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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-02-16
(54)【発明の名称】冷蔵庫
(51)【国際特許分類】
   F25D 23/00 20060101AFI20230209BHJP
【FI】
F25D23/00 302Z
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022537804
(86)(22)【出願日】2020-12-08
(85)【翻訳文提出日】2022-06-17
(86)【国際出願番号】 CN2020134690
(87)【国際公開番号】W WO2021129386
(87)【国際公開日】2021-07-01
(31)【優先権主張番号】201911339640.4
(32)【優先日】2019-12-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】521007481
【氏名又は名称】▲広▼▲東▼美的白色家▲電▼技▲術▼▲創▼新中心有限公司
【氏名又は名称原語表記】GUANGDONG MIDEA WHITE HOME APPLIANCE TECHNOLOGY INNOVATION CENTER CO.,LTD.
【住所又は居所原語表記】Building #4,Midea Global Innovation Center,Industry Boulevard,Beijiao,Shunde Foshan,Guangdong 528311,CHINA
(71)【出願人】
【識別番号】512237419
【氏名又は名称】美的集団股▲フン▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】MIDEA GROUP CO., LTD.
【住所又は居所原語表記】B26-28F, Midea Headquarter Building, No.6 Midea Avenue, Beijiao, Shunde, Foshan, Guangdong 528311 China
(74)【代理人】
【識別番号】100141139
【弁理士】
【氏名又は名称】及川 周
(74)【代理人】
【識別番号】100205785
【弁理士】
【氏名又は名称】▲高▼橋 史生
(74)【代理人】
【識別番号】100203297
【弁理士】
【氏名又は名称】橋口 明子
(74)【代理人】
【識別番号】100175824
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 淳一
(74)【代理人】
【識別番号】100135301
【弁理士】
【氏名又は名称】梶井 良訓
(72)【発明者】
【氏名】▲業▼ 明坤
(72)【発明者】
【氏名】▲楊▼ 伸其
(72)【発明者】
【氏名】任 相▲華▼
(72)【発明者】
【氏名】周 新
【テーマコード(参考)】
3L345
【Fターム(参考)】
3L345AA02
3L345AA24
3L345BB05
3L345DD51
3L345EE04
3L345EE13
3L345EE36
3L345EE45
3L345EE53
3L345FF04
3L345FF14
3L345FF35
3L345FF44
3L345GG25
3L345KK04
3L345KK05
(57)【要約】
本出願は、冷蔵庫が開示されており、この冷蔵庫は第1のフレッシュルームと、吸着塔と、バルブと、エアポンプとを備える。エアポンプの吸気口は第1のフレッシュルームに連通し、エアポンプの排気口はバルブの吸気通路を介して吸着塔の吸気口に連通し、吸着塔の吸気口はバルブの排気通路を介して第1のフレッシュルームに連通しており、バルブの吸気通路が開くことにより、エアポンプが第1のフレッシュルームの空気を吸着塔に圧送し、空気中の酸素が吸着塔によりろ過されてから吸着塔の排気口から排出されて、かつ吸着塔が残気を吸着しており、バルブの吸気通路が閉じることにより、エアポンプによる吸着塔への空気の圧送を停止させ、残気が吸着塔から放出され、吸着塔の吸気口およびバルブの排気通路を通って第1のフレッシュルームに排出される。本出願は、第1のフレッシュルームの酸素含有量を低下させ、鮮度保持効果を高めることができる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1のフレッシュルームと、吸着塔と、バルブと、エアポンプとを備える冷蔵庫であって、前記エアポンプの吸気口は前記第1のフレッシュルームに連通し、前記エアポンプの排気口は前記バルブの吸気通路を介して前記吸着塔の吸気口に連通し、前記吸着塔の吸気口は前記バルブの排気通路を介して前記第1のフレッシュルームに連通しており、
