(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-02-20
(54)【発明の名称】コンバージョンプレス及びタブストックフィーダーアセンブリ
(51)【国際特許分類】
B21D 43/09 20060101AFI20230213BHJP
B21D 51/44 20060101ALI20230213BHJP
【FI】
B21D43/09 F
B21D51/44 C
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022535598
(86)(22)【出願日】2020-12-01
(85)【翻訳文提出日】2022-08-08
(86)【国際出願番号】 US2020062641
(87)【国際公開番号】W WO2021118825
(87)【国際公開日】2021-06-17
(32)【優先日】2019-12-12
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】505257497
【氏名又は名称】ストール マシーナリ カンパニー,エルエルシー
【氏名又は名称原語表記】Stolle Machinery Company,LLC
(74)【代理人】
【識別番号】110001438
【氏名又は名称】弁理士法人 丸山国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】スタメン,デニス シー.
(72)【発明者】
【氏名】ホーヘンカンプ,アンドリュー ティー.
(72)【発明者】
【氏名】ミッチェル,マーク アール.
(57)【要約】
【解決手段】プレス10用のタブストックフィーダーアセンブリ20は、複数の支持要素22、複数の回転要素24、及び幾つかの作動要素26を含む。各回転要素24は、関連する支持要素22に回転可能に結合されている。各作動要素26は、支持要素22又は回転要素24の少なくとも一方に結合され、各作動要素26は、回転要素24と係合するように構成されている。タブストックフィーダーアセンブリ20は、複数の摩耗低減要素32を含む摩耗低減アセンブリ(30)を更に含む。複数の支持要素22は、回転要素24と関連する支持要素22との間に配置された少なくとも一つの摩耗低減アセンブリ摩耗低減要素32を有する。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
プレス(10)用のタブストックフィーダーアセンブリ(20)であって、前記タブストックフィーダーアセンブリ(20)は、
複数の支持要素(22)と、
複数の回転要素(24)と、
幾つかの作動要素(26)と、
複数の摩耗低減要素(32)を含む摩耗低減アセンブリ(30)と、
を備えており、
各回転要素(24)は、関連する支持要素(22)に回転可能に結合されており、
各作動要素(24)は、前記複数の支持要素(22)の少なくとも一つ又は前記複数の回転要素(24)の少なくとも一つに結合されており、
各作動要素(26)は、回転要素(24)と係合するように構成されており、
複数の支持要素(22)は、回転要素(24)と関連する支持要素(22)との間に配置された少なくとも一つの摩耗低減アセンブリ摩耗低減要素を有する、タブストックフィーダーアセンブリ。
【請求項2】
前記複数の摩耗低減要素(32)は、幾つかのボールベアリング(150)と幾つかのワンウェイクラッチ装置(160)とを含む、請求項1に記載のタブストックフィーダーアセンブリ。
【請求項3】
前記ワンウェイクラッチ装置(160)はワンウェイクラッチベアリング(162)であり、
前記ワンウェイクラッチベアリング(162)は、内側レース(164)と、外側レース(166)と、それらの間にある複数の非球面ベアリング要素(168)とを含む、請求項2に記載のタブストックフィーダーアセンブリ。
【請求項4】
前記複数の支持要素(22)は、ベース(40)とリフト部材アセンブリ(42)とを含んでおり、
前記複数の回転要素(24)は、前記リフト部材アセンブリ(42)とカム部材(44)とを含んでおり、
前記複数の作動要素(26)はカムフォロア(46)を含んでおり、
前記カム部材(44)は、前記ベース(40)に回転可能に結合されており、
前記リフト部材アセンブリ(42)は、前記ベース(40)に回転可能に結合されており、
前記カムフォロア(46)は、前記リフト部材アセンブリ(42)に結合されており、そして、前記カム部材(44)と作動的に係合するように構成されており、
前記カム部材(44)は、前記ベース(40)に対して回転し、前記カムフォロア(46)と作動的に係合するように構成されており、それによって、前記リフト部材アセンブリ(42)は、前記リフト部材アセンブリ(42)が前記ベース(40)に概ね隣接する第1の位置と、前記リフト部材アセンブリ(42)が前記ベース(40)から概ね離れている第2の位置との間を往復枢動動作で動くように構成されており、
前記複数の摩耗低減要素(32)は、幾つかの球面ベアリング(150)と幾つかのワンウェイクラッチ装置(160)とを含む、請求項1に記載のタブストックフィーダーアセンブリ。
【請求項5】
前記リフト部材アセンブリ(42)は、ヒンジピン(64)と複数のヒンジスリーブ(62)とを含んでおり、
前記ベース(40)は、複数のヒンジスリーブ(52)を含んでおり、
前記リフト部材アセンブリのヒンジピン(64)は、前記リフト部材アセンブリの複数のヒンジスリーブ(62)及び前記ベースの複数のヒンジスリーブ(52)を通って延び、それによって前記リフト部材アセンブリ(42)を前記ベース(40)に枢動可能に結合しており、
ワンウェイクラッチ装置(160)が、前記リフト部材アセンブリのヒンジピン(64)と前記リフト部材アセンブリの複数のヒンジスリーブ(62)の少なくとも一つとの間に配置されており、
前記ワンウェイクラッチ装置(160)は、前記リフト部材アセンブリ(42)が前記第1の位置と前記第2の位置の間で動くと、前記リフト部材アセンブリのヒンジピン(64)を回転させるように構成されている、請求項4に記載のタブストックフィーダーアセンブリ。
【請求項6】
前記ワンウェイクラッチ装置(160)はワンウェイクラッチベアリング(162)であり、
前記ワンウェイクラッチベアリング(162)は、内側レース(164)と、外側レース(166)と、それらの間にある複数の非球面ベアリング要素(168)とを含む、請求項5に記載のタブストックフィーダーアセンブリ。
【請求項7】
前記複数の支持要素(22)は、ベース(40)と、リフト部材アセンブリ(42)と、支持アーム(80)とを含んでおり、
前記複数の回転要素(24)は、前記リフト部材アセンブリ(42)と、カム部材(44)と、バイアスローラアセンブリ(90)とを含んでおり、
前記複数の作動要素(26)はカムフォロア(46)を含んでおり、
前記カム部材(44)は、前記ベース(40)に回転可能に結合されており、
前記リフト部材アセンブリ(42)は、前記ベース(40)に回転可能に結合されており、
前記カムフォロア(46)は、前記リフト部材アセンブリ(42)に結合されており、そして、前記カム部材(44)と作動的に係合するように構成されており、
前記カム部材(44)は、前記ベース(40)に対して回転し、そして、前記カムフォロア(46)と作動的に係合するように構成されており、それによって、前記リフト部材アセンブリ(42)は、前記リフト部材アセンブリ(42)が前記ベース(40)に実質的に隣接する第1の位置と、前記リフト部材アセンブリ(42)が前記ベース(40)から実質的に離れている第2の位置との間を往復枢動動作で動くように構成されており、
前記支持アーム(80)は、通路(88)を規定する本体(82)を含んでおり、
前記支持アーム(80)は、前記リフト部材アセンブリ(42)に結合されており、
前記バイアスローラアセンブリ(90)は、第1のローラ(92)と、軸体(94)と、第2のローラ(96)とを含んでおり、
前記バイアスローラアセンブリの軸体(94)は、前記支持アームの通路(88)内に回転可能に配置されており、
前記複数の摩耗低減要素(32)は、幾つかの球面ローラベアリング(170)と幾つかのボールベアリング(172)とを含む、請求項1に記載のタブストックフィーダーアセンブリ。
【請求項8】
前記バイアスローラアセンブリの軸体(94)と前記支持アーム(80)との間に、球面ローラベアリング(170)が配置されている、請求項7に記載のタブストックフィーダーアセンブリ。
