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特表2023-506152弾性部材およびこれを含むポンプ組立体
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-02-15
(54)【発明の名称】弾性部材およびこれを含むポンプ組立体
(51)【国際特許分類】
   B65D 47/34 20060101AFI20230208BHJP
   B05B 11/00 20230101ALI20230208BHJP
【FI】
B65D47/34 110
B05B11/00 101Z
B05B11/00 101G
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022534458
(86)(22)【出願日】2020-09-24
(85)【翻訳文提出日】2022-06-07
(86)【国際出願番号】 KR2020012983
(87)【国際公開番号】W WO2021118025
(87)【国際公開日】2021-06-17
(31)【優先権主張番号】10-2019-0166125
(32)【優先日】2019-12-12
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】518079909
【氏名又は名称】ヨンウ カンパニー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100130111
【弁理士】
【氏名又は名称】新保 斉
(72)【発明者】
【氏名】キム、チョル ギ
(72)【発明者】
【氏名】キム、ソン ホ
(72)【発明者】
【氏名】イム、ドン ジン
【テーマコード(参考)】
3E084
【Fターム(参考)】
3E084AA04
3E084AB01
3E084BA02
3E084DA01
3E084FA09
3E084HB01
3E084HD01
3E084KB01
3E084LB02
3E084LC01
3E084LD22
3E084LD27
(57)【要約】
弾性部材は、上部支持体;前記上部支持体の下側に備えられる下部支持体;および、前記上部支持体と前記下部支持体を連結する少なくとも一つの弾性部を含み、前記弾性部は、前記上部支持体で下側に形成される上部支持部;前記下部支持体で上側に延びる下部支持部;および前記上部支持部と前記下部支持部を所定の傾斜を有して連結し、前記弾性部材に対する加圧時に屈曲変形される連結部を含むことができる。
【選択図】図1

【特許請求の範囲】
【請求項1】
弾性部材であって、
上部支持体;
前記上部支持体の下側に備えられる下部支持体;および
前記上部支持体と前記下部支持体を連結する少なくとも一つの弾性部を含み、
前記弾性部は、前記上部支持体で下側に形成される上部支持部;
前記下部支持体で上側に延びる下部支持部;および前記上部支持部と前記下部支持部を所定の傾斜を有して連結し、前記弾性部材に対する加圧時に屈曲変形される連結部を含む
ことを特徴とする弾性部材。
【請求項2】
前記弾性部材の材質はポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリカーボネート(PC)、ポリオキシメチレン(POM)、ポリケトン(POK)およびポリブチレンテレフタレート(PBT)のうち少なくとも一つを含む
請求項1に記載の弾性部材。
【請求項3】
前記上部支持部および前記下部支持部は、それぞれ前記上部支持体および前記下部支持体に対して垂直方向に形成されて前記連結部の変形に対する剛性を提供する
請求項1に記載の弾性部材。
【請求項4】
前記上部支持部と前記下部支持部は前記弾性部材に対する加圧時に形状が固定される
請求項3に記載の弾性部材。
【請求項5】
前記弾性部材に対する加圧時に、前記連結部は、前記上部支持体との連結領域および前記下部支持体との連結領域で屈曲される
請求項3に記載の弾性部材。
【請求項6】
前記連結部の厚さは前記連結部の中央から前記上部支持部および前記下部支持部に向かうほど増加する
請求項1に記載の弾性部材。
【請求項7】
前記弾性部の厚さは前記弾性部の中央から前記上部支持体および前記下部支持体に向かうほど増加する
請求項1に記載の弾性部材。
【請求項8】
前記弾性部材に対する加圧時に、前記下部支持体が第1方向に回転しながら、前記加圧のうち一部を解消し、
前記弾性部材に対する加圧解除時に、前記下部支持体が第1方向と反対の第2方向に回転しながら位置回復し、前記上部支持体の回転は制限される
請求項1に記載の弾性部材。
【請求項9】
前記上部支持体に連結された回転防止突起または回転防止溝によって前記上部支持体の回転が防止される
請求項8に記載の弾性部材。
【請求項10】
前記上部支持体の内側には前記上部支持体と連結されたステムが形成され、
