(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-02-13
(54)【発明の名称】有利には前接続された鋳造装置と接続している、モジュール式の圧延ライン、特に熱間圧延ライン
(51)【国際特許分類】
B21B 1/46 20060101AFI20230206BHJP
B21B 1/26 20060101ALI20230206BHJP
B21B 13/22 20060101ALI20230206BHJP
B21B 35/02 20060101ALI20230206BHJP
B21B 39/14 20060101ALI20230206BHJP
【FI】
B21B1/46 Z
B21B1/26 Z
B21B13/22
B21B35/02
B21B39/14 A
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022535684
(86)(22)【出願日】2020-12-03
(85)【翻訳文提出日】2022-06-14
(86)【国際出願番号】 EP2020084376
(87)【国際公開番号】W WO2021115900
(87)【国際公開日】2021-06-17
(31)【優先権主張番号】102019219318.8
(32)【優先日】2019-12-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(31)【優先権主張番号】102020206174.2
(32)【優先日】2020-05-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】390035426
【氏名又は名称】エス・エム・エス・グループ・ゲゼルシャフト・ミト・ベシュレンクテル・ハフツング
(74)【代理人】
【識別番号】100069556
【氏名又は名称】江崎 光史
(74)【代理人】
【識別番号】100111486
【氏名又は名称】鍛冶澤 實
(74)【代理人】
【識別番号】100191835
【氏名又は名称】中村 真介
(74)【代理人】
【識別番号】100221981
【氏名又は名称】石田 大成
(72)【発明者】
【氏名】エラースラン・グーカン
(72)【発明者】
【氏名】クライケマイアー・イェンス
(72)【発明者】
【氏名】ハーファー・ヨアヒム
(72)【発明者】
【氏名】シュピル・カースティン
【テーマコード(参考)】
4E002
【Fターム(参考)】
4E002AA04
4E002AA05
4E002AD04
4E002BD02
4E002BD03
4E002BD06
4E002BD07
4E002BD08
4E002BD09
4E002BD10
(57)【要約】
【解決手段】本発明は、有利には前接続された鋳造装置と接続している、モジュール式の圧延ライン、特に熱間圧延ラインと、モジュール式の圧延ラインの作動のための方法とに関する。不連続のユニットへの圧延ラインの分割、並びに、不連続のユニットのモジュールのモジュール化によって、圧延ラインは、規格化およびモジュール化される。モジュールの交換によって、圧延ラインは、自在的に、新しい要求に適合され得る。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
有利には前接続された鋳造装置と接続している、モジュール式の圧延ライン、特に熱間圧延ラインであって、このモジュール式の圧延ラインが、
前記圧延ラインを通って、原製品の通過区間に沿っての、仕上げ製品への金属の原製品の成形のための、少なくとも1つの熱処理ユニットと、粗圧延ユニットと、仕上げ圧延ユニットと、輸送ユニットとを有する上記モジュール式の圧延ラインにおいて、
- 前記圧延ラインが、前記通過区間に沿って、不連続のユニット(n)に分割されており、
- 少なくとも1つの不連続のユニット(n)が、少なくとも2つのモジュール(m)を有しており、
- 分割された前記不連続のユニット(n)の少なくとも1つのモジュール(m)が、他のモジュール(m)と、前記不連続のユニット(n)に所属して設けられた輸送装置(T)を用いて、有利には自動的に、及び/または、自動化された手段によって交換可能である、
ことを特徴とするモジュール式の圧延ライン。
【請求項2】
- 少なくとも1つの分割された不連続のユニット(n)は、
技術的な設備、特に前記熱間圧延ライン(1)の粗圧延ユニット、仕上げ圧延ユニット、少なくとも1つの輸送ユニット、及び/または、少なくとも1つの熱処理ユニットによって形成されており、および、
- 分割された前記不連続のユニット(n)の1つのモジュール(m)が、前記技術的なユニットの構造部品群によって、有利には、粗圧延スタンドのロールセット、仕上げ圧延スタンドのロールセット、ローラーテーブル、カプセル化されたローラーテーブル、炉モジュール、冷却区間、分離設備、表面処理設備、及び/または、測定装置によって形成されている、
ことを特徴とする請求項1に記載のモジュール式の圧延ライン。
【請求項3】
1つの不連続のユニット(n)に所属して設けられた前記モジュール(m)は、少なくとも相互間で交換可能であることを特徴とする請求項1または2に記載のモジュール式の圧延ライン。
【請求項4】
少なくとも2つの不連続のユニット(n)において、相互間で、モジュール(m)は、それぞれに所属して設けられた輸送装置(T)の間の輸送工程によって交換可能であることを特徴とする請求項1から3のいずれか一つに記載のモジュール式の圧延ライン。
【請求項5】
- 長さグリッドに前記圧延ラインを分離するために、有利には0.25mから5mまで、更に有利には0.25mから1mまでの基礎長さが存在し、および、
- 前記圧延ライン(1)の、前記不連続のユニット(n)、及び/または、前記モジュール(m)の寸法が、前記基礎長さの整数倍であることを特徴とする請求項1から4のいずれか一つに記載のモジュール式の圧延ライン。
【請求項6】