【請求項9】
前記バイアスローラアセンブリ(94)は動作リミッタ(130)を含んでおり、
前記バイアスローラアセンブリの動作リミッタ(130)は、前記バイアスローラアセンブリ(94)の一つの軸回りでの前記支持アーム(80)に対する前記バイアスローラアセンブリ(94)の回転を制限するように構成されている、請求項8に記載のタブストックフィーダーアセンブリ。
【請求項10】
前記支持アーム(80)は、縦方向軸を有している延設された本体(82)を含んでおり、
前記バイアスローラアセンブリの動作リミッタ(130)は、前記支持アーム(80)の縦方向軸に平行な軸回りでの前記バイアスローラアセンブリ(94)の回転を制限するように構成されている、請求項9に記載のタブストックフィーダーアセンブリ。
【請求項11】
プレス(10)であって、
上側ツーリング(12)と、
下側ツーリング(14)と、
タブストックフィーダーアセンブリ(20)と、
を備えており、前記タブストックフィーダーアセンブリ(20)は、
複数の支持要素(22)と、
複数の回転要素(24)と、
幾つかの作動要素(26)と、
複数の摩耗低減要素(32)を含む摩耗低減アセンブリ(30)と、
を備えており、
各回転要素(24)は、関連する支持要素(22)に回転可能に結合されており、
各作動要素(26)は、前記複数の支持要素(22)の少なくとも一つ又は前記複数の回転要素(24)の少なくとも一つに結合されており、各作動要素(26)は、回転要素(24)と係合するように構成されており、
複数の支持要素(22)は、回転要素(24)と関連する支持要素(22)との間に配置された少なくとも一つの摩耗低減アセンブリ摩耗低減要素(32)を有しており、前記タブストックフィーダーアセンブリ(20)は、前記上側ツーリング(12)と前記下側ツーリング(14)との間にタブストックを供給するように構成されている、プレス。
【請求項12】
前記複数の摩耗低減要素(32)は、幾つかのボールベアリング(150)と幾つかのワンウェイクラッチ装置(160)とを含む、請求項11に記載のプレス。
【請求項13】
前記ワンウェイクラッチ装置(160)はワンウェイクラッチベアリング(162)であり、
前記ワンウェイクラッチベアリング(162)は、内側レース(164)と、外側レース(166)と、それらの間にある複数の非球面ベアリング要素(168)とを含む、請求項12に記載のプレス。
【請求項14】
前記複数の支持要素(22)は、ベース(40)とリフト部材アセンブリ(42)とを含んでおり、
前記複数の回転要素(24)は、前記リフト部材アセンブリ(42)と、カム部材(44)とを含んでおり、
前記複数の作動要素(26)はカムフォロア(46)を含んでおり、
前記カム部材(44)は、前記ベース(40)に回転可能に結合されており、
前記リフト部材アセンブリ(42)は、前記ベース(40)に回転可能に結合されており、
前記カムフォロア(46)は、前記リフト部材アセンブリ(42)に結合されており、前記カム部材(44)と作動的に係合するように構成されており、
前記カム部材(44)は、前記ベース(40)に対して回転し、前記カムフォロア(46)と作動的に係合するように構成されており、それによって、前記リフト部材アセンブリ(42)は、前記リフト部材アセンブリ(42)が前記ベース(40)に概ね隣接する第1の位置と、前記リフト部材アセンブリ(42)が前記ベース(40)から概ね離れている第2の位置との間を往復枢動動作で動くように構成されており、
前記複数の摩耗低減要素(32)は、幾つかの球面ベアリング(150)と幾つかのワンウェイクラッチ装置(160)とを含む、請求項11に記載のプレス。
【請求項15】
前記リフト部材アセンブリ(42)は、ヒンジピン(64)と複数のヒンジスリーブ(62)とを含んでおり、
前記ベース(40)は複数のヒンジスリーブ(52)を含んでおり、
前記リフト部材アセンブリのヒンジピン(64)は、前記リフト部材アセンブリの複数のヒンジスリーブ(62)及び前記ベースの複数のヒンジスリーブ(52)を通って延び、それによって前記リフト部材アセンブリ(42)を前記ベース(40)に枢動可能に結合しており、
ワンウェイクラッチ装置(160)が、前記リフト部材アセンブリのヒンジピン(64)と前記リフト部材アセンブリの複数のヒンジスリーブ(62)の少なくとも一つとの間に配置されており、
前記ワンウェイクラッチ装置(160)は、前記リフト部材アセンブリ(42)が前記第1の位置と前記第2の位置の間で動くと、前記リフト部材アセンブリのヒンジピン(64)を回転させるように構成されている、請求項14に記載のプレス。
【請求項16】
前記ワンウェイクラッチ装置(160)はワンウェイクラッチベアリング(162)であり、
前記ワンウェイクラッチベアリング(162)は、内側レース(164)と、外側レース(166)と、それらの間にある複数の非球面ベアリング要素(168)とを含む、請求項15に記載のプレス。
【請求項17】
前記複数の支持要素(22)は、ベース(40)と、リフト部材アセンブリ(42)と、支持アーム(80)とを含んでおり、
前記複数の回転要素(24)は、前記リフト部材アセンブリ(42)と、カム部材(44)と、バイアスローラアセンブリ(90)とを含んでおり、
前記複数の作動要素(26)はカムフォロア(46)を含んでおり、
前記カム部材(44)は、前記ベース(40)に回転可能に結合されており、
前記リフト部材アセンブリ(42)は、前記ベース(40)に回転可能に結合されており、
前記カムフォロア(46)は、前記リフト部材アセンブリ(42)に結合されており、そして、前記カム部材(44)と作動的に係合するように構成されており、
前記カム部材(44)は、前記ベース(40)に対して回転し、そして、前記カムフォロア(46)と作動的に係合するように構成されており、それによって、前記リフト部材アセンブリ(42)は、前記リフト部材アセンブリ(42)が前記ベース(40)に実質的に隣接する第1の位置と、前記リフト部材アセンブリ(42)が前記ベース(40)から実質的に離れている第2の位置との間を往復枢動動作で動くように構成されており、
前記支持アーム(80)は、通路(88)を規定する本体(82)を含んでおり、
前記支持アーム(80)は、前記リフト部材アセンブリ(42)に結合されており、
前記バイアスローラアセンブリ(90)は、第1のローラ(92)と、軸体(94)と、第2のローラ(96)とを含んでおり、
前記バイアスローラアセンブリの軸体(94)は、前記支持アーム通路(88)内に回転可能に配置されており、
前記複数の摩耗低減要素(32)は、幾つかの球面ローラベアリング(170)と幾つかのボールベアリング(150)とを含む、請求項11に記載のプレス。
【請求項18】
前記バイアスローラアセンブリの軸体(94)と前記支持アーム(80)との間に、球面ローラベアリング(170)が配置されている、請求項17に記載のプレス。
【請求項19】
前記バイアスローラアセンブリ(90)は動作リミッタ(130)を含んでおり、
前記バイアスローラアセンブリの動作リミッタ(130)は、前記バイアスローラアセンブリの一つの軸回りでの前記支持アーム(80)に対する前記バイアスローラアセンブリ(90)の回転を制限するように構成されている、請求項18に記載のプレス。
【請求項20】
前記支持アーム(80)は、縦方向軸を有している延設された本体(82)を含んでおり、
前記バイアスローラアセンブリの動作リミッタ(130)は、前記支持アーム(80)の縦方向軸に平行な軸回りでの前記バイアスローラアセンブリ(90)の回転を制限するように構成されている、請求項19に記載のプレス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
<関連出願の相互参照>
本願は、2019年12月12日に出願された米国特許出願第16/711,585号、発明の名称「CONVERSION PRESS AND TAB STOCK FEEDER ASSEMBLY THEREFOR」の優先権を主張するものである。
【0002】
<発明の分野>
開示される概念は、コンバージョンプレスなどのプレス用のタブストックフィーダーアセンブリに関しており、より具体的には、摩耗低減アセンブリを含むタブストックフィーダーアセンブリに関する。
【背景技術】
【0003】
