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特表2023-505918ホログラフィックディスプレイ装置及び使用方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-02-14
(54)【発明の名称】ホログラフィックディスプレイ装置及び使用方法
(51)【国際特許分類】
   G02B 30/56 20200101AFI20230207BHJP
【FI】
G02B30/56
【審査請求】未請求
【予備審査請求】有
(21)【出願番号】P 2021577325
(86)(22)【出願日】2020-12-04
(85)【翻訳文提出日】2022-03-18
(86)【国際出願番号】 US2020063423
(87)【国際公開番号】W WO2021113719
(87)【国際公開日】2021-06-10
(31)【優先権主張番号】62/944,546
(32)【優先日】2019-12-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.HDMI
2.BLUETOOTH
(71)【出願人】
【識別番号】521564803
【氏名又は名称】ポートル,インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100079108
【弁理士】
【氏名又は名称】稲葉 良幸
(74)【代理人】
【識別番号】100109346
【弁理士】
【氏名又は名称】大貫 敏史
(74)【代理人】
【識別番号】100117189
【弁理士】
【氏名又は名称】江口 昭彦
(74)【代理人】
【識別番号】100134120
【弁理士】
【氏名又は名称】内藤 和彦
(72)【発明者】
【氏名】ヌスバウム,デイビッド
【テーマコード(参考)】
2H199
【Fターム(参考)】
2H199BA32
2H199BA43
2H199BA49
2H199BB18
2H199BB30
2H199BB52
2H199BB59
2H199BB67
2H199BB68
(57)【要約】
ホログラムライク画像を提示するホログラフィックディスプレイ装置及び使用方法を開示する。ホログラフィックディスプレイ装置は、ボックス状構造と、半透明パネルと、ボックス状構造の全長にわたって延びる照明パネルと、を含む。照明パネルは、ボックス状構造と半透明パネルとの間に位置する。ホログラフィックディスプレイ装置は、ボックス状構造のフロントエンドにおいてボックス状構造とつながる透明モニタを含む。透明モニタは、画像を受け取って表示する。照明パネルは照明を照射し、半透明パネルは、照明を内部において拡散、融合、並びに均一分散させる。影がモニタに送られることにより、見た目がリアルになる。透明モニタに表示される画像をキャプチャするユニークな画像キャプチャシステムも開示する。画像キャプチャシステムは、有線又は無線のプロトコルを使用して、画像をホログラフィックディスプレイ装置に、リアルタイムで又は事前収録画像として送信する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ホログラムライク画像を提示するホログラフィックディスプレイ装置であって、前記ホログラフィックディスプレイ装置は、
ボックス状構造と、
半透明パネルと、
前記ボックス状構造のほぼ全長にわたって延びる照明パネルであって、前記照明パネルは、前記ボックス状構造と前記半透明パネルとの間に位置する、照明パネルと、
前記ボックス状構造のフロントエンドにおいて前記ボックス状構造とつながる透明モニタであって、前記透明モニタ及び前記半透明パネルは前記ボックス状構造の内部を形成する、透明モニタと、
を含み、
前記透明モニタは画像を受け取って表示し、前記透明モニタに表示される前記画像をホログラムライク画像として提示する為に、前記照明パネルは照明を照射し、前記半透明パネルは、前記照明を前記内部において拡散、融合、並びに均一分散させる、
ホログラフィックディスプレイ装置。
【請求項2】
前記半透明パネルは、継ぎ目のない半透明パネルを形成することによって、前記透明モニタに表示される前記ホログラムライク画像をよりリアルにする為に、湾曲エッジを含む、請求項1に記載のホログラフィックディスプレイ装置。
【請求項3】
前記半透明パネルはアクリル材料で作られる、請求項1に記載のホログラフィックディスプレイ装置。
【請求項4】
前記透明モニタを包囲するモニタフレームであって、前記モニタフレームは、前記透明モニタに表示される前記画像の視野角を制御する、モニタフレームを更に含む、請求項1に記載のホログラフィックディスプレイ装置。
【請求項5】
前記モニタフレームは、内向きにくぼんで、前記透明モニタに表示される前記画像の前記ホログラムライク画像の効果を強化する、請求項4に記載のホログラフィックディスプレイ装置。
【請求項6】
前記透明モニタは画像ソースから前記画像を受け取り、前記画像ソースは、前記ホログラフィックディスプレイ装置とは別の場所に位置する、請求項1に記載のホログラフィックディスプレイ装置。
【請求項7】
前記画像ソースは、携帯電話、デジタルカメラ、ラップトップ、及びデスクトップのいずれかを含む電子デバイスである、請求項1に記載のホログラフィックディスプレイ装置。
【請求項8】
前記ボックス状構造につながるスピーカを更に含み、スピーカは、インタラクティブ体験を提示する為に、前記透明モニタに表示される前記画像と同時にオーディオを出力する、請求項1に記載のホログラフィックディスプレイ装置。
【請求項9】
前記ボックス状構造につながるカメラを更に含み、前記カメラは、前記ホログラフィックディスプレイ装置の視野をキャプチャし、前記画像ソースに送信することを可能にし、前記視野をキャプチャすることは、前記ホログラフィックディスプレイ装置と前記画像ソースとの間のリアルタイムインタラクションを促進する、請求項7に記載のホログラフィックディスプレイ装置。
【請求項10】
前記照明パネルは発光ダイオード(LED)ストリップを含む、請求項1に記載のホログラフィックディスプレイ装置。
【請求項11】
被写体の画像をキャプチャし、前記画像に対応するホログラムライク画像を提示するシステムであって、前記システムは
画像キャプチャシステムであって、
シートと、
被写体の画像を、前記被写体の背景として働く前記シートとともにキャプチャするカメラと、
を含み、
前記画像キャプチャシステムは前記画像をホログラフィックディスプレイ装置に送信する、
画像キャプチャシステムと、
前記ホログラフィックディスプレイ装置であって、
ボックス状構造と、
半透明パネルと、
前記ボックス状構造のほぼ全長にわたって延びる照明パネルであって、前記照明パネルは、前記ボックス状構造と前記半透明パネルとの間に位置する、照明パネルと、
前記ボックス状構造のフロントエンドにおいて前記ボックス状構造とつながる透明モニタであって、前記透明モニタ及び前記半透明パネルは前記ボックス状構造の内部を形成する、透明モニタと、
を含む前記ホログラフィックディスプレイ装置と、
を含み、
前記透明モニタは、前記画像キャプチャシステムから送られた前記画像を受け取って表示し、前記透明モニタに表示される前記画像をホログラムライク画像として提示する為に、前記照明パネルは照明を照射し、前記半透明パネルは、前記照明を前記内部において拡散、融合、並びに均一分散させる、
システム。
【請求項12】
前記被写体を配置するプラットフォームを更に含み、前記プラットフォームは前記被写体の下部部分を反射する、請求項11に記載のシステム。
【請求項13】
前記被写体に照明を照射して前記シート上に前記被写体の影を形成する光源を更に含む、請求項12に記載のシステム。
【請求項14】
前記カメラは、前記被写体と、前記影と、前記プラットフォームによって形成された前記反射と、の前記画像をキャプチャする、請求項13に記載のシステム。
【請求項15】
前記半透明パネルは、継ぎ目のない半透明パネルを形成することによって、前記透明モニタに表示される前記ホログラムライク画像をよりリアルにする為に、湾曲エッジを含む、請求項11に記載のシステム。
【請求項16】
前記ボックス状構造につながる第2のカメラを更に含み、前記カメラは、前記ホログラフィックディスプレイ装置の視野をキャプチャし、前記画像キャプチャシステムに送信することを可能にする、請求項11に記載のシステム。
【請求項17】
前記画像キャプチャシステムは、前記ホログラフィックディスプレイ装置の前記視野においてキャプチャされた情報を受け取り、前記被写体に対して表示するように構成されたフィードリファレンスモニタを含み、前記視野に対応する前記情報を表示することは、前記ホログラフィックディスプレイ装置と前記被写体との間のリアルタイムインタラクションを促進する、請求項11に記載のシステム。
【請求項18】
前記画像キャプチャシステムは、有線又は無線のプロトコルを使用して、前記画像を前記ホログラフィックディスプレイ装置に送信する、請求項11に記載のシステム。
【請求項19】
ホログラムライク画像を提示する方法であって、
ボックス状構造及び半透明パネルを備えることと、
