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特表2023-506755改良された自己接着装置及び関連する成形装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-02-20
(54)【発明の名称】改良された自己接着装置及び関連する成形装置
(51)【国際特許分類】
   A44B 18/00 20060101AFI20230213BHJP
   B29C 48/12 20190101ALI20230213BHJP
   B29C 48/13 20190101ALI20230213BHJP
   B29C 48/90 20190101ALI20230213BHJP
   B29C 41/28 20060101ALI20230213BHJP
   B29C 41/36 20060101ALI20230213BHJP
【FI】
A44B18/00
B29C48/12
B29C48/13
B29C48/90
B29C41/28
B29C41/36
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022535441
(86)(22)【出願日】2020-12-10
(85)【翻訳文提出日】2022-08-08
(86)【国際出願番号】 FR2020052379
(87)【国際公開番号】W WO2021116612
(87)【国際公開日】2021-06-17
(31)【優先権主張番号】1914165
(32)【優先日】2019-12-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】FR
(31)【優先権主張番号】1914162
(32)【優先日】2019-12-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】FR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】596170996
【氏名又は名称】アプリックス
【氏名又は名称原語表記】APLIX
(74)【代理人】
【識別番号】110000729
【氏名又は名称】弁理士法人ユニアス国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】シュルジェ、ニコラ
(72)【発明者】
【氏名】リノ ピエール-イヴ、フランソワ、ジャン
【テーマコード(参考)】
3B100
4F205
4F207
【Fターム(参考)】
3B100DA02
3B100DA03
3B100DA04
3B100DA05
4F205AC05
4F205AG28
4F205AJ08
4F205GA07
4F205GB02
4F205GC07
4F205GF24
4F205GN28
4F205GN29
4F207AG17
4F207KA01
4F207KA17
4F207KK76
4F207KW42
(57)【要約】
上面(12A)及び下面(12B)を有するベース(12)であって、主方向(DP)に沿って延在するとともに、主方向(DP)に対して垂直な副方向(DS)に沿って規定される幅と、主方向(DP)及び副方向(DS)に対して垂直な方向に沿って測定される厚さとを有するベース(12)と、ベースの上面で延在する複数の保持要素であって、各保持要素がロッドを備え、保持要素がベースと一体に形成され、保持要素が副方向(DS)及び主方向(DP)に沿ってそれぞれ延在する横列及び縦列を成して配置される、保持要素とを備える保持装置(10)であって、前記装置は、保持装置の少なくともX個の横列及び/又はX個の縦列が異なる数の保持要素を有し、Xが2に等しいことを特徴とする保持装置(10)。
【選択図】図7
【特許請求の範囲】
【請求項1】
上面(12A)及び下面(12B)を有するベース(12)であって、主方向(DP)に沿って延在するとともに、主方向(DP)に対して垂直な副方向(DS)に沿って規定される幅と、主方向(DP)及び副方向(DS)に対して垂直な方向に沿って測定される厚さとを有するベース(12)と、
ベース(12)の上面(12A)で延在する複数の保持要素(16)であって、各保持要素(16)がロッド(18)を備え、保持要素(16)がベース(12)と一体に形成され、保持要素(16)が副方向(DS)及び主方向(DP)に沿ってそれぞれ延在する横列及び縦列を成して配置される、保持要素(16)と
を備える保持装置(10)であって、
前記装置は、保持装置の少なくともX個の横列及び/又はX個の縦列が異なる数の保持要素(16)を有し、Xが2に等しいことを特徴とする保持装置(10)。
【請求項2】
前記保持装置の少なくとも2つの横列及び/又は少なくとも2つの縦列は、異なる数の保持要素を有し、前記少なくとも2つの横列及び/又は少なくとも2つの縦列の保持要素の数の差は1以上、又はより具体的には2以上である、請求項1に記載の保持装置(10)。
【請求項3】
前記複数の保持要素は、1つ又は幾つかの不連続パターンを形成し、各パターンは、保持要素の複数の横列及び縦列から形成される、請求項1又は2に記載の保持装置(10)。
【請求項4】
それぞれのパターンごとに、主方向(DP)に沿って連続的に配置される横列の各対は幾つかの保持要素を有し、その数の変動は、10個以下の保持要素、特に5個以下の保持要素である、請求項3に記載の保持装置(10)。
【請求項5】
それぞれのパターンごとに、副方向(DS)に沿って連続的に配置された縦列の各対は幾つかの保持要素(16)を有し、その数の変動は、15個以下の保持要素(16)、特に5個以下の保持要素である、請求項1又は4に記載の保持装置(10)。
【請求項6】
各パターンは、保持要素(16)を欠くベース(12)の上面(12A)の領域によって完全に取り囲まれるとともに、ベース(12)の縁部から、特にベース(12)の全ての縁部から1.5mm、特に2.5mmを超える距離を隔てて位置される、請求項1~5のいずれかに記載の保持装置(10)。
【請求項7】
各パターンが外側輪郭(14A)によって画定され、各パターンは、その外側輪郭(14A)によって画定された領域に、保持要素を欠く少なくとも1つの領域を備える、請求項1~6のいずれかに記載の保持装置(10)。
【請求項8】
各パターンは、保持要素(16)を欠く領域によって分離された不連続保持要素(16)の少なくとも2つのグループを備える少なくとも1つの横列及び/又は少なくとも1つの縦列を有する、請求項7に記載の保持装置(10)。
【請求項9】
それぞれのパターンごとに、パターンに含まれる保持要素(16)を欠く少なくとも1つの、好ましくはそれぞれの領域が幅及び長さを有し、この場合、長さと幅との間の比は厳密に1.2より大きく、より詳細には厳密に1.5より大きい、請求項7又は8に記載の保持装置(10)。
【請求項10】
前記横列及び縦列は、副間隔及び主間隔のそれぞれにしたがって等間隔に配置される、請求項1~9のいずれかに記載の保持装置(10)。
【請求項11】
各パターンは、保持要素(16)を欠くベース(12)の上面(12A)の領域によって完全に取り囲まれ、前記領域は、主方向(DP)に沿って主間隔の2倍より厳密に大きい及び/又は副方向(DS)に沿って副間隔の2倍より厳密に大きい寸法を有する、請求項10に記載の保持装置(10)。
【請求項12】
各パターンの外側輪郭(14A)によって画定された領域に含まれる保持要素(16)を欠く前記少なくとも1つの領域は、主方向(DP)に沿う寸法が主間隔の2倍より厳密に大きく、副方向(DS)に沿った寸法が副間隔の2倍より厳密に大きい、請求項10および請求項7~11のいずれかに記載の保持装置(10)。
【請求項13】
それぞれのパターンごとに、パターンの外側輪郭(14A)に含まれる保持要素(16)を欠く領域の表面と、保持要素(16)を備える表面との間の比は1未満である、請求項7~12のいずれかに記載の保持装置(10)。
【請求項14】
たとえば先行する請求項のいずれかに記載の保持装置を形成するための成形装置(100)であって、前記成形装置(100)が、支持体(104)に取り付けられるようになっている成形ストリップ(102)を備え、前記成形ストリップ(102)が、機械方向(MD)に沿って延在するとともに、機械方向(MD)に対して垂直な横断方向(CD)に沿って規定される幅と、機械方向(MD)及び横断方向(CD)に対して垂直な方向に沿って測定される厚さとを有し、成形ストリップが反対側の内面及び外面を有し、前記成形ストリップ(102)が、横断方向(CD)及び機械方向(MD)に沿ってそれぞれ延在する横列及び縦列を成して配置される複数のキャビティ(102C)を有し、前記キャビティ(102C)が成形ストリップ(102)の外面(102B)上に開口する、成形装置(100)において、
成形ストリップ(102)のキャビティ(102C)の少なくともY個の横列及び/又はY個の縦列が異なる数のキャビティ(102C)を有し、Yが2に等しいことを特徴とする、成形装置(100)。
【請求項15】
成形装置(100)の少なくとも2つの横列及び/又は少なくとも2つの縦列が別個の数のキャビティ(102C)を有し、前記少なくとも2つの横列及び/又は少なくとも2つの縦列のキャビティ(102C)の数の差は1以上、又はより具体的には2以上である、請求項14に記載の成形装置(100)。
【請求項16】
前記複数のキャビティ(102C)は、1つ又は幾つかの不連続パターンを形成し、各パターンは、複数の横列及び縦列のキャビティ(102C)から形成される、請求項14又は15に記載の成形装置(100)。
【請求項17】
それぞれのパターンごとに、機械方向(MD)に沿って連続的に配置される横列の各対は幾つかのキャビティを有し、その数の変動は、キャビティ(102C)の横列の前記対の横列のキャビティ(102C)の最大数の40%以下であり、一般的には30%又は15%以下である、請求項16に記載の成形装置(100)。
【請求項18】
各パターンは外側輪郭によって画定され、また、各パターンは、その外側輪郭によって画定された領域内に、キャビティ(102C)を欠く少なくとも1つの領域を備える、請求項16又は17に記載の成形装置(100)。
【請求項19】
各パターンは、キャビティ(102C)を欠く領域によって分離されるキャビティ(102C)の少なくとも2つの不連続なグループを備える少なくとも1つの横列及び/又は少なくとも1つの縦列を有する、請求項18に記載の成形装置(100)。
【請求項20】
それぞれのパターンごとに、パターンに含まれるキャビティ(102C)がない少なくとも1つの、又は特にそれぞれの領域は、長さと幅との比が厳密に1.2より大きく、特に厳密に1.5より大きくなるような幅及び長さを有する。請求項18又は19に記載の成形装置(100)。
【請求項21】
前記縦列及び横列は、横断間隔及び機械間隔のそれぞれにしたがって等間隔に配置される、請求項16~20のいずれかに記載の成形装置(100)。
【請求項22】
各パターンは、キャビティ(102C)を欠く成形ストリップ(102)の外面(102B)の領域によって完全に取り囲まれ、前記領域は、機械方向(MD)に沿って機械間隔の2倍より厳密に大きく且つ横断方向(CD)に沿って横断間隔の2倍より厳密に大きい寸法を有する、請求項21に記載の成形装置(100)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、自己把持装置に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、国際公開第2017187096号パンフレット、国際公開第2017187097号パンフレット、国際公開第2017187098号パンフレット、国際公開第2017187099号パンフレット、国際公開第2017187101号パンフレット、国際公開第2017187102号パンフレット、国際公開第2017187103号パンフレット及び国際公開第2019145646号パンフレットの文献に記載されるように、フックなどの保持手段を備えた保持要素を製造するための幾つかのシステム及び方法が知られている。
【0003】
繰り返し発生する問題は、技術的に複雑で高価な、保持要素を伴う領域及び保持要素を欠く領域を備えるストリップの製造に関する。更に、保持要素を有する領域と保持要を欠く隣り合う領域との間に明確な区切りを行なうことは現在困難である。
【発明の概要】
【0004】
したがって、本開示は、上記の問題に少なくとも部分的に対処することを目的とする。
【0005】
