(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-02-16
(54)【発明の名称】シンチレーション検出器
(51)【国際特許分類】
G01T 1/20 20060101AFI20230209BHJP
G01T 1/202 20060101ALI20230209BHJP
【FI】
G01T1/20 D
G01T1/202
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022533587
(86)(22)【出願日】2020-12-11
(85)【翻訳文提出日】2022-07-28
(86)【国際出願番号】 GB2020053181
(87)【国際公開番号】W WO2021116697
(87)【国際公開日】2021-06-17
(32)【優先日】2019-12-12
(33)【優先権主張国・地域又は機関】GB
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】513066122
【氏名又は名称】クロメック リミテッド
【氏名又は名称原語表記】KROMEK LIMITED
(74)【代理人】
【識別番号】100147485
【氏名又は名称】杉村 憲司
(74)【代理人】
【識別番号】230118913
【氏名又は名称】杉村 光嗣
(74)【代理人】
【識別番号】100134577
【氏名又は名称】石川 雅章
(72)【発明者】
【氏名】エドワード マースデン
(72)【発明者】
【氏名】ジョン アトキンズ
【テーマコード(参考)】
2G188
【Fターム(参考)】
2G188BB04
2G188BB09
2G188CC09
2G188CC15
2G188CC21
2G188CC23
2G188DD11
2G188DD45
(57)【要約】
シンチレーション材を含むシンチレータと;シンチレーション材の該表面を少なくとも部分的に覆うラッピング層とを含む放射線検出器アセンブリに使用するためのシンチレータユニットが記載されており;ラッピング層は、拡散反射性材料の第1層と鏡面反射性材料の第2層とを含む複合層を含む。シンチレータユニットを含む放射線検出器アセンブリも記載されている。また、その製造方法も記載されている。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
シンチレーション材を含むシンチレータと、
前記シンチレータ材の外表面の少なくとも一部を覆うラッピング層と、を含み、
前記ラッピング層は、拡散反射性材料の第1層と鏡面反射性材料の第2層とを含む複合層を含む、放射線検出器アセンブリに使用するためのシンチレータユニット。
【請求項2】
前記拡散反射性材料の層は、拡散反射性の可撓性フィルムを含む、請求項1に記載のシンチレータユニット。
【請求項3】
前記拡散反射性材料の層は、可撓性高分子材料シートの層を含む、請求項2に記載のシンチレータユニット。
【請求項4】
前記拡散反射性材料の層はPTFEシートの層を含む、請求項3に記載のシンチレータユニット。
【請求項5】
前記鏡面反射性材料の層は、鏡面反射性の可撓性フィルムを含む、請求項1~4のいずれか1項に記載のシンチレータユニット。
【請求項6】
前記鏡面反射性材料の層は金属材料の層を含み、例えば、反射金属箔の層または金属化高分子シートの層を含む、請求項5に記載のシンチレータユニット。
【請求項7】
前記拡散反射性材料の層は、2mm未満、例えば0.1mm~1mmの厚さを有する、請求項1~6のいずれか1項に記載のシンチレータユニット。
【請求項8】
前記鏡面反射性材料の層は、200ミクロン未満、例えば10μm~100μmの厚さを有する、請求項1~7のいずれか1項に記載のシンチレータユニット。
【請求項9】
前記拡散反射性材料の層は、前記鏡面反射性材料の層よりも前記シンチレータに近い位置にある、請求項1~8のいずれか1項に記載のシンチレータユニット。
【請求項10】
前記ラッピング層は、前記鏡面反射性材料の層を直接重ね合わせた前記拡散反射性材料の層を含む、請求項1~9のいずれか1項に記載のシンチレータユニット。
【請求項11】
前記鏡面反射性材料の層は、前記ラッピング層の最外層を含む、請求項1~10のいずれか1項に記載のシンチレータユニット。