- 分割された前記不連続のユニット(n)は、熱処理ユニットによって形成されており、および、
- 前記熱処理ユニットの少なくとも1つのモジュール(m)が、炉モジュール、ローラーテーブルモジュール、カプセル化されたローラーテーブルモジュール、冷却区間モジュール、表面処理モジュール、及び/または、測定区間モジュールによって形成されている、
ことを特徴とする請求項1から5のいずれか一つに記載のモジュール式の圧延ライン。
【請求項7】
前記炉モジュールは、ローラーコンベヤ炉モジュールとして形成されていることを特徴とする請求項6に記載のモジュール式の圧延ライン。
【請求項8】
炉モジュールは、誘導加熱モジュールとして形成されていることを特徴とする請求項6に記載のモジュール式の圧延ライン。
【請求項9】
- 分割された前記不連続のユニット(n)は、粗圧延ユニットによって形成されており、および、
- 前記粗圧延ユニットの少なくとも1つのモジュール(m)が、有利には駆動される2つのワークロール及び/または2つのバックアップロールを有する粗圧延スタンドによって形成されている、
ことを特徴とする請求項1から8のいずれか一つに記載のモジュール式の圧延ライン。
【請求項10】
- 分割された前記不連続のユニット(n)は、仕上げ圧延ユニットによって形成されており、および、
- 前記仕上げ圧延ユニットの少なくとも1つのモジュール(m)が、有利には駆動される2つのワークロール及び/または2つのバックアップロールを有する、仕上げ圧延スタンドによって形成されている、
ことを特徴とする請求項1から9のいずれか一つに記載のモジュール式の圧延ライン。
【請求項11】
- 前記圧延ライン(1)は熱間圧延ライン(1)であり、および、
- 前接続された鋳造装置によって、異なる鋳造製品、有利には異なる材料及び/または寸法が生成可能であり、および、
- 前記鋳造製品、特にビレット、スラブまたは薄スラブが、鋳造プロセスおよび凝固プロセスの直後に前記熱間圧延ラインに供給可能である、
ことを特徴とする請求項1から10のいずれか一つに記載のモジュール式の圧延ライン。
【請求項12】
- 前記鋳造装置は連続鋳造設備(6)であり、および、
- 寸法変更のために鋳型が交換可能である、
ことを特徴とする請求項11に記載のモジュール式の圧延ライン。
【請求項13】
- 交換可能な鋳型を有する連続鋳造設備(6)、粗圧延ユニットの手前の熱処理ユニット、前記粗圧延ユニットと前記仕上げ圧延ユニットとの間の熱処理ユニット、および、前記仕上げ圧延ユニットの後に熱処理ユニットが設けられており、および、
- 粗圧延ユニットと仕上げ圧延ユニットとの間の前記熱処理ユニットが、少なくとも2つのモジュール(m)を有している、
ことを特徴とする請求項1から12のいずれか一つに記載のモジュール式の圧延ライン。
【請求項14】
モジュール(m)、有利には粗圧延ユニットと仕上げ圧延ユニットとの間の前記熱処理ユニットのモジュール(m)、並びに、両方の圧延ユニットの交換により、前記モジュール式の圧延ラインは、異なる材料および寸法に適合可能であることを特徴とする請求項13に記載のモジュール式の圧延ライン。
【請求項15】
- 前記圧延ライン(1)のための上位の制御装置または調節装置(C)と、
設けられた前記不連続のユニット(n)及び/またはモジュール(m)のための、前記上位の制御装置または調節装置とそれぞれに接続された制御装置または調節装置とが設けられており、および、
- 前記上位の制御装置または調節装置(C)によって、有利には自動化されたモジュール(m)の交換が、誘起可能および有利には実施可能である、
ことを特徴とする請求項1から14のいずれか一つに記載のモジュール式の圧延ライン。
【請求項16】
有利には請求項1から15のいずれか一つによる、モジュール式の圧延ラインの作動のための方法であって、
仕上げ製品のサイズ変更及び/または材料変更が所望された場合、前記圧延ライン内におけるプロセス管理は、予め与えられた生産パラメータを基礎として、
以下の作業ステップ:即ち、
- 生産パラメータが、前記モジュール(m)の適合、特に圧延ロール間隙適合及び/または冷却パラメータによって、達成可能であるかどうかについての、
通過区間(D)内において存在するモジュール(m)の検査;および、
- 前記生産パラメータの維持のために適当なモジュール(m)との、不適当なモジュール(m)の交換、有利には自動化された交換、
の作動ステップによって適合されることを特徴とする方法。
【請求項17】
モジュール(m)の前記交換は、90分、有利には30分、更に有利には10分内において行われることを特徴とする請求項16に記載の方法。
【請求項18】
前記生産パラメータの維持のために適当なモジュール(m)が交換可能でない場合、
前記上位の制御装置または調節装置(C)は、代替的なサイズ及び/または材料を提案することを特徴とする請求項16または17に記載の方法。
【請求項19】
- 前記圧延ライン(1)の前記制御装置(C)または調節装置のための、前記上位の制御装置または調節装置は、
不連続のユニット(n)及び/またはモジュール(m)のためのプロセスモデルを使用することを特徴とする請求項18に記載の方法。
【請求項20】
前記上位の制御装置または調節装置(C)は、製造計画部とデータを交換することを特徴とする請求項18または19に記載の方法。
【請求項21】
前記上位の制御装置または調節装置(C)は、製造計画部との関連で、製品順序を、材料、寸法、装入量、及び/または、期限に関して最適化することを特徴とする請求項18から20のいずれか一つに記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、有利には前接続された鋳造装置と接続している、モジュール式の圧延ライン、特に熱間圧延ラインと、モジュール式の圧延ラインの作動のための方法とに関する。
【背景技術】
【0002】