本開示は保持装置に関連し、保持装置は、上面及び下面を有するベースであって、主方向に沿って延在するとともに、主方向に対して垂直な副方向に沿って規定される幅と、主方向及び副方向に対して垂直な方向に沿って測定される厚さとを有するベースと、ベースの上面で延在する複数の保持要素であって、各保持要素がロッドを備え、保持要素が例えば一部品で押出成形によってベースと一体に形成され、保持要素が副方向及び主方向に沿ってそれぞれ延在する横列及び縦列を成して配置される、保持要素とを備え、前記装置は、保持装置の少なくともX個の横列及び/又はX個の縦列が異なる数の保持要素を有し、Xが2に等しいことを特徴とする。特に、Xは、所定レベルの十分に正確な細部を伴う複雑なパターンを生成できるようにするために3又は4又は5又は6に等しい。より一般的には、Xは、一般的には、XminとXmaxとの間に含まれる自然数であり、Xminは、例えば、2又は3又は4又は5又は6又は7又は8又は9又は10又は12又は15又は20に等しくてもよく、Xmaxは、例えば、500又は450又は400又は350又は300又は250又は200又は150又は100又は50に等しくてもよい。本発明は、特に、類似の形状を有して保持要素を欠く領域を伴わない外側輪郭と同等であっても、有意な/満足のいく把持能力を維持しながら従来技術のものと比較して最適化されて向上された精度を伴う外観を有するパターンを画定できるようにする。
【0006】
一例によれば、保持装置の少なくとも2つの横列及び/又は少なくとも2つの縦列は、異なる数の保持要素を有し、前記少なくとも2つの横列及び/又は少なくとも2つの縦列の保持要素の数の差は、所定レベルの十分に正確な細部を伴う複雑なパターンを生成できるようにするべく1以上、又はより具体的には2以上、又は例えば3又は4又は5又は6以上である。
【0007】
一例によれば、前記複数の保持要素は、1つ又は幾つかの不連続パターンを形成し、各パターンは、保持要素の複数の横列及び縦列から形成される。「不連続」とは、パターンが保持要素を欠く少なくとも1つの横列及び/又は1つの縦列によって分離されることを意味する。一例によれば、保持要素は、ベースの上面に規則的なパターンを形成するように配置される。「規則的」とは、パターンが主方向で繰り返されることを意味する。一変形形態において、保持要素は、ベースの上面に幾つかの異なるパターン、一般的には規則的なパターン、例えば、ベースの上面に主方向で交互に繰り返される又は繰り返されないパターンを形成するように配置される。
【0008】
一例によれば、保持要素は、ベースの上面にパターン、一般的には規則的なパターンを形成するように配置される。「規則的」とは、パターンが主方向で繰り返されることを意味する。或いは、保持要素は、ベースの上面に幾つかの異なるパターン、一般的には規則的なパターン、例えば、ベースの上面に主方向で交互に繰り返される又は繰り返されないパターンを形成するように配置される。
【0009】
一例によれば、例えばパターン領域内のベースの上面は、主方向に沿って及び/又は副方向に沿って1cm当たり複数の保持要素を備え、保持要素の数は、2個/cmより多く、より具体的には5個/cmより多く、特に10キャビティ/cmより多く、1,500個/cm未満、より具体的には1,000個/cm未満、例えば700個/cm未満、より詳細には400個/cm未満、更により詳細には200個/cm未満である。
【0010】
一例によれば、それぞれのパターンごとに、主方向に沿って連続的に配置される横列の各対は幾つかの保持要素を有し、その数の変動は、10個以下の保持要素、特に5個以下の保持要素であり、それにより、例えば離型が容易となり得る。
【0011】
一例によれば、それぞれのパターンごとに、主方向に沿って連続的に配置される横列の各対は幾つかの保持要素を有し、任意選択的に、保持要素は、7つ以上の保持要素、特に8つ以上の保持要素、例えば9つ以上の保持要素のみを有し、その数の変動は、保持要素の横列の前記対の横列の保持要素の最大数の40%以下であり、一般的に30%又は15%以下である。
【0012】
一例によれば、それぞれのパターンごとに、副方向に沿って連続的に配置された横列の各対は幾つかの保持要素を有し、その数の変動は、15個以下の保持要素、又は10個以下の保持要素、特に5個以下の保持要素である。
【0013】
一例によれば、それぞれのパターンごとに、副方向に沿って連続的に配置される縦列の各対は、幾つかの保持要素を有し、任意選択的に、保持要素は、7つ以上の保持要素、特に8つ以上の保持要素、例えば9つ以上の保持要素のみを有し、その数の変動は、保持要素の縦列の前記対の縦列の保持要素の最大数の40%以下であり、一般的に30%又は15%以下である。
【0014】
一例によれば、各パターンは、保持要素を欠くベースの上面の領域によって完全に取り囲まれるとともに、ベースの縁部から、特にベースの全ての縁部から1.5mm、特に2.5mmを超える距離を隔てて位置される。
【0015】
一例によれば、各パターンが外側輪郭によって画定され、各パターンは、その外側輪郭によって画定された領域に、保持要素を欠く少なくとも1つの領域を備える。一例によれば、外側輪郭は、ベース上で(連続的又は不連続的な)スロット又は(連続的又は不連続的な)スタッドによって縁取りされ、また、成形ストリップ上で(連続的又は不連続な)スタッド又は(連続的又は不連続な)スロットによってそれぞれ縁取りされ得る。
【0016】
一例によれば、パターン(又は各パターン)は外側輪郭によって画定され、パターン(又は各パターン)は、その外側輪郭によって画定された領域内に、保持要素を欠く少なくとも1つの領域を備え、外側及び/又は内側輪郭に近接して配置される(及び/又はそれ/それらを画定する)保持要素(好ましくは各保持要素)は、外側及び/又は内側輪郭から距離を隔てて保持要素のロッド形状と同様又は同一のロッド形状を有する。一例によれば、パターン(又は各パターン)は外側輪郭によって画定され、パターン(又は各パターン)は、その外側輪郭によって画定された領域内に、保持要素を欠く少なくとも1つの領域を備え、外側及び/又は内側輪郭に近接して配置された(及び/又はそれ/それらを画定する)保持要素(好ましくは各保持要素)は、外側及び/又は内側輪郭から距離を隔てて保持要素のヘッド形状と同様又は同一のヘッド形状を有する。「近接」とは、考慮される外側又は内側輪郭を画定する横列及び/又は縦列から最大2つの横列及び/又は縦列だけ隣り合う又は離間した横列及び/又は縦列を成して位置される保持要素を意味する。これに対し、少なくとも2つの横列及び/又は縦列によって考慮される内側又は外側輪郭から分離されている保持要素は、考慮される輪郭からある距離にあると考えられ、又はより一般的には、考慮される輪郭に近接していない保持要素は、考慮される輪郭からある距離にあると考えられる。したがって、保持装置は、パターンのより正確な表示を有しつつ、特に外側輪郭及び/又は内側輪郭に近接して最大限のグリップを有する。したがって、外側及び/又は内側輪郭に近接した(及び/又はそれ/それらを画定する)保持要素は、相手との協働を妨げることなく最適化された把持能力を有する。
【0017】
一例によれば、パターン(又は各パターン)は外側輪郭によって画定され、また、パターン(又は各パターン)は、その外側輪郭によって画定された領域内に、保持要素を欠く(又は適切な場合にはキャビティを欠く)少なくとも1つの領域を備え、内側輪郭は、局所内側輪郭から、主方向及び/又は副方向に沿うパターンの寸法の20%未満、特に15%未満の距離を隔てて配置された局所的な中心線を規定する細長い形状の少なくとも1つの局所部分を有する。これに代えて又は加えて、パターン(又は各パターン)は外側輪郭によって画定され、パターン(又は各パターン)は、その外側輪郭によって画定された領域内に、保持要素を欠く少なくとも1つの領域を備え、内側輪郭は、考慮されるパターン内の保持要素の平均ピッチよりも10mm未満、又は5mm未満、特に3mm未満、より詳細には2mm未満、更にはより詳細には1mm未満及びそれよりも大きい(又は厳密に大きい)距離を局所的な内側輪郭から隔てて配置された局所的な中心線を規定する細長い形状の少なくとも1つの局所部分を有する。保持要素を欠く円形領域が、本文書の意味の範囲内で中央値を成さない。したがって、保持装置は、パターンのより詳細で正確な表示を可能にしつつ、最大限のグリップを有する。局所的な中心線は、直線部分及び/又は湾曲部分を含む。少なくとも1つの内側輪郭の中心線の長さは、一般的には10mmより長く、好ましくは12mmより長い。パターンの内側輪郭の中心線の長さの合計は、一般的には12mmよりも大きく、例えば15mmよりも大きく、及び/又は一般的には600mm未満、例えば400mm未満、より詳細には200mm未満である。そのような形態は、以下の本文で説明する成形ストリップに形成されたキャビティに置き換えることもできる。
【0018】
一例によれば、各パターンは、保持要素を欠く領域によって分離された不連続保持要素の少なくとも2つのグループを備える少なくとも1つの横列及び/又は少なくとも1つの縦列を有する。一例によれば、保持要素はそれぞれロッド及びヘッドを含み、ヘッドが2つの翼部によって形成され、これらの翼部は、反対側にあって同じ方向に沿って延在し、或いは、ヘッドが360°にわたってロッドの全周にわたって延在する。
【0019】
一例によれば、それぞれのパターンごとに、パターンに含まれる保持要素を欠く少なくとも1つの、好ましくはそれぞれの領域が幅及び長さを有し、この場合、長さと幅との間の比は厳密に1.1より大きく、特に厳密に1.2より大きく、より詳細には厳密に1.5より大きい。
【0020】
一例によれば、それぞれのパターンごとに、パターンに含まれる保持要素を欠く少なくとも1つの、好ましくはそれぞれの領域が最大寸法及び最小寸法を有し、それにより、最大寸法と最小寸法との間の比は、厳密に1.1より大きく、特に厳密に1.2より大きく、より詳細には厳密に1.4より大きく、更により詳細には厳密に1.6より大きい。
【0021】
一例によれば、前記横列及び縦列は、副間隔及び主間隔のそれぞれにしたがって等間隔に配置される。他の例によれば、前記横列は、第1の副間隔にしたがって及び第2の副間隔にしたがって等間隔に配置され、第2の副間隔は第1の副間隔の整数倍ではなく、第1の副間隔は第2の副間隔よりも小さく、及び/又は、前記縦列は、第1の主間隔にしたがって及び第2の主間隔にしたがって等間隔に配置され、第2の主間隔は第1の主間隔の整数倍ではなく、第1の主間隔は第2の主間隔よりも小さい。
【0022】
一例によれば、各パターンは、保持要素を欠くベースの上面の領域によって完全に取り囲まれ、前記領域は、主方向に沿って主間隔の2倍より厳密に大きい及び/又は副方向に沿って副間隔の2倍より厳密に大きい寸法を有する。
【0023】
一例によれば、各パターンの外側輪郭によって画定された領域に含まれる保持要素を欠く前記少なくとも1つの領域は、主方向に沿う寸法が主間隔の2倍より厳密に大きく、副方向に沿った寸法が副間隔の2倍より厳密に大きい。
【0024】
一例によれば、それぞれのパターンごとに、パターンの外側輪郭に含まれる保持要素を欠く領域の表面と、保持要素を備える表面との間の比は、1未満である。一例によれば、少なくとも1つのパターンは対称的である。他の例によれば、パターンは、1つ又は幾つかの(内側及び/又は外側)縁部によって画定され、内側縁部及び外側縁部の長さの合計は、70mmより大きく、好ましくは95mmより大きく、好ましくは100mmより大きく、より詳細には150mmより大きく、場合によっては5,000mm未満であり、より詳細には3,000mm未満である。したがって、外側縁部及び内側縁部が長いほど、フェイキルマット効果(fakir mat effect)は小さくなる。フェイキルマット効果は、面ファスナの分野における効果であり、この効果は、ループの数に対してフックの数が過剰であるため、面ファスナを形成するためにフックがループを貫通することを困難にし、不可能にさえする。したがって、保持要素装置は、把持ループと協働するより大きな能力を有する。一例によれば、パターンは4辺多角形に内接し、その各辺はパターンの外周の一部と同一平面上にあり、多角形は周長P1を含む。比(Pint+Pext)/P1は、1より大きく、場合によっては1.2又は1.3又は1.4又は1.5又は1.6より大きく、場合によっては20未満、特に15未満である。したがって、外側縁部及び内側縁部が長いほど、フェイキルマット効果(fakir mat effect)は小さくなる。したがって、保持要素装置は、把持ループと協働するより大きな能力を有する。
