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特表2023-506826内部に含有するガスを処理することが可能な薬液供給装置システム及びその方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-02-20
(54)【発明の名称】内部に含有するガスを処理することが可能な薬液供給装置システム及びその方法
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/31 20060101AFI20230213BHJP
   C23C 16/448 20060101ALI20230213BHJP
【FI】
H01L21/31 C
C23C16/448
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022536621
(86)(22)【出願日】2020-12-11
(85)【翻訳文提出日】2022-08-04
(86)【国際出願番号】 KR2020018212
(87)【国際公開番号】W WO2021118317
(87)【国際公開日】2021-06-17
(31)【優先権主張番号】10-2019-0165580
(32)【優先日】2019-12-12
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】522234161
【氏名又は名称】バーサム マテリアルズ エイチワイティー インコーポレイティド
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【弁理士】
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100195213
【弁理士】
【氏名又は名称】木村 健治
(74)【代理人】
【識別番号】100173107
【弁理士】
【氏名又は名称】胡田 尚則
(74)【代理人】
【識別番号】100202441
【弁理士】
【氏名又は名称】岩田 純
(72)【発明者】
【氏名】イム サン チェ
(72)【発明者】
【氏名】キム ヨン テ
(72)【発明者】
【氏名】ユ バン ヨン
(72)【発明者】
【氏名】キム チュン ホ
(72)【発明者】
【氏名】イ チョン ク
(72)【発明者】
【氏名】チュン チョン ホ
(72)【発明者】
【氏名】キム チ フン
【テーマコード(参考)】
4K030
5F045
【Fターム(参考)】
4K030AA11
4K030AA16
4K030AA17
4K030AA18
4K030CA04
4K030CA12
4K030EA01
4K030EA03
4K030LA15
5F045AA03
5F045AA04
5F045AA06
5F045AA08
5F045AC08
5F045AC15
5F045AC16
5F045AC17
5F045CA10
5F045CA13
5F045EE02
5F045EE04
(57)【要約】
第一供給ライン及び第二供給ラインを経由して半導体製造装置にそれぞれ接続された第一キャニスター及び第二キャニスターを有する、ガスを処理することが可能な薬液供給装置、システム及び方法と、第一キャニスター及び第二キャニスターにそれぞれ接続され、及びプッシュガスを第一キャニスター及び第二キャニスターに供給し、薬液が第一供給ライン及び第二供給ラインの中に排出されるように構成された第一プッシュライン及び第二プッシュラインと、内部にガスを含む第一供給ラインの薬液を、第二プッシュラインを通して第二キャニスターに供給する及び貯蔵するために、第一供給ラインと第二プッシュラインを流体連結したガス処理ユニットとを含む。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ガスを処理することが可能な薬液供給装置であって、
第一供給ライン及び第二供給ラインを経由して半導体製造装置にそれぞれ接続され、内部に貯蔵された薬液を前記半導体製造装置に供給する、第一キャニスター及び第二キャニスター;
前記第一キャニスター及び前記第二キャニスターにそれぞれ接続され、前記第一キャニスター及び前記第二キャニスターにそれぞれプッシュガスを供給することによって、前記第一供給ライン及び前記第二供給ラインの中に前記薬液を排出するように構成された、第一プッシュライン及び第二プッシュライン;及び
内部にガスを含む前記第一供給ラインの前記薬液を、前記第二プッシュラインを通して前記第二キャニスターに供給する及び貯蔵するために、前記第一供給ラインと前記第二供給ラインとの間で流体連通する、ガス処理ユニット
を含む、ガスを処理することが可能な薬液供給装置。
【請求項2】
前記ガス処理ユニットが、
前記第一供給ラインから排出された前記薬液を、前記薬液に含まれるガスと共に、一方を通して受け取る及び内部に収容するように構成された、一時貯蔵タンク;
第一流入管に提供された1つ以上の制御バルブの操作に応じて、前記一時貯蔵タンクの前記一方と前記第一供給ラインとの間を選択的に連通するように構成された、第一流入管;及び
第一出口管に提供された1つ以上の制御バルブの操作に応じて、前記一時貯蔵タンクの他方と前記第二プッシュラインとの間を選択的に連通するように構成された、第一出口管
を含む、請求項1に記載のガスを処理することが可能な薬液供給装置。
【請求項3】
前記一時貯蔵タンクが、内部にガスを含む前記第二供給ラインの前記薬液を、前記第一プッシュラインを通して前記第一キャニスターに供給する及び貯蔵するために、前記第二供給ラインから排出された前記薬液を、前記薬液に含まれるガスと共に、前記一方を通して受け取る及び内部に収容するように構成され、及び
前記ガス処理ユニットが、
第二流入管に提供された1つ以上の制御バルブの操作に応じて、前記一時貯蔵タンクの前記一方と前記第二供給ラインとの間を選択的に連通するように構成された、第二流入管;及び
第二出口管に提供された1つ以上の制御バルブの操作に応じて、前記一時貯蔵タンクの他方と前記第一プッシュラインとの間を選択的に連通するように構成された、第二出口管
を更に含む、請求項2に記載のガスを処理することが可能な薬液供給装置。
【請求項4】
前記薬液供給装置が、前記第一流入管の前記1つ以上の制御バルブ及び前記第一出口管の前記1つ以上の制御バルブの操作に応じて、内部にガスを含む前記第一供給ラインの前記薬液を、前記第二プッシュラインを通して内部に貯蔵されるように前記第二キャニスターに供給し、前記半導体製造装置に最終的に供給される前記薬液から前記ガスを除去する、請求項3に記載のガスを処理することが可能な薬液供給装置。
【請求項5】
前記薬液供給装置が、前記第二流入管の前記1つ以上の制御バルブ及び前記第二出口管の前記1つ以上の制御バルブの制御操作によって、内部にガスを含む前記第二供給ラインの前記薬液を、前記第一プッシュラインを通して内部に貯蔵されるように前記第一キャニスターに供給し、前記半導体製造装置に供給される前記薬液から前記ガスを除去する、請求項3に記載のガスを処理することが可能な薬液供給装置。
【請求項6】
前記薬液供給装置が、前記第一流入管の前記1つ以上の制御バルブ及び前記第二出口管の前記1つ以上の制御バルブの制御操作によって、内部にガスを含む前記第一供給ラインの前記薬液を、前記第一プッシュラインを通して内部に貯蔵されるように前記第一キャニスターに供給し、前記半導体製造装置に供給される前記薬液から前記ガスを除去する、請求項3に記載のガスを処理することが可能な薬液供給装置。
【請求項7】
前記薬液供給装置が、前記第二流入管の前記1つ以上の制御バルブ及び前記第一出口管の前記1つ以上の制御バルブの制御操作によって、内部にガスを含む前記第二供給ラインの前記薬液を、前記第二プッシュラインを通して内部に貯蔵されるように前記第二キャニスターに供給し、前記半導体製造装置に供給される前記薬液から前記ガスを除去する、請求項3に記載のガスを処理することが可能な薬液供給装置。
【請求項8】
前記ガス処理ユニットの内部を陰圧にするように構成される真空ポンプが、前記ガス処理ユニットの前記一方に更に接続され、内部にガスを含む前記薬液が前記第一供給ライン及び前記第二供給ラインから前記ガス処理ユニットへと円滑に流れることを可能にする、請求項1~7のいずれか一項に記載のガスを処理することが可能な薬液供給装置。
【請求項9】
前記第一キャニスター及び前記第二キャニスターが、満タンの第一キャニスター及び満タンの第二キャニスターで前記第一キャニスター及び前記第二キャニスターを交換するために前記薬液供給装置に着脱可能に接続されている、請求項1~8のいずれか一項に記載のガスを処理することが可能な薬液供給装置。
【請求項10】
さらに、前記満タンの第一キャニスター及び前記満タンの第二キャニスターがそれぞれディップチューブを含み、前記ガスが前記満タンの第一キャニスター及び前記満タンの第二キャニスターの前記ディップチューブ内に位置する不活性ガスである、請求項9に記載のガスを処理することが可能な薬液供給装置。
【請求項11】
制御ユニットを更に含む、請求項1~10のいずれか一項に記載のガスを処理することが可能な薬液供給装置。
【請求項12】
前記第一キャニスター及び前記第二キャニスターの下方に位置するロードセルを更に含む、請求項1~11のいずれか一項に記載のガスを処理することが可能な薬液供給装置。
【請求項13】
請求項1~12のいずれか一項に記載の薬液供給装置及び1つ以上の半導体製造装置を含む、薬液を供給するためのシステム。
【請求項14】
前記1つ以上の半導体製造装置が1つ以上のCVD装置である、請求項11に記載のシステム。
【請求項15】
前記薬液が高純度のTEOS、TiCL4、TMA、LTO520、TEMAZr、TEMAHf、HBO、4MS、3MS、TEB、又はTEPOの中から選択される、請求項11又は12に記載のシステム。
【請求項16】
請求項1~15のいずれか一項に記載の薬液供給装置又はシステムを提供する工程;
前記第一プッシュラインのプッシュガスを前記薬液及び前記ガスを有する前記第一キャニスターに流し、それによって前記ガスを含む前記薬液を前記第一キャニスターから第一供給ラインへと流す工程;