前記ボックス状構造と前記半透明パネルとの間に照明パネルを備えることであって、前記照明パネルは前記ボックス状構造の全長にわたって延びる、前記照明パネルを備えることと、
前記ボックス状構造につながる透明モニタを備えることと、
前記透明モニタと前記半透明パネルとにより前記ボックス状構造の内部を形成することと、
前記透明モニタに表示する画像を受け取ることと、
前記照明パネルを使用して前記内部に照明を照射することと、
前記半透明パネルによって、前記照明を前記内部において拡散、融合、並びに均一分散させることと、
前記透明モニタに表示される前記画像を、十分に照明された内部とともにホログラムライク画像として提示することと、
を含む方法。
【請求項20】
前記受け取られた画像は事前収録されたもの又はリアルタイムで提供されるものである、請求項19に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、参照によって完全な形で本明細書に組み込まれている、2019年12月6日に出願された米国特許仮出願第62/944,546号、件名「ホログラフィックディスプレイ装置及び使用方法」の優先権の利益を主張するものである。
【0002】
本開示の分野
本発明はホログラフィックディスプレイ装置に関し、特に、3次元内部照明ディスプレイボックスのフロントエンドに配置された透明モニタにホログラムライクな画像を表示するホログラフィックディスプレイ装置及び使用方法に関する。
【背景技術】
【0003】
本発明の背景
リアルに見える3次元(3D)オブジェクトを2次元(2D)サーフェス上に提示する為にホログラフィックディスプレイ及びホログラフィックライクディスプレイが使用される。ボックス状構造内で透明な液晶ディスプレイ(LCD)スクリーンを使用することは、そのLCDスクリーンがマウントされている場所にリアルな3D画像を出現させる1つの方法である。しかしながら、LEDモニタは2D画像しか提示できない為、スクリーン上の画像はどの角度から見ても同じに見える(これは、角度によって画像が異なって見える空間光変調器と異なる)。
【0004】
これまでに上述の技術を利用した様々な方法が開示されてきた。そのような一例が米国特許第9,581,962号、件名「3Dシミュレーション画像を生成及び使用する方法及びシステム」(「’962特許」)に開示されている。’962特許は、ライブイベントを管理する3次元画像シミュレーション装置を開示しており、これは、プレゼンタに対応するライブキャプチャデータをキャプチャし、そのライブキャプチャデータに基づいてホログラムデータをリアルタイムで生成する画像キャプチャ装置を含む。出力インタフェースにより、ホログラムデータが、オーディエンスを収容している少なくとも1つの別の場所にリアルタイムでブロードキャストされ、ホログラムデータは、シミュレーション3次元ディスプレイ装置の見かけの視差の効果に基づいてプレゼンタのホログラムを少なくとも1つの別の場所に作り出すことに使用され、ホログラムは、その少なくとも1つの別の場所にプレゼンタが実際に存在するような3次元錯視をオーディエンスに向けて作り出す。更に、入力インタフェースにより、ホログラムとオーディエンスとの間のインタラクションに関するオーディエンスデータが少なくとも1つの別の場所から受け取られ、ディスプレイ装置により、オーディエンスデータに基づく画像がプレゼンタに向けて表示される。
【0005】
別の例が韓国特許出願公開第20170055073号、件名「融合ディスプレイ装置」(「’073公開」)に開示されている。’073公開は、ホログラムとOLED透明ディスプレイとが組み合わされた3次元情報を使用してディスプレイ広告コンテンツ中に組み合わせ型ディスプレイコンテンツを表示することが可能な組み合わせ型ディスプレイ装置に関する。組み合わせ型ディスプレイ装置は、ホログラムフロントサーフェスユニットとディスプレイケースユニットと制御装置ユニットとを含み、ホログラムフロントサーフェスユニットは、ホログラム用画像及びディスプレイ用画像を受け、そのホログラム用画像を形成し、その画像をフロントサイドに向けて反射し、ランプ制御信号に従ってランプの輝度を調節したりランプをオンオフしたりし、ディスプレイケースユニットは、フロントサーフェス上にホログラムフロントサーフェスユニットを有し、フロントサーフェスを通してホログラムフロントサーフェスユニットにディスプレイ対象が表示されることを可能にし、制御装置ユニットは、ホログラム用画像とディスプレイ用画像とが組み合わされた組み合わせ型コンテンツを格納し、このコンテンツをホログラム用画像とディスプレイ用画像とに分離してこれらの画像をホログラムフロントサーフェスユニットに入力し、ランプ制御信号を生成し、このランプ制御信号をホログラムフロントサーフェスユニットに入力する。
【0006】
別の例がPCT国際公開第2018154458号、件名「ホログラムカラオケジュークボックス」(「’458公開」)に開示されている。’458公開は、カラオケシンガーのすぐ隣で一緒に歌う有名人のホログラフィック画像を生成するシステムを開示している。このシステムは、カラオケシンガーが有名人と並んで一緒に歌うのをリモート/ローカルのオーディエンスが知覚することを可能にする。このシステムは、オーディエンスユーザがスマートフォン、タブレット、PC、又はTVモニタを使用してローカルな場所又は世界中のどこかにおけるライブイベント/収録済みイベントにアクセスして、ホログラフィックなパフォーマンス及び/又はイベントを見られることを可能にできる。ローカル及びワールドワイドのイベント/コンテストをローカル及びワールドワイドで観覧することが行われて、誰もが、そのビデオを保存して友人に送ること、及び/又はコンテストに参加しているであろうお気に入りのカラオケシンガーに投票することを可能にする処理が可能である。
【0007】
更に別の例が中国特許第208301373号、件名「ホログラフィックショーカップボード」(「’373特許」)に開示されている。’373特許が提供するホログラフィックショーカップボードは、キャビネットボディと、ホログラフィックプロジェクタと、ホログラフィック画像が投射されるホログラフィックプロジェクタスクリーンと、を有する。
【0008】
更に別の例が中国特許第209248795号、件名「ARインタラクティブホログラフィックホワイトボード」(「’795特許」)に開示されている。’795特許で開示されたARインタラクティブホログラフィックホワイトボードは、シェルと、AR透明液晶ディスプレイスクリーンと、ホログラフィックイメージングリフレクタプレートと、65インチディスプレイスクリーンと、を含む。ディスプレイスクリーンマウント部がシェル上に配置されており、シェルのディスプレイスクリーンマウント部に対応するマウント溝が、隣接する2つの端面に形成されている。AR透明液晶ディスプレイスクリーンは一方の端面のマウント溝にマウントされ、65インチディスプレイスクリーンは他方の端面の設置溝に設置され、ホログラフィックイメージングリフレクタプレートはディスプレイスクリーン設置部に傾斜配置され、ホログラフィックイメージングリフレクタプレートと65インチディスプレイスクリーンとの間の角度は45度であり、AR透明液晶ディスプレイスクリーンと65インチディスプレイスクリーンとの間の角度は15~75度の範囲である。従来の電子ホワイトボードのインタラクティブモードはブレイクスルーされ、AR拡張現実とホログラフィック画像化技術は組み合わせが成立し、ユーザの視覚体験は向上する。
【0009】
本出願中において開示される全ての特許、特許出願、及び非特許文献は、あらゆる目的の為に参照により完全な形で組み込まれている。上述の各開示は、2次元サーフェス上にリアルな3Dライク画像を提示する。それでもやはり、透明LCDホログラフィックディスプレイ装置をよりリアルに見せる為の技術改良が引き続き必要とされている。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の概要
本発明は、透明な液晶ディスプレイ(LCD)モニタ/スクリーンにホログラムライク画像を表示する、新規の改良されたホログラフィックディスプレイ装置を提供する。以下では、本明細書に記載の幾つかの態様についての基本的理解が得られるように本発明の例示的実施形態の概要を提供する。この概要は、特許請求対象についての包括的な概要ではない。これは、特許請求対象の重要な要素もクリティカルな要素も明らかにするものではなく、対象イノベーションの範囲を正確に記述するものでもない。その唯一の目的は、特許請求対象の幾つかの概念を提示することである。
【0011】
ホログラフィックディスプレイ装置の一要素は、しかるべきコンテンツ、即ち画像が透明モニタに提示されたときにホログラフィックディスプレイ装置内でホログラムライク画像効果を提示する。ホログラフィックディスプレイ装置は、ボックス状構造と、半透明パネル(即ち、拡散器)と、ボックス状構造の全長又はほぼ全長にわたって延びる照明パネルと、を含む。一実施態様では、照明パネルは発光ダイオード(LED)ストリップを含む。照明パネルは、ボックス状構造と半透明パネルとの間に位置する。好ましい一実施態様では、照明パネルは、半透明パネルの上部、側部、及び後部に配置される。ホログラフィックディスプレイ装置は、ボックス状構造とつながる透明モニタを含む。透明モニタ及び半透明パネルは、ボックス状構造の内部を形成する。言い換えると、透明モニタ及び半透明パネルは、透明モニタをボックス状構造のフロントに有するボックス状構造を形成する。半透明パネルは、アクリル又は他の組成物で作られて内部で光を拡散させることが可能な半透明材料を備える。