公知のように、限定ではないが、飲料缶やビール缶などの金属容器は、ティアパネルとタブ(即ち、プルタブ)を有する缶エンドを含む。つまり、タブは、ティアパネルに隣接する缶エンドに枢動可能に結合されている。容器を開けるためには、使用者は、タブの一端を持ち上げて、反対側の端がティアパネルに係合するようにする。タブを付勢することで、ティアパネルの一部が缶エンドの他の部分から分離して、缶エンドに開口が形成される。
【0004】
タブは、タブプレスで、又は、より典型的にはコンバージョンプレスで形成される。コンバージョンプレスとは、缶エンドとタブの両方を成形するように構成されているプレスである。使用するプレスの種類に関係なく、タブは、限定ではないがアルミニウムなどの金属の板又はコイルから形成される。金属板又はコイルの形態の材料は、本明細書では、「タブストック」と称する。即ち、タブストックは、タブストックフィーダーを経由してプレスの成形要素へと移動し、そこで、金属がタブに成形されてシート/コイルから切断されて、(別の金属シート/コイルから又は予め作られたシェルから同時に成形される)缶エンドに結合される。公知のように、成形/切断/結合は、上側(即ち、第1の)ツーリングと下側(即ち、第2の)ツーリングとを有するプレスによって達成される。各ツーリングには、金属を成形するための様々な成形構造体が結合されている。対向する成形構造体の各組は、通常、「ステーション」として識別される。各成形ステーションは、タブ及び/又は缶エンドを部分的に作るように構成されている。つまり、材料はツーリングを通って進み、各ステーションにてタブ/缶エンドの一部が作られる。一般的に、タブは缶エンドに結合される際にのみタブストックから分離される。成形されたシート/コイルから缶エンドが分離される場合、限定ではないが、ベルトコンベアなどのコンベアが缶エンドを移動させる。タブが結合した缶エンドがツーリングの端に到達すると、缶エンドが実質的に完成する。以下、缶エンドに言及することなく、タブの作製について更に詳しく説明する。
【0005】
即ち、下側ツーリングから離間した第1の位置と、下側ツーリングに隣接する第2の成形位置との間で上側ツーリングが往復することにより、タブが作られる。上側ツーリングが第2の位置にある場合において、成形用構造体がタブストックと係合してタブストックを成形することは理解される。更に、公知のように、上側ツーリングが第1の位置にある場合に、タブストックが前進し、タブがステーションによって徐々に作られる。
【0006】
タブストックフィーダーは、タブストックを前進させる構造である。タブストックフィーダーは、上側ツーリングが第2の位置にない場合において、タブストックを移動させるように構成されていることは理解される。つまり、上側ツーリングが第2の位置にある場合、成形用構造体がタブストックに係合していることから、タブストックは前進できない。このように、タブストックフィーダーは、上側ツーリングが第2の位置にない場合にタブストックを前進させ、上側ツーリングが第2の位置にある場合にタブストックとの係合を解除するように構成されている。
【0007】
一般的な実施形態では、タブストックフィーダーは、駆動ホイール、ベース、リフト部材、及びバイアスローラを含む。モータ又は似たような構造が、駆動ホイールに動作可能に結合されており、駆動ホイールを回転させる。リフト部材は、ベースに枢動可能に結合されており、リフト部材がベースに実質的に隣接する第1の位置と、リフト部材がベースから実質的に離れている第2の位置との間で往復枢動動作をするように構成されている。例示的な実施形態では、ベースに結合された回転カム部材が、第1の位置と第2の位置の間でリフト部材を移動させる。バイアスローラは、リフト部材に結合されており、それと共に動く。バイアスローラは、駆動ホイールの概ね上方に配置されている。タブストックは、駆動ホイールとバイアスローラの間に配置される。
【0008】
この構成では、バイアスローラは、タブストックと係合して、タブストックを駆動ホイールに対して付勢する第1の位置と、バイアスローラがタブストックから離れている第2の位置との間を移動する。タブストックが駆動ホイールに対して付勢されていると、駆動ホイールがタブストックを前進させることは理解される。逆に、バイアスローラが第2の位置にある場合には、タブストックは駆動ホイールと作動的に係合せず、前進しない。更に、上側ツーリングがその第1の位置にある(又は、第1の位置に向かって/第1の位置から離れるように移動する)場合、リフト部材/バイアスローラは第1の位置にあり、上側ツーリングがその第2の位置にある場合、リフト部材/バイアスローラは第2の位置にあることは理解される。故に、上述したように、上側ツーリングがその第2の位置にあって、材料が成形されている場合には、タブストックは静止している。上側ツーリングが下側ツーリングから離れている場合には、即ち、上側ツーリングが第1の位置にある(又は、第1の位置に向かって/第1の位置から離れていく)場合、タブストックは動いている。
【0009】
しかしながら、タブストックフィーダーには一般的に、損耗に関する幾つかの問題がある。つまり、可動要素はベアリング又は同様の構造によって隔てられているが、往復運動によって、タブストックフィーダーの幾つかの要素の特定の場所に摩耗が発生する。例えば、リフト部材は、典型的には、一体型ヒンジスリーブとヒンジピンとを含むヒンジアセンブリによってベースに結合されている。言い換えると、リフト部材は、ヒンジピンによってベースに枢動可能に結合されている。リフト部材が第1の位置と第2の位置の間を往復すると、ヒンジスリーブ及びヒンジピンは夫々、特定の場所で摩耗する。即ち、典型的な構成では、ヒンジピンの両端にヒンジスリーブが配置されている。故に、ヒンジスリーブは、ヒンジピンの両端でのみ係合している。更に、組み込まれるヒンジスリーブとヒンジピンとは完全な円筒又は円柱ではないことから、ヒンジスリーブの各々とヒンジピンとの係合は特定の場所で発生する。リフト部材が回転すると、ヒンジスリーブとヒンジピンは、これらの特定の場所で摩耗する。故に、ヒンジスリーブ/ピンの大半はほとんど摩耗していないが、これらの特定の場所では広範囲に摩耗する。これは問題である。
【0010】
更に、バイアスローラは、タブストックを順方向に前進させるのを助けるように構成されている。バイアスローラは、バイアスローラの回転面内に又は回転面に平行に配置された環状ベアリングアセンブリに装着される。環状ベアリングアセンブリは、内側レースと、外側レースと、それらの間のベアリング(例えば、玉ベアリング、ころベアリング)とを有するアセンブリである。環状ベアリングアセンブリは、環状ベアリングアセンブリの回転面における力を緩和するように構成されている。例えば、環状ベアリングアセンブリの回転面内において外側レースに印加される力(及び径方向に正確に印加される力以外)により、外側レースは内側レースに対して回転し、環状ベアリング、ひいてはバイアスローラに印加される力が緩和される。
【0011】
バイアスローラと環状ベアリングアセンブリとは更に、環状ベアリングアセンブリの回転面以外の方向から加えられる力に曝される。このような力は、ころベアリングでは緩和されず、バイアスローラ及びバイアスローラを支持する要素は摩耗する。つまり、直交座標系を使用すると、本明細書では、バイアスローラは「X軸」回りで回転するように構成されている。即ち、「X軸」は、バイアスローラの回転軸に沿って延びる軸である。この軸回りの動きを、本明細書では「ロール」と称する。本明細書では、タブストックが動く方向に沿って「Y軸」が延びている。本明細書では、「Y軸」回りの動きは「ピッチ」と、「Z軸」回りの動きは「ヨー」と呼ばれる。バイアスローラ(及び環状ベアリングアセンブリ)は、「ロール」、即ちX軸回りに回転するように構成されているが、バイアスローラは更に、バイアスローラのピッチ又はヨーを引き起こすであろう力に曝されている。環状ベアリングアセンブリは、これらの方向の力を受け止めるように構成されていないことから、この力は、以下に定義する「回転要素の回転平面以外の平面内で回転要素に加わる力によって起こる摩耗」を引き起こす。これは問題である。更に、バイアスローラがストックに均一に係合するように、バイアスローラはY軸回りに少なくとも僅かに回転することが望ましい。環状ベアリングアセンブリはY軸回りの回転を許容せず、故に、問題である。
【0012】