前記ガスを含む前記薬液を前記第一供給ラインから前記ガス処理ユニットへと流す工程;
前記ガスを含む前記薬液を前記ガス処理ユニットから第二プッシュラインを通して前記第二キャニスターへと流す工程;及び
前記ガスを含む薬液を前記第二キャニスターに貯蔵する工程
を含む、ガスを処理する方法。
【請求項17】
前記ガスを含む前記薬液を、前記ガス処理ユニットから前記第二プッシュラインを通して前記第二キャニスターの中に流す工程を同時に実行しながら、前記第二キャニスターから前記1つ以上の半導体装置を提供する工程を更に含む、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
前記ガスを含む前記薬液を、前記ガス処理ユニットから前記第二プッシュラインを通して前記第二キャニスターの中に流す工程を実行しながら、第二プッシュラインの前記プッシュガスの流れを一時的に遮断する工程を更に含む、請求項17に記載の方法。
【請求項19】
プッシュガスを、前記第一プッシュラインを通して前記第一キャニスターの中に流すことによって、前記第二キャニスターの水準が設定値に達するときに、前記薬液の供給を前記第二キャニスターから前記第一キャニスターに切り替える工程を更に含む、請求項18に記載の方法。
【請求項20】
前記第二キャニスターが消費されるまで、前記第一キャニスターが前記1つ以上の半導体装置を提供し続ける間、前記第二キャニスターの中にプッシュガスを流し、前記第二キャニスターに存在する薬液を、前記ガス処理ユニットを通して前記第一キャニスターの中に流す工程を更に含む、請求項19に記載の方法。
【請求項21】
前記第二キャニスターへの前記プッシュガスの流れを終了する工程と、前記第一キャニスターに前記プッシュガスを流す工程と、前記第一キャニスターの中にプッシュガスを流し、前記第一キャニスターに存在する薬液を前記1つ以上の半導体装置に流しながら、前記消費された第二キャニスターを交換する工程を更に含む、請求項20に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ガスを処理することが可能な薬液供給装置に関するものであり、より詳細には、複数のキャニスターに貯蔵された半導体を製造するための薬液を、欠陥の原因となるガスを同伴させることなく半導体製造装置に、連続的に供給することが可能な薬液供給装置に関する。
【背景技術】
【0002】
半導体、LED、太陽電池などの製造工程は、特殊なガスを用いて基板の表面にコーティング材料を化学的に蒸着させるCVD(化学蒸着)装置内で、CVDと呼ばれる一連の工程からほとんどなる。
【0003】
この場合、CVD工程は、低圧で特殊ガスを用いた化学反応により蒸着する低圧CVD(LPCVD)、大気圧で蒸着する大気圧CVD(APCVD)、高圧で蒸着する高圧CVD(HPCVD)、高圧でプラズマを発生させて蒸着するプラズマCVD(PECVD)、ガリウム、リン、アルミニウムなどの金属有機材料を蒸着するMOCVD(有機金属化学蒸着)などに分類される。
【0004】
これらのCVD工程は、液状で引火性、腐食性、毒性などの危険な性質を有する、高純度のTEOS、TiCL4、TMA、LTO520、TEMAZr、TEMAHf、HBO、4MS、3MS、TEB、TEPOなどの薬液(特殊薬液)を普遍的に使用する。
【0005】
上記のような危険な薬液は、最初に交換可能キャニスター(バルクキャニスターと呼ばれる)に含まれ、次にバッファリングタンクとして使用されている薬液供給装置に固定的に設置された固定キャニスター(プロセスキャニスターと呼ばれる)で、成長室などの半導体製造装置に一定量供給され、この場合、このような薬液の供給方法は、二重タンク液体補充(DTLR)型と呼ばれる。
【0006】
このような二重タンク液体補充型の薬液供給装置は、不活性で高純度のアルゴン(Ar)、ヘリウム(He)、水素(H2)、及び窒素(N2)などのプッシュガスを選択的に各キャニスターに供給して、キャニスターの内側を加圧する方法で、貯蔵された薬液をその中に設置されたディップチューブに排出することにより、半導体製造装置へ一定量の薬液を供給する。
【0007】
図10を参照すると、従来の二重タンク液体補充型の薬液供給装置は、薬液供給装置に固定的に設置され、供給ラインを経由して半導体製造装置へ接続され、貯蔵された薬液を半導体製造装置に第一プッシュラインのプッシュガスにより一定量を供給するように構成された、固定キャニスター、及び薬液供給装置に交換可能に設置され、補充ラインを通って第一プッシュラインへ接続され、固定キャニスターに薬液を第二プッシュラインのプッシュガスにより補充し、それにより薬液を半導体製造装置に連続的に供給するように構成された、交換可能キャニスターを含む。
【0008】
上記のように構成される従来の二重タンク液体補充型の薬液供給装置において、交換可能キャニスターを繰り返し交換することにより、半導体製造装置に薬液を安定的に及び連続的に供給することができる。
【0009】
しかし、従来の供給装置は、1つ以上の以下に示す問題を有する。第一に、破損、故障、又は漏れが、固定キャニスター自体又は第一プッシュライン又は第一プッシュラインに接続された供給ラインに生じる場合、薬液を供給することが完全にできなくなり、次に半導体製造装置の操作が停止する問題が生じる。
【0010】
第二に、薬液製造業者によって直接提供及び管理される交換可能キャニスターとは異なり、固定キャニスターは半導体製造業者によって管理されるため、半導体製造業者は高圧容器に関する安全規制を遵守して固定キャニスターを維持することが難しく、ひいては安全事故の危険性が高まる。
【0011】
第三に、配管回路の構成により、供給装置の修理又は交換、又は再起動を通じて固定キャニスターの中に導入されたガスは、配管回路の構成により除去することができず、ガスは薬液と一緒に半導体製造装置に供給され、したがって半導体の欠陥の原因となる。
【0012】
したがって、薬液を半導体製造装置により安定及び連続的に供給することができ、キャニスターの交換中又は固定キャニスター供給システムの破損により導入される可能性のあるガスを半導体製造装置に薬液と一緒に供給せずに高品質半導体を製造することができ、及び薬液が貯蔵されるキャニスターに関する安全事故の発生を低減することができる、改良された薬液供給装置が必要とされている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
本発明の目的は、薬液供給業者によって直接提供及び管理される複数の交換可能キャニスターを用いて半導体製造装置に薬液を連続的に供給することにより、従来の固定キャニスターを用いる問題点を解決することと同時に、キャニスターの交換中に導入されたガスを処理する手段を有する、及びガスを処理することができ、又は一方のキャニスターから供給することが困難である場合は、一方のキャニスターから他のキャニスターに供給を切り替えることができ、それにより半導体の欠陥を回避することができる薬液供給装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0014】
上記の目的は、第一供給ライン及び第二供給ラインによって半導体製造装置にそれぞれ接続され、内部に貯蔵された薬液を半導体製造装置に供給する第一キャニスター及び第二キャニスターと、第一キャニスター及び第二キャニスターにそれぞれ接続され、プッシュガスが第一プッシュライン及び第二プッシュラインを経由して、それぞれ第一キャニスター及び第二キャニスターに供給されるときに、薬液が第一供給ライン及び第二供給ラインの中に排出されるように構成された第一プッシュライン及び第二プッシュラインと、内部にガスを含む第一供給ラインの薬液を、第二プッシュラインを通して第二キャニスターに供給及び貯蔵するために、第一供給ラインと第二プッシュラインとの間に提供されたガス処理ユニットを含む、ガスを処理することが可能な薬液供給装置によって達成される。
【0015】
さらに、ガス処理ユニットは、一方(貯蔵タンクの上部であってよい)を通して受け取り、及び内部にガスを含む第一供給ラインから排出された薬液を収容するように構成される一時貯蔵タンク、
【0016】
第一流入管に提供される1つ以上の1-1制御バルブの操作に従って、一時貯蔵タンクの一方と第一供給ラインとの間を選択的に連通するように構成される第一流入管、及び
【0017】
第一出口管に提供される1つ以上の1-2制御バルブの操作に従って、一時貯蔵タンクの他方と第二供給ラインとの間を選択的に連通するように構成される第一出口管を含んでもよい。
【0018】
代替の実施形態において、第一供給ラインと第二供給ラインとの両方の間に接続され、一時貯蔵容器にも接続される単一の流入管を使用することができるように、配管を構成することができる。
【0019】
一時貯蔵タンクは、内部にガスを含む第二供給ラインから排出される薬液を、一方(例えば、上方又は上方付近)を通して受け取る、及び一時貯蔵タンクに収容するように構成されてもよく、内部にガスを含む第二供給ラインの薬液は、第一プッシュラインを通して第一キャニスターに供給又は貯蔵されてもよい。そのために、ガス処理ユニットは、第二流入管に提供された1つ以上の2-1制御バルブの操作に従って、一時貯蔵タンクの一方(例えば、上方又は上方付近)と第二供給ラインとの間を選択的に連通するように構成される第二流入管、及び第二出口管に提供された1つ以上の2-2制御バルブの操作に従って、一時貯蔵タンクの他方(例えば、下方又は下方付近)と第一プッシュラインとの間を選択的に連通するように構成される第二出口管を更に含んでもよい。
【0020】
第一キャニスター及び第二キャニスターは、薬液の取り扱いが安全で容易であるため、キャニスターの使用後(空又は空に近いとき)に交換し、着脱可能に接続し、薬液供給装置から着脱することができる。
【0021】
薬液供給装置は、1-1制御バルブ及び1-2制御バルブの操作に従って、内部にガスを含む第一供給ラインの薬液を、第二プッシュラインを通して第二キャニスターに貯蔵されるように供給することができ、したがって、最終的に半導体製造装置に供給される薬液からガスを除去することができる。