【0012】
本発明の一態様では、透明モニタは画像を受け取って表示する。照明パネルは照明を照射し、半透明パネルは、照明を内部において拡散、融合、並びに均一分散させる。透明モニタに表示される画像は、背景幕において内部が十分照明された状態でホログラムライク画像として表示される。一実施例では、半透明パネルは軟質の湾曲エッジを含むことによって継ぎ目のない即ち連続的な見た目になり、それによって内部は、継ぎ目又は線又はエッジが全くない、よりリアルな背景になる。これにより、透明モニタに画像が表示されたときのホログラム効果が格段にリアルになることが可能である。
【0013】
本発明の別の態様では、本発明は、透明モニタを包囲するモニタフレームを提供する。モニタフレームは、くぼむことによって透明モニタの視野角を制御し、透明モニタに表示される画像のホログラム効果を強化することに役立つ。
【0014】
本発明の一態様では、本発明は、透明モニタに表示される画像をキャプチャする画像キャプチャシステムを提供する。画像キャプチャシステムは、サイクロラマ(cyc)材料によく使用されるシートを含む(これは、可撓ファブリック、紙、更には壁等の固体構造であってよい)。被写体(例えば、人)が立つプラットフォームがシート上に配置される。プラットフォームは、反射性フロアとして働き、被写体の下方/下部部分を反射する。画像キャプチャシステムは、被写体に照明を当てる照明ボックスを含む。照明によって、シートに被写体の影ができ、被写体がプラットフォームに反射する。カメラが被写体、影、及び反射の画像をキャプチャする。その後、画像キャプチャシステムは、(被写体、影、及び反射の)画像をホログラフィックディスプレイ装置に送信する。ホログラフィックディスプレイ装置は、その画像を透明モニタに表示する。透明モニタに表示又は提示される画像は、内部が十分照明された状態でホログラムライク画像として表示され、これにより、透明モニタに表示される画像の深度、寸法、及びリアルさが最大化される。
【0015】
本発明の一態様では、画像キャプチャシステムは、画像をデータストレージデバイス(例えば、ユニバーサルシリアルバス(USB)スティック等)に送る。このデータストレージデバイスは、透明モニタに画像を提示する為にホログラフィックディスプレイ装置に差し込まれる。本発明の別の態様では、画像キャプチャシステムは、画像を電子デバイス(例えば、携帯電話等)に送る。この電子デバイスは、透明モニタに画像を提示する為にホログラフィックディスプレイ装置に画像を送信する。代替として、画像キャプチャシステムは、有線又は無線のプロトコルを使用して、画像をリアルタイムで送信する。
【0016】
本発明の一態様では、ホログラフィックディスプレイ装置は、ボックス状構造に接続されたスピーカを含む。スピーカは、インタラクティブ体験を提示する為に、透明モニタに画像が表示されるときにオーディオ信号を出力する。ホログラフィックディスプレイ装置は更に、上部にマウントされたカメラ(スチルカメラ又はビデオカメラ)を含む。カメラは、その視野(オーディエンス及びオーディエンスの動き)をキャプチャすることに役立ち、被写体とのライブインタラクションの為に画像キャプチャシステムにフィードを送り返す。これにより、被写体はテレプレゼンス効果を有することが可能になる。一実施例では、画像キャプチャシステムは、ホログラフィックディスプレイ装置にマウントされたカメラでキャプチャされた画像又はビデオを表示するフィードリファレンスモニタを備えることにより、被写体及びオーディエンスのリアルなインタラクティブ体験を強化する。
【0017】
添付図面に示される、選択された実施形態の以下の詳細説明を参照することにより、本発明の更なる特徴及び利点がより明らかになるであろう。これから理解されるように、本開示の発明は、本発明の範囲から逸脱しない限り、様々な観点での修正が可能である。従って、図面及び説明は、性質として例示的であるように考えられたい。
【0018】
図面の簡単な説明
以下では、図面を参照しながら本発明を詳細に説明する。図面は、当業者が本発明を実施することが可能になるように、本発明の例示的実施例として提供される。なお、添付図面全体を通して、類似の特徴は類似の参照符号で識別される。注目すべきことに、図面及び実施例は、本発明の範囲を1つの実施形態に限定することを意図されておらず、記載の又は図示された要素のうちの幾つか又は全てを入れ替えることによって他の実施形態も可能になり、更に、図面は以下のとおりである。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1】本発明の一例示的実施形態による、画像キャプチャシステムを使用してキャプチャされる被写体のホログラムライク画像を提示するホログラフィックディスプレイ装置の一環境である。
図2】本発明の一実施形態によるホログラフィックディスプレイ装置の斜視図を示す。
図3】本発明の一実施形態によるホログラフィックディスプレイ装置の分解図を示す。
図4】プラグコネクタでつながれている照明パネルの特徴を示す。
図5】湾曲又は湾曲エッジを有する半透明パネルの側面図を示す。
図6】透明モニタを包囲するモニタフレームの特徴を示す。
図7】底面でホログラフィックディスプレイ装置のボックス状構造につながるデッキの特徴を示す。
図8】ホログラフィックディスプレイ装置の電気/電子コンポーネントのブロック図である。
図9】ホログラフィックディスプレイ装置の電子コンポーネントを示す。
図10】ホログラフィックディスプレイ装置の電子コンポーネントを示す。
図11】ホログラフィックディスプレイ装置の透明モニタに提示される被写体の画像又はビデオをキャプチャする画像キャプチャシステムのセットアップの斜視図を示す。
図12】ホログラフィックディスプレイ装置の透明モニタに提示される被写体の画像又はビデオをキャプチャする画像キャプチャシステムのセットアップの側面図を示す。
図13】本発明の一例示的実施形態による、カメラ、リファレンスモニタ、フィードリファレンスモニタ、及び照明ボックスを有する画像キャプチャシステムの一例示的セットアップを示す。
図14】透明モニタに提示されるホログラムライク画像を示す。
図15】ホログラフィックディスプレイ装置を部屋のコーナーに置くことに関する、本発明の別の実施形態による、三角形の形状/構成を有するホログラフィックディスプレイ装置を示す。
図16】ホログラフィックディスプレイ装置を部屋のコーナーに置くことに関する、本発明の別の実施形態による、三角形の形状/構成を有するホログラフィックディスプレイ装置を示す。
図17】ホログラフィックディスプレイ装置を部屋のコーナーに置くことに関する、本発明の別の実施形態による、三角形の形状/構成を有するホログラフィックディスプレイ装置を示す。
図18】ホログラフィックディスプレイ装置を部屋のコーナーに置くことに関する、本発明の別の実施形態による、三角形の形状/構成を有するホログラフィックディスプレイ装置を示す。
【発明を実施するための形態】
【0020】
実施形態の詳細な説明
以下では、本発明の実施形態が示された添付図面を参照しながら、本発明をより詳細に説明する。しかしながら、本発明は、多様な形態で実施されてよく、本明細書で説明される実施形態に限定されると解釈されるべきではない。むしろ、これらの実施形態は、本開示が十分なものであり、完結したものであるように、且つ、本発明の範囲を当業者に完全に伝達するものであるように提供されている。
【0021】
当然のことながら、ある要素が別の要素に「接している」ように言及された場合、その要素は、直接その別の要素に接してよく、或いは介在要素が存在してもよい。本明細書では、「及び/又は(and/or)」という用語は、関連付けられて列挙されたアイテムのうちの1つ以上のアイテムのあらゆる組み合わせを包含するものである。
【0022】
本明細書では、様々な要素、構成要素、領域、階層、及び/又は区画を説明する為に、第1の、第2の、第3の等の用語を用いる場合があるが、当然のことながら、これらの要素、構成要素、領域、階層、及び/又は区画は、これらの語句によって限定されるものではない。これらの用語は、1つの要素、構成要素、領域、階層、及び/又は区画を、別の要素、構成要素、領域、階層、及び/又は区画と区別する為にのみ用いられる。
【0023】
当然のことながら、図示された要素、構成要素、領域、階層、及び区画は必ずしも正しい縮尺では描かれていない。
【0024】
本明細書で用いられる用語は、特定の実施形態を説明することだけを目的としており、本発明を限定するものではない。本明細書において使用される単数形「a」、「an」、及び「the」は、文脈上明らかに矛盾する場合を除き、複数形も同様に包含するものとする。更に、当然のことながら、「含む(comprises)」及び/又は「含む(comprising)」、又は「含む(includes)」及び/又は「含む(including)」という用語は、本明細書で使用された際には、述べられた特徴、領域、整数、手順、操作、要素、及び/又は構成要素の存在を明記するものであり、1つ以上の他の特徴、領域、整数、手順、操作、要素、構成要素、及び/又はこれらの集まりの存在又は追加を排除するものではない。
