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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-02-16
(54)【発明の名称】カテーテル偏向制御アセンブリ
(51)【国際特許分類】
   A61B 18/14 20060101AFI20230209BHJP
   A61B 34/10 20160101ALI20230209BHJP
【FI】
A61B18/14
A61B34/10
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022536784
(86)(22)【出願日】2020-12-09
(85)【翻訳文提出日】2022-07-14
(86)【国際出願番号】 US2020070885
(87)【国際公開番号】W WO2021127686
(87)【国際公開日】2021-06-24
(31)【優先権主張番号】62/948,527
(32)【優先日】2019-12-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】17/089,772
(32)【優先日】2020-11-05
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】511099630
【氏名又は名称】バイオセンス・ウエブスター・(イスラエル)・リミテッド
【氏名又は名称原語表記】Biosense Webster (Israel), Ltd.
(74)【代理人】
【識別番号】100088605
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 公延
(74)【代理人】
【識別番号】100130384
【弁理士】
【氏名又は名称】大島 孝文
(72)【発明者】
【氏名】シース・ピユシュ・ケイ
(72)【発明者】
【氏名】クラーク・ジェフリー・エル
【テーマコード(参考)】
4C160
【Fターム(参考)】
4C160KK03
4C160KK13
4C160KK24
4C160KK35
4C160KK63
4C160KK64
4C160MM38
(57)【要約】
装置は、ハンドルと、カテーテルと、エンドエフェクタと、偏向駆動アセンブリとを含む。エンドエフェクタは、少なくとも1つの電極を含む。偏向駆動アセンブリは、入力部材と、エンドエフェクタに結合された並進アセンブリと、ラックアンドピニオンアセンブリとを含む。ラックアンドピニオンアセンブリは、並進アセンブリを駆動して、エンドエフェクタを長手方向軸に対してある角度で離れるように偏向させるように構成されており、ラック及びピニオンで構成されている。ラックアンドピニオンアセンブリは、入力部材からのピニオンの回転運動をラックの線形運動へと変化させて、並進部材を遠位に押す又は近位に引っ張るように、あるいは、入力部材からのラックの線形運動をピニオンの回転運動へと変化させて、並進部材の第1の端部を近位に移動し、並進部材の第2の端部を遠位に移動するように、構成されている。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
装置であって、
(a)ハンドルと、
(b)前記ハンドルから遠位に延在するカテーテルであって、前記カテーテルの近位部分が長手方向軸を画定する、カテーテルと、
(c)前記カテーテルから遠位に延在するエンドエフェクタであって、前記エンドエフェクタは少なくとも1つの電極を含む、エンドエフェクタと、
(d)前記エンドエフェクタを前記長手方向軸から離れるように偏向させるように構成された偏向駆動アセンブリであって、前記偏向駆動アセンブリは、
(i)前記ハンドルに関連付けられた入力部材と、
(ii)前記エンドエフェクタに結合された並進アセンブリと、
(iii)前記入力部材及び前記並進アセンブリと結合されたラックアンドピニオンアセンブリであって、前記ラックアンドピニオンアセンブリは、前記並進アセンブリを駆動して、前記エンドエフェクタを前記長手方向軸に対してある角度で離れるように偏向させるように構成されており、前記ラックアンドピニオンアセンブリは、ラック及びピニオンからなり、前記ラックアンドピニオンアセンブリは、
(1)前記入力部材からの前記ピニオンの回転運動を前記ラックの線形運動へと変化させて、前記並進部材を遠位に押す又は近位に引っ張るように、あるいは、
(2)前記入力部材からの前記ラックの線形運動を前記ピニオンの回転運動へと変化させて、前記並進部材の第1の端部を近位に移動し、前記並進部材の第2の端部を遠位に移動するように、
構成されている、ラックアンドピニオンアセンブリと、
を含む、偏向駆動アセンブリと、
を含む装置。
【請求項2】
前記入力部材は、駆動軸を中心に前記ハンドルに対して回転するように構成されたロッカーアームを含み、前記ラックアンドピニオンアセンブリは、前記ロッカーアームからの前記ピニオンの前記回転運動を前記ラックの前記線形運動へと変化させて、前記並進部材を遠位に押す又は近位に引っ張るように構成されている、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記並進アセンブリは、前記ラックと結合されたプッシュプルケーブルを更に含み、前記偏向駆動アセンブリは、前記ラックの前記線形運動を伝達して、前記プッシュプルケーブルを遠位方向に押す又は前記プッシュプルケーブルを近位方向に引っ張るように構成されている、請求項2に記載の装置。
【請求項4】
前記ロッカーアーム及び前記ピニオンは、前記駆動軸を中心に同軸である、請求項2に記載の装置。
【請求項5】
前記入力部材は、前記長手方向軸に沿って長手方向に移動するように構成された線形スライダを含み、前記ラックアンドピニオンアセンブリは、前記線形スライダからの前記ラックの前記線形運動を前記ピニオンの前記回転運動へと変化させて、前記並進部材の前記第1の端部を近位に移動し、前記並進部材の前記第2の端部を遠位に移動するように構成されている、請求項1に記載の装置。
【請求項6】
前記線形スライダは前記ラックと固定可能に結合され、プーリーホイールは前記ピニオンと回転可能に結合されている、請求項5に記載の装置。
【請求項7】
前記並進アセンブリは、第1の部分及び第2の部分を有するプッシュプルケーブルを更に含み、前記偏向駆動アセンブリは、前記ピニオンの前記回転運動を伝達して、前記プッシュプルケーブルの前記第1の部分を遠位方向に押し、前記プッシュプルケーブルの前記第2の部分を近位方向に引っ張るように構成されている、請求項1に記載の装置。
【請求項8】
前記偏向駆動アセンブリは、前記ラックアンドピニオンアセンブリの前記ピニオンと同軸であるプーリーホイールを更に含み、前記プーリーホイールは、前記プッシュプルケーブルに接触するように構成されたインターフェース面を含む、請求項7に記載の装置。
【請求項9】
前記入力部材と前記並進アセンブリとの間に差し挟まれたロックアセンブリを更に備え、前記ロックアセンブリは、ロック構成とロック解除構成の間で移動可能であり、前記ロックアセンブリは、前記ロック構成において前記長手方向軸に対して前記角度で前記エンドエフェクタをロックするように構成されている、請求項1に記載の装置。
【請求項10】
前記ロックアセンブリは、ロック構成とロック解除構成との間で移行するように構成された第1のロック特徴部及び第2のロック特徴部を含み、前記ロックアセンブリは、前記ロック構成において前記並進アセンブリが前記長手方向軸に沿って並進するのを防ぐように構成されている、請求項9に記載の装置。
【請求項11】
前記第1のロック特徴部は前記ピニオン上に配置され、前記第2のロック特徴部は前記ラック上に配置され、前記第2のロック特徴部は、前記第1のロック特徴部と相補的であり、前記第1のロック特徴部及び前記第2のロック特徴部は、前記ロック構成において互いに係合するように構成されており、前記第1のロック特徴部及び前記第2のロック特徴部は、前記ロック解除構成において互いからある距離を置いて配置されるように構成されている、請求項10に記載の装置。
【請求項12】
前記入力部材は、駆動軸を中心に前記ハンドルに対して回転するように構成されたロッカーアームを含み、前記第1のロック特徴部は、前記ロッカーアーム上に配置され、前記第2のロック特徴部は、前記ハンドル上で移動可能である、請求項10に記載の装置。
【請求項13】
前記入力部材は、前記長手方向軸に沿って前記ハンドルに対して並進するように構成された線形スライダを含み、前記第1のロック特徴部は、前記線形スライダ上に配置され、前記第2のロック特徴部は、前記ハンドル上で移動可能である、請求項10に記載の装置。
【請求項14】
前記ロックアセンブリは、前記ラックを前記ピニオンから離れるように付勢して前記ロック解除構成に切り替えるように構成された付勢部材を更に含む、請求項9に記載の装置。
【請求項15】
ロックアセンブリを更に備え、前記ロックアセンブリは、ロック構成とロック解除構成との間で移行するように構成された第1のロック特徴部及び第2のロック特徴部を含み、前記第1のロック特徴部は、前記並進アセンブリ上に配置され、前記第2のロック特徴部は、前記ハンドル上に選択的に配置される、請求項1に記載の装置。
【請求項16】
前記並進アセンブリは、単一のプッシュプルケーブルからなり、前記ラックアンドピニオンアセンブリは、前記単一のプッシュプルケーブルを両方向に駆動するように構成されている、請求項1に記載の装置。
【請求項17】
前記少なくとも1つの電極は、RFエネルギーを放出するように構成されている、請求項1に記載の装置。
【請求項18】
前記少なくとも1つの電極は、電気生理学的マッピングを実行するように構成されている、請求項1に記載の装置。
【請求項19】
装置であって、
(a)ハンドルと、
(b)前記ハンドルから遠位に延在するカテーテルであって、前記カテーテルの近位部分が長手方向軸を画定する、カテーテルと、
(c)前記カテーテルから遠位に延在するエンドエフェクタであって、前記エンドエフェクタは少なくとも1つの電極を含む、エンドエフェクタと、
(d)前記エンドエフェクタを前記長手方向軸から離れるように偏向させるように構成された偏向駆動アセンブリであって、前記偏向駆動アセンブリは、
(i)前記ハンドルに関連付けられた入力部材と、
(ii)前記エンドエフェクタに結合された並進アセンブリであって、前記入力部材は、前記並進アセンブリを駆動して、前記エンドエフェクタを前記長手方向軸からある角度で離れるように偏向させるように構成されている、並進アセンブリと、
(iii)前記入力部材及び前記並進アセンブリと結合されたラックアンドピニオンアセンブリであって、前記ラックアンドピニオンアセンブリは、ラック及びピニオンからなり、前記ラックアンドピニオンアセンブリは、
(1)前記入力部材からの前記ピニオンの回転運動を前記ラックの線形運動へと変化させて、前記並進部材を遠位に押す又は近位に引っ張るように、あるいは、
(2)前記入力部材から前記ラックの線形運動を前記ピニオンの回転運動へと変化させて、前記並進部材の第1の端部を近位に移動し、前記並進部材の第2の端部を遠位に移動するように、
構成されている、ラックアンドピニオンアセンブリと、
を含む、偏向駆動アセンブリと、
(e)ロック構成とロック解除構成との間で移行するように構成されたロックアセンブリであって、前記ロックアセンブリは、第1のロック特徴部及び第2のロック特徴部を含み、前記第1のロック特徴部及び前記第2のロック特徴部は、前記ロック構成において前記長手方向軸から離れるように前記角度で前記エンドエフェクタをロックするように構成されており、前記第1のロック特徴部及び前記第2のロック特徴部は、前記ロック解除構成において前記エンドエフェクタがある範囲の角度に沿って移動することを可能にするように構成されている、ロックアセンブリと、
を備える、装置。
【請求項20】
装置を製造する方法であって、前記装置は、
(a)ハンドルと、
(b)前記ハンドルから遠位に延在するカテーテルであって、前記カテーテルの近位部分が長手方向軸を画定する、カテーテルと、
(c)前記カテーテルから遠位に延在するエンドエフェクタであって、前記エンドエフェクタは少なくとも1つの電極を含む、エンドエフェクタと、
(d)前記エンドエフェクタを前記長手方向軸から離れるように偏向させるように構成された偏向駆動アセンブリと、を備え、前記偏向駆動アセンブリは、
(i)前記ハンドルに関連付けられた入力部材と、
(ii)前記エンドエフェクタに結合された並進アセンブリと、
(iii)前記入力部材及び前記並進アセンブリと結合されたラックアンドピニオンアセンブリであって、前記ラックアンドピニオンアセンブリは、ラック及びピニオンからなる、ラックアンドピニオンアセンブリと、を含み、
前記方法は、
(a)双方向エンドエフェクタ偏向用の前記ラックに沿った第2の位置から長手方向に間隔を置いて配置されている、一方向エンドエフェクタ偏向用に構成された第1の位置で前記ラックと係合するように前記ピニオンを挿入する、又は、一方向エンドエフェクタ偏向用の前記ラックに沿った第4の位置から長手方向に間隔を置いて配置されている、双方向エンドエフェクタ偏向用に構成された第3の位置で前記ラックと係合するように前記ピニオンを挿入することと、
(b)前記並進アセンブリを前記ラックアンドピニオンアセンブリに取り付けることと、
を含む、方法。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
心房細動などの心不整脈は、心臓組織の領域が電気信号を異常に伝導するときに発生する。不整脈を治療するための処置には、そのような信号の伝導経路を外科的に破壊することが含まれる。エネルギー(例えば、高周波(radiofrequency、RF)エネルギー)を印加することによって心臓組織を選択的に切除することにより、心臓のある部分から別の部分への望ましくない電気信号の伝播を停止又は修正することが可能であり得る。アブレーションプロセスは、組織を横切る異常な電気信号の通信を効果的に遮断する電気絶縁性病変又は瘢痕組織を形成することにより、望ましくない電気経路に対する障壁を提供することができる。
【0002】
一部の処置では、1つ以上のRF電極を有するカテーテルを使用して、心臓血管系内でアブレーションを行うことができる。カテーテルを主要な静脈又は動脈(例えば、大腿動脈)に挿入し、次に前進させて、心臓内又は心臓に隣接する心臓血管構造(例えば、肺静脈)内に電極を位置決めすることができる。1つ以上の電極を、心臓組織又は他の血管組織と接触するように配置し、次にRFエネルギーで活性化し、それによって、接触した組織を切除することができる。場合によっては、電極は双極であってもよい。一部の他の場合において、単極電極を、接地パッドと連携して、又は患者と接触している他の参照電極と連携して使用することができる。潅注を使用して、アブレーションカテーテルの切除構成要素から熱を引き出し、アブレーション部位付近に血栓が形成されるのを防ぐことができる。
【0003】