前記ステムの外面には回転防止突起または回転防止溝が形成されて前記上部支持体の回転が防止される
請求項8に記載の弾性部材。
【請求項11】
前記ステムが密着するシーリング部の内面には、前記回転防止突起または前記回転防止溝に対応する結合溝または結合突起が形成される
請求項10に記載の弾性部材。
【請求項12】
請求項1ないし9のいずれかに記載された弾性部材;
上部および下部が開放され内部に中空が形成されたシリンダ;
前記シリンダの内壁に備えられるシールキャップ;
前記シリンダの上端の周りに結合されて前記シールキャップの上昇を抑制するシーリング部;
下端に前記シールキャップによって開閉される流入口が形成され、前記流入口と連結された通路が上端まで形成されるピストンロッド;および、
前記ピストンロッドとともに昇降するように結合されるステムを含み、
前記弾性部材は、前記ステムと前記シーリング部の間に備えられて前記シーリング部から前記ステムに向かって弾性力を提供する
ことを特徴とするポンプ組立体。
【請求項13】
前記ステムと前記弾性部材は一体に形成される
請求項12に記載のポンプ組立体。
【請求項14】
請求項10または11に記載された弾性部材;
上部および下部が開放されて内部に中空が形成されたシリンダ;
前記シリンダの内壁に備えられるシールキャップ;
前記シリンダの上端の周りに結合されて前記シールキャップの上昇を抑制するシーリング部;および、
下端に前記シールキャップによって開閉される流入口が形成され、前記流入口と連結された通路が上端まで形成されるピストンロッドを含み、
前記弾性部材の下部支持体は前記シーリング部の上面によって支持され、
前記弾性部材のステムは前記ピストンロッドとともに昇降するように結合するものの、前記シーリング部の内壁に密着し、
前記ステムの回転防止突起または前記回転防止溝は前記シーリング部に形成された結合溝または結合突起に結合して、前記弾性部材の上部支持体の回転が防止される
ことを特徴とするポンプ組立体。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は弾性部材およびこれを含むポンプ組立体に関し、具体的には、軟質のプラスチックを材質とする弾性部材およびこれを含むポンプ組立体に関する。
【背景技術】
【0002】
一般的にポンプ容器は容器本体の上部に結合されるポンプ組立体のポンピング動作を通じて内容物が外部に排出されるように構成されるものであり、内容物が貯蔵される容器本体と、容器本体の上部に結合され容器本体の内部を真空状態に作ってポンピング動作によって内容物を引っ張り上げるポンプ組立体と、ポンプ組立体の上部に位置して使用者の加圧によって昇降され、ポンプ組立体に圧力を伝達するボタン部で構成される。
【0003】
ここで、ポンプ組立体は容器本体に貯蔵された内容物が外部に排出されるようにポンピング動作を遂行するものであり、このような反復的なポンピング動作のために内部に弾性力を提供するスプリングを含むことができる。通常スプリングは金属を材質にするため、製造単価が高いだけでなく、ポンプ組立体がプラスチックと金属の異種の材質からなるため、リサイクルのためにこれを分離して廃棄しなければならず、リサイクルが容易でない問題点があった。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は前記問題点を解決するためのもので、軟質のプラスチックを材質にする弾性部材およびこれを含むポンプ組立体を提供することをその目的とする。
【0005】
本発明の技術的課題は以上で言及した技術的課題に制限されず、言及されていないさらに他の技術的課題は以下の記載から当業者に明確に理解され得る。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の実施例により、弾性部材が提供される。弾性部材は、上部支持体;前記上部支持体の下側に備えられる下部支持体;および前記上部支持体と前記下部支持体を連結する少なくとも一つの弾性部を含み、前記弾性部は、前記上部支持体で下側に形成される上部支持部;前記下部支持体で上側に延びる下部支持部;および前記上部支持部と前記下部支持部を所定の傾斜を有して連結し、前記弾性部材に対する加圧時に屈曲変形される連結部を含むことができる。
【0007】
また、前記弾性部材の材質はポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリカーボネート(PC)、ポリオキシメチレン(POM)、ポリケトン(POK)およびポリブチレンテレフタレート(PBT)のうち少なくとも一つを含むことができる。
【0008】
また、前記上部支持部および前記下部支持部はそれぞれ前記上部支持体および前記下部支持体に対して垂直方向に形成されて、前記連結部の変形に対する剛性を提供することができる。
