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特表2023-505847疎水性化合物用の非再湿潤性O/W(水中油)乳化システム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-02-13
(54)【発明の名称】疎水性化合物用の非再湿潤性O/W(水中油)乳化システム
(51)【国際特許分類】
   C08L 101/02 20060101AFI20230206BHJP
   C08K 5/17 20060101ALI20230206BHJP
   C08K 5/20 20060101ALI20230206BHJP
   D06M 13/402 20060101ALI20230206BHJP
   D06M 13/325 20060101ALI20230206BHJP
【FI】
C08L101/02
C08K5/17
C08K5/20
D06M13/402
D06M13/325
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022535252
(86)(22)【出願日】2020-12-14
(85)【翻訳文提出日】2022-07-06
(86)【国際出願番号】 SE2020051209
(87)【国際公開番号】W WO2021118451
(87)【国際公開日】2021-06-17
(31)【優先権主張番号】1951453-8
(32)【優先日】2019-12-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】SE
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】519058594
【氏名又は名称】オルガノクリック アーベー
(74)【代理人】
【識別番号】110001519
【氏名又は名称】弁理士法人太陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】アイディン、ユハネス
(72)【発明者】
【氏名】ハサンザデー、サルマン
【テーマコード(参考)】
4J002
4L033
【Fターム(参考)】
4J002AB041
4J002AB051
4J002BG072
4J002BJ002
4J002CL011
4J002CL021
4J002CL022
4J002CL031
4J002CL051
4J002CL061
4J002EN116
4J002EP007
4J002EP017
4J002FD202
4J002FD206
4J002FD207
4J002GB00
4J002HA04
4L033AA07
4L033AA08
4L033AB01
4L033AB03
4L033AB04
4L033AC03
4L033BA45
4L033BA71
(57)【要約】
疎水性相、所定の窒素原子に対する炭素原子のモル比を有するプロトン化されたアミド及びプロトン化されたアミンからなる乳化促進組成物、及び水を含む、乳化された液体組成物が開示される。前記組成物は、任意に、消泡剤、合一剤、保存料、共乳化剤、鎖延長剤、架橋剤、及びレオロジー調整剤のうちの少なくとも1種を含む。前記組成物は、望ましくない戻り湿潤又は再湿潤効果無しに疎水性を誘導するために、無機材料、有機材料、又は繊維系材料に付与するのに有用である。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
a)高分子アミド(polymeric amide)及び一般式Iで表されるアミドのうちの少なくとも一方から選択される、少なくとも1種の正帯電有機アミド:
【化1】

式中、X1、X2、及びX3は同一又は異なる基であり、前記少なくとも1種のアミドにおける炭素原子の窒素原子に対するモル比は70≧C/N≧3、好ましくは60≧C/N≧5、より好ましくは50≧C/N≧6、であり、一般式Iで表されるアミドは、全炭素数が150未満の、飽和若しくは不飽和で分岐若しくは直鎖の酸の1級、2級、及び3級アミドから選択され、一般式Iで表されるアミドは、1~7のpHでは水溶性ではない飽和若しくは不飽和で分岐若しくは直鎖の酸の1級、2級、及び3級アミドから選択される;
b)高分子アミン(polymeric amine)及び以下の一般式IIで表されるアミンのうちの少なくとも一方から選択される、少なくとも1種の正帯電有機アミン:並びに
【化2】

式中、Y1、Y2、Y3、Y4、及びY5は同一又は異なる基であり、前記少なくとも1種のアミンにおける炭素原子の窒素原子に対するモル比は70≧C/N≧3、好ましくは60≧C/N≧5、より好ましくは50≧C/N≧6、であり、一般式IIで表されるアミンは、全炭素数が150未満の、1級、2級、及び3級アミンから選択され、一般式IIで表されるアミンは、1~7のpHでは水溶性ではなく、前記アミンは飽和若しくは不飽和で分岐若しくは直鎖の炭化水素鎖を有する1級、2級又は3級アミンから選択されるか、あるいは飽和若しくは不飽和で分岐若しくは直鎖の酸に由来するアミンである;
c)元素周期表の第2族、第4族、第8族、第12族、及び第13族からのルイス酸並びにpKaが7未満のブレンステッド酸から選択される少なくとも1種のルイス酸及び/又は少なくとも1種のブレンステッド酸;
を含む乳化促進組成物(emulsifying composition)。
【請求項2】
基X1~X3及びY1~Y5は水素又は飽和若しくは不飽和の炭化水素鎖であり、該炭化水素鎖は無置換又は置換され、直鎖又は分岐である、請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
前記酸は、メタン酸、エタン酸、エタン二酸、オキソエタン酸、2-ヒドロキシエタン酸、プロパン酸、プロパ-2-エン酸、2-プロピン酸、プロパン二酸、2-ヒドロキシプロパン二酸、オキソプロパン二酸、2,2-ジヒドロキシプロパン二酸、2-オキソプロパン酸、2-ヒドロキシプロパン酸、3-ヒドロキシプロパン酸、2,3-ジヒドロキシプロパン酸、2-オキシランカルボン酸、ブタン酸、2-メチルプロパン酸、2-オキソブタン酸、3-オキソブタン酸、4-オキソブタン酸、(E)-ブテン二酸、(Z)-ブテン二酸、ブタ-2-イン二酸、オキソブタン二酸、ヒドロキシブタン二酸、2,3-ジヒドロキシブタン二酸、(E)-ブタ-2-エン酸、ペンタン酸、3-メチルブタン酸、ペンタン二酸、2-オキソペンタン二酸、3-オキソペンタン二酸、フラン-2-カルボン酸、テトラヒドロ-2-フランカルボン酸、ヘキサン酸、ヘキサン二酸、2-ヒドロキシプロパン-1,2,3-トリカルボン酸、プロパ-1-エン-1,2,3-トリカルボン酸、1-ヒドロキシプロパン-1,2,3-トリカルボン酸、(2E,4E)-ヘキサ-2,4-ジエン酸、ヘプタン酸、ヘプタン二酸、シクロヘキサンカルボン酸、ベンゼンカルボン酸、2-ヒドロキシ安息香酸、オクタン酸、ベンゼン-1,2-ジカルボン酸、ノナン酸、ベンゼン-1,3,5-トリカルボン酸、(E)-3-フェニルプロパ-2-エン酸、デカン酸、デカン二酸、ウンデカン酸、ドデカン酸、ベンゼン-1,2,3,4、5,6-ヘキサカルボン酸、トリデカン酸、テトラデカン酸、ペンタデカン酸、ヘキサデカン酸、ヘプタデカン酸、オクタデカン酸、(9Z)-オクタデカ-9-エン酸、(9Z,12Z)-オクタデカ-9,12-ジエン酸、(9Z,12Z,15Z)-オクタデカ-9,12,15-トリエン酸、(6Z,9Z,12Z)-オクタデカ-6,9,12-トリエン酸、(6Z,9Z,12Z,15Z)-オクタデカ-6,9,12,15-テトラエン酸、ノナデカン酸、エイコサン酸、(5Z,8Z,11Z)-エイコサ-5,8,11-トリエン酸、(5Z,8Z,11Z,14Z)-エイコサ-5,8,11,14-テトラエン酸、ヘンエイコサン酸、ドコサン酸、(4Z,7Z,10Z,13Z,16Z,19Z)-ドコサ-4,7,10,13,16,19-ヘキサエン酸、トリコサン酸、テトラコサン酸、ペンタコサン酸、ヘキサコサン酸、ヘプタコサン酸(Carboceric acid)、モンタン酸、ノナコサン酸(Nonacosylic acid)、メリシン酸、ヘントリアコンタン酸(Hentriacontylic acid)、ドトリアコンタン酸(Lacceroic acid)、トリトリアコンタン酸(Psyllic acid)、テトラトリアコンタン酸(Geddic acid)、ペンタトリアコンタン酸(Ceroplastic acid)、ヘキサトリアコンタン酸(Hexatriacontylic acid)、ヘプタトリアコンタン酸(Heptatriacontylic acid)、オクタトリアコンタン酸(Octatriacontylic acid)、ノナトリアコンタン酸(Nonatriacontylic acid)、テトラコンタン酸(Tetracontylic acid)、ミリストレイン酸、パルミトレイン酸、サピエン酸、オレイン酸、エライジン酸、バクセン酸、ガドレイン酸、エイコセン酸、エルカ酸、ネルボン酸、リノール酸、エイコサジエン酸、ドコサジエン酸、三価不飽和脂肪酸、リノレン酸、ピノレン酸、エレオステアリン酸、ミード酸、ジホモーγーリノレン酸、エイコサトリエン酸、ステアリドン酸、アラキドン酸、エイコサテトラエン酸、アドレン酸、5価不飽和脂肪酸、ボセオペンタエン酸、エイコサペンタエン酸、オズボンド酸、イワシ酸(Sardine acid)、テトラコサノールペンタエン酸、6価不飽和脂肪酸、セルボン酸、ニシン酸(Herring acid)、エタン二酸、プロパン二酸、ブタン二酸、ペンタン二酸、ヘキサン二酸、ヘプタン二酸、オクタン二酸、ノナン二酸、デカン二酸、ウンデカン二酸、ドデカン二酸、トリデカン二酸、ヘキサデカン二酸、ヘンエイコサ-1,21-二酸、ドコサン二酸、トリアコンタン二酸、(Z)-ブテン二酸、(E)-ブテン二酸、ブタ-2-イン二酸、(Z)-ペンタ-2-エン二酸、(E)-ペンタ-2-エン二酸、2-デカン二酸、ドデカ-2-エン二酸、ムコン酸、グルチン酸、シトラコン酸、メサコン酸、イタコン酸、2-ヒドロキシプロパン二酸、オキソプロパン二酸、ヒドロキシブタン二酸、2,3-ジヒドロキシブタン二酸、オキソブタン二酸、2-アミノブタン二酸、2-ヒドロキシペンタン二酸、2,3,4-トリヒドロキシペンタン二酸、3-オキソペンタン二酸、2-オキソペンタン二酸、2-アミノペンタン二酸、(2R,6S)-2,6-ジアミノヘプタン二酸、(2S,3S,4S,5R)-2,3,4,5-テトラヒドロキシヘキサン二酸、ベンゼン-1,2-ジカルボン酸、ベンゼン-1,3-ジカルボン酸、ベンゼン-1,4-ジカルボン酸、2-(2-カルボキシフェニル)安息香酸、2,6-ナフタレンジカルボン酸、ピルビン酸、オキサロ酢酸、アセト酢酸、レブリン酸、安息香酸、サリチル酸、ω-フェニルアルカン酸(x=1~17)、二環式ヘキサヒドロインデン酸(Bicyclic hexahydroindenoic acid)、クラシネルブ酸(Crassinervic acid)、グリセリン酸、グリコール酸、乳酸、酒石酸、及びジビニルエーテル脂肪酸などの、40個未満の炭素原子を有する(C≦40)、飽和又は不飽和の、分岐又は直鎖のカルボン酸である、請求項1に記載の組成物。
【請求項4】
前記アミドが分子量1kDa≦Mw≦1000kDa、好ましくは2kDa≦Mw≦500kDaの高分子アミドである、いずれかの先行請求項に記載の組成物。
【請求項5】
前記アミドが、アミド化されたデンプン(アミロース、アミロペクチン)、アミド化されたセルロース、アミド化されたガム、アミド化されたキトサン、及びアミド化されたこれらの誘導体などのアミド化されたポリ炭化水素、ポリペプチド、ポリ核酸、及びナイロン6、ナイロン6/6、ナイロン6/12、ナイロン11、ナイロン12等の脂肪族(aliphatic)ポリアミド、並びにポリフタルアミド又は芳香族ポリアミド、から選択される高分子アミドである、請求項1に記載の組成物。
【請求項6】
少なくとも1種のアミンが、25℃における水への溶解度が20g/100mL未満であるアミノ酸であり、好ましくは、イソロイシン、トリプトファン、チロシン、ロイシン、フェニルアラニン、アスパラギン、アスパラギン酸、グルタミン酸、グルタミン、ヒスチジン、メチオニン、セリン、及びバリンのうちの少なくとも1つから選択される、請求項1に記載の組成物。
【請求項7】
前記アミンが、分子量が1kDa≦Mw≦1000kDa、好ましくは2kDa≦Mw≦500kDaの高分子アミンである、いずれかの先行請求項に記載の組成物。
【請求項8】
前記アミンが、アミン化されたデンプン(アミロース、アミロペクチン)、アミン化されたセルロース、アミン化されたガム、アミン化されたキトサン、及びアミン化されたこれらの誘導体などのアミン化されたポリ炭化水素、ポリペプチド、ポリ核酸、ポリ(ビニルピリジン)、ポリ(ビニルピロリドン)、ポリ(ビニルアミン)及びそれらの塩、ポリ(L-リジン)及びその塩、ポリエチレンイミン及びその塩、ポリ(アリルアミン)及びその塩、ポリ(4-アミノスチレン)、ポリ(N-メチルビニルアミン)、ポリ(ジアリルジメチル)及びそれらの塩、ポリ(2-ビニル-1-メチルピリジン)及びその塩、ポリ(N,N-ジメチルアミノエチルメタクリレート)[I]、ポリ(N,N-ジメチルアミノエチルアクリレート-co-メチルメタクリレート)[II]、及びポリ(N,N-ジメチルアミノプロピルアクリルアミド-co-メチルメタクリレート)、ポリオキシプロピレンジアミンのうちの少なくとも1つから選択される高分子アミンである、請求項1に記載の組成物。
【請求項9】
前記アミドは、請求項1における上記式Iで表される1級アミドを含み、ここでX2及びX3は水素原子であり、X1は40個未満の炭素原子を含み、窒素に対する炭素のモル比は40≧C/N≧6であり、前記1級アミドは1~7のpHでは水に可溶ではなく、好ましくは前記1級アミドはエルカ酸アミド、オレイン酸アミド、ベヘン酸アミド、ステアリン酸アミド、パルミチン酸アミド、ラウリン酸アミド、12-ヒドロキシステアリン酸アミド、等々のアミドのうちの少なくとも1つから選択される、請求項1又は請求項2に記載の組成物。
【請求項10】
前記アミドが、請求項1における上記式Iで表される2級有機アミドであり、ここで、X2は水素原子であり、X1及びX3はそれぞれ40個未満の炭素原子を含み、前記2級アミドにおける窒素に対する炭素のモル比は40≧C/N≧6であり、前記2級アミドはpH1~7で水に可溶ではなく、好ましくは前記アミドは、N-ステアリルステアリン酸アミド、N-ステアリルオレイン酸アミド、N-オレイルステアリン酸アミド、N-ステアリルエルカ酸アミド、N-メチロールステアリン酸アミド、メチレンビスステアリン酸アミド、エチレンビスカプリン酸アミド、エチレンビスステアリン酸アミド、エチレンビス12-ヒドロキシステアリン酸アミド、エチレンビスベヘン酸アミド、ヘキサメチレンビスステアリン酸アミド、ヘキサメチレンビスベヘン酸アミド、ヘキサメチレンビス12-ヒドロキシステアリン酸アミド、N,N’-ジステアリルアジピン酸アミド、エチレンビスオレイン酸アミド、ヘキサメチレンビスオレイン酸アミド、N,N’-ジオレイルアジピン酸アミド、オレイルパルミチン酸アミド、ステアリルエルカ酸アミド、エチレンビス-オレイン酸アミド、等々のアミドのうちの少なくとも1つから選択される、請求項1又は請求項2に記載の組成物。
【請求項11】
前記アミドが、請求項1における上記式Iで表される3級有機アミドであり、ここで、X1、X2、及びX3はそれぞれ40個未満の炭素原子を含み、前記3級アミドにおける窒素原子に対する炭素原子のモル比は40≧C/N≧6であり、前記3級アミドはpH1~7で水に可溶ではなく、好ましくは前記アミドは、N,N-ジメチルオレイン酸アミド、N,N-ジエチルオレイン酸アミド、オクタデカンアミド、N,N-ビス(2-ヒドロキシエチル)、N,N-ジメチルステアリン酸アミド、N,N-ビス(2-ヒドロキシエチル)ステアリン酸アミド、N,N-ビス(2-ヒドロキシエチル)ヘキサデカン-1-アミド、N,N-ビス(2-ヒドロキシエチル)オレイン酸アミド、N,N-ビス(2-ヒドロキシエチル)ドデカンアミド、等々のアミドのうち少なくとも1つから選択される、請求項1又は請求項2に記載の組成物。
【請求項12】
