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特表2023-506377フィルムの欠陥を識別する方法、フィルムを製造する方法および装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-02-16
(54)【発明の名称】フィルムの欠陥を識別する方法、フィルムを製造する方法および装置
(51)【国際特許分類】
   G01N 21/892 20060101AFI20230209BHJP
   D21H 11/18 20060101ALI20230209BHJP
   D21H 11/20 20060101ALI20230209BHJP
   C08J 5/18 20060101ALI20230209BHJP
   B29C 41/28 20060101ALI20230209BHJP
【FI】
G01N21/892 A
D21H11/18
D21H11/20
C08J5/18 CEP
B29C41/28
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022527684
(86)(22)【出願日】2020-12-18
(85)【翻訳文提出日】2022-06-22
(86)【国際出願番号】 IB2020062187
(87)【国際公開番号】W WO2021124250
(87)【国際公開日】2021-06-24
(31)【優先権主張番号】1951543-6
(32)【優先日】2019-12-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】SE
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】501239516
【氏名又は名称】ストラ エンソ オーワイジェイ
(74)【代理人】
【識別番号】110000855
【氏名又は名称】弁理士法人浅村特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ニーレン、オットー
(72)【発明者】
【氏名】バックフォルク、カイ
【テーマコード(参考)】
2G051
4F071
4F205
4L055
【Fターム(参考)】
2G051AA32
2G051AB04
2G051BA10
2G051CA03
2G051CB01
2G051CB05
2G051CC07
2G051DA06
4F071AA09
4F071BA03
4F071BB13
4F071BC01
4F205AA01
4F205AC05
4F205AG01
4F205AQ01
4F205GA07
4F205GB02
4F205GC07
4F205GF24
4F205GN25
4F205GN29
4L055AF09
4L055AF10
4L055AF46
4L055DA09
4L055DA12
4L055DA13
4L055DA18
4L055EA08
4L055EA13
4L055FA09
(57)【要約】
ウェット・フィルムの欠陥を識別する方法は、ウェット状態の前記ウェット・フィルム(20)をコンベヤー(10)上で運搬するステップと、ウェット・フィルム上へのレーザ投影(1511)を提供するステップと、各々がウェット・フィルムの領域を表す一連の画像を取得するステップであって、レーザ投影の少なくとも一部は見える、ステップと、前記画像の少なくともいくつかを使用して、前記欠陥を識別するステップとを含む。
フィルムを製造するための方法および装置も開示されている。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ウェット・フィルムの欠陥を識別する方法であって、
ウェット状態の前記ウェット・フィルム(20)をコンベヤー(10)上で運搬するステップと、
前記ウェット・フィルム上へのレーザ投影(1511)を行うステップと、
一連の画像を取得するステップであって、各画像が前記ウェット・フィルムの領域を表し、前記レーザ投影の少なくとも一部が見える、前記一連の画像を取得するステップと、
前記画像の少なくともいくつかを使用して、前記欠陥を識別するステップと
を含む、方法。
【請求項2】
前記レーザ投影は、ウェット・フィルム縁部を越えて延在し、前記画像はまた、露出したコンベヤー表面の一部を表す、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
ウェット・フィルム厚さは、前記ウェット・フィルムの横方向外側のコンベヤー表面までの測定距離と、ウェット・フィルム表面までの測定距離との間の差として決定される、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
平均ウェット・フィルム厚さは、前記ウェット・フィルムの横方向外側のコンベヤー表面までの測定距離と、ウェット・フィルム幅内のウェット・フィルム表面までの複数の測定距離との間の差として決定される、請求項2または3に記載の方法。
【請求項5】
前記ウェット・フィルム(20)は、本質的に除去されるべき媒体中に分布するフィルム形成成分を含み、前記ウェット・フィルムの前記媒体の含有量は、少なくとも75重量%、好ましくは80重量%超、85重量%超、90重量%超、または95重量%超である、請求項1~4のいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
