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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-02-20
(54)【発明の名称】歯根管充填組成物
(51)【国際特許分類】
   A61K 6/54 20200101AFI20230213BHJP
   A61K 6/56 20200101ALI20230213BHJP
   A61K 6/60 20200101ALI20230213BHJP
   A61K 6/70 20200101ALI20230213BHJP
   A61C 5/00 20170101ALI20230213BHJP
【FI】
A61K6/54
A61K6/56
A61K6/60
A61K6/70
A61C5/00
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022537053
(86)(22)【出願日】2020-12-17
(85)【翻訳文提出日】2022-07-08
(86)【国際出願番号】 EP2020086720
(87)【国際公開番号】W WO2021122957
(87)【国際公開日】2021-06-24
(31)【優先権主張番号】19217246.8
(32)【優先日】2019-12-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】502289695
【氏名又は名称】デンツプライ デトレイ ゲー.エム.ベー.ハー.
(71)【出願人】
【識別番号】515304558
【氏名又は名称】デンツプライ・シロナ・インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110001508
【氏名又は名称】弁理士法人 津国
(72)【発明者】
【氏名】クレー,ヨアヒム・エー
(72)【発明者】
【氏名】ヴォルム,マティアス
【テーマコード(参考)】
4C052
4C089
【Fターム(参考)】
4C052AA16
4C052AA17
4C052HH01
4C089AA07
4C089BA03
4C089BC02
4C089BC08
4C089BE15
4C089CA03
(57)【要約】
本発明は、少なくとも1種のジエポキシド又はポリエポキシドと、少なくとも1種の第一級モノアミンと、少なくとも1種のジアミンとを含む歯根管充填組成物に関し;ここで、少なくとも1種の第一級モノアミンは、少なくとも1つの環状非芳香族炭化水素基及び少なくとも1つの第一級アミノ基を含み;ここで、前記少なくとも1つの第一級アミノ基は、前記少なくとも1つの環状非芳香族炭化水素基に直接結合しているか、又は、ここで、前記少なくとも1つの第一級アミノ基は、前記少なくとも1つの環状非芳香族炭化水素基に直接結合している炭化水素部分に含まれている。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
(i)少なくとも1種のジエポキシド又はポリエポキシドと、
(ii)少なくとも1種の第一級モノアミンと、
(iii)少なくとも1種のジアミンと
を含む歯根管充填組成物であって、
少なくとも1種の第一級モノアミンは、少なくとも1つの環状非芳香族炭化水素基及び少なくとも1つの第一級アミノ基を含み、ここで、前記少なくとも1つの第一級アミノ基は、前記少なくとも1つの環状非芳香族炭化水素基に直接結合しているか、又は
ここで、前記少なくとも1つの第一級アミノ基は、前記少なくとも1つの環状非芳香族炭化水素基に直接結合している炭化水素部分に含まれていることを特徴とする、
歯根管充填組成物。
【請求項2】
少なくとも1つの環状非芳香族炭化水素基は、3~9個、好ましくは、4~8個、より好ましくは、5~8個の環形成原子により形成されていることを特徴とする、請求項1記載の歯根管充填組成物。
【請求項3】
環状非芳香族炭化水素基の3~9個、好ましくは、4~8個、より好ましくは、5~8個の環形成原子のうちの少なくとも1個が、1~8個の炭素原子を有する直鎖又は分岐鎖の炭化水素基により置換されており、同炭化水素基が、ヒドロキシル基、C1-6アルコキシ基、C6-10アリール基、C6-10アリールオキシ基、C7-14アリールアルキル基又はC7-14アリールアルコキシ基により置換されている場合があることを特徴とする、請求項2記載の歯根管充填組成物。
【請求項4】
少なくとも1つの第一級アミノ基を含む炭化水素部分が、少なくとも1つの環状非芳香族炭化水素基の少なくとも1つの環形成原子に結合しており、ここで、前記少なくとも1つの環形成原子が、炭素原子又は窒素原子であることを特徴とする、請求項2又は3記載の歯根管充填組成物。
【請求項5】
少なくとも1つの環状非芳香族炭化水素基の少なくとも1つの環形成原子が、硫黄原子、酸素原子又は窒素原子であり、ただし、少なくとも1つの第一級アミノ基を含む炭化水素部分が、前記少なくとも1つの環形成原子には結合していないことを特徴とする、請求項2~4のいずれか一項記載の歯根管充填組成物。
【請求項6】
少なくとも1つの第一級アミノ基を含む炭化水素部分が、直鎖又は分岐鎖のアルキル、アルコキシ又はアルケニル基であり、ここで、好ましくは、直鎖又は分岐鎖のアルキル、アルコキシ又はアルケニル基の少なくとも1つの炭素原子が、酸素、硫黄及び/又は窒素原子により置換されていることを特徴とする、請求項1~5のいずれか一項記載の歯根管充填組成物。
【請求項7】
少なくとも1種の第一級モノアミンが、少なくとも1つの芳香族炭化水素基をさらに含み、前記芳香族炭化水素基のうちの少なくとも1つが、少なくとも1つの環状非芳香族炭化水素基に直接結合していることを特徴とする、請求項1~6のいずれか一項記載の歯根管充填組成物。
【請求項8】
歯根管充填組成物の少なくとも1種のジアミンが、ジ第二級(disecondary)ジアミン又は第一級ジアミンであり、ここで、好ましくは、歯根管充填組成物が、少なくとも1種の第一級ジアミン及び少なくとも1種のジ第二級ジアミンを含むことを特徴とする、請求項1~7のいずれか一項記載の歯根管充填組成物。
【請求項9】
歯根管充填組成物が、少なくとも1種のレオロジー添加剤及び/又はレオロジー改質剤、例えば、エチルセルロース及び酢酸酪酸セルロースをさらに含むことを特徴とする、請求項1~8のいずれか一項記載の歯根管充填組成物。
【請求項10】
歯根管充填組成物が、下記式(I)
【化21】

[式中、
Lは、直接結合又は1~8個の炭素原子を有する直鎖もしくは分岐鎖の炭化水素基であり、同炭化水素基は、1つ以上のフッ素原子、ヒドロキシル基、C1-6アルコキシ基、C1-6アルキルチオ基、C6-10アリール基、C6-10アリールオキシ基、C7-14アリールアルキル基又はC7-14アリールアルコキシ基により置換されている場合があり、
、A及びAのうちの少なくとも1つは、CHを表わし、残りの基は、基C-Rであり、
、X、X、Y、Y及びYのうちの少なくとも3つは、CHを表わし、残りの基は、CHR基、CR基又はC=NR基であり、
nは、0又は1であり、
ここで、Rは、フッ素原子、ヒドロキシル基、アミノ基、C1-6アルキル基、C1-6アルコキシ基、C1-6アルキルチオ基、C6-10アリール基、C6-10アリールオキシ基、C7-14アリールアルキル基又はC7-14アリールアルコキシ基であり、
は、フッ素原子、ヒドロキシル基、アミノ基、C1-6アルキル基、C1-6アルコキシ基、C1-6アルキルチオ基、C6-10アリール基、C6-10アリールオキシ基、C7-14アリールアルキル基又はC7-14アリールアルコキシ基であり、
及びRは、同じかもしくは異なることができ、それぞれ独立して、フッ素原子、C1-6アルキル基、C1-6アルコキシ基、C1-6アルキルチオ基、C6-10アリール基、C6-10アリールオキシ基、C7-14アリールアルキル基もしくはC7-14アリールアルコキシ基を表わし、又はR及びR同士が結合して、それらに結合している炭素原子とともに、3~6員の飽和炭化水素環を形成しており、
は、ヒドロキシル基、アミノ基、C1-6アルキル基、C1-6アルコキシ基、C6-10アリール基、C6-10アリールオキシ基、C7-14アリールアルキル基又はC7-14アリールアルコキシ基であり、
ただし、nが、0である場合には、R、R、R/R及びRのうちの少なくとも1つが存在するという条件である]
で示される化合物を実質的に含まず、好ましくは、これを完全に含まないことを特徴とする、請求項1~9のいずれか一項記載の歯根管充填組成物。
【請求項11】
少なくとも1種のジエポキシド又はポリエポキシドが、下記式(II):
【化22】

[式中、
Qは、(m+1)価の有機基であり、
、R及びR10は、同じか又は異なることができ、それぞれ独立して、水素原子又はC1-6アルキル基を表わし、
、R及びR11は、同じか又は異なることができ、それぞれ独立して、水素原子又はC1-6アルキル基を表わし、
mは、1~3の整数である]
で示される化合物であることを特徴とする、請求項1~10のいずれか一項記載の歯根管充填組成物。
【請求項12】
歯根管充填組成物が、下記構造:
【化23】