前記バルブの吸気通路が開くことにより、前記エアポンプが前記第1のフレッシュルームの空気を前記吸着塔に圧送し、前記空気中の酸素が前記吸着塔によりろ過されてから前記吸着塔の排気口から排出されて、かつ前記吸着塔が残気を吸着しており、前記バルブの吸気通路が閉じることにより、前記エアポンプによる前記吸着塔への前記空気の圧送を停止させ、前記残気が前記吸着塔から放出され、前記吸着塔の吸気口および前記バルブの排気通路を通って前記第1のフレッシュルームに排出されること、を特徴とする冷蔵庫。
【請求項2】
前記吸着塔の数は少なくとも2つであり、前記少なくとも2つの吸着塔は第1の吸着塔と第2の吸着塔に分けられており、前記バルブは、第1の吸着塔ごとに一つ第1の吸気通路と一つ第1の排気通路とを有し、かつ第2の吸着塔ごとに一つ第2の吸気通路と一つ第2の排気通路とを有しており、前記バルブにおける第1の吸気通路の開けと第2の吸気通路の閉め、または第1の排気通路の閉めと第2の吸気通路の開けを交互に制御すること、を特徴とする請求項1に記載の冷蔵庫。
【請求項3】
前記吸着塔の数は2つであり、前記バルブは2位5方電磁弁であること、を特徴とする請求項2に記載の冷蔵庫。
【請求項4】
前記少なくとも2つの吸着塔は並列に設けられ、かつすべての吸着塔の吸気口を同一の方向に向けるように設けられること、を特徴とする請求項2に記載の冷蔵庫。
【請求項5】
前記吸着塔にはサイズが0.4mm~0.8mmであるゼオライト分子篩粒子が設けられており、前記エアポンプは、前記空気を0.12MPa~0.2MPaまで加圧すること、を特徴とする請求項1に記載の冷蔵庫。
【請求項6】
前記吸着塔の容積に対する前記エアポンプの1秒あたりの輸送流量の比は1.2~2.2であること、を特徴とする請求項5に記載の冷蔵庫。
【請求項7】
前記吸着塔は円柱形であり、前記吸着塔の直径は20mm~30mmであり、高さは150mm~300mmであり、前記エアポンプの輸送流量は5L/min~15L/minであること、を特徴とする請求項6に記載の冷蔵庫。
【請求項8】
前記冷蔵庫は第2のフレッシュルームを備えており、前記吸着塔の排気口は前記第2のフレッシュルームに連通していること、を特徴とする請求項1に記載の冷蔵庫。
【請求項9】
前記第1のフレッシュルームには、前記第1のフレッシュルームの酸素含有量を検出するための第1のセンサが設けられており、前記第1のセンサは前記エアポンプに接続していること、を特徴とする請求項1に記載の冷蔵庫。
【請求項10】
前記第1のフレッシュルームには、前記第1のフレッシュルームが開いたかどうかを検出するための第2のセンサが設けられており、前記第2のセンサは前記エアポンプに接続していること、を特徴とする請求項1に記載の冷蔵庫。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、2019年12月23日に発行された2019113396404という出願号である中国特許出願(発明名称:「冷蔵庫」)による優先権を請求し、その全体を援用によって本出願に組み込む。
【0002】
本出願は、家電分野に関し、特に、冷蔵庫に関する。
【背景技術】
【0003】
長距離の運輸中、貯蔵中の果物や野菜の鮮度保持において、酸素を減らし窒素充填によって鮮度を保持することは国内外で広く用いられてきた。しかしながら、家電分野では、技術的制約から、例えば酸素含有量の低下が著しくなく、具体的に活用できなっかた。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本出願は、従来の技術における冷蔵庫内の第1のフレッシュルームの酸素含有量の低下が著しくないという技術的課題を解決するための冷蔵庫を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記の技術的課題を解決するために、本出願で採用される技術案の一つは、第1のフレッシュルームと、吸着塔と、バルブと、エアポンプとを備える冷蔵庫であって、エアポンプの吸気口は第1のフレッシュルームに連通し、エアポンプの排気口はバルブの吸気通路を介して吸着塔の吸気口に連通し、吸着塔の吸気口はバルブの排気通路を介して第1のフレッシュルームに連通しており、