前記ウェット・フィルム(20)は、セルロースベースのフィルム、特にミクロフィブリル化セルロースフィルムである、請求項1~5のいずれか一項に記載の方法。
【請求項7】
前記レーザ投影は、キャスティング装置(14)と第1の乾燥装置(13)との間に、好ましくは前記乾燥装置(13)よりも前記キャスティング装置(14)の近くに印加される、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記レーザ投影(1511)は、ベルト支持体(17)が配置されている、前記コンベヤーの前方方向(X)に沿った位置に印加される、請求項1~7のいずれか一項に記載の方法。
【請求項9】
前記コンベヤー(10)は、鋼製ベルトコンベヤーなどの金属ベルトコンベヤー、ポリマーコンベヤー、または紙コンベヤーである、請求項1~8のいずれか一項に記載の方法。
【請求項10】
前記コンベヤー(10)は、前記ウェット・フィルム(20)の両横側でウェット・フィルム縁部を越えて横方向に延在する、請求項1~9のいずれか一項に記載の方法。
【請求項11】
パターンを効果的に提示するために、前記レーザ投影(1511)は、固定パターンとして印加されるか、または画像キャプチャ周波数よりも高い周波数でレーザが走査される、請求項1~10のいずれか一項に記載の方法。
【請求項12】
前記レーザ投影(1511)は、前記コンベヤーの進行方向(X)に対して、ある角度で延在するレーザ方向から、前記進行方向を含む垂直面に印加され、前記角度は、5~80度、好ましくは10~60度または15~40度である、請求項1~11のいずれか一項に記載の方法。
【請求項13】
前記レーザ投影(1511)は、前記コンベヤーの進行方向(X)に対して、ある角度で延在するレーザ方向から、前記進行方向を含む垂直面に印加され、前記角度は、100~175度、好ましくは100~150度または105~130度である、請求項1~12のいずれか一項に記載の方法。
【請求項14】
画像キャプチャ装置の画像平面が、垂直面内に延在する線に垂直となり、レーザ方向に対して30~150度、好ましくは40~90度の角度となるように前記画像がキャプチャされる、請求項12または13に記載の方法。
【請求項15】
前記欠陥は、前記画像に基づいて導出されたような、前記レーザ投影(1511)によって提供される実際のパターンを予想されるパターンと比較することによって識別される、請求項12~14のいずれか一項に記載の方法。
【請求項16】
フィルムを製造する方法であって、
コンベヤー幅を有する連続コンベヤー(10)を提供するステップと、
前記フィルムを溶媒キャストするために、本質的に除去されるべき媒体に分布するフィルム形成成分を含むフィルム(20)を前記コンベヤー上に塗布するためのキャスティング装置(14)を使用するステップと、
請求項1~15のいずれか一項に記載の方法に従って前記ウェット・フィルムの欠陥を識別するステップと、
前記欠陥の指標を提供するステップと
を含む、方法。
【請求項17】
前記指標に基づいて、および/または前記画像に基づいて、少なくとも1つのキャスティング・パラメータを調整するステップをさらに含む、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
少なくとも1つのキャスティング・パラメータを調整するステップは、ウェット・フィルムの供給速度および/または供給分布を調整するステップを含む、請求項17に記載の方法。
【請求項19】
少なくとも1つのキャスティング・パラメータを調整するステップは、ウェット・フィルム厚さおよび/またはウェット・フィルム厚さ分布を制御するように構成されたドクターブレード(142)を調整するステップを含む、請求項17または18に記載の方法。
【請求項20】
少なくとも1つのキャスティング・パラメータを調整するステップは、スロット・ダイ・タイプのキャスティング・ユニットのリップを調整するステップを含む、請求項17~19のいずれか一項に記載の方法。
【請求項21】
操作者に向けられたアラームを提供するステップ、
前記欠陥に対応する位置を記録するステップ、および
前記キャスティング装置と前記コンベヤーのうちの少なくとも一方を停止するステップのうちの少なくとも1つをさらに含む、請求項16に記載の方法。
【請求項22】
フィルムを製造するための装置であって、
コンベヤー幅を有する連続コンベヤー(10)と、
本質的に除去されるべき媒体に分布するフィルム形成成分を含むウェット・フィルムをコンベヤー上に塗布するためのキャスティング装置(14)であって、前記フィルムを溶媒キャスティングして前記コンベヤー幅よりも小さいウェット・フィルム幅を提供するための、キャスティング装置(14)と、
前記ウェット・フィルム上にレーザ投影を提供するように構成されたレーザ投影装置(151)と、
各々が前記ウェット・フィルムの領域を表す一連の画像を取得するように構成された画像キャプチャ装置(152)であって、前記レーザ投影の少なくとも一部が見える、画像キャプチャ装置(152)と、
前記ウェット・フィルムの欠陥を識別するために前記画像の少なくともいくつかを使用するように構成された処理装置(15)と
を備える、装置。
【請求項23】