アブレーションカテーテルの例は、2013年1月31日に公開された「Integrated Ablation System using Catheter with Multiple Irrigation Lumens」と題する米国特許出願公開第2013/0030426号(その開示は参照によりその全体が本明細書に組み込まれる)、2017年11月2日に公開された「Irrigated Balloon Catheter with Flexible Circuit Electrode Assembly」と題する米国特許出願公開第2017/0312022号(その開示は参照によりその全体が本明細書に組み込まれる)、2018年3月1日に公開された「Catheter with Bipole Electrode Spacer and Related Methods」と題する米国特許出願公開第2018/0056038号(その開示は参照によりその全体が本明細書に組み込まれる)、2018年11月20日に発行された「Catheter with Soft Distal Tip for Mapping and Ablating Tubular Region」と題する米国特許第10,130,422号(その開示は参照によりその全体が本明細書に組み込まれる)、及び2017年10月31日に発行された「Electrocardiogram Noise Reduction」と題する米国特許第9,801,585号(その開示は参照によりその全体が本明細書に組み込まれる)に記載されている。
【0004】
一部のカテーテルアブレーション処置は、電気生理学的(electrophysiology、EP)マッピングを使用してアブレーションの標的とすべき組織領域を特定した後に実行されてもよい。このようなEPマッピングは、カテーテル(例えば、アブレーションを実行するために使用される同じカテーテル、又は専用のマッピングカテーテル)上の感知電極の使用を含んでもよい。このような感知電極は、導電性心内膜組織から発する電気信号を監視して、不整脈の原因となる異常な導電性組織部位の位置を特定することができる。EPマッピングシステム及びカテーテルの例は、本明細書に引用されている様々な参考文献に記載されている。
【0005】
アブレーションカテーテルを使用する場合、アブレーションカテーテルの1つ以上の電極が標的組織に十分に接触していることを確実にすることが望ましい場合がある。例えば、組織に望ましくない損傷を与える傾向がある可能性のある程度の力を加えず、RFアブレーションエネルギーを組織に効果的に印加するのに十分な力で、1つ以上の電極が標的組織に接触していることを確実にすることが望ましい場合がある。そのために、アブレーションカテーテルの1つ以上の電極と標的組織との間の十分な接触を検出するために、1つ以上の力センサ又は圧力センサを含むことが望ましい場合がある。
【0006】
力感知又はEPマッピングを使用することに加えて、一部のカテーテルアブレーション処置は、画像誘導手術(image guided surgery、IGS)システムを使用して実行されてもよい。IGSシステムにより、医師は、患者内の解剖学的構造の画像に関連して、患者内のカテーテルの位置をリアルタイムで視覚的に追跡することが可能になり得る。Irvine,CaliforniaのBiosense Webster,Inc.によるCARTO 3(登録商標)システムを含む一部のシステムは、EPマッピング機能とIGS機能との組み合わせを提供することができる。IGSシステムと共に使用するように構成されているカテーテルの例は、2016年11月1日に発行された「Signal Transmission Using Catheter Braid Wires」と題する米国特許第9,480,416号(その開示はその全体が参照により本明細書に組み込まれる)、及び本明細書で引用されている様々な他の参考文献に開示されている。
【0007】
いくつかのカテーテルシステム及び方法が実施及び使用されてきたが、本発明者ら以前の誰も、本明細書に記載され、例示され、かつ特許請求される本発明を実施又は使用していないと考えられる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
以下の図面及び詳細な説明は、単に例示的であることを意図しており、本発明者らによって企図される本発明の範囲を限定することを意図するものではない。
図1】カテーテルアセンブリのカテーテルを患者に挿入する医療処置の概略図である。
図2】追加の構成要素が概略形式で示されている、図1のカテーテルアセンブリの斜視図である。
図3】追加の構成要素が概略形式で示されている、図1のカテーテルの遠位部分の斜視図である。
図4】内部構成要素を明らかにするために外側シースが省略されている、図1のカテーテルの遠位部分の斜視図である。
図5図1のカテーテルの遠位部分の分解斜視図である。
図6図1のカテーテルアセンブリのハンドル及び偏向駆動アセンブリの斜視図であり、偏向駆動アセンブリはロッカーアームを含む。
図7】ラックアンドピニオンアセンブリを含む内部構成要素を明らかにするためにハンドルの一部分が省略されている、図6のハンドル及び偏向駆動アセンブリの斜視図である。
図8A】ロッカーアーム及びラックアンドピニオンアセンブリのラックが双方向偏向のために中立位置にあり、第1の例示的なロックアセンブリがロック解除構成にある、図6の偏向駆動アセンブリの上面概略図である。
図8B図8Aの偏向駆動アセンブリの上面概略図であるが、ロッカーアームは第1の位置にあり、ラックは第1の長手方向位置にあり、ロックアセンブリは第1のロック構成にある。
図8C図8Aの偏向駆動アセンブリの上面概略図であるが、ロッカーアームは第2の位置にあり、ラックは第2の長手方向位置にあり、ロックアセンブリは第2のロック構成にある。
図9A】内部構成要素を明らかにするために外側シースの一部分が省略されている、図1のカテーテルの遠位部分の上面図であり、カテーテルの遠位部分は、図8Aのロッカーアームの中立位置に関連する中立位置にある。
図9B】内部構成要素を明らかにするために外側シースの一部分が省略されている、図1のカテーテルの遠位部分の上面図であり、カテーテルの遠位部分は、図8Bのロッカーアームの第1の位置に関連する第1の偏向位置にある。
図9C】内部構成要素を明らかにするために外側シースの一部分が省略されている、図1のカテーテルの遠位部分の上面図であり、カテーテルの遠位部分は、図8Cのロッカーアームの第2の位置に関連する第2の偏向位置にある。
図10A】ロッカーアーム及びラックアンドピニオンアセンブリのラックが一方向偏向のために中立位置にあり、ロックアセンブリが第1のロック構成にある、図6の偏向駆動アセンブリの上面概略図である。
図10B図10Aの偏向駆動アセンブリの上面概略図であるが、ロッカーアームは第1の回転位置にあり、ラックは第1の長手方向位置にあり、ロックアセンブリは第2のロック構成にある。
図11A】内部構成要素を明らかにするために外側シースの一部分が省略されている、図1のカテーテルの遠位部分の上面図であり、カテーテルの遠位部分は、図10Aの中立位置にあるロッカーアームに関連する非偏向位置にある。
図11B】内部構成要素を明らかにするために外側シースの一部分が省略されている、図1のカテーテルの遠位部分の上面図であり、カテーテルの遠位部分は、図10Bのロッカーアームの第1の位置に関連する偏向位置にある。
図12】第2の例示的なロックアセンブリがロック解除構成にある、第2の例示的な偏向駆動アセンブリの上面概略図である。
図13図1のカテーテルアセンブリと同様であり、かつ第2の例示的なカテーテルを含む第2の例示的なカテーテルアセンブリ、及び追加の構成要素が概略形式で示されている第3の例示的な偏向駆動アセンブリの斜視図である。
図14】第3の例示的なラックアンドピニオンアセンブリと、プッシュプルケーブルと、第3の例示的なロックアセンブリとを含む、図13の偏向駆動アセンブリの斜視図である。
図15A】線形スライダが第1の長手方向位置にあり、ラックアンドピニオンアセンブリのラックが第1の長手方向位置にあり、ロックアセンブリがロック解除構成にある、図14の偏向駆動アセンブリの上面概略図である。
図15B図15Aの偏向駆動アセンブリの上面概略図であるが、線形スライダは第2の長手方向位置にあり、ラックアンドピニオンアセンブリのラックは第2の長手方向位置にあり、ロックアセンブリは第1のロック構成にある。
図15C図15Aの偏向駆動アセンブリの上面概略図であるが、線形スライダは第3の長手方向位置にあり、ラックアンドピニオンアセンブリは第3の長手方向位置にあり、ロックアセンブリは第2のロック構成にある。
図16A】内部構成要素を明らかにするために外側シースの一部分が省略されている、図13のカテーテルの遠位部分の上面図であり、カテーテルの遠位部分は、図15Aの線形スライダの第1の長手方向位置に関連する非偏向位置にある。
図16B】内部構成要素を明らかにするために外側シースの一部分が省略されている、図13のカテーテルの遠位部分の上面図であり、カテーテルの遠位部分は、図15Bの線形スライダの第2の長手方向位置に関連する第1の偏向位置にある。
図16C】内部構成要素を明らかにするために外側シースの一部分が省略されている、図13のカテーテルの遠位部分の上面図であり、カテーテルの遠位部分は、図15Cの線形スライダの第3の長手方向位置に関連する第2の偏向位置にある。
図17】第4の例示的なロックアセンブリがロック構成にある、第4の例示的な偏向駆動アセンブリの上面概略図である。
図18図1のカテーテルアセンブリを操作する例示的な方法の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本発明の特定の実施例の以下の説明は、本発明の範囲を限定するために使用されるべきではない。図面は、必ずしも縮尺どおりとは限らず、選択された実施形態を示しており、また本発明の範囲を限定することを意図していない。詳細な説明は、限定ではなく例として本発明の原理を示す。本発明の他の実施例、特徴、態様、実施形態、及び利点は、例示として本発明を実施するために企図される最良の形態の1つである以下の説明から当業者に明らかになるであろう。認識されるように、本発明は、すべて本発明から逸脱することなく、他の異なる態様又は同等の態様が可能である。したがって、図面及び説明は、限定的なものではなく、本質的に例示的なものと見なされるべきである。
【0010】
本明細書に記載の教示、表現、変形例、実施例などのうちのいずれか1つ以上は、本明細書に記載の他の教示、表現、変形例、実施例などのうちのいずれか1つ以上と組み合わせることができる。したがって、以下に記載されている教示、表現、変形例、実施例などは、互いに単独で考慮されるべきではない。本明細書の教示を組み合わせることができる様々な好適な方法は、本明細書の教示に鑑みて当業者には容易に明らかであろう。このような修正例及び変形例は、特許請求の範囲に含まれることが意図される。
【0011】
本明細書で使用される場合、任意の数値又は範囲に対する「約」又は「およそ」という用語は、構成要素の一部又は集合が本明細書に記載の意図された目的のために機能することを可能にする好適な寸法公差を示す。より具体的には、「約」又は「およそ」は、記載された値の±10%の値の範囲を指してもよく、例えば、「約90%」は、81%~99%の値の範囲を指してもよい。更に、本明細書で使用される場合、「患者」、「宿主」、「ユーザ」、及び「被験体」という用語は、任意のヒト又は動物被験体を指し、ヒト患者における本発明の使用が好ましい実施形態を表すが、システム又は方法をヒトの使用に限定することを意図するものではない。
【0012】
I.例示的なアブレーションカテーテルシステムの概要
図1は、上記のように心臓アブレーションを行うために使用され得る心臓アブレーションカテーテルシステムの例示的な医療処置及び関連する構成要素を示す。特に、図1は、カテーテルアセンブリ(100)のカテーテル(120)(図2A図3に示されているが、図1には示されていない)のエンドエフェクタ(140)が、患者(patient、PA)の心臓(heart、H)内又はその近くの組織を切除するために患者(PA)に配置されている状態で、医師(physician、PH)がカテーテルアセンブリ(100)のハンドル(110)を把持していることを示す。図2に示されるように、カテーテルアセンブリ(100)は、ハンドル(110)と、ハンドル(110)から遠位に延在するカテーテル(120)と、カテーテル(120)の遠位端に位置するエンドエフェクタ(140)と、ハンドル(110)に関連付けられた偏向駆動アセンブリ(200)とを含む。
【0013】
以下でより詳細に説明するように、エンドエフェクタ(140)は、RFエネルギーを標的組織部位に送達し、EPマッピング機能を提供し、エンドエフェクタ(140)に加えられた外力を追跡し、エンドエフェクタ(140)の位置を追跡し、灌注流体を分散させるように構成された様々な構成要素を含む。以下で更に詳細に説明するように、偏向駆動アセンブリ(200)は、エンドエフェクタ(140)及びカテーテル(120)の遠位部分を、カテーテル(120)の近位部分によって画定される中央長手方向軸(L-L)(図3図5)から離れるように偏向させるように構成されている。
【0014】
図3に示されるように、カテーテル(120)は、細長い可撓性シース(122)を含み、エンドエフェクタ(140)は、外側シース(122)の遠位端に配置されている。エンドエフェクタ(140)及び外側シース(122)内に収容される様々な構成要素について、以下でより詳細に説明する。カテーテルアセンブリ(100)は、ケーブル(30)を介して誘導駆動システム(10)と結合されている。カテーテルアセンブリ(100)はまた、流体導管(40)を介して流体源(42)と結合されている。一組の磁場発生器(20)は、患者(PA)の下方に配置され、別のケーブル(22)を介して誘導駆動システム(10)と結合されている。磁場発生器(20)は、単に任意選択である。
【0015】
本実施例の誘導駆動システム(10)は、コンソール(12)及びディスプレイ(18)を含む。コンソール(12)は、第1のドライバモジュール(14)及び第2のドライバモジュール(16)を含む。第1のドライバモジュール(14)は、ケーブル(30)を介してカテーテルアセンブリ(100)と結合されている。一部の変形例では、第1のドライバモジュール(14)は、以下により詳細に説明するように、エンドエフェクタ(140)の微小電極(138)を介して取得されたEPマッピング信号を受信するように動作可能である。コンソール(12)は、そのようなEPマッピング信号を処理し、それによって、当該技術分野において既知のEPマッピングを行うプロセッサ(図示せず)を含む。
【0016】
本実施例の第1のドライバモジュール(14)は、以下でより詳細に説明するように、エンドエフェクタ(140)の遠位先端部材(142)にRF電力を供給し、それによって、組織を切除するように更に動作可能である。第2のドライバモジュール(16)は、ケーブル(22)を介して磁場発生器(20)と結合されている。第2のドライバモジュール(16)は、磁場発生器(20)を活性化させて、患者(PA)の心臓(H)の周りに交流磁場を発生させるように動作可能である。例えば、磁場発生器(20)は、心臓(H)を含む所定の作業体積内に交流磁場を発生させるコイルを含んでもよい。第1のドライバモジュール(14)はまた、エンドエフェクタ(140)内のナビゲーションセンサアセンブリ(150)から位置指示信号を受信するように動作可能である。このような変形例では、コンソール(12)のプロセッサはまた、ナビゲーションセンサアセンブリ(150)からの位置指示信号を処理し、それによって、患者(PA)内のエンドエフェクタ(140)の位置を決定するように動作可能である。