圧延ラインを用いて、金属の原製品は成形される。特に熱間圧延ライン内において、原製品は、原形から中間寸法または最終寸法へと、高温の状態において成形される。熱間圧延ラインは、この目的のために、例えば直接的に連続鋳造設備に接続している。
典型的に、熱間圧延ラインは、所望された成形温度への前製品の加熱及び/または均質化のための均質炉もしくは加熱炉と、更に別の機構ユニットとを有している。生成されるべき最終製品、例えば材料、目標寸法、または、所望された成形度合いに依存して、これら機構ユニットは、その場合に、相互に連続して、1つのライン内において圧延ラインへと組み合わせされて、強固に構成される。
典型的に、これらは、圧延スタンド、輸送ユニット、冷却装置、分離装置、加熱装置、及び/または、表面処理装置である。このことによって、ただ高い手間暇でもって適合され得る圧延ラインが生成する。
【0003】
類似して、このことは同様に冷間圧延ラインに関しても言えることであり、その際、典型的に、温度がより低く及び/または変形がより小さく、且つ、許容される寸法偏差もしくは品質偏差がより少ない。
【0004】
それぞれの圧延ラインの強固に予め与えられた構成により、製造プロセスの最適化は、材料特性および品質に関する、仕上げ製品に対する増大する要求の背景から、ただ制限されて可能なだけである。個々の機構ユニットの調節可能性を越える圧延ラインの瞬時の適合は、しかしながら可能ではない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の課題は、従って、圧延ラインを、この圧延ラインが、自在的に、異なる仕上げ製品、プロセス管理、寸法、材料、及び/または、品質要求に対して適合され得るという趣旨で改良することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の課題は、請求項1の特徴を有するモジュール式の圧延ライン、および、請求項16の特徴を有するモジュール式の圧延ラインの作動のための方法によって解決される。
【発明の効果】
【0007】
前記圧延ラインは、不連続のユニット(n)に分割されており、および、少なくとも1つの不連続のユニット(n)が、少なくとも2つのモジュール(m)を有している。分割された前記不連続のユニット(n)の少なくとも1つのモジュール(m)は、他のモジュール(m)と、前記不連続のユニット(n)に所属して設けられた輸送装置を用いて、有利には自動的に、及び/または、自動化された手段によって交換可能である。
不連続のユニットへの圧延ラインの分割、および、モジュールへの不連続のユニットの分割により、圧延ラインのモジュール化は達成される。
不連続のユニット及び/またはモジュールは、その際、技術的、及び/または、方法技術的もしくは材料技術的なユニットを形成し、これらユニットによって、交換の際に、圧延ライン、および、これに伴ってプロセス管理が、仕上げ製品の所定の特性、及び/または、選択的もしくは新しい仕上げ製品が生成され得るように、最適化、及び/または、適合され得る。このことは、例えば炉モジュールの交換が、変化された仕上げ製品のための炉のプログラムパラメータの適合のために必要な時間よりも迅速に行われ得る場合、同様に圧延ラインの生産性の最適化も含んでいる。
【0008】
不連続のユニットに所属して設けられた輸送装置を用いての、モジュールの交換によって、モジュールの交換は、相対して、例えばメンテナンス停止状態内におけるような圧延ラインの標準的な改造プロセスが行われる場合よりも、迅速に、且つ、複雑でなく行われ得る。交換は、有利には、側方に且つ基本的に垂直方向に、特に有利には通過区間の長手方向延在に対して垂直方向に行われる。このことは、特に、使用されるモジュールのシステム的な規格化によって補助される。
有利には、交換が自動的に行われる場合、モジュールの接続部は、媒体供給、位置決め、制御または調節に関連して、単一の標準規格を維持するべきである。このことは、同様にメンテナンス処置の際のモジュールの置換も容易化する。自動的な手段による交換は、有利には、2つのモジュールの交換の際の重要な作業ステップを引き受け、且つ、その際、手動の仕事を低減する。
【0009】
有利には、少なくとも1つの分割された不連続のユニットは、
技術的な設備、特に前記熱間圧延ラインの粗圧延ユニット、仕上げ圧延ユニット、少なくとも1つの輸送ユニット、及び/または、少なくとも1つの熱処理ユニットによって形成されており、および、
- 分割された前記不連続のユニットの1つのモジュールが、前記技術的なユニットの構造部品群によって、有利には、粗圧延スタンドのロールセット、仕上げ圧延スタンドのロールセット、ローラーテーブル、カプセル化されたローラーテーブル、炉モジュール、冷却区間、分離設備、表面処理設備、及び/または、測定装置によって形成されている。
単個のまたは複数の、この様式のモジュールの交換によって、異なる仕上げ製品に対する適合は特に容易に行われ得る。
【0010】
更に、1つの不連続のユニットに所属して設けられた前記モジュールが、少なくとも相互間で交換可能である場合、有利である。
この構成において、しかもその上、不連続のユニットの内部で異なるモジュールが使用され得、且つ、このことによって、異なるプロセス管理が実現され得ることは可能である。例えば、複数の部材から成る炉ユニット内において、1つの炉モジュールが、冷却区間またはローラーテーブルに置換され得る。
この冷却区間またはローラーテーブルが、異なる位置において、炉ユニットの置換として、及び/またはこの炉ユニットの内部で、及び/または、この炉ユニットに付加的に使用され得ることによって、極めて異なる熱処理経過は、自在的に実現可能である。
【0011】
更に別の実施形態において、少なくとも2つの不連続のユニットにおいて、相互間で、モジュールは、それぞれに所属して設けられた輸送装置の間の輸送工程によって交換可能である。
このことによって、類似の機能を満たすモジュールは、異なる不連続のユニットにおいて、または異なる不連続のユニット内において使用され得る。例えば、ローラーテーブルは、圧延スタンドの間においてと同様に、炉ユニットの領域内においても使用され得る。このことによって、予保持されるモジュールの数は低減され得、且つ、投資経費が降下する。
