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特表2023-506812エアロゾル発生物品を受容するためのチャンバーを備えたエアロゾル発生装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-02-20
(54)【発明の名称】エアロゾル発生物品を受容するためのチャンバーを備えたエアロゾル発生装置
(51)【国際特許分類】
   A24F 40/42 20200101AFI20230213BHJP
   A24F 40/465 20200101ALI20230213BHJP
   A24F 40/20 20200101ALI20230213BHJP
【FI】
A24F40/42
A24F40/465
A24F40/20
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022536553
(86)(22)【出願日】2020-12-16
(85)【翻訳文提出日】2022-06-14
(86)【国際出願番号】 EP2020086366
(87)【国際公開番号】W WO2021122705
(87)【国際公開日】2021-06-24
(31)【優先権主張番号】19216836.7
(32)【優先日】2019-12-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】596060424
【氏名又は名称】フィリップ・モーリス・プロダクツ・ソシエテ・アノニム
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【弁理士】
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【弁理士】
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100067013
【弁理士】
【氏名又は名称】大塚 文昭
(74)【代理人】
【識別番号】100086771
【弁理士】
【氏名又は名称】西島 孝喜
(74)【代理人】
【識別番号】100109335
【弁理士】
【氏名又は名称】上杉 浩
(74)【代理人】
【識別番号】100120525
【弁理士】
【氏名又は名称】近藤 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100139712
【弁理士】
【氏名又は名称】那須 威夫
(74)【代理人】
【識別番号】100122563
【弁理士】
【氏名又は名称】越柴 絵里
(72)【発明者】
【氏名】バティスタ ルイ ヌーノ
【テーマコード(参考)】
4B162
【Fターム(参考)】
4B162AA03
4B162AA22
4B162AB12
4B162AB22
4B162AC12
4B162AC21
(57)【要約】
エアロゾル発生物品とともに使用するためのエアロゾル発生装置(100)は、エアロゾル発生物品の少なくとも一部分を取り外し可能に受容するためのチャンバー(121)を備える。チャンバー(121)の中心軸(122)に沿って、チャンバー(121)の内表面(130)は、第一の軸方向部分(131)および第二の軸方向部分(132)を含み、第一の軸方向部分(131)は、第二の軸方向部分(132)よりもチャンバー(121)の近位端(124)に近い。第二の軸方向部分(132)は、複数のへこみ(142)を含むディンプル付きであり、複数のへこみ(142)は、第二の軸方向部分(142)の基準面領域から、中心軸(122)から離れる方向に外向きに延びる。第一の軸方向部分(131)は、複数の第一の突出部(141)を含み、複数の第一の突出部(141)は、物品がチャンバー(121)内に受容されたときにエアロゾル発生物品の少なくとも一部分と接触するように構成されており、複数の第一の突出部(141)は、第一の軸方向部分(131)の基準面領域から、第二の軸方向部分(132)の基準面領域を超えて中心軸(122)に向かう方向に延びる。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
エアロゾル発生物品とともに使用するためのエアロゾル発生装置であって、前記エアロゾル発生装置が、前記エアロゾル発生物品の少なくとも一部分を取り外し可能に受容するためのチャンバーを備え、前記チャンバーの中心軸に沿って、前記チャンバーの内表面が、第一の軸方向部分および第二の軸方向部分を含み、前記第一の軸方向部分が、前記第二の軸方向部分よりも前記チャンバーの近位端に近く、前記第二の軸方向部分が、複数のへこみを含むディンプル付きであり、前記複数のへこみが、点状であって、前記第二の軸方向部分の基準面領域から、前記中心軸から離れる方向に外向きに延び、前記第一の軸方向部分が、複数の第一の突出部を含み、前記複数の第一の突出部が、前記チャンバー内に受容された前記エアロゾル発生物品の少なくとも一部分と接触するように構成されており、前記複数の第一の突出部が、前記第一の軸方向部分の基準面領域から、前記第二の軸方向部分の前記基準面領域を超えて前記中心軸に向かう方向に延びる、エアロゾル発生装置。
【請求項2】
前記チャンバーの前記中心軸に沿って、前記チャンバーの前記内表面が、第三の軸方向部分を含み、前記第三の軸方向部分が、前記第二の軸方向部分よりも前記チャンバーの遠位端に近く、前記第三の軸方向部分が、複数の第二の突出部を含み、前記複数の第二の突出部が、前記チャンバー内に受容された前記エアロゾル発生物品の少なくとも一部分と接触するように構成されており、前記複数の第二の突出部が、前記第三の軸方向部分の基準面領域から、前記第二の軸方向部分の前記基準面領域を超えて前記中心軸に向かう方向に延びる、請求項1に記載のエアロゾル発生装置。
【請求項3】
前記複数のへこみのうちの少なくとも一つが、円錐形状、または円錐台形状、またはピラミッド形状、またはピンプル形状、またはピラミッド錐台形状、またはドーム形状、または立方体形状、または部分球状形状、または円筒形状、または三面体形状、または多面体形状を有する、請求項1または2のいずれか一項に記載のエアロゾル発生装置。
【請求項4】
前記複数のへこみのうちの少なくとも一つの開口部領域が、円形状、または長円形状、または楕円形状、または長方形形状、または二次曲面形状、または菱形形状、または平行四辺形形状、または三角形形状、または六角形形状、または多角形形状を有する、請求項1~3のいずれか一項に記載のエアロゾル発生装置。
【請求項5】
前記複数のへこみの密度が、1平方ミリメートル当たり0.1~1.0個のへこみ、好ましくは、1平方ミリメートル当たり0.2~0.7個のへこみの範囲である、請求項1~4のいずれか一項に記載のエアロゾル発生装置。
【請求項6】
前記複数のへこみのうちの少なくとも一つが、前記それぞれのへこみの開口部領域に対して垂直な方向に、0.25ミリメートル~2ミリメートルの範囲、好ましくは0.5ミリメートル~1ミリメートルの範囲の深さ寸法を有する、請求項1~5のいずれかに記載のエアロゾル発生装置。
【請求項7】
前記第二の軸方向部分の前記基準面領域、前記第一の軸方向部分の前記基準面領域、および前記随意の第三の軸方向部分の前記基準面領域の各々が、コヒーレント領域である、請求項1~6のいずれか一項に記載のエアロゾル発生装置。
【請求項8】
前記第二の軸方向部分の前記基準面領域が六角形グリッドパターンを有する、請求項1~7のいずれか一項に記載のエアロゾル発生装置。
【請求項9】
前記第一の軸方向部分の前記基準面領域および前記随意の第三の軸方向部分の前記基準面領域のうちの少なくとも一つが、十字交差グリッドパターンを有する、請求項1~8のいずれか一項に記載のエアロゾル発生装置。
【請求項10】
前記第二の軸方向部分が、前記中心軸の方向に、前記内表面または前記チャンバーの全長の少なくとも20パーセントの長さを有する、請求項1~9のいずれか一項に記載のエアロゾル発生装置。
【請求項11】
前記複数の第一の突出部のうちの少なくとも一つ、好ましくはその各々が、円錐形状、または円錐台形状、またはピラミッド形状、またはピンプル形状、またはピラミッド錐台形状もしくはドーム形状もしくは立方体形状または部分球状形状、または円筒形状または三面体形状、または多面体形状を有する、および/または前記随意の複数の第二の突出部のうちの少なくとも一つ、好ましくはその各々が、円錐形状、または円錐台形状、またはピラミッド形状、またはピンプル形状、またはピラミッド錐台形状、またはドーム形状、または立方体形状、または部分球状形状、または円筒形状、または三面体形状、または多面体形状を有する、請求項1~10のいずれか一項に記載のエアロゾル発生装置。
【請求項12】
前記複数の第一の突出部の密度、および前記随意の複数の第二の突出部の密度のうちの少なくとも一つが、1平方ミリメートル当たり0.25~1.5個の突出部、特に、1平方ミリメートル当たり0.5~0.75個の突出部の範囲である、請求項1~11のいずれか一項に記載のエアロゾル発生装置。
【請求項13】
前記複数の第一の突出部のうちの少なくとも一つ、好ましくはその各々が、0.5ミリメートル~2ミリメートルの範囲、特に、0.75ミリメートル~1.5ミリメートルの範囲の高さ寸法を有し、および/または、前記複数の第二の突出部のうちの少なくとも一つ、好ましくはその各々が、0.5ミリメートル~2ミリメートルの範囲、特に、0.75ミリメートル~1.5ミリメートルの範囲の高さ寸法を有する、請求項1~12のいずれかに記載のエアロゾル発生装置。
【請求項14】
請求項1~13のいずれか一項に記載のエアロゾル発生装置と、エアロゾル形成基体を含むエアロゾル発生物品とを備え、前記エアロゾル発生物品の少なくとも一部が、前記エアロゾル発生装置の前記チャンバー内に取り外し可能に受容されるか、または取り外し可能に受容可能である、エアロゾル発生システム。
【請求項15】
前記エアロゾル発生物品が、少なくとも、近位支持要素と、随意の遠位支持要素と、前記エアロゾル形成基体を含む基体要素と、を備え、前記基体要素が、前記システムの使用時に前記物品を通過する気流に対して、前記近位支持要素の下流かつ前記随意の遠位支持要素の上流に位置し、前記物品を前記チャンバー内に受容したときに、前記近位支持要素が、前記第一の軸方向部分と接触し、前記随意の第三の軸方向部分が、前記随意の遠位支持要素と接触し、前記基体要素が、前記第二の軸方向部分と接触することなく、前記第二の軸方向部分によって囲まれている、請求項14に記載のエアロゾル発生システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、物品内に含まれるエアロゾル形成基体を加熱することによって吸入可能なエアロゾルを発生するためのエアロゾル発生物品とともに使用されるエアロゾル発生装置に関する。本発明は、こうした装置およびこうした物品を含む、エアロゾル発生システムにさらに関する。
【背景技術】
【0002】
エアロゾル形成基体を加熱することによって吸入可能なエアロゾルを発生するためのエアロゾル発生装置は、先行技術から一般的に周知である。こうした装置は、発熱体、特に、装置内のエアロゾル形成基体を加熱するための抵抗発熱体または誘導発熱体を備え得る。基体自体は、エアロゾル発生物品の一体的な部分であってもよく、エアロゾル発生物品は、装置のチャンバー内に少なくとも部分的に受容され得る。チャンバーは、装置の使用中にチャンバー内に物品を保持するために、エアロゾル発生物品に比較的緊密な嵌合を提供するように寸法設定され得る。しかしながら、緊密な嵌合は、エアロゾル発生物品からチャンバーの内表面への直接的な熱伝導による望ましくない熱損失をもたらし得る。さらに、物品がチャンバー内に緊密に受容される場合、チャンバー内の凝縮物形成は、物品の、特にその中に含まれる基体の望ましくない湿潤を引き起こし得る。こうした凝縮物形成は、エアロゾル形成基体の気化化合物が、露点より低い温度でチャンバー壁のそれらの部分と接触して冷却されるときに発生し得る。さらに、緊密な嵌合は、チャンバーを通る気流を制限し得、これは次に、装置の気流管理に影響を及ぼして高い引き出し抵抗(RTD)を引き起こし得る。これは特に、気流通路が、チャンバーの内表面に沿って、例えば、チャンバーの内表面とチャンバー内に受容されたエアロゾル発生の外表面との間に延びる装置に当てはまる。また、緊密な嵌合は、チャンバーに挿入またはチャンバーから抽出されるときに、エアロゾル発生物品の損傷または破断さえも引き起こし得る。これは、チャンバー内に破片をもたらし得る。チャンバー内の破片は、別のエアロゾル発生物品でのその後の吸入体験に悪影響を及ぼし得る。チャンバー内の破片は、除去またはクリーニングされる必要があることが好ましく、このことはユーザーのさらなる不便を引き起こす。
