(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-02-14
(54)【発明の名称】首振り装置及び扇風機
(51)【国際特許分類】
F04D 25/10 20060101AFI20230207BHJP
【FI】
F04D25/10 302K
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022524644
(86)(22)【出願日】2020-01-08
(85)【翻訳文提出日】2022-06-24
(86)【国際出願番号】 CN2020071006
(87)【国際公開番号】W WO2021128485
(87)【国際公開日】2021-07-01
(31)【優先権主張番号】201911346046.8
(32)【優先日】2019-12-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】516285032
【氏名又は名称】広東美的環境電器制造有限公司
【氏名又は名称原語表記】GD MIDEA ENVIRONMENT APPLIANCES MFG CO.,LTD.
【住所又は居所原語表記】No.28 East District Hesui Industrial Park,Dongfu Road,Dongfeng Zhongshan,Guangdong 528425,CHINA
(71)【出願人】
【識別番号】512237419
【氏名又は名称】美的集団股▲フン▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】MIDEA GROUP CO., LTD.
【住所又は居所原語表記】B26-28F, Midea Headquarter Building, No.6 Midea Avenue, Beijiao, Shunde, Foshan, Guangdong 528311 China
(74)【代理人】
【識別番号】100112656
【氏名又は名称】宮田 英毅
(74)【代理人】
【識別番号】100089118
【氏名又は名称】酒井 宏明
(72)【発明者】
【氏名】崔世強
【テーマコード(参考)】
3H130
【Fターム(参考)】
3H130AA13
3H130AB02
3H130AB26
3H130AB52
3H130AC25
3H130BA97A
3H130BA97G
3H130CA21
3H130CA23
3H130DA02Z
3H130DD01Z
3H130DE01Z
3H130DE14X
3H130DF01Z
3H130EA01D
3H130EA01G
3H130EA07A
3H130EA07D
3H130EA07G
(57)【要約】
本願は首振り装置100及び扇風機1000に関し、首振り装置100は、貫通孔11が設けられた固定座10と、貫通孔11内に回転可能に取り付けられた伝動軸20と、固定座10に取り付けられたモータ30と、を備え、モータ30の出力軸31が伝動軸20の一端に接続され、モータ30の出力軸31の軸線は伝動軸20の軸線と同一線上にあり、モータ30は伝動軸20の回転を駆動するように構成されている。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
扇風機に配置される首振り装置であって、
貫通孔が設けられた固定座と、
前記貫通孔内に回転可能に取り付けられた伝動軸と、
前記固定座に取り付けられたモータと、を備え、前記モータの出力軸が前記伝動軸の一端に接続され、前記モータの出力軸の軸線は前記伝動軸の軸線と同一線上にあり、前記モータは前記伝動軸の回転を駆動するように構成された、首振り装置。
【請求項2】
前記伝動軸の一端に異形孔が設けられ、前記モータの出力軸の横断面形状は不規則形状であり且つ前記異形孔に挿設されるように構成されており、又は、
前記伝動軸の一端には軸取付孔が設けられ、前記軸取付孔内には内スプラインが設けられ、前記モータの出力軸の外周面には外スプラインが設けられ、前記内スプラインは前記外スプラインと嵌合し、又は、
前記伝動軸の一端には軸取付孔が設けられ、前記モータの出力軸は前記軸取付孔に挿設され、前記モータの出力軸と前記軸取付孔とはピンによって接続されている請求項1に記載の首振り装置。
【請求項3】
前記首振り装置はさらに軸受けを含み、前記伝動軸は前記軸受けを介して前記貫通孔内に回転可能に取り付けられており、又は、
前記貫通孔内にはストッパ環状凸部が凸設され、前記伝動軸は前記ストッパ環状凸部の内側に回転可能に取り付けられている請求項1に記載の首振り装置。
【請求項4】
