペッパーコーンは、油と接触させた後洗浄される。一部の実施形態において、洗浄する工程は、水溶液である。一部の実施形態において、洗浄する工程の後、ペッパーコーンを更に乾燥させる。一部の実施形態において、ペッパーコーンは、更に粉砕される。
【0054】
態様において、脱風味ペッパーコーンを製造する方法は、ペッパーコーンを前処理する工程を含む。一部の実施形態において、ペッパーコーンはブラックペッパーである。一部の実施形態において、ペッパーコーンはホワイトペッパーコーンである。一部の実施形態において、ペッパーコーンはグリーンペッパーコーンである。一部の実施形態において、前処理する工程は、ペッパーコーンを溶媒に浸す工程を含む。一部の実施形態において、溶媒は水又は植物油である。
【0055】
一部の実施形態において、前処理する工程は、ペッパーコーンに照射する工程を含む。一部の実施形態において、照射する工程は、マイクロ波照射である。一部の実施形態において、マイクロ波照射は、800MHz、820MHz、840MHz、860MHz、880MHz、900MHz、915MHz、920MHz、940MHz、960MHz、980MHz、1000MHz、又は前述の値を含める範囲、それらの間の範囲、及び/若しくはそれらに及ぶ範囲である。
【0056】
一部の実施形態において、ペッパーコーンは、酵素で処理される。一部の実施形態において、ペッパーコーンは、酵素で前処理される。一部の実施形態において、酵素は、セルラーゼ、ヘミセルロース、アミラーゼ、ペクチナーゼ、又はキシラナーゼである。
【0057】
一部の実施形態において、ペッパーコーンは湯通しされる。一部の実施形態において、湯通しする工程は、40℃以上、45℃以上、50℃以上、55℃以上、60℃以上、65℃以上、70℃以上、75℃以上、80℃以上、85℃以上、90℃以上、95℃以上、100℃以上、又は前述の値を含める範囲、それらの間の範囲、及び/若しくはそれらに及ぶ範囲である。
【0058】
一部の実施形態において、ペッパーコーンは、酸性溶液で処理される。一部の実施形態において、酸性溶液は食品等級の酸である。一部の実施形態において、食品等級の酸は、クエン酸、酢酸、塩酸、及び/又はリン酸である。一部の実施形態において、ペッパーコーンは、酸性溶液で前処理される。一部の実施形態において、酸性溶液は、約2、約2.5、約3、約3.5、約4、約4.5、約5、約5.5、約6.0、約6.5、又は前述の値を含める範囲、それらの間の範囲、及び/若しくはそれらに及ぶ範囲のpHを有する。
【0059】
一部の実施形態において、ペッパーコーンは、超音波で処理される。一部の実施形態において、ペッパーコーンは、超音波で前処理される。一部の実施形態において、超音波は、約15kHz以上、約20kHz以上、約25kHz以上、約30kHz以上、約35kHz以上、約40kHz以上、又は前述の値を含める範囲、それらの間の範囲、及び/若しくはそれらに及ぶ範囲である。
【0060】
態様において、ペッパーコーンからピペリンを抽出する方法は、ペッパーコーンを超臨界二酸化炭素と接触させる工程を含むことができる。一部の実施形態において、超臨界二酸化炭素は、約30℃以上、約35℃以上、約40℃以上、約45℃以上、約50℃以上、約60℃以上、約70℃以上、約80℃以上、約90℃以上の温度、又は前述の値を含める範囲、それらの間の範囲、及び/若しくはそれらに及ぶ範囲の温度である。一部の実施形態において、方法は、圧力を調整する工程を更に含む。一部の実施形態において、圧力の調整は、約7.4MPaから約80MPaまでの間で選択される。一部の実施形態において、圧力の調整は、7.4MPaから約45MPaまでの間で選択される。一部の実施形態において、ペッパーコーン水分は、約5%、約10%、約15%、約20%、約25%、約30%、又は前述の値を含める範囲、それらの間の範囲、及び/若しくはそれらに及ぶ範囲である。一部の実施形態において、共溶媒が使用される。一部の実施形態において、共溶媒は、水又はエタノールである。一部の実施形態において、ペッパーコーンは、ブラックペッパーである。一部の実施形態において、ペッパーコーンは、ホワイトペッパーコーンである。一部の実施形態において、ペッパーコーンは、グリーンペッパーコーンである。