故に、回転要素及び/又は回転要素を支持する要素の摩耗を低減するように構成された摩耗低減アセンブリを含むプレス用のタブストックフィーダーアセンブリが必要とされている。回転要素と関連する支持要素との間に摩耗低減要素が配置されたプレス用のタブストックフィーダーアセンブリが更に必要にされている。
【発明の概要】
【0013】
これらの要求及びその他の要求は、複数の支持要素と、複数の回転要素と、幾つかの作動要素とを含むプレス用のタブストックフィーダーアセンブリを提供する開示された概念の少なくとも一つの実施形態によって満たされる。各回転要素は、関連する支持要素に回転可能に結合される。各作動要素は、支持要素又は回転要素の少なくとも一方に結合されており、各作動要素は、回転要素と係合するように構成されている。タブストックフィーダーアセンブリは、複数の摩耗低減要素を含む摩耗低減アセンブリを更に含んでいる。複数の支持要素は、回転要素とそれに関連する支持要素との間に配置された少なくとも一つの摩耗低減アセンブリ摩耗低減要素を有する。
【0014】
上記のタブストックフィーダーアセンブリを採用した、コンバージョンプレスのようなプレスも開示される。
【図面の簡単な説明】
【0015】
開示されている概念は、添付図面と併せて読むことで、好適な実施形態に関する以下の説明から十分に理解することができる。
【0016】
【
図1】
図1は、開示された概念の実施形態に基づいたタブストックフィーダーアセンブリを採用するコンバージョンプレスの側面図である。
【
図2】
図2は、
図1のタブストックフィーダーアセンブリの等角図である。
【
図3】
図3は、
図2のタブストックフィーダーアセンブリの一部を示す等角図である。
【
図4】
図4は、
図3のタブストックフィーダーアセンブリの一部を示す平面図である。
【
図5】
図5は、
図4の線5-5に沿って破断した等角断面図である。
【
図6】
図6は、
図4の線6-6に沿って破断した等角断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
図面に示されており、以下の説明に記載されている具体的な要素は単に、開示される概念の例示的な実施形態に過ぎず、例示のためだけに非限定的な例として提供されることは理解される。従って、特定の寸法、向き、アセンブリ、使用される構成要素の数、実施形態の構成、及び本明細書に開示される実施形態のその他の物理的特性は、開示される概念の範囲に関する限定とみなされるべきではない。
【0018】
本明細書で使用される方向表現、例えば、時計回り、反時計回り、左、右、上、下、上方、下方、及びその派生語は、図示される要素の向きに関連しており、請求項に明示されない限り請求項を限定するものではない。
【0019】
本明細書では、「ある」及び「その」の単数形は、文脈上特に明示されない限り、複数形を含む。
【0020】
本明細書では、「[動詞]するように構成された」は、特定された要素又はアセンブリが、特定された動詞を実行するように形成された、サイズ決めされた、配置された、結合された、及び/又は構成された構造を有することを意味する。例えば、「動くように構成された」部材は、別の要素に動作可能に結合されており、その部材を動かす要素を含んでいるか、或いは、当該部材は、別のやり方で別の要素又はアセンブリに応答して動くように構成されている。よって、本明細書では、「[動詞]するように構成された」は、機能ではなく構造を述べている。更に、本明細書では、「[動詞]するように構成された」は、特定された要素又はアセンブリが、特定された動詞を実行するように意図及び設計されることを意味する。よって、特定された動詞を単に実行できるだけで、特定された動詞を実行するように意図及び設計されていない要素は、「[動詞]するように構成され」ていない。
【0021】
本明細書では、限定ではないが、「[X]は[Y]を[動詞]するように構成されている」のような用語において、「[Y]」は言及される構成要素ではない。むしろ、「[Y]」は、「[X]」の構造を更に規定する。つまり、次の2つの例では、「[X]」が「マウント」であり、「[動詞]」が「支持する」と仮定する。第1の例では、完全な表現は、「飛ぶ鳥を支持するように構成されたマウント」である。つまり、この例では、「[Y]」は「飛ぶ鳥」である。飛ぶ鳥は、泳ぐ/歩く鳥とは対照的に、通常、枝を掴んで支えることは知られている。従って、マウント、即ち「[X]」が、飛ぶ鳥を支えるように「構成されている」ためには、マウントは、飛ぶ鳥が枝のように掴むことができるような形状と大きさにされる。しかしながら、これは、鳥を構成要素としているわけではない。第2の例では、「[Y]」は家であり、つまり、第2の例示的な表現は、「家を支えるように構成されたマウント」である。この例では、家が基礎で支えられることはよく知られており、マウントは基礎として構成されている。先と同じく、家が構成要素にされているのではなく、マウントの形状、サイズ、及び構成が、即ち、「[X]は[Y]を[動詞]するように構成されている」における[X]の形状、サイズ、構成が定義されているのである。
【0022】
本明細書では、「関連する」は、要素が同じアセンブリの一部である、及び/又は共に動作する、又は何らかの方法で相互に作用することを意味する。例えば、自動車は4つのタイヤと4つのハブキャップとを有する。全ての要素が自動車の部品と結合されているが、各ハブキャップは特定のタイヤと「関連する」と理解される。
【0023】
本明細書では、「結合アセンブリ」は、2つの又は2つを超えるカップリング若しくはカップリング構成要素を含む。カップリング又は結合アセンブリの構成要素は概して、同じ要素又は他の構成要素の一部ではない。よって、「結合アセンブリ」の構成要素は、以下の説明で同時に記載されないことがある。
【0024】
本明細書では、「カップリング」又は「カップリング構成要素」は、結合アセンブリの1又は複数の構成要素である。つまり、結合アセンブリは、互いに結合されるように構成された少なくとも2つの構成要素を含む。結合アセンブリの構成要素は、相互に適合可能であると理解される。例えば、結合アセンブリでは、一方のカップリング構成要素がスナップソケットである場合には、他方のカップリング構成要素はスナッププラグであって、一方のカップリング構成要素がボルトである場合には、他方のカップリング構成要素は(ボルトが延びる開口と共に)ナット又はねじ穴を含む。
【0025】
本明細書では、「締結具」は、2つ以上の要素を結合するように構成された別個の構成要素である。よって、例えば、ボルトは「締結具」であるが、さねはぎ(tongue-and-groove)継ぎは「締結具」ではない。つまり、さねはぎ要素は、結合されている要素の一部であって、別個の構成要素ではない。
【0026】
本明細書では、2つ以上の部品又は構成要素が「結合」されている旨の記載は、繋がりが発生する限りにおいて、直接又は間接的に、即ち1又は複数の中間部品又は構成要素を介して部品が結合される、又は一緒に動作することを意味する。本明細書では、「直接結合される」は、2つの要素が互いに直接接触することを意味する。本明細書では、「固定的に結合される」又は「固定される」は、2つの構成要素が、互いに対して一定の向きを維持しながら移動するように結合されることを意味する。従って、2つの要素が結合されると、これらの要素の全ての部分が結合される。しかしながら、第1の要素の特定の部分が第2の要素に結合される、例えば、車軸の第1の端部が第1の車輪に結合されるという記述は、第1の要素の特定の部分が、その他の部分よりも第2の要素に近い位置に配置されることを意味する。更に、重力によってのみ別の物体上の適所に載置されている物体は、上側の物体がそれ以外の方法でほぼ適所に保持されない限り、下側の物体に「結合」されていない。つまり、例えば、テーブル上の本はテーブルに結合されていないが、テーブルに糊付けされた本はテーブルに結合されている。
【0027】
本明細書では、「着脱可能に結合される」又は「一時的に結合される」という表現は、ある構成要素が別の構成要素に実質的に一時的に結合されることを意味する。つまり、2つの構成要素は、構成要素どうしの接合又は分離が容易であり、構成要素にダメージを及ぼさないように結合される。例えば、限られた数の、容易にアクセス可能な締結具、即ち、アクセスが難しくない締結具によって相互に固定された2つの構成要素は、「着脱可能に結合され」ており、溶接された、又はアクセスが困難な締結具によって接合された2つの構成要素は、「着脱可能に結合され」ていない。「アクセスが困難な締結具」は、締結具へのアクセス前に1又は複数の他の構成要素を取り外す必要がある締結具のことであり、「他の構成要素」は、限定はされないが、例えばドアなどのアクセス手段ではない。