[式中、
12は、水素又は置換もしくは非置換のC1-18アルキル基、置換もしくは非置換のC3-18シクロアルキル基又は置換もしくは非置換のC7-18アリールアルキル基であり、
13は、二官能性の置換もしくは非置換のC~C18アルキレン基又は置換もしくは非置換のシクロアルキレン基であり、
A’は、アミンと付加反応可能な化合物、例えば、ジエポキシド又はポリエポキシドに由来する部分であり、
cは、整数である]
で示される化合物の中から選択される脂肪族ポリアミンをさらに含むことを特徴とする、請求項1~11のいずれか一項記載の歯根管充填組成物。
【請求項13】
歯根管充填組成物が、少なくとも1種の放射線不透過性微粒子充填剤、好ましくは、少なくとも1種の微粒子充填剤として少なくともCaWOをさらに含むことを特徴とする、請求項1~12のいずれか一項記載の歯根管充填組成物。
【請求項14】
歯内疾患の治療又は予防のための、請求項1~13のいずれか一項記載の歯根管充填組成物の使用。
【請求項15】
第1のペーストと第2のペーストとを含む貯蔵安定な2液歯根管充填組成物であって、歯根管充填組成物は、請求項1~13のいずれか一項記載の組成物である、2液歯根管充填組成物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
発明の分野
本発明は、歯根管充填組成物、歯内疾患の治療又は予防のためのこのような歯根管充填組成物の使用に関する。
【0002】
本発明は、さらに、このような本発明の歯根管充填組成物を利用する、貯蔵安定な2液歯根管充填組成物に関する。
【背景技術】
【0003】
発明の背景
重合性化合物を含有する重合性歯科用組成物は公知である。従来、重合性歯科用組成物は、広範囲の用途に提供され、したがって、多様な要件を満たさなければならない。例えば、重合性歯科用組成物は、歯科用接着剤組成物、結合剤、小窩裂溝シーラント、歯科用知覚鈍麻組成物、覆髄組成物、歯科用複合材、歯科用ガラスアイオノマーセメント、歯科用セメント、歯根管シーラー組成物、根管充填組成物又は歯科用溶浸剤であり得る。
【0004】
歯科用組成物は、強度及び外観に関して、自然な歯の構造に近づくのが望ましい。したがって、物理的特性、生体適合性、美観及び取り扱い特性に関して改善された特性を有する歯科用組成物の開発に向けられた多大な努力が、先行技術に記載されている。
【0005】
根管充填組成物及び覆髄組成物から選択される歯科用組成物は、硬化した生成物が高い放射線不透過性を有する必要があるという点及び組成物が硬化のために外部照射を必要としない場合があるという点で、追加の要件を受ける。さらに、歯根管の密封をさらに改善するために、組成物は根管の壁に接着することが望ましい。咀嚼及び温度変化の結果として、根管の形状が変化し得ることを考慮すると、硬化した組成物は、根管の密封を損なうことなく、このような変化に耐えなければならない。
【0006】
したがって、このような追加の特性を提供するために、根管充填組成物又は覆髄組成物は、硬化性マトリックス中に分散された放射線不透過性微粒子充填剤を含有する。しかしながら、放射線不透過性微粒子充填剤の分散により、充填剤の高密度及び硬化性マトリックスの低粘度のために、分散体の安定性問題が生じる。
【0007】
さらに、光の不存在下で根管充填組成物又は覆髄組成物を硬化可能にするために、組成物は、エポキシド前駆体化合物を成長重合する工程を含み得る熱硬化メカニズムにより硬化される。歯根管のための先行技術の歯科用充填材料は、比較的長い硬化時間を有し、変色する場合がある。
【0008】
現在、最良の全体的特性を提供する歯根管充填材料のゴールドスタンダードは、AH Plus(登録商標)(Dentsply DeTrey, Konstanz/Germany製)である。AH Plus(登録商標)の良好な全体的特性は、特に、物理的及び熱機械的特性、ゲル化時間等の硬化特性、並びに流動特性及び粘度特性等の取り扱い特性に関する。良好な全体的特性は、使用される充填剤組成物及びAH Plus(登録商標)組成物の硬化プロセス中に形成されるエポキシド-アミン付加ポリマーの構造に非常に依存する。AH Plus(登録商標)歯根管充填組成物は、アミンペースト及びエポキシドペーストからなる。AH Plus(登録商標)エポキシドペーストは、主成分としてビスフェノールAジグリシジルエーテル(CAS:25068-38-6)を含み、AH Plus(登録商標)アミンペーストは、主成分としてジアミンであるN,N’-ジベンジル-5-オキサノナンジアミン-1,9(OPC-91、CAS:113506-22-2)及びモノアミンである1-アミノアダマンタン(CAS:768-94-5)を含む。両方のアミンタイプは、本質的に、硬化特性及び熱機械特性を調節するのに使用される。
【0009】
しかしながら、これらの一般的に使用される第一級モノアミン、例えば、1-アミノアダマンタン又は非常に類似したリマンタジンは、それらの毒物学的分類(ECHA、欧州化学機関)及びそれらの生体適合性の観点から、ますます観察下にある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明の目的
このため、先行技術に鑑みて、本発明の目的は、これらの一般的に使用される第一級アミンの新規な代替物を提供することであり、同代替物は、それらの毒性及び生体適合性に関する前述の欠点を示さないであろう。
【0011】
特に、本発明の目的は、任意の毒物学的懸念に耐えることができ、一方同時に、特に、AH Plusの特徴的な熱機械的特性を維持することができる、代替となる第一級モノアミンを提供することであった。これらの熱機械的特性は、特に、歯根管充填組成物の性能に重大な影響を及ぼす。
【0012】
さらに、本発明の目的は、特に、40~50℃の範囲のガラス転移点T及び16時間未満の体温でのゲル化時間を示すであろう歯根管充填組成物を提供することであった。
【課題を解決するための手段】
【0013】
発明の概要
これらの目的及び明示的に記述されていないが、本明細書において導入により検討された関係から直ちに導き出すことができ又は認識することができるさらなる目的は、請求項1のすべての特徴を有する歯根管充填組成物により達成される。本発明の歯根管充填組成物に対する適切な改変は、従属請求項2~13において保護される。さらに、請求項14は、歯内疾患の治療又は予防のための、このような歯根管充填組成物の使用を含む。請求項15は、貯蔵安定な2液歯根管充填組成物のための、このような歯根管充填組成物の使用を含む。
【0014】
したがって、本発明は、
(i)少なくとも1種のジエポキシド又はポリエポキシドと、
(ii)少なくとも1種の第一級モノアミンと、
(iii)少なくとも1種のジアミンと
を含む歯根管充填組成物であって、
少なくとも1種の第一級モノアミンは、少なくとも1つの環状非芳香族炭化水素基及び少なくとも1つ、好ましくは、1つの第一級アミノ基を含み、
ここで、前記少なくとも1つの第一級アミノ基は、前記少なくとも1つの環状非芳香族炭化水素基に直接結合しているか、又は
ここで、前記少なくとも1つの第一級アミノ基は、前記少なくとも1つの環状非芳香族炭化水素基に直接結合している炭化水素部分に含まれていることを特徴とする、歯根管充填組成物を提供する。
【0015】
このため、これらの一般的に使用される第一級アミンのための新規な代替物を提供することは、予測できない様式で可能であり、この代替物は、それらの毒性及び生体適合性に関する前述の欠点を示さない。
【0016】
特に、本発明は、任意の毒物学的懸念に耐えることができ、一方同時に、特に、AH Plusの特徴的な熱機械的特性を維持することができる、代替となる第一級モノアミンを提供する。
【0017】
加えて、本発明は、40~50℃の範囲のガラス転移点T及び16時間未満の体温でのゲル化時間を示す、歯根管充填組成物を提供する。
【発明を実施するための形態】
【0018】
発明の詳細な説明
「実質的に含まない」という表現は、本発明の文脈において、歯根管充填組成物の総重量に基づいて、5重量%未満、好ましくは、2.5重量%未満、より好ましくは、1重量%未満の濃度を意味する。
【0019】
本発明は、請求された第一級モノアミンを含む歯根管充填組成物がAH Plus(登録商標)組成物と比較して、同等及び/又は改善された全体的特性を有する歯根管充填組成物を提供するという認識に基づいている。
【0020】
さらに、本発明は、請求されたこのような第一級モノアミンを含む歯根管充填組成物が物理的及び機械的特性、生体適合性、美観並びに取り扱い特性に関して優れた特性を有し、高い放射線不透過性、高い貯蔵安定性、小さい収縮及び可撓性、比較的短い硬化時間を有し、光の不存在下で硬化させることができる歯根管充填組成物を提供するという認識に基づいている。さらに、本発明の歯根管充填組成物は、調節可能な作業時間及び硬化時間、適切な粘度を提供し、着色の問題を示さない。
【0021】
本発明の第一級モノアミンは、優れた反応性を与えるモノマーとして作用するように適合され、その結果、優れた硬化特性を有する歯根管充填組成物が提供される。さらに、本発明の第一級モノアミンの使用により、AH Plus(登録商標)組成物の最終ポリマーと比較して、同等及び/又は改善された全体的特性を有するポリマーがもたらされる。
【0022】
本発明は、特定の第一級モノアミンを含む、歯根管充填組成物に関する。本発明の歯根管充填組成物は、エポキシド-アミン付加ポリマーを形成するように適合される。本発明の歯根管充填組成物は重合性であり、重合して、熱可塑性ポリマーを形成する。
【0023】
「重合」及び「重合性」という用語は、多数のより小さい分子、例えば、モノマーを共有結合により組み合わせて、より大きい分子、すなわち、高分子又はポリマーを形成することに関する。モノマーを、直鎖高分子のみを形成するように組み合わせることができ、又はそれらを架橋ポリマーと一般に呼ばれる三次元高分子を形成するように組み合わせることができる。例えば、二官能性モノマーは、直鎖ポリマーを形成し、一方、少なくとも3つの官能基を有するモノマーは、ネットワークとしても公知の架橋ポリマーを形成する。反応物質の化学量論比及びそれらの完全な変換の場合、浸出性モノマーの量を明らかに少なくすることができる。
【0024】
「硬化」という用語は、官能性重合性化合物、例えば、モノマー、オリゴマー又はさらにポリマーのポリマーネットワーク、好ましくは、架橋ポリマーネットワークへの重合を意味する。
【0025】
「硬化性」という用語は、混合時に重合するであろう歯科用組成物を指す。
【0026】
ISO6876:2012によれば、作業時間は、根管シーラーを操作可能である、混合開始から測定される期間である。硬化時間は、(37±1)℃及び相対湿度95%以上での混合終了から、シーラーがギルモア型計量圧子を使用する機械的印加を示さなくなるまでの期間である。
【0027】
本明細書で使用する場合、「貯蔵安定性」という用語は、歯科用組成物が、例えば、約2年の長い貯蔵時間の後でさえ、その特徴、特に、その作業時間及び硬化時間を維持することを意味する。
【0028】
一実施態様では、少なくとも1つの環状非芳香族炭化水素基は、3~9個、好ましくは、4~8個、より好ましくは、5~8個の環形成原子により形成される。
【0029】
その好ましい実施態様では、環状非芳香族炭化水素基の3~9個、好ましくは、4~8個、より好ましくは、5~8個の環形成原子のうちの少なくとも1つは、ヒドロキシル基、C1~6アルコキシ基、C6~10アリール基、C6~10アリールオキシ基、C7~14アリールアルキル基又はC7~14アリールアルコキシ基により置換されている場合がある、1~8個の炭素原子を有する直鎖又は分岐鎖の炭化水素基により置換されている。
【0030】
少なくとも1つの環状非芳香族炭化水素基及び少なくとも1つの第一級アミノ基を含み、ここで、前記少なくとも1つの第一級アミノ基が前記少なくとも1つの環状非芳香族炭化水素基に直接結合している、このような本発明の第一級モノアミンの例は、下記:
【化1】