前記アミンが、請求項1における上記式IIで表される1級有機アミンであり、ここでY4及びY5は水素原子であり、Y1、Y2、及びY3はそれぞれ50個未満の炭素原子を含み、前記1級アミンにおける窒素に対する炭素のモル比は40≧C/N≧6であり、前記1級アミンは1~7のpHで水に可溶ではなく、好ましくは前記1級アミンは、コカミン、オレイルアミン、牛脂アミン(tallow amine)、ソイアミン(soya amine)、ステアリルアミン、(12E,15E)-N-「(21E,24E)-ヘキサトリアコンタ-21,24-ジエニル]ヘキサトリアコンタ-12,15-ジエン-1-アミン、ドデシルアミン、等々の1級アミンのうちの少なくとも1つから選択される、請求項1又は請求項2に記載の組成物。
【請求項13】
前記アミンが、請求項1における上記式IIで表される2級有機アミンであり、ここでY5は水素原子であってY1、Y2、Y3、及びY4はそれぞれ50個未満の炭素原子を含み、前記2級アミンにおける窒素に対する炭素のモル比は40≧C/N≧6であり、前記2級アミンは1~7のpHで水に可溶ではなく、好ましくは前記2級アミンは、ジオレイルアミン、ジオクタデシルアミン、(12E,15E)-N-[(21E,24E)-ヘキサトリアコンタ-21,24-ジエニル]ヘキサトリアコンタ-12,15-ジエン-1-アミン、等々の2級アミンのうちの少なくとも1つから選択される、請求項1又は請求項2に記載の組成物。
【請求項14】
前記アミンが、請求項1における上記式IIで表される3級有機アミンであり、ここでY1、Y2、Y3、Y4、及びY5はそれぞれ50個未満の炭素原子を含み、前記3級有機アミンにおける窒素に対する炭素のモル比は40≧C/N≧6であり、前記3級有機アミンは1~7のpHで水に可溶ではなく、好ましくは前記3級アミンは、N-[3-(ジメチルアミノ)プロピル]ドデカンアミド、N-[3-(ジメチルアミノ)プロピル]ミリスチン酸アミド、N-[3-(ジメチルアミノ)プロピル]ヘキサデカンアミド、N-[3-(ジメチルアミノ)プロピル]オクタデカンアミド、N-[3-(ジメチルアミノ)プロピル]オクタデカ-9-エンアミド、(9Z,12Z)-N-[3-(ジメチルアミノ)プロピル]オクタデカ-9,12-ジエンアミド(リノレアミド)、(9Z,12Z,15Z)-N-[3-(ジメチルアミノ)プロピル]オクタデカ-9,12,15-トリエンアミド(リノレアミド)、及びN-[3-(ジメチルアミノ)プロピル]エイコサンアミド、等々の3級アミンのうちの少なくとも1つから選択される、請求項1又は請求項2に記載の組成物。
【請求項15】
少なくとも1種のアミンが二量体アミンであり、好ましくは50個未満の炭素原子を有する脂肪(fatty)二量体ジアミンであり、より好ましくは(12E,15E)-N-[(21E,24E)-ヘキサトリアコンタ-21,24-ジエニル]ヘキサトリアコンタ-12,15-ジエン-1-アミン、等々である、請求項1又は請求項2に記載の組成物。
【請求項16】
前記アミドが50個未満の炭素原子を有する脂肪酸から合成され、好ましくはオレオイルパルミチン酸アミド又はステアリルエルカ酸アミドであり、前記アミンは二量体ジアミンであり、好ましくは50個未満の炭素原子を有する脂肪(fatty)二量体ジアミンであり、より好ましくは(12E,15E)-N-[(21E,24E)-ヘキサトリアコンタ-21,24-ジエニル]ヘキサトリアコンタ-12,15-ジエン-1-アミン、等々である、請求項1又は請求項2に記載の組成物。
【請求項17】
前記アミドが50個未満の炭素原子を有する脂肪酸から合成され、好ましくはオレオイルパルミチン酸アミド又はステアリルエルカ酸アミドであり、前記有機アミンは請求項10に記載のアミノ酸及び/又は請求項12に記載の高分子アミンであり、好ましくは前記高分子有機アミンはアミノ基を有するバイオポリマーから選択され、より好ましくは前記有機アミンはキトサンである、請求項1又は請求項2に記載の組成物。
【請求項18】
第4族又は第13族の金属塩の塩溶液及びその混合物から選択されるルイス酸をさらに含み、前記金属塩又はその混合物は好ましくはジルコニウム系の塩であり、より好ましくは酢酸ジルコニウム及び/又は酢酸ジルコニウム水酸化物である、前記いずれかの請求項に記載の組成物。
【請求項19】
a)疎水性相;
b)請求項1~18のうちいずれか一項に記載の乳化促進組成物;
c)水;並びに
d)任意に(optionally)、消泡剤、合一剤(coalescent agent)、保存料、共乳化剤、鎖延長剤、架橋剤、及びレオロジー調整剤のうちの少なくとも1種
を含む乳化された液体組成物。
【請求項20】
a)0.01~50重量%、好ましくは0.05~45重量%、より好ましくは0.1~40重量%、いっそう好ましくは0.2~30重量%の、前記疎水性相;
b)0.01~12重量%、好ましくは0.05~10重量%、より好ましくは0.1~8重量%の、正帯電乳化促進組成物(positively charged emulsifying composition);並びに
c)38~99.98重量%の水
を含む、請求項19に記載の乳化された液体組成物。
【請求項21】
前記疎水性相が天然オイル、合成オイル、天然ワックス、合成ワックス、液体樹脂、脂肪酸、脂肪(fatty)アルコール、脂肪(fatty)シラン、脂肪(fatty)シロキサン、脂肪(fatty)エポキシド、脂肪(fatty)イミン、脂肪(fatty)アルデヒド、脂肪(fatty)イミド、脂肪(fatty)チオール、脂肪(fatty)サルフェート、脂肪(fatty)エステル、脂肪(fatty)ケトン、その他のタイプの脂質からなる群から互いに独立に選択され、好ましくは、天然オイル、天然ワックス、脂肪(fatty)シラン、及び/又は脂肪酸、並びにこれらの混合物から選択される、1種又は複数種の疎水性剤を含む、請求項19又は請求項20に記載の乳化された液体組成物。
【請求項22】
酢酸ジルコニウム、プロピオン酸ジルコニウム、酢酸ジルコニウム水酸化物、ネオデカン酸ジルコニウム、硫酸アルミニウム、ステアリン酸アルミニウム、硫酸鉄及び硫酸亜鉛、並びにこれらの混合物のうちの少なくとも1つから選択される少なくとも1種の多価金属塩、好ましくは酢酸ジルコニウム、を含むルイス酸である酸触媒を含む、請求項19~請求項21のうちいずれか1項に記載の乳化された液体組成物。
【請求項23】
酢酸、アセチルサリチル酸、アジピン酸、アスコルビン酸、アスパラギン酸、ベンゼンスルホン酸、カンファースルホン酸、クエン酸、ジヒドロキシフマル酸、エシル酸、ギ酸、グリコール酸、グルタミン酸、グリオキシル酸、塩酸、乳酸、リンゴ酸、マロン酸、マレイン酸、マンデル酸、メシル酸、シュウ酸、パラトルエンスルホン酸、ペンタン酸、フタル酸、プロピオン酸、ピルビン酸、ステアリン酸、サリチル酸、硫酸、酒石酸、トリフル酸、任意のアミノ酸、レブリン酸、コハク酸、塩酸(HCl)、臭化水素酸(HBr)、ヨウ化水素酸(HI)、若しくはハロゲンオキソ酸;次亜塩素酸、塩素酸、過塩素酸、過ヨウ素酸、並びに臭素及びヨウ素についての対応する化合物、のうちの少なくとも1つから選択される、あるいは、硫酸(H2SO4)、スルファミン酸、フルオロ硫酸、硝酸(HNO3)、リン酸(H3PO4)、フルオロアンチモン酸、フルオロホウ酸、ヘキサフルオロリン酸、クロム酸(H2CrO4)若しくはホウ酸(H3BO3)、並びにそれらの類似物及び混合物のうちの任意のものから選択される、ブレンステッド・ローリー酸である酸触媒を含む、請求項19~請求項22のうちいずれか1項に記載の乳化された液体組成物。
【請求項24】
a)共界面活性剤、好ましくはHLB値が1~41のノニオン性乳化剤、ここで前記共界面活性剤は、好適には7重量%未満、より好適には0.01~4重量%、いっそう適切には0.1~3重量%の量で存在し、好適には、C10~C18アルコールとエチレンオキシドから作られるアルキルポリエチレングリコールエーテル、及びポリオキシエチレンラウリルエーテルのうち少なくとも1つから選択される;
b)合一剤、例えば、ブチルジグリコール、モノプロピレングリコール、イソプロパノール、エタノール、及びアセトンのうちの少なくとも1つ、ここで前記合一剤は0.01~20重量%の量で、好ましくは0.1~6重量%の量で、最も好ましくは0.5~3重量%の量で存在する;
c)消泡剤、例えばEO/PO型消泡剤、シリコーン、リン酸トリブチル、フタル酸アルキル、エマルジョン型消泡剤、脂肪酸型消泡剤、ここで前記消泡剤は0.05~10重量%の量、好ましくは0.1~1重量%の量で存在する;
d)レオロジー調整剤、例えば親水性若しくは疎水性シリカナノ粒子、又はカルボキシメチルセルロースなどのバイオポリマー、ここで好適には前記レオロジー調整剤は5重量%以下、好ましくは0.1~2重量%、より好ましくは0.1~2重量%の量で存在する;
e)殺カビ剤、殺細菌剤、医薬用保存料、化粧品用保存料、及び食品用保存料のうちの1つ又は複数から選択される保存料、ここで前記保存料は0.005~10重量%の量で、好ましくは0.005~1.5重量%の量で、より好ましくは0.005~0.5重量%の量で存在する;並びに
f)イソシアネートに基づく1種若しくは複数種のブロックプレポリマーから選択され、0.1~10重量%の量で、好ましくは0.2~8重量%の量で、より好ましくは0.5~5重量%の量で存在する鎖延長剤/架橋剤
のうちの少なくとも1つを含む、請求項19~請求項23のうちいずれか1項に記載の乳化された液体組成物。
【請求項25】
a)0.2~30重量%の前記疎水性相;
b)0.1~8重量%の、請求項1~18のうちいずれか1項に記載の乳化促進組成物、ここで前記選択されたルイス酸は0.1~5重量%の量の酢酸ジルコニウムである;並びに
c)任意に(optionally)、0.1~3重量%の前記共界面活性剤、0.5~3重量%の前記合一剤、0.005~0.5重量%の前記保存料
を含む、請求項19~請求項24のうちいずれか1項に記載の乳化された液体組成物。
【請求項26】
無機材料、有機材料、又は繊維系材料の撥水性を向上し、及び/又は処理された材料の有する水溶性汚れを撥く能力を向上させる方法であって:
a)請求項19~25のうちいずれか1項に記載の組成物を前記無機材料、有機材料、又は繊維系材料に添加すること;
b)任意に(optionally)、前記材料に付与された組成物の量を調整すること;
c)処理された前記無機材料、有機材料、又は繊維系材料を、実質的に乾燥状態になるまで乾燥させること;並びに
d)任意に(optionally)、処理された前記無機材料、有機材料、又は繊維系材料を、10~200℃、消費者にとってより好ましくは10~90℃、特には15~60℃、また産業用には90~250℃、産業用用途について最も好ましくは90~190℃、の温度で固化(curing)させること
を含む方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、概して、有機アミド、有機アミン、及び酸の組み合わせを含む新規の乳化システム、並びに、種々の付与方法及び広範な活性化温度により、良好な耐洗浄性及び/又は耐候性と共に、無機材料、有機材料、又は繊維系材料の向上した疎水性を得るための改善された方法に関する。
【背景技術】
【0002】
疎水性化学物質の乳化にまつわる大きな目標の1つは、乳化物を種々の材料(無機材料、有機材料、又は繊維系材料)の表面に付与した後に処理された材料の再湿潤を引き起こさない分散/乳化/界面活性剤を見出すことである。従来の界面活性剤は疎水性剤を水系配合物に乳化するために用いることはできるが、処理された材料の最終的な表面特性に戻り湿潤(back wetting)の点で介入することによる最終的な予想される材料表面特性への干渉のため、乳化物中で用いられる疎水化剤の実際の性能は減少してしまう。市場には種々の非湿潤乳化システムが導入されてきており、例えば、Cetapol OX20(Avocet Dyes Ltd)等の制御された寿命を有する熱不安定性界面活性剤(市販のアミンオキシド界面活性剤)を用いたものや、Surfynol 61 (Air Products)等の揮発性界面活性剤を用いたものがある。しかし、これらの系の使用は、他の問題の中でもとりわけ、低い使用濃度では強力な界面活性特性を与えることができないこと、長い加熱時間を必要とすること(熱不安定性界面活性剤)、及び使用安全性のために、制限される。
【0003】
スウェーデン特許出願1651195-8は、選択されたアミノシロキサンを用いた疎水性剤で繊維材料を疎水化するための乳化物を開示している。このアミノシロキサンは酸の存在下でプロトン化状態のときは一時的な乳化剤として働き、後に繊維によるネットワークに導入されたときには自身の界面活性を失い、このため戻り湿潤の問題は除かれている。このことにも関わらず、低温での固化(curing)を可能とし、乳化剤の低い使用濃度を可能とし、オイル、ワックス、及びシラン等々などの広範な範囲の疎水性剤を乳化することを可能とする、戻り湿潤又は再湿潤の無い、材料の疎水化のための新規の乳化システムへのニーズが存在する。同時に、本発明に係る新規の乳化システムが、アミノシロキサン系乳化剤と比べて有機系であることは、再生可能資源からのバイオベースの材料を使用する道を築き、そしてより持続可能性の高い製品ポートフォリオにつながる。
【0004】
乳化促進組成物(Emulsifying compositions)は、以前から繊維材料の疎水性を向上するための手段として示唆されてきた。例えば、米国特許3374100を見よ。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の1つの課題は、広範な範囲の疎水性化合物を乳化させることが可能な、有機アミド、有機アミン、及び酸の組み合わせを含む新規の乳化促進組成物を提供することである。
向上した疎水性;耐候性及び耐洗浄性を有する撥水性;無機材料、有機材料又は繊維系材料上での水溶性汚れを撥く性質、を得る改善された付与方法であって、広範な範囲の活性化温度の使用を可能とする付与方法を提供することも、本発明の1つの課題である。
【0006】
水で希釈可能であり、かつ、濃縮形態及び高希釈(1:30)形態の両方で安定な乳化物により、処理された材料上に迅速に疎水性を生じるコスト効率の良い付与を提供し、それにより処理された材料上での効率的な付与量(add-on)制御を可能とすることも、本発明の1つの課題である。
【0007】
付与された材料の戻り湿潤又は再湿潤を避けることも本発明の1つの課題である。このような戻り湿潤又は再湿潤は、材料表面上において従来の界面活性剤(乳化剤)から生じうるもので、その結果、材料が正しい疎水性を誘導するには余分な清浄化ステップが必要となるものである。
【0008】
再生可能資源から潜在的に生産可能な有機構造を有する非湿潤性乳化促進組成物を用いる手段を提供することは本発明の別の課題である。
本発明のさらなる課題は、既知の産業的に用いられている方法及び前記化学的乳化組成物を用いる、例えば、繊維製品、不織製品、木材、紙、ガラス、ガラスファイバー、石、レンガ、等々の無機、有機、又は繊維系材料の現在の製造方法において用いる、手段を提供することである。
【0009】
低粘度、例えば100mPas未満、を有し、乾燥及び固化(curing)のための広い温度間隔を有し、それにより処理された材料に黄変を全く又はほとんど生じず、迅速に疎水性及び水系汚れを撥く性質を向上し、また、繊維製品などの関係する材料において柔らかな手触り(soft hand)を有し、しかもフッ化炭素の使用を避ける、付与用化学乳化物組成物を提供することが本発明のさらなる課題である。
【0010】
本発明のさらなる課題は、処理された材料上での組成物の特性及び効果を調整し、乾燥及び固化(curing)の時間及び温度をさらに調整するために、任意使用の(optional)共乳化剤、触媒、保存料、レオロジー調整剤(rheology modifier)又はそれらの混合物を用いて本発明の化学組成物の化合物のうち1つ又は複数を加える又は部分的に置き換えることにより、単純な操作を可能とする付与用化学乳化組成物を提供することである。
【0011】
本発明のよりさらなる課題は、種々の材料のための高耐久性の疎水性を誘導し、付与後に迅速に効果を有し、良好な保存寿命を有し、洗浄/浸出しても環境への悪影響が最小の化学乳化組成物を提供することである。
【0012】
本発明のさらなる課題は、処理された材料の最終的な疎水特性に悪影響を与え、洗浄/浸出したときに環境に悪影響を有しうる、表面活性剤/乳化剤/界面活性剤の使用を回避あるいは強く最小化することである。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本開示に記載の発明のこれら及び他の課題、特徴、及び利点は、以下に記載する発明の詳細な説明からさらに明らかなものとなろう。