【0025】
また、本開示は、例えば先に規定されるような保持装置を形成するための成形装置であって、前記成形装置が、支持体に取り付けられるようになっている成形ストリップを備え、前記成形ストリップが、機械方向に沿って延在するとともに、機械方向に対して垂直な横断方向に沿って規定される幅と、機械方向及び横断方向に対して垂直な方向に沿って測定される厚さとを有し、成形ストリップが反対側の内面及び外面を有し、前記成形ストリップが、横断方向及び機械方向に沿ってそれぞれ延在する横列及び縦列を成して配置される複数のキャビティを有し、前記キャビティが成形ストリップの外面上に開口する、成形装置において、成形ストリップのキャビティの少なくともY個の横列及び/又はY個の縦列が異なる数のキャビティを有し、Yが2に等しいことを特徴とする、成形装置にも関連する。特に、Yは、所定のレベルの十分に正確な細部を伴う複雑なパターンを生成できるようにするために、3又は4又は5又は6に等しい。より一般的には、Yは、一般に、YminとYmaxとの間に含まれる自然数であり、Yminは、例えば、2又は3又は4又は5又は6又は7又は8又は9又は10又は12又は15又は20に等しくてもよく、Ymaxは、例えば、500又は450又は400又は350又は300又は250又は200又は150又は100又は50に等しくてもよい。
【0026】
キャビティの横列は、一般的には、1~1,000個のキャビティを備える。キャビティの縦列は、一般的には、1~1,000個のキャビティを備える。
【0027】
一例によれば、成形装置の少なくとも2つの横列及び/又は少なくとも2つの縦列が別個の数のキャビティを有し、前記少なくとも2つの横列及び/又は少なくとも2つの縦列のキャビティの数の差は、所定レベルの十分に正確な細部を伴う複雑なパターンを生成できるようにするために、1以上、より具体的には2以上、又は例えば3又は4又は5又は6以上である。
【0028】
一例によれば、前記複数のキャビティは、1つ又は幾つかの不連続パターンを形成し、各パターンは、複数の横列及び縦列のキャビティから形成される。「不連続」とは、キャビティを欠く少なくとも1つの横列及び/又は1つの縦列によってキャビティが分離されることを意味する。一例によれば、キャビティは、成形ストリップ上に規則的なパターンを形成するように配置される。「規則的」とは、パターンが機械方向で繰り返されることを意味する。或いは、キャビティは、成形ストリップ上に幾つかの異なるパターン、一般的には規則的なパターン、例えば成形ストリップ上に機械方向で交互に繰り返される又は繰り返されないパターンを形成するように配置される。
【0029】
一例によれば、それぞれのパターンごとに、機械方向に沿って連続的に配置される横列の各対は複数のキャビティを有し、その数の変動は、10個以下のキャビティ、より具体的には5個以下のキャビティであり、それにより、例えば離型が容易となり得る。
【0030】
一例によれば、それぞれのパターンごとに、機械方向に沿って連続的に配置される横列の各対は幾つかのキャビティを有し、任意選択的に、キャビティは、7個以上のキャビティ、特に8個以上のキャビティ、例えば9個以上のキャビティのみを有し、その数の変動は、キャビティの横列の前記対の横列のキャビティの最大数の40%以下であり、一般的には30%又は15%以下である。
【0031】
一例によれば、それぞれのパターンごとに、横断方向に沿って連続的に配置される縦列の各対は幾つかのキャビティを有し、その数の変動は、15個以下のキャビティ、又は10個以下のキャビティ、より具体的には5個以下のキャビティである。
【0032】
一例によれば、それぞれのパターンごとに、横断方向に沿って連続的に配置される縦列の各対は幾つかのキャビティを有し、任意選択的に、キャビティは、7個以上のキャビティ、特に8個以上のキャビティ、例えば9個以上のキャビティのみを有し、その数の変動は、キャビティの横列の前記対の横列のキャビティの最大数の40%以下であり、一般的には30%又は15%以下である。
【0033】
一例によれば、各パターンは、保持要素を欠く成形ストリップの外面の領域によって完全に取り囲まれるとともに、成形ストリップの縁部から、特に成形ストリップの全ての縁部から、1.5mmよりも大きい、特に2.5mmよりも大きい距離を隔てて位置される。
【0034】
一例によれば、各パターンは外側輪郭によって画定され、また、各パターンは、その外側輪郭によって画定された領域内に、キャビティを欠く少なくとも1つの領域を備える。
【0035】
一例によれば、各パターンは、キャビティを欠く領域によって分離されるキャビティの少なくとも2つの不連続なグループを備える少なくとも1つの横列及び/又は少なくとも1つの縦列を有する。
【0036】
一例によれば、少なくとも1つのパターンに関して、パターンに含まれるキャビティを欠く少なくとも1つの、又は例えばそれぞれの領域は、長さと幅との比が厳密に1.2より大きく、特に厳密に1.5より大きくなるような幅及び長さを有する。
【0037】
一例によれば、それぞれのパターンごとに、パターンに含まれるキャビティがない少なくとも1つの、又は例えばそれぞれの領域は、長さと幅との比が厳密に1.2より大きく、特に厳密に1.5より大きくなるような幅及び長さを有する。
【0038】
一例によれば、成形装置のキャビティは貫通キャビティである。
【0039】
一例によれば、前記縦列及び横列は、横断間隔及び機械間隔のそれぞれにしたがって等間隔に配置される。他の例によれば、前記横列は、第1の横断間隔にしたがって及び第2の横断間隔にしたがって等間隔に配置され、第2の横断間隔は第1の横断間隔の整数倍ではなく、第1の横断間隔は第2の横断間隔よりも小さく、及び/又は、前記縦列は、第1の機械間隔にしたがって及び第2の機械間隔にしたがって等間隔に配置され、第2の機械間隔は第1の機械間隔の整数倍ではなく、第1の機械間隔は第2の機械間隔よりも小さい。
【0040】
一例によれば、各パターンは、キャビティを欠く成形ストリップの外面の領域によって完全に取り囲まれ、前記領域は、機械方向に沿って機械間隔の2倍より厳密に大きく且つ横断方向に沿って横断間隔の2倍より厳密に大きい寸法を有する。
【0041】
一例によれば、各パターンの外側輪郭によって画定された領域に含まれるキャビティを欠く前記少なくとも1つの領域は、機械方向に沿った寸法が機械間隔の2倍より厳密に大きく、横断方向に沿った寸法が横断間隔の2倍より厳密に大きい。
【0042】
一例によれば、それぞれのパターンごとに、外側輪郭に含まれるキャビティを欠く領域の表面とキャビティを備える表面との間の比は、1未満である。一例によれば、少なくとも1つのパターンは対称的である。他の例によれば、パターンは、1つ又は幾つかの(内側及び/又は外側)縁部によって画定され、内側縁部及び外側縁部の長さの合計は、70mmより大きく、好ましくは95mmより大きく、好ましくは100mmより大きく、より詳細には150mmより大きく、場合によっては5,000mm未満であり、より詳細には3,000mm未満である。したがって、外側縁部及び内側縁部が長いほど、「フェイキルマット」効果は小さくなる。したがって、そのような成形装置のおかげによって得られる保持要素装置は、把持ループと協働するより大きな能力を有する。一例によれば、パターンは4辺多角形に内接し、その各辺はパターンの外周の一部と同一平面上にあり、多角形は周長P1を含む。比(Pint+Pext)/P1は、1より大きく、場合によっては1.2又は1.3又は1.4又は1.5又は1.6より大きく、場合によっては20未満、特に15未満である。したがって、外側縁部及び内側縁部が長くなるほど、「フェイキルマット」効果は小さくなる。したがって、そのような成形装置のおかげによって得られる保持要素装置は、把持ループと協働するより大きな能力を有する。
【0043】
本開示は、更に、上面及び下面を有するベース、一般的には連続したベースであって、主方向に沿って延在するとともに、主方向に対して垂直な副方向に沿って規定される幅と、主方向及び副方向に対して垂直な方向に沿って測定される厚さとを有するベースと、ベースの上面上にわたって延在する複数の保持要素であって、各保持要素がロッドを備え、保持要素がベースと一体に形成され、保持要素が、副方向及び主方向に沿ってそれぞれ延在する横列及び縦列を成して配置され、前記横列及び縦列が、一般的には、主間隔及び副間隔のそれぞれにしたがって等間隔に配置され、前記複数の保持要素が1つ又は幾つかの不連続パターンを形成し、各パターンが保持要素の複数の横列及び縦列から形成される、保持要素とを備える保持装置であって、保持要素のそれぞれが、ベースの上面から延在するロッドと、ロッドを取り囲むヘッドとを有し、パターンに関し、一般的にはそれぞれのパターンごとに、第1の方向に沿うパターンの第1の端部を形成する保持要素のヘッドが、第2の方向に沿う第1の最大寸法を有し、前記第1の方向に沿うパターンの前記第1の端部とは反対側の、前記第1の方向に沿うパターンの第2の端部を形成する保持要素のヘッドが、前記第2の方向に沿う第2の最大寸法を有し、第2の最大寸法が第1の最大寸法よりも厳密に小さいことを特徴とする保持装置に関する。
【0044】
一例によれば、パターンに関し、保持要素のヘッドの最大寸法は、第2の方向に沿ってパターンの第1の端部からパターンの第2の端部に向かって減少する。
【0045】
一例によれば、第1の端部を形成する保持要素及び第2の端部を形成する保持要素は、同じ縦列又は横列に配置される。第1の方向は、一般に、主方向又は機械方向に対応し、第1の端部から第2の端部へ向かう方向は、一般に、その製造中の機械方向に沿うテープの走行方向に対応する。
【0046】
本開示は、複数の保持要素及び/又は保持要素のプリフォームが設けられたベースを備える保持装置を形成するための成形装置であって、
成形装置が、第1の材料から形成されるとともに支持体に取り付けられるようになっている成形ストリップを備え、成形ストリップが、機械方向に沿って延在するとともに、機械方向に対して垂直な横断方向に沿って規定される幅と、機械方向及び横断方向に対して垂直な方向に沿って測定される厚さとを有し、成形ストリップが内面及び外面を有し、前記成形ストリップが複数のキャビティを備える、成形装置において、前記キャビティの一部が、保持要素及び/又は保持要素のプリフォームを形成するための成形キャビティ並びに非機能キャビティを画定するように、目封止材料で少なくとも部分的に閉塞されることを特徴とする、成形装置にも関する。
【0047】
一例によれば、目封止材料が第1の材料とは異なる。
【0048】
一例によれば、目封止材料及び/又は第1の材料及び/又は成形材料が別個である。
【0049】
一例によれば、目封止材料が単一層から形成される。他の例によれば、目封止材料は、幾つかの層、例えば2~20個の層から形成される。
【0050】
一例によれば、目封止材料は、少なくとも部分的に成形ストリップのキャビティ内へと延在する。一例によれば、目封止材料は、成形ストリップに、特に成形ストリップのキャビティの少なくとも1つの壁に固定される。
【0051】
一例によれば、目封止材料は、成形ストリップの内面と外面との間で少なくとも部分的に延在する。
【0052】
一例によれば、目封止材料が樹脂である。
【0053】
一例によれば、目封止材料が少なくとも部分的にキャビティ内に配置され、成形ストリップの内面と外面との間に配置される目封止材料は、キャビティの内容積の少なくとも一部に対して相補的な形状を有する。
【0054】
一例によれば、目封止材料は、機械方向に対して垂直な平面に沿う断面図及び/又は横断方向に対して垂直な平面に沿う断面図において、キャビティ内に少なくとも部分的に配置され、成形ストリップの内面と外面との間に配置される目封止材料の高さは、成形ストリップの内面及び外面の外側の目封止材料の高さの合計よりも大きい。
【0055】
一例によれば、目封止材料は、例えば成形ストリップと目封止材料とによって形成される一体要素を形成するように成形ストリップに固定される。一例によれば、成形ストリップ及び目封止材料は、化学的及び/又は機械的に互いに固定される。
【0056】
一例によれば、保持要素がそれぞれロッド及びヘッドを含み、ヘッドが2つの翼部によって形成され、これらの翼部は、反対側にあってロッドの両側で同じ方向に沿って延在し、或いは、ヘッドが360°にわたってロッドの全周にわたって延在する。
【0057】
一例によれば、目封止材料は、成形ストリップの内面上及び/又は外面上で延在する。