【0061】
一部の実施形態において、脱風味ペッパーコーンを製造する方法は、約40℃から約50℃までペッパーコーンを加熱する工程、およそ5000psiの圧力を、およそ水分20%w/wを含むペッパーコーンに加える工程、及びペッパーコーンをCO2で乾燥させる工程を含む。
【0062】
態様において、ペッパーコーンからピペリンを抽出する方法は、ペッパーコーンを溶媒と接触させる工程を含む。一部の実施形態において、溶媒は有機溶媒である。一部の実施形態において、有機溶媒は、アルカン溶媒又はシクロアルカン溶媒である。一部の実施形態において、アルキル溶媒は、ヘキサン又はヘプタンである。
【0063】
態様において、ペッパーコーンからピペリンを抽出する方法は、ペッパーコーンを高輝度光と接触させる工程を含む。一部の実施形態において、高輝度光は、約3000ルクス以上、約4000ルクス以上、約5000ルクス以上、約6000ルクス以上、約7000ルクス以上、約8000ルクス以上、約9000ルクス以上、約10000ルクス以上、又は前述の値を含める範囲、それらの間の範囲、及び/若しくはそれらに及ぶ範囲である。
【0064】
態様において、ペッパーコーンからピペリンを抽出する方法は、ペッパーコーンを紫外(UV)線と接触させる工程を含む。一部の実施形態において、UV線は、約150nm以上、約200nm以上、約250nm以上、約300nm以上、約350nm以上、又は前述の値を含める範囲、それらの間の範囲、及び/若しくはそれらに及ぶ範囲である。
【0065】
態様において、ペッパーコーンの辛味を低減する方法は、ペッパーコーンを油と接触させる工程を含む。一部の実施形態において、ペッパーコーンは、代謝性微量栄養素を保持する。
【0066】
限定されるものではないが、公開及び未公開の、出願、特許及び参考文献を含めた、本明細書に引用された全ての参照文献は、その全体が参照によって本明細書に組み込まれ、それによって本明細書の一部が構成される。参照によって組み込まれた刊行物及び特許又は特許出願が、本明細書に含まれた開示と矛盾する範囲では、本明細書は、こうしたいかなる矛盾資料にも取って代わり及び/又はそれよりも優先されるものである。
【0067】
以上の説明により、本開示の幾つかの方法及び材料が開示されている。本開示は、方法及び材料の改変、並びに製作方法及び装置の代替を許容できる。こうした改変は、本開示の考察又は本明細書に開示された本開示の実施により、当業者に明らかになる。したがって、本開示は、本明細書に開示された、特有の実施形態に限定されることを意図せず、本開示の真の範囲及び趣旨の範囲内にある全ての改変及び代替を含むことが意図される。
【実施例】
【0068】
以下の例は、本開示の様々な実施形態を説明する目的で与えられ、どのようにも本開示を限定することを意味しない。当業者には、本開示が、目的を実行し、前述された結果及び利点、並びに本明細書に内在する目的、結果及び利点を得るように十分に適応することが容易に認識される。当業者は、特許請求の範囲に記載の範囲によって定められた、本開示の趣旨の範囲内に包含される、その変化及び他の使用に想到し得る。
【0069】
(実施例1)
植物油並びに高温処理及び/又は高圧処理を使用したピペリンの抽出
ホール又はグラウンドのペッパーコーンを、植物油(ヒマワリ、ベニバナ、オリーブ、ダイズ、ナタネ、落花生)を使用して、温度135℃、圧力30psi、pH5~6で撹拌せずに20~40分間抽出した。この抽出は、油ちょうすること、圧力調理すること、ベイキングすること等を含んだ。より高い温度及びより高い圧力は、ペッパーコーンの細胞マトリックスを通過することを促し、故に抽出効率を高めた。その無極性の性質のために、ピペリンは油相において抽出され、植物油等の無極性溶媒中で低い溶解性である代謝性微量栄養素は、細胞マトリックス中に保持された。その後、油は、濾過又は遠心分離によって、不溶性代謝性微量栄養素含有バイオマスから分離された。水を加工助剤として使用して、バイオマスを洗浄し、残留油を取り除いた。20%よりも多くの代謝性微量栄養素が、油及び水中でのその低い溶解性のために、バイオマス中に保持された。ピペリンは>80%減少し、脱風味ペッパーコーン製品を実現した。次いで、洗浄された材料を乾燥させ、粉砕して、脱風味ペッパーコーン粉末を得た。
