(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-02-14
(54)【発明の名称】動的ものと静的ものとの組み合わせによる攪拌システム及びクロマイト液相酸化クロム塩を調製するプロセス
(51)【国際特許分類】
C01G 37/02 20060101AFI20230207BHJP
B01F 33/71 20220101ALI20230207BHJP
B01F 35/53 20220101ALI20230207BHJP
B01F 27/112 20220101ALI20230207BHJP
B01F 27/90 20220101ALI20230207BHJP
B01F 27/86 20220101ALI20230207BHJP
B01J 3/04 20060101ALI20230207BHJP
B01J 3/00 20060101ALI20230207BHJP
C22B 34/32 20060101ALI20230207BHJP
C22B 3/02 20060101ALI20230207BHJP
C22B 3/12 20060101ALI20230207BHJP
C22B 3/22 20060101ALI20230207BHJP
C22B 3/44 20060101ALI20230207BHJP
B01F 101/45 20220101ALN20230207BHJP
【FI】
C01G37/02
B01F33/71
B01F35/53
B01F27/112
B01F27/90
B01F27/86
B01J3/04 C
B01J3/04 G
B01J3/00 B
C22B34/32
C22B3/02
C22B3/12
C22B3/22
C22B3/44 101A
B01F101:45
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022536723
(86)(22)【出願日】2019-12-26
(85)【翻訳文提出日】2022-08-10
(86)【国際出願番号】 CN2019128893
(87)【国際公開番号】W WO2021120280
(87)【国際公開日】2021-06-24
(31)【優先権主張番号】201911292396.0
(32)【優先日】2019-12-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】516148461
【氏名又は名称】重慶理工大学
(74)【代理人】
【識別番号】100103207
【氏名又は名称】尾崎 隆弘
(72)【発明者】
【氏名】全学軍
(72)【発明者】
【氏名】李綱
(72)【発明者】
【氏名】秦険峰
(72)【発明者】
【氏名】封承飛
(72)【発明者】
【氏名】邱発成
(72)【発明者】
【氏名】羅華政
(72)【発明者】
【氏名】唐小余
【テーマコード(参考)】
4G036
4G037
4G048
4G078
4K001
【Fターム(参考)】
4G036AC38
4G037EA04
4G048AA02
4G048AB02
4G048AD03
4G048AE05
4G078AA03
4G078AB01
4G078AB11
4G078BA05
4G078CA01
4G078CA08
4G078DA01
4G078EA01
4G078EA03
4K001AA02
4K001AA08
4K001CA06
4K001DB08
4K001DB14
4K001DB16
4K001DB22
4K001DB23
4K001JA01
(57)【要約】
【課題】
【解決手段】 撹拌機(1)及び前記の撹拌機(1)の攪拌軸(2)と平行して設置された静的攪拌ブレード(12)の複数を含み、前記の静的攪拌ブレード(12)の複数が攪拌軸(2)を中心にして設置され、前記の攪拌軸(2)の底に攪拌ブレード(4)が取り付けられている動的ものと静的ものとの組み合わせによる攪拌システム。この動的ものと静的ものとの組み合わせによる攪拌システムでクロマイトの液相酸化を行ってクロム塩を調製するプロセス。クロマイト液相酸化法でクロム塩を調製して、クロマイト浸出中の固液分離、高アルカリ性媒質におけるクロム塩の分離及び中間産物がクロム塩系に変換する重要なプロセス上の課題を解決し、産業における応用の見通しがとても広い。
【選択図】
図8
【特許請求の範囲】
【請求項1】
撹拌機(1)及び前記の撹拌機(1)の攪拌軸(2)と平行して設置された静的攪拌ブレード(12)の複数を含み、前記の静的攪拌ブレード(12)の複数が攪拌軸(2)を中心にして設置され、前記の攪拌軸(2)の底に攪拌ブレード(4)が取り付けられていることを特徴とする動的ものと静的ものとの組み合わせによる攪拌システム。
【請求項2】
前記の静的攪拌ブレード(12)の複数と攪拌軸(2)との距離が等しくないことを特徴とする請求項1に記載の動的ものと静的ものとの組み合わせによる攪拌システム。
【請求項3】
前記の静的攪拌ブレード(12)がスラット形、円筒形または角柱形の攪拌ブレードであることを特徴とする請求項1または2に記載の動的ものと静的ものとの組み合わせによる攪拌システム。
【請求項4】
撹拌機(1)の攪拌軸(2)を円心にし、前記の静的攪拌ブレード(12)の設置半径と攪拌用容器の半径との比が1:7.5~1:16にあることを特徴とする請求項2に記載の動的ものと静的ものとの組み合わせによる攪拌システム。
【請求項5】
下記の手順を含むことを特徴とし、請求項1、2または4に記載の動的ものと静的ものとの組み合わせによる攪拌システムでクロマイトの液相酸化を行ってクロム塩を調製するプロセス。
クロマイト、水酸化ナトリウム及び水を動的ものと静的ものとの組み合わせによる攪拌システムを搭載したオートクレーブに入れ、攪拌しながらオートクレーブに酸素を入れて液相酸化反応をさせ、反応が完了してから圧力を解放し、冷却させてからオートクレーブにあるものを恒温ボックスに移して保温し、沈降させ、保温され、沈降したものに対する固液分離を行って上澄み液及び反応スラグを取得する。
前記の反応スラグを逆流洗浄してから分離させて洗浄スラグ液及び鉄スラグを取得する。
前記の上澄み液に水酸化バリウムを入れて沈殿反応をさせ、反応が完了してから分離させてクロム酸バリウムの沈殿物A及びアルミニウムを含む灰汁Bを取得する。
前記の洗浄スラグ液に水酸化バリウムを入れて沈殿反応をさせ、反応が完了してから分離させてクロム酸バリウムの沈殿物C及びアルミニウムを含む灰汁Dを取得する。
塩酸で前記のクロム酸バリウムの沈殿物A及びクロム酸バリウムの沈殿物Cを溶解させてから還元剤を入れ、還元反応で塩化クロムと塩化バリウムとの混合溶液を取得し、前記の混合溶液のpHを調節してクロムが水酸化クロムで完全に沈殿するようにし、固液分離で水酸化クロム製品を取得する。
【請求項6】
前記の液相酸化反応の温度が180~270℃、酸素分圧が1.2~2.6MPa、攪拌回転数が500~900rpm、反応時間が1~5hにあることを特徴とする請求項5に記載の方法。
【請求項7】
水酸化ナトリウムとクロマイトとの質量比が(2~5):1にあり、水酸化ナトリウムの質量が水酸化ナトリウムと水との総質量の30~60%に当たることを特徴とする請求項5に記載の方法。
【請求項8】
前記の保温及び沈降の場合に温度が70~150℃、時間が120~210minにあることを特徴とする請求項5に記載の方法。