【0009】
また、前記上部支持部と前記下部支持部は前記弾性部材に対する加圧時に形状が固定され得る。
【0010】
また、前記弾性部材に対する加圧時に、前記連結部は、前記上部支持体との連結領域および前記下部支持体との連結領域で屈曲され得る。
【0011】
また、前記連結部の厚さは前記連結部の中央から前記上部支持部および前記下部支持部に向かうほど増加し得る。
【0012】
また、前記弾性部の厚さは前記弾性部の中央から前記上部支持体および前記下部支持体に向かうほど増加し得る。
【0013】
また、前記弾性部材に対する加圧時に、前記下部支持体が第1方向に回転しながら、前記加圧のうち一部を解消し、前記弾性部材に対する加圧解除時に、前記下部支持体が第1方向と反対の第2方向に回転しながら位置回復し、前記上部支持体の回転は制限され得る。
【0014】
また、前記上部支持体に連結された回転防止突起または回転防止溝によって前記上部支持体の回転が防止され得る。
【0015】
また、前記上部支持体の内側には前記上部支持体と連結されたステムが形成され、前記ステムの外面には回転防止突起または回転防止溝が形成されて、前記上部支持体の回転が防止され得る。
【0016】
また、前記ステムが密着するシーリング部の内面には、前記回転防止突起または前記回転防止溝に対応する結合溝または結合突起が形成され得る。
【0017】
本発明の実施例により、弾性部材が提供される。弾性部材は、上部支持体;前記上部支持体の下側に備えられる下部支持体;および前記上部支持体と前記下部支持体を連結する少なくとも一つの弾性部を含み、前記上部支持体に連結された回転防止突起または回転防止溝によって前記上部支持体の回転が防止され得る。
【0018】
また、前記弾性部材に対する加圧時に、前記下部支持体が第1方向に回転しながら、前記加圧のうち一部を解消し、前記弾性部材に対する加圧解除時に、前記下部支持体が第1方向と反対の第2方向に回転しながら位置回復し、前記上部支持体の回転は制限され得る。
【0019】
本発明の実施例により、弾性部材が提供される。弾性部材は、上部支持体;前記上部支持体の下側に備えられる下部支持体;および前記上部支持体と前記下部支持体を連結する少なくとも一つの弾性部を含み、前記上部支持体の内側には前記上部支持体と連結されたステムが形成され、前記ステムの外面には回転防止突起または回転防止溝が形成されて、前記上部支持体の回転が防止され得る。
【0020】
また、前記ステムが密着するシーリング部の内面には、前記回転防止突起または前記回転防止溝に対応する結合溝または結合突起が形成され得る。
【0021】
本発明の実施例によりポンプ組立体が提供される。ポンプ組立体は、弾性部材;上部および下部が開放されて内部に中空が形成されたシリンダ;前記シリンダの内壁に備えられるシールキャップ;前記シリンダの上端の周りに結合されて前記シールキャップの上昇を抑制するシーリング部;下端に前記シールキャップによって開閉される流入口が形成され、前記流入口と連結された通路が上端まで形成されるピストンロッド;および前記ピストンロッドとともに昇降するように結合されるステムを含み、前記弾性部材は、前記ステムと前記シーリング部の間に備えられて前記シーリング部から前記ステムに向かって弾性力を提供することができる。
【0022】
また、前記ステムと前記弾性部材は一体に形成され得る。
【0023】
本発明の実施例によりポンプ組立体が提供される。ポンプ組立体は弾性部材;上部および下部が開放されて内部に中空が形成されたシリンダ;前記シリンダの内壁に備えられるシールキャップ;前記シリンダの上端の周りに結合されて前記シールキャップの上昇を抑制するシーリング部;および下端に前記シールキャップによって開閉される流入口が形成され、前記流入口と連結された通路が上端まで形成されるピストンロッドを含み、前記弾性部材の下部支持体は前記シーリング部の上面によって支持され、前記弾性部材のステムは前記ピストンロッドとともに昇降するように結合するものの、前記シーリング部の内壁に密着し、前記ステムの回転防止突起または前記回転防止溝は前記シーリング部に形成された結合溝または結合突起に結合して、前記弾性部材の上部支持体の回転が防止され得る。
【0024】
本発明の実施例により、ポンプ容器が提供される。ポンプ容器はポンプ組立体;内部に内容物が収容される容器部;内側に前記ポンプ組立体が備えられて前記容器部と結合するヘッド部;および外力を印加されて上下移動しながら前記ポンプ組立体を加圧するノズルを含むことができる。
【発明の効果】
【0025】
本発明によると、弾性部材の材質を軟質のプラスチックにすることによって、簡単な構造を通じて費用削減を可能にし、他のポンプ組立体の構成との分離廃棄問題を解決して環境にやさしい。
【0026】