【0003】
一方、使用中に物品が変位したり、装置から脱落したりさえすることを防止するためには、十分に緊密な嵌合が必要である。これは、多くのエアロゾル形成基体は、使用中に収縮する傾向があり、これによりチャンバー内の物品の保持が低減されるため、なおいっそう当てはまる。
【0004】
したがって、先行技術の解決策の利点を有しつつも、それらの制限を軽減する、エアロゾル発生装置およびエアロゾル発生システムを有することが望ましい。特に、装置のチャンバー内のエアロゾル発生物品の改善された保持、ならびにチャンバーを通した改善された気流管理を提供する、エアロゾル発生装置および対応するシステムが必要とされている。
【発明の概要】
【0005】
本発明の一態様によると、エアロゾル発生物品とともに使用するためのエアロゾル発生装置が提供されている。エアロゾル発生装置は、チャンバーを備える。チャンバーは、エアロゾル発生物品の少なくとも一部分を取り外し可能に受容するためのチャンバーであり得る。チャンバーの中心軸に沿って、チャンバーの内表面は第一の軸方向部分を含み得る。チャンバーの内表面は、第二の軸方向部分を含み得る。第一の軸方向部分は、第二の軸方向部分よりもチャンバーの近位端に近くてもよい。第二の軸方向部分は、ディンプル付きであってもよい。第二の軸方向部分は、複数のへこみを含むディンプル付きであってもよい。複数のへこみは、第二の軸方向部分の基準面領域から外向きに延び得る。複数のへこみは、第二の軸方向部分の基準面領域から、中心軸から離れる方向に半径方向外向きに延び得る。第一の軸方向部分は、複数の第一の突出部を含み得る。複数の第一の突出部は、チャンバー内に受容されたエアロゾル発生物品の少なくとも一部分に接触するように構成され得る。複数の第一の突出部は、第一の軸方向部分の基準面領域から延び得る。複数の第一の突出部は、第一の軸方向部分の基準面領域から、第二の軸方向部分の基準面領域を超えて中心軸に向かう方向に延び得る。
【0006】
本発明の一態様によると、エアロゾル発生物品とともに使用するためのエアロゾル発生装置が提供されている。エアロゾル発生装置は、エアロゾル発生物品の少なくとも一部分を取り外し可能に受容するためのチャンバーを備える。チャンバーの中心軸に沿って、チャンバーの内表面は、第一の軸方向部分および第二の軸方向部分を含み、第一の軸方向部分は、第二の軸方向部分よりもチャンバーの近位端に近い。第二の軸方向部分は、複数のへこみを含むディンプル付きであり、複数のへこみは、第二の軸方向部分の基準面領域から、中心軸から離れる方向に外向きに、特に半径方向外向きに延びる。第一の軸方向部分は、複数の第一の突出部を含み、複数の第一の突出部は、チャンバー内に受容されたエアロゾル発生物品の少なくとも一部分に接触するように構成されており、複数の第一の突出部は、第一の軸方向部分の基準面領域から、第二の軸方向部分の基準面領域を超えて中心軸に向かう方向に延びる。
【0007】
さらに、チャンバーの内表面は、チャンバーの中心軸に沿って第三の軸方向部分を含み得る。第三の軸方向部分は、第二の軸方向部分よりもチャンバーの遠位端に近い。第三の軸方向部分は、複数の第二の突出部を含み、複数の第二の突出部は、チャンバー内に受容されたエアロゾル発生物品の少なくとも一部分に接触するように構成されている。複数の第二の突出部は、第三の軸方向部分の基準面領域から、第二の軸方向部分の基準面領域を超えて中心軸に向かう方向に延びる。以下でさらに詳細に説明するように、特に、物品が二つの要素を備え、基体要素が二つの支持要素の間に配設される場合、第三の軸方向部分が提供されてもよい。
【0008】
複数の第一の突出部および随意の複数の第二の突出部が、第二の軸方向部分の基準面領域を超えて中心軸に向かう方向に延びているため、エアロゾル発生物品は、チャンバー内に受容されたときに第二の軸方向部分と物理的に接触しない。したがって、エアロゾル発生物品から第二の軸方向部分への任意の直接的な熱伝導が回避される。有利なことに、これは、望ましくない熱損失の低減をもたらし、したがって加熱効率の向上をもたらす。さらに、第二の軸方向部分と、物品がチャンバー内に受容されたときに第二の軸方向部分と直接的に面する物品のそれらの部分との間には、直接的な物理的接触がないため、凝縮による物品の湿潤は少なくともこれらの部分では回避される。
【0009】
さらに、エアロゾル発生物品は、第一の軸方向部分の第一の突出部、および存在する場合、第三の軸方向部分の第二の突出部とのみ接触することが理解されよう。したがって、物品とチャンバーとの間の接触面は、突出部を有しないチャンバーと比較して減少する。したがって、エアロゾル発生物品と周囲のチャンバーとの間の伝導熱交換ならびに物品の湿潤がさらに低減される。複数の第一の突出部および随意の複数の第二の突出部は、エアロゾル発生物品を接触させるための接触面を含むことが好ましい。接触面の形状は、それぞれの接触面が、物品のチャンバーの中への挿入時に接触する、エアロゾル発生物品のそれぞれの部分の形状に適合される。接触面は、エアロゾル発生物品が損傷されないように、湾曲している、または丸みがあってもよい。
【0010】
さらに、物品とチャンバーとの間の接触表面積の減少は、物品をチャンバーの中へと、またはチャンバーの外に移動させる際に克服すべき摩擦力を低減するため、物品の挿入および取り外しを容易にする。
【0011】
第二の軸方向部分と物理的に接触していないが、エアロゾル発生物品は、第一の軸方向部分の第一の突出部によって、依然としてチャンバー内にしっかりと保持されている。第三の軸方向部分が存在する場合、エアロゾル発生物品はなおより確実に保持される。特に、エアロゾル発生物品と第一の突出部および随意の第二の突出部との間の接触の局所的性質のために、物品と突出部との間の保持圧力は、突出部がエアロゾル発生物品内に拡大された局所的凹みを形成し得るように局所的に強化される。有利なことに、局所的凹みは、使用中に物品が収縮する可能性を補償することを可能にする。したがって、変位される、またはエアロゾル発生装置から脱落する物品のリスクが、有利に低減される。
【0012】
複数の第一の突出部および随意の複数の第二の突出部は、気流通路が隣接する第一の突出部および隣接する第二の突出部の間に内表面に沿ってそれぞれ形成されるように、互いから距離を置いている。
【0013】
内表面に沿ったこの気流通路に対して、ディンプル付きの第二の軸方向部分、特に複数のへこみは、第二の軸方向部分に沿って気流を乱流させる。ディンプル付きの第二の軸方向部分の効果は、ゴルフボールの空気動力学的挙動を改善するために使用されるのと同じ効果である。第二の軸方向部分における複数のへこみは、チャンバーの内表面に付着する空気の乱流境界薄層を生成する。従来のエアロゾル発生システムと比較して、乱流気流は、改善されたエアロゾル特性、例えば、より良好な風味プロファイル、より良好な経時的ニコチン送達プロファイル等を提供するのに役立つ。さらに、乱流気流は、有利なことに、物品の周りに流れる空気の間の十分な熱交換を確実にする。
【0014】
同様に、複数の第一の突出部および随意の複数の第二の突出部は、同じく乱流気流を促進する広範な気流チャネルの多次元マトリクスを生成する。
【0015】
チャンバーの近位端からチャンバーの遠位端に向かってチャンバーの内表面に沿って延びる気流通路があることが好ましい。この気流通路に対して、第一の軸方向部分は、第二の軸方向部分の上流である。同様に、随意の第三の軸方向部分は、この気流通路に対して第二の軸方向部分の下流である。
【0016】
一般的に、第一の軸方向部分および随意の第三の軸方向部分は、山および谷を含む表面とみなされてもよく、山は、中心軸に対して最も短い距離を有するか、またはそれらに最も近い第一の突出部および第二の突出部の領域に対応しており、谷は、基準面領域を含み、かつ中心軸に対して最も大きな距離を有するか、または中心軸から最も遠い隣接する突出部の間の領域に対応している。第一の突出部および随意の第二の突出部は、第一の軸方向部分および随意の第三の軸方向部分のそれぞれ一部であり、したがって、チャンバーの内表面の一部である。
【0017】
同様に、第二の軸方向部分は、基準面領域に対応する平面およびその平面に複数のディンプルを含む表面とみなされ得る。へこみは第二の軸方向部分の一部であり、したがって、チャンバーの内表面の一部でもある。
【0018】
一般的に、複数のへこみの形状および距離は、第二の軸方向部分に沿った乱流気流を確実にするように選択され得る。
【0019】
複数のへこみのうちの少なくとも一つのへこみ、特に、複数のへこみの各へこみは、円錐形状、または円錐台形状、またはピラミッド形状、またはピンプル形状、またはピラミッド錐台形状、またはドーム形状、または立方体形状、または部分球状形状、または円筒形状、または三面体形状、または多面体形状を有することが好ましい。これらの形状のうちのいずれかは、第二の軸方向部分に沿った乱流気流を確実にするのに好適である。
【0020】
特に、へこみは、実質的に点状のへこみであってもよい。すなわち、へこみは、実質的に局在化された単数のへこみであって、へこみの深さ寸法は、へこみの深さ寸法と直角を成すへこみの幅寸法と同桁であってもよい。一部の実施形態において、へこみは相互接続されてもよい。一部の実施形態において、へこみは相互接続されない場合がある。
【0021】
複数のへこみのうちの少なくとも一つの開口部領域、特に、複数のへこみの各々の開口部領域は、円形状、または長円形状、または楕円形状、または長方形形状、または二次曲面形状、または菱形形状、または平行四辺形形状、または三角形形状、または六角形形状、または多角形形状を有してもよい。ここで、開口部領域とは、上述の形状のそれぞれの基部を指す。例えば、ピラミッド形状またはピンプル形状の場合、開口部領域は、ピラミッドの基部に対応する。
【0022】
内表面に沿った乱流気流の形成は、へこみの深さ寸法により著しく影響を受け得る。複数のへこみのうちの少なくとも一つのへこみ、特に、複数のへこみの各へこみは、それぞれのへこみの開口部領域に対して垂直な方向に、0.25ミリメートル~2ミリメートルの範囲、特に、0.5ミリメートル~1ミリメートルの範囲の深さ寸法を有することが好ましい。これらの値は、装置を通した改善された気流管理に特に有利である。第二の軸方向部分のすべてのへこみは、同じ深さ寸法を有することが好ましい。
【0023】
乱流気流の形成はまた、へこみの密度による影響も受け得る。複数のへこみの密度は、1平方ミリメートル当たり0.1~1.0個のへこみ、好ましくは1平方ミリメートル当たり0.2~0.7個のへこみの範囲であり得ることが好ましい。これらの値はまた、装置を通した改善された気流管理に関して有利であることが実証されている。本明細書で使用される場合、1平方ミリメートル当たりの密度とは、第二の軸方向部分の基準面領域の各点に接するエンベロープ表面を指す。すなわち、1平方ミリメートル当たりの密度は、「ディンプル付きの」第二の軸方向部分の実際の面積容量を言及せず、基準面領域に対して垂直な方向におけるその基準面領域上の第二の軸方向部分の突出部の面積容量を言及する。
【0024】
同様に、第二の軸方向部分の基準面領域の各点に接するエンベロープ表面に対する第二の軸方向部分の基準面領域の割合は、2パーセント~50パーセント、特に、10パーセント~40パーセントの範囲であり得る。
【0025】
複数のへこみは、規則的なパターンで配設されることが好ましい。規則的なパターンは、乱流気流を促進するのに特に好適である。また、規則的なパターンは製造が容易である。
【0026】
第二の軸方向部分の基準面領域は、コヒーレント領域であってもよい。すなわち、基準面領域の各セクションは、基準面領域の一つ以上の他のセクションを通して直接的または間接的に、基準面領域の任意の他のセクションに接続される。言い換えれば、基準面領域は、分離されたセクションを有さない。