【発明を実施するための形態】
【0014】
発明の一般的記載
第1の一般的態様では、本発明は、
a)高分子アミド(polymeric amide)及び一般式Iで表されるアミドのうちの少なくとも一方から選択される、少なくとも1種の正帯電有機アミド:
【化1】

式中、X1、X2、及びX3は同一又は異なる基及び高分子アミドであり、前記少なくとも1種のアミドにおける炭素原子の窒素原子に対するモル比は70≧C/N≧3、好ましくは60≧C/N≧5、より好ましくは50≧C/N≧6、であり、一般式Iで表されるアミドは、全炭素数が150未満の、飽和若しくは不飽和で分岐若しくは直鎖の酸の1級、2級、及び3級アミドから選択され、一般式Iで表されるアミドは、1~7のpHでは水溶性ではない飽和若しくは不飽和で分岐若しくは直鎖の酸の1級、2級、及び3級アミドから選択される;
b)高分子アミン(polymeric amine)及び一般式IIで表されるアミンのうちの少なくとも一方から選択される、少なくとも1種の正帯電有機アミン:
【化2】

式中、Y1、Y2、Y3、Y4、及びY5は同一又は異なる基であり、前記少なくとも1種のアミンにおける炭素原子の窒素原子に対するモル比は70≧C/N≧3、好ましくは60≧C/N≧5、より好ましくは50≧C/N≧6、であり、一般式IIで表されるアミンは、全炭素数が150未満の、1級、2級、及び3級アミンから選択され、一般式IIで表されるアミンは、1~7のpHでは水溶性ではなく、前記アミンは飽和若しくは不飽和で分岐若しくは直鎖の炭化水素鎖を有する1級、2級又は3級アミンから選択されるか、あるいは飽和若しくは不飽和で分岐若しくは直鎖の酸に由来するアミンである;並びに
元素周期表の第2族、第4族、第8族、第12族、及び第13族からのルイス酸並びにpKaが7未満のブレンステッド酸から選択される少なくとも1種のルイス酸及び/又は少なくとも1種のブレンステッド酸;
を含む乳化促進組成物(emulsifying composition)に関する。
【0015】
水不溶性のアミド及びアミンを含む本発明に係る乳化促進組成物を用いることにより、乳化促進組成物と疎水性剤との間の向上した相互作用が達成されることが驚くべきことに発見された。この向上した相互作用の結果、乳化促進組成物は、水中油型の系の向上した分散、つまり安定性を示す。この結果、乳化促進組成物は疎水性剤を繊維系材料上により良く分布させることができる。理論に拘束されるものではないが、非水溶性乳化促進組成物は、処理された繊維系材料に疎水性相が構築される(assemble)のをよりよくサポートすることができ、そのためより持続的な撥水性及び減少した再湿潤となると考えられる。
【0016】
乳化促進組成物の1つの態様では、前記アミド及び前記アミンの基X1~X3及びY1~Y5は水素又は飽和若しくは不飽和の炭化水素鎖であり、これらは無置換又は置換され、直鎖又は分岐である。
【0017】
1つの態様では、前記アミドは炭素数40以下の(C≦40)飽和又は不飽和で分岐又は直鎖のカルボン酸の1級、2級及び3級アミドから選択され、前記カルボン酸の例としては、メタン酸、エタン酸、エタン二酸、オキソエタン酸、2-ヒドロキシエタン酸、プロパン酸、プロパ-2-エン酸、2-プロピン酸、プロパン二酸、2-ヒドロキシプロパン二酸、オキソプロパン二酸、2,2-ジヒドロキシプロパン二酸、2-オキソプロパン酸、2-ヒドロキシプロパン酸、3-ヒドロキシプロパン酸、2,3-ジヒドロキシプロパン酸、2-オキシランカルボン酸、ブタン酸、2-メチルプロパン酸、2-オキソブタン酸、3-オキソブタン酸、4-オキソブタン酸、(E)-ブテン二酸、(Z)-ブテン二酸、ブタ-2-イン二酸、オキソブタン二酸、ヒドロキシブタン二酸、2,3-ジヒドロキシブタン二酸、(E)-ブタ-2-エン酸、ペンタン酸、3-メチルブタン酸、ペンタン二酸、2-オキソペンタン二酸、3-オキソペンタン二酸、フラン-2-カルボン酸、テトラヒドロ-2-フランカルボン酸、ヘキサン酸、ヘキサン二酸、2-ヒドロキシプロパン-1,2,3-トリカルボン酸、プロパ-1-エン-1,2,3-トリカルボン酸、1-ヒドロキシプロパン-1,2,3-トリカルボン酸、(2E,4E)-ヘキサ-2,4-ジエン酸、ヘプタン酸、ヘプタン二酸、シクロヘキサンカルボン酸、ベンゼンカルボン酸、2-ヒドロキシ安息香酸、オクタン酸、ベンゼン-1,2-ジカルボン酸、ノナン酸、ベンゼン-1,3,5-トリカルボン酸、(E)-3-フェニルプロパ-2-エン酸、デカン酸、デカン二酸、ウンデカン酸、ドデカン酸、ベンゼン-1,2,3,4、5,6-ヘキサカルボン酸、トリデカン酸、テトラデカン酸、ペンタデカン酸、ヘキサデカン酸、ヘプタデカン酸、オクタデカン酸、(9Z)-オクタデカ-9-エン酸、(9Z,12Z)-オクタデカ-9,12-ジエン酸、(9Z,12Z,15Z)-オクタデカ-9,12,15-トリエン酸、(6Z,9Z,12Z)-オクタデカ-6,9,12-トリエン酸、(6Z,9Z,12Z,15Z)-オクタデカ-6,9,12,15-テトラエン酸、ノナデカン酸、エイコサン酸、(5Z,8Z,11Z)-エイコサ-5,8,11-トリエン酸、(5Z,8Z,11Z,14Z)-エイコサ-5,8,11,14-テトラエン酸、ヘンエイコサン酸、ドコサン酸、(4Z,7Z,10Z,13Z,16Z,19Z)-ドコサ-4,7,10,13,16,19-ヘキサエン酸、トリコサン酸、テトラコサン酸、ペンタコサン酸、ヘキサコサン酸、ヘプタコサン酸(Carboceric acid)、モンタン酸、ノナコサン酸(Nonacosylic acid)、メリシン酸、ヘントリアコンタン酸(Hentriacontylic acid)、ドトリアコンタン酸(Lacceroic acid)、トリトリアコンタン酸(Psyllic acid)、テトラトリアコンタン酸(Geddic acid)、ペンタトリアコンタン酸(Ceroplastic acid)、ヘキサトリアコンタン酸(Hexatriacontylic acid)、ヘプタトリアコンタン酸(Heptatriacontylic acid)、オクタトリアコンタン酸(Octatriacontylic acid)、ノナトリアコンタン酸(Nonatriacontylic acid)、テトラコンタン酸(Tetracontylic acid)、ミリストレイン酸、パルミトレイン酸、サピエン酸、オレイン酸、エライジン酸、バクセン酸、ガドレイン酸、エイコセン酸、エルカ酸、ネルボン酸、リノール酸、エイコサジエン酸、ドコサジエン酸、三価不飽和脂肪酸、リノレン酸、ピノレン酸、エレオステアリン酸、ミード酸、ジホモーγーリノレン酸、エイコサトリエン酸、ステアリドン酸、アラキドン酸、エイコサテトラエン酸、アドレン酸、5価不飽和脂肪酸、ボセオペンタエン酸、エイコサペンタエン酸、オズボンド酸、イワシ酸(Sardine acid)、テトラコサノールペンタエン酸、6価不飽和脂肪酸、セルボン酸、ニシン酸(Herring acid)、エタン二酸、プロパン二酸、ブタン二酸、ペンタン二酸、ヘキサン二酸、ヘプタン二酸、オクタン二酸、ノナン二酸、デカン二酸、ウンデカン二酸、ドデカン二酸、トリデカン二酸、ヘキサデカン二酸、ヘンエイコサ-1,21-二酸、ドコサン二酸、トリアコンタン二酸、(Z)-ブテン二酸、(E)-ブテン二酸、ブタ-2-イン二酸、(Z)-ペンタ-2-エン二酸、(E)-ペンタ-2-エン二酸、2-デカン二酸、ドデカ-2-エン二酸、ムコン酸、グルチン酸、シトラコン酸、メサコン酸、イタコン酸、2-ヒドロキシプロパン二酸、オキソプロパン二酸、ヒドロキシブタン二酸、2,3-ジヒドロキシブタン二酸、オキソブタン二酸、2-アミノブタン二酸、2-ヒドロキシペンタン二酸、2,3,4-トリヒドロキシペンタン二酸、3-オキソペンタン二酸、2-オキソペンタン二酸、2-アミノペンタン二酸、(2R,6S)-2,6-ジアミノヘプタン二酸、(2S,3S,4S,5R)-2,3,4,5-テトラヒドロキシヘキサン二酸、ベンゼン-1,2-ジカルボン酸、ベンゼン-1,3-ジカルボン酸、ベンゼン-1,4-ジカルボン酸、2-(2-カルボキシフェニル)安息香酸、2,6-ナフタレンジカルボン酸、ピルビン酸、オキサロ酢酸、アセト酢酸、レブリン酸、安息香酸、サリチル酸、ω-フェニルアルカン酸(x=1~17)、二環式ヘキサヒドロインデン酸(Bicyclic hexahydroindenoic acid)、クラシネルブ酸(Crassinervic acid)、グリセリン酸、グリコール酸、乳酸、酒石酸、及びジビニルエーテル脂肪酸がある。
【0018】
本発明の乳化促進組成物の1つの態様では、前記アミドは、分子量が1kDa≦Mw≦1000kDa、好ましくは2kDa≦Mw≦500kDaの高分子アミドである。
【0019】
本発明の乳化促進組成物の1つの態様では、前記アミドは、アミド化されたデンプン(アミロース、アミロペクチン)、アミド化されたセルロース、アミド化されたガム、アミド化されたキトサン、及びアミド化されたこれらの誘導体などのアミド化されたポリ炭化水素、ポリペプチド、ポリ核酸、及びナイロン6、ナイロン6/6、ナイロン6/12、ナイロン11、ナイロン12等の脂肪族(aliphatic)ポリアミド、並びにポリフタルアミド又はその他の芳香族ポリアミド、から選択される高分子アミドである。
【0020】
本発明の乳化促進組成物の1つの態様では、前記アミンは、25における水への溶解度が20g/100mL未満であるアミノ酸であり、好ましくは、イソロイシン、トリプトファン、チロシン、ロイシン、フェニルアラニン、アスパラギン、アスパラギン酸、グルタミン酸、グルタミン、ヒスチジン、メチオニン、セリン、及びバリンのうちの少なくとも1つから選択される。
【0021】
本発明の乳化促進組成物の1つの態様では、前記アミンは、分子量が1kDa≦Mw≦1000kDa、好ましくは2kDa≦Mw≦500kDaの高分子アミンである。
【0022】
本発明の乳化促進組成物の1つの態様では、前記アミンは、アミン化されたデンプン(アミロース、アミロペクチン)、アミン化されたセルロース、アミン化されたガム、アミン化されたキトサン、及びアミン化されたこれらの誘導体などのアミン化されたポリ炭化水素、ポリペプチド、ポリ核酸、ポリ(ビニルピリジン)、ポリ(ビニルピロリドン)、ポリ(ビニルアミン)及びそれらの塩、ポリ(L-リジン)及びその塩、ポリエチレンイミン及びその塩、ポリ(アリルアミン)及びその塩、ポリ(4-アミノスチレン)、ポリ(N-メチルビニルアミン)、ポリ(ジアリルジメチル)及びそれらの塩、ポリ(2-ビニル-1-メチルピリジン)及びその塩、ポリ(N,N-ジメチルアミノエチルメタクリレート)[I]、ポリ(N,N-ジメチルアミノエチルアクリレート-co-メチルメタクリレート)[II]、ポリ(N,N-ジメチルアミノプロピルアクリルアミド-co-メチルメタクリレート)、及びポリオキシプロピレンジアミンのうちの少なくとも1つから選択される高分子アミンである。
【0023】
本発明の乳化促進組成物の1つの態様では、前記アミドは、上記式Iで表される1級アミドを含み、ここでX2及びX3は水素原子であり、X1は40個未満の炭素原子を含み、窒素に対する炭素のモル比は40≧C/N≧6であり、前記1級アミドは1~7のpHでは水に可溶ではなく、好ましくは前記1級アミドはエルカ酸アミド、オレイン酸アミド、ベヘン酸アミド、ステアリン酸アミド、パルミチン酸アミド、ラウリン酸アミド、12-ヒドロキシステアリン酸アミド、等々のアミドのうちの少なくとも1つから選択される。
【0024】
本発明の乳化促進組成物の1つの態様では、少なくとも1種のアミドは上記式Iで表される2級有機アミドであり、ここで、X2は水素原子であり、X1及びX3はそれぞれ40個未満の炭素原子を含み、前記2級アミドにおける窒素に対する炭素のモル比は40≧C/N≧6であり、前記2級アミドはpH1~7で水に可溶ではなく、好ましくは前記アミドは、N-ステアリルステアリン酸アミド、N-ステアリルオレイン酸アミド、N-オレイルステアリン酸アミド、N-ステアリルエルカ酸アミド、N-メチロールステアリン酸アミド、メチレンビスステアリン酸アミド、エチレンビスカプリン酸アミド、エチレンビスステアリン酸アミド、エチレンビス12-ヒドロキシステアリン酸アミド、エチレンビスベヘン酸アミド、ヘキサメチレンビスステアリン酸アミド、ヘキサメチレンビスベヘン酸アミド、ヘキサメチレンビス12-ヒドロキシステアリン酸アミド、N,N’-ジステアリルアジピン酸アミド、エチレンビスオレイン酸アミド、ヘキサメチレンビスオレイン酸アミド、N,N’-ジオレイルアジピン酸アミド、オレイルパルミチン酸アミド、ステアリルエルカ酸アミド、エチレンビス-オレイン酸アミド、等々のアミドのうちの少なくとも1つから選択される。
【0025】
本発明の乳化促進組成物の1つの態様では、少なくとも1種のアミドは式Iで表される3級有機アミドであり、ここで、X1、X2、及びX3はそれぞれ40個未満の炭素原子を含み、前記3級アミドにおける窒素に対する炭素のモル比は40≧C/N≧6であり、前記3級アミドはpH1~7で水に可溶ではなく、好ましくは前記アミドは、N,N-ジメチルオレイン酸アミド、N,N-ジエチルオレイン酸アミド、オクタデカンアミド、N,N-ビス(2-ヒドロキシエチル)、N,N-ジメチルステアリン酸アミド、N,N-ビス(2-ヒドロキシエチル)ステアリン酸アミド、N,N-ビス(2-ヒドロキシエチル)ヘキサデカン-1-アミド、N,N-ビス(2-ヒドロキシエチル)オレイン酸アミド、N,N-ビス(2-ヒドロキシエチル)ドデカンアミド、等々のアミドのうち少なくとも1つから選択される。
【0026】
本発明の乳化促進組成物の1つの態様では、少なくとも1種のアミンは上記式IIで表される1級有機アミンであり、ここでY4及びY5は水素原子であり、Y1、Y2、及びY3はそれぞれ50個未満の炭素原子を含み、前記1級アミンにおける窒素に対する炭素のモル比は40≧C/N≧6であり、前記1級アミンは1~7のpHで水に可溶ではなく、好ましくは前記1級アミンは、コカミン、オレイルアミン、牛脂アミン(tallow amine)、ソイアミン(soya amine)、ステアリルアミン、(12E,15E)-N-[(21E,24E)-ヘキサトリアコンタ-21,24-ジエニル]ヘキサトリアコンタ-12,15-ジエン-1-アミン、ドデシルアミン、等々の1級アミンのうちの少なくとも1つから選択される。
【0027】
本発明の乳化促進組成物の1つの態様では、少なくとも1種のアミンは上記式IIで表される2級有機アミンであり、ここでY5は水素原子であってY1、Y2、Y3、及びY4はそれぞれ50個未満の炭素原子を含み、前記2級アミンにおける窒素に対する炭素のモル比は40≧C/N≧6であり、前記2級アミンは1~7のpHで水に可溶ではなく、好ましくは前記2級アミンは、ジオレイルアミン、ジオクタデシルアミン、(12E,15E)-N-[(21E,24E)-ヘキサトリアコンタ-21,24-ジエニル]ヘキサトリアコンタ-12,15-ジエン-1-アミン、等々の2級アミンのうちの少なくとも1つから選択される。
【0028】
本発明の乳化促進組成物の1つの態様では、少なくとも1種のアミンは上記式IIで表される3級有機アミンであり、ここでY1、Y2、Y3、Y4、及びY5はそれぞれ50個未満の炭素原子を含み、前記3級有機アミンにおける窒素に対する炭素のモル比は40≧C/N≧6であり、前記3級有機アミンは1~7のpHで水に可溶ではなく、好ましくは前記3級アミンは、N-[3-(ジメチルアミノ)プロピル]ドデカンアミド、N-[3-(ジメチルアミノ)プロピル]ミリスチン酸アミド、N-[3-(ジメチルアミノ)プロピル]ヘキサデカンアミド、N-[3-(ジメチルアミノ)プロピル]オクタデカンアミド、N-[3-(ジメチルアミノ)プロピル]オクタデカ-9-エンアミド、(9Z,12Z)-N-[3-(ジメチルアミノ)プロピル]オクタデカ-9,12-ジエンアミド(リノレアミド)、(9Z,12Z,15Z)-N-[3-(ジメチルアミノ)プロピル]オクタデカ-9,12,15-トリエンアミド(リノレアミド)、及びN-[3-(ジメチルアミノ)プロピル]エイコサンアミド、等々の3級アミンのうちの少なくとも1つから選択される。
【0029】
本発明の乳化促進組成物の1つの態様では、少なくとも1種のアミンは二量体アミンであり、好ましくは50個未満の炭素原子を有する脂肪(fatty)二量体ジアミンであり、より好ましくは(12E,15E)-N-[(21E,24E)-ヘキサトリアコンタ-21,24-ジエニル]ヘキサトリアコンタ-12,15-ジエン-1-アミン、等々の二量体ジアミンである。