【0017】
ナビゲーションセンサアセンブリ(150)は、それぞれのパネル(151)上に一対のコイルを含み、一対のコイルは、患者(PA)内のエンドエフェクタ(140)の位置及び向きを示す信号を生成するように動作可能である。コイルは、磁場発生器(20)によって発生された交流電磁場の存在に応答して電気信号を生成するように構成される。エンドエフェクタ(140)に関連するリアルタイム位置データを生成するために使用され得る他の構成要素及び技術としては、無線三角測量、音響追跡、光学追跡、慣性追跡などを挙げることができる。あるいは、エンドエフェクタ(140)は、ナビゲーションセンサアセンブリ(150)を欠いている場合がある。
【0018】
ディスプレイ(18)は、コンソール(12)のプロセッサと結合されており、患者の解剖学的構造の画像をレンダリングするように動作可能である。このような画像は、手術前又は手術中に取得された一組の画像(例えば、CTスキャン又はMRIスキャン、3Dマップなど)に基づき得る。ディスプレイ(18)を通して提供される患者の解剖学的構造のビューはまた、エンドエフェクタ(140)のナビゲーションセンサアセンブリ(150)からの信号に基づいて動的に変化し得る。例えば、カテーテル(120)のエンドエフェクタ(140)が患者(PA)内で移動するにつれて、ナビゲーションセンサアセンブリ(150)からの対応する位置データにより、コンソール(12)のプロセッサは、ディスプレイ(18)内の患者の解剖学的構造のビューをリアルタイムで更新し、エンドエフェクタ(140)が患者(PA)内で移動するにつれてエンドエフェクタ(140)の周囲の患者の解剖学的構造の領域を描写することができる。更に、コンソール(12)のプロセッサは、エンドエフェクタ(140)を用いた電気生理学的(EP)マッピングによって検出されるように、又は他の方法で(例えば、専用のEPマッピングカテーテルを使用するなど)検出されるように、異常な導電性組織部位の位置を示すようにディスプレイ(18)を駆動することができる。単なる例として、コンソール(12)のプロセッサは、照明ドット、十字線、又は異常な導電性組織部位のいくつかの他の形式の視覚的指示を重ね合わせることなどによって、異常な導電性組織部位の位置を患者の解剖学的構造の画像上に重ね合わせるようにディスプレイ(18)を駆動することができる。
【0019】
コンソール(12)のプロセッサはまた、例えば、照明ドット、十字線、エンドエフェクタ(140)のグラフィック表現、又はいくつかの他の形式の視覚的指示を重ね合わせることなどによって、エンドエフェクタ(140)の現在の位置を患者の解剖学的構造の画像上に重ね合わせるようにディスプレイ(18)を駆動することができる。このような重ね合わせられた視覚的指示はまた、医師(PH)が患者(PA)内でエンドエフェクタ(140)を移動させるにつれて、リアルタイムでディスプレイ(18)上の患者の解剖学的構造の画像内で移動することができ、それによって、エンドエフェクタ(140)が患者(PA)内で移動するにつれて、患者(PA)内のエンドエフェクタ(140)の位置に関するリアルタイムの視覚的フィードバックをオペレータに提供する。したがって、ディスプレイ(18)を介して提供される画像は、エンドエフェクタ(140)を見るいかなる光学機器(即ちカメラ)を必ずしも有することなく、患者(PA)内のエンドエフェクタ(140)の位置のビデオ追跡を効果的に行うことができる。同じビューにおいて、ディスプレイ(18)は、EPマッピングによって検出された異常な導電性組織部位の位置を同時に視覚的に示すことができる。したがって、医師(PH)は、ディスプレイ(18)を見て、マッピングされた異常な導電性組織部位及び患者(PA)内の隣接する解剖学的構造の画像に関連して、エンドエフェクタ(140)のリアルタイムの位置を観察することができる。
【0020】
本実施例の流体源(42)は、生理食塩水又は一部の他の好適な灌注流体を収容するバッグを含む。導管(40)は、流体源(42)からカテーテルアセンブリ(100)に流体を選択的に駆動するように動作可能なポンプ(44)に更と結合されている可撓性チューブを含む。以下でより詳細に説明するように、このような灌注流体は、エンドエフェクタ(140)の遠位先端部材(142)の開口部(158)を通して排出されてもよい。そのような灌注は、本明細書の教示に照らして当業者に明らかである任意の好適な方法で行うことができる。
【0021】
II.カテーテルアセンブリの例示的なエンドエフェクタ
図3図5は、エンドエフェクタ(140)の例示的な構成要素、及びカテーテル(120)の遠位部分の他の構成要素をより詳細に示す。上述したように、エンドエフェクタ(140)は、RFエネルギーを標的組織部位に送達し、EPマッピング機能を提供し、エンドエフェクタ(140)に加えられた外力を追跡し、患者(PA)内のエンドエフェクタ(140)の位置を追跡し、灌注流体を分散させるように構成された様々な構成要素を含む。例えば、エンドエフェクタ(140)は、遠位先端部材(142)と、遠位先端基部(144)と、遠位回路ディスク(146)と、歪みゲージアセンブリ(148)と、ナビゲーションセンサアセンブリ(150)と、遠位スペーサスタック(152)と、一対の近位スペーサ(154)とを含む。遠位先端部材(142)、遠位先端基部(144)、遠位回路ディスク(146)、歪みゲージアセンブリ(148)、ナビゲーションセンサアセンブリ(150)、遠位スペーサスタック(152)、及び近位スペーサ(154)は、互いに同軸上に整列され、これらの構成要素(144~154)が積層回路を画定するように長手方向に積層される。プッシュプルケーブル(160)及び灌注チューブ(180)は、カテーテル(120)の長さに沿って延在して、エンドエフェクタ(140)に到達することができる。前述の構成要素のそれぞれについて以下でより詳細に説明する。外側シース(122)は、可撓性であってもよく、遠位先端部材(142)を除いて、前述の構成要素のすべてを取り囲む。
【0022】
図3図5に示されるように、本実施例の遠位先端部材(142)は、ドーム先端を有する円筒形本体(156)を含む。円筒形本体(156)及びドーム先端は、金属などの導電性材料で形成されてもよい。複数の開口部(158)は、円筒形本体(156)を通って形成され、また遠位先端部材(142)の中空内部と連通している。したがって、開口部(158)により、灌注流体が、遠位先端部材(142)の内部から円筒形本体(156)を通って外に連通することが可能になる。円筒形本体(156)及びドーム先端はまた、組織にRF電気エネルギーを印加して、それによって、組織を切除するように動作可能である。このようなRF電気エネルギーは、ケーブル(30)を介して、第1のドライバモジュール(14)から最も近位にあるスペーサ(154)に通信されてもよい。遠位先端部材(142)はまた、温度感知機能を提供するように構成された1つ以上の熱電対を含んでもよい。
【0023】
図3図4に示されるように、本実施例の遠位先端部材(142)はまた、円筒形本体(156)に装着された1つ以上のEPマッピング微小電極(138)を含む。EPマッピング微小電極(138)は、EPマッピング微小電極(138)と接触する組織から電位をピックアップするように構成される。したがって、EPマッピング微小電極(138)を使用して、心臓血管解剖学的構造(例えば、肺静脈など)内の組織における異常な電気的活動の位置を決定することができる。EPマッピング微小電極(138)によってピックアップされた信号は、歪みゲージアセンブリ(148)の近位にある層内のビア又は他の構造を介して通信されてもよく、最終的にはケーブル(30)を介してコンソール(12)の第1のドライバモジュール(14)に到達する。第1のドライバモジュール(14)は、EPマッピング信号を処理し、本明細書に引用されている様々な参考文献の教示に従って、異常な電気的活動の位置を示す対応するフィードバックを医師(PH)に提供することができる。
【0024】
円筒形本体(156)が組織アブレーション用のRF電気エネルギーを供給するために導電性材料で形成されている変形例では、円筒形本体(156)とEPマッピング微小電極(138)との間に電気絶縁材料を差し挟んで、それによって、EPマッピング微小電極(138)を円筒形本体(156)から電気的に絶縁することができる。EPマッピング微小電極(138)は、本明細書に引用されている様々な特許参考文献の教示に従って構築され、動作可能であってもよい。1つのEPマッピング微小電極(138)のみが示されているが、遠位先端部材(142)は、2つ以上のEPマッピング微小電極(138)を含んでもよい。あるいは、遠位先端部材(142)は、EPマッピング微小電極(138)を完全に欠いている場合がある。遠位先端基部(144)は、遠位先端部材(142)の中空内部に灌注流体を連通させるための経路を提供するように構成された中央開口を画定する。遠位先端基部(144)は、遠位先端部材(142)の近位端が当接し得る環状肩部を形成する。遠位先端部材(142)はまた、遠位先端部材(142)の近位に延在するタブを受け入れるように構成された横方向ノッチを画定する。
【0025】
図3図4に示されるように、遠位回路ディスク(146)は、遠位先端基部(144)の近位に配置されている。遠位回路ディスク(146)は、遠位先端部材(142)の近位に延在するタブを介して遠位先端部材(142)にRF電気エネルギーを通信するように動作可能な回路を含む。1つ以上のEPマッピング電極(138)が含まれる変形例では、遠位回路ディスク(146)はまた、EPマッピング電極(138)からのEPマッピング信号を通信するように動作可能な回路を含んでもよい。一部の変形例では、遠位回路ディスク(146)は、1つ以上の送信コイルを更に含む。そのような送信コイルは、遠位回路ディスク(146)の近位にある1つ以上の相補的コイルへの信号(例えば、微小電極(138)からのEPマッピング信号)の無線通信を提供することができる。更に又は代替的に、そのような送信コイルは、遠位回路ディスク(146)の近位にある1つ以上の相補的コイルから遠位先端部材(142)へのRF電気エネルギーの無線通信を提供することができる。
【0026】
コイルが遠位回路ディスク(146)及び歪みゲージアセンブリ(148)の近位にある1つ以上の他の層に組み込まれている変形例では、そのようなコイルは、したがって、歪みゲージアセンブリ(148)横切って長手方向に通過するためにワイヤ、ビア、又は他の導電性構造を必要とせずに、歪みゲージアセンブリ(148)を横切る電気信号の無線通信を可能にし得る。一部の変形例では、遠位回路ディスク(146)は、歪みゲージアセンブリ(148)に印加されている歪みを検出して、遠位先端部材(142)に印加される接触力を決定するために、ナビゲーションセンサアセンブリ(150)の受信コイル(receiving coil、RX)と対になっている少なくとも1つの送信コイル(transmission coil、TX)を含む。遠位回路ディスク(146)のいくつかの他の変形例は、単にTXコイルを省略してもよい。
【0027】
歪みゲージアセンブリ(148)は、遠位回路ディスク(146)の近位に配置され、遠位先端部材(142)に衝突する外力を感知するように構成されている。遠位先端(142)が外力に遭遇すると(例えば、遠位先端(142)が組織に押し付けられると)、それらの外力は遠位先端(142)から遠位先端部基部(144)に、遠位回路ディスク(146)に、及び歪みゲージアセンブリ(148)に通信され、その結果、歪みゲージは外力の大きさ及び方向に対応する好適な信号を生成できるようになる。歪みゲージアセンブリ(148)からの信号は、歪みゲージアセンブリ(148)の近位にある層内のビア又は他の構造を介して通信されもよく、最終的にはケーブル(30)を介してコンソール(12)の第1のドライバモジュール(14)に到達する。第1のドライバモジュール(14)は、本明細書の教示に照らして当業者に明らかであるような任意の好適な方法に従って歪み信号を処理することができる。単なる例として、コンソール(12)は、遠位先端部材(142)が所定の閾値を超える力に遭遇していることを歪みゲージアセンブリ(148)が示すときに、医師(PH)に警告するために可聴フィードバックを提供することができ、それによって、医師(PH)が遠位先端部材(142)で心臓血管解剖学的構造を無意識に損傷することが防がれるのを防ぐ。
【0028】
ナビゲーションセンサアセンブリ(150)は、実質的な精度で3次元空間におけるエンドエフェクタ(140)の位置及び向きを示す信号を生成することができる。ナビゲーションセンサアセンブリ(150)は、複数のパネル(151)を含み、各パネルは、磁場発生器(20)によって発生された交流磁場に応答して位置指示電気信号を生成するように動作可能なRXコイルを含む。各RXコイルは、外部送信機のTXコイル(例えば、患者(PA)の身体の外部に配置され、個別の無線周波数を放出する磁場発生器(20)によって提供される3つのTXコイル)によって放出された無線周波数信号を受信するための電気コイル又はアンテナを画定する電気トレースによって形成されてもよく、それにより、各RXコイルの位置及び向きは、磁場発生器(20)によって提供されるTXコイルに関して決定することができる。ナビゲーションセンサアセンブリ(150)からの信号は、歪みナビゲーションセンサアセンブリ(150)の近位にある層内のビア又は他の構造を介して通信されてもよく、最終的にはケーブル(30)を介してコンソール(12)の第1のドライバモジュール(14)に到達する。
【0029】
ナビゲーションセンサアセンブリ(150)の中央環状本体は、遠位先端部材(142)の中空内部に灌注流体を連通させるための経路を提供するように構成された中央開口を画定する。ナビゲーションセンサアセンブリの中央環状本体が無線通信コイルを含む変形例では、そのような無線通信コイルは、歪みナビゲーションセンサアセンブリ(150)の近位にある層内のビア又は他の構造と更と結合されてもよく、それによって、ケーブル(30)を介してコンソール(12)の第1のドライバモジュール(14)と電気通信するための経路を提供する。
【0030】