【0022】
薬液供給装置は、第二供給ラインから第二流入管へ、次に第二流入管を通して一時貯蔵タンクへ、そして一時貯蔵タンクから第二出口管に位置する、好ましくは第二出口管と第一キャニスターに接続された第一プッシュラインとの接続部に位置する2-2制御バルブを通る、ガスを有する薬液Cの流れと接続し、それを制御する2-1制御バルブの制御操作により、内部にガスを含む第二供給ラインの薬液を、第一プッシュラインを通して第一キャニスターに貯蔵されるように供給することができ、これにより、最終的に半導体製造装置に供給される薬液からガスを除去することができる。
【0023】
薬液供給装置は、1-1制御バルブ及び2-2制御バルブの制御操作により、内部にガスを含む第一供給ラインの薬液を、第一プッシュラインを通して第一キャニスターに貯蔵されるように供給することができ、したがって、最終的に半導体製造装置に供給される薬液からガスを除去することができる。
【0024】
薬液供給装置は、2-1制御バルブ及び1-2制御バルブの制御操作により、内部にガスを含む第二供給ラインの薬液を、第二プッシュラインを通して第二キャニスターに貯蔵されるように供給することができ、したがって、最終的に半導体製造装置に供給される薬液からガスを除去することができる。
【0025】
薬液供給装置において、ガス処理ユニットの内部を陰圧にするために、真空ポンプが構成されてもよい。真空ポンプは、内部にガスが含まれる薬液が第一供給ライン及び第二供給ラインからガス処理ユニットに円滑に流れることを、作動時に補助するために、ガス処理ユニットの一方(例えば、図示のように第二流入管を介して上方)に接続されている。
【0026】
本明細書ではまた、請求項のいずれかに記載の液体供給装置及び1つ以上の半導体製造装置を含む薬液を供給するためのシステムが提供され、当該1つ以上の半導体製造装置は1つ以上のCVD装置であってもよく、半導体製造装置に供給される薬液は、高純度のTEOS、TiCL4、TMA、LTO520、TEMAZr、TEMAHf、HBO、4MS、3MS、TEB、又はTEPOであってもよい。
【0027】
また、本明細書では、本明細書で開示される薬液供給装置又はシステムのいずれかを提供する工程;前記第一プッシュラインにおいてプッシュガスを内部に前記薬液及び前記ガスを有する前記第一キャニスターに流し、それにより、前記ガスを含む前記薬液を前記第一キャニスターから第一供給ラインに流す工程;前記ガスを含む前記薬液を第一供給ラインから前記ガス処理ユニットに流す工程;前記ガスを含む前記薬液を前記ガス処理ユニットから第二プッシュラインを通して前記第二キャニスターに流す工程;及び前記第二キャニスター内に前記ガスを含む前記薬液を貯蔵する工程を含む、ガスを処理する方法が提供される。
【0028】
当該方法は、前記ガスを含む前記薬液を前記ガス処理ユニットから前記第二プッシュラインを通して前記第二キャニスターの中に流す工程を同時に実行しながら、前記第二キャニスターから前記1つ以上の半導体製造装置を供給する追加の工程を提供することができ、及び/又は前記ガスを含む薬液を前記ガス処理ユニットから前記第二プッシュラインを通して前記第二キャニスターの中に流す工程を実行しながら、第二プッシュラインにおけるプッシュガスの流れを一時的に遮断する工程を更に含んでもよい。
【0029】
当該方法は、単独で又は他の工程と一緒に、第二キャニスター内の水準が設定値に達した時に、プッシュガスを、第一プッシュラインを通して及び第一キャニスターの中に流すことにより、第二キャニスターから第一キャニスターへの薬液の供給を切り替える工程を更に含んでもよい。
【0030】
当該方法は、単独で又は他の工程と一緒に、第二キャニスターが消費されるまで、第一キャニスターが1つ以上の半導体装置を供給し続ける間に、第二キャニスターの中にプッシュガスを流し、第二キャニスター内に存在する薬液を、ガス処理ユニットを通して及び第一キャニスターの中に流す工程を更に含んでもよい。
【0031】
さらに、当該方法は、単独で又は他の工程と一緒に、第二キャニスターへのプッシュガスの流れを終了させる工程、第一キャニスターにプッシュガスを流す工程、及び第一キャニスターの中にプッシュガスを流し、第一キャニスターに存在する薬液を1つ以上の半導体装置に流し続ける間に、消費した第二キャニスターを交換する工程を含んでもよい。
【発明の効果】
【0032】
本発明によれば、それぞれ第一供給ライン及び第二供給ラインによって半導体製造装置に接続され、貯蔵された薬液を供給するように構成される第一キャニスター及び第二キャニスター、並びに薬液をプッシュガスの圧力によって第一供給ライン及び第二供給ラインに排出するように構成される第一プッシュライン及び第二プッシュラインが提供され、内部にガスを含む供給ライン内の薬液が、プッシュラインを通して第一キャニスター又は第二キャニスターの中に回収又は貯蔵されるように作動制御されるガス処理ユニットが、ガス処理ユニットの一方(上方)に第一供給ライン又は第二供給ラインが接続した状態及び他方(下方)に第一プッシュライン又は第二プッシュラインが接続した状態で、提供される。ガス処理ユニットを用いることにより、薬液を半導体製造装置により安定にかつより連続的に供給することができ、それぞれ交換中にガスの導入が問題となる交換可能キャニスター内の薬液を十分に使用することができ、再利用可能キャニスターのメンテナンスに対する責任を薬液供給業者に負わせることができ、さらに、高品質の半導体を製造することができる半導体製造装置に最終的に供給される薬液からガスを除去することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0033】
図1】一実施形態におけるガスを処理することが可能な薬液供給装置内の全体構造及び接続部を示す模式図である。
【0034】
図2図1の薬液供給装置の模式図であり、第一キャニスターによる製造装置への薬液の供給及び消費した第二キャニスターの交換を示す。
【0035】
図3図1又は図2の薬液供給装置の模式図であり、第二キャニスターのディップチューブの上部のガスを、第二キャニスターの交換後、ガス処理ユニットによる処理のためにガス処理ユニットに流す場合を示す。
【0036】
図4図1図3のいずれかの薬液供給装置の模式図であり、第一キャニスターから薬液の供給を維持する間に、ガス処理ユニットによって処理されたガス及び薬液が第一プッシュラインを通して第一キャニスターに移送される場合を示す。
【0037】
図5図1図4のいずれかの薬液供給装置の模式図であり、第一キャニスターの薬液が設定値以下になるまで、第一キャニスターから薬液が第一プッシュラインによって連続的に供給される場合を示す。
【0038】
図6図1図5のいずれかの薬液供給装置の模式図であり、第一キャニスターの薬液が当該設定値以下のままであるときに、薬液の供給源が第一キャニスターから第二キャニスターへ切り替えられる場合を示す。
【0039】
図7図1図6のいずれかの薬液供給装置の模式図であり、薬液が第二キャニスターから製造装置へ供給される間に、第一キャニスターが消費されるまでに、薬液が第一キャニスターから第二キャニスターへ移送される場合を示す。
【0040】
図8図1図7のいずれかの薬液供給装置の模式図であり、第二キャニスターの薬液が設定値以下になるまで、第二キャニスターの薬液が第二プッシュラインによって連続的に供給されている間の、消費した第一キャニスターの交換時を示す。
【0041】
図9図1図8のいずれかの薬液供給装置の模式図であり、ディップチューブの上部に存在したガスが、第一キャニスターの交換後、第一プッシュラインのプッシュガスによってガス処理ユニットに、そしてガス処理ユニットを通って貯蔵のための第二キャニスターに流れる場合を示す。
【0042】
図10】固定キャニスター及び補充キャニスターを有する従来の液体補充薬液供給装置における全体構成及び接続部を示す模式図である。
【0043】
参照数字及び記号の説明
【0044】
10:半導体製造装置
【0045】
C:薬液
【0046】
PG:プッシュガス
【0047】
G:薬液に含まれるガス
【0048】
LC:ロードセル
【0049】
100:ガスを処理することが可能な薬液供給装置
【0050】
110a、110b:第一キャニスター及び第二キャニスター
【0051】
112a、112b:ディップチューブ
【0052】
120a、120b:第一供給ライン及び第二供給ライン
【0053】
130a、130b:第一プッシュライン及び第二プッシュライン
【0054】
140:ガス処理ユニット
【0055】
141:一時貯蔵タンク
【0056】
IS:内部空間
【0057】
142:第一流入管
【0058】
142a、142b:1-1制御バルブ
【0059】
143:第一出口管
【0060】
143a、143b:1-2制御バルブ
【0061】
144:第二流入管
【0062】
144a、144b:2-1制御バルブ
【0063】
145:第二出口管
【0064】
145a、145b:2-2制御バルブ
【0065】
150:真空ポンプ
【発明を実施するための形態】
【0066】
以下、本発明の好ましい実施形態において、添付図面を参照しながら、以下のように、より詳細に説明する。しかし、本発明の説明をする際に、本発明の主題を明確に示すために、既知の機能又は特徴に関する説明は省略する。
【0067】
本発明及び請求項の説明で方向を示すために使用される、「上(上部)」、「下(下部)」、「左右(横、横向き)」、「前(前方)」、「後ろ(背面、後方)」などの用語は、その範囲を限定するものではなく、説明の便宜のために図面及び構成部品間の相対的な位置に基づいて規定され、他の指定がない限り、このように従う。用語「側面」は、水平側面又は垂直側面などのいずれの「側面」を意味することができ、上方及び/又は下方を含む。本明細書のどこでも「含む」又は「有する」の使用は、部分的に閉じた又は閉じた用語「から本質的になる」及び「からなる」を含む。
【0068】