【請求項9】
前記の上澄み液に水酸化バリウムを入れて沈殿反応をさせる場合、水酸化バリウム及び上澄み液でクロム酸ナトリウムのモル比が(1~1.2):1、反応時間が1~2h、反応温度が60~80℃にあることを特徴とする請求項5に記載の方法。
前記の洗浄スラグ液に水酸化バリウムを入れて沈殿反応をさせる場合、水酸化バリウム及び洗浄スラグ液でクロム酸ナトリウムのモル比が(1~1.2):1、反応時間が1~2h、反応温度が60~80℃にある。
【請求項10】
前記のアルミニウムを含む灰汁Dにケイ酸ナトリウムパルプを入れて沈殿反応をさせ、反応が完了してから分離で低アルミニウム灰汁及びアルミノケイ酸ナトリウム沈殿物を取得する手順も含むことを特徴とする請求項5に記載の方法。
【請求項11】
前記のケイ酸ナトリウム及びアルミニウムを含む灰汁Dでアルミン酸ナトリウムのモル比が(1~1.2):1にあることを特徴とする請求項10に記載の方法。
【請求項12】
分離で取得した低アルミニウム灰汁にアルカリを追加してからオートクレーブに戻してリサイクルを行う手順も含むことを特徴とする請求項10に記載の方法。
【請求項13】
アルミニウムを含む灰汁Bをオートクレーブに戻してリサイクルを行う手順も含むことを特徴とする請求項5に記載の方法。
【請求項14】
前記のクロム酸バリウムの沈殿物Aとクロム酸バリウムの沈殿物Cとの物質の量の和と塩酸中HClの物質の量との比が1:(2~5)にあり、塩酸の体積がクロム酸バリウムの沈殿物Aとクロム酸バリウムの沈殿物Cの質量との和の4~8倍にあたり(その中、体積は単位がmL、質量は単位がgである)、前記の還元剤が小分子アルコール系有機物であり、還元剤のモル質量がクロム酸バリウムとの理論上の反応のモル質量の1~5倍に当たることを特徴とする請求項5に記載の方法。
【請求項15】
還元反応の攪拌回転数が200~400rpm、反応温度が50~80℃、反応時間が1~2hにあることを特徴とする請求項5に記載の方法。
【請求項16】
還元反応の次で水酸化バリウムで前記の混合溶液のpHを8~9に調節することを特徴とする請求項5に記載の方法。
【請求項17】
バリウムが完全に沈殿するまでクロムが水酸化クロムで完全に沈殿してから固液分離で取得した液相に硫酸を入れて硫酸バリウム製品を取得する手順も含むことを特徴とする請求項5に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は湿式製錬及び多相攪拌反応の技術分野に属し、具体的に、動的ものと静的ものとの組み合わせによる攪拌システム及びクロマイト液相酸化クロム塩を調製するプロセスに関わる。
【背景技術】
【0002】
クロム塩は重要な無機化工製品、中国はクロム塩生産の第一大国であり、年間生産量が40万トンに達している。従来のクロム塩生産プロセス、特にカルシウム焙煎技術は資源利用率が低く、大量のCr(VI)含有の有毒クロムスラグが生じるので、全面的に淘汰された。現在、クロム塩業界では普遍的に非カルシウム焙煎プロセスを利用していて、生じるクロムスラグ量が大幅で減少しているが、クロムスラグによる汚染の課題が徹底して解決されていない。よって、クロム塩クリーン生産プロセス技術の開発は高度に大事にされている。その中、クロマイト液相酸化法(クロマイトアルカリ性浸出法)は産業の応用で見通しがとても広いクリーンプロセスと思われている。
【0003】
中国特許CN201010146648で開示されたクロマイトアルカリ浸出でクロム酸ナトリウムを生産する方法は今まで完全に揃っているクロマイトクリーン生産プロセスであるが、アルカリ浸出中に反応温度 (180~320℃)が高く、浸出してから大量の水で希釈を行ってから固液分離を行うので、未反応アルカリの濃度が大いに希釈され、浸出におけるアルカリのリサイクルが重大に妨碍されていて、酸化カルシウムでアルミニウムを除去する場合、カルシウム含有のスラグの堆積につながり、環境汚染が重大であり、クロム/アルカリから分離されたクロム酸ナトリウム粗製品に対して蒸発結晶プロセスで純粋な製品を取得し難い同時に、エネルギーや時間の浪費につながる。実際なクロム塩生産応用に主に下記の課題もある。
【0004】
(1)高濃度アルカリ及び安定な構成のクロマイトによる反応システムは複雑であるので、クロムの転化効率が低く、反応システムにおける質量移動の過程に対する強化が必要である。
【0005】
(2)高いクロム転化率を達成するために、極めて大量のアルカリが必要であり、後期に回収し難く、プロセスが複雑である。
【0006】
(3)アルカリ浸液でアルカリの濃度が大きく、反応スラグの粒度が小さいので、固液分離し難い。
【0007】
(4)浸出液におけるクロム塩とアルカリは分離され難く、取得したクロム塩に大量のアルカリを含み、後期の精製プロセスが複雑である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は目的が上記の従来の技術にある課題を解決するために動的ものと静的ものとの組み合わせによる攪拌システムを提供することにある。このシステムは構成が簡単であり、設計が合理である。撹拌機の攪拌により、攪拌タンクにある反応流体は回転して流れて混合し、安定に稼働する場合に攪拌軸を中心とする回転体となるが、形成した回転体が流体における各成分の混合に不利である。本発明は静的攪拌ブレードの複数を設置したので、元に安定した流体回転体が妨碍され、元の安定した流れ場の対称性が壊されたので、流体が回転、分流し、流体界面の安定性がなくなるようにし、流れ場における流体の混合の過程に対する制御を達成し、そして流体混合の質量移動の目的を達成した。
【課題を解決するための手段】
【0009】
前記の撹拌機の攪拌軸と平行して設置された静的攪拌ブレードの複数も含み、前記の静的攪拌ブレードの複数が攪拌軸を中心にして設置され、前記の攪拌軸の底に攪拌ブレードが取り付けられていることを特徴とする撹拌機を含む動的ものと静的ものとの組み合わせによる攪拌システム。
【0010】
上記の動的ものと静的ものとの組み合わせによる攪拌システムはことを特徴とする前記の静的攪拌ブレードの複数と攪拌軸との距離が等しくない。
【0011】
上記の動的ものと静的ものとの組み合わせによる攪拌システムはことを特徴とする前記の静的攪拌ブレードがスラット形、円筒形または角柱形の攪拌ブレードである。
【0012】
上記の動的ものと静的ものとの組み合わせによる攪拌システムは撹拌機の攪拌軸を円心にし、前記の静的攪拌ブレードの設置半径と攪拌用容器の半径との比が1:7.5~1:16にあることを特徴とする。
【0013】
また、本発明は下記の手順を含むことを特徴とし、上記の動的ものと静的ものとの組み合わせによる攪拌システムクロマイトの液相酸化を行ってクロム塩を調製するプロセスも提供する。
【0014】
クロマイト、水酸化ナトリウム及び水を動的ものと静的ものとの組み合わせによる攪拌システムを搭載したオートクレーブに入れ、攪拌しながらオートクレーブに酸素を入れて液相酸化反応をさせ、反応が完了してから圧力を解放し、冷却させてからオートクレーブにあるものを恒温ボックスに移して保温し、沈降させ、保温され、沈降したものに対する固液分離を行って上澄み液及び反応スラグを取得する。
【0015】
前記の反応スラグを逆流洗浄してから分離させて洗浄スラグ液及び鉄スラグを取得する。
