(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-02-20
(54)【発明の名称】巻尺のための保護ポリアミドフィルム
(51)【国際特許分類】
B32B 3/04 20060101AFI20230213BHJP
B32B 15/08 20060101ALI20230213BHJP
B32B 15/088 20060101ALI20230213BHJP
G01B 3/1003 20200101ALI20230213BHJP
【FI】
B32B3/04
B32B15/08 E
B32B15/088
G01B3/1003
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022536560
(86)(22)【出願日】2020-12-17
(85)【翻訳文提出日】2022-06-14
(86)【国際出願番号】 IB2020062096
(87)【国際公開番号】W WO2021124188
(87)【国際公開日】2021-06-24
(32)【優先日】2019-12-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】GB
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】519399763
【氏名又は名称】デュポン テイジン フィルムス ユーエス リミテッド パートナーシップ
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100119013
【氏名又は名称】山崎 一夫
(74)【代理人】
【識別番号】100123777
【氏名又は名称】市川 さつき
(74)【代理人】
【識別番号】100111796
【氏名又は名称】服部 博信
(74)【代理人】
【識別番号】100123766
【氏名又は名称】松田 七重
(72)【発明者】
【氏名】リュウ シェンシェン
(72)【発明者】
【氏名】ネルソン エリク
【テーマコード(参考)】
2F011
4F100
【Fターム(参考)】
2F011AA04
4F100AB00A
4F100AK01C
4F100AK03C
4F100AK16C
4F100AK16E
4F100AK25C
4F100AK31E
4F100AK46B
4F100AK48B
4F100AK51E
4F100AK68C
4F100AK70C
4F100AL01C
4F100BA03
4F100BA04
4F100BA05
4F100BA07
4F100CA13D
4F100EJ65E
4F100GB90
4F100JA20B
4F100JL12C
4F100YY00B
4F100YY00C
(57)【要約】
本発明は、巻尺のためのブレードに関し、ブレードは細長い金属基材を含み、さらに少なくとも1つの配向ポリアミド保護フィルムを含む。配向ポリアミド保護フィルムは、配向ポリアミド基材フィルムを含み、ヒートシール性ポリマーコーティング層を含んでもよい。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
上面および下面を有する細長い金属基材を含む巻尺のためのブレードであって、尺度目盛が前記上面および前記下面の少なくとも1つに配置され、前記ブレードは、前記上面および前記下面の少なくとも1つの面に配置された配向ポリアミド保護フィルムをさらに含み、前記配向ポリアミド保護フィルムは、配向ポリアミド基材層およびヒートシール性ポリマーコーティング層を含み、前記配向ポリアミド保護フィルムの厚みは75μm以下である、ブレード。
【請求項2】
顔料層または塗料層は、前記尺度目盛を適用する前に前記金属基材に配置される、請求項1に記載のブレード。
【請求項3】
前記ポリアミドは熱可塑性結晶性直鎖脂肪族ポリアミドであり、好ましくは、ナイロン6,6、ナイロン6、ナイロン6.66、ナイロン6,10、ナイロン6,4ならびにこれらのブレンドおよび混合物から選択される、請求項1または2に記載のブレード。
【請求項4】
前記配向ポリアミド保護フィルムは二軸配向である、請求項1~3のいずれか1項に記載のブレード。
【請求項5】
前記配向ポリアミド保護フィルムの厚みが50μm以下、好ましくは25.0μm以下、好ましくは20μm以下、好ましくは15μm以下、好ましくは12.5μm以下である、請求項1~4のいずれか1項に記載のブレード。
【請求項6】
前記配向ポリアミド保護フィルムは、配向ポリアミド基材層および前記層の上にヒートシール性ポリマーコーティングを含む、請求項1~5のいずれか1項に記載のブレード。
【請求項7】
前記ヒートシール性ポリマーコーティングは、ポリ塩化ビニリデン(PVDC)、エチレン酢酸ビニル(EVA)、ポリオレフィン、エチレンアクリル酸コポリマー、エチレンメタクリル酸コポリマーおよびコポリエステル、好ましくはEVAおよびPVDCから選択されるポリマー材料から形成される、請求項6に記載のブレード。
【請求項8】
前記ヒートシール性コーティングは、9%~40%の範囲の酢酸ビニル含有量を有するEVAポリマーから形成される、請求項6または7に記載のブレード。
【請求項9】
前記ヒートシール性コーティングは、芳香族ジカルボン酸および一般式C
nH
2n(COOH)
2、(式中、nは2~8である)を有する脂肪族ジカルボン酸ならびに1つ以上の脂肪族ジオールに由来するコポリエステルから形成され、好ましくは前記芳香族ジカルボン酸はテレフタル酸であり、前記脂肪族ジカルボン酸は、セバシン酸、アジピン酸およびアゼライン酸から選択され、前記脂肪族ジオールは、エチレングリコールまたはブチレングリコールから選択される、請求項6または7に記載のブレード。
【請求項10】
前記コポリエステルに存在する前記芳香族ジカルボン酸の濃度は、前記コポリエステルの前記ジカルボン酸成分に基づいて、45~80モル%、より好ましくは50~70モル%、特に55~65モル%の範囲にあり、前記コポリエステルに存在する前記脂肪族ジカルボン酸の濃度は、前記コポリエステルの前記ジカルボン酸成分に基づいて、20~55モル%、より好ましくは30~50モル%、特に35~45モル%の範囲にある、請求項9に記載のブレード。
【請求項11】
請求項9または10に記載のブレードであって、前記コポリエステルは、
(i)アゼライン酸およびテレフタル酸と、脂肪族グリコール、好ましくはエチレングリコールとのコポリエステル、好ましくは40~50/60~50/100、より好ましくは45/55/100の相対モル比で前記成分を有するアゼライン酸/テレフタル酸/エチレングリコールのコポリエステル、
(ii)アジピン酸およびテレフタル酸と、脂肪族グリコール、好ましくはエチレングリコールとのコポリエステル、ならびに
(iii)セバシン酸およびテレフタル酸と、脂肪族グリコール、好ましくはブチレングリコールとのコポリエステル、好ましくはセバシン酸/テレフタル酸/ブチレングリコールのコポリエステル、好ましくは45~55/55~45/100、より好ましくは50/50/100の相対モル比で前記成分を有するセバシン酸/テレフタル酸/ブチレングリコールのコポリエステル、から選択されるブレード。
【請求項12】
プライマーコーティング層が前記配向ポリアミド基材と前記ヒートシール性コーティング層との間に配置され、好ましくは前記プライマーコーティングがポリウレタン、ポリエチレンイミンおよびPVDCから選択される、請求項6~11のいずれか1項に記載のブレード。
【請求項13】
前記ヒートシール性コーティング層の厚みが約0.5~約5μm、好ましくは1~約4μmであり、前記任意のプライマー層の厚みが1μm以下、好ましくは約0.5μm以下、好ましくは約0.3μm以下、好ましくは少なくとも0.05μm、一般的には約0.1μmである、請求項6~12のいずれか1項に記載のブレード。
【請求項14】
前記配向ポリアミド保護フィルムは、配向ポリアミド基材層、任意のプライマーコーティング層およびヒートシール性コーティング層を含む、から本質的になる、またはからなり、好ましくは前記配向ポリアミド保護フィルムは前記配向ポリアミド基材層が前記巻尺の前記ブレードの前記外面を形成するように、前記細長い金属基材に配置される、請求項6~13のいずれか1項に記載のブレード。
【請求項15】
接着剤の層が前記配向保護フィルムと前記細長い金属基材との間に挟まれ、好ましくは前記接着剤がコポリエステルまたはポリウレタン接着剤であり、好ましくは前記接着剤層の厚みは5~10μmの範囲にある、請求項1~14のいずれか1項に記載のブレード。
【請求項16】
前記細長い金属基材の前記上面に第1の配向保護フィルムを含み、前記細長い金属基材の前記下面に第2の配向保護フィルムを含む、請求項1~15のいずれか1項に記載のブレードであって、
(i)前記第1および第2の配向保護フィルムの一方は、配向ポリアミド基材層およびヒートシール性ポリマーコーティング層を含む前記配向ポリアミド保護フィルムから選択され、
(ii)前記第1および第2の配向保護フィルムの他方は、配向ポリアミド基材層およびヒートシール性ポリマーコーティング層を含む配向ポリアミド保護フィルム等の配向ポリアミド保護フィルムから選択されるか、または配向ポリエステル保護フィルム、好ましくはポリエチレンテレフタラート(PET)フィルム、好ましくは二軸配向PETフィルムから選択される、ブレード。
【請求項17】
前記ブレードは、任意に着色されたその上面に配置された尺度目盛を有する細長い金属基材、前記目盛を有する面に配置された接着剤の層および前記接着剤層に配置された前記配向ポリアミド保護フィルムによって構成され、前記配向ポリアミド保護フィルムの前記ヒートシール性ポリマーコーティング層は、前記接着剤層に直接接触している、請求項1~15のいずれか1項に記載のブレード。
