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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-02-15
(54)【発明の名称】積層造形機
(51)【国際特許分類】
   B29C 64/106 20170101AFI20230208BHJP
   B29C 64/205 20170101ALI20230208BHJP
   B33Y 30/00 20150101ALI20230208BHJP
   B33Y 10/00 20150101ALI20230208BHJP
   B29C 64/241 20170101ALI20230208BHJP
   B29C 33/38 20060101ALI20230208BHJP
【FI】
B29C64/106
B29C64/205
B33Y30/00
B33Y10/00
B29C64/241
B29C33/38
【審査請求】未請求
【予備審査請求】有
(21)【出願番号】P 2022528125
(86)(22)【出願日】2020-11-13
(85)【翻訳文提出日】2022-07-12
(86)【国際出願番号】 IL2020051176
(87)【国際公開番号】W WO2021095036
(87)【国際公開日】2021-05-20
(31)【優先権主張番号】62/935,658
(32)【優先日】2019-11-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】519383061
【氏名又は名称】トリトン テクノロジーズ リミテッド
【氏名又は名称原語表記】TRITONE TECHNOLOGIES LTD.
【住所又は居所原語表記】12 Amal Street, Park Afek Industrial Zone, Rosh HaAyin, Israel
(74)【代理人】
【識別番号】110002952
【氏名又は名称】弁理士法人鷲田国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ベン-ツァー オフェル
(72)【発明者】
【氏名】ケダール イーライ
(72)【発明者】
【氏名】フェルドマン アロン
【テーマコード(参考)】
4F202
4F213
【Fターム(参考)】
4F202CA27
4F202CB01
4F202CC03
4F202CD30
4F213AP12
4F213AQ01
4F213AR07
4F213AR12
4F213WA25
4F213WA92
4F213WA97
4F213WB01
4F213WL02
4F213WL15
4F213WL24
4F213WL32
4F213WL67
4F213WL74
4F213WL87
4F213WL96
(57)【要約】
本発明は、第1に、層のための空間を画定するためのモールドを作製するために積層造形を使用し、第2に、部品の層を作製するためにペーストで空間を充填することによって、部品を層状に作製するための積層造形機械及び関連する方法である。本機械は、標準的な3D印刷を用いてモールドを形成するためのインクジェットノズルを備えた第1のモールド形成ステーションと、第1のステーションから距離を置いた第2のペースト分配ステーションと、ペーストを空間に分配して層を形成するための分配ダイスロットと、を備える。この機械は、複数の部品を同時に作動させ、各部品はステーションを通る経路に沿って搬送される。
【選択図】 図8
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1に、層のための空間を画定するためにモールドを作製するために積層造形を使用し、第2に、部品の層を作製するためにペーストで空間を充填することによって部品を層状に作製するための積層造形機械であって、
前記機械は、
前記モールドを形成するように構成されたノズルを備えた第1のモールド形成ステーションと、
前記空間内にペーストを分配するための分配ダイスロットを備える、前記第1のステーションから離間した第2のペースト分配ステーションと、
を備え、
前記機械は、複数の部品上で同時に動作するように構成され、前記ステーションは回転テーブルの周りに配置され、前記回転テーブルの周辺は、前記積層造形機械のフレームによって支持され、各部品は、前記ステーションのそれぞれを介して経路に沿って前記回転テーブル上で運搬される、積層造形機械。
【請求項2】
前記ステーションが前記フレーム上に固定されている、請求項1に記載の積層造形機械。
【請求項3】
前記ステーションはそれぞれ、前記経路の内側と前記経路の外側との間の前記経路上にブリッジを形成し、前記固定は、それぞれ前記内側及び前記外側にある、請求項2に記載の積層造形機械。
【請求項4】
前記ペースト分配ステーションは、前記分配ダイスロットに先行するローラーと、前記分配ダイスロットに続くカッターとを備え、前記ローラーは、前記モールドを所定のレベルに平滑化すように構成され、前記カッターは前記ペーストを平滑化するように構成され、前記ローラーと前記カッターは同じレベルに取り付けられる、請求項1~3のいずれか1項に記載の積層造形機械。
【請求項5】
前記ステーションは、円周の周りに配置される、請求項1~4のいずれか1項に記載の積層造形機械。
【請求項6】
前記ステーションは、前記ステーションの周りの部品の回転が前記部品のための完成した層の全数を提供するように配置される、請求項5に記載の積層造形機械。
【請求項7】
前記回転テーブルは、前記ステーション間で製造トレイを運搬するように構成される、請求項5又は6に記載の積層造形機械。
【請求項8】
前記回転テーブルは中心軸を介して前記フレームに接続され、前記中心軸は前記テーブルに回転を提供する、請求項7に記載の積層造形機械。
【請求項9】
前記回転は、前記部品がそれぞれのステーションで整列されたときに、前記テーブルを停止させるためにインデキサーによって制御される、請求項8に記載の積層造形機械。
【請求項10】
前記テーブルの周囲は、前記フレームから垂直に支持されていることを特徴とする請求項7~9のいずれか1項に記載の積層造形機械。
【請求項11】
前記テーブルの前記周囲が、レールを含み、前記フレームが前記レールに向かって上方に延在するカム従動子を含み、それによって前記垂直支持を提供する、請求項10に記載の積層造形機械。
【請求項12】
前記カム従動子が、前記ステーションと整列され、それによって前記テーブルを各ステーションで垂直にしっかりと保持する、請求項11に記載の積層造形機械。
【請求項13】