【0016】
前記の上澄み液に水酸化バリウムを入れて沈殿反応をさせ、反応が完了してから分離させてクロム酸バリウムの沈殿物A及びアルミニウムを含む灰汁Bを取得する。
【0017】
前記の洗浄スラグ液に水酸化バリウムを入れて沈殿反応をさせ、反応が完了してから分離させてクロム酸バリウムの沈殿物C及びアルミニウムを含む灰汁Dを取得する。
【0018】
塩酸で前記のクロム酸バリウムの沈殿物A及びクロム酸バリウムの沈殿物Cを溶解させてから還元剤を入れ、還元反応で塩化クロムと塩化バリウムとの混合溶液を取得し、前記の混合溶液のpHを調節してクロムが水酸化クロムで完全に沈殿するようにし、固液分離で水酸化クロム製品を取得する。
【0019】
上記の方法は前記の液相酸化反応の温度が180~270℃、酸素分圧が1.2~2.6MPa、攪拌回転数が500~900rpm、反応時間が1~5hにあることを特徴とする。
【0020】
上記の方法は水酸化ナトリウムとクロマイトとの質量比が(2~5):1にあり、水酸化ナトリウムの質量が水酸化ナトリウムと水との総質量の30~60%に当たることを特徴とする。
【0021】
上記の方法は前記の保温及び沈降の場合に温度が70~150℃、時間が120~210minにあることを特徴とする。
【0022】
上記の方法は前記の上澄み液に水酸化バリウムを入れて沈殿反応をさせる場合、水酸化バリウム及び上澄み液でクロム酸ナトリウムのモル比が(1~1.2):1、反応時間が1~2h、反応温度が60~80℃にあることを特徴とする。
【0023】
前記の洗浄スラグ液に水酸化バリウムを入れて沈殿反応をさせる場合、水酸化バリウム及び洗浄スラグ液でクロム酸ナトリウムのモル比が(1~1.2):1、反応時間が1~2h、反応温度が60~80℃にある。
【0024】
上記の方法は前記のアルミニウムを含む灰汁Dにケイ酸ナトリウムパルプを入れて沈殿反応をさせ、反応が完了してから分離で低アルミニウム灰汁及びアルミノケイ酸ナトリウム沈殿物を取得する手順も含むことを特徴とする。
【0025】
上記の方法は前記のケイ酸ナトリウム及びアルミニウムを含む灰汁Dでアルミン酸ナトリウムのモル比が(1~1.2):1にあることを特徴とする。
【0026】
上記の方法は分離で取得した低アルミニウム灰汁にアルカリを追加してからオートクレーブに戻してリサイクルを行う手順も含むことを特徴とする。
【0027】
上記の方法はアルミニウムを含む灰汁Bをオートクレーブに戻してリサイクルを行う手順も含むことを特徴とする。
【0028】
上記の方法は前記のクロム酸バリウムの沈殿物Aとクロム酸バリウムの沈殿物Cとの物質の量の和と塩酸中HClの物質の量との比が1:(2~5)にあり、塩酸の体積がクロム酸バリウムの沈殿物Aとクロム酸バリウムの沈殿物Cの質量との和の4~8倍にあたり(その中、体積は単位がmL、質量は単位がgである)、前記の還元剤が小分子アルコール系有機物であり、還元剤のモル質量がクロム酸バリウムとの理論上の反応のモル質量の1~5倍に当たることを特徴とする。
【0029】
上記の方法は還元反応の攪拌回転数が200~400rpm、反応温度が50~80℃、反応時間が1~2hにあることを特徴とする。
【0030】
上記の方法は還元反応の次で水酸化バリウムで前記の混合溶液のpHを8~9に調節することを特徴とする。
【0031】
上記の方法はバリウムが完全に沈殿するまでクロムが水酸化クロムで完全に沈殿してから固液分離で取得した液相に硫酸を入れて硫酸バリウム製品を取得する手順も含むことを特徴とする。
【0032】
従来の技術と比べてみると、本発明は下記の長所がある。
【0033】
1.本発明による攪拌システムは構成が簡単であり、設計が合理である。撹拌機の攪拌により、攪拌タンクにある反応流体は回転して流れて混合し、安定に稼働する場合に攪拌軸を中心とする回転体となるが、形成した回転体が流体における各成分の混合に不利である。本発明は静的攪拌ブレードの複数を設置したので、元に安定した流体回転体が妨碍され、元の安定した流れ場の対称性が壊されたので、流体が回転、分流し、流体界面の安定性がなくなるようにし、流れ場における流体の混合の過程に対する制御を達成し、そして流体混合の質量移動の目的を達成した。
【0034】
2.本発明による動的ものと静的ものとの組み合わせによる攪拌システムで顕著にクロマイト液相酸化中のクロム転化率を向上させ、大いに反応時間を短縮させ、クロム塩の快速、高効率のクリーン生産方式を達成できる。
【0035】
3.本発明はクロマイト液相酸化法でクロム塩を調製する新規プロセスルートを指摘し、創造的にクロマイト浸出中の固液分離、高アルカリ性媒質におけるクロム塩の分離及び中間産物がクロム塩系に変換する重要なプロセス上の課題を解決し、産業における応用の見通しがとても広い。
【0036】
4.本発明はクロマイト液相酸化浸出のプロセスについて動的ものと静的ものとの組み合わせによる攪拌ブレードを搭載したオートクレーブでオートクレーブ内の上部における空気相が元のシングルエリアから巻かれて入る混合方式マルチエリアに変わるようにし、マルチローカスで巻かれて入る多元の混合方式となるので、反応システムにおける気・液・固相の質量移動の過程が大いに強化され、浸出反応プロセスの効率が向上される。
【0037】
5.本発明は創造的に高アルカリ性媒質におけるクロマイトの酸化浸出システムの保温及び沈降に関する分離プロセスを指摘し、固液分離の課題を解決し、従来の希釈ろ過や遠心などの方法と比べてみると、固液分離時間及び機器上のコストが顕著に削減され、始終に上澄み液における低いアルミニウム含有量及び高いアルカリ含有量を保つことができ、洗浄スラグ液でアルミニウム含有量が高く、アルカリ含有量が低いので、後継ぎの循環及びアルミニウム除去のプロセスに極めて有利である同時に、元の灰汁濃度が最大の程度で保留され、媒質の直接リサイクルの効率が大いに向上されている。
【0038】
6.本発明は直接にバリウム塩法でクロマイト浸出液からクロム塩を分離させる新規プロセス及びクロム酸バリウムがクロム塩に転化する新規プロセスを指摘して創造的にクロムとアルカリとの分離を達成し、クロム酸バリウムの塩酸・有機物系の溶解・還元法を指摘し、クロム酸バリウムでクロム塩系を調製する目標を達成した同時に、塩酸媒質のリサイクルを達成し、純粋な硫酸バリウム製品を取得できる。このプロセスは反応条件が温和であり、環境にやさしく、効率が高い。
【0039】
7.本発明は創造的にクロマイト浸出液に対してクロム-アルカリ分離が行われた灰汁でアルミニウムを除去する新規プロセスを指摘した。即ち、ケイ酸ナトリウムを沈殿剤にして灰汁に入れて直接にアルミン酸ナトリウムをアルミノケイ酸ナトリウムに沈殿、転化させ、更になる処理で経済価値の高いアルミノケイ酸ナトリウムモレキュラーシーブ副産物を取得でき、灰汁が直接に浸出反応のプロセスに循環でき、経済性の向上及びエネルギー消費の削減につながる。
【0040】
次に、図及び実例と結び合わせて本発明の技術策について更に詳細な説明を行う。
【図面の簡単な説明】
【0041】
【
図1】本発明による動的ものと静的ものとの組み合わせによる攪拌システムの構成図
【
図2】稼働中のシングル動的撹拌ブレードの流れ場のイメージ(Y=0正面図)
【
図3】稼働中のシングル動的撹拌ブレードの流れ場のイメージ(Z=0俯瞰図)
【
