IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ エイエムティ カンパニー リミテッドの特許一覧

特表2023-505946微細ピッチを有するデバイスのアライン装置及びその方法
<>
  • 特表-微細ピッチを有するデバイスのアライン装置及びその方法 図1
  • 特表-微細ピッチを有するデバイスのアライン装置及びその方法 図2
  • 特表-微細ピッチを有するデバイスのアライン装置及びその方法 図3
  • 特表-微細ピッチを有するデバイスのアライン装置及びその方法 図4
  • 特表-微細ピッチを有するデバイスのアライン装置及びその方法 図5a
  • 特表-微細ピッチを有するデバイスのアライン装置及びその方法 図5b
  • 特表-微細ピッチを有するデバイスのアライン装置及びその方法 図6a
  • 特表-微細ピッチを有するデバイスのアライン装置及びその方法 図6b
  • 特表-微細ピッチを有するデバイスのアライン装置及びその方法 図7
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-02-14
(54)【発明の名称】微細ピッチを有するデバイスのアライン装置及びその方法
(51)【国際特許分類】
   G01R 31/26 20200101AFI20230207BHJP
【FI】
G01R31/26 Z
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022528318
(86)(22)【出願日】2020-11-05
(85)【翻訳文提出日】2022-06-02
(86)【国際出願番号】 KR2020012674
(87)【国際公開番号】W WO2021182699
(87)【国際公開日】2021-09-16
(31)【優先権主張番号】10-2020-0029083
(32)【優先日】2020-03-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】520023330
【氏名又は名称】エイエムティ カンパニー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100149870
【弁理士】
【氏名又は名称】芦北 智晴
(74)【代理人】
【識別番号】100207022
【弁理士】
【氏名又は名称】小島 弘之
(72)【発明者】
【氏名】キム ドチョル
(72)【発明者】
【氏名】リ ウァング
【テーマコード(参考)】
2G003
【Fターム(参考)】
2G003AA07
2G003AG11
2G003AG16
(57)【要約】
本発明の実施形態による微細ピッチを有するデバイスのアライン方法は、複数本の真空孔を有するベースプレートの上面にデバイスを順番に搬入するステップと、前記ベースプレートにデバイスが搬入された状態で真空圧がかかることにより、搬入されたデバイスを微細に移動可能な真空圧にて吸引するステップと、前記ベースプレートの上部に位置するアラインビジョンアッセイがアラインしようとするデバイスの上部に移動した後に下降するステップと、前記アラインブロックがデバイスを包み込んだ状態で、通孔及び開口部を介してビジョンにてデバイスの位置を確認して制御部に座標値を報知するステップと、前記デバイスの座標値に基づいて、ベースプレートをX-Y-θ方向に微細に移動させて、デバイスが開口部の2面に導かれてアラインされるステップと、を含み、ベースプレートの上面にデバイスが搬入される度にベースプレートをX-Y軸方向に1ピッチずつ移動させながらデバイスのアラインを行うことを特徴とする。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
垂直柱(11)を有するベース(10)と、
前記ベース(10)の上面にY軸方向に沿って1ピッチずつ移動可能なように配設されたY軸プレート(20)と、
前記Y軸プレート(20)の上面に配設され、デバイス(30)の載置個所にそれぞれ真空孔が形成されてデバイス(30)が搬入された状態で真空圧がかかることにより、搬入されたデバイス(30)を微細に移動可能な真空圧にて吸引するベースプレート(40)と、
