(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-02-20
(54)【発明の名称】弾性おむつ要素
(51)【国際特許分類】
A61F 13/49 20060101AFI20230213BHJP
B32B 5/04 20060101ALI20230213BHJP
A61F 13/15 20060101ALI20230213BHJP
【FI】
A61F13/49 310
B32B5/04
A61F13/49 319
A61F13/15 311Z
A61F13/15 355B
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022535447
(86)(22)【出願日】2020-08-27
(85)【翻訳文提出日】2022-08-08
(86)【国際出願番号】 EP2020073933
(87)【国際公開番号】W WO2021115642
(87)【国際公開日】2021-06-17
(31)【優先権主張番号】102019134100.0
(32)【優先日】2019-12-12
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】521100003
【氏名又は名称】アールケイダブリュー エスイー
(74)【代理人】
【識別番号】100079108
【氏名又は名称】稲葉 良幸
(74)【代理人】
【識別番号】100109346
【氏名又は名称】大貫 敏史
(74)【代理人】
【識別番号】100117189
【氏名又は名称】江口 昭彦
(74)【代理人】
【識別番号】100134120
【氏名又は名称】内藤 和彦
(72)【発明者】
【氏名】バルダウフ,ゲオルク
(72)【発明者】
【氏名】ウィリング,クリストフ
【テーマコード(参考)】
3B200
4F100
【Fターム(参考)】
3B200BA11
3B200BA12
3B200BB03
3B200BB09
3B200BB11
3B200CA02
3B200CA07
3B200DA01
3B200DE08
3B200EA11
3B200EA22
3B200EA24
3B200EA27
4F100AK03C
4F100AK64A
4F100AK68C
4F100AL02A
4F100BA02
4F100BA03
4F100BA07
4F100BA10A
4F100BA10B
4F100DG04B
4F100DG15B
4F100GB72
4F100JA13B
4F100JK07A
4F100JK08B
4F100YY00B
(57)【要約】
【課題】 好ましい伸縮特性を有し、同時に高い引裂き抵抗を確実にするおむつ要素を提供することである。
【解決手段】 本発明は、弾性層(1)と不織布でできている少なくとも1つの層(2)とを含む弾性おむつ要素に関する。弾性要素は弾性層(1)と不織布層(2)との間に接続領域(5)を有する。接続領域(5)は好ましい方向に延在する。不織布層(2)は、伸縮を可能にするリザーブとしての領域(6)を提供するために、おむつ要素が伸張されていない状態であるときは波形である。本発明によると、接続領域(5)は、それらの延在部に沿って中断部(10)を有する。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
弾性層(1)と不織布でできている層(2)とを備えた伸縮性おむつ要素であって、前記弾性要素が前記弾性層(1)と前記不織布でできている層(2)との間に接続領域(5)を有し、前記接続領域(5)が好ましい方向において延在部を有し、前記不織布でできている層(2)が、伸縮を可能にするリザーブとして機能する領域(6)があることを確実にするために、前記おむつ要素の伸張されていない状態において波形である伸縮性おむつ要素において、前記接続領域(5)がそれらの延在部において中断部(10)を有することを特徴とする、伸縮性おむつ要素。
【請求項2】
前記中断部(10)が、前記接続領域(5)の総面積に対して5面積パーセント超、好ましくは20面積パーセント超、特に30面積パーセント超及び/又は90面積パーセント未満、好ましくは80面積パーセント未満、特に70面積パーセント未満を占めることを特徴とする、請求項1に記載のおむつ要素。
【請求項3】
前記接続領域(5)が直線的な延在部を有することを特徴とする、請求項1又は2に記載のおむつ要素。