【0058】
一例によれば、目封止材料は、ポリマー及び/又は金属化合物及び/又は合金及び/又は複合材を含み、複合材は、粒子及び/又は繊維及び/又はフィラメントなどの補強要素を含み、目封止材料は成形ストリップの材料とは異なる。
【0059】
一例によれば、目封止材料は、ポリマー、特に熱可塑性及び/又は熱硬化性ポリマー及び/又はエラストマー、例えば樹脂、より詳細には架橋樹脂、特に紫外線及び/又は熱的及び/又は化学的及び/又は物理的及び/又はラジカル架橋された樹脂を含む。
【0060】
一例によれば、目封止材料は、成形ストリップの使用中、すなわち、10°~300°Cの温度で、その完全性を維持するのに十分に安定している。
【0061】
一例によれば、目封止材料は、以下のリストの中の化合物、すなわち、樹脂及び/又はシーラント、より詳細には、
-エポキシ系及び/又はアクリル及び/又はポリエステル及び/又はポリウレタン及び/又はシリコン樹脂、
-エポキシ系及び/又はアクリル及び/又はポリエステル及び/又はポリウレタン及び/又はシリコンシーラント
のうちの少なくとも1つを含む。
【0062】
一例によれば、前記キャビティのセットの一部は、前記キャビティのそれぞれに目封止材料が充填された少なくとも2つの不連続領域を有するように、目封止材料によって少なくとも部分的に閉塞される。
【0063】
一例によれば、前記キャビティの一部は、目封止材料を伴う領域と目封止材料を欠く領域とを前記キャビティのそれぞれに有するように、目封止材料によって少なくとも部分的に閉塞される。前記キャビティは貫通キャビティであり、目封止材料を欠く領域は一般に貫通領域である。その結果、目封止材料は、貫通キャビティの断面を減らすことができるようにする。
【0064】
一例によれば、成形キャビティは、成形ストリップ上にパターン、一般的には規則的なパターンを形成するように配置される。「規則的」とは、パターンが機械方向で繰り返されることを意味する。或いは、成形キャビティは、成形ストリップ上に幾つかの異なるパターン、一般的には規則的なパターン、例えば成形ストリップ上及び機械方向で交互に繰り返される又は交互に繰り返されないパターンを形成するように配置される。
【0065】
一例によれば、成形ストリップは、例えばパターン領域内に、機械方向に沿って及び/又は横断方向に沿って、2個/cmを超える、より具体的には5個/cmを超える、特に10個/cmを超える及び1,500個/cm未満の、より具体的には1,000個/cm未満の、例えば700個/cm未満の、より詳細には400個/cm未満の、更にはより詳細には200個/cm未満の数のキャビティ/cmを備える。
【0066】
一例によれば、例えばパターン領域内の成形ストリップは、2%~45%、特に3%~30%、より詳細には4%~20%の開口率を含む。したがって、離型されるべき保持要素の数は、より容易な離型及び/又はより低い離型力を可能にするように制限される。成形ストリップは、成形ストリップに対して垂直な方向から見た領域に、少なくとも1つの成形キャビティ部を備える基本的な繰り返し面を備える。成形ストリップの開口率は、(基本的な繰り返し面における成形キャビティの表面)/(基本的な繰り返し面)の比率によって計算される。視差誤差を回避するために、好ましくは、成形ストリップの小さな領域で開口率が測定される。
【0067】
一例によれば、成形キャビティは、1つ又は幾つかの不連続パターンを形成するように配置される。一例によれば、成形キャビティは、例えばパターンの4~600回の繰り返し又は例えばパターンの20~200回の繰り返しで成形ストリップ上において繰り返されるパターンを形成するように配置される。
【0068】
一例によれば、成形ストリップは、50~500ミクロン、好ましくは70~350ミクロン、場合によっては100ミクロン~250ミクロンの厚さを有する。
【0069】
一例によれば、キャビティのうち、成形ストリップのキャビティの総数の10%~90%、好ましくは20%~80%が、目封止材料によって少なくとも部分的に閉塞される。
【0070】
一例によれば、成形ストリップは、200mm~3,000mm、特に400mm~2,000mmの周長を有する。
【0071】
一例によれば、成形ストリップは、50~3,000/cm、特に100~800cmのキャビティの密度を有する。
【0072】
一例によれば、成形ストリップは、機械方向に沿うその端部に沿って延在する縁部を有し、また、機械方向に沿って延在する成形ストリップの縁部から、横断方向に沿って2~5mm、場合によっては1~5mm、他の場合には2~7mm又は1~10mmの距離を隔てて位置されるキャビティが閉塞される。
【0073】
一例によれば、各パターンは、目封止されたキャビティの領域によって分離される不連続な成形キャビティの少なくとも2つのグループを備える少なくとも1つの横列及び/又は少なくとも1つの縦列を有する。
【0074】
また、本開示は、そのような成形装置を調製するための方法であって、
-第1の材料から形成されるとともに支持体に取り付けられるようになっている成形ストリップが用意され、成形ストリップは、機械方向に沿って延在するとともに、機械方向に対して垂直な横断方向に沿って規定される幅と、機械方向及び横断方向に対して垂直な方向に沿う厚さとを有し、成形ストリップが内面及び外面を有し、
-成形ストリップのキャビティの一部を閉塞するように成形ストリップ上に目封止材料が塗布される、
方法にも関連する。
【0075】
一例によれば、目封止材料を塗布するステップ中、成形ストリップの全てのキャビティが閉塞され、その後、キャビティの一部から目封止材料を除去(又は排除)して成形キャビティを画定するステップが実行される。
[図面の簡単な説明]
【0076】
本発明及びその利点は、非限定的な例として与えられる本発明の様々な実施形態の以下に与えられる詳細な説明を読めば、より良く理解される。
【0077】
図1図1は、本発明の一態様に係る保持装置の概略図である。
【0078】
図2図2は、図1の断面図である。
【0079】
図3図3は、成形装置の図である。
【0080】
図4図4は、成形装置の1つの変形例の図である。
【0081】
図5図5は、図4の詳細図である。
【0082】
図6図6は、保持装置の図である。
【0083】
図7図7は、図6の詳細図である。
【0084】
図8図8は、保持要素又はキャビティのパターンを概略的に表わす。
【0085】
図9図9は、保持要素又はキャビティの他のパターンを概略的に表わす。
【0086】
図10図10は、保持要素又はキャビティの他のパターンを概略的に表わす。
【0087】
図11図11は、保持要素又はキャビティの他のパターンを概略的に表わす。
【0088】
図12図12は、保持要素又はキャビティの他のパターンを概略的に表わす。
【0089】
図13図13は、保持要素又はキャビティの他のパターンを概略的に表わす。
【0090】
全ての図において、共通の要素は、同一の参照符号によって特定される。
【発明を実施するための形態】
【0091】
図1は、一般的には連続的なベース12と、固体ディスクの形態のパターン14とを備える保持装置10を概略的に示す。図2に示すように、ベース12は上面12A及び下面12Bを含み、パターン14は、ベース12の上面12Aから延びる複数の保持要素16によって形成される。「連続ベース」とは、ベースが保持要素を伴わない領域に貫通開口又は凹部を欠くことを意味する。ベース12は、一般的には一定の幅を有する。
【0092】
各保持要素16は、ロッド18を備える。ベース12、特にベース12の上面12Aは、保持要素16を欠く領域20も備える。簡略化のために、保持要素16は、図1において斜線で表されている。図1の実施形態では、保持装置10は、不織布(又は織布)材料のストリップ22を備える。例えば、ベース12は、不織材料のストリップ22上にオーバーモールドすることができる。また、ベース12は、不織材料のストリップ22上に接合することができる。パターン14は、(図1に示すように)単一のパターン又は繰り返しパターン14であってもよい。パターン14は、一般的には、閉じた輪郭14Aによって画定される。
【0093】
ベース12及び保持要素16は、一般的には、熱可塑性材料、例えば非弾性熱可塑性材料で作られる。ベース12及び保持要素16は、所定の方向に沿って加えられる伸張力の影響下で伸張することができ、この伸張力を解放した後にそれらの初期形状及び寸法を実質的に再開することなく、場合によってはベースが伸張力の影響下で破断するように作製される。これは、例えば、室温(23°C-摂氏)で、その初期寸法の100%の伸長のためにその初期寸法(伸長前)の20%以上、好ましくは30%以上の伸長及び解放後の残留変形又は残留磁気(「永久セット」又は「SET」とも呼ばれる残留変形)を保持する保持要素及びベースである。
【0094】
保持装置10は、例えば、図3に示すような機器100によって製造することができる。機器100は、保持装置用のテープ26を製造することを可能にし、次いで、テープ26を複数の保持装置10に切断又は細分化することができる。テープ26は、ここでは連続的なベース12と、複数の保持要素16とを備える。図3の実施形態では、保持要素16はフックであり、各フックはヘッド24が上に取り付けられたロッド18を備える。
【0095】
図示の機器100は、ここでは2つのローラ104A、104Bを備える回転駆動手段104上に配置された成形ストリップ102と、成形材料、例えば熱可塑性成形材料の射出を行うのに適した材料分配手段106、例えばインジェクタとを備える。
【0096】
したがって、成形ストリップ102及び回転駆動手段104によって形成されたアセンブリは、成形装置を形成する。
【0097】
「機械方向MD」とは、「機械方向」の頭字語による、保持装置の製造中の機器100内の成形ストリップ102の変位の方向を意味し、「横断方向CD」とは、「交差方向」の頭字語による、機械方向MDに垂直な方向を意味する。したがって、これらの方向は異なる図で識別される。
【0098】
2つのローラ104A、104Bを備える図示の例は限定的ではなく、ローラの数及び配置は、成形ストリップ102の長さ及び機器の異なる位置に適合するように特に変化してもよい。例えば、成形ストリップが単一のローラの周囲に配置されてスリーブ又はスクリーンを形成するように、3つのローラ又は1つのみを使用することができる。特に、2つのローラのうちの一方のみが、例えばローラ104Aなどの電動手段によって回転駆動されることができ、他方のローラ104Bは自由であり、すなわち電動手段を有さず、ローラ104Aによって駆動される成形ストリップを介して回転駆動される。
【0099】
図示の成形ストリップ102は、内面102Aと外面102Bとを備え、内面102Aは回転駆動手段104と接触している。
【0100】
材料分配手段106は、成形ストリップ102の外面102Bに成形材料を射出するように配置されている。
【0101】
より具体的には、材料分配手段106は、図3に示すエアギャップ「e」を画定するように成形ストリップ102から離間して、成形ストリップ102に面して配置される。参照符号Aは、成形ストリップ102の変位方向に対して成形ストリップ102上に射出される材料の後縁部に対応する、成形ストリップ102の外面102B上に射出される材料の限界を特定する。
【0102】
成形ストリップ102には、例えば後続のカレンダ加工作業又は任意の他の適切な作業によって、保持要素の製造のための保持要素又はプリフォームの製造を可能にする複数のキャビティ102Cが設けられる。本明細書を通して、「保持要素」は、フック・アンド・フック型又はフック・アンド・ループ型の自己把持閉鎖機構を形成することを意図した保持要素の製造のための保持要素又はプリフォームを示す。
【0103】
キャビティ102Cはそれぞれ、一般的には、外面102Bから成形ストリップ102の内面102Aに向かって延びるロッド102C1と、ロッド102C1と成形ストリップ102の内面102Aとの間で延びるヘッド102C2とを画定するように形成される。
【0104】
成形ストリップ102は、一般的には、50~500ミクロン又は一般的には70~350ミクロンの厚さを有する。
【0105】
成形ストリップ102は、一般的には連続的であり、一般的には、200mm~3,000mm又は一般的には400mm~2,000mmの周長を有する。
【0106】
成形ストリップ102は、50~3,000キャビティ/cm又は一般的には100~800キャビティ/cmのキャビティ102Cの密度を有する。