本実施例では、各遠位スペーサ(153)は、一般に、ディスクのような形状であり、一対の弦状の切り欠きは、互いから90度だけ角度的にオフセットされている。これらの切り欠きは、ナビゲーションセンサアセンブリ(150)のそれぞれのパネル(151)を収容するようにサイズ決め及び構成され、それによって、パネル(151)を遠位スペーサスタック(152)と外側シース(122)との間に半径方向に差し挟むことができる。各遠位スペーサ(153)はまた、少なくとも1つのケーブルノッチを含み、2つ以上のノッチは、互いから180度だけ角度的にオフセットされていてもよい。このケーブルノッチは、プッシュプルケーブル(160)の遠位端部分(164)を受け入れるように構成されている。各遠位スペーサ(153)は、遠位先端部材(142)の中空内部に灌注流体を連通させるための経路を提供するように構成された中央開口を更に含む。各近位スペーサ(154)は、ディスクのような形状であり、2つ以上の開口がその中を通って形成される。中央開口は、遠位先端部材(142)の中空内部に灌注流体を連通させるための経路を提供するように構成される。側面開口は、プッシュプルケーブル(160)の近位部分(162)を受け入れるようにサイズ決め及び構成される。第2の側面開口も含まれ得る。
【0031】
上記のように、また図1及び図3に示されるように、ケーブル(30)は、カテーテルアセンブリ(100)を駆動システム(10)と結合する。図4に示されるように、ケーブル(30)のワイヤ(32)は、カテーテル(120)の長さに沿って延在して、最も近位にある近位スペーサ(154)に到達する。したがって、ワイヤ(32)は、外側シース(122)内に収容されてもよい。ワイヤ(32)は、任意の好適な方法で、最も近位にある近位スペーサ(154)と物理的及び電気的と結合することができる。カテーテルアセンブリ(100)は、流体導管(40)を介して灌注流体が流体源(42)からカテーテル(120)に連通することを可能にするように構成されており、それによって、遠位先端部材(142)の開口部(158)を介して灌注流体が排出される。本実施例では、灌注流体の流体経路は、図4図5に示される灌注チューブ(180)を含む。灌注チューブ(180)の近位端は、(例えば、カテーテルアセンブリ(100)のハンドル(110)において)流体導管(40)と結合されている。灌注チューブ(180)は、カテーテル(120)の長さに沿って延在して、エンドエフェクタ(140)に到達する。一部の変形例では、灌注流体は、灌注チューブ(180)の遠位端から中央通路を通って連通されてもよく、最終的には遠位先端基部(144)の開口(218)を介して遠位先端部材(142)の内部に到達する。
【0032】
図5に最もよく示されるように、それぞれの遠位端部分(164)は、それぞれの中間部分(162)の外径よりも大きい外径を有する。遠位端部分(174)は、プッシュプルケーブル(160)がエンドエフェクタ(140)から近位に引っ張られるのを防ぐために、エンドエフェクタ(140)と結合されている。プッシュプルケーブル(160)をエンドエフェクタ(140)と結合することができる好適な方法は、本明細書の教示に照らして当業者には明らかであろう。
【0033】
III.例示的な偏向駆動アセンブリを有する例示的なカテーテルアセンブリ
場合によっては、カテーテルの構築に複数の生産ラインが使用される。例えば、第1の生産ラインは一方向カテーテルのみを生産することができ、第2の生産ラインは双方向カテーテルのみを生産することができる。一方向カテーテルは、長手方向軸(L-L)から離れるように一方向(例えば、上、下、左、又は右)にのみ偏向するカテーテルである。双方向カテーテルは、長手方向軸(L-L)から離れるように2つの方向(例えば、上下又は左右)に偏向するカテーテルである。この偏向の違いを達成するために一方向カテーテルと双方向カテーテルの間にいくつかの構造上の違いがあるので、複数の生産ラインを使用することができる。これらの違いは、ハンドル(110)と偏向機構(例えば、偏向駆動アセンブリ)とを含み得る。
【0034】
一方向カテーテルと双方向カテーテルの両方にいくつかの同じ構成要素を使用することが有利であり得る。次に、同じ生産ラインを使用して一方向カテーテルと双方向カテーテルの両方を生産できるので、これは有利であり得る。同じ生産ラインを使用することで、組立オペレータを訓練するために必要な時間を節約し、生産ラインで構成要素を混合する可能性を減らし、一方向カテーテルラインと双方向カテーテルラインとの間の組立オペレータの相互適合性を確保し、構成要素の調達中により大きな数量割引を生み出すこともできる。
【0035】
また、一方向カテーテル及び双方向カテーテルに同じ又は類似のハンドル(110)を使用することで、医師(PH)がユーザインターフェースをより心地よいと感じている可能性があるので、医師(PH)により大きな安心感を提供することができる。カテーテルアセンブリ(100)は、一方向の使用を可能にするために双方向偏向機構を修正することをキャプチャする。逆に、第2の例示的なカテーテルアセンブリ(500)は、一方向の使用を可能にするために双方向偏向機構を修正することをキャプチャする。
【0036】
以下でより詳細に説明するように、例示的な偏向駆動アセンブリ(300、400、508、608)は、(1)ロッカーアーム(230、501)からのピニオン(308、408)の回転運動をラック(306、406)の線形運動に変化させるように、あるいは(2)線形スライダ(514、614)からのラック(524、624)の線形運動をピニオン(526、626)の回転運動に変化させるように、例示的なラックアンドピニオンアセンブリ(304、404、518、618)を組み込んでいる。図示されるように、単一のラック(306、406、524、624)はピニオン(308、408、526、626)と相互作用する。入力部材は、図2及び図6図12ではロッカーアーム(230、501)として示されているが、入力部材は、図13図17のカテーテルアセンブリ(500、600)の線形スライダ(514、614)として示され、説明されている。本明細書の教示に照らして当業者に明らかであるように、他の好適な入力部材も想定される。
【0037】
A.双方向エンドエフェクタ偏向用の第1の例示的なカテーテルアセンブリ
図7は、内部構成要素を明らかにするためにハンドル(110)の一部分が省略されている、図6のハンドル(110)及び偏向駆動アセンブリ(300)の概略斜視図を示す。上記のように、カテーテルアセンブリ(100)は、ハンドル(110)と、カテーテル(120)と、エンドエフェクタ(140)と、偏向駆動アセンブリ(300)とを含む。カテーテル(120)は、ハンドル(110)から遠位に延在している。図6に示されるように、ハンドル(110)は、内部空洞(102)を共に画定する第1のケーシング部分(112)及び第2のケーシング部分(114)を含む。ロッカーアーム(230)は、医師(PH)による把持を強化するための細長い本体(232)を含む。双方向カテーテルを回転可能に作動させるロッカーアーム(230)のそのような1つの好適な例は、2019年6月25日に出願された「Catheter Deflection System with Deflection Load Limiter」と題する米国仮特許出願第62/866,109号に示され、記載されており、その開示は参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
【0038】
偏向駆動アセンブリ(300)は、エンドエフェクタ(140)を、カテーテル(120)の近位部分によって画定される長手方向軸(L-L)から離れるように偏向させるように構成される。本実施例の偏向駆動アセンブリ(300)は、ハンドル(110)に関連付けられたロッカーアーム(230)と、並進アセンブリ(302)と、ロッカーアーム(230)と結合されたラックアンドピニオンアセンブリ(304)とを含む。並進アセンブリ(302)は、ラックアンドピニオンアセンブリ(304)及びエンドエフェクタ(140)と間接的に又は直接結合されている。図示されるように、並進アセンブリ(302)は、プッシュプルケーブル(160)を含む。以下でより詳細に説明するように、医師(PH)は、ロッカーアーム(230)をハンドル(110)に対して作動させてもよく、その結果、ラックアンドピニオンアセンブリ(304)は、プッシュプルケーブル(160)を作動させて、エンドエフェクタ(140)を長手方向軸(L-L)から離れるように横方向に選択的に偏向させ、それによって、医師(PH)は患者(PA)内でエンドエフェクタ(140)を能動的に操縦することができるようになる。ロッカーアーム(230)は、並進アセンブリ(302)を駆動して、エンドエフェクタ(140)を2つの方向(上下又は左右)に長手方向軸(L-L)に対してある角度(A)で離れるように偏向させることができる。ロッカーアーム(230)は、長手方向軸(L-L)に沿って並進することなく、駆動軸(D-D)を中心にハンドル(110)に対して回転するように構成されている。図示されるように、駆動軸(D-D)は長手方向軸(L-L)に対して垂直である。
【0039】
ラックアンドピニオンアセンブリ(304)は、ラック(306)及びピニオン(308)を有する。図7図11Bには、単一のラック(306)のみが示されている。ラックアンドピニオンアセンブリ(304)は、ピニオン(308)の回転運動をロッカーアーム(230)からラック(306)の線形運動に変換する。ラックアンドピニオンアセンブリ(304)は、シャフト(310)を使用してロッカーアーム(230)及び並進アセンブリ(302)と結合されている。図示されるように、ロッカーアーム(230)及びピニオン(308)は、駆動軸(D-D)を中心にして同軸である。ラック(306)は、プッシュプルケーブル(160)を介して、又は遠位先端部材(142)の一方向偏向を駆動する別の好適な並進部材を使用して、遠位先端部材(142)と動作可能と結合されている。ラック(306)は、複数の歯(312)を含む。同様に、ピニオン(308)は、ラック(306)の歯(312)と選択的に係合するように構成された複数の歯(314)を含む。図8A図8Cを参照してより詳細に説明するように、偏向駆動アセンブリ(300)は、任意選択で、ロックアセンブリ(316)を含み得る。ロックアセンブリのいくつかの好適な例について説明するが、他の好適なロックアセンブリも想定される。
【0040】
図示されるように、並進アセンブリ(302)は、ラック(306)及びエンドエフェクタ(140)と結合されている単一のプッシュプルケーブル(160)を有する。特に、プッシュプルケーブル(160)は、様々な好適な取り付け方法のいずれか1つを使用して、近位取り付け点(318)でラック(306)と結合されている。同様に、プッシュプルケーブル(160)は、様々な好適な取り付け方法のいずれか1つを使用して、遠位取り付け点(321)でエンドエフェクタ(140)と結合されている。プッシュプルケーブル(160)は、一般に、ラック(306)がピニオン(308)と係合した後にラック(306)と結合されるが、ラック(306)がピニオン(308)と係合する前に、プッシュプルケーブル(160)がラック(306)と結合され得ることも想定される。偏向駆動アセンブリ(300)は、プッシュプルケーブル(160)を遠位方向に押す(図9Bを参照)ように、あるいはプッシュプルケーブル(160)を近位方向に引っ張る(図9Cを参照)ように、ラック(306)の線形運動を変化させる。特に、ラックアンドピニオンアセンブリ(304)は、ロッカーアーム(230)からの入力を使用して、単一のプッシュプルケーブル(160)を両方向に駆動するように構成される。プッシュプルケーブル(160)は、ステンレス鋼ロッドとして示されているが、十分な屈曲性及び柱強度を有する他の好適なプッシュプルケーブルも想定される。
【0041】
図8A図8Cは、エンドエフェクタ(140)及びカテーテル(120)の遠位部分を長手方向軸(L-L)を中心に偏向させるための偏向駆動アセンブリ(300)の例示的な使用を示す。図8A及び図9Aは、エンドエフェクタ(140)が中立の非偏向位置にあるときのカテーテルアセンブリ(100)を示す。特に、図8Aは、ロッカーアーム(230)が中立位置にある、図6の偏向駆動アセンブリ(300)の上面概略図を示す。ロッカーアーム(230)は、ピボットポイント(319)を中心に旋回可能である。ロッカーアーム(230)が中立位置にあるとき、ラックアンドピニオンアセンブリ(304)のラック(306)は中立の非偏向位置にある。
【0042】
図9Aは、内部構成要素を明らかにするために外側シース(122)の一部分が省略されている、図1のカテーテル(120)の遠位部分の上面図を示す。プッシュプルケーブル(160)は、中立の非偏向位置にあるエンドエフェクタ(140)に関連する中立の非偏向位置にある。図9A図9Cに示されるように、中間部分(162)は、遠位端部分(164)からカテーテル(120)の外側シース(122)を通って近位に延在している。中間部分(162)は、遠位端部分(164)まで延在するために、互いに結合された様々なセグメントを含み得る。中間部分(162)の様々なセグメントは、本明細書の教示に照らして当業者に明らかであるような任意の好適な手段を介して結合されてもよい。
【0043】
図8A図8Cに示されるように、ロックアセンブリ(316)は、ロッカーアーム(230)と並進アセンブリ(302)との間に差し挟まれている。図8Aは、エンドエフェクタ(140)がある範囲の角度に沿って移動できるように、ロック解除構成にあるロックアセンブリ(316)を示す。図8B及び図8Cに示されるロック構成では、ロックアセンブリ(316)は、エンドエフェクタ(140)を長手方向軸(L-L)に対して所望の角度でロックする。特に、図9Bでは、ロックアセンブリ(316)によってラック(306)が更に遠位に移動することが防がれる。ロックアセンブリ(316)は、ロック構成及びロック解除構成を画定するロック特徴部(320、322、324)を含む。図8Aに示されるように、ピニオン(308)はロック特徴部(320)を含む。ピニオン(308)は、単一のロック特徴部(320)のみを含むものとして示されているが、ピニオン(308)は、ピニオン(308)の周囲に間隔を置いて配置された2つ以上のロック特徴部を含んでもよい。同様に、ラック(306)は、長手方向軸(L-L)に沿って互いに間隔を置いて配置されたロック特徴部(322、324)を含む。図示されるように、ラック(306)のロック特徴部(322、324)は、ラック(306)の作業長さのいずれかの端に配置されている。ラック(306)は、より多くの、又はより少ないロック特徴部を含んでもよい。ラック(306)のロック特徴部(322、324)は、ピニオン(308)のロック特徴部(320)と相補的である。ロック特徴部(320)は、ロック構成において、ロック特徴部(322、324)のうちの1つと係合するように構成されている。
【0044】
ロック特徴部(322、324)は、ロック解除構成において、ロック特徴部(320)から距離を置いて配置されている。図示されるように、ロック特徴部(320、322、324)は円筒形の形状である。特に、ピニオン(308)のロック特徴部(320)は円筒形ピン(326)であり、ラック(306)のロック特徴部(322、324)は円筒形戻り止め(328、330)である。ピニオン(308)のロック特徴部(320)の円筒形ピン(326)は、ロック構成において、ラック(306)のロック特徴部(322、324)の円筒形戻り止め(328、330)と取り外し可能に結合する(例えば、その中に嵌合する)ように構成される。円筒形ピン(326)は、ピニオン(308)に隣接して、ロッカーアーム(230)から下向きにかつ一体的に突出する。円筒形ピン(326)は、歯車の歯先に隣接して配置されてもよい。円筒形戻り止め(328、330)は、ラック(306)の歯車の歯溝内に形成されてもよい。
