(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-02-15
(54)【発明の名称】パッケージ容器を製造するための方法、当該パッケージ容器、及びカーリングツール
(51)【国際特許分類】
B65B 7/28 20060101AFI20230208BHJP
B65D 3/14 20060101ALI20230208BHJP
【FI】
B65B7/28 N
B65D3/14 A
B65B7/28 P
【審査請求】未請求
【予備審査請求】有
(21)【出願番号】P 2022535663
(86)(22)【出願日】2020-12-09
(85)【翻訳文提出日】2022-08-09
(86)【国際出願番号】 SE2020051184
(87)【国際公開番号】W WO2021118441
(87)【国際公開日】2021-06-17
(32)【優先日】2019-12-12
(33)【優先権主張国・地域又は機関】SE
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】522176735
【氏名又は名称】ジーピーアイ・システムズ・アーベー
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】シモン・ホルカ
【テーマコード(参考)】
3E049
【Fターム(参考)】
3E049AA02
3E049AB02
3E049BA03
3E049DA01
(57)【要約】
本発明は、矩形状の本体ブランク(2)から板紙製パッケージ容器(1)を形成するための方法であって、方法が、a)第1の側縁部及び第2の側縁部を有している本体ブランクを準備するステップと、b)本体ブランクから管状容器本体(2)を形成するステップであって、管状容器本体(2)が、第1の端部側開口部(4)が形成された第1の端部(3)と、第2の端部側開口部(6)が形成された第2の端部(5)と、板紙製パッケージ容器(1)の高さ方向(H)において第1の端部側開口部(4)と第2の端部側開口部(6)との間に延在している容器本体壁(7)とを有しており、容器本体壁(7)が、内面(8)と外面(9)とを有している、ステップと、c)本体ブランクの第1の側縁部と第2の側縁部とを共に封止するステップと、d)板紙製ディスク(12)を第1の端部側開口部(4)に押し込むことによって第1の端部側開口部(4)を閉じるステップであって、板紙製ディスク(12)が、板紙製パッケージ容器(1)の高さ方向(H)において管状容器本体(2)の第1の端部(3)に向かって屈曲された周囲フランジ(13)を有しており、板紙製ディスク(12)の周囲フランジ(13)が、容器本体壁(7)の内面(8)に密着される、ステップと、e)管状容器本体(2)の第1の端部(3)をカーリングツール(30)のカール成形部分(31)に押し込むステップであって、カール成形部分(31)が、3つ以上の離隔配置された突起(33)を有するツール内面(32)を備えており、これにより容器本体壁(7)の第1の端部(3)を内側にカールさせ、湾曲した縁部分(14a)と内側部分(14b)とを具備する第1のカール状縁部(14)を形成し、第1のカール状縁部(14)の内側部分(14b)に3つ以上の離隔配置されたインデント(15)を管状容器本体(2)の周囲に沿って設け、インデント(15)が、ツール内面(32)の離隔配置された突起(33)によって形成される、ステップと、f)板紙製パッケージ容器(1)をバルク固体で充填するステップと、g)第2の端部側開口部(6)を閉じるステップと、を備えており、ステップc)の後に、ステップg)と後続のステップf)とが、交互に実行される、方法に関する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
矩形状の本体ブランク(2)から板紙製パッケージ容器(1)を形成するための方法であって、
前記方法が、
a)第1の側縁部及び第2の側縁部を有している前記本体ブランクを準備するステップと、
b)前記本体ブランクから管状容器本体(2)を形成するステップであって、前記管状容器本体(2)が、第1の端部側開口部(4)が形成された第1の端部(3)と、第2の端部側開口部(6)が形成された第2の端部(5)と、前記板紙製パッケージ容器(1)の高さ方向(H)において前記第1の端部側開口部(4)と前記第2の端部側開口部(6)との間に延在している容器本体壁(7)とを有しており、前記容器本体壁(7)が、内面(8)と外面(9)とを有している、前記ステップと、
c)前記本体ブランクの前記第1の側縁部と前記第2の側縁部とを共に封止するステップと、
d)板紙製ディスク(12)を前記第1の端部側開口部(4)に押し込むことによって前記第1の端部側開口部(4)を閉じるステップであって、前記板紙製ディスク(12)が、前記板紙製パッケージ容器(1)の前記高さ方向(H)において前記管状容器本体(2)の前記第1の端部(3)に向かって屈曲された周囲フランジ(13)を有しており、前記板紙製ディスク(12)の前記周囲フランジ(13)が、前記容器本体壁(7)の前記内面(8)に密着される、前記ステップと、
e)前記管状容器本体(2)の前記第1の端部(3)をカーリングツール(30)のカール成形部分(31)に押し込むステップであって、前記カール成形部分(31)が、3つ以上の離隔配置された突起(33)を有するツール内面(32)を備えており、これにより前記容器本体壁(7)の前記第1の端部(3)を内側にカールさせ、湾曲した縁部分(14a)と内側部分(14b)とを具備する第1のカール状縁部(14)を形成し、前記第1のカール状縁部(14)の前記内側部分(14b)に3つ以上の離隔配置されたインデント(15)を前記管状容器本体(2)の周囲に沿って設け、前記インデント(15)が、前記ツール内面(32)の離隔配置された前記突起(33)によって形成される、前記ステップと、
f)前記板紙製パッケージ容器(1)をバルク固体で充填するステップと、
g)前記第2の端部側開口部(6)を閉じるステップと、
を備えており、
ステップc)の後に、ステップg)と後続のステップf)とが、交互に実行されることを特徴とする方法。
【請求項2】