バルブの吸気通路が開くことにより、エアポンプが第1のフレッシュルームの空気を吸着塔に圧送し、空気中の酸素が吸着塔によりろ過されてから吸着塔の排気口から排出されて、かつ吸着塔が残気を吸着しており、バルブの吸気通路が閉じることにより、エアポンプによる吸着塔への空気の圧送を停止させ、残気が吸着塔から放出され、吸着塔の吸気口およびバルブの排気通路を通って第1のフレッシュルームに排出される冷蔵庫が提供される。
【0006】
上記の中で、吸着塔の数は少なくとも2つであり、少なくとも2つの吸着塔は第1の吸着塔と第2の吸着塔に分けられており、バルブは、第1の吸着塔ごとに一つ第1の吸気通路と一つ第1の排気通路とを有し、かつ第2の吸着塔ごとに一つ第2の吸気通路と一つ第2の排気通路とを有しており、バルブにおける第1の吸気通路の開けと第2の吸気通路の閉め、または第1の排気通路の閉めと第2の吸気通路の開けを交互に制御する。
【0007】
上記の中で、吸着塔の数は2つであり、バルブは2位5方電磁弁である。
【0008】
上記の中で、少なくとも2つの吸着塔は並列に設けられ、かつすべての吸着塔の吸気口を同一の方向に向けるように設けられる。
【0009】
上記の中で、吸着塔にはサイズが0.4mm~0.8mmであるゼオライト分子篩粒子が設けられており、エアポンプは、空気を0.12MPa~0.2MPaまで加圧する。
【0010】
上記の中で、吸着塔の容積に対するエアポンプの1秒あたりの輸送流量の比は1.2~2.2である。
【0011】
上記の中で、吸着塔は円柱形であり、吸着塔の直径は20mm~30mmであり、高さは150mm~300mmであり、エアポンプの輸送流量は5L/min~15L/minである。
【0012】
上記の中で、冷蔵庫は第2のフレッシュルームを備えており、吸着塔の排気口は第2のフレッシュルームに連通している。
【0013】
上記の中で、第1のフレッシュルームには、第1のフレッシュルームの酸素含有量を検出するための第1のセンサが設けられており、第1のセンサはエアポンプに接続している。
【0014】
上記の中で、第1のフレッシュルームには、第1のフレッシュルームが開いたかどうかを検出するための第2のセンサが設けられており、第2のセンサはエアポンプに接続している。
【0015】
本出願において、バルブとエアポンプの運転により、吸着塔を制御して吸着または脱着状態にさせており、吸着塔が吸着状態にあるときには、空気中の酸素が吸着塔によりろ過されてから吸着塔の排気口から排出されて、かつ吸着塔が残気を吸着しており、吸着塔が脱着状態にあるときには、残気が吸着塔から放出され、吸着塔の吸気口およびバルブの排気通路を通って第1のフレッシュルームに排出されており、本実施例では、第1のフレッシュルームの空気を吸い出してろ過し、その中の酸素を排出し、かつ残気を返させることによって、第1のフレッシュルーム内の酸素含有量を低下しており、つまり、本実施例では、エアポンプ、バルブ、及び吸着塔により第1のフレッシュルームの酸素含有量を効果的に低下することができ、酸素制御による鮮度保持を実現し、鮮度保持効果を高めることができ、そして、第1のフレッシュルーム内の空気の総含有量を低下させ、第1のフレッシュルーム内の空気を負圧状態にして、負圧による鮮度保持を実現することができ、つまり、酸素制御による鮮度保持と負圧による鮮度保持という二重の鮮度保持効果を実現することができる。
【0016】
以下、本出願に係る実施例における技術案をより明確に説明するために、実施例の説明に使用される図面に対して簡単に紹介するが、下記の説明における図面は、本出願のいくつかの実施例にすぎず、当業者にとって、創造的な労働を行うことなくこれらの図面に基づいて他の図面を取得することは自明である。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】本出願の一実施例に係る冷蔵庫の構成模式図である。
図2】本出願の別の実施例に係る冷蔵庫の構成模式図である。
図3】本出願の更なる別の実施例に係る冷蔵庫の一作動状態の模式図である。
図4】本出願の更なる別の実施例に係る冷蔵庫の別の作動状態の模式図である。