【0045】
ロッカーアーム(230)を使用した抵抗量が同じ又はより少ない場合、ピニオン(308)の円筒形ピン(326)は、エンドエフェクタ(140)の偏向をロック解除するために、ラック(306)の円筒形戻り止め(328、330)のうちの1つから取り外し可能である。円筒形ピン(326)及び円筒形戻り止め(328、330)は、ロックアセンブリ(316)が図10B又は図10Cに示される状態にあるとき、ラック(306)の意図しない長手方向の移動に抵抗するには十分強いが(例えば、患者の解剖学的構造などによってエンドエフェクタに対して加えられる横方向の力に応答して)、ロッカーアーム(230)に過度のトルクをかける必要なしにオペレータが図10A図10Cに示される状態間でアセンブリを意図的に移行できるようにするには十分に弱い結合を提供する。ロックアセンブリ(316)は、ロック構成又はロック解除構成に出入りするときに触覚指示を提供することができる。図示されていないが、球形のロック特徴部を含むロック特徴部(320、322、324)について様々な非円筒形の形状も想定される。
【0046】
図8Bは、図8Aの偏向駆動アセンブリ(300)の上面概略図を示しているが、ロッカーアーム(230)は第2の位置(時計回りに180度回転されている)にあり、ラック(306)は第1の長手方向位置にあり、ロックアセンブリ(316)は第1のロック構成にある。図8Bに示されるように、第1のロック構成は、ラック(306)の最も遠位の位置である。図9Bは、内部構成要素を明らかにするために外側シース(122)の一部分が省略されている、図1のカテーテル(120)の遠位部分の上面図を示しており、カテーテル(120)の遠位部分は、図8Bのロッカーアーム(230)の第1の位置に関連する第1の偏向位置にある。図9Bに最もよく示されているように、ロッカーアーム(230)を図8Bに示される第1の位置に回転させると、ラックアンドピニオンアセンブリ(304)が、対応する長手方向位置に駆動され、その結果、プッシュプルケーブル(160)が遠位に駆動される。図8Bに示されるように、第1のロック構成では、ロック特徴部(320)の円筒形ピン(326)は、ロック特徴部(324)の円筒形戻り止め(330)内に配置されている。
【0047】
医師(PH)が、中央長手方向軸(L-L)に対してエンドエフェクタ(140)を図9Cに示される偏向位置へと偏向させることを望む場合、医師(PH)は、ロッカーアーム(230)をハンドル(110)に対して図8Cに示される位置まで回転させることができる。特に、図8Cは、図8Aの偏向駆動アセンブリ(300)の上面概略図を示しているが、ロッカーアーム(230)は第2の位置にあり、ラックアンドピニオンアセンブリ(304)は第2の長手方向位置にあり、ロックアセンブリ(316)は第2のロック構成にある。図8Bに示されるように、第2のロック構成は、ラック(306)の最も近位の位置である。図9Cは、内部構成要素を明らかにするために外側シース(122)の一部分が省略されている、図1のカテーテル(120)の遠位部分の上面図を示しており、カテーテル(120)の遠位部分は、灌注チューブ(180)を含み、かつ、ロッカーアーム(230)の第2の位置に関連する偏向位置にある。図8Cに示されるように、ロッカーアーム(230)を図8Cに示される回転位置に回転させると、ラックアンドピニオンアセンブリ(304)のピニオン(308)が、対応する回転位置に駆動され、その結果、ラック(306)及びプッシュプルケーブル(160)が近位に移動する。図8Cに示されるように、第2のロック構成では、ロック特徴部(320)の円筒形ピン(326)は、ロック特徴部(322)の円筒形戻り止め(328)内に配置されている。医師(PH)は、ロッカーアーム(230)を図8Bに示される位置まで回転させることなく、ロッカーアーム(230)を回転させて、エンドエフェクタ(140)を図8Aに示される位置から図8Cに示される位置まで移動させてもよいことが想定される。
【0048】
B.一方向エンドエフェクタ偏向用の第1の例示的なカテーテルアセンブリ
図8A図9Cに示されるようにエンドエフェクタ(140)に双方向偏向を提供するように構成された偏向駆動アセンブリ(300)を修正して、代わりに、図10A図11Bに示されるようにエンドエフェクタ(140)に一方向偏向を提供することが望ましい場合がある。エンドエフェクタ(140)の双方向偏向から一方向偏向へのこの切り替えは、偏向駆動アセンブリ(300)が製造されている間(例えば、組み立てられている間)、偏向駆動アセンブリ(300)の中立位置を修正することによって達成することができる。例えば、図10A図11Bに示されるように、これは、ラックアンドピニオンアセンブリ(304)の初期位置、及び並進アセンブリ(302)がラックアンドピニオンアセンブリ(304)と結合される長手方向位置を修正することによって達成することができる。
【0049】
図10Aは、図8Aの偏向駆動アセンブリ(300)の上面概略図を示しているが、ロッカーアーム(230)は中立の非偏向位置にあり、ラック(306)は第1の長手方向位置にあり、ロックアセンブリ(316)は第1のロック構成にある。図11Aは、内部構成要素を明らかにするために外側シース(122)の一部分が省略されている、図1のカテーテル(120)の遠位部分の上面図を示しており、カテーテル(120)の遠位部分は、中立の非偏向位置にある。図10Aに示されるように、ラックアンドピニオンアセンブリ(304)は、図8Aに示される中立構成から図10Aに示される中立構成へと調整され、プッシュプルケーブル(160)がラック(306)にしっかりと固定されている長手方向位置は、図8Aに示される中立位置から図10Aに示される中立位置へと調整される。図10Aに示されるように、第1のロック構成にあるロックアセンブリ(316)は、ラック(306)が遠位に駆動されるのを防ぐ。第1のロック構成では、ロック特徴部(320)の円筒形ピン(326)は、ロック特徴部(324)の円筒形戻り止め(330)内に配置されている。
【0050】
図10Bは、図10Aの偏向駆動アセンブリ(300)の上面概略図を示しているが、ロッカーアーム(230)は第1の回転位置にあり、ラック(306)は第1の長手方向位置に移動し、ロックアセンブリ(316)は第2のロック構成にある。図11Bは、内部構成要素を明らかにするために外側シース(122)の一部分が省略されている、図1のカテーテル(120)の遠位部分の上面図を示しており、カテーテル(120)の遠位部分は、図10Bのロッカーアーム(230)の第1の位置に関連する偏向位置にある。図11Bに示されるように、ロッカーアーム(230)を図10Aに示される位置から図10Bに示される位置に回転させると、ラックアンドピニオンアセンブリ(304)が、対応する回転位置に駆動され、その結果、プッシュプルケーブル(160)が近位に駆動される。本図面に必ずしも示されているわけではないが、カテーテル(120)の遠位部分は、図8A図9Cに示される構成よりも、図10A図11Bに示される構成において、より大きな程度の横方向の偏向(即ち、より大きな屈曲角度)を達成し得ることを理解されたい。
【0051】
C.第2の例示的なロックアセンブリ
図12は、第2の例示的なロックアセンブリ(416)がロック解除構成にある、第2の例示的な偏向駆動アセンブリ(400)の上面概略図を示す。偏向駆動アセンブリ(400)は、ロッカーアーム(230)と同様のロッカーアーム(401)と、並進アセンブリ(302)と同様の並進アセンブリ(402)と、ラックアンドピニオンアセンブリ(304)と同様のラックアンドピニオンアセンブリ(404)とを含む。ラックアンドピニオンアセンブリ(404)は、ラック(406)及びピニオン(408)を含む。ラック(406)は歯(412)を含み、ピニオン(408)は歯(414)を含む。ラック(406)は、近位取り付け点(318)と同様の取り付け点(418)で、並進アセンブリ(402)のプッシュプルケーブル(434)と結合されている。ロックアセンブリ(416)は、ピニオン(408)上のロック特徴部(420)及びラック(406)上のロック特徴部(422、424)を含む。例えば、ロック特徴部(422)は、ピニオン(408)に隣接して、ロッカーアーム(230)から下向きにかつ一体的に突出する円筒形ピン(426)として示されている。円筒形ピン(426)は、歯車の歯先に隣接して配置されてもよい。ロック特徴部(422、424)は、それぞれ歯車の歯溝に形成された円筒形戻り止め(428、430)である。ロッカーアーム(401)は、シャフト(410)を使用してピニオン(408)と結合されてもよい。シャフト(410)は、ロッカーアーム(401)及びピニオン(408)の一方又は両方に固定可能に結合されてもよい。
【0052】
ロックアセンブリ(416)は、ラック(406)をピニオン(408)から離れるように付勢して、ロックアセンブリ(416)をロック構成からロック解除構成に変換するように構成された付勢部材(438)を含み得る。例えば、ラック(406)は、屈曲可能な材料(例えば、ポリマー材料)から形成されてもよい。図示されるように、付勢部材(438)は、ハンドル(411)から外側に突出し、その結果、付勢部材(438)は、医師(PH)によって手動で作動され得る。ラッチピン(436)又は付勢部材(438)は、単独で又は組み合わせて使用され得ることが想定される。
【0053】
D.第3の例示的なロックアセンブリを有する双方向エンドエフェクタ偏向用の例示的なカテーテルアセンブリ
並進可能なアクチュエータ(例えば、線形スライダ)を含むカテーテルアセンブリは、通常、エンドエフェクタ(140)の一方向偏向のみを提供するように構成されてもよい。エンドエフェクタ(140)の双方向偏向を提供することができる線形スライダを含むカテーテルアセンブリを製造することが望ましい場合がある。更に、同じ生産ラインを使用して、線形スライダを含む一方向カテーテルと線形スライダを含む双方向カテーテルの両方を生産することが望ましい場合がある。前述のように、一方向カテーテルと双方向カテーテルに同じ生産ラインを使用することで、組立オペレータを訓練するために必要な時間を節約し、生産ラインで構成要素を混合する可能性を減らし、一方向カテーテル生産ラインと双方向カテーテル生産ラインとの間の組立オペレータの相互適合性を確保し、構成要素の調達中により大きな数量割引を生み出すこともできる。少なくともこれらの理由のために、第2の例示的なカテーテルアセンブリ(500)は、エンドエフェクタ(504)に双方向偏向を提供することができる入力部材(線形スライダ(514)として示される)を含む。双方向偏向は、一方向偏向と比較して、エンドエフェクタ(504)に対してより広い範囲の偏向角度を提供する。
【0054】
図13は、追加の構成要素が概略形式で示されている、図1のカテーテルアセンブリ(100)と同様のカテーテルアセンブリ(500)の斜視図を示す。カテーテルアセンブリ(500)は、カテーテル(120)と同様の第2の例示的なカテーテル(502)と、エンドエフェクタ(140)と同様のエンドエフェクタ(504)と、ハンドル(110)と同様のハンドル(506)と、第3の例示的な偏向駆動アセンブリ(508)とを含む。ハンドル(506)は、第1のケーシング部分(510)及び第2のケーシング部分(512)を含む。偏向駆動アセンブリ(508)は、線形スライダ(514)と、並進アセンブリ(516)と、ラックアンドピニオンアセンブリ(518)とを含む。線形スライダ(514)は、医師(PH)によって、仮想線で示されている最も遠位の位置(distal most position、DP)と、同様に仮想線で示されている最も近位の位置(proximal most position、PP)との間で、及び最も遠位の位置(DP)と最も近位の位置(PP)との間の任意の位置の間で、長手方向軸(L-L)に沿ってスライド可能である。図示されるように、線形スライダ(514)は、回転せずに長手方向軸(L-L)に沿って並進する。
【0055】
並進アセンブリ(516)は、プッシュプルケーブル(520)を含む。プッシュプルケーブル(520)及び灌注チューブ(180)と同様の灌注チューブ(521)は、カテーテル(120)の長さに沿って延在して、エンドエフェクタ(504)に到達することができる。ケーブル(30)は、カテーテルアセンブリ(500)を上記の駆動システム(10)と結合する。図3のワイヤ(32)と同様に、ケーブル(30)のワイヤは、カテーテル(502)の長さに沿って延在して、最も近位にある近位スペーサに到達する。ワイヤ(32)は、外側シース(122)と同様の外側シース(522)内に収容されてもよい。ワイヤ(32)は、任意の好適な方法で、最も近位にある近位スペーサと物理的及び電気的と結合することができる。
【0056】
カテーテルアセンブリ(500)は、流体導管(40)を介して灌注流体が図3の流体源(42)と同様の流体源からカテーテル(502)に連通することを可能にするように構成されており、それによって、図3の開口部(158)と同様の遠位先端部材(523)の開口部を介して灌注流体が排出される。遠位先端部材(142)と同様に、遠位先端部材(523)は、ドーム先端を有する円筒形本体(540)(図16A図16Cを参照)を含む。本実施例では、灌注流体の流体経路は、灌注チューブ(521)を含む。灌注チューブ(521)の近位端は、(例えば、カテーテルアセンブリ(500)のハンドル(506)において)流体導管(40)と結合されている。灌注チューブ(541)は、カテーテル(502)の長さに沿って延在して、エンドエフェクタ(504)に到達する。一部の変形例では、灌注流体は、灌注チューブ(541)の遠位端から中央通路を通って連通されてもよく、最終的には開口(218)と同様の開口を介して遠位先端部材(523)の内部に到達する。
【0057】
図14は、図13の偏向駆動アセンブリ(508)の斜視図を示す。ラックアンドピニオンアセンブリ(304)と同様のラックアンドピニオンアセンブリ(518)は、ラック(524)及びピニオン(526)を含む。図示されるように、線形スライダ(514)は、ラック(524)と固定可能に結合されている。ラックアンドピニオンアセンブリ(518)は、線形スライダ(514)の線形運動から得られるラック(524)の線形運動をピニオン(526)の回転運動に変換する。ピニオン(526)はシャフト(528)から延在している。ラック(524)は、複数の歯(530)を含む。同様に、ピニオン(308)は、ラック(524)の歯(530)と選択的に係合するように構成された複数の歯(532)を含む。プッシュプルケーブル(520)は一部分(536、538)を有する。ラック(524)は、プッシュプルケーブル(520)を介して、又は遠位先端部材(523)の双方向偏向を駆動する別の好適な並進部材を介して、遠位先端部材(523)に接続されている。
【0058】