【請求項12】
前記シンチレーション材は無機結晶シンチレーション材である、請求項1~11のいずれか1項に記載のシンチレータユニット。
【請求項13】
前記無機結晶シンチレーション材は、NaI(Tl)、CsI(Tl)、CsI(Na)、LiI(Eu)などのドープされたアルカリハライドと、BGO、CdWO
4、ZnS(Ag)などの他の低速無機物と、塩化ランタン(LaCl
3(Ce))、臭化ランタン(LaBr
3(Ce))、CLLB(Cs
2LiLaBr
6(Ce))、GSO(Gd
2SiO
5(Ce))、YAP、YAG、LSO、LuAPなどのCe
3+活性化高速無機物と、などの1つまたは複数から選択される、請求項12に記載のシンチレータユニット。
【請求項14】
請求項1~13のいずれか1項に記載のシンチレータユニットと、
前記シンチレータに光学的に結合された光検出器とを含む、放射線検出器アセンブリ。
【請求項15】
前記放射線検出器アセンブリは、放射線検出器の構成要素を携帯可能な方法でコンパクトに互いに関連付けるように適合された、例えば、使用時にハンドヘルドであるように適合された筐体を含むという点で、携帯可能であるように適合されている、請求項14に記載の放射線検出器アセンブリ。
【請求項16】
シンチレーション材を含むシンチレータを提供するステップと、
前記シンチレーション材の外表面の少なくとも一部をラッピング層で覆うステップと、を含み、
前記ラッピング層は、拡散反射性材料の第1層と鏡面反射性材料の第2層とを含む複合層を含む、シンチレータユニットの製造方法。
【請求項17】
請求項16に記載のシンチレータユニットの製造方法に従って、シンチレータユニットを製造するステップと、
光検出器とシンチレータを光学的に結合させるステップと、含む、放射線検出器アセンブリの製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば、高エネルギー電磁放射線、特にガンマ線を含む電離放射線の検出、または中性子を含む亜原子粒子放射線の検出に使用され得るシンチレーション検出器、およびこれに使用するシンチレータユニットに関するものである。特に、本発明は、携帯型放射検出器装置での使用に適合させることを目的としたシンチレーション検出器の改良に関するものである。本発明は、さらに、斯かるシンチレーション検出器を含む携帯型放射線検出器装置に関する。本発明は、さらに、その製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
電離放射線によって励起された際にシンチレーションを発し、その結果光子を放出するシンチレータ材料と、その光子を検出する光検出器を組み合わせて使用して、高エネルギーの電離放射線を検出するための効率的な放射線検出器が構築され得ることは、長年にわたって確立されている原理である。光検出器により、シンチレータの反応を示す電気信号を得ることが可能であり、その結果、シンチレータに入射する放射線を検出し、特徴づけることができる。
【0003】
シンチレータと適切な光検出器を含むシンチレーション検出器の使用は、放射線検出およびモニタリングの分野で普及しており、特に、放射能汚染の検出および定量化/特徴づけ、放射性物質および発生源のモニタリング、潜在的汚染環境のモニタリング、ならびに同様の用途に使用可能な小型携帯型、例えばハンドヘルド放射線モニタリングメータの開発に応用することができる。そのため、シンチレータおよび検出器、ならびに他の適切な検出制御システムおよび電子機器をコンパクトかつ効率的な方法で関連付けることができるシンチレーション検出器を開発することが一般に望まれている。
【0004】
様々なシンチレータ材料が周知である。既知のシンチレータ材料としては、有機シンチレータと無機シンチレータが挙げられる。ある無機シンチレータは、小型検出器、例えば携帯型検出器での使用に特に適している場合がある。無機シンチレータの既知のクラスには、NaI(Tl)、CsI(Tl)、CsI(Na)、LiI(Eu)などのドープされたアルカリハライド;BGO、CdWO4、ZnS(Ag)などの他の低速無機物;塩化ランタン(LaCl3(Ce))、臭化ランタン(LaBr3(Ce))、CLLB(Cs2LiLaBr6(Ce))、GSO(Gd2SiO5(Ce))、YAP、YAG、LSO、LuAPなどのCe3+活性化高速無機物が含まれる。特にこの最後のクラスの多くは、吸湿性が高い。