【0107】
したがって、キャビティ102Cの配置は、機器100を使用して形成された保持装置上の保持要素の配置を決定することが理解される。キャビティ102Cは、一般的には、横列及び縦列に配置され、前記横列及び縦列は、それぞれ横断方向CD及び機械方向MDに沿って配置される。各横列及び各縦列は、必要に応じて横断方向CD及び機械方向MDにそれぞれ沿って整列した1つ以上のキャビティ102Cから構成される。
【0108】
同じ横列内で、連続するキャビティ102Cは、一般的には、横断間隔にしたがって等間隔に配置される。同じ縦列内で、連続するキャビティ102Cは、通常、機械間隔にしたがって等間隔に配置される。或いは、前記横列は、第1の横断間隔にしたがって及び第2の横断間隔にしたがって等間隔に配置され、第2の横断間隔は第1の横断間隔の整数倍ではなく、第1の横断間隔は第2の横断間隔よりも小さく、及び/又は、前記縦列は、第1の機械間隔にしたがって及び第2の機械間隔にしたがって等間隔に配置され、第2の機械間隔は第1の機械間隔の整数倍ではなく、第1の機械間隔は第2の機械間隔よりも小さい。
【0109】
キャビティ102Cの横列及び縦列は、千鳥状に整列又は配置することができる。より具体的には、異なるキャビティ102Cは、横断方向CDに沿って及び機械方向MDに沿って整列するように、又は千鳥状又はハニカムパターンを形成するようにオフセットされるように配置することができ、2つの連続する横列又は2つの連続する縦列は、横断方向に沿って機械方向に沿って、横断方向間隔の半分又は機械間隔の半分にそれぞれ対応するピッチだけオフセットされる。
【0110】
後で分かるように、結果として、これらのキャビティ102Cを使用して形成された保持要素16は、一般的には機械方向MD及び横断方向CDに対応する主方向及び副方向にそれぞれ沿って、縦列及び横列の配列で配置される。
【0111】
図示の例では、キャビティ102Cのヘッド24は、成形ストリップ102の内面102Aに開口している。したがって、キャビティ102Cは貫通キャビティである。そのような実施形態は限定的ではなく、キャビティ102Cはまた、ブラインドであってもよく、したがって、成形ストリップ102の内面102Aから開いていなくてもよく、及び/又はキャビティ102Cは、ロッド102C1のみを含んでもよい。
【0112】
ロッド102C1を形成するキャビティ102Cの部分は、一般的には、成形ストリップ102の外面102Bに垂直な方向に沿って延びる。ロッド102C1を形成するキャビティ102Cの部分は、一般的には、成形ストリップ102の外面102Bに垂直な軸を中心とした回転の幾何学的形状、又は成形ストリップ102の走行方向に平行な方向に沿って、及び/又は成形ストリップ102の走行方向に垂直な方向に沿って延びる対称面を有する幾何学的形状を有する。
【0113】
ヘッド102C2を形成するキャビティ102Cの部分は、一般的には、成形ストリップ102の外面102Bに垂直な軸に対して径方向又は横断方向に延在し、成形ストリップ102の外面102Bに垂直なこの軸の周りに回転対称性を有することができる。ヘッド102C2を形成するキャビティ102Cの部分は、一般的には、実質的に円錐台形又は六面体形状を有する。
【0114】
ヘッド102C2を形成するキャビティ102Cの部分は、例えば、ロッド102C1を形成するキャビティ102Cの部分から延びる成形ストリップ102の内面102A又は外面102Bに向かって湾曲した部分を形成するように、直線状又は湾曲していてもよい。成形ストリップは、国際公開第0213647号パンフレット及び/又は国際公開第0050208号パンフレットに記載されている形状などの形状を更に有してもよい。
【0115】
ヘッド102C2を形成するキャビティ102Cの部分は、一定又は可変の厚さを有することができる。
【0116】
図に示す例では、ヘッド102C2を形成するキャビティ102Cの部分は、ロッド102C1を形成するキャビティ102Cの部分の周りに径方向に延在し、ディスクの一般的な形状を有する。
【0117】
成形ストリップ102は、その内面102A又は外面102Bに、ベント又はピンを形成するスロット、溝ネットワーク又は通路ネットワークなどの特定のテクスチャを有することができ、又は実質的に滑らかであり得る。
【0118】
成形ストリップ102は、幾つかのストリップを重ね合わせることによって形成することができ、したがって、必ずしも単一部品又は単一材料である必要はない。成形ストリップ102は、Ni、Cu、ステンレス鋼タイプ、又は任意の他の適切な材料のうちの1つ又は幾つかの典型的な金属材料又は複合材料で構成することができる。
【0119】
材料分配手段106は、一般的には、成形ストリップ102の一区画において成形ストリップ102内への成形材料の射出を実行するように配置され、成形ストリップは、駆動ローラ、この場合、図3に示す例では駆動ローラ104Aに当接する。次いで、駆動ローラは、キャビティ102Cのための底部を形成する。
【0120】
成形ストリップ102が駆動ローラに当接していない状態で成形材料の射出が行われる場合、材料分配手段106は、成形ストリップ102の他方の側に配置された台座を備えることができ、その結果、材料の射出が行われるときに成形ストリップ102の内面102Aがベースに当接し、この台座が成形ストリップ102のキャビティ102Cのための底部を形成する。
【0121】
成形キャビティが直接生成されるローラなどの従来の形成手段の使用と比較して、駆動手段104に関連する成形ストリップ102の使用は、幾つかの理由で有利である。
【0122】
成形ストリップ102の使用は、モジュール性の点で特に興味深い。成形ストリップは、取り外し及び再取り付け作業が特に複雑である中実ローラとは異なり、駆動手段から容易に取り外して交換することができる。このような利点は、2つのローラ104A、104Bが一方の同じ側のフレームに固定され、他方の側の端部が成形ストリップを自由に導入/除去できるようにする場合に特に観察される。成形ストリップの導入及び/又は除去を容易にするために、成形ストリップを案内するための手段を使用することもできる。
【0123】
更に、成形ストリップの製造は、成形キャビティを備えるローラの製造と比較して大幅に単純化される。そのようなローラは、実際には、一般的には、連続するスライスを積み重ねることによって製造され、したがって、複数の機械加工作業を必要とし、組立中及びフックの基準の各変更において大きな応力を引き起こし、これらのローラをそれらの2つの端部を通して保持することを必要とする大きな質量を有し、したがってそれらの交換を複雑にする。
【0124】
成形ストリップ102のキャビティ102Cは、保持要素16を形成することが望ましい場所で、化学エッチングプロセス又はレーザの使用によって生成することができる。成形ストリップ102全体にわたって均一に分布したキャビティ102Cを有する成形ストリップ102を製造し、次いで、保持要素16のない領域20を形成することが望ましい場所でキャビティ102Cを塞ぐことを想定することも可能である。
【0125】
より具体的には、保持要素の配置において異なる構成を規定することができ、したがって、パターンを形成するように配置された保持要素を有するテープを規定することができるように、成形ストリップ102は、保持要素の構成と同様の構成を有するキャビティ102Cを有する。キャビティ102Cは、成形ストリップ102を形成する材料において、成形ストリップ102によって直接形成される。
【0126】
しかしながら、成形ストリップ102内のキャビティ102Cの製造は、より具体的には不均一な分布の場合には、達成が複雑であることが理解される。
【0127】
したがって、キャビティ102Cを成形ストリップ102上に均一に製造することができ、次いで、このように形成されたキャビティの一部を少なくとも部分的に閉塞させることができ、一方、キャビティの別の部分は閉塞されない。したがって、キャビティ102Cの一部のそのような全体的又は部分的な閉塞は、キャビティの2つのサブセット、すなわち機能キャビティ及び非機能キャビティを画定することを可能にする。
【0128】
「機能キャビティ」とは、保持要素又は保持要素のプリフォームを形成するように成形材料で充填することができるキャビティを意味する。
【0129】
「非機能キャビティ」とは、保持要素又は保持要素のプリフォームを形成するために成形材料がそれらを貫通することができないように、完全に又は部分的に閉塞されたキャビティを意味する。しかしながら、材料を除去する可能性があるため、非機能キャビティは、保持装置の形成中に不規則性を引き起こす可能性があるが、これらの不規則性は、保持要素又は機能キャビティによって形成されるプリフォームと比較して小さい寸法、一般的には、ベース12の上面12Aに垂直な方向に沿った少なくとも5倍低い寸法を有することが理解される。場合によっては、成形ストリップ102のキャビティ102Cは、内面に垂直な少なくとも1つの断面図において、この図では、剥離値を改善することを可能にするために、成形ストリップの外面における寸法W2よりも大きい成形ストリップの内面における寸法W1を含む。他の場合には、成形ストリップ102のキャビティ102Cは、内面に垂直な少なくとも1つの断面図において、この図では、離型性を向上させるために、成形ストリップの外面における寸法W2よりも小さい成形ストリップの内面における寸法W1を有する。剥離力と離型の容易さとの間の良好な妥協点を有するために、W1/W2の比は、例えば0.7から1.2の間、特に0.8から1.2の間に含まれる。
【0130】
キャビティ102Cの一部のそのような全体的又は部分的な閉塞を達成するために使用される材料は、一般的には射出材料(又は成形材料)とは異なる目封止材料である。目封止材料は、例えば樹脂である。目封止材料は、1つの層、又は幾つかの堆積された層、一般的には例えば連続的に堆積される2~20個の層で形成することができる。
【0131】
目封止材料は、成形ストリップの外面及び/又は内面に延在してもよい。一例によれば、一組のキャビティ102Cの一部は、前記キャビティのそれぞれに目封止材料で充填された少なくとも2つの分離領域を有するように、目封止材料によって少なくとも部分的に閉塞される。一例によれば、キャビティ102Cの一部は、目封止材料によって少なくとも部分的に閉塞され、各キャビティ102C内に、目封止材料がある領域と、目封止材料がない領域とを存在させる。キャビティ102Cは貫通キャビティであり、目封止材料を欠く領域は、一般的には貫通領域である。その結果、目封止材料は、貫通キャビティの断面を減らすことができるようにする。次いで、目封止材料は、例えばレーザアブレーションによって部分的に除去される。
【0132】
一例によれば、成形ストリップ102のキャビティ102Cの総数の10%~90%、又は20%~80%が、少なくとも部分的に閉塞される。
【0133】
一例によれば、機械方向MDに沿って延びる成形ストリップ102の縁部から10mm以下の横断方向CDに沿う距離を隔てて位置されるキャビティ102Cは、閉塞される。
【0134】
場合によっては、機械方向MDに沿って延在する成形ストリップ102の縁部から2~5mm、場合によっては1~5mm、他の場合では2~7mm、或いは更には1mm~10mmの横断方向CDに沿う距離を隔てて位置されるキャビティ102Cが閉塞される。
【0135】
或いは、第1のステップでは、成形ストリップのキャビティ102Cの全てを閉塞し、次いで第2のステップでは、前記キャビティ102Cの一部から目封止材料を除去することが可能である。
【0136】
或いは、キャビティ102Cは、最初はキャビティ102Cを欠く成形ストリップ102に、特にレーザ穿孔によって穿孔することによって製造することができる。したがって、このような方法は、所望の位置にのみキャビティ102Cを製造することを可能にする。
【0137】
或いは、成形ストリップ102は、例えば印刷分野で周知の電鋳による差別化された成長プロセスによって、キャビティを画定する幾つかの領域における金属材料、例えばニッケルの成長を防止するために樹脂堆積物を局所的に配置することによって形成することができる。或いは、成形ストリップ102は、差別化減衰プロセス、例えばエッチングプロセスによって形成することができる。
【0138】
キャビティ102Cは、同一又は別個の形状を有することができる。
【0139】
後で分かるように、キャビティ102Cは、異なるパターンで配置することができる。