【0030】
本発明の乳化促進組成物の1つの態様では、少なくとも1種のアミドは50個未満の炭素原子を有する脂肪酸から合成され、好ましくはオレオイルパルミチン酸アミド又はステアリルエルカ酸アミドであり、前記アミンは二量体ジアミンであり、好ましくは50個未満の炭素原子を有する脂肪(fatty)二量体ジアミンであり、より好ましくは(12E,15E)-N-[(21E,24E)-ヘキサトリアコンタ-21,24-ジエニル]ヘキサトリアコンタ-12,15-ジエン-1-アミン、等々である。
【0031】
本発明の乳化促進組成物の1つの態様では、少なくとも1種のアミドは50個未満の炭素原子を有する脂肪酸から合成され、好ましくはオレオイルパルミチン酸アミド又はステアリルエルカ酸アミドであり、前記有機アミンは上記の規定によるアミノ酸及び/又は上記の規定による高分子アミンであり、好ましくは前記高分子有機アミンはアミノ基を有するバイオポリマーから選択され、より好ましくは前記高分子有機アミンはキトサンである。
【0032】
本発明の乳化促進組成物の1つの態様では、該乳化促進組成物は第4族又は第13族の金属塩の塩溶液及びその混合物から選択されるルイス酸を含み、前記金属塩又はその混合物は好ましくはジルコニウム系の塩であり、より好ましくは酢酸ジルコニウム及び/又は酢酸ジルコニウム水酸化物である。
【0033】
他の一般的態様では、本発明は、
a)1種又は複数種の疎水性剤を含む疎水性相;
b)任意の上記記載の態様に係る乳化促進組成物、これにより、正帯電乳化剤を与える少なくとも1種の正帯電アミド及び少なくとも1種の正帯電アミンを含むこととなる;
c)水;並びに
d)任意に(optionally)、消泡剤、合一剤(coalescent agent)、保存料、共乳化剤、鎖延長剤、架橋剤、及びレオロジー調整剤のうちの少なくとも1種
を含む乳化された液体組成物を対象とする。
【0034】
他の一般的態様では、本発明は、
a)0.01~50重量%、好ましくは0.05~45重量%、より好ましくは0.1~40重量%、いっそう好ましくは0.2~30重量%の、前記疎水性相;
b)0.01~12重量%、好ましくは0.05~10重量%、より好ましくは0.1~8重量%の、前記正帯電乳化促進組成物(positively charged emulsifying composition);並びに
c)38~99.98重量%の水
を含む乳化された液体組成物を対象とする。
【0035】
好ましくは、乳化された液体組成物は1~7のpHを有し、より好ましくは2~6のpHを有する。
【0036】
他の態様では、本発明は、天然オイル、合成オイル、天然ワックス、合成ワックス、液体樹脂、脂肪酸、脂肪(fatty)アルコール、脂肪(fatty)シラン、脂肪(fatty)シロキサン、脂肪(fatty)エポキシド、脂肪(fatty)イミン、脂肪(fatty)アルデヒド、脂肪(fatty)イミド、脂肪(fatty)チオール、脂肪(fatty)サルフェート、脂肪(fatty)エステル、脂肪(fatty)ケトン、その他のタイプの脂質からなる群から互いに独立に選択される1種又は複数種の疎水性剤を含む疎水性相を有する乳化された液体組成物を対象とする。前記1種又は複数種の疎水性剤は、好ましくは、天然オイル、天然ワックス、脂肪(fatty)シラン、及び/又は脂肪酸、並びにこれらの混合物から互いに独立に選択される。
【0037】
優れた疎水性及び(材料加工プロセスの間の)組成物安定性を与えるために、前記乳化された液体組成物は、好ましくは、少なくとも1種の有機アミドと少なくとも1種の有機アミンと(両方とも、上記の態様で規定されているとおり)の混合物を、前記組成物中で0.01~20重量%、好ましくは0.05~15重量%、より好ましくは0.1~10重量%、最も好ましくは0.2~8重量%の範囲で含む。
【0038】
他の態様では、本発明は、酸触媒を含む乳化された液体組成物を対象とし、前記酸触媒は好ましくは7未満のpKaを有し、より好ましくは1.5~6のpKaを有し、最も好ましくは1.9~4.9のpKaを有する。
【0039】
他の態様では、本発明は、酢酸ジルコニウム、プロピオン酸ジルコニウム、酢酸ジルコニウム水酸化物、ネオデカン酸ジルコニウム、硫酸アルミニウム、ステアリン酸アルミニウム、硫酸鉄及び硫酸亜鉛、並びにこれらの混合物のうちの少なくとも1つから選択される少なくとも1種の多価金属塩、好ましくは酢酸ジルコニウム、を含むルイス酸である酸触媒を含む乳化された液体組成物を対象とする。
【0040】
他の態様では、本発明は、酢酸、アセチルサリチル酸、アジピン酸、アスコルビン酸、アスパラギン酸、ベンゼンスルホン酸、カンファースルホン酸、クエン酸、ジヒドロキシフマル酸、エシル酸、ギ酸、グリコール酸、グルタミン酸、グリオキシル酸、塩酸、乳酸、リンゴ酸、マロン酸、マレイン酸、マンデル酸、メシル酸、シュウ酸、パラトルエンスルホン酸、ペンタン酸、フタル酸、プロピオン酸、ピルビン酸、ステアリン酸、サリチル酸、硫酸、酒石酸、トリフル酸、任意のアミノ酸、レブリン酸、コハク酸、塩酸(HCl)、臭化水素酸(HBr)、ヨウ化水素酸(HI)、若しくはハロゲンオキソ酸;次亜塩素酸、塩素酸、過塩素酸、過ヨウ素酸、並びに臭素及びヨウ素についての対応する化合物、のうちの少なくとも1つから選択される、あるいは、硫酸(H2SO4)、スルファミン酸、フルオロ硫酸、硝酸(HNO3)、リン酸(H3PO4)、フルオロアンチモン酸、フルオロホウ酸、ヘキサフルオロリン酸、クロム酸(H2CrO4)若しくはホウ酸(H3BO3)、並びにそれらの類似物及び混合物から選択される、ブレンステッド・ローリー酸である酸触媒を含む乳化された液体組成物を対象とする。
【0041】
他の態様では、本発明は、
a)共界面活性剤、好ましくはHLB値が1~41のノニオン性乳化剤、ここで前記共界面活性剤は、好適には7重量%未満、より好適には0.01~4重量%、いっそう好適には0.1~3重量%の量で存在し、好適には、C10~C18アルコールとエチレンオキシドから作られるアルキルポリエチレングリコールエーテル、及びポリオキシエチレンラウリルエーテルのうち少なくとも1つから選択される;
b)合一剤、例えば、ブチルジグリコール、モノプロピレングリコール、イソプロパノール、エタノール、及びアセトンのうちの少なくとも1つ、ここで前記合一剤は0.01~20重量%の量で、好ましくは0.1~6重量%の量で、最も好ましくは0.5~3重量%の量で存在する;
c)消泡剤、例えばEO/PO型消泡剤、シリコーン、リン酸トリブチル、フタル酸アルキル、エマルジョン型消泡剤、脂肪酸型消泡剤、ここで前記消泡剤は0.05~10重量%の量、好ましくは0.1~1重量%の量で存在する;
d)レオロジー調整剤、例えば親水性若しくは疎水性シリカナノ粒子、又はカルボキシメチルセルロースなどのバイオポリマー、ここで好適には前記レオロジー調整剤は5重量%以下、好ましくは0.1~2重量%、より好ましくは0.1~2重量%の量で存在する;
d)殺カビ剤、殺細菌剤、医薬用保存料、化粧品用保存料、及び食品用保存料のうちの1つ又は複数から選択される保存料、ここで前記保存料は0.005~10重量%の量で、好ましくは0.005~1.5重量%の量で、より好ましくは0.005~0.5重量%の量で存在する;並びに
e)イソシアネートに基づく1種若しくは複数種のブロックプレポリマー又は水ベースのポリカルボジイミド架橋剤から選択され、0.1~10重量%の量で、好ましくは0.2~8重量%の量で、より好ましくは0.5~5重量%の量で存在する鎖延長剤/架橋剤
のうちの少なくとも1つを含む、乳化された液体組成物を対象とする。
【0042】
ある具体的な態様では、本発明は
a)0.2~30重量%の前記疎水性相;
b)0.1~8重量%の、上記で規定された態様のうち任意のものに係る乳化促進組成物、ここで前記選択されたルイス酸は0.1~5重量%の量で存在する酢酸ジルコニウムである;並びに
c)任意に(optionally)、0.1~3重量%の共界面活性剤、0.5~3重量%の合一剤、0.005~0.5重量%の前記保存料
を含む、乳化された液体組成物を対象とする。
【0043】
他の一般的態様では、本発明は、無機材料、有機材料、又は繊維系材料の疎水性及び撥水性を向上し、及び/又は処理された材料の有する水溶性汚れを撥く能力を向上させる方法であって:
a)任意の前記態様で規定された乳化された液体組成物を前記無機材料、有機材料、又は繊維系材料に添加すること;
b)任意に(optionally)、前記材料に付与された組成物の量を調整すること;
c)処理された前記無機材料、有機材料、又は繊維系材料を、実質的に又は本質的に乾燥状態になるまで乾燥させること;並びに
d)任意に(optionally)、処理された前記無機材料、有機材料、又は繊維系材料を、10~200℃、消費者にとってより好ましくは10~90℃、特には15~60℃、また産業用には90~250℃、産業用用途について最も好ましくは90~190℃、の温度で固化(curing)させること
を含む方法を対象とする
【0044】
記載された方法では、本発明の乳化された液体組成物は、パディング、スプレー、洗浄、ディップ/搾り、ブラッシング、及び類似の技術により、繊維系材料に付与することができる。材料に付与される乳化された液体組成物の量を調整することは、取り込み量(uptake)を調整することでも、あるいは付与前に乳化物を希釈することでも行うことができる。
【0045】
前記態様で説明した本発明の効果により、負耐電性(negatively loaded)表面を有する繊維系材料、例えばセルロースに由来するもの、においては、前記乳化された組成物を付与すると前記アミン及びアミド中の窒素が自然に引きつけられ、材料に対して固定される(point against the material)。こうして、有機アミン及びアミドの疎水性部は処理された材料から外側に向き、表面は疎水性の性質を獲得することになる。
【0046】
本発明の実施形態の説明
正帯電乳化促進組成物
本発明の正帯電乳化促進組成物の「有機アミド」は、モノアミド(ラウリン酸アミド、オレイン酸アミド等の様に、2つの水素がX2及びX3でアミンに結合している飽和脂肪酸及び不飽和脂肪酸)のような1級アミド、ビスアミド(ヘキサメチレンビスオレイン酸アミド等のように、水素が1個だけX2又はX3でアミンに結合している飽和脂肪酸及び不飽和脂肪酸)のような2級アミド、及びトリスアミド(N-エチル-N-メチルヘキサンアミドのように、X2及びX3でアミンに結合している水素が無い飽和脂肪酸及び不飽和脂肪酸)のような3級アミドの形態であってもよく、窒素に対する炭素のモル比は70≧C/N≧3であり、好ましくは60≧C/N≧5であり、最も好ましくは50≧C/N≧6である。種々のタイプの本発明の有機アミド及び有機アミンを種々の比で用いることにより、種々の疎水性/親水性比、表面活性、乳化能、及び疎水性効果を達成することができる。異なる疎水性/親水性を有する2種又は数種(several)の有機アミドの混合物を、有機アミンの混合物と共に用いて、離散相の疎水性特性に依存して所望の乳化誘導特性(emulsifying properties)及び必要な親水性/親油性バランス(HLB)を達成することができる。
【0047】
本発明の正帯電乳化促進組成物の有機アミンは、脂肪(fatty)アミン(Y4及びY5が水素であっても炭化水素であってもよい1級、2級、及び3級アミン、例えばオレイルアミン及び/又は牛脂アミン及び/又はCrodaによってPriamine 1071、Priamine 1073、Priamine 1074、及びPriamine 1075として販売されている(12E,15E)-N-[(21E,24E)-ヘキサトリアコンタ-21,24-ジエニル]ヘキサトリアコンタ-12,15-ジエン-1-アミン及び/又はドデシルジメチルアミン、等々)、アミノ酸(例えば、L-ロイシン、等々)、並びにアミン含有ポリマー(ポリマー形態の1級、2級、及び3級アミン、例えばキトサン、ポリアスパラギン酸エステル、等々)の形態の、1種又は複数種の有機アミンの組み合わせであってもよく、ここで、窒素原子に対する炭素原子のモル比は70≧C/N≧3、好ましくは60≧C/N≧5、最も好ましくは50≧C/N≧6である。
【0048】
本発明の乳化された液体組成物の疎水性相/離散相
有用な疎水性化学物質は、アルキルアルコキシシラン、オルガノ官能シラン、オルガノ官能シロキサン、合成若しくは天然の有機ワックス/ミネラルワックス、合成若しくは天然の有機オイル/ミネラルオイル、並びに同様の非水溶性疎水化剤から選択することができる。疎水性剤は、合成又は天然の有機ワックス/ミネラルワックス、植物ワックス、又は動物ワックスであってもよい。これらのワックスは、好ましくは、ベイベリーワックス、キャンデリラワックス、カルナウバワックス、カスターワックス、エスパルトワックス、木ろう、オーリクリー(ouricury)ワックス、ライスワックス(rice bran wax)、ソイワックス、タロウツリーワックス、ミツロウ、チャイニーズワックス、ラノリンワックス(ウールワックス)、シェラックワックス、鯨ろう、オゾケライト、イネ(ライス)ブランワックス、カーボワックス、フィッシャー・トロプシュワックス、ホホバワックス、ホホバエステル(joyoba esters)、植物ワックス(copernica cerifera)、セチルエステル、カカオ(ココア)シードバター、パームワックス、及びこれらの混合物からなる群から選択してもよい。
【0049】
ワックスは、ミネラルワックス、合成ワックス、及び/又は石油由来ワックスであってもよく、好ましくは、パラフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス、セレシンワックス、モンタンワックス、オゾケライトワックス(ozocerite wax)、ポリエチレンワックス、ピートろう、及びこれらの混合物からなる群から選択してもよい。
【0050】
本発明に係る疎水性剤は、合成又は天然の有機オイル/ミネラルオイルからなる群から選択されてもよい。天然オイルは植物オイルでもよく、これは好ましくは、ヒマワリ油、大豆油、コーン油、綿実油、パーム油、パームオレイン油(oleine palm oil)、パーム核油、トール油、パイン油、ピーナッツ油、ナタネ油、ベニバナ油、ごま油、米ぬか油、ココナッツ油、キャノーラ油、アボカド油、オリーブ油、アマニ油、ブドウ種子、落花生油、こめ油(rice bran oil)、エゴマ30油、ツバキ油、ヘンプシード油、キリ油、カポック油、茶実油、アーモンド油、アロエベラ油、アンズ核油、バオバブ油、カレンデュラ油、コーン油、イブニングプリムローズ油、ブドウ油、ブドウ種油、ヘーゼルナッツ油、ホホバ油、マカダミア油、天然油、ニーム油、非硬化油、半硬化油、ごま油、等々、エポキシ化植物油、例えば、エポキシ化大豆油、エポキシ化脂肪酸メチルエステル、からなる群から選択され、好ましくは、ヒマワリ油、大豆油、トール油、コーン油、菜種油、ココナッツ油、及びパーム油(より好ましくはヒマワリ油)、及びこれらの混合物からなる群から選択される。天然油は精油であってもよく、これは好ましくは、アニシード、バジル、ベンゾイン、ベルガモット、ブラックペッパー、樟脳、ニンジン、シダーウッド、カモミール・ジャーマン、カモミール・モロッコ、カモミール・ローマン、シナモン葉、クローブ芽、サイプレス、ディル、ユーカリ・グロブルス、ファティゲ(Fatigue)、フェンネル、フランキンセンス、ジンジャー、グランドファー、グレープフルーツ、グレープシード、ヘーゼル、ヒソップ、ホホバ、ジュニパー、ジュニパーベリー、ラベンダー、レモン、レモングラス、メリッサ、マウンテンセイボリー、マートルレッド、ネロリ、ニアウリ、パチュリ、ペパーミント、パイン、レッドマートル、レスキューレメディー、ローズゼラニウム、ローズマリー、サンダルウッド、スパニッシュマジョラム、スイートマジョラム、スイートタイム、タジェット、ティーツリー、タイムレッド、タイムスイート、イランイラン、及びこれらの混合物から抽出されたオイルからなる群から選択される。天然オイルは動物オイルであってもよく、これは好ましくは、動物性脂肪若しくは動物性油、マッコウクジラ油、ラード、獣脂、魚油若しくは鯨油、魚の肝油、乳脂肪、ウールオイル、ウールグリース、ラノリン、骨油、ラード油、グースグリース、(好ましくは魚油及び骨油から選択される)並びにこれらの混合物からなる群から選択される。天然オイルは、重合された天然オイルであってもよく、好ましくは上記の任意の重合油、例えば重合された大豆油、及びそれらの混合物から選択される。脂肪(fatty)化合物は合成オイルでもよく、これは、好ましくは、鉱物油、ホワイトオイル、液体パラフィン、及び石油等の、鉱物源からの高級アルカンの軽混合物のそれぞれ単独(pure)又はブレンド、全合成油、ポリ-α-オレフィン(PAO)油、グループV系油、グループI型、II型、II+-型、及びIII型の鉱物系油(APIによる定義による)、鉱物油と合成油との混合物等の半合成油、(これらは、好ましくは、液体パラフィン及び鉱物油から選択され、最も好ましくは液体パラフィンから選択される)及びこれらの混合物からなる群から選択される。
