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特表2023-506521シートパイルフィーダ内のシートパイルを変更する装置及び方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-02-16
(54)【発明の名称】シートパイルフィーダ内のシートパイルを変更する装置及び方法
(51)【国際特許分類】
   B65H 1/30 20060101AFI20230209BHJP
【FI】
B65H1/30 320
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022537203
(86)(22)【出願日】2020-12-07
(85)【翻訳文提出日】2022-06-16
(86)【国際出願番号】 EP2020084907
(87)【国際公開番号】W WO2021122109
(87)【国際公開日】2021-06-24
(31)【優先権主張番号】19020713.4
(32)【優先日】2019-12-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】512159605
【氏名又は名称】ボブスト メックス ソシエテ アノニム
【氏名又は名称原語表記】Bobst Mex SA
【住所又は居所原語表記】Route de Faraz 3,CH-1031 MEX(VD),Switzerland
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【弁理士】
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【弁理士】
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100098475
【弁理士】
【氏名又は名称】倉澤 伊知郎
(74)【代理人】
【識別番号】100130937
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100144451
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 博子
(72)【発明者】
【氏名】コルドリエ ジェレミー
(72)【発明者】
【氏名】フレモン カンタン
【テーマコード(参考)】
3F343
【Fターム(参考)】
3F343FA01
3F343FA06
3F343FA09
3F343FA10
3F343FA20
3F343FB05
3F343FB17
3F343FC18
3F343GA01
3F343GE02
3F343GE04
3F343GE17
3F343HA12
3F343HA31
3F343KB02
3F343KB03
3F343KB17
3F343LA02
3F343LA13
3F343LA14
3F343LA18
3F343LC12
3F343LC22
3F343LC23
3F343LC27
3F343LD10
(57)【要約】
シート処理機のシートフィーダ内のシートパイル(14)を変更する装置は、メインパイル支持ユニット(18)であって、メインパイル支持ユニット(18)を上昇及び降下させるメインパイル作動ユニット(20)を有する、メインパイル支持ユニット(18)を備え、メインパイル支持ユニット(18)は、シートパイル(14)を搬送するパレット(16)を支持するようになっている支持面(22)を備える。装置は、残留パイル支持ユニット(24)であって、残留パイル支持ユニット(24)を上昇及び降下させる残留パイル作動ユニット(20)を有する、残留パイル支持ユニット(24)をさらに備える。残留パイル支持ユニット(24)は、互いに実質的に平行に延び、メインパイル支持ユニット(18)の支持面(22)に実質的に平行である残留パイルバー(38)を備え、残留パイルバー(38)は、残留パイルバー(38)を、残留パイルバー(38)のそれぞれの伸長方向に平行なライン上でシートパイル領域(30)に移動させ、かつ、残留パイルバー(38)をシートパイル領域(30)から引き戻すようになっているバー作動ユニット(43)に結合される。バー作動ユニット(43)は、残留パイルバー(38)の伸長方向に沿った残留パイルバー(38)の振動運動を導入しながら、残留パイルバー(38)を引き戻すように構成される。さらに、シートフィーダ(10)内のシートパイル(14)を変更する方法が提示される。
【選択図】 図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
シート処理機のシートフィーダ内のシートパイル(14)を変更する装置であって、前記装置は、