【0140】
図3の参照符号Cは、テープ26と成形ストリップ102との間の分離を示し、この点は、例えば、テープ26のベース12が成形ストリップ102ともはや接触していないレベルに対応する。成形ストリップ102が離型ローラ108を閉塞するようにすることができ、すなわち、離型ローラ108が成形ストリップ102にレバーを形成して、プリフォーム及び/又はフックの離型を容易にするようにすることができる。
【0141】
図示の例では、成形ストリップ102のキャビティ102Cは、貫通キャビティである。次いで、機器は、必要に応じて余分な成形材料を除去するために成形ストリップ102の内面102Aを掻き取るように配置されたスクレーパ110などの要素を備えることができる。「射出」とは、溶融プロセス、例えば、分配、供給、成形、射出、押出によって成形材料を成形する動作を意味する。
【0142】
上記の装置及び関連する方法はまた、不織布(又は織布)材料のストリップ22をベース12に結合するための手段及びステップを有することができる。
【0143】
保持要素16を備えるベース12上のストリップ22のこのような関連付けは、一般的には、接着剤によって、又はベースもしくはストリップの溶融によって、及び/又は機械的固定によって達成される。
【0144】
例えば不織材料のストリップ22を保持装置10のベース12に固定するために、提案された機器100は、ストリップ供給を実行し、材料分配手段106の下流でベース12の下面12Bに対してストリップを適用するのに適したストリップ22の駆動手段を備えることができる。
【0145】
図4及び図5は、そのような手段を備える機器100の一例を概略的に示す。
【0146】
図示されている機器は、図3を参照して先に提示された装置と同様である。したがって、共通の要素についてはここでは再度説明しない。
【0147】
図4及び図5に見られるように、提示される機器は、材料分配手段106の下流にストリップ22供給を実行するように構成された、ここでは2つのローラ112A、112Bからなるストリップ駆動手段112を備える。
【0148】
ストリップ22は、一般的には、不織材料、熱可塑性フィルム、弾性フィルムもしくは複合フィルム、又は繊維及び/もしくはフィラメントの熱的に強化されたセットの層である。ストリップ22は、例えば、繊維及び/又はフィラメントのウェブである。
【0149】
図4及び図5に示す例では、ストリップは不織材料の層として表されている。
【0150】
基板駆動手段110は、機器にストリップ22を供給し、このストリップ22を材料分配手段106の下流のベース12の下面12Bに当てるように構成される。
【0151】
基板駆動手段110は、この塗布がベース12の固化前に実行されるように構成される。したがって、この用途は、ベース12の下面12Bによって画定される平面を超えてストリップ22の少なくとも部分的な貫通を引き起こす。図中の参照符号Bは、ベース12とストリップ22との間の接触点を特定する。
【0152】
より具体的には、ベース12の下面12Bは、実質的に平面であり、平面を画定する。この面に対する基板の適用は、ストリップ22がベース12内の不織材料の層である場合に、ストリップ22の部分、例えば不織材料の層の繊維及び/又はフィラメントの貫通を引き起こし、それによってベース12の下面12Bを通過する。
【0153】
そのような塗布がベース12の凝固の前に行われる限り、そのような結合を達成するためにベース12及び/又はストリップ22を加熱する必要はない。
【0154】
一例として、ポリプロピレン製のベース12を考慮すると、ベース12の下面12Bに対する基板の適用は、一般的には、ベース12の下面12Bが、材料の溶融温度とそれを構成する材料の軟化温度Vicat Bからマイナス30°C(°C)の間、又はそれを構成する材料の溶融温度とそれを構成する材料の軟化温度Vicat Aの間を含む温度を有するときに実行される。より具体的には、ベースがポリプロピレン系材料を含む場合、ベース12の下面12Bは、75°C~150°Cの間、一般的には105°C程度の温度を有し、この温度は、一般的には赤外線又はレーザカメラを使用して測定される。「軟化温度VICAT」とは、ISO 306又はASTM D 1525規格に記載されている方法の1つにしたがって得られた温度を意味し、加熱速度は50°C/hであり、VICAT Bの正規化負荷は50Nであり、VICAT Aの正規化負荷は10Nである。
【0155】
ストリップ22は、ベース12の下面12Bに対して均一又は不均一に適用することができる。
【0156】
ストリップ22とベース12との間に達成される結合は、均一又は不均一に達成することができる。
【0157】
ストリップ22が熱強化された繊維及び/又はフィラメントのセットである場合、ベース12との結合はまた、ストリップ22の繊維及び/又はフィラメントの一部のベース12への浸透によって達成される。
【0158】
ストリップ22が、例えば熱的に強化された繊維及び/又はフィラメント、熱可塑性フィルム、弾性フィルム、又は複合フィルムのセットである場合、その冷却中のベース12の収縮現象は、ベースとの結合から生じることができ、この収縮は、基材とテープのベースとの間の結合面を支持する。この収縮は、エンドユーザの視覚的外観に影響を与えない。
【0159】
ストリップ22が不織材料の層である場合、坪量が80g/m(不織材料のグラム/平方メートル単位の材料の質量)未満の不織材料であっても、フックの離型は容易に行われる。例として、不織材料の坪量は、5g/m~120g/m又は25g/m~100g/m、又は10g/m~70g/mであってもよい。
【0160】
ストリップ22が不織材料の層である場合、機器は、基板駆動手段112の上流にカレンダ装置を備えることができ、したがって、ベース12に対する塗布の前に不織材料の層を局所的に又は非局所的にカレンダ加工するステップを実行することを可能にする。
【0161】
保持要素16を備えるベース12にストリップ12を固定するこのモードは、ベース12の変形を引き起こさないという点で特に有利であり、したがって、好適には、射出ステップ中に得られたベース12の形状を保持すること、特に前述の方法及び機器によって得ることができる直線縁部を保持することを可能にする。
【0162】
基材をテープに固定するこのモードは、前述のようなテープを形成するための方法、又はより一般的には、フックのみなどの保持要素を含むテープを形成するための任意の他の方法に適用することができる。
【0163】
図6及び図7はそれぞれ、図4の機器100によって得られたテープ部分26、及び別々に取られたパターン14の図を示す。
【0164】
図示のテープ部分26は、幾つかの不連続パターン14を有し、各パターン14は複数の保持要素から形成される。
【0165】
各パターン14は、保持要素を欠く領域によって取り囲まれており、したがってベース12の上面12A上に平面又は実質的に平面の領域を画定する。
【0166】
パターン14は、保持要素の一連の横列及び縦列によって形成され、前記縦列及び横列は、それぞれ主方向DP及び副方向DSに沿って配置される。横列及び縦列はそれぞれ、必要に応じて副方向DS又は主方向DPにそれぞれ沿って整列した1つ又は幾つかの保持要素から形成される。保持要素の横列は、一般的には、1~1,000個の保持要素、より詳細には、2~500個の保持要素を備える。保持要素の縦列は、一般的には、1~1,000個の保持要素、より詳細には、2~750個の保持要素を備える。
【0167】
ベース12は、一般的には一定の幅を有し、ベース12の幅は、一般的には、主方向DP又は副方向DSに沿って測定される。
【0168】
主方向DPは、一般的には、前述の成形ストリップ102の機械方向MDに対応し、副方向DSは、一般的には、前述の成形ストリップ102の横断方向CDに対応する。
【0169】
異なる横列及び縦列は、一般的には、それぞれ副間隔及び主間隔にしたがって等間隔に配置される。主間隔及び副間隔は、等しいか又は異なっていてもよい。或いは、前記横列は、第1の副間隔にしたがって及び第2の副間隔にしたがって等間隔に配置され、第2の副間隔は第1の副間隔の整数倍ではなく、第1の副間隔は第2の副間隔よりも小さく、及び/又は、前記縦列は、第1の主間隔にしたがって及び第2の主間隔にしたがって等間隔に配置され、第2の主間隔は第1の主間隔の整数倍ではなく、第1の主間隔は第2の主間隔よりも小さい。
【0170】
各パターン14は、一般的には、保持要素を欠くベースの上面の領域によって取り囲まれ、前記領域は、主方向DPに沿った主間隔の厳密に2倍よりも大きい、及び/又は副方向DSに沿った副間隔の厳密に2倍よりも大きい寸法を有する。
【0171】
横列及び縦列を画定する保持要素16は、千鳥状に整列又は配置することができ、これは特に、既に前述したように保持装置の製造に使用される成形ストリップ102のキャビティ102Cの構成から生じる。
【0172】
各パターン14は、一般的には、保持要素を欠くベース12の上面12Aの領域によって取り囲まれ、一般的には、ベース12の上面12Aの縁部から少なくとも1.5mm、場合によっては少なくとも2.5mmの距離を隔てて位置される。「ベース12の縁部」とは、例えば主方向DS又は副方向DSに沿ったベース12の端部を意味する。
【0173】
保持要素の異なる横列及び縦列が図7に示される。
【0174】
この図は、パターン12の一端部から主方向DPに沿って連続的に延在する横列L1~L9と、パターン12内に延在する縦列C1~C5とを特定する。
【0175】
保持要素16は、所定のパターンについて横列L1~L9のそれぞれでカウントされる。
【0176】
図7に示すパターンの場合、横列は以下の数の保持要素を有する。すなわち、L1:4、L2:8、L3:9、L4:10、L5:11、L6:12、L7:13、L8:12、L9:17。
【0177】
同様に、保持要素16は、図7に表わされるパターンについて、縦列C1~C5のそれぞれでカウントされる。すなわち、C1:27、C2:26、C3:27、C4:26、C5:25。
【0178】
したがって、提案されたパターン12は、異なる数の保持要素を有する少なくとも2つの横列及び/又は2つの縦列を有する。より一般的には、提案されているパターンは、異なる数の保持要素を有する保持要素の少なくともX個の横列及び/又はX個の縦列を有し、Xは2に等しく、場合によっては3又は4又は5に等しく、又はより一般的にはXはXminとXmaxとの間に含まれる自然数であり、Xminは、例えば2又は3又は4又は5又は6又は7又は8又は9又は10又は12又は15又は20に等しくすることができ、Xmaxは、例えば500又は450又は400又は350又は300又は250又は200又は150又は100又は50に等しくすることができる。
【0179】
このように形成されたパターンは、保持要素のために一般的に生成される連続的で均一なパターンとは異なり、異なる形状を有することができる。
【0180】
更に、所定のパターンについて、少なくとも2つの横列及び/又は縦列は異なる数の保持要素を有し、前記2つの横列又は2つの縦列の保持要素の数の差は、1以上、より具体的には2以上、更には3又は4又は5以上である。
【0181】
したがって、図7に表された例では、横列L1~L9及び縦列C1~C5を考慮すると、表わされたパターンは以下を含む。
-異なる数の保持要素を有する3個の縦列であり、ここでの保持要素の数の差は1以上である(例えば縦列C1、C2及びC5)。
-保持要素の数が異なる2個の縦列であり、ここでの保持要素の数の差は2に等しい(例えば縦列C1及びC5)。
-保持要素の数が異なる8個の横列であり、ここでの保持要素の数の差は1以上である(例えば、L1、L2、L3、L4、L5、L6、L7、L9)。
-異なる数の保持要素を有する2個の横列であり、ここでの保持要素の数の差は4に等しい(例えばL1及びL2、又はL2及びL8)。
【0182】
更に、連続して配置された横列又は縦列の各対について、前記対の前記横列又は縦列の間の保持要素の数の変動は、一般的には、10以下、又は15以下である。
【0183】
より一般的には、連続的に配置された横列又は縦列の各対について、前記対の前記横列又は縦列の間の保持要素の数の変動は、一般的には、パターンの横列の保持要素の最大数の40%、30%又は15%以下である。連続的に配置された縦列の各対について、前記対の前記横列又は縦列の間の保持要素の数の変動は、一般的には、パターンの縦列の保持要素の最大数の40%、30%又は15%以下である。そのような特性は、保持要素が保持要素又は不織布材料などの相補的要素と係合するときに、保持装置の係合解除に必要な力を調整することを可能にする。そのような製品はまた、製造がより容易であり、特に成形装置からの離型がより容易である。