前記Y軸プレート(20)の上面に配設されてベースプレート(40)に搬入されたデバイス(30)の位置に応じてベースプレート(40)をX-Y-θ方向に微細に移動させるベースプレート位置調節手段(50)と、
前記ベース(10)の垂直柱(11)に配設されて、X軸方向に沿って1ピッチずつ水平移動するX軸プレート(60)と、
前記X軸プレート(60)に配設されてZ軸に沿って昇降するZ軸プレート(71)と、
前記Z軸プレート(71)に配設され、通孔(72a)が形成されたビジョンブロック(72)と、
前記ビジョンブロック(72)の下部に配設され、ベースプレート(40)に吸引されたデバイス(30)を包み込むように開口部(73a)が形成されたアラインブロック(73)と、
前記Z軸プレート(71)の上部に配設されて、ビジョンブロック(72)の通孔(72a)及び開口部(73a)を介してベースプレート(40)に吸引されたデバイス(30)の位置を確認して制御部に座標値を報知するビジョン(74)と、
を備えて、
ベースプレート(40)に吸引されたデバイス(30)の座標値に基づいてアラインブロック(73)が下降して、デバイス(30)を包み込んだ状態でベースプレート位置調節手段(50)によってベースプレート(40)をX-Y-θ方向に微細に移動させて、デバイス(30)をアラインすることを特徴とする微細ピッチを有するデバイスのアライン装置。
【請求項2】
前記ベースプレート位置調節手段(50)は、
前記Y軸プレート(20)に固定された取付板(51)と、
前記取付板(51)に対向するように配設された一対のX軸モーター(52a,52b)と、
前記X軸モーターと直交するように取付板(51)に配設されたY軸モーター(53)と、
前記X軸モーター(52a,52b)及びY軸モーター(53)によってX-Y-θ方向に微細に移動可能なように配設された可動板(54)と、
前記取付板(51)と可動板(54)との間に配設されて、可動板(54)がX-Y軸方向に移動されるようにする4本のクロスローラー(55)と、
前記可動板(54)を各クロスローラー(55)に回転可能なように結合するシャフト(56)と、
を備えることを特徴とする請求項1に記載の微細ピッチを有するデバイスのアライン装置。
【請求項3】
前記Y軸プレート(20)及びX軸プレート(60)がLMガイド(20a,60a)に導かれて直線運動をすることを特徴とする請求項1に記載の微細ピッチを有するデバイスのアライン装置。
【請求項4】
前記ベースプレート(40)の内部にヒーター及び冷却パイプが配設されたことを特徴とする請求項1に記載の微細ピッチを有するデバイスのアライン装置。
【請求項5】
複数本の真空孔を有するベースプレート(40)の上面にデバイス(30)を順番に搬入するステップと、
前記ベースプレート(40)にデバイス(30)が搬入された状態で真空圧がかかることにより、搬入されたデバイス(30)を微細に移動可能な真空圧にて吸引するステップと、
前記ベースプレート(40)の上部に位置するアラインビジョンアッセイ(70)がアラインしようとするデバイス(30)の上部に移動した後に下降するステップと、
アラインブロック(73)がデバイス(30)を包み込んだ状態で、通孔(72a)及び開口部(73a)を介してビジョン(74)にてデバイス(30)の位置を確認して制御部に座標値を報知するステップと、
前記デバイス(30)の座標値に基づいて、ベースプレート(40)をX-Y-θ方向に微細に移動させて、デバイス(30)が開口部(73a)の2面に導かれてアラインされるステップと、
を含み、
ベースプレート(40)の上面にデバイス(30)が搬入される度にベースプレート(40)をX-Y軸方向に1ピッチずつ移動させながらデバイス(30)のアラインを行うことを特徴とする微細ピッチを有するデバイスのアライン方法。
【請求項6】
前記デバイス(30)を5~50mmHgの圧力にて吸引した状態で、アラインブロック(73)がデバイス(30)の位置を補正することを特徴とする請求項5に記載の微細ピッチを有するデバイスのアライン方法。
【請求項7】
前記デバイス(30)のアラインが行われ終了すると、デバイス(30)が動かないように2次圧力にて吸引するステップをさらに行うことを特徴とする請求項5に記載の微細ピッチを有するデバイスのアライン方法。