引き続き図14を参照すると、偏向駆動アセンブリ(508)は、ラックアンドピニオンアセンブリ(518)のピニオン(526)と同軸であるプーリーホイール(542)を含む。プーリーホイール(542)は、シャフト(528)を使用してピニオン(526)と回転可能に結合されている。プーリーホイール(542)は、プッシュプルケーブル(520)と摩擦的に係合するように構成されたインターフェース面(544)を含む。図15A図16Cを参照してより詳細に説明するように、ハンドル(110)は、ラックアンドピニオンアセンブリ(518)を使用して、線形スライダ(514)の線形運動を、プーリーホイール(542)を介してプッシュプルケーブル(520)と同期するピニオン(526)の回転運動に変換して、遠位先端部材(523)を偏向させる。遠位先端部材(523)は、プッシュプルケーブル(520)の一部分(536、538)の一方に対する張力を与え、プッシュプルケーブル(520)の一部分(536、538)の他方に対する張力を解放しながら、複数の方向に偏向する。
【0059】
図15A図16Cは、エンドエフェクタ(504)及びカテーテル(502)の遠位部分を中央長手方向軸(L-L)を中心に偏向させるための偏向駆動アセンブリ(508)の例示的な使用を示す。図15Aは、図14の偏向駆動アセンブリ(508)の上面概略図を示す。図示されるように、線形スライダ(514)は、第1の長手方向位置(即ち、中立位置)にあり、ラックアンドピニオンアセンブリ(304)は、第1の長手方向位置(即ち、中立位置)にあり、第3の例示的なロックアセンブリ(534)は、ロック解除構成にある。示されている中立位置は、ラック(524)の中央に配置されたピニオン(526)を有するが、中立位置は、ラック(524)に沿ってより近位に又はより遠位に配置されたピニオン(526)を有してもよい。図15Aに示されるように、ピニオン(526)とプーリーホイール(542)とは、互いに同軸であり、互いから横方向にオフセットされている。ピニオン(526)及びプーリーホイール(542)は、シャフト(528)を介して回転可能に共に結合されてもよく、又は単一の部品として共に形成されてもよい。例えば、ピニオン(526)、シャフト(528)、及びプーリーホイール(542)は、プラスチック、金属、又は別の好適な材料若しくは材料の組み合わせで形成されてもよい。プッシュプルケーブル(520)は、プーリーホイール(542)に巻き付けられているように示されている。ラック(524)の遠位部分は、エンドエフェクタ(504)の一方向偏向のために取り付け点(548)でワイヤ(546)と結合されてもよく、これは、エンドエフェクタ(504)の一方向偏向のために一般に省略されない。
【0060】
図15A図15Cに示されるように、偏向駆動アセンブリ(300)は、任意選択で、ロックアセンブリ(316)と同様のロックアセンブリ(534)を含み得る。ロックアセンブリ(534)は、ロック構成及びロック解除構成を画定するロック特徴部(552、554、556)を含む。図15Aに示されるように、ピニオン(526)はロック特徴部(552)を含む。ピニオン(526)は、単一のロック特徴部(552)のみを含むものとして示されているが、ピニオン(526)は、2つ以上のロック特徴部を含んでもよい。同様に、ラック(524)は、長手方向軸(L-L)に沿って互いに間隔を置いて配置されたロック特徴部(554、556)を含む。図示されるように、ラック(524)のロック特徴部(554、556)は、ラック(524)の作業長さのいずれかの端に配置されている。ラック(524)は、より多くの、又はより少ないロック特徴部を含んでもよい。ラック(524)のロック特徴部(554、556)は、ピニオン(526)のロック特徴部(552)と相補的である。ロック特徴部(552)は、ロック構成においてロック特徴部(554、556)の1つと係合するように構成される。
【0061】
ロック特徴部(554、556)は、ロック解除構成において、ロック特徴部(552)から距離を置いて配置されている。言い換えれば、図15Aのロック解除位置では、ラック(524)のロック特徴部(554、556)は、ピニオン(526)のロック特徴部(552)と係合していない。図示されるように、ロック特徴部(552、554、556)は円筒形の形状である。特に、ピニオン(526)のロック特徴部(552)は円筒形ピン(558)であり、ラック(524)のロック特徴部(554、556)は円筒形戻り止め(560、562)である。ピニオン(526)のロック特徴部(552)の円筒形ピン(558)は、ロック構成において、ラック(524)のロック特徴部(554、556)の円筒形戻り止め(560、562)と取り外し可能に結合する(例えば、その中に嵌合する)ように構成される。円筒形ピン(558)は、歯車の歯先に隣接して配置されてもよい。あるいは、円筒形ピン(558)は、ピニオン(526)に回転可能に結合されているプーリーホイール(542)から一体的に突出してもよい。円筒形戻り止め(560、562)は、ラック(524)の歯車の歯溝内に形成されてもよい。線形スライダ(514)を使用した抵抗量が同じ又はより少ない場合、ピニオン(526)の円筒形ピン(558)は、エンドエフェクタ(504)の偏向をロック解除するために、ラック(524)の円筒形戻り止め(560、562)のうちの1つから取り外し可能である。したがって、ロックアセンブリ(534)は、ロック構成又はロック解除構成に出入りするときに触覚指示を提供することができる。図示されていないが、ロック特徴部(552、554、556)について様々な非円筒形の形状も想定される。
【0062】
図16Aは、内部構成要素を明らかにするために外側シース(522)の一部分が省略されている図13のカテーテルの遠位部分の上面図を示しており、カテーテル(502)の遠位部分は、図15Aの線形スライダ(514)の第1の長手方向位置に関連する中立の非偏向位置にある。したがって、図16Aは、エンドエフェクタ(504)が中立の非偏向位置にあるときのカテーテルアセンブリ(500)を示す。同様に、プッシュプルケーブル(520)は、非偏向位置にあるエンドエフェクタ(504)に関連する第1の位置にある。プッシュプルケーブル(520)の一部分(536)は、取り付け点(564)で、エンドエフェクタ(504)の遠位先端部材(523)と結合されている。同様に、プッシュプルケーブル(520)の一部分(538)は、取り付け点(566)で、エンドエフェクタ(504)の遠位先端部材(523)と結合されている。エンドエフェクタ(504)が中立の非偏向位置にあると示されているので、取り付け点(564)は、取り付け点(566)とほぼ同じ長手方向軸(L-L)に沿った長手方向位置に配置される。
【0063】
図15Bは、図15Aの偏向駆動アセンブリ(508)の上面概略図を示す。図示されるように、線形スライダ(514)は、第2の長手方向位置にあり、ラックアンドピニオンアセンブリ(304)は、第2の長手方向位置にあり、ロックアセンブリ(534)は、第1のロック構成にある。図15Bに示されるように、線形スライダ(514)は、遠位に(矢印(568)で示される)作動され、これにより、ラック(524)が長手方向軸(L-L)に沿って遠位に駆動される。図15Bに示されるように、第1のロック構成は、ラック(524)の最も近位の位置である。ラック(524)の歯(530)がピニオン(526)の歯(532)と係合しているので、ラック(524)の長手方向の移動により、ピニオン(526)が時計回り方向(矢印(570)で示される)に回転する。ピニオン(526)とプーリーホイール(542)とが回転可能に結合されているので、ピニオン(526)の時計回りの回転により、プーリーホイール(542)が時計回りに回転するように駆動される。例えば、ピニオン(526)及びプーリーホイール(542)は、互いに一体であってもよく、又は他の方法で一体的に共に固定されてもよい。プーリーホイール(542)の時計回りの回転により、プッシュプルケーブル(520)が時計回りに回転するように駆動される。特に、プッシュプルケーブル(520)の一部分(536)は遠位方向(矢印(572)で示される)に押され、プッシュプルケーブル(520)の一部分(538)は近位方向(矢印(574)で示される)に引っ張られる。図15Bに示されるように、第1のロック構成では、ロック特徴部(552)の円筒形ピン(558)は、ロック特徴部(556)の円筒形戻り止め(562)内に配置されている。
【0064】
あるいは、プーリーホイール(542)の代わりにスプロケットを使用し、プッシュプルケーブル(520)の少なくとも一部分(例えば、動作中にスプロケットに直接係合する部分)の代わりにチェーンを使用して、チェーンをスプロケットに巻き付け、第1のプッシュプルケーブル及び第2のプッシュプルケーブルをチェーンの各端部に接合することができることも想定される。チェーンとスプロケットとの構成を利用するそのような代替構成では、第1のプッシュプルケーブル及び第2のプッシュプルケーブルは、2019年6月25日に出願された「Catheter Deflection System with Deflection Load Limiter」と題する米国仮特許出願第62/866,109号(その開示は参照によりその全体が本明細書に組み込まれる)に示され記載されている双方向カテーテルと同様の方法で、長手方向軸(L-L)に沿って反対方向に移動する。
【0065】
図16Bは、内部構成要素を明らかにするために外側シース(522)の一部分が省略されている、図13のカテーテル(502)の遠位部分の上面図を示す。図示されるように、カテーテル(502)の遠位部分は、図15Bの線形スライダ(514)の第2の長手方向位置に関連する第1の偏向位置にある。医師(PH)が、中央長手方向軸(L-L)に対して第1の方向にエンドエフェクタ(504)を図16Bに示される第1の偏向位置へと偏向させることを望む場合、医師(PH)は、線形スライダ(514)をハンドル(506)に対して図15Bに示される位置まで並進させることができる。エンドエフェクタ(504)が第1の偏向位置にあると示されているので、取り付け点(564)は、長手方向軸(L-L)に沿って取り付け点(566)の遠位に配置される。
【0066】
図15Cは、図15Aの偏向駆動アセンブリ(508)の上面概略図を示しているが、線形スライダ(514)は第3の長手方向位置にあり、ラックアンドピニオンアセンブリ(518)は第3の長手方向位置にあり、ロックアセンブリ(534)は第2のロック構成にある。図15Cに示されるように、線形スライダ(514)は、近位に(矢印(576)で示される)作動され、これにより、ラック(524)が長手方向軸(L-L)に沿って近位に駆動される。ラック(524)の歯(530)がピニオン(526)の歯(532)と係合しているので、ラック(524)の長手方向の移動により、ピニオン(526)が反時計回り方向(矢印(578)で示される)に回転する。ピニオン(526)とプーリーホイール(542)とが回転可能に結合されているので、ピニオン(526)の回転により、プーリーホイール(542)が反時計回りに回転するように駆動される。プーリーホイール(542)の反時計回りの回転により、プッシュプルケーブル(160)が反時計回りに回転するように駆動される。特に、プッシュプルケーブル(520)の一部分(536)は近位方向(矢印(580)で示される)に引っ張られ、プッシュプルケーブル(520)の一部分(538)は遠位方向(矢印(582)で示される)に押される。図15Cに示されるように、第2のロック構成では、ロック特徴部(552)の円筒形ピン(558)は、ロック特徴部(554)の円筒形戻り止め(560)内に配置されている。図15Cに示されるように、第2のロック構成は、ラック(524)の最も近位の位置である。
【0067】
図16Cは、内部構成要素を明らかにするために外側シースの一部分が省略されている、図13のカテーテル(502)の遠位部分の上面図を示しており、カテーテル(502)の遠位部分は、図15Cの線形スライダ(514)の第3の長手方向位置に関連する第2の偏向位置にある。エンドエフェクタ(504)が第2の偏向位置にあると示されているので、取り付け点(564)は、長手方向軸(L-L)に沿って取り付け点(566)の近位に配置される。
【0068】
E.第4の例示的なロックアセンブリ
図17は、第4の例示的なロックアセンブリ(634)がロック解除構成にある、第4の例示的な偏向駆動アセンブリ(608)の上面概略図を示す。偏向駆動アセンブリ(608)は、線形スライダ(514)と同様の線形スライダ(614)と、並進アセンブリ(516)と同様の並進アセンブリ(616)と、ラックアンドピニオンアセンブリ(518)と同様のラックアンドピニオンアセンブリ(618)とを含む。ラックアンドピニオンアセンブリ(618)は、歯(630)を有するラック(624)及び歯(632)を有するピニオン(626)を含む。ラック(624)は、線形スライダ(614)と結合されている。ロックアセンブリ(634)は、ピニオン(626)上のロック特徴部(652)及びラック(624)上のロック特徴部(654、656)を含む。例えば、ロック特徴部(652)は、円筒形ピン(658)として示されており、ロック特徴部(654、656)は、それぞれ歯車の歯溝に形成された円筒形戻り止め(660、662)である。円筒形ピン(658)は、プーリーホイール(642)と共に形成されてもよい。
【0069】
線形スライダ(614)は、ハンドル(606)に対して長手方向軸(L-L)に沿って並進するように構成されている。線形スライダ(614)は、シャフト(628)を使用してピニオン(626)と結合されている。シャフト(628)は、ピニオン(626)とプーリーホイール(642)とを回転可能に結合する。偏向駆動アセンブリ(608)は、ラックアンドピニオンアセンブリ(618)のピニオン(626)と同軸であるプーリーホイール(642)を含む。プーリーホイール(642)は、シャフト(628)を使用してピニオン(626)と回転可能に結合されている。プーリーホイール(642)は、プッシュプルケーブル(620)に接触するように構成されたインターフェース面(644)を含む。ラック(524)の遠位部分は、取り付け点(548)でワイヤ(546)と結合されてもよい。プッシュプルケーブル(620)は、プッシュプルケーブル(520)と同様の一部分(636、638)を有する。プッシュプルケーブル(620)の一部分(636)は、取り付け点(564)と同様の取り付け点で、エンドエフェクタ(504)の遠位先端部材(523)と結合されている。プッシュプルケーブル(620)の一部分(638)は、取り付け点(566)と同様の取り付け点で、エンドエフェクタ(504)の遠位先端部材(523)と結合されている。
【0070】
ロック特徴部(652、654、656)の代わりに又はそれらに加えて、ロックアセンブリ(634)は、エンドエフェクタ(504)(図16A図16Cを参照)の偏向角度を維持するために線形スライダ(614)の歯(670)と選択的に結合するロック特徴部(ラッチピン(668)として示される)を含み得る。ラッチピン(668)は、線形スライダ(614)を選択的にロック位置に維持する。ロック特徴部(652、654、656)又はラッチピン(668)の代わりに又はそれらに加えて、ロックアセンブリ(634)は、エンドエフェクタ(504)(図16A図16Cを参照)の偏向角度を維持するためにラック(624)の歯(674)と選択的に結合するロック特徴部(ラッチピン(672)として示される)を含み得る。
