(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-02-14
(54)【発明の名称】微細ピッチを有するデバイスのアライン装置及びテスト装置、並びにデバイスのアライン方法
(51)【国際特許分類】
G01R 31/26 20200101AFI20230207BHJP
【FI】
G01R31/26 Z
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022528324
(86)(22)【出願日】2020-11-03
(85)【翻訳文提出日】2022-06-02
(86)【国際出願番号】 KR2020015211
(87)【国際公開番号】W WO2021182708
(87)【国際公開日】2021-09-16
(31)【優先権主張番号】10-2020-0030617
(32)【優先日】2020-03-12
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】520023330
【氏名又は名称】エイエムティ カンパニー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100149870
【氏名又は名称】芦北 智晴
(74)【代理人】
【識別番号】100207022
【氏名又は名称】小島 弘之
(72)【発明者】
【氏名】キム ドチョル
(72)【発明者】
【氏名】リ ウァング
【テーマコード(参考)】
2G003
【Fターム(参考)】
2G003AA07
2G003AF05
2G003AG11
2G003AG16
(57)【要約】
本発明は、デバイス30の載置個所にそれぞれ真空孔41が形成されてデバイス30が搬入された状態で真空圧がかかることにより、搬入されたデバイス30を微細移動可能な真空圧にて吸引するベースプレート40と、前記ベースプレート40の上部に位置するように固設され、デバイス30が収められる開口部21がベースプレート40に搬入されるデバイス30の台数と同数に形成された治具プレート20と、前記治具プレート20に形成された開口部21に位置するようにベースプレート40に搬入されたデバイス30の位置をX-Y-θ方向に沿って微細に移動させるベースプレート位置調節手段50と、を備える。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
デバイス(30)の載置個所にそれぞれ真空孔(41)が形成されてデバイス(30)が搬入された状態で真空圧がかかることにより、搬入されたデバイス(30)を微細移動可能な真空圧にて吸引するベースプレート(40)と、
前記ベースプレート(40)の上部に位置するように固設され、デバイス(30)が収められる開口部(21)がベースプレート(40)に搬入されるデバイス(30)の台数と同数に形成された治具プレート(20)と、
前記治具プレート(20)に形成された開口部(21)に位置するようにベースプレート(40)に搬入されたデバイス(30)の位置をX-Y-θ方向に沿って微細に移動させるベースプレート位置調節手段(50)と、
を備えて、
治具プレート(20)に形成された各開口部(21)にデバイス(30)が収められてベースプレート(40)に吸引された状態で、ベースプレート位置調節手段(50)によってベースプレート(40)をX-Y-θ方向に沿って微細に移動させることにより、複数台のデバイス(30)が同時にアラインされることを特徴とする微細ピッチを有するデバイスのアライン装置。
【請求項2】
前記ベースプレート位置調節手段(50)は、
昇降自在に配設された取付板(51)と、
前記取付板(51)に対向するように配設された一対のX軸モーター(52a)(52b)と、
前記X軸モーターと直交するように取付板(51)に配設されたY軸モーター(53)と、
前記X軸モーター(52a)(52b)及びY軸モーター(53)によってX-Y-θ方向に微細に移動可能なように配設された可動板(54)と、
前記取付板(51)と可動板(54)との間に配設されて可動板(54)がX-Y軸方向に移動されるようにする4本のクロスローラー(55)と、
前記可動板(54)を各クロスローラー(55)に回転可能なように結合するシャフト(56)と、
を備えることを特徴とする請求項1に記載の微細ピッチを有するデバイスのアライン装置。
【請求項3】
前記ベースプレート(40)の内部にヒーター及び冷却パイプが配設されたことを特徴とする請求項1に記載の微細ピッチを有するデバイスのアライン装置。
【請求項4】