また、本発明によると、弾性部材がポンピング動作に適合な剛性を有するようにすることによって、加圧時に適切な反発力を使用者に伝達し、加圧解除時には原状回復のための弾性力を発生させることができる。
【0027】
また、本発明によると、加圧時に弾性部材の下端が回転するようにして外力の一部を解消することによって、滑らかでゆるやかな弾性変形を可能にすることができる。
【0028】
また、本発明によると、弾性部材がステムと一体に形成されるため、弾性部材に対する加圧および加圧解除にも弾性部材が側方向に流動せず、位置固定されるようにすることができる。
【0029】
また、本発明によると、弾性部材が上端の回転が防止されることによって、弾性部材と接するノズルが加圧解除時に不要に回転することを防止することができる。
【0030】
本発明の詳細な説明から引用される図面をより十分に理解するために各図面の簡単な説明が提供される。
【図面の簡単な説明】
【0031】
図1】本発明の実施例に係る弾性部材の斜視図を図示する。
図2】本発明の実施例に係る弾性部材の正面図を図示する。
図3】本発明の実施例に係る弾性部材の側面図を図示する。
図4】本発明の実施例に係る弾性部材の動作を図示する。
図5】本発明の実施例に係るポンプ組立体の斜視図を図示する。
図6】本発明の実施例に係るポンプ組立体の分解図を図示する。
図7】本発明の実施例に係るポンプ組立体の断面図を図示する。
図8】本発明の実施例に係るポンプ容器の断面図を図示する。
【発明を実施するための形態】
【0032】
以下、添付された図面に記載された内容を参照して本発明に係る例示的実施例を詳細に説明する。また、添付された図面に記載された内容を参照して本発明の実施例に係る装置を構成して使う方法を詳細に説明する。各図面で提示された同じ参照番号または符号は実質的に同じ機能を遂行する部品または構成要素を示す。以下で記載される便宜上上下左右の方向は図面を基準としたものであり、該当方向に本発明の権利範囲が必ずしも限定されるものではない。
【0033】
第1、第2等のように序数を含む用語は多様な構成要素の説明に使われ得るが、構成要素は用語によって限定されはしない。用語は一つの構成要素を他の構成要素から区別する目的でのみ使われる。例えば、本発明の権利範囲を逸脱することなく第1構成要素は第2構成要素と命名され得、同様に第2構成要素も第1構成要素と命名され得る。および/またはという用語は複数の関連した項目の組み合わせまたは複数の関連した項目のうちいずれか一つの項目を含む。
【0034】
本明細書で使った用語は実施例を説明するために使われたもので、本発明を制限および/または限定しない。単数の表現は文脈上明白に異なって意味しない限り、複数の表現を含む。本明細書で、含むまたは有するなどの用語は、明細書上に記載された特徴、数字、段階、動作、構成要素、部品またはこれらを組み合わせたものが存在することを指定しようとするものであって、一つまたはそれ以上の他の特徴や数字、段階、動作、構成要素、部品またはこれらを組み合わせたものなどの存在または付加の可能性をあらかじめ排除しない。
【0035】
明細書全体で、或る部分が他の部分と連結されているとする時、これは直接的に連結されている場合だけでなく、その中間に他の構成を挟んで間接的に連結されている場合も含む。また、或る部分が何らかの構成要素を含むとする時、これは特に反対の記載がない限り他の構成要素を除くものではなく他の構成要素をさらに含むことができることを意味する。
【0036】
図1は本発明の実施例に係る弾性部材の斜視図を図示し、図2は本発明の実施例に係る弾性部材の正面図を図示し、図3は本発明の実施例に係る弾性部材の側面図を図示する。
【0037】
図1図3を参照すると、弾性部材100は、上部支持体110;下部支持体120および弾性部130を含むことができる。
【0038】
弾性部材100の上部支持体110、下部支持体120および弾性部130は軟質のプラスチック材質からなり得る。例えば、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリカーボネート(PC)、ポリオキシメチレン(POM)、ポリケトン(POK)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)等を含むことができる。ただし、これに限定されるものではない。このように軟質のプラスチックを材質にすることによって、弾性部材100の製作を容易にするとともに、従来の金属材質のスプリングより生産費用を節減することができる。また、従来の金属材質のスプリングより重さが軽いため弾性部材100を具備するポンプ組立体200および容器の重さを減少させることができるため、携帯が容易で使用上の便宜性を提供することができる。また、ポンプ組立体200の他の構成との分離廃棄問題を解決して環境にやさしい。
【0039】