本発明におけるガスを処理することが可能な薬液供給装置100は、従来の固定キャニスターを使用する際の問題を根本的に解決するために導き出された発明である。薬液供給装置100は、複数の交換可能キャニスターを用いて薬液Cを半導体製造装置10に連続的に供給することができ、キャニスターの交換中、又はキャニスターの交換が必要となる供給装置の損傷により装置内に導入された、半導体の欠陥を生じさせるおそれのあるプロセスガス又はガスGを処理することができる。用語ガス又はガスGは、本明細書で交互に使用してもよい。ガスG(gasesG)の使用は、ガスG(gasesG)が現れるところでガスG(gasG)と置き換えてもよく、ガスG(gasG)はガスG(gasesG)と置き換えてもよい。ガスGは、キャニスター内の薬液の上のヘッドスペースを満たすために新たに充填されたキャニスター内に存在する不活性ガスであってよく、幾つかの実施形態において、供給業者によって提供される、液体の上のディップチューブ空間を満たすガス又は不活性ガスであってよい。不活性ガスは、例えば、高純度アルゴン(Ar)、ヘリウム(He)、水素(H2)、及び窒素(N2)などの高純度不活性ガス又は不活性ガスの混合物であってよい。
【0069】
薬液供給装置100を用いることにより、薬液Cを半導体製造装置10により安定的かつ連続的に供給することができる。加えて、薬液供給装置により、ガスGの導入が交換中に問題となる交換可能キャニスターを十分に活用することが可能となり、しかしながら、ガスGは薬液供給装置で処理することができる。また、交換可能キャニスターを使用することにより、半導体製造業者のキャニスターのメンテナンスの負担を低減する。半導体製造装置に最終的に供給される薬液からガス又はガスGを除去することによって、半導体製造装置は高品質な半導体を製造することが可能となる。
【0070】
本発明における薬液供給装置100は、半導体製造工程中に特殊なガスを用いることによりコーティング材料が基板の表面に化学的に蒸着される、CVD(化学蒸着)工程などで取り扱う有害な液体材料である、一定量のTEOS、TiCL4、TMA、LTO520、TEMAZr、TEMAHf、HBO、4MS、3MS、TEB、TEPOを安全に供給するために提供される装置であってよい。
【0071】
上述のような機能又は操作を具体的に実施するために、本発明の実施形態における薬液供給装置100は、図1に示すように、第一キャニスター110a及び第二キャニスター110b、第一供給ライン120a及び第二供給ライン120b、第一プッシュライン130a及び第二プッシュライン130b、及びガス処理ユニット140を含んでよく、制御ユニット(図で示されていない)を更に含んでもよい。
【0072】
ここで、第一キャニスター110a、第一供給ライン120a、及び第一プッシュライン130aは、薬液Cを半導体製造装置10に供給するために第一供給システムAAを形成し、第二キャニスター110b、第二供給ライン120b、及び第二プッシュライン130bは、薬液Cを同じ半導体製造装置10に供給するために第二供給システムBBを形成する。半導体製造装置又は製造装置という用語を使用するが、その用語は1つ以上の製造装置又は1つ以上のツールに置き換えることが可能であることが理解される。さらに、1つ以上の製造装置は、発明の背景で説明したようなCVD装置又は高純度薬液を送達することを必要とする他のツールの1つ以上の形式であってよいことが理解される。
【0073】
この場合、第一供給システムAA及び第二供給システムBBは、薬液供給装置100に搭載されてもよい、又は中央制御室(図示されていない)であってもよい制御ユニット(図示されていない)の作動制御に従って、薬液Cを半導体製造装置10に並行して互いに独立して供給するための供給システムを区別するために表示されているにすぎず、各供給システムは上述と同様の構造で構成されているため、図1図9に示す実施形態において、左側及び右側、第一供給システムAA及び第二供給システムBBは、図示とは異なり、互いに切り替えてもよい。
【0074】
以下、上述の本発明の実施形態における特徴として、以下でより詳細に記載する。
【0075】
最初に、第一キャニスター110a及び第二キャニスター110bは、一般的に半導体製造装置10で取り扱う危険性の高い薬液Cを安全に貯蔵するために供給された金属容器であり、耐食性、耐衝撃性などを有する容器の形状で作られてもよく、後述する第一供給ライン120a及び第二供給ライン120bによって半導体製造装置10に接続することができる。
【0076】
この場合、第一キャニスター110a及び第二キャニスター110bに貯蔵される薬液Cは、キャニスターに強制的に送られたプッシュガスPGの圧力によって第一供給ライン120a及び第二供給ライン120bに接続されたディップチューブ112a及び112bに強制的に排出されることにより、半導体製造装置10に提供することができる。第一キャニスター110a及び第二キャニスター110bが交換される又はそれらが異常な動作をするときに監視するために、ロードセルLCをそれぞれのキャニスターの下に提供してもよい。プッシュガスPGは、発明の背景で説明したようなプッシュガス(又は他の不活性ガス)のいずれか又はその混合物であってよい。
【0077】
第一キャニスター110a及び第二キャニスター110bは、本発明の実施形態における薬液供給装置100から自由に取り付ける及び取り外すことができるように構成され、従来の二重タンク液体補充(DTLR)型式などの、薬液供給装置に搭載された固定キャニスターを使用することにより生じる問題を解決することが可能である。
【0078】
したがって、第一キャニスター110a及び第二キャニスター110b並びにそれらの補充キャニスターは、薬液Cの供給業者によって提供されるので、半導体製造業者は、薬液Cの供給業者に依存して、キャニスターを良好に作動できる状態にして、及び安全規制を遵守して維持することができる。
【0079】
薬液供給装置100の再起動又は第一キャニスター110a及び第二キャニスター110bの交換の繰り返しにより、キャニスターのディップチューブ112a及び112bの上部又は供給システムの中に導入されたガスGは、後述の方法におけるガス処理ユニット140によって処理され、これによりガスGの流入により生じる欠陥のない高品質の半導体を製造することができる。
【0080】
第一供給ライン120a及び第二供給ライン120bは、一部分を構成する複数の配管、その間を密閉に接続するための複数のVCRs(ファスナー)、流量を一定に維持するためのレギュレーター(図示されていない)、及び流れを制御するための手動/自動バルブV2A、V2Bなどを含むパイプアセンブリであり、第一供給ライン120aは第一キャニスター110aと半導体製造装置10との間を接続し、第二供給ライン120bは第二キャニスター110bと半導体製造装置10との間を接続する。
【0081】
この場合、薬液Cを連続的に供給するために、第一供給ライン120a及び第二供給ライン120bは、図1で示すように、それぞれの端部で合流させ、半導体製造装置10へ単一の供給ラインを構築してもよい。
【0082】
これら第一供給ライン120a及び第二供給ライン120bは、薬液供給装置100に搭載されてよい、又は外部の中央制御室(図示されていない)に配置される又はその一部であってよい制御ユニット(図示されていない)により自動バルブV2A、V2Bなどの操作を制御することによって、自由に開閉することができる。
【0083】
ここで、制御ユニット(図示されていない)又は外部の中央制御室(図示されていない)は、後述のように電気接続されたバルブ、バルブコントローラー、センサー又は他の装置への電力の適用を通じて、薬液供給装置の操作を制御するように構成される構成部品である。制御ユニットは、バルブの開閉を指示する、センサーによって測定されるプロセスデータなどの入力情報を受け取る、キャニスターの交換を合図する、及び薬液供給装置に他の操作変更を生じさせるように使用することができる。制御ユニットは、マイクロ制御ユニット(MCU)、マイクロコンピューター、アルドゥイーノなどのモジュラー情報処理ユニットとして実行することができる。
【0084】
この場合、接続された装置の各構成部品又は装置を制御し、送信データ及び受信データなどを処理するための制御ユニットなどの一連の処理手順は、C、C++、JAVA(登録商標)などのプログラミング言語、又は制御ユニットによって認識することができる機械言語でコード化することによって行うことができる。
【0085】
ここで、制御ユニットなどの一連の操作及びデータ処理アルゴリズムは、目的に応じて当業者によって様々な方法及び形態で容易にコード化することができ、したがって、その詳細な説明は省略される。
【0086】
上述の第一供給ライン120a及び第二供給ライン120bによって薬液の供給をリアルタイムで途切れることなく行うために、第一供給ライン120a及び第二供給ライン120bの配管は、後述のように、第一プッシュライン130a及び第二プッシュライン130bの加圧及び自動バルブV1A、V1B、V2A、V2Bなどの作動制御を介して常に薬液Cが完全に満たされた状態を維持する。
【0087】
第一プッシュライン130a及び第二プッシュライン130bは、それぞれ第一キャニスター110a及び第二キャニスター110bにプッシュガスPGを供給するように構成される。第一プッシュライン130a及び第二プッシュライン130bは、それぞれ第一キャニスター110a及び第二キャニスター110bに接続される第一供給ライン120a及び第二供給ライン120bに接続した第一キャニスター110a及び第二キャニスター110bのディップチューブ112a及び112bに薬液Cを排出するために、それぞれ第一キャニスター110a及び第二キャニスター110bに陽圧を発生させるように提供される構成部品である。
【0088】
ここで、第一プッシュライン130a及び第二プッシュライン130bは、一部分を構成する複数の配管、その間を密閉に接続するための複数のVCRs(ファスナー)、流量を一定に維持するためのレギュレーター(図示されていない)、及び流れ(上述の供給ライン120a及び120bの構成と同様)及びプッシュガスパイプアセンブリ端に供給された圧縮プッシュガス(例えば1つ以上の圧縮ユニットから)の供給を制御するための手動バルブ又は自動バルブV1A、V1Bなどを含むパイプアセンブリを含む。