【請求項8】
前記2次圧力が50~100mmHgであることを特徴とする請求項7に記載の微細ピッチを有するデバイスのアライン方法。
【請求項9】
前記アラインブロック(73)がデバイス(30)の位置を補正してアラインを行い終えると、開口部(73a)の内面をデバイス(30)から引き離した後、アラインブロック(73)が上昇することを特徴とする請求項5に記載の微細ピッチを有するデバイスのアライン方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、微細ピッチを有するデバイスのアライン装置及びその方法に係り、さらに詳しは、バンプ(bump)の大きさが小さく、しかも、ピッチが狭いボールグリッドアレイ(BGA:Ball Grid Array)または薄型スモールアウトラインパッケージ(TSOP:Thin Small Outline Package)などのデバイスを生産した後、ハンドラー(handler)において性能テストが行えるように複数台のデバイスを自動的にかつ正確にアライン(align)する微細ピッチを有するデバイスのアライン装置及びその方法に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、ICなどの半導体デバイスは、その製造工程中に電気的な特性を検査してその良否を検査しており、前記半導体デバイスの電気的な特性の検査は、半導体デバイスのボール端子とプリント回路基板(PCB)付きテストボードの接点とを電気的に接続して設定された時間の間にテストを行って良品は出荷し、不良品はテストを行い直したり廃棄処分したりしている。
【0003】
従来には、テストを行うべきデバイスをキャリアに挿入した状態でテスター側にそれぞれ別々に搬送してデバイスの電気的な特性のテストを行っていた。
【0004】
すなわち、デバイスの電気的なテストは、キャリアに搭載されたデバイスのボール端子とソケットアセンブリーに支持されたプローブピンとの電気的な接触によって行うが、このとき、非常に小さな大きさのボール端子とプローブピンは狭いピッチにて配置されているため、テストを行うに際して非常に高精度のアラインが求められるが、ボール端子とプローブピンとの位置合わせは、キャリアのアライン孔とソケットガイドのアラインピンとの位置合わせによって行われる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】大韓民国登録特許公報第10-1464990号
【特許文献2】大韓民国登録特許公報第10-1779172号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、このような従来のアライン装置は、次のようないろいろな問題を抱えていた。
【0007】
まず、第一に、搬入部に位置させられているデバイスを搬入ピッカーが吸着してキャリアに収めて、デバイスの収められたキャリアを順番にテスト側に搬送して設定された時間の間にテストを行った後、デバイスのテストが行われ終了したキャリアを搬出部に搬送して、テストの結果に基づいて、搬出ピッカーがデバイスを良品及び不良品に選別して搬出するが故に、装備のコンパクト化を図ることができない。
【0008】
第二に、テストを行うに際してキャリアをソケットガイドに取り付けたりそこから取り外したりする作業を繰り返し行わなければならないため、アラインピンとアライン孔は、繰り返し的な取り付け及び取り外しにより遊びが増えてしまう結果、ボール端子とプローブピンとのミスマッチングまたはオフセット(offset)を招いてしまう。
【0009】
第三に、数千台以上のデバイスに対する導電性テストを行うとき、デバイスとプローブピンとの衝突によって高価なデバイスの破損を引き起こす虞があり、破損されたデバイスのボール端子が装備に残留する場合に導電性テストを止めた状態で取り替えないし修理を行うことを余儀なくされるため、高価な装備の稼働率が低下してしまう。
【0010】
本発明は、従来のこのような不都合を解決するために案出されたものであり、テストを行うべきデバイスを真空圧がかかるベースプレートの上面に搬入し終えると、ビジョンが搬入されたデバイスの座標を認識して制御部に報知することにより、アラインブロックがデバイスを包み込んだ状態でX-Y-θ軸方向に移動させながらデバイスの位置を自動的にアラインできるようにするところにその目的がある。
