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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-02-20
(54)【発明の名称】積層造形プロセス用の連結システム
(51)【国際特許分類】
   B65G 65/40 20060101AFI20230213BHJP
   B22F 10/28 20210101ALI20230213BHJP
   B22F 12/52 20210101ALI20230213BHJP
   B33Y 30/00 20150101ALI20230213BHJP
【FI】
B65G65/40 B
B22F10/28
B22F12/52
B33Y30/00
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022536959
(86)(22)【出願日】2020-12-16
(85)【翻訳文提出日】2022-08-15
(86)【国際出願番号】 GB2020053254
(87)【国際公開番号】W WO2021123782
(87)【国際公開日】2021-06-24
(31)【優先権主張番号】1918591.7
(32)【優先日】2019-12-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】GB
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】517102994
【氏名又は名称】エルピーダブリュ テクノロジー リミテッド
【氏名又は名称原語表記】LPW TECHNOLOGY LTD
(74)【代理人】
【識別番号】100091443
【弁理士】
【氏名又は名称】西浦 ▲嗣▼晴
(74)【代理人】
【識別番号】100091649
【弁理士】
【氏名又は名称】初瀬 俊哉
(74)【代理人】
【識別番号】100130432
【弁理士】
【氏名又は名称】出山 匡
(72)【発明者】
【氏名】ヒーリー,カラム
【テーマコード(参考)】
3F075
4K018
【Fターム(参考)】
3F075AA08
3F075BA01
3F075BB01
3F075CA09
3F075DA18
4K018CA44
4K018EA51
4K018EA60
(57)【要約】
本発明は、容器と積層造形プロセスのさらなる構成要素との間で材料を移送するための導管と、導管の動作を制御するための1以上のアクチュエータを含む積層造形プロセス用の連結システムに関し、導管は延長可能な中間部分を介して接続された第1の部分及び第2の部分を含み、且つ1以上のアクチュエータは、導管の長さを制御するために、中間部分を延長または短縮させるように導管の少なくとも一部に作用するように動作可能である。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
容器と積層造形プロセスのさらなる構成要素との間で材料を移送するための導管と、前記導管の動作を制御するための1以上のアクチュエータを含む積層造形プロセス用の連結システムであって、前記導管は延長可能な中間部分を介して接続された第1の部分及び第2の部分を含み、且つ前記1以上のアクチュエータは、前記導管の長さを制御するために、前記中間部分を延長または短縮させるように前記導管の少なくとも一部に作用するように動作可能である積層造形プロセス用の連結システム。
【請求項2】
前記中間部分は可撓性材料を含む請求項1に記載の連結システム。
【請求項3】
前記導管は前記容器の出口を含む請求項1又は2に記載の連結システム。
【請求項4】
前記導管の前記第1の部分は、前記容器に固定して接続され、または前記容器と一体に形成され、前記導管の前記第2の部分は、前記容器の前記出口を前記積層造形プロセスの前記さらなる構成要素のための入口に連結するためのインターフェースを備えている請求項3に記載の連結システム。
【請求項5】
前記導管は、重力下で実質的に下向きに延長するように構成することができ、前記1以上のアクチュエータの動作下で短縮するように動作可能である請求項3または4に記載の連結システム。
【請求項6】
前記導管は前記積層造形プロセスの前記さらなる構成要素のための入口を含む請求項1又は2に記載の連結システム。
【請求項7】
前記導管の前記第1の部分は、前記さらなる構成要素に固定的に接続され、または一体に形成され、前記導管の前記第2の部分は、前記さらなる構成要素の前記入口を前記容器の前記出口に連結するためのインターフェースを含む請求項6に記載の連結システム。
【請求項8】
前記導管は実質的に上方に延長するように構成され、前記1以上のアクチュエータの動作下で短縮するように動作可能である請求項7に記載の連結システム。
【請求項9】
1以上の付勢部材を含む先行する何れかの請求項に記載の連結システム。
【請求項10】
前記1以上の付勢部材は、使用中に前記中間部分の延長に伴い作用する付勢を提供するように構成される請求項9に記載の連結システム。
【請求項11】
前記1以上のアクチュエータは、前記1以上の付勢部材の動作下で前記中間部分が延長できる範囲を制限することによって、前記導管の長さを制御するように動作可能である請求項10に記載の連結システム。
【請求項12】
前記1以上の付勢部材は、使用中に前記中間部分の延長に対して作用する付勢を提供するように構成されている請求項9に記載の連結システム。
【請求項13】
前記1以上のアクチュエータは、1以上のコネクタを介して、前記導管の一部に連結されている先行する何れかの請求項に記載の連結システム。
【請求項14】
前記1以上のコネクタは、前記導管の前記一部が前記1以上のアクチュエータに対して移動できるように構成されている請求項13に記載の連結システム。
【請求項15】
前記中間部分が延長位置にあるとき、前記1以上のアクチュエータが前記導管に作用しないように構成された先行する何れかの請求項に記載の連結システム。
【請求項16】
前記中間部分が延長位置にある場合、前記1以上のコネクタが外れるかまたは緩むように構成されている請求項13または14に従属する場合の請求項15に記載の連結システム。
【請求項17】
使用中に前記容器の前記出口と前記積層造形プロセスの前記構成要素の前記入口とを連結状態に保持するように構成されたロック機構を含む先行する何れかの請求項に記載の連結システム。
【請求項18】