実施例により、弾性部材100の上部支持体110、下部支持体120および弾性部130は同一または異なる材質を有することができる。また、実施例により弾性部材100の上部支持体110、下部支持体120および弾性部130は一体に形成されるか、複数の構成が組み立てられて形成され得る。
【0040】
実施例で、弾性部材100の上部支持体110、下部支持体120および弾性部130は同一の材質を有して一体に形成され得る。この時、材質は、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリカーボネート(PC)、ポリオキシメチレン(POM)、ポリケトン(POK)およびポリブチレンテレフタレート(PBT)のうち少なくとも一つを含むことができる。
【0041】
上部支持体110は、弾性部130の上端を支持することができる。弾性部材100に対する加圧時に上部支持体110が下降しながら圧力を弾性部130に伝達することができ、加圧が解除されると、弾性部130の弾性力によって上部支持体110は昇降しながら復元され得る。
【0042】
上部支持体110の下側には下部支持体120が備えられ得る。下部支持体120は、弾性部130の下端を支持することができる。下部支持体120は昇降せず、弾性部130を支持することによって、弾性部130の弾性力が上部支持体110に向かうようにすることができる。
【0043】
上部支持体110および下部支持体120には内側に中空が形成されて、ポンプ組立体200のステム140などのような構成が上部支持体110および下部支持体120の内側に位置するようにすることができる。例えば、上部支持体110および下部支持体120は円形のリング状を有することができる。
【0044】
弾性部130は上部支持体110と下部支持体120を連結することができる。弾性部材100に対する加圧時に、弾性部130は屈曲変形されながら弾性力を発生させることができる(すなわち、弾性圧縮)。弾性部材100に対する加圧解除時に、屈曲変形も解除されながら弾性部130が元の状態に回復することができる。
【0045】
実施例で、弾性部130は少なくとも一つで構成され得、各弾性部130は、上部支持体110で下側に形成される上部支持部131;下部支持体120で上側に延びる下部支持部132;および上部支持部131と下部支持部132を連結する連結部133を含むことができる。
【0046】
この時、上部支持部131の形成位置と下部支持部132の形成位置は上部支持体110および下部支持体120の周り方向に互いに異なり得る。したがって、連結部133は所定の傾斜を有しつつ、上部支持部131と下部支持部132を連結することができる。連結部133は弾性部材100に対する加圧時に屈曲変形され得、加圧解除時には元の状態に回復することができる。連結部133の変形は連結部133の上端および下端(すなわち連結部133の中で上部支持部131および下部支持部132との連結領域134、135)で主になされ得る。
【0047】
実施例で、上部支持部131および下部支持部132はそれぞれ上部支持体110および下部支持体120に対して垂直方向に形成され得る。上部支持部131および下部支持部132が垂直方向に形成されることによって、これに連結された連結部133の屈曲変形に対する剛性を提供することができる。上部支持部131および下部支持部132の剛性は、連結部133の屈曲変形を制限する方向に作用して、連結部133が容易にそして過度に屈曲変形されないようにすることができる。また、連結部133が屈曲変形された場合、上部支持部131および下部支持部132は連結部133が元の状態に回復することを補助することができる。上部支持部131および下部支持部132が垂直方向に形成されることは、上部支持部131および下部支持部132(上部支持部131および下部支持部132の中心軸)が上部支持体110および下部支持体120に対して、例えば、70度~110度の角度、80度~100度の角度、85度~95度の角度または90度の角度を有するように形成されることを意味し得る。ただし、このような角度数値に限定されるものではない。
【0048】
実施例で、上部支持部131および下部支持部132の剛性を調節して、弾性部材100の弾性力および復原力を調節することができる。例えば、上部支持部131および下部支持部132の剛性が相対的に低い場合には、上部支持部131および下部支持部132は弾性部材100に対する加圧時に弾性変形されるものの、(特に連結部133の屈曲変形に比べて)変形の程度が小さくてもよい。また、例えば、上部支持部131および下部支持部132の剛性が相対的に高い場合には、上部支持部131および下部支持部132は弾性部材100に対する加圧時にも弾性変形されずに形状が固定され得る。
【0049】