【0089】
圧縮ユニットは、第一プッシュライン130a及び第二プッシュライン130bを構成するパイプアセンブリを通して第一キャニスター110a及び第二キャニスター110bに所定の圧力でプッシュガスPGを送出するように構成された構成部品であり、プッシュガスPGを圧縮するためのコンプレッサーを含む及び/又は所定の圧力に圧縮したプッシュガスPGを収容するための高圧タンクを含んでもよい。コンプレッサーが、もし存在する場合、制御ユニットによって制御されてもよい。
【0090】
この場合、プッシュガスPGは、薬液Cと化学反応を起こさない、アルゴン(Ar)、ヘリウム(He)、水素(H2)、及び窒素(N2)などの高純度の不活性ガスを使用する。
【0091】
プッシュガスPGは、記載のように第一キャニスター110a及び第二キャニスター110bの内側に設定圧力で供給され、又は圧縮ユニット及び/又はそれぞれパイプアセンブリの自動バルブV1A及びV1Bの操作制御を介して遮断されるため、それぞれディップチューブ112a及び112b並びに第一供給ライン120a及び第二供給ライン120bを通して、半導体製造装置10に貯蔵された薬液Cを一定量正確に供給することができる。
【0092】
ガス処理ユニット140は、別途提供された薬液供給装置の構成部分であり、空キャニスターや故障キャニスターの交換中又は半導体工程の生産収率の減少をもたらす供給システムへの損傷時に第一供給ライン120a及び第二供給ライン120bに導入されたガスGを処理する。ガス処理ユニット140は、ガスGが薬液Cと一緒に半導体製造装置10に供給されないように、ガスGを処理する。
【0093】
上述のように、導入されたガスG、例えば、交換可能キャニスターのディップチューブに存在する、さもなければ欠陥の原因となりうるガスGを処理するために、本発明は、ガスGを別途追加の排気ラインを通して外側に排出するのではなく、ガスGを含む薬液Cを第一供給ライン120a(又は第二供給ライン120b)から第二プッシュライン130b(又は第一プッシュライン130a)に分岐させ、次に既存の供給ライン及びプッシュラインをそのまま使用して第二キャニスター110b(又は第一キャニスター110a)に再度貯蔵させる方法で、ガスGを処理する。
【0094】
すなわち、図9に示すように、ガスGを含む第一供給ライン120aの薬液Cが、第二プッシュライン130bを通して第二キャニスター110bに供給及び貯蔵される方法でガスGを処理するために、本発明の実施形態におけるガス処理ユニット140は、第一供給ライン120aと第二プッシュライン130bとの間に流体連通した状態で提供(接続)されてもよい。
【0095】
さらに、図3及び図4に示すように、ガスGを含む第二供給ライン120bの薬液Cが、第一プッシュライン130aを通して第一キャニスター110aに供給及び貯蔵される方法でガスGを処理するために、本発明の実施形態におけるガス処理ユニット140は、第二供給ライン120bと第一プッシュライン130aとの間に流体連通した状態で提供(接続)されてもよい。
【0096】
その結果、本発明の実施形態におけるガス処理ユニット140は、一時貯蔵タンク141、第一流入管142、第一出口管143、第二流入管144、第二出口管145、及び1つ以上の制御バルブなどを含んでよく、これらは、図1に示すように、それぞれ、第一供給ライン120aと第二プッシュライン130bとの間を流体連結して接続され、及び第二供給ライン120bと第一プッシュライン130aとの間を流体連結して接続され、並びに第一供給ライン120aと第一プッシュライン120bとの間を流体連結して接続され、第二供給ライン130aと第二プッシュライン130bとの間を流体連結して接続される。
【0097】
一時貯蔵タンク141は、第一供給ライン120a又は第二供給ライン120bから排出された、内部にガスGを含む薬液Cを、一方を通して受け取る及び一時的に貯蔵するように構成された構成部品であり、したがって、第一供給ライン120a又は第二供給ライン120bのガスG及び薬液Cは、第一供給ライン120a及び第二供給ライン120bから一時貯蔵タンクへの制御バルブの開口及び/又は閉口を介して流れる又は向けられる。一時貯蔵タンクは、一時貯蔵タンクの内部空間(「IS」)に対応する固定容積を好ましくは有する。
【0098】
一時貯蔵タンク141は、耐食性及び耐衝撃性を有する材料から作られてもよく、一時貯蔵タンクの内部空間ISの大きさは、第一供給ライン120a及び第二供給ライン120bの中に導入されたガスGの体積、第一流入管142及び第二流入管144並びに第一出口管143及び第二出口管145の内部容積などを考慮することによって決定されてもよい。幾つかの実施形態において、一時貯蔵タンクの内部容積は、キャニスターの内部容積よりも小さい。幾つかの実施形態において、ガス処理ユニット(例えば、一時貯蔵タンク、第一流入管及び第二出口管を含む、又は一時貯蔵タンク、第一流入管、第二流入管、第一出口管及び第二出口管を含む)の内部容積は、キャニスターの内部容積よりも小さい。幾つかの実施形態において、ガス処理ユニット(例えば、一時貯蔵タンク、第一流入管及び第二出口管を含む、又は一時貯蔵タンク、第一流入管、第二流入管、第一出口管及び第二出口管を含む)の内部容積は、キャニスターの内部容積の大きさの半分よりも小さい。
【0099】
ここで、第一供給ライン120a又は第二供給ライン120bに接続される一時貯蔵タンクの「一方」は、特に特定の箇所について言及しないが、一時貯蔵タンク141の上方又は上方付近であることが好ましい。第一供給ライン120a及び/又は第二供給ライン120bは、好ましくは一時貯蔵タンク141に接続され、及び/又は一時貯蔵タンクの上方よりも上で、一時貯蔵タンクに接続されるそれぞれの流入管に接続され、薬液C(内部に気体Gを含む)が自重により流れ、一時貯蔵タンク141を通ることを可能にする。薬液Cが一時貯蔵タンク141を通して流れる間に、薬液C及びガスGは重力に助長されて分離する。
【0100】
第一流入管142は、第一流入管142に提供された1つ以上の1-1制御バルブ142a及び142bの操作に従って一時貯蔵タンク141の一方(例えば、上方)と第一供給ライン120aとの間を選択的に連通するための管状の構成部品である。
【0101】
この場合、第一供給ライン120aと連通する第一流入管142の一端に設置された1-1制御バルブ142aは、3つの配管を選択的に接続するための三方バルブであり、制御ユニット(図示されていない)などによって操作制御され、三方向への薬液Cの流れを完全に遮断し、1つの配管のいずれかから他の配管のみ薬液Cが流れることを可能とし、又は1つの配管のいずれかから他の2つの配管へ薬液Cが流れることを可能とする。制御バルブ142aは、第一位置で開く場合、薬液Cが第一供給ライン120aを通して第一キャニスター110aから第一供給ライン120aにおける制御バルブ142aを通して半導体製造装置10へと流れることを可能とする。あるいは、制御バルブ142aは、第二位置で開く場合、薬液Cが第一供給ライン120aを通して第一キャニスター110aから第一供給ライン120aにおける制御バルブ142aを通過して第一流入管142へと流れることを可能とする。制御バルブ142aは、第三位置で開く場合、薬液Cが第一供給ライン120aを通して第一キャニスター110aから第一供給ライン120aにおける制御バルブ142aを通過して半導体製造装置10と同時に第一流入管142へと流れることを可能とする。
【0102】
加えて、一時貯蔵タンク141と連通する第一流入管142の内部及び/又は他端に設置された1-1制御バルブ142bは、2つの配管を選択的に接続するための上述の三方バルブ142aと一緒に補助的に設置された二方バルブであり、制御ユニット(図示されていない)などによって操作制御され、薬液Cの流れを完全に遮断し、又は薬液Cが2つの配管間、すなわち、第一供給配管と第一流入管142との間に流れることを可能とする。
【0103】
これら1-1制御バルブ142a及び142bについて、図1に示すものとは異なり、本発明の目的は、上述の三方バルブ及び二方バルブのうち一方のみでも実現することができる。
【0104】
第一出口管143は、第一出口管143に提供された1つ以上の制御バルブ143a及び143bの操作に従って一時貯蔵タンク141の他方(例えば、下方)と第二プッシュライン130bとの間を選択的に連通するための管状の構成部品である。
【0105】
第二供給ライン130bと連通する第一出口管143の一端に設置された制御バルブ143bは、3つの配管を選択的に接続するための三方バルブであり、制御ユニット(図示されていない)などによって操作制御され、三方向への薬液Cの流れを完全に遮断し、1つの配管のいずれかから他の配管のみ薬液Cが流れることを可能とし、又は1つの配管のいずれかから他の2つの配管へ薬液Cが流れることを可能とする。
【0106】
加えて、一時貯蔵タンク141と連通する第一出口管143の内部及び/又は他端に設置された制御バルブ143aは、2つの配管を選択的に接続するための上述の三方バルブ143bと一緒に補助的に設置された二方バルブであり、制御ユニット(図示されていない)などによって操作制御され、薬液Cの流れを完全に遮断し、又は薬液Cが2つの配管間に流れることを可能とする。この段落で言及された2つの配管は、第一出口管及び第二プッシュラインである。
【0107】
これら1-2制御バルブ143a及び143bについても、図1に示すものとは異なり、本発明の目的は、上述の三方バルブ及び二方バルブのうち一方のみでも実現することができる。
【0108】
ガスG及び所定量の薬液Cが第一供給ライン120aから第一流入管142、一時貯蔵タンク141及び第一出口管143の中に流れる場合、ガスGを1-1制御バルブ142a及び142b並びに1-2制御バルブ143a及び143bによって第一供給ライン120aから分離することができ、及び半導体製造装置10に純薬液Cを、第一供給ライン120aを通して安定的に供給することができる。
【0109】