前記ロック機構は、1以上のロックアクチュエータの作動下で、使用中に少なくとも第1の位置と第2の位置との間で移動可能な1以上のロック部材を含む請求項17に記載の連結システム。
【請求項19】
積層造形プロセス用の容器であって、前記容器内に保持された材料を前記積層造形プロセスのさらなる構成要素に分配するための出口を含み、前記出口は先行する何れかの請求項に記載の連結システムを含む容器。
【請求項20】
積層造形プロセスの一部を形成する構成要素であって、前記構成要素は入口を含み、前記入口は請求項1乃至18の何れかの連結システムを含む構成要素。
【請求項21】
積層造形プロセスのためのドッキング・アレンジメントであって、前記ドッキング・アレンジメントは、前記積層造形プロセスの構成要素の入口に関連付けられたドックと、出口を含む容器と、前記容器の前記出口を前記積層造形プロセスの前記構成要素の前記入口に連結する請求項1乃至18の何れかに記載の連結システムとを含むドッキング・アレンジメント。
【請求項22】
請求項1乃至18の何れかの請求項に記載の連結システムを使用して、容器の出口を積層造形プロセスのさらなる構成要素のための入口に連結する方法において、
前記容器の前記出口と前記さらなる構成要素のための前記入口とを相互に近位に配置し、
前記連結システムの1以上のアクチュエータを使用して前記出口及び入口が連結位置になるように前記導管の長さを制御し、及び前記出口を前記入口に連結することを含む方法。
【請求項23】
1以上のロック部材を使用して、前記容器の前記出口と前記積層造形プロセスの前記構成要素のための前記入口との間の前記連結を保持することを含む請求項22に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ドッキング・アレンジメント(docking arrangement)に関し、具体的には、容器(例えばホッパー)内に保持された粉末などの材料を積層造形機に供給するための積層造形プロセス(additive manufacturing process)で使用するドッキング・アレンジメントに関する。
【背景技術】
【0002】
積層造形は一般に、単数または複数の材料の層を構築することにより3Dオブジェクトを製造するプロセスに関する。従来、材料は粉末(例えば、金属粉末)の形で積層造形機に供給することができる。小規模な製造プロセス用としては、粉末は容器(例えば、プラスチックジャー)で供給されることもある。大規模なプロセス用としては、大量の粉末を積層造形機に搬送するためにホッパーが設計されている。
【0003】
したがって、ホッパーから積層造形プロセスの構成要素(例えば積層造形機)に、製造プロセス用の材料(例えば粉末)を送達するために、粉末を収容するホッパーを構成要素にドッキングし連結するドッキング・アレンジメントが必要となる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、場合によっては、ホッパーのサイズと重量が大きくなり、ドッキング及び連結のプロセスの迅速且つ効果的な遂行が困難になることがある。これに加えて、例えばドッキング及び連結のプロセス中の不適切な位置合わせや衝突によるような、構成要素の損傷のリスクを最小限に抑えることを要する。
【0005】
したがって、製造プロセスのさらなる構成要素の入口へのホッパーの連結を補助する積層造形プロセス用の連結システムを提供することは有利であろう。
【0006】
したがって、本発明の一つの実施形態または複数の実施形態の目的は、先行技術に関連する1以上の問題を克服するか、少なくとも部分的に軽減することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一つの態様によれば、容器と積層造形プロセスのさらなる構成要素との間で材料を移送するための導管と、導管の動作を制御するための1以上のアクチュエータを含む積層造形プロセス用の連結システムであって、導管は延長可能な中間部分を介して接続された第1の部分及び第2の部分を含み、且つ1以上のアクチュエータは、導管の長さを制御するために、中間部分を延長または短縮させるように導管の少なくとも一部に作用するように動作可能である積層造形プロセス用のシステムが提供される。
【0008】
有利なことに、この連結システムは、単数または複数の最終連結ステップ中に容器全体またはさらなる構成要素を移動させる必要なしに、容器と積層造形プロセスのさらなる構成要素を連結することを可能にする。
【0009】
むしろ、続く単数または複数の最終連結ステップ中に連結システムを使用して容器の出口とさらなる構成要素の入口との間の距離をより容易に制御する前に、容器とさらなる構成要素(またはさらなる構成要素の入口)とは、互いに近接させることができる。
【0010】
このようにして、連結プロセス中の不正確な位置合わせまたは衝突による製造プロセスの構成要素の損傷のリスクを低減することができる。
【0011】
いくつかの実施形態では、中間部分は可撓性材料を含む。中間部分は弾性材料を含むことができる。例えば、そのような実施形態では、中間部分は、1以上のアクチュエータの動作下で延長(または短縮)できるように、伸張及び/または変形可能な材料で形成することができる。
【0012】
有利なことに、可撓性材料で形成された中間部分を備えたことにより、導管の延長(または短縮)方向に垂直な平面内で導管の第1の部分及び第2の部分を相対的に移動可能にすることができる。これは、例えば使用中(例えば連結プロセス中)の容器の出口とさらなる構成要素の入口との位置合わせにおける微小補正をアシストすることができる。
【0013】
他の実施形態では、中間部分は剛性材料を含んでもよい。例えば、そのような実施形態では、中間部分は、1以上のアクチュエータの動作下で直線的に延長(または短縮)できるように、折畳みまたは蛇腹(folded or concertinaed )のアレンジメントで構成することができる。
【0014】
中間部分は、例えば、金属材料またはプラスチック材料から形成することができる。中間部分は、例えばシリコーンゴム材料を含み得るゴム材料で形成されていてもよい。
【0015】
中間部分は、実質的に円筒形であってもよい。一つの実施形態では、中間部分は実質的に円錐形であってもよい。中間部分の形態は、使用時に材料が引っかかるおそれのある裂け目または折り目が中間部分にないように選択することができる。
【0016】