【0027】
第二の軸方向部分の基準面領域は、六角形グリッドパターンを有することが好ましい。六角形グリッドパターンは、へこみの非常にコンパクトな配設、したがって高密度の複数のへこみを可能にする。別の方法として、第二の軸方向部分の基準面領域は、十字交差グリッドパターンを有してもよい。
【0028】
複数の第一の突出部および随意の複数の第二の突出部の数、形状および距離は、エアロゾル発生物品の十分な部分と接触するように、特に、チャンバー内に物品を確実に保持するために、かつ同時に、チャンバーの内表面に沿った、特に、物品の外表面とチャンバーの内表面との間の十分な気流を可能にするように選択され得る。
【0029】
複数の第一の突出部のうちの少なくとも一つ、特に、複数の第一の突出部の各々は、円錐形状、または円錐台形状、またはピラミッド形状、またはピンプル形状、またはピラミッド錐台形状、またはドーム形状、または立方体形状、または部分球状形状、または円筒形状、または三面体形状、または多面体形状を有することが好ましい。同様に、随意の複数の第二の突出部のうちの少なくとも一つ、好ましくはその各々は、円錐形状、または円錐台形状、またはピラミッド形状、またはピンプル形状、またはピラミッド錐台形状、またはドーム形状、または立方体形状、または部分球状形状、または円筒形状、または三面体形状、または多面体形状を有してもよい。これらの形状のいずれかは、乱流気流を促進するための、広範な気流チャネルの多次元マトリクスを生成するのに有益であることが実証される。
【0030】
第一の突出部および随意の第二の突出部は、実質的に点状の突出部、すなわち、前述の形状のうちのいずれか一つの場合と同様に、単一の組で実質的に局在化され得る。有利なことに、これは、突出部とエアロゾル発生物品との間の点状接触をもたらす。点状接触は、物品の湿潤の低減およびエアロゾル発生物品から周囲のチャンバーへの熱伝達の低減に関して特に有益である。加えて、例えば、リブとの直線状接触、または滑らかな壁との完全な接触と比較して、点状接触は、接触表面積の減少が、物品をチャンバーの中へと、またはチャンバーの外に移動させる際に克服すべき摩擦力を低減するため、物品の挿入および取り外しを容易にする。さらに、第一の突出部および随意の第二の突出部の点状形状は、第一の突出部と随意の第二の突出部との間に形成された広範な気流チャネルの多次元マトリクスにより、第一の軸方向部分および随意の第三の軸方向部分の領域に乱流気流を促進するのに特に役立つ。
【0031】
別の方法として、複数の第一の突出部および随意の複数の第二の突出部の形状は、それぞれの突出部とエアロゾル発生物品との間に直線状接触があるように選択されてもよい。特に、複数の第一の突出部のうちの少なくとも一つ、好ましくはその各々は、チャンバーの中心軸に実質的に沿った方向に延び得る。同様に、随意の複数の第二の突出部のうちの少なくとも一つ、好ましくはその各々は、チャンバーの中心軸に実質的に沿った方向に延び得る。
【0032】
中心軸に実質的に沿った延長の方向は、特に実質的に円筒状のチャンバーの場合、中心軸に対して平行であってもよい。したがって、複数の第一の突出部のうちの少なくとも一つ、好ましくはその各々は、中心軸に対して平行に延び得る。同様に、随意の複数の第二の突出部のうちの少なくとも一つ、好ましくはその各々は、中心軸に対して平行に延び得る。
【0033】
中心軸に実質的に沿ったそれぞれの突出部の延長の方向はまた、中心軸に対して傾斜していてもよいが(例えば、2度~5度)、依然として中心軸とそれぞれの共通平面に横たわっている。後者の状況は、特に、実質的に先細りの、例えば円錐状または円錐台状のチャンバーに当てはまる。したがって、概して、複数の第一の突出部のうちの少なくとも一つ、好ましくはその各々は、中心軸を含むそれぞれの平面に沿って延び得る。同様に、随意の複数の第二の突出部のうちの少なくとも一つ、好ましくはその各々は、中心軸を含むそれぞれの平面に沿って延び得る。
【0034】
有利なことに、中心軸に実質的に沿ったそれぞれの突出部の延長の方向は、エアロゾル発生物品のチャンバーの中への、およびチャンバーからの挿入および抽出を容易にする。これは、特に、挿入方向が中心軸の方向に対応する場合に保持される。
【0035】
例えば、複数の第一の突出部のうちの少なくとも一つ、特に、その各々は、リブを含んでもよく、またはリブとして形成されてもよく、またはリブであってもよい。同様に、複数の第二の突出部のうちの少なくとも一つ、特に、複数の第二の突出部の各々は、リブを含んでもよく、またはリブとして形成されてもよく、またはリブであってもよい。一つ以上のリブは、上述の中心軸の方向に実質的に沿って、すなわち、中心軸に平行に、または中心軸の一般的な方向に延びることが好ましい。一つ以上のリブは、実質的に三角形状の断面形状を有してもよい。別の方法として、一つ以上のリブは、実質的に長方形もしくは実質的に台形、または実質的に半楕円形もしくは実質的に半円形の断面形状を有してもよい。
【0036】
複数の第一の突出部のうちの少なくとも一つ、特にその各々、および/または複数の第二の突出部のうちの少なくとも一つ、特にその各々は、面取りされてもよく、または少なくとも一つの面取り部を含み得る。それぞれの突出部は、チャンバーの挿入開口部に面する側で面取りされてもよく、またはチャンバーの挿入開口部に面する少なくとも一つの面取り部を含み得ることが好ましい。有利なことに、これは、物品のチャンバーの中への挿入を容易にする。同様に、それぞれの突出部は、チャンバーの挿入開口部とは反対側に面する側で面取りされてもよく、またはチャンバーの挿入開口部とは反対側に面する少なくとも一つの面取り部を含み得る。有利なことに、これは、チャンバーからの物品の取り外しを容易にする。
【0037】
中心軸の方向に見られるように、複数の第一の突出部および複数の第二の突出部は、各第一の突出部の位置がそれぞれの第二の突出部の位置と一致するように配設され得る。特に、複数の第一の突出部および複数の第二の突出部は、各第一の突出部が中心軸の方向に見られるようにそれぞれの第二の突出部を重ね合わせるように配設され得る。
【0038】
一般的に、複数の第一の突出部および随意の複数の第二の突出部は、少なくとも二つの第一の突出部および第二の突出部をそれぞれ含む。特に、複数の第一の突出部および随意の複数の第二の突出部部分は、二つ、三つ、四つ、五つ、六つ、七つ、八つ、九つ、十、十一、十二またはそれ以上の第一の突出部および第二の突出部をそれぞれ含み得る。チャンバーの内表面が第一の軸方向部分および第二の軸方向部分を含むのみであって第三の軸方向部分を含まない場合、第一の軸方向部分はチャンバーの内周に沿って均一に分布し得る三つの突出部を含むことで十分であり得る。同様に、チャンバーの内表面が第三の軸方向部分も含む場合、第一の軸方向部分および第三の軸方向部分の各々は、互いに反対側に位置する二つの突出部を含んでもよく、第一の突出部第一の軸方向部分は、第三の軸方向部分の第二の突出部に対して90度ずれている。上述の数のいずれかは、物品の十分に大きな保持と、上述の悪影響の十分な減少との間の合理的なバランスを提供する。数は、特に、突出部とエアロゾル発生物品との間の直線状接触を提供する、それらの突出部形状に当てはまる。
【0039】
第一の突出部および随意の第三の突出部が上述の点状突出部形状のうちの一つを有する場合、突出部の数は大きくなり得る。したがって、複数の第一の突出部の密度および随意の複数の第二の突出部の密度のうちの少なくとも一つは、1平方ミリメートル当たり0.25~1.5個の突出部の範囲、特に1平方ミリメートル当たり0.5~0.75個の突出部の範囲であってもよい。ここで、1平方ミリメートル当たりの密度とは、第一の軸方向部分および随意の第三の軸方向部分それぞれの基準面領域の各点に接するエンベロープ表面を指す。すなわち、1平方ミリメートル当たりのそれぞれの密度とは、「不均一な」第一および第三の軸方向部分の実際の面積容量ではなく、それぞれの基準面領域に対して垂直な第一および第三の軸方向部分のそれぞれの突出部を言及している。複数の第一の突出部の密度は、随意の複数の第二の突出部の密度よりも大きい、これに等しい、またはこれより小さい場合がある。同様に、複数の第一の突出部の密度および複数の第二の突出部の密度のうちの少なくとも一つは、第二の軸方向部分の複数のへこみの密度よりも大きい、またはこれより小さい場合がある。
【0040】
第一の突出部および随意の第二の突出部の高さ寸法は、第一の突出部と随意の第二の突出部との間、特に、チャンバー内に受容された物品の外表面と、第一の軸方向部分および随意の第三の軸方向部分のそれぞれの基準面領域との間に形成される気流通路の幅を画定する。複数の第一の突出部のうちの少なくとも一つ、好ましくはその各々は、0.5ミリメートル~2ミリメートルの範囲、特に0.75ミリメートル~1.5ミリメートルの範囲の高さ寸法を有してもよい。同様に、複数の第二の突出部のうちの少なくとも一つ、好ましくはその各々は、0.5ミリメートル~2ミリメートルの範囲、特に0.75ミリメートル~1.5ミリメートルの範囲の高さ寸法を有する。これらの高さ値は、改善された気流管理を促進するのに特に有利であることが実証されている。ここで、第一の突出部および随意の第二の突出部の高さ寸法は、中心軸に向かう方向、好ましくは中心軸と直角を成す方向に見られるように、それぞれの突出部の山とそれぞれの基準面領域の隣接部分との間の距離として定義される。第一の突出部はすべて、同じ高さ寸法を有することが好ましい。同様に、存在する場合、第二の突出部はすべて、同じ高さ寸法を有してもよい。
【0041】
複数の第一の突出部、または随意の複数の第二の突出部、または複数の第一の突出部および随意の複数の第二の突出部の両方は、規則的なパターンで配設されてもよい。複数の第一の突出部および随意の複数の第二の突出部はそれぞれ、チャンバーの内周に沿って均一に分布され得る。特に、複数の第一の突出部および随意の複数の第二の突出部はそれぞれ、二つの隣接する突出部の間に配設されたそれぞれの谷(隙間)によって互いから均一に間隙を介してもよい。有利なことに、規則的なパターンは、エアロゾル発生物品の保持を均一、したがって特に確実なものとする。
【0042】
第二の軸方向部分の基準面領域と同様に、第一の軸方向部分の基準面領域と、随意の第三の軸方向部分の基準面領域の各々は、コヒーレント領域である。第一の軸方向部分の基準面領域および随意の第三の軸方向部分の基準面領域は、分離されたセクションを有さない。
【0043】
第一の軸方向部分の基準面領域と、随意の第三の軸方向部分の基準面領域のうちの少なくとも一つは、十字交差グリッドパターンを有することが好ましい。それぞれの基準面領域の十字交差パターンは、第一の突出部と第二の突出部との間に直線状気流通路を提供する。
【0044】
別の方法として、第一の軸方向部分の基準面領域と、随意の第三の軸方向部分の基準面領域のうちの少なくとも一つは、六角形グリッドパターンを有してもよい。
【0045】
有利なことに、複数の第一の突出部および随意の複数の第二の突出部の数、形状、および距離はそれぞれ、エアロゾル発生物品を装置のチャンバー内に挿入するときに、引き出し抵抗(RTD)が所望の範囲内にあるように選択され得る。引き出し抵抗は、70mmWG(水柱ミリメートル)~120mmWG(水柱ミリメートル)の範囲であり得る。引き出し抵抗(RTD)は、40mmWG(水柱ミリメートル)~70mmWG(水柱ミリメートル)、特に、45mmWG(水柱ミリメートル)~65mmWG(水柱ミリメートル)、例えば、55mmWG(水柱ミリメートル)であり得ることが好ましい。
【0046】