前記ウェット・フィルムの前記識別された欠陥に基づいて前記キャスティング装置を調整するように構成された調整可能な装置(141、142)をさらに備える、請求項22に記載の装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、フィルムの欠陥を識別する方法に関するものである。本開示はまた、フィルムを製造する方法および装置に関するものである。本方法は、ミクロフィブリル化セルロースフィルムの製造において特定の用途を見出す。
【背景技術】
【0002】
ミクロフィブリル化セルロース(「MFC」)、または「ナノセルロース」は、セルロース繊維壁から分離できるセルロースミクロフィブリルからなる材料である。
【0003】
ナノセルロースは、部分的または全体的にフィブリル化されたセルロースまたはリグノセルロース繊維を含む。遊離したフィブリルの直径は1000nm未満であるが、実際のフィブリルの直径または粒子サイズの分布および/またはアスペクト比(長さ/幅)は、供給源と製造方法によって異なる。最小のフィブリルは基本フィブリルと呼ばれ、直径が約2~4nmの場合があるが、ミクロフィブリルとしても定義される基本フィブリルの凝集形態が、例えば、拡張精製プロセスまたは圧力降下分解プロセスを使用して、MFCを製造する際に得られる主な生成物であるのが一般的である。供給源と製造プロセスに応じて、フィブリルの長さは約1~10マイクロメートル以上まで変動する可能性がある。粗いナノセルロースグレードは、フィブリル化繊維、すなわち仮導管(セルロース繊維)から突出したフィブリルのかなりの部分、および仮導管(セルロース繊維)から遊離した一定量のフィブリルを含む可能性がある。
【0004】
ナノセルロースは、その大きな表面積、または水に分散したときに低固形分(1~5重量%)でゲル状の材料を形成するその能力など、様々な物理的または物理化学的特性によっても特徴付けることができる。セルロース繊維は、好ましくは、形成されたナノセルロースの最終比表面積が、BET法で溶媒交換および凍結乾燥された材料について決定された場合、約1~約500m/g、例えば約1~約200m/g、またはより好ましくは50~200m/gとなる程度までフィブリル化される。
【0005】
シングルパスまたはマルチパス精製、前加水分解または酵素処理と、それに続く精製または高剪断分解またはフィブリルの遊離など、ナノセルロースを製造するための様々な方法が存在する。ナノセルロースは、広葉樹繊維と針葉樹繊維の両方の木材セルロース繊維から製造できる。また、微生物源、農業用繊維(麦わらパルプ、竹、バガスなど)、またはその他の非木質繊維源から作ることもできる。それは、好ましくは、バージン繊維からのパルプを含むパルプ(例えば、機械的、化学的および/または熱機械的パルプ)から作られる。また、壊れた紙や再生紙から作ることもできる。ナノセルロースという用語には、柔組織ナノセルロースおよびBNC(細菌によるナノセルロース)が含まれる。ナノセルロースは、植物繊維からも得ることができる(例えば、テンサイまたはジャガイモベースのナノセルロース)。
【0006】
上記のナノセルロースの定義には、ISO/TS 20477:2017規格におけるナノセルロースの定義が含まれるが、これに限定されない。
【0007】
ナノセルロース/MFCには、セルロースミクロフィブリル、フィブリル化セルロース、ナノフィブリル化セルロース(NFC)、フィブリル凝集体、ナノスケールセルロースフィブリル、セルロースナノ繊維、セルロースナノフィブリル、ナノ結晶セルロース、セルロースマイクロ繊維、セルロースフィブリル、セルロースナノフィラメント、ミクロフィブリルセルロース、ミクロフィブリル凝集体、およびセルロースミクロフィブリル凝集体などのさらなる同義語がある。
【0008】
現在の研究では、MFCは、その強度とバリア特性により、パッケージングおよびパッケージングのコーティングに適した材料である可能性があることが示されている。したがって、MFCは、ポリマーおよび金属フィルムを含む、現在使用されているバリアフィルムを置き換えるか、または補足する可能性がある。
【0009】
MFCフィルムの形成は、粘性またはゲル状の流体材料を連続コンベヤーベルト上に溶媒キャスティングした後、溶媒を脱水/乾燥(蒸発など)させることで実現できる。
【0010】
「溶媒キャスティング」という用語は、例えば脱水および/または蒸発によって本質的に除去されるべき媒体に分布するフィルム形成成分を含むウェット・フィルムを適用することによってフィルムが製造される方法を示す既知の用語である。フィルム形成成分は、分散媒に分散させることも、溶媒に溶解させることもできるため、「溶媒キャスティング」という用語となっている。
【0011】
しかしながら、フィルムの均一な特性を達成し、魅力的な視覚特性を備えたフィルムを達成するためには、さらなる欠陥の発生を防ぐための措置を講じることができるように、フィルムの欠陥を早期に識別することが重要である。このような欠陥の非限定的な例には、供給ノズルの詰まり、空気の閉じ込め、またはさもなければベルト上のキャスティング懸濁液/溶液の不均一な分布によって引き起こされる可能性のある、気泡、穴、縞、厚さの変動、または汚れが含まれ得る。
【0012】
欠陥を検出する従来技術の方法は、完成したドライフィルムに向けられており、これは、欠陥の発生とその検出との間の実質的な遅れを意味し、したがって、欠陥の起源を識別することも困難である。
【0013】
したがって、フィルムの欠陥を識別するための改善された方法が必要である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