少なくとも1つの追加のペースト分配ステーションを含む、請求項1~12のいずれか1項に記載の積層造形機械。
【請求項14】
乾燥ステーションを含む、請求項1~13のいずれか1項に記載の積層造形機械。
【請求項15】
真空ステーションを含む、請求項1~14のいずれか1項に記載の積層造形機械。
【請求項16】
観察ステーションを含む、請求項1~15のいずれか1項に記載の積層造形機械。
【請求項17】
前記観察ステーションは、前記機械を制御して、前記層を再構築するために、損傷していることがわかった層を除去するように構成されている、請求項16に記載の積層造形機械。
【請求項18】
前記ステーションは直線経路上に整列され、前記直線経路は直線コンベアによって横断される、請求項1~4のいずれか1項に記載の積層造形機械。
【請求項19】
異なる層が異なる厚さとなるように前記モールドの高さを変化させるように構成された、請求項1~18のいずれか1項に記載の積層造形機械。
【請求項20】
前記数が1より大きい、請求項6に記載の積層造形機械。
【請求項21】
前記少なくとも1つの追加のペースト分配ステーションは、異なる組成のペーストを分配するように、又は複合材料で作られた部品を形成するように構成される、請求項13に記載の積層造形機械。
【請求項22】
積層造形の方法であって、前記方法は、
回転テーブル及び前記テーブルの周りの経路を提供することと、
前記回転テーブルの周辺から前記回転テーブルを支持することと、
前記経路に沿って複数のステーションを提供することと、
構築トレイを提供することと、
各ステーションで一時停止しながら前記構築トレイを前記回転経路を横断させることと、
前記経路を横断する部品が層状に構築されるように、前記一時停止中に前記ステーションのそれぞれで異なるステージの積層造形を並行して実施することと、
を含む、方法。
【請求項23】
前記ステーションのうちの1つにおいて空間を囲むためのモールドを構築することを含む、請求項22に記載の方法。
【請求項24】
前記空間にペーストを充填することを含む、請求項23に記載の方法。
【請求項25】
前記ペーストを、前記モールドが平滑化されたレベルで平滑化することを含む、請求項24に記載の方法。
【請求項26】
前記ペーストを乾燥させることを含む、請求項25に記載の方法。
【請求項27】
前記乾燥が、2つの連続するステーションで行われる自然乾燥及び強制熱乾燥を含む、請求項26に記載の方法。
【請求項28】
前記空間にペーストを充填するステップは、異なるステーションで、又は2つの異なるダイスロットを使用して同じステーションで、異なるペースト材料を用いて実行される、請求項24~27のいずれか1項に記載の方法。
【請求項29】
前記経路が円形経路である、請求項22~27のいずれか1項に記載の方法。
【請求項30】
各層が可変の厚さであり、前記方法が、前記モールド制作を可変の高さに設定することを含む、請求項22~29のいずれか1項に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はそのいくつかの実施形態では積層造形のための機械に関し、より詳細には製造される製品又は部品の各層のためのモールド(mold:型)を印刷し、次いでモールドを充填して次の添加剤層を形成する機械に関するが、これに限定されるものではない。
【0002】
[関連出願]
本出願は、2019年11月15日に出願された米国仮特許出願第62/935,658号の優先権の利益を主張し、その内容は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0003】
このような製造法はとりわけ、従来のモールド又は機械加工技術ではこれまで不可能であった形状を構築するために、又は既知の積層造形技術では使用することが困難又は不可能である材料を使用するために、又は既知の積層造形技術で可能であるよりも速く形状を構築するために、積層造形をモールド技術と組み合わせることを教示する、2018年4月30日に出願された国際特許出願第IL2018/050475号に開示されている。
【0004】
積層造形を使用してモールドを製造し、次いでモールドに最終製品の材料を充填する。いくつかの実施形態では、最終製品の層が個々のモールドで別々に構築され、後続の層は前の層の上に作製される。前の層は、実際には新しい層のモールドを支持し、同様に、新しい層のための床面(floor)を提供してもよい。実施例では、2つの別個のアプリケータ(塗布器:applicator)が提供され、1つはモールドを印刷するためのものであり、3D印刷のために必要とされるように3つの自由度を有し、1つはモールドが形成された後にモールドを充填するためのものである。
【0005】
一例では、インクジェットプリントヘッドが、ワックス又は任意の他の熱溶解性又は熱硬化性又はUV硬化性材料を使用してモールドを印刷し、次いでペーストを使用してモールドを充填する。続いて、ペーストはスクイージー又はブレードのような機械的ツールを用いて水平にされ、モールドを充填し、水平にさせる。
【0006】
2019年8月27日に出願されたイスラエルの出願IL2019/050957は乾燥を補助するために、より具体的には、層を形成するためにモールドに使用されるペースト又は他の充填剤の硬化を実施するために、減圧(真空:vacuum)が使用されることを開示している。より詳細には、各層において、モールドが形成され、次いでペースト又は他の物質で充填され、次いで、新たに充填された層表面が真空中に置かれ、その結果、圧力が急速に低下して、層を形成するペースト中の液体の沸点を変化させる。したがって、液体は蒸発してペーストを硬化させ、急速に硬質層を形成する。硬化後、真空を解除し、容積を排気する。
【0007】
全ての形状が自立型であるわけではなく、2018年12月16日出願の米国仮特許出願第62/780,273号は、焼結支持体(support)が、焼結(sintering)を必要とする構成要素と同じプロセスで製造される方法を開示している。一例では、構成要素及び支持体の両方を、積層造形を含む統合プロセスで提供することができる。このように、モールド及び支持体は共に3D印刷技術を用いて製造され、支持された形状を生成し、次いでモールドはペースト等で充填され、これは乾燥される。
【0008】
2019年7月14日に出願された米国仮特許出願第62/873,909号には、モールドを充填し、各層のモールドにおける別個の平滑化段階を排除又は大幅に減少させることを目的とする積層装置が開示されている。これは、モールドを滑らかにするローラーによって定義された同じ平面にペーストを広げるブレード又はスクイージーを設定することによって達成される。