【0012】
有利には、長さグリッドに前記圧延ラインを分離するために、有利には0.25mから5mまで、更に有利には0.25mから1mまでの基礎長さが存在し、および、
前記圧延ラインの、前記不連続のユニット、及び/または、前記モジュールの寸法が、1つの基礎長さに相応するか、または、前記基礎長さの整数倍である。
このことは、ユニット及び/またはモジュールの規格化のための容易な可能性を具現する。同様に圧延ラインの一部が、旧来、強固に設置された機構ユニットとして構成されている場合でも、この構成は、保守と、場合によっては圧延ラインの改造とを容易化する。
【0013】
模範的に、分割された前記不連続のユニットは、熱処理ユニットによって形成されており、および、
前記熱処理ユニットの少なくとも1つのモジュールが、炉モジュール、ローラーテーブルモジュール、カプセル化されたローラーテーブルモジュール、冷却区間モジュール、表面処理モジュール、及び/または、測定区間モジュールによって形成されている。
合目的な熱処理は、仕上げ製品の特性の調節のための重要なファクターを具現する。ラインの改善された適合可能性によって、迅速に、新しい特性または最適化は行われ得る。
【0014】
少なくとも、前記炉モジュールは、ローラーコンベヤ炉モジュールとして、または、誘導加熱モジュールとして形成されている。
これらモジュールの交換によって、迅速に、熱処理の際に理想的な温度管理が実現され得、これら温度管理は、強固に設置された設備によって、この形態及び/または速度において可能ではなく、または、変化され得ない。
【0015】
更に、分割された前記不連続のユニットが、粗圧延ユニットによって形成されており、および、
- 前記粗圧延ユニットの少なくとも1つのモジュールが、有利には駆動される2つのワークロール及び/または2つのバックアップロールを有する粗圧延スタンドによって形成されている場合、有利である。
特に、粗圧延の領域内における、≧6%、有利には≧10%の直径相違を有するワークロールセットの適合によって、迅速に、変化された鋳造製品または原製品に対して応動され得る。
【0016】
分割された前記不連続のユニットが、仕上げ圧延ユニットによって形成されており、および、
- 前記仕上げ圧延ユニットの少なくとも1つのモジュールが、有利には駆動される2つのワークロール及び/または2つのバックアップロールを有する仕上げ圧延スタンドによって形成されている場合、有利である。
このユニット内におけるモジュールの交換によって、特に、材料特性、製品特性、及び/または、品質要求に対して応動され得る。例えば、1つの圧延スタンド内において設けられているワークロールが、≧6%、有利には≧10%の直径相違を有するワークロールに対して交換され得る。これら圧延スタンドにおいて、ワークロール及び/またはバックアップロールが交換可能である場合、同様に有利である。更に、同様に、冷却区間、ローラーテーブル、または、加熱装置も交換され得る。
【0017】
有利には、前記圧延ラインは熱間圧延ラインである。
熱間圧延ラインにおいて、通常、高い炉温度が意図されており、且つ、温度管理の変更が、従来技術から公知の設備において相応して多くの時間を必要とする。例えば、より低温の炉モジュールによる、高温の炉モジュールの交換によって、温度曲線は、明確により迅速に、変化されたプリセットに対して適合され得る。
【0018】
熱間圧延ラインに有利には前接続された鋳造装置によって、異なる鋳造製品、有利には異なる材料及び/または寸法が生成可能であり、および、
前記鋳造製品、特に薄スラブ、スラブまたはビレットが、鋳造プロセスおよび凝固プロセスの直後に前記熱間圧延ラインに供給可能である。
ここで使用される趣旨における「直接的に」は、鋳造製品が、通常、周囲温度へと冷却しないことを意味する。このことは、所定の材料グループまたは材料種類のために、しかしながら必要である可能性がある。この場合、有利には、鋳造製品の導出もしくは導入、および、合目的な熱処理のための可能性は意図されるべきである。特に、寸法および材料の大きな可変性を有する鋳型鋳物(Kokillenguss)からの鋳造製品の熱間成形において、圧延ロール間隙適合は、利点であり得る。
連続鋳造法による鋳型鋳物において、大抵の場合、材料に関しての最適化は、最も効果的である。
【0019】
模範的に、前記鋳造装置は連続鋳造設備であり、および、鋳造製品の寸法変更のために鋳型が交換可能である。
鋳型の交換によって、連続鋳造設備の装入量は、鋳込みストランドの固定の数において、迅速に変化され得る。このことによって、生産性能と品質とは、相互に適合可能であり、その際、同様にこのことと関連する熱間圧延ラインも、モジュールの交換によって適合され得る。
【0020】
交換可能な鋳型を有する連続鋳造設備、粗圧延ユニットの手前の熱処理ユニット、前記粗圧延ユニットと前記仕上げ圧延ユニットとの間および前記仕上げ圧延ユニットの後の熱処理ユニットが設けられており、および、
粗圧延ユニットと仕上げ圧延ユニットとの間の前記熱処理ユニットが、少なくとも2つのモジュールを有している。
このことは、基礎構造において、通常の熱間圧延ラインに相応し、この熱間圧延ラインが、本発明に従うモジュール化によって、異なる寸法および材料に対して自在的に適合可能である。仕上げ製品は、ここで、有利には、熱間ストリップもしくはシートバーまたは黒ロッド(schwarzer Stab)である。
モジュール、有利には粗圧延ユニットと仕上げ圧延ユニットとの間の前記熱処理ユニットのモジュール、並びに、両方の圧延ユニットの内の1つの圧延ユニットの有利な交換により、前記モジュール式の圧延ラインは、異なる材料および寸法に適合可能である。
【0021】
更に、前記圧延ラインのための上位の制御装置または調節装置と、