本開示の一般的な目的は、ナノセルロースまたは他のセルロースフィルムとすることができるウェット・フィルムの欠陥を識別するための改良された方法装置を提供することである。特に、フィルムの欠陥をより正確に識別できる方法と装置を提供することが目的である。
【課題を解決するための手段】
【0015】
本発明は、添付の独立請求項によって定義され、実施形態は、添付の図面の以下の説明において、従属請求項に記載されている。
【0016】
第1の態様によれば、ウェット・フィルムの欠陥を識別する方法が提供される。この方法は、ウェット状態の前記ウェット・フィルムをコンベヤー上で運搬するステップと、ウェット・フィルム上へのレーザ投影を提供するステップと、各々がウェット・フィルムの領域を表す一連の画像を取得するステップであって、レーザ投影の少なくとも一部は見える、ステップと、前記画像の少なくともいくつかを使用して、前記欠陥を識別するステップとを含む。
【0017】
この方法により、フィルムの欠陥を早期かつリアルタイムで識別することができる。任意選択で、フィルムセクションを欠陥表示データと共に納品することができる。つまり、フィルムがウェットであるときにオンラインでこの方法を実行できるため、欠陥の原因の特定が容易になる。
【0018】
この方法は、欠陥がコンベヤーの進行方向に沿ってより短い距離に延在するという意味で、局所的なあらゆるタイプの厚さの変化を検出するために使用することができる。例えば、レーザが表面に対してどのように角度付けされているかに応じて、コンベヤーの移動方向に約5~10ミクロンまでの範囲を有する欠陥を識別することが可能である。
【0019】
この方法は、厚さが10~10000ミクロン、好ましくは10~5000ミクロン、10~1000ミクロン、50~10000ミクロン、50~5000ミクロン、50~1500ミクロン、50~1000ミクロン、または50~500ミクロンのウェット・フィルムに有用である。
【0020】
この方法は、レーザの波長で80%未満、好ましくは70%未満の光透過率を有するウェット・フィルムに有用である。
【0021】
本出願の文脈において、ウェット・フィルムは、50重量%未満、好ましくは1~50重量%、3~50重量%、3~20重量%、3~15重量%、または3~6重量%の固形分を有するフィルムである。
【0022】
ウェット・フィルムは、コンベヤーの幅のかなりの部分を横切って、コンベヤーの移動方向に沿って連続層として塗布される。
【0023】
画像がキャプチャされる領域の上流に、1つまたは複数の予備乾燥ステップまたは脱水ステップを適用することが可能である。
【0024】
例えば、予備乾燥ステップは、強制蒸発を含むことができ、これは、特定の所望の固形分に到達するために、例えば、IRおよび/またはマイクロ波の形態での放射線によって達成することができる。
【0025】
別の一例として、脱水(例えば、プレス脱水。または重力によって駆動されるか、または真空によって支援される、多孔質基板を介した毛細管効果による脱水)ステップを適用することができる。
【0026】
脱水および/またはその後の乾燥はまた、放射線(IR、マイクロ波)、蒸気、または熱風の衝突によって支援することができる。
【0027】
レーザ投影は、線または任意の所定のパターンとすることができる。
【0028】
レーザ投影は、ウェット・フィルム縁部を越えて延在することができ、前記画像はまた、露出したコンベヤー表面の一部を表すことができる。
【0029】
ウェット・フィルム厚さは、ウェット・フィルムの横方向外側のコンベヤー表面までの測定距離と、ウェット・フィルム表面までの測定距離との間の差として決定することができる。
【0030】
平均ウェット・フィルム厚さは、ウェット・フィルムの横方向外側のコンベヤー表面までの測定距離と、ウェット・フィルム幅内のウェット・フィルム表面までの複数の測定距離との間の差として決定することができる。
【0031】
例えば、レーザ投影は、ウェット・フィルムの幅よりも大きい幅にわたって延在することができる。
【0032】
ウェット・フィルムは、ドライフィルムに到達するために、脱水および/または蒸発などの分離方法によって本質的に除去されるべき媒体中に分布するフィルム形成成分を含む。本出願の文脈において、ドライフィルムは、0.1~15重量%の中程度の含有量を有するフィルムである。
【0033】
フィルム形成成分は、分散媒中に分散させることができ、それにより、分散媒は本質的に除去されるべきである。あるいはまた、フィルム形成成分を溶媒に溶解させることができ、それにより、溶媒は本質的に除去されるべきである。いずれにせよ、キャスティングが行われるとき、媒体は液体段階にある。
【0034】
フィルム形成成分は、MFCおよび1つまたは複数の特性修飾添加剤および/または充填剤を含むことができる。好ましくは、フィルム形成成分は、少なくとも50重量%のMFC、好ましくは少なくとも60%、少なくとも70%、または少なくとも80%のMFCを含む。例えば、フィルム形成成分はまた、MFCに加えて、木材材料などの他の天然繊維材料を含むことができる。
【0035】
フィルム形成成分はまた、任意選択で、フィルムを形成する、および/またはセルロースフィブリル間の結合を改善することができる水溶性ポリマーを含む。そのようなポリマーの典型的な例は、例えば、天然ゴムまたは多糖類またはそれらの誘導体、例えば、CMC、でんぷんなどである。
【0036】