フレーム(10)と、
前記フレーム(10)の両端に配備された搬入部(60)及び搬出部(70)と、
前記搬入部(60)に配設され、デバイス(30)が収められる複数の開口部(21)が形成された治具プレート(20)と、
前記治具プレート(20)の開口部(21)に収められた複数台のデバイス(30)をアラインするアライナー(100)と、
前記アライナー(100)を昇降させるZ軸モーター(102)と、
前記搬入部(60)及び搬出部(70)に掛け渡されたレール(110)と、
前記Z軸モーター(102)が固定され、レール(110)に沿って水平に移動するトランスファー(101)と、
前記アライナー(100)によってアラインされた複数台のデバイス(30)の性能をテストするテスター(81)と、
を備えることを特徴とする微細ピッチを有するデバイスのテスト装置。
【請求項5】
前記搬入部(60)とテスター部(80)との間に配設されたデバイスパージ部(90)をさらに備えることを特徴とする請求項4に記載の微細ピッチを有するデバイスのテスト装置。
【請求項6】
前記デバイスパージ部(90)は、デバイス(30)がアラインされたベースプレート(40)を密閉状に包み込むカバー(91)と、前記カバー(91)の内部に窒素ガスを供給する供給管(92)と、を備えることを特徴とする請求項5に記載の微細ピッチを有するデバイスのテスト装置。
【請求項7】
前記アライナー(100)は、デバイス(30)の載置個所にそれぞれ真空孔(41)が形成されてデバイス(30)が搬入された状態で真空圧がかかることにより、搬入されたデバイス(30)を微細に移動可能な真空圧にて吸引するベースプレート(40)と、前記治具プレート(20)に形成された開口部(21)に位置するようにベースプレート(40)に搬入されたデバイス(30)の位置をX-Y-θ方向に沿って微細に移動させるベースプレート位置調節手段(50)と、を備えて、治具プレート(20)に形成された各開口部(21)にデバイス(30)が収められてベースプレート(40)に吸引された状態で、ベースプレート位置調節手段(50)によってベースプレート(40)をX-Y-θ方向に沿って微細に移動させることにより、複数台のデバイス(30)が同時にアラインされることを特徴とする請求項4に記載の微細ピッチを有するデバイスのテスト装置。
【請求項8】
治具プレート(20)に複数形成された各開口部(21)を介して真空孔(41)を有するベースプレート(40)の上面にデバイス(30)を順番に搬入するステップと、
前記ベースプレート(40)にデバイス(30)が搬入された状態で真空圧がかかることにより、搬入されたデバイス(30)を微細に移動可能な真空圧にて吸引するステップと、
前記ベースプレート(40)をベースプレート位置調節手段(50)によってX-Y-θ方向に微細に移動させて各デバイス(30)が開口部(21)の2辺に導かれてアラインされるステップと、
を行って、ベースプレート(40)に搬入されたデバイス(30)を同時にアラインすることを特徴とする微細ピッチを有するデバイスのアライン方法。
【請求項9】
前記デバイス(30)のアラインが行われ終了すると、デバイス(30)が動かないように2次圧力にて吸引するステップをさらに行うことを特徴とする請求項8に記載の微細ピッチを有するデバイスのアライン方法。
【請求項10】
前記2次圧力が50~100mmHgであることを特徴とする請求項9に記載の微細ピッチを有するデバイスのアライン方法。
【請求項11】
前記治具プレート(20)がデバイス(30)の位置を補正してアラインを行い終えると、開口部(21a)の2辺からデバイス(30)を引き離した後、ベースプレート(40)を下降させることを特徴とする請求項8に記載の微細ピッチを有するデバイスのアライン方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、バンプ(bump)の大きさが小さく、しかも、ピッチが狭いボールグリッドアレイ(BGA:Ball Grid Array)または薄型スモールアウトラインパッケージ(TSOP:Thin Small Outline Package)などのデバイスを生産した後、ハンドラー(handler)において性能テストが行えるように正確にアライン(align)する微細ピッチを有するデバイスのアライン装置及びテスト装置、並びにデバイスのアライン方法に係り、さらに詳しくは、ベースプレートにテストしようとするデバイスをすべて搬入した後、搬入されたデバイスを同時にアラインした状態で、デバイスのボール端子をテスターの端子に同時にコンタクトしてテストが行えるようにする微細ピッチを有するデバイスのアライン装置及びテスト装置、並びにデバイスのアライン方法に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、ICなどの半導体デバイスは、その製造工程中に電気的な特性を検査してその良否を検査しており、前記半導体デバイスの電気的な特性の検査は、半導体デバイスのボール端子とプリント回路基板(PCB)付きテストボードの接点とを電気的に接続して設定された時間の間にテストを行って良品は出荷し、不良品はテストを行い直したり廃棄処分したりしている。