中間部分は、その長さ方向に沿って1以上の変形(aberrations)を含んでいてもよい。1以上の変形は、導管の短縮時に中間部分の確実かつ反復可能な折り畳み(collapse)を促進するために備えることができる。
【0017】
一つの実施形態では、導管は容器の出口を含む。そのような実施形態では、例えば導管の第1の部分は、容器に固定して接続され、または容器と一体に形成され、導管の第2の部分は、容器の出口を積層造形プロセスのさらなる構成要素のための入口に連結するためのインターフェースを備えていてもよい。
【0018】
使用中、導管は、中間部分の延長の結果として、容器から外側に延びるように構成されていてもよい。導管は、1以上のアクチュエータの動作下で延長するように構成されていてもよい。
【0019】
例えば、連結システムが重力供給配列(容器がさらなる構成要素の入口の上に設けられている)で使用するために構成された実施形態では、導管は、1以上のアクチュエータの動作下で実質的に下向きに延長するように構成され得る。
【0020】
別の実施形態では、導管は、重力下で実質的に下向きに延長するように構成することができ、1以上のアクチュエータの動作下で短縮する(例えば上向きに引っ張る)ように動作可能である。
【0021】
一つの実施形態では、導管は積層造形プロセスのさらなる構成要素のための入口を含む。例えば、そのような実施形態では、導管の第1の部分は、(直接、またはさらなる導管を介して間接的に)さらなる構成要素に固定的に接続され、または一体に形成され、導管の第2の部分は、さらなる構成要素の入口を容器の出口に連結するためのインターフェースを含むようにしてもよい。使用中、導管は、中間部材の延長の結果として、入口から外側に延びるように構成されていてもよい。
【0022】
導管は、1以上のアクチュエータの動作下で延長するように構成することができる。例えば、連結システムが重力供給配列(容器がさらなる構成要素の入口の上に設けられている)で使用するために構成された実施形態では、導管は、1以上のアクチュエータの動作下で実質的に上向きに延長するように構成され得る。
【0023】
別の実施形態では、導管は、例えば、1以上の付勢部材の動作下で実質的に上方に延長するように構成されてもよく、1以上のアクチュエータの動作下で短縮する(例えば下向きに引っ張られる)ように動作可能である。
【0024】
連結システムは、1以上の付勢部材を備えることができる。例えば、いくつかの実施形態では、連結システムは、複数の付勢部材を含み得る。
【0025】
1以上の付勢部材は、使用中に中間部分の延長に伴って作用する付勢を提供するように構成できる。そのような実施形態では、1以上のアクチュエータは、1以上の付勢部材の動作下で中間部分が延長できる範囲を制限することによって、導管の長さを制御することができる。
【0026】
他の実施形態では、1以上の付勢部材は、使用中に中間部分の延長に対して作用する付勢を提供するように構成されてもよい。そのような実施形態では、中間部分は、1以上のアクチュエータによって作用されない限り、短縮位置に保持される。
【0027】
1以上の付勢部材は弾性部材、例えば圧縮性弾性部材(compressible resilient member)を含んでいてもよい。一つの実施形態では、1以上の付勢部材はスプリングを含んでもよい。いくつかの実施形態では、付勢部材はガススプリングを含んでもよい。
【0028】
1以上のアクチュエータは、1以上のコネクタを介して、導管の一部、例えば導管の第1の部分、第2の部分または中間部分に連結していてもよい。
【0029】
一つの実施形態では、1以上のコネクタは、その一部が1以上のアクチュエータに対して移動できるように構成されていてもよい。この構成は、そのアクチュエータまたは各アクチュエータの動作を必要とせずに、導管の部分の微小な相対移動を可能にし得る。
【0030】
本願及び本明細書全体で使用される場合、「導管の部分の微小な相対移動(minor relative movements of the portions of the conduit)」という語句は、1以上のアクチュエータの動作下で中間部分が延長または短縮する範囲よりも距離が短い、導管のさまざまな構成要素の相対運動をカバーすることを意図している。
【0031】
例えばこれは、1以上のアクチュエータの動作下で中間部分が延長/短縮できる範囲の20%以下、または10%以下、または5%以下の動きを含んでいてもよい。
【0032】
有利なことに、このように本連結システムを構成することにより、システムにより(例えば連結プロセス中の出口と入口との間の衝突により、あるいは出口と入口との連結のための位置合わせなどの出口及び/または入口の移動により)遭遇する力が、プロセスのさらなる構成要素に、例えば容器またはさらなる構成要素にこれらの力が伝達されることはなく、導管の構成要素の微小な相対移動によって実質的に吸収されることが可能になる
斯くして、この力が連結システムまたは製造プロセスの構成要素の機能不全を全体として引き起こす可能性を低減することができる。連結システムが1以上の付勢部材を含む実施形態では、この力の少なくとも一部が単数又は複数の付勢部材によって吸収され、製造プロセスの構成要素にこの力が伝達することをさらに低減することができる。
【0033】
連結システムは、中間部分が延長位置にあるとき、1以上のアクチュエータが導管に作用しない(例えば導管を所定の長さ移動しまたは保持するように作用しない)ように構成することができる。
【0034】
中間部分の延長位置は連結システムの連結構成に対応していてもよい。例えば中間部分が延長位置にある場合、1以上のコネクタが外れたり緩んだりする可能性があり、その代わりに導管は、重力下及び/または1以上の付勢部材の作動下のみで、延長された長さに保持される。
【0035】
このような構成では、1以上のアクチュエータを非作動にし、または付勢しないようにしてもよい。斯くして1以上のアクチュエータから導管への重量または力の伝達をなくすことができる。場合によっては、連結システム内及び/またはさらなる構成要素の入口に、容器の質量を測定するように動作可能な1以上のセンサ(例えば重量センサ)を設けることが有益となり得る。
【0036】
これは容器に残っている材料の量をモニタリングするのに役立ち得る。有利なことに、1以上のアクチュエータが、特定の構成において(例えば出口及び入口が連結されている場合)、導管に作用しないように連結システムを構成することは、このセンサからの誤った読み取りの可能性を防止または少なくとも低減する。
