(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-02-15
(54)【発明の名称】電極ベルト、電極構造、給電線及び電気インピーダンスイメージング装置
(51)【国際特許分類】
A61B 5/0536 20210101AFI20230208BHJP
【FI】
A61B5/0536
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022535750
(86)(22)【出願日】2020-01-21
(85)【翻訳文提出日】2022-06-10
(86)【国際出願番号】 CN2020073352
(87)【国際公開番号】W WO2021114463
(87)【国際公開日】2021-06-17
(31)【優先権主張番号】201911258539.6
(32)【優先日】2019-12-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】521441032
【氏名又は名称】北京華睿博視医学影像技術有限公司
【氏名又は名称原語表記】BEIJING HUARUI BOSHI MEDICAL IMAGING TECHNOLOGY CO., LTD.
【住所又は居所原語表記】Building 10, 2nd Floor, Room 213 No.9 Tianfu Street, Daxing District Beijing 102609 China
(74)【代理人】
【識別番号】110002000
【氏名又は名称】弁理士法人栄光事務所
(72)【発明者】
【氏名】林 智超
(72)【発明者】
【氏名】張 ▲キン▼
(72)【発明者】
【氏名】于 洋
【テーマコード(参考)】
4C127
【Fターム(参考)】
4C127AA06
4C127LL13
(57)【要約】
電極ベルト、電極構造、給電線及び電気インピーダンスイメージング装置を提供し、電極ベルトは、弾性を有し、対向配置された第1の面(11)と第2の面(12)を有するベルト(1)と、電極(4)は、いくつかを有し、前記第1の面(11)に固定され、前記ベルト(1)を貫通して前記第2の面(12)に露出する凸型スナップ(43)を有し、前記凸型スナップ(43)は前記電極(4)と電気的に接続されること、本発明の電極ベルトは構造が簡単で、コストが安く、電極を被測定対象の体に迅速かつ便利に固定でき、固定効率が高い。また、電極ベルトは弾性を有し、電極ベルトが被測定対象の胸腔週辺に固定されると、ベルトの弾性力が電極に対する押圧力に変換され、電極と胸腔皮膚の間に良好な接触を保つことができる。電極ベルトと給電線は凸型スナップ、凸型スナップ構造の別体設置を通じて、電極ベルトの設計を簡略化し、給電線を繰り返し、使用できるようにし、電極ベルトの交換コストを下げられた。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電極ベルトであって、
弾性を有し、且つ対向配置された第1の面(11)と第2の面(12)とを有するベルト(1)と、
前記第1の面(11)に固定され、前記ベルト(1)を貫通して前記第2の面(12)に露出する凸型スナップ(43)を有し、前記凸型スナップ(43)と電気的に接続されているいくつかの電極(4)と、を含むことを特徴とする、
電極ベルト。
【請求項2】
前記ベルト(1)は、弾性織物、弾性シリカゲル、弾性ベルトのうちの1つまたは少なくとも2つの組み合わせであることを特徴とする、
請求項1記載の電極ベルト。
【請求項3】
前記電極(4)は、前記ベルト(1)の長手方向に沿って、前記第1の面(11)に均一または不均一に配置し、且つ少なくとも1行の配置がなされていることを特徴とする、
請求項1に記載の電極ベルト。
【請求項4】
前記第1の面(11)に設けられる第1の接続構造(2)と、