である。
【0031】
一実施態様では、少なくとも1つの第一級アミノ基を含む炭化水素部分は、少なくとも1つの環状非芳香族炭化水素基の少なくとも1つの環形成原子に結合しており、ここで、前記少なくとも1つの環形成原子は、炭素原子又は窒素原子である。
【0032】
少なくとも1つの環状非芳香族炭化水素基及び少なくとも1つの第一級アミノ基を含み、ここで、前記少なくとも1つの第一級アミノ基が前記少なくとも1つの環状非芳香族炭化水素基に直接結合している炭化水素部分に含まれている、このような本発明の第一級モノアミンの例は、下記:
【化2】

である。
【0033】
一実施態様では、少なくとも1つの環状非芳香族炭化水素基の少なくとも1つの環形成原子は、硫黄原子、酸素原子又は窒素原子である。ただし、少なくとも1つの第一級アミノ基を含む炭化水素部分は、前記少なくとも1つの環形成原子には結合していないという条件である。
【0034】
一実施態様では、少なくとも1つの第一級アミノ基を含む炭化水素部分は、直鎖又は分岐鎖のアルキル、アルコキシ又はアルケニル基であり、ここで、好ましくは、直鎖又は分岐鎖のアルキル、アルコキシ又はアルケニル基の少なくとも1つの炭素原子は、酸素、硫黄及び/又は窒素原子により置換されている。
【0035】
「アルキル基」という用語は、それぞれの長さの直鎖又は分岐鎖の飽和炭化水素鎖を指す。この用語は、例えば、メチル、エチル、n-プロピル、イソ-プロピル、n-ブチル、イソ-ブチル、sec-ブチル、t-ブチル、n-ペンチル、イソペンチル、ネオペンチル、n-ヘキシル、n-デシル、ドデシル、テトラデシル等の基により例示することができる。このようなアルキル基は、1つ以上の置換基、例えば、アルキレン、アルコキシ、ニトリル、アリール、シクロアルキル及びヒドロキシルによりさらに置換されている場合がある。
【0036】
「アルキレン基」という用語は、少なくとも1つの炭素-炭素二重結合を含む、それぞれの長さの直鎖又は分岐鎖の炭化水素鎖を指す。このようなアルキレン基は、1つ以上の置換基、例えば、アルキル、アルコキシ、ニトリル、アリール、シクロアルキル及びヒドロキシルによりさらに置換されている場合がある。
【0037】
「アルコキシ基」という用語は、このアルコキシ基(R-C-O-C-R)の内側のエーテル構造中に少なくとも1つの酸素原子を含む、それぞれの長さの直鎖又は分岐鎖の炭化水素鎖を指す。このようなアルコキシ基は、1つ以上の置換基、例えば、アルキル、アルキレン、ニトリル、アリール、シクロアルキル及びヒドロキシルによりさらに置換されている場合がある。
【0038】
一実施態様では、少なくとも1つの第一級モノアミンは、少なくとも1つの芳香族炭化水素基をさらに含み、ここで、前記芳香族炭化水素基のうちの少なくとも1つは、少なくとも1つの環状非芳香族炭化水素基に直接結合している。
【0039】
このような本発明の第一級モノアミンの例は、下記:
【化3】

である。
【0040】
一実施態様では、歯根管充填組成物の少なくとも1つのジアミンは、ジ第二級(disecondary)ジアミン又は第一級ジアミンであり、ここで、好ましくは、歯根管充填組成物は、少なくとも1種の第一級ジアミン及び少なくとも1種のジ第二級ジアミンを含む。
【0041】
本発明の文脈における第一級ジアミンは、好ましくは、下記式(III):
【化4】

[式中、Q’は、置換もしくは非置換のC3-20アルキレン基又は置換もしくは非置換のC3-20シクロアルキレン基を表わし、ここで、置換C3-20アルキレン基及び置換C3-20シクロアルキレン基は、1つ以上のフッ素原子、ヒドロキシ基、C1-6アルキル基、C3-12シクロアルキル基、C1-6アルコキシ基、C1-6アルキルチオ基、C6-10アリール基、C6-10アリールオキシ基、C7-14アリールアルキル基又はC7-14アリールアルコキシ基により置換されている場合がある]
で示される第一級脂肪族ジアミンである。
【0042】
式(III)で示される化合物において、好ましくは、Q’は、置換又は非置換のC3-20シクロアルキレン基を表わし、より好ましくは、Q’は、置換シクロアルキレン基を表わし、さらにより好ましくは、Q’は、置換シクロアルキレン基を表わし、ここで、置換基は、1つ以上のC1-6アルキル基、C3-12シクロアルキル基であることができる。
【0043】
特に好ましい実施態様では、本発明の歯科用組成物は、オクタヒドロ-4,7-メタノ-1H-インデンジメチルアミン(CAS:68889-71-4)及びイソホロンジアミン(CAS:2855-13-2)からなる群より選択される第一級脂肪族ジアミンを含む。
【0044】
本発明の文脈におけるジ第二級ジアミンは、好ましくは、下記式(IV):
【化5】