【請求項4】
前記接続領域(5)が前記おむつ要素の引張方向に垂直な延在部を有することを特徴とする、請求項1~3のいずれか一項に記載のおむつ要素。
【請求項5】
前記接続領域(5)が破線として実現され、これらの破線間の間隔(11)が1mm超、好ましくは2mm超、特に2.5mm超及び/又は8mm未満、好ましくは7mm未満、特に6mm未満であることを特徴とする、請求項1~4のいずれか一項に記載のおむつ要素。
【請求項6】
前記不織布でできている層(2)が水流交絡不織布布帛、好ましくは連続的なフィラメントでできている水流交絡不織布布帛からなり、前記不織布布帛が好ましくは10~70g/m
2、特に10~40g/m
2、好ましくは15~35g/m
2の比重を有することを特徴とする、請求項1~5のいずれか一項に記載のおむつ要素。
【請求項7】
前記弾性層(1)が多積層構造であるとともに好ましくはコア層(3)と少なくとも1つのさらなる層(4)とを有することを特徴とする、請求項1~6のいずれか一項に記載のおむつ要素。
【請求項8】
前記要素が不織布でできているさらなる層を有し、前記弾性層(1)が不織布でできている前記2つの層の間に配置されることを特徴とする、請求項1~7のいずれか一項に記載のおむつ要素。
【請求項9】
弾性積層体を作るための方法であって、以下のステップ、すなわち、
- 不織布でできている波形層(2)を形成するステップと、
- 弾性層(1)を押出加工するステップと、
- 隆起部を有するロールで波形の前記不織布層(2)を融解した前記弾性層(1)内へ押し付けるステップと
を含む方法において、
前記隆起部が中断部を有することを特徴とする方法。
【請求項10】
伸縮性おむつ要素としての、特におむつウエストバンドとしての、請求項9に記載のとおり作られた積層体の使用。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
説明
本発明は、弾性層と不織布でできている層とを備えた伸縮性おむつ要素であって、弾性要素が弾性層と不織布でできている層との間に接続領域を有し、接続領域が好ましい方向において延在部を有し、伸縮を可能にするリザーブとして機能する領域があることを確実にするために、不織布でできている層がおむつ要素の伸張されていない状態において波形である、伸縮性おむつ要素に関する。
【背景技術】
【0002】
おむつの場合、良好な適合及び締め付けを確実にするために弾性要素が使用される。本発明によるおむつ要素は好ましくはおむつウエストバンドとして使用される。材料は同様に、弾性閉鎖要素、いわゆる新生児用おむつの後方耳状部としての使用に特に好適である。
【0003】
本発明によるおむつ要素は弾性材料でできている層を含む。弾性層には、少なくとも一方側に不織布布帛でできている層が設けられる。そのような不織布は、概して限られた伸展性を有する。本発明によるおむつウエストバンド要素の場合、不織布層が、したがって、弾性層へ波形で接続される。谷部は弾性層に接続され、一方で、山部は弾性層から離れるように突出するとともに弾性層に向かって空洞を囲む。波形である結果、伸張されていない状態の不織布層は要素の伸縮を可能にするリザーブを形成する。
【0004】
独国特許出願第60204588T2号は、伸張性がある弾性複合材料のための製造方法を説明している。この場合、互いに隣にあり、円周方向に延び、同じ形状を有する複数の軸方向に離間した歯を有するロールが使用される。互いに隣にある歯の間の間隔は、円周方向に延びるとともに同じ構成を有する窪んでいる谷部を形成する。
【0005】
上及び下層を備えたおむつが独国特許出願第68923866T2号において説明される。弾性バンドは、無負荷状態において弾性層に接続される。弾性バンドは領域全体にわたって弾性層に接続される。弾性バンドの伸張及び弛緩後、ひだの付いた領域が形成される。
【0006】
欧州特許第217032B1号は、弾性材料であって、互いから間隔をあけた位置で、プリーツ状に置かれる少なくとも1つのウェブに接続される弾性材料を備えた積層体に関する。弾性材料は非波形の、弾性繊維ウェブである。
【0007】