図5】本出願の更なる別の実施例に係る冷蔵庫のバルブの構成模式図である。
図6】本出願の更なる別の実施例に係る冷蔵庫の斜視構成模式図である。
図7図6に示される冷蔵庫の部分模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本出願に係る実施例における技術案について、本出願に係る実施例における図面に関連して明確かつ完全に説明するが、説明される実施例は本出願の一部の実施例にすぎず、全部の実施例ではないことは明らかである。本出願における実施例に基づいて、当業者が創造的な労働を行わずに取得した他の実施例のすべては、本出願による保護範囲に含まれる。
【0019】
図1に示すように、冷蔵庫100は、第1のフレッシュルーム110と、吸着塔120と、バルブ130と、エアポンプ140とを備える。エアポンプ140の吸気口は第1のフレッシュルーム110に連通している。エアポンプ140の排気口は、バルブ130の吸気通路を介して吸着塔120の吸気口に連通している。吸着塔120の吸気口は、バルブ130の排気通路を介して第1のフレッシュルーム110に連通している。バルブ130の吸気通路が開くことにより、エアポンプ140が第1のフレッシュルーム110の空気を吸着塔120に圧送し、空気中の酸素が吸着塔120によりろ過されてから吸着塔120の排気口から排出されて、かつ吸着塔120が残気を吸着しており、バルブ130の吸気通路が閉じることにより、エアポンプ140による吸着塔120への空気の圧送を停止させ、残気が吸着塔120から放出され、吸着塔120の吸気口およびバルブ130の排気通路を通って第1のフレッシュルーム110に排出される。
【0020】
本実施例に係る冷蔵庫によって鮮度保持を実現する過程において、第1のフレッシュルーム110中の空気を吸い出して脱酸素をするようにろ過を行い、その後、酸素を排除した残りの気体を第1のフレッシュルーム110に返させることにより、第1のフレッシュルーム110内の酸素含有量を小さくし、酸素制御による鮮度保持を実現することができ、そして、第1のフレッシュルーム110内の空気の総含有量を低下させ、第1のフレッシュルーム110内の空気を負圧状態にして、負圧による鮮度保持を実現することができ、つまり、酸素制御による鮮度保持と負圧による鮮度保持という二重の鮮度保持効果を実現することができる。
【0021】
本実施例では、バルブ130には、独立している吸気通路と排気通路が含まれるため、バルブ130には少なくとも3つのポートが含まれる。図1に示すように、3つのポートは、少なくとも第1のポート131と、第2のポート132と、第3のポート133とに分けられる。バルブ130の第1のポート131は、吸着塔120の吸気口に連通している。バルブ130の第2のポート132は、エアポンプ140の排気口に連通している。バルブ130の第1のポート131と第2のポート132との間は吸気通路であるため、エアポンプ140の排気口はバルブ130の吸気通路を介して吸着塔120の吸気口に連通することができる。また、バルブ130の第3のポート133は第1のフレッシュルーム110に連通しており、バルブ130の第3のポート133とバルブ130の第1のポート131との間は排気通路であるため、吸着塔120の吸気口はバルブ130の排気通路を介して第1のフレッシュルーム110に連通することができる。バルブ130により、気体の流れ方向の切り替えを実現することができる。
【0022】
別の実施例では、図2に示すように、バルブ130は、4つのポートを含んでいてもよい。4つのポートは、第1のポート131と、第2のポート132と、第3のポート133と、第4のポート134とに分けられていてもよい。吸着塔120の吸気口は、第1のポート131と第4のポート134に連通している。バルブ130の第2のポート132はエアポンプ140の排気口に連通しており、バルブ130の第1のポート131とバルブ130の第2のポート132との間は吸気通路を構成している。バルブ130の第3のポート133は第1のフレッシュルーム110に連通しており、バルブ130の第4のポート134とバルブ130の第3のポート133との間は排気通路を構成している。したがって、バルブ130は、吸気通路と排気通路の開閉を切り替えるだけで、気体の流れ方向を切り替えることができ、そして、第1のフレッシュルーム110に対する気体の流入出を制御することができる。