設けられた前記不連続のユニット及び/またはモジュールのための、前記上位の制御装置または調節装置とそれぞれに接続された制御装置または調節装置とが設けられており、および、
- 前記上位の制御装置または調節装置によって、有利には自動化されたモジュールの交換が、誘起可能および有利には実施可能である場合、有利である。
モジュール化は、熱間圧延ラインの自在性並びに複合性を、明確に、従来技術に相応する熱間圧延ラインに比して向上する。相応する制御装置または調節装置は、異なるプロセス管理及び/または仕上げ製品に対する、熱間圧延ラインの設備管理および合目的な最適化を容易化する。
【0022】
更に、本発明の課題は、有利には、請求項16の特徴を有する、請求項1から15のいずれか一つによるモジュール式の圧延ラインの作動のための方法によって解決される。
仕上げ製品のサイズ変更及び/または材料変更が所望された場合、前記圧延ライン内におけるプロセス管理は、予め与えられた生産パラメータを基礎として、
以下の作業ステップ:即ち、
生産パラメータが、前記モジュールの内の少なくとも1つのモジュールの適合、特に圧延ロール間隙適合及び/または冷却パラメータによって、達成可能であるかどうかについての、
通過区間内において存在するモジュールの検査;および、
前記生産パラメータの維持のために適当なモジュールとの、不適当なモジュールの交換、有利には自動化された交換、
の作動ステップによって適合される。
不適当なモジュールの交換、特に自動化された交換は、手間暇がかかる改造が行われる必要無しに、変化された要求に対する熱間圧延ラインの適合を可能にする。モジュール化および規格化された構造との関連における、設けられた輸送装置によるモジュールの交換によって、交換のために必要な時間は、1つのモジュールの交換が、如何なる重要な作動中断も意味しない程に低減され得る。
有利には、この目的のために、モジュールの前記交換は、90分、更に有利には30分、なお更に有利には10分内において行われる。特に有利には、交換は、通過区間に対して側方に、極めて有利には通過区間の長手方向延在に対して側方におよび垂直方向に行われる。
【0023】
輸送装置を用いての交換は、本発明に従う趣旨において、限定された数の作業ストップによって、熱間圧延ラインの1つのモジュールが、他のモジュールに置換され得ることを意味する。この目的のために、先ず第一に、例えば隣接するモジュール及び/または結合構造部材のための連結装置が解離される。
引き続いて、モジュールは、水平方向及び/または垂直方向の移動によって、外へと移動され、且つ、他のモジュールが、この位置に移動される。媒体供給は、模範的な場合において、その際、存続するべきである。このことによって、例えば、炉温度または炉雰囲気は、維持された状態に留まる可能性がある。
この目的のために、両方のモジュールが、解離可能に、共通の装置に装着されていることは可能であり、且つ、交換が、レール構造の上での横方向移動を介して行われる。通過区間内において位置しないモジュールは、必要に応じて、その場合に、装置から解離され得、且つ、他のモジュールに置換され得る。このことによって、継続的な作動状態における圧延ラインの自在性および適合可能性は、明確に向上する。
【0024】
前記生産パラメータの維持のために適当なモジュールが交換可能でない場合、
有利な前記上位の制御装置または調節装置は、代替的なサイズ及び/または材料を提案する。
このことによって、特に、異なる複数のモジュールが貯蔵してある場合、誤生産は回避され、且つ、プロセス信頼性が向上する。この選択的な提案は、同様に、製鋼所および圧延機の、存在する支配的な製造計画部、および、欠如している支配的な製造計画部における、論理的な生産計画を注視して意味がある。
【0025】
前記圧延ライン、有利には熱間圧延ラインの前記制御装置または調節装置のための、前記上位の制御装置または調節装置が、不連続のユニット及び/またはモジュールのためのプロセスモデルを使用する場合、有利である。
このことによって、プロセス設定の最適化が容易化され、且つ、仕上げ製品の品質が改善される。
【0026】
前記上位の制御装置または調節装置は、模範的に、製造計画部とデータを交換する。
このことによって、必要とされるモジュールは、交換の以前に準備され得る。このことによって、生産の中断及び/または立ち上がり曲線(Hochlaufkurve)は短縮され得る。例えば、炉モジュールは、ラインの外部で目標温度へと加熱され得る。
【0027】
前記上位の制御装置または調節装置は、製造計画部との関連で、製品順序を、材料、寸法、装入量、及び/または、期限に関して最適化する。
このことによって、交換工程の数は、必要最小限に低減され得る。
【0028】
本発明の明細書に、以下の3つの図が添付されている。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【
図2】連続鋳造設備を有する熱間圧延ラインの設備図式の図である。
【
図3】炉モジュールの例示における、輸送装置を有するモジュール交換の図である。
【発明を実施するための形態】
【0030】
本発明を、以下で、実施例の様式における上述された図の関連のもとで、詳細に説明する。全ての図内において、同じ技術的な要素は、同じ参照符号でもって示されている。
【0031】
図1は、n
1からn
xまでを有する、不連続のユニットnへの分割を有する圧延ライン1の概要図を図示している。これら不連続のユニットnの幾つかの不連続のユニットは、m
1からm
yまでを有する、モジュールmへの少なくとも1つの分割を有している。
この例示において、圧延ライン1は、不連続のユニット、熱処理ユニットn
2、粗圧延ユニットn
3、仕上げ圧延ユニットn
4、並びに、輸送ユニットn
5へと分割されている。不連続のユニットn
2とn
3とは、この例示において、交換可能なモジュールmを有している。
これらモジュールの交換は、不連続のユニットに所属して設けられた輸送装置Tを用いて行われる。
【0032】