[式中、
Aは、二価の置換又は非置換のC2-30ヒドロカルビル基であり、
及びRは、同じか又は異なることができ、独立して、C1-10アルキル基、C3-10シクロアルキル基又はC6-11アリールアルキル基を表わす]
で示されるジ第二級ジアミンである。
【0045】
式(IV)で示される化合物において、Aは、N、O、S、Siからなる群より選択される10個までのヘテロ原子を含有する場合がある、二価の置換又は非置換のC2-30ヒドロカルビル基である。好ましくは、Aは、二価の非置換C2-30ヒドロカルビル基である。
【0046】
本発明の一実施態様では、式(IV)で示される化合物において、Aは、二価の置換C2-30ヒドロカルビル基であり、ここで、置換基は、ヒドロキシル基、第三級アミン基、ハロゲン原子、C1-6アルキル基、C3-10シクロアルキル基、C1-6アルコキシ基、C5-10アリール基、C6-11アリールアルキル基からなる群より選択される。
【0047】
式(IV)で示される化合物において、Aは、二価の置換又は非置換のC2-30ヒドロカルビル基を表わし、ここで、C2-30ヒドロカルビル基は、C2-30アルキリデン基、C3-10シクロアルキリデン基、C7-30アリールアルキリデン基である。
【0048】
式(IV)で示される化合物において、R及びRは、同じか又は異なることができ、独立して、C1-10アルキル基、C3-10シクロアルキル基又はC6-11アリールアルキル基を表わす。C1-10アルキル基、C3-10シクロアルキル基又はC6-11アリールアルキル基は、置換されていても非置換であってもよい。好ましくは、C1-10アルキル基、C3-10シクロアルキル基又はC6-11アリールアルキル基は非置換である。C1-10アルキル基、C3-10シクロアルキル基又はC6-11アリールアルキル基が置換されている場合、置換基は、ヒドロキシル基、第三級アミン基、ハロゲン原子、C1-6アルキル基、C3-10シクロアルキル基、C1-6アルコキシ基、C5-10アリール基又はC6-11アリールアルキル基からなる群より選択される。
【0049】
好ましい実施態様では、本発明の歯科用組成物は、N,N’-ジベンジルエチレンジアミン、N,N’-ジベンジル-3,6-ジオキサオクタンジアミン-1,8、N,N’-ジベンジル-5-オキサノナンジアミン-1,9(CAS:113506-22-2)、N,N’-ジベンジル-(2,2,4)トリメチルヘキサメチレンジアミン、N,N’-ジベンジル-(2,4,4)トリメチルヘキサメチレンジアミン、N、N’-ジベンジルシクロヘキシレンジアミン、N、N’-ジベンジル-キシリレンジアミンからなる群より選択されるジ第二級ジアミンを含む。
【0050】
一実施態様では、歯根管充填組成物は、少なくとも1種のレオロジー添加剤及び/又はレオロジー改質剤、例えば、エチルセルロース及び酢酸酪酸セルロースをさらに含む。
【0051】
その1つの好ましい実施態様では、歯根管充填組成物は、アミンペースト及びエポキシドペーストを含み、ここで、アミンペースト又はエポキシドペーストは、少なくとも1種のレオロジー添加剤及び/又はレオロジー改質剤を含む。
【0052】
その代替的な好ましい実施態様では、歯根管充填組成物は、アミンペースト及びエポキシドペーストを含み、ここで、アミンペースト及びエポキシドペーストはそれぞれ、少なくとも1種のレオロジー添加剤及び/又はレオロジー改質剤を含む。
【0053】
上記両方の代替的な好ましい実施態様の好ましい実施態様では、少なくとも1種のレオロジー添加剤及び/又はレオロジー改質剤は、セルロースエーテル及びセルロースエステルからなる群より選択されるセルロース誘導体である。
【0054】
本明細書において、セルロースエーテルとしてのエチルセルロース(CAS9004-57-3)及びセルロースエステルとしての酢酸酪酸セルロース(CAS9004-36-8)、酢酸プロピオン酸セルロース(CAS9004-39-1)、酢酸セルロース(CAS9004-35-7)又はプロピオン酸セルロース(CAS9004-48-2)が特に好ましい。
【0055】
最も好ましい実施態様では、歯根管充填組成物は、アミンペースト及びエポキシドペーストを含み、ここで、アミンペースト及びエポキシドペーストはそれぞれ、少なくとも1種のレオロジー添加剤及び/又はレオロジー改質剤を含み、ここで、アミンペーストは、セルロースエーテル、好ましくは、エチルセルロースである少なくとも1種のレオロジー添加剤及び/又はレオロジー改質剤を含み、ここで、エポキシドペーストは、セルロースエステル、好ましくは、酢酸酪酸セルロースである少なくとも1種のレオロジー添加剤及び/又はレオロジー改質剤を含む。
【0056】
本発明の意味において、一般的には、セルロース誘導体を両ペースト、すなわち、アミンペースト及びエポキシドペーストに使用することは、各ペーストの基本粘度を向上させるのに有利である。それにより、各ペーストの固形分からの沈殿のリスクを最小限に抑えることができ、又は理想的には、完全に回避することができる。さらに、理想的な状況下では、セルロース誘導体による各ペースト中でのネットワーク形成効果により、更なる効果を達成することができる。
【0057】
セルロースエーテルは、アミンペースト中が特に好ましい。特定の状況下で、主に、各アミンペーストの全体的な組成に応じて、セルロースエステルがセルロースエステル分子と反応性アミン基との間で起こる場合がある望ましくない副反応のために、例外的な場合に問題を引き起こし得るためである。
【0058】
一実施態様では、歯根管充填組成物は、放射線不透過性微粒子充填剤ではない少なくとも1種の充填剤をさらに含む。
【0059】
その1つの好ましい実施態様では、歯根管充填組成物は、アミンペースト及びエポキシドペーストを含み、ここで、アミンペースト又はエポキシドペーストは、放射線不透過性微粒子充填剤ではない少なくとも1種の充填剤を含む。
【0060】
その代替的な好ましい実施態様では、歯根管充填組成物は、アミンペースト及びエポキシドペーストを含み、ここで、アミンペースト及びエポキシドペーストはそれぞれ、放射線不透過性微粒子充填剤ではない少なくとも1種の充填剤を含む。
【0061】
上記両方の代替的な好ましい実施態様の好ましい実施態様では、放射線不透過性微粒子充填剤ではない少なくとも1種の充填剤は、Aerosil(登録商標)200、Aerosil(登録商標)R805(CAS92797-60-9)、Aerosil(登録商標)R202(CAS67762-90-7又はCAS541-02-6)、CAB-O-SIL TS 720(CAS67762-90-7)、Aerosil(登録商標)R8200(CAS68909-20-6)、Aerosil(登録商標)R812(CAS68909-20-6)、Aerosil(登録商標)R972(CAS68611-44-9)及びAerosil(登録商標)R974(CAS68611-44-9)からなる群より選択されるヒュームドシリカである。
【0062】
最も好ましい実施態様では、歯根管充填組成物は、アミンペースト及びエポキシドペーストを含み、ここで、アミンペースト及びエポキシドペーストはそれぞれ、放射線不透過性微粒子充填剤ではない少なくとも1種の充填剤を含み、ここで、アミンペーストは、Aerosil(登録商標)200である放射線不透過性微粒子充填剤ではない少なくとも1種の充填剤を含み、ここで、エポキシドペーストは、Aerosil(登録商標)R805(CAS92797-60-9)、Aerosil(登録商標)R202(CAS67762-90-7又はCAS541-02-6)、CAB-O-SIL TS 720(CAS67762-90-7)、Aerosil(登録商標)R8200(CAS68909-20-6)、Aerosil(登録商標)R812(CAS68909-20-6)、Aerosil(登録商標)R972(CAS68611-44-9)及びAerosil(登録商標)R974(CAS68611-44-9)からなる群より選択されるヒュームドシリカである放射線不透過性微粒子充填剤ではない少なくとも1種の充填剤を含む。
【0063】
本発明の意味において、各ペーストの基本安定性を高めるために、両ペースト、すなわち、アミンペースト及びエポキシドペースト中でAerosilを使用するのが一般的には有利である。それにより、各ペーストの固形分からの沈殿のリスクを最小限に抑えることができ、又は理想的には完全に回避することができる。
【0064】
疎水性Aerosil、例えば、Aerosil(登録商標)R805(CAS92797-60-9)、Aerosil(登録商標)R202(CAS67762-90-7又はCAS541-02-6)、CAB-O-SIL TS 720(CAS67762-90-7)、Aerosil(登録商標)R8200(CAS68909-20-6)、Aerosil(登録商標)R812(CAS68909-20-6)、Aerosil(登録商標)R972(CAS68611-44-9)及びAerosil(登録商標)R974(CAS68611-44-9)は、エポキシドペースト中が特に好ましい。特定の状況下では、主に、各エポキシドペーストの全体的な組成に応じて、前記疎水性Aerosilが、各エポキシドペーストの追加の安定化効果を提供するためである。
【0065】
一実施態様では、歯根管充填組成物は、下記式(I)
【化6】

[式中、
Lは、直接結合又は1~8個の炭素原子を有する直鎖もしくは分岐鎖の炭化水素基であり、同炭化水素基は、1つ以上のフッ素原子、ヒドロキシル基、C1-6アルコキシ基、C1-6アルキルチオ基、C6-10アリール基、C6-10アリールオキシ基、C7-14アリールアルキル基又はC7-14アリールアルコキシ基により置換されている場合があり、
、A及びAのうちの少なくとも1つは、CHを表わし、残りの基は、基C-Rであり、
、X、X、Y、Y及びYのうちの少なくとも3つは、CHを表わし、残りの基は、CHR基、CR基又はC=NR基であり、
nは、0又は1であり、
ここで、Rは、フッ素原子、ヒドロキシル基、アミノ基、C1-6アルキル基、C1-6アルコキシ基、C1-6アルキルチオ基、C6-10アリール基、C6-10アリールオキシ基、C7-14アリールアルキル基又はC7-14アリールアルコキシ基であり、
は、フッ素原子、ヒドロキシル基、アミノ基、C1-6アルキル基、C1-6アルコキシ基、C1-6アルキルチオ基、C6-10アリール基、C6-10アリールオキシ基、C7-14アリールアルキル基又はC7-14アリールアルコキシ基であり、
及びRは、同じかもしくは異なることができ、それぞれ独立して、フッ素原子、C1-6アルキル基、C1-6アルコキシ基、C1-6アルキルチオ基、C6-10アリール基、C6-10アリールオキシ基、C7-14アリールアルキル基もしくはC7-14アリールアルコキシ基を表わし、又はR及びR同士が結合して、それらに結合している炭素原子とともに、3~6員の飽和炭化水素環を形成しており、
は、ヒドロキシル基、アミノ基、C1-6アルキル基、C1-6アルコキシ基、C6-10アリール基、C6-10アリールオキシ基、C7-14アリールアルキル基又はC7-14アリールアルコキシ基であり、
ただし、nが、0である場合には、R、R、R/R及びRのうちの少なくとも1つが存在するという条件である]
で示される化合物を実質的に含まず、好ましくは、これを完全に含まない。
【0066】
歯根管充填組成物は、下記式:
【化7】

のうちの一方を有する化合物を実質的に含まず、好ましくは、完全に含まないのが特に好ましい。
【0067】
一実施態様では、少なくとも1種のジエポキシド又はポリエポキシドは、下記式(II):
【化8】