【0023】
吸着塔120は少なくとも2つ設けられていてもよく、少なくとも2つの吸着塔120によって第1のフレッシュルーム110内の空気に対して酸素を排出し続けることができ、かつ吸着塔120により吸着された残気を第1のフレッシュルーム110内に脱着し続けることができ、これにより、第1のフレッシュルーム110内の酸素含有量を効率よく多くの時間がかからずに制御する。具体的には、少なくとも2つの吸着塔120は、第1の吸着塔121と第2の吸着塔122とに分けられていてもよい。
【0024】
それに応じて、バルブ130は、第1の吸着塔121ごとに一つ第1の吸気通路と一つ第1の排気通路とを有している。第2の吸着塔122ごとに一つ第2の吸気通路と一つ第2の排気通路とを有している。バルブ130における第1の吸気通路の開けと第2の吸気通路の閉め、または第1の排気通路の閉めと第2の吸気通路の開けを交互に制御することにより、第1の吸着塔121と第2の吸着塔122の一方が吸着するときに、第1吸着塔121と第2吸着塔122の他方から脱着された残気を、排気通路を通って第1のフレッシュルーム110に流入させることができ、これにより、第1のフレッシュルーム110内の酸素含有量を効率よく多くの時間がかからずに制御する。
【0025】
バルブ130の第1のポート131とバルブ130の第3のポート133は、少なくとも複数設けられていてもよい。バルブ130の第1のポート131の数及び第3のポート133の数は、吸着塔120の数と同じであってもよい。各吸着塔120の吸気口は第1のポート131のそれぞれに接続してもよい。各第1のポート131とそれに対応する第3のポート133との間は排気通路を構成してもよい。すべての第3のポート133は第1のフレッシュルーム110に連通している。また、バルブ130の第2のポート132は一つ設けられていてもよく、各第1のポート131及び第2のポート132との間は一つ吸気通路を構成してもよい。
【0026】
更なる別の実施例では、図3及び図4に示すように、吸着塔120の数は2つである。バルブ130は2位5方電磁弁であり、2位5方電磁弁によってバルブ130内部の第1の排気通路、第2の排気通路、第1の吸気通路及び第2の吸気通路の開閉を自在に切り替えることができることで、2つの吸着塔120の作動状態の切り替えを実現することができ、これにより、第1の吸着塔121と第2の吸着塔122の一方が吸着するときに、第1吸着塔121と第2吸着塔122の他方から脱着された残気を、排気通路を通って第1のフレッシュルーム110に流入させることができ、これにより、バルブ130とエアポンプ140の動作を制御することができ、第1のフレッシュルーム110内の空気に対して酸素を排出し続けることができ、かつ吸着塔120により吸着された残気を脱着してから第1のフレッシュルーム110内に輸送し続けることができることで、第1のフレッシュルーム110内の酸素含有量を効率よく多くの時間がかからずに制御する。
【0027】
図5に示すように、2位5方電磁弁は、2つの第1のポート131と、1つの第2のポート132と、2つの第3のポート133とを含んでいてもよい。一方の第1のポート131は第1の吸着塔121の吸気口に連通し、他方の第1のポート131は第2の吸着塔122の吸気口に連通している。第1の吸着塔121の吸気口に接続される第1のポート131とそれに対応する第3のポート133との間は、第1の排気通路を構成している。第2の吸着塔122の吸気口に接続される第1のポート131とそれに対応する第3のポート133との間は、第2の排気通路を構成している。すべての第3のポート133は第1のフレッシュルーム110に連通している。第1の吸着塔121の吸気口に接続される第1のポート131と第2のポート132との間は、第1の吸気通路を構成している。第2の吸着塔122の吸気口に接続される第1のポート131と第2のポート132との間は、第2の吸気通路を構成している。
【0028】