【0037】
いくつかの実施形態では、連結システムは、単一のアクチュエータを含む。他の実施形態では、連結システムは、複数のアクチュエータ、例えば2つのアクチュエータを含む。
【0038】
一つの実施形態では、1以上のアクチュエータはリニア・アクチュエータを含み、これは、一つの実施形態では、ピストンでもよい。有利なことに、ピストンなどのリニア・アクチュエータを使用すると、比較的低い資源コストで比較的大きな力を発生させることができる。
【0039】
1つのピストンまたは各ピストンは、関連するピストンチャンバ内から流体を導入及び/または除去することによって、空気圧または油圧で制御することができる。一つの実施形態では、ピストンチャンバ内への流体の導入は、関連するピストンを移動させて中間部分を延長させ、それによって導管の長さを増加させることになる。同様に、ピストンチャンバ内からの流体の除去は、関連するピストンを移動させて中間部分を短縮させ、それによって導管の長さを減少させることができる。
【0040】
別の実施形態では、1以上のアクチュエータは、ソレノイドまたはモータなどの電気アクチュエータを含んでいてもよい。
【0041】
一つの実施形態では、1以上のアクチュエータは、その動作が分離され(isolated)得るように構成されてもよい。いくつかの実施形態では、1以上のアクチュエータの動作は、必要に応じて、導管が所定の長さで保持できるように分離され得る。実施形態では、これは、例えば、完全に延長した長さまたは完全に短縮した長さを含むことができる。
【0042】
いくつかの実施形態では、1以上のアクチュエータの動作は、制御システムを介して制御可能とすることができる。例えば、一つの実施形態では、1以上のアクチュエータの動きを制御するための制御システムを設けることができる。
【0043】
連結システムはロック機構(locking mechanism)を含むことができる。使用中、ロック機構は、容器の出口と積層造形プロセスの構成要素の入口とを連結状態に保持するように構成できる。ロック機構は、1以上のロックアクチュエータの作動下で、使用中に少なくとも第1の位置と第2の位置との間で移動可能な1以上のロック部材を含むことができる。1以上のロック部材は、第2の位置にあるとき、容器の出口の外面と係合するように構成することができる。
【0044】
1以上のロック部材は、ローラーを含んでいてもよい。別案として、1以上のロック部材はカムを含んでいてもよい。
【0045】
第1の位置及び第2の位置は、第1の縦位置及び第2の縦位置であってもよい。他の実施形態では、第1の位置及び第2の位置は、第1の回転位置及び第2の回転位置であってもよい。
【0046】
一つの実施形態では、ロック機構は、入口の開口端、例えば導管の第2の部分に対応する入口の開いた上端によって画定される凹部内に備えることができる。そのような実施形態では、ロック機構は、出口が入口の開口端によって画定される凹部内に受容されると、出口の外面に作用できるように配置することができる。
【0047】
一つの実施形態では、ロック機構は、2つ(またはそれ以上)のロック部材を含むことができる。いくつかの実施形態では、ロック機構は、一対の対向するロック部材を含む。そのような実施形態では、一対の対向するロック部材は、容器の出口の対向する複数の外面と係合するように構成され得る。
【0048】
一つの実施形態では、1以上のロック部材は、容器の出口の外面内の溝内に受容されるように構成することができる。
【0049】
例えば、いくつかの実施形態では、1以上のロック部材は、出口の外面に設けられた溝に相補的な形状を有するように構成されていてもよい。2つ以上のロック部材を備える実施形態では、ロック部材のそれぞれは、出口の外面上のそれぞれの複数の溝部に対応していてもよい。
【0050】
他の実施形態では、1以上のロック部材は、出口の全周に沿って設けられた溝内に受容されるように構成されていてもよい。これにより、そのような実施形態では、出口と入口との正確な回転位置合わせを必要とせずに、容器の出口を構成要素の入口に連結するのを可能にすることができる。
【0051】
一つの実施形態では、容器はホッパーを含み得る。
【0052】
本発明の一つの態様によれば、積層造形プロセス用の容器が提供され、容器は、容器内に保持された材料を積層造形プロセスのさらなる構成要素に分配するための出口を含み、この出口は、本発明の第1の態様の連結システムを含む。
【0053】
連結システムは、使用中に、容器の出口を積層造形プロセスのさらなる構成要素のための入口に連結するように構成することができる。
【0054】
本発明のさらなる態様によれば、積層造形プロセスの一部を形成する構成要素が提供され、構成要素は入口を含み、この入口は本発明の第1の態様の連結システムを含む。
【0055】
連結システムは、使用中に、容器内に保持された材料を構成要素に分配するために、入口を容器の出口に連結するように構成することができる。
【0056】
本発明のさらなる態様によれば、積層造形プロセスのためのドッキング・アレンジメントが提供され、ドッキング・アレンジメントは、積層造形プロセスの構成要素の入口に関連付けられたドックと、出口を含む容器と、容器の出口を積層造形プロセスの構成要素の入口に連結する本発明の第1の態様の連結システムとを含む。
【0057】
本発明のさらなる態様によれば、本発明の第1の態様の連結システムを使用して、容器の出口を積層造形プロセスのさらなる構成要素のための入口に連結する方法が提供され、この方法は、容器の出口とさらなる構成要素のための入口とを相互に近位に配置し、連結システムのアクチュエータを使用して出口と入口とが連結位置になるように導管の長さを制御し、出口を入口に連結することを含む。
【0058】
任意に、この方法は、1以上のロック部材を使用して、容器の出口と積層造形プロセスの構成要素のための入口との間の連結を保持することを含むことができる。
発明の詳細な説明
本発明をより明確に理解できるようにするために、添付の図を参照して、例としてのみ、その1以上の実施形態を説明する。
【図面の簡単な説明】
【0059】
図1】ドッキング・アレンジメントの斜視図である。
図2図1のドッキング・アレンジメントの斜視図である。
図3A】連結システムの一実施例の斜視図である。
図3B図3Aに示した連結システムのさらなる斜視図である。
図4A】連結システムの別の実施形態の側面図である。