実施例で、弾性部130および/または連結部133の屈曲変形が容易であるように、弾性部130および/または連結部133の厚さを調節することができる。すなわち、相対的に厚さが薄い領域で屈曲が容易になされ、相対的に厚さが厚い領域では屈曲がなされないか制限的になされるようにすることができる。例えば、連結部133の厚さは連結部133の中央から上部支持部131および下部支持部132に向かうほど増加し得る。例えば、弾性部130は厚さは弾性部130の中央から上部支持体110および下部支持体120に向かうほど増加し得る。例えば、弾性部130は異なる面積の水平断面を有するものの、面積は弾性部130の中央から上部支持体110および下部支持体120に向かうほど増加し得る。例えば、上部支持部131および下部支持部132の厚さを連結部133の厚さより太くして、連結部133が上部支持部131および下部支持部132との連結領域134、135で屈曲されるようにすることができる。この時、上部支持部131および下部支持部132から連結部133に厚さが緩やかに変化するようにして、屈曲および屈曲解除が自然になされるようにすることができる。
【0050】
実施例で、弾性部材100に対する加圧時に、上部支持体110が下降しながら、下部支持体120は第1方向に回転することができる。上部支持部131が固定された状態で下部支持部132が回転することによって、上部支持体110の下降長さに比べて狭い範囲で弾性部130の屈曲変形がなされるようにすることができる。すなわち、加圧力のうち一部を解消して弾性部130がよりゆるやかで滑らかに屈曲するようにすることができる。
【0051】
実施例で、弾性部材100に対する加圧解除時には、下部支持体120が第1方向と反対の第2方向に回転しながら位置回復することができる。すなわち、弾性部材100に対する加圧および加圧解除の過程で上部支持体110は回転が防止され、下部支持体120のみが回転することができる。このための多様な構成が適用され得る。例えば、上部支持体110に連結された回転防止突起150または回転防止溝が形成され得る。回転防止突起150または回転防止溝はシーリング部230などのようなポンプ組立体200の他の構成に結合することによって、上部支持体110の回転が防止され得る。
【0052】
実施例で、弾性部材100はステム140をさらに含むことができる。ステム140は上部支持体110の内側に備えられ得、上部支持体110と連結され得る。上部支持体110とステム140は一体に形成されるか、組み立てられて形成され得る。ステム140と上部支持体110は同一または異なる材質を有することができ、この時、材質は、例えば、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリカーボネート(PC)、ポリオキシメチレン(POM)、ポリケトン(POK)およびポリブチレンテレフタレート(PBT)のうち少なくとも一つを含むことができる。例えば、ステム140は上部支持体110と同一の材質を有して一体に形成され得る。付加的な実施例で、ステム140には回転防止突起150または回転防止溝が形成され得る。例えば、回転防止突起150または回転防止溝はステム140の下端の外側面に形成され得る。例えば、ステム140はポンプ組立体200のうちシーリング部230の内側に挿入され、ステム140の外面とシーリング部230の内面は密着することができる。このとき、ステム140の回転防止突起150または回転防止溝はシーリング部230の結合溝231または結合突起に結着され得、これに伴い、ステム140および上部支持体110の回転が防止され得る。
【0053】
図4は、本発明の実施例に係る弾性部材の動作を図示する。
【0054】
図4の(a)は加圧前の弾性部材100を図示し、図4の(b)は加圧後の弾性部材100を図示する。
【0055】
図示されるように、弾性部材100を加圧すると、上部支持体110は下側に移動することができる。この過程で弾性部130が弾性圧縮され得る。
【0056】
上部支持部131および下部支持部132が垂直方向に形成されて、連結部133の屈曲変形に対する剛性を提供することができる。上部支持部131および下部支持部132の剛性は弾性部材100の加圧時に使用者に反発力を提供し、上部支持体110の過度な下降を防止することができる。連結部の変形は剛性によって連結部133の上端および下端(すなわち連結部133の中で上部支持部131との連結領域134および下部支持部132との連結領域135)で主になされ得る。また、加圧解除時には剛性は屈曲変形された連結部133が形状回復することを補助することができる。これに伴い、上部支持体110が安定的に上側に移動することができる。
【0057】