図4】本発明による動的ものと静的ものとの組み合わせによる攪拌システムの稼働中の場のイメージ(Y=0正面図)
【
図5】本発明による動的ものと静的ものとの組み合わせによる攪拌システム稼働中の場のイメージ(Z=0俯瞰図)
【
図6】各々シングル動的撹拌ブレード和本発明による動的ものと静的ものとの組み合わせによる攪拌システム及びクロマイトの液相酸化法でクロム塩を調製する場合、クロムの浸出率と浸出時間との関係図
【
図7】本発明による動的ものと静的ものとの組み合わせによる攪拌システムを搭載したオートクレーブの構成図
【発明を実施するための形態】
【0042】
図1に示したとおりに、本発明による動的ものと静的ものとの組み合わせによる攪拌システムは撹拌機1及び前記の撹拌機1の攪拌軸2と平行して設置された静的攪拌ブレード12の複数を含み、前記の静的攪拌ブレード12の複数が攪拌軸2を中心にして設置されていて、前記の攪拌軸2の底に攪拌ブレード4が取り付けられている。
【0043】
この実例において、前記の静的攪拌ブレード12の複数と攪拌軸2との距離が等しくない。前記の静的攪拌ブレード12は数量が2つ、3つ、4つ、5つまたは6つなどのいずれかである。
【0044】
この実例において、前記の静的攪拌ブレード12はスラット形、円筒形または角柱形の攪拌ブレードである。
【0045】
この実例において、撹拌機1の攪拌軸2を円心にし、前記の静的攪拌ブレード12の設置半径と攪拌用容器の半径との比が1:7.5~1:16にある。
【0046】
本発明による動的ものと静的ものとの組み合わせによる攪拌システムは具体的な動作原理が次のとおりである。即ち、反応システム(固・液、気・液、液・液、気・液・固など)は撹拌機の攪拌により、反応流体が回転して流れて混合し、安定に稼働する場合に攪拌軸を中心とする回転体となり(
図2~3)、形成した回転体が流体における各成分の混合に不利であるが、流れ場にある静的攪拌ブレードの存在により、元に安定した流体回転体が妨碍され、元の安定した流れ場の対称性が壊されたので、流体が回転、分流するようにし(
図4~5)、流体界面が安定ではなくなり、流れ場における流体の混合の過程に対する制御を達成し、そして流体混合の質量移動の目的を達成した。
【0047】
本発明による動的ものと静的ものとの組み合わせによる攪拌システムを気・液・固相混合の質量移動反応システムに応用し、動的ものと静的ものとの組み合わせによる攪拌システムにより、攪拌タンクの上部にあるガスが攪拌による巻き込みにより容器内の固・液両相システムに入って反応に参加し、気相が元の単一の動的撹拌機の周りの流れ場に巻かれて入る混合方式から動的撹拌機の周りの流れ場及び静的攪拌ブレードの複数の近くにある小さい流れ場エリアの多元混合方式に変わり、反応システムの気・液・固相の質量移動の面積が大いに広くなるので、各相間の質量移動が強化されている。加速する気・液・固相質量移動はシステムの反応時間の短縮に役に立つ。クロマイト液相酸化の過程に対して、更に反応アルカリ濃度及び他のプロセス条件の降下に役に立ち、クロム転化率を向上させる同時に、エネルギー消費も降下させている。よって、この動的ものと静的ものとの組み合わせによる攪拌システムは攪拌タンクにおける流体の混合の強化、気・液・固相の反応における気相に対する巻き込みの強化及び反応システムにおける各相間の質量移動の速度の向上に役に立ち、攪拌タンクに基づく様々な流体混合システムに用いられることができ、特に構成が安定であり、分解し難い固体が参加する多相反応システムに適する。なお、このシステムは構成が簡単であり、エネルギー消費が低く、効率が高く、コストが低く、修理や保守が易い。
【0048】
図7に示したとおりに、本発明用動的ものと静的ものとの組み合わせによる攪拌システムを搭載したオートクレーブはトップが開けられているオートクレーブ8及びオートクレーブ8開口部に設置されているシーリングキャップ3を含み、前記のシーリングキャップ3に撹拌機1が取り付けられていて、撹拌機1の攪拌軸2がオートクレーブ8にあり、攪拌軸2の底に攪拌ブレード4が取り付けられている。前記のシーリングキャップ3に静的攪拌ブレード12の複数があり、前記の静的攪拌ブレード12の複数が攪拌軸2を中心にして設置されていて、前記の静的攪拌ブレード12の複数のシーリングキャップ3を離れる一端が深くオートクレーブ8に入っている。
【0049】
この実例において、前記の静的攪拌ブレード12の複数と攪拌軸2との距離が等しくない。前記の静的攪拌ブレード12は数量が2つ、3つ、4つ、5つまたは6つなどのいずれかである。
【0050】
この実例において、前記の静的攪拌ブレード12がスラット形、円筒形または角柱形の攪拌ブレードである。
【0051】
この実例において、前記のシーリングキャップ3に熱電対7が取り付けられている。
【0052】
この実例において、前記の静的攪拌ブレード12は下端が攪拌ブレード4の上部にある。
【0053】
この実例において、前記の攪拌ブレード4はブレードが楕円形である。
【0054】
この実例において、前記のシーリングキャップ3に入気口及び排気口があり、前記の入気口に入気パイプ9が取り付けられていて、入気パイプ9が深くオートクレーブ8に入っていて、入気パイプ9の底部がオートクレーブ8の底部に近く、入気パイプのトップに入気弁5、前記の排気口に排気パイプ、前記の排気パイプのトップに排気弁11が取り付けられている。
【0055】
この実例において、前記のシーリングキャップ3にオートクレーブ8内部の圧力を測定するための圧力計10が取り付けられている。
【0056】
この実例において、前記のオートクレーブ8の外側に暖房ジャケット6、暖房ジャケット6の中部にオートクレーブ8を設置するための溝がある。
【0057】
この実例において、前記の暖房ジャケット6的底部にベース13がある。
【0058】
シングル動的撹拌ブレードが取り付けられているオートクレーブ及び本発明による動的ものと静的ものとの組み合わせによる攪拌システムが取り付けられているオートクレーブで各々クロマイトの液相酸化法でクロム塩を調製して、南アフリカ産クロマイト粉を取って300メッシュ(48μm)までに研磨し、X線蛍光分光計(XRF)で約42.92%のCr
2O
3成分含有量を測定する。各々クロマイト粉(300メッシュ)の125g、水酸化ナトリウムの500g及び脱イオン水の333mLを取って混合してオートクレーブに入れ、温度250℃、酸素分圧2.4MPa(総圧約3.2MPa)、反応時間60min、120min、180min、240min、300minの条件でシングル動的撹拌ブレードが取り付けられているオートクレーブ及び本発明による動的ものと静的ものとの組み合わせによる攪拌システムが取り付けられているオートクレーブで各々実験を行い、液相酸化反応後の浸出液にあるクロムの含有量を測定する。2種のオートクレーブはクロムの浸出率が反応時間に応じるものであり、
図7に示したとおりに、シングル動的撹拌ブレードだけを使うオートクレーブで反応が完了してから、浸出液におけるクロムの浸出率が最も高く、90%に過ぎなく、300minほどの長い期間が必要であるが、動的ものと静的ものとの組み合わせによる攪拌システムのオートクレーブでは、反応が完了してから240minだけでクロムの浸出率が99%に達していて、60~120minの短い期間に動的ものと静的ものとの組み合わせによる攪拌システムにおけるクロムの浸出率が前者の約2倍となる。本発明による動的ものと静的ものとの組み合わせによる攪拌システムは短い期間にクロマイト液相酸化法による効率が高い浸出を達成した同時に、大いにクロムの浸出率を向上させ、二次回収及び資源の浪費を避けていて、動的ものと静的ものとの組み合わせによる強化方式が有効にシステムにおける質量移動及び反応プロセスの効率を向上させていて、様々な多相反応システムに適し、新規、効率が高い、多相の質量移動を強化させる装置である。