【0009】
したがって、ローラーを用いてモールドをプレスすることができる。次に、アプリケータがモールド内にペーストを塗布し、ブレードがペーストを広げるために使用される。ローラーとブレードの両方がモールド内で同じ平面を画定するように、ブレードがローラーの高さと向きになるように調整される。したがって、ローラーは、ペーストアプリケータ及びブレードと組み合わされて、3Dプリンタ又は積層造形装置の一部として働くことができる層形成装置を形成する。ペースト分配器の高さは、ローラー及びブレードと協調させることができる。
【0010】
したがって、ブレードはそのような層形成装置を形成するためにローラーと同じ取り付け部に取り付けられてもよく、ブレード及びローラーの一方又は両方は微調整のための準備を有する可能性があってもよく、又は指定された点にペーストを塗布する1つ以上の点ディスペンサであってもよい。モールド形状を充填するために、点ディスペンサは、左右に動かされてもよい。
【0011】
取付けの際、ローラーの高さを変更すると、同時にブレードの高さも変更される。印刷される製品又は部品と、ブレード及びローラーを保持する単一の取り付けとの間の相対的移動は、ローラー及びブレードの両方が一緒に画定する平面に影響を及ぼさない。
【0012】
印刷後のモールドのプレス、ペーストの塗布及びモールド内部のペーストの広がりの3つのプロセスが、単一の場所で1回のパスで行われることに留意されたい。任意選択で、ペーストを平滑化するさらなるプロセスを実施してもよい。
【0013】
しかしながら、各層は非常に薄く、部品を完成させるために多数の層が必要とされるので、積層造形(additive manufacturing)は、他の製造技術に比べて遅いことが知られている。その結果、とても魅力的にもかかわらず、積層造形は大量生産において大きな進歩を遂げておらず、一般に、試作及び小規模生産のために用意されてきた。
【発明の概要】
【0014】
本実施形態は特に、積層造形のモールド充填変形例を使用して、製造スループットを改善することができる機械を提供することを目的とする。今日まで、積層造形は、単一の製品が層ごとに徐々に構築される単一の位置を使用してきた。本実施形態はプロセスの異なる部分に対して異なるステーションを使用し、したがって、単一の機械上でいくつかのアイテムを並列に製造することを可能にする製造プロセスを提供する。機械は、閉ループ又は線形であってもよい。
【0015】
本発明のいくつかの実施形態の一態様によれば、まず、層のための空間を画定するためのモールドを作製するために積層造形を使用し、次に、部品の層を作製するためにペーストで空間を充填することによって、部品を層状に作製するための積層造形機が提供され、この積層造形機は:
モールドを形成するように構成されたノズルを備えた第1のモールド形成ステーションと、
空間内にペーストを分配するための分配ダイスロットを備える、第1のステーションから離間した第2のペースト分配ステーションと、
を備え、
積層造形機は複数の部品上で同時に動作するように構成され、各部品はステーションのそれぞれを通る経路に沿って搬送される。
【0016】
実施形態はフレームを含むことができ、ステーションは、このフレーム上に固定される。
【0017】
いくつかの実施形態では、ステーションがそれぞれ、第1のステーション側と第2のステーション側との間の経路上にブリッジを形成し、固定は第1及び第2のステーション側にある。
【0018】
一実施形態ではペースト分配ステーションが分配ダイスロットに先行するローラーと、分配ダイスロットに続くカッターとを備え、ローラーはモールドを所定のレベルにレベリングするように構成され、カッターはペーストをレベリングするように構成され、ローラー及びカッターは同じレベルに取り付けられる。
【0019】
一実施形態では、ステーションが外周(circumference)の周りに配置される。
【0020】
一実施形態では、ステーションが、ステーションの周りの部品の回転が部品のための完成した層の全数を提供するように配置される。
【0021】
いくつかの実施形態は、ステーション間で製造トレイを搬送するための回転テーブルを含んでもよい。
【0022】
一実施形態では、回転テーブルが、中心軸を介してフレームに接続され、中心軸は、テーブルに回転を提供する。
【0023】
一実施形態では、部品がそれぞれのステーションで位置合わせされたときに、回転はテーブルを停止させるために、インデクサー(indexer)によって制御される。
【0024】
一実施形態では、テーブルの外周が、フレームから垂直に支持される。
【0025】
一実施形態では、テーブルの外周はレールを含み、フレームはレールに向かって上方に延在するカム従動子(cam followers)を含み、それによって垂直支持を提供する。
【0026】
一実施形態では、カム従動子がステーションと位置合わせされ、それによって、テーブルを各ステーションで垂直にしっかりと保持する。
【0027】
いくつかの実施形態は、1つ以上の追加のペースト分配ステーションを含んでもよい。
【0028】
いくつかの実施形態は、乾燥ステーションを含むことができる。
【0029】
いくつかの実施形態は、真空ステーションを含むことができる。
【0030】
一実施形態は、観察ステーションを含むことができる。
【0031】
一実施形態では、観察ステーションが機械を制御して、層が再構築されるように、損傷していることがわかった層を除去するように構成される。
【0032】
一実施形態によると、ステーションは直線経路上に整列され、直線経路は直線コンベアによって横断される。
【0033】
いくつかの実施形態は異なる層が異なる厚さであるように、モールドの高さを変えることができる。
【0034】
いくつかの実施形態は、タイムテーブルの単一の回転において2つ以上の層を作ることができる。
【0035】
少なくとも1つの追加のペースト分配ステーションを有するいくつかの実施形態では、異なる部品に対して異なる組成のペーストを分配することができ、又は複合材料で作られた部品を形成することができる。
【0036】
本発明の第2の態様によれば、積層造形方法が提供され、その方法は:
経路を提供し、経路に沿ってステーションを提供し、構築トレイを提供し、各ステーションで一時停止しながら構築トレイを経路を横断させ、経路を横断する部品が層状に構築されるように、一時停止中にステーションのそれぞれで異なるステージの積層造形を並行して実施する。
【0037】