メインパイル支持ユニット(18)であって、前記メインパイル支持ユニット(18)を上昇及び降下させるメインパイル作動ユニット(20)を有し、前記メインパイル支持ユニット(18)は、シートパイル(14)を搬送するパレット(16)を支持するようになっている支持面(22)を含む、メインパイル支持ユニット(18)
を備え、
前記装置は、
残留パイル支持ユニット(24)であって、前記残留パイル支持ユニット(24)を上昇及び降下させる残留パイル作動ユニット(20)を有する、残留パイル支持ユニット(24)
をさらに備え、
前記残留パイル支持ユニット(24)は、互いに実質的に平行に延び、前記メインパイル支持ユニット(18)の前記支持面(22)に実質的に平行である複数の残留パイルバー(38)を備え、
前記残留パイルバー(38)は、前記残留パイルバー(38)を、前記残留パイルバー(38)のそれぞれの伸長方向に平行なライン上でシートパイル領域(30)に移動させ、かつ、前記残留パイルバー(38)を前記シートパイル領域(30)から引き戻すようになっているバー作動ユニット(43)に結合され、
前記バー作動ユニット(43)は、前記残留パイルバー(38)の前記伸長方向に沿った前記残留パイルバー(38)の振動運動を導入しながら、前記残留パイルバー(38)を引き戻すように構成される、装置。
【請求項2】
前記バー作動ユニット(43)は、前記残留パイルバー(38)に対して直角の方向に延びて前記支持面(22)に平行である支持バー(42)を備え、前記残留パイルバー(38)の各々のそれぞれの第1の端部セクション(40)は、前記支持バー(42)に結合され、前記支持バー(42)は、前記支持バー(42)を、前記残留パイルバー(38)の伸長方向に平行なラインに沿って移動させるように構成されたチェーン式動力伝達機構(48)に結合される、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記残留パイル支持ユニット(24)は、位置合わせユニット(52)をさらに備え、前記位置合わせユニット(52)は、前記残留バーパイル(38)が配置される開口(56)を有するシート(54)と、前記シート(54)を、前記残留パイルバー(38)の前記伸長方向に垂直な方向に沿って移動させる位置合せアクチュエータ(58)とを備える、請求項1又は2に記載の装置。
【請求項4】
シート処理機のシートフィーダ内のシートパイル(14)を変更する方法であって、
a)前記シートフィーダ(10)内で処理されたシートパイル(14)の限界高さを検出するステップであって、前記シートパイル(14)が、メインパイル支持ユニット(18)上に配置されるパレット(16)上で支持される、ステップと、
b)前記シートパイル(14)を残留パイル支持ユニット(24)によって支持するステップであって、複数の残留パイルバー(38)が、前記パレット(16)のそれぞれのスロット23に押し込まれる、ステップと、
c)前記メインパイル支持ユニット(18)上に配置される前記パレット(16)を前記シートパイル(14)から引き出して、交換シートパイルを搬送する交換パレットを前記メインパイル支持ユニット(18)上に置くステップと、
d)前記残留パイルバー(38)が前記シートパイル(14)の下端部と前記交換シートパイルの上端部との間に係合されるように、前記交換シートパイルの上端部を前記残留パイルバー(38)と接触させるステップと、
e)前記シートパイル(14)が前記交換シートパイル上で支持されるように、前記残留パイルバー(38)をシートパイル領域(30)から引き戻すステップであって、前記残留パイルバー(38)は、引き戻される間に、前記残留パイルバー(38)の前記伸長方向に沿って振動する、ステップと、
を含む、方法。
【請求項5】
前記残留パイルバー(38)の全ては、同じ速度で及び/又は同じ振動で同時に引き戻される、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記残留パイルバー(38)は、請求項1から6のいずれかに記載の装置(10)の残留パイルバー(38)である、請求項4又は5に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、シート処理機のシートフィーダ内のシートパイルを変更する装置及び方法に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、本特許出願の意味におけるシート処理機は、シート切断機又はシート印字機である。当然ながら、本発明は他のタイプのシート処理機にも対応する。
一般的に、シート処理機は、何らかの種類のシート材料に適合することができる。これらの例は、紙、段ボール、プラスチック、金属、複合材料、及び革である。
【0003】