チャンバーは、実質的に円筒形状を有してもよい。本明細書で使用される「実質的に円筒形状」という用語は、突出部およびへこみをマスキングする、または突出部およびへこみを考慮しない場合のチャンバーの形状を指す。すなわち、実質的に円筒状のロッド形状とは、第一、第二、および随意の第三の軸方向部分のそれぞれの基準面領域によって与えられるチャンバーの形状を指す。実質的に円筒状のチャンバーの場合、複数の第一の突出部および複数の随意の第二の突出部は、半径方向内向きに中心軸に向かって第二の軸方向部分を超えて延びる。特に、内表面と中心軸との間の任意の距離は、中心軸に対して半径方向、すなわち、中心軸と直角を成す方向で測定される。複数の第一の突出部の各突出部の山と交差するエンベロープ表面はまた、好ましくは、実質的に円筒形状を有することが好ましい。同様に、複数のへこみの各へこみの山と交差するエンベロープ表面はまた、実質的に円筒形状を有し得る。存在する場合、随意の複数の第二の突出部の各突出部の山と交差するエンベロープ表面もまた、実質的に円筒形状を有することが好ましい。
【0047】
別の方法として、チャンバーは、実質的に先細りの、特に実質的に円錐状または実質的に円錐台状の形状を有してもよい。本明細書で使用される「実質的に先細りの、特に実質的に円錐状または実質的に円錐台状の形状」という用語はまた、突出部およびへこみをマスキングする、または突出部およびへこみを考慮しない場合のチャンバーの形状、すなわち、第一、第二、および随意の第三の軸方向部分のそれぞれの基準面領域によって与えられるチャンバーの形状を指す。これらの形状のいずれかについて、内表面と中心軸との間の任意の距離は、実質的に先細りの、特に実質的に円錐状または実質的に円錐台状の形状の表面と直角を成す、すなわち、第一、第二、および随意の第三の軸方向部分のそれぞれの基準面領域に対して垂直に測定されることが好ましい。複数の第一の突出部の各突出部の山と交差するエンベロープ表面はまた、実質的に先細りであり、特に実質的に円錐状または実質的に円錐台状の形状を有することが好ましい。同様に、複数のへこみの各へこみの山と交差するエンベロープ表面はまた、実質的に先細りの、特に実質的に円錐状または実質的に円錐台状の形状を有してもよい。存在する場合、随意の複数の第二の突出部の各突出部の山と交差するエンベロープ表面もまた、実質的に先細りの、特に実質的に円錐状または実質的に円錐台状の形状を有してもよい。
【0048】
チャンバーは、中心軸と直角を成す平面に見られるように、実質的に円形断面を有することが好ましい。特に、第二の軸方向部分は、中心軸と直角を成す平面に見られるように、円形断面を有してもよい。同様に、第一の軸方向部分および随意の第三の軸方向部分のうちの少なくとも一つは、第一の突出部または第二の突出部をそれぞれ考慮することなく、中心軸と直角を成す平面に見られるように、実質的に円形断面を有してもよい。
【0049】
別の方法として、チャンバーはまた、実質的に楕円形断面、または実質的に長円形断面、または実質的に正方形断面、または実質的に長方形断面、または実質的に三角形断面、または実質的に多角形断面を有してもよい。本明細書で使用される場合、上述の断面形状は、いかなる突出部も考慮せずに、チャンバーの断面形状を指すことが好ましい。
【0050】
同様に、複数の第一の突出部または随意の複数の第二の突出部の各突出部の山と交差する中心軸の周りのエンベロープ曲線は、それぞれ、実質的に円形、または実質的に楕円形状、または実質的に長円形状、または実質的に正方形形状、または実質的に長方形形状、または実質的に三角形形状、または実質的に多角形形状のうちの一つを有してもよい。複数の第一の突出部または複数の第二の突出部の各突出部の山と交差する中心軸の周りのエンベロープ曲線の形状は、それぞれ、チャンバーに受容されたエアロゾル発生物品の断面形状に対応することが好ましい。
【0051】
チャンバーは、それを通ってエアロゾル発生物品がチャンバーの中に挿入され得る、挿入開口部を含んでもよい。本明細書で使用される場合、エアロゾル発生物品が挿入される方向は、挿入方向として表示される。挿入方向は、チャンバーの中心軸の延長に対応することが好ましい。チャンバーの中への挿入時、エアロゾル発生物品の少なくとも一部分は、依然として挿入開口部を通って外向きに延び得る。外側に延びる部分は、好ましくは、特にユーザーの口の中に入るために、ユーザーとの相互作用のために提供される。したがって、装置の使用中に、挿入開口部は、ユーザーの口に近くてもよい。したがって、挿入開口部は、エアロゾル発生装置の近位端に、特に、チャンバーの近位端に配設されてもよい。
【0052】
代替的に、チャンバーは、中心軸に対して横方向にアクセス可能であってもよい。すなわち、エアロゾル発生物品は、中心軸に対して横方向にチャンバーの中に挿入されてもよい。横方向のアクセスに加えて、チャンバーは、それを通ってエアロゾル発生物品の少なくとも一部分がチャンバーに挿入されたときに、外向きに、特にチャンバーの中心軸の方向に対応する方向に延び得る、開口部をさらに含んでもよい。一例として、エアロゾル発生装置は、中心軸に対して横方向にチャンバーにアクセスすることを可能にする横方向挿入開口部を備えてもよい。装置は、チャンバーの横方向挿入開口部を覆うためのリッドをさらに備えてもよい。リッドは、エアロゾル発生装置の本体に取り外し可能に取り付けられ得る。特に、リッドは、ヒンジ式であってもよく、すなわち、リッドは、ヒンジによってエアロゾル発生装置の本体に取り付けられてもよい。同様に、エアロゾル発生装置は、各々がチャンバーの一部分を形成する二つのハウジング部分を備えてもよい。二つのハウジング部分は、ヒンジによって互いに連結されて、二つのハウジング部分が開位置と閉位置との間で移動することを可能にしてもよく、チャンバーの内部は、開位置においてアクセス可能である。
【0053】
一般的に、第一の軸方向部分の長さ、第二の軸方向部分の長さ、および存在する場合、随意の第三の軸方向部分の長さは、チャンバー内に受容されて保持されるエアロゾル形成物品の設計に依存し得る。以下でより詳細に説明するように、物品は、異なる要素を含んでもよい。特に、エアロゾル発生物品が実質的にロッド形状を有する場合、物品は、物品の長さ軸に沿って順次配設される異なる要素を含んでもよい。チャンバーの内表面の各部分、すなわち、第一の軸方向部分、第二の軸方向部分、および存在する場合、随意の第三の軸方向部分は、エアロゾル形成物品の特定の要素に割り当てられ得る。
【0054】
第二の軸方向部分は、中心軸の方向に、内表面またはチャンバーの全長の少なくとも20パーセントの長さを有してもよい。第二の部分は、内表面またはチャンバーの全長の20パーセント~40パーセント、特に25パーセント~40パーセント、特に30パーセント~35パーセントの範囲の長さを有することが好ましい。有利なことに、こうした長さは、上述の悪影響の十分な減少を提供し、さらに、第二の軸方向部分に沿った気流が乱流となることを確実にする。第一の軸方向部分、および存在する場合、随意の第三の軸方向部分は、中心軸の方向に等しい長さを有してもよい。別の方法として、第一の軸方向部分、および存在する場合、第三の軸方向部分は、中心軸の方向に異なる長さを有してもよい。
【0055】
エアロゾル発生装置は、チャンバー内、特に、チャンバーの遠位端に配設された一つまたは複数の端停止部を備えてもよい。一つ以上の端停止部は、チャンバーの中へのエアロゾル発生物品の挿入深さを制限するように構成されていることが好ましい。特に、一つ以上の端停止部は、エアロゾル発生物品が、チャンバーの近位端におけるチャンバーの挿入開口部とは反対側にあるチャンバーの遠位端でチャンバーの内表面に当接することを防止するように構成され得る。したがって、一つ以上の端停止部は、有利なことに、チャンバーの遠位部分内に自由空間を提供し、これは、物品がチャンバー内に受容されたときに、チャンバーの遠位端とエアロゾル発生物品の遠位端との間の自由な気流を可能にする。一つ以上の端停止部は、エアロゾル発生物品、特に、エアロゾル発生物品の遠位端が、物品がチャンバー内に受容されたときに当接し得る、接触面を含み得る。
【0056】
エアロゾル発生装置は、複数の別個の端停止部、例えば、チャンバー内に、特にチャンバーの遠位端に配設される三つの端停止部を備え得ることが好ましい。
【0057】
複数の端停止部は、中心軸の周りに対称的に配設されてもよい。特に、複数の端停止部は、中心軸の周りに等しく間隔を置いて配設されてもよい。上述のように、これは、端停止部およびチャンバー内に受容された物品の周りの自由な気流を可能にする。
【0058】
一つ以上の端停止部は、中心軸の方向に、0.5ミリメートル~5ミリメートルの範囲、特に1ミリメートル~4ミリメートルの範囲、好ましくは1ミリメートル~2ミリメートルの範囲、例えば1.4ミリメートルの寸法を有することが好ましい。
【0059】
一つ以上の端停止部は、複数の第一の突出部および複数の第二の突出部を超えて中心軸に向かう方向に延びるような形状および寸法を有することが好ましい。一つ以上の端停止部は、0.7ミリメートル~6ミリメートルの範囲、特に1ミリメートル~5ミリメートルの範囲、好ましくは2ミリメートル~4ミリメートルの範囲の、中心軸と直角を成す半径方向延長を有することが好ましい。
【0060】
一つ以上の端停止部は、特にチャンバーが実質的に円筒形状を有する場合、リングセグメントの形状を有し得ることが好ましい。リングセグメントは、中心軸の方向に高さ寸法を有してもよく、中心軸と直角を成す半径方向寸法を有してもよい。前述のように、リングセグメントの高さ寸法は、0.5ミリメートル~5ミリメートルの範囲、特に1ミリメートル~4ミリメートルの範囲、好ましくは、1ミリメートル~2ミリメートルの範囲であり得る。リングセグメントの半径方向寸法は、0.7ミリメートル~6ミリメートルの範囲、特に1ミリメートル~5ミリメートルの範囲、好ましくは1ミリメートル~3ミリメートルの範囲、例えば1.3ミリメートルであり得る。
【0061】
一例として、チャンバーは、チャンバーの遠位端の底部を含む細長い空洞として形成され得る。この構成では、一つ以上の端停止部は、チャンバーの近位端に向かう方向、特に物品の挿入方向とは反対の方向に遠位端の底部から突出するように、チャンバー内に配設されてもよい。
【0062】
第一の軸方向部分の基準面領域および第二の軸方向部分の基準面領域は、共通のシェル表面上、特に、共通の円筒状、円錐状、または円錐台状のシェル表面上に配設されてもよい。第一の軸方向部分の基準面領域および随意の第三の軸方向部分の基準面領域は、共通のシェル表面上、特に、共通の円筒状、円錐状、または円錐台状のシェル表面上に配設されてもよい。第二の軸方向部分の基準面領域および随意の第三の軸方向部分の基準面領域は、共通のシェル表面上、特に、共通の円筒状、円錐状、または円錐台状のシェル表面上に配設されてもよい。第一の軸方向部分の基準面領域、第二の軸方向部分の基準面領域、および随意の第三の軸方向部分の基準面領域は、共通のシェル表面上、特に、共通の円筒状、円錐状、または円錐台状のシェル表面上に配設されてもよい。
【0063】
チャンバーは、多部分構成要素であってもよい。特に、チャンバーは、第一の部分および第二の部分を含んでもよく、第二の部分は、第一の部分の中に挿入されることが好ましい。第二の部分は、スリーブとして形成されてもよい。第二の部分は、形状嵌合またはポジティブ嵌合の様式で、第一の部分に取り付けられてもよい。あるいはまたは追加的に、第二の部分は、摩擦嵌合またはスナップ嵌合を介して第一の部分に取り付けられてもよい。第二の部分は、存在する場合、随意の第三の軸方向部分を含み、一方で、第一の部分は、第二の軸方向部分および第一の軸方向部分を含むことが好ましい。こうした構成は、製造、特に注入成形による製造を容易にする。
【0064】
チャンバーは、チャンバーモジュールとして、特に、エアロゾル発生装置の本体の中に挿入され得る管状スリーブとして形成されてもよい。有利なことに、これは、エアロゾル発生装置のモジュール式の組立を可能にする。
【0065】
別の方法として、チャンバーの少なくとも一部は、本体と一体的に形成されてもよい。本体の一部としてチャンバーの少なくとも一部を提供することによって、エアロゾル発生装置のための使用部品の数量が減少し得る。
【0066】