図4B図4Aに示した連結システムのさらなる側面図である。
図5図4A及び図4Bに示した連結システムの斜視図である。
図6A】第1の状態にあるロック機構の断面図である。
図6B図6Aの領域Bの拡大図である。
図7A】ロック機構が第2の状態にある図6Aに対応する図である。
図7B図7Aの領域Cの拡大図である。
図8】別のロック機構の斜視図である。
図9図8のロック機構の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0060】
本発明は、積層造形プロセスのような製造プロセスのためのドッキング・アレンジメント10に関する。
【0061】
図1及び図2を参照すると、ドッキング・アレンジメント10は、ホッパー12の形態の容器を連結できるドック11を含む。これらの図は、ドック11から切り離されたホッパー12とドック11にドッキングされたホッパー12をそれぞれ示している。
【0062】
使用中、ドック11は積層造形プロセスの機械に対応し、ホッパー12はその機械に供給される粉末(金属粉末など)を収容することができる。
【0063】
ホッパー12は、スタンド22と、ホッパー12の容器14をスタンド22上に支持するための支持アーム24とを含む。図示の実施形態では、3つの支持アーム24が設けられている。容器14は積層造形プロセスのための粉末を含むことができる。容器は、円錐台形部分の上に、出口16に繋がる上部円筒形部分を含む。
【0064】
出口16は、ドック11の入口18に連結されて固定することができる。ホッパー12の出口16と入口18との間の連結は、連結システム80及びロック機構100を含む。
【0065】
本明細書で詳細に説明するように、連結ステム80及びロック機構100は、入口18への出口16の連結、ロック、及び固定を容易にし、ホッパー12の容器14からの材料が、ドック11を介して製造プロセスのさらなる構成要素に供給されることを可能にする。
【0066】
図示の実施形態では、入口18には、材料をホッパー12から製造プロセスのさらなる構成要素に供給するための導管20が設けられている。
【0067】
ホッパー12のスタンド22は、ドック11上の対応する複数の突出部材23を受け入れるために、その基部に複数の穴21を含む。図示のように、複数の突出部材23は、ドック11の表面13から上方に突出している。複数の穴21と各突出部材23とを連結すると、使用中にホッパー12をドック11にさらに固定するように作用できる。
【0068】
図示のホッパー12には、ホッパー12の容器14から出る材料の流れを制御するための弁アレンジメント26が設けられている。好ましくは、弁アレンジメントはバタフライ弁の形態の出口弁を含むが、弁アレンジメント26は任意の適切な弁タイプを含むことができることは理解されるだろう。
【0069】
出口弁は、操作ハンドル50を介して制御される。操作ハンドル50は、操作ハンドル50のレバー52の回転を通じて、弁アレンジメント26の出口弁を開閉するために使用することができる。これは、操作ハンドル50と動作可能に連結されたアクチュエータ40によって実行可能である。
【0070】
ここで、アクチュエータ40は、ドック11の一部を形成し、且つホッパー12をドック11にドッキングすると、操作ハンドル50とアクチュエータ40が、操作ハンドル50のその次の作動のために相互に位置するように配置されている。
【0071】
図示のホッパー12には、さらにガス入口32が備えられている。使用中、ガス入口3234を使用して、ホッパー12の容器14内の圧力レベルを制御することができる。例えば、ホッパー12内の圧力を上昇させて、出口16からの材料の流れを助けることが望ましいこともあるだろう。
【0072】
本明細書で説明するように、ドッキング・アレンジメント10は積層造形プロセスの機械(例えば積層造型機や篩など)に対応する(またはその一部を形成する)ことができるドック11を含み、またホッパー12はその機械に供給される粉末を収容することができる。しかし粉末/材料をホッパー12に送達することが望ましい場合がある(例えばその中に材料を補充する場合)。
【0073】
そのためホッパー12には、ホッパー12の容器14の内部へのアクセスを提供する開閉ハッチ30が上面に設けられている。場合により、別のホッパーからの材料をホッパー12に投入できる。そのような場合にはドッキング・アレンジメント10を使用でき、入口18(及び任意に導管20)がホッパー12への入口として機能し、別個のホッパーがドック11にドッキングされる。
【0074】
これは2つの異なるホッパー内の材料をブレンドする必要がある場合、または単にホッパー12内の材料を補充する必要がある場合に役立つ。実施形態では、1つのホッパーまたは積層造形機からの材料は、ホッパー12に蓄積される前に篩を通過するようにしてもよい。そのような場合、ドッキング・アレンジメント10は篩を受容するように適合していてもよい。
【0075】
図3A及び3Bは本発明の連結システム80の斜視図である。
【0076】
連結システム80は、使用中にホッパー12と積層造形プロセスのさらなる構成要素との間の材料の移送のための経路の少なくとも一部を形成する導管を含む。
【0077】
導管は第1の部分82、第2の部分84及び中間部分85から形成されており、中間部分85は完全に延長した位置と完全に短縮した位置との間で伸縮可能であり、第1の部分82及び第2の部分84の間隔を増減させ、それにより導管の長さを制御する。
【0078】
連結システム80はさらに、使用中に導管に作用して中間部分85が延長する範囲を制御するように動作可能な一対のピストン86a、86bの形態のアクチュエータを含む。
【0079】
図示の実施形態では、ピストン86a、86bは導管に作用して中間部分85をシステム80の休止状態に対応する完全に延長した位置から短縮させるように構成されている。中間部分85は、完全に延長した位置から短縮したときに、それ自体で折り畳む(collapse/fold)ことができる可撓性材料で形成される。
【0080】
ここで、導管は積層造形プロセスのさらなる構成要素のための入口18を形成し、備えられた導管はフレーム95に取り付けられている。具体的には、導管の第2の部分84がフレーム95に取り付けられ、第1の部分82は、ここで述べたように、ピストン86a、86b及び/またはスプリング92a、92b、92cの作動下でフレームに対して移動可能である。フレーム95はさらなる構成要素に取り付け可能である。