通常、シートパイルフィーダ内のシートパイルを変更する公知の装置において、メインパイル支持ユニットの動きは、メインパイルから取り込まれるシートに同期する。これは、シートがシートパイルから取り込まれる度に、メインパイル支持ユニットがシートの厚みに対応する距離だけ上昇することを意味する。
【0004】
別の解決策において、一定数のシートがメインパイルから取り込まれた後に、メインパイル支持ユニットがこの数のシートの累積的な厚みに対応する距離だけ上昇する。
【0005】
加えて、通常、残留パイル支持ユニットは、メインパイル支持ユニット上に位置するパレットのスロット内に残留パイルバーが押し込まれる場合にメインパイル支持ユニットに同期する。シートパイルが残留パイルバーのみによって支持される状況では、メインパイル支持ユニットが同期する場合と同様に、シートパイルから取り込まれるシートにシート残留パイルバーが同期する。
【0006】
その結果、このようなシートパイルフィーダ内のシートパイルを変更する装置では、シートフィーダからシート処理機に供給されているシートの流れを中断する必要なくシートパイルを、より正確には対応するパレット上に配置されたシートパイルを変更することができる。従って、シート処理機をノンストップで動作させることができる。
【0007】
シートフィーダの分野では、高動作速度と損傷を受けやすいシートの安全で優しい取り扱いとの間の良好な妥協案を見つけることが課題であった。換言すると、高動作速度は、シートフィーダ内で処理されるシートパイルのシートに何らかの損傷又は損害を与えないという要件によって制限される。
【0008】
独国公開特許第102010053587号は、残留パイルを支持する各バー上の2つのバンドを使用するシートフィーダにおいてノンストップ装置を使用する。ローラは、バーの先端でバンドを保持し、バーが挿入又は取り除かれる際に、バンド自体がバンドとパイルとの間の相対運動がないように展開するようになっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】独国公開特許第102010053587号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明の目的は、上記の対象物の衝突をなくすこと又は少なくとも低減することである。改良された単純なシートパイルフィーダ内のシートパイルを変更する装置が提供され、これは、これらのシートに損傷を与えるリスクなしでシートを高作動速度で供給することができる。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明の目的は、シート処理機のシートフィーダ内のシートパイルを変更する装置によって解決され、装置は、メインパイル支持ユニットであって、メインパイル支持ユニットを上昇及び降下させるメインパイル作動ユニットを有する、メインパイル支持ユニットを備え、メインパイル支持ユニットは、シートパイルを搬送するパレットを支持するようになっている支持面を備える。装置は、残留パイル支持ユニットであって、残留パイル支持ユニットを上昇及び降下させる残留パイル作動ユニットを有する、残留パイル支持ユニットをさらに備え、残留パイル支持ユニットは、互いに実質的に平行に延び、メインパイル支持ユニットの支持面に実質的に平行である残留パイルバーを備える。残留パイルバーは、残留パイルバーを、残留パイルバーのそれぞれの伸長方向に平行なライン上でシートパイル領域に移動させ、かつ、残留パイルバーをシートパイル領域から引き戻すようになっているバー作動ユニットに結合される。バー作動ユニットは、残留パイルバーの伸長方向に沿った残留パイルバーの振動運動を導入しながら、残留パイルバーを引き戻すように構成される。
【0012】
本発明は、残留パイルバーが引き戻される際にシートが移動するのを防止するという考え方に基づいており、残留パイルバーと、残留パイルバーと接触するシートとの摩擦力は、それぞれのシートパイルのシート間の摩擦力よりも小さい必要がある。
【0013】
これは、残留パイルバーをシートパイル領域から引き戻す間に振動運動を自発的に導入することによって達成される。このとき、残留パイルバーは、交換シートパイルの上端部と目下処理中である残留パイルの下端部との間に係合される。従って、残留パイルバーは、残留シートパイルのシート及び交換シートパイルのシートのいずれも、最悪の場合には完全な機械停止に至る可能性がある損害又は損傷を受けないように引き戻す必要がある。
【0014】
残留パイルバーをシートパイル領域に伸長させ、シートパイル領域から引き戻す移動のそれぞれは、一般的に水平移動である。従って、伸長方向に沿った残留パイルバーの振動運動は、同様に水平移動に対応する。
【0015】
発明者らは、これらの振動により摺動移動が、残留パイルバーと残留パイルのシートとメインパイルのシートとの間のそれぞれの付着力に対して促進されることを見出している。摺動運動は、付着力の場合には静摩擦とは対照的に動摩擦によって決まるので、残留パイルバーとシートとの間の全摩擦力は、著しく低減される。