【請求項18】
前記ブレードは、前記細長い金属基材の、任意に着色され、任意に目盛を有する下面に配置された接着剤の第2の層および前記第2の接着剤層に配置された第2の配向保護ポリマーフィルムをさらに含む、請求項17に記載のブレード。
【請求項19】
前記第2の配向保護ポリマーフィルムは、配向ポリアミド基材層およびヒートシール性ポリマーコーティング層を含み、前記ヒートシール性ポリマーコーティング層は前記第2の接着剤層に直接接触している、配向ポリアミド保護フィルム等の配向ポリアミド保護フィルムから選択されるか、または配向ポリエステル保護フィルム、好ましくはポリエチレンテレフタラート(PET)フィルム、好ましくは二軸配向PETフィルムから選択され、任意に、前記ポリエステルフィルムは、その1つの面に配置されたポリマーヒートシール層を含み、前記ポリマーヒートシール層が前記第2の接着剤層に直接接触する、請求項18に記載のブレード。
【請求項20】
前記ブレードは、任意に着色されたその上面に配置された尺度目盛を有する細長い金属基材、前記目盛を有する上面に配置された接着剤の第1の層、前記第1の接着剤層に配置された第1の配向保護フィルム、前記細長い金属基材の、任意に着色され、任意に目盛を有する下面に配置された接着剤の第2の層および前記第2の接着剤層に配置された第2の配向保護フィルムによって構成され、前記第2の配向保護フィルムは、ヒートシール性ポリマーコーティング層を含む配向保護ポリアミドフィルムであり、前記第2の配向ポリアミド保護フィルムの前記ヒートシール性ポリマーコーティング層は前記第2の接着剤層に直接接触している、請求項1~16のいずれか1項に記載のブレード。
【請求項21】
前記第1の配向保護ポリマーフィルムは、配向ポリアミド基材層およびヒートシール性ポリマーコーティング層を含み、前記ヒートシール性ポリマーコーティング層は前記第1の接着剤層に直接接触している、配向ポリアミド保護フィルム等の配向ポリアミド保護フィルムから選択されるか、または配向ポリエステル保護フィルム、好ましくはポリエチレンテレフタラート(PET)フィルム、好ましくは二軸配向PETフィルムから選択され、任意に前記ポリエステルフィルムは、その1つの面に配置されたポリマーヒートシール層を含み、前記ポリマーヒートシール層が前記第1の接着剤層に直接接触する、請求項20に記載のブレード。
【請求項22】
前記配向保護ポリマーフィルムまたは各配向保護ポリマーフィルムの側縁部は前記細長い金属基材の側縁部と隣接する、請求項17~21のいずれか1項に記載のブレード。
【請求項23】
前記ブレードは、配向ポリマー基材層およびヒートシール性ポリマー層を含む第1の配向ヒートシール性ポリマー保護フィルムによって構成され、前記第1の保護フィルムは前記配向ポリマー基材層が前記巻尺の前記ブレードの前記外上面を構成するように、前記細長い金属基材の目盛を有する、任意に着色された上面に配置され、前記第1の配向ヒートシール性ポリマー保護フィルムは、前記細長い金属基材の前記上面のそれぞれの側縁部に巻き付けられて、その側縁部のそれぞれにおいて、前記第1の配向ヒートシール性保護フィルムの一部分が、前記ブレードの前記任意に目盛を有する、任意に着色された下面に配置される、請求項1~16のいずれか1項に記載のブレード。
【請求項24】
前記下面に配置されている前記第1の配向ポリマー保護フィルムの前記部分は、前記第2の配向ポリマー保護フィルムと重なって、前記第1の配向ポリマー保護フィルムの前記部分が、前記外下面の少なくとも部分を形成する、前記細長い金属基材の前記下面に配置された第2の配向ポリマー保護フィルムを含む請求項23に記載のブレード。
【請求項25】
接着剤層が前記細長い金属基材の前記上面と前記第1の配向保護フィルムとの間に挟まれ、前記ブレードは前記下面に配置された第2の配向ポリマー保護フィルムを含み、接着剤層が前記細長い金属基材の前記下面と前記第2の配向ポリマー保護フィルムとの間に配置される、請求項23または24に記載のブレード。
【請求項26】
前記第1の配向保護フィルムは、配向ポリアミド基材層およびヒートシール性ポリマーコーティング層を含む前記配向ポリアミド保護フィルムである、請求項23~25のいずれか1項に記載のブレード。
【請求項27】
前記第2の配向保護ポリマーフィルムは、配向ポリアミド基材層およびヒートシール性ポリマーコーティング層を含み、前記ヒートシール性ポリマーコーティング層は前記第2の接着剤層に直接接触している、配向ポリアミド保護フィルム等の配向ポリアミド保護フィルムから選択されるか、または配向ポリエステル保護フィルム、好ましくはポリエチレンテレフタラート(PET)フィルム、好ましくは二軸配向PETフィルムから選択され、任意に前記ポリエステルフィルムは、その1つの面に配置されたポリマーヒートシール層を含む、請求項23~26のいずれか1項に記載のブレード。
【請求項28】
前記第1の配向ポリマー保護フィルムおよび前記第2の配向ポリマー保護フィルムのそれぞれは、配向ポリアミド基材層およびヒートシール性ポリマーコーティング層を含む配向ポリアミド保護フィルムであり、前記第1の配向ポリアミド保護フィルムは、前記配向ポリアミド基材層が前記巻尺の前記ブレードの前記外上面を構成し、前記ポリマーヒートシール層が最内層にあるように配置され、前記第2の配向ポリアミド保護フィルムは、前記配向ポリアミド基材層が最内層にあり、前記ポリマーヒートシール層が外側に面するように配置され、前記ブレードに巻かれ、前記下面に配置される前記第1の保護フィルムの前記部分は、前記第1の保護フィルムの前記ヒートシール層が前記第2の保護フィルムの前記ヒートシール層に接触するように配置され、好ましくは前記ヒートシール性ポリマーコーティング層がPVDCおよびEVA、好ましくはPVDCから選択される、請求項23~25のいずれか1項に記載のブレード。
【請求項29】
前記第1の配向ポリマー保護フィルムは、配向ポリアミド基材層およびヒートシール性ポリマーコーティング層を含む配向ポリアミド保護フィルムである、請求項23~25のいずれか1項に記載のブレードであって、
(i)前記第1の配向ポリアミド保護フィルムは、前記配向ポリアミド基材層が前記巻尺の前記ブレードの前記外上面を構成し、前記ポリマーヒートシール層が最内層にあるように配置され、
(ii)前記第2の配向ポリマー保護フィルムは、ポリエステルフィルム、好ましくは二軸配向PETフィルム、好ましくは配向ポリエステル基材層の片面または両面に配置されたポリマーヒートシール層を含む複合フィルムから選択され、
好ましくは、前記第1および第2保護フィルムのそれぞれの上にある前記ヒートシール性ポリマーコーティング層はPVDCおよびEVA、好ましくはPVDCから選択される、ブレード。
【請求項30】
請求項23~25のいずれか1項に記載のブレードであって、
(i)前記第1の配向ポリマー保護フィルムは、配向ポリエステル基材層(好ましくは二軸配向PET基材層)およびEVAから選択されるヒートシール性ポリマーコーティング層を含む配向ポリエステル保護フィルムであり、前記配向ポリエステル基材層が前記巻尺の前記ブレードの前記外上面を構成し、前記ポリマーヒートシール層が最内層にあるように配置され、
(ii)前記第2の配向ポリマー保護フィルムは、配向ポリアミド基材層およびヒートシール性ポリマーコーティング層、好ましくはPVDCおよびEVAから選択されるヒートシール性ポリマーコーティング層、を含む配向ポリアミド保護フィルムであり、前記ポリマーヒートシール層が最内層にあるように配置される、ブレード。
【請求項31】
請求項23~25のいずれか1項に記載のブレードであって、
(i)前記第1の配向ポリマー保護フィルムは、配向ポリエステル基材層、好ましくは二軸配向PETフィルム、およびEVAから選択されるヒートシール性ポリマーコーティング層を含む配向ポリエステル保護フィルムであり、前記配向ポリエステル基材層が前記巻尺の前記ブレードの前記外上面を構成し、前記ポリマーヒートシール層が最内層にあるように配置され、
(ii)前記第2の配向ポリマー保護フィルムは、ヒートシール性ポリマーコーティング層を有しない配向ポリアミド保護フィルムである、ブレード。
【請求項32】
請求項23~25のいずれか1項に記載のブレードであって、
(i)前記第1の配向ポリマー保護フィルムは、配向ポリエステル基材層、好ましくは二軸配向PETフィルム、およびPVDCから選択されるヒートシール性ポリマーコーティング層を含む配向ポリエステル保護フィルムであり、前記配向ポリエステル基材層が前記巻尺の前記ブレードの前記外上面を構成し、前記ポリマーヒートシール層が最内層にあるように配置され、
(ii)前記第2の配向ポリマー保護フィルムは、配向ポリアミド基材層およびヒートシール性ポリマーコーティング層、好ましくはPVDCおよびEVA、好ましくはPVDCから選択されるヒートシール性ポリマーコーティング層、を含む配向ポリアミド保護フィルムであり、前記配向ポリアミド基材層が最内層にあり、前記ポリマーヒートシール層が外側に面し、前記第1の保護フィルムの前記ヒートシール層と接触するように配置される、ブレード。
【請求項33】
前記第1および第2の保護フィルムのそれぞれの厚みは15μm以下である、請求項26~32のいずれか1項に記載のブレード。
【請求項34】
300μm以下の合計厚みを有する請求項1~33のいずれか1項に記載のブレード。
【請求項35】
上面および下面を有する細長い金属基材を含む巻尺のためのブレードであって、尺度目盛が前記上面および下面の少なくとも1つに配置され、前記ブレードは、前記上面に配置された第1の配向保護フィルムおよび前記下面に配置された第2の配向保護フィルムをさらに含み、前記配向保護フィルムの少なくとも一方および好ましくは両方は、ヒートシール層を含まない配向ポリアミドフィルムであり、前記配向保護フィルムの厚みは20μm以下、好ましくは15μm以下、好ましくは12.5μm以下であり、前記配向保護フィルムのそれぞれの幅が前記細長い金属基材の幅と同じである、ブレード。