【0011】
本発明の他の目的は、複数台のデバイスの位置がアラインされて真空圧によってベースプレートに吸着された状態でベースプレートをテスター側に移動させた後、ベースプレートに吸着された複数台のデバイスのボール端子を同時にテスターの端子に接続させて電気的なテストを行えるようにするところにある。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記の目的を達成するための本発明の形態によれば、垂直柱を有するベースと、前記ベースの上面にY軸方向に沿って1ピッチずつ移動可能なように配設されたY軸プレートと、前記Y軸プレートの上面に配設され、デバイスの載置個所にそれぞれ真空孔が形成されてデバイスが搬入された状態で真空圧がかかることにより、搬入されたデバイスを微細に移動可能な真空圧にて吸引するベースプレートと、前記Y軸プレートの上面に配設されてベースプレートに搬入されたデバイスの位置に応じてベースプレートをX-Y-θ方向に微細に移動させるベースプレート位置調節手段と、前記ベースの垂直柱に配設されて、X軸方向に沿って1ピッチずつ水平移動するX軸プレートと、前記X軸プレートに配設されてZ軸に沿って昇降するZ軸プレートと、前記Z軸プレートに配設され、通孔が形成されたビジョンブロックと、前記ビジョンブロックの下部に配設され、ベースプレートに吸引されたデバイスを包み込むように開口部が形成されたアラインブロックと、前記Z軸プレートの上部に配設されて、ビジョンブロックの通孔及び開口部を介してベースプレートに吸引されたデバイスの位置を確認して制御部に座標値を報知するビジョンと、を備えて、ベースプレートに吸引されたデバイスの座標値に基づいてアラインブロックが下降して、デバイスを包み込んだ状態でベースプレート位置調節手段によってベースプレートをX-Y-θ方向に微細に移動させてデバイスをアラインすることを特徴とする微細ピッチを有するデバイスのアライン装置が提供される。
【0013】
本発明の他の形態によれば、複数本の真空孔を有するベースプレートの上面にデバイスを順番に搬入するステップと、前記ベースプレートにデバイスが搬入された状態で真空圧がかかることにより、搬入されたデバイスを微細に移動可能な真空圧にて吸引するステップと、前記ベースプレートの上部に位置するアラインビジョンアッセイがアラインしようとするデバイスの上部に移動した後に下降するステップと、前記アラインブロックがデバイスを包み込んだ状態で、通孔及び開口部を介してビジョンにてデバイスの位置を確認して制御部に座標値を報知するステップと、前記デバイスの座標値に基づいて、ベースプレートをX-Y-θ方向に微細に移動させて、デバイスが開口部の2面に導かれてアラインされるステップと、を含み、ベースプレートの上面にデバイスが搬入される度にベースプレートをX-Y軸方向に1ピッチずつ移動させながらデバイスのアラインを行うことを特徴とする微細ピッチを有するデバイスのアライン方法が提供される。
【発明の効果】
【0014】
本発明は、従来に比べて次のようないろいろなメリットを有する。
【0015】
まず、第一に、デバイスをベースプレートに順番に搬入した後、微細に移動可能な真空圧にて吸引した状態でベースプレートに搬入されたデバイスの位置をビジョンにて確認して座標値を制御部に報知した後、デバイスをアラインブロックにて包み込んだ状態でベースプレート位置調節手段によってデバイスをアラインすることから、装備のコンパクト化を図ることができる。
【0016】
第二に、別途のキャリアを用いることなく、複数台のデバイスを同時にテスターと電気的に接続してテストを行うことから、デバイスのボール端子とプローブピンとのミスマッチングまたはオフセット(offset)を招くという現象を未然に防ぐことはもとより、高価な装備のテスト効率を極大化させることが可能になる。
【0017】
第三に、ベースプレート位置調節手段の高い位置決め力及び摩擦力の減少によってアライン精度を極大化させることが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】本発明の構成を示す斜視図である。