【0070】
(実施例2)
ピペリンの前処理支援抽出
ホール又はグラウンドのペッパーコーンを、乾燥固体のままで、又は溶媒、例えば水、エタノール若しくは植物油に浸しながらのいずれかで前処理する。前処理方法としては、マイクロ波照射(915MHz)、高圧処理(100~400MPa)、酵素処理(ペクチナーゼ、セルラーゼ、キシラナーゼ等)、湯通し(40~90℃)、酸ベース処理(pH2~7)、及び超音波(≧25kHz)が挙げられる。これらの前処理方法は、ペッパーコーンを含める植物系材料の細胞マトリックスを変えることができ、故にピペリン抽出及び代謝性微量栄養素のバイオアクセシビリティを向上させることになる。
【0071】
前処理されたペッパーコーンを、その後、植物油(ヒマワリ、ベニバナ、オリーブ、ダイズ、ナタネ、落花生)を用いて、135℃からの温度、30psi、pH5~6で、撹拌せずに20~40分間抽出する。
【0072】
別の抽出において、前処理されたペッパーコーンを、その後、超臨界二酸化炭素、ヘキサン、高輝度光、又はUVの処理のいずれかで抽出する。ピペリンは、油相中に分配され、遠心分離又は濾過によって、不溶性の代謝性微量栄養素含有バイオマスから分離される。水を使用して、バイオマスを洗浄し、残留油を取り除く。洗浄された材料を、乾燥させ、(必要に応じて)粉砕して、脱風味ペッパーコーン製品を得る。
【0073】
(実施例3)
ピペリンの超臨界二酸化炭素(sCO2)抽出
ホール又はグラウンドのペッパーコーンの固定床を、温度31.1~90℃及び圧力7.4~80MPaで維持された、sCO2流と接触させた。これらの条件で、CO2は、流体としてふるまい、元の代謝性微量栄養素含有量の>60%を保持しながら、固体バイオマスからピペリンを選択的に抽出した。これらの範囲内での温度及び圧力、sCO2流量、バイオマス含水量、並びに共溶媒組成を調整することにより、様々なピペリン含有量(元の含有量の0~60%)の脱風味ペッパーコーン製品がもたらされ、最終製品の代謝性微量栄養素のバイオアベイラビリティ、及び風味を高めるように最適化することが可能になった。
【0074】
別研究において、ピペリンの大部分(>90%)は、sCO2流中に取り出され、その後、脱風味ペッパーコーン製品に戻されて、代謝性微量栄養素のバイオアベイラビリティを高めるように、代謝性微量栄養素のピペリンに対する理想的な比率を実現した。ピペリン抽出の後、大気条件まで減圧することによって、sCO2をバイオマスから分離し、残留CO2を脱気させた。バイオマスを乾燥させ、粉砕して、脱風味ペッパーコーン製品を得た。sCO2は、ピペリン等の無極性化合物の抽出用の不快な化学溶媒、例えばアセトン及びヘキサンに対する、魅力的な無毒性の代替物である。
【0075】
(実施例4)
ヘキサン又はヘプタンにおける抽出
ホール又はグラウンドのペッパーコーンを、撹拌された容器内、又はヘキサンクロスフローを備えた半連続的抽出容器内で、温度25~60℃で維持されたヘキサン又はヘプタンと接触させた。これらの条件で、ヘキサン/ヘプタンは、元の代謝性微量栄養素含有量の>60%を保持しながら、固体バイオマスからピペリンを選択的に抽出した。温度、圧力、溶媒接触時間、及び共溶媒組成を調整することにより、様々なピペリン含有量(元の含有量の0~60%)の脱風味ペッパーコーン製品がもたらされ、最終製品の代謝性微量栄養素のバイオアベイラビリティを高めるように最適化することが可能になった。
【0076】
別の抽出において、ピペリンの大部分(>90%)は、取り出され、その後、脱風味ペッパーコーン製品に戻されて、代謝性微量栄養素のバイオアベイラビリティを高めるように、代謝性微量栄養素のピペリンに対する理想的な比率を実現した。ピペリン抽出の後、ヘキサン/ヘプタンは、バイオマスを加熱して溶媒を蒸発させ、及び/又は水で洗浄することによって、バイオマスから取り除かれた。次いで、材料を乾燥させ、粉砕した。
【0077】
(実施例5)
高輝度光又はUV処理によるピペリンからその無辛味異性体への異性化