エアロゾル発生装置は、装置のチャンバー内に受容されたエアロゾル発生物品内のエアロゾル形成基体を加熱するための加熱装置をさらに備え得る。加熱装置は、誘導加熱装置であってもよい。誘導加熱装置は、チャンバー内に交番磁場、特に高周波磁場を発生するように構成されたインダクタを含む、誘導源を備え得る。交番磁場、特に高周波磁場は、500kHz(キロヘルツ)~30MHz(メガヘルツ)、特に5MHz(メガヘルツ)~15MHz(メガヘルツ)、好ましくは5MHz(メガヘルツ)~10MHz(メガヘルツ)の範囲であり得る。物品をチャンバーの中に挿入するとき、交番磁場は、加熱されるエアロゾル形成基体と熱的に接触または熱的に近接しているサセプタを誘導的に加熱するために使用される。インダクタは、チャンバーの少なくとも一部分またはチャンバーの内表面の少なくとも一部分をそれぞれ囲むように配設されてもよい。インダクタは、チャンバーの側壁内に配設されたインダクタコイル、例えば、らせん状コイルであってもよい。インダクタは、内表面の少なくとも第二の軸方向部分を囲むように配設され得ることが好ましい。インダクタは、内表面の第二の部分のみを囲むように配設され得ることがより好ましい。別の方法として、インダクタは、第一の軸方向部分もしくは第三の軸方向部分、または第一の軸方向部分および第三の軸方向部分の両方を追加的に少なくとも部分的に囲むように配設されてもよい。
【0067】
別の方法として、加熱装置は、抵抗発熱体を含む抵抗加熱装置であってもよい。抵抗発熱体は、抵抗発熱体の内在するオーム抵抗または抵抗負荷に起因して、電流がこれを通過するときに加熱するように構成されている。例えば、抵抗発熱体は、抵抗加熱ワイヤ、抵抗加熱トラック、抵抗加熱グリッド、または抵抗加熱メッシュのうちの少なくとも一つを備えてもよい。装置の使用時に、抵抗発熱体は、加熱されるエアロゾル形成基体と熱的に接触するか、または熱的に近接する。
【0068】
エアロゾル発生装置は、装置の動作を制御するように構成されたコントローラをさらに備えてもよい。特に、所定の動作温度へのエアロゾル形成基体の加熱を制御するために、コントローラは、好ましくは閉ループ構成で加熱装置を制御するように構成され得る。エアロゾル形成基体の加熱に使用される動作温度は、少なくとも180℃、特に少なくとも300℃、好ましくは少なくとも350℃、より好ましくは少なくとも370℃、最も好ましくは少なくとも400℃であり得る。
【0069】
エアロゾル発生装置は電源、特に誘導加熱配設にDC供給電圧およびDC供給電流を提供するように構成されたDC電源を備え得る。電源はリン酸鉄リチウム電池などの電池であることが好ましい。代替として、電源は、コンデンサなどの別の形態の電荷蓄積装置であってもよい。電源は再充電を必要としうる、すなわち、電源は充電可能でありうる。電源は、一回または複数回のユーザー体験のために十分なエネルギーの貯蔵を可能にする容量を有する場合がある。例えば、電源は約六分間、または六分の倍数の時間にわたるエアロゾルの連続的な発生を可能にするのに十分な容量を有してもよい。別の実施例において、電力供給源は、所定の回数の吸煙、または加熱装置の不連続的な起動を可能にするのに十分な容量を有してもよい。
【0070】
エアロゾル発生装置は、コントローラおよび電源のうちの少なくとも一つを含むことが好ましい本体を備え得る。さらに、エアロゾル発生装置は、本体のくぼみ内に受容された、または装置の本体に取り付けられたチャンバーモジュールを備え得る。チャンバーモジュールは、本発明における、そして本明細書に記載の装置のチャンバーを含む。
【0071】
チャンバーモジュールは、本発明の独立した主題であり得る。したがって、本発明はさらに、エアロゾル発生装置で使用するためのチャンバーモジュールに関し、チャンバーモジュールは、エアロゾル発生物品の少なくとも一部分を取り外し可能に受容するためのチャンバーを含む。チャンバーの中心軸に沿って、チャンバーの内表面は、第一の軸方向部分および第二の軸方向部分を含む。第一の軸方向部分は、第二の軸方向部分よりもチャンバーの近位端に近い。第二の軸方向部分は、複数のへこみを含むディンプル付きである。複数のへこみは、第二の軸方向部分の基準面領域から外向きに延びる。複数のへこみは、第二の軸方向部分の基準面領域から、中心軸から離れる方向に半径方向外向きに延び得る。第一の軸方向部分は、複数の第一の突出部を含み、複数の第一の突出部は、チャンバー内に受容されたエアロゾル発生物品の少なくとも一部分に接触するように構成されている。複数の第一の突出部は、第一の軸方向部分の基準面領域から延びる。複数の第一の突出部は、第一の軸方向部分の基準面領域から、第二の軸方向部分の基準面領域を超えて中心軸に向かう方向に延び得る。
【0072】
チャンバーモジュールは、エアロゾル発生装置の本体の空洞内に受容されるか、または装置の本体に取り付けることができるように構成され得る。
【0073】
チャンバーモジュール、特にチャンバーのさらなる特徴は、エアロゾル発生装置に関してすでに上述されており、同様に当てはまる。
【0074】
本発明は、本発明により、かつ本明細書に記載したようなエアロゾル発生装置を含むエアロゾル発生システムにさらに関する。システムは、装置によって加熱される少なくとも一つのエアロゾル形成基体を含むエアロゾル発生物品をさらに備え、物品の少なくとも一部分は、装置のチャンバーに取り外し可能に受容可能であるか、または取り外し可能に受容される。
【0075】
装置および物品は、チャンバーへの物品の挿入時に、複数の第一の突出部、および存在する場合、複数の第二の突出部が、エアロゾル発生物品をチャンバー内に保持するように、エアロゾル発生物品の少なくとも一部分と接触するように構成されている。対照的に、チャンバーの内表面の第二の部分は、エアロゾル発生物品と接触していない。
【0076】
複数の第一の突出部または随意の複数の第二の突出部の各突出部の山と交差する中心軸の周りのエンベロープ曲線の形状は、それぞれ、チャンバーに受容されるエアロゾル発生物品の断面形状に対応することが好ましい。
【0077】
本発明によるエアロゾル発生装置に関して上述したように、複数の第一の突出部および随意の複数の第二の突出部は、気流通路が隣接する第一の突出部の間、および存在する場合、第二の突出部の間にそれぞれ形成されるように、互いから距離を置いている。有利なことに、複数の第一の突出部および随意の複数の第二の突出部の形状および距離はそれぞれ、エアロゾル発生物品を装置のチャンバー内に挿入するときに、引き出し抵抗(RTD)が所望の範囲内にあるように選択され得る。引き出し抵抗は、70mmWG(水柱ミリメートル)~120mmWG(水柱ミリメートル)の範囲であり得る。引き出し抵抗(RTD)は、40mmWG(水柱ミリメートル)~70mmWG(水柱ミリメートル)、特に、45mmWG(水柱ミリメートル)~65mmWG(水柱ミリメートル)、例えば、55mmWG(水柱ミリメートル)であり得ることが好ましい。
【0078】
一例として、エアロゾル発生物品は、以下の要素、基体要素、支持要素、冷却要素、およびフィルター要素を備え得る。前述の要素のすべては、上述の順序で物品の長さ軸に沿って順次配設されてもよく、基体要素は物品の遠位端に配設され、フィルター要素は物品の近位端に配設される。特に、基体要素は、システムの使用時に物品を通過する気流に対して支持要素の下流に位置する。前述の要素の各々は、実質的に円筒状であってもよい。特に、すべての要素は、同じ外側断面形状を有してもよい。加えて、要素は、要素を一緒にまとめて保つように、かつロッド状の物品の所望の断面形状を維持するように、外側ラッパーによって囲まれてもよい。ラッパーは紙で作製されることが好ましい。
【0079】
基体要素は、加熱される少なくとも一つのエアロゾル形成基体を含むことが好ましい。エアロゾル発生システムが誘導加熱に基づく場合には、基体要素は、エアロゾル形成基体と熱的に接触する、またはエアロゾル形成基体に熱的に近接するサセプタをさらに含んでもよい。
【0080】
支持要素は、空の中心空気通路を有する中空のセルロースアセテート管を含み得る。
【0081】
エアロゾル冷却要素は、大きい表面積および低い引き出し抵抗(例えば、15mmWG(水柱ミリメートル)~20mmWG(水柱ミリメートル)を有する要素であり得る。使用時に、基体要素から放出された揮発性化合物によって形成されたエアロゾルは、エアロゾル発生物品の近位端へと搬送される前にエアロゾル冷却要素を通して引き出される。
【0082】
フィルター要素は、マウスピースとして、またはエアロゾル冷却要素と一緒にマウスピースの一部として機能することが好ましい。本明細書で使用される「マウスピース」という用語は、エアロゾルが通ってエアロゾル発生物品から出る物品の一部分を指す。
【0083】
エアロゾル発生装置が、前述した特定の実施例によるエアロゾル発生物品(一つの支持要素のみ)とともに使用されることが意図される場合、エアロゾル発生装置のチャンバーは、第一の軸方向部分および第二の軸方向部分のみを含み、第三の軸方向部分は含まないことが好ましい。この構成では、装置および物品は、支持要素が第一の軸方向部分と接触し、基体要素が第二の軸方向部分と接触することなく第二の軸方向部分によって囲まれるように構成されることが好ましい。しかしながら、基体要素は、少なくとも部分的に第一の軸方向部分と接触する場合がある。したがって、第一の軸方向部分および第二の軸方向部分の軸方向長さ、ならびに物品の支持要素および基体要素の長さは、エアロゾル発生物品がチャンバー内に受容されたときに、基体要素の少なくとも大部分、特に50%超、好ましくは基体要素のすべてが第二の軸方向部分と整列するように寸法設定され得る。本明細書で使用される「接触している」という用語は、支持要素および基体要素がラッパーによって囲まれるかどうかに応じて、支持要素または基体要素の一部が間接的または直接的に軸方向部分と接触するようなものであると理解される。
【0084】
支持要素は、チャンバーの中心軸に沿った第一の軸方向部分の長さに対応する、ロッド形状の物品の長さ軸に沿った方向の長さを有してもよいことが好ましい。同様に、基体要素は、チャンバーの中心軸に沿った第二の軸方向部分の長さに対応する、ロッド形状の物品の長さ軸に沿った方向の長さを有してもよい。別の方法として、第一の軸方向部分は、基体要素と少なくとも部分的に接触するように、支持要素の長さよりも大きい長さを有してもよい。
【0085】
別の実施例によれば、エアロゾル発生物品は、以下の要素、遠位支持要素、基体要素、近位支持要素、冷却要素、およびフィルター要素を備えてもよい。前述の要素のすべては、上述の順序で物品の長さ軸に沿って順次配設されてもよく、遠位支持要素は物品の遠位端に配設され、フィルター要素は物品の近位端に配設される。すなわち、基体要素は、近位支持要素と遠位支持要素との間に位置する。特に、基体要素は、システムの使用時に物品を通過する気流に対して、近位支持要素の下流かつ遠位支持要素の上流に位置する。前述の要素の各々は、実質的に円筒状であってもよい。特に、すべての要素は、同じ外側断面形状を有してもよい。加えて、要素は、要素を一緒にまとめて保つように、かつロッド状の物品の所望の断面形状を維持するように、外側ラッパーによって囲まれてもよい。ラッパーは紙で作製されることが好ましい。
【0086】
基体、冷却要素、およびフィルター要素は、前述の実施例によるそれぞれの要素に対応し得る。
【0087】
遠位支持要素および近位支持要素は、空の中心空気通路を有する中空のセルロースアセテート管を含み得る。別の方法として、遠位支持要素は、セルロースアセテートプラグ(空の中心空気通路なし)を含んでもよい。セルロースアセテートプラグは、基体要素の遠位前端を被覆および保護するために使用され得る。
【0088】
エアロゾル発生装置が、前述した特定の実施例によるエアロゾル発生物品(二つの支持要素)とともに使用されることが意図される場合、エアロゾル発生装置のチャンバーは、上述のように、第一の軸方向部分、第二の軸方向部分、および第三の軸方向部分を含むことが好ましい。この構成では、装置および物品は、近位支持要素が第一の軸方向部分と接触し、遠位支持要素が第三の軸方向部分と接触し、基体要素が第二の軸方向部分と接触することなく第二の軸方向部分によって囲まれるように構成されることが好ましい。しかしながら、基体要素は、第一の軸方向部分または第三の軸方向部分のうちの少なくとも一つと少なくとも部分的に接触してもよい。したがって、第一、第二、および第三の軸方向部分の軸方向長さ、ならびに物品の近位支持要素、基体要素、および遠位支持要素の長さは、エアロゾル発生物品がチャンバー内に受容されたときに、基体要素の少なくとも大部分、特に50%超、好ましくは基体要素のすべてが第二の軸方向部分と整列するように寸法設定され得る。