【0016】
最も重要なことであるが、残留パイルバーとシートと間の動摩擦は、それぞれのシートパイルのシート間の静摩擦よりも小さい。従って、シートは、残留パイルバーが残留シートパイルと交換シートパイルとの間で振動することができる間は所定の位置に留まることになる。このように、シートが引き戻し中に残留パイルバーに連動して引きずられるリスクが低減される。これによって、シートに損傷を与える全体的なリスク及び機械停止のリスクも低減され、その結果、機械停止時間が低減する。さらに、振動運動を導入する手段は、実装が容易であり、装置に必要なスペースが増えない。
【0017】
一般的に、振動運動の振幅は、引き込み移動の全長と比較して小さい。従って、残留パイルバーの引き込み中に十分に高い振動を実行することができる。しかしながら、振動は、動摩擦が残留パイルバーとシートとの間の挙動を決めるのを保証するほど大きい必要がある。
【0018】
また、振動数は、動摩擦が残留パイルバーとシートとの間の挙動を決めるのを保証するように選択する必要がある。低い振動数は、所望の摩擦挙動を提供しないことになり、一方、高い振動数は、高価な設備を必要とする。
【0019】
一実施形態では、バー作動ユニットは、残留パイルバーに対して直角の方向に延びて、支持面に平行である支持バーを備え、残留パイルバーの各々のそれぞれの第1の端部セクションは、支持バーに結合される。さらに、支持バーは、支持バーを、残留パイルバーの伸長方向に平行なラインに沿って移動させるように構成された動力伝動機構に結合される。動力伝達機構は、チェーン式動力伝達機構、ベルト式動力伝動機構、1組のギアを使用する動力伝達機構、空気圧シリンダに基づく動力伝達機構、又は何らかの他の適切な動力伝達機構、又はその組み合わせとすることができる。
【0020】
支持バーは、残留パイルバーの第1の端部セクションのしっかりした取り付けを可能にする。同時に、残留パイルの伸長方向に沿った移動は、全ての残留パイルが取り付けられる支持バーを移動させることによって簡単に達成することができる。
【0021】
換言すると、全ての残留パイルバーは、残留パイルバーの伸長方向に沿って同時に同期して移動する。これによって、バー作動ユニット及び装置全体の全体的なデザインが簡素化される。
【0022】
チェーン式動力伝達機構は、残留パイルバーの移動の最大範囲が分かっており、残留パイルバーの伸長及び引き戻しがまさに反対方向に同じ軸に沿って行われるので、バー作動ユニットのための駆動ユニットとして特に適している。残留パイルバーの移動の最大範囲は、シートパイル領域への残留パイルバーの全伸長に対応することができる。
【0023】
動力伝達機構は、機械で使用される何らかのタイプのシート材料、フォーマット、及び重さに関して、バーとシートのパイルとの間の相対運動(すなわち、摺動)を引き起こすだけ強力な電動モータによって駆動することができる。
【0024】
別の実施形態において、残留パイル支持ユニットは、位置合わせユニットをさらに備え、位置合わせユニットは、残留パイルバーが配置される開口を有するシートを備える。さらに、残留パイル支持ユニットは、シートを残留パイルバーの伸長方向と垂直な方向に沿って移動させる位置合せアクチュエータ、特に電気駆動装置を備える。
【0025】
位置合わせユニットは、残留パイルバーが、その上にメインシートパイルが配置されるパレットのスロットと相互作用するためにシートパイル領域に移動される前に、正しい位置となるのを保証するために使用される。このように、シートフィーダの中断につながる可能性のある残留パイルバーとパレットとの間の位置合わせ不良が防止される。
【0026】
本発明の目的は、シート処理機のシートフィーダ内のシートパイルを変更する方法によって解決され、本方法は、
a)シートフィーダ内で処理されたシートパイルの限界高さを検出するステップであって、シートパイルが、メインパイル支持ユニット上に配置されるパレット上で支持される、ステップと、
b)シートパイルを残留パイル支持ユニットによって支持するステップであって、複数の残留パイルバーがパレットのそれぞれのスロットに押し込まれるステップと、
c)メインパイル支持ユニット上に配置されるパレットをシートパイルから引き出して、交換シートパイルを搬送する交換パレットをメインパイル支持ユニット上に置くステップと、
d)残留パイルバーがシートパイルの下端部と交換シートパイルの上端部との間に係合されるように、交換シートパイルの上端部を残留パイルバーと接触させるステップと、
e)残留シートパイルが交換シートパイルで支持されるように、残留パイルバーをシートパイル領域から引き戻すステップであって、残留パイルバーは、引き戻される間に、残留パイルバーの伸長方向に沿って振動する、ステップと、
を含む。
【0027】