前記カール成形部分(31)が、前記管状容器本体の前記第1の端部(3)がカール成形部分(31)に嵌め込まれるように、前記管状容器本体の前記第1の端部(3)と同一の設置面積を有しているU字状トラックとされ、
前記ツール内面(32)が、前記カール成形部分(31)の内面とされることを特徴とする請求項1記載の方法。
【請求項3】
前記方法が、ステップh)として、前記管状容器本体(2)の前記第2の端部(5)を前記カーリングツール(30)の前記カール成形部分(31)に押し込むステップであって、前記容器本体壁(7)の前記第2の端部(5)を内側にカールさせ、湾曲した縁部分(38a)と内側部分(38b)とを具備する第2のカール状縁部(38)を形成し、前記第1のカール状縁部(38)の前記内側部分(38b)に3つ以上の離隔配置されたインデント(41)を前記管状容器本体(2)の周囲に沿って設け、前記インデント(41)が、前記ツール内面(32)の離隔配置された突起(33)によって形成される、前記ステップを備えていることを特徴とする請求項1又は2に記載の方法。
【請求項4】
バルク固体のための板紙製パッケージ容器(1)であって、カートン基材層を具備する積層シート材によって作られている管状容器本体(2)と容器底部(16)とを備えている前記板紙製パッケージ容器(1)において、
前記管状容器本体(2)が、前記板紙製パッケージ容器(1)の高さ方向(H)において前記板紙製パッケージ容器(1)の第1の端部(3)と第2の端部(5)との間に延在しており、
前記管状容器本体(2)が、容器本体壁(7)を備えており、
前記容器本体壁(7)が、前記板紙製パッケージ容器(1)の内側区画(28)に向かって面している内面(8)と、前記内側区画(28)の反対側に面している外面(9)とを有しており、
第1の端部側開口部(4)が、周囲フランジ(13)を具備する板紙製ディスク(12)によって閉じられており、前記周囲フランジ(13)が、前記高さ方向(H)において前記板紙製パッケージ容器(1)の前記第1の端部(3)に向かって湾曲しており、且つ、前記容器本体壁(7)の前記内面(8)に取り付けられており、
前記管状容器本体(2)の前記第1の端部(3)が、縁部分(14a)と内側部分(14b)とを具備する第1のカール状縁部(14)を配設するように内側にカールしており、
前記第1のカール状縁部(14)の前記内側部分(14b)が、前記管状容器本体(2)の周囲に沿って離隔配置された3つ以上のインデント(15)を備えていることを特徴とする板紙製パッケージ容器(1)。
【請求項5】
3つ以上の前記インデント(15)それぞれの、前記板紙製パッケージ容器(1)の高さ方向(H)に対して垂直な方向で測定した深さが、0.2mm~6mmとされることを特徴とする請求項4に記載の板紙製パッケージ容器(1)。
【請求項6】
管状容器本体(2)が、角部(22,23,24,25)を介して接続されている3つ以上の壁部分(18,19,20,21)を有しており、
前記壁部分(18,19,20,21)それぞれが、互いから離隔配置された3つ以上のインデント(15)であって、前記第1のカール状縁部(14)の前記内側部分(14b)に配置されている前記インデント(15)を備えていることを特徴とする請求項4又は5記載の板紙製パッケージ容器(1)。
【請求項7】
前記角部(22,23,24,25)には、前記インデント(15)が形成されていないことを特徴とする請求項6に記載の板紙製パッケージ容器(1)。
【請求項8】
前記管状容器本体(2)が、円状又は長円状の断面を有していることを特徴とする請求項4又は5に記載の板紙製パッケージ容器(1)。
【請求項9】
前記第1のカール状縁部(14)の前記内側部分(14b)の、前記縁部分(14a)から前記内側部分(14b)の端縁部に至るまで測定した高さが、2mm~30mmであることを特徴とする請求項4~8のいずれか1項に記載の板紙製パッケージ容器(1)。
【請求項10】
前記第1の端部側開口部(4)が、底部側開口部とされ、
前記板紙製ディスク(12)が、底部ディスクとされ、
前記第1のカール状縁部(14)が、カール状の底縁部である、請求項4~9までのいずれか1項に記載の板紙製パッケージ容器(1)。
【請求項11】
前記第1の端部側開口部(4)が、上端部側開口部とされ、
前記板紙製ディスク(12)が、頂部ディスクとされ、
前記第1のカール状縁部(14)が、カール状の上側縁部とされることを特徴とする請求項4~9のいずれか1項に記載の板紙製パッケージ容器(1)。
【請求項12】
前記容器本体壁(7)の前記第2の端部(5)が、内側にカールされ、縁部分(38a)及び内側部分(38b)を具備する第2のカール状縁部(38)を形成し、
前記第2のカール状縁部(38)の前記内側部分(38b)が、前記管状容器本体(2)の周囲に沿って離隔配置された3つ以上のインデント(41)を備えていることを特徴とする請求項4~11のいずれか1項に記載の板紙製パッケージ容器(1)。
【請求項13】
板紙製パッケージ容器(1)にカール状縁部(14,38)を形成するためのカーリングツール(30)であって、前記カーリングツール(30)が、トラックの形態をしたカール成形部分(31)を有しているカール板とされ、前記カール成形部分(31)が、管状容器本体端部(3,5)を受容するように構成されている閉ループの形状を有しており、前記カール成形部分(31)が、内面(32)と外面(34)と底面(35)とを有しており、前記カール板が、前記カール状縁部(14,38)を形成する場合に板紙製パッケージ容器(1)に面するようになっている第1の主面(36)を有しており、前記カール成形部分(31)が、第1の主面(36)に配設されており、カール成形部分(31)が、前記カール成形部分(31)の前記第1の主面(36)から前記底面(35)に至る深さ(d
t)を有している、前記カーリングツール(30)において、
前記内面(32)が、前記カール成形部分(31)の周囲に沿って離隔配置されている3つ以上の突起(33)を備えていることを特徴とするカーリングツール(30)。
【請求項14】
前記カール成形部分(31)が、前記管状容器本体端部(3,5)が前記カール成形部分(31)に嵌め込まれるように、前記管状容器本体端部(3,5)と略同一の設置面積を有するU字状のトラックとされ、