前記第2の面(12)に設けられ、前記第1の接続構造(2)と取り外し可能で、接続可能な第2の接続構造(3)と、をさらに含むことを特徴とする、
請求項1に記載の電極ベルト。
【請求項5】
請求項1~4のいずれか1項に記載の電極ベルトに適用可能な電極構造であって、
軟性プリント回路層(41)と、
少なくとも1層であり、前記軟性プリント回路層(41)の天面及び底面に、或いは天面または底面に貼り合わせて、内芯層を形成させる銅箔層(42)と、
前記内芯層の最外層銅箔層(42)と接触接続される凸型スナップ(43)と、
前記内芯層を被覆し、かつ前記凸型スナップ(43)を露出させる導電性シリカゲル(44)と、を含むことを特徴とする、
電極構造。
【請求項6】
前記銅箔層(42)は2層であり、
前記軟性プリント回路層(41)の天面と底面にそれぞれ貼り合わされていることを特徴とする、
請求項5に記載の電極構造。
【請求項7】
前記内芯層にはいくつかのスルーホール(45)が設けられ、
前記導電性シリカゲル(44)が液体に溶融した後、前記内芯層を鋳造方式で被覆させることを特徴とする、
請求項5に記載の電極構造。
【請求項8】
前記導電性シリカゲル(44)は、前記内芯層外周の外側に位置する部分があり、
糸を用いて前記ベルト(1)と該部分の導電性シリカゲル(44)を貫通させることにより、前記電極(4)を前記ベルト(1)に固定させることを特徴とする、
請求項5~7のいずれか1項に記載の電極構造。
【請求項9】
電極給電線(5)を含み、一端が電気インピーダンスイメージング端末(6)と電気的に接続させるのに適し、他端にいくつかの電極インタフェース(521)が設けられており、
前記電極インタフェース(521)には凹型スナップ(50)が設けられており、
前記凹型スナップ50は、電気的接続を実現できるように、請求項1~8のいずれか1項に記載の凸型スナップ(43)と連結させるのに適していることを特徴する、
給電線。
【請求項10】
前記電極給電線(5)は、
一端が前記電気インピーダンスイメージング端末(6)と接続されるのに適し、他端が拡張して2つのサブインタフェース(511)に分けられるI型給電線(51)と、
一端が前記サブインタフェース(511)に接続され、他端が拡張して2つのセグメントに分けられ、各セグメントには少なくとも1つの電極インタフェース(521)が設けられ、前記電極インタフェース(521)には前記凹型スナップ(50)が設けられている2つのII型給電線(52)と、を含むことを特徴とする、
請求項9に記載の給電線。
【請求項11】
電極ベルト、給電線、及び電気インピーダンスイメージング端末(6)を含む電気インピーダンスイメージング装置であって、
前記電極ベルトは、請求項1~8のいずれか1項に記載の電極ベルトであり、
前記給電線は、請求項9~10のいずれか1項に記載の給電線である、ことを特徴とする、電気インピーダンスイメージング装置。
【請求項12】
前記電極ベルトにおける電極(4)は、請求項5~8のいずれか1項に記載の電極構造を採用することを特徴とする、
請求項11に記載の電気インピーダンスイメージング装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参考
本出願は、出願日2019年12月10日であり、出願番号「201911258539.6」であり、発明の名称は「電極ベルト、電極構造、給電線及び電気インピーダンスイメージング装置」であり、当出願内容につきましては中国発明特許出願の優先権を有することを主張する。ここでは文献の引用を通じて、その内容を完全に組み入れることにする。
【0002】
本発明は生物医学電気インピーダンスイメージング技術分野に属し、より具体的には、電極ベルト、電極構造、給電線及び電気インピーダンスイメージング装置に関わるものである。
【背景技術】
【0003】