【0051】
前記疎水性剤は、直鎖又は分岐のC4~C40脂肪(fatty)アルコールであってもよく、これは、好ましくはtert-ブチルアルコール、tert-アミルアルコール、3-メチル-3-ペンタノール、エスクロルビノール、1-オクタノール(カプリルアルコール)、ペラルゴンアルコール(1-ノナノール)、1-デカノール(デシルアルコール、カプリンアルコール)、ウンデシルアルコール(1-ウンデカノール、ウンデカノール、ヘンデカノール)、ラウリルアルコール(ドデカノール、1-ドデカノール)、トリデシルアルコール(1-トリデカノール、トリデカノール、イソトリデカノール)、ミリスチルアルコール(1-テトラデカノール)、ペンタデシルアルコール(1-ペンタデカノール、ペンタデカノール)、セチルアルコール(1-ヘキサデカノール)、パルミトレイルアルコール(cis-9-ヘキサデセン-1-オール、ヘプタデカノール)、ステアリルアルコール(1-オクタデカノール)、ノナデシルアルコール(1-ノナデカノール)、アラキジルアルコール(1-エイコサノール)、ヘンエイコシルアルコール(1-ヘンエイコサノール)、ベヘニルアルコール(1-ドコサノール)、エルシルアルコール(cis-13-ドコセン-1-オール)、リグノセリルアルコール(1-テトラコサノール)、セリルアルコール(1-ヘキサコサノール)、1-ヘプタコサノール、モンタニルアルコール(cluytylアルコール、1-オクタコサノール)、1-ノナコサノール、ミリシルアルコール(メリシルアルコール、1-トリアコンタノール)、1-ドトリアコンタノール(ラクセリルアルコール)、ゲディル(geddyl)アルコール(1-テトラトリアコンタノール)、セテアリルアルコールからなる群から選択される。脂肪(fatty)アルコールは、好ましくは、ラウリルアルコール、ステアリルアルコール、オレイルアルコール、パルミトレイルアルコール、エルシルアルコール、セチルアルコール、ミリスチルアルコール、セリルアルコール、及びベヘニルアルコールから選択され、より好ましくは、ステアリルアルコール、オレイルアルコール、パルミトレイルアルコール、セチルアルコール、セリルアルコール、及びベヘニルアルコール(低毒性のため)、並びにこれらの混合物から選択されてもよい。
【0052】
前記疎水性剤は、それぞれ少なくとも1つの疎水性部分及び1~3個の加水分解可能なアルコキシ基、ヒドロキシ基、及び/又はハライド基を有する脂肪(fatty)シランであって、前記疎水性部分がn-、イソ、環状、又はこれらの混合物であるC1~C30の飽和又は不飽和の炭素鎖から選択され、前記アルコキシ基が1~4個の炭素原子を含むアルコキシ基であり、好ましくはアセトキシ、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、又はブトキシからなる群から選択される、脂肪シランであってもよい。前記脂肪シランは、メチルトリアルコキシシラン、メチルシリコン酸カリウム、プロピルトリエトキシシラン、ブチルトリエトキシシラン、ヘキシルトリエトキシシラン、オクチルトリエトキシシラン、ドデシルトリメトキシシラン、ヘキサデシルトリメトキシシラン、ヘキサデシルトリエトキシシラン、オクタデシルトリメトキシシラン、オクタデシルトリエトキシシラン、(好ましくはオクチルトリエトキシシラン及びヘキサデシルトリメトキシシランから選択される))、及びこれらの混合物からなる群から選択されてもよい。
【0053】
前記疎水性剤は、ポリジメチルシロキサン骨格を有し、ヒドロキシ基、エポキシ基、アミン基、アミド基、アルデヒド基、カルボキシ基、チオール基、エーテル基、エステル基、オキシム基、イミン基、シアネート基、ブロックイソシアネート基、ウレタン基、アルキル基、アルケン基、アルキン基、アリール基、アセトキシ基、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基(例えば、n-プロポキシ、イソプロポキシ)、又はブトキシ基からなる群から選択される1個又は複数個のオルガノ官能基で官能化された脂肪(fatty)シロキサンであってもよい。前記脂肪シロキサンは、反応性又は非反応性アミノシロキサン、ポリジメチルシロキサン、アルキルアミノシロキサン、エチルフェニル-ポリジメチルシロキサン、ヒドロキシ末端ポリジメチルシロキサン、ヘキサデシルN-エチルアミノプロピルポリジメチルシロキサン、オクチルN-エチルアミノプロピルポリジメチルシロキサン、ヘキサデシルアミノプロピルポリジメチルシロキサン、ヘキサデシルポリジメチルシロキサン、ヘキサデシルポリジメチルシロキサン、及びこれらの混合物からなる群から選択されてもよく、より好ましくはヘキサデシル修飾アミノシロキサンから選択されてもよい。
【0054】
加えて、前記疎水性剤は、4~40個の炭素原子を含む直鎖及び/又は分岐鎖を有し、該鎖は飽和又は1個若しくは複数個の二重結合及び/又は三重結合により不飽和である、脂肪(fatty)エポキシド、脂肪(fatty)イミン、脂肪(fatty)アルデヒド、脂肪(fatty)イミド、脂肪(fatty)チオール、脂肪(fatty)サルフェート、脂肪(fatty)エステル、又は脂肪(fatty)ケトン、及びこれらの混合物であってもよい。
【0055】
さらに、前記疎水性剤は、リン脂質、グリセリド、トリグリセリド、糖脂質、(前記リン脂質は好ましくはレシチンであり、前記トリグリセリドは請求項4の脂肪酸のうち少なくとも1種を含む)、及びこれらの混合物等の、他のタイプの脂質であってもよい。
【0056】
本発明に係る1種又は複数種の疎水性剤が、上記にリストした化合物のカテゴリー及び下位カテゴリーのうちの1つ又は複数から互いに独立に選択されてもよいことは、当業者にとって明らかである。
【0057】
本発明の乳化された液体組成物の酸触媒
本発明において酸触媒は3つの機能性を有している。酸触媒は、乳化剤I及びIIにおける有機アミン官能基及び有機アミド官能基のプロトン化及びそれら官能基への配位のために用いることができ、部分的又は完全なカチオン性電荷を生み出すことによってそれら乳化剤の表面活性を誘導する。また、いくつかの場合には、酸触媒は、与えられた表面電荷及び形成された錯体を通じて油相が処理された材料と反応するのを触媒することにより、接着ブースターとして働くこともできる。酸触媒は、また、例えばシランが疎水性相に用いられたときに、加水分解及び縮合反応を開始することもできる。
【0058】
本発明の乳化された組成物における酸触媒としてルイス酸触媒が用いられた場合、ルイス酸触媒は元素周期律表の2、4、8,12、及び13の多価金属塩、例えばTi、Zr、Hf、Fe、Zn、Al等の多価金属塩から選択してもよい。本発明に係る乳化促進組成物中において有用な多価ルイス酸金属塩の例としては、酢酸ジルコニウム溶液、酢酸ジルコニウムパウダー、プロピオン酸ジルコニウム、硝酸ジルコニウム、酢酸ジルコニウム水酸化物、ネオデカン酸ジルコニウム、硫酸アルミニウム、ステアリン酸アルミニウム、硫酸亜鉛、硫酸鉄、等々、及びこれらの混合物がある。好ましい触媒は、ジルコニウム系触媒から選ばれる。
【0059】
本発明の乳化された組成物における酸触媒としてブレンステッド・ローリー酸が用いられた場合、該酸は水に易溶又は易分散性であるべきであり、7未満のpKaを有するべきである。また、選ばれた酸は、処理後の材料の撥水効果を妨げないべきである。前記ブレンステッド・ローリー酸は、有機酸及び無機酸から選択することができる。有機酸は、酢酸、アセチルサリチル酸、アジピン酸、アスコルビン酸、アスパラギン酸、ベンゼンスルホン酸、カンファースルホン酸、クエン酸、ジヒドロキシフマル酸、エシル酸、ギ酸、グリコール酸、グルタミン酸、グリオキシル酸、塩酸、乳酸、リンゴ酸、マロン酸、マレイン酸、マンデル酸、メシル酸、シュウ酸、パラトルエンスルホン酸、ペンタン酸、フタル酸、プロピオン酸、ピルビン酸、ステアリン酸、サリチル酸、硫酸、酒石酸、トリフル酸、任意のアミノ酸、レブリン酸、及びコハク酸、並びにこれらの混合物のうちの1つ又は複数から選択される。無機酸は、ハロゲン化水素:塩酸(HCl)、臭化水素酸(HBr)、ヨウ化水素酸(HI)、又はハロゲンオキソ酸:次亜塩素酸、塩素酸、過塩素酸、過ヨウ素酸、並びに臭素及びヨウ素についての対応する化合物、のうちの任意のものから選択され、あるいは、硫酸(H2SO4)、スルファミン酸、フルオロ硫酸、硝酸(HNO3)、リン酸(H3PO4)、フルオロアンチモン酸、フルオロホウ酸、ヘキサフルオロリン酸、クロム酸(H2CrO4)若しくはホウ酸(H3BO3)、及びこれらの混合物のうち任意のものから選択される。
【0060】

水は、乳化された液体組成物中で溶媒として存在し、例えば38~99.98重量%の量で存在する。
【0061】
任意使用の(optional)共界面活性剤
本発明によれば、「共界面活性剤」の語は、任意の界面活性剤又は安定剤も指す。共表面活性剤はイオン性でもノニオン性でもよい。共界面活性剤は、1~41のHLB値を有し、水中での疎水性剤の乳化を補助する能力を有するノニオン性乳化剤として知られている界面活性剤のクラスから選ばれてもよい。1つの実施形態では、前記乳化剤は触媒及び疎水化剤の反応性に影響を与えない。本発明の好ましい実施形態では、共界面活性剤は、7重量%未満の量、あるいは0.01~4重量%、最も好ましくは0.1~3重量%の量で用いられる。好適な共界面活性剤の例としては、BASFから入手可能なLutensol TO5、BASFから入手可能なLutensol TO7、CRODAから入手可能なBrij S2、CRODAから入手可能なBrij S10、等々が挙げられるがこれらに限定されない。
【0062】
任意使用の(optional)合一剤
合一剤は、前記付与された乳化物の安定性及び成膜特性を向上するために存在する。好適な合一剤の例としては、ブチルジグリコール、モノプロピレングリコール、イソプロパノール、エタノール、及びアセトンが挙げられるがこれらに限定されない。
【0063】
任意使用の(optional)レオロジー調整剤
レオロジー調整剤は、特定のタイプの付与方法に適合するようにレオロジープロファイルを変更するために用いることができる。
【0064】
任意使用の(optional)消泡剤
消泡剤は、製造及び付与の際の発泡を減少あるいは除去するために用いられる。
【0065】
任意使用の(optional)保存料
保存料は、微生物による攻撃からの保護及び保存安定性のために用いられる。
【0066】
任意使用の(optional)鎖延長剤/架橋剤
鎖延長剤/架橋剤は、新たな化学結合を導入して疎水性剤と本発明の他の機能性化学物質との間の、あるいは付与表面への化学結合/耐久性を高めるために用いることができる。鎖延長剤/架橋剤の非限定的な例としては、Rudolf Chemie製のRuco-Link Bew 4945又はHuntsman製のPhobol XANなどのイソシアネート系のブロックプレポリマー、並びにStahl Europe BV製のPICASSIAN(登録商標)XL-732及びPICASSIAN(登録商標)XL-702などの水ベースのポリカルボジイミド架橋剤がある。
【0067】
装置
本発明の乳化された組成物は、本発明の乳化組成物を製造するために低剪断力及び/又は高剪断力を用いる、任意の種類の実験機器又は産業機器を用いて製造することができる。好適な装置の例としては、磁気スターラー、プロペラ若しくはディスパーサー等を有するオーバーヘッドスターラー、高圧型若しくは非高圧型のホモジナイザー、インライン若しくは外部のホモジナイザー、エクストルーダー、振とう機器、乳鉢とすりこぎ、ブレンダー型の機器、任意の種類のミキサー(静的ミキサー、マイクロミキサー、ボルテックスミキサー、産業用ミキサー、リボンブレンダー、Vブレンダー、連続プロセッサー、円錐スクリューブレンダー、スクリューブレンダー、ダブルコーンブレンダー、ダブルプラネタリー、高粘度ミキサー、反回転、ダブルシャフト及びトリプルシャフト、バキュームミキサー、高剪断力ローターステーター、分散ミキサー、パドル、ジェットミキサー、携帯ミキサー、ドラムミキサー、インターミックスミキサー、プラネタリーミキサー、バンバリーミキサー、等々)、フレンチプレス、粉砕機、ミル(ビードミル、コロイドミル、ハンマーミル、ボールミル、ロッドミル、自生粉砕ミル、半自生破砕、ペブルミル、高圧破砕ロール、ブーアストンミル、垂直シャフトインパクターミル、タワーミル、等々による破砕)、超音波処理、ローター-ステーター機械設備、任意の種類のプロペラ若しくはミキサー、高温及び/又は高圧ビチューメンエマルシファイヤー、又はこれらの組み合わせがある。
【0068】
本発明の詳細かつ例示部
評価方法
布の表面濡れ(スプレー試験)に対する耐性の判定のために、欧州規格EN24920(ISO4920:1981)を用いた。この規格の原理は以下のとおりである:リング上に戴置された布試料上に特定量の水をスプレーする。この試料をノズルに対して45℃の角度に置く。標準化されたノズルの中心を、試料の中心の上方の所定距離のところに位置させる。ノズルの上方に設置されノズルと連通した容器に所定量の水を充填する。スプレーの評点は視覚的に及び/又は写真により決定することができる。ISO 1~5の段階的スプレー評点スケールは、50~100%の試料が濡れに耐えたことに相当する。スケールの相関関係は、100%(ISO 5)、97-5%(ISO -5)、92.5%(ISO +4)、90%(ISO 4)、87.5%(ISO -4)、82.5%(ISO +3)、80%(ISO 3)、77-5%(ISO -3)、72.5%(ISO +2)、70%(ISO 2)、66.67%(ISO -2)、56.67%(ISO +1)、50%(ISO 1)の試料が濡れに耐えたこと、となる。
【0069】
動的接触角測定は、処理済みの板紙及び未処理板紙の表面に対してPGXシリアル50585接触角測定機を用いて120秒行った。
【0070】
布の固化(curing)は、予備加熱されたWickelhaus WI-LD3642ミニドライヤー/ステンターフレームオーブン又はTermaks TS8136オーブンにより所定の温度及び時間で、あるいは室温(5~30℃)での吊り下げ乾燥で、あるいは所定の時間及び温度でのタンブル乾燥で、あるいは所定の熱でのアイロンがけによりなされた。IEC参照洗剤Bの水溶液を用いた機械的洗浄(洗浄温度40℃、洗浄時間約90分)の前及び後の処理済み布地の撥水特性を、SS-EN24920の標準化された試験により布地を試験することにより評価した。
【0071】
組成物の安定性は、ブルックフィールドDV-11 Pro粘度計を用いて粘度の変化を追跡することにより、及びクリーム形成若しくは相分離などの現象を評価することにより視覚的に、判定した。250gの各乳化物を封止キャップをした250mlのフラスコ中で3つの異なる温度で、つまり室温(23℃)、40℃(Incucell, LLSIS-B2V/IC 55)、及び50℃(Avantgarde ED 115)で維持した。
【0072】
本発明の乳化物の調製のための一般的手順
発明された乳化促進システムは、種々の量の乳化剤、疎水性化学物質、ルイス酸/触媒、及び水を用いた種々の乳化プロセスにおいて用いることができる。成分の予備混合ステージにおける又は分散相を連続相としての水中にホモジナイズする際のプロセス温度は、好ましくは、混合物中の固体成分の融点よりも高いことが好ましいが、これに限定されない。
【0073】
より良い安定性及び機能性のために最も微細な粒径の乳化物を調製するためには、良好なホモジナイゼーションが必要である。ホモジナイザー機からの剪断力が高いほど、乳化液滴径は小さくなり、通常はより安定な乳化物となる。分散相と連続相とをバランスさせることにより、最終乳化物の調製において従来のスターラーの使用が可能となる。とはいえ、より高剪断のホモジナイザーの使用が好ましい。高剪断ホモジナイゼーションの非限定的な例は、高剪断のプロペラ、ホモジナイザー、インラインホモジナイザー、超音波及び高圧ホモジナイザーを使用することにより達成することができる。