本実施例では、吸着塔120には吸着物質が設けられていてもよい。吸着塔120内に設けられる吸着物質が吸着状態にある場合、吸着物質の窒素に対する吸着能力が酸素に対する吸着能力よりも大きい。吸着塔120内に設けられる吸着物質はゼオライト分子篩粒子であってもよい。空気中の窒素は酸素より極性が大きく、ゼオライト分子篩は空気中の酸素・窒素の各組成成分に対して異なる吸着能力を持って、ゼオライト分子篩によって空気から窒素を優先的に吸着し、空気中の酸素をろ過することができ、これにより、吸着塔120の吸気口から空気が入り、ゼオライト分子篩による吸着を経てから、吸着塔120から流出された空気の中の酸素含有量は空気中の酸素含有量を上回っている。さらにゼオライト分子篩から脱着された気体中の酸素含有量は空気中の酸素含有量よりも顕著に低く、つまり、ゼオライト分子篩から脱着された気体は低酸素含有量気体であり、ゼオライト分子篩から脱着された気体を第1のフレッシュルーム110に輸送することにより、第1のフレッシュルーム110内の酸素の含有量を低下し、鮮度保持効果を高めることができる。ゼオライト分子篩粒子のサイズは0.4mm~0.8mmであってもよく、具体的には0.5mm、0.6mm、0.7mmであってもよい。もちろん、他の実施例では、吸着塔120内に設けられる吸着物質はシリコアルミノホスフェート分子篩であってもよい。
【0029】
つまり、本出願は、吸着塔120の吸着及び脱着によって第1のフレッシュルーム110の酸素含有量を制御するものであり、吸着物質は、被吸着成分の分圧の増加につれて吸着量が増加する特性を有しているため、本実施例では、圧力の変化によって吸着及び脱着を完了させて空気の分離を実現しており、つまり、圧力の変化によって吸着塔120を吸着または脱着状態にさせる。具体的には、本実施例では、エアポンプ140により空気の圧力を高め、空気を圧縮空気にして、さらに圧縮空気を吸着塔120に導入して、吸着塔120内の圧力を対応的に高めることで、吸着塔120を吸着段階にさせており、吸着塔120が圧縮空気中の酸素の少なくとも一部をろ過したとしても、エアポンプ140が圧縮空気を吸着塔120内に輸送しないときに、吸着塔120の圧力が低下し、吸着塔120が吸着された窒素などの物質に対する吸着能力が低下して、吸着塔120の内の吸着された物質が脱着されて、吸着塔120の吸気口、バルブ130の排気通路を通って第1のフレッシュルーム110内に流入されており、つまり、吸着塔120から脱着された残気を第1のフレッシュルーム110内に流入させて、第1のフレッシュルーム110内の酸素含有量を低下させることで、酸素制御による鮮度保持を実現することができ、そして、第1のフレッシュルーム110内の空気の総含有量を低下させ、第1のフレッシュルーム110内の空気を負圧状態にして、負圧による鮮度保持を実現することができ、つまり、酸素制御による鮮度保持と負圧による鮮度保持という二重の鮮度保持効果を実現することができる。ゼオライト分子篩の粒子の大きさに応じて、本実施例では、エアポンプ140が空気を0.12MPa~0.2MPaまで加圧する。
【0030】
ゼオライト分子篩の粒子の大きさとエアポンプ140による空気の加圧との対応関係によって、エアポンプ140の小型化を実現し、冷蔵庫100の消費電力を減らし、ノイズを減らすことができる。ゼオライト分子篩の粒径が小さすぎると、気流の輸送抵抗が大きくなりすぎて、適切に圧力を上げる必要がある。したがって、吸着塔120内に充填されるゼオライト分子篩の粒径は比較的均一かつ適度でなければならず、例えば、ゼオライト分子篩粒子のサイズを0.4mm~0.8mmとすれば、エアポンプ140による空気への過剰な圧力の増加を不要にすることができ、エアポンプ140の小型化を実現し、冷蔵庫100の消費電力を減らし、ノイズを減らすことができる。
【0031】
本実施例では、吸着塔120は円柱形であってもよい。もちろん、吸着塔120は、立方体、直方体などの他の規則的または不規則な形状を呈していてもよい。
【0032】
吸着塔120のサイズを制御することにより吸着塔120の吸着容量を制御することができ、吸着塔120のサイズを適切な範囲内に制御する場合、吸着塔120の吸着容量を確保しながら、体積を小さく保つことができる。具体的には、吸着塔120の直径範囲は20mm-30mmであってもよい。吸着塔120の高さ範囲は150mm-300mmであってもよい。オプションとして、吸着塔120の直径は20mm、22mm、24mm、25mm、または27mmであってもよい。吸着塔120の高さは、160mm、186mm、200mm、230mm、または250mmであってもよい。
【0033】