電気インピーダンストモグラフィー(Electrical Impedance Tomography;EIT)は、測定された生体器官・組織の電気インピーダンス特性を利用して、イメージングする技術である。生体内(胸腔内など)の各組織器官の電気インピーダンス特性の差は著しく、電気インピーダンスイメージング技術を利用して再構成された画像は高いコントラスト度を持っている。電気インピーダンスイメージングは解析度が高く、コストが安く、設備が軽く、放射線がなく、非侵入性を有することなどの利点があるため、幅広い応用性と将来性がある。
【0004】
生物医学的インピーダンスイメージングを行うためには、被測定対象の体の周囲に一定数の電極(例えば16個)を配置する必要があり、そして、そのうち、隣接する2つの電極に電子励起を交互して引き起こし、残りの各電極間の電位差を測定することによって、画像再構成用のデータを得る必要がる。そのため、電極は簡単な方法で被測定対象の体の周りに配置でき、体との接触が良好であることが好ましい。
【0005】
現在、電極を被測定対象の体に固定する方法は2種類ある。1つは人工的に16個の電極を被測定対象の体の周囲に一個ずつ固定することである。この固定手段には、電極の貼り付け過程が煩雑で、電極の均一な分布を確保できず、且つ電極給電線が複雑であることなどの欠点がある。もう一つはベルトを利用して、16個の電極をまずベルトに固定し、そして、ベルトを被測定対象の体の周りに固定する方法である。このような固定手段には、ベルトの弾性が悪く、電極と生物組織の間では常に良好な接触を維持することが困難であり、電極給電線が複雑且つ操作が不便で、被測定対象の大きさによってベルトの長さを調整する必要があり、そして、コストが高いという欠点がある。
【発明の概要】
【0006】
そこで、本発明が解決しようとする技術的課題は、上記技術的欠陥を克服し、電極を被測定対象の体の周囲により簡便に固定でき、且つ固定手段が簡単であり、電極と生体組織の間は常に良好な接触を保つことができる電極ベルトを提供することにある。
【0007】
本発明は、また、上記電極ベルトに応用できる電極構造を提供する。
【0008】
本発明は、また、上記電極ベルトと組み合わせて使用される給電線を提供する。
【0009】
本発明は、また、上述の電極ベルトと給電線とを含む電気インピーダンスイメージング装置を提供する。
【0010】
そのため、本発明は電極ベルトであって、
弾性を有し、且つ対向配置された第1の面と第2の面とを有するベルトと、
前記第1の面に固定され、前記ベルトを貫通して前記第2の面に露出する凸型スナップを有し、前記凸型スナップと電気的に接続されているいくつかの電極と、を含む、電極ベルトを提供する。
【0011】
好ましい態様として、前記ベルトは、弾性織物、弾性シリカゲル、弾性ベルトのうちの1つまたは少なくとも2つの組み合わせである。
【0012】
好ましい態様として、前記電極は、前記ベルトの長手方向に沿って、前記第1の面に均一または不均一に配置し、且つ少なくとも1行配置する案がる。
【0013】
好ましい態様としては、
第1の接続構造を前記第1の面に設置すること、
第2の接続構造を前記第2の面に設置し、且つ前記第1の接続構造と接続及び取り外し可能な構造を有する。
【0014】
本発明は、また、1種の電極構造を提供し、上述すべての電極ベルトにおいて、任意の電極ベルトに応用可能であって、
そして、軟性プリント回路層と、
少なくとも1層の銅箔があり、前記軟性プリント回路層の天面と底面に、或いは天面または底面に、貼り合わせて内芯層を形成させることと、
凸型スナップは前記内芯層の最外層銅箔層と接続させることと、
前記内芯層を導電性シリカゲルで被覆させ、且つ前記の凸型スナップを露出させることと、を含む。
【0015】
好ましい態様として、前記銅箔層を2層とし、前記軟性プリント回路層の天面と底面にそれぞれ貼り合わせる。
【0016】
好ましい態様として、前記内芯層にはいくつかのスルーホールを設け、前記導電性シリカゲルが液体に溶融した後、前記内芯層を鋳造方式で被覆させる。