【請求項36】
前記第1および第2の配向ポリアミドフィルムは、請求項3~14のいずれか1項に規定される前記配向ポリアミドフィルムから選択される、請求項35に記載のブレード。
【請求項37】
顔料層または塗料層は、尺度目盛を適用する前に前記金属基材に配置される、請求項35または36に記載のブレード。
【請求項38】
前記ブレードは、任意に着色されたその上面に配置された尺度目盛を有する細長い金属基材、前記目盛を有する面に配置された接着剤の第1の層、および前記第1の接着剤層に配置された前記配向ポリアミド保護フィルムによって構成され、前記配向ポリアミド保護フィルムの前記ヒートシール性ポリマーコーティング層は、前記第1の接着剤層に直接接触しており、接着剤の第2の層は前記細長い金属基材の、任意に着色された、任意に目盛を有する下面に配置され、前記第2の配向保護ポリマーフィルムは、前記第2の接着剤層に配置され、前記第2の配向ポリアミド保護フィルムの前記ヒートシール性ポリマーコーティング層は、前記第2の接着剤層に直接接触し、好ましくは接着剤層の厚みは5~10μmの範囲にある、請求項35、36または37に記載のブレード。
【請求項39】
ブレードを保持するための筐体および請求項1~38のいずれか1項に記載のブレードを含む巻尺。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、巻尺のための保護フィルムの分野に関し、それから作製される巻尺に関し、その巻尺の作製方法に関する。
【背景技術】
【0002】
一般的な巻尺は、可撓性テープまたは筐体内部の巻き枠上に巻かれるブレードから構成される。ブレードは、巻かれた状態で筐体に保管され、距離、通常は直線距離を測定するために筐体から繰り出され、伸長される。ブレードは、外部のクランクを回転させることによって手動で、または内部のばねを使用することによって自動で筐体に巻き戻すことができる。ブレードは、通常、シート金属、一般的に鋼の薄い片から作製される。ブレードは、その面に印刷された尺度目盛を表示し、ブレードが筐体から伸長されると、ユーザーはその目盛を読み取ることによって距離を測定することができる。一般的に、目盛の読みやすさを向上させるために、ブレードの面に顔料または塗料層は、尺度目盛を印刷する前に配置される。一般的に、顔料層は黄色または白色であり、尺度目盛は濃い色のインクで印刷される。
【0003】
ブレードを繰り返し巻く、巻き戻すことで、ブレード上の印刷材料は、それが接触する任意の面に対して接触し、摩耗する。ばねが装填された巻尺は、特に摩耗しやすく、これはブレードが筐体に引き込まれるとき、ブレードの速度が、筐体に対してブレードを「むち打つように急に動かす」ためである。さらに巻尺は、あらゆる種類の天候において屋外で、摩耗条件下で使用される建築現場での使用に供される。したがって、巻尺は長い時間をかけて使用される場合、印刷された目盛が摩損することが多く、目盛を読み取ることが困難または不可能になり、測定が不正確になり、巻尺としては許容できない性能になる。一般的に、印刷材料は、巻尺の他の構造的要素が働かなくなる前に擦り減り、ユーザーを落胆させ、この巻尺は品質が劣るという印象を与える。さらに巻尺の裏面(本明細書では下面と呼ばれる)も、伸長し、引き込まれている間に、測定される基材を横切り、テープの筐体の開口部に移動するときに擦り減ることがあり、このことは、ばねが装填されたテープの迅速な引き込みについての特定の問題である。筐体は、一般的に、テープを確実に引き込むことと巻き戻すことを促すガイドノジュールを含み、テープがこれらのガイドノジュールを移動する場合、テープ表面の摩耗が特定の問題である。テープの裏面(下面)も尺度目盛を示してもよい。
【0004】
ブレードを有する巻尺に改善された摩耗特徴を提供するために様々な試みがこれまでなされてきた。米国特許出願公開第2007/0079520号は、ポリエステル、ポリエチレン、ポリウレタン、ポリプロピレンまたはナイロンから作製され、その内面、すなわちブレードに面した面に印刷された尺度目盛を有する透明な保護フィルムを開示している。このフィルムは、0.001~0.015インチ(25.4~381μm)の厚みを有し、シリコーンまたはアクリル等の接着剤によってブレードに付着することが報告されている。印刷された保護フィルムは、ブレードの上面または下面の上に延在することができる。目盛が両面に必要とされるさらなる実施形態が開示されており、そこで印刷されたフィルムがブレードの両面に延在し、単一のフィルムを使用して一端に巻き付けられることによって両面全体を覆ってもよい。本発明の発明者は、金属基材の目盛を有する面に保護フィルムとして積層複合フィルムを使用することも考慮しており、積層複合フィルムは、完成したテープの外面を形成するナイロン層および目盛を有する金属基材に面するポリエステル層を含み、積層複合フィルムはオフライン積層工程で製造されるが、このような製造工程は、製造コストが増加する点で不利である。
このような配置は、印刷された目盛の摩耗特徴を改善する一方、目盛が含まれるテープを巻き付ける巻き枠および筐体が非常に大きくなる。優れた耐摩耗性、特に耐摩耗性はテープの両面で必要とされる、を提供しながら、巻尺テープの厚みを減少させることが望ましい。異なる長さの巻尺のために複数の異なる筐体を製造することを回避し、代わりにそれほど大きくなく(したがって使用と保管により便利な)、巻尺の長さに依存しない大きさを有する単一の筐体を製造し、それによって製造効率および経済性ならびに使用および保管の利便性を改善することも望ましい。
通常の巻尺についてのさらなる問題は、米国特許出願公開第2007/0079520号に開示されるように、保護フィルムが金属ブレードから剥離することであり、このことはブレードが保護フィルムによって十分に保護されず、特にブレードとフィルムとの間の片方または両方のシールが環境および機械的応力にさらされ、巻尺の耐久性が減少するためである。保護フィルムの剥離抵抗を改善することが望ましい。
【発明の概要】
【0005】
前述の問題の1つ以上を克服することが本発明の目的である。
本発明の第1の態様に従って、上面および下面を有する細長い金属基材を含む巻尺のためのブレードであって、尺度目盛がこの上面および下面の少なくとも1つに配置され、このブレードは、この上面および下面の少なくとも1つに配置された配向ポリアミド保護フィルムをさらに含み、配向ポリアミド保護フィルムは、配向ポリアミド基材層およびヒートシール性ポリマーコーティング層を含み、この配向ポリアミド保護フィルムの厚みは75μm以下である、ブレードが提供される。
金属基材は、第1および第2の端および2つの側縁部を有する細長い薄板であると認識される。第1の端は、ブレードを保持するために筐体内部に固定される。第2の端は筐体から伸長または突出する。使用時、第2の端が筐体から伸長して尺度目盛を使用して距離を計測する。
同様に、この保護フィルムは第1および第2の端および2つの側縁部を有する細長い薄板であると認識される。この配向ポリアミド保護フィルムは、金属基材の目盛を有する面の表面積全体を横切って延在することがさらに認識される。好ましくは、この金属基材の上面および下面の表面積全体は、保護フィルムによって覆われる。
【0006】
金属基材は、鋼または他の可撓性金属材料(すなわち、金属および金属ベースの合金)から作製してもよい。基材は、十分に可撓性であり、筐体内部のハブに巻き付けられて、座屈することなく筐体から大幅に支持されていない距離まで伸長するのに十分な強さを依然として有する巻き枠を形成する。一般的に、ブレードはこの理由から伸長位置において湾曲横方向プロファイルを示す。金属基材の片は、一般的に所望される巻尺の作業長より僅かに長く、ハブに付いている材料の長さを説明し、ブレードがその十分に伸長した位置にある場合であっても、筐体にとどまる。
尺度目盛は、巻尺の製造の分野における当業者に周知の通常の技術に従って、印刷することによって金属基材に適切に配置される。尺度目盛は、通常、濃い色のインク、好ましくは黒色のインクで印刷される。顔料層または塗料層は、一般的に濃い色のインクと最大コントラストになるように黄色または白色層であり、一般的に尺度目盛を適用する前に、金属基材に配置される。配向ポリアミド保護フィルムは、好ましくは、その上に尺度目盛を示さない。
【0007】