吸着塔120の小型設計に対応して、エアポンプ140の輸送流量も対応的に設けられている。エアポンプ140の輸送流量を変えることにより、圧縮空気中の分子と吸着塔120内の吸着物質との接触時間を変え、吸着塔120による圧縮空気の吸着効率を変えることができる。輸送速度が速すぎると、圧縮空気中の分子と吸着物質との接触時間が短すぎて、気体の吸着に不利になり、吸着レートが低下しており、輸送速度が遅すぎると、吸着塔120の容積を大きくする。したがって、輸送流量を一定の範囲内に制御する必要があり、本実施例では、エアポンプ140の輸送流量は5L/min~15L/minであり、具体的には7L/min、9L/min、または11L/minであってもよい。もちろん、吸着塔120の吸着効率を維持するために、吸着塔120の容積に対するエアポンプ140の1秒あたりの輸送流量の比は1.2~2.2であってもよい。
【0034】
第1のフレッシュルーム110は密閉空間であってもよく、第1のフレッシュルーム110内の空気が大気に連通しないようにして、さらに、第1のフレッシュルーム110内部の空気中の少なくとも一部の酸素を除去し、かつ酸素を除去した空気を再び第1のフレッシュルーム110内に返させることで、第1のフレッシュルーム110内の酸素含有量を低下させ、酸素制御による鮮度保持を実現することができ、そして、第1のフレッシュルーム110内の空気の総含有量を低下させ、第1のフレッシュルーム110内の空気を負圧状態にして、負圧による鮮度保持を実現することができ、つまり、酸素制御による鮮度保持と負圧による鮮度保持という二重の鮮度保持効果を実現することができ、より良好な鮮度保持効果を実現することができる。
【0035】
第1のフレッシュルーム110は一つまたは複数設けられていてもよい。第1のフレッシュルーム110は、野菜、果物類などの食材を貯蔵するフレッシュルームであってもよい。第1のフレッシュルーム110の酸素含有量を低く制御することにより、その中に貯蔵される食材の呼吸レートを下げ、食材の新陳代謝を抑制し、鮮度保持作用を達成し、かつ腐敗、菌の繁殖を抑制することができる。
【0036】
第1のフレッシュルーム110には、第1のセンサが設けられていてもよい。第1のセンサは、第1のフレッシュルーム110の酸素含有量を検出するために用いられてもよく、第1のセンサが検出した第1のフレッシュルーム110の酸素含有量が第1の閾値よりも高い場合には、エアポンプ140とバルブ130を制御して、エアポンプ140とバルブ130と吸着塔120により第1のフレッシュルーム110内の酸素含有量を共同で制御し、第1のフレッシュルーム110の酸素含有量を低下させることができる。第1のセンサが検出した酸素含有量が第2の閾値よりも低い場合には、エアポンプ140を制御してその動作を停止させるようにすることができ、つまり、エアポンプ140とバルブ130と吸着塔120により第1のフレッシュルーム110の酸素含有量を共同で制御しない。第1のセンサはエアポンプ140に接続している。第1のセンサはバルブ130に接続していてもよい。
【0037】
第1のフレッシュルーム110には、第2のセンサが設けられていてもよい。第2のセンサは、第1のフレッシュルーム110が開いたかどうかを検出するために用いられる。第2のセンサが第1のフレッシュルーム110が開いたことを検出した場合、エアポンプ140とバルブ130を制御して、エアポンプ140とバルブ130と吸着塔120の協働により第1のフレッシュルーム110内の酸素含有量を制御し、第1のフレッシュルーム110の酸素含有量を低下させることができる。第2のセンサはエアポンプ140に接続している。第2のセンサはバルブ130に接続していてもよい。
【0038】
本実施例では、冷蔵庫100はさらにコントローラを備えてもよい。コントローラはエアポンプ140とバルブ130に接続してもよく、エアポンプ140の動作を制御することができ、バルブ130内の吸気通路と排気通路の開閉を制御することもできる。
【0039】
さらに、コントローラは、第1のセンサが検出したデータを受信するために第1のセンサに接続していてもよい。もちろん、コントローラは、検出されたデータに基づいて、エアポンプ140とバルブ130と吸着塔120により第1のフレッシュルーム110の酸素含有量を制御する必要があるかどうかを分析して、分析の結果に基づいてエアポンプ140とバルブ130の運転を制御してもよい。
【0040】