【0074】
以下の調製方法例は、特許請求の範囲に記載の発明の範囲を制限するものと解釈すべきでない。これらの実施例における全てのパーセント値は、他に断りが無い限り、重量パーセント(wt%)である。
【0075】
調整例1
ビーカー中に、有機アミド、有機ジアミン、疎水性剤、合一剤、及び暖めた脱イオン水を投入した(水の温度は、一般に、融点が最も高い成分の融点(mp)よりもわずかに高くなるように好ましく調整されうる)。この混合物を短時間、1次予備ホモジナイズした。それから、酸/触媒の溶液を前記混合物に加え、最適な粒径が達成されるまでホモジナイズを続けた。
【0076】
調整例2
ビーカー中に、疎水性剤、有機アミド、有機アミン、任意に(optionally)合一剤及び共界面活性剤を投入した。この混合物を、分散相(第I相と称する)が調製されるまで、温水バスを用いかつマグネティックスターラーを緩やかなスピードで用いて撹拌した(水の温度は、一般に、融点が最も高い成分の融点(mp)よりもわずかに高くなるように好ましく調整されうる)。酸/触媒を脱イオン温水に加えた(これを第II相と称する)。第II相を短時間ホモジナイズした。ホモジナイズしながら第I相を徐々に第II相に加えた。その後、最適な粒径が達成されるまでホモジナイズを続けた。
【0077】
調整例3
ビーカー中に、疎水性剤、有機アミド、任意使用の(optional)合一剤及び共界面活性剤を投入した。この混合物を、分散相(第I相と称する)が調製されるまで、温水バスを用いかつマグネティックスターラーを緩やかなスピードで用いて撹拌した(水の温度は、一般に、融点が最も高い成分の融点(mp)よりもわずかに高くなるように好ましく調整されうる)。酸/触媒及び水溶性有機アミンを脱イオン温水に加えた(これを第II相と称する)。第II相は一様な水相が調製されるまで混合した。第II相を短時間ホモジナイズした。ホモジナイズしながら第I相を徐々に第II相に加えた。その後、最適な粒径が達成されるまでホモジナイズを続けた。
【0078】
使用した化学物質及び材料
【0079】
【表1】



【0080】
【表2】

【実施例
【0081】
本発明の実施例
以下の表3の実施例は本発明を当業者に例示することを意図したものであって、特許請求の範囲に記載された発明の範囲を限定するものと解釈すべきでない。これらの実施例における全てのパーセント値は、他に断りの無い限り、重量パーセントである。
【0082】
【表3-1】

【表3-2】
【0083】
実施例1 従来の界面活性剤との比較
この実施例では、組成物1又は比較組成物2を用いてポリエステル布地を処理した。表4を参照のこと。
【0084】
【表4】
【0085】
処理された布地を固化(curing)した後、これらをEN24920を用いた評価に供した。組成物1はスプレースコアについて比較組成物2を性能凌駕すると結論づけることができる。また、組成物の乳化安定性についての評価も行った。組成物1は比較組成物2よりもより長時間にわたり安定であることが明らかに見られる。
【0086】
実施例2 種々のアミン及びアミド
以下の実施例では、異なるアミン及びアミドを用いた本発明に係る4種の組成物を調製した。これらはどれも、種々の付与技術及び種々の固化(curing)条件を用いた種々の布地上でのスプレースコアについてよく性能を発揮した。
【0087】
【表5】
【0088】
実施例3 種々の固化(curing)温度
この実施例では、布地上におけるスプレースコアの点での良好な性能が、低温~高温を用いて達成可能であることが示される。
【0089】
【表6】
【0090】
実施例4 付与方法
この実施例では、布地上でのスプレースコアの点での良好な性能が、種々の付与技術を用いて達成可能であることが示される。
【0091】
【表7】
【0092】
実施例5 市販の鎖延長剤との適合性及び耐久性
本発明の組成物の、例えば繊維産業において汎用されている化学物質との適合性について試験するために、組成物3を希釈して、PHOBOL XAN鎖延長剤と混合した。結果を表8に示す。組成物3とPHOBOL XANとの適合性は良好であることが明瞭に見て取れ、結果は予想どおりだった。5回洗浄後及び10回洗浄後に、組成物3と適合して働くPHOBOL XANを添加した場合には、添加しなかった場合よりも高いスプレースコアを処理済み布地は維持していた。
【0093】
【表8】
【0094】
実施例6 安定性
本発明に従って調製されたO/W乳化物の安定性を評価するために、これら乳化物は種々の条件に供された。希釈安定性に関する1つの試験においては、サンプルは希釈され、種々のエージング温度に供され、その後に粘度及び視覚的変化について評価した。第2の試験では、未希釈の乳化物を種々の温度に供し、それから視覚的に及び粘度を測定することにより評価した。表9を参照せよ。
【0095】
【表9】


【0096】
表9から、本発明に係る上記の調製された組成物は希釈安定性であり、経時安定性であり、記載された時間によれば最小であることが結論づけられる。
【0097】
実施例7 種々の材料上での性能
処理された表面上での水の接触角を測定することにより種々の材料及び表面上での性能を評価するために、本発明の組成物1をいくつかの異なる材料上で試験した。
【0098】
【表10】
【0099】
全ての場合において、表10によれば、組成物1による処理後に接触角は増大した。このことは、より良好な疎水性特性が達成されたことを意味する。これらの結果は、種々の材料及び表面への組成物の広範な適用領域についても実証している。
【0100】
実施例8 材料上での物理的変化
種々の材料及び表面上での手触り及び色変化について評価するために、本発明の組成物4を白の100重量%ポリエステル上で試験した。
【表11】
【0101】
表11に記載の処理されたポリエステル布地は感覚パネルによる評価に供された。感覚パネルは、(元々の未処理の布地に対して)布地製品を比較し、柔らかさ/剛さ及び黄変/色変化を評価するように訓練された個人を用いた。剛さは、手触りが非常に軟らかいことを表す0~剛い手触りを表す7までのスケールでランク付けした。色変化/黄変は、無変化を示す0~大きな視覚的変化を表す7までのスケールでランク付けした。表12に示された結果によれば、本発明に係る乳化物は、処理済み布地上における非常に軟らかい感触を、非常に低い黄変と共に提供することができたことが明瞭に見て取れる。
【手続補正書】
【提出日】2022-08-18
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
a)高分子アミド(polymeric amide)及び一般式Iで表されるアミドのうちの少なく
とも一方から選択される、少なくとも1種の正帯電有機アミド:
【化1】


式中、X1、X2、及びX3は同一又は異なる基であり、前記少なくとも1種のアミドにおける炭素原子の窒素原子に対するモル比は70≧C/N≧3であり、一般式Iで表されるアミドは、全炭素数が150未満の、飽和若しくは不飽和で分岐若しくは直鎖の酸の1級、2級、及び3級アミドから選択され、一般式Iで表されるアミドは、1~7のpHでは水溶性ではない飽和若しくは不飽和で分岐若しくは直鎖の酸の1級、2級、及び3級アミドから選択される;
b)高分子アミン(polymeric amine)及び以下の一般式IIで表されるアミンのうち
の少なくとも一方から選択される、少なくとも1種の正帯電有機アミン:並びに
【化2】


式中、Y1、Y2、Y3、Y4、及びY5は同一又は異なる基であり、前記少なくとも1種のアミンにおける炭素原子の窒素原子に対するモル比は70≧C/N≧3であり、一般式IIで表されるアミンは、全炭素数が150未満の、1級、2級、及び3級アミンから選択され、一般式IIで表されるアミンは、1~7のpHでは水溶性ではなく、前記アミンは飽和若しくは不飽和で分岐若しくは直鎖の炭化水素鎖を有する1級、2級又は3級アミンから選択されるか、あるいは飽和若しくは不飽和で分岐若しくは直鎖の酸に由来するアミンである;
c)元素周期表の第2族、第4族、第8族、第12族、及び第13族からのルイス酸並びにpKaが7未満のブレンステッド酸から選択される少なくとも1種のルイス酸及び/又は少なくとも1種のブレンステッド酸;
を含む乳化促進組成物(emulsifying composition)。
【請求項2】
前記少なくとも1種のアミドにおける炭素原子の窒素原子に対するモル比は60≧C/N≧5であり、前記少なくとも1種のアミンにおける炭素原子の窒素原子に対するモル比は60≧C/N≧5である、請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
前記酸は、メタン酸、エタン酸、エタン二酸、オキソエタン酸、2-ヒドロキシエタン酸、プロパン酸、プロパ-2-エン酸、2-プロピン酸、プロパン二酸、2-ヒドロキシプロパン二酸、オキソプロパン二酸、2,2-ジヒドロキシプロパン二酸、2-オキソプロパン酸、2-ヒドロキシプロパン酸、3-ヒドロキシプロパン酸、2,3-ジヒドロキシプロパン酸、2-オキシランカルボン酸、ブタン酸、2-メチルプロパン酸、2-オキソブタン酸、3-オキソブタン酸、4-オキソブタン酸、(E)-ブテン二酸、(Z)-ブテン二酸、ブタ-2-イン二酸、オキソブタン二酸、ヒドロキシブタン二酸、2,3-ジヒドロキシブタン二酸、(E)-ブタ-2-エン酸、ペンタン酸、3-メチルブタン酸、ペンタン二酸、2-オキソペンタン二酸、3-オキソペンタン二酸、フラン-2-カルボン酸、テトラヒドロ-2-フランカルボン酸、ヘキサン酸、ヘキサン二酸、2-ヒドロキシプロパン-1,2,3-トリカルボン酸、プロパ-1-エン-1,2,3-トリカルボン酸、1-ヒドロキシプロパン-1,2,3-トリカルボン酸、(2E,4E)-ヘキサ-2,4-ジエン酸、ヘプタン酸、ヘプタン二酸、シクロヘキサンカルボン酸、ベンゼンカルボン酸、2-ヒドロキシ安息香酸、オクタン酸、ベンゼン-1,2-ジカルボン酸、ノナン酸、ベンゼン-1,3,5-トリカルボン酸、(E)-3-フェニルプロパ-2-エン酸、デカン酸、デカン二酸、ウンデカン酸、ドデカン酸、ベンゼン-1,2,3,4、5,6-ヘキサカルボン酸、トリデカン酸、テトラデカン酸、ペンタデカン酸、ヘキサデカン酸、ヘプタデカン酸、オクタデカン酸、(9Z)-オクタデカ-9-エン酸、(9Z,12Z)-オクタデカ-9,12-ジエン酸、(9Z,12Z,15Z)-オクタデカ-9,12,15-トリエン酸、(6Z,9Z,12Z)-オクタデカ-6,9,12-トリエン酸、(6Z,9Z,12Z,15Z)-オクタデカ-6,9,12,15-テトラエン酸、ノナデカン酸、エイコサン酸、(5Z,8Z,11Z)-エイコサ-5,8,11-トリエン酸、(5Z,8Z,11Z,14Z)-エイコサ-5,8,11,14-テトラエン酸、ヘンエイコサン酸、ドコサン酸、(4Z,7Z,10Z,13Z,16Z,19Z)-ドコサ-4,7,10,13,16,19-ヘキサエン酸、トリコサン酸、テトラコサン酸、ペンタコサン酸、ヘキサコサン酸、ヘプタコサン酸(Carboceric acid)、モンタン酸、ノナコサン酸(Nonacosylic acid)、メリシン酸、ヘントリアコン
タン酸(Hentriacontylic acid)、ドトリアコンタン酸(Lacceroic acid)、トリトリアコンタン酸(Psyllic acid)、テトラトリアコンタン酸(Geddic acid)、ペンタトリア
コンタン酸(Ceroplastic acid)、ヘキサトリアコンタン酸(Hexatriacontylic acid)
、ヘプタトリアコンタン酸(Heptatriacontylic acid)、オクタトリアコンタン酸(Octatriacontylic acid)、ノナトリアコンタン酸(Nonatriacontylic acid)、テトラコンタン酸(Tetracontylic acid)、ミリストレイン酸、パルミトレイン酸、サピエン酸、オレイン酸、エライジン酸、バクセン酸、ガドレイン酸、エイコセン酸、エルカ酸、ネルボン酸、リノール酸、エイコサジエン酸、ドコサジエン酸、三価不飽和脂肪酸、リノレン酸、ピノレン酸、エレオステアリン酸、ミード酸、ジホモーγーリノレン酸、エイコサトリエン酸、ステアリドン酸、アラキドン酸、エイコサテトラエン酸、アドレン酸、5価不飽和脂肪酸、ボセオペンタエン酸、エイコサペンタエン酸、オズボンド酸、イワシ酸(Sardine acid)、テトラコサノールペンタエン酸、6価不飽和脂肪酸、セルボン酸、ニシン酸(Herring acid)、エタン二酸、プロパン二酸、ブタン二酸、ペンタン二酸、ヘキサン二酸、ヘプタン二酸、オクタン二酸、ノナン二酸、デカン二酸、ウンデカン二酸、ドデカン二酸、トリデカン二酸、ヘキサデカン二酸、ヘンエイコサ-1,21-二酸、ドコサン二酸、トリアコンタン二酸、(Z)-ブテン二酸、(E)-ブテン二酸、ブタ-2-イン二酸、(Z)-ペンタ-2-エン二酸、(E)-ペンタ-2-エン二酸、2-デカン二酸、ドデカ-2-エン二酸、ムコン酸、グルチン酸、シトラコン酸、メサコン酸、イタコン酸、2-ヒドロキシプロパン二酸、オキソプロパン二酸、ヒドロキシブタン二酸、2,3-ジヒドロキシブタン二酸、オキソブタン二酸、2-アミノブタン二酸、2-ヒドロキシペンタン二酸、2,3,4-トリヒドロキシペンタン二酸、3-オキソペンタン二酸、2-オキソペンタン二酸、2-アミノペンタン二酸、(2R,6S)-2,6-ジアミノヘプタン二酸、(2S,3S,4S,5R)-2,3,4,5-テトラヒドロキシヘキサン二酸、ベンゼン-1,2-ジカルボン酸、ベンゼン-1,3-ジカルボン酸、ベンゼン-1,4-ジカルボン酸、2-(2-カルボキシフェニル)安息香酸、2,6-ナフタレンジカルボン酸、ピルビン酸、オキサロ酢酸、アセト酢酸、レブリン酸、安息香酸、サリチル酸、ω-フェニルアルカン酸(x=1~17)、二環式ヘキサヒドロインデン酸(Bicyclic
hexahydroindenoic acid)、クラシネルブ酸(Crassinervic acid)、グリセリン酸、グリコール酸、乳酸、酒石酸、及びジビニルエーテル脂肪酸などの、40個未満の炭素原子を有する(C≦40)、飽和又は不飽和の、分岐又は直鎖のカルボン酸である、請求項1に記載の組成物。
【請求項4】
前記アミドが、アミド化されたデンプン(アミロース、アミロペクチン)、アミド化されたセルロース、アミド化されたガム、アミド化されたキトサン、及びアミド化されたこれらの誘導体などのアミド化されたポリ炭化水素、ポリペプチド、ポリ核酸、及びナイロン6、ナイロン6/6、ナイロン6/12、ナイロン11、ナイロン12等の脂肪族(aliphatic)ポリアミド、並びにポリフタルアミド又は芳香族ポリアミド、から選択される
高分子アミドである、請求項1に記載の組成物。
【請求項5】
少なくとも1種のアミンが、25℃における水への溶解度が20g/100mL未満であるアミノ酸であり、前記アミノ酸が、イソロイシン、トリプトファン、チロシン、ロイシン、フェニルアラニン、アスパラギン、アスパラギン酸、グルタミン酸、グルタミン、ヒスチジン、メチオニン、セリン、及びバリンのうちの少なくとも1つから選択される、請求項1に記載の組成物。
【請求項6】
前記アミンが、アミン化されたデンプン(アミロース、アミロペクチン)、アミン化されたセルロース、アミン化されたガム、アミン化されたキトサン、及びアミン化されたこれらの誘導体などのアミン化されたポリ炭化水素、ポリペプチド、ポリ核酸、ポリ(ビニルピリジン)、ポリ(ビニルピロリドン)、ポリ(ビニルアミン)及びそれらの塩、ポリ(L-リジン)及びその塩、ポリエチレンイミン及びその塩、ポリ(アリルアミン)及びその塩、ポリ(4-アミノスチレン)、ポリ(N-メチルビニルアミン)、ポリ(ジアリルジメチル)及びそれらの塩、ポリ(2-ビニル-1-メチルピリジン)及びその塩、ポリ(N,N-ジメチルアミノエチルメタクリレート)[I]、ポリ(N,N-ジメチルアミノエチルアクリレート-co-メチルメタクリレート)[II]、及びポリ(N,N-ジメチルアミノプロピルアクリルアミド-co-メチルメタクリレート)、ポリオキシプロピレンジアミンのうちの少なくとも1つから選択される高分子アミンである、請求項1に記載の組成物。
【請求項7】