フィルムは、本質的に除去されるべき媒体中に分布するフィルム形成成分を含み、画像キャプチャの時点でのウェット・フィルムの媒体の含有量は、少なくとも75重量%、好ましくは80重量%超、85重量%超、90重量%超、または95重量%超である。
【0037】
フィルムは、セルロースベースのフィルム、特にミクロフィブリル化セルロースフィルム(「MFC」)とすることができる。
【0038】
MFCは、未修飾のMFCまたは化学的に修飾されたMFC、あるいはそれらの混合物とすることができる。未修飾のMFCとは、未修飾または天然セルロース繊維で作られたMFCを指す。未修飾のMFCは、単一のタイプのMFCとすることができるか、またはそれは、(例えば、セルロース原料または製造方法の選択において)異なる2つ以上のタイプのMFCの混合物を含むことができる。化学修飾されたMFCとは、フィブリル化の前、最中、または後に化学修飾を受けたセルロース繊維でできたMFCを指す。化学修飾されたMFCは、単一のタイプの化学修飾されたMFCとすることができるか、またはそれは、(例えば、化学修飾のタイプ、セルロース原料の選択、または製造方法において)異なる2つ以上のタイプの化学修飾されたMFCの混合物を含むことができる。
【0039】
レーザ投影は、キャスティング装置と第1の乾燥装置との間に、好ましくは乾燥装置よりもキャスティング装置の近くに印加することができる。
【0040】
すなわち、フィルムがまだウェット状態にある間に、レーザ投影がウェット・フィルムに印加される。
【0041】
レーザ投影は、ベルト支持体が配置されている、コンベヤーの前方方向に沿った位置に印加することができる。
【0042】
したがって、レーザ投影は、ベルトの支持により、垂直方向の変動が比較的少ないベルトの部分に印加される。
【0043】
コンベヤーは、鋼製ベルトコンベヤーなどの金属ベルトコンベヤー、ポリマーコンベヤー、または紙コンベヤーとすることができる。
【0044】
コンベヤーは、ウェット・フィルムの両横側でウェット・フィルム縁部を越えて横方向に延在することができる。
【0045】
パターンを効果的に提示するために、レーザ投影を固定パターンとして印加することができるか、または画像キャプチャ周波数よりも高い周波数でレーザを走査することができる。
【0046】
レーザ投影は、コンベヤーの進行方向に対してある角度で延在するレーザ方向から、前記進行方向を含む垂直面に印加することができ、前記角度は、5~80度、好ましくは10~60度または15~40度である。
【0047】
あるいはまた、レーザ投影は、コンベヤーの進行方向に対してある角度で延在するレーザ方向から、前記進行方向を含む垂直面に印加することができ、前記角度は、100~175度、好ましくは100~150度または105~130度である。
【0048】
画像キャプチャ装置の画像平面が、垂直面内に延在する線に垂直となり、レーザ方向に対して30~150度、好ましくは40~90度の角度となるように画像をキャプチャすることができる。
【0049】
レーザの方向と画像平面に垂直な線は、鉛直かつコンベヤーの進行方向に平行とすることができる同じ平面内にある。
【0050】
欠陥は、前記画像に基づいて導出されたような、レーザ投影によって提供される実際のパターンを予想されるパターンと比較することによって識別することができる。
【0051】
欠陥の点で、レーザ光散乱および/または反射は欠陥によって変化し、例えば、気泡または空気含有物、または汚れの場合のように、レーザの波長で異なる光散乱および/または反射特性を有する。散乱および/または反射が異なるため、レーザ投影のキャプチャされた画像では、欠陥は、その隣接する領域とは異なって現れ、したがって欠陥を示す。別の可能性は、ウェット・フィルムの表面レベルが、ウェット・フィルムの平均表面レベル、または穴、縞、または溝などの隣接するフィルム領域のレベルよりも局所的に低く、レーザ投影のキャプチャされた画像の違いが欠陥を明らかにすることである。
【0052】
第2の態様によれば、フィルムを製造する方法であって、コンベヤー幅を有する連続コンベヤーを提供するステップと、フィルムを溶媒キャスト(solvent cast)するために、本質的に除去されるべき媒体に分布されるフィルム形成成分を含むフィルムをコンベヤー上に塗布するためのキャスティング装置を使用するステップと、上記のいずれか一項に記載の方法に従ってウェット・フィルムの欠陥を識別するステップと、前記欠陥の指標を提供するステップとを含む、方法が提供される。
【0053】
この方法は、前記指標に基づいて、および/または前記画像に基づいて、少なくとも1つのキャスティング・パラメータを調整するステップをさらに含むことができる。
【0054】
液体を連続コンベヤーベルトに塗布するのに適したキャスティング装置は、それ自体が知られており、典型的には、幅方向に沿って延在し、形成されるべきフィルム層の幅に対応する長さを有する細長いノズルを含む。
【0055】
画像キャプチャ後、フィルムは1つまたは複数の脱水および/または乾燥ゾーンを通過し、そこでウェット・フィルムの媒体が除去されてドライフィルムが得られる。
【0056】
本発明の方法によって形成されたフィルムは、乾燥すると、10~100ミクロン、好ましくは15~60ミクロンの厚さを有し得る。
【0057】
フィルムは、バリアフィルム、メンブレンフィルム、またはナノペーパーとすることができる。
【0058】
少なくとも1つのキャスティング・パラメータを調整するステップは、ウェット・フィルムの供給速度および/または供給分布を調整するステップを含むことができる。