図2図1の正面図である。
図3図1の側面図である。
図4】本発明のベースプレート位置調節手段の一実施形態を示す斜視図である。
図5a図4の平面図である。
図5b図4の平面図である。
図6a】本発明のアラインブロックがデバイスを包み込んだ状態の平面図である。
図6b】本発明のアラインブロックの内周面にデバイスの2面が接続されてデバイスの位置を補正する状態図である。
図7】本発明のアライン方法を説明するためのフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、添付図面に基づいて、本発明の実施形態について本発明が属する技術分野において通常の知識を有する者が容易に実施できるように詳しく説明する。本発明は、いろいろな異なる形態に具体化でき、ここで説明する実施形態に何ら限定されない。図面は概略的であり、縮尺に合うように示されていないということに留意すべきである。図面に示されている部分の相対的な寸法及び比率は、図面における明確性及び便宜性のためにその大きさにおいて誇張されたり減少されたりして示されており、任意の寸法は、単なる例示的なものに過ぎず、限定的なものではない。なお、二以上の図面に示される同一の構造物、要素もしくは部品には同じ参照符号が類似の特徴を表わすために用いられる。
【0020】
図1は、本発明の構成を示す斜視図であり、図2及び図3は、図1の正面図及び側面図であって、本発明は、垂直柱11を有するベース10の上面にY軸方向に沿って1ピッチずつ(ベースプレートに搬入されるデバイスの間隔)移動可能なようにY軸プレート20が配設されており、前記Y軸プレート20の上面には、デバイス30の載置個所にそれぞれ真空孔が形成されてデバイス30が搬入された状態で真空圧がかかることにより、搬入されたデバイス30を微細に移動可能な真空圧(約5~50mmHg)にて吸引するベースプレート40が配設されている。
【0021】
本発明の一実施形態においては、ベースプレート40を正方形の形状に示しているが、必要に応じて、長方形の形状または円形の形状など種々の形状が採用可能である。
【0022】
前記ベースプレート40の内部にはヒーター及び冷却パイプ(図示せず)を設けて、デバイス30をベースプレート40の上面に搬入(loading)する前に、デバイス30のテスト条件に応じて、常温に保持したり、約50~170℃に加熱したり、約0~-55℃に冷却させたりするようになっている。
【0023】
これは、たとえベースプレート40の材質として最小膨張係数を有する材質(例えば、セラミックなど)を用いるとしても、ベースプレート40の1辺が300mmであると仮定すれば、加熱及び冷却に伴って約0.3mmの範囲内において膨縮するため、デバイス30をベースプレート40の上面に搬入する前に、テスト条件に応じて、ベースプレート40の温度を調節して、ベースプレート40の膨縮に伴う誤差を最小化できるようにするためである。
【0024】
前記Y軸プレート20の上面には、ベースプレート40に搬入されたデバイス30の位置に基づいて、ベースプレート40をX-Y-θ方向に沿って微細に移動させるベースプレート位置調節手段50が配備されている。
【0025】
前記ベースプレート位置調節手段50が、本発明の一実施形態においては、図5a及び図5bに示すように、前記Y軸プレート20に固定された取付板51と、前記取付板51に対向するように配設された一対のX軸モーター52a,52bと、前記X軸モーターと直交するように取付板51に配設されたY軸モーター53と、前記X軸モーター52a,52b及びY軸モーター53によってX-Y-θ方向に微細に移動可能なように配設された可動板54と、前記取付板51と可動板54との間に配設されて、可動板54がX-Y軸方向に移動されるようにする4本のクロスローラー55と、前記可動板54を各クロスローラー55に回転可能なように結合するシャフト56と、を備えている。
【0026】
前記クロスローラー55は、X軸、Y軸LMガイド(図示せず)を有する多段の板からなっている。
【0027】
しかしながら、本発明の一実施形態として示された前記ベースプレート位置調節手段50は、株式会社ミスミ(型番:AA-300-3S)において生産する公知の既成品であるということに留意すべきである。