【0071】
F.例示的な方法
図18は、カテーテルアセンブリ(100、500)を操作する方法(700)を示す。方法(700)のステップ(702a)は、回転運動を使用してロッカーアーム(230、401)を手動で作動させることを含む。方法(700)のステップ(702b)は、線形運動を使用して線形スライダ(514、614)を手動で作動させることを含む。方法(700)のステップ(704a)は、ロッカーアーム(230、401)の回転運動をピニオン(308、408)に伝達することを含む。方法(700)のステップ(704b)は、線形スライダ(514、614)の線形運動をラック(524、624)に伝達することを含む。
【0072】
方法(700)のステップ(706a)は、ラックアンドピニオンアセンブリ(304、404)を使用して、ピニオン(308、408)の回転運動をラック(306、406)の後続の回転運動に変換することを含む。方法(700)のステップ(706b)は、ラックアンドピニオンアセンブリ(518、618)を使用して、ラック(524、624)の線形運動をピニオン(526、626)の後続の回転運動に変化させることを含む。方法(700)のステップ(708a)は、ラック(306、406)の後続の線形運動を並進アセンブリ(302、402)に伝達することを含む。方法(700)のステップ(708b)は、ピニオン(526、626)の後続の回転運動を並進アセンブリ(516、616)に伝達することを含む。
【0073】
方法(700)のステップ(710)は、並進アセンブリ(302、402)を使用して、エンドエフェクタ(140)を長手方向軸(L-L)に対してある角度で離れるように偏向させること、又は並進アセンブリ(516、616)を使用して、エンドエフェクタ(504)を長手方向軸(L-L)に対してある角度で離れるように偏向させることを含む。方法(700)のステップ(712)は、ロックアセンブリ(316、416、534、634)を使用して、ロック構成において、長手方向軸(L-L)から離れるように所望の角度でエンドエフェクタ(140、504、604)をロックすることを含む。
【0074】
IV.例示的な組み合わせ
以下の実施例は、本明細書の教示を組み合わせる又は適用することができる様々な非網羅的な方法に関する。以下の実施例は、本出願又は本出願のその後の出願において任意の時点で提示され得る特許請求の範囲を限定することを意図するものではないことを理解されたい。一切の権利放棄が意図されていない。以下の実施例は、単に例示的な目的で提供されているにすぎない。本明細書の様々な教示は、他の多くの方法で構成及び適用され得ることが企図される。また、一部の変形例では、以下の実施例において言及される特定の特徴部を省略してもよいことも企図される。したがって、以下に言及される態様又は特徴のいずれも、本発明者ら又は本発明者らの権利相続人によって後にそのように明示的に示されていない限り、重要であると見なされるべきではない。本出願又は本出願に関連する後続の出願において提示される特許請求の範囲が、以下に言及されるもの以外の追加の特徴を含む場合、それらの追加の特徴は、特許性に関するいかなる理由で追加されたものと見なされるべきではない。
【実施例1】
【0075】
装置であって、(a)ハンドルと、(b)ハンドルから遠位に延在するカテーテルであって、カテーテルの近位部分が長手方向軸を画定する、カテーテルと、(c)カテーテルから遠位に延在するエンドエフェクタであって、エンドエフェクタは少なくとも1つの電極を含む、エンドエフェクタと、(d)エンドエフェクタを長手方向軸から離れるように偏向させるように構成された偏向駆動アセンブリであって、偏向駆動アセンブリは、(i)ハンドルに関連付けられた入力部材と、(ii)エンドエフェクタに結合された並進アセンブリと、(iii)入力部材及び並進アセンブリと結合されたラックアンドピニオンアセンブリであって、ラックアンドピニオンアセンブリは、並進アセンブリを駆動して、エンドエフェクタを長手方向軸に対してある角度で離れるように偏向させるように構成されており、ラックアンドピニオンアセンブリは、ラック及びピニオンからなり、ラックアンドピニオンアセンブリは、(1)入力部材からのピニオンの回転運動をラックの線形運動へと変化させて、並進部材を遠位に押す又は近位に引っ張るように、あるいは、(2)入力部材からのラックの線形運動をピニオンの回転運動へと変化させて、並進部材の第1の端部を近位に移動し、並進部材の第2の端部を遠位に移動するように、構成されている、ラックアンドピニオンアセンブリと、を含む、偏向駆動アセンブリと、装置。
【実施例2】
【0076】
入力部材は、駆動軸を中心にハンドルに対して回転するように構成されたロッカーアームを含み、ラックアンドピニオンアセンブリは、ロッカーアームからのピニオンの回転運動をラックの線形運動へと変化させて、並進部材を遠位に押す又は近位に引っ張るように構成されている、実施例1に記載の装置。
【実施例3】
【0077】
並進アセンブリは、ラックと結合されたプッシュプルケーブルを更に含み、偏向駆動アセンブリは、ラックの線形運動を伝達して、プッシュプルケーブルを遠位方向に押す又はプッシュプルケーブルを近位方向に引っ張るように構成されている、実施例2に記載の装置。
【実施例4】
【0078】
ロッカーアーム及びピニオンは、駆動軸を中心に同軸である、実施例2~3のいずれか1つ以上に記載の装置。
【実施例5】
【0079】
入力部材は、長手方向軸に沿って長手方向に移動するように構成された線形スライダを含み、ラックアンドピニオンアセンブリは、線形スライダからのラックの線形運動をピニオンの回転運動へと変化させて、並進部材の第1の端部を近位に移動し、並進部材の第2の端部を遠位に移動するように構成されている、実施例1に記載の装置。
【実施例6】
【0080】
並進アセンブリは、第1の部分及び第2の部分を有するプッシュプルケーブルを更に含み、偏向駆動アセンブリは、ピニオンの回転運動を伝達して、プッシュプルケーブルの第1の部分を遠位方向に押し、プッシュプルケーブルの第2の部分を近位方向に引っ張るように構成されている、実施例1に記載の装置。
【実施例7】
【0081】
偏向駆動アセンブリは、ラックアンドピニオンアセンブリのピニオンと同軸であるプーリーホイールを更に含み、プーリーホイールは、プッシュプルケーブルに接触するように構成されたインターフェース面を含む、実施例6に記載の装置。
【実施例8】
【0082】
線形スライダはラックと固定可能に結合され、プーリーホイールはピニオンと回転可能に結合されている、実施例5~7のいずれか1つ以上に記載の装置。
【実施例9】
【0083】
入力部材と並進アセンブリとの間に差し挟まれたロックアセンブリを更に備え、ロックアセンブリは、ロック構成とロック解除構成の間で移動可能であり、ロックアセンブリは、ロック構成において長手方向軸に対して角度でエンドエフェクタをロックするように構成されている、実施例1~8のいずれかに記載の装置。
【実施例10】
【0084】
ロックアセンブリは、ロック構成とロック解除構成との間で移行するように構成された第1のロック特徴部及び第2のロック特徴部を含み、ロックアセンブリは、ロック構成において並進アセンブリが長手方向軸に沿って並進するのを防ぐように構成されている、実施例9に記載の装置。
【実施例11】
【0085】
第1のロック特徴部はピニオン上に配置され、第2のロック特徴部はラック上に配置され、第2のロック特徴部は、第1のロック特徴部と相補的であり、第1のロック特徴部及び第2のロック特徴部は、ロック構成において互いに係合するように構成されており、第1のロック特徴部及び第2のロック特徴部は、ロック解除構成において互いからある距離を置いて配置されるように構成されている、実施例10に記載の装置。
【実施例12】
【0086】
第1のロック特徴部及び第2のロック特徴部は円筒形である、実施例10又は11に記載の装置。
【実施例13】
【0087】
第1のロック特徴部は、円筒形ピンを含み、第2のロック特徴部は、ロック構成において円筒形ピンを受け入れるように構成された円筒形戻り止めを含む、実施例12に記載の装置。
【実施例14】
【0088】
円筒形ピンは、入力部材から一体的に突出し、円筒形戻り止めは、ラックの歯車の歯溝内に形成される、実施例13に記載の装置。
【実施例15】
【0089】
ロックアセンブリは、ラックをピニオンから離れるように付勢してロック解除構成に切り替えるように構成された付勢部材を更に含む、実施例9~14のいずれかに記載の装置。
【実施例16】
【0090】
ロックアセンブリを更に備え、ロックアセンブリは、ロック構成とロック解除構成との間で移行するように構成された第1のロック特徴部及び第2のロック特徴部を含み、第1のロック特徴部は、並進アセンブリ上に配置され、第2のロック特徴部は、ハンドル上に選択的に配置される、実施例1~8のいずれか1つ以上に記載の装置。
【実施例17】
【0091】
入力部材は、駆動軸を中心にハンドルに対して回転するように構成されたロッカーアームを含み、第1のロック特徴部は、ロッカーアーム上に配置され、第2のロック特徴部は、ハンドル上で移動可能である、実施例10に記載の装置。
【実施例18】
【0092】
駆動軸は長手方向軸に対して垂直である、実施例17に記載の装置。
【実施例19】
【0093】
入力部材は、長手方向軸に沿ってハンドルに対して並進するように構成された線形スライダを含み、第1のロック特徴部は、線形スライダ上に配置され、第2のロック特徴部は、ハンドル上で移動可能である、実施例10に記載の装置。
【実施例20】
【0094】
並進アセンブリは、単一のプッシュプルケーブルからなり、ラックアンドピニオンアセンブリは、単一のプッシュプルケーブルを両方向に駆動するように構成されている、実施例1に記載の装置。
【実施例21】
【0095】
単一のプッシュプルケーブルは、ステンレス鋼ロッドを含む、実施例20に記載の装置。
【実施例22】
【0096】
少なくとも1つの電極は、RFエネルギーを放出するように構成されている、実施例1~21のいずれか1つ以上に記載の装置。
【実施例23】
【0097】
少なくとも1つの電極は、電気生理学的マッピングを実行するように構成されている、実施例1~22のいずれか1つ以上に記載の装置。
【実施例24】
【0098】
エンドエフェクタは、歪みゲージアセンブリを含む、実施例1~23のいずれか1つ以上に記載の装置。
【実施例25】
【0099】
エンドエフェクタは、灌注流体を放出するように構成されている、実施例1~24のいずれか1つ以上に記載の装置。
【実施例26】
【0100】
エンドエフェクタは、位置センサを含む、実施例1~25のいずれか1つ以上に記載の装置。
【実施例27】
【0101】
装置であって、(a)ハンドルと、(b)ハンドルから遠位に延在するカテーテルであって、カテーテルの近位部分が長手方向軸を画定する、カテーテルと、(c)カテーテルから遠位に延在するエンドエフェクタであって、エンドエフェクタは少なくとも1つの電極を含む、エンドエフェクタと、(d)エンドエフェクタを長手方向軸から離れるように偏向させるように構成された偏向駆動アセンブリであって、偏向駆動アセンブリは、(i)ハンドルに関連付けられた入力部材と、(ii)エンドエフェクタに結合された並進アセンブリであって、入力部材は、並進アセンブリを駆動して、エンドエフェクタを長手方向軸からある角度で離れるように偏向させるように構成されている、並進アセンブリと、(iii)入力部材及び並進アセンブリと結合されたラックアンドピニオンアセンブリであって、ラックアンドピニオンアセンブリは、ラック及びピニオンからなり、ラックアンドピニオンアセンブリは、(1)入力部材からのピニオンの回転運動をラックの線形運動へと変化させて、並進部材を遠位に押す又は近位に引っ張るように、あるいは、(2)入力部材からラックの線形運動をピニオンの回転運動へと変化させて、並進部材の第1の端部を近位に移動し、並進部材の第2の端部を遠位に移動するように、構成されている、ラックアンドピニオンアセンブリと、を含む、偏向駆動アセンブリと、(e)ロック構成とロック解除構成との間で移行するように構成されたロックアセンブリであって、ロックアセンブリは、第1のロック特徴部及び第2のロック特徴部を含み、第1のロック特徴部及び第2のロック特徴部は、ロック構成において長手方向軸から離れるように角度でエンドエフェクタをロックするように構成されており、第1のロック特徴部及び第2のロック特徴部は、ロック解除構成においてエンドエフェクタがある範囲の角度に沿って移動することを可能にするように構成されている、ロックアセンブリと、を備える、装置。
【実施例28】
【0102】
ロックアセンブリは、入力部材と並進アセンブリとの間に差し挟まれており、ロックアセンブリは、ロック構成において並進アセンブリが長手方向軸に沿って並進するのを防ぐように構成されている、実施例27に記載の装置。
【実施例29】
【0103】
第1のロック特徴部はピニオン上に配置され、第2のロック特徴部はラック上に配置され、第2のロック特徴部は、第1のロック特徴部と相補的であり、第1のロック特徴部及び第2のロック特徴部は、ロック構成において互いに係合するように構成されており、第1のロック特徴部及び第2のロック特徴部は、ロック解除構成において互いからある距離を置いて配置されるように構成されている、実施例28に記載の装置。
【実施例30】
【0104】
第1のロック特徴部及び第2のロック特徴部は円筒形である、実施例27~30のいずれか1つ以上に記載の装置。
【実施例31】
【0105】
第1のロック特徴部は、円筒形ピンであり、第2のロック特徴部は、ロック構成において円筒形ピンを受け入れるように構成された円筒形戻り止めである、実施例30に記載の装置。
【実施例32】
【0106】
装置を製造する方法であって、装置は、(a)ハンドルと、(b)ハンドルから遠位に延在するカテーテルであって、カテーテルの近位部分が長手方向軸を画定する、カテーテルと、(c)カテーテルから遠位に延在するエンドエフェクタであって、エンドエフェクタは少なくとも1つの電極を含む、エンドエフェクタと、(d)エンドエフェクタを長手方向軸から離れるように偏向させるように構成された偏向駆動アセンブリと、を備え、偏向駆動アセンブリは、(i)ハンドルに関連付けられた入力部材と、(ii)エンドエフェクタに結合された並進アセンブリと、(iii)入力部材及び並進アセンブリと結合されたラックアンドピニオンアセンブリであって、ラックアンドピニオンアセンブリは、ラック及びピニオンからなる、ラックアンドピニオンアセンブリと、を含み、方法は、(a)回転運動又は線形運動を使用して入力部材を手動で作動させることと、(b)入力部材の回転運動をピニオンに伝達すること、又は入力部材の線形運動をラックに伝達することと、(c)ラックアンドピニオンアセンブリを使用して、ピニオンの回転運動をラックの後続の線形運動に変換すること、又はラックの線形運動をピニオンの後続の回転運動に変換することと、(d)後続の線形運動を並進アセンブリに伝達すること、又は後続の回転運動を並進アセンブリに伝達することと、(e)並進アセンブリを使用して、エンドエフェクタを長手方向軸から離れるように、ある角度で偏向させることとを含む、方法。