【0028】
本明細書では、「動作可能に結合される」は、第1の位置と第2の位置の間で、又は第1の位置と第2の位置の間で移動可能な複数の要素又はアセンブリが、第1の要素が一方の位置/配置から他方の位置/配置に動き、第2の要素も両者の位置/配置間で動くように結合されることを意味する。なお、逆が成り立たないように、第1の要素が別の要素に「動作可能に結合され」てもよい。電子機器に関しては、第1の電子機器が第2の電子機器に信号又は電流を送って第2の電子機器を作動させる、さもなければ給電する又はアクティブにするように構成されている場合、第1の電子機器は第2の電子機器に「動作可能に結合され」ている。
【0029】
本明細書では、「一時的に配置される」は、第1の要素を分離すること又はそれ以外の形で操作することなく第1の要素/アセンブリを動かせるように、第1の要素又はアセンブリが第2の要素又はアセンブリにあることを意味する。例えば、テーブルに単に載っている本、即ち、テーブルに糊付け又は固定されていない本は、テーブルに「一時的に配置される」。
【0030】
本明細書では、2つの又は2つを超える部品又は構成要素が相互に「係合する」という表現は、それらの要素が、直接的に、或いは、1又は複数の中間要素若しくは構成要素を介して相互に力を及ぼすこと、又は付勢することを意味する。更に、移動する部品について、本明細書では、移動する部品は、ある位置から別の位置への移動中に別の要素に「係合し」てよく、及び/又は、一旦記載された位置に至ると別の要素に「係合し」てよい。故に、「要素Aは、要素の第1の位置に移動すると、要素Bに係合する」と、「要素Aは、要素の第1の位置にあると、要素Bに係合する」とは等価の表現であり、この表現は、要素Aは、要素の第1の位置に移動する間に要素Bに係合する、及び/又は、要素の第1の位置にある間に要素Bに係合することを意味すると理解される。
【0031】
本明細書では、「作動的に係合する」は、「係合し、移動する」ことを意味する。つまり、「作動的に係合する」は、移動可能又は回転可能な第2の構成要素を動かすように構成された第1の構成要素について使用される場合、第1の構成要素が、第2の構成要素を動かすために十分な力を加えることを意味する。例えば、ねじ回しは、ねじと接触させて配置できる。力がねじ回しに加えられないと、ねじ回しは、単にねじに「一時的に結合される」だけである。軸方向の力がねじ回しに加えられると、ねじ回しがねじに押しつけられて、ねじに「係合する」。しかしながら、回転力がねじ回しに加えられると、ねじ回しは、ねじに「作動的に係合し」て、ねじを回転させる。更に、電子部品の場合、「作動的に係合する」とは、ある部品が制御信号又は電流によって別の部品を制御することを意味する。
【0032】
本明細書では、「[x]が第1の位置と第2の位置との間を移動する」、又は「[y]が、第1の位置と第2の位置との間で[x]を移動させるように構成される」という表現において、「[x]」は、要素又はアセンブリの名称である。更に、[x]が複数の位置の間で移動する要素又はアセンブリである場合、「その」という代名詞は、「[x]」、即ち、「その」という代名詞の後に言及される要素又はアセンブリを意味する。
【0033】
本明細書では、「対応する」は、2つの構造構成要素が相互に類似したサイズと形状を有し、最小摩擦量で結合できることを示す。故に、部材に「対応する」開口は、その部材が最小摩擦量で開口を通過できるように、部材よりも僅かに大きいサイズを有する。この定義は、2つの構成要素が「ぴったりと」嵌まる場合には変更される。かかる状況では、構成要素間の寸法差が更に小さくなることで、摩擦量が増加する。開口を画定する要素及び/又は開口に挿入される構成要素が、変形可能又は圧縮可能な材料から作られている場合、開口は、開口に挿入される構成要素よりも僅かに小さくてよい。表面、形状、及び線に関して、2つ以上の「対応する」表面、形状、又は線はほぼ同一のサイズ、形状、及び輪郭を有する。可動又は設定可能な要素/アセンブリについて、「対応する」は、要素/アセンブリが関連しており、一方の要素/アセンブリが移動する/再設定されると、他方の要素/アセンブリも所定の方法で移動する/再設定されることを意味する。例えば、中央支点と細長い板とを含むレバー、即ち「シーソー」又は「ティータートッター」は、板は第1の端と第2の端とを有している。板の第1の端が上昇位置にあると、板の第2の端は下降位置にある。板の第1の端が下降位置に移動すると、板の第2の端が「対応する」上昇位置に移動する。また、エンジンのカムシャフトは、第1のピストンに動作可能に結合される第1のローブを有する。第1のローブ(lobe)が上方に移動すると、第1のピストンが「対応する」上方位置に移動し、第1のローブが下方に移動すると、第1のピストンは「対応する」下方位置に移動する。
【0034】
本明細書では、「移動経路」又は「経路」は、移動する要素に関連して使用される場合、移動中に要素が通る空間を含む。よって、移動する要素は、「移動経路」又は「経路」を本質的に有する。更に、「移動経路」又は「経路」は、識別可能な1つの構造体における、別の物体に対する全体としての動きに関連している。例えば、道路が完全に滑らかである仮定すると、自動車の回転する車輪(識別可能な構造体)は、自動車の車体(別の物体)に対してほとんど移動しない。即ち、車輪は全体として、例えば隣接するフェンダーに対して位置を変えない。故に、回転する車輪には、自動車の車体に対する「移動経路」又は「経路」はない。逆に、その車輪の空気吸入弁(識別可能な構造体)には、自動車の車体に対する「移動経路」又は「経路」がある。つまり、車輪が回転して動いている間、吸気弁全体は、自動車の車体に対して移動する。
【0035】
本明細書では、「板状体」又は「板状部材」は、概ね薄い要素であって、対向しており、広くて概ね平行な表面、即ち、板状部材の平面と、広い平行な表面の間で延びるより細い端面とを含んでいる。即ち、本明細書では、「板状」要素が2つの対向する平面を有しており、それらの間に端面が延びることが本質的である。外周、そして端面は、例えば、クレジットカードのような長方形の板状部材の場合のように概ね真っ直ぐな部分を含んでよく、又は、コインのような円盤の場合のように曲ってよく、又は他の任意の形状を有してよい。
【0036】
本明細書では、「一体型」という文言は、単一の片又はユニットとして作製されている構成要素を意味する。つまり、別個に作製された後に互いにユニットとして結合された複数の片を含む構成要素は、「一体型」構成要素又は「一体型」構造体ではない。
【0037】
本明細書では、「一体化された」とは、アセンブリの全ての要素が単一の場所及び/又は単一のハウジング、フレーム若しくは同様の構造体に配置されることを意味する。
【0038】
本明細書では、用語「幾つか」は、1又は1よりも大きい整数(即ち、複数)を意味する。即ち、例えば、「幾つかの要素」という語句は、1つの要素又は複数の要素を意味する。「幾つかの[x]」は、単一の[x]を含むことに特に留意のこと。
【0039】
本明細書では、円状体又は円柱体の「径方向側面/面」は、その中心又は中心を通る高さ線の周りに延びる、或いは、その中心又は中心を通る高さ線を囲む側面/面である。本明細書では、円状体又は円柱体の「軸方向側面/面」は、中心を通る高さ線にほぼ垂直に延びる平面内に延びる面である。つまり、一般的には、円柱状スープ缶の場合、「径方向側面/面」は略円状側壁であり、「軸方向側面/面」はスープ缶の頂部と底部である。更に、本明細書では、「径方向に延びる」は、半径方向に延びる、又は、半径方向線に沿って延びることを意味する。即ち、例えば、「径方向に延びる」線は、円又は円柱の中心から径方向側面/面へ向けて延びる。更に、本明細書では、「軸方向に延びる」は、軸方向に延びる、又は、軸線に沿って延びることを意味する。即ち、例えば、「軸方向に延びる」線は、円柱の底部から円柱の頂部へ向かって、円柱の長手方向中心軸と略平行に又はそれに沿って延びる。
【0040】
本明細書では、「張力部材」は、張力に曝されたときに最大長を有するが、それ以外は実質的に柔軟な構造体であって、例えば、鎖やケーブルなどが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0041】