【0017】
好ましい態様として、前記導電性シリカゲルは、前記内芯層外周の外側に位置する部分があり、糸を用いて前記ベルトと該部分の導電性シリカゲルを貫通して、前記電極を前記ベルトに固定する。
【0018】
本発明は、また、一端が電気インピーダンスイメージング端末と電気的に接続されるのに適し、他端にいくつかの電極インタフェースが設けられている電極給電線を含み、前記電極インタフェースには凹型スナップが設けられ、前記凹型スナップは電気的接続を実現出来るように、前記いずれかの凸型スナップと連結させるのに適している給電線を提供する。
【0019】
好ましい態様として、電極給電線は、
一端が前記電気インピーダンスイメージング端末と接続されるのに適し、他端が拡張して、2つのサブインタフェースに分けられるI型給電線と、
一端が前記サブインタフェースに接続され、他端が拡張して、2つのセグメントに分けられ、各セグメントには少なくとも1つの電極インタフェースが設けられ、前記電極インタフェースには前記凹型スナップが設けられている2つのII型給電線と、を含む。
【0020】
本発明は、また、電極ベルト、給電線及び電気インピーダンスイメージング端末を含む電気インピーダンスイメージング装置であって、前記電極ベルトは前記すべての電極ベルトにおいて、任意一つの電極ベルトであり、前記給電線は前記すべての給電線において、任意一つの給電線であることを特徴とする電気インピーダンスイメージング装置を提供する。
【0021】
好ましい態様として、前記電極ベルトにおける電極は、前記電極構造のいずれかを採用する。
【0022】
本発明が提供する技術案は、以下の利点を有する。
【0023】
1.本発明の電極ベルトは、ベルトと電極を含み、ベルトは弾性を有し、対向して配置された第1の面と第2の面を有し、電極は第1の面に固定され、凸型スナップを有し、凸型スナップは前記第1の面に向かってベルトを貫通して、第2の面から露出し、給電線と電気的に接続する。本発明の電極ベルトは、1)構造が簡単で、コストが安く、電極を被測定対象の体に迅速かつ便利に固定でき、固定効率が高い;2)ベルトは弾性を有し、電極ベルトが被測定対象の胸腔の周囲に固定されたとき、ベルトの弾性力は電極に対する押圧力に変換され、電極と胸腔皮膚の間に良好な接触を保つことができ、しかも弾性のベルトも被測定対象の呼吸運動によく適応でき、胸腔の長時間監視、リアルタイムイメージングについては利便性を有している。ベルト材料の適切な弾性は、胸腔周りにおける電極の均一な分布及び各電極が同一の断層表面に位置することを保証し、これは図形再生モデルの構築に非常に有利である。3)電極ベルトと給電線は凸型スナップと凹型スナップの構造によって分体設置され、給電線は電極ベルト内での設置を避けられ、電極ベルトの設計を簡略化し、給電線の繰り返し使用が可能であり、電極ベルトの交換コストを下げられ、異なる患者が電極ベルトを使用する際に衛生状況の改善にも役に立つことである。
【0024】
2.本発明の電極ベルトは、電極がベルトの第1の面の上に均一または非均一に配置し、少なくとも1行を配置し、異なる場合の使用を容易にすることができる。
【0025】
3.本発明の電極ベルトは、第1の面に第1の接続構造が設けられ、第2の面に第2の接続構造が設けられ、第1の接続構造と第2の接続構造は取り外し可能な接続構造を有している。被測定対象の胸腔に電極ベルトを固定すると、第1の接続構造と第2の接続構造が協調して接続させられ、電極ベルトを測定対象の体に迅速に固定することができる。
【0026】
4.本発明が提供する電極構造は、軟性プリント回路層、銅箔層、凸型スナップ、導電性シリカゲルを含む。軟性プリント回路層、銅箔層、導電性シリカゲルはいずれも柔軟性があり、変形させ易く、電極ベルトを測定対象の体に固定する場合、電極構造はフレキシブルに体の輪郭に貼り付けることができ、接触面積が大きく、接触効果が高い。凸型スナップは、ベルトを貫通して給電線の凹型スナップと連結させるのに便利である。