図2は、前接続された連続鋳造設備6を有する、金属の平板製品ための、熱間圧延ライン1の概略図を示している。連続鋳造設備6は、少なくとも1つの不連続のユニットn
6から成っており、熱間圧延ライン1が、不連続のユニットnとして、予熱ユニットn
21、粗圧延ユニットn
3、中間加熱ユニットn
22、仕上げ圧延ユニットn
4、輸送ユニットn
5、並びに、巻き取りユニットn
8、並びに、種々の分離ユニットn
7を有している。
この圧延ライン1が、例えば、スケール洗浄装置、場合によっては有り得る誘導加熱装置、等のような、更に別のユニットを、図内において図示されたモジュールもしくはユニットに対して付加的に有していることは可能である。
【0033】
連続鋳造設備6の不連続のユニットn6は、この実施例において、鋳型の形態での交換可能なモジュールmを有している。連続鋳造設備6のモジュールmとしての鋳型m6.1が、その際、ホッパー形状に構成されていることは可能である。選択的に、交換モジュールとして平行な鋳型m6.2は使用される。
ホッパー形状鋳型によって、既に凝固工程において厚さ収斂が行われ得る。このホッパー形状の鋳型は、特に100mmから130mmまでの範囲内における鋳造厚さのために適している。平行な鋳型m6.2によって、特に迅速な凝固、並びに、大きな鋳造厚さが実現可能である。この平行な鋳型は、例えば、150mmの、より大きな鋳造厚さのため、並びに、有利には包晶的な材料および鋼管用鋼の製造のために使用され得る。
【0034】
図2に従う本実施例において、予熱ユニットn
21は、非モジュール式の不連続のユニットnとして構成されている。
本発明に従い、この非モジュール式の不連続のユニットは、少なくとも1つの交換可能なモジュールを有する不連続のユニットによって置換され得る。従って、匹敵可能なモジュールmは、後に説明される中間加熱ユニットn
22と交換可能である可能性がある。
【0035】
粗圧延ユニットn3は、この実施例において、2段ロールスタンドの粗圧延ユニットとして、駆動されるワークロールを有する4ロール構造様式において構成されている。圧延スタンド数は、通常、1から3までの間で変化可能である。
交換可能なモジュールmは、この例示において、ワークロールセットm3.1およびm3.2であり、これらワークロールセットが、異なる直径範囲を有している。両方のワークロールセットの間のワークロール直径範囲は、通常のワークロールの摩滅領域にわたって約10%を超えて相違し、且つ、変化させられる成形条件を調節することを許容する。
例えば、ワークロールモジュールm3.1が、1050mmから950mmまでの直径範囲を有していることは可能であり、且つ、150mmまでの大きな鋳造厚さの粗圧延のために使用される。交換可能なワークロールモジュールm3.2が、例えば、950mmから850mmまでの直径範囲を有していることは可能である。
他のワークロール直径範囲を有する他のワークロールセットとの、1つのワークロールセットの形態でのモジュール交換は、本発明の趣旨において、圧延ロール間隙適合を発生させる。ワークロールセットm3.1、m3.2のモジュール交換は、ワークロール交換装置の形態での輸送装置Tによって行われ、このワークロール交換装置が、交換されるべきワークロールを、ロールスタンドから除去し、且つ、交換ロールを導入する。
【0036】
ワークロールセットm3.1およびm3.2のワークロール直径範囲の実施される例示において、寸法範囲の一致が可能であることは明確になる。これら寸法範囲は、絶対に意図されている。何故ならば、これら寸法範囲が工業技術的に有意義な生産可能性の完全且つ包括的なカバーを提供し、且つ、これに伴ってこの生産の自在性の改善のために寄与するからである。
【0037】
中間加熱ユニットn22は、この実施例において、固定の割合分と、4つのモジュールm22.1、m22.2、m22.4およびm22.5とを有する不連続のユニットの形態で構成されている。2つのモジュールm22.1、m22.2は、個々のローラーコンベヤ炉モジュールとして構成されており、且つ、通過区間Dに沿って相前後して配置されている。更に、モジュールm22.4とm22.5とは、開放性のローラーテーブルの形態で、交換モジュールとして使用される。
交換モジュールm22.4とのモジュールm22.1の交換によって、及び/または、交換モジュールm22.5とのモジュールm22.2の交換によって、開放性のローラーテーブルから成る中間加熱ユニットn22の部分長さが生じ、ここで、粗ストップが相応する冷却に曝されている。
【0038】
他のモジュール構成は、このことによって同様に考慮可能である。従って、通過区間Dに沿ってのモジュール数が、m
22.1からn
22.xまで適宜に大きく選択されていることは可能であり、同じことが、交換モジュールの数及び/または様式に関しても言える。
従って、図示されていない変形例において、個々の、通過区間(D)内において設備されたローラーコンベヤ炉モジュールm
22.1が、個々の開放性のローラーテーブルモジュールm
22.4、または、選択的に、カプセル化されたローラーテーブルモジュールm
22.6、または、選択的に、冷却区間m
22.7等と交換されることは可能である。輸送装置Tとして室内クレーンが使用され得、
図3内において詳細に説明されているような、自動化可能な実施形態が有利である。
【0039】
本実施例の仕上げ圧延ユニットn4は、非モジュール式の不連続のユニットとして構成されている。この実施例において、圧延ユニットn4は、6ロールスタンド式の仕上げ圧延ラインとして、駆動されるワークロールを有する4ロール構造様式において構成されている。
仕上げ圧延ユニットn4が、示されていない選択肢において、同様にモジュール式の不連続のユニットとして形成されていることも可能である。その場合に、粗圧延ユニットn3の原理に従う、異なるワークロール直径を有する交換モジュールまたは冷却装置が使用され、しかしながら、同様に、矯正機構ユニット、付加的な冷却装置、及び/または、中間ロールスタンド加熱装置のような、中間ロールスタンド装置の形態での、他の交換モジュールが設けられていることも可能である。