ホール又はグラウンドのペッパーコーンを、室温の空気中で混合し、転回させながら、高輝度光(3000~10000ルクス)又はUV線(150~350nm)に暴露した。光及びUV線は、ピペリンの辛味異性体であるtrans-transピペリンから、その無辛味のcist-trans異性体、cis-cis異性体及びtrans-cis異性体への異性化に触媒作用を及ぼし(Friedman等、2007、J. Agric. Food Chem.7131~7139頁)、故に得られたバイオマスの辛味を減らした。光強度、UV波長、及び処理時間を調節することにより、0~80%のtrans-transピペリン削減をもたらし、故に元の材料の代謝性微量栄養素の多く(>60%)を保持しながらバイオアベイラビリティを促進するように、脱風味ペッパー製品のtrans-transピペリン量の最適化が可能になった。
【0078】
(実施例6)
脱風味ペッパーコーン配合物
以下の実施例は、脱風味ペッパーコーンの一実施形態を表す。脱風味ペッパーコーンは、実施例3に記載された方法によって調製された。
【0079】
【0080】
次いで、調製された脱風味ペッパーコーンは、担体と組み合わされ、健康補助食品、食材若しくは食品添加物、医療用食品、又は栄養補助食品として配合された。
【0081】
(実施例7)
脱風味ペッパーコーン配合物
以下の実施例は、脱風味ペッパーコーンの一実施形態を表す。脱風味ペッパーコーンは、実施例3に記載の方法によって調製された。
【0082】
【0083】
次いで、調製された脱風味ペッパーコーンは、担体と組み合わされ、健康補助食品、食材若しくは食品添加物、医療用食品、又は栄養補助食品として配合された。
【0084】
以上の説明は、本発明を実行するために考えられる最良の形態並びに本発明を行い使用する手段及び方法の最良の形態を、本発明に関する技術分野のいかなる当業者であっても本発明を行い使用することができるような十分、明瞭、簡潔かつ正確な用語で表したものである。しかし、本発明は、上述されたものからの、完全に均等な改変及び代替構造の余地がある。結果として、本発明は、開示された特定の実施形態に限定されない。寧ろ本発明は、本発明の主題を特に指摘し明確に請求する以下の特許請求の範囲によって一般化して説明される、本発明の趣旨及び範囲の範囲内にある、全ての改変及び代替構造を含む。本開示は、図面及び先の記載において、詳細に例証され説明されたが、こうした例証及び説明は、例証的なもの又は例示的なものとして考えられるべきであり、制限するものではない。
【0085】
本明細書に引用された、全ての参照文献は、その全体が参照によって本明細書に組み込まれる。参照によって組み込まれた刊行物及び特許又は特許出願が、本明細書に含まれた開示と矛盾する範囲では、本明細書は、こうしたいかなる矛盾資料にも取って代わり及び/又はそれよりも優先されるものである。
【0086】
別段の定めがなければ、全ての用語(技術用語及び科学用語を含める)は、当業者にその通常の意味及び通例の意味を与えるものであり、本明細書で明らかに定められない限り、特殊な意味又は特化された意味に限定されるものではない。本開示の、ある特徴又は態様を記載する場合の特定の専門用語の使用は、本明細書において専門用語を再度定義して、その専門用語に関係する本開示の特徴又は態様の何らかの特有の特質を含めるように制限することを暗示するものではないことに留意されたい。とりわけ添付の特許請求の範囲における、本出願で使用される用語及び語句並びにその変形は、明らかに言及されない限り、限定ではなく、非限定型として考えられるべきである。