【0027】
5.本発明が提供する電極構造は、軟性プリント回路層と銅箔層から形成された内芯層の上に、いくつかのスルーホールを有し、導電性シリカゲルが液体に溶融した後、鋳造方式で内芯層を被覆させ、本発明の電極構造を形成させ、この構造は導電能力が優れ、接触面積が大きく、層の分離が発生しにくい。
【0028】
6.本発明に基づいて提供する電極構造については、導電性シリカゲルが内芯層外周の外側に位置する部分があり、当該部分の導電性シリカゲルと糸透過ベルトを用いて、電極をベルトに固定するものである。糸の固定手段について、固定がしっかりしており、環境にも優しく安全である。
【0029】
7.本発明が提供する給電線は、電極給電線を含み、電極給電線の一端は電気インピーダンスイメージング端末と電気的に接続され、他端にはいくつかの電極インタフェースが設けられ、前記電極インタフェースには凹型スナップが設けられ、凹型スナップは電気的接続を実現出来るように、上述の凸型スナップと連結させるのに適している。本発明の給電線と電極ベルトの別体の設置は、何度も使用でき、電極ベルトの交換後、給電線は引き続き使用可能であり、コストの低減が実現されている。
【0030】
8.本発明の給電線には、主線はI型給電線とII型給電線を含み、I型給電線の一端は電気インピーダンスイメージング端末と接続するのに適し、他端は拡張して2つのサブインタフェースに分けられている。II型給電線は2つ存在しており、一端は前記サブインタフェースに接続され、他端は拡張して2つのセグメントに分けられ、各セグメントには少なくとも1つの電極インタフェースが設置され、前記電極インタフェースには前記凸型スナップが設置されている。この構造設計は、構造が簡単で、収納が便利で、長さの調整が柔軟で、電極ベルトと接続させる際にはより簡易にできる。
電極ベルトが測定対象の体に固定されている場合、2つのII型給電線を凸型スナップ、凹型スナップを介して電極ベルトに連結させられ、作業者はいつでも、I型給電線とII型給電線を分離または再接続することができ、測定対象の体から、給電線の複数回の着脱作業を避けることができる。
【0031】
9.本発明はまた、電気インピーダンスイメージング装置を提供し、電極ベルト、給電線及び電気インピーダンスイメージング端末を含む。電極ベルトは上述の電極ベルトを採用し、給電線は上述の給電線を採用する。上述の電極ベルトと給電線を採用しているため、上述の電極ベルトと給電線を採用することによるすべての利点がもたらされている。
【0032】
10.本発明の電気インピーダンスイメージング装置には電極ベルトにおける電極が上述の電極構造を採用している。上記の電極構造を採用しているため、上記の電極構造を採用することによるすべての利点がもたらされている。
【0033】
従来技術または本発明の具体的な実施形態における技術案をより明確に説明するために以下、従来技術または具体的な実施形態の説明に使用される図面を簡単に紹介する。
【図面の簡単な説明】
【0034】
【
図6】II型給電線と電極ベルト裏面の接続図式である。
【
図7】電極の作製過程及び電極をベルトに縫い付ける原理を示す図式である。
【
図8】電気インピーダンスイメージングシステムの動作図式である。
【
図9】上蓋とベルトに縫い付けられた凸型スナップを組み立て時の構造図式である。
【発明を実施するための形態】
【0035】
以下、本発明の技術案について、明細書添付図面に照らし合わせて詳細に説明する。
【0036】
実施例1
本実施形態は、
図1~3に示すように、弾性を有し、対向配置された第1の面11と第2の面12とを有するベルト1と、前記第1の面11に固定され、前記ベルト1を貫通して前記第2の面12に露出する凸型スナップ43を有し、前記凸型スナップ43と電気的に接続されているいくつかの電極4を含む。
【0037】