【0005】
特に小型の、例えば携帯型の操作に適した光検出器としては、光電子増倍管が挙げられる。好適な光電子増倍管には、光電子増倍管(PMT)およびフォトダイオードが含まれる。シリコン光電子増倍管(SiPM)を含む固体光電子増倍管は、特に、小型の、例えば携帯型の検出器への適用に適している。
【0006】
シンチレーション検出器では、通常、無機結晶シンチレータなどのシンチレータの片面に光検出器が光学的に結合されている。最適な性能を得るためには、以下の2つの基本性能特徴が必要である:
1.シンチレータの各シンチレーションイベントで発生する最大数の光子が光検出器に到達しなければならない;
2.励起エネルギーが一定であれば、シンチレータのどこで励起イベントが起きても、光検出器には同じ数の光子が安定して集められなければならない。
【0007】
特に無機結晶シンチレータの場合、この2つの目的は、通常、シンチレータ結晶を高反射率の光学的に拡散する材料で包むことにより達成される。一般的には、発泡ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)が使用される。しかし、この材料は、最適な性能に必要な反射率を達成するには2~3mmの厚みを必要とし、その結果、組み立てられた検出器は、小型の、例えば携帯型の装置に望まれるよりもかさばるものとなってしまう可能性がある。
【0008】
代替となる高反射率薄膜が利用可能である。しかし、これは鏡面反射鏡であるため、この目的に使用した場合、結果として効果が低くなる傾向がある。
【0009】
一般に、上記の欠点の1つまたは複数を緩和する、シンチレーション検出器アセンブリ用のシンチレータユニット、および斯かるシンチレータユニットを組み込んだシンチレーション検出器アセンブリを提供することが望ましい。
【0010】
所与のシンチレーションイベントから発生する光子の収集の効率および一貫性を高める反射材料でシンチレータ材料を包む手段および方法を含む、シンチレーション検出器アセンブリ用のシンチレータユニットおよび斯かるシンチレータユニットを組み込んだシンチレーション検出器アセンブリを提供することが特に望ましい。
【0011】
小型の、例えば携帯型ハンドヘルド検出器の製造に適した反射材料でシンチレータ材料を包む手段および方法を含む、シンチレーション検出器アセンブリ用のシンチレータユニットおよび斯かるシンチレータユニットを組み込んだシンチレーション検出器アセンブリを提供することが特に好ましい。
【発明の概要】
【0012】
第1の態様における本発明によれば、放射線検出器アセンブリに使用するためのシンチレータユニットは:
シンチレーション材を含むシンチレータと;
前記シンチレータの外表面の少なくとも一部を覆うラッピング層とを含み;
前記ラッピング層は、拡散反射性材料の第1層と鏡面反射性材料の第2層とを含む複合層を含む。
【0013】
シンチレーション材は、入射する高エネルギー電磁放射線、特にガンマ線、または中性子を含む亜原子粒子放射線に対してシンチレーション反応を示し、それによって、例えば可視範囲のまたはそれに近い光子を放出するように適合された材料を含む。
【0014】
典型的な使用では、よく知られているように、シンチレータは、シンチレーション検出器において光検出器と一緒に使用される。光検出器は、前記放出された光子の少なくとも一部を受信し、それに応答して電気信号を生成するためにシンチレータに対して位置決めされるという意味で、シンチレータに光学的に結合される。例えば、シンチレータの発光面は、光検出器の受光面に近接して配置される。この電気信号は、シンチレータに入射する放射線に関する推論を行うために使用することができ、これにより、シンチレータに入射する次の放射線を検出し、特徴づけることができる。
【0015】