別段の定義がない限り、本明細書で使用されるすべての技術用語及び/又は科学用語は、本発明が関係する技術分野の当業者によって一般に理解されるものと同じ意味を有する。本明細書に記載されるものと類似又は同等の方法及び材料を、本発明の実施形態の実施又は試験において使用することができるが、例示的な方法及び/又は材料を以下に記載する。矛盾する場合には、定義を含む本特許明細書が優先する。さらに、材料、方法、及び実施例は、例示にすぎず、必ずしも限定することを意図するものではない。
【0038】
本発明の実施形態の方法及び/又はシステムの実施は選択されたタスクを手動で、自動的に、又はそれらの組合せで実行又は完了することを含むことができる。さらに、本発明の方法及び/又はシステムの実施形態の実際の器具類及び機器によれば、いくつかの選択されたタスクは、ハードウェア、ソフトウェア、又はファームウェア、並びにオペレーティングシステムを使用するそれらの組合せによって実施することができる。
【0039】
例えば、本発明の実施形態による選択されたタスクを実行するためのハードウェアは、チップ又は回路として実装することができる。ソフトウェアとして、本発明の実施形態による選択されたタスクは、任意の適切なオペレーティングシステムを使用してコンピュータによって実行される複数のソフトウェア命令として実装することができる。本発明の例示的な実施形態では、本明細書で説明する方法及び/又はシステムの例示的な実施形態による1つ又は複数のタスクが複数の命令を実行するためのコンピューティングプラットフォームなどのデータプロセッサによって実行される。任意選択で、データプロセッサは、命令及び/又はデータを記憶するための揮発性メモリ、及び/又は命令及び/又はデータを記憶するための、磁気ハードディスク及び/又はリムーバブルメディアなどの不揮発性記憶装置を含む。任意選択で、ネットワーク接続も同様に提供される。ディスプレイ及び/又はキーボードやマウスなどのユーザ入力装置も、任意選択で提供される。
【図面の簡単な説明】
【0040】
本発明のいくつかの実施形態は、添付の図面を参照して、単に例として本明細書に記載される。ここで図面を詳細に特に参照すると、示される詳細は、例として、及び本発明の実施形態の例示的な議論の目的のためであることが強調される。この点に関して、図面を参照した説明は、本発明の実施形態がどのように実施され得るかを当業者に明らかにする。
【0041】
図1】本発明の実施形態による、カバーの内側の積層造形するための機械を上から見た図を示す簡略図である。
図2】ターンテーブルを取り付けるための回転可能な軸を有する、図1の機械のためのフレームの斜視図である。
図3A】ターンテーブルが取り付けられた図2のフレームの斜視図である。
図3B図3Aのターンテーブルの上方から見た図である。
図4】本発明の実施形態によるビルドトレイ及び摺動可能な取り付けの簡略図である。
図5】フレームからターンテーブル周辺部までの支持体を有するターンテーブルの上方からの斜視図である。
図6図5の支持体のカム従動子構造の詳細である。
図7図6の詳細の斜視図である。
図8】ターンテーブルの周囲に設置されたステーションを示す、図3による斜視図である。
図9図8に従って設置されたステーションを有するターンテーブルの上方から見た図である。
図10図9のペースト分配ユニットの側面図である。
図11A】引き下げられた(withdrawn)位置にある図9の真空ステーションの側面図である。
図11B】真空位置にある図9の真空ステーションの側面図である。
図12図9の検査ステーションの斜視図である。
図13】直線レイアウトを用いた本発明の代替実施形態を示す簡略図である。
図14】複数の直線軸を用いた本発明の代替実施形態を示す簡略図である。
【発明を実施するための形態】
【0042】
本発明は、そのいくつかの実施形態では積層造形のための機械に関し、より詳細には製造される製品又は部品の各層のためのモールドを印刷し、次いでモールドを充填して次の添加剤層を形成する機械に関するが、これに限定されるものではない。
【0043】
本実施形態によれば、第1に、層のための空間を画定するためにモールドを作製するために積層造形を使用し、第2に、部品の層を作製するためにペーストで空間を充填することによって、部品を層状に作製するための積層造形機及び関連する方法が提供される。本機械は、標準的な3D印刷を用いて3次元でモールドを形成するためのインクジェットノズルを備えた第1のモールド形成ステーションと、第1のステーションから距離を置いた第2のペースト分配ステーションと、ペーストを空間に分配して層を形成するための分配ダイスロットとを備える。本機械は複数の部品上で同時に作動し、各部品はステーションを通る経路に沿って搬送される。積層造形機は、線形トラック又は閉ループトラックを有する回転プレート設計、より詳細にはエンドレスコンベヤのいずれかに基づくことができる。ビルドトレイはトラックに沿って、積層造形工程の異なる部分を行うステーションに移動する。無端コンベアのコンセプトにより、複数のトレイを並列に構築することが可能となり、そのため、スループットが飛躍的に向上する。
【0044】
少なくとも以下のステーションがある:モールド印刷ステーション、及びペースト堆積ステーション。加えて、乾燥ステーション、真空ステーション、光学検査ステーション、及び自然冷却又は強化冷却のためのステーションが設けられてもよい。別個のステーションとして提供されない場合、後者の機能のいくつか又は全ては、例えばペースト堆積ステーションに統合されてもよい。ステーションのシーケンスは、必要とされるスループットの量に応じて、トラックに沿って1回、2回、又はそれ以上提供されてもよく、その結果、2つ、3つ、又はそれ以上の層が単一の回転のために部品に追加されてもよい。本明細書の他の箇所で論じるように、1つ又は複数のペースト堆積ステーションは、異なる材料を同時に使用する製造を可能にすることができる。
【0045】
この方法は背景技術で概説した技術、すなわち、モールドのインクジェット印刷、及び典型的には粉末として水ベース又は溶媒ベースのバインダーを含むセラミック又は金属を含むペーストでモールドを充填することに基づくことができる。層を加えるプロセスは製品又は部品が完成するまで繰り返され、モールドのワックスを除去し、次いで脱バインダー及び焼結して緻密な製品又は部品を残すなどの様々な最終化プロセスが実施される。
【0046】
本発明の少なくとも1つの実施形態を詳細に説明する前に、本発明は、その出願において、以下の説明に記載され、且つ/又は図面及び/又は実施例に示される構成要素及び/又は方法の構成及び配置の詳細に必ずしも限定されないことを理解されたい。本発明は他のいくつかの実施形態が可能であり、又は様々な方法で実施又は実行することが可能である。