【0040】
圧延ライン1は、更に、この実施例において統合された冷却区間モジュールm5.4、並びに、巻き取りユニットn8を備える、輸送ユニットn5を有している。冷却区間モジュールm5.4と巻き取りユニットn8との、可能な種々の実施形態は、当業者にとって従来技術から公知である。
【0041】
示された制御装置Cは、ここで、信号技術的に、モジュールmを有するそれら不連続のユニットnと接続されている。図示された圧延ライン1内において、これらユニットは、モジュールm6.1とm6.2とを有する連続鋳造設備6、モジュールm3.1とm3.2とを有する粗圧延ユニットn3、並びに、モジュールm22.1、m22.2、m22.4およびm22.5を有する中間加熱ユニットn22である。
【0042】
図3aと
図3bとは、概略的に、輸送装置Tによるモジュールmの交換を、中間加熱ユニットn
22、並びに、輸送ユニットn
5の例示において、側面図(
図3a)と平面図(
図3b)で示している。
図3内において、種々の輸送装置Tおよび実施形態は、例示の目的のために、互いに組み合わせされて図示されている。
【0043】
中間加熱ユニットn22は、通過区間D内において相前後して配置されているモジュールm22.1、m22.2、および、m22.3から成っており、これらモジュールが、ローラーコンベヤ炉モジュールとして構成されている。モジュールmのそれぞれのモジュールは、輸送装置Tの内の1つの輸送装置に所属して設けられたレールシステムS1の上で支承されており、このレールシステムが、通過区間に対して横向きに、二方向矢印P1の方向に延在し、且つ、このレールシステムの上で、通過区間に中へと、もしくは、この通過区間から外へと移動可能なモジュールmが輸送され得る。
平面図内において、このレールシステムは、一点鎖線で図示されている。通過方向に対して隣接する位置において、2つの交換モジュールが支承されており、この場合、開放性のローラーテーブルm22.4とカプセル化されたローラーテーブルモジュールm22.6とが、通過区間Dに対して平行に位置決めされている。
【0044】
実施形態の変形例において、ローラーテーブルモジュールm22.3は、同時に、接続された作業工程によって、簡単な部分自動化されたまたは全自動化された方法で、開放性のローラーテーブルm22.4と交換され得る。
この目的のために、輸送装置Tの更に別の構成要素としてのシリンダーT1が、ローラーテーブルモジュールm22.4に連結し、且つ、両方のモジュールが、共に、通過区間Dに対して垂直方向に移動され、従って、このローラーテーブルモジュールm22.4が、いまや、この通過区間内において位置決めされている。
【0045】
中間のローラーコンベヤ炉モジュールm2.22の例示において図示されている、更に別の実施形態の変形例において、選択的に、モジュールm22.4、または、モジュールm22.6が、交換モジュールとして使用され得る。この実施形態の変形例のために、輸送装置Tに所属する第2のレールシステムS2が、通過区間Dに対して平行に設けられている必要があり、この第2のレールシステムが、実線と破線でもっての二重線によって、矢印P2の方向に延びている。
ローラーコンベヤ炉モジュールm2.22の交換のために、第2のレールシステムS2の上での位置は、通過区間Dに対して横向きに、先ず第一に空けられている(unbelegt)必要がある。輸送装置Tに所属する、この変形例においてピニオンとラックを有するモータとしての駆動装置T2によって、ローラーコンベヤ炉モジュールm2.22は、通過区間Dから外へと、矢印P2の方向における輸送道程の軸線の上に輸送され、且つ、引き続いてレールセットS2の上で移動される。
カプセル化されたローラーテーブルモジュールm22.6が、通過区間D内へと導入されるべき場合、レールセットS2の上に位置するモジュールmは、モジュールm22.6が中間のモジュールの輸送装置のレールシステムの手前に位置し且つ引き続いて通過区間D内へと輸送され得るように移動される。ローラーコンベヤ炉モジュールm2.21は、同様に交換され得る。
【0046】
2つの不連続のユニットnの間のモジュールmの交換は、輸送ユニットn5を注視して図示されている。輸送ユニットn5は、2つのローラーテーブルモジュールm5.1とm5.2とを有しており、これらローラーテーブルモジュールが、所属して設けられた輸送装置Tを介して、レールS3の上で移動され得る。輸送可能性は、中間加熱ユニットn22に対する説明の輸送可能性に相応する。
輸送ユニットn5に、付加的な誘導加熱モジュールm5.3が所属して設けられている。ローラーテーブルモジュールm5.2は、先に説明された方法により、例えば、修理の理由から、中間加熱ユニットn22に所属して設けられたローラーテーブルモジュールm22.4と交換され得る。矢印P1とP2との方向における位置決めおよび移動は、既に説明されているように行われる。
同様に、輸送ユニットn5に所属して設けられた誘導加熱モジュールm5.3は、輸送ユニットn5の内部で、ローラーテーブルモジュールm5.1の代用をし、且つ、これに伴って全加熱性能が向上し、選択的に、必要の際に中間加熱ユニットn22の内部での適宜な位置に導入され得る。異なる2つの不連続のユニットnの間のモジュールmの交換は、これに伴って、全設備の自在性を付加的に拡大可能である。
【0047】
図4は、上位の制御装置Cの作業方法のための実施例を示している。
制御装置Cは、合金、寸法、および、冶金学的な特性に関する、製造されるべき目標製品のためのデータを受け取る。更に、制御装置Cは、通過区間D内における、これら不連続のユニットのモジュールm
1からm
yまでと、交換モジュールとを有する、全ての不連続のユニットn
1からn
xまでの現在の構成を周知している必要がある。この構成から、現在の設備構成が与えられる。
