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特表2023-506239ハイブリッドエネルギー管理における自律的モニタリング及びリカバリのためのシステム及び方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-02-15
(54)【発明の名称】ハイブリッドエネルギー管理における自律的モニタリング及びリカバリのためのシステム及び方法
(51)【国際特許分類】
   H04L 69/08 20220101AFI20230208BHJP
   H02J 3/38 20060101ALI20230208BHJP
   H02J 3/32 20060101ALI20230208BHJP
   H02J 7/35 20060101ALI20230208BHJP
【FI】
H04L69/08
H02J3/38 130
H02J3/38 160
H02J3/32
H02J7/35 K
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022536508
(86)(22)【出願日】2020-12-04
(85)【翻訳文提出日】2022-07-22
(86)【国際出願番号】 US2020063372
(87)【国際公開番号】W WO2021118886
(87)【国際公開日】2021-06-17
(31)【優先権主張番号】62/947,797
(32)【優先日】2019-12-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.ウィンドウズ
2.リナックス
3.BLUETOOTH
4.ZIGBEE
5.JAVASCRIPT
(71)【出願人】
【識別番号】522232673
【氏名又は名称】アイエイチアイ テラサン ソリューションズ インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100079108
【弁理士】
【氏名又は名称】稲葉 良幸
(74)【代理人】
【識別番号】100109346
【弁理士】
【氏名又は名称】大貫 敏史
(74)【代理人】
【識別番号】100117189
【弁理士】
【氏名又は名称】江口 昭彦
(74)【代理人】
【識別番号】100134120
【弁理士】
【氏名又は名称】内藤 和彦
(72)【発明者】
【氏名】オバー,ブライアン
(72)【発明者】
【氏名】ドハティ,トリスタン
(72)【発明者】
【氏名】クレーン,セルゲイ
【テーマコード(参考)】
5G066
5G503
【Fターム(参考)】
5G066HA13
5G066HB01
5G066HB02
5G066HB06
5G066HB08
5G066HB09
5G066JB03
5G503AA01
5G503AA06
5G503AA07
5G503BA02
5G503BB01
5G503DA07
5G503GD06
(57)【要約】
方法が、エネルギー供給システムと関連する複数のアセットの第1のアセットに動作可能に結合され関連付けられた翻訳エンジンにおいて、動作データを表す信号を第1のアセットから受信することを含む。方法はまた、翻訳エンジンを介して、動作データを第1のプロトコルから第2のプロトコルに翻訳することによって、第1の修正動作データを生成することを含む。方法はまた、翻訳エンジンを介して、第1の修正動作データのデータラベル、測定単位、又は値のうちの少なくとも1つを第1のデータ型から第2のデータ型に翻訳して、第2の修正動作データを生成することを含む。方法はさらに、ユーザがアクセス可能なリポジトリに第2の修正動作データを記憶させるための信号を送信することを含む。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1のプロトコルを有し、第1のデータ型を有するデータを生成する第1のアセットに動作可能に結合され関連付けられた第1の翻訳エンジンと、
前記第1のプロトコルと異なる第2のプロトコルを有し、前記第1のデータ型と異なる第2のデータ型を有するデータを生成する第2のアセットに動作可能に結合され関連付けられた第2の翻訳エンジンと、
を備えたシステムであって、
前記第1の翻訳エンジンが、動作時に、
前記第1のデータ型の第1のデータを表す信号を、前記第1のアセットから受信し、
前記第1のデータを前記第1のプロトコルから第3のプロトコルに翻訳し、
前記第1のデータのラベル又は値のうちの少なくとも1つを前記第1のデータ型から翻訳して、第1の変換データを生成し、
前記第1のアセットと前記第2のアセットとの関係を表す少なくとも1つの意味ラベルの第1のセットを前記第1の変換データに追加し、
ユーザがアクセス可能なリポジトリに前記第1の変換データを記憶させるための信号を送信し、
前記第2の翻訳エンジンが、動作時に、
前記第2のデータ型の第2のデータを表す信号を、前記第2のアセットから受信し、
前記第2のデータを前記第2のプロトコルから前記第3のプロトコルに翻訳し、
前記第2のデータのラベル又は値のうちの少なくとも1つを前記第2のデータ型から翻訳して、第2の変換データを生成し、
前記第1のアセットと前記第2のアセットとの関係を表す少なくとも1つの意味ラベルの第2のセットを前記第2の変換データに追加し、
前記リポジトリに前記第2の変換データを記憶させるための信号を送信し、
前記第1の変換データの記憶と前記第2の変換データの記憶とが時系列順に行われ、
前記リポジトリへの問い合わせが、記憶場所の参照を含まないクエリを使用して行われる、システム。
【請求項2】
前記システムが、再生可能エネルギーシステムである、請求項1のシステム。
【請求項3】
前記第1の変換データ又は前記第2の変換データの少なくとも1つが、インタラクティブマップの形式で前記ユーザに提示される、請求項1のシステム。
【請求項4】
前記第1の翻訳エンジン及び前記第2の翻訳エンジンに通信可能に結合されたメモリをさらに備え、
前記メモリが、前記システムの前記第1のアセット及び前記第2のアセットを含む複数のアセットの間の関係を表す階層データを記憶している、請求項1のシステム。
【請求項5】
前記第1のアセット及び前記第2のアセットのそれぞれが、単一のエネルギー貯蔵容器と関連付けられている、請求項1のシステム。
【請求項6】
前記第1のアセットが、第1のエネルギーシステム内に含まれ、
前記第2のアセットが、前記第1のエネルギーシステムと異なる第2のエネルギーシステム内に含まれている、請求項1のシステム。
【請求項7】
前記第1のアセット及び前記第2のアセットのそれぞれが、共通のエネルギーシステム内に含まれている、請求項1のシステム。
【請求項8】
前記第1の翻訳エンジンが、動作時に、静的基準に基づいて前記少なくとも1つの意味ラベルの第1のセットを前記第1の変換データに追加する、請求項1のシステム。
【請求項9】
前記静的基準が、ユーザ指定のパラメータである、請求項8のシステム。
【請求項10】
前記第1の翻訳エンジンが、動作時に、動的基準に基づいて前記少なくとも1つの意味ラベルの第1のセットを前記第1の変換データに追加する、請求項1のシステム。
【請求項11】
前記動的基準が、アルゴリズムを含む、請求項10のシステム。
【請求項12】
前記第1の翻訳エンジンが、動作時に、静的基準に基づいて前記少なくとも1つの意味ラベルの第1のセットを前記第1の変換データに追加し、
前記第2の翻訳エンジンが、動作時に、静的基準に基づいて前記少なくとも1つの意味ラベルの第1のセットを前記第1の変換データに追加する、請求項1のシステム。
【請求項13】
前記第1の翻訳エンジンが、動作時に、静的基準に基づいて前記少なくとも1つの意味ラベルの第1のセットを前記第1の変換データに追加し、
前記第2の翻訳エンジンが、動作時に、動的基準に基づいて前記少なくとも1つの意味ラベルの第1のセットを前記第1の変換データに追加する、請求項1のシステム。
【請求項14】
前記第1の翻訳エンジンが、動作時に、動的基準に基づいて前記少なくとも1つの意味ラベルの第1のセットを前記第1の変換データに追加し、
前記第2の翻訳エンジンが、動作時に、動的基準に基づいて前記少なくとも1つの意味ラベルの第1のセットを前記第1の変換データに追加する、請求項1のシステム。
【請求項15】
エネルギー供給システムと関連する複数のアセットの第1のアセットに動作可能に結合され関連付けられた翻訳エンジンにおいて、動作データを表す信号を前記第1のアセットから受信することと、
前記翻訳エンジンを介して、前記動作データを第1のプロトコルから第2のプロトコルに翻訳することによって、第1の修正動作データを生成することと、
前記翻訳エンジンを介して、前記第1の修正動作データのデータラベル、測定単位、又は値のうちの少なくとも1つを第1のデータ型から第2のデータ型に翻訳して、第2の修正動作データを生成することと、
ユーザがアクセス可能なリポジトリに前記第2の修正動作データを記憶させるための信号を送信することと、
を含む、方法。
【請求項16】
前記第2の修正動作データを、機械学習アルゴリズムへの入力として提供することと、
前記機械学習アルゴリズムを用いて、前記複数のアセットの少なくとも1つのアセットの変更を検出することと、
をさらに含む、請求項15の方法。
【請求項17】
前記第1のアセットと関連する変更イベントを検出することと、