上記の例として、用語「含む(including)」は、「限定なく含むこと」、「限定されるものではないが、~を含むこと」等を意味すると読まれるべきであり;本明細書における用語「含む(comprising)」は、「含む(including)」、「含有する(containing)」、又は「~によって特徴付けられる」と同義であり、包括的又は非限定型であり、列挙されていない追加の要素又は方法工程を排除せず;用語「有すること」は、「少なくとも有すること」として解釈されるべきであり;用語「含む(include)」は、「限定されないが、~を含む」として解釈されるべきであり;用語「例」は、議論中の項目の網羅的又は限定的な列挙ではなく、その例示的な事例を提供するように使用され;「公知の」、「通常の」、「標準の」等の形容詞、及び同様の意味の用語は、記載された項目を、所与の期間又は所与の時点で利用可能な項目に限定するものと考えられるのではなく、現在又は未来のどの時点でも利用可能又は公知であり得る、公知の、通常の又は標準の技術を包含するものと読まれるべきであり;「好ましくは」、「好ましい」、「所望の」又は「望ましい」、及び同様の意味の語等の用語の使用は、ある特徴が、本発明の構造又は機能に対して、重大であり、必須であり、又は更に重要であることを暗示するものとして理解されるべきではなく、本発明の特定の実施形態において利用されても利用されなくてもよい、代替例又は追加の特徴を強調することだけを意図するものとして理解されるべきである。同様に、接続詞「及び」で繋がれた項目の群は、それらの項目のそれぞれ、及び各々が群分類に存在することを要求するものとして読まれるよりも、明らかに言及されない限り、「及び/又は」として読まれるべきである。同様に、接続詞「又は」で繋がれた項目の群は、その群の中で相互排他性を要するものとして読まれるよりも、明らかに言及されない限り、「及び/又は」として読まれるべきである。
【0087】
値の範囲が与えられる場合、上限及び下限、並びに範囲の上限と下限の間の、それぞれの中間の値が実施形態内に包含される。
【0088】
本明細書における、実質的に、任意の複数形の用語、及び/又は単数形の用語の使用に関して、当業者は、文脈及び/又は用途に適切であるように、複数形から単数形へ、及び/又は単数形から複数形へ言い換えることができる。様々な単数形/複数形の置き換えは、理解しやすいように、明確に示すことができる。不定冠詞「a」、「an」は、複数形を排除しない。単数の処理装置又は他の装置は、特許請求の範囲に列挙された、幾つかの項目の機能を満たすことになる。ある測定が、互いに異なる従属請求項に列挙されることだけでは、これらの測定の組み合わせを有利に使用することができないことを示さない。特許請求の範囲における任意の参照符号は、その範囲を限定するものとして考慮されるべきではない。
【0089】
当業者は、導入された請求項列挙の特定の数が意図される場合、こうした意図は、請求項中で明示的に列挙され、こうした列挙がない場合は、こうした意図は存在しないと更に理解する。例えば、理解の助けとして、以下の添付の請求項は、請求項列挙を導入するために、導入句「少なくとも1つの」及び「1つ又は複数の」の利用を含むことができる。しかし、こうした語句の使用は、不定冠詞「a」又は「an」による請求項列挙の導入により、同じ請求項が導入句「1つ又は複数の」又は「少なくとも1つの」、及び「a」又は「an」等の不定冠詞を含める場合であっても、その導入された請求項列挙を含む、任意の特定の請求項が、こうした列挙を1つしか含まない実施形態に限定されることを暗示すると考慮すべきではなく(例えば、「a」及び/又は「an」は、典型的には「少なくとも1つの」又は「1つ又は複数の」を意味すると解釈されるべきである)、請求項列挙を導入するために使用される定冠詞の使用についても同じことが成り立つ。加えて、導入される請求項列挙の特定の数が明示的に列挙される場合であっても、当業者は、こうした列挙は、典型的には、少なくとも列挙された数を意味するものと解釈されるべきであると認識する (例えば、他の修飾語句なしの「2つの列挙」というそのままの列挙は、典型的には、少なくとも2つの列挙、又は2つ以上の列挙を意味する)。更に、「A、B、及びC等のうちの少なくとも1つ」に慣例的類同語が使用される場合、一般に、こうした構文は、当業者がその慣例を理解するものであると意図される(例えば、「A、B、及びCのうちの少なくとも1つを有するシステム」は、限定されないが、Aのみ、Bのみ、Cのみ、A及びB共に、A及びC共に、B及びC共に、並びに/又はA、B、及びC共に等を有するシステムを含む)。