【0025】
更に、「下方の(lower)」又は「底部の(bottom)」、「上方の(upper)」又は「上部の(top)」、「左の(left)」又は「右の(right)」、「上方に(above)」又は「下方に(below)」、「前の(front)」又は「後ろの(rear)」等の相対的な語句は、本明細書では、図面に示されるような、1つの要素と別の要素との関係を説明する為に使用されてよい。当然のことながら、相対的な語句は、器具の、図面で描かれる向きに加えて、それ以外の向きも包含するものとする。
【0026】
特に定義されない限り、本明細書で使用されるあらゆる用語の意味は、本発明が帰属する当該技術分野の当業者によって一般的に理解される意味と同じである。更に当然のことながら、語句、例えば、一般的に利用されている辞書において定義されている語句は、関連技術分野及び本開示の文脈におけるそれらの語句の意味と整合性がある意味を有するものとして解釈されるべきであり、本明細書において明示的にそのように定義されない限り、理想化された意味又は過度に形式的な意味として解釈されるべきではない。
【0027】
本明細書では、本発明の例示的実施形態を、本発明の理想化された実施形態を参照して説明する。その為、(例えば)製造技術及び/又は公差の結果として、図示の形状からのばらつきはあるものと考えられたい。従って、本発明の実施形態は、本明細書において例示された領域の特定形状に限定されると解釈されるべきではなく、例えば製造に起因する形状の偏差を含むと考えられたい。本発明は、本明細書において例示によって適切に開示されており、本明細書において明示的に開示されていないいずれかの要素が欠落しても実施可能である。
【0028】
図面を参照すると、図1は本発明の一例示的実施形態による環境10を示しており、環境10では、ホログラフィックディスプレイ装置12が、画像キャプチャシステム18を使用してキャプチャされている被写体16(例えば人)のホログラムライク画像14を表示又は提示する。
【0029】
図2及び図3は、本発明の一実施形態による、ホログラフィックディスプレイ装置12の斜視図及び分解図をそれぞれ示す。ホログラフィックディスプレイ装置12は、コンテナ又はボックス又はハウジング又はボックス状構造20を提供する。一実施例では、ボックス20は、長方形の形状/構成で提供される。但し、当業者であれば理解されるように、ボックス20は、他の形状、例えば、正方形の形状で提供されてもよい。ボックス20は、実物大の成人のホログラムライク画像を展示又は提示するのに十分な大きさであり、例えば、高さが6~7フィート、幅が3フィート、奥行が1~2フィートである。但し、当業者であれば理解されるように、ボックス20は、別の形状及びサイズで提供されてもよい。
【0030】
ボックス20は、下部フレーム22、第1の側部フレーム24、第2の側部フレーム26、上部フレーム28、及び後部フレーム30を備える。下部フレーム22、第1の側部フレーム24、第2の側部フレーム26、及び上部フレーム28のそれぞれは、金属、硬質プラスチック、又は他の任意の適切な材料で作られたL形フレームを備える。第1の側部フレーム24は左側フレームを示し、第2の側部フレーム26は右側フレームを示す。ここで、後部フレーム30は、2つのドアフレーム、即ち、第1のドアフレーム32及び第2のドアフレーム34を含む。第1のドアフレーム32及び第2のドアフレーム34は、当該技術分野において知られている2ドア機構と同様に動作する。第1のドアフレーム32及び第2のドアフレーム34は、電気/電子コンポーネントへのアクセスを容易にする。下部フレーム22、第1の側部フレーム24、第2の側部フレーム26、上部フレーム28、及び後部フレーム30は、締結具又は溶接又は他の任意の既知の機構の支援によってつながっている。上述のように、ボックス20は長方形の構成で提供される。一実施例では、ボックス20は可搬であり、垂直に立つ。一実施例では、ボックス20は、車輪又はキャスタを有するトロリ又は金属製キャディ(図示せず)に載っている。金属製キャディは、ボックス20が1つの場所から別の場所に容易に運ばれることを可能にする。
【0031】
ボックス20は、照明パネル36を包囲する。照明パネル36は、発光ダイオード(LED)パネルを含む。照明パネル36は、ボックス20のほぼ全長にわたって延びる。一実施態様では、照明パネル36は、側部照明パネル38、上部照明パネル40、及び後部照明パネル42を含む。ここで、側部照明パネル38は、第1の側部フレーム24、第2の側部フレーム26に近接してつながっている。上部照明パネル40は上部フレーム28に近接してつながっている。後部照明パネル42は後部フレーム30に近接してつながっている。図4は、プラグコネクタ43でつながっている側部照明パネル38及び上部照明パネル40の特徴を示す。照明パネル36のそれぞれは、互いに約1.25インチの間隔を空けて配置された概ね11個のLEDストリップ44を備える。各LEDストリップ44は、表面実装された一連の発光ダイオード(LED)46を備える。当業者であれば理解されるように、照明パネル36のそれぞれに互いに間隔を空けて配置されるLEDストリップ44の個数は11より多くても少なくてもよく、それらの間隔は等距離であってもなくてもよい。LEDストリップ44の個数及び間隔は、ボックス20のサイズと、ボックス20の内部を照明するのに必要な光量とに依存する。一実施例では、LED 46は、ボックス20の内部を明るく照らす為に60ルーメン/フィートで8000色温度を提供する。
【0032】
更に、ボックス20は半透明パネル48を備える。半透明パネル48は、アクリル又は他の組成物で作られてボックス20内で光を拡散させることが可能な半透明材料を備える。言い換えると、半透明パネル48はアクリル層を備え、光半透明パネルとして働く。ここで、照明パネル36は、ボックス20(即ち、外側ケーシング)と半透明パネル48との間に位置する。一実施態様では、半透明パネル48は乳白色であり、ボックス20及び/又は照明パネル36の全長にわたって延びる。当業者であれば理解されるように、半透明パネルの色及び寸法は、必要に応じて様々であってよい。半透明パネル48は、下部半透明パネル50、側部半透明パネル52、後部半透明パネル54、及び上部半透明パネル56を含む。動作時には、半透明パネル48は、照明パネル36によって生成された高輝度を拡散、融合、並びに均一分散させることに役立つ。
【0033】
図3は、本発明の一実施形態による一例示的半透明パネル48を示している。ここで、下部半透明パネル50及び上部半透明パネル56は、互いに平行に、且つ側部半透明パネル52に垂直に位置する。後部半透明パネル54は、側部半透明パネル52、下部半透明パネル50、及び上部半透明パネル56に垂直に位置する。一実施例では、下部半透明パネル50、側部半透明パネル52、後部半透明パネル54、及び上部半透明パネル56のエッジ同士は90度(継ぎ目が見える直角)でつながっている。別の実施例では、下部半透明パネル50、側部半透明パネル52、後部半透明パネル54、及び上部半透明パネル56のエッジ同士は、例えば5~30度(半径)の湾曲又は傾斜Cを有する。当業者であれば理解されるように、下部半透明パネル50、側部半透明パネル52、後部半透明パネル54、及び上部半透明パネル56のエッジ同士は、湾曲Cが5~30度より大きくても小さくてもよく、そのような実施態様は本開示のホログラフィックディスプレイ装置12の範囲に収まる。図5は、本発明の一例示的実施形態による、下部半透明パネル50、後部半透明パネル54、及び上部半透明パネル56が4インチの半径で設けられた半透明パネル48の側面を示す。半透明パネル48のエッジにおける湾曲Cにより、透明モニタ58にホログラムライク画像14が表示されたときに、ボックス20内で前後に動く被写体16がよりリアルに見える。本発明では、透明モニタ58は、ディスプレイ又はスクリーン又はディスプレイスクリーン、又はタッチスクリーンディスプレイ等を示しており、ボックス20につながっている。透明モニタ58は、図2に示すように、ボックス20のフロントエンドにマウントされる。透明モニタ58は、当該技術分野において知られている液晶ディスプレイ(LCD)スクリーンを含む。更に、透明モニタ58は、本発明の範囲から逸脱しないディスプレイ装置(例えば、LCD、プラズマ、LED、OLED等)を含む。一実施例では、透明モニタ58は、後部フレーム30又は後部半透明パネル54に平行なフラットパネルディスプレイを備える。別の実施例では、透明モニタ58は、ボックス20(即ち、後部フレーム30又は後部半透明パネル54)から外向き又は内向きに広がる湾曲パネルディスプレイを備える。
【0034】