[式中、
Qは、(m+1)価の有機基であり、
、R及びR10は、同じか又は異なることができ、それぞれ独立して、水素原子又はC1-6アルキル基を表わし、
、R及びR11は、同じか又は異なることができ、それぞれ独立して、水素原子又はC1-6アルキル基を表わし、
mは、1~3の整数である]
で示される化合物である。
【0068】
式(II)で示される化合物において、Qは、(m+1)価の有機基を表わす。好ましくは、Qは、二価の有機基又は三価の有機基を表わし、より好ましくは、Qは、二価の有機基を表わす。
【0069】
(m+1)価の有機基は、合計1~40個の炭素原子、好ましくは、2~20個の炭素原子を有する基であることができる。有機基は、脂肪族、脂環式もしくは芳香族の部分又はこのような部分の2つ以上の組み合わせを含むことができる。有機基は、2つ以上の脂肪族、脂環式又は芳香族の部分を連結する1つ以上の官能基、例えば、アミド基、エステル基、ウレタン基、尿素基、ケト基、エーテル基、チオエーテル基、カーボナート基又は第三級アミノ基をさらに含むことができる。さらに、有機基は、ヒドロキシル基、ハロゲン原子、C1-6アルキル基、C1-6アルコキシ基、C1-6アルキルチオ基、C6-10アリール基、C6-10アリールオキシ基、C7-14アリールアルキル基又はC7-14アリールアルコキシ基から選択される1つ以上の置換基により置換されている場合がある。
【0070】
好ましくは、(m+1)価の有機基は、脂環式又は芳香族の部分を含むことができ、より好ましくは、(m+1)価の有機基は、芳香族部分を含む。
【0071】
好ましい実施態様では、Qは、下記基:
【化9】

を表わす。
【0072】
式(II)で示される化合物において、mは、1~3の整数である。好ましくは、mは、1~2の整数であり、より好ましくは、mは、1である。
【0073】
式(II)で示される化合物において、R、R及びR10は、同じか又は異なることができ、それぞれ独立して、水素原子又はC1-6アルキル基を表わす。好ましくは、R、R及びR10は、水素原子を表わす。特に好ましい実施態様では、R、R及びR10は3つ共全て、水素原子を表わす。
【0074】
式(II)で示される化合物において、R、R及びR11は、同じか又は異なることができ、それぞれ独立して、水素原子又はC1-6アルキル基を表わす。さらに、式(II)で示される化合物において、2つ以上のRが存在する場合、2つ以上のRは異なる場合がある。式(II)で示される化合物において、2つ以上のRが存在する場合、2つ以上のRは異なる場合がある。式(II)で示される化合物において、2つ以上のR11が存在する場合、2つ以上のR11は異なる場合がある。好ましくは、R、R及びR11は、水素原子を表わす。特に好ましい実施態様では、存在するR、R及びR11部分は全て、水素原子である。
【0075】
特に好ましい実施態様では、式(II)で示される化合物は、ビスフェノールAジグリシジルエーテル(CAS:25068-38-6)又はビス-[4-(-2,3-エポキシプロポキシ)フェニル]-メタン(CAS:9003-36-5)である。
【0076】
一実施態様では、歯根管充填組成物は、下記構造:
【化10】

[式中、
12は、水素又は置換もしくは非置換のC1-18アルキル基、置換もしくは非置換のC3-18シクロアルキル基又は置換もしくは非置換のC7-18アリールアルキル基であり、
13は、二官能性の置換もしくは非置換のC~C18アルキレン基又は置換もしくは非置換のシクロアルキレン基であり、
A’は、アミンと付加反応可能な化合物、例えば、ジエポキシド又はポリエポキシドに由来する部分であり、
cは、整数である]
で示される化合物の中から選択される脂肪族ポリアミンをさらに含む。
【0077】
上記構造の脂肪族ポリアミンにおいて、好ましくは、R12は、水素、置換もしくは非置換のC3-18シクロアルキル基又はC7-18アリールアルキル基である。より好ましくは、R12は、置換もしくは非置換のC3-18シクロアルキル基又は置換もしくは非置換のC7-18アリールアルキル基である。さらに好ましくは、R12は、置換又は非置換のC7-18アリールアルキル基である。特に好ましい実施態様では、R12は、非置換C7-18アリールアルキル基である。
【0078】
上記構造の脂肪族ポリアミンにおいて、好ましくは、R13は、二官能性の置換又は非置換のC~C18アルキレン基であり、より好ましくは、R13は、二官能性の非置換C~C18アルキレン基である。
【0079】
上記構造の脂肪族ポリアミンにおいて、A’は、アミンと付加反応可能な化合物、例えば、ジエポキシド又はポリエポキシドに由来する部分である。好ましくは、A’は、式(II)で示されるジエポキシド又はポリエポキシドとアミンとの付加反応に由来する部分である。より好ましくは、A’は、アミンとジエポキシドである式(II)で示される化合物との付加反応に由来する部分である。
【0080】
好ましい実施態様では、A’は、アミンとジエポキシドである式(II)で示される化合物との付加反応に由来する部分であり、ここで、式(II)で示される化合物において、Qは、下記構造:
【化11】

を表わす。
【0081】
上記構造の脂肪族ポリアミンにおいて、cは、整数である。好ましくは、cは、1~10の整数であり、より好ましくは、cは、2~8の整数であり、さらにより好ましくは、cは、4~6の整数である。
【0082】
一実施態様では、歯根管充填組成物は、少なくとも1種の放射線不透過性微粒子充填剤、好ましくは、少なくとも1種の微粒子充填剤として少なくともCaWOをさらに含む。
【0083】
放射線不透過性微粒子充填剤は、通常、例えば、電子顕微鏡を使用することにより、又はMALVERN Mastersizer SもしくはMALVERN Mastersizer 2000機器により具体化されるような従来のレーザー回折粒径測定法を使用することより測定された場合、0.005~100μm、好ましくは、0.01~40μmの平均粒径を有する。放射線不透過性微粒子充填剤は、異なる平均粒径を有する2つ以上の放射線不透過性微粒子画分の混合物を表わす多峰性の放射線不透過性微粒子充填剤であることができる。また、放射線不透過性微粒子充填剤は、異なる化学組成の粒子の混合物であることもできる。
【0084】
微粒子充填剤又はナノ充填剤の形態にある放射線不透過性充填剤は、亜鉛、イッテルビウム、イットリウム、ガドリニウム、ジルコニウム、ストロンチウム、タングステン、タンタル、トリウム、ニオブ、バリウム、ビスマス、モリブデン及びランタン金属、それらの合金、それらの有機金属錯体、それらの酸化物、硫酸塩、炭酸塩、ハロゲン化物、オキシハロゲン化物、次硝酸塩、タングステン酸塩及び炭化物、ヨウ素及び無機ヨウ化物のいずれかから、単独又は組み合わせのいずれかで選択することができる。好ましい実施態様では、放射線不透過性充填剤は、三酸化ビスマス、炭酸ビスマス、オキシ塩化ビスマス、次硝酸ビスマス、酸化ジルコニウム、硫酸バリウム、タングステン酸バリウム及びタングステン酸カルシウムのいずれかから、単独又は組み合わせのいずれかで選択される。さらにより好ましい実施態様では、放射線不透過性充填剤は、タングステン酸バリウム及びタングステン酸カルシウムから、単独又は組み合わせのいずれかで選択される。好ましくは、放射線不透過性充填剤は、タングステン酸カルシウムである。
【0085】
本発明の歯科用組成物は、組成物全体の重量に基づいて、好ましくは、1~85重量%、より好ましくは、40~85重量%、さらにより好ましくは、40~70重量%の放射線不透過性微粒子充填剤を含む。
【0086】
未硬化組成物の粘度及びチキソトロピー性並びに硬化した組成物の物理的特性を、充填剤のサイズ及び表面積を変化させることにより制御することができる。
【0087】
充填剤を1種以上のシラン化剤で表面処理することができる。好ましいシラン化剤は、少なくとも1つの重合性二重結合及び水で容易に加水分解する少なくとも1つの基を有するものを含む。このような薬剤の例は、3-メタクリルオキシプロピルトリメトキシシラン、3-メタクリルオキシプロピルジメトキシ-モノクロロシラン、3-メタクリルオキシプロピルジクロロモノメトキシシラン、メタクリルオキシプロピルトリクロロシラン、3-メタクリルオキシプロピルジクロロモノメチルシラン、3-メタクリルオキシプロピルモノクロロジメチルシラン又は2,3-エポキシプロピルトリメトキシシラン、アミノプロピルトリメトキシシラン、メルカプトプロピルトリメトキシシラン及びそれらの混合物を含む。
【0088】
また、本発明は、歯内疾患の治療又は予防のための、このような本発明の歯根管充填組成物の使用も請求する。
【0089】
さらに、本発明の目的は、第1のペーストと第2のペーストとを含む貯蔵安定な2液歯根管充填組成物であって、歯根管充填組成物が請求項1~13のいずれか一つに定義されるとおりの組成物である、2液歯根管充填組成物によっても解決される。
【0090】
第1のペーストと第2のペーストとの間の粘度の小さな差により、第1のペーストと第2のペーストとの十分な混和性がもたらされ、したがって、2液歯根管充填組成物の使用中の取り扱い問題を回避することができることが見出された。さらに、このような2液歯根管充填組成物は、優れた貯蔵安定性を示すことが見出された。
【0091】
その好ましい実施態様では、貯蔵安定な2液歯根管充填組成物は、二重チャンバカートリッジ内に提供され、ここで、前記二重チャンバカートリッジは、ポリマー材料製、好ましくは、ポリプロピレン又はポリブチレンテレフタラート製、特に好ましくは、ポリブチレンテレフタラート製である。
【0092】
ポリブチレンテレフタラートから二重チャンバカートリッジを製造するのが特に好ましく、ポリブチレンテレフタラートは、可能性のある酸素移動に対して、及び特に、アミンペースト組成物の着色成分のチャンバ材料への移動に対して、2つのチャンバの(ポリプロピレンと比較して)一般的に優れたバリア特性を提供する。
【0093】
一実施態様では、少なくとも1種のジエポキシド又はポリエポキシドは、23℃で30Pa*s未満の動粘度を有する。
【0094】
一実施態様では、歯根管充填組成物は、25時間未満、好ましくは、20時間未満、より好ましくは、16時間未満のゲル化時間を有する。
【0095】
一実施態様では、歯根管充填組成物は、38~80℃、好ましくは、39~60℃、より好ましくは、40~50℃の範囲のガラス転移点Tを有する。
【0096】
このため、本発明は、歯根管充填組成物の一部として第一級モノアミンの適切な代替物を提供する問題に対処し、これにより、硬化速度論、熱機械的挙動及び取り扱い特性(流動性、膜厚)に関して、特徴的なAH Plusペーストの特性を模倣することが可能となる。
【0097】
下記非限定的な実施例は、本発明の実施態様を例証し、本発明の理解を容易にするために提供されるが、本発明の範囲を限定することを意図するものではない。本発明の範囲は、本明細書に添付された特許請求の範囲により定義される。
【実施例
【0098】
実施例
材料
4-tert-ブチルシクロヘキシルアミンをabcrから入手した。2-(3-メチルブチル)シクロペンタン-1-アミン、シクロペンチルアミン、シクロヘプチルアミン及びシクロオクチルアミンをSigma Aldrichから購入した。1-アミノインダン及び4-メチルシクロヘキシルアミンをTCI Germanyから入手した。1-アミノテトラリン(1,2,3,4-テトラヒドロ-1-ナフチルアミン)をCarboSynth Limitedから購入した。全ての他の化学物質を一般的な化学物質供給元から購入した。SICOVIT(登録商標)(Yellow 10 E 172)をSimon und Werner GmbHから購入した。TCDは、下記式:
【化12】