本発明は、拡散反射性材料層と鏡面反射性材料層を組み合わせた複合層を含むシンチレータ用ラッピング体を使用することによって特徴付けられる。複合ラッピング体は、これにより、拡散反射性と鏡面反射性を効果的に両立させる。特に無機結晶シンチレータの場合、本発明は、光検出器に光学的に結合されていないシンチレータの表面の少なくとも主要部分を覆う高反射率の光学的に拡散するラッピング材料を提供することによって、性能を最適化するのに有効である。本発明の複合アプローチは、PTFEアプローチのすべての性能を有するが、例えば2-3mmではなく200-300μmのように必要とする厚みがはるかに少ないラッピング体において、先行技術の拡張PTFEの使用において示された高い拡散挙動と高い反射率とを組み合わせるものである。
【0016】
本明細書で使用される場合、拡散反射性材料は、シンチレータによって放出されるエネルギー範囲の放射線に対して、主に、例えば実質的に拡散反射モードを示す材料を含み、鏡面反射性材料は、シンチレータによって放出されるエネルギー範囲の放射線に対して、主に、例えば実質的に鏡面反射モードを示す材料を含むと理解されるであろう。
【0017】
拡散反射性材料の層は、好ましくは、拡散反射性の可塑性フィルムを含む。鏡面反射性材料の層は、好ましくは、鏡面反射性の可塑性フィルムを含む。複合ラッピング層は、このように、都合よく、可塑性の複合ラッピングフィルムを含んでよい。
【0018】
拡散反射性材料の層は、好ましくは、高分子材料の層、例えば、可塑性の高分子材料シートの層を含む。鏡面反射性材料の層は、好ましくは、金属材料の層を含み、例えば、反射金属箔の層または金属化高分子シートの層を含む。したがって、複合層は、好ましくは、可塑性の高分子材料の層と反射箔の層とを含み、この好ましい実施形態に基づいて、例を非限定的に本明細書で論じる。お
【0019】
可塑性高分子材料のような拡散反射性材料は、シンチレータによって放出されるエネルギーで光子を光学的に拡散させるように選択される。このような材料に対する適切な選択は、当業者の一般的な能力の範囲内であろう。
【0020】
光学的に拡散する高分子材料は既知であり、可撓性高分子材料の層は、1つまたは複数の斯かる材料を組み込んだフィルムを含む。実施形態では、光学的に拡散する材料はポリテトラフルオロエチレン(PTFE)であり、可撓性高分子材料の層はPTFEフィルムを含む。
【0021】
反射箔の層などの鏡面反射性材料は、シンチレータによって放出されるエネルギーでの光子の反射率が高いように選択された材料を含む。斯かる材料に対する適切な選択は、当業者の一般的な能力の範囲内であろう。
【0022】
既知の反射性材料としては、金属板および高反射率金属化高分子シートが挙げられ、鏡面反射性材料の層は、斯かる材料の1つまたは複数を含む。
【0023】
好ましくは、拡散反射性材料の層は、2mm未満、例えば0.1mm~1mmの厚さを有する。
【0024】
好ましくは、鏡面反射性材料の層は、200ミクロン未満、例えば10μm~100μmの厚さを有する。
【0025】
好ましくは、複合ラッピング層は、2.1mm未満、例えば110μm~1100μmの厚さを有する。
【0026】
複合ラッピング層は、任意に追加の層を含んでもよい。
【0027】
好ましい実施形態では、拡散反射性材料の層は、鏡面反射性材料の層よりもシンチレータに近い位置にある。
【0028】
任意に、複合ラッピング層は、鏡面反射性材料の層を直接重ね合わせた拡散反射性材料の層を含んでもよい。例えば、複合ラッピング層は、反射箔の層で直接オーバーコートした可撓性高分子材料の層を含むフィルムであってもよい。
【0029】
いくつかの実施形態では、鏡面反射性材料の層は、複合ラッピング層の最外層を含む。
【0030】
いくつかの実施形態では、拡散反射性材料の層とシンチレータの外表面との間に空間を設けて、使用中のシンチレータによって放出された光子の表面での内部反射を促してもよい。この空間は、エアギャップであってもよい。さらに、または代替的に、低屈折性材料のスペーシング層が、拡散反射性材料の層とシンチレータの外表面との間に配置されてもよい。
【0031】
シンチレーション材は、好ましくは、結晶性シンチレーション材を含む。シンチレーション材は、例えば、無機結晶性シンチレーション材である。シンチレーション材は、例えば、単結晶である。
【0032】