本方法は、シート処理機のシートフィーダのノンストップ運転のための方法を提供する。残留パイルバーの引き込み時の振動運動により、摺動移動が、残留パイルバーとシートパイルのシートとの間の及び残留パイルバーと交換シートパイルとの間の付着力に対して促進されることが保証される。摺動運動は、付着力の場合には静摩擦とは対照的に動摩擦によって決まるので、残留パイルバーとシートとの間の全摩擦力が低減し、従って、シートが残留パイルバーに連動して引きずられるリスクが低減する。
【0028】
全残留パイルバーは、同じ速度で及び/又は同じ振動で同時に引き込むことができる。換言すると、全残留パイルバーは、同期して移動する。これによって、所要の引き込み機構の複雑性が低減され、従って、本方法及び本方法で使用されるシートフィーダのコストが低減する。
【0029】
特に、残留パイルバーは、上述したような装置の残留パイルバーである。従って、装置に関して説明した特性及び利点は、同様に、シートパイルを変更する方法に適用される。
【0030】
本発明のさらなる態様及び利点は、添付図面を参照して以下に説明される。
【図面の簡単な説明】
【0031】
図1】本発明による、シート処理機のシートフィーダ内のシートパイルを変更する装置を示す。
図2】引き戻し後の残留パイルバーを有する図1の装置の残留パイル支持ユニットを示す。
図3】伸長後の残留パイルバーを有する図2の残留パイル支持ユニットを示す。
図4図2の残留パイル支持ユニットの詳細を示す。
図5図2の残留パイル支持ユニットの別の詳細を示す。
図6】シートパイルを変更する本発明の方法の概略図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0032】
図1は、パレット16上に配置されたシートパイル14を変更する装置12を備えるシートフィーダ10を示す。シートフィーダ10は、シート処理機(図示せず)の一部である。
【0033】
図1において、シートパイル14は、4つの段ボールを備える。一般的に、装置12は、様々な異なる材料、例えば、紙、段ボール、プラスチック、金属、複合材料、及び/又は革で構成されるシートに使用することができる。勿論、シートパイル14内のシートの数は、図1に示すものと異なる場合もあり、好ましくは、多数のシート、例えば、1000シート又はそれ以上、一般に、200~10000シートが、パレット16上でシートパイル14に与えられる。
【0034】
図1のシートパイル14は、パレット16の上面の一部のみをカバーする。一般的に、シートパイル14は、パレット16の上面のより少なく又はより多くを、例えば、パレット16の上面の全てカバーすることもできる。
【0035】
パレット16は、メインパイル支持ユニット18で支持され、メインパイル支持ユニット18は、これを上昇及び降下させるメインパイル作動ユニット20に結合される。より正確には、パレット16は、メインパイル支持ユニット18の支持面22で支持される。
【0036】
用語「上昇させる」、「降下させる」は、図1に示す垂直軸Vに沿った移動を意味する。対応して、用語「水平移動」は、垂直軸Vに直交する、図1に示す水平軸Hに平行な移動を意味する。
【0037】
パレット16は、複数のスロット23をさらに備え、このスロット23は、パレット16全体にわたって実質的に軸Hに平行に延びる。スロット23は、上側が、すなわち支持面22に向いていない側が開放するように設計される。
【0038】
図1において、少数のスロット23が非常に概略的に表されていることに留意されたい。好ましい実施形態において、パレット16は、標準的なパレットでは常套である複数のスロット23を有する標準的なパレットとすることができる。
【0039】
装置12は、残留パイル支持ユニット24をさらに備え、残留パイル支持ユニット24は、残留パイル支持ユニット24を上昇及び降下させる残留パイル作動ユニット20に結合される。
【0040】
さらに、残留パイル作動ユニット26は、クロスバー28にも結合され、クロスバー28は、残留パイル作動ユニット26によって上昇及び降下させることもできる。クロスバー28は、残留パイル支持ユニット24と同期して上昇及び降下する。
【0041】
残留パイル支持ユニット24とクロスバー28との間の区域は、シートパイル領域30と呼ばれ、シートパイル領域30は、メインパイル支持ユニット18が残留パイル支持ユニット24の高さまで上昇した場合にメインパイル支持ユニット18を収容するほどの大きさである。
【0042】
残留パイル支持ユニット24の前で、クロスバー28に向かい合う側には、ブロック要素32が設けられており、ブロック要素32は、垂直軸Vに沿って延びる。残留パイル支持ユニット24の可能な高さの前にあるブロック要素32の一部において、ブロック要素32は、図1に示す軸Dに沿って互いに相隔たる個別のブロックバー34で作られている。軸Dは、軸V及びHに直交する。