【0184】
更に、図7に示す実施形態では、パターン12は、ここではパターン14aの周りに連続輪郭を形成するリブ13によって輪郭付けられる。図示の例では、リブ13は、矩形断面を有する。しかしながら、パターン14aに接するリブ13は、任意の断面を有することができ、連続的又は不連続的であり得ることが理解される。
【0185】
図8図11は、保持要素によって形成され得る、したがって保持要素を形成するために使用されるキャビティによって形成され得るパターンの他の例を示す。
【0186】
これらの図は、主方向DP及び副方向DSを示す。
【0187】
図7を参照して既に説明したパターンの異なる横列及び縦列における保持要素又はキャビティの数の間の異なる関係は、図8図11に示すパターンにも当てはまる。
【0188】
ここに提示される異なるパターンは、例えば24mm程度又はより一般的には10mm~45mmの直径を有する外側輪郭、ここでは円に内接する。ここでのパターンは、外側輪郭内に保持要素を欠く領域によって形成される。外側輪郭の幾何学的形状は変化してもよく、円に限定されないことが理解される。
【0189】
図8に示すパターンの場合、保持要素を欠く領域は、ハスの花の種類のパターンを画定する。図9に示すパターンの場合、保持要素を欠く領域は、バラを表わすパターンを画定する。図10に示すパターンの場合、保持要素を欠く領域は、花を表わすパターンを画定する。図11に示すパターンの場合、保持要素を欠く領域は、ゴボウの花を表わすパターンを画定する。図12図10の変形例である。図13図9の変形例である。
【0190】
これらの図に見られるように、保持要素(又はキャビティ)の密度は変化し得る。したがって、図8図9図11、及び図12は、1,093個/cm程度の保持要素(又はキャビティ)の密度で生成されたパターンを示し、図10及び図13は、273個/cm程度の保持要素(又はキャビティ)の密度で生成されたパターンを示す。
【0191】
これらの図8図13に見られるように、各パターンについて、少なくとも1つの横列及び/又は少なくとも1つの縦列は、保持要素又はキャビティを欠く領域によって分離された、不連続保持要素(又はキャビティ)の少なくとも2つのグループを含む。
【0192】
「保持要素又はキャビティを欠く領域」とは、保持要素又はキャビティのピッチに従うことによって、保持要素又はキャビティが通常存在していたであろう領域を意味する。
【0193】
保持要素の横列及び縦列がそれぞれ副間隔及び主間隔にしたがって等間隔に配置されていることを考慮すると、各パターンの外側輪郭によって画定された領域に含まれる保持要素を欠く少なくとも1つの領域は、主方向DPに沿った寸法が主間隔の2倍より厳密に大きく、副方向DSに沿った寸法が副間隔の2倍より厳密に大きい。
【0194】
同様に、キャビティの横列及び縦列がそれぞれ横断間隔及び機械間隔にしたがって等間隔に配置されていることを考慮すると、各パターンの外側輪郭によって画定された領域に含まれる保持要素を欠く少なくとも1つの領域は、機械方向MDに沿った寸法が機械間隔の2倍より厳密に大きく、横断方向CDに沿った寸法が横断間隔の2倍より厳密に大きい。
【0195】
一例によれば、各パターンについて、外側輪郭に含まれる保持要素(又はキャビティ)を欠く領域の表面と、保持要素(又はキャビティ)を備える表面との間の比は、1未満である。パターンの表面は、平均ピッチに対応する半径を有する円によって覆われた表面であると定義され、その中心は、上面視で、保持要素(又はキャビティ)の中心にそれぞれ配置され、各円の円周は、少なくとも1つの隣り合う保持要素(又はキャビティ)の中心を通過する。平均ピッチは、2つの隣り合う保持要素(又はキャビティ)を分離する距離に対応することができる。保持要素を欠く少なくとも1つの領域は、パターン表面によって覆われていない表面である。
【0196】
一例によれば、各パターンについて、パターンに含まれる保持要素(又はキャビティ)を欠く少なくとも1つ、又は例えばそれぞれの領域は、幅及び長さを有し、この場合、長さと幅との比が厳密に1.2より大きく、特に厳密に1.5より大きい。
【0197】
一例によれば、パターン(又は各パターン)は外側輪郭によって画定され、パターン(又は各パターン)は、その外側輪郭によって画定された領域内に、保持要素(又はキャビティ)を欠く少なくとも1つの領域を備え、内側輪郭は、局所的な内側輪郭から主方向及び/又は副方向に沿うパターンの寸法の20%未満、特に15%未満の距離を隔てて或いはこれに代えて又は加えて、局所的な内側輪郭から10mm未満、又は5mm未満、特に3mm未満、より特に2mm未満、より詳細には1mm未満、及び、考慮されるパターンにおける保持要素の平均ピッチよりも大きい(又は厳密に大きい)距離を隔てて配置される局所的な中心線を規定する細長い形状の少なくとも1つの局所部分を有する。このような中心線Lmが図9に示される。保持要素を欠く円形領域は、本文書の意味の範囲内の中央値を有さない。したがって、保持装置は、パターンのより詳細で正確な表示を可能にしつつ、最大限のグリップを有する。局所的な中心線は、直線部分及び/又は湾曲部分を含む。少なくとも1つの内側輪郭の中心線の長さは、一般的には10mmより長く、又は例えば12mmより長い。パターンの内側輪郭の中心線の長さの合計は、一般的には12mmよりも大きく、例えば15mmよりも大きく、及び/又は一般的には600mm未満、例えば400mm未満、より詳細には200mm未満である。
【0198】
前述した様々な特性に加えて、又はそれとは独立して、保持要素16はそれぞれ、ベース12から延びるロッドと、ベースとは反対側のロッドの端部から延びるヘッドとを有するように作製することができる。この場合、保持要素16は、一般的には、所定のパターン14について、パターンの保持要素のヘッドの寸法がパターンの第1の端部とパターンの第2の端部との間で減少するように製造される。
【0199】
より具体的には、一般的にはテープの各パターンについて、所定のパターンを考慮して、例えば主方向DP又は副方向DSとすることができるパターンの第1の方向が規定され、前記第1の方向に沿って前記パターンの第1の端部及び前記パターンの第2の端部を形成する保持要素16が決定される。保持要素16はそれぞれ、第2の方向に沿って測定された最大寸法を伴うヘッドを有する。パターンの第1の端部を形成する保持要素16は、第1の最大寸法を伴うヘッドを有する。パターンの第2の端部を形成する保持要素は、第2の最大寸法を伴うヘッドを有する。第2の最大寸法は、厳密には第1の最大寸法よりも小さい。第1の端部を形成する保持要素16及び第2の端部を形成する保持要素16は、同じ縦列又は横列に配置される。第1の方向は方向MDである。第1の方向は方向MDであり、第1の端部から第2の端部に向かう方向は方向MDである。
【0200】
一実施形態によれば、保持要素のヘッドの最大寸法は、パターンの第1の端部から第2の端部まで減少し、一般的には厳密に減少する。
【0201】
一例によれば、第1の最大寸法に対する第2の最大寸法の比は、1.01~1.60、特に1.01~1.35、より詳細には1.02~1、15、場合によっては1.03~1.12である。
【0202】
保持要素のヘッドの最大寸法のこのような変化は、パターンの第1の端部からパターンの第2の端部までの剥離力を考慮することによって、保持要素を係合解除するのに必要な力を変調することを可能にする。
【0203】
保持装置は、一般的には、主方向DPに沿って及び/又は副方向DSに沿って厳密に0.02Nよりも大きく、場合によっては厳密に0.1Nよりも大きい180°の剥離力を有する。
【0204】
「180°剥離」方法は、剥離力、すなわちアセンブリ(ここでは保持装置)と塗布領域とを分離する力を測定することを可能にする方法である。以下、この方法について説明する。
【0205】
サンプルの調整-試験されるべきサンプルを、23°C+/-2°C、相対湿度50%+/-5%で2時間(時間)調整する。
【0206】
保持装置の調製-保持装置は、一般に、長さが主方向DP又は副方向DSであるテープの形態である。主方向DP又は副方向DSに沿ったテープの一部は、80g/cmの紙に接着され、2kg(キログラム)のローラが、テープ部分の全長にわたって一方の方向に、次いで他方の方向(前後)に保持装置に適用又は回転される。紙及び保持装置は、切断ツールを用いて、約700mm/分(ミリメートル/分)の速度で主方向DP又は副方向DSに25.4mm(ミリメートル)幅のバンドに切断される。紙の各バンドは210mmの長さを有し、滑り止めストリップはこのバンドの中心に配置される。
【0207】
適用領域の調製-適用領域のサンプルは、例えば、保持装置のサイズに応じて、主方向DP又は副方向DSに50mmの幅を有し、長さは最大200mmであり、サンプルは長さに応じて半分に切断される。
【0208】
アセンブリ-バンドは、保持装置が適用領域のサンプルの中心に配置されるように、適用領域のサンプルの上に配置される。2kg(キログラム)のローラを、バンド上に一方向に、次いでバンドの全長にわたって約700mm/分の速度で他の方向(前後)に適用又は回転させる。適用領域からのサンプルを、10秒で、バンドの下部から1kgの重りが吊り下げられた、切断面がクランプ内にある、くぼみのクランプ内に配置する。その後、重量が取り除かれる。このステップは、保持装置及び適用領域からのサンプルの組み立てを確保する。
【0209】
測定-次いで、アセンブリは、100N(ニュートン)測定セルを備える引張試験機に配置される。バンドは、上部(可動)ジョーに挿入される。力測定セル読取り値は0に設定される。適用領域のサンプルを下側ジョー(固定)に挿入し、わずかな張力を発生させる。力は、0.02Nと0.05Nとの間に含まれるべきである。設置中、ジョーは互いに50mm離れている。アセンブリは、2つのジョーの間の中心にある。試験は、305mm/分の速度で一定の変位で実施され、試験運転は50mmである。この試験運転は、試験される保持装置の幅に応じて適合される。
【0210】
このような保持要素16を備えたテープ26を製造するために、機器100に使用される成形ストリップ102は、保持要素の構成と同様の構成を有するキャビティ102Cを有することが理解される。
【0211】
したがって、保持要素の所定のパターンを形成するために、使用される成形ストリップ102は、同様のパターンで配置された機能キャビティ102Cを有することが理解される。機能しないキャビティは、ここではキャビティがないものと同化される。
【0212】
より一般的には、成形ストリップ102は、横断方向CD及び機械方向MDにそれぞれ沿って延びる横列及び縦列に配置された複数のキャビティ102Cを有し、前記キャビティ102Cは、成形ストリップ102の外面上に開口する。
【0213】
キャビティの横列は、一般的には、1~1,000個のキャビティを備える。キャビティの縦列は、一般的には、1~1,000個のキャビティを備える。
【0214】
キャビティ102Cは、成形ストリップ102の外面にパターン、一般的には不連続パターンを形成するように配置される。各パターンは、複数の横列及び縦列のキャビティ102Cによって形成される。
【0215】
異なるパターンは、一般的には分離される。
【0216】
成形ストリップは、1つ又は幾つかのパターンを有することができ、これは成形ストリップ上で繰り返すことができる。
【0217】
異なる横列及び縦列は、一般的には、それぞれ横断間隔及び機械間隔にしたがって等間隔に配置される。横断間隔及び機械間隔は、等しくても異なっていてもよい。他の例によれば、前記横列は、第1の横断間隔にしたがって及び第2の横断間隔にしたがって等間隔に配置され、第2の横断間隔は第1の横断間隔の整数倍ではなく、第1の横断間隔は第2の横断間隔よりも小さく、及び/又は、前記縦列は、第1の機械間隔にしたがって及び第2の機械間隔にしたがって等間隔に配置され、第2の機械間隔は第1の機械間隔の整数倍ではなく、第1の機械間隔は第2の機械間隔よりも小さい。
【0218】
各パターンは、一般的には、保持要素を欠く成形ストリップの外面の領域によって取り囲まれ、前記領域は、機械方向MDに沿った機械間隔の2倍より厳密に大きい寸法、及び/又は横断方向CDに沿った横断間隔の2倍より厳密に大きい寸法を有する。
【0219】