前記首振り装置はさらに軸受けを含み、前記伝動軸は前記軸受けを介して前記貫通孔内に回転可能に取り付けられており、前記軸受けは、前記伝動軸の軸方向に間隔をおいて設置された2つのサブ軸受けを含む請求項1に記載の首振り装置。
【請求項5】
前記伝動軸は段付き軸であり、前記軸受け又は前記ストッパ環状凸部は前記伝動軸の段部に取り付けられている請求項3に記載の首振り装置。
【請求項6】
前記首振り装置はさらに方向切替組立体を含み、前記方向切替組立体は前記伝動軸が往復回転する既定回転角度を限定するように構成されている請求項3に記載の首振り装置。
【請求項7】
前記方向切替組立体はホール素子と磁気素子とを含み、前記ホール素子と前記磁気素子とのうちの一方が前記伝動軸に取り付けられ、他方が前記固定座に取り付けられている請求項6に記載の首振り装置。
【請求項8】
前記首振り装置はさらに軸スリーブを含み、前記軸スリーブは前記伝動軸の外に固定的に嵌設され、前記磁気素子は前記軸スリーブに取り付けられ、前記ホール素子は前記固定座に取り付けられている請求項7に記載の首振り装置。
【請求項9】
前記伝動軸は段付き軸であり、前記軸スリーブは前記伝動軸の段部に設置され、前記軸スリーブは前記軸受又は前記ストッパ環状凸部に隣接して設置されている請求項8に記載の首振り装置。
【請求項10】
前記既定回転角度は、少なくとも50度である請求項6に記載の首振り装置。
【請求項11】
前記方向切替組立体は複数の段階を有し、各段階は1つの前記既定回転角度に対応している請求項6に記載の首振り装置。
【請求項12】
前記伝動軸には、配線されるように構成された配線孔が設けられている請求項1に記載の首振り装置。
【請求項13】
前記配線孔は、前記伝動軸の軸方向に延びる軸方向セグメントと、前記軸方向セグメントと連通する径方向セグメントとを含み、前記軸方向セグメントは前記伝動軸の前記モータから離れた端面を貫通している請求項12に記載の首振り装置。
【請求項14】
前記モータの回転速度は多くとも25回転/分である請求項1に記載の首振り装置。
【請求項15】
前記モータの回転速度は少なくとも2回転/分で、且つ多くとも15回転/分である請求項14に記載の首振り装置。
【請求項16】
扇風機であって、
扇風機ハウジングと、
前記扇風機ハウジング内に取り付けられた首振り装置と、を含み、
前記首振り装置は、固定座と、伝動軸と、モータとを含み、前記固定座には貫通孔が設けられ、前記伝動軸は前記貫通孔内に回転可能に取り付けられており、前記モータは前記固定座に取り付けられ、前記モータの出力軸が前記伝動軸の一端に接続され、前記モータの出力軸の軸線は前記伝動軸の軸線と同一線上にあり、前記モータは前記伝動軸の回転を駆動するように構成されている扇風機。
【請求項17】
前記扇風機ハウジングは一体型構造であるか、又は、前記扇風機ハウジングは別体型構造であり、
前記扇風機ハウジングの長手方向に沿って、前記扇風機ハウジングの端部には開口が設けられており、前記首振り装置は、前記開口から前記扇風機ハウジング内にスライドするように構成されている請求項16に記載の扇風機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は2019年12月23日に出願された、出願番号が201911346046.8で、発明名称が「首振り装置及び扇風機」である中国特許出願の優先権を主張し、その全ての内容を引用により本願に組み入れる。
【0002】
本願は家庭用電器の分野に関し、特に首振り装置及び扇風機に関する。
【背景技術】
【0003】
例示的な技術において、首振り装置は通常、首振りモータと、首振り軸と、噛合いによって動力を伝達する小さい歯車および大きい歯車とを含み、小さい歯車は首振りモータの出力軸に取り付けられ、大きい歯車は首振り軸に取り付けられ、首振りモータは小さい歯車と大きい歯車の噛み合いによって、首振り軸の回転を駆動することで、首振りを実現させる。
【0004】
しかし、上記の首振り装置は、横方向(すなわち首振り軸の回転伝動軸線に垂直な方向)の寸法が大きく、占有スペースが大きいため、首振り装置の体積が比較的大きい。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本願の主な目的は、例示的な技術における、首振り装置の横方向寸法が大きいという技術的問題を解決することを目的とする首振り装置を提案することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記の目的を達成するために、本願は、首振り装置を提案し、前記首振り装置は、
貫通孔が設けられた固定座と、
前記貫通孔内に回転可能に取り付けられた伝動軸と、