【0043】
載置テーブル36は、ブロック要素32より上方の垂直方向Vに沿った高さで、残留パイル支持ユニット24より上方に配置される。シートは、装置12によってメインパイル支持ユニット18から載置テーブル36に供給される。
【0044】
図2は、残留パイル支持ユニット24をさらに詳細に示す。
【0045】
残留パイル支持ユニット24は、複数の残留パイルバー38を備える。残留パイルバー38は、互いに実質的に平行に延びると共に、メインパイル支持ユニット18の支持面22に実質的に平行に延びる(図1参照)。
【0046】
従って、残留パイルバー38の伸長方向は、水平軸Hに実質的に平行である。
【0047】
残留パイルバー38は、移動可能であり、それぞれ、各々の残留パイルバー38の伸長方向に平行なラインに沿ってシートパイル領域30に伸長すること及びシートパイル領域30から引っ込めることができる。
【0048】
この移動を可能にするために、残留パイルバー38は、第1の端部セクション40で、残留パイル支持ユニット24のバー作動ユニット43の支持バー42に結合される。
【0049】
支持バー42は、残留パイルバー38に対して直角方向に延びると共にメイン支持ユニット18の支持面22に平行である(図1参照)、すなわち、軸Dに平行な方向に沿っている。
【0050】
従って、残留パイルバー38はレーキのような様式で残留パイル支持ユニット24内に配置される。
【0051】
図示する実施例において、支持バー42は、金属板で作られている。
【0052】
図示の実施形態において、10本の残留パイルバー38が使用される。勿論、異なる数の残留パイルバー38を使用することもできる。一般的に、残留パイルバー38の数は、パレット23のスロット23の数より少ない。しかしながら、残留パイルバー38の数は、スロット23の数を超えてはいけない。
【0053】
典型的に、残留パイルバー38は、軸Dに平行な方向に沿って互いに相隔たって配置され、残留パイルバーは、互いに一定の間隔で、特に等間隔で、又は不規則に離間することができる。
【0054】
図2及び図3から分かるように、支持バー42を軸Hに沿ってクロスバー28の方へ移動させることによって、残留パイルバー38は、シートパイル領域30に移動することができる。
【0055】
残留パイルバー38は、完全に伸長すると、第2の端部セクション46でクロスバー28の開口部44内に配置され、第2の端部セクション46は、第1の端部セクション40の反対側にある、それぞれの残留パイルバー38の端部を表す。
【0056】
支持バー42の移動は、電気モータ50によって駆動されるチェーン式動力伝達機構48によって達成される。図4は、残留パイル支持ユニット24の一部を示し、チェーン式動力伝達機構48と支持バー42との間の結合部が詳細に示されている。
【0057】
チェーン式動力伝達機構48は、支持バー42、従って残留パイルバー38の軸Hに平行な水平移動を可能にする。
【0058】
支持バー42は、バー作動ユニット43の支持レール57上に取り付けられており、支持バー42は、軸Dに平行な軸に沿って摺動することができる。
【0059】
図5は、位置合わせユニット52がさらに詳細に見えるように、別の角度からの残留パイル支持ユニット24を示す。位置合わせユニット52は、残留パイルバー38が配置される開口56を有するシート54を備える。
【0060】
位置合わせユニット52は、位置合わせアクチュエータ58をさらに備え、これにより、シート54は、残留パイルバー38の伸長方向と直交する方向に沿って、すなわち軸Dに平行な方向に沿って移動することができる。
【0061】
残留パイルバー38、開口部44及び開口56の数は、異なる場合がある。好ましくは、各残留パイルバー38は、1つの開口56内に支持される。開口部44の数は、開口部44のサイズが2以上の残留パイルバー38を組み込むほどの大きさである場合、残留パイルバー38の数より少数とすることができる。
【0062】
シートパイル14を変更する装置12を有するシートフィーダ10の作動を以下に説明する。
【0063】
シートフィーダ10の作動時、シートパイル14は、メインパイル支持ユニット18上のパレット16上で支持される。メインパイル支持ユニット18は、さらなる処理のために、常にシートパイル14の最上シートを載置テーブル36に移送することができるように所定の高さに上昇する。
【0064】
従って、メインパイル支持ユニット18は、メインパイル作動ユニット20によって絶え間なく上向きに移動される。上向きの移動は、連続的又は段階的とすることができ、各段階は、単一又は複数のシートの高さに対応することができる。
【0065】
メインパイル支持ユニット18及び/又はシートパイル14の高さは、シートパイル14の残りの高さを監視することができるセンサによって監視することができる。センサは、光バリア、カメラ、及び/又ははかりとすることができる。