【0059】
前記の動的ものと静的ものとの組み合わせによる攪拌システムを搭載したオートクレーブでクロマイトの液相酸化を行ってクロム塩を調製するプロセスは下記の手順を含む。
【0060】
クロマイト(300メッシュ)の125g、水酸化ナトリウムの250g及び水の583gを動的ものと静的ものとの組み合わせによる攪拌システムを搭載したオートクレーブに入れ、攪拌しながらオートクレーブに酸素を入れて液相酸化反応をさせ(反応温度:180℃、酸素分圧:1.2MPa(総圧約2.4MPa)、攪拌回転数:500rpm、反応時間:1h)、反応が完了してから圧力を解放し、冷却させてからオートクレーブにあるものを恒温ボックスに移して保温し、沈降させ(温度:70℃、時間:120min)、保温され、沈降したものに対する固液分離を行って上澄み液及び反応スラグを取得する。
【0061】
前記の反応スラグを水で逆流洗浄を行ってから分離させ、洗浄スラグ液及び鉄スラグを取得する。
【0062】
産業用クロム酸ナトリウム(HG/T 4312-2012)で各々前記の上澄み液及び洗浄スラグ液にあるクロム酸ナトリウムの含有量を測定すると、上澄み液にクロム酸ナトリウムの11.43g、メタアルミン酸ナトリウムの1.45g、洗浄スラグ液にクロム酸ナトリウムの22.87g、メタアルミン酸ナトリウムの8.68gがある。
【0063】
水酸化バリウム及び上澄み液でクロム酸ナトリウムのモル比が1:1となるようにして前記の上澄み液に水酸化バリウムの12.1gを入れて沈殿反応をさせ(反応時間:1h、反応温度:60℃)、反応が完了してから分離させてクロム酸バリウムの沈殿物A及びアルミニウムを含む灰汁Bを取得する。アルミニウムを含む灰汁Bをオートクレーブに戻してリサイクルを行う。
【0064】
水酸化バリウム及び洗浄スラグ液でクロム酸ナトリウムのモル比が1:1となるようにして前記の洗浄スラグ液に水酸化バリウムの24.2gを入れて沈殿反応をさせ(反応時間:1h、反応温度:60℃)、反応が完了してから分離させてクロム酸バリウムの沈殿物C及びアルミニウムを含む灰汁Dを取得する。
【0065】
「GB/T 5750.6-2006 生活飲料水標準検査方法 金属指標クロマズロールS 分光光度法」に従ってアルミニウムを含む灰汁Dの中のアルミニウムの含有量を測定し、ケイ酸ナトリウム及びアルミニウムを含む灰汁Dでアルミン酸ナトリウムモル比が1:1となるようにし、前記のアルミニウムを含む灰汁Dに質量濃度60%のケイ酸ナトリウムのパルプの21.54gを入れて沈殿反応をさせ(反応時間:1h、反応温度70℃)、反応が完了してから分離で低アルミニウム灰汁及びアルミノケイ酸ナトリウム沈殿物を取得し、アルミニウム除去率が90%に達し、リサイクル標準を満たし、分離による低アルミニウム灰汁にアルカリを追加してからオートクレーブに戻してリサイクルを行う。
【0066】
クロム酸バリウムの沈殿物A及びクロム酸バリウムの沈殿物Cを併合して測定すると、クロム転化率90%であり、塩酸溶液で併合されたクロム酸バリウムを溶解し、液固比が8:1(mL:g)であり、併合されたクロム酸バリウムと塩酸溶液にあるHClとのモル比が1:2であり、溶解してから測定してクロム溶解率が92%であると、還元剤を入れて還元反応させる(攪拌回転数:200rpm、反応温度:50℃、反応時間:1h)。前記の還元剤が小分子アルコール系有機物のエタノールであり、還元剤のモル質量がクロム酸バリウムとの理論上の反応のモル質量の1倍にあたり、塩化クロムと塩化バリウムとの混合溶液を取得し、クロム還元率が72%である。水酸化バリウムで前記の塩化クロムと塩化バリウムとの混合溶液のpHを8までに調節し、クロムが水酸化クロムで完全に沈殿するようにし、固液分離で水酸化クロム製品を取得し、バリウムが完全に沈殿するまで遠心分離された液相に希硫酸を入れ、純粋な硫酸バリウム製品を取得する。
【実施例1】
【0067】
図1に示したとおりに、本発明による動的ものと静的ものとの組み合わせによる攪拌システムは撹拌機1及び前記の撹拌機1の攪拌軸2と平行して設置された静的攪拌ブレード12の複数を含み、前記の静的攪拌ブレード12の複数が攪拌軸2を中心にして設置されていて、前記の攪拌軸2の底に攪拌ブレード4が取り付けられている。
【0068】
この実例において、前記の静的攪拌ブレード12の複数と攪拌軸2との距離が等しくない。前記の静的攪拌ブレード12は数量が2つ、3つ、4つ、5つまたは6つなどのいずれかである。
この実例において、前記の静的攪拌ブレード12はスラット形、円筒形または角柱形の攪拌ブレードである。
【0069】
この実例において、撹拌機1の攪拌軸2を円心にし、前記の静的攪拌ブレード12の設置半径と攪拌用容器の半径との比が1:7.5~1:16にある。
【0070】
本発明による動的ものと静的ものとの組み合わせによる攪拌システムは具体的な動作原理が次のとおりである。即ち、反応システム(固・液、気・液、液・液、気・液・固など)は撹拌機の攪拌により、反応流体が回転して流れて混合し、安定に稼働する場合に攪拌軸を中心とする回転体となり(
図2~3)、形成した回転体が流体における各成分の混合に不利であるが、流れ場にある静的攪拌ブレードの存在により、元に安定した流体回転体が妨碍され、元の安定した流れ場の対称性が壊されたので、流体が回転、分流するようにし(
図4~5)、流体界面が安定ではなくなり、流れ場における流体の混合の過程に対する制御を達成し、そして流体混合の質量移動の目的を達成した。
【0071】
本発明による動的ものと静的ものとの組み合わせによる攪拌システムを気・液・固相混合の質量移動反応システムに応用し、動的ものと静的ものとの組み合わせによる攪拌システムにより、攪拌タンクの上部にあるガスが攪拌による巻き込みにより容器内の固・液両相システムに入って反応に参加し、気相が元の単一の動的撹拌機の周りの流れ場に巻かれて入る混合方式から動的撹拌機の周りの流れ場及び静的攪拌ブレードの複数の近くにある小さい流れ場エリアの多元混合方式に変わり、反応システムの気・液・固相の質量移動の面積が大いに広くなるので、各相間の質量移動が強化されている。加速する気・液・固相質量移動はシステムの反応時間の短縮に役に立つ。クロマイト液相酸化の過程に対して、更に反応アルカリ濃度及び他のプロセス条件の降下に役に立ち、クロム転化率を向上させる同時に、エネルギー消費も降下させている。よって、この動的ものと静的ものとの組み合わせによる攪拌システムは攪拌タンクにおける流体の混合の強化、気・液・固相の反応における気相に対する巻き込みの強化及び反応システムにおける各相間の質量移動の速度の向上に役に立ち、攪拌タンクに基づく様々な流体混合システムに用いられることができ、特に構成が安定であり、分解し難い固体が参加する多相反応システムに適する。なお、このシステムは構成が簡単であり、エネルギー消費が低く、効率が高く、コストが低く、修理や保守が易い。