前記固定座に取り付けられたモータと、を備え、前記モータの出力軸が前記伝動軸の一端に接続され、前記モータの出力軸の軸線は前記伝動軸の軸線と同一線上にあり、前記モータは前記伝動軸の回転を駆動するように構成される。
【0007】
あるいは、前記伝動軸の一端に異形孔が設けられ、前記モータの出力軸の横断面形状は不規則形状であり且つ前記異形孔に挿設されるように構成されており、又は、
前記伝動軸の一端には軸取付孔が設けられ、前記軸取付孔内には内スプラインが設けられ、前記モータの出力軸の外周面には外スプラインが設けられ、前記内スプラインは前記外スプラインと嵌合し、又は、
前記伝動軸の一端には軸取付孔が設けられ、前記モータの出力軸は前記軸取付孔に挿設され、前記モータの出力軸と前記軸取付孔とはピンによって接続されていてもよい。
【0008】
あるいは、前記首振り装置はさらに軸受けを含み、前記伝動軸は前記軸受けを介して前記貫通孔内に回転可能に取り付けられており、又は、
前記貫通孔内にはストッパ環状凸部が凸設され、前記伝動軸は前記ストッパ環状凸部の内側に回転可能に取り付けられていてもよい。
【0009】
あるいは、前記軸受けは、前記伝動軸の軸方向に間隔をおいて設置された2つのサブ軸受けを含んでもよい。
【0010】
あるいは、前記伝動軸は段付き軸であり、前記軸受け又は前記ストッパ環状凸部は前記伝動軸の段部に取り付けられていてもよい。
【0011】
あるいは、前記首振り装置はさらに方向切替組立体を含み、前記方向切替組立体は前記伝動軸が往復回転する既定回転角度を限定するように構成されていてもよい。
【0012】
あるいは、前記方向切替組立体はホール素子と磁気素子とを含み、前記ホール素子と前記磁気素子とのうちの一方が前記伝動軸に取り付けられ、他方が前記固定座に取り付けられており、且つ/又は、
前記既定回転角度は、少なくとも50度であり、且つ/又は、
前記方向切替組立体は複数の段階を有し、各段階は1つの前記既定回転角度に対応してもよい。
【0013】
あるいは、前記首振り装置はさらに軸スリーブを含み、前記軸スリーブは前記伝動軸の外に固定的に嵌設され、前記磁気素子は前記軸スリーブに取り付けられ、前記ホール素子は前記固定座に取り付けられていてもよい。
【0014】
あるいは、前記伝動軸が段付き軸であり、前記軸スリーブは前記伝動軸の段部に設置され、前記軸スリーブは前記軸受又は前記ストッパ環状凸部に隣接して設置されていてもよい。
【0015】
あるいは、前記伝動軸には、配線用の配線孔が設けられていてもよい。
【0016】
あるいは、前記配線孔は、前記伝動軸の軸方向に延びる軸方向セグメントと、前記軸方向セグメントと連通する径方向セグメントとを含み、前記軸方向セグメントは前記伝動軸の前記モータから離れた端面を貫通していてもよい。
【0017】
あるいは、前記モータの回転速度は0より大きく、且つ25回転/分以下であってもよい。
【0018】
本願はさらに扇風機を提案し、前記扇風機は、
扇風機ハウジングと、
前記扇風機ハウジング内に取り付けられた首振り装置と、
を含み、
前記首振り装置は、
貫通孔が設けられた固定座と、
前記貫通孔内に回転可能に取り付けられた伝動軸と、
前記固定座に取り付けられたモータと、を備え、前記モータの出力軸が前記伝動軸の一端に接続され、前記モータの出力軸の軸線は前記伝動軸の軸線と同一線上にあり、前記モータは前記伝動軸の回転を駆動するように構成されている。
【0019】
あるいは、前記扇風機ハウジングは一体型構造であるか、又は、前記扇風機ハウジングは別体型構造であり、
前記扇風機ハウジングの長手方向に沿って、前記扇風機ハウジングの端部には開口が設けられており、前記首振り装置は、前記開口から前記扇風機ハウジング内にスライドするように構成されていてもよい。
【発明の効果】
【0020】
本願の首振り装置によれば、モータと伝動軸とを、首振り軸の軸方向に順次配置し、且つモータによって伝動軸の回転を直接(伝動構造を使用することなく)駆動することで、モータの占有する空間を十分に利用することができ、それによって首振り装置の横方向(即ち伝動軸の軸線に垂直な方向)寸法を小さくすることができるので、首振り装置の小型化設計を実現し、生産と製造のコストを下げて、首振り装置の製造性を高めることができるとともに、伝動効率を向上させることができる。
【0021】
したがって、本願の首振り装置は、体積が小さく、伝動効率が高く、生産と製造のコストが低く、及び製造性が良い等の利点がある。
【図面の簡単な説明】
【0022】
本願の実施例及び従来技術の技術案をより明確に説明するために、以下では、実施例或いは従来技術の説明に必要とされる添付図面を簡単に紹介する。下記説明における添付図面は本願の一部の実施例に過ぎないことは明らかであって、当業者にとって、創造的な労働を行うことなく、これらの添付図面が示す構造により他の添付図面を得ることができる。