一方、上部支持体110が回転が固定されるのとは異なり、下部支持体120は加圧時に回転しながら加圧力のうち一部を解消することができる。加圧力のうち一部が下部支持体120の回転力に転換されることによって、過度な力によって連結部133が過度に屈曲を起こしたり、剛性を提供する上部支持部131および下部支持部132との間で破損が発生することを防止することができる。加圧が解除されると、弾性圧縮された連結部133が形状回復しながら、下部支持体120も反対方向に回転して元の位置に回復することができる。
【0058】
図4では弾性部材100がステム140および回転防止突起150を含むものとして図示されるが、これは例示的なものに過ぎず、実施例により弾性部材100にはステム140および回転防止突起150のうち少なくとも一つが除外され得る。
【0059】
図5は本発明の実施例に係るポンプ組立体の斜視図を図示し、図6は本発明の実施例に係るポンプ組立体の分解図を図示し、図7は本発明の実施例に係るポンプ組立体の断面図を図示する。
【0060】
図5図7を参照すると、ポンプ組立体200は、使用者から外力を印加されて内部に圧力変化を引き起こし、これを通じて内容物を流入および吐出するためのものであって、具体的には、シリンダ210、シールキャップ220、シーリング部230、ピストンロッド240および弾性部材100を含むことができる。
【0061】
シリンダ210は、上下に貫通されて内容物が流入および流出する空間を提供することができる。シリンダ210は容器(図示されず)の口部の内側に位置するものの、外側に装着翼が形成されて容器の口部上に装着され得る。シリンダ210の下端は容器の内部に向かって延長形成され得、容器と連通する入口が形成され得る。入口または入口に隣接してバルブが備えられ得る。バルブは逆流防止バルブであり、シリンダ210の内圧が正圧のときに入口を密閉していて、シリンダ210の内圧が負圧に変化すると入口を開放することができる。
【0062】
シールキャップ220はピストンロッド240の開閉のためのものであり、外面がシリンダ210に密着し、内面がピストンロッド240と密着することができる。シールキャップ220の内面の下端がピストンロッド240の支え部に密着してピストンロッド240の流入口を密閉することができ、シールキャップ220を基準としてピストンロッド240が下降すると、シールキャップ220の下端がピストンロッド240の支え部と遠ざかりながら流入口が開放されて、シリンダ210の内部と連通することができる。
【0063】
シーリング部230は、シリンダ210の上端に結合し、下端がシリンダ210の内側に延びるように構成されてシールキャップ220の上昇を抑制することができる。シーリング部230の外側には下向き折り曲げられた外壁が形成され得る。シーリング部230の内壁と外壁の間に形成された空間にシリンダ210の上端が挿入され得る。
【0064】
ピストンロッド240はシリンダ210の内部に備えられるものの、下側がシールキャップ220により囲まれ、上側がステム140に連結され得る。ピストンロッド240は中空の管の形態を有し、ピストンロッド240の下側にはシールキャップ220により開閉される流入口が形成され、ピストンロッド240の上側には流入口を通じて流入した内容物が流出する流出口が形成され得る。また、ピストンロッド240の下端には支え部が形成されて、支え部にシールキャップ220の内面の下端が密着されると、流入口はシリンダ210の内部空間から密閉されるようにすることができる。ピストンロッド240はステム140によってシリンダ210内で垂直方向に移動することができる。ピストンロッド240が下側に移動すると、シールキャップ220の内面の下端が支え部から離隔しながら流入口が開放されて、シリンダ210の内部の内容物がピストンロッド240の内部に流入し得る。ピストンロッド240が引き続き移動すると、内容物は流出口を通じて排出された後、ステム140を経てノズル330の吐出ホールを通じて吐出され得る。ピストンロッド240が上側に移動すると、シリンダ210はピストンロッド240の流入口を密閉することができ、シリンダ210の内部に負圧が発生して容器部310内の内容物がシリンダ210の内部に流入し得る。
【0065】
弾性部材100はピストンロッド240の位置復元のためのものであり、下部支持体120がシーリング部230により支持され得る。弾性部材100の上部支持体110にはステム140が連結され得る。ここで、ステム140は下端がピストンロッド240と結合され、上下に貫通形成されて、ピストンロッド240から流入する内容物が上側に移動することができる。使用者がポンプ組立体200を加圧すると、上部支持体110およびステム140が下側に移動しながら弾性部130が圧縮され得る。この時、ステム140に結合されたピストンロッド240が共に下側に移動することができる。また、使用者が加圧を解除すると、弾性部130の弾性力が上部支持体110およびステム140を上側に回復させることができる。この時、ステム140に結合されたピストンロッド240が共に上側に移動することができる。