前記ベルト1は弾性織物であり、変形設計案として、弾性シリカゲル、弾性ベルト、ゴムベルトのうちの1つまたは少なくとも2つの組み合わせによるものである。
【0038】
ベルト1の長手方向に沿って、前記電極4は、前記第1の面11に均一に配置し、且つ一行の配置がなされている。実際の必要に応じて、電極4を第1の面11に不均一に配置させ、少なくとも1行を配置させる必要がある。
【0039】
前記第1の面11に設けられた第1の接続構造2と、第2の面12に設けられた第2の接続構造3をさらに含み、第1の接続構造2との取り外しが可能に接続されている。
【0040】
本実施において、第1の接続構造2はマジックフック面であり、第2の接続構造3はマジックペースト面であり、両者も互換可能であり、他の取り外し可能な接続構造を採用してもよい。
【0041】
具体的には、本実施例は、電気インピーダンスイメージングの電極ベルトに16個の電極が実装されており、ベルト1上に均一に分布させるために用いられる。電極給電線の一端から拡張した16個の電極インタフェースが電極ベルトにおける16個の電極と接続するために用いられ、電極インタフェースと電極はスナップ式の接続を採用している(すなわち、凸型スナップ43と凹型スナップ50)。
【0042】
本実施例の電極ベルトは、1)構造が簡単で、コストが安く、電極4を被測定対象の体に迅速かつ便利に固定でき、固定作業の効率が高い。2)ベルト1は弾性を有し、電極ベルトが被測定対象の胸腔の周囲に固定されたとき、ベルト1の弾性力は電極4に対する押圧力に変換され、電極4と胸腔皮膚の間に良好な接触を保つことができ、しかも弾性のベルト1も被測定対象の呼吸運動によく適応でき、胸腔の長時間監視、リアルタイムイメージングに役に立つことである。ベルト1材料の適切な弾性は、胸腔周りにおける電極4の均一分布及び各電極4が同一の断層表面に位置することを保証し、これは図形再生モデルの構築に非常に役に立つことである。3)電極ベルトと給電線は凸型スナップ43、凹型スナップ50の構造によって分体設置され、給電線の電極ベルト内設置が避けられ、電極ベルトの設計を簡略化し、給電線の繰り返し使用が可能であり、電極ベルトの交換コストを低減させ、異なる患者が電極ベルトを使用する際に衛生状況の改善にも役に立っている。
【0043】
実施例2
本実施例は、実施例1に記載の電極ベルトに適用できる電極構造を提供し、
図7に示されているように、軟性プリント回路層41と、2層を有し、前記軟性プリント回路層41の天面と底面に貼り合わせて、内芯層を形成する銅箔層42と、前記内芯層の最外層銅箔層42に接触接続するつと凸型スナップ43と、前記内芯層を被覆し、且つ前記凸型スナップ43を露出させる導電性シリカゲル44を含む。
【0044】
変形設計案として、銅箔層42は、1層または2層以上であってもよく、前記軟性プリント回路層41の天面と底面に或いは天面または底面にそれぞれ貼り合わせられている。
【0045】
具体的には、軟性プリント回路層41と銅箔層42とは、熱プレス方式で貼り合わせられている。
【0046】
本実施例の電極構造について、軟性プリント回路層41、銅箔層42及び導電性シリカゲル44がいずれもフレキシブルであり、優れる塑性を有しており、電極ベルトを被測定対象の体に固定すると、電極構造が身体輪郭にフレキシブルに貼り合わせられ、接触面積が大きく、接触効果が好ましい。凸型スナップ43は、ベルト1を挿通して給電線の凹型スナップ50と連結させるのに便利である。
【0047】
前記内芯層にはいくつかのスルーホール45が設けられ、前記導電性シリカゲル44は液体に溶融した後、前記内芯層を鋳造方式で被覆させ、本実施例の電極構造を形成させ、この構造は導電能力が優れ、接触面積が大きく、層の分離が発生しにくい。
【0048】
図7に示されているように、前記導電性シリカゲル44は、前記内芯層外周の外側に位置する部分があり、糸を用いて、前記ベルト1と該部分導電性シリカゲル44を貫通させることにより、前記電極4を前記ベルト1に固定させられる。