波形の伸縮性のある積層体を作るための方法が欧州特許第1807035B1号において説明されている。この場合、弾性組成物は融解状態においてキャリアウェブへ施されて弾性要素を形成する。伸縮性のある複合材料プレフォームはキャリアウェブを伸縮させることにより形成される。プレフォームは次いで、伸張される。伸張されたプレフォームの弛緩時に波形の伸縮性のある積層体を形成するために、基板が伸張されたプレフォームに接続される。
【0008】
欧州特許第2024178B1号は3つの層を備えた弾性的に伸縮可能な積層体を作るための方法を説明する。積層体は弾性フィルムと非弾性不織布布帛でできている2つの層とを含む。一変形形態において、不織布クレープ布帛が使用される。第1弾性積層体は非弾性不織布層に伸張された状態で接続される。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
好ましい伸縮特性を有し、同時に高い引裂き抵抗を確実にするおむつ要素を提供することが本発明の目的である。力をかける場合に、要素は伸縮可能なやり方で挙動することのみならず十分な抵抗を築くよう意図され、このことは高品質の製品であるという感覚を消費者に提供する。「後方耳状部」としての使用の際、要素は引裂かれてはならず、その理由はそうでなければおむつはもはや閉鎖され得ないためである。この場合、波形の設計により、少なくとも1つの不織布層は要素の伸縮のための十分であるが過剰ではないリザーブを提供することが意図される。積層体は健康に危険をもたらさず環境的に持続可能であることが意図される。加えて、製品から匂いが放たれないことも意図される。さらに、要素は触り心地がよいことを意図される。おむつ要素はまた、おむつと身体との間の空洞が回避され、液体の漏れが防がれるように身体でのおむつの最適な適合を可能にすることが意図される。
【課題を解決するための手段】
【0010】
この目的は、同位の主クレームにおいて特許請求されるおむつ要素、方法及び使用により本発明により達成される。好ましい変形形態は従属請求項、説明、例示的な実施形態及び図面から推測され得る。
【0011】
本発明によると、接続領域はそれらの延在部において中断部を有する。弾性積層体を作るために、好ましくは、波形の不織布層が隆起部を有するロールで融解した弾性層内へ押し付けられる方法が使用される。本発明によると、この場合隆起部が中断部を有するロールが使用される。
【0012】
好ましくは、中断部は、接続領域の総面積に対して5面積パーセント超、好ましくは20面積パーセント超、特に30面積パーセント超を占める。
【0013】
さらに、中断部が接続領域の総面積に対して90面積パーセント未満、好ましくは80面積パーセント未満、特に70面積パーセント未満を占めると特に好ましいことが分かっている。
【0014】
接続領域が直線的な整列を有すると特に好ましいことが分かっている。この場合、接続領域は直線的な線の形で構成され得る。
【0015】
接続領域がおむつ要素の引張方向に垂直な延在部を有すると特に好ましいことが分かっている。
【0016】
好ましくは、接続領域は破線として実現される。破線間の間隔が1mm超、好ましくは2mm超、特に2.5mm超及び/又は8mm未満、好ましくは7mm未満、特に6mm未満であると好ましいことが分かっている。
【0017】
本発明の有利な一変形形態において、接続領域のセグメントは中断部のセグメントと交互になっている。これは、互いに対して直接オフセットさせられた接続領域のセグメントと中断部のセグメントとを含む列を形成する。
【0018】
本発明の一変形形態において、不織布層の波形プロファイルは隆起部と凹みとを有する2つのロール間に形成され得、2つのロールの少なくとも一方は畝の付いたロールの形で構成される。一方のロールの隆起部は、この場合、他方のロールの凹みに係合し、逆もまた同様である。本発明によると、隆起部は中断部を有する。
【0019】
本発明の代替的な変形形態において、不織布層の波形プロファイルは、ロールと、ロールのように隆起部及び凹みを有するさらなる要素との間に形成される。この場合ロールの隆起部は、要素の凹みにおいて係合し、逆もまた同様である。要素は、不織布層の波形プロファイルが接続ステップまで不変のままであるように、押出成形された弾性層まで弓型に延在する。
【0020】
「不織布」という表現は、連続的なフィラメント及び/又は不連続なファイバーから、スパンボンド法、カーディング又はメルトブローなどのプロセスにより、織ることも編むことも無しに作られ得る物質に関する。不織布布帛は不織布の1つ又は複数の層を含むことができ、各層は連続的なフィラメント又は不連続なファイバーを含み得る。不織布はまた、例えばシェルコア又はサイドバイサイドなどの繊維構造を有し得る複合繊維を含み得る。