この配向ポリアミド保護フィルムのポリアミドは、任意の適切なフィルム形成熱可塑性ポリアミドであってもよい。合成直鎖ポリアミドが好ましい。ポリアミドは結晶性であるべきである。適切なポリアミドとして、脂肪族ポリアミドおよび脂肪族/芳香族ポリアミド、特に脂肪族ポリアミドから選択されるホモポリマーまたはコポリマーが挙げられる。有用なポリアミドホモポリマーとして、ポリ(4-アミノ酪酸)(ナイロン4)、ポリ(6-アミノヘキサン酸)(ナイロン6、ポリ(カプロラクタム)としても知られる)、ポリ(7-アミノヘプタン酸)(ナイロン7)、ポリ(8-アミノオクタン酸)(ナイロン8)、ポリ(9-アミノノナン酸)(ナイロン9)、ポリ(10-アミノデカン酸)(ナイロン10)、ポリ(11-アミノウンデカン酸)(ナイロン11)、ポリ(12-アミノドデカン酸)(ナイロン12)、ナイロン4,6,ポリ(ヘキサメチレンアジパミド)(ナイロン6,6)、ポリ(ヘキサメチレンセバカミド)(ナイロン6,10)、ポリ(ヘプタメチレンピメラミド)(ナイロン7,7)、ポリ(オクタメチレンスベラミド)(ナイロン8,8)、ポリ(ヘキサメチレンアゼラミド)(ナイロン6,9)、ポリ(ノナメチレンアゼラミド)(ナイロン9,9)、ポリ(デカメチレンアゼラミド)(ナイロン10,9)、ポリ(テトラメチレンジアミン-co-シュウ酸)(ナイロン4,2)、n-ドデカンジオン酸およびヘキサメチレンジアミンのポリアミド(ナイロン6,12)、ドデカメチレンジアミンおよびn-ドデカンジオン酸のポリアミド(ナイロン12,12)等が挙げられる。有用な脂肪族ポリアミドコポリマーとして、カプロラクタム/ヘキサメチレンアジパミドコポリマー(ナイロン6,6/6)、ヘキサメチレンアジパミド/カプロラクタムコポリマー(ナイロン6/6,6)、トリメチレンアジパミド/ヘキサメチレンアゼライアミドコポリマー(ナイロントリメチル6,2/6,2)、ヘキサメチレンアジパミド-ヘキサメチレン-アゼライアミドカプロラクタムコポリマー(ナイロン6,6/6,9/6)等が挙げられる。脂肪族/芳香族ポリアミドの例として、ポリ(テトラメチレンジアミン-co-イソフタル酸)(ナイロン4,I)、ポリヘキサメチレンイソフタルアミド(ナイロン6,I)、ヘキサメチレンアジパミド/ヘキサメチレン-イソフタルアミド(ナイロン6,6/6I)、ヘキサメチレンアジパミド/ヘキサメチレン-テレフタルアミド(ナイロン6,6/6T)、ポリ(2,2,2-トリメチルヘキサメチレンテレフタルアミド)、ポリ(m-キシリレンアジパミド)(MXD6)、ポリ(p-キシリレンアジパミド)、ポリ(ヘキサメチレンテレフタルアミド)、ポリ(ドデカメチレンテレフタルアミド)、ポリアミド6T/6I、ポリアミド6/MXDT/I、ポリアミドMXDI等が挙げられる。
【0008】
好ましいポリアミドは直鎖脂肪族ポリアミドであり、好ましくは、ナイロン6,6、ナイロン6、ナイロン6.66、ナイロン6,10、ナイロン6,4ならびにこれらのブレンドおよび混合物から選択される。ナイロン6,6が特に好ましい。
配向ポリアミド保護フィルムの配向ポリアミド基材層は、好ましくは、巻尺のブレードの外面を形成し、それによってテープ、特にその上の尺度目盛を摩耗から保護する。
この配向ポリアミド保護フィルムの厚みは、好ましくは50μm以下、好ましくは25.0μm以下、好ましくは20μm以下、好ましくは15μm以下、好ましくは12.5μm以下である。
【0009】
配向ポリアミド保護フィルムは、指示基体の非存在下で独立して存在することができるフィルムまたはシートを意味する自己支持性フィルムまたはシートである。配向ポリアミド保護フィルムは、一軸配向または二軸配向であり、二軸配向が好ましい。配向ポリアミド保護フィルムは、半結晶フィルムとして分類されることが当業者によって認識される。
【0010】
配向ポリアミド保護フィルムの形成は、当該技術分野で周知の通常の技術によってもたらされてもよい。通常、基材の形成は、押出によってもたらされる。大まかに言えば、この工程は、上昇温度で溶融ポリマーの層を押出成形するステップ(一般的に、ナイロン6については250~265℃の範囲)、押出成形物を急冷するステップおよび急冷された押出成形物を少なくとも一方向に引き出すことによって配向するステップを含む。配向は、配向フィルムを製造するための当該技術分野で周知の任意の工程、例えば、管状フィルムまたはフラットフィルム工程によってもたらされてもよい。二軸配向は、フィルムの平面において2つの相互に垂直な方向に引き出して機械的、物理的特性の満足のいく組み合わせを達成することによってもたらされる。管状工程において、同時の二軸配向は、熱可塑性ポリアミドチューブを押出成形し、続いて急冷し、再加熱し、その後、内部ガス圧によって膨張して横配向を誘導し、長手配向を誘導する速度で取り出すことによってもたらされてもよい。適切な同時二軸配向工程は、EP-2108673-Aおよび米国特許出願公開第2009/0117362号に開示されており、その工程の開示は参照により本明細書に組み込まれる。
【0011】
好ましいフラットフィルム工程において、フィルム形成ポリマーは、スロットダイを通って押出成形され、チル鋳造ドラム上で迅速に急冷して、ポリマーを確実に非晶質状態まで冷却する。その後、配向は、ポリマーのガラス遷移温度より高い温度で、少なくとも1つの方向に急冷された押出成形物を延伸することによってもたらされる。連続配向は、平坦な急冷された押出成形物を、最初は一方向、通常は長手方向、すなわちフィルム延伸機械を通って順方向に、その後、横方向に延伸することによってもたらされてもよい。押出成形物の順方向延伸は、通常、1組の回転ロールまたは2対のニップロールとの間でもたらされ、横方向延伸はステンター装置でもたらされる。
延伸は、配向フィルムの寸法が延伸の方向または各方向において、元々の寸法より、2~8倍、より好ましくは2.5~5倍になるように、通常もたらされる。延伸は、通常、ポリマー組成物のTgより高い温度、好ましくはTgより少なくとも約5℃以上、好ましくはTgより少なくとも約15℃以上、好ましくは約Tg+5℃~約Tg+75℃の範囲、好ましくは約Tg+5℃~約Tg+30℃でもたらされる。均衡のとれた特性が望まれる場合好ましいが、必ずしも機械の中で均等に、横方向に延伸する必要はない。
【0012】
延伸したフィルムは、ポリマーのガラス遷移温度以上であるが、融解温度以下である温度で、寸法支持下でヒートセットによって寸法的に安定化してポリマーの所望の結晶化を誘導してもよく、そうすることが好ましい。実際のヒートセット温度および時間は、フィルムの組成およびその所望の最終熱収縮率に依存して変化するが、引裂き抵抗等のフィルムの靱性を実質的に劣化するようなヒートセット温度および時間は選択されるべきではない。これらの制約のなかで、ヒートセットは、通常、フィルムの融解温度より約80℃未満(すなわち、TM-80℃)~TMより約10℃未満(すなわち、TM-10℃)、好ましくは少なくとも約TM-70℃、好ましくは少なくとも約TM-60℃、好ましくは少なくとも約TM-50℃、好ましくは約TM-20℃で行われる。
延伸したフィルムは、その後、ポリマーの所望の結晶化度を誘導するために冷却される。
フィルム形成ポリマーは、ポリマーフィルムの製造に通常使用される任意の他の添加物を含んでもよい。そのため、粒状充填剤、加水分解安定剤、抗酸化剤、UV安定剤、架橋剤、染料、潤滑剤、ラジカルスカベンジャー、熱安定剤、表面活性剤、光沢改善剤、分離促進剤、粘度調整剤および分散安定剤等の剤を適宜、組み込んでもよい。粒状充填材は特に有用であり、当該技術分野で周知のように、製造中の扱いおよび巻線性を改善し、および/または光学特性を調節する。粒状充填剤は、通常、粒状無機充填剤である(例えば、アルミナ、チタニア、タルクおよびシリカ(特に沈降シリカまたは珪藻シリカおよびシリカゲル)等の金属またはメタロイド酸化物)、焼成白土およびアルカリ金属塩、例えば、カルシウムおよびバリウムの炭酸塩および硫酸塩)。他のスリップエイドまたはアンチブロッキング剤は、フィルムの扱いを改善し、パラフィンワックス、カルナウバロウ、ケマミドおよび他の長鎖脂肪族アミドが挙げられる。粒状無機充填剤および他のスリップエイドは、比較的少量で、一般的に5.0質量%未満、一般的に2.0質量%未満、一般的に1.0質量%未満で存在する。フィルム形成ポリアミドは、少なくとも80%、好ましくは少なくとも85%、好ましくは少なくとも90%、好ましくは少なくとも95%、通常少なくとも98%または少なくとも99%のフィルム形成ポリアミドが形成するフィルム層を構成することが好ましい。
【0013】
配向ポリアミド保護フィルムは、前述のように配向ポリアミド基材層およびその上にヒートシール性ポリマーコーティング層を含む。ヒートシール性ポリマーコーティング層のポリマー材料は、加熱で十分な程度にまで軟化することができ、その粘度は、十分に湿潤するのに低くなり、そのポリマー材料が結合している面に付着する。
本明細書で使用される場合、「ヒートシール性」という用語は、250℃以下(好ましくは230℃以下、好ましくは150~200℃の範囲内)の温度で、約1000kPa以下(好ましくは700kPa以下、好ましくは550kPa以下、好ましくは210kPa以下)の圧力で、5秒以下(好ましくは1秒以下、好ましくは0.3秒以下)の時間で、ヒートシール性フィルムをそれが結合されている表面に接触することによってヒートシール結合を形成する能力を指し、好ましくは得られる結合力は、少なくとも10g/mm、好ましくは少なくとも20g/mm、好ましくは少なくとも30g/mmである。
【0014】
ヒートシール性ポリマーコーティングは、ポリアミド基材にヒートシール性コーティングとして適切な任意のポリマー材料から形成されてもよい。適切なヒートシール性ポリマーコーティングとして、ポリ塩化ビニリデン(PVDC)、エチレン酢酸ビニル(EVA)、ポリオレフィン、エチレンアクリル酸コポリマー、エチレンメタクリル酸コポリマーおよびコポリエステルが挙げられる。EVAおよびPVDCコーティングが特に好ましく、そのなかでもEVAコーティングが好ましい。
好ましいEVAヒートシール性コーティングは、Elvax(商標)樹脂(DuPont)として市販されているEVAポリマーから適切に形成される。一般的に、EVA樹脂は、9%~40%、一般的には15%~30%の範囲の酢酸ビニル含有量を有する。
【0015】
PVDCヒートシール性コーティングは当該技術分野で周知であり、適切なPVDC材料は、他のモノマーを有する塩化ビニリデンのコポリマーである。塩化ビニリデンコポリマーは、一般的に、出発材料として50~99質量%の塩化ビニリデンおよび1~50質量%の塩化ビニリデンと共重合可能な1つ以上の他のモノマーを、通常の乳化重合方法を使用して重合化することによって、媒体に分散されたラテックスとして得られる。塩化ビニリデンの割合が高いほど、塩化ビニリデンコポリマーの結晶融点が高くなる。共重合可能なモノマーの例として、塩化ビニル、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、アクリル酸2-エチルヘキシルおよびアクリル酸2-ヒドロキシエチル等のアクリル酸エステル、メタクリル酸メチルおよびメタクリル酸グリシジル等のメタクリル酸エステル、アクリロニトリルおよびメタクリロニトリル、ならびにアクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸およびマレイン酸等の不飽和カルボン酸が挙げられる。このようなモノマーの1つまたは2つ以上を使用してもよい。塩化ビニリデンコポリマー混合物ラテックスの固形分濃度は、コーティング装置または乾燥加熱装置の仕様に従って適宜変えることができ、好ましくは10~70質量%の範囲、より好ましくは30~55質量%の範囲である。