【0081】
ピストン86a、86bは、使用中にそれぞれのピストンハウジング87a、87bから延びるピストンアーム88a、88bを含む。ピストンハウジング87a、87b自体はフレーム95に取り付けられ、ピストンアーム88a、88bは、ピストンアーム88a、88bの端部に設けられた連結具96a、96bと、第1の部分82に接続されたそれぞれの連結具98a、98bとを介して、導管の第1の部分82に連結されている。
【0082】
図示の実施形態では、連結具96a、96b及び98a、98bは、リング連結具からなり、使用中にピストン86a、86b自体の操作を要することなく、ピストンアーム88a、88bに対する第1の部分82の微小な相対移動を許容する。
【0083】
連結システム80はさらに、スプリング92a、92b、92cの形態の複数の付勢部材を含む。スプリング92a、92bは、第1端で導管の第1部分82に接続され、第2端で導管の第2部分84に接続されている。使用中、スプリング92a、92b、92cは、導管の第1部分82と第2部分84との間に付勢力を与えるように動作することができる。
【0084】
具体的には、スプリング92a、92b、92cは、中間部分85が完全に延長する位置の方向に、すなわち中間部分85の延長に従い、または中間部分の短縮に逆らうように作用する付勢力を提供するように動作可能である。
【0085】
連結システム80はさらに、スプリングハウジング94a、94b、94cを含み、それぞれのスプリング92a、92b、92cは、中間部分85が完全に短縮した状態に圧縮され、そこから中間部分85が延長状態に移動して延びることができる。
【0086】
図3A及び3Bは、連結システム80の操作上の使用を示している。具体的には、図3Aは第1の短縮状態の中間部分85を示し、図3Bは第2の延長状態の中間部分85を示す。図示のように、中間部分85を延長または短縮させることにより、導管の全長を制御することができる。
【0087】
図3Aに示す配置からスタートすると、中間部分85は短縮状態にあり、ピストン86a、86bのピストンアーム88a、88bは、それぞれのピストンハウジング87a、87bから延長可能である。図示の実施形態では、ピストンアーム88a、88bは、上向きに延長するように動作可能であり、中間部分85をほぼ上向きに延長することができる。
【0088】
ピストンアーム88a、88bの延長は、ピストン86a、86bによってスプリング92a、92b、92cに加えられている圧縮を除去し、または少なくとも低減し、それによって、スプリング92a、92b、92cによって提供される付勢力の影響下で、導管の第1の部分82が(導管の第2の部分84に対して)ほぼ上向きの方向に移動することが可能になる。
【0089】
この動きの大部分は、ピストンアーム88a、88bによって、特にリング連結具96a、96b、98a、98bによって制限される。ピストンアーム88a、88bが完全に延長した位置にある場合、リング連結具96a、96b、98a、98bは、ピストンアーム88a、88bが導管の第1の部分82にもはや作用しないように、係合が外れるか緩むことになるだろう。
【0090】
代わって、第1の部分82はスプリング92a、92b、92cによって提供される付勢力によってこの位置に保持される。このように、ピストンアーム88a、88bは、中間部分85が延長したときに導管への力/重量伝達を提供しない。これは、ここで述べたように、ホッパー12の重量をモニターすること、及び/または他の構成要素に伝達される可能性のある導管またはスプリング92a、92b、92c内の力を吸収することに関して有利になるだろう。
【0091】
中間部分85を短縮するために逆のプロセスをたどることができ、これにより導管の長さを減少することができる。具体的には、ピストンアーム88a、88bをそれぞれのピストンハウジング87a、87b内に引き込むと、最初にリング連結具96a、96b、98a、98bが再び係合し、その後、導管の第1の部分82がスプリング92a、92b、92cによって与えられた付勢力に逆らって第2の部分84に向かって有効に引き戻される。そうすることで、中間部分85が短縮され、その結果導管の全長が減少する。
【0092】
図4A、4B及び図5は、本発明の連結システム180の別の実施形態を示す。連結システム180と連結システム80の両方に共通の構成要素を示すために、同様の参照番号が使用されている。
【0093】
連結システム180は、使用中にホッパー12と積層造形プロセスのさらなる構成要素との間の材料の移送のための経路の少なくとも一部を形成する導管を含む。
【0094】
導管は第1の部分182、第2の部分184及び中間部分185から形成され、中間部分185は完全に延長した位置と完全に短縮した位置との間で伸縮可能であり、第1及び第2の部分182、184の間隔を増減させ、それによって導管の長さを制御する。
【0095】
連結システム80と同様に、連結システム180は、使用中に導管に作用して中間部分185が延長する範囲を制御するように動作可能な一対のピストン186a、186bの形態のアクチュエータをさらに含む。
【0096】
図示の実施形態では、ピストン186a、186bは、システム180の休止状態に対応する完全に延長した位置(図4B)から中間部分185を短縮させるために導管に作用するように構成される。
【0097】
中間部分185は、完全に延長した位置から短縮されたときに、それ自体で折り畳むことができる可撓性材料で形成される。
【0098】
ここで、導管はホッパー12用の出口16を形成し、備えられた導管はフレーム195に取り付けられる。具体的には、導管の第1の部分182はフレーム195に取り付けられ、第2の部分184は、ここで述べたように、ピストン186a、186bの作動下及び/または重力下でフレームに対して移動可能である。フレーム195は、ホッパー12に取り付けることができる。
【0099】
ピストン186a、186bはピストン86a、86bと同様に構成され、使用中にそれぞれのピストンハウジング187a、187bから延びるピストンアーム188a、188bを含む。
【0100】
ピストンハウジング187a、817b自体はフレーム195に取り付けられ、ピストンアーム188a、188bは、ピストンアーム188a、188bの端部に設けられた連結具196a、196b、及び第2の部分184に接続されたそれぞれの連結具198a、198bを介して、導管の第2の部分184に連結される。