第二流入管144は、第二流入管144に提供された1つ以上の制御バルブ144a及び144bの操作に従って一時貯蔵タンク141の一方と第二供給ライン120bとの間を選択的に連通するための管状の構成部品である。
【0110】
第二供給ライン120bと連通する第二流入管144の一端に設置された制御バルブ144aは、3つの配管を選択的に接続するための三方バルブであり、制御ユニット(図示されていない)などによって操作制御され、三方向への薬液Cの流れを完全に遮断し、1つの配管のいずれかから他の配管のみ薬液Cが流れることを可能とし、又は1つの配管のいずれかから他の2つの配管へ薬液Cが流れることを可能とする。制御バルブ144aは、第一位置で開く場合、薬液Cが第二供給ライン120bを通して第二キャニスター110bから第一供給ライン120aにおける制御バルブ144aを通して半導体製造装置10へと流れることを可能とする。あるいは、制御バルブ144aは、第二位置で開く場合、薬液Cが第二供給ライン120bを通して第二キャニスター110bから第二供給ライン120bにおける制御バルブ144aを通過して第一流入管144へと流れることを可能とする。制御バルブ144aは、第三位置で開く場合、薬液Cが第二供給ライン120bを通して第二キャニスター110bから第二供給ライン120bにおける制御バルブ144aを通過して製造装置10と同時に第二流入管144へと流れることを可能とする。
【0111】
加えて、一時貯蔵タンク141と連通する第二流入管144の内部及び/又は他端に設置された制御バルブ144bは、2つの配管を選択的に接続するための上述の三方バルブ144aと一緒に補助的に設置された二方バルブであり、制御ユニット(図示されていない)などによって操作制御され、薬液Cの流れを完全に遮断し、又は薬液Cが2つの配管間に流れることを可能とする。この段落で言及された2つの配管は、第二供給ライン120b及び第二流入管144である。
【0112】
これら2-1制御バルブ144a及び144bについても、図1に示すものとは異なり、本発明の目的は、上述の三方バルブ及び二方バルブのうち一方のみでも実現することができる。
【0113】
第二出口管145は、第二出口管145に提供された1つ以上の制御バルブ145a及び145bの操作に従って一時貯蔵タンク141の他方(好ましくは上方の反対側、すなわち好ましくは下方)と第一プッシュライン130aとの間を選択的に連通するための管状の構成部品である。
【0114】
ここで、第一プッシュライン130a及び第二プッシュライン130bに接続された一時貯蔵タンク141の他方は、特定の点について特に言及しないが、一時貯蔵タンク141の下部の点であることが好ましい。このことにより、一時貯蔵タンク141の上方を通して導入された薬液C(内部にガスGを含む)が、自重により一時貯蔵タンク141の内部空間ISを通って下方に流れ、第一出口管143又は第二出口管145を通して、それぞれ第一プッシュライン130a又は第二プッシュライン130bへ分岐することが可能になる。
【0115】
第一プッシュライン130aと連通する第二出口管145の一端に設置された制御バルブ145bは、3つの配管を選択的に接続するための三方バルブであり、制御ユニット(図示されていない)などによって操作制御され、三方向への薬液Cの流れを完全に遮断し、1つの配管のいずれかから他の配管のみ薬液Cが流れることを可能とし、又は1つの配管のいずれかから他の2つの配管へ薬液Cが流れることを可能とする。操作において、制御バルブ145bは、開いている場合、一般的には第一位置で制御バルブ145bを通して第一キャニスター110aへ向かう第一プッシュライン130a内のプッシュガスの流れに対して開くか、又は薬液Cの流れが第二出口管145を通して第一プッシュライン130aへと向かい、制御バルブ145bを通してキャニスター110aへと流れることを可能にする第二位置で開くかのいずれかである。
【0116】
加えて、一時貯蔵タンク141と連通する第二出口管145の内部及び/又は他端に設置された制御バルブ145aは、2つの配管を選択的に接続するための上述の三方バルブと一緒に補助的に設置された二方バルブであり、制御ユニット(図示されていない)などによって操作制御され、薬液Cの流れを完全に遮断し、又は薬液Cが2つの配管間に流れることを可能とする。この段落で言及された2つの配管は、第二出口管145及び第一プッシュライン130aである。
【0117】
これら制御バルブ145a及び145bにとって、図1などに示すものとは異なり、本発明の目的は、上述の三方バルブ及び二方バルブのうち一方のみでも実現することができる。
【0118】
ガスG及び所定量の薬液Cが第一供給ライン120bから第二流入管144、一時貯蔵タンク141及び第二出口管145の中に流れる場合、ガスGを2-1制御バルブ144a及び144b並びに2-2制御バルブ145a及び145bによって第二供給ライン120bから分離することができる。このようにして、半導体製造装置10に純薬液Cを、第二供給ライン120bを通して安定的に供給することができる。
【0119】
上述の構成を含むガス処理ユニット140は、供給ライン及びプッシュラインを利用して、第一供給ライン120a又は第二供給ライン120bから遮断された空間内にガスを閉じ込めることにより、ガスGを含む薬液Cの初期処理を行う。次に、本発明の薬液供給装置100が、後述する一連の操作制御処理を介して、ガスGを第一キャニスター110a及び/又は第二キャニスター110bに押し出す又は流し、内部に貯蔵する場合に、ガスGの処理は完了する。
【0120】
一方、薬液供給装置100は、ガス処理ユニット140の内部に陰圧を作り出し、内部にガスを含む薬液Cが第一供給ライン120a及び第二供給ライン120bからガス処理ユニット140に円滑に流れることを促進する又は可能にするために使用することができる真空ポンプ150を更に備えてもよい。真空ポンプ150は、内部にガスGを含む薬液Cがガス処理ユニット140に流れる前に又は流れるときに、短時間作動させることができる。代替の実施形態において、真空ポンプとガス処理ユニット140との間の追加接続は、必要に応じて、第一流入管142などに設けることができる。
【0121】
真空ポンプ150は、図示のように、ガス処理ユニット140の一方(図示のように、上方)に接続され、様々な大きさの陰圧をガス処理ユニット140の内部に発生させるために、制御ユニットによって操作制御することができる。したがって、第一供給ライン120a及び第二供給ライン120bからガス処理ユニット140の中に流れる、内部にガスGを含む薬液Cの流量は、ガス処理ユニット140の中に流れる薬液Cに対応して様々に調整することができる。加えて、真空ポンプ150は、ガス処理ユニット140の内部から残留薬液C及び/又はガスGを除去するために、ガス処理ユニット140の内部を清掃する目的で利用することができる。ガス処理ユニットの内部を清掃するために、真空ポンプは、第一供給ライン120a及び第二供給ライン120bを通して薬液Cの供給が終了した場合に作動することができる。
【0122】
以下、図1に示す薬液供給装置及び薬液供給装置の一部の使用方法は、図2図9を参照しながら説明する。より具体的には、第一供給ライン120a及び第二供給ライン120bに導入されたガスGを図1に示す実施形態において薬液供給装置100を使用して処理する、一連の処理は、図2図9を参照しながら以下に説明する。
【0123】
第一の方法段階において、図2で示すように、薬液供給装置100を搭載した制御ユニット(図示されていない)は、第一プッシュライン130aの自動バルブV1Aを開き、第一プッシュライン130a側の2-2制御バルブ145b及びコンプレッサー(又は高圧タンク若しくは加圧プッシュガスの供給源)を作動制御して、プッシュガスPGによって第一キャニスター110aを加圧する。
【0124】
図では、プッシュガスPGは、配管又はライン上の暗いハッシング(hashing)を持つ配管に存在する。薬液は、ガスGが内部に存在するかしないかに関わらず、明るいハッシングを持つ配管に存在するものとして示される。
【0125】
このことと同時に又は順次に、制御ユニットは、第一キャニスター110aの薬液CがプッシュガスPGの加圧によってディップチューブ112a及び第一供給ライン120aを通して半導体製造装置10に供給されるように、第一供給ライン120aの自動バルブV2Aを開いている一方で、第一供給ライン120a側の制御バルブ142aを作動制御し、第一供給ライン120aと半導体製造装置10との間の連通を提供する。
【0126】
第一キャニスター110aによる薬液Cの供給が上述のように継続される間、第二キャニスター110bの下方に配置されたロードセルによる通知は、オペレーターに指示して、薬液Cが消費された第二キャニスター110bを、完全に満たされ供給業者によって安全に管理された新しい第二キャニスター110bと交換する操作を実行させる。
【0127】
この場合、薬液供給装置100への新しい第二キャニスター110bの固定は、図2の拡大部分に示すように、対応するディップチューブ112bが大気圧にさらされる状態で行われる。したがって、特別な注意を払わない限り、ガスGが第二供給ライン120bの中に導入される場合がある。
【0128】
薬液Cが消費された第二キャニスター110bは、高圧容器に対する安全規制に従って再使用するために供給業者によって回収され管理される。
【0129】
図3に示すように、制御ユニットは、(図2に示されるように)第一キャニスター110aによって薬液Cの供給の制御を継続すると同時に、交換された第二キャニスター110bによって導入されたガスGが第二供給ライン120bから初期処理用の別の遮断又は隔離空間を形成するガス処理ユニット140に送られる又は流れるように、以下の同時又は連続制御操作を実行する。交換した第二キャニスター110bによって導入されたガスGを処理ユニット140へ流すために、制御ユニットは、第二プッシュライン130bの自動バルブV1Bを開き、第二プッシュライン130bのプッシュガスが第二キャニスター110bに供給され、第二キャニスター110bを加圧するように、第二プッシュライン130bの1-2制御バルブ143bを作動制御する。プッシュガスは、上述のようにコンプレッサー又は高圧タンクなど(いずれも図示されていない)によって供給することができる。