【0047】
ここで図面を参照すると、図1は、本発明の実施形態による積層造形機10を示す。本機械は、外部カバー12に収容され、丸いターンテーブル14と、ターンテーブルと共に回転するターンテーブル上に配置されたトレイを構築する。図面に示す実施形態によれば、回転は反時計回りである。ステーションはターンテーブルの周りに配置され、以下でより詳細に説明されるが、ここでは簡単に述べる。3D印刷ステーション18は、充填のための空間を内部に画定するようにモールドを構築する。ペースト分配ステーション20は空間をペーストで満たし、滑らかな表面を提供する。乾燥ステーション22及び24は、ペーストを塗布した後、それぞれ部品のための自然及び強制熱乾燥を提供する。真空ステーション26は部品をさらに乾燥し、硬化させるための真空を提供し、観察位置28は、層の不正確さをチェックする。不正確な場所が見つかった場合、いくつかの実施形態では、層を除去し、再塗布することができる。
【0048】
ここで図2を参照すると、本機械は、レベリングパッド102上に支持された剛性溶接バー101から作られたシャーシに基づいている。シャーシ101の上部には、モータを含む電動インデキサーシステム103が設置されている。インデキサーの代替として、例えば、直接モータシステムのような業界で知られている他の制御された回転ステージ、又はピニオンテーブル並びに他の従来からの回転機構を代用することができる。中央シャフト104は、インデキサー103又はシャーシ101に連結され、上方に延びている。中央シャフト104は静的であり、一方、プレート105はインデキサー103によって回転される。
【0049】
ここで、シャーシ上のアセンブリの上側斜視図及び上面図である図3A及び図3Bを参照する。インデキサー上板105の上方には、大径の円形のターンテーブル14が取り付けられており、これがプレート105と共に回転する。ターンテーブル14は、たわみを防止する第1の手段としてリブ106によって補強されている。
【0050】
ターンテーブル上のシステムには、電力及び通信用のオンボード電源が必要な場合がある。このように、モフロンMT(Moflon MT)シリーズのようなスリップリングシステム107を設置することができる。スリップリングシステムでは、静止リングがシャフト104に取り付けられ、可動リングがプレート105又はターンテーブル14に取り付けられる。スリップリングシステム107は、電源又は電子ソースからの電流を回転電子コントローラ及びターンテーブル14と共に回転するモータに分配することを可能にする。
【0051】
ターンテーブル14に沿って、制御された直線Zステージ108がビルドトレイのために設けられている。Z軸を使用すると、パーツのビルディングプロセス中にステージを垂直方向に移動できる。
【0052】
ここで、本実施形態による構築トレイのためのステージの例示的な構成を示す図4を参照する。上述したように、各Zステージの上部には、プロセステーブルアセンブリ109が取り付けられている。テーブルアセンブリ109は、封止面を有するプレート109aと、水平摺動を可能にするスロット付きバー109bと、積層造形部品が構築されるプロセストレイ109cとを含む。
【0053】
トレイ109cの各々はアセンブリ109から切り離されて、プロセスの後のステージ、例えば、モールド等を除去するために、部品を機械から取り外すことができるようにしてもよい。
【0054】
プロセスステーションは、ターンテーブル14に沿って及び外側に配置することができる。プロセスステーションは、トレイ109c上に部品を構築するプロセスのうちの異なるプロセスを実行することができる。インデキサー103は各動作の後、所定の角度だけトレイを回転させ、次に、次の動作のために、次のステーションにおいて、全てのトレイを所定の位置にロックする。このようにして、いくつかのトレイは、直列に製造されるのではなく、並列に構築されてもよい。スループットは、それに応じて増加する。一実施形態では、ターンテーブルの完全な回転(360度)が部品の1つの完全な層構築を表す。他の可能ないくつかの実施形態では、完全な回転が2つ、3つ又はそれ以上の層を表すことができる。
【0055】
次に、図5図6及び図7を参照すると、部品の重量又は外力によるターンテーブル14のたわみを解消するために、カム従動機構300がシャーシ101に取り付けられて、必要とされる精度のレベルに応じてターンテーブル14の下面を所定の位置で支持する。たわみがあると、正確でないビルドにつながる可能性がある。それぞれのステーションに配置され得るカム従動機構300は、ターンテーブルの回転を妨げることなく、テーブルのたわみを防止するために必要な支持を提供することができる。
【0056】
機構300において、カム従動子301は、シャーシに固定されているバー302に接続されている。カム従動子301は、ローラベアリングであってもよい。カム従動子と接触する対向面は、ターンテーブル14に取り付けられている。対向面は本実施形態では硬化された平坦な直線のレール303であり、これは、高クロム鋼合金から作ることができる。レール303はカムがレールに徐々に接触し、係合点での何らかの衝撃を排除するが、プレートをステーションで設計されたレベルに保つための支持を提供するような方法で機械加工されてもよい。このような機械加工は例えば、端部310及び311でレールを面取りすることによって行うことができる。
【0057】
ここで、閉ループの周りの2つのステーションの詳細を示す図8及び図9を参照する。モールド構築ステーション18はインクジェットプリンタであり、積層造形を使用してモールドを形成するために、トレイの上部に固体インク又は任意の他のインクを噴射する。モールド構築ステーションはより厚い又はより薄い層の構築を可能にし、任意の部分は、異なる厚さの層を含み得る。より詳細には、モールドの高さを変えることが可能であり、したがって、層の異なるZ解像度を得ることが可能である。
【0058】
デザインの性質が許す限り、より厚い層を印刷する時間を節約し、一方で、より薄い層を使用することによって必要な場所でより細かいパーツの生産も可能にする。モールドの高さは、印刷解像度をXY座標で変更することによって決定することができ、その結果、例えば、1800x1800dpiは1200x1200dpiよりも厚くなり、なぜならソリッドインクのより多くの液滴が平方インチ当たりに噴射されるからである。
【0059】