で示されるTCDジアミンを表わす。
【0099】
方法
ゲル化時間測定
アミンペースト及びエポキシドペーストを、スパチュラを使用して混合プレート上で混合した(mアミン/mエポキシド混合比は、各適用例について与えられる)。均質なペースト-ペースト混合物が達成されるまで、混合を30秒間適用した。個々のペーストの各質量を±0.0001gの精度で天秤により測定した。ペースト-ペースト混合物 約1mLを、ラウンドカットプラスチック蓋及びガラス棒を備えたガラスバイアル(10mL)に移した。ガラス棒は、ペースト混合物と接触している必要がある。バイアルを、温度制御[ΔT=±1℃、湿度=30~50%]で37℃(t0)の人工気候室に入れた。ゲル化は、ガラス棒の回転がもはや不可能である時に達成された(tゲル化)。
【0100】
DSC測定
DSC(示差走査熱量測定)サンプルを、上記セクション(ゲル化時間測定)に記載されるように調製し、人工気候室[ΔT=±1℃、湿度=30~50%]中において、37℃で2週間硬化させた。Sartorius Analytical Balanceで、硬化したサンプルを4.5~5.5mgの個々の質量に分割し、DSC特性決定用のアルミニウムるつぼ(直径:6mm)に移した。測定を、加熱及び冷却サイクルのために30K/分の熱流を使用するDSC 204 F1 Phoenix(Netzsch-Geratebau GmbH)で行った。分析を、ソフトウェアNetsch Measurement, Netsch ASC Manager(自動サンプリング)、Netsch Proteus(分析)を使用して行った。
【0101】
ペースト配合物
AH Plus参照
AH Plusアミン(バッチ1807000639)及びAH Plusエポキシドペースト(バッチ1807000260)をmエポキシド/mアミン=0,8645の比で混合した。混合ペーストは、15時間未満のゲル化時間(上記された方法)、22mmの流動性(ISO6876:2012による)、17±2μmの膜厚(ISO6876:2012による)を示す。
【0102】
AH Plusエポキシド(バッチ1807000260)及びAH Plusアミン(バッチ1807000785)を混合し(mエポキシド/mアミン=0,8645、ASO3-153-01)、37℃で2週間硬化させた後、45.5±1.4℃(DSC、MAW1-05-01)のガラス転移点を示した。
【0103】
適用例1-ペーストA.1
アミンペーストA1(SAR5-45-01)の調製
2-(3-メチルブチル)シクロペンタン-1-アミン
【化13】

2-(3-メチルブチル)シクロペンタン-1-アミン(0.4939g、3.1807mmol)、N,N’-ジベンジル-5-オキサノナンジアミン-1,9(OPC-91;1.1125g、3.2671mmol)、TCD-アミン(0.0649g、0.3340mmol)、CaWO(6.4223g)、ZrO(1.6080g)、Aerosil(登録商標)200(0.1955g)及びBaysilone M-500(0.1051g)をスピードミキサー容器に移し、2150rpmで5分間混合した。ペーストをスパチュラにより手作業で混合し、続けて、別のスピードミキサー運転(1分、2150rpm)をして、均質な白色のペーストを与えた。
【0104】
エポキシドペーストA1(SAR5-44-01)の調製
ビスフェノールAジグリシジルエーテル(2.5738g、13.834mmol当量 エポキシド)及びビスフェノールFジグリシジルエーテル(0.3286g、1.955mmol当量 エポキシド)、CaWO(5.6472g)、ZrO(1.4128g)、Aerosil(登録商標)200(0.0286g)及びSICOVIT(登録商標)(Yellow 10 E172)(0.0151g)をスピードミキサー容器に移し、2150rpmで5分間混合した。ペーストをスパチュラにより手作業で混合し、続けて、別のスピードミキサー運転(1分、2150rpm)をして、均質な淡黄色のペーストを与えた。
【0105】
エポキシドペーストA1及びアミンペーストA1を1.0000:1.1103 m(エポキシドペースト)/m(アミンペースト)の比で混合した。37℃でのゲル化時間は、15時間20分(SAR5-50-01)、流動性(ISO6876:2012による):21.2mm(SAR5-51-01)、膜厚(ISO6876:2012による):10μm(SAR5-52-01)であった。ガラス転移点(37℃で2週間硬化):45.8℃(MAW1-15-01)。
【0106】
適用例2-ペーストA.2
アミンペーストA2(SAR5-14-01)の調製
1-アミノインダン
【化14】

1-アミノインダン(0.7424g、5.5740mmol)、OPC-91(1.6697g、4.9034mmol)、TCD-アミン(0.0997g、0.5131mmol)、CaWO(9.6343g)、ZrO(2.4116g)、Aerosil(登録商標)200(0.2925g)及びBaysilone M-500(0.1573g)をスピードミキサー容器に移し、2150rpmで5分間混合した。ペーストをスパチュラにより手作業で混合し、続けて、別のスピードミキサー運転(1分、2150rpm)をして、均質な白色のペーストを与えた。
【0107】
エポキシドペーストA2(SAR5-13-01)の調製
ビスフェノールAジグリシジルエーテル(3.8613g、20.7545mmol当量 エポキシド)及びビスフェノールFジグリシジルエーテル(0.4953g、2.9470mmol当量 エポキシド)、CaWO(8.4719g)、ZrO(2.1168g)、Aerosil(登録商標)200(0.0431g)及びSICOVIT(登録商標)(Yellow 10 E172)(0.0217g)をスピードミキサー容器に移し、2150rpmで5分間混合した。ペーストをスパチュラにより手作業で混合し、続けて、別のスピードミキサー運転(1分、2150rpm)をして、均質な淡黄色のペーストを与えた。
【0108】
エポキシドペーストA2及びアミンペーストA2を1.0000:1.0335 m(エポキシドペースト)/m(アミンペースト)の比で混合した。37℃でのゲル化時間は、14時間5分(SAR5-29-02)、流動性(ISO6876:2012による):23.0mm(SAR5-25-01)、膜厚(ISO6876:2012による):17μm(SAR5-27-02)であった。ガラス転移点(37℃で2週間硬化):47.3℃(MAW1-16-01)。
【0109】
適用例3-ペーストA.3
アミンペーストA3(SAR5-24-01)の調製
シクロペンチルアミン
【化15】

シクロペンチルアミン(0.7400g、8.6905mmol)、OPC-91(1.6679g、4.8981mmol)、TCD-アミン(0.0996g、0.5126mmol)、CaWO(9.6335g)、ZrO(2.4128g)、Aerosil(登録商標)200(0.2921g)及びBaysilone M-500(0.1618g)をスピードミキサー容器に移し、2150rpmで5分間混合した。ペーストをスパチュラにより手作業で混合し、続けて、別のスピードミキサー運転(1分、2150rpm)をして、均質な白色のペーストを与えた。
【0110】
エポキシドペーストA3(SAR5-23-01)の調製
ビスフェノールAジグリシジルエーテル(3.8610g、20.7588mmol当量 エポキシド)及びビスフェノールFジグリシジルエーテル(0.4874g、2.9000mmol当量 エポキシド)、CaWO(8.4700g)、ZrO(2.1176g)、Aerosil(登録商標)200(0.0423g)及びSICOVIT(登録商標)(Yellow 10 E172)(0.0211g)をスピードミキサー容器に移し、2150rpmで5分間混合した。ペーストをスパチュラにより手作業で混合し、続けて、別のスピードミキサー運転(1分、2150rpm)をして、均質な淡黄色のペーストを与えた。
【0111】
エポキシドペーストA3及びアミンペーストA3を1.0000:0.8110 m(エポキシドペースト)/m(アミンペースト)の比で混合した。37℃でのゲル化時間は、14時間5分(SAR5-30-04)、流動性(ISO6876:2012による):21.8mm(SAR5-27-01)、膜厚(ISO6876:2012による):9μm(SAR5-29-02)であった。ガラス転移点(37℃で2週間硬化):41.8℃(MAW1-16-01)。
【0112】
適用例4-ペーストA.4
アミンペーストA4(SAR5-47-01)の調製
4-tert-ブチルシクロヘキシルアミン
【化16】