前記変更イベントを検出したことに応答して、アラートを表す信号をコンピュートデバイスに送信することと、
をさらに含む、請求項15の方法。
【請求項18】
前記複数のアセットと関連する変更の傾向を検出することと、
前記変更の傾向を検出したことに応答して、アラートを表す信号をコンピュートデバイスに送信することと、
をさらに含む、請求項15の方法。
【請求項19】
前記複数のアセットと関連する複数の変更イベントを検出することと、
それぞれが前記複数の変更イベントの対応する変更イベントと関連し、アラートを表す複数の信号を発生させることと、
前記複数の信号の少なくとも一部の信号を、前記複数の信号の共通のラベル、時間、又はサイズのうちの少なくとも1つを含む、前記複数の信号の属性に基づいて通知信号に分類することと、
をさらに含む、請求項15の方法。
【請求項20】
前記複数のアセットと関連する複数の変更イベントを検出することと、
それぞれが前記複数の変更イベントの対応する変更イベントと関連し、アラートを表す複数の信号を発生させることと、
前記複数の信号の第1の信号のサブセットをコンピュートデバイスに送信することと、
前記複数の信号の第2の信号のサブセットを、前記第2の信号のサブセットと関連する前記第2の修正動作データの前記データラベルに基づいて抑制することと、
をさらに含む、請求項15の方法。
【請求項21】
前記第2の修正動作データをインタラクティブマップの形式で提示することをさらに含む、請求項15の方法。
【請求項22】
前記動作データが、第1の動作データであり、
前記方法が、
前記翻訳エンジンにおいて、第2の動作データを表す信号を前記第1のアセットから受信することと、
前記第2の動作データのプロトコル、データラベル、測定単位、又は値のうちの少なくとも1つを修正して、修正された第2の動作データを生成することと、
前記修正した第2の動作データを表す信号を、GUIを介して視覚化の一部として、前記ユーザに提示するためにコンピュートデバイスに送信することと、
をさらに含む、請求項15の方法。
【請求項23】
前記リポジトリへの問い合わせが、記憶場所の参照を含まないクエリを使用して行われる、請求項15の方法。
【請求項24】
前記クエリに対する応答を生成することと、
前記応答を、前記応答に関連するデータの属性であって、データラベル、閾値、情報保護ロジック、顧客ライセンス設定、又は前記データを匿名化するためのプロトコルのうちの少なくとも1つを含む属性に基づいてフィルタリングすることと、
をさらに含む、請求項23の方法。
【請求項25】
前記第2の修正動作データの活動レベルを前記クエリに基づいて決定することと、
前記第2の修正動作データの記憶プロトコルを前記第2の修正動作データの前記活動レベルに基づいて変更することと、
をさらに含む、請求項23の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
[0001] この出願は、2019年12月13日に出願された「System and Methods for Autonomous Monitoring and Recovery in Hybrid Energy Management」と題する米国仮特許出願第62/947,797号の優先権及び利益を主張し、その開示の全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【背景技術】
【0002】
[1001] エネルギーシステムは通常、様々なタイプの機器を備える。例えば典型的な再生可能エネルギー展開では、とりわけソーラーパネル、ソーラーコントローラ、電力変換システム、バッテリシステム、及びバッテリ制御装置を組み合わせて、顧客にエネルギーサービスが提供される。また、かかる展開は、ネットワークスイッチ、ルータ、データ収集データベース、及びサポートアプリケーションなどの、あまり明らかでないもののシステムの健全な運用において役割を果たす他のアセットも備える。
【0003】
[1002] 機器によって、他の機器と通信するために使用するプロトコルが異なることがある、及び/又は異なる型式のデータを生成することがある。例えばあるブランドが提供しているウィンドウズサーバが、異なるブランドが提供している別のウィンドウズサーバ又はリナックスサーバと異なることをアピールすることがある。バッテリメーカーによって、バッテリの性能を特徴付ける際に使用する主要なメトリック又は単位が異なることもある。異なる機器間におけるこのような不整合性は、エネルギーシステムの健全な運用をモニタ及び維持する上でオペレータ及びデータ科学者にとって課題となる。
【発明の概要】
【0004】
[1003] 本明細書で説明される一部の実施形態は、概してハイブリッドエネルギー管理における自律的モニタリング及びリカバリに関する。一部の実施形態では、システムが、第1のプロトコルを有し、第1のデータ型を有するデータを生成するように構成された第1のアセットに動作可能に結合され関連付けられた第1の翻訳エンジンを備える。システムはまた、第1のプロトコルと異なる第2のプロトコルを有し、第1のデータ型と異なる第2のデータ型を有するデータを生成するように構成された第2のアセットに動作可能に結合され関連付けられた第2の翻訳エンジンを備える。第1の翻訳エンジンは、動作時に、(1)第1のデータ型の第1のデータを表す信号を、第1のアセットから受信し、(2)第1のデータを第1のプロトコルから第3のプロトコルに翻訳し、(3)第1のデータのラベル又は値のうちの少なくとも1つを第1のデータ型から翻訳して、第1の変換データを生成し、(4)第1のアセットと第2のアセットとの関係を表す少なくとも1つの意味ラベルの第1のセットを第1の変換データに追加し、(5)ユーザがアクセス可能なリポジトリに第1の変換データを記憶させるための信号を送信するように構成されている。第2の翻訳エンジンは、動作時に、(1)第2のデータ型の第2のデータを表す信号を、第2のアセットから受信し、(2)第2のデータを第2のプロトコルから第3のプロトコルに翻訳し、(3)第2のデータのラベル又は値のうちの少なくとも1つを第2のデータ型から翻訳して、第2の変換データを生成し、(4)第1のアセットと第2のアセットとの関係を表す少なくとも1つの意味ラベルの第2のセットを第2の変換データに追加し、(5)リポジトリに第2の変換データを記憶させるための信号を送信するように構成されている。第1の変換データの記憶及び第2の変換データの記憶が時系列順に行われ、リポジトリへの問い合わせが、記憶場所の参照を含まないクエリを使用して行われるように構成されている。
【0005】
[1004] 一部の実施形態では、方法が、エネルギー供給システムと関連する複数のアセットの第1のアセットに動作可能に結合され関連付けられた翻訳エンジンにおいて、動作データを表す信号を第1のアセットから受信することを含む。方法はまた、翻訳エンジンを介して、動作データを第1のプロトコルから第2のプロトコルに翻訳することによって、第1の修正動作データを生成することを含む。方法はまた、翻訳エンジンを介して、第1の修正動作データのデータラベル、測定単位、又は値のうちの少なくとも1つを第1のデータ型から第2のデータ型に翻訳して、第2の修正動作データを生成することを含む。方法はさらに、ユーザがアクセス可能なリポジトリに第2の修正動作データを記憶させるための信号を送信することを含む。
【図面の簡単な説明】
【0006】
[1005] 図面は主に例示目的であり、本明細書に記載する主題の範囲を限定することは意図していない。図面は必ずしも縮尺通りに描かれておらず、一部の例では様々な特徴の理解を助けるために本明細書で開示する主題の様々な側面を図面で誇張して又は拡大して示す場合がある。図中、同様の参照文字は概して同様の特徴(例えば機能的に同様の及び/又は構造的に同様の要素)を指す。
【0007】
図1】[1006] ある実施形態に係る、ハイブリッドエネルギー管理における自律的モニタリング及びリカバリのためのシステムの概略図である。
図2】[1007] ある実施形態に係る、エネルギー貯蔵システムの階層的表示を示す。
図3】[1008] ある実施形態に係る、翻訳及びラベル追加のための内部監視エンジンを備えるシステムの概略図である。
図4】[1009] ある実施形態に係る、ハイブリッドエネルギー管理における自律的モニタリング及びリカバリの方法を示すフローチャートである。
図5】[1010] ある実施形態に係る、ハイブリッドエネルギー管理におけるデータ分析のためのシステムを示す。
【発明を実施するための形態】
【0008】
[1011] 本明細書で説明される一部の実施形態は、ハイブリッドエネルギー管理における自律的モニタリング及びリカバリのためのシステム及び方法を対象とする。本明細書で説明されるシステム及び方法は、管理プロトコル、物理的な位置、又は機器が使用するデータ型に関係なく、一貫した方法による全ての機器からのデータ収集を可能にする総合的かつ包括的なモニタリングを採用する。本明細書で説明される一部の実施形態は、各デバイスがシステム内で一貫性のあるアセット識別子を有するようにリラベリング及びリマッピンングエンジンがデータプロセスの入口に配置されるユニバーサルなアセット識別及びマッピングを採用する。また、データと関連するメトリック、名前、単位、及びラベルは、データ処理パイプラインに入る前に一貫性のある体系に変換することができる。本明細書で説明される一部の実施形態は、各機器が階層内の機器の場所又は位置を表す階層データと関連付けられた、エネルギーシステムの階層的理解に基づいてデータ処理及び故障相関を行う。そのようなデータは、例えば様々なアセットにわたって一貫して機械学習及びニューラルネットワークアルゴリズムを実行するために使用することができる。