【0028】
前記ベースプレート位置調節手段50を当該分野における専門家によって様々な形状に変形して適用可能であるということは理解できる筈である。
【0029】
前記ベース10の垂直柱11に、X軸方向に沿って1ピッチずつ水平移動するX軸プレート60が配設されており、前記X軸プレート60には、ベースプレート40に搬入されたデバイス30の座標値を読み取って制御部(図示せず)に報知するとともに、デバイス30をアラインするアラインビジョンアッセイ70が配備されている。
【0030】
前記アラインビジョンアッセイ70の構成について述べると、X軸プレート60にZ軸に沿って昇降可能なようにZ軸プレート71が配設されており、前記Z軸プレート71には通孔72aが形成されたビジョンブロック72が配設されており、前記ビジョンブロック72の下部にはベースプレート40に吸引されたデバイス30を包み込むアラインブロック73が配設されている。
【0031】
このとき、前記アラインブロック73には、図6aに示すように、デバイス30よりも大きな開口部73aが形成されていて、アラインブロック73が下死点まで下降すれば、アラインブロック73の開口部73aにデバイス30が収容された状態を保持するようになっている。
【0032】
前記Y軸プレート20及びX軸プレート60がLMガイド20a,60aにそれぞれ導かれて直線運動をするようになっていて、Y軸プレート20及びX軸プレート60が移動するときに摩擦力を減少させることが可能になるので、アライン精度を極大化させることができるというメリットを有する。
【0033】
また、前記Z軸プレート71の上部に、ビジョンブロック72の通孔72aを介してベースプレート40に吸引されたデバイス30の位置を確認して制御部に座標値を報知するビジョン74が配設されていて、ビジョン74が通孔72a及び開口部73aを介してベースプレート40に吸引されたデバイス30の座標値を制御部に報知することにより、アラインブロック73がデバイス30を包み込んだ状態でベースプレート位置調節手段50によってベースプレート40をX-Y-θ方向に沿って微細に移動させてデバイス30をアラインするようになっている。
【0034】
本発明の作用について説明すれば、次の通りである。
【0035】
まず、テストを行うべきデバイス30をベースプレート40の上面に搬入(loading)する前に、デバイス30のテスト条件に応じて、常温に保持したり、約50~170℃に加熱したり、約0~-55℃に冷却させたりする。
【0036】
前述したように、ベースプレート40をデバイス30のテスト条件に見合う温度に保持した状態で搬入部(図示せず)に位置させられている1台のデバイス30を摘まんで(picking)ベースプレート40の真空孔に載せておくと、真空孔とつながるように配設された真空引き装置(図示せず)によってデバイス30を微細に移動可能な約5~50mmHgの真空圧にて吸引(suction)する(S100,S200)。
【0037】
前記デバイス30がベースプレート40に形成されたいずれか1本の真空孔に搬入されてデバイスが微細に移動可能な真空圧によって吸引され終わると、X軸プレート60がLMガイド60aに沿って搬送するため、ベースプレート40の上部に位置するアラインビジョンアッセイ70がアラインしようとするデバイス30の直ぐ上部に位置することになる(S300)。
【0038】
このような状態で、アラインビジョンアッセイ70のZ軸プレート71が下降してアラインブロック73がデバイス30を図6aに示すように包み込み終えると、ビジョン74がビジョンブロック72に形成された通孔72a及びアラインブロック73の開口部73aを介してデバイス30の位置を確認して制御部(図示せず)に座標値を報知する(S400)。
【0039】
前述したように、Z軸プレート71の上部に配設されたビジョン74がデバイス30の位置を認識して制御部に報知することは、アラインブロック73に開口部73aが形成されていて、ビジョンブロック72の通孔72a及び開口部73aを介してベースプレート40に吸引されたデバイス30の位置を識別するため可能である。
【0040】