【0021】
「弾性」という表現は好ましくは、方向付けられた力がかけられると、裂けることも破れることも無しにその弛緩した、元の長さの少なくともおよそ160%の伸張した長さへ伸張することができ、かけられた力が無くなるとその拡張の少なくともおよそ55%だけ戻る、好ましくは実質的にその元の長さへ戻る、すなわち戻った長さは弛緩した元の長さのおよそ120%未満、好ましくはおよそ110%未満、より好ましくはおよそ105%未満である任意の材料に関する。
【0022】
「おむつ」という表現は好ましくは、流体を吸収するとともに捕捉する使い捨て吸収性物品に関する。この用語は、とりわけ、閉鎖具を備えたおむつ、おむつパンツ、トレーニングパンツ、プール用おむつ、大人のための失禁用物品などを含む。
【0023】
おむつ要素の製造において、接続ステップの前に、不織布層は、特別な装置を介して案内されることにより3次元の波形にされる。この装置は隆起部を有するロールであってもよく、結果として、不織布層の波形プロファイルを形成する。加えて、又は代替として、接続ステップの前に、不織布層は、不織布層の波形プロファイルが接続ステップまで不変のままであるように、押出成形された弾性層まで弓形に延在する要素を介して案内され得る。要素は例えば、フィンガーストリップの形で構成されてもよい。
【0024】
押出機の融解能力に加えて、積層体の製造は、例えば超音波溶接を行う場合のように外側からのエネルギーを必要としない。融解物は固化し本発明による接続領域が形成される。接続領域は、したがって、例えば、加熱されたロールによる弾性層の超音波溶接又は融解の場合のように不織布層が外側から熱負荷を受けないような方法で提供される。
【0025】
本発明による接続領域は好ましくは、互いに隣に配置される列においてストリップ状に構成される。好ましくは列の中に真っ直ぐなプロファイルがある。接続領域の整列は好ましくは、独立した列がおむつウエストバンドの引張方向を横断するように整列させられるように、おむつ要素の引張方向に垂直である。
【0026】
接続ステップ中波形のプロファイルを形成するために使用される、装置の低い領域に対する高くされた領域の比は、最適なおむつウエストバンド積層体にとって重要である。この比率はまた、ウェブ対谷部比と呼ばれる。このウェブ対谷部比は好ましくは1:1未満、好ましくは1:2未満である。
【0027】
接続領域が0.1mm超、好ましくは0.3mm超、特に0.5mm超の幅及び/又は1.5mm未満、好ましくは1.3mm未満、特に0.9mm未満の幅を有することが特に好都合であることが分かっている。
【0028】
本発明の好ましい変形形態において、接続領域は、弾性材料が貫通していない外部ゾーンを有する。接続領域の外部ゾーンにおいてフォームフィッティング接合は無く、それはこれらのゾーンには弾性材料が無いためである。外部ゾーンは、弾性材料が不織布層を貫通する状況を防ぐ。
【0029】
接続領域の内部ゾーンにおいて固化された弾性材料と不織布材料とのフォームフィッティング接合がある。この場合、不織布材料はまた、好ましくは内部ゾーンにおいて初期には融解させられず、むしろ繊維は単に弾性融解物に押し込まれる。弾性層の固化の後でフォームフィッティング接合が接続領域の内部ゾーンにおいて作られるように、弾性層の材料は不織布層のフィラメントを囲む。
【0030】
個々の場合において、不織布材料の少なくとも個々の繊維が内部ゾーンにおいて初期に融解させられる場合もあり得る。純粋に理論的な観点からは、内部ゾーンにおいて、不織布材料が弾性融解物において完全に融解した形態にあることも可能である。
【0031】
全ての場合において、弾性材料の固化後、内部ゾーンにおいて弾性層の不織布材料及び固化材料のフォームフィッティング接合がある。
【0032】
接続領域間に配置されるのは、波形の不織布層の隆起部が波形で弾性層から離れるように突出するとともに空洞囲む領域である。これらの領域は、おむつ要素の伸縮のためのリザーブとして機能し、これらの領域において不織布層と弾性層との間の接続は無い。
【0033】