本明細書では「曲線的」とは、複数の曲線部分、曲線部分と平面部分の組合せ、及び複数の直線/平面部分又はセグメントが互いに相対的な角度をもって配置され、それによって曲線を形成している要素を含む。
【0042】
本明細書では、「延設された」要素は、延出方向に延びる長手方向軸及び/又は長手方向線を本質的に含む。
【0043】
本明細書では、「[要素、点、又は軸]を中心に配置される」、又は「[要素、点、又は軸]を中心に延びる」、又は「[要素、点、又は軸]を中心に[X]度」などの表現における「中心に」は、それを中心に囲う、延びる、又は測定されることを意味する。測定値に関連して又はそれに類似した状況で使用される場合、「約」は、「おおよそ」、即ち、当業者によって理解される、測定値に関する近似的な範囲を意味する。
【0044】
本明細書では、「一般的に」は、当業者によって理解されるように、修飾される用語に関連して「一般的な方法で」を意味する。
【0045】
本明細書では、「実質的に」は、当業者であれば理解できるように、修正される用語に関連する「大きな量又は程度によって」を意味する。
【0046】
本明細書では、「にて」は、当業者によって理解されるように、修飾される用語に関連して位置及びその近傍を意味する。
【0047】
本明細書では、「摩耗低減アセンブリ」とは、複数の「摩耗低減要素」を含むアセンブリを意味する。更に、「摩耗低減アセンブリ」であるためには、全ての「摩耗低減要素」は、特定可能な機械的目的を有する機械装置/アセンブリに、又は、幾つかの関連装置/アセンブリに関連付けられる。つまり、例えば自動車の場合、エンジン、トランスミッション、車軸などのドライブトレーンの要素は、車両に動きを与えるという特定可能な機械的目的を有している。故に、自動車のドライブトレーンに関連する「摩耗低減要素」は纏めて、「摩耗低減アセンブリ」とすることができるだろう。逆に、自動車のドライブトレーンの一部である「摩耗低減要素」と自動車のエアコンの一部である「摩耗低減要素」は、自動車のドライブトレーンと自動車のエアコンは同一の「特定可能な機械的目的」を有していないことから、「摩耗低減アセンブリ」を組織することはできない。即ち、本明細書では、「特定可能な機械的目的」とは、機械装置/アセンブリの動作に関連する目的を意味する。つまり、上記の例では、自動車のドライブトレーンは自動車に動きを与えることを目的とし、自動車のエアコンは乗客に快適さを与えることを目的としている。更に、「乗客に快適な移動を提供する」という目的は、機械的要素が「快適」であるはずがないことから、「特定可能な機械的目的」には該当しない。
【0048】
更に、本明細書では、「摩耗低減アセンブリ」であるためには、そのアセンブリはタイプが異なる複数の「摩耗低減要素」を含まなければならない。即ち、ベアリングのみを含むアセンブリは、タイプが異なる複数のベアリングを含むアセンブリでも、全ての「摩耗低減要素」が同じタイプであることから、「摩耗低減アセンブリ」とはならない。
【0049】
本明細書では、「摩耗低減要素」は、特定の場所において他の要素の摩耗を実質的に低減する、及び/又は、主方向の動作に関係した非主方向の力によって生じる摩耗を低減するように構成された要素/アセンブリを意味する。
【0050】
本明細書では、「特定の場所」とは局所的な領域を意味する。例えば、延設された略円形のロッドは、断面で見ると円形に見える。別の要素が、ロッド上にて「1時」の位置でロッドの一端のみにて擦れて、摩耗を引き起こした場合、その摩耗は「特定の場所」にある。別の要素が一端にて360度にわたってロッドに係合する場合、摩耗は「特定の場所」ではない。同様に、別の要素が「1時」の位置で長手方向の長さにわたってロッドと係合した場合、摩耗は「特定の場所」にはない。故に、「特定の場所」とは、当業者であれば理解できるように、係合している要素の総面積に対して小さくて明確に区別できる領域にあることを意味する。
【0051】
更に、本明細書では、「回転要素の回転平面以外の平面内で回転要素に加わる力によって起こる摩耗」とは、回転要素(又は、回転要素を支持する要素)において、その要素の回転面内又はその要素の回転面に実質的に平行な面内に印加されない力によって生じる摩耗を意味する。本明細書では、回転体の「回転面」は、回転体の回転軸に実質的に垂直な面である。更に、本明細書では、環状ベアリングアセンブリは、「回転要素の回転平面以外の平面内で回転要素に加わる力によって起こる摩耗」をせず、故に、先に定義した「摩耗低減要素」ではない。逆に、このような円筒形の部材に配置された球面ベアリングは、任意の方向に加えられる力を緩和する。このように、球面ベアリングは、「回転要素の回転平面以外の平面内で回転要素に加わる力によって起こる摩耗」をするように構成されている。このように、球面ベアリングは、本明細書で言うところの「摩耗低減要素」である。
【0052】
図1には、プレス、例として限定ではなく、コンバージョンプレス10が示されている。公知のように、コンバージョンプレス10は、缶エンド(図示せず)を作るように構成されている。即ち、コンバージョンプレス10は、上側ツーリング12(仮想線図で簡略化して示す)と下側ツーリング14(仮想線図で簡略化して示す)を含んでおり、その各々は、幾つかの成形構造体(符号無し)を支持する。上側ツーリング12は、下側ツーリング14から離れている第1の位置と、上側ツーリング12が下側ツーリング14に隣接している第2の成形位置との間を往復する。即ち、コンバージョンプレス10は、第2の位置にある場合に金属を成形するように構成されている。ストック材料、即ちシート又はコイルの金属(例えば、
図2に簡略化して部分的に示すタブストック200を参照)は、コンバージョンプレス10を通過して缶エンドに成形される。即ち、缶エンドストック材料(又は、幾つかの実施形態ではシェル)は、缶エンドの円盤状本体へと成形される。タブストック材料200は、缶エンド用のタブ(例えば、
図2に簡略化して示されているタブストック材料200の一部に形成されているタブ202を参照)に成形される。例示的な実施形態では、缶エンドストック材料とタブ材料200とは、互いに対して概ね垂直に移動する。タブ202は、作製工程の終了間際に、缶エンド円盤状本体に結合される。
【0053】
タブストック材料200(以下、「タブストック」と称する)は、タブストックフィーダーアセンブリ20によって移動される。即ち、タブストックフィーダーアセンブリ20は、コンバージョンプレス10を通るようにタブストック200を移動させるように構成されている。上述したように、上側ツーリング12が第2の位置にある場合、即ち、タブストック200(
図2)が成形されている最中には、タブストック200は移動しない。故に、タブストックフィーダーアセンブリ20は、コンバージョンプレス10を介してタブストック200をインデックスする(index)、即ち、間欠的に移動させるように構成されている。
【0054】
タブストックフィーダーアセンブリ20は、
図2乃至
図7においてより詳細に示されている。例示的な実施形態において、タブストックフィーダーアセンブリ20は、複数の支持要素22と、複数の回転要素24と、幾つかの作動要素26とを含む。本明細書では、「支持要素」は、「回転要素」を支持する要素である。本明細書では、「回転要素」は、往復枢動動作を含む回転又は枢動を行う要素であって、以下の通りである。「回転要素」は、他の要素を支持することができ、1つの要素は、「支持要素」と「回転要素」の両方であることもあり得る。本明細書では、「作動要素」とは、他の要素と作動可能に係合する要素、又は、他の要素によって作動的に係合される要素をいう。各回転要素24は、関連する支持要素22に回転可能に結合される。即ち、本明細書では、回転要素24が最も密接に結合される、即ち中間要素が最も少ない支持要素22は、「関連する支持要素」22である。各作動要素26は、少なくとも一つの支持要素22又は回転要素24に結合されており、回転要素24と係合するように構成されている。タブストックフィーダーアセンブリ20はまた、複数の摩耗低減要素32を含む摩耗低減アセンブリ30を含む。複数の支持要素22は、回転要素24と関連する支持要素22との間に配置された、少なくとも一つの摩耗低減アセンブリ摩耗低減要素32を有する。
【0055】