【0130】
上記プッシュガスを供給する工程と同時に又は連続して、制御ユニットは、第二供給ライン120bの自動バルブV2B、第二供給ライン120b(及び第二流入管144に接続される)の2-1制御バルブ144a、一時貯蔵タンク141と流体連通する第二流入管144の2-1制御バルブ144b、及び第二出口管145にある一時貯蔵タンク141と流体連通する2-2制御バルブ145aを作動制御して、第二プッシュライン130bの加圧によってディップチューブ112bを通って第二供給ライン120bの中に排出された、内部にガスGを含む薬液Cが、第二流入管144、一時貯蔵タンク141の内部空間IS、及び第二出口管145によって規定され、これらを含む内部容積を満たす。(制御バルブ145bは、第二出口管145のガスGを含む薬液Cの流れに対して閉じている。)
【0131】
次の段階において、第一プッシュライン130aの三方制御バルブである2-2制御バルブ145bは、作動制御して、第一プッシュライン130aのプッシュガスPGを第一キャニスター110aに流すことを可能にするが、ガス処理ユニット140に満たされたガスGを含む薬液Cが第一プッシュライン130aの中に流れることを遮断する(遮断し続ける)。
【0132】
図3における制御ユニットの作動制御によって、第一キャニスター110aによる薬液Cの供給が継続されている間、新たに交換した第二キャニスター110bによって導入されたガスGが第二供給ライン120bから(一時貯蔵タンク141、第二流入管144、及び第二出口管145を含む)別の遮断又は隔離空間であるガス処理ユニット140へ送り出された(流れた)後、交換された第二キャニスター110bは、第二供給ライン120bを通して半導体製造装置10に純薬液Cのみを供給することが可能な状態となる。薬液C及びガスGは、ガス処理ユニット140内の初期処理を受ける。隔離空間は、隔離空間の周囲の制御バルブを閉じる又は閉じたままにすることによって確立される。図示のように、隔離空間は一時貯蔵タンク141、第二流入管144、及び第二出口管145を含み、制御ユニットがどのくらい隔離空間に薬液を保持する必要があるかに応じて、制御バルブ145b及び143a並びに任意に制御バルブ144aは、薬液C及びガスGの流れに対して閉じる又は閉じたままであってよい。代替の実施形態において、制御バルブ144aは、隔離空間の中への薬液の流れに対して開いたままである一方で、制御バルブ145b及び143aは閉じたままである。
【0133】
次の段階において、制御ユニットは、図3及び図4に示すように、第一キャニスター110aから半導体製造装置10へ薬液Cの供給を維持しながら、ガス処理ユニット140に満たされた薬液C及びガスGを、第一プッシュライン130aを介して第一キャニスター110aに流す及び貯蔵させる、図4で示すような第二処理のための制御操作を行う。
【0134】
すなわち、制御ユニットは第一プッシュライン130a側の第二制御バルブ145bを切り替えるための作動制御を行い、第二キャニスター110bへのプッシュガスPGの供給を維持しながら第一キャニスター110aへのプッシュガスPGの供給を遮断するので、(制御バルブ144aは開く又は開いたままである)ガス処理ユニット140に満たされたガスCを含む薬液Cは第一プッシュライン130aを通して第一キャニスター110aに貯蔵される。
【0135】
結果として、第二キャニスター110bの交換時に導入されたガスGは、別の配管を通して外側へ排出されず、半導体製造装置10に供給されることなく最終的に第一キャニスター110aに貯蔵される。
【0136】
また、上述の制御ユニットの作動制御が制御バルブ145bを切り替える場合、第一プッシュライン130aを介したプッシュガスPGの強制供給がない場合でも、薬液Cがリアルタイムで供給され消費される半導体装置の成長室などの半導体製造装置10の内側と第一キャニスター110aの内側との間に生じる圧力差に起因して、第一キャニスター110aに貯蔵された薬液Cは、第一供給ライン120aを介して半導体製造装置10に一定量連続して供給されるように、半導体製造装置10においてリアルタイムで消費される薬液Cに相当する量だけ、第一キャニスター110aのディップチューブ112aから排出される。
【0137】
上述の図2図4における一連の制御操作を通じて、薬液供給装置100は、最終的に半導体製造装置に供給される薬液CからガスGを除去するために、内部にガスGを含む第二供給ライン120bの薬液Cを、第一プッシュライン130aを介して第一キャニスター110aに供給及び貯蔵することができる(これを、「他容器処理方法」として言及する)。
【0138】
一方で、図2図4に示すものとは異なり、薬液供給装置100は、内部にガスGを含む第二供給ライン120bの薬液Cをガス処理ユニット140の作動制御により第二プッシュライン130bを介して、上述のように、制御バルブ144a及び144b並びに制御バルブ143a及び143b(制御バルブ145a及び145bの代わりに)の制御を介して、第二キャニスター110b(第一キャニスター110aではない)に供給又は貯蔵することができ、最終的に半導体製造装置に供給される薬液CからガスGを除去するために、第二出口管143の代わりに第一出口管145の中に及び第一出口管145を通して、及び第一プッシュライン130aの代わりに第二プッシュライン130bの中に及び第二プッシュライン130bを通して薬液を流すことができる(これを、「同容器処理方法」として言及する)。
【0139】
他容器処理方法に戻り、図5に示すように、第二供給ライン120b側のガスGが第一キャニスター110aに貯蔵された後、(制御ユニットによって決定されるように)制御バルブ145bをプッシュガスの流れに対して開放し、第一キャニスター110aの薬液Cの量が設定値以下になるまで、第一キャニスター110aは第一プッシュライン130aによって半導体製造装置10に連続的に供給される。このことを達成するために、制御ユニットは、コンプレッサー又は高圧タンク及び/又は第二プッシュライン130b側の制御バルブ143b、及び第二プッシュライン130bの自動バルブV1Bを具体的に作動制御して、第二キャニスター110bへのプッシュガスPGの供給を遮断し、同時に又は順次に、薬液Cを第一キャニスター110aのディップチューブ112a及び第一供給ライン120aによって第一キャニスター110aへのプッシュガスPGの直接供給を介して、半導体製造装置10に供給することができるように、制御ユニットはコンプレッサー(又は高圧タンク)及び/又は第一プッシュライン130a側の制御バルブ145b、及び第一プッシュライン130a側の自動バルブV1A(開いたままである)の切り替えを作動制御する。
【0140】
結果として、第一キャニスター110aに貯蔵された薬液Cは、所定の設定量(例えば、約5%~約50%、又は約30%のいずれかの量)に達成するまで、半導体製造装置10に一定量を安定的に供給することができる。
【0141】
当該方法の一実施形態において、製造装置への薬液Cの安定的かつ連続的な供給のために、第一キャニスター110a及び第二キャニスター110bの交換時期の設定量又は設定値は、キャニスター内の薬液Cの残量に基づく。キャニスターが設定値以下に消費された場合、交換準備及び方法は図示のように行われ、図6及び図7に従って説明される。図示及び説明したように、交換設定量又は設定値は、各キャニスターの下方に配置されたロードセルLCによって確認することができる複数の設定量である。第一キャニスター110aに残存する薬液Cが上述の設定値(約30%)に達する場合、制御ユニットは、図6に示すように薬液Cの安定供給を作動制御するために、半導体製造装置10の供給システムを交換された新しい第二キャニスター110b(ここから、薬液C及びガスGは上述の方法段階によってガス処理ユニット140でディップチューブ112bから除去されている)に切り替える。図6に示すように、制御ユニットは具体的に、第一プッシュライン130aの2-2制御バルブ145bの閉鎖、及び第一プッシュライン130a側の自動バルブV1Aの閉鎖、及び、必要に応じて、コンプレッサー(又は高圧タンク)の切り替えの作動制御を通して第一キャニスター110aへのプッシュガスPGの供給を遮断する。このことと同時に又は順次に、制御ユニットは、第二プッシュライン130b内の1-2制御バルブ143bの開口、第二プッシュライン130bの自動バルブV1Bの開口、及び、必要に応じてプッシュガスPGのためのコンプレッサー(又は高圧タンク)の切り替えを介して、第二キャニスター110bにプッシュガスPGを直接供給することを強制する。さらに、同時に又は順次に、第二供給ライン120b内の自動バルブV2B及び2-1制御バルブ144aを開口する。さらに、同時に又は順次に、第二供給ライン120bの三方制御バルブ144aを作動制御して、第二キャニスター110bの薬液Cがディップチューブ112b及び第二供給ライン120bを通して半導体製造装置10に流れることを可能にするが、ガス処理ユニット140の薬液Cが第二供給ライン120bの中に流れることを遮断する。
【0142】