「A、B、又はC等のうちの少なくとも1つ」に慣例的類同語が使用される場合、一般に、こうした構文は、当業者がその慣例を理解するという意味で意図されるものである(例えば、「A、B、又はCのうちの少なくとも1つを有するシステム」は、限定されないが、Aのみ、Bのみ、Cのみ、A及びB共に、A及びC共に、B及びC共に、並びに/又はA、B、及びC共に等を有するシステムを含む)。更に、当業者のさらなる理解によれば、明細書中であろうと、請求項中であろうと、又は図面中であろうと、2つ以上の代替語を表す、事実上、任意の離接語及び/又は語句は、用語のうちの1つ、用語のいずれか、又は両方の用語を含める可能性が考えられると理解すべきである。例えば、語句「A又はB」は、「A」又は「B」又は「A及びB」の可能性を含めると理解される。
【0090】
構成成分の量、反応条件、及び本明細書で使用されるその他のものを表す、全ての数は、全ての場合において、用語「約」によって修飾されるものと理解されるべきである。したがって、矛盾しない限り、本明細書で示される数値パラメーターは、得ようとされる、所望の特性に応じて変わることができる近似値である。少なくとも、本出願に基づいて優先権を主張する任意の出願の任意の請求項の範囲に対して、均等物の原理の適用を限定しようとする試みとしてではなく、それぞれの数値パラメーターは、有効桁数及び通常の端数処理法に鑑みて考慮されるべきである。
【0091】
更に、以上の説明は、明瞭性及び理解の目的で、例証及び例によって幾らか詳細に記載されたものの、ある種の変更及び改変を実施することができることは、当業者に明らかである。それ故に、記載及び例は、本発明の範囲を、本明細書に記載の特定の実施形態及び実施例に限定するものではなく、本発明の範囲及び趣旨からの、全ての改変及び代替も含むと考慮されるべきである。
【手続補正書】
【提出日】2021-10-11
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
温度約30~約90℃及び圧力約5~約80MPaで、ペッパーコーンを超臨界二酸化炭素と接触させ
る工程であり、ピペリンが、前記ペッパーコーンを超臨界二酸化炭素と接触させることにより前記ペッパーコーンから抽出される、工程、並びに
抽出されたピペリン画分を前記ペッパーコーンに再導入する工程
を含み、
それによって
、脱風味ペッパーコーン中の非ピペリン代謝性微量栄養素を60%よりも多く維持しながら、脱風味ペッパーコーンを製造する
、脱風味ペッパーコーンを調製する方法。
【請求項2】
前記温度が、約30℃~約60℃である、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記ペッパーコーンへの前記圧力が、約7.4~約36MPaである、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項4】
前記ペッパーコーンが、水分約5~約25%を有する、請求項1から3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項5】
前記ペッパーコーンを溶媒と接触させる工程を更に含む、請求項1から3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
前記溶媒が、水、エタノール、又はその組み合わせから選択される、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
脱風味ペッパーコーンのピペリン含有量が、前記ペッパーコーンの元のピペリン含有量の約0%~約60%である、請求項1から5のいずれか一項に記載の方法。
【請求項8】
前記脱風味ペッパーコーンが、ピペリン0.01%w/w~6%w/w、水分5~25%w/w、及び代謝性微量栄養素0.005~0.2%w/wを含む、請求項1から7のいずれか一項に記載の方法。
【請求項9】
前記脱風味ペッパーコーンが、ピペリン0.01%w/w~約0.6%w/w、炭水化物60%w/w超、脂肪1%w/w未満、灰分10%w/w未満、タンパク質約10~約15%w/w、及び代謝性微量栄養素0.05%w/w超を含む、請求項1から7のいずれか一項に記載の方法。
【請求項10】
前記脱風味ペッパーコーンがピペリン0.3%w/wを含む、請求項8に記載の方法。
【請求項11】