本発明で使用するのに適した無機シンチレーション材としては、NaI(Tl)、CsI(Tl)、CsI(Na)、LiI(Eu)などのドープされたアルカリハライド;BGO、CdWO4、ZnS(Ag)などの他の低速無機物;塩化ランタン(LaCl3(Ce))、臭化ランタン(LaBr3(Ce))、CLLB(Cs2LiLaBr6(Ce))、GSO(Gd2SiO5(Ce))、YAP、YAG、LSO、LuAPなどのCe3+活性化高速無機物が挙げられる。
【0033】
本発明のより完全な態様では、
第1の態様に係るシンチレータユニットと;
光検出器とを含む、放射線検出器アセンブリが提供される。
【0034】
特に小型の、例えば携帯型の操作に適した光検出器としては、光電子増倍管が挙げられる。適切な光電子増倍管は、光電子増倍管(PMT)およびフォトダイオードを含む。シリコン光電子増倍管(SiPM)を含む固体光電子増倍管は、特に、小型の、例えば携帯型の検出器への適用に適している。
【0035】
放射線検出器アセンブリは、適切な筐体で提供され得る。筐体は、その中の構成要素が機械的および/または環境的に保護され、例えば密閉された囲まれた容積を提供するように適合されることができる。
【0036】
放射線検出器アセンブリは、また、適用可能であれば筐体は、例えば、限定するわけではないが、バッテリなどの電源;シンチレータに入射する放射線を示す光検出器からの電子信号を収集すること、収集したデータを処理すること、収集したデータを解析して入射放射線に関する推論を行うことのうち1つまたは複数のために較正されたデータ処理モジュール;収集したデータおよび/または収集したデータの解析結果を外部受信機、例えば外部プロセッサに送信するよう構成されたデータ送信モジュールを含む、検出器デバイス内の検出器アセンブリの機能を促進する他の適切な構成要素をさらに含んでよい。制御および処理電子機器は、例えば、適切なASICによって実行されてもよく、データ処理モジュールは、それに対応して適切なASICを含んでよく、囲いも、それに対応して、適切なASICを含んでもよい。
【0037】
筐体は、任意に、外部の制御システムからデータを受信するように構成された手段;外部の電源から電力を受け取る手段をさらに含んでよい。
【0038】
放射線検出器アセンブリは、さらに、適切な制御および処理電子機器を含んでもよく、および/または、適切な制御および処理電子機器と遠隔通信するように適合されてもよい。
【0039】
放射線検出器アセンブリは、さらに、適切な電源を含んでもよく、および/または、適切な電源と遠隔接続するように適合されてもよい。電源は、電池であってもよく、例えば、充電式電池であってもよい。
【0040】
放射線検出器アセンブリは、検出された放射線に関する情報を表示するように適合された適切なディスプレイを含んでもよい。
【0041】
放射線検出器は、検出された放射線に関する情報を遠隔のデータステーションと通信するように適合された有線または無線の送信機または送受信機を含んでもよい。
【0042】
放射線検出器アセンブリは、適切な筐体を含んでもよい。
【0043】
好ましい実施形態では、放射線検出器アセンブリは、携帯可能であるように適合され、例えば、使用時にハンドヘルドであるように適合される。例えば、それは、放射線検出器の構成要素を携帯可能な方法でコンパクトに互いに関連付けるように適合された、例えば、使用時にハンドヘルドであるように適合された筐体を含む。
【0044】
さらなる態様における本発明によれば、シンチレータユニットの製造方法は:
シンチレーション材を含むシンチレータを提供することと;
シンチレーション材の外表面の少なくとも一部をラッピング層で覆うこととを含み;
前記ラッピング層は、拡散反射性材料の第1層と鏡面反射性材料の第2層とを含む複合層を含む。
【0045】
したがって、このさらなる態様における本発明とは、本発明の第1態様に係るシンチレータユニットの製造方法であり、さらなる特徴は、本発明の第1の態様についての前述の説明との類推により理解されるであろう。
【0046】
特に、拡散反射性材料の層と鏡面反射性材料の層の好ましい材料、および好ましい構造上の特徴と寸法が、前述から理解されるであろう。
【0047】
好ましいシンチレーション材も同様に、前述から理解され、特に結晶化シンチレーション材、例えば無機結晶シンチレーション材、例えば前述したような単結晶を含むだろう。