平らなフィルムの総面積に関して、リザーブ領域は接続領域より著しく大きい割合を占める。リザーブ領域の割合は、好ましくは総面積の60%超、特に70%超、好ましくは80%超である。総面積として、固化された平らな弾性層の表面が基準として使用される。
【0034】
リザーブ領域において弾性層への不織布層の接続は無い。
【0035】
波形の設計の結果として、積層体部分の不織布層は弾性層より著しく長い。不織布層は好ましくは弾性層より1.5倍、特に2.0倍超、好ましくは2.5倍超長い。
【0036】
本発明の好ましい変形形態において、接続動作後に、積層体は横断方向に伸張される。伸縮は好ましくは、不織布層の破断伸度未満で実施される。
【0037】
非接合領域、すなわちリザーブ領域が、1.5mm超、好ましくは2mm超、特に2.5mm超の幅及び/又は6mm未満、好ましくは未満5mm未満、特に4mm未満の幅を有すると特に好都合であることが分かっている。
【0038】
接合領域は好ましくは0.1mm超、特に0.2mm超、好ましくは0.3mm超の幅及び/又は1mm未満、好ましくは0.8mm未満、好ましくは0.6mm未満の幅を有する。
【0039】
リザーブ領域又は接続領域は好ましくは、おむつウエストバンドの引張方向に対して横断方向にストリップ状に構成される。
【0040】
接続領域を作り出すために、好ましくは、表面構造を有するロールが使用され、隆起部の高さは100μm超、好ましくは500μm超、特に1mm超及び/又は8mm未満、好ましくは10mm未満、特に12mm未満である。
【0041】
不織布層は好ましくは水流交絡不織布布帛からなる。水流交絡により不織布布帛における繊維を再び方向付けることが可能となり、したがって、元の2次元の繊維整列が3次元の繊維の向きへと変換される。繊維はより顕著な程度に不織布に組み込まれる。この不織布層は好ましくは5~80g/m2、好ましくは10~70g/m2、特に15~35g/m2の比重を有する。
【0042】
水流交絡不織布布帛層は、好ましくは連続的なフィラメントでできている不織布を含む。それらの製造プロセスのために、これらの布帛は、好ましくはループ状構成の繊維状ウェブを提供する。
【0043】
紡糸可能ポリマー、例えばポリエステル、PLA、ポリオレフィン、特にポリプロピレン及びポリエチレンなどが、連続的なフィラメントを作るための材料として使用され得る。
【0044】
特に有利なのは、おむつ要素の伸縮のためのリザーブ領域を形成する波形の不織布層としての水流交絡不織布布帛の本発明による使用である。波形の形成の結果として、水流交絡不織布布帛は、接続領域における繊維が伸張されるような方法で変形し、結果として、好ましくは方向付けられる。結果として、特に有利な接続ゾーンが提供され、接続ゾーンでは融解した材料が水流交絡不織布布帛の伸張された又は整列させられたフィラメントを囲み、固化後、特に好ましいフォームフィッティング接合が作られる。驚くことに、水流交絡不織布布帛が使用されたときに特に好ましい特性を備えたおむつ要素が提供されることが分かっている。水流交絡不織布布帛でできている不織布層は特に満足のいくやり方で変形され得る。供給された不織布ウェブは、波形の形成にもかかわらず製造プロセス中に事実上幅を減少させない。
【0045】
弾性層は、好ましくはポリプロピレン及び/又はポリエチレンブロックコポリマーを含む。弾性フィルムは、好ましくは5~140g/m2、特に10~130g/m2、好ましくは20~40g/m2の比重を有する。
【0046】
代替肢として、弾性層はまたSBC(スチレンブロックコポリマー)又は弾性ポリウレタンからなり得る。
【0047】
本発明の一変形形態において、弾性層は多積層構造であるとともに好ましくは共押出成形されたフィルムとして実現される。有利な変形形態において、前記フィルムは「コア層」と前記コア層に比べて著しく薄い「外皮層」とを含む。外皮層は、好ましくは、5g/m2未満、特に4g/m2未満、好ましくは3g/m2未満及び/又は0.3g/m2超、特に0.6g/m2超、好ましくは0.9g/m2超の比重を有する。
【0048】
一変形形態において、コア層は2つの外皮層の外層間に埋め込まれる。
【0049】
コア層は好ましくは弾性ポリオレフィン又はSBC(スチレンブロックコポリマー)又はポリウレタンからなる。
【0050】
外皮層は好ましくはポリエチレン、ポリプロピレン又はEVA(エチレン-ビニルアセテートコポリマー)からなる。