【0089】
近位支持要素は、チャンバーの中心軸に沿った第一の軸方向部分の長さに対応する、ロッド形状の物品の長さ軸に沿った方向の長さを有し得ることが好ましい。同様に、遠位支持要素は、チャンバーの中心軸に沿った第三の軸方向部分の長さに対応する、ロッド形状の物品の長さ軸に沿った方向の長さを有してもよい。したがって、基体要素は、チャンバーの中心軸に沿った第二の軸方向部分の長さに対応する、ロッド形状の物品の長さ軸に沿った方向の長さを有してもよい。別の方法として、第一の軸方向部分および第二の軸方向部分のうちの少なくとも一つは、基体要素と少なくとも部分的に接触するように、近位支持要素または遠位支持要素の長さよりもそれぞれ大きい長さを有してもよい。
【0090】
前述の構成のうちのいずれかは、いくつかの理由から有利である。第一に、基体要素は、第二の軸方向部分から間隙を介しており、それゆえ、凝縮物形成の影響を受けにくい。さらに、第一および第三の軸方向部分の第一および随意の第二の突出部は、有利なことに、最も剛直であり、かつ使用中に最も小さく収縮する傾向がある物品のそれらの部分と係合する。このため、物品は、装置から変位または脱落するリスクなしに、チャンバー内に確実に保持される。
【0091】
本発明によるエアロゾル発生システムおよびエアロゾル発生物品のさらなる特徴および利点は、エアロゾル発生装置に関してすでに上述されていて、かつ等しく当てはまる。
【0092】
本明細書で使用される「エアロゾル発生装置」という用語は、基体を加熱することによってエアロゾルを発生するように、エアロゾル発生物品内に提供されたエアロゾル形成基体と相互作用する能力を有する電気的に作動する装置を概して指す。エアロゾル発生装置は、ユーザーによってユーザーの口を通して直接吸入可能なエアロゾルを発生するための吸煙装置であることが好ましい。特に、エアロゾル発生装置は手持ち式のエアロゾル発生装置である。
【0093】
本明細書で使用される「エアロゾル発生物品」という用語は、エアロゾルを形成することができる揮発性化合物を、加熱された時に放出する少なくとも一つのエアロゾル形成基体を含む物品を指す。エアロゾル発生物品は、加熱式エアロゾル発生物品であることが好ましい。すなわち、エアロゾルを形成することができる揮発性化合物を放出するために、燃焼ではなく加熱されることが意図されている少なくとも一つのエアロゾル形成基体を含む、エアロゾル発生物品である。エアロゾル発生物品は、消耗品、特に単回使用後に廃棄される消耗品であってもよい。例えば、物品は、加熱される液体エアロゾル形成基体を含むカートリッジであってもよい。別の方法として、物品は従来の紙巻たばこに似ているロッド状の物品(特にたばこ物品)であってもよい。上述のように、物品は、物品が装置の空洞内に受容されているときに、使用時にサセプタが誘導加熱配設によって誘導加熱されることが可能なように、エアロゾル形成基体と熱的に近接または熱的に接触して位置付けられたサセプタをさらに備え得る。
【0094】
本明細書で使用される「サセプタ」という用語は、交番磁場に供されたときに電磁エネルギーを熱へと変換する能力を有する要素を指す。これは、サセプタ材料の電気特性および磁性に依存して、サセプタ内で誘導されるヒステリシス損失および/または渦電流の結果でありうる。ヒステリシス損失は、交流電磁場の影響下で切り替えられる材料内の磁区に起因して、強磁性またはフェリ磁性のサセプタ内で生じる。渦電流は、サセプタが導電性である場合に誘起される場合がある。導電性の強磁性またはフェリ磁性サセプタの場合、渦電流およびヒステリシス損失の両方によって熱が発生しうる。
【0095】
本明細書で使用される「エアロゾル形成基体」という用語は、エアロゾルを形成するために、加熱に伴い揮発性化合物を放出することが可能なエアロゾル形成材料から形成されるか、またはそれを含む基体を意味する。エアロゾル形成基体は、エアロゾル形成揮発性化合物を放出するために、燃焼ではなく加熱されることが意図される。エアロゾル形成基体は、固体エアロゾル形成基体もしくは液体エアロゾル形成基体もしくはゲル様エアロゾル形成基体、またはそれらの任意の組み合わせであってもよい。すなわち、エアロゾル形成基体は、固体構成成分と液体構成成分の両方を含んでもよい。エアロゾル形成基体は、加熱に伴い基体から放出される揮発性のたばこ風味化合物を含有するたばこ含有材料を含んでもよい。別の方法として、または追加的に、エアロゾル形成基体は非たばこ材料を含んでもよい。エアロゾル形成基体はエアロゾル形成体をさらに含んでもよい。適切なエアロゾル形成体の例はグリセリンおよびプロピレングリコールである。エアロゾル形成基体はまた、ニコチンまたは風味剤などのその他の添加物および成分も含んでもよい。エアロゾル形成基体はまた、ペースト様の材料、エアロゾル形成基体を含む多孔性材料のサシェ、または例えばゲル化剤または粘着剤と混合されたばらのたばこであってもよく、これはグリセリンなどの一般的なエアロゾル形成体を含むことができ、これはプラグへと圧縮または成形される。
【0096】
本明細書で使用される「エアロゾル発生システム」という用語は、本明細書にさらに記載のエアロゾル発生物品と、本発明による、本明細書に記載のエアロゾル発生装置との組み合わせを指す。システムにおいて、物品と装置は呼吸に適したエアロゾルを発生するように協働する。
【0097】
本明細書で使用される場合、装置の使用において、ユーザーの口に近い、特に、存在する場合、チャンバーの挿入開口部に近いセクションは、接頭語「近位」を有して表示される。より遠くに離れて配設されているセクションは、接頭語「遠位」を有して表示される。したがって、チャンバーは、エアロゾル発生装置の近位部分に配設または位置してもよい。同様に、存在する場合、挿入開口部は、エアロゾル発生装置の近位端に配設または位置してもよい。
【0098】
本明細書で使用される「中心軸に向かう方向に延びる」という用語は、複数の第一の突出部および随意の複数の第二の突出部がチャンバーの内部内に延びることを意味する。チャンバーの一般的な形状に応じて、中心軸に向かう方向は、特に中心軸と直角を成してもよい。特に、「中心軸に向かう方向に内表面の第二の軸方向部分の基準面領域を超えて延びる」とは、中心軸に向かう方向に、複数の第一の突出部の各突出部それおよび随意の複数の第二の突出部の各突出部が、チャンバーの中心軸に対して同じ方位位置を有する第二の軸方向部分の基準面領域の対応する部分を越えて延びることを意味する。すなわち、それぞれの第一または随意の第二の突出部の所与の方位位置で、第二の部分の基準面領域は、中心軸から離れる方向に延びる外向き方向に見られるように、それぞれの第一または随意の第二の突出部に対して外向きに後退している。
【0099】
本明細書で使用される「エアロゾル発生物品の少なくとも一部分に接触するように構成されている」という用語は、エアロゾル発生物品がチャンバー内に受容されたときに、複数の第一の突出部の突出部の少なくとも一部、特に複数の第一の突出部の70パーセント以上、好ましくは80パーセント以上、より好ましくは90パーセント以上がエアロゾル発生物品と接触するようなものと理解される。同じことが、随意の複数の第二の突出部に当てはまる。すなわち、「エアロゾル発生物品の少なくとも一部分に接触するように構成されている」という用語は、エアロゾル発生物品がチャンバー内に受容されたときに、複数の第二の突出部の突出部の少なくとも一部、特に、複数の第二の突出部の70パーセント以上、好ましくは80パーセント以上、より好ましくは90パーセント以上がエアロゾル発生物品と接触するようなものと理解される。
【0100】
本明細書で使用される、第一の軸方向部分、第二の軸方向部分、および随意の第三の軸方向部分の「基準面領域」という用語は、へこみまたは突出部を含まない第一の軸方向部分、第二の軸方向部分、および随意の第三の軸方向部分のそれらの領域を指す。すなわち、基準面領域は、複数のへこみまたは突出部をマスキングする、または複数のへこみもしくは突出部を考慮しない場合に残る、第一の軸方向部分、第二の軸方向部分、および随意の第三の軸方向部分のそれらの領域を指す。
【0101】
以下に、非限定的な実施例を非網羅的に提供する。これらの実施例の任意の一つ以上の特徴は、本明細書に記載される別の実施例、実施形態、または態様の任意の一つ以上の特徴と組み合わせられてもよい。
【0102】
実施例1:エアロゾル発生物品とともに使用するためのエアロゾル発生装置であって、エアロゾル発生装置は、エアロゾル発生物品の少なくとも一部分を取り外し可能に受容するためのチャンバーを備え、チャンバーの中心軸に沿って、チャンバーの内表面は、第一の軸方向部分および第二の軸方向部分を含み、第一の軸方向部分は、第二の軸方向部分よりもチャンバーの近位端に近く、第二の軸方向部分は、複数のへこみを含むディンプル付きであり、複数のへこみは、第二の軸方向部分の基準面領域から、中心軸から離れる方向に外向きに、特に半径方向外向きに延び、第一の軸方向部分は、複数の第一の突出部を含み、複数の第一の突出部は、チャンバー内に受容されたエアロゾル発生物品の少なくとも一部分と接触するように構成されており、複数の第一の突出部は、第一の軸方向部分の基準面領域から、第二の軸方向部分の基準面領域を超えて中心軸に向かう方向に延びる、エアロゾル発生装置。
【0103】
実施例2: チャンバーの中心軸に沿って、チャンバーの内表面は第三の軸方向部分を含み、第三の軸方向部分は、第二の軸方向部分よりもチャンバーの遠位端に近く、第三の軸方向部分は、複数の第二の突出部を含み、複数の第二の突出部は、チャンバー内に受容されたエアロゾル発生物品の少なくとも一部分と接触するように構成されており、複数の第二の突出部は、第三の軸方向部分の基準面領域から、第二の軸方向部分の基準面領域を超えて中心軸に向かう方向に延びる、実施例1によるエアロゾル発生装置。
【0104】
実施例3:複数のへこみのうちの少なくとも一つ、特に、複数のへこみの各々は、円錐形状、または円錐台形状、またはピラミッド形状、またはピンプル形状、またはピラミッド錐台形状、またはドーム形状、または立方体形状、または部分球状形状、または円筒形状、または三面体形状、または多面体形状を有する、先行する実施例のいずれか一つによるエアロゾル発生装置。
【0105】
実施例4:複数のへこみのうちの少なくとも一つの開口部領域、特に、複数のへこみの各々の開口部領域は、円形状、または長円形状、または楕円形状、または長方形形状、または二次曲面形状、または菱形形状、または平行四辺形形状、または三角形形状、または六角形形状、または多角形形状を有する、先行する実施例のいずれかによるエアロゾル発生装置。
【0106】
実施例5:複数のへこみの密度は、1平方ミリメートル当たり0.1~1.0個のへこみ、好ましくは1平方ミリメートル当たり0.2~0.7個のへこみの範囲である、先行する実施例のいずれか一つによるエアロゾル発生装置。
【0107】
実施例6:複数のへこみのうちの少なくとも一つは、それぞれのへこみの開口部領域に対して垂直な方向に、0.25ミリメートル~2ミリメートルの範囲、好ましくは0.5ミリメートル~1ミリメートルの範囲の深さ寸法を有する、先行する実施例のいずれかによるエアロゾル発生装置。
【0108】
実施例7:複数のへこみは規則的なパターンで配設される、先行する実施例のいずれか一つによるエアロゾル発生装置。
【0109】
実施例8:第二の軸方向部分は、コヒーレント領域である、先行する実施例のいずれか一つによるエアロゾル発生装置。
【0110】
実施例9: 第二の軸方向部分の基準面領域は六角形グリッドパターンを有する、先行する実施例のいずれか一つによるエアロゾル発生装置。
【0111】
実施例10:第二の軸方向部分は十字交差グリッドパターンを有する、先行する実施例のいずれか一つによるエアロゾル発生装置。
【0112】
実施例11:第二の軸方向部分は、中心軸の方向に、内表面またはチャンバーの全長の少なくとも20パーセント、特に、内表面またはチャンバーの全長の20パーセント~40パーセントの範囲、または25パーセント~40パーセントの範囲、または30パーセント~35パーセントの範囲の長さを有する、先行する実施例のいずれか一つによるエアロゾル発生装置。