【0048】
同様に、本方法のより完全な態様において、光検出器を提供し、それをシンチレータと光学的に結合させる追加のステップを含む、放射線検出器アセンブリの製造方法が提供される。光検出器は、シンチレータから放出される光子の少なくとも一部を受信し、それに応答して電気信号を生成するようにシンチレータに対して位置決めされるという意味で、シンチレータに光学的に結合される。例えば、シンチレータの発光面は、光検出器の受光面に近接して配置される。
【0049】
したがって、本発明のこの態様の方法は、本発明の第2態様に係る放射線検出器アセンブリの製造方法であり、この方法のさらに好ましい特徴は、その態様の議論との類推により理解されるであろう。
【0050】
特に、例えば、本方法は、シンチレータユニット、光検出器、および任意のさらなる構成要素を、適切な筐体内で互いに関連付けることを含んでよい。筐体は、構成要素が機械的および環境的に保護される囲まれた容積を提供するように適合されてもよく、例えば、密閉されてもよい。
【0051】
放射線検出器アセンブリは、放射線検出器、特に、携帯可能であるように適合され、例えば、使用時にハンドヘルドであるように適合された放射線検出器に組み入れることができる。
【0052】
本発明の方法の態様の更なる好ましい特徴は、装置の態様の議論との類推によって理解されるであろうし、その逆もまた然りである。
【0053】
以下、本発明の第1態様の実施形態に係るシンチレータユニットを含むシンチレータアセンブリを分解組立図で示す添付図面の
図1を参照しながら、本発明を例示的にのみ説明する。
【図面の簡単な説明】
【0054】
【
図1】本発明の様々な態様を例示するシンチレータアセンブリを分解組立図で示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0055】
このアセンブリは、上から、筐体の蓋(1)、光検出器PCBおよびコード(3)、実施形態ではCLLBである無機結晶シンチレータ(5)、PTFEラッピング層(7)と使用時にPTFE層の外側にある反射箔ラッピング層(9)、PTFEベース層(11)、ネオプレン支持層(13)、ならびに筐体本体(15)を含む。
【0056】
適切に組み立てられると、シンチレータの外側の円筒形表面は、結果として、最初にPTFE層で覆われ、次に反射箔層で覆われる。この複合被覆の複合効果は:従来必要とされる厚さの欠点を伴わない従来の延伸PTFEラッピングの高い拡散挙動と;箔層の高い反射率とを、斯かる箔の反射率の鏡面性に通常関連する欠点を緩和しながら組み合わせて生み出すことである。その結果、約200-300μmの層厚を達成することが可能であり、アセンブリ全体は特にコンパクトな構造に適合しており、携帯型、例えばハンドヘルドの検出器に容易に組み込むことが可能である。
【0057】
可塑性高分子材料の層と反射箔の層の他の組み合わせ、および任意のさらなる層は、容易に示唆されよう。これらの層は、好ましくは、可撓性高分子材料が無機結晶シンチレーション材の外表面の近くに配置され、層反射箔が無機結晶シンチレーション材からより遠くに配置され、例えば、ラッピングの外面を構成するように並置される。
【0058】
このように、本発明の実施形態の複合フィルムは、薄層の鏡面反射箔と薄層の拡散材を用いて、厚みがはるかに少ないラッピング体において高い拡散挙動と高い反射率の両方を提供することができる。
【0059】
例えば、本発明の複合ラッピングフィルムは、厚さが2.1mm未満、例えば110ミクロン~1100ミクロンである。
【0060】
アセンブリの能動構成要素は、構成要素が機械的および環境的に保護される囲い容積を提供する適切な筐体内にあることが示されている。囲い容積は、筐体本体と筐体の蓋とを含む。筐体本体は、構成部品が受け入れられる囲い容積を画定し、その上に蓋が密封される。筐体は、デリケートな、例えば吸湿性のシンチレータ結晶を外部環境から保護するために、密閉された囲いを提供することができる。
【0061】
そして、図示された筐体は、他の関連する処理および制御電子機器、電源などとともに、適切な携帯型、例えばハンドヘルド検出器に組み込むことができる。
【国際調査報告】