さらに、ペーストの乾燥プロセスの間に、水及び溶媒が蒸発し、ペースト層の高さを減少させる可能性があることに留意されたい。特定の場合には、この減少が例えば20%程度であるかもしれず、又はそれ以上であるかもしれない。したがって、層に要求される精度が非常に高い場合には、充填プロセスが同じモールド内で繰り返されてもよい。これは、部品の最終層に特に必要であり得る。具体的には、充填プロセスを繰り返し、続いて乾燥、真空及び検査を行う。
【0060】
モールド構築ステーション18は、シャーシ101上の正確な平坦面111上の支持体500を介して周辺支持される(図3A図3B参照)。ステーション18は、ビーム501を介してシャフト104に中央に支持され、その長さにわたって安定して保持されて、安定した正確な位置決めを提供する。本実施形態では、安定した固定を提供するために、3つのビーム501が使用される。
【0061】
インクジェットプリントヘッド112をヘッドプレート113に取り付けて、例えば溶融ワックスに基づく固体インクの液滴をトレイ上の所定の位置に正確に塗布し、モールドを構築することができる。インクは、メインインクリザーバ114からプリントヘッドに流れる。ヘッドプレート113は例えばトレイの長軸及びトレイの短軸のような2つの非平行及び典型的には直交する水平方向に移動可能であり、トレイ上で必要とされる任意の場所に液滴を堆積させる自由度を達成する。印刷される層が常に同じ高さになるように、トレイ自体が垂直方向に移動することが想起されるのであろう。
【0062】
一実施形態によれば、ヘッドアレイはリニアモータシステム(図示せず)によってステーション18の長さに沿って移動可能であり、モールドを印刷するために、ボールねじシステム(図示せず)によって垂直方向に移動可能である。
【0063】
したがって、この実施形態では、モールド印刷ステーション18はトレイが通過する際にトレイの経路上にブリッジとして吊り下げられ、両側で支持され、X方向及びY方向に移動可能な印刷ヘッドを提供する。
【0064】
ペーストステーション20は同様に、トレイ経路上にブリッジとして吊り下げられ、図示されていない支持体を介してメインシャーシ101に取り付けられ、シャフト104にも取り付けられている。ペーストステーション20は、モールド印刷ステーション後のターンテーブル14の周囲をインデキサー回転方向にさらに1箇所に配置されていてもよい。
【0065】
ステーション20は、アプリケーションユニット121が前後に移動することができるインデキシングシステムの半径に沿ったモータ駆動直線軸160を含む。必要に応じて、例えば、部品が2つ以上の材料を必要とする場合、複数のペーストステーションを設けることができ、その結果、2つ以上の異なるペーストが必要とされる。このようにして、複数の材料を有する部品を、例えば異なるトレイ上に、異なる材料から構成することもできる。
【0066】
次に、ペースト分配ステーション20に取り付けられた塗布ユニット121の側面図である図10を参照する。ローラー122、ダイスロット123、及びブレード124は、ペースト充填機構を提供し、モールド壁の内側の空間をペーストで充填する。より詳細には、ローラー122が平坦で正確なモールド表面を保証するために印刷されたモールドを押圧する。ダイスロット123は、加圧によって、又は蠕動ポンプ、可動注射器などの他の手段によってペーストを塗布する。
【0067】
次に、ブレード124は、層モールド表面から余分なペーストを除去する。この方法のさらなる詳細は上記で簡単に論じた、出願人の同時係属出願第62/873,909号(2019年7月14日出願)に見出すことができ、その内容は、本明細書中に参考として援用される。
【0068】
加えて、カッターアセンブリ130を、ユニット121に設置することもできる。カッターアセンブリ130は、木製プレーナのような円形カッター131を含むことができる。カッターは、スピンドルによって又は任意の制御可能な円形モータによってモータ駆動される。カッター131は、ペーストが塗布されている間にカッターを持ち上げることを可能にする垂直軸132に取り付けられ、カッターと部品との間の衝突を排除する。軸132は、空気圧リニアステージ又は電動ステージであってもよい。要望に応じて、ビルディングトレイは、カッターが切断位置まで下がるにつれて、正確な必要な位置まで垂直方向に移動することができる。切断アセンブリは既存の表面を研磨するために、例えば、新しい表面を敷設する前に、又は望ましくない層を除去するために、ステーション20の縦軸に沿って移動してもよい。
【0069】
ここで図8及び図9に戻り、乾燥ステーション22及び24は、部品準備プロセスにおいてトレイが遭遇する以下のステーションである。これらのステーションでは、部品は自然乾燥又は強制乾燥のプロセスを受ける。強制乾燥は、熱風乾燥、IR乾燥、マイクロ波乾燥などの任意の公知の乾燥プロセスを含み得る。一実施形態では、乾燥ステーション22及び24が、熱風送風機143が部品に向かって空気を強制的に送る強制熱風乾燥ステーションである。一実施形態によれば、ユーザはステーション22及び24のいずれかにおいて空気をオフにすることを選択することができ、その結果、ステーションにおけるプロセスは自然乾燥になり、これは自然空気対流に基づく乾燥を意味する。トレイは固定された時間の間、所定の位置に留まり、水又は溶媒が、最後に充填された層から強制的に又は自然に蒸発することを可能にする。パイプ(図示せず)は、ブロワ143から関連するステーションに導かれる。一実施形態では、前の層モールド構造が依然として必要とされ得るので、熱風の温度はワックス融点未満である。
【0070】
ここでは乾燥ステーションの直後に続くステーション26は、真空乾燥及び硬化を提供する。真空硬化プロセスは、2019年8月27日に出願された本出願人の同時係属中の国際特許出願番号IL2019/050957に記載されている。図11A及び図11Bは、真空ステーションの側面図を示す。図11Aは使用前又は使用後に上昇した真空チャンバを示し、図11Bは使用中のチャンバを示し、真空を適用して電流部分を乾燥させる。より詳細には、硬化ステーション26では、真空キャップ151が平板109aを覆い、その結果、キャップボリュームがプロセストレイ109c及びその中に内蔵されている部分を囲む。次いで、真空キャップ151は、空気を特定の真空レベルに排気するためにポンプで排気される。体積は、所定の時間、真空下に留まる。真空キャップ151は、平板109aへの取付領域に封止材を備えた箱である。
【0071】
真空ポンプ170は、ホース152によって主弁153に接続される。真空ポンプ170は例えば、1段又は2段の回転ポンプであってもよい。
【0072】