前記代謝性微量栄養素が、N-trans-カフェオイルチラミン、N-trans-フェルロイルチラミン、及びp-クマロイルチラミンのうちの少なくとも1種を含む、請求項8又は10に記載の方法。
【請求項12】
前記ペッパーコーンを粉砕する工程を更に含む、請求項1から11のいずれか一項に記載の方法。
【請求項13】
前記ペッパーコーンを超臨界二酸化炭素と15分間~4時間接触させる、請求項1から12のいずれか一項に記載の方法。
【請求項14】
前記ペッパーコーンが、ホールペッパーコーン、グラウンドペッパーコーン、及びクラッシュペッパーコーンから選択される、請求項1から13のいずれか一項に記載の方法。
【請求項15】
脱風味ペッパーコーン;及び
担体
を含み、
前記脱風味ペッパーコーンが、ピペリン約0.01%w/w~約0.6%w/w、炭水化物60%w/w超、脂肪1%w/w未満、灰分10%w/w未満、タンパク質約10~約15%w/w、及び代謝性微量栄養素0.05%w/w超を含む、健康補助食品、食材若しくは食品添加物、医療用食品、又は栄養補助食品。
【請求項16】
前記担体が、糖、デンプン、セルロース、トラガント末、麦芽、ゼラチン、タルク、賦形剤、油、グリコール、ポリオール、エステル、寒天、緩衝剤、アルギン酸、等張食塩水、エチルアルコール、リン脂質、pH緩衝液、又はポリエステルのうちの少なくとも1種から選択される、請求項15に記載の健康補助食品、食材若しくは食品添加物、医療用食品、又は栄養補助食品。
【請求項17】
防腐剤を更に含む、請求項15又は16に記載の健康補助食品、食材若しくは食品添加物、医療用食品、又は栄養補助食品。
【請求項18】
前記防腐剤が、安息香酸ナトリウム、メチルパラベン、プロピルパラベン、亜硝酸ナトリウム、二酸化硫黄、ソルビン酸ナトリウム、ソルビン酸カリウム、又はエデト酸塩のうちの少なくとも1種から選択される、請求項16に記載の健康補助食品、食材若しくは食品添加物、医療用食品、又は栄養補助食品。
【請求項19】
前記代謝性微量栄養素が、N-trans-カフェオイルチラミン、N-trans-フェルロイルチラミン、及びp-クマロイルチラミンのうちの少なくとも1種を含む、請求項15から18のいずれか一項に記載の健康補助食品、食材若しくは食品添加物、医療用食品、又は栄養補助食品。
【請求項20】
第2作用剤を更に含む、請求項15から18のいずれか一項に記載の健康補助食品、食材若しくは食品添加物、医療用食品、又は栄養補助食品。
【請求項21】
前記第2作用剤が、植物栄養素、香味剤、コーティング層、安定剤、着色剤、希釈剤、充填剤、1種若しくは複数種のアルカロイド、1種若しくは複数種のビタミン、又は1種若しくは複数種のチラミン含有ヒドロキシ桂皮酸アミドから選択される、請求項20に記載の健康補助食品、食材若しくは食品添加物、医療用食品、又は栄養補助食品。
【請求項22】
前記脱風味ペッパーコーンが、増加した代謝性栄養素をもたらすように配合される、請求項15から21のいずれか一項に記載の健康補助食品、食材若しくは食品添加物、医療用食品、又は栄養補助食品。
【請求項23】
前記脱風味ペッパーコーンが、水分5~25%w/wを更に含む、請求項15から21のいずれか一項に記載の健康補助食品、食材若しくは食品添加物、医療用食品、又は栄養補助食品。
【請求項24】
脱風味ペッパーコーンを製造する方法であって、
ペッパーコーンを、約50℃から約190℃の1種又は複数種の油と約10~約30psiで約5分間~約120分間接触させ、それによって脱風味ペッパーコーンを製造する工程を含む、方法。
【請求項25】
前記ペッパーコーンが、ホールペッパーコーン、グラウンドペッパーコーン、及びクラッシュペッパーコーンから選択される、請求項24に記載の方法。
【請求項26】
前記1種又は複数種の油が植物油である、請求項24又は25に記載の方法。
【請求項27】
前記植物油が、ヒマワリ油、ベニバナ油、オリーブ油、ダイズ油、ナタネ油、及び落花生油からなる群から選択される、請求項26に記載の方法。
【請求項28】
前記油が、温度約50℃~約135℃である、請求項24から27のいずれか一項に記載の方法。
【請求項29】