【0003】
従来には、テストを行うべきデバイスをキャリアに挿入した状態でテスター側にそれぞれ別々に搬送してデバイスの電気的な特性のテストを行っていた。
【0004】
すなわち、デバイスの電気的なテストは、キャリアに搭載されたデバイスのボール端子とソケットアセンブリーに支持されたプローブピンとの電気的な接触によって行うが、このとき、非常に小さな大きさのボール端子とプローブピンは狭いピッチにて配置されているため、テストを行うに際して非常に高精度のアラインが求められるが、ボール端子とプローブピンとの位置合わせは、キャリアのアライン孔とソケットガイドのアラインピンとの位置合わせによって行われる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】大韓民国登録特許公報第10-1464990号
【特許文献2】大韓民国登録特許公報第10-1779172号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、このような従来のアライン装置は、次のようないろいろな問題を抱えていた。
【0007】
まず、第一に、搬入部に位置させられているデバイスを搬入ピッカーが吸着してキャリアに収めて、デバイスの収められたキャリアを順番にテスト側に搬送して設定された時間の間にテストを行った後、デバイスのテストが行われ終了したキャリアを搬出部に搬送して、テストの結果に基づいて、搬出ピッカーがデバイスを良品及び不良品に選別して搬出するが故に、装備のコンパクト化を図ることができない。
【0008】
第二に、テストを行うに際してキャリアをソケットガイドに取り付けたりそこから取り外したりする作業を繰り返し行わなければならないため、アラインピンとアライン孔は、繰り返し的な取り付け及び取り外しにより遊びが増えてしまう結果、ボール端子とプローブピンとのミスマッチングまたはオフセット(offset)を招いてしまう。
【0009】
第三に、数千台以上のデバイスに対する導電性テストを行うとき、デバイスとプローブピンとの衝突によって高価なデバイスの破損を引き起こす虞があり、破損されたデバイスのボール端子が装備に残留する場合に導電性テストを止めた状態で取り替えないし修理を行うことを余儀なくされるため、高価な装備の稼働率が低下してしまう。
【0010】
本発明は、従来のこのような不都合を解決するために案出されたものであり、その構造を改善して、テストを行うべきデバイスを治具プレートに形成された開口部を介して真空圧がかかるベースプレートの上面にすべて搬入し終えると、ベースプレート位置調節手段によってベースプレートをX-Y-θ軸方向に移動させながら複数台のデバイスの位置を自動的にかつ同時にアラインできるようにするところにその目的がある。
【0011】
本発明の他の目的は、複数台のデバイスの位置がアラインされて真空圧によってベースプレートに吸着された状態でベースプレートをテスター側に移動させた後、ベースプレートに吸着された複数台のデバイスのボール端子を同時にテスターの端子に接続させて電気的なテストを行った後、その結果に基づいて、良品及び不良品に仕分けできるようにするところにある。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記の目的を達成するための本発明の形態によれば、デバイスの載置個所にそれぞれ真空孔が形成されてデバイスが搬入された状態で真空圧がかかることにより、搬入されたデバイスを微細移動可能な真空圧にて吸引するベースプレートと、前記ベースプレートの上部に位置するように固設され、デバイスが収められる開口部がベースプレートに搬入されるデバイスの台数と同数に形成された治具プレートと、前記治具プレートに形成された開口部に位置するようにベースプレートに搬入されたデバイスの位置をX-Y-θ方向に沿って微細に移動させるベースプレート位置調節手段と、を備えて、治具プレートに形成された各開口部にデバイスが収められてベースプレートに吸引された状態で、ベースプレート位置調節手段によってベースプレートをX-Y-θ方向に沿って微細に移動させることにより、複数台のデバイスが同時にアラインされることを特徴とする微細ピッチを有するデバイスのアライン装置が提供される。