さらに、コントローラは、第2のセンサが検出したデータを受信するために第2のセンサに接続していてもよい。もちろん、コントローラは、第2のセンサが検出したデータに基づいて、エアポンプ140とバルブ130と吸着塔120により第1のフレッシュルーム110の酸素含有量を制御する必要があるかどうかを分析して、分析の結果に基づいてエアポンプ140とバルブ130の運転を制御してもよい。
【0041】
本実施例では、吸着塔120の排気口には排気スイッチも設けられている。吸着塔120が吸着状態にあるときには、排気スイッチがオンになっているので、吸着塔120内の吸着物質により吸着されない気体が吸着塔120の排気口から排出されることができる。吸着塔120が脱着状態にあるときには、排気スイッチがオフになっているので、吸着塔120から脱着された気体が、吸着塔120の吸気口とバルブ130の吸気通路を通って第1のフレッシュルーム110内に流入しかできなく、そして、外気が吸着塔120の排気口を通って吸着塔120内に入ることを回避でき、さらに外気が吸着塔120から脱着された気体と一緒に第1のフレッシュルーム110内に流入することを防止して、第1のフレッシュルーム110の酸素含有量の低下の効率を確保することができる。
【0042】
本実施例では、冷蔵庫100は、第2のフレッシュルーム150をさらに備える。吸着塔120の排気口は第2のフレッシュルーム150に連通している。つまり、第2のフレッシュルーム150は吸着塔120から排出された酸素富化気体を受け取ることができ、第2のフレッシュルーム150の酸素含有量を増加する。第2のフレッシュルーム150は肉類の食材を貯蔵していてもよく、第2のフレッシュルーム150内の酸素含有量を増加することで、その中に貯蔵される肉類の鮮度を保持し肉類の色をより鮮やかにすることができる。
【0043】
図6及び図7に示すように、具体的には、第1のフレッシュルーム110はひきだしとして冷蔵庫100に設けられており、吸着塔120とバルブ130は第1のフレッシュルーム110の後方に設けられており、つまり、吸着塔120とバルブ130は第1のフレッシュルーム110の冷蔵庫100のドアから離れる側に設けられており、第1のフレッシュルーム110を開ける際にバルブ130と吸着塔120の位置に影響を与えないようになって、バルブ130、吸着塔120とエアポンプ140との間の接続関係に影響を与えることを回避する。エアポンプ140は冷蔵庫100の底部に設けられる。第1のフレッシュルーム110とエアポンプ140の吸気口との間、エアポンプ140の排気口とバルブ130との間、吸着塔120とバルブ130との間はいずれもエアチューブで接続されることができ、第1のフレッシュルーム110を開ける際に、ガスポート同士の接続に干渉しないようになっている。エアチューブは軟質ゴムエアチューブでも硬質エアチューブでもよい。
【0044】
さらに、吸着塔120の数が2つである場合、冷蔵庫100の全体としての構造レイアウトをよりコンパクトにするために、吸着塔120は並列に設けられ、かつすべての吸着塔120の吸気口を同一の方向に向けるように設けられていてもよい。
【0045】
要するに、冷蔵庫100は鮮度保持を実現する過程において、第1のフレッシュルーム110中の空気を吸い出して脱酸素をするようにろ過を行い、その後、酸素を排除した残りの気体を第1のフレッシュルーム110に返させることにより、第1のフレッシュルーム110内の酸素を減少し、酸素制御による鮮度保持を実現することができ、そして、第1のフレッシュルーム110内の空気の総含有量を低下し、第1のフレッシュルーム110内の空気を負圧状態にして、負圧による鮮度保持を実現することができ、つまり、酸素制御による鮮度保持と負圧による鮮度保持という二重の鮮度保持効果を実現することができる。
【0046】
以上は、本出願の実施形態にすぎず、これによって本出願の特許範囲を制限するわけではなく、本出願の明細書および図面の内容による等価構造または等価フロー変換、あるいは直接または間接的に他の関連技術分野に適用することは、すべて同様に本出願による特許保護範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0047】
100 冷蔵庫
110 第1のフレッシュルーム
120 吸着塔
121 第1の吸着塔
122 第2の吸着塔
130 バルブ
140 エアポンプ
150 第2のフレッシュルーム
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
【国際調査報告】