ツール内面(32)が、前記カール成形部分(31)の内面とされることを特徴とする請求項13に記載のカーリングツール(30)。
【請求項15】
3つ以上の前記突起(33)が、前記カール成形部分(31)の前記内面(32)から0.5mm以上突出していることを特徴とする請求項13又は14に記載のカーリングツール(30)。
【請求項16】
前記カール成形部分(31)の前記深さ(d
t)が、5mm~40mmとされることを特徴とする請求項13~15のいずれか1項に記載のカーリングツール(30)。
【請求項17】
3つ以上の前記突起(33)が、所定の直径(φ)を有しており、
3つ以上の前記突起(33)が、隣り合う前記突起(33)の間隔が少なくとも突起(33)の直径(φ)に対応し、任意には2mm~20mmの範囲内にある状態で配置されていることを特徴とする請求項13~16のいずれか1項に記載のカーリングツール(30)。
【請求項18】
3つ以上の前記突起(33)が、2mm~10mmの直径(φ)を有していることを特徴とする請求項13~17のいずれか一項に記載のカーリングツール(30)。
【請求項19】
3つ以上の前記突起(33)が、前記カール成形部分(31)の周囲に沿って前記カーリングツール(30)に設けられたスタッドによって形成されていることを特徴とする請求項13~18のいずれか1項に記載のカーリングツール(30)。
【請求項20】
3つ以上の前記突起(33)が、前記カール成形部分(31)の周囲に沿って互いに水平に位置合わせされていることを特徴とする請求項13~19のいずれか1項に記載のカーリングツール(30)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、板紙製パッケージ容器を製造するための方法、当該方法によって製造された板紙製パッケージ容器、及びカーリングツールに関する。
【背景技術】
【0002】
例えば乳児用粉ミルク、タバコ、洗剤のような製品のための使い捨て容器の分野では、容器をリサイクル可能にすることと共に、使い捨て容器のための資源利用を最小限に抑えることによって、このような製品の二酸化炭素排出量を減少させるという継続的なニーズが存在する。本発明における使い捨て容器は、管状容器本体を有している複合容器とされ、管状容器は、カートン層すなわち主にセルロース系繊維から作られている層を具備する積層シート材料から作られている。パッケージ容器の上側縁部及び下側縁部は、パッケージ容器の縁部に接続されているプラスチック製のリムを含んでいる。これにより、パッケージ容器は心地よく整った外観となり、また、パッケージ容器の上部又は底部は、良好な耐摩耗性を有するようになる。代替的には、パッケージ容器の底部は、管状容器本体の折り畳まれた端部から作られているか、又は、低端部において管状容器本体に取り付けられた底部ディスクとされる。しかしながら、このようなパッケージ容器の外観は幾分魅力に欠き、パッケージ容器の底端部における耐摩耗性も劣る。
【0003】
パッケージ容器の底端部又は上側端部の外観及び安定性を改善するために、容器本体壁の端部は内側にカールされ、カール状の底縁部又は上側縁部を形成している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の目的は、板紙製パッケージ容器のカール状端縁部を改善することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述の目的は、請求項1に記載の板紙製パッケージ容器を形成するための方法、請求項4に記載の板紙製パッケージ容器、及び請求項13に記載のカーリングツールによって達成される。
【0007】
第1の実施態様では、本発明は、
矩形状の本体ブランクから板紙製パッケージ容器を形成するための方法であって、
方法が、
a)第1の側縁部及び第2の側縁部を有している本体ブランクを準備するステップと、
b)本体ブランクから管状容器本体を形成するステップであって、管状容器本体が、第1の端部側開口部が形成された第1の端部と、第2の端部側開口部が形成された第2の端部と、板紙製パッケージ容器の高さ方向において第1の端部側開口部と第2の端部側開口部との間に延在している容器本体壁とを有しており、容器本体壁が、内面と外面とを有している、ステップと、
c)本体ブランクの第1の側縁部と第2の側縁部とを共に封止するステップと、
d)板紙製ディスクを第1の端部側開口部に押し込むことによって第1の端部側開口部を閉じるステップであって、板紙製ディスクが、板紙製パッケージ容器の高さ方向において管状容器本体の第1の端部に向かって屈曲された周囲フランジを有しており、板紙製ディスクの周囲フランジが、容器本体壁の内面に密着される、ステップと、
e)管状容器本体の第1の端部をカーリングツールのカール成形部分に押し込むステップであって、カール成形部分が、3つ以上の離隔配置された突起を有するツール内面を備えており、これにより容器本体壁の第1の端部を内側にカールさせ、湾曲した縁部分と内側部分とを具備する第1のカール状縁部を形成し、第1のカール状縁部の内側部分に3つ以上の離隔配置されたインデントを管状容器本体の周囲に沿って設け、インデントが、ツール内面の離隔配置された突起によって形成される、ステップと、
f)板紙製パッケージ容器をバルク固体で充填するステップと、
g)第2の端部側開口部を閉じるステップと、
を備えており、
ステップc)の後に、ステップg)と後続のステップf)とが、交互に実行される、方法に関する。
【0008】
第1のカール状縁部が、カール状の底縁部とされる場合がある。このことは、第1の端部側開口部が底端部側開口部であり、板紙製ディスクが底部ディスクであることを意味する。
【0009】
第1のカール状縁部が、カール状の上側縁部とされる場合がある。このことは、第1の端部側開口部が上側端部側開口部であり、板紙製ディスクが頂部ディスクであることを意味する。
【0010】
安定した上側容器縁部及び/又は底側容器縁部は、輸送及び保管の際にパッケージ容器の積み重ね可能性を高めるために重要である。
【0011】