【0013】
本発明の他の形態によれば、治具プレートに複数形成された各開口部を介して真空孔を有するベースプレートの上面にデバイスを順番に搬入するステップと、前記ベースプレートにデバイスが搬入された状態で真空圧がかかることにより、搬入されたデバイスを微細に移動可能な真空圧にて吸引するステップと、前記ベースプレートをベースプレート位置調節手段によってX-Y-θ方向に微細に移動させて各デバイスが開口部の2辺に導かれてアラインされるステップと、を行って、ベースプレートに搬入されたデバイスを同時にアラインすることを特徴とする微細ピッチを有するデバイスのアライン方法が提供される。
【発明の効果】
【0014】
本発明は、従来に比べて次のようないろいろなメリットを有する。
【0015】
第一に、デバイスをベースプレートに順番に搬入した後、微細に移動可能な真空圧にて吸引した状態で、ベースプレートに吸引されたデバイスを治具プレートの開口部にて包み込んだ状態でベースプレート位置調節手段によってベースプレートをX-Y-θ方向に微細に移動させて複数台のデバイスを同時にアラインすることから、装備の稼働率を極大化させることが可能になる。
【0016】
第二に、別途のキャリアを用いることなく、複数台のデバイスを同時にテスターと電気的に接続してテストを行うことから、デバイスのボール端子とプローブピンとのミスマッチングまたはオフセット(offset)を招くという現象を未然に防ぐことはもとより、高価な装備のテスト効率を極大化させることが可能になる。
【0017】
第三に、ベースプレート位置調節手段の高い位置決め力と摩擦力の減少によってアライン精度を極大化させることが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【
図3a】
図1において、治具プレート及びベースプレートを除いた状態の平面図である。
【
図3b】
図1において、治具プレート及びベースプレートを除いた状態の平面図である。
【
図6a】本発明において、治具プレートの開口部にデバイスが投入されてベースプレートに載置された状態の平面図である。
【
図6b】本発明において、ベースプレートがX-Y-θ方向に沿って微細に移動して治具プレートに形成された開口部によってデバイスのアラインが行われ終了した状態図である。
【
図7】本発明のアライン方法を説明するためのフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、添付図面に基づいて、本発明の実施形態について本発明が属する技術分野において通常の知識を有する者が容易に実施できるように詳しく説明する。本発明は、いろいろな異なる形態に具体化でき、ここで説明する実施形態に何ら限定されない。図面は概略的であり、縮尺に合うように示されていないということに留意すべきである。図面に示されている部分の相対的な寸法及び比率は、図面における明確性及び便宜性のためにその大きさにおいて誇張されたり減少されたりして示されており、任意の寸法は、単なる例示的なものに過ぎず、限定的なものではない。なお、二以上の図面に示される同一の構造物、要素もしくは部品には同じ参照符号が類似の特徴を表わすために用いられる。
【0020】
図1は、本発明の一実施形態を示す斜視図であり、
図2は、
図1の底面斜視図であり、
図3a及び
図3bは、
図1から治具プレート及びベースプレートを除いた状態の平面図であって、本発明は、ピッカー(図示せず)などの搬入手段によってテストを行うべきデバイス30が搬入されるベースプレート40の上面には、
図6aに示すように、デバイス30が真空圧によって吸引(section)されるように複数本の真空孔41が形成されているが、前記ベースプレート40に搬入されたデバイス30をアライン(align)するときには、デバイス30を1次真空圧(約5~50mmHg)にて吸引し、アラインを行い終えると、ベースプレート40の搬送の最中にアラインされたデバイス30が動かないように2次真空圧(約50~100mmHg)にて吸引するようになっている。
【0021】
本発明の一実施形態においては、ベースプレート40を正方形の形状に示しているが、必要に応じて、長方形の形状または円形の形状など種々の形状が採用可能である。
【0022】