【
図1】本願の首振り装置の一実施例の構造模式図である。
【
図2】首振り装置の
図1におけるI-I線に沿った断面模式図である。
【
図3】本願の首振り装置のもう一つの実施例の構造模式図である。
【
図4】首振り装置の
図3におけるII-II線に沿った断面模式図である。
【
図5】本願の扇風機の一実施例の構造模式図である。
【
図6】
図5における首振り装置と扇風機ハウジングの分解構造模式図である。
【
図7】
図5における扇風機の分解構造模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下では、本願実施例における図面と組み合わせ、本願実施例における技術案を明確且つ完全に説明する。説明される実施例は本願の全ての実施例ではなく、本願の一部の実施例に過ぎないことは明らかである。本願における実施例に基づいて、当業者が創造的な労働を行わないことを前提に得た全ての他の実施例は、本願の保護する範囲に属す。
【0024】
本願の実施例において「第一」、「第二」等に関わる説明がある場合、当該「第一」、「第二」等の説明は、説明のためにだけ利用されるものであって、その相対的重要性を提示又は暗示する、或いは提示される技術的特徴の数を暗示的に指定するように理解すべきではないことは、説明しておく必要がある。これにより、「第一」、「第二」に限定された特徴は明示的或いは暗示的に少なくとも一つの当該特徴を含んでもよい。
【0025】
また、全文において現れた「及び/又は」は三つの並行する案を含むことを意味する。「A及び/又はB」を例に取ると、A案、或いはB案、或いはAとBとが同時に満たされる案を含むことになる。
【0026】
本願は首振り装置を提案する。具体的には、前記首振り装置は扇風機等の装置に使用できる。以下、扇風機を例にして説明するが、これによって本願の保護範囲を限定するものではない。扇風機に使用される場合、この首振り装置は扇風機ヘッド組立体の首振りを実現するように構成される。
【0027】
本願の一実施例において、
図1および
図2に示すように、この首振り装置100は、
貫通孔11が設けられた固定座10と、
貫通孔11内に回転可能に取り付けられた伝動軸20と、
固定座10に取り付けられたモータ30と、を備え、前記モータ30の出力軸が伝動軸20の一端に接続され、前記モータ30の出力軸31の軸線は前記伝動軸20の軸線と同一線上にあり、前記モータ30は伝動軸20の回転を駆動するように構成されている。
【0028】
前記伝動軸20の他端は、扇風機の扇風機ヘッド組立体300が取り付けられるように構成され、前記モータ30と伝動軸20とは、伝動軸20の軸方向に順次配置され、前記伝動軸20の軸線とモータ30の出力軸31の軸線とが同一直線上にある。
【0029】
具体的には、扇風機ヘッド組立体300は伝動軸20の他端に取り付けられ、作動時に、モータ30は駆動軸を通して伝動軸20の回転を直接駆動し、伝動軸20が扇風機ヘッド組立体300の左右への首振りを駆動することで、扇風機の左右首振り送風を実現する。
【0030】
本願の首振り装置100によれば、モータ30と伝動軸20とを、首振り軸の軸方向に順次配置し、且つモータ30によって伝動軸20の回転を直接(伝動構造を使用することなく)駆動することで、モータ30の占有する空間を十分に利用することができ、それによって首振り装置100の横方向(即ち伝動軸20の軸線に垂直な方向)寸法を小さくすることができるので、首振り装置100の小型化設計を実現し、生産と製造のコストを下げて、首振り装置100の製造性を高めることができるとともに、伝動効率を向上させることができる。
【0031】
したがって、本願の首振り装置100は、体積が小さく、伝動効率が高く、生産と製造のコストが低く、及び製造性が良い等の利点がある。
【0032】
具体的には、前記固定座10は、貫通孔11を有する軸取付部(図示せず)と、軸取付部の一端に設けられかつ軸方向であって軸取付部から離れる方向に延在するモータ取付部(図示せず)とを含み、放熱性を改善するために、前記モータ30は前記モータ取付部にむきだしで取り付けられている。
【0033】
さらに、
図1および
図2に示すように、前記伝動軸20の一端には軸取付孔21が設けられ、前記モータ30の出力軸31は前記軸取付孔21に取り付けられている。これにより、モータ30の軸とプロペラ軸20との接続が容易になる。
【0034】