【0009】
[1012] 図1は、ある実施形態に係る、ハイブリッドエネルギー管理における自律的モニタリング及びリカバリのためのシステム100の概略図を示している。システム100は、第1のプロトコルを有し、第1のデータ型を有するデータを生成するように構成されている第1のアセット120aに動作可能に結合され関連付けられた第1の翻訳エンジン110aを備える。システム100は、第1のプロトコルと異なる第2のプロトコルを有し、第1のデータ型と異なる第2のデータ型を有するデータを生成するように構成されている第2のアセット120bに動作可能に結合され関連付けられた第2の翻訳エンジン110bも備える。
【0010】
[1013] 第1の翻訳エンジン110aは、動作時に、第1のデータ型の第1のデータを表す信号115aを第1のアセット120aから受信するように構成されている。次に第1のデータは第1のプロトコルから第3のプロトコル(本明細書ではシステム整合的なプロトコルとも呼ばれる)に翻訳される。また、第1のデータのラベル又は値のうちの少なくとも1つが第1のデータ型から翻訳されて第1の変換データが生成される。第1の翻訳エンジン110aはまた、少なくとも1つの意味ラベルの第1のセットを第1の変換データに追加するように構成されている。少なくとも1つの意味ラベルの第1のセットは、第1のアセット120aと第2のアセット120bの関係を表すことができる。第1の翻訳エンジン110はさらに、ユーザ140がアクセス可能なリポジトリ130に第1の変換データを記憶させるための信号125aを送信するように構成されている。
【0011】
[1014] 第2の翻訳エンジン110bは、動作時に、第2のデータ型の第2のデータを表す信号115bを第2のアセット120bから受信するように構成されている。第2のデータは第2のプロトコルから第3のプロトコルに翻訳される。また、第2のデータのラベル又は値のうちの少なくとも1つが第2のデータ型から翻訳されて第2の変換データが生成される。第2の翻訳エンジン120bはまた、少なくとも1つの意味ラベルの第2のセットを第2の変換データに追加するように構成されている。少なくとも1つの意味ラベルの第2のセットは、第1のアセットと第2のアセットとの関係を表す。第2の翻訳エンジン120bはさらに、リポジトリ130に第2の変換データを記憶させるための信号125bを送信するように構成されている。
【0012】
[1015] 第1の変換データの記憶及び第2の変換データの記憶は、リポジトリ130において時系列順に行われる。一部の実施形態では、第1の変換データ及び第2の変換データは、時系列データ(プロファイル、曲線、トレース、又は傾向とも呼ばれる)として構成される。一部の実施形態では、リポジトリ130は、(1つ以上の)時間及び(1つ以上の)値の関連ペアによって(すなわち時間を主要指標として使用して)時系列を記憶及び供給するように構成された時系列データベース(TSDB)を備える。リポジトリ130は、とりわけElastic、InfluxDB、MongoDB、Cassandra、Couchbase、Graphite、Prometheus、ClickHouse、OpenTSDB、DalmatinerDB、KairosDB、及びRiakTSなど、様々なタイプの非SQLデータベースを備えることができる。
【0013】
[1016] 一部の実施形態では、リポジトリ130は、1つ以上の圧縮アルゴリズムを使用して、データ(例えば第1の変換データ130A及び/又は第2の変換データ130B)を効率的に管理するように構成されている。一部の実施形態では、リポジトリ130は、データ及び/又はプロセッサ実行可能命令を記憶する非一時的プロセッサ可読媒体を備える。一部の実施形態では、リポジトリ130は、固定された個別の特性のセットをその動的な連続値からポイント(タグとも呼ばれる)のセットに分離するように構成されている。例えば性能モニタリングのためのデバイス利用データの記憶では、固定された特性は、名前(例えば「デバイス利用」)、測定単位(例えば「%」)、及び範囲(例えば「0から1」)を含むことができる。動的な値は利用率及びタイムスタンプを含むことができる。分離は、使用目的で効率的にデータを記憶しデータにインデックスを付けるのに用いることができる。
【0014】
[1017] リポジトリ130への問い合わせは、記憶場所の参照を含まない(すなわちデータ場所の透過性)クエリ145を使用して行われるように構成されている。一部の実施形態では、リポジトリ130内のネットワークリソースは、その場所ではなく名前によって識別される。例えばリポジトリ130内のファイルは、一意のファイル名でアクセスすることができ、ファイル内の実際のデータは、様々な場所に分散された物理的セクタに記憶することができる。一部の実施形態では、リポジトリ130は、様々な地理的な場所に配置された複数のサーバを備え、これらの複数のサーバは、有線又は無線ネットワークを介して互いに通信可能に結合されている。
【0015】
[1018] 一部の実施形態では、リポジトリ130は、データを少なくとも3つのカテゴリに割り当て、データをデータのカテゴリに基づいて管理するように構成されている。一般性を失うことなく、データの3つのカテゴリは、(1)ホットデータ、(2)ウォームデータ、及び(3)コールドデータと呼ぶことができる。ホットデータは、ユーザ140により頻繁に検索及び/又は使用されるデータを含み、この種のデータは、検索のレイテンシが低くスループットが高い場所に物理的に記憶されている。一方、ホットデータの記憶は、データ単位当たりのコストが高くなることもある。ウォームデータはホットデータと比べて使用頻度が低いため、ウォームデータの記憶媒体は緩やかなレイテンシ及び/又はスループット仕様を有することができる。コールドデータは使用頻度が最も低く、オブジェクトストレージ又はテープなどのコスト効率の良い媒体に記憶することができる。これらの実施形態では、リポジトリ130は、この分類をユーザ140に対して透過的にするように構成されている。換言すれば、ユーザ140からのクエリ145は、検索対象のデータのカテゴリの参照を含んでいない。
【0016】
[1019] 一部の実施形態では、リポジトリ130は、ユーザ140(又はユーザ140が使用するアプリケーション)との一貫性のあるデータアクセスインターフェイスを提供するように構成されている透過的なインターフェイスゲートウェイを備える。リポジトリ130は、(例えばデータの名前に基づいて)クエリ140を検索対象のデータの物理的な位置に転送する及び/又は移動させる1つ以上のプロセッサを備えることができる。このような構成は、短期的な運用解析から長期のペタバイトレベルの機械学習まで広範なデータ使用事例を可能にする。
【0017】
[1020] 一部の実施形態では、システム100は、太陽エネルギーシステム、風力エネルギーシステム、バイオ燃料システム、地熱システム、波力エネルギーシステム、又は水力発電システムなどの再生可能エネルギーシステムを含む。一部の実施形態では、システム100は、再生可能エネルギーシステムと化石燃料エネルギーシステムの混合を含む。
【0018】
[1021] 第1の翻訳ステージ110a及び第2の翻訳ステージ110b(まとめて翻訳エンジン110と呼ばれる)は、例えば異なるアセットから取得したデータのさらなる処理を促進するために、異なるアセットが使用する異なるプロトコルを共通のプロトコルに翻訳するように構成されている。一部の実施形態では、翻訳エンジン110はソフトウェアとして実装することができる。一部の実施形態では、翻訳エンジン110は、ソフトウェアとして構成される場合に、同じ処理ユニットにインストールすることができる。一部の実施形態では、翻訳エンジン110は、ファームウェア又はハードウェアとして実装することができる。一部の実施形態では、翻訳エンジン110は2つ以上の処理ステージを有することができる。一部の実施形態では、処理ステージは分散して配置することができる、すなわち異なる処理ステージを異なる場所に実装することができる。
【0019】
[1022] プロトコル翻訳に加えて、翻訳エンジン110はまた、異なるアセットからのデータの値及び/又はラベルを翻訳するように構成されている。データ値の翻訳は、翻訳されたデータ(本明細書では変換データとも呼ばれる)がデータソースに関係なく一貫した形で表示されることを保証することができる。例えば第1のアセット120aは、「アセット利用」という名前を使用して使用総秒数の値を含む利用データを生成することがある。第1の翻訳エンジン110aは、この利用データを「デバイス利用」という名前を使用して、システム100全体に対する生のパーセンテージ(例えば0%~100%)に翻訳するように構成することができる。別の実施例では、翻訳エンジン110は、異なる単位で表されたデータ値を共通単位に(例えば英国単位からメートル法に又はその逆に)翻訳することができる。一部の実施形態では、翻訳エンジン110は、様々なデータの型を共通のデータ型に翻訳するように構成することができる。例えば翻訳エンジン110は、バイナリデータ、10進データ、及び/又は16進データをバイナリデータに翻訳することができる。