横列及び縦列を画定するキャビティ102Cは、千鳥状に整列又は配置することができる。
【0220】
各パターンは、一般的には、成形ストリップの外面のキャビティのない領域によって取り囲まれ、一般的には、成形ストリップの外面の縁部から少なくとも1.5mm、場合によっては少なくとも2、5mmの距離を隔てて配置される。「成形ストリップの縁部」とは、例えば機械方向MD又は横断方向CDに沿った成形ストリップの端部を意味する。
【0221】
したがって、保持要素に関して、キャビティによって形成されたパターンは、異なる数のキャビティを有する少なくとも2つの横列及び/又は2つの縦列を有する。より一般的には、提案されているパターンは、少なくともY個の横列及び/又はYこの縦列の異なる数のキャビティを有し、Yは2に等しく、又は場合によっては3又は4又は5に等しく、又はより一般的にYはYminとYmaxとの間に含まれる自然数であり、Yminは、例えば2又は3又は4又は5又は6又は7又は8又は9又は10又は12又は15又は20に等しくすることができ、Ymaxは、例えば500又は450又は400又は350又は300又は250又は200又は150又は100又は50に等しくすることができる。
【0222】
更に、所定のパターンについて、少なくとも2つの横列及び/又は縦列は異なる数のキャビティを有し、前記2つの横列又は2つの縦列のキャビティの数の差は、1以上、より具体的には2以上、又は3又は4又は5以上である。
【0223】
更に、連続して配置された横列又は縦列の各対について、前記対の前記横列又は縦列の間のキャビティの数の変動は、一般的には10以下、又は更には15以下である。
【0224】
より一般的には、連続的に配置された横列の各対について、前記対の前記横列又は縦列の間のキャビティの数の変動は、一般的には、パターンの横列のキャビティの最大数の40%、30%又は15%以下である。連続的に配置された縦列の各対について、前記対の前記横列又は縦列の間のキャビティの数の変動は、一般的には、パターンの列のキャビティの最大数の40%、30%又は15%以下である。
【0225】
或いは、パターンは、他の形状、例えば、ヒナギク、アザミ又は綿花又は例えば動物、ロゴ、単語又は「QRコード(登録商標)」などの他の花の形状を有することができる。
【0226】
図6図13の代わりに、パターンは、例えば90度の角度で異なる向きにすることができる。
【0227】
本発明を特定の典型的な実施形態に関連して説明してきたが、特許請求の範囲によって規定される本発明の一般的な範囲から逸脱することなくこれらの例に対して修正及び変更を行なうことができることは明らかである。特に、異なる図示/言及された実施形態の個々の特徴を更なる実施形態で組み合わせることができる。したがって、説明及び図面は、限定的な意味ではなく例示的な意味で考慮されるべきである。
【0228】
1つの方法に関連して記載された全ての特性を、単独で又は組み合わせて1つの装置に置き換えることができ、逆に、1つの装置に関連して記載された全ての特性を、単独で又は組み合わせて1つの方法に置き換えることができることも明らかである。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
【手続補正書】
【提出日】2022-09-01
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
上面(12A)及び下面(12B)を有するベース(12)であって、主方向(DP)に沿って延在するとともに、主方向(DP)に対して垂直な副方向(DS)に沿って規定される幅と、主方向(DP)及び副方向(DS)に対して垂直な方向に沿って測定される厚さとを有するベース(12)と、
ベース(12)の上面(12A)で延在する複数の保持要素(16)であって、各保持要素(16)がロッド(18)を備え、保持要素(16)がベース(12)と一体に形成され、保持要素(16)が副方向(DS)及び主方向(DP)に沿ってそれぞれ延在する横列及び縦列を成して配置される、保持要素(16)と
を備える保持装置(10)であって、
前記装置は、保持装置の少なくともX個の横列及び/又はX個の縦列が異なる数の保持要素(16)を有し、Xが2に等しいことを特徴とする保持装置(10)。
【請求項2】
前記保持装置の少なくとも2つの横列及び/又は少なくとも2つの縦列は、異なる数の保持要素を有し、前記少なくとも2つの横列及び/又は少なくとも2つの縦列の保持要素の数の差は1以上である、請求項1に記載の保持装置(10)。
【請求項3】
前記保持装置の少なくとも2つの横列及び/又は少なくとも2つの縦列は、異なる数の保持要素を有し、前記少なくとも2つの横列及び/又は少なくとも2つの縦列の保持要素の数の差は2以上である、請求項2に記載の保持装置(10)。
【請求項4】
前記複数の保持要素は、1つ又は幾つかの不連続パターンを形成し、各パターンは、保持要素の複数の横列及び縦列から形成される、請求項1に記載の保持装置(10)。
【請求項5】
それぞれのパターンごとに、主方向(DP)に沿って連続的に配置される横列の各対は幾つかの保持要素を有し、その数の変動は、10個以下の保持要素である、請求項4に記載の保持装置(10)。
【請求項6】
それぞれのパターンごとに、主方向(DP)に沿って連続的に配置される横列の各対は幾つかの保持要素を有し、その数の変動は、5個以下の保持要素である、請求項5に記載の保持装置(10)。
【請求項7】
それぞれのパターンごとに、副方向(DS)に沿って連続的に配置された縦列の各対は幾つかの保持要素(16)を有し、その数の変動は、15個以下の保持要素(16)である、請求項1に記載の保持装置(10)。
【請求項8】
それぞれのパターンごとに、副方向(DS)に沿って連続的に配置された縦列の各対は幾つかの保持要素(16)を有し、その数の変動は、5個以下の保持要素(16)である、請求項7に記載の保持装置(10)。
【請求項9】
各パターンは、保持要素(16)を欠くベース(12)の上面(12A)の領域によって完全に取り囲まれるとともに、ベース(12)の縁部から1.5mmを超える距離を隔てて位置される、請求項1に記載の保持装置(10)。
【請求項10】
各パターンは、保持要素(16)を欠くベース(12)の上面(12A)の領域によって完全に取り囲まれるとともに、ベース(12)の全ての縁部から2.5mmを超える距離を隔てて位置される、請求項9に記載の保持装置(10)。
【請求項11】
各パターンが外側輪郭(14A)によって画定され、各パターンは、その外側輪郭(14A)によって画定された領域に、保持要素を欠く少なくとも1つの領域を備える、請求項1に記載の保持装置(10)。
【請求項12】
各パターンは、保持要素(16)を欠く領域によって分離された不連続保持要素(16)の少なくとも2つのグループを備える少なくとも1つの横列及び/又は少なくとも1つの縦列を有する、請求項11に記載の保持装置(10)。
【請求項13】
それぞれのパターンごとに、パターンに含まれる保持要素(16)を欠く少なくとも1つの領域が幅及び長さを有し、この場合、長さと幅との間の比は厳密に1.2より大きい、請求項11に記載の保持装置(10)。
【請求項14】
それぞれのパターンごとに、パターンに含まれる保持要素(16)を欠くそれぞれの領域が幅及び長さを有し、この場合、長さと幅との間の比は厳密に1.2より大きい、請求項13に記載の保持装置(10)。
【請求項15】
前記横列及び縦列は、副間隔及び主間隔のそれぞれにしたがって等間隔に配置される、請求項1に記載の保持装置(10)。
【請求項16】
各パターンは、保持要素(16)を欠くベース(12)の上面(12A)の領域によって完全に取り囲まれ、前記領域は、主方向(DP)に沿って主間隔の2倍より厳密に大きい及び/又は副方向(DS)に沿って副間隔の2倍より厳密に大きい寸法を有する、請求項15に記載の保持装置(10)。
【請求項17】
各パターンの外側輪郭(14A)によって画定された領域に含まれる保持要素(16)を欠く前記少なくとも1つの領域は、主方向(DP)に沿う寸法が主間隔の2倍より厳密に大きく、副方向(DS)に沿った寸法が副間隔の2倍より厳密に大きい、請求項15または16に記載の保持装置(10)。
【請求項18】
それぞれのパターンごとに、パターンの外側輪郭(14A)に含まれる保持要素(16)を欠く領域の表面と、保持要素(16)を備える表面との間の比は1未満である、請求項11に記載の保持装置(10)。
【請求項19】
請求項1~18のいずれかに記載の保持装置を形成するための成形装置(100)であって、前記成形装置(100)が、支持体(104)に取り付けられるようになっている成形ストリップ(102)を備え、前記成形ストリップ(102)が、機械方向(MD)に沿って延在するとともに、機械方向(MD)に対して垂直な横断方向(CD)に沿って規定される幅と、機械方向(MD)及び横断方向(CD)に対して垂直な方向に沿って測定される厚さとを有し、成形ストリップが反対側の内面及び外面を有し、前記成形ストリップ(102)が、横断方向(CD)及び機械方向(MD)に沿ってそれぞれ延在する横列及び縦列を成して配置される複数のキャビティ(102C)を有し、前記キャビティ(102C)が成形ストリップ(102)の外面(102B)上に開口する、成形装置(100)において、
成形ストリップ(102)のキャビティ(102C)の少なくともY個の横列及び/又はY個の縦列が異なる数のキャビティ(102C)を有し、Yが2に等しいことを特徴とする、成形装置(100)。
【請求項20】
成形装置(100)の少なくとも2つの横列及び/又は少なくとも2つの縦列が別個の数のキャビティ(102C)を有し、前記少なくとも2つの横列及び/又は少なくとも2つの縦列のキャビティ(102C)の数の差は1以上である、請求項19に記載の成形装置(100)。
【請求項21】
成形装置(100)の少なくとも2つの横列及び/又は少なくとも2つの縦列が別個の数のキャビティ(102C)を有し、前記少なくとも2つの横列及び/又は少なくとも2つの縦列のキャビティ(102C)の数の差は2以上である、請求項20に記載の成形装置(100)。
【請求項22】
前記複数のキャビティ(102C)は、1つ又は幾つかの不連続パターンを形成し、各パターンは、複数の横列及び縦列のキャビティ(102C)から形成される、請求項19に記載の成形装置(100)。
【請求項23】
それぞれのパターンごとに、機械方向(MD)に沿って連続的に配置される横列の各対は幾つかのキャビティを有し、その数の変動は、キャビティ(102C)の横列の前記対の横列のキャビティ(102C)の最大数の40%以下である、請求項22に記載の成形装置(100)。
【請求項24】
それぞれのパターンごとに、機械方向(MD)に沿って連続的に配置される横列の各対は幾つかのキャビティを有し、その数の変動は、キャビティ(102C)の横列の前記対の横列のキャビティ(102C)の最大数の30%以下である、請求項23に記載の成形装置(100)。
【請求項25】
各パターンは外側輪郭によって画定され、また、各パターンは、その外側輪郭によって画定された領域内に、キャビティ(102C)を欠く少なくとも1つの領域を備える、請求項22に記載の成形装置(100)。
【請求項26】
各パターンは、キャビティ(102C)を欠く領域によって分離されるキャビティ(102C)の少なくとも2つの不連続なグループを備える少なくとも1つの横列及び/又は少なくとも1つの縦列を有する、請求項25に記載の成形装置(100)。
【請求項27】
それぞれのパターンごとに、パターンに含まれるキャビティ(102C)がない少なくとも1つの領域は、長さと幅との比が厳密に1.2より大きくなるような幅及び長さを有する、請求項25に記載の成形装置(100)。
【請求項28】
それぞれのパターンごとに、パターンに含まれるキャビティ(102C)がない少なくとも1つの領域は、長さと幅との比が厳密に1.5より大きくなるような幅及び長さを有する、請求項27に記載の成形装置(100)。
【請求項29】
前記縦列及び横列は、横断間隔及び機械間隔のそれぞれにしたがって等間隔に配置される、請求項22~28のいずれかに記載の成形装置(100)。
【請求項30】
各パターンは、キャビティ(102C)を欠く成形ストリップ(102)の外面(102B)の領域によって完全に取り囲まれ、前記領域は、機械方向(MD)に沿って機械間隔の2倍より厳密に大きく且つ横断方向(CD)に沿って横断間隔の2倍より厳密に大きい寸法を有する、請求項29に記載の成形装置(100)。
【国際調査報告】