一実施態様では、透明モニタ58は、モニタフレーム又はベゼル60に包囲される。言い換えると、モニタフレーム60は、透明モニタ58を包囲するか又は透明モニタ58の周囲にマウントされる。一実施態様では、透明モニタ58は、被写体16のクリアなホログラムライク画像14を表示する為に4K分解能を有する。更に、透明モニタ58は対角線の寸法が86インチである。当業者であれば理解されるように、透明モニタ58の寸法は86インチより大きくても小さくてもよく、そのような寸法は必要に応じて決まる。一実施例では、透明モニタ58は、モニタブラケット62によりモニタフレーム60にマウントされる。更に、ボックス20はL形ブラケット64を含む。図3及び6は、L形ブラケット64が細長コネクタ66でモニタフレーム60をボックス20及び/又は照明パネル36につないでいる様子を示している。更に、モニタフレーム60は、スピーカ又はオーディオ出力70をつなぐ為のスピーカブラケット68を備える。スピーカブラケット68は、スピーカ70をつなぐ為のL形ブラケット72を備える。好ましい一実施形態では、スピーカ70は、地面から約5フィートの高さにマウントされる。スピーカ70を適切な高さにマウントすることにより、被写体16のホログラムライク画像14が透明モニタ58に表示されたときに被写体16の声をリアルに提示することが可能になる。上述のように、第1の側部フレーム24及び第2の側部フレーム26はL形フレームを含む。ここで、第1の側部フレーム24及び第2の側部フレーム26のそれぞれは、スピーカ70と位置合わせされたスピーカ受け部74を含む。
【0035】
一実施形態では、透明モニタ58は、透明モニタ58にホログラムライク画像14を表示する為の電力を引き込んで入力する為に電気/電子コンポーネントをケーブル78でつなぐパネル76を含む。
【0036】
更に、ボックス20は、下部フレーム22と下部半透明パネル50との間に配置されるデッキ80を含む。一実施態様では、デッキ80は、電力をプラグコネクタ43経由で照明パネル36に供給する為に電源マウントプレート81を備える。図3、6、及び7は、下部フレーム22にマウントされるデッキ80の特徴を示している。
【0037】
更に、ボックス20は、上部フレーム28に第1のカメラ82を含む。上部フレーム28は、第1のカメラ82を配置する為のカメラマウントプレート83を含む。本発明は、上部フレーム28に第1のカメラ82がマウントされることを示しているが、当業者であれば理解されるように、第1のカメラ82は、ボックス20のフロント部に面する他の任意の場所に配置されてもよい。上部フレーム28に第1のカメラ82を設けることにより、ボックス20の視野をキャプチャすることが可能になる。例えば、ホログラフィックディスプレイ装置12がオーディエンスとのインタラクションに使用される場合、第1のカメラ82は、ボックス20の前にいるオーディエンスのアクション又は動きをキャプチャし、そのデータを送信することでテレプレゼンス効果を実現することを可能にする。更に、ボックス20はファン84を含み、ファン84は、ファンブラケット86で第1の側部フレーム24及び第2の側部フレーム26にマウントされる。一実施例では、第1の側部フレーム24及び第2の側部フレーム26は、ファン84と位置合わせされたファン受け部88を含む。ファン84は、ホログラフィックディスプレイ装置12を保護すること、並びにホログラフィックディスプレイ装置12の使用中に外面を低温に保って、人が外側から、即ちボックス20に触ることを可能にすることに役立つ。ファン84は、照明パネル36によって発生した熱い空気を、ボックス20の上部及び下部に配置されたファン受け部88及び/又はベント90(図10)から吹き出す。
【0038】
本発明によれば、半透明パネル48、即ち、下部半透明パネル50、側部半透明パネル52、後部半透明パネル54、及び上部半透明パネル56は前面の透明モニタ58と一緒に、ボックス20内の内部部分又は開放部分又は中空部分92を提供する。ここで、照明パネル36を上部、側部、及び後部に配置することにより、内部92が完全に照明されることが可能になる。使用時には、(照明パネル36とともに)後部、側部、上部、及び下部を覆う半透明パネル48と、フロントエンドを覆う透明モニタ58とが、3次元(3D)内部照明ディスプレイボックスを形成する。
【0039】
図8は、電気/電子コンポーネントからなるホログラフィックディスプレイ装置12のブロック図を示す。ホログラフィックディスプレイ装置12は、ホログラフィックディスプレイ装置12の動作を制御するプロセッサ100を含む。一実施例では、プロセッサ110は、中央処理ユニット(CPU)102、読み出し専用メモリ(ROM)104、ランダムアクセスメモリ(RAM)106、及びグラフィック処理ユニット(GPU)108を含み、これらはバス(図示せず)でつながっている。CPU 102は、ホログラフィックディスプレイ装置12を制御する為のプログラム命令及びデータを格納するメモリ110にアクセスする。メモリ110は、ハードディスク、不揮発性メモリ、又は揮発性メモリとして実施される。CPU 102はまた、メモリ110に格納されている様々なタイプのプログラム、コンテンツ、データ等を使用して様々な動作を実施する。ROM 106は、ホログラフィックディスプレイ装置12をブートする為のコマンドセット等を格納する。ブート直後にGPU 108が、様々なオブジェクト(例えば、アイコン、画像、テキスト等)を含む画面を生成する。
【0040】
ホログラフィックディスプレイ装置12は、放送受信器112、第1のインタフェース114、第2のインタフェース116、信号分離器118、オーディオ/ビデオ(A/V)プロセッサ120、画像信号発生器122、通信インタフェース又はトランシーバ124、入力インタフェース126、照明コントローラ128、音量コントローラ130、及びスイッチ132を含む。更に、プロセッサ102は、透明モニタ58、スピーカ70、及び第1のカメラ82に通信可能に接続する。
【0041】
一実施例では、放送受信器112は、放送信号を放送局又は衛星から有線又は無線で受信し、受信した放送信号を復調する。放送受信器112は、アンテナ又はケーブルを介して伝送ストリームを受信し、これを復調し、デジタル伝送ストリーム信号を出力する。代替として、プロセッサ102が、第1のインタフェース114及び/又は第2のインタフェース116を介して画像及び/又はオーディオ及びビデオ信号を受信する。ここで、第1のインタフェース114はユニバーサルシリアルバス(USB)インタフェースを含む。第2のインタフェース116は、高精細マルチメディアインタフェース(HDMI)インタフェースとインタフェースする。当業者であれば理解されるように、第1のインタフェース114及び第2のインタフェース116は、当該技術分野において知られている他の任意のインタフェースを含んでよい。
【0042】
信号分離器118は、放送受信器112、第1のインタフェース114、及び第2のインタフェース116のいずれかから提供される伝送ストリーム信号を、画像信号とオーディオ信号と付加情報信号とに分割する。更に、信号分離器118は、画像信号及びオーディオ信号をA/Vプロセッサ120に送信する。A/Vプロセッサ120は、放送受信器112、第1のインタフェース114、及び第2のインタフェース116からの入力として与えられるビデオ信号及びオーディオ信号に対して、ビデオデコード、ビデオスケーリング、及びオーディオデコード等の信号処理を実施する。更に、A/Vプロセッサ120は、画像信号供給器122に対して画像信号を出力し、スピーカ70に対してオーディオ信号を出力する。
【0043】
画像信号供給器122は、放送信号において受け取られた画像に対応する画像信号を透明モニタ58に供給する。透明モニタ58は、画像信号供給器160から供給される様々な情報を表示する。
【0044】
トランシーバ124は、様々な種類の外部装置と様々な通信方法で通信する。トランシーバ124は、Wi-Fiチップ、セルラチップ(SIMカード)、及び/又はBluetoothチップを含む。一例示的実施態様では、トランシーバ124は、USBコネクタが接続されるUSBポート(第1のインタフェース114と同様)と、LAN等の様々な外部端子に接続する為の様々な外部入力ポートと、デジタルマルチメディア放送(DMB)信号を受信して処理するDMBチップと、を含む。
【0045】
入力インタフェース126は、透明モニタ58及び/又はホログラフィックディスプレイ装置12自体のユーザマニピュレーションを可能にする為のタッチスクリーン、タッチパッド、キーボタン、キーパッド、リモートコントローラ等を含む。
【0046】
照明コントローラ128は、LEDストリップ44の照明又は減光を制御するソフトウェア又はハードウェアのトグルを含む。音量コントローラ130は、スピーカ70から出力される音量を制御するソフトウェア又はハードウェアのトグル/ボタンを含む。スイッチ132は、LEDストリップ44、透明モニタ58、又は、ホログラフィックディスプレイ装置12を含む他の任意のコンポーネントのオンオフを切り換えるソフトウェア又はハードウェアのトグル/ボタンを含む。図9及び図10は、ボックス20の下部に配置された例示的な第1のインタフェース114、第2のインタフェース116、照明コントローラ128、音量コントローラ130、及びスイッチ132を示す。