【0051】
本発明の好都合な変形形態において、充填ポリオレフィンが外皮層として使用される。使用される充填剤の例は、炭酸カルシウム又はタルクなどの鉱物材料である。充填剤の割合は、好ましくは60重量%超、特に70重量%超、好ましくは80重量%超である。
【0052】
混合物もまた外皮層を形成するために使用され得る。この場合、例えばポリスチレンとのポリオレフィンの混合物及び/又はPLAとのポリオレフィンの混合物が好適である。そのような混合物の場合、充填剤は求められない。
【0053】
外皮層は、粘着性コア層からの非ブロック化を確実にするように設計される。加えて、外皮層は容易に変形され得るとともに容易に伸張され得る。
【0054】
本発明の一変形形態において、おむつ要素はカード不織布布帛でできている不織布層を含む。使用されるカード不織布布帛は、好ましくはポリプロピレン繊維及び/又は異なる繊維タイプ、例えばポリプロピレン/ビスコース、ポリプロピレン/ポリアミド、ポリプロピレン/ポリエステルなどの混合物からなる。カード不織布布帛はまたポリプロピレン及び/又はポリエチレンコポリマーからなり得る。カード不織布布帛の単位面積当たりの比重は好ましくは10~40g/m2、特に15~25g/m2である。カード不織布布帛例えばカレンダにより、及び/又は空気及び/又は水ジェットの動作により強化され得る。
【0055】
おむつ要素の場合、弾性層は2つの不織布でできている層の間に埋め込まれ得る。この場合、少なくとも1つの層は好ましくは水流交絡不織布材料からなる。第2不織布層は水流交絡不織布布帛又はカード不織布布帛又はスパンボンド式不織布布帛のいずれかからなり得る。第2不織布層はまた波形であるか平らなプロファイルを有するかのいずれかであり得る。
【0056】
本発明によるおむつ要素の設計により、おむつは最適な様式で身体に当接するとともに最適な適合度を確実にする。その折り畳み配置構成の高さの結果として、おむつ要素はかさばる設計を有し、漏れを効果的に防ぐようにおむつと身体との間の空洞を埋める。
【0057】
本発明による積層体は、好ましくは不織布表面の直線的なプリーツを有するとともに良好な反発レジリエンスを有する。ウェブで長手方向において圧力をかけられた積層体の、セットとも呼ばれる伸張の適用後の横断方向の弾性及び塑性変形は、接合面との比例依存性を呈する。本発明による積層体の場合、接合面は減少する。この場合、十分な接着は同時に保持される。好ましくは、本発明による積層体の接着は機械方向(MD)において1N/25mmを超え、同時に交差方向(CD)における弾性が向上する。
【0058】
使用されるロールのウェブ押圧面の減少により両方の要件が達成される。本発明の一変形形態において、ロールのウェブには破砕部分が設けられる、すなわち突き破られる。
【0059】
好ましくは、この場合、平行なウェブ及び谷部を備えたロールが使用される。ウェブ及び谷部を有し波形の谷部が付いている同一の規模のロールが特に有利であることが分かっている。これらは好ましくは、約30~100mmの周波数で約1~6mmの振幅を有する。約0.5~10mmの深さで波形の谷部が付いているロールは、互いに係合し、相互に係合するやり方で同一の規模及び速度で反対の方向に転動する。
【0060】
平行な又は波形のウェブを備えたロールの使用が特に好ましいことが分かっており、ウェブは円周方向において断続的な高さプロファイルを有する。
【0061】
本発明のさらなる利点及び特徴は、図面を参照した例示的な実施形態の説明及び図面自体から明らかとなる。
【図面の簡単な説明】
【0062】
【
図2】中断部の配置構成の第1変形形態を備えたおむつ要素の概略上面図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0063】
図1によると、積層体は、弾性層1と波形の不織布布帛でできている不織布層2とを含む。この不織布布帛は水流交絡不織布布帛であり、連続的なフィラメントでできているスパンボンド式不織布が例示的な実施形態において使用される。本発明によると、不織布布帛は、弾性層1への接続前に波形にさせられる。接続領域5が波形の不織布布帛2と弾性層1との間に形成するように、弾性層1が波形の不織布層2へ押出加工された後で、不織布布帛の凹みが融解した弾性層1へ押し込まれる。
【0064】