【0020】
[1023] 一部の実施形態では、アセット120a又は120bからのデータのラベルは、データに適用可能な一意のタグを含むことができる。このタグは、例えばソースアセット(例えば120a又は120b)、ソースアセットの物理的な位置、又はキーと値のペアとして表され得るものを識別するのに使用することができる。翻訳エンジン110は、どのラベルも一貫した方法で適用又は変換されることを保証するように構成することができる。
【0021】
[1024] 一部の実施形態では、翻訳エンジン110a及び第2の翻訳エンジン110bは、それぞれ第1のアセット120a及び第2のアセット120bに物理的に結合する又はこれらのすぐ近くに配置することができる。これらの実施形態では、第1の翻訳エンジン110a及び第2の翻訳エンジン110bは、関連するローカル接続を介して、高速かつ低レイテンシで第1のデータ及び第2のデータをそれぞれ受信することができる。一部の実施形態では、第1の翻訳エンジン110a及び第2の翻訳エンジン110bは、それぞれ第1のアセット120a及び第2のアセット120bから離れた場所に配置することができる。これらの実施形態では、第1の翻訳エンジン110a及び第2の翻訳エンジン110bは、1つ以上のネットワークを介して、それぞれ第1のデータ及び第2のデータを受信するように構成することができる。一部の実施形態では、システム100は3つ以上の翻訳エンジン(したがって、3種類以上のアセット)を備える。関連するアセットのすぐ近くに配置可能な翻訳エンジンがある一方で、リモート翻訳エンジンとして構成可能な翻訳エンジンもある。
【0022】
[1025] 第1のアセット120a及び第2のアセット120b(まとめてアセット120と呼ばれる)は、エネルギー貯蔵機器及びエネルギー供給機器を含む、エネルギーシステムの任意の機器を備えることができる。例えばアセット120は、とりわけソーラーパネル、風力タービン、ディーゼル発電機、及び天然ガス発電機などの発電機を備えることができる。アセット120は、とりわけバッテリ、キャパシタ、及びウルトラキャパシタなどのエネルギー貯蔵デバイスを備えることもできる。アセット120は、とりわけ変圧器、送電線、無停電電源装置(UPS)、配電用電子機器、及び保護回路などの配電システムを備えることもできる。アセット120は、上記機器用のコントローラをさらに備えることができる。アセット120は、エネルギーシステムの様々な機器間の通信に使用される機器を備えることもできる。例えばアセット120は、ネットワークスイッチ、ルータ、データ収集データベース、及びサポートアプリケーションを備えることができる。
【0023】
[1026] 第1のデータ及び第2のデータは、それぞれ第1のアセット120a及び第2のアセット120bと関連する様々な型のデータを含むことができる。例えば第1のデータ及び第2のデータは、エネルギーシステムの機器と関連する任意の動作データを含むことができる。一部の実施形態では、第1のデータ及び第2のデータは、そのようなデータを取得するセンサから送信された生データを含むことができる。例えば第1のデータ及び第2のデータは、エネルギー貯蔵デバイスの電圧又は電流の測定値を含むことができる。一部の実施形態では、第1のデータ及び第2のデータは加工前データを含むことができる。例えば第1のデータ及び第2のデータは、エネルギー貯蔵システムの電圧又は電流の測定値から得られた健全性状態(SOH)情報を含むことができる。
【0024】
[1027] システム100に含まれ得る多種多様なアセットはまた、システム100で使用され得る多種多様なプロトコルをもたらす。例えばプロトコルは、とりわけ個別の信号(例えば電圧又は電流信号)直列接続、IEEE802.15.4E、IEEE802.11ah、WirelessHART、Z-Wave、Bluetooth、ZigBee、DASH7、HomePlug、G.9959、ロングタームエボリューションアドバンスト(LTE-A)、LoRaWAN、Weightless、デジタル強化無線電気通信(DECT)、DECT超低エネルギー(DECT/ULE)、及びEnOceanなどのデータリンクプロトコルを含むことができる。プロトコルは、とりわけ低電力で損失のあるネットワークのためのルーティングプロトコル(RPL)、認知RPL(CORPL)、及びチャネル認識ルーティングプロトコル(CARP)などのネットワーク層ルーティングプロトコルを含むこともできる。プロトコルは、とりわけ低電力無線パーソナルエリアネットワーク上のIPv6(6LoWPAN)、6TiSCH、リソースが制約されたノードのネットワーク上のIPv6(6Lo)、G.9959上のIPv6、及びBluetooth Low Energy上のIpv6などのネットワーク層カプセル化プロトコルを含むこともできる。プロトコルは、とりわけModbusリモート端末ユニット(Modbus RTU)、Modbus伝送制御プロトコル(Modbus TCP)、分散ネットワークプロトコル3(DNP3)、オープンプラットフォーム通信-統一アーキテクチャ(OPC-UA)、メッセージキューテレメトリトランスポート(MQTT)、セキュアMQTT(SMQTT)、高度なメッセージキューイングプロトコル(AMQP)、制約付きアプリケーションプロトコル(CoAP)、拡張可能メッセージング及びプレゼンスプロトコル(XMPP)、及びデータ配信サービス(DDS)などのセッション層プロトコルを含むこともできる。
【0025】
[1028] プロトコルは、とりわけIEEE1905.1(例えば、異種データリンクの相互接続に使用される)、スマートトランスデューサインターフェイス(例えばIEEE1451により提供され、様々なアナログトランスデューサ及びセンサの管理を促進するのに使用される)、テクニカルレポート069(TR-069、例えばHTTPメッセージによるM2Mデバイスのリモート管理のために構成される)、OMAデバイス管理(OMA-DM、例えばリモートプロビジョニングのため、M2Mデバイスの欠陥問題を更新及び管理するために構成される)、Lightweight M2M(例えば、JSON(JavaScriptオブジェクト表記法)メッセージが通信のために使用されるクライアントサーバプロトコル)などの管理プロトコルを含むことができる。一部の実施形態では、システム100のアセット120同士は、モノのインターネット(IoT)技術を介して通信可能に結合することができ、システム100のプロトコルは、IoT技術で使用される任意のプロトコルを含むことができる。
【0026】
[1029] 一部の実施形態では、第3のプロトコルは、時系列データベースストレージに使用され得るPrometheusクエリ言語(PromQL)を含む。一部の実施形態では、第1又は第2のプロトコルの少なくとも1つはPromQLを含むことができる。
【0027】
[1030] 一部の実施形態では、第1の変換データ又は第2の変換データの少なくとも1つは、例えばコンピュータデバイスのグラフィカルユーザインターフェース(GUI)を介して、インタラクティブマップの形式でユーザに提示される。これらの実施形態では、リポジトリ130は、インタラクティブマップを提示するように構成されているインタラクティブユーザインタフェース(図1には示されていない)を備えることができる。変換データ(例えば第1の変換データ及び/又は第2の変換データ)に加えて、エネルギーシステムの(1つ以上の)関連するアセット(例えば第1のアセット120a及び/又は第2のアセット120b)及び(1つ以上の)関連するアセットの(1つ以上の)位置をインタラクティブマップ上に表示することができる。
【0028】
[1031] 一部の実施形態では、関連するアセットの位置は、エネルギーシステムの階層的表示に基づいて提示される。例えばエネルギーシステム全体をインタラクティブマップ上に提示することができ、関連するアセットは反転表示することができる。一部の実施形態では、ユーザ140は、インタラクティブマップをクリックして1つ以上の他のアセットを選択することができ、選択した(1つ以上の)アセットに関連する変換データをインタラクティブマップ上に提示することができる。一部の実施形態では、階層的表示はエネルギーシステムの機器を複数の層(レベルとも呼ばれる)に分ける。ユーザ140は、例えば1つの層内の1つの機器の表示をクリックすることが許可される可能性があり、この1つの機器の表示をクリックすることによって、インタラクティブマップに選択した層に関するより詳細な情報(例えば、選択した層の拡大表示として提示される)を示すことができる。このようにして、ユーザ140は、例えばエネルギーシステムの「健全性」問題(例えば保守状態、アラーム状態、故障など)のソースを素早く正確に示すことができる。エネルギーシステムの階層的表示に関するより詳しい情報は、例えば図2を参照して以下に提供される。
【0029】