具体的な実施例において、前記軸取付孔21の構造は様々な形態を有してもよく、例えば、一実施例において、前記軸取付孔21は異形孔であり、前記モータ30の出力軸31の(末端)の横断面形状は不規則形状であり、且つ異形孔に挿設されるように構成されており、例えば、前記軸取付孔21は長円孔であり、あるいは、前記軸取付孔21の一部が長円孔であり、前記モータ30の出力軸31の末端の横断面は長円形で、前記出力軸31の末端は長円孔内に取り付けられるように構成されている。また、他の実施例において、前記軸取付孔21内には内スプラインが設けられ、前記モータ30の出力軸31の外周面には外スプラインが設けられ、前記外スプラインは前記内スプラインと嵌合されている。さらに別の実施例において、前記モータ30の出力軸31と前記軸取付孔21との間はピンによって接続されている。これにより、モータ30の出力軸31と伝動軸20との動力伝達が容易になり、伝動軸20の回転を駆動することが容易になる。
【0035】
具体的な実施例において、前記伝動軸20は、軸受けを介して前記貫通孔11内に回転可能に取り付けられてもよいし、回転抵抗を低減するために、前記貫通孔11内に伝動軸20と回転可能に嵌合される凸部を設けることで、伝動軸20の前記貫通孔11内への回転可能な取付を実現してもよい。以下、伝動軸20の他の構造に関連してそれぞれ説明する。
【0036】
さらに、
図1および
図2に示すように、前記伝動軸20は段付き軸である。これにより、伝動軸20と他の構造との嵌合が容易になるので、伝動軸20の位置決め及び位置制限が容易になる。
【0037】
具体的には、前記伝動軸20の小さい方の端部はモータ30の出力軸31に接続され、前記伝動軸20の大きい方の端部は扇風機の扇風機ヘッド組立体300が取り付けられるように構成されている。
【0038】
具体的には、
図1および
図2に示すように、前記貫通孔11内にはストッパ環状凸部111が凸設され、前記伝動軸20は前記ストッパ環状凸部111の内側に回転可能に取り付けられている。このように、伝動軸20の回転時に、ストッパ環状凸部111を伝動軸20に摺動的に当接させて、伝動軸20の回転時のぐらつきを防止して、伝動軸20の回転の安定性を向上させることができる。同時に、伝動軸20に摺動的に当接するようにストッパ環状凸部111を設けることにより、伝動軸20との接触面積を小さくして、回転抵抗を小さくすることもできる。また、生産コストの削減にもつながる。
【0039】
さらに、図に示すように、前記ストッパ環状凸部111は前記伝動軸20の段部に取り付けられている。これにより、取り付け時に、伝動軸20に対する位置決め及び位置制限が容易になる。
【0040】
具体的には、前記ストッパ環状凸部111は、伝動軸20の第1段部に設けられている。なお、伝動軸20の第1段部とは、伝動軸20の段部のうちの1つの段部を意味し、ここでは、表現しやすくするためにだけ、第1段部として定義している。
【0041】
また、前記ストッパ凸部111と第1段部との接合部に潤滑油等の潤滑剤を設けてもよい。
【0042】
図1および
図2に示すように、前記首振り装置100はさらに方向切替組立体を含み、前記方向切替組立体は前記伝動軸が往復回転する既定回転角度を限定するように構成されている。これにより、扇風機ヘッド組立体300が既定回転角度範囲内で回転するように、伝動軸20を既定回転角度範囲内で回転させることができる。
【0043】
具体的には、
図1および
図2に示すように、前記方向切替組立体はホール素子41と磁気素子42とを含み、前記ホール素子41と前記磁気素子42とのうちの一方が伝動軸20に取り付けられ、他方が固定座10に取り付けられている。
【0044】
本実施例において、
図1および
図2に示すように、前記磁気素子42は伝動軸20に取り付けられ、前記ホール素子41が固定座10に取り付けられ、前記ホール素子41は磁気素子42の回転経路に近接して設置されている。
【0045】
具体的には、前記ホール素子41は、製品内部に設けられた制御素子(例えば、電気制御ボード等)と電気的に接続されている。首振り装置100の作動時に、モータ30は、伝動軸20及びその上の磁気素子42の回転を駆動し、磁気素子42がホール素子41に対向する位置に回転すると、磁気素子42がホール素子41を作動させ、ホール素子41は作動信号を制御素子に送信し、前記制御素子はこの作動信号に基づいて磁気素子42の回転位置を確定し、磁気素子42の位置に応じて、モータ30を制御して、伝動軸20が既定回転角度範囲内で回転するように駆動させる。
【0046】
ここで、前記磁気素子42は磁石であり、前記ホール素子41はホール基板である。
【0047】
本実施例において、ホール素子41及び磁気素子42を方向切替組立体の検出組立体として選択することで、ホール素子41及び磁気素子42の購入コストが比較的低いため、製品の製造コストを効果的に下げて、製品の最適化を図ることができる。もちろん、例えば感光素子などの他の素子も、本願の目的を達成することができる限り、選択してもよい。