4-tert-ブチルシクロヘキシルアミン(0.7418g、4.7766mmol)、OPC-91(1.6694g、4.9025mmol)、TCD-アミン(0.0967g、0.4977mmol)、CaWO(9.6333g)、ZrO(2.4126g)、Aerosil(登録商標)200(0.2925g)及びBaysilone M-500(0.1568g)をスピードミキサー容器に移し、2150rpmで5分間混合した。ペーストをスパチュラにより手作業で混合し、続けて、別のスピードミキサー運転(1分、2150rpm)をして、均質な白色のペーストを与えた。
【0113】
エポキシドペーストA4(SAR5-46-01)の調製
ビスフェノールAジグリシジルエーテル(3.8611g、20.7534mmol当量 エポキシド)及びビスフェノールFジグリシジルエーテル(0.4905g、2.9185mmol当量 エポキシド)、CaWO(8.4705g)、ZrO(2.1155g)、Aerosil(登録商標)200(0.0422g)及びSICOVIT(登録商標)(Yellow 10 E172)(0.0207g)をスピードミキサー容器に移し、2150rpmで5分間混合した。ペーストをスパチュラにより手作業で混合し、続けて、別のスピードミキサー運転(1分、2150rpm)をして、均質な淡黄色のペーストを与えた。
【0114】
エポキシドペーストA4及びアミンペーストA4を1.0000:1.1104 m(エポキシドペースト)/m(アミンペースト)の比で混合した。37℃でのゲル化時間は、15時間20分(SAR5-50-02)、流動性(ISO6876:2012による):20.0mm(SAR5-51-02)、膜厚(ISO6876:2012による):9μm(SAR5-52-02)であった。ガラス転移点(37℃で2週間硬化):44.9℃(MAW1-17-01)。
【0115】
適用例5-ペーストA.5
アミンペーストA5(SAR5-18-01)の調製
4-メチルシクロヘキシルアミン
【化17】

4-メチルシクロヘキシルアミン(0.7409g、6.5451mmol)、OPC-91(1.6699g、4.9040mmol)、TCD-アミン(0.0960g、0.4941mmol)、CaWO(9.6338g)、ZrO(2.4121g)、Aerosil(登録商標)200(0.2928g)及びBaysilone M-500(0.1578g)をスピードミキサー容器に移し、2150rpmで5分間混合した。ペーストをスパチュラにより手作業で混合し、続けて、別のスピードミキサー運転(1分、2150rpm)をして、均質な白色のペーストを与えた。
【0116】
エポキシドペーストA5(SAR5-17-01)の調製
ビスフェノールAジグリシジルエーテル(3.8624g、20.7604mmol当量 エポキシド)及びビスフェノールFジグリシジルエーテル(0.4893g、2.9113mmol当量 エポキシド)、CaWO(8.4702g)、ZrO(2.1175g)、Aerosil(登録商標)200(0.0422g)及びSICOVIT(登録商標)(Yellow 10 E172)(0.0215g)をスピードミキサー容器に移し、2150rpmで5分間混合した。ペーストをスパチュラにより手作業で混合し、続けて、別のスピードミキサー運転(1分、2150rpm)をして、均質な淡黄色のペーストを与えた。
【0117】
エポキシドペーストA5及びアミンペーストA5を1.0000:0.9518 m(エポキシドペースト)/m(アミンペースト)の比で混合した。37℃でのゲル化時間は、14時間5分(SAR5-30-01)、流動性(ISO6876:2012による):21.2mm(SAR5-26-01)、膜厚(ISO6876:2012による):14μm(SAR5-28-01)であった。ガラス転移点(37℃で2週間硬化):42.6℃(MAW1-18-01)。
【0118】
適用例6-ペーストA.6
アミンペーストA6(SAR5-20-01)の調製
シクロヘプチルアミン
【化18】

シクロヘプチルアミン(0.7415g、6.5504mmol)、OPC-91(1.6683g、4.8993mmol)、TCD-アミン(0.0949g、0.4884mmol)、CaWO(9.6321g)、ZrO(2.4120g)、Aerosil(登録商標)200(0.2935g)及びBaysilone M-500(0.1585g)をスピードミキサー容器に移し、2150rpmで5分間混合した。ペーストをスパチュラにより手作業で混合し、続けて、別のスピードミキサー運転(1分、2150rpm)をして、均質な白色のペーストを与えた。
【0119】
エポキシドペーストA6(SAR5-19-01)の調製
ビスフェノールAジグリシジルエーテル(3.8620g、20.7583mmol当量 エポキシド)及びビスフェノールFジグリシジルエーテル(0.4889g、2.9090mmol当量 エポキシド)、CaWO(8.4718g)、ZrO(2.1182g)、Aerosil(登録商標)200(0.0427g)及びSICOVIT(登録商標)(Yellow 10 E172)(0.0221g)をスピードミキサー容器に移し、2150rpmで5分間混合した。ペーストをスパチュラにより手作業で混合し、続けて、別のスピードミキサー運転(1分、2150rpm)をして、均質な淡黄色のペーストを与えた。
【0120】
エポキシドペーストA6及びアミンペーストA6を1.0000:0.9518 m(エポキシドペースト)/m(アミンペースト)の比で混合した。37℃でのゲル化時間は、14時間5分(SAR5-30-02)、流動性(ISO6876:2012による):21.8mm(SAR5-26-02)、膜厚(ISO6876:2012による):13μm(SAR5-28-02)であった。ガラス転移点(37℃で2週間硬化):42.6℃(MAW1-18-01)。
【0121】
適用例7-ペーストA.7
アミンペーストA7(SAR5-22-01)の調製
シクロオクチルアミン
【化19】

シクロオクチルアミン(0.7415g、5.8280mmol)、OPC-91(1.6677g、4.8975mmol)、TCD-アミン(0.0981g、0.5049mmol)、CaWO(9.6344g)、ZrO(2.4145g)、Aerosil(登録商標)200(0.2926g)及びBaysilone M-500(0.1583g)をスピードミキサー容器に移し、2150rpmで5分間混合した。ペーストをスパチュラにより手作業で混合し、続けて、別のスピードミキサー運転(1分、2150rpm)をして、均質な白色のペーストを与えた。
【0122】
エポキシドペーストA7(SAR5-21-01)の調製
ビスフェノールAジグリシジルエーテル(3.8611g、20.7534mmol当量 エポキシド)及びビスフェノールFジグリシジルエーテル(0.4916g、2.9250mmol当量 エポキシド)、CaWO(8.4713g)、ZrO(2.1185g)、Aerosil(登録商標)200(0.0421g)及びSICOVIT(登録商標)(Yellow 10 E172)(0.0225g)をスピードミキサー容器に移し、2150rpmで5分間混合した。ペーストをスパチュラにより手作業で混合し、続けて、別のスピードミキサー運転(1分、2150rpm)をして、均質な淡黄色のペーストを与えた。
【0123】
エポキシドペーストA7及びアミンペーストA7を1.0000:1.0105 m(エポキシドペースト)/m(アミンペースト)の比で混合した。37℃でのゲル化時間は、14時間5分(SAR5-30-03)、流動性(ISO6876:2012による):20.5mm(SAR5-26-03)、膜厚(ISO6876:2012による):8μm(SAR5-28-03)であった。ガラス転移点(37℃で2週間硬化):44.2℃(MAW1-19-01)。
【0124】
適用例8-ペーストA.8
アミンペーストA8(SAR5-49-01)の調製
1-アミノテトラリン
【化20】