【0016】
ヒートシール性コーティングの適切なコポリエステルとして、芳香族ジカルボン酸および脂肪族ジカルボン酸、特に一般式CnH2n(COOH)2、(式中、nは2~8である)であるもの、ならびに1つ以上のジオールに由来するコポリエステルが挙げられる。好ましい芳香族ジカルボン酸は、テレフタル酸である。好ましい脂肪族ジカルボン酸は、セバシン酸、アジピン酸およびアゼライン酸から選択される。コポリエステルに存在する芳香族ジカルボン酸の濃度は、コポリエステルのジカルボン酸成分に基づいて、好ましくは45~80モル%、より好ましくは50~70モル%、特に55~65モル%の範囲にある。コポリエステルに存在する脂肪族ジカルボン酸の濃度は、コポリエステルのジカルボン酸成分に基づいて、好ましくは20~55モル%、より好ましくは30~50モル%、特に35~45モル%の範囲にある。好ましいジオールは、脂肪族ジオール、特にエチレングリコールまたはブチレングリコールである。好ましいヒートシール性コポリエステルは熱可塑性直鎖コポリエステルであることが認識される。このようなコポリエステルの特に好ましい例は、(i)アゼライン酸およびテレフタル酸と、脂肪族グリコール、好ましくはエチレングリコールとのコポリエステル、(ii)アジピン酸およびテレフタル酸と、脂肪族グリコール、好ましくはエチレングリコールとのコポリエステルならびに(iii)セバシン酸およびテレフタル酸と、脂肪族グリコール、好ましくはブチレングリコールとのコポリエステルである。好ましいポリマーとして、-40℃のガラス遷移点(Tg)および117℃の融点(Tm)を有し、(好ましくは45~55/55~45/100、より好ましくは50/50/100の相対モル比の成分を有する)セバシン酸/テレフタル酸/ブチレングリコールのコポリエステル、ならびに-15℃のTgおよび150℃のTmを有する(好ましくは40~50/60~50/100の相対モル比、より好ましくは45/55/100を有する)アゼライン酸/テレフタル酸/エチレングリコールのコポリエステルが挙げられる。適切なヒートシール性コポリエステルは、Mor-Ester 49002(Dow Chemical)である。
【0017】
ヒートシール性コーティングの形成は、コーティング製剤をポリアミド基材にコーティングすることによってもたらされる。コーティングは、任意の適切なコーティング技術、一般的に、グラビアロールコーティングおよびリバースロールコーティングを含むロールコーティングを使用してもたらされてもよい。コーティングは、延伸および任意の続くヒートセットの後にポリマー基材の製造の間に使用される「オフライン」、または使用される任意の延伸操作の前、最中または間にコーティング工程が行われる「インライン」で実施されてもよい。コーティング製剤は、好ましくは、約0.5g/m2~約10g/m2、一般的には約5g/m2以下のコート質量で基材に適用される。
ヒートシール性ポリマーコーティングは、シーラントコーティング、特に前述の粒状無機充填材および有機スリップエイド等のアンチブロッキング剤に通常使用される任意の添加物を含んでいてもよく、一般的に5.0質量%未満、一般的に2.0質量%未満の比較的少量で通常存在する。ヒートシール性コーティングは、1種以上の界面活性剤をさらに含んで、基材の湿潤を改善することができる。適切な界面活性剤の例として、ポリエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、脂肪酸金属石鹸、アルキル硫酸塩、アルキルスルホン酸塩およびアルキルスルホコハク酸塩等のアニオン界面活性剤およびアセチレングリコール等の非イオン性界面活性剤が挙げられる。ヒートシール性ポリマー材料は、好ましくは、ヒートシール性ポリマー材料が形成するコーティング層の少なくとも90%、好ましくは少なくとも95%、一般的に少なくとも98%を構成する。
【0018】
ヒートシール性ポリマーコーティングの成分は、一般的に、コーティングビヒクルに分散または溶解され、コーティングビヒクルは、水または有機溶媒またはその混合物であってもよい。コーティング製剤は、好ましくは、コーティング製剤の10~30質量%、好ましくは15~20質量%の量のコーティングビヒクルを含む。
ヒートシール性コーティングをポリマー面に適用する前に、ポリマー基材の暴露された面は、望ましい場合、化学または物理面改質処理に供して、その面と続いて適用されるヒートシール性コーティングとの間の結合を改善してもよい。例えば、ポリマー基材の暴露された面は、コロナ放電を伴った高圧電気応力に供されてもよい。好ましくは、ポリマー基材は、プライマーコーティング層でコーティングされ、その後、ヒートシール性コーティング層に適用される。
【0019】
プライマーコーティング層は、ポリマー材料によって適切に構成され、ポリアミドと続いて適用されるヒートシール性ポリマー層との間の固着結合力を改善する任意の材料である。適切なプライマーコーティングとして、ポリウレタン(PU)、ポリエチレンイミン(PEI)およびPVDCが挙げられる。プライマーコーティング組成物は、好ましくは水性組成物である。適切なポリウレタンは、架橋を可能にする酸性機能を含むポリオールまたはポリオールの混合物および脂肪族ジイソシアン酸に由来し、適切なポリオールとして、例えば、米国特許第4,460,738号および第4,528,334号に示されるマレイン酸またはフマル酸と合体されたポリエーテルポリオール、またはヒドロキシル、アミンまたはチオール機能性も有する酸機能性化合物と、酸機能性のないポリオールの混合物が挙げられ、適切なイソシアン酸塩としてジイソシアン酸m-テトラメチルキシレンまたはジイソシアン酸p-テトラメチルキシレンが挙げられる。適切なポリウレタンは、US-5494960に記載され、その開示は参照により本明細書に組み込まれる。適切なPVDCコポリマーは、US-4438180およびEP-2216173-Aに開示され、その開示は参照により本明細書に組み込まれる。
【0020】
プライマーコーティング層は、前述のコーティング技術を使用してポリアミド基材に適用されてもよい。プライマーコーティングは、一般的に水溶液を使用することを含む、溶媒ビヒクルを使用して適用される。プライマーは、通常、インライン技術を介してポリアミド基材にコーティングされる。
ヒートシール性ポリマーコーティング層の厚みは、好ましくは約0.5~約5.0μm、好ましくは1.0~約4.0μmである。任意のプライマー層の厚みは、好ましくは1μm以下、好ましくは約0.5μm以下、好ましくは約0.3μm以下、好ましくは少なくとも0.05μm、一般的に約0.1μmである。
そのため、好ましい実施形態において、配向ポリアミド保護フィルムは、配向ポリアミド基材層、任意のプライマーコーティング層およびヒートシール性ポリマーコーティング層を含む、好ましくは本質的に構成される、好ましくは構成される。配向ポリアミド保護フィルムは、好ましくは、配向ポリアミド基材層が巻尺のブレードの外面を形成するように、細長い金属基材に配置され、すなわち、配向ポリアミド層は使用時に環境にさらされ、ヒートシール層は最内層にあり、すなわちヒートシール層は金属基材の目盛を有する面に面している。
【0021】
前述の多層配向ポリアミド保護フィルムは、積層工程によってではなく、コーティング工程によって作製されることが認識される。そのため、ヒートシール性ポリマーコーティング層および任意のプライマー層は、積層技術よりもコーティング技術によってこのポリアミド基材層に配置される。有利な点として、ヒートシール性ポリマーコーティング層および任意のプライマー層をコーティング技術によってポリアミド基材層に配置することで、保護フィルムの厚みが減少し、したがって巻尺のブレードの厚みも、筐体のサイズも減少する。
巻尺のブレードは、その目盛を有する面において、配向保護フィルムを細長い金属基材に積層することによって製造される。積層は、高温、好ましくは、250℃以下の温度(好ましくは150~200℃の範囲)、および高圧、約1000kPa以下の圧力(好ましくは700kPa以下、好ましくは550kPa以下、好ましくは210kPa以下)の条件下で、1秒以下の時間(好ましくは0.3秒以下)で金属基材の配向保護フィルムおよび任意に目盛を有する、任意に着色された面を接触させることによってもたらされる。任意の適切な積層装置を使用してもよい。配向保護フィルムがブレードの上面と下面のそれぞれに配置される場合、単一の積層ステップを使用して、組立体を積層することが好ましい。
接着剤層は、好ましくは、配向保護フィルムと細長い金属基材との間に挟まれる。接着剤は、積層の前に、配向保護フィルムまたは金属基材に適用されてもよい。当該技術分野で通常の任意の適切な接着剤として、好ましくは水性ベースの接着剤、例えば、コポリエステルまたはポリウレタン接着剤を使用してもよい。接着剤層の厚みは、5~10μmの範囲が好ましい。
【0022】