[1032] 一部の実施形態では、システム100は、第1の翻訳エンジン110a及び/又は第2の翻訳エンジン110bに通信可能に結合されたメモリ(図1には示されていない)をさらに備える。メモリは、システム100の複数のアセット間の関係を表す階層データを記憶するように構成されており、複数のアセットは第1のアセット120a及び第2のアセット120bを含む。これらの実施形態では、階層データは、第1の変換データに追加された意味ラベルの第1のセット及び/又は第2の変換データに追加された意味ラベルの第2のセットを解釈するのに使用することができる。例えばシステム100は、関連する意味ラベル及び階層データに基づいて第1のアセット120a及び第2のアセット120bの各1つの位置を正確に示すことができる。
【0030】
[1033] 一部の実施形態では、システム100は2つ以上のエネルギー貯蔵容器を備える。第1のアセット120aは、第1のエネルギー貯蔵容器を含む又はこれと関連付けることができ、第2のアセット120bは、第2のエネルギー貯蔵容器を含む又はこれと関連付けることができる。一部の実施形態では、システム100は複数のエネルギーシステムを備える。例えば複数のエネルギーシステムの各エネルギーシステムは、異なる地理位置に位置することができる。第1のアセット120aは第1のエネルギーシステムに含めることができ、第2のアセット120bは、第1のエネルギーシステムとは異なる第2のエネルギーシステムに含めることができる。一部の実施形態では、第1のアセット120a及び第2のアセット120bは共通のエネルギーシステム内に含められる。エネルギーシステム及び容器に関するより詳しい情報は、例えば図2を参照して以下に提供される。
【0031】
[1034] 一部の実施形態では、第1の翻訳エンジン110aは、動作中、静的基準(例えば、経時的に静的であること)に基づいて、少なくとも1つの意味ラベルの第1のセットを第1の変換データに追加するように構成されている。一部の実施形態では、静的基準はユーザ指定パラメータである可能性がある。例えば静的基準は、各アセットに層番号が割り当てられたシステム100の階層的表示を含むことができる。意味ラベルは、例えばアセットの層番号を含むことができる。
【0032】
[1035] 一部の実施形態では、第1の翻訳エンジン110aは、動作中、動的基準に基づいて少なくとも1つの意味ラベルの第1のセットを第1の変換データに追加するように構成されている。一部の実施形態では、動的基準はアルゴリズムを含む。一部の実施形態では、動的基準は、システム100内の動的な関係操作をサポートするように構成されており、かかる依存性の現行の目録を維持するのに用いることができる。例えば、システム100のあるアセットが、サービスを提供するためにスイッチのイーサネットポートへの依存性を有することがある。アセットが異なるポートに接続されている場合、そのような変化は、アセット、関連する翻訳エンジン、及び/又はリポジトリ130によって自動的に検出することができ、検出された変化を更新することができる。
【0033】
[1036] 一部の実施形態では、第1の翻訳エンジン110a及び第2の翻訳エンジン110bは共に、動作中、静的基準に基づいて意味ラベルの適切なセットを追加するように構成されている。一部の実施形態では、第1の翻訳エンジン110aは第1の静的基準を用いるように構成されており、第2の翻訳エンジン110bは、第1の静的基準と異なる第2の静的基準を用いるように構成されている。一部の実施形態では、2つの翻訳エンジン110a及び110bは同じ静的基準を用いるように構成されている。
【0034】
[1037] 一部の実施形態では、翻訳エンジンの一方(例えば110a又は110b)は、静的基準を用いて意味ラベルの適切なセットを追加するように構成されており、他方の翻訳エンジン(例えば110b又は110a)は、動的基準を用いて意味ラベルの適切なセットを追加するように構成されている。
【0035】
[1038] 一部の実施形態では、第1の翻訳エンジン110a及び第2の翻訳エンジン110bは共に、動作中、1つ以上の動的基準に基づいて意味ラベルの適切なセットを追加するように構成されている。一部の実施形態では、第1の翻訳エンジン110aは第1の動的基準を用いるように構成されており、第2の翻訳エンジン110bは、第1の静的基準と異なる第2の動的基準を用いるように構成されている。一部の実施形態では、2つの翻訳エンジン110a及び110bは同じ動的基準を用いるように構成されている。
【0036】
[1039] 一部の実施形態では、システム100の各アセットは関連する翻訳エンジンを有する。一部の実施形態では、2つ以上のアセットが翻訳エンジンを共有することができる。例えば、同じプロトコルを使用する、及び/又は同じデータ型を有するデータを生成する1グループのアセットは共通の翻訳エンジンを共有することができる。
【0037】
[1040] 図2は、ある実施形態に係るエネルギー貯蔵システム200の階層的視覚化を示している。エネルギーシステム200は、複数の容器210a及び210b(例示を目的として2つだけがラベル付けされている)を備える。第1の容器210aは、パイロット220(例えばエネルギー貯蔵システムコントローラ)、コンバータ230(例えば、DC-DCコンバータ、AC-ACコンバータなど)、及び収納ラック240(例えばバッテリラック)を備える。収納ラック240は、管理デバイス242(例えば、バッテリ管理システムすなわちBMS)及び複数の蓄電セル245a~245b(例示を目的として2つだけがラベル付けされている)を備える。各蓄電セル245a又は245bは1つ以上のラック(図2に示されていない)をさらに備えることができ、各ラックは1つ以上のセルをさらに備えることができる。このようにして、システム200の階層的表示は、「システム」、「容器」、「収納ラック」、「蓄電セル」、「ラック」、「トレイ」、及び「セル」を含む複数の層に分けられる。一部の実施形態では、システム200のある機器からのデータに、機器が位置している層を表す意味ラベルを追加することができる。一部の実施形態では、システム200の下位レベル(例えば収納ラック240より下のレベル)は、個別のバッテリセルを制御する独自のモジュールレベルBMSコントローラを備えることもできる。そのような制御は、より多くの監視システムレベル機能を提供しているトップレベルBMS(例えば242又は210)と比較してよりきめ細かい可能性がある。
【0038】
[1041] 図2は、エネルギー貯蔵システム200を用いて階層的表示を示している。一部の実施形態では、階層的表示は、エネルギー供給システム、又はエネルギー貯蔵とエネルギー供給の両方のために構成されたハイブリッドシステムなどの任意の他のエネルギーシステムに使用することができる。
【0039】
[1042] 図3は、ある実施形態に係る、翻訳及びラベル追加のための内部監視エンジン310を備えるシステム300の概略図を示している。一部の実施形態では、内部監視エンジン310は、上記の図1に示した翻訳エンジン110a又は110bと実質的に同様である。内部監視エンジン310は、アセット310に動作可能に結合され、アセット310が使用するプロトコル(アセットプロトコルとも呼ばれる)で表されたデータを受信及び翻訳するように構成されている。内部監視エンジン310が行う翻訳は、システム整合的なプロトコルで表されたデータを生成するように構成されている。出力端において、内部監視エンジン310は、システム管理センター(SMC)330に動作可能に結合され、システム整合的なプロトコルで表されたデータをSMC330に送信するように構成されている。
【0040】
[1043] 内部監視エンジン310は、メモリ312及びプロセッサ315を備える。メモリ312は、プロセッサ実行可能命令(コードとも呼ばれる)であって、コードを実行することによってプロセッサ315に1つ以上の方法を実施させるプロセッサ実行可能命令を記憶するように構成されている。一部の実施形態では、メモリ312は、プロセッサ315にアセットプロトコルを312aにおいてシステム整合的なプロトコルに翻訳させ、アセット310から受信したデータのラベル及び/又は値を312bにおいてシステム整合的なラベル及び/又は値に翻訳させ得るコードを含む。次いで312cにおいて312a及び312bから生成された翻訳データにラベルが適用されて、内部監視エンジン310の出力データが生成される。メモリ312は、プロセッサ315に(例えば、要求に応じて又は自発的に)SMC330に送信され得る局所化されたキャッシングを出力データに提供させるコードも含む。
【0041】
[1044] 一部の実施形態では、メモリ312は、アセット310及びシステム300の他のアセットに関する情報をさらに記憶するように構成されている。例えばメモリ312は、翻訳を促進するためにシステム300の階層データ(例えば階層的表示)を記憶するように構成することができる。
【0042】
[1045] メモリ312は、例えばRAM、メモリバッファ、ハードドライブ、データベース、ROM、EPROM、及び/又はEEPROMなどを含むことができる。プロセッサ315は、例えばGPP、CPU、APU、GPU、ネットワークプロセッサ、フロントエンドプロセッサ、ASIC、及び/又はFPGAなどの任意の適切なプロセッサを含むことができる。したがって、プロセッサ315は、メモリ315に記憶されている1セットの命令、プロセス、モジュール及び/又はコードを実施及び/又は実行するように構成することができる。
【0043】