【0048】
本実施例において、前記磁気素子42を既定回転角度の中間位置に配置してもよい。このようにすると、検出された磁気素子42の位置に応じて、一方向に第1既定角度だけ回転してから逆方向に回転するように伝動軸20を制御したり、そして、再び磁気素子42の位置を検出したときに、さらに第2既定角度だけ回転してから再度逆方向に回転するように伝動軸20を引き続き制御したり、繰り返すようにしてもよい。ここで、第1既定角度と第2既定角度とは等しく、第1既定角度と第2既定角度との和がすなわち既定回転角度である。
【0049】
前記既定回転角度が少なくとも50度であるようにしてもよい。このようにして、首振り装置100と扇風機とが一定の送風範囲を有することを保証できる。
【0050】
あるいは、前記既定回転角度が多くとも150度であるようにしてもよい。これにより、首振り装置100と扇風機の送風範囲が大きすぎるのを防止できる。
【0051】
より具体的には、前記既定回転角度を、少なくとも60度、且つ、多くとも120度とすることができる。
【0052】
さらに、
図1および
図2に示すように、前記方向切替組立体は複数の段階を有し、各段階は1つの既定回転角度に対応している。このように、ユーザは、必要に応じて首振り装置100の伝動軸20の回転範囲を制御することで、扇風機の送風範囲を制御することができるので、首振り装置100の適用性を向上させ、ユーザ体験及び市場競争力を向上させることができる。
【0053】
本実施例において、前記方向切替組立体は3つの段階を有し、3つの段階に対応する既定回転角度はそれぞれ、60度、90度、120度とすることができる。
【0054】
具体的には、前記首振り装置100又は扇風機にはリモコンが付いており、前記リモコンには方向切替ボタンがあり、前記ボタンが押された回数に応じて、方向切替組立体の段階を調節することができる。
【0055】
さらに、
図1および
図2に示すように、前記首振り装置100はさらに軸スリーブ50を含み、前記軸スリーブ50は伝動軸20の外に固定的に嵌設され、前記磁気素子42は軸スリーブ50に取り付けられている。このように、軸スリーブ50を設置することにより、伝動軸20の左右回転の限界位置を規制するために、磁気素子42を伝動軸20に簡単に取り付けることができるようになる。
【0056】
さらに、
図2に示すように、前記軸スリーブ50は前記伝動軸20の段部に取り付けられている。これにより、取り付け時に、軸スリーブ50に対する位置決め及び位置制限が容易になる。
【0057】
さらに、
図1および
図2に示すように、前記軸スリーブ50は、前記伝動軸20の第2段部に設置され、前記第1段部は前記第2段部に隣接して設けられ、前記軸スリーブ50は、ストッパ環状凸部111に隣接して設けられている。こうして、首振り装置100の構造コンパクト性を向上させることができるので、首振り装置100の小型化を実現するのに有利である。
【0058】
具体的には、
図1および
図2に示すように、前記第2段部は、第1段部とモータ30との間に設けられている。
【0059】
さらに、
図1および
図2に示すように、前記貫通孔11内にはさらに支持凸部112が凸設されており、前記軸スリーブ50は、ストッパ凸部111と支持凸部112との間に設けられ、前記軸スリーブ50のストッパ凸部111から離れた一端は、支持凸部112に当接することが可能である。これにより、軸スリーブ50の位置を制限することで、伝動軸20の位置を貫通孔11内に制限することが可能となる。
【0060】
本実施例において、前記伝動軸20は4つのセグメントを含み、
図2に示す状態で、上から順に第1セグメント、第2セグメント、第3セグメントおよび第4セグメントであり、それらの直径は、前記第1セグメント、第2セグメント、第3セグメントおよび第4セグメントの順に小さくなる。
【0061】
ここで、前記第1セグメントは、前記第1端から離れた伝動軸20の位置に設置され、前記第1セグメントは、扇風機ヘッド組立体300と接続するために、貫通孔11の外に延出しており、具体的には、前記第1セグメントには、扇風機ヘッド組立体300と接続される嵌合構造が設けられている。
【0062】
ここで、前記第2セグメントと第3セグメントとの間に第1段部が形成されている。
【0063】
前記第3セグメントと第4セグメントとで第2段部を形成している。
【0064】
さらに、
図1および
図2に示すように、前記伝動軸20には、配線用の配線孔22が設けられている。このように、電気接続線aを伝動軸20上の配線孔22内に設置することにより、伝動軸20内での配線が可能となり、周りでの配線を避けることができるので、伝動軸20の回転時に電気接続線aが揺れ/引っ張りで切れてしまうのを避けることができ、さらには首振り装置100及び扇風機の信頼性を向上させることができる。