真空プロセスは、真空センサ154によって監視することができる。通気弁155は例えば、真空キャップ151に接続された常時閉の空気圧弁である。空気圧アクチュエータ156は、キャップ151を、それぞれ図11A及び図11Bによって例示される開位置と閉位置との間で上下に移動させる。
【0073】
プロセストレイが真空ステーション26の下の位置にロックされると、空気圧アクチュエータ156はキャップ151を動かす。キャップは平板109aに取り付けられ、主弁153は、ポンプで送り出される容積のために開位置に設定される。真空センサ154によって示される真空レベルは、例えばオンボードコンピュータを使用して電子的に監視される。真空乾燥工程が完了した後、主真空バルブ153を閉じる。真空ポンプは、一実施形態では次のトレイのために準備されるように動作し続けてもよい。この時点で、ベント弁155がオンにされ、排気された容積内への周囲空気の流れを可能にする。次第に、体積内の圧力は大気圧又は周囲圧力に達する。周囲圧力に到達すると、空気圧アクチュエータ156がキャップを持ち上げてトレイと部品を解放し、インデキサーの制御下でトレイの移動を次の位置へ可能にする。一実施形態では、通気弁155を通して容積に加圧空気を供給し、ベントプロセスを加速する。
【0074】
再び図8及び図9に戻り、検査ステーション28は、テーブルの周囲に沿ってトレイが到達する次のステーションである。ステーション28は図12により詳細に示されており、ステーション28は層画像と硬化された後の層を比較するカメラ161、典型的にはデジタルカメラを含んでいる。カメラ及び関連する画像処理によって検出された任意の定義された偏差は、事前定義されたルールに従って分析され、処理される。層が損傷している場合はカッターの位置に移動し、最後の層を削除してリメイクすることで修正が行われてもよい。
【0075】
図13を参照すると、本発明の積層造形機の代替実施形態が示されている。積層造形機200は、線形積層造形機である。機械200は、レール202上を正確に前後に移動するプレート201に基づいている。プレートは、リニアモータ、ボールねじ、又は他の任意の公知の搬送方法に取り付けることができる。
【0076】
プレート201上では、垂直リニアZステージ108により、製造される層が常に同じ高さになるように、部品を上下させることができる。Zステージ108の頂部にはプロセステーブルアセンブリ109が取り付けられており、これは図4に示され、上述されたものと都合よく同じであって、構築トレイを提供する。
【0077】
図4に示すように、テーブルアセンブリ109は封止面109aを有する平板と、スロット付きレール109bと、レール上を移動することができ、製品又は部品が組み立てられるプロセストレイ109cとを含む。
【0078】
トレイ109cは例えば、製造が完了した後の後処理のために部品を取り外すために、アセンブリ109から引き出されてもよい。上述したように、印刷後、部品は、好ましくはトレイと一緒に動かされるだけである。
【0079】
プロセスステーションは、レール202に沿って配置されている。印刷ステーション210はプリントヘッドのアレイからなり、プリントヘッドは、トレイの移動方向に直交して移動する。ペーストステーション212、乾燥ステーション214、及び真空ステーション216は上記で説明した通りであり、さらなる乾燥ステーション及び検査ステーションを、所望に応じて追加することができる。数字218は、光学検査システムを示す。
【0080】
ここで、図13の線形実施形態の変形例である図14を参照する。なお、図13と同一部分には同一符号を付し、本実施の形態を理解するために必要な場合を除き、明示的に参照しない。図14の実施形態では、複数のビルドトレイ180、182がレール184、186上を独立して移動し、従って同時に複数のビルドトレイの並列処理を可能にする。構築トレイは、図13に関して上でより詳細に説明されている。
【0081】
本出願から存続期間までの特許の寿命の間に、多くの関連するダイスロット、ペースト、焼結技術、真空技術、3D印刷技術及び乾燥技術が開発され、対応する用語及び他の用語の範囲は先験的に、すべてのこのような新しい技術を含むことが意図されていることが期待される。
【0082】
用語「含む(comprises)」、「含む(comprising)」、「含む(includes)」、「含む(including)」、「有する(having)」、及びそれらの複合体は「含むが、これに限定されない(including but not limited to)」を意味する。
【0083】
本明細書で使用されるように、単数形「1つの(a)」、「1つの(an)」及び「前記(the)」は文脈が明らかに沿わないことを示さない限り、複数の参照を含む。
【0084】
本発明の特定の特徴は明確にするために、別個の実施形態の文脈で説明されるが、単一の実施形態において組み合わせて提供されてもよく、本文はそのような単一の実施形態が明示的に詳細に書かれているかのように解釈されるべきであることが理解される。逆に、簡潔にするために、単一の実施形態の文脈で説明される本発明の様々な特徴は別々に、又は任意の適切なサブコンビネーションで、又は本発明の任意の他の説明される実施形態で適切なものとして提供されてもよく、本文は、そのような別々の実施形態又はサブコンビネーションが本明細書で明示的に詳細に説明されるかのように解釈されるべきである。
【0085】
様々な実施形態の文脈で説明される特定の特徴は実施形態がそれらの要素なしで動作不能でない限り、それらの実施形態の本質的な特徴と見なされるべきではない。
【0086】
本発明をその特定の実施形態に関連して説明してきたが、多くの代替、修正、及び変形が当業者には明らかであろうことは明白である。したがって、本発明は、添付の特許請求の範囲の意図及び広い範囲内にある、そのような代替、修正、及び変形のすべてを包含することが意図される。
【0087】
本明細書において言及される全ての刊行物、特許及び特許出願は、あたかも各個々の刊行物、特許又は特許出願が参照により本明細書に組み込まれるように具体的かつ個別に示されたかのように、その全体が本明細書に参照により組み込まれる。さらに、本出願における任意の参考文献の引用又は同定は、そのような参考文献が本発明の先行技術として利用可能であることを容認するものとして解釈されるべきではない。セクションの見出しが使用される限り、それらは必ずしも限定するものと解釈されるべきではない。さらに、本出願のいずれの優先権文書も、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
図1
図2
図3A
図3B
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11A