【0047】
図11及び12は、本発明の一例示的実施形態による、被写体16(例えば、人)のホログラムライク画像14を透明モニタ58に提示又は表示すること(例えば、図1)の為に被写体16の画像又はビデオをキャプチャ又は記録する画像キャプチャシステム18のセットアップの斜視図及び側面図を示す。画像キャプチャシステム18は、フレーム又はポール142にマウントされたシート又はシートロール140を含む。言い換えると、シート140はフレーム142からぶら下がっている。シート140は、サイクロラマ(cyc)の材料で作られた材質を備える。ここで、シート140は、画像又はビデオ収録される被写体16のシーンを制作することに役立つ、白色又は自然色の、継ぎ目のないフラットなモスリンパネルとして働く。ここでの実施形態では、シート140は、フレーム142からぶら下がり、地面等のサーフェス上に継ぎ目なく延びて湾曲144を形成している。湾曲144は、シート140に滑らかさ又は連続性の効果を与える。シート140上には、画像又はビデオ収録される被写体16が位置する/立つプラットフォーム又はステージ146が備えられる。プラットフォーム146は、例えば、面積が約2’×4’である透明なプレキシガラス又はアクリル材料で作られた反射性フロアを備える。プラットフォーム146が反射性フロアを備える為、被写体の画像/形状は、被写体16の下部部分の反射160を示す(図11)。一実施例では、被写体16は人であるとする。ここで、人は、プラットフォーム16上に立って、その画像又はビデオが収録され、それがホログラムライク画像14として透明モニタ58に提示される。別の実施例では、被写体16は物理的商品、例えば、靴であるとする。ここで、靴は、プラットフォーム146に載せられ、その(形状をカバーする)画像又はビデオが収録され、それがホログラムライク画像14として透明モニタ58に提示される。
【0048】
画像キャプチャシステム18は、被写体16の静止画像又はビデオをキャプチャする第2のカメラ又は画像キャプチャセンサ148を備える。第2のカメラ148は、被写体16のあらゆる詳細画像をキャプチャする為の垂直方向又は水平方向の画像を作成するのに適したレンズセットアップを含む。第2のカメラ148は、透明モニタ58に表示される必要があるホログラムライク画像14の向きに応じて画像を垂直フレーム又は水平フレームにキャプチャするようにセットアップされる。第2のカメラ148は、被写体16をキャプチャする為にサーフェス即ち地面から約2フィートの高さに位置決めされる。第2のカメラ148は、ホログラムライク画像14が透明モニタ58に表示されたときに浮いて見えたり後ろに傾いて見えたりしないように調節される。一例示的実施形態では、画像キャプチャシステム18は、ビデオのキャプチャ中に被写体16が出す声又は音を収録する録音機(図示せず)を備える。これは、ビデオを透明モニタ58で再生し、オーディオをスピーカ70で再生する為に、ビデオ及びオーディオを同時収録してホログラフィックディスプレイ装置12に送信することに役立つ。画像キャプチャシステム18は、第2のカメラ148でキャプチャされた静止画像又はビデオをリアルタイムで表示するように構成されたリファレンスモニタ150を備える。例えば、被写体16は、講義をする人(講師)であるとする。ここで、第2のカメラ148は、講師のアクション又は動きをキャプチャし、信号をリファレンスモニタ150に送信して講師のアクションをリアルタイムで表示する。言い換えると、リファレンスモニタ150は、被写体16、即ち講師をフレームと関係づけて表示する。これは、講師が自分の姿勢を直したり調節したりすることに役立つ。更に、画像キャプチャシステム18は、ホログラフィックディスプレイ装置12の第1のカメラ82がキャプチャした画像又はビデオ(即ち、その視野)を表示するように構成されたフィードリファレンスモニタ152を備える。上記実施例について考えると、被写体16、即ちプレゼンタは、透明モニタ58にホログラムライク画像14として表示されている自分の講義/アクション/動きに対してオーディエンスがどのように反応しているかをフィードリファレンスモニタ152で見る状態になる。言い換えると、フィードリファレンスモニタ152は、ホログラフィックディスプレイ装置12からのリターンフィードのディスプレイスクリーンとして働くことにより、テレプレゼンス環境を実現する。一実施例では、画像キャプチャシステム18は、被写体16とオーディエンスとの間をよりインタラクティブにする為にオーディエンスのオーディオを再生するスピーカ(図示せず)を含む。更に、画像キャプチャシステム18は、第2のカメラ148が被写体16の静止画像又はビデオを収録している間に被写体16に照明156を当てる照明ボックス154を備える。図13は、本発明の一実施形態による、第2のカメラ148、リファレンスモニタ150、フィードリファレンスモニタ152、及び照明ボックス154の一例示的セットアップを示す。
【0049】
第2のカメラ148で被写体16の静止画像又はビデオを収録し、透明モニタ58にホログラムライク画像14を提示/表示する為には、まず、図11に示すように、照明ボックス154が被写体16に照明156を当てる。一実施態様では、被写体16は、シート140に近い位置に着き、プラットフォーム146上に立つ/配置される。例えば、被写体16が人であれば、被写体16は、シート140の近くに背中を向け、プラットフォーム146上に立つ。照明156は、シート140上に被写体16の遠い影158を作り、プラットフォーム146上に被写体16の反射160を照らす。これは、被写体16の影158を背後に作ることに役立ち、被写体16を影158に結び付けることに役立つ。同様に、プラットフォーム146は、被写体16の反射160を作り、被写体16を反射160に結び付けることに役立つ。第2のカメラ148は、被写体16の画像/ビデオ及び/又は音を、影158及び反射160と一緒にキャプチャする。被写体16の画像データ(即ち、影158及び反射160及び音を有する画像/ビデオ)をキャプチャした後、第2のカメラ148はその画像データをホログラフィックディスプレイ装置12に送信する。当業者であれば理解されるように、第2のカメラ148は、有線又は無線のプロトコルを使用して、放送受信器112、第1のインタフェース114、第2のインタフェース116、及び通信インタフェース124のいずれかを経由して、画像データをホログラフィックディスプレイ装置12に送信する。信号分離器118は、画像データを、画像信号、オーディオ信号、及び付加情報信号に分割する。更に、信号分離器118は、画像信号及びオーディオ信号をA/Vプロセッサ120に送信する。A/Vプロセッサ12は、画像信号をデコードし、画像信号供給器122の支援を受けて画像信号をホログラムライク画像14として透明モニタ58上に出力する。同時に、A/Vプロセッサ12は、オーディオ信号をデコードし、オーディオ信号をスピーカ70から出力する。これにより、被写体16のホログラムライク画像14は透明モニタ58に表示され、同時に、第2のカメラ146で収録された音がスピーカ70から再生される。
【0050】
上述のように、照明パネル36の配置は、内部92がボックス20の側部、後部、及び/又は上部から完全に照明されることを可能にする。更に、(照明パネル36とともに)後部、側部、上部、及び下部を覆う半透明パネル48と、フロントエンドを覆う透明モニタ58とが、3次元(3D)内部照明ディスプレイボックスを形成する。そのようにして、被写体16のホログラムライク画像14が透明モニタ58に表示される。更に、被写体16の影158及び反射160が、透明モニタ58に影162及び反射164として表示される。図14は、本発明の一例示的実施形態による、透明モニタ58に表示された、影162及び反射164を有するホログラムライク画像14を示す。照明パネル36は明るい照明を生成し、半透明パネル48は、その照明を内部92内に均一に分散及び融合させる。これにより、透明モニタ58に表示されるホログラムライク画像14の深度、寸法、及びリアルさが最大化される。影162及び反射164を有するホログラムライク画像14は、内部92がホログラフィックディスプレイ装置12中の背景幕として十分に照明された状態で透明モニタ58に表示されたときにホログラム効果を生成する。言い換えると、影162及び反射164を有するホログラムライク画像14は、より自然でリアルな背景を有するホログラム効果を実現する。最大ルーメンを提供するように照明パネル36を構成することは、格段に明るく切れのよい高解像度のホログラムライク画像を生成することに役立つ。更に、半透明パネル48に湾曲Cを持たせることは、内部92の上部及び下部を湾曲させ/傾斜させ/継ぎ目なしにすることに役立つ。言い換えると、下部半透明パネル50は、後部半透明パネル54とつながる場所に湾曲Cが与えられて、継ぎ目のない即ち連続的な見た目になり、それによって、内部92は、下部半透明パネル50から後部半透明パネル54にかけて継ぎ目又は線又はエッジが全くない、よりリアルな背景になる。これにより、透明モニタ58に表示されたときのホログラムライク画像14のホログラム効果が格段にリアルになることが可能である。ここで、半透明パネル48の上部、下部、及び側部における継ぎ目のない湾曲Cは、ホログラムライク画像14がより固体らしく見えることを可能にする。これは、半透明パネル48(十分に照明された内部92)に、ホログラムライク画像14を貫通する継ぎ目又は線が肉眼では見えない為である。一実施例では、モニタフレーム即ちベゼル60のデザインは、透明モニタ58を約3インチ奥へ押し込む(即ち、くぼませる)ことによって、視野角を制御して、透明モニタ58に表示されるホログラムライク画像14のホログラム効果を高めることを可能にする。