前記デバイス30の座標値を制御部に報知し、真空孔に吸引されたデバイス30の座標値に基づいて、ベースプレート位置調節手段50である2つのX軸モーター52a,52bが同じ方向に駆動されれば、可動板54がX軸方向に沿って移動し、Y軸モーター53が正逆方向に駆動されれば、可動板54がY軸方向に沿って移動し、2つのX軸モーター52a,52bが互いに逆方向に駆動されれば、可動板54がθ方向に沿って微細に移動するため、アラインブロック73が、図6bに示すように、デバイス30を押して位置を補正してアラインする(S500)。
【0041】
これは、可動板54がクロスローラー55によってX-Y軸方向に微細に移動するとともに、シャフト56によってθ方向に沿って微細に回転するため実現可能である。
【0042】
前述したように、ベースプレート位置調節手段50によってデバイス30をX-Y-θ方向に沿って微細に移動させてアラインする際に、アラインブロック73の底面がベースプレート40の上面から離れた状態でデバイス30の位置を補正することがさらに好ましい。
【0043】
これは、アラインブロック73の底面がベースプレート40の上面と接続された状態で動きながらデバイス30の位置をアラインするとき、摩擦に伴うパーティクル(particle)の発生を未然に防ぐためである。
【0044】
上述したような動作によってアラインブロック73がデバイス30を包み込んだ状態でX-Y-θ方向に沿って微細に移動させてベースプレート40に吸引されたデバイス30のアラインを行い終えると、Z軸プレート71が初期の位置に戻る前にビジョンブロック72の通孔72a及びアラインブロック73の開口部73aを介してアラインされたデバイス30の位置をビジョン74が再び確認して制御部に報知して正確にアラインされていれば、アラインブロック73の開口部73aの内面をデバイス30から引き離した後、Z軸プレート71が上昇して初期の位置に戻り、アラインされていなければ、上述した動作によってデバイス30の再アライン作業を行う(S600,S700)。
【0045】
上記したようなデバイス30のアライン作業は、ベースプレート40にデバイス30が搬入される度にY軸プレート20及びX軸プレート60を1ピッチずつ移動させながら同様に行われるということは理解可能である。
【0046】
上記の動作を行うことで、ベースプレート40のすべての真空孔に吸引されたデバイス30の位置を補正してアラインし終えると、テスター(図示せず)側に移動するときに振動などによってデバイス30の位置が変わらないように約50~100mmHgの真空圧にてデバイスを吸引することがさらに好ましい。
【0047】
前記ベースプレート40にデバイス30が動かないように約50~100mmHgの真空圧にてデバイスを吸引し終えると、テスター側に移動させた後、ベースプレート40に吸引されたデバイス30のボール端子を同時にテスターの端子に接続させて電気的なテストを行うことが可能になるのである。
【0048】
以上、添付図面に基づいて、本発明の実施形態について説明したが、本発明が属する技術分野における通常の知識を有する者であれば、技術的な思想や必須的な特徴を変更することなく、他の具体的な形態にて実施可能であるということは理解できる筈である。
【0049】
よって、以上において記述した実施形態はあらゆる面において例示的なものに過ぎず、限定的なものではないと理解されるべきであり、上記の発明の詳細な説明の欄において記述された本発明の範囲は、特許請求の範囲によって開示され、特許請求の範囲の意味及び範囲並びにその等価概念から導き出されるあらゆる変更または変形された形態が本発明の範囲に含まれるものと解釈されなければならない。
【符号の説明】
【0050】
10 ベース
11 垂直柱
20 Y軸プレート
30 デバイス
40 ベースプレート
50 ベースプレート位置調節手段
51 取付板
52a X軸モーター
52b X軸モーター
53 Y軸モーター
54 可動板
55 クロスローラー
56 シャフト
60 X軸プレート
70 アラインビジョンアッセイ
71 Z軸プレート
72 ビジョンブロック
72a 通孔
73 アラインブロック
73a 開口部
74 ビジョン
図1
図2
図3
図4
図5a
図5b
図6a
図6b
図7
【国際調査報告】