【0101】
さらに、連結具196a、196b及び198a、198bはリング連結具からなり、使用中に、ピストン186a、186b自体の操作を必要とせずに、ピストンアーム188a、188bに対する第2の部分184の微小な相対移動を許容する。
【0102】
図4A及び4Bは、連結システム180の操作上の使用を示している。具体的には、図4Aは第1の短縮状態の中間部分185を示し、図4Bは第2の延長状態の中間部分185を示す。図示のように、中間部分185を延長または短縮させることにより、導管の全長を制御することができる。
【0103】
図4Aに示す配置からスタートすると、中間部分185は短縮状態にあり、ピストン186a、186bのピストンアーム188a、188bは、それぞれのピストンハウジング187a、187bから延長可能である。図示の実施形態では、ピストンアーム188a、188bは、下向きに延長するように動作可能であり、中間部分185をほぼ下向きに延長することができる。
【0104】
ピストンアーム188a、188bの延長は、ピストン186a、186bによって与えられている抑制力を除去し、または少なくとも低減し、それによって、重力下で、導管の第2の部分184が(導管の第1の部分182に対して)ほぼ下向きの方向に移動することが可能になる。
【0105】
この動きの大部分は、ピストンアーム188a、188bによって、特にリング連結具196a、196b、198a、198bによって制限される。ピストンアーム188a、188bが完全に延長した位置にある場合、リング連結具196a、196b、198a、198bは、ピストンアーム188a、188bが導管の第2の部分184にもはや作用しないように、係合が外れるか緩むことになるだろう。
【0106】
代わって、第2の部分184は中間部分185自体の弾力性によってこの位置に保持される。このように、ピストンアーム188a、188bは、中間部分85が延長したときに導管への力/重量伝達を提供しない。これは、ここで述べたように、ホッパー12の重量をモニターすること、及び/または積層造形プロセスの他の構成要素に伝達される可能性のある導管内の力を吸収することに関して有利になるだろう。
【0107】
中間部分185を短縮するために逆のプロセスをたどることができ、これにより導管の長さを減少することができる。具体的には、ピストンアーム188a、188bをそれぞれのピストンハウジング187a、187b内に引き込むと、最初にリング連結具196a、196b、198a、198bが再び係合し、その後、導管の第2の部分184が第1の部分182に向かって上向きに有効に引き戻される。そうすることで、中間部分185が短縮され、その結果導管の全長が減少する。
【0108】
図6A図7Bは、連結システム80の一部を形成し、あるいは連結システム80と共に使用することができる第1のロック機構100を示す。ロック機構100は、ホッパー12の出口16を積層造形機などの積層造形プロセスのさらなる構成要素の入口18に固定するように構成される。
【0109】
具体的には、ロック機構100には入口18が設けられており、出口16が入口18の開口上端内に受け入れられたときに、出口16の外面に作用できるように位置決めされている。
【0110】
ロック機構100は、回転軸に垂直な方向に移動可能なローラー102a、102bの形態の一対の対向するロック部材を含む。図に示される配向では、水平方向の移動になる。
【0111】
ローラー102a、102bの移動は、ピストン104a、104bの形態のそれぞれのリニア・アクチュエータを介して制御される。ローラー102a、102bは、ローラー102a、102bがそれぞれの回転軸を中心に回転運動できるようにするそれぞれのクレビス型ファスナ(clevis-type fasteners)106a、106bを介して、それぞれのピストン104a、104bに取り付けられる。
【0112】
あるいは、ローラーは、例えば針状ころ軸受によって、ローラーの残りの部分に回転可能に取り付けられた外側カラーを含んでもよい。
【0113】
使用中、ピストン104a、104bは、第1の長手方向位置(図6A及び6Bに示す)と第2の長手方向位置(図7A及び7Bに示す)との間でそれぞれのローラー102a、102bの移動を制御するように構成される。
【0114】
ここで、ローラー102a、102bの第1の長手方向位置は、ロック機構100の「ロック解除」状態に対応し、第2の長手方向位置は、ロック機構100の「ロック」状態に対応する。
【0115】
別の実施形態では、ローラは、ピストン及びシリンダ装置以外のアクチュエータに取り付けられる。これは、ソレノイドなどの電気アクチュエータであってもよい。
【0116】
ホッパー12の出口16には、その外面の周りに溝112が設けられており、ここでは対向する溝部112a、112bにより示される。溝部112a、112bは、それぞれローラー102a、102bに対応する。
【0117】
溝112は、出口16の全周に沿って設けることができる。これによりホッパー12を、溝112がそれぞれのローラー102a、102bと正確に位置合わせされた状態で配置する必要なしに、ドッキング・アレンジメント10内に固定することができる。
【0118】
使用中、溝部112a、112bは、ホッパー12の出口16を入口18に固定するために、それぞれのローラー102a、102bの少なくとも一部を受け入れるように構成されている。具体的には、出口16と入口18を連結して固定するプロセスは、ローラー102a、102bを第1の長手方向位置に設けることから始まる。
【0119】
ローラー102a、102bが第1の長手方向位置にある場合、ホッパー12の出口16は、入口18の近位に据え置き、好ましくは接触させることができる。ここで、出口16は、図6A及び6Bに示されるように、入口18の開口端内の凹部107内に配置される。
【0120】
出口16がこの位置にある場合、ローラー102a、102bは、それぞれのピストン104a、104bの動作下で、(図7A及び7Bに示されるように)第2の長手方向位置に移動される。
【0121】
第2の長手方向位置にあるとき、ローラー102a、102bは、少なくとも部分的に溝112、特に出口16の外壁の対応する溝部112a、112bに受け入れられ、具体的には、出口16の外壁の対応する溝部112a、112bの中で、出口16が入口18中の凹部107から引き出されるのを防止する。このようにして、ロック機構100は出口16を入口18に連結及び固定するために使用される。