例示的な非限定的実施形態では、タブストックフィーダーアセンブリ20及び/又は複数の支持要素22は、ベース40及びリフト部材アセンブリ42を含む。ベース40は、それ自体が動いて(例えば、枢動)してよく、及び/又は、1又は複数の移動要素(例えば、限定ではないが、駆動ホイール28;回転シャフト74)を含むか、備えてよい。タブストックフィーダーアセンブリ20及び/又は複数の回転要素24は、リフト部材アセンブリ42とカム部材44(
図3に最も良く示されている)とを含む。幾つかの作動要素26は、カムフォロア46を含む。ベース40は、略平坦な上面50を含み、リフト部材アセンブリ42は、反対側に略平坦な下面60を含む。
図6の断面図に示すように、ベース40は、複数のヒンジスリーブ52を規定している。リフト部材アセンブリ42は、複数のヒンジスリーブ62を規定している。リフト部材アセンブリ42は、略円筒状のヒンジピン64を更に含む。リフト部材アセンブリヒンジピン64は、別の例示的な非限定的実施形態では、ベース40の一部として特定される。リフト部材アセンブリ42は、リフト部材アセンブリヒンジピン64によってベース40に回転可能に、即ち枢動可能に結合されている。即ち、リフト部材アセンブリヒンジピン64は、ベースの複数のヒンジスリーブ52とリフト部材アセンブリの複数のヒンジスリーブ62の両方に配置される。
【0056】
図3を参照すると、カム部材44は、例示的な非限定的実施形態では、偏心カム、即ち、略円形の物体70であって、円形体70の中心からオフセットされた結合部72、即ち、通路を有する。カム部材44は、回転シャフト74に結合、直接結合、又は固定されている。回転シャフト74は、複数のヒンジスリーブ52の反対側にてベース40を貫通して延びて又はベース40に隣接して配置される。コンバージョンプレス駆動アセンブリ(図示せず)は、回転シャフト74と作動的に係合し、回転シャフト74を回転させる。カムフォロア46は、ホイール76として示されており、カム部材44の反対側で、即ち、カムフォロア46がカム部材44と作動的に係する位置でリフト部材アセンブリ42に結合されており、又は回転可能に結合されている。
【0057】
この構成では、リフト部材アセンブリ42は、リフト部材アセンブリ42がベース40に概ね隣接している第1の位置と、リフト部材アセンブリ42がベース40から概ね離れている第2の位置との間で枢動して往復するように構成されている。即ち、第1の位置では、リフト部材アセンブリ下面60は、ベース上面50と概ね平行であり、かつ、ベース上面50の直ぐ隣にある。第2の位置では、リフト部材アセンブリ下面60は、ベース上面50に対して概して傾いており、従って、リフト部材アセンブリ下面60とベース上面50との間には空間が存在する。カム部材44が回転してカムフォロア46と係合していると、リフト部材アセンブリ42は、第1の位置と第2の位置との間を枢動して往復することは理解される。例示的な非限定的な実施形態では、リフト部材アセンブリ42は、好ましくは、0~10度の間の弧にわたって枢動し、より好ましくは、1度未満で枢動する。上述の方法で相対移動量を減らすと、リフト量を減らして、ひいては関連する必要な力の量を減らせることから、その結果、関連する全ての部品の耐用年数が長くなるという利点があることは理解されるであろう。
【0058】
図2乃至
図7に示すように、タブストックフィーダーアセンブリ20は、駆動ホイール28を更に含む。タブストックフィーダーアセンブリ駆動ホイール28は、コンバージョンプレス駆動アセンブリ(図示せず)と作動的に係合して、ベース40に対して回転する。タブストックフィーダーアセンブリ駆動ホイール28の回転軸は、リフト部材アセンブリヒンジピン64の回転軸と概ね平行に延びている。図示の実施形態では、タブストックフィーダーアセンブリ駆動ホイール28は、リフト部材アセンブリ42の下方に配置される。
【0059】
更に、複数の支持要素22は、支持アーム80を含んでおり、複数の回転要素24は、バイアスローラアセンブリ90を含む。支持アーム80は、リフト部材アセンブリ42に結合され、直接結合され、又は固定されており、それと共に移動する。即ち、支持アーム80は、第1の端部83と第2の端部84を有する延設された本体82(
図7の拡大断面図に最も良く示されている)を含んでいる。支持アーム本体の第1の端部83は、リフト部材アセンブリ42に結合され、直接結合され、又は固定されている。例示的な実施形態において、リフト部材アセンブリ42は、リフト部材アセンブリ42の他の部分から延びる支持アーム取付部86を含む。支持アーム本体の第1の端部83は、支持アーム取付部86に結合、直接結合、又は固定されている。更に、支持アーム本体の第2の端部84は、取付通路88を規定している。支持アーム本体の第2の端部84は、リフト部材アセンブリのヒンジピン64の回転軸に概ね平行に延びる取付通路88を含む。
【0060】
図7に最も良く示されているように、バイアスローラアセンブリ90は、支持アーム本体の第2の端部84に配置されている。バイアスローラアセンブリ90は、第1のローラ92、軸体94、及び第2のローラ96を含む。例示的な実施形態では、バイアスローラアセンブリの軸体94は、2つの部分に分けられており、それら半体は互いに結合されて、バイアスローラアセンブリの軸体94を形成するように構成されている。即ち、例示的な実施形態では、バイアスローラアセンブリ90は、第1のローラ92及び軸体第1半体93を一体として含む第1の構成要素100と、第2のローラ96及び軸体第2半体95を一体として含む第2の構成要素102とを含んでいる。バイアスローラアセンブリの第1の構成要素100及び第2の構成要素102は、バイアスローラアセンブリ90を形成するように結合される。更に、例示的な実施形態では、バイアスローラアセンブリの第1のローラ92及びバイアスローラアセンブリの第2のローラ96は、「ローラ半径」を有する。バイアスローラアセンブリの軸体94は、第1の半径を有する第1の部分110と、第2の半径を有する第2の部分112とを有する。「ローラ半径」は、第1の半径より大きく、且つ、第1の半径は第2の半径より大きい。
【0061】
例示的な非限定的な実施形態において、バイアスローラアセンブリ90は、動作リミッタ130を更に含む。バイアスローラアセンブリの動作リミッタ130は、支持アーム80に対するバイアスローラアセンブリ90の一つの軸回りでのバイアスローラアセンブリ90の回転を制限するように構成されている。即ち、本明細書では、バイアスローラアセンブリ90と支持アーム80の結合は3つの軸を、即ち、バイアスローラアセンブリ90の回転軸に沿って延びる軸である「X軸」と、後述するようにタブストックの移動方向に沿って延びる「Y軸」と、支持アーム80の縦方向軸に沿って、即ちそれに平行に延びる「Z軸」とを含んでいる。例示的な実施形態では、バイアスローラアセンブリの動作リミッタ130は、「Z軸」回りのバイアスローラアセンブリ90の回転を制限するように構成されている。
【0062】
即ち、バイアスローラアセンブリの動作リミッタ130は、第1の環状体132と第2の環状体134とを含む。バイアスローラアセンブリの動作リミッタの第1の環状体132は、バイアスローラアセンブリの第1のローラ92と支持アーム本体の第2の端部84との間に配置される。バイアスローラアセンブリの動作リミッタの第2の環状体134は、バイアスローラアセンブリの第2のローラ96と支持アーム本体の第2の端部84との間に配置される。バイアスローラアセンブリの動作リミッタの環状体132、134の各々は、ローラ92、96と支持アーム本体82、具体的には第2の端部84との間の空間をほぼ満たしている。この構成において、バイアスローラアセンブリの動作リミッタ130は、支持アーム80の縦方向軸に平行な軸、つまり、先に規定した「Z軸」回りにおけるバイアスローラアセンブリ90の回転を制限するように構成されている。
【0063】
バイアスローラアセンブリ90は、バイアスローラアセンブリの軸体94が支持アーム本体の第2の端部の取付通路88に配置されて、組み立てられている。上述したように、バイアスローラアセンブリの動作リミッタの第1の環状体132は、バイアスローラアセンブリの第1のローラ92と支持アーム本体の第2の端部84との間に配置される。バイアスローラアセンブリの動作リミッタの第2の環状体134は、バイアスローラアセンブリの第2のローラ96と支持アーム本体の第2の端部84との間に配置される。金属部品が頻繁に直接係合して、互いに対して動いて著しい摩耗を引き起こす先行技術の設計よりも、摩耗低減を著しく改善して長い耐用年数をもたらすことに加えて、前述のアセンブリは、必要に応じて、比較的迅速且つ容易に、組立、分解、修理、再組立ができることは理解できるであろう。