次の方法段階において、図7に示すように、第二キャニスター110bから半導体製造装置10への薬液Cの供給を維持しながら、制御ユニットは、第一キャニスター110aに残存する薬液Cの量が消費されるまで、第一キャニスター110a内の残存薬液Cを第二キャニスター110bに移送するための制御操作を実行する。このことを達成するために、制御ユニットは、必要に応じてプッシュガスPGのコンプレッサー(又は高圧タンク)を作動制御し、及び第一プッシュライン130aの2-2制御バルブ145bを開き、及び第一プッシュライン130aの自動バルブV1Aを開き、制御バルブ143bを介して第二キャニスター110bへプッシュガスPGの供給を遮断しながら、プッシュガスPGによって第一キャニスター110aを加圧する。このことと同時に又は順次に、制御ユニットは、第一供給ライン120aの自動バルブV2Aを作動的に開き、第一流入管の1-1制御バルブ142a及び142bを開き、第一供給ライン120aから一時供給タンク141へ薬液を流すことを可能にする。同時に又は順次に、制御ユニットは一時貯蔵タンク141及び第二プッシュライン130bに接続する1-2制御バルブ143a及び143bを開き、自動バルブV1Bを開くことにより、第一供給ライン120aの中に排出された薬液Cの残量は、第一プッシュライン130aの加圧によってディップチューブ112aを介して流れ、第一流入管142、一時貯蔵タンク141、第一出口管143を通して流れ、第二プッシュライン130bを通して、流れることにより、第二キャニスター110bに流れ、貯蔵される。第一キャニスター110aを空にする段階の間、1-1制御バルブ142a(三方制御バルブ)を制御して、第一キャニスター110aの薬液Cの残量を一時貯蔵タンク141に流すが、薬液Cを半導体製造装置10に直接供給することを遮断し、制御バルブ143bは第二キャニスター110bへのプッシュガスPGの供給を遮断する。この間、第二プッシュライン130bを介したプッシュガスPGの強制供給がない場合でも、第二キャニスター110bに貯蔵された薬液Cは、供給ライン120bを介して流れることにより半導体製造装置10に一定量連続的に供給されるように、半導体製造装置10においてリアルタイムで消費される薬液Cの量に相当する量だけ、第二キャニスター110bのディップチューブ112bから自動的に排出される。圧力差は、薬液Cがリアルタイムで供給される及び排出される、成長室などの半導体製造装置10の内側と、薬液Cを第二キャニスター110bから半導体製造装置10に流れさせる第二キャニスター110bの内側との間に生じた。
【0143】
第二キャニスター110bに供給した後に第一キャニスター110aに残存する薬液Cの量が、所定の設定値、例えば第一キャニスター110aに約5%残るまで消費されたとき、第一キャニスター110aは交換可能な状態となり、第二キャニスター110bによる半導体製造装置10への薬液Cの供給は、以下のように継続することができる。第一キャニスター110aの薬液Cがキャニスターの下方に提供されたロードセルLCによって測定され及び制御ユニットに通知される所定の設定値まで消費されるとき、制御ユニットは、図8に示すように、第一キャニスター110aの交換のために、第一プッシュライン130a及び第一供給ライン120aにおける全ての制御バルブ、すなわち、制御バルブ145b、V1A及びV2Aを閉じる。第一プッシュライン130a及び第一供給ライン120aの制御バルブの閉鎖と同時に又は順次に、制御ユニットは第二プッシュライン130bのコンプレッサー(又は高圧タンク)及び/又は1-2制御バルブ143bの切り替えを作動制御して、プッシュガスPGを第二キャニスター110bに供給するので、第二プッシュライン130bを流れて第二キャニスター110bへと向かうプッシュガスPGによって第二キャニスター110bの加圧を介して半導体製造装置10に連続的に強制供給することができる。結果として、第一キャニスター110aから薬液Cの残量を少なくとも部分的に補充した、第二キャニスター110bの薬液Cを、半導体製造装置10に安定的にかつ連続的に(必要に応じて一定量)供給することができる。
【0144】
上述のように、薬液Cの供給が第二キャニスター110bによって継続する間、薬液Cが消費された第一キャニスター110aは、キャニスターの下方に提供されたロードセルLCによって示されるように、薬液のレベルよりも上に薬液C及びガスGが満たされた新しい第一キャニスター110aに交換される。第一キャニスター110aを交換する場合、第一キャニスター110aが第一供給ライン120aと結合するときに、図8の拡大図に示すように、新しい第一キャニスター110aは大気圧にさらされ、従って、特別な注意を払わない限り、第一供給ライン(120a)の中にガスGの導入が生じる。
【0145】
制御ユニットは、図8に示すように第二キャニスター110bによって薬液Cの供給を継続するように制御するので、図9に示すように、交換した第一キャニスター110aによって導入されたガスGを、第一供給ライン120aから初期処理のための別々の遮断又は隔離空間を形成するガス処理ユニット140へと送り出すために、制御ユニットは以下の同時又は順次の制御操作を実行する。制御ユニットは、必要に応じて、プッシュガスPGによって第一キャニスター110aを加圧するために、コンプレッサー(又は高圧タンク)を作動制御してプッシュガスPGを供給し、第一プッシュライン130aの2-2制御バルブ145bを開き、第一プッシュライン130aの自動バルブV1Aを開く。さらに、同時に又は順次に、制御ユニットは、自動バルブV2A及び第一供給ライン120aの1-1制御バルブ142a、一時貯蔵タンク141の一方(上方)に接続された第一流入管142の1-1制御バルブ142b、及び1-2制御バルブ143aを作動制御して、第一プッシュライン130aの加圧によってディップチューブ112aを介して第一供給ライン120aの中に排出された、内部にガスGを含む薬液Cは、第一流入管142、一時貯蔵タンク141の内部空間IS、及び第一出口管143を満たす。
【0146】
この場合、第一供給ライン120aの制御バルブ142aの三方制御バルブは、作動制御されて、第一供給ライン120aのガスGを含む薬液Cを一時貯蔵タンク141に流すことを可能にするが、半導体製造装置10に流れることを遮断する。また、制御ユニットは、第二プッシュライン130bに接続される又は第二プッシュライン130b内にある制御バルブ143b及び自動バルブV1Bを作動制御して、ガス処理ユニット140の内側に満たされた内部にガスGを含む薬液Cが、第二キャニスター110aから第一キャニスター110bへの薬液の流れについて図3図5を参照して上述と同様にしかし逆方向に、第二プッシュライン130bを介して第二キャニスター110bに流れて第二キャニスター110bに貯蔵される。第二プッシュライン130bの三方制御バルブ143bは、ガスGを含む薬液Cが制御バルブ143bを通して第一出口管143から第二プッシュライン130bの中及び第二キャニスター110bの中に流れるように、作動制御される。第二プッシュライン130bを介したプッシュガスPGの強制供給がない場合でも、第二キャニスター110bに貯蔵された薬液Cは、半導体製造装置10においてリアルタイムで消費される薬液Cの量に相当する量だけ、第二キャニスター110bのディップチューブ112を通して及び供給ライン120bを通して半導体製造装置10に流し続ける。第二キャニスター110bから供給ライン120bを通して半導体製造装置10へと向かう薬液Cの流れは、第二キャニスター110bの内側と、薬液Cが供給されリアルタイムで消費される、半導体製造装置10(成長室など)との間に生じる圧力差に起因する。
【0147】
上述の図8及び図9における一連の制御操作(方法段階)を通じて、薬液供給装置100は、最終的に半導体製造装置に供給される薬液CからガスGを除去するために、内部にガスGを含む第一供給ライン120aの薬液Cを、第二プッシュライン130bを通して第二キャニスター110bに供給及び貯蔵することができる。(図8及び図9に従って説明された段階は、「他容器処理方法」である。)
【0148】
一方、図8及び図9に示すものとは異なり、薬液供給装置100は、既存の供給ライン及びプッシュラインをそのまま利用しながら上述のように、ガス処理ユニット140、又はより具体的には1-1制御バルブ142a及び142b並びに2-2制御バルブ145a及び145bの制御操作により、内部にガスGを含む第一供給ライン120aの薬液を、第一プッシュライン130を通して第一キャニスター110aに供給及び貯蔵することもでき、同容器処理方法で最終的に半導体製造装置に供給される薬液CからガスGを除去することができる。
【0149】
図9に従って説明した、他容器処理方法に戻る。制御ユニットの作動制御によって第二キャニスター110bによる薬液Cの供給が継続される間、新しく交換した第一キャニスター110aによって導入されたガスGは、第一キャニスター110aを形成する薬液Cと共に第一供給ライン120aを通して、別々の遮断空間(具体的に、一時貯蔵タンク141、一時流入管142、及び第一出口管143)であるガス処理ユニット140へ流れ、次に第二キャニスター110bの内側に送り出される。この時、交換された第一キャニスター110aは、純薬液Cのみを第一供給ライン120aを通して半導体製造装置10へと供給することが可能な待機状態にある。
【0150】
第一供給システムAAが薬液を供給しているときに、第一供給システムAAによって実行される構成部分又は方法段階に関する本明細書のいずれの説明も、第二供給システムBBが薬液を供給しているときに、第二供給システムBBの対応する部分に適用され、逆もまた同様である。加えて、第一供給システムが薬液を貯蔵しているときに、第一供給システムAAによって実行される構成部分又は段階に関する本明細書のいずれの説明も、第二供給システムが薬液を貯蔵しているときに、第二供給システムBBの対応する部分に適用され、逆もまた同様である。
【0151】
本発明の具体的な実施形態を上記で説明し、図示したが、本発明は説明した実施形態に限定されるものではなく、本発明の主旨及び範囲から離れることなく様々な修正及び変化が可能であることは、当業者にとって明白である。したがって、このような修正又は変化は、本発明の技術的な主観又は主旨から離れて理解されるものではなく、修正された実施形態は本発明の特許請求の範囲に含まれるものとする。
【産業上の利用可能性】
【0152】
本発明の実施形態における薬液供給システムは、ガス処理ユニットを使用することによって薬液を半導体製造装置に、より安定的にかつ連続的に供給することができるので、各交換中にガスの導入が問題となる交換可能キャニスターの薬液を十分に使用し、薬液供給業者に再使用キャニスターの管理に対する責任を負わせることが可能となり、さらに、高品質の半導体を製造することができる半導体製造装置が最終的に供給される薬液からガスを除去することができる点で、工業的に適用可能である。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
【国際調査報告】