図11B
図12
図13
図14
【手続補正書】
【提出日】2021-10-04
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1に、層のための空間を画定するためにモールドを作製するために積層造形を使用し、第2に、部品の層を作製するためにペーストで空間を充填することによって部品を層状に作製するための積層造形機械であって、
前記機械は、
フレームと、
前記モールドを形成するように構成されたノズルを備えた第1のモールド形成ステーションであって、前記第1のステーションは、前記フレームに取り付けられた、第1のステーションと、
前記空間内にペーストを分配するための分配ダイスロットを備える、前記フレーム上の前記第1のステーションから離間した第2のペースト分配ステーションと、
を備え、
前記機械は、複数の部品上で同時に動作するように構成され、前記ステーションは回転テーブルの周りに配置され、前記回転テーブルは前記フレーム上に回転可能に取り付けられ、前記回転テーブルの周辺は、前記フレームによって支持され、各部品は、前記ステーションのそれぞれを介して経路に沿って前記回転テーブル上で運搬される、積層造形機械。
【請求項2】
前記ステーションが前記フレーム上に固定されている、請求項1に記載の積層造形機械。
【請求項3】
前記ステーションはそれぞれ、前記経路の内側と前記経路の外側との間の前記経路上にブリッジを形成し、前記固定は、それぞれ前記内側及び前記外側にある、請求項2に記載の積層造形機械。
【請求項4】
前記ペースト分配ステーションは、前記分配ダイスロットに先行するローラーと、前記分配ダイスロットに続くカッターとを備え、前記ローラーは、前記モールドを所定のレベルに平滑化すように構成され、前記カッターは前記ペーストを平滑化するように構成され、前記ローラーと前記カッターは同じレベルに取り付けられる、請求項1~3のいずれか1項に記載の積層造形機械。
【請求項5】
前記ステーションは、円周の周りに配置される、請求項1~4のいずれか1項に記載の積層造形機械。
【請求項6】
前記ステーションは、前記ステーションの周りの部品の回転が前記部品のための完成した層の全数を提供するように配置される、請求項5に記載の積層造形機械。
【請求項7】
前記回転テーブルは、前記ステーション間で製造トレイを運搬するように構成される、請求項5又は6に記載の積層造形機械。
【請求項8】
前記回転テーブルは中心軸を介して前記フレームに接続され、前記中心軸は前記テーブルに回転を提供する、請求項7に記載の積層造形機械。
【請求項9】
前記回転は、前記部品がそれぞれのステーションで整列されたときに、前記テーブルを停止させるためにインデキサーによって制御される、請求項8に記載の積層造形機械。
【請求項10】
前記テーブルの周囲は、前記フレームから垂直に支持されていることを特徴とする請求項7~9のいずれか1項に記載の積層造形機械。
【請求項11】
前記テーブルの前記周囲が、レールを含み、前記フレームが前記レールに向かって上方に延在するカム従動子を含み、それによって前記垂直支持を提供する、請求項10に記載の積層造形機械。
【請求項12】
前記カム従動子が、前記ステーションと整列され、それによって前記テーブルを各ステーションで垂直にしっかりと保持する、請求項11に記載の積層造形機械。
【請求項13】
少なくとも1つの追加のペースト分配ステーションを含む、請求項1~12のいずれか1項に記載の積層造形機械。
【請求項14】
乾燥ステーションを含む、請求項1~13のいずれか1項に記載の積層造形機械。
【請求項15】
真空ステーションを含む、請求項1~14のいずれか1項に記載の積層造形機械。
【請求項16】
観察ステーションを含む、請求項1~15のいずれか1項に記載の積層造形機械。
【請求項17】
前記観察ステーションは、前記機械を制御して、前記層を再構築するために、損傷していることがわかった層を除去するように構成されている、請求項16に記載の積層造形機械。
【請求項18】
前記ステーションは直線経路上に整列され、前記直線経路は直線コンベアによって横断される、請求項1~4のいずれか1項に記載の積層造形機械。
【請求項19】
異なる層が異なる厚さとなるように前記モールドの高さを変化させるように構成された、請求項1~18のいずれか1項に記載の積層造形機械。
【請求項20】
前記数が1より大きい、請求項6に記載の積層造形機械。
【請求項21】
前記少なくとも1つの追加のペースト分配ステーションは、異なる組成のペーストを分配するように、又は複合材料で作られた部品を形成するように構成される、請求項13に記載の積層造形機械。
【請求項22】
積層造形の方法であって、前記方法は、
フレームを提供することと、
回転テーブル及び前記テーブルの周りの経路を提供することであって、前記テーブルは、前記フレーム上に回転可能のとり付けられる、経路を提供することと、
前記回転テーブルの周辺から前記回転テーブルを支持することと、
前記経路に沿って複数のステーションを提供することであって、前記ステーションは、前記フレームに取り付けられる、複数のステーションを提供することと、
前記テーブル上に構築トレイを提供することと、
各ステーションで一時停止しながら前記構築トレイを前記回転経路を横断させることと、
前記経路を横断する部品が層状に構築されるように、前記一時停止中に前記ステーションのそれぞれで異なるステージの積層造形を並行して実施することと、
を含む、方法。
【請求項23】
前記ステーションのうちの1つにおいて空間を囲むためのモールドを構築することを含む、請求項22に記載の方法。
【請求項24】
前記空間にペーストを充填することを含む、請求項23に記載の方法。
【請求項25】
前記ペーストを、前記モールドが平滑化されたレベルで平滑化することを含む、請求項24に記載の方法。
【請求項26】
前記ペーストを乾燥させることを含む、請求項25に記載の方法。
【請求項27】
前記乾燥が、2つの連続するステーションで行われる自然乾燥及び強制熱乾燥を含む、請求項26に記載の方法。
【請求項28】
前記空間にペーストを充填するステップは、異なるステーションで、又は2つの異なるダイスロットを使用して同じステーションで、異なるペースト材料を用いて実行される、請求項24~27のいずれか1項に記載の方法。
【請求項29】
前記経路が円形経路である、請求項22~27のいずれか1項に記載の方法。
【請求項30】
各層が可変の厚さであり、前記方法が、前記モールド制作を可変の高さに設定することを含む、請求項22~29のいずれか1項に記載の方法。
【国際調査報告】