【0064】
最後に、例示的な実施形態では、タブストックフィーダーアセンブリ20は、ストックガイドアセンブリ140(
図2に最も良く示されている)を含む。
図2に示すように、ストックガイドアセンブリ140は、対向する対で配置された略板状の部材142、144、146、148を含む。即ち、ストックガイドアセンブリの板状部材142とストックガイドアセンブリの板状部材144との間隔は狭く、ストックガイドアセンブリ板状部材146とストックガイドアセンブリの板状部材148との間隔は狭い。ストックガイドアセンブリの板状部材142、144、146、148の間隔は、タブストックの厚さよりも若干大きい。更に、ストックガイドアセンブリの一対の板状部材142、144と一対の板状部材146、148とは、互いに離れて配置される。駆動ホイール28、より具体的には駆動ホイール28の径方向外面(符号無し)は、ストックガイドアセンブリの一対の板状部材142、144及び一対の板状部材146、148の間の隙間に配置される。
【0065】
この構成では、タブストックフィーダーアセンブリ20は概ね、以下のように動作する。タブストック200(簡略化して示されている)は、タブストックガイドアセンブリ140を通って移動し、ストックガイドアセンブリの一対の板状部材142、144及び一対の板状部材146、148の間の隙間に到達する。リフト部材アセンブリ42、従って支持アーム80及びバイアスローラアセンブリ90がそれらの第1の位置に移動すると、バイアスローラアセンブリ90は、回転する駆動ホイール28に対してタブストック200を付勢して、タブストック200をツーリング(例えば、限定されないが
図1の上側ツーリング12及び下側ツーリング14)の方へ、そしてそれらの間に移動するようにする。ツーリング12、14がそれらの第2の位置、即ち成形位置に移動する場合、リフト部材アセンブリ42、従って支持アーム80及びバイアスローラアセンブリ90はそれらの第2の位置に移動する。それらの第2の位置では、バイアスローラアセンブリ90は、タブストック200を駆動ホイール28に対して付勢しない。従って、ツーリング12、14が、第2の成形位置にある場合には、タブストック200は静止している。ツーリング12、14が第1の位置に向かって動くと、リフト部材アセンブリ42、従って支持アーム80及びバイアスローラアセンブリ90は再度第1の位置に移動して、タブストック200を上述したように移動させる。このように、タブストックフィーダーアセンブリ20は、ツーリング12、14がタブストック200をタブ202に成形する際に、及び/又は、タブ202が缶エンド(図示せず)に付けられる際に、タブストック200をインデックスする、即ち断続的に動かすように構成されている。
【0066】
この構成では、タブストックフィーダーアセンブリ20の様々な要素が摩耗する。例えば、
図6を参照すると、リフト部材アセンブリのヒンジピン64は、リフト部材アセンブリ42が好ましくは0乃至10度の間の弧を描いて枢動し、より好ましくは1度未満枢動することから、特定の場所で摩耗する。即ち、摩耗は、ベースの複数のヒンジスリーブ52とリフト部材アセンブリの複数のヒンジスリーブ62とに接触するリフト部材アセンブリのヒンジピン64の領域に制限され、また、動作の弧によって制限される。即ち、摩耗は、リフト部材アセンブリのヒンジピン64の周囲に広がらない。更に、
図2、3、5、6及び7を参照すると、バイアスローラアセンブリ90では、回転要素の回転平面以外の平面で回転要素に加えられる力によって摩耗が生じる。即ち、バイアスローラアセンブリ90は、バイアスローラアセンブリ90の回転平面以外の平面における力に曝される。摩耗低減アセンブリ30は、リフト部材アセンブリのヒンジピン64及びバイアスローラアセンブリ90の摩耗を低減するように構成されている。
【0067】
例示的な実施形態では、摩耗低減アセンブリの複数の摩耗低減要素32は、幾つかのボールベアリング150と幾つかのワンウェイクラッチ装置160とを含む。少なくとも一つのそのような摩耗低減要素32は、
図6の断面図に最も良く示されているように、リフト部材アセンブリのヒンジピン64と、ベースの複数のヒンジスリーブ52及び/又はリフト部材アセンブリの複数のヒンジスリーブ62のうちの少なくとも一方との間に配置される。更に、
図7の拡大断面図に最も良く示されているように、少なくとも一つのそのような摩耗低減要素32は、バイアスローラアセンブリ90と支持アーム80との間に配置される。
【0068】
図6に示すように、例示的な非限定的実施形態では、ワンウェイクラッチ装置160は、リフト部材アセンブリのヒンジピン64とリフト部材アセンブリの1つのヒンジスリーブ62との間に配置される。図示しない一つの実施形態では、ワンウェイクラッチ装置160は、スプリングクラッチ、即ち、リフト部材アセンブリのヒンジピン64周りに螺旋状に配置されたばね状部材である。図示されている実施形態では、ワンウェイクラッチ装置160は、ワンウェイクラッチベアリング162である。ワンウェイクラッチベアリング162は、内側レース164と、外側レース166と、それらの間にある複数の非球面ベアリング要素168とを含む。非球面ベアリング要素168は、典型的には、「スプラグ(sprags)」として特定される。非球面ベアリング要素168は、内側レース164と外側レース166が互いに対して単一の方向に回転するように構成されている。更に、内側レース164は、リフト部材アセンブリのヒンジピン64に固定され、外側レース166は、リフト部材アセンブリのヒンジスリーブ62に固定される。この構成では、リフト部材アセンブリ42が第1の位置と第2の位置の間を往復すると、ワンウェイクラッチベアリング162は、リフト部材アセンブリヒンジピン64を単一方向へ回転させる。即ち、例えば、リフト部材アセンブリ42が第1の位置に向かって移動すると、ワンウェイクラッチベアリングのレース164、166は相対的に回転し、従って、リフト部材アセンブリのヒンジピン64は移動しない。リフト部材アセンブリ42が第2の位置に向かって移動すると、ワンウェイクラッチベアリングのレース164、166は、互いに対して回転しない。内側レース164がリフト部材アセンブリのヒンジピン64に固定され、外側レース166がリフト部材アセンブリのヒンジスリーブ62に固定されていることから、リフト部材アセンブリのヒンジピン64は、リフト部材アセンブリのヒンジスリーブ62に対して回転する。従って、リフト部材アセンブリのヒンジピン64とリフト部材アセンブリのヒンジスリーブ62との間で発生する摩耗は、リフト部材アセンブリのヒンジピン64周りに、即ち、360度発生する。従って、もはや特定の場所で摩耗が発生することはない。これによって、上述した課題は解決される。
【0069】
更に、
図7に示す例示的な非限定的実施形態では、球面ローラベアリング170が、バイアスローラアセンブリ90と支持アーム80との間に配置される。即ち、支持アーム80とバイアスローラアセンブリの軸体の第2の部分112との間で、支持アーム本体の第2の端部の取付通路88に、球面ローラベアリング170が配置されている。この構成では、「Y軸」に沿った力によって、バイアスローラアセンブリ90は「Y軸」回りに回転する。この動作は、バイアスローラアセンブリ90の摩耗を減らし、また、バイアスローラアセンブリ90がタブストック200(
図2)に均一に係合することを可能にする。環状ボールベアリング172のような一対の環状ベアリングアセンブリは、
図7に示すように、上側アーム本体の第2の端部の取付通路88に、バイアスローラアセンブリの軸体の第1の部分110における軸体94の近接する両端の間に配置されることが好ましい。前述の特徴は、個々に、及び/又は、組み合わせて、前述の問題を解決するように機能することは理解されるであろう。
【0070】
発明の具体的な実施形態が詳細に説明されたが、本開示の全体的な教示に照らしてそれらの詳細に対する様々な修正及び代替がなされ得ることは当業者には理解されるであろう。従って、開示された特定の構成は、例示であることのみを意図されており、添付の特許請求の範囲及びその任意の且つ全ての均等物の全範囲として与えられる本発明の範囲に対する限定ではない。
【国際調査報告】