【0113】
実施例12:複数の第一の突出部のうちの少なくとも一つ、好ましくはその各々は、円錐形状、または円錐台形状、またはピラミッド形状、またはピンプル形状、またはピラミッド錐台形状、またはドーム形状、または立方体形状、または部分球状形状、または円筒形状、または三面体形状、または多面体形状を有する、先行する実施例のいずれか一つによるエアロゾル発生装置。
【0114】
実施例13:随意の複数の第二の突出部のうちの少なくとも一つ、好ましくはその各々は、円錐形状、または円錐台形状、またはピラミッド形状、またはピンプル形状、またはピラミッド錐台形状、またはドーム形状、または立方体形状、または部分球状形状、または円筒形状、または三面体形状、または多面体形状を有する、先行する実施例のいずれか一つによるエアロゾル発生装置。
【0115】
実施例14:第一の突出部および随意の第二の突出部は、実質的に点状突出部であり得る、先行する実施例のいずれか一つによるエアロゾル発生装置。
【0116】
実施例15:複数の第一の突出部の密度および随意の複数の第二の突出部の密度のうちの少なくとも一つは、1平方ミリメートル当たり0.25~1.5個の突出部、特に1平方ミリメートル当たり0.5~0.75個の突出部の範囲である、先行する実施例のいずれか一つによるエアロゾル発生装置。
【0117】
実施例16:複数の第一の突出部のうちの少なくとも一つ、好ましくはその各々は、0.5ミリメートル~2ミリメートルの範囲、特に0.75ミリメートル~1.5ミリメートルの範囲の高さ寸法を有する、先行する実施例のいずれか一つによるエアロゾル発生装置。
【0118】
実施例17:複数の第二の突出部のうちの少なくとも一つ、好ましくはその各々は、0.5ミリメートル~2ミリメートルの範囲、特に0.75ミリメートル~1.5ミリメートルの範囲の高さ寸法を有する、先行する実施例のいずれか一つによるエアロゾル発生装置。
【0119】
実施例18:複数の第一の突出部は規則的なパターンで配設される、先行する実施例のいずれか一つによるエアロゾル発生装置。
【0120】
実施例19:複数の第二の突出部は規則的なパターンで配設される、先行する実施例のいずれか一つによるエアロゾル発生装置。
【0121】
実施例20:第一の軸方向部分の基準面領域および随意の第三の軸方向部分の基準面領域のうちの少なくとも一つは、コヒーレント領域である、先行する実施例のいずれか一つによるエアロゾル発生装置。
【0122】
実施例21:第一の軸方向部分の基準面領域および随意の第三の軸方向部分の基準面領域のうちの少なくとも一つは、十字交差グリッドパターンを有する、先行する実施例のいずれか一つによるエアロゾル発生装置。
【0123】
実施例22:チャンバーは、実質的に円筒形状、または実質的に先細りの、特に実質的に円錐状、または実質的に円錐台状の形状を有する、先行する実施例のいずれか一つによるエアロゾル発生装置。
【0124】
実施例23:チャンバーは、中心軸と直角を成す平面に見られるように、実質的に円形断面、または実質的に楕円形断面、または実質的に長円形断面、または実質的に正方形断面、または実質的に長方形断面、または実質的に三角形断面、または実質的に多角形断面を有する、先行する実施例のいずれか一つによるエアロゾル発生装置。
【0125】
実施例24:チャンバーは、エアロゾル発生物品をチャンバーの中に挿入するための挿入開口部を含む、先行する実施例のいずれか一つによるエアロゾル発生装置。
【0126】
実施例25:挿入開口部は、エアロゾル発生装置の近位端、特にチャンバーの近位端に位置する、実施例24によるエアロゾル発生装置。
【0127】
実施例26:装置は、チャンバー内、特に、チャンバーの遠位端に配設された一つまたは複数の端停止部を備える、先行する実施例のいずれか一つによるエアロゾル発生装置。
【0128】
実施例27:複数の端停止部は、中心軸の周りに対称的に、特に、中心軸の周りに等しく間隔を置いて配設される、実施例26によるエアロゾル発生装置。
【0129】
実施例28:一つまたは複数の端停止部は、中心軸の方向に、0.5ミリメートル~5ミリメートルの範囲、特に1ミリメートル~4ミリメートルの範囲、好ましくは1ミリメートル~2ミリメートルの範囲、例えば1.4ミリメートルの寸法を有する、実施例26または27のいずれか一つによるエアロゾル発生装置。
【0130】
実施例29:一つまたは複数の端停止部は、0.7ミリメートル~6ミリメートルの範囲、特に1ミリメートル~5ミリメートルの範囲、好ましくは2ミリメートル~4ミリメートルの範囲の、中心軸と直角を成す半径方向延長を有する、実施例26~28のいずれか一つによるエアロゾル発生装置。
【0131】
実施例30:一つまたは複数の端停止部は、リングセグメントの形状を有する、実施例26~29のいずれか一つによるエアロゾル発生装置。
【0132】
実施例31:第一の軸方向部分の基準面領域および第二の軸方向部分の基準面領域は、共通のシェル表面上、特に、共通の円筒状、円錐状、または円錐台状のシェル表面上に配設される、先行する実施例のいずれか一つによるエアロゾル発生装置。
【0133】
実施例32:第一の軸方向部分の基準面領域および随意の第三の軸方向部分の基準面領域は、共通のシェル表面上、特に、共通の円筒状、円錐状、または円錐台状のシェル表面上に配設される、先行する実施例のいずれか一つによるエアロゾル発生装置。
【0134】
実施例33:第二の軸方向部分の基準面領域および随意の第三の軸方向部分の基準面領域は、共通のシェル表面上、特に、共通の円筒状、円錐状、または円錐台状のシェル表面上に配設される、先行する実施例のいずれか一つによるエアロゾル発生装置。
【0135】
実施例34:第一の軸方向部分の基準面領域、第二の軸方向部分の基準面領域、および随意の第三の軸方向部分の基準面領域は、共通のシェル表面上、特に、共通の円筒状、円錐状、または円錐台状のシェル表面上に配設される、先行する実施例のいずれか一つによるエアロゾル発生装置。
【0136】
実施例35:装置は、本体と、本体の空洞内に受容されるか、または本体に取り付けられたチャンバーモジュールとを備えてもよく、チャンバーモジュールは、チャンバーを含む、先行する実施例のいずれか一つによるエアロゾル発生装置。
【0137】
実施例36:エアロゾル発生装置で使用するためのチャンバーモジュールであって、チャンバーモジュールは、エアロゾル発生物品の少なくとも一部分を取り外し可能に受容するためのチャンバーを含み、チャンバーの中心軸に沿って、チャンバーの内表面は、第一の軸方向部分および第二の軸方向部分を含み、第一の軸方向部分は、第二の軸方向部分よりもチャンバーの近位端に近く、第二の軸方向部分は、複数のへこみを含むディンプル付きであり、複数のへこみは、第二の軸方向部分の基準面領域から、中心軸から離れる方向に外向きに、特に半径方向外向きに延び、第一の軸方向部分は、複数の第一の突出部を含み、複数の第一の突出部は、チャンバー内に受容されたエアロゾル発生物品の少なくとも一部分と接触するように構成されており、複数の第一の突出部は、第一の軸方向部分の基準面領域から、第二の軸方向部分の基準面領域を超えて中心軸に向かう方向に延びる、チャンバーモジュール。
【0138】
実施例37:チャンバーモジュールは、エアロゾル発生装置の本体の空洞内に受容されるか、またはエアロゾル発生装置の本体に取り付けることができるように構成されている、実施例36によるチャンバーモジュール。
【0139】
実施例38:先行する実施例のいずれか一つによるエアロゾル発生装置と、エアロゾル形成基体を含むエアロゾル発生物品と、を備え、エアロゾル発生物品の少なくとも一部分は、エアロゾル発生装置のチャンバー内に取り外し可能に受容されるか、または取り外し可能に受容可能である、エアロゾル発生システム。
【0140】
実施例39:エアロゾル発生物品は、少なくとも近位支持要素と、随意の遠位支持要素と、エアロゾル形成基体を含む基体要素と、を備え、基体要素は、システムの使用時に物品を通過する気流に対して、近位支持要素の下流かつ随意の遠位支持要素の上流に位置し、物品をチャンバー内に受容したときに、近位支持要素は、第一の軸方向部分と接触し、随意の第三の軸方向部分は、随意の遠位支持要素と接触し、基体要素は、第二の軸方向部分と接触することなく、第二の軸方向部分によって囲まれている、実施例によるエアロゾル発生システム。
【図面の簡単な説明】
【0141】
ここで、図を参照しながら実施例をさらに説明する。
【0142】
図1図1は、エアロゾル発生装置およびエアロゾル発生物品を備える本発明によるエアロゾル発生システムの例示的な実施形態を断面図で概略的に示す。
図2図2は、図1によるエアロゾル発生システムを、物品を有さずに概略的に示す。
図3図3は、図1による装置のチャンバーモジュールを斜視図で概略的に示す。
図4図4は、図3によるチャンバーモジュールを断面図で概略的に示す。
図5図5~7は、図1による装置のチャンバーの内表面の、それぞれ、第一の軸方向部分、第二の軸方向部分、および第三の軸方向部分の異なる実施形態を概略的に示す。
図6】同上。
図7】同上。
【発明を実施するための形態】
【0143】
図1および図2は、本発明によるエアロゾル発生システム1の例示的な実施形態を概略的に示す。システム1は、物品200内に含まれるエアロゾル形成基体222を加熱することによって吸入可能なエアロゾルを発生するために物品200とともに使用するための二つの主構成要素である、エアロゾル発生物品200およびエアロゾル発生装置100を備える。
【0144】
エアロゾル発生装置100は、細長い形状を有し、本体110およびスリーブ形状のチャンバーモジュール120を有する。チャンバーモジュール120は、エアロゾル発生物品200の少なくとも一部分を受容するためのチャンバー121を含む。チャンバーモジュール120は、本体110の近位部分112内に形成された空洞111の中に挿入される。遠位部分113内に、本体110は、装置100に電力供給し、その動作を制御するための電源150とコントローラ160とを備える。
【0145】
物品200は、従来の紙巻たばこの形状に類似したロッド形状を有する。本実施形態では、物品200は、同軸配設で配設された五つの要素である、遠位支持要素210、基体要素220、近位支持要素230、エアロゾル冷却要素240、およびフィルタープラグ250を備える。遠位支持要素210は、物品200の遠位端に配設される。基体要素220は、加熱されるエアロゾル形成基体222を含む。エアロゾル形成基体222は、例えばエアロゾル形成体としてグリセリンを含む均質化したたばこ材料の捲縮したシートを含んでもよい。近位支持要素230は、中心空気通路232を形成する中空コアを含む。フィルタープラグ250は、マウスピースとして機能し、例えば、セルロースアセテート繊維を含み得る。五つの要素は、順次連続的に配設されている実質的に円筒状の要素である。要素は、実質的に同一の直径を有し、円筒状のロッドを形成するように、紙巻たばこ用紙で作製された外側ラッパー260によって囲まれている。外側ラッパー260は、ラッパーの自由端が互いに重複するように、前述の要素の周りに巻かれてもよい。ラッパーは、ラッパーの重複した自由端を互いに接着する接着剤をさらに含んでもよい。
【0146】
物品200内の基体222を加熱するために、本発明によるエアロゾル発生装置100は、誘導加熱装置を備える。誘導加熱装置は、チャンバー121内に、交番磁場、特に高周波磁場を発生するための誘導コイル170を備える。高周波磁場は、500kHz(キロヘルツ)~30MHz(メガヘルツ)、特に5MHz(メガヘルツ)~15MHz(メガヘルツ)、好ましくは5MHz(メガヘルツ)~10MHz(メガヘルツ)の範囲内でありうることが好ましい。本実施形態では、誘導コイル170は、その長さ軸122に沿って円筒状のチャンバーモジュール120を円周方向に囲むらせん状コイルである。交番磁場は、物品200がチャンバー121内に受容されたときに誘導コイル170によって発生される磁場を経験するように、物品200のエアロゾル形成基体222内に配設されたサセプタ270を誘導的に加熱するために使用される。本実施形態では、サセプタ270は、エアロゾル形成基体222と物理的に直接接触するように、物品200の長さ軸に沿って基体要素220内に配設されたサセプタブレードである。