本発明における板紙製容器を製造するための方法は、カール状縁部の接触面の高さを、すなわち例えば棚等と接触する面の高さを一層下げることができる。従来から知られたカール操作と比較してカール状縁部が鋭く屈曲させて作られているので、カール状縁部は一層特徴的で且つ小型化され、これによりカール状底縁部が汚れたり損傷する危険性が低減される。また、パッケージ容器の安定性も向上される。第1の縁部が上側の端部である場合には、上側縁部が一層特徴的で且つ小型化されるので、縁部の積み重ね可能性及び耐摩耗性が向上する。また、特徴的で且つ小型化された端縁部によって、パッケージ容器の外観が向上する。
【0012】
プラスチック製リムをパッケージ容器の底縁部及び/又は上側縁部に取り付けることによって、プラスチック部品をパッケージ容器に加える代わりに、容器本体壁の底端部/上側端部を内側に折り畳むか又は巻き付けることによってカール状底縁部及び/又は上側縁部を形成することによって、パッケージ容器の底部及び/又は頂部を安定させることができる。これにより、パッケージ容器のリサイクルを困難にするプラスチック製部品が不要となる。しかしながら、本出願の発明者は、従来技術に基づくカール状底縁部及び/又はカール状上側縁部が、比較的剛性が高く厚肉の板紙材料から成る構造をしていることに起因して、理想的な形状に整えられていないことを発見した。さらに、当該発明者は、カール状縁部が適切に整えられていないので、形成後に幾らか復元しようとする傾向を有していることを発見した。
【0013】
カール状縁部を形成する場合に、管状容器本体の第1の端部は、例えばカーリングツールのカール成形部分、例えば周方向トラックに押し込まれる。管状容器本体の第1の端部は、管状容器本体の第1の端部が底面に到達するまでカール成形部分の外面に追従させることによって屈曲し、当該底面の輪郭に追従させることによって内方に屈曲し、ツール内面に接触させつつ自身を折り曲げる。本発明におけるカーリングツールを利用してカール状縁部の内側部分を突起に押圧することによって、カートン構造層の繊維が破断するので、板紙材料の剛性が低下し、カールの制御が一層容易になり、これによりカール状縁部を一層特徴的にすることができる。ツール内面に離隔配置された3つ以上の突起によって、管状容器本体の周囲に沿って離隔配置された3つ以上のインデントが、第1のカール状縁部の内側部分に設けられる。当該インデントは、繊維構造の破断に加えて、カール状縁部の内側部分を平坦にするので、長期間に亘りカール状縁部のカールが戻ることを防止し、整然とカールされたカール状底縁部がパッケージ容器の周囲に形成される。
【0014】
カール成形部分は、4つ以上の離隔配置された突起、又は5つ以上の離隔配置された突起が形成されたツール内面を備えている。カール成形部分は、6つ以上の離隔配置された突起、例えば8~50の離隔配置された突起が形成されたツール内面を備えている。
【0015】
カール成形部分は、U字状のトラックとされ、カール成形部分の外形は、容器本体の第1の端部がカール成形部分に嵌め込まれるように、容器本体の第1の端部と略同一の設置面積を有しており、ツール内面が、カール成形部分の内面とされる。“略同一”との用語は、容器本体の第1の端部の設置面積とカール成形部分の設置面積との間に、及び容器本体の第1の端部の設置面積とカール成形部分の設置面積とに沿って、0mm~3mmの差を許容することを意図している。
【0016】
本発明で利用されるように、板紙材料は、主にセルロース繊維又は紙繊維から作られているシート材料である。シート材料は、連続ウェブの形態で設けられるか、又は個別の材料シートとして設けられる。板紙材料は、単層材料又は多層材料とされ、例えば高分子フィルム、コーティング、及び金属箔のような材料から成る1つ以上の層を具備する積層体とされる。高分子フィルム及び高分子コーティングは、熱可塑性ポリマーを含んでいるか、又は熱可塑性ポリマーから構成されている。板紙材料は、コーティング、印刷、エンボス加工等されており、当該技術分野で知られた充填剤、顔料、結合剤、及び他の添加剤を備えている場合がある。本明細書に開示される板紙材料は、段ボール材料又はカートン材料と呼称される場合がある。
【0017】
ステップc)では、本体ブランクの第1の側縁部及び第2の側縁部の両方が、シールストリップ及び/又は接着若しくは溶着を利用して、第1の側縁部と第2の側縁部に沿った境界領域を封止することによって封止される。また、第1の側縁部及び第2の側縁部の両方が、縁部を重ね合わせ、接着又は溶着を利用することによって封止される場合もある。これら2つの変形例それぞれにおいて、好ましい方法は、縁部の溶着である。溶着は、高周波誘導溶着とされる場合がある。
【0018】
管状容器本体は、角部を介して接続されている3つ以上の壁部分を有するように形成されている。また、管状容器本体は、角部を介して接続されている4つ又は5つの壁部が角部分を有するように形成されている場合がある。壁部分それぞれが、第1のカール状縁部の内側部分に離隔配置された1つ以上のインデントを、例えば第1のカール状縁部の内側部分に離隔配置された2つ、3つ、4つ、又は5つのインデントを備えている。角部には、インデントが配設されていない場合がある。管状容器本体の角部は、湾曲した角部とされる。
【0019】
代替的には、管状容器本体は、円状の断面を有している。管状また、管状容器本体は、略正方形状、略三角状、又は略楕円状の断面を有している場合がある。略正方形状及び略三角状の断面には、湾曲した角部分を有する断面も含まれる。
【0020】
側縁部がシールストリップによって封止されている場合には、好ましくは、当該側縁部は、高周波誘導溶着によって管状容器本体の内面に溶着されている。例えば頂部シール部材、底部ディスク、及び頂部リムのような容器構成要素は、例えば高周波溶着ユニットのような、複合容器の製造の際に構成部品を管状容器本体に固定するように構成されている溶着ユニットを具備する取付ユニットによって取り付けられる。溶着ユニットは、管状容器本体及び/又は取り付けられた容器構成部品の一部分を形成する溶着可能層を軟化又は溶融するための誘導型溶着エネルギ発生器を備えている。また、シールストリップは、管状容器本体の内面に固着状態で取り付けられている場合があり、この場合には、取付ユニットが、接着ユニットを備えている。言うまでもなく、シールストリップは、他の任意の適切な手段によって取り付けられている場合もある。例えば、シールストリップは、アルミニウム層、ポリエチレン層、及びポリエステル層を含む積層フィルムから作られている。