例示的な実施形態において、弾性層1は、コア層3と「外皮層」の形で構成されるさらなる層4とを有する多積共押出成形フィルムとして実現される。さらなる層4に対するコア層3の厚さの比は好ましくは8:1超、特に10:1超、特に12:1超である。外皮層4は好ましくは1~3g/m2の重量を有する。
【0065】
コア層3は好ましくは熱可塑性ポリマーからなる。この場合、例えばExxon Vistamaxx(PP-based)製品シリーズ:VM6102若しくはVM6202若しくはVM7810及び/又はDow Infuse(PE-based)製品シリーズ:Infuse9507、Infuse9107のポリプロピレン-ポリエチレンブロックコポリマーを使用することがより望ましい。
【0066】
外層4は好ましくはポリオレフィン又はエチレン-ビニルアセテートコポリマー(EVA)からなる。外層4は、コア層3とは対照的に「粘着性」ではなく、したがって、不必要な接着を防ぐ。
【0067】
本発明によると、積層体は接続領域5とリザーブ領域6とを含む。リザーブ領域6は弾性層1へ接合しないか極めて弱く接合するのみであり、好ましくは空洞7を囲む。
【0068】
例示的な実施形態において、不織布を波形にするとともに波形の不織布層2の凹みを融解した弾性層1に押し込むロールのウェブ対谷部比は1:6であり、ウェブ幅は好ましくは0.5mmであり谷部幅は好ましくは3mmである。
【0069】
例示的な実施形態において、本発明による接続領域5は異なるゾーン8、9を有する。
【0070】
弾性層が不織布層2を貫通しないように外部ゾーン9には弾性材料が無い。不織布でできている層2のフィラメントが初期に融解しないように、外部ゾーン8における不織布材料は外側から熱的影響を受けない。
【0071】
接続領域5の内部ゾーン8において固化された弾性材料及び不織布材料のフォームフィッティング接合がある。例示的な実施形態において、不織布材料もまたこの場合において内部ゾーン8において初期に融解されない。フォームフィッティング接合が固化後に作られるように、水流交絡不織布布帛の連続的なフィラメントは弾性融解物へ単に押し込まれる。この場合、接続プロセス中、水流交絡不織布布帛の連続的なフィラメント自体は大部分影響を受けないままとなる。それらは単に弾性層1の融解材料に囲まれるだけである。
【0072】
弾性材料の固化後、内部ゾーン8において不織布材料及び弾性層1の固化材料のフォームフィッティング接合がある。
【0073】
図示された積層体はロールの対の間で一緒に接続され、その場合、図面を見ると、隆起部を備えた賦形ロールが不織布層2を弾性層1内へ上から及び下から押し、滑らかな表面を備えた嵌め合いロールが配置されている。図示の積層体の製造において、チルロールが嵌め合いロールとして使用される。チルロールはスチールロールである。上から作用するロールは非冷却ロールである。
【0074】
接続のために使用されるロールはある間隔で駆動され、固定された間隔が設定される。
【0075】
積層体は好ましくは、10g/m2超、特に20g/m2超、好ましくは30g/m2超及び/又は200g/m2未満、特に150g/m2未満、好ましくは100g/m2未満は単位面積当たりの比重を有する。
【0076】
例示的な実施形態において、接続領域5及びリザーブ領域6はストリップ状の設計のものであり、ストリップはおむつ要素の引張方向に対して横断方向に延びる。
【0077】
接続領域5のストリップは0.1~1mmの幅を有する。例示的な実施形態において、接続領域5は0.5mmの幅を有する。
【0078】
不織布層2と弾性層1との間に接続の無いリザーブ領域6のストリップは、2~6mmの幅を有する。例示的な実施形態において、リザーブ領域6は3mmの幅を有する。例示的な実施形態において、接続領域5は、したがって、平らで、伸張されていない弾性層1の表面に対して0.5/3.5=14.3%の割合を有し、リザーブ領域6は3/3.5=85.7%の割合を有する。
【0079】
図2は、中断部の配置構成の第1変形形態を備えたおむつ要素の概略上面図を示す。接続領域5は引張方向に対して横断方向に延在するとともに、本発明によると、中断部10を有する。接続領域5は破線として実現され、破線間の間隔11は例示的な実施形態において約3mmである。図面において上向き及び下向きを指すブロック矢印は、おむつ要素の装着中の引張方向を示す。
【国際調査報告】