[1046] 一部の実施形態では、SMC330は、ユーザから入力(例えばクエリ)を受信しユーザに出力を送信するように構成されたユーザインタフェース(図3には示されていない)を備える。例えば、SMC330は、内部監視エンジン310から受信したデータを記憶するように構成することができ、ユーザインタフェースは、ユーザがデータを検索できるように構成することができる。一部の実施形態では、SMC330は、内部監視エンジン310から受信したデータを処理するように構成されている。例えばSMC330は、内部監視エンジン310から受信したデータに基づいて健全性問題を検出するように構成することができる。一部の実施形態では、そのような検出(診断とも呼ばれる)は、機械学習技術を用いて実行することができる。
【0044】
[1047] 図4は、ある実施形態に係る、ハイブリッドエネルギー管理における自律的モニタリング及びリカバリの方法400を示すフローチャートである。方法400は、410において、エネルギー供給システムと関連する複数のアセットの第1のアセットに動作可能に結合され関連付けられた翻訳エンジンにおいて、動作データを表す信号を第1のアセットから受信することを含む。翻訳エンジンは、図1に示した翻訳エンジン110aもしくは110b又は図3に示した内部監視エンジン310と実質的に同様である可能性がある。第1のアセットは、エネルギー供給システムの任意の機器を備えることができる。例えば第1のアセットは、図1に示したアセット120aもしくは120b又は図3に示したアセット320と実質的に同様である可能性がある。
【0045】
[1048] 方法400はまた、320において、翻訳エンジンを介して動作データを第1のプロトコルから第2のプロトコルに翻訳することによって、第1の修正動作データを生成することを含む。第1のプロトコル及び第2のプロトコルは、図1を参照して以上で説明したいずれかのプロトコルである可能性がある。方法400は、430において、第2の修正動作データを生成するために、第1の修正動作データのデータラベル、測定単位、又は値のうちの少なくとも1つを第1のデータ型から第2のデータ型に翻訳することをさらに含む。440において、ユーザがアクセス可能なリポジトリに第2の修正動作データを記憶させるための信号が送信される。一部の実施形態では、リポジトリは、図1に示した上記のリポジトリ130と実質的に同様である可能性がある。
【0046】
[1049] 一部の実施形態では、方法400は、第2の修正動作データを、複数のアセットの少なくとも1つのアセットの変更を検出するように構成された機械学習アルゴリズムへの入力として提供することをさらに含む。一部の実施形態では、機械学習アルゴリズムは、図3に示した上記のSMC330上で実行することができる。一部の実施形態では、機械学習アルゴリズムはユーザデバイスによって実行することができる。これらの実施形態では、第2の修正動作データは、(例えばSMC330のユーザインタフェースを介して)ユーザに提供された後、アセット変更を検出するために使用することができる。一部の実施形態では、機械学習アルゴリズムはクラウドプラットフォーム上で実行される。
【0047】
[1050] 一部の実施形態では、方法400は、(例えば第2の修正動作データに基づいて)第1のアセットに関連する変更イベントを検出することをさらに含む。変更イベントを検出したことに応答して、アラートを表す信号がコンピュートデバイスに送信される。一部の実施形態では、コンピュートデバイスはエネルギー供給システムのオペレータと関連付けられている。一部の実施形態では、コンピュートデバイスは、データベースを実装し、アラートを記憶するように構成されている。
【0048】
[1051] 一部の実施形態では、方法400は、複数のアセットと関連する変更の傾向を検出することをさらに含む。変更の傾向を検出したことに応答して、アラートを表す信号がコンピュートデバイスに送信される。これらの実施形態では、傾向の検出は、複数のアセットからの第2の修正動作データに基づいている可能性がある。一部の実施形態では、変更の傾向は、例えばエネルギー供給システムの健全性問題の指標であり得る次の変更イベントを予測するのに使用することができる。換言すれば、変更の傾向は、先制措置を講じることができるように潜在的な健全性問題を予測するのに使用することができる。
【0049】
[1052] 一部の実施形態では、方法400は、複数のアセットと関連する複数の変更イベントを(例えば、これらのアセットからの第2の修正動作データに基づいて)検出することをさらに含む。変更イベントごとに、アラートを表す信号が生成される。したがって、複数の信号が生成される。方法400は、複数の信号のうちの少なくとも一部の信号を、複数の信号の属性に基づいて通知信号に分類することも含む。そして、(複数の元の信号ではなく)結果として生じる通知信号は、(例えばエネルギー供給システムのオペレータと関連付けられた)コンピュートデバイスに送信される。
【0050】
[1053] 一部の実施形態では、複数の信号の属性は、信号と関連付けられた共通のラベルを含む。例えば、複数の信号は同じアセットと関連付けられていることがあり、各信号は、放置可能な些細な健全性問題を示している可能性がある。しかしながら、これらの複数の信号の集合はより重大な問題を示すことがあり、これらの信号を単一の通知信号に統合することは、そのような可能性をオペレータに警告することができる。一部の実施形態では、複数の信号の属性は信号の時間を含む。例えば、複数の信号が短時間(例えば数秒)で生成される場合、これらの信号を単一の通知信号に統合し、ユーザに送信することがより有益である可能性がある。一部の実施形態では、複数の信号の属性は信号のサイズを含む。例えば、いくつかの信号は、同じ健全性問題となることを示し得る同じようなサイズを有することがある。この場合、これらの信号の統合から生じた単一の通知信号は、オペレータが問題に対処するのにより効率的である可能性がある。
【0051】
[1054] 一部の実施形態では、方法400は、複数のアセットと関連する複数の変更イベントを検出し、複数の信号を生成することをさらに含む。複数の信号の各信号は、複数の変更イベントの対応する変更イベントと関連付けられ、アラートを表す。方法400は、複数の信号の第1の信号のサブセットをコンピュートデバイスに送信し、複数の信号の第2の信号のサブセットを抑制することも含む。このような抑制は、第2の信号のサブセットと関連する第2の修正動作データのデータラベルに基づいている可能性がある。例えばデータラベルは、第2の信号のセットが他の信号に対して蓄積されるために、これらの信号を送信する必要がない可能性があることを示すことがある。
【0052】
[1055] 一部の実施形態では、第2の信号のサブセットの抑制は、第2の信号のサブセットと他の信号との関係に基づいている可能性がある。例えば第2の信号のサブセットは、第2の健全性問題が第1の健全性問題の派生物であること、すなわち第2の健全性問題が第1の健全性問題によって引き起こされること(根本原因とも呼ばれる)を示す可能性がある。第1の健全性問題は、第1の信号のサブセット内の1つ以上の信号によって既に示されている。したがって、第1の信号のサブセットを送信することは、オペレータが第1の健全性問題と第2の健全性問題の両方に対処するのに十分である可能性がある。
【0053】
[1056] 一部の実施形態では、方法400は、第2の修正動作データをインタラクティブマップの形式で提示することも含む。一部の実施形態では、エネルギー供給システムにおける第1のアセットの位置も、オペレータが第2の修正動作データと関連する潜在的な健全性問題を素早く正確に指摘するのを支援するようにインタラクティブマップ上に提示される。一部の実施形態では、第1のアセットの位置は、エネルギー供給システムの階層的表示に基づいて提示される(例えば図2参照)。
【0054】
[1057] 一部の実施形態では、オペレータがインタラクティブマップをクリックして1つ以上の他のアセットを選択することができ、(1つ以上の)選択したアセットと関連する第2の修正動作データは、オペレータの選択に応答してインタラクティブマップ上に表示することができる。一部の実施形態では、オペレータは、階層的表示の1つの層の機器をクリックすることができ、このようなクリックによって、インタラクティブマップに選択した層に関するより詳細な情報(例えば、選択した層の拡大表示として提示される)を示すことができる。
【0055】
[1058] 一部の実施形態では、動作データは第1の動作データであり、方法400は、翻訳エンジンにおいて、第2の動作データを表す信号を第1のアセットから受信することをさらに含む。方法400は、第2の動作データのプロトコル、データラベル、測定単位、又は値のうちの少なくとも1つを修正して、修正された第2の動作データを生成することも含む。修正された第2の動作データは、信号データを生成し、GUIを介して視覚化の一部としてユーザに提示するためにコンピュートデバイスに送信するのに使用される。
【0056】
[1059] 一部の実施形態では、リポジトリは、記憶場所の参照を含まないクエリを使用して問い合わせが行われるように構成されている。一部の実施形態では、方法400は、クエリに対する応答を生成することをさらに含む。一部の実施形態では、応答(例えば要求データ)はユーザに送信される。一部の実施形態では、応答は、データがユーザに送信される前にフィルタリングされる。そのようなフィルタリングは、データラベル、閾値、情報保護ロジック、顧客ライセンス設定、又はデータを匿名化するためのプロトコルなどの、応答に関連するデータの属性に基づいている可能性がある。