【0021】
板紙製ディスクは、板紙製ディスクの周囲フランジを管状容器本体の内面に溶着することによって管状容器本体に取り付けられる。周囲フランジは、板紙製ディスクの縁部分を板紙製ディスクの平面から折り曲げ、管状容器本体の内面と一致させることによって形成される。板紙製ディスクは、第1の端部をカールさせることによって第2のカール状縁部を形成するために、管状容器本体の第1の端縁から離隔して取り付けられている。
【0022】
ステップe)は、板紙製ディスクの周囲フランジを覆うように、容器本体壁の第2の端部を内方に折り曲げるか又は巻くステップを含んでいる。これにより、第1のカール状縁部の安定性が改善される。カール状縁部の横方向の厚さが増すからである。さらに、カール状縁部の内側部分が周囲フランジを覆って設けられているので、周囲フランジの縁部がカール状縁部によって覆われ、積み重ねられた場合に他のパッケージ容器の底縁部又は上側縁部と干渉しない。従って、板紙製パッケージ容器の積み重ね可能性が改善される。
【0023】
当該方法は、管状容器本体の第2の端部をカーリングツールのカール成形部分に押し込むことによって、容器本体壁の第2の端部を内側にカールさせ、屈曲された縁部分及び内側部分を具備する第2のカール状縁部を形成し、管状容器本体の周囲に沿って離隔配置された3つ以上のインデントを第1のカール状縁部の内側部分に設けるステップh)であって、インデントが、ツール内面の離隔配置された突起によって形成されるステップh)を備えている場合がある。
【0024】
第1のカール状端縁部及び第2のカール状端縁部の両方を具備する板紙製パッケージ容器を形成するための方法については、第1のカール状縁部を形成するステップが、第2のカール状縁部を形成するための方法に関して開示されたすべての特徴を含んでいる。同様に、第2のカール状縁部と第1のカール状縁部との両方を含んでいるパッケージ容器についても、第1のカール状縁部が、第2のカール状縁部に関して開示された特徴のうちすべて又は幾つかの特徴を含んでいる。
【0025】
第2の実施態様では、本発明は、バルク固体のための板紙製パッケージ容器に関する。板紙製パッケージ容器は、上述の方法を利用することによって形成されている。パッケージ容器は、カートン基材層と容器底部と容器蓋とを具備する積層シート材によって作られている管状容器本体を備えている。管状容器本体が、板紙製パッケージ容器の高さ方向において、第1の端部から第2の端部に至るまで延在しており、管状容器本体が、容器本体壁を備えている。容器本体壁が、板紙製パッケージ容器の内側区画に向かって面している内面と、内側区画の反対側に面している外面と、第1の端縁部と、第2の端縁部とを有しており、第1の端部側開口部が、板紙製ディスクによって閉じられている。
板紙製ディスクが、高さ方向において板紙製パッケージ容器の第1の端部に向かって湾曲しており、且つ、容器本体壁の内面に取り付けられている周囲フランジを有している。容器本体壁の第1の端部が、縁部分と内側部分とを具備する第1のカール状縁部を配設するように内側にカールしている。容器本体壁は、管状容器本体の周囲に沿って離隔配置された3つ以上のインデントを備えている第1のカール状縁部の内側部分に位置している。
【0026】
3つ以上のインデントそれぞれの深さは、パッケージ容器の高さ方向に対して垂直な方向で測定すると、カール状縁部のカール成形部分の内面から0.2mm以上、例えば0.5mm以上であり、最大6mmとされる。
【0027】
カール状縁部の内側部分が、高さ方向においてカール状縁部の縁部分とカール状縁部の内側部分の遠位縁部とから測定すると、2mm~30mmの高さを有しており、内側部分の遠位縁部が、本体ブランクの第2の横方向縁部に対応している。
【0028】
管状容器本体は、角部を介して接続されている3つ以上の壁部分を有するように形成されている。管状容器本体は、角部を介して接続されている4つ又は5つの壁部分を有するように形成されている場合がある。壁部分それぞれが、第1のカール状縁部の内側部分に配置された1つ以上の離隔配置されたインデントを、例えば第1のカール状縁部の内側部分に配置された2つ、3つ、4つ又は5つのインデントを備えている。角部は、インデントを備えていなくても良い。管状容器本体の角部は、湾曲した角部とされる。
【0029】
代替的には、管状容器本体は、円状の断面を有している。また、管状容器本体は、略正方形状、略三角状、又は楕円状の断面を有している。
【0030】
第1の端部側開口部が底端部側開口部である場合には、板紙製ディスクが底部ディスクであり、第1のカール状縁部がカール状底縁部である。
【0031】
第1の端部側開口部が上側端部側開口部である場合には、板紙製ディスクが頂部ディスクであり、第1のカール状縁部がカール状上側縁部である。
【0032】
容器本体壁の第2の端部が、縁部分と内側部分とを具備する第2のカール状縁部を形成するように内側にカールされており、第2のカール状縁部の内側部分が、管状容器本体の周囲に沿って離隔配置された3つ以上のインデントを備えている。
【0033】
カール状の上側端部とカール状の底端部との両方を有するのに適したパッケージ容器の一例が、特許文献1に開示されている。特許文献1のパッケージ容器は、蓋を差し込むタイプであって、板紙製頂部ディスクと容器本体壁とから形成されており、容器本体の周方向に沿って少なくとも部分的に周方向に切り込みを入れ、これにより差込蓋を形成する上側部分が分離されるようになっている。
【0034】
本明細書で説明する複合容器は、管状容器本体の頂端部から離隔して管状容器本体の内面に取り付けられた頂部シール部材を備えている。
【0035】
ステップg)において、パッケージ容器には、頂部シール部材が配設される。頂部シール部材は、開閉可能又は剥離可能な頂部シール部材とされる。このことは、頂部シール部材と管状容器本体の内面との間のシールを破ることによって、又は頂部シール部材自体を引き裂くか、さもなければ破断することによって、複合容器の内側区画への最初のアクセスを提供するために、ユーザによって頂部シール部材が完全に又は部分的に取り外し可能であることを意味する。