【0059】
少なくとも1つのキャスティング・パラメータを調整するステップは、ウェット・フィルム厚さおよび/またはウェット・フィルム厚さ分布を制御するように構成されたドクターブレードを調整するステップを含むことができる。
【0060】
少なくとも1つのキャスティング・パラメータを調整するステップは、スロット・ダイ・タイプのキャスティング・ユニットのリップを調整するステップを含むことができる。
【0061】
この方法は、操作者に向けられたアラームを提供するステップ、
欠陥に対応する位置を記録するステップ、およびキャスティング装置とコンベヤーのうちの少なくとも一方を停止するステップのうちの少なくとも1つをさらに含むことができる。
【0062】
例えば、この方法は、品質管理システムまたはフィルムに関連するキャリア上に位置および任意選択でタイプデータを記録するステップを含むことができ、その結果、欠陥の位置が、後の状態で導き出され、それにより、フィルムの使用者は、フィルムのその部分の使用を回避することができる。
【0063】
検出された欠陥に関する情報を生産ログまたは品質管理システムに保存することは、検出された欠陥の時間と位置を示すことを含むことができる。
【0064】
第3の態様によれば、フィルムを製造するための装置であって、コンベヤー幅を有する連続コンベヤーと、本質的に除去されるべき媒体に分布するフィルム形成成分を含むウェット・フィルムをコンベヤー上に塗布するためのキャスティング装置であって、フィルムを溶媒キャスティングしてコンベヤー幅よりも小さいウェット・フィルム幅を提供するための、キャスティング装置と、ウェット・フィルム上にレーザ投影を提供するように構成されたレーザ投影装置と、各々がウェット・フィルムの領域を表す一連の画像を取得するように構成された画像キャプチャ装置であって、レーザ投影の少なくとも一部が見える、画像キャプチャ装置と、ウェット・フィルムの欠陥を識別するために前記画像の少なくともいくつかを使用するように構成された処理装置とを含む、装置が提供される。
【0065】
この装置は、ウェット・フィルムの前記識別された欠陥に基づいてキャスティング装置を調整するように構成された調整可能な装置をさらに含むことができる。
【図面の簡単な説明】
【0066】
図1】フィルムを溶媒キャスティングするための装置の側面図を概略的に示す。
図2図1の装置の上面図を概略的に示す。
図3図2の装置の詳細の上面図を概略的に示す。
図4図1のレーザ投影装置の詳細図を概略的に示す。
【発明を実施するための形態】
【0067】
図面は、本発明を実施することができる装置を概略的に示している。ベルトキャスティングに使用するための装置はそれ自体が知られているので、図面を参照して簡単に説明するだけである。
【0068】
ベルトキャスティング機は、通常、中実の鋼製ベルト、またはポリマーまたは紙材料の連続した滑らかなベルトとすることができる、コンベヤーベルト10を含む。
【0069】
鋼製ベルトは、滑らかなフィルム表面を提供するために研削または研磨することができる。非常に滑らかなフィルム表面には、鏡面品質の研磨された鋼製ベルトを使用できる。
【0070】
ポリマーまたは紙ベルトは、表面を十分に滑らかにするための表面コーティングを有することができる。
【0071】
コンベヤーベルトは、金属ベルト、特に鋼製ベルトなどの連続的またはエンドレスのコンベヤーベルトとすることができる。
【0072】
コンベヤーベルトは、少なくとも1対のコンベヤーベルトプーリー11、12の上を走行するように配置され、そのうちの少なくとも1つは駆動プーリーとすることができる。さらに支持プーリーを提供することもできるが、提供する必要はない。典型的には、ベルト速度は、少なくとも10m/分、おそらく少なくとも50m/分または少なくとも75m/分のオーダーとすることができる。
【0073】
ベルト幅は、0.3~8mのオーダー、典型的には0.5~6mまたは1~5mとすることができる。
【0074】
ベルトの一部の上に乾燥室13を設けることができる。そのような乾燥室は、ベルトの進行方向に垂直の断面で見られるように、ベルトを完全に囲むように配置することができる。乾燥室は、制御された温度、ガス雰囲気、および気流が提供され得る1つまたは複数のゾーンを含むことができる。例えば、溶媒の蒸発を促進するための高温と、蒸発した溶媒を受け入れる空気の能力を最大化するための低湿度の空気を提供することが望ましい場合がある。排気気流は、溶媒回収または破壊装置に接続する場合がある。
【0075】
乾燥室の前に、1つまたは複数の予備乾燥または脱水ゾーン(図示せず)を付けることができる。
【0076】
画像がキャプチャされる領域の上流に、1つまたは複数の予備乾燥ステップまたは脱水ステップを提供することができる。
【0077】
代替的に、または補足として、1つまたは複数の予備乾燥ステップまたは脱水ステップを、画像がキャプチャされる領域の下流であるが、乾燥室13の上流に提供することができる。
【0078】
例えば、予備乾燥ステップは、強制蒸発を含むことができ、これは、特定の所望の固形分に到達するために、例えば、IRおよび/またはマイクロ波の形態での放射線によって達成することができる。
【0079】
別の一例として、脱水(例えば、プレス脱水。または重力によって駆動されるか、または真空によって支援される、多孔質基板を介した毛細管効果による脱水)ステップを適用することができる。