【実施例2】
【0072】
図7に示したとおりに、本発明用動的ものと静的ものとの組み合わせによる攪拌システムを搭載したオートクレーブはトップが開けられているオートクレーブ8及びオートクレーブ8開口部に設置されているシーリングキャップ3を含み、前記のシーリングキャップ3に撹拌機1が取り付けられていて、撹拌機1の攪拌軸2がオートクレーブ8にあり、攪拌軸2の底に攪拌ブレード4が取り付けられている。前記のシーリングキャップ3に静的攪拌ブレード12の複数があり、前記の静的攪拌ブレード12の複数が攪拌軸2を中心にして設置されていて、前記の静的攪拌ブレード12の複数のシーリングキャップ3を離れる一端が深くオートクレーブ8に入っている。
【0073】
この実例において、前記の静的攪拌ブレード12の複数と攪拌軸2との距離が等しくない。前記の静的攪拌ブレード12は数量が2つ、3つ、4つ、5つまたは6つなどのいずれかである。
【0074】
この実例において、前記の静的攪拌ブレード12がスラット形、円筒形または角柱形の攪拌ブレードである。
【0075】
この実例において、前記のシーリングキャップ3に熱電対7が取り付けられている。
【0076】
この実例において、前記の静的攪拌ブレード12は下端が攪拌ブレード4の上部にある。
【0077】
この実例において、前記の攪拌ブレード4はブレードが楕円形である。
【0078】
この実例において、前記のシーリングキャップ3に入気口及び排気口があり、前記の入気口に入気パイプ9が取り付けられていて、入気パイプ9が深くオートクレーブ8に入っていて、入気パイプ9の底部がオートクレーブ8の底部に近く、入気パイプのトップに入気弁5、前記の排気口に排気パイプ、前記の排気パイプのトップに排気弁11が取り付けられている。
【0079】
この実例において、前記のシーリングキャップ3にオートクレーブ8内部の圧力を測定するための圧力計10が取り付けられている。
【0080】
この実例において、前記のオートクレーブ8の外側に暖房ジャケット6、暖房ジャケット6の中部にオートクレーブ8を設置するための凹溝がある。
【0081】
この実例において、前記の暖房ジャケット6的底部にベース13がある。
【0082】
シングル動的撹拌ブレードが取り付けられているオートクレーブ及び本発明による動的ものと静的ものとの組み合わせによる攪拌システムが取り付けられているオートクレーブで各々クロマイトの液相酸化法でクロム塩を調製して、南アフリカ産クロマイト粉を取って300メッシュ(48μm)までに研磨し、X線蛍光分光計(XRF)で約42.92%のCr
2O
3成分含有量を測定する。各々クロマイト粉(300メッシュ)の125g、水酸化ナトリウムの500g及び脱イオン水の333mLを取って混合してオートクレーブに入れ、温度250℃、酸素分圧2.4MPa(総圧約3.2MPa)、反応時間60min、120min、180min、240min、300minの条件でシングル動的撹拌ブレードが取り付けられているオートクレーブ及び本発明による動的ものと静的ものとの組み合わせによる攪拌システムが取り付けられているオートクレーブで各々実験を行い、液相酸化反応後の浸出液にあるクロムの含有量を測定する。2種のオートクレーブはクロムの浸出率が反応時間に応じるものであり、
図7に示したとおりに、シングル動的撹拌ブレードだけを使うオートクレーブで反応が完了してから、浸出液におけるクロムの浸出率が最も高く、90%に過ぎなく、300minほどの長い期間が必要であるが、動的ものと静的ものとの組み合わせによる攪拌システムのオートクレーブでは、反応が完了してから240minだけでクロムの浸出率が99%に達していて、60~120minの短い期間に動的ものと静的ものとの組み合わせによる攪拌システムにおけるクロムの浸出率が前者の約3倍となる。本発明による動的ものと静的ものとの組み合わせによる攪拌システムは短い期間にクロマイト液相酸化法による効率が高い浸出を達成した同時に、大いにクロムの浸出率を向上させ、二次回収及び資源の浪費を避けていて、動的ものと静的ものとの組み合わせによる強化方式が有効にシステムにおける質量移動及び反応プロセスの効率を向上させていて、様々な多相反応システムに適し、新規、効率が高い、多相の質量移動を強化させる装置である。
【実施例3】
【0083】
実例2に記載の動的ものと静的ものとの組み合わせによる攪拌システムを搭載したオートクレーブでクロマイトの液相酸化を行ってクロム塩を調製するプロセスは下記の手順を含む。
【0084】
クロマイト(300メッシュ)の125g、水酸化ナトリウムの250g及び水の583gを動的ものと静的ものとの組み合わせによる攪拌システムを搭載したオートクレーブに入れ、攪拌しながらオートクレーブに酸素を入れて液相酸化反応をさせ(反応温度:180℃、酸素分圧:1.2MPa(総圧約2.4MPa)、攪拌回転数:500rpm、反応時間:1h)、反応が完了してから圧力を解放し、冷却させてからオートクレーブにあるものを恒温ボックスに移して保温し、沈降させ(温度:70℃、時間:120min)、保温され、沈降したものに対する固液分離を行って上澄み液及び反応スラグを取得する。
【0085】
前記の反応スラグを水で逆流洗浄を行ってから分離させ、洗浄スラグ液及び鉄スラグを取得する。
【0086】
産業用クロム酸ナトリウム(HG/T 4312-2012)で各々前記の上澄み液及び洗浄スラグ液にあるクロム酸ナトリウムの含有量を測定すると、上澄み液にクロム酸ナトリウムの11.43g、メタアルミン酸ナトリウムの1.45g、洗浄スラグ液にクロム酸ナトリウムの22.87g、メタアルミン酸ナトリウムの8.68gがある。
【0087】
水酸化バリウム及び上澄み液でクロム酸ナトリウムのモル比が1:1となるようにして前記の上澄み液に水酸化バリウムの12.1gを入れて沈殿反応をさせ(反応時間:1h、反応温度:60℃)、反応が完了してから分離させてクロム酸バリウムの沈殿物A及びアルミニウムを含む灰汁Bを取得する。アルミニウムを含む灰汁Bをオートクレーブに戻してリサイクルを行う。
【0088】
水酸化バリウム及び洗浄スラグ液でクロム酸ナトリウムのモル比が1:1となるようにして前記の洗浄スラグ液に水酸化バリウムの24.2gを入れて沈殿反応をさせ(反応時間:1h、反応温度:60℃)、反応が完了してから分離させてクロム酸バリウムの沈殿物C及びアルミニウムを含む灰汁Dを取得する。
【0089】
「GB/T 5750.6-2006 生活飲料水標準検査方法 金属指標クロマズロールS 分光光度法」に従ってアルミニウムを含む灰汁Dの中のアルミニウムの含有量を測定し、ケイ酸ナトリウム及びアルミニウムを含む灰汁Dでアルミン酸ナトリウムモル比が1:1となるようにし、前記のアルミニウムを含む灰汁Dに質量濃度60%のケイ酸ナトリウムのパルプの21.54gを入れて沈殿反応をさせ(反応時間:1h、反応温度70℃)、反応が完了してから分離で低アルミニウム灰汁及びアルミノケイ酸ナトリウム沈殿物を取得し、アルミニウム除去率が90%に達し、リサイクル標準を満たし、分離による低アルミニウム灰汁にアルカリを追加してからオートクレーブに戻してリサイクルを行う。
【0090】