【0066】
これにより、シートフィーダ10によって処理されたシートパイル14の限界高さを検出することができる(図6のステップS1)。
【0067】
シートパイル14の所定の限界高さが検出されると、交換シートパイルをシートフィーダ10内に供給する必要があると結論づけられる。
【0068】
このため、残留パイル支持ユニット24は、残留パイル作動ユニット26によってメインパイル支持ユニット18と同じ高さに配置する必要がある。具体的には、残留パイルバーは、パレット16のスロット23と同じ高さである必要がある。加えて、メインパイル支持ユニット18の上向きの移動、すなわち軸Vに沿った上昇は、残留パイル支持ユニット24の上向きの移動と同期することになる。
【0069】
さらに、残留パイル支持ユニットの位置合わせユニット52は、残留パイルバー38をパレット16のスロット23と位置合わせするために使用される。このために、シート54は、開口56がスロット23の前に配置されるまで軸Dに沿って位置合せアクチュエータ58によって移動される。
【0070】
残留パイルバー32が開口56内に配置され、支持バー42が支持レール57に沿って移動できる場合、シート54の移動は、パレット16のスロット23の前での残留パイルバー32の位置合せをもたらす。
【0071】
その後、支持バー42は、パレット16及びクロスバー28の方向に軸Hに平行な方向にチェーン式動力伝達機構48によって移動され、伸長方向での残留パイルバー38の水平移動することになる。
【0072】
従って、残留パイルバー38は、パレット16のそれぞれのスロット23に押し込まれ、その結果、目下処理中であり、残留シートパイルとも呼ばれることになるシートパイル14は、残留パイル支持ユニット24によって支持される(図6のステップS2)。
【0073】
残留シートパイルが完全に残留パイルバー38上で支持されると、パレット16は、メインパイル作動ユニット20でメインパイル支持ユニット18を降下させることによって引っ込めることができる。パレット16のスロット23がパレット16の上面の方向で開放するので、残留パイルバー32は、もはやスロット23内になく、現在の高さで残留シートパイルを支持することになる。
【0074】
勿論、これは、メインパイル支持ユニット18及び残留パイル支持ユニット24の動きがもはや同期していないことを意味する。メインパイル支持ユニット18が降下する間に、残留パイル支持ユニット24は、載置テーブル36へのシートの移送を継続的にすなわちノンストップで行うことができるように、残留シートパイルを上昇させ続ける。
【0075】
メインパイル支持ユニット18の降下後、現在空のパレット16を引き出すことができ、交換シートパイルを搬送する新しい交換パレットは、メインパイル支持ユニット18上に置くことができる。
【0076】
その後、メインパイル支持ユニット18は、交換シートパイルの上端部が残留パイルバー38の下側と接触するまで再び上昇する。
【0077】
この結果、残留パイルバー38は、シートパイル14の下端部、すなわち残留シートパイルと、交換シートパイルの上端部との間に係合する(図6のステップS4)。
【0078】
最後に、残留パイルバー38は、残留シートパイルが交換シートパイルで支持されるようにシートパイル領域30から引き戻される。この移動中、残留パイルバー38は、残留パイルバーの伸長方向に沿って、すなわち軸Hに平行な方向に沿って振動する(図6のステップS5)。
【0079】
この振動は、残留シートパイル及び交換シートパイルのそれぞれのシート間の静摩擦が、引き戻し中の残留パイルバー38及び2つのシートパイル、すなわち残留シートパイルと交換シートパイルの各々の動摩擦をよりも大きいことを保証する。従って、シートは、残留パイルバー38に連動して引きずられず、シートフィーダ10のノンストップ作動が可能である。
【0080】
これは、ブロック要素32によってさらに保証され、ブロック要素32は、残留パイル支持ユニット24の方向へのシートの不必要な移動を阻止する。
【0081】
ブロックバー34は互いに相隔たり、ブロックバー34は残留パイルバー38の移動を妨害しないようになっている。
【0082】
支持バー42上の残留パイルバー38の固定に起因して、全ての残留パイルバー38は、同じ速度で及び/又は同じ振動で同時に引き戻され、残留パイル支持ユニット24、従ってシートフィーダ10全体の簡単な設計がもたらされる。
【0083】
残留パイルバー38が引き戻された後、ステップS1~S5(図6)は、好ましくはシートフィーダ10の連続作動を間断なく繰り返すことができる。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
【国際調査報告】