前記ベースプレート40の内部にはヒーター及び冷却パイプ(図示せず)を設けて、デバイス30をベースプレート40の上面に搬入(loading)する前に、デバイス30のテスト条件に応じて、常温に保持したり、約50~170℃に加熱したり、約0~-55℃に冷却させたりするようになっている。
【0023】
これは、たとえベースプレート40の材質として最小膨張係数を有する材質(例えば、セラミックなど)を用いるとしても、ベースプレート40の1辺が300mmであると仮定すれば、加熱及び冷却に伴って約0.3mmの範囲内において膨縮するため、デバイス30をベースプレート40の上面に搬入する前に、テスト条件に応じて、ベースプレート40の温度を調節して、ベースプレート40の膨縮に伴う誤差を最小化できるようにするためである。
【0024】
前記ベースプレート40の上部には、デバイス30をアラインするようにベースプレート40に搬入されるデバイス30の台数と同数の開口部21を有する治具プレート20が配設されていて、前記各開口部21を介してベースプレート40にテストを行うべきデバイス30を搬入した後、微細に移動可能な真空圧にて吸引し終えると、ベースプレート40の下部に配備されたベースプレート位置調節手段50がベースプレート40をX-Y-θ方向に沿って微細に移動させることにより、複数台のデバイス30が同時にアラインされるようになっている。
【0025】
このとき、前記治具プレート20は、他の実施形態として示す
図5aのように、別途の支持台22などによってフレーム10などの構造物に片持ち梁状に吊設されるということは理解できる筈である。
【0026】
前記ベースプレート40をX-Y-θ方向に沿って微細に移動させるベースプレート位置調節手段50は、本発明の一実施形態においては、
図3a及び
図3bに示すように、昇降自在に配設された取付板51と、前記取付板51に対向するように配設された一対のX軸モーター52a,52bと、前記X軸モーターと直交するように取付板51に配設されたY軸モーター53と、前記X軸モーター52a,52b及びY軸モーター53によってX-Y-θ方向に微細に移動可能なように配設された可動板54と、前記取付板51と可動板54との間に配設されて可動板54がX-Y軸方向に移動されるようにする4本のクロスローラー55と、前記可動板54を各クロスローラー55に回転可能なように結合するシャフト56と、を備えている。
【0027】
前記クロスローラー55は、X軸、Y軸LMガイド(図示せず)を有する多段の板からなっている。
【0028】
しかしながら、本発明の一実施形態として示された前記ベースプレート位置調節手段50は、株式会社ミスミ(型番:AA-300-3S)において生産する公知の既成品であるということに留意すべきである。
【0029】
前記ベースプレート位置調節手段50を当該分野における専門家によって様々な形状に変形して適用可能であるということは理解できる筈である。
【0030】
図4は、本発明の他の実施形態を示す斜視図であり、
図5a及び
図5bは、
図4の正面図及び平面図であり、フレーム10の一方の端(図中における左側)に、テストを行うべきデバイス30がベースプレート40に順番に搬入される搬入部60が配備されており、前記フレーム10の他方の端(図中における右側)には、テスト部80においてテストを行い終えたデバイス30をテストの結果に基づいて良品及び不良品に仕分けする搬出部70が配備されており、前記搬入部60及び搬出部70の間にはアラインされた複数台のデバイス30のテストを同時に行うテスト部80が配備されており、前記テスト部80の直ぐ上部には、ベースプレート40にアラインされたデバイス30のテストを同時に行うテスター81が配設されている。
【0031】
前記搬入部60には、デバイス30をアラインするように複数の開口部21が形成された治具プレート20がフレーム10に固定された支持台22によって片持ち梁状に配設されており、前記治具プレート20の下部には、開口部21を介して搬入されたデバイス30をアラインするアライナー100が配設されており、前記アライナー100は、レール110に沿って水平に移動するトランスファー101に配設されたZ軸モーター102によって昇降する構造となっている。
【0032】
このとき、前記アライナー100は、搬入部60と、テスト部80と、搬出部70においてそれぞれZ軸モーター102の駆動によって昇降する。
【0033】