クロム酸バリウムの沈殿物A及びクロム酸バリウムの沈殿物Cを併合して測定すると、クロム転化率90%であり、塩酸溶液で併合されたクロム酸バリウムを溶解し、液固比が8:1(mL:g)であり、併合されたクロム酸バリウムと塩酸溶液にあるHClとのモル比が1:2であり、溶解してから測定してクロム溶解率が92%であると、還元剤を入れて還元反応させる(攪拌回転数:200rpm、反応温度:50℃、反応時間:1h)。前記の還元剤が小分子アルコール系有機物のエタノールであり、還元剤のモル質量がクロム酸バリウムとの理論上の反応のモル質量の1倍にあたり、塩化クロムと塩化バリウムとの混合溶液を取得し、クロム還元率が72%である。水酸化バリウムで前記の塩化クロムと塩化バリウムとの混合溶液のpHを8までに調節し、クロムが水酸化クロムで完全に沈殿するようにし、固液分離で水酸化クロム製品を取得し、バリウムが完全に沈殿するまで遠心分離された液相に希硫酸を入れ、純粋な硫酸バリウム製品を取得する。
【実施例4】
【0091】
下記の手順を含む実例2に記載の動的ものと静的ものとの組み合わせによる攪拌システムを搭載したオートクレーブでクロマイトの液相酸化を行ってクロム塩を調製するプロセス。
【0092】
クロマイト(300メッシュ)の125g、水酸化ナトリウムの500g及び水の500gを動的ものと静的ものとの組み合わせによる攪拌システムを搭載したオートクレーブに入れ、攪拌しながらオートクレーブに酸素を入れて液相酸化反応をさせ(反応温度:240℃、酸素分圧:2.4MPa(総圧約3.2MPa)、攪拌回転数:800rpm、反応時間:4h)、反応が完了してから圧力を解放し、冷却させてからオートクレーブにあるものを恒温ボックスに移して保温し、沈降させ(温度:90℃、時間:180min)、保温され、沈降したものに対する固液分離を行って上澄み液及び反応スラグを取得する。
【0093】
前記の反応スラグを水で逆流洗浄を行ってから分離させ、洗浄スラグ液及び鉄スラグを取得する。
【0094】
産業用クロム酸ナトリウム(HG/T 4312-2012)で各々前記の上澄み液及び洗浄スラグ液にあるクロム酸ナトリウムの含有量を測定すると、上澄み液にクロム酸ナトリウムの21.95g、メタアルミン酸ナトリウムの2.02g、洗浄スラグ液にクロム酸ナトリウムの87.83g、メタアルミン酸ナトリウムの25.17gがある。
【0095】
水酸化バリウム及び上澄み液でクロム酸ナトリウムのモル比が1.1:1となるようにして前記の上澄み液に水酸化バリウムの23.2gを入れて沈殿反応を(反応時間:1.5h、反応温度:70℃)、反応が完了してから分離させてクロム酸バリウムの沈殿物A及びアルミニウムを含む灰汁Bを取得する。アルミニウムを含む灰汁Bをオートクレーブに戻してリサイクルを行う。
【0096】
水酸化バリウム及び洗浄スラグ液でクロム酸ナトリウムのモル比が1.1:1となるようにして前記の洗浄スラグ液に水酸化バリウムの92.9gを入れて沈殿反応を(反応時間:1.5h、反応温度:70℃)、反応が完了してから分離させてクロム酸バリウムの沈殿物C及びアルミニウムを含む灰汁Dを取得する。
【0097】
「GB/T 5750.6-2006 生活飲料水標準検査方法 金属指標クロマズロールS 分光光度法」に従ってアルミニウムを含む灰汁Dの中のアルミニウムの含有量を測定し、ケイ酸ナトリウム及びアルミニウムを含む灰汁Dでアルミン酸ナトリウムモル比が1.1:1となるようにして前記のアルミニウムを含む灰汁Dに質量濃度80%のケイ酸ナトリウムのパルプの46.85gを入れて沈殿反応をさせ(反応時間:2h、反応温度:80℃)、反応が完了してから分離で低アルミニウム灰汁及びアルミノケイ酸ナトリウム沈殿物を取得する。アルミニウム除去率は92%に達し、リサイクル標準を満たす。分離による低アルミニウム灰汁にアルカリを追加してからオートクレーブに戻してリサイクルを行う。
【0098】
クロム酸バリウムの沈殿物A及びクロム酸バリウムの沈殿物Cを併合して測定すると、クロム転化率が94%である。塩酸溶液で併合されたクロム酸バリウムを溶解し、液固比が6:1(mL:g)、併合されたクロム酸バリウムと塩酸溶液にあるHClとのモル比が1:4であり、溶解してから測定すると、クロム溶解率が96%である。還元剤を入れて還元反応させる(攪拌回転数:300rpm、反応温度:80℃、反応時間:1.5h)。前記の還元剤は小分子アルコール系有機物エタノールであり、モル質量がクロム酸バリウムとの理論上の反応のモル質量の2倍にあたる。塩化クロムと塩化バリウムとの混合溶液を取得し、クロム還元率が96%である。水酸化バリウムで前記の塩化クロムと塩化バリウムとの混合溶液のpHを8.5までに調節し、クロムが水酸化クロムで完全に沈殿するようにし、固液分離で水酸化クロム製品を取得し、バリウムが完全に沈殿するまで遠心分離された液相に希硫酸を入れ、純粋な硫酸バリウム製品を取得する。
【実施例5】
【0099】
下記の手順を含む実例2に記載の動的ものと静的ものとの組み合わせによる攪拌システムを搭載したオートクレーブでクロマイトの液相酸化を行ってクロム塩を調製するプロセス。
【0100】
クロマイト(300メッシュ)の125g、水酸化ナトリウムの625g及び水の416gを動的ものと静的ものとの組み合わせによる攪拌システムを搭載したオートクレーブに入れ、攪拌しながらオートクレーブに酸素を入れて液相酸化反応をさせ(反応温度:270℃、酸素分圧:2.6MPa(総圧約3.5MPa)、攪拌回転数:900rpm、反応時間:5h)、反応が完了してから圧力を解放し、冷却させてからオートクレーブにあるものを恒温ボックスに移して保温し、沈降させ(温度:150℃、時間:210min)、保温され、沈降したものに対する固液分離を行って上澄み液及び反応スラグを取得する。
【0101】
前記の反応スラグを水で逆流洗浄を行ってから分離させ、洗浄スラグ液及び鉄スラグを取得する。
【0102】
産業用クロム酸ナトリウム(HG/T 4312-2012)で各々前記の上澄み液及び洗浄スラグ液にあるクロム酸ナトリウムの含有量を測定すると、上澄み液にクロム酸ナトリウムの22.64g、メタアルミン酸ナトリウムの1.73g、洗浄スラグ液にクロム酸ナトリウムの90.57g、メタアルミン酸ナトリウムの26.04gがある。
【0103】
水酸化バリウム及び上澄み液でクロム酸ナトリウムのモル比が1.2:1となるようにして前記の上澄み液に水酸化バリウムの28.7gを入れ、沈殿反応をさせ(反応時間:2h、反応温度:80℃)、反応が完了してから分離させてクロム酸バリウムの沈殿物A及びアルミニウムを含む灰汁Bを取得する。アルミニウムを含む灰汁Bをオートクレーブに戻してリサイクルを行う。
【0104】
水酸化バリウム及び洗浄スラグ液でクロム酸ナトリウムのモル比が1.2:1となるようにして前記の洗浄スラグ液に水酸化バリウムの115.0gを入れ、沈殿反応をさせ(反応時間:2h、反応温度:80℃)、反応が完了してから分離させてクロム酸バリウムの沈殿物C及びアルミニウムを含む灰汁Dを取得する。
【0105】
「GB/T 5750.6-2006 生活飲料水標準検査方法 金属指標クロマズロールS 分光光度法」に従ってアルミニウムを含む灰汁Dの中のアルミニウムの含有量を測定し、ケイ酸ナトリウム及びアルミニウムを含む灰汁Dでアルミン酸ナトリウムモル比が1.2:1となるようにして前記のアルミニウムを含む灰汁Dに質量濃度90%のケイ酸ナトリウムのパルプの43.08gを入れて沈殿反応をさせ(反応時間:3h、反応温度:90℃)、反応が完了してから分離で低アルミニウム灰汁及びアルミノケイ酸ナトリウム沈殿物を取得する。アルミニウム除去率は95%であり、リサイクル標準を満たす。分離による低アルミニウム灰汁にアルカリを追加してからオートクレーブに戻してリサイクルを行う。