【0065】
具体的には、前記配線孔22は、伝動軸20の軸方向に延びる軸方向セグメントと、軸方向セグメントと連通し、伝動軸20のモータ30から離れた端面を貫通する径方向セグメントとを含む。このように、配線孔22をL字状又は略L字状とすることにより、通線を容易にすることができる。
【0066】
具体的には、前記径方向セグメントは、前記伝動軸20の第4セグメントに設けられている。
【0067】
具体的には、前記伝動軸20は中空軸である。あるいは、前記伝動軸20を一体化構造とすることにより、伝動軸20が高い構造強度と優れた信頼性を有するようにすることができる。
【0068】
具体的には、
図1および
図2に示すように、前記軸スリーブ50には、径方向セグメントに対応するように、配線通り孔51が設けられている。
【0069】
もちろん、配線孔22を他の方式で設計してもよいが、例えば、配線孔22の両端を、伝動軸20の両端面をそれぞれ貫通させてもよいが、その場合、配線を容易にするために、伝動軸20とモータ30本体との間に十分な距離を設ける必要がある。また例えば、配線孔22がZ型にされ、すなわち、伝動軸20の軸方向に延びる軸方向セグメントと、軸方向セグメントと連通する2つの径方向セグメントとを含み、2つの径方向セグメントが間隔をおいて分布し、一方の径方向セグメントが伝動軸20のモータ30から離れた端部に近接して配置され、他方の径方向セグメントが伝動軸20のモータ30に近い端部に近接して配置されている。
【0070】
さらに、
図1および
図2に示すように、前記首振り装置100はさらに開口ストッパリング70を含み、前記開口ストッパリング70は前記伝動軸20のモータ30に近い端部に設けられ、前記開口ストッパリング70は伝動軸20外に嵌設され、伝動軸20の周面から横方向に凸出している。具体的には、前記開口ストッパリング70は、支持凸部112のモータ30に向かう側に設けられている。こうして、伝動軸20を持ち上げる際(例えば、扇風機ヘッド組立体300を持ち上げる際)には、開口ストッパリング70が支持凸部112等の部材に当接して伝動軸20の軸方向移動位置を制限し、伝動軸20が貫通孔11内で軸方向に移動するのを防止することができる。
【0071】
あるいは、前記伝動軸20の周面に環状の取付溝が設けられ、前記開口ストッパリング70が環状の取付溝内に設置されていてもよい。
【0072】
具体的な実施例において、モータ30を下方に設置し、すなわち、モータ30を扇風機ヘッド組立体300の下方に設置してもよいし、モータ30を上方に設置し、すなわち、モータ30を扇風機ヘッド組立体300の上方に設置してもよい。
【0073】
一実施例において、前記モータ30はステッピングモータ30である。
【0074】
一実施例において、前記モータ30の回転速度は、0より大きく、且つ25回転/分(r/min)以下である。このように、速すぎる首振りを避けることができる。
【0075】
詳しくは、前記モータ30の回転速度は2回転/分以上である。このように、遅すぎる首振りを避けることができる。
【0076】
より詳細には、前記モータ30の回転速度を3回転/分以上且つ15回転/分以下にすることができ、これによって、扇風機ヘッドの首振り速度をより適切にすることができる。本実施例において、前記モータ30の回転速度は3回転/分以上且つ10回転/分以下である。
【0077】
一実施例において、前記伝動軸20はプラスチック部品である。
【0078】
本発明のもう一つの実施例において、
図3および
図4に示すように、ストッパ凸部111を設ける代わりに、軸受けを用いて、伝動軸20を貫通孔11内に回転可能に取り付けるのを実現してもよい。本実施例において、具体的には、前記首振り装置100はさらに軸受けを含み、前記伝動軸20は前記軸受けを介して前記貫通孔11内に回転可能に取り付けられている。これにより、伝動軸20の回転抵抗を低減して、伝動軸20の回転安定性を向上させて、騒音を低減することができる。
【0079】
本実施例において、さらに、図示のように、前記軸受けは、伝動軸20の軸方向に間隔をおいて設置された2つのサブ軸受け、すなわち、それぞれ第1サブ軸受け61と第2サブ軸受け62、を含む。このように、伝動軸20に間隔をおいて分布する2つのサブ軸受けを設置することにより、伝動軸20の回転安定性を向上させることができる。
【0080】
本実施例において、さらに、
図3および
図4に示すように、第1サブ軸受け61は前記伝動軸20の段部に取り付けられている。このように、第1サブ軸受け61を伝動軸20の段部に取り付けることにより、組立時に、第1サブ軸受け61と伝動軸20との位置決めや位置制限を容易に行うことができる。