【0057】
[1060] 一部の実施形態では、リポジトリは、サブスクリプションベースのデータサービスをユーザに提供するように構成されている。例えばユーザは、リポジトリのオペレータと契約を結ぶことができ、契約はユーザに提供されるデータの型及び/又は量を規定することができる。これらの実施形態では、検索されたデータのデータラベルは、かかるデータがユーザとの契約を超えているため、ユーザに送出される応答から削除されることを示すことがある。一部の実施形態では、一部のデータがフィルタリング除去される場合、通知信号を生成して、かかるフィルタリングをユーザに通知することができる。通知信号は、ユーザがリポジトリのオペレータと結んでいるサービス契約をアップグレード又は更新することに関する情報も含むことがある。
【0058】
[1061] 一部の実施形態では、方法400は、クエリに基づいて第2の修正動作データの活動レベルを決定することをさらに含む。活動レベルは、第2の修正動作データの記憶プロトコルを変更するのに用いることができる。例えば、決定した活動レベルが高い場合、データは「ホットデータ」にアップグレードされ、低レイテンシかつ高スループットの記憶媒体に転送される可能性がある。別の実施例では、決定した活動が低い場合、データは「コールドデータ」にダウングレードされ、関連コストがより低い記憶媒体に転送される可能性がある。
【0059】
[1062] 図5は、ある実施形態に係る、ハイブリッドエネルギー管理におけるデータ分析のためのシステム500を示している。システム500は、例えばエネルギー貯蔵システム(ESS)であり得る1つ以上の顧客展開560を備える。顧客展開560は、さらなる分析のためのシステム整合的なデータを生成する(例えば、図1の110a/bと同様の)1つ以上の翻訳エンジンを備えることができる。一部の実施形態では、翻訳エンジンは、データ分析システム500によって実行される(すなわち、顧客展開560はアセット固有データをシステム500に提供することができる)。
【0060】
[1063] ワークロード・サービスマネージャ532が顧客展開560に動作可能に結合されている。一部の実施形態では、ワークロード・サービスマネージャ532は、宣言的な構成と自動化の両方を容易にし得る、コンテナ化されたワークロードとサービスを管理するための移植性のある拡張可能なオープンソースプラットフォーム(例えばKubernetes)を備える。これらの実施形態では、顧客展開560からのデータの処理は複数のコンテナに分割することができる。本明細書で説明されるように、コンテナは仮想マシン(VM)と同様であるが、アプリケーション間でオペレーティングシステム(OS)を共有する緩和された隔離性を有する(すなわちコンテナは軽量である)。コンテナは、独自のファイルシステム、CPU、メモリ、処理空間などを有することができる。コンテナは基礎的インフラストラクチャから分離されるとき、クラウドとOSディストリビューションで移植可能である。
【0061】
[1064] 一部の実施形態では、ワークロード・サービスマネージャ532は、サービス発見及びロードバランシングを実行するように構成することができる。より具体的には、ワークロード・サービスマネージャ532は、DNS名又はIPアドレスを使用してコンテナを公開するように構成することができる。コンテナへのトラフィックが多い場合、ワークロード・サービスマネージャ532は、展開が安定したものとなるようにネットワークトラフィック(すなわちロードバランシング)を分散させることができる。一部の実施形態では、ワークロード・サービスマネージャ532は、ローカルストレージ及びパブリッククラウドプロバイダなどのストレージシステムを自動的にマウントするように構成することができる。一部の実施形態では、ワークロード・サービスマネージャ532は、新しいコンテナの自動作成、既存のコンテナの除去、及び1つのコンテナから新しいコンテナへのリソース移動などの自動化されたロールアウト及びロールバックを行うように構成することができる。一部の実施形態では、ワークロード・サービスマネージャ532は、自動ビンパッキング、すなわちコンテナをユーザ指定のコンピューティングリソース(例えば、CPU及びメモリリソース)に合わせることのために構成されている。一部の実施形態では、ワークロード・サービスマネージャ532は、故障しているコンテナを再起動させ、コンテナを交換し、ユーザ定義の健全性診断に応じないコンテナを除去するように構成することができる。
【0062】
[1065] 一部の実施形態では、顧客展開560は、データ分析に関わるタスクに基づいてカスタムアプリケーションを作成するように構成されているアプリケーションクリエータ534にも動作可能に結合されている。一部の実施形態では、アプリケーションクリエータ534は、ヒューマンマシンインターフェイス(HMI)並びに監視制御及びデータ取得(SCADA)に基づいている可能性がある。
【0063】
[1066] ワークロード・サービスマネージャ532及びアプリケーションクリエータ534の出力は、クラウドベースのコンピューティングプラットフォーム520(例えばアマゾンウェブサービスすなわちAWS)に送信される。より具体的には、アプリケーションクリエータ534からの出力(例えばESSデータポイント)は、中央アプリケーションクリエータ512(例えばIgnition)に送信される。中央アプリケーションクリエータ512は、サーバベースである可能性があり、顧客展開560を含む複数のシステムに接続することができる。一部の実施形態では、中央アプリケーションクリエータ512は、接続及び設定の変更、プロジェクトの更新、及びネットワーク上の任意のコンピュートデバイスからの新しいタグの作成を含む標準的なウェブ技術を用いてインストール、展開、及び管理することができる。一部の実施形態では、中央アプリケーションクリエータ512は、コンピューティング負荷に基づいて容易に拡大又は縮小を可能にする拡大縮小可能なモジュール式アーキテクチャを有することができる。
【0064】
[1067] 中央アプリケーションクリエータ512は、HTTP及びその要求/応答パラダイムとは対照的にパブリッシュ/サブスクライブアーキテクチャを使用するMQTTブローカ514(例えばMQTTスパークプラグ)に動作可能に結合されている。パブリッシュ/サブスクライブアーキテクチャは、イベント駆動型であり、メッセージがクライアントにプッシュされることを可能にする。MQTTブローカ514は、送信器(例えば中央アプリケーションクリエータ512)と正当な受信器(例えばデータベース516)の間の全てのメッセージを送信するように構成されている。MQTTブローカ514は、MQTTインフラストラクチャ内のアプリケーション、センサ、デバイス、及びゲートウェイの途切れのない統合を可能にする。
【0065】
[1068] データベース516は、MQTTブローカ514に動作可能に結合され、MQTTインフラストラクチャにおける受信器として機能する。一部の実施形態では、データベース516は、イベントモニタリング及びアラート(例えばPrometheus)用に構成されている。例えばデータベース516は、柔軟なクエリとリアルタイムアラートを備えたHTTPプルモデルを使用して構築され得る時系列データベース(高次元を許容する)にリアルタイムメトリックを記録することができる。
【0066】
[1069] 一部の実施形態では、データベース516は、それぞれが参照及びクエリを行うために使用される名前を有するメトリック形式のデータを記憶するように構成されている。また、各メトリックは、キー/値ペア(すなわちラベル)の任意数によって特徴付けることができる。ラベルは、データソースに関する情報、並びに、HTTP状態コード(例えばHTTP応答に関連するメトリックのための)、クエリメソッド(GETかPOSTか)、及びエンドポイントなどの他のアプリケーション固有の明細情報を含むことができる。
【0067】
[1070] データベース516は、ワークロード・サービスマネージャ532、パフォーマンスマネージャ518、オペレータインフラストラクチャ550(SNMPマネージャ552経由)、クラウドモニタ525を含むいくつかのコンポーネントに動作可能に結合されている。データベース516は、リソースディスカバリノード統計などのデータをワークロード・サービスマネージャ532から直接受信するように構成されている。パフォーマンスマネージャ518(例えばPagerduty)は、ノイズのある複雑な分散した異種の動的に変化する環境の中でIT運用及びコンピューティングリソースをリアルタイムで知的に管理するリアルタイム適応パフォーマンス管理を実行するように構成されている。パフォーマンスマネージャ518に関するより詳細な情報は、例えば、その全体が参照により本明細書に組み込まれる、2017年11月7日に権利付与された「Real-time adaptive operations performance management system using event clusters and trained models」と題する米国特許第9811795号に見ることができる。