【0147】
したがって、誘導加熱装置が作動すると、高周波交流電流が誘導コイル170を通過し、交番磁場がチャンバー121内に発生する。それぞれのサセプタ材料の磁性および電気的特性に応じて、交番磁場は、サセプタ270内に渦電流またはヒステリシス損失のうちの少なくとも一つを誘発する。結果として、サセプタ270は、基体222からエアロゾルを形成するのに十分な温度に達するまで加熱される。発生したエアロゾルはエアロゾル発生物品200を通して下流に引き出されて、ユーザーによって吸入され得る。
【0148】
図3および図4は、チャンバーモジュール120およびチャンバーモジュール120の壁によって画定されるチャンバー121のさらなる詳細を示す。チャンバーモジュール120は、装置100の近位端101に、それを通してエアロゾル発生物品200がチャンバー121の中に挿入され得る挿入開口部126を含む細長いスリーブである。エアロゾル発生物品200の挿入方向は、チャンバー121の中心軸122に沿って実質的に延びる。チャンバーモジュール120は、PEEK(ポリエーテルエーテルケトン)で作製される。本実施形態では、チャンバー121は、約15ミリメートルの直径を有する実質的に円形断面を有する実質的に円筒形状を有する。チャンバー121の円筒形状および円形断面は、実質的に、エアロゾル発生物品200の円筒形状および円形断面に対応する。
【0149】
チャンバー121は、チャンバー121の軸方向の全長にわたって延びる内表面130を含む。本実施形態では、チャンバー121の軸方向長さは、25ミリメートル~28ミリメートルの範囲である。チャンバー121の中心軸122に沿って、内表面130は、第一の軸方向部分131、第二の軸方向部分132、および第三の軸方向部分133を含み、第一の軸方向部分131は、第二の軸方向部分132よりもチャンバー121の近位端124に近く、第三の軸方向部分133は、第二の軸方向部分132よりもチャンバー121の遠位端123に近い。したがって、第二の軸方向部分132は、第一の軸方向部分131と第三の軸方向部分133との間に位置する。第二の軸方向部分132の長さは、チャンバー121の軸方向長さ129の約33パーセント(約1/3)である。同じことが第一の軸方向部分131の長さに当てはまる。対照的に、第三の軸方向部分133の長さは、第一の軸方向部分131および第二の軸方向部分132の長さよりもわずかに短い。
【0150】
第一の軸方向部分131は、第一の軸方向部分131の基準面領域145から、第二の軸方向部分132の基準面領域146を超えて中心軸122に向かう方向に延びる、複数の第一の突出部141を含む。同様に、第三の軸方向部分133は、第三の軸方向部分133の基準面領域147から、第二の軸方向部分132の基準面領域146を超えて中心軸122に向かう方向に延びる、複数の第二の突出部143を含む。第一の軸方向部分131および第三の軸方向部分133とは対照的に、第二の軸方向部分132は突出部を含まない。代わりに、第二の軸方向部分132は、第二の軸方向部分132の基準面領域146から、中心軸122から離れる方向に外向きに延びる複数のへこみ142を含むディンプル付きである。
【0151】
したがって、物品200がチャンバー121の中に挿入されるときに、物品200は、複数の第一の突出部141および複数の第二の突出部143とのみ接触する。対照的に、物品200は、内表面130の第二の軸方向部分132と接触しない。結果として、物品200とチャンバー121の内表面130との間の全体的な接触領域は、著しく減少する。有利なことに、これは、エアロゾル発生物品200から内表面130への直接的な熱伝導に起因する熱損失の全体的な低減をもたらす。さらに、チャンバー121における凝縮物形成による物品200に対する不利な湿潤効果も低減される。さらに、接触表面積の減少は、物品200をチャンバー121の中へと、またはチャンバー121の外に移動させる際に克服すべき摩擦力を低減するため、物品200の挿入および取り外しを容易にする。
【0152】
物品200と内表面130との間の減少された接触領域にもかかわらず、物品200は、第一の突出部131および第二の突出部132によってチャンバー121内に依然としてしっかりと保持されている。本実施形態では、このことは、第一の軸方向部分131、第二の軸方向部分132、および第三の軸方向部分133の配設および寸法が、近位支持要素230、基体要素220、および遠位支持要素210に適合されているため、なおいっそう当てはまる。図1に見られるように、物品200がチャンバー121内に受容されたとき、近位支持要素230は、第一の軸方向部分131の第一の突出部141と接触し、遠位支持要素210は、第三の軸方向部分133の第二の突出部143と接触する。対照的に、基体要素220は、実質的に第二の軸方向部分132によって囲まれているが、それと接触しない。その非常に軸方向の端でのみ、基体要素220は、第一の軸方向部分131の第一の突出部141、および第三の軸方向部分133の第二の突出部143と部分的に接触している。しかしながら、代替的な実施形態では、非常に軸方向の端でさえ、突出部141、143、または第一の軸方向部分131および第三の軸方向部分133と接触せず、代わりに基体要素220の全体が第二の軸方向部分132内にあってもよいことが理解されよう。これらの特定の構成により、第一の軸方向部分131および第二の軸方向部分133の第一の突出部141および第二の突出部143は、実質的に、使用中に最も剛直で最も縮みが小さい物品200のそれらの部分とのみ係合する。
【0153】
さらに、図1を参照すると、第一の突出部141と第二の突出部143との間の自由空間は、チャンバー121の内表面130とチャンバー121内に挿入されたエアロゾル発生物品200の外表面との間で空気が流れることを可能にする、気流通路の多次元マトリクスを形成する。したがって、陰圧が、受容チャンバー121内に受容されたエアロゾル発生物品200のフィルター要素250に印加される場合、例えば、ユーザーが吸煙を行うときに、空気は、装置100の近位端101またはチャンバー121の近位端124においてそれぞれ挿入開口部126のへりで受容チャンバー121内に引き出される。この気流はさらに、マルチチャネル気流通路に沿って内表面130に沿って通過し、受容チャンバー121の遠位端123において底部部分へと入る。ここで、気流は、遠位支持要素210を通してエアロゾル発生物品200に入り、さらに基体要素220、近位支持要素230、エアロゾル冷却要素240、およびフィルター要素250を通過し、最終的に物品200から出る。基体要素240において、エアロゾル形成基体からの気化した材料は、気流に同伴され、その後、エアロゾルを形成するためになど、近位支持要素230、エアロゾル冷却要素240、およびフィルター要素250を通して、そのさらなる経路上で冷却される。受容チャンバー121の遠位端123におけるエアロゾル発生物品200内への適切な気流の再配向を可能にするために、本実施形態によるエアロゾル発生装置100は、受容チャンバー121の遠位端123に配設された端停止部128を備える。端停止部128は、受容チャンバー121の中への物品200の挿入深さを制限し、したがって、物品200が受容チャンバー121の底面に当接することを防止するように構成されている。これは図1に示されている。
【0154】
チャンバー121の近位端124から、内表面130に沿ってチャンバー121の遠位端123に向かって通過する気流に対して、第二の軸方向部分132の複数のへこみ142は、第二の軸方向部分132に沿って気流を乱流させる。有利なことに、乱流気流は、装置100を通した気流管理を改善し、特に、物品の周りを流れる空気の間の十分な熱交換を確実にする。さらに、第二の軸方向部分132のディンプル142は、有利なことに、第二の軸方向部分132の領域において乱流気流を促進し、これは、従来のエアロゾル発生システムと比較して改善されたエアロゾル特性を提供するのに役立つ。
【0155】
本実施形態では、第一の突出部141および第二の突出部143は、ピンプル形状を有する点状突出部として形成される。第一の突出部141および第二の突出部143は、規則的なマトリクスパターンで配設される。対照的に、複数のへこみ142は、六角形断面を有する円筒形状を有する。すなわち、各へこみ142の開口部領域は、六角形形状または六角形断面を有する。へこみ142は、六角形パターン、特に、ハニカム構成で配設される。したがって、第二の軸方向部分132の基準面領域146は、六角形グリッドパターン、特に、ハニカムパターンを有する。
【0156】
第一の軸方向部分131および第三の軸方向部分133の基準面領域、および第二の軸方向部分の基準面領域は両方とも、分離されたセクションを有さないコヒーレント領域である。
【0157】
特に図4に見られるように、第一の突出部141および第二の突出部143は、同じ高さ寸法148を有する。同様に、すべてのへこみ142は、同じ深さ寸法149を有する。良好な気流管理に関して、高さ寸法148は、中心軸122に向かって半径方向で測定した場合、好ましくは、0.5ミリメートル~2ミリメートルの範囲、特に0.75ミリメートル~1.5ミリメートルの範囲である。同様に、へこみ142は、好ましくは、それぞれのへこみの開口部領域に対して垂直な方向に、0.25ミリメートル~2ミリメートルの範囲、好ましくは0.5ミリメートル~1ミリメートルの範囲の深さ寸法149を有する。
【0158】
乱流気流の形成はまた、へこみ147の密度による影響も受け得る。複数のへこみ147の密度は、1平方ミリメートル当たり0.1~1.0個のへこみ、好ましくは1平方ミリメートル当たり0.2~0.7個のへこみの範囲であることが好ましい。同様に、複数の第一の突出部141および第二の突出部143の密度は、1平方ミリメートル当たり0.25~1.5個の突出部、特に1平方ミリメートル当たり0.5~0.75個の突出部の範囲である。本明細書で使用される場合、1平方ミリメートル当たりの密度は、基準面領域に対して垂直な方向におけるその基準面領域上の、すなわち、図4に破線191、192で示すように、それぞれの基準面領域145、146,147の各点に接するエンベロープ表面へのそれぞれの軸方向部分131、132、133の突出部の面積容量を言及する。本実施形態では、複数の第一の突出部141の密度および複数の第二の突出部143の密度は同一であるが、複数のへこみ147の密度よりも小さい。
【0159】
図5および図6は、内表面231、233、331、333の第一の軸方向部分および第三の軸方向部分の代替的な実施形態のそれぞれのセクションを概略的に示す。図5では、第一の突出部241および第二の突出部243は、立方体形状を有し、規則的な正方形パターンで配設されている。したがって、それぞれの基準面領域245、247は、規則的な正方形グリッドパターンを有する。図6では、第一の突出部341および第二の突出部343は、ピラミッド形状を有する。それぞれの基準面領域345、347は、第一の突出部341と第二の突出部343の間にそれぞれ直線状気流通路を提供するように、十字交差グリッドパターンを有する。
【0160】
図7は、第二の軸方向部分432の代替的な実施形態を示す。図中、第二の軸方向部分432は、その各々が部分球状形状を有する、円形断面の複数のへこみ442を含む。すなわち、各へこみ442の開口部領域は、円形状または円形断面を有する。へこみ442は、正方形のグリッドパターンで配設されている。
【0161】
本明細書および添付の特許請求の範囲の目的において、別途指示がない限り、量(amounts)、量(quantities)、割合などを表すすべての数は、全ての実例において、用語「約」によって修正されるものとして理解されるべきである。また、すべての範囲は、開示される最大点および最小点を含み、それらの任意の中間範囲を含み、それらは本明細書に具体的に列挙されている場合も列挙されていない場合もある。したがって、この文脈では、数AはA±5パーセントとして理解される。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
【国際調査報告】