【0066】
実施例で、ステム140の下端には回転防止突起150が形成され、これに対応してシーリング部230の内面には結合溝231が形成され得る。下部支持体120がシーリング部230の上面に接する時、ステム140の下端はシーリング部230の内側に挿入しながら、回転防止突起150が結合溝231に結合することができる。これに伴い、ステム140および上部支持体110の回転が防止され得る。また、シーリング部230の上面に位置する下部支持体120は、このような制限なしに加圧および加圧解除によって回転することができる。
【0067】
図5図7では弾性部材100がステム140を含むものとして図示されるが、これは例示的なものに過ぎず、実施例により弾性部材100とステム140が別個の部品で分離形成され得る。この時、ステム140は上端部に外側に翼部が形成され得、弾性部材100に上部支持体110は翼部の底面によって支持され得る。付加的な実施例で、弾性部材100には回転防止突起150または回転防止溝が形成され得、回転防止突起150または回転防止溝はシーリング部230に形成された結合溝231に結合することができる。この時、ステム140はシーリング部230等によって回転が防止され得る。したがって、弾性部材100の上部支持体110の回転も防止され得る。
【0068】
図8は、本発明の実施例に係るポンプ容器の断面図を図示する。
【0069】
図8を参照すると、ポンプ容器300はポンプ組立体200、容器部310、ヘッド部320およびノズル330を含むことができる。
【0070】
容器部310は、内容物が収容される収容空間を提供することができる。容器部310に収容された内容物は、ノズル330等を通じて外部に吐出されて使用者によって使われ得る。ここで、内容物は、例えば、化粧品(すなわち、化粧料組成物)や薬品であり得るが、これに限定するものではなく、容器部310に収容されてノズル330を通じて排出され得る多様な種類または成分の物質を含むことができる。液相、ゲル相、粉末などの内容物の剤形も多様であり得る。また、容器部310が瓶(bottle)のタイプで図示されるが、これは例示的なものであり、チューブ(tube)、トートル(tottle)等の多様なタイプの容器部310が適用され得る。
【0071】
容器部310の上端にはポンプ組立体200(特にシリンダ210の翼部)が装着され得る。ポンプ組立体200により容器部310に収容された内容物が外部に吐出され得る。容器部310の口部の外側にはヘッド部320が結合することができる。ヘッド部320は内側にポンプ組立体200が備えられる空間およびノズル330の一部が移動可能な空間を提供することができ、ヘッド部320と容器部310の結合を通じてポンプ組立体200を加圧して固定させることができる。
【0072】
ノズル330は、使用者の外力を印加されてポンプ組立体200に伝達し、ポンプ組立体200から吐出される内容物を外部に排出することができる。ノズル330は、上側に使用者から外力を印加されて上下移動することができ、下側には弾性部材100の上部支持体110と接着することができる。ノズル330の移動は上部支持体110の下側移動を引き起こし得る。
【0073】
弾性部材100の上部支持体110がノズル330と接するという点で、上部支持体110が回転する場合、ノズル330も上部支持体110とともに回転することができる。特に外力が除去された加圧解除時にはノズル330が容易に回転することになる。これに伴い、ノズル330の吐出ホールやノズル330上部の加圧印加面の方向が変更されて使用上の不便を引き起こし得る。
【0074】
これを解決するために、弾性部材100は下部支持体120の回転を許容しながらも、ステム140およびステム140に形成された回転防止突起150がシーリング部230の結合溝231と結合して、ステム140に連結された上部支持体110の回転を固定することができる。したがって、弾性部材100と接するノズル330が加圧解除時に不要に回転することを防止することができる。
【0075】
前記では、構成間の結合を突起と溝間の結合、突起と突起間の結合で説明したが、これは例示的なものであり、実施例により多様な結合方式が適用可能である。例えば、突起と溝が互いに変更されたり、ねじ結合などが適用されてもよい。
【0076】
以上、実施例がたとえ限定された実施例と図面によって説明されたが、該当技術分野で通常の知識を有する者であれば前記の記載から多様な修正および変形が可能である。また、それぞれの実施例は必要に応じて互いに組み合わせられて運用することができる。したがって、他の具現、他の実施例および特許請求の範囲と均等なものなども後述する特許請求の範囲に属する。

図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
【国際調査報告】