【0068】
[1071] オペレータインフラストラクチャ550は、データ分析サービスのプロバイダと関連するインフラストラクチャを含むことができる。SNMPマネージャ552(すなわちシンプルネットワーク管理プロトコルマネージャ)は、IT管理者が機器を管理し問題を診断できるように構成されている。SNMPマネージャ552は、エージェントに問い合わせを行うこと、エージェントから応答を受信すること、エージェントに変数を設定すること、エージェントからの非同期イベントを確認することを含むがこれらに限定されない、1つ以上の機能を実行するように構成することができる。このSNMP設定におけるエージェントは、管理情報をモニタデバイスから局所的に収集するように構成されているプログラムを備え、情報をSNMPマネージャ552が(例えば問い合わせ時に)利用できるようにする。
【0069】
[1072] オペレータインフラストラクチャ550はまた、1つ以上のネットワーク、例えば無線ネットワーク、WAN、及び/又は有線ネットワークを管理するように構成されている、ネットワーク管理プラットフォーム540(例えばAruba Central)に動作可能に結合されている。デバイス及びネットワーク管理機能と共に、ネットワーク管理プラットフォームはまた、カスタマイズされたゲストアクセス、クライアントプレゼンス、及びサービス保証分析を提供するように構成することができる。
【0070】
[1073] クラウドモニタ525は、クラウドコンピューティングプラットフォーム520上のアプリケーションをモニタし、システム全体のパフォーマンス変化に対応し、リソース利用を最適化し、動作健全性の統一見解を生成するように構成されている。例えばクラウドモニタ525は、ログ、メトリック、及びイベント形式のモニタリング及び動作データを収集し、収集した情報(例えばノード統計)をデータベース516に送信することができる。したがって、クラウドモニタ525は、システム500における異常挙動を検出し、アラームを設定し、ログとメトリックを並べて視覚化し、自動化されたアクションを行い、問題を解決し、アプリケーションの円滑な動作を維持する洞察を発見するのに使用することができる。
【0071】
[1074] 一部の実施形態では、中央アプリケーションクリエータ512、MQTTブローカ514、データベース516、及びパフォーマンスマネージャ518は、ダッシュボード510(例えばGrafana)上にある可能性がある。一部の実施形態では、ダッシュボード510はウェブアプリケーションとして動作するように構成することができる。一部の実施形態では、ダッシュボード510は、graphite、InfluxDB、Prometheus、又はopentsdbをバックエンドとしてサポートするように構成することができる。
【0072】
[1075] 動作中、パフォーマンスマネージャ518はまた、顧客展開560からのデータ(例えばキーパイロットアラート)及びワークロード・サービスマネージャ532からのデータ(例えばドッカー/コンテナアラート)を受信するように構成されている。パフォーマンスマネージャ518は、サービスサポートスケジュール、レイヤ3(L3)サポートスケジュール、パイロット開発サポートスケジュール、及びDevOpsサポートスケジュールなどのいくつかのサポートスケジュールを生成するように構成されている。
【0073】
[1076] 様々な実施形態が本明細書に記載され、図示されているが、機能を実行し、及び/又は結果及び/又は本明細書に記載の利点の1つ以上を得るための様々な他の手段及び/又は構造、並びにそのような変形及び/又は修正のそれぞれが可能である。より一般的には、本明細書に記載の全てのパラメータ、寸法、材料、及び構成は、例であることを意味し、実際のパラメータ、寸法、材料、及び/又は構成は、本開示が使用される1つ以上の特定の用途に依存することになる。前述の実施形態は、例としてのみ提示されており、他の実施形態は、具体的に記載され、請求されている以外の方法で実施できることを理解されたい。本開示の実施形態は、本明細書に記載のそれぞれの個々の特徴、システム、物品、材料、キット、及び/又は方法を対象としている。さらに、そのような特徴、システム、物品、材料、キット、及び/又は方法が相互に矛盾しない場合、そのような特徴、システム、物品、材料、キット、及び/又は方法の2つ以上の任意の組み合わせが、本開示の発明の範囲に含まれる。
【0074】
[1077] また、様々な概念が、その例が与えられている1つ以上の方法として具現化されることがある。本方法の一部として実行される行為は、任意の適切な方法で順序付けられることがある。したがって、例示的な実施形態において連続的な行為として示されている場合であっても、いくつかの行為を同時に実行することを含み得る、図示されたものとは異なる順序で行為が実行される実施形態が構築されることがある。
【0075】
[1078] 本明細書で定義され使用されている全ての定義は、辞書定義、出典明記により組み込まれた文献の定義、及び/又は定義された用語の通常の意味をコントロールすると理解されるべきである。
【0076】
[1079] 明細書及び特許請求の範囲において本明細書で用いられる不定冠詞「a」及び「an」は、明確に反対の指示がない限り、「少なくとも1つ」を意味すると理解すべきである。
【0077】
[1080] 明細書及び特許請求の範囲において本明細書で用いられる「及び/又は」という語句は、そのように結合された要素の「一方又は両方」、すなわち、場合によっては結合的に存在し、他方では選言的に存在する要素を意味すると理解すべきである。「及び/又は」と列挙された複数の要素は、同じように、すなわち、そのように結合された要素の「1つ以上」と解釈されるべきである。具体的に特定された要素と関連するか否かに関わらず、「及び/又は」によって具体的に特定される要素以外の他の要素が任意に存在してもよい。したがって、非限定的な例として、「含む」(comprising)などの開放型言語と併せて使用される場合、「A及び/又はB」への言及は、一実施形態では、Aのみ(任意でB以外の要素を含む)、別の実施形態では、Bのみ(任意でA以外の要素を含む)、さらに別の実施形態では、A及びBの両方(任意で他の要素を含む)等を指すことができる。
【0078】
[1081] 明細書及び特許請求の範囲において本明細書で用いられる「又は」(or)は、上記で定義したように「及び/又は」と同じ意味を有すると理解すべきである。例えば、リスト中の項目を分離する場合、「又は」又は「及び/又は」は、包括的である、すなわち、要素の数又はリスト、及び任意で追加の非リスト項目の少なくとも1つ(2つ以上もまた含む)を包含するものと解釈されるべきである。例えば、「1つのみ」もしくは「正確に1つ」又は、特許請求の範囲において使用される場合、「からなる」(consisting of)などの逆に明示された用語のみが、要素の数又はリストの正確に1つの要素を含むことを意味することになる。一般的に、本明細書で用いられる用語「又は」は、例えば、「何れか」、「1つの」、「1つのみの」、又は「正確に1つの」などの排他性の用語が先行する場合、排他的な選択肢(すなわち、「一方又は他方であって両方ではない」)を示すものとしてのみ解釈されるものとする。特許請求の範囲で使用される場合、「本質的になる」とは、特許法の分野で使用される通常の意味を有するものとする。
【0079】
[1082] 明細書及び特許請求の範囲において本明細書で用いられる場合、1つ以上の要素のリストを参照する「少なくとも1つ」という語句は、要素のリストの何れか1つ以上の要素から選択される少なくとも1つの要素を意味すると理解されるべきであり、必ずしも要素のリスト内に具体的に列挙された各要素の少なくとも1つを含む必要はなく、要素のリスト内の要素の何れかの組み合わせを排除するものではない。この定義はまた、「少なくとも1つの」という語句が、具体的に特定された要素に関連しているか否かに関わらず、指し示す要素のリスト内で具体的に特定される要素以外に要素が任意で存在し得ることを可能にする。したがって、非限定的な例として、「A及びBの少なくとも1つ」(又は、同等に「A又はBの少なくとも1つ」、又は同等に「A及び/又はBの少なくとも1つ」)は、一実施形態において、Bが存在しない(任意でB以外の要素を含む)2つ以上を任意で含む少なくとも1つのA、他の実施形態において、Aが存在しない(任意でA以外の要素を含む)2つ以上を任意で含む少なくとも1つのB、さらに別の実施形態において、任意で2つ以上を含む少なくとも1つのA、及び任意で2つ以上を含む少なくとも1つのB(任意で他の要素を含む)などを指すことができる。
【0080】
[1083] 特許請求の範囲及び上記の明細書において、「comprising」、「including」、「carrying」、「having」、「containing」、「involving」、「holding」、「composed of」などの全ての移行句は、開放的であると、すなわち包含するが限定されないことを意味すると理解されるべきである。移行句「consisting of」及び「consisting essentially of」のみが、米国特許庁特許審査便覧セクション2111.03に定められるようにそれぞれ閉鎖的又は半閉鎖的な移行句であるとする。
図1
図2
図3
図4
図5
【国際調査報告】