前記アライナー100が、本発明の他の実施形態においては、デバイス30の載置個所にそれぞれ真空孔41が形成されてデバイス30が搬入された状態で真空圧がかかることにより、搬入されたデバイス30を微細に移動可能な真空圧にて吸引するベースプレート40と、前記治具プレート20に形成された開口部21を介してベースプレート40に搬入されたデバイス30の位置をX-Y-θ方向に沿って微細に移動させるベースプレート位置調節手段50と、を備えるようにして、治具プレート20に形成された各開口部21にデバイス30が収められてベースプレート40に吸引された状態で、ベースプレート位置調節手段50によってベースプレート40をX-Y-θ方向に沿って微細に移動させることにより、複数台のデバイス30を同時にアラインするようになっている。
【0034】
本発明において、フレーム10に搬入部60、テスト部80、搬出部70のみを設けるだけでも、ベースプレート40にアラインされるように吸引された複数台のデバイス30に対してテスト部80において電気的なテストを行うことができるものの、ベースプレート40に複数台のデバイス30を搬入してアラインする時間に比べて、テスト部80においてデバイス30のテストを行う時間の方が長いため、ベースプレート40に吸引された複数台のデバイス30が大気中に晒されないようにデバイスをパージ(purge)するデバイスパージ部90をさらに備えることがさらに好ましい。
【0035】
もし、デバイス30が大気中に晒されれば、温度差によるくもりが生じたり酸化が起きたりすることにより、デバイスの端子にムラが生じてビジョン不良が生じたりコンタクト不良が生じたりするという不都合が起こる。
【0036】
前記デバイスパージ部90は、
図5aに示すように、デバイス30がアラインされたベースプレート40をZ軸モーター102によって上昇させて密閉状に包み込むカバー91と、前記カバー91の内部に窒素ガス(N
2)を供給する供給管92と、を備えている。
【0037】
本発明の作用について説明すれば、次の通りである。
【0038】
図7は、本発明のアライン方法を説明するためのフローチャートであり、ベースプレート40が、
図3aまたは
図5aに示すように、上死点まで上昇して所定の間隔(デバイスの高さよりも低い)にて治具プレート20の直ぐ下方に位置させられた状態で、ベースプレート40を、デバイス30のテスト条件に応じて、常温に保持したり、約50~170℃に加熱したり、約0~-55℃に冷却させる。
【0039】
前述したように、ベースプレート40をデバイス30のテスト条件に見合う温度に保持した状態で、搬入部(図示せず)に位置させられているデバイス30をピッカー(picker:図示せず)が摘まんで(picking)治具プレート20に形成された開口部21を介してベースプレート40の真空孔41に順番に載せておくと、真空孔41とつながるように配設された真空引き装置(図示せず)によってデバイス30を微細に移動可能な約5~50mmHgの真空圧にて吸引(suction)する(S100,S200)。
【0040】
前記ピッカーがデバイス30をベースプレート40の真空孔41に載せておく度に吸引してもよいが、ベースプレート40の各真空孔41にデバイス30がすべて搬入され終わった状態で一括して吸引した方が部品点数が著しく減ることはもとより、制御に有利であるので、生産コストを節減することが可能になる。
【0041】
前記治具プレート20に形成された開口部21を介してベースプレート40の真空孔41に載せられるデバイス30は、
図6aに示すように、任意の姿勢を有する。
【0042】
前述したように、搬入部60においてピッカーがテストを行うべきデバイス30を摘まんで治具プレート20に形成された各開口部21を介してベースプレート40の載置孔41にすべて搬入して微細に移動可能な約5~50mmHgの真空圧にて吸引(suction)した状態で、ベースプレート位置調節手段50である2つのX軸モーター52a,52bが同じ方向に駆動されれば、可動板54がX軸方向に沿って移動し、Y軸モーター53が正逆方向に駆動されれば、可動板54がY軸方向に沿って移動し、2つのX軸モーター52a,52bが互いに逆方向に駆動されれば、可動板54がθ方向に沿って微細に移動するため、ベースプレート40に微細に移動可能なように吸引された複数台のデバイス30が、
図6bに示すように、開口部21の2辺に密着されるようにベースプレート40がX-Y-θ方向に沿って移動するため、複数台のデバイス30が同時にアラインされる(S300)。
【0043】
これは、可動板54がクロスローラー55によってX-Y軸方向に微細に移動するとともに、シャフト56によってθ方向に沿って微細に回転するため実現可能である。
【0044】