【0081】
本実施例において、さらに、前記軸受けは前記伝動軸20の段部に取り付けられ、具体的には、前記第1サブ軸受け61は伝動軸20における第2段部に隣接する第1段部に取り付けられ、前記軸スリーブ50は第1サブ軸受け61に隣接して設置されている。こうして、首振り装置100の構造コンパクト性を向上させることができるので、首振り装置100の小型化を実現するのに有利である。
【0082】
本実施例において、具体的には、
図3および
図4に示すように、前記貫通孔11内には位置制限凸部が凸設され、前記第1サブ軸受け61は位置制限凸部と伝動軸20の第2セグメントとの間に設けられている。このように、組立時に、第1サブ軸受け61と伝動軸貫通孔20および貫通孔11との位置決めや位置制限を容易に行うことができる。
【0083】
また、前記第1サブ軸受け61は、軸スリーブ50にも当接していてもよい。
【0084】
本実施例において、具体的には、
図3および
図4に示すように、支持凸部112を設けず、前記第2サブ軸受け62を伝動軸20のモータ30に近い端部に設け、前記軸スリーブ50を第1サブ軸受け61と第2サブ軸受け62との間に設けている。
【0085】
あるいは、前記軸スリーブ50の第1サブ軸受け61から離れた端部を第2サブ軸受け62に当接させてもよい。このようにして、構造コンパクト性も向上させることもできる。
【0086】
この実施例において、前記第2サブ軸受け62はプラスチック部品であってもよい。
【0087】
本実施例において、前記首振り装置100の組立手順は、概して、1)第1サブ軸受け61を伝動軸20に取り付け、2)その後、固定座10、軸スリーブ50、磁気素子42、ホール素子41、第2サブ軸受け62と開口ストッパリング70等の部品を順次取り付け、3)最後に、モータ30を固定する、というものである。もちろん、他の順序で組み立ててもよい。
【0088】
本願はさらに扇風機1000を提案する。この扇風機1000は首振り装置100を含み、この首振り装置100の具体的な構造については、上記実施例を参照されたい。本願の扇風機1000は上記全ての実施例の全ての技術案を採用したので、少なくとも上記実施例の技術案がもたらす全ての技術的効果を有し、ここでは説明を省く。
【0089】
さらに、図示するように、前記扇風機1000はさらに扇風機ハウジング200を含み、前記首振り装置100は扇風機ハウジング200内に取り付けられている。このようにして、首振り装置100を保護および支持することができる。
【0090】
さらに、図示するように、前記扇風機ハウジング200は一体型構造である。前記扇風機ハウジング200の長手方向において、前記扇風機ハウジング200の端部には開口201が設けられており、前記首振り装置100は、前記開口201から前記扇風機ハウジング200内にスライドするように構成されている。このようにして、首振り装置100の迅速かつ容易な取り付けを実現することができる。もちろん、他の実施例において、前記扇風機ハウジング200は別体型構造であってもよい。
【0091】
あるいは、図示するように、扇風機1000はさらに扇風機ヘッド組立体300を含み、前記扇風機ハウジング200の長手方向において、前記扇風機ヘッド組立体300は扇風機ハウジング200の一端に取り付けられているとともに、首振り装置100の伝動軸20と接続されていてもよい。
【0092】
あるいは、前記扇風機1000はさらに、ベース(図示せず)を含み、前記扇風機ハウジング200の他端はベースに取り付けられていてもよい。
【0093】
あるいは、前記扇風機1000はさらに、首振り装置100に接続された制御部(図示せず)を含んでもよい。
【0094】
以上に述べたことは本願の好ましい実施例に過ぎず、それによって本願の特許の範囲を制限するわけではない。本願の発明構想の下で、本願の明細書及び添付図面の内容を利用してなされた等価構造変換、或いは他の関連する技術分野への直接/間接的な応用は、何れも本願の特許の保護範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0095】
100 首振り装置
10 固定座
11 貫通孔
111 ストッパ環状凸部
112 支持凸部
20 伝動軸
21 軸取付孔
22 配線孔
30 モータ
31 出力軸
41 ホール素子
42 磁気素子
50 軸スリーブ
51 配線通り孔
61 第1サブ軸受け
62 第2サブ軸受け
70 開口ストッパリング
a 電気接続線
1000 扇風機
200 扇風機ハウジング
201 開口
300 扇風機ヘッド組立体
【国際調査報告】