【0122】
ピストン104a、104bは、それぞれのピストンチャンバ108a、108b内からガスを導入及び/または除去することによって空気圧で制御される。ガスは、それぞれの供給パイプ110a、110bを介してピストンチャンバ108a、108bに供給及び/または除去される。
【0123】
理解されるように、ピストンチャンバ108a、108bへのガスの導入は、ピストンを内側に移動させ(図に示される構成において)、よってローラー102a、102bを第2の長手方向位置に移動させる。
【0124】
ピストンチャンバ108a、108b内からのガスの除去は、ピストンを外側に移動させ(図に示される構成において)、よってローラー102a、102bを第1の長手方向位置に移動させる。
【0125】
ロック機構100のロック及びロック解除は、好ましくは制御システム(図示せず)を介して中央で制御され得る。また中央制御システムは、ロック機構100の動作を制御する際に、ドッキング・アレンジメント10の構成要素の他の動作状態を考慮に入れることができる。
【0126】
例えば中央制御システムは、ロック機構100のロック解除を許容し/制御する前に、弁アレンジメント26の出口弁が閉鎖状態にあることを必要にしてもよい。
【0127】
同様に、中央制御システムは、ロック機構100が出口16及び入口18を所定の位置に連結して固定した状態でロックされない限り、弁アレンジメント26の出口弁の開放を防止するように構成することができる。
【0128】
別のロック機構100´が図8及び9に示されている。
【0129】
ロック機構100´は、カム102a´、102b´の形態の一対のロック部材を含み、それぞれの主旋回点109a´、109b´に回転可能に取り付けられている。使用中、カム102a´、102b´がそれぞれの主旋回点109a´、109b´を中心に回転すると、カム102a´、102b´が入口18の内部に出入りしてロック位置とロック解除位置との間を移動し、先行する図に示されるローラー102a、102bと同様の方法でホッパー12の出口16と係合及び係合解除する。
【0130】
カム102a´、102b´はさらに、その端部において二次旋回点107a´、107b´を介してピストン104a´、104b´の形態のそれぞれのリニア・アクチュエータに回転可能に取り付けられている。使用中、カム102a´、102b´の運動は、本明細書に記載されているように、ピストン104a´、104b´を介して制御される。
【0131】
具体的には、ピストン104a´、104b´は、ロック機構100´の「ロック解除」状態に対応する第1の回転位置と、ロック機構100´の「ロック」状態に対応する第2の回転位置との間でそれぞれのカム102a´、102b´の移動を制御するように構成されている。
【0132】
ロック解除状態では、カム102a´、102b´は、入口18の内部から実質的に外れた位置にある(図9に示すように)。ロック状態では、カム102a´、102b´は入口18の内部に突出し、上述のようにホッパー12の対応する出口16の外面(例えば溝112)と係合する。
【0133】
理解されるように、ピストン104a´、104b´は、それぞれのピストンチャンバ108a´、108´b内からのガスの導入及び/または除去によって空気圧で制御され得る。ガスは、それぞれの供給パイプ110a´、110b´を介してピストンチャンバ108a´、108b´に供給及び/または除去される。
【0134】
ピストンチャンバ108a´、108b´へのガスの導入により、ピストンが上向き(図に示される構成で)に移動し、よってカム102a´、102b´は、それぞれの主旋回点109a´、109b´の周りを第1の回転位置から第2の回転位置まで回転する。
【0135】
逆に、ピストンチャンバ108a´、108b´内からのガスの除去は、ピストン108a´、108b´を下方(図に示される構成において)に移動させ、よって、カム102a´、102b´は、第2の回転位置から第1の回転位置まで反対方向に、それぞれの主旋回点109a´、109b´の周りを回転する。
【0136】
ここで、カム102a´、102b´は「オーバーセンター(over-centre)」カムである。それぞれの主旋回点109a´、109b´を中心にしたカム102a´、102b´の水平を超えて、すなわち主旋回点109a´、109b´がそれぞれの二次旋回点107a´、107b´と水平に並ぶ箇所を超えて回転すると、カム102a´、102b´がそれぞれの第2の回転位置にあるとき、それぞれのピストン104a´、104b´によって他の状態に作用されない限り、所定の位置に有効にロックされる。
【0137】
具体的には、これにより、例えばホッパー12の出口16による、カム102a´、102b´へのいずれかの内力/圧力が、使用中にロック機構100´を意図せずに「ロック解除」することを防止する。
【0138】
ロック機構100と同様に、ロック機構100´のロック及びロック解除は、制御システム(図示せず)を介して中央で制御されることが好ましい。この場合も、中央制御システムは、ロック機構100´の動作を制御する際に、ドッキング・アレンジメント10の構成要素の他の動作状態も考慮に入れることができる。
【0139】
別のロック機構200は、連結システム180の一部を形成するか、連結システム180と組み合わせて使用することができる。
【0140】
ロック機構200は、ロック機構100またはロック機構100´のいずれかと同様に構成されており、ホッパー12の出口16を積層造型機などの積層造形プロセスのさらなる構成要素の入口18に固定することができる。
【0141】
ロック機構200は、ロック機構200がホッパー12の出口16を備えており、さらなる構成要素の入口18が出口16の開いた下端内に受け入れられたときに、積層造形プロセスのさらなる構成要素の入口18の外面に作用することができるように配置されているという点でのみ異なっていてもよい。
【0142】
1以上の実施形態は、例としてのみ上に記載されている。添付の特許請求の範囲によって与えられる保護の範囲から逸脱することなく、多くの変形が可能である。
図1
図2
図3A
図3B
図4A
図4B
図5
図6A
図6B
図7A
図7B
図8
図9
【国際調査報告】