【実施例33】
【0107】
ロック構成においてエンドエフェクタを長手方向軸から離れるようにその角度でロックすることを更に含む、実施例32に記載の方法。
【実施例34】
【0108】
装置を製造する方法であって、装置は、(a)ハンドルと、(b)ハンドルから遠位に延在するカテーテルであって、カテーテルの近位部分が長手方向軸を画定する、カテーテルと、(c)カテーテルから遠位に延在するエンドエフェクタであって、エンドエフェクタは少なくとも1つの電極を含む、エンドエフェクタと、(d)エンドエフェクタを長手方向軸から離れるように偏向させるように構成された偏向駆動アセンブリであって、偏向駆動アセンブリは、(i)ハンドルに関連付けられた入力部材と、(ii)エンドエフェクタに結合された並進アセンブリと、(iii)入力部材及び並進アセンブリと結合されたラックアンドピニオンアセンブリであって、ラックアンドピニオンアセンブリは、ラック及びピニオンからなる、ラックアンドピニオンアセンブリと、を含み、本方法は、(a)双方向エンドエフェクタ偏向用のラックに沿った第2の位置から長手方向に間隔を置いて配置されている、一方向エンドエフェクタ偏向用に構成された第1の位置でラックと係合するようにピニオンを挿入する、又は、一方向エンドエフェクタ偏向用のラックに沿った第4の位置から長手方向に間隔を置いて配置されている、双方向エンドエフェクタ偏向用に構成された第3の位置でラックと係合するようにピニオンを挿入することと、(b)並進アセンブリをラックアンドピニオンアセンブリに取り付けることと、を含む、方法。
【0109】
V.その他
本明細書に記載の器具のいずれも、処置前及び/又は処置後に洗浄及び滅菌することができる。1つの滅菌技術では、デバイスをプラスチック製又はTYVEK製のバックのような密閉及び封止された容器に入れる。次に、容器及びデバイスを、ガンマ線、X線、又は高エネルギー電子線など、容器を透過することができる放射線場に置いてもよい。放射線は、デバイス上及び容器内の細菌を死滅させることがある。次に、滅菌されたデバイスを、後の使用のために、滅菌容器内に保管してもよい。デバイスはまた、限定されないが、ベータ線又はガンマ線、エチレンオキシド、過酸化水素、過酢酸、及びガスプラズマ又は水蒸気を伴う又は伴わない気相滅菌を含む当技術分野で既知の任意の他の技術を使用して滅菌されてもよい。
【0110】
本明細書に記載の実施例のいずれも、上述のものに加えて又はそれらの代わりに、様々な他の特徴を含み得ることを理解されたい。単なる例として、本明細書に記載の実施例のいずれも、参照により本明細書に組み込まれている様々な参考文献のいずれかに開示されている様々な特徴のうちの1つ以上を含むことができる。
【0111】
本明細書に記載の教示、表現、実施形態、実施例などのいずれか1つ以上は、本明細書に記載の他の教示、表現、実施形態、実施例などのいずれか1つ以上と組み合わせることができることを理解されたい。したがって、上記の教示、表現、実施形態、実施例などは、互いに対して単独で考慮されるべきではない。本明細書の教示を組み合わせることができる様々な好適な方法は、本明細書の教示に鑑みて当業者には容易に明らかであろう。このような修正例及び変形例は、特許請求の範囲に含まれることが意図される。
【0112】
本明細書に参照により組み込まれると言及されるあらゆる特許、刊行物、又は他の開示内容の全部又は一部は、組み込まれる内容が本開示に記載されている既存の定義、見解、又は他の開示内容と矛盾しない範囲でのみ、本明細書に組み込まれることを理解されたい。したがって、必要な範囲で、本明細書に明示的に記載されている開示内容は、参照により本明細書に組み込まれるあらゆる矛盾する内容に優先するものとする。参照により本明細書に組み込まれると言及されているが、本明細書に記載されている既存の定義、見解、又は他の開示内容と矛盾する任意の内容又はその一部は、その組み込まれる内容と既存の開示内容との間に矛盾が生じない範囲においてのみ組み込まれる。
【0113】
本発明の様々な変形例について図示し説明してきたが、本明細書に記載の方法及びシステムの更なる適応は、本発明の範囲から逸脱することなく、当業者による適切な修正によって達成することができる。そのような可能な修正のいくつかについて述べたが、その他の修正は当業者には明らかであろう。例えば、上述の実施例、変形例、幾何学的形状、材料、寸法、比率、ステップなどは例示的なものであり、必須ではない。したがって、本発明の範囲は、以下の特許請求の範囲に関して考慮されるべきであり、本明細書及び図面に示され記載された構造及び操作の詳細に限定されないことが理解される。
【0114】
〔実施の態様〕
(1) 装置であって、
(a)ハンドルと、
(b)前記ハンドルから遠位に延在するカテーテルであって、前記カテーテルの近位部分が長手方向軸を画定する、カテーテルと、
(c)前記カテーテルから遠位に延在するエンドエフェクタであって、前記エンドエフェクタは少なくとも1つの電極を含む、エンドエフェクタと、
(d)前記エンドエフェクタを前記長手方向軸から離れるように偏向させるように構成された偏向駆動アセンブリであって、前記偏向駆動アセンブリは、
(i)前記ハンドルに関連付けられた入力部材と、
(ii)前記エンドエフェクタに結合された並進アセンブリと、
(iii)前記入力部材及び前記並進アセンブリと結合されたラックアンドピニオンアセンブリであって、前記ラックアンドピニオンアセンブリは、前記並進アセンブリを駆動して、前記エンドエフェクタを前記長手方向軸に対してある角度で離れるように偏向させるように構成されており、前記ラックアンドピニオンアセンブリは、ラック及びピニオンからなり、前記ラックアンドピニオンアセンブリは、
(1)前記入力部材からの前記ピニオンの回転運動を前記ラックの線形運動へと変化させて、前記並進部材を遠位に押す又は近位に引っ張るように、あるいは、
(2)前記入力部材からの前記ラックの線形運動を前記ピニオンの回転運動へと変化させて、前記並進部材の第1の端部を近位に移動し、前記並進部材の第2の端部を遠位に移動するように、
構成されている、ラックアンドピニオンアセンブリと、
を含む、偏向駆動アセンブリと、
を含む装置。
(2) 前記入力部材は、駆動軸を中心に前記ハンドルに対して回転するように構成されたロッカーアームを含み、前記ラックアンドピニオンアセンブリは、前記ロッカーアームからの前記ピニオンの前記回転運動を前記ラックの前記線形運動へと変化させて、前記並進部材を遠位に押す又は近位に引っ張るように構成されている、実施態様1に記載の装置。
(3) 前記並進アセンブリは、前記ラックと結合されたプッシュプルケーブルを更に含み、前記偏向駆動アセンブリは、前記ラックの前記線形運動を伝達して、前記プッシュプルケーブルを遠位方向に押す又は前記プッシュプルケーブルを近位方向に引っ張るように構成されている、実施態様2に記載の装置。
(4) 前記ロッカーアーム及び前記ピニオンは、前記駆動軸を中心に同軸である、実施態様2に記載の装置。
(5) 前記入力部材は、前記長手方向軸に沿って長手方向に移動するように構成された線形スライダを含み、前記ラックアンドピニオンアセンブリは、前記線形スライダからの前記ラックの前記線形運動を前記ピニオンの前記回転運動へと変化させて、前記並進部材の前記第1の端部を近位に移動し、前記並進部材の前記第2の端部を遠位に移動するように構成されている、実施態様1に記載の装置。
【0115】
(6) 前記線形スライダは前記ラックと固定可能に結合され、プーリーホイールは前記ピニオンと回転可能に結合されている、実施態様5に記載の装置。
(7) 前記並進アセンブリは、第1の部分及び第2の部分を有するプッシュプルケーブルを更に含み、前記偏向駆動アセンブリは、前記ピニオンの前記回転運動を伝達して、前記プッシュプルケーブルの前記第1の部分を遠位方向に押し、前記プッシュプルケーブルの前記第2の部分を近位方向に引っ張るように構成されている、実施態様1に記載の装置。
(8) 前記偏向駆動アセンブリは、前記ラックアンドピニオンアセンブリの前記ピニオンと同軸であるプーリーホイールを更に含み、前記プーリーホイールは、前記プッシュプルケーブルに接触するように構成されたインターフェース面を含む、実施態様7に記載の装置。
(9) 前記入力部材と前記並進アセンブリとの間に差し挟まれたロックアセンブリを更に備え、前記ロックアセンブリは、ロック構成とロック解除構成の間で移動可能であり、前記ロックアセンブリは、前記ロック構成において前記長手方向軸に対して前記角度で前記エンドエフェクタをロックするように構成されている、実施態様1に記載の装置。
(10) 前記ロックアセンブリは、ロック構成とロック解除構成との間で移行するように構成された第1のロック特徴部及び第2のロック特徴部を含み、前記ロックアセンブリは、前記ロック構成において前記並進アセンブリが前記長手方向軸に沿って並進するのを防ぐように構成されている、実施態様9に記載の装置。
【0116】
(11) 前記第1のロック特徴部は前記ピニオン上に配置され、前記第2のロック特徴部は前記ラック上に配置され、前記第2のロック特徴部は、前記第1のロック特徴部と相補的であり、前記第1のロック特徴部及び前記第2のロック特徴部は、前記ロック構成において互いに係合するように構成されており、前記第1のロック特徴部及び前記第2のロック特徴部は、前記ロック解除構成において互いからある距離を置いて配置されるように構成されている、実施態様10に記載の装置。
(12) 前記入力部材は、駆動軸を中心に前記ハンドルに対して回転するように構成されたロッカーアームを含み、前記第1のロック特徴部は、前記ロッカーアーム上に配置され、前記第2のロック特徴部は、前記ハンドル上で移動可能である、実施態様10に記載の装置。
(13) 前記入力部材は、前記長手方向軸に沿って前記ハンドルに対して並進するように構成された線形スライダを含み、前記第1のロック特徴部は、前記線形スライダ上に配置され、前記第2のロック特徴部は、前記ハンドル上で移動可能である、実施態様10に記載の装置。
(14) 前記ロックアセンブリは、前記ラックを前記ピニオンから離れるように付勢して前記ロック解除構成に切り替えるように構成された付勢部材を更に含む、実施態様9に記載の装置。
(15) ロックアセンブリを更に備え、前記ロックアセンブリは、ロック構成とロック解除構成との間で移行するように構成された第1のロック特徴部及び第2のロック特徴部を含み、前記第1のロック特徴部は、前記並進アセンブリ上に配置され、前記第2のロック特徴部は、前記ハンドル上に選択的に配置される、実施態様1に記載の装置。
【0117】
(16) 前記並進アセンブリは、単一のプッシュプルケーブルからなり、前記ラックアンドピニオンアセンブリは、前記単一のプッシュプルケーブルを両方向に駆動するように構成されている、実施態様1に記載の装置。
(17) 前記少なくとも1つの電極は、RFエネルギーを放出するように構成されている、実施態様1に記載の装置。
(18) 前記少なくとも1つの電極は、電気生理学的マッピングを実行するように構成されている、実施態様1に記載の装置。
(19) 装置であって、
(a)ハンドルと、
(b)前記ハンドルから遠位に延在するカテーテルであって、前記カテーテルの近位部分が長手方向軸を画定する、カテーテルと、
(c)前記カテーテルから遠位に延在するエンドエフェクタであって、前記エンドエフェクタは少なくとも1つの電極を含む、エンドエフェクタと、
(d)前記エンドエフェクタを前記長手方向軸から離れるように偏向させるように構成された偏向駆動アセンブリであって、前記偏向駆動アセンブリは、
(i)前記ハンドルに関連付けられた入力部材と、
(ii)前記エンドエフェクタに結合された並進アセンブリであって、前記入力部材は、前記並進アセンブリを駆動して、前記エンドエフェクタを前記長手方向軸からある角度で離れるように偏向させるように構成されている、並進アセンブリと、
(iii)前記入力部材及び前記並進アセンブリと結合されたラックアンドピニオンアセンブリであって、前記ラックアンドピニオンアセンブリは、ラック及びピニオンからなり、前記ラックアンドピニオンアセンブリは、
(1)前記入力部材からの前記ピニオンの回転運動を前記ラックの線形運動へと変化させて、前記並進部材を遠位に押す又は近位に引っ張るように、あるいは、
(2)前記入力部材から前記ラックの線形運動を前記ピニオンの回転運動へと変化させて、前記並進部材の第1の端部を近位に移動し、前記並進部材の第2の端部を遠位に移動するように、
構成されている、ラックアンドピニオンアセンブリと、
を含む、偏向駆動アセンブリと、
(e)ロック構成とロック解除構成との間で移行するように構成されたロックアセンブリであって、前記ロックアセンブリは、第1のロック特徴部及び第2のロック特徴部を含み、前記第1のロック特徴部及び前記第2のロック特徴部は、前記ロック構成において前記長手方向軸から離れるように前記角度で前記エンドエフェクタをロックするように構成されており、前記第1のロック特徴部及び前記第2のロック特徴部は、前記ロック解除構成において前記エンドエフェクタがある範囲の角度に沿って移動することを可能にするように構成されている、ロックアセンブリと、
を備える、装置。
(20) 装置を製造する方法であって、前記装置は、
(a)ハンドルと、
(b)前記ハンドルから遠位に延在するカテーテルであって、前記カテーテルの近位部分が長手方向軸を画定する、カテーテルと、
(c)前記カテーテルから遠位に延在するエンドエフェクタであって、前記エンドエフェクタは少なくとも1つの電極を含む、エンドエフェクタと、
(d)前記エンドエフェクタを前記長手方向軸から離れるように偏向させるように構成された偏向駆動アセンブリと、を備え、前記偏向駆動アセンブリは、
(i)前記ハンドルに関連付けられた入力部材と、
(ii)前記エンドエフェクタに結合された並進アセンブリと、
(iii)前記入力部材及び前記並進アセンブリと結合されたラックアンドピニオンアセンブリであって、前記ラックアンドピニオンアセンブリは、ラック及びピニオンからなる、ラックアンドピニオンアセンブリと、を含み、
前記方法は、
(a)双方向エンドエフェクタ偏向用の前記ラックに沿った第2の位置から長手方向に間隔を置いて配置されている、一方向エンドエフェクタ偏向用に構成された第1の位置で前記ラックと係合するように前記ピニオンを挿入する、又は、一方向エンドエフェクタ偏向用の前記ラックに沿った第4の位置から長手方向に間隔を置いて配置されている、双方向エンドエフェクタ偏向用に構成された第3の位置で前記ラックと係合するように前記ピニオンを挿入することと、
(b)前記並進アセンブリを前記ラックアンドピニオンアセンブリに取り付けることと、
を含む、方法。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8A
図8B
図8C
図9A
図9B
図9C
図10A
図10B
図11A
図11B
図12
図13
図14
図15A
図15B
図15C
図16A
図16B
図16C
図17
図18
【国際調査報告】