【0106】
クロム酸バリウムの沈殿物A及びクロム酸バリウムの沈殿物Cを併合して測定すると、クロム転化率が97%である。塩酸溶液で併合されたクロム酸バリウムを溶解し、液固比が4:1(mL:g)、併合されたクロム酸バリウムと塩酸溶液にあるHClとのモル比が1:5であり、溶解してから測定すると、クロム溶解率が99%であり、還元剤を入れて還元反応させ(攪拌回転数:400rpm、反応温度:80℃、反応時間:2h)、前記の還元剤が小分子アルコール系有機物のメタノールであり、還元剤のモル質量がクロム酸バリウムとの理論上の反応モル質量の5倍に当たり、塩化クロムと塩化バリウムとの混合溶液を取得し、クロム還元率が99%である。pHが9となるまで水酸化バリウムで前記の塩化クロムと塩化バリウムとの混合溶液を調節し、クロムが水酸化クロムで完全に沈殿するようにし、固液分離で水酸化クロム製品を取得する。バリウムが完全に沈殿するまで遠心分離された液相に希硫酸を入れ、純粋な硫酸バリウム製品を取得する。
【実施例6】
【0107】
実例5のプロセスに従って液相酸化反応及び保温をさせ、沈降させ、固液分離を行ってから測定すると、クロム転化率が99%である。水酸化バリウム及び上澄み液でクロム酸ナトリウムモル比が1.2:1となるようにして上澄み液に水酸化バリウムを入れて、80℃で攪拌して2hに反応させ、反応が完了してから分離させてクロム酸バリウムの沈殿物A及びアルミニウムを含む灰汁Bを取得する測定すると、クロム転化率が97%である。アルミニウムを含む灰汁Bをオートクレーブに戻してリサイクルを行い、少量の水酸化ナトリウム及び水を補充し、同一の条件で液相酸化反応をさせ、反応が完了してから圧力を解放し、冷却させてからオートクレーブにあるものを恒温ボックスに移して保温し、沈降させ(温度:150℃、時間:210min)、固液分離を行ってから測定すると、クロムの転化率が99%であるので、リサイクルアルミニウムを含む灰汁Bはクロムの浸出に影響がないことを示す。
(比較例1)
【0108】
実例5のプロセスに従って液相酸化反応及び保温をさせ、沈降させ、固液分離を行ってから測定すると、クロム転化率が99%である。固液分離後の上澄み液を直接にオートクレーブに循環するようにし、水酸化ナトリウム及び水を補充し、同一の条件で液相酸化反応をさせ、反応が完了してから圧力を解放し、冷却させてからオートクレーブにあるものを恒温ボックスに移して保温し、沈降させ(温度:150℃、時間:210min)、固液分離を行ってから測定すると、クロムの転化率が82%であるので、上澄み液にあるクロム酸ナトリウムの含有量が高すぎると、クロマイトの中のクロムの浸出を抑制することがあることを示す。
【実施例7】
【0109】
実例5のプロセスに従って液相酸化反応及び保温をさせ、沈降させ、固液分離を行ってから取得した上澄み液及び反応スラグを測定すると、クロム転化率が99%である。前記の反応スラグを水で逆流洗浄を行ってから分離させ、洗浄スラグ液及び鉄スラグを取得する。水酸化バリウム及び洗浄スラグ液でクロム酸ナトリウムのモル比が1.2:1となるようにして前記の洗浄スラグ液に水酸化バリウムを入れて沈殿反応をさせ(反応時間:2h、反応温度:80℃)、反応が完了してから分離で取得したクロム酸バリウムの沈殿物C及びアルミニウムを含む灰汁D測定すると、クロム転化率が97%である。ケイ酸ナトリウム及びアルミニウムを含む灰汁Dでアルミン酸ナトリウムモル比が1.2:1となるようにして前記のアルミニウムを含む灰汁Dに質量濃度90%のケイ酸ナトリウムのパルプを入れて沈殿反応をさせ(反応時間:3h、反応温度:90℃)、反応が完了してから分離で低アルミニウム灰汁及びアルミノケイ酸ナトリウム沈殿物を取得する。アルミニウム除去率は95%に達し、リサイクル標準を満たす。分離による低アルミニウム灰汁にアルカリを追加してからオートクレーブに戻してリサイクルを行う。同一の条件で液相酸化反応をさせ、反応が完了してから圧力を解放し、冷却させてからオートクレーブにあるものを恒温ボックスに移して保温し、沈降させ(温度:150℃、時間:210min)、固液分離を行ってから測定すると、クロムの転化率が99%であるので、アルミニウムを含む灰汁Dはケイ酸ナトリウムで処理されてから取得した低アルミニウム灰汁がクロムの浸出に影響がないことを示す。
(比較例2)
【0110】
実例5のプロセス従って液相酸化反応及び保温をさせ、沈降させ、固液分離を行ってから取得した上澄み液及び反応スラグを測定すると、クロム転化率が99%である。前記の反応スラグを水で逆流洗浄を行ってから分離させ、洗浄スラグ液及び鉄スラグを取得する。水酸化バリウム及び洗浄スラグ液でクロム酸ナトリウムのモル比が1.2:1となるようにして前記の洗浄スラグ液に水酸化バリウムを入れて沈殿反応をさせ(反応時間:2h、反応温度:80℃)、反応が完了してから分離で取得したクロム酸バリウムの沈殿物C及びアルミニウムを含む灰汁D測定すると、クロム転化率が97%である。アルミニウムを含む灰汁Dにアルカリを追加してからオートクレーブに戻してリサイクルを行う。同一の条件で液相酸化反応をさせ、反応が完了してから圧力を解放し、冷却させてからオートクレーブにあるものを恒温ボックスに移して保温し、沈降させ(温度:150℃、時間:210min)、固液分離を行ってから測定すると、クロムの転化率が88%であるので、処理されていないアルミニウムを含む灰汁Dはクロムの浸出を抑制できることを示す。
【0111】
上記は本発明の望ましい実例に過ぎなく、本発明にいかなる制限をするものではなく、本発明の技術実質に従って上記の実例に対して行う一切の簡単な改訂、変更及び同じ効果の構成調製が本発明の請求項に属する。
【0112】
本発明はクロマイト液相酸化法でクロム塩を調製する新規プロセスルートを指摘し、創造的にクロマイト浸出中の固液分離、高アルカリ性媒質におけるクロム塩の分離及び中間産物がクロム塩系に変換する重要なプロセス上の課題を解決し、産業における応用の見通しがとても広い。本発明はクロマイト液相酸化浸出のプロセスについて動的ものと静的ものとの組み合わせによる攪拌ブレードを搭載したオートクレーブでオートクレーブ内の上部における空気相が元のシングルエリアから巻かれて入る混合方式マルチエリアに変わるようにし、マルチローカスで巻かれて入る多元の混合方式となるので、反応システムにおける気・液・固相の質量移動の過程が大いに強化され、浸出反応プロセスの効率が向上される。本発明は高アルカリ性媒質におけるクロマイトの酸化浸出システムの保温及び沈降に関する分離プロセスを指摘し、固液分離の課題を解決し、従来の希釈ろ過や遠心などの方法と比べてみると、固液分離時間及び機器上のコストが顕著に削減され、始終に上澄み液における低いアルミニウム含有量及び高いアルカリ含有量を保つことができ、洗浄スラグ液でアルミニウム含有量が高く、アルカリ含有量が低いので、後継ぎの循環及びアルミニウム除去のプロセスに極めて有利である同時に、元の灰汁濃度が最大の程度で保留され、媒質の直接リサイクルの効率が大いに向上されている。
【国際調査報告】