圧力が、約14.5psi~約30psiである、請求項24から28のいずれか一項に記載の方法。
【請求項30】
前記油が、pH約3~約8である、請求項24から29のいずれか一項に記載の方法。
【請求項31】
前記ペッパーコーンを約5分間~約120分間撹拌する工程を更に含む、請求項24から30のいずれか一項に記載の方法。
【請求項32】
前記ペッパーコーンが、油ちょうされ、ベイキングされ、又は圧力調理される、請求項24から31のいずれか一項に記載の方法。
【請求項33】
前記脱風味ペッパーコーンが、代謝性微量栄養素を100mg/Kg超含む、請求項24から32のいずれか一項に記載の方法。
【請求項34】
前記脱風味ペッパーコーンが、元のピペリンレベルの約0~約60%を含む、請求項24から33のいずれか一項に記載の方法。
【請求項35】
植物油を前記ペッパーコーンから分離する工程を更に含む、請求項24から34のいずれか一項に記載の方法。
【請求項36】
前記ペッパーコーンを水溶液で洗浄する工程を更に含む、請求項24から35のいずれか一項に記載の方法。
【請求項37】
前記洗浄する工程により、残留植物油が取り除かれる、請求項36に記載の方法。
【請求項38】
前記ペッパーコーンを乾燥させる工程を更に含む、請求項24から37のいずれか一項に記載の方法。
【請求項39】
前記ペッパーコーンを粉砕する工程を更に含む、請求項24から38のいずれか一項に記載の方法。
【請求項40】
脱風味ペッパーコーンを製造する方法であって、
ペッパーコーンを前処理し、それによって脱風味ペッパーコーンを製造する工程を含み、
前処理する工程が、圧力を前記ペッパーコーンに加えること、前記ペッパーコーンにかかる温度を上げること、前記ペッパーコーンに照射すること、溶媒を前記ペッパーコーンに適用すること、又はその組み合わせを含む、方法。
【請求項41】
ペッパーコーンを
十分な量の超臨界二酸化炭素と接触させ
、それによって脱風味ペッパーコーンを製造する工程を含む、ペッパーコーンからピペリンを抽出する方法
であって、
前記ペッパーコーンから抽出されたピペリン部分を、前記ペッパーコーンに再導入し、それによって、代謝性微量栄養素の高まったバイオアベイラビリティを有する脱風味ペッパーコーンを製造する、方法。
【請求項42】
ペッパーコーンを
十分な量の有機溶媒と接触させ
、それによって脱風味ペッパーコーンを製造する工程を含む、ペッパーコーンからピペリンを抽出する方法
であって、
前記ペッパーコーンから抽出されたピペリン部分を、前記ペッパーコーンに再導入し、それによって、代謝性微量栄養素の高まったバイオアベイラビリティを有する脱風味ペッパーコーンを製造する、方法。
【請求項43】
ペッパーコーンを
十分な量の高輝度光と接触させ
、それによって脱風味ペッパーコーンを製造する工程を含む、ペッパーコーンからピペリンを抽出する方法
であって、
前記脱風味ペッパーコーンが、ピペリン約0.01%w/w~約0.6%w/w、炭水化物60%w/w超、脂肪1%w/w未満、灰分10%w/w未満、タンパク質約10~約15%w/w、及び代謝性微量栄養素0.05%w/w超を含む、方法。
【請求項44】
ペッパーコーンを
十分な量のUV線と接触させ、
それによって脱風味ペッパーコーンを製造する工程を含む、ペッパーコーンからピペリンを抽出する方法
であって、
前記脱風味ペッパーコーンが、ピペリン約0.01%w/w~約0.6%w/w、炭水化物60%w/w超、脂肪1%w/w未満、灰分10%w/w未満、タンパク質約10~約15%w/w、及び代謝性微量栄養素0.05%w/w超を含む、方法。
【請求項45】
前記UV線が、約150nmから約350nmまでである、請求項44に記載の方法。
【請求項46】
ピペリン0.01%w/w~0.6%w/w;
水分5~25%w/w;
代謝性微量栄養素0.005~0.2%w/w;及び
担体
を含む、脱風味ペッパーコーン。
【請求項47】
ピペリン0.01~0.3%を含む、請求項
46に記載の脱風味ペッパーコーン。
【請求項48】
ピペリン0.3%を含む、請求項
46又は
47に記載の脱風味ペッパーコーン。
【請求項49】
前記水分が25%である、請求項
46に記載の脱風味ペッパーコーン。
【国際調査報告】