【0051】
一実施態様では、スピーカ70は、地面から約5フィートの高さにマウントされる。ホログラムライク画像又はビデオ14が透明モニタ58に表示され、同時に音がスピーカ70から再生されるとリアルな体験が増強される。更に、第1のカメラ82が他の電子コンポーネントとともに、既知の技術を使用して、ホログラフィックディスプレイ装置12の前にいる被写体即ち人(オーディエンス)の動き、顔の特徴、及び他の態様をキャプチャすることに役立つ。第1のカメラは、キャプチャしたデータを画像キャプチャシステム18のフィードリファレンスモニタ152に送信することでテレプレゼンス効果を実現する。
【0052】
当業者であれば理解されるように、画像キャプチャシステム18は、(白色且つcycの)シート140を背景とし、及び/又はプラットフォーム146を底面に置いた被写体の画像及び音を収録することに役立つ。収録された画像がリアルタイムで又は必要に応じてホログラフィックディスプレイ装置12に送信されて、ホログラムライク画像16が透明モニタ58に表示される。従って、収録された画像は、有線又は無線のプロトコルを使用して、様々な電子デバイス(例えば、USBスティック、HDMIポート、(例えば、携帯電話による)セルラデータ等)により、ホログラフィックディスプレイ装置12に送信される。
【0053】
本開示のホログラフィックディスプレイ装置12は、オンサイト又はリモートで収録されたコンテンツ(音を伴う画像又はビデオ)をライブストリーミングすることを可能にする。従って、ホログラフィックディスプレイ装置12は、事前収録コンテンツを表示すること、又はコンテンツがどこで収録されてもインターネット、衛星、又は光ファイバ伝送によりライブストリーミングすることに役立つ。
【0054】
更に、ホログラフィックディスプレイ装置12は、ユーザが、自分の電子デバイス(例えば、携帯電話)に用意されているアプリケーション、又はリモートコントローラを使用して、コンテンツ(画像又はビデオ及び/又は音)を送信したり、照明及び他の機能を調節したりすることを可能にする。代替として、入力インタフェース126は、ユーザが、透明モニタ58及び/又はホログラフィックディスプレイ装置12の任意のコンポーネントの設定を調節することを可能にする。
【0055】
本開示のホログラフィックディスプレイ装置12は、演劇、教育、医療、博物館、又は他のライブイベントプレゼンテーションに使用されるアプリケーションを備える。更に、本開示のホログラフィックディスプレイ装置12は、販売される任意の商品又はサービスの特徴及び利点を奨励及び/又は称揚することを意図された宣伝又は他のプレゼンテーションに使用されるアプリケーションを備える。更に、本開示のホログラフィックディスプレイ装置12は、パフォーマによる(事前収録コンテンツの)仮想パフォーマンスを(たとえそのパフォーマが故人であっても)提示又は表示することに使用されるアプリケーションを備える。
【0056】
ホログラフィックディスプレイ装置12は、様々なサイズ及び形状で提供される。例えば、ホログラフィックディスプレイ装置12は、実物大の成人のホログラムライク画像14を表示する為に7’×3’×2’の寸法で提供される。7’は高さ、3’は幅、2’は奥行(厚さ)である。しかしながら、当業者であれば理解されるように、ホログラフィックディスプレイ装置12は、宣伝目的に有用な様々なサイズの商品を表示する為に、様々な形状及びサイズで提供されてよい。
【0057】
ここまでは、本発明の一実施形態による、長方形のホログラフィックディスプレイ装置12について説明した。図15~18は、本発明の別の実施形態による、三角形の形状/構成を有するホログラフィックディスプレイ装置200を示す。同様に、当業者であれば理解されるように、本開示のホログラフィックディスプレイ装置は別の形状及びサイズで提供されてもよい。図15は、ホログラフィックディスプレイ装置200の斜視図を示す。ホログラフィックディスプレイ装置200は、ボックス202を三角形構成で提供する。ボックス202は様々な形状及びサイズで提供される。例えば、ボックス02は、実物大の成人を展示するのに十分な大きさ(例えば、高さ6~7フィート及び幅3フィート)である。別の実施例では、ボックス202は、もっと小さいサイズの商品を展示する為にもっと小さいサイズ(例えば、高さ1~2フィート及び幅1~2フィート)で提供される。ボックス202は、(下部フレーム22と同様の)下部フレーム204と、(上部フレーム28と同様の)上部フレーム206と、(側部フレーム24、26と同様の)側部フレーム208と、を備える。下部フレーム204、側部フレーム208、及び上部フレーム206のそれぞれは、金属、硬質プラスチック、又は他の任意の適切な材料で作られたL形フレームを備える。ボックス202は、側部に2つの側部フレーム208を備え、フロントに(透明モニタ58と同様の)透明モニタ214を備える。
【0058】
ボックス202は、その側部、上部、及び後部に照明パネル210を含む。更に、ボックス202は、照明パネル210によって生成された高輝度を拡散、融合、並びに均一分散させる為に(半透明パネル48と同様の)半透明パネル212を含む。本実施形態では、上部フレーム206は、その視野内、即ち、ボックス202の前方の画像又はビデオを収録する(第1のカメラ82と同様の)カメラ216を含む。カメラ216は、上部フレーム206の最上部に配置されたカメラマウント218を貫通してマウントされる。図16は、カメラマウント218を有するボックス202の上面図を示す。更に、側部フレーム208は、ホログラフィックディスプレイ装置200のリアルな体験を強化する為に、地面から適切な高さにスピーカ220を含む。
【0059】
更に、ボックス202は、側部フレーム208にファン222及びベント224を備える。ファン222及び/又はベント224は、照明パネル210によって発生した熱い空気を吹き出す。図17は、ファン222及びベント224を有するホログラフィックディスプレイ装置200の後面斜視図を示す。図18は、ホログラフィックディスプレイ装置200の側面斜視図を示しており、照明パネル210、(デッキ80と同様の)デッキ226、及び(電源マウントプレート81と同様の)電源マウントプレート228を示している。
【0060】
ホログラフィックディスプレイ装置200は、ホログラフィックディスプレイ装置12と同様に動作する。ホログラフィックディスプレイ装置200は、部屋のコーナーに置くことが可能である。一実施例では、複合商業施設等の大きな部屋又は建物に、1つ以上のホログラフィックディスプレイ装置12及び/又はホログラフィックディスプレイ装置200が収容される。1つ以上のホログラフィックディスプレイ装置12が部屋の中央に位置し、1つ以上のホログラフィックディスプレイ装置200が部屋のコーナーに位置して、視聴者又はオーディエンスのビジュアル体験を強化する。
【0061】
ここまでは画像キャプチャシステム18のセットアップを使用して画像又はビデオを収録することについて説明したが、当業者であれば理解されるように、画像又はビデオのキャプチャは、既知の電子デバイス、例えば、携帯電話又はデジタルカメラを使用して行うことも可能である。その後、携帯電話は画像をホログラフィックディスプレイ装置12、20に送信して、透明モニタにホログラムライク画像を表示する。同様に、ユーザは、本発明の範囲から逸脱することなく、様々なデバイスを使用して画像をキャプチャし、画像をホログラフィックディスプレイ装置に送信して透明モニタに表示する。
【0062】
上述の、本発明の実施形態は、先行技術を凌駕する幾つかの利点を提供する。例えば、本発明は、しかるべきコンテンツ、即ち画像が透明モニタに提示されたときにホログラフィックディスプレイ装置内でホログラムライク画像効果を提示する。背景に影があり、底面に反射があるホログラムライク画像は、よりリアルな、より自然に見えるコンテンツ/画像を実現する。内部にしかるべき光量を供給することにより、透明モニタに表示されるホログラムライク画像の深度、寸法、及びリアルな効果を調節することが可能である。更に、モニタフレームは、透明モニタを奥へ押し込むことによって、視野角を制御して、ホログラムライク画像の3次元(3D)効果を高めることを可能にする。更に、継ぎ目のない半透明パネルは、ホログラムライク画像がより固体らしく見えることを可能にし、ホログラム錯視をよりリアルにする。
【0063】