そのため、接着剤層がブレードの目盛を有する面に存在する場合、巻尺のブレードの層の順序は以下のように、外面から始まり、配向保護フィルム/接着剤層/金属基材の目盛を有する、任意に着色された面となる。配向保護フィルムと接着剤層との間、または接着剤層と金属基材の目盛を有する、任意に着色された面との間に介在層が存在しないことが認識される。接着剤層が存在しない場合、配向保護フィルムと金属基材の目盛を有する、任意に着色された面との間に介在層は存在しない。
この接着剤層が細長い金属基材および/または配向保護フィルムと適切に隣接することが認識される。
【0023】
ブレードは、好ましくは、細長い金属基材の上面に第1の配向保護フィルムを含み、細長い金属基材の下面に第2の配向保護フィルムを含む。上面と下面の両方が着色されていることが好ましい。上面および下面の少なくとも一方が尺度目盛を有する。本発明に従って、この第1および第2の配向保護フィルムの少なくとも一方は、配向ポリアミド基材層およびヒートシール性ポリマーコーティング層を含む前述の配向ポリアミド保護フィルムから選択される。そのため、優れた耐摩耗性が上面および下面の少なくとも一方に提供される。好ましくは、この配向ポリアミド保護フィルムは目盛を有する面に配置される。
この第1および第2の配向保護フィルムの他方は、配向ポリアミドフィルム、好ましくは、前述の配向ポリアミド保護フィルムであってもよい。この場合、第1および第2の配向ポリアミド保護フィルムは同じであっても異なっていてもよいが、同じ組成を有することが好ましく、厚みも同じであることが好ましい。
【0024】
あるいは、この第1および第2の配向保護フィルムの一方は、前述の配向ポリアミド保護フィルムから選択され、この第1および第2の配向保護フィルムの他方は、配向ポリエステル保護フィルムから選択される。この配向ポリエステル保護フィルムは、好ましくはポリエチレンテレフタラート(PET)フィルムであり、好ましくは二軸配向PETフィルムである。このポリエステルフィルムは、単層フィルムまたは配向ポリエステル基材層の一方または両方の面に配置されたポリマーヒートシール層を含む複合フィルムであってもよい。この実施形態において、配向ポリエステル基材層に配置されたヒートシール性ポリマー層は、好ましくは、配向ポリアミド保護層について前述で開示されたヒートシール性ポリマー層、好ましくはコポリエステル、PVDCおよびEVA、好ましくはPVDCから選択される。
【0025】
本発明の第1の態様の好ましい実施形態を以下に記載する。
第1の実施形態において、ブレードは、1つの任意に着色されたその面(本明細書では上面と呼ぶ)に配置された尺度目盛を有するこの細長い金属基材、この目盛を有する面に配置された接着剤層およびこの接着剤層に配置されたこの配向ポリアミド保護フィルムによって構成され、この配向ポリアミド保護フィルムのヒートシール性ポリマーコーティング層は、この接着剤層に直接接触している。
この第1の実施形態において、ブレードは、細長い金属基材の任意に着色され、任意に目盛を有する下面に配置された第2の接着剤層およびこの第2の接着剤層に配置された第2の配向保護ポリマーフィルムをさらに含んでもよい。この構成において、第2の配向保護ポリマーフィルムの側縁部は、細長い金属基材の側縁部に隣接しており、すなわち第2の配向保護ポリマーフィルムの幅は細長い金属基材の幅と同じであることが好ましい。そのため、有利な点として、金属基材の上面と下面の両方の表面積全体が配向保護フィルムによって、特に、それぞれの上面および下面上の第1および第2の別々の配向保護フィルムによって保護される。
【0026】
この第1の実施形態において、この第2の配向保護ポリマーフィルムは、好ましくは前述のように配向保護ポリアミドフィルムであり、この第2の配向ポリアミド保護フィルムのヒートシール性ポリマーコーティング層は、この第2の接着剤層に直接接触している。この場合、第1および第2の配向ポリアミド保護フィルムは同じであっても異なっていてもよいが、同じ組成を有することが好ましく、厚みも同じであることが好ましい。あるいは、第2の配向保護ポリマーフィルムは、ポリマーヒートシール層を有しない単層の配向ポリアミド保護フィルムであってもよい。さらに代替として、第2の配向ポリマー保護フィルムは、ポリエステルフィルムであってもよく、好ましくはポリエチレンテレフタラート(PET)フィルム、好ましくは二軸配向PETフィルムであってもよい。このポリエステルフィルムは、配向ポリエステル基材層の1つの面に配置されたポリマーヒートシール層を含む前述の単層フィルムまたは複合フィルムであってもよく、配向ポリエステル基材層は、巻尺のブレードの外下面を形成し、使用時には環境にさらされ、ポリマーヒートシール層は最内層にあり、すなわちポリマーヒートシール層は金属基材の下面に面している。
【0027】
この第1の実施形態において、配向保護フィルムまたはそれぞれの配向保護フィルムの側縁部は、細長い金属基材の側縁部に隣接しており、すなわち、配向保護フィルムの幅は、細長い金属基材の幅と同じである。
第2の実施形態において、ブレードは、任意に着色されたその上面に配置された尺度目盛を有するこの細長い金属基材、この目盛を有する上面に配置された第1の接着剤層、この第1の接着剤層に配置された第1の配向保護フィルム、この細長い金属基材の任意に着色され、任意に目盛を有する下面に配置された第2の接着剤層およびこの第2の接着剤層に配置された第2の配向保護フィルムによって構成され、この第2の配向保護フィルムは、ヒートシール性ポリマーコーティング層を含む配向保護ポリアミドフィルムであり、この第2の配向ポリアミド保護フィルムのこのヒートシール性ポリマーコーティング層はこの第2の接着剤層に直接接触している。
【0028】
この第2の実施形態において、この第1の配向保護ポリマーフィルムは、前述のように配向保護ポリアミドフィルムであってもよく、この第1の配向ポリアミド保護フィルムのヒートシール性ポリマーコーティング層は、この第1の接着剤層に直接接触している。この場合、第1および第2の配向ポリアミド保護フィルムは同じであっても異なっていてもよいが、同じ組成を有することが好ましく、厚みも同じであることが好ましい。あるいは、第1の配向保護ポリマーフィルムは、ポリマーヒートシール層を有しない単層の配向ポリアミド保護フィルムであってもよい。さらに代替として、第1の配向ポリマー保護フィルムは、ポリエステルフィルムであってもよく、好ましくはポリエチレンテレフタラート(PET)フィルム、好ましくは二軸配向PETフィルムであってもよい。このポリエステルフィルムは、配向ポリエステル基材層の1つの面に配置された前述のポリマーヒートシール層を含む単層フィルムまたは複合フィルムであってもよく、配向ポリエステル基材層は、巻尺のブレードの外上面を形成し、使用時には環境にさらされ、ポリマーヒートシール層は最内層にあり、すなわちポリマーヒートシール層は金属基材の上面に面している。
この第2の実施形態において、それぞれの配向保護フィルムの側縁部は、細長い金属基材の側縁部に隣接しており、すなわち、配向保護フィルムのそれぞれの幅は、細長い金属基材の幅と同じであることが好ましい。そのため、有利な点として、金属基材の上面と下面の両方の表面積全体が配向保護フィルムによって、特に、それぞれの上面および下面上の第1および第2の別々の配向保護フィルムによって保護される。
【0029】
第3の特に好ましい実施形態において、配向ポリマー基材層およびヒートシール性ポリマー層を含む第1の配向ヒートシール性ポリマー保護フィルムは、この配向ポリマー基材層が巻尺のブレードの外上面を構成し(すなわち、使用時に環境にさらされる)、ポリマーヒートシール層が最内層にあるように(すなわち、金属基材の上面に面する)、細長い金属基材の目盛を有する、任意に着色された上面に配置され、この第1の配向ヒートシール性ポリマー保護フィルムは、細長い金属基材のこの上面のそれぞれの側縁部に巻き付けられて、その側縁部のそれぞれにおいて、この第1の配向ヒートシール性保護フィルムの一部分が、ブレード下面に配置される。この実施形態において、このブレードは、細長い金属基材の下面に配置されている第2の配向ポリマー保護フィルムを含み、好ましくは、この下面に配置された第1の配向ポリマー保護フィルムのこの部分は、この第2の配向ポリマー保護フィルムと重なって、第1の配向ポリマー保護フィルムのこの部分は外下面の少なくとも部分を形成する。
【0030】
第3の実施形態において、細長い金属基材の下面は、尺度目盛を有していてもよく、着色されていてもよい。
この第3の実施形態において、接着剤層は、好ましくは細長い金属基材の上面と第1の配向保護フィルムとの間に挟まれ、細長い金属基材の下面と第2の配向ポリマー保護フィルムとの間に挟まれる。
そのため、この第3の実施形態において、層の順序は、好ましくは、第1の配向ヒートシール性ポリマー保護フィルム(配向ポリマー基材層が最外層にあり、ヒートシール性ポリマー層が最内層にある)/接着剤層/金属基材の目盛を有する、任意に着色された上面/金属基材/任意の金属基材の目盛を有する、任意に着色された下面/接着剤層/第2の配向ポリマー保護フィルム/細長い金属基材の側縁部に巻き付けられており、ブレードの下面の少なくとも部分に配置されている(配向ポリマー基材層が最外層にあり、ヒートシール性ポリマー層が最内層にある)、第1の配向ヒートシール性保護フィルムの部分、である。
【0031】
そのため、有利な点として、金属基材の上面と下面の両方の表面積全体だけでなく、その側縁部も配向保護フィルムによって保護される。この好ましい実施形態において、したがって、配向保護フィルムの側縁部が金属基材に出合う弱い継ぎ目は環境応力または機械的応力にさらされることがなく、それによって保護フィルムの剥離抵抗および巻尺の耐久性を改善する。
第3の実施形態において、この下面に配置された第2の保護配向フィルムの幅は、細長い金属基材の幅ほど広くないことが認識される。好ましくは、第2の保護配向フィルムは、細長い金属基材と同じ幅を有する。あるいは、第2の保護配向フィルムは、細長い金属基材の幅より僅かに狭い幅を有してもよく、好ましくは細長い金属基材の幅の90%以上、より好ましくは95%以上、好ましくは98%以上である。