【0036】
頂部シール部材は、気密性又はガス透過性を有している。気密性を有する頂部シール部材は、例えばアルミニウム箔、シリコン被覆紙、カートン、プラスチックフィルム、又はこれらの積層体のような、封止膜によって境界が形成された区画に気密性シールを付与するのに適した任意の材料又は材料の組み合わせから製造される。気密性を有する頂部シール部材は、複合容器の内容物が空気及び/又は湿気の影響を受け易い場合に特に優位である。
【0037】
頂部シール部材は、頂部シール部材の周囲フランジを管状容器本体の内面に溶着することによって、管状容器本体に取り付けられている。本発明では、通常、頂部シール部材は、積層体から作られている可撓性部材とされ、当該可撓性部材は、例えばアルミニウム箔のような金属箔から成る1つ以上の層のような誘導層と、熱可塑性高分子材料から成る外層とを含んでいる。周囲フランジは、頂部シール部材の縁部分を頂部シール部材の平面から折り曲げ、管状容器本体の内面に一致させることによって形成される。頂部シール部材は、頂部リムを頂部シール部材の上方に取り付けるために、チューブ状本体の上側縁部から離隔して取り付けられる。複合容器がスクープ、リーフレット、又は他の補助的な物品を具備する場合には、頂部シール部材は、頂部シール部材と蓋の内面との間に形成される空間に物品を収容するために、管状容器本体の上側縁部から十分な距離で離隔して取り付けられる。
【0038】
頂部シール部材を管状容器本体の上側端部から又は管状容器本体の底端部から取り付けるか適用するかに依存して、管状容器本体の内面に接合される頂部シール部材のフランジが、容器開口部に向かって上向きに方向づけられるか、又は複合容器の点端部に向かって下向きに方向づけられる。
【0039】
頂部シール部材は、輸送用シールとして構成されており、消費者が複合容器を最初に開封するまでの間、複合容器の内容物を新鮮に保ち且つ汚染から保護するために、開閉可能な蓋に加えて設けられている。
【0040】
剥離可能な頂部シール部材は、通常、頂部シール部材を容易に取り外すために、把持用タブ又は他の把持装置を具備する可撓性箔の形態をとされる。
【0041】
本発明における複合容器の蓋は、蓋部品の一部である場合があり、蓋部品は、頂部リムと蓋部分とを含んでいる。
【0042】
代替的には、蓋は、複合容器を開ける場合に完全に取り外すことができる複合容器の別個の部品、例えば差込式蓋とされる。
【0043】
蓋が蓋部品の一部である場合には、蓋は、ヒンジを介して頂部リムに接続されている。ヒンジは、一体型ヒンジ、すなわち、蓋と頂部リム又はフレーム構造体との間における屈曲可能な接続部とされる。一体型ヒンジは、蓋と及び/又は頂部リム若しくはフレーム構造体と一体的に形成されているか、さもなければ、フレーム構造体が、蓋に及び頂部リム又はフレーム構造に取り付けられている、別体に形成された要素とされる。代替的には、ヒンジは、蓋に配置された第1のヒンジ部分と頂部リム又はフレーム構造体に配置された第2のヒンジ部分とから成る、二分割式ヒンジとされる。
【0044】
本明細書で説明する複合容器は、“バルク固体(bulk solid)”と呼称される場合がある乾燥商品(dry goods)又は湿潤商品(moist goods)のための容器である。このような商品は、缶から注いだり、すくったり、手で取ったりすることができる非液体、一般に粒子状物質である。容器は、当該容器の中身が空になった後に廃棄される使い捨て容器である。
【0045】
“粒子状物質”又は“粒子状製品”は、粒子、顆粒、粉砕物、植物片、短繊維、フレーク、種子、断片当の形態をした任意の物質を広義には含んでいる。本明細書で説明する複合容器で包装するのに適した粒子状製品は、一般に流動性を有する非液状製品であるので、所望の量の包装された製品を複合容器から注ぎ、すくい、又は手で取り出すことができる。
【0046】
本明細書で説明される複合容器は、例えば乳児用粉ミルク、コーヒー、茶、米、小麦粉、砂糖、米、エンドウ豆、豆、レンズ豆、シリアル、スープ粉末、カスタード粉末、パスタ、スナック等のような、消化性製品又は消費性製品のための容器とされる。代替的には、包装製品は、例えばタバコ、洗剤、食器洗い機用粉末、肥料、化学薬品等のような非食物であっても良い。
【0047】
第2の実施態様における板紙製パッケージ容器は、第1の実態様における板紙製パッケージ容器を形成するための方法によって形成される。
【0048】
第3の実施態様では、本発明は、板紙製パッケージ容器にカール状縁部を形成するためのカーリングツールに関する。カーリングツールが、トラックの形態をしたカール成形部分を有しているカール板とされ、カール成形部分が、管状容器本体端部を受容するように構成されている閉ループの形状を有している。カール成形部分が、内面と外面と底面とを有している。カール板が、カール状縁部を形成する場合に板紙製パッケージ容器に面するようになっている第1の主面を有している。カール成形部分が、第1の主面に配設されており、カール成形部分の第1の主面から底面に至る深さを有している。内面が、カール成形部分の周囲に沿って離隔配置されている3つ以上の突起を備えている。
【0049】
突起は、カール状縁部を形成する際にカール成形部分に配設された場合に、パッケージ容器の高さ方向に対して垂直な方向においてカール成形部分の内部に延在する。
【0050】
カール成形部分が、断面図で見ると、容器本体の第1の端部がU字状のトラックに嵌め込まれるように、容器本体の第1の端部と略同一の設置面積を有しているU字状のトラックとされ、ツール内面が、U字状のトラックの内面とされる。
【0051】
カール成形部分が、4つ以上の剥離配置された突起を有するツール内面を備えている。カール成形部分が、6つ以上の隔離配置された突起、例えば8~50の隔離配置された突起を有するツール内面を備えている。
【0052】
3つ以上の突起が、カール成形部分の内面から0.2mm以上突出している。
【0053】
3つ以上の突起が、カール成形部分の内面から0.5mm以上又は1.5mm以上突出している。
【0054】
カール成形部分の深さが、5mm~40mmとされる。
【0055】
カール成形部分の深さが、5mm~30mmとされる。