前記アミドは、請求項1における上記式Iで表される1級アミドを含み、ここでX2及びX3は水素原子であり、X1は40個未満の炭素原子を含み、窒素に対する炭素のモル比は40≧C/N≧6であり、前記1級アミドは1~7のpHでは水に可溶ではなく、前記1級アミドはエルカ酸アミド、オレイン酸アミド、ベヘン酸アミド、ステアリン酸アミド、パルミチン酸アミド、ラウリン酸アミド、12-ヒドロキシステアリン酸アミド、等々のアミドのうちの少なくとも1つから選択される、請求項1に記載の組成物。
【請求項8】
前記アミドが、請求項1における上記式Iで表される2級有機アミドであり、ここで、X2は水素原子であり、X1及びX3はそれぞれ40個未満の炭素原子を含み、前記2級アミドにおける窒素に対する炭素のモル比は40≧C/N≧6であり、前記2級アミドはpH1~7で水に可溶ではなく、前2級アミドは、N-ステアリルステアリン酸アミド、N-ステアリルオレイン酸アミド、N-オレイルステアリン酸アミド、N-ステアリルエルカ酸アミド、N-メチロールステアリン酸アミド、メチレンビスステアリン酸アミド、エチレンビスカプリン酸アミド、エチレンビスステアリン酸アミド、エチレンビス12-ヒドロキシステアリン酸アミド、エチレンビスベヘン酸アミド、ヘキサメチレンビスステアリン酸アミド、ヘキサメチレンビスベヘン酸アミド、ヘキサメチレンビス12-ヒドロキシステアリン酸アミド、N,N’-ジステアリルアジピン酸アミド、エチレンビスオレイン酸アミド、ヘキサメチレンビスオレイン酸アミド、N,N’-ジオレイルアジピン酸アミド、オレイルパルミチン酸アミド、ステアリルエルカ酸アミド、エチレンビス-オレイン酸アミド、等々のアミドのうちの少なくとも1つから選択される、請求項1に記載の組成物。
【請求項9】
前記アミドが、請求項1における上記式Iで表される3級有機アミドであり、ここで、X1、X2、及びX3はそれぞれ40個未満の炭素原子を含み、前記3級アミドにおける窒素原子に対する炭素原子のモル比は40≧C/N≧6であり、前記3級アミドはpH1~7で水に可溶ではなく、前3級アミドは、N,N-ジメチルオレイン酸アミド、N,N-ジエチルオレイン酸アミド、オクタデカンアミド、N,N-ビス(2-ヒドロキシエチル)、N,N-ジメチルステアリン酸アミド、N,N-ビス(2-ヒドロキシエチル)ステアリン酸アミド、N,N-ビス(2-ヒドロキシエチル)ヘキサデカン-1-アミド、N,N-ビス(2-ヒドロキシエチル)オレイン酸アミド、N,N-ビス(2-ヒドロキシエチル)ドデカンアミド、等々のアミドのうち少なくとも1つから選択される、請求項1に記載の組成物。
【請求項10】
前記アミンが、請求項1における上記式IIで表される1級有機アミンであり、ここでY4及びY5は水素原子であり、Y1、Y2、及びY3はそれぞれ50個未満の炭素原子を含み、前記1級アミンにおける窒素に対する炭素のモル比は40≧C/N≧6であり、前記1級アミンは1~7のpHで水に可溶ではなく、前記1級アミンは、コカミン、オレイルアミン、牛脂アミン(tallow amine)、ソイアミン(soya amine)、ステアリルアミン、(12E,15E)-N-「(21E,24E)-ヘキサトリアコンタ-21,24-ジエニル]ヘキサトリアコンタ-12,15-ジエン-1-アミン、ドデシルアミン、等々の1級アミンのうちの少なくとも1つから選択される、請求項1に記載の組成物。
【請求項11】
前記アミンが、請求項1における上記式IIで表される2級有機アミンであり、ここでY5は水素原子であってY1、Y2、Y3、及びY4はそれぞれ50個未満の炭素原子を含み、前記2級アミンにおける窒素に対する炭素のモル比は40≧C/N≧6であり、前記2級アミンは1~7のpHで水に可溶ではなく、前記2級アミンは、ジオレイルアミン、ジオクタデシルアミン、(12E,15E)-N-[(21E,24E)-ヘキサトリアコンタ-21,24-ジエニル]ヘキサトリアコンタ-12,15-ジエン-1-アミン、等々の2級アミンのうちの少なくとも1つから選択される、請求項1に記載の組成物。
【請求項12】
前記アミンが、請求項1における上記式IIで表される3級有機アミンであり、ここでY1、Y2、Y3、Y4、及びY5はそれぞれ50個未満の炭素原子を含み、前記3級有機アミンにおける窒素に対する炭素のモル比は40≧C/N≧6であり、前記3級有機アミンは1~7のpHで水に可溶ではなく、前記3級アミンは、N-[3-(ジメチルアミノ)プロピル]ドデカンアミド、N-[3-(ジメチルアミノ)プロピル]ミリスチン酸アミド、N-[3-(ジメチルアミノ)プロピル]ヘキサデカンアミド、N-[3-(ジメチルアミノ)プロピル]オクタデカンアミド、N-[3-(ジメチルアミノ)プロピル]オクタデカ-9-エンアミド、(9Z,12Z)-N-[3-(ジメチルアミノ)プロピル]オクタデカ-9,12-ジエンアミド(リノレアミド)、(9Z,12Z,15Z)-N-[3-(ジメチルアミノ)プロピル]オクタデカ-9,12,15-トリエンアミド(リノレアミド)、及びN-[3-(ジメチルアミノ)プロピル]エイコサンアミド、等々の3級アミンのうちの少なくとも1つから選択される、請求項1に記載の組成物。
【請求項13】
少なくとも1種のアミンが二量体アミンであり、前記二量体ジアミンは50個未満の炭素原子を有する脂肪(fatty)二量体ジアミンであり、前記二量体ジアミンは(12E,15E)-N-[(21E,24E)-ヘキサトリアコンタ-21,24-ジエニル]ヘキサトリアコンタ-12,15-ジエン-1-アミン、等々の二量体ジアミンのうちの少なくとも1つから選択される、請求項1に記載の組成物。
【請求項14】
前記アミドが50個未満の炭素原子を有する脂肪酸から合成され、オレオイルパルミチン酸アミド及びステアリルエルカ酸アミドのうちの少なくとも一方から選択され、前記アミンは二量体ジアミンであり、前記二量体ジアミンは50個未満の炭素原子を有する脂肪(fatty)二量体ジアミンであり、(12E,15E)-N-[(21E,24E)-ヘキサトリアコンタ-21,24-ジエニル]ヘキサトリアコンタ-12,15-ジエン-1-アミン、等々のうちの少なくとも1つから選択される、請求項1に記載の組成物。
【請求項15】
前記アミドが50個未満の炭素原子を有する脂肪酸から合成され、オレオイルパルミチン酸アミド及びステアリルエルカ酸アミドのうちの少なくとも1つから選択され、前記有機アミンは請求項に記載のアミノ酸及び/又は請求項に記載の高分子アミンである、請求項1に記載の組成物。
【請求項16】
第4族又は第13族の金属塩の塩溶液及びその混合物から選択されるルイス酸をさらに含み、前記ルイス酸は酢酸ジルコニウム及び/又は酢酸ジルコニウム水酸化物のうちの少なくとも1つから選択される、請求項に記載の組成物。
【請求項17】
a)0.01~50重量%の疎水性相;
b)0.01~12重量%の請求項1に記載の正帯電乳化促進組成物;
c)38~99.98重量%の水;並びに
d)任意に(optionally)、消泡剤、合一剤(coalescent agent)、保存料、共乳化剤、鎖延長剤、架橋剤、及びレオロジー調整剤のうちの少なくとも1種
を含む乳化された液体組成物。
【請求項18】
前記疎水性相が天然オイル、合成オイル、天然ワックス、合成ワックス、液体樹脂、脂肪酸、脂肪(fatty)アルコール、脂肪(fatty)シラン、脂肪(fatty)シロキサン、脂
肪(fatty)エポキシド、脂肪(fatty)イミン、脂肪(fatty)アルデヒド、脂肪(fatty)イミド、脂肪(fatty)チオール、脂肪(fatty)サルフェート、脂肪(fatty)エステ
ル、脂肪(fatty)ケトン、その他のタイプの脂質からなる群から互いに独立に選択される、1種又は複数種の疎水性剤を含む、請求項17に記載の乳化された液体組成物。
【請求項19】
a)0.2~30重量%の前記疎水性相;
b)0.1~8重量%の、請求項1に記載の乳化促進組成物、ここで前記選択されたルイス酸は0.1~5重量%の量の酢酸ジルコニウムである;並びに
c)任意に(optionally)、0.1~3重量%の前記共界面活性剤、0.5~3重量%の前記合一剤、0.005~0.5重量%の前記保存料
を含む、請求項17に記載の乳化された液体組成物。
【請求項20】
無機材料、有機材料、又は繊維系材料の撥水性を向上し、及び/又は処理された材料の有する水溶性汚れを撥く能力を向上させる方法であって:
a)請求項17に記載の組成物を前記無機材料、有機材料、又は繊維系材料に添加すること;
b)任意に(optionally)、前記材料に付与された組成物の量を調整すること;
c)処理された前記無機材料、有機材料、又は繊維系材料を、実質的に乾燥状態になるまで乾燥させること;並びに
d)任意に(optionally)、処理された前記無機材料、有機材料、又は繊維系材料を、10~200℃の温度で固化(curing)させること
を含む方法。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0101
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0101】
表11に記載の処理されたポリエステル布地は感覚パネルによる評価に供された。感覚パネルは、(元々の未処理の布地に対して)布地製品を比較し、柔らかさ/剛さ及び黄変/色変化を評価するように訓練された個人を用いた。剛さは、手触りが非常に軟らかいことを表す0~剛い手触りを表す7までのスケールでランク付けした。色変化/黄変は、無変化を示す0~大きな視覚的変化を表す7までのスケールでランク付けした。表12に示された結果によれば、本発明に係る乳化物は、処理済み布地上における非常に軟らかい感触を、非常に低い黄変と共に提供することができたことが明瞭に見て取れる。
本開示に係る態様は以下の態様も含む。
<1> a)高分子アミド(polymeric amide)及び一般式Iで表されるアミドのうちの少なく
とも一方から選択される、少なくとも1種の正帯電有機アミド:
【化3】


式中、X1、X2、及びX3は同一又は異なる基であり、前記少なくとも1種のアミドにおける炭素原子の窒素原子に対するモル比は70≧C/N≧3、好ましくは60≧C/N≧5、より好ましくは50≧C/N≧6、であり、一般式Iで表されるアミドは、全炭素数が150未満の、飽和若しくは不飽和で分岐若しくは直鎖の酸の1級、2級、及び3級アミドから選択され、一般式Iで表されるアミドは、1~7のpHでは水溶性ではない飽和若しくは不飽和で分岐若しくは直鎖の酸の1級、2級、及び3級アミドから選択される;
b)高分子アミン(polymeric amine)及び以下の一般式IIで表されるアミンのうち
の少なくとも一方から選択される、少なくとも1種の正帯電有機アミン:並びに
【化4】


式中、Y1、Y2、Y3、Y4、及びY5は同一又は異なる基であり、前記少なくとも1種のアミンにおける炭素原子の窒素原子に対するモル比は70≧C/N≧3、好ましくは60≧C/N≧5、より好ましくは50≧C/N≧6、であり、一般式IIで表されるアミンは、全炭素数が150未満の、1級、2級、及び3級アミンから選択され、一般式IIで表されるアミンは、1~7のpHでは水溶性ではなく、前記アミンは飽和若しくは不飽和で分岐若しくは直鎖の炭化水素鎖を有する1級、2級又は3級アミンから選択されるか、あるいは飽和若しくは不飽和で分岐若しくは直鎖の酸に由来するアミンである;
c)元素周期表の第2族、第4族、第8族、第12族、及び第13族からのルイス酸並びにpKaが7未満のブレンステッド酸から選択される少なくとも1種のルイス酸及び/又は少なくとも1種のブレンステッド酸;
を含む乳化促進組成物(emulsifying composition)。
<2> 基X1~X3及びY1~Y5は水素又は飽和若しくは不飽和の炭化水素鎖であり、該炭化水素鎖は無置換又は置換され、直鎖又は分岐である、<1>に記載の組成物。
<3> 前記酸は、メタン酸、エタン酸、エタン二酸、オキソエタン酸、2-ヒドロキシエタン酸、プロパン酸、プロパ-2-エン酸、2-プロピン酸、プロパン二酸、2-ヒドロキシプロパン二酸、オキソプロパン二酸、2,2-ジヒドロキシプロパン二酸、2-オキソプロパン酸、2-ヒドロキシプロパン酸、3-ヒドロキシプロパン酸、2,3-ジヒドロキシプロパン酸、2-オキシランカルボン酸、ブタン酸、2-メチルプロパン酸、2-オキソブタン酸、3-オキソブタン酸、4-オキソブタン酸、(E)-ブテン二酸、(Z)-ブテン二酸、ブタ-2-イン二酸、オキソブタン二酸、ヒドロキシブタン二酸、2,3-ジヒドロキシブタン二酸、(E)-ブタ-2-エン酸、ペンタン酸、3-メチルブタン酸、ペンタン二酸、2-オキソペンタン二酸、3-オキソペンタン二酸、フラン-2-カルボン酸、テトラヒドロ-2-フランカルボン酸、ヘキサン酸、ヘキサン二酸、2-ヒドロキシプロパン-1,2,3-トリカルボン酸、プロパ-1-エン-1,2,3-トリカルボン酸、1-ヒドロキシプロパン-1,2,3-トリカルボン酸、(2E,4E)-ヘキサ-2,4-ジエン酸、ヘプタン酸、ヘプタン二酸、シクロヘキサンカルボン酸、ベンゼンカルボン酸、2-ヒドロキシ安息香酸、オクタン酸、ベンゼン-1,2-ジカルボン酸、ノナン酸、ベンゼン-1,3,5-トリカルボン酸、(E)-3-フェニルプロパ-2-エン酸、デカン酸、デカン二酸、ウンデカン酸、ドデカン酸、ベンゼン-1,2,3,4、5,6-ヘキサカルボン酸、トリデカン酸、テトラデカン酸、ペンタデカン酸、ヘキサデカン酸、ヘプタデカン酸、オクタデカン酸、(9Z)-オクタデカ-9-エン酸、(9Z,12Z)-オクタデカ-9,12-ジエン酸、(9Z,12Z,15Z)-オクタデカ-9,12,15-トリエン酸、(6Z,9Z,12Z)-オクタデカ-6,9,12-トリエン酸、(6Z,9Z,12Z,15Z)-オクタデカ-6,9,12,15-テトラエン酸、ノナデカン酸、エイコサン酸、(5Z,8Z,11Z)-エイコサ-5,8,11-トリエン酸、(5Z,8Z,11Z,14Z)-エイコサ-5,8,11,14-テトラエン酸、ヘンエイコサン酸、ドコサン酸、(4Z,7Z,10Z,13Z,16Z,19Z)-ドコサ-4,7,10,13,16,19-ヘキサエン酸、トリコサン酸、テトラコサン酸、ペンタコサン酸、ヘキサコサン酸、ヘプタコサン酸(Carboceric acid)、モンタン酸、ノナコサン酸(Nonacosylic acid)、メリシン酸、ヘントリアコン
タン酸(Hentriacontylic acid)、ドトリアコンタン酸(Lacceroic acid)、トリトリアコンタン酸(Psyllic acid)、テトラトリアコンタン酸(Geddic acid)、ペンタトリア
コンタン酸(Ceroplastic acid)、ヘキサトリアコンタン酸(Hexatriacontylic acid)
、ヘプタトリアコンタン酸(Heptatriacontylic acid)、オクタトリアコンタン酸(Octatriacontylic acid)、ノナトリアコンタン酸(Nonatriacontylic acid)、テトラコンタン酸(Tetracontylic acid)、ミリストレイン酸、パルミトレイン酸、サピエン酸、オレイン酸、エライジン酸、バクセン酸、ガドレイン酸、エイコセン酸、エルカ酸、ネルボン酸、リノール酸、エイコサジエン酸、ドコサジエン酸、三価不飽和脂肪酸、リノレン酸、ピノレン酸、エレオステアリン酸、ミード酸、ジホモーγーリノレン酸、エイコサトリエン酸、ステアリドン酸、アラキドン酸、エイコサテトラエン酸、アドレン酸、5価不飽和脂肪酸、ボセオペンタエン酸、エイコサペンタエン酸、オズボンド酸、イワシ酸(Sardine acid)、テトラコサノールペンタエン酸、6価不飽和脂肪酸、セルボン酸、ニシン酸(Herring acid)、エタン二酸、プロパン二酸、ブタン二酸、ペンタン二酸、ヘキサン二酸、ヘプタン二酸、オクタン二酸、ノナン二酸、デカン二酸、ウンデカン二酸、ドデカン二酸、トリデカン二酸、ヘキサデカン二酸、ヘンエイコサ-1,21-二酸、ドコサン二酸、トリアコンタン二酸、(Z)-ブテン二酸、(E)-ブテン二酸、ブタ-2-イン二酸、(Z)-ペンタ-2-エン二酸、(E)-ペンタ-2-エン二酸、2-デカン二酸、ドデカ-2-エン二酸、ムコン酸、グルチン酸、シトラコン酸、メサコン酸、イタコン酸、2-ヒドロキシプロパン二酸、オキソプロパン二酸、ヒドロキシブタン二酸、2,3-ジヒドロキシブタン二酸、オキソブタン二酸、2-アミノブタン二酸、2-ヒドロキシペンタン二酸、2,3,4-トリヒドロキシペンタン二酸、3-オキソペンタン二酸、2-オキソペンタン二酸、2-アミノペンタン二酸、(2R,6S)-2,6-ジアミノヘプタン二酸、(2S,3S,4S,5R)-2,3,4,5-テトラヒドロキシヘキサン二酸、ベンゼン-1,2-ジカルボン酸、ベンゼン-1,3-ジカルボン酸、ベンゼン-1,4-ジカルボン酸、2-(2-カルボキシフェニル)安息香酸、2,6-ナフタレンジカルボン酸、ピルビン酸、オキサロ酢酸、アセト酢酸、レブリン酸、安息香酸、サリチル酸、ω-フェニルアルカン酸(x=1~17)、二環式ヘキサヒドロインデン酸(Bicyclic