【0080】
脱水および/またはその後の乾燥はまた、放射線(IR、マイクロ波)、蒸気、または熱風の衝突によって支援することができる。
【0081】
例えば、第1のベルトプーリー11によって、コンベヤー10の一端に、フィルム塗布機14を設けることができる。フィルム塗布機14は、1つまたは複数のフィーダ141および/またはドクターブレード142を有することができ、これを使用して、ベルト幅にわたるフィルムの厚さおよび/または厚さ分布を制御することができる。
【0082】
コントローラ15は、駆動モーターまたはアクチュエータ(図示せず)を介して、フィーダ141、外部供給ポンプ(図示せず)、スロット・ダイ・タイプのキャスティング・ユニットのリップ、および/またはドクターブレード142を制御するように構成することができる。
【0083】
レーザ投影装置15は、レーザ源151と、カメラなどの画像キャプチャ装置152とを含む。
【0084】
レーザ投影装置151は、フィルム幅を横切ってレーザ投影1511を提供し、画像キャプチャ装置152は、レーザ投影1511の少なくとも一部の画像を取得する。
【0085】
平坦な表面上で、レーザ投影1511は、その進行方向に対して直角にコンベヤー10を横切って延在する直線などであるがこれに限定されない、所定のパターンを提供するであろう。
【0086】
レーザは、約380~900nmの波長、好ましくは380~750nm、より好ましくは625~740nmで動作することができる。
【0087】
レーザ投影装置151は、1つまたは複数のレーザ源151から形成することができ、これは、レーザ投影1511の異なる部分を提供するように、および/または投影1511の強度を増加させるために、互いに補強するように調整することができる。
【0088】
レーザ投影装置は、レーザドットを走査することによって、または固定投影を提供するためにファニングフィルタによって動作することができる。
【0089】
使用中、コンベヤーベルトは、フィルム溶液20がベルト表面に供給されている間、前方方向に所定の速度で駆動され、これは、図面において「X」方向として示されている。フィルム塗布機の下流の領域では、レーザ投影1511がフィルムを横切って印加され、同時に画像キャプチャ装置152を使用して画像を取得し、各々の画像は、レーザ投影、フィルム表面、およびフィルム表面の横方向外側で露出したベルト表面を示す。
【0090】
図4を参照すると、レーザ源151は、コンベヤーの進行方向に平行な垂直面X-Zで見られるように、コンベヤー表面に対して5~80度、好ましくは10~60度、または15~40度の角度aで方向D151に沿って向けることができる。特定の例として、レーザ光源は、10~20度、20~30度、30~40度、40~50度、50~60度、60~70度、または70~80度の角度でコンベヤー表面に向けることができる。
【0091】
あるいはまた、レーザ投影が前方方向と反対の方向に沿って印加される場合、角度は100~175度、好ましくは100~150度または105~130度とすることができる。
【0092】
画像キャプチャ装置152は、前記垂直面X-Zで見られる、レーザ光源方向D151に対して30~150度、好ましくは40~90度の角度bで方向D152に沿って向けることができる。
【0093】
フィルタ153は、コンベヤーと画像キャプチャ装置152との間のレーザ光の光路内に配置することができる。フィルタは、関連するレーザ波長(複数可)に一致させることができる。
【0094】
フィルムの厚さ方向は、図面では「Z」方向として示され、フィルム幅は、図面では「Y」方向として示されている。
【0095】
以下に、例示的な例として、フィルム厚さを決定する方法を説明する。
【0096】
コントローラ15は、画像を受信し、画像処理を実行して、フィルムの厚さおよび/またはフィルム幅全体にわたるフィルムの厚さ分布を判定する。
【0097】
コントローラ15がフィルムの厚さおよび/またはフィルムの厚さ分布が許容範囲外であると判定したときに、フィルムの厚さを調整するために、判定されたフィルム厚さおよび/またはフィルム厚さ分布に基づいて、フィーダ141、外部供給ポンプ(図示せず)、スロット・ダイ・タイプのキャスティング・ユニットのリップ、および/またはドクターブレード142を調整することができる。
【0098】
フィルムをそのウェット状態で塗布する場合、それは1~25重量%または3~20重量%の固形分を有することができ、残りの部分は溶媒(複数可)または分散媒体(複数可)とすることができ、好ましくは、固形分部分は(重量で)1~3%、3~6%、6~9%、9~12%、12~15%、15~18%、18~21%、21~24%、または24~25%とすることができる。
【0099】
固形部分は、MFCなどの主要材料、および1つまたは複数の添加剤を含むことができる。主要材料は、固形部分の少なくとも50重量%、好ましくは少なくとも60、70、80、または90重量%存在することができる。
【0100】
特定のフィルム特性を提供するために使用される典型的な添加剤には、ブロッキング防止および帯電防止化合物、キレート剤、染料、導電性物質、顔料などが含まれ得る。
【0101】
他の添加剤には、木質材料などの天然繊維材料が含まれ得る。
【0102】
フィルムは、乾燥室を通過し、その後、ベルト10から解放させられ、その後、フィルムは、リール16上に巻かれることなどによって、輸送用に包装することができる。