第3の実施形態において、第1の配向保護フィルムは、ヒートシール性である必要があり、その理由として、第1の配向保護フィルムが細長い金属基材の側縁部に巻き付けられる場合、所定の場所に巻き付けられたフィルムを保持するために、保護フィルムと細長い金属基材の下面との間に高いシール力が必要とされるためである。
【0032】
第3の実施形態において、第1の配向保護フィルムは、好ましくは前述の配向ポリアミド保護フィルムであり、すなわち配向ポリアミド基材層およびヒートシール性ポリマーコーティング層を含む配向ポリアミド保護フィルムである。
この第3の実施形態において、特に細長い金属基材の下面が尺度目盛を有する場合、第2の配向ポリマー保護フィルムは、好ましくは前述の配向ポリアミド保護フィルムである。この場合、第1および第2の配向ポリアミド保護フィルムは同じであっても異なっていてもよい。しかし、第2の配向ポリアミド保護フィルムが金属基材の側縁部に巻き付けられていないため、ポリマーヒートシール層は任意である。好ましい実施形態において、第1および第2の配向ポリアミド保護フィルムは同じ組成を有し、厚みも同じであることが好ましい。
あるいは、特に、下面が尺度目盛を有しておらず、第3の実施形態の第2の配向ポリマー保護フィルムは、ポリエステルフィルム、好ましくはポリエチレンテレフタラート(PET)フィルム、好ましくは二軸配向PETフィルムであってもよい。このポリエステルフィルムは、前述の配向ポリエステル基材層の一方または両方の面に配置されたポリマーヒートシール層を含む複合フィルムであってもよい。
【0033】
好ましくは、この第1および第2の保護フィルムは、ポリアミド面(特にプライマーされていないポリアミド面)にヒートシールされるヒートシール性コーティング層がEVAポリマーヒートシール層から選択されるように構成される。そのため、そのヒートシール性コーティング層がこのようなポリアミド面に接触しているように、細長い金属基材の側縁部に巻き付けられる第1の保護フィルムは、好ましくは、本明細書に記載されるように、配向ポリアミドまたはポリエステル基材層およびEVAポリマーヒートシール層を含む保護フィルムである。
【0034】
第3の実施形態の特に好ましい構成において、これ以降実施形態3Aと呼ぶが、この第1の配向ポリマー保護フィルムおよびこの第2の配向ポリマー保護フィルムのそれぞれは、前述のように配向ポリアミド保護フィルムであり、すなわち、配向ポリアミド基材層およびヒートシール性ポリマーコーティング層を含む配向ポリアミド保護フィルムである。第1の配向ポリアミド保護フィルムは、前述のように配置され、すなわち、そのようにこの配向ポリアミド基材層は、巻尺のブレードの外上面を構成し(すなわち、使用時に環境にさらされる)、ポリマーヒートシール層は最内層である(すなわち、金属基材の上面に向かって面している)。しかしながら、第2の配向ポリアミド保護フィルムは、配向ポリアミド基材層が最内層にあり(すなわち、金属基材の下面に向かって面している)、ポリマーヒートシール層が外側に面するように配置される。このように、ブレードに巻き付けられ、下面に配置されたこの第1の保護フィルムの部分に関して、第1の保護フィルムのヒートシール層は、第2の保護フィルムのヒートシール層に接触しており、それによって特に強いヒートシール結合を形成する。この実施形態3Aにおいて、ヒートシール性ポリマーコーティング層は、好ましくはPVDCおよびEVAから選択され、PVDCが好ましい。
【0035】
第3の実施形態のさらに好ましい構成において、これ以降実施形態3Bと呼ぶが、この第1の配向ポリマー保護フィルムは、前述のように配向ポリアミド保護フィルムであり、すなわち、配向ポリアミド基材層およびヒートシール性ポリマーコーティング層を含む配向ポリアミド保護フィルムであり、実施形態3Aに記載されるように配置される。第2の配向ポリマー保護フィルムはポリエステルフィルム、好ましくは二軸配向PETフィルムから選択され、好ましくは配向ポリエステル基材層の片面または両面に配置されたポリマーヒートシール層を含む複合フィルムであり、好ましくは、ヒートシール性ポリマー層は前述のヒートシール性ポリマー層から選択される。この実施形態3Bにおいて、第1および第2保護フィルムのそれぞれの上にあるヒートシール性ポリマーコーティング層は、好ましくはPVDCおよびEVAから選択され、PVDCが好ましい。
第3の実施形態のさらに好ましい構成において、これ以降実施形態3Cと呼ぶが、この第1の配向ポリマー保護フィルムは、前述のように配向ポリエステル保護フィルムであり、すなわち、配向ポリエステル基材層(好ましくは二軸配向PETフィルム)およびヒートシール性ポリマーコーティング層を含む配向ポリエステル保護フィルムであり、実施形態3Aに記載されるように配置される。ヒートシール性ポリマーコーティング層はEVAから選択される。第2の配向ポリマー保護フィルムは、配向ポリアミド基材層および(好ましくはPVDCおよびEVAから選択され、PVDCが好ましい)ヒートシール性ポリマーコーティング層を含む前述の配向ポリアミド保護フィルムであり、ポリマーヒートシール層が最内層にある、すなわち、金属基材の下面に向かって面している、ように配置される。
【0036】
第3の実施形態のさらに好ましい構成において、これ以降実施形態3Dと呼ぶが、この第1の配向ポリマー保護フィルムは、前述のように配向ポリエステル保護フィルムであり、すなわち、配向ポリエステル基材層(好ましくは二軸配向PETフィルム)およびヒートシール性ポリマーコーティング層を含み、実施形態3Aに記載されるように配置される配向ポリエステル保護フィルムである。ヒートシール性ポリマーコーティング層はEVAから選択される。第2の配向ポリマー保護フィルムは、ヒートシール性ポリマーコーティング層を有しない配向ポリアミド保護フィルムである。言い換えれば、配向ポリアミド保護フィルムは、配向ポリアミド基材層について前述されており、存在する場合、最内層にある、すなわち、金属基材の下面に向かって面している、プライマー層を含んでもよい。
【0037】
第3の実施形態のさらに好ましい構成において、これ以降実施形態3Eと呼ぶが、この第1の配向ポリマー保護フィルムは、前述のように配向ポリエステル保護フィルムであり、すなわち、配向ポリエステル基材層(好ましくは二軸配向PETフィルム)およびヒートシール性ポリマーコーティング層を含む配向ポリエステル保護フィルムであり、実施形態3Aに記載されるように配置される。ヒートシール性ポリマーコーティング層はPVDCから選択される。第2の配向ポリマー保護フィルムは、前述のように配向ポリアミド保護フィルムであり、すなわち、配向ポリアミド基材層およびヒートシール性ポリマーコーティング層を含む(好ましくはPVDCおよびEVAから選択され、PVDCが好ましい)配向ポリアミド保護フィルムであり、配向ポリアミド基材層が最内層にあり、すなわち、配向ポリアミド基材層は金属基材の下面に向かって面し、ポリマーヒートシール層は外側に面しているように配置され、それによって第1の保護フィルムのヒートシール層に接触しており、それによって特に強いヒートシール結合を形成する。
【0038】
実施形態3A~3Eのそれぞれにおいて、第1および第2の保護フィルムのそれぞれの厚みは前述されており、好ましくは15μm以下である。実施形態3A~3Eのそれぞれにおいて、配向ポリアミド保護フィルムは、好ましくは、前述されているように、この配向ポリアミド基材層とその上に配置されているこのヒートシール性ポリマーコーティング層との間に配置されたプライマー層をさらに含む。
本発明の巻尺のブレードは、好ましくは300μm以下、好ましくは250μm以下の合計厚みを有する。
有利な点として、本明細書に開示の巻尺のブレードは、ブレードの厚みを減少している一方で、優れたまたは改善された耐摩耗性を示し、それによって、任意の特定の長さのブレードについて筐体の寸法を減少させることを可能にする。さらに、本明細書に開示の好ましい巻尺のブレードは、保護フィルムと金属基材との間に優れたまたは改善された剥離抵抗を示す。
【0039】
通常では、巻尺の製造は、接着剤層、例えば感圧接着剤層を有するフィルムを使用し、本質的にべとついており、フィルムおよびテープの製造中に塵を引き寄せる。このように堆積した塵は、ブレードに表示された尺度目盛の読みやすさを低減する可能性があり、目盛の読み取りを困難または不可能にし、測定の不正確さにつながる可能性がある。さらに、堆積した塵は、テープの引き込みおよび再巻き取りを妨害する可能性がある。有利な点として、前述のヒートシール性ポリマーコーティング層を有するポリマー保護フィルムは、これらの問題を克服し、その理由として、ヒートシール層が、製造中に環境にさらされても室温ではべとつかないこと、その結合特性が積層ステップの間に発生するより高い温度でしか活性化しないこと、この時点でヒートシール性の面は、その面が結合している基材とすでに接触していること、である。したがって、保護フィルムにおけるヒートシール性ポリマーコーティング層の存在は、堆積した塵の問題を低減または無くす。
本発明のブレードは、例えば、米国特許出願公開第2007/0079520号に開示されている巻尺によって代表され、周知の技術を使用して製造される当該技術分野に慣例的な巻尺といった、任意の巻尺の設計に組み込むことができる。
【0040】
本発明の第2の態様に従って、前述の本発明の第1の態様に記載のブレードおよびブレードを保持するための筐体を含む巻尺を提供する。本発明の第1の態様の記述の全体は、好ましいことおよび実施形態を含み、本発明の第2の態様に等しく適用することができることが認識される。