例示的実施形態の観点で本発明を説明してきたが、当然のことながら、使用してきた語は説明語であって限定語ではない。当業者であれば理解されるように、以下の特許請求項で定義される本発明の範囲から逸脱しない限り、様々な修正が行われてよく、特許請求項には完全且つ公正な範囲が与えられるべきである。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
【手続補正書】
【提出日】2021-10-06
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ホログラムライク画像を提示するホログラフィックディスプレイ装置であって、前記ホログラフィックディスプレイ装置は、
ボックス状構造と、
後部半透明パネル、下部半透明パネル、上部半透明パネル、及び側部半透明パネルを含む複数の半透明パネルと、
を含み、
前記下部半透明パネルは、前記下部半透明パネルと前記後部半透明パネルとの間に湾曲を有することによって前記後部半透明パネルと継ぎ目なく一体化しており、
前記後部半透明パネル及び前記側部半透明パネルは、前記ボックス状構造のほぼ全長にわたって延びており、
後部照明パネル及び側部照明パネルを含む複数の照明パネルであって、前記複数の照明パネルは前記ボックス状構造のほぼ全長にわたって延びており、前記複数の照明パネルは、前記ボックス状構造と前記複数の半透明パネルとの間に位置する、複数の照明パネルと、
前記ボックス状構造のフロントエンドにおいて前記ボックス状構造とつながる透明モニタであって、前記透明モニタ及び前記複数の半透明パネルは前記ボックス状構造の内部を形成する、透明モニタと、
を含み、
前記透明モニタは画像を受け取って表示し、前記透明モニタに表示される前記画像をホログラムライク画像として提示する為に、前記複数の照明パネルは照明を照射し、前記複数の半透明パネルは、前記照明を前記内部において拡散、融合、並びに均一分散させ、
それによって、前記下部半透明照明パネルと前記後部半透明パネルとの間に湾曲を有する前記複数の半透明パネルを前記複数の照明パネルが照明したときに、前記透明モニタに表示されるホログラムライク画像の見た目がよりリアルになる、ホログラフィックディスプレイ装置。
【請求項2】
前記複数の半透明パネルはアクリル材料で作られる、請求項1に記載のホログラフィックディスプレイ装置。
【請求項3】
前記透明モニタを包囲するモニタフレームであって、前記モニタフレームは、前記透明モニタに表示される前記画像の視野角を制御する、モニタフレームを更に含む、請求項1に記載のホログラフィックディスプレイ装置。
【請求項4】
前記モニタフレームは、約3インチの深さで内向きにくぼむことにより、前記透明モニタに表示される前記画像の前記視野角を制御することによって、前記透明モニタに表示される前記画像の前記ホログラムライク画像の前記効果を強化する、請求項3に記載のホログラフィックディスプレイ装置。
【請求項5】
前記透明モニタは画像ソースから前記画像を受け取り、前記画像ソースは、前記ホログラフィックディスプレイ装置とは別の場所に位置する、請求項1に記載のホログラフィックディスプレイ装置。
【請求項6】
前記画像ソースは、携帯電話、デジタルカメラ、ラップトップ、及びデスクトップのいずれかを含む電子デバイスである、請求項1に記載のホログラフィックディスプレイ装置。
【請求項7】
前記ボックス状構造につながるスピーカを更に含み、スピーカは、インタラクティブ体験を提示する為に、前記透明モニタに表示される前記画像と同時にオーディオを出力する、請求項1に記載のホログラフィックディスプレイ装置。
【請求項8】
前記ボックス状構造につながるカメラを更に含み、前記カメラは、前記ホログラフィックディスプレイ装置の視野をキャプチャし、前記画像ソースに送信することを可能にし、前記視野をキャプチャすることは、前記ホログラフィックディスプレイ装置と前記画像ソースとの間のリアルタイムインタラクションを促進する、請求項6に記載のホログラフィックディスプレイ装置。
【請求項9】
前記複数の照明パネルは少なくとも11個の発光ダイオード(LED)ストリップを含む、請求項1に記載のホログラフィックディスプレイ装置。
【請求項10】
被写体の画像をキャプチャし、前記画像に対応するホログラムライク画像を提示するシステムであって、前記システムは
画像キャプチャシステムであって、
シートと、
被写体の画像を、前記被写体の背景として働く前記シートとともにキャプチャするカメラと、
を含み、
前記画像キャプチャシステムは前記画像をホログラフィックディスプレイ装置に送信する、
画像キャプチャシステムと、
前記ホログラフィックディスプレイ装置であって、
ボックス状構造と、
後部半透明パネル、下部半透明パネル、上部半透明パネル、及び側部半透明パネルを含む複数の半透明パネルと、
を含み、
前記下部半透明パネルは、前記下部半透明パネルと前記後部半透明パネルとの間に湾曲を有することによって前記後部半透明パネルと継ぎ目なく一体化しており、
前記後部半透明パネル及び前記側部半透明パネルは、前記ボックス状構造のほぼ全長にわたって延びており、
後部照明パネル及び側部照明パネルを含む複数の照明パネルであって、前記複数の照明パネルは前記ボックス状構造のほぼ全長にわたって延びており、前記複数の照明パネルは、前記ボックス状構造と前記複数の半透明パネルとの間に位置する、複数の照明パネルと、
前記ボックス状構造のフロントエンドにおいて前記ボックス状構造とつながる透明モニタであって、前記透明モニタ及び前記複数の半透明パネルは前記ボックス状構造の内部を形成する、透明モニタと、
を含む前記ホログラフィックディスプレイ装置と、
を含み、
前記透明モニタは、画像を受け取って表示し、前記透明モニタに表示される前記画像をホログラムライク画像として提示する為に、前記照明パネルは照明を照射し、前記半透明パネルは、前記照明を前記内部において拡散、融合、並びに均一分散させ、及び
それによって、前記下部半透明パネルと前記後部半透明パネルとの間に湾曲を有する前記複数の半透明パネルを前記複数の照明パネルが照明したときに、前記透明モニタに表示されるホログラムライク画像の見た目がよりリアルになる、システム。
【請求項11】
前記被写体を配置するプラットフォームを更に含み、前記プラットフォームは前記被写体の下部部分を反射する、請求項10に記載のシステム。
【請求項12】
前記被写体に照明を照射して前記シート上に前記被写体の影を形成する光源を更に含む、請求項11に記載のシステム。
【請求項13】
前記カメラは、前記被写体と、前記影と、前記プラットフォームによって形成された前記反射と、の前記画像をキャプチャする、請求項12に記載のシステム。
【請求項14】
前記ボックス状構造につながる第2のカメラを更に含み、前記カメラは、前記ホログラフィックディスプレイ装置の視野をキャプチャし、前記画像キャプチャシステムに送信することを可能にする、請求項10に記載のシステム。
【請求項15】
前記画像キャプチャシステムは、前記ホログラフィックディスプレイ装置の前記視野においてキャプチャされた情報を受け取り、前記被写体に対して表示するように構成されたフィードリファレンスモニタを含み、前記視野に対応する前記情報を表示することは、前記ホログラフィックディスプレイ装置と前記被写体との間のリアルタイムインタラクションを促進する、請求項10に記載のシステム。
【請求項16】
前記画像キャプチャシステムは、有線又は無線のプロトコルを使用して、前記画像を前記ホログラフィックディスプレイ装置に送信する、請求項10に記載のシステム。
【請求項17】
ホログラムライク画像を提示する方法であって、
ボックス状構造を備えることと、
複数の半透明パネルを備えることであって、前記複数の半透明パネルは、後部半透明パネル、下部半透明パネル、上部半透明パネル、及び側部半透明パネルを含み、前記下部半透明パネルは、前記下部半透明パネルと前記後部半透明パネルとの間に湾曲を有することによって前記後部半透明パネルと継ぎ目なく一体化している、複数の半透明パネルを備えることと、
前記ボックス状構造と前記複数の半透明パネルとの間に複数の照明パネルを備えることであって、前記複数の照明パネルは前記ボックス状構造の全長にわたって延びる、複数の照明パネルを備えることと、
前記ボックス状構造につながる透明モニタを備えることと、
前記透明モニタと前記複数の半透明パネルとにより前記ボックス状構造の内部を形成することと、
前記透明モニタに表示する画像を受け取ることと、
前記複数の照明パネルを使用して前記内部に照明を照射することと、
前記複数の半透明パネルによって、前記照明を前記内部において拡散、融合、並びに均一分散させることと、
前記透明モニタに表示される前記画像を、十分に照明された内部とともにホログラムライク画像として提示することと、
を含む方法。
【請求項18】
被写体に照明を照射し、前記被写体の影をシート上に形成することと、
前記被写体、及び前記シート上の前記被写体の前記影の画像を前記透明モニタに送信することであって、前記被写体の前記影が透明モニタに実際に表示されたときに、前記被写体の前記影が前記後部半透明パネル上及び前記下部半透明パネル上に表示されるように見えて、前記ホログラムライク画像のリアルな効果が増強される、送信することと、
を更に含み、
前記受け取られた画像は事前収録されたもの又はリアルタイムで提供されるものである、
請求項17に記載の方法。
【国際調査報告】