hexahydroindenoic acid)、クラシネルブ酸(Crassinervic acid)、グリセリン酸、グリコール酸、乳酸、酒石酸、及びジビニルエーテル脂肪酸などの、40個未満の炭素原子を有する(C≦40)、飽和又は不飽和の、分岐又は直鎖のカルボン酸である、<1>に記載の組成物。
<4> 前記アミドが分子量1kDa≦Mw≦1000kDa、好ましくは2kDa≦Mw≦500kDaの高分子アミドである、<1>~<3>のいずれか1つに記載の組成物。
<5> 前記アミドが、アミド化されたデンプン(アミロース、アミロペクチン)、アミド化されたセルロース、アミド化されたガム、アミド化されたキトサン、及びアミド化されたこれらの誘導体などのアミド化されたポリ炭化水素、ポリペプチド、ポリ核酸、及びナイロン6、ナイロン6/6、ナイロン6/12、ナイロン11、ナイロン12等の脂肪族(aliphatic)ポリアミド、並びにポリフタルアミド又は芳香族ポリアミド、から選択される
高分子アミドである、<1>に記載の組成物。
<6> 少なくとも1種のアミンが、25℃における水への溶解度が20g/100mL未満であるアミノ酸であり、好ましくは、イソロイシン、トリプトファン、チロシン、ロイシン、フェニルアラニン、アスパラギン、アスパラギン酸、グルタミン酸、グルタミン、ヒスチジン、メチオニン、セリン、及びバリンのうちの少なくとも1つから選択される、<1>に記載の組成物。
<7> 前記アミンが、分子量が1kDa≦Mw≦1000kDa、好ましくは2kDa≦Mw≦500kDaの高分子アミンである、<1>~<6>のいずれか1つに記載の組成物。
<8> 前記アミンが、アミン化されたデンプン(アミロース、アミロペクチン)、アミン化されたセルロース、アミン化されたガム、アミン化されたキトサン、及びアミン化されたこれらの誘導体などのアミン化されたポリ炭化水素、ポリペプチド、ポリ核酸、ポリ(ビニルピリジン)、ポリ(ビニルピロリドン)、ポリ(ビニルアミン)及びそれらの塩、ポリ(L-リジン)及びその塩、ポリエチレンイミン及びその塩、ポリ(アリルアミン)及びその塩、ポリ(4-アミノスチレン)、ポリ(N-メチルビニルアミン)、ポリ(ジアリルジメチル)及びそれらの塩、ポリ(2-ビニル-1-メチルピリジン)及びその塩、ポリ(N,N-ジメチルアミノエチルメタクリレート)[I]、ポリ(N,N-ジメチルアミノエチルアクリレート-co-メチルメタクリレート)[II]、及びポリ(N,N-ジメチルアミノプロピルアクリルアミド-co-メチルメタクリレート)、ポリオキシプロピレンジアミンのうちの少なくとも1つから選択される高分子アミンである、<1>に記載の組成物。
<9> 前記アミドは、<1>における上記式Iで表される1級アミドを含み、ここでX2及びX3は水素原子であり、X1は40個未満の炭素原子を含み、窒素に対する炭素のモル比は40≧C/N≧6であり、前記1級アミドは1~7のpHでは水に可溶ではなく、好ましくは前記1級アミドはエルカ酸アミド、オレイン酸アミド、ベヘン酸アミド、ステアリン酸アミド、パルミチン酸アミド、ラウリン酸アミド、12-ヒドロキシステアリン酸アミド、等々のアミドのうちの少なくとも1つから選択される、<1>又は<2>に記載の組成物。
<10> 前記アミドが、<1>における上記式Iで表される2級有機アミドであり、ここで、X2は水素原子であり、X1及びX3はそれぞれ40個未満の炭素原子を含み、前記2級アミドにおける窒素に対する炭素のモル比は40≧C/N≧6であり、前記2級アミドはpH1~7で水に可溶ではなく、好ましくは前記アミドは、N-ステアリルステアリン酸アミド、N-ステアリルオレイン酸アミド、N-オレイルステアリン酸アミド、N-ステアリルエルカ酸アミド、N-メチロールステアリン酸アミド、メチレンビスステアリン酸アミド、エチレンビスカプリン酸アミド、エチレンビスステアリン酸アミド、エチレンビス12-ヒドロキシステアリン酸アミド、エチレンビスベヘン酸アミド、ヘキサメチレンビスステアリン酸アミド、ヘキサメチレンビスベヘン酸アミド、ヘキサメチレンビス12-ヒドロキシステアリン酸アミド、N,N’-ジステアリルアジピン酸アミド、エチレンビスオレイン酸アミド、ヘキサメチレンビスオレイン酸アミド、N,N’-ジオレイルアジピン酸アミド、オレイルパルミチン酸アミド、ステアリルエルカ酸アミド、エチレンビス-オレイン酸アミド、等々のアミドのうちの少なくとも1つから選択される、<1>又は<2>に記載の組成物。
<11> 前記アミドが、<1>における上記式Iで表される3級有機アミドであり、ここで、X1、X2、及びX3はそれぞれ40個未満の炭素原子を含み、前記3級アミドにおける窒素原子に対する炭素原子のモル比は40≧C/N≧6であり、前記3級アミドはpH1~7で水に可溶ではなく、好ましくは前記アミドは、N,N-ジメチルオレイン酸アミド、N,N-ジエチルオレイン酸アミド、オクタデカンアミド、N,N-ビス(2-ヒドロキシエチル)、N,N-ジメチルステアリン酸アミド、N,N-ビス(2-ヒドロキシエチル)ステアリン酸アミド、N,N-ビス(2-ヒドロキシエチル)ヘキサデカン-1-アミド、N,N-ビス(2-ヒドロキシエチル)オレイン酸アミド、N,N-ビス(2-ヒドロキシエチル)ドデカンアミド、等々のアミドのうち少なくとも1つから選択される、<1>又は<2>に記載の組成物。
<12> 前記アミンが、<1>における上記式IIで表される1級有機アミンであり、ここでY4及びY5は水素原子であり、Y1、Y2、及びY3はそれぞれ50個未満の炭素原子を含み、前記1級アミンにおける窒素に対する炭素のモル比は40≧C/N≧6であり、前記1級アミンは1~7のpHで水に可溶ではなく、好ましくは前記1級アミンは、コカミン、オレイルアミン、牛脂アミン(tallow amine)、ソイアミン(soya amine)、ステアリルアミン、(12E,15E)-N-「(21E,24E)-ヘキサトリアコンタ-21,24-ジエニル]ヘキサトリアコンタ-12,15-ジエン-1-アミン、ドデシルアミン、等々の1級アミンのうちの少なくとも1つから選択される、<1>又は<2>に記載の組成物。
<13> 前記アミンが、<1>における上記式IIで表される2級有機アミンであり、ここでY5は水素原子であってY1、Y2、Y3、及びY4はそれぞれ50個未満の炭素原子を含み、前記2級アミンにおける窒素に対する炭素のモル比は40≧C/N≧6であり、前記2級アミンは1~7のpHで水に可溶ではなく、好ましくは前記2級アミンは、ジオレイルアミン、ジオクタデシルアミン、(12E,15E)-N-[(21E,24E)-ヘキサトリアコンタ-21,24-ジエニル]ヘキサトリアコンタ-12,15-ジエン-1-アミン、等々の2級アミンのうちの少なくとも1つから選択される、<1>又は<2>に記載の組成物。
<14> 前記アミンが、<1>における上記式IIで表される3級有機アミンであり、ここでY1、Y2、Y3、Y4、及びY5はそれぞれ50個未満の炭素原子を含み、前記3級有機アミンにおける窒素に対する炭素のモル比は40≧C/N≧6であり、前記3級有機アミンは1~7のpHで水に可溶ではなく、好ましくは前記3級アミンは、N-[3-(ジメチルアミノ)プロピル]ドデカンアミド、N-[3-(ジメチルアミノ)プロピル]ミリスチン酸アミド、N-[3-(ジメチルアミノ)プロピル]ヘキサデカンアミド、N-[3-(ジメチルアミノ)プロピル]オクタデカンアミド、N-[3-(ジメチルアミノ)プロピル]オクタデカ-9-エンアミド、(9Z,12Z)-N-[3-(ジメチルアミノ)プロピル]オクタデカ-9,12-ジエンアミド(リノレアミド)、(9Z,12Z,15Z)-N-[3-(ジメチルアミノ)プロピル]オクタデカ-9,12,15-トリエンアミド(リノレアミド)、及びN-[3-(ジメチルアミノ)プロピル]エイコサンアミド、等々の3級アミンのうちの少なくとも1つから選択される、<1>又は<2>に記載の組成物。
<15> 少なくとも1種のアミンが二量体ジアミンであり、好ましくは50個未満の炭素原子を有する脂肪(fatty)二量体ジアミンであり、より好ましくは(12E,15E)-N-[
(21E,24E)-ヘキサトリアコンタ-21,24-ジエニル]ヘキサトリアコンタ-12,15-ジエン-1-アミン、等々である、<1>又は<2>に記載の組成物。
<16> 前記アミドが50個未満の炭素原子を有する脂肪酸から合成され、好ましくはオレオイルパルミチン酸アミド又はステアリルエルカ酸アミドであり、前記アミンは二量体ジアミンであり、好ましくは50個未満の炭素原子を有する脂肪(fatty)二量体ジアミンであ
り、より好ましくは(12E,15E)-N-[(21E,24E)-ヘキサトリアコンタ-21,24-ジエニル]ヘキサトリアコンタ-12,15-ジエン-1-アミン、等々である、<1>又は<2>に記載の組成物。
<17> 前記アミドが50個未満の炭素原子を有する脂肪酸から合成され、好ましくはオレオイルパルミチン酸アミド又はステアリルエルカ酸アミドであり、前記有機アミンは<10>に記載のアミノ酸及び/又は<12>に記載の高分子アミンであり、好ましくは前記高分子有機アミンはアミノ基を有するバイオポリマーから選択され、より好ましくは前記有機アミンはキトサンである、<1>又は<2>に記載の組成物。
<18> 第4族又は第13族の金属塩の塩溶液及びその混合物から選択されるルイス酸をさらに含み、前記金属塩又はその混合物は好ましくはジルコニウム系の塩であり、より好ましくは酢酸ジルコニウム及び/又は酢酸ジルコニウム水酸化物である、<1>~<18>のいずれか1つに記載の組成物。
<19> a)疎水性相;
b)<1>~<18>のうちいずれか1つに記載の乳化促進組成物;
c)水;並びに
d)任意に(optionally)、消泡剤、合一剤(coalescent agent)、保存料、共乳化剤、鎖延長剤、架橋剤、及びレオロジー調整剤のうちの少なくとも1種
を含む乳化された液体組成物。
<20> a)0.01~50重量%、好ましくは0.05~45重量%、より好ましくは0.1~40重量%、いっそう好ましくは0.2~30重量%の、前記疎水性相;
b)0.01~12重量%、好ましくは0.05~10重量%、より好ましくは0.1~8重量%の、正帯電乳化促進組成物(positively charged emulsifying composition);並びに
c)38~99.98重量%の水
を含む、<19>に記載の乳化された液体組成物。
<21> 前記疎水性相が天然オイル、合成オイル、天然ワックス、合成ワックス、液体樹脂、脂肪酸、脂肪(fatty)アルコール、脂肪(fatty)シラン、脂肪(fatty)シロキサン、脂
肪(fatty)エポキシド、脂肪(fatty)イミン、脂肪(fatty)アルデヒド、脂肪(fatty)イミド、脂肪(fatty)チオール、脂肪(fatty)サルフェート、脂肪(fatty)エステ
ル、脂肪(fatty)ケトン、その他のタイプの脂質からなる群から互いに独立に選択され
、好ましくは、天然オイル、天然ワックス、脂肪(fatty)シラン、及び/又は脂肪酸、
並びにこれらの混合物から選択される、1種又は複数種の疎水性剤を含む、<19>又は<20>に記載の乳化された液体組成物。
<22> 酢酸ジルコニウム、プロピオン酸ジルコニウム、酢酸ジルコニウム水酸化物、ネオデカン酸ジルコニウム、硫酸アルミニウム、ステアリン酸アルミニウム、硫酸鉄及び硫酸亜鉛、並びにこれらの混合物のうちの少なくとも1つから選択される少なくとも1種の多価金属塩、好ましくは酢酸ジルコニウム、を含むルイス酸である酸触媒を含む、<19>~<21>のうちいずれか1つに記載の乳化された液体組成物。
<23> 酢酸、アセチルサリチル酸、アジピン酸、アスコルビン酸、アスパラギン酸、ベンゼンスルホン酸、カンファースルホン酸、クエン酸、ジヒドロキシフマル酸、エシル酸、ギ酸、グリコール酸、グルタミン酸、グリオキシル酸、塩酸、乳酸、リンゴ酸、マロン酸、マレイン酸、マンデル酸、メシル酸、シュウ酸、パラトルエンスルホン酸、ペンタン酸、フタル酸、プロピオン酸、ピルビン酸、ステアリン酸、サリチル酸、硫酸、酒石酸、トリフル酸、任意のアミノ酸、レブリン酸、コハク酸、塩酸(HCl)、臭化水素酸(HBr)、ヨウ化水素酸(HI)、若しくはハロゲンオキソ酸;次亜塩素酸、塩素酸、過塩素酸、過ヨウ素酸、並びに臭素及びヨウ素についての対応する化合物、のうちの少なくとも1つから選択される、あるいは、硫酸(H2SO4)、スルファミン酸、フルオロ硫酸、硝酸(HNO3)、リン酸(H3PO4)、フルオロアンチモン酸、フルオロホウ酸、ヘキサフルオロリン酸、クロム酸(H2CrO4)若しくはホウ酸(H3BO3)、並びにそれらの類似物及び混合物のうちの任意のものから選択される、ブレンステッド・ローリー酸である酸触媒を含む、<19>~<22>のうちいずれか1つに記載の乳化された液体組成物。
<24> a)共界面活性剤、好ましくはHLB値が1~41のノニオン性乳化剤、ここで前記共界面活性剤は、好適には7重量%未満、より好適には0.01~4重量%、いっそう適切には0.1~3重量%の量で存在し、好適には、C10~C18アルコールとエチレンオキシドから作られるアルキルポリエチレングリコールエーテル、及びポリオキシエチレンラウリルエーテルのうち少なくとも1つから選択される;
b)合一剤、例えば、ブチルジグリコール、モノプロピレングリコール、イソプロパノール、エタノール、及びアセトンのうちの少なくとも1つ、ここで前記合一剤は0.01~20重量%の量で、好ましくは0.1~6重量%の量で、最も好ましくは0.5~3重量%の量で存在する;
c)消泡剤、例えばEO/PO型消泡剤、シリコーン、リン酸トリブチル、フタル酸アルキル、エマルジョン型消泡剤、脂肪酸型消泡剤、ここで前記消泡剤は0.05~10重量%の量、好ましくは0.1~1重量%の量で存在する;
d)レオロジー調整剤、例えば親水性若しくは疎水性シリカナノ粒子、又はカルボキシメチルセルロースなどのバイオポリマー、ここで好適には前記レオロジー調整剤は5重量%以下、好ましくは0.1~2重量%、より好ましくは0.1~2重量%の量で存在する;
e)殺カビ剤、殺細菌剤、医薬用保存料、化粧品用保存料、及び食品用保存料のうちの1つ又は複数から選択される保存料、ここで前記保存料は0.005~10重量%の量で、好ましくは0.005~1.5重量%の量で、より好ましくは0.005~0.5重量%の量で存在する;並びに
f)イソシアネートに基づく1種若しくは複数種のブロックプレポリマーから選択され、0.1~10重量%の量で、好ましくは0.2~8重量%の量で、より好ましくは0.5~5重量%の量で存在する鎖延長剤/架橋剤
のうちの少なくとも1つを含む、<19>~<23>のうちいずれか1つに記載の乳化された液体組成物。
<25> a)0.2~30重量%の前記疎水性相;
b)0.1~8重量%の、<1>~<18>のうちいずれか1つに記載の乳化促進組成物、ここで前記選択されたルイス酸は0.1~5重量%の量の酢酸ジルコニウムである;並びに
c)任意に(optionally)、0.1~3重量%の前記共界面活性剤、0.5~3重量%の前記合一剤、0.005~0.5重量%の前記保存料
を含む、<19>~<24>のうちいずれか1つに記載の乳化された液体組成物。
<26> 無機材料、有機材料、又は繊維系材料の撥水性を向上し、及び/又は処理された材料の有する水溶性汚れを撥く能力を向上させる方法であって:
a)<19>~<25>のうちいずれか1つに記載の組成物を前記無機材料、有機材料、又は繊維系材料に添加すること;
b)任意に(optionally)、前記材料に付与された組成物の量を調整すること;
c)処理された前記無機材料、有機材料、又は繊維系材料を、実質的に乾燥状態になるまで乾燥させること;並びに
d)任意に(optionally)、処理された前記無機材料、有機材料、又は繊維系材料を、10~200℃、消費者にとってより好ましくは10~90℃、特には15~60℃、また産業用には90~250℃、産業用用途について最も好ましくは90~190℃、の温度で固化(curing)させること
を含む方法。
【国際調査報告】