【0103】
コンベヤーベルトは、1つまたは複数のベルト支持体17によって支持することができ、これは、ベルト幅の全部または一部にわたって延在し得るローラーまたはスライド支持体として提供することができる。
【0104】
レーザ投影は、支持体17とベルト10との間の接触領域でベルト表面に印加することができる。好ましくは、レーザ投影は、支持ローラー17とベルト10との間のY軸に平行な接触線から支持ローラーの直径の50%のX方向の距離内に、好ましくはそのような支持ローラーの直径の25%の距離内に提供することができる。
【0105】
図3は、ウェット・フィルム20が拡大されたベルト10のセクションを概略的に示しており、画像フレーム30の一例は一点鎖線で示され、レーザ投影1511は破線で示されている。
【0106】
好ましくは、レーザ投影は、コンベヤーベルトの前方方向Xと平行である垂直面内のレーザ方向から、すなわち、X-Z平面内で、上記のように角度aで提供される。
【0107】
図示の場合、その標的領域上のレーザ投影1511は、5つのセクションを提示し、これらは、X方向に互いに相対的に変位され、したがって、フィルム20の厚さおよび/または厚さの変動を示す。
【0108】
レーザ投影15111、15115の第1の対は、ベルト10の露出した表面部分101に当たる。したがって、これらのレーザ投影15111、15115は、ゼロの厚さレベルを示し、X-Y平面に平行な基準平面を示すために使用することができる。
【0109】
レーザ投影の第2の対15112、15114は、ウェット・フィルム20の表面に当たり、レーザ投影の第1の対よりも投影装置141に近く、より高いレベルを示し、これは、所望のフィルム表面であり得る。
【0110】
第3のレーザ投影部分15113は、第2の対のレーザ投影15112、15114を横方向に越えており、したがって、より低いレベルを示している。
【0111】
したがって、レーザ投影の第1のペアと第2のペアの間のX方向の距離15111、15115。15112、15114はフィルム厚さを示す。フィルム厚さは、投影角度とX方向の前記距離を知ることで計算できる。
【0112】
厚さの減少を示す第3のレーザ部分15113は、同様の方法で識別および測定することができる。
【0113】
画像は、ベルト速度に基づいて決定することができる所定の周波数で撮影することができる。
【0114】
各々の画像を分析して、その画像内のレーザ投影の位置を識別し、例えば、平均フィルム厚さ、最大フィルム厚さ、最小フィルム厚さ、または厚さの標準偏差を計算することができる。
【0115】
上記のパラメータの1つまたは複数が所定の範囲から外れると、アラームが作動し、供給および/またはコンベヤーの前進を停止することができる。
【0116】
結果は、フィーダ14を調整するための入力として使用することができる。このような調整は、フィーダ141の幅の全部または一部にわたって供給速度を調整することを含むことができる。
【0117】
任意選択で、または補足として、結果は、ドクターブレード142を調整するための入力として使用することができる。
【0118】
さらに任意選択で、または補足として、結果は、スロット・ダイ・タイプのキャスティング・ユニットのリップを調整するための入力として使用することができる。
【0119】
しかしながら、任意選択で、製造されたフィルムは、フィルム全体またはフィルム部分の厚さプロファイルを詳細に示す動画と共に納品することができる。
【0120】
本明細書の開示はMFCに関するものであるが、この方法およびシステムは、セルローストリアセテートなどのセルロースベースのフィルム、ポリイミド、液晶ポリマー、またはポリ(フッ化ビニリデン)などのポリマーフィルム、およびカゼインナトリウムおよびカゼインカルシウムベースのフィルムなどの食用フィルムを含むが、これらに限定されない他のタイプのフィルムの製造にも使用できることが理解される。
【0121】
フィルムの正確な測定を達成するために、上記のように、追加のベルト支持体でフィルムの厚さを測定することが可能である。
【0122】
追加の手段として、フィルムが空のときのベルトの形状を決定するように、ベルトで較正運転を実行することができる。
【0123】
上記のようなレーザ測定をベルトの下側に同時に印加し、そのような測定の結果を使用して、ベルトの形状および/または動きの変動を補償することも可能である。
【0124】
上記の方法は、ウェット・フィルムの欠陥を識別するためにも使用できる。そのような識別は、1つまたは複数の画像に示されているようなレーザ投影パターンと予想されるレーザ投影パターンとの間の偏差に基づくことができる。
【0125】
例えば、フィルム内の穴または窪みは、レーザ投影パターンの線の局所的な変位として現れる場合がある。
【0126】
別の一例として、空気の混入は、レーザビームが反射ではなく吸収されるように、そのようなスポットで透過または散乱が大幅に増加するため、レーザ投影パターンの線の局所的な乱れとして現れる場合がある。
【0127】
さらに別の一例として、フィルム表面から上向きに突き出ている一片の汚れまたは突起は、レーザ投影パターンの一部を乱す影として現れる場合がある。
【0128】
さらに別の一例として、一片の汚れ、ゲルの塊、またはフィブリルフロックの蓄積は、レーザビームの局所散乱を変化させる、および/またはレーザ投影パターンの一部を乱すように突出する場合がある。
図1
図2
図3
図4
【国際調査報告】