【0056】
3つ以上の突起が、所定の直径を有しており、隣り合う突起の間隔が少なくとも突起の直径に対応している状態で配置されている。任意には、隣り合う突起の間隔が、5mm~50mmとされる。任意には、隣り合う突起の間隔が、5mm~20mmとされる。
【0057】
任意には、3つ以上の突起が、5mm~20mmの直径を有している。
【0058】
3つ以上の突起が、2mm~10mmの直径を有している。
【0059】
3つ以上の突起が、カール成形部分の周囲に沿ってカール成形ツールに配設されたスタッドによって形成されている。
【0060】
また、3つ以上の突起が、カール成形部分の周方向に沿って、互いに水平に位置合わせされている。
【0061】
第3の実施態様におけるカーリングツールは、第1の実施態様における板紙製パッケージ容器を形成するための方法で利用されるための、及び、第2の実施態様における板紙製パッケージ容器を提供するためのカーリングツールとされる。
【0062】
本発明については、添付図面を参照しつつ、非限定的な実施例によって、以下にさらに説明する。
【図面の簡単な説明】
【0063】
【
図1】カール状縁部を形成する前における管状容器本体及び本発明におけるカーリングツールを表わす。
【
図2】管状容器本体の第1の端部をカーリングツールのカール成形部分に押し込む様子を表わす。
【
図3】カール状縁部を形成するために、容器本体壁の端部を内方にカールさせる様子を表わす。
【
図4】カール状縁部を形成するために、容器本体壁の端部を内方にカールさせる様子を表わす。
【
図5】カール状縁部を形成するために、容器本体壁の端部を内方にカールさせる様子を表わす。
【
図6】本発明におけるカール状縁部を具備するパッケージ容器を表わす。
【
図7】第2のカール状縁部を形成するための任意のステップを表わす。
【発明を実施するための形態】
【0064】
図面は概略的であり、例えば材料層のような個々の構成要素は必ずしも縮尺通りに描かれていないことに留意すべきである。図示のパッケージ容器を形成するための方法におけるステップ及びパッケージ容器は、例示的なものにすぎず、本発明を限定するように解釈すべきではない。従って、本発明の技術的範囲は、特許請求の範囲に定義される技術的範囲のみによって決定される。
【0065】
図1は、管状容器本体2から板紙製パッケージ容器を形成するための方法における一のステップを表わす。管状容器本体2は、第1の端部側開口部4が形成された第1の端部3と、第2の端部側開口部6が形成された第2の端部5と、第1の端部側開口部4と第2の端部側開口部6との間において高さ方向Hに延在している容器本体壁7とを有している。容器本体壁7は、内面8及び外面9と、第1の端縁部10及び第2の端縁部11とを有している。本発明における方法の第1のステップ(図示しない)では、管状容器本体2は、第1の側縁部及び第2の側縁部を有する本体ブランクを準備し、本体ブランクの第1の側縁部及び第2の側縁部を共に封止することによって管状容器本体を形成することによって形成される。第1の端部側開口部4は、板紙製ディスク12を第1の端部側開口部4に押し込むことによって閉じられる(この方法ステップは図示しない)。板紙製ディスク12は、管状容器本体2の高さ方向Hにおいて容器本体2の第1の端部3に向かって屈曲されている周囲フランジ13を有している。板紙製ディスク12の周囲フランジ13は、容器本体壁7の内面8に密着している。
図1では、管状容器本体2は、前壁部分18、後壁部分19、及び2つの側壁部分20,21から成る矩形状の断面を有しており、壁部分18,19,20,21は、湾曲した角部22,23,24,25を介して接続されている。本明細書に記載のように、パッケージ容器の断面は適切であることを条件として任意であることに留意すべきである。
【0066】
さらに、
図1は、板紙製パッケージ容器にカール状縁部14(
図6に表わす)を形成するためのカーリングツール30を表わす。カーリングツール30は、カール成形部分31を有するカール板とされ、カール成形部分31は、管状容器の第1の端縁部3を受容するように構成された閉ループの形状を有しているU字状トラックの形態とされる。
図1では、カール成形部分は、容器本体2の断面形状に一致するように湾曲した縁部分を具備する修正された矩形状の形状を有している。カール成形部分31は、内面32と外面34と湾曲した底面35とを有している。カール板30は、カール状縁部14を形成する際に管状容器本体2に面するように意図された第1の主面36を有している。内面32には、複数の突起33が配設されており、突起33は、内面32からカール成形部分31に突出しており、カール成形部分31の円周に沿って離隔配置されている。カール成形部分31の角部には、突起33が設けられていない。2つの隣接する突起33同士の間隔は、少なくとも突起33の直径φに相当する。突起33それぞれの直径φは、2mmから20mmの範囲とされ、より好ましくは2mmから10mmの範囲とされる。突起33は、U字状トラック31の内面32から1.5mm以上の深さdで突出している。カール成形部分31は、管状容器本体の第1の端部3及び第2の端部5と略同一の設置面積を有している。
図1では、突起33は、カール板30に設けられたスタッドによって、カール成形部分31の周囲に沿って形成されている。
【0067】
図1は、第1の端部側開口部4が封止ディスク12によって閉じられた後のステップを表わす。管状容器本体2とカーリングツール30とは、管状容器本体2の第1の端部3をカール成形部分31に導入するように協働する。
【0068】
図2は、管状容器本体2の第1の端部3がカーリングツール30のU字状トラック31に押し込まれる様子を表わす。管状容器本体2がカーリングツール30に押し込まれた場合に、管状容器本体2の第1の端部3が、カール成形部分31の底面35に向かって押し込まれ、その後に
図3に表わすように湾曲し、湾曲した底面35に追従して折り曲げられる。第1の端部3をカーリングツール30にさらに押し込んだ場合には、
図4及び
図5に表わすように、第1の端部3が完全に屈曲して内側に折れ曲がるので、屈曲した縁部分14a及び内側部分14bを具備する第1のカール状縁部14が形成される。管状容器本体2がカール成形部分31の湾曲した底面35に押し込まれ、内側に折り曲げられた場合には、