1-アミノテトラリン(0.7412g、5.0346mmol)、OPC-91(1.6706g、4.9060mmol)、TCD-アミン(0.0967g、0.4977mmol)、CaWO(9.6336g)、ZrO(2.4132g)、Aerosil(登録商標)200(0.2924g)及びBaysilone M-500(0.1574g)をスピードミキサー容器に移し、2150rpmで5分間混合した。ペーストをスパチュラにより手作業で混合し、続けて、別のスピードミキサー運転(1分、2150rpm)をして、均質な白色のペーストを与えた。
【0125】
エポキシドペーストA8(SAR5-48-01)の調製
ビスフェノールAジグリシジルエーテル(3.8616g、20.7561mmol当量 エポキシド)及びビスフェノールFジグリシジルエーテル(0.4871g、2.8982mmol当量 エポキシド)、CaWO(8.4709g)、ZrO(2.1180g)、Aerosil(登録商標)200(0.0426g)及びSICOVIT(登録商標)(Yellow 10 E172)(0.0220g)をスピードミキサー容器に移し、2150rpmで5分間混合した。ペーストをスパチュラにより手作業で混合し、続けて、別のスピードミキサー運転(1分、2150rpm)をして、均質な淡黄色のペーストを与えた。
【0126】
エポキシドペーストA8及びアミンペーストA8を1.0000:1.0838 m(エポキシドペースト)/m(アミンペースト)の比で混合した。37℃でのゲル化時間は、15時間20分(SAR5-50-03)、流動性(ISO6876:2012による):20.3mm(SAR5-51-03)、膜厚(ISO6876:2012による):8μm(SAR5-52-03)であった。ガラス転移点(37℃で2週間硬化):48.9℃(MAW1-19-01)。
【0127】
適用例9-ペーストB.1
エポキシドペーストB1の調製
ビスフェノールAジグリシジルエーテル(8.1214g)及びビスフェノールFジグリシジルエーテル(1.0264g)をスピードミキサー容器に移し、2150rpmで5分間混合した。CaWO4 グレードB(10.3636g)及びCaWO4(10.3636g)、Aerosil(登録商標)200(0.086g)及びSICOVIT(登録商標)(Yellow 10 E172)(0.0456g)を加え、スピード混合を適用した(5分、2150rpm)。ペーストをスパチュラにより手作業で混合し、続けて、別のスピードミキサー運転(3分、2150rpm)をして、均質な淡黄色のペーストを与えた。
【0128】
アミンペーストB1の調製
1-アミノテトラリン(1,2,3,4-テトラヒドロ-1-ナフチルアミン)(1.3475g)、N,N’-ジベンジル-5-オキサノナンジアミン-1,9(OPC-91)(3.0498g)及びIPDA(イソホロンジアミン)(0.1606g)をスピードミキサー容器に移し、2150rpmで5分間混合した。CaWO4(24.5433g)、Aerosil(登録商標)200(0.5839g)及びBaysilone M-500(0.3186g)を加え、スピード混合を適用した(5分、2150rpm)。ペーストをスパチュラにより手作業で混合し、続けて、別のスピードミキサー運転(3分、2150rpm)をして、均質な白色のペーストを与えた。
【0129】
ペーストB1の混合
アミンペーストA1及びエポキシドペーストA1をmエポキシド/mアミン=0,8070の比で混合した。混合ペーストは、15時間未満のゲル化時間、21mmの流動性、13mmの膜厚(全てISO6876による)及び45±2℃(DSC、37℃で2週間硬化させた後)のガラス転移点を示す。
【0130】
適用例10-ペーストB.2
エポキシドプレミックスの調製
エポキシド樹脂及びセルロースエステル/エーテルを40~100℃の温度範囲で分散させる。透明な樹脂を10分~10時間以内に達成することができる。分注を促進するために、Ultra-turrax撹拌を使用することができる。
【0131】
エポキシドプレミックス1
例として:ビスフェノールAジグリシジルエーテル(25.740g)及びビスフェノールFジグリシジルエーテル(3.250g)並びに酢酸酪酸セルロース(0.075g、CAS9004-36-8、Mn=70kg/mol)を、上記手法を使用して混合して、各エポキシドプレミックス(粘度:23Pa*s[23℃])を形成する。
【0132】
エポキシドペーストB2の調製
エポキシドプレミックス1(4.349g)及びCaWO4(10.589g)、Aerosil(登録商標)200(0.042g)及びSICOVIT(登録商標)(Yellow 10 E172)(0.021g)を加え、スピード混合を適用した(5分、2150rpm)。ペーストをスパチュラにより手作業で混合し、続けて、別のスピードミキサー運転(3分、2150rpm)をして、均質な淡黄色のペーストを与えた。
【0133】
アミンプレミックスの調製
アミン樹脂及びセルロースエーテルを40~120℃の温度範囲で分散させる。透明な樹脂を10分~12時間以内に達成することができる。分注を促進するために、Ultra-turrax撹拌を使用することができる。
【0134】
アミンプレミックス1
例として:4-tert-ブチルシクロヘキシルアミン(CAS5400-88-4)(4.941g)、N,N’-ジベンジル-5-オキサノナンジアミン-1,9(OPC-91)(11.119g)及びTCD(0.635g)並びにエチルセルロース(0.075g、CAS9004-57-3、10cP[トルエン/エタノール 80:20中の5%])を、上記された手法を使用して混合して、各エポキシドプレミックス(粘度:0.07Pa*s[23℃])を形成する。
【0135】
アミンペーストB2の調製
アミンプレミックス1(2.504g)及びCaWO4(12.046g)、Aerosil(登録商標)200(0.270g)及びBaysilone M-500(0.180g)を加え、スピード混合を適用した(5分、2150rpm)。ペーストをスパチュラにより手作業で混合し、続けて、別のスピードミキサー運転(3分、2150rpm)をして、均質な白色のペーストを与えた。
【0136】
ペーストB2の混合
アミンペーストB2及びエポキシドペーストB2をmエポキシド/mアミン=1.000:1.110の比で混合した。混合ペーストは、15時間未満のゲル化時間、22mmの流動性、16mmの膜厚(全てISO6876による)及び44±2℃(DSC、37℃で2週間硬化させた後)のガラス転移点を示す。
【0137】
適用例11-ペーストB.3
エポキシドペーストB3の調製
エポキシドプレミックス1(4.349g)及びCaWO4(10.589g)、Aerosil R202(0.042g)及びSICOVIT(登録商標)(Yellow 10 E172)(0.021g)を加え、スピード混合を適用した(5分、2150rpm)。ペーストをスパチュラにより手作業で混合し、続けて、別のスピードミキサー運転(3分、2150rpm)をして、均質な淡黄色のペーストを与えた。
【0138】
アミンペーストB3の調製
アミンプレミックス1(2.504g)及びCaWO4(12.046g)、Aerosil(登録商標)200(0.270g)及びBaysilone M-500(0.180g)を加え、スピード混合を適用した(5分、2150rpm)。ペーストをスパチュラにより手作業で混合し、続けて、別のスピードミキサー運転(3分、2150rpm)をして、均質な白色のペーストを与えた。
【0139】
ペーストB3の混合
アミンペーストB3及びエポキシドペーストB3をmエポキシド/mアミン=1.000:1.110の比で混合した。混合ペーストは、15時間未満のゲル化時間、22mmの流動性、16mmの膜厚(全てISO6876による)及び45±2℃(DSC、37℃で2週間硬化させた後)のガラス転移点を示す。
【0140】
適用例12-ペーストB.4
エポキシドペーストB4の調製
エポキシドプレミックス1(4.349g)及びCaWO4(10.589g)、Aerosil 200(0.042g)及びSICOVIT(登録商標)(Yellow 10 E172)(0.021g)を加え、スピード混合を適用した(5分、2150rpm)。ペーストをスパチュラにより手作業で混合し、続けて、別のスピードミキサー運転(3分、2150rpm)をして、均質な淡黄色のペーストを与えた。
【0141】
アミンプレミックス2
1-アミノテトラリン(CAS2217-40-5)(4.941g)、N,N’-ジベンジル-5-オキサノナンジアミン-1,9(OPC-91)(11.119g)及びIPDA(0.635g)並びにエチルセルロース(0.075g、CAS9004-57-3、10cP[トルエン/エタノール 80:20中の5%])を、上記された手法を使用して混合して、各エポキシドプレミックス(粘度:0.08Pa*s[23℃])を形成する。
【0142】
アミンペーストB4の調製
アミンプレミックス2(2.504g)及びCaWO4(12.046g)、Aerosil(登録商標)200(0.270g)及びBaysilone M-500(0.180g)を加え、スピード混合を適用した(5分、2150rpm)。ペーストをスパチュラにより手作業で混合し、続けて、別のスピードミキサー運転(3分、2150rpm)をして、均質な白色のペーストを与えた。
【0143】
ペーストB4の混合
アミンペーストB4及びエポキシドペーストB4をmエポキシド/mアミン=1.000:1.070の比で混合した。混合ペーストは、15時間未満のゲル化時間、22mmの流動性、16mmの膜厚(全てISO6876による)及び47±2℃(DSC、37℃で2週間硬化させた後)のガラス転移点を示す。
【0144】
適用例13-ペーストB.5
エポキシドペーストB5の調製
ビスフェノールAジグリシジルエーテル(3.861g)及びビスフェノールFジグリシジルエーテル(0.488g)をスピードミキサー容器に移し、2150rpmで5分間混合した。CaWO4(10.3636g)及びAerosil R202(0.042g)及びSICOVIT(登録商標)(Yellow 10 E172)(0.021g)を加え、スピード混合を適用した(5分、2150rpm)。ペーストをスパチュラにより手作業で混合し、続けて、別のスピードミキサー運転(3分、2150rpm)をして、均質な淡黄色のペーストを与えた。
【0145】
アミンペーストB5の調製
1-アミノテトラリン(1,2,3,4-テトラヒドロ-1-ナフチルアミン)(0.741g)、N,N’-ジベンジル-5-オキサノナンジアミン-1,9(OPC-91)(1.668g)及びIPDA(イソホロンジアミン)(0.095g)をスピードミキサー容器に移し、2150rpmで5分間混合した。CaWO4(12.046g)、Aerosil(登録商標)200(0.270g)及びBaysilone M-500(0.180g)を加え、スピード混合を適用した(5分、2150rpm)。ペーストをスパチュラにより手作業で混合し、続けて、別のスピードミキサー運転(3分、2150rpm)をして、均質な白色のペーストを与えた。
【0146】
ペーストB5の混合
アミンペーストB5及びエポキシドペーストB5をmエポキシド/mアミン=1.000:1.070の比で混合した。混合ペーストは、15時間未満のゲル化時間、23mmの流動性、13mmの膜厚(全てISO6876による)及び46±2℃(DSC、37℃で2週間硬化させた後)のガラス転移点を示す。
【0147】
本明細書に記載された実施態様は、単に例示的なものであり、当業者であれば、本発明の精神及び範囲から逸脱することなく、多くの変形及び修正を行うことができると理解されたい。上記検討されたものを含む全てのこのような変形及び修正は、添付の特許請求の範囲により定義される本発明の範囲内に含まれることが意図される。
【国際調査報告】