前述したように、ベースプレート位置調節手段50によってデバイス30をX-Y-θ方向に沿って微細に移動させてアラインする際に、前記治具プレート20の底面がベースプレート40の上面から離れた状態でデバイス30の位置を補正することがさらに好ましい。
【0045】
これは、治具プレート20の底面がベースプレート40の上面と接続された状態で動きながらデバイス30の位置をアラインするとき、摩擦に伴うパーティクル(particle)の発生を未然に防ぐためである。
【0046】
上記の動作を行うことで、ベースプレート40のすべての真空孔41に吸引されたデバイス30の位置を補正してアラインし終えると、移動に際して振動などによってデバイス30の位置が変わらないように約50~100mmHgの真空圧にてデバイスを吸引する(S400)。
【0047】
前記ベースプレート40にデバイス30が動かないように約50~100mmHgの真空圧にてデバイスを吸引し終えると、X、Y軸モーター52a,53が駆動されてアラインが行われ終了したデバイス30から開口部21の内面が離れるようにした後、トランスファー101に配設されたZ軸モーター102の駆動によってベースプレート40を下死点まで下降させる。
【0048】
前述したように、ベースプレート40が下死点まで完全に下降され終わると、制御部(図示せず)によってトランスファー101をテスト部80まで移動させて止めた後、Z軸モーター102を再び駆動することでベースプレート40を上死点まで上昇させてベースプレート40に吸引されたデバイス30のボール端子を同時にテスター81の端子に接続するため、設定された時間の間にデバイス30の電気的なテストを行うことが可能になる(S600)。
【0049】
前述したように、テスト部80においてデバイス30の電気的な特性のテストを設定された時間の間に行う間に、搬入部60においては、次にテストを行うべきデバイスを新たなベースプレートに搬入して、前述したようにアラインするが、ベースプレートに複数台のデバイスをすべてアラインする時間は、テスター81においてデバイス30のテストを行う時間よりも短い。
【0050】
したがって、ベースプレートにデバイスをアラインした状態でそのまま放置すれば、デバイスの表面にくもりが生じたり酸化が起きたりするため、トランスファーをデバイスパージ部90に搬送した後、Z軸モーター102によってベースプレートを上死点まで上昇させてカバー91にて密閉状に包み込んだ後、供給管92を介して窒素ガス(N2)を供給してパージ(purge)を行う(S500)。
【0051】
前記テスト部80においてベースプレート40に吸引されたデバイス30の電気的なテストを行い終えると、Z軸モーター102によってベースプレート40を再び下死点まで下降させた後、トランスファー101を搬出部70に搬送するため、他のピッカーがテストを行い終えたデバイスを摘まんで良品及び不良品に選別して搬出する(S700)。
【0052】
前述したように、搬入部においてテストを行うべきデバイスを治具プレート20に形成された開口部21を介してベースプレート40の真空孔41に載置した後、複数台のデバイスを治具プレート20によって同時にアラインすることにより、前述したように同様に行われるということは理解できる筈である。
【0053】
以上、添付図面に基づいて、本発明の実施形態について説明したが、本発明が属する技術分野における通常の知識を有する者であれば、技術的な思想や必須的な特徴を変更することなく、他の具体的な形態にて実施可能であるということは理解できる筈である。
【0054】
よって、以上において記述した実施形態はあらゆる面において例示的なものに過ぎず、限定的なものではないと理解されるべきであり、上記の発明の詳細な説明の欄において記述された本発明の範囲は、特許請求の範囲によって開示され、特許請求の範囲の意味及び範囲並びにその等価概念から導き出されるあらゆる変更または変形された形態が本発明の範囲に含まれるものと解釈されなければならない。
【符号の説明】
【0055】
10 フレーム
20 治具プレート
21 開口部
30 デバイス
40 ベースプレート
41 真空孔
50 ベースプレート位置調節手段
51 取付板
52a X軸モーター
52b X軸モーター
53 Y軸モーター
54 可動板
55 クロスローラー
56 シャフト
60 搬入部
70 搬出部
80 テスト部
81 テスター
90 デバイスパージ部
91 カバー
92 供給管
100 アライナー
101 トランスファー
102 Z軸モーター
110 レール
【国際調査報告】