【0049】
本実施例では、導電性シリカゲル44は最終的に長方形に成形され、当分野の技術担当者が実際の必要に応じて、導電性シリカゲル44を円形、正方形または他の形状に成形させることもできる。
【0050】
前記凸型スナップ43は、シート状基層4311と前記シート状基層4311に設けられた柱状体4312を含む凸型スナップ座431と、スナップ溝4321と、前記スナップ溝4321に対向する凸型スナップ支柱4322を含む上蓋432を含む。前記柱状体4312が前記ベルト1を貫通した後、前記スナップ溝4321は前記柱状体4312に着脱可能に連結させ、前記凸型スナップ支柱4322は露出させる。
【0051】
凸型スナップ43は、従来技術で利用可能な他の任意の構造を使用することもできる。
【0052】
実施例3
本実施形態は、
図4、5、6、8に示されているように、電極給電線5を含み、一端が電気インピーダンスイメージング端末6と電気的に接続させるのに適し、他端にいくつかの電極インタフェース521が設けられており、前記電極インタフェース521には凹型スナップ50を設けられている。前記凹型スナップ50は、電気的接続を実現できるように、実施例1または2に記載の凸型スナップ43と連結させるのに適合の給電線を提供する。
【0053】
好ましい態様として、前記電極給電線5は、一端が前記電気インピーダンスイメージング端末6と電気的に接続させるのに適し、他端が拡張して2つのサブインタフェース511に分けられるI型給電線51と、一端が前記サブインタフェース511に接続され、他端が拡張して2つのセグメントに分けられ、各セグメントには4つの電極インタフェース521が設けられ、前記電極インタフェース521には前記凹型スナップ50が設けられている2つのII型給電線52を含む。
【0054】
本実施例の給電線は、電極ベルトが測定対象の体に固定されているとき、2つのII型給電線52を凸型スナップ43、凹型スナップ50を介して、電極ベルトに連結させ、作業者はいつでもI型給電線51とII型給電線52を分離または再接続することができ、測定対象の体から、給電線の複数回の着脱作業を避けることができる。
【0055】
実施例4
本実施例は、実施例1で説明した電極ベルトと、実施例3で説明した給電線と、電気インピーダンスイメージング端末6を含む電気インピーダンスイメージング装置を提供する。
【0056】
上記実施形態における電極ベルトと給電線を採用したため、上記電極ベルトと給電線を採用することによるすべての利点がもたらされている。
【0057】
好ましい態様として、前記電極ベルトにおける電極4には、実施例2に記載の電極構造を採用する。上記の電極構造を採用したため、上記の電極構造を採用することによるすべての利点がもたらされている。
【0058】
上述の諸実施形態は、実施形態に対して限定されるものではなく、行われた例を明確に説明するためのものであることは明らかである。所属分野の一般技術者にとっては、上記の説明に加えて、他の異なる形式の変化や変動を行うことも可能である。ここでは、すべての実施形態を網羅して説明することが困難であり、そして、すべての実施形態を逐一的に列挙する必要もない。また、本開示によって、引き起こされた明らかな変化または変動は、本発明と本意匠の権利保護範囲内に含まれる。
【符号の説明】
【0059】
1 ベルト
11 第1の面
12 第2の面
2 第1の接続構造
3 第2の接続構造
4 電極
41 軟性プリント回路層
42 銅箔層
43 凸型スナップ
431 凸型スナップ座
4311 シート状基層
4312 柱状体
432 上蓋
4321 スナップ溝
4322 凸型スナップ支柱
44 導電性シリカゲル
45 スルーホール
5 メインライン
50 凹型スナップ
51 I型給電線
511 サブインタフェース
52 II型給電線
521 電極インタフェース
6 電気インピーダンスイメージング端末
【国際調査報告】