本発明の第3の態様に従って、上面および下面を有する細長い金属基材を含む巻尺のブレードを提供し、尺度目盛はこの上面および下面の少なくとも1つに配置され、このブレードは、上面に配置された第1の配向保護フィルムおよび下面に配置された第2の配向保護フィルムをさらに含み、この配向保護フィルムの少なくとも一方および好ましくは両方は、配向ポリアミドフィルムであり、この配向保護フィルムの厚みは20μm以下、好ましくは15μm以下、好ましくは12.5μm以下であり、この配向保護フィルムのそれぞれの幅は細長い金属基材の幅と同じである。
【0041】
本発明の第3の態様において、この配向ポリアミドフィルムは、ヒートシール層を含まない。配向ポリアミドフィルムは、前述の接着剤層に対する接着を促進するために、プライマー層を含んでもよい。しかしながら、本発明の第1の態様の記述は、好ましいことおよび実施形態を含み、本発明の第3の態様に等しく適用することができる。
本発明の第4の態様に従って、前述の本発明の第3の態様に記載のブレードおよびブレードを保持するための筐体を含む巻尺を提供する。本発明の第3の態様の記述の全体は、好ましいことおよび実施形態を含み、本発明の第4の態様に等しく適用することができることが認識される。
本発明は、以下に記載されるように、図を参照してさらに説明される。
【図面の簡単な説明】
【0042】
【
図1】層構造を説明する本発明に記載のブレード(1)の長い寸法を横切った模式断面図である。金属基材(2)は、その上に配置された任意に着色された目盛を有する層(3a、3b)を有する。第1の配向ポリアミド保護フィルム(4)は、接着剤の介在層(7a)を介して、金属基材の目盛を有する着色された上面(5)に配置される。配向ポリアミド保護フィルム(4)は、配向ポリアミド基材層(8)、プライマー層(9)およびヒートシール層(10)から作製される。第2の配向保護フィルム(11)は、接着剤の介在層(7b)を介して、金属基材の任意に目盛を有する着色された下面(6)に配置される。
【
図2a-2b】好ましい巻き付き構造を示す本発明に記載のブレード(1)の長い寸法を横切った模式断面図である。ブレードは、その上に配置された任意に着色された目盛を有する層(3a、3b)を有する金属基材(2)を含む。第1の配向保護フィルム(4)は、接着剤の介在層(7a)を介して、金属基材(2)の目盛を有する上面に配置される。保護フィルム(4)の側縁部は、金属基材(2)の側縁部に巻き付けられ、金属基材(2)の目盛を有する下面に付着する。第2の配向保護フィルム(11)は、接着剤の介在層(7b)を介して、金属基材の目盛を有する下面(2)に配置される。
図2aは、目盛を有する金属基材(2)に適用されるときの配向保護フィルム(4)を示し、
図2bは最終的な積層構造を示す。
【発明を実施するための形態】
【0043】
測定方法
本明細書に開示されるフィルムは、以下の試験方法を特徴とする。
(i)ヒートシール強度は以下のように決定された。基材層およびヒートシール性コーティング層を含むフィルムのA4シートの半分を、Sentinelヒートシーラー(Packaging Industries Group Inc.のモデル12)を使用してそれ自体(コーティング側に対してコーティング側)にシールした。ヒートシーラーを150℃のトップジョーおよび40℃のボトムジョーで207kPa(30psi)で、0.5秒間操作した。シールサンプルにマークを付け、25mm幅の片に切り、折り曲げられた部分に切れ目を入れ、INSTRON(登録商標)モデル4464試験機械で剥離強度試験を実施することによってヒートシール強度を決定した。ジョーは50mm離れて設定した。上のジョーはシールサンプルの1つの片を保持し、250mm/分の速度で上昇させ、下のジョーはシールサンプルの他の片を保持し、静止した。フィルムの2つの片を分離するのに必要な最大力を記録した。各コーティングサンプルについて3つのシールサンプル片を測定した。
本発明は、以下の実施例によってさらに説明される。実施例は、説明するためにだけあり、前述の本発明を限定することは意図してないことを理解されたい。本発明の範囲を逸脱することなく、詳細を改変することができる。
【実施例】
【0044】
以下の実施例において、PVDCヒートシール性コーティング組成物は、トルエンとTHFの82gの混合物(質量比:20/80)に16gのPVDC(R204、旭化成株式会社)を50℃で溶解し、続いて滑剤およびアンチブロッキング剤の0.8gの少量のコーティング成分を加えることによって調製した。PVDCコーティング組成物は、Meyerコーティングロッド(コーティング質量、2.5g/m2)を使用してコーティングした。コーティングしたフィルムは、90℃に事前に設定された強制空気オーブンに移し、3分間乾燥させた。
(実施例1)
巻尺のブレードは、その上面および下面に黄色の顔料層で細長い金属基材をコーティングし、続いてその上面にのみ尺度目盛を配置することによって製造した。細長い金属基材と同じ幅を有する配向保護フィルム(本明細書では第2の保護フィルムと呼ぶ)は、水性ベースのポリウレタン接着剤をこの着色された金属基材に適用し、その後、配向保護フィルムを接着剤層に配置することによって、着色された金属基材の下面に配置した。さらなる接着剤層は、金属基材の目盛を有する、着色された上面に配置され、さらに細長い金属基材より広い幅を有するさらなる配向保護フィルム(本明細書では第1の保護フィルムと呼ぶ)は、接着剤層に配置された。第1の保護フィルムの側部は、細長い金属基材の側縁部に巻き付けられ、ブレードの下面上の第2の保護フィルムの外面に接触した。ブレード組立体は、ニップローラーを介して熱と圧力(170℃;180kPa)を適用することによって、積層された。
【0045】
第1および第2の保護フィルムのそれぞれは、プライマーコーティングされた二軸配向ナイロン6基材層(12μm厚;AdvanSixから入手可能なCapran(登録商標)1200M)およびPVDCヒートシール性コーティング層(1.3μm厚)から作製されたコーティングされた二軸配向ポリアミドヒートシール性フィルムであり、前述のように調製され、ナイロン基材層のプライムされた面に配置された。第1の保護フィルムは、完成したブレードの上面の外面を構成するナイロン基材層とともに配置された。第2の保護フィルムは、着色された金属基材の下面上の接着剤層に接触しているナイロン基材層とともに配置された。
コーティングされた二軸配向ポリアミドヒートシール性フィルムの剥離強度(コーティングに対してコーティング)は、本明細書で測定したように11g/mmであった。
巻尺のブレードは、使用時に優れた耐久性と耐摩耗性を示した。
(実施例2)
第2の保護フィルムをその片方の面に、二軸配向PET基材層(12.5μm厚)およびPVDCヒートシール性コーティング層(1.3μm厚)から作製したことを除いて、実施例1の手順を繰り返した。第2の保護フィルムは、着色された金属基材の下面上の接着剤層に接触しているPVDC層とともに配置された。
【0046】
(実施例3)
第2の保護フィルムをその両方面に、二軸配向PET基材層(12.5μm厚)およびPVDCヒートシール性コーティング層(1.3μm厚)から作製したことを除いて、実施例1の手順を繰り返した。
(実施例4)
第2の保護フィルムを二軸配向PET基材層(12.5μm厚)から作製したことを除いて、実施例1の手順を繰り返した。
(実施例5)
第1の保護フィルムが二軸配向プライムPET基材層(12.5μm厚;プライマー層は1μm厚より薄いPVDCコーティング層である)およびそのプライムされた面にコーティングされたEVA(Elvax(登録商標)3180;DuPont)ヒートシール性コーティング層(3.0μm厚)から作製されたことを除いて、実施例1の手順を繰り返した。第1の保護フィルムは、PET基材層がブレードの外上面を構成するように配置された。さらに、第2の保護フィルムは、着色された金属基材の下面上の接着剤層に接触しているPVDC層とともに代わりにフィルムを配置することを除いて、実施例1と同じだった。
【0047】
(実施例6)
第1の保護フィルムをその片方の面に、二軸配向PET基材層(12.5μm厚)およびPVDCヒートシール性コーティング層(1.3μm厚)から作製したことを除いて、実施例1の手順を繰り返した。第1の保護フィルムは、PET基材層がブレードの外上面を構成するように配置された。第2の保護フィルムは、実施例1と同じように、すなわち、着色された金属基材の下面上の接着剤層に接触しているナイロン基材層とともに配置された。
【0048】
(実施例7)
第1の保護フィルムをそのプライムされた面に、二軸配向プライムPET基材層(12.5μm厚)およびEVA(Elvax(登録商標)3180;DuPont)ヒートシール性コーティング層(3.0μm厚)から作製したことを除いて、実施例1の手順を繰り返した。第1の保護フィルムは、PET基材層がブレードの外上面を構成するように配置された。さらに、第2の保護フィルムは、代わりにプライマーコーティングされた二軸配向ナイロン6基材層(12μm厚;AdvanSixから入手可能なCapran(登録商標)1200M)から構成された。第2の保護フィルムは、着色された金属基材の下面上の接着剤層に接触しているプライマー層とともに配置された。
【0049】
(実施例8)
第1の保護フィルムをそのプライムされた面に、二軸配向プライムPET基材層(12.5μm厚)およびEVA(Elvax(登録商標)3180;DuPont)ヒートシール性コーティング層(3.0μm厚)から作製したことを除いて、実施例1の手順を繰り返した。第1の保護フィルムは、PET基材層がブレードの外上面を構成するように配置された。さらに、第2の保護フィルムは代わりにプライムされていないナイロン6基材層(12μm厚)から構成された。
【国際調査報告】