図4及び
図5に表わすように、カール状縁部14の内側部分14bが、内面32と離隔配置された突起部33とに対して押圧される。
図4及び
図5では、管状容器本体2の第1の端部3が折り返され、板紙製ディスク12の周囲フランジ13に対して押圧される。任意であるが、板紙製ディスク12は、カール状縁部が自身に折り重なるように、第1の端縁部10に対してより大きな距離で配置されている場合がある。離隔配置された突起33は、カール成形部分31に対して接近及び離隔し、内側部分14bを屈曲した縁部14に対してさらに圧着させる。突起33が板紙材料を押圧し、カートン構造層を変形させることによって、板紙材料の剛性が低下するので、カール状縁部14は、嵩張らず、より独特な形状となる。また、突起33は、板紙材料をカール方向に対して垂直に破断させるので、板紙材料が元に戻りにくくなり、カールを所望の形状に定めることができる。
【0069】
図6は、第1のカール状縁部14を形成した後における管状容器本体2を表わす。管状容器本体2の周囲に沿って、第1のカール状縁部14の内側部分14bには、離隔配置されたインデント15が設けられている。インデント15の深さd(
図1に表わす)は、例えば0.2mm~6mmの範囲とされる。管状容器本体2の第1の端部3における角部23,24,25には、インデント15が形成されていない。そうではなく、これら角部にインデント15が形成されていると、角部23,24,25における材料の折り畳みが嵩張り、滑らかさが損なわれる。カール成形部分31は、5mmから40mmの深さd
t、例えば10mmから30mmの深さd
tを有している。
【0070】
図示しない後続のステップでは、第2の端部側開口部が上方に向けられ、パッケージ容器がバルク固体で充填されるように、管状容器本体を回転させる。任意であるが、パッケージ容器は、容器本体壁の内面に取り付けられている部分的又は完全に取り外し可能な輸送用閉鎖体によって、第2の端部側開口部を覆って密封される場合がある。
【0071】
図7は、第2のカール状縁部を具備するパッケージ容器を形成するための任意のステップを表わす。当該ステップを実施する前に、第2の端部側開口部6は、板紙製パッケージ容器1の第2の端部5に向かって屈曲された周囲フランジ40を有している板紙製ディスク39によって、管状容器本体2の第2の端部で閉じられている。当該任意のステップでは、管状容器本体2の第2の端部5が上方に向けられ、カール板30の第1の主面36に向かって案内されるので、第1のカール状縁部14を形成する場合と同様に、離隔配置された突起33を具備するカール成形部分31に第2の端部5を導入することによって、第1のカール状縁部14と同様に、インデント41を具備する第2のカール状縁部38が形成される。
【0072】
図8は、
図1~
図7に示す方法に従って製造された、本発明におけるバルク固体のための板紙製パッケージ容器1を表わす。パッケージ容器1は、カートン基材層を具備する積層シート材によって作られている管状容器本体2と、容器底部16と、容器蓋17とを備えている。管状容器本体2は、パッケージ容器1の高さ方向Hにおいて、底端部に対応する第1の端部3から上側端部に対応する第2の端部5に至るまで延在している。本発明におけるパッケージ容器では、第1の端部は、パッケージ容器の上側端部又は下側端部に対応する。
【0073】
管状容器本体2は、容器本体壁7を備えており、容器本体壁7は、パッケージ容器1の内側区画に向かって面している内面8と、当該内側区画の反対側に面している外面9とを有している。パッケージ容器の蓋17は、差込式蓋である。蓋17は、容器本体当接縁部29に当接するように構成された蓋当接縁部28を有している外周蓋カラー27と、蓋差込部分37とを備えている。このようなタイプの蓋の一例が、国際公報第2017/180056号に開示されている。このようなパッケージ容器では、容器開口部が、上側板紙製ディスク39によって閉じられる。上側板紙製ディスク39と管状容器本体2とは、差込式蓋の一部分を構成している。従って、管状容器本体2の第2の端部5は、パッケージ容器1の上側端部を形成しており、第2のカール状縁部38は、第2のカール状縁部38の内側部分38bにインデント41を備え、これにより、特徴的な第2の屈曲した縁部38aを形成している。
【0074】
パッケージ容器は、任意の適切な種類の蓋を備えている。蓋は、容器本体に永久的に接続される必要は無く、取外式とされる。
図2に表わす閉鎖機構に限定される訳ではないこと、及び、本明細書に記載の底端部がパッケージ容器を開閉するための例えば蓋が補剛リムと又は容器本体のフレーム構造体と協働する他のタイプの閉鎖機構を有しているパッケージ容器のために利用されることに留意すべきである。蓋は、蓋構成要素の一部分として設けられている場合がある。蓋構成要素は、蓋がヒンジを介して接続されているリムを備えている。リムは、容器本体に取り付けられており、容器開口部を安定させる。蓋構成要素は、当該技術分野では知られているように、例えば蓋を閉位置に維持するためのロック手段、不正開封防止手段、スタッキング手段のような機能を備えている場合がある。蓋構成要素は、一般に、熱可塑性材料の射出成形によって形成されている。
【符号の説明】
【0075】
1 パッケージ容器
2 管状容器本体
3 第1の端部
4 第1の端部側開口部
5 第2の端部
6 第2の端部側開口部
7 容器本体壁
8 内面
9 外面
10 第1の端縁部
11 第2の端縁部
12 板紙製ディスク
13 周囲フランジ
14 カール状縁部
14a 縁部分
14b 内側部分
15 インデント
16 容器底部
17 容器蓋
18 前壁部分
19 後壁部分
20 側壁部分
21 側壁部分
22 角部
23 角部
24 角部
25 角部
27 外周蓋カラー
28 蓋当接縁部
29 容器本体当接縁部
30 カーリングツール
31 カール成形部分
32 内面
33 突起
34 外面
35 底面
36 第1の主面
37 蓋差込部分
38 第2のカール状縁部
38a 第2の屈曲した縁部
38b 内側部分
39 上側板紙製ディスク
H 高さ方向
【国際調査報告】