次の工程において、目標製品の製造が、通過区間D内における、それら不連続のユニットのモジュールmを有する、全ての不連続のユニットnの現在の構成によって可能であるかどうかが検出される。この目的のために、制御装置は、広範囲の計算を行う。制御装置が、計算のために、更に別の計算システムと接続されているか、または、データが交換可能である場合、有意義である。
鋳造モデルまたはパススケジュール計算機との接続は、決定のために必要な計算を補助および容易化を可能にする。冷却モデル、プロフィルモデル、および、平坦度モデル、例えば1つのモデルを基礎としたエネルギー消費量計算、並びに、更に別のモデルとの接続が、意図されていることは可能である。
【0048】
計算の結果が、目標製品の製造が現在の設備構成において可能であることを肯定する場合、製造が開始される。製造可能性が否定された場合、制御装置は、代替的な目標製品が製造されるべきかどうかを質問する。
【0049】
このことが肯定された場合、変更された目標製品がセッティングされる。新しい目標製品のセッティングによって、自体、向上された生産性のための、必要なモジュール交換のための短い停止は回避され得、且つ、全ての不連続のユニットの単一の設備構成で製造され得る製品が、シーケンスとして製造され得る。
この理由から、新しい目標製品のセッティングを、生産計画システムまたは生産案内計画(Produktionsleitplanung)と接続することは有益である。例えば、ロール交換または鋳型交換のための規則的なインターバルを意図可能であるメンテナンス計画との接続は、付加的にこの決定に対して影響を及ぼす。
【0050】
代替的な目標製品の製造が拒絶された場合、制御装置は、モジュールmの必要な構成を、通過区間内における全ての不連続のユニットnの構成との関連において検出する。
その次のステップにおいて、必要な構成を達成するためにそれらモジュールの交換が必要である、そのようなモジュールmの必要な交換が開始される。これに伴って、通過区間D内における、モジュールmを有する全ての不連続のユニットnの実現化された新しい構成が、目標製品の製造のために提供される。
【0051】
選択的に、制御装置が、更に付加的に、目標製品の製造のための作動モードの交換を組み込むことは可能である。このことは、
図4内において、破線で描かれた付加的な質問と設定とによって図示されている。
種々の作動モードにおける熱間圧延ライン1の作動は、この熱間圧延ラインの自在性とこの熱間圧延ラインの生産多様性を向上する。エンドレス製造からバッチ式作動に至るまでの作動モード、並びに、種々の中間形態は、当業者にとって従来技術から公知であり、且つ、ここで更に詳細に説明しない。
熱間圧延ライン1のモジュール式の構造との関連において、複数の作動モードの使用可能性において、更により高い自在性と、更により大きな生産多様性とは達成され得る。
【0052】
制御装置の作動方法のために、現在の作動モードが周知である必要がある。代替的な目標製品の製造による質問が否定された場合、結果として、意図された目標製品が他の作動モードによって製造可能であるかどうかが検出される。この目的のために、制御装置は種々の計算を行い、これら計算が、既に実行されたモデル、等によって補助され得る。
この質問が肯定された場合、作動モードは変更され、且つ、目標製品の製造がこのことによって可能にされる。この質問が否定された場合、モジュールmの必要な構成の検出のための、通常の後続のステップが開始される。
【0053】
制御装置Cが、オンラインで、熱間圧延ライン1及び/または連続鋳造設備6と、信号技術的に接続されていることは可能である。この制御装置が、しかしながら同様に、オフラインで作業することも可能である。オフライン作動は、生産順序をシミュレート可能であり、且つ、これに伴って、生産の前もっての計画を予最適化する。
【0054】
熱間圧延設備の全体観察と、複数のモジュールmの内の少なくとも1つのモジュールを有する不連続のユニットnへの熱間圧延設備の分割とによって、個別機構ユニットの個々の観察から離れて、モジュールmを有する接続されたユニットnから成る全システムへの1つのステップが行われる。
通過区間Dの内部での、不連続のユニットnの総和との関連における、モジュールmの構成は、しかしながら同様に使用される交換モジュールとしても、全ての熱間圧延設備を、これら熱間圧延設備の自在性と、これら熱間圧延設備の可能な生産多様性とに関して、拡大することを許容する。
【符号の説明】
【0055】
1 圧延ライン
6 連続鋳造設備
C 上位の制御装置
D 通過区間
m モジュール
m22.1 ローラーコンベヤ炉モジュール
m22.2 ローラーコンベヤ炉モジュール
m22.3 ローラーコンベヤ炉モジュール
m22.4 開放性のローラーテーブルモジュール
m22.5 開放性のローラーテーブルモジュール
m22.6 カプセル化されたローラーテーブルモジュール
m22.7 冷却区間モジュール
m3.1 粗圧延ユニットモジュールとしての、第1のワークロールモジュール
m3.2 粗圧延ユニットモジュールとしての、第2のワークロールモジュール
m5.1 ローラーテーブルモジュール
m5.2 ローラーテーブルモジュール
m5.3 誘導加熱モジュール
m5.4 冷却区間モジュール
m6.1 連続鋳造設備の第1のモジュールとしての、ホッパー形状の鋳型
m6.2 連続鋳造設備の第2のモジュールとしての、平行な鋳型
my モジュールy
n 不連続のユニット
n1 輸送ユニットとしての第1の不連続のユニット
n2 熱処理ユニットとしての第2の不連続のユニット
n21 予熱ユニット
n22 中間加熱ユニット
n23 駆動装置
n24 駆動装置
n3 粗圧延ユニット
n4 仕上げ圧延ユニット
n5 輸送ユニット
n7 分離ユニット
nx 不連続のユニットx
P1 方向矢印
P2 方向矢印
S1 レール
S2 レール
S3 レール
T 輸送装置
T